創作と鑑賞の談話室

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11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/01 (Fri) 00:00:39

 11月の雑談スレッドです。

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/01 (Fri) 10:14:02

 ハロウィン明け感想です。
 令和元年も、残り2ヶ月ですか。今年は特に、いろいろ早く過ぎ去っているような気もします。

★ゼロワン

 今回は、先にこちらから。

 エイムズ組が飛電側との関係を見つめ直す転機になったような回ですね。
 これまではヒューマギア破壊の一直線だった不破が、ドクターに命を救われ、「良いヒューマギアもいる可能性」を認め、
 冷静クールだった唯阿がいろいろと感情的になった姿を見せ、
 非常にハートフルな展開を見せた感じ。

 そして、滅亡迅雷の侵食に、初めて抵抗して打ち勝った医師ヒューマギアのドクターオミゴト。マジでお見事でした。
 医師として人の命を守る責任感が、滅亡迅雷の呪縛に抗ったのか。それとも、厳重なセキュリティの勝利か。

 昨年のタイムマジーンに続く巨大ロボ枠のブレイキングマンモスも、CGで動きまくる。逆に、こういう巨大戦力が出て来たことで、戦いがエスカレートしている実感もあるわけですが。

 次回はお休みですが、キリのいいところで終わったということで、駅伝後は、また前後編の俳優回ですね。そろそろ年末に向けて、6人目ライダーとか、劇場版との絡みなど、イベント目白押しになるのかな。

 令和1号ライダーということで、毎回、新装備が登場して、力入ってるなあ、と思いつつ、そろそろ2話1エピソードが定着すると、序盤のスピーディーさが落ち着くのか、逆にますます加速するのか、次の流れを見据えながら、今は仕切り直し感覚も抱いていたり。


★BDリライズ

 自分的には、ガンダムを抜いて、こういう略称で行こうか、と思います。

 パルの悩み(その背景は語られませんでしたが)が一旦解消され、飛翔と可変のドラゴンギミックで盛り上がった回。

 主人公のヒロトが、不器用にパルにコミュニケーションを試みて、チームの絆を維持しようとした面もよし。
 彼自身、GBNを辞めようと思い悩んでいた時期があって、同じように辞めることを持ち出したパルに対して、「無理に引き留めることを潔しとしない想い」と、「それでも自分の思っていることを、受け売りのセリフと自嘲しつつも、伝えようとする態度」で、主人公自身の過去をほのめかしているような描写かな。

 チームメイトのそれぞれの過去について、今はまだ伏線を張りつつ、それが交錯する方向にじわじわ向けているような気配。

 ビルドファイターズの時は、次作のトライが単純化・低年齢向きな勢い物語にシフトし、キャラの細かい心情を前作よりも描かなくなって、さらに「チーム戦なのに、チームの連携は描かずに個々の戦い描写メイン」だったため、前作のマニアックさとドラマチックさを期待して、願い叶わずだったわけですが(違う意味の熱さはあったので、別作品として受け入れはしたけど)、

 ビルドダイバーズの場合は、逆のシフトをしている感じに思えます。前作が熱く勢いのままに、年少視聴者にも分かりやすいストーリーを展開。
 具体的には、初心者主人公と、過去ある年長組や癖のあるライバルたち。そして、周囲の人物が、主人公の勢いに感化されつつ、主人公の乗り越えるべき壁として、また導く先輩として、成長を促す立ち位置。まあ、ホビー物としての王道でしょう。

 で、今回のリライズは、少年ものとしての王道ではなくて、思春期世代に向けた「挫折から立ち直るコンプレックス克服物語」とか「世界の謎を匂わせて、その解明で引っ張る大筋」とか、ぶっちゃけエヴァとかの方向性かな、と。
 前作にあって、今作にまだないのは、萌えヒロイン要素と、明確なライバル。

 いるのは、萌えとは違う方向のクールヒロインと、前作のサラを想起する過去の謎少女と、物語にまだ大きく関与しない日常幼なじみと、ツンな獣人少女。
 物語を引っ張る陽性な仲間少女がいなくて、そこの掘り下げが今後どうなるか。

 ライバルというか、敵みたいなキャラがラストでチラッと出てましたが、現状では、人間ライバルは登場せず、無機的な敵メカ(人格を持たない怪物、エヴァの使徒みたいなもの)をミッションで撃退するだけのバトルストーリー。

 バトルに関しては、連携しようとしても失敗続きで(事前シミュレートで努力は見せているんだけど)、結局、個々の機体のギミック面だけでミッションクリア(玩具販促アニメとしては正しい)。
 連携が失敗する最大の要因は、即席チーム(前作と違って顔見知りが一人もいない)の上、コミュニケーションスキルの高いキャラが一人もいないから。
 ジャスティス・カザミは、一見、陽キャラでコミュニケーション能力が高そうですが、「独りよがりで、人の話を聞かない。細かい感情の機微を介さずに、自分のペースだけで他人を強引に引っ張ろうとする(そして空回り)」という面があって、まあ、良くも悪くも道化役ですな。

 ただ、積極的にリーダーシップを取ろうとする前向きさはあるので、うまくハマれば(細やかにフォローする女房役・参謀役がいれば)、機能するキャラだと思いますね。
 ヒロトがそういう位置づけになるのか、それともパルが成長して、サポーターになるのか。
 現状は、分析を怠ったまま自己の能力を過信して、勢いで突き進んで、敵の思いがけない能力に返り討ちにあって、味方を巻き込んで自滅しがちな描写ばかり。
 ある意味、マジンガーZにおけるボスボロットとか、コミカルな前座ロボの立ち位置。

 ゲーム的には、先陣を切る前衛突貫型ファイターは必要だし、本来なら主人公の立ち位置なんでしょうけど、「敵の能力が想定よりも高くて、正攻法では攻略しにくい」という状況があって、無策じゃ対応できない高難度ミッションだから、対応できていないようですね。
 ただし、機体特性的には「防御力も高い」ので、きちんと足場を固めて、防衛戦闘に徹するタンク役を務めるなら、カザミ機が敵を押さえている間に、ヒロト機とパル機が奇襲遊撃することで、大ダメージを狙えるのかな。

 あと、ヒロイン機は、「防御力の高い遠隔支援機」ながら、パイロットの技量から「一応、接近戦もこなせる」わけですが、カザミ機がきちんとタンクとして敵の足止めをしてくれないので、支援機としての本領を発揮できていない感じですね。

 ファンタジーRPG的には、前衛が仕事してくれないで敵の突破を許してしまっているから、乱戦になって、それぞれで対処するしかない現状。
 主人公機は、機体換装によって、前衛後衛のどちらもできて、戦況に合わせて臨機に動く万能タイプ。
 パル機は、今回で覚醒して、高機動かく乱タイプになったのかな。前までは「攻撃が命中しない遠隔支援タイプ」として、使えないキャラ扱いだったのですが。

 逆に、主人公機とパル機は、変形機能が災いして、構造的に防御力は高くなさそう。だから、ダメージを受けると脆い。
 まあ、主人公機は換装システムのおかげで、ダメージを受けてパーツが破損しても、別パーツにアーマーチェンジすることで、継戦可能で逆転を狙えそうですが。

 と、現段階での機体特性と、戦術なんかを分析してみました。
 当面の課題は、ジャスティス・カザミがきちんと前衛の壁役として、敵を押さえ込んでくれることですな。防御無視で、派手に突っ込んで返り討ちに合うパターンから脱却してくれれば、チームとしての連携も生きてくると思いつつ。

 ではでは、今回はこれにて。

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/03 (Sun) 11:29:46

 定例感想です。ゼロワンはお休みなので今週は定例1回になりますが、平成ライダーのネット再放送が次シリーズもやってくれるようなら、週2回ペースになりそうです。

●BDリライズ(第5話:いま、翼ひろげて)

 上記の通り、NOVAさんの表記を頂こうと思います。「リライズ」より長いわけなんですけれども、ぱっと見で文章中から探しやすい。アルファベット+カタカナだと目立ってくれるみたいです。

 NOVAさんのビルドシリーズのご解説でトライの前作からの位置づけ変更が、ちょっと分かってきた気がします。前作、というよりビルドファイターズ初作は初放映は全く観ておらずです(当時、確か局自体が視聴できないアンテナ設定だったと記憶)。その後、こちらのローカル局で深夜にやってくれまして、一応観ました。ですが、やっぱり感想書く前提で観ていないと、どうも印象、記憶に残ってない部分が多くなったようです。

 改めてビルド初作とトライの差異を拝読しまして、NOVAさんがビルドシリーズ第2作目に期待するものがあったこと、前作との比較もしながらご覧になっていたんだと気が付きました。同時に、もしかするとトライで多少なりとも期待と異なったようだとも。

 ビルド初作が結構濃い(←こう表現していいものかどうか)作りだったわけでしたか。自分だと、トライでも例えば知らないMSが次々出て来て、情報を追っかけるので精一杯の面がありまして、それだけでもある意味「濃い」ものでした。が、ガンダムシリーズ全般の予備知識があれば、どのガンプラがどのMSといったことは観て分かり、その先の内容まで踏み込んで理解がすぐにできるということなんでしょうね。

 そういや、初作のほうはプラフスキー粒子がガンプラファイト用の単なるギミックではなく、異世界までつながるものなんでした。キャラクターでいえば、「メイジン・カワグチ」がトライでも重きを成していたわけですが、キャラを確立したのは初作ということですよね。キャライメージを確立するにはキャラクターにドラマがあるから、と考えると、初作の重みが少しは分かる気がします。

 それはともかくBDリライズ第5話。前話からのパルの苦手意識から、その克服といったところですね。ボスらしき仮面の人物がちらりと出まして、GBNのNPD以外の敵もそろそろ出ると匂わせてきた感じです。しかし、主人公(だよね?)ヒロトの懸案事項らしいイヴについては、今話の感じだとしばらく情報お預けになりそう。

 冒頭はマギーの店でメイが情報の聞き込みするところからですね。これ、リアルなのかGBN内なのかと思い、調べてみますと、前作からずーっと勘違い、覚え違いしているのに気が付きましたorz。電脳仮想空間「ディメンション」があって、その中でやるゲームがGBNだったのか。ということは、GBN以外にも他の目的の世界が構築されたりしてるのかな。前作でGBNが崩壊するか否かの危機があったわけですが、もしかするとGBN含むディメンションの危機でもあったんだろうか。

 それはそれとして(^^;、マギーの店は今作ではディメンション内、つまり仮想店舗ということですね。確か前作では実店舗だったはずですが、多角化経営なのか、実店舗たたんで、仮想空間での商売に切り替えたのか。メイは異世界風の山の民とのミッションについて聞きに来たようですが、マギーが運営に問い合わせても分からないと。理由がミッションの数が多すぎて、ということなんですが、ちょっとあり得なさそうな回答ですね。

 なにせ電脳世界のことですから、例えばメイらのログイン情報辿れば検索くらい簡単なはず(できないとしたら欠陥システムでハッキングとかし放題 ^^;)。店を去るメイを、マギーがちょっと意味ありげな目つきで見てましたから、おそらく何か隠してるんだろう(普通に考えると、ネタバレを避けたとかか)。

 まあ、分からずともミッションは進めればいいわけですが、前話ラストで「もしかして、パルが来ない?」と思わせる終わり方でしたが、少し遅れただけで来てくれましたね。ただ、やめると言いに来たようですが。しかしメンバーが正式に欠けると、チームも解消になる。すったもんだありまして、パルに来てもらうけど戦わなくていい、ということに。急ではありますんで仕方ない落としどころかもですね。

 もっとも、山の民のフレディが読んだら強制的に疑似(?)異世界へ呼び出されるみたいですな。異世界でもパルは悩み続けてるわけなんですが、ヒロトのちょっと意外な一面を見た気がします。ヒロトは根がぶっきらぼうなタイプかと思ったんですが、パルへの対応が意外に細やかです。ガンプラを語って励ましたと思ったら、受け売りだと言い添えてるところは照れもあるらしい。ヒロトはイヴ絡みで何らかの変化があったとしても、根はごく普通の高校生の感性なのかもしれません。

 今回のミッションは逆襲作戦で、敵の本拠に乗り込んで叩くわけですな。敵本拠に向かう山の民の台詞で気が付いたんですが、ヒロトらの搭乗機を「ガンプラ」と呼んでます。前作以前からそうだったのかもしれませんが、GBN内のNPDもMSとかでなくガンプラと呼んでいるということは、プラモデルが実機サイズで現出したものと認識してるのか、それともガンプラという名前の兵器だと思っているのか。ちょっと自分的には謎です(^^;。

 ともあれ、ヒロトらが敵主力を引き付け、山の民部隊が敵基地内部に潜入して爆破工作にかかるわけですが、案の定といいますか、不手際、アクシデント等が起こって半ば失敗(ドジ踏んだ、と思ったんですが、よく考えたらゲームシナリオ上の工夫と考えるべきなんだろう)。しかも敵に新型まであって、ヒロト部隊と正面衝突。

 その新型が爆撃機タイプとなると、パルが飛ばんとどうしようもないわけか。しかしそう簡単に苦手意識が克服できるはずもなく、溶岩に落ちるという危機でようやく根性見せると。この辺り、2点ほど「こういうことかな」と思うものありです。

 1つには、「溶岩に落ちてもログアウトするだけで、別に怪我しないし、ましてや死んだりもしない」ということです。「あちゃー」とは思うでしょうけど、あんな生きるか死ぬかほどに必死にならなくてもいい。だけど実際には必死。調べると、新バージョンのGBNはダイバーの感覚へのフィードバックが実装されたそうで、臨場感が格段に増しているのかもしれません。

 もう1つは、気合といいますか、ダイバーが必死になるとガンプラが応えるような反応を示すことが気になりました。GBNは体感ゲームですから、プレイヤー(ダイバー)の反応をどう仮想的に具現化するか(変な表現だな ^^;)は設計次第ですから、技術的には可能でしょう。気になったのは、「パイロットが根性見せると、搭乗機も根性出すってスパロボ的なノリだなあ」ということです(変形、合体とかも)。そうではないとすると、「ガンプラへの愛」もテーマになってるということかもしれません。今作がどういう路線なのか、気になってきました。

 パルに応えたヴァルキランダーが飛翔、戦闘体型(?)に変わりまして、SDタイプだったのか。飛翔した瞬間、パルが「モルジアーナが嬉しがってる」と言ってまして、これが本来の名前なのかな。この機体をパルが前話まででどう呼んでいたか、ちょっと記憶がありませんorz。竜合身(ドラゴンフュージョン)後は「行っけー、ヴァルキランダー」と言ったり、「僕のモルジアーナ」と言ったり。ヴァルキランダーが機体種類名で、モルジアーナが個体名なんだろうか。

 勝利後、パルの機体(竜合身状態)をヒロトが見上げて「SD系の中でもガンドランナーがベースとはな」と言ってまして、どうもSD系ガンプラのルーツがちゃんとあるみたいですね。残念ながら自分にはさっぱり分からないのが悔しいところです。

 ヒロト機とパル機は今回は攻勢をかける活躍でしたが、NOVAさんの守備力に関する懸念のご意見に、自分も「そうかもしれない」という印象があります。まあ、あくまでも見た印象からだけで、自分なりの根拠までは思いつけないでいるんですが。チームであることを考えると、作劇的にはそれぞれのキャラ、機体に得手不得手があるのというのはセオリーではありそうです。

 その後は現実パートとなりまして、ヒロトと幼馴染のヒナタですね。今のところ描かれる量が少ないから当然なのかもしれませんが、ヒナタもちょっと謎キャラな感じはあります。ちょっとヒロトを突っつきはするものの、突っ込むのを避けて曖昧な態度を取っているように見えます。意外なダークホースになるようだと面白そう。

 最後に圧倒的な戦力を持ってるらしい仮面の男で次回へ、ですか。ライバルなのか、GBNに対する脅威なのか、はたまた、という感じで期待できそうです。いよいよドラマが回り出すかなということで。

●ネット再放送平成ライダー(オーズ/キバ)
・オーズ(第47話:赤いヒビと満足と映司の器/最終話:明日のメダルとパンツと掴む腕)
 実はOP曲にずっと違和感を持ってました。中盤から観たせいか、ストーリーが過酷になっていくのに対し、OPではちょっと陽気な感じの歌ですんで。途中からOP曲を変えたほうがよかったんじゃないかと思ってました。よく考えたら、第1話からずっと、アンクはずっと比奈の兄:信吾に憑依しており、比奈から永遠に兄を奪う恐れもあったわけですし。

 ですが、今週の2話、特に最終回では、(ライダー物に限定せず通例かもしれませんが)OP曲がEDに使われるのを観まして、「このOP曲でよかったんだ」と納得しました。言い換えれば、「こうまとめて、そうテーマを打ち出してきたわけか」「オーズで観てきたものには両面あったわけか」と感動したとも言えます。

 47話では前話ラストで映司がグリード化して暴走か、というものだったのをあっさり覆しまして、ここはちょっと肩透かしかなといったん思いました。しかし、実はその後、映司がもっとデカい欲望を自ら選ぶような行為に出るわけで、ある意味、大事の前の小事を退けたと納得できます(作劇的に、といったほうがいいかもしれない)。

 グリードの最後の1人、ウヴァさんが完全体となりまして猛威を振るうも一時でしたな。メダルを過剰投与されると怖くなって逃げ出すのは予習はしてましたが、期待以上の見応えでした。哀れでもあるし、当然の報いでもあるし、情けなくもあるし、「なるほど、こういうキャラか」としか表現できないような何かを感じました(^^;。

 いや、最後の1人はアンクなんでした。自分的には、おそらく中盤から観始めたせいで、オーズはアンクのドラマという印象が残りました。今週分でいえば、暴走し始めた映司に攻撃を当てることができなかったところに感じ入るものありです。

 そこから最後のバトルでは自分の意思が宿るメダルを渡しちゃう。壊れかけていたとはいえ、思い切ったことですし、比奈などには覚悟を伝えてもいました。アンクは最終決戦で映司を助け、残る仲間につないで、自分の望みを達成して納得した様子でしたね。この「納得」があるせいで、悲劇的とは見えませんでした。「アンク、よくやった」という感じです。

 もっとも、ED曲が流れて、一時は死んだかと思った鴻上会長とかも出て来まして、安心させる描写も入れてましたな。アンクも映司は気がつかないながら、存命が匂わされてましたし。そして何より、ウヴァさんが本当に消滅したかどうかは分からない(^^;。この後、どうなっていくかを想像させる、いい終わり方で観ていて納得、満足でした。

・キバ(第47話:ブレイク・ザ・チェーン・我に従え!/最終話:フィナーレ・キバを継ぐ者 )

 こっちは「最終回詐欺かよ」というようなクリフハンガーでしたな(^^;過去編で死んだ音也そっくりの孫が未来から事件引っ張って来るわけですな。劇場編にそのまま続く内容だったのかな。

 ただ単純に最終回詐欺(?)でもないですね。やはり音也の死亡は喪失感ありまして、そこに対するささやかな救いという感じがあります。実は生きてました、ではなく、ちゃんと引き継がれていってます、ということで。孫の正夫が太牙を見るなり「あ、伯父さん!」と普通に呼びかけているところからは、その後の様子がうかがえるものもあったりします。

 今週分の2話は兄弟対決で生き残るのはどちらか、になるように見えて、実は嶋護などが動いての敵はもちろん太牙をも欺く策で、兄弟共闘によるラスボス(よみがえった過去編のキング)打倒に至るという、好みの燃える展開でした。叛逆して画策したビショップを名護さんが麻生恵とのコンビネーションで撃破したのもなかなかナイス。

 47話時点で時系列を乱しての見せ方(島護が渡に説明するシーン等)とかありまして、うまく騙してくれたのも好感度高いです。後で全てつながって、「そういうことか」と納得したときの快感が大きいですから。

 そういう意味でも、太牙が真夜を殺害したようにみえて、実はできなかったという点もなかなかのもの。これには別のポイントも感じまして、太牙が島護を殺せず、急所を外してからファンガイアも切り離したことが前段にあるように思います。真夜が実は生きていると分かった時点での「やはり太牙にはそうできなかったか」という納得感があります。
 これがさらに深央や渡に対する太牙のスタンスにも通じるわけで。フィクションで途中までは「こういうことだろう」と思わせておいて、「実は全然違う」とどんでん返しするのを叙述トリックというそうですが、そういう作劇だったかなと思います。

 キバの太牙の場合だと非常に効果的に使われている気がしまして、そうだと分かった時点で、そこまでの経緯が一気に鮮明なイメージとなって爆発的な印象が生じました。だから上記で「快感が大きい」と申したわけです。

 終わってみますと、深央はついに生き返りませんでしたが、その他の主要メンバーはめでたしめでたしといったところですね。名護さんは視力が戻って、共闘が最後の一押しだったのか、恵とゴールインですし。太牙も一時は追放された格好でしたが、社長として復帰してるし。そう見せといて、ラストで新敵:ネオファンガイアと孫の正夫でつないでくるのが、なかなか憎い作りです(^^;。でもあくまでも演出という感じで、「続きは劇場で」感はないのは高評価したいところ。

 キバを観ていて、途中から牙狼のイメージを感じたりしました。魔皇剣ザンバットソードを使いだしてからですね。剣を使ったアクション、特に見栄を切るしぐさに牙狼っぽさを感じたのかもしれません。しかし、やはりライダーですね。最後の最後でラスボスを撃破するのはキックでした。そういう点も印象に残るものがありました。

 キバ、オーズの後はそれぞれの次作をやってくれるといいなあ。

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/09 (Sat) 00:19:57

 11月に入って、朝晩が冷えるようになって来ましたな。
 うがいをしながら、ささやかに風邪対策を始めつつある今日この頃。

★BDリライズ

 パルの前後編に続いて、カザミの前後編になりました。すると、その次がヒロイン回になる流れかな。

 前編で、チームメンバーの満たされなさが表面化して、それと同時にミッションに向けてのトレーニングで問題提起してから、
 後編で、主人公のヒロトが相手の悩みの聞き役、コミュニケーションをとりつつ、覚醒した仲間との連携でミッションを無事に果たす流れのローテーションが見えて来たり。

