創作と鑑賞の談話室

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1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/01 (Sun) 00:13:24

あけましておめでとうございます。
2017年になりましたね。昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。
それでは、本年最初の1月の雑談スレッド、よろしくお願いします。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/01 (Sun) 09:12:10

あけおめ、ことよろです。
昨年は、こちらでは大変お世話になりました。

今年も作品へのハマり具合によるとは思いますが、いろいろ追跡感想や考察、懐古話など互いに楽しんで行ければ、と考えております。

今回は特にネタがないので挨拶だけになりますが、また今週末から絶狼が始まり、オルフェンズも放送されるので、そこから感想初めに参るつもり。
ではでは。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/01 (Sun) 10:05:16

 NOVAさん、あけましておめでとうございます。

 今年におそらく面白さが確定なTVシリーズは、牙狼シリーズの絶狼新作、継続で鉄血のオルフェンズですね。絶狼は期待の実写特撮ですし、鋼牙編の第2部の再放映も期待したいところ。

 TVでの映画放映も今年は何があるか気になるところですが、とりあえず昨年末のベイマックスで思うところが多々あり、さらに気合入れて観なおして、感想を書きたいなと思っております。新作映画では、ゴジラのアニメ版も今年が封切予定だったか。

 一昨年末からアニメの呪縛が取れだして、はっと気が付くと、「世の中に面白いフィクション、いっぱいあったんじゃないか」と思えた昨年、かねがねNOVAさんからいろいろご教示のあったホビット&ロードオブザリングでブーストされて、今年はどうなるかなあ、とわくわくするものがあります。

 本年もいろいろご一緒に面白がれるといいなあ、と思いつつ。……早くTVが平常運転にならないかなあ。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/04 (Wed) 14:09:08

 去年の話題の続きにはなりますが。

●ベイマックス

 ベイマックスの録画を再視聴しまして。去年末、(一度)観ての面白さだと、モンスターズインクのほうが上か、と申しましたが、その点はやはり変わらないかもしれません。しかし、二度観るか、二度観て面白いか、と考えると、ベイマックスは何度も観て楽しみが深くなると二度目の視聴で感じたのに対し、モンスターズインクは一度だけだろうと思えます、
 この差、昔々の東映まんが映画で申せば、「モンスターズインク」は「長靴をはいた猫」、「ベイマックス」は「ホルスの大冒険」に対応してそうな感じがします。ホルスの大冒険は、制作陣が会社から「えらいもん作ってくれたな」と苦情半ばに言われたそうです(特にヒロインのヒルダは複雑な心情のキャラクター)。

 そのせいで、ホルスの翌年の長靴をはいた猫では、一切合切を単純化し、見せ場をラスト30分の追っかけっこ大活劇にしたんだそうで。だけど後になって(年齢も上がり)、観返してみたいのはどちらと問われると、ホルスの大冒険だなあと。
(※ 昔の記憶の美化の法則により、当該東映アニメを過剰に評価している点、ご了承ください ^^;)

 聞くところによると、ズートピアというディズニー作品も登場人物(動物?)の台詞のこまごましたところまで注意して考えると、なかなか屈折した深みがあるとのことで、TV放映しないかなあという気がします。個人的にはアナ雪より期待したいかな(人気度の差=買い取り価格の差で、ズートピアが先にTV放映されそうな気もする)。

 いかん、ベイマックスはネタが多くてあれこれ連想してしまい、ついつい寄り道してしまいます。

 NOVAさんのご感想で、まず最初に仰ったのが、日本での公式宣伝ですね。ベイマックス日本公開時などでも、ファンがえらい文句言ってたと思いますが、当時はベイマックスの内容をよく知らず、一応はビッグヒーロー6の前日譚とだけは聞いていたものの、「まあ、そんな売り出し方もあるんだろうな、日本でディズニー映画ということなんだし」くらいに思っていました。本編を実際に視聴すると、そんな宣伝とは全然違うことが実感でき、どうして真剣に怒っている人がいたのか、少し分かっててきました。

 じゃあ私は「ベイマックス」をどう観たんだということになりますが、最も簡潔に申せば「ベイマックスという鏡を見て、不殺の正義に目覚めたヒーロー(たち)」というものになります。

 ストーリーの骨子、見どころなどはNOVAさんの上手い解説に乗っからせて頂くことにしまして(^^;、まず第一のキーポイントは当然ですが、兄タダシの『事故死』ですね。このとき、大学へ入るきっかけとなったキャラハン教授も事故死したと思われていました。ヒロのマイクロボットは劇中の描写からだと、原理など基礎理論部分はキャラハン教授のものだったと見ました。だからヒロは自分の作ったマイクロボットに通じるキャラハン教授にも憧れたし、キャラハン教授は後に明らかになる事故からの脱出にマイクロボットを使うことができた。

 ちょっと遡って、ヒロが大学受験を目指しているシーンですが、実に楽しそうにマイクロボットの開発をしてましたな。いや、真剣に悩んだり、四苦八苦してるんですけど、いわゆる生みの苦しみですし、完成したらどうなるかのイメージを持っていれば、結局は全部楽しくてやっているということになります。

 ヒロは職人気質、エンジニア志向を持っているということですね。この後、ベイマックスを戦闘にも向くよう改造していくシーンでも、ヒロの仲間となったタダシの大学での友人の装備を作るときも、実に嬉しそうです。何か作っているときが一番気分がいい。この点、科学者、特に理論系の人とは異なります。モノの背後にある原理を究めようとするのがサイエンスですから。科学者の知見を引き継いで、モノにしていくのが技術者。ヒロは天職が技術者なんだと思いました。

 ヒロの(タダシを介した)仲間もおおむねエンジニアタイプと見ました。フレッドだけはちょっと違っていますね。この人はユーザーとでも分類しておくべきキャラクターなんですが、ラストでなぜヒーローチームに適していたのか、明らかになる仕掛けがなかなかよかった。フレッドはもしかしたら、チームの中でも随一の天性のヒーローなのかもしれません。そのことを知る前のフレッドには、一抹の寂しさも垣間見えるような気もしました。

 タダシの行跡を振り返ってみると、一番の願いは弟ヒロが、ある意味才能の無駄遣いの自堕落な生活から立ち直ることだったと思います。ケアロボットのベイマックスは弟に見せるために作ったような印象があります。そして、いきなりの大火災に遭遇すると、キャラハン教授を救わなければならないと思い、ヒロを抑えて猛火に突入するも、大爆発が起こり、志半ばにして倒れる。

 事故がもしかしたら何者かの故意、つまり事件かもしれないと思ったヒロは当初はベイマックスを強化し、仲間と協力して犯人を捕まえようとします。しかし途中でキャラハン教授が犯人だと思い込むと、技術の暗黒面に堕ち、ベイマックスの良心にしてタダシの分身とでもいうべきケア用のディスクを抜き、自分が作った戦闘用ディスクのみにして、ベイマックスに教授を殺害するよう命じる。人間保護のプログラムを失ったベイマックスは指示に応じようとする。もちろん、ヒロの仲間が奮起してベイマックスを止めてくれはしたわけですが。

 ヒロが怒りに我を忘れる原因となったのが教授の一言、「余計なことをするからだ」ですね。火事が事故ではなく放火、しかもヒロの発明マイクロボット奪取と疑っていたわけですから、この一言が「俺の計画を邪魔しやがったからだ。死んでざまあみろだ」みたいに聞こえたんでしょう。

 でも、別の解釈も成り立ちます。「私はそのままでも助かったのに、なぜ助けに来たりしたんだ。そのせいで死んじゃったじゃないか」という嘆きだったという解釈です。個人的にはこっちじゃないかと思っています。もしヒロの仲間が教授の一言を聞いていたら、同じように解釈したんじゃないかとも思います。しかし、ヒロは悪意の一言だと思い込んだまま、仲間も自分の邪魔をしたと思い、ついに別れてしまう。

 その後のシーンが良かったですな。ベイマックスが何度か言った、「タダシはここにいます」をまた言い、タダシがベイマックスを試行錯誤してプログラムして、ついに何十度目かについにケアロボットに仕上げる、ベイマックスに保存された記録をヒロが見る。

 たぶん、この時点でヒロは「自分がしたかったのは、(兄から引き継いだ)ベイマックスを最上のものへ仕上げていくことだ」という、自分の素志を再発見したんじゃないでしょうか。ベイマックスを使って、自分の思う通りに暴れまわりたいわけではない。作り込むという作業をすると、どうしても、抜きがたく、愛着が湧いてしまうわけですが、ヒロもベイマックスに強い愛着を持てたことに疑いはありません。そのことはラスト近くで特にあからさまに見せてくれました(尊敬する兄の遺品だからということはあるが、それだけではないことは、前半でのシーンなどから推測できる)。

 そして、転送装置を使っての教授の復讐という大事件を阻止したあと、キャラハン教授の娘の救出劇というクライマックスに至り、ベイマックスを失いつつも、なんとか成功する。この流れ、ヒロの見たタダシがしたこととよく似ています。「大火災からキャラハン教授を一人で救出しようとしたが、タダシ自身が失われる」→「大事件からキャラハン教授の娘をベイマックスと救出しようとしたが、ベイマックスが失われる」ですね。兄タダシは今一歩で及ばず、弟ヒロは完遂した。その相違は、兄タダシがある意味途中まで製作したケアロボットを、ヒロがレスキューロボットとして完成させたベイマックスと一緒に、というものです。

 見事な構成だと思いました。ヒロが兄の意思、遺志を踏襲し、全て完成させたわけですから。

 このようなストーリーが成立するのに、当然ですがベイマックスの存在は不可欠です。事前の公式宣伝などを改めて見直すと、どうもベイマックスを「心優しきロボット」のように扱っていると感じます。でもそうではありません。この話で重要なのは、「ベイマックスには心がない」という点だと思います。

 よく知られた話ですが、現在あるAIで心や自我意識を持てたものはありません。もし持てたら、人工知能研究はほぼ目的達成とすらいっていいんですが、未来永劫無理だという説すらあります。

 ベイマックスをよく観察してみると、彼は非常に機械的に判断し、行動しています。例えば、痛みを判定するのに、1~10で言ってもらわねば分からない。人間の気持ちも、脳内伝達物質などの多寡や神経の興奮状態を見て、パターンに当てはめている模様です。ヒロがベッドと棚の隙間に転んでしまったシーンでは、ベイマックスはヒロの上に次々と落ちる物=痛いの原因に手出しをすることはせず、単に診断と指示待ちです。ケアプログラム&データのみに従い、その他のことは発想すらできない。

 ただ、一応の学習機能はあるようで、そのことがストーリーの発展につながっていますね。ヒロ視点では(AIに対した人間にはよくあることですが)、ベイマックスが人のような思考と気持ちを持って、あれこれ言ったりしたりしてくれるように思える。ベイマックスは最初にヒロが発した「痛い」に対する終了命令「もう大丈夫」が出るよう作動しますから、ヒロにくっついて行ったり、ヒロが「これが原因」と言った(とベイマックスが誤認した)ものを探しに行ったりするわけですが、ヒロにはこれがペットの犬や猫の行動と似たようなものだと思えるはずです。

 ヒロの前半でのベイマックスに対する愛着があるとすれば、そういったものですね。ロボットなんだけど、人のような、ペットのような存在に感じての愛着。例えば、じゃれついてくる猫に、「仕方ないなあ」などと言いながらも面倒みてしまう感じですね。しかし、物語中盤になると変わってきて、自分が作り込んだ愛着が取って代わるようになる。まあ、道具に対する愛着といったら言い過ぎかもしれませんが、「これは自分のものだ」感が強まっているように見えました。

 その後、兄が苦労してベイマックスをケアロボットに育てていった経緯を知り、ラストでは自己犠牲してでも助けようとするベイマックスに、ヒロは感動する。もう対等な人間の友人という感覚でしょう。

 だけれども、ベイマックスは人間のような気持ちは持っていません。心のないAIロボットです。人間をケアする、というプログラムに従っているにすぎません。「タダシはここにいます」も、落ち込むヒロを心配して上手く励まそうとしたのではなく、単にタダシのデータがあると知らせたにすぎない(タダシというキーワードへの機械的な応答)。ラスト近くの異空間脱出も、おそらくロボット工学3原則に則っていて、「自分を守らなければならない」よりも強い原則の「人間を救わなければならない」に従っただけでしょう。ただし、人間を救うという条件を満たす範囲で自分も守っており、それがロケットパンチに握らせておいたデータディスクですね。

 そのように動作するように設計し、学習させたのはタダシ、その後はヒロということになります。ヒロは別人格のベイマックスが自分を愛してくれているように感じていると思いますが、実際には自分の行動を鏡に映して見ていたも同然と思います。ヒロがそうするから、ベイマックスもそうした。ベイマックスが「心優しいロボット」に見えるのなら、実はヒロが心優しいヒーローだから、ということになりますでしょうか。しかしベイマックスは終始、そんなヒロの気も知らず、己がAIには未知な「人間の気持ち」(=ヒロの「痛い」の部位)をなんとか推測しようと、ずっと試行錯誤をずっと続けていた(途中、ベイマックスがケア終了を提案してヒロに却下されたとき、ベイマックスは神経伝達物質などの判断方法の学習をリセットし、言葉に切り替えたかも、とか妄想は尽きない ^^;)。

 そういう背景も織り込みながら(と解するのは、たぶん制作者の意図と外れているんだろうなあorz)、見事なアクション活劇に仕上がっていることは、かなり凄いなあと感じます。たぶん、また観なおしたくなると、ほぼ確信を持って言えるほどです。

 うーん、どうもうまくまとまりませんでしたが、こんなことを感じましたということで。

P.S.

 ロボットが身を挺して主人を救い、かつ自分が再生できるようデータディスクを渡すって、かなり以前にどっかで観たなあと思いつつも思い出せず、あきらめていたら、ようやく記憶がよみがえってきました。

 ダーディペアTVアニメに出てくるオリジナルキャラ、ロボットのナンモですね。どの話か忘れましたが、自分が自爆することで敵を倒す判断をしたナンモ、内臓のディスクを吐き出すと、主人公のユリとケイに渡します。それを見て、「あ、ナンモの本体はこのデータディスク、これさえあればナンモは再生できる」と理解し、ナンモのボディを送り出して生還、後でナンモのボディを再製作してめでたしめでたしと。

 そのシーン、さらにベイマックスの再生でも思ったんですが、「そのディスク、バックアップはしとらんかったんかい?」と。AI部分はディスクのデータをコピーすれば、いくらでも増やせるわけですし、バックアップがあれば、バックアップした時点からの記録データはないにしても、ほぼ同じものが作り直せるはず。

 でも、ダーディペアでもベイマックスでもそうはしていませんでした。ベイマックスのディスクが何か付属装置込みだったことを考慮すると、なんらかのコピープロテクトが施されていたかもしれません。所有者でもコピーできないような。なぜそんなことをするのか、まで考えてみると、「もし凶悪で狡猾なロボットAIができた場合、それが無制限に増やされたりしないように」などがあるかなと思いました。

Re: 1月のスレッド(2017) - たさくらたすな(元・多砂)

2017/01/08 (Sun) 09:47:53

あけましておめでとうございます

 ご無沙汰してます。多砂改め、たさくらたすなです。
漢字だと、『たさ』と『たすな』で読み方が割れて混沌としてきたのでどちらで呼ばれてもいいよう mixしつつ改名してました。

 近況としては特撮視聴をメインにしつつ最近はドラゴンボール超を観てたりしてます、話によって出来の良い悪いが安定してない感もありますがツボにハマる時はとことん熱い展開に楽しんでたりします。
 個人的にJOJOのような能力系のライバルキャラとの戦いで攻撃の謎を探りながら攻略する悟空は従来のパワーインフラ的な戦いとは一味ちがうので割と今後の展開が楽しみです。

 また、ちょいちょいお邪魔できればいいなと思っています。ではでは

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/08 (Sun) 12:29:43

たさくらたすなさん、あけましておめでとうございます。

 こちらではお久しぶりで、訪問して頂いて、大変に喜んでおります。どうぞ、気が向いたときに遊びに来てください。私としては大歓迎です。お名前が姓名だとすると、たさくら・たすなさん、でいいのかな。

