創作と鑑賞の談話室

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9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/01 (Wed) 00:01:14

 9月の雑談スレッドです。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/01 (Wed) 12:41:28

 セイバーの総括感想を試みつつ。

 この作品、1年のどの時期かで評価が結構変わって来ると思いますね。
 大きく分けると、4つの時期に分かれます。

1.メギドがメイン敵だった時期
 番組開始〜昨年末。
 この時期は、物語とかの能力を持った怪人を退治する中で、組織の剣士が次々と登場し、敵ライバルのカリバーとの因縁や、矢継ぎ早すぎるパワーアップに展開早すぎ、と感じた時期でした。

 で、面白いのは、飛羽真の作家としての洞察力で、敵怪人の特性や弱点に気付いて、どう攻略するかを探り当てるストーリー。
 うん、この辺は作家してましたな。
 他の仲間が割と脳筋剣士だったので、小説家ならではの発想力が事件解決の鍵になったりするなど。

 ただ2話1のドラマゆえ、戦隊に比べると、怪人の撃退ペースが遅く、それだけ飛羽真の推理洞察力も遅い感じ。
 そして、推理物語としての面白さよりも、数多い仲間との交流劇の方に尺がとられて、作家だけど未熟剣士の主人公よりも、ベテラン剣士の方にワクワクできる自分がいるぞ、と。

 そして年末。
 異世界の門を開こうとか、カリバーの正体で盛り上げて、突然、仲間の剣士との関係が決裂という怒涛の展開で年が明ける。

2.剣豪修行時期

 主人公の小説家としての特性が見えにくかった時期。つまり、剣士としての成長に重点が置かれていたわけですね。
 なお、当初、自分が考えていた小説家の理想像は、「知識が豊富で、チームの知恵袋で参謀役」だったのですが、飛羽真は小説家で、ワンダーライドブックのトリッキーな使い方を生み出す天才だったけど、別に頭の回転とか観察力に秀でたキャラではなく、ひらめき直観と思い込みで事件を何とか解決するタイプ。

 仮面ライダーWで言うなら、フィリップみたいなキャラを想定していたら、結局は翔太郎だったと言う。

 で、飛羽真は記憶喪失で知識が当てにならないとか、ソード・オブ・ロゴスの連中も、バカばっかとか、要するに「知の守護者の組織じゃなかったのか?」と設定と描写のちぐはぐさに頭を抱えつつ(一番、知識に精通してそうなソフィアさんが行方不明になった点も大きい)、
 いろいろこんがらがった時期で、未熟な主人公が成長する物語をやり直していた冬時期に、孤立した主人公の頼れる相棒として登場したのが光の剣士ユーリさん。

 自分が飛羽真に求めていた知識とか、洞察力とかを持った参謀キャラという特性は全部ユーリさんが持っていて、もう主人公よりも、ユーリさん推しだった時期です。
 うん、最光だな。

 好きな本がアメコミとか、最初は現代社会のことが分かってなかったのが、どんどん吸収していく学習能力の高さも相まって、悩み葛藤する主人公よりも、ユーリさんを見ている方が面白い。
 とにかく、暗い展開が続く冬の時期に、光り輝いたユーリさんの恩恵は語り尽くせません。

 回復魔法の使い手なので、飛羽真がどんなにボロボロになっても、治療してくれるのも美味しいし、頭の悪い脳筋言動を繰り返す飛羽真にヒントを与える導き手ムーブも素晴らしい。

 そして、この時期は「人間がメギド化する」という制約で、単純に倒すことができないというハンデが生まれ、メギドと人間を斬り分けることができるユーリさんがますます重宝されることに。

3.マスターロゴスの野望時期

 春から初夏にかけての展開です。

 暴走の危険が大きいプリミティブドラゴンの本を飛羽真に渡す形で本格的に登場したマスターロゴス。

 この時期になると、もうライドブックがただのパワーソースでしかなく、物語作家という飛羽真の特性が(プリミティブドラゴンの少年の哀しみに、物語の創造で癒すという冬場のクライマックスで盛り上げたものの)描写される頻度が下がり、
 むしろ剣豪チャンバラ劇という山田風太郎的描写の方に重点が当たっていたわけですな。

 一応、年末ごろの雑誌インタビューで、剣豪バトルが主で、物語はおまけで、とにかく複数の剣士が入り乱れるチャンバラバトルアクションが目玉です、みたいなことを作り手が言っていて、そういう宣言どおりの展開で、主人公を中心に見なければ楽しめた時期です。

 ずっと敵キャラとして暗躍していた煙女さんが、お兄さまラブな妹キャラとして急速に壊れていく中で、その頑固な強豪お兄さまが立ちはだかる壁になって、それと対峙する中で組織に縛られていた倫太郎がパワーアップ。

 この辺で、脚本家ローテーションが機能不全を起こしている様子がじわじわと出てきて、その背景に、メインライターの人が主宰している劇団がコロナ禍の煽りで開演中止に追い込まれていて難儀しているという裏事情がTwitterで判明して、
 公式発表はされていないものの、実質的に長谷川さんメインで、新人の内田さんを補強に回し、後半の物語を紡ぐ流れに。

 まあ、ライダー的には、1号ライダーが役者の負傷で交代して2号ライダー抜擢みたいなものですが、結果として、メインの福田さんが描きたかった異世界ファンタジー的な設定が、ゴーストに続いて断念して路線変更になったのが第3クールみたいです。

 で、番組後半は福田カラーよりも長谷川カラーが濃厚に出た物語だったんですが、

 福田カラー=「異世界ファンタジー。表面的には明るく見えて、裏ではドロドロしていて、運命に翻弄される人を能天気で陽性な軽薄主人公が救う。そして副主人公は運命の囚われ人で、ひたすら重い設定。本当に描きたいのは、副主人公の方らしい。ヒーロー物としては、重い話一本はバランスが悪いので、とって付けたような頭の軽いギャグを主役に演じさせて、ムードメーカーに仕立てる癖があるけど、王道熱血ドラマが書けずに、軽い感じ。まあ、今回、蓮とデザストの関係でようやく熱血ストーリーを紡げたかな。それと、ゴーストとのコラボで、本編外で副収入を得て、劇団維持の小遣い稼ぎをしたのかな? と背景事情を気にしてみたり」

 長谷川カラー=「小ネタギャグを挟みがちな福田さんに比べて、熱血王道話を真面目に描いてくれるので安心感が大きい。この人も異世界ネタは得意だけど、ファンタジーよりはSF畑の作風なので、論理性がしっかりしてる堅実な作り。福田さんがフワフワ広げまくった風呂敷を、緻密に折り畳んで熱い英雄譚に仕立てた手腕はお見事。この人の描く物語では、主人公の方に重い運命が突きつけられて、軽薄ではいられない。で、葛藤を乗り越えた先に希望がある。運命に翻弄されて、未来は絶望だって突きつけられて、暗黒の手に苛まれているのを、それでも運命は変えられると傷つきながらも立ち上がる少年魂を持った主人公に定評がある。子供だましのギャグで逃げない。なお、闇側の妄執を描きながら、それを主人公の不屈の光で浄化する作風もウルトラマン関係で培われたので、安心して見てられます」

 で、セイバーのストーリーで描きたいものを、20年前のウルトラマンガイアの映画で描いたものの焼き直しみたいなところがあるとTwitterで提示していたので、個人的に比較する楽しみもありました。

 共通点。
 絶望の未来を見て、涙する運命を司る少女。
 諦めた少女に、未来は変えられると光を示す少年。
 少年の描いた想像が世界を変え、奇跡を起こして、新たな未来が創造される。

 なお、ガイアの映画では、『ガリバー旅行記』の物語が異世界のウルトラマンの力を召喚する鍵になったりしますね。
 さらに、映画の続編小説が描かれ、大人になった少年主人公が、大人になった少女と幸せな結婚をしている未来からスタートするのですが、少女の分身である「世界を改変する赤い珠」が再び事件を起こし、それを解決するために、子供の頃の夢をもう一度取り戻すというプロット。
 かつて世界を闇に閉ざす「隠れ怪獣オタクのいじめっ子キャラ」が少年と和解して成長して、自分と同じような過程で闇堕ちした友人を救おうと頑張る姿にも続編ならではの面白さが。

 自分にとっては、このウルトラマンガイアの映画と続編小説が、同じ作者の過去作として、セイバーの物語のプロトタイプとして読めました。
 また、完全に同時期のダイナゼノンとの比較も面白そうですし。

4.ストリウスの台頭

 マスターロゴスが見境なしの野心を露骨に示したために、神代兄妹を含む(蓮を除く)敵味方だった剣士が集結して、仮面ライダーソロモンを倒す辺りから、最終クールのクライマックスに突入。

 蓮の合流がここまで遅れたのは、メインライターの都合みたいですが、もしもメインライターがきちんと仕事できたら、デザストももう少し出番が多かった可能性もあります。

 そして、この辺は長谷川さんではなくて、福田さんの描きたかったものと推察しますが、「自分が生きる意味」にこだわる点が見られます。
 ゴーストで、マコト兄ちゃんのクローンが出てきて、「作られた者として、本物ではない偽者の悲哀」というのは、長谷川脚本にはあまり見られないテーマで、作家としての福田さんがこだわる部分に見えます。

 あとはゴーストの偉人テーマもそうですが、「偉人に憧れる心理」というのも福田さんの作風かな。
 偉大な人物に自分もなりたい。でも、その夢が果たせなかった時に、人は自暴自棄になって……という話を、セイバーでは、レジエル、イザク、そしてストリウスが体現してました。

 ただ、そういう要素って、飛羽真の対立軸にはならないんですね。
 飛羽真というキャラが、名誉や名声、プライドとは無縁の性格で、例えば、レジエルや蓮に「お前を倒して強さを証明する」と言われても、「はっ? 俺って強くないし。お前は十分強いじゃないか。ただ、その強さで誰かを不幸にするなら、それは許せない」みたいな応答で、
 強さを競うことに、全くと言っていいほど執着を持たない。レジエルも蓮も、一方的に飛羽真に絡むだけで、対決ドラマとしては意思が通じないという残念な展開に。

 飛羽真の行動動機は、「約束を守ること」「ルナを始めとするみんなを楽しませること」「不幸な人を助けること」の3点で、自分の欲が一切ないように映る。
 この自分へのこだわりが非常に薄い点が、飛羽真個人のドラマとしては非常につまらなく、とりわけ小説家としての書く動機が見えにくいわけですね。

 最初のロストメモリーは、記憶をなくした自分を探す探求物語なんだろうけど、
 最後まで見ても、飛羽真の作家性は曖昧かな。まあ、プリムティブドラゴンの絵本で見せた「孤独で仲間のいない状態になっても、自然が友だち。世界の全てが友だち」という世界への親和感覚、果てしないポジティブさで、人々を応援する精神性が魅力かと思ったり。

 自分へのこだわりが薄いから、悟りを開いたかのように、世界の全てと通じ合える。
 でも、世界を破壊しようとする敵に対しては、結構冷たいですね。
 他人の絶望を理解できないから、バハトに対して「勝手に絶望しただけ」と身も蓋もないセリフをあっさり吐ける。

 この辺は、担当編集の芽依ちゃんの方が、よほど共感能力が高くて、飛羽真はネガティブ方面への共感が全くできないように見えます。
 すると、光サイドの癒し系ストーリーは描けても、ダークサイドの深みは描写できないのかな。

 で、何よりも、セイバーでは飛羽真の物語作家としての属性に、対立するキャラが全くいなかった。
 それこそ、「貴様の描く物語は、闇がないからつまらん。お前にも闇の面白さを味合わせてやる!」という違う作風のライバルライダーならぬライターがいれば、文豪対決になったんだろうけど、まあ、子どもが理解できない話になっていたろうからなあ。

 そして飛羽真の小説家ライバルとして、ギリシャ悲劇の詩人という背景設定が出てきたストリウスですが、作風による対決ドラマにはなりませんでしたね。
 まあ、その辺の作家性の話は、夏の劇場版の石ノ森さんが昇華してくれたので、自分的にはセイバーはそれで十分だと思っていますが。

 「ヒーローはいっぱいいるけど、ぼくの描きたいヒーローはこれじゃない。もっと人間らしい悩めるヒーローを描きたいんだ!」
 という事情でできたのが仮面ライダー1号、本郷猛。

 で、飛羽真自身は、ヒーローマニアじゃないので、実はヒーローのことがよく分かっていないけど、石ノ森さんとかゼンカイジャーに縁して、にわか勉強したことで完成したライドブックが『スーパーヒーロー戦記』。
 飛羽真の作家としてのスランプの原因が、「自分の物語で主人公に悲惨な運命を味合わせたくない。過酷な物語を描きたくない」ということで、でも石ノ森ヒーローって、光と闇、善と悪の間で悩む人間ヒーローだから、思いきり飛羽真の作家的弱点を補う形になった、と。

 それを経て、飛羽真とストリウスの対決ですが、ストリウスの時代は「弁論術、詩作に長けることは、偉大な才能として評価される時代で、一種のステータス」だったのに対し、現代では「大衆文学の時代で、物語が世界中に溢れ返っている。消耗品としての物語で、読者の心にどれだけ響くものを紡げるか」という時代。

 つまり、作家主導の物語で評価されたのがギリシャ・ローマ時代で、ストリウスは自らの天才性に誇りを持っていたのでしょう。
 一方、商業主義の現代では、マーケティングリサーチの手法も確立して、作品よりも商品としての創作価値が求められる時代。その中で、時代の空気をつかんだものが評価される流れで、自分と読者の気持ちを通じ合わせることが必要なのが今。作家主導ではなく、編集主導、読者主導という「他人に合わせる中で、自分らしさを発揮する」ことが求められる。

 うん、ストリウスの時代と、飛羽真の時代は、作家に求められる背景が違うから、話し合いになりませんな。
 ストリウスは現在に無知すぎるし、飛羽真は歴史伝承の知識の引き出しが意外とない。というか、子ども向けの童話程度の知識しかない。
 ヒーロー物語も知らないし、世界海賊の設定を聞いて、海賊というアイデアに目を輝かせるぐらい。ピーターパンにも海賊は出て来るのになあ。

 まあ、この辺は子どもの理解度に合わせた知識しか語らないように、飛羽真のIQを下げられているためでしょうが、とにかく飛羽真は歴史知識が欠如しているので、2000年前の詩人が登場しても、話を聞きたいとは思わない。

 これが「お前の書く悲劇は、今の時代のセンスには合わない!」とか煽るような飛羽真さんなら違うバトルも見られたのだろうけど、そういうメタフィクションは毛利さんが得意とするところ。

 劇場版で、「ヒーロー同士でいっぱいネタ被りしやがって。もう、いい加減ネタ切れなんだから、ヒーローの時代を終わらせろよ」と敵に発言させて、
 「いつの時代もヒーローは求められているんだから、ヒーローは不滅なんだ」的に返す。
 こういうメタフィクションネタは、劇場版だからOKだと。

 とにかく、ストリウスは「自分の創作家としての価値は、オリジナリティにある。それなのに、全知全能の書に既出だったコピーだったなんて!」と勝手に絶望していたんですな。
 もっとも、これがギリシャ詩人だったら、「自分の詩才は、詩の神ミューズに感応したものだから、神に感応して素晴らしい物語を紡げる自分の才能は素晴らしい」と感服すべきところを、
 ストリウスは「自分の詩才が天から降りてきたもの」という霊感で喜べなかった様子。

 一方の飛羽真は「お前の物語がどこから来たかは関係ない。お前の物語を聞いて喜んでた人の笑顔こそが大事だってことを忘れたのか!」的な論破をする。
 まあ、読み手や聞き手があってこそ物語は完成する、というのはプロ作家の何人かの弁でもありますし、読み手の気持ちを無視した独り善がりに陥っていたのはストリウスですから、「それでも世界は滅びるのです!」としか返せない点で、ストリウスの創作家の限界があったわけですな。

 「全知全能の書」に記されていない新たな物語を想像、創造できれば、それこそが真の創作家の証明になると思いつくことすらできなかった。
 他人の素晴らしい作品を読んで、自分にはこれ以上の作品は書けないから、自分が書く意味を見失った。もう、物語は書けません……と諦めて逃げた作家そのものですな。

 でも、飛羽真は「どんな物語でも、それを読んで、聞いて楽しんでくれる受け手がいるなら、自分には語りたい物語がいっぱいある。全知全能の書に載ってようが、そんなことはどうでもいい。物語の結末は俺が……俺たちが決める」
 うん、作家一人で決めるのではなくて、作家と、登場人物と、読み手のリアクションなんかも交えて、どんどん広がり、膨らんでいくのが物語。
 それは、元より一人の詩人や作家の頭の中だけで収まるものではなく、世界や仲間たちと通じ合わせることで、物語の可能性は無限大、というのが飛羽真の、そして作品の作り手スタッフの主張ですな。

 コロナ禍で作品を作れなくなったら、物語が終わってしまうという危機感を味わって、
 メインライターが降板こそしていないものの、諸事情で最後まで紡げなくなった状況で、後を引き継ぐ頼れるサブライターや新人ライターが話を引き継いで、一人ではなく、みんなが協力して完結させ、そして次の作品に引き継いだセイバーの物語。

 その時期時期で、いろいろな感想は出て来ましたが、最後まで楽しめて、予想や願望なんかをこの場で紡ぎ合えたことも一つのナラティブな物語と解釈して、
 堪能できたことを、制作スタッフと、感想仲間に感謝申し上げつつ。
 一年間のお付き合いありがとうございました(m0m)。

★おまけのリバイス

 劇場版では、あんなおならキャラじゃなかったんだけどなあ >バイス

 これが今回の脚本家、内田さんが遊んだネタなのか、それとも今後のTV本編でも受け継がれるのかは分からないけど、
 とりあえず、おならキャラが定着するのは勘弁して欲しいかな。

 バイスって、際限ないお喋りが面白いと思ったのに、いちいち音を出して、臭そうなリアクション顔芸で話の流れを止めちゃうのは、
 面白くないかな。

 まあ、普段のバイスは普通の人には見えない設定で、「見えないけど、変な臭いがする。一体、何なんだ?」とか、そういう話に流れるなら、面白いかもしれないけど、毎回だとなあ。

 あと、笑ったのがゲッターロボアークのゲッターザウルスのパイロット赤が、同名のバイスってこと。
 タイムリーにネーミングがつながった瞬間でした。

 まあ、アークも去年のゼロワンからつながっているんだけど。

PS.総括長文、長々と読破、ありがとうございました。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/03 (Fri) 00:22:34

 定期感想その1です。

●セイバー感想補足

 セイバーのご感想・解説、とても参考になりました。まず4つの時期に分かれる点ですね。時期それぞれでやっていることはもとより、どうも方向性も変えてある感じかなと思いました。そう考えると、モヤモヤしてたのが腑に落ちる点も出てきそうです。

 自分はなんとなく、一直線に進んでいるが山あり谷あり、みたいに捉えていたようです。そのためか、垂直の盛り上がりが充分に来ないうちにテンション下がり始めるような気がして、ちょっと不満だったかも。そう解するのではなく、水平方向でカーブする加速度も感じる必要があったみたいです。

 しかし、もしかするとそれ以上に自分が見落としてたのがストリウスだったみたい。自分は途中、創作を想像で満足できずに現実化したくなった失敗者、なのかと思いました。が、全知全能の書に自分の自慢の詩が載っていて絶望したわけですから、希望と自信を奪われた被害者なのかなと。

 それにしてもストリウスのキャラが浮き彫りになるような感じがせず、かりそめとしてもラスボスの凄みに欠けるような気がしてしまいまして。そうではなく、対立・対比されるべき主人公:飛羽真と衝突せずに、すれ違っていたのかなと考えてみると、合点が行きそうです(ただし、満足につながる感じではないけど)。

 とりあえず、公式サイトのあらすじ読み返してみてもいいかもと思い始めてます。それである程度、整理できるはず。いずれ、ローカル局で週2回の再放映もあるはずなんで、再確認してみると何か得られるかも。
(その前に、コロナ禍で放送がバタバタして、観ているこちらもジタバタしてしまったゼロワンをきちんと観なおしてみたいと思ってもいます。)

●ゲッターロボアーク(第9話:突入!!)

 これ、1クールだとするとちょっと残念かなあと。原作コミックが第1部完でどこまで進んだのかよく知らないんですが、キリがよさそうなのは、現在のコーメイ&マクドナルド指揮の侵攻を撃退する、というところかしらん。

 そこまでなら1クールに収まる気もしますが、今話でクローンの巴武蔵が登場しました。となると、ゲッターエンペラーの話も出てこないと中途半端になりそう。そうなると、アンドロメダ流国の侵攻は防衛行動、みたいな、「誰が侵略者、悪なのか」みたいな話になってくるはず。

 そういうのって石川賢さんらしいと個人的には思うんですが、1クールで落としどころが見つかるドラマではなくなりそう。できれば、まず2クールでコーメイと一応の決着をつけ、時期をおいてのもう2クールでサーガ未踏の領域を描いてくれるといいかな。

 今話はドラマについての感想はあまりないですね。しかし不満じゃない。巨大ロボット物の醍醐味であるバトルが満載でしたから。それも争奪ポイント、勝利条件がはっきりしていて、何に期待して観たらいいか、リアルタイムで迷いません。

 さらに、その勝利条件達成に関わるキャラクターは既に過不足なく描かれてます。敵側は第1話からメインのコーメイ、マクドナルドは描かれてますし、味方側のキーパーソン:一文字號も、行動原理(動機、信念、役割意識)がもう分かる感じ。ですんで、「あれ?」と思うところがなく、しかし「そうか、そう来るのか」と感じるところ多々で、観終わって納得です。

 前回までがきちんと今話の仕込みになってたのか、と気が付いた次第です。今話を観るまでそこに思い至らなかったのは、仕込みのドラマ自体が(バトルも交えて)面白かったからなんでしょうね。観ているものが観ている時点で楽しめるから、後々で効いてくるものでもあると気が付けなかった。こういう風に制作者に乗せられるのは大好きです。

 ともかく本編。地上戦はずっと続いてまして、ステルバー&D2混成軍が流国軍を迎え撃って奮戦ですが、どうも押され気味か。そこをひっくり返すのが、號が駆る真ゲッター・ブラックですな。この機体、いつの間にか「タラク」という名前がついてました(公式サイト、ウィキペディア)。

 が、名前を知ったのは今話を観た後です(^^;。劇中では一度も名前呼ばれてないし、裏設定の「煩悩を超越して進化した〝真ゲッターロボ〟から分離した存在」も明かされずじまい。そういう点はむしろ好感度高いかな。作ったからって全部見せたがるようだと、どうも騒々しいか、くどい感じになります。

 それはともかく、號のタラクが駆けつけると、あっという間に敵は一掃される感じですね。タラクの機動力も半端なく、地球上のあちこちを飛び回っている模様。これでよくアンドロメダ流国は侵攻する気になったもんだと思えるほどですが、予習してみると敵の最強兵力は別にあるようですね。

 さらに敵のメインターゲットは別だったらしい。アンドロメダ流国への道を開く「亜空間固定装置ゾルド」ですね。地球自体を消滅させる、と脅してゲッターアークを誘い出し、その隙にゾルドを破壊する作戦だったか。地球の同盟軍が流国にたどり着けなければ、一方的に攻撃できるわけで、最終的な勝利は確定する。もし流国側の運が良ければ、現時点のストーカによる地球消滅まで持っていける、くらいの作戦かな。

 前話でコーメイの擬態(?)が海底の恐竜帝国に乗り込んできたのは、ゾルドの位置を察知したからだったか。前はゲッタードラゴン狙って副官クラスのマクドナルドが早乙女研究所に現れ、ゾルドに対しては前線最高指揮官のコーメイ自ら陣頭指揮ということらしい。その2つが流国の最重要攻略ターゲットということが劇中の同盟軍側にも、観ているこちらにも分かる戦いぶりです。

 恐竜帝国側も応戦しまして、なかなかの勇戦ぶりですな。鎧つけた恐竜が迎撃してまして、観ていて「恐竜を兵力として飼っているのか」と思ったんですが、どうやらメカらしいですね。ゲッターザウルスも出撃しまして、なかなかの活躍。たぶんゲッターアークと同等の戦闘力ということでいいんだろう。

 が、拓馬がコーメイ、さらにマクドナルドの擬態に怒り狂ってまして、アークが出撃できない。コーメイらの狙いは、その隙に無人のアークを葬ってしまおうというものの模様。そこは冷静に見ていたらしいショウが拓馬をビンタで落ち着かせまして、拓馬と獏が敵を引き付け、ショウがアーク起動に走ると。

 アークは既に敵の襲撃を受けてましたが、ぎりぎりでショウが乗り込んで始動させ、恐竜敵国内部に侵攻した敵の撃退にかかる。これで形勢逆転となりそうでしたが、ゾルドに対しても敵の手が速かった。ゾルドが起動して姿を現すのを待っていたかのように集中攻撃、本体を制御する中央のリングを破壊してしまう。

 このゾルド、どうやら回転するブラックホールのリング状特異点みたいなものらしい。制御を失うとブラックホール化して周囲の全てを飲み込んでしまうようです。ストーカで地球崩壊させずとも、こいつを暴走させても流国側の勝利というわけか。

 が、ここで號の真ゲッター・タラクが救援に入ると。この場で何をすべきか、よく分かっているらしいし、拓馬が竜馬の息子であり、ゲッターに選ばれた者であること、拓馬が何をすべきかも分かっている感じですね。

 それにしてもタラクの機動力は海中でもすごいもんですな。高速で進路上の敵を蹴散らしておいて、ゾルド中央に飛び込む。ゲッターアークやゲッタードラゴンがぎりぎり踏みとどまるのが精いっぱいなわけですから、タラクの機体性能の底知れなさが窺えます(ゲッターの加護があるからなんだろうか)。

 號/タラクはコアリングの代わりとなってゾルドを制御、答えを見極めて来い、と拓馬らを送り出すと。なかなかカッコいいじゃないですか。確かこちらで伺ったところでは、號は美味しいところを竜馬に持ってかれたことがあるとのこと。それを踏まえて、今話で號に華を持たせたのかなと思います。「ゲッターロボ號」を未見ながらそう思うほど、號が拓馬らを送り出すシーンは刺さるものがありました。

