創作と鑑賞の談話室

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11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/01 (Mon) 00:00:56

 11月の雑談スレッドです。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/01 (Mon) 00:17:14

 定期感想その1です。

●ダイの大冒険(第55話:黒の核晶(コア))

 ハンカチの用意推奨でしたが、たぶんその本命(?)は次回に譲られた模様。黒の核晶が爆発したことは確実ですが、大魔王バーンがいぶかしむ威力の弱さ。死の大地で戦っていた面々が爆発でかろうじて助かったこと。異様な振動に驚くレオナらと、新重要キャラ登場。いろいろ描かれるわけですが、肝心かなめのキャラクターがどうなったかが描かれない。

 創作のコツで聞いたことがあるんですが、「描かれるものは、描かれないもののシルエットを浮かび上がらせるためにある」のだそうで。だいたい察するわけですが、次回まで待たされると、自分的にはインパクト、重みがぐっと増してしまいそう。「境界戦機」の甲咲リサで、その手法が使われて、自分には効果絶大だったわけですが、ダイ大はずっと描かれてきた重要キャラクターだからなあ。次回がちょっと怖い(^^;。

 しかし、やっぱりハンカチは今話に必要でした。ハドラーです。渾身の地獄の爪(ヘルズクロー)は竜魔人バランに1ミリも刺さらず、腕をへし折られてもなお覇者の剣の超魔爆炎覇を放つも届かず。それでも気持ちがくじける様子はありませんでした。それこそ自分がハドラーに期待するものでもあります。

 が、黒の核晶が自ら(ハドラー)に埋め込まれていると知り、全ての事情を察したわけですね。バランらが一気に畳み込んで来ない疑いが事実に変わり、自分(ハドラー)がバーンによって保護されていたも同然と知ってしまう。そうなって、番組上はもちろん、生まれて初めて心底悔しくて号泣してしまう。

 あそこは刺さりました。無念とはこういうことかと具体的に感じる瞬間でした。かつ、観ていて、おそらくハドラーはこの無念を糧にまた大成長すると確信できる瞬間でもあります。しかし(予習はさておき ^^;)、黒の核晶が至近距離で爆発しては、いかにバランが抑え込むとしても助かるわけがない(バランも決死でしょうし)。ハドラーはここからだ、と思えた途端に退場になると思うと、さらに無念です。

 もっとも、一縷の希望も(ハドラーのみならず、観ているこちらにも)与えられてますね。当初作戦ではハドラーの首を落としてから黒の核晶処理ということで、ハドラー絶命確実。しかし真魔剛竜剣に想定外のダメージがあったため失敗。しかし竜魔人化して続行ですから、ハドラーの始末→黒の核晶の処理となりそうでした。

 が、今話ではバランはハドラーの黒の核晶を抜き取る戦術に出てます。そのままバーンの魔力を遮断して、何かするつもりだったらしい。これはバランがハドラーを、おそらくはダイの影響もあってか、助けるつもりになったことと示唆するものと思います。ですので、「もしかするとハドラーはダイと共に助かるか?」という希望も持てなくはない。

 予習抜きですと、そんな風に「いかにすればハドラーが生き残れるか」と考え続けたんじゃないかと思います。なんとかこの後のハドラーを見てみたい、という気持ちですね。それくらいハドラーの号泣は重みと凄みがありました。

 そういうキャラクターのドラマが凄かったわけですが、じわじわと仕掛け的なことも明かされてきまして、そちらも大いに引き込まれる感じです。ミストバーンですね。(バランが抑え込んでいる状態での)黒の核晶の起爆はバーン自らでないと行えないはず。しかし正体を現したとはいえ、ミストバーンが代行できる。ということは、でバランが正体に気が付くと。

 予習抜きですと、自分は「あの老バーンはミストバーンの傀儡(くぐつ)で、ミストバーンこそラスボス」と思い込んだ可能性が高いです。勘違いではあるんですが、そこからキルバーンについても疑い出したはず。なにせ、直前にキルバーンが現れて、バランに胴斬りにされた件を蒸し返してますんで、思い出しやすい。あのとき、真っ二つのキルバーンを使い魔のピロロが復活させてるわけですよね。

 それはそれで「使い魔が主人を助けた」という風に受け取れるんですが、ミストバーンがバーンに従うふりをして実は黒幕、と思ってみると、「あれ、もしかしてキルバーンも本体はピロロ?」と連想的に疑い出したんじゃないかと思います。それが作者の狙いかどうは別ですけれども(^^;。

 しかし、この先に明かされる正体はもっと複雑なわけですな。ミストバーンとバーンの関係はもっと複雑だし、キルバーンは今話までで大問題の黒の核晶を持っており、ハドラーの黒の核晶を切り抜けたダイらを追いつめることになると。予備知識なしで追って行ったとしたら、真相が分かるごとに自分では思い至るはずがないと感心したはずです。それを既に今、実感してたりします。

 ともかく本編。ハドラー vs バランは竜魔人化してみると力の差は歴然みたいですね。それは戦い始めの描写でも察することができまして、動かないバランに対して踏み込んでは退きのハドラーという差が物語ってます。おおむね、格下が勝つには動き回らないといけませんから。

 ちょっとした演出なんでしょうけど、ハドラーがまるでパワードスーツ着て戦っているように見えまして興味深かった。スラスター吹かして姿勢制御したりするところですね。ザボエラの技術は物理学的な面も強いのかしらん。対するバランは翼なわけでして、ハドラー優位な点もありそうだと感じる演出です。

 しかし、そんな小手先では実力差は覆せないか。地獄の爪(ヘルズクロー)~超魔爆炎覇の全力もバランには効かない。しかもバランはハドラーから黒の核晶を抜き取る狙いで戦っていたわけですな。見事成功しましてバーンに一泡吹かせる。しかしハドラーにとっては絶望であるわけで、上述の通りの感銘を受けました。

 バーンが玉座から黒の核晶の起爆ができず、いよいよバーン自ら、というところでミストバーンが代わって出張ると。この時点では自分は「ミストバーンでも可能なのか」くらいに思ったんですが、正体(?)を現わしての起爆となる。バーン以外には起爆不能と知るバランはミストバーンの正体に気が付くわけですね。

 ミストバーンは出撃前にはハドラーのために迷うような様子がありまして、しかし現場に出向くと冷然とバーンの命令が第一とハドラーを切って捨てるような言いぐさ。ですが、これってミストバーンの最後の思いやりのような気もしました。

 ハドラーは知らないことですが(予習なしでは自分も知らない ^^;)、あれは身体的にはバーン本体なわけで。ミストバーンはハドラーにせめてもの手向けとして「あの世で、お前(ハドラー)に止めを刺したのは、お前を蘇らせた者だったと納得してくれ」と言いたかったのかもしれないと妄想をたくましくしております(^^;。

 ともかくもミストバーンが正体を現してまでの起爆はさすがのバランも防ぎ得ず、ついに大爆発。その場の3名がどうなったかは今話では描かれずで、自分に生じた印象は上述の通り、非常に重いものになってます。

 一方、地上部隊は既に地下のハドラー vs バランの戦いだけでも影響を受けてまして、両者のエネルギーのデカさが分かります。なにせ大地が揺れて、大きな地割れですから。ヒュンケルは黒の核晶とは分からないまでも、大きな異変と察知、足止めの戦いどころではなくなってくる。
(バーンパレス方向を気にするヒュンケルが、左裏拳であっさりヒムを吹っ飛ばすの、ちょっと笑った。手加減していた感が強いのはもとより、「これのどこが死にかけやねん」みたいな気もしまして(^^;。)

 離れた前線拠点でもメルルが大爆発のイメージを予知して恐慌状態になってますな。特にポップの死を予感したことが大きいみたい。なにせ「みんな」と「ポップ」が白い閃光に飲まれる、とか言ってますから。それはともかく北の勇者ノヴァですら慌てて部屋に飛び込んできまして、参謀格らの対応策案も脈絡がない感じ。

 その混乱を抑えるかのように、鎧着込んだ謎の女性が入ってくるわけですな。冷静沈着な感じで総員退避を指示する。顔は映りませんが、レオナの様子からするとカール王国女王フローラなんでしょうな。年齢はレオナよりずっと上で、アバン先生ともつながりが深いはずですね。この危機的状況で指揮権交代するとしたら、適任な感じです。

 そして黒の核晶の爆発が起き、しかしバーンの想定よりずっと低い威力だったらしい。それでもダイ側地上部隊はクロコダインのとっさの判断と行動で九死に一生でしたか。しかしハドラーの禁呪で生み出された親衛騎団は見当たらない。そうなるとハドラーが生存しているかどうか、分からないわけですね。いや、「ハドラーは死んだらしい」と受け取るべきか。

 ともかくもバーンパレスは浮上し、いったん上空に出たポップがその威容を目の当たりにしてショックを受けると。次回「受け継がれる心」はタイトルからして何が起こるかを物語っている感じです。予告映像ではバーンがいよいよ現れ、ダイの生存も確認できますね。が、バランとハドラーは姿を見せず。予告でも、肝心のところをきっちり隠して来てるなあと感心します。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/01 (Mon) 22:58:35

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第9話:カゲロウ暴走!五十嵐兄弟…崩壊!?)

 錯綜する情報を整理できないと悩んでましたら、「希望は語りつつも、予想はしない」というアドバイスを頂き、それもそうかと。前にも申した気がしますが、自分はどうも目が泳ぎがちです。放映済みのライダーですと、事前にある程度予習しておくと、最初から観て分かって面白いということがしばしばです。

 だもんで、新規作品でもできるだけ情報仕入れて理解して観てみよう、というのが半ば習い性になってました。が、分からないものは分からないのだとしておけばいいか。同時に、ライダーシリーズ視聴経験も少しは溜まってきましたんで、もう少し自分の目を信用してもいいかなあとも。

 それはともかく坂本浩一監督回ですな。次回もそうなんだそうですが、残念なことに1週お休み(駅伝でして、そういやこの時期はそんな感じだったっけ)。それでも、アクションの生身とCGの違いに興味が出てきましたんで、タイミングイイと大喜びで視聴しました。

 が、違うほうに目が行きまして(^^;。変身アクションでは「あれ、鎧武みたいになってる?」と。スーツが鎧武のような鎧型で(肩のイボイボとか特に)、刀のみならず弓矢まで使うバトルだし。アクションそのものを観ようとしても、つい「ああ、鎧武ではこんな感じだった」みたいな連想に注意が行ってしまいます。この感想書いてから、また観なおしてみるつもりです。

 まだありまして、ゲストのオレオレ詐欺グループの3人。念のため、ネット情報で確認しましたが、間違いなく戦隊シリーズから出演してくれてたんですね。坂本監督の招聘らしい。それぞれ、キラメイジャーの柿原瑞希役の西葉瑞希さん、キュウレンジャーのスパーダ/カジキイエローの榊原徹士さん、マジレンジャー:小津翼/マジイエローとゴーバスターズ:は陣マサト/ビートバスターの松本寛也さん。

 いずれも印象深いんですが、なぜか非戦隊戦士でサブキャラクターの柿原瑞希が最も強く思い浮かびます。調べ直すと、柿原瑞希はたった4話しか出てこない。それでも充瑠と強く関わりつつ、態度が180度変わる劇的なものですね。その印象の強さと、話数が少ないためにかえって思い出すエピソードが具体的になるため、連想が強く働くみたいです。

 そういうことも本編外の連想につい夢中になってしまう要因です。落ち着いてアクションシーン観なおさねば。

 それでもドラマ面で「おや?」と気が付くところもありました。カゲロウなんですが、少し見方を変える必要があるかもしれないと、今話になって思いました。兄:一輝に対する憎悪とか、五十嵐家を壊すとか言ってますが、どうも本心が別にあるような。

 まずカゲロウの大二に対する態度ですね。水面を鏡にして大二が現れまして(自らの意思でそうできたわけか)、カゲロウと会話になる。が、カゲロウが強く出ると大二は敬語になってしまい、とても弱気。そのときのカゲロウの反応が気になります。かなりイラっと来てる感じがあります。どうも「そこはムキになってでも言い返すところだろう」と言いたげな感じ。

 カゲロウの一輝に対する態度もちょっとおかしい。(公言した通りに)苦しめる、というよりは煽って自分と戦わせようと躍起になってる感じです。つまり「弟を気にして手加減するな、本気でかかってこい」みたいな。

 そうだとしますと、カゲロウは大二の心の闇から生まれたのだとしても、「兄:一輝と肩を並べたい」という競争心なのかなと思えます。なので、兄:一輝には自分と本気で戦わせようとし、大二に対しては引っ込み思案を叩き直そうとしている、みたいな。

 前話のカゲロウの台詞「優しい弟のふりも今日で終わりだ」も、もしかすると裏の意味(大二は一皮むける、とか)があるのかもしれない。大二はいずれライダーになって欲しいと自分は思ってますんで、大二が弱い己に勝つ流れを期待してたりします。
(さらに言えば、そのときカゲロウはバイスのような悪魔バディになって欲しいとも。)

 ともかく本編。冒頭からは「しあわせ湯」に戻って善後策を練る一輝らですね。そこへバイスが口出ししまして、大二が悪魔カゲロウに乗っ取られていることを教える(またもや自分は狩崎の差し金かと疑ってます ^^;)。これは楔となって効いてくるかもしれませんが、とりあえずは母:幸実の明るさで気を取り直すと。ただ、さくらはまたもや暗い顔を一瞬見せまして、ちょっと気になる(依然としてデッドマンズのターゲット:もう1つのアキレス腱のはずだし)。

 一方、カゲロウは相変わらずデッドマンズ幹部を軽視しつつ、独自行動起こしてますね。オレオレ詐欺グループの3人を制圧、ブラキオ・デッドマンを作ると。フェニックスでは大二と思われているカゲロウ/エビルの殲滅を決定、尻込みする一輝に対し、門田ヒロミは積極的ですね。兄と上司の差が出てるんだろうか。

 が、ブラキオ・デッドマン出現で話は中断。門田ヒロミらは出撃、残った狩崎と若林指令が意味深な会話してまして、何か裏がありそう。誰が何をどこまで知ってるんだか。ともかくも現場に急行、同じく駆けつけた一輝らと迎撃を開始する。

 バトルアクションをよく観てなかったと申しましたが、少しだけ気が付く点もありました。変身前のアクションも重視し、かつ回って飛び蹴るで見栄えを出してますね(その他でも小ジャンプをカッコよく使ってる)。変身前のアクションをなぜ入れたんだろうと考えてみると、もしかするとさくらの空手があるからなのかも。かなり見栄えのする組手とかしてます。それとバランスを取って、一輝らにも映える生身アクションしてもらってるのかも。

 それはともかく大二に見えるカゲロウが現れまして、バイスがしんがりとなって一輝/リバイを追わせる。この直前からバイスは「ダイジ」が入るダジャレ連発してるのがちょっと気になります。一輝も反応してまして、もしかするとバイスはカゲロウが現れるのを知ってたのかも(で、狩崎の差し金を自分は疑ってたりする ^^;)。

 カゲロウを追うのは一輝/リバイだけでなく門田ヒロミ/デモンズもでして、両者は大二/カゲロウへの対応を巡って対立。が、敵勢多数襲来でそれどころではなく、バトル突入となり撃退はするものの、カゲロウ/大二は逃げ去ったみたいですね。

 上述しましたが、今話のリバイのカマキリゲノムは鎧武を思わせるものがあります。今までのも、例えばジャッカルゲノムはエグゼイド風とかあったわけですが、見てすぐはっきりモチーフを意識したのは今回が初めての気がします。

 一輝は「しあわせ湯」に戻るわけですが、なぜかカゲロウ/大二をエビルにした狩崎交えて作戦会議となりまして、フェニックスの方針がエビルを敵と認定、殲滅に決まったと伝えられる。これに怒ったのがさくらですね。相当にキレてまして、バイスが「お前の中にも悪魔がいるかもよ」と揶揄されるほど。

 一方、カゲロウ。詐欺グループが震え上がるほど締め上げて、さらに悪事をさせようとしてますが、ようやく大二が水面を鏡として介入。ですが、上述の通り、カゲロウがすごむと大二はヘタレてしまう。カゲロウに不満げな様子が見えまして、上述の通りに感じました。このときカゲロウが言った「なんだ、その口のきき方は」は、もしかすると一輝が以前に大二に言ったことがあるんじゃなかろうか。

 さあどうなるか、と思ったんですが、いったん五十嵐家の日常シーン。空手道場のさくらに牛島家の光が接近するのが気になりますが、さくらが「強くなっても幸せになれない」旨の愚痴がちょっと気になります。過去の小事件も回想されまして、大二が行方不明になり、一輝が発見したことがあったわけでしたか。父:元太の「大二がビビりで動かなかったのが良かった」という述懐は大二を救うヒントとなるかも。

 カゲロウは再びブラキオ・デッドマンを使って騒ぎを起こしまして、まず門田ヒロミ/デモンズが急行して迎え撃つも、カゲロウのターゲットは一輝。ようやく一輝が到着、リバイで迎撃に入りますが、カゲロウから大二を救いたくて戦いに専心できない様子。これがおそらくカゲロウの気に障りまして「お兄様」などと煽りに煽る。

 変身してのバトルとなりますが、やはり一輝/リバイはエビルに呼びかけるばかり。おそらくしびれを切らしたカゲロウ/エビルは大二の真相(と称する話)をしまして、幼少時より劣等感を克服しようとしていたものの、第1回の変身のことで決定的に絶望したと。これで一輝/リバイを本気にさせ、さらにカゲロウ/エビルは自分を倒さねば大二は戻らないと煽り、ブチ切れた一輝/リバイは本気のキックを、というところで続くのか。

 たぶんこれがカゲロウの狙いであり、もしかすると大二が自分も意識しない心の内で望んでいることなのかも(兄に追い付き、追い越したい、とか)。次回「兄と弟、信じる心」ではカゲロウ/エビルとの決着がつきそうな感じですが、しかしさくらにアギレラが接近して、別の危機が起きそう。これで1週お休みはちょっときついなあ(^^;。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/02 (Tue) 00:02:11

 青天を今回は見逃してしまいました。
 理由は、選挙速報で時間帯が変わったことに気づかず、8時前にTVをオンしたら、番組終わりに西郷と大久保が亡くなったことにまつわる歴史解説が。

 まあ、土曜昼の再放送を見ることにします。

★ダイ大

 バランVSハドラーの盛り上がりから急転直下、大魔王バーンが次回、いよいよ出陣となります。

 今回は、バーン様に裏切られていたハドラーの涙目から、いよいよ訣別の流れ。

 一方で、ヒムがギャグキャラ化し始める兆しが。まあ、親衛騎団もハドラーに従い、それぞれが漢気、あるいは健気さを見せて、親しみやすさを高めていく頃合いですね。

 それに対して、冷酷なバーンと、キル&ミストが脅威を見せつける流れです。

★リバイス

 来週は休みですが、その後、evil→liveに反転するそうです。

 エビルのデザイン、2号ライダーにしては地味かな、と思ったのですが、ここから光サイドに化けて、派手なカラーリングになりますね(次回予告に移ったのがそれ)。

 一方で、今回、妹のさくらの中の悪魔も、バイスが言及しましたな。
 弟の事件が解決したら、やはり妹の方もライダーになるのかな。OPを見てると、妹のアクションシーンも強調されていますし、年末はそういうドラマで締めるのかな。

 何にせよ、今作は、どのキャラもいつ暴走しても納得できる展開ですし、人の心の光と闇にきちんと向き合う物語ですね。

 逆に言えば、例の3バカも、将来は味方になる可能性がある? まあ、彼女らの崇めるギフ様がどんな存在かにもよるのですが。
 ラスボスなのか、それともクールボスなのか。

 ギフ様が復活したと思ったら、ただの前座の可能性もありますな。
 最近は、年末年始や、年度明けに、ガラッと陣営カラーが変わるのが定番ですし。

 それこそ、実はフェニックスの方が、悪の親玉組織になる可能性も否めませんし。

 この段階では、どうとでも転ぶことは、十分考えられますな。

★勇者シリーズ

 興味を持っていただいて、何よりです。

 ジェイデッカーについては、現在スパロボで旬なのもありますが、週2話で配信されているのも大きいですね。
 流れとしては、6話以降でビルドチームの3人の主役回を経て、3体合体ビルドタイガーになる感動エピソード(人間との絆を守りたいって心が合体を成功させる)。
 その後、新たな仲間の忍者刑事シャドウ丸の加入エピソードが終わったところで、

 この後、ビルドチームの後輩ドリルボーイや、ジェイデッカーの武器になる白バイ刑事ガンマックスなど、個性的な刑事ロボットが次々と登場して、彼らの加入時にトラブルがあって、それを克服する話が重なります。

 一方、敵側も犯罪者の影で蠢くレギュラー悪が登場して、悪の超AIロボが活動する流れで、この辺は戦隊のデカレンジャーやライダーのドライブ、またゼロワンに通じる「人とロボットの心の関係」のプロトタイプアニメかな、と思います。
 時期的には、ターミネーター2で、少年と学習する人工知能ロボの関係性が旬だった時期でもありますね。

 ロボットの心は不完全である。では、人間の心は完全だと言えるのか? というテーマを真正面から扱った作品で、かつ刑事ドラマその他のパロディー要素も多くて、クスッと笑える回も。

 4話の仕事人ムッシュー・モンドーって名前だけで笑えました。キャラは全然違うんですけどね。

 そしてシリアス傑作は、「デッカード殉職」から続く一連の連続ドラマ。
 この辺は、ドライブもそうですが、後から復活すると分かっていても、悲壮な話から、どのような燃える復活ドラマが描かれるか、ハラハラドキドキしながら見ていた次第。

 勇者シリーズって、登場ロボが多いので、1号ロボが大破した後、その代役となる2号ロボが登場して、しばらく活躍。やがて、1号ロボが修理されたりして復活、両者がグレート合体する伝統が中盤であるわけですが、
 ジェイデッカーの場合、復活が簡単に行かない。たぶん、勇者ロボの中で、一番、復活までのドラマの起伏が荒れまくった作品ですね。

 なお、ゲームでは、ドリルボーイとガンマックスまで登場して、グリッドマンとのコラボでパワーアップした段階です。
 うん、現在のヒーロー風ロボットの演出には、勇者シリーズの影響を受けたものが多いので(特に両手剣やら大型キャノンを構えたポーズの付け方とか)、スーパーロボット史には欠かせないシリーズかと。

 う〜ん、ここぞとばかりに勇者推ししてるなあ、自分(苦笑)。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/03 (Wed) 17:13:05

 定期感想その3です。

 青天の見逃し、痛恨でしたね。土曜昼に再放映があるのがせめてもの救いでしょうか。自分の感想もタイミングを合わせるほうが、無知ゆえの間違いとか知りやすいので、土曜再放映後にしようと思います。それでも少しだけ感想を言うと、「いい感じに仕切り直しで、ここまでが納得出来て、次からが期待できる」という感じです。録画機の次回分説明では配役に北大路欣也さんのお名前がありまして、家康公解説も楽しみの1つです。

 などと言っておりますが、自分のほうも問題発生しておりまして。録画機が壊れました。といっても、今のところは全面的ではなく、BSがちゃんと入らないというもの。TVのほうは問題なしで、録画機のBSのチューナーが壊れたらしい(そこから次第に故障部分が拡大しそう)。

 BSは今期はどうしても録画しておきたいというほどのものはなく、一応観ておきたいものだとリアルタイム視聴できる時間帯です。が、例えば牙狼の新作(や自分が未見分の再放送)が来るとしたらBSでしょうから、放置はしておれず。通販でHDDレコーダーを注文しました(こういうものの通例で同程度スペックだと大幅に安くなってる)。

●境界戦機(第5話:決意)

 またもや支配層の不快横暴が描かれたんですが、世界観が飲み込めて来まして、第1話のような嫌な感じを受けずでした。4大勢力の事実上の分割統治ではあるんですが、国会(立法)が曲がりなりにも開かれていたように、今話では「告訴する」の台詞等から司法も一応は機能している様子。前に警官が描写されてましたから行政も一応は機能しているといえそう。そうだからこそ、市民生活も一応は営めているという感じですね(具体的には、例えばお好み焼き屋の店内は平静な感じだったし)。

 市民によるデモのような抗議活動も行ったりできてる。それでいて暴君的な支配があるのは、たぶん軍だからなんでしょうな。告訴する、に対しては軍事法廷の権を握っていれば先手を打ってしまえる。もっとも、今話の描写くらいの搾取、暴力ですともっと荒廃した状況でしょうし、レジスタンス勢力ももっと拡大していそう。

 そうでないのは、建前上は暴政をしないことになってるからなんだろう(ただしレジスタンスはテロリスト扱いなので別)。今話の「お代官様」もやってることがバレたら処分確定だったみたいですし。制服組トップらしき人物が決定してましたが、もしかすると文官が武官の規律を保たせているのかもしれません。それで、市民はレジスタンスに好意的でも表立っては反抗しない、という態度になってるのかなと思います。

 主人公の年齢も必然性あるというか、周囲からの扱いが納得できるものになってますね。16歳の子供が成り行きでテロリスト認定されたり、レジスタンスと関わって戦った、頼る先がない、となれば大人としては放っておけない。子供が自分(大人)がしたくてもできないことをやった、となれば世話を焼きたくなるのも自然です。

 そうしていく先々で半ば保護される主人公という、うまい流れを作れてますね。主人公も恩に着るタイプなので、さらにうまくいくと。その代わり、流されやすいということはあるかも。しかし、それゆえに前話でレジスタンスと決別したものの、苦しむ恩人を見捨てておけずにアメイン:ケンブを呼び出し、レジスタンスに復帰というのが自然に見えます。第3話で第1話から振り返ってみて、上手い運びだなと思ったんですが、今話もそう感じるものがありました。

 ともかく本編。アモウはいくばくかの金はあったらしく、おそらく公共交通機関でリサの故郷にたどり着き、コンビニで買い物もできてますな(社会が機能的には維持されているとも分かる描写)。が、尖がり耳の「少佐」=総督府代理が暴政を敷いているわけですな。恣意的に市民を反政府認定で処刑して上層部へ功績と報告したり、一部はこっそり人身売買しているらしい。

 時代劇なら、水戸黄門などでよく見る「悪代官」といったところ。最後に懲らしめられるところまで同じです。昔のロボットアニメでは「最強ロボ ダイオージャ」で翻案されたりするほどの人気定番でしょうか。もっとも今話ではアモウ(のガイ)が捜査して証拠を突きつけてますんで、「遠山の金さん」みたいともいえそうです。

 それはともかく(^^;、リサの故郷にたどり着いたアモウ、リサについて尋ねようとしますが、最初は避けられてますね。よそ者と関わるのは危ない情勢ということなんだろう。が、小さい子はそんなことお構いなし。「リサちゃんのお友達?」と話しかけてきたことから、アモウがリサの遺品を持つ者と知られ、こっそりお好み焼き屋に連れていかれる(あれって支配層に敵対意識持つ人のアジトにもなってるのかなあ)。

 アモウを連れて行く男やお好み焼き屋の面々はリサと親しい人らしい。レジスタンスとして戦っているということも知ってるようですね。アモウが遺品を見せると非常に悲しむほど近しいようで、リサの人柄が偲ばれる描写ですな。たぶん、レジスタンスだから、ではない。語られるエピソードなどは、リサが元気で街にいた頃のことばかりですから。

 墓参りしたいというアモウに、お好み焼きや店主が泊っていけと。これはリサと親しくなったアモウだからだけでなく、上述の通り、16歳の子供だからということも大きいんだろう。みんなで無理にでも保護するぞ、という気持ちがよく表れています。

 が、アモウをお好み焼き屋まで連れてきた親子(能勢)に異変。「少佐」に捕まってしまうわけですな。人身売買のターゲットらしい。翌日に行方不明がお好み焼き屋の面々に知れ渡り、「少佐」(総督府代理)の仕業ではないかと疑う。

 それならもう連れ去られたか、となりそうですが、ガイがネットか軍事用通信網に潜り込んで調査。軍用車両は一切街の外に出ていない、ということで助け出す希望はあると。
(このシーンでガイが買い物記録調べた結果言ったり、クレジットカード使用歴も調べられると言ってまして、やはり市民生活はかなりの程度、保たれていると窺えます。)