 ある意味、平成ライダーと似たフォーマットですな。ゼロワンも、そろそろ、そういうフォーマットに突入してきたようですが。

 で、カザミの悩みは、憧れのキャプテン・ジオンみたいな格好いいヒーローを目指しながら、果敢に突撃し、敵をバッタバッタとなぎ払う自分でいたいこと。
 だけど、現実はチームの連携を崩す独り善がりな振る舞いが目立って、前にいたチームを追い出されたというか、説教がイヤで自分から出て行ったというか、パルとは違う方向で、理想の自分と現実のギャップに思い悩んでいたことが、今回、判明。

 本作のタイトルのリライズも、「再生」「立て直し」という意味合いで解釈するなら、まずはチームメンバーそれぞれの孤立からの立て直しで、チームワークを築き上げる展開かな、とも。

 そして、主人公のヒロトもまた、戦術分析などの能力は高いものの、まずは様子見して状況がはっきりするまでは動かない「寡黙で引っ込み思案なところ」があるので、少年マンガの主人公とは異なるタイプ。
 過去作なら、メガネを掛けていてもいいぐらいのクールなナンバー2ポジションですな。

 一応、第1作の主人公セイがその方向性で、セイはガンプラマニアで模型製作技術は高いけど、プレイ技術は高くない知恵袋タイプ。
 一方で、相方のレイジがガンプラ素人だけど、アクションゲームのセンスが高くて、セイが自分の作ったガンプラをレイジに託すところから物語がスタート。
 やがて、セイがレイジとの付き合いで操縦技術を学び、レイジも自分のガンプラを作るようになり、共に並び立つようになる流れ。
 ガンプラを通じた少年たちの切磋琢磨で、感化し合うドラマと、「セイのガンダム知識ぶり」と、彼らを見守る「ラルさんみたいな良き大人」などがうまく絡んで、ガンダムマニアの評価も高いのが1作め。

 そう、戦争とはまた違うホビーとしてのガンダムが、大人のガンダムファンにも受け入れられたのだと自分は解釈。

 ただし、1作めのターゲットは、子供よりも大人のガンダムファンだったために、2作めのトライでターゲットを低年齢化させて、本来のホビーアニメっぽくした形ですが、マニアは1作めを評価するわけですな。

 で、仕切り直しのビルドダイバーズでは、主人公はトライの方向に準じつつ、脇の大人キャラを充実させて、そこにバトルだけでなく架空世界での生活というゲーム世界要素を加えて、折衷を図った。
 そして、今作はその架空世界要素をさらに深めて、主人公の年齢をも引き上げて、成長ではなく再生・再構築をテーマにしたのかな、と。

 とにかく、熱血少年ではなくて、クールなナンバー2ポジションを主人公において、仲間のカウンセリングを通じて、連携を高めていく話作りですな。
 ただ、ヒロトはチームリーダーを目指すキャラではなく、チームの穴を埋めるサポーターと自認していたのだろうけど、今回、別のチームのリーダーに「仲間を信用していない」ことを指摘され、「問題があれば、自分一人で解決すればいいと思っている独り善がりなところ」に思い当たったりも。

 カザミは陽性だけど一人で突き進む独り善がりさを、ヒロトは寡黙で思慮深いという意味でカザミとは真逆でありながら、結局、一人で解決しようとする独り善がりさを提示することで、
 双方の個性を噛み合わせようとするドラマツルギーかな、と推察。

 そして、ヒロトの場合は、ヒロインのヒナタが内助の功というか、コミュニケーションのアドバイザーとして機能しているようにも見えます。
 彼女とのシーン(いつもはお喋りなのに今日は疲れていて寡黙とか、先輩にあれこれうるさいことを言われて凹むけど、それがかえって励みになるとか)が、カザミとの付き合い方のヒント、伏線になって、次回、ヒロトのカウンセリングになるのかな、とか。

 カザミに必要なのは、彼のことを理解してヨイショしつつ、時には暴走を諫めてくれる抑え役とも思えるし、
 元いたチームのリーダーはカザミを理解したけれど、他の仲間も抱える大所帯のために、カザミの独走を特別扱いできない立場。だから、自分にできないカザミのアシストを、戦術分析眼に長けたヒロトに託したとも受け取れます。

 ヒロトは、まず状況分析してから動くスロースターターだから、一話分を状況分析に費やして、後編の前半でコミュニケーションしてから、後半で奮起した仲間とヒロトの連携でミッションクリアかな。

 一方、カザミは今回「キャプテンジオンの負け戦動画を見たくない」という態度を示します。
 この時点で、「ヒーローの表面的な格好良さしか追っていない」わけですが、もしも「キャプテンが負けている理由、例えば、何かを守るために今は耐える姿勢をとって、耐えきった後での逆転勝利」などに話がつながるなら、自分の求める格好良さの基準も幅が出るんじゃないかな、とか。

 ともあれ、問題提起編と、その解決編で、チームの連携構築ドラマをきちんと見せてくれるなら、BDリライズは自分にとって「分析し甲斐のある面白い作品」と言えるでしょう。


>ガンドランダー

 パルの機体の元ネタは、SDガンダムの「ガンドランダー」というらしいです。自分もSDガンダム系は詳しくなくて、今回、初めてそういう作品タイトルがあることを知った次第。

 リアル系のガンプラに比べ、SDガンダムは80年代末から90年代半ばまでの時期に、「アーマー装着や変形合体を多用した子供向け玩具」として一世風靡したシリーズ。
 当時の大人にとっては、SDガンダムは視野に入りにくい作品だと思いますが、逆に当時の小学生たちが30代を越えたりしている状況で、いろいろと懐かしいものを詰め込んで来ているんでしょうな。

 そして、今の高校生のヒロトにとって、自分が生まれるよりも前の平成初期に流行ったガンドランダーが分かるというのも、まあマニアなんでしょうな。

★平成ライダー

 令和のゼロワンじゃなくて、オーズとか、そっちの配信分についてのレス。

>キバ

 名護さんの結婚と、渡の息子の登場で明るく終わったキバですが、

 結局、その世界はディケイドによって破壊されてしまいます。
 渡の目論見と違った方向に士が動いてしまい、平成ライダーたちはディケイドによって自分たちの世界が歪められることを防ぐために、ライダー大戦が勃発する流れ。

 よって、渡の息子の正夫の物語は制作されず仕舞いでした。

 まあ、ディケイドによっても破壊されなかった電王の方は、NEW電王という子孫の物語が誕生したので、キバは電王とディケイドに挟まれて、しばし顧みられることのなかった話なんですな。

 だけど、キバのエッセンスは牙狼の方に受け継がれ、役者たちもそっちに流れたり。
 ガルル(次狼)も、サガも魔戒騎士になったし、
 深央さんも魔戒法師になったし、
 平成ライダー→牙狼という伝統の系譜は、この時期が旬でしたな。

 逆に牙狼の方がシリーズとして成長した辺りから、牙狼シリーズ→平成ライダーという役者の流れも出てくるのですが(鎧武辺り)。

>オーズ

 最終回の後で、「最終回辺りのディレクターズカット版」が配信されましたので、これから、それを見ようと思ってます。

 TV放送でカットされたシーンが追加されたり、どんな編集が施されたのやら。

 あと、アンクのその後のドラマは、オーズの後日譚映画がありまして(仮面ライダーアクアも出る奴)、
 アンクを復活させる方法を求めて旅を続ける映司の前に、アンクが現れるわけですが、それは結局、未来から来たアンクということが判明し、未来に帰ってしまうんですね。
 だけど、「未来にアンクがいるってことは、アンクが復活したということだから、俺の旅も無駄じゃなかったってことだ」と勇気づけられて、なおも旅を続ける、と。

 で、最近、ビルドの年末映画でも、アンクが復活しております。そこでは、敵の手先として復活させられたアンクが、まあ、敵を裏切って、映司をサポートして消えていくという流れですが、久々の映司とアンクの交流に泣いたオーズファンは多数。

 そして、ジオウにゲスト出演した映司は、赤い羽根飾りを付けていて、アンクとの関係性を匂わせる演出がお見事だったり。

>他のVシネ

 オーズの一つ前のWから、アクセルとエターナルが配信されております。

 アクセルは、探偵ライダーのWの相方の刑事ライダーで、ドライブの先輩に当たります。
 そして、Vシネのアクセルは、スリの女の子(演じるはデビューした頃の紗羽さん)と手錠で繋がれて、悪の組織から大ピンチな逃避行を続ける話。

 一方、エターナルは、夏映画の悪役だったのがスピンオフ。悪のライダーのエターナルと仲間たちが、どうやって誕生したかを描くピカレスクロマンになっております。

 子供の視聴者を意識する必要のない「大人向きアクションドラマな平成ライダー」になっていて、とりわけエターナルはハードな方面の傑作になっているので、お勧めしてみる。

ではでは。
 

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/11 (Mon) 18:33:00

 定例感想+アルファです。が、ゼロワンはまた明日にでも感想を書こうと思います。ちょっとプラスアルファの分量が長くなってしまいましたorz。

●IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(映画、TV放映)

 ホラー映画だと聞いてまして、IT関係でジョークで画像が出たりするもんですから気になってました。ホラー映画としては事実上の興行成績第1位らしいですし。ようやくTV放映になりましたが、R15指定になる部分をカットしたようで、割り引いて考える必要がありそうです。

 とはいえ、大筋的には分かる内容ですし、ラスボスたるピエロ扮装のペニーワイズの怖さもたぶん損なわずに済んでいるのではないかと推測。そう仮定してですが、これがホラー映画だとしたらちょっと違うかなという印象でした。

 のっけからホラー演出を多用し過ぎてまして、「冒頭で惹きつけるのは分かるけど、そんなにテンション高めを維持してたら、かえってダレるよ」と。でも、話が進むとどうも単純にホラーではなかったみたいです。

 ペニーワイズが狙うのが子どもと設定されてますんで、主要キャラクターは全員子ども。家庭環境の悪い子(父親の虐待)やら、非行(喫煙、窃盗等)、いじめられっ子/いじめっ子等々、社会問題をいろいろ盛り込んである。いじめられっ子がいじめっ子に逆襲する展開なんかもある。

 他の映画のパロディと思しきシーンもいくつかありまして、例えばエイリアン初作でダラス船長が火炎放射器と懐中電灯持って、エイリアンが潜むダクトパイプに突入するシーンをオマージュしたようなものもありました(ITでは下水道に懐中電灯と殺虫剤を火炎放射器代わりにしてる)。その他、「エルム街の悪夢」等、いろんなホラーを思い出す要素があちこちに。たぶん、自分が知らないものも多数混ざってるんでしょう。

 あれこれてんこ盛りです。そういうのを楽しめばいいんでしょうけど、肝心のストーリーにつながっていかない。最近のアメコミ映画でよく観る、いくつものサブドラマがメインドラマに収斂していく、みたいのがありませんでした。途中で飽きさせないためだけに、目を引くシーンを入れてある感じです。

 メインドラマは、最初はホラーと思わせておいて、「悪役ペイズマンにやられっ放しだった子供たちが大同団結、ペイズマンの恫喝にも誘惑にも動じず、ついに撃退する」という燃える展開でした。途中の各展開をそこへ収束させていってくれれば、文句なしに気に入ったと思います。

 ですが残念ながら、雑多な要素を並べ立て、最後だけは好きなタイプのドラマだったという感じ。その場その場のノリを楽しみたい人や、知識豊富でオマージュネタを楽しめる人がターゲット層だったのかもです。

●世にも奇妙な物語 ’19秋の特別編

 今回は失望するほどではありませんでしたが、年2回を楽しみに待てるほどでもなし。毎週TV放映時のレベルだったかな。ホラーとか不条理としては普通(?)程度な感じでした。

 ただ、メイン4話中1話だけはなかなか好みの展開がありまして、これだけでも観る価値はあったと思えます。「コールドスリープ」という話で、おそらく一代で成りあがった社長の話。といっても成功譚ではなく、大成功したのに40代にして治療法のない病で余命3ヶ月になって、さあどうするという話。治療薬はなく、症状を緩和する薬くらいしかない。

 主人公は小学生の息子を部下に任せ、最長50年のコールドスリープに入ります。50年以内には病の治療法も開発されるだろうということで。しかし、何度か途中覚醒させられます(ただし、1日程度でコールドスリープに戻らなければならない)。

 1度めは小学生だった息子がもう大人になってる。しかし起こされた理由が「息子が結婚するから式に出て欲しい」というもの。相手は現職大臣の娘なんですが(息子が父親の治療のために選んだ相手と暗示される)、息子には恋人がおり、別れ話がこじれて縁談がめちゃくちゃに。

 2度めの中途覚醒は息子が商法違反で起訴され、証人として出廷して欲しいからというもの。元恋人だった女性が赤ん坊を連れて現れまして、なるほど結婚して子供もできてたのか、という状況です。が、息子から「会社が部下に乗っ取られた」なんて話が出まして、怒り狂った主人公が元部下を追い詰めようとしたところでタイムアウト、コールドスリープに戻される。

 3度め。息子が「親父と同じ歳になった。今日がその誕生日だから」と言って起こしに来る。肝心の治療薬は見つかったものの(主人公「そうか、よし!」と狂喜)、治験含めて6年後でないと薬が使えないと言う。「俺は死にたくないんだ」とがっかりする主人公ですが、息子から自宅に招かれる。

 息子は裕福ではないけど堅実に暮らしている模様で、孫も小学生になっています(主人公が最初にコールドスリープに入ったときの息子の年齢でもある)。主人公、孫もかわいく思えるし、まあいいかと思った様子です。息子の妻を見る目も柔らかい(1度めの覚醒で縁談を壊したときと大違い)。が、コールドスリープに戻る時間になると、息子に「お前が入れ」と言い出す。

 実は主人公、息子が自分と同じ病だと知ってしまったんです。主人公は息子の自宅で、自分が使っていた薬と同じ薬を隠してたのを見つけて気が付いた。となると、息子は遅くとも3ヶ月以内に死んでしまう。息子は年齢、誕生日にかこつけて、最後に一目、父親に会うために起こしたのでした。

 そこまでずっと主人公は「死ぬのは嫌だ」「助かりたい」とばかり言ってたんですが、一転する展開です。観ていて理由を知って、ぐぐっと燃えるものがありました。制作者は泣ける感動話と思って作ったかもしれませんが、自分的には「ヒーローはそう来なくっちゃ!」です。ヒーローがヒーローとして目覚める瞬間、と言ったほうがいいかもしれません。

 世にも奇妙な物語については、自分はタイトル通りの奇妙を求めて観てるわけなんですが、奇妙ではない話が気に入ってしまったという、なんとも変なことになりました。が、満足しています(^^;。

●オーズ(ラスト2話のディレクターズカット版)

 カットされた8分くらいを加えての編集ということで、マニア向けに喜ばれるお宝映像が加わったんだろうなと、オーズ知らずの自分は試しに観てみる程度の期待でした。が、観てみると嬉しい大違いでした。

 特にドクター真木についてですね。TV放映版のラスト2話で、充分な描写だと思ったんですが、ディレクターズカット版で補足されると、もっと深く理解できた気がします。

 アンクと映司が海岸で激突したシーンでは、ドクター真木は人形に火が付くとパニックを起こして海に放り込み、すぐに「投げちゃダメだから」「ないよ、ないよ」と叫んで探し回る。これはそこまでのドクターの描写と同じです。人形があると傲岸不遜なまでに落ち着いており、人形が離れるとパニック状態で幼児化する(姉への歪んだ感情からですし、記憶、印象も実際に描写された以上に歪められている形跡を感じる)。

 TV放映版では、海岸で人形をなんとか回収したドクターが、人形の服を干し、人形の汚れをぬぐっているシーンが続いてます。これはディレクターズカットでも同じ。TV放映版ではその次に人形が出てくるのは、クスクシエですね。店長の白石知世子が、衣服も頭髪もドクター風にされた人形を見つけている。

 ディレクターズカット版ではその前に、ウヴァさん(いったん人間態に戻ってる)を追い詰めるドクターが、自分が現れる予告のようにバイクの上に人形を置いてました。ドクターは人形を手放しても、以前の態度を維持できている。

 ということは、海岸で人形の手入れをしている辺りから、ドクターの何かが変わったということになります。そう思うと、ウヴァさん暴走態での決着とか、いろいろ違って見えました。しかし自分では違いをうまく説明できず、名状しがたい感覚的なものなんですが、あえて言葉を選ぶと「ドクターも納得して最期を迎えたらしい」ということになるでしょうか。TV放映版の印象だと「志を阻止されての、ドクター真木の無念な最期」です。

 ドクター真木の印象という1点だけでも、ディレクターズカット版は観て良かったなと思っています。加えて、ウヴァさんとかもキャラの納得度が増したりもしたし(^^;。

●仮面ライダーWリターンズ

 これ、自分は東映のYoutube公式サイトを常に開いてましたんで、リターンズ2作がネット放映になるのは気が付いてはいました。11/9(土)、11/10(日)と2日連続でプレミアムネット放映がある。しかし、「Wは途中から視聴を脱落しちゃったんで、Vシネマ版観ても分からないかも」と思っていました。観るかどうか、ちょっと迷ったわけです。

 もっとも、観ないという選択肢はなし(^^;。気合入れてじーっと観るか、眺める程度で観て、下手すると途中離脱するか、という迷いです。11/9(土)当日、NOVAさんのご投稿でお勧めがあり、お話を伺って「これは集中して観たほうがよさそうだ」となりました。

 で、気合入れて11時(ネット放映時刻)を待ったんですが、大ポカやらかしました。午前11時を午後11時となんとなく思い込んでしまってましてorz。気が付いたら先行放映終わっとる。でも、ちゃんと普通のネット視聴も可能でしたんで、とりあえずほっとしました。が、立ち直れずにその日は就寝。翌日、アクセル編、エターナル編を連続視聴。

・仮面ライダーアクセル編
 こちらで伺った通り、ビルドの紗羽さん、こと滝裕可里さんですね。この作品が2011年ですから、ビルドの6年ほど前ですか。ビルド30歳頃→アクセル24歳頃くらいの差となりますね。

 やはり葛木葵役の滝裕可里さんがお若いという印象です。葛木葵のキャラ(悪に染まるも正義に立ち返る)に向いている印象ですが、そのままビルドの紗羽(敵側で洗脳教育受けるも、戦兎側で善を志す)役は務まらないかなと思いました。

 どちらも途中でいい方向へ転向するキャラなんですが、葛木葵は終始、状況に振り回されつつ、照井竜(アクセル)に惹かれ、正義へと向かっていくわけですね。紗羽と対照でいえば、導かれていくキャラ。王子に救出されるお姫さま、なんてことはないですし、いったん惹かれた照井竜に妻(所長、亜樹子)がいると分かると、仲を取り持って去る。そういう描写はあるものの、ドラマ全体としては引っ張られる印象が強いし、そうするのが自然に見えました。

 一方、ビルドの紗羽だと自ら掴みとっていく印象でした。状況に振り回されず、状況を変えるために動く。これはやはり、年齢的な迫力、説得力なんでしょう。ビルドとダブルは世界も役柄の設定も違いますから、当然、似て非なる人物と考えないといけないのは分かりつつも、「ダブルでの事件で大成長したから、ビルドの紗羽になれた」みたいな誤解を楽しめたりしました。

・仮面ライダーエターナル
 こちらはジオウにつながりますね。そのまんま、エターナル・大道克己としてジオウに出てくれたわけで。ダブルの前日譚ということで、おそらくダブルの知識があることが前提ではあるんでしょうけど、よく知らずに観ても分かりにくいところはなかったように思います。

 メインドラマの元敵側ヒロインが回顧譚として語るのは、やはりダブルの主人公を助演として出すためだったのかな。回想仕立てでなく、リアルタイム進行だったら、ダブル主人公が出られませんものね、だって風都以前の克己らの前日譚なんだから。

 ドラマ内容としては、もう「観ての通りです」というしかなさそうな印象です。それでも感想を述べるなら、大道克己と仲間が自らの死者性を自覚しつつも生きる目的を見出しかけるんだけど、救出しようとした人々が、救出したゆえに全滅。絶望に至るわけですね。

 八方塞がりな状況でひたすらあがいていると、一筋の光明が見え、そこを突き崩して道を開いたら、地獄への道だった、みたいな。燃える展開とかで高揚感が出たとたん、崖から突き落とされるような作りは好みの1つです。

 アクセルと比較すると、エターナルのほうが好みではあるかなという気がします。いずれにしても、どちらも今回の世にも奇妙な物語とかITよりも、観て充実する感じはずっと上でした。ライダー物の他のVシネマとか劇場版とかもYoutube放映してくれるといいな(←未だに、劇場にも行かず、映像ソフトも買う気がないケチ ^^;)。

●BDリライズ(第6話:崖っぷちのヒーロー)

 パルの己の克服はとりあえずのケリがつきまして、次は陽気にみえるカザミの普段は見せてなかった顔ということですね。キャプテン・ジオンに憧れる様子があるものの、その敗戦になると見たくないとか言い出す。ヒーローに憧れているのではなく、ヒーローの成功が欲しいといったところでしょうか。安易な名声欲といってしまってもいいのかもしれません。

 実際、以前のチーム(フォース)メイト(サガリ、ユウリ)からはかなり冷ややかに見られている様子があります。ただ、リーダーのゴジョウだけは未だに心配しているように見えます。やはりリーダーとしてカザミを統率しきれず、カザミのいい面は知りつつも、うまく力を引き出せなかったとかで悔やむものがあるのかもですね。