 何とか出立はできたものの、神隼人司令は苦渋の様子。作戦成功なのになぜ、と思ったんですが、よく考えたら帰る手段がないんでした。たぶん、ゾルドが破壊されてなくても一方通行なのかもしれない。ゾルドが破壊され、機能停止した以上、救援も送り込めない。ショウも出撃したわけで、ゴール三世はどう思ってるのやら。

 しかしともかくも行く先はアンドロメダ流国のはずで、一気に決戦か、と思える展開ですが、着いたところは砂漠か砂丘か。ゲッターザウルスともはぐれてしまったみたいですね。しかも、現代の軍用ヘリと思しき部隊がやって来ると。装置の不具合で地球に戻った感じですが、ヘリから降り立った人物が問題みたい。

 どうやら巴武蔵らしい。拓馬がゲッターアークに乗り込んだとき、ゴーグルかかった工事用ヘルメット取り出してましたが(前に拓馬がD2に乗り込んだときのものらしい)、巴武蔵の暗示だったのかしらん。公式サイトの巴武蔵のキャラクターデザインでは同じヘルメット被ってます。

 いろいろ面白そうな点はあるんですが、やっぱり観終わった時点での最大の印象はバトルかなあ。あちこちCGも使ってるようで、コンピュータはメカを動かすのに適しているのが分かります。

 公式サイトの予告見ますと、次回「異星の聖戦」では、地球の砂漠と思ったところは敵地だったらしい。流国軍に対する巴武蔵の戦いぶりが異様のようで、拓馬らがおかしいと思う流れ、なのかな。號と武蔵を比べて、こちらでご示唆頂いた、號がゲッターによるクローンかどうか考えることもできそう。予告イラストを見ると、ゲッターエンペラーも登場するみたい。

 EDはまた変わりましたね。以前のシリーズを観ていない自分には分からないことではあるんですが、新ゲッターロボ→真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ→真ゲッターロボ 世界最後の日、のOPアレンジの流れになってるわけですか。選ばれた作品で、何か暗示とかあるのかしらん。まあ、そのうち分かるんだろう。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/04 (Sat) 12:07:19

 本日はフォーゼ放送10周年を記念して、フォーゼとオーズの共演映画を配信するとのこと。

https://www.kamen-rider-official.com/news_articles/1362

 また、9月17日には、牙狼の劇場版『蒼哭の魔竜』のYouTube配信確定。鋼牙がTV版のmakaisenki後に旅立った異世界での冒険ファンタジーになります。

 一応、興味がおありでしたら、ということで。

★ライダーの1年間放送について

 基本的には、長期放送になるので、各クールで物語のトーンが変わるように構成されてはいるようですね。
 そこに新フォームとか、敵キャラの構図の変化とか盛り込みながらの展開ですが、
 一人のメインライターがしっかり仕事して、うまく構成をまとめてる作品と、乱雑(よく言えばヴァリエーション豊か)な作品があります。

 クウガやアギトはメインライターの色が濃くて、龍騎は脚本家2人体制、ファイズはアギトの続編である「人でない者と人の種族対決」をテーマにした作品です。
 アギトからファイズまでは、井上敏樹氏が引っ張って、平成ライダーの雰囲気を大人向きに固めた点も大きい。

 で、ブレイドは平成ライダー5周年で、設定的には前4作の要素を盛り込んだ意欲作だったのですが、前半のメインライターがジャンル外のベテランを採用して、かえってライダーとしては不協和音を招いた流れもあって、
 前半と後半の体制の変化が発生し、それが翌年の響鬼にも受け継がれて、割と平成ライダー迷走期に入ったという評価。

 そして、セイバーは何だかブレイドの二の舞を演じたという評価もありまして、
 ただ、ドラマは迷走しつつも、アクションの評価は高いと思っております。アクションに関しては、脚本家は関係ありませんし、自分がセイバーを評価する最大のポイントですね。多種多様な剣劇アクションが魅力の作品と言える。

 ただ、物語としては、脚本家3人体制で、メインの人が十分引っ張りきれず、各人各様の多彩な雰囲気を、と言えば聞こえはいいですけど、まとまりが非常に悪かった作品です。
 まあ、キャラが多すぎて、群像劇としては上手くまとめたとは思うのですけど、ソード・オブ・ロゴスの内紛劇とか迷走期間が長すぎたのは、コロナ禍の影響で制作体制に乱れが生じたのだろうなあ、と察します。

 で、セイバーの小説版は誰が書くんだろうか、という点を早くも懸念していたり。ゴーストみたいに福田さんか、それとも本業の長谷川さんか。

 ともあれ、明日からのリバイスは、また特撮ジャンル外からの新人脚本がメインになりますが、映像化経験のある10年以上書いてきた小説家なので、どんな新鮮な話が見られるかを期待中。

★ゲッター

 新EDのHeatsは、真ゲッターOVAの第2主題歌ですね。
 第1主題歌の『今がその時だ』は荘重な軍歌っぽい水木一郎熱唱曲で、
 Heatsの方は影山ヒロノブの軽快かつ熱血ソングになりますか。
 第1主題歌は竜馬メインの旧ゲッターチームの雰囲気で、第2主題歌は渓と號メインの新世代ソング。

 そして、號から拓馬への想いの継承みたいな流れだった今話はHeatsが似合っていたのかなあ、と。

 ただ、未来世界のゲッター大戦的な話のクライマックスでは『今がその時だ』に最後で変わって欲しいなあ、と。

 で、1クールだと、原作アークの第一部を土台に、その先は描かない方向でしょうな。
 一応、第一部は未来の決戦で幕を閉じましたから。

 その後、未来から帰還したカムイと恐竜帝国の因縁や、真ゲッタードラゴンへの成長進化の伏線だけ張って、ゲッターチームの分裂? までを予感させて終わったけど、その辺には踏み込まず、
 原作よりもカムイは拓馬との絆を重視し、ドラゴンの方も大人しく眠りに就く形に展開。まあ、その後の展開よりも、第一部を派手に完結させる方向で、アニメ版は無難に締めくくるかな。

 とりあえず、ゲッターエンペラーをアニメでどう表現するのか。
 原作では、アークとは違う戦場で戦う巨大な背景イメージみたいな描写で、
 スパロボでも、必殺技の背景イメージでの登場なので、この巨大感をどうアニメで魅せられるか。

 残り1ヶ月の放送分をたっぷり堪能したく。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/05 (Sun) 23:26:57

 定期感想その2です。

「フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX」と牙狼劇場版「蒼哭の魔竜」のネット放映情報、ありがとうございます。前者はネット公開始まったんで一度観まして、仮面ライダーWも入っているし、昭和ライダー多数出演で、なかなか豪勢ですな。少なくとももう一度観て、感想が言えそうなら何か書いてみようと思います。

「蒼哭の魔竜」はまだ牙狼公式Youtubeに出て来てませんで、気の付きようもありませんでした。17日だからちょっと先で、ちゃんと覚えておこうと思います。ちょうど牙狼MSネット放映が終わったところで、タイミングいいですな。
(できれば最終回のディレクターズエディション観たかったんですが、やってくれるのかな?)

●ダイの大冒険(第47話:いざ決戦の地へ)

 こちらで伺っていた(NOVAさんと名前被りの ^^;)北の勇者ノヴァ登場ですね。ウィキペディアでノヴァの項などを読んでみると、こちらでご教示頂いた通り、だいぶ慢心してるとの記載が目立ちます。

 それくらい嫌味さを見せつけるなら、ある程度の量の描写があるだろうと思ったんですが、来週では早々に叩きのめされるようですね(予告では剣を折られたノヴァが大技でヒムに挑むカットですが、ヒムの様子からすると勝てそうにない)。

 前回のご感想では「ノヴァが乱入して痛い目に合うとか、そういうのが9月の2週めか3週め」とのことでしたが、それだとノヴァの慢心を描く尺が足りるのかなと思ってました。が、ドンピシャな予想でしたね。今までの演出を思い出してみると、ノヴァの回想を再来週くらいに持ってきて、性格描写するのかも。

 しかし今話では自信満々のノヴァ登場で続くと。ダイ側ではパーティメンバー集結と各国連合軍の準備状況を示してました。バーン側ではキルバーンのバラン暗殺失敗が描かれまして、バラン離脱の暗示かな。今話は戦いのための駒組が出来上がっていくのを描いたようです。しかしハドラー親衛騎団が早々に先手を打ってくるわけですな。

 キルバーンの暗殺失敗は「キルバーンって何者なのか?」という注意喚起と伏線のほうが大きいかな。バランに真っ二つにされても、使い魔であるはずのピロロがよみがえらせてました。今話ではピロロが慌てる様子がありましたんで、使い魔として瀕死の主を救ったようにも見えます。が、止めを刺した手応えがあったらしいバランが去ったわけですから、何かおかしい感じは残ります。一応、完結した作品のこととて、予習でどういうことかは分かるわけですが、それでもじわっと不安が高まる感じがしまして、なかなかいい。

 ともかく本編。順序が前後しますが、大魔王側の動きから。まず、バラン暗殺を試みるキルバーンですね。洞窟で回復を図っているらしいバランに、キルバーンが音もなく忍び寄るも、バランに隙は無く、簡単に察知されてしまう。もっとも、その程度はキルバーンとしても想定内だったらしく、バランと問答を始めると。

 おそらく「死神の笛」が効力を発揮するまでの時間稼ぎなんでしょうけど、話した内容がマズかったようですな。バーンの狙い「地上の生命根絶」をバラしてしまう。もっとも、それくらいのレベルの本当のことを言わないと、バランが耳を傾けないでしょうから、仕方ないのかもしれない。暗殺できれば何を知ったところで問題はないわけだし。

 しかし、キルバーンの希望的観測「真魔剛竜剣はまだ復活してない」が外れまして、あっさり一刀両断と相成る。これでバランの離反は決定的ですね。バーンの言は嘘じゃないけど騙してたわけで。人間は滅ぼすけど、人間以外に手を出さないとは言ってない。まるで詐欺すれすれの広告文句みたい(「痩せたい方にピッタリのサプリ」みたいな。痩せるとは言ってない)。

 上述しましたが、キルバーンは使い魔のピロロのアイテムで復活した模様。このシーンで最も大事なのは、そこかもしれません。

 バーン、というよりハドラーは人間側の各国共同態勢も察知してまして、からめ手から攻める戦術を採用したらしい。主力が集結する本陣ではなく、先に移動手段の大型船を建造中の漁港サババの攻略ですね。機動力を奪えば、戦場はハドラーが決められるという狙いだろうか。しかも最強の親衛騎団5騎を差し向けたわけですから、確実に速戦即決を図ってますな。

 各国同盟軍側も守備に手を抜いていたわけではなく、ロモス武術大会ベスト8のうち6名がいますし、後で戦士がここに集結していたことも明かされますが、相手が悪すぎた。魔法使いフォブスターだけがかろうじて逃されて、伝令としてレオナに報告するのが精いっぱいだったらしい。

 しかし、そんな大魔王側の動きがあると知る由もなく、パプニカではダイのパーティの出立準備は進む。まずはパーティメンバーが続々と帰って来まして、それぞれ特訓の成果があったらしい。クロコダインが会得した技は明かされず、観ていてちょっと焦れます(^^;。ロン・ベルクはおそらくはずっと思っていた疑問をヒュンケルにぶつける。なぜ持ちなれない槍で戦うのかと。観ているこちらは知っていることでして、友=ラーハルトから託された槍だからですな。ロン・ベルク、感じ入って納得するものがあったらしい。

 ともかく全員揃った、と思ったら、ダイ、ポップらとしては1人足りないらしい。誰だろうと思ったらアバン先生ですか。この時点では故人扱いなんで、形見のアバンの書に同道してもらうわけですか。繰り返し、アバン先生に対するリマインダーが挿入される作劇でして、意外な復帰に対する脚本的な仕込みを忘れてないということなんでしょう。

 いよいよ気球でカール王国に向かう。敵襲もなく、のんびりムードでして、三賢者の一角・エイミのヒュンケルに対する片思いをポップが面白がったり、そのポップに好意を気付いてもらえないメルルとか、ラブコメ演出ですな。敵側の動きといい対比になってまして、漁港サババ陥落の報を受けたときの緊張感の高まりをうまく出すための、いい緩みになってる感じです。

 緩み演出は気球がカール王国に着いた後も続いてまして、ベンガーナ王国戦車隊長アキームですね。出迎えに来たものの、ローマ風ヘルメットなしの坊主頭のため、ひと悶着起きたりする。ここで漁港サババが移動船の造船基地となっていること、戦力がそちらに集結していることも語られる。これも後の衝撃のデカさに一役買ってる情報ですね。

 さらに緩み演出は続きまして、チウですな。ゴメちゃん連れて、チウ本人曰くは敵情偵察ですが、クロコダインにもらった「獣王の笛」を使ってみたいようです。ゲームで採用された「魔物に戦って勝つと仲間にできる」が、本作にも採用されているようで、子分を作って部隊にするつもりもあるらしい。が、意外に大物っぽい魔物が引き寄せられまして、結果は次回以降か。

 もうのどかとも言える雰囲気で、リンガイア王国バウスンが待つ作戦本部に到着するわけですが、魔法使いのフォブスターがルーラで急を知らせに来る。見るからに大怪我でして、その様子がほぼ事情を語ってますな。漁港サババがハドラー親衛騎団に急襲され、手も足も出ずに陥落と。移動手段と戦士隊を潰されたわけで、作戦の行方が一気に暗転する感じです。

 ともかくも救援に行かねばならない。ダイがポップと急行しようとするも、制する声が。北の勇者ノヴァですな。自信ありげなところとか、雰囲気が初期のヒュンケルにちょっと似てるかな? というところで続く。次回「ハドラー親衛騎団」では、ノヴァが奥義を尽くして戦うようですが、ナレーションからすると返り討ちに遭う雰囲気ですね。

●仮面ライダーアギト(第50話:今、戦う時、第51話/最終回:ΑGITΩ)

 最後の4話分は物語を締めくくるためのものであったようで、こちらで伺った通りでした。戦うドラマとしては木野薫の死を以て、実質的に終結していたようですね。最後の4話分の意味を考えると「主要キャラクターそれぞれのドラマを締めくくる」ことであったようで、どう締めくくられたかと申せば「それぞれが、己がヒーロー魂を確認した」となるでしょうか。

 とりわけ、自分的に印象深い結果となったのが北條です。上層部でアンノウン保護・アギト排除に動く白河尚純の庇護を受けることも可能だったんでしょうけど、ついにヒーローに転じてG3-Xを氷川らに引き渡しました。あそこは実にカッコよかったですねえ。どう表現したらいいか分からないんですが、「既にヒーローへと動き出していた魂に、心がようやく追いついた」みたいな感じでしょうか。

 その北條を引っ張る役割として最も大きかったのが氷川です。前に、氷川が牙狼の「守りし者」に相当しそうと感想を申したことがありますが、その後は(コミカル演出もあり)忘れてました。が、今話で「守りし者」として復活した感じです。香川県警への移動・帰還を命じられるも、命令違反覚悟で戻ってきて、小沢を伴って造反、G3-Xを奪い返すわけですね。この覚悟が北條がヒーローたることを選択する、最後の一押しとなった印象があります。

 もちろん、氷川が翻意してヒーローたる覚悟を固めたからであって、覚悟は強さとなって表れてましたな。アギトを圧倒した地のエル・風のエル2体に対して一歩も引かずに戦え、地のエルをして「アギトではない人間なのに」と驚愕させてます。G3からG3-X(+制御チップ)とメカを強化させてきたんですが、最後にして最大の強化は搭乗者自身だったようですね。もしかすると「闇の力」が人間への干渉から手を引く決意をさせた最大の要因は、氷川の踏ん張りだったかもしれないと思うほどです。

 涼のドラマは最後までもの悲しさが付きまといますね。涼の最後のドラマを作るゲストヒロイン:水原リサは、さそり座であったため、ドッペルゲンガーを見せられ、あっけなく絶命。しかも踏切を挟んで涼と相対してた。涼が駆け寄ると、誕生日祝いをしようとしていたことが分かる。何のケーキが好きかとかしつこかったのは、これだったわけで、涼としては重い一撃でしょうな。

 涼は怒り狂うわけですが、またもや間違ってしまうわけですね。復讐するとしたら「闇の力」になるわけですが、アギトの種を宿す人間を殺害していた地のエルに襲い掛かる。前はアギト=翔一が榊亜紀を殺したと思って仇討ちに走り、今度は地のエル。死にかけてはよみがえることも繰り返しで、本当に死んだこともありました。

 それでも、困っている人、頼って来る人を助ける、それがどうしようもない自分(涼)の性分、と思い切ったのが最後のバトルだったんでしょう。アギトのテーマの1つが「居場所」だと思うんですが、涼の場合だと「己の居場所は己自身」(立ち位置や方向性のブレなさ)ということかもしれません。

 翔一についてはドラマ性は強くはなかったかな。というのも、ゲストヒロインの岡村可奈を軸、視点とするドラマで翔一が語られた感じがあるから。死して涼の背中を押した水原リサに対し、岡村可奈は生きて翔一を引っ張り上げるといったところ。同時にそれが沢木哲也も救ったようです。

 岡村可奈は翔一の姉であり、沢木哲也の恋人であった雪菜の再来だったようです。岡村可奈もアギト化が始まり、絶望して飛び降り自殺を図る。救えなかった雪菜を、本当はどうすれば良かったのかを翔一、沢木に確認させるドラマを発生させ、見事に解決させていました。

 岡村可奈のドラマの第一弾が飛び降り自殺で、翔一はすんでのところで手を掴んで止める。が、絶望したままの可奈が死を願う。そこで沢木が雪菜のときにすべき決断だった「掴んだ手を離さない」を翔一と共に実行するわけですね。

 しかし自殺を止めただけでは可奈は救えない。しかし雪菜のときとは違って、今の翔一にはアギトがある。アギトとして戦ってみせて、ようやく可奈も「アギトになっても生きる意味がある、生きられる」と納得することができたわけで。

 そのシーンを見て、「津上翔一」と「沢木哲也」の名前が入れ替わった作劇の意味の一端が分かったような気がしました。うまく説明できないんですが、雪菜に対しての当時の津上翔一が、可奈に対する今の津上翔一同様ににできたこと、決してできないことが浮き彫りになった気がします。翔一の本来の名前としての沢木哲也、津上翔一の名前を翔一/アギトに譲った沢木哲也で考えても、同様のことがありそうです。津上翔一と沢木哲也が入れ替わりつつ、一度目(雪菜)は失敗するしかなかったが、二度目(可奈)は意思次第であり、正しく覚悟して成功した、といったところ。

 ともかく本編、ですが上記でほとんど感想書いちゃったようです。ストーリー的にも単純ですし。どう「闇の力」が納得するか、だけになってます。それも「闇の力」が行ったことが、「闇の力」に返り、「闇の力」が納得して手を引いた、という感じ。

 水原リサを「闇の力」自らの力で殺害したことで、涼が迷走しながらも不屈の起動をする。岡村可奈はアギトの種を宿すがゆえに翔一を動かす。自分の判断で動いたのがアギトでない人間でして氷川ですね。上層部の命令に反して、アンノウンを打倒すべく戻ってきて、北條の決断を促し、G3-Xを奪還して、翔一/アギトを助けるべく奮戦。

 これに翔一/アギト、涼/ギルスが呼応して、ついに地のエル、風のエルを打倒。翔一/アギトは「闇の力」を追撃、ついにさそり座の人間を手始めとする人類絶滅計画を頓挫させる。

 これに「闇の力」が感じるものがあったらしく、再生しながらも余命いくばくもない沢木哲也に人類のことは人類に任せると告げ、沢木は納得し、死亡する。「闇の力」もこの世から消滅したみたい。思えば「闇の力」、オーパーツに遺伝子情報を託して、人類が復元できるようになったら復活する、みたいな存在だったんでした。またこの世に出現する条件を整えて、この世の外に去ったのかもしれません。かくして人類のことは人類が決める世界になったと。ある意味、終始人間として奮闘した氷川らが勝利したといえるかもしれません。

 この半年間、既にアギトをご覧になっていたNOVAさんにお世話して頂いたおかげで、アギトより楽しめ、感想も最後まで書ききることができました。クウガが平成ライダーの祖ながらも異色作で、アギトが後の平成ライダーシリーズに直接連なる祖ということも分かった気がします。大変ありがとうございました。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/06 (Mon) 18:51:52

 定期感想その3です。

 東映公式Yotubeチェックしましたら、鳥人戦隊ジェットマンのプレミア公開が9/9(木)からですか。キョウリュウジャー、デカレンジャーがもうすぐ最終回ですんで、次の枠の1つでいいのかな(もしかするとアギトの次の枠かもしれないけど)。評価高い戦隊もののようですし、こちらでも時折触れてくださる内容からしても、期待してよさそう。

●仮面ライダーリバイス(第1話:家族!契約!悪魔ささやく!)

 いよいよ始まりましたが、自分は未見ながら既に劇場版では大々的に活躍しているわけですね。TVではセイバー最終回に主役並みの扱いで登場してくれてもいます。が、おなら演出とか、ちょっと好み的に不安に思うものもありました。

 しかし、リバイス第1話では、そこまでおふざけすることもなく、この調子でやってくれれば、ほぼ不安なく楽しめそう。「ほぼ」と申すのは、一瞬ですが自分の苦手な演出が入りかけたからでして。自分は「ガンディーン」を視聴することができなかったんですが、理由はドラマ内容や特撮面ではなく、メタ演出多用が主な理由の1つと申した覚えがあります。リバイス第1話でもバイスが視聴者に突然語り掛ける演出がありまして、もし多用されるようだと、ちょっと戸惑うかも(没入から引きずり戻されるので)。

 とはいえ、第1話にして既に期待したくなるポイントもいくつか感じてます。まず悪魔であるバイスですね。解放されるといったん活躍するも、人間を食いに行こうとする。それも主人公一家の母親:五十嵐幸実ですね。幸い、リバイスドライバーでの制御が間に合ったわけですが、どこまで有効か不明でしょうか。今後、使い魔的側面と悪魔的側面で揺れる緊張感を出してくれそう。

 そのことは、バイス単独の暴走(?)・自立に限るわけではないかもです。なにせ、今話序盤からバイスは一輝にだけ聞こえる声で語り掛けてるわけで。今のところ、冗談めいた有効なアドバイス主体みたいですが、いずれいわゆる「悪魔のささやき」みたいなことをし出して、一輝を迷いの道に引きずり込むドラマとかあるかも、と思うとちょっとワクワクします。

 主人公:五十嵐一輝の弟の大二も注目株かも。今話では非適合者の門田ヒロミが無理に変身しようとして、かえって敵となる悪魔を引き出してしまう、大二は適合者ながら、恐れて変身できませんでした。結果、ライダーの座は一輝のものに。しかし、2号ライダー(この場合は3号かな?)が出てくるとしたら、大二が恐怖を克服して、となるんじゃなかろうか。と期待するものありです。

 平成ライダーは、自分の気が付き限りはですが、1クールめ、ないしは話数が1桁のときは、世界観や主要キャラクター紹介に重きが置かれるイメージがあります。そこからテンションが上がって来る(ことに気付かず、以前は序盤で残念な視聴離脱してたりorz)。リバイスだとドラマの立ち上がりが早いかもしれないと思う面があります。

 敵味方の組織と目的が、第1話で既に明示されているからですね。悪魔崇拝組織デッドマンズが人間を生贄に悪魔ギフの復活を狙い、それを察知している政府組織フェニックスが対抗手段開発の上で阻止にかかっている。「誰が、どこで、何をする」話なのかが、もう明示されてまして、分かりにくさはない(中盤でひっくり返すかもしれませんが)。こうなると、どんどんドラマを回していける感じです。

 セイバーのときは「コロナ禍対応で撮影に支障が出る可能性を考慮し、ゲーム的な分岐点持つストーリー、さらにマルチエンディングまで想定して、可能なシナリオを選んで進めたのかな」と思いました。リバイスについては、「コロナ禍の不安定に対し、撮影できる間にガンガン進めて、まず好印象を作る」という戦略なのかもと思ったり。
(素人考えなんでハズレなんでしょうけど ^^;。)

 ともかく本編、ですけどさすがに紹介編といったところですね。ドラマの種は感じるけど、さすがにドラマが回りだすには至らない。50年前(ライダー誕生の年)に悪魔契約のスタンプが発見され、悪魔崇拝のデッドマンズが動き出し、対抗すべく特務機関フェニックスが組織された。フェニックスは敵怪人(悪魔?)に対抗するライダーを生み出すべく、リバイスシステムの開発を完了した。

 そのフェニックスには主人公:一輝の弟である大二が所属しており、リバイスシステム適合者と目されている。一方、主人公:一輝は幻聴、幻視に悩まされているようでいて、実はそいつが悪魔バイスであると。既に物語の駒組は出来上がり、一手進めればキャラクターがドラマを始められる状況といえそうです。

 案の定というべきか、大二の隊長&ライダー任命式をデッドマンズがマンモス・デッドマンで急襲。大二に変わってフェニックス幹部の門田ヒロミがリバイスシステム装着を試みるも、かえってもう1体:レックス・デッドマンを召喚してしまい、これを恐れた大二は動けなくなる。

 ここでヒーロー登場でして、バイスですな。契約と解放を迫りまして、一輝が応じると、一応の活躍をしてみせる。が、悪魔の本性も現しまして、一輝の母:幸実を食らわんとすると。これは一輝がリバイスシステムを行使して止め、仮面ライダーリバイス(リバイ&バイス)となり、敵2体を撃退する。バイスも当面は制御下に置かれる感じですな。
(特撮面では、おそらく発泡スチロール製のコンクリ壁を蹴り砕くとか、アナログも組み合わせた特撮はセイバーとは趣が異なる点で期待できるかも。ワイヤーアクションも、1人までの制限下なんでしょうけど、うまくやれてる感じです。)

 サクサクと進んだわけですが、ラストでドラマ発生。一輝がライダー拒否するわけですね。母:幸実が負傷し、銭湯を自分(一輝)が引き受けなければいけない、と。まさかの「世界の命運か、銭湯経営か」のジレンマですか(^^;。一輝のこの時点の選択(銭湯)は、リバイスシステム放棄ということで、バイスがまた暴れるリスクも高いもののような気がします(まあ、だからこそドラマになりえるわけですが)。

