創作と鑑賞の談話室

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5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/01 (Sun) 00:02:27

 5月の雑談スレッドです。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/02 (Mon) 22:40:22

 定期感想その1です。

●境界戦機(第16話:激闘)

 今話はドラマが2つに分かれてる感じですね。八咫烏に帰還したアモウと仲間のパートは停滞し、それとは別のバトルパートではゴースト利用の新機体を駆るブラッド大尉が八面六臂の活躍ですね。

 アモウらのほうは、前話でアモウが説得に応じない敵指揮官を殺害したショックが響いてるわけですね。ただし、アモウの豹変に恐怖したというわけではなく、まずシオンはアモウに近づこうとしてます。怖いのではなく心配している感じですな。アモウがあくまでも距離を取ろうとすることについても、シオンは自分が嫌われているのではないかと、槙ミスズに相談したりする。

 変わったのはアモウではなく、自分(シオン)ではないかと考えたようですね。そこからは、やはりアモウの敵指揮官殺害について、シオンのショックが大きかったことが窺えます。有人機+自律AI機主体の戦闘が主流となり、シオンもいずれ敵を殺害すると予想・覚悟はしているものの、目の前で起こったことには衝撃を受けたということでしょう。

 それが態度に現れて、アモウを傷つけたんじゃないか、というシオンの危惧なんでしょうな。直接的なことから、相手の心情を察するところまで考えを進めているわけですが、明察と言うべきでしょう。アモウは実は強いショックを受けており、食事を取ろうにも吐き気を催してしまほど。それを皆の前では気取られぬようにふるまっていたわけですね。しかしガシンの目は誤魔化せず、苦しむ様子をしっかり見られてしまうと。

 一行は八咫烏の新本部に到着し、ガシンとシオンはついに直接アモウに単刀直入に突っ込んで来るわけですな。8か月の間に何があった、俺たち友達じゃねえかよ、と。ガシンがアモウを友達と言ったの、これが初めてじゃなかったでしょうか。これにアモウがどう応えるかは次回ですね。

 もう1つのパートはバトルでして、ユーラシア連邦のアレクセイ・ゼノレイ&ダリア・リヴォフが北米同盟のグレゴリー中尉隊と交戦、地下水位が高い地勢を生かして北米同盟軍を追い込んで来ると。土地勘がアレクセイ少佐にあるってことは、北米同盟軍が勢力拡大を狙って攻め込んできたってことでいいのかな。

 しかし逆襲されてピンチに陥り、ブラッド・ワット大尉率いる増援がすんでのところで救うと。しかしブラッドの狙いはゴーストのAI応用の新機体のテストみたいですな。機体名はブレイディファントムとのこと。ゴースト単体のときと同じく、戦場や戦闘法を瞬時に学習できる模様。ですが、それをパイロットに伝えて、パイロットの操縦で対応するシステムみたいですね。ブラッド大尉、途中で人間の反応速度を超える云々の愚痴を言ってました。やっぱりゴーストAIに直接任せるのは危険なんだろう。

 それでもユーラシア側の自律AI機多数を瞬殺しまして、グレゴリー隊を救出し、さらに切り込んでいく。これをバトルマニアのアレクセイ少佐が見逃すはずもなく、機体性能差は腕でカバーするつもりなのか、隊長機同士の一騎打ちに持ち込む模様。これをユーラシア側はダリア中尉、北米側はブラッド麾下に加え、体勢を立て直したグレゴリー中尉もサポート。北米同盟はなんだかんだありながら(ブラッド大尉より古参らしきグレゴリー中尉は不満がありそうですが軍務には忠実らしい)、チームワークはいいみたいですね。

 一騎打ちとなりますが、出撃前に手品を披露していたアレクセイ少佐のトリッキーな戦法も、どうやらゴーストAIには通じなかったみたいですね。しかしブラッド大尉も出撃前にエンジニアに言われた通り、機体が8割の仕上がりでして、決着はつけられず。アレクセイ少佐も敵機の未完成には気が付いており、量産されたら勝てないと悟った模様。となると、次までに対抗できる新鋭機を用意しようとするんだろうな。

 それにしてもただでさえ押せ押せの北米同盟軍にゴーストAI搭載のブレイディファントムが加わり、一方、八咫烏の3人は機体性能はアップしたものの、気持ちの齟齬がある状態で、このままではマズいですね。次回「激闘」では再結束成るのか、それともバラバラのままいったん敗北するのか、あるいは、という感じで楽しみです。

●ダイの大冒険(第75話:破邪の秘法)

 ED曲が新しくなりまして4曲目ですね。OP曲は変わりませんが、前の1年めのと同様、映像はドラマ進行に合わせて、細かく調整して来てますな。

 今話もアバンについての情報多々ですが、しっかりドラマも進みまして、こちらで伺ったヒュンケルの一人殿軍って、こういうことでしたか。ヒュンケルとアバンは久々の再会のはずですが、瞬時に以心伝心が回復した模様ですな。それというのも、おそらくは父の仇と根に持っていた、子供の頃のヒュンケルが散々アバンを手こずらせたため、「ヒュンケルがこういう表情をしたときは、こういう気持ち/意味」みたいな非言語的なコミュニケーションが確立していたからみたい。

 手こずらせたからこその気持ちの通じ合いというわけで、何が幸いするか分からんもんですね(^^;。しかもアバン、その場でヒュンケルの真意を伝えれば、ダイらがヒュンケルの望みに反して動くことも察して、大したことなさそうにそそくさと前へ進むと。魔界のモンスター軍団接近の気配も察知していたこともあるのかな。

 ヒュンケルがしんがりを黙って買って出たのは、狙いがあったからでしたか。ヒュンケルはアバンが弱いと断じるものの(アバンもダイの半分以下と認める)、特殊能力を身に着けたことも察しているわけですね。しかし、そこは黙っておいて(敵の目もあるだろうし)、弱いからこの場は任せられないということにしておくと。

 しかし実際には、先にある扉を開けられるのはアバンと見込んで、適材適所で任務を選んだわけですか。アバンもヒュンケルもなかなかのもので、経緯はあれこれあれども、戦いにおける師弟としてなかなかのものですな。死地に赴くなら自分が、みたいな(ヒュンケルがポップに諭した通り)熱い気持ちだけではなく、冷静にチームが先に進む最適解を選んでくる。
(この時点では全員がヒュンケルとアバンの芝居に乗せられたと思ったんですが、どうやらポップだけがコロッと騙されてたみたいですね。以前はポップが臆病のふりで仲間を騙し、決死の出撃をしたというのに、レオナに指摘されるまで気が付かないとは。まあ、ポップも観ている自分もですが ^^;。)

 そこは大魔王バーンも察したようで、ミストバーンを呼び戻して態勢を立て直したいみたいですね(ロン・ベルクが許しそうにないですが)。キルバーンは命じずともアバンを狙ってくれる。今回のアバンの動きだけでなく、おそらくはアバンがハドラーを倒したときくらいから警戒してたわけか。ヒュンケルが察した通り、アバンの直接の戦闘力ではなく、特殊スキルがダイらに力を与えると踏んだ辺り、さすがは大魔王といったところ。

 となるとアバンが何を隠し持ってるかですが、そこは破邪の洞窟を決戦ギリギリまで探索していたこととリンクするわけですか。地下150階まで潜ったところで、レオナのミナカトール発動を感知し、戻ってきたと。もちろん手ぶらではなく「破邪の秘法」を手に入れて、ということですな。おそらくは心技体の強さの限界に近づいたアバン、直接的な魔法等ではなく、魔法の破邪面を強める補助スキル「破邪の秘法」を会得。これもダイらの戦闘力を信頼・期待しての、サポートに徹する戦術選択なんでしょうね。

 その威力たるやすさまじく、ダイとバランの竜騎士コンビが全力で破ったのと同種の扉を、易々と開けちゃうわけですね。アバカムでそんなことができる秘法なら、バーンが警戒するのも当然でしたか。これを行う余裕を作ってくれたヒュンケルは、決死のようでいいて、敵軍を蹴散らしそうな勢いでして、要は押せ押せムード漂ってます。

 それで次回が「正義の快進撃」というわけですか。とりあえずはバーンにたどり着く勢いを見せるんでしょうな。しかし予習したところでは、バーンの強さは際限なく上がっていくわけで、どこかでまたもや希望が絶望に変わる展開もあるんだろう。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/03 (Tue) 18:27:52

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第33話:ラブコフ反抗!?さくらの覚悟)

 中盤から終盤に突入する頃合いのせいか、各キャラクターのドラマが発生して解決したりするものの、状況はどうしようもなく動き流れて行ってしまっていて、もはや誰も安住できない感じになってますね。

 今エピソードですと、デッドマンズ壊滅後に取り残されてしまい、ギフからも突き放されたアギレラをさくらがどうするか、というドラマが主体ですね。しかし、前から動きを見せていた赤石長官が大二らに正体を隠すこともしなくなった。赤石長官自ら語るところによれば、遥か昔にギフの力を受け、人類を見守って来たとのこと。いきなり時間スケールが千年単位になっちゃったわけで。

 何千年か分かりませんが、ギフとの盟約に従い、赤石は何らかの計画を進めてきたはず。このドラマで起きていることは、その最終段階ということになります。一時は独自のラスボス感のあったベイルも、今はギフ・赤石の進むラインの周辺の出来事となったようですらあります。

 ドラマで目に見える範囲内としての今話では、赤石長官は大二に自らの正体を語り(ギフについては依然として謎)、調べに来た御子柴朱美医師を逆に捕らえ、目的不明ながらも、どこから拉致してしまうわけですね。その強さは生身の大二を寄せ付けない(たぶん変身してても同じだろう)。ギフの力を思うように引き出せるからかな。その力はベイルの実体化にも使われる。

 そのベイルは相変わらず元太/白波純平に執心の様子ですね。デモンズ時代に何人も主(?)を乗り換えるも、どうやら元太でないといけないのか、あるいは元太を抹殺してベイルが完全な自由を得るのか。いずれにしてもベイルの個人的動機で動いてる感じですが、そこを赤石が利用しようとしている雰囲気ありです。実体化だけでなく、集めておいたスタンプで強化してやるのも、何らかの意味があるんだろう。今話ですと、赤石はベイルにかなり力を与えるものの、リバイスには勝てない程度にしておいたらしい。

 この状況がどうなっていくんだろうと不安になりますが、それだけにさくらとアギレラのドラマが際立ちました。なにせ最後の決まり方が実にカッコいいというか小気味いいというか、納得できます。

 その経緯は前話からの流れでいえば、さくらはいったん悪魔分離能力のある一輝/リバイスにアギレラとクイーンビーの分離を頼むも、ラブコフの抗議もあり、寸前で思い直して、頼んださくらが分離を阻止。さくら自らがアギレラを倒すと宣言すると。ただし、その時点ではさくらも実はどうしていいか分かってなかった。

 その迷いがラブコフに現れまして、さくらの精神内に引きこもっちゃうわけですね。そこをバイスの便利な能力で精神ダイブしまして、ラブコフの真意を聞きだす。が、「今のさくらではダメ」まで聞けたところで叩きだされまして、何がダメなのかはさくらが探らないといけない。

 といっても途方に暮れそうですが、コメディリリーフの玉置がナイスなボケかましてくれると。アギレラをずっと心配する玉置は、アギレラに「一緒に思い出を作りませんか」と言ってのけてやがりますな。しかも水族館でして、思わず「それじゃプロポーズみたいだろ」とツッコんでしまいました(^^;。案の定、玉置はビンタを食らいまして、しあわせ湯に相談に来るわけですね。デッドマンズしか思い出がないアギレラ様を救ってほしい、と。
(もっとも、玉置の申し出に無視ではなくビンタで返したところに、アギレラの心情を感じるものがあったりする。)

 ラブコフの不満、玉置の説明を受けたさくら、何か思うところが出たようで、アギレラに会いに行く。身構えるアギレラに、遊園地で遊ぼうと言い出すわけですね。アギレラも意外だったでしょうけど、乗って来る。ある意味、玉置の頑張りをさくらがフォローした格好になりますね。前話の予告で不可解だった遊園地シーンは、こういう流れで発生するんでしたか。

 アギレラとしては、玉置がしあわせ湯で特に深い意味はなく言ったらしい「最後に」を「最期に」に読み替えた思い出のつもりでしょう。見守る一輝&バイスも、もしかするとそのつもりかもしれず、急襲してきたベイルをアギレラに気付かれないように必死の対処してますね。それにしても、単独で実体化したベイルがバイスと酷似しているの、なぜなんだろう。

 この一連は玉置にとって願ったり叶ったりであるらしく、実に嬉しそうですな。しかし非情の使者:牛島光がリベラドライバー手にやって来まして、楽しい思い出作りも終わる。かねての約束通り、さくら/ジャンヌがアギレラ/クイーンビーに引導を渡さねばならないわけですな。対決が始まりますが、倒してもらって全てを終りにしたいアギレラは戦意が低く、必然的に劣勢になってる感じです。

 が、そこでゲームチェンジャーが現れまして、狩崎ジュニアですね。ハシビロコウバイスタンプを完成させて駆けつけたらしい。アギレラ/クイーンビーはこれが最終兵器だと思った様子で、斬られて「さくらちゃん、大好きだったよ」と遺言を残す。と予告通りなんですが、ここでさくらがキレてくれましてテンション上がりましたな。「勝手に過去にするなあ!」ですか。

 どうやら、直前でリベラドライバー、続いてスタンプが届いたのは、さくら/ジャンヌがアギレラから悪魔を分離できるようにするため、改造を施していたかららしい。さくらはアギレラをギフの呪縛から解き放つとともに、自らはギフの力でも人助けになるならつかみ取る、という覚悟ができたってことみたいですね。アギレラのほうは、そういうさくらが新たな「居場所」になり、これからは夏木花というわけですか。ただし、さくらと一緒ですから、(玉置が身を寄せた)しあわせ湯ではなく、ウィークエンドということですな。

 赤石長官の動きに象徴される、情勢が絶望へと変化していく不安に対し、一抹の、個人間のドラマながら、さくらとアギレラは希望の持てる感じがあります(落ち着く先がウィークエンドというのはともかく ^^;)。懸案事項が解決されて、リバイス側の布陣が固まった感じもあり、状況を打開して行けるような感じもしてきます。

 次回「悪魔が悪魔を呼んでいる」では、予告からはリバイス側が結束して赤石長官に当たっていくような感じがありますが、バイスが一輝との関係を不安に思う様子もありますな。よく考えたら、懸案事項は全て解決ではないんでした。一輝がバイスと戦うほどに、一輝の記憶が失われる点は全く解決してない。

 うーん、という気がしてきますが、今話で狩崎が大二を評して「誰かに似てきた」の「誰か」完全復活と復帰もそろそろありそう、と考えると、何とかなるんじゃなかろうかという気がします。

●鎌倉殿の13人(第17話:助命と宿命)

 善児が出て来なくても、こんなに絶望的で怖くなるのか、の回でした(^^;。実にむごいドラマでして、要である頼朝が心を翻してもどうしようもなく突き進んでしまう。前に梶原景時や義時らが、頼朝に天運ありと評してたわけですが、今話は頼朝自身の言によれば天命。その天命とはどうやら、鎌倉幕府成立と安定のために、不安となる者は殺し尽くさねば終わらないという呪いみたいな気すらしてしまいます。