 邪推ですが、もしかするとカザミは功を焦って突撃しては失敗を繰り返し、チーム(フォース)に居づらくなって、次々と渡り歩いてきたのかも。新入メンバーとして迎えられた当初は、明るく振る舞い、積極的に先陣も務めるので大事にされるも、次第に「俺が俺が」が目立って嫌われるの繰り返しだったのかな。少なくも前チーム(フォース)ではそうだったらしいことが、今話のカザミの行動で窺えます。

 まず山の民レジスタンスの会合で、その端緒がみられたのかもです。レジスタンスのリーダー(ゴルス)にカザミはリーダーと名乗るも(そういや最初からリーダー風吹かしまくってたんだっけ)、ゴルスが覚えているのはパルの活躍。よく考えたら、カザミはずっと気は逸らせてはいるものの、戦果的には空振りが目立っていた気がします。

 しかも、レジスタンスリーダーが提示したのは(おそらく次へつなげるのに必須な)撤退戦で、カザミは撃墜数が稼げないどうこうとか不満な様子。全体の状況はおろか、自チームすら見えてない感じですね。ひたすら自分の戦果のみ気にしている。

 しかしそこでメイが敵の襲撃を匂わすと、カザミは俄然やる気を出す。撃墜数稼げそうだからですね。メイの人使いは巧いんだけど、カザミを余計に個人的欲望に目をくらませる結果になっている気がします。レジスタンスのムランが怒るのも無理はない。攻めるんじゃなくて守るのが最重要なわけですから。

 裏切るかもとまで疑われるわけですが、またもやメイが交渉上手。裏切るメリットはないでしょ、というわけですか。ヒロトも口添えし、言われてみるとそうかも、ということで、なあなあに(これも結果的にはマズかったようですが)。でもフレディだけは揺るがない信頼を寄せているわけか。もしかして、そこがカザミの成長につながる一筋の光明なのかな。

 もっとも、疑われるのはカザミだけのせいじゃなく、以前に山の民に何かやらかしたらしい(目がたくさんあるのに ^^;)「ヒトツメ」の「ゼルトザーム」と、ヒロトらのガンプラが似ているからなのか。それって、前話ラストで登場した謎のラスボス風のことかな。

 そのミッションに突入かと思ったら、カザミの前チームとの対戦になるわけか。前チームリーダー(ゴジョウ)は、その対戦でカザミに何か教えたい模様です。翌日、フォース対戦となるわけですが、カザミはおそらく前チーム離脱の原因となったらしい、チームプレイを無視した持ち場を離れての突撃を行ってしまう。実は前チームリーダーのトラップだったわけですね。「もし懲りてないならまたやるだろう」という感じでしょうか。

 結果、ビルドダイバーズ敗退。ヒロトが用意した戦術も無駄になった、とゴジョウには分かっているらしい。カザミは機嫌を損ねて去るも、ゴジョウは意外なビルドダイバーズの欠点を指摘。ヒロトもまた、チームメイトを信用せず、自分の裁量だけで対処しようとしてしまうわけですか。これは観ていた自分はちょっと気が付かなかった。でも言われてみる、チームだけど個人プレーする人間の寄り集まりということかもと思えます。

 ラストは日常編となりまして、ヒロトとヒナタの会話ですが、ヒナタが特に意図なく(ないよね?)、仲間に放っておかれるって寂しい、と言ったのがヒロトに響いた模様。もしかして、ヒナタってヒロトらへのヒント役キャラなのかな(ジオウでは大叔父 順一郎のポジション)。

 次回、カザミが己を克服するか、見ものになってきました。

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/12 (Tue) 16:57:57

 定例感想です。

 が、リュウソウジャーの展開は一言感想を残しておきたい気がします。ナダの死ですね。リュウソウジャー前の特別編から登場したガイソーグをついに使いこなしたか、と思った途端、レッド(コウ)に力を託す形で死亡。

 登場当初からナダは敵か味方かはっきりしない感じがあり、力もあるのかないかはっきりしない描写もあったと思います。果たしてチームに迎えられるものなのかどうか、揺らいでいた印象です。

 それだけにいくつもあった問題が克服され、これでチームメンバーとして確固たるものになった、と感じた途端の退場劇でしたんで、びっくりしました。が、こういう形だともしかして後で復活したりするのかなと思えたりもします(きちんと生き返る、一時的、霊的な存在とかいろいろパターンはありそう)。

 よく考えたらもう第33話まで来てる。大詰めに向けて最後の最大のドラマが動き出してもおかしくないんでした。ナダというキャラが消えるには惜しいと思えるからこその退場劇だったのかな。

●仮面ライダーゼロワン(第10話:オレは俳優、大和田伸也)

 サブタイは他作品のパロディの遊びが入れてあったりするわけですが、今話はそのまんま。と思ったら、OPのキャストで「大和田伸也/大和田伸也」と出たのを見て、「これも一種のダジャレかも」と思ったりしました。ネットでもそこを面白がってる投稿がちらほらあったみたいです。

 今話と次話は主演が多いベテラン俳優の大和田伸也さんを招いているわけで、ゲストを立てる特別編みたいなものかなと思ったんですが、実際に観てみるとそうでもなかった。大和田さんの役どころは、今までの回では老寿司職人と似ている感じがします。人間の感覚が大事な仕事のため、当初はヒューマギアに懐疑的、そこからの見方の変化がテーマといった感じですね。

 AIMSでは不破と唯阿の関係性が、とりあえずは確立した印象もありました。現状での価値観と互いの必要性は共有できた。事態が進むと決裂する可能性が濃いが、そこも覚悟はできた。という感じですね。不破は個人的な憎悪、唯阿は個人的な興味で動いている面もあったんですが、いずれもある程度解決出来てきたんで、今話での関係性確立に至ることができたのかもしれません。

 ともかく本編。冒頭からは劇中劇ですか。ドラマ撮影ですね。大和田伸也(※ 作中のキャラクター名のつもりです、以下同様)演じる暗殺者:鼠と、それを追う役者ギアの松田エンジ演じる刑事:ギリィですね。「演じる」からエンジというダジャレかな。それはともかく、暗殺者が刑事に言い放つ「お前はこの世の表しか見えていない!」は、おそらく次回で役者としての松田エンジに響くだけでなく、大和田自身に返って来る言葉になりそう。

 それにしてもエンジにヘッドギアがないわけですが、監督が「カット」と言った途端、ヘッドギアが現れる。後のイズ解説によれば、カメラ撮影したときにデジタル処理でヘッドギアを消しているということですね。役者ギアであっても、やはり一目見てギアと分かる特徴をなくすわけにはいかないのか。

 記者発表兼取材の場では大和田は役者ギアを持ち上げるわけですが、これは出演者として作品や共演者を貶すわけにいかないからなわけですね。この後に示されるように、大和田は役者ギアを人間味が不足した大根役者だと思っている。が、バイアスのかかった見方があるかもしれない、と後でじわじわ示されていくわけか。

 役者ギア出演のドラマは飛電社にとって、病院での事件によるイメージ低下を挽回する狙いがあり、バックアップしてますね。社長、副社長が記者会見に同席するだけでなく、おそらくスポンサーとして多額の費用を提供もしているはず。AIMSは別の思惑からドラマ制作を注視しているらしい。不破が松葉づえが必要な状態なのに、現場に出張ってます。

 その不破にイズが、前回に唯阿に見せた映像を見せるわけですか。唯阿が暗殺者ちゃん変身シーンを撮影している映像ですね。これは不破が唯阿に不信感を抱く決定的証拠になるはず。だけど、この後で観ての通りの気持ちいい展開になってくれるわけで、不破の(良い)キャライメージが相当に固まる感じがします。

 OP曲後、ZAIA社にシーンが移りまして、唯阿が前回の行動(マンモズゼツメライズキー)を例のZAIA社幹部に咎められそうになってますね。が、とりあえず謝罪で放免ですか。が、新たなゼツメライズキーをゲットするノルマを課すつもりだったからか。

 すぐにシーンは代わって、大和田の時代劇主演シーンですか。これを観て、スーツアクターについて、ふと思ったことがあります。時代劇ですと、敵・悪役をバッタバッタと斬り倒す主役は、実はあまり体力は使わないんだそうで。カメラがずっと主役を捉える都合上、激しい剣戟でも主役は動き回らない。敵・悪役が主役に向かって飛び込んだり引いたりするからなんだそうで。

 しかしライダー物だとそうもいかんなあと思いました。主役ライダーこそ、飛んだり跳ねたりで敵に突っ込んでは弾き飛ばされてを繰り返します。ゼロワンで主役ライダーのスーツアクターが交代したのも、時代劇とは異なる、主役に求められるものが違うからだったのかなと思えます。

 それはそれとして(^^;、なんで時代劇の剣戟シーンと思ったら暗殺ちゃんと迅が観ていたからでしたか。どうやら芝居ということがよく分かっておらず、大和田が優秀な暗殺のプロと思い込んでる模様ですね。暗殺ちゃん、迅に「いっつも負けてばかり」とからかわれると、少し不服そうに「負けではない、成長だ」と負け惜しみ言ってまして、ちょっとずつ成長しているのが窺える、かな? 滅は我関せずの様子で、新しいゼツメライズキーを迅に渡しましたが、今回は使われなかったみたいですね。

 一方、ドラマ撮影現場。エキストラ出演として、飛電社長、副社長まで駆り出されている様子で、「もしかして低予算ドラマ?」と勘繰りたくなりました(^^;。副社長の福添は死体役とのことで不満そうですが、撮影が始まると、だんだん乗って来るわけですね。自分に役割があると分かると、やる気が出るタイプなのかな。だとすると、社内で要らんことしているのは副社長に実質的な役割性を感じてないということかしらん。

 が、そこへ迅が襲来。暗殺ちゃんも連れて来てたようですが、暗殺ちゃんは大和田の演技に見入ってしまってますな。イズが襲撃に気が付くも、ドラマ撮影中のこととて或人に声をかけることができず、妙な身振り手振りで知らせてまして(イズ役の方のアドリブらしい)、しかもしっかり或人に伝わってる(手話マスターしとけばいいのに、とか思った ^^;)。

 ついにライダー迅と不破バルカンが、或人からも見え隠れしまして、或人思わず「あーっ」と叫ぶと、当然、監督激怒。この瞬間、イズさんしっかり待機ポーズに戻りまして、うまく誤魔化してますな(この後も同様)。エキストラ役放り出して戦闘に向かおうとする或人を、死体役の福添がしっかり捕まえて放さない。福添、社運がどうこう言ってますが、どうもドラマ出演が面白くなってるような印象を受けます(^^;。「私は全身全霊で死んでます!」とか言いきっちゃったりするし。

 バトルのほうは、やはり負傷が響いているのか不破バルカンが苦戦ですが、唯阿バルキリーが救援に入りまして、さすがに迅不利。暗殺ちゃんも大和田に興味津々で救援に来ないし。結局、迅は撤退ですが、さすがにドラマの撮影班らが騒動に気が付きそうなもんです。が、大和田の銃撃と唯阿バルキリーの流れ弾が重なったりしまして、お約束的に(^^;)ギリギリ気付かれてませんか。

 撮影は無事終了するも、大和田が監督にごね始めてますね。役者ギアが気に入らない、迫るものがないと。監督、少しは反論するかと思ったら「仰る通りです」と意見は受け入れる。その上で辛抱してくれという説得ですか。大御所役者への対応として、そうせざるを得ないんだろうな。

 一方、唯阿と不破も対立を深めつつある模様で、イズが見せた映像の内容からして、仕方ない流れですね。ただ、唯阿は監督みたいになだめすかすことはせず、不破の「飛電を陥れることが任務じゃない」に対して、唯阿はずばりと「いや、それが私の任務だ」と断言。ここ、自分的にはなかなかカッコいい展開です。前回ラストで、イズが見せた映像から逃げるように去った唯阿から激変してる。

「自分(唯阿)はこうする。それをどう思うかはお前(不破)が判断しろ」といったところですね。突き放すような物言いですが、肝心かなめの情報をさらけ出すのは信頼を示していることでもある。言い換えれば、自分はまな板の上の鯉だ、と言っているようなものですね。煮るなり焼くなり好きにしろと。

 一方、暗殺ちゃん。ついに意を決して大和田に弟子入り志願ですな。さすがにギアだけあって、一度見た大和田の殺陣をしっかりなぞって演技して見せてます。大和田、相手が人間だと思ってますから、暗殺ちゃんが何度も見ては練習し、を繰り返したと思ったんでしょうね。そういうのって敬意の現れでもありますから、素直に嬉しそうです(ニギローも同様に老寿司職人の心を動かしたけど、あのときはギアだと相手も知っていた)。

 大和田、これで暗殺ちゃんを信用し、見込みがあると思ったのか、撮影中のドラマの台本で演技テストまでやり始めましたな。で、暗殺ちゃんが「刑事失格」というアドリブを入れる。後でエンジが大和田のアドリブに対応できなかったことと対照的なわけですね。この辺り、大和田の言う「迫るものがない」等があながち思い込み、偏見だけではないと思えるものがあります。ともかく、これで暗殺ちゃんは大和田に弟子入り。どうやら「師匠」という概念も理解している模様。

 再び撮影シーンとなりまして、大和田が気に入った「刑事失格」のアドリブ台詞を入れますと、エンジは対応できずに誤動作したらしく、カーットと叫んでしまう。大和田も暗殺ちゃんのアドリブ直後にカットと言ってるわけですが、意味は全く違いますね。エンジにはまだ足りないものがあるのか(もしかすると、それが今話では迅にエンジが狙われなかった理由かも)。

 しかし、大和田が愚痴で「ヒューマギアじゃ駄目だ」と言ったのを、暗殺ちゃんは機械的に理解してしまい、おそらくエンジを不良品で廃棄すべきと思ったらしい。師匠の言いつけとも思った形跡がある。この辺り、暗殺ちゃんとてまだまだということでもあるんでしょうね。ともかく、暗殺ちゃんが乱入、ドードーとなって暴れ始めてしまう。

 唯阿が迎撃に入るも、迅も襲来する。滅亡迅雷からすると、暗殺ちゃんにエンジを襲わせてはならないわけですしね。バトル開始となりまして、或人も変身して参戦(またもや地面割りまくっとるなあ ^^;)。しかし、迅に対処する唯阿が劣勢となりまして、変身まで解除される。

 そこを不破が救援に入りまして、でも松葉づえどうなったんだろう。それはいいとして(いいのかなあ ^^;)、今話でも自分的にぐっと来たシーンに突入。不破と唯阿の会話劇ですね。さっきまででもかなり己を晒した感じのある唯阿ですが、病院でのことを不破に問われて「助けたいと思ったからだ」と。なんと申しますか、コアまでたどり着いた感のある台詞です。これに不破がすかさず「俺もだ」と応えまして、がっちりとコンビが確立した印象です。

 こうなるとバトルも流れが決まった感じがありまして、ドードー暗殺ちゃんはまたも撃破され、迅はキーを回収して逃走。唯阿が不破に「私はいつかお前を裏切るかもしれない」と言い、不破は「そのときは俺が勝つ」と宣言。このやり取りに不安感はありませんな。むしろ信頼しているから言える、という印象です。

 とりあえずよし、ということにはならず、監督が大慌てで「大和田さんが降板を訴えている」と。ZAIA社でも唯阿が報告していますが、例の幹部らしき男は飛電の崩壊劇は続くとよく分からない自信を見せてますな。

 次回は「カメラを止めるな、アイツを止めろ!」ですか。映画「カメラを止めるな!」から頂いたサブタイトルかな。暗殺ちゃんがこともあろうに大和田師匠の暗殺を、滅から命じられるみたいです。滅の指令を取るか、師匠の言いつけを守るか、みたいなジレンマが発生しそう。例の謎のZAIA社幹部もようやく誰だか分かるらしい。滅に代わってラスボスになったりするのかな。ともかく、ドラマに拍車がかかってきた感じなのは歓迎したいところです。

(冬映画CMを観ますと、ジオウ&ゼロワンみたいですね。いないことにされたはずのジオウがどう復活するんだろうとか、気になる点はあります。)

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/15 (Fri) 11:50:48

 今週は、まず初めに残念な情報が。
 11月23日に毎年恒例だった「金狼感謝祭」が今年はやらないみたいで、牙狼の新作は当面なし、の模様です。

 楽しみにしていたんだけどなあ。

 では、まあ、気を取り直して、定例感想をば。


★BDリライズ

 カザミ編の後半。

 ヒロトがカザミともう少し積極的に交流する流れを想定したんですが、カザミはカザミで、勝手に立ち直ったというか、彼なりに思い悩んだ結果の自己解決できた感じですね。

 では、ヒロトが何をしたか?
 これまでは、「カザミのマイペースぶりに口をはさまない。何も言わずにスルーしてマイペースで動く。家庭内別居みたいなコミュニケーションのなさっぷり」だったのですが、
 「相手の積極的なアクションや押しの強さに対して、リアクションを返す」という、ただそれだけながらも、一応はカザミと言葉を交わす形。

 それと、カザミの心境については、「チームメイトの連携と、自分の仕事について、考慮するようになった」ということでしょうか。

 キャプテンジオンの動画から学んだのは、「表面的な負け戦に見えても、そこで諦めない心の強さ」と「かつての敵からも慕われ、共に戦って連携までする心の広さ」になるのかな。
 実際の行動面では、「パルとメイが先陣を切って、輸送部隊を守りに出たときに、自分の為すべきは二人に張り合うことではなく、後方に待機して基地防衛に努めることと納得」
 さらに「レジスタンスのムカつく奴でも、守りに行けとヒロトに指示する」とか、「防戦一方のボロボロの状態でも、武器や防具を失っても、残された拳で勝利をつかみに行く」とか、カザミの奮闘ぶりが格好いい回でした。

 もう少し、ヒロトがあれこれ積極的に口出しするのかな、と思っていたら、カザミの方は「前回のフォースリーダーの言葉と、キャプテンジオンの精神を糧にした」のと、「表面的な格好付けよりも、這いつくばってでも投げ出さず、諦めずに、自分の役割を果たすことの真の格好良さを理解したこと」かな、とも。

 ヒロトの場合は、「自分からカザミにどうこう言うのではなく、カザミの積極的なリーダーシップにリアクションしてあげることでコミュニケーションを始めたこと」になるか。いきなり、偉そうにあれこれ言うのではなく、適度に受け止めることから始めた模様。
 どちらかと言えば、ヒロトがあれこれ指示するよりも、指示役はカザミに任せて、リアクションや感想をきちんと返すだけに留めている状況。それでも、以前は「カザミの空回り」だったわけで、「投げられた球をきちんと受け止める」だけでも変化だというわけですね。


 戦術としては、「カザミの攻撃がなぜ当たらないか」を考えた際に、ジャスティスナイトの基本装備が「重装甲でランス一本の突撃仕様」なんですが、徒歩でランスというのが取り回しが悪い上に、攻撃パターンが単調過ぎるというのが挙げられます。
 人間の場合は、ランスって馬に乗っての突撃(チャージ)用の武器で、騎士の象徴とは言え、歩兵が使う武器ではない、と。
 MSの場合は、ランスを装備した騎士スタイルのメカは確かにありますが、どちらかと言えば地上戦ではなく、宇宙で運用されていたと思います。
 宇宙だと、背中のバーニアを吹かせて、一気にスピードを乗せて突撃というスタイルはありかと思いますが、地上だとジャスティスナイトは重装甲ゆえに機動力に欠ける機体。つまり、ランスに必要なスピード突進力が発揮できない。

 要するに、ジャスティスナイトの設計思想が、見た目の格好良さだけを重視して、武装がちぐはぐな感じかな、と。しかも、飛び道具も持たない実用性に欠けた設計思想ということになります。
 この武装を活かすには、まず突進力を高めるための馬が必要。まあ、ヒロトのアーマーサポート機とか、パルのドラゴン形態とかに騎乗して連携すれば、突進力は確保できるかもしれませんが、カザミ自身が、自機のバーニア強化するなり、脚にローラーダッシュを付けるなり、加速性能を高めるための工夫ができるんじゃないかなあ。

 現状、重装甲でドシドシ走ったり、たまに勢い付けでジャンプしたりする程度では、ランスの強みが活かせませんな。
 むしろ、キャプテンジオンみたいに、どうして大剣を使わないんだろうとか、脚を止めての殴り合いに持ち込んだ方がいいのでは、とか、武装選択の問題がありますね。

 で、今回、カザミが敵を撃墜できたのは、装甲ボロボロになって(その分、軽量化できた)、それでも死なばもろともな突撃戦法で(他の戦技はないのか)、取り回しのいい拳ゆえに相手を貫通できた。
 ならば、今後、カザミ機が強くなるためには、「何とか加速性能を高める(ランスそのものにバーニアを付けるのもあり)」か、「武器をもっと扱いやすいものに変える」か、「アーマーをパージして、一気に敵の懐に飛び込んで一撃必殺の拳技を切り札にする」か、という戦法が、今回の話で見えたかな、と。

 ジャスティスナイトのコンセプトだと、足を止めての防御重視の殴り合いが強いと思うので、突進機動力の必要なランスが不向きという結論ですが、きっとランスは「当たれば強い一撃必殺の武器性能」でカザミのお気に入りウエポンなのかな、とも。
 ならば、まずは牽制用の補助武器で、相手の動きを封じるアクションをしてから、必殺技のランスでとどめとかを考える。超電磁ヨーヨーみたいな武器で、相手を翻弄してから、トドメの超電磁タツマキ&スピンのコンボで鮮やかに決めるとか、そういう戦術を考えないとね。

 いきなり必殺技を仕掛けて、避けられて、ギャーって叫んでいるのが、今までのカザミスタイルだったので、もう少し戦術に幅を持たせられるようになればいいか、と。


 さて、どうすればカザミを強くできるか、ということに夢中になりましたが、今回はラストで大ボス登場。
 こいつには誰も太刀打ちできず、結果的に、ヒロトがアーマーパーツを盾にしつつ、突撃自爆させての目くらましで、何とか撤退に成功した形。
 ここでカザミが健在だったら、「こいつは俺が引き受ける。お前たちは逃げろ」って自己犠牲ヒーロームーブができたろうに、すでにボロボロのカザミは動けない。なお、カザミがそういう自己犠牲が好きかどうかはまた別かも(どちらかと言うと、自分がゲームで派手に勝って報酬ゲットする方に夢中なので、仲間のためとか、負けの美学を解するまでに至っていないし)。