 市民は抗議活動に打って出ますが、「少佐」は強権発動で逮捕、反政府勢力として処刑すると。これがお好み焼き屋の面々に伝わり、店主はアモウを危ないからと逃がしてやる。こうなると恩に着る性分のアモウは逃げることはもうできないわけですな。確か、これで三度目の正直、ということになるかしらん。

 ガイがアモウの願いに応えまして、ケンブを召喚して武力制圧、「少佐」の悪事の証拠も世間に公表しまして一気にカタが付く。ケンブはゴーストにこそ劣勢でしたが、並みのアメインからは突出していることが確認できた気がします。それと上述しましたが、建前上は市民の最低限の人権は守る統治であるらしいこととかも。そのことは主人公の最終的な勝利条件に関わってきそう。

 ともかくも主人公はもはや行くも戻るもできず、リサの実家の墓にペンダント備えたらレジスタンス復帰ですか。ガシンは予期していたのか、それともケンブが飛び去って理解したのか、戻ってきたアモウを当然のように迎えてますね。ガシンは次の仲間になるはずの紫々部シオンについても知らされているらしい。シオンは陶芸がうまく行くと嬉しそうに笑いますが、薙刀の達人でもあるらしい(たぶん武道の顔は怖いんだろう ^^;)。ED映像では茶道や華道のカットもありまして、かなり和風要素を意識しているみたいですね(世界設定からすると当然かな?)。

 一方、北米同盟のブラッド・ワット大尉はウキウキで専用アメイン:ブレイディハウンド仕上げてまして(組み立ては開発局だけど設計は大尉のはず)、自らケンブやゴーストを倒すつもりらしい。番組シリーズは異なりますが、最もビルドファイターズしてるのがこのブラッド大尉な気がします(^^;。

 次回「旅路」ではアモウとガシンのコンビ復活で、そこへ新メンバー:シオンが加わる流れ、でいいのかな。悪そうな軍人のカットもありましたが、バトルマニアのようでもある。たぶん今話と同じ趣向はしないと期待します。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/04 (Thu) 18:19:27

 定期感想その4です。

●ルパン三世 PART6(第2話:探偵と悪党)

 先週分で勘違いしてまして、峰不二子についてです。独自行動だと思い込んでしまったんですが、ルパン一味として動いていたらしい。最初から一緒にやっている場合、パターンとしては後で裏切るのが峰不二子だと思うんですが、PART5でラストでルパンが不二子にだけ素顔を見せた(らしい)描写がありました。あれで何か変化が起きたかな? PART4以降は一応の連続性があるみたいなんで、影響の有無に興味が出てきました。

 今週は大塚明夫さんの次元大介の台詞がきちんとありまして、キャラクターと声のマッチはよさそう。なのですが、どうも自分は反応が遅れてしまってます。次元(大塚さん)が喋ってから、一瞬「えっと、この声は」と思ってしまい、それから「あ、次元だ」と認識です(特に銭形警部と喋ってると混乱しやすいみたい)。慣れるまでちょっとかかるかも。

 リリー・ワトソンについて、少しずつ状況が明らかになって来まして、記憶喪失と。ただし10年前の事件に関することだけらしい。前話でルパンを見てショックを受けていましたが、覚えているわけじゃなかったんですか。なんか分からないけどヤバい、みたいな感じかな。今話ラストで少し思い出しまして、父:ジョン・H・ワトソンが血を流しているそばに銃を持つルパンを見たらしい。

 ホームズはリリーが父の死の真相を知ってしまうことを危惧してるようにも見えます(その重みに耐えられない、みたいなことかも)。が、英国女王より影響力が強い「レイブン」のお宝が争奪の対象になってます。リリーの記憶とお宝が別々のドラマで別々に解決するとは、ちょっと思いにくい。たぶんリリーの記憶にお宝入手のカギがあるといったことなのかなと予想します。

 ホームズについては、キャラクター造形こそ原作のイメージと大幅に異なるものの、原作設定はオマージュとして取り入れられ、大事にされてる感じですね。スコットランドヤードのレストレード警部、下宿先の家主ハドソン(夫人)以外にも、キャラクターの名前がかなりホームズ原作から取り入れられているみたい。

 さらにホームズ自身についても武術「バリツ」の達人とか、イギリス各地の土壌サンプルを豊富に持ってるとか、原作の設定を熱心に取り入れてくれていすな。自分はシャーロック・ホームズシリーズを通読したことがあるだけですが、なかなかと感じます。さらに次元の銃撃をかわすなんて神業見せたり、不二子を助けて好意を持たれたり、かなりホームズを持ち上げている感じありです。熱心なホームズファン(シャーロキアン)は喜んでくれてるんじゃなかろうか。

 ともかく本編。序盤のせいか、とにかく追っかけっこみたいな感じかな。その追いかけっこが次第にルパンとホームズに集中していく感じです。冒頭ではPART2以来の名物、追いかける銭形を華麗にかわすルパン、といったところ。
(ブルーバードのパトカー、通称銭ブルを使ってるのはリスペクトなのかな。「カリオストロの城」では作中年代の裏設定では、本当にあのブルーバードが現役だった頃だと、最近になって知りました。)

 一方、ショックで気を失ったリリーを連れたホームズはレストレード警部のもとへ。リリーを預けてルパンに対処するつもりらしい。ホームズとしてはルパン出現は想定外だったようですが、レストレード警部は不二子の潜入、争奪の対象が映画ポスター等々を把握してまして、ある程度状況を整理できているらしい。が、最重要はリリーの記憶みたいですね。記憶が戻ると、何かマズいことがあるみたい。ホームズはレストレード警部にだけは全て知らせてあるみたいで、このPART6ではレストレードはホームズの盟友といった立ち位置の感じですね。

 ルパンらはアジトで協議ですが、視聴者向けの情報開示と整理なんでしょうな。ホームズが特別な探偵(諮問探偵なる架空の職種で原作通りのはず)、敵組織(?)レイブンの由来と現状(ほぼ分かってないですが)などなど。このシーンでポスターの映画を再生してましたがVHSですね。一瞬「あれ、時代設定は昔?」と思いそうになりましたが、DVD化とかされてない古い不人気作ということなんだろう。

 このシーンで最も大事な情報は、「10年前の事件でジョン・H・ワトソンが死亡、ホームズは引退した」ということかな。それについてはリリーが部分的に記憶を取り戻す流れなわけですね。倒れているワトソンの横に銃を持って立つルパンで、以前は夢には見るけどルパンの顔は見えてないという程度だったらしい。

 戻りつつある記憶に不安を覚えるリリーを宥めたホームズは、ルパンに向かうわけですな。まず五ェ門が迎え撃ちますが、ホームズは反射光で目くらましして制圧、続いて次元が銃撃するも、軽くかわして隠れる。段違いの戦闘力に見えますが、地の利はホームズに不利らしく、逃走しちゃうんですか。そこからバイクで追っかけっこですが、建造放棄らしい廃ビルに逃げ込むと。

 そこでのホームズの行動はちょっと不可解でして、バイクから放り出された不二子を救うも、胸にこれ見よがしに刺したポスターには手を付けない。ルパン側はホームズがポスター狙いと踏んだようですが、何か別の狙いだったみたいですね。助けられ、ポスターを奪われなかった不二子、ちょっとホームズに好意持ったらしく、後々で効いてくるかな?

 廃ビルではルパンが待ち構えてまして、ホームズがさっき見せた反射光の目くらましを使う。両者に何らかの共通点がある暗示かも。たぶん10年前のいきさつで、会話内容もそのことですな。やはりリリーに記憶を失わせるほどの何かがあって、ルパンは去ったらしい。が、偶然か必然か、舞い戻ってきたわけか。が、ホームズはここでケリをつけるつもりはないようで、銭形警部らを乱入させて水入りに。

 ラストはリリーの悪夢で、繰り返し見た人物の顔が見え、ルパンと分る。一方、アルベールも入院中にも関わらず事態を追っていて、というところで続くのか。

 次回は「大陸横断鉄道(嘘)の冒険」なるタイトルで、脚本が辻真先さんに交代ですか。複数脚本家体制みたいですね。今話のラストからどう大陸横断鉄道につなげるのやら。しかも「嘘」らしいし。

●勇者警察ジェイデッカー

 第1~5話が面白かったんで、ネット放映中の13~14話も観てみました。単独でもなかなか面白い印象だったんですが、偶然に今の他作品で疑問に思ったシーンに答えを出してくれたような気がして、さらに興味深かったです。

 他作品はこちらで前にちょこっと言及しました「月とライカと吸血鬼」です。60年代風の世界で吸血鬼の少女(異種族扱い)を宇宙飛行士として月到達を目指す話。主人公は吸血鬼少女の教官ポジションですが、最初は吸血鬼だからと怖がるものの、次第に惹かれていくと。

 その途上で、負傷した吸血鬼少女の血がが赤いのを見て、自分たち(人間)と同じだと安心するシーンがあるんです。が、それは自分的には「?」でして、要は「血の色に何の意味があるん?」となりまして。もっとも序盤ですから、もしかするとそれは偽の解決とでも言うべきもので、この先に真の試練と克服があるのかもしれませんが。

 しかし、もやもやしてました。そこへジェイデッカー13話を観まして、真っ向から否定するような燃える展開を観たわけでして。悪党から勇太らを庇って倒れたデッカードに対し、悪党は「そいつの流しているのは血じゃない、汚いオイルだ」と言う。しかし勇太、それがどうした、デッカードは友達であり家族だと真っ向から言い返すわけですね。第1話から「心」がテーマでしたから、まさに期待通りの台詞です。

 さらに追加の納得ありまして、次の第14話です。デッカードらにあずきらがクッキーを焼いて贈る、ちょっとコミカルなシーンがありました。さすがにロボットがクッキー食べられない(もし食べる真似はできても味とか分からない)わけですが、勇太の家族らもデッカードたちに感情移入が深いことが窺えます(過度ともいえるんですが ^^;)。

 人間かどうか、みたいなことを超えたチームワークの礎って、こういうことなんだろうなという印象です。気持ち以外は気にする必要なし、みたいなことですね。

「月とライカと吸血鬼」の血の色のエピソードは、観ていてモヤモヤはするものの、ではどうしたらということは思いつきませんでした(この先、どうにかするんだろう、くらい)。そしたらジェイデッカーであり得る答えの1つを見た思いがしたわけで、ちょっとすっきりした気分です。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/06 (Sat) 17:50:01

 定期感想その5です。

●青天を衝け(第33話:論語と算盤)

 残り2か月を切りまして、この物語での最終ステージへ向けて整理されたような回でした。具体的には西郷隆盛、大久保利通が死亡退場。第一国立銀行では小野組が倒産して退場、三井組は三野村利左衛門が退けられるも、念願を果たしつつ天寿で退場と。

 大隈重信は健在ながらどの勢力とも距離を置く感じになり、ラスボスと思しき三菱の岩崎弥太郎がぐっと頭をもたげてくる感じです。来週はいよいよ栄一と弥太郎が直接対峙するみたいですね。これに五代才助/友厚がどう絡むかはちょっと予想しにくい感じ。

 各キャラクターは強い印象残してまして、まず大久保利通をあげるべきか。前話まででは栄一と対立する巨頭という感じでしたから。それが今話で急転するわけですな。こちらで伺ったところでは、栄一の大久保に対する評価は高くなく、器の大きさを褒めてはいるけれど、栄一に対して事細かに拘ってしまっていたと。

 史実はそうだとしまして、しかし死んでしまってはドラマに関われない。今話では花を持たせて送り出した感じです。そのほうがドラマの栄一としても心残りとか後腐れとかなくてスッキリしそうです。

 が、いったん衝突させておいてから和解させるという段取りがなかなかのものです。それも大久保利通と栄一を直接ではなく、大隈重信を介する形ですね。小野、三井に対して借金の抵当を大隈重信が表立って求め、栄一との対立構図を作る。実際、大隈邸で怒鳴り合いの大喧嘩するわけで。

 そこで蚕卵紙の談合(?)問題が起きるも、条約上、政府が直接統制に乗り出すわけにいかない。白羽の矢が立つとしたら栄一なわけですが、大隈は意地でも栄一に頭を下げる気はない。となると大久保利通が栄一を説得せざるを得ない。という自然な流れができて、大久保がついに栄一に「味方になってくれんか」と。

 形としては頭こそ下げませんでしたが、実質的、意味的に威儀を正して今までを謝したと受け取れます。栄一の求め通りの予算も回したようですし。この頼みを受けた栄一の頑張りが、大久保に対する答えになってます。そしてその陰では五代が動いての、大久保の変化でもあると。

 そうしておいて、さらっと大久保利通襲撃暗殺が伝えられる。こうなると「邪魔者がいなくなった」みたいな感じが全くないですね。前に改正掛解散を命じた大久保のイメージから殺害退場になってたら、また違ってたんでしょうけど、今話の描き方だと「惜しい人を失くした」印象です。たぶん「ここから栄一の味方になるかも」という期待を生じさせておいての退場だからでしょう。

 第一国立銀行内では、ついに三井組の三野村利左衛門が牙をむくわけですな。小野組倒産により一極化しまして、それなら栄一のコントロールも排除しようと小野組の旧資産を渡せと迫る(といっても強奪ではなく、たぶん合法な買取でしょう)。これは栄一が国の監査を受けるという手に出て阻止できたわけですが、大隈重信の立ち位置の調整にうまく働いてます。

 なにせ三井組の影響力を排除したうえで、栄一を頭取に任命したわけで。いったん大喧嘩で離れておいて、ちょっと近づく。しかし、政府に従順でない旧豪商の影響力を除くという、岩崎弥太郎と図っての上でのことでもありますんで、また栄一の側に戻ってきたわけでもない。この点、死亡退場の大久保のようにはすっきりとは描かない点、この先も大隈が動きを見せる期待が高まります。

 第一国立銀行から放逐された格好の三野村利左衛門も有終の美が与えられまして、惜しまれる退場を見せてくれました。またもや渋沢邸に乗り込んできてますが、すっかり好々爺としています。前も子供にはなつかれてましたが、故小栗忠順の子を養っていると明かされるわけですね。もともと子供を大事にする性分であったらしい。

 さらに小栗忠順に引き立てられたという三野村利左衛門の過去も明かされまして、栄一とのつながりが見えてくるわけですね。両者とも小栗忠順の志と計画には畏敬するものがあり、ある意味、2人とも別ルートで小栗の遺志を実現させようとしていたともいえそうです。

 そして三野村利左衛門は第一国立銀行乗っ取り(買収?)は果たせぬながら、おそらくはそのために用意した資金で私立の三井銀行を創設、志を遂げると。そこまで行けた利左衛門が気づいたのが、金を重んじすぎる世の中にしてしまったかもしれないという危惧だったわけですね。一生懸命やってきたけど、肩の力が抜けて眺めてみる境地に至ったらしい。

 なんだか「お疲れさまでした」と言いたくなる感じです。そういう利左衛門だからこそ、最後にナレーションで「さーて、どんな世の中になりますか」が決まりますな。これを次回の家康公が解説で引き継いでくれるかどうか、なかなか気になります。

 西郷隆盛は報道で死亡が知らされるのみですね。征韓論などでの政争もカット。こうなると、前に栄一を酒を酌み交わしたときの好印象のまま、いなくなった感じがします。例えば西南戦争について、詳しく描くべきではないんでしょうな。視点次第で西郷の評価は異なるみたいですし、ドラマ上で強調されたのが三菱の岩崎弥太郎が軍需で大儲けしたことでしたし。

 徳川慶喜は「既に引退した人なんだ」という点が強調された感じです。栄一が政府絡みのことを言っても反応が鈍い。妻の美賀子は慶喜が未だ狙われ、心休まる暇がない様子と栄一にこぼす。平岡円四郎の妻:やすが訪ねてきたのは、それを象徴する描写なんでしょうな。しかし、そのやすもすっかり慶喜邸で子供たちとなじんでる。慶喜は栄一の子供の話になると興味を示す、ということで、この後の慶喜がどう生きていくかが暗示された印象がありました。

 栄一もなかなかのものでしたね。銀行を監査にかける勝負手は大隈の采配という運次第でもある流れで起死回生でしたが、蚕卵紙談合に対しては違いました。政府資金を回してもらっての買取と焼き捨て。第2の権力とも言われるメディア、当時は新聞を味方につけまして、積極的に動いて完勝でした。

 喜作が言う「俺たちの焼き討ち」が、スパイラルに一周回ったことを示してますね。あっちこっちブレながら、初志に戻って来て、本番はこれからだ感があります。ライダーを久々に思い出した自分的には「メテオとビルドががっちり手を組んだ」であったりしまして、なかなか燃える展開でした。

 そういう感じで、いろいろ人物的に印象深かったんですが、自分的に最大の印象を残したのが、小野組の小野善右衛門だったりします(^^;。今話でも実に情けない言動、行動でして、小野組同僚の古河市兵衛が抵当を政府に取られるくらいなら、世話になった栄一の銀行、さらに市井の人に返すと全資産まとめてきますと、小野善右衛門は「嫌や嫌や」と。

 古河市兵衛は小野組はもうお終いなんだと言い放って引導渡そうとしますが、善右衛門はなおも債権に取りすがって泣く。自分にもさすがにこの場のヒーローが古河市兵衛だと分かります。後の古河グループの始祖だけのことはあるともいえます。一方、小野組の放漫経営と言われるのは、場面の雰囲気的にも善右衛門のせいと感じられます。

 それはよーく分かるんだけど、でもねえ、という感じがしてしまうんです。どうも自分は善右衛門のようなキャラクターに弱いらしい。弱みも欠点もある人物ですね。これまで小野善右衛門はあまり詳しくは描かれてきませんでした。三野村利左衛門の当て馬、栄一の噛ませ犬といったところでしょうか。

 ですので、どういう人物像かは実質、今話で描かれたのみかもしれません。それがあの情けない、資産に取りすがって泣く姿なわけで。横には毅然として破綻を受け入れる古河市兵衛がいるだけに、余計にヘタレ具合が目立ちます。それだけに自分には深く刺さったようです。

 シーンだけからの自分の想像ですけど、小野善右衛門はこれまで赤字出し続けて政府に肩入れしてきたはずです(三野村利左衛門が前に栄一に言っていたことでもある)。赤字で事業拡大し続けたのは、いつか黒字転換すると信じているから。それが銀行設立成って、ようやく好機到来と思ったら担保問題で破綻させられる。これは悔しかったろうと思います。

 少し調べてみますと、小野組は維新の動乱を新政府側に立って機に手を広げ、破綻直前には三井組より事業を拡大していたようです(事実上のトップは小野善右衛門らしい)。莫大な投資をしつつ、リターンは少なかったでしょうな。おそらくそれが劇中で言われる「放漫経営」だったのかも。倒産した、という事実から逆算しての評価かもしれません。担保問題が発生せず、事業継続出来ていたら三井組より大きな財閥に成長したかもしれません。

 それがポッキリ折られたのが今話というわけで、小野善右衛門の無念と執着がよく分かる気が(さらに)しました。こういう成功直前での破滅って、自分的には刺さりやすいツボです。

 各人物の印象を書いていたら、ストーリーを追っての感想は意味なくなってしまいました(^^;。今話タイトルの「論語と算盤」は渋沢栄一の生涯かけたテーマとのことで、これから両立が観られるのかな。孔子流発達段階的に、今の栄一が「不惑」か「天命」か、気になります(さすがに「立つ」は卒業だろうし、「耳順う」はまだだろうし)。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/08 (Mon) 00:12:58

 青天の土日2話分の感想を中心に。

★青天(土曜視聴分)

 前回は、銀行経営に苦労する話が中心。

 小野組の破綻により、第一国立銀行がピンチのところを三井の三野村さんが乗っ取りに掛かるのを、大隈さんの裁定で助かる形。

 この大隈さんは栄一が官から民に転向して政府批判を行なったことで、敵対関係になったわけですが、そこに協力者となったのが三菱の岩崎弥太郎。
 政商となった岩崎と、合本主義の栄一と、民間の力でトップに立とうとする三井の三野村の三つ巴の対決が描かれた形ですね。

 その結果、岩崎と手を組んだ大隈さんは、三井落としのために栄一に有利な裁定をする。第一国立銀行の設立には自分も関わったから、という理由で、この辺の駆け引きが単純な勧善懲悪ではないドラマの面白さだな、と。

 一方、栄一の敵として描かれた大久保さんですが、五代との会話で「弱みを見せないから味方が増えない。味方が増えないと、国家を引っ張れない」というアドバイスを受けて、最後に栄一と和解する形になります。

 この辺は大隈さんの方が、感情的、情緒を持ち込んで、「自分がいかに苦労してるか」をさらけ出して、自己正当化の弁とするわけで、駆け引き達者になるのかな。
 大久保さんは居丈高に上から押さえつける形だったのが、「自分には経済がよく分からん。国家のために助けてくれないか」と頼む形。

 そして、蚕卵紙の値崩れを防ぐために、政府が買い取って焼き捨てることで、外国商人による買い叩きを抑え込む流れ。
 これが喜作曰く、「十年越しの横浜焼き討ち」という形で、死んでいった志士たちへの供養にもなる演出。

 一方で、栄一の対立相手だった三野村さんも子ども好きの好々爺の顔を見せたり、栄一も世話になった小栗さんの志を継ぐことが分かって、立場や主張で対立することはあっても、根本的な志で通じるものがあったことが明かされますな。
 栄一の銀行を乗っ取ることは失敗しても、そこから三井独自の民間銀行を設立するなど、三野村さんの悲願が達成して、資本主義の時代の幕開けが一抹の不安も交えながら語られます。
 拝金主義がまかり通り、志が忘れ去られる時代への危惧とか。

 そして、明治10年から11年に至り、三野村さんと西郷さん、そして大久保さんが次々と亡くなる流れで、台頭する岩崎弥太郎という形で続いた、と。

★青天(最新話)

 東京商法会議所の設立と、岩崎弥太郎と栄一の激論が目玉。これも明治11年の話ですね。
 前回で明治7年から一気に4年が経過しましたが、今回は年数は経過せず。

 論語と算盤の精神および合本主義で、みんなが協力する流れを作ろうとする栄一。
 一方で、弥太郎は同じ農民出身で、官に対する憤りを抱く同志でありながら、「国家のため=民のため」という公利の精神を旨とする栄一に対して、どん底から自己の才覚で這い上がってきた自負心を抱くため、「競争主義、私利私欲、弱肉強食を肯定」するという自己の価値観を披露し、関係が決裂します。

 「才覚ある者同士が手を組めば、この日本の経済はわしらの思う通りに動く」とか、いかにもラスボスのセリフですな。
 わしと手を組めば、この日本の半分をやろう、勇者よ……って感じ(笑)。

 で、栄一が弥太郎の宴席を中座する際に、フォローしてもらった平岡さんのご内儀ですが、
 彼女のところに来た芸者さんが、千代亡き後の栄一の後添えになる予定ですな。

 民間の実業家になった栄一ですが、伊藤博文との縁もあって、政府の実業家の相談役になっておりますな。
 当面は、大隈さんと弥太郎が手を組み、伊藤さんと栄一が手を組む流れか。

 次回は明治12年。元アメリカ大統領のグラント将軍をおもてなしする流れで、千代たち女性が活躍する回なんですが、
 明治15年に千代が流行り病で亡くなるので、もしかすると次回か、その次が彼女の退場になるのかな。

 最近は、終盤だから、亡くなる人とか回想シーンが多くて、これまで見てきた話の志の部分で、総決算になりつつある感じですね。
 今回も、平岡さんの「お前はお前のままでいろ」のセリフで、栄一の志を貫くことで、弥太郎との衝突必至の流れだし。

 でも、千代さんの視点で見ると、「多くの志士の犠牲を経て、新しく作った時代というのが、若者が腑抜けになった」とか、「武士の時代から新しい時代になっても、全てが良くなったわけではない。昔の良かったものが早くも失われつつある」という一抹の寂しさが描かれているな、と。

 何はともあれ、賢しらぶった若者が、先人の想いを知らずに、古臭いとバカにするような態度は、諌められて小気味良かったり。

★必殺仕事人2022

 新春に放送して決定したようです。
 テーマは、SNSでの噂に翻弄される人々の織り成す悲劇とか。

★境界戦機

 弾圧される人々と、彼らを守るために正義の味方として戦う決意を固めた主人公ってところでしょうか。

 とりあえず、2クール物みたいなので、半年間は楽しめるかな。

 3人めのヒロインの娘は民間の陶工出身だと聞いていたのですが、レジスタンスの一員だったようですね。
 アモウがガシンと再合流して、レジスタンスに戻ったところで出会うのかな。

 一方、米軍のブラッドさんは、新型機を作ってライバルパイロットになるようですね。
 キャラの立ち位置が確定していく流れで、1クールは終了かな。

★ジェイデッカー

 ライダーとは違って、週1で話が進む形ですね(2週間の視聴可で、同時に2話分見られる形)。

 ジェイデッカー名物は、「初合体は必ず失敗。ドラマで仲間の心が通い合って、ようやく合体に成功しての逆転展開」です。
 今度の仲間のドリルボーイは、お調子者の子供っぽい性格で、ビルドチームからは生意気と思われていたのですが、勇太を助けたいとの気持ちが通じ合って、スーパービルドタイガーに合体完了。

 しばらくはジェイデッカーの方が前座になってしまうほどの強さを見せますね。

★ルパン3世

 自分は深夜のパート4以降のルパンを見ていないので、現状を分かっていないのですが、一つ疑問が。

 本作のホームズとワトソンって、ルパンと同様に初代の子孫という設定なのでしょうか。
 それとも、時代設定が原作と異なる世界観での元祖ホームズその人なのでしょうか。

 自分で調べるよりは、話題のきっかけとして聞いてみたいと思いました。
 改めて、公式サイトを確認したいとも思います。

ではでは。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/09 (Tue) 23:28:39

 定期感想その1です。

 必殺仕事人2022の情報、ありがとうございます。新春って遠そうな気がして、しかしもうすぐなんでした。東山紀之さん主演の15周年に当たるとのことで、記念的な1作に仕上げてくるのかな。江戸時代でどうSNSを表現するかも興味を引きます。

●ルパン三世 PART6(第3話:大陸横断鉄道(嘘)の冒険)

 通例と感想順を変えまして、これから。と申しますのも、自分が気にする疑問点をNOVAさんも疑問に思われているので。「本作のホームズとワトソンって、ルパンと同様に初代の子孫という設定」なのかどうかですね。

 今のところの自分の理解は「さっぱり分からないorz」です。本編映像、公式サイトなどのネット情報からは、

 ・公式情報では語られてなさそう。
 ・名前などは初代(オリジナル)のホームズと、周囲の人物含めて同じ。
 ・バリツなど初代ホームズの設定をアレンジせず用いている。
 ・ルパンによりホームズ三世の存在が語られている(PART2で登場)。

くらいなところだろ思います。ホームズ三世がいるということは、初代ホームズの孫のはずで、初代ルパンと同世代であるはず(元祖ルパン作者のルブランが対決させてるし)。然るに現代にシャーロック・ホームズとフルネーム一致のホームズが出て来てるわけで、どう位置付けていいのやら。

 もっとも三世といっても1人とは限らないんで、別のホームズ三世がPART6のシャーロック・ホームズなのか。それとは別に、ネットでは「シャーロック・ホームズ」が個人の名前ではなく、世界でたった1人の「諮問探偵」の称号との解釈を見かけました。それなら初代ホームズと縁もゆかりもない人物でもホームズと名乗ってもよさそうだし、いつの時代にもホームズがいてもいいことになりそう。

 ですが、やっぱりいずれも駄目ですね。親友ワトソン、下宿のハドソン(夫人)、スコットランドヤードのレストレード警部までいるわけですから、初代ホームズの人脈そのものが現代に存在してます。全部が三世とか称号とか、さすがに無理があります。(日本の武術とされる)バリツとかも問題で、歴代ホームズが一子相伝みたいな解釈になりそうですし。

