創作と鑑賞の談話室

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6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/01 (Mon) 00:00:31

 6月の雑談スレッドです。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/01 (Mon) 00:01:48

 定期感想その2です。

 いいニュースを目にしまして、どうやらテレ朝系のドラマ撮影が6月1日(今日だ!)から再開とのことです。ゼロワン、キラメイジャーもしっかり含まれてました。たぶんアニメ制作も同様でしょう。

 特別編集や再放送から通常の戻るのも、間もなくでしょうから、楽しみです。もっとも、これは新型コロナ再流行次第ですので、視聴者としては感染に気を付けるのが、とりあえずのの協力でしょうか(地域的には離れてますんで、できることといえば、無暗に首都圏に行かないくらいですけど)。

●仮面ライダーゼロワン(シューティング・スペシャル)

 不破や唯阿の映像は今までの流用でも、台詞を入れ直して別のシーンに仕立てたりしてますね。苦肉の策でしょうけど、できるだけ新規を出したいという姿勢は評価したいところです。

 今話で期待したのは、不破の脳内チップについてなんですが(亡が仕込まれたタイミングとか)、特に情報なしでした。今後へのつなぎというよりは、不破さんイジリ回だったみたいですね。一応、例えば「キーはショットライザーに入れてから開く」という、不破が今まで間違って使ってました、というのはありました。

 が、これもイジリのための設定のような(^^;。もっとも、不破が初めてキーを使えたときの唯阿の驚きは、「そんな使い方するのか!」と解釈してもいいかも。不破がキーを使ったこと自体は、後で唯阿は(予定通りみ、たいな感じで)納得してたはずですから。

 とはいえ、ちゃんと不破視点ダイジェスト・総集編にもなってまして、観ていて「やっぱりドラマ的には不破さんが最も話を転がしてるなあ」と再確認した次第です。まだ唯阿を従えていた頃の天津サウザー撃破シーンでは、観たときの「おっしゃあ!」という気分の盛り上がりを再び感じます。

 が、プレジデントスペシャルでを観終えたときに最も印象に残ってしまったのが天津3連敗&負け惜しみなのと同様、今話では「ガツン・チーン」(by 唯阿)かなあ。あれ、今後もルーチンギャグになっちゃうのかもしれません。

 次回は「超(スーパー)お仕事大戦 バトル1」とのことで、今話のカオスエンド「絶望した不破が或人らに転職を促される」のフォローで、お仕事ギア振り返りするみたいですね。「バトル1」ということは、少なくとももう1回はスペシャルということでしょう。撮影再開のニュースがありましたんで、いつスペシャルから通常回に移るかも楽しみの1つになりそうです。

●仮面ライダーウィザード(第3話:変身!生中継、第4話:人形とピアニスト)

 メインキャラクターがおおむね揃ったようで、各キャラクターの掘り下げにかかってる感じがありますね。ウィザード=操真晴人については、かなり情報は伏せられているものの、力をどう授けられたかは少し触れられていました。

 第4話では晴人が託され、今も守るコヨミですね。体温が低い、魔力を吸収されると仮死状態になってしまう、だから晴人が定期的に魔力を補充している。こうなりますと、普通の人間ではなさそうというくらいまでは分かる演出です。今後、晴人とセットでコヨミの情報も開示されるんでしょう。

 それにしても、ディケイドと同様、第1話は1話完結的、第2話から2話1エピソードになりまして、解決編(後編)が翌週になるのは、やっぱりつらいかなあ。TV録画と違って、前週分は観られなくなってるわけですし。

 と愚痴ってても仕方ない(^^;。ともかく本編。第3話では、レギュラーとなって瞬平の絶望が起こるわけですね。非常に悪質な「ドッキリ」といったところでして、TVワイドショー司会者と名乗る田島、実は既にファントム:ヘルハウンドが仕掛け人。例の瞬平の指先から火が出る現象ですな。

 これで魔法使いに憧れていた瞬平は舞い上がりまして、胡散臭いと感じたらしい晴人とも決裂する。もっとも、晴人の前ではなぜか火が出なかったことは、瞬平としても何かおかしいと気づくチャンスでした。が、欲しいものが手に入り、しかし失ったかと思えば、かえって固執してしまうのは人情としてやむを得ないかもしれません。それだけファントム側が狡猾ともいえます。

 そして再び瞬平は火を出せるようになる。司会者の田島が誘い、ついにTV出演となるも、本番で全く火が出ない大失態となる。火を出せたのは偽の田島=ヘルハウンドがこっそり手を貸してたわけですね。有頂天にさせ、固執までさせておいて、大勢の前で失敗させ、実はトリックでしたと明かす。悪質なドッキリの手法です。

(実際に、偽の歌手デビューを素人に持ち掛けるドッキリを見たことがあります。有名歌手が激賞したり、有名リポーターが取材したりしてその気にさせ、最後にその素人さんを初出演と言ってスタジオに呼ぶ。「いよいよだね」とか言っておいて、1人きりにして取り残す。素人さんは事情が分からず、関係者を探して局内を歩き回ると、ドッキリと知らされる。たぶんその素人さんも事情を知って動いたといった、全員が役者で台本通りなんだとは思いますが、そう思っても実に胸糞悪いものでした。少しも笑えない。)

 憧れた魔法使いは嘘だった。しかし瞬平として最もきつかったのは、絵本を燃やされたことなんでしょうね。そこは晴人が救いまして、これで瞬平も安定し、魔法使いについてはすっぱり諦めた感じですが、改めて弟子入りといったところ。

 第4話になりますと、気難しそうな若きピアニスト:高木栄作がメインゲストのようですね。メイン敵は性分的に逆みたいでして、ケットシー=猫の妖精らしく、面倒くさがりの気分屋らしい。ケットシーが高木を狙う展開に絡ませて、コヨミの秘密も徐々に示されてまして、展開としてなかなか緊張度高い感じです。

 ピアニスト高木がかなりな曲者でして、ピアノに対してプライド高すぎると言いますか、己に対する要求水準が高すぎる。要は自分の演奏に自らが納得できないわけですね。こういうの、技能が大事な芸事ではよくあることなんだそうで。手より先に目が肥える、みたいな現象ですね。

 もう1パターンありまして、何らかの(偶然性の高い)成功体験に引きずられること。たまたま上手く行って高評価され、以降、怖くてできなくなる。そう簡単にそのときのレベルではできないと、自分でも分かるからですな。

 高木がどっちのパターンか、あるいは別の事情なのかは分かりませんが、ラストでケットシーに己が手を処分させようとする点は、芸術家としての志自体は高いことの表れかもしれません。そこまで思い込めるなら見込みはある。ですが、そこで踏みとどまって、きちんと高みを目指さないと、本物ではないことになりそうです。果たして高木はどちらか。と思ったら、次回に続くのか。

 今のところ「いったん絶望に落ちる」というのは、自分的にはツボになっているようです。フォーゼのときもいったん落ちるところまで落ちる話が多かったわけですが、印象としては明るさがありました。ウィザードはフォーゼより暗い感じです。どちらが、より好みとは言えませんが、闇っぽさも悪くない感じです。

 が、ジオウに出てくれた仁藤攻介=ビーストはいつごろ登場してくれるのかなあ。と思って調べると、第17話からみたいですね。1ヶ月半くらい先ということか。それも楽しみに観続けようかと思います。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第13話:道を教えて、第14話:いまも交通安全)

 第13話は、ドラマ的にはほのぼのコメディ路線といったところでしょうか。悪徳金融に手を出して多額の債務を負った男をアイム(ゴーカイピンク)が救う話ですね。高評価ポイントとしては、アイムが最初は金で解決しようとするも、最後はメンタル的に立ち直らせるにとどめた点でしょうか。自分でなんとかすると決意した人のプライドを尊重する。いい感じです。

 第14話は一転してスラップスティックで進行がかなり不条理ですらありましたな。レジェンドとしてはカーレンジャーの(元)レッドレーサー:陣内恭介。今話ゲストとしては「正しい信念を持って斜め上に突き進む」感じです。自分はカーレンジャー本編を知らないんですが、本編でもそういう言動、行動を見せてたりしたのかしらん。

 それはともかく、その陣内恭介が突っ走って、ザンギャック側のインサーンが一目惚れしてジェラシットを遣わし、なんですが、ストーリーがあるようでないような。これは確かにスラップスティックだ、と言いたくなる出来栄えです。こちらでそう伺ってはいたわけですが、ここまでとは想像できませんでした(このコミカルの方向性を考えるとしたら、ルパトレンジャーのキツツキ回と比較できるかもしれない)。

 えーっと、設定情報で収穫があるとしたら、ザンギャックにも高校があり、学生服もあり、思春期もあるということでしょうか(^^;。インサーンとジェラシットはその頃はいい感じだったらしいということで。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/01 (Mon) 23:59:56

 月頭の感想です。
 6月に入って、地元の学校の方も(分散登校という変則な形ですが)開始され、止まっていた時計の針が動き始めたような気分です。
 撮影開始から、夏映画の方もどうなるんだろうときにしつつ、ひとまず平常運転に戻っていくのを楽しみに待ちたいと思います。

 さて、自分のミスの報告。
 牙狼VRで「奏風(かなた)」を奏多と誤表記してました。せっかくの燃える退場劇を表記ミスで白けた感を、キャラに詫びつつ。

 あと、タックルさんについては、昭和ライダーファンの一般知識と認識していますが、K.Kさんは以前、V3までしか知らない旨を仰られていたので、やむない勘違いかと思います。
 というか、あれが本当に初代の人だったら、ファンは泣いて喜びますよ。

 タックルとライダーマンはどちらも役者さんが早逝されて、キャラも劇中で悲劇の散り方をしたので(ライダーマンはその後、復活しましたが)、昭和ライダーファンが「惜しい役者さんを亡くされた」と話題になることが多いですね。
 その後、タックルのパートナーであるストロンガー城茂を演じた荒木茂さんも、近年、主役ライダーで初めて亡くなられ、ファンの涙を誘うことに。

 逆にウルトラマンを演じた俳優さんは、まだ全員、ご健在のようで(防衛チームの隊長さんは先に亡くなられてますが)、それでも自分が幼少期にお世話になったヒーロー役者さんや作り手さんの訃報を聞くと、思い出話をあれこれ語りたくなるものです。

★ウィザード

 この話(3話)を見て、自分がどうしてウィザードという作品の印象が他のライダーよりも薄いのかが分かりました。

 その時期、自分は小説の『プレ・ラーリオス』を書いていて、ウィザードの設定といろいろ被る点が多くて、記憶があれこれ混ざったり、上書きされていたのでした。

●関連要素
 主題歌歌詞の『月と太陽』とか、魔法石とか、精神世界とか、いろいろ。

 ついでに、奈良瞬平のキャラも、当時は(密かに)原案者に似てるなあ、なんて思っておりましたし。
 魔法使い(創作家)に憧れて、原案者と祭り上げられて、調子づいていたら、まあ、失墜して絶望。
 自分自身は、晴人ではなく、『白い魔法使い』を意識していた(White NOVAですしね)のですが、当時は、ラーリオスを書きながら、ライダーとの類似性を強く感じておりました。

 まあ、前作のフォーゼも、「学園ものと宇宙、そして星座モチーフのゾディアーツ」など、設定要素の類似性を感じつつ、ストーリーそのものは全然違っていたので、記憶が混ざることはなかったのですが、
 ウィザードは、大筋は覚えていても、小説が悪い方に煮詰まっていたらしく、そちらに集中力を削がれ過ぎていたのかな、と感じています。

 まあ、今はラーリオスからは解放されているので、逆にウィザードを改めて、じっくり振り返られると思ってます。

 それにしても、ウィザードのバトルは今、改めて見返すと、主役も敵も、かなりトリッキーな能力合戦になっていて、フォーゼのストレートな勢いとはまた違う楽しさがありますな。

 そして妖艶なメデューサさんもいいですが、ノリの軽い乱暴者のフェニックスさんもいいキャラしてて、しかも、この幹部2人が強い。
 前半は、このフェニックスさんの強敵ぶりと、それに対抗するウィザードのパワーアップが大きな縦糸になるか、と。

★ゼロワン

 不破のためと言いながら、不破さんをイジメ続ける刃さんに、何だか昔、流行った暴力系ヒロインと同じ匂いを感じて、もう、不破さん逃げて〜と言いたくなったら、本当に逃げて続く、と。

 次回、ヒューマギアお仕事編ということは、またまた帰ってきた腹筋崩壊太郎が見られるのかな。
 もう、次回は腹筋崩壊太郎がTVで見られるだけで、拍手したくなります。

 そう言えば、ネットドラマでは「ジムの筋トレ仲間の腹筋崩壊太郎にも拉致られていた」っけ。
 
 とにかく、熱く、クールで、コメディにも対応できる不破さんを次回も応援したいです。
 或人は、熱さとコメディ成分はあるけど、クールさが足りん。まあ、その分、イズがクール担当だけど。

★ゴーカイジャー

 今回の2本は、どちらもメインライターとは異なる人たちのサブストーリーですけど、続けて見ると、やはり浦沢義雄氏の破壊力は凄いなあ。
 いつもはクール女史のインサーンがここまで壊れる回は、これ一本。
 まあ、カーレンジャー本編でも、敵女幹部がレッドレーサーに惚れて、騒動を起こしたりするわけですが。

 とにかく、カーレンジャーは、自分の戦隊への見方が大きく変わった一本ですね。それまでは、シリアス好きでコメディー回は外れ的な印象を持っておりましたが、カーレンジャーのぶっ飛び具合に触れてから、自分の許容範囲が大きく広がったというか。

 さて、次回は打って変わってシリアス回ですね。
 マーベラスの因縁のライバル、バスコの登場する前後編。
 こいつがかなりの強敵でして、終盤までマーベラスたちを苦しめます。
 バカ王子のワルズ・ギルは雑魚だけど、バスコの出現で、三つ巴展開になり、戦隊の大いなる力の争奪戦になっていく。つまり、歴代スーパー戦隊のキーがバスコに奪われ、敵となって襲いかかってくる戦隊大戦と化していく流れ。

 バスコは、ディケイドにおける海東みたいな立ち位置だけど、もっと悪質で恐ろしいキャラという認識。

 そして、再来週は、6人めのメンバー・ゴーカイシルバー登場で、さらに勢いが加速する流れということで。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/03 (Wed) 19:11:52

 定期感想その1のはずだったんですが、ある程度の量になったんで感想投稿します。

 NOVAさんのウィザードの印象の理由を拝読しまして、自分も「ああ、その頃だったか」と思うところがあります。やはり視聴しているときの興味対象や気分に大きく左右されるものなんだ、というのは自分に照らしても実感あるところです。

●激走戦隊カーレンジャー

 カーレンジャーという戦隊ものがある、ということを意識しますと、東映公式Youtubeで今まさにカーレンジャー公開中なのに、ようやく気が付きました。試しに、と思って観てみましたら(第31~32話)、ゴーカイジャーのカーレンジャー回がああいうノリなのが多少なりとも分かった気がします。

 ネットでカーレンジャー調べてみますと、戦隊もの20周年に当たり、新たな方向性を打ち出してみたとありました。それが当時のアニメの流行りがコメディ路線だったので、コメディを取り入れたとのこと。

 そののネット上の文字情報ではちょっとカーレンジャーの作風は想像できなかったように思います。たった2話分で知った風な言い方ではありますが、コメディを取り入れたどころじゃない。ところどころ意味不明になるほど、振り切れてましたから(^^;。ちょっと大げさに言えば、ギャグシーンをつなぐために無理矢理ストーリーを作ってる感じすらあります。

 ただ、その背景も感じるものがありまして、昭和特撮ドラマの作風です。ネガティブな言い方をすれば「雑」、あるいは「強引」。前に申したことがありますが、敵の大掛かりな陰謀・作戦の開始からヒーローの反撃、事件解決までを30分に納めますんで、どうしてもそうなりがち。その一部は、例えばこないだ覚えた用語ですが、特撮ワープとか井上ワープで今も残ってるわけですね。

 ではその雑さをスラップスティックに変えたら、という発想をするとカーレンジャーの作風になりそうな気がしました。「そんなアホな」とプッと吹き出したりすると、なんか納得してしまいます。もともとスラップスティックがそういう運びの傾向があるわけですんで。

 計算してそうしたのか、やってみて結果的にそうなったのかは分かりませんが、上手いことやったもんだと感心しました。

●ULTRAMAN(第8話:真実の幕開け)

 冒頭は前話からの続きで、謎の人物がライブステージのレナの背後に現れ、さあどうなるというところからですね。この危機を(おそらく歪めて聞かされた)イガル星人ピグモンは救おうと必死に向かい、遠藤刑事らも追う。会場には既に進次郎、弾が到着、対処を開始しようとしてます。

 ステージ上に現れたのは異星人で、ウルトラマンに出てきたダダを思わせる風貌ですが、スクルーダ星人のアダドですか。この時点ではピグモンが以前に依頼したブリス星人の後を引き継ぐ正体不明の暗殺者という感じです(堂々と姿現してますけど ^^;)。しかしその実体は、と後でどんでん返し来るわけですな。

 進次郎らはウルトラマン、セブンとなって対決するわけですが、2対1にも関わらず、アダドに太刀打ちできない模様ですね。アダド、戦闘能力が高いだけでなく、周到な用意をする策士でもあるようで、会場の天井にリモートコントロールの浮遊爆弾を多数仕掛けてましたか。これで会場の観客も全員人質状態ですな。

 ですが、ちょっとアダドの様子がおかしい。戦闘力で上回り、人質も取って絶対的優位にも関わらず、何も要求しない。ただ単に「さあ、どうするの?」と言いたげにからかってるだけみたいに見えます。アダドが行動を起こすも、天井のライトを落としてウルトラマンに止めさせるとか、せっかく仕掛けた爆弾を使わない。

 さらにアダド、ライトを2つ落下させて困らせるも、セブン、ウルトラマンのチームワークでなんとかしのぐ。ウルトラマンが踏み台となってセブンを一方のライトに向かわせ、ウルトラマンがおう一方を処理するわけですね。このシーンで、弾セブンが飛べないことに負け惜しみ言った感じがありまして、アダドならずとも、ちょっとクスリと来ました。やっぱり気にしてたんかい、と(^^;。

 それはともかく、反撃に出ようとするウルトラマンを制したのが、突如現れたベムラーであるわけですね。これはアダドもちょっと意外だったかもしれませんが、想定外とまではいかない感じで、あまり驚いてなさそう。ベムラーがわざわざこのタイミングで来たのは「お前(進次郎)がウルトラマンになろうとしているからだ」とのこと。

 予習効果がありまして、この台詞の意味が「進次郎がウルトラマンになるのを阻止したい」であると分かります。が、予習なしだと自分は「本当にウルトラマンに覚醒したところで決着をつけたい」と勘違いしたかもしれません。

 アダド1人でも持て余すわけですから、ベムラーまで現れて、事態はほぼ収拾不能の感じですね。しかしベムラーはセブンを鎧袖一触で吹き飛ばすも、止めを刺す様子はない。むしろ、アダド同様、困らせたいみたいで、会場の天井を落下させようとする。セブンが行動不能な以上、ウルトラマン1人で対処しなければならない。崩れ落ちる天井を支えるウルトラマンの選択肢は、レナを救うか、観客か、ですね。

 怯えたらしい観客の1人が自分らを助けろと言い、レナについては「アイドルは消費されるもの」だと言い、暗に犠牲にしろと要求する。これは(たぶんヒーローとしてまだ未熟な)進次郎をレナ救出に傾かせる力がある暴言でしょうな。この機をアダドが利用しないわけがない。では消費してやろう、とレナにナイフを向ける(進次郎を焦らせ、ますますレナ救出に走らせる効果があるはず)。

 この流れを断ち切ったのがイガル星人ピグモンですね。アダドを奇襲しまして、何とかレナを引き離す。が、これがアダドの真の狙いでしたか。この後、アダドは身元、身分を明かしまして、「評議会・異星人移民管理局のエージェント」であり、異星人移民のピグモンを追っていたわけですな。しかも捕縛はせず、その場でピグモンを抹殺。

 これに進次郎ウルトラマンは耐えられず、怒り爆発でパワーが増したらしい。天井を高く持ち上げる飛行パワーを示し、そのまま天井をスペシウムで撃って爆散させる(そのまま落とすよりマシではあるけど、あの高さからの落下物多数で地上で被害者出たんじゃなかろうか)。そのままステージに戻って対決に入ろうとするも、アダドがしばし待てと。

 ウルトラマンもとりあえず話だけは聞く気になったらしい。アダドが話したのは、自分の名前含む身元やら、任務やらですね。要は、異星人移民の犯罪は異星人が裁く、ということらしい。一方、ピグモンをパシリ扱いしていた共犯者は人間なので(前にちらっと映った宇宙人顔はコスプレだったのか)、そちらは人間の法でどうぞ、と不干渉の立場を貫くらしい。

 その人間の共犯者(もしかすると主犯格)がなかなかにひどい。うち1人はさっき、レナを消費=犠牲にして自分らを助けろ、と言い放った奴ですな。ピグモンを使って異星人に依頼したけど、殺すとは思わなかった、なんて言ってますが、そんなこたあない。連続殺人ですもんね。殺すと思わなかったら、一度目でピグモンを止めているはず。

 ピグモンも人間のレナに肩入れし、身を挺して救おうとはしたものの、敵意を向けたい人間にはむごかった。依頼結果は殺害であり、どういう死にざまか分かった上で、2度目以降も依頼を続けた。全く反省する様子はなかった。そうではあるものの、人間の共犯者のほうがもっと歪んでる感じですね。安全地帯からそそのかし続け、ついには罪をピグモンだけに被せようとしたわけですから(たぶん、口封じの殺害も依頼したはず。ピグモンが殺害されても騒がなかったようだし)。

 ベムラーはといえば、思わせぶりな登場の割に、ピグモンがレナを救出した辺りで興味を失った感じです。実際、中途半端なところで去ってしまいました。が、ベムラー的には何らかの成果は確認したみたいな様子もありました。

 事件解決後、レナと父親が再びウルトラマンについて会話。やはりレナはウルトラマンに好意的な様子を見せてますが、前とはちょっと意味が違っていそうです。事件発生時、レナはウルトラマンとセブンが現れたのを見て、「ウルトラマンが2人?」と驚いてました。

 たぶん、それ以前のレナはウルトラマンといえばたった1人と思っていたんでしょう。いや、1人しかいないというより、集合的にウルトラマンっぽい宇宙人、みたいな捉え方だったかも。つまり個人と認識してなかった。

 それが今回の件ではっきり「あのウルトラマンとこのウルトラマンは別人」みたいに、それぞれ別人であり、「あのウルトラマンによる飛行機事故は、このウルトラマンとは無関係」みたいに思い始めたのかもしれません。

 一方、そのウルトラマンはセブンと会話してまして、これがいい感じです。現実主義・路線を崩さない弾に対し、進次郎は「誰も傷つけさせない」と理想論を述べて一歩も引かない。その頑固さを見た弾、「そんなお前の目標は」と言って少し口ごもり、「気に入らない」と。これは「嫌いじゃない」と言いそうになって、しかしここで譲ってはならじと「気に入らない」と強情張ったんでしょうね。しかし進次郎には真意が伝わった様子があります。

 今話でラスボスなり黒幕なりが出てくるかと思ったんですが、なかったですね。この状況だと、最も謎めいているのがベムラーですが、どうも敵対者の感じがしない。アダドの言う「評議会」が気になりますが、今話では異星人犯罪に対処していて、やはり敵対的な感じがない。

 次回以降で北斗星司=エースが登場してくるはずなんで(次話タイトルが「はじめまして、兄さん」だからたぶん間違いない)、それと絡めて黒幕登場なのかな。「評議会」はその次に登場するらしい(第10話:星団評議会)。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/06 (Sat) 11:27:06

週末感想です。

 今週のトピックニュースとして、『必殺仕事人2020』が今月28日に放送予定との報が出たので、いろいろ考えたりしたので、こちらへの記事書きが少々遅れた感じですね。

 今回は、脚本家が新しく変わったので、令和初の仕事人がどう変わるのかに期待しつつ、まあメンバー構成などは変わっていないので、パッと見た目は変わらないように見えるのかも。
 自分が気にするところは、仕事人チームの連帯感がどう描かれるか。基本的に2000チームは、脚本家の癖と、撮影事情の問題で、あまりチームの連帯感を強調せずに、むしろ距離を置いたギスギス感の目立つ傾向にありましたが、もう少しこう「憎まれ口を聞いているけど、互いの力量は信頼しており、本音で通じ合っているものがあって、いざという時には阿吽の呼吸で協力プレイができる」という作風に切り替わって欲しいなあ、と思っております。

★カーレンジャー

 実はあれで、新ロボ登場のシリアス回なんですね(苦笑)。
 普段のカーレンジャーはもっと気に抜けた作品で、そこから何らの教訓も引き出せない、お笑い戦隊です。

 その前作の軍隊組織に率いられたオーレンジャー(宮内洋氏が司令を務める戦隊)とオリジナルビデオで共演したときは、
 「カーレンジャーがたるんどる」という理由で、特訓させられたり、
 一年後輩のメガレンジャー(高校生戦隊)と共演したときは、敵の洗脳光線を受けて、あっさり敵対したり、

 何かと世話の掛かる、愛すべきダメ戦隊……なんだけど、ぶつくさ文句を言いつつ、やる時には適当にやるという「建て前のない本音ヒーロー」ですな。

 それでもBGMは、クウガやジオウ、ガンダムSEEDなどで名作の多い佐橋俊彦さんで、格好いい部類だし、
 「ごく普通の一般市民、気の抜けたダメな大人がもしもヒーローに選ばれてしまったら?」という近年のヒーロー像にたまにある設定を、先取りした感もありますね。

 昔でいえば、藤子不二雄のパーマン的なセンス。
 まあ、真面目に見てストーリーをじっくり考察するような作風でもないので、これぐらいにしておいて。


★ULTRAMAN


 前回、首を斬られて倒されたブラックキングさんが気になって、原作コミックをチェックしてみました。

 あ、そちらではレッドキングさんが「進次郎の覚醒」を見て、あっさり降参してますね。進次郎が本気を出すために芝居したという形でしたが、アニメではあんなことに。
 つまり、原作では協力者になるレッドさんが、アニメにはこの後、登場しないってことかな。
 ジャックさんの真意も、原作とアニメで変わってくるかもしれないし、細かい違いを比較するのが面白い頃合いになりました。

 総じて、アニメの方がコミカル要素を少なくして、ハードシリアスな方向を強調しているようですね。

 今回のピグモンについても、原作だと「人間への擬態装置のリミッターを外して、巨大化してレナを守るために暴れかけたのをアダドに殺された」形ですし、
 進次郎はそれでも致命傷を受けたピグモンの傷を癒そうと、ウルトラパワーで奇跡でも起こせないか、と助けようとする(その姿がレナの心を打つ)けど、結局果たせず仕舞い。

 一方、アニメではそういうシーンがなく、屋根の持ち上げ、光線での破壊シーンに変わってますね。
 原作では進次郎の持つ優しさを見せ、アニメだとヒーローとしてのアクティブさを見せた形かな。

 進次郎の見せ方が変わっているので、ベムラーが進次郎の何を見て、撤退する気になったのかも解釈が変わって来ます。
 原作だと、「力に溺れた高校生が暴走するのを戒めるために警告に現れたのが、進次郎の優しさを見て撤退」となりますし、
 アニメだと、「ヒーローとして、好きな女性と大勢の観客の両方を守ろうとする覚悟を見て撤退」となりますか。

 ピグモンについては、原作の方が、その心情を丁寧に描写していて、「故郷の星が破壊されて一人になった王子が、地球で孤独な生活を送っていたときに、希望の星になったのがアイドルの佐山レナ。そして、追っかけファン活動の時に知り合った地球人の友だち。しかし、レナへの悪口に、ファン仲間として憤りを表明した際に、自分が異星人だからコネを活かして、アンチレナを罰することができる、と、つい漏らしてしまったことから、不幸が始まった」……という形。

 要するにネットでのアイドルへの嫌がらせに対する、ファンの純粋な擁護活動のはずが、ヤクザを介しての犯罪的懲罰につながって、大ごとと化した感じですね。
 王子設定については、「孤独だけど、金は持っている」というストーリー上の必要性から、と推察されます。そして世間知らずなので、自分のやってることがどんな危険を招くかも分かっていなかった。

 しかし、どんな事情があろうと、星団評議会は、地球の法よりも非情に異星人犯罪者を処罰するという姿勢が明示されます。
 この星団評議会は、科特隊のゼットン星人エドや、アダドなど、いくつもの派閥に分かれており、地球人との接し方についても、いろいろな意見があって、その内紛劇なんかも今後、物語の背景に関わってきますが、アニメ1期では到底解決できませんね。それだけ根が深い組織だと。
 2期では(現在、制作が決定したとのこと)、ワールドワイドに地球と星団評議会と初代ウルトラマン(ベムラー)と異星人犯罪者との各組織の思惑が乱れた物語になっております。
 まあ、コミックの現状が複雑に錯綜しているだけで、アニメではもっと分かりやすく整理される可能性も考えられますが。

 ともあれ、次回からのエース編と、そこから始まるエースキラー率いる宇宙人暗殺者組織のクライマックスバトルで、1期は終了。
 新戦士登場のゴタゴタと、エースの行動を「ガキの遊び」と切り捨てる諸星さんと、その両者に挟まれて翻弄される進次郎の物語に展開する形。

 あと、レナさんが進次郎の姿に、自分を助けてくれたウルトラマンに近い何かを感じ、接近してくるとか。

 それと、今回ラストの諸星さんのセリフ解釈ですけど、面白いと思います。
 自分的には「異星人を殺すようなヒーロー活動なんて、自分には無理。闇に向き合いたくない」と甘えていたことを言っていた進次郎が、今回の事件で「ヒーロー活動からは逃げない。そして、できれば、誰も犠牲に出さない真のヒーローを目指したい」と覚悟表明した姿に、ただの甘ちゃんではないと認めつつ、やはり、「まだまだ現実が見えていないな、この小僧は」って感じたのかな、と思いました。

 実は、諸星さんにも弟がいて、その弟がヒーローに憧れた進次郎みたいな奴だったけど、自分の無力さのために守ってやれなくて、戦火の中で行方不明になったという背景がコミックでは語られています。
 で、その弟が異星人犯罪者になっているかもしれない、という情報で、諸星さんの暴走が始まったりするエピソードが2期では語られそう。まあ、先の話ですけどね。
 アニメで見られるのは、少なくとも2年先かな、と。


 それと、コミックで描かれているのに、アニメで割愛されているのが、諸星さんの特訓風景ですね。
 とにかく、まともな訓練もなしにスーツを使いこなしている天才進次郎に対して、諸星さんはセブンスーツを活用するために猛特訓しているわけで。
 実はクールの影で、凄く情念の塊のような人だったらします。

 そして、クールなようで、実は物凄くキレ易い。エースとの掛け合いを見ると、ああ、進次郎はまだ優しく扱われていたんだなあ、と感じるんじゃないかなあ。
 まあ、それはアニメを見てから改めて。


★牙狼VR

 プロローグ回。

 ゲームの主催者側の回想編ですね。
 まず、過去の戦いで、牙狼とホラーの王(メシアみたいな女王かな)の決戦があって、両者相討ちに終わった、と。
 しかし、ホラークイーンの魂は、牙狼の娘の身に取り憑いて、悪の魂を持つアザミに転生して、牙狼の鎧の後継試験に干渉し、ダークメタルの力で暗黒鎧を生み出そうとしているわけですな。

 一方、その後の牙狼選抜試験で、勝ち残った17番(だったよね?)だけど、岩に突き刺さった牙狼剣を引き抜けずに、多くを犠牲にした自分の戦いは何だったのか、と半分絶望しながらも、その時の戦いを再現しようとしているのが、今のVRゲーム。
 そして、自分に果たせなかった牙狼復活を成し遂げたいのか、それとも自分を受け入れなかった牙狼鎧を闇に引き込んで世界を破壊したいのかは、どちらとも受け取れる描写ですな。

 アザミは闇サイドだけど、17番は踏み留まっているようでもある。
 まあ、アザミも一応は、伝説の牙狼の娘でもあるので、光サイドに浄化される可能性もあるけど、それを信じて教育した母親の魔戒法師を惨殺しているわけだし。

 一方、17番に命を助けられて、かろうじて生き残った55番。もしかすると、彼が南雲さんに警告した情報主で、闇堕ちし掛けている(あるいは既にしている)17番を止めようとしている?