 次回「悪魔はあくまで悪いやつ!?」では、世界より銭湯、という一輝の選択の原因:母の幸実から、世界へと背中を押される感じでしょうか。バイスも相変わらず(?)不穏な動きを見せるらしい。

●仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX

 リバイスが昭和から数えてライダー50周年で、こちらが40周年だったんですね。劇中で「40年後の未来から来たライダー」とか「40年後も欲望追求の鴻上会長」とか、40年を強調しているのは、たぶんそのせいでしたか。

 となると昭和ライダーも意識されるわけで、うまく組み込んだドラマ作りだと感じました。活躍はするけど、平成ライダーのバックアップ感をきちんと出してまして、誰が主役なのかを際立たせてる感じです。いったんオーズのメダル、フォーゼのスイッチになってくれまして、そこからの復活というのは、なかなかにフォーゼ、オーズの顔を立てる、いい先輩という感じです。
(オーズのメダルに昭和ライダーとなってみると、現在のウルトラマンシリーズを思い出しまして、「力をお借りします、になるのか?」と思いそうになりました ^^;。)

 控えめなのは仮面ライダーWもでした。登場する尺が非常に短い。W編はすぐ終わってしまいまして、「財団Xのレム・カンナギがラスボス設定なんで、とりあえずWを登場させといた?」と邪推しそうになりました。が、弦太朗と翔太郎が初対面でいきなり打ち解けるシーンで思い直しました。

 自分はWは序盤で離脱してしまいまして、翔太郎(とフィリップ)の理解が足りません。が、弦太朗の「ダチを泣かせる奴は許せない」の一言で翔太郎の態度が一変するところは、「たぶん、Wをきっちり見届けたファンなら即座に深く納得するんだろうなあ」と思いました(同時に自分が観ておかなかった後悔も)。フィリップがそれより早く、2人を似た者同士と見抜いていた点も同様です。

 ゲストヒロインにして、ライダーでもある美咲撫子/仮面ライダーなでしこにも注目しました。単独のライダーとしての印象はそれほど深くはありません。ライダーとしての活躍はそれほどでもないですし(SOLUが人へと成長し、フォーゼに力を与える役割ですから当然ですが)。

 実は仮面ライダーメテオを思い出し、気になっちゃったからというのが大きいんです。ED曲後のラストで、ようやく流星/メテオ登場でして、天ノ川学園高校直前だったと明かされて、納得はしました。が、途中までは「メテオ出ないな、誰も流星の話しないな」と気になってました。

 メテオを意識していたのは、もしかすると仮面ライダーアクアのカラーリングの影響もあるかも。青色ですね。ジオウで初めてアクア見たときは、まだフォーゼ未見で青つながりは意識できませんでした。フォーゼ完走してようやく、「青いメテオ」というイメージが定着しまして、アクアで連想が働いたみたいです。

 仮面ライダーなでしこに戻りますと、ちょっとあしらった青もありますが、メテオの中国拳法流バトルで連想が働いたみたいです。もっともメテオのジークンドー/ブルース・リーに対し、なでしこのは丁々発止のジャッキー・チェン風かなと思います。自分的には中国拳法の二大イメージ(?)がブルース・リーとジャッキー・チェンだったりするわけで、どちらかがイメージされると、もう一方も思い出す次第です。
(もっと直接的には、牙狼の邪美、烈花のアクションを思い出したりもするんですが。)

 ライダー以外で印象深かったのは、鴻上会長です。40年後も鴻上会長はお元気で、欲望のままに振舞えとメダル渡したが不安定要素あったのが原因となって、現在(40年前)の自分(鴻上会長)が後始末(前始末?)に乗り出さざるを得なくなったと。どうにも鴻上会長らしい感じです。

 そこから敷衍して思ったんですが、財団Xも思うがままにやれるわけではなさそうということがあります。鴻上会長も巨大財団のトップであるわけで、謎の財団Xと張り合える存在でしょう。さらに我望光明理事長も、自身も仲間も配下も武闘派としての力は強いわけで、経済的には小規模かもしれませんが、財団Xに屈する様子がない。

 以前にWシリーズの劇場版などで、財団Xが登場し、こちらでご教示を受け、ネットでも多少調べてみたときは、「背景的ながら絶対的な実力を持つ組織」みたいなイメージでした。が、本作を観た後では、「競合相手もいる、巨大ながら相対的な存在」という印象に変わりました。本作ラスボスに造反された点は一枚岩ではないという印象も生じてます。

 ストーリーを追っての感想は割愛。1点だけ申すなら、TV本編では見られなかった、弦太朗の恋愛情緒面をしっかり見せてもらったのがいい補完になったことでしょうか。TV本編では女性キャラとも激しく、深くぶつかりはするものの、恋愛的な面は抑えられていた印象があります(弦太朗の周囲で恋愛が発生するため、演出的に控えてたのかも)。

 そのため、弦太朗は恋愛面では朴念仁的かもとすら思ったことがあります。が、ちゃんと思春期の恋愛感情がしっかりあると分かり、なんだか安心しました。こういう弦太朗が、TV本編では次々と敵を仲間に変え、ついにはラスボスすら惹かれて納得してくれたわけでしたか。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/07 (Tue) 13:40:55

 セイバーに続き、アギト感想おめでとうです。
 さすがに20年も前の作品なので、当時の記憶を懐かしく思い出しながら、楽しく再視聴できました。

 たぶん、ここで感想追跡する機会がなければ、自分一人で見ようという気にはならなかったと思います。
 アギト見ながら思ったのは、「一人の脚本家でほとんど書くと、ドラマの構成がしっかり計算されているのが分かる」というか、井上敏樹カラーが昔よりもよく分かるなあ。

 とりあえず、井上敏樹カラーを3点並べると、

1.芝居がかったセリフを言うクール皮肉屋キャラ。

 本作の北條さんとか、ジェットマンの結城凱とか、熱血王道キャラのライバルになる(だけど、独特の友情を構築する)スタイリッシュキャラがいて、違う視点を提供してくれます。
 この嫌味の応酬で何だかムカつく金持ちのボンボンみたいなのは、「巨人の星」の花形とか、ガンダムのシャアとか、アニメの世界だと当たり前なんだけど、実写特撮だと結局、仲間になって仲良くなるか、敵のまま散って行くかなんでしょうけど、
 北條さんの場合、最後まで対立関係でいながら、相手の心情は汲んで引く程度の処世術は持ち合わせている点が美味しい。

 で、こういうキャラがいるからこそ、氷川さんの真っ直ぐさが引き立つというか、小沢さんとの皮肉合戦も笑えるというか。
 人間関係の対比対立劇を描かせると、井上敏樹に如くはないと思えるほど。
 まあ、子ども番組の制約のない小説だと、もっとエログロどぎつい描写を入れる人だけど。

2.食べ物でのほのぼの。

 本人も料理が趣味というぐらい、食を追求している面があるので、食べ物を通じた交流譚、日常ギャグの繰り返しが一種の芸風。
 まあ、これはライダーシリーズや戦隊の拠点がしばしば食べ物屋というのもあるかも。
 どんな食べ物や飲み物が好き、というのもキャラ立ての一つですからね。

 翔一の野菜とか、小沢さんの焼き肉とか、河野さんのラーメンとか、北條さんの高級料理嗜好とか、キャラを反映していていいなあ、と。

3.格言名言

 脚本家のセンスが一番出るところ。
 哀しみのドラマを踏まえた「涼のセリフ」がいちいち格好いい。
 氷川さんについては、本人は無骨で決めゼリフが少ないけど、小沢さんの「彼は一度も逃げたことのない男よ」って持ち上げセリフがあって、実際、倒れたことは数知れないけど、戦術的撤退を選択したことが一度もない。

 このキャラならではの、独自の魅力あふれたセリフの数々は、その回の名ゼリフだけを抜き出しても話題にできるほど。

 まあ、面白い脚本家というのは、ストーリー構成やキャラ設定もさることながら、「印象的なセリフ回し」を生み出せるかどうかだと思います。

「私は人間が善良だと信じています。……私自身が善良ですからね」と日頃はイヤミだらけの北條さんに言わせるのが凄いです。
 北條さんのキャラだと、皮肉っぽく「人間は悪だ」って言いそうなのに、自分を基準に人間は善良だと言い切っちゃう、ギャグか本気か分からない言い回しが功を奏して、「善良な北條さん」というネットでの持ち上げ方ができて、

 視点を変えた複数の正義、そして正義の暴走という平成ライダーの作風にフィットする流れができたんじゃないかなあ、とか。

 アギト→龍騎という流れと、アギト→ジェットマンという過去に戻る流れがあって、秋は井上敏樹研究が盛り上がりそう。
 まあ、龍騎は小林靖子メインで、井上敏樹キャラは主に仮面ライダーゾルダと王蛇なんですが、善悪二元論に収まらない錯綜したライダー対決ワールドのバトルロワイヤル展開に期待しつつ。

★ジェットマン

 てっきりファイブマンの後かと思っていたら、ロボコンの後枠で今週から開始。

 この作品は、何よりも雨宮慶太監督作品というのが大きくて、独特の映像表現が80年代と90年代の差を示していると思います。
 平成ライダーおよび牙狼のルーツとなる作品ですし、メンバー構成が、最初レッド以外が素人民間人で、変身したらいきなり装備や力を使いこなせるわけでもないのが、序盤の面白さ。

 まあ、龍騎もそういうところがあって、弱いキャラが成長するドラマにもなっている。
 既存のヒーロー物では、強敵に対して訓練することはあっても、最初から割と装備は使いこなしている(軽いレクチャーぐらいを受けることはあっても)。

 で、素人がたまたまバードニックウェーブというエネルギーを事故で身に浴びたためにジェットマンに選ばれ、悪戦苦闘しながらもレッドに導かれて、何とか戦えるようになるのが序盤。
 だけど、レッドが仕切るのに対して、俺は一匹狼だから好きにさせてもらうと宣言するブラックとの対立劇。だけど、メンバーのお嬢さまホワイトに惚れたから、という理由で、「仕方ないから力を貸してやる」と格好付けムーブ(ブラックはケンカ慣れしているキャラなので、訓練していなくても普通に強い)。

 序盤が非常に仲が悪くて、しかも素人が多くて、頼れない戦隊だけど、それぞれの戦う理由なんかを見つけて、だんだん戦士として成長した頃合いに、
 敵の女幹部が、レッドの元恋人(元々の戦隊候補)だと判明して、チームの中核のレッドが戦意喪失したりして、ブラックが叱咤激励する展開になるとか。

 あと、アギトに通じる要素として、司令官が戦隊初の女性という点もあるかも。

 ともあれ、戦隊初の試みがいろいろあってマンネリ打破を果たした記念作ということで。

★フォーゼ

 映画の見どころはいろいろありますが、何よりも坂本浩一監督なので、アクションが凄い点ですね。

 オーズでのクスクシエ店内でのバトルは、「クスクシエのセットはこれが最後ですから、壊しちゃって構いません」ということで、
 映士とアンクが、スタントなしの本人たちの生身アクションを徹底して披露。

 一方、フォーゼは、なでしことの種族を越えた愛というのが、テレビ本編では、「賢吾との種族を超えた友情」という終盤に集約されるという仕掛けが。
 つまり、弦太朗のなでしこに向けた言葉が、やがて地球人ではないという出自の判明した賢吾に対する言葉としても説得力あるフィードバックを意図しているらしいです。

 で、なでしこの制服が昴星高校のもので、TVでは直後に登場する転校生の流星の設定に通じるものがあるわけで。

 この劇場版は年末公開で、映画のラストにメテオを顔見せ登場させて、そして翌年の年明けにメテオが編入してくるという段取りです。

 映画で、その後のパワーアップや新キャラをチラ見せして(いい客引きだ)、TVの期待を煽る作りですね。

 一方、坂本監督のこだわりは、昭和の7人ライダーです。一応、昭和は1号からストロンガーまでで、一度ライダーの歴史が終了し、
 それから、8番めのスカイライダーから9号のスーパー1、10号のZXまでが復活第2期。
 第3期は、BLACKと続編のRXです。

 坂本監督は、最初に見たライダーがストロンガーで、そこで出てきた7人ライダーの幼少期の思い出にこだわって、この作品を作ったとインタビューで答えて、
 ウルトラマンではレオ好き、ライダーではストロンガー好きを盛大にアピールしていた、と。
 ストロンガー好きは自分も共通していて、凄いシンパシーを感じたら、実は同年齢だという。そりゃ、そうか、と。

 パワーレンジャーで凄い活躍をしていたから名前は知っていたけど、日本に帰ってきて、ウルトラマンゼロの映画から、仮面ライダーWを経て、フォーゼの企画段階から参加。
 フォーゼの学園が、アメリカンスタイルなのも、洋行帰りの坂本監督の意見も大きかったとか。
 この人の中国拳法アクションへのこだわりも、経歴を見れば確かなもので、

 あと、拘っている部分が劇場版では「ライダーの設定されたフォームチェンジは極力、全て使いたい」というもの。
 だから、この人の撮った作品のアクションシーンは、フォームチェンジ祭りになる。

 Wもオーズもフォーゼも、ほぼ全て出しきったかなあ。
 まあ、マニアック的には、オーズの暴れん坊将軍映画で使ったブラカワニだけは、今作で出ていないのですが。

 とにかく、フォーゼの映画は、坂本アクションだけでも全てが傑作と言っていいと考えていますので、
 あとは夏の劇場版と、冬のウィザードとの共演編が配信されることを期待しつつ。

PS.ダイ大は仕込み回なので、感想は後回し。リバイスは2話を見てから、感想を書く予定。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/08 (Wed) 17:56:26

 定期感想その1です。

 劇場版フォーゼについて、「なでしことの種族を越えた愛」&「賢吾との種族を超えた友情」という点、そうかと思うものがありました。弦太朗の「友達になる」範囲はどんどん拡大していくわけですよね。その背後には(劇場版で示されるものの)序盤で種族を超えても愛する弦太朗があったわけでしたか。

 昭和ライダーの登場について、坂本浩一監督の子供の頃からの拘りだったというのは、意外でした。パワーレンジャーでいい仕事して日本に帰ってきて、と伺っていたことから、(クンフーの影響含む)ハリウッドアクション志向があると思い込んでました。原点(の1つ)がストロンガーでしたか。そう分かってみると、フォーゼ映画での昭和ライダーの扱い、演出等々、ちょっと違って感じるものがあります。

 東映公式Youtubeにあるうちに、もう1回くらい観ておきたくなってきました。

●ゲッターロボアーク(第10話:異星の聖戦)

 今話はタイトルからしてうさん臭さが漂う気がしましたが、本編内容はもっと深刻ですね。出自の星が異なる種族は絶滅させるもの、というのがゲッターエンペラーが出現する宇宙での基本らしい。

 そのゲッターエンペラーが登場したわけですが、設定的には遥か未来の人類の主戦力であることよりも、「閉じた宇宙を創る特異点」であることが大事みたいですね。この作品での特異点の意味はまだ曖昧ですが、エンペラー固有の宇宙を作るものであるらしい。おそらく、あるエンペラーが出現したら、他のエンペラーは発生しないとかじゃなかろうか。

 エンペラー出現以前だと、ショウの理解(と武蔵の同意)によれば、過去改変を行っても、別の歴史の宇宙へ分岐が起こるだけで、既に確定した未来のほうは影響を受けないらしい。が、エンペラーが出現すると、それも不可能になる模様(たぶん、過去への干渉で分岐させた歴史も、確定した未来に収束するとかだろう)。

 ただしエンペラー出現以前への干渉は不確定要素があるみたいですね。エンペラー出現以前なら、エンペラーの芽を摘んでしまえるかもしれない。しくじっても宇宙全体が消失して勝者なしになるかもしれない。その一縷の望みにかけて、アンドロメダ流国は地球の過去に干渉を試み、ゲッターと敵対する百鬼帝国を作り出すことになったと。

 その百鬼帝国の生き残り:マクドナルドが未来のアンドロメダ流国に拾われ、コーメイの側近となったわけでしたか。そこで問題となるのが、どうやら「宇宙を壊す過去への干渉は過、去から未来にやってきた者への干渉も含む」~「未来における過去の者同士の干渉は宇宙に影響なし」ということらしい。科学~ハードSF的な考証をしようとすると手詰まりになりそうですが(^^;、勝利条件としては分かりやすいかな。

 原作者:石川賢さんオリジナルとしては未完となったゲッターシリーズですけど、やっぱりエンペラーの提示する問題は深刻かなあ。今話の内容を受けて妄想をたくましくしてみると、「エンペラーを手にした種族が全宇宙の覇者となり、他種族を絶滅させる」というものらしい。そこに過去への干渉やら歴史の分岐による並行世界とか考えると、「各種族はそれぞれ、自分だけが生き残って勝者となる宇宙を作り出そうとしている」→「そのためにはゲッターに選ばれる=エンペラーを手中にする」→「結果、各種族専用の宇宙がいくつもできる」ことになりそう。と書いてみると、どうもありそうにないorz。石川賢さんのプランはどんなものだったんだろう?

 ともかく本編。今話はギリギリの戦いとかはなく、未来世界における状況と、とりあえずの勝利条件の明示という準備回の感じですね。冒頭、未来ではなく現代の地球に来てしまったかと失望したゲッターアークチームですが、流国部隊が襲ってきまして、迎撃する地球側部隊がどうも現代のものと違う。

 現代の軍用ヘリ、戦車を中核とする部隊のようでいて、流国部隊と対等以上に戦えています。ヘリの機銃で敵機撃破とか、武装の威力が段違いらしい。戦車に敵機が張り付いて、普通に考えたら勝負あったとなりそうですが、易々と跳ね返してます。形は似ていても、技術レベルが段違いなのは明らかです。

 それでもアークの戦闘力が抜群なのは変わりないようで、敵小型機を蹴散らし、大型機を撃破、ボス機と思しき敵には内部から破壊と。さらに空間転移で損傷したらしいゲッターザウルスも救出しまして、この局地戦はほぼ危なげなく勝ったようですね。

 このゲッターアーク・ザウルスの動きは流国側も察知していて、アーク到着はコーメイらが拠点とする惑星ダビィーンらしいと突き止めてますな。この惑星ダビィーンって、ゲッター世界では有名な場所らしく、漫画版「真ゲッターロボ」で「ギィムバグ軍曹」なる重要敵キャラクターの故郷らしい。知ってる人は惑星名だけで興奮するものがあるんだろうな(ネットでは反応しているらしい人が散見されます)。

 この後、コーメイらは追いつめられる格好になるわけですが、ゲッターアーク/ザウルス出現は脅威ながらも、出現ポイントとしては期待するものがあるらしい。拠点の惑星をダーク・デス砲で崩壊させられても、優勢な地球側軍団を前にして、ひたすら逃走にかかっているらしいのは目算があるからか。が、今話では描かれず、次回で流国の反撃が見られるのかしらん。そこは期待できそう。

 一方、地上人類軍側は巴武蔵が現れまして、初代ゲッター3号機のパイロットだったと名乗る。この後、ここが数千年後の世界ということが明かされまして、武蔵もエンペラーのデータ(記憶)から作られた人工生命、それもいくら死んでもいいような、スペア多数のうちの1人と分かるわけか。他種族絶滅方針も考え合わせて、遠い未来では生命観が激変しているようです。

 それはともかく、アーク・ザウルス一行は母艦に招かれる。ただしザウルスチームに対するあしらいは冷たい。後でショウはハチュウ人類は招かれざる客みたいなことをずけずけ言ってますが、最初から気付いているんだろう。なにせ、例えば武蔵はゲッターザウルスをパチモンと言ってはばからないわけですし、現代では同盟軍だったはずなのに、母艦のどこにもハチュウ人類はいないわけだし。

 圧倒的に優勢な地上人類エンペラー軍ですが、最終的な勝利はまだまだらしい。過去への干渉を可能にする「時空間超越機スターボーダ」ですね。流国を完全撃滅すればよさそうですが、後で武蔵が明らかにしたところによれば、過去から来たマクドナルドがいるため、力尽くでは危ないんで慎重になっている模様。

 武蔵は母艦で歴史を語りまして、人類の宇宙進出→他惑星征服と植民地化(たぶん太陽系外知的生命体は根絶)→アンドロメダ流国と遭遇&開戦→人類絶滅の危機→ゲッターエンペラー出現による形勢逆転、で数千年経たらしい。流国が人類を細胞一片も残さず根絶やしに来たため、和平とかは考慮外になってる模様。しかし拓馬らには理解しがたいものがあるみたいですね。ショウとしては、ハチュウ人類は既に絶滅させられたと思っているでしょう。これも受け入れがたい事態です。

 しかし武蔵はひたすら他種族を絶滅させて、人類が宇宙の覇者になる未来を疑いもしないらしい。それが武蔵の考える、ゲッターの行き着く先の一端ということなのかも。それを阻む可能性がアンドロメダ流国の過去改変(エンペラーの可能性を過去で封じる)ということなんでしょうな。

 しかし過去の人物マクドナルドがいるため、うかつに手を出すと「僅かな時空軸の歪み」でも宇宙崩壊とかあり得るため、拓馬らに任せるしかない。ショウはハチュウ人類がいない未来のために働くのは本意ではないようですが、過去において恐竜帝国・ハチュウ人類が地上人類と共に早々に滅びると脅され、やむなく流国の過去への干渉を阻止するしかないと諦めている感じです。

 その流国の過去干渉の一端が、もともと人間だったブライをして、百鬼帝国のブライ大帝と成し、戦乱を招いた一件だったわけですか。そこからマクドナルドが流国にたどり着くことにもなったわけですね。そうと知った拓馬は怒りで我を失ったようで、未来の状況も過去(現代)の地球もどうでもよくなり、ひたすら母親の仇たるマクドナルド討つべしで凝り固まると。

 次回「宿願」では、拓馬はマクドナルドを親の仇と思い、マクドナルドは拓馬らをブライ大帝の仇と憎んで対決の流れになるみたいですね。しかし意外な展開として、マクドナルドがショウに接触してくるらしい。予習によるとショウは流国の決戦兵器を任されるみたいな情報がありますんで、その端緒かしらん。1クールだと残り2~3話ですんで、かなりの急転直下の展開になりそう。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/13 (Mon) 14:28:06

 定期感想その2です。

●ダイの大冒険(第48話:ハドラー親衛騎団)

 アニメ公式サイトには2年目から新しくなるOP曲の情報がありました。最後まで同じOP曲で、映像はストーリー進行に合わせてカットを追加していくのかと思ったんですが、違っててよかった。10月の放送分が楽しみです。

 それはともかく、先週ラストで自信満々どころか驕慢な様子すらあった北の勇者ノヴァで、もう今話で惨敗を機に大成長(予定)といったところでしょうか。もっとも、負けたと自覚して改心する前の描写からは、ノヴァが務めを立派に果たしていたことが窺える気もしました。

 ノヴァに対する部下・仲間の態度ですね。造船拠点サババに到着したノヴァに対し、守備していた兵士が重傷なのに「ノヴァ様、お逃げください」と叫んでまして、慕われ方がなかなか。「助けてくれ」じゃないんですね。自分(兵士)は死んでもいいから、ノヴァに無事でいて欲しいというのは「この方ならば」レベルの忠誠度でしょう。

 もっとも、逃げろと言った点はノヴァの力量(ヒムらとの差)を、部下・仲間がよく知ると表すものであるのかもしれません。ザコ~中ボスまでは蹴散らせても、敵精鋭に敵うもんではないと部下らは分かっているから、助けてでも戦えでもなく、逃げろと進言したと。

 もっともノヴァには通じないわけですが。おそらく強敵と出会ってない、負けた経験がないからなんでしょうな。ノヴァの自己評価は、自分(ノヴァ)がいればリンガイア王国は陥落しなかったというものですが、敵将はバランだったはず。そういう強敵と出会わない強運(?)があったんでしょう。

 ある意味、ノヴァはついてまして、味方も意図せず利してますね。ダイら(特にポップ)に分かる必殺技でヒムの強さを示せてます。ポップのメドローアが放たれる直前に、それより威力が低いマヒャド放ってナイト・シグマの「シャハルの鏡」返され、メドローアによる自滅を防いでます。

 ノヴァ本人は戦闘不能になってヒムに殺されかけ、武人らしかった敵の容赦ない一面を引き出してますね。さらにすんでのところでヒュンケルに救われるのも運がいい。よく考えると、独断専行で急行して、とりあえず敵を引き付けて時間を稼ぐ陽動となり、ヒュンケルらの援軍が間に合うことになったと。これらが全部、ノヴァの意図とは無関係に起こってますんで、まるで古畑任三郎に「お手柄だよ」と褒められる今泉君みたいなことになってるような(^^;。

 ともかく本編。冒頭は前話で「魔物の笛」使ったまではいいけど、強敵を呼び寄せちゃったチウのその後。たんこぶ作りながらも勝ったらしく、魔物バピラスを従えてますね。翼竜タイプなんで移動は都合よさそう。そこよりもチウの「獣王遊撃隊」がここからスタートということが大事かな。隊員1号がバピラスのパピィで、2号がゴメちゃんですか。

 一方、カール王国の同盟軍拠点ではノヴァがダイを認めず、横柄な振舞。父のバウスン将軍がたしなめても、一向に収まる様子なしですね。もっとも、ダイは気にせず肩書(勇者)に拘らず、強い奴がたくさんいればいるほどいい、というシンプルな考えらしい。バウスン将軍には、そういうダイと強気一辺倒の息子の器量差が分かったらしい。

 ノヴァの頑なな態度は、直接的には実力と実績から来る自信から来るんだろう(及び真の強敵と出会ってない幸運についての無知)。我(ノヴァ)こそは世界一の勇者、という自負を持ちたいから、不必要にダイを貶めたい気持ちが湧いてしまうんだろう。それもこれも、猛将の子であり、実力を備えながら、故郷のリンガイア王国崩壊を手をこまねいて見ていた、という罪の意識があるゆえか。