 その点、ヒロトは素早く最適解、効率重視の戦術を素早く見出すのが得意で、今回も「勝てないから、無人のアーマーパーツをトラップみたいに使い捨てての撤退戦術」を即実行したのは、凄いな、と。必要なら、自己犠牲もいとわないわけで。

 で、次はメイの主役回ですかな。
 彼女のキャラも、現状、性別を除けば、ヒロトとかぶっていて、あとはゼロワンのバルキリー唯阿さんの要素が濃厚かな、とも。
 機体選択が、なぜウォドム?(ターンAガンダムに出てきた砲撃戦用の重戦車みたいな敵MS)というのが初回からの謎だったんですが、そんなウォドムで、機動性重視の接近戦もこなすというのが彼女の力量の凄さを示したり。

 要は、ガンタンクが素早く動いて、接近戦もこなすようなものですからね。機体コンセプトが一番分からないわけで。
 ウォドムにどんなこだわりがあるのか、彼女の内心を気にしつつ。

★ゼロワン

 何回倒されても、バックアップが用意されていて、そのたびに強くなる暗殺マギアにスポットが当たったりします。

 具体的にどう強くなったのかは分かりませんが、技術顧問の唯阿さんがそう言うなら、説得力はあるな、と。

 で、そんな暗殺ちゃんが、俳優・大和田伸也の弟子になって、どんな成長を果たすのか、
 一方で、今回はいいところが全くなかったヒューマギア、松田エンジが次回、どんな見せ場を得るのか、

 また飛電のドラマ制作はうまく成功するのか、
 ライバル会社の社長登場で企業同士の抗争ドラマに発展するのか、
 不破と唯阿のシリアスながら心の通じた感のある関係がどう流れるか、
 イズのあざと可愛い演技がどこまで高まっていくのか、などを期待したい回でした。

 次回は、俳優編の後半で、その次は、探偵ヒューマギア登場で、何だかWの要素を感じたりも。

★その他

 東映ユーツベ配信で、フォーゼは戦隊ものの超新星フラッシュマン(もうすぐ終わる)の次に来るそうで、逆にライダーの後番組として光戦隊マスクマン(本来はフラッシュマンの次番組に当たる)が始まったり。
 ちょっと番組切り替わりのパターンが分かりにくいなあ、と思っています。

 まあ、ディケイドもフォーゼも、1、2話なら、いつでも見ることができるわけで、先に見ておくのもありかもしれませんが。


 アクセルも、エターナルも、坂本監督の生身アクション演出に燃えてみたり。
 彼は、長年アメリカでパワーレンジャーの監督をやったりして、アメリカに日本の戦隊ヒーローのアクション感覚を伝えた功績とか(それがあればこそ、結果的にTVドラマのアローやフラッシュのアクションレベルが向上したのでは、と思ったりも)、ジャッキー・チェンなどの香港映画の大ファンで、その演出を仮面ライダーアクセルに取り込んだり、
 アクションドラマの国際交流を考える上で、注目の御仁だと考えています。

 ずっと海外で活躍していたのが、ウルトラマンの映画で10年ほど前に呼ばれて、ウルトラマンゼロや敵のベリアルを生み出して、この10年の間のウルトラマンの立役者の一人になったり、
 ライダーでは、Wリターンズを経て、フォーゼのメイン監督になって、アメリカンドラマ仕立ての学園ものを仕立てたり、
 戦隊でも、いろいろと大活躍している人ですな。

 今の特撮ヒーロー物では、坂本監督というだけで、生身のアクションレベルが相当に上がる、と。
 なお、牙狼のメインは雨宮監督ですが、そのサポートをするアクション監督が横山誠という御仁で、パワーレンジャー時代に、坂本浩一&横山誠のコンビが取り仕切っていた時期も90年代からゼロ年代にあって、
 現在の日本の特撮アクションは、その時期のハリウッドなどの技術を取り込んで、発展していった感があります。

 一方、海外ドラマが日本のアクションから学んだものの一つに「止め絵カットの格好良さ」があるのかな、とも。
 以前は、「動き続けることがアクションの醍醐味」ということで、例えば「戦隊の名乗りとかで、いちいち見栄を切って、動きを止める見せ方」というのがなかなか受け入れられない時期があったのですが、
 最近は、フラッシュなんかを見ていても、緩急の付け方とかが非常に日本っぽいものを感じて、技術的にも文化的にも相互交流を強く覚えます。

 まあ、この辺は、アメコミが日本のマンガの要素を導入したりして、日本風のいわゆる目の大きいアニメタッチの絵が、アメコミのデザインに伝播される影響なんかも面白いなと思っているのですが。
 最近のニュースでは、「日本の東映版スパイダーマンの搭乗する巨大ロボット、レオパルドンがとうとう2022年のアニメ版スパイダーバース2に登場」とか。

★ターミネータをちらり

 で、洋画だと、先日ターミネーターの新作を見てきたわけですが、ゼロワンのヒューマギアとの比較をしてみるのもなかなか楽しそう。
 暗殺ヒューマギアなんて、ある意味、ターミネーターですしね。

 今作の見どころはいろいろですが、ターミネーター史的には、「敵の大ボスであるスカイネットが、とうとう公式の歴史から抹消された」ことが大きいですね。
 もう、これまでのターミネーターでは、「スカイネットとジョン・コナーの未来戦争から始まる、歴史改変の物語」という基本設定があったのが、今回の作品で「もう、ジョン・コナーとスカイネットの時代は終わった」宣言が為された感じ。

 まあ、固有名詞が切り替わって、スカイネットが新たなコンピューター・リージョンに、そして、ジョンが新たな人類側の救世主ダニエラになりつつも、やっていることは同じなんですけどね。

 印象的には、シュワちゃん自身が「スカイネットの未来は抹消された」と劇中で宣言しているところとか、
 自分の暗殺任務を成功させたシュワちゃんの旧ターミネーターが、目的を喪失し、自分のレゾン・デートルで悩んだ挙句、「夫からのDVから逃れようとしている人妻と息子を守る」という新たな目的に目覚めて、それからは「クリーニング屋のカール」として妻子を守る良き父親としての自分を確立していたこと。

 息子のジョンを殺されたサラが復讐鬼として、なおも未来から時々送られてくるターミネーターの始末人稼業を延々と続けて来たのに対し、
 殺人ロボットのターミネーターが、家族持ちになって、いいパパになるというパラドックスが面白い。

 そして、家族を持ったシュワちゃんが、自分がジョンを殺したことの罪を自覚するようになり、心の死んだサラに生き甲斐を取り戻させようと気遣いするドラマとか、

 戦う女性と、家族を大事にする父親像と、女性が母親としてではなく自分自身として救世主に育っていく、現在ハリウッドのフェミ要素が投入された作品ですな。

 T2のシュワちゃんは、最後にシンギュラリティに達して、ジョンの涙の意味を知ったわけですが、
 ニューフェイトのカールおじさん(通称)は、すでにシンギュラリティに達した後のヒューマギアみたいなもの。
 一方で、サラさんが、ゼロワンの不破さんみたいに「ターミネーターぶっ壊す婆さん」になっていて、ある意味、戦う女性の行き着く先を見た気分も。

 そんなサラが、息子のジョンの代わりになる後継者の孫娘を守りゲットして、続く、のかは不明ですが、
 続編があるなら、次はリージョン誕生を阻止する話かな、とも。

 

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/18 (Mon) 18:17:01

 定例感想+アルファです。ゼロワン感想は後日書こうと思います(なんか結構ややこしいことが起こっていそう)。

●BDリライズ(第7話:傷だらけの栄冠 )

 メイの乗機は「なんか変わった形だなあ」とは思ってたんですが、自分は未見の∀ガンダムに出てくるウォドムがベースでしたか。調べてみますと、原機は全高40mとのことで、半分以下のサイズにしてあるんでしょうね。

 もっとも、メイの乗機は公式設定があまりなされていないらしくて、ネット情報も推測が多いみたいです。今話でカザミについては一段落のようですから、次話以降のメイ回ではウォドム関係で何か事件とか隠された情報を明かすとかあるんだろうか。

 カザミについては乗機ジャスティスナイトについて、NOVAさんのご解説・考察を拝読して、なるほどと理解するものがありました。自分はずーっとぼんやり観てて、カザミの戦い方は「気ばかり逸って、やたら近接用武器を振り回しては空振り」みたいに思ってました。

 その原因が装備の選択ミスにあるというわけだったんですか。言われて今話を観なおして、最後に一撃が成功するところを含め、なるほどと思うシーンありでした。ランスという中間距離武器は、西洋中世では騎士+槍であり、馬という突進力がないと威力を発揮できないのと同様ということでしょうか。

 いわば、ここまでのカザミ機は徒歩で突撃かける重装騎士といったところだったのか。それなら戦果が思うに任せなくて当然ですね。自分めがけて襲い掛かる敵に対するにしても、懐に入られたら無力な槍ではなく、攻防も兼ねられる剣だろうとか。ガンプラ作りでいえば、気に入った装備をよく考えずに集めてくっつけた、ガンプラ熟達者からすると統一感がない作りだったりしたのかな。

 いろいろ納得しまして、本編感想。実は後で味方をも欺く囮作戦だったと知ることになる、輸送・撤退作戦ですね。ヒロトがイヴを探すようなシーンがちょこっと挟まれたりしましたが、特に進展なし。たぶんメイについての回の後くらいに進展があるんだろう。

 ヒロトの今話で重要なポイントは、カザミの前チーム(フォース)のリーダー:ゴジョウから、カザミについて頼まれていたことですね。もっとも、はっきりと何をどう頼むと言われたわけじゃなくて、カザミがある(自覚しているかどうかも分からない)問題抱えていると示唆するにとどまってますね。たぶん、ゴジョウにもつかみ切れてないのかもしれない。

 このゴジョウというフォースリーダー、かなりの苦労人かもしれませんな。「いっつも先走って失敗する」→「だから駄目な奴だ」みたいな切り捨て方をしないらしい。「先走ってしまうのはなぜだろう?」と原因から解決を考えるタイプらしい。ただ、カザミについては感覚的に何か分かるものの、うまく説明できるものではないんでしょう。

「こうしたが、上手く行かなかった」という事例集はあるものの、何をしたらいいかまで煮詰めていない(そこまでたどり着く前にカザミが辞めたとかで)。そのため、ゴジョウは何をヒロトに頼めばいいか、言葉にできなかったんだろう。苦労人ゆえに、ヒロトはカザミに対しての自分の感覚と近いものがあると感じて、それとなく頼んできたと思えます。

 そんなことは露知らず、GBNのミッションで張り切るカザミ。まだ撃墜数に拘ってまして、早く戦闘になって欲しそうです。それゆえに、以前に裏切られた経験があるらしいレジスタンスのムランからは煙たがられてますな。たぶんカザミが張り切れば張り切るほど、ムランは不安になるんだろう。山の民らのためじゃなく、自分のしたいことに夢中のカザミでは仕方ない。カザミからしたらムランもただのNPCなんだろうし。

 が、カザミも前話の失敗(二度目か、もしかするとそれ以上)に思うところがあるのか、チームメンバーに対しては気を遣い始めてるかもしれません。ヒロトが前回のことで謝罪しようとすると、遮って「遅えぞ」などと言って、それ以上言わせなかったりしてますから。ただしどうも伝わらず、ヒロトはちょっとむっとしてますね。

 もちろん、カザミが相変わらず傍若無人、他人の配慮など無視ということも考えられるんですが、むっとしたヒロトにカザミがたじろいだりイラついたりする辺り、カザミも仲間にきちんと注意を向けるようになった、と思いたいところです(結局、観ている自分の願望 ^^;)。

 2人の会話後、メイが大箱2つ軽々抱えて運んでまして、もしかすると(単にアバター設定かもしれませんが)力持ちなのかも。もっとも、メイはこのときの2人のやり取りを聞いていた可能性もありますね。様子を察しての、後の行動、言動だったのかもです。

 が、この時点ではカザミはまだまだ殻を破れずで、「どいつもこいつも好き勝手しやがって」と、己の好き勝手のために他人が付いて来ない、協調が生まれないことを自覚できずにいる模様ですね。キャプテン・ジオンの動画アップに気が付くも、敗勢なことに不満な模様です。でも、ゴジョウの「どうしてキャプテン・ジオンがカッコいいか分かるか」が頭をよぎる辺りに希望が見えそう(それを打ち消そうと「やっぱカッコ悪いぜ」と独り言するのは、ある種のフラグですね)。

 うじうじした流れをぶった切りまして敵襲。ヒロトがカザミに「俺たちが後衛に回るしかない」と言ってますが、NOVAさんの分析を踏まえますと、カザミに戦うなと言ったに等しいわけですな。撃墜に拘るカザミですから、無視して突出しそうなもんですが、やはり反省するものがあるらしい。そんなこと分かってると返してます。

 BDチームが足止めの迎撃に入り、輸送隊はその隙に逃げるわけですが、ムランの車だけが別方向に逸れる。これは後になってみれば予定の行動だったと分かるわけですが、この時点では道を間違えたとしか思えない。カザミはいったんは無視しようとするも、ゴジョウの「お前は何も変わってないんだな」が頭をよぎり、ヒロトにそちらへ向かえと言い直す。じわじわカザミが変わってきている感じがあります。

 こうなると、次に変わり始めるのがヒロトで、カザミの断固とした決断に、ヒロトがゴジョウに言われた「アイツはアイツなりにもがいてる」が頭をよぎる。この辺りまで観てくると、ゴジョウがどうやらカザミとヒロトをセットで考えていたらしいと思えてきます。

 本体を囮にした(んだよね?)ムランですが、敵が一枚上手でしたな。進路を阻まれまして、絶体絶命ですが間一髪、ヒロトの救援が間に会う。このときムランが、おそらく以前の裏切りを思い出して叫んでまして、やっぱりゲーム上のNPCではなくて、意思を持った何者からしい。プレイヤーが誰も見てないのに激情を発したわけですから。それだけに、カザミに言われてヒロトが救援に駆けつけたことで、ムランも変わっていく感じですね。

 一方、単騎でしんがりを務めるカザミですが、NOVAさんの分析通りの戦闘展開ですね。一撃離脱を繰り返す敵に全く対処できてない。その上、飛び道具主体の敵MS(ドートレスと聞こえて、調べるとガンダムX登場の量産型MSらしい)まで出て来まして、もはや袋叩き状態じゃないですか。

 この戦況をムランは理解できない模様で、なぜならBDチームが損得抜きで戦うことが彼の常識外だからですか。フレディは(さすが召喚者だけあって?)彼らを理解してまして、各メンバーは自分勝手と辛らつに見抜いているものの、それぞれがヒーローであることも感じ取ってるみたいですね。個人主義だけどチームの目的は皆が共有している、といったところでしょうか。

 しかし、カザミが最も苦戦してまして、せっかくソードを使ったものの、遠距離射撃主体の相手では逆効果だったようですね。ついに剣も折れてしまう。盾も割れる。過去の嫌な記憶も走馬灯みたいによみがえったようで、いわゆる心が折れたかと思えるシーンです。が、折れたのは悪しき思い込みだったみたい。

 なぜか、キャプテン・ジオンの中継動画がカザミ機に入りまして、キャプテン・ジオンが敵に言い放っている台詞なんですが、今のカザミにはピッタリの助言「まだだ、まだ終わってない」。が、キャプテンが対するのはサイズも、おそらくパワーも格上の巨大MS(前回の動画では完敗したんだろうし)。しかし「私は何度でも立ち上がる、それがキャプテン・ジオンだからだ」と言い放ちまして、これもカザミを鼓舞しないわけがない。

 そこからは、動画からではなくカザミの脳内のロールモデルたるキャプテンが直接語り掛けてるわけですね。つまり、キャプテン・ジオンに対するあこがれが、カザミの中で昇華し、身に着きつつある模様です。カザミのピンチに間に合ったヒロトもで、そのことはキャプテンの元に仇敵だったはずのガザ三兄弟が味方として駆けつけたことで表されてる感じです。もちろん、その直後に救援に入ったメイ、パルもですね。

 徒手空拳となったカザミ機ですが、かえってそれが軽量化になってよかったみたい。敵MSに素早く接近しての攻撃が入り出す。止めは(メイの助言によらずして)敵ドートレスを拳で打ち抜く。これがカザミのたった1機ながらの撃墜となったわけか(もしかして、カザミって今まで自力のみで敵を撃破したことない? 大喜びの様子からはそんな邪推もしてみたくなりました ^^;)。

 ミッションクリアのようですが、おそらくはラスボス襲来。せっかく輸送した物資は破壊され、BDチーム一丸かつ最大火力で立ち向かっても全く歯が立たないですね。ヒロトの機転でヴィーナスアーマーを分離して敵の砲撃で爆発させ、防御兼煙幕としてまして、かろうじて逃げ延びるくらいしかできませんか。現時点でダントツに最強ですね、ラスボスMS(ゼルトザーム)。

 しかし、実はミッション成功でしたか。ムランが運ぼうとしていたのはたった1つにして小さなペンダント型アイテムだったということで。ムランの当初計画だと、輸送部隊もBDチームも敵を遠ざけるための囮だったらしい。しかしBDチームの奮戦で見直し、大事なアイテムを預ける気になったわけですな。

 次回は「使命と幻影」ですか。使命も幻影もちょっと何のことか見当がつきませんorz。メイのキャラの掘り下げだとは思うんですが。

●仮面ライダー(ネット放映版)

 NOVAさんのご指摘で、ネット放映版はライダーの後にまたライダーじゃないのかと知って、意外な感じがしました。分かりにくいだけでメリットなさそう。

 それはそれとして、ネット放映版の番組切り替わり時期だからなのか、Vシネマ版とか劇場版をやってくれるのはありがたいことです。

・仮面ライダー THE FIRST
 このタイトルだけ見て、「ゴーストの時期にあった劇場版かな」(藤岡弘さんが本郷猛士役のもの)と思ったんですが、調べたら本郷猛士、一文字隼人は出るものの、別の役者さんでした。しかし観てみると、それはそれで良し、といった感じでした。

 TV版ですと昭和ライダーもネット放映されてまして、しかし観てみると継続して観たくはならなかったのが正直なところです。よく考えたら、V3までは大いに気に入り、興奮して観てたんですが、その次くらいから観る意欲が下がりました。

 原因はよく分かりません。性分からするとたぶん年齢的なものではない。ライダーと競合するように放映されたバロム1とか、他に目が移ったせいはあるかもしれません。その後、平成ライダーでVFXとかが現代的になって、また観るようになったわけですが。

 現時点で申せば、自分のイメージ・記憶内の昭和ライダーは、その後の映像技術の進歩とか、ドラマ作りの変化を加味したものになっているようです。だから覚えている昭和ライダーは依然として自分的にはカッコいいんですが、実際の映像と落差が生じてしまってもいるようです。

 ともかく、THE FIRSTが昭和ライダーそのもののノリでの作品だったら、「懐かしいが、今観たいものじゃないかも」と思ったかもしれません。が、上記で申した「その後の映像技術の進歩とか、ドラマ作りの変化を加味したもの」になっていたと感じました。

 ストーリーとしては、ショッカーと決別した1号、2号ライダーと、病死の運命から逃れるためにショッカーに従った少年・少女が衝突してしまう話ですね。自分的に昭和っぽいのが、後者に対する扱いでしょうか。悲劇性は描写されるものの、悪(ショッカー)は悪として、何の救いも与えられずに倒されてしまってます。まだ未成年だろうが、根は純真で優しかろうが、一切考慮してない。

 対象年齢もあるのかもしれませんが、なかなかシビアな作りで好みでした。特殊映像効果も(制作年代を考えると)あえて抑えめに使っている様子があり、それも昭和風の印象を与える要素になっているのかもしれません。

 次週はTHE NEXTをやってくれますんで、これも観ておこうと思います。V3が登場するらしいんで、どう似ているか、何を変えてあるかとか楽しみな要素があります。

・仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事
 当たり前ですが、こちらはモロに平成ものですね。この作品視聴が、シリアス指向らしいTHE FIRSTを観た後でしたんで、コメディタッチが強調されているように思いました。かつ、ミュージカル風味も感じます。

 電王&キバと銘打って這いますが、メインは電王のようですね。キバは要所要所で出てくるゲスト的な登場のようでした。キバは途中からですが、ネット視聴できましたんで、作品から感じる雰囲気は電王のものかなと思います。

 ストーリーとしては、この作品のドラマ上の主人公の刑事(鈴木一哉)がネガ電王軍団の妨害に打ち勝って凶悪犯を捕らえ、22年前に刑事として殉職した父親に一人前の刑事として会えた、というものですね。

 が、最後は感動で締めくくってますが、鈴木一哉刑事がドジっ子であるため、シリアスになりかけるとギャグ要素入りまして、全体としては明るく楽しいイベントが流れていってる感じです。気楽に観られる作品ということですね。

 以前に電王第1・2話はジオウ連動企画でネット視聴できたんですが、良太郎の憑依演技は充分観られたとはいえませんでした。この作品でようやく、こちらで聞いていた、野上良太郎を演じる佐藤健さんの役者の腕前の一端をうかがい見た気がします。本当にぱっぱと瞬時にキャラ切り替えしてますね。それがきちんと、憑依したキャラらしくなっている。

 楽しんで観られたんですが、後で調べてみて納得する情報もありました。興行成績がよく、シリーズ化するきっかけを作ったのがこの作品なんだそうで。なるほどという気がしました。

●ターミネーター

 TVでT2をやってくれまして、レンタルビデオ、以前のTV放映と何度も観たんですが、また観ました(^^;。自分的にはルパンのカリオストロの城と同様、TVでやってるとつい観てしまう作品です。

 ただ、今回はそれだけでなく、こちらでターミネーター新作(ニュー・フェイト )の話を伺ったので、観る意欲が高まっていました。こちらで伺ってなかったら、ウィキペディアの解説にある「T2の正統な続編」の意味が分からなかったかもです。

 新作は未見ながら、スカイネット(とジョンの戦い)がリセットされ(未来からの干渉の影響?)、T2からの別の時間軸のストーリーということかなと想像してます。そのため、もしかするとT3、T4、ジェニシスの事件もあったかもしれないけれど、消えた平行世界になってしまっているとか。

 その辺りは、(おそらく同じく歴史から消えた)TV版の「クロニクルズ」での、「どうやら未来がいくつもあるらしい」と重なる部分があるかもしれませんね。あくまでも設定的に、ですが。
(クロニクルズと書いて、「あ、Chroniclesと複数形か」と今頃気が付きました。「サラの年代記」つまり歴史が複数あると示唆してるのかも。)

 なんでそうなったか考えてみたんですが、やはりT2がインパクト大きいからかなと。T1もいい感じに仕上がった映画なんですが、アイデアとしてはT2よりシンプルな感じです。未来を救う男の母親を狙う未来からの刺客との戦いということで。

 T2になると、未来をどう選ぶか、AIロボットは敵か、といった要素が絡みまして、ドラマ的に広がる感じ、エンディング後にどうなるか想像の余地が大きい感じがあります。

 もしかすると、T3~ジェニシスはそのT2の後の世界をどう展開しようかというクリエイターの試行錯誤だったのかもしれません。そして今回、ジェームズ・キャメロン監督が復帰して、自分でもT2後を描いてみたくなったとかだったのかな。

 しかし実写ですから、初作からの登場人物は役者さんが老いていく。ターミネーターシリーズを長く続けるとしたら、役者さんのバトンタッチはどうしても必要になりますね。いつまでも、例えばメインターミネーターをシュワちゃんだけに頼ってられない。乱発的に長く続いてきたシリーズですが、1本の筋が通ったシリーズとして続くのかどうか、気になります(だけどニュー・フェイトはTV放映を待つ気だったりする ^^;)。

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/19 (Tue) 23:16:31

 定例感想です。

 と、その前に仮面ライダードライブに早瀬明役で出演されていた滝口幸広さんが亡くなったとの報に気が付きました。突発性虚血心不全で34歳没とのことで、これからというときに残念です。
 ドライブでは自らが重傷を負う引き換えに泊進ノ介をかばい、その後も要所要所で進ノ介を導く大事な役どころでした。今後のライダーシリーズだけ考えても、ドライブ関係者として出演する可能性はあったわけで、それがなくなってしまったことになります。

 なんとも残念で寂しいことですが、いくら嘆いたところで戻ってくれるわけでもない。静かに冥福を祈りたいと思います。

●仮面ライダーゼロワン(第11話:カメラを止めるな、アイツを止めろ!)