 一方、元17番の主催者は、かつての自分のような信条を持っている空遠に、何かを感じとっているわけで。

 昔の選抜試験と、今回のVRゲームの動向を重ね合わせながら、さあ、6月いっぱいで終了する物語がどんな顛末を辿るのか。
 とりあえず、アザミがラスボスという雰囲気がほぼ確定した感なので、目指すべき的が見えたかな、と思います。

 なお、このアザミの女優さんも、かつてはアキバレンジャーという非公認戦隊のアキバブルーという過去があったおかげで、非公認だけどヒロイン女優が悪堕ちしたということに若干の萌え要素を感じてみたり。

 でも、昔のアザミの「無邪気な態度で、恐ろしいことを言う生まれついての邪悪感」ってのも、フィクションだとゾクゾクする萌え対象かな、と(萌えセンスが少し歪んでいる自覚あり)。
 大人になって完全に悪女と化したキャラよりも、光と闇の間で揺れているような、説得すればまだ戻って来れそうな悪堕ち候補がツボなのかも。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/06 (Sat) 15:39:54

 定期感想その2です(だんだん、何がどう定例なのか、自分でも分からなくなってきたorz)。

 必殺スペシャルが6/28とこちらで伺い、ネットでも確認しました。ご教示、いつも感謝です。こちらのローカル局の必殺仕事人再放送が、次第に自分の馴染んだ作風に近づいているような気がしてます。

 昔と最新の必殺の作風の違いとか、自分の分かる範囲で考えられたりすると面白いかなとか、いろいろ期待するものがあります(まあ、外されることもあるわけですが ^^;)。

●牙狼VR(第9話:PROLOGUE)

(以下、ほとんどは昨日に書いていたもので、NOVAさんのご感想と被ったり、あるいは頂いた情報を反映できてなかったりします。すみません。)

 冒頭にナレーション入りの影絵風が出まして、伝統的(?)な牙狼のOPの感じがありました。ストーリー内容も過去の魔戒騎士選抜試験であり、魔戒法師らしき人物も複数出ましたし、「今日の話は牙狼ですよ」と制作がOPで暗示したのかな。ということは、第1話からのVRゲーム(ではなくなってる感じですが)の部分は、まだ牙狼に踏み込んでいないということになるんだろうか。

 それはともかく本編。アクションよりは、牙狼VR物語の背景など含めた情報開示を重視した作りという印象です。OP部分もかなりの情報でしたな。伽堂アザミの出生が語られまして、大物ホラーとの決戦で黄金騎士は落命するも勝利、しかしホラーが逃げた先が胎児で、その子が生まれてアザミになったと(マユリの出生と似ているようですね)。

 そのアザミを育てたのが伽堂法師で、苗字は育ての親のものでしたか。ちょっと自分は何か勘違いしているのか、ホラーが胎児に逃げ込んだ時期と、アザミ出生時期~物語の現時点の整合性がちょっと分からなかったりしてます。が、いつもの自分の勘違いだろう(間をおいて録画を観なおしたら気が付く、と思う ^^;)。

 それはともかく、本過去編の時期は葉霧宵刹がまだ少年くらいで、黄金騎士選抜試験に参加しているときであるわけですね。試験の管制室(?)が、現代編で葉霧宵刹らが使っているアジトでして、牙狼選抜試験形態も「受験者100人から勝ち上がった4人を選出」→「その4名で決戦、優勝者が牙狼の剣を抜けたら成功」というもの。

 試験参加者は番号で呼ばれてまして、いかにも敗者は使い捨て感があります。ほぼVRゲームと形態やら参加者の扱いが同じで、なぜ葉霧宵刹がこのVRゲームを始めたかが強く示唆されていますな。

 過去編の試験ではスゴウなる高位と思しき法師が仕切っており、伽堂法師はおそらくアザミを持て余し、幽閉を依頼するためにスゴウのもとに連れてきたらしい。しかし、アザミは彼らの想定以上で、封印くらいは容易く破れる力を持っていたわけでしたか。さらに伽堂法師も殺害してしまうわけですね。にこやかにやってまして、悪や闇というより、善悪の判断自体がないらしい。

 黄金騎士選抜試験のほうは、スゴウの期待通り、若き日の葉霧宵刹が勝ち上がる。ですが、殺し合いも辞さないものだったとは葉霧宵刹は知らなかったらしい。これは現代編のVRゲームでの空遠世那が似た経緯をたどってる感じですね。

 もしかすると、葉霧宵刹は若い頃の自分と似ていると見て、現代編VRゲームでも空遠を本命視してるのかも。となると、過去編で葉霧宵刹が牙狼の剣を引き抜けなかったのと同様、ゲーム勝利者(予定では空遠か?)に望みをかなえるとか鎧を与えるとかも嘘の可能性が高そうです。絶望させて陰我を搾り取る狙いなんではなかろうか。

 ただ、過去編では候補生がもう1人生き残ってまして、まだ理想を信じる若き日の葉霧宵刹が止めを刺せなかったから。そこは現代編で、空遠が星合翔李に止めをさせなかったところまでは似ていますが、星合翔李は自ら死を選んでいる点は異なります。過去編の生き残りは、もしかすると葉霧宵刹の計算外の要素になるか。アザミにとっても想定外の可能性はありますが、逆にそこも考慮して葉霧宵刹を誘導している可能性もありますね。

 それはそれとして(^^;、過去編の試験では黄金騎士の座を争わせていると魔戒関係者は思っている模様ですが、幽閉を抜け出したアザミの目には別の様子が見えているわけですね。黄金騎士の鎧に試験参加者の陰我が集まっている。

 アザミによれば、この陰我を使えばダークメタルなる、ソウルメタルより威力の大きい金属が得られるとのこと。実際、スゴウらの(おそらくフルパワーの)防御結界を突き破り、背後の山の形すら変えるほどの威力を示してました。ただし、アザミの力によるところが大きいようで、ダークメタルなるものの実態とか力は不明な点があるような気がします。

 が、そのダークメタルで剣、さらに鎧を作れば、とアザミにそそのかされた葉霧宵刹は考えたわけですね(暗黒魔戒騎士の装備一式かな?)。もう魔戒の者に頼る必要もない、とも思ったんだろう。と書いてみて、「こりゃ、葉霧宵刹に死亡フラグ立ったんじゃないか? 目的達成と思った途端、アザミに利用されていたと言われ、始末されるとかで」と思えてきました。

 公式サイト見てみますと、全12話のようですね。ということは残り3話。ここから一気呵成にラストまで盛り上げてくれると期待したいところです。自分的には機械人形的な朱伽が未だ波乱要素のような気がしていますが、残り3話では朱伽の覚醒ドラマはちょっと無理かな。

 風呂敷ちゃんと畳むか、次があるとはっきり示すかして欲しいところです。欲を言えば、例えば悪役復活で終わったTV編神ノ牙のジンガとストーリーが合流するとかであれば、この先も牙狼が続くと安心できるんですが。

●仮面ライダーウィザード(第5話:決戦のコンクール、第6話:キレイな花には)

 序盤らしく、とりあえず主要キャラクターの紹介が済んだら、敵味方の現状を見せてくれるといった感じで進行してますね。前話~今話で明らかになったことの1つに、敵側(ミサ=メデューサ、ユウゴ=フェニックス)がまだコヨミの正体を掴んでなかったことがあります。ウィザード側もうまく敵から隠れていたということなんでしょう。

 それはともかく本編。まずピアニスト編後半ですね。前話を観ての自分の予想では、ピアニスト高木の紆余曲折が見られるかと思ったんですが、そうではなく、揺れ動いたのはコヨミだった感じがありました。

 今話冒頭で、前話ラストからのバトルにおいて、コヨミに魔力を与えたためにウィザード自身の魔力が尽き、戦闘不能に陥るわけですね。幸い、敵のケットシーが猫らしく気まぐれなので助かりはしたんですが、晴人は人事不省に陥る。

 といっても、致命的ではなく、骨董品屋(面影堂)の自室に戻され、しばらくすると目を覚ましてます。そのとき、コヨミと会話した内容でコヨミが動き出すわけですね。これに店主の輪島が瞬平らに語る内容や回想シーンも挟まりまして、コヨミの(現時点での)事情が視聴者に明かされる。

 コヨミは人間ではなく、ファントムが抜けたゲートみたいなものであり、晴人の魔力供給で命をつないでいるものの、記憶も失い絶望していたということですか。ゲート化の直後(の感じでした)、絶望するコヨミに晴人が「今を生きよう」と励ましたことで、コヨミは「前に進む」決意をしたらしい。

 しかし、コヨミが吹っ切れている様子はありませんね。まだ迷ってる。そこへピアニスト高木が見せた停滞がコヨミを刺激したらしい。少し前の自分(コヨミ)のようであり、まだ思い悩むこと多々ある部分でもあるんだろう。それでイライラ、モヤモヤするものがありそう。

 そこでコヨミは高木の説得に出向く。説得というより叱咤激励でもあるし、イライラをぶつけるようでもありますね。しかし、コヨミの本気、真剣は伝わったようで、「今を受け入れる」が高木に響くものがあった模様。この後、自暴自棄をやめてコンクールに挑み、優勝どころか入賞すら逃してもサバサバした感じで、留学して頑張る意思を見せてましたな。

 ピアニスト高木が何を悩んだかの核心は明示されませんでしたが、おそらく理想は見えているものの、自分の現在の状況が見えなくなっていたように感じられます(喩えるなら、自分の現在地点を知らなければ、たとえ地図を持っていても迷子になるしかないようなもの)。

 おそらくそのせいで、好不調の波が激しいタイプでもありそう(たぶん原因は基礎が足りず、演奏が安定しないとか)。高木を狙うケットシーは気まぐれで、前話では高木と対照的なキャラに思えましたが、今話を観てみると似た者同士という印象も生じました。

 そのケットシーはおもちゃ(グール)与えられて再戦に来まして、コンクール会場前で待ち構えていた晴人がウィザードとなって阻止にかかる。中は華やかで平和な演奏会、外はバトルということで、フォーゼなどでも見た対照的なシーンが入れ替わる作りですね。こういうの、だんだん好みになってきました(^^;。

 バトルはケットシーがほぼいいとこなしで倒されまして、高木もコンクールも守られましたな。ということで、絶望は発生せず。いったん絶望して、また這い上がって来るほうが高木の成長は大きかったのかもしれませんが、もしかすると高木は既に己が底までたどり着いていたかもしれません。逆に「絶望なんざ、10年早い」ということも考えられます。

 が、最も変化があったのがコヨミみたいですね。自分(コヨミ)の正体を知った瞬平、凛子を受け入れた様子が見られました。リアルでも説得する者が最も説得されるのだそうで、結局、過去を吹っ切ったのはコヨミだったらしい(たぶん、まだ紆余曲折あるんだろうけど、少なくとも「前に進み始めた」ということで)。

 第6話に入りますと、美貌と話術で男を次々に手玉に取る詐欺師:川崎愛美の話ですか。詐欺師と劇中ではっきり呼ばれてしまいましたが、黒に近いグレーゾーンかも。原価と比べて法外に高額に売りつけてますが、キャンセルやクーリング・オフに応じないとか、行方をくらますといったことは描かれてませんでしたから。

 それはともかく、晴人の周囲の人々も手玉に取られてますが、今エピソードに関わる、もう1人のメインゲスト:山形耕一も騙されている様子。山形は金持ちであるようですんで、川崎愛美からするといいカモではあるんだろう。ですが、今エピソードのメインゲスト敵:ノームが襲ってくる。

 このノーム、バー(かな?)を始めようとしているときにミサらから依頼を受けてまして、ファントムの普段の暮らしぶりがうかがえる感じです。おそらくは、元の人間の持っているもの(職、資産等々)をそのまま引き継いで暮らしているんでしょう。ファントムは味覚がないらしいんで、そもそも食うとかも必要なく、隠れ住むことも可能のようにも見えます。が、人間として世間に潜り込んでるほうが都合がいいのかもしれない。

 それはともかく(^^;、ノーム襲撃時の川崎愛美の行動が、利己的な詐欺師としてはちょっと変だったかも。カモのはずの山形耕一を逃がそうとしてますし、ノームに追い詰められても見捨てない。この辺り、次話への伏線なのかな。

 ノームが狙ったのが、山形耕一か川崎愛美かもはっきりしないうちにウィザードが救出に入りまして、バトルとなるも辛くも撃退できた感じ。ノームが撤退するもまた狙って来そうということで、晴人らは護衛に2名の護衛をしようとするも、凛子が警察官と知ると川崎愛美は逃げ出すように去る。まあ痛い腹を探られたくないのは当然か。

 外に出た川崎愛美、やはり詐欺師としては不審な感じで、例えばシャボン玉で嬉しそうに遊ぶ親子を見て、何やら物思いにふけったりしてます。が、そこへ詐欺対象にしたカモが続々と集まってしまうわけですな。瞬平、輪島、いつものドーナッツ店の店員ですね。みんなデートの約束と分かる。

 これでは言い訳が難しい。晴人も川崎愛美の正体は分かったようです。しかし、熟練の詐欺師ならその場を逃れるための弁舌振るいそうなところ、川崎愛美は早々に開き直ったかのように「何が悪いの?」と。どうも、高額商品を売りつけておきながら、良心の呵責もあるみたいな雰囲気を感じます。

 そのまま逃げ去る川崎愛美ですが、ノームが地下に引き込み、「さあ、あなたは何に絶望しますか?」と迫ったことで、ターゲットは彼女だったと判明。しかし晴人が追いついてくる。正体がとっくにバレたと思っている川崎愛美は「なんで私なんか助けるの?」と問うも、晴人はヒーローの基本にして矜持を示しまして、「詐欺師であろうが助けるに決まっている」。

 が、晴人がウィザードに変身してノームと戦闘に入った隙に、またも川崎愛美は逃げ去るわけですな。で、続くと。この流れから考えますと、今エピソードは「相手を救いきるまで追う晴人」ということかしらん。ヒーロー物のパターンとしては、悪党から逃げる人を救うことが多いと思いますが、逃げる相手を追ってでも救うというのも、ちょっと興味が起きます。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/07 (Sun) 17:02:58

 定期感想その3です。

 スーパーヒーロータイムは6月21日から通常回復帰だそうで、再来週回からですね。ようやく帰ってきたわけですが、ゼロワンは第35.5話「ナニが滅亡迅雷を創ったのか?」とのこと。やはり35話までで話が込み入ってきているだけに、通常復帰にもワンクッション置く必要があるんだろう。

 一方、キラメイジャーは普通に(?)第11話「時がクルリと」のことで、復帰準備回は来週分ということでいいのかな。一応は序盤ですので、振り返り復習はそれほど必要ではないということかもしれません。

 撮影再開から3週間で通常復帰というわけですが、既に撮影した分とかあるでしょうから、普通だと撮影から放映までは1ヶ月くらいの作業時間が必要なのかもしれません。

 ニチアサとしては「ヒーリングっど♥プリキュア」もあるわけですが、こちらは再開情報はまだ見当たらないようです。アニメは実写とは異なる制作事情がありそうですが、ニチアサファンとしては制作陣には「安全にできる範囲でやってください。待ちますから」と申し上げたい気持ちです。

●仮面ライダーゼロワン(超(スーパー)お仕事大戦 バトル1)

 不破さんにお仕事紹介ですが、今週分では勤め人は向かないという結論ですか。どの仕事も不破さんが気に入らなかったり、唯阿がやめとけと言い出したり。次週はフリーランス系を紹介というわけですね。まあ、同じような結果になるんだろう。テーマ的には「不破さんイジリ」なんだし(^^;。

 まず警備員や探偵はAIMSでの仕事と似ているということで、不破が却下。マモル事件のときには、不破がむしろ破壊行動あった点も問題か。しかし考えてみたら、不破の現職は飛電製作所の警備担当ですよね。ということは、飛電製作所の仕事自体にも不満があることになっちゃうんじゃなかろうか。

 それはそれとして、では教員系、特にスポーツ部顧問はどうかということで、坂本コービーを振り返る。これは不破が興味を示すも(ここで乱入したらしい)唯阿が却下。理由は「教えるのに向いてない」だけですが、なんとなく説得力あるかも。不破さんだと例えば、教えているうちに自分がそのスポーツに熱中し、生徒を放置とかやらかしそうな気もします。

 弁護士ビンゴを振り返るも、俺ルールの不破では無理ですか。六法全書を覚えないといけないし。では119之助はどうか、となって、観ていた当時の自分も気になった点が、不破のミスとして指摘される。火災ビルに突入時、不破は自分だけ水をかぶって、唯阿を連れて行ったことですね。

 これは自分も「あれ?」とは感じつつ、「描写がダブる」「(メイクやヘアセット等の手間が大きい)唯阿さん役への配慮」等だと思ってました。たぶん当たらずといえども遠からずだと思うんですが、制作もきっちり描写を覚えててネタに使って来たようですね。

 ともかくも消防士も却下で、それなら医師はどうかとDr. オミゴトを振り返る。ここで自分は「あ、亡のチップの話でるかな」と期待したんですが、それはなし。もしかすると、終盤で明かされる秘密の予定なのかしらん。

 チップの秘密を明かす代わりに、伏線があったことが示されましたな。看護ギアましろちゃんが不破の脳検査を申し出た件ですね。精密検査でなぜか頭部は外されていた。ましろちゃんが気づいて検査をしようとするも、うやむやにされてしまった。これらは不破の脳に埋め込まれたチップを隠すためだったわけでしたか。

 そういう伏線があったことはすっかり忘れてました。不破の脳内チップの存在が明示されてからも思い出せずです。聞くところによると、伏線は伏線と気が付かせてはいけないそうで、伏線を隠すには伏線を面白くする手があるとのことです。まさにそういう手法があそこで用いられていたようです。

 キーワード「善意」も、既にDr. オミゴトの一件で唯阿が口にしていたこと、今回の振り返りでようやく思い出しました。これがどのヒューマギアにもあり、ゼロワンの暴走を止める鍵になっていくわけですな。こちらはさりげなく出して目立たせない工夫なんだろうと思います。

 それはともかく、住宅セールスも駄目、ツアーコンダクターも(偶然ながらデイブレイクタウンを思い出すから)不可、結婚コンサルタントは唯阿が動揺して却下。唯阿が駄目出しするケースが目立ちますが、そうなると不破の仕事って、唯阿も認める職業でないといけないわけか。そうなりますと、この2人って……。

 閑話休題。ついに勤め人駄目かということで、フローリスト(一輪サクヨ)→華道家(立花蓮太郎)と独立系に寄ってきましたが、これも唯阿が却下。次週では発明家、宇宙飛行士等、と幅広く紹介するらしい。

 今話分ですが、フローリストから華道家となったところで、「あれ、華道家はヒューマギアじゃないよ、おかしいよ」と思ってしまいました。が、よく考えたら、不破さんの仕事を探してるんですから、ヒューマギアがやってたものじゃなくてもよかったんでした。お仕事紹介の体でヒューマギア振り返りだったもんですから、つい「題材にされるのはヒューマギアの仕事」という思い込みが生じてしまったようです。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第15話:私掠船現る、第16話:激突! 戦隊VS戦隊)

 重要キャラクター:バスコ・タ・ジョロキア登場ということで、前後編2話1エピソードですね。こちらで予め伺っておかなかったら、自分はいったん「このバスコって、途中で加わる、その時点での最強戦士予定?」と思うところでした。バスコはあくまでも敵側(たぶん最強)で、恒例の途中参加の戦隊側スーパーキャラは次週登場ということでしたか(伊狩鎧 / ゴーカイシルバー)。

 ともかく、そのバスコですが、飄々としているようで冷酷なキャラのようですね。演出的にもその辺りが強調されてました。例えば、ふざけた態度を見せておいて、バトルでは変身解除に追い込んだゴーカイジャー戦士を追撃、誰彼構わず殴り倒すとかやってます。さらに、捕えて拘束しているにも関わらず、気分で蹴り倒して平然とかも。どちらも生身のシーンですから、生々しさがあります。

 バスコの持つ能力は、こちらでも性格等で対比された海東と似ていまして、歴代の戦隊レジェンドになるのではなく、召喚して戦わせるものでしたか。召喚しているのは、自分はよく知らないんで雰囲気的にそう思うだけですが、途中参加の戦隊戦士が多いみたいですね。初期性能が高いはずですんで、それだけバスコの強敵性も強調されてる感じがあります。

 バスコの登場に伴い、自然な流れでマーベラスの過去が明かされたのも大事なポイントですね。以前はアカレッド率いる海賊団にバスコもいて、マーベラスもアカレッドに誘われ(かつマーベラスもアカレッド見込んで)入団したわけか。が、バスコは裏切って帝国に寝返り、庇護を受けつつの海賊に転じたと。ただし「宇宙最大のお宝」が優先の模様です。

 今エピソードは、こちらでも伺った通り三つ巴展開を予想させるものがあります。かつ物語が、戦隊 vs 敵という対決→撃破構図から、「宇宙最大のお宝」争奪への転換になる端緒という感じもしました。要は、印象的にですが「ここから本格的に盛り上がりそう」ということです。

 カーレンジャーは前回分のあれでシリアス回と伺い、ちょっとびっくりしてます。じゃあ平常運転回はどんなのだ、という興味が湧いてきまして、少なくとも次回分は観たくなってます。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/08 (Mon) 00:06:19

  6月21日放送分から、新作再開ってことですね。実質、実写は一月分の休憩で済んだってところですか。

 ヒーロー物の場合、スーツの人たちと、生身の日常シーンは別撮りですし、声のアフレコは三密を避けて個別に収録できるという制作事情もあって、
 作画などが屋内の密空間になりがちなアニメよりも、早く始動できるような感じですね。

 こちらでのアニメで気になるのは、リライズですが、果たして再開はいつかなあ。

★ゴーカイジャー

 先にこれから。

 戦隊メンバーは基本的に5人構成(たまに3人スタートのことも)ですが、16作目の恐竜戦隊ジュウレンジャーから6人めの追加戦士が登場して定着します。

 6人めを登場させるメリットは「ドラマにメリハリを付ける」「新装備や新ロボの販促」「基本メンバーではできない役割を当てる」など。

 ここでは3つめの基本メンバーではできない役割ですが、「戦隊は基本的にチームの結束がテーマ」なので、
 一匹狼を気取るキャラとかは描きにくいですし(それでも作品によっては描きますが)、
 メンバー間の極端な対立も描きにくいし、
 初期メンバーが命を落とすことも稀(役者の都合で、やむなくそうしたケースもあるにはあるが)。

 ただ、追加メンバーの場合、戦隊のお約束には縛られない個性が描かれ、
 メンバーの距離感も作品によってまちまち。まあ、この辺は平成ライダーを見ているとイメージしやすいですな。
 いつも一緒にいる初期メンバーに比べて、追加メンバーは出自が違ったり、後輩として参加したり、レッドの生き別れの肉親だったり(弟のピンチに駆けつける兄とか)、生き様の違うライバルだったり、高校生戦士の中で一人だけ大人だったり、年上戦士の中で一人だけ小学生だったり、侍の中で一人だけ寿司屋だったり、時には人間じゃなかったり、独特の立ち位置なわけですな。

 で、そんな個性的かつ強力な追加戦士のレンジャーキーを操るバスコ。
 追加戦士の中には、元々敵だったのが、主役に感化されて味方になるキャラもいるので、バスコもそうなる可能性を疑われましたが、直後にシルバーが登場して、まあ、バスコはマーベラスの宿敵扱いで終了。
 放送当時の子どもたちには非常に嫌われたようですが、名ヴィランの殿堂入りをしている次第(キュウレンジャーのオリジナルビデオで、復活ヴィランの一員として登場)。

 「何かを得るには何かを捨てなきゃ」という哲学が、マーベラスの「欲しいものは全てつかみとれ」の哲学とぶつかって、最終的には何もかも捨てることとなったバスコの厭世的な幕引きが印象的。
 ヒーローとしては「大いなる力には大いなる代償が」のスパイダーマンのテーマに通じるものがバスコにはあって、それはそれで深くもあるのですが、必ずマーベラスの方に何かを捨てるよう仕向けさせることが、嫌らしい悪役なんだなあ、と。

 まあ、マーベラスというキャラのいいアンチテーゼになっていると思います。

 そして、6人めの戦士として登場するゴーカイシルバー伊狩鎧。
 地球のことをよく知らない宇宙海賊に加わる彼は、地球人のスーパー戦隊マニア。しかも、登場直後に死んでしまうというウルトラマンオマージュだったりもします(脚本家の趣味)。
 とにかく、メインライターのヒーロー愛がたっぷり込められたキャラで、「劇中で死んだ戦隊の諸先輩方の魂」に気に入られ、戦隊の力を宿して復活し、巷で活躍しているゴーカイジャーに自分を売り込もうとするわけですな。

 マーベラスはウザい新人を邪険にする一方で、ハカセは自分にも慕ってくれる後輩ができた、と大喜び。ドンさんと、さん付けで丁重に扱ってくれる鎧くん。
 そして、全ての戦隊に「さん付け」して愛を捧げるのが鎧くん。「ジェットマンさんと、アバレンジャーさんと、タイムレンジャーさんの大いなる力」で復活し、その知識でゴーカイジャーのお宝探しにも貢献する。

 そう、ナビのお宝ナビゲートに対して、知識のないゴーカイジャーはほぼ行き当たりばったりと、たまたまの偶然で戦隊OBに遭遇するわけですが(出会った相手が目的の人物だと気づくまでに時間もかかる)、
 鎧が仲間になると、ナビのヒントを聞いただけで、「これは、○○戦隊の□□ジャーさんのことですね」とたちどころに言い当てる上、OBに出会っても、すぐに気付いて話の展開をストレートに効率よくできる人材。

 そして、しまいには戦隊知識のないマーベラスたちのために、紙芝居まで作って、解説してくれるありがたいキャラに。
 うん、放送当時は、他人とは思えなかった(笑)。

 あと、戦闘力ですが、訓練している訳ではないので、素人的な突撃戦法ですが、スーパー戦隊の加護で防御力が高い。さらに強力なゴールドアーマーをまといますが、それが「ディケイドのコンプリートフォーム」みたいに諸先輩方の姿を焼き付けたデザイン。
 今回、バスコから奪った15のレンジャーキーの力は、結局、シルバーの物になる流れです。鎧の凄いのは、その15の力を全て同時に宿すところにある、と。

 そんな鎧くんが、ゴーカイジャー直後は、魔戒騎士にもなったりして、流牙と共闘するわけですが、実に熱くてコミカルな役者してます。
 陽気なマニアということで、陰気なオタクというステロタイプの逆を突いて、戦隊好きを大いに喜ばせてくれたなあ、と。

★ウィザード

 「指輪を誰かれ構わずバラまいている」という印象の強かったウィザードですが、絶望まで追い込まれる前に助けることのできたゲートには、指輪を渡していないことを今、意識しました。

 よって、指輪仲間は今のところ、コヨミ、凛子、瞬平の3人だけですね。

 脚本家では、メインのきだつよしさんと、アシストの香山純子さん。
 香山さんは今のプリキュアのメインであり、さらにゴーカイのバスコのキャラの産みの親です。作品傾向としては、主人公に結構、過酷な運命を押し付けつつ、表面上は明るく強く振る舞わせがち。繊細なストーリーを描く人って印象ですね。

 井上敏樹の妹分が小林靖子(最近はジョジョのメイン)なら、現在のスーパー戦隊の大御所クラスの荒川さんの妹分が香山さんかな、という印象。

 あと、カーレンジャーの浦沢さんの弟子が、キツツキ回の人だったり、ジオウのメインの下山さんだったり、この辺の脚本家の人の作品傾向の受け伝えなんかを面白く感じますね。
 誰が誰の影響を受けてるか、とか、それぞれの作品のオマージュとか。

 ともあれ、ウィザードは、ゴーカイのバスコや、後のジュウオウジャー、ルパンレンジャーとか、一部のプリキュアにつながる流れ、と。
 放送当時は、つながってると思った「魔法戦隊マジレンジャー」とは、意外とつながってなかったわけで。

 過去作を見る楽しみって、当時は意識していなかった脚本家の癖なんかを考えることかな、とも。
 ウィザード当時は、香山さんってまだ新人で作風もよく分かっていなかったですから。たぶん、この辺り(2011〜12)から精力的にお仕事をこなして、名前を見かけるようになったのかな、と。

★ゼロワン

 腹筋崩壊太郎は、来週に持ち越しですか。うん、先の楽しみができた。

 さて、個人的には、不破さんのお仕事よりも、むしろ「刃唯阿さんのお仕事」を考えてあげないといけないんじゃないだろうか。

 たぶん、この人、きちんと仕事してないと、テロリストと結託したり、不破のストーカーになったりして、不破さん以上に情緒不安定になっているような気がします。
 他人のダメ出しでストレス解消している場合じゃないのでは?