 史実で誰が死んだかとかは分かるわけで、義高の運命もそうですね。しかしドラマですから、嘘や想像を入れる余地はあるわけで、実は逃げ延びたとか、死ぬにしても少しは救いのある最期とか、観ながら望んでしまいます。が、それを断ち切っていくのが今話であるわけで。

 前にWの感想で、全ての希望を一つずつ断ち切っていくドラマより、一縷の希望を残すドラマのほうが好みだと申しました。しかし、一縷の希望があるドラマが自分的に光るのは、対照的な絶望に至るドラマが印象的であるからでして。希望を残す話が好きだと、必然的に絶望しかないと確認する話も好きになります。

 希望を残すなら「こうなって欲しい→そうなった」、絶望なら「こうなって欲しい→そうならない」ですが、どちらのドラマも観ていて「こうなって欲しい」と思った時点で、作者/制作者の術中なんでしょうな。何かを欲しいと思わせさえすれば、叶えても裏切っても印象的になります。

 それはともかく(^^;、今話のメインである義高の周りをも巻き込む運命のドラマの外でも、不穏な動きがありますね。義経が法皇から検非違使に任官された件です。義経は単純に喜んでますが、平家討伐より前、既に法皇の分断策が始まってましたか。

 前は義仲と頼朝、次は頼朝と義経ですか。「武家なぞに力は持たせぬ」という強い意志、憎悪を感じる出来事です。梶原景時は浮かれる義経を不安視しているようですね。義経、後に正室となる比企家の里との縁組が進みつつあるにも関わらず、白拍子の静(御前)に興味を抱いたりしている点も不安要素かな(比企家から疑われるだろうし)。

 しかし鎌倉では義仲討伐の余波を収めるに四苦八苦でそこまで手が回らない感じ。なにせ義仲嫡男の義高が存命なわけで。武士の習いとして親の仇を討つのは常識。頼朝からすると、自らが清盛に助命されたからこそ、今や平家打倒せんとしているわけで。義高が禍根となる恐れは抱くでしょうな。

 その義高は事情を熟知し、覚悟を決めている様子。政子らが助けると言いに来るわけですが、生きながらえれば必ず仇を討つと言い、だから首を刎ねるよう申し出る。可愛がってくれた政子や慕ってくれた大姫のことが義高の念頭にあるんでしょうな。たぶん、生き延びても仇を取る気はないんじゃなかろうか。

 しかし、そういう義高の善意のせいで、たった1つの憎悪・不信が隠されたのは痛恨でした。義高は義時が義仲のために労を取らなかった恨みを述べて見せるわけですが、ここだけは本音だったわけですね。よく考えたら、源氏同士で争うなということは、源氏以外なら可で、北条の者を討つ分には問題ないことになりますし。

 しかし、政子らの説得失敗の場面では、まだそのことは露わにはならず。政子らはいったん引き下がるも、頼朝が手を出せない伊豆山権現への義高脱出作戦を着々と進める。そこへ、義仲から書状を託された巴がやって来るわけですね。書状は頼朝を恨まず、むしろ平家打倒を成す者として期待せよ、みたいな感じ。死してなお、義仲の素朴な器の大きさを感じます。

これとは別に、頼朝と競いたい武田信義が好機と見て、義高に接触してくる。嫡男の一条忠頼を連れてきたのは、実働部隊としてでもあるでしょうし、義高に本気と思わせる効果も狙ってでしょうか。しかし、最後には裏目に出るわけですな。が、義高は信義の申し出を拒絶。やはり源氏同士の争いだからかな。とはいえ、観ていてこの時点では「義高が助かる流れで、政子ルートならハッピーエンド、信義ルートはバッドエンドか」とか思ってました。

 父(義仲)の書状で、義高は既に政子らの脱出策に応じてますので、信義らの誘いは蹴る。が、信義はこれで諦めた様子ではなく、後で嫡男:一条忠頼を密かに遣わしたりもする。既に義高が逃れた後でしたが、再度決起を促すつもりだったのか、利用できないとなれば首を取ってしまうつもりだったのか。

 そんなことが義高周囲で起こっている最中、義時は頼朝に気取られぬよう必死なわけですね。既に義高を討てとの密命は受けているものの、頼朝は義仲がどんな人物かに興味を示し、殺すつもりである嫡男:義高に聞いてこいとか、呑気な残酷さを見せてますね。義時がなんとか誤魔化そうとすると、安達盛長が以心伝心で手助けする。この辺り、「やっぱり、このドラマでは義高が逃げおおせる流れかも」と期待するものがありました。

 さらに手筈は着々と進み、頼朝の弟である阿野全成まで、頼朝に扮して加担する。義高は影武者として従者の海野幸氏を残し、女装して脱出。中継地点の山寺まで、無事に逃げおおせた模様。しかし、最後の談判で義高が義時に口を利かなかった点、注意しておくべきだったわけですね。この期に及んでも、義時には運命を託したくない、という意思表示ですから。

 しかし、上げ調子の政子らは気が付かない。義高脱出は、接触を図った一条忠頼が気が付いて、頼朝に発覚。見つけ次第首を刎ねよと命じて追討隊を出すわけですが、義時が手配りし、義高脱出ルートと別方面に誘導しており、策は万全のように見えます。

 が、義高の義時への不信で全てがひっくり返るわけですね。義時が自分(義高)を騙して討ち取ろうとしているのではないかと疑い、単身逃れて信濃に帰ろうとしてしまう。義高を守るため三浦義村が寺に到着したときは、既に手遅れ。ただ、義高が書状を残し、義時への疑いを明言した点、義高の迷いを感じます。もしかすると、書状を読んだ義時が「そんなことはない」と追ってくれるのを期待する気持ちもあったんじゃなかろうか。

 しかしやはり手遅れにして、不運。義高が脱出ルートを変えたため、追討隊の真っただ中に飛び込んでしまう。追っ手の藤内光澄が義高を見つけ、義高は刀を抜こうとするも、大姫の贈り物が引っかかって抜けない。そこで場面は切り替わるんですが、義高の運命は言わずもがなですな。

 一方、義高に追っ手が差し向けられたことを知った政子は大姫を連れて頼朝に訴えに来る。政子の嘆願は聞かれませんが、大姫がとんでもない行動に出まして、義高を助けないなら自害すると、短刀を自分の首に突きつける。この時点の頼朝は、上総介、義仲のことがあり、鬼にならねばならぬと言っていても、まだ人の心が残っていた模様。大姫の態度にたちまち折れまして、義高は助けると。

 しかし、観ているこちらは義高がどうなったか知っているわけで、さらに藤内光澄が義高の首を持ち帰るわけですね。これで政子らも手遅れであると知り、頼朝は天命であると述べる。ここにおいて、頼朝は本当に鬼に変わったのかもしれません。自分に天運があるというより、天の呪いによって動かされているような感覚でしょうか。危機に陥っても助かるんじゃなくて、天が考える邪魔者を殺し尽くさないと死なない運命を背負わされた、みたいな。

 義高殺害は義高に留まらず、どこまで行くんだという感じで広がってしまう。一条忠頼を義高をそそのかした罪で殺害し、その父にして頼朝のライバルである武田信義を威圧。頼朝の命に従い、手柄をあげたはずの藤内光澄も処刑される。政子が「許さぬ」と言ったからですね。綸言汗のごとし、とはこのことか。前は亀さんに御台所の心構えを説かれ、今回はむごい実習となりました。しかし、このことも後の「尼将軍」の素地を作ったんでしょうな。

 今話全体を通じて、道化役は工藤祐経でしょうか。一般人感覚と言ってもいいかもしれません。禄が欲しくて義時に近づき、鎌倉で役を貰ったものの、義高脱出の一連に巻き込まれることとなり、義高の死を知り、一条忠頼を討たされ、藤内光澄の処刑までやらされる。工藤祐経としては、鎌倉にいては命が幾つあっても足りない、自分(祐経)の非情・無情さなんか子供だまし程度だった、と思い知ったでしょう。それで、冒頭で現れて、最後は去るということに。

 次回「壇ノ浦で舞った男」は平家滅亡まで描かれるみたいですね。義経が戦う敵がいなくなったみたいな愚痴を言ってます。となると、いよいよ頼朝 vs 義経(と奥州藤原氏)に突入していくんでしょうな。なんだか気持ちが重いかもです。上総介から始まり、殺し尽くさないと終わらない感じですから。その後、義時が宗時の遺志を実現するのかな。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/05 (Thu) 00:19:54

 定期感想その3です。

●スーパーマン&ロイス(第5話:スモールビルの良心)

 初回からずっとジョナサン、ジョーダン兄弟の仲が心配でして、特にジョーダンにスーパーマンの素質ありと分かってからです。その2人を両親たるクラークとロイスが必死に支え、つなぎとめてるのかなと。が、今話になりますと、2人の仲は壊れそうになっても壊れないという印象に変わってきました。

 ジョナサンとジョーダンは双子ということもあって、対等に衝突する感じです。兄弟だけあって、遠慮もない。それだけに観ていてハラハラするわけですが、どっちかが行き過ぎると自ら戻って来るし、もう一方は心配して追っかけても来る。どうやらベースでは分かちがたく結びついているからこそ、表面的には徹底的にやり合っても大丈夫ということだったみたい。

 今話ですと、収穫祭に誰と行くか、ですね。ジョーダンはサラとの仲が深まりまして、収穫祭はデートのためと相成る。そこは喜んでいたジョナサンですが、メトロポリスから来てくれるはずだった、(おそらくは)ガールフレンドのイライザから断りの電話が入ると。デートのキャンセルだけでなく、いきなりの別れ話だった模様。

 サラとのデートで舞い上がっていたジョーダンと同じくらい舞い上がっていたらしいジョナサンが、谷底へ真っ逆さまというわけですね。それもジョーダンを眺めながら落っこちていく格好。これではジョナサンが荒れても仕方ない。収穫祭では悪友に酒を勧められると、ぐいっとやってしまう。かなり深酒した模様で、連れ立って歩くジョーダンとサラに意地悪く絡んでしまうわけですな。

 さすがにサラは激怒しまして、それには父親のアルコール癖も関係しているらしい。ジョーダンとてデートぶち壊しだし、傷つけたのは双子の兄ということでサラに対して申し訳ない。いったんムカッと来たはずですが、じわじわとジョナサンに対する心配の気持ちが上回って来るようです。

 ジョナサンの飲酒に気付いたクラークとロイス、特にロイスが非常に怒りまして、まあそうなるわなという感じ。14歳ですもんね。さすがにジョナサン、ジョーダンに心配されて頭を冷やしたこともあって、飲酒については謝ると。これでジョーダンも少しは安心するかな、と思ったんですが、ジョナサンの悩みはもっと深かった模様。

 やっぱり、メトロポリスからスモールビルに越してきたのは負担だったわけですね。イライザとの破局は最後の一押しだったみたい。メトロポリスで世話してくれる人がいるから戻ると言い出すわけか。これって、前々から調べて準備してないとできないですから、近々やろうと決断していたと考えるしかありません。ジョナサンの意思決定は既に、密かに行われていたわけですね。

 そのことをジョーダンが前から気付いていたか、それともその場で初めて知ったのかは明らかではないですが、あえて止めようとはしないところが、ジョナサン思いでもあるし、スモールビルに留まる必要が生じたのはジョーダンのせいという自責の念もあるんでしょうな。サラとうまく行きはじめただけに、同じものを失ったジョナサンのつらさが分かるようになったのも大きいかも。

 クラークはクラークなりに複雑な心境の模様ですね。初見ではそこをちょっと混乱しました。今話では失踪していたデレクが現れ、しかも超人的な能力を見せてスーパーマンと張り合うわけですが、若き日のクラークの回想と混同してしまいまして。10代のクラークが、今のスモールビルに現れた、新たな超人かと思ってしまったんです。

 その誤解に気付いて観なおしますと、クラークも若き日に母マーサを突き放すように、地元を離れた経験がある、というわけでしたか。自分(クラーク)も身に覚えがあるだけに、逡巡してしまったわけですね。これはクラークの性分なんでしょうな、前にはジョーダンのフットボール部参加でも、野球をやってみたかった子供の頃を思い出して、迷ってしまったわけで。

 今回はジョーダンのフットボールのときのようにはっきりと決断はできず、クラークはもう少しスモールビルにと猶予を求めるわけですね。それで駄目ならメトロポリスについて考えようと。ジョナサンはいったんはジョーダンのフットボールを認めたことを持ち出したりしていましたが、もうしばらくスモールビル、ということに納得した模様。おそらくは、スーパーマンとして不安定なジョーダンに対する心配もあるんだろう。そのジョーダンはちょっと申し訳なさげかな。いい兄弟です。

 ジタバタしながらもなんとかなっているクラーク一家ですが、外の状況は危ういですね。上記のデレクが戻ってきてまして、母シャロンは喜んでいるようですが、密かに超人化してたわけですな。仕掛け人はモーガン・エッジ秘書のレスリー・ラーで、デレクを言いくるめて怪しな装置でなんかしとります。

 が、デレクも自分の状態が何なのかは分かっていた模様。スーパーマンに発見されると、「資産を守れ」とレスリー・ラーに叫ぶや、自らは飛び出してスーパーマンを外に誘導。ヒートビジョンも使えるようで、途中の小屋(家?)を燃やしたりしてますが、キャプテン・ルーサーに撃墜され、スーパーマンに追い付かれると、自分(デレク)はもう死んでいると言い残し、炎を発して燃え尽きてしまう。

 これがデレクの能力の暴走なのか、自らを燃やした自決なのかははっきりしません。が、収穫祭のためにスモールビルのみんながいろいろ寄贈した倉庫に放火したのがデレクだと強く匂わせるものですね。その寄贈は、「これでもいいや」みたいに差し出したものではなく、大事なものだからこそみんなのためにという、いわば貧者の一灯的なものだったらしい。燃えてしまうと、じゃあお代わり、みたいにはいかない。

 困ったことになったわけですが、モーガン・エッジが寄付して何とかなるわけですか。表面的には、スモールビルを大事にする篤志家、となりそうですが、レスリー・ラーに命じてデレクを超人化してたはずですからねえ(Subjektの一員、でいいんだろう)。いわゆるマッチポンプというやつなんだろう。

 しかし、収穫祭の寄贈のメインが、クラークの母マーサを偲ぶベンチだということで、観ていても何となく雰囲気に流されちゃいました。クラークの10代の頃の悔恨も、これで傷を癒されたということでよさそう。クラークが(スーパーマンとしても)あたふたしている間にマーサが亡くなってしまい、クラークの内面としては取り返しがつかないかと思ってましたんで、ほっとしました。

 あれっと思った後にほっとしまして、すっかり油断してしまいまして、ラストでタグが突如現れたのには、ギョッとしました。タグ、前はジョナサンを気遣い、暴走してもスーパーマンに救われたわけですが、今回は雰囲気が違う。ジョナサンに恨みを募らせている模様で、パワーも上がっていそう。観ている自分は、超人化がどうやらXクリプトナイトのせいらしいと分かるわけですが、劇中のタグはそんなこと知る由もなく、おそらくは(ジョーダン自身も考えている)ヒートビジョンによる能力誘発と思い込んでそうですね。
●仮面ライダーW(第19話:Iが止まらない / 奴の名はアクセル、第20話:同 / 仮面ライダーの流儀)