 ドラゴンボール超ですか。日曜午前ですね。ドラゴンボールはフリーザ編は大いに楽しみ、セル編はちょっと同じかなと思いつつも、人造人間たちの関りなどがあって楽しめたものの、ブウ編でちょっと視聴が息切れ、その後のGTは鳥山明氏の原作が終了後だったせいか、今一つかなあと思って、その辺りで追いかけるのをやめてしまいました。

 強さのインフレの単純な繰り返しのような気がしたせいもあります。しかし、観ていない間に従来と違った路線で、熱い展開もありということですか。ちょっと観なおして見ようかな、という気がしてきます。今日のは録画できなかったので、来週からですね。

 いいことを伺えました。ありがとうございます。

Re: 1月のスレッド(2017) - たさくらたすな

2017/01/08 (Sun) 20:23:03

さっそくのお返事どうもです。

>>お名前が姓名だとすると、たさくら・たすなさん、でいいのかな。

『たさ×たすな、たさ+たすな』あたりからもじったので姓名という括りとは違う感じにもなりそうです。その辺呼ばれ方は従来どおり『たさ』でもかまわないといったとこです。(漢字をさけて書き込みやすさを優先する狙いもあったり)
 
 ドラゴンボール超は今はアニメオリジナルでつないでるので作者監修の新シリーズは2月〜3月あたりからだったと思います。バトル展開になる以前の初期の冒険物だったころのオマージュ演出だったりアラレちゃんとコラボする回があったりで頑張ってる回もあるけど作画面含めむらが多いですね。
 個人的には未来トランクス編でインフラが進んだ状態でも未来トランクスの剣をそれなりにうまく使ったのはツボでした、途中敵との攻防の中で剣が折れるんですが折れた剣にみんなの思いが集まって擬似元気玉的なエネルギーソードに変化してトドメ(実際にはさせなかったけど)のフィニッシュを決めたシーンは非常にお気に入りのシーンです。

 現在劇中で最大のライバルは第6宇宙の殺し屋ヒットですが能力的にはジョジョ各シリーズのラスボスの能力をもってるような感じで、昨年末に2話ミニエピソード的な話がありましたがこれも楽しめました、あとは作画がもっとよくなればなぁといったとこです。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/09 (Mon) 12:12:39

初感想に参りました。
とは言え、オルフェンズは本編が来週からで、スペシャル版は未見(私用でリアルタイム視聴はできず)なので、絶狼のみですが。

★絶狼

第1話は、「ヒロインと零の出会い」以外にストーリーが動いておらず、まあ、こんなところかな、と。アクションも牙狼のシリーズとしては普通に及第点で、逆に言えば、特筆するほどではなかった、と(これがハードルの低い戦隊やライダーなら、生身アクションすごい、CGもなかなか、となるのだけど、牙狼シリーズで今さらそれを言ってもね、と)。

でも、まあ、要素別に所感を語ると、

・零
年末の牙狼第1シーズンから十年を経て、大人になった零の姿が、ある意味、特筆するところでしょうか。
十代だったデビューから、年季を重ねて、現在28歳。それでも、まだアラサーかよ、と言いたくなる中年特撮ファンですが、「いきがった若者」から「余裕を感じさせる熟練戦士」への成長が、今回の見どころの一つと言えますね。
鋼牙と違って、斜に構えたっぽい軽口を交えての戦闘スタイルも零の特徴。もちろん、二刀流での変幻自在な剣撃とか、パワーよりもスピーディーな動きが魅力。

・アリス
久々の一般人ヒロインということで、第1作のカオルと対比したくなるわけですが、
画家のカオルに対して、アリスは「カメラで写真を撮る」のが特徴。その意味で、今後も写真を使った演出が見どころになっていきそうなんですが。
女優の演技としては、今作で初デビューという事情もあって、芸達者だったカオルに比べると、素人丸出しですな。ホラーに襲われて、恐怖を感じるべきシーンも、ちっとも怖がっているように見えないし、悲鳴も小さいし、まだまだじゃのう、とダメ出しせざるを得ません。

雨宮監督がオーディションで言ったのは、「演技に期待して、君を選んだわけじゃない」とのこと。
じゃあ、何に期待したのか、と推察すれば、「成長性とか、無垢さとか、かもし出す雰囲気とか」になるのでしょうけど、アリスのキャラ設定として公開されているのは、「好奇心旺盛で、美しいものに惹かれて、危険を気にすることなく飛び込んでいきがち」という点。「綺麗な物を見て、目をキラキラ輝かせて、茫然と見惚れる姿」ってのが、アリスの演技に求められるものと考えれば、第1話の演技は納得できそうです。

カオルの場合は、巻き込まれタイプのヒロインで、自分が日常生活を送っているところに、ホラーが現れて、キャーーッと悲鳴を上げてバタバタする役割が求められた。
アリスの場合は、恐怖に対して、どこか鈍感で、「キャッ」と小さな悲鳴を上げてもリアクションは薄く、その代わり、「自分を助けに来た銀狼を見て、うわあ、綺麗」と怖さも忘れて、耽美風味にひたっちゃう、ある意味、能天気な役割かなあ、と。

まあ、「美しいものを見て、キラキラ目を輝かせる」って言葉では簡単に書けるし、アニメでも目に星を入れたりして描きやすいイメージだけど、実写で演技・演出するとなると非常に難しい描写ですね。
素で、目をキラキラ輝かせる雰囲気が出せる娘、ということなら、「演技ではなくて、天然素材の魅力」ということですから、彼女に対しては、当面、そういう観点で見ていこうかな、と思っています。

次回は、零に対するストーカーみたいになったアリスが、ホラーという闇の魔物について学習しつつ、より深みにはまる流れ。
巻き込まれ型ではなくて、好奇心猫を云々的な物語展開に期待、と。

・ウサギホラー
ウサギの仮面をかぶった男女集団。そして、ボスであるホテルのフロント係も、変身した姿はウサギ。
どうしてウサギなんだ、と思ったら、ヒロインの名前がアリス、で納得。『不思議の国のアリス』ネタですか。ウサギの後を追って、穴に飛び込んで異世界へ、というわけですね。

今後も、アリスネタがあるなら、トランプとか、チェシャ猫とか、ハンプティとか……って、ハンプティって名前のホラーは第1作で既出ですな(轟天初登場回)。

・竜の卵
アリスが探しているアイテムですが、まだ詳細不明ですな。

・竜騎士
深夜の街を人知れず疾走する時代遅れな馬車。
その荷台に封印された男が一人、目覚めて、続く、と。彼が今後の敵役として、物語の中心になっていくことは公開情報の一つ、と。

・魔戒法師
烈伝の第1話から、最終回まで、数多い出演キャラの中でもメインというべき登場回数を誇り、目下のシリーズの魔戒法師の顔とも言うべき立ち位置となった烈花。
以前までは、邪美の妹分というキャラ付けがされていましたが、今作では「元老院所属」という地位に昇格し、成長した姿で描かれます。

代わりに、新キャラとして登場するカゴメが、孤高の魔戒法師ながらいまだ未熟で、烈花との出会いで鍛えられていく模様。烈花が姉貴分で、カゴメが反発しながらも先輩法師として烈花を受け入れる流れが予想されます。

烈花の登場は、おそらく第2話の最後から第3話にかけて、と推測。「元老院の命令で、竜の卵を探し出す」という目的で、零に協力を要請するという序盤のあらすじが公開されています。
おそらく、2話で零とアリスのドタバタ劇。その事件が片付いたところで、烈花が零に接触して、3話に続く流れかなあ、と。

カゴメはどういう形で登場するか分かりませんが、まずは3話までで序盤のシフトが固まるかなあ、と。
ただ、本作は結局、1クール番組で春に終了という情報が確定されました。すると、13話ぐらいしかないので、2月には中盤、結構、早いペースで物語が展開することが予想されます。起承転結に分けても、3話までが起という形でしょうね。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/10 (Tue) 18:02:33

 NOVAさん、どうもです。

 鉄血のオルフェンズ、さあどういう展開かと思ったら、特番。それでも過去のおさらい(一応、30秒だけあったけど)、これからの展開や見どころ紹介だったらよかったんですが、そうじゃなかった。

 芸能人の鉄血ファンと称する人が数人、スタジオでなんか話してるだけ。アトラ役の声優さんも呼んだり、アフレコにお邪魔してちょっと遊んだりもしてたけど、個人的には「だからなんやねん」という回でした。観る必要なし、はよ本編進めてくれ。

●絶狼

 OPがなにやら金銀の鱗のようなもの、ひも状の何か、血液を見せてて、「ああそうか、DRAGON BLOODなんだよね」と再確認した次第。竜騎士が今作の最大の敵、という触れ込みなんでした。

 冒頭から何か大事らしい物体を運んで疾駆する馬車。普通はトラックで運ぶだろう、と思えるわけですが、馬車なのが何かを暗示する印象です。

 続いて、怪しげなホテルにシーンは移り、スイートルームが空いてますと誘って、女性客を案内すると、中にはウサギ仮面のパーティ衣装の男女が多数いて、ということで、のっけからホラーらしきのが複数出現。映画シャイニングをなぜか思い出しました。

 何か起こりそうですよ、という提示の後は、なる、これが今作のヒロインか。写真家のようですが、持ってるカメラがかなり古臭い感じですね。カメラ素人ですが、どうもフィルムカメラの感じがします。牙狼1stのヒロインは画家で、長時間かけてイメージをキャンバスに再現するのに対し、写真家は情景の最高の一瞬を捉えて切り取る。ヒロインの性格の差を演出したいのかな、と思いました。

 案の定のお約束で(^^;、ヒロインも怪しいホテルに泊まりに来る。フロント係のスイートルームへの誘いを言下に断り、卵と称する写真をフロント係に見せて尋ねたりもする。ちらっと今作の焦点となるものを紹介したようですね。

 追いかけるようにして零が登場。しかし、フロント係(ホラーですよね?)は魔戒騎士と見抜いて断る。もっとも、戦闘になることは、既に承知していたみたいで、自らナイフをかざして襲い掛かる、か。展開早いな。

 ヒロインはヒロインで、せっかくスイートルーム断ったのに、興味本位でうろつきまわって、スイートルームに迷い込む。NOVAさんが仰るように、あからさまに怪しい成り行きなのに、表情からして怖がってない。CM直前、「うそでしょ」と言いつつ、足を腰幅に開いて仁王立ち、ウサギ仮面らと正対するもんだから、「あれ、このヒロイン、もしかして魔戒法師で、もう全てお見通しなの?」と勘違いしてしまいました。

 CMが終わると、フロント係と零との戦闘にシーンは戻る。両者とも二刀流ですか。が、不利と見たか、フロント係は2階へ逃走。いや、これはスイートルームへ誘い込もうということなんでしょうね。零が2階へ上がると、素体ホラーがわらわらと、しかし一撃で倒されるザコ敵ですな。零が剣を鳴らしたら、まとめて爆発してしもうた。

 スイートルームのヒロインにシーンは戻り、あれれ、無表情で逃げ回ってるよ。と、この辺りで私も、「この女優さん、演技上手くないんだ」と気が付きました(^^;。ちょっとネット検索してみると、1999年5月生まれ、ということは17歳? うーん、だったらこんなもんなのかも。早くから子役としてやってれば別なんでしょうけど。がしかし、少林寺拳法黒帯などと出て来る。アクションやらせたら、かなりやれるかも。

 藤田玲氏演じる涼邑零、牙狼1stから10年経って、だいぶ印象が変わりましたな。渋くなってきた。牙狼1stだと、いわゆる甘いマスクみたいな印象で、斜めに構えた風な言動が強がりにも聞こえたんですが、今作だとそれが余裕の成せる技という印象になっているようです。ふむ、これなら牙狼で単独主役張るに、充分いけそうだ。

 スイートルームのヒロインが無表情で悲鳴をあげると(^^;、零が乱入。セオリー通りですね。牙狼シリーズとはいえ初回ですし、変化球なしで状況や主要キャラ紹介を兼ねて、話を進めている感じです。

 ウサギ仮面軍団と零の戦闘はなかなかグッドです。魔導火のライターを点火し、放り上げておいてから落ちるまでに全て倒して、ライターをキャッチ、最後にウサギの仮面が床に落ちて消滅、と。上手い具合に時間経過の短さ、一瞬の決着を感じさせてくれてます。

 零とヒロイン、アリスがホテルから逃げ出すと、今回のラスボス、フロント係が登場。な、なぜラッパを吹くんだ、思う間もなく(^^;、巨大化けウサギホラーに変身、零も鎧を召喚して、99.9秒の表示が出る。右下にずっとカウントダウンが出てましたね。銀牙騎士の鎧にはワイヤーの新装備も加わってます。面白い装備だな。ウサギホラーがそこそこ粘るも、戦闘は残り26秒で決着。怪しげなホテルも、浄化されたらしい感じです。

 この様子、ヒロインはずっと見てたわけですね。写真も撮った。ヒロインはさっきのラッパのときに、竜の卵の写真を落とし、零が戦闘後に拾う。これで零とヒロインに因縁ができましたな。

 そしてラストは冒頭に出てきた、何かを運んで疾駆する馬車。満月が照らし、石造りらしき大きな橋を馬車が疾駆し、バックには西洋の古城っぽい建物が。なかなか美しく、印象的な絵です。この絵のために、冒頭から街中では不自然な馬車にしたのかな。運ばれているのは、問題の卵なんでしょうね。中では何かがうごめいていて、なんだろうというところで次週へ。しっかりした作りと感じました。期待できそうです。

 最後まで観てみると、ヒロインのアリスの役どころは「不思議少女」なのかなと思いました。NOVAさんも思われた不思議の国のアリス、私もある程度下敷きになっているような気がしました。監督がヒロイン役の女優さんに演技は期待しないと告げたのは、今回での無表情で逃げ回るみたいに、むしろ演技するな、ということなのかもしれません。勝手に深読みすると、今シリーズで演技していくうちに上手くなるでしょうから、そこを自然とキャラクターの成長として見せる、みたいなこともあるのかなと思いました。

 でも、でもですね、やっぱり不満は感じてしまいますな。やっぱり、なんかドラマから浮いてしまっているように感じます。「いくら不思議少女でも、それはないやろ」みたいな気がしてしまって。烈花、はよ来い(^^;。とはいえ、まだ初回。これからどうなるか、どうするか、という期待が大で、あんまり気にならないのも事実です。

●オールモスト・ヒューマン

 録画予約していて、「あれ、また深夜になんか洋ドラが」と思い、調べてみると、未来で人間の刑事とロボットの刑事がコンビを組んで事件に立ち向かう話らしい。SFならばと録画したのを観てみると、初回のこととて、状況説明、キャラクター紹介的な話でした。

 人間の刑事はロボット嫌いながら、警察の規約でロボットと組まなければならないため、渋々ロボットとコンビを組む。しかし気に入らなくて走行中の車から突き落としてしまい、別の旧式のロボットとコンビを組むことにする。しかし、そのロボットには人工の魂が埋め込まれ、「キレる」くらいの感情も持っている、という設定。

 またネットで調べなおして見ると、1クールで打ち切られてしまった作品ですね。SFは特撮が入る関係上、予算がかかりがちですし、そこへ視聴率が低いとなって、打ち切らたのでしょう。でも熱心なファンもついているようで、局を移してでもの再開の要望が寄せられているんだとか。

 この先どうなん、と思って感想サイトを読んでみると、ネガティブ、ポジティブ、両方がありました。ポジティブのほうは、面白かった、なんですけど、ネガティブのほうが分析をしていました。その意見によれば、せっかくロボットと人間のコンビにした割に、そこを活かしたドラマ作りができてなくて、アクションばかりを追っていたとのこと。

 なるほどな、という感じはあります。2話以降もとりあえず視聴してみるつもりです。もし面白みなどを感じたら、感想を書いてみるかもしれません。

 こちらの公式サイトから第1話無料視聴へ飛べます。もしご興味があれば。

http://wwws.warnerbros.co.jp/kaidora/almosthuman/

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/15 (Sun) 01:07:06

オルフェンズは、また後日にして、先に絶狼と他の話。

★絶狼

2話目。
最後に烈花が出るかな、と思っていたら、彼女ではなく、新キャラのカゴメが登場しましたね。
謎の馬車の御者とは顔見知り(おそらく兄)で、それを止めるべく立ち向かうものの術で動きを封じられて逃げられる。
それにしても、この馬車の周辺だけは時代錯誤というか、いろいろとレトロな演出。実は違う空間とか、違う時代ということはないかなあ。今のところ、零とは接点がないので、先の接触を楽しみにしつつ。