 今までは明示的な敵として、滅亡迅雷(滅、迅、後に暗殺ちゃんも)がいるわけですけど、背後にいるラスボス(ないしは最終兵器)らしいのがアークという感じでした。しかし唯阿のZAIA側の上司が正体現しまして、もしかしてコイツがラスボスか、という流れになってきた気がします。

 今のゼロワンの流れ、ドライブの展開(ロイミュード→ゴルドドライブ)を思い出したりしまして、この先がさらに楽しみになってきてます。暗殺ちゃんですと、今話の行動がいまいち不審に思えますし、大和田は中途半端な退場だったし(非常に区切りが悪い)。次話予告では探偵ギア登場とのことですから、今話と前話について謎解きするのかもと期待するものがあります。

 ともかく本編。冒頭、前話の流れをさらっと復習しまして、滅亡迅雷拠点。迅が暗殺ちゃんが「お友達」(ヒューマギア)を襲おうとしたと滅に言いつける。が、滅から暗殺ちゃんのほうが成長してるとか言われ、むくれちゃいましたな。

 今話を観る限り、確かに暗殺ちゃんのほうが迅より精神年齢が高そうです。ただ、今の迅は声優マギアの事件で成長を滅から止められてのことですから、不公平な滅の判定であるような気もします。

 迅を鼻で笑うまでに成長した(?)暗殺ちゃん、いよいよ暗殺指令が下りまして、ターゲットは師匠と仰ぐ大和田。暗殺ちゃんにちょっと動揺が見られるように思います。そこが今話を観終わってもスッキリしない、暗殺ちゃんの行動に対する疑問の始まりです。まあ、いつものようにストーリーから外れた妄想だとは思うんですが、そう思っても気になるものは気になってしまいまして(^^;。

 OP曲後は撮影現場ですね。降りるという大和田を或人が説得にかかるわけですが、どうも格が違う。というより大和田の主張が正論でぐうの音も出ない感じがします。或人らは社運をかけてるわけですが、芝居という観点からは邪道ですよね。観客、視聴者を楽しませてナンボなんですから。ただ、大和田も依然としてヒューマギアへの思い込みが悪く作用しているようでもある。

 一方、役者ギアのエンジは演技に悩んでまして、これがおそらく自我の発生を招いたらしい。今回は迅ではなく滅が手を下した模様で、エンジはアルシノマギアと化して現場を襲う。これにはまず唯阿バルキリーが応戦して屋外へ誘導、そこへ或人ゼロワンですね。しかし現時点最強のライダー滅参戦で形勢不利か?

 しかしアルシノマギはバルキリーに倒されまして、ライダー滅は撤退した模様ですね。アルシノのゼツメライズキーは唯阿が回収してZAIAに持ち帰ってまして、滅がどうしようと思ったのか、ちょっと不可解です。今までですと、倒されたマギアのゼツメライズキーを集めるのにご執心だったわけで(アークの復活がどうとか)。

 それは(よう分からんので ^^;)ともかく、唯阿がZAIA社長(と後で自己紹介してた)の天津垓にキーを渡すと、「このシナリオ、もっと劇的にしてみよう」とか言い出しまして、さすがに唯阿も疑い始めた感じがありますね。前話でも飛電社についてシナリオっぽいこと言ってたんですが、一度なら予想を冗談っぽく言ったと受け取れる。しかし二度めとなると「もしかしてこの男が糸を引いてる?」と思いたくもなってきます。

 一方、その頃飛電社側では副社長の福添が或人を問い詰めてますね。退陣に追い込みたい意図はあるんでしょうけど、大和田降板、おそらく学習リセットのエンジとなると、怒りたくなるのも分からなくはない(もし、そこからどうするかの腹案があれば、ですが)。

 が、なぜか大和田が入って来る。或人のヒューマギアについての説明、説得が効いたのか、エンジをヒューマギアのまま、自分も続投を申し出て来ましたな。しかし、こうもあっさり態度が急変するのも、ちょっとよく分からない。続投するにしても、もうちょっと条件出しそうな気もします。
(これも暗殺ちゃんについての疑念を深めたシーンだったりする。或人らの知らないところで暗殺ちゃんが大和田に何か言いに来ていて、それで大和田が態度を変えたとか。)

 ともかく、大和田はやる気になったものの、或人としてはラーニングのない新エンジを即時投入してもいい演技が期待できない不安がある。大和田はそこもフォローするつもりらしい。大和田に引きずられる格好で、福添の抵抗もむなしく(^^;、撮影再開にこぎつけはしたわけですね。

 が、撮影が始まると唯阿が或人をZAIA社に連れて行く。間の悪いことなだなあと思ったんですが、後のシーンからすると、このタイミングを狙って天津垓が呼び寄せたかったみたいですね。なにせ撮影シーンに合わせるかのように(先週のシーンが被って見える気がした)、暗殺ちゃんが大和田を銃撃するわけですから。このときの会話でそのことを天津垓が匂わせたのは、ラストで描写されていまして、「そういうことだったのか!」と思わせる、自分的にはツボの見せ方でした。

 天津垓の話は要は飛電社を買い取りたいということですね(二束三文で売れ、だろう)。当然、この時点の或人が飲める話ではないわけですが、この間に撮影現場では暗殺ちゃんが大和田を銃撃してしまうわけですな。しかも、暗殺ちゃんは堂々と姿を現し、銃まで構えて誇示している。

 これに気が付いた不破が変身して応戦するも、暗殺については最早手遅れ。遅れて駆けつけた或人も事態を知る。飛電社に親和的なはずのドラマの監督ですら「ヒューマギアは殺人マシンだ」と言い出してしまう。

 そこへ滅まで現れるわけですね(もしかして、迅は蚊帳の外?)。現時点最強ライダーぶりを発揮しまして、ゼロワン側で現時点最強のブレイキングマンモスを使用しても、ほとんどダメージを与えられてない感じです。不破バルカンも暗殺ちゃんのドードーマギアの成長、強化に驚いている模様。ドードー、ちょっと形が変わってきてまして、予告を見ると来週はかなり禍々しい姿になるようです。

 が、それでも滅らは去り、一応は迎撃成功と見ていいのかな。ニュース報道によると、大和田は一命はとりとめてまして、現場で「暗殺」と言っていた暗殺ちゃんは、仕損じたことになります。飛電社には警察の捜査が入りまして、ドラマは挽回どころかとどめの一撃になりかねないことになってしまいましたな。おそらく株価は大暴落しており、天津垓としては目論み通りなんだろう。

 というのが、目に見える現象であるわけですが、自分としてはちょっと首をひねっております。本当に暗殺ちゃんは、或人らはもちろん、大和田の意表をついて狙撃したのか。大和田の強引なくらいのドラマ撮影続行等も考慮しますと、別の可能性もありそう。

 例えば、或人が大和田と話した後、暗殺ちゃんが大和田に会いに来たとか。そのとき、暗殺の芝居を打つ一連の段取りを打ち合わせしたとか。これは監督も一枚噛んでいて、「ドラマのの撮影中に起きた銃撃事件」のドラマを作り始めていたとか。サブタイの「カメラを止めるな」はドラマを作るドラマですんで、そういうことを考えてみたくなりました。

 が、あまりにも突飛であり得ない(^^;。正直に申せば「暗殺ちゃんが暗殺を、それも尊敬する師匠をターゲットになんて信じたくない」という個人的願望です。実際には、暗殺失敗だったか(暗殺ちゃんが暗殺者に変わるきっかけ)、どうしても急所を外したくなったか(依然として暗殺ちゃん更生の希望あり)、くらいが真相なんでしょう。この辺りは次話に期待です。

 妄想はともかく(^^;、或人は天津垓の真意を悟り、衛星ゼアは地上にデータ通信して何かを作り始める。

 次話「アノ名探偵がやってきた」では、メインゲストギアが、旧型にしてイズの兄ということですか。しかも探偵というヒューマギアにしては変わった職業のような気もします。名前が「ワズ・ナゾートク」で、ワがワトスン、ズがホームズということかな。それが謎を解くと。しかも暗殺ちゃんのトリックらしい(このことも上記の妄想の一因だったりする)。

 予告編前のCMにちょっと笑いまして、次話のゼロワン新キー&フォーム「シャイニングホッパー」が予告より先に出てましたな。ラストで作り始めたのは、たぶんそれだ。最後のスポンサーが出る画面の帯で「新”シャイニングホッパー”誕生!」と出てまして、CMが一瞬先取りした格好です。

●ゲゲゲの鬼太郎(第81話:熱血漫画家 妖怪ひでり神)

 最終のぬらりひょん編らしいんですが、どうもぬらりひょんが出て来ず、今週の話もぬらりひょんとは関係なし。ですが、結構いい、燃える展開が入ってました。

 漫画家になりたい妖怪の話です。漫画家というところもツボを突かれたかもです。牙狼でもゼロワンでも漫画家回はメインゲストたる漫画家がなかなか良かったわけで。

 話としては漫画が好きで、自ら漫画を描くようになった妖怪:ひでり神の話。見てくれからしていかにも妖怪なもんですから、せっかく描いた原稿を出版社に持ち込んでも、怖がって誰も相手してくれない。

 そこへ、ある出版社の漫画誌副編集長が現れ(なんだかヤクザっぽい風貌、言動)、ひでり神の原稿を読んでくれる。でも没。しかしいい点も挙げて、「来週、描き直したのを持ってこい」と言ってくれる。ひでり神は応じて、次の週に持参するんですが、副編集長は「魂が入ってない」とまた没。

 ひでり神はまた描き直すも、また副編集長から駄目出しで、その繰り返し。ひでり神、ついにキレまして「自分が妖怪だから没にするんだろう」「妖怪だから人間の心なんて分からない」と怒り出しますが、副編集長は「漫画には2種類しかねえ。面白い漫画とそうでない漫画だ」と。さらに「女の漫画家は男が描けねえか? 人間の漫画家は妖怪を描けねえか?」と、ひでり神の痛いところを突く。

 ひでり神、思い直してまた描き始める。そんな努力がついに実を結びまして、漫画が週刊誌に連載となり、大ヒットになり、受賞までする。で、ひでり神が困るんですね。妖怪だから正体現しちゃまずいだろうと。これに副編集長が応えまして、いや正体見せていい、ファンは作家が人間か妖怪かなんて気にしないと。

 そこでネット動画で作者が妖怪だとバラすんですが、編集長や会社幹部、社長は激怒。連載打ち切り、受賞辞退にしてしまう。副編集長はひでり神に申し訳ないと、今の仕事を辞めると言い出し、ひでり神はそれでは申し訳ない、自分が筆を折ると言い出す。

 一連を知った鬼太郎もさすがにこれを許しがたく、深夜に編集長の元に現れ、「妖怪が漫画を描いてはいけないのか」と迫る。

 普通ですと、これで編集長が懲らしめられて、となるんですが、それはどうも期待しない流れです。実際には期待通り、ひでり神と副編集長が鬼太郎を止めに現れます。副編集長は編集長に拳を振り上げ、振り下ろした、と思ったら、殴るんではなく辞表を叩きつけてました。

 カッコよかったですねえ、副編集長もひでり神も。鬼太郎は今話ではヒーローではなく、暗に「お前は間違ってる」「漫画を作る者は漫画で己の正しさを証明するんだ」と諭される準悪役といった格好。

 よく考えたら、アニメだって創作者が集まって作ってるんでした。創作に関わる人を題材にすると、話もキャラも生き生きとしてくるのは当然なのかもしれません。

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/22 (Fri) 12:49:26

 東映You Tubeさんが、次々とライダー映画を配信してくれるので、見るのが追いつかない状態ですね。
 未見を優先しつつ、一度見たものでも、もう一度見たいものがあったりして、ここでも話題に出されると、もう一度見ようかな、と思ったり、嬉しい悲鳴状態です。

 とりあえず、次はオーズの夏映画で、暴れん坊将軍とコラボする奴が楽しみです。
 これがまた意外な取り合わせと思いつつ、将軍のBGMが昭和ライダーでおなじみの菊池俊輔さんなので、ライダーと実にハマるというか、オーズと協力して生身で怪人と渡り合える上様強いとか、
 ライダー格闘ゲームでも、隠しキャラとして上様が出てきて、暴れん坊将軍を操作することもできるという、実に楽しい映画でした。

 撮影裏話的にも、馬に乗った上様が、ライダーのバイクと並走するシーンがあって、「馬がバイクを怖がって、何とかなだめるのに苦労した」という、可哀想な展開も。
 今だと、バイクの方をCGで描写するんだろうなあ、と思いつつ。

 何にせよ、特撮ヒーローは時代劇と相性がいいことを再確認した映画だったり。昔は、特撮ヒーロー役者が時代劇役者になるコースがあったのが、最近は時代劇が下火なので、東映太秦の映画村も、特撮ヒーローの時代劇コラボ編を定期的にやったりするわけですな。
 先日のゼロワンの大和田さんの時代劇映画のシーンも、その一環とか。

 フォーゼでも、高校の修学旅行先が映画村だったり、そういう映画村回ばかりチェックするのも楽しいかも。

★ゼロワン

 ドラマ撮影の後編。
 解決編ではなく、珍しいバッドエンド編で、続いてしまいましたね。

 松田エンジの変身したマギアは大したドラマもなく、あっさり倒されて、エンジ2号がドラマの中心になるかと思いきや、中心キャラは暗殺ちゃんだったという。

 今回だけでは、しっくり来ない展開で、謎が謎を呼び、主人公がバトル的にも、社長業としてもピンチで続いた形。
 新装備登場で状況打開できるのか、それとも、ますますピンチが続く流れで、クリスマス決戦および年末映画のコラボ展開を迎えるのか。
 暗殺ちゃんは無事に年越しできるのか、などなどを気にしつつ。

 とりあえず、面白い展開だと思いながら楽しんでおります。

 で、年末映画の情報もいろいろ公開されてきましたな。
 タイムジャッカーのせいで、ゼロワンの世界も改変されて、ヒューマギアが支配する形になって、或人の父が敵として立ちはだかる展開。
 その状況にジオウが手を差しのべ、時間改変のきっかけとなった「始まりの日」の過去に戻って、例の爆発事故の影で何が起こったかを提示する映画になりそう。

 まあ、大体、劇場版はTV本編を邪魔しないように、過去だったり、未来だったり、異世界だったりを舞台にすることが多く、
 後から、その要素が本編に取り入れられたりする(とりわけ映像ソフトの発売時期に販促を狙う形で)のですが、今回は過去編で、或人の幼少期にスポットが当たったりもするのかな。

 それと、TV本編では、探偵編で、イズの兄のワズ(過去形だ)が登場して、まあ、イズの秘密の一端も描かれるだろうとか、
 映画では、未来を意味するウィルというキャラも出てきて、敵のボスになりそうとか、
 いろいろコラボ展開が盛り上がりそうな時期か、と。

 何よりも、次の探偵編は、脚本家がWやドライブの三条さんなので、過去作とのリンクを匂わせる展開にも期待したく。

★BDリライズ

 メイ編かと思ったら、実はお悩みキャラはヒロトの方で、メイの視点も交えて、ヒロトを改めて掘り下げる話だった、と。

 で、今回、何度かメイを、ヒロトの失われたヒロインであるイブと重ね合わせる演出があったのが気になります。

 ええと、ここからは妄想考察になりますが、実はイブからメイに転生しているのでは? という憶測を述べてみます。
 ヒロトは、過去にイブを失って、笑顔を見せなくなった。それ以降は、「ゲーム世界のどこかで、またイブに会えるかも」という期待にしがみついているとか。

 一方、消え去ったイブは、ヒロトと過ごした記憶などが失われつつも、その魂のコア部分が新たなキャラ、メイを生み出した(すなわちメイは生身の人間ではない説)。
 メイは、自分が誰か分からないで行き倒れているところをマギーさんに助けられて、いろいろと厄介になりながら、自分のアイデンティティーを取り戻す手掛かりを求めて、戦っている。

 そして、ヒロトと再会したんだけど、お互いのことを気付いていない。
 ヒロトはイブの幻を追い続け、メイはヒロトに自分の過去の手掛かりになるような物を感じている。

 なお、メイの乗るウォドムは、「月世界の住人が地上に帰ってくる際の侵攻に使ったMS」で、
 「地上では黒歴史として失われた記憶が、甦るきっかけ」を象徴している、という深読みができますが果たして。
 ヒロインキャラの使う機体にしては異形なのも、そもそもメイ自身が人間とは違う異形の出自を持っていると考えれば納得。

 案外、あのウォドムの装甲がパージされると、中からヒロイン的なデザインのコアガンダム(verイブ)が出てくるのでは、と何の根拠もない妄想を並べ立ててみます(別に、そういうプラモ玩具が予定されているという情報を聞いたわけじゃない)。

 まあ、そこまでメイがドラマチックなキャラなら、幼なじみのヒナタさんが負けヒロイン確定なんですが、彼女はいつ自分の機体で参戦するのかな、とも期待しつつ。
 現状は、弟を心配する姉的なポジションにも見えたりしますがね。一応、弓道部ということなので、弓を使ったライジングガンダムみたいな機体が向いていると思いますが、マスコット系のベアッガイかハロ担当という可能性が高いか、と。
 弓使いなベアッガイとかも、新機軸か。

>今回のバトル

 水中戦に備えて、訓練形式で、ゾック率いるトリプル・アッガイ部隊と交戦。
 水中戦に対応していないカザミ機と、パル機はあっさり敗退。
 メイ機は武装を水中用に備えたものの、機体そのものは、やはり水中戦には非対応。

 しかし、ヒロト機は水中対応のメルクワンで、メイ機を囮にしつつ、単機で目的物をゲットして、ゲームクリア。
 そして、「本番でも水中戦に対応しているのは自分だけだから、今回は自分一人でストーリーミッションに挑んだ方が勝率が高い」と宣言。

 それに対して、メイが「本当にそれでいいのか?」と、かつてのイブとかぶる問いかけをして、続く、と。
 メイは、一人で戦っていたけれど、別にチームを否定しているわけではなく、今のチームの中で、自分の目的を果たせると考えている。
 一方、ヒロトは、チームの目的と、自分の目的(イブ探索)は別だと考えている。今回は、ヒロトの孤立ぶりにスポットを当てた回ですね。
 意外と、メイの方がチームのことを考えていた、と。

>換装パーツの整理

 コアガンダムに装着できる、武装パーツ。惑星名と数字の組み合わせなんですね。ここで、整理してみると、

1.メルクワン
 水星の1(マーキュリー・ワン)がネーミング元。
 今回登場した、名前の通りの水中戦ユニットで、色はディープブルー。

2.ヴィートルー
 金星の2(ヴィーナス・トゥー)がネーミング元だけど、一番分かりにくい。
 緑の重装甲砲撃戦タイプだけど、どの辺が金星なのか、ちっとも分からないですね。どちらかというと、木星のイメージですけど、後で「ジュピター・ファイブ」的な大型アーマーでも出るのかな(ブレイキングマンモスみたいな)。