 照井竜登場の今週分からWのドラマ本格化と伺い、期待するものがありました。観てみますと、シュラウド登場のみならず、園崎家も警戒するWのメモリ保持者の存在も示されまして、「ドラマの重要人物続々か」となるほどな感じです。といっても、初放映をリアルタイム視聴してたら、自分では分からんかったでしょうな。放映済みでネットで調べられるからこその、「あっ、シュラウドか!」ですし、「Wのメモリって、ほほう、いずれ琉兵衛に取って代わろうとする、あの」と納得したりできます。

 しかし、まずは照井竜/アクセルですね。シュラウドは今後は重要人物でしょうけど、今話時点では照井竜のサポーターくらいな感じで、竜がアクセルになれるよう手配したに留まります。前半(第19話)の登場時点では竜はまだ変身能力がなく、しかし引きずるだけで地面をえぐるほどのエンジンブレードを振るう膂力があるわけですな。

 性格は極めて傲岸不遜で独立独歩な感じで、散々な扱いを受ける翔太郎がハードボイルドだと感心するだけの雰囲気を持ってますな。しかし、実は情の人であるようです。なにせ、ドーパントの事件を異様な執念で追う理由が、両親と妹を氷のドーパントに殺害されたから。その氷のドーパントを、警察官として逮捕したいのではなく、仇討ちしたいわけですね。

 そのため、翔太郎の探偵事務所を訪ねてくる。たぶん警察だけじゃ行き詰って、ドーパント事件にことごとく絡んでる翔太郎にも依頼する気を起こしたんだろう。が、どうも竜と翔太郎は反りが合わないみたいですな。しかし、そこが後半(第20話)への伏線だったみたい。ともかくも、竜はフィリップの「地球の本棚」検索は評価するものの、翔太郎は役立たず扱いですな。

 今話のドーパントは氷結能力があるようで、竜は異様な反応を見せてますね。これも後半への伏線で、竜の動機に関わるものでしたか。が、そこが不明な現時点では、悪即斬のハードボイルド主人公な感じに見えます。しかし取り逃がしてしまう。

 そこでフィリップの検索で行きついたのが花屋でして、オーナー店主の片平真紀子は商業的に成功している模様ですが、金銭面で汚いとか風評が立っている人物らしい。店を手伝っている息子の片平清は気弱ながら真面目そう。ですが、後半に正体がバレるととんでもない奴だったと。しかし、この時点ではそんなことは全く分かりません。

 そこからも氷のドーパントが出没するわけですが、いかにも片平真紀子が怪しい感じですな。ドーパントが奇襲かけてきて、反撃されて逃げだした、と思ったら片平真紀子が現れる。息子の片平清もウロチョロしてたりしますが、なんだかいかにも母親の悪事を心配して、なんとか止めようと四苦八苦しているように見えなくもない。

 氷のドーパントのほうは、ターゲットへの凍結以外に面白い能力持ってまして、路面を凍らせての高速移動できるわけですか。ジョジョ「黄金の風」のギアッチョ(スタンド:ホワイト・アルバム)みたいですな。

 しかし、確かに目を見張るトリッキーさはありますが、このドーパントを園崎家が重要視しているらしいのが不審です。冴子によると、以前に氷結事件を起こした人物で、敵に回してはいけないほどらしい。なんか変だな、と思っていたら、後半ラストでメモリのイニシャルが違うと分かるわけですね。今話登場がIのアイスエイジ・ドーパント、園崎家が重視し、竜が仇と狙うのがWのドーパント。

 しかし、そこが判明していない現時点では、竜はアクセルと化して、ひらすら氷のドーパントを追う。ついに、目くらましに誤魔化されてドーパント化が解けた(らしい)片平真紀子にエンジンブレードを振り下ろそうとしてしまう。これは翔太郎が何とか阻止、真犯人は息子の片平清だと告げる。

 これはライダーになる念願通りにアクセルとなった竜にはショックなわけですね。家族を殺された恨みで殺そうとした相手は、犯人の家族だったと、まさに自分(竜)の怒る動機を自らやらかしてしまうところだったわけで。この動揺が、竜も実は情の人だという今エピソードで2度目の確認になりますし(1度目は復讐の動機を明かしたシーン)、竜なりに道を踏み外さない信念を示すものでもありそうですね。

 これと対照的なのが霧彦である気がします。霧彦は風都を愛すると公言するが、竜は風都が人を汚すと貶す。霧彦は汚い大人なら誰でも犠牲にしていいと考え、竜は仇たる氷のドーパント以外は傷つけたくない。霧彦は園崎家/ミュージアムの目的のために佐伯素子を殺害してまして(第16話)、これが霧彦の運命を暗示するものとなりました。もし竜が間違えずに仇を討ったとしたら、霧彦と同じルートを辿る暗示となりそうです。

 が、片平真紀子でないと知り、真犯人の片平清/アイスエイジ・ドーパントをメモリブレイクに追い込むも、翔太郎流を踏襲しまして、逮捕することを選択すると。前半冒頭からは翔太郎と反りが合わず、行く道が違いそうに見えましたが、後半ラストでは生き方が合流したように見えます。そう感じたところで、こちらで伺った「ダイ大におけるヒュンケル」というご教示が、しっくりきました。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/05 (Thu) 23:08:38

 5月初書き込みです。
 連休も過ぎれば早く、適度に楽しく、適度に無為に過ごす形になったかな、と。
 で、今日のニュースで、牙狼の冴島大河役の渡辺裕之さんの訃報を聞いたりして、また惜しい人を亡くしたな、とほろ苦い感想を。

 ともあれ、また平常運転で心機一転の感想書き込みを試みたく。

★境界戦機

 アモウさんの過去話を中心に、大筋としては箸休め回になるのかな。

 生身の戦いで人を殺め、それを目撃した子どもたちの怯える目に震える少年って形ですね。
 フィクション的には「何だ、その程度か」と思える安易さですが、現実で人の生き死にや恐怖に晒される経験は、あまりないわけで、昨今の戦争のニュースに接したりすると「平和がいきなり失われて、命のやり取りにさらされた際のトラウマ」は、その程度で済まされてはいけないかと思ったり。

 まあ、アモウに感情移入できる年でもなく、少年が経験した過酷な体験を理解はしたぐらいでしょうか。
 戦争ドラマとしては、描写や主人公の考え方が甘いというぐらいの感想で、でもリアルで自分が彼ぐらいの年齢でそういう状況に立たされたら、と想像を広げてみると、ああ、気の毒に、と。

★ダイ大

 アバン先生の過去語りが終わり、ヒュンケルの単独殿バトルが開始され、次回は……ザボエラが自分の研究成果である超魔ゾンビを繰り出して、ミストバーンの撤退を支援する展開に。

 超魔ゾンビを倒すために、クロコダインとチウ、ロン・ベルクとノヴァが奮闘する地上バトルのクライマックスに突入といった流れですね。

 一方、バーンパレスでは、ヒュンケルの戦いにヒムが乱入して、さらに敵味方に乱入者が出て来て、死闘が続きます。

 バーンパレス内部では、アバンがダイとポップを休ませて、護衛にマァムを残して、自分はレオナ姫と共にキルバーンのトラップ解除に動きながら、姫に勇者支援の後事を託します。
 そして、聖なる羽根を授け、指導者としての意志力を見込んで、アバンの使徒としての免許皆伝を認めて、自らはキルバーンの目を引きつけるための囮になる流れ。

 倒すべき敵は、ミストバーン、キルバーン、そしてバーン様以外に、細かい伏兵がいるので、まだまだ決着までは長いですが、

 とりあえず、次に倒されるのはザボエラかな、と。
 ノヴァが命を削って倒そうとするのを、ロン・ベルクさんが自らを犠牲にしての大技で超魔ゾンビを撃退し、逃げ出すザボエラをクロコダインがトドメを刺す形。
 次回で、そこまで話が進むか、その次まで掛かるか。

 一方で、同時並行でヒュンケルの死闘を描きつつ、バーンパレス内部のアバンと、ダイたち……と戦場が細かく分かれることになります。

★リバイス

 とりあえず、アギレラさんが生還して、夏木花として、さくらのパートナーになり、そこはハッピーにつながったな、と。

 一方で不穏な状態で、明確にラスボス然として来たのがフェニックスの赤石長官。
 想像よりも昔からギフの手先として活動していたことが分かり、ベイルと共に今後の台風の目になっていく展開ですな。

 果たして、ヒロミさんの復帰が見られるのはいつか、そして大二のホーリーライブがあっさりとかませ犬的な扱いになっていて、活躍するチャンスが与えられるのかを気にしつつ。

★その他、特撮

 ジュウレンジャーが6人めのドラゴンレンジャー登場の盛り上がり編に突入。
 ギャバンは1クールを経て、敵が宇宙人のダブルマンと怪物モンスターの合成したダブルモンスターに強化される流れ。
 RXは3クール目が終わって、そろそろ先輩ライダーが応援に駆けつける決戦期に突入。

 自分が注目しているのは、ここでの書き込みレギュラー作品を除けば、以上ですね。
 この流れだと、最初に終わるのがRXでしょうが、その後は何が始まるのかをそろそろ気にしつつ。

 鎌倉殿、スーパーマン、Wの感想は次回にて。では。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/06 (Fri) 10:03:22

 感想続きです。

★スーパーマン

 キャプテン・ルーサーがスーパーマンの情報を得るため、ルポライターを装ってロイスに接触……と思っていたら、異世界では彼がロイスの夫という事実が明かされ、クラークに対して複雑な想いも。
 彼はスーパーマンのことをカル・エル呼びしていて、クラークが正体だとは気づいていないようですな。そして、エッジとは手を組んでいないことが明確になり、現状では三つ巴展開に発展しそう。

・スーパーマン側:スモールビルを中心とする世界の平和のために活動。モーガン・エッジの陰謀を探りつつ、家族や友人(ラナたち)の小市民的安泰も気がかり。

・モーガン・エッジ:企業の利益を第一に考える財界人の表の顔の裏で、超人兵士の改造を行い、そのためのエネルギー資源が埋まっているスモールビルの鉱窟開発に動いている。スモールビルの怪事件の元凶と思われる。

・キャプテン・ルーサー:異世界でスーパーマンの暴走で、多くを失ったので、この世界でそれを阻止しようとスーパーマンを付け狙う。悪党ではなくて、彼の論理では善のために行動している。ロイスに対しては好意的で、今後は彼女のモーガン・エッジ調査に協力するらしい。
 スーパーマンに対しては敵愾心を抱くも、この世界の悪がカル・エルではなく、スーパーマン量産計画を企てるモーガン・エッジだと認識すれば、クラークと共闘する展開も考えられる。

 以上が大人サイドの現状かな、と。

 一方、若者サイドだと、兄のジョナサンがガールフレンドと破局して、田舎暮らしに対するストレスが溜まって、プチ爆発。
 弟のジョーダンは、サラと仲良く順調な人生ながら、兄の心情に翻弄されて、さらに超人暴走した学友に襲撃されてピンチに。
 ガールフレンドのサラは、アル中じみた父親に嫌悪感を示して、酒を飲んだジョナサンにもヒステリックに当たる。彼女の家族関係のドラマにもいろいろとスポットが当たる展開に。

 ……ということで、日本のドラマよりも、アメリカの方がドラッグや酒というテーマを深刻に描くことが多いですな。
 アローでも、ストレスの溜まったヒロイン・ローレルや、彼女の父親がアルコール中毒と化して、葛藤する回があったし(フラッシュでは、そういうドラマは見ていない)、
 やはり本作の作風は、フラッシュよりもアロー寄りに見えます。

 経済による街の侵食や、その裏で悪事を企てる大ボスなどはアローの定番ですし。
 スーパーマンの超人ぶりは、フラッシュ2期以降の活躍に匹敵しつつ、ドラマ構成はアローに準じる、と。
 ただし、スーパーマンに事件の調査能力が皆無で(バリーは科学調査が仕事ですし、仲間に研究者が多い。オリバーは仲間だけでなく、自身も盗聴器を仕掛けるなどスパイ活動が得意)、超聴覚による調査活動ももっぱら家族を守るためとか、スモールビル以外の広い世界の事件を察知するために使われ、モーガン・エッジの事件を調べる方向には使われない。

 もっぱら、クラークの仕事は、家族を守るための用心棒が主で、モーガン・エッジやキャプテン・ルーサーの動きを前もって察知する勘所の良さは発揮されない(それだけ忙しくバタバタ行動しているだからでしょうが)で、意外と鈍感な役回りに思えます。

 あとは、この世界にも、レックス・ルーサーが普通にいることが、ロイスの会話で判明しつつ、少しずつ世界観が見えてくるのはいい感じです。
 スーパーガールの世界と分離した世界観なので、この世界に何があって(いて)、何がないのか提示されると、見通しが良くなると思えるので。

 ともあれ、次回はタグの事件がどう解決できるのか。
 デレクは死んだけど、ジョーダンたちはタグを救えるのか、それとも犠牲が増えて、落ち込む若者の姿が描かれるのか。

★鎌倉殿

 次回の壇ノ浦に向けて、前宣伝を盛り上げている頃合いですね。
 一応、20話までが前半戦みたいで、そこで義経の死までが描かれて、源平合戦編から幕府誕生以降の話に突入するとのこと。

 さて、義高の死には、善児の動きは関係せず、しかし運命の悪戯というか、フラフラ動く小四郎の人望のなさ(義高は政子を信じるけど、小四郎は信じない)のせいで、小四郎の善意がいろいろ空回りして、義高が半ば自滅的に命を落とす展開に。

 しかし、陰鬱なのは、義高の死に、甲斐武田信義の息子や、義高を討った下級家人の理不尽な処罰まで加わって、「鎌倉で生き残ることが非常に困難な恐ろしい場所」と化したことが、明言されたことですね。
 鎌倉サバイバル魔境……とでも称すべき背景世界となって、2週前の上総介とか「鎌倉殿のために働き、善意で功を挙げた武士が処罰される、理不尽な陰謀劇」の物語になっている。
 その最たる展開が、平家を討伐した義経への処罰なんでしょうが、出る杭は打たれるというか、目立って動いたら負けなゲームに見えてきた。

 デスゲーム的な物語と思って、視聴するといいのかな。
 バトルロワイアルとか。

 ともあれ、義経の活躍、屋島から壇ノ浦まで一気に進展して、合戦シーンがどのように描かれるのか。
 どれだけ大掛かりなものになるか……は期待せずに、どれだけ手抜きなのをドラマでごまかすのかに注視したいです。
 一応、馬を走らせているだけでも、手を掛けていると思えますし。

 それでもまあ、本作最大の合戦の見せ場になるはずなので、海上で船を漕ぐシーンだけでも、ちゃんと作ってくれるのか。あるいはCGで船を描くのか、那須与一の弓矢や義経の八艘跳びは描かれるのか。
 そして、壇ノ浦も含めて、平氏滅亡劇がどう展開するのか。
 義経のヒャッハー無双がどう演出されるのか。