セリフから、背景を推察すると、代々竜の卵を守る魔戒法師の一族があって、その一人が力を求めて、竜を現世に蘇らせるために、封印された竜騎士をどこかで目覚めさせようとしている。それを妹のカゴメが止めようとしていたっぽい。
一応、カゴメの設定で「行方不明の兄を探している」という記述もあったので。

一方、主役の零はアリスと接触したり、拠点となるバー(絶狼シリーズの前作となる劇場版『ブラック・ブラッド』からの流れ)に立ち寄ったり、人間関係を深める流れ。
バーでの会話から、魔戒剣のお嬢ちゃんといったセリフが出たのは、前作で行動を共にしたユナたちのことですね。今作では登場の予定なしみたいですが、一応、劇場版の続編という時間経過を本編でも提示、と。

カメラは、アリスがフィルムを現像しているシーンがあったので、デジカメではなかったことが判明してますが、ホラーにあっさり踏み潰されてしまい、その後、零が代わりのカメラを贈ってみたり。
鋼牙と違って、女の子へのアプローチが非常に器用な零だったり。というか、歴代魔戒騎士の数々を見ても、ここまで難なく女性とコミュニケートできるキャラは、アニメ版のヘルマンぐらいじゃなかろうか。魔戒騎士は硬派な連中が多く、女性にも奥手というか、女性からリードされがちというか。
少なくとも、零には出会ったばかりの女の子をからかって翻弄するだけの余裕がある、と。

今回のホラーは「舞姫」というタイトルどおり、舞台ダンサー。年齢を経て、若い子に人気を奪われて嫉妬に駆られたところをホラーに憑依されて、美貌を取り戻す。って、こういうストーリーは無印牙狼でもあったなあ。割と、ホラーのドラマ設定については、今作は焼き直しが目立つのかもしれません。
ただし、戦闘演出は変えてきますね。牙狼の美貌ホラーは、墓石使いだったし、そもそもその回が零の初登場回だったりも。そういうのも作り手の狙いだったのかな。
今回の舞姫ホラーは、人間時の舞うような動きで零と絡みつつ、怪人体になると植物の蔦で攻撃。他に花のような顔面部が変形してドリルになって地面のコンクリートを割って、地中から奇襲するなど、アクション演出に変化があって面白いです。
蔦に捕まって絡まれたまま、壁に貼り付けられてピンチ、と思いきや、二本の剣を回転させて攻撃をいなした後の逆転勝利。

ホラー「貴様、わざと捕まったふりをしたな」
零「時間ギリギリまで戦いを楽しみたいからね」

そんなわけで、残り15秒ほど。1話目よりは時間がかかったけど、まだまだ余裕がある感じです。

あと、零のコートの背中の輪の文様(亡き恋人の静香からもらったお守り「ドリームキャッチャー」をあしらったもの)がアップになって、その輪から馬車の車輪がオーバーラップして、シーンが切り替わるところは、今回のお気に入り演出。
深読みかも知れませんが、このドリームキャッチャー紋様が零の人間関係の原点というか土台にあって、「アリスとの絡み→ドリームキャッチャー→カゴメ登場シーン」と切り替わる展開は、新たな人間関係が紡がれる象徴かなあ、と思えて。

烈花登場が予想よりも先送りになった感じなので、次こそ烈花出て来い、そしてカゴメとの合流とか、竜騎士覚醒までを当面は期待。そこまで描いて一月分かなあ、と。

★ロボットAI話

ベイマックスに続き、オールモストヒューマン話にレス。

後者は、とりあえず2話を見てみました。セクサロイドの話ですね。
人間に似せて作られたロボットの死生観とか、人間との情緒的コミュニケーションに視点を当てたドラマ作り。
それと犯罪者は、より顧客満足度を高めるために、人間の皮膚組織を抽出培養してロボットに移植するという、そのために女性を誘拐して命までも奪う違法行為に手を染めている。

人間とアンドロイドの刑事コンビの織り成すバディドラマは、原点のアシモフの小説にも通じる雰囲気ですが、不満点は今から30年後の未来世界の描写。
擬似人間を再現するロボット工学の発展した未来。これが本作のメインテーマなのですが、それ以外の分野、とりわけインターネット関係に未来要素が感じられない点。つまり、サイバー的なイメージの欠如ですね。ロボット以外のインフラが未来にしては古臭い感じなのは、テレビドラマの予算の限界なのかな、と。

そして、ヒューマノイド型のロボットが存在する世界で、人型以外のドロイドロボット(スターウォーズのR2とか、ヤマトのアナライザー)が見当たらないのは、科学の進化の方向としては違和感。
いかにもロボット然とした存在が定着した後にこそ、人に似せたアンドロイドが社会で流通すると思っているのに、そこをドラマ的必要と予算の都合から割愛された未来描写に感じたり。

ドラマ本編では、「人間よりも人間らしい感受性を持つロボット刑事」と「事件で相棒を失ったトラウマで、心を閉ざして機械的になった人間刑事」とのウィットに富んだやりとりが魅力と言えるのでしょうが、その手の話は自分にとっては見飽きた感じですね。
というか、心を閉ざしたおじさん刑事の更生物語になるのでしょうけど、そういう設定なら、おじさんよりも少年とか若者の方が感情移入しやすい。

で、アクションですが、前情報だと「ドラマよりもアクションに比重を置いたためにSFドラマの面白さを損なった」そうですが、2話を見た限りでの自分の意見は逆。
ロボット的なアクションを期待したために、地味な展開だったので、あれ? と。派手な活劇を求める自分みたいな層には、アクションでカタルシスが得られれば、ドラマはそこに至るまでの前座でいい、と考える立場。

よって、2話を見た時点で、好みの作風ではないものの、この後、アクション要素が高まって行くなら、逆に見て行きたい、と思えますね。
ただ、ロボット刑事に戦闘的なギミックが仕込まれていないなら(2話の時点では、人間の体調などをスキャンして情報収集程度のギミックしか使っておらず)、アクションもせいぜい普通の刑事ドラマの銃撃戦程度でしかないのかなあ、と。

何にせよ、このネタで結構、いろいろ話はできそうなので、近年のSFTV映画のロボット考察なんかを試みたいなあ、とは思いつつ。

★2014〜2015

この時期が、最近ではロボットSFが流行した年となりますね。
自分にとって印象深かったのは、15年の夏映画なんですが、『アベンジャーズ2』と『ターミネーター・ジェニシス』そして劇場版『仮面ライダードライブ』の3作を鑑賞。いずれも、敵キャラや味方キャラにロボットを交え、人工知能と人間の交流や絆、それに反する人とロボット双方の宿す悪意などを描いたり。
そして、ベイマックスはそれらが上映される前年の冬。また、オールモストヒューマンも14年の作品だったことを考えると、アメリカ本国では、ロボット物は14年からの流れの後で15年に至ったと考えられますね。

この時期の符合を今から振り返りつつ、各作品におけるロボットの描かれ方なんかを確認できればいいかな、と。まあ、今回は前置きだけですけど。

実は『アベンジャーズ2』と『ジェニシス』は、昨年末からDVDでもう一度見て、改めて印象に残っている事情もあったり。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/17 (Tue) 18:43:21

 NOVAさん、どうもです。

●絶狼

 照明と衣装の色のせいか、なにかモノクロっぽい色調の女性ダンサーが出てきたと思ったら、カラフルな女性ダンサーに交代、周囲は若いダンサーに目が釘付け。どういう話なのかと思って観ていると、なるほど若さと美貌への執念が陰我にということですか。

 二人のダンサーの楽屋シーンも、モノクロっぽく、かつ黄色く焼けたフィルムの感じで、こういうのをセピア色って言うんでしたっけ。たぶん、ホラー化するダンサーの、昔の栄光を懐かしむ心情を表す演出なんでしょうね。全体にいろが薄いため、ランプや花などだけがやけに色づいて感じられます。衣装も若いほうだけが赤い。

 そしてホラーとなったダンサーが若いほうを食らうと、普通のカラーに戻る。すると、アリスがフィルムを現像する暗室のシーンに切り替わり、赤一色のモノトーン、と色遣いが目まぐるしく変わります。そして外のシーンになり、写真はモノクロ。なかなか面白い趣向の出だしだな。

 でまあ、零とアリスのドラマが動き出すと、写真を返す返さないの痴話げんかですか(^^;。とりあえず提示されている謎は、先週から引き続きですが、なぜアリスはホラーの存在を知っているか(これって、一応は先週のホラーに表情が驚いてなかった説明になるのかなあ ^^;)、なぜ卵について調べているのか、ですね。

 ホラー化した女性ダンサーにシーンが戻ると、冒頭とは打って変わってカラフルに。用意された花束も薔薇なんでしょうか、真っ赤です。なるほど、色鮮やかという演出で、このダンサーが昔の栄光を取り戻したことを見せてるんだな。が、言い寄ったら最後、あっさり食われてお終いか。なるほど、美しいバラに棘がある。

 零がバーにいるシーンに切り替わり、やたら零はこのバーになじんでるな、マスターも顔見知りな様子だし、と思ったら、NOVAさんのご教示で納得。劇場版があって、そこの設定や流れを汲んでいるわけでしたか。そこでの会話も既出のことを前提としている部分があるというわけだったんですね。そう聞かされて、ようやく頭の中でつながってきました。最初に視聴したときは、「どうもよく分からないものがあるな、後で明かされるのかな」などと思ってました。このシーンではっきりしているのは、零が(作中では何年後か不明ですが)未だに甘党だということ(^^;。このバーにホラー検出装置があるみたいですね。光って反応すると、零が出かけて行った。
(バーで一瞬だけ写ったドレス姿の女性がいたけど、誰? 単なるエキストラ?)

 でまあ、CMの後は、のっけからアリスがホラーのいる劇場に入り込むと。この子、ホラーに引き寄せられる傾向があるみたいですね。牙狼1stのカオルだと、浴びた血のせいでホラーが寄って来ちゃうわけですが、本作のアリスはホラーのいるところへ吸い寄せられてる感じです。

 ダンサーホラーは踊りつつ、観客を魅入ってるようで、まとめて食うつもりかしらん。アリスが魅入られていたかどうか、ちょっとはっきりしませんが、(演技のせいもあり ^^;)割と正気を保ってる感じでした。ホラーが観客やアリスを襲う前に、零が乱入(今シリーズはピンチに零が乱入するのがセオリーなのか?)、ホラーも一目で零を魔戒騎士と見抜いて戦闘に突入(これも今作のパターン?)。

 今回のホラーは人間の姿のときは残像が残るほど速いという演出でスピードを見せ、ホラーの姿を現すとツルのようなものを伸ばせる、メカニカルな感じを見せているように思いました。1回目の化けウサギホラーも、そういやメカニカルな印象だったな。牙狼1stだと、人が演じて、女性型だと生身の部分も見せていたことが多かったせいでしょう、今回のようなメカニカルな印象はなかったように記憶しています。

 しかし、腕や脚をがばっと4つに割ったような口を開くところは、異世界の生物風になっていて、変化がなかなか面白い。脚を口と化して開いたまま立った姿、上半身を人型にデザインしたタイプのクラーケンの感じですね。クラーケンといっても、絵や映像作品ごとで、いろいろですんで、なんとなく自分が見た範囲でのクラーケンということでしかありませんが。

 やはり、CGの恩恵ですね、ホラーとの戦闘が実に多彩で、アナログ特撮だったら、TVシリーズではお目にかかれない戦闘で盛り上げてくれます。NOVAさんも面白いと評価されたのも頷けます。がしかし、これもNOVAさんの講評通り、零としては余裕の勝利だったようで、雑魚ホラーにせいぜい暴れさせてみたといったところですか。牙狼1stだったら、「それって強がりなんじゃないのか」と思ったかもしれませんが、今作だと本当に台詞通りなんだろうという気がします。

 戦闘後、アリスが踏みつぶされたカメラを抱きしめるもんですから、何か思い入れのあるカメラかなと思ったんですが、零が代わりの似たカメラを進呈すると、どうやらそれでもいいらしい。まあ、そこんとこはアリスが実は前のカメラに心残りだけど、せっかくの零の好意に応えるため、喜んだふりということもあり得るかも、といろいろ想像。

 ラストは問題の積み荷を載せて走る馬車を、現時点では謎の女のカゴメが襲い、というものですか。卵は棺なんですか、うーむ、よう分からん状況だ。

 NOVAさんのご感想の中でも、特に「あ、そうだっけ」と思い出して、感銘深かったのが、牙狼1stの零登場の回が今回とよく似たホラーのシチュエーションということです。気のせいかもしれませんが、鋼牙だと女性の気持ちが上手くくみ取れず、そのために対応が後手に回りがちな印象があったんですが、零だとむしろ先読みしてしまう感じがあります。

 零のコートの背の紋様も、NOVAさんのご指摘で本編を観なおして、ようやく気が付きました。なるほど、静香からもらったお守りをあしらってあったわけですか。ということは、NOVAさんのご想像の通りもありそうですし、静香が今作にも何らかの形で再登場というのもあり得なくはなさそう。いろいろ楽しみになりますな。でも1クールなんだよなあ。うーん、2話までも感じだと2クール欲しい気がします。

●鉄血のオルフェンズ

 新年になっての本編、さあどうなるかと思ったんですが、比較的平静な回でしたな。まあモビルアーマー撃退した直後だし、いろいろと整理が必要ということなんでしょう。

 タービンズから派遣されていたアジー、エーコ、ラフタは古巣に戻るようですね。それぞれ、鉄華団のメンバーには思い入れができたり、情も移っている面がある模様(2組ほど、もしかしてフラグ立った?)。そこでOPですが、今回から曲が変わりました。この曲が今後の展開に合っているんんだろうか。OPの絵、特にオルガが三日月を肩に担いでいるものは、EDでの、ある絵と合わせて考えると、ちょっと怖いものもあります。

 OP曲後は、おお、イオク様の時間じゃないか(^^;。テイワズNo.2のジャスレイとなにやら密談中ですが、なんだかいいようにあしらわれているなあ。「そうか、タービンズか!」とか、すうぐ感動して突っ走る癖は治っていない模様です(^^;。で、持ち出したのがおそらくは違法な兵器、こういうものを使うのも政治なんだとか、イオク様が言うと物凄く嘘っぽい。と思う間もなく、うわーいジュリエッタまで加わっちゃったよ。こりゃ、暴走は止まらない予感がします。

 ラスタルとヴィダールの短いやり取りのシーン後、マクギリスと石動の会話、またシーンは変わって、アトラと三日月。三日月もアトラの絶対防衛圏に入ってしまうと、結構意のままに操られるみたいです。三日月、食い物でつられやすいの、アトラの直感ではお見通しらしい。

 クーデリアとアトラの会話、あの「三日月の子ども作ってください」の続きが回想で出てましたね。なるほど「子はかすがい」だからでしたか。うーん、どうだろ。三日月だと全く省みないんじゃないかという気もします(赤ん坊をハムみたいで美味そうとか言うし)。それと、アトラが三日月とは釣り合わないと思っている点、もしかすると行動のスケールの相違をなんとなく感じ取っているんだろうか。クーデリアならスケール的に釣り合うと思ったのかな。

 個人的なあてずっぽうですが、将を射んと欲するならまず馬を射よ、三日月を落としたければオルガに泣きつけばいいんじゃないかなあ。あ、駄目だ。前回、オルガは三日月から、おそらくはポイント・オブ・ノーリターンを超えさせられてる。オルガに泣きついても、逆に「三日月の邪魔をするな」と排除されそうな気がします。

 CM後のBパート、名瀬とアミダのなれそめから、運輸業からタービンズ設立、テイワズへの合流、という過去紹介ですか。女性だけの艦とか、不遇な女性を糾合して作った組織だったから、といったことがあったのか。が、テイワズでも非主流、いろいろ面白くないことがあるようですね。