 ともかくもノヴァは独断専行で造船拠点の港サババへルーラで向かい、ダイらも追う。ノヴァが到着すると、港は守備兵含めて壊滅に近いらしい。自分は前話で勘違いしまして、サババは早々に廃墟となり、守備隊は全滅したかと思ってました。だから、たった1人生き残った魔法使いのフォブスターが危急を知らせに来たのかと。

 今話を見てみると、圧倒的な戦力差ながら防御に務め、援軍を待とうとしてたみたい。ロモス武術大会の面々は最前線で食い止めようと試み、善戦していたようです。なにせ殺されてないですから。もっとも敵もダイの到着を待つ算段であったのサババ守備隊には幸いしたか。サババ急襲は陽動で、ダイらに少数で急行を強いて、せん滅する戦術だったようです。

 しかし真っ先に着いたのがノヴァなわけで、ヒムはザコ呼ばわりで失望してみせてますな。が、緒戦はノヴァが意外にやれることを示す結果に。剣は折られましたが、闘気を刀身と成すオーラブレードで、ヒムのオリハルコンの体に傷をつけると。ヒムがオリハルコンの強度ゆえに油断していたとはいえ、規格外の切れ味、威力を持つ技であるのは間違いなさそうです。

 その頃、ダイとポップはトベルーラで追っかけてるわけですが、会話に注目しました。ポップが「お前さん(ダイ)の力は最近ますます化け物じみてきた」と軽口叩き、ダイは「化け物はないだろ~」とむくれて見せてます。もう冗談でそんなことが言えるようになってたわけでしたか。

 ベンガーナ王国のヒドラ・ドラゴン襲撃からテラン王国の竜の神殿での戦いの頃だと、ダイが人間ではない、化け物じみてるということが大問題となってました。ポップはダイがモンスターかどうか関係ない、仲間だと強調したのは印象的でした。が、それって気になるからこそです。それが今や、化け物じみるとか平気で言えるようになったわけですな。竜の神殿の頃でも強い信頼を見せてたポップですが、いつの間にか互いに、さらに信頼が深まっていたといえましょう。

 そのダイとポップがサババに到着しますと、ちょうどノヴァが奥義「ノーザングランブレード」を放つところ。ヒムは吹っ飛ばされたように見えますが、「柱に頭をぶつけた程度」で、「前座としては面白かった」ですか。まともに食らっても、根性入れてたら大したことないらしい。強力な奥義は自信を与える反面、破られると一気に絶望するわけで、ここからノヴァは破れかぶれになる感じですね。

 そのうえ、一気に押し切れないとなると、ノヴァの言う「攻撃は最大の防御」にならないわけですな。敵を叩き潰せば被害の拡大は止まり、負傷者も救出しやすい。が、敵が健在であり続けたら、攻撃に手を取られて、他に手が回らない。そこで戦術転換できれば良かったんでしょうけど、焦ったノヴァには攻撃以外の選択肢が見えないらしい。無謀にもまたもや正面から斬りかかるも、クイーン・アルビナスにあっさり返される。

 さらに敵は規格外さを見せつけてきまして、ルークのブロックが建造中だった大軍船を担ぎ上げ、怪力を見せつけつつ歩いてくるわけですね。さらに軽々と放り投げまして、中の弾薬に引火して爆発炎上と。

 が、ここでポップがピンチはチャンスと奮起しまして、爆炎に紛れて、メドローアを撃つ構えに入る。レオナ姫から下賜された専用服のお陰で腕も焼けない模様。万全の反撃態勢ですが、ノヴァが反撃しようとあがきまして、マヒャドを放って敵の動きを止めにかかる。が、ナイト・シグマの「シャハルの鏡」でマヒャドを跳ね返されまして、ダイらが氷結する羽目に。

 結果的にですが、ノヴァの邪魔だてが幸いした格好なわけでしたか。跳ね返されたのがマヒャドでなくメドローアだったらダイ側は全滅していたということで。ポップも焦ってうっかりしてたんでしょうな、せっかく師のマトリフが魔法反射に気をつけろと警告してくれていたのに。

 ダイ側は運で全滅こそ免れたものの、氷結で動きが取れず、特にノヴァはヒムに捕らえられ絶体絶命。ノヴァはようやく己の至らなさを自覚するも、ヒムはノヴァを憐れむように蔑んで、止めを刺しにかかる。が、ヒュンケルが槍でヒムを貫きまして、ぎりぎりで救出ですか。さすがは形見(?)の槍というわけですが、素材強度はオリハルコンに及ばないはずで、ヒュンケルが槍に熟達してきたということかな?

 ともかくもヒュンケルがヒムの台詞をそっくり返し、続くわけか。次回「パーティバトル」では、クロコダイン、マァムも駆けつけ、チーム戦になるわけですか。今週は悲壮感漂う戦いでしたが、次は燃えるバトルになりそうです。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/13 (Mon) 21:11:24

 定期感想その3です。

●仮面ライダーリバイス(第2話:悪魔はあくまで悪いやつ!?)

 セイバー最終回のコラボでバイスのおなら演出が気になったんですが、今話を考慮してのことだったのかも。今話ではバイスがまた邪悪な一面を見せるのを繰り返してました。やはり人を食おうとするし、悪魔を召喚するよう誘惑もする。結局、一輝に屈服するように契約を交わすわけですが、面従腹背の疑いはありそうです。

 バイスが己が邪悪さを誤魔化すのがふざけた態度のように思えます。セイバー最終回ではバイスの隠された悪意はネタバレできないけれど、おふざけで誤魔化す演出を入れようと、おなら強調になったのかなと思えます。

 それと関連して気になったのは今話のメインゲストですね。プロゴルファーと専属キャディで、以前は息の合ったコンビだったようですが、ゴルファーの不振をきっかけに仲たがいに。それを契機にキャディが悪魔召喚してゴルファーを従えようとし、怒ったゴルファーも悪魔召喚してしまう。

 最後には2人とも反省し、雨降って地固まるになるわけですが、この先の一輝とバイスの関係性を暗示するもののように思えました。今話では一輝がバイス道連れの覚悟を示し、恐れたバイスが従った格好です(バイスの内心は解釈の幅があるにせよ)。それでも共闘体制は構築されていくんでしょうな(例えばパワーアップはもう今話で示されてる)。

 しかしバイスには腹に一物ありそうで、いつまでも強制に服するとも思えずいずれ関係性が壊れるんじゃなかろうか。そこから一輝とバイスはどうするか、みたいな中盤のドラマがあるといいなあ。その種は今話のバイスから見て取れないわけでもなさそうな気がします。

 一輝の力尽くでバイスが屈服、みたいなことを強調しておいてなんですが、一輝が死ぬことについて、バイスの迷いが見えたような気がしたんです(表情が読めないんで、口調、身振りからですけど)。バイスは「一輝が死ぬと自分(バイス)も死ぬ」ということで、打算として従ったように見えます。が、それが8割で、2割くらいは純粋に「一輝を死なせたくない」という親愛の気持ちもあるんじゃないかという気がします。もしそうならですが、その2割の親愛がいつの間にか育っていた、みたいな展開もあり得そうなきがします。

 ともかく本編。上述したような点が垣間見えた気はしますが、基本的にはリバイスでの世界観、ライダー、敵味方の状況、怪人(悪魔)、バトル特徴等々を紹介する面が強い気がします。味方サイドの動きとしては、一輝のフェニックスへの勧誘ですね。門田ヒロミの分隊長への降格は、最前線で活躍しにくい組織幹部から、バトルに加われるチームの長にした作劇かもしれない。

 フェニックス勧誘については、一輝はいったんきっぱり断る。銭湯のほうが大事、というわけですな。加えて、母親:さくらがバイスに襲われそうになったことから、悪魔との共存に不安もあるんでしょう。

 が、その当の母親:さくらから、世界を守れる者が守る旨、説かれて動揺している様子が見えます。観ていて一瞬、「危地に行けとは無茶なことを」と思ったんですが、弟の大二は既にフェニックスメンバーだったんでした。さくらがフェニックスの重要性を理解していても不思議ではないか。

 一方、デッドマンズは画策を続けてまして、不和になったプロゴルファーと専属キャディに目をつけて、まずキャディを悪魔と契約させるわけですな。なんだか陰我につけこむホラーを思い出すものがあります。キャディは依然としてプロゴルファーを心配する気持ちはあるものの、それを召喚悪魔の力尽くという歪んだ形で発露してしまったみたい。

 それはリバイ&バイスで悪魔:カマキリデッドマンを撃退するも(バトルはなかなか良かった)、今度はキャディの行為に怒り、かつ触発されたプロゴルファーが自らデッドマンズと接触、悪魔召喚してしまうわけですか。

 しかし問題はバイスのほうが大きいわけですね。大二を襲おうとしたし、プロゴルファーも襲おうとした。いずれも一輝がバイスを呼び戻して事なきを得たんですが、見かけ以上にマズいことをバイスがやってたわけですね。プロゴルファーについては襲おうとしたんじゃなくて、悪魔召喚をすればいいと誘惑していたと。

 それを知った一輝はリバイとなってバイスを叩きのめして根性入れ直させようとしたようですが、バイスののらりくらりで諦めてしまったらしい。バイスの誘惑でデッドマンズと接触し、悪魔メガロドンデッドマンを召喚したプロゴルファーに相対して、一輝はドライバーを大二に返してしまう。

 今度こそ本気でライダーたることをやめる、というわけですが、バイスに対して命がけで恫喝する意図もあったみたい。ライダーに変身するのはやめたけど、戦いはやるわけですな。生身では力の差は隔絶してますから、いずれやられてしまう。そうなるとバイスも死ぬ。

 となって、好き勝手したいけど死にたくはないバイスは屈服(もっとも上述の通り、複雑な心境のような気がする)。二度と人間を襲わず、悪さもしないというわけですね。その確約(契約)を得て、一輝はリバイに変身。バイスも実体化し、共闘により悪魔メガロドンデッドマンを撃破。プロゴルファーとキャディは更生施設送りとなるも、初心に帰ってやり直す覚悟を固めた模様(たぶん初心だけど1周して初心以上のはず)。上述の通り、この2人は一輝/リバイとバイスの今後の成り行きを暗示する可能性があるように思います。

 次回「人質トラブル、どうする兄弟!?」では、一輝の妹さくらが誘拐される話ということで、さくらを紹介する目的が多分にありそう。さくらにライダーの可能性が見えたりすると面白いかもです。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/14 (Tue) 15:53:07

 定期感想その4です。

●青天を衝け(第26話:篤太夫、再会する)

 家康公解説は健在で、最後までガイドしてくれそうですな。家康公、もう幕府やら新政府のことはいいという風で、栄一の今後を楽しみにしている様子です。明治の御代も面白そうじゃないか、といったところでしょうか。

 今話は争いもなければ危機も起こらずの地味な回でしたが、じわっと面白かった。まずは、栄一/篤太夫の得た悟りが示されまして、惇忠に言った「銃や剣を手に戦をするんじゃねぇ。畑を耕し、藍を売り、歌を詠み、皆で働いて励むことこそが俺の戦い方」ですね。

 今まで、尊王攘夷に逸って行き詰まり、平岡円四郎に拾われ、慶喜に引き立てられ等々の過程で、試行錯誤しつつ方向性を定めてきた感じがあります。それらを小悟とするなら、今話のは一応は大悟でしょうか。戦って勝って世の中を動かす、から経世済民へと大きく舵を切るような「俺の戦い方」のようですから。

 孔子の発展段階(?)でいえば、「三十にして立つ」か「四十にして惑わず」かも。まだ「五十にして天命を知る」までは行ってなさそう(たぶん経済産業を志向してから知るような気がする)。

 もっとも栄一/篤太夫が一人でここまでやってきたわけはなく、むしろ流されつつも導き手に出会ってのことですね。今話では栄一/篤太夫の導き手のうち、序盤では栄一/篤太夫が憧れた、剣術と志の強い長七郎、中盤から日の本の事実上のトップとなった慶喜が好対照で示された気がします。

 長七郎は栄一/篤太夫の夢に現れて諭すわけですね。以前のような思いつめたところはなく、錯乱して投獄されたときのような切迫と絶望の感じもない。ゆったりとして気さくで、栄一/篤太夫に「前を向け」と言い、栄一/篤太夫が以前に言った「生き残った者にはなすべき定めがある」を思い起こさせもすると。

 栄一/篤太夫の夢ですが、長七郎が死去に際して最後のアドバイスしたと考えてもいんでしょう。長七郎も尊王攘夷に逸りもすれば、無駄死になる出撃を必死に止めもしたわけで、栄一/篤太夫以上に内心の試行錯誤を続けて、平和に生きて大事を成す、の結論に至ったように思えます。

 これと対照的な気がしたのが、栄一/篤太夫がようやく面会した慶喜です。二度目の謹慎であるわけですが、前回(将軍職争い絡み)のようなしぶとさは見て取れません。悄然といった感じですね。栄一/篤太夫としてはパリで昭武に激したように、慶喜の真意を知りたかったでしょうけど、慶喜はもう大政奉還、新政府との抗争などに言及したがらない。昭武の留学やヨーロッパの様子だけ聞きたがっている。

 慶喜はまだ悔しさをにじませているようではあるんですが、敗軍の将の自覚・諦念があり、兵を語らずの心境になっているように見えます。要は、もう諦めちゃってる感じ。少しポジティブに言えば、やるべきことをやり切ったとなりましょうか。やり切ったから、もうやることがない。だから前を向く必要性を感じない。慶喜が、長七郎の態度と対照的になるのも仕方ない。

 ただ、あれだけ手腕を発揮してきた慶喜にしては情けない気もしてしまいました。が、権力最上位の将軍を以てしても、家臣団の暴走は止められなかったのを思い出し、やっぱりこうなるしかなかったかと思い直すものがあります。江戸幕府の組織としての硬直化が末期とも言えますし、もう独裁できる時代ではなくなっていたと考えることもできそう。

 栄一/篤太夫はこの先どう生きていくかを、慶喜に会って決めたかったようですが、慶喜の諦念が決め手になったのかな。もう一人~少数が大きな力を以て世の中を整える時代じゃないんだと。簡潔に言ってみると、支配から差配への転換、みたいな感じかも。

 ただ権力じゃないというのは既に栄一/篤太夫には分かっていて、残るは「商売か百姓か」ですね。すっかりしおれた感じの慶喜も、洋行の話だけは興味を持って聞く気になれたらしい。栄一/篤太夫は慶喜次第で今後を決めるつもりでしたから、農業より商工業のほうに傾きそうです。

 ヨーロッパでは栄一/篤太夫と一緒だった医師の高松凌雲は、今は喜作/成一郎と共に函館で戦っているわけですが、医師の本分の自覚が興味深い。ヨーロッパで得た医師倫理を身に着けてまして、敵味方関係なく、傷病人なら等しく手当てすると。栄一/篤太夫がヨーロッパで得たものの大きさをうかがい知れるエピソードになっていた印象があります。となると、これも栄一/篤太夫が近代西洋化を目指していく暗示なのかしらん。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/15 (Wed) 11:06:46

 ちょっと感想が遅れがちになりました。
 理由は、秋になって時間の余裕ができたことで、ソシャゲのスパロボを再開して、キリのいいところまでのプレイに勤しんでいたから。

 ゲッターアークもそろそろ最終話が近く、それまでにゲームの中で真ゲッターが手に入るだろうか。今はまだ竜馬はブラックゲッターに乗ってるってことで。

 ゲームの良いところの一つにフィクションなどの擬似体験がありまして、ライダーのゲームだったら自分がライダーになったみたいにフォームチェンジを駆使しながらアクションしたり、ロボットゲームなら必殺技名をパイロットになった気分で(心の中で)叫んでみたり。
 アークのゲームはまだ出ていませんが、もしも出たら、それぞれの機体の性能はどうなるかなあ、と想像してみたりなど、いろいろ。

 さて、感想を2話分ぐらい貯め込んでますので、緩やかに消化していきます。

★ゲッターアーク

 2話ほど続いた未来編。

 原作どおり、人類がゲッターに導かれた侵略者となって異種族殲滅の戦争を繰り広げている、一種の悪夢みたいな様相ですな。
 主人公陣営が正義かと思いきや、実は逆だったという構図に、「そんなの関係あるか。お前は母ちゃんの仇だから倒す」という、大義もへったくれもない情念だけで戦う主人公。
 一応の本懐を果たして、元の時代に帰った後、どうするのか。
 一方で、恐竜帝国の未来のために、ゲッター破壊の密命を帯びたカムイはどういう行動に出るのか。

 この辺の答えが出ないまま、原作は第一部完なので、アニメがどういう決着を見せるのかに期待しつつ、同様に未決着のまま終わる可能性も想定しておきます。

 まあ、未決着で終わっても、ゲームが補完してくれるだろうと思うわけで。

 一応のサプライズとしては、マクドナルドの搭乗機体のメカドラゴン・ウザーラ。これは原作ゲッターGで、竜馬のゲッタードラゴンが倒せなかった機体ですが、最終的には機体の制御を奪って、ウザーラに騎乗したゲッタードラゴンが百鬼帝国を壊滅させる形で終結します。
 つまり、ウザーラは、クウガにとってのゴウラムとか、龍騎にとっての契約モンスターのドラグレッダーみたいなもの。

 敵だったけど最終的に心強い味方になったメカドラゴンが、アーク最大の敵となって未来でバトルを行なった形です。
 なお、この竜にまたがったゲッタードラゴンというのが、OVA版の真ゲッターでは、真ドラゴンのデザインモチーフになっていたのですが、今回は本物のウザーラ(改造体)が初のアニメ化となりますね。
 将来、ゲームで登場した時に、倒すのに苦労しそうだなあ。

 ともあれ、未来の決着はついたけど、アンドロメダ流国の皇女さまとか、どうなったのかな(アニメオリジナルキャラだったはず)とか、現代に戻って来た時に、もう一波乱ある可能性も想定しつつ。
 ラスボスがウザーラではなく、カムイに託されたバグスの可能性もあるわけだし。

★ダイ大

 ハドラー親衛騎団戦の幕開けです。

 注目の北の勇者ですが、うん、大活躍でしたな。劇中登場人物が何度もノヴァと呼んでくれるので、自分が物語に参加しているような錯覚を覚えましたよ(笑)。
 ゲームとは違う意味の擬似体験です。

 おかげさまでヒュンケルに命を救われて、九死に一生を得た気分です。

 で、そのノヴァですが、ポップに対するチウみたいなものですな。一方的にライバル視してきて、生意気な口を聞くけど、根は良い奴だと分かって、頼れる仲間になるという。
 そして、このノヴァ、相手がバランとかハドラー親衛騎団のようなレベルでなければ、十分、勇者を名乗れるスペックを誇っています。

 マヒャドは氷系呪文の(当時)最強呪文ですし、剣と魔法の両方を使いこなすのは正に魔法戦士であり、勇者そのもの。
 まあ、マヒャドを使う勇者というのは、ドラクエゲームでは(転職でもない限り)一般的ではないですが、その辺は称号「北の勇者」ですからね。

 で、この一戦で懲りて、自分は前線に立つダイの代わりに、後方支援で魔物の襲撃から王様たちを守る防衛役に従事したり、ダイの剣の練習相手に付き合って良好な友人関係を見せた挙句、最終的にはロン・ベルクの弟子になるという未来が。

 さあ、次回はパーティーバトルですな。
 ダイVSヒム。
 ポップVSフェンブレン。
 マァムVSシグマ。
 ヒュンケルVSアルビナス。
 クロコダインVSブロック。

 だけど、マァムがスピードで負けて、クロコダインがパワーで負けて、ポップが呪文を撃つ隙を与えてもらえず、それぞれピンチになる状態で、
 個人個人の力量では相手が上回るから、連携を模索するって流れだったと記憶。

★リバイス

 始まったばかりで、まだ流れが読めず、
 脚本家の人も特撮では初なので、作風もよく分からず、いろいろと手探りな視聴感です。

 まあ、こういう時は旧作の似た事例を手がかりにするわけですが、注目の悪魔バイスは、電王のイマジン・モモタロスや、オーズのグリード・アンクと同様の、敵と同じ種族ながら主人公に協力する乱暴者な相棒キャラですな。

 今回のストーリーは、電王のモモタロスを主役の良太郎が従える話に相当。
 電王はYouTubeで2話まで見られますので、比較してみると面白いです。

 要は、戦うためには相方の力が必要だけど、ともすれば暴走しがちな力を制御するための主人公の意志や覚悟を示した回。
 力がなくても決死の想いで戦う主人公の懸命さに、相方が「ゴメンなさい」して、力を貸すバディ関係に。

 まあ、電王の場合はその後、契約イマジンの数が増えていき、最終的には5種類のイマジンと契約する驚異の精神力と演技力を見せつけた佐藤健氏ですが、
 一輝兄さんはどんなドラマを見せるか。次回、家族や銭湯の平和を守るドラマに展開するようですが、まずは人間関係を描く流れ、と。

 それと、悪魔は「人間のネガティブな心の具現化」という設定なので、バイスが最初に母親を襲い、次いで弟を襲おうとした件から、「表面上は家族想いの一輝が、家族のために自分の夢を断念するに至ったネガティブさを隠し持ってる可能性」が示唆されています。
 契約モンスターという意味では、仮面ライダーウィザードとの比較もあって、どの物語パターンを踏襲しつつ、独自性を示して行くか、に期待。

 とりあえず、フォームチェンジが「生物+過去ライダー」というモチーフで、
 古代ザメがディケイドで、イーグルがWで、ジオウとは違った形で歴代ライダー要素が楽しめそう。

 ディケイド、Wと来たら、次はオーズかな。

★青天

 オリンピック絡みで、放送休みが長かったのが、再開によって、江戸時代の残滓を昇華するような「闇を晴らすような回」でした。

 故郷に帰る直前、長七郎の魂が枕元に立ったようなシーンで、前回の平九郎の死に続いて、親族の退場劇。
 栄一の変節ぶりがドラマのセリフでも明言され、それでも「生きて、無知ゆえの過ちを改めながら、道理は曲げない節の通し方を示し、今の状況でできることを為す」という方向性ですね。

 まあ、侍として函館で戦い続ける喜作/誠一郎との対比なんかもあったりして、これは後の西郷もそうですが、武士の生き方を捨てられない男と、民や国を支える土台が生産や流通にあると見定めた男の違いになるのかな。

 そして何よりも、冒頭で「新政府とやら」を吐き捨てるように言う家康さん。
 まあ、栄一に感情移入してくれていますから、栄一がその後、慶喜の元で、しばし藩の財政を立て直し、その手腕が認められて新政府の役人にスカウトされつつも、結局は袂を分かつ流れになるのを予期しているかのよう。

 話の流れが、戦はダメだ、民のために経済発展を、と目指す栄一に対して、国は富国強兵政策をとって、片面では栄一の望むとおりになりながらも、もう片面で戦を捨てられない国の有り様に対して、ドラマがどういう風に描くかですな。

 栄一個人は、この後、戦争反対の平和主義者の節は通したそうですから。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/16 (Thu) 18:10:57

 定期感想その1です。

●ゲッターロボアーク(第11話:宿願)

 マクドナルドが対アークの決戦兵器として使った魔獣ウザーラは、ファンが反応しているらしいことは感じたんですが、具体的には分からずでした。こちらで伺ってようやく、そういうことかと。特に由来ですね。多少分かるとネット検索もできるようになり、マクドナルドが言った、竜馬でも倒せなかったとかアトランティス云々も納得できました。因縁深い機体だったわけですな。

 1クールということで次回が最終回か気になったんですが、公式サイトで最終回となってないし、録画機の予約画面でも最終回マークがありません。たぶん残り2話ということなんでしょう。それでも(続編をほのめかすとしても)一応のオチをつけるには、かなりの急転直下ということになるかな。ゴール三世のプランも今話でようやく明かしてきたわけですし。

 前話での勘違いに気が付きまして、アークの戦力です。流国側を蹴散らす様子から、数千年後の未来でも通用する強さかと思ったんですが、今話では武蔵からはっきり弱いと言われ、サポートなしでは戦えない程度でしたか。やはり技術の進歩は覆しがたかったわけですね。最前線の兵士などだと、もう人間離れしてきてまして、人類全体が戦闘マシンとなっている感じです。

 ウザーラがそういう地球側の未来のゲッターロボ複数を瞬殺してましたんで、アークの未来での戦力ポジションも知れようというもの。と思ったんですが、逆転劇を見て思い直すものありです。なんと申しますか、絵を単純に解釈すると「根性入れたら強くなる」でしょうか。しかし考えてみると、そんな単純ではないですね。

 あれも「ゲッターに選ばれるとはこういうこと」の一端なんでしょう。強さ要因は「ゲッター(線)≫兵器技術」ということでよさそう。いくら兵器技術を進歩させても、ゲッターを使いこなす者に敵うものではない、みたいな。

 ともかく本編。武蔵は過去に干渉できないから、拓馬はマクドナルド憎しで敵母艦に突入するアーク。ですが、上述の理由で未来ゲッター軍団の支援を受け、ピンポイントにマクドナルドを狙えと。途中、宇宙に放り出されたらしい地球兵士の頭から何か吸い出す未来ゲッターが描写されたりしまして、かなり気味悪い世界になってるようですな。
(武蔵が思わせぶりな台詞で状況説明してますが、ちょっとどういうことか分からず。)

 が、そんなことに構う余裕はなく、マクドナルドの位置が特定され、アークが突入。敵艦内は室温120度とのことで、ショウがハッチ開放の任を受ける。獏が冗談ながら「俺が行ってもいいんだぜ?」と声をかけてまして、人柄が窺える好印象です。出しゃばらず、しかし大事なムードメイカー、サポート役、縁の下の力持ちといったところですね。

 ゲッターザウルスチームも健在で、ショウのサポートに回ってますな。いよいよザウルスの活躍が見られるか、と期待したんですが、今話の大立ち回りはアークでした。このザウルス、目を見張る活躍をいつ見せてくれるんだろう。

 それはともかく、ショウが敵の阻止をかいくぐって、と思ったら、意外な展開。マクドナルドが丁重にお出迎えですか。何か頼みたいことがあるらしい。何だろうと思ったら、未完成の決戦兵器バグをショウに託し、過去で完成させてゲッターロボを倒してくれ、というわけか。この後、流国側は相討ち作戦に出てますんで、過去干渉の最後の手みたいですね。