 どうも、義経の活躍シーンのBGMが、爽快ではなく暗鬱な感じなので、ここ一番の見せ場ぐらい格好良く演出して欲しいかな、と思いつつ。

★W

 第2クールでは、照井竜を初めとして、後のWの世界観で再見されるキャラが登場して、連続ドラマの趣きを示す頃合いですね。

 第1クールでは、前後編の単発事件解決ドラマで、後々に影響するキャラはレギュラー陣を除いて登場しないというか、レギュラーのキャラ立てで話を回す。
 そして、第2クールでは、照井の仇討ちと、シュラウドの暗躍を機軸に、ゲスト的な登場人物も使い捨てではなくて後に登場するなど(次回のインビジブルなど)、話のつながりが深まる、と。

 で、この連続性が夏の映画で集大成になるわけですが(その発展形がフォーゼ)、とにかく風都という舞台をリアルに見せるための描写、人間関係のつながりが丁寧に構築される流れですね。

 一応、脚本としてはアメコミを参考にしたとのことですが(バットマンのゴッサムシティとか)、
 だからこそ「風都探偵」という続編スピンオフも成立する世界観の魅力があるのかな、と考えます。

 また、風都探偵の主題歌が、鳴海のおやっさんこと吉川晃司さんと、エターナルの松岡さんとのコラボで提供されるなど、実写版とのつながりが濃厚なのも良い感じです。
 夏に向けて、いろいろと盛り上げようとする流れが感じられて、連続性という魅力を味わいたく。

 なお、Wは仮面ライダー1号や2号をモチーフとしたデザインであるのに対し、アクセルはV3が元ネタだったりします。父と母と妹が殺されて、復讐のためにライダーになったとか。
 あと、変身の時の掛け声が、「変……身」と、間の……部分で溜めを入れるのが、スピーディーな平成ライダーよりも、じっくり溜めを入れる昭和ライダーのノリを意識したとのことで、この辺の演出意図が当時、インタビュー記事などで読んでいて、感じ入ったなあ、と。

 ともあれ、これまでは翔太郎とフィリップの関係性でドラマを作って来たのが、照井竜が加わることで、事件の調査やドラマ構成にも幅が出てくる感じなので、面白くなるんじゃないかなあ、と。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/09 (Mon) 00:29:30

 定期感想その1です。

●渡辺裕之さん

 お亡くなりの経緯はあまり明らかではないですが、もしかすると複雑な事情があるかもしれません。そこは詮索等したくないところですが、最後の場所がトレーニングルームだったとのことで、アクションもこなす俳優として最後に拝見したのが「牙狼〈GARO〉 -月虹ノ旅人-」だったせいでしょうか、「そうでしたか」としか言いようのない感慨めいたものを感じました。

 電王では当時最年長のライダーを演じられたり(牙狼と1字重なる牙王とのこと)、ガイアでは司令官(石室章雄)を演じられ、子供にも人気で有名だったとのことですが、自分は未見。はっきり印象に残っているのは、例えば平静がメラシリーズ、特に初作「大怪獣空中決戦」の大野三等陸佐ですね(第2作以降は一等陸佐に昇進)。怪獣を迎え撃つ自衛隊の現場指揮官として沈着冷静にして勇敢、実に渋くてカッコよかった。

 その後、再び強い印象を受けたのが牙狼初作の冴島大河で、主人公の鋼牙の越えがたい壁のような存在感を感じました。牙狼公式Yotubeでは牙狼初作の第3話以降の放映が始まりまして、渡辺さんへの追悼メッセージが冒頭に出ています。制作も初作での渡辺さんの存在感は高く評価するところなんでしょう。そして19年の牙狼劇場版でその存在感が揺らぎないことを実感し、さらに10年後の冴島大河を見たかった気持ちが強くなったところの訃報で、非常に残念です。

 しかし起きたことを素直に受け止める覚悟をしまして、渡辺裕之さんに感謝をささげ、ご冥福をお祈りしたいと思います。

●境界戦機(第17話:トライヴェクタ)

 タイトルの「トライヴェクタ」って何だったかすっかり忘れてまして、視聴後に調べ直して、槙ミスズらが開発したガイなどのI-LeSの開発企業名でした。そこで開発され、ゴーストに搭載されて暴走したのがPrtotype-ZEROで、今回研究所にハッキングしてきたのがそれだということでしたか。

 セキュリティ守るのに必死なガイが「コピー品でこれかよ」と愚痴ってまして、ブラッド・ワット大尉に回収されたゴーストAIのソフトウェアのコピーだと思い込んでました。その可能性は排除はできないですが、ブレンゾン社に保管されている、学習前のオリジナルのコピーを何者かが流出させた可能性も考えておく必要がありそう(最も怪しむべきはジェルマン・ゴベール?)。

 解釈次第で、研究施設を襲撃したのが誰の差し金かに関わって来まして、今話でようやく全部語ってくれたアモウの気持ちの落とし前の付け所がどこかということになりそう。そこに「友達」であるガシン、シオンがどう関わるかという点も期待したくなります。

 それはともかく本編ですが、境界戦機の進攻パターンなのか、前話の動に対し今話は静ですね。研究施設襲撃というシビアなアクションシーンはあるものの、あくまでも回想です。メインはその襲撃を経験して今に至るアモウですね。

 ゴーストとの対決に生き残ったアモウはトライヴェクタ(社?)の研究施設に保護されていたわけでしたか。怪我が癒えると訓練に参加したりと、今後の戦いに意欲的なことが窺われます。同時に小さい子に慕われており、優しい面も健在。まあ前期序盤では孤独傾向があったんですが、他人思いゆえにシビアな状況で人と関わることを避けていた面もあったわけで。

 しかし正体不明の武装襲撃者が施設を襲う。セキュリティにハッキングかけまして、そのエンジンがPrototype-ZEROということで、ブレンゾン社かトライヴェクタとつながりがあった者の差し金と疑われる状況ですが、そんなこと言ってる余裕はない。なにせ容赦なしに発砲して来まして、皆殺しにするつもりらしいので。

 それでもAIのガイと槙ミスズがセキュリティ復旧に取り掛かり、軍事訓練を受けている所員も反撃を試みつつ、非戦闘員、特に子供の避難を図ってますな。が、アモウがついに追いつめられ、連れ立っていた女性所員も致命の銃撃を受けた模様。アモウ、ついにパニックになって拳銃を発砲、目をつぶって撃ったんですが、敵兵の頭部に2発命中しまして、即死させたことは間違いない。アモウ、初めての殺人ということですね。

 そこへ味方が駆けつけ、残りの敵兵を殺害あるいは排除し、ガイの呼びかけでようやく我に返ったアモウですが、三重のショックを受けるわけですな。1つは敵兵を殺害したこと。それも生身同士の戦いでして、ガンダム1stですと、アムロがモビルスーツは撃破できても、宇宙服1つで逃げる敵兵を撃つのをためらう気持ちと似ているかも。

 2つめは、その前に隣にいた、さっきまで元気だった女性所員がおそらくは目の前で死亡したこと。彼女以外も多数殺害されてまして、人が目の前で殺されるのを初めて目の当たりにしたアモウがショックを受けるのもやむを得ない。そうだからこそ、パニックに陥って発砲した/できたわけで。

 最後は、敵兵を倒したものの、守ったはずの子供がアモウを見て怯える様子があったことですね。アモウとしては、自分のやっていることは恐れられること、恐ろしいことだと初めて実感したのかもしれません。もっとも、アモウの考えすぎなのかもしれませんが。子供が目の前で銃撃戦見たら怖がるのは当然ですんで、必ずしもアモウを恐れたとは限らない。けれど、アモウの主観的には自分が恐れられたと思った、という点がドラマ上では大事なんでしょう。

 そのことは、同じ場所にいた槙ミスズも熟知するところだったようですが、少なくともガシン、シオンにはアモウから話したいと言われてたみたいですね。槙ミスズは八咫烏上層部には伝えてますが、アモウの仲間から友達にまでなったガシンらに伝えなかったのは、約束である以上にアモウから言わないと意味がないと思ったからなんだろう。

 おそらくは、アモウ自身からガシンらに打ち明けられたことで、3人の結束は再び成った、ということでいいのかな。自分が感じるのは、ドラマの焦点が「外の勢力に支配された日本の解放」みたいな大仕掛けから、「アモウの苦しみを解決する」という個人の方向になってきたんじゃないかということです。それはそれで面白そうですし、風呂敷の畳み方も具体的にできそう。

 しかし、アモウらを取り巻く状況は急速、あるいは着々と動いてますな。最も目立つのはやはり北米同盟のブラッド・ワット大尉ですね。前期ですと、明朗快活で安心できるキャラクターのように思えましたが、この2期に入りますと、ちょっと様子が変わってきたような。ゴーストに魅入られたような不安要素がありそうです。

 前期全体を通じて、実は裏切っていたジェルマン・ゴベールと結託し、そのジェルマンですら首をかしげるほど(ゴーストAI搭載)有人機にのめりこんでいる様子です。北米同盟の軍事的優位を図るためだけとは考えにくいほどでしょうか。有力議員にして反戦・軍縮派のロイ・ウォーカーを素行をネタに脅すような真似すらしてます。たい焼きを喜んで食っていたブラッドはどこ行ったんだ、くらいに感じます。

 が、そのブラッド大尉も自分が、より大物の手のひらの上とは気づいてないみたいですね。育ての親であり、直属上司のジョウ・スピアーズ中将こそがジェルマン・ゴベールのスポンサーでして、ブラッド含めて引き取って育てた子は切り捨て可能な手駒であるらしい。もっとも、ジェルマン・ゴベールがコウモリの如く振舞って、両者を手玉に取ってる可能性も考えておくべきかも。いずれにせよ、突っ走り始めたブラッド大尉は極めて危うい感じです。

 北米同盟以外の勢力も、誰がドラマに関わるかがはっきりしてしましたな。既にユーラシア連邦は前話で示されました。今話では紹介程度の再登場ですが、アジア協商からは前期ラストでなかなかカッコよかったホウ・グアン少尉とその部下。何らかの恩赦みたいですが、要は戦況悪化で有能な軍人が必要になったということだろう。

 ちょっと意外だったのはオセアニア連合で、オリバー・マーティン少尉が前面に出てくるみたい。前期では野武士的な存在感あるサイモン・テイト大尉がなかなか派手な侵攻を見せてくれたもんですから、その副官のオリバー少尉が出張るようになるとは予想せず。もっともサイモン大尉はちょっと汚いやり口も見せてましたんで、オセアニア軍としては危険と見るし、ドラマ的にはアモウらの敵としてスッキリしないということはあるのかもです。

 さらに八咫烏つながりからは、末永ユウセイ再登場ですか。前期では自ら作った(が支配勢力と妥協の産物でもある)自治区の長となってましたが、次回タイトルは「保護区」でして、もしかすると自治区に何らかの変化があって、八咫烏と再接触を図ってきたのかな。ともかく、これだけ揃っての駒組となれば、次回は大きく動きそうです。

●ダイの大冒険(第76話:正義の快進撃)

 バーンパレスのほうはヒュンケルの無敵の一人殿軍、地上戦はいつの間にか魔界のモンスターを倒し切ってまして、その2つがタイトルの「快進撃」だったのかな。地上戦は敵モンスターが個々に突撃するのに対し、人間側は統率の取れた集団戦で立ち向かって快勝したようですね。パワーの差をチームワークで跳ね返したということか。

 バーンパレスのほうは、「破邪の秘法」+アバカムで扉を開いたアバンにダイが感心しているわけですね。父バランと2人がかりでぶち破ったのと同じ扉を、アバンは無理押しすることなく、扉を扉として開いた。これでダイが力尽くのみではない、合理的な方法があると学んで、バーンのやり方を否定し、アバンに感謝するわけですな。そこが地上戦での人間側の戦法と共通するものがありそうです。

 本編は2つの場所でドラマ進行しまして、激戦の続く地上に対し、バーンパレスのダイらは、キルバーンの罠を破り、撤退に追い込んだことで、小休止の余裕が出来て仕切り直し。ただしヒュンケルは魔界のモンスター追撃隊を食い止めるべく獅子奮迅の戦い。ですが、戦力的には圧倒してそう。スタミナが持つかどうかが心配ではあります。アバンが先生らしからぬ一礼をヒュンケルにしてますんで、今は威勢よく敵を蹴散らしていても、相当にギリギリの戦いになるのかもしれない。

 ともかくもヒュンケルのお陰で余裕ができたダイらは、ピクニックかと思う昼食ですな。これはアバンの配慮なんでしょうね。皆、かなりへばってますし、ずっと緊張もしていた。気持ちの余裕を回復させるべく、敵地ながら楽しいピクニック風のランチ。そうしておいて、ポップの魔力をシルバーフェザーで回復もする。

 単なる回復ではないところななかなかのものですね。シルバーフェザー1本は並みの魔法使い2~3人を余裕で魔法力満タンにするのに、ポップは1本では足りないと砕けた感じで愚痴る。これはポップにじわじわ自信を与えるはずです。自信というより今のポップの力をポップ自身に客観的に自覚させるほうが大きいかな。ゲームで言えば、今レベル幾つなのか、みたいな感じですな。

 そうしておいて、アバンは露払いの役目を請け負いまして、「罠つぶしのハンマー」(そんなアイテムあるんだ)でトラップを叩き潰しておくと告げる。さらにレオナのみを手伝いに指名。この先のトラップ解除より、レオナに告げたい、託したいことのほうが本命だったみたい。

 皆から離れたアバン、レオナにゴールドフェザーとシルバーフェザーを渡し、「あなた(レオナ)なら私の代わりが務まる」と告げる。レオナは戦闘については打撃戦は不得手かもしれませんが、回復魔法を含め「魔法の万能選手」で後方支援向き。戦闘序盤での行動不能~死亡率が低そうです。取りまとめ~指揮については、王族経験もあり、実績が示す通り。アバンと特徴が似ているわけで、万が一の事態に後を託すとしたらレオナなんでしょうな。

 しかし万が一の場合ですから、皆の前でアバンが頼めば不安が生じます。せっかくピクニック風ランチで気持ちの余裕を持たせた意味がなくなってしまう。そこで王族の責任感に期待して、レオナ一人にしておいて、万が一の事態を任せたんでしょう。ヒュンケルへの一礼からここまで、いろいろ気配りしてますな、アバン先生。

 バーンパレスのほうは仕切り直しできた感じですが、地上戦は片付きそうで片付きませんな。魔界のモンスター軍団はあらかた倒した。残るはミストバーンとザボエラですが、またしてもザボエラがじたばたあがく。ザボエラ、もはや劣勢と見るや、ミストバーンに任せて、安全(と思う)バーンパレスへ逃走を図ると。しかしそんなことはミストバーンはお見通しでして、「たまには自分の手足を動かせ!」と一喝して見捨てる。

 焦るザボエラに対し、ミストバーンは何やら余裕を感じますが、どうやら隠し持った実力ゆえらしい。そのことはほぼ一騎打ちとなっていたロン・ベルクも同様と、ミストバーンは見抜いているわけですな。両者、時間稼ぎしていたのか、それともいつ相手が本気を出すかと見計らいつつの戦いだったのか。ともかくも、まだ乾坤一擲のときではないらしく、悠然と去るミストバーンを、ロン・ベルクは追わない。

 残されたのはザボエラ一人なわけですな。クロコダインなどはザボエラに勝ち目なしとして、降伏を勧告する。ミストバーンに「仲間」と呼びかけて相手にされなかったザボエラですが、情に厚いクロコダインはまだ仲間と思う気持ちがあるのかもしれない。