 といった感じで、多少なりともあり得そうな設定を思いつくのは無理そうです。たぶん、制作のホームズへのオマージュ・リスペク度が高くて再現性がありすぎるんでしょう。日本でも今なお人気の高いシャーロック・ホームズが現代によみがえったような感覚を楽しんでもらう、という制作の意図だと、自分は考えておくことにします。

 ともかく本編。なんですけど、まずホームズやリリーとの因縁はいったん置いておく流れみたいですね。ほぼ単発の1話完結に近い流れ。おそらく今後の本筋展開に備えての登場キャラクター紹介を兼ねてるんじゃないかと思います。例えば「エミ」なる少女が端役で登場してまして、わざわざ名前を呼ばせるほどではない役割。なのに繰り返し名前を出してるからには、後々で再登場させる意図があるのかも。

 争奪の対象の「英国鉄道第一号、リバプール&マンチェスター鉄道が催した試乗会の切符」(銭形談)も今話のみのアイテムではないんでしょうな。いかに高価とはいえ、マーキス侯爵を殺害してまで奪うのは解せません。しかも主犯の執事が侯爵の服着て、髭の上に付け髭の変装とか、すぐバレるような誤魔化ししかしてないし。

 切符もやけに厳重に保管されてまして、第1・2話の映画のポスターと似ています。レイブンの謎につながるもの、と考えていいんでしょう。主犯の執事がおそらくレイブン側で、レイブンのサポートで侯爵邸全部を押さえることもできた、といったところか。

 今話は演出的には分かりにくいところはなかったですね。冒頭、執事が侯爵に良からぬことをたくらむ様子があり、実際、侯爵を殺害してすり替わる。後で明らかになるのは、アメリカを模した侯爵庭園の鉄道で、雪だるまで列車を止めて殺害したと。無人自動運転のため、列車に放置された侯爵の遺体は終点に着くまでは発見されない。

 しかし、切符を保管する部屋は多数の金庫があって、侯爵から鍵を奪ったものの切符は発見されないと。おそらくこれでルパン一味を呼び込んで奪わせる計画を立て、南アフド共和国アラクネ首相に化けたルパンを、ルパンと知りつつ鉄道パーティに招き入れる。

 さらに不二子に鍵を奪わせて金庫を開けさせる。絵の金庫が実は本物で本命だったわけですな(執事はこのトリックに気が付かなかった)。それも執事の予定通りで、そこで切符を奪う算段に出るも、不二子は切符をすり替えて飲み込んでしまったフリ。これに執事は騙されて逆上、鉄道で轢死させようとする。

 が、ルパン側が駆けつけ、次元が(第0話を髣髴とさせる)跳弾テクニックで切替機を操作、列車を別線路に逃がしてなんとかなると。切符はニューヨーク市警のクイーン警視(エラリー・クイーン?)の甥っ子2人の手に渡り、執事はおそらく逮捕ということで大団円。

 それは分かるんですが、どうにも解釈しかねる点もありました。

・侯爵邸全部を押さえている執事がなぜ列車内で侯爵を密かに殺害したか?
 (→冒頭で執事は侯爵と2人きりになるなど、チャンスはいくらでもある)
 (→列車は無人自動運転ながら、ルパンが簡単に取りつくなど、密室性に疑問あり)
 (→有名ミステリのパロディ/オマージュなのか? そうだとしても今話の合理性を欠く)
・執事はなぜ本命の金庫を発見できなかったのか。不二子の様子からすると絵の金庫に気が付くのはそれほど難事ではなさそう(執事は配下多数いるし、誰か気がつきそう)。他にも次元の超長距離跳弾射撃は……第0話の小林次元に対する敬意と受け取っておくことにします(^^;。

 解釈しかねることがあったら、十中八九は自分の間違いというのが経験則でして、今話もそうだろうと見返してみたんですが解決しません。脚本は大ベテランの辻真先さんだし手抜かりはないはず。となると自分の認知能力に問題があるのか、と思うほどです(このところ衰えた、なんてもんではなく、自分はもともとバカだからなあorz)。

●青天を衝け(第34話:栄一と伝説の商人)

 ようやく家康公解説復活でして喜ばしい限り。円満退場(?)の三野村利左衛門の「どんな世の中になりますやら」に答えるように、現時点での最大の問題点:不平等条約を解説してくれてますね。もっとも、大隈さんの悪癖(おいのせいじゃなか!)に影響されたのか、締結した徳川幕府の責任については「20年も前のことですからねえ」と(^^;。もっとも、栄一らに期待してのことという雰囲気がありますから、観ているこちらも頷きたくなります。

 タイトルの「伝説の商人」は岩崎弥太郎でいいんでしょうね。栄一と好対照な人物として描かれるんだと思います。実際、初対面で決裂同然になったわけですし。身振り手振りの癖1つでも対照的に演出されてるかも。主張や説明の核心を述べるとき、栄一は右手を掌開いて前へ突き出す癖があり、弥太郎は左拳を胸の前でぐっと握る。他人に差し出す栄一と、自らが取り込もうとする弥太郎を暗示するしぐさなのかもしれません。

 そうなると岩崎弥太郎が栄一に立ちふさがるラスボスのような気がしまして、フォーゼのラスボス:我望理事長をまず思い出しました。しかし、何か違う。別に似た誰かがいるような、と思っているうちに宴席での栄一 vs 弥太郎の論争になりまして、ようやく「ああ、オーズの鴻上会長だ」と。なにせ、弥太郎は欲望全肯定な主張してましたから。

 キャラクター当てはめはいい加減にしておきまして(^^;、岩崎弥太郎も真面目にやっているといえそうです。なにせ、儲けて税を納めないと日本が滅ぶ、という考えでやっているようですんで。そのためには栄一が嫌う戦争での儲けも狙えば(いわゆる死の商人?)、巨利を一身に集めての計画的な集中運用も行うと。

 対する栄一は合本でして、富も知恵も分散型ですね。長期的には栄一に理があるでしょうか(利に非ず)。あくまでも教育が普及し、意思疎通含む情報も行き渡る前提ですが、衆智を結集するほうが強いでしょう。例えば独裁一極型は暗愚な君主が現れたら終わりですが、衆智型≒民主型なら少数のせいで大きく崩れることはない。

 しかし、今は維新後の混乱期で、しかも国力は乏しく、政治経済を回すに足る人材も少なそう。短期的には岩崎弥太郎に分があるかなあ。もっとも、ドラマの見ごたえ的にはそのほうがいいかも。不倶戴天ではないとしても、弥太郎は好敵手ですんで、栄一が己より強い、大きい、優れた相手に追い付き追い越そうとするドラマを期待したいところ。覇道の弥太郎と王道の栄一、みたいな感じでしょうか。
(逆に見たくないのは例えば、弥太郎がいかにもな悪党/守銭奴に堕し、栄一が勝手に持ち上げられるような展開。)

 ともかく本編。冒頭からは大隈重信と栄一の衝突ですね。栄一としては不換紙幣大量発行を危惧しているらしい。対する大隈は西南戦争の戦費もあって是非もないとの判断か。短期的には不換紙幣がインフレを呼び、好景気を招いたみたいですね。栄一の第一国立銀行も融資が回るようになり、岩崎弥太郎は軍需で大儲けした模様。

 三野村利左衛門の遺した三井の銀行も同じだったでしょう。金融は儲かると見た人が銀行を作りたがるようになりましたか。が、栄一は気に入らないと。銀行は儲ける手段ではなく、産業振興の要、経済の潤滑油と考えているからなんでしょうね。

 大隈と揉めた不換紙幣について少し調べてみますと「明治通宝」と呼ばれるものらしい。今話では好景気を招いたようなナレーション入ってましたが、やっぱりインフレが行き過ぎて明治11年に製造停止になったようですね。

 栄一が考える通り、不換紙幣はまだ早かったか。兌換紙幣、即ち金本位制さえまだあやふやなわけで、発行する政府も安定してない。明治通宝の後は改造紙幣→国立銀行券と変遷していくようですが、主として兌換紙幣、補助的に不換紙幣になってるみたい。

 大隈と栄一は怒鳴り合いしての大喧嘩ですが、それでも直接話せる仲ということでもありますな。栄一の危惧はインフレですか。この後の岩崎弥太郎の言が参考になりますが、一部は儲けても庶民の収入は増えてないみたい。そういう状況のインフレはマズいということなんでしょう(スタグフレーション?)。

 が、儲かる者を見る大隈は聞く耳持たない。その大隈には別方向から一撃来まして、不平等条約改正ですね。イギリス公使パークスに会い、条約改正を訴えるも、民の声(世論~議会)がない政府だとして取り合ってもらえない。新政府が条約結んだ幕府と変わらないんでは条約も変えられない、ということかな。あけすけなことを言えば、民の力が国に反映しない、つまり国民国家でない日本の実力など高が知れている、と侮られたと考えることもできそう。

 ならばと動き出したのが伊藤博文で栄一に働きかけて商人を取りまとめる組織を作ろうと。喜作らは否定的ですが、栄一は「商法会議所」を作りましょうということで応えるわけですな。民力が国力と考えているんでしょう。これに対峙するのが岩崎弥太郎で、五代友厚に諮ってますな。しかし五代が栄一を褒めちぎったもんで、興味を持った模様。五代友厚は大久保のときといい、自らが動くより人を結びつける動きが多いようですね。

 栄一も商法会議所立ち上げ時点では弥太郎を高く評価するものがあった模様。ただ、その弥太郎が立ち上げの会議を欠席していることは注意すべきだったかも。しかし弥太郎は栄一には興味を持ち始めており、宴席に招いて談じようとするわけですな。不特定多数の底上げではなく、目立つ働きをする個人重視の弥太郎だから、でしょうか。

 お互い才覚に敬意があるものの、方向性が違うため、話はたちまち決裂ですか。ただ、今日明日の日本をどうするのか、について答えを持つ弥太郎にこの場は分がある感じです。しかし、だからといって(いずれ財閥を成す)弥太郎に同調してしまうと、栄一の考える国民的な民間経済の勃興は望めない。立ち往生する栄一ですが、平岡やすが助け舟出す格好で、この場はお開きとなりますな。
(もっとも、やすの考える良い世の中は栄一とはズレがあるような印象があります。たぶん、この時期の栄一の理想はなかなか理解されないものなんだろう。)

 すぐに成果を出す覇道の弥太郎に対し、遠大な計画の王道の栄一はすぐには為す術がなさそう。と思ったら活路が開けたかな。米国元大統領グラントの来日ですね。南北戦争において北軍の名将でもある。在職時には岩倉具視使節団と面談もしている。重要な国賓になるわけで、日本の民が栄えているところを見てもらえれば、不平等条約改正の突破口になるかもしれない。冒頭のイギリス公使パークスの話とつながってきますね。

 それにはファーストレディーなどの概念がある米国流も大事ということで、千代らにも関わってくるわけですな。その千代についても今話は人となりを見せる名場面がありました。今まで栄一に対する千代という形の演出が多く、千代自身の意思でどう動くのかはなかなか見られませんでした。ようやく千代のキャラを見られる運びなんですが、もうすぐ流行り病(コレラらしいですね)で亡くなるとのことで、その前の華ということか。

 せっかくキャラが立ったと思ったのに残念ですが、しかし「こういう人が栄一を支え、補ってもいたのか」というのが自分にも納得できた気がします。きっかけは養育院ですね。特に親を失った子に対しての態度。

 養育院では子供を無駄飯食らい扱いで、厳しく当たるばかり。まず栄一が言葉で養育院職員をたしなめてますが、全く理解されない。そこで千代登場ということで、自分的にはヒーローといっていいかも。千代が養育院を訪れますと、職員が子供に古着を渡している。もらってきたそのままらしく、穴あき、破れが目立つ。

 それを見た千代、自ら針と糸で繕うと。見ている子供も興味津々となり、千代は職員に皆の分の再訪道具を求める。この辺りから職員の様子に変化が見られるのが面白いところです。しかし慣れない針仕事のこととて、子供の1人が指にかなりの怪我をする。千代は手当てしてみますが、その子がじっとこらえて泣かない。その子の視線の先には職員がいまして、おそらく泣くと叱られてたんでしょうな。

 それを察した千代、痛かったら泣いていいと肩をさすって諭す。大人だろうが子供だろうが痛いものは痛いと。ようやくその子も安心しまして泣き出すと、見ていた職員も何か悟るものがあった模様。続いてやって来た栄一と、さっきまで子供を叱りつけていた別の職員も何か分かったかな? 少なくとも栄一は反省するものがあったらしく、月に一度は養育院に来ようと千代に言うわけですね。口で言うだけじゃだめだ、自ら体現してみせないと、ということでしょう。

 千代は優しさだけでなく、書生に対しては厳しくもあるわけですね。以前の世を侮ったり、他人頼みでいながら時代の最先端気取りだと威儀を正して戒める。初めてじゃないでしょうか、千代が世の中を見る見識を示したのは。そういう考えあって、今まで栄一と共にやって来たのか、と今さらながら理解するものがありました。そういう千代が米国元大統領訪日にどう関わるか、興味が湧いてきました。NOVAさんの予想通りの進行になりそうですから、最後に花を持たせてくれる展開になりそう。

 千代の没年を調べると、1882年/明治15年ですか。その後、今話で登場した伊藤兼子と結婚するわけですか。どういう華を見せての退場なのか、千代の去り際をしっかり見届けたいと思います。

 次回「栄一、もてなす」では、夫妻が共にもてなす西洋流を一夜漬け(かな?)してグラント元大統領を渋沢邸に迎えるみたいです。女性陣主役の回かもしれません。しかし自分的に気になってる人物いまして、岩倉具視です。維新前は怪人といっていいような迫力でしたが、大久保利通が幅を利かせてからはなんだか元気がない。グラントが大統領時に面会したのが岩倉具視のはずで、そろそろ盛り返してほしいような気がします(^^;。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/11 (Thu) 17:30:24

 定期感想その2です。

●ダイの大冒険(第56話:受け継がれる心)

 普段はダイ大が週初めの感想なんですけど、今回はなかなか書けず、もう木曜です。今話ではバランの最期が描かれましてショック、しかしその魂はダイと共にあるという救いで締めくくると。

 普段なら「刺さる」とかで観た気持ちを表せるんですが、今回はどうも違います。適当な表現を考えて「揺さぶられる」かなと。刺さると違って、「このポイントでグッと来た」みたいじゃないわけですね。どこかの時点で揺さぶられ始めまして、今話のバランの今際で揺さぶられていると自覚したみたいな感じです。

 どこが(直接的に)最初だろうと前話(第55話)を観なおしたんですが、もっと前だと分かりまして、どんどん遡ると第51話「アバン流究極奥義」でした(断片的には第50話も含まれる)。ヒュンケルがバランを親衛騎団のクイーン:アルビナスから救ったところからですね。あれでバランの意固地もポッキリとなり、ダイと共に大魔王バーンを倒す決意を固めると。

 第52話「父子竜出陣」でバランの独白でダイ/ディーノに対する愛情が語られまして、バーンパレスの扉前で親衛騎団フェンブレンとの対決。しかしバランが抜かりまして、第53話「ハドラーの挑戦」冒頭でダイが代わって一刀両断。ダイが専用剣を抜けたこともあり、この時点でバランはダイをほぼ一人前(になりつつある)と認めたかも。それまでは、まだ弱く守るべき我が子、くらいでしょうか。

 そのままハドラーとの対決になだれ込むわけですが、打倒バーン優先でどんな手を使っても勝ちに行くダイにバランは失望してしまう。が、一応はダイの相手(ハドラー)を見る目の確かさゆえと納得したんでしょう。ただし、おそらく依然としてハドラーはバランからは格下くらいに見えていたはず(なにせバーンと一騎打ちで倒す自信あるでしょうから)。

 バランとしたら、ダイはまだ自分(バラン)より未熟で弱いがハドラーとならやらせてみるか、くらいの判断だったんじゃないかな。しかしハドラーに黒の核晶が埋め込まれていることが分かって、それどころではなくなると。この時点からバランの判断は「ダイ/ディーノを守り切るにはどうするか」に変わっていったような気がします。しかし、言い換えれば「自分(バラン)より弱いダイ」ということですね。

 そして第54話「ハドラー対バラン」で、ギガブレイクでハドラーの首を刎ねておいてから黒の核晶を抑え込む戦術は真魔剛竜剣のダメージで失敗。この隙をついて反撃に出るハドラーからダイが身を挺してバランを庇うわけですね。庇っていたはずの我が子(ダイ)に助けられたわけで、バランのダイ/ディーノに対する見方、気持ちが変わり始める瞬間に見えました。

 さらにダイ/ディーノを治療するため無防備になったバランをハドラーが襲うも、重傷のダイがまたもやバランを庇うわけですな。しかも這ってでもハドラーと戦う覚悟を示す。これを見たバランの表情変化がはっきりありました。たぶん「この我が子=ダイ/ディーノなら、自分(バランであり竜の騎士)の後を託せる」と確信したんじゃないか。愛情だけでなく全幅の信頼も生じたということですね。

 そう思い切ってバランはダイを眠らせまして、第55話「黒の核晶」での黒の核晶爆発を全生命力を以て抑え込み、今話に至ると。バランの心情や思考がスパイラルに何周も上がって行って、最後に今話のダイに引き継いで送り出したように感じました。第51話からをバラン視点で本編をまとめ直したら「バラン最後の闘い」編みたいにできそうだなと思えるくらいです。

 ともかく本編。内面が激動しつつ、ついにダイ/ディーノを守り切ったバランが竜魔人の姿で仁王立ち(浮遊してるけど ^^;)のところから。しかし地に落ちて元の姿に戻ると。全ては自分(ダイ)を守るためだったと悟ったダイ、ようやく心の底からバランを父だと思えたわけですな。

 しかしドラマは無情でして、生命力を使い切ったバランはもう誰も助けられない(たぶん、ザオラルの使い手がいても無理なんだろう)。和解したときが別れとは、なかなかの運びです。ここはクロコダインがなかなかの苦労人でして、ダイに「これが最後だ、大きな声で父さんと呼んでやれ」と。が、ダイの声も一瞬の差でバランに届かないところが、さらに憎い演出です。

 そうしておいてのCM後(CMまで演出効果になってる)、魂ではバランはダイと共にあることが示されまして、前半の辛い展開を観た甲斐があったというもの。デカいシビアを連撃しておいて、最後にちょっぴり救いを入れてる。ちょっぴりなんだけど、観ているこちらの気分的には巨大です。
(予習してみると、このときにバランの紋章がダイに譲られたのかな? その発動はずっと後みたいですが。)

 これがありますんで、ヒュンケルがこのまま進むべきと言うのも受け入れられた気がします。しかしポップがなかなか受け入れられないのも分かる。そのポップが、バランの志を受けたダイが説得すると気を取り直すのも分かる。そういったことが全部、自分的にはバランが第51話から為したことゆえのように感じられました。

 ともかくもダイ側の仕切り直しは成りましたが、大魔王バーンがいよいよ自ら出陣ですか。しかし小手調べに来たくらいの余裕ですね。バーンのみで戦ってやるから、かかってこい、というわけですか。ダイも意を決して受けまして、続くと。

 次回「魔界の神」では大魔王バーン単騎に対し、ダイ側が全力で立ち向かうみたいですが、どうも力の差が隔絶してそうな雰囲気の予告映像ですな。予習によると、この老バーンはフェイク同然で力が弱いということですから、真のバーンを倒すにはまだまだ道が遠そう。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/11 (Thu) 22:08:13

 定期感想その3です。

●境界戦機(第6話:旅路)

 紫々部シオン登場でして、メインの3人がようやく揃いましたな。もっとも、今話ではシオンの語りで来歴が語られた後は、AIのナユタがレイキを駆っての活躍でした。が、ラストで機から降りたシオンがうわーんと泣き出して驚きました。

 OP映像ではキリっとした感じだし、陶芸家にして薙刀使いの武道家ということで、芯の強い性分なのかなと思ってたんです。それが突如うわーんですから、観ていて混乱しまして、いったんストーリーを忘れてしまいました(^^;。まあまだ16歳だからおかしくはないのですけれど。

 敵方/支配層も今話は後々まで出てきそうな癖のある人物:サイモン・テイト大尉が出てきましたな。これで北米同盟のブラッド・ワット大尉、オセアニア連合のサイモン大尉と、主人公らに立ちはだかるキャラクターが揃ってくるようで楽しみです。後はアジア自由貿易協商と大ユーラシア連邦から誰か出てくればいいんですが、大ユーラシア連邦は外伝の主要敵らしいから、TV本編では脇に置かれるかな。アジア自由貿易協商はアメインの性能に突出するものがない設定らしいので、主人公機に対抗できる突出した機体とパイロットは出しにくいのかもしれない(神算鬼謀の参謀みたいのは可能性あるかも)。

 オセアニアのサイモン・テイト大尉は武人というよりは野盗的な感じでしょうか。こないだのアジア協商の失態に付け込んだとはいえ、敵地ならやりたい放題と考えている節があります。バトルは好きそうですが、力押しの面が強そうで、北米同盟のブラッド大尉と好対照になりそう。ただし野盗的であるんで、退くべきときはさっさと逃げるだけの計算高さはあるようですね。

 もっとも今話ではバトルにおいては噛ませ犬の扱いだったかな。シオン搭乗のレイキ(とAIナユタ)の性能が高すぎて、アジア協商軍ともども、為す術もなく蹴散らされてしまいましたんで。これでサイモン大尉が遠隔操縦の不利を知って、有人機で対抗する気を起こしたりしてくれると面白そう。

 ともかく本編。冒頭からはシオンの回想でして、第6話で登場と遅かったので、一気に紹介しておくということだろう。姫之焼陶芸家の祖父と暮らしていたけれど、アジア協商に接収されて工房を失い、おそらく祖父は失意のうちに死亡。シオンは姫之焼再興を目指していると。薙刀については自己紹介なしでしたな(レイキの活躍をサプライズにするため?)。

 そこからはアモウとガシンの逃避行(?)。レジスタンス再集結の場所までメイレスと共に行かなければならないけれど、戦闘と移動で機体が不調をきたしたらしい。エネルギーも不足してる。この辺り、補給がないと運用できないというリアリティを感じますね。さらにゴーストがいかに優れた機体かということも思い出します。なにせ敵機に食むわけですんで、戦うほどに補充されるシステムということになります。

 アモウとガシンについても、風呂に入らなきゃ臭い、と描写されてますな。これがさらに長期化すると、ノミ、シラミともなって来るんだろう。それだけでも生活臭のリアリティ出てますが、逃避行していると知らせるようなもんでもありますね。逃げ隠れしてるなら一般人と違って風呂に入れず臭いはず、という基準で捜索されるかもしれない。

 そこは今話では風呂もコインランドリーもあるホテル宿泊でクリアと。食事シーンもありまして、やはり市民生活は一定レベルが維持されてる感じですね。少年2人がレストランで食事してても不審がられてはない様子。ゲッターロボアークですと、食料品はもとよりファミレスでもバカ高いわけで、特に裕福でもなさそうな少年2人が飯食ってたら、「何者だろう?」となりそう(そして境界戦機世界なら支配層に疑われる)。

 その一方、ネットのセキュリティは厳重ではなさそう。前もガイが易々とリウ・フウ少佐の悪事の証拠をハッキングで押さえてましたが、今話では市中のシステムに侵入して市民の退避をガイド。軍民どちらもネットは弱そうです。もっともガイら、レジスタンス側のAI性能が飛び抜けて高いのかもしれませんが。

 それはともかく、メイレス2機は隠して充電しつつ、損耗した部品交換のため、アモウ、ガシンが街に行くわけですね。支配層エリアと一般市民エリアの格差にガシンは怒りを覚えるようで、これが後の襲撃でのガシンの忍耐を際立たせる伏線かも。

 2人はホテル泊って、レジスタンス協力員の酒屋からメイレス用部品を手配して、と障害もなくサクサク進む。が、この後、オセアニア軍の強襲が起こってしまうわけですな。そのオセアニア軍はサイモン大尉指揮のもと、商船に偽装した輸送船で接岸、アメインを繰り出すわけですね。

 虚を突かれたアジア軍は緒戦でははかばかしい防衛もできない模様。一気に市中まで侵入されまして、ようやく迎撃が始まる。アジア軍では地方司令部さえ死守すればいいという判断で、市街戦になるのは気にしないらしい。むしろ、市民に死傷者が出れば、オセアニア軍を非とできるという計算もあるわけか。

 そういうことはガシンにも分かるんでしょうね。分かっちゃいるけど、メイレス2機(ジョウガン、ケンブ)が戦える状態ではない以上、アモウがいくら逸っても、じっと耐えるしかないと。AIのケイ、ガイにハッキングさせて市民の退避を誘導するくらいが精いっぱい。

 学校の体育館らしき場所も退避所らしく、軍の誘導で市民多数がつめかけ、アモウ、ガシンもいるわけですが、オセアニア軍は構わず戦いに巻き込んで来る。そこへ「待て待て待てーい!」と威勢よく登場したのがメイレス:レイキらしい。パイロットは事実上、AIナユタみたいですね。

 このレイキが跳躍力、加速性能、移動速度とも高い模様で接近戦では無敵に近そう。主武装も薙刀のため弾薬が尽きる心配もなさそうですね。敵アメイン小隊に突入しては斬り倒して離脱のバトルがなかなか見応えがあります。同時に敵指揮官室で見るレイキの神速表現もいい感じ。最前線で目視していないなどの情報不足が感じられるだけに、敵指揮官の不安が一層高まる感じがあります。こんな描き方もあるのかと感心です。

 ともかくもアジア・オセアニア両軍はあっという間に損耗し、オセアニア軍は撤退。レイキも長居は無用と去ったらしい。アモウ、ガシンもレイキのもとに駆けつけるわけですが、AIのナユタはやけに偉そう。アモウ、ガシンらについても既によく知っているらしい。レジスタンスからの派遣ということで間違いないみたいですね。

 AIナユタ(自称アンジェロ)がこれほど偉そうなのは、パイロットのシオンを大事にする傾向の裏返しみたいですね。姫と呼んで溺愛している模様で、姫=シオン以外は些事ということらしい。そのナユタ/アンジェロがシオンを恭しく降機させるわけですが、シオンがいきなり「うわーん」と。上述しましたが、何のこっちゃと混乱しまして、しかし解決してくれないまま続く。

 次回「討伐」では北米軍が動くみたいですね。前からのいきさつからすると、ブラッド・ワット大尉が専用機繰り出してくるのかな。シオンについての現状の紹介もあるんだろう。それにしても今話でも予告映像でも服がぶかぶかで、どうも幼いイメージがします。だから泣き出しても(びっくりはしたけど)不自然ではないのかも。もっともOP映像のシオンとはちょっとイメージ違いますんで、シオンは成長株なのかもとか、いろいろ期待したくなります。

 この境界戦機はYotutubeのBANDAI SPIRITS公式チャンネルでもネット放映されてますね。火曜深夜を録画し損ねても明くる水曜午後8時にはネットで観られるのは有難いかも。さらにBANDAI SPIRITSがバックアップしてるのは、バンダイが模型でも売ろうという意思があるからみたいですね。

 バンダイがそういう意図でスポンサーしてくれてるから、メカ的な映像が充実してるんでしょう。同様のことは「86」(エイティシックス)という深夜アニメでもありまして、少なくともメカ戦は楽しみにして観てます。CMに見える作中メカの模型もなかなかの出来のようです。原作者や制作者だけでなく、模型商売のスポンサー/企画参加か否かの情報も、自分が観たくなるかどうかの予想に使えそうです。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/11 (Thu) 23:47:02

 非定期感想です。

●ネット放映分のライダー・戦隊

 いろいろ完結しまして、いろいろ始まりもしまして、一言程度の感想メモくらいは残しておこうと思います。

・ゴレンジャー
 始まるときは「1年間も観るのか、長いなあ」と思ったんですが、終わってみると「あれ、もう最終回か」となりました。元祖だから古いなあとは思ったんですが、最初に印象付けられた「楽しい」が最後まで持続してくれた感じです。