 ショウとしては迷うところでしょうな。出自はハチュウ人類と地上人類の中間ポジションですし、望みは母親の解放と平和な暮らしですから。ゴール三世からはアーク破壊の密命を受けているし、ハチュウ人類からは、おおむね慕われてもいる。しかし、紆余曲折あって拓馬と意気があってきて、生死を共にする戦いをやってきてもいる。

 ショウの決意は今話では語られず、マクドナルドが渡したバグと共に時空間超越機スターボーダで時空を超えた模様ですね。ショウについては、マクドナルドがシステムを制御していた時点でしょうから、おそらく地球の現代に帰り着けそう。問題は暴走状態になってから飛び込んだ拓馬らか。武蔵によると拓馬はエンペラーとつながっているらしいですから、やっぱりちゃんと帰れるのかな。

 が、ともかくもショウがハッチを開ける。待ってましたと飛び込むアーク、ショウを心配して追うザウルスなわけですが、今度はマクドナルドがウザーラで待ち構えてましたか。ザウルスはショウを追い(この後、どうなったんだろ)、ウザーラはアークが引き受ける。ウザーラはマクドナルドが搭乗してますから、拓馬は誰に言わずとも対決の一択でしょうな。

 このウザーラが強いのなんの。しかも流国側はスターボーダ暴走~爆発で地球側を道連れにするつもりだったようですから、マクドナルドも後先考えなくていい。ウザーラはアークに対して圧倒的でして、未来ゲッターロボ多数すら瞬殺するんですから、当然か。武蔵は「戦闘値」がどうこう言ってましたが、このウザーラまでは予想してなかったんじゃなかろうか。

 アークはカーンにチェンジしたりで果敢に挑み続けるも、ウザーラの圧倒的優位は動かず、絶体絶命に。ここで拓馬が根性出しまして、ゲッターの血を信じろと獏を励ますと、アークの「戦闘値」が一気に上がった模様で、アークが発光するや、一気にウザーラを貫いて決着。この技はゲッターロボGの「シャインスパーク」を思わせるものがあるとかで、ファンとしては感慨深いものらしい。ゲッターシリーズをよく知るファンなら、いろいろ感動要素があるんだなあ。

 母親の仇は討てましたが、ショウの行方は依然として分からず。しかし、余裕を与えずコーメイが出現、スターボーダ暴走の最終段階(爆発)を匂わせる。せめて死の恐怖を与えたい、ということなのか、ゲッターロボアークを葬ったという自信なのか。

 マクドナルドがバグをショウに渡したことと併せて考えると、未来でゲッターロボアークを葬っておき、過去の続きにおいてはいずれエンペラーに進化するゲッタードラゴンを完全破壊するというプランだったのかも。

 もっともスターボーダが暴走しながらも機能していたのは不安定要素でして、どうやら拓馬らは別の時空に渡れたらしい。爆発も武蔵率いる地球側派遣軍の3割を消滅させたものの、壊滅的打撃を与えたとは言い難いですね。そもそもスターボーダ暴走が早々に地球側に察知されてたし。対する流国側は全滅の模様。もっとも、コーメイ率いる派遣軍だけかもしれず、大女王メルドウサがどうなったかは不明ですね。

 ゲッターアークについては武蔵が依然として気にしてまして、エンペラーを通じて消息を探るつもりらしい。部下の言っていた「全ての時空(を探すのは無理)」は、歴史の分岐や、エンペラーで閉じた宇宙以外も含むのかしらん。その辺り、この世界がどうなっているかの設定開示がないんで、よく分からず、妄想を膨らませるしかなさそうです。残る2話でその辺りをもう少しはっきりさせて欲しいところ。

 過去=現代の地球では未来の流国側敗戦を受けて、ストーカが続々と消滅しつつある模様ですね。これを知った早乙女研究所では作戦成功と判断した模様で、恐竜帝国にも戦勝を知らせようとしてます。

 が、拓馬らが帰ってこない。神隼人司令は生存を確信はしているようですが、救助に行けないこともよく分かってるみたいですね。神司令はなぜか早乙女研究所の封鎖を決断しまして、橘翔は何か察するものがあるらしい。が、観ていてさっぱりですorz。ゲッタードラゴンに何か起こるとかだろうか。しかし、ショウがバグを携えて帰ってくることは、さすがに神司令も知らないはず。うーん、という感じです(^^;。

 次回「折り重なる刻」では、拓馬、獏、ショウの決裂があるかもみたいな予告が公式サイトに出てますね。ショウはバグを託されたし、恐竜帝国の出方も気になります。呉越同舟もここまでか、みたいな展開なのかな。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/19 (Sun) 21:18:51

 定期感想その2です。

●ダイの大冒険(第49話:パーティーバトル開始)

 タイトルに「開始」とあるんで、決着は次週かと思ったんですが、一気呵成にケリがつきましたな。しかし、あっけないとも思いませんでした。それだけバトルの密度が濃かった。戦術ドラマ的にも、バトルの絵的迫力もですね。

 今週分も(途中のCMにあるような)ゲーム技術をうまく使いこなしてたようですね。平行移動や拡大は通常のアニメ描画にして、カメラが回り込んで移動するようなときにゲームCGに切り替えてるみたい。ゲームCGですと、特に顔がゲーム版に近くなりまして、「ここはCGか」と気が付きます。

 が、次の瞬間は通常のアニメ描画に戻してまして、ゲーム的なCGの印象をうまく弱めてます。ゲームの描写がいけないわけでは全くないんですが、雰囲気が若干違いますからね。多用すると、たぶんギクシャクしがちなはず。その辺りの按配を、制作はきっちりこなしている感じがします。

 戦術ドラマとしては、ダイ側が緒戦では各敵キャラクターの性質に合わせて応戦しようとしたものの、個人能力では敵が上回って劣勢に。クイーン:アルビナスの言を考慮すると、敵の術中にはまったといっていいのかも。あのまま躍起になってたら、ダイ側パーティ全滅の憂き目を見た恐れもあったように思います(ダイ世界には「しんでしまうとは、なにごとじゃ」の王様いないんだろうし)。

 流れを変えるきっかけはノヴァですね。残り少ない闘気を敵にぶつけ、いったん敵味方を引き離し、ポップの敵情判断と戦術転換に至ることになったわけで。さらに剣に頼るダイの依存心克服も引き出してる。うん、サポートに回るとすごい活躍するわけですな、ノヴァは。

 戦術転換については、メドローアで一気にケリをつける点は一択なんでしょうね。ただしメドローアを放つ条件(シグマのシャハルの鏡)を整える策はいくつかありえたように思います。本編ではクロコダインが特訓の成果を出して、シャハルの鏡を力尽くでもぎ取る荒業でした。

 別の戦術としては、例えば親衛騎団からシグマだけ引き離し、残りをいったんメドローアで片づけるとか(残ったシグマは多勢に無勢でどうとでもなる)。と思ったんですが、司令塔たるクイーン:アルビナスの采配を考えると、そうは問屋が、ということになっちゃうかな。やっぱりポップの策がベストだったんでしょうな。

 ただ今話ラストのポップの判断「(敵を全滅させて)勝った!」は疑問が残ります。あそこは「ちょっとあっけなさすぎる」くらいがいいんじゃなかろうか。そう判断すべき傍証としては、オリハルコン製の敵が跡形もなく、かつメドローアの破壊が狭い範囲に集中していること、でしょうか。ルーラとかある世界ですから、回避の可能性を考慮しないのはマズかったんじゃなかろうか。

 ともかく本編。冒頭は前話ラストの繰り返しで、ノヴァに止めを刺そうとするヒムの眉間をヒュンケルが槍で貫くところから。ノヴァの反省の弁「上には上がいる」をヒュンケルがヒムに向けてるところからすると、ヒュンケルは直前の様子を見ていたようですね。で、ヒムが勝ったと油断したところを一撃したと。

 が、頭部では致命とはならず、親衛騎団が通常の生物とは異なることを確認する結果に。どこかに核があって、そこを狙わないと倒せないわけですね。これはダイ側に不利な状況と思いかけたんですが、ヒムが己が左胸(心臓)を堂々と指し、ここだと。

 もっとも勝てる自信の表れでもあった模様。この後のバトル展開では、敵味方の同質のキャラクターが戦い、ダイ側が押されるわけで、単純な力量比較では親衛騎団側が勝ってる。勝てると踏んでもおかしくはないですね。

 ただ、それだけでもないような気がします。この後、アルビナスはヒュンケルを倒そうと逸るヒムに対し、「彼らの戦力の全てを暴いたほうが、ハドラー様のお役に」と言っています。この場でダイ側を全滅させる気なら、戦力を暴く意義はないわけで。もしかすると、親衛騎団の今回の任務はダイ側戦力に対する強攻偵察だったのかも。特にハドラーが自ら決着をつけたいダイですね。

 それはともかく(^^;、ダイ側は長技を同じくする敵に味方をぶつける。これがマズかったわけですね。相手のほうが一枚上手。しかもダイ側に相手の力量の読み違いもあった。ヒュンケルの言では親衛騎団はチェスの単純な駒性能通りと思っていた模様。ポーンが最弱、クイーンが最強、ナイトはトリッキー、といったところでしょう。が、アルビナスによれば、駒の違いは強さではなく、能力の違いでしかないらしい。
(チェス上級者がよく言ってそうな話で、将棋でも聞いたことがあるような。)

 2重の読み違いでは劣勢に傾くのも当然で、さらにダイがダイの剣を抜けない不利まで加わるわけか。これにダイが焦ってしまったようで、ロクに戦えてない感じです。ダイと戦うヒムはダイの剣を抜かせたかったみたいで、盛んに煽ってました。この辺りも、親衛騎団が敵情分析の目的があったのかもと、自分が疑う要因です。

 マァムはシグマの盾=シャハルの鏡を砕けず、クロコダインに至ってはブロックにプロレス技(?)で固められまして、全く思うように戦えない。ダイは剣が抜けないと焦るばかり。この手詰まりを打開したのがノヴァですな。ポップの杖に闘気を込めて放ち、貫けはしませんでしたが、核の位置にヒットさせる。これが流れを変えるきっかけになるわけですね。

 ダイだと、剣の威力にに頼りすぎだったことを、ようやく自覚してます。そこに気が付くとヒュンケルとの連携もできるようになる。ダイが紋章の力でヒムを跳ね飛ばし、ヒュンケルが空の技:虚空閃でヒムのオリハルコンボディを貫く。これはクイーン:アルビナスの毒針介入で避けられてしまいますが、ヒムの腕を奪う戦果は上々でしょう。

 これで敵側も用心する気を起こし、仕切り直しに。ただ、ヒムはダメージ受けた腕をこともなげに切り落としてまして、動揺はないみたいですね。ダイ側はダイの提案(ダイの剣は、この戦いに剣不要と判断している)~ポップの戦術練り直し(同質を避けて異質の敵に当たる)がありまして、戦闘再開。ここからのバトルが見ごたえありまして、特にダイ側のキャラクターの動きが生き生きしてます。

 ポップの戦術は当たりまして、クロコダインが新たに会得した獣王激烈掌でシグマの盾=シャハルの鏡を奪い、ダメージ受けたシグマに親衛騎団が駆け寄ったところを、ポップの狙いすましたメドローアが直撃。ダイ側の会心の逆転勝利といってよさそうです。

 が、上述しましたが、あまりにもあっけない。ポップは勝ったというけれど、これで親衛騎団を倒し切ったような感じはしないですね。

 この後どうなるか気になるんですが、次回「我ら獣王遊撃隊」ではチウの活躍が描かれるようですな。連合国側でも抜かりなく、サババ救援と同時に死の大地偵察隊派遣も行っていたらしい。偵察隊の1つがチウ率いる獣王遊撃隊ということですね。隊員はまだ、パピィとゴメちゃんだけのはずですが、予告映像では巻貝まとったスライムもいるような(マリンスライムらしい)。

●蒼哭ノ魔竜

 これが牙狼MS最終話で、鋼牙がガジャリに「約束の地」に飛ばされ、カオルのもとに帰る(示唆)までにあった話でしたか。観てみると、最初はファンタジーだと思いました(モチーフ的にはオズの魔法使いでしょうか)。が、ロードオブザリング映画のようではないですね。考えてみて、童話的、それも絵本の世界だなと思いました。

 そこは全編を通してのドラマよりは、各シーンで目を引くつくりにも表れているような気がします。次々と不思議なキャラクターが登場し、物珍しいイベントが起こる。まるで絵本のページをめくるような感覚です。

 そういう特徴・作風だと思いますんで、もう1、2回観なおしたいと思ってますが、ストーリー全体通しての印象は強くはなさそうです。その代わり、エピソードが連綿と続くので、キャラクターの印象の深まりは充分にありますね。

 鋼牙に強く関わって来るカカシとメルは特にそうで、ラストでそれぞれが鋼牙が修行した木人、魔界魚のカオルだと明かされて、納得しました。そういう出自なら、そういう関わりになるよなあ、ということで。

 そこが感じ取れると、途中までで感じた疑問「生きて帰れるか危うい『約束の地』なのに、強い危機感が生じてないのはなぜ?」も解決しました。カカシとメルがいないと考えると、確かに生きて帰れそうもない。が、鋼牙が現世・地上界では全てに真剣だったから、約束の地で木人=カカシもメル=カオルも、全く同じ態度で鋼牙に報いてくれたと。鋼牙の孤軍奮闘かと思ったら、実は仲間がついてました、というですね。

 そこが分かってはじめて、ジュダムも理解できるような気がしました。道具であったときは、納得いく使い方をされずに捨てられてしまったらしい。なので人間に対しても、人間にきちんと使われた道具にも恨みが生じてしまう。持ち主に捨てられてから、はじめて鋼牙が真剣に接してくれた(倒されるという形ですが)ということになりそう。だから満足そうな最期だったのかなという気がします。
(演じたのが松坂慶子さんですんで、「ありゃ、アンナさん」と思ったんですが、この劇場版の後、魔戒ノ花に出演されたわけでしたか。)

 鋼牙と関わりつつも、元の持ち主に救われた、万年筆のキリアも、物語内容とは別に印象深いものがあります。捨てられた万年筆であり、しかし持ち主がまた使い始めたわけですね。もしかすると、キーボードに移行して、しかし万年筆に戻ってきたのかもしれない。

 自分は「万年筆で書く」ということに憧れみたいなものがあります。カッコいいとかいうんじゃなくて、「文章を書く」というのは手書きが最も思った通りに書けるものだから。残念なことに悪筆にして筆圧が強く、手書きがすぐ疲れる自分は未だに万年筆を使いこなせません。PCでようやく文章が書けるようになったといってもいい。

 しかしPCって、アルファベット→ひらがな→漢字選択と多段の操作があります。思考が文章に現れるまで、何回もハードル跳び越える感じです。ある意味、英語ならPCで書いていると楽かも。アルファベットだけの一段で完了しますから、思考と出力結果が一致しやすい。

 それが、漢字がある日本語だと手書きになります。鉛筆やシャーペンではいけません。鉛筆は取り替えたり削ったりだし、シャーペンはノックして芯を出しながらですんで、つっかえながらになります。万年筆だとほぼ連続して書き続けられるわけで。

 文章は手書きでない自分でも勉強では手書きになります。物理で使う数式とか記号だらけですんで、PCではちょっと手間がかかりすぎて無理。シャーペンから万年筆に持ち替えたら(上述の理由で)楽になりましたが、消耗品はもちろん、万年筆自体も入手がしづらくなってきまして。使い心地が近い水性ボールペンに乗り換えました。

 いかん、脱線が長いorz。万年筆のキリアが救われたシーンから、「持ち主が文章に熟達したので万年筆を見直したのかも」と思ったのは、上述のような経験に基づくわけです。個人的な記憶ながら、一気によみがえるものがあったので、なんでもないシーンかもしれないけれど、強く印象付けられた次第です。

 ラストの締めくくりもなかなか粋といいますか。約束の地から帰った鋼牙が、牙狼MSTV本編ラストの「カオルが誰かを見つけてほほ笑む」を補完するシーンになるかと思ったら、零が来たのはちょっとびっくりです。しかも、サバック優勝で呼び出した大河を鋼牙に会わせたわけで。

 このラストのメリットを考えてみると、一つには劇場版だけで完結するということがあるんでしょうね。なにせカオルの物語は語られてないわけで、カオルに会ってハッピーエンドにすると唐突な感じがしかねない。

 牙狼MS本編を観終えている場合は、「こうして父の大河にも会って、それからカオルと再会したのか」と思うことができます。約束の地では木人に会い、幼少期からを再体験したような感じがあります。そこからカオルに出会うまでに父の喪失という事件があるわけで、魂ながら父と会って再体験がきちんと完結。満ち足りてカオルに会った、と思えば、カオルのあの笑顔も納得できるように思えます。

 いろいろ面白いポイントがある劇場版でした。もう1、2度、観ておきたい作品です。惜しむらくは、通例とはいえ期間限定なことかな。間をおいて観てみる、ということは諦めるしかありません(そうしたけりゃDVD買え、ってことですよね)。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/20 (Mon) 18:19:50

 定期感想その3です。

 ネットのキョウリュウジャー、デカレンジャーが放映完了となりました。どちらも面白かったんですけど、キョウリュウジャーのフォーゼとの共通性(特に敵を味方に引き込む点)について、いろいろ思うところありです。まだ印象的にまとまりませんが、もう少し整理できたら、少し感想書くかもしれません。

●仮面ライダーリバイス(第3話:人質トラブル、どうする兄弟!?)

 1話ごとにリバイスの新フォームが出てきまして、強化というよりバリエーションが初期からこんなにある、ということかな。キャラクター紹介もまず主人公一家の五十嵐家からということでしょう。敵側はまだ暗示程度で、味方側組織のフェニックスも一輝未参加で、あまり立ち入らず。

 今話(と次話)のメインは妹のさくらでしょうか。それを一輝とも幼馴染である桶谷彩夏を絡めて描くと。前話はゴルファーと専属キャディの不和がありましたが、桶谷彩夏にも不和が匂わされてまして、次回はそこを追っていくドラマになりそうですね。

 ちょっとだけながら、かなりあからさまな伏線が示されまして、桶谷彩夏がさくらと買い物したときに手にしたサンダルですね。特徴的なデザインでして、今話ラストで悪魔召喚した人物が履いていると示されました。

 桶谷彩夏が召喚したのはほぼ間違いないわけですが、理由の一端も示されてましたな。妹の桶谷美春がアイドル活動をしており、おそらくはマネージャーやってる母親の桶谷妙子がかかりきりになってる。そのため彩夏が人質になって助けを求めるも、電話に出もしないと。寂寥感や疎外感どころじゃないでしょうし、母親か妹(もしくは両方)に対する恨みもあるのかもしれない(悪魔を複数生み出せそうなのは、そのせいかも)。

 人質事件を起こした犯人は、世間に対する恨みつらみを装ってましたが、実は金で雇われただけらしい。悪魔召喚すら関係ない。彼に金を出したのは誰かという点も問題となりそう。順当に考えるとデッドマンズなんでしょうけど、彩夏が(妹で稼いだ)母親の金を持ち出したというのもあり得なくはないかも。

 その辺り、今話の事態を誰がどこまでコントロールしているかに関わり、そこが彩夏の抱えるストレスを浮き彫りにする要素になりそうです。それに直接かかわるのがさくらですし、一輝にも関わって来るはず。デッドマンズ主導なら一輝の周辺にも魔の手が伸びてくる感じが強くなりそうですし、彩夏主導なら、家族の絆とか言ってても、親しい人の苦しみに気が付けなかったショックとかになってきそう。

 上述しましたが、さくらにスポットが当たっている感じです。今のところ、自信があって向こう見ずな感じ(なので、どこかで高転び?)。が、大二が第1話から地味に深まりつつ関わって来る感じもなかなかいいかな。兄弟に見せた活躍は、「逃げたようでいてスタンプを取りに行っており、敵に人質交換で渡したスタンプに対処できるスタンプを一輝に渡す}という、なかなかの知略。

 ですが、裏で起こっていたのは、大二自らライダーとして事に当たろうとしたものの、上司からダメ出しされて果たせない悔しさですね。それでどうしようもなかったから、兄の一輝にスタンプを託すことしかできなかったわけか。元はスタンプ適合者ですからいずれライダーとなる期待はあるんですが、このままだといったん闇堕ちするのかもという不安を感じます(が、期待できる流れでもある)。

 ともかく本編。冒頭は銭湯を買い取りに来たらしい役所の人とのドタバタですね。複合施設開発(たぶん周辺一帯の再開発もあるんだろう)で、用地買収に来たらしい。一家や銭湯客らは大反対。父親:幸実が出張って来て断固断る、と思ったら、好条件に乗り気になったらしく、幸実を止めようとするドタバタに切り替わってしまうと。

 まだ第3話ですが、もしかするとこの銭湯「しあわせ湯」は平和空間であり続けるのかもしれないという気がしました。アギトの美杉邸を思い出したからなんですが、もしリバイスのドラマが中盤以降にシビアになるとしたら、「銭湯シーンになったら、緩んでいい」みたいな安心空間になるのかもという気がします。

 しかし銭湯買収のその後は来週かな。さくらと桶谷彩夏が連れ立ってショッピングしてますと(上述しましたが、このとき彩夏が手にしたサンダルが伏線)、人質犯(吉田浪夫)が出現。彩夏を拉致して、身代金を要求しようとする。


 犯人はさくらにも来いと要求、一輝は止めますが、彩夏を心配するさくらは(おそらく空手の自信もあって)応じてしまう。犯人は人質を盾に倉庫に立てこもると。って、なんだか陽動作戦っぽいような気もする。これ見よがしな感じで、なぜ逃げないのかということですね。

 倉庫では彩夏が母の妙子に助けを求めようと電話するも、妹でアイドル活動する美春にかかり切りの妙子は電話に出もしない。さくらから連絡を受けた一輝は急行したわけですね。この差も彩夏にとっては気持ち的に厳しいものがあるのかもしれません。

 デッドマンズからはフリオが出張って来まして、人質を取った目的がバイスタンプだったと判明。この後、犯人が囚われて自白した内容と合わせると、興味深い流れです。バイスは面倒くさがって強硬策取りたがり、リバイに変身した一輝はさくららを案じて逡巡。動いたのは大二ですね。

 何も言わずに現場を去ったと思ったら戻って来まして、フリオの要求通り、バイスタンプを1つ渡す。が、フリオは人質を解放するつもりはなく、大二を殴り倒してしまう。が、大二はそんなことは想定内で、もう1つ隠し持っていたマンモスバイスタンプをリバイ/一輝に手渡すと。

 この策は当たりまして、リバイスは見事にコング・デッドマンを倒し、フリオは逃げ去る。この混乱に乗じて、倉庫内のさくらは戒めを解いて犯人を見事な後ろ回し蹴りでノックアウトして脱出、犯人は逮捕されると。
(倉庫内のアクションはなかなかのものでして、演じた井本彩花さんは空手やってるのかと思いました。ネットで調べるとバレエやってる方らしい。なるほど、バレエでの身体能力の高さをアクションに活かしてるのか。牙狼でもそうなってますね。)

 無事解決したようですが、どうも雲行きが怪しい。犯人:吉田の自白によれば、金で雇われただけで、事件を仕掛けた人物は別にいるらしい。冒頭でデッドマンズの悪魔召喚に応じたらしい人物が、ラストで再びデッドマンズを訪れてますね。足元を見ると、さくらとショッピングしたときに彩夏が手にしたのと同じサンダル。黒幕を示唆する危うい状況です。

 一方、表面上は見事な活躍をした大二ですが、裏ではフェニックスでの低評価と扱いのひどさがあったと。そこを察することができない一輝に対し、大二が次第にストレスをためていくような感じがあり、こちらも危ない状況ですね。

 次回「足りない愛情!アブナイ悪魔誕生!」では、おそらく彩夏が人間に戻れない領域に進む誘惑を受けるみたいですね。危機の頂点を示すドラマであるでしょうし、悪魔召喚には先があるという設定開示でもあるのかな。解決のカギはタイトルにある「愛情」なんでしょうな。

●青天を衝け(第27話:篤太夫、駿府で励む)

 家康公は幕府がなくなってもお元気なのは幸いですな。前回では家康公は明治の御代にも興味津々と思ったんですが、こちらでのご指摘「「新政府とやら」を吐き捨てるように」で、「あ、そうか」と思うものありです。やっぱり納得できないものがあって、言葉の端々につい出てしまうのかな。

 それはともかく、今回は家康公解説が情報的に興味深かったです。幕府が倒れ、領地を1/10に減じた徳川家を慕って、旧幕臣らが集まって来てるわけですか。まるで、秀吉が死んだ後の秀頼政権・大坂城みたい。特に関ヶ原敗戦の西軍で浪人が続出、大坂城に集まってきたはずですんで。

 そして徳川から危険視されたはずですが、それが今度は徳川家に起こったみたいな気がしてしまいます。家康公解説ではそんな心配をしたんですが、本編ドラマでは秀頼政権の二の舞にならないよう、栄一/篤太夫が奔走する様子が描かれてまして、ほっとしました。

 その栄一/篤太夫の奮闘も興味深かった。相変わらず劇的に物事を変えようとしてまして、武士が以前なら侮っていた商業を、新たな形(コンパニー)で武士を巻き込んで起こそうとするわけですね。当然ですが、武士からは反発される。特に、平岡円四郎に仕えていた川村恵十郎ですね。真っ先に商業を拒絶し、追随する者を出してます。

 自分はこれで「またも栄一/篤太夫はいったんしくじるのか」と思いました。以前もそんな感じで、張り切って初めてみたものの皆が付いてこず、仕切り直ししてやり遂げるパターンがありましたんで。しかし今話では、ほぼ一発で決めたみたい。紆余曲折を匂わせてはいますが、最後には川村恵十郎を意図せず口説き落としまして、大勢は決した感じです。いくつもの失敗から学んで、栄一/篤太夫は成長したみたいですね。

 乱発で価値下落した太政官札に頼る駿府を、どうやら栄一/篤太夫は立て直す筋道はつけたみたいです。これを、偶然に栄一/篤太夫と遭遇した五代才助/友厚、新政府要人の大隈重信や伊藤博文が注目することになったみたい。パリでの投資で4万両得たことと、駿府立て直しが同一人物と知ったわけで、さもありなんという感じ。これで明治以降のドラマの種が目を出したかな。