 が、ザボエラは自信ありげ。どうやらバーンパレスに逃げ帰りたかったのは、そのほうが安全だからに過ぎず、多少のリスクはあっても戦って勝てる算段があるらしい。まだ息のある魔界のモンスターに止めを刺し始めたんで、何するのかと思ったら、超魔ゾンビを作るためでしたか。

 ザボエラは卑怯そのものな自信を語ってますが、肝心なのは「超魔生物は圧倒的に強いが生命力を一気に消費」という点なのかも。ザボエラにハドラー並みの生命力はありそうもない。仮にザボエラが高度にチューンした超魔生物になってみたとしても、すぐに生命力が尽きて戦闘不能となりそう。モンスターの死体を操る超魔ゾンビはザボエラが直接戦闘を行うにおいては、それ以外の方法がないんでしょう。

 しかしそれでもノヴァが呆れる通りの「最低の発想」ですな(^^;。「仲間」を口実にミストバーンにすがろうとしておいて、自分(ザボエラ)は手下を皆殺しにして自らを強化しちゃうわけなんで。「鎌倉殿」では義経が勝つためには手段を選ばずであるものの理解できるたんですが、ザボエラのムチャクチャはかなり違う、同情できないものであるのは確か。

 しかし、この超魔ゾンビが強そう。ロン・ベルクが斬りかかっても刃が折れてしまいますか。オリハルコンではないんでしょうけど、ミストバーンと互角に戦ったロン・ベルクが自信を持って振り下ろしたんですから、相当の業物のはず。

 相当に苦戦しそうですが、次回「もうひとりの勇者」では、事態の打開を図るためか、ノヴァが相当な大技を出すみたいですね。おそらく生命力を大きく削って出すものらしく、予告映像のノヴァが老人のようになってます。もしそうなら、そこがザボエラとノヴァの覚悟の違い、ということになりましょうか。だから「もうひとりの勇者」なんでしょうな。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/09 (Mon) 20:40:53

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第34話:悪魔が悪魔を呼んでいる)

 冒頭は平和でして、デッドマンズを完全終了したアギレラが、これからは夏木花であると確認するようなシーンでしたな。字幕を出してみると、元アギレラ(?)が自分は夏木花だと言う前から、台詞の前に「夏木花」と出てました。前話ラストで確定した事項だから、これでいいんだろう。もうアギレラ、フリオという名前は感想でも使うことはなさそう。

 しかし重要なドラマのほうは緊迫して来ますな。赤石長官に拉致された御子柴朱美、前話では暗示にかかったような様子がありましたが、どうやら意識は鮮明に保っている模様。ギフの提示する未来を見て絶望し、赤石長官側についてしまったらしい。

 その未来については赤石長官から語られまして、ギフに抗って勝つか、ギフに従うからしい。抗って勝てば人類はそのままで、従う場合は赤石長官言うところの「戦略的退化」が人類に施されるらしい。予告では赤石長官が「人類の進歩は止まる」とか言ってまして、どうやらリバイス世界では人類はずっと進化を続けているものらしい。

 現実では、あくまでも自分の理解ですが、人類の生物学的な進化はとっくに止まっているはず。脳が大きくなって2足歩行になり、道具と火を扱い出すと、その2つを高度にしていって、進化の代わりに進歩しまして、他の生物を圧倒するまでになったはず。そのため淘汰圧がなくなりまして、生物学的な進化も起こらなくなったはずです。

 しかしリバイス世界では人間から悪魔が生み出される世界ですので、事情が違うんでしょうな(もっとも、悪魔自体はギフ由来なんでしょうけど)。デッドマンだとレベルが上がっていったわけですから、似たような変化=進化は素の人類にも起こるのかも。それが何かは分かりませんが、ギフとしては都合が悪いのかな。それで倒すか従うかの選択を突きつけた。そうだとすると、ギフは人類を敵対者とはみなしてないということになりそう。

 なんか似たような設定あった気がして思い出しました。例えば「スクラップド・プリンセス」という作品(小説1999~2005年、アニメ2003年)では、中世欧風の魔法の世界だと思ったら、それは人類を文明発達の害から守る保護施設で、最後は主人公に危険な発展か、安全な停滞のどちらを選ぶかが任される、みたいな話でした。

 永井豪の「デビルマン」でも、最後は人間を作った(のだか宿ったのだか)神の軍団が押し寄せる、みたいなものだったはず(決着は描かれない)。石ノ森章太郎作品ですと、サイボーグ009の「天使編」は、人類を発生させた天使が間違った進化をした人類を刈り取りに来る、で中途で終わってました(その後に完結してますが追いかけてない ^^;)。人類の進化が暴走する話ですと、アーサー・C・クラークの「地球幼年期の終わり」がありますね。

 リバイスの今話のギフのプランを見て、なんか納得してしまったんです。なんでだろうと考えて、上記のような作品群があり、パターンとして見慣れているものの1つだかららしいと分かりました。最近はこのパターンをあまり見ておらず、意識からはすっかり抜け落ちてしまい、すぐに連想が働かなかったようです。

 それにしても、ちょっと気になるのは赤石長官がいつ抗うほうを諦めたのかということです。仮面ライダーWEBなどの記述を見ますと、赤石はギフに抗うことを最終的に諦め、人類の退化を果たすべく、フェニックスやデッドマンズを作ったらしい(その母体のノアもでしょうな)。しかし本編だけで考えると、ノア~フェニックス設立の頃は現代文明の利器によりギフに対抗することを考えてたかも、とか妄想が広がります。

 機械文明の発達って、産業革命以降が急速ですから、数千年生きた赤石としては「もしかすると、これで乾坤一擲の勝負行けるかも」と思いたかった時期があったかもしれない。が、現状の赤石は戦略的退化一択みたいなので、どこかで「絶対にギフに勝てない」と絶望したのかも。その理由を御子柴朱美は見てしまい、「人類の未来が見えない」となって、赤石に(消極的に)従っちゃったのかしれません。

 ギフにより御子柴朱美が変貌した姿はギフデモスと呼ぶものらしい。デモスは「民」の意味があるそうで、「ギフの民」ということかな。人間が悪魔に食われてできるギフテリアンと違い、個人の人格を保ったままギフの理想の人類になるってことなのかも。それが赤石の考える戦略的退化なのかどうかは次回以降で明かしてくれるだろう。

 しかし五十嵐家3ライダーはギフに従って退化なんて飲むはずもなく、力の差にも関わらず戦意が高いですね。特に大二でしょうか。御子柴朱美が赤石に捕らわれたことに責任を感じているのか、赤石に勝って救出・奪還せずにはおかないという意気込み。狩崎ジュニアも使用者に負担をかけない改良型デモンズドライバーを完成させまして、それを餌に罠を張って大二と協力する。が、赤石は全てお見通しで、どうも不利を覆せないですね。

 しかし、今話も門田ヒロミについて触れてまして、大二はヒロミの気持ちが分かったと言ってます。特に正義ですな。そう持ち上げてくれると、門田ヒロミの完全復活と復帰をますます期待したくなります。と思って、デモンズドライバーの改良との関連に思い至りました。門田ヒロミがデモンズとして心置きなく活躍できる状況になったはずです。

 これに赤石側にいながらも、独自の動きを見せているベイルも期待していいのかも。今のところは、依然として元太/白波純平に固執し、五十嵐家を狙ってます。今話だとバイスを動揺させて一輝との関係を不安定にする策を施してます。どうもベイルは赤石の語る人類の戦略的退化はそっちのけの感じありです。

 もしそうなら、ベイルはもっと赤石から逸れて来てもよさそう。で、一周回って門田ヒロミが好きになって、デモンズとして合流とかあると面白そう。一輝側は現有戦力では勝ち目なさそうですが、門田ヒロミがベイルのデモンズ引っ提げて参戦すれば何とかなりそう。なんだけど、そんなベタな展開はあるはずもないか(^^;。どうも門田ヒロミ復帰が待ち遠しくて、妄想が暴走しがちです。

 ちょっと気になるのがウィークエンドの牛島光です。出撃するさくらを心配して参戦しようとして、牛島太助に「弾避けにもならない」と押しとどめられて悔しそう。自分(光)にもドライバーを、と狩崎父に要求したりもするわけですね。力を捨てて自分のできることを頑張る玉置豪や夏木花と違い、もっと力をと求めるようになってます。これって序盤のデッドマンズでも見られた、デッドマンになる人間にありがちなことじゃなかったかしらん。大二も同じような焦りが見えます。もしそうなら、敵の思うつぼになりかねず、不安です。

 次回「未知なる脅威、人の進むべき道」では、予告映像では大二と牛島光が目立ってる感じです。しかも2人とも焦って動いてる感じ。気張りすぎでいったんしくじる流れなのかな。

●鎌倉殿の13人(第18話:壇ノ浦で舞った男)

 一気呵成に壇ノ浦まで来まして、義経の奇策でこれも快勝。漕ぎ手を射るという、当時の戦争倫理に反するものながら、それしか勝つ手がなかったみたいですね。少しウィキペディア等を調べてみますと、ドラマ内の義時の言う通り、義経方軍船800艘に対し、平家方は500艘。数は平家劣勢ですが、決戦場は海流が早くて変化しやすく、操船に長けた平家軍が緒戦では優勢に戦いを進めていたらしい。

 ウィキペディア等によりますと、潮の流れが変わって義経勢が有利になったような記述が見られますが、ドラマの解釈は平家方が操船に優れるなら、その要の漕ぎ手を射てしまえというもの。これで海上の機動力を失った平家軍に数的に優勢な義経軍が襲い掛かり、勝負が決したわけですな。

 漕ぎ手へ射かける以前からも、無理とも思える奇襲や詐術も用いてきた義経、平家を倒しても、世間的な評価は芳しくなかったようですね。義経の快勝を頼朝は本当は喜んでいたわけですが(政子の前でうれし泣きとか)、御所で家臣・御家人の前では義経の戦いぶりに不満を漏らしておかざるを得なかったらしい。ただし、三種の神器のうち宝剣(草薙の剣)を失ったことを咎めてまして、勝敗の鍵となった漕ぎ手への攻撃については言及を控えてますな。

 確かに義経は無理な横車を押してでも勝ったとは言えますが、義経自身が語ったように、兵を失う=戦死者については最小に留めることに成功したかもしれません。孫子で言う「拙速を尊ぶ」みたいな速戦即決の効果ですね。義経は敵に対しては冷酷でしたが、今話で平家打倒後に見せたのは温情的な面でした。弁慶の義経への忠誠はよく知られるところですが、味方と見れば大事にする義経ということがあるからかもしれない。

 味方というより、敵でなければ情に厚い、くらいなのかも。その片鱗は、義仲討伐時に義高を憐れんだり、セミの抜け殻を集めて贈ったりのときに見えていたかもです。敵と思った義仲は断固討つ。が、それにより人質として送られてきた義高の運命は極まるわけですが、敵と見做せないので義経はなんだか悲しげ。

 敗戦後の宗盛に対しても、義経は温和に接してましたな。兄(重盛?)について尋ね、自分(義経)と共通点を見出そうとすらする。さらに宗盛が義経のために、兄の頼朝への弁明の書状を代筆してやったこともあってか(結果は裏目に出ましたが)、義経は宗盛と嫡男:清宗の面会をこっそり叶えてやったり。

 以前に芋の煮物をくれた農民には、そのときの約束を違えず、たくさんの芋を贈って感激させたりもしてますね。義経は悪意のない、天然の人たらしの面があるということなんでしょう。もしかすると平家滅亡後に、そういう義経の温情面が強まったかもしれません。なにせ、義経は登場以来、初めてしくじってますんで。安徳天皇や母 徳子、付き従う女官らの入水ですね。

 義経は戦の前、景時に「勝てば帝も神器も帰って来る」と自信を見せていましたが、そうならなかったわけで。次々と迷うことなく入水する女性らに、漕ぎ手は射殺した義経も『こんなはずではなかった』みたいにうろたえてました。もしかすると、生まれて初めての本気の後悔だったかも。自分(義経)が峻厳に過ぎた、ということですね。

 平家視点ですと、「戦の掟を破って漕ぎ手を射殺すようでは、自分たち(帝や平家の女性)も殺害するに違いない」と思い込んでしまっても仕方ない。それが分かっての、あの義経の狼狽だとすれば、少しは敵にも感情移入することも大事と悟ったかも。もっとも、義経の態度急変は、戦うべき大敵がもういない、ということが最も大きいのかもしれませんが。

 義時に対しても義経は、戦しか能がない旨、愚痴っぽく述べてます。もう歴史に名を遺すような働きはもうない、と観念してるんでしょう。しかし時勢がそれを許さない。義経の軍事的天才ぶりに「天に選ばれた」と見た景時が、もう1人の「天に選ばれた」頼朝のために、追い落としの策に出るわけですね。今は2人は不倶戴天。源氏内紛を抑え込み、平家打倒を果たしてみると、軍事の天才:義経と政治の天才:頼朝では、頼朝を選ぶしかない、という判断でしょうか。

 景時としては、政治的センスに欠ける義経が、武家の権勢を嫌う後白河法皇に、頼朝の対抗馬として取り込まれることも見通してたかも。義経の兵力を削いでおいて叛逆させれば討ち取ってしまえる。義経に叛心がないなら、そう見えるように動かしてしまえ。それには法皇に義経が重用されて、頼朝の猜疑心を高めてやればいい。鎌倉殿に取って代わるつもりですぞ、と。

 後白河法皇も頼朝が台頭するなら、とりあえずは扱いやすい義経を対抗馬にしておけばいいんで、誰に頼まれずとも義経を寵愛して頼朝との不和を図って来る。これは法皇の寵姫である丹後局も一枚かむのにやぶさかではない。義経を検非違使に留めたまま鎌倉に行かせ、しかし必ず戻るような細工「平宗盛の護送役」を入れ知恵すると。

 都と鎌倉の両方で義経を疑わせる工作をするもんですから、頼朝も乗せられる。一時は義経の快勝を喜んだ頼朝ですが、事態が落ち着いてみると軍事的天才の義経が恐ろしくなってきたんでしょうね。しかし今話では、鎌倉から遠ざけるくらいで済ましたい様子もあります。もっとも、比企氏は不安要素として浮上して来ましたな。正室の里が都まで様子を見に来て、静と戯れる義経を陰から睨みつけてまして、差配上手の義時もそそくさと立ち去る修羅場でした(^^;。史実では里/郷御前は義経と運命を共にするようですが、その過程でドラマでは波乱を起こしそうで怖いかも(^^;。

 そういう一連を見ていますと、梶原景時が怖く見えてきました。その怖さは善児に感じるものと似ているかもしれません。もっとも上総広常を斬る決断をするまでは、景時は頑固なまでのルール、秩序に拘る武将という印象でした。上総介成敗の命を受ける決断をして、もしかして変わったのかも。今の景時は権謀術数の人で、強きに逆らわず、流して捌いてハメていく感じです。

 義経の軍事的才能に感銘を受けたのは景時の本心なんでしょう。ならば、とその才能は、自ら(景時)が恥をかく格好になってでも活かす。しかし漕ぎ手殺害など、後で義経の不利となる要素も、こっそりと認めておく。そうしておいて、頼朝には義経はむごい、野心があると讒言する。これは信用されるわけですね。なにせ、皆のいる前では真っ向から対立してるわけですんで。そして今は頼朝を操るがごときで義経を追い落とさせようとしていると。