 ということで、或人社長には是非とも、刃唯阿さんの手綱をしっかり握ってほしいもの。
 まあ、刃さんとイズが一緒にいたら、それはそれでピリピリしそうですけどね。イズは或人以外には結構、辛辣ですし。

 イズがコヨミに見えて、或人と晴人が被って見えたりもするこの頃。
 はい、晴人じゃないと。

 ともあれ、最近は自分の中で、不破さんイジメの常習犯の刃唯阿さんの株がどんどん下がっていますね。
 「お前はダメな奴だ。だから私が付いていないといけない」とすり込ませることで、相手を自分に依存させるテクニックで、1000パー社長はそれに似て非なテクニックで失敗してました。

 「お前は道具だ。だから私に従っていればいいのだ」これはダメですね。
 「お前は道具だ。だから、その才能の生かし方を私が考えてやる。悪いようにはしない」これぐらいじゃないと、反発されて当然。たぶん、初期のサウザーさんは、唯阿さんにそういう接し方をしていたんだと思いますな。

 要するに、道具に対しても、その効果的な使い方をわきまえ、正しく使える人だと思わせていた。
 だけど、不破に対する扱い方が正しいとは思えなかったので、唯阿さんが離脱。
 すると、次に来るのは「私なら、より正しく不破を扱える」って技術者の矜恃(苦笑)かな。

 実際、刃さんは「私は悪くない」と外罰的に生きている傾向が強く見え始めたので、どうしたらいいんだろうねえ、と感じたり。
 不破さんなら刃さんの外付け良心回路になるかなあ、と思っていましたが、どうも無理っぽいので、やはり或人社長じゃないと抑えが利かないんじゃないかという気になっている今日この頃。
 

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/10 (Wed) 10:26:42

 定例ではないですが、前回の自分の書き込みに、2点のミスを発見したので、訂正報告を。

>脚本家の名前

 香山さんと何度も書いてましたが、「香村純子」さんが正解です。
 薀蓄書いて、間違いだと気づいた時の恥ずかしさは……もう慣れました(オイ)。まあ、書いてる時にはうっかりミスに気づかなくて、読み返して、何だかおかしい感じだな、と思いながら、調べ直して、改めて気づくということですね。

 そして、脚本家で新発見がもう一つ。
 カーレンジャーのメインライターは浦沢さんでぶっ飛んだギャグコメディーが印象的なのは間違いではないのですが、「自分がお気に入りの回」は浦沢さんだけでなく、荒川さんの名前も多々混じっていることに。

 荒川さんと言えば、現在キラメイジャーのメイン担当で、他にはクウガと、ゴーカイジャーと、自分が特に好きな作品のメインをいくつも書いている方。
 カーレンジャーの時はあまり意識していなかったのですが、今回のラジエッタ回を見て、「浦沢義雄っぽいシュールコメディーに並走してる荒川さんスゲえ」と思ったり。

 というか、今年は再放送含めて、やたらと荒川さんと香村さんの先輩後輩コンビに出会う率が高いなあ、と感じたり。

 去年は下村健人率がやたらと高かった(ジオウとシンカリオン)ですが、お気に入り作品の脚本をチェックして、その人の趣味とか書き癖とかをチェックするのは面白いな、と考えます。

 ところでネット上では、「作品は脚本家だけで作っているわけではない。プロデューサーとか監督のカラーを忘れてはいけない。脚本家だけに注目するのは間違っている、ど素人の意見だ」とする意見も聞きます。
 もちろん、それも一理ある正論だと思いますが、それでも批評的なマニアが脚本家にこだわるのは、「脚本書きが文芸作業だから」ですね。要するに、「キャラのセリフ回し」や「ストーリーの中核」が脚本家の仕事で、「小説などと同じ文芸批評」の範疇で、文章批評しやすいからですね。

 プロデューサーさんは、作品カラーとか大まかなストーリー方針とか、役者の手配とか、いろいろな折衝とか、裏方ですごく動いているのですが、その仕事の幅が大きすぎて、簡単に批評しにくい面があります。
 プロデューサーが批判されるのは大抵、「ネット上で発信した発言」や「インタビュー記事などで制作方針が知られたとき」などで、間接的に文芸批評ということになります。
 ゼロワンで、サウザーというキャラへの批判、お仕事対決という展開への批判的意見をよく聞きますが、その的になっているのはプロデューサーさん。
 まあ、批判意見が出るたびに、公式の発信の場で「それでも現状を維持して続けます。楽しみにしてください」と、俳優擁護、作品擁護をし続けている(プロデューサーなら当然のこと)から、結果的に煽っている形ですね。
 だからと言って、アンチの意見に左右されて、プロデューサーが制作方針をコロコロ変えていたら、話になりませんので、クールごとに批判意見を汲み取りながら、うまく舵取りして行くしかないのですが、
 ゼロワンでは、脚本批判よりもプロデューサー批判の意見をよく聞くなあ、と思いつつ。

 で、監督ですが、カメラワークや演出、アクションなど「映像描写の責任者」ですね。これを批判するためには、批評家自身にも「映像撮影した経験や知識、そして、それを文章化する才覚」が必要になるので、脚本家を批評するよりも、難易度が上がるんじゃないか、と。
 少なくとも自分は、監督の凄さを褒めることはできますが、監督の欠点を挙げつらうことは無理ですね。文芸に比べて、映像の良し悪しを客観評価できないから。

 で、自分が分かる部分(アクションの魅せ方が凄いとか、キャラ設定を大事にするとか、カメラワークが斬新とか)をその都度、持ち上げることになる。
 もちろん、自分で気づいた箇所もあれば、誰かの意見を聞いてなるほどと思った部分(以前のK.Kさんの書かれた、上下移動や回転アクションなどの細部分析は面白いと思った)、そしてインタビュー記事などでの監督自身の発言、また関係者の監督評などを参考に、自分の視点を固めることになる。
 この辺も、自分の中でのすり合わせ作業を通じて、理解を深めていく流れが好きですね。もちろん、他の人の「自分視点とは異なる深め方」も読んでいて、勉強になります。
 最近は、K.Kさんの見る目が肥えてきたというか、鋭い発言が増えてきたと思いますので(牙狼から始めて7年ぐらいですか。大体、2013年頃から、ラーリオス以外の創作鑑賞ネタを求めて、実写特撮の話題がここのメインになったと記憶)、逆に言えば、それ以前はおそらく門外漢に近かったと思いますので、それがよくここまで継続視聴して、着実に「新たな趣味」として深めているなあ、と良い意味で感心、嬉しくなっているこの頃。

 そのうち、映像表現やセリフの解釈で、意見をぶつけるぐらいになって(いや、違うでしょう。ここはこうのはず的な)、マニア的な本物かな、と(笑)。
 まあ、どこまで踏み込むかは分かりませんが、現状の作品鑑賞、および意見のやり取りを、自分は大変、心地よく感じ、気に入っております。


>ゴーカイシルバーのパワーソース

 もう一つのミスです。
 「ジェットマンさんと、アバレンジャーさんと、タイムレンジャーさんの大いなる力」と書きましたが、ジェットマンは「ジュウレンジャーさん」のミスですね。

 ジェットマンは最終回でチンピラヤクザに刺されて死んだブラックコンドル結城凱というキャラをイメージしましたが(後にゴーカイジャーに出演)、ガイつながりではあるものの、シルバーへのパワーソース(追加メンバーの殉職者)ではありません。

 で、修正ついでに蘊蓄ですが、

・恐竜戦隊ジュウレンジャー
 アメリカにパワーレンジャーとして輸出された最初の作品。だから、アメリカでも大人気。向こうでは、戦隊の王道=恐竜となってますね。次に人気の素材は、忍者と思われますが。第3に拳法かな。
 日本では、初の6人目の戦士「ドラゴンレンジャー」(緑の戦士)が印象的です。

 主人公のレッドの兄で、当初は王家の後継争いでモメたのですが、弟の対決の末に慈悲の心で命を救われて改心。その後、心強い味方になるかと思いきや、「その寿命が残り少ない」ことが明かされ、普段は「時間の止まった部屋」に引きこもり、弟のピンチにのみ「命を削って駆けつける」という献身ぶりを示して、最終回目前で、その死が描かれる。
 パワーレンジャー版では、「敵に操られたグリーンレンジャー、トミー・オリバー」として登場し、主人公のレッド、ジェイソンのライバルとして人気を博した後、やがて主人公に格上げ。パワーレンジャーの代表的キャラとして、後のシリーズ作品でも度々ゲスト出演することに。

 トミーは、ジュウレンジャーのドラゴンレンジャー(緑)、ダイレンジャーのキバレンジャー(白)、オーレンジャーのオーレッド、カーレンジャーのレッドレーサー、アバレンジャーのアバレブラックの5種類のキャラに変身し、6シーズン分のレギュラー、あるいは準レギュラーとして出演。
 よって、トミーが最初に変身したドラゴンレンジャーは、日本よりも海外のファンの方が圧倒的に神格化されている感。

・未来戦隊タイムレンジャー
 未来世界から来た4人の戦士が、現代人の若者(タイムレッド)と出会って、彼の協力の元(現代での生活基盤とか、一般常識の伝授とか)、時空犯罪者との戦いを展開する話。
 ある意味、電王やジオウの物語のプロトタイプと言える。

 追加戦士は、同じレッドカラーのライバル「タイムファイヤー」。そして、タイムファイヤーの操るメカは、恐竜型ロボのVレックス。未来から来たのに恐竜というセンスが面白い。
 なお、未来から来るロボは、ステルス戦闘機が変形する忍者ロボなんてのもいます。未来って一体……。
 まあ、未来でも恐竜と忍者は、健在ってことで。

 で、タイムファイヤーは、主人公のライバルとして振る舞い、最後まで完全な味方にならず、主人公への対抗意識を残したまま、戦死します。
 死んだライバルのメカを形見として、主人公が使うのは、ジュウレンジャーを受け継いでいるとも言えます。

・爆竜戦隊アバレンジャー
 恐竜戦隊の第2弾という作品で、異世界ダイノアースから来た竜人(アバレブラック)が、我々の世界(彼らの言葉ではアナザーアース)の3人の若者に力を与え、次元侵略者と戦う話。

 そして、追加戦士は「アバレキラー」(白)です。
 こいつは、基本的に敵です。味方だった時期が、終盤の数話しかないという。おまけに、途中で敵組織を乗っ取って、首領にまでなったという。
 ある意味、ディケイドのプロトタイプと言えなくもない。

 まあ、映画で一時的に共闘したりもするのですが、作品内で一番、大暴れしたキャラとして伝説に残ります。
 で、番組の最終決戦で、それまでの罪滅ぼしみたいに戦死するのですが、
 後のオリジナルビデオで、「アバレンジャーを苦しめる最強の存在」を敵が召喚したら、アバレキラーが一時的に復活して、召喚者に牙を剥くという正に悪魔的プレイ。

 決め台詞は「ときめきの白眉」。
 「自分が天才すぎて、世の中がつまらない。だから、ときめきを求めて生きていたら、アバレンジャーの力が手に入った。だったら、楽しく暴れてやるぜ」ってスタンスで、敵味方の枠に縛られずに暴れまくった人。

 でも、前年に放送されていた「仮面ライダー龍騎」では、同じく快楽殺人者の仮面ライダー王蛇がライバルキャラとして人気を博していたし、
 2002年から3年ごろの特撮界隈では、自分ルールでやりたい放題する暴れ者ライバルが流行していたらしい。

 で、そんなアバレキラーを作ったのは……荒川さんだ(苦笑)。
 17年前に「ときめくぜ」が決め台詞の敵役キャラを描いていた人が、現在、「キラメこうぜ」がキャッチフレーズの王道戦隊を描いているとは誰が予想できようか。

 あ、描くといえば、アバレキラーの武器はペンで、描いたものを実体化させる能力を持っていて、
 今のキラメイレッドに受け継がれている。

 つまり、アバレキラーは、キラメイレッドのプロトタイプと見なすことも可能。
 ここまで書いてきて、初めて気づいた、この事実に、自分でときめきました(苦笑)。

 そんな3人のアクの強い、悪要素の強い戦士の力を受け継いだ正義の少年ゴーカイシルバーの活躍をもう一度見るのが今から楽しみです。

PS.カーレンジャー→アバレンジャー→ゴーカイジャー→キラメイジャーという4戦隊を、荒川さんという系譜で「思わずたどることになった」わけで。
 いやあ、いい仕事をいっぱいしてくれて、自分をキラキラさせてくれてありがとうね、荒川さん(最近は、このフレーズがお気に入り)。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/11 (Thu) 17:15:56

 定期感想その1です。

●ULTRAMAN(第9話:はじめまして、兄さん)

 ウルトラマンエースを模したエース登場ですね。登場に合わせて井出が「怪獣というか、超獣」と、ウルトラマンエースを匂わす台詞もあったり。予習によれば、エーススーツを作ったのはヤプールなる異星人だそうで。今話で北斗星司が通信機で連絡とった謎の人物がそれなんでしょう。エース原典だと、超獣作ってた異星人、もとい異次元人ですな。本作では逆の立場ということですか(ただ、本作の「超獣」もヤプールが用意しているらしい)。

 本作のエースが超獣退治に見せた大技がビームカッターでの一刀両断で、原典のエースも確か、ビームでの切断技を多用した巨大ヒーローだったかと。本作のエースが、原典からいろいろ取り入れながらも、今話の段階では上手くまとまっていて、単独のオリジナルヒーローとして見てもなかなかいい感じなのはさすがと言うべきでしょうね。

(強さの「超獣>怪獣」について書きかけて、延々と愚痴になったのでカット ^^;)

 ともかく本編。今話は北斗星司登場で、主に進次郎との絡みで進んでますね。なにせ星司のほうから盛んにちょっかい掛けに行ってますから。この流れ、前話までを考えると上手いなと感じました。アイドルのレナをイガル星人ピグモンが追っかけやり過ぎで大事件だったわけで、星司の行動がウルトラマンオタク的な動機と思い込みそうになります。

 が、星司が12年前の飛行機事故/事件に関わりがあるらしいことも、さらっと示されてたりする。予習によれば、星司の幼なじみの南夕子も搭乗していたため死亡したらしい。どうやら、それが星司の本当の動機につながるようですね。

 しかしそれは先の話でして、今話ではまず北斗星司として進次郎に学校で接触してくる。それものっけから、進次郎がウルトラマンだろうと匂わせる話。進次郎も進次郎で、思いっきり動揺しとりまして、これはもうバレバレですな(今話はこれ以外にバレバレ展開ありで、その面ではかなりお間抜け回でもありました ^^;)。

 進次郎は科特隊には報告せず、ジャックに相談してますな。やはり弾に知られるとマズいからか。前話までで緊張関係にあり、弾の冷酷な一面も、ルールに厳しい面も描かれてましたから、あけすけに言えば「怖い」ということだろう。
(星司が進次郎をウルトラマンと疑っているのも、よく考えらジャックが糸を引いている可能性もあるかな。)

 前話の弾が進次郎に言った「そんなお前の目標は」(間)「気に入らない」の解釈ですが、自分は「本当は『嫌いじゃない』」と推測したのは既に申し上げた通りです。NOVAさんのご解釈は、成長は認めつつも「まだまだ現実が見えていないな、この小僧は」というわけですね。

 その辺りは、表現の違いでして、自分としても同じです。弾としては当初、進次郎を「ヒーロー(スーツ着用者)には成長できない」と見ていたものの、おそらくピグモンの一件で「自分(弾)が期待する方向の伸びしろはあるかもしれない」と判断を変えたと感じました。伸びしろがある、ということは、現状はまだ駄目、でもあるわけです。

 それはともかく、ジャックは進次郎の相談に乗りつつも、どうも腹に一物ある感じかなと思います。一方、星司は裏表ありそうな不良大人数人をボコボコにして、恐喝まがいのセリフ吐きながら金を奪い、しかも得意げ。星司はかなり問題ありそう性分(というより気分かな?)のようですな。

 しかし、その後のシーンでそんな程度は実はまだ軽かったと分かるわけですね。エーススーツ着用して、ヤクザ vs 強盗犯の銃撃戦に割って入り、双方を叩きのめし、強盗が奪った大金を横取りし、しかも監視カメラに向かってVサインまでする。凶暴さと自己顕示欲の強さを感じる行動です。力に飲まれて闇に落ちそうな危うさがあります。

 さらに、これは監視カメラにも写った犯罪ですから、警察も動き出し、遠藤刑事を通じてレナも知ることになるわけですな。レナとしては「3人目のウルトラマンまでいる?」と。それまでは、そこまでは知らなかったようですが、類似の事件の噂とかで記念館に行く気を起こしたのかもしれない(後のシーンで星司は、自分が起こした事件をウルトラマン=進次郎の仕業と偽装したいそぶりが見られるのがその一端とかで)。

 一方、進次郎。科特隊が偽装している記念館を訪れたレナと出くわしまして慌てるも、もう閉館時間過ぎたと言って追い返す。それはいいんですが、まずレナの変装がかなり問題ありますな。伊達メガネかけただけで、別人に見えるつもりですか。そんなん、アメコミ世界でしか通用しないのに(^^;。後でマネージャーが皮肉言っても通じてない。

 レナが進次郎と話している最中は、観ている自分としては「レナは別人のふりをしているから、進次郎にも初対面のふりをしている」と思いました。ですが、一人帰るときの独り言で、進次郎だと気が付いてないと判明、ちょっと驚きました。

 しかしこれで自然な流れだと思い直しました。今シリーズ最序盤からして、レナと認識されると絡まれるシーンがありましたし(そこを進次郎が救った)、握手会で多数のファンと会って話をしてますし、ライブでは詰めかけたファンと1対多状態です。これでは、たとえ個人的な接触があっても、レナとしては「ファンの男性」という括りで見ていそう。そのため、進次郎も個人としては覚えてもらってなかったかもしれません。
(これが、レナがウルトラマンを当初、「ウルトラマンっぽい宇宙人」と一括りにしてたかもと、自分が感じたことにもつながる気もします。)

 それはそれとして(^^;、進次郎はレナだと気が付いているわけですね。星司がウルトラマンだと疑って接触した直後くらいです。進次郎はレナにウルトラマンの話を振った覚えもある。自分(進次郎)の正体(現ウルトラマン)が急にバレ始めている。こうなると、進次郎としては周囲に対し、疑心暗鬼になっていくんじゃなかろうか。

 おそらく翌日、帰宅中らしい進次郎にまたも星司が接触してきてますな。しかし科特隊から異星人事件の報が入る。井出によれば、異星人というより怪獣、怪獣というより超獣、ということらしい。
(ネットで調べてみますと「ベロクロン」だそうで、同名の怪獣/超獣の初出としては「ウルトラマンA」とのこと。デザインも似ているようです。)

 進次郎は星司を捨て置いて現場に向かうわけですが、通常のスーツ(ハイブリッドスーツ)と通常武装の隊員では全く対処できない模様ですね。一般隊員を庇いつつ、対処を試みるも、逆に抑え込まれて絶体絶命に。そこを救ったのがエースであるわけですね。ベロクロンを軽く一蹴で吹き飛ばしてしまう。

 エース、余裕を見せてまして、ウルトラマン:進次郎と立ち話を始めてしまう。「兄さん」などと呼びかけるもんですから、弟に心当たりがないウルトラマン:進次郎は動揺を見せてまして、あれまあという感じです。「弟はいない」という情報で、星司にさらに「このウルトラマンは進次郎」の確信持たせちゃってます。まあ既に星司は確信ありそうだったわけですけども。

 ベロクロンのダメージは浅かったようで、立ち上がって逆襲してくるも、エースに「うるさいな、コイツは」くらいの対応で一刀両断される。エースとウルトラマンの現有戦力差を如実に示すシーンでもありますな。昨日までは「飛べないセブンより、自分が上かも」と驕るところがあったらしい進次郎、逆により強い者への嫉妬を感じ始めるかもしれませんな。

 が、軽くあしらったように見えたエースですが、相当の負荷はかかっていたらしい。両腕が損傷です。エース:星司は急に帰ると言い出し、去ってしまう。「これ以上、ここにいても仕方ない」とは言ってますが、もしかするとスーツの強さに対する依存心/依頼心があるのかもしれません。もしそうなら、スーツが損傷すると星司は動揺する。

 その一端は星司の去り際の台詞「また一緒に戦いましょう、兄さん。じゃなくて先輩」に見えるような気がします。そのまま受け取ると、ヒントを出しつつさらに一歩、進次郎との間を詰めるものでしょうか。

 ただ、さっきまで「兄さん」と呼んでまして、あくまでも自分(星司)の正体は今は隠しておく様子がありました。しかし、高校で生身で接したときの「先輩」を口にしてしまったのは、もしかしたら動揺のせいもあったんじゃなかろうか。

 ともかくも、これで進次郎も相手の正体に気づいた感じがあります。というところで次回へ、ですか。今話の流れはおおむね星司がリードして進次郎を飲み込むような感じでしたが、最後の最後で流れが逆転する兆候が見られた気がします。次話がそうなるかどうかは来週のお楽しみです。

●カーレンジャー&ゴーカイジャー

 まず、戦隊ものの海外も併せてのチョイス&ご解説、ありがとうございます。こういうまとめ、いつも助かっております。それで分かることも多いし、そこからさらに調べてみるのにも役立ちます。その知識は当然、視聴にも活かせて、内容理解も進むわけで(それをベースに、また伺ったお話の理解も進み、という良い循環)。

 さて、今週分のカーレンジャーを視聴しまして、いろいろ感じ入るところがあったので少し。今週のカーレンジャー:第33~34話が平均的な通常回だとしますと、先週の第31~32話はシリアス回というのが分かった気がします。こちらで伺った通りです。

 先週は寝ていた、ちょっとヨーダ似のキャラクターは「ダップ」で、カーレンジャーを作り、指揮官相当でもあったけど、冬眠してたんですか。てっきり、渋い声のVRVマスターがシリーズ当初からの総司令みたいなポジションだと思い込んでました。

 今週で「ああ、なるほど」と思ったのが第34回で、敵幹部(?)ゾンネットがレッドレーサー=陣内恭介に惚れている点ですね(相思相愛?)。その設定がゴイカージャーでのカーレンジャー編とリンクしていたわけでしたか。

 先週、今週とカーレンジャー観たのは、まず偶然、続いてこちらで伺って興味が出てのことですが、こんな収穫があるとは。ジオウ(やディケイド)で感じた、「ずっとシリーズを観続けているファンは、後追いの文字情報の自分より、もっともっと楽しめているんだろうなあ」ということが、また実感できたということで。

 さすがに過去の(ゴーカイジャー以外の)戦隊ものを追いかけて観るまでは至りませんが、せめて平成以降のライダーものは、ローカル局や東映公式Youtubeが再放映してくれる範囲でですが、観ておこう、観ておいて損はないという気が改めてした次第です。

 今夜は牙狼VRの現代編再開ですね。土曜のウィザードと合わせて感想書こうかと思います。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/12 (Fri) 17:16:22

 定期感想その2です。

 視聴を溜めるから一度で書く感想が増えてしまうんだ、と何度目になるかの再発見で(^^;、やっぱり基本は「観たら書く」かなあ。

●牙狼(第10話:ENCOUNT)

 先週が過去におけるゲームの背景の開示、今週がそれを踏まえた現在の状況の整理といったところでしょうか。かつ、残り2話の盛り上げの準備にして、大ごとの前の静けさを演出する回かな(と思いたい ^^;)。

 先週分での候補生ナンバーは葉霧宵刹が13(西洋的な不吉番号を当てた?)で、敗れながらも13が止めを刺さなかったのが55みたいですね。55は今週で生存が明かされまして、牙狼選抜試験後は魔戒騎士を辞めて花屋になり、妻子もいて平和に暮らしていたらしい。

 選抜試験時には功利的だった性格も丸くなっている模様で、だからVRゲーム参加者を心配し、危険を承知で真相を伝えたんだろうか。が、アザミにあっさり始末されてしまいましたな。ラストに関わる重要人物かと思ったら、(メタ的に言えば ^^;)部分的には既知だった物語設定を視聴者に伝えたところで、お役御免ということらしい。

 それはともかく本編。まず南雲太輔のネット放送から始まりまして、ゲームの危険性を匂わせる発言をしつつも、挿入される映像も踏まえると、印象的には空遠世那にカツを入れる感じですね。なんでこんな冒頭なんだろうと思ったら、どうやら今話はここまでの空遠世那に覚悟が足りていなかった、と示す狙いがあるらしい。

 その空遠は、自分のブランドを立ち上げた香月貴音(先輩ライバルのUMIを排除したことでのし上がったか?)のもとを訪れ、ゲームの危険性を説く。が、香月は取り合わないわけですね。香月は勝ちあがる自信はないものの、ゲームを降りる気もない。

 たぶん、一つにはブランドを立ち上げるという念願が叶い、思い残すことがないということがありそう。もう一つは、幼少時の殺人に絡んでいて、特に同級生が仮想的な人格として香月の中におり(ぬいぐるみが象徴らしい、鏡に映る自分は教師人格か?)、過去を責めていることもありそう。ですが、後者は具体的には未だ示されず。ラストまでに明かされるとしたら、そこが死亡フラグになっていそうな気もします。

 続くシーンが問題でして、過去編のもう1人の魔戒騎士候補生、元55ですね。花屋を営んでおり、息子と普通に幸せそうな過程である様子。そこへ南雲がやって来る。「ガロはいない」のメッセージ送信者だと突き止めたらしい。

 元55からの追加情報は、南雲らが体感ゲーム世界と思っているVRが実際には魔界/魔戒だということ。ゲームだと思ったら異世界に飛ばされていた、ということですな。それを真に仕組んでいるのは元13=葉霧宵刹ではなく、伽堂アザミであると。狙いはダークメタル。それ以上は元55にも分からないらしい。

 南雲が去ると、アザミがやって来るわけですな。このタイミングで現れるということは、元55を監視していたのか。そうだとすると、情報がリークされるのもアザミの計算のうちということになりそう。ともかく、邪魔だからか用済みだからかは不明ですが、元55はあっさり始末されたらしい。

 アザミは彼の子どもには殺害を告げただけで見逃してますが、たぶんアザミ的にはそのほうが「面白い」からだろう。こういう悪役は、自分的には沸々と怒りが湧きやすいタイプ(のラスボス)でして。つまり自分的にはやっぱり悪役は「コイツだけは倒しておかないと」感を出してくれるのが、自分的にはone of the bestです(さらにいえば、簡単に倒されて欲しくないという気持ちも湧く)。

 一方、香月に追い返されたも同然の空遠、夜に入って天羽涼介のバーを訪れる。この時点で空遠は覚悟の程が足りないことを自覚しているようですが、もしかすると天羽的にはまだまだ甘いのかも。このシーンでは、自分的には天羽が奏風大に引導渡した理由が明かされたことが大きいかも。1人しか残らないなら、自分が止めを刺してやる、と天羽も奏風も思っていたわけでしたか(自分的にそれで納得がいくかどうかは別ですが ^^;)。

 空遠としては、腹を括ったものの、どう括ったかといえば「ゲームを止める」でしたか。そこがたぶん天羽的には甘いような気もするんですが、自分的にはただ一人正気を保つと感じる南雲の路線ではあります。となるとプレイヤーの対立構図としては、天羽・香月 vs 南雲・空遠といったところか。