 そういう名瀬の性分だから、鉄華団にも肩入れして、ということになるんでしょう。苦労しただけあって、無制限に請け合ってやるのではなく、現実的な線引きをして、無茶しすぎないようにリードする。ダメージ(今回だと違法兵器の発覚)を受けると、ダメージを受けた部分だけ切り離すのも、そうですね。一丸となって戦えばなんとかなるかもしれない。しかしならなかったら、壊滅する。それなら、大丈夫なところは逃げておけ、という戦略になるわけですな。今回は特に、名瀬がターゲットであることを、名瀬本人が分かっていることもあるんでしょう。

 そういう判断は、まだオルガにはできないみたいですね。恩義を深く感じる兄貴の危機なら駆けつけずにはいられない。名瀬の説得としては、「まず最も身近な鉄華団を守っておけ、それが団長たる者の責務だ」ということですか。ある意味、イオク様と対照的ですな。

 今週は名瀬のオルガ説得でお終い。次回は「燃ゆる太陽に照らされて」ですか。ちょっと内容が予想しにくいタイトルです。

 EDの最後、バルバトスが右腕全損状態なのが不気味です。OPではオルガに担がれた三日月はだらんとしていて、EDではバルバトスの右腕が失われている。後半の1クール、どういう展開なんだろうとちょっと不安な感じがします。モビルアーマーに対抗するための禁断の兵器みたいなのも出て来ましたし。

●オールモスト・ヒューマン

 第1話観て、ネットで評判をちょっと調べたんですが、第2話を観てみると、全く別の印象を持ちました。例えば、作風的、あるいはオマージュとして、「ブレードランナー」入ってるよね、という感じがあります。

 第2話ですと、やけに生々しいロボットの解体ですね。ブレードランナーでは、アンドロイドが生体であることを強調して、人間の目(としか思えないもの)などをパーツとして見せて、非人間的な雰囲気を作ってました。それと似ています。第1話でもビル街の下、雨の中での屋台シーンなどは、「これってブレードランナー風味だよな」などと思うものがありました。

 そうなると、ロボットの扱いも気になるわけなんですが、今回はセックス用ロボットが話の焦点でした。そういうロボットだと触感は重要なわけで、皮膚は人間の皮膚を培養した違法開発が事件となってましたね。ロボットのメンタルも人間に近いようで、しかし道具として扱いやすいようになっている。観ていて、「こういうの、やっぱりあかんやろ」と思えてしまうようなロボットでした。違法に開発されたロボットが停止されるシーンも、かなり感銘深い感じです。

 うーん、どうも「アクション重視で人間に近いロボットや、人との関りが描けていない」なんてことないやんか、というのが、現段階での感想です。ラストは人間の主人公が抱える問題絡みで、過去の事件で死なせてしまった同僚の、まだ幼い息子に会いに行くというシーンでしたしね。主人公が同僚の息子と何を話すのか、早く観てみたい気がします。

 NOVAさんも感じられたように、アクション、特にSF風味なものはむしろ控えめか、という印象です。惜しむらくは1クールで打ち切りということですね。ドラマ的に深まる前に終わってしまったはずです。ともかく、放映される分は全部観ておこうという気になっています。

 NOVAさんが引き合いに出された、アシモフの人間とロボットの刑事もの、どうも読んだ記憶がありません。短編のものはいくつも読んだんですが、刑事もののは一冊分ある話ですよね。もしオールモスト・ヒューマンが面白かったら、読みたいと思うかもなあ、と未読のまま本棚にあるホビット&指輪物語を眺めながら考えてます(^^;。これ、ちゃんと読めるんだろうか。

●ロボットもの

 深夜アニメでは、萌えだー、美少女だー、などと言っていたらいつの間にか激減(好きではないんで退潮は歓迎)、ロボットものが増加してて(基本、好きなんで歓迎)、面白いものもいくつかあったんですが、今期はどうもロボットものが少ないような。

 海外はもちろん、国内でも長らくロボットものは追ってこなかったもので、中長期的な傾向がどうも分かりません。ガンダム1st、せいぜいイデオンくらいで、ロボットものは視聴しなくなってしまいました(録画機の保有、視聴時間の確保など、事情はいろいろあるけど、もったいないことした)。

 もしNOVAさんのご解説を拝読できれば、と思う次第です。大変だと思いますんで、もし気が乗れば、あまり手間のかからない範囲、程度で、お話をお伺いできれば幸いです。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/19 (Thu) 01:43:15

書くネタが多すぎて、溜まる前に消化しておきますね。
今回は、オルフェンズと、ロボットネタへのレスも交えて。

★オルフェンズ

新年初の本放送回。
OPやEDも新しくなって、気分一心。

話の内容は、全体的に女性陣にスポットを当てた感じですね。いろいろラブ模様を描きつつ、名瀬兄貴の方にキナ臭い風が吹いて来たところで続いた、と。
名瀬さんは、大切な家族である鉄華団が巻き込まれないようにオルガを諭したものの、ここで引いたら、鉄華団の漢が廃るというものですな。「タービンズも家族みたいなもの」だとか、「事情を察した団員が、オルガを動かす」とか、そういう展開で絶体絶命のタービンズを救いに駆けつける鉄華団ってのを見たいな。

もちろん、先頭に立つのはアキヒロですね。ラフタを助けるという動機が一番はっきりしているわけだし。

期待していたラフタVSジュリエッタも見られそうで、バトルとしては盛り上がりそうです。まあ、誰かが戦死するという不安も付きまとうわけですが(噂では、アジー姉さん辺りが危ない雰囲気)。

さて、今週のイオク様。
まあ、テイワズの陰謀に利用される思慮の浅さは相変わらずなんですが、本人は自分が有能であると思い込んでいる辺りが、ギャグキャラなんですな。まあ、問題は、その頭の良くない行動が結果として「鉄華団にとって非常に嫌なところを突いてくる」点。ある種の幸運には恵まれているわけで。

ラスタルさんがいいことを言っていました。
「私は、イオクには力を期待しているのではないんだがな。奴の美点は、その真っ直ぐひたむきなところで、周囲の人間を惹きつける心根だ」
まあ、要するにイオクさんには、武人としての力量とか戦略眼を凌駕する天性のカリスマめいたものがある、ということですな。

ええと、三国志における劉備玄徳?
イオク様の周辺には、関羽や張飛、孔明のような優秀な部下がいないだけ?
もしも、イオク様の周辺に、優秀な軍師が付けば、長として化けるのかな? でも、イオク様は思い込みが激しくて、人の話を聞かないからなあ。自分の力量や戦況も考えずに、一人で突っ走りがちで、部下が尻ぬぐいする形になる。
スパロボで言うなら、「本人の能力は大したことない」のに、「やたらと指揮能力が高くて、周囲の味方の能力を底上げさせる」しかも先に倒そうとすると、「周囲の部下が援護防御で何回も庇ってくる」という面倒なボスキャラ格になりそう。

とにかく、イオク様が動くと、本人の意図しないところで、犠牲が増えたり、鉄華団の作戦が無効化されたりするので、そういう不確定要素を呼び込む特異点みたいな活躍を期待しております。

でも、タービンズに犠牲が出ると、イオク様に恨み節をぶつけることになるんだろうなあ(苦笑)。
どちらかと言うと、タービンズがピンチのところで、調子に乗ったイオク様がいらんことをして、結果的にタービンズが助かったという展開を希望。
あと、ジュリエッタが新機体を制御しきれず、暴走しそうな気も。暴走したジュリエッタを、体を張って救おうとするなら、イオク株急上昇なんですけど果たして。

★オールモスト・ヒューマンとロボット話

主人公の人間刑事の役者が、実は『ロード・オブ・ザ・リング』の騎馬国ローハンの王子エオメルだったんですね。

それはともかく、アシモフのロボット刑事の作品で自分が読んだのは、『鋼鉄都市』です。続きもあるんだけど、それらは未読。

さて、ロボット話をどういう切り口で語ればいいかなあ。
まず、大まかな傾向として、日本ではマジンガーZ以来の『パイロットが操縦する搭乗型ロボット』が大きな流派を築いていますが、アメリカでは『等身大ロボット』『自律型ロボット』が主流で、巨大人型兵器はナンセンスと考える傾向があった、と。

人が搭乗する兵器としては、エイリアン2に出てきたパワーローダーとか、せいぜいパワードスーツ的なもの。
アメリカで巨大人型ロボットで現在主流になったのは、日本から輸出された『トランスフォーマー』や、『パワーレンジャー』における戦隊ロボ、もう少し前の時代だと『マクロス』などのアニメを再編集した『バトルテック』とか。
そして、近年では「ロボットVS怪獣」を売りにした『パシフィックリム』など。
いずれも、巨大人型ロボの本場は日本であることを踏まえた作品たち、ということになっています。

で、日本の巨大ロボット史について語るのも一興なんですが、オールモストヒューマンとかベイマックスの流れだと、小型の自律型ロボットの方向性なんですよね。
日本の場合、アニメにおけるロボットの元祖は3つありまして、一つは『鉄腕アトム』。これは人間型ロボットで、戦闘もするけれど、基本は人間と一緒に暮らす友達ロボットの系譜です。ドラえもんとか、Drスランプのアラレちゃんや、実写でもロボコンなんかがこのタイプ。近年は、子供の友達は、機械的なロボットよりも、ポケモンみたいなモンスターや、妖怪などゲームから飛び出したファンタジー擬似生物が主流だと思いますが。

次に、『鉄人28号』を始祖とする操縦型巨大ロボの系譜ですね。リモコンによる遠隔操縦が、『アストロガンガー』みたいな融合合体ものと、『マジンガーZ』から始まるコクピット搭乗型に進化して、ゲーム『スーパーロボット大戦』の主流はこの系譜ということになります。
また、これらの作品では、しばしば巨大ロボットとは別に、主人公たちをサポートするマスコットロボが登場することもあります。ガンダムにおけるハロとかね。

3つめは、人間を元に、あるいはモデルに製造された『エイトマン』の系譜。これは『仮面ライダー』みたいな改造人間の系譜と近いのですが、特撮だと『人造人間キカイダー』や『ロボット刑事』など独自のロボットヒーロージャンルを形成。アニメだと、『アトム』と区別が付きにくいからか、あまり主流と言い難いのですが、『新造人間キャシャーン』と『キューティーハニー』が双璧と考えます。
友達ロボットとの違いは、明確にバトルとか事件解決が物語の骨子であり、日常でのドタバタや交流がメインではない、と。

アメリカでは、サイボーグが主人公になることはあっても、ロボット自体が主人公になることは稀で、あくまでロボットは人間に従属する役割として描かれがちですね。
1の友達型ロボットに準じる形ですが、より従者的な要素が強かったり。例として、スターウォーズのC3POとやR2などのドロイド。
2の搭乗型ロボットも元は日本からの輸入品なので、ロボットが主人公として物語の中核に位置する作品は、比較的新しい方向性となりますね。
せいぜい、アシモフから始まる「人間刑事と、それをサポートするロボット刑事」のバディ物ぐらい。

ロボットが主人公としてメジャーになった作品としては、『ロボコップ』と『ターミネーター』シリーズが挙げられますが、前者は名前に反して「ロボではなくサイボーグで、素体となった人間マーフィーが改造されて機械の体になったけど、最後は人間性を取り戻す話」、後者は元々、ロボットのターミネーターが敵側だったのが、続編で味方になり、機械が人の感情を学ぶようになったのが一つの見せ場でもあったり。
まあ、心を持つようになった友だち型ロボットとしては、それ以前に『ショートサーキット』のジョニー7というキャラがいたけれど、この流れはあまり主流になったとは言い難かったですしね。

と、まあ、日米交えて、いろいろごっちゃになった気もしますが、今回はこれにて。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/19 (Thu) 01:50:09

ちょっと訂正。

映画『ショートサーキット』に登場するAIロボの名前は、ジョニー7ではなく、ジョニー5でした。

何で、セブンと書いてしまったのかな。『ケータイ捜査官7』と混同した可能性もあり。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/21 (Sat) 12:44:33

連投になりますが、定例感想をば。

★絶狼

オープニングのキャスト表記を見て、烈花役の松山メアリの名前がないので、まずはガッカリ。
でも、次回予告で、烈花が出てきたので、ようやくかあ、とニッコリ安堵。

さて、本編で零の日常ホラー退治物語と、アリスとの関わりを描き、終わり間際に竜騎士絡みのショートシーンを描いて次回に引く展開が続いていますが、まずは、その最後のシーンから。

カゴメの兄貴が力を求めて、竜騎士を復活させようとしていて、それを止めようとするカゴメ、というのは前情報からの推測どおりだったのですが、
え、復活した竜騎士がいきなりカゴメ兄を殺害? どうやら、かつてホラーと戦った竜騎士は、人間に対しても毛嫌いしている様子。

カゴメ兄のセリフから推測すると、彼は別に悪事を企んでいたわけでなく、純粋にホラー退治の力を求めて、竜を復活させようとしていたようですね。てっきり、竜の力で世界に災いを……ってキャラだと思ってました。
悪人ではないけど、力を求めて身を滅ぼし、災いを解放してしまった迷惑な人ということで。

兄を殺されたカゴメは竜騎士に挑みますが、あっさり倒されます。ここで強気な女性定番の「くっ、殺せ」セリフが飛び出しますが、さすがに18禁展開にはなりませんな。
兄は殺したものの、女は殺さないフェミニストなのか、それとも殺す価値さえないと見定めたのか、そのまま竜騎士は去ってしまい、悔しそうなカゴメの表情でつづく、と。

このシーンだけで、物語が大きく動いた感じなので、次回の烈花登場と、零VS竜騎士の初対決が楽しみ、と。

さて、本編。
今回の「拳銃」というサブタイトル。無印牙狼の「魔弾」の回を連想しました。

魔弾では、ホラーと化した娘を鋼牙に殺された父親の復讐というテーマだったのですが、
今回は、父親と息子の話。息子との再会を待ち望みながら、零を息子と勘違いしてからの、ちょっとした交流。
しかし、息子はホラーに憑依されてしまって、零は息子を斬らなければいけない、というドラマ展開。

息子は父親に会うという約束を果たしたいが一心でホラーになったのだけど、たぶん父親と再会していたらホラーらしく父親の魂を貪り食っていたかもしれない。
立ちはだかる零に対して、「父親と会わせてくれ。それが済んだら、おとなしく斬られるから」とお涙ちょうだい的に訴えるも、隙を見せた零に攻撃を仕掛けてきた時点で、まあ悪辣な奴というのは分かります。

ホラーとの戦いは40秒以上を残し、時間的には最短記録でしたが、変形する銃砲ギミックを駆使したトリッキーなバトル描写は相応の密度があって面白かったり。
K.Kさんは、今シリーズのホラーがメカニカルだと評していましたが、確かにそうですね。無印牙狼は、デザイナーの韮澤さんの個性を反映した、エイリアン風味の生物色が濃厚で、そこに人間の顔が張り付いた感じ。他には女性ホラーが多かった印象ですが、今作では女性が変身しても、ホラー化すると「器物の特徴を濃厚に宿した」感じになって、あまり生物っぽさがないですな。
一話目のウサギは、二刀流のハサミっぽさ(ウサギの長い耳に見立てている?)
二話目は、差し入れの花束から生まれたバラの花ですな。ちょっとゴジラ映画の植物怪獣ビオランテを思い出したり。
そして今回は、拳銃ということで胸から砲門が飛び出したり、それに対する絶狼もアンカー射出で対応したり、二刀合体ブーメランを使ったり、ギミック戦の応酬だったなあ、と。
正統派剣豪っぽい鋼牙に比べると、零のアクションは忍者風味のトリッキーさが今シリーズではいっそう強調されているような。

息子ホラーを倒した後、零は父親に「息子と会ったが、もう街には戻らないと言っていた」と告げます。
そんな零に、「もう一度、息子と勘違いさせてくれないか」と頼む父親。まあ、零も父親代わりの師匠はいても、実の父親のいない孤児でしたから、不器用な父親の愛情に接するのは初めてかも。
そして、こういうストーリーは、ぶっきらぼうな鋼牙じゃあまり成立せず、基本は人懐っこく、かつ少年っぽい笑顔のできる零だからこそ成立するドラマだな、と。
「息子だと思って殴ってもいいよ」というのは、息子を殺した零のささやかな罪滅ぼしの感情も入ってるだろうし、それを受けて拳を震わせる父親の演出も見事。零の言葉の奥にある息子の死を感じ取ったのかも、と深読みもできますが、その後の息子代わりの零を抱きしめる父親まで、いろいろいい演出の回でした。