 その「楽しい」ですけど、「こうなれば、こうなる」みたいな様式を作り得たことも大きいかも。例えば、こちらでも伺った毎回のゲスト敵幹部のコミカルな倒され方。ゴレンジャーストーム/ハリケーンで倒されるのが通例なわけですが、序盤くらいでは「もう負けてるのに、ゴレンジャーが放つストームにわざわざ突っ込んで行く」描写が気になりました。

 要は「なんか間抜けっぽい」ということなんですが、そこを逆手にとって、ボールを敵幹部の好き/苦手なものに変えてドタバタ見せるように変わっていったように思います。つまり不自然かなと思える要素が出てきたら、むしろそこを活かすように変えていく。

 それをいろいろやって、分かりやすい様式みたいなものが出来て行ったような。ゴレンジャーの名乗りはともかく、例えばゴレンジャーがストームの準備に入ると、敵側戦闘員がラグビー風に突っ込んできて、かわしてキックして、といった流れなどですね。だいたい次が予想できるんで目が泳がない。安心して眺めていられます。

 ゴレンジャー以降も様式化することは、たぶん踏襲してるんでしょうね。かつメカ、巨大ロボとか加えて行ったんでしょうか。敵怪人が倒されたら、巨大化して復活とか、いつくらいから戦隊名物になったんだろう。

・ファイブマン
 これも少し前に完結しまして、5分短いことの難しさを再度知った作品です。ターボレンジャーも25分だったわけですが、ドラマに時間を割けない不利はイレギュラーな敵:流れ暴魔の下剋上などで補えていた面が大きい。

 ファイブマンは趣向を変えて出自や両親といった設定の工夫があるんですが、なかなか功を奏さず。テコ入れ策がいろいろあって、自分的には初代艦長シュバリエの登場からは面白みが出たと思いました。ターボレンジャーの流れ暴魔も敵の内紛ともいえまして、類似の要素ともいえそう。

 ですが、途中からでして全体のドラマのうねりまでには至らなかった。終盤ではラスボスと思われていたメドーの正体、本当のラスボスとか明かされる意外な展開ですけど、やっぱり毎回5分短いせいか、ドラマを深められず、エピソードとしての印象は充分には強くならなかった印象です。

 メカ戦とかはしっかりしてたんですけど。各メカのデザインから作りこみ、動きなどは放映当時として他作品と遜色ないように思います。戦隊ものに期待する要素はしっかりやっていたんだけど、ということになるでしょうか。

・ジェットマン
 まだ序盤なんですけど、ドラマ要素がしっかり入ってますね。戦うトレンディドラマと言われるだけのことはある。5分短いのによくこれだけドラマ盛り込んだな、と思って気が付きました。様式を崩しに来てますね。等身大バトルはこう始まって、メインゲスト敵倒したら敵幹部が巨大化させて、といった段取りを必ずしも踏まない。

 要は戦隊につきものの合図的なシーンをカットしにきてる。自分はファイブマン観てるときは時間不足に不満を覚えつつも、そういうやり方があるとは気が付きませんでした。雨宮監督の慧眼、ということになりましょうか。まだ序盤から中盤に差し掛かる段階ですが、様式を崩してでもドラマの時間を作ってるのがジェットマンの成功要因になりそうです。

・トッキュウジャー
 こちらでトッキュウ戦士が実は子供と伺ったおかげで、納得して観ることができてます。正体が分かったとき、どう過酷さを感じるかとかが、むしろ楽しみ。なんですが、目下の自分的な見どころはグリッタ嬢だったりします。

 最初、自分の感覚がバグったのかと思いました。グリッタ嬢が可愛い、と素で感じてしまいましたから。シュバルツ将軍への恋心も真剣に応援したくなります。が、どうして自分がそう感じるのかが今のところ分かりませんorz。見た目からするとコミカル演出と感じる可能性が低くないのに。

 もしかすると敵シャドーライン内では小柄な印象ということはあるかもしれません。もっとも、単独で普通の電車に乗ったシーンでは「やっぱり大きいんだな」と思ってしまいました。ちょこん、という感じで座っているんですけど、座席に対して相当にデカい。

 他の「可愛い」要因としては、頭身比率、顔立ちデザインでの他のシャドーライン幹部との相対的な差、行動・言動の健気さとかありそうですが、今のところ「こうだからか」といった実感を伴う理解には至ってません。番組終了までには多少なりとも理解したいところです。

・マジレンジャー
 実はこの作品は今のところ、自分には評価が難しそう。どこが難しいか、というのが目下の関門になってる気がします。もしかすると1話完結性が低いのかなとも思いますが、もしそうなら最終回まで観ないと分からないかもしれません。

・仮面ライダードライブ
 ローカル局で視聴して感想書きつつ、既に完走しているわけですが、ネットで観たらさらに充実した視聴になった気がします。たぶんローカル局で視聴してから、ネットで再視聴するまでに、いくつもライダーものを視聴完了したことが大きい気がします。

 最終盤でブレンが倒れ、チェイスが倒れ、と次々退場する過酷さはより感じ取れた気がしますし、「こんなに立て続けだったか」と自分でもちょっと驚いてます。おそらく、それだけ各キャラクターの印象が深まったからじゃないかと思っています。それだけにチェイスのコピー元の人間:狩野洸一が現れたとき、チェイスではないと分かっていてもほっとする気持ちは、ネット再視聴で実感できました。

 そういう印象の深まりは、ローカル局で再視聴のジオウでも感じました。レジェンドをほとんど知らずの初視聴に比べ、再視聴では観たレジェンド登場のエピソードでいろいろ嬉しかったり。ネット再放映のディケイドでも同様のことがあり、こちらは「なるほど、確かにオリジナルからこう変えてるのか」という面白さ(や不満 ^^;)が前よりは分かるようになりました。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/12 (Fri) 00:12:07

 ルパンの件、些細な質問に応じていただき、ありがとうございました。
 自分で調べた限りですが、今回のPART6は、PART4やPART5とも違った世界観みたいですね。本筋はホームズとの対決みたいですが、豪華なサブライターがレトロなミステリーをテーマに、オムニバス形式で競作していくような感じらしい。

 何だか次回は、ルパンが江戸川乱歩の世界観に転移してしまったとか(夢オチ?)、21世紀のルパンというよりも、それこそ仮面ライダーディケイドみたいに、今回は「○○の世界か」と時空転移しているルパンファミリーみたいなものかな、と公式サイトを見て思ったこと。

★ダイ大

 バランの死という話で、不器用な父親のエピソードに泣けてきました。

 この辺は、ドラクエ3とかドラクエ5が勇者の父親の死を描いていて、ダイ大も踏襲している感ですね。

 次は大魔王の脅威という絶望を見せつつ、武人の誇りある戦いを汚した所業に、ハドラーが激怒して反逆という流れに期待しつつ。
 これからのハドラーがこれでもか、というぐらいに格好良く輝くわけで。バランからハドラーに受け継がれた誇りという展開です。

 まあ、勘違いするなよ。別に味方になったわけじゃないからなって奴ですね。

★境界戦機

 レジスタンスへの合流は簡単ではなく、ガシンと二人旅で仲間としての交流を描いた回。
 そしてヒロイン登場なんですが、いろいろとイメージが違いますな。

 メイレスレイキは、ケンブ以上に時代がかったというか芝居がかった言い回しが、面白い。
 武侠ものって感じで、このAIが気に入りました。

 で、最後に泣きじゃくるシオンちゃん。これは本人の意に反してAIが変なキャラ付けで紹介したので、自分では止められなかったことに対する悔恨の涙かな。

 前回、アモウが敵に啖呵を切ったのに刺激されたAIナユタが自分も負けじと暴走した結果?
 こんな風に派手に立ち回るつもりはなかったのに、変に目立ってしまって、どうしよう? ゴメンなさい、の涙?

 まあ、アモウと同じで、勢いで行動して、後で動転するタイプなのかもしれないし。
 キャラへの興味という意味では、つかみはOKですね。

 ではでは。今宵はここまで。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/13 (Sat) 11:57:13

 視聴が追いついてませんが、今週配信されたもので牙狼関連で、「絶狼 BLACK BLOOD」と、ガンダム関連で「ビルドファイターズトライ」が始まりました。

 絶狼の方は、TV放送されたDRAGON BLOODの前の、絶狼シリーズ第1弾に当たり、トッキュウジャーの3号(黄色)の娘がヒロイン役ですね。女性なのに魔戒騎士を目指している設定。

 他は、特撮関連でレスしておきますと、

>怪人の巨大化

 巨大怪人をロボで倒すのは、戦隊3作めのバトルフィーバーJからになります。
 厳密には、怪人が巨大化するのは、4作めのデンジマンからで、BFJの時は「等身大怪人と同型の巨大ロボット(怪人はロボットを弟あるいは妹と考えてる)」になります。怪人が倒されると「弟よ〜」とか断末魔の叫びをあげて、巨大怪人ロボが出現し、それに対して、味方も母艦のバトルシャークからBFロボが発進する流れ。

 ゴレンジャーの後番組は、配信分では何が来るか分かってませんが、順当に2作めのジャッカー電撃隊を希望。
 こちらは、トランプモチーフのサイボーグ戦隊で、コミカルなゴレンジャーとの変化球で序盤は「改造人間の悲哀」をテーマにしたシリアス路線でスタートしたのが、子どもたちにウケなかったので、だんだんコミカルな方向にシフトして行ったり、テコ入れの嵐がいろいろと。
 ゴレンジャーよりも、メカ描写に力の入った作品でした。

 ゴレンジャー→ジャッカーの後は、1年間のブランクがあって、その間に、東映がマーベルと提携して、日本版のスパイダーマンが製作されます。スパイダーマンは、巨大戦艦マーベラーが変形する巨大ロボットのレオパルドンで巨大敵怪人と戦うフォーマットを提示。
 そして、マーベルとの提携は翌年、バトルフィーバーJに結実し、ゴレンジャー路線とスパイダーマンの路線が組み合わさって、今の戦隊の土台になった、と。

 なお、同時期にスターウォーズ→宇宙からのメッセージ→デンジマンへの宇宙伝奇SFの影響もあったり。

>ファイブマン

 ラスボスの巨大超獣バルガイアーとの決戦が、当時の映像技術だと残念に思いましたね。
 敵が大きすぎて、味方の巨大ロボ、スーパーファイブロボが玩具みたいだし(実際、玩具みたいなミニチュアだったけど)、大型基地ロボのマックスマグマでさえ、呆気なく大破するという「巨大戦では盛り上がらない展開」に。

 これは前作のターボレンジャーが、基地ロボのスーパーターボビルダーが無敵だったことの反動で、味方ロボの強さが逆転する形ですね。ロボ好きとしては最後が残念なのがファイブマン。

 ただ、巨大ロボ戦では勝てなかったので、巨大な敵の体内に侵入して、その中でのドラマで盛り上げる方向性。
 ピンチの中で、ドラマで盛り上げる方向だったんだけど、「ロボ戦と等身大ドラマの連動」がファイブマン時点では、模索期だったと考えます。

 だから、それを上手く融合させたのが、ジェットマンかな、と思いますね。
 ジェットマンのドラマと、ピンチのロボの逆転劇が今の配信分から盛り上がりつつある段階ですが(強敵セミマル戦)、超巨大な敵との映像描写面では、ファイブマンの3年後の大神龍とか、90年代に入って演出がすごく進化して行った感じです。

 まあ、今だとCGを駆使して、いくらでも巨大なロボを凌駕する超巨大な敵とのバトルが描写できるのですが、ファイブマンの時代は特撮技術と演出を模索しつつもブレイクスルーには達していなかったんだな、と感じました。

 逆に、「やりたかったこと」という意欲には満ち溢れていて、アイデアの種はいっぱい見られた面も。
 こちらとしては、「ああ、ファイブマンのこの挑戦が、後の作品に受け継がれて、こうなるんだな」というのが分かって、シリーズの流れでつながった感も。

>グリッタ嬢

 声優の演技効果も大きいのかも。
 あと、彼女は闇を司る敵陣営の中で、唯一の光属性なんですね。

 そして闇の皇帝ゼッドは、暗黒ながら光を求める傾向があって、光属性の主役ライトと関わり合うことで、相互に影響し合う関係性。つまり、ライトの中にも闇が眠っていて、光と闇の想像力がどうこうって話に展開していきます。
 また、6人めのトッキュウ6号が、元々、人間じゃない魔物だったのが光を得て、という設定で、光と闇の錯綜する平成ライダーっぽい展開になっていきますね。

 その中で、グリッタ嬢は闇勢力の中の癒し系キャラ。
 姿形は醜いのに、心は純粋で慈愛に溢れる乙女というキャラで、作品テーマが「目に見えるものが真実とは限らない。心の目で本質を見極める想像力が大事」って方向性にかなったキャラかな、と。

>マジレンジャー

 敵側が、フランケン、吸血鬼、狼男というホラー感覚で、狼男のウルザードがいわゆるダースヴェーダー(悪堕ちした父親)ということで、ハリウッド映画の感覚が強い作品ですね。
 もちろん、ハリー・ポッターの影響が大きいのですが。

 あと、OP映像が坂本監督がニュージーランドで撮影したアクションシーンとのことで、本編よりも軽やかに動く。
 まあ、監督が日本に帰国する前に、パワーレンジャーとの兼ね合いで、撮った映像演出が採用されたらしいのですが。

 同時期放送の仮面ライダー響鬼が和のテイストを強調した鬼とか妖怪退治ものなので、こちらは洋のテイストを強調した、とも。

 で、現在のボスのブランケンがそろそろ倒され、次の幹部(ミイラ男モチーフ)が出てきて、物語は第2部に入ります。
 6人めの仲間マジシャインが参入し、彼のモチーフはアラビアンナイト。ランプをこすってネコ魔人を召喚したり、太陽の力で戦う派手な戦士。
 戦隊は、追加メンバーが出てからが、ドラマ的に本番って感じですね。

 今のところは、未熟な魔法使い兄弟が戦いの決意を固めながら勇気で成長する段階で、
 マジシャイン(魔法の教師として兄弟を導く役どころ)が出てからは、「君たちはまだまだ未熟だ」と上から目線だったのが、「この子らは意外な才能を示すじゃないか。なかなかやるな」という流れで、さらなる成長と、敵勢力の実態に迫る流れ。

 最後は、敵の背後にいた強力な邪神の勢力が復活して、こちらも家族の力で戦う方向性。
 放送時期的には、キョウリュウジャーに受け継がれるストーリーフォーマットかも。

★ジェイデッカー

 今週は2話分が配信されましたな。
 東映特撮と違って、配信ペースが自分的にあいまいな感覚でした。

 当時のプロデューサーさんのツイッターでの弁によれば、「毎回、怪獣を倒すヒーロー物のウルトラマンのフォーマットじゃなくて、怪事件に遭遇して謎を解明するウルトラQに近いフォーマットで製作していた」とのこと。

 前回、出ていたクッキーが、異種族とのコミュニケーションに役立つなど、異なる者との心の交流が当作ならではのテーマだったりも。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/16 (Tue) 15:32:22

 定期感想その1です。

「絶狼-ZERO- -BLACK BLOOD-OD」の情報、ありがとうございます。ビルドファイターズトライは(観なおしたかったこともあり)気が付いたんですが、牙狼公式Youtubeは未チェックでした。

「DRAGON BLOOD」のときは、「前作があるんなら観たかった」と思いましたんで、非常に嬉しいです。でも全6回ですか。週2話だから3週間の短期集中となりますね。第1・2話を観て期待できると思いましたんで、感想は書こうと思います。

 ネット放映のゴレンジャーの次はジャッカー電撃隊来まして、こちらで伺った予想通りでしたな。ただ、放映期間が9か月の全35話ですか。それからちょっと間が空いてバトルフィーバーJ。ネット放映でもTVの時系列通りにやってくれるかなあ。

●ダイの大冒険(第57話:魔界の神)

 マァムについて、今まで気が付かなった点が見えた気がしました。慈愛の使徒だそうで(ウィキペディアなどより)、ヒュンケルからは聖母の如きと尊敬されてるわけですが、それゆえの弱点があったようですね。バーンに対して閃華裂光拳が効いた、と思ったら、遊ばれていたと分かってショックを受けるシーンにあらわれてました。

 閃華裂光拳が遅効性でバーンの左手を灰化させたのはいいものの、バーンが「やってみるかね」と煽って来る。さらに再生能力を誇示しまして焦らせる。が、バーンがからかってるだけだったと分かる。じわじわいたぶる生殺しが面白いのか、とマァムが怒り心頭に発するわけですが、バーンはこともなげに面白いと答えると。

 これはマァムには理解不能だったようです。他人を理解するには(読心術でも使わない限り)自分でシミュレーションするしかない。ですが、自分に欠けているものは想像できないため、他人を察することができません。マァムには(本性たる)慈愛と逆方向の嗜虐性がないんでしょうね。

 それゆえバーンがどう出るか、想像もできなかったようです。まさかわざとダメージっぽくひけらかして誘い込むとは思えない。これには人間として良くも悪くも振れ幅が大きいポップが察して、マァムをぎりぎりで救いはする。しかしバーンが敵/弱者に冷酷なことを理解できずにショックを受け、さらにバーンにはバーンなりの大義(魔族に太陽が照らす地を与える)があると知って、さらにショックがでかいと。

 バーンの大義のほうがマァムにも理解できるでしょう。人間より力があるからと地底に押し込められるのは不遇ですから。マァムは不遇な者には同情する。しかも、自分たち(人間)のせいでそうなっているとも知らされるわけですね。理解不能な残酷さがあると感じた直後、その残酷な者にも(部分的にせよ)正しさがある、自分(マァム)とて加害者の面がある、と理解したら、どうしていいか分からなくなるはずです。

 さすがにそこまで言われると、ポップすら絶望してしまうわけですが。そこまではポップは、上述しましたが、ヘタレ、卑怯から転じ、自らの命に代えても仲間を救う、それも悪名を背負っても悔いなし、くらいまでの人間として振れ幅があった。それゆえに、バーンの意図は見抜けたわけですね。

 バーンのメラの威力を瞬時で察し、ダイが倒れたら時間稼ぎしつつ回復をマァムに任せ、防御が不利と見れば反撃に転じ、しかし逸ることなく仲間の攻撃の間にメドローアを準備すると。それも不発に終わるとルーラでの撤退を試みる。これは失敗しますが、敵(バーン)の出方に応じて、動揺せずに戦術判断で来てます。

 それも究極に強大な(はずの)ラスボスを目の前にしてですから、大したもんです。世渡り上手の罰当たりみたいな序盤のポップが、ここまで成長したんだなと感じられます。たぶん、このシーンにおいては、今まで聖母、正しさ、善性演出を前面に打ち出されてきたマァムとの対比で描かれたからなんでしょうな。そのマァムにも欠けるところがあり、ポップは逆にヘタレ出自ゆえに持っていた、となってポップの頼もしさが演出されたようです。

 がしかし、ポップも初期からの欠点:諦め癖は完全には克服できていなかったと。最強のメドローアを返されても諦めませんでしたが(まあ前から分かってる弱点だし)、バーンにも数千年来の大義があると分かると、勝てないと絶望、戦意喪失してしまう。

 ポップが未だ欠ける点をを持っていたのがダイであるわけですね。もちろん、ダイはポップやマァムが持ってるものをいろいろ持ってない。バランを灰にされて怒り、後先考えずに突っ込んでバーンに返り討ちに遭ったりするし。しかし、この場では以前のマトリフの言「勇者の武器は勇気だよ」が最後に効いたわけですね。マァム、ポップがつないで、ダイがまた仲間につなぐ格好で、気持ちの循環(?)がなかなかに感動する流れです。

 ともかく本編。ほぼ全編、老バーンが圧倒的な強さを見せつける展開ですね。バーンはまずバランの亡骸を焼き払って見せる。小火球ですが威力が大きく、ポップだけがメラゾーマと見抜くわけですね(そして実は違うと)。

 これに激怒したダイがかかっていくわけですが、あっさり返り討ちで致命傷。ポップが魔法攻撃で時間稼ぎするも、またもや放たれた小火球の威力に抗せず。バーンは「今のはメラゾーマではない。メラだ」と。衝撃の台詞ですが、ダイ世界の魔法は術者の力次第ということが確認されたわけでもある。

 戦力の要のダイを欠いては勝ち目がないため、マァムが回復を図りますがバーンの攻撃が半端なく、ポップは防ぎきれないとみて、逆に攻撃に出ると。ヒュンケル、クロコダインの攻撃は難なく返されるも、ポップがメドローア準備するには充分。しかしマホカンタで返されますか。
(ただバーンが直撃を避けたのは、メドローアならダメージ与えられるということなのかも。)

 それならとポップはルーラで総員撤退を図りますが、結界に阻まれて果たせず。そういや、既にバーンパレスは結界で守られ、バーンが許す者しか出入りできないと明言されてましたな。自分はすっかり忘れてました(たぶん、いったん撤退して欲しいと思ってしまったから)。しかしマァムの閃華裂光拳が遅効性で効いた、と思ったらバーンがからかってるだけで、かえって絶望を深めると。

 しかしマァムのベホイミはきちんと効いてきまして、ダイ復活。不屈の勇気を仲間と共有して、みんな再び立ち上がるわけですな。これはさすがにバーンも認めざるを得ず、全力での対決となる。それでも自信満々のバーンですが、ミストバーンだけは万が一の事態を予想したらしい。これに取り合わないバーン、ダイの会心の一撃を受けまして、灰化した感じで続くと。
(もしかするとですが、ゴメちゃんだけは絶望に陥らなかったかも。はっきり描写されてないんですが、少なくとも諦める描写はなかった。)

 次回「意外な救世主」では、予告映像であっさりバーンが復活してますな。「あの程度でバーンがやられるわけがない」と示された感じです。が、意外な救世主ですか。アバン先生はまだだろう。となると、黒の核晶爆発から消息不明のハドラーか。なんでも、超魔生物は瀕死から蘇ると強化されるらしいので、その辺りの期待はできそうです。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/16 (Tue) 18:06:38

 定期感想その2です。

 ダイ大はシンプルに戦う話だったんで感想は短くと思ったんですが、どうも長くなりまして。こちらのみならず、NOVAさんの掲示板でお客さんの分含めて拝読してまして、しばしば「短いけど全編がパッと思い出されるような感想」があります。たぶん自分の感動の核心を突くように書いてあるんでしょう。自分もそう書けたらといつも思うんですが、現状では力不足みたいですorz。

●仮面ライダーリバイス(第10話:兄と弟、信じる心)

 こちらで「evil→liveに反転」と伺って、なるほどといったん思いました。が、理解が浅かった。今話を観た後で「ああ、だから鏡だったか」と気が付いた次第。e以外は左右対称でして、evilを鏡に映してみると、かなりliveに近い。鏡演出で暗示していたと気が付くべきでした。

 今週でようやく気が付いたのがもう1つありまして、バイスです。最初の「放っとくとどんな悪さするか分からない」イメージでずっと見てたんですが、いつの間にか五十嵐家の結束を守るような動きになってました。

 今話で具体的には一輝が風呂に入ってるときの会話ですね。一輝が大二を信じ切れていないことをほのめかして反省を迫ってます。軽口じみてますが内容は深刻。しかし責めるだけでなく、きちんと確認済みの解答も用意してる。バトル後に一輝がカゲロウに触れたとき、入り込んで中の大二が健在なのを確認しておいたと。

 その演出もなかなかのものでして、不自然にならないよう、冒頭でバイスが門田ヒロミに入り込んで、その心中を見てくるシーンが先にあるわけですな。初見では「なんでわざわざ心中の男泣きを確認した?」と思わないでもなかったんですが、門田ヒロミの苦渋を明らかにするとともに、大二が同様に確認できて当然と受け取れるようにもしていたようです。

 ともかく本編。フェニックス本部では狩崎がまたもや怪しいこと言ってまして、思った成り行きになってないと。若林司令ですら、狩崎が何をしたいのか、全部は把握できていない様子ですね。今話ラストで明らかになったのは、カゲロウ化した大二にツーサイドライバーを渡したのは、エビルが目的ではなくライブとするためだったとのこと。それでバイスタンプ10個揃うかららしいですが、揃えてどうするかは未だ不明。

 五十嵐家/しあわせ湯では門田ヒロミも交えて作戦会議ですが、打つ手なしの感じ。門田ヒロミはエビル/カゲロウを大二を犠牲にしても倒すしかないと思っている様子。一輝は悩み、さくらは猛反発ですね。それもライダーそのものが憎いというレベル(狩崎と好対照?)。

 大二が危ういのみならず、五十嵐家全体が壊れかけているのはライダーなんてあるからだ、と思っていそうです。それがデッドマンズ側が考える、もう1つのアキレス腱ということか。さくらの嘆きに付け込むようにアギレラが誘惑してくる。ギフ様の家族にならないかと。この時点ではさくらは言下に拒否ですが、デッドマンズは想定内でまだまだ揺さぶって来るんだろうな。デッドマンズ側らしい牛島光が、いいタイミングで声をかけて、決裂を防いだ感じもありますし。

 一輝も冒頭のバトルで見せた気持ち通り、できれば大二を救いたいんでしょうけど、カゲロウの支配が強すぎて打つ手がない。大二がもう存在すらしていないかもしれない。というわけですが、あっさりとバイスが打破。カゲロウの中を見たら、大二が未だ取り込まれずに戦っていると。ただ出られない様子でして、幼少時のかくれんぼ事故通り、一輝の助けを信じて耐えてるんでしょうね。

 気を取り直した一輝、カゲロウと再び変身対決。今度はカゲロウ内の大二を信じての全力でして、これが届いて大二も応える。内と外から攻められたエビルはブラキオバイスタンプを落とし、リバイが入手・行使してバイスと共にエビルを完全打倒。変身解除したエビルから、コスチュームこそそのままですが、間違いなく大二が現れるわけですな。

 これでエビル/evilは反転してライブ/liveとなりまして、ブラキオ・デッドマン3体を軽く撃破と。召喚に使われた詐欺師グループ3名はこの後どうなるかな。いや、作中での運命じゃなくて、せっかく戦隊から役者さんが揃って来てくれたわけですから、再登場あるのかなと(^^;。

 ともかくも大二問題は解決しまして、狩崎も予定通りライブを得るし、バイスタンプ10個揃うしでご満悦な様子。ただ、仮面ライダーWEBの解説によると、カゲロウは消滅しておらず、大二の中に封印された状態らしい。まさにそうあって欲しいという気がします。バイスが一輝のバディとなりつつあるように、大二もライダーとしてはバディが欲しいところで、カゲロウに期待するものがあります。もう一揉めして対等な戦友になってもらえたらと思います。

 狩崎の動向は不安なものの、まずはめでたしめでたし。と思ったら違ってました。五十嵐家の一輝、大二、さくらの記念写真から一輝が消えてしまう。これはバイスも意外だった感じですね。これ、さくらが消えてたら分かる気がするんです。デッドマンズ側が取り込もうとしてますから。しかし一輝だけが写真から消えた。

 次回「無敵のさくら、何のための力」では、さくらがドライバーとスタンプを手にするらしい。ますます「消えるとしたらさくら」となりそうですし、予告映像では「デッドマンズの力を借りるしか」なる台詞もある。うーん、今話ラストの不吉がどう次話に現れるか、ちょっと予想できない感じです。

●青天を衝け(第35話:栄一、もてなす)

 今話は千代のその後を知らなかったら、「千代が栄一のバディとしてキャラが立った回」→「終盤に向けて燃える展開を期待」みたいになったと思うんです。しかし、歴史上の人物のこととて、こちらで教わった通りの結末になると。今話でもちょこっと暗示が入ってまして、コレラの蔓延ですね。当時の衛生技術と人口密集ではなかなか制御が難しかったでしょう。

 それは次回に現れることでして(予告でもう泣きそう)、今話はひたすら華やかにして、その裏での苦労と、相手を知っての地味なもてなしが功を奏する。非常に気分の上がる(はず、と言うべきか)展開でした。

 メインは米国のグラント将軍/前大統領歓待ですが、周辺では三菱の岩崎弥太郎の暗躍があるわけですね。海運を一手に握るべく策動し、グラント来日すら商売敵が油断する好機と考えているらしい。グラント帰国後には、海運業を取られた三井組が船賃などで圧迫されて栄一に泣きつく現状でした。これが次話からの対決になっていくんだろう。