 アザミは今度は香月に接触しようとしたみたいですが、そこへ南雲が乱入。アザミ vs 南雲となりますが、力の差があり過ぎですな。そもそも南雲が戦いを挑めるレベルじゃない。南雲は選抜試験時のアザミを知らないから、甘く見ていたのかもしれません。

 アザミ、力の差を見せつけつつ、南雲のゲームに対する不信感と好奇心を利用して操ろうとしている雰囲気がありました。ゲームの主催は葉霧宵刹とミスリードを試みたようですが、肝心なところは今話では明かされずじまいですが。

 一方、空遠には葉霧宵刹が接触してくる。事実上の2人きりになるための時間停止とか、かなり大掛かりですな。葉霧としては空遠に人間不信、軽視、選民意識を与えたい模様。空遠が話に単純に乗るとは思えませんが、何らかの効果を葉霧は考えてるんだろうか。

 ともかくも四者四様でラストバトル開始、というところで次週へ。残り2話でどう物語に決着つけるのか、気になります。バトル自体は来週で2人脱落、再来週で勝ち残り1人、とか決着のつけようはあると思うんですが、そこへ落としどころ持ってくるのがなかなか難しそうに思えます。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/12 (Fri) 23:16:04

 週末感想です。

★ULTRAMAN

 エース登場編。

 一応、原作情報ですが、「夕子さんは死んでいない」と思われます。彼女の両親は亡くなりましたが。
 ただ、夕子は北斗の回想シーンのイメージシルエットにしか登場せず、顔も定かではない描写なので、「アニメでは死んでいた」と改変されても、後の話に大きな影響は与えないと思われます。

 さて、北斗が金にこだわる理由なんですが、義手とスーツのメンテナンス費用が必要だから。
 で、進次郎に自分を売り込んで、公的機関の科特隊にスカウトしてもらおうという算段ですね。
 それを諸星さんに「お前など必要ない」とバッサリ斬られるのが、次回の展開かと。

★牙狼VR

 最終決戦への仕込み回でした。

 ええと、この回のゲストの55番ですが、役者の西村和彦さんは「超獣戦隊ライブマンのイエローライオン」でして、ゴーカイジャーでもゲスト出演します。
 初めて、この作品が公認戦隊につながったな、と。

 よって、非公認のアキバブルー(アザミ)が、公認さまに下剋上したようなシーン。

 一方、南雲さんもアザミに殺された……と思いきや、ラストでゲームに参加してる?
 ええと、すでにホラー化してるってことはありませんか?
 自分的には、惜しい人を亡くしたと思っているのですが。

 そして貴音も、もう壊れているような描写がサイコスリラー的な描写で、ある意味、すでにホラー化しているようにも見える。

 久遠は覚悟決まったようなことを言っていたら、17番じゃなくて13番でしたか、の葉霧さんにちょっかい掛けられておりますな。

 本当にブレていないように見えるのは、天羽さんだけ。
 もう、この人だけが最後の希望のように見えます。

 しかし、あと2週で本当に牙狼が復活するのか?
 もしも、最終回で、スペシャルゲストとして、冴島家の誰かか、流牙か、絶狼か、神牙の誰かが出て来たら拍手ですが。
 あ、京本政樹さんのバラゴでも構いませんよ。

 とにかく、最終回で牙狼が復活しても、暗黒騎士が復活しても、何だか「ふうん、それで?」って感じのリアクションしかできない気がする。
 ゲームの決着は気になるけど、光と闇のどちらが勝っても、感じ入る可能性は薄そう。

 強いて言うなら、最後に歴代牙狼の英霊召喚して、おお、世界がつながった、と感じて、初めて満足しそうな自分がいるってことで。

 サプライズに期待します。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/13 (Sat) 22:54:51

 定期感想その3です。

 牙狼VRですが、やはり南雲はいったん死亡したんでしょうか。アザミが力を込めた感じのときの音からは、いったん自分もそう思いました。が、その後に南雲が低く唸っているように聞こえましたんで、止めまでは刺されなかったのかなと。

 ですが、自分でもちょっと分からなくなってきました。ラストでゲーム(魔界/魔戒)に戻って来た南雲が、実は以前の南雲ではないというのも、なかなか面白そうですし(例えば、退場した日向蓮に近い立ち位置になったりするとか)。

(ディケイド・スピンオフのほう、鳴滝のキャラが壊れていくような。謎めいていたのが、実はライダーオタクだったからみたいな印象が、自分には生じ始めてます ^^;。)

●仮面ライダーウィザード(第7話:思い出を買うために、第8話:新たな魔宝石)

 まず詐欺師編ですが、ちょっと綺麗に終わり過ぎたかなというのが、自分の好み的にはやや不満な感じです。前エピソードに続き、絶望まで至らないのももったいないか。流れ的には落ちるところまで落ちる前に改心し、しかもそこですかさず救済が入ったように思えます。

 もちろん、そういう話運びのほうが好みの人も多いでしょうから、作風、狙いとしてはまずいわけではない。ただ、フォーゼに続いて観ている自分としては(よく考えたらTVでのリアルタイム視聴も同じですね ^^;)、ついフォーゼ風を期待したくなるのかもしれません。

 ともかく本編。ゲストヒロインの川崎愛美が詐欺師確定となりまして、行方を追うわけですね。凜子がスポーツジムから追うのは、やはり警察官だからか。一般人じゃ、会員の住所とか聞き出せないですもんね。正体がライダーでも、世間的には一般人の晴人は、川崎愛美の被害者の1人、山形耕一の聞き込みから。

 山形耕一が言うに、川崎愛美の詐欺は勘づいてはいたとのこと。が、事を荒立てる気はなさそうで、理由の一端がノーム襲撃時の川崎愛美の行動ということですね。1人で逃げずに、まず耕一を逃がそうとした。根っからの悪人じゃない、ということか。前話のノーム襲撃シーンは自分も多少「あれ?」とは思いましたが、こうもモロにドラマに関わるとまでは思いませんでした。

 一方、愛美は逃走にかかってますね。自宅アパートと思しき場所ですが、6畳1間の家賃の安そうな感じ。この時点では、居所を転々としているからかと思いました。が、後の展開からすると、ひたすら金を溜めるため、生活費を最低限に抑えていたようです。だから大事な家族写真も飾ってあったのか。

 が、愛美が逃亡する前に凜子、晴人が踏み込んで来て、さらにノームも襲来。ノームはなんとかしのぐものの、またもや愛美は逃走。が、愛美の詐欺の理由を示す証拠が部屋に残されてたわけですね。ある一軒家の不動産広告チラシが多数ある。それが、実は愛美の実家だったわけでしたか。

 小さいころまで(小学低学年くらい?)幸せに過ごしていたものの、父親が詐欺に引っかかって大損失を出し、家を売り払われ、一家も次第に離散。最後に撮った家族写真が愛美をかろうじて支え、詐欺を働いてでも家を買い戻そうと決意してしまったわけか。

 見逃してくれと言う愛美と断りつつ励まそうとする晴人ですが、突如、その大事な家に火の手が上がる。愛美が最も愛するものを奪って絶望させようとするノームの仕業ですね。が、晴人が変身して消し止め、新指輪「スメル」の悪臭で反撃開始、ついにノームを仕留める。

 愛美もついに観念、出頭を決意しますが、そこへタイミングよく凜子到着。と思ったら、人情を解する配慮がありまして、山形耕一を連れてきている。耕一は家を買い取り、愛美の出所まで待つというわけですな(たぶん、詐欺で奪った金のほとんどは銀行口座にあるし、耕一も援助するでしょうから示談成立、刑事事件としては執行猶予じゃないかな)。

 まあ、綺麗にまとまってます。いい話です。だけどもし不満点を挙げるなら、自分的には落としどころをいい話にしようとし過ぎて強引かなあという印象です。そのことは、他にも表れてまして、愛美の家族が離散してから、大人になるまでのザッピング的な回想です。

 両親がいなくなったのは、どう見ても愛美が小学生のときくらい。そこから今エピソードでみるような大人になるまで、どうしていたんだろうと。両親行方不明(ないしは死亡)なら、親族が引き取るか、保護者の代理くらい立てるか等はするはず。となると、愛美がこうなるまで、そういう立場の人は何してたんだとか、ちょっと不審な感じもしてしまいます。

 愛美の不幸を強調するためか、その辺りはばっさりと描写を削ってあります。そのせいでどうもリアリティに欠ける。リアリティに欠けると感じると、愛美の行動、言動が胡散臭く感じたりもします。

 もうちょっとゲストヒロインのキャラの立て方を工夫してもよかったんじゃなかろうか。少し汚れているくらいのほうが光るのに、と感じてしまいました。もっとも、純然たる好みから来る、部分的な不満点でして(自分の好みがマイナーなのは自覚してますorz)、たぶん過半の視聴者にはこの話のままで受け入れられるとは思います。

 続く第8話ですが、もしかするとここから盛り上げていくのかなという気がしました。自分が観た平成ライダーですと、話数が2桁に入る頃からドラマ展開が本格化し、緊張の高まりもうねりながら上がっていく印象ですから、ウィザードもここからか、と。

 そのことはタイトル「新たな魔宝石」にも表れているような。たぶん、今話冒頭で白いガルーダなるメカ的な小鳥が運んできた赤い石ですね。これは今話では出てきただけですが、次週くらいで使われるんじゃなかろうか。そうなると白いガルーダについても、何か明かされるかも。つまり放った者についてですね。

 それはともかく本編。白いガルーダ、赤い石は上記の通りで、メインゲストは小学生の伊藤洋樹。グールに襲われたことからゲートらしい。その母親の伊藤美紀子が、奇しくも晴人とつながりある人物ということですね。晴人と両親が事故で搬送された先の看護師で、晴人も美紀子も互いに覚えている。

 その洋樹、かなりひねくれているというかすれているというか、保護しようとした凜子に「誘拐犯」と騒いで、誤認逮捕を招いたり、母親の美紀子が迎えに来ても拒絶したりする。やむを得ず、洋樹を骨董品屋(面影堂)に連れて行き、一晩お泊りとなる。

 これが功を奏しまして、やはり晴人が子供の頃に両親を失ったことを洋樹が知ったことが大きいかな。洋樹の不満の根本は、親に真剣に相手されていないと感じていることにあるようですが、「もし両親がいなかったら?」という発想が洋樹に生じたのかもしれません。

 ともかくも翌朝、洋樹は帰宅を受け入れて、晴人らと共に自宅に向かうわけですが、今度は母親の美紀子がファントム:フェニックス=ユウゴに襲われてしまってるわけですな。これは、晴人は小さいときのこともあり、激怒するのも当然で、変身して挑みかかる。

 ですが、フェニックスが予想外に強敵なわけですね。ありていに言えば、今のウィザードでは全く歯が立たない。ほぼいいとこなしで敗れ、川に落とされて次週に続く、か。たぶん(ではなく絶対 ^^;)、晴人は大ダメージに留まっているはずで、いったん拠点の骨董品店に撤退して、冒頭で出てきた赤い石で強化フォームとか出てくるかな。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/14 (Sun) 16:44:14

 定期感想その4です。

●仮面ライダーゼロワン(超(スーパー)お仕事大戦 バトル2)

 不破さんメインで3話めになるわけですが、OPの前説ナレーション、もしかしてだんだんおふざけの度合いを強くしているのかなあ。不破さんイジリということを隠さなくなってきた感じがします。まあ、終わってみれば夢オチでしたということで、多少羽目を外しても許されるということなんだろう。

 唯阿さんの話題とかシーンもちょこちょこあるわけですが、彼女もZAIAは辞職しまして、今は無職状態でしょうか。その隙(?)を狙って、滅亡迅雷が亡の個体としての復活を依頼して来たわけですね。

 不破さんについては飛電製作所でないなら、職探しは簡単ではないのかもしれませんが、唯阿さんですとおそらく次の職を見つけるのは難しくなさそう。あくまでも自分が見聞きした範囲なんですけど、(自分が経験した)コンピュータ系エンジニアですと、最新の技術知識と腕前さえあれば、迎え入れたい企業は少なくないはずです。

 腕の立つ上級エンジニアですと、自分のしたいことをやっている企業を利用するために就職している事例をよく見ました。気に入らなくなったら辞めて次へ行ってしまいます。上級同士のネットワークなんかもありまして、そのつながりを用いつつ、1人でやり続けてる人も少なくなかった。

 唯阿さんですと、劇中描写からは高い技量を持つことが示されてまして、そういう人材なら引く手あまたにもなるでしょうし、フリーランスで仕事を引き受けてやってもいけるでしょうし、ベンチャー設立も比較的容易にできそうです。

 そのように見えますんで、唯阿さんの転職サポートはスペシャル回でも必要ないかなあ、と自分的に勝手に納得してたりします(^^;。

 しかし不破さんはそうはいかずということで本編。まず博士ボットみたいな「発明家」はどうかということですが、イズに言われるまでもなく、不破さん向きではないですねえ。1人で黙々と考えたり実験したりって、猪突猛進の不破さんのキャラではなかろう。

 ミドリのような「農業従事者」もコツコツ系ですから、キレやすい不破さんに向かないだろう。複数の協力やノウハウも必要ですし。「宇宙飛行士」は不破と似たところがある雷電と反りが合わなかったことを、まだ抱えているようで不破さんが却下。

「大工」についても農業同様、他人との協調が必要、とのことですが、例に出してきたのが「最強匠親方」ですか。それだと、1人でもやれることは示されてたと思うんですが、復活後の親方チームのようでないといけないのかな。唯阿がイズ口調で割り込んだりしたのも強引で、ちょっと疑問の残る判定でした。

 ジーペンのような漫画家は、不破さんの画力に問題ありで無理と。そのシーンで懐かしの宅配ギアが再登場してまして、名前は「オクレル」だったのか。確か第2話でしたな。続いては「声優」ですが、猫の声真似を聞くまでもなく無理だろう。不破さん役の岡田龍太郎さんなら本業は役者ですから、声優もできるんだろうけど、この場合は劇中の不破さんですからね。

 モデルだ、歌手だ、俳優だと次々検討するも、やはり劇中の不破さんには向かないのは、言われずとも分かる感じです。お笑い芸人も或人ギャグがツボでは言わずもがな。祭田ゼットのようにもなれそうにない。

 それでようやく不破も自覚したのが、「自分は仮面ライダーである」ということですね。それが紆余曲折してたどり着いた夢であり、自ら見つけた存在意義でもある。というところで、夢オチだったという結末ですか。

 次々にイジリが続いたわけですが、自分的には単なるコミカル番外編でもなかったと、終わってから気が付きました。これだけいろいろ仕事(≒劇中の役柄)を持ってきても、どれも不破さんのキャラに合わない。今の不破さんのキャラを崩そうとしたら、かえって何かがくっきりしたような気がします。

 ということは不破諫の、独特で尖ったキャラが立っていたということになります。自分はそこに魅力を感じて、ときとしてドラマ上の主役と思えることもしばしばあったわけで。制作がそこまで考えて、シューティング・スペシャル~お仕事大戦2を作ったかは分かりませんが、仮に偶然にせよ、自分的には不破さんのキャラを再発見したような気がしまして、余興回も悪くなかったかなあと思っています。

 次回「ナニが滅亡迅雷を創ったのか?」は新作とのことですが、予告などを見る限りでは、ストーリー再開というよりは、滅亡迅雷視点での振り返りと情報整理かなと思います。ただ、NOVAさんの掲示板で紹介されていた「アズ」(黒イズ)の再登場はちょっと気になるかもです。もしレギュラーキャラになるとしたら、終盤に登場してドラマを作るキャラクターになりそう。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第17話:凄い銀色の男、第18話:恐竜ロボットドリルで大アバレ)

 2話分使って、戦隊側の新戦士:伊狩鎧/ゴーカイシルバーの登場、加入ですね。手掛かりのキーワードは「凄い銀色の男」で、探し当ててみれば、確かに凄いんですけど、あからさまにコミカルでもありますな。戦隊ものファン・オタクが昂じて、自分もなりたくなったタイプの「あるある」感が出ています。

 その点で、観ていて「あれ?」という感じすらしたんですが、よく考えたら自分の勝手な思い込みでした。その前のエピソードで「バスコ・タ・ジョロキア」が登場しまして、これが新戦士かと勘違いしたことで、新戦士のキャラに思い込み(シリアスキャラだろう、みたいな)が生じたようです。

 第17話では、伊狩鎧が登場早々、入団を志願するわけですが、マーベラスが言下に却下。まあまだ、ゴーカイ戦士の力があると知らないから、仕方ないかもしれません。しかし、第18話でマーベラスの言う条件「俺(マーベラス)が欲しいと思う、俺にはない何か」は、もう持ってるんじゃないかなあ。

 何かと申せば「歴代戦隊知識」ですね。ゴーカイジャーは歴代戦隊の力を使えるわけですから、戦術参謀として大事じゃなかろうか。歴代戦隊詳細知識は、マーベラスも他の団員も持ってないようですし。しかも、伊狩鎧は登場時点で既にアバレキラー、ドラゴンレンジャー、タイムファイヤーから認められ、力も授かっているわけですし(由来を示されたのは第18話ですが)。

 が、通過儀礼というやつなんでしょうか、マーベラスは逆に伊狩鎧が授かった力を奪い、危機に遭遇させるわけですな。ザンギャックの行動隊長オソガイン一行に遭遇した伊狩鎧、生身を省みずに立ち向かう。もちろん敵うはずもなく、あっという間に絶体絶命に。

 さすがにゴーカイジャーが介入しまして、マーベラスらが敵うわけない、ザンギャックを敵に回すことになると諭すも、伊狩鎧が傲然とザンギャックを倒すと宣言。マーベラスとしてはそれが聞きたかったわけでしたか。これで入団成立と。

 第17話のちょっとしたシーン展開に、少し思うところがありました。行動隊長アルマドンらが爆弾で騒動を起こそうとして、ゴーカイジャーに見つかる場面です。アルマドン、ゴーカイジャーに見つかるか否や、「巨大スゴーミンを囮にして街に爆弾を仕掛ける作戦になぜ気づいた!」と問われもしないことをべらべら喋っちゃってます。

 それで思い出したのが昭和ライダーなどの作風です。ここで何度も言ったことの繰り返しで恐縮ですが、昭和特撮の作風として、とにかく展開を急ぐことがあります。だから、いわゆる特撮ワープ等もテンプレートのようになったりもする。

 あくまでもそこをコミカルに誇張して、上記シーンをパロディのようにすると、例えば以下のようになるでしょうか。

(怪人らがビル内に爆弾を仕掛けようとしているところへ、非戦士のヒロインが遭遇)
怪人「ぬう、見られては仕方ない、始末してやる」
ヒロイン「そ、そんなことはさせない!」
(ヒロイン、近くにあった火災報知機のボタンを押す。すかさずヒーローが生身状態で駆けつける;さっきまで拠点でコーヒー飲んでたはずだったりする)
ヒーロー「どうした!」
ヒロイン「あれが!」(怪人を指さす)
ヒーロー「なんだと! あちこち爆弾を仕掛けて社会を混乱させるなど、この俺が許さん!」(なぜかもう全部知っている)

 こんな書き方すると揶揄しているようですが、もちろん説明用に誇張しているからでして。しかし実際には、自分はそういうもので大いに興奮し、喜んでたわけです。ですもんで、第17話みたいな運びがあると、(たとえギャグ狙いだとしても)それで昔の快感の記憶を刺激されたりします。

 類例では、オーズで過去の戦闘員総出撃で、前に申したと思いますが、いったんプッと吹き出しておきながら、同時にじわっと燃えるものがあったりしました。これも昭和ヒーロー物の快い記憶の為せる業です。

 もしかすると、制作側にもそういう感覚を持った人がいたりするのかなあと思えたりもします。もしそうならですが、こういうちょっとしたお遊びで、上手いこと乗せられていることになります。こういうの、ゴーカイジャーのメイン視聴層の親世代を刺激する狙いもあったりするかなあ、とか、いろいろ妄想も膨らむ次第です。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/16 (Tue) 08:52:18

 週初め感想です。

★ゼロワン

 3週に渡って、不破さんの夢話でした。
 結論、「俺の夢は仮面ライダーだ」
 素晴らしい。正に主人公。

 これが「俺の夢は戦隊だ」ということなら、チーム性の欠如を理由に「不破には無理だ」と却下されるかもしれませんが、仮面ライダーにはチーム性はなくても何とかなるかも。
 ええと、必要なのは、「悪の組織に対する反抗心」とか「自由を愛する強い意志」とか「一人でも、一人でも守るロンリー精神」とか「変身ベルト」ですね。
 うん、合格。

 ただし、2号ライダーにありがちな「バイクがない」のが欠点といえば欠点。
 不破さんにもバイクと、専用の挿入歌が欲しいと思った回でした。

 しかし、夢オチによって、不破さんの中の刃唯阿さんのイメージがいろいろ推察されたのが笑えますな。
 何かとダメ出しし、首チョップを連発し、でも、反論されると意外と凹みがちな情緒不安定キャラが、不破さんの中の唯阿さん。
 攻撃的なんだけど、防御が甘い(打たれ弱い)のがバルキリーで、何だかんだ言って非常にタフなのがバルカン。3週に渡って、さんざん玩具にされて、それでも最後は仮面ライダーマンセーに至るメンタル強い夢のヒーロー、不破さんに痺れる憧れるな回だったということで。

 ゼロワン2話分、不破さん3話分、滅亡迅雷が次週の1話分というところに、この番組の重点の置き方も分かったわけだし。
 そして刃唯阿さんが、不破さんとの絡みで、実に生き生きと毒舌全開キャラになることも。刃さんがツッコミ入れて、不破さんはボケたり、受けたり、まるで大輔花子みたいな夫婦漫才を見せてもらった気分。

 さて、次回はアズさん再び、に注目したいところ。
 ところで、迅が復活した理由について、そろそろ知りたいんだけど。

★ウィザード

 女詐欺師の回と、続く少年回は、ゲストとの交流に合わせて、「晴人が両親を幼いときに事故で失っていて(ファントムとは関係ない)、亡くなる直前の親から最後の希望と言い遺された」という主人公背景が語られました。

 つまり、「俺が最後の希望だ」という決め台詞の由来ですな。
 そして同時に、ウィザード全体のテーマが、「子どもを想う親心」に結実する伏線でもあります。

 親から想いを受け継いだ子どもの夢が、その人の希望であり、そこをファントムが絶望に変えようと狙ってくる。
 あるいは、瞬平で描かれたような、子どもの時から抱き続けた憧れや夢でしょうかね。

 瞬平の場合は、「魔法使いになりたい」という夢でしたが、実のところは「魔法使いになって、みんなを助けたい」という夢だったので、「魔法使いの助手になって、みんなを助ける手伝いができる」という形で結実できたわけですが、

 例えば「クリエイターになりたい」という夢があって、それが「クリエイターになって、みんなを感動させたい、楽しませたい」ということなら瞬平みたいに救われることもできるのですが、「クリエイターになって、みんなからチヤホヤされたい、称賛されたい」って自分本位の想いの方が強いと……そこをファントムに突かれて、容易く絶望させられる。

 ウィザードを見ていて思ったのは、自分がゲートの立場なら、どういう絶望の仕方をするか、どういう希望なら救われるか、ということだったのですが、
 この女詐欺師の回は、「過去に縛られすぎて、そこから先に進めなくなったこと」を晴人に指摘されることで、救われるわけですね。
 その後の「金持ちが家を買ってくれる」ことについては蛇足だけれど(同じ脚本家なら、金で解決しなかったゴーカイのアイム回の方が清々しい)、ただ、あれはあれで、男側からのプロポーズで、未来の家族というメタファーとして家というものを描いたと考えれば、スッキリするかな。
 女詐欺師が求めていたのは、家そのものではなく、愛情あふれる家族だったということで、そう考えるとゼロワンの住田スマイル回にも通じる「家は家族の想いの象徴」という形に結実しますな。

 そして、家族テーマを受け継いだのが、次の母子回。
 ゲストドラマに見せかけて、実は晴人にとっての「最後の希望」を掘り下げる回。

 晴人の中のファントムは、ウィザードに力を与えるドラゴンなんですが、そのドラゴンは「晴人の中の希望」を餌としている。
 だから、ドラゴンが晴人の希望を食べ尽くしたら、晴人は絶望してファントムに乗っ取られてしまうのですが、晴人の意志は強固なので無尽蔵の希望を生み出すわけです。
 そこにドラゴンが感じ入って(何せ無尽蔵の餌なのですから)、食べ尽くすよりも長く味わう契約に至って、ウィザードのパワーアップにつながるドラマだったと記憶します。

 この契約者と内面のファントムの関係が、後のビーストの食餌関係において強調されるのですが、
 こうなるとファントム=必ずしも悪ではない。悪いのはファントムの力で人間社会を脅かすワイズマンの意思という流れになるわけですが、
 メデューサたちにファントムを増やすように命じておいて、実は……という展開。
 ファントムを越えた先に、魔法使いがいるということがドラマの縦軸になるわけですが、そういう伏線を感じさせるのが次回かな、と。

 黒マントに赤い宝石の仮面&アーマーというのが、ウィザードの基本フォームですが、マントが赤くなって、いかにも戦隊レッド的なカラーリングに強化されるわけですね。
 視聴当時は、元の黒の方がシックかつスタイリッシュでいいと思ったのですが(赤だらけだと派手すぎて安っぽいと思ったり)、まあ、子どもは分かりやすく派手なカラーリングの方が喜ぶのかな、とも。

PS.ゴーカイは長くなりそうなので、記事を分けます。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/16 (Tue) 10:39:56

 ゴーカイ感想。

 シルバー登場の経緯は、昔見た記憶に基づいて書いてましたが、見返すと大筋では間違っていないものの、描写の段取りが修正した方がいいと思ったので、その辺をフォロー。

>登場直後に死んでしまう

 17話で登場して、死ぬシーンの回想が描かれたのは18話でした。登場直後ではなかったですね。
 先に謎の男登場→活躍を見せてから、出自を回想で見せる段取り。

 自分の中では、劇中描写順ではなく、時間軸の順で記憶されていたようです。

 ともあれ、この勇気を示して死んで、超越者より力を授かって、病院のベッドで復活して、看護士さんが悲鳴を上げるシチュエーションは「帰ってきたウルトラマン第一話」のオマージュです。

 アバレキラーさんが、まさかの顔出し出演で、ウルトラマンジャック(新マン)の役どころ。
 もう、「お前の無茶ぶりに、昔の知り合い(アバレッド)を思い出して、ときめいた」というセリフで、こっちが昔を思い出して、ときめく、という作劇。
 アバレンジャーでときめくだけでなく、帰ってきたウルトラマンでもときめくという二重のツボなわけで。

>ハカセは大喜び

 してませんでした(苦笑)。
 ええと、ハカセと鎧の関係は、次回の19話で結果的に良好になります。
 自信のないキャラのドンさんが、自信に満ち溢れた凄い男の鎧くんに圧倒されて、自分の存在意義を迷うのですが、「ドンさんの長所を指摘して、丁重に、しかし熱く持ち上げる鎧くん」にヨイショされて、こいつはいい奴だ、と感じ入る話。

 大体、6人目が入ると、既存メンバーとの人間関係の軋轢で、しばらく6人目と他のメンバーの交流回が続きがち(一人ずつ描けば、それで5話分)。
 6人目がクールキャラだと、それまでクール担当だったキャラがコミカルに脱落するとか、チームの役割分担にも変化が出てくるのが面白い(フォーゼだと、弦太朗のパートナーだった賢吾が、流星の登場でやきもきするとか、立ち位置が被ると人間関係のトラブルにつながるところが、ドラマとしてリアル)。
 でも、そこをどう上手く解決するかが、子供番組として人間関係の教科書にもなるなあ、と(一部、大人にも有効)。要は、チームに求められている役割を素早く察して、順応できるかどうか、ですからね。

 ゴーカイチームはアウトロー集団なので、ストレートな熱血漢がいない。その中で、未熟ながらストレートだったのがハカセだったので、もっと押しの強い後輩に立ち位置を奪われるとの危機を感じたのでしょうが、「押しの強い後輩が、自分をしっかり立ててくれる」と分かって、安心感につながる、と。

 なお、戦隊マニアの鎧くんは、後の作品でゲスト出演したときも「後輩の戦隊にさえ、○○ジャーさん」とさん付けで敬意を示すキャラ。
 ハカセさん(アイムはそう呼ぶ)ではなく、ドンさんと実名にさん付け(劇中で呼ばれることのなかった実名を知っているだけでも凄い)するだけでも、決してないがしろにせず、敬意を示していることが分かったり。

>訓練しているわけではないので、素人的な突撃戦法

 まあ、槍という武器から、そんな印象も持っていましたが、素人というには、実によく動いていることに、前言撤回させてもらいます。
 一番感心したのは、変身前の生身での戦いで、役者が結構、動けるところ。さすがは後に魔戒騎士になる男。やるなあ。

 もちろん、生身だと攻めているときはよくても、防戦に入るとピンチなんですが、それでもタフで、ヘコたれませんなあ。
 そこは戦隊の加護が働いているのか、持ち前の戦隊魂なのか、とにかく打たれ強い。この陽性で諦めないのが、彼の最大の武器かな、と。

 で、ここから、さらなる感想です。

>さわやかなゴーカイジャー

 「やあ、みんな」と子どもたちに明るく呼びかけるマーベラス。まるで、オロナミンCのCMに登場した刃唯阿さんみたいな、本編とのギャップぶりに笑えます。
 唯阿さん、CMでは「絶対にあきらめるな」と前向きに応援してくれているのに、不破さんに対するダメ出しっぷりとのギャップがひどい。CMで「お前には無理だ」と子どもたちに言ったら、間違いなく降板でしょうな。