さて、演技素人のアリスちゃんですが、あまりに天然かつ表情が無機質な感じで、「この子、実は人間じゃなくて、意思を持った魔道具なんじゃね?」と疑惑を感じたりします。
仮に、「竜の復活を予期して目覚めた、竜を封印するための人型魔道具の少女だった」と解釈すれば、自分の中ではいろいろしっくり来る感じ。
2話目で、カメラに対して、「いい表情してる」と反応したのも、本人が器物だったりすれば、「同じ器物の表情も、比喩表現ではなくて感じとれる」のかも。
そうなると、今回のホラーが器物要素濃厚なのにも、実は意味があるのかなあ、とか。

零の拠点であるバーですが、物語の位置付けとしては、牙狼翔におけるDリンゴの魔道具店ですね。店長の中年男性と、その奥さんの美人も含めて、日常的なやりとりもできる場。今回はアリスが顔を見せていましたが、そのうち烈花やカゴメも集まってくるんだろうな、と。

★オルモス

タイトルが長いので、4文字で省略。
ええと、今回の話はTVドラマ風に簡略化した『ダイハード』ですね。
高層ビルに立てこもったテロリストと人質たち。外部との連絡が絶たれたまま、ビルに潜伏していた敏腕刑事。しかし、テロリストを装った犯人には、隠れた目的があって……と。

シチュエーションが本当にダイハードと同じなので、映画に比べてアクションが地味とか、悪役が小物風味とか、孤軍奮闘のマクレーン刑事に比べてパートナーとおしゃべりする余裕があるこちらは緊迫感が足りないとか、比較対照しての批判はしやすいのですが、
「フェイスメイカー」なる変装装置でのトリックとか、「ドローンを使った空中輸送」とか、近未来ならでのギミックが特長。
あと、頭部の配線が壊れて歩けなくなったドリアンに対して、応急手当のためにガムを張り付けて強引に配線をつなぐというのは、ギャグ要素として思わず苦笑。

それにしても、2048年という30年後の未来でも、携帯電話は変わらないスマホ型なんですね。これだけ、サイバー技術が発達すると、もっと違う形に変わっているのが当然だと思うのですが、それは作り手と視聴者の想像力の限界を考えると、仕方ない部分なんでしょうね。
作り手のアイデア(未来の携帯電話はこうなってる)を映像化しても、それを見ている人が、その道具が携帯電話である、と理解できなければ意味がないわけで。

まあ、ロボット描写を初め、ところどころ未来風味な要素のある現代刑事物と見なした方が、余計なストレスは感じないのだろうと思いつつ。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/21 (Sat) 17:41:16

 NOVAさん、どうもです。

●オルモス

 とりあえず、これだけ吐き出しておきたいものが。

 その前に、NOVAさんの書き込みを拝読していて「オルモスってなんじゃろう?」と一瞬思ったことを正直に申し上げてしまいます(^^;。
 本文でオールモスト・ヒューマンを略したとあって、「あ、なるほど。こりゃ便利だから頂こう」と思った次第です。なんか長いタイトルですもんね。オールヒュとかモスヒュではなんか変だし言いにくいし。うん、オルモスならいいな。

 本編ですが、えーっと、ちょっと頭の中がややこしいことに。NOVAさんが仰るように、第3話での他の作品の風味やら、ギミック、小道具の面白さに惹かれる自分がいる反面、その風味や小道具の使い方に文句ブーたれる自分もいるという事態に。その他、前回ラストで死んだ同僚の息子に会いに行ったのに、今回なんも触れずとはどういうことやねんなどとも。

 ギミック、小道具ですが、文句言いたい部分としては、いろいろと。NOVAさんもちょっと注目された、相棒アンドロイドを修理するシーンですが、あまりにもリアリティを感じられませんでした。あれと極端に違う例を思い起こすと、スターウォーズでハン・ソロが動かない宇宙船に対して、未来少年コナンではダイス船長が動かし方の分からない砲台で、「叩けば動く」をやってました。

 思わず「そんなアホな」と言ってしまう、だからこその説得力でした。変に「よう分からんまま、なんかそれっぽく工夫したらうまく行きました」って、さすがに人間レベルのアンドロイドでは無理やろ、という気が強くしてしまい、あのシーンが強引に感じてしまったんです。でもまあ、人間そっくりのアンドロイド相手に、ひっぱたたいた動いた、もちょっと嫌かなあ。どうしたもんだろ。

 それ以外では、例えば携帯(スマホ)の扱い。未来でも今と同じスマホかよ、というのは(割とどうしようもないので)おいておくとしまして、その機能面の扱いです。ジャミングしたから周囲とつながらないのはいい。ご都合主義のようだけど(仕方ないから)、相棒アンドロイドが局代わりになるのもいい。だけど、スマホには何がついとると思うてんねん。通話だけちゃうやろ、カメラあるやろ、そのくらい制作時点でも当たり前に分かることやろ、と。

 スマホあるところ、映像がある。視聴者がすぐ分かるようなことは、制作も予想して作って欲しいわけです。すぐばれる誤魔化しはいけない。もちろん、アンドロイドの機能がせいぜい通話までだったということにしておけば、といったことは考えながら観ていました。でも、視聴者が番組の都合考えるようなSFはあかんやろ、とつい愚痴ってしまいます。

 そういう疑問は目に見える直接的なものですが、SF的小道具の類の使い方全般、どうもしっくりきません。例えば、フェイスメーカー。一応は、捜査などを混乱させる、ドラマを作る役割を果たしているようでいて、最大の使いどころが主人公が敵を倒すため。一応、逆襲のセオリーのようではあるんですが、どうしてもご都合主義のために使われたような印象がしてしまいます。

 NOVAさんが第2回をご覧になって、既にIT関係などでおかしさを見抜かれ、違和感を仰っておられましたが、もしかすると、相通じる部分がある違和感が、私にも生じてきたのかもしれません。

 個人的にはですが、

「SFの小道具、ファンタジーの魔法は、主人公に対する障害となってドラマを作り出すべき。既に現実にある小道具なら、嘘をついてはいけない。でないと、どちらも面白いギミックにはならず、物語の興を削ぐ」

ような気がします。障害を取り除く便利なアイテムを安易に使ってはいけません(そんなアイテムなら、苦労の末に手に入れる、アイテムが主題の話にするべき)。現実では困ることを解消する道具はあればあるほど大歓迎ですが、フィクションの中では逆を期待したいんですね。それがあるからこそ困る、だったらどうするか、という期待です。

 どうもうまく説明できてませんが(「それでいいじゃん」という自分もいるしなあ orz)、感覚的に合わない部分がある。こういうの、割と自分の根っこ近くにある問題なので、もしかするとオルモスを見続けていく上で、ストレスが溜まる要因になるんじゃないかと、ちょっと不安です。2回目までは結構期待しただけに、できれば第3回だけの問題であって欲しい気がします。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/23 (Mon) 16:41:25

 NOVAさん、どうもです。

●絶狼

 私も烈花が登場しなかったのはがっかりしたんですが(でも予告で喜んだ ^^;)、OPで名前がないことまでは気が付きませんでした。絵は見てるんですが、キャストとかはほとんど目が行ってなかった。3話目ともなると、「はよOP終われ、本編見せろ」くらいな気持ちになってますし。OPを見くびってました、大事な情報が分かるものだったのか。

 それはさておき、今回の印象は「一回限りの敵ホラーから、竜騎士へ焦点が当てられてきたな」というものです。NOVAさんも仰るようにゲスト敵ホラーとの戦闘時間が短いし、退場の時間が早いしなど、今回は軽かったですから。その代り、竜騎士の登場まで来た。本編の物語が本格的に動き出した感じですね。

 本編ですが、開始早々「おや、またモノクロだ」と思い、「お、弾丸だけは金色か」と、またも色遣いに目が行きました。モノクロ調の画面に、銃撃の光だけが金色に、とどうも制作は色に拘って作ってるみたいですね。

 シーン変わって、零、牙狼1stでもやってたような、街にこっそり巣食うホラーのお掃除、そこへ思いつめた感じの中年の男が関わって来て、さらにバーにシーンは変わってアリスが竜の卵についてあれこれ、とするすると話が進んでいく感じです。バーにいるべっぴんさん、NOVAさんに今回教えて頂いて、ようやく正体に納得。マスターの奥さんでしたか。

 屋外カフェで話し合う零と中年男ですが、パターン的に「ああ、この男が冒頭の若いのの親父さんなんだな」と思いました。詳しい経緯は語られてなかったようですが、感じとしては、親父さんは息子に厳しいようでいて甘やかしており、息子は窮屈さとわがままで家を飛び出し、裏社会に関わってまずいことをしでかした、みたいなことかなと思いました。

 若い男にシーンは戻り、やくざと思しき黒づくめ数名に追い詰められ、ついに拳銃が付きつけられ、発砲される。すると弾丸が止まって語りかけ、となって、ここでようやく私も牙狼1stの「魔弾」を思い出しました。NOVAさんはどの辺りからお気づきだったんでしょうか。気が付いてからの後知恵ですが、タイトルの「拳銃」からして予感させるものはありましたね。零の登場回との類似のこともあるし、もうちょっと勘を働かせておきたかったです。

 若い男がホラーの力を得て、黒づくめの男らを倒すわけですが、思わず「北斗神拳かよ!」と思ってしまいました (^^;。ぱぱっと手を突き出して、しかし黒づくめは平気でなおも迫ろうとしたら、顔がぐにゃっとして、身体がぱーん、ですから。ホラーになっても行きたいところがあるって、この時点で「やっぱり親父さんに会いに?」という気がしました。「だとすると、人の心も残ってるかな」とも。後者は結果的にハズレでした。

 このことを察知したのか、バーの例の装置が反応してましたね。かなり高性能で便利です。もしかして、アリスはその装置が反応する意味に気が付いた? 装置が反応するや否や、バーを飛び出してましたもんね。しかし、アリスがホラーに引き寄せられる体質だとすると、装置とは無関係にホラーのところへ(自覚なしに)行きたくなったのか。

 シルヴァもホラー出現を察知、この街にはホラー検出システムが3重になっているようです。出現するや否やあちこちで警報、これはホラーにとって棲みにくい街のはずだわ(^^;。そして案の定、零がたちまちホラーと遭遇と。ここでようやく、親父さんが零に見せた写真が画面に出ましたね。雰囲気、ガラッと変わっとリます。昔はいい子だったのに、という感じです。

 戦闘に入ると、銃と剣の戦いですね。ここでも、ふと「魔弾」を思い出しました。生身状態の鋼牙は拳銃相手にかなり苦戦してました。零だと銃弾を剣で簡単に弾き返してますね。零は対銃器の戦いを修行済みだったのか、「魔弾」事件以降、騎士が銃器対策をするようになったのか。もっとも、「魔弾」で実証されたのは、「騎士の鎧は銃弾くらいはなんでもない」ということなのでした。

 ホラーになっちゃうと口ではしおらしいこと言ってても、というのはNOVAさんに解説頂いた通りでしたね。ホラーに完全に憑依されると、人の心は失われる。仮に親父さんに会いに行っても、はたしてどうなったことやら。何も知らされていないのに、この戦闘現場に駆けつけたアリス、やはり何らかの嗅覚みたいなものを持っているようです。

 零のバトルが「忍者風味のトリッキー」というのは、言われてみるとなるほどという感じです。比較対象の鋼牙が「正統派剣豪」というのもそうです。二刀流って、あくまでもよく知らないでイメージだけですが、右と思えば左からみたいに、やけに小うるさい攻撃と防御みたいな感じがします。一刀の両手持ちだと、相手の隙を見逃さない一撃でバッサリという感じがカッコいいですが、二刀流だと丁々発止を期待したくなります。

 今回は飛び回るなどして、相手のおそらくは最大の攻撃を放った相手自身に食らわせ、止まったところを仕留める、と一撃必殺とは異なる、相手の技をも利用したコンボ攻撃でした。うーむ、力の鋼牙、技の零といったところか(^^;。

 戦闘時間短いし、番組経過時間を見るとまだ18分だし、このホラーを見せるのが最大の山場ではない感じがありありです。やっぱり感情移入できるゲストキャラとしては、親父さんのほうですね。この後の親父さんのシーン、もし鋼牙だったらなんと言っていいか迷って、「死んだ」と一言言い捨ててしまいそうです(そしてカオルに叱られる)。しかしさすがは人付き合いが分かる零、うまいこと親父さんを絶望させずに、あきらめさせてましたな。

 親父さんが一時の息子代わりの零を抱きしめると、零がちょっとショックを受けた感じだったのは、なるほど零が実は孤児で師が父親代わり、実の父親を知らないからでしたか。NOVAさんのご解説を拝読するまで、すっかり忘れてました(師の娘が婚約者だったんだから、当たり前に分かることなのに、うっかりしてました)。

 ラストは竜騎士出現(復活?)、兄貴は人間を守るための竜の復活を訴えるも、あっさり殺される。妹のカゴメは、ふうむ、殺す価値もないという感じですね。兄妹はどちらも悪い意図はなかったようですが、どうやらとんでもないことをしてしまった感じがありありです。

 カゴメですが、敵に対しては「勝つか、死ぬか」みたいな激情タイプだと感じました。しかし、兄の行動は強くは止めることができず、肉親に対する情愛は深いらしい。

 アリスはNOVAさんの魔導具説で、あっと思いました。確かに魔導具なら雰囲気ぴったりだわ。ホラーに自ら近づいてしまう点も説明つきますしね。NOVAさんがお考えの竜騎士封印のためというのは、いかにもありそう。と思って、さらに妄想をめぐらして、もしかすると反対に竜騎士復活の最後のピースなんじゃないかとも思えてきました。

 魔戒法師といった魔戒関係者でもないのに、ここまで首を突っ込んでくるのは尋常じゃないですもんね。歴史的遺物を調べる学者などでもなさそうだし、やっぱりまだ明かされない物語上の役割があるんでしょう。問題の卵が「私の夢」なんだそうですし。

 モンスターデザインがメカニカルな気がするの、私だけかもと思ったりしましたが、NOVAさんもそう感じる部分がおありでしたか。どうやら私の気のせい、思い込みだけではなかったようで、ちょっと安心。でも、そうなったのは以前から手掛けてくれていた韮沢さんの早世が影響してるかもですね。似たデザインでは追いつかないから、思い切って方向性から変えてみたという部分があるのかもしれません。

 次回は「竜人」ですか。ようやく烈花登場だ。

●鉄血のオルフェンズ

 えー、さすがに「イオク様、何してくれとんじゃ!」となってしまう回でした(^^;。もはやラスボス級の暴れ方ですね、あれじゃ。

 さて冒頭、テイワズのボス:マクマードはオルガ・三日月、タービンズの名瀬と話し、鉄華団に手を引かせ、名瀬にはテイワズに累が及ばない事後処理の段取りを図ってやる。前回ラストの名瀬の意思を追認、手助けしてやる恰好ですね。「これが最後です」という名瀬の台詞が、何を考えているかを示してますな。

 こういうこととはつゆ知らず、オルガとしては憤懣やるかたなし、マクマードが名瀬を見捨てた、捨て駒にしたと思うわけですか。メリビットがなだめるものの、思い切ることはできず、そこへ昭弘らが口出し。なるほど、戦闘訓練中に事件に遭遇、非戦闘員を保護した、という格好にするわけか。メリビットはそれも危ないと心配するも、シノが既に直接戦闘回避の作戦を立てており、オルガが決行を認める、と。これが甘かったことは後で明らかになりましたね。

 一方、タービンズでは名瀬が一人で旗艦を操縦、ギャラルホルンに捕まりに行く間に、タービンズ全メンバーを逃がす作戦か。アミダは覚悟の助太刀で同行と。だが、そのギャラルホルンの指揮官はイオク様、ただですむわけないよね、という感じです。名瀬側は艦艇の装甲はMSでは破壊できないと踏んでますが、イオク様が違法兵器を持ってきてることは知る由もない。ヤバいな、これは。

 そしてイオク艦隊の総司令イオク様。名瀬側の動きをタービンスの強襲と思い込み、例の武器を持たせて迎撃態勢を敷く。なんか喜々としとるなあ。名瀬艦から停戦要請信号が出ても無視、せっかく持ち出し来た兵器を使いたくてたまらんのだろうか。ジュリエッタがもうお守りの役目果たしてないし、やりたい放題だな。

 持ち出した兵器は、要は投げ槍のようなものみたいですね。ビーム兵器に強い装甲に対する対策、つまり対MA用兵器なんでしょう。MSはもちろん、分厚い装甲の艦でも有効にダメージを与えられる模様です。技術が目先の対応に追われた進歩をすると、古臭いものがかえって有効になるみたいな現象ですね。

 停戦要請が受理されると思っていた名瀬側はこれで大混乱、名瀬もラフタらも、次のステップは名瀬の身柄引き渡し交渉で時間稼ぎして、などと思ってたはずですからね。こういう非常識な対応までは策を立てていなかったはずです。だって、

イオク様:
「ふん!モビルスーツ隊からそのような報告があったようだが誰か敵艦からの停戦信号を確認した者はいるか!?」
「ああよろしいとも。奴らに王者の貫禄というものを見せつけてやろうではないか!」

なんだもん、どうにもならんわ (^^;。ただ、類似の兵器を扱っただけのことはある名瀬、攻撃の正体を瞬時で見抜いたようです。こういう勘の鋭さがあるから、今まで生きてこれたんだろうな。ジュリエッタはこの混乱を見逃すはずもなく、手に入れたじゃじゃ馬チューンの高性能MSで初陣露払いの出撃と。うわーい、誰も止める奴がおらんよ!