 しかしやっぱり最大の印象はグラント夫妻歓待で、特に千代の奮起ですね。最初は欧米の習慣に戸惑い、歯を見せて笑う、ハグする等々に千代は戸惑いを示す。西洋風髪型と花飾りには激しい拒否反応すら見せてました。が、共に歓待に加わる女性陣と、いわゆる恋話などで盛り上がりつつ、次第に慣れてくると。

 ようやく歯を見せて笑えるようになり、まずは政府主催のレセプションですね。ここで千代らがニッコリしたときの、グラント夫人の様子が千代を勇気づけ、モチベーションを上げたたかもしれません。さらにグラント夫人が虫刺されを気にして中座、千代が薬を取りに走って、両者にはっきり親密さが生じたんじゃないか。

 ただ、グラント将軍は栄一に対して、現職ではなく前大統領では盛大な歓迎に応える政治的役割は無理だと打ち明けて、ちょっと暗雲。現代の米国は、政治情勢が怪しいが大事な交渉では前/元大統領を派遣したりしますんで、グラント将軍も同じかと思ってました。しらべるとグラント将軍は南北戦争の英雄ではあるけれど、大統領としては不遇であったらしい。ドラマでの言葉通り、もう影響力は小さくなっていたのかもしれません。

 そうであっても歓待をやめるわけもなく、翌日の観光やら天皇への謁見やらは執り行われると。これでグラント将軍は接待役責任者の栄一に興味を持ったらしく、栄一の私邸に招いて欲しいと言い出したわけですな。伝える伊藤博文も困惑の様ですが、栄一はもっと慌ててます。

 ちょっと間が悪かったようですね。招くに足る新邸はまだ工事中、今の自邸は古くて手ぜまで接待するに耐えない。さすがに音を上げる栄一であるわけですが、ここでヒーロー来まして、千代ですね。大いに発奮してぜひ招こうと言い出し、栄一お得意の台詞「ぐるぐるする」と言う。「千代が栄一のバディ」と申しましたが、はっきりそう感じたのが「ぐるぐる」を言った瞬間です。

 そこからの千代のネジの巻き方が凄い。瞬く間に新邸を仕上げまして、歓待用の飾りつけも万全、さらにホームパーティらしいもてなしも考えだすわけですね。まずグラント夫妻到着時に、子供に歌って出迎えさせると。グラント夫妻からすると孫くらいに見えるんじゃないでしょうか。なかなかいいポイントついてる感じです。

 庭で鎧武者の模範試合、相撲などを見せまして、しかし止めは煮ぼうとうでしたか。栄一がヨーロッパでポトフに感じ入ったのなら、日本では郷土の家庭料理というわけですね。調べると、幅広の小麦麺と野菜を一緒に煮込んだ醤油味の料理らしい。いたく気に入ったらしいグラント夫人が似ている、自分の郷土料理を教えてましたが、あっちはどんな料理か分からず(イタリアのパスタなのか、しかしチキンスープで煮込むとか言ってたし、なんだろう?)。

 和気あいあいの雰囲気となりまして、伊藤博文の「アメリカ一国をもてなしたところで」という不安も栄一は気にならなくなった模様。グラント将軍も打ち解けて、ヨーロッパ列強はアジアを搾取して儲けようと考えており、出る杭は打とうとするが頑張れ旨、栄一に告げる。これが本音らしいのは、相撲とって喜んでるグラントに現れてる気がします。
(感想・解説サイトを覗いてみますと、当時の米国は欧州追随で、グラントがそんなこと言うはずがない旨の意見があるようですが、自分的にはまあいいかという感じ。歴史資料に記載がないことは、物語作者が自由にしていいはず。)

 あくまでも印象ですが、グラント一行を歓待して得たのは、栄一の覚悟だったような気がします。政治的にはあまり功を奏さないかもしれない。しかしドラマを動かす栄一に力が入る感じで、終盤への期待が高まります。が、栄一としてはそれもこれも千代のお陰、と改めて思うわけですね。千代にもそう言い、抱きしめる。これも千代のその後を知らなければ、「よっしゃあ、バディ完全成立! ここからだ」と思ったかもしれません。

 しかし世情は悪い方向に向かっているようですね。おそらくは不換紙幣が最初は好景気を招いても、限度を超えて悪性のインフレに移っていった模様。制限付きの普通選挙すらまだまだで、民主主義も成長していってない。英国公使パークスの呈した苦言がまだ改善されてないわけですね。

 その中心にいるのが大隈重信であるわけで、岩崎弥太郎が求める北海島開拓を、中止を言い出して実現する気らしい。さすがに伊藤博文は怪しみまして、井上馨と語らって事を起こす気配がありますな。それが明治十四年の政変ということなんだろうか。

 そういう政治ドラマが動き出す感じですが、次回「栄一と千代」はやはり千代の退場劇がメインになりそう。ついでに(^^;)大隈さんも政府から退場と相成るのかな。そうなって出てくるのは岩崎弥太郎ということでしょう。そうなると五代友厚はどうするんだろう。相変わらず、人と人との間を調整するのかしらん。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/17 (Wed) 10:00:01

 牙狼の現在、最新映画の『月虹の旅人』(雷牙主演にして、冴島3世代集結映画)が22日深夜〜23日にかけて、1日限定でYouTube配信されるそうです。
 金狼感謝の日に関する祭りみたいですね。

 今のところ、シリーズ集大成映画で、これで終わっても納得というほどの作品です。
 ……と紹介しておいて。

★ダイ大

 大魔王の脅威に対して、復活の勇者といった盛り上がりを見せた回。

 それでも現時点では勝てないわけですな。

 ロン・ベルクが作った光魔の杖を手にしたバーンによって、叩き折られるダイの剣。
 勝ったと思いきや、すぐに絶望に落とされかけるダイたちを救いに現れたのが、生きていたハドラーだったという次回。

 この逆転に次ぐ逆転という展開が、バトル漫画って感じで、いいですな。
 結局、ヒュンケルとクロコダインが身を張って、ダイ、ポップ、マァムを逃すところまでが次回かな、と予想。

 ノヴァとダイのトレーニング回がその後になるか。
 アバンストラッシュが通用しなかったので、それをさらにバージョンアップする流れ。
 アバンストラッシュA(アロー。斬撃を飛ばす遠距離版)とアバンストラッシュB(ブレイク。破壊力の大きい近距離版)を組み合わせたアバンストラッシュX(クロス)の誕生が12月の頭になるところ。

 ともあれ、次回はハドラーと親衛騎士団の格好良さを堪能したく。

★青天

 退場前の千代の活躍に焦点を当てた回ですな。

 それと、OP映像の「近代の舞踏シーン」のノルマを消化した回とも。

 実業界引退後の栄一が、民間平和外交にも力を入れて、当時のノーベル平和賞候補にもされたとの話もありますので、強兵政策をとる日本との対比もあるか(まあ、明治期の国際情勢ではヨーロッパも帝国主義の真っ只中でやむを得ず、との見方も大きいですが)。

 そして、戦争で儲けようとする岩崎弥太郎との対比になるわけですが、来週に千代の死を描いて、弥太郎との対決の結果は12月の頭かな。

 明治10年代後半になると、大隈失脚、千代の死、岩倉具視の死、岩崎弥太郎の死、五代友厚の死と、レギュラーキャラがどんどん退場していき、
 その後で、明治憲法および帝国議会設立、そして日清、日露と続くわけですが、弥太郎との決着後は、一気に10年単位で時間が加速して、大正から昭和に流れるかな。

 最後にどの辺で物語を締めくくるかを考えるなら、慶喜の死と、彼の伝記を栄一が編纂して、それを見守る家康さん、って感じで、徳川最後の将軍の逝去を描くといいかも。

★リバイス

 エビル→ライブで大二の件が解決したのも束の間、次はさくらに異変が!? という展開。

 前作に続いて、妹ライダーの登場にワクワクする反面、悪魔ですからね。簡単にハッピーな展開にはならない模様。

 彼女のバイスタンプのモチーフがコブラとのことで、ええと、ビルドのナイトローグがコウモリで、ブラッドスタークがコブラでセットだったか。
 他には、仮面ライダー龍騎のナイトがコウモリで、王蛇がコブラ。

 つまり、コブラモチーフは超絶強い邪悪の塊(ラスボス級)のイメージで、そのモチーフはヤバ過ぎるでしょう、となるわけで。

 これまでの女性ライダーのモチーフだと、白鳥の白イメージがまずあって、近年はチーターとかハチとか、になるのですが、
 華麗、俊敏、針のような鋭利な剣(フェンシング)という戦闘スタイルの印象。

 さくらは空手使いということで、変身後も拳法使いになるのか。それとも、悪魔ということは性格も切り替わって、戦闘スタイルも搦め手になっていくのか。
 エビル→ライブのような姿の変化も期待しつつ、アグレッシブな女性ライダー(あるいは怪人?)の登場を楽しみたい、と。

 あと、年末が近づくと、誰かの退場フラグが立つのがライダーあるあるなんですが、今作で危なっかしいのが、ヒロミさんのデモンズ。
 さくらが加入と同時に、デモンズ退場という可能性も指摘しつつ。

 いや、本当は彼を変身させるつもりはなかった……と言うのが、脚本家氏の弁で、だけど第一話の役者の熱演を見ていたら、変身させたくなったとか。
 え? そんなに急に変身が決まるものなのか? と思ったわけですが、元々、デモンズを登場させる予定はあったけど、変身者は別にいたらしく、もしかすると、ヒロミ殉職、後を継いだ2代めデモンズの可能性が? という予測もありか、と。

 さすがに五十嵐家で犠牲者が出ると、話が重すぎるので、ヒロミさん辺りが危険信号なんですね。
 曰く、脇役が妙に目立つと死亡フラグ、ということで、自分としては彼の安否を一番気にしていたり。
 真面目すぎて、セリフがいちいち重いですからね。

 命に換えても、世界を守る、とか。
 今回のバイスの「脳内で泣いているヒロミ」と言い、脚本家さんが凄く力を入れている脇キャラですからね。
 これでヒロミ関連を盛り上げようと思えば、去年の賢人みたいに一度、退場させて、ファンが「惜しいキャラを亡くした」と言わしめて、ヒロミ復活を要望して、後で復活再登場すると、盛り上がるだろうな、と。

 そして、さくらが「私のせいでヒロミさんが。正義にかけた彼の想い、私が引き継ぎます」とでもなれば、話がきれいにつながります。
 その後、復活したけど悪堕ちしたヒロミさんを説得するために、大二とさくらが……というところまで妄想して、自分もどこまでヒロミさんをヨイショするんだ? と自制しつつ(苦笑)。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/18 (Thu) 16:25:32

 定期感想その3です。

 牙狼劇場版「月虹の旅人」のネット放映情報、ありがとうございます。牙狼公式Yotubeに情報がなくて全く気が付けませんでした。ご教示頂いてから調べると、牙狼公式Twitterでは告知がありました。そっちもアンテナ張ってないといけなかったか。

●ルパン三世(第4話:ダイナーの殺し屋たち)

 こちらで「豪華なサブライターがレトロなミステリーをテーマに、オムニバス形式で競作」と伺って、ああなるほど、となりました。そういうことだったんですね。それなら自分が第3話で感じた疑問も解消したも同然です。

 古典ミステリーからいろいろパロディ、オマージュを取り入れてあり、知っていればニヤリとできるもの多々だったんだろう。そのためには少々不自然な流れになっても、遊びのほうを大事にするとかで。もっとも第3話は自分ではサッパリで、感想サイトなどでもこれといった元ネタ情報なし。話数が進んだら、ミステリファンが「パロディ元はこれだ」みたいな解説してくれたりしそう。

 今週はヘミングウェイの"The Killers"(邦題:殺し屋/殺し屋たち)が下敷きで、しかも作中で明言されてますね。争奪の対象アイテムにもなっていて、稀覯本ゆえに暗号用に用いられた由来を、ヘミングウェイ執筆から歴史解説もする。知ってる人には「ああ、そうだな」なんでしょうな。自分は全く分からずで、「そういう本もあったりするのか」程度です。

 今話は押井守脚本で、ネット評では押井監督らしいとの感想を見まして、確かにそうかも。動かずに語る演出とかそうですし、本物か偽物か、あるのかないのか等々をはっきりさせないのも、たぶん押井守作風。そういや、押井監督はルパン劇場版企画やったことがあるそうで、結末は「ルパンはいない」だったとか。あまりに不条理なのか、没になったそうですが。

 自分がそういう面での押井風が好きかといえば、ちょっと「うーん」ってなります。BSで放映してた攻殻機動隊劇場版でも感じたことです。あまりハマれない。不条理さを際立たせる場合は、しばしば見入っちゃうんですけどね。今話はミステリだけに不条理控えめで、語りで進める作風でした。

 ストーリー的には自分に語れる感想はほとんどなしです。「うまく出来てるらしい」くらいかな。パロディとしては「東郷十三」と呼ばれたキャラクターが、ゴルゴ13/デューク東郷によく似ていることが分かるくらい。詳しい人には台詞が何由来かまで分かるようで、面白がってる人もいるようです。分かる人は楽しんでね、に振り切ったということでしょう。

 それでもソツなくまとまったドラマでして、普通にルパンものとして楽しめるものになってました。ルパン一味も、例えば不二子が独自行動でして、変装したルパンがウエイトレスの正体を探るような台詞など、元ネタ抜きでも楽しめます。殺し屋は倒しても、CIAに狙われていた男は逃がす点、なるほどルパンものと納得できます。
(変装したルパン、次元、不二子は別の声優を起用しつつ、かつ各々の担当声優の雰囲気に寄せるとか、細かい点で凝ってる点も面白い。)

 次回は「帝都は泥棒の夢を見る(前編)」とのことで、2話構成ですか。脚本は芦辺拓さん。こちらで「江戸川乱歩の世界観に転移」と伺った通りのものらしく、芦辺拓さんが得意とする作風みたいですね。

●境界戦機(第7話:討伐)

 シオンを紹介しつつ、レジスタンス組織:八咫烏が単純なレジスタンスではないらしいと示す流れと、北米同盟がブラッド・ワット隊を放ってゴーストと対決する流れを並行して描いてますね。静かな情報開示と動きあるバトルの対比でいい感じです。

 本編はまず、前話ラストで謎のガン泣き(?)始めたシオンの紹介から。シオンは初陣で緊張してたわけですか。それまでは非戦闘の協力員だったのが、AIナユタ/アンジェロに素質を見出され、メイレス:レイキのパイロットに抜擢されたらしい。前話のレイキの活躍はAIナユタによるものと思ったんですが、シオンの技量だったみたいですね。ナユタの慧眼だったわけか。
(シオンがあのタイミングで泣いたということは、初っ端からアモウ、ガシンを信頼していることを示唆していそう。小さい子でよくあります。例えば、迷子が口をへの字にしてキョロキョロし、親が現れた途端、うわーんと泣き出したりする。安心すると、泣いて辛かったと訴えるわけですな。)

 それにしてもナユタがシオンを溺愛するの、半端ないのかも。かなり高そうなホテルに泊まり、食事も豪勢そう。このシーンがあるんで、北米同盟のブラッド・ワット大尉のたい焼き好きが際立ってもいますね。ホテルでの食事シーンでは、八咫烏がどうも怪しげな点があることがじわじわ明かされてますな。

 素性が不明のブレンゾン社なる会社が八咫烏にメイレス3機を提供していると。この情報の重要性は、北米同盟パートの会話と比べると分かりまして、4大勢力の技術水準を超えてることを示唆してますね。ゴーストはさらに先端技術が使われているともなりそうで、作ったのはどこか、となりそう。

 さらにアモウらが機体整備中に何らかの異変を感じ取ってまして、おそらくブラッド・ワット隊がゴーストと交戦中のタイミングのはず。となりますと、メイレスとゴーストは何らかのリンクがある、みたいなことになりそうです。となると怪しいのはブレンゾン社か。

 そういう怪しさは、アモウらが八咫烏代表:宇堂キリュウとブレンゾン社営業ジェルマン・ゴベールと面会すると、否応にも増す感じ。特にジェルマンの台詞「共に戦争というビジネスを盛り上げようじゃないか」ですね。ブレンゾン社と八咫烏が、今の状況を利用して兵器実験含めた商売やってるのか、下手すると4大勢力分割統治の状況自体を作り出したのか、と邪推したくなります(^^;。

 一方、北米同盟軍パート。こちらは割と単純。ただし北米同盟の支配状況は、他より狡猾かもという感じ。他の勢力より支配地に好意的ですが、その態度の意味は米国に組み入れるためというもの。ハワイやグアムからさらに西進して太平洋全域を勢力圏にするということだろうか。

 ただしブラッド大尉はそのプランに納得はしてない、ということみたいですね。たい焼き好き演出もありまして、制作は「敵側ではブラッドに感情移入して欲しい」ということなんだろう。自分はその手に乗るかい、と思いつつ、まんまと術中にハマりつつあります(^^;。

 そのブラッドの北米同盟に面従腹背は、どうやら出自が関係しているらしい。北米軍スピアーズ副司令官から我が子と呼ばれるわけですが、実は養子。家にはなじめず、なぜかアメインのコックピットで安らぎを感じたわけですな。戦場がホームタウンなのか、それともアメインこそがマイホームなのか。

 ともかくブラッドは複雑な人柄らしい。が、部下の信頼は厚いみたいですね。常に付き従うレイモンド・ハーディー准尉の態度はもちろん、今話登場のソフィア・ルイス少尉。自信家でふてぶてしさすらありますが、ちょこっと漏らした台詞では、ブラッドが命の恩人らしい。仏頂面ながら感謝の念は持ち続けていることから、ブラッドがかなりのリスク取ったか、大きな犠牲払ったかで助けたらしいと窺えます。それだけ部下思いということなんでしょう。

 そのため、対ゴースト戦は急造チームながら結束は固い。無人機では当たりがたいとみて、ブラッド以外も有人機で臨むわけですが、激しいバトルとなるも、誰も一歩も引きませんね。非常に見応えあるバトルでした。アモウ&ガシンによる対ゴースト戦はかなり成り行き任せのハラハラでしたが、今話のは綿密な作戦立てての熱戦と感じました。

 バトルは見ての通りと言うしかないですが、緒戦から全開で押すブラッド隊に対し、学習してじわじわ盛り返すゴーストがなかなかの凄み。ハッキング能力を駆使して戦勢を逆転、しかし戦死したロジャー・ヤング中尉の機体AIがかろうじて生きていて、再逆転の砲撃。ブラッドがロジャーの無念を晴らす一撃でゴーストを倒した、と思ったらハッキングしたジェットヘリでゴースト逃走。

 実に目まぐるしい戦いで見入りまして、ブラッドの「く、待っていろゴースト」の台詞でハッと我に返るほどでした。ゴースト、これだけ学習能力があるとなると、急速に手に負えなくなっていきそう(もしかすると、それがブレンゾン社の狙い? それとも試作機が暴走して始末に困っている?)。

 次回「再生の槌音」では、再集結したレジスタンスの話かな。そうだとしまして、子供までいまして、八咫烏はコミュニティを持つレジスタンス組織なのかしらん。逃亡者を受け入れるとなると、それくらいしないといけないのかもしれない。アモウはたまたま天涯孤独だっただけですが、4大勢力の支配状況からすると、家族ぐるみで追われるケースも多そう(裏で人身売買とかあったわけだし)。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/18 (Thu) 21:20:39

 定期感想その4です。

●BLACK BLOOD(第1話:血のドルチェ -DOLCE-、第2話:コミュニティー -COMMUNITY-)

 トッキュージャーのミオ/トッキュウ3号がヒロイン:ユナということは伺ってましたが、セイン・カミュさんをうっかりしてました。自分のイメージだと、やはり仮面ライダーゴーストのスティーブ・ビルズ(ディープコネクト社・社長)が思い出されます。ゴーストでは敵に操作されての仮の悪役ですが、BLACK BLOODではラスボスですね。「あの特撮で〇〇してた人だ」というのは、なかなか楽しみな要素です(それを青天でも楽しんでるわけで)。

 ユナとカインは自分は「魔戒烈伝」で初めて観たわけですが、あのときは分かっておらず。こちらで絶狼ではこういうキャラクターというのを伺って、字面的に理解するのが精いっぱい。NOVAさんも烈伝ではユナとカインは初めてご覧になり、BLAC BLOODで確認されてました。この掲示板で手繰ってみると2016年春ですね。もう5年半くらいか。

 BLACK BLOODは全6回(劇場版は2編)と短いだけあって、最初から最終対決の準備はほぼ出来上がってる感じですね。敵の組織(コミュニティ)は完成してるし、その支配者であるホラー:リングはラスボスとして前面に出て来てる。そのリングを狙うユナは父親(クロウド)の仇というエピソードをもう持ってるわけだし、相棒にして先輩格のカインとの関係性も確されてるし。

 まだ第2話までですが、リングについては「牙狼MSの布道シグマみたいかも」という印象が生じてます。ホラー撃滅を叫ぶシグマと、人間との共存を謳うリングは真逆のようですが、少数の人間を犠牲にして多数が無事ならいいではないか、というヒーロー魂にもとる信念は同じです。そういう歪んだ平和を自分なら為せると思っていそうな点も同じかな。その辺りが、自分にとってはですが、共通性を感じる点になってるみたい。

 ユナとカインは、烈花とシグトのコンビと比べたくなるかな。烈花がシグトを引っ張っていく感じなのに対し、ユナとカインではカインがユナを守りつつ導く感じです。立場的に逆なだけで、「いいコンビだな」という印象はよく似てる。まだ、なぜ、どこがどうだから、といったことは分からないんですが、6話分見終える頃には分かって来るだろう。

 ともかく本編。開始早々「Youtube」の手書き文字が見えまして、ネット放映用に編集したとかあるのかな。まあ、改悪になるようなことは決してないんだろう。冒頭からは逃げる男でして、血を吹き出し始めたりして極めて危ういらしい。何だろうと思ってると、ホラーらしき一群が現れるわけですね。どうやら男はホラーの血を浴びた末期らしい。

 一方、零はバー:ルーポでたむろしてまして、マスターのバクラは隻腕。次作では義手になってたはずですね。ホラー探知システムも次作同様、ありまして、さっそく反応。血を流して逃げる男を追うホラーに反応したみたい。零は現場に急行する(バイクじゃなくて自分の足で走ってる)。

 零は男がホラーに襲われる直前で阻止。だけど、この後を観ると、ここで始末するつもりじゃなかったみたいですね。しかし、ともかくは零が鎧装着でバトル。ですが、さっそくラスボス来ましてリングですな。零を軽くあしらい、男を連れて去る。その行先は1/50の人間構成員を犠牲にして成り立つ、ホラーと人間共存のコミュニティというわけか。

 コミュニティでは、ホラーの血を浴びた末期の男の苦痛を和らげる、いわば巫女/聖女みたいな盲目の女性:イユがいるわけですね。歌で他人の感覚や感情を操れるらしい。男は苦痛から解放され、ホラーに食われながらも歓喜あふれる至福の様子。

 一方、零。敵との前哨戦終わりますと、次はユナですな。朝方、零の寝込みを襲って斬りかかる。カインも一緒でして、要は零の腕を試したと。騎士になれない女性のユナが剣を振るえる理由は後で明かされまして、リングに返り討ちにあった、騎士である父親:クロウドの骨を手に埋め込んだからですか。ただし鎧を継承することはできないみたい。
(次作のヒロインをまた持ち出すのは気が引けますが、それでも比べてしまいます。ユナなら安心して観ていられる。演技も生き生きしてるし、戦隊でメイン役張っただけのことはあるアクションもいい感じだし。)

 続いて第2話。冒頭から車で女性を轢き殺した男(湾田サトシ)が出てきまして、恋人(末守ナツミ)がいる模様。出頭すれば身の破滅、と恐れるサトシは易々とリングの誘惑に乗り、1/50の「血のドルチェ」のリスクを受け入れてコミュニティに参加。サトシは目の前の困難から逃げ、しかし恋人のナツミは諦めず追って来る展開になるわけですね。

 一方、零らはルーポで朝飯。ユナは相当にお人よしみたいですね。カインの朝酒を清めだと騙されてて、ずっと気が付いてなかったらしい。ただ、体に悪いと心配はしてたみたい。やっぱり、いろいろお人よしだ。しかし、このシーンのメインはリングの狙いの解説かな。コミュニティなるものを作り、計画的に少しずつ人間を食らい、それ以上のことはしない。それがリング流の共存らしい。

 しかし、カインの横柄な態度が零の気に障ったらしい。カインも零に反発するものがあるのかな。ついに2人衝突してしまい、カインを心配するユナも再び剣を抜くわけですが、手に異常が生じて剣を取り落とす。そこからユナの手の秘密(父の骨が埋め込まれている)が徐々に明かされ(はっきり描写するのはバトル時)、父の最期についても零が知ることになる。

 零は情を知る人でありますんで、そういう話を聞くと弱いはずですね。これ以降、おそらくユナを気にかけ、目を離さないようにしている感じがあります。が、ともかくはリングが誘惑する、例のひき逃げ犯:サトシ。リングにコミュニティに誘われ、恋人のナツミが追っかけてきまして止めようとするも、ホラーに襲われる。

 そこへ駆けつけてきた零らが戦いを挑む。英語で語り掛けるリングに対し、零はフランス語で返しますか。相変わらず負けん気が強いなあ。が、まず先手を取るのがユナですか。それを見たカインも助太刀に入る。2人が手こずっていると見た零も加勢。ですが、どうも零もカインも、できるだけユナにやらせたい感じですね。

 しかし、ユナでは素体ホラーでもなかなか倒せない。ついに吹っ飛ばされますが、よく見ていたらしい霊があっさり抱き留めて事なきを得る。零が鎧装着しますと、さすがに素体ホラーは敵ではない。斬られても多少粘りますが、無駄なあがきの感じですね。

 しかし時間稼ぎ役は果たしたわけか。バトルしてる間にサトシはリングに連れられコミュニティへ。零らは恋人のナツミを連れ帰るくらいしかできない(情報源にはなりそうですが)。コミュニティではリングに協力しているらしいイユがベッドで涙を流してまして、「こりゃ、なんか秘密あるぞ」という感じですな。

 このイユはリングの野望に協力している、させられているように見えましたが、予習してみると、リングのほうがイユに導いて欲しいらしい。そういう隠れた立場が露わになるのがいつか、どういう明かされ方になるか、ちょっと楽しみになってきます。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/21 (Sun) 10:42:25

 BLACK BLOODは絶狼版のレッドレクイエムって感じで、見ましたね。
 烈花に相当するキャラとして、ユナが登場したのかと思っていましたが、続編のDRAGON BLOODで、ユナではなくて烈花が登場したのは、キャスティングの都合とかがあるのかな。別に烈花ではなくて、ユナでも話は通じるので。

 いずれにせよ、鋼牙だとハッピーエンドで終わる話が、零だとビターエンドになるのは、キャラ性の違いですね。元々、鋼牙は護るべきヒロインを守れましたが、零は静香を護れなかったところから始まったから。
 それでも、護りし者として鬱屈せずに戦い続けて、雷牙の師匠枠になっているのが彼の魅力ですね。

★境界戦機

 シオンが泣いた理由が、「初戦闘の緊張が解けて、安堵したから」というもので、クールとかツンデレとかじゃなくて、割と感情を素直に出す礼儀正しい娘って感じでした。
 別に戦士として鍛えられたとかではなくて、レジスタンスに後方支援の協力者だったのが、才能を見出されて……って感じ。

 前回は初登場ご祝儀みたいなもので、実力が分かるのは、次回の戦闘時かな。

 そして、今回はブラッド・ワットさんにスポットが当たり、ゴーストの進化が描写され、さらにレジスタンスの背景キャラが提示されるなど、主人公視点から世界描写を広げてきた感じ。

 ライバルになりそうなキャラがいい感じに立つと、話が面白くなりますので、ブラッドさんの活躍に期待。
 日本文化を愛するメカマニアで、大人視点としては実に味わい深いキャラだったな、ブラッドさん。少年少女の成長譚でありつつ、大人視聴者にとっては格好の感情移入先かもしれん。