 って、何で唯阿さんの話に(苦笑)。
 ええと、ルカさんの話で立て直し。「はあい、みんな、あいさつはできてるかな」と優しいお姉さんぶりのルカさん。
 何それ、と自己ツッコミ。

 アイムだけが「私だけ、いつもと変わらない」という天然ボケを担当したかと思えば、
 存在を忘れられてるドンさんが究極のオチ担当。

 もう、この鎧くんの「理想の戦隊妄想」に当時も、今回も大爆笑でした。
 これで笑えるということは、それまでのマーベラスたちがいかにアウトロー演技が板についていたか、ということですね。
 「まじめなカーレンジャーが似合わない」のと同様に、「さわやかなゴーカイジャーが似合わない」というのが、戦隊ごとのカラーを熟知している脚本家のいい仕事です。

>鎧の宣言

 「ザンギャックを倒して、宇宙を平和にする」
 この鎧の決意表明こそが、この番組の転機となります。

 実は、ゴーカイジャーの面々、「宇宙最大のお宝を手に入れる」ことは目的でしたけど、ザンギャックを壊滅させようなどとは考えていなかったんですね。
 というのも、ザンギャックの組織規模がとんでもなくて、「たかが一隻の海賊船で立ち向かうには絶望的な戦力差」なわけです。

 今の時点で相手できているのは、「バカ王子の率いる先遣隊」でしかなく、本隊が攻めてきたら、尻尾を撒いて逃げるしかない。
 つまり、敵側が本気でないことは、ゴーカイジャーの面々も分かっている、と。

 だから、お宝探しを邪魔するザンギャックとは成り行き上、戦っているし、
 目の前で襲われている人々を見捨てないだけの義侠心は持っているけど、
 ザンギャックを壊滅させるなんて発想は、マーベラスさえ持っていなかった。

 だから「ザンギャックと戦う覚悟はあるのか」と確かめたときに(不利な戦いに、遊び気分で乗り込まれても迷惑だ)、想定した答えよりも、もっと大きなことを言ってのける鎧に感じ入った、と。

 なお、ここで鎧の視点ですけど、「ザンギャックの強大さを知らないから大口叩いた」と見なす向きもありますが、スーパー戦隊マニアの彼だからこそ、歴代スーパー戦隊の凄さを歴史上の事実として知っているんですね。

 宇宙の多くの星を侵略した大星団ゴズマから地球を守ったチェンジマンや、同じく宇宙規模の巨大な銀帝軍ゾーンから地球を守ったファイブマンなど、凄い先輩方を知っているからこそ、「宇宙規模だろうと、スーパー戦隊は負けない。必ず勝ってみせる。それがスーパー戦隊ってもんだろう」って根拠ある自信を持っている。

 マーベラスたちにないものと言えば、「故郷の星を絶対守り抜くという信念と、それが不可能ではないと言いきる強固な自負心」
 言わば、メンバーの誰よりもスーパー戦隊の凄さを熟知している男が加わることで、ただの宇宙海賊アウトローが、信念をもって巨悪と渡り合う35番めのスーパー戦隊に名実ともに昇格する流れが描かれた、と。

>ゴセイジャーのレンジャーキー

 バスコとの戦いの後、映画のエピソードが挿入されていますね。
 ゴーカイジャーが前作の戦隊ゴセイジャーおよび、それまでの全戦隊とVS共演する大作映画が。

 で、映画に顔見せ出演した歴代OBから11もの大いなる力を授かって、ゴレンジャーのバリブルーンと合体したゴレンゴーカイオーで勝利した話。

 それを受けての、鎧くん登場で、ゴーカイジャーの面々にも「もしかして、スーパー戦隊の力って、自分たちが思っているよりも、凄いんじゃないか。だったら、宇宙最大のお宝というのも、とんでもないんだろうな」と期待するものもあったわけで。

 もちろん、当時の視聴者も、これで、どんな物語の引き出しを畳むんだろう? ディケイドみたいにならないといいけど……と不安と期待を抱えていたら、最後まで凄かった。
 うまく風呂敷を畳んで、盛り上げてくれたなあ、って作品です。


 で、次回ですが、ドンさんと鎧くんの交流回の後は、星獣戦隊ギンガマンですね。

 ギンガマンの敵は宇宙海賊バルバン。つまり、宇宙海賊というものに、強い不信感を持つレッドをどう説得するか、です。
 もう一人のゲストは、レッドの兄の黒騎士ヒュウガ。このヒュウガはレッド候補だったのですが、第一話で敵の襲撃を受けて行方不明になり、弟がレッドになるというドラマからスタート。
 やがて、生きていた兄との再会ドラマから、兄が異星の戦士である黒騎士ブルブラックの魂を受け継いで、6人めの戦士に、とか、いろいろなドラマを内包した傑作の一本ですが、

 このヒュウガを演じた役者さんが、それ以前に忍者戦隊カクレンジャーのニンジャレッドを演じていたり、今はULTRAMANのアクションCGの元となるモーションアクターをやっていたり(ハヤタパパの担当)、いろいろと関連ネタが。
 まあ、それを言うなら、タイムファイヤーの役者さんも関係してくるのですが、CGアニメと言っても無から作るのではなくて、アクション物ではそれを演じるアクション俳優がいるわけで、かつての仕事の実績とコネから、新しい仕事につなげる役者さんのバイタリティーとか応援したりしながら、その一分なりとも自分の活力に変えていきたいなあ、と思いつつ。

 やはり、頑張っている人の姿から元気をもらいたい、というのがヒーロー番組やアクション物を見る醍醐味ですしね。

 子ども番組と侮るなかれ。作っている人たちは、子どもへのメッセージを真剣に考えて、みんなを勇気づけたいと本気で考えている大人たちだ、というのが、昔からの番組視聴の信念だし、それは今も変わりないと思ったり。
 最近は、童心に帰ることがアンチエイジングになる、という意見も聞いて、ヒーロー好きやってて良かったな、とも。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/17 (Wed) 17:58:04

 定期感想その1です。

 ゴーカイジャーの鎧の戦士としての出自回想シーンですが、NOVAさんは病院のベッドでの生き返りに注目され、なぜなら帰マン第1話のオマージュだったからでしたか。自分は帰マンの該当シーンを覚えておらず、当然、オマージュだと気づけもせずでしたorz。

 自分的に鎧回想シーンで印象的だった点を挙げるなら、トラックにはねられても、いったんは平気な顔をして立ち上がり、助けた子の無事を確認してから倒れたことですね。そのシーンがありましたんで、後で敵に叩きのめされても、何度も立ち上がって来ることに納得できた部分があります。

 最後の「子ども番組と侮るなかれ」に頷くものがありました。自分としても、「子ども向け」と「子供騙し」は違う、と前に書いたような書いてないような。「子ども向け」は視聴ターゲット最年少は何歳くらいかであって、真剣に作ったものは大人も喜ぶことは数多の事例がありますもんね(宮崎駿監督作品を例に出すまでもないかも)。

 一方、子どもに見せるからと安易になった「子供騙し」はあかん。大人向けの要素を入れるとか称して、「子供騙し」になってるのもいかん(お色気さえ入れとけば、みたいな)。子どもって意外に鋭いですからね、安易、いい加減は見抜かれるはずです。……自分は騙されること多々だったりはしますがorz。

●ULTRAMAN(第10話:星団評議会)

 気を取り直して感想。

 スクルーダ星人のアダドは、ウルトラマン(初代)に出てきたダダを思わせる風貌なんですが、もしかして名前もそこを意識してるのかなと。ダダ→DADA―(末尾のAを先頭へ)→ADAD→アダドとか。しかし、他の異星人はそういう名前遊びはなさそうなので、やっぱり関係ないのかなあ。

 それはそれとしまして(^^;、前話で北斗星司について間違った解釈をしていたと、今話を観て反省です。エース状態の星司が進次郎に対し、兄さん→先輩と呼び方を変えたのは、もしかして動揺ゆえかと疑ったんですが、今話を観てみますと、星司は一貫した戦略で動いている印象が強い。となると、前話の動きも全て計算ずくで、エースの腕の損傷くらいは想定内のアクシデントだったと考えるほうが筋が通りそうです。

 ともかく本編。星司の背後にいるヤプールが登場しまして、壊れたエースの腕を修理する間、日常用の義手を渡す。後のシーンで航空機事故で救出された子どもが四肢損傷と暗示されてまして、尋問シーンではケムール星人エドが星司がそのようだと見抜いてます。

 事故から生還したのはまず間違いなく星司でしょうし、生身でも大人数人を容易に倒せたのは高性能義肢のお陰ということでしょう(自分的には「600万ドルの男」を連想するし、ヤマトの真田技師長もそうでありますな)。日常用義手でも人間相手なら充分な力があるらしく、例の悪党狩りで稼ぎに行くつもりらしい。こちらで伺った通り、ヤプールと組んでの資金源ですな。

 一方、アダドはベムラーに会って、12年前の航空機事故について問いただす。墜落させた犯人ではなく、むしろ事故を防ぐために現場に行ったんじゃないかと。この後、アダドはヤプールについて天才技術者と評してまして、だんだんつながって来ますな。

 ラスト近くで明かされたのが、どうやら北斗星司(仮名)は航空機事故で誰かに救われ、ヤプールが育てたということですね。ヤプールは「一家」に加えて星司も、と言ってまして、流れからすると「一家」は未登場の南夕子一家なんだろうか。

 一方、進次郎は記念館でエースについて考えてまして、エースの言い草から星司だとほぼ断定してます。そこへやって来たのがレナで、今回も変装がなんともはやと言うしかない。眼鏡+帽子ですか。マネージャに言われた皮肉を真に受けているらしい。進次郎にレナと見破られ(?)、驚いていることから、あの変装で誤魔化せる自信あったんだと呆れるばかりです(^^;。
(もしかすると、レナファンの間にはお約束「レナが眼鏡かけてたら別人扱いしてあげること」みたいのがあるのかもしれません。もしそうなら、あの変装に自信を持ってしまうこともあり得そう。)

 バレては仕方ないので、レナとして進次郎と話すわけですが、相変わらず進次郎と以前に会っていることを思い出せない様子。進次郎がライブ会場にいたと告げるも、レナは調子を合わせてはいますが、思い出せているかどうか。

 もっとも、進次郎も生身のときとウルトラマンのときのことを混同している節もあり、ついウルトラマンとしての救出劇について言及してしまったりもしてますな。が、レナには進次郎=ウルトラマンとバレてないことになった模様(レナは確信を深めつつあるかもしれませんが)。

 が、そこへ異星人(たぶん超獣)出現の報が進次郎に届き、現場へ急行、セブンとともの対処を開始。ですが、超獣は既にエースに首をはねられ、始末された後でしたか。セブンが超獣にどの程度対処できるか、観てみたかった気もします(^^;。ともかくも、セブンとエースの初対峙。

 この様子はジャックも盗撮・盗聴していたようですが、セブンが気づいて阻止ですか。注意力が高いのか、センサーが充実しているのか。ともかく、セブンとエースのサシの話し合いとなり、エースもヘルメット脱いで星司の顔を晒す(進次郎がエースの正体を追うドラマはなしかあ)。きちんと自己紹介もし、科特隊入隊を志願する。

 が、その程度ではセブン=弾の態度が軟化するはずもなし。とっとと科特隊に連行され、井出が尋問してますね。少なくとも面接ではない。ハーフミラーの別室から弾とゼットン星人エドが成り行きを見つつ、星司について語ってます。偽名にして身元不明、四肢は義肢であり、エーススーツ含めて地球の技術ではないとかですね。

 星司は自らについて進んで語ってまして、幼なじみらしい(南)夕子という異星人のことや、星団評議会含む世界の状況や、自分が異星人の街で育ったことなど。ただ、星司の話がどこまで真実かは、科特隊を離れた後の様子などからして怪しいものがありますな。弾は星司の話を疑ってますし、エドは星司の背後に誰かいると考えている。ただ、星司は相当に苦労していそうで、地球人と異星人の間のスタンスではありそうです。

 星司は帰されますが、その背後を探るべく、泳がせるためであるわけですね。しかし星司もそこに気が付いている。つまり、尋問されることも、何も得られず帰されることも、想定内だった。ここまで来て、先に申しましたように星司の動きは一貫した計算ずくらしいと気が付いたわけです。

 一方、帰宅した進次郎に進は「諸星ににこっぴどく怒られたようだな」と声をかけてまして、正体が星司にバレていたこと、それを知った弾の反応とか、進にはお見通しだった模様ですね。進次郎はどうして正体が知られたのかといぶかしむ。進には心当たりがありそう。

 すかさずシーン変わりまして、ジャックがビール飲んでるところ。一瞬、「じゃあ、ジャックから情報漏洩か」と思ったんですが、すぐにアダドがやって来まして分からなくなりました(彼の好物らしい「焼き鳥」、食ってみたい気がします ^^;)。しかも、アダドが天才技術者ヤプールの名前を出す。しかし、アダドはヤプールが「ある情報屋とつながっている」と言い出す。

 会話全体からはやはりジャックが怪しいとなりそうです。が、アダドは何を考えているか分かりにくいですし、ヤプールもまだ人物像が明らかではない。ジャックが情報(進次郎が現ウルトラマン)を持っているのは確かですが、どこからどう漏れたかは不明な感じです。

 その頃、星司はヤプールと通信してますが、ヤプールは星司の行き過ぎを持て余している感じがあります。それでも止められないのは、南夕子についてヤプールに悔いるものがあるからしい。続いて、過去を回想してますな。例の航空機事故のことでしょうな。

 星司視点で大人の男女が見えてまして、女性のほうは助けようとしている。そのときの台詞が「この星の人を犠牲にしたくない」ですから、異星人なんだろう。南夕子自身は映像にありませんが、その一家ということで間違いあるまい。

 さらにややこしいことに、その頃(と最初勘違いorz)、ヤプールとベムラーが会って、話してます。ベムラーがヤプールの偽装について何やら言ってます。一瞬、星司がヤプールと通信切った直後だと思ったんですが、ベムラーが「この子はどうする」と言い出して、ヤプールが「面倒見る」と応えていることから、例の航空機事故の後だと理解しました。

 ヤプールが、自分のせいで「あの家族があんなことになっちまった」と言ってますんで、星司がヤプールを責めたことと関係ありそう。ベムラーが救出に関わったことも、会話から読み取れそうです。ヤプールの「どうせ一家族面倒見る」という台詞から、予習「南夕子は死亡」が怪しくなってきた気がします。アニメで変えてきたんだろうか。

 というところで次回へ、か。後、3話ですね。タイトルからすると2話先でエースキラー登場、続いて最終回で一応の締めとなるらしい。が、コミックは継続中でその先もあるし、アニメ2期もあるとのことですんで、中間的な落としどころまで行くんでしょうな。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/19 (Fri) 07:45:41

 週末感想です。

 おっとその前に、先日、アローバースの昨年末クロスオーバー「クライシス5部作」の映像ソフトが発売され、自分も購入しました。
 グリーンアローことオリバーの死を描いた、ある意味、シリーズ最終章的な作品です。まあ、ラストでオリバーの死を悼んで、アローバース版ジャスティスリーグ結成に至り、新たな始まり的な回でもあるのですが。
 その後、シリーズがどうなったか、コロナ禍もあって未チェックですが(新ヒロイン「スターガール」の物語が始まったとは聞く)、また、時間を作って動向を確認したいな、とも。

 でも、一番時間がない原因は、YouTubeでいろいろな過去作を追っかけられるようになったから、という嬉しい事情もありますね(笑)。
 お互い楽しみつつ、毎週の消化が大変だとも思いますが、適度に見るものを選んで、鑑賞感想を堪能していければいいかな、と思います。

 ともあれ、共に見ている作品の感想のやり取りを、こちらも楽しめていると申し上げておいて。

★ULTRAMAN

 自分、少し誤解していたことがありまして、この作品が牙狼VRと同じ時期に終わる感覚でいました。

 実際は、あと3話ですから、2週長く続くわけですね。

 で、今回は……まあ、仕込み編2ですな。前回登場した北斗のキャラの掘り下げが行われましたが、バトルらしいバトルは行われず、会話劇に終始した、と。

 諸星さんが北斗くんをしつけるバトル編は、次回になる、と。

 この北斗のエーススーツの優れている点は、飛行機能がスーツに仕込まれている点と、変身能力ですね。
 進次郎と諸星さんのセブンスーツは、あらかじめ基地内で装着してから出撃という形で、外部での変身・緊急装着はできない仕様です(ライブ会場でのシーンは、アニメならではの改編もあって、その辺の描写が曖昧でしたが)。

 原作では、進次郎が生身で北斗と会話している際に、話し合いがこじれて、エースがその場で変身。生身でピンチの進次郎に、「甘ちゃんのお前は引っ込んでろ」って感じに、スーツ装着済みの弾さんが介入して、セブンがエースに教育的指導のバトルを行う展開に。
 その際に、北斗が「お前たちに正体を隠して暮らしている宇宙人の気持ちの何が分かる?」と激昂したら、弾さんがクールに「ボクも宇宙人だが何か?」と打ち明けるシーンが好き。

 この「お前に何が分かる?」というのは、フィクションではしばしば、甘えた子どもの言い分のように描かれ、要するに、自分と同じような境遇で真っ当に生きている者の存在を想像できないぐらい、視野狭窄、想像力の欠如に陥っているのかな、と認識しています。
 まあ、孤立して誰からも理解されない哀しみを描いて、同情すべき存在として提示するための手法かな。

 逆に、経験を積んで苦労している者が、若輩者に「お前に何が分かる?」と上から目線で接する使い方もありますが、そこから理解のためのコミュニケーション作劇が始まったり、相手の過去が気になって調査することになったり、ある意味、定番セリフですね。

 とにかく、次回の展開はエース編のクライマックス。

 そして、最後がエースキラー編の前後編にして、本シーズン最終決戦。これでエースの因縁物語に決着が付くとともに、進次郎の覚醒および、ハヤタパパとの共闘(後に出てくるゾフィースーツではなく、ブラックウルトラマン的なスーツでコミック版は描写)。
 とにかく、最終話に向けての勢いが加速する流れですね。

 なお、現在制作されているらしい第2シーズンは(コロナ禍で遅れている可能性も十分考えられますが)、タロウ編にして、舞台もニューヨークになったりします。
 要は第1シーズンが日本編で、第2シーズンが世界編にストーリー規模が広がる感じ。

 味方がチームになっていく分、敵宇宙人も単独犯行から組織規模になっていき(その端緒がエースキラー編)、先々が楽しみに思える流れですな。
 まあ、まずは今、見られるものを堪能しようかな、と。


★牙狼VR

 最終1話前。

 この回は、南雲さんの最期に泣けてきます。
 前回で、アザミの襲撃に遭った南雲さん。あの後、アザミに乗り移られていたんですな。
 人が変わったかのように、空遠に凶暴に襲いかかり、激しいバトルの末に、空遠の懸命の説得で正気を取り戻す。体内のアザミを追い出して、VRと牙狼について分かった真実を空遠に伝え遺すも、自身は誇りのために、黒幕のアザミを倒そうと反抗し、そして返り討ちに遭うことに。

アザミ「苦しみ、のたうち回ってシネ」
南雲「そいつは聞けねえな。こっちは格好付けるのが仕事なんだよ」

 こういう応酬セリフが好き。
 負けると分かっていても、散り際にどれだけ格好いいセリフで誇りを演出できるかが、キャラの生き様に掛かってきます。
 現実では、ここまで格好つけるのは無理にしても、こういう逆境での誇りは見習いたいもの。

 そして空遠に思いと誇りを託し、見取られながら、最後に本音的な一言「やっぱり死にたくないな」と呟いて消失する演出に、共感し、泣けました。
 自分の本作における感情移入大賞は、南雲さんに決定。惜しまれつつ、主人公を激励して散る助演役を全うしました。


 一方、「お前に何が分かるんだよ」のサイコ殺人鬼っぽい貴音くんは、天羽さんにその陰我を断ち切られました。
 貴音くんの背景は、「母親からの虐待を受けて、返り討ちに親殺しをしていた」ことでしたか。まあ、同情すべき理由で腑には落ちたけど、個人として共感はできない系のキャラですね。
 中性的な外見も、ウサギの人形も、自分の中に欠如した母親ロールを構築して、崩壊しかけた自我を維持していたとか、いろいろドラマ的、心理的に分析できる面もありますが、あまり楽しい作業ではないかな、と。

 まあ、タイプの違う退場キャラとして、南雲さんと対比すべき存在で、自分が共感できないキャラも群像ドラマとして、味わうことには意味があると思います。
 好きではなくても、理解と分析は多少ともしておかないと、と思いますし、こういうキャラをボロクソに罵って、自分の心をスッキリさせて終わり、というのも芸がないですからね。

 「お前にボクの何が分かるんだよ」のセリフに対して、「分かるわけはないが、受け止めてやるよ。だから迷わずシネ。お前はこの殺人ゲーム向きだが、不幸なのはこの俺と戦ったことだ」と本当にブレずに格好いい天羽さん。
 視聴者には、断片的にも貴音の心情が見えるように作劇されていても、たぶん、天羽さんにはほとんど伝わっていない(苦笑)。だって、狂気に苛まれた貴音のセリフは、そこだけ切り取っても、第三者に意味を為すように提示されていないから。

 天羽に殴られて、母親に虐待された回想がフラッシュバックし、「お母さん、最期の時まであなたの顔を見たくはなかった。ボクはただ生きていたかっただけなんだ」と必死に天羽さんに母親のイメージを重ねてすがり付く狂気。
 天羽さんからすれば、「こいつ、何が何だか分からねえけど、ややこしい背景があって、可哀想で必死なのは分かった。だったら、その妄執を断ち切るのがせめてもの情けと言ったところか」 まあ、こんな感じの侍精神なのかな、とも。

 そして最後に、空遠と天羽さんの一騎討ち。
 空遠に対して、「死んだ奏風との因縁」をつぶやき、「やっぱ、昔からの親友を失うのは辛いよな。最後の相手がお前で良かったぜ」と、自分の心情を吐露する天羽さん。
 親友の死を経験して、その上で戦う意志を固めた空遠に対しては、弟を見る兄貴のようなシンパシーが込み上げたのか、それとも貴音の狂気にさらされて、まだ理解できる男の顔を見てホッとしたのか。

 そして、覚悟完了した者同士の最後の決着を、牙狼の鎧はいかなる形で受け止めるのか。

 感化されたっぽい人形? シンギュラリティに達したヒューマギア? っぽい進行役娘に魂は宿るのか?
 アザミと葉霧にいかなる末路が待っているのか?

 とりあえず、牙狼ファンとして、納得できる最後を期待したいと思います。

 鎧のミラクルパワーで、みんな生き返りました。このゲームはなかったことに、という夢オチめいたものだけは、物語としては安易な締めくくりだけど、キャラファンとしてはそれでもいいのかな。
 でも、そうなったとしても、貴音の悲劇は消えないよね。

 アザミ勝利エンドだけは、回避して欲しいと思いつつ。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/20 (Sat) 16:53:07

 定期感想その2です。

 と、その前に。NOVAさん、アローバース・クライシス最新作リリース情報、ありがとうございます。ライダー物のネット視聴とかで、完全にうっかりしてました。慌てて某巨大通販サイトで検索、さっそく購入しました。たぶん明日辺りに到着しそうです(一気に観る時間を確保できるかはちょっと流動的)。

●牙狼VR(第11話:LAST STAGE)

 NOVAさんがご感想で真っ先に挙げ、高評価の南雲ですが、自分的にも現時点で最も印象深いキャラクターとなりました。印象の違いか表現の違いかちょっと判断に悩みますが、自分的な評価は「南雲は実にいい仕事をした」です。

 今話分の感想は、以前からの印象も含めて、生き残り4名について考えてみたいと思います。

・南雲太輔
 出だしではネタ探しも含めた牙狼VRゲームへの興味から始まり、調べるうちにゲームの異様性に気が付き、ネット放映仲間のリアルでの死を契機に、ゲームの真相を暴き、できれば破壊したいと変わって来たように思えます。

 前話ではアザミに止めを刺されたか否かが微妙な演出だったんですが、今話で見る限りは「半殺しにしてから、体はアザミが乗っ取った」と判明。おそらく、南雲の意識はあって、しかしどうしようもなかったんじゃなかろうか。もしかするとですが、アザミが乗っ取ったことでその意識に触れて、アザミが語ってない真相の一部も知ったかもしれません。

 が、アザミが地下駐車場で、続いてゲーム内=魔界闘技場(?)で語ったことだけでも充分な情報でして、南雲はこれをまず暴き、せめてゲーム参加者に伝えたかったんでしょう。ゲームではなく魔界/魔戒であり、陰我を鎧に集めるためであり、参加者は捨て駒であり、敵の頭目はアザミ、ですな。そのアザミも無敵ではなく、空遠らの勝機は彼女の心の弱さにある(アザミが力の強さだけに頼ってきたせいだろう)。これで、自分(私)の考える「南雲の仕事」は半ば達成。

 まだ南雲の仕事は残ってまして、ゲームの破壊ですね。しかしこれは、アザミとの力の差に加え、南雲の身体状態からいって、達成はおぼつかない。誰かに託さないといけません。託されたのが空遠ですね。だから、まず敵わないのを覚悟で、カッコまでつけてアザミに挑む。当然、致命傷を負う返り討ちに遭う。

 それを空遠が傍観するわけない(と南雲は知っている)。駆け寄って抱き起す。南雲は願いを伝えておいて、今際の言葉「死にたくねえ」が決め台詞でした。最期に無念を託したわけですね。

 おそらく、空遠が覚悟を決め切るための最後のピースみたいなやつです。似た状況を思い起こしてみますと、星合翔李の最期でしょうか。星合の場合は、空遠らを害さないために死を選んでますんで、空遠も「皆で生き残る」方向へ押されたように思います。

 しかし生き残ること自体が至難だと、天羽が性根を据えさせる。そこへ「でも悔しいよなあ」(意訳)と、南雲が空遠の本音≒琴線に触れて、空遠のスタンスがここに確立したように見えます。ですので、自分の南雲評は「(命と引き換え覚悟で)いい仕事した」です。

・香月貴音
 Wikipediaを見ると「同級生と教師を殺害した過去があり」(確か、作中の説明通りか?)とあるんですが、もしかして殺害したのは母親なのかな、と疑いたくなりました。中学生時までは母親に虐待されていたのは、本人の走馬灯回想通りでしょう。そこから逃げ出せたようですから、母親を殺害したのかなと。

 もっとも、殺人事件から収監されるとともに、虐待事案が発覚し、母親から引き離されたとも考えられます。そのほうが無難ではあります。が、「虐待加害者=母親を殺してしまったので、克服もできなくなった。死人に勝つ方法はないから」という気もしています。その辺り、明かされなかった部分が大きいので、妄想し放題な気がしています(^^;。

 ともあれ、天羽が言う通り、この牙狼VRゲーム向きのキャラクターではあったかなと思います。利己的であり、生き残るに手段を選ばない覚悟を固められますし、危機に陥ると暴走して狂暴にもなれる。1人生き残るまでのルールなきバトルロイヤルに向いていそう。

 もっとも、勝ち上がれないキャラクターでもあるような。天羽にこのゲーム向きと言われて、香月が返したのが、ゲームも現実も面白くない、ですから。香月の過去を踏まえて意訳すると、生きているのも辛いが、死ぬのも嫌だ、みたいな感じでしょう。

 だからブレる。前話でファッションブランド立ち上げ、やりたいことはやり遂げたみたいな台詞(生きた証云々)言ってましたんで、死ぬ覚悟ができたのかと思いました。が、天羽に圧倒されると、やはり死ぬのが怖かった様子。生きている間は死にたいが、死にそうになると助かりたい。

 いわば、戦い方、生き方の器用貧乏。それでは不器用でもブレない連中に勝つのは難しいでしょう。

・天羽涼介
 そういう香月に止めを刺す役割を担ったのが天羽であるわけですね。天羽 vs 香月になったのが、葉霧宵刹らの選択か、天羽の選択かははっきりしないような。ですが、天羽はおそらく、空遠では香月に止めを刺せないと思ってたんじゃなかろうか。

 天羽は、不倶戴天のライバルにして無二の友が奏風大です。奏風大のような人物ですと、自然と苦労している連中が集まりやすいはず。天羽自身もカタギと裏社会の境界にいるような人物ですから、相対した人間に対する洞察力はあるはず。

 たぶん、香月の素性と、そこから来る性格、苦悩について、正確なところは分からずとも、おおよそは察してたんじゃなかろうかと思います。香月に最初に止めを刺しに行った方法(変な表現ですが ^^;)が、力で抗せなくなった香月をひたすら殴りつけること。

 これで香月が観念する、と天羽は予想したんじゃなかろうか。諦めをつけさせてから、つまり納得させてから、成仏してもらおうと。しかし香月は錯乱し、むしろ我執を強めてしまう。そこも天羽の想定内だったんだろうと思います。いわば、香月がどういう人物か、確認して行ったわけですね。どうしようもない、と理解した上で、一撃で屠った。

 この手続きは空遠には耐えられまい、と天羽は考えたんだろうと思います。まだ南雲に最後の一押しを貰ってない空遠でしたから。しかし、最後の一皮も剥けた空遠を天羽は目の当たりにして、次回へ続くと。流れからすると空遠が天羽を倒しての勝利を願うような気がしないんですが、天羽は奏風に引導を渡してからは、この世に未練をなくしてもいそうで、ちょっと展開が読めない感じです。