3.アースリー
 地球の3(アース・スリー)がネーミング元。
 スカイブルーの汎用型で、いわゆる普通のガンダムっぽい機体ですね。ただし、ライフルは充填に時間が掛かる必殺技仕様で、連射はできない。
 コアガンダムで相手を翻弄し、とどめをアースリーに刺させる仕様。機動性の高い小型ロボでかく乱した後で、大型機に合体して強力なビームでとどめ、という戦術は昔の戦隊ロボのフラッシュタイタン(タイタンボーイとグレートタイタン)を連想させる。
 ただし、敵が強いので、コアガンダム単機では戦力にならず、次第にそういう戦術が通用しなくなっているようですね。だから、他の特化型アーマーが必要になった、と。

4.マーズフォー
 火星の4。そのままだ。
 赤い近接戦闘ユニットで、作画の大張さんの得意な属性を色濃く反映した機体。いわゆる勇者ロボみたいな演出が映える、巨大な大剣を振りかざして真っ向唐竹割りができるガンダム。
 演出的には、あまりガンダムじゃないですな。だけど、スーパーロボット好き、勇者ロボ好きの自分にはツボ。

 逆に言えば、この機体が大活躍すると、同じ特性のカザミのジャスティスナイトの価値が下落するので、何とか両立して欲しいものだが。

>今週のカザミ

 水中戦が苦手と、文句を言う。
 機体は装飾パーツが多く、肩アーマーが水圧でギシギシ鳴るなど、やはりデザイン重視の趣味機体だということが暴露された。
 槍そのものは、水中戦に向いた武装と言えなくもないので、機体さえマブチの水中モーターを取り付けて、抵抗の多い装飾パーツを取り払って、ズゴックアーマーでも換装すれば、役立つ機体にできるんだろうけど、
 カザミはそういう効率重視の改造をしたがらない奴なんだろうなあ。

 なお、ファンタジーゲームだと、重い鎧を着込んだ騎士に水中戦をさせようなど、自殺行為以外の何者でもありません。水中だったら、重い鎧を脱ぐか、水中呼吸の魔法と水中適性の魔法装備が必須かと。

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/23 (Sat) 00:20:24

 番組感想とは別に、K.Kさんの書き込みで気になった話題について、レスを書いてみたいと思います。

>昭和ライダーの再放送

 現在の視点で見ると、昔のドラマや特撮映像の稚拙さなんかに接すると興が醒めるといった感覚でしょうかね。
 そういう話ですと、納得できます。

 特に、昔見たものって、いろいろと記憶の美化が起こりますからね。あれ? こんなチャチな内容だっけ? と思ったり。
 最近は、キカイダー01で同じような感覚を覚えてもいますし。

 ただ、昔の印象と大きく違わないのが、BGMとか。これは昔の曲だから、稚拙とは思わないですね。

 自分が昔の作品を見て、今と違うなあ、と強く感じる一つは、「ホラー風の見せ方」。
 最近は、女優さんもあまり悲鳴を上げてくれませんし、映像も明るくて怖くない。血を流したり、人間が溶けて消失したり、そういうエグい見せ方が消えました。
 昔は、映像が稚拙だけど、演出が時々ギョッとしますね。

 ホラーと言えば、V3の登場する『仮面ライダーTHE NEXT』が当時流行のJホラー風味の話に仕上がっていて、『THE FIRST』とはまた違った雰囲気とか。
 で、現在風味のホラーのじわじわ心理的に来るのは、自分はちと苦手に感じていますね。
 80年代のスプラッター描写とか、直接ズバっと来るのはいいんだけど、今の演出がホラーに走って見えない何かがじわじわ来るのは、いやだなあ、と。

 まあ、その点、昔の作品は、直接ドギツい描写が(技術的にはチャチでも)見せてくれるので、逆に現在では見られない演出に、おおっと驚いたりも。
 怪獣の体がズバッと切り裂かれるとか、人が食べられるとか、今じゃ描写できないなあ、とか思いつつ。

 他には、CGを使わないバイクアクションとか、爆発シーンとか、高所での危険なアクションとか、崖風の高所からゴロゴロと転がり落ちるとか、アクション女優のパンチラとか、いろいろ昔ならではの演出を楽しんでいたり。
 ドラマ面では、時々出てくるヒーローの暴言とかに、思わずクスリと。

 最近は、落ち目のハカイダーに対して、キカイダー01が「こんな手に騙されるとは、弱い頭を恨むんだな」とか、そんな暴言を出したりして、それってヒーローのセリフじゃねえ、とツッコミ多数(笑)。
 01って明朗快活なヒーローで、別に策士だとか性格が悪いわけでもないのに、敵に対しては、時々容赦ないセリフを吐くんですな。

 まあ、自分は昔の作品については、内容にハマり込むよりも、その時代背景とか、演出の違いとか、特撮およびアクションの変遷とか、そういう観点で見てますので、内容の稚拙さについても、70年代から80年代はクリアしたかな。

 逆に、90年代ヒーローのドラマ演出が少し興醒めに思えているのが、最近の感想。
 今は、アクションもドラマ部分もバランスがいいと思っていますが、90年代はドラマに比重が掛かりすぎて、アクションが呆気なく思える回がしばしば。ここまで盛り上げて、バトルがここまであっさり終わる? って感じ。
 まあ、時々アクション重視の回があったりして、30分の枠内で両方盛り上げるのは難しい時代だったんだなあ、と。だから、ライダーは前後編で1エピソードの尺を伸ばすようになったんだろうし。

 いろいろな時代の作品を、比較しながら見ると、70年代はこんな演出で、80年代はこんな感じで、とか、対比させながら考えるのが面白いと思うこの頃。

>早瀬さん

 自分もお悔やみ申し上げつつ。
 往年の歌手や俳優女優さんが大往生したという訃報なんかもガーンと来ますが、最近の作品でまだまだ若い人が亡くなったという話を聞くのも、うわ〜となりますね。

 それだけ愛すべきキャラクターや演技を遺された、と惜しみつつ、冥福を祈るばかり。

>THE FIRST

 この作品は、TV版の本郷猛ではなく、石ノ森さんの原作コミック版の本郷猛をモチーフにした作品なんですね。
 TV版の猛は、文武両道の青年学者だったのが、藤岡さんの俳優イメージから、だんだんワイルドで逞しいお兄さんのヒーローっぽくシフトしていったのですが、
 原作版は、より「ナイーブな悩める青年学者」の側面が強調され、しかも途中で死んでしまう。後を受け継いだのが2号の一文字隼人で、猛の脳はその後、2号をサポートするコンピューターの中核となり、最終決戦で「機械の体に脳を移植したメカニック1号」として、2号と共闘する展開を迎えます。

 まあ、映画のTHE FIRSTは原作コミックのエッセンスを重視しつつ、また違った展開を迎えるわけですが、その後継者がTHE NEXTからアマゾンズの流れかな、と思ったりも。

>電キバ

 この作品は、上映時期が「冬に電王が終わって、後番組のキバが始まった年」の春ですから、キバはほとんど顔見せなのも、TV本編のストーリーがそこまで続いていないタイミングだったから。
 言わば、惜しまれつつ終わった電王が、刑事物の異世界話としてファンムービー的に帰ってきて、そこに新ヒーローのキバをコラボさせた話、と。

 この作品の影響としては、K.Kさんのおっしゃる通りなんですが、もう一つ、刑事役の村井良大氏が、後にディケイドのレギュラーとして、同行者のクウガになるという点も挙げられますね。
 言わば、電王とディケイドをつなげる一要素でもある、と。

>ターミネーター

 TV放送された2は、自分もやはり見ました。好きな作品で、DVDを持っているにも関わらず、TV放送されると、やはり見たくなる。

 で、どうしても、少年ジョンの声の違和感を覚えたりもする。自分が印象的なのは、最初の田中真弓声のジョンなので、その後の浪川大輔版とかは少し違うかな、と。

 あと、シュワちゃんのアスタラビスタ・ベイビーも、最初の「地獄で会おうぜ、ベイビー」を一押しにしてしまいます。
 今のは、「さっさと失せろ、ベイビー」ですから、味気がない。
 この場面で、「地獄で会おうぜ」と言っているから、後で同じ溶鉱炉で最期を迎える伏線にもなったと思えたり。

 なお、スペイン語版だと、このセリフは日本語で「さよなら、ベイビー」と言っている、というトリビアもあって、ヨーロッパ人にとって、日本語のサヨナラは粋の聞こえるらしいですね。

 ターミネーターは2が1の拡大発展版で、1の話を膨らませて一大傑作にしたもの。
 当時の日本のヒーロー物や特撮映画にも、物凄く影響を与えていますし、ドラゴンボールの人造人間16号のモデルにもなるなど、SF方面への影響力は計り知れないと感じます。

 一方、3は冷戦終結後の9.11に象徴される混迷した世相を受けて、希望を感じさせて終わった2を根本的に否定する内容だったので、2のファンの怒りを招いた。

 よって、「2の正統な続編」というキーワードは、本来、3のアンチを釣るための殺し文句なんですね。
 それが、「3では既に死んだことにされているサラ・コナーを主人公に、その後のサラとジョンの物語を別の役者で描いたTVドラマ」が作られて、2のエッセンスを取り入れた内容はマニア評価を高めつつ、学習するコンピューター・スカイネット誕生秘話とか、病に葛藤するサラとか、母親と運命に束縛された生活に嫌気がさして反抗期な振る舞いをするジョンとか、派手なアクションと異なる鬱々としたドラマ展開に、一般人気は得られずに終わったのかな、とも。

 かたや、3の後に作られた4(正式名Salvation)は、本編の続きではなく、「外伝の未来編」で、時間移動をテーマに殺人サイボーグに襲撃される現代人のサバイバルアクション活劇というシリーズの骨組みを踏襲していません。

 スターウォーズにおけるローグ・ワンの位置付けかな、とも思いますが、未来の話って、現実の時間が経つと、「そんな未来は実現しなかったというオチ」になりやすいですね。

 5とされるジェニシスは、1と2の物語を改編するという大胆さで、新たな物語を模索した作品で、自分は面白いと思うのですが、結局つながらなかった。
 悪く言っちゃえば、ターミネーターを基にしたパロディー作品。
 カイル・リースが80年代にサラを助けに行ったら、サラはそれ以前にターミネーターの襲撃を受けながら、別のターミネーターに助けられ、すでに女戦士として成長していました。
 カイルの仕事は、サラとHして、ジョンを産んでもらうことなんだけど、そこにT1000が時代を飛ばして出現したり、新たにスカイネットの基になるスマホアプリ、ジェニシスの誕生を止めるためには、2015年に飛ばねばならず、狂った時間軸に翻弄されながら80年代から2010年代にタイムスリップしたカイルとサラは、そこでターミネーターに改造されてしまったジョンの襲撃にあい、自分たちの新たな未来を作るための死闘を展開することになる。

 もはや古びてしまったターミネーターの話を一度解体し、現代につなげる新たなドラマとしてリブートしたわけですが(SF的には意外な展開が面白いと思ったのですが)、結局、1と2をなかったことにする展開が受け入れられなかったのかな、とも。

 そして、今回の6(ニューフェイト)は、2の続編で役者も踏襲しつつ、いきなりジョン死亡、スカイネットは歴史から消失した、という大番狂わせを見せつつ、
 それでも歴史は繰り返す的に、新たな敵コンピューターと新たな救世主を設定して、サラは救世主の母親から、救世主少女を育てる師匠的婆さんとして、破滅の未来に挑み続ける展開、と。

 まあ、自分としては、正史がどうこうよりも、1や2の基礎設定を踏まえながら、今回はどんな趣向で改変未来を見せてくれるのかなって観点で、追い続けているシリーズとなりますね。
 ジョン・コナー視点で見るなら、最初は未来を担う指導者にして救世主と見なされていたのが、ただのニートになったり、未来に飛ばされる反抗的な高校生になったり、ターミネーターに改造されてしまったり、とうとう呆気なく殺されて物語から退場させられたり、新作が作られるたびに、転げ落ちていく可哀想なキャラだなあ、と思っております。

 そのうち、様々な改変世界のジョン・コナーが一堂に会するジョン・コナー・バースでも作られないかなあ、と思いつつ。
 ジョン・コナーの翻弄された運命をネタと思えば、それもまた一興なんだけど、今回でシリーズが終わりなら、それはそれで構わないかも、と思っていますね。

 ジョン・コナーのキャラを別人に受け継がせて、また同じことを続けても、それで面白くなるのかなあ、というのが現時点でのシリーズの感想です。
 結局、2をマンセーして、2のオマージュしか作れないなら、発展性がないわけで。6は2のファンなら、そのオマージュの完成度の高さに拍手しつつ、でもシリーズとして考えるなら、進化の袋小路とか焼き直しでしかなくて、新鮮味が薄い作品だった、と。

 

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/24 (Sun) 00:49:21

 定例感想+アルファです。

 と、その前にゼロワン次回でのネーミングでNOVAさんのご指摘で「あっそうか」と思いました。ワズが過去形のwas、イズが現在形isということでしたか。だから兄妹なのか。全く思いついてませんでしたorz。で、未来助動詞のウィル(will)が出てくると。なるほどな感じで、ネーミングで腑に落ちました。いつもありがとうございます。

●BDリライズ(第8話:使命と幻影)

 これについてもネーミングについてのご教示に感謝です。ウィキペディアでも「太陽系の惑星をイメージした各種のアーマーを合体」とか、サポートアーマーが英語の惑星名だとかは分かるんですが、合体時のネーミングもそうなってたわけでしたか。

 しかも、太陽から数えて第1惑星の水星でメルクワンとかになっていると。そう分かってないと、特にヴィートルーだと命名が何に由来するか想像するのも(自分にはorz)難しい。しかし知ってさえしまえば、今後出てくる機体名とか予想して遊べそうです。

 メイについても然りで「(すなわちメイは生身の人間ではない説)」です。GBNは基本、遊びなわけですが、メイは非常に事務的な感じがします。そういうキャラだと思ってたんです。が、NOVAさんのご指摘から「そうか、もし人間のプレイヤーでないとしたら」と考えて気が付くことがありました。

 今話の冒頭でのメイの台詞「チームとは、同じ目的の為にリソースを使う、機能的集団を言うのだろう?」(とそれに続く台詞)です。マギーから「案外うまくいってるのかも、あなた達のチーム」に対する応答なわけですが、メイは辞書定義的に答えてます。類例を考えると、ゼロワンでもシンギュラリティ前はそんな感じだったかと。

 以前の話ではパルの悩み解消回(第5話)でも、誰が見ても、カザミが見てもパルはミッション続行だろうという状況で、メイは「それで、ストーリーミッションはやめるのか?」と尋ねてました。カザミに突っ込まれても「しかし、そういう話だったじゃないか」と。あのときはいちいち確かめる性分かなくらいに思ってたんですが、AIゆえに状況から心情までは理解できないという演出だったかもしれません。

 今話辺りでリアル世界でのヒロイン(だと思う)ヒナタからイヴの線は消えた感じがします。メイとイヴにつながりがありそうというNOVAさん説は、自分的にも急浮上したような気がします。サブキャラのはずのメイより先に主人公ヒロトのキャラ掘り下げを始めた点は自分も気になりますし。

 それにしても「>今週のカザミ」はちょっと笑った。ネット放映では最後にカザミのガンプラ解説コーナー(主に新登場の機体)があるわけですが、カザミ自身についても毎話でネタになる言動、行動がありますな。

 ともかく本編。マギーの(GBN内の)バーでメイとのやり取りがありまして、気になる点は上記の通りです。会話から分かるのはメイもまた、GBNで何かを探しているということですね。

 シーンはヒロトの高校に移りまして、ヒロトとしては惨敗を喫した敵MS(ガンプラ)が気になって他のことが手につかない感じです。友人が声を掛けたりしても応じませんが、人間関係は悪くなさそう。が、ヒナタとしては以前のヒロトの様子(ガンプラ握りしめ、雨に打たれて帰ってきたとき)と重なるものがあって心配な様子ですね(この辺り、ヒナタからイヴにつながる線がないことを示唆していそう)。

 この後のちょっとしたシーンで、「今作でも『コーラーサワーを探せ』があるのかな」と思いました。それらしきキャラクターが通り過ぎてましたんで。ネットで検索してみると、コーラーサワーと女性がラル・ハモンのコスプレをしているという、ややこしい状況だったらしい(^^;。一目でそこまで分かる人がいるんだと感心しました。

 それはそれとして、メイとヒロトが連れ立って歩くわけですが、メイの台詞が気になる。ヒロトを見て「表情に『情報』がない」ですから。メイにAI疑惑(?)を感じていなかった初見では「おかしな言い方だな」くらいにしか思わなかったんですが、今考えるとAI的な確率・ヒューリスティックな分類を試みての台詞だったような気がします。

 ビルドダイバーズが集合しまして、カザミがさっそく動画アップを自慢してますね。「ついに念願の撃墜数1」とでかでかと出てまして、よっぽど嬉しかったんだろうし、やっぱり前話の撃破が初撃墜だったのか。しかしパルは自分も困難を乗り越えて間もないこともあって、カザミの気持ちが分かるらしく、素直に喜んでますね。

 しかし当然ですが、前回の惨敗相手ゼルトザームの話になる。カザミは楽観的ですが、ヒロトは戦力差を理解しており、備えるだけ備えて逃げるという戦術にしたいらしい。まあ、そうはいかんのでしょうけど、それ以外にあるかというと、どうもなさそう。もしかすると、この「逃げる」という選択が不可能になったときが、ヒロトのターニングポイントかもしれません。

 とりあえずできるのは山の民ルートを進めることで、次なる地は城塞都市風の島:セグリですか。レジスタンスらは、そこから「銀の塔」(軌道エレベータ―かな?)に行きたいんだけど、水中からの攻撃で進めない。そこでビルドダイバーズに海に潜む敵を退治してもらいたいと。

 早くもカザミが動揺してまして、この後の展開からすると、NOVAさんの分析通りの様子でしたな。簡潔に言えば、ガンプラが実用性度外視で荒削りなのが、今回もあらわになったといったところか。山の民のミッションをこなすにあたり、事前に水中の模擬戦をしておくことにしたのは、いい判断だったようです。

 ヒロトがいったん皆から離れまして、1人でどこかへ向かうわけですが、途中でイヴの記憶を(幻影が見えるレベルで?)手繰ってますね。一瞬、ヒロトがこの島に来たことがあるのかと思ったんですが、イヴといる記憶では周囲は獣人ではなく人間なので、別の場所の思い出なんだろう。

 が、ヒロトがたどり着いた先にはメイが待ってました。初見では「メイって察しがいいらしい」くらいに思ったんですが、イヴとつながりがあると思って観なおすと、イヴ≒メイ説を示唆するシーンのようにも思えました。

 CMを挟みまして、現実世界のヒナタ・ガンプラ店主とGBN内のメイ・ヒロトのシーンが進行してますね。何かを明らかにしたわけではなく、伏線的な情報かと思うんですが、メイのちょっとした台詞が気になりました。獣人らの気持ちを汲み取れているようなことを言ってます。前作ではサラがガンプラの気持ちを感じる力があったわけですが、メイはNPC(NPD)のはずのキャラに気持ち(自我)があると分かるらしい。

 非常に気になりますが、そこまで。水中戦予行演習のグランダイヴチャレンジの開始ですね。ミッション主のチームはアバターが年齢通りだとすると、1stガンダムからのファンなのかな。使用するのも1stガンダムの水中戦用MSだし。

 開始早々、装備が不向きで仕上げも粗いカザミ機がたちまち脱落。形状が大気中の飛行に適したパル機も水中では抵抗が大きすぎるのか、続いて脱落。パル機については、敵機が水中用だから仕方ないかな。いや、SD形態で水中仕様にしていれば粘れたのかも。

 メイ機が囮になる格好で(これはメイが承知していたかどうか気になる)、水中戦仕様にしていたヒロト機が敵メイン機の阻止をかわしてハロを奪取して浮上、辛くもミッション達成ですね。敵機に推進器取りつかせて追っ払うとは、マブチの水中モーターの悪用みたいだ(←NOVAさんのカザミ機解説で思い出した)。

 戦いが終わりますと、ミッション主チーム、MSで昭和風な学校プール風景見せてくれましたな。今だと目を洗うなんてやらないそうなんですが、アッガイが目を洗ってるとか、ちょっとシュールな気もします(^^;。まあ整備と思えば分からなくもないですが。

 戦闘経過を踏まえまして、ヒロトは山の民ミッションについては単独で挑む方針にしたらしい。メイは(おそらく戦術的には)それでいいとしつつも、ヒロトのためとしては、それでいいのかと疑念を呈してますね。それがヒロトにはイヴが被って見えたらしい。

 次回「隔絶の淵から」ですか。メイのナレーションからすると、メイ基準でヒロトの問題をあぶりだすような内容と思えました。仮にそうだとしまして、メイのキャラが依然としてよう分からんので、メイとの差を表現されても、ヒロトのキャラは分からんかもしれません(^^;。

●仮面ライダー THE NEXT

 THE FIRSTの作風は原作コミックを意識していると伺いまして、原作コミック未読ながら、そういうことだったのかと昭和のTV本編との差異に納得するものありです。THE NEXTがその雰囲気を受け継ぐのも当然ですね。アマゾンズは第1話だけ視聴する機会がありまして、THE FIRST/NEXTを知らなかったもんですから、単に昭和風バトルとか思ってました(低予算と邪推したことも ^^;)。だけど1本の線でつながっていると、今は理解した次第です。

 昭和ライダーもせっかくネット再放映されているのにハマれない理由ですが、「昔のドラマや特撮映像の稚拙さなんかに接すると興が醒める」と簡潔にまとめて頂いた通りです。

 このTHE NEXTも前のTHE FIRSTも昭和風の平成の作りだったから満足できました。それ以外に時間的な尺もあるような気がします。どちらも普通の映画の尺で作られていて、その時間に収まるようなドラマ作りになっています。