 あとは、ゴーストのワイヤーアクションが多彩で、戦闘シーンが緊張感に溢れていたのもいいなあ、と。
 何を仕掛けてくるか分からない敵というのは、対峙するブラッドさんの気持ちに感情移入しやすくなりますし、
 アモウとガシンのゴースト戦でもそうでしたが、決して倒せない相手ではないんですね。

 ブラッドさんも倒してはいるんだけど、相手の再生起動能力が高くて、逃げられてしまう。
 ゲームで言うなら、途中で撤退する敵ではなくて、HPをゼロにして倒したはずなのに(経験値もくれた)、その後のイベントで復活して撤退されたって感覚。

 ともあれ、いいバトル演出回だったということで。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/22 (Mon) 23:27:29

 定期感想その1です。

 牙狼公式Youtubeリストに「月虹ノ旅人」がようやく出てきまして、11月22日(月)21:00~11月23日23:59と確かに1日限定ですね。視聴はプレミアム公開のリアルタイムと、翌日観なおしての2回になりそう。できれば感想書きたいと思います。

●ダイの大冒険(第58話:意外な救世主)

 アイテム的に興味を持ったのが光魔の杖です。最初は理力の杖の上位バージョンとのことで、「ああ、ドラクエ3で出てきた」と思った程度かな(確か、使い勝手が悪い武器)。そこから「理力ってスターウォーズのフォースの訳語だったな、2では霊力と訳されてなんか変だと思った」などと思い出してました。

 本編のリアルタイム視聴中はただ夢中に見入ってたんですが、終わってから「あれ、光魔の杖ってトラップなの?」と。理力の杖同様、魔力を吸って攻撃力に変える、しかも上限がない。そこはダイの剣すら一撃で叩き折る攻撃力になり、無敵と思える強さ。ですが、バーン本人の魔力消費しすぎて気づかぬうちに弱体化し、ハドラーにあと一歩のところまで追い込まれると。

 ロン・ベルクは光魔の杖を最強最悪の武器としか言ってませんが、手にしたバーンにも最悪の状況をもたらし得る武器のようです。無自覚に魔力が枯渇して、格下に討ち取られる可能性が出ちゃうわけですんで。ロン・ベルクがそこを想定していたなら、えらいトラップ仕込んだんじゃないか。想定してないなら、とんでもないバグ作りこんだことになりそう(^^;。

 しかし、その光魔の杖の特性が今話の激しいシーソーゲームを演出してくれたんですから、原作者の三条陸さん始めとする製作者が巧妙に視聴者に仕掛けた、かかって気持ちいいトラップだったと言えそうです。

 キャラクターとしては、今話のタイトルにある「救世主」のハドラーが印象深い。ダイらをカラミティウォールからギリギリで救ったのは胸がすくんですが、さらに燃えるのはその後ですね。静かに会話しておいてからの「俺をなめるな、大魔王!」です。かといって激怒で我を忘れているわけではなく、例えば終始バーンを「あなた」と呼び、「お前/貴様」ではない。

 これが、初めてバーンを見たときに「あなた『様』が」と目を見張り、わずかに抱いた強さへの疑問を見透かされて恐れおののいたハドラーなのかという感じ。かつ、ハドラーは己のしたいことを「アバンの使徒を倒す」と明言しており、バーンに対しては立ちふさがるなら排除、そうでないなら相手にしない、という感じの迫り方です。デカくなったな、という強い印象が生じました(絵的には下から俯瞰でガタイの良さも強調してるかも)。

 とはいえ、バトルの最後の最後で最大の印象持って行ったのがルークのブロックでした。キャスリングでハドラーを助けるというのは予習してあったんですが、本編初視聴中はすっかり忘れてました(^^;。ずっと「ブローム」としか喋らず、しかし身を挺して仲間をメドローアから守る義侠心あり。最後は主たるハドラーを救って散りましたか。最期の言葉が「みんな、ハドラー様を頼む」だけで、拳をぐっと突き出すのもカッコいい。

 さらに余韻がありまして、バーンが残骸となったブロックの頭部を叩き潰す。いかにも悔し気で、「チェックメイト後のキャスリングは反則だ」などと、愚にもつかない不平を言わずにいられない様子。これだけハドラーが気持ちの上で追い込まれたのは初めてだと思います。それだけにブロックの最期の離れ業が光る気がしました。

 それもこれも、なにせハドラーで盛り上がったタイミングでブロックのこれですから、気分が一気にブロックに持ってかれた感じです。落ち着いてから考えまして、外殻と中の人で作られているから、メドローアに耐えたんだな、だからブロック/ルーク/城兵はお城ごとだったのかなどと、これまでを振り返って納得しました。

 自分は気が付かなかったんですが、ルークがキャスリングしたのは、これが2度目なんだそうで。1度目は黒の核晶の爆発時で、寸前でハドラーと入れ替わったらしい。そうだとして、ブロックはどうやって助かったのかしらん。寡黙なだけに何をどうしたか分からず、強い感動といくばくかの謎を残して退場してしまいました。

 ともかく本編。前話ラストでダイの剣の一撃でバーンを灰と化した、と思ったら今話冒頭でバーンは自らのベホマで復活ですか。これも余裕のなせる業なんでしょうけど、さすがにダイの強さは認めてくれたらしい。バーンもロン・ベルク製の得物:光魔の杖を手にする。

 こうなると一方的でして、バーンは容易くダイの剣を叩き折り、ダイは放心状態に。やはり未だ剣の強さが心の拠り所だったらしい。普段なら次で強くなることを期待したいところですが、目の前にいるのはラスボス:バーンなわけで。ポップが「そんなお前なんかを死ぬ間際に見たくねぇ」と意味深に叫んでます。もう打つ手がない死地と見たのか、ダイがこれでは勝てないと見たのか。

 どもかくもダイは立ち上がれない。バーンのカラミティウォールは迫って来る。ヒュンケル、クロコダインは一瞬でも時間稼ぎと前面に立ちますが、防げるわけじゃない。ポップも覚悟して、マァムに手を握って欲しいと頼み、マァムも意を察して応じる。

 ここで自分は不思議なくらい感動しまして。後で考えてみまして、今話のダイ大だけで感動したわけじゃないのは確か。何かと共通の感動だ、と考えて思い出しました。「ローグ・ワン」のラストです。それも単純に感動を蘇らせただけじゃなさそう。

 どうやら、ポップらがハドラーによって助けられたのがポイントだったようです。もちろん、今話においては救世主(が遅れて)登場で一気に盛り上がる流れです。が、ポップらが助かったことが、ローグ・ワンへ逆流入してくれたみたい。自分はローグ・ワンのラストで「できれば、この2人だけでも助かって欲しい」と思いましたから(そう思うからこそ、その最期に感動するんですけど)。それがダイ大の今話で願いが叶った気が(無意識に)したようです。

 それはともかく(^^;、ハドラーがいきなり割って入りまして、一気に流れが変わる。ポップらを海に落として助け、バーンと対峙するわけですな。もはや許さんというバーンに対し、ハドラーはそれなら倒すと。ハドラーは黒の核晶を失って余命いくばくもないと聞かされても、親衛騎団を人質に取られても揺るがず、バーンとの一騎打ちに入る。この流れはゾクゾク来まして、上述の通りです。

 戦いが始まってみると、バーンが知らないうちに弱体化していたわけですね。光魔の杖に魔法力を吸い上げられすぎたと。ハドラーはそこを見切って、一騎打ちを仕掛けたわけでしたか。ダイ相手だと、そうはしないんだろう。あくまでも邪魔するなら倒す相手だから、どんな手を使ってもいいとハドラーは考えていそう。

 キルバーンは親衛騎団クイーン:アルビナスを、ミストバーンはヒムらを人質として押さえているわけですが、意味が逆転するわけですね。キル、ミストが逆にバーン援護に赴けなくなってる。が、意外にもザボエラが介入しましてハドラーを全力で抑え込み、形勢逆転。ザボエラ、いつの間に牢獄から抜け出したのか。恩をあだで返す、と言いたいところですが、ザボエラは恩とは思ってないからなあ。

 ハドラー絶体絶命ですが、ブロックがキャスリングで救い、ハドラーらもいったん撤退。親衛騎団も残るは3名か、などと感慨にふける間もなく、マザードラゴン出現ですか。ドラゴンの騎士の死に際して現れるということで、ダイ死亡が強く示唆されるわけですね。

 バーンは最大の難敵を排除して最終勝利を確信、ダイの剣と鎧の魔槍は作り手ロン・ベルクの元に帰って来る。これは持ち主死亡を示唆するものですが、ダイの剣を見て「あれ、これって」と思うものがありました。叩き折られたはずですが、一応はつながって戻って来てます。これって持ち主が健在ゆえの自己修復じゃなかろうか。もしそうだとすると、ロン・ベルクへ帰ってきたのは「早く直せ」なのかも。

 次回「生存者たち」の予告映像からすると、ダイは生存してそうですね。久しぶりにニセ勇者一行も出てくるみたい。ダイ側が再結集するまで、少し緊張を和らげる流れかな。

●仮面ライダーリバイス(第11話:無敵のさくら、何のための力)

 2話1エピソードだとして準備編でしょうか。ゲスト含めて各キャラクターの現状と問題点の描写が多く、今話の情報を踏まえて次回で解決に向かう感じです。

・門田ヒロミ
 実は最も気になってまして。こちらで門田ヒロミ退場の可能性を、ライダーもののパターン、リバイスでのデモンズ誕生の経緯とかを踏まえての解説を伺ったもんですから。
 今話では冒頭でデッドマンズの起こす事件で奮闘するも、フェニックスではジョージ・狩崎に相手にされず、といった描写が気になりました。その後は出てこない。またもや不遇ということで、この後、挽回を図ったりすると無理をしそう。ともかく次話で注意して観ていきたい。

・大森聖子
 メインゲストで悪魔召喚するわけですね。息子の涼が重病で発作が起きると命に係わる。しかし治療には多額の費用がかかる。そこをデッドマンズに付け込まれるわけですな。大森聖子は空手道場師範代、涼は道場生で2人ともさくらと親しいため、必然的にさくらが巻き込まれることになると。

 デッドマンズより先に心理カウンセラーの灰谷天彦に取り込まれており、灰谷天彦がデッドマンズの誘いに乗ったため、聖子も誘惑に負けてしまう。
 今話では非常に印象深い描写がありまして、フェーズ2の契約しちゃうとこです。灰谷天彦が教えた、涼を救える名医は実はレントゲン技師。普通は「騙された!」と気付いて方向転換するところですが、聖子は「邪魔しないで!」と叫んでフェーズ2契約に進んでしまう。

 これって、いわゆるオレオレ詐欺でよく見られる緊急避難の心理現象なんだそうで。「この状況を脱しなければ」と思うと理性が下がり、普通はおかしいと思うことも正しいと思え、闇雲に行動しちゃうそうです。
 具体例としては、大金に振り込みしようとする客が詐欺に遭ってると気付いた銀行員、思いとどまるよう説得したら、客は「嘘でもいいから振り込ませろ!」と叫んだんだそうで。大森聖子もそのレベルで焦ってしまっていたようです。

・灰谷天彦
 心理カウンセラーとして人に心理に詳しいことを悪用して、ネット配信で信者を増やしていたところ、能力の高さに目を付けたデッドマンズのスカウトに乗った、でいいのかな。無限に増えるプラナリアのスタンプでデッドマン量産に持って来いの悪党。

 涼の治療費を得たい聖子を誘導して、銀行強盗とかさせるわけですね。もっとも、それがうまく行くと聖子は悪魔召喚やめてしまうでしょうから、たぶん妨害も同時に行っていそう。

 さらに、もしかするとレベルですが、涼の病状もこいつがコントロールしてるんじゃなかろうかと思えます。主治医がグルでないとすると涼の病気自体は本物なんでしょうけど、発作の誘発くらいはやってるかもしれない。そのほうが聖子を操りやすいはずです。

・さくら
 今エピソードのメインキャラクターですね。今までも急に暗い表情を見せたり、睨みつけてるのかなと思えたり、激しく怒ったりがありました。もっとも、その源は家族の心配であったりするわけで、悪質さは感じられないわけですが。

 それでも不安定な感じは否めません。今話で、さくらのそういう態度の理由の一端が明かされまして、力への欲求があるみたいですね。力さえあれば何でもできる、みたいな。空手に熱心なのも、それが動機みたい。

 しかし、五十嵐家を壊そうとしているように見えるアギレラに全く歯が立たない。怒りで威圧しようとしても、一輝も大二も揺るがすことができない。大森聖子には空手含めて届かない。

 そこで何者かから送られてきたドライバーとスタンプを使おうとしちゃうわけですね。ライダーの力さえあれば、思う通りのことができるはず、ということで。やりたいことは、大森聖子を止めるという善きことなんですけど、やり方は力尽く志向。心技体といったことを忘れて暴走しちゃう感じですね。

 不吉なことに牛島家を訪問したときに、背後に影らしきものが出現してまして、どうもさくらに巣食う悪魔っぽい。今話ラストでしかし、さくらがごり押ししたために、一輝がさくらを庇ってモロにプラナリア攻撃食らいまして、これでショックを受けたさくらが、次話で反省して一皮むけることに役立つかも。

 ともかく本編。ですが、既にだいぶ書いちゃったか。上述しましたが、ストーリーよりは次でドラマを見せるための準備情報出しが主みたいで、あまり「ここは大事なポイントらしい」というものない。

 さくらには何者かからドライバーとスタンプが送られてくる(たぶんデッドマンズから)。そのさくらが、尊敬する師範代:大森聖子がスタンプを持っており、銀行強盗に使うところを目撃してしまう。止めようと思うさくらですが、涼の治療代のためだと知り、ジレンマが生じる。

 しかし、アギレラと戦っても軽くあしらわれ、一輝と大二からはデッドマンズが絡む事件については戦力外とされ、さくらは力への傾倒を深めていくと。さらに牛島家がまたもや絡んできまして、ややこしいことになってそう。牛島家って、確かに普通の住宅のようですが、まるでビジネスホテルのように整理され、物もあんまりなくて生活感ないですね。臨時のアジトみたいな感じもします。

 それはともかく(^^;、灰谷天彦にそそのかされ、煽られもする大森聖子の行動はヒートアップ、涼を治せると灰谷天彦が言う天才医を、召喚したプラナリア・デッドマンで脅してでも手術を強いようとする。が、天才医ではなくレントゲン技師。ついに聖子は暴走し、フェーズ2に移行してしまうと。ここが不自然のようで、実はあり得そうというのは上述の通りです。

 さくら、聖子を止めるべく、ついに意を決してドライバーとスタンプを行使するも不発。混乱したさくらをプラナリアが襲い、とっさに庇ったリバイ/一輝がモロに攻撃食らって倒れ、次回に続くと。一輝が倒れたときのさくらの表情からすると、次はヒーローとして目覚めてくれる期待が持てそうです。

 次回「弱さは強さ!?無敵のジャンヌ」では、仮面ライダージャンヌ登場ですね。さくらが変身すると見て間違いなさそう。デザイン的には、ゼロワンのバルキリーを思い出すものがあります。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/24 (Wed) 00:12:50

 非定期感想です。

●牙狼-GARO- -月虹ノ旅人-(Youtube版)

 あらすじや見どころについては、こちらでNOVAさんの2019年10月8日付のご投稿
https://ralios.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=11302099
で伺っていたわけですが、やはり実際に観てみるとすごかった。上記ご投稿に返信的に印象を言ったりしてたんですが、やっぱり分かってなかったのがよく分かりました。

 例えば役者さんの印象として、スチール写真から大河が老師的、鋼牙が大河全盛期的と言ったりしたんですが、動く映像でアクション含めて観てみると、初出当時の印象も強く感じました。たぶんそう演出する必然性があって、例えば鋼牙であれば、雷牙の父であり、同時に大河の子であるわけで。3代揃い踏みともなれば、親子立場の二面性がきちんと感じられる作りにしてあったみたいですね。

 配役的な遊びもなかなか。気が付く人だけ気付いてね、ということなんでしょうけど、端役かエキストラと思ったら、あの人かと。初見では気づかず、後でウィキペディア等を読んで知り、観なおして確認しました。

 まず「黒ノ列車」のサングラスの乗客(雷牙に静かにするよう注意)が零役の藤田玲さん。小さいドラゴンみたいのを手の上に乗せるカットがありますが、知らないと分からないし、知って観なおしても確かに藤田玲さんだとは自分では断言できない感じです。

 冒頭の路地の商店街(?)抜けるときに、烈花役の松山メアリさんがいるのは、調べて知ってから観なおして、「確かに!」と思いました。が、ほんの一瞬です。雷牙が歩く背後で上を指さして笑ってるだけ。ウィキペディアに見える配役名も「笑う女」となっており、名もない端役扱いです。だけど気が付きさえすれば「あ、烈花だ!」なんですよね。

 上記のNOVAさんのご解説でしっかり「仮面ライダーナイトこと松田悟史演じる謎の男・白孔」(仮面の男=バラゴの依り代)と教えてもらってるのに、すっかり忘れて混乱しました。初見ではどっかで見た役者さんだと思い、「もしかしてジオウのゲイツ?」とか思ったり(^^;。ゲイツは龍騎の秋山蓮(仮面ライダーナイト)に似ている、とジオウ放映時に教わり、画像検索で確認して「確かに似てる!」と驚いたのを思い出しました。

 そういう細かい部分も面白いんですが、全体を通して観終わってみると、実に印象深い映画で、「見た方がいいほど傑作」「牙狼シリーズの総決算的な内容で、冴島大河→鋼牙→雷牙への系譜が一つにつながった」と仰っていたのが、よく分かりました。

 自分的に言い換えてみますと、印象の核のイメージは1つなんですが、いろんな言い方をしたくなります(どうも一言でバシッと決まらない、語彙がないorz)。1つには「手渡してつないでいく」となります。「手渡す」のは細かい演出としても頻繁に出てました。

 例えば、「黒ノ列車」でバデル(少年姿の大河)が雷牙に飲み物を渡すシーン(たぶん日本茶で、色が黄金騎士を暗示?)。2つのガラスカップに注がれた飲み物をバデルはじっと見比べ、少し量が多いほう(左手で取ったほう)を雷牙に渡してます。冴島家の黄金騎士は代々、次世代にいいものを選んで手渡してきた、ということを暗示してそう。

 雷牙についてもマユリと絡めて演出されてますね。雷牙は黒ノ列車から蝶を掴んで、しかし手放す。その手に渡ったのはマユリが手にした花であったりする。その花はマユリがカオルの絵を見て、自分(マユリ)が雷牙にできることは何かと模索し、手ずから育てた花であると。その花をゴンザは「代々、思いを伝えてきた」と言ってクロウに手渡し、ついに雷牙に届いて、戦いを勝勢に導くわけですな。

 そういう感じで「手渡す」「受け取る「つなぐ」等々がこの作品の大事な部分であるように思えました。そこから「英霊がいかにして現役騎士を守っているか」も見えてくる気がします。今までは、ぼんやりと姿を現す程度のイメージ的なものだったんですが、この作品で冴島3代で具体化しての一例を見ることができ、歴代がしっかりつながっていると実感できました。

 これが自分のTVの雷牙編(魔戒ノ花)に対する疑問に対する答え、不満の解消になってたりします。自分の不満は雷牙の危なげなさでした。騎士として完成された感じで、一度もピンチに陥らない(少なくとも鋼牙レベルのは)。が、今作を観てみると、ピンチに陥ってはならない、陥るはずがない理由が見えました。黄金騎士たる祖父、父があれだけ守っていたと考えると、そう簡単に危地に陥るはずがない。今作から逆算して、前の雷牙編がようやく納得できた次第です。

 ともかく本編。冒頭から魔獣ルト討伐に赴く雷牙ですね。ルトは既に獲物多数を捕まえてますが、まだ食らってない。が、屍人が忍び込んでるわけですね(名前が設定されててミサキだそうで)。後で分かるのが、その屍人もバラゴの依り代で、この場では雷牙に邪気を浴びせるのが目的だったらしい。

 ルトは討伐できたものの、夜に入って雷牙が一瞬の苦痛に襲われる。邪気の影響だろうということで浄化のために英霊の塔に向かおうとするわけですが、もうこの時点で取り込まれてたわけですね。後でどうなってたか明らかになりまして、真っ白の騎士姿になっちゃってたわけですか(石化?)。
(その直前の雷牙の謎の独り言「何時になったら、月は虹を放つのかな」は、ラストで明かされると。初見では聞き流してしまい、二度目でようやく伏線だと理解しました。ここも自分的には演出が細かくてややこしいところ。)

 が、この時点では観ているこちらも、雷牙もそんなことは分からず。白仮面の男が現れまして、マユリを術の暗示(かな?)にかけ、さらっちゃうと。行く先は黒ノ列車ですか。実はあの世に向かう列車ですが、この時点では正体不明の古風な列車でしかない。ただ、乗っていた少年(バデル)が雷牙に「乗るな」と警告する。が、マユリを追う雷牙は迷わず列車にとりつく。

 そこからは列車の先頭(そこにマユリがいる)目指すわけですが、簡単には行けず、切符を持たない雷牙は牢に囚われたり。ただ、そこで少年バデルと雷牙が血縁らしいと匂わされるわけですね。バデルは雷牙を見送った後、鋼牙と連絡取ってまして、鋼牙の態度から何者なのか察するものがありますね。だからバデルは最初から雷牙にため口なのか。
(先頭車両に向かう途中、冒頭の路地の商店街とよく似た車両があったのは、もしかするとこれが雷牙の幻覚みたいなものだという演出なのかしらん。いろいろ複雑に匂わす作風みたいですんで、どうも分からなくて、しかしいろいろ考えたくなります。)

 牢内での会話は雷牙の迷いを暗示するものだったようですね。バルチャスをする白ヒゲ、青ヒゲは実は父子。息子の青ヒゲが雷牙をからかった嘘「父に捨てられた」に、雷牙はショックを受けてまして、後で分かるのは、そこ(父:鋼牙を疑ったこと)が雷牙の迷いの核心だということ。

 やっぱり雷牙は完成された騎士だなという気がします。当の父親たる鋼牙ですと、カオルのことだけでも迷いに迷ってたわけで。牙狼1st(暗黒魔戒騎士編)では零にサポートされ、牙狼MSでは烈花にたいそう心配されて手配りもされ、えっちらおっちらで今の鋼牙になり得たわけで。大河も描かれたエピソードは少ないですが、バラゴについて迷って止めが刺せず、鋼牙に後を託さざるを得なくなってました。

 やはり雷牙に手渡され、引き継がれたものが精選されてたからなんでしょうな。しかし、鋼牙も雷牙も父とは幼少時に離別。ということは、守り役のゴンザが騎士魂を伝えてくれたのかな。それならゴンザが己が命よりも「思いを伝える」ことを重視するとクロウに述べたことと合致しそうです。

 それはともかく、マユリに追い付いてはみたものの、偽物というわけですね。まあ本物は外/現実で雷牙を心配してるわけですから当たり前か。全て雷牙の夢(みたいな世界)。白仮面も倒しますが、本物は着々と策謀を進めてるわけですね。しかし夢世界の偽物とはいえ、倒してみると現実に帰ってくると。

 ただし邪気による術のこととて、半ばは雷牙、残りはクロウが命がけで術を返してのこと。が、雷牙狙いはフェイクだった模様。敵の真の狙いは黄金騎士の鎧の邪気で「牙城」を召喚することにあったらしい。本物の白仮面もそこにいまして、正体はバラゴというわけか。ここで冒頭のシーンの意味が明かされまして、雷牙の産声を聞いたバラゴは無から蘇り、冴島の血を絶やそうとしたと。

 牙城を英霊の塔の上空に出現させたのは、英霊の力を悪用して最強の鎧オウガを手に入れるためでしたか。暗黒騎士呀としては鋼牙の牙狼に敗れているため、より強い鎧が必要だったんでしょうな。そこからのバトルは見ものでして、19年のご感想の興奮がようやく実感できた気がします。

 たぶんですけど、牙狼シリーズを観だして日が浅かったら、このバトルについて自分は「黄金騎士3名揃い踏みすればいいのに」みたいなことを言ってしまったんじゃないかと思います。しかし今だから言えますが、「黄金騎士牙狼の鎧が一子相伝の1つであることを尊重してくれて嬉しい」(ザルバは3人いますけどね(^^;、それはそれで良し)。

 鎧が1つであることを使ったトリッキーな演出が見応えあるのも確かですが、大河の牙狼→鋼牙の牙狼→雷牙の牙狼とつないでバラゴを倒す流れは、「ああ、シリーズ通して今、この雷牙にたどり着いたのは、こういうことか」と思えます。バラゴが「たった1つの鎧」と侮ったのは、黄金騎士が代々手渡してきたつながりが見えてなかった、それが二度に渡る敗因ということか。

 この勝利には当然、女性陣も不可欠の参戦でして、カオル→マユリですね。かつ、後で明らかになりますが、未来のマユリの子も助けていたと。マユリが英霊(かな?)から言われたことからすると、父親が雷牙であることは間違いない。そのうち、雷牙の子の牙狼の物語も作ってくれるかな?