 NHKの公式サイトの登場人物紹介では、梶原景時は「謎の武将」となっています。ずっと「なぜ謎なんだ?」と不思議に思ってたんですが、ようやく意味が分かった気がします。義経や頼朝を操る黒幕が如きですんで、本心がどこにあるか分からないラスボスの感じがしてきましたから。中村獅童さんの感情を抑えた演技が以前は安心感あったんですが、今は逆に不気味でして、役柄を踏まえてのなかなかの名演だなあと感心します。

 次回「果たせぬ凱旋」では、義経が静御前に別れを告げるカットがあるなど、いよいよ義経の最期が描かれるのかな。陰惨になりそうですが、せめて武将らしい最後になって欲しいかなと思います。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/10 (Tue) 00:05:21

 夏場で忙しくなる前は、週2回ペースで感想書き込みをしようかと思いつつ。

 さて、先週の書き込みで2ヶ所ほど記憶違いがありましたので、まずはそこを修正したく。

1.仮面ライダーW関連

>次回のインビジブル

 次回はインビジブルではなく、トライセラトップスでした。
 インビジブルは3エピソード後ですね。

 どちらもゲストヒロインにスポットが当たる坂本浩一監督回なので、自分の中では混ざってしまったようです。
 どちらのヒロインも戦隊出身で、デカイエロー:ジャスミンこと木下あゆみさんと、ハリケンブルーこと長澤奈央さん。
 坂本監督はWを3エピソード担当し、他に夏の劇場版や、Vシネ版のアクセルやエターナルなどに関わって、平成ライダーの初仕事がWということになりますね。

2.ダイ大関連

>ザボエラが超魔ゾンビで、ミストバーンの撤退を支援

 こう書くと、ザボエラが仲間思いのいい奴に思える(苦笑)。
 大筋は間違えていないのですが、ミストバーンに後の始末を言い渡されて(見捨てられる形で)、最後の切り札である超魔ゾンビを登場させざるを得なくなった、と。
 結果的に撤退支援の形になったとは言え、ザボエラの意図ではなかったわけですな。

★ダイ大

 で、間違い直しに続けて感想に移るわけですが、もう次回予告の「もう一人の勇者」のサブタイトルに感じ入ったり。

 ノヴァが主役扱いですよ。我がことのように嬉しい(笑)。

 もう、ここはヒロミさんみたいに「我が命をかけて、こいつ(超魔ゾンビ)を倒す」というような形ですな。
 自らの生命力を消耗するオーラブレードで、起死回生の一撃を放とうとするわけで、一気に老化が進むのが次回予告の絵面です。

 これを見て、ロン・ベルクが自分の封印していた本気の剣を見せる覚悟を決めるわけですが、それとて両刃の剣なんですな。
 つまり、次回は自己犠牲のドラマが爆発するわけで、ここからロン・ベルクとノヴァのドラマのクライマックスになる、と。

 その一方、ヒュンケルに対しては、バーンパレス最強の守護神を自称するキング・マキシマムが襲撃する流れですが、それは次々回のタイトルになりそうですな。
 ヒュンケルVSヒムから続けて、チェスのコマであるキングが登場する形。このキングが、ヒムをポーンと見下し、満身創痍のヒュンケルを痛ぶるように攻撃する姿に義侠心に駆られたヒムが……という流れ。

 もう、バトルに続くバトルが、この先は待っているはず。
 たぶん、今回が最後の休憩回でしょうな。

★リバイス

 オロナミンCのCMは3人ライダーが出演するのですが、この3人めは五十嵐3兄妹と、それからバイスが選ばれましたね。つまり、変則的に4人と。

 もしかすると、ヒロミさんが出るかな、と期待してみたわけですが、それはならず。
 公式イベントで「ヒロミ復活を祈願する組織ホリデー」が立ち上がったとの話も聞きますが、TVの本編に反映されるのはいつになるだろうか。
 何だか、ヒロミさんが帰って来たら、それだけで勝てるような気持ちになりますな。精神力の面で最強に思えますので。

 一方、牛島光は果たして変身できるのか?
 花や玉置が再び前線で変身する日は来るのか?

 案外、量産型デモンズが彼らに行き渡り、微妙にカラーリングが異なるデモンズ軍団が、ザコ悪魔と乱戦を繰り広げる日が近いのかもしれない。
 ヒロミさん率いるチーム・デモンズが五十嵐3兄妹をバックアップする形が成立すれば、夏場は盛り上がりそうだな、と期待してみる。

 それとは別に、朱美さんが変身したギフデモス。
 本人の意識がどれほど残っているのかが気になるところですが、彼女と戦う役どころは大二の仕事なのか、それともヒロミさんに回されるのか、あるいはヒロイン対決でさくらに回って来るのか、果たしてどうなるかなあ。

 個人的には、初登場以来、活躍できずにいるホーリーライブに頑張ってもらいたいところです。このままだと、カゲロウが化けて出そうで。

★鎌倉殿

 死ぬ前に良い人として演出されるパターンが続いてますな。

 これまで割と好き勝手にやってきた義経が、今話の後半に何だか良い人に。

 ともあれ、屋島は思いきり割愛され、壇ノ浦に力が注がれた合戦シーン。
 まあ、船の絵面がCG丸分かりとか、そういう部分はありましたが、たぶん本作で一番、力の入った戦闘シーンなのは間違いない。

 個人的には、船のシーンよりも、範頼の九州討伐でチラ見せしてくれた騎馬シーンの方を推したいところです。
 やはり、奇策の義経よりも、正攻法の範頼の方に戦シーンの見応えを感じたので。

 そして、話の後半は、義経の悲劇の武将ぶりを見せようとする流れ。

 さて、20話で義経の死につながる奥州合戦が描かれて、そこで前半が終了というスケジュールです。
 噂によると、後半は「義時→泰時に主人公が交代するのでは?」とか、鎌倉幕府成立と頼朝の死から後のタイムスケジュールがどうなるかが見えていないですが、
 幕府成立まで17年の物語、幕府成立後は承久の乱まで30年の物語になるので、単純計算、時間の流れが倍になるということが予想されます。

 何にせよ、序盤の登場人物の多くが退場していく流れで、物語の牽引力を担うのが義時と政子になるのか。
 それとも、義時は変わらず牽引できないまま、翻弄されまくるのか。

 梶原景時は「天が頼朝を選んだ」と主張していますが、頼朝の死後は「天が源氏を見放した」とか、そういうことを言い出すのかな、とか、自らが散る前にどういう人生観、運命観を披露するかが気になりますね。
 何となく、「頼朝と義経のどっちに着くか」まで、こっそりサイコロを振って決めていそうだし(笑)。

景時「佐殿と九郎殿、どちらが天運に恵まれているか、自分では決められん。よし、右の賽は佐殿、左の賽は九郎殿、大きい目が出た方を自分は応援するということで。(コロコロ)佐殿は4、九郎殿は1か。ならば、今回は佐殿だな。しかし、4も死を思わせて、不吉ではあるが、まあ、それは先の話にしておこう」

 ゲームマスター景時、あるいはギャンブラー景時に思えてくる今日この頃。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/10 (Tue) 23:29:15

 定期感想その3です。

●スーパーマン&ロイス(第6話:Broken Trust / パワーの代償)

 前話のNOVAさんのご感想で、キャプテン・ルーサーがクラークをカル・エル/スーパーマンだと気づいてないとお書きで、その点が自分的には大事なご教示となりました。そこのところを明確に意識せずに観てたんです。前話まででも「キャプテン・ルーサーがクラークをスーパーマンと認識してない」ことが前提の描写はあったんですが、観ている自分が意識しなくても、ドラマ理解が破綻するほどではありませんでした。

 しかし今話は「信頼」が大事なポイントでして、原題もBroken Trustですね(邦題は能力を制御できずに苦しみ始めたジョーダンに焦点を当てたものでしょうか)。今話ではあっちこっちで、知らないゆえに疑わなかったり、あるいは逆に疑心暗鬼になったり。

 例えば、クラークとロイスの家での会話では、(ウォー)スーツの男がモーガン・エッジではないかと話し合ってたり。モーガン・エッジは一連の事件の中枢らしいと疑う理由はありますが、分からないことを何でもモーガン・エッジの仕業とするのは危険な邪推でしょう。

 事に当たるに誰かと協力するには信頼が必要で、それをポジティブな信頼と呼ぶことにすると、敵に挑むには「こいつは間違いなく敵である」という証拠に基づく確信が必要です。それを敵について言うならネガティブな信頼と言えましょうか。

 そこが最もはっきり出たのがロイスかなと思います。ラナとカイルに、モーガン・エッジが怪しい、詳しくは話せないが信用して欲しい旨、ロイスは説くわけですが、聞いてもらえない。モーガン・エッジは確かに事業を提供して雇用を作り、失業による貧困を解消しつつある。

 一方、ロイスは「エッジが怪しいという自分を信用してくれ」です。信用した先にはモーガン・エッジを退ける未来が見えまして、それは再び失業の貧困が来ることを意味する。それではラナらがロイスの話に乗れないのも仕方ないでしょうな。

 そのロイスは、キャプテン・ルーサーが正体も目的も、元の世界ではロイスの夫であることもの隠していることを知らずに、モーガン・エッジが共通の敵ということで一応の協力関係に。成果はありまして、鉱山にXクリプトナイトが埋蔵されていることを突き止める。

 しかしルーサーが持つ道具が異様に高度など怪しい点があるも、ルーサーはロイスに詳しく話せないが信用してくれ旨、求めるわけですな。これって、ロイスがラナに求めたことと同じです。これでロイスも自らを省みるところがあったのか、ラナに対して態度が柔軟になってましたな。

 しかし、その時点でタグの脱走と異様な能力による事件にサラが巻き込まれたわけで。これがラナにとってロイスの話の証拠となり、協力する気をようやく起こしてくれたわけですな。しかし不安要素がまたも発生してまして、ラナは夫のカイルに隠して事に当たるつもり。

 これは最初にロイスがラナらに話したとき、実はクラークと示し合わせてるんだけど、クラークの正体(スーパーマン)は明かせない等あるんで、夫クラークには内緒でやってると誤魔化したことが遠因なんでしょう。何とか打開に向け動き出してはいるんだけど、ガタピシしてまして危うい状況ですね。

 今話のメインの事件はタグですね。軍施設に保護されたはずが、囚人の収監みたいな酷い扱いだった模様で、どうにかして逃げ出してきた模様。フラッシュのような高速移動能力を身に着けてまして、軍が対応できなかったのか。自分は最初、サム・レイン将軍がわざとタグを野に放ったのかと思いました(何か対スーパーマンの作戦を計画してるわけだし)。

 しかし、あの慌てぶりからすると、サム将軍は脱走に関わってない感じです。モーガンの指示でレスリー・ラー辺りがタグの能力を引き続き強化し、脱走の手引きとかしたのかしらん。ともかく、タグはサラに助けを求めようとするも、能力が暴走してしまい、拉致同然でサラをメトロポリスの自分のアジトまで連れて来てしまうわけですな。そうしてみて事態が何とかなるわけでもなし、タグはかなり混乱していると見ていいでしょう。

 そこへ事態に気付いたスーパーマンが駆けつけて保護を試みるも、軍もやってきてタグに実弾を発砲。これはスーパーマンが防ぎますが、続いてグリーンクリプトナイト弾を撃ってきましたか。スーパーマンの介入を恐れて装備していたのかな。別の可能性があるとすれば、タグの能力がXクリプトナイト由来なら、クリプトン人と同じ弱点を持つとみて、念のため装備させておいたか。

 しかしスーパーマン/クラークとしては、サム将軍が密かにグリーンクリプトナイトを回収していたこともあり、自分が警戒されたと思うでしょうな。さすがに怒りに目が真っ赤になりますが、かろうじてこらえると。

 そのシーンと、ジョーダンがいじめの相手に殴り掛かろうとしたシーンが被されたのはなかなかに印象的です。今話のもう1つのメインドラマは、やっぱりジョーダンとジョナサンでした。ジョーダンはスーパーマンの能力が制御できず、暴走しかかってるわけですね。そこに気付いたジョナサン、ジョーダンが是非ともと望む対抗試合に出たいのを察する気持ちと、ジョーダンが暴走してしまう危険とのジレンマになってますね。

 試合のほうはジョナサンも意欲的でして、何となればメトロポリスではフットボール部でのイジメ加害者が出場、しかもガールフレンドのイライザを横取りした相手。ジョーダンも相当にそいつにイジメられていた模様です。そのため、ジョナサンは心配しつつも、ジョーダンの試合に出たい望みを優先させてしまう。

 これは一応はうまくいった面がありまして、ジョーダンのパワーとジョナサンの敵を良く知るがゆえの作戦で試合には勝つ。しかし、ジョナサンが試合中にパワーを抑えきれなくなり、クラークがこっそりスーパーマンの力を行使して、なんとか救い、かつジョーダンのパワーも隠し通す。

 その事件が起こる前は、クラークもジョナサンの力をうまく引き出してやろうと、でかい丸太を殴る訓練やらせてるわけですね。ジョナサンは最初失敗するも、クラークがコツを教え、ジョナサンが励まして、何とか成功させる。このときにジョナサンがジョーダンにハイタッチを求め、普通にうまく行っているのは伏線だったかな。

 フット―ボールの試合後、相手チーム、特に以前のイジメの加害者が負けた悔し紛れに絡んできまして、盛んにジョーダンとジョナサンを煽る。ジョナサンに対しては、特にイライザの件ですね。ジョナサンは試合中も、試合後もこらえきる。が、ジョーダンは怒りを抑えきれず、思わず殴ろうとしてしまう。しかしジョナサンがよく見てまして、己が手でジョーダンの拳を受け、相手は傷つけさせずに済む。

 しかしジョナサンは大怪我ですな。ジョナサン、怒ってはいるけど控えめな感じ。少なくとも積極的に罵るようなことはなく、ジョーダンが何か言うと不機嫌な反応を示す程度でしょうか。おそらく、ジョナサンがジョーダンに対して強く共感し、感情移入し、何を苦しんでいるかを感じ取れるからじゃないかと思えます。ジョーダンは暴走しつつある力が我が事ですが、ジョナサンは傍で見ているだけ。

 しかし、傍目八目と言いますか、客観的に事態を見ているだけに、ジョナサンはジョーダンよりもジョーダンの苦しみを理解し、どうしたらいいかについて一歩先んじているのかも。こういうことがあるから、この兄弟の信頼は壊れそうで壊れないんだろう。兄弟というより、こういう事態になって来るとバディみたいな感じかもしれません。今話のジョナサンは、自分的にはなかなかにカッコいい(前話で酔っぱらって情けなかったのと落差が大きいこともあるかも)。

 ジョーダンが今抱える問題は、かつてクラークが経験したものであるようですね。聴覚については、前にジョーダンがクラークに盗み聞きしたと強く非難したものが、今はジョーダン自身に起き始めてます。おそらく誤解ではあるものの、タグからはジョーダンのヒートビジョンで人生を狂わされたと責められてもいる。クラークがスーパーマンとして、どうやって多数から信頼を得たのか、がジョーダンにとって大事なポイントになってきました。