 記憶頼りですが、昭和ライダーTV放送版ですと、30分で同量のストーリーを収めていたように思います。敵が大規模な破壊活動を始めて、メインゲストが被害に遭い、ライダー側が気づいて阻止に入り、攻防があって敵怪人を倒し、メインゲストは助かるか死亡する(破壊活動自体は怪人が倒されると収束する、たとえ細菌兵器みたいなものであっても ^^;)。

 30分枠ですが、CMを除くとOP/ED曲入れて24分くらい。ドラマパートとしては20分程度でしょうか。THE NEXTと比べて1/5くらいの尺です。どうしてもドラマが粗くなるのは避けられないように思います。平成ライダーですと、観た限りでは2話1エピソードにし、1話・1エピソード完結性も低くして、1年で1つのドラマを描く傾向を感じますが、昭和だとそうではなかったような。序盤早々にキャラ・組織紹介を済ませ、中盤は1話ごとの陰謀と阻止、最終盤に敵組織に迫って倒してました。

 それでも当時は喜んで観ていたのは、1つには年齢的なことがあります。怪人とライダーがバトルするシーンだけでも喜んでましたし、極論すれば、最後のライダーキックさえ見られればそれでよかった面がありました。

 と考えていて、思い出したことがあります。当時、バロム1の体操選手的な動きに魅せられ、ライダー物への傾倒が下がってしまったようなことを申しましたが、まだありました。カンフー映画です。まず、ブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」と以降のシリーズですね。スーツではなく、筋トレで仕上げた肉体での派手なアクションは、自分だけでなく周囲の同年齢の友人も夢中になってました。

 続いてジャッキー・チェンのアクション映画にも夢中になりました。ブルース・リーの一撃必殺的なアクションに対し、ジャッキー・チェンのはコミカルさも交えた丁々発止としたバトルでした(自分的にはジャッキー・チェンのほうが好み)。

 当時の自分としては、巨大ヒーロー物は特撮で喜び、等身大ヒーローはアクションで喜んでました。アクションについてはカンフー映画で(自分的には)見栄えがするものが出てくると、既存の物が相対的に下がって来るのは仕方ないことでした。ただ、不思議なんですが、裏番組とかで視聴的には競合もしないのに、こっちが好きとなると、あっちを疎んじるみたいなことが当時はありまして、今からするともったいないことした気も強くしますorz。

 いかん、自分語りを長々と。本編感想ですが、こちらでも伺った通りのホラー風味がなかなかのものでした。仮面ライダーって初期は怪奇性も売りだったことを思い出したりもしました。「Chiharu精神体(包帯姿の女)」の部分を抜き出せな、「世にも奇妙な物語」のホラーで通用しそうな感じもするほどです。

 その本体である「風見ちはる」と兄の「風見志郎」=V3が1つのドラマですね。もう1つが、高校教師となった本郷猛とちはるの級友の「菊間琴美」のドラマ。THE FIRSTでも2つのドラマが1つの結果に至りましたが、THE NEXTでも同様の作りした。サブドラマがメインドラマにまとまる作りは、アメコミヒーロー映画などで自分の好みになったパターンです。かつ、THE FIRST同様、THE NEXTでも甘い救いを与えなかった点も高評価したい。

 風見ちはるは風見志郎と同じく、ナノロボットに汚染されて強い能力を得てしまい、自殺しても生き残ってしまう。本人が望んだこととはいえ、兄であり、同じ被害者ともいえる志郎に止めを刺されてしまうのは無情感が強く漂います。もし救いを感じるとすれば、友人である琴美にちはるは真実を訴え、おそらく琴美だけは救おうと思い、本郷猛によって願いがかなった点でしょうか。

 その経緯を見ていて気が付いたんですが、風見志郎がショッカーと決別する覚悟を固めたシーンは描かれてないですね。本郷猛や一文字隼人と出会い、妹についての真実を察したことなどは描かれています。ですが、次に志郎が現れたときは、もうショッカーへの離反を決意した後でした。

 その辺り、いい意味で昭和的なドラマの見せ方かなと思います。今のライダーだと、たぶん迷った挙句に、何かの事態に遭遇して決意するところを描きそうな気がします。燃えるポイントをきっちり見せてくれる。だけどTHE NEXTではそうせず、「あの後、悩みに悩んで、ついに翻心したんだな」と想像に任せてくれてます。これはこれで好きな描写です。

 惜しむらくは次作がないところですね。せっかく1号、2号、V3が揃い、この3人でショッカーに対してどうするかと期待が盛り上がるんですが、このTHE NEXTでシリーズが止まっているらしい。ドラマ面での昭和風はあまり広く受けないということかなあ。昭和の各ライダーは平成以降も劇場版などで活躍してくれてるみたいなんですけれども。

●ターミネーター&翻訳問題

 まず、T2の正統な後継というのが、T3アンチを釣る文句だったのを知らず、内情的なこを伺いまして、いろいろ腑に落ちるものあります。自分もTVで放映したT3を観まして、「いや、これは自分が観たいターミネーターじゃない」と思った次第です。同様のことは、エイリアン3でもあったりしました。

 しかし、だからといってT3自体の問題というより、ニューフェイトを含むT2以降として、どう発展させるかは極めて難しいということでしたか。T2はもしかすると、その後をいろいろ想像できるようでいて、想像を許さない作りであったということなのか。

 それはいずれニューフェイトがTV放映されたら、じっくり観て考えてみようと思います。

 翻訳についても気になりました。声の質も問題となりますが、言う台詞にももしかすると影響されるものかもしれません。挙げてお出でのアスタラビスタ・ベイビー→「地獄で会おうぜ、ベイビー」→「さっさと失せろ、ベイビー」ですと、対訳的には「さっさと失せろ、ベイビー」みたいですね。

 スペイン語とのことですので、スペイン語圏向け吹替では「サヨナラ、ベイビー」となってるわけですか。本国語での別れの言葉だとスラング感が出ないんでしょうね。かといって、英語ではなじみがある表現になってしまいそう(中南米だと英語の影響強いだろうし)。

 戸田奈津子さんは多数の翻訳を手掛けておられまして、映画字幕・吹替の仕事も多い。誤訳が多いとも言われる方ですね。別の翻訳者の字幕への指摘では、「2001年宇宙の旅」の"Grip Shoes"に対して、初期の字幕で「磁力靴」としたのは英語的にも設定理解的にも間違いとしている指摘がいろんなところであったのを覚えています。

 こういう誤訳問題、自分も英語に接することがよくあるので悩ましいところです。しかし、少なくとも辞書にあるなしで論じられないと思うようになってきています(英語を学んだり、使ったりするごとに深まる感覚)。

「磁力靴」ですと、以前に申し上げた気がしますが、翻訳した当時としてはやむを得ない訳ではなかったかたと思います(たとえ設定理解を間違えたものであっても)。むしろ名訳だったかもしれません。

 要は「すっと分かって、全体の理解に支障がなければいい」ということになります。元の英語表現を理解するための対訳ではそうはいきませんが、日本語に訳したものだけで理解する場合は原文、原語に囚われなくてもいい、むしろ思い切った意訳をしないと伝わらない。

 そういう意味で、T2のターミネーターT800の台詞は「地獄で会おうぜ、ベイビー」のほうがいい訳だなと思います。一度目に行ったのは単にジョンから教わっているからだけですが、肝心のシーンで言うのは凍結したT1000を破壊するときですもんね。そのしばらく後で、T800も溶鉱炉で破壊される。

 そういう流れですから「地獄で会おうぜ」がピッタリ効いてくる台詞という気がします。ジョンは同時に"chill out"も教えてますんで、凍ったT1000にさらにピッタリ来る感じです。

 自分はこのアスタラビスタの訳が「ぶっ飛べ(、ベイビー)」だと勘違いしてまして、どこでそう思い込んだかちょっと思い出せません。アーノルド・シュワルツェネッガーの別の映画の台詞と混同したのかなと思っています。

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/25 (Mon) 19:03:21

 定例感想とその他です。

●仮面ライダーゼロワン(第12話:アノ名探偵がやってきた)

 いろいろと自分の妄想はいつも通りに外れまくりまして(^^;、しかしそれだけに予想外の展開を楽しめました。といっても、事件解決はまだ道半ばなわけですが。

 最も予想外だったのが暗殺ちゃんが5つ子(?)だったことですね。祭り用のヒューマギアだったのが(「祭りだぜ(っと)」と典型的なダジャレネーミング)、窃盗団にまとめてさらわれて、顔とIDを変えられたと。仮面ライダー THE NEXTでヒロインが顔を変えた替え玉という話を観た後ですんで、余計にびっくりしました。

 5名のうち、4名がさらに滅亡迅雷にさらわれて暗殺用にチューニングされて暗殺ちゃんになっていたと。ドードーのキーとか、情報的に保存さえされていれば、ボディは滅亡迅雷で、いくらでも製造できるのかと思ってたんですが(工場を占拠したりしてたし)、実はそうではなかったのか。

 滅亡迅雷の暗殺ちゃんストック(?)は今のが最後の1名で、しかし同型がまだいるわけですね。現暗殺ちゃんは自分の予想に反して、しっかり暗殺者となっているけれど、迅、滅に従わない自律性も出ている。これ、依頼を受けて暗殺を行う殺し屋ではなく、自分で選んで破壊工作を行う単独テロリスト(ただし部下は増やせる)となりそう。

 しかし、なぜ残る仲間ギア1名と会いたがっているのかはまだ不明ですね。現暗殺ちゃんは仲間ギアを暗殺仲間に引き込みたいのか、それとも自分のようにならないよう、守りたいのか。あるいは、(自我の発生により)単純に会いたい気持ちがあるのか。

 ともかく本編。冒頭は警察からで、前話で自分が疑った「大和田は本当に撃たれたのか?」は、間違いなく撃たれていたで確定orz。飛電社から有力な情報、証拠も出ていないようですが、唯阿が飛電の秘密のラボのことをばらすわけですね。しかし不破は唯阿の動きに不審な点を感じている模様。その辺りからすると、唯阿はZAIA社の都合で動いている感じです。

 タイミングの悪いことにラボでは新キー製造中。踏み込んできた警察に或人が弁解するわけですが、「ラボだけはちょーっとマズいんですよ」と、疑ってくださいと言わんばかりの対応をしとりますな。副社長の福添ですら胡散臭そうにしてる(が、巻き添えさんと呼ばれて、福添だよと本人のギャグは忘れてない ^^;)。

 その場をとりあえず収めたのが探偵ギアのワズということですね。名探偵コナンをそのまま大人にしたような姿で、金田一少年みたいな決め台詞を吐いてますね。社長の名に懸けて、と言うわけですが、カメラが背後の是之介の肖像画にズームしてますんで、ワズが誰の名に懸けたかは明白。しかし、その場にいる人々からすると、現社長:或人の名に懸けたと思うはず。

 なぜワズが是之介の名に懸けてと言うかといえば、是之介直々に作り、或人らがトラブルに巻き込まれたときに助けさせるためだったからでしたか。その後、イズが作られたので、ワズは兄にあたるということか。

 そのワズが或人とイズに密かに呼びかけまして、時間稼ぎをさせようとする。イズは疑っていますが、或人は信頼して話に乗る。或人はラボのパスワード忘れたと見え透いたことを言い、逃走のため変身するわけですが、観ていて「やめろやめろ、建物壊れるぞ」と口走ってしまいました;。でも、壊さずに変身できるみたいですね。自分ちだけそういうのはずるいんじゃなかろうか(^^;。

 もっとも、AIMSにもライダーはいるわけでして、不破バルカンが逃走阻止に入る。のですけど、本気で止めようと思ってないみたいですね。或人の様子から事情があると察したんだろう。ただ、一応は「抵抗して逃げられた」と報告できるように、多少のバトルをやっておいたんだろう。

 社長室ではパスワード解除を試みているわけですが、パスワードは入力じゃなくて演じないといけないのか。音声と映像によるセキュリティのようですね。しかし、それってもしかして、或人が正しく演じないと解除できないんじゃなかろうか。

 この隙に或人はラボに舞い戻りまして、先に待っていたワズからイズと一緒に説明を受ける。ここで初めてイズの兄と名乗るわけですが、イズが目を丸くしてフリーズ、と思ったらデータを検索していたんですか。しかしそれらしい情報がヒットしない。どうもワズは存在は知られていても、製造目的とか活動内容などは秘匿されてるみたいですね。実は或人、イズらに先行して、滅亡迅雷の情報を探っていたわけか。でも、イズには嫌われている感じだなあ(^^;。

 が、或人ゼロワンの役目は引き続き、警察を引っ張りまわして、ワズの調査に妨害が入らないようにすることですか。しかし、今度は唯阿バルキリーに見つかってしまう。が、ラボの存在を警察に教えたことで、ちょっと負い目を感じてるみたいですね。或人から指摘されて動揺した隙を突かれ、或人に逃げられとりますな。唯阿はZAIAとAIMS、或人らの間で揺れている模様です。

 一方、滅亡迅雷拠点では暗殺ちゃんが成長し過ぎて、滅らの手に負えなくなってますね。暗殺を極めたと言い出すし、マギアを遠隔ハッキングして部下のマギアに作り替えるし、変身した姿も禍々しいし、なにより迅や滅と対等に戦えている。ただ、この後で判明するのがこの暗殺ちゃんが(滅亡迅雷保有の)最後の1体ということで、破壊しかねないような攻撃はできなかったということなんだろう。あくまでも捕獲に拘って逃がしてしまったと。

 ワズはと言えば、イズから見ると遊びまわっているだけで、冷静に堪忍袋の緒が切れたらしいイズから「残念なお知らせです」と前置きされて、役立たずとの報告が或人に入る。が、実は暗殺ちゃんの正体に迫っていたわけでしたか。ただ、どう推理したかは描写されず。それにしても、あからさまに不服そうなイズって初めて見た気がします。

 要は、5名のお祭り用ヒューマギア「祭田Z」(祭りだぜっと、以外にマジンガーZも感じるネーミングかも)が窃盗団に盗まれ改造されて、うち4体が滅亡迅雷に盗まれたか買われて、次々と暗殺ちゃんに仕立て上げられていたと。通常のマギア製造は、シンギュラリティを起こしたギアのハッキングですから、暗殺ちゃんは特殊な目的があって、故買したということなのかも。

 暗殺ちゃんそっくりながら、(おそらく逃亡して)滅亡迅雷に改造(?)されていない5号が鍵を握っていそうなわけですね。そこまで推理できたということで不破は人間みたいだと感心し、イズはワズのシンギュラリティ到達を疑う(マギア化されるリスクを心配したのかな? 旧型だとどうなんだろう)。

 ワズらから逃げる5号の前に4号出現。もしかして、暗殺ちゃん4号が滅亡迅雷から逃げた主な目的が5号と会うためだったのかな。が、不破が阻止に入り、4号にも不破バルカンにも怯え、事情も分からないらしい5号は逃げ去る。同型機ですけど、データリンクとかはしてなかったということか。

 暗殺ちゃん4号のドードーマギア改(第2形態)は強力で、不破バルカンを寄せ付けず、駆けつけたゼロワンも余裕であしらってる感じですね。ぎりぎりで新型キー:シャイニング・ホッパー開発が間に合いまして、イズはゼロワンに手渡し(スライディングがカッコいいぞ)、しかしワズはブレイキング・マンモスを勧める。或人はシャイニング・ホッパーを選択、さあどうか、というところで続く。ワズの判断・意図は何だったのか気になります。

 次話「ワタシの仕事は社長秘書」では、ワズの判断が正しかったのか、新装備シャイニング・ホッパーをもってしても、暗殺ちゃん4号のドードーマギア改(第2段階)に敵わないみたいですね。イズが狙われ、かろうじて或人が救うも、責任を感じたイズは何かを為すらしい。

 気になるのは予告映像で、イズの髪の青い部分が赤く変色しているのが、ちらっと映っていることです。そこでイズは目をつぶっていて、次に目を開いたときの瞳の色は不明。赤色はマギアの象徴なわけですから、かなりな問題が生じると考えてよさそう。

●仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル

 暴れん坊将軍とコラボするだけでなく、フォーゼも出る映画だったんですね。調べてみたら、オーズからフォーゼへバトンタッチする時期の劇場版でしたか。

 こちらでも暴れん坊将軍コラボは伺っていたわけなんですが、想像以上にマッチしてました。自分はてっきり、ミスマッチの妙、面白さなんじゃないかと勘違いしてました。そうではなく、オーズが時代劇世界で戦い、吉宗(徳田新之助)が馬で駆けつけて日本刀のみね打ちでバッタバッタと敵を倒しても、1つの画面内で違和感がない。

 絵的なマッチだけでなく、戦力的なバランスも違和感がなかったですね。吉宗が直接倒すのは、ヤミー、甲冑兵までのようですが、群がる敵に余裕で対処できる感じがありました。要は、ライダー世界でも上様は強い。

 いろいろ要因はあるんでしょうけど、演出面の工夫は確実にあるようです。例えば、吉宗が駆けつけるときから乗馬ですので、戦闘前から迫力を感じるようにしてありました(しかし、バイクとの並走で撮影は苦労したわけでしたか)。

 敵側の目論見は世界の消滅だったようですが、映司の言葉のトリックであっさり覆されたりしまして、全体的には危機感は薄め、その代わりにお祭り感があって楽しいし、希望感あふれるドラマという印象です。メインゲストキャラのドラマとしては、子どもに乞われて母親を助けるというもので、しっかり手を掴んで助けてたわけですし。

 フォーゼも顔見世するし、オーズの多数の形態揃い踏みもお祭り感あるところですね(劇場用のフォームまであるし)。さらに嬉しいのはグリードらもオーズを助ける形で出てきたところでしょうか。劇場版の公開日がぎりぎりですが、グリード退場前だったからできたことみたいですね。道理でアンクが映司に使わせたメダルにはひびがなかったわけでしたか。

 この作品でライダーと時代劇の相性のよさを納得しまして、ということはジオウ劇場版の戦国時代編も同様にしっくり来るものだったのかなと思います。この路線、どんどんやったらいいんじゃなかろうか。

●婉曲語法

 NOVAさんの「弱い頭を恨むんだな」という暴言がキカイダー01であったとのことで、少し思い出すものがありました。実はキカイダー01がハカイダー(キカイダー時はダークヒーローだったのに、01で落ちぶれたなあorz)にそう言ったというのは覚えておりません。

 覚えているのは、セサミストリートでのことで、公式だったと思うんですが、グローバーというキャラの説明に「頭が弱いグローバー」というのがありまして。自分が中学生のときですから、ずいぶん前です。

 さすがにびっくりしました。当時でも「頭が弱い」は相当に侮蔑的なニュアンスでしたから。「頭が悪い」より救いのない感じの表現と受け取ってもしました。ただ、自分より上の年齢層だと、もしかすると婉曲表現だったのかもです。

 昔々でも、単語での侮蔑語の「馬鹿」「阿呆」はシリアスな文脈では使いにくかったようです。特に面と向かって言うのは、ほとんど喧嘩を売るに等しい。松竹新喜劇で藤山寛美さんが現役だったころ、馬鹿息子などの役柄が多かった。しかし芝居の中でも、例えば諭すつもり大真面目に「だって、あなた(寛美さん)は馬鹿だから」と言いかけて、言わないことが多かったと思います。

 で、「あなたはバ、ええと、その、ほら、お人好しだから」と言い、寛美さんが「おんなじこっちゃい!」と怒り出したりする。お人好し≒騙されやすい人≒間抜け・馬鹿ということですね。

 自分も「お人好し」がしばしば「馬鹿」の婉曲表現で使われるのは理解していたんですが、セサミストリートで好きなキャラクターのグローバーに「お人好し」ではなく、自分的には直截な「頭が弱い」と表現されたのはショックでした。

 が、後になって考えますと、馬鹿とは言いにくく、頭が悪いも直接的過ぎて、頭が弱いとやわらげてたのかなと思いました。だけど、頻用されると婉曲表現でなくなってくるんでしょうね。逆に直截なニュアンスとなるんだけど、まだ婉曲表現だった頃に使い慣れた人は婉曲だと思って使う。結果、世代間で受け取り方が違うのではないかと。

 あくまでも推測ですが、セサミストリート等と照らし合わせると、キカイダー01は本当は罵倒したいけど、こらえて「頭が弱い」と言ったのかもしれません(という脚本家の狙いということで)。しかし、キカイダー01をTV放映で観ていた自分ですら、「頭が弱い」はショックを受ける表現ですんで、問題ないと思う世代はもっと上なんだろうと思います(キカイダー01当時で、ベテラン脚本家くらいの世代かも)。

 ネットではなく深夜で古い作品を放映したりしてました。「仮面の忍者 赤影」では、最初に古い時代の作品なので不適切な表現がありますが、時代を重視してそのままお送りします、なんてテロップが最初に出ていたのを覚えています。自分ですとまあまあ許容範囲の表現だったと思ったんですが、人によってはぎょっとする表現があちこちにあったのかもしれません。

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/26 (Tue) 00:46:25

 最近は、書く内容が増えてきたので、週2回(週初めのライダー編と、週末のリライズ編)に分けてみたいと思います。

 で、今回はライダー編。

★ゼロワン

 倒されては復活、を続ける暗殺ちゃんがいつまで続くのかな、と思ったら、「5体で打ち止め」という情報が出て、ホッとした回。

 で、暗殺4号が滅たちに反逆して、闘争逃走。

 というか、これは滅が明らかに悪い。
 前に迅がシンギュラリティに達しかけたら、強引にリセットさせたし、
 今回は暗殺ちゃんを強く育てた、と思ったら、「自分の手に負えなくなった」と判断して、拘束するし。
 ヒューマギアの自主性を重んじない暴君的な父親と判明。

 要するに、自分の意図どおりに動かないヒューマギアを支配して、人類滅亡の思想を強制するのが滅のやり方、と。
 別に、「人間から奴隷のように扱われている可哀想なヒューマギアを解放する」という大義で行動しているわけじゃなかった、と。