 それはともかくエピローグ。雷牙はガジャリに頼み事(牙城への転移)した代償(時空のはざまの旅人)の約束を果たそうとするも、もう鋼牙が20年前に代わって受けると約束していたわけですか。ここも前に教わっていながら忘れ、混乱したポイントです。最初、カオルがさらわれて鋼牙が追った件と、鋼牙が雷牙の代償を引き受けたのは別々の話だと勘違いしました。

 鋼牙が本作の事件を未来視し、雷牙の代償を引き受けた20年前に、即座に代償を払って未来のはざまを旅しはじめたということでしたか。魔戒烈伝で流牙世界と鋼牙が交錯したわけですが、設定的に「月虹の旅人」事件の前なのか後なのかとか気になってきます(と同時に、ファン的にあれが大事件だということも実感として分かる気がしてきた)。

 それはともかく、雷牙とマユリの現状と行く末が見えるシーンはいいとして(いや、それはそれで大事件ですけど ^^;)、今も自分ではよく分からないのがラストシーン。カオルが絵を仕上げる様子を、後ろで雷牙とマユリが見守っています。これって、カオルはこの世界に帰ってきたということなのか。

 しかし鋼牙はカオルを連れて帰ると約束してます。「月は虹を放つ」もまだ起こってなさそう(少なくとも描写されてない)。映像はイメージシーンによくある、周囲がぼやけるような演出がなされています。となると、以前にカオルが描いていた頃と、今の雷牙とマユリが絵を眺める様子が、1つの映像で示されたということかな。いずれこういう平和が来る、という希望を描いたと思っておけばいいのかも。

 非常に見応えがありました。不服を言うとすれば、途中でCMが入っちゃうことかな。これがTV録画であれば編集でカットできるんですけど、いかんせんYoutube放映。最初から最後まで没入したければ映像ソフトを買いなさい、映画館行かなかったんでしょ、と制作に言われたと納得しておくことにします(^^;。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/24 (Wed) 17:27:08

 定期感想その2です。

 ジャッカー電撃隊が第4話まで来たんですが、ゴレンジャーと作風がガラッと変わって、少し混乱してます(^^;。なんとなくですが、クウガの無情なドラマ運びを戦隊もので観ているような気がしまして。

●青天を衝け(第36話:栄一と千代)

 ついにお千代さんが旅立ちましたか。そうなる、それが今話だと分かっていても、半端なくショックです。そうなるのも、病を得る直前までは「さあ、これからだ、ここからだ」の感じがうまく出ていたことも大きそうです。

 今話は2つの流れが対照的に描かれたように思います。1つは栄一が志す政治経済の世界の話で、まさに激動。それというのも、個々を詳しく描かず年表的で、どんどん事態が流れていく演出だったからかと。それが栄一に試練を与えるが如きになっていく。

 もう1つは栄一の家庭ですね。うたの結婚話が持ち上がって、見合いするなりウマが合いまして結婚。そういう出来事が象徴するように、きわめて平和で、外の寒風が吹きこむことがあるも、たいして騒ぐでもなく盤石な感じ。しかし平和の柱石と見えるようになったお千代さんが。

 そういう外と内の境界も描かれまして、養育院ですね。ここは千代が入ってくるようになり、印象的には次第に栄一の家庭の領域に近づいていく感じです。が、予算や運営は外と接してもいるわけで、栄一が養育院という内と外との境界線をいかに守れるか。その押し合いへし合いが今後を暗示するのではないかと思えました。

 ともかく本編。まず世の中の政治経済激動は、三菱の岩崎弥太郎が政府中枢の大隈重信と組んでの海運独占からですね。押される一方の三井らを栄一は東京風帆船会社を設立して反撃を試みる。が、岩崎が大隈と語らい、メディアを使いデマまで用いて叩き潰すわけですな。ネタは北海道開拓ですか。これに五代友厚も巻き込まれ、仲介役も一時停滞するみたい。

 しかし伊藤博文らは座視せず、おそらくは帝を巻き込んで大隈を政府から追放し、権力を掌握すると(明治14年の政変)。前話までで既に策動していたようなので、岩崎につられた大隈の戦線が伸びきったところを一気に叩いた形か。が、井上馨が「あの佐賀人は不死身」なわけですな。岩崎という大スポンサーがついたままの大隈は野に降るも、直ちに野党を結成して巻き返すと。自由民権派の支持は大隈側にありそうで、より強大な敵を育てちゃったのかもしれない。

 これに栄一は政府の援助を受けて、非三菱系の海運会社(風帆船会社)を統合、再反撃に出る。これが冒頭から20分くらいで立て続けに描かれましたので(ほぼ台詞とナレーションですけど)、まるで強風の荒海を帆船が突っ走るかのようです。

 しかし栄一の家庭は上述しましたが、ほぼ盤石の平和があるわけで。その境界を象徴するのが養育院ですね。千代は養育院まで活動を拡大していて、栄一の第二の家庭へ拡張しつつある感じ。そこを守ろうとする栄一ながら、予算は苦しいわけですな。そうなると福祉政策の常として、どうしても切り詰め、場合によっては切り捨てる動きも出てくる。

 それでも栄一は養育院を死守したいらしい。おそらく実利を考えても、人材はどこに埋もれているか分からないといったことがあるんでしょう。亡くなったり、教育の機会を失するようでは有為の人は出てこない。しかし反対派、これは岩崎弥太郎流だと思いますが、既に才を発揮している人に投資すべきで、無為かもしれない人は優先度下げろという主張も出る。冷たいようですが、日本の現状としては集中投資しないと今にも列強に飲まれる、と考えて備えるのも理がないとはいえない。

 しかし結果が出てないことを議論するわけですから、しまいには「私が間違っているという、あなたが間違っているという、私が(繰り返し)」の、子供の言い合いみたいになりまして、どうも結論が出そうにないですね。この後、養育院はどうなるんだろうと思いましたが、本編終了後の解説でその後が分かる仕掛けでしたか。

 そして栄一の家庭ですね。栄一が首をくくった、みたいな不穏なデマが流れてくるも、栄一は家庭では落ち着きを見せてまして、千代も栄一さえ無事なら揺るがない感じです。そのことは、長女うたの縁談から、とんとん拍子の結婚のエピソードによく表れていたような。

 父ちゃんの常として、娘の縁談に気が進まない栄一であるわけですが、まず千代にたしなめらて返す言葉なし。あそこはちょっと笑いましたが、うたがさらに凄い。何が凄いって、間接的に千代がいかなる人か、物語ってました。見合いして、最初は相手の穂積陳重に緊張する様子があるも、両親ついて聞かれると、「これが堰を切ったようにというやつか」と感心するほど饒舌になってました。

 ほとんどは母:千代についてですね。もう夢中になって語ってます。それだけ誇れるし、愛する母であるらしい。となると、当の母:千代さんがいかなる人であるか、実感として察するものがあります。見合い相手の穂積陳重もそこに押し切られるような、惹かれるようなで結婚に至ったんだろう。

 うたの結婚後も栄一の家は順風満帆でして、みんな元気で幸せそう。養育院も千代からはうまく行っていると見えてるんでしょうな。千代が体にいいからと勧められて牛乳を飲んでみる辺りが絶頂か。その牛乳がいけなかったか、それとも集団生活の養育院からなのか、千代はコレラに感染。

 ここから一気に下るわけですね。栄一は心配する子供らを励まし、希望を持たせようとするも、千代のような影響は与えられないみたい。コレラもおそらくは専門と思しき外国人医師を招いたりするも病状は好転せず。栄一は為す術を知らず、ほとんどおろおろするばかり。

 直前で元気なときの千代に言われてましたが、家庭を顧みないことが多かったのに、こうなんですか。「帰ればいつでも家がある、家族がいる」と思えばこその、外でのしたい放題だったらしい。いざ「失うかもしれない」となってみると、硬い大地が底なし沼になったような気がしたのかも。

 栄一の願いむなしく、いよいよお千代さんご臨終となったときが、自分的に印象凄かった。とっ様のときは泰然自若の静かに、かっ様のときは看取る人に暖かくの最期でしたが、お千代さんの最期は凄みがありました。栄一は全てかなぐり捨ててもいいからとまで思いつめ、千代に縋り付こうとしたわけですね。

 しかし、お千代さんは「生きて」と言い、押し返す。眼光が物語っている気がしました。『まだ、こっちに来るな』と突き放す感じ。怒りに近いものすらあるような気がしまして、この雰囲気どこかでという気がして思い出しました。栄一がパリから送った写真(ザンギリ頭、洋装)を見て「あさましい」と嘆いた千代さんです。

 あくまでも自分の印象的にはですが、お千代さんは最後に栄一に「志を忘れて、そのようにうろたえるとはあさましい。最後まで使命を全うしなさい」と叱り、押し返して旅立ったように思えました。

 そこまで見届けてから気が付いたんですが、おくにさんも今回も地味に凄い。つかず離れず、みんなの気持ちを察しつつ、控えめながら尽くしていたようです。おくにさんの子も千代の死に際して、おくにさんに縋り付いてました。そうしたことは、特にかっ様亡き後のお千代さんの人徳ということなんでしょうね。
(でも、栄一の再婚相手は、前にちょこっと出てきた伊藤兼子らしい。おくにさん、なんとも不遇な気がする ^^;。)

 次回「栄一、あがく」では、お千代さんを亡くしたショックから栄一が立ち直り、岩崎弥太郎との対決になっていくみたいですね。いよいよ最終決戦ということか。となると、海運業での決着が、この物語のラストということかな。それはそれでよし、という気がします。

●ルパン三世 PART6(第5話:帝都は泥棒の夢を見る 前篇)

 江戸川乱歩の世界であり、戦前の昭和初期の世界にルパンが転移する話で、こちらで事前に伺った通りでした。タイムトラベルでしょうから、この過去でのルパンの行為が、現在のルパンへ影響していくみたいなことも期待できそうです。

 冒頭、不思議な物体の横を通り抜けて、どこかの世界に出るルパンなわけですが、あの物体が何かのカギなんでしょうな。ともかくも、出てみるとルパンは黄金仮面とされており、時代は昭和初期。出てくるキャラクターは銭形や次元、不二子に似てはいるけれど、どうも別人らしい。

 不二子が黒蜥蜴、次元が本郷少佐ということですか。銭形は波越警部と。全部、江戸川乱歩作品の有名人物らしい。次元/本郷少佐は軍の自動拳銃(南部銃とかいうやつ?)使ってまして、リボルバーですらないところを見ると、やっぱり完全に別人なんだろう。不二子/黒蜥蜴は別人であっても、元の不二子とあまり変わらないかもしれない(^^;。銭形/浪越も然り。

 争奪の対象は元帝国由来の大時計ということらしく、陸軍の大道寺大佐が狙っているらしい。しかし、発見して持ち帰ったのが民間で、今の管理は財閥令嬢の瑠璃子というわけですね。サラントヤなるキャラクターが護衛についてまして、腕が立ち、忠誠心は高そう。江戸川乱歩となれば明知探偵が出てくるのは必然で、陸軍が大時計を接収しようとすると、偽の電報で騙して退散させるわけか。

 サラントヤは大時計を守り続けた一族の末裔とのことで、瑠璃子が大時計を大陸から持ち帰るときに、一緒に連れ帰ったみたいですね。奪ったと恨んでいる様子がなさそうなのは、瑠璃子がむしろ時計を保護したと考えているからなのか。

 瑠璃子とサラントヤは同性愛のカップルかと匂わせる描写がありますが(ベッドでの飲酒等)、ちょっと疑問アリです。サラントヤの入浴シーンを見ますと、女性らしいと分かる描写を一切避けてます。瑠璃子が風呂場に顔を出したとき、サラントヤが驚いて警戒する様子もある。

 サラントヤは男性の可能性がありますが、それだと(肉体関係が既にあるのなら)瑠璃子は性別を知っているはず。ですが、入浴中のサラントヤは知られまいとする様子がある。ということは、サラントヤはなぜか男性であることを隠し、女性に成りすまして瑠璃子に付き従っているという可能性が。となるとサラントヤの素性に大事な秘密がありそうで、次話で明らかにしてくれるんでしょう。

 それはともかく(^^;、ルパン本人がいて、不二子似、次元似、銭形似のキャラクターがいて、1人足りませんね。大時計展示の夜の百貨店に立ち寄る瑠璃子にルパンがちょっかいかけると現れまして、名前もオリジナル通りに「石川五ェ門見参!」と。瑠璃子がボディガードに雇ったみたいですが、もしかして本人/本物かな。

 ともかくも、種や伏線を仕掛けるだけ仕掛けておいて後編に続くのか。どうやって風呂敷畳むのか、期待したいと思います。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/25 (Thu) 11:07:47

牙狼の「月虹の旅人」、シリーズの集大成として興奮、感動したというのは2年前の感想にある通りですが、今回、改めて見た感想としては、「ストーリーのどんでん返し」が本当に数多く散りばめられていて、初見はサプライズ、2回めは伏線がうまく仕掛けられていて感心させられる、筋書きの完成度の高さに唸らされるというもの。
 具体的に挙げると、

1.白孔の正体がバラゴ
 初見は、白孔が前座で、ボスがバラゴという風な前情報があったのですが、実は白孔も屍人でバラゴの邪気に操られていたと言う。
 オープニングで、いきなりバラゴの伏線を張っていますし、白孔自身は列車の中で雷牙と戦って決着がついていますし、因縁ある鋼牙と対峙する際に初めて正体を現すシーンも、これまでが雷牙メインの話だったのが、冴島3代の話に切り替わる絶妙なタイミングだったか、と。

2.死者の魂を運ぶ列車が幻
 この列車はいかにもファンタジーの舞台という感じで、この映画の中では異彩を放っていますな。雰囲気がどこかコミカルで、列車内に縁日の街みたいな広大な空間があったり、車両の乗り換えのたびに違う舞台に飛ぶ荒唐無稽さが、不思議空間を演出。
 人によっては、「牙狼の世界観にはそぐわない」という意見もありますが、長い映画なので、同じトーンだけでは食傷するのも明らかだし、バデルとの交流を中心に、伏線が仕込まれたシーンだし、何よりも「リアルさを感じさせない」のも当然、「雷牙の心象風景だから」という仕込みに、ほう、そう来たか、と。

 で、映像としては、途中いろいろあっても、最後の「死者の魂がふわふわ列車とともに、あの世に飛んで行くシーン」が美しくて、そこが一つのクライマックスのようでもある。
 生死の境界を越える魔列車というイメージは、古の三途の川、船のイメージと比べて、近年の産物だけど(自分が初めて経験したのはファイナルファンタジー6だけど、ウルトラQの「開けてくれ」の回や、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」も明確ではないけど、幻想的な死のイメージがある)、この世からあの世に渡る乗り物として、昔は船、近年は列車がみんなの魂を乗せるイメージとして良き器なのかな、と。

 この辺の幻想イメージは、makaisenkiの列車が単にバトルの舞台としてしか描けなかったのを、もっと幻想的に描きたかったとする雨宮監督の意図が込められたらしくて、生死の世界や時空を越えた旅人の映画的世界観を象徴しているとも。

3.バデル
 魔戒語で「父」ということで、まあ、ラテン語の「パテル」をもじったんだろうな、と感じて、こいつは鋼牙だろう、と初見で思っていたら、実は雷牙の祖父の大河だったというのも、どんでん返しでしたね。
 でも、魔列車が死の世界に通じているという話で、大いに納得。死にかけた雷牙が魔列車に乗るのを止めようとしている祖父の霊が、孫と交流しながら、いろいろと解説して、そして伏線を紡いで行く。
 TVでは交流のなかった大河と雷牙の結びつきを映画で構築し、3代の絆に仕上げて行くのは、実にいい脚本の冴えよ。

 そして、バラゴが生死の境界を曖昧にしたことで、一時的に実体化できた大河が登場。
 列車内では力が発揮できなかったのが、異界化が進行したことで往年の姿を取り戻したということで、そりゃあ、バラゴが死から蘇るなら、大河が蘇っても納得するしかないな、と。

4.ガジャリとの契約
 本映画の最後の感動シーンになりますね。
 バラゴと戦う父・鋼牙を助けるために、この世からの旅立ちを決意した雷牙ですが、戦いが終わってマユリとの別離を覚悟すると、実は契約は既に鋼牙が雷牙の代わりに為している、と。

 鋼牙は何回ガジャリと契約してるんだ、と思うばかりですが(だから時空修復の任務を果たすという意味で、ディケイドみたいなタイムトラベラー、ディメンジョントラベラーになって、牙狼世界をつなぐ中心になっている)、一方で雷牙には現世に留まる未来が与えられた。

 本作では、マユリと雷牙の絆も描かれ、TV版では魔道具だったマユリが人としての感情と命を取り戻すまでの話で、雷牙が保護者的な描かれ方だったのが、男女の愛情に発展する流れをも見せています。
 前半が、マユリを救うために魔列車に飛び込んだ雷牙が、実はそれが幻で、本当に死にかけていたのが雷牙というどんでん返しで、そこから雷牙を呼び戻し、バックアップするのに、マユリとクロウとゴンザが、それぞれのできることと想いを示し合う流れ。
 そこから雷牙には冴島3代の絆が、マユリには雷牙の母のカオルの想いが紡ぎ合わされ、牙狼の系譜が未来にも継承される道筋が示される、と。

 シリーズファンとしては、未来に受け継がれるストーリーというのは、もっと追いかけたいという感動を呼びます。

 まあ、逆に現在の最新作であるヴァーチャル・ロードは、牙狼の系譜の断絶を描いてしまったので、いささか残念な終わり方なんですけどね。
 英雄譚の継承が冴島シリーズの王道である一方で、VRは英雄願望が殺し合いを呼び、それに巻き込まれた一般人が英雄であることを否定することで当座の救済を得る。まあ、牙狼版の仮面ライダー龍騎と考えているのですが、変化球ですね。

 雨宮監督の紡ぎ上げた王道牙狼路線を、変化球ではなく、直球で受け継ぐクリエイターが出ないかなあ、と今は期待しつつ。
 いや、もちろん、雨宮監督が直接描くのが理想ですけど、今は絵本に専念しているみたいだし、月虹の旅人以上のものを描こうとすれば、それこそ冴島編と流牙編のコラボしかないのでは、と思いつつ。
 でも、流牙編も「神の牙」TV版で変な方向に迷走しちゃったからなあ。前日譚の映画版が傑作だっただけに、後味悪い終わり方になって、ここからどうなるんだろうか、と。

 ともあれ、王道の柱を堪能できたのは良かった、と。今回は王道の再確認ができたのが嬉しいです。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/25 (Thu) 16:35:28

 定期感想その3です。

「月虹の旅人」のご感想を拝読しますと、それを踏まえてもう1回観たくなります。しかし1日限定ですから、もう観られない。どうも残念ですorz。せめて1週間の猶予があったらなあ。

 東映公式Youtubeの仮面ライダーBLACKが第48話まで来まして、残り3話ですね。ヒロインが日本を離れ、南光太郎と秋月信彦に焦点が絞られ、確かに最終盤という雰囲気です。しかし光太郎、この期に及んでいったん死んじゃいますか(^^;。しかも、ここまでの振り返りを光太郎、信彦の回想で見せたりもすると。

 どうもクライマックス前に落差と溜めを作る狙いなのかな。来週、再来週が大激動になると期待したくなります。

●境界戦機(第8話:再生の槌音)

 今話は見終えるまで、だいぶ不安でした。冒頭では兵器の説明があり、目を輝かすアモウとうつむき加減のシオンが描写され、両者の温度差が感じられます(ガシンはアモウ寄りかな?)。

 その後、廃村の再生のプロジェクトが行われる。非常に平和な建設でして、こういうビルダーもいいなあという感じ。特に生き生きしたのは、冒頭とは逆にシオンです。アモウ→シオンかつ兵器→生活の流れですね。

 となると、もしかしたらラストでひっくり返しに来るんじゃないかと。ここまで、支配層による戦闘/戦乱で平和を奪われる流れが散々描かれてきたわけですから、またもや「こうまで努力しても壊される」というシビアさを見せつけて、次で小休止程度の解決を与えるのかなと。しかし、最後まで平和で終わりまして、ほっとしました。

 ともかく本編。冒頭、レジスタンスらしきトラックが山中に煙が上がっているのを発見しまして、山火事ではなく人がいるというわけですね。これが八咫烏に報告されると。OP曲後、シーンはジェルマン・ゴベールとの商談(?)へ。戦争なら何でも、とのセールストークですが、今回は八咫烏の宇堂キリュウが求めるのは支援物資になるわけか。

 避難者支援に移る前に、ジェルマンから兵器を見せてもらう。アモウは一目でよく分かるようで、解説までしてくれる。次話以降の新メカの紹介を兼ねてそうですね。かつ、主要キャラクター3名についても上述の通りです。OP映像のシオンはキリっとしてますが、今の本編ではまだ弱気で乗り気でもない感じ。これが避難者支援パートで生き生きしてくるのと落差が生んで効果的のようです。

 そして今話メインの廃村への避難者の支援パート。親戚同士の2家族9人が戦場となった町から、この廃村へ逃れてきたわけですか。もう1週間になるらしい。ライフラインはないし、山中ですから水はかろうじて汲めるようでうが、食料は尽きかけてるんじゃないか。ときどき危険を冒して人里へ戻ったりもしてるんだろうか。

 しかしレジスタンスの八咫烏の支援が入るわけですな。アモウらも同行している。避難家族には人懐っこい子供もいまして、なぜかいきなりガシンに「パパ」と叫んで抱き着いてますな。今話では陶芸につかえる窯を見つけたシオンが目立ったように思いますが、ガシンが地味にじわじわ子供に情が移っていくようであるのも面白い。根は子煩悩体質なのかもしれない。

 廃村を住めるようにする主要作戦はライフライン復活ですね。水は地下水を井戸化してなんとかなる。幸い、水圧も相当ありまして、水道にするのも可能でしょう。電気は廃車からモーター取ってきて水力発電ですか。川に水車を設置するも出力が足りない。まあそうでしょうな。

 水力発電は主に位置エネルギーを利用するわけで、小川のせせらぎの運動エネルギーではちょっと無理。そこで水圧のある地下水が役立つわけか。しかし岩盤があって掘り進められない。八咫烏はAIガイのアイデアで資材を追加発注、レーザー利用の掘削で乗り切ると。ただ掘削機の始動は音声コマンドですか(^^;。バンダイからは、いずれ音声コマンドのオモチャとか出してくれるかな?

 それはともかく、シオンのパートは陶芸の窯ですね。窯を見つけたシオン、話しぶり、表情、しぐさ等々が急に生き生きしてくる感じです。アモウも手伝いまして窯を小屋ごと修理、ろくろも揃えて陶芸ができるまでに復活させる。自分は知らなかったんですが、陶芸用でもパンとか焼けるんですか。なるほど。

 皿などを失ったんだとしょげる子供たちに、シオンは新しい食器を焼こうと励まし、一緒に皿づくりと。ガシンも地味に子供を可愛がってまして、野イチゴとか、自生の美味いものを教えたりしてますね。ここいらはレジスタンスとしてのサバイバル経験が物を言ってるんだろう。

 水も電気もなんとかなりまして、当面はこれでよさそう。長期定住を考えているようで、農業も始めてますね。ただ、本格的な収穫は先になりますし、牛すらない人力では生産量も充分ではなさそう。それでもこれだけ八咫烏が手をかけるのは、後々のプランがあるんでしょうな。

 よく考えたら、9名を安全な場所へ移すほうが簡単なはず。廃村を復活させるのは、避難民シェルターとして拡充していくつもりということかと思います。今回作った水力発電とてメンテは必要なわけで(たぶん急造なだけに壊れてくるのも早い)、継続支援はするはずです。それには定住者の人出がないと困る。もしかすると、今回の村はいずれ再登場して、人が増えて発展している様子とか描写してくれるかも、と妄想して期待したくなります(^^;。

 ともかくも初めての終始平和な話でして、ほっと一息つけました。次回「自治区」からは、またシビアに寄せていくのかな。新登場らしいスーツ姿の男がなんとも怪しそう。

●絶狼-ZERO- -BLACK BLOOD-(第3話:外敵-ENEMY-、第4話:真実の夢-DREAM-)

 まだ4話目ですが、なかなか面白い。これがたった6話というのは残念な気がします。が、全6話だからこそ4話目でもうこれだけ盛り上げてくれてるということでもある。見終えてないので確かには言えませんが、TVの外伝的シリーズ中では、最短ながら最優秀の1つに入りそうです。

 ともかく本編。まず前半(第3話)では、リングが作ったコミュニティの概要が補足されてますね。外界から切り離された異空間みたいなところではなく、結界で立ち入り禁止の不可視にしてあるだけですか。子供には見えるようで、自分みたいに心が汚れてると見えないのかしらん(^^;。

 世に犯罪者やら親からも逃げないといけない者やら多すぎて、コミュニティが拡大しつつあるらしい。月に1人だった礎(ホラーの餌食)が2人に増えてますな。ちょっと計算したんですが、1/50で月に1人だと死亡確率1/2(毒物なら致死量の基準)まで35か月=3年弱ですね。2/50になると17か月=1年半弱ですか。1/50でも割に合わんと思いますが、いわゆる生存バイアスとかそういうものが働いて、正常な判断ができなくなってるのか。

 その正常な判断が戻ったのが、コミュニティの世話役を務める仲井間コウスケで、確率2/50と知るや、誰か代わりの犠牲を探し始めると。目をつけたのが新参の湾田サトシの婚約者:末守ナツミで、サトシを心配してるから呼べばノコノコやって来るだろうというわけですか。
(次話で湾田サトシもやや正気を取り戻し、ナツミを巻き込めないと思ったのは興味深いところです。こっちはちょっと希望持てるかも。)

 一方、零側。コミュニティの所在を突き止め、急襲するわけですが、もぬけの殻。リングがもう場所移しちゃった後だったわけですか。バトルとなりますが、大事な情報開示ありまして、コミュニティ設立の目的ですね。リングの語るところによれば、「ホラーは人間の乱獲やめて最小限食らうから、魔戒者もホラーを襲うな」という共存(?)ですか。

 牙狼ではMSの布道シグマのプランに近いですし、他作品でもときどき見るものですね。絶対うまく行かないやり方ですな。牙狼ですと、魔戒の者ならば「仲間を犠牲にして生き延びるくらいなら共に死ぬ」くらいのものがあるわけで、そんなプランが受け入れられるものなら、とっくに成立してるでしょう。零らも言下に拒否です。

 バトルはリング優勢の模様ですが、ユナが不屈の闘志見せまして、しかしそれではやられてしまう、というところで突如、歌姫イユが介入。ユナの剣を止めたのはいいですが、クロウドと呼びかけてますな。目が見えないため、剣と骨の気配で勘違いしたらしい。が、何か違うと気づいたらしいイユは激しく動揺、リングも慌てて連れて去ると。

 続いて後半(第4話)。コミュニティに戻ったイユをリングは励まし、歌わせる。これになぜかユナが反応するわけですね。まあ親子だから、ということでしょう。イユの歌がコミュニティで絶大な力があるのと同様、ユナの歌にも力があり、零らの回復を助けたみたいですな。

 そこから回想でユナの母イユの紹介となりまして、歌は治癒能力などでしたか。その他の力もあるんでしょうな、ホラーとの戦闘で支援になってるみたい。が、その戦いにユナが心配して駆けつけたのが仇となりまして、イユはホラーに襲われて橋から落下。そこをリングに拾われて今に至るらしい。

 クロウドとカインはリングを追うも、クロウドは腕を切られたうえで返り討ち。そのときイユが盲目で現れて、生存だけは確認されたわけか。イユは斬られて剣を話さない手に触れてクロウド本人だと思い、先のバトルでもクロウドと思って剣に触れたと。が、何か違うという違和感が生じてのショックだったみたいですね。たぶん「クロウドの剣を持つのは誰だ、自分に近しい者か、クロウドはどこだ」みたいな。

 回想終わりまして、零側。湾田サトシの婚約者ナツミはまんまと仲井間コウスケに騙され、連れ去られた、と思ったら零の計略でしたか。追跡できるようにして連れて行かせたと。ちょっと冷酷な気もしましたが、容易に追いついてたところを見ると、危険な作戦ではなかったらしい。

 仲井間コウスケがナツミを眠らせ、当たりのカプセル=ホラーの血を飲ませようとするところを零らが押さえまして、コミュニティはどこだと。コウスケ、なんとか逃れようとストーカーなんですとか言い出す。この場合、零らはナツミから充分に話を聞いてますんですぐにばれるわけですが、コウスケは零らが事情を知るとは知らない。

 その場を逃れる程度には通じる嘘と思ったんでしょうね。その様子からすると、コウスケは簡単に嘘をつく性分であるように思えます。となると、親の借金で内臓を取られそうになって逃げてきた、というのも嘘かも。逆に自分(コウスケ)がヤバい筋から借金して、親の内臓を差し出そうとして失敗、命を狙われて逃げてきたとか、そういう疑いを持ちたくなります。

 そういう妄想はともかく(^^;、コウスケは車に乗り込んで逃走。しかしリングが逃がすわけないわけですね。コウスケの行く手を遮り、掟を破った罰のルール通り、礎にすると。そのリングですが、コミュニティの絶対の支配者ではないみたいですね。他のホラーから人間を要求されて、ちょっと困ってる感じがありました。

 人間との協定みたいなこと言い出すホラーは普通は信用できません。たいてい裏がある。しかしリングに限っては、真面目にそうしようと思っているのかもしれない。あちこち宥めつつ、今の状況を作り、維持し、安定した共存(?)システムへ発展させようとしているように見えてきます。

 これで中盤終わりまして、次はいよいよ終盤ですか。伏線や謎が一気に明かされてきそうです。

Re: 11月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/11/27 (Sat) 00:25:11

 遅ればせながらの定例感想です。
 そろそろスパロボが終盤に来てて、頭の中がそちらでいっぱいになってて、後回しモードでした(言い訳モード)。

★ダイ大

 ハドラーさんが救世主として大活躍、格好良い回でした。

 そして、ヒュンケルとクロコダインの不死身の壁がポップたちを守り、この後は「かつての軍団長ということで拉致監禁」されますね。
 まあ、ミストさんはヒュンケルを闇に戻るように誘惑したりしますし、捕まえておくと何かに利用できるという判断もあり。

 そして、ハドラーさんの部下の親衛騎団は、ブロックがキャスリングの特技を駆使して、身代わりになって、結局、ハドラーたちは撤退。

 ダイは、マザードラゴンに運ばれますが、ダイではなくてバランの魂を迎えに来た感じですね。よって、次回がバランの本当の最後の出番になるかな、と。
 確か、バランとソアラの魂がダイに別れを告げつつ、見守っているOPシーンが昇華されそう。