 次回のタイトルは「Man of Steel / 鋼鉄の男」でして、スーパーマンの代名詞ですね。クラーク/スーパーマンにいよいよスポットが当たるのか、それともジョーダンがスーパーマン足りえる可能性を示すのかな。敵やかく乱要素の動きも活発化してきたし、ホームドラマよりヒーロードラマの比重が大きくなってきそうです。

●仮面ライダーW(第21話:還ってきたT / 女には向かないメロディ、第22話:同 / 死なない男)

 ネット初視聴では下調べせず、坂本浩一監督回は気が付いたんですが、デカレンジャーの礼紋茉莉花/デカイエローであり、キョウリュウジャーの福井優子の木下あゆ美がメインゲストとは、本編で登場してくれるまで気が付かずでした。登場してくれると、あっとなりまして、視聴後にウィキペディアで確認しました。

 いずれハリケンジャーの長澤奈央さんが坂本浩一監督回でご出演というのは意識してたんですが、木下あゆ美さんは気が付かずorz。木下あゆ美さんも坂本浩一監督が希望してのご出演だそうですね。招くだけあって、途中の生身アクション(訓練シーンとか)の動きはなかなかの見栄えですな。

 その木下あゆ美さんが演じるのが、ロス市警から帰ってきた九条綾なんですが、のっけから怪しい。前エピソードではアイスエイジ・ドーパントと入れ替わるように片平真紀子が現れ、翔太郎らから疑われてまして、しかしドーパントの正体は息子の清。今エピソードではトライセラトップス・ドーパントが逃げ去るや否や、九条綾が現れる。

 またもや、と思いそうになったんですが、ちゃんと趣向は変えてありまして、トライセラトップスは死んだと思われていた、九条綾の同僚の溝口正輝。と、襲われた刑事は思うわけですな。その刑事は裏で悪い連中とつながってまして、自分たちが始末したはずの溝口正輝がドーパントとなって復讐に来たと思っている。悪徳刑事は1人ではなく、阿久津憲なる刑事が裏のコネクションの本命である模様。

 それで、観ていて「溝口正輝がドーパントと思わせておいて、次話ラストで九条綾だったと明かすのかな」と思いました。が、そんな前エピソードをちょっと捻っただけの仕掛けではないわけですか。トライセラトップスとW&アクセルのバトルとなり、トライセラトップスは右足を痛打されまして撤退。

 翔太郎らが照井竜らと事務所に戻りますと、そこに九条綾が現れる。またもや、という感じの演出ですが、しかしフィリップが九条綾の歩き方から、右足を傷めていると指摘。おそらく、このときに照井竜の九条綾に対する疑惑は確信に変わったと思うんですが、翔太郎はフィリップの指摘を何とも思わず、九条綾をまっすぐな正義感を持つ刑事だと信じているようですね。

 しかし照井竜は構わず事を進めまして、現場の遺留品のキーホルダー(かな?)に記されたCatherine(キャサリン)から、フィリップの助けを借りて、船名だと断定、港に急行すると。ここでも竜と翔太郎の違いが演出されてまして、翔太郎はキャサリンがホステスの源氏名だと呑気な勘違いしてますな。

 この時点では鈍い翔太郎という感じですが、この後のドラマ進行も見てみますと、翔太郎はなんとか九条綾を真犯人だと思いたくない様子で、そうとは疑わないうちから無意識に真相から外れる推測をしがちだった感じです。観ている自分はそういう翔太郎に納得し、同調しちゃってたみたいです。

 しかし照井竜は全く手を緩めない。翔太郎が港に着いて、船名Catherine号を発見、乗り込むと、実は阿久津が罠を張って待ち構えてたわけですな。もしかしてキーホルダーを落としたのはわざとなのか、もしくは落としたと気づいて、むしろ好機に変えようと罠に仕立てたのか。

 しかし照井竜が一枚上手でして、阿久津の死角から急襲して翔太郎を救い、さらに阿久津に迫る。締め上げられた阿久津は悪事を告白しまして、なかなかに恐ろしいものでしたな。警察の持つ情報から行方不明になっても怪しまれない人物を選び、メモリの実験体に差し出していたわけですか。

 翔太郎は聞き終えると警察に突き出すから守ってもらえと言うものの、園崎家とつながっている阿久津は猫さん(ミック)ドーパント:スミロドン・ドーパントが奪還に来ると知っており、W&アクセルがスミロドンと戦っている隙を突いて、船で逃走。ですが、トライセラトップスに船ごと爆破される。

 翔太郎は依然としてトライセラトップスを溝口正輝と思い込んでますが、照井竜はあっさりと正体が九条綾と見破り、トライセラトップスも悪びれずに九条綾に戻って見せる。やっていることは復讐だが、正義だというわけですね。照井竜は許さず、大剣エンジンブレードを九条綾めがけて振り下ろしますが、さすがに翔太郎が止める。

 翔太郎としては、阿久津の悪事の内容を聞かされた直後ですし、無抵抗の生身の相手にエンジンブレードですから、相対的に九条綾がOKになっちゃったんでしょう。事務所に戻っても、九条綾が正義を貫いていると信じたい言動になってます。まだ動揺が続いているということもあるのかも。

 しかしフィリップが冷静でして、九条綾はもう2人も殺していることを指摘する。翔太郎の信念もドーパントでも殺さず捕らえ、メモリから解放することですから、ハッと思うものがあるでしょうな。帽子をかぶりまして、心当たりの場所へ出かける。これは照井竜も同じ場所に思い至ってまして、溝口正輝の死亡現場というわけですか。

 しかしその場所に駆けつけようとする照井竜にWのメモリを持つ氷のドーパントと思しき人物から電話が入り、別の場所へ誘い出され、行ってみると建築資材が大量に頭上から落ちてくるトラップ。一方、翔太郎はすんなりと死亡現場にたどり着き、九条綾を見つけると。

 九条綾は、罪は自覚している、あと少しで組織のボスにたどり着く、そうすれば自首する、と約束しまして、九条綾を信じたい翔太郎はあっさり納得して引き下がる。その後、警察前で亜樹子とこっそり張ってまして、九条綾が署に入っていくのを見て、やっぱり自首してくれたと喜んで安心してしまう。

 しかしフィリップは疑いを解いておらず、単独で追跡して、九条綾が刃野幹夫刑事を襲撃する現場に出くわすわけですな。九条綾がなんでそんな行動に出たかといえば、園崎家の冴子に接触、阿久津の後釜になりたいと申し出て、冴子から信用する条件として刃野刑事殺害を指示されたから。

 九条綾のやってることはめちゃくちゃですが、九条綾としては整合性の取れた行動のつもりらしい。溝口正輝が殺されたのは、風都が腐っていることが根本原因、それなら風都を壊してしまうのが正しい復讐。そのためには阿久津の後釜となって力を得ればいい。

 この破綻した九条綾の考え・暴走を、冴子は既に見抜いていたわけですね。憎悪でメモリを使う者は暴走すると。九条綾が冴子の指示を受けたとき、目の色が一瞬変わったのは、暴走の兆候だったのかも。刃野刑事殺害の指示は、もしかすると「もしこの指示を受けるようなら、こいつ(九条綾)はもう終わってて、相手にする必要なし」というテストだったのかもという気がします。

 ともかくも九条綾/トライセラトップスの暴走は止まらず、現場のフィリップは翔太郎に連絡し、ファングジョーカーに変身、トライセラトップスを止めにかかる。が、そこに満身創痍の照井竜が現れる。かろうじて助かったみたいですね。竜はアクセルに変身、トライセラトップスと交戦開始。ファングジョーカーは、フィリップは負傷の竜では無理と加勢しようとしますが、翔太郎は竜がケリをつけるべきとして見守る。ここはちょこっとですが、翔太郎もハードボイルドやれてますね。

 しかしバトルの判断はフィリップが正しく、アクセルが不利に陥る。どうすんだと思ったら、シュラウドが加勢ですか。新マシン授けまして、これは「ガンナーA」ということでいいのかな。バイクフォームのアクセルと合体して「アクセルガンナー」。

 これで勢いはアクセルに傾きますが、九条綾/トライセラトップスの暴走はカオスの域に至り、思い出があるはずの風都タワー破壊に向かってしまう。これをアクセルはかろうじて止め、トライセラトップスも倒してメモリブレイク。今度は照井竜は大剣を九条綾に向けず、「お前の心は、俺が背負って生きる」と告げまして、やり方は翔太郎流、態度はハードボイルドといったところかな。

 九条綾の周りでジタバタしていた真倉俊刑事はあからさまに道化役ですが、翔太郎もそれに準じて、かな。九条綾が悪い奴ではない可能性を見出すと、それが真相だと思い込んでしまう。いや、思いたがったと言うべきか。善の面を信じたいわけですね。だから風都が好きなんでしょう。(暴走に至った)九条綾には風都の人間の悪の面が強調されて見えてしまったのと、対照的といえます。

 自分も観ていて翔太郎に感化されてしまったようで、九条綾が正義のために行動していると、かなり最後のほうまで期待しながら観てました。刃野刑事殺害指示を受け入れ、刃野の目の前に来ても、園崎家を騙す策なんじゃないかとか期待してました。

 しかし九条綾がメモリを脚に差し、刃野刑事に襲い掛かったところで、「ああ、九条綾は本当に憎悪で暴走してるのか」と諦めました。翔太郎がフィリップの電話で、おそらく即座に九条綾が闇に堕ちていたと気が付いていたみたいですから、自分は翔太郎より甘いことになりますなorz。

 これはいかん、と思ったんですが、しかしそうだからこそ翔太郎に感情移入してきてるなあと自覚した次第。今週分は照井竜が事実上の主役の活躍なのに、脇でジタバタしてる翔太郎に目が行っちゃってるのもそのせいなんでしょう。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/14 (Sat) 00:27:43

 週末感想です。

★境界戦機

 重い話がずっと続いていたけど、久々に明るく終わった話でした。

 ガシンの兄貴分が持ってきた情報で、「日本人の保護区として守られてきた街が戦火に巻き込まれそうなので、助けて欲しい」というミッション。

 対する敵は、ゴーストAIのコピー機(学習能力を省いた劣化仕様)の6機を駆る、北米軍。

 こちらの戦闘力を既学習済みの相手部隊にピンチに陥るも、味方3機の機体も強化済みな上、ゴースト対策も織り込み済みなので、学習しない機械に対しては、行動パターンを見抜けば逆転勝利も可能という快勝エンド。

 さらに、「命を守る」という成果を果たしたことで、アモウが陥っていた「戦う理由の喪失、虚しさ」が希望に転じた流れ。
 1期めの空気に回復できたかな、と見えつつ。

★スーパーマン&ロイス

 マーカスと名乗るキャプテン・ルーサーが、ロイスと共にモーガン・エッジの炭鉱を探索し、Xクリプトナイトの存在が表面に出るものの、謎の男マーカスへの不審ぶりも判明。

 しばらく、ロイスとマーカスの共同捜査ドラマが続くかな、と思いきや、1クールなので展開が早いようです。

 クラーク側は、息子たち、特にジョーダンの世話焼きに奔走していますな。
 不安定な力に翻弄されるジョーダンが「大いなる力と、大いなる責任のヒーローイズム」を確認する回。

 力を持たない者が力を手に入れて有頂天になり、同時に慢心に駆られたり、気持ちの浮き沈みで揺れ動く中、ヒーローパワーを自制する心の問題を掘り下げる形。

 あとは兄のジョナサンを怪我させてしまった痛恨の事故が、今後にどう影響するか、ですが、これで兄が人間離れした回復力を示して、スーパーパワーに目覚める可能性を期待してみる。

 仮説として、弟のパワーは兄のいないところでは発現しないようですので(今話の初めでタグの襲撃を受けたときにも、発現しなかった)、兄が怪我したことで、兄弟が別行動して、それで力が発現しないことに気付くとか、
 兄が弟のピンチに、力が目覚めるとか、そういう展開を期待したく。

★ダブル

 「死なない男」と言えば、照井竜かヒュンケルか、という三条陸さんのネタにされたりもするのですが、
 今回の話は長谷川圭一さんだったのですな。

 どちらかと言えば、長谷川さんの方が重い話を書くような印象があります。
 ナスカ(霧彦)を殺したのも長谷川さんだし、ウェザーとの決着も長谷川さん。照井竜のハードボイルド要素は、三条さんよりも長谷川さんが膨らませたのかもしれないなあ。

 なお、三条さんはダイ大で、長谷川さんはグリッドマンやダイナゼノンで、自分的にはどちらもツボに入る人。
 でも、救いのある話を書くのが三条さんで、闇堕ちキャラを濃密に描くのが長谷川さんという印象。

 あとは戦隊とライダーの経験者が三条さんで、ウルトラとライダーの経験者が長谷川さん。
 逆に言えば、三条さんはウルトラマンには関わったことがなく(別名義でマンガ原作とアニメにタッチしたことはあり)、長谷川さんは戦隊に関わったことがない、と。

 ともあれ、今回は坂本浩一監督の平成ライダー初監督回で、それまではずっとパワーレンジャーでアメリカで活躍していたのが、こっちに帰ってきての登板ですね。
 パワーレンジャーのために、原作である日本の戦隊の編集作業をしている際に、デカイエローの木下あゆみさんや、ハリケンブルーの長澤奈央さんの演技やアクションに惚れ込んで……自分の監督回にプロデューサーさんにお願いして出てもらうようになったとか?