 強い奴への嗅覚があるジュリエッタ、早々にアミダを捉えて乱戦状態、ラフタらへの救援がこれではままならず、というところへ昭弘らが到着、参戦と。

 普通なら私の大好きなパターン(ピンチに救援)なんですが、今回は「おいやめろ」です。この状況で鉄華団MS隊が介入すれば、戦闘に加わるしかないのではあるんですが、それだと「戦闘に関わらないから鉄華団は追及されない」が成立しなくなってしまう。名瀬がなんとか避けようとした事態が避けられなくなってしまったわけですね。

 これでラフタは昭弘に惚れたと思わせる言動がありましたが(「ぎゅーっとしてやる」)、筋肉武骨の昭弘には分からんらしい。首絞められると思ってる。もしかして、こんなに心身ともゴツクなる前は、女性からそういう扱い受けてたんだろうか。

 それはそれとして、名瀬はこの事態を察知すると、ニヤリと笑ってますね。こうなって欲しかったのか、最悪の事態だと思った自嘲か、どうもよく分かりません。ただ、こうなってしまったらしまったで、打つ手を切り替える決断の速さだけは鈍ってないようですね。おそらくは総員の降伏に切り替えた。確かに壊滅よりはましですし、敵ギャラルホルンも受け入れやすいはず。

 はずなんですが、忘れてた、総司令はイオク様なんでした。

イオク様:
「聞けない相談だな。ラスタル様の隣に立つためには非情を貫き通す覚悟が必要とされる。全艦、敵強襲艦を砲撃せよ!」

 あ~あ。どうも常に的外れなんだよなあ。NOVAさんが先週回で注目された、ラスタルのイオクに対する評価は、イオクには全く理解されてないことはもとより、知る由もなかった感じです。暗愚の当主め。NOVAさん評通り、人の話を聞けないから有能な側近がもしいても、彼の行動を変えることができず、仕方なくイオクがしたい(おかしな)ことを実現するよう働くしかないのでしょう。間違った部下思いな奴ですな、イオク様は。

 こうなっては仕方ありません。後のことは考えず、鉄華団+タービンズMS隊もここ一番の奮戦あるのみです。アミダ対ジュリエッタはMSの性能差をはねのけてアミダが優勢か。シャア少佐の言う通りですな、MSの性能の違いは戦力の決定的差ではない。なお、アミダが自らが強い理由として挙げた「輝くため」というのは、ちょっとよく分かりません。
一応、名瀬が『(花として)咲く』ための太陽なんだろうとは思いますが。要は「母は強し」とかいうこと?

 アミダが敵旗艦のブリッジ狙いで突っ込んでいくと、イオク様は案の定怯え(^^;、例の違法強力兵器をジュリエッタもいると知りつつ放たせる。一応、ジュリエッタならかわせると言い訳してますけど、ちょっと追い込まれると弱いな、イオク様は。

 防げたと思ったら、狂喜してやがるわ、イオク様は。どんだけお子様なのか。アミダは退けても、今度は名瀬の旗艦が突っ込んで来る。これはさすがに頼りの兵器でも防げない。質量の差により、運動量も桁違いなわけで、止められるわけがない。

 アミダの声は聞こえていなかったはずですが、名瀬はアミダを太陽に例えて感謝、決死の報復でイオクを道連れに、といったところですね。こうなると、もう名瀬もさすがに後のことは考えていられないのでしょう。残念ですが、やむを得ない感じです。最期の望みですもんね。

 名瀬艦はイオク艦に激突して跳ね、そばの艦に再激突して大破、爆発。もっとも、その前に名瀬は死んでいたようです。イオク様は……たぶん生きてやがるんだろう (^^;。タービンズメンバーはもとより、鉄華団、クーデリアらも涙するのみ。どうも画面で見た範囲以上に、名瀬は慕われていたみたいですね。

 名瀬艦の激突寸前、イオク様はブリッジで指揮席の後ろでおろおろしてましたが、さりとて退避、脱出する気配はなし。アミダ強襲時の、あのヘタレぶりからすると逃げそうだし、もし一応の気概があって後図を策す気があるのなら、やはりいったん退避だと思うんですが、あれだけ怖がっていて逃げない。動けないわけでもない。

 どうも以前からイオクが言っている、「部下を見捨てて」という精神を発揮したんじゃないかと思います。あるいは、公言したことはどうしても曲げない。こういうところなんでしょうね、こんなイオクでも部下が付いてくるのは。単に当主だから守らなければという義務、義理だけではなさそう。そこがラスタルも評価している(欠点だらけの中で唯一の)美点なのかな。

 こういうタイプを個人的には、ヘタレではなくイチビリと呼んでいます。情けないんだけど、なんだか見捨てられないという印象になる人です。

 とはいえ。MA迎撃の邪魔して農業プラント壊滅(おそらく全員死亡)させるわ、タービンズ皆殺しにかかるわ(多数死傷したはず)、もう鉄血世界の脅威ってモビルアーマーではなく、イオク様とちゃうんかという印象です。それなりの末路を辿ってしまえ、あの世でも呪われるがよい、イオク様。ジュリエッタは、まあ助かってもいいかな。
(ネットでの今回の鉄血実況は阿鼻叫喚だったらしい、さもありなん ^^;。)

 次回「人として当たり前の」ですか。お葬式やってたり、またいろいろ整理しないといけないんだろうな。かなり暗い展開になりそうです。

●ロボット物

 NOVAさんの日米にまたがるロボットフィクション史とご考察を拝読中ですが、個々の作品などを調べたり、なかなか全体像までの理解に至っておりません。よく整理したうえで、簡潔に説明してもらっても、こんなにあるんだなという印象です。

 ちゃんと分かるには至っていないものの、それでも面白いというのが正直な感想ですね。例えば、日本のロボットでは、等身大は鉄腕アトムから、巨大ロボは鉄人28号から、という系譜、あまり意識したことはなかったんですが(感覚的に混然一体としてた)、整理されてみると、ああそうなってたんだ、という気がしてきます。

 そしてロボットと人間の境界がゆらぐようなジャンルはエイトマンからと。これも言われてみると、エイトマンは人ベースだけどサイボーグじゃない。脳が電子頭脳ですもんね。
 元の人間は完全に死んでしまっていて、記憶などがコピーされたAI搭載の等身大ロボットヒーローであるとなると、果たして人なのかロボットなのか、という問題を抱えていますね。確か、本人も悩むところなんだっけか。人間時代の交友関係などもあるし。

 もうちょっと、きちんと読み込んでみたいと思います。そのうえで、私から何か思うことが出てくれば、感想などを書けるかもしれません。

 ご考察、ご解説に感謝し、まともなレスができてないことをお詫びしつつ、実に面白いですということだけは、きちんとお伝えしたいと思います。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/25 (Wed) 02:22:54

オルフェンズ話と、ロボ話を書こうと思いますが、その前に、

★アンダー・ザ・ドームの後番組

フラッシュの後番組で始まった当作も、そろそろ3ヶ月の放送期間が終了しますので、次は何かなあ? と期待してみたのですが、

犯罪心理サスペンスドラマの『ブラックリスト』第2シーズンでした。残念。

一応、火曜深夜枠の洋ドラの過去作をチェックすると、『アロー1』→『ブラックリスト1』→『フラッシュ1』という流れがありまして、それなら『ブラックリスト2』の次が順当に行けば『フラッシュ2』になると予想できます。

問題は、『ブラックリスト』って1シーズンが22話なんですね。番組終了まで半年近く待たないといけません。同枠で、『フラッシュ2』に続くとしても、それは7月の話。
ちょっと先が長いなあ。はあ(ため息)。

★オルフェンズ

イオク様の悪虐非道ぶりに、劉備玄徳にたとえたことを反省。
無能でバカだけど人は良い真っ直ぐなお坊ちゃんで、少しは可愛げがあると思っていたら、「無抵抗の相手の降伏を受け入れずに、自分の功績のために虐殺を敢行する見下げ果てた下衆」になってしまったなあ。

名瀬さんが散って行くのは、まあストーリーの流れでやむを得ないにしても、イオク様がここまで救いようのない悪役ぶりをさらすことになろうとは。

とは言え、MSに乗って前に出ずに、指揮艦に乗って命令していれば、割と戦果を挙げられることも判明。
突発的なアクシデントに臨機応変に対応する力はなくても、事前準備をきちんと整えて相手を追い込むだけの策は考えられる、と。

しかし、まあ、ジュリエッタも巻き込んでアミダ姉さんを仕留める攻撃を放ったのは、後々禍根を残しそう。
イオクを倒すのは、オルガか、マクギリスか、ラスタルの手の者か、あるいはジュリエッタの可能性も出て来ました。

ともあれ、タービンズは崩壊したけど、鉄華団と縁深いラフタとアジーさんが生き残ったのは不幸中の幸いです。
ラフタとアキヒロのカップルも、これで安泰かな。

イオクが極端にクズ化したことを除けば、物語の大筋としては想定内の流れでした。
名瀬さんとアミダ姉さんも格好良い散り様を描いてもらえたし、オルガたちが戦うモチベーションも高まった。

そして、今後、マクギリスがどれだけ悪辣な動きをしても、今回のイオクほどのヘイトを集めることはないだろうなあ、と思いつつ。

★スーパーロボットの系譜

さて、自分が近年のロボットドラマで興味を抱いているテーマは、「人間との関わりを通じて成長する人工知能」なんですが、その前に、K.Kさんが「ガンダムやイデオン」を挙げられたので、人が乗って戦う巨大ロボットの話の大きな系譜を見ていきましょう。
この手の作品は、ゲーム『スーパーロボット大戦』を通じて、常に関わっているようなものですしね。

まず、年代別に見ると、『マジンガーZ』を始祖とする70年代がスーパーロボットの時代、と見なすことができます。
スーパーロボットの定義を大まかに挙げると、
「1.一騎当千の大型ロボットである」
「2.搭乗者は基本的に熱血漢の若者で、ロボに搭載された武器名や必殺技名を叫びながら放つ」
「3.敵は世界征服を企むマッドサイエンティスト、人類殲滅を目指す異文明、宇宙からの侵略者など、分かりやすい悪役で、毎週一体の怪ロボットを送り出し、主人公ロボとバトルを展開する」

作品によって、変形合体のギミックや、敵役およびロボを生み出した超技術などの設定にアレンジが見られるも、大まかに言えば、「強い主人公ロボが、悪い敵ロボットを毎週倒すヒーロー活劇の亜種」と言えるでしょう。

そして、時代は70年代後半に移ると、敵も「地球内部の古代文明の系譜」が多かったのが、UFOや宇宙ブームの流れに乗って、「宇宙からの侵略者」が割と定番となります。
その流れの中で、ロボット作品に新たな潮流を生み出したのが『機動戦士ガンダム』となります。時は1979年。ここから80年代の半ばまで、それまで主流だった東映のスーパーロボット作品と一線を画すように、サンライズ社主導で後に「リアルロボット」と呼ばれる作品群の流れが生じます。

ここで、スーパーロボットに対する、アニメ界のリアルロボットの定義ですが、
「1.主人公ロボは、その世界の兵器系列(ガンダムにおけるモビルスーツ)の一体であり、最新型であったり、それなりに高性能ではあるが、唯一無二の存在ではない」

「2.搭乗者は熱血漢の体育会系とは限らず、内気だったり、戦いたくないのに戦争に巻き込まれて、やむなく戦うケースも多い。主人公の葛藤と成長もドラマの一環だったりする。そして、技名や武器名を叫んだりはしないのが普通」

2番目については、相手を攻撃する際に、「この!」「そこだ!」「させるか!」など短い台詞の応酬となる。
これがスーパーロボットだと、「この野郎、よくもやりやがったな。食らえ、ロケットパーンチ! どうだ、ざまあみろ、機械獣め。よーし、とどめだ。ブレストファイヤー!」って感じになりますね。コクピット内で、やたらとうるさい(笑)

合体ロボットのゲッターロボとか、コン・バトラーV辺りになると、他の搭乗要員との会話劇も成立したりするわけですが、この辺のコクピットでのセリフ模様も作品の個性となりますね。

「3.敵は、必ずしも悪とは言い難い国家間の戦争相手。主人公たち以外にも多くの戦線を抱えており、量産型の兵器が各地で一進一退の攻防を繰り広げている。主人公たちの戦いは、戦争全体の一角でしかなく、補給部隊や停戦条約など、軍隊用語や政治用語がしばしば飛び出す。戦いそのものよりも、戦いの背景にある政治模様が描かれることもあり、ひどい場合には、主人公たちの戦いとは関係ないところで、政治的に終戦条約が結ばれて物語の幕を閉じることもある」

こういう分類にあって、イデオンはかなりの異色作になりますね。
主役ロボのイデオン自体は、異星の第六文明人の古代遺跡から発掘された3機のメカが合体する伝説の巨神で、一騎当千のスーパーロボットそのもの。
一方で、それを狙ってくる敵異星人バッフクランの兵器体系とか世界観が、リアル系のもので、最初は戦闘機で攻めて来るのですが、巨神の戦力には勝てないので、やがて巨大戦闘ロボの「重機動メカ」を繰り出して来る。
イデオンは強いものの、バッフクランの物量はあまりにも多く、主人公側は母艦のソロシップに乗って、ひたすら宇宙を逃げ回り、「スペース・ランナウェイ」と称される状況に陥る。

その後、ソロシップが補給のために、とある植民惑星に逃げ込んで救助を求めるも(遠い未来なので、地球人も銀河規模で進出している)、それを追ってきたバッフクランの襲撃で植民惑星が壊滅。
イデオンが反撃で敵を殲滅させるも、せっかくの同胞も厄病神のソロシップを受け入れてくれず、逃避行はなおも続く。

そして、物語のテーマは、バッフクランがそこまで追求してくる「イデオンに秘められた神秘の無限力イデの秘密とは何か?」になり、やがて、バッフクランと地球本星が手を組んで、無限力を手に入れるために攻撃してくるまでになる。
攻撃されたイデオンはその都度、無限力の片鱗を示して反撃し、次々と敵部隊を殲滅させていく。

宇宙中を敵に回して逃げていく中で、イデの防衛本能は地球とバッフクランそれぞれの母星に隕石群を降り落とし、母星壊滅にまで至るまでに。
母星を失ったバッフクランは、それでも宇宙軍を率いる総司令がイデの追求を諦めきれず、宇宙中に展開した部隊の全てを差し向けてソロシップを追い詰めてくる。
最後の和解のチャンスを、イデの意思が生み出してくれたにも関わらず、相手への恨みや憤りの念を抑えきれない姿に触れて、宇宙の知的生物を見限ったイデはついにその完全な力を発動して、宇宙全てを殲滅して全てを次代の宇宙に委ねる形で物語が終了。