 たった1話で凄い状況作り出した栄一/篤太夫ですが、冒頭ではもう隠棲したいくらいの感じを出してましたな。慶喜に面会し、昭武への返書を持ち帰ろうとすると重臣(大久保一翁)に止められる。水戸に不穏の動きがあり、平岡円四郎の二の舞になりかねない、と前様(慶喜)が心配している、駿府に留まれと。

 そこは応じた栄一/篤太夫ですが士官はしないという。農業か商業で食っていくから、禄は誰か他の人に、というわけですね。こじんまりやっていきたいのは見て取れまして、もう野心とかみじんもない言いぐさです。しかし太政官札で食いつなぎ、立て直しの目途も立たない駿府を見て、がぜんやる気をだすわけですな。経世済民が成らぬとみると、居ても立っても居られないんでしょう。もうこれが栄一/篤太夫の性分であり、天命であると強く感じます。

 その一方、意気盛んがついに尽きたのが喜作/成一郎ですね。一時は戦線を拡大した旧幕府軍ですが、新政府軍に押し返され、ついに敗戦。喜作/成一郎は死ぬ気だったかもしれませんが、盟友の土方歳三に「お前の友は生きると言っている」と諭される。それでも五稜郭に落ち延びようとしたみたいですが、志半ばで倒れた仲間が次々思い出されると。このドラマ始まって初めてじゃないでしょうか、喜作/成一郎が泣いたのって。「もう一人の渋沢」の、もう1つの生き方選択もようやく終わった感じです。

 その喜作/成一郎の命を事実上救った土方歳三は、本編内でははっきりしたことは描かれませんでしたな。が、最後の解説コーナーもドラマを補完する役割があったようですね。土方歳三はこのようにして死んだ、と紹介してました。そうか、このドラマでも土方歳三は戦死でしたか(ときたま、土方歳三が実は生きていて、なんて物語もあるわけで、どっちだろうと思ってた ^^;)。

 ともかくも旧幕府と新政府の抗争も完全終結、という感じでドラマ整理された印象です。(実は武家支配を嫌っていた)五代才助もドラマに復帰で、ここから明治期の渋沢栄一の血を流さない戦いが始まりそうです。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/23 (Thu) 12:03:46

 今やってるゲーム(スパロボDD)に早くもアークが期間限定参戦するとの方が入って、盛り上がった昨日ですが、ゲームに夢中になると、時間の使い方を見失いがちなのが難点。
 まあ、ゲーム熱が引いたタイミングで、定例感想書き込みに参ったわけですが、こちらも秋の番組改編期で、最終回から新番組の流れですな。

 自分の配信一推しは、何を置いてもジェットマンですが、改めて見ると、CGなしの特撮アクションが頂点に達した時期ですな。
 70年代の泥臭い(誉め言葉)アクションから、80年代のJACが盛り上げた華麗でダイナミックなアクションを経て、90年代は肉体を使うのに加えて、道具を使ったギミックが発展して、ヒーローとしての鮮やかさ、独自の武装演出が格好いい。
 ジェットマンだと、翼を広げた飛行演出が特徴的ですが、鳥人戦隊だけにジャンプしたり、空中でのアクションが(CGを使わずに)トランポリンとワイヤーワークだけで魅せていて、それが見せ場だった80年代に比べて、当然のように高度な技術を日常的な演出としている。

 これはファイブマンから実験的に取り入れたものがジェットマンで華開いた形に見えますが、ジャンプして仲間の肩を踏み台にして、敵に飛び込むような動きが定番演出にもなっていて、
 個人技よりも組み合わせ的なアクションが頻出。

 あと、これはジェットマンの革命の一つですが、これまでの戦隊は、普段が友人でも、変身したら名前でなく、レッドとかブルーとか色名で呼び合う。もちろん正体を隠す意図もあるのでしょうが(その割に戦隊は基本、人前で堂々と変身していることも多い)、ジェットマンは初めて、変身後も、竜とか凱とか本名を呼び合う戦隊ですね。
 互いに名前を呼び合うことで、キャラの個性の浸透が強まったわけですし、ドラマ性もアップ。

 まあ、80年代と90年代のヒーロードラマの進化は、キャラの人間関係の描写が濃厚になったというか、連続ドラマの流れを取り込んだ点も大きいかな。

★ゲッター

 未来編が終結して、現代に帰還しての、地上人類VS恐竜帝国の決戦ストーリーになりました。
 原作では、カムイの裏切りと、不穏な動きを示す恐竜帝国を示唆して、第一部完。続きはなし、で未完に終わったわけですから、今回と次回は未踏の領域ですね。

 ゲッターの敵は最初から恐竜帝国だったわけで、恐竜帝国との対決で締めくくるのも良い着地点だと思いつつ、拓馬とカムイの培った友情とかにどういう結末を与えるのか。
 個人的な感情と、種の生存を掛けた大義、未来を見据えたバトルの行方は? と一気に結末に持っていく流れ。

 制作スタッフは、故人の原作者の遺した宿題に、どんな回答を見せるのかに注目しつつ。

★ダイ大

 ハドラー親衛騎団との第一回パーティー戦、まさか1話であっさりまとめるとは思わず。
 当然、敵はメドローアの攻撃を上手く回避しているのですが、次回予告でそれを明かしておらず、チウの方に視点を向けたのがいい演出だと思います。

 この後、威力偵察の任務は終わったと撤退を図る親衛騎団が、コソコソ動くネズミに遭遇して、チウピンチになる展開で、それでもチウが部下を守るために弱いながらも漢気を示す流れだったと記憶。

 そして親衛騎団の追撃をするダイたちがチウのピンチに駆けつけて、そこにハドラーが出現したり、バランが参戦したりで盛り上がる流れだったと思いつつ、そのタイミングで主題歌も(ようやく)変わるみたいですね。

 次回は箸休め回に見えて、実は一気にクライマックスになだれ込む事が期待されます。

★リバイス

 序盤なので、キャラの人間関係の紹介&固めの段階ですね。
 悪魔のバイスは賑やかしである一方、五十嵐家の中の潜在的な闇にツッコミを入れることで、不穏さを盛り立てる役目かな。

 一輝が気付かない身内の闇を嗅ぎ当てて、「これで本当に大丈夫?」と面白半分に忠告したら、一輝が「黙れ、悪魔。余計なことを言うな。俺はあいつを信じてる」と悪魔の囁きに耳を貸さず、事態が悪化するのをギリギリまで気付かない展開になりそう。

 ともあれ、家族の抱えた闇というのが序盤のテーマなら、悪魔の目を通して「家族って何? 身近な人の心の闇にどう向き合うか?」ってドラマが成立しそう。

 もちろん、ヒーロー物だから、闇が具現化した怪人を倒せば、心がすっきり浄化して一応のハッピーエンドを迎えるのでしょうが、そこに至るまでにさらされる闇の描写にドラマの焦点が当たりそう。
 どう解決するかではなく、闇をどう描いてみせるかが注目になるのかな。

 で、闇に敏感なバイスと、信用できない悪魔が側にいるから、却って他の闇に気付きにくい主人公が、いざ具現化した闇に向き合って、愕然としながらも「沸いて来たぜ」と感情が頂点に達してバトルに流れる。

 これで数エピソードが描けそうですね。

 前作のセイバーが世界の消滅という大騒動からスタートして、個人の内面の掘り下げが後手に回ったから、今作は逆に一般市民や家族の心のドラマにスポットが当たるのかな、とも。

★青天

 家康さんの仕事は「新政府の失策」を挙げつらって、自分の徳川幕府を自賛しながら、栄一が新政府の問題点を解決するドラマに期待を寄せている感じですね。

 とりあえず、始まったばかりの明治政府がまだ藩閥武家政権の旧弊を打開できておらず、そこに大隈や五代といった庶民派、商業派が楔を打とうとしているところに、渋沢という男が徳川をまた盛り立てようとしていると分かって、
 それを潰すか、取り込むかという駆け引きが次回につながりそう。

 武士の考えだったら、敵は潰すとなるところを(戦国時代なら信長的)、開明的な商人の考えだったら、利を為す方法論で和を模索する動きですな。
 で、栄一は割と一本気で、新政府のやり方に対して、そのやり方のアコギさを指摘しつつ、困っているとなれば、仕方ない、手を貸しますかと動く。
 あとは慶喜の後押しですな。徳川だけのことでなく、日本全体のことを考えよ、と。

 で、せっかく妻子を駿府に呼び寄せたのに、今度は東京に出向することになって、腰の落ち着かない栄一のままならない家族愛。
 そこに悪魔が忍び寄って……という話だと、違うライダーですな。

 メテオはそうはならないはず。
 日本の経済の定めは俺が決める、ホワッチャーって流れですから。

 でも、年内完結だと、明治編はスピード展開にならざるを得ず、富国強兵政策の要所要所をさらりと会話だけで描く程度になりそう。

★牙狼

 まだ今回の配信分は見ていないので、今日見て、改めて感想コメント付ける予定。

 作風としては、都会の闇に潜むホラーを斬る魔戒剣士の話ではなくて、もっと絵本的というか、ミヒャエル・エンデ的なネバーエンディングストーリーの方向性だな、と当時は感じました。
 道具の精霊というテーマがあって、人ではなくて器物の心の闇と光にスポットを当てた作品。

 で、道具の精霊という意味では、ジェットマンに出てくる次元獣が「道具という器物に次元虫が取り憑いて妖怪化した存在」ということで、つながる要素も。
 ジェットマンは人の情念が濃い井上脚本がメインですが、サブライターの荒川さんが道具の情念みたいなものを描いて(浦沢脚本的というか)コミカルなギャグ回もあって、それはそれで面白い。

 いわゆる付喪神と人の交流劇ですな。AIも人工知能が人を模した者と見なすか、付喪神的な器物精霊と見なすかで科学ともファンタジーとも受け止められるし、
 人に取り憑くホラーもいれば、道具に取り憑くホラーもいて、とか、雨宮監督のファンタジー感も面白いですね。

 筆とか、絵本とか、小道具に対する想いの強い監督でもありますし、だからこそ、ザルバみたいな指輪とか、そういうグッズがお洒落なのも牙狼世界の特徴かな。
 イラストレーターとしては、人間キャラクター自身よりも、キャラが身に付けている道具とか、アクセサリー、使う道具のデザインに強いこだわりを持つ監督ですね。

 とりあえず、作品再鑑賞前の、自分が見たいこだわりポイントの話でした。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/23 (Thu) 17:41:44

 定期感想その1です。

●ゲッターロボアーク(第12話:折り重なる刻)

 録画機予約画面などで確認しましたが、次回が最終回ですね。しかし、残り1話でどうまとめるのかしらん。ショウが決戦兵器バグで拓馬のアークと対峙となり、獏はエンペラーに残って打開策を探ってる。アンドロメダ流国編が導入部みたいな感じがするほどです。

 原作では対決に至らずに先行きの不安を示して第一部完ということですか。その後の石川賢さん(と永井豪さん)の構想とか、一部なりとも分かっているものがあるのかな。ともかくも原作を超えた部分に、このアニメ版は最終回前で既に踏み込んでいたんですか。道理で参考になる情報がネットで見当たらないわけだったのか。

 前回でショウについて勘違いしてまして、スターボーダに吸い込まれて地球に戻されたんだと思ってました。実際には流国宇宙船(要塞?)から宇宙に放り出されてたんですか。そこをゲッターザウルスが追ってきて救出したと。どうも早とちりしていけません。あのショウが「うわ」と慌てて吸い込まれたんですから、想定外のアクシデントだったと解すべきでした。

 ともかく本編。なんですけど、今話は時系列をかなり乱した構成で、初見ではかなり戸惑いました。冒頭でショウ操るバグと拓馬搭乗のアークが対決してまして、「あれ?」となりました。さすがに端折りすぎだろうと。しかし「ここに至る流れを、これから見せますね」という制作の意図でしたか。できるだけ劇中の時系列通りに沿って感想書いてみたいと思います。

 まずはショウですね。アークのために突入路を開き、流国打倒のきっかけを作るも、爆風で飛ばされて船外へ。そこを追ってきたゲッターザウルスが救出するわけですね。そのままスターボーダの暴走に巻き込まれ、地球の亜空間固定装置ゾルドから出てくる。時間はさほど経過しておらず、ハン博士らに迎えられる。

 そのハン博士らは数万年前の地層から謎の物体(オーパーツ)を発見し戸惑っていた模様。これがおそらくは流国のコーメイらが送り込んだ未完成バグみたいですね。そこへマクドナルドから技術資料を受け取ったショウが帰って来て、完成させるわけか。ハン博士は資料を見た段階で、世界を滅ぼしかねないシステムだと見抜いてますな。この時代の恐竜帝国の科学技術は、理論面ではアンドロメダ流国に追い付いているらしい。だから完成もさせられるんでしょうな。

 この時点で既にショウの意思は固まっており、人類を滅ぼしてエンペラー出現を阻止する、というものですね。そのためにはまず恐竜帝国を支配する必要があり、クーデター実行と。その素地は既にできていたらしい。多数の兵がはせ参じてますし、その段取りは老いて衰えたと思われていたバット将軍だったらしい。実は元気だったのか。兵法三十六計の「仮痴不癲」の計ですな。

 ゴール三世の側近の一部まで取り込んだショウは易々とゴール三世を屈するも、当面は傀儡として生かしておくわけか。ゴール三世としては大勢が既に決していること、ショウが本気であることはあるんでしょうけど、たぶんショウの語るエンペラーの正体を知って、協力的になったのかもしれない。ショウにとってのエンペラーは宇宙の破壊神といったところでしょう。この点が獏の感じたエンペラーの正体と異なってまして、最終回が気になります。

 恐竜帝国を掌握したショウは、表向きはゴール三世を立てまして、地上人類に宣戦布告するや、攻撃を開始し、酸素を放って地表の改造に乗り出すと。なんで酸素、と思いかけたんですが、太古の時代に酸素濃度が非常に高い時期があったんだそうで、恐竜繁栄の時代の気候に戻そうということらしい。火事が起きやすくなりそうだなあ(^^;。

 が、これは陽動作戦っぽい。ショウの狙いは早乙女研究所のゲッタードラゴンみたいですね。それとたぶんアーク。ショウは、まず歩兵部隊を率いて早乙女研究所を急襲。この事態は神隼人は予測していたようですが、あえてショウらを突入させたみたいな流れですね。ちょっと神隼人の狙いが分からない。が、武器兵器大好きの敷島博士は大喜びで迎撃システム作動させまして、かろうじて突破してきたショウに身体を爆破されても大喜びしてますな。よう分からん老人です。

 神隼人は単独で迎え撃つつもりのようですが、どうするんだろ。この続きは最終回ですね。

 一方、拓馬と獏。どうやらゲッターエンペラーに拾われた模様。前回ではエンペラーでも捜索は難しいと武蔵の側近が言ってましたが、運が良かったのかな。それとも武蔵の予感通り、ゲッターに選ばれた者ゆえのことか。ともかくも2人はエンペラー内部に迎えられ、獏は(兄と同じ能力で?)エンペラーの意思、正体を感じ取った模様。

 獏によると、エンペラーには悪意がないらしい。この点がショウの解釈と異なってますね。エンペラーが人類の味方だから、人類である獏には悪意が感じられない、みたいなことではなさそう。たぶん獏はもっと深いところまで感じ取っている感じがあります。だからこそ、拓馬は地球へ戻すも、自ら(獏)はエンペラーに残ったんでしょうな。たぶん、人類以外根絶、みたいな最低最悪の流れを阻止するためだろう(ジオウみたいな展開になってきたような気が ^^;)。

 獏が感じ取ったエンペラーの意思は、エンペラー(というかゲッター?)に取り込まれた者の意識の集合体ということみたい。となると、敵を倒すべく必死だった者が多いから、エンペラーは人類以外を敵視する行動に出てるんだろうか。そこへ厭戦・平和志向の獏が加わると変化が起きるのかもです。これも最終回のお楽しみかな。

 ともかくも、獏のみならず父の竜馬にも励まされて、拓馬はアークと共に地球に帰還したらしい。この後、冒頭の対決に至るはずですね。

 と、できるだけ時系列に感想書いてみると、話が非常に大きく進んだなあと感じます。時系列通りに見せると、端折りすぎみたいな感じになるのかもしれない。しかし時系列を乱したせいで、観ているこちらは「どうなっている?」→「あれがこの時点につながって」とか考えるわけで。自分で考えるから(自然に補完しつつ)納得して観られるのかもしれない。そうだとすると、制作はやっぱりプロだというしかありません。なかなかの作劇テクニックです。

 次回・最終回「果てしなき戦い」は、ショウ/バグ vs 拓馬/アークの対決をきちんと見せてくれるみたいです。その結果がおそらく予想外の方向に行く、ということかな。たった1話で今の状況が完全解決するとは思えませんので、アニメ版も「第一部完」ということになりそうです。となると2期がいつか、期待したくなるなあ。

●戦隊(ネット放映分)

・ジェットマン
 ファイブマンと同様、5分短縮のままなんですね。30分に戻るのはずっと後のメガレンジャー(の途中)からですか。25分構成でもジェットマンはドラマパートがしっかりしてるかも、という印象が早くもあります。が、まだ第4話までですんで、「よく殴る戦隊ものだなあ」みたいな印象が強かったりします(^^;。

 しかし、アバレンジャーでも面白いと思った要素「敵味方に分かれた恋人」が既に視聴者にはほぼ明示されてたりしまして、この後は期待できそう。トレンディドラマ要素があるとのことで、ライト感覚なのかと思ったんですが、意外に熱い感じがしています。期待できそうですが、ともかくもうちょっと観てみないと印象が固まってこない。

・デカレンジャーとキョウリュウジャー

 どちらも完結しまして、同時期に観られたのは、まだ戦隊ものに充分はなじめていない自分には助かりました。最終回を見終えてみると、対照的な面があるようでして、比べてみて作風を理解できた気がするからです。

 デカレンジャーですけど、ラスボス:エージェント・アブレラとの対決が頭脳戦ですね。警察モチーフでラスボスが知能犯ということで、この最後の対決の納得度が高い。ドギー・クルーガーの尻切れトンボの連絡は、礼紋茉莉花/デカイエローがドギーの剣を使う接触テレパスで情報補完、離れた仲間には照明の点滅によるモールス信号的な情報伝達等々ですね。

 それがあっての「「生きるために一番大事なことは、勇気と愛と、正義を信じる心」という心情・信条が効いてくる感じです。知恵を振り絞った末だからこその納得できる心情と勝利で、きっちりドラマを終えた感じがあります

 キョウリュウジャーは対照的に気持ちを前面に押し出していっての勝利が印象的です。よく考えたら、敵は感情をつかさどる幹部が戦ってるんでした。それゆえに、キョウリュウジャー側の心情が通じたりもしてきたわけですね。

 ダイゴ/キング/レッドが、フォーゼの弦太朗と通じるものがあるということで、観ていくうちに納得していきました。気持ちを通じさせて、敵を味方にする流れですね。が、ダイゴだけではなかったようです。キョウリュウジャーチーム全体で弦太朗的になっていたのが分かった気がします。

 例えば、有働ノブハル/ブルーと喜びの戦騎キャンデリラの接近がそうですね。シンプルに真面目なノブハルがキャンデリラにまっすぐ突っ込んでいきまして、そのまま押し切った感じです。キャンデリラの司る感情が「喜び」なんで、むしろデーボス軍にいるほうが合わない面があったことも大きいんだろう。

 これとは対照的なのが哀しみの戦騎アイガロンですね。武道の礼に則った最期でした。つまり死すとも本望というもの。武士道というよりは士道でしょうか。駄目な主に従わず、己の士道を貫いて戦って死んで悔いなし。これに応えるには、戦乱の過去と価値観を持つ空蝉丸/ゴールドが適任なわけで、納得度が高かった(ダイゴだとアイガロンの覚悟に応えきれずに、救おうとしてしまいそう)。

 ダイゴは仲間を死なせない道に徹し、ラスボス:デーボスの対決に同行し、運命を共にするつもりだったアミィを逃がし、単独でケリをつける道を選んだわけですね。これはこれで徹底した覚悟です(アイガロンの覚悟に応えられないとしたら、それがダイゴの覚悟だから、となりそう)。

 いずれもキャラクターの気持ちがストレートに出た、小気味いいドラマでした。それを支えるのが知略になっている点が、デカレンジャーと対照的で面白い。ダンテツが寝返ってトリイを討ったのも、単に敵に近づくための芝居ではなく、トリイを戦略上の重要ポイントに送り出すためだった、とかですな。

 ですので、デカレンジャーとキョウリュウジャーを同時期に観られたのは、自分としては幸運でした。作風の違いが対比で分かるし、それなのに見終えて似た印象がある不思議も感じます。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/25 (Sat) 22:55:31

 牙狼関連の劇場版、10月に入ると邪美と烈花のスピンオフ『桃幻の笛』が配信されるそうです。

 そんなわけで、『蒼哭の魔竜』および戦隊2作の最終話感想をまとめて挙げておきます。

 まず、この3作の共通点として、『諸事情で変身できないので、生身アクションが非常に多い』ということですね。
 デカも、キョウリュウも、牙狼も、役者さんがアクションしまくりで、これだけでも見応えがあるなあ、と思いつつ。

 元々、戦隊の最終決戦は、役者さんがスーツを着て素顔名乗りが定例行事みたいになってますが、ここまで生身アクションを延々と続ける最終決戦もなかなか珍しい。

 で、牙狼は初期はともかく、後年はスーツ戦がCGであることが多くなったため、元々、生身アクションが豊富で『鎧装着そのものが必殺技扱い』とされるほど。

 とにかく、「ヒーローが変身を封じられたピンチな状況で、変身能力を取り戻すための物語」がいろいろですな。

 いずれも、続編がさらにある作品で、キョウリュウはキャンデリラがトリンの後を継いだ司令官として、後継戦士を育てる韓国版の『キョウリュウジャー ブレイブ』や、子孫の物語がありますし、
 デカは、『トライスクワッド』というヒーロー集結映画に通じますし、

 続編での話だと、キングとアミィが結婚して子孫ができたり、仙ちゃんと梅子が結婚するなど、物語が終わってからのチーム内結婚が定番になってますな。

 まあ、牙狼も、この映画の後で、鋼牙とカオルの間に、息子の雷牙が生まれた後の話が描かれて、後の劇場版で祖父の大河も含めて親子3代共演が描かれましたし(雨宮監督自身の牙狼作品は現状、これが最後ですな)。

 面白い作品は、さらに続きが見たいファンがついて、その要望に作り手も応えたいと思うわけで。

 さて、デカの後番組は、魔法戦隊マジレンジャーで、キョウリュウの後番組は烈車戦隊トッキュウジャーになります。
 アギトの後が、始まらないというか、え? またディケイドに戻った? と思う不安定な土曜日夜ですが、実際どうなるんだろう?