・空遠世那
 ずっとふらふらしていた印象があります。自律的に動かず(動けず?)、ゲーム環境と他のプレイヤーに反応しながら、ここまで来た感じ。星合が死に、奏風が死に、という転機で次第に変化し、覚悟が固まって行った様子はありますが、あくまでも空遠の内面に留まる印象です。まだ自律的な行動に出てこない。あくまでも突き動かされている。

 そのため、他のキャラクターがドラマ上の主人公っぽくなり、空遠の消極性が目立ちまして、観ていてちょっと焦れるところもありました(設定上は「頭に血が上ると好戦的となる面も持つ」らしいのに)。

 が、どうやら敵や仲間の死のたびに成長する、という作劇上の狙いがあったみたいです。今話で南雲に強く背中を押されて、最終形として完成したような印象があります。次の最終回でそれが何か見せてくれると期待したい。もしくは、さらに天羽がもう一押しするのかもしれません。ともかく、空遠は最終回を観ての判断(どんな主人公だったのか)になりそうです。

・朱伽
 やっぱり、このキャラクターも触れておいたほうがよさそう。葉霧宵刹がちょっと意外そうに、朱伽に自我が芽生えたと言ってました。ちょうど、空遠の覚悟と連動する感じですね。その辺りは巧いように思えます。が、ちょっとタイミングが遅くないかとも思います。

 こうなると、最終回で朱伽が誰で、何をするのか見せてもらうことになりそうです。でも、1話でできるかなと期待も不安も入り混じります。不安は、いわゆるデウスエクスマキナにはなってくれるなということですね。まさかとは思いますが、「空遠らがアザミに押されて絶体絶命になると、朱伽が覚醒して一掃」みたいなことだけはしてくれるな、と。

 最終回で評価が定まるとは思いますが、もし万が一、不満な点が残ったとしても、南雲太輔視点でのドラマという点で、既に今話で満足するものがありますんで、観て良かったというのは既に自分的には確定かなと。

 それでもしかし、鎧バトルが観たかったぞと声を大にして言いたくはあります(^^;。

 ウィザード等は、明日以降に感想書こうと思います。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/21 (Sun) 12:40:24

 定期感想その3です。

 プリキュアは次週から通常回復帰とのことで、ようやくニチアサの日常が帰って来たかと喜ばしい限りです。「もしやBDリライズも?」と期待して、公式サイトをチェックしたんですが、まだ情報なしでしたorz。

●仮面ライダーウィザード(第9話:ドラゴンの叫び、第10話:国家安全局0課)

 第9話で登場するドラゴン、こちらで伺った内容(希望を食らいつくす)だと、契約(?)はかなり重いものになるかと思ったんですが、「いいのか?」「いいよ!」みたいな感じで、意外にあっさりでした。これから弊害と克服が描かれる、でいいのかな。

 あのドラゴンの正式名称は「ウィザードラゴン」ですか。ウィキペディアによると「晴人からは「ドラゴン」と呼ばれる」とあり、晴人以外はあまり話さないだろうから、劇中ではほぼ「ドラゴン」なのかしらん。

 そのドラゴンの力を受けて、カラーリングが赤主体の「フレイムドラゴン」スタイルになるわけですね。こちらでも「いかにも戦隊レッド的なカラーリング」と伺ってはいたわけですが、そのスタイルを見てすぐ思ったのは「あ、キャプテン・マーベラスだ!」(変身前)ということです。現在進行形で、ゴーカイジャーを観ているせいでしょう。

 ともかく本編。前話ラストの続きで、フェニックスがウィザードを撃破、川に落とすところからですね。が、水中の晴人の目が赤く光り、ドラゴンが一瞬映りまして、晴人は岸に這い上がる。後で晴人にギリギリ力が残ってたことになったようですが、晴人はそうではなく、ドラゴンの助力だと気が付いているらしい。

 となりますと、ドラゴンの力は晴人=ウィザードがピンチになるとオートで発動する、ということになりそう。いったん「ちょっと都合のいい設定かな」と思いかけて、気が付きました。このドラゴンは晴人の希望を食う→絶望を与えることで誕生するはずだったらしい。この後の台詞でも出てきますが、ファントムとしては、絶望ではなく死亡になってしまうと元も子もない。死なせないのは大事だったわけか、と納得しました。

 それはそれとして(^^;、洋樹の母:美紀子はフェニックスに命を狙われていたらしい。となると、美紀子はターゲットではない→美紀子の死で絶望するのは洋樹、と晴人らは推理するわけですな。母:美紀子は一命はとりとめたようですんで、もう一度狙われる可能性もあるはず。

 が、より効率的(?)なのは父:和洋を狙うことだろう、という推測で、晴人は出動、推測が当たって、父:和洋をギリギリのタイミングで救出するも、重傷ですね。洋樹の両親はHCU(高度治療室)に収容されてましたんで、生死のふちをさまようとまではいかないけど、かなり容体は悪い模様ですな。

 父:和洋を病院まで運んだウィザード=晴人も限界に来てまして、いったん倒れてしまうものの、寝かされて点滴で何とかなるレベルだったらしい。が、意識を失っているときに見た夢が問題なわけですね。フェニックス襲来で洋樹の両親が殺害されてしまう。

 これが、こないだからのゼロワンですと「なんだ、夢オチかあ」で済むわけですが、この場合は正夢、予知夢を考慮すべきところ。戦うしかないわけですが、敗れるのは必至。凜子は止めようとするも、自分がこちらで伺った内容から考えても、晴人が止まるわけない。

 なぜなら、自分(晴人)の前から誰かが消え去るのが怖いから、ですか。とはいえ戦って勝てないなら守れないわけで行き詰まり、というところで、コヨミが赤い指輪を渡すわけですね。前話で白いガルーダが運んできた赤い石を使ったもの。不吉とは思ったけれど、必要だろうということで。

 晴人が赤い指輪を受け取ると、例のドラゴンがフラッシュバックする。のですけど、ちょっと分からないカットがありました。2度ほど、画面がブラックアウトしてます。これがもし、現在では都合の悪いものが映っていてカットしたかったんだったら、そのカットを削除すればいいはず。ブラックアウトが意味あるんだとしたら、「ドラゴンと契約成立まで至れなかった」という暗示でしょうか。それはそれで、しっくりこなくて、どうもモヤモヤします(^^;。

 それはともかく、正夢が半ば当たってフェニックス襲来ですね。晴人は変身するも、赤い指輪は反応せず。たちまち追い込まれますが、ようやく赤い指輪のドラゴンが応え、絶望する覚悟はあるか旨、問いかけると、晴人はドラゴンは自分の希望だとさらりと返す。これを面白がったらしいドラゴンが力を与えることとなり、たちまち形勢逆転、一気にフェニックス撃破ですな。

 洋樹の両親は守られ、洋樹も絶望を免れまして、一件落着。洋樹が絶望に至らなかったのは、作劇的に、晴人が過去を克服する物語だったからかな、という気がします。洋樹が晴人の幼少時を模しているということで。それで思い出したのが、ピアニスト編でのコヨミだったりします。あれも、ピアニストがメインのようでいて、コヨミの変化を描いてました。

 それはそれとして、フェニックスは倒しても復活できるんですか。今日観たキラメイジャーの敵は時間ループで撃破を免れ、ループするたびに強くなってました。フェニックスも同じようなことが起こるんだろうかとか、つい妄想が出てしまいます(^^;。

 後半(第10話)では、新組織:国家安全局0課(略称:国安0課)の登場ですね。調べてみますと、ファントム対策機関のようで、今話での描写からも読み取れます。警視庁の組織ともなってまして、ファントムの活動が東京都内に限られている(←ウィキペディア情報)からかな。

 その国安0課の刑事(警視)が木崎政範で、登場するや否や、ウィザード拠点の骨とう品店主:輪島繁を連行してしまうわけですが、理由は緑の魔法石の加工依頼だけだったらしい。

 今エピソードのゲストメイン敵はガーゴイルで、防御用の石化(硬化)能力持ってたりして難敵そうですが、ウィザード・フレイムスタイルですと容易に対処できそうな様子ですね。ただ、ガーゴイルのターゲット:片山直己の人間関係がややこしいみたいです。

 片山直己は地方在住で、東京へはある人に会いにやって来たらしい。国安0課の木崎政範は直己を気にかけてまして、なぜかといえば、直己の父:片山義男は以前、木崎政範の同僚だったから。その後、片山義男は殉職したらしい。

 片山直己は父の死について、木崎政範が見捨てて逃げたからだと思っている様子があります。直己が会いに来たある人とは木崎政範で、そのことを問いただしたかったようですね。

 ガーゴイルの再襲来で、木崎は対処を部下に任せ、直己を連れてその場を離れるわけですが、直己視点では、これも自分だけ逃げたと見えるようです。が、木崎が直己だけは無事に逃がそうとした可能性もあります。どちらなのか(あるいは別の理由か)は、直己の父:片山義男の件の真相とも絡みそう。その辺りは次週に明かしてくれるんだろう。

 ゼロワンなどの感想は明日にでも書こうと思います。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/22 (Mon) 17:06:35

 定期感想その4です。

●仮面ライダーゼロワン(第35.5話:ナニが滅亡迅雷を創ったのか?)

 プレジデント・スペシャルで登場した、もう1人のイズが正式に(?)アズとして登場しましな。今話ラストでラスボスと思しきシルエット(仮面ライダーアークゼロで確定だろう)と会話してましたから、レギュラーキャラクターと思っていいんだろう。

 ネーミングは「『ア』ーク側のイ『ズ』」から、でいいのかな。ワズ~イズの時系列ネーミングとは別物ですね(未来を示すとしたら、ウィルBみたいになりそうだけど、男性名っぽいか)。

 それはともかく、滅亡迅雷四人衆の由来やら自我(シンギュラリティ)を明らかにするだけかと思ったら、どうも奪い去っているような描写だった気がします。シンギュラリティポイントなるシンギュラリティのきっかけを明らかにしておいて、コピーではなく、新キーの「マリス・ラーニング・アビリティ」で吸いだしている感じでした。

 ネーミングが気になって調べてみますと、マリスはmalice:悪意、という可能性がありますね。前にヒューマギアの「善意」を集めてゼロワンの暴走を抑えて新フォームを得たわけですが、今話では「悪意」を集めたらしい。ということは、滅亡迅雷のシンギュラリティのきっかけは「悪意」だということになります。が、ちょっと今話で示されたシンギュラリティポイントとはちょっと違っていそうで、マリス=悪意という解釈は無理があるのかもしれません。

 それはそれとして(^^;、アズが滅亡迅雷四人衆のシンギュラリティをデータ化するのがアーク復活のために必要だったわけか。雷電のマギア化とキーが揃ったことで、アークは復活したと思ったんですが、まだ半ばだったみたいですね。雷によってアークの知性が復活、今話のデータでライダーのボディを得た、でいいのかな。

 滅亡迅雷四人衆について、自分用メモとして、何がシンギュラリティに関わったか等、ちょっとまとめてみようと思います。

・滅
 アズ登場直前に、アークに「次は何をすればいい?」と問いかけていることから、滅自身に、少なくともプランはなさそうですね(たぶん、ビジョンもない)。(自称)アークの使者にして専属秘書のアズが出現したことで、アークとの連携はやりやすくなったことになりそう。

 滅についてはシンギュラリティの根っこは既に分かってたみたいで、「父親」ということですね。ただ滅が自覚してなかっただけで(だから、例えば思わず迅を庇ったときに、自分(滅)の行動が理解できなかった)。

 アズが指摘すると滅に少し動揺が見られる気がしますが、マリスラーニングされますと、無表情で「アークの意志のままに」と言い、どうも自我(シンギュラリティ)が一部なりとも奪われたような印象があります。

・雷
 こちらも既にハッキリしてまして、昴の兄貴であることを大事にしてましたから、「弟」が鍵だったということですか。滅は最初に父親型として作られたわけですが(先天的)、雷の場合は昴と組むことで兄弟を学んだんだろう(後天的)。

 雷はアーク配下である自覚があるようですが、弟=昴の記憶が未だに深く刺さっていることを発見すると動揺してますね。しかし、マリスラーニングされると、やはり無表情になって「アークの意志のままに」。滅と同じくリセットされたかな。

・亡
 亡はヒューマギア開発のシステムエンジニアだったんですか。亡本人も知らなかったけど、観ているこちらも知らなんだわい(^^;。その記憶はZAIA≒天津垓に消去されたものの、現在も影響を残していたわけか。それが「夢を持つヒューマギアの夢をかなえたい」という境地(シンギュラリティ)に到達するベースとなっていたようですね。さらに「滅の夢」へ集約させたと。

 彼女の場合も雷同様、学んで達した後天的なものだったらしい。しかしマリスラーニングされまして「アークの意志のままに」。ただ、その台詞はアズが誘導したような節もありまして、滅、雷のケースとはちょっと異なるものがあるかもです。

・迅
 自ら接続を切ったせいか、アークとしても扱いづらいらしく、或人の偽者イメージを見せて、シンギュラリティ調査してますね。滅の視点でも、或人は迅の初めての人間の友達ですから、適役なんだろう。

 観ていて意外だったのは、アーク(たぶんゼアも?)が迅復活の経緯を知らないらしいことですね。偽或人がまず復活について知らないと明言して、問いただしてます。もっとも、その経緯から誰が復活させたかよりも、当面のアズの興味はシンギュラリティ到達にあるらしい。

 そこを迅は察したのか、復活の経緯について触れるのを避けて、シンギュラリティ到達は滅が鍵であると論証(?)してみせるわけですな。上手いタイミングで偽装を見破ったりして、話をリードしている感じがあります。欲しい情報を与えるふりをして、復活に関わった何者かを隠したといえそう。

 アズが納得してマリスラーニングとなるわけですが、迅だけが「アークの意志のままに」を言わなかったですね。「ああ、構わないよ」と笑ってました。おそらく、ゼロワンに破壊される前に達したシンギュラリティ(人類滅亡)を渡して、復活時以降に達した境地(ヒューマギア解放)はキープしてるんじゃなかろうか。

 自分的に未だ気になっているのが、声優ギアの一件で迅が「親子」についてを鍵に目覚めかけて、しかし滅が差し止めたことです。あれ、まだ影響残してるんじゃなかろうか。もう1つ気になるのは、以前に「高度なシンギュラリティは、高いセキュリティ」となって、ハッキングが阻止されるようになったことです。

 そうしたこと含めて、どうも「迅だけはシンギュラリティポイントを引き渡さなかった」と言えそうな気がします。迅はこの後、誰かに「全て予定通り」と連絡したらしいのが傍証かも。それらが、この後に登場したラスボス:仮面ライダーアークゼロの弱点ともなるんじゃなかろうかとも、妄想したりしてます(^^;。

 次回「ワタシがアークで仮面ライダー」ですか。「最終章」であるとのことですんで、ラスボスが圧倒的な脅威、強さとして登場するということでしょう。が、公式サイトの予告を見ると、占いギアが登場するとされてまして、緊張感のバランスがよく分かりません(^^;。予告キャプションの「すべての希望を食い尽くす」は、ネット視聴のウィザードを思い出しまして、偶然にしても個人的ながら、「タイミングいいなあ」と思えます。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第19話:15戦士の鎧、第20話:迷いの森)

 こちらで途中参加の新戦士登場後のパターンを伺っていたわけですが(既存各メンバーとの地固めなど)、なるほどそうなってると思えた2話分でした。

 まず第19話は伊狩鎧とゴーカイグリーン:ハカセにしてドン・ドッゴイヤーとの対立と和解ですね。対立と言っても、ハカセが料理をきっかけに鎧に劣等感を抱いてしまう流れ。が、見えていないところで鎧がハカセ:ドンを尊敬していることが分かる(確かに名前で呼んでたのが暗示でしたな)。味だけ追求した鎧に対し、栄養面まで気配りするハカセというわけですな。それで、なんとかなり、共闘もうまく行くと。

 その共闘も、ゴーカイグリーン(ハカセ)が戦力としてのゴーカイシルバー(鎧)を正しく評価し、15戦士の合わせ技の戦士になれると見抜き、そうさせての勝利ということですね。その15戦士のフォーム、やっぱりジオウを思い出してしまいました。オーマジオウになる前のジオウの最強フォームですね。20ライダーと15戦士で5人分違いますが、パッと目にはどうしても類似のあるデザインに感じます。

 続く第20話は、19話をフォローする感じでした。新規参入の鎧の自信のなさですね。戦隊戦士への深い敬意あるゆえの自己評価の低さでしょうか。

 鎧は喜び勇んで戦隊戦士になってみたものの、憧れの先輩戦士:黒騎士ヒュウガに出会うと、嬉しくはあるものの、格の違いも感じ取ってしまう。観ている自分ですら、凄みの違いとか感じます。放映時期で計算すると、13年差ですか。さもありなん。

 ヒュウガも自分のほうが優れているとして、ゴーカイシルバーの力を譲るよう迫るわけですな。が、これも実は通過儀礼。鎧がヒュウガの圧迫面接(?)をはねのけて、自分(鎧)が地球を守ると宣言すると、それが聞きたかったと気持ちよく応える(前にマーベラスがやったことと似ているかも)。

 今週分は、鎧メインのドラマだった感じです。戦隊メンバーに馴染みつつ、自信をつけていくということで。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/23 (Tue) 07:50:31

 週始め感想です。

 牙狼VRについては、貴音の母親からの虐待と、以前に提示された同級生や教師殺しについての情報が、どうも整合性に欠けるというか、今回の母親情報が割と唐突感があるので、もしかすると「その回の脚本家か監督の違いによる設定のブレが生じている可能性」を指摘します。
 基本設定として、「過去に殺人事件を起こしたことがある」という部分だけメインライターから伝えられ、サブライターの書いた部分をメインライターが監修していない可能性もありますし、あるいは脚本家が書いていない情報を監督が後から追加して矛盾が発生した可能性も。

 複数の人間が作品ストーリーに関わっている場合、手慣れたストーリー監修者がいないと、回ごとの矛盾が発生する可能性も指摘しつつ、牙狼VRの場合、制作体制が自分にもよく分かっていないですからね。
 雨宮監督がタッチしているなら、映像編集の段階でマメにチェックする人みたいなので、こういう心配はしないのですが。

 まあ、稀にですが、「自分が過去に書いた設定すら忘れ、物語の整合性を気にしても仕方ないタイプの作り手」もいますが(コメディ系に多い)、
 ともあれ、原作ストーリーのない、制作体制の安定していないオリジナル作品では、発生し得る可能性だと考えてみます。

 ストーリーの整合性よりも、その回ごとの衝撃サプライズを優先する作品もありますし、牙狼VRはそのタイプの作品かな、と思っていたり。
 まあ、人気作なら、後から製作者に対する雑誌インタビューなどで、裏設定が公開されたりもするのですが。

 一応、5月に読んだ雑誌記事で、「雨宮監督の設定に沿ってやっても、劣化コピーにしかならないから、違った世界観で自分たちの牙狼を見せようと思った。今の時代に、こういう牙狼もあっていいのではないか。ただ、終盤に過去の牙狼とつなげることもしているので、従来のファンの人も満足できると思うので、最後まで楽しみにして下さい」的な話があったので、まあ、最後まで見届けたくは思いますね。

 傑作か、と言われたら、ところどころ光るもの(主に生身アクション)があって、回ごとの衝撃があって、南雲さんという名サポーターに感情移入できたのは当たり。
 でも、主人公の空遠の覚悟完了が遅すぎて、応援したい気になれず、アニメで言うところの『まどかマギカ』的な斬新だけど、自分が見たかったのはこれじゃない的な作品ですね。


 ともあれ、今期は「再放送とか総集編が多く、自分の過去の記憶と照合しての答え合わせ」的な見方が多い時期でした(個人的に)。
 で、過去の記憶といっても、当然、細部まで完璧ではなく、新発見とか、別の話も踏まえた端折った記憶(ハカセが鎧を後輩として受け止めたとか)になっていることに気づいたり、ウィザードラゴンについての記憶も後の話と混ざったり、自分の中で捏造構築したりしている可能性もあるかな、と。
 その部分の吟味も、自分個人としては楽しいと思っていますが、もしも大きなミスをやらかしていたら、気付いた際に頭を下げる予定(^^;)。

 「ネット上で何でも言っていいのは、過ちを指摘されたり、自分で気付いた際に、謝罪できる覚悟のある人間だけだ」と考えてみたり。
 「銃を撃っていいのは、撃たれる覚悟のある人間だけだ」のアレンジです。

★ゴーカイジャー

 目下、自分が一番楽しんでいる作品ですね(再開したニチアサや、新番組を除く)。

 ハカセの長所が「マメな気配り」と「仲間の能力を評価できる観察眼」であって、実は名サポーターなんですね。主役にはなれないけど、主役を立てる相方としては優秀。
 あとは「優秀なアイデアマン」でもあります。

 一方、鎧の欠点として、一途だけど、こだわりが強すぎて、悩み始めると自分の世界にハマりこんでリアルを忘れてしまう気がありますね(マニア特有の傾向)。
 買い物の際に、欲しいものが複数あったときに悩み過ぎて、やたらと決断に時間が掛かるとか、そして決断したと思ったら、「ええい、両方買っちゃえ」とつい勢いで散財してしまうとか、趣味に関しては大胆に振る舞って、稀に後から金がなくて後悔してしまうことも。

 あと、鎧がハカセの本名を知っている理由としては、「賞金首の手配状」をどこかで入手したのかな、と推察。たぶん、ザンギャックがバラまいているのがあるんだろう。日本語か英語で書かれているのかは知らないけれど。
 この世界、宇宙共通語ってのはあるのかな、とか、レンジャーキーの力で言語の壁は取り払われているんだろうか、とか、いろいろ妄想しきり。

 そしてギンガマンですね。

 追加情報的には、黒騎士ヒュウガがこういう形で、未熟戦士の戦う覚悟を促す話は本編でもありました。

 元々、黒騎士ヒュウガがギンガレッドになる予定だったのが、敵の襲撃で行方不明になってしまい、まだ未熟な弟リョウマがレッドになってしまった。
 当初は、仲間からも「こいつがレッドで大丈夫なのか?」と思われていたのですが、ひたむきな努力と誠実さで急成長し、信頼を勝ち得るドラマが序盤にあって、
 その後、生きていた兄との再会のドラマを経て、弟としては「ギンガレッドの資格を兄に返上した方がいいのでは?」という悩みに駆られるんですね。

 その結果、「兄さんには悪いけど、俺がギンガレッドとして地球を守りたい」と決意表明した弟に対して、
 兄ヒュウガも「よく言った。お前の覚悟が定まらないなら、俺は無理やりでもお前の星獣剣(戦士の証)を奪おうか、とも思っていたが、お前は自分でギンガレッドの使命を選んだんだ。そんなお前を兄として誇りに思う」と称える形。

 そしてヒュウガもその後、自分に因縁のある黒騎士ブルブラックの力を得て、変身能力をゲットし、弟と共闘するのですが、
 後からまた、「今のままでは敵ボスに勝てない」と悟り、敵ボスを倒す力を求めて、敵の裏切り者と手を結び、一時的に弟と距離を置くドラマを展開したりも。

 ともあれ、原作を知っていると、この鎧の立場が、ギンガレッド・リョウマのエピソードの焼き直しであることに気付いて(劇中の鎧はたぶん、その肉親ドラマは知らないと思われ。知っていれば、ヒュウガの性格から読めるので、今回のドラマが台無しになる)。

 そして、鎧の決断を高めたのがマーベラスの「賢い選択なんてものには興味がねえ。欲しい夢があるなら、絶対に諦めず、自分の手でつかみとるだけだ」というバスコに対するセリフ。
 この欲しいものはつかみ取れ、という欲望肯定の哲学は、「仮面ライダーオーズの鴻上会長」にも通じる精神で、ベンチャー企業の社長とか、大企業の経営者にとっての武器ですな(和を尊ぶ日本的な理念にはそぐわないものの、時代が求める開拓者精神だったりも)。

 で、次の戦隊が「プレシャスと呼ばれるお宝探しのエキスパートであるボウケンジャー」ですな。
 この主人公ボウケンレッドは、マーベラスに負けず劣らず、冒険という夢にがむしゃらに挑む冒険バカ(褒め言葉)で、両者のライバル意識のぶつかり合いが楽しめる回だったと記憶。

 あと、今ごろ気づいたことですが、OP前のナレーションが「レジェンド戦隊登場回」と「通常回」で違っていたんですね。
 レジェンド登場回は歴代戦隊がズラッと並んでいる絵面で始まり、
 通常回は「宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻した」という部分を強調。

 各話をバラバラに見ていた昔は気付かなくて、一度に2話分をセットで見ていて、回半ば辺りで、ようやく気づいた次第。
 大好きな作品でも、まだ気付いていなかった新発見があると、「不覚」と思いつつも嬉しくなった次第。

 知ってるものでも、再発見ができるのは大いに喜ばしい経験です。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/23 (Tue) 08:57:58

 続いてライダーです。

★ゼロワン

 AIのAの字からアズで、Iの字からイズって感じですね。
 まあ、悪のアズと、良い者(いいもの)のイズとか、同型機の秘書ヒューマギア姉妹って設定も隠れているのかもしれませんが。

 とにかく、一人二役おつかれさまです。

 アズとイズが対面する合成シーンも楽しみにしたいところ。

 そして、滅亡迅雷の4人のキャラ掘り下げを行いつつ、迅のシンギュラリティ・ポイント(おそらくは「友だち」が正解かと)を巧みに隠蔽して、「父親の滅」がポイントだと言ってのける展開。

 まあ、精神年齢が低いころは「滅に依存していた」けど、大人になって「父親よりも同年代の友人」を大事に考えるようになったんじゃないか、と推察します。

 ともあれ、迅の背後にいる何者か(是之介か、其雄と推測)をチラつかせたり、それが今後のゼロツー誕生に関わってくるのかな、と思われますね。

 まずは、アークゼロの脅威的な強さを目撃しながら、そこからの逆転劇につながる流れを楽しみにしつつ。


★ウィザード

 ここからは、毎エピソードが、新ドラゴンのお披露目回になる感じだったかな。

 最初が炎龍で、次に風龍で、他に水、土と来て、最後にはオールドラゴンに達するパワーアップ目白押しを経て、と記憶してますが、記憶違いの可能性も想定しつつ。

 ところで、指輪作り職人の輪島のおやっさん、タイムリーにも先日始まったウルトラマンZで、防衛チームの長官役で出演しております。
 今度のウルトラマンは「日本語が上手く喋れない、というか、丁寧語と砕けた表現がチャンポン」で、まるでアズ、と評判。
 「ご唱和ください、我の名を」が決めゼリフで、まあ、Youtubeでも1話が見れますので、興味があれば、と話題を振ってみます。

 って、寄り道から戻って、今回はメガネキャラにスポットが当たってますな。

 平成ライダーでは、時々出てくる「イヤミなメガネキャラ」。だけど、独自の信念をもって、主人公たちとは違う立ち位置で、ドラマを膨らませたり、頼れる盟友になったりする人ですね。

 後のドライブにおけるブレンだったり、ビルドにおける内海さんだったり、怪演ネタにもされがちですが(サウザー社長も、うまく回れば、この枠に入ったかもしれないけど)、
 古くはアギトの北條刑事とか、フォーゼのラッキークローバーな琢磨さんとか、電王のウラタロスに流れて、その後、メガネ枠はキバのビショップ以来なかったのが(メガネじゃないけど、クール系でWのフィリップ、オーズの後藤さん、フォーゼの賢吾と続く)、ウィザードでは木崎さんがクール枠担当ですね。

 この手のキャラは、たいてい主人公陣営を見下しながら、時に捜査を妨害して(向こうから見たら、主人公の側がイレギュラーとして捜査を撹乱しているわけだけど)、ムカつく対象だけど、大きな視点では悪い人じゃない……はず。まあ、作品によりますな。

 でも、木崎さんは初期の段階で、主役回が与えられ、それほど悪い印象を作らずに、善意の協力者になってくれますな。
 まあ、悪意のメガネは、井上敏樹脚本の傾向かな、と思いつつ、メガネファンとしては、こういうサブキャラをネタにするのが楽しい、と思ったり。

>フェニックス

 こいつは、倒しても倒しても復活するんですね。文字どおり不死身の暴れん坊。

 だけど、こいつが暴れるたびに、ウィザードのパワーアップが為されていき、中盤までのイベントキャラの位置づけ。
 性質的には、オーズのウヴァさん枠かな。
 その後、ドライブのハート様も、フェニックスさん枠かと思っていた時期もあったのですが、そちらは大出世しましたからね。

 フェニックスさんは、最後まで大暴れしていたら、ウィザードという作品の陽性度が上がっていたのでしょうが、こういうストレートな敵キャラが中盤で消えたために、敵の行動がどんどん陰湿化していき、……とまあ、先の展開はこれぐらいにして。

 とにかく、ウィザードの序盤の楽しさは、どんどん派手さや豪快さがエスカレートしていくフェニックスさんだと思っております。
 もう思いきり暴れて破壊したいのに、ファントムの計画では、「ゲートを殺しちゃダメ」なので、搦め手に走らざるを得なくて、フェニックスさんのストレスが溜まるたまる。

 果たして、フェニックスさんに救いはあるのか? 
 一応、後々、凛子ちゃんとのほのかなラブストーリーもどきはあるんだけどね。
 ファントムと化した人間に、元の人格は残っているのか、というドラマとか。