TV版では、打ち切りのために曖昧だったラストになりましたが、劇場版にて、次々と死んでいく登場人物と、最後はバッフクランの決戦兵器ガンドロワと相打ちになるかのように、全てを切り裂き、宇宙全てを壊滅させるイデオンの最期まで映像化。
そして、魂となって因果地平の彼方で初めて和解する主人公たちとバッフクランの軍人たち。
新たな希望のように、彼らの魂の光が新たな惑星に降り落ちて、完結、と。

もう、ロボット物のストーリーを飛び越えて、ちょっとした宗教話にまで到達した作品が『伝説巨神イデオン』というわけですな。

まあ、これも原作版『デビルマン』(マジンガーZの永井豪原作)とか、原作版『マーズ』(鉄人28号の横山光輝原作)を受け継ぐ人類絶滅マンガの系譜で考えることもできるのですが、それをアニメの映像作品でやったのが凄いなあ、とも。

PS.次は80年代から90年代まで書けたらいいなあ。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/25 (Wed) 17:50:53

 NOVAさん、どうもです。

 ロボット物のご解説、引き続きありがとうございます。興味深く拝読しています。人工知能は私も大いに気になる分野ですので、NOVAさんがどう見ておられるのか、非常に興味があります。

 アンダーザドームの後釜番組、フラッシュでもアローでもないんですか。うーん、無念です。ネタバレ系ブログでフラッシュの2ndシーズンをちょこっと調べたりしていますが、平行世界との行き来があって、適度にややこしそう。1stシーズンの余韻が視聴者にあるうちに2ndやれば、そこそこ視聴率取れそうなんだけどなあ。

 ロボットからは脱線になるんですが、イデオンのラストから、ふと思ったことをちょっと申してみたくなりました。

●規模のデカいラスボス

 イデオンが異色作というご説明で、あっと思うところがありました。ガンダムが人気だったから、ちょっと毛色を変えて作ったものくらいに思っていたんですが、系統的な解説を拝読してみると、「おおそうなのか、そんなに路線が違うのか」と思えてきました。

 イデオンのTVシリーズ最終回では、突如としてみんな吹っ飛ばされて、なんか赤ん坊が飛んどるわい、みたいな感じでしたが、劇場版できちんとラストが作られてようやく、「なるほど、イデの力で全てをリセット、再生という感じなのね」と理解した次第です。

 となると、イデオンのラスボスはイデの無限の力となるわけで、思い出しますのは「禁断の惑星」に出て来るラスボス「イドの怪物」ですね。人間の潜在意識だったんでしたか。ライオンみたいにも見えるものでしたから、イドとライオンでイデオンなのかとか、まあ妄想はあれこれです(^^;。

 イドの怪物はそんなに規模的に大きいわけではないですが、イデオンのイデだと少なくとも登場した二つの種族の人間の母星(どっちも「地球」)を壊滅させ、両星の人類も(肉体的には)一瞬で絶滅させたわけで、ちょっと戦いようがないレベルのラスボスですね。

 そういうデカすぎるラスボスで、印象に残っているものがいくつかあります。光瀬龍氏の「百億の昼と千億の夜」ですね。作中では途中までは、「シ」なるラスボスが匂わされていて、それに対抗しているのが「転輪王」らしいとも匂わされています。どうなっているか分からないうちに、登場キャラの奮闘も功を奏さず、ただただ宇宙全体が静かに死んでいくみたいなことになってくる。

 ラストでいきなり明かされるのが、「シ」なんてものは具体的には存在せず、そもそも宇宙そのものが、宇宙の外にいる生物が作った反応炉の内部の現象だったというオチ。
 反応炉内部でおかしな反応を検出したんで中和剤を入れたんだけど、それが反応炉(=宇宙)内部の生物視点では、恒星が冷えるとかの「宇宙が突然熱的死に入る」現象になっていた。
 転輪王は宇宙に生まれたかなり超越的な存在だけど(原作連載時はある惑星の地衣類だったらしい)、宇宙の死を止めようとして作った組織も機関も壊滅、そもそも宇宙の外に手を出せるはずもなく、という絶望的なラストでした。ラスボスは宇宙を宇宙と思わず作った連中だっということで、いきなり宇宙超えたラスボス出されて面食らうほどの衝撃でした。正体不明のままだしなあ。

 この作者(光瀬龍)が他にどんな作品書いたのかと思い、「百億の昼と千億の夜」の一つ前が、「たそがれに還る」だということで読んでみたら、さすがに宇宙の外まで行きませんでしたが、やはり絶望的にデカかった(^^;。正体も不明のまま物語は終わってました。

「たそがれに還る」のほうは、中盤までは未知の2種族の異星人が熾烈な戦争を繰り広げていた痕跡を探っていく内容です(どちらの異星人も既に絶滅したらしいと匂わせている)。途中で突如として地球表面が核反応で炎上、地表の全生物が死滅するなんて大事件も起こります(ただし、人類は太陽系惑星全域に進出しており、ダメージは部分的にとどまる)。

 その大事件が。異星人のどちらかが仕掛けた攻撃用トラップだろうということで、類似のものがないか探るという理由で、人類は持てる資源、財力の半分を費やして、探査システムを構築する。もっとも異星人というのは表向きの口実で、実は2種の異星人らが恐れていたらしい、「無」を探すため。しかし、システムは稼働と同時に爆発四散、もう「無」は地球に迫っていたのだった、というオチ。もっとも、その事件の千年後に書かれたレポートという体裁を小説はとっており、「無」がどうしようもないほど強大ながら、実にゆっくりと宇宙を侵食しているという感じで描写されていました。

 二つ読んで、「光瀬龍って、絶望的にデカいラスボス好きなんやな~」などと思っていたら、イデオンで宇宙の全生物滅ぼしそうなイデが出てきたわけで(^^;。うん、結構こういうどうしようもないほどデカいラスボスって好きです。まあ正統派に対するイレギュラーではありますんで、ときたま見るにはいいんですが、もし流行りにでもなってしまったら、たちまち食傷しそうです。

 イデ含め、さすがに全宇宙規模のラスボスってそうそういまい、と思っていたら、たまたま石川賢氏の作品には、もう少しドデカいラスボスがいると聞き及びました。調べてみると、「虚無戦記」などに登場する「ラ=グース」なるラスボスです。本体が(多元)宇宙で、他の宇宙をほいほい生み出したり壊したりするんだとか。

 じゃあどうしようもないかというとそんなことはなく、「ラ=グース」に敵対する/できる者もいて、その敵対する者が作り出したのがこの宇宙で、宇宙開始のビッグバンで「ラ=グース」の侵略を一時的ながら止めたんだとか(もうわけがわからないよ)。

 で、その敵対する者が宇宙を作ったもう一つの意味は、宇宙の中から生まれた生物が進化して、それが「ラ=グース」に対抗できることを期待しているんだそうで。その対抗馬候補の一つが人類が作り出したゲッターシリーズの最終形態「ゲッターエンペラー」で、人類以外の全宇宙の生物を滅ぼして成長(ゲッターって悪魔かよ)、いずれは「ラ=グース」を倒せるまでになるんだとか。

 しかも、「ゲッターエンペラー」も「ラ=グース」も、敵対する者の上位的存在「大いなる者」と、それの不倶戴天の敵「時天空」(相撲取りに非ず)の争いに巻き込まれているんだそうで。全ては「大いなる者」が「時天空」を倒すための兵器開発、「ゲッターエンペラー」と「ラ=グース」の勝者が決戦兵器となるんだそうです(いい加減にしろよ、引き続き「大いなる者」と「時天空」がどうして生まれたか、となって終わらないじゃないか)。

 途中から何がどうなってるか理解できなくなった部分が多々ですが、なんだかなー、という感じです。石川賢氏のライフワークにして、未完のまま他界というのも、なんだか頷けます。どう考えても、一代で完成しそうな構想ではありませんもん(^^;。書いているうちに、現実の宇宙論とかと齟齬をきたしそうだし。

「ゲッターエンペラー」ですが、惑星サイズまで成長するところまでは描いて、そこからさらに太陽系サイズにするつもりだったそうです(その次は銀河サイズなんだろうな)。太陽系サイズになると、腕を動かそうとしてから動き出すのに百年、地球-火星間距離くらい動かすのに千年とか、そういうタイムスケールの化け物を構想していたとのことです。そんなもん、漫画でどう表現するつもりだったんだろう。しかも、そんなサイズになっても三機合体の基本は崩さないつもりだったそうで、もう何を考えてるんだか。

 たぶん、一連の作品を当初から読んでいた読者だったら、次々に明かされる敵の正体にわくわくしたんでしょうけど、後で知ってまとめ的な情報を一気に読んだ者からすると、まるで車田正美作品を途中から読み始めたような気分になるわけで(^^;。

 規模のインフレはさておくと、相争う者、勢力が実は兵器開発だったというアイデアについては、なかなかに皮肉な感じがあります。同様のアイデア、どっかで観たなと考えて、思い出したのが「クレイモア」ですね。観たのはアニメ版だけで、原作漫画について調べたら、作中の敵味方の強者が実は、作品で描かれた世界の外の世界での戦争のための生物兵器の開発だったというものです。

 描かれた範囲では、ある大陸があって、そこには妖魔と呼ばれるモンスターがいて、妖魔の力を人間に移植したクレイモアという者が妖魔を倒すんだけど、そのクレイモアが覚醒者と呼ばれるモンスターに変化してしまうことがあって、実はそれらは別のもっと大きな大陸で二派に別れて争う勢力が仕組んでいて、と連綿と敵味方関係がややこしく続く作品でした。

 読んでいて/観ていて、迫力を感じたり、手に汗握るのは、その程度の規模までかなという気がします。イデオンのイデだと、覚醒したらもう話が終わるような規模ですから、ラスボスというよりは天変地異の類のような気がします。よくある類例を考えると、爆弾を起爆させるボタン。ボタンを押すか、押させないかはドラマになるけど、爆弾の爆発自体はドラマにはならないみたいな。イデオンの後継、類作が作られないのも、発動したが最後、どうしようもない、そのため類似のものを作っても同じに見えてしまうということがあるのかもしれません。

Re: 1月のスレッド(2017) - White NOVA

2017/01/29 (Sun) 01:04:40

絶狼感想その他

★絶狼

烈花が登場して、さらに竜騎士とのバトル。
零と烈花の二人がかりでも勝てない竜騎士強いなあ。

アリスちゃん、バーに勝手に居候として住み着いたり。いつの間にか住み着いてるって妖怪か何かかよ。
竜の卵のことを聞きつけて、零について行こうとするも逃げられてしまい、適当にぶらついて落ちた穴の先が「竜の卵を保管している魔戒法師の道具保管窟」だったという、物凄い偶然が。
竜騎士襲撃に巻き込まれて、卵持って逃げようとするも、時間稼ぎにしかならず、かろうじて烈花が封印容器に卵を収めるも、その封印解除の鍵としてアリスちゃんが自分の手のひらを置いたものだから、「アリスじゃないと容器を開けない」という事態に。
今回、アリスは「両親がいない孤児」という設定を明かしたり、少しずつ背景が語られていますが、依然、謎の少女のまま。卵との本当の関わりは明かされていないものの、「容器の開封には欠かせない」という状況が生まれたので、すぐに正体を明かさなくても物語に絡む必然ができた、と。

一方、竜騎士に敗れて負傷したカゴメ。
契約していた小妖精に命じて、竜騎士の後を追わせますが、竜騎士は零たちとバトル。激戦の末、卵の入った容器を手に入れて逃走。まあ、容器が開けられないので、今後はアリスを狙ってくるのでしょう。
小妖精は、さらに竜騎士の後を追うのか、それとも竜騎士と戦った零たちとの接触を選ぶのか、次回の展開を楽しみにしつつ。

次回は、普通のホラー話なのか、竜騎士追撃話になるのか。どちらにしても面白くなりそう。

鎧を装着した竜騎士の燃える剣アクションは、派手でいいですなあ。
それと、烈花得意の魔戒魚召喚攻撃も、同じ鱗系の竜騎士には通用せず、逆に魚を操られて技を返されてしまうことに。
こうなると、烈花も新技を編み出さないといけないですなあ。成長した彼女が、昔の邪美姉さんみたいな雰囲気で描かれていたのもいい感じです。

★オルモス

こちらは、そろそろつまらなくなってきたなあ、と思ってます。
正直言って、刑事のジョンにも、アンドロイドのドリアンにも、科学者のルディにも、感情移入ができないなあ、と。
ジョンとドリアンの普段の軽妙な掛け合いが、ドラマの魅力と作り手は考えているのかもしれないけど、どうも笑えない感じ。

ジョンは感情重視で暴走しがちな、ちょい悪刑事。まあ、強引な捜査で、上からの命令を気にせず、自分の正義感で突き進む系の主役で、刑事ドラマではありがちなキャラ。
一方のドリアンが、論理性重視のアンドロイドで、ジョンの捜査活動をサポートしつつ、普段はズボらなジョンの言動にツッコミ入れながら、たしなめたり苦言を呈したり、やり込めたりなどなど。
ただ、ドリアンの口調とか演技が、もう少し無機的なロボット感があれば、コメディーとして楽しめるのに、ドリアンが人間的すぎて「ただの嫌味な揚げ足とり、空気の読めない奴」にしか見えなくなっている。

ジョンに感情移入すればするほど、ドリアンにたしなめられるボケシーンが嫌味に見えてくるし、だからと言って、ドリアンに感情移入するのもいまいち。
まあ、この二名のやりとりは、「少々横暴で間抜けな主人と、従者の知恵者黒人のステロタイプ演劇」なんだろうけど、こういう人間関係のドラマが成立するのは、彼らとは別に常識人の第三者視点で接するキャラがいる場合だと思いますね。

日常シーンにおいては、主役のジョンが間抜けなボケ役を演ってしまうため、事件を格好良く解決する主人公との落差が大きくなる。
これでルディがもう少し常識人なら、彼のラボのシーンは安定するのですが、彼も少々ネジの外れた奇人だということが今回で完全に確定。

一番まともなキャラは、IT担当のヒロインだと思うのですが、彼女の出番は少なくて、現状目立ってませんからね。

あとは、今回のコメディで和食バーのシーンがいただけない。「日本食では、西洋人のセンスとズレたゲテ物料理を食べさせられることがある」というネタなんでしょうが、さすがに生きた虫を食べさせることはないでしょうに。取材不足か、それとも誇張したギャグなのか、作り手のセンスを疑う描写ですね。
アンドロイドと、和食バーの主人にニヤニヤされて、生きた虫を苦い顔で食べる羽目に陥る主役刑事。「出された物を残すのは失礼に当たる」と言ってしまった手前、残すに残せないとか。こういうのって面白いとは思えませんね、自分としては。

ドラッグ業者を捕まえるため、潜入捜査をしていた刑事が殺され、その上司が実は敵の黒幕だったというのが大筋のドラマですが、それを殺された刑事の親友だった主人公が射殺して終わるというのも、アメリカの刑事ドラマだったら許されるのかな。
日本だと、仮に犯人を射殺するにしても、それは相手が抵抗を試みた上での正当防衛という前提が付きますね。
まあ、80年代の西部警察だと、銃撃戦が当たり前で、近年の刑事ドラマが大人しすぎるため、アメリカの標準的な刑事ドラマでは犯人射殺に対する忌避感がないのとギャップを感じたのかもしれませんが。

未来のSFドラマとして面白い描写だと思ったのは、序盤で「体内に埋め込まれた携帯式テレビ電話」ですね。手の平に画面が映って、相手と話ができるのはちょっと新鮮に思えました。
他には、「飲み薬式の発信装置と、それを中和する薬」。どちらも非常にマズそうに飲んでいて、ゲテ物を飲食するのがテーマの回だったのかな、とも。