 一応、簡単に作品紹介しておくと、

★マジレンジャー

 魔法と家族がテーマのファンタジー戦隊ですな。
 デカと比べると、低年齢化した感じですが、セイバーやウィザードに通じる要素があるかな。

 序盤に母親が敵の黒騎士に倒され、残された兄弟が戦っていると、やがて敵の黒騎士の正体が闇堕ちした父親と分かり、え? それはスターウォーズ? と思わせる展開で、最終的には魔法兄弟から魔法家族に発展する展開。
 それまでの兄弟戦隊では、レッドが長男という設定でしたが(ファイブマン、ゴーゴーファイブ)、マジレンジャーはレッドが最も才能ある末っ子という設定で、チームリーダーは長男のグリーンという変化球。

 あと、ゴーバスターズの陣さんがマジイエローだったりもして、後の戦隊でも何度も出演しておりますな。

 魔法といえば、ドラゴンということで、ファンタジーヒーローに興味があれば、お勧め、となります。

★トッキュウジャー

 一気に低年齢化した、と序盤は思わせる作風。
 これもファンタジー作品ですが、コミカル要素が非常に高め。
 登場人物の精神年齢が非常に低い……と思って見ていたら、実は本当に「お子様戦隊」だったという秘密が。

 自分の故郷の街が闇の力に封印され、小学校の同級生5人が急成長して、「記憶喪失の大人の5人」として、故郷を探して列車で旅する物語です。
 そしてメインライターが、小林靖子さんで、電王とか龍騎とかジョジョの人ですからね。
 「大人なのに無邪気な5人組」と思っていたら、実は「ハードシリアスな子どもたちが苛酷な状況で戦っていた」と判明して、うおっ、そんなシリアスな裏設定が! と感じ入ったりも。

 まあ、あまり格好良さとは無縁の戦隊だとは思うのですが、いろいろとアイデアとか想像力がテーマで、あと敵の将軍が操る闇の列車が変形するクライナーロボの方がデザイン的に格好良くて、
 光と闇、そして記憶とか家族の思い出というのがテーマかな。

 自分的には、マジレンジャーは結構、当たりで、トッキュウジャーは人を選ぶ作品かな、と思います。
 まあ、電王とトッキュウジャーを比較すると、結構、面白い考察ができるわけですが、トッキュウ単独だと評価しづらい作品かな、と。

 あ、トッキュウ1号(赤)が青天に出ているというトピックはあるかな。

 とりあえず、参考までの新作ガイドでした。

 あと、ファイブマンが間もなく最終決戦に入りますが、その後がどうなるか読めませんね。後番組のジェットマンが先に始まったので、戦隊以外の枠になる可能性も想定しつつ。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/27 (Mon) 17:39:27

 定期感想その2です。

 牙狼公式の「桃幻の笛」放映情報、ありがとうございます。これはYoutube公式の「動画」リストに出てくるんで、確認は容易でした(定期的に見てもいるし)。気が付けなかったのはディケイドのネット再放映です。

 ディケイドは東映公式の「ホーム」や「動画」リストに出てこず、「再生リスト」でないと気が付けないようになってるみたいです。そこに気付かず、少し見逃しやってしまいましたorz。「動画」リストに出してくれてたらなあ。

 マジレンジャー、トッキュウジャーは視聴開始しまして、まず作風とか感じ取りたいと思っています。こちらで事前にトッキュウジャーの作りを伺ったおかげで、スムーズにいきそうです。確かに知らなかったら違和感出そうな雰囲気がありますな。が、本当に子供だったのか、という感じです。マジレンジャーは「お、陣さんお若い」みたいな(^^;。

●ダイの大冒険(第50話:我ら獣王遊撃隊)

 チウ凄いぞ、というのが今話の最大の印象であり、感動ですね。チウはカッコつけようとするが実力不足で滑ってるキャラクターであったわけですが、最初の見せ場は対超魔生物(プロトタイプ)ザムザでした。根性も見ものでしたが、手足の短さの不利克服が前面に出ていたような。

 今話は申し分なくド根性と凄みがストレートですね。スベるカッコつけコミカルキャラだったのに、圧倒的な敵に体を貫かれても部下を守って一歩も引かず、気迫はむしろ敵を上回って睨みつける、ってゾクゾク超えてビリビリ来ます。いつからそういうのが好みのツボになったか、どうも思い出せないんですが(^^;。

 チウは死ぬ覚悟のようでいて諦めてない点は大事だったかも。隊員に「守る」と宣言してまして、気休めではなさそう。勝ち目は見えてなくても、生きている限りはチャンスが来るという信念なんでしょうな。そこを感じ取ったのか、隊員も(ゴメちゃん以外は)会ったばかりくらいなのに、もう一丸となって誰も死なせまいとしてました。この隊員の動きも、チウの凄みの印象を増す要因になってた気がします。

 対照的に描写されたのがノヴァでしょうか。敵が健在なうちは根性見せてましたが、退けた後は意気消沈が行き過ぎ。観ていて、「どうすんの、これ」と思ったんですが、マァムがいたんでした。ヘタレた奴に怒りはするけど嫌いではないみたいですね。むしろ放っとけない。

 確か、ポップが対クロコダイン戦に尻込みしたときも、今話にも増して激しく怒ってたんでした。もっともポップのヘタレも根性座ってた(?)もんで、一発では押し切れなかったわけですが。ノヴァの場合は叱責1回できっちり効いたらしい。なんでも「鼻水垂らしたときは、きちんと刺さってる」のだそうで(^^;。

 ともかく本編。先週分では誤解しまして、チウの偵察はダイら本隊には無断の独断専行でした。てっきり戦術的な別動隊なのかと思い込んでしまいました。が、最大の緊急はやはりハドラー親衛騎団の強襲で、実はこちらも偵察目的があったことが明らかに。

 親衛騎団はメドローアで撃退されたかに見えまして、自分はしばらく親衛騎団は(少なくともダイらからは)雲隠れ状態になるのかと思ってました。が、ルークのブロックが他のメンバーに覆いかぶさり、浅く地中に潜らせ、ブロック自らは半身削られつつもガードしきってたわけでしたか。それならすぐに姿を現すのも当然か(そのまま地中を進む能力まではないんだろうし)。

 この回避はメドローア放ったポップですら、完全に想定外だったようですね。正確には物理的には可能だろうけど、利己的な面が強い魔族では無理だろう、といったところか。なにせガードした本人は死んでもおかしくないわけですから。しかしブロックは迷わず実行し、ポップは驚きつつも見直す気持ちになったみたい。ダイ側メンバーも敵の結束と覚悟に慄然としてそうです。

 さらにマズいことにナイト:シグマのシャハルの鏡は健在。シグマと共に作られたのではなく、別の伝説のアイテムだからですか。緒戦でマァムが何とか破壊を試みてたわけですが、そもそも無理だったようですね。魔法反射はあるし、メドローアの準備から発動までも見られちゃってるし、最大の攻撃を封じられたも同然か。

 どれほど不利になったかはポップの(今まで見せたいことない)表情が物語ってる感じです。シャハルの鏡がシグマの手を離れたときに奪っておけば、と思ってたりするのかな。油断した、と後悔してるのは間違いなさそう。

 が、親衛騎団の戦意が、ヒムを除いて低い。特に司令塔のクイーン:アルビナスですね。そもそもダイらを倒しに来たのではないらしい。おそらくヒムも分かってるんでしょうけど、ヒュンケルに頭を貫かれ、ブロックの半身は削られで、報復しないと気が済まないということか。

 これはアルビナスでも止めきれないかなあと思ったら、ハドラー登場。ただし幻影ということですね。ハドラーは意外なこと言いまして、親衛騎団は積極的に強襲したのではなく、人間側が先手を打ってきたからだと。後の先、ということかと思ったらそうではなく、あんまり弱い奴は来るな、面倒くさいから、ということらしい。なので、せめて親衛騎団と渡り合える奴だけ来い、ということですか。

 そう言い捨ててハドラーは去り、親衛騎団も続く。このあっけない幕切れで、ちょっとポップの混乱が見えたのは興味深いかも。冷静な司令塔にならねばと師のマトリフから言われ、自らも心がけてきたはずですが、逃げる敵を追おうとしてダイに止められてます。ダイの指摘がなかなかに冷静かつ辛辣でして、すぐ前にはポップが無謀にも敵(キルバーン)を追って、かえって術中にハマってピンチに陥ったんでした。いつもなら逸るダイを抑えるのがポップのはずですが、今は逆転している感じかな。成長速度が違うんだろうか。

 それはともかく、敵が去れば立て直し。どこにいたのか、アキーム隊長が今頃駆けつけまして、戦況とか知らなかったみたい。ドックを守っていた「無敵ベンガーナ軍の精鋭」が壊滅と聞かされ、あわてて去ってしまってますね。ダイを迎えに行って、他の野望用でもあったのかな。アキームさん、すっかりコミカル役になっちゃってる感じです。

 たぶん今回だけなんでしょうけど、コミカル役二番手がノヴァですね。上述しましたが、すっかりへこたれて戦意喪失どころか、もう引退しそうなくらい落ち込んでる。これを見捨てるマァムではなく、口をへの字に曲げて手をひねりまして、かなり乱暴な活の入れ方ですな。

 まあ、前にはポップを引っ叩いてましたから、マァムとしては普通か。ノヴァは相当におびえた感じで、鼻水垂らしてますが、立ち直ったみたいですね。マァムの怒りの表情の裏にある信頼(やればできる子)を感じ取ったということでしょう。

 が、一同は問題発生に気が付く。チウがいないわけですね。ゴメちゃんもいない。そういや獣王の笛持ってたんだっけ。死の大地に独断専行したに違いない。もしかすると親衛騎団の強襲はチウが直接のきっかけだったりするのかもです。ともかくも捜索して連れ戻さねば、ということでポップ、ヒュンケル、クロコダインが向かうことに。しかしチウのピンチを救うのは別の人物になるわけですな。

 そのチウはマリンスライムのマリべえも隊員に加え(相当苦労したみたい)、死の大地の探索。どうやら敵本拠への侵入ルートを探し出すつもりらしい。早くもマリンスライムのマリべえが海中に大扉を発見。おそらく敵本拠につながってる。マリべえは報告に戻りますが、チウらは親衛騎団ビショップ:フェンブレンに見つかってしまってるわけですな。

 ここからが見ものでして、チウの性根の座り方に感動、感服です。敵フェンブレンが好対照なのもいい感じ。親衛騎団で唯一、残酷であり武人タイプでもないわけで、その正反対としてのチウのキャラが立っていくのが際立ちます。

 チウ、まずは撤退を図る。扉は発見したし、フェンブレンから本拠バーンパレスへ続くと聞けたし、充分ということですね。以前だと行きがけの駄賃程度の功を狙って一撃くらい試みたかもしれませんが、すっかりダイらとの仲間意識、役割意識に目覚めている模様です。

 が、フェンブレンが易々と秘密を話したのは逃がさない自信があったからなのか。自らが残酷であると言う通り、チウを嬉しがらせてから絶望に突き落とすという悪趣味な行動みたいですね。パピィに乗って飛び去ろうとするチウらをバギで叩き落し、始末にかかる。舌戦でも傷めつけようとしてまして、扉を見つけても誰も入れない、などとチウらを落胆させようとしてますね。そのうえで、この場で始末すると宣言。

 が、チウがくじけない。ここからじわっと燃えるものがあり、だんだん高まります。チウとて対ザムザ戦での大成長がありましたが、オリハルコンのフェンブレンには敵うべくもない。痛恨の一撃を食らうわけですが、ここでマリべえが根性見せまして、フェンブレンの足に食らいつくと。一命に代えても隊長を救う、というわけですな。

 これでチウに隊長の自覚と隊員を守りきる覚悟が覚醒したらしい。窮鼠包包拳で挑むも返り討ち、しかし全く諦めない。「僕は隊長だぞ。隊長は部下を必死で守るものなのだ!」と、いい啖呵です。ここ、実にカッコいい。が、フェンブレンはそうだからこそ屈服させてから倒すことに拘りたくなったようですね。ちょっと調べてみますと、フェンブレンはハドラーに残る以前の残虐、狡猾を受け継いで生まれたらしい。なるほどな感じです。

 普通ならビビるところなんでしょうけど、チウはまなじりを決し、揺るがない。フェンブレンに腹部を貫かれても、隊員に「心配するな」「必ずみんなを助けてやる」「こんなの痛くも痒くもないぞ」と。フェンブレンがさらに腹をえぐるも、チウは必死で耐える。勝算は立たないんでしょうけど、隊員の前で決して動揺は見せない。敵を見据えつつ、ひたすらチャンスが来るのも待ってるんでしょう。
(古代中国の東晋の宰相:謝安の故事を思い出したりします。百万の敵が押し寄せ、どうしていいか分からないけど、必死でこらえて平静を装って部下を安心させ、ついには奇跡的な逆転勝利まで行く話です。)

 これは隊員に奮起を促さないわけないですな。特にゴメちゃんでして、またもや奇跡を起こしまして、フェンブレンに一矢報い、いったんチウを救出。しかしゴメちゃんが力を使い果たしたのか気絶、用心する気になったフェンブレンが迫る。すかさずチウ、続いてパピィ、マリべえがゴメちゃんに覆いかぶさって庇う。自分的にはこのシーンが最大に燃えです(ここだけ何度か見直したほど ^^;)。

 が、力の差はいかんともしがたい。チウらは蹴散らされまして、絶体絶命。ここでようやく遅れてヒーロー登場でして、誰かと思ったらバラン。アニメですんで声で分かっちゃいますな。剣が見えた時点では、ダイ側のチウ捜索の描写があり、ヒュンケルかと思いました。が、姿はシルエットでも声はバラン。もっとも焦らすことなく、すぐに姿を見せてくれるわけですが。

 普通なら、自分の好みとしてはバラン登場でテンション最大になるはずなんですが、やっぱりチウ、さらに隊員の踏ん張りが一番燃えました。ムチャクチャ泥臭くカッコいい。今話はしばらく録画機に残し、自分がどうしてチウらに最も感激したか、考えてみたいと思っています。

 それはともかく、バランもさらに一皮むけた感じがあります。キルバーンに狙われた時点でバーンとは決裂、むしろ裏切りと怒っているはずですが、フェンブレンは帰してやる。武人流の慈悲が芽生えたかな。次回「アバン流究極奥義」では、バランと似たところがあるヒュンケルがその辺りに気が付く模様ですね。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/28 (Tue) 19:00:24

 定期感想その3です。

●仮面ライダーリバイス(第4話:足りない愛情!アブナイ悪魔誕生!)

 主要キャラクターを掘り下げつつありますがゆっくりで、主に兵装含む設定や世界観を提示しつつある段階ですね。だいぶ飛ばしている感じがありますが、まだまだ未紹介のものがたくさんありそうです。

 今話の新アイテムはバイクかな。地上を走るんではなく飛行タイプですか。仮面ライダーWEBによると特撮で仮想的なバイクを作ったんじゃなく、実在のホバーバイク(XTURISMO)のリバイス向け特別仕様車とのこと。今話で見せてくれたCGメインの特撮に、実写特撮からスムーズにつながるよう、工夫してきた感じですね。

 さらに敵側の悪魔の扱いも先を提示してくれまして、上級契約ですね。ギフ復活に必要らしい。召喚者としては、悪魔の力を引き出せるんでしょうけど、悪魔と一体化して元の人間にはには戻れなくなると。ただし、今話でもう元に戻せると示されちゃったわけですが。セイバー(やドライブ)のときみたいに、どう元に戻すかの争点、あるいはウィザードのように元に戻らないと判明するドラマにはしないみたいですね。
(もっとも、ライダーもの以外も考えると、牙狼の神牙みたいに、人間に戻せたのはフェイクだった、みたいなこともあり得なくはないか。)

 とか思って観てたんですが、最大の印象はラストの一瞬に生じました。一輝と大二が写る写真(たぶん大二のフェニックス入隊記念?)で一輝が消えてますね。バイスには意味が分かったみたいですが、観ているこちらは意味的には「?」で、不安だけが募ります。

 そういう不安要素を感じ取ると、他も不安要素かと疑心暗鬼(?)になってきます。例えば、フェニックス科学担当のジョージ・狩崎ですね。悪魔と一体化した召喚者を分離する方法を既に知っていたり(ライダーキックだから歓迎だけど ^^;)、先手を打てる頼もしさすら不気味に感じたり。そこは、何となく鎧武の戦極凌馬の雰囲気を感じるせいもあるかかも。

 それはともかく、悪魔との契約、フェニックスとの契約で段階的に一輝が魔に取り込まれるみたいなことが裏で進行しているんだろうか。それは次回以降の情報開示に期待するしかなさそう。次週予告では触れられてないようなんで、もしかしたらだいぶ後かな。

 ドラマについては、キャラクター掘り下げはまだ浅いと申した通りの印象で、見せるドラマはキャラクターに依存しない、ある種のテンプレートを用いてますね。初見では「まだ4話では仕方ない、感動パターンとを借りてくるしかない」と思ったんですが、観なおしてみるといろいろ工夫あるかもです。

 ゴルファーとキャディーの話のときは、一輝と大二の関係を模したメインゲストかなと思いました。今話ですと、母親さくら・一輝・大二を模して、メインゲストの母・娘2人のドラマを見せてくれたのかなと。模しながらも対照的な感じです。

 そこを見て取るには、メインゲスト家族の母:桶谷妙子の見方については注意が必要な気がしました。前話含めた初見では「長女をネグレクトし、次女を溺愛する嫌な母親だなあ」と今話途中まで思い、終盤で突然長女の彩夏に泣いて謝るのが唐突に見えました。

 ですが、それは長女:彩夏視点で見た母親:妙子だったのかも。彩夏の主観印象が加味された演出ということですね。どうも彩夏は己が悩みを自分で増幅している面があるように思います。

 例えば、母親に次女(妹)同様、気にかけてもらいたいというのは分かります。が、今話ですと、なぜ次女のアイドル活動を応援&マネージメントしている現場に出かけて、それを求めたのか。母親:妙子が次女:美春にもっともかかり切りになるタイミングのはずです。

 類例はリアルでもよくありまして、例えば勉強しろと言う親とゲームに夢中になる子。子がゲームプレイに夢中になればなるほど、見ている親のイライラは嵩じるようです。結果、子が最もゲームで興奮しているときに、怒鳴ったり、ゲームを取り上げたり。子のため、がどっか行っちゃって、自分(親)のストレスを何とかしたい、に変質しちゃうわけですな。
(結果、子はゲームに余計に執着するようになったりする。ゲームを邪魔されたストレスはゲームでしか解消できないわけで。)

 悪魔召喚する彩夏も同じような心理状態になってるんじゃないかと。自分にも振り返って欲しい、から、母親が妹を見ることが気に入らない、となって、妹も敵視するという最悪の状態に向かってたんだと思います。途中までで描かれた嫌な母親像は、そういう彩夏(の憎悪が入った)視点だと思ってもよさそうです。

 ゲストの母親と好対照なのが、五十嵐家の母:幸実ですね。入院中で動けませんが、きちんと家族の性格や動向を把握し、しっかり家族の要になってる感じです(父ちゃん:元太が軽いからなあ ^^;)。一輝と大二の間には未だストレスがあり、今話でもまたもや衝突してるわけですね。

 が、母:幸実が2人共、あるいは2人の間をよく見て、きちんと御していくわけですな。メインゲストの母親:妙子がどうやら、娘2人のどちらか(主に妹;美春)を見て、2人セットで把握できてなさそうなのと対比的になってるようです。

 そう思ってみますと、おそらくはリバイスのテーマの1つ「家族」について、ちょっと思うところも出たり。一輝ですと「家族なんだから」と天下りに家族はいいもの、仲良いものと思ってるようですが、母:幸実を考えるとそうでもなさそう。要が要として機能するような、いい関係を維持する努力を継続するから家族なんだ、みたいな感じです。

 ともかく本編。ですが、だいたい書いちゃったかな。前話の犯人はダミーで、事件の首謀者はさくらと共に囚われた側で、デッドマンズに頼って悪魔召喚した彩夏であるわけですね。その彩夏が元に戻らない覚悟で上級契約する(召喚悪魔は召喚者と一体化し、フェーズ2と呼ぶらしい)。

 実は狂言ながら人質事件を起こしても、母:妙子が長女:彩夏に振り向かないからですね。事件時に電話に出なかった件も、母:妙子の説明は特におかしくはないんですが、彩夏としてはネグレクトと思えてしまう。結果、彩夏は悪魔と一体化してフェーズ2となり、妹:美春を拉致して屋上に。そこまで無視するんなら、邪魔な妹を下に落としてしまうぞ、というわけですか。

 そこへ一輝も駆けつけるわけですが、その前に弟の大二とはフェニックス正式加入の件でガチで揉め、バイスには弁当から発して愛情云々で不満を持たれ、で散々だったわけですね。しかし大二との関係は母:幸実がしっかり修正、バイスも意外に単純で、両手タッチで「はい、愛情」で納得してくれるのか(納得した振りかもしれないけど)。

 彩夏の母親:妙子は人質になった次女:美春よりも、まっすぐ彩夏に向かいまして、ようやく彩夏も憎悪の呪縛が解ける(初見でここがチープ、テンプレートと誤解したのは上述の通りです。しっかりドラマ作ってあった)。が、フェーズ2の恐ろしさはそこからで、召喚・同化者が悪魔を諦めた瞬間に悪魔に支配されるものらしい。

 そこからはバトルとなりまして(ホバーバイクあるし、CGふんだんでなかなかのもの)、フェーズ2もジョージ・狩崎のアドバイス通り、ライダーキックで悪魔分離できるしでリバイス快勝。スタンプも回収できたし、一輝と大二も仲直り(既に幸実のはからいでしてたけど ^^;)、一輝は正式にフェニックスと契約と。

 一気にいい方向に進みましたな。と思ったんですが、一輝と大二の記念写真から一輝が消える怪異が。バイスは何なのか分かってる模様ですが、先行きが不安になります。

 次回「世直しライダー!裏切り者は誰だ!?」では新ライダー登場らしい。やっぱり大二がライダーとして追いついてくるのかな。まだまだ話数1桁台ですから、世界観を広げる紹介が続くんだろう。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/29 (Wed) 12:29:30

 定期感想その4です。

「ゲッターロボアーク」最終回ですが、分からんようで分かるような急展開、かつ続きを示唆する感じでしたな。解釈が難しい。どう感想書けるか、うんうん唸っています。

●青天を衝け(第28話:篤太夫と八百万の神)

 家康公解説なしでした。来週はどうかなあ。録画機予約画面での来週分出演者リストに北大路欣也さんのお名前が見えるんで、大丈夫とは思うんですが。

 今週分は初見では聞き違いで大きく勘違いしまして、二度目でようやく何をやってるか理解できました。間違ったのは「ひとはしら」の聞き取り(と漢字当てはめ)です。最初は「八百万の神々」のための「人柱」(犠牲)だと思ったんです。大隈重信は栄一に死んでくれと言い出したのかと思いました。

 が、なんかおかしい。文脈に合わない。字幕を出して視聴しなおすと「一柱」と出てまして、なるほど神様を数える助数詞の「柱」でしたか。それでようやく、新政府の面々を世を作る神になぞらえたと理解した次第。

 今週から篤太夫の名は返上して、栄一に戻ったわけですね。慶喜とは、ドラマ上はこれでお別れ、ということなんだろう。慶喜は久しぶりに会った妻:美賀君から、人が変わったようだ旨言われまして、武家の棟梁・政治家・軍事指導者等々から降りたことが暗示された気がします。もう野心的ではない。本編後の解説コーナーを見ると、慶喜は維新後は文化人になったような感じでしょうか。

 慶喜が篤太夫/栄一を新政府に向けて背中を押したのは、もう以降は押してやる力も気合もないということかなと思いました。篤太夫/栄一もそれを見て取っての篤太夫名返上なんでしょう。もうご迷惑はおかけしません、と。が、幕臣の気概は持ち続けているようで、杉浦愛蔵に見抜かれてますな。慶喜~水戸藩から離れはしたものの、慶喜が最後の将軍となった幕府と縁を切るつもりはない、くらいの心情と見えます。

 が、それより前に大隈重信に取り込まれてますからねえ。いったんは前様(さきさま)の命に従って新政府に顔出しするつもりにはなったものの、断固出仕を断るつもりで気勢あげていたわけで。大隈に会うに、断り状まで書いて懐に入れて出向いてますな。

 が、まず出迎えてくれた伊藤博文に、焼き討ち事件を画策したような者(=篤太夫/栄一)が新政府に仕えるなどと、と言い出したら、伊藤博文は実際に焼き討ちやったと告白してきて、しかも大いに喜んでたりする。これが篤太夫/栄一の牙城を崩す第一撃だった模様。

 篤太夫/栄一は出鼻をくじかれたものの、大隈重信は斬りかかられるんじゃないかと怯えてまして、逆転のチャンスはありそうでした。が、篤太夫/栄一が(おそらく断る理由にしようと)新政府をめちゃくちゃに貶したのがマズかった。怯えていた大隈の様子が凛と引き締まり、まず「知らないからやらない」と篤太夫/栄一が言った点を咎める。

 篤太夫/栄一が薩長の強引な武力行使(おそらく開戦工作も含めてる)を責めるのに対し、大隈はあっけらかんと「おいは知らん!」と突っぱねたのは、いったん笑いました。篤太夫/栄一同様、無責任だなあと。ですが「もしかしたら文官の立場に置かれていたか?」と思い直しました。もしそうならですが、大隈の愚痴を想像するに「主戦派の阿呆がドンパチやらかして、後始末はこっちに押し付けやがって、そんなもん知るか!」くらいはあるのかもしれません。

 そういう大隈であれば、政権運営や政経両面の社会改革等で「私は何も知らん」と言うのは、実情が分かるからこその正直さなのかも。「新しき世の中を作りたくないか?」旨、栄一に迫るのも大隈の真意の核でしょうし、それゆえ栄一に刺さりもするのかなと思います。実際、あの論争シーンで最後は栄一が『胸がグルグルする』と言いたげでしたし。

 ともかく、あの論争で大隈に押し切られたのが、栄一が新政府の改革に入れ込む主要原因なのは間違いなさそうです。お歴々の前で物おじせずにこき下ろしてましたからね。これは新政府の仕事ぶりをつぶさに見たということでもあるし、慶喜に対したのと同じ誠実さでもあるんでしょう。誠実だからこそ、大蔵省を間違えたと気が付くと、即座に平伏して詫びもすると。

 それでも変節ではあるけれど(栄一自身が愚痴ってますしね)、そこは見方次第で、杉浦愛蔵から見れば「幕臣の意地」で一貫してたりする。自分の見立てでは「選択肢が生じたら、未来基準の局所最適解を選ぶ」で一貫してます。そうしなかった場合は、成一郎/喜作ルートになってたかもと栄一も思ってるわけで(もっとも、栄一は運次第の面を重視して反省してますが)。

 栄一はまだまだ変節するんだろうなあ。観ているこちらとしては、変節のたびに成長が感じられますんで、大いに期待するポイントです。次回「栄一、改正する」(サブタイトルも次から栄一か)では、経済面で新政府の立て直しを図る栄一が、旧幕臣ということで揉める模様。いずれ栄一は新政府の職を辞して野に下るはずですが、その遠因になる事件があるのかしらん。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/30 (Thu) 09:20:22

 9月最後の感想です。

 まず、ゲッターの感想ですが、非常に難しいですね。
 ドラマ的には、ハヤトとカムイがどんどん殺戮を繰り返す凄惨なバトル物で、ああ、地球が滅びたな、まで見せるえげつないもの。
 ハヤトの場合、原作初登場の学生運動家として狂気を漂わせていた若者時代の名セリフ「目だ耳だ鼻ッ」を披露。前回の敷島博士トラップに続き、相手の目と耳と鼻を攻撃するのがブラックジョークじみたオマージュになっている、と。

 で、ゲッターに関わった者には「運命を受け入れた者(ハヤト)もいれば、運命に最後まで争い続けた者(リョウや號)もいて、お前はどちらを選ぶ?」とカムイに告げたり、そのカムイに心臓を撃たれても死なずに、ゲッタードラゴンの進化形(ゲッター聖ドラゴンと言うらしい)を起動させて消失。

 カムイは暴走を止めずに、自分の母親含む地上人類の殲滅を行い続け、爬虫人類という種族と宇宙をゲッターから守るためのバトルに突き進みますが、
 未来から帰って来て、半年後の凄惨な地球を見たアークの拓馬が、カムイを止めるためにバグに立ち向かう。このロボバトルシーンは、後のゲームのネタに使えそうな技のオンパレード。
 だけど、バグには通じずに、アークがボロボロ。しかし、諦めずに闘志を燃やし続けるアークの背後からゲッター聖ドラゴンが出現し、原作のゴールに行き着いた、と。

 実のところ、原作の最終シーン、自分は初めて知りました。原作は雑誌連載分を読んだのですが、バグとの戦いは単行本になって加筆された部分なんですね。
 確か連載の最後は「未来から共に帰還したゲッターチームの3人」(この段階でアニメと違う)だけど、未来の経験から、カムイが不穏な決意を抱くところで、終わっていたと記憶します。
 そして加筆修正された最終章が、カムイが恐竜帝国でクーデターを起こし、バグを起動させ、ゲッターアークと戦う流れで(その部分は、噂には聞いていたけど、読んだことがなかった)、いずれにせよ、真ゲッタードラゴン覚醒で未完のまま幕。