 

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/24 (Wed) 13:08:33

 定期感想その1です。

 牙狼VRの監督 or 脚本家グループの情報伝達による設定上の不整合というご見解に、「なるほど」と思うも、「最終回でどうなるかなあ」と不安を抱きつつ、明日の放映を待っている次第です。

 ゴーカイジャーの2種類のOP、こちらで伺って観なおして、確かにそうだと少しびっくりしました。自分はどうもOPをぼんやり眺めがちで(だから監督名とか注意してなかったり)、連続視聴してもOPに違いがあると認識できずorz。「今週はこのパターンだよ」とOPで教えてくれてたわけでしたか。

●ULTRAMAN(第11話:そのままの君でいて)

 諸星弾さんが圧倒的な強さと存在感を見せつけた回でした。前回までの強さバランスからすると、直接の戦闘で描写されたのが「ウルトラマン<超獣<エース」だったわけですね。かつ、飛行能力の有無と、そこを気にする弾ということで、なんとなく「セブン<ウルトラマン」を匂わせていた感じ。

 ですが、今話の描写で「エース≪(手加減した)セブン」が示されまして、隠し持った実力での強さバランス印象が大きく変わりました。かつ、「地球人でも容赦なく殺す」冷酷さもあると。

 今話の描写では恫喝めいた台詞でしたが、弾の睨みつける眼光だけで、進次郎ははっきりメッセージ内容を感じ取ったようですし、弾の今までの容赦ない措置もあります。それでも冷静にやってる感じがあるわけですが、キレたらもっと怖いわけですか。今後、どうなるんだろ。

 設定的に気になったのがウルトラマンの変身です。エースについては、描写にもあるしこちらで伺った通り、その場でスーツを呼び出して変身できるわけですね。ウルトラマン、セブンについては、今までは科特隊から出動するときに生身からスーツに変わってましたから、変身施設で装着するんだろうと思える描写でした。

 が、今話では進次郎が路地裏で即座に変身してますね。ウィキペディアを見直してみますと「アニメ版では、進次郎が右手首に取り付けたデバイスを宙空に突き上げることで、科特隊本部から自動で転送・装着される」との記述があるのに気が付きました。2017年作品だから、自分がULTRAMAN項目を読み始めたときにあったんでしょうけど、見れども見えずだったらしいorz。

 それはともかく本編。冒頭、進次郎は星司の真意を確かめるためか、学校で探してみると、星司は転校初日に学校にいただけで、以降は姿を見せてないと分かるわけですね。つまり、星司の転校は偽装で、進次郎と接触するためだけだったらしい。短いシーンですが、星司の用意周到さが窺えます。

 その進次郎に井出から連絡ありまして、ある場所へ行けと。そこでは星司が例の資金稼ぎの恐喝やらかしているわけですね。進次郎は頭ごなしに星司の行為を否定するし、星司はそんな甘ちゃんなこと(大人の言いなり)と言い返して平行線。

 星司は力尽くで決着付けようと申し出るわけですが、進次郎は逡巡する。問答無用で変身して襲い掛かる星司に対し、進次郎は変身はするものの、迷いが見られますね。そこへ弾=セブンが到着。セブンも問答無用で斬りかかるわけですが、計算ずくの様子が見て取れます。

 最近観たもので例えると、牙狼VRのスペシャル回で解説されていた殺陣の様子。脇役が主役陣に対し「適当に避けてくれ」とだけ言って、主役の動作に合わせて攻撃を空振りさせていた、というやつです。セブンの斬撃もエースの動きに合わせて空振りしてやってる印象がありました。
(それにしても、セブンが剣先で地面をこすって火花を出すカットはなかなかよかった。相手に恐怖心を持たせる効果ありそうだし、牙狼での零を思い出す動きでもあるし。)

 しかし、それでは舐められることになりかねない。そこで当てても行くわけですが、まずつま先辺りをグッサリ突き刺す。弾としては義足と知っていてのことですな。続いて、エースの脇下にきっちり刃を入れておいて、確実に義手だけを切断。

 が、そういうセブンの意図はおそらくエース=星司には分からない。次第にセブンが本気を出してきて、このままだと自分(星司)が殺されかねないと思うはずです。弾も口ではそう言ってるわけですし。

 圧倒的な差を見せつけておいて、セブンは最後に、弱すぎていつでも処理できるから今は見逃す、みたいなことを匂わせて、エース=星司を撤退に追い込む。これも作戦のうちであるわけですね。星司の背後を探るのが本来の狙いということで。

 その星司の拠点がヤプールの工房であるわけですが、星司が来る前にベムラーが来とりますな。ヤプールは高度な技術者だけあって、ベムラーに無理が来ているのを見抜きますが、ベムラーの返答にちょっと驚きました。「こんな体に『なってはいない』」と言ってます。どうやらベムラーのはスーツじゃなく、生身か生身と一体化したものらしい。ベムラーは星団評議会と対立するのに(あの体)必要と言ってますが、命を懸けるほどの何かということか。

 一方、科特隊が偽装している記念館。レナが三度の襲来ですね。今回も進次郎が出くわすわけですが、またもウルトラマンであることをうっかり匂わせてしまう。途端に館内に漂う殺気。弾ですな。進次郎には弾の声が聞こえているようですが、テレパス能力とか通信機はなかったはず。進次郎が弾の目つき、表情から読み取ったと考えるしかなさそう。

 殺気は発しているけれど怒気はどうやらないみたい。弾の目が語る台詞も少々回りくどい。「小僧」~「思春期の」で語り始めて、何を言い出したのかと思ったら、最後に「(秘密を露見させれば)殺す」と。

 この回りくどさ、メガネキャラの「理屈っぽい」のテンプレートを使ったものかもしれません。メガネキャラつながりで思い出したのが、古い作品の「うる星やつら」アニメの「メガネ」です。あれも理屈っぽい、回りくどい言い回しが特徴のキャラでした。演説っぽい台詞で早口なのも、今話の弾と似ているかもしれません。

 それはそれとして(^^;、さすがにこれでは話が続けられない。かといって、追い返すのも何なので、進次郎は街中のオープンカフェまで退避(?)してレナと話を続ける。レナの話は渡米ということですね。で、スマホのアドレス交換をしておくと。まあ、分からなくもない。連続殺人から、観客、ファンを巻き込みかねない、あるいはレナが死亡するかという大事件があったわけですんで。

 が、その話はアクシデントで中断。ビルの窓ふきのゴンドラが事故を起こして落下しそうになってる。進次郎は、ウルトラマンの連絡先を知っているから呼ぶ、とか誤魔化しましその場を離れ、誰もいない路地裏で変身、ゴンドラの作業員を救出するわけですな。

 しかし、進次郎はレナのもとにスマホを置き忘れているという大失態。レナも「あれ?」となる。自分も視聴中はそう思ったんですが、よく考えてみたら、「ウルトラマンってスマホ使ってるの?」という疑問も生じました。ピグモンが殺し屋宇宙人に依頼するとき、確か専用のデバイス使ってたはずです。まあ、いいか。

 が、レナは進次郎を(ライブ会場で皆を助けた、あの)ウルトラマンと確信したらしい。まるでウルトラマンに語り掛けるような内容の話を始め、止めに「あなたに言えばウルトラマンに届く気がして」と。

 いったん分かれますが、互いを見ながらの電話で続きまして、レナの「あのときのお願い、聞いてくれてありがとう」の「あのとき」はライブ会場でのことかな。さらに、タイトルの「そのままの君でいて」がレナから言われる。進次郎は内心、バレたと思ってるでしょうが、「頑張る」と返す。
(嬉しそうでもある進次郎ですが、弾への説明はどうするんだろう? わくわく)

 このシーンでレナは、進の巨大ウルトラマンが戦い(音から対ゼットン戦と思われる)、母親が死んだことを思い出してますね。進次郎=現ウルトラマンへの理解が深まったためか、進のウルトラマンも多数を守るために必死だったと思えるようになったみたいです。

 そういう様子からすると、レナは進次郎がウルトラマンであることを口外はしそうになさそうで、そこは一安心かなと思います。この時点での判断ですが、レナ渡米ということも問題を解消しそうではある。けど、次期では主戦場がアメリカになるとのことで、いろいろ危うい状況が続きそうですな。

 最後は洋上の石油採掘場のようなところで起こる爆発と、犯行グループ、首謀者らしき異星人風のキャラクター。こいつが次話のエースキラーとその一党ということでいいんだろう。

 ところで、EDの影絵/切り絵風のシーンですが、これってもしかすると今シリーズの流れをそれとなく示しているのかなと、今頃になって思ったりしてます。たぶん、ゴーカイジャーのOPの違いを意識してみると、こっちのEDも気になったようです。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/26 (Fri) 10:48:20

週末感想です。

★牙狼VR

 「夏草や、つわものどもが夢の跡」
 最終話を見て、松尾芭蕉みたいな気分になりました。

 実際の最終場面は雪景色で、「しょせん最後は寒い冬」ってエンディングで、本作の撮影時期を窺わせる絵面でしたけど(CGなどによる合成でなければ)、

 ええと、「無駄に壮大に見せかけてますけど、中身が空っぽだった、牙狼の名を借りた虚構な道程(バーチャル・ロード)」でした。
 何も残らなかったというか、牙狼15周年を謳った祭りがこれだと、虚しい終わり方だったな、と。

 空遠世那って主人公の名前には似合った終わり方かも。
 「空っぽで遠い世界は何ぞ?」って感じで、生き残ったけど、何も残らなかった。ゲームをクリアしたけど、エンディングで徒労感だけがこみ上げてくる作品。

 とりあえず、最後に気になったのは、「これ、空遠は自分の家まで無事に帰れたのかな?」という。
 ええと、ゲームの世界かと思えば、魔戒騎士の戦場跡で一面雪景色のどこかの山にいたわけでしょう? 歩いて帰れるのかな? 
 ゲームの主催者も一人は亡くなったし(葉霧さん)、もう一人は「また会おう」と言って、闇の鎧の欠片を吸収して消え去ったし(アザミさん)、血にまみれた牙狼剣をその場に残して、ただ一人残された空遠が歩いて、ただ生きるだけに還っていく。壮大なBGMと共に。

 でも、視聴者としてはポカンなんですよ。一体、この物語の顛末をどう受け止めていいのかって。

 大筋としては、空遠が天羽さんを殺さずに、剣を突きつけただけで勝利を宣言。相手を殺さずに決着をつける意志を示した、と。
 葉霧(13番)もかつての戦いで、殺し合いを拒絶しながらも55番を斬っちゃった。結果的に55番は(その場では)死ななかったとはいえ、「牙狼になろうと思って人を斬った人間を、剣と鎧は牙狼の後継者として認めなかった」
 そこから葉霧のこじらせた策謀が始まったわけで、牙狼に拒絶された正義漢が牙狼になりたい、越えたいという理由だけで、一般人を巻き込んで始めたデスゲーム。

 その中で、空遠という「かつての自分を想わせる正義漢」を見出だし、自分の同志として誘ったら拒絶され、闇の鎧ベールと化した偽りの牙狼を身につけ、空遠を殺そうと襲い掛かったら(それを邪魔する天羽を殺害しつつ)、
 気高い魂を最後まで維持した空遠が、友たちの思念に支えられ、天より舞い降った黄金の鎧を身にまとい、剣ではなくて拳で葉霧を粉砕する。

 黄金拳士・牙狼の爆誕かと思いきや、空遠は牙狼の称号を拒絶する。結局、最後まで「牙狼という伝説の意義」は空遠たちには伝わりませんでしたね。
 牙狼を礼讃していたのは、視聴者たちと葉霧だけで、それを粉砕して終わりなんて、「牙狼ファンをナメるな」的な憤りすら覚えます。
 「牙狼はもう終わったんだ。幻想を追わずに卒業しろ」って作り手のメッセージだとしたら、昨年のドラクエ映画もそうだったらしいですが、「作品タイトルを借りて、ファンの思い入れを絵空事と粉砕して、良いものを作ったと思い込む映像作家のセンス」には、それはサービス精神とは言わないなあ、と。

 「今度のワインはどんな味かな?」と芳醇な味わいを求めたら、美味い不味いの問題じゃなくて、「真水を飲まされて、酔いが覚まされて、はい、店は終わり。さっさと帰れ」と追い出された気分。
 雨宮慶太バーテンだったら、こんな客を愚弄するようなことはしなかったろうに、今度の店の主人は何だったんだ、客商売する気はあるのか? と。

 牙狼としては、牙狼を否定して終わる話で、ニーチェ風に言えば、「牙狼はシんだ。友の死を乗り越えて、そのルサンチマンに飲み込まれずに、不合理な世の中で自分の心の強さだけで乗り越える超人たれ」って感じですか。

 アザミに関して言えば、ある意味、牙狼が天敵になるわけで、もしも空遠が牙狼の後継者になる宣言をしていたら、その場で始末してしまいそうな感じでした。
 だから、空遠が「散って行った仲間に生かされた以上は、自分はシねない。ただ何者でもなく生きて行くだけ」と想いを語った際、それを受け入れて、自分は去った。彼女としては、空遠のことを「また面白いゲームの駒として、将来楽しめるかなあ」という感覚なのか、それとも「宿命を乗り越えて、ただ己を貫いた意志の強さに敬意を示した」のか、その辺は曖昧ですけど、まあ、ダークメタルは吸収したし、望みはかなったってことですね。

 そして、この世界。
 結局、「神格化された牙狼の復活」だけを、魔戒関係者が渇望したゆえの悲劇なんだけど、
 ゲームキャラ以外のホラーは現実に暴れているんだろうか。ホラーがいないのに、牙狼を復活させる必然性があるのだろうか。
 まあ、アザミがかつてのホラーの王の魂を宿した女王みたいなもので、ゲーム以外でもいろいろと悪さをしているなら、退治しないといけないんだろうけど、彼女自身、「ただ生きたいだけで、大それた悪事は考えていない。まあ、牙狼の鎧が復活されたら面倒だから、その芽を摘みに来た。あとは人の闇を見て楽しんでた」というだけなら、主犯が葉霧で、彼女はただのデウス・エクス・マキナと解釈できるかも(神ではなく、悪魔的だけど、ゲームに介入する超越者であることに変わりない)。

 続編を見たいとも思わないし、虚構が虚構のままで終わったよ、ぐらいに受け止めておきます。
 まあ、個人的には「虚構だって無意味じゃない。思う存分、楽しみ、ときめけ」って作品が好きだし、ヒーローとしての強さ、輝きに憧れるので、この作品は「ヒーローたちは散っていき、ただ一般人だけが残った」という意味で、では一般人として生き残った空遠はこの後、精神的超人として強く生きるのか、打ちのめされた廃人として虚しい人生を送るのか、は気になるところ。

 欲を言えば、もう10分ぐらい、日常に回帰した空遠の姿と、それを遠くからストーキングして、ニヤリと笑みを浮かべる小悪魔アザミの姿で、おまけ映像を見たいけど、
 そういうシーンがブルーレイの特典に付いていたとしても、買わないですね(笑)。
 ただ生きるだけの男が主人公の物語に、金は出したくない。

★ULTRAMAN

 アニメと原作コミックの違いが2点ばかり。

 まず、進次郎のスーツが、遠隔装着可能ということが明示された点ですね。
 これは、アクションシーンへの切り替わりを良くするためが大きいのでしょうが(アニメの売りは原作よりも派手なアクションシーンですし)、
 原作は「アメコミのアイアンマン」を意識して、段階的にスーツのバージョンアップが示されていて、「北斗のスーツと、ヤプールさんの技術提供を受けて、進次郎たちのスーツが改良される流れ」を経ているのですね。

 映画のアイアンマンスーツも、最初は拠点でしか装着できなかったのが、簡易型携帯スーツとか、遠くから飛来するスーツに次第にバージョンアップし、最新版でナノメタルで自己修復可能なまでに、作品ごとのパワーアップを見せてくれました。
 本作のULTRAMANスーツも、映画のアイアンマンスーツの描写をオマージュして、段階的にパワーアップを見せていたのが原作コミックだと思われますが、
 アニメだと、進次郎の能力覚醒がパワーアップのメインで、スーツ自体の性能アップは主眼に置いていないようです。

 だから、エースのスーツの超性能を見て驚くシーンもなし。


 次に、諸星さんの異星人告白もなし。
 これは、北斗相手ではなく、残り2話のクライマックスの中で描くように改変されたと期待します。

 なお、諸星さんの名場面としては、今回、進次郎に対する無言の警告シーンが迫力満点で笑えました。
 原作でもあったシーンですが、そちらではたった数コマのギャグシーンっぽい描写の、ほぼ小ネタ。

 だけど、アニメだと「JOJOっぽいゴゴゴゴゴという擬音が迫って来そうな大迫力」で、もう今回は諸星劇場と言ってもいいだろう、と。

 そして、佐山レナ劇場でもありますな。原作よりも力の入った少年と少女のセンチメンタルな交流劇に心洗われたり。

 なお、レナが「初代ウルトラマンとゼットンの戦いを思い出した心象場面」は、思い出というよりも、レナ本人が想像構築した場面と解釈すべきかと。
 理由は、当時のレナは赤ちゃんで物心が付いていないから覚えているはずがないから。

 さらに原作のその後に準じるなら、「レナは遠藤刑事の実の娘ではない、異星人疑惑のある養女」なので、母親の死というのも遠藤刑事の作り話(遠藤刑事にとっては妻の死という事実があるにせよ)ということになります。
 この辺の、原作とアニメの改変部分がどういう形で整合性を保持するかが楽しみかと思います。

 総じて、アニメは「原作で作者が提示した要素」をよりドラマチックに、アクティブになるように再構成していますので、その改編理由をあれこれ推測するのは楽しい作業です。
 総じて、改悪にはなっていないかなあ、と現状は思いますね。原作のゴチャゴチャした要素を整理する形ですし、アニメは1話1話、ストーリーの中核が見やすくなってます。


 そして、レナ退場で、メインは北斗の物語の顛末に移ります。
 エースキラーの率いる異星人部隊と、ウルトラチームの激突。

 ただし、原作では諸星さんが敵の罠にハマって、いきなり重傷を負って、戦闘不能状態なので美味しくなかったわけで。(だからこそ、ハヤタパパ復帰が引き立つのでもありますが)
 その部分を改変して、もっとド派手なチームバトルが見られたらいいなあ。
 進次郎とハヤタパパのタッグに対して、諸星さんとエースがタッグを組むように改変されると、ドラマ的にうまくまとまると思いつつ。

 残り2話分、楽しみです。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/26 (Fri) 12:48:43

 定期感想その2です。

 自分のULTRAMAN感想で間違えまして、「2017年作品だから」などと書いてしまいまして、アニメ版は2019年(4月)でした。一度は「GRIDMANのCMで新作ULTRAMANのCM見た」と思い出したこともあるのに。こういう時期の勘違いはリアルにおける物事に留まらない傾向が、自分にはあります。

 作中の進ウルトラマンの回想シーンですね。レナの誕生時期を間違えてたorz。そこに気が付けば、回想ではなく想像とも分かったはず。この点、ご指摘によりイメージ修正できて、スッキリしました。いつもありがとうございます。

●牙狼VR(第12話/最終話:VERSUS ROAD)

 NOVAさんのご感想冒頭で、芭蕉の句「夏草や、つわものどもが夢の跡」を引用されているのを拝読して、「そうか、そういうことだよな」と感じ入るものがあります。古典は大事ですね。心情を表すに、ぴったりの句や一文がありまして、その句や一文の周辺も想起できるので、簡潔にして豊富に語れますな。

 自分になぜその句が響いたか考えてみて、一茶の句「痩せ蛙、負けるな一茶、これにあり」を牙狼VRに期待していたからだったような気がします。本作に限らず、ヒーロー物などで自分がハマるパターンでもあります。

 もっとも、工夫されていた点があるのは、分からなくもありません。牙狼1stですと、1話完結的なエピソードを積み重ねて、終盤でラスボスが出現して倒すという形になってる気がします。必ずしも1本の線を追ってラスボスを目指す感じではない。ただ、1話完結的なエピソードを経るごとに、主人公らのキャラ印象が深まり、そこが終盤で活かされていたように思います。

 この牙狼VRですと、1クールということもあって、序盤から主人公らの勝利条件やラスボスは確定的に見せてもらっていました(多少の二転三転はあるにせよ)。かつ、回想譚により、ラスボスと思しき葉霧宵刹、伽堂アザミの過去が示され、現在編のゲームが過去の繰り返しであることも示された。1巡目の失敗が2巡目で変化する、という感動を呼び起こしやすいテンプレートの1つですね。

 ですが、見ての通りの結果となったわけで。1つには、段取りが良すぎることがあったような気がします。設定通り、100人中の1人のサバイバルを100人の段階から見せたこと。これは描く手間、話数がかかるのは当然でしょう。生き残る4人を際立たせるためだったかもしれませんが、退場キャラにも重み持たせたりして(星合翔李等)、話数的にも印象的にも分散の弊害が大きかったような。

 その結果、終盤~最終話が大急ぎになりました。4人になり、2人になるキャラクターも充分には立ってない。そのせいか、「このキャラにはこういう背景があって、だからこういう意思決定をして」等を描くのに、台詞で説明させちゃった感じがあります。これは物語、特に映像作品なんですから、「能書きはいいから、行動で示せよ」と愚痴りたくなります(^^;。

 物凄く簡潔に申せば、「物語を見たんじゃなくて、どういう物語にしたいかの説明を受けた」であり、さらに短く言えば「これはダイジェスト版だよね?」ということになります。

 しかしながら、実は最終話でも「このシーンはいいな」と思えるものがありました。正確に言えば「このシーンがグッとくるようにできたのに」というガッカリかもしれません。

 それは、最後にようやく鎧バトルになり、空遠牙狼が葉霧ベイルに締めあげられて、もう駄目かとなってからのシーンです。空遠が既に散った戦友・強敵を思い出て奮起し、逆襲するに、彼らの戦い方、技を用いたところですね。こうしてくれると、今までの蓄積が溜めとなって一気に蘇ってくれて、山場の決着にふさわしい感動にできる、はずでした。

 なぜって、これも分かっていても感動するテンプレートですから。主人公が最終決戦でラスボスに打撃を入れつつ「これはキャラAの分、これはBの分、そしてこれが俺の怒りだ!」みたいに叫ぶパターンですね。道半ばに散っていったキャラクターの無念、悔しさが蘇って、主人公の反撃に大きなカタルシスを与えてくれます。

 だけど、散っていったキャラクター及び主人公との関わりをじっくり描くという段取りあってこその感動です。牙狼VRですと、いかんせん尺が足りなかった。1クールの終盤なのに、例えば朱伽の自我発生まで盛り込んでしまい、結局、何もかも中途半端に終わることになった気がします。

 自分的に高評価・好印象の南雲太輔ですら、空遠と別行動だったこともあり、空遠に充分に無念を託せなかったような気もします。ラストまで観終えてみると、ですが。天羽涼介もまた然りで、空遠の目の前で殺害されましたが、奏風大との関係すら描くに充分ではなく、空遠を動かすだけの説得力を出すのは難しかったように思えます。

 香月貴音や日向蓮などもゲームの異様性を表す素質のあるキャラでしたが、空遠とは切り離されていた感ありです。例えば、このゲームの恐ろしさを充分には空遠に伝えきれてないような(空遠が知らず、視聴者は分かっているという劇的アイロニーでもない)。各キャラクターの個性までは描けたとしても、その個性同士の絡みで出てくるものは示されなかった印象でしょうか。

 操られたラスボス(?)ですが、葉霧の恨みつらみ、迷走、転落、歪んだ信念等も台詞でしか表されていないものが多かったような。彼視点で、彼の「正義と信じての闇堕ち」だけでも、1クールで描くに足るような気もします。ダースベーダーの生涯、みたいな感じで。敵味方、どの重要キャラクターももったいない扱いかなあという気がしてます。

 もしかして、現場制作陣は当初、2クールで構想練ってたのかな、とか思ったりもします。しかしスポンサーや上層部から、「これだけ新規性が高くては危険だ。1クールで試せ。好評なら続きを考えよう」と言われたとか。制作陣は、せっかく考えたアイデアを捨てるに忍びず、切り詰めつつも全部盛り込んで消化不良になったのかな。まあ妄想ですけれど(^^;。

 ともかくも可能性は感じます。が、いろいろ欲張り過ぎて、可能性が可能性に終わった感じでもあります。というのが、自分的な評価。録画はしてありますが、たぶん観なおすことはなさそう。牙狼1stだと、「あの最終話につながるんだよね」ということで、録画を観なおしても未だワクワクしたりするんですが。牙狼VRは、実にもったいないことした作品だと思います。

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/28 (Sun) 18:32:08

 定期感想その3です。

 来週(7/3)の金曜ロードショーは「レディプレイヤー1」とのことで、今から楽しみです。既に録画予約は2つしてあり、1つは保存用の低画質、もう1つが裏録の高画質の再視聴用です。

 もう1つ、録画予約で気が付いたのが、牙狼VRの後枠に「MAKAISENKI」が来ますね。TV鋼牙編第2弾でよかったかな。第1話次第ですが、定期感想リストに入れたい気がします。

 ネット放映分では、ディケイド・スピンオフが2回分使って、100mトラック競技ライダー対決やってまして、ちょっと笑ったし、嬉しかったり。嬉しかったのは、各ライダーがスーツアクター名でやってくれたことでした。

●仮面ライダーウィザード(第11話:守り抜く約束、第12話:希望の和菓子)

 まず今週前半、国安0課後編ですが、木崎警視がなかなかのものでした。先輩の片山義男の殉職は木崎の責任ではないにも関わらず、全部しょい込んで、しかも義男の息子:直己の心情を慮って、真実を語らない。当然、直己に恨まれるのは承知したでしょうけど、今話の木崎の行動からすると、恨まれたまま自分(木崎)も殉職する覚悟があったらしい。

 ともかく本編。まず木崎はウィザードである晴人を忌み嫌い、「いつまでも化け物のところに置いておけるか」と直己を国安0課へ連れ去る。その0課では、輪島が指輪づくりをしているわけですが、どうもやる気がなさそう。なんとなれば、指輪を使えるのは魔法使いだけ、だからですか。

 これには木崎もがっくり来たらしい。最初に言ってくれよ、ということなんでしょうけど、輪島に有無を言わせず連行したのが原因だろう。考えようによれば、輪島の木崎に対する意趣返しの嫌がらせだったかもしれません。

 直己についてはどこかへ護送するらしく、直己のパーカーのフードを被らせ、「顔を上げるな」と木崎は注意して車に乗せてますね。が、この動きは晴人らに気づかれてますし、ミサらファントム側にも察知されてますな。ミサはさらに何かあると気が付いている模様で、追跡しようとするガーゴイル(太った男)に何か指示している模様。

 木崎ら直己護送チームはグール隊に襲撃されますが、ガーゴイルはいないみたいです。が、0課とはいえ一般人の一般武装ですから、グールには対抗し得ないようですね。が、木崎は散らかっていた資材から鉄パイプを拾い、直己に「逃げろ」と叫びつつ、必死の抵抗を続ける。

 直己が逃げずに見守っているようですんで、自分はてっきり「この様子を見て、直己が木崎に対する見方を変えるのか」と思ったんですが、全然違ったorz。フードを取ったら直己ではなく、木崎の部下でした。つまり囮作戦だったわけですね。木崎、絶体絶命ですが、晴人が介入してグールを蹴散らし、事なきを得る。

 これを「なーんだ」とは思えませんでした。木崎は、命を失いかねないリスクを取って、囮役を果たそうとしたわけですから。確かに直己を助けるために命を張っている。残念ながら直己には伝わりませんが、見ている自分には木崎の心情、覚悟がしっかり伝わるシーンでした。

 もちろん、晴人も木崎に真意を尋ねる。そこで過去の事実が明かされるわけですね。直己の父:片山義男と木崎が魔宝石からガーゴイルにたどり着き、ガーゴイルのターゲットが直己であることも突き止めた。それを阻止すべく、片山義男は木崎に直己保護を命じて去らせ、義男はガーゴイルに立ち向かうも、返り討ちに遭ってしまう。奇しくも銃の弾が尽きても、鉄パイプで立ち向かったところが木崎の今話の行動と重なりますね。

 木崎は現場から去る命令が直己保護だけでなく、自分(木崎)を助けるためであったことは承知していたでしょうな。その義男の恩義に報いるため、一命を賭して直己を守ろうとしていたわけか。真実を知ると父の死が自分に責任があると感じるだろうと、直己には事実を告げることも避けたわけで、腹の括り方が半端ない。

 が、ファントム側の行動が木崎の作戦の上を行っており、時間差で護送される直己をガーゴイル&フェニックスが襲撃してしまう。囮作戦に対し陽動をぶつけていたわけですな。ガーゴイルは単刀直入に父親死亡事件の真相を知らせまして、直己は絶望に落ちてしまう。今まで他人に抱いていた憎悪が自らに跳ね返っても来たでしょうから、耐えられなかったんだろう。

 ウィザードはガーゴイルとは手合わせ済みで対処法も既に考えてあり、フレイムドラゴンで撃破、続いて絶望した直己のアンダーワールドにダイブして、精神中のファントムも撃破、なんとか防ぎ切った形ですね。

 これで木崎も晴人=ウィザードを見直したらしい。今まで、遠目に見て「同じ穴のムジナ」くらいにに見えていたんでしょうけど、間近で共に戦ってみて、見え方が変わったんだろう。輪島は緑の魔宝石を持たされて帰されたことが、その一端でしょうか。この緑の魔宝石が次話で役立ってくるわけですね。