クライマックスのドリアンと敵アンドロイドの対決は、一応、燃えるアクションシーンかもしれませんが、ターミネーターなんかを見てきた立場では、どうにも地味すぎますね。
ドリアンは、あくまで捜査用ロボットであって、ネットへの通信情報検索と、現場での画像分析、証拠記録などの機能は充実しているけれど、戦闘能力はそれほどでもないのかな。
現場の刑事たちも、対アンドロイド用の強力な銃器とか、電磁警棒みたいな特殊装備とかは配備されないのかなあ、と気にはしつつ。

結局、推理ドラマとして凝った物語を作るでもなく、未来の世界観が断片的な描写程度で、登場人物に感情移入できるでもなく、アクションも割と地味となっては、本作に何を期待して見ればいいのか、ちょっと分からなくなってきた感じ。

せめて、アンドロイドのドリアンのAIが、ジョン刑事とのやりとりで少しずつ人間性を獲得する成長物語として見ることができれば面白いんですけどね。ドリアンは最初から人間的すぎて、学習するAIという魅力に欠けるなあ、というのも不満材料ということで。

Re: 1月のスレッド(2017) - K.K

2017/01/30 (Mon) 16:50:39

 NOVAさん、どうもです。

●絶狼

 ようやく主要キャラが出そろってきましたね。敵も竜騎士にフォーカスが絞られてきた感じです。

 冒頭からあからさまに人間を見下す竜騎士ですが、一瞬卵が映って、「我が子が呼んでいる」と言っていることから、竜騎士が竜の卵の親みたいなもののようですね。バーでのシルヴァの解説によれば、竜が産み落としたのが竜の卵ということですから、ちょっと関係性が複雑そうで、現時点ではよく分からない感じですね。

 続いて、アリスと零のシーン、アリスが親がいないと平然と告白、この後、なぜかバーの物置に勝手に住み着いたとマスターが説明してます。その二つから、NOVAさんが推測された「アリスは魔導具」説が当たっていそうな感じがします。アリスの今までの様子からすると、遠慮して物置に、というのはちょっとなさそう。となると、道具だから物置が落ち着くんだろう、ということですね。

 アリスをなぜか気に入らなさそうで、ぷいと出て行った零は魔界法師と会う約束、ということは烈花ですよね。と思っていたら、なぜかアリスが付いてくる。またホラーをかぎつけたんだろうか。バーの検知器は動作してなかったし、シルヴァもホラーの気配は感じてないみたいだけど。ああそうか、竜の卵がありそうだからついてきたのか。

 零がどうやら身体能力を活かしてアリスをまき(鎧装着した?)、怪しげな石の門のところでガードらしき男ともめると、ようやく烈花登場。私は烈伝でしか見てなかったんですが、今作に出て来る烈花は威厳が増した感じがします。牙狼1stの邪美くらいの迫力がありますね。

 零と烈花、エキシビジョンマッチ的に腕前を確かめ合うわけですか、久しぶりの再会のお約束だなあ (^^;。もしかすると、どちらも相手が偽者の可能性を考えて、動きや技が本人のものか確かめているのかもしれませんね。

 今回の公式(?)新情報は烈花解説の「竜騎士」ですね。魔戒騎士登場以前に竜の力を借りて戦っていたと。この解説以前の私の認識だと、魔戒騎士登場以前は魔戒法師のみがいて、より強いホラーを倒せるよう騎士が登場したというものですが、もしかして烈花の今回の解説は魔戒史を塗り替えるものなのかな。とりあえずは、「そういうことだった」と受け入れるしかなさそうです。

 ただ、ここまでの流れだと、竜騎士は眠っていた(烈花解説)というより封印されていた感じですね。覚醒した途端、カゴメの兄を即座に殺害してしまうし、戦力的には強いものの、性格、目的などに相当の問題があり、封印されたように思えます。で、黒歴史になっちゃって、今まで秘匿されていたということなのかな。

 零と烈花の二人で竜の卵をなんとかしようとするわけですが、NOVAさんがまとめてくださった通りの流れ。カゴメは妖精(使い魔?)を金平糖で使役してるのか。なんだかすぐに裏切りそうな妖精だな(^^;。行った先が魔導具の墓場=ガラクタ置き場で、そこへアリスが落ち込んでしまう。ここも、アリス=魔導具説を補強するような流れに思えます。なんか使えないという感じのアリスが、ガラクタ置き場に落ちてしまうとか意味深な気も(^^;。

 CM後、竜騎士も乗り込んできてとなるわけですが、NOVAさんも感じられた通り、竜騎士が強すぎますな。門を守る法師3人を一瞬で撃破、零と烈花でもてんで相手にならない。後の戦闘では竜騎士は剣と法術、どちらも使えるようですし、怪我の治癒能力も高いとか、いろんな面で最強な感じです。

 そして、おお、竜騎士も鎧装着があるのか。装着シーンの背後の文字は「鎧竜」と、なるほどそのまんまだわ(^^;。零も鎧装着すると、まあまあ竜騎士と戦えてる? 竜騎士にも時間制限あるようで、双方ほぼ同時に鎧解除してましたな。零の残り時間は17.3秒、ちょっと余裕残してる。竜騎士も鎧の装着は99.9秒で、時間制限超えると鎧に食われるとかあるんだろうか。

 ところで、竜騎士が門をくぐるときはまだ明るかったですが、卵を抱えたアリスを追って外に出た竜騎士のシーンでは既に夜、どうも洞窟内で相当の時間経過があったようで、かなり長い洞窟なんだろうなという気がします。相当昔から、使えなくなった魔導具を捨てて、いっぱいになると拡張工事してたんだろう、きっと。

 アリスは烈花が封印した卵の容器に、意図的に手を置いてましたな。使い方分かってて、自分から鍵になりに行ったということか。鍵がかかった瞬間、アリスが吹っ飛ばされてましたが、法師でないとこうなるのか。もし一般人では鍵がかけられないということなら、アリスは不完全ながら法力を持ってることになります。

 うーん、竜騎士の目的も謎だし、アリスが何しようとしていて、何ができて、そもそも何者なのかも謎ですね。観ようによっては、アリスはひたすら状況を混乱させているようにも思えます。が、そうではないんだろうな。どこかで全部がぴたっと一点に向かってまとまって行くんだろう。ただ、竜騎士が人間皆滅ぼすみたいなこと言ってますから、相当に大風呂敷なわけで、1クールでどう畳むのか、ちょっと気になります。

 次回は「永遠」、予告では写真ではなくて絵が鍵となる話みたいですね。牙狼世界で絵と写真がどう意味づけられているかなど、気になる話です。

●鉄血のオルフェンズ

 前回は激しい戦闘、名瀬もアミダも死亡ということで、今回は静かに整理していく回かと思ったら、大間違いでした。えらいことになってしまった。だって、ラフタが、ラフタが……。

 イオクとつるんで裏でやりたい放題だった、テイワズNo.2のジャスレイですが、さすがに大親分マクマードににらまれ始めた。マクマードが察しただけか、何らかの情報を入手したのか分かりません。もしかすると、この程度のことは半ヤクザ組織のこととて、かなり大目に見られる面があるのかもしれません。

 タービンズ生き残りの処遇はマクマードが面倒見ると。彼の懐が広い面もあるでしょうし、運輸部門を喪失するわけにはいかないという事情もあるんでしょう。システムって、設備だけでは動かず、従事する人が大事ですからね。ラフタはどうするのか、タービンズ残留か、思い切って鉄華団に身を寄せるか。と、この時点では期待してました。

 一方、ギャラルホルンではイオクとマクギリスのもめごと、イオクがタービンズに行使した違法兵器の件は、ギャラルホルンの実質的なNo.1、ラスタルにはお見通しと。一応は釘をさすラスタルですが、それくらいでイオクがおとなしくなるとは、ラスタルも思ってないだろうな。腹に一物あるはずだけど、それが何かはまだまだ未知な感じです。

 鉄華団ではイオクのタービンズ殲滅作戦をテイワズ内部の策動、ジャスレイの仕業と考える者もいて(当たってる、ちゃんと考えてるんだ ^^;)、報復を言い出してますが、さすがにそこまではよくないとオルガは考えている模様です。やれるだけのことはやった、この後は鉄華団の生き残りを考えなくちゃいけないといったところなんでしょうね。でも、なんか三日月が睨みつけてる感じだな。三日月、仲間に手出しした者を許さない性分ですもんね。二人の間に徐々に亀裂が生じ始めている?

 と緊張したところへ、ラフタと昭弘のシーンへと移り、なんだかほのぼのムードへ。鈍い昭弘をユージンらが焚きつけてやると。ふむふむ、お決まりのデートコースだなという感じです。感じのいいバーらしき店でラフタが自分の身の上語り。でも半ばは名瀬の話でもあるかな。ラフタの決断は鉄華団、つまりは昭弘と別れ、タービンズで生きていくということですか。お別れのあいさつは前からの約束のきゅー。さすがに昭弘も顔が真っ赤です(^o^)V。

 と思ったらCM後は悩むオルガですか。自分がどうしたらいいか、何をしたいかといったことは、結構名瀬に判断預けていた面があったようですね。名瀬に死なれてみると、組織の長、しかも部下の生活、さらに命を預かっている重みがずしりと堪えている感じです。盟友の三日月は戦闘では頼りになっても、判断、決断はほとんど力になってくれませんもんね。

 と思ったら、今度は三日月とアトラのラブラブ話ですか(^^;。昭弘とは別の意味で鈍感な三日月、アトラに自分と子ども作るかなんて言い出して、アトラの許容能力超えちゃったよ。いや、アトラがうっかり誘っちゃったんでしたっけ。クーデリアには子づくり頼めても、いざ自分となるとどうしていいか分かんないかー(^^;。

 続いてジャスレイ。ほのぼのと緊張シーンが短時間で交互に出てきて、ちょっと混乱しそうです。ジャスレイは鉄華団が沸騰してかかってくることを期待してたのか。狙いはテイワズのトップののし上ることみたいですね。そのためにダメ押しに何かする模様。

 シーン変わって、アジーと買い物するラフタ。ジャスレイの台詞の後だけに、嫌な予感がします。子熊のぬいぐるみを買おうとした途端、店外から銃弾が撃ち込まれる。慌てて駆けつけたラジーが見たのは。うぐ、ラフタが流血の絶命。間違いなくジャスレイの(手先の)仕業ですね。

 怒る鉄華団員ですが、

・名瀬、アミダ、ラフタの死はジャスレイの仕業であるから報復すべき。
・ジャスレイを放置するとタービンズも危ないから始末すべき。
(・やられっ放しじゃ鉄華団の名折れ、などもあるんだろう。)

といったところですか。理屈として報復すべきものだけを探していますね。かなり危ない状況です。思考の視野が狭まり、感情的に納得しやすいものしか考えられなくなっています。リスクなどは度外視ですね。ジャスレイの思うつぼでもあるでしょう。

 一方、オルガが考えているのは、

・鉄華団が報復行動に走るのはもう止められない(制止すると各個に暴走しかねない)
・ジャスレイと戦えば、勝敗に関わらずテイワズにはいられなくなる。
・その後は鉄華団独自で生存はできず、マクギリス頼りになる

といったところですか。マクギリスとしては、

・テイワズ傘下で大きくなってきた鉄華団を自分だけの手駒とし、戦力増強

というところのようですね。鉄華団は自分のしたいようにしているつもりで、だんだんと周囲の思うつぼの自縄自縛に陥りつつある感じが濃厚にします。オルガとしては、ジャスレイ一派に対して全面戦争のつもりなんでしょうけど、力尽くだけで通用するかどうか。たぶん、喧嘩の勝ち方についてはジャスレイのほうが一枚上手な感じがします。

 と思ったんですが、次回「落とし前」の映像で、どうもジャスレイが最前線でバトルしてるような。本編からはイオクとやり合わせる策に出てたようなんですけど、ジャスレイ本人が追い込まれてる? もしかして、鉄華団が予想を超えて強かったとか? ラストでバルバトスが新しくなってたしな。あれが勝敗の鍵になるんだろうか。

 うーん、だとすると次回はジャスレイが意外に小者だったのがバレるというオチなのかしらん。まあそのほうがラフタ死亡を償わせることにはなるんだけど。でも罪深さという点ではイオクに制裁が下るのが先決のような気も。ジャスレイとの決戦にはイオクが出て来るだろうし。ともかく、来週はまたもや大乱戦が見られるような気がします(が、あまりスカッとはしないだろう)。

●オルモス

 不満点はNOVAさんの仰る通りですね。同じことを感じました。特に日本料理店のシーン。造形はナメクジですよね、あれは。「生ものを食う」「活け造りや踊り食いがある」みたいなことを聞きこんで、調べもせずに想像だけでシーン作ったんだろう。目を引きさえすればいいや、という感じで。

 なんと言いますか、作中に出すものに対してリスペクトがないように見受けられます。SF的なアイテムもそうですね。今回だと、(NOVAさんは一応の評価をされておられますが)飲み薬による発信機と中和剤。これ自体はそこそこ面白いアイデアです。ドラえもんに出てきても違和感なさそう。

 でもドラマでの使い方が。今回の敵の黒幕が警察幹部だと明らかにするためだけに使われた感じです。犯人暴きのドラマを簡単にやれるためだけにアイテムが使われたような気がして、安易さにちょっと興ざめです。

 とまあ、あまり不満点をあれこれ述べ続けても仕方ないかな。面白くないものは面白くないと割り切って、あれこれ感想を書くことから離脱してしまおうと思います。もうしばらくは、あきらめずに観るつもりですんだ、もし運よく面白い展開に変わってきたら、また感想を書いてみようと思います。

 もっとも、私は書くのを控えようと思ったのですが、もしNOVAさんが何か思う、感じるところがおありでしたら、ぜひ拝聴したいと思います。今回のご感想も、いろいろ納得するところ、考えるところがありました。自分で書くのはかえってストレス増やしそうだけど、NOVAさんがどういう点に注目(ネガ、ポジ両面で)されるかは、大いに興味があります。ロボット物の話とも関わりますしね。

●宇宙人王(ワン)さんとの遭遇
 ローカル局で放映していた映画です。イタリアのSF映画で、ストーリーの性質上、吹替ではなくイタリア語音声で日本語字幕。後でネットで調べたら、なにかの映画祭参加作品で、結構話題になったらしいです。

 なんで吹替になってないかといえば、出て来る宇宙人が地球語としては中国語しか話せず、イタリア女性の通訳が主人公だから。ラストでちょっとだけ特撮がありますが、そこまでは延々と地下の一室で話が進みます(低予算なんだろうなー、というのが見て取れる ^^;)。

 冒頭で中国語通訳の女性が通訳の仕事を依頼され、なぜか目隠しされて仕事現場まで連れてこられます。なぜか真っ暗な部屋で中国人とイタリア人取調官の通訳をさせられる。顔が見えないと通訳しにくいと抗議して、照明をつけてもらう。すると、取り調べされてたのはイカみたいにも見える、人ならざる者で、なぜか中国語で話していたと分かる(その後の本人の弁では「地球で最も多数が話している言語だから勉強した」とのこと)。もちろん、これがオチではありません。

 中国語を話す宇宙人は、とても普通でまともなことしか言わず(調査とか交流とか友好とか)、取調官だけがテンション上げて、拷問まで始めてしまう。こんなことは許されないと、宇宙人に同情し、助けようとする通訳の女性。

 ネットではあちこちネタバレ情報があるんで、ネタバレしてしまいます。通訳の女性がようやく宇宙人を助けて地上に戻ると、謎の円盤群に地球が攻撃されている。宇宙人は実は侵略者の一員で、地上に戻ると侵略用の最終兵器を始動させてしまう。宇宙人は(相変わらず中国語で)通訳に一言、「お前、バカだろ」。

 もうこれだけです。このオチ言うためだけに、約90分の映画を仕立て上げてありました。自分でもなんとか説明してみて、「あれれ、説明するとものすごくつまらないようにしか聞こえない」と思うんですが、観たら面白かった。後で考えて、致命的におかしな点もあるんだけど、それでも未だに面白く感じてます。

 そういう変な映画をTVで観ましたよ、ということで。「実にくだらなさそうな映画で、コイツは何を興奮しておるのか」と思われるかもしれませんが、くだらない映画がなぜか実に面白かったもので(個人的に大好きな「世にも奇妙な物語」みたいな雰囲気だったかも)。

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