 で、暗殺4号は、同型機の祭田Z5号に接触しようとしているわけですが、その真意は今のところ不明。

 祭田Zは、イベント用ヒューマギアで、いい暗殺ちゃんになるのかな。役者的には、暗殺4号が倒されても、味方側のレギュラーとして継続出演できる?
 それとも、こいつも滅亡迅雷に洗脳されて、究極の暗殺5号になるのかな。
 とりあえず、ここまで暗殺ちゃんが重要なキャラになるとは、先月の時点では思いもよらず。できれば年内退場にはならないで欲しい。

 そして、ワズさん。
 ヒューマギアに感情移入すればするほど、いつマギア化してしまわないかとドキドキして見てますね。
 イズが毛嫌いすればするほど、兄がマギア化してしまい、倒さないといけない羽目になって、というドラマを危惧します。
 まあ、イズ自体が敵に回る方が怖いのですが、どっちにせよ、イズにとって、次回は試練の回でしょうね。

 シャイニングホッパーは、変身時にマッチョ風味になって、腹筋崩壊めいた腹部内装が楽しい。
 そして、アーマー化するホッパーが子供をおんぶしているのも可愛いなあ、と。
 これで、親子バッタが分離して2匹でピョンピョンしてくれると、エフェクトに萌えます。

★フォーゼ

 12月7日からスタートですね。
 宇宙キターの合言葉で、平成2期の中でも最も陽性のライダーと言えます。学園もので、キーワードは青春とか、友情とか。
 まあ、オーズの次に見ると、いきなり精神年齢下がったような作品で、軽く感じるかもしれませんが、アメリカン・ハイスクールなノリと、「仮面ライダー部」のメンバーが集結するまでのドラマに付いて行ければ、楽しい作品。

 とにかく、バカだけど一本気な主人公、如月弦太朗の勢いに感情移入できれば、勝ちですね。
 しかし、よもや後日譚で教師になったりするとは(ジオウで後ろ姿だけ出たときは、教師になった状態)。
 映画では、キョーダインと戦ったり、イナズマン(原作版)を指導したり、東映懐かしヒーローの楽しさが全面に出てました。

 なお、坂本監督がメインの初ライダーなので、アクションレベルがどんどん上がっていくのもポイントかと。
 特に2号ライダーのメテオが、ブルース・リーをモチーフにした空手使いなので。

★ファーストとネクスト

 この両作品は、アクション監督が横山誠氏。
 つまり、牙狼につながりますね。

 順番で考えると、「ファースト→牙狼→ネクスト→makaisenki以降の牙狼シリーズ」となりますので、ネクスト以降が作られると、今度は牙狼の方がシリーズ化しなかった可能性が出てくる、と。

 平成ライダー初期で大人向き特撮の手応えを感じたスタッフが、映画のファーストを作って、そこから、さらに深夜向きの牙狼という企画が動いて、
 ニチアサ平成ライダーは一度、対象年齢を下げた電王で明るい方向を目指してブレイクし、
 大人向き特撮ヒーローは、牙狼などの深夜にシフトしていく流れ。

 で、ネクストが興行的に失敗した後、一部のスタッフはキバに行ったりもして、牙狼と平成ライダーの言わばミッシングリンクに当たる作品が、ファーストおよびネクストと見なすことも可能。

 なお、ネクストの昭和ライダー復活の動きは、結局、ディケイドがバトンを引き継ぐことにもなりましたね。

 この辺のスタッフや役者の流動的な動きは、後から振り返って見ても面白いと思いますね。
 リアルタイム視聴時は、その作品の歴史的意義とか、影響の伝播なんて、分かりませんから。

>ジオウ劇場版の戦国時代

 これは、悪い意味での学芸会レベルです。

 曰く、「こんなにしょぼい長篠の合戦はない」というもの。
 ただ、まあ、物語のテーマが「歴史というものは後世に美化されたり、誇張されたりしがち」というものでして、「第六天魔王とまで言われた信長が、これほどまでに小者で、かつ人間的な三枚目キャラだったか」を実感させるための演出。

 「信長すごい」じゃなくて、「信長しょぼい」を見せる映画だったので、ある意味、ジオウの時代劇要素はコントだと思っていただければ、いいのかな。

 なお、信長の影武者やってるゲイツがいい味を出していたり。

>ハカイダーと脳

 少し表現が違っていて、実際は「お前の脳の弱さを悲しめ」でした。
 まあ、なかなか酷い表現なのは変わらないんですけどね。

 で、ハカイダーというキャラクターは、頭に人間の脳を移植したサイボーグなのですが、
 キカイダーのライバルだった時は、頭にキカイダーの製作者の光明寺博士の脳を入れられていたので強かったのですが、
 01に出てきたときは、前作ラスボスのプロフェッサー・ギルの脳に代わっていて、光明寺博士の方が優秀だったので、ギル・ハカイダーはズル賢いだけで大したことないという印象が。

 まあ、強くて格好いいハカイダーを見たい人は、雨宮慶太監督が90年代に製作した映画『人造人間ハカイダー』がオススメだったり。
 これも、ある意味、ターミネーターの影響が大きい作品だったり、牙狼と絡む要素があったり(ヒロインの名前がカオルとか)、原作とは全然違う世界観、物語なんですが、見る機会があれば。

 というか、そのうちYouTubeでやってくれるんじゃないかなあ、と期待してます。
 仮面ライダーZOとかJが公開されれば、その次くらいに。

PS.なお、今の暗殺ちゃんが、自分にはハカイダーに見えたりします。組織を裏切って、暴走したりするところが。
 しかし、祭田Zってキャラは、反則だよなあ、と思ったり。どこまで濃い属性になるのか、暗殺ちゃん。
 

Re: 11月のスレッド(2019) - White NOVA

2019/11/29 (Fri) 12:11:57

 11月最終書き込みなリライズ感想です。

★BDリライズ

 たった一人の水中戦で苦戦するヒロトを、支援する仲間たちの連携。
 ミッション達成後に襲撃する強敵の前に、メイの正体が明らかになる……って感じの回でした。

 ここまで、バラバラだったビルドダイバーズが一致団結する流れは、一つのクライマックスでしたが、
 前作で出てきたELダイバーという単語が出てくることで、シリーズとして有機的につながったな、と。

 前作のクライマックスは、電子生命体ELダイバーの少女サラを助けるための決戦でしたが、
 その影で、消失したのがイヴなのかな、と思われ。

 そして、メイの正体もELダイバーだったことが明らかになり、前回の自分の予想がいきなり的中して、おおっと感じ入ったりも。ここで、ドヤ顔してもいいよね。答えは聞いてない。

 で、ウォドムポッドの中から出てきたのは、モビルドールメイでしたか。コアガンダム(verイブ)とは違ったものの、もっとストレートなヒロイン機でした。
 前作では、サラをモビルドールサラのボディに移す結末でしたが、これで、メイが名実ともにサラの後継者であることが確定。
 イブとのつながりはまだ未確定ですが、「メイは人間じゃない」「無骨な機体の中から萌えるヒロイン機」という点で、十分ツボでした。

 これまでは、メイがゼロワンのバルキリーこと刃唯阿さんに近い目で見ておりましたが、実はイズさんに相当するキャラだったんですね、とか。

 ともあれ、ビルドダイバーズのチームが連携できるようになるまで、という序盤のテーマもこれで解決し、
 ここからELダイバーという単語を通じて、前作クライマックスとのリンクが成立し、新たなステージに踏み込んだようにも見えます。

 次は、序盤で強敵を撤退させた後、祭りをテーマにした骨休め回、キャラの日常交流回なのかな、とも思いますが、祭田ゼットとの対比で語るのが楽しそう。

 一方、日常ヒロインのヒナタにスポットが当たる回はいつかなあ、とも思いつつ。

★翻訳問題

 グリップ・シューズと磁力靴の件は、自分も山本弘さんの掲示板なんかで知ったわけですが、結局のところ、当時の翻訳家さんがどれだけ資料を読める環境にあったか、ですね。

 山本さんはSFマニアですから、その辺に詳しい立ち位置で誤訳を指摘し、まあ、それを見下すスタンスをとった。その点をマニア特有の性格の悪さと見なすこともできるし、間違いに対する真摯な潔癖さと見なすこともできる。
 自分も翻訳に従事したことのある人間で、「辞書だけで分からない言葉が出て来ると、暫定的にこれはこういうことだろう、と推測して仮訳なり解釈なりする」こともあります、そうしないと、翻訳が進まないですし、重要な部分の誤訳とか解釈違いなら、翻訳を進めるうちに気付いたりもする。

 戸田さんの場合は、翻訳のプロではあっても、SFマニアではないから、「ドラマの大筋に寄与する部分は優先するけど、細かいSFギミックを重視しない」方向で考えていたのかな、と推測してみるわけですが、
 まあ、SFマニア特有の細部の粗探しは、マニア的には面白い議論だと思いつつも、「異訳であっても、それで雰囲気を高めるような言葉使いをしているのであれば、許容範囲」と考えたりも。

 グリップシューズは、無重力空間で体を床に固定させるための装備で、そのギミックが「磁力による吸着力を利用する」と誤解されたそうですが、自分としては、その誤解が生じた当時の近未来像という背景が気になります。
 マグネットパワーとか、リニアモーターカーという磁石が未来のSFイメージにつながりやすい時期だったのだろうな、とワクワクもするわけで。
 これが、「正しくは磁力じゃなくて、マジックテープみたいな素材に基づくのが正解」となって、「接着靴」「固定靴」などと訳されても、SFイメージを喚起はしてくれないかな、と。

 SFっぽい雰囲気を想像させてくれる訳と、正確だけどワクワクはしない訳のどちらがいいか、となると、エンタメだったら前者かな、と考えますね。
 ただし、誤訳、異訳を基に、SFの科学技術に対する議論を進めるわけにもいかないので「議論の場」という前提で、細かい粗探しをするのは有りでしょう。そこで、ミスを突くだけ突いて、ダメ翻訳だと詰って終わるという非建設的な方向に走ると、何だかなあ、と感じるわけで。

 ともあれ、最近、「アメリカのハンバーガー屋さんが出したTRPGのルール」について、自分のブログで記事を書いていて、ちょっとした解釈違いをしたまま、記事を書き進めて、途中でそれに気付いて、バタバタしたりもして、まあ、勘違い、解釈違いからの修正過程という意識もあったり。
 なお、英語の翻訳だけでなく、日本語で書いていることまで、誤解や解釈違いが飛び交って、しばしば炎上しているのが、ツイッターとかネットの世界かなあ、とも。
 

Re: 11月のスレッド(2019) - K.K

2019/11/30 (Sat) 16:49:31

 定例感想とその他です。

●BDリライズ(第9話:隔絶の淵から)

 NOVAさんが既に触れてお出でですが、自分もやはり感じ入ったのが、メイがELダイバーだったという点ですね。前話のNOVAさんの感想で気が付いてみると、前話描写で納得する点が多々あり、どうなるかと思っていたらもう今話で明らかにしてくれました。

 もっとも、描写的には強く匂わしてはいるものの、メイ自身が告白したわけでもないんですが、公式サイトの「メカ」のところには「モビルドールメイ」が追加されていて、「ELダイバーであるメイのガンプラとしての姿。」とはっきり書いてありますね。
(前作のサラの事例からすると、モビルドールメイを作ったビルダーが存在する?)

 そのメイが、ヒロトが探すイヴなのかどうかはまだ不明な感じです。描写的に重ね合わせるものが多い点、強くつながることが窺えますが、可能性としてはいろいろありそう。例えば、メイも何かを探しているわけですが、それが自分の祖先・原形のイヴ(このネーミングも人類の始祖だし)だということもあり得なくはなさそう。

 ヒロトについては、今回のミッションと過去のミッション(第二次有志連合戦か?)と重ね合わせまして、その後の変化、特に今話ミッションで得たものなども推測できそうな点もありました。過去のミッションでは、どこかのチーム(フォース)に助っ人として参加、ラスボス後の裏ボス(?)の攻撃空母ガウを単騎で撃破したわけでしたか。

 そのときは既にイヴとは知り合いになっていた様子も描かれてました。イヴは守り切れたんだけど、戦場となった街は廃墟になってましたし、チームの1機はガウの第一撃で破壊されてしまった模様ですね。これがBDリライズ開始前までのヒロトの方向性を決定したのかも。

 コアガンダムでは戦闘力が不足でそうなったから、装備を強化しようと。で、続々と惑星シリーズを作っていって、充分な準備が整ったところでGBNに帰ってきた。いったん離れた原因が守り切れなかったことですから、守るために自分だけが戦うように戦闘を導く癖もついちゃったのかな。

 メイも単独戦闘をやり勝ちで、パルらから似ていると言われるゆえんということですな。山の民にしてBD召喚者のフレディは違う見方をしてまして、表面的には似ているが、動機や理由が違うと看破してます。ヒロトはチームワーク戦闘を好まない、メイはそもそもチームということが分からない。メイについては、マギーのバーでのメイの言動(チームの辞書的定義な理解)と一致してまして、なかなかの慧眼のようです。

 そのメイも今話ではツボとタイミングを押さえたチームワークを発揮してました。となると、前話での囮役もヒロトとの連携を意識してのことだったと理解していいんだろう。確か、メイは第1話ではカザミ機ごと敵機を撃ち抜こうとしてました。ミッションクリア条件が全機撃破だったから(だと思う)。

 まあ、味方は撃破されても再ログインとかで復活するとかで(リアル世界のガンプラは壊されないようだし)、遠慮は要らなかったんだろう。しかし、味方プレイヤーの満足とか度外視、ないしは理解できてないというのはありそう。そこから味方と連携プレーを重視するように変わったのは、ELダイバーであることを考慮すると、学習が進んできたと考えることもできそうです。

 ともかく本編。冒頭、アッガイが耳に入った水を落とす動作をしてまして、ちょっと笑った。前話では目を洗ってたし。脇で等身大の人物が同じ動作をしてまして、パイロットなのかな。

 BDチームは前話の会話の続きで、メイの「お前(ヒロト)はそれでいいのか?」に対し、ヒロトは「ミッションクリアのためにはそれしかない」と返答。メイは前話ラストで戦術的にはそれでいいが、ヒロト自身としてはどうなのかと尋ねたわけですから、ヒロトの答はちょっと的を外してそうです。自分の納得とか尋ねられるわけがないと思い込んでて気が付かなかったのかな。が、ちょっとイヴの同趣旨の台詞が頭をよぎりはしたみたいですね。

 シーンはリアル世界に移りまして、ヒナタがヒロトの家にエイヒレのお土産持ってきてますな。ヒロト宅では父のオサムが忙しい妻ユリコに代わって炊事中らしい。非常に下手で普段やってないのは間違いない。そのくせ、ヒロトに手伝うなと厳命してあるらしい。しかし、焦がすわ燃やすわ悲鳴上げるわで、ヒロトはやはり手伝うしかないと思ったようですね。この辺り、ヒロトのチームに対する態度、行動、言動を示唆するものがありそう。ヒナタは心配そうですが、たぶんヒロトに対する感情だろう。

 そしてGBNに戻りまして、海の敵掃討ミッション開始ですね。チームで洋上で誘い、敵の存在を確認しておいて、ヒロト機が突入と、たぶん段取り通り。ヒロト機は一撃離脱の繰り返しでダメージ蓄積狙いのようですが、形勢不利。考えてみると、それで倒せるなら被害覚悟の大量投入でも倒せていたはず。未だ敵が健在なのは、ヒロトの戦法が通用しないということかもしれません。

 が、ヒロトは(頻繁にシーン入れ替えで描かれる)過去のミッションの撃破経験が影響して、あくまでも単騎での撃破に拘っているようですね。ついに敵の攻撃をモロに食らって、ヒロト自身が昏倒してしまう(気絶もGBNの新実装機能?)。このときに見たイヴの夢が何らかの契機になった感じがあります。

 まるで夢の中のイヴに代わるように救援に現れたのがメイですね。そのときの台詞がなかなかのもので、「お前(ヒロト)は私(メイ)に似ている」と切り出し、ヒロトが助けを求めないのは承知の上で、メイはヒロトと違って救援する、ということですか。その方法もなかなかぶっ飛んでまして、ヒロト機を陸まで蹴り上げて仕切り直しと。

 陸に上がって作戦会議となりまして、メイは「チームとは、同じ目的の為にリソースを集中する」と前置きし、ヒロトが指示を出せと言い、仕切り好きのカザミが珍しく即座に同意。これでパルの提案「敵を陸に上げて叩く」通りにスタートですね。

 ここでヒロトが一皮むけたらしいところが出まして、パルに危険な囮役を頼む。単騎で誘い出し&撃破は無理だと分かったら、仲間と役割分担した点、ほんのさっきまではヒロトにできないことだったはずです。

 パルに頼んだ理由はどうやらガンプラの仕上げのよさだったようですね。前話ではパルが水圧に耐えるガンプラの仕上げについて解説してました。今回の囮作戦は水圧の我慢比べだったようですから、パル機が適任ということだったんだろう。

 パルは見事に期待に応えまして、後は見ての通りの理想的なチームプレイでしたな。敵とて必死に抵抗しますからイレギュラーも発生するわけですが、ヒロトが対応すると、残る面々も上手くつなげてます。敵を陸に上げた後は自然とカザミに指揮権移譲されたりもしてました。これなら個人ごとの能力の強さだけでなく、チームワークが機能しているといえそうです。

 めでたしめでたし、となると思ったらそうはいかずのゼルトザーム出現ですな。相変わらずほぼ無敵の強さで、たちまちヒロト機が追い込まれますが、またもやメイ機が救援に入る。ヒロト機を庇って撃破された、と思ったら、中から人型MSが出現しまして、これが「モビルドールメイ」ですか。劇中では説明がないですが、公式サイトによるとメイのガンプラとしての姿とのこと(でも、メイが操縦はしているのか)。

 モビルドールメイ、ゼルトザームに対して退く様子もなく、敢然と立ちはだかりまして、しかし次回「そこにある息吹」へ。この間、ヒナタはスマホの情報からプラモ店で聞き込みしたりしてまして、独自にELダイバーの存在にたどり着いたみたいですね。ただ、おそらくヒロトが詳しく語ってないでしょうから、メイについてまでは知らないんだろう。しかし次話以降でリアル世界からのメイ、イヴ絡みのドラマが出て来そうな気もします。

 今週のカザミを自分なりに上げてみると、「よっしゃあ、いっちょやるか」「海の男」という台詞でしょうか。どちらもパルからツッコまれます。ただ、後者「海の男」は普通は船乗りを指すでしょうから、活躍は洋上でいいはず。海中が苦手でも一応は「海の男」は成立するかもしれません(^^;。

●字幕と翻訳

 もう少しだけこの話題を続けてみます。自分でもちょっと「磁力靴」の訳出・解釈について、説明不足だったかなと思う点もありますので。

 と、その前にNOVAさんのブログのほう。最新辺りはまだ読んでなくて、こちらで「アメリカのハンバーガー屋さんが出したTRPGのルール」について伺い、該当する記事を拝読してみました。アシアゴというキャラクターの装備についてのようですね。

 これは、もしかしたら日英単語の語義差もあるかもしれませんが、たぶん(各自然言語共通の)説明方法の罠みたいなもんじゃないかと思えました。書かないでいいのに、注意喚起目的とかで説明書いちゃうと、かえって勘違いされるというケースですね。

 その話から少し違う事例を思い出しました。ある説明書に意味的な区切れがあるので点線(…………)を入れたそうです。作成者は「この点線が切り取り線と思われたら困る」と心配し、点線に「……キリトリマセン……」と注意書きを入れた。そうしたら説明書読んだ過半の人が、切り取ってしまったんだそうで。

 2001年宇宙の旅に戻りまして、Grip Shoesを磁力靴と訳したのがどうかという点ですね。自分は先に名訳とさえいえると申したわけなんですが、あくまでも字幕で考えて、です。映画観ながらさっと目を走らせて意味を掴む必要があるから、おそらく当時は吸着というイメージがある「磁力」でよかった。
(考えてみますと、カタカナ語が大幅に許容されるようになってから、こういうのを訳すのは楽になったかもです。)

 原作小説はありますが、例えば映画からコミカライズされたとしますと、「磁力靴」は頂けない訳になるように思います。山本弘さんが「磁力靴」の訳を嫌ったのは、おそらく「緻密な設定のSFなのに、そこを活かしてくれない」というものではなかったかと思います。

 その点は自分も同意です。もったいないのは確か。ただ不特定多数向けの映画字幕では仕方ない、むしろいいチョイスでもあると思うわけです。しかし、リアルタイム性を要しない文章作品、コミックとなりますと、話は別になってきます。

 ちょこっと説明入れるくらい、何の問題もないわけですから。絵のGrip Shoes表記について「(マジックテープで床を掴む船内靴)」くらいの注釈をつけておけばいい。要はメディアの特性で記述、訳出も変わるということです。

 2001年宇宙の旅は、最初に観たのがリバイバル上映でした。Grip Shoesの字幕が「磁力靴」のバージョンだったと思います。自分的にはそこよりも宇宙ステーションと地球とのテレビ電話の料金表示が気になりました。

 登場人物の1人がステーションから地球上の自宅へテレビ電話するんですが、掛け終わった後に表示される料金が凄い(字幕に円換算された料金だったかと)。正確な記憶はないんですが、まるで「1分あたり給料1ヶ月分」くらいあった気がします。

 が、2度目に観てみたら(当時、映画館に入ったら最低2回、どうかすると3回以上観たりしてた ^^;)、どうもドルで表示されている金額がそれほどでもない。その後、2001年の映像ソフトを買いましたら、Grip Shoesはグリップシューズと訳されるバージョンで、テレビ電話料金も安くはないが妥当なものでした。

 電話料金の間違いから考えると、磁力靴という訳ももしかしたら全面的な勘違いの誤訳かもしれません(急いでいたから確認不足とか)。そういう可能性を考慮しても、しょせんは経緯に過ぎません。異なるメディアでは違う事情となることも上記で申してみた通りです。結果として字幕となった磁力靴は、当時としては許容範囲と思う次第です。

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