 しかし、アニメはその続きを見せてくれました。
 地球が滅亡し、人類は火星に移住していたという未来。そこで、拓馬は未来から帰還した獏と共に、牢に入っているカムイを助け出す。この入獄の経緯はちっとも語られていないのですが、まあ、地球滅亡の主因としての断罪なんでしょうな。

 聞いた話によると、バグによる環境改変のために地球は人類が住めない星になり(だから火星に移住先を求めた)、一方でドラゴンの目覚めにより、地球はゲッター線にも汚染され、爬虫人類にも住める環境ではなくなった。
 したがって、爬虫人類も火星に入植し、ドラゴンを目覚めさせた大罪人としてカムイを投獄し、戦意喪失したカムイもそれを受け入れたらしいです。

 アークを圧倒したバグですが、結局、進化したドラゴンには勝てなかったようで、打ち負かされて「結局ゲッターを止めることはできないのか」と抗戦を断念したようです。

 しかし、拓馬は諦めていなかった。カムイとやり方は違うけど、エンペラーのもたらす絶望の未来を変えてみせる(地上人類も爬虫人類も絶滅させずに)との決意で、カムイに協力をもとめ、アークの力で父親の竜馬の魂と融合したかのような巨大ゲッター1(真ゲッターの進化形? エンペラーの幼生?)に戦いを挑むシーンで幕。

 亡くなった原作者が描いたゲッターサーガを細部描写補完、再構成し、その続きをチラ見せして、ゲッターの物語はまだ見ぬ未来に続く(未完)という形で、宇宙と時空を超越した壮大な永遠の闘争劇をかいま見せて終わらせたわけですな。

 こちらとしては、「続きはゲームで」って感覚で、ゲッター聖ドラゴンとバグの戦いをプレイできるのはいつかなあとか、アークと巨大ゲッター1の戦いは、アーク1体だと絶望的だけど、別世界からマジンカイザーとか、神ゲッターとか、グレンラガンとか、スーパーロボット軍団がいっぱい召喚されたなら勝てるかなあとか、ゲームの新たな素材として、ワクワクします。

 ともあれ、ゲッター聖ドラゴンとか、ラストの巨大ゲッター1とか、元ネタありだけどアニメオリジナルと言うべきゲッターの出現に、「また新たな謎が増えた」と考察好きなマニアが喜んでいるのが現状かな。

 一応、こちらのサイトが感想考察としてもお勧めですので、よければどうぞ、と。

https://gno.blog.jp/izumi/44950497.html

PS.ゲッター感想だけで、量が多くなったので、他の感想は次に。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/09/30 (Thu) 10:52:14

 ダイ大、リバイス、青天の感想です。

★ダイ大

 少し記憶違いがあって、ピンチのチウを救出に入ったのは、バランが先でしたな。
 ポップたちは後から遅れて駆けつけて、バランに対峙する。ダイは待機したので、父子対面は後の話になる、と。

 ともあれ、次回の期待は、新OPの歌と絵がどうなるか、ですな。

 もちろん、本編でヒュンケルとバランの手合わせがあったり、いろいろあるわけですが、バランは贖罪のつもりで命を賭けて大魔王バーンに立ち向かうつもり。
 だけど、ヒュンケルはそんなバランの気持ちが痛いほどよく分かるので、贖罪の気持ちなら、死ぬこと前提でなく、生きて共に戦うという選択をすればいい、と諭そうとする。

 で、バランは頑なに、「今さら、おめおめとそんな恥知らずなマネができるか。一度は息子を殺そうとした私に、息子と合わせる顔などない」って話になって、
 ヒュンケルがバランの頑なに死を求めるような心根を戒めるようなバトルを挑む流れ。

 一方、その頃、ダイはノヴァと未熟な勇者どうしで仲良く訓練して、新技開発に勤しんでいたとか、そんな感じかな。
 どんどん、ノヴァが親しみやすいキャラになっていく流れ。

★リバイス

 ドラマは、家族とか組織とかの中の微妙な心情を描き、鬱屈した心の闇を悪魔で解放し、ライダーの力で浄化するまでがワンセットかな。

 人が心の中から悪魔を生み出すまでがワンステップで、さらに、その生み出した悪魔と融合して、人間を捨てるところで2ステップめ。
 まあ、これは後に、リバイとバイスの融合で、リバイスに強化される理由づけにもなるんでしょうけど。

 ともあれ、バイスのコミカルなノリで緩和しつつも、意外に人の心の闇を正面から描き出すハードな物語だな、とここまでの感想。
 逆に言えば、一人一人のキャラの心情を丁寧に描いているな、とも思えるし、毎回のフォームチェンジも割と必然性が感じられる展開。

 パワータイプに対抗して、マンモスとか。
 俊敏なタイプに対抗して、飛行モードのプテラとか。

 まあ、プテラが登場すると、前の風使いのイーグルとの使い分けはどうするのかな、と思いつつ、プテラはマシンの使用で大掛かりになるので、普段はイーグルの方が使いやすいって感じかなあ。

 とりあえず、モチーフライダーの意匠が、ディケイド、W、電王、ファイズと来て、次は何かなあ、と当て物みたいになって来ました。
 今回のプテラは、最初、コウモリモチーフのキバかな、と思っていたら、公式でファイズのアクセルモードと知って、ああ納得、と。

 ファイズでも、バイクが人型ロボに変形していたし、これなら人型のバイスがホバーバイクに変形しても納得。

 久々にバイクの設定でワクワクできたライダーでもあります。最近は本当にバイクの扱いが悪くて。
 バイクにも愛情を注いで欲しいもの、と思ったり。

★青天

 慶喜に仕える際に受け入れた篤太夫の名前を、慶喜と別れる際に返上するシーンが良かったです。

 篤太夫として、主君への忠義に励んだのがこれまでで、それ以前の栄一に戻すことで、自分らしく励むことを決意する。
 そして第一話の慶喜との出会い「渋沢栄一にございます」がここで挿入され、ああ、過去と今がつながったって思えるドラマ構成が好きですね。

 ゲッターでは「過去も未来も関係あるか!」の若者の拓馬らしい啖呵が痺れるわけですが、自分は過去を踏まえた決意の方にもっと痺れるので、そこからの新たな旅立ちに通じるシーンが積み重ねドラマとして好みですね。
 明治という新時代に、栄一が自分らしく日本を変えれる時代が来た、とか。

 それにしても、栄一のフットワークの軽さというか、機を見て敏なところが凄いなあ。
 本人としては、足元の定まらない自分の不確かさ、運命の波に翻弄されまくっている有り様を嘆いてたりするのですが、イギリス流に言えば「転がる石」なわけですな。

 この「転がる石にコケは生えぬ」のことわざは、「犬も歩けば棒に当たる」と同様、コケや棒を良いものと捉えるか、悪いものと見なすかで意味が変わって来る。
 コケは伝統ある館に付き物なので、本来は「どっしり構えてコロコロ動き回るようなことをしなければ、風格も生まれるよ」と軽挙妄動するな、という意味合いだったのが、
 産業革命とかで時代が変化するタイミングでは、アクティブに動くことこそが推奨されて、変化の波に乗り遅れるな、コケなど生やしている場合じゃない、という意味合いになるわけですね。

 栄一の場合、その都度、新しいものにかぶれて、憧れて飛びつく面があって、「こいつは凄い」と感じると、パッと飛びついて、一気に吸収するという長所があります。
 この感じ入って、吸収して、それを広げ伝達するというプロセスが素晴らしいというか、学習能力の高さになるんだろうなあ、と思ったりします。

 情熱的に感じ入って、好奇心のままに吸収し、そしてこいつは凄いんだと熱弁を振るい、とにかく波に乗っては、自らも波を起こし、周りを巻き込んで、そして巻き込んだ他人を放置して次に向かう。
 その周辺では、良くも悪くも状況が活性化する感じですな。

 一方、大隈さんと伊藤さん。
 伊藤さんは栄一以上に猪突猛進型で、栄一が未遂に終わった焼き打ちを決行したというだけで、感服させる。うん、上には上がいるって感じのキャラ立てだなあ。
 大隈さんも、栄一や伊藤に比べて気は弱いけど、その弱さを武器にして、堂々と嘆いて見せる。「自分はダメな奴だけど、それでも苦労しながら一生懸命に頑張っているんだ。君はもっと優秀なんだから、その力を役立てて、みんなでこの状況を乗り越えて世の中を動かさないか?」と、相手の懐の下にスッと潜り込んで、ヨイショする。

 こいつに任せてはいられないけど、大望だけは持っているんだなあ、とか、良い意味の眼高手低というか、人たらしな面を持っているなあってのが大隈さん。
 まあ、無責任でチャランポランで、格好いいキャラではないけれど、相手の力量とか願望とかを見抜く目は持っていて、強かさを感じさせますな。

 瑛一は、1万円札の福沢さんの後継者ですから、慶応ってイメージがありますが、早稲田の大隈さんとこんな感じでつながると、ちょっと面白い。
 あの独特の「〜である」の口癖も、演説かぶれの大隈さんの実際の口癖だったらしい。ある意味、夏目漱石など、明治の文人の流行語尾になるのかな。

 そして、ラストの「大蔵省ではなく、もっと上の中央会議」に乗り込んで、得意の弁舌をケンカ越しにぶちかますシーンも笑った。
 言いたいことを言いまくって、スカッとしたら、自分が場所を勘違いしていたことに気づいて、慌てて土下座。
 この変わりっぷりアクションが、計算高いのに何をしでかすか分からないナチュラルボケっぷりで、波風を起こす元というか、基本的にドジっ子属性かも。

 突き進んで、騒ぎを起こし、これじゃいかんと反省して、一念発起し、また騒ぐ。
 ドラマの主人公としては面白いですなあ。

 あとは恩義とか大義名分はしっかり考える辺りが、彼の魅力かと思います。その辺がブレると、ただの変節漢でしかないので、「ここだけは譲れないものを持っている。何だかんだ言って、世のため人のためという芯をしっかり持っていて、利己主義ではない」という点が描かれているので、
 次回、ダメな新政府の当初の経済方針を、栄一が洋風の合理主義精神で切り替えて行くというのが、ドラマのメインかな。

 地租改正とか、廃藩置県とか、明治序盤の政府の改革方針に、栄一も大きな影響を与えたって感じに描くのでしょうな。
 そこに西郷さんが乗り込んできて、栄一に不平を述べると、栄一が理路整然と説明して、西郷が納得して引っ込んだというエピソードもあるので、次か、その次か。

 あとは、富岡製糸場とか、官営模範工場の話などですね。この辺の設立背景をダイジェスト的な会話シーンで描かれると、明治時代の再勉強とつながって来て、楽しめそう。
 どんな有名歴史人物が出るかなあ、とか、何だかんだ言って、「新旧お札の人の大集合」ドラマですからねえ。
 伊藤さんとか、岩倉さんとか、その辺。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/09/30 (Thu) 17:51:37

 定期感想その1です。

「「新旧お札の人の大集合」ドラマ」にちょっと笑って、大いに感心したりしました。昔の聖徳太子はさておき、お札の顔って近代の偉人なんだということを、今さらながらに意識しました。

 それでも「大集合」になるのは政経のドラマだからなのかな。医学、文学等の分野だと、まだお札で集合写真になるほど人材登用されてない。お札の顔もまだまだ採用に偏りがあるのかしらん。

●ゲッターロボアーク(第13話/最終回:果てしなき戦い)

 今話特別仕様のED曲後に「故・石川賢先生に捧ぐ」と出まして、やはり制作者のリスペクトは深かったようです。改めて原作者:石川賢さんによる続きはないと確認してしまった思いになりました。原作・原案には永井豪さんが名を連ねているわけですが、この後を引き受けられるのは難しいんでしょうね。それくらい石川賢ワールドになっている、という雰囲気を感じます。

 石川賢さんがゲッターサーガ半ばにして亡くなったのはもうだいぶ前ですが、こうして偲ばれるとついこの間のような気がしてしまいます。もしかすると、さいとうたかをさんの訃報があったからかもしれません。さいとうたかをさんもゴルゴ13最新作の構想を進めている最中のご不幸だったとのこと。ですが、率いていたプロダクションが引き継いで遺作を完成させるとのことで、さいとうたかをさんもほっとするものがあるんじゃなかろうか。

 石川賢さんもこの後の構想は練っていて、一端をインタビューで明かしていたようです。ある感想サイトで見たのは、「人類とゲッターは宇宙の脅威なので、何者かが太陽系に閉じ込める。が、それがゲッターと人類の進化を促してしまい」というものらしいです。断片的ながら「そういう流れなのか!」と、このアークで観た内容を踏まえ、未完の構想を観てみたくなる気持ちになります。惜しむらくは、その辺りが共同制作者(筆頭は永井豪さんかな)と、おそらくはシェアされてなかったことかな。

 いかん、どうも湿っぽくなりがちで。せっかく勇壮で勢いあるドラマを観てるんですから、気分を切り替えまして。といっても、物語の未完の度合いが過ぎて大混乱です(^^;。SD曲後の火星エピソードとかだと、第2期の予告みたいでありつつも、「どうしてそうなった?」という感は拭えず。

 こちらであれこれ伺う前に一人で悶々と考えてたのは、例えば以下みたいなことです。

「ショウはアンドロメダ流国のバグを完成させて人類軍、さらにゲッターアークを圧倒したはいいが、バグに対する真打ゲッタードラゴンに取り込まれてしまった。これが後のゲッターエンペラーの発端なのであった。アンドロメダ流国は知らずに己を滅ぼす種を蒔いていたのだ。
 遠未来の武蔵の如く、エンペラーに心が影響された人類は、覇者たるべく宇宙に進出しようとする。かろうじて正気を保った少数の人類とハチュウ人類の生き残りは火星に逃れ、エンペラー派人類阻止を目指して再起を図っていた。
 ショウはエンペラー誕生のきっかけを作った責任を問われ、支持を取り戻したゴール三世によって幽閉される。しかし、拓馬、未来のエンペラーから帰還した獏が救出に駆けつけ、アークチーム再結成して事態打開を図ろうとする。そこへエンペラーの幼生である巨大ゲッター1が現れて……」

 まあ、なんも知らん奴が最終回映像だけから妄想するとこんなもんなわけでorz。いろいろ辻褄合ってないし。こちらでのご解説、ご紹介の参考サイトなどで、理解が少しマシになってきた気がします。そういう流れだとすると、あちこち符合が合いそう。

 それでもいろいろ分からんところ多々でして、例えばゲッター世界における未来ってどういうものなのかという点ですね。今話では神隼人も未来を見てきたと明かされました。流竜馬も見ている。もしかすると暴走するドラゴンに取り込まれた弁慶も、早乙女博士もエンペラーの未来を見たんだろうか。

 竜馬は神隼人と袂を分かったわけですよね。神隼人は見た通りの未来の先を見てみたいと思い、竜馬は違う未来を実現したいと思った模様。しかし、(おそらくゲッターに融合した)竜馬は、このアーク編では最後に神隼人の行動を認め、手を貸したような描写でした。もしかすると竜馬が願った方向に未来が変わりつつあるのか、という気がします。

 もしそうならですが、代々のゲッター乗りは、

「初代のゲッター乗りがある絶望の未来を見る→未来を変えようとする→未来が少し良くなるがまだ絶望的→その未来を2代目ゲッター乗りが見る→未来を変えようとする→……」

みたいに連綿と続いてきたりするのかなあとか妄想があれこれ膨らんでしまいます。やっぱり、制作者オリジナルでこの後の解釈を映像化してくれないかなあと欲が出てしまいます。自分みたいな素人ではない、ゲッターサーガを深く知り、愛する人がどういう展開を考えるのかと。

 妄想、愚痴はともかく本編。といっても、目に見える流れ自体はシンプルかも。主要キャラクター各々が自分のやるべきことを分かっており、意思を曲げませんから。

 まず、ショウ率いる一隊による早乙女研究所襲撃ですね。ゲッターザウルスチームの精鋭も率いてますな。敷島博士は先週でショウに敗れ、無力化されたみたいですが、それにも増して神隼人は強力だったのか。ザウルスチーム3名相手に、赤子の手をひねるが如くです。

 もっとも、神隼人は積極的に殺害したいわけではなさそう。力の差を見せつけるにとどめてます。が、ザウルスチームの覚悟は揺るがず、それならと引導渡したみたい。ショウも部下の敗死に動揺しませんな。海底の恐竜帝国に留まる人類を、母親含めて殺害する覚悟があったくらいですから当然か。

 神隼人はショウだけは殺害できないらしい。橘翔もショウが人類根絶を目論む不倶戴天の敵となったことは理解しつつも、希望を託す気持ちが揺らいでませんでした。もっと深く事態を理解しているらしい神隼人はなおさらなんでしょうな。一撃で殺せ、でないと「ハジをかく」と言いまして、もとからショウに倒されるつもりであったらしい。もっとも、それでゲッタードラゴンに取り込まれるという算段もあったのかな。少なくともドラゴンを起動、解放することになると予想はしてたみたい。竜馬と会うことも、ですね(全く驚いてなかった)。

 そしてバグ完成の報がショウに入り、そこからは人類に抗う術はなくなったらしい。火星に少数の人類を脱出させる試みさえ、完全に阻止されてます。地球環境改造は着々と進み、その最終段階を担うのがバグというわけですか。

 そこへ拓馬のみが駆るゲッターアークが帰還するわけですね。前話冒頭はこのタイミングだったわけか。基本性能ならアークに勝ち目はないはずですが、ゲッターに目覚めてウザーラを屠ったアークなら、と思ったんですが、全く歯が立たないらしい。バリアーを破って一矢報いるくらいが精いっぱいでしょうか。

 しかし、ショウには是が非でもアークと拓馬を倒すという意思があまり感じられませんな。力の差を見せつけて諦めさせたい、くらいの感じ。が、拓馬が全く諦める様子がない。エンペラーのもたらす未来についても、ショウは絶望し、拓馬は変えられると信じている。これがED曲後の展開に関わってるかも。この時点で拓馬が見せた覚悟が、じわっとショウに刺さった、みたいな感じということで。
(この拓馬 vs ショウって、竜馬と神隼人の関係を模したりしてるんだろうかと気になります。もしそうなら、少なくとも火星での再会以降がなんとなく想像できそう。)

 そこへ神隼人が命と引き換えに放ったゲッタードラゴンが駆けつけるわけですな。これがゲッター聖ドラゴンというものですか。かなりデカく、異形化も進行している感じですね。というところでED曲に突入。観ていて「えーっ!」です(^^;。これが最終回の幕切れなのかと。

 と思ったら、火星での続きを見せてくれたわけで。テラフォーミングが進行中らしい火星では、一部が都市化している模様ですね。そこに、なぜかショウが囚われており、拓馬といつの間にか帰ってきた獏が救出に来る。そこへ現れる巨大ゲッター1(搭乗者は竜馬らしい)、挑むゲッターアーク。

 と、やっぱり何のこっちゃか分からんですが、希望はありそうな雰囲気です。とりあえず最終回。この後はゲームなどでいろんな展開を試しつつ、続きを作って行ったりしてくれるかな。焦れる気持ちはありますが、気長に待ちたいと思います。こんな展開に始末をつける落としどころとか、考えるだけでも容易なはずがないですから。

●件の人物

 固執する先を掲示板に変えて、果てしなく粘っているようで心配になります。言っていることの異様さが増していっているようですので。絡んでいく相手が、多数の無力な人を預かる方だ、ということが分かってないんだろうか。自分一人の心配で済まない方だということですね。

 前に件の人物は小心、臆病なため官憲の厄介にならずに済んでいる、と申した覚えがあります。その前言は撤回しないといけないようです。彼の最近の言動は危険な行動の前兆とみるべきでしょう。なにせ「転生を夢見る臆病者が、体力面だけ考えても絶対無理な冬の野宿に執拗に誘う」わけですから。

 無理心中よりも「死んだら転生するかどうか、他人で実験してみたい欲求がある」くらいの警戒は必要な気がします。「他人の転生を確認できたら、自分もいずれやってみる」みたいなことですね。

 すぐに官憲が動けるほどのことはしてないとしても、今後は危ない動きを見せたら関係機関に相談する、くらいの通告は必要かもしれません。もし関係機関が動き出した場合、例えば彼が収入を得る方法が適法かどうかも調べられることになるわけで、未だに最も恐れているところじゃないのかな。そういう想像が働かないほど、今の彼は異常な心理状態にありそうです。

 彼とは一切の接触を断つつもりでしたが(こちらがメンタルやられるので)、場合によっては自分が出向いて、第三者でも目撃者として通報することはあり得るぞ、くらいは言ったほうがいいのかもしれないと思い始めております。

Re: 9月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/02 (Sat) 22:11:13

 10月の話題に持ち込みたくないので、このスレッドでレスしておきます。

>件の人物

>果てしなく粘る

 まあ、頻度の面で、文量が少ないので、対応しきれているのかと思います。

 だけど、他に書きたいブログ記事や、掲示板感想などがあるときに、「新鮮味の薄い、つまらない文章」の相手をしないといけないのは、時々うんざりします。

 これで彼がもう少し頭のいい策士なら、こちらに会いたいときに、「いっしょに映画をどうですか?」とか「ゲームのコンベンションは?」とか、普通に友だち同士で付き合うネタだけで、加減を知れば、まあ、それぐらいなら、と段階的に関係を深める流れも想定できたのでしょうが、

 「冬場に野宿で、抱き合う」というところに、いきなり踏み込んで来ましたからね(苦笑)。
 で、一度は「誤解が晴れた」形をとって、仕切り直しの機会を与えてあげたのに、結局、「冬場に野宿」をまた持ち出してきて、何だろう?

 最初はメール断絶の原因になって、ブログコメント拒絶の原因にもなって、それを言うと、ますます拒絶される原因になっていることを学習しないのか?

 まあ、学習しないのでしょうね。

>異様さが増している

 こちらが感覚的に麻痺しているのかもしれませんが、これで同じ要求をされたのは3度めか4度めなんですよ。

 最初は「誤解です」とか取り繕うだけの知恵もあったけれど、何度か繰り返しているうちに、「誤解という言い訳は何だったんだ?」と。

 たぶん、彼は自分の創作と同様、自分の要求についても整合性を付けることができなくなったらしいですね。
 まあ、人間だから、それぞれ固有の癖とか出るのは仕方ないにしても、「前にこうやって失敗したから、次はこういう攻め方をしよう」とか、考えないのかな、とか、いろいろ思います。

 とりあえず、こちらとしては「彼に会っても、もう面白くないし、言動がもはや危険人物だ」と言うことを理解したので、どんな理由をつけられても、リアルでは会えませんね。
 実際、彼の話題に新鮮味がなくなったので、会っても話が弾むとは思えない。

 コロナ禍で、人と会うことにリスクが伴うようになった現状で、「オフラインでなかなか会えない寂しさ」を持て余している人間は彼だけじゃないでしょうし、
 それでも会うに際しては、「感染リスクを抑えた上で、不要不急の外出を控えつつ、会いたい人間とは会いたい理由で会う」という時代に、

 「寂しいから、他に頼める人がいないから、一晩付き合って欲しい」の一点張りじゃ、こっちの人格を重視してくれていないのが明らかなので、却下になりますな。

 こちらにもプライドがあるので、「NOVAさんの話がツボに入った」とか、「記事のこの点が同意だ」とか、そういう乗せられ方をされたなら、この人とは話が通じるとか思えるものを、
 彼は「自分がこうしたいから」という理由だけで、「相手がどうしたいか」というのを察した要望は出せないみたいですね。

 「自分がしたくて、相手もしたい」という双方の要望が一致して、折り合えて、人間関係が深まるものだし、
 「自分がしたいけど、相手が望まない」ことをどう説得するか、という交渉は、一切考えたことがないような振る舞い方が目立つので、決裂した関係性が修復できないのかな。

 したいと訴えれば、相手が根負けする……というのは、子どもの駄々のコネ方ですからね。

 まあ、こちらとしては、彼を「交渉場面の書けない作家」と見てますし、「俺はこれがしたい」と言えば、周りが勝手に忖度してくれるドラマじゃつまらないと見ています。

 「これがしたい」と思って、一生懸命に動いているのに、時流が噛み合わずに、「どうしてこうなってるんだ?」とトホホ感を見せながらも、誠実に熱心に頑張ってる栄一のドラマは(それでも時流が上手く引き上げてくれるのは人徳か)面白いと思ったり。

 交渉ごととか、互いの信念のぶつかり合いとかが、上手く絡み合って、うねりとか変化を見せる作品が、見応えあるなあ、と最後はフィクション論に持って行きつつ。

 では。

Re: 9月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/04 (Mon) 18:16:07

 自分が話を振っておいてなんですが、10月の感想にこの話題を混ぜるべきではないのは確かだと思い、先月のスレッドにしておきます。まあ、内容が簡単で短く済むことも理由になるかな。

 NOVAさんの掲示板を拝読しまして、あれから追加でお書きの内容で納得し、安心するものがありました。件の人物の言いように対しては、こう返しておけばいいのか、と感心した次第です。

 なぜなら、もしNOVAさんの問いかけ、要求に答えて応えようとすれば、件の人物自身の言動、行動に返る仕組みになっている点があるようです。もう少し読み返してみると、こう言えばこうなって、と確実に詰む手筋が見えそう。そうなると、件の人物は言い訳に忙しくなるはず。

 小泉八雲が集めた怪談話に、打ち首になる盗人の話があります。盗人は死ぬ前に呪ってやると言う。首を刎ねようとした武士は「それなら落とされた首で、あの庭石にかじりついて見せよ。そうできれば、お前に呪う力があると信じてやる」と言い、首を刎ねた。

 盗人の首は庭石へ飛んでかじりついた。以来、武士の家中の者はいつ怨霊が出るかと恐れおののいたが、さっぱり妖異は起こらない。武士は「あの盗人は死ぬ間際に石にかじりつくことに一心不乱となって、恨みのほうはうっかりしてしまっている」と笑った。

 という話。それに通じるものを、NOVAさんの返信に感じた次第です。当面は心配なくなったように思いますし、自分もそういう風に思考し、言葉を操れたらなあとも思った次第です。

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