 まあ、明日が仕込み回になって、それからロン・ベルクが武器の修復したり、状況立て直し回に入る流れ。

★リバイス

 さくらが新ライダー・ジャンヌに変身する回の前編。
 次回で、変身に成功する予告が流れますが、どんな悪魔が憑いて来るやら。

 そして、不気味な牛島一家の謎を気にしつつ。

★青天

 千代さん退場回で、いろいろ落ち込む栄一。

 一方で、面白いと思ったのは、「自由民権運動が一般には、日本の民主主義の発展を描く美化された活動なんだけど、本作では必ずしも栄一の味方とは限らない敵対関係にある」視点ですな。

 民権家の主張では、福祉政策が実利を伴わない公共事業で、日本の発展には無駄遣いらしい。

 マスコミを利用するのが上手いのが、三菱の弥太郎さんで、栄一たちは批判を受ける側という作劇で、立ち位置が変われば視点も変わって、善悪の基準も変わるのが、目から鱗の気分だったりも。

 そして、次回、岩崎さんとの決戦回みたいですが、栄一VS弥太郎のダンピング競争が両者共倒れになりそうなところで、弥太郎が病気になるとか。
 弥太郎の弟の弥之助が、三菱の2代目頭取になって、彼はアメリカ留学経験もある人間らしく、栄一と理解し合って和解する流れらしい。
 よって、弥之助が政府の勧告もあって、栄一の作った会社との合本体制を受け入れ、この海運競争は終了するようですが、次回の放送で、そこまで描かれるかな。

 ともあれ、次回は千代を失った栄一が、苦悩の末に足掻いた挙句、三菱との和解、および再婚という形で、再び明かりが灯るところまで(明治18年ぐらい)かな、と踏んでいます。

 その後は、明治20年代に大日本帝国憲法および帝国議会、そして日清戦争に通じるのを駆け足で進むと思いつつ、まあ、自分的には最後の月はダイジェストと考えています。

 現状の感想としては、政治と外交、そして栄一の家族の描写が中心になって、思ったよりも経済ドラマとしては描かれていないというか、企業人としての栄一の手腕が見えないのが物足りないと思っています。
 弥太郎との論争もいいのですが、もっと、いろいろな財界人と知り合って、こんな企業を作ろうとか、今の日本に必要な産業はこれじゃないか、とか、そういう建設的な話を見せてくれるかと期待したんですが、その辺の描写は削られてしまったのかな。

 明治に入った時期の、鉄道とか郵便とか蚕がどうこうとか、そういう時期はワクワクできたんだけど、最近は家族の死とかで、ドラマを畳みに来ているらしくて、閉塞感を覚える話になってます。
 12月は、そこから持ち直して、「それでも日本を良くしたい」と灯りを掲げる話で、締めくくってもらいたいな、と。

★境界戦機

 避難集落を盛り立てる村興しっぽい回。

 近頃の青天に不足していた雰囲気を、意外にもここで見た気分。

 ええと、ドラクエビルダーズとか、動物の森とか、いわゆる開拓系のゲームを想起させる「バトルよりも、みんなで力を合わせてものづくりが楽しい」話ですな。
 アウトドアでキャンプとか、建設的に何かを作るイベントとか、あるいは無人島サバイバルとか、こういうノリがたまにあると、こういう生活を守るために戦うという話にも救いがあるかな、と。

 ここで「せっかく楽しく作ったものが、心ない敵に壊される話」をやっちゃうと、がっかりなんですが、今話ではそんなこともなく、憩い回ですな。
 今後も、バトル回と憩い回は話を分けて欲しいですな。壊すことで、感情移入を強いるのではなくて、壊さずに盛り立てる建設的な戦いを歓迎します。

 もちろん、主人公たちのいないところでは、苛酷な世界観を描くのもありでしょうが、それを改善するのが主人公たちの役割であって欲しいですね。
 それこそ、悪代官の圧政が、居合わせた主人公の反抗で状況が改善される前向きレジスタンスなカラーで。

 あと、ガシンさんの子煩悩ぶりというか、彼は父親の理想的なイメージを持っていますので、子どもに邪険な態度をとれないようですね。
 アモウはあまり両親との絡みがなさそうですし、シオンはお祖父ちゃんっ子って感じだから、父親とのドラマはガシン担当かも。

 ともあれ、2クールあるので、こういう日常回を入れる余裕もあるのかな、と。

PS.仮面ライダーBLACKのラストは、なかなかハードモードで、そこから続編のRXに続くと、暗い話が明るく切り替わりますな。
 ちょうど、ゴレンジャーがジャッカーになって、シリアスに切り替わったのとは逆パターン。
 BLACK→RXは、同じ主人公が陰のドラマから陽のドラマに転じることで、演技の幅を広げた感も。現在に続く南光太郎の無敵のヒーローイメージも、BLACKよりもRXのイメージが大きいわけですし。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/29 (Mon) 22:39:33

 定期感想その1です。

●ダイの大冒険(第59話:生存者たち)

 老バーンとの対決が中途で終わりまして、仕切り直しですね。登場キャラクターの状況整えたり、敵の元々の狙いをはっきり描写したり。後で再登場のキャラクターの準備もしてるのかなと思えるものもありました。

 1つにはニセ勇者一行ですね。今話だけ見ると、雰囲気を和らげておいてのバーンの攻略準備(ピラァ・オブ・バーン)の緊張を高めるという、コメディリリーフでしょう。確かに効果的な演出になってましたが、ニセ勇者一行はこの後、活躍を見せるんだそうで。ときどき出てきてくれるので、いざ本番の活躍のときに「誰だっけ、こいつら」にならないようにしているようです。

 もう1つはアバン先生ですね。カール王国のフローラ女王が出てくるんだから、前にハドラーを倒した勇者としてアバンが回想されるのは自然な流れ。しかしアバン先生は死んで(ることになって)ますから、つい忘れがち。そこで回想が挿入されて「ダイたちを育てた勇者アバン先生」を忘れないようになってる。

 かつ、アバンのイメージ、キャラを具体化するエピソードでもありますね。フローラが回想するアバンはヒュンケルが思い出すアバンとはちょっと趣が違いまして、じわじわ人物像が見えてくる感じです。

 設定的に勝手に面白がってるのが(^^;、マザードラゴンと竜の騎士。こちらで前もって、マザードラゴンが迎えに来たのはバランではないかと伺い、なるほどと思いました。が、マザードラゴンはバランとダイの2人が竜の騎士ということに驚いてますね。マザードラゴンは神の化身みたいなもので、全部分かってるのかと思ってました。調べてみると神の使者ということで、力や知識は限定的らしい。

 バランのほうが事情を察しているようで、一代限りのはずの竜の騎士に子ができ、竜の騎士が受け継がれるのは竜・魔・人の神の意思ではないかというわけですな。それでパッと連想が働いたのがアギトです。「闇の力」に抗したい「光の力」がアギトの力の種を人に与え、しかもそれが血縁で増えていくわけで。ダイ世界でも増大する魔族(や竜族)の力に抗すべく、人間の間に竜の騎士の力が広まっていくのか、とか妄想してました(^^;。
(もっとも、そうしてしまうと、ドラゴンボールでベジータが愚痴った(?)「超サイヤ人のバーゲンセール」みたいなことになりかねないわけですけど ^^;。)

 マザードラゴンはちょっと気になること言ってまして、「ある邪悪な力によって私の命は尽きようとしています」ですね。大魔王バーンは一度もマザードラゴンに言及してませんでしたし、マザードラゴンが現れたのを見て竜の騎士が死んだと思い、単に喜んでただけでした。

 となると「ある邪悪な存在」って誰だろうと。調べてみると、コミックのラストでも明かされなかったようですね。原作者:三条陸さんが後にインタビューに答えて、ダイ帰還後の続編の敵として構想していたと明かしたとのこと。このアニメに未完の台詞を取り入れたってことは、もしかするとコミックの先までやってくれる可能性があるのかも、と思うと、ちょっとワクワクしてきます。

 シーン的に最も印象に残ったのは、ダイが帰還してベッドに寝かされ、ポップが「この場は気ぃきかせようぜ」と、ダイとレオナを2人きりにするところです。最初、「あれ、ダイとレオナの恋愛フラグってなかったよね?」と怪訝になりました。一度目の視聴では気づかず、録画を観なおして、ようやく理解しました。

 ドアの閉まる音と同時に、レオナ落涙。レオナは人前では涙を見せないようにしていた、ということでしたか。対魔王軍の事実上のリーダーとして、レオナは人前で泣くことを自分に許さなかったみたいですね。それくらいしないと、皆の不安を押さえられない。だからポップはレオナを眠るダイと2人きりにしたと。

 フローラ登場で総司令役は移譲すると思うんですが、そのことを暗示するシーンでもあるのかも。さらに、ハドラー侵攻時にあえておどけて皆を落ち着かせ、士気を回復したアバン先生をほうふつとさせるものでもあるかな。レオナの涙は一瞬のカットではありますが、今話の印象を作るにはなかなか大きいものがあったように思います。

 ともかく本編。冒頭、ロモス王国のボルトスの町(初出?)にバーンパレスから攻撃がありまして、一瞬で壊滅。これがバーンの地上破壊かと思ったんですが、1日に1度らしい。しかも人間側の重要拠点とかに関係なく攻撃しており、ニセ勇者一行が逃れていた雪山なども攻撃対象であるわけですね。どうやら、各所に柱を打ち込んで一気に地上壊滅を図るというものらしい。たぶん黒の核晶ということなんだろう。

 悠々と攻撃準備を進めるバーンパレスでは、ザボエラをミストバーンが問い詰めてまして、自分の前の疑問が解決。やっぱりザボエラはハドラーを超魔生物に改造するとき、埋め込まれていた黒の核晶に気付いていたわけでしたか。しかも、むしろ好都合とそのままにしたと。これがミストバーンの静かな怒りを買ってしまったようで、もしかするとこの時点でザボエラの命運は尽きた? ザボエラ本人は生き残れば強者とか嘯いてますけど。

 一方、散り散りになったダイのパーティ。ポップはマァムが助けてなんとか海岸まで泳ぎ着いた模様。そこをチウの獣王遊撃隊8号のグリズリー:クマチャが発見と。こんな状況でも遊撃隊は着々と態勢を整えつつあるようで頼もしい。

 2人はレオナ側拠点に連れ帰られるも、ダイ、ヒュンケル、クロコダインは未だ行方不明ですね。ダイはマザードラゴンに連れていかれ、この時点では死亡確定と思われてるんでしょう。しかし、バランがマザードラゴンを説得しまして、ダイだけは復活させてもらって地上に帰される。

 しかし、帰される寸前にダイはバランと離別になるわけで、前の死別よりつらいかも。前は魂は共にあると感じられたはずですが、今度はバランの魂はマザードラゴンが連れて行くと思ったはずですから。予習してみると、バランの魂は最終決戦には再び現れるみたいですね。たぶん、そこまでにダイの成長があったりするからなんだろう。

 で、ダイの帰還と上述しましたレオナの涙のシーンがありますが、その前にフローラによるアバン先生の回想。フローラは明るく語ってますが、アバンが死んだとはっきり分かっている。ポップ、マァムがフローラのアバンに対する心情を察するのも当然の成り行きか。しかし予習(と記憶)によるとアバンは生きているわけで。おどけるアバンを回想したのは、アバン復帰への伏線でもあるのかも。

 一方、大魔王バーン側でもキルバーンが自陣営に不吉な兆候があると言ってますな。なんどカード占いしてもスペードのエースが出るとかで。それならとバーンは不吉な要素をあぶりだすべく、世界中に警告を送り、ヒュンケルとクロコダインの処刑を予告するわけか。2人はバーン側に捕まってたわけか。

 次回「ダイとポップ」では、ダイのバーンへの恐怖心克服が描かれるみたい。となると、まさにそのタイトルだよなと思えます。ポップはずっとダイと共にあり、もう命を預け合うバディといってもいいですから。次回は燃えるものがありそう。

●仮面ライダーリバイス(第12話:弱さは強さ!?無敵のジャンヌ!)

 前話時点では、いろいろややこしい仕掛けがあるんじゃないかと思ったんですが、全く違ってまして、非常にストレートに落としどころに落ち着いた感じです。

 大森聖子の暴走の原因となった、息子の涼の病はデッドマンズ側の作為的なものではなく、灰谷天彦は状況を悪用しただけでした。さくらのドライバーとスタンプは狩崎が開発して放棄しただけのものでした。さくらに巣食っていた悪魔は、一輝のような外部からのものではなく、大二のときのようなややこしいものでもなく、単にさくらの願いなどの気持ちが形になったものでした。変身できないさくらを庇って痛恨の一撃を受けた(らしい)一輝/リバイはピンピンしてました(ので、さくらに暗い陰を落とさない)。どこも少しもややこしくない(^^;。

 で、ラブコフと命名されたさくらの悪魔なんですけど、一目見て思わず「え、ゆるキャラ!?」と声に出ました(^^;。先週、窓の外で思わせぶりなシルエット見せたときは、てっきり不気味な存在かと。しかし今話では変身に失敗するさくらにぼんやりと姿を見せて「ラブ~」と言い出しまして、その辺りから「あれ?」と思わないでもなかった。けれど、あそこまでゆるふわとは。口の中の目はちょっと吊り目ながら、なんとも無邪気な雰囲気なわけで。弱いし(たぶん戦意が低すぎる)、それでいて健気にさくら/ジャンヌの闘いを手助けするし。

 こちらで退場危機説を伺い、前回は活躍どころか邪険に扱われて心配したのが門田ヒロミですが、今週の動きはちょっと興味深かったかな。またも「命を賭けて」と宣言する熱さを見せてくれ、「ヒーローを待っていても現れないなら自分がなる」旨を述べてましたが、敵中に突っ込んで行って返り討ち。

 門田ヒロミの自信や意気込みが空回りしているとも取れ、そこが迷いを吹っ切る前のさくらに重なる気がしました。このヒロミの危うさは退場につながりかねない気がしますが、もしかしたら他のキャラの迷い等を実地でコミカルに見せてくれる役回りなのかなという気もします。もしそうなら、門田ヒロミは今後も他のキャラに代わってしくじって見せつつ、しぶとく生き残るのかもしれない。

 ともかく本編。冒頭は前話ラストからの続きで、さくらの変身失敗ですね。敵から庇って打たれた一輝/リバイは幸い軽傷らしい。フェニックス本部(仮面ライダーWEBによるとスカイベースという名前らしい、知らんかったorz)では狩崎が怒ってますね、さくらが使ったのは狩崎が廃棄したものらしい(前にスタンプ盗まれたときに、ついでかな?)。

 しかし一輝/リバイと大二/ライブでほぼ楽勝でプラナリアを撃破。ですが、無限に増やせるんで焼け石に水、新たなプラナリアがたちまち出現して、元となる大森聖子をさらっていくと。

 そこからのメインのドラマはさくらですね。まず大二が厳しく責めまして、さくらはか激怒して去る。ただしバイスがさくらの中に「すごいの」がいると気が付く。前話でさくらの背後、窓の外に現れたやつですな。どんな「すごいの」かと思っていたら、実は見た目ゆるキャラで、さくらによくなつく悪魔だったと。しかしこの時点では、自分は「どんな怖い奴だろう」と期待してました(^^;。

 デッドマンズ側では灰谷天彦が主導権を握りつつある感じ。デッドマンズ幹部3人はあまり特殊な能力がないからかな。悪魔召喚者の能力に頼り切りなためか、状況を制御することがあまりできてない。もっとも、アギレラは独自にさくらに接触、誘惑を試みてまして、これはもしかすると来週以降も引きずるのかも。アギレラはさくらに変幻自在な態度で揺さぶってますね。喜怒哀楽をくるくる変えて、相手に判断する余裕を与えず、思考停止で受動的にさせる狙いなのかも。

 一輝はさすがに長兄と言うべきか、押さず急かさずでさくらに接してますな。さくらを思いとどまらせるでもなく、中途半端だけはやめとけ、強がりは強さではない、ですか。もっとも、これでさくらが吹っ切れるはずもなく、道場で変身を繰り返し試みるわけですね。ついにさくらは自分が無敵ではないと見出す。一種の悟りでしょうか。

 自己イメージと現実の自分の整合させる自己同一性のようでもあり、さくらは思春期後期ですから、いかにもありそうなことでもある。ただ、さくらの悪魔が手助けしてまして、後で完全に姿を現してくれるわけですな。この後のバトル時のさくらによれば「今までの自分」なんだそうですが、以前のさくらと違って温和な感じですし、どういう要素なのかはちょっと不明な感じ。

 灰谷天彦はアギレラに構わず、プラナリアで次々と騒ぎを起こす。駆けつけた門田ヒロミが大二も戸惑うほどの思い入れとやる気で突っ込むわけですが、デモンズが動作不良(?)起こして変身解除、ダメージも受けたみたいで倒れこんでますな。何が起こってるんだろう?

 そこへ一輝が駆けつけ、リバイ/バイスで参戦ですが戦況を変えられず。そこへ吹っ切れたさくら登場、ついに変身成功でして、これが予告でもちらっと見えた仮面ライダージャンヌですか。やっぱりゼロワンのバルキリーを思い出すデザインです。が、別の誰かに似てる気もする。次のゼンカイジャーに入って分かりまして、マジーヌさんでした。ポニーテール風に後ろに垂らしてるとこが似てただけですけど(^^;。

 ともかくもジャンヌのお披露目でして、速いわ、飛ぶわ、パワフルだわで、爆炎大盛りの派手なバトルは満足です。さくらの悪魔も完全に見える形で登場でして、上述しましたが、自分的には非常に意外なゆるキャラタイプでした(^^;。さくらによくなついてる模様ですね。好戦的ではなさそうですが、さくら/ジャンヌが勝負を決めに行くときっちりサポートしてくれる。

 プラナリアも完全打倒されまして、デッドマンズ事件としては解決。涼の病は大二が取り計らってフェニックスの手配で治療とのことで、たぶん治せるだろう。さくらは憎んですらいたライダーに己が存在意義を見出したのか、ジャンヌとして参戦を志願、今度は大二も了承すると。

 あれこれ丸く収まった感じですが、今エピソードのゲストボス(?)の灰谷天彦だけは今後の動向がちょっと分からないですね。プラナリア召喚の大森聖子と違って捕まったわけじゃない。しかしアギレラからあからさまに軽んじられたようではある。ですが、さくらとにらみ合いしてまして、因縁ができてしまったようでもある。でも次回の予告には姿が見えない。うーん、ちょっと分からんです。牛島一家も同様。前話のちょっかい、何だったんかしらん?

 次回「フェニックス危機一髪!」では、警備が手薄になったフェニックス本部(スカイベース)を五十嵐3兄妹が守るも、デッドマンズが侵攻して、という話らしい。3ライダー揃ったんで(バイス入れて4? それとも3.5でカウントすべきか?)、共闘の見せ場を作ってくれるのかな。

Re: 11月のスレッド(2021) - K.K

2021/11/30 (Tue) 17:37:49

 定期感想その2です。

●青天を衝け(第37話:栄一、あがく)

 こちらで「思ったよりも経済ドラマとしては描かれていない」「企業人としての栄一の手腕が見えない」といった不満点を伺い、首肯するものがあります。渋沢栄一は非常の多くの企業や産業分野を立ち上げた偉人だと思いますので、「いろいろな財界人と知り合って、こんな企業を作ろう」といった点は、期待したくなるポイント。

 しかし年内終了ということは決まってるわけで、それだけの尺はなさそう。自分としては、渋沢栄一史としては中途にはなるものの、12月は「栄一 vs 弥太郎」の死闘があり、その末に栄一が何かを悟る(たぶん「論語と算盤」の先にあるもの)みたいなことを期待したんです。が、今話で全部奇麗に畳んでしまいました。

 怪人・岩倉具視からしてそう。宮中から追放となり、田舎で画策しているときは、いかにも栄一の前に立ちふさがりそうな異形の怪人といった雰囲気がありました。が、維新後は次第に大久保利通に押されて大人しくなってしまう。復活して暴れてくれないかと思ったんですが、その片鱗だけ見せつつ、凄みは見せるもののご臨終。

 岩倉具視の最期の言葉に現れていましたが、お上=君主を頂く専制君主制を思い描いていたようですね。賢君・仁君のもとで民は健やかに暮らせばいい、くらいのビジョンでしょうか。そこは今話で伊藤博文が立憲君主制を確立すべく、議会と憲法整備していた流れときちんと対立するポイントになり得る。けれど、井上馨に言い残して退場。去り際だけは迫力あったけれど。

 魔人・岩崎弥太郎は、自分的にはですが、もっともっともったいない。弥太郎をよく知らない栄一が優れた人物と思った弥太郎ですが、初対面の宴席で埋めがたい溝が露わとなって決裂。自分としては「さあ始まったぞ!」という期待が高まります。が、それ以降は直接的な対決はなし。

 今話に至っては、確かに栄一の共同運輸会社と弥太郎の日本郵船の対決となるのですが、街頭講談(?)で語られるとか、ともかく駆け足の史実紹介の感じ。冒頭では世論の逆風が吹き始めた弥太郎が、かえって面白いわい、くらいの気迫で経済闘争をおっぱじめましたんで、ものすごく期待したんですが。

 それでも途中で「ここから盛り上がるのかな!」と思ったポイントがありました。自分(弥太郎)が始めた値下げ競争が己に帰って来て苦境となり、疲労が祟って倒れるも、しかし「奥の手がある」と逆襲に転じるところ。株式買い占めによる乗っ取り策だったわけですが、しかし五代友厚が栄一に報告する程度で済まされちゃった。

 そして弥太郎の臨終ですね。これは演じた中村芝翫さんを絶賛するしかありませんが、異様な迫力がありました。魔人と呼ぶにふさわしい、と自分は思いました。が、それが最後の最後なんですよね。この魔人がそこからどうするかではないし、魔人の遺志を継ぐ者がいるわけでもない。

 五代友厚は、ヒーロー物でいえば、正義の科学者ポジションでしょうか。直接戦闘に加わらず、状況分析しつつ、ヒーロー側にアドバイスもすれば、敵側との交渉も行う。しかし仲介すべきラスボス・魔人弥太郎が倒れてしまうと役割を失ってしまったようです。そのまま、史実通りに静かに退場。ドラマ進行を急いだんで、五代の活躍すべきドラマも急速に終わった感じです。

 栄一にしいても、自分的に「こうなった栄一がどうするんだ」と期待するポイントはありました。過当競争だと諫める五代に当たり散らすようになる栄一は、いつになく意固地になってるなと(今まで、場当たりと思えるほど、フットワーク軽かったわけだし)。

 それがあからさまに出たのが、伊藤博文に直訴(?)するシーンですね。憤懣を隠さず、弥太郎をあしざまに言う。伊藤博文が一瞬、そういう栄一をかわす風がありましたんで、「栄一、いったん暴走するか?」と期待したんですが、伊藤博文が憲法制定の意思と準備を進めていることを明らかにし、対立した大隈重信をすら弁護してみせて、栄一はすっかり正気に返って決着しちゃった。

 気が付いたら、経済・産業分野で栄一と揉めるなどしてドラマ発生させるに足る人物がいなくなってる。仮に今から敵役が新登場しても、もう遅いですね。岩崎弥太郎、五代友厚等々はきちんと時間かけて描かれました。だから重みがあり、栄一と関わって発生するドラマに納得できる(はずでした)。今から現れた人物に、それだけの納得性を与えるには、12月いっぱいではとても足りません。今いる人物で話を締めくくるしかない。

 それで浮上してきたのが、栄一と再婚する伊藤兼子というわけでしたか。亡きお千代さんのポジションにはなれないことを示しつつも、新たなパートナーになったと描いてましたな。栄一の公と私の境界にあった養育院は、千代の役割を兼子が継ぎ、公立から栄一の私立となる。もう栄一の家庭にぐっと近づいた印象です。

 その栄一の私生活、家庭では兼子が後妻たることを諦めようとしたことをきっかけに、栄一が反省し、家族を守りたいと言って、兼子を引き留めたわけですね。こうなると、ドラマの流れは栄一の家庭から、栄一個人にフォーカスを絞っていくのかなと思います。実際、次話は栄一の息子:篤二に焦点が当たるようですし。

 渋沢栄一を描くわけですから、やはり経済・産業で何をどう思って為したかは期待していました。若い頃からの紆余曲折を丁寧に描いたのは、「後年、こういう人になった素地はこれだ」と思えるためだと思ってました。が、どうやら栄一個人に集約して終わるドラマの模様。

 自分の期待とは異なりますが、うまく締めくくってくれればと思います。例えば、栄一がここまで右往左往しながらも、実はブレてなくて、それは若い頃か一貫してこういう素志があった、と栄一が再発見するとか(ある種の悟りを見せる、みたいな)。

 仮にそうなっても、やはり自分的には不満が残るかなあ。仮面ライダー剣/ブレイド前半での不満の一部と似てるかも。各々のキャラクターのカッコよさは描かれるけれど、キャラクター間に発生するドラマや、それによるカッコよさは描かれてないという点です。

 あるいは仮面ライダーセイバーで覚えた不満。途中を充分描かずに、派手に結果を見せる演出ですね。今話ですと、岩倉具視や岩崎弥太郎の死にざま。最期は凄みすらあるんだけど、その凄みにたどり着く経過は見せてもらえなかった。

 結果、今のところですが、「明治初期だけあって、すごい人物が林立しているが、各人物の間で何があったんだろう」みたいな印象になっちゃってます。それでも決して「失望しました」みたいに思わないのは、やはり役者さんの迫真の演技があるからかもしれません。

●ルパン三世 PART6(第6話:帝都は泥棒の夢を見る 後篇)

 なんと申しますか、「そういうことですか」みたいな視聴後感です。夢落ちのアレンジ、でいいのかな。ルパンと五ェ門が敵の手に落ちて、VRに放り込まれたのが、あの昭和初期風の江戸川乱歩世界だったと。ルパンがよく知るキャラクターにそっくりな別の人物がいるのは、ルパンらの夢がベースの世界だから。

 そして敵の狙いはルパンのアジトに侵入するためのパスワードで、なんとかルパンにパスワード使わせようと躍起になっていた。なんとなれば、偽のパスワードつかまされて、ルパンのアジトに侵入した敵チームが危機に陥っているからと。

 しかし、こういう設定によくある「実は現実(の過去)につながっていたのかも」と匂わして、余韻を作りもするわけですね。ルパンが残した落書は、現実の建造物にも残されていたりするし、(ルパン世界では)実在の重富瑠璃子が夢VRをVRと認識して介入したりもする。

 ルパンらが実際に過去に行ったかもしれないし、夢VRが実在の過去と虚構の境界にあったかもしれないし、全ては幻想家もしれないし、といったところか。もし今エピソードが後の展開に関わるとしたら、ルパンの落書みたいに、過去においてルパンがとった行動が巡り巡って今に影響する、みたいなことかな。

 そういう、曖昧性のある結末のせいもあって、観ていてあれこれ感心はしたんだけど、ストーリーを追って「ここでこう感じた」みたいな感想はなしです。サントラヤが実は男性と明かされ、「なるほど、やっぱり」と思い、しかし正体が時計を受け継ぐ王族の王子となって「ほほう!」とはなりますが、いずれも単発のサプライズの感じ。

 ルパンと五ェ門がそれぞれ、自分以外の「本物」を探る動きは面白いですが、夢落ちとなってみると、ちょっと興味度が下がります。ルパンが斬鉄剣と言って五ェ門が驚いたのが見抜くカギだったと分かっても、「なるほど、そうでしたか」くらい。むしろ、五ェ門が次元そっくりの本郷義昭少佐に尋ねようとした3つめの質問は何だったのかのほうが気になったり。

 今エピソードの登場人物の多くは江戸川乱歩世界の有名人みたいですけど、乱歩作品は読んでなくて、よく分からず。知っている人は「ああ、あのキャラクターがこう演出されてるのか」とか楽しんでるんだろうなあ。かろうじて分かるのは明智小五郎くらいですが、乱歩作品直接ではなく、それを元にした映像作品の印象だけです。

 次回はホームズ編に戻るみたいですね。ようやく本筋に帰って来ましたか。ミステリ名作オマージュと本筋のホームズ編を交互に入れる作風になるのかな。あれこれ不服は言いつつも、名作オマージュ編ももっと観てみたくなってます。

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