 続いて後半(第12話)。前話の木崎が責任感の強い硬骨だとすれば、今話の和菓子屋(松木庵)店主の松木昭造は職人気質の頑固者といった感じですね。前話で入手した緑の魔宝石は、今話で2個の指輪になりまして、ハリケーンドラゴンというわけでしたか。今回は、代償の暗示とかは特になし。

 ともかく本編。瞬平が張り切りまして、街にファントム探しに行きますが、ことごとく外れてスベッてますな。高校時代の先輩:稲垣徹也に会いまして、和菓子の松木庵で働いているという。別のシーンで(移動ドーナツ店)、和菓子の不人気がそれとなく触れられてまして、これが今話での松木庵の資金ショートの暗示・伏線だったようです。

 ファントム側のメインゲスト敵はヴァルキリーで、まず徹也を襲撃して、配送中の和菓子を台無しにする。このことから徹也がターゲットとなりそうですが、ヴァルキリーが「ノルマは果たした」の捨て台詞で、さっさと撤退したことで晴人は疑問を持つわけですね。

 徹也は届け先の料亭に正直に事情を話しますが、ファントムのことを知らない女将はかえって怒りだす。駆けつけた松木が言い訳抜きに謝罪し、別の和菓子屋から松木庵の費用負担で代わりを届けると申し出るも、女将は松木庵を出入り禁止に。

 このシーンでちょっと気になったのは、松木昭造が自分の代わりになる和菓子屋の知り合いがいるということですね。頑固ではあるけど独善ではないらしい。少なくとも、専門分野で他人を高評価する度量がありそう。

 それはともかく、松木庵は蓄えが少ないらしく、料亭との取引停止で収入が半減すると、すぐにも店の維持が難しくなるらしい。おそらく、薄利で売っていて、しかも和菓子が長らく不況だからでしょうな。茶道ブームになったりすると、和菓子も売れるんだろうけど。

 ここで瞬平が2回目の空回り始めるわけですね。セールス活動しようとするわけですが、やり方が強引極まりない。もちろん、それで松木庵を立て直せるわけもない。が、デパートのバイヤーと称する稲垣徹也が来店、松木庵の和菓子を褒めちぎり、向こう半年間、毎日500個の商談を持ちかける。

 そんなうまい話があるわけないんですが、やはり困っているときには信用してしまうんでしょうか、店主の松木昭造は受けまして、新たに饅頭「きぼう」を作り、納品に行く。しかし、デパートで門前払い、偽の商談だと稲垣徹也=ヴァルキリーがあざける。ゲートは松木昭造だったわけですな。

 が、松木昭造がどうも不屈な感じですね。晴人が変身して迎撃する隙に、瞬平が松木を連れて逃げるわけですが、足取りとかしっかりしてる。料亭から絶縁されても、新たな商談が壊れても、苦心の饅頭が踏みにじられても、おそらくはこれで店をたたまなくてはならなくても、なぜか絶望に至りそうにない。

 松木の希望をつなぐ何かがあるとしたら、弟子の稲垣徹也でしょうか。海音寺潮五郎「孫子」に、「世俗的な欲が薄い学者肌の人間は、実は後世に対する名誉心が強い」という記述を読んだことがあります。後世に名を残す、というものですね。職人気質ですと、仕事を残したいじゃなかろうか。それには仕事を継ぐ人が必要なわけで、つまり弟子。弟子を一人前にしたいという願いが松木を支えているのかもしれない。

 なんてことを考えてましたら、瞬平がヴァルキリーにさらわれまして、次回へ。後半解決編を観てみないと、感想はまとまりそうにない感じです。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第21話:冒険者の心、第22話:星降る約束)

 OPの特徴が分かりまして、第21話OPを見た途端、「あ、レジェンド登場回だ」と分かり、楽しみになるのは得した気分です。

 第21話に登場してくれたのは、「轟轟戦隊ボウケンジャー」の「明石暁(ボウケンレッド)」ですね。ゲストメイン敵として「リュウオーン」が出て来まして、調べると、ボウケンジャー本編の敵組織「ジャリュウ一族」の長「創造王リュウオーン」ですか。ボウケンジャーには他の敵組織として「ゴードム文明」「ダークシャドウ」「クエスター」があり、まとめて「ネガティブシンジケート」と呼ばれると。

 ウィキペディア座学(?)で調べただけで、かなりややこしそう。つまり、よう分からんですorz。明石暁(ボウケンレッド)が、おそらくボウケンジャーの誰かを意識している様子もあったんですが、やはり未視聴ゆえによく分からない。

 が、ゴウカイジャー本編が分かりにくくなるわけではないのが救いですね(ボウケンジャー視聴した人はもっと楽しいはずではあるんですが)。「黄泉の心臓」なる復活のお宝(プレシャス)があり、ザンギャックが狙い、ボウケンジャーの明石暁が阻止しようとする。それにゴーカイジャーが関わっていくわけですな。

 が、黄泉の心臓でリュウオーンが甦ると。今話冒頭からストレスのせいか苛立っていたキャプテン・マーべラスは、明石暁から冒険の心得を諭されて立ち直り、見事に黄泉の心臓を取り返す。これでボウケンジャーも引き継いだわけですね。

 後半(第22話)は、鎧とジョー(ゴーカイブルー)のエピソードですな。鎧とジョーに不和が起こるわけでもなく共闘に至るんですが、その関係性はメインゲストの子ども2人が象徴しているのかもしれない。

 子どもの1人:将太は自転車でがむしゃらにどこかへ向かってまして、鎧にぶつかったりしても謝らず、無礼というのではなく、行く先が気になって仕方がないゆえらしい。どうやら、遠路をやってきたようで、神蔵山で待つサッカー友達:大吾と会う約束を果たしたいらしい。

 そこへザンギャックが絡んで来まして、ペアの「童石」なる災いを招く大小の石が狙いの模様。大きい童石は神蔵山にあり、もう1つは将太からザンギャック:スターグルが強奪。ジョーと鎧は神蔵山に向かうも遅く、スターグルが2つの童石で災い:巨大隕石を呼び寄せた後(偶然にも今週のキラメイジャーと隕石つながり ^^;)。

 スターグルは撃破するわけですが、隕石は既に地球に迫る。さっき巨大スターグルを見て怯えていた将太を、ブルーはまず言葉で励ましておいて、隕石撃破にゴーカイオーで豪獣神を投げ飛ばす荒技と覚悟を見せる。鎧とブルーの間の信頼あってこそのもので、これで将太も立ち直ったんでしょう。無事、大吾と再会して、めでたしめでたし。

 今週は異なる作風の2話でしたが、どちらもカッコいい話だった印象です。

 さて、今晩は必殺スペシャルですね。明日くらいにゼロワンの感想書いて、それから必殺の感想を考えたいと思います。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/06/29 (Mon) 12:16:55

 週初めにして、月末感想になりますが、今週は書くネタが多いですな。
 必殺はまた後日にして、新生塾の先生がただの小悪党だったのは残念。まあ、作品としては前半が80年代の義理人情なノリで、後半がドンデン返し的な「運命の悪戯的な悲劇」で、まあ、それなりに満足できる出来でした。

 少なくとも、牙狼VRの最終話を見たガッカリ感はなかったです。まあ、この作品も全てがダメだったと言うわけでもなく、実験作として途中はいろいろと楽しませてもらったのも事実。
 牙狼の歴史から想定される予定調和ではなく、「一般人が魔戒騎士の世界に巻き込まれてしまった不条理」を描いたIF的な作品。
 気になるのは、父親を失った55番の息子のその後ですな。南雲さんが生き残っていたら、彼が面倒を見るかも知れず、空遠はそもそも55番のことを知らないし、理不尽に父親を失った幼子がどんな人生を歩むかは気になります。

 その点で、今回の必殺で、理不尽に母親を失った幼女が、理不尽に夫と息子を失った母親の支えになる「被害者ドラマの後日譚」を示してくれたのは、ちょっとした救いと言えるかな。

 そして、牙狼VRの次は「本家のTVシリーズ2作目の再放送」ですか。舌直しというには、素晴らしすぎるメインディッシュの提示に拍手喝采を送りたい、と。
 で、VRで提示された「魔戒騎士選抜試験の原型ドラマ」もこの作品で提示されます。
 幼少期の鋼牙が、ライバルたちやチームメイトと競い合い、切磋琢磨する中で培われた友情と、その後の悲劇のドラマがVRとは比べものにならない荘厳さで描かれて、ある意味、牙狼TVシリーズ最高傑作の認定をしたいと思うほどの作品。

 一作目は、鋼牙個人の物語で原点。
 二作目は、鋼牙を中心に、数々の魔戒騎士や法師の世界観を膨らませて、ほぼ完成させた一大傑作。

 この出来がお見事だったために、以降の牙狼シリーズは主人公を変えたり、変化球をあれこれ繰り出しているとも言えますな。
 とにかく、これ以上、牙狼らしい牙狼はないほどの傑作なので、VRは前菜で、これが真の牙狼だ、という作品を堪能したいと持ち上げます。

★ゴーカイジャー

 ボウケンジャーについての追加情報。

 ゴーカイが35番目のスーパー戦隊であるのに対し、ボウケンはその5年前、30番目のスーパー戦隊で、ゴーカイとは違う形でのメモリアル作品でした。

 敵組織が「恐竜モチーフの邪竜一族」と「忍者モチーフのダークシャドウ」と「古代文明のゴードム」という戦隊3大人気モチーフから取られ、それぞれ赤・青・白という組織カラーも用いられ、複数組織によるお宝争奪劇が描かれたり(メカ的なクエスターは後から登場した強敵追加組織で、モチーフカラーは黒)。
 まあ、敵組織が最初から複数というのは、戦隊では初ですね(それ以前にジャンパーソンというロボット作品があったりしましたが)。

 で、30作記念ということで、オリジナルビデオでも『ボウケンジャーVSスーパー戦隊』という作品が作られたり、エンディングでも歴代戦隊の紹介コーナーがあったり、後から見るとプレ・ゴーカイジャー的なエッセンスがいっぱいあった作品でした。
 そして、マーベラスの恩師であるアカレッドは、このボウケンジャーのビデオ版で初登場した「全ての戦隊レッドの魂を受け継ぐ者」としてボウケンジャーのピンチを救った人物なんですね。

 視聴当時は、「30戦隊の集大成であるボウケンジャー」を楽しみ、その5年後に「もっと壮大なゴウカイジャー」に発展進化し、もう、これ以上はないな、と思いつつ、毎年の試行錯誤と伝統継承の諸作を味わっている最中ですね。
 今は、変化球をやめて、直球で輝こうとしている最中ですが。

 ともあれ、ボウケン→ゴーカイで、お宝探しというテーマを継承したら、その流れでルパンレンジャーと来て、さらに現役のキラメイシルバーがまたお宝探しというテーマで登場。
 今はお宝探しが旬って感じです。

 なお、次回は「人の命は地球の未来」をテーマにした燃えるレスキュー魂の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』をテーマに、ヒロイン回となりますね。
 命こそが守るべき宝、という話にもなりますし。

 そして、2本めが、浦沢脚本のジェラシット再登場回ですな。今度はカーレンジャーのおまけではなくて、ジェラシットをメインにした変な回パート2。
 戦隊では時々、倒されないまま終わって、伝説に残る迷怪人が発生します。アバレンジャーのヤツデンワニとか、このジェラシットは後に宇宙監獄に囚われて、スペシャルなビデオ版にも顔見せして、「また、お前かよ」と笑いを振りまく存在に。

 出て喋るだけで、場を和ませる怪人は、ちょっとしたお笑い芸人そのものですね。
 ライダー怪人は基本シリアスだけど、戦隊怪人は基本お笑い。で、顔見せ幹部(バスコ)が基本、強敵シリアスだと。

 ともあれ、しばらくはシリアスなバスコ回と、通常回的なザンギャック回のローテーションになるのかな、と思ったら、
 その次は、ハリケンジャー前後編のお祭り回が待ってますね。基本、レジェンドは変身しないのがゴーカイジャーの定番ですが、ハリケンジャーはきちんと変身して、3人勢揃いして海賊と共闘してくれるスペシャルな回です。

 うん、海賊もいっぱい盛り上げてくれる頃合いですな。

PS.ライダーはまた夜か、明日にでも。
 

Re: 6月のスレッド(2020) - K.K

2020/06/29 (Mon) 21:14:32

 定期感想その4です。

●仮面ライダーゼロワン(第36話:ワタシがアークで仮面ライダー)

 不破の記憶問題は未解決事項があったわけでしたか。不破がまだ思い出せないにしても、家族は健在だったということで。そこに不破自身が納得いく答が欲しくて、悩んでしまい、ついに占い師にも頼ろうとしたわけですね。良心的な占い師さんは、占いの形で人生相談に乗っているんだそうで、まあ悪くない選択かも。

 しかし、不破は占いに頼るところを或人らに見られると、急にとぼけだしたりしまして、他人を頼るのを潔しとしない信念であるらしい。が、結局、或人が用意した占いヒューマギアに相談と相成るも、納得いく答えは出ず。どうでもいいことですが、この占いギア:東品川の母って、現在の飛電製作所の収入源の1つなのかな(^^;。

 最後に頼ったのが、会話AIのアイちゃんということですね。或人のアイデアを博士ボットが実現、これもヒューマギアであるらしい。これが意外にも効きまして、不破はとりあえず自分の実家の家族の様子を見に行くこととなる。なんでも、自分が何に困っているか説明してみると、自分で答に気が付くことが多々あるそうで、今回のケースもそういうことだったかもしれない。アイちゃんも「自分(不破自身)に聞いてみなよ」と言ってるわけですし。

 実家にたどり着いて見ると、両親と弟がごく普通に暮らしてますな。仲はよいらしい。が、自分的な見立てですが、父親の発した普通はスベるギャグでみんな爆笑していることが、不破に刺さったんじゃなかろうか。或人のダジャレで吹き出してしまうのは、平和で普通の家族の封印された記憶から来ると、不破が認識したということで。長らく失われていた自分のルーツを見出した、と言ったらいいのかしらん。

 そういうほのぼのエピソードと並行して、滅亡迅雷側では着々とアーク復活が進行中ですね。冒頭ではまだ黒いトゲトゲの塊ですが、滅亡迅雷四人衆に赤い光を送って支配下におけるような感じです(しかし、まだ迅だけは従ってなかったと、後で明らかに)。

 これが実は迅の狙い通りであるわけですね。たぶん、迅の考えるヒューマギア解放はアークからも自由、自律であることなんだろう。これに唯阿が亡復活作業の段階から協力していたわけでしたか(前に迅が言った「僕の正義」ですね)。滅亡迅雷四人衆復活→アーク復活=リアルへの引きずり出し→滅がアークの器に→アーク破壊→滅解放、までがプランだったのかな。

 が、アークゼロが想定外の強さだったわけですね。しかも迅が裏切っていたことも察知されている。ライダー迅、バルキリーが迎撃を試みるも、鎧袖一触で撃破され、手のつけようがなさそう。しかも唯阿が重傷を負い、病院に担ぎ込まれる。

 唯阿緊急入院の報を受けた或人らが駆けつけますと、唯阿は重傷ながら命に別状なく、見た感じですが、後遺症とかもおそらくなさそう。しかし、それでホッとするわけにはいかず、唯阿からアークゼロの脅威の高さが語られる。要は敵う相手じゃないということですね。すっかり戦意喪失の模様。アイちゃんで立ち直った不破が、アイちゃんを唯阿に託したのは、自分流の解釈ですが「自らの力で立ち直れ」という励ましに見えます。

 或人と不破が出撃、変身してアークゼロと対峙。バトルとなるわけですが、なんだか弱くなってるような。と思ったら、変身が解けると滅ではなく、迅が現れた。いったんライダー迅が唯阿を連れて逃げ去った後、アークゼロの滅が「(迅は)戻って来るさ」と不敵に笑ってたのは、これだったようです。となると、滅亡迅雷四人衆の誰でもアークゼロは利用できるとみていいんだろう。ただし、たぶん滅ベースのときが最強ではありそう。

 アークゼロは迅から離れると、不破を攻撃、というより体を乗っ取ろうとしている? 不破は対戦前にも頭痛に襲われたようで、亡を抜いたとはいえ、脳内チップがあればアークゼロになり得るのかもしれない。唯阿もアークゼロとの対戦時、頭痛がしていたようですし。もしそうなら、唯阿にとっても天敵のような存在となりそう。もしかして、唯阿が絶望に近い恐れを見せたのは、このことがあるからなんだろうか。

 不破に止めを刺さず、アークゼロは滅(のドライバー)に戻る。ゼロワンが再度の撃破を試みますが、今度はアークゼロに圧倒されて吹き飛ばされまして、続く。ZAIAがバトルレイダーに変身できるレイドライザーの一般販売を始めちゃったこともありますし(しかも福添一派が乱を起こしそうでもある)、状況は八方塞がりになって来た感があります。

 それにしても今話で気になったのは、或人の祖父:是之助です。2度ほど、名前が出てました。1度目はレイドライザー市販開始を知らされた或人が、「天国で爺ちゃん(是之助)がこれを聞いたら」よ言ったこと。これはまだ伏線として弱い。

 ですが、2度目はアークゼロからで、「お前(或人=ゼロワン)が是之助の孫か」と問い、確認してます。こうなると、是之助が背後にいる可能性が出てきそう。こちらでNOVAさんの推測を聞いていたわけですが、その線が劇中に見えてきた感じがします。

 次話「ソレはダレにも止められない」では、アーク(ゼロ)が本格的に行動開始するようですね。アークゼロ誕生時にふっ飛ばされた亡は無事、復活しているようですし、ライダー亡としても搭乗する模様(そう書いてみて、なんだか嬉しくなったのは、バルカン内で亡が覚醒して以来、感情移入が生じているからかもしれません)。

●必殺スペシャル2020

 リアルタイムで観ているときですら、いろいろ不満な点があったんですが、でも自分的には及第点以上の出来だった印象です。不満点が具体的に、ピンポイントで出て来ましたんで、全体の雰囲気とかは納得できる出来だったということで。

 話の流れとしては前半と後半に分かれてましたね。一応、子どもの「つゆ」が全編通じての登場ですが、メインの役回りは前半だった感じです。後半では最後に被害者遺族のタガを締めつつ、自らも新たな保護者を得て、ハッピーエンドを演出してました。

 まず前半では、オレオレ詐欺の翻案と思しき「親だまし詐欺」実行犯のグレ者(半グレの翻案か):五十嵐鉄三郎らへの仕事ですね。まず、つゆの母親:たけが、字の読めないことを悪用されて、地道に働いて溜めた大金を奪われる。

 その前に、たけがつゆに好きなものを食べろと渡した金を、つゆはせっせと貯金していると描写されまして、「あ、この親子が被害者になるのか」と思い、自分的にはいきなり鬱展開でした(^^;。母親たけは、金を取り戻そうとして、逆に殺されてしまい、つゆが溜めた小銭はやっぱり仕事料に。

 後半は、前半で登場していた幾人かが、黒幕として浮上してきてましたね。いわゆる意識高い系を連想しそうな、新生塾の塾頭溝端九右衛門が詐欺グループの頭目で、終盤には奉行所のトップ湯川伊周と通じていることが明らかに。

 そうとは知らずに、引きこもりを連想させる態度の田上新之丞が新生塾に魅せられる。きっかけは、仕事人リュウの昼の仕事が縁というわけですね。が、新生塾の内情(実は犯罪組織)とは知らず、新之丞は詐欺に加担してしまい、父親の田上誠蔵から無理矢理詰め腹切らされる。

 この時点で父親:誠蔵も自害の覚悟は固めているでしょう。そこへ湯川伊周がやって来て、内密に済ますと匂わせるわけですな。が、誠蔵が腹に刃を突き立てますと、伊周が安心して実際の悪事をぶちまけて悔しがらせる。なんでも伊周は親子の情が嫌いとかで、詐欺で金を得るのみならず、愉快犯で殺人まで手を染めていたらしい。

 自分的に最大の不満だったのが、そのシーンです。なぜ瀕死の誠蔵の前でそんなことをわざわざ言い立てるのかと。もちろん、手短に設定を視聴者に説明する便宜にはなります。ですが、ラスボスのミステリアスさは、このシーンで損なわれた感じがしました。

 自分的な希望としては、最後まで謎めいた大物感を維持して欲しかった。打ち明けるとしたら、小五郎が刺して、息を引き取るまでに言い遺したら、まあ納得だったかな(たぶん、もっといい手があるはず)。

 他の不満点は、前後編をもう少し連綿とつなげてほしかった点です。一応、グレ者小グループ→上位組織の新生塾:九右衛門→ラスボス:奉行の伊周、と追って行く構成にはなってますが、どうも1時間ものを2話観たような感じがしてしまいました。

 もしかすると、前半の被害者の遺児つゆをもう少し大事に扱っての物語にしてたら、2時間にきっちりまとまったと感じたかもしれません。大事に扱うといっても悲劇性を下げるとかいうことではなく、むしろ作劇的にはむごく扱うことになるでしょうか。前半の事件から黒幕を知ってしまって、狙われるとかですね。

 とはいえ、そういう具体的な不満です。昨年のは、自分的には観た納得度のかなりの部分を、西田敏行さん演じる上総屋清右ヱ門に頼ってました。特に大物、ラスボス感が最後の最後でふしゅっと消失するところですね。今回ですと、市村正親さん演じる湯川伊周の「ふしゅ」がちょっと早かったんですが、全体の雰囲気などで補われていたように感じます。

 ともかくも、少し間をおいて録画を観なおしてみたい気がしますし(既にCMカット作業完了)、これなら次も期待できそうだなあ、と気の早い期待を抱いていたりする次第です。

Re: 6月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/07/01 (Wed) 00:09:09

6月の最終書き込みです。

 題目は、ライダーと必殺ですな。

★ゼロワン

 アークゼロ登場回で、敵側優勢のターンです。
 こいつがパワーアップして、アークワンになるという噂も小耳に挟んで、最後はゼロツーVSアークワンで決着になるのかなあ。

 終盤のパワーバランスがいまいち読めませんが、とりあえず、次回は「白いライダー亡」の登場を祝いつつ、
 サウザーがどう動くか、ですな。こいつがアークに乗っ取られると、遠慮なくラスボスとして倒せるのですが、アークに滅亡迅雷やZAIA製チップ入りライダーを操る能力があるなら、誰が敵になるかもしれません。

 というか、みんながレイドライザーを使うなら、確実にアークに乗っ取られそうなので、どんどん事態が悪化しそうな気も。

 こうなると、勝利の鍵は、友だち型ヒューマギアのアイちゃんか。友だちという言葉に反応しそうな迅をアークの呪縛から解放するのに役立ちそう。
 何しろ、声が宇宙海賊ルカ・ミルフィですからね。この場に来て、ただのマスコットキャラとは思えない。大いなる力の一つや二つぐらい発動しそう、と期待しつつ。

★ウィザード

 ヴァルキリーなのに男、ということで残念仕様だったファントムですね。
 瞬平の善意が事態を混乱させて、どんどん状況が悪化してしまうという困った話でもあります。

 この状況をどう立て直すか、ということを気にしつつ、晴人の孤軍奮闘ぶりが哀しくなったところで、17話の仁藤登場が待ち遠しい。
 その前に、フェニックスさんとのもう一戦が見られるかな。メデューサやフェニックスが動くと、話が面白くなるものの、日常回は味方が足を引っ張りまくるのが前作と比べても、イラッと来るのを思い出したりも。

★必殺2020

 新しい脚本家の人が、シリーズを継承するに当たり、手堅く作った佳作回と評価。

 前までが、仕事人以前の70年代必殺のハードシリアスな空気にこだわった脚本家だったので、話が重くなりがちだったのが、
 今回から、年齢的に80年代必殺の方向で切り替わったのかな、と思しき軽快な描写が幾重にも。「騙された善人父親による子殺し」という衝撃展開がトピックとも言えますが(昨年、リアルで元役人の老父による中年ニートの息子殺しという物議を醸したニュースが元ネタと思われ)、「時代劇の皮をかぶった現代風刺劇」の様相がいつもにも増して濃厚に感じられました。

 一方、仕事人チームでも「ベテランと新人の世代間交流を改めて描くようになった」のが、いい傾向。
 被害者は、世代間の意識の断絶で誤解の悲劇に至り、味方チームは、情を押し殺した非情路線の小五郎と、甘ちゃん坊やのリュウと、その間をつなぐ形の苦労人・涼次の3人の関係がチームとして描かれ、

 今回ではっきりしたのは、形式上の中村主水の後継者は渡辺小五郎だけど、
 チーム内での情と掟の中間に位置する核となっているのが涼次で、彼が主水さんの精神的後継者になっているという点。

 つまり、主水さんの属性は、小五郎と涼次の二人に分散されて、継承されたというのが自分の見方です。
 涼次は、かんざしの秀の後継者から始まり、その後、役者の必殺マニアぶりが加速して、緒形拳さんの藤枝梅安のエッセンスや、幾多の歴代必殺要素を取り込んでいたわけですが、小五郎が役者の資質的に取りこぼしてきた主水さんのコミカル要素とか人情成分を、涼次が拾い上げる形でキープしている、と感じたのが今作の発見ですね。

 で、初登場から6年経って、まだ新人風味のリュウですが、「若手にアクションさせろ」の個人的要望がかなって、剪定バサミを新たな得物に、きちんとアクションを見せてくれました。
 役者が動ける子なのに、アクションさせないなんて勿体なかったわけで、やっぱり80年代仕事人の魅力に華麗なアクションがあったと思うんですね。

 ドラマはステロタイプでいいので、アクションや殺し技が印象的なら、喜ぶ必殺ファンも多いと思いつつ。

>悪役の印象

 ええと、今回の悪役は「おおむね、詐欺はしたけど、直接の殺しはしていない」と思われます。

 間接的に、詐欺で自殺に追い込んだのと、
 派手な現場の急先鋒が、小金欲しさに幼女の母親を騙くらかして殺害に及んだのと(奉行や塾教師にとっては想定外の事態)、
 小悪党のヤクザ者が逃げようとしていたのを殺害したのと、
 そして、部下の役人に嘘の情報を与えて、結果的に息子殺しと自害に追い込んだことと。

 つまり、奉行も塾教師も、陰謀は企てたけど、直接の殺しにはタッチしていない。それこそ「騙される奴が悪い」という詭弁混じりの詐欺師論理が、彼らの中では正当化されている、と。
 当然、直接殺していないわけだから、彼らの中では「自分よりも人を殺す仕事人の方が悪」という論理が成立する形に。
 そこで、小五郎のセリフ「俺たちは悪だが、掟に従っている。それに善人面はしていない」
 まあ、奉行所役人が善人面でなくて何なのか? と言ったら、小五郎はサボリの常習の不真面目役人なのでした。

 さすがに、悪党が奉行とか、人の道を説く塾頭とか、そういう形で善人を装うことを、小五郎は是としていないわけですね。
 義理人情を通さないのに世間をたばかってやりたい放題の嘘つき悪党よりも、掟で自分の暴走を律することのできる仕事人の方がマシ、という小五郎哲学が冴えてると思ったり。

>冥土の土産に聞かせてやろう

 奉行の悪役面がバレるこのシーン。作劇的には賛否両論ですが、役者的には見せ場だったりもするのですね。

 自分もリアルタイム時に思ったのは、「作劇としては分かるけど、これまで上手く隠していた悪事を、どうしてベラベラ喋るのか」とツッコミ入れたり。
 でも、このシーンでの奉行は、「部下の与力のところに、息子が戻って来て、父親に殺されていた」ことを知らずに乗り込んで来ている。
 そして、自分が手を下す必要もなく、勝手に父親が息子を殺して、しかも切腹までしようとしていたことを知るわけで、奉行の想定以上に「真面目なバカ者」だったわけですね。

 「おいおい、お前はそこまでバカだったのか」とマウント取りたくて、仕方ないモードに入っちゃった。
 「騙されて息子殺しにまで及んだ堅物役人」と言うものを見て、「自分の哲学である性悪説」に揺るぎが出たりもした。
 だから、相手の頑なな武士道を揶揄し、壊すことで、「親子の情や善意のバカらしさ」を論証したくなった。自分の想定外の悲劇を見て、「ほんまにアホやな」と突き付けたくて仕方なくなった。

 自己正当化のために、相手の愚かな善意を叩き潰すという悪党ならではの哲学を一席ぶちたくなったのかな、と。
 まあ、冷静に見れば、わざわざ言わずもがなのことを言ってしまう愚かさなんですけどね(苦笑)。手品師が調子の乗って、種明かししたくなるようなものですか。
 詐欺師特有の、どこかで本音をぶちまけたいスイッチが入ったとか、いろいろ理屈は立つかなあ。

 ともあれ、ここで息子殺しをした父親に向けられるヘイトを、黒幕の奉行に向ける効果はありましたね。
 バカな父親、しかし、そのバカさを唆した悪党がいるとなれば、視聴者の悲劇を払拭したい気持ちは、父親でなく奉行に向かいます。
 ここは理屈でなく、舞台演出の感情を揺さぶる手法かな、とも。

 そう、TVドラマではなく、舞台演出的な見せ場なんですね。役者的にも、脚本家的にも、そういうセンスで描かれたシーン。だから、リアリティーはないけど、カタルシスにつなげるクライマックスかな、と意見を表明してみる。

 これがないと、奉行の悪役としての顔が引き立たないとも。

 とりあえず、こんな感じに一席ぶってみた次第(^^;)

ではまた。

 

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