 今は、リバイスのスピンオフのベイルで監督をやってる他、今年もウルトラ畑に続投予定ですね。

 初監督でアクションも控えめな感じでしたが、しっかりヒートメタルとルナトリガーの両方にフォームチェンジさせて、後の「フォームチェンジ祭りなサービス監督」ぶりとか、匂わせる感じですな。

 次回はカラオケ回で、主題歌歌手とか、水木一郎氏がゲスト出演するのがポイントか、と。
 

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/14 (Sat) 23:45:45

 定期感想その1です。

●境界戦機(第18話:保護区)

 ジェルマン・ゴベールが、最初から裏切っていたと明かされて以降、どうも疑心暗鬼でドラマを追うようになってました。今話ですと、キリル・ジルコフを最も怪しみつつ、実は何か仕組んでましたとかだったらどうしようと。

 その前段に1期では自分が作った自治区を守るためとはいえ、古巣の八咫烏をアジア協商に売ろうとした末永ユウセイが出てきたわけで、「あれの続きかも」と思うものがありました。ガシンはアモウらに事情を打ち明け、信頼できると説くわけですが、観ている自分はどうも不安。

 なにせ末永ユウセイの作った自治区は実は不安定で、今回の保護区も経済・産業的に充実してそうですが、軍事物資は不足がちで守りが手薄といったことがあります。保護区のオーナーであり司令官であるキリル・ジルコフが、レジスタンスをハメる見返りに保護区の当面の安全を得ようとしてる恐れがないかと、ハラハラしました。

 なにせ、レジスタンスの保護区到着以降、その気になれば壊滅させられそうな機会は何度も見えたわけで。特に対北米同盟戦ですね。キリル・ジルコフのユーラシア軍が(北米同盟指揮官が言ったように)レジスタンス軍の挟撃に出れば、アモウら主力がザック・テイラー隊に釘付けになっていたこともあり、瞬殺される恐れがありました。

 が、そのザック・テイラが、いかにもな悪役風が出しゃばって来てた点は、裏切り、罠といったことではなさそうな雰囲気出してました。策謀というより陰謀のほうが得意なんじゃないかと思えるザック・テイラーが、侵攻目標の保護区とつるんでる様子がありません。北米同盟指揮官も偶然にユーラシア軍により挟撃になったと喜んでるし、レジスタンス撃退したら、ユーラシア軍も蹴散らすつもりだし。

 戦いが終わってみますと、キリル・ジルコフは掛け値なしの親日家で愛妻家でした。四大勢力による事実上の日本支配という状況も喜んではないようですね。状況全部をひっくり返すことは無理でも、保護区という形で平和な状況を作ろうとしたんだろう。

 その保護区がちょっと自分的には面白い。どうやって潰されずもせずに成立し、存続してるかですね。末永ユウセイの自治区ですと、政治的な独立性を一応は保つものの、経済的には自立できてないし、軍事的には無力に近い。保護区のほうは、工業を主として産業が活発なようです。

 それがユーラシア連邦の管理・運営ではなさそうですから、生産物を売る利益で保護区は経済的には自立してそう。軍事的にはキリル・ジルコフがこの地区の司令官でしょうから、ユーラシア連邦軍であり、補給もある。経済と軍事が曲がりなりにも成り立つので、政治的な自由も確保できるんでしょう。

 ただ北米同盟が勢力域を拡大しているため、以前は遠かった軍事境界線が間近となり、大規模侵攻には耐えられないので、末永ユウセイのつてで八咫烏に支援を求めてきたと(区長同士のよしみ?)。キリル・ジルコフが態度一貫で誠実であったことで、結果は良好でしたな。裏ではレジスタンスとの共同作戦でゴーストAプロトタイプ含む北米同盟侵攻軍を撃退、表面的にはレジスタンスをも撃退しての大勝利。これにユーラシア連邦上層部の覚えもめでたく、兵力は補充され、補給も約束されると。保護区が最前線防衛のの堅固な砦と見做されたということでしょう。

 北米同盟侵攻については、悪役っぽく登場したザック・テイラーですが、道化役みたいに逃げ去る結末でしたな。たぶん、誰かの手先なんでしょう。ブラッド・ワット大尉の「ブレイディファントム」の戦果を見て、ゴーストAIを頂こうと画策するも、ブラッドが渡したのは骨抜きの「プロトタイプ・ゼロ」。

 ゴーストの最大の強みである学習と戦術判断機能が搭載されておらず、緒戦では「プロトタイプ・ゼロ」の基本性能の高さでアモウ機らを圧倒するも、たちまち戦術パターンを分析されて逆転される。機体性能もゴーストには及ばないわけで、ブラッド大尉はこうなると予測してたんでしょうな。

 と思ってみると、ブラッドが恐るべき野心家になりつつあるような気がします。既にジェルマン・コベールは面従腹背、養父にして上官のジョウ・スピアーズ中将は場合によってはブラッドを使い捨てるつもり。しかし、ブラッド大尉はロイ・ウォーカー議員を抱き込んで状況を動かし始めてまして、これにはスピアーズ中将も驚いたらしい。となると、ブラッドのほうがジェルマンやジョウ・スピアーズを謀略で包囲しつつあるように思えてきます。

 各キャラクターのドラマでは、2期の最初から重荷を背負っていたアモウに一応の解決があったかな。研究施設で敵とはいえ人を撃ち、仲間の死や子供に恐れられるショック、さらにメイレス:ケンブで敵指揮官を殺害。ガシンとシオンにはようやく事情を打ち明けましたが、今話も最初は様子がおかしかった。が、生まれたばかりの赤ん坊に慕われて、ようやく安心するものがあったようですね。

 そこへすかさずAIガイがアモウのツボを突くこと言いまして、「誇っていいんだぞ、お前が守った命だ」と。これでアモウがこらえきれずに泣きまして、なるほど守れなかったことが最大の悔いだったのかと、自分も感動しました。

 もっとも、それでアモウの悩みがすっきり完全解決というわけではないんでしょうね。アモウは1期第1話冒頭から屈託げで厭世的な感じすらありました。四大勢力に支配されている状況が、アモウを苦しめている感じです。そこは解決してない。が、会話だけですが四大勢力の本拠地といいますか、海外では既に日本への関心は薄れ去っているらしい。

 さらに1期では自治区、この2期では保護区が描かれますと、なんとなく方向性が出てきたのかなという気がします。どちらも戦って勝ちとったものではないわけで、全体の状況もなし崩しに解消されていくのかなとか。しかし、その裏にはアモウらの働きがあり、アモウも納得出来て、1期第1話と状況は似ているけれど、アモウの様子はすっかり変わって再出発、みたいのだといいなあ。

●ダイの大冒険(第77話:もうひとりの勇者)

 今話を観るまでは、NOVAさんのノヴァについて(ややこしいですな)の語り口が熱いのは、名前が重なることもあるからかなと思ってました。が、観終えてみて邪推したと反省です。北の勇者ノヴァはこんなに凄い奴なのかと認識を改めましたし、今話の感動の中心はそこです。

 もちろん、ノヴァの奮起に触発されたロン・ベルクも凄かったし、強敵:超魔ゾンビに止めを刺したのはロン・ベルクですな。それも多大な犠牲を払ってます。原作コミックのタイトルを調べますと、今話に該当するのは「超兵器招来!!!の巻」であるようです。明らかにロン・ベルクの剣を意識したタイトルですね。

 原作コミックは未読で分からないんですが、もしかしたらロン・ベルクの演出に重きが置かれたのかもしれない。しかし、このアニメ版の今話ですと、自分的に最大の印象はノヴァに生じましたし、タイトルに使う単語も「超兵器」ではなく「勇者」であることに大いに納得です。

 それでちょっと思い出した作品があります。タイトル名等は割愛しますが、コミック原作のアニメで、近代風異世界ファンタジーみたいな感じ。作中に「北の勇者」なるキャラクターが登場し、しかし敵ヒロイン(べらぼうに強い)に敗れ、「それでも(北の)勇者か」という感じの非常にみじめな最期を遂げます。

 ネットでそのアニメの感想を拾い読みしてみると、「北の勇者という名前はちょっと残念」旨の感想がちらほら。そのアニメのアンチではなくファンであるようで、貶しも怒りもしてませんでしたが、何と申しますか、ちょっと悲しげと言いますか。今話を観まして、その感想の意味、気持ちが分かった気がします。「北の勇者」の名を冠すなら、そんな扱いはしてほしくない。なぜなら北の勇者と言われれば、ノヴァを連想してしまうから。それも今話の活躍を見せたノヴァですね。

 脱線が過ぎましたが、結構前のちょっとした記憶も掘り起こされるほど、今話の北の勇者ノヴァの印象が強かったわけで。

 ともかく本編。前半は前話で登場した超魔ゾンビのどうしようもない強さを見せつける展開ですね。ただ超魔ゾンビ自体のキャラクター的な印象は、最高度の超魔生物ハドラーはもとより、プロトタイプの超魔生物ザムザにも及ばない感じです。やっぱり、中にこもるザボエラが操る鎧みたいなもんだからでしょうか。戦隊ものの巨大ロボ戦みたいな感じかな。

 それはともかく(^^;、超魔ゾンビに対する勝ち目がないことを、1つずつ確認していく戦いになるわけですね。既に前話でロン・ベルクの渾身の剣でも歯が立たないことは分かった。硬さではなく弾力で剣を弾き返し、折ってしまうらしい。ならばと、ビーストくんの正体が拳聖ブロキーナ老師であることを知るチウが閃華裂光拳をお願いする。

 超魔生物ザムザには有効だったからですね。しかしブロキーナ老師は生きていないゾンビには無効と言い、ザボエラは「前回の課題をすべてクリアして初めて改良」と言い放つ。登場以来、ずっと嫌な感じのザボエラでしたが、その台詞にだけは納得し、さすがと感心しました。伊達に魔王軍幹部はやってなかったわけか。

 それならとクロコダインの指示で火炎攻撃。ゾンビの弱点は火だからでしょうか。しかし全員の精いっぱいの火力でも超魔ゾンビには弱かった。キルバーンのデストラップでどうにかなるかも、のレベルなんでしょうか。

 クロコダイン、それでも諦めず、自慢の膂力で格闘戦を挑む。が、単純な力比べでも隔絶の差があるわけか。魔界のモンスター数十体分の筋力があり、体重差も同じくとなれば仕方ないかも。

 それでも諦めないのがノヴァですが、しかし気が逸っており、遮二無二突撃するしか思いつかない様子ですね。ロン・ベルクは冷静でして、超魔ゾンビを倒す武器がない以上、攻撃は無駄だと止める。しかしその一言でノヴァが最後の手段を思いつく、と申しますか、覚悟するわけですな。

 命を捨ててでも「生命の剣」を放つと。ノヴァが折れた刀身を握り、命を闘気となして剣に込めると、ノヴァ自身はみるみる生気を失い、まるで老人のようになっていく。これにはさすがのロン・ベルクも目を見張って驚くも、すぐに止めにかかる。死すら厭わぬ男気は買うが、その剣でも超魔ゾンビは倒せない、ザボエラの露出すらできない、つまり無駄死にだと。

 そこからですね、今話最大の見せ場は。ノヴァの覚悟は、生命が燃え尽きるまで敵に剣を叩きつけ、わずかな傷の1つでも残せればいい、というもの。それが何になる、と言いたくなりますが、皆に勇気を与えるということでしたか。もう少し具体的に言えば、絶望させない、希望を持たせる、になりましょうか。超魔ゾンビとて無敵ではないと証明する。そうなれば、皆が奮起して後に続いてくれる。

 そのノヴァの悟りはダイからでしたか。「どんな人物が勇者なのか」の問答ですね。ダイは感覚的に理解するタイプなのか、どうも要領を得ません。「ただ力とか勇気が強い奴のことじゃない」→「勇者に救われている人がいるなら、それが勇者」ですか。ノヴァも字面的には分かりかねたかもしれませんが、「新しい気迫」を貰ったわけですね。それでノヴァは悟ったわけですか。「皆に勇気を与えるのが勇者」というわけですな。

 勇者論はマトリフも述べてまして、「勇者の武器は勇気」でしたな(第21話:マァムの決意)。しかし、勇気をどう使えとか、勇気とは何かといった具体的なことは伝授されず。今話でようやくそこが明かされまして、戦う仲間に気迫を与えるということでしたか。不屈の闘志と言い換えてもよさそう。

 その勇者の最重要ポイントをダイではなくノヴァが見出し、実践して見せたわけですね。自分的には少なくとも第20話から1本の線が突如、ピンと張るように現れた印象です。言い換えれば、ここまでのバラバラな印象が一気にまとまって爆発するような感じ。その爆発ではっきり現れたのが「勇者」。ですので、上述しましたように「もうひとりの勇者」に大納得したわけです。

 これには父のバウスン将軍が涙して感激するのも当然です。ロン・ベルクすら動かしまして、ノヴァの生命の剣を身をもって受けて、止めてやると。覚悟に覚悟で応えないと、このノヴァは止められないと思ったんでしょうね。そうしておいて、今度はロン・ベルクが決死の覚悟で超魔ゾンビに立ち向かう。

 倒せる武器がないと言ってたんですが、隠し玉がありましたか。2振りの「星皇剣」を召喚、ロン・ベルク流剣術最強の奥義「星皇十字剣」の一撃で超魔ゾンビを倒す。未完成の剣と強力過ぎる技の代償は両腕全治70年ですか。しかし奥義を目にし、命を救われたノヴァが刀匠の弟子となって支える決意を示してまして、これはこれで納得できる結末かな。

 ロン・ベルクが隠し持っていた剣と技は、今話ではロン・ベルクがちらっと触れてましたな。超魔ゾンビに対抗できる武器が(この場に)ないと言いつつも、「それ以上の力と速度で究極の武器をもってすれば」と愚痴るようにつぶやいてました。このときはロン・ベルクは迷っていたようですね。

 前話ですと、ミストバーンが見抜いた、ロン・ベルクの隠し持つ実力ですね。具体的に知っていたかどうかは不明ですが、「星皇十字剣」のような強力な奥義を持っているはずと気が付いていたわけか。

 以前にロン・ベルクはバーンには勝てないと分かっていたようですが、ミストバーン辺りを己が戦闘不能と引き換えに倒すつもりはあったかも。もしミストバーンが全力で来るなら、ロン・ベルクも奥義を繰り出す覚悟があったんでしょうけど、ミストバーンに捨て駒扱いされたザボエラでは、「星皇十字剣」を行使するだけの価値はないと踏んだんでしょうな。しかしノヴァの北の勇者の覚悟に気迫を貰って、ここで倒れても悔いなしと腹をくくれたんだろう。

 しかし討ち漏らしがありまして、ザボエラですね。あの十字斬りのラインでない場所に潜んでいたらしい。命からがら、かろうじて逃れようとしたものの、クロコダインに見つかりまして次回へ続く。

 次回「地獄からの生還者」予告でもザボエラに触れずですね。ザボエラの最期は予習できますが、これだけのドラマの感動に水を差すんで割愛したかな。次回の冒頭でザボエラについては完全決着でしょうけど、どうやらメインはハドラーの魂を継いだヒムらしい。ようやく戦線復帰してくれますか。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/16 (Mon) 23:50:27

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第35話:未知なる脅威、人の進むべき道)

 もしかするとですが、ライダー50周年→原作:石ノ森章太郎ということを意識して、他の石ノ森作品要素を演出に使ってるのかなと思いました。例えば、狩崎父は強大すぎるギフに対しては「抵抗する」と述べてまして、サイボーグ009「天使編」での009(島村ジョー)を思い出します。009は敵(天使)と戦って、全く歯が立たないことを知っており、しかし「抵抗(レジスタンス)」すると仲間に述べてます。

 あるいは「幻魔大戦」(コミック版)も意識してるかも。ラスボスは幻魔大王のはずなんだけど、登場するのは手下のみ。幻魔大王の目的は宇宙の終焉とかになってるけど、手下が語るのみ。ただし死亡した手下を生き返らせるとか、敵実働部隊が借り受ける幻魔大王の強大な力自体は確実にある。なんとなく、今のところのギフと似ているような気がします。

 ともかく本編。前話からの続きで、赤石長官を罠にはめようとして、逆にトラップにかかった一輝側、バトルとなるも敵わず、御子柴/ギフテクスにより大二/ライブは絶体絶命に。ですが、止めを刺す気はないらしい。赤石は、同じギフの子だからと言ってますが、別の理由っぽいですね。

 この後も大二がなんとか赤石を止めようと策を講じるわけですが、全て赤石の想定内だった模様。オーバーデモンズに変身した牛島光の活躍で、一輝らは何とか逃げ延びるわけですが、赤石は狙い通りとほくそ笑んでます。

 それで思い出したのが序盤の流れで、ギフ復活のための生贄を揃えようとしてたんでした。それがダミーで実はアギレラが生贄、というのもダミーだった感じです。ギフ完全復活のための真の生贄は、もしかしてライダーなのかなという気がします(不安と言うべきか?)。

 そういう妄想はともかく(^^;、赤石長官は着々と計画を進めまして、まずはギフの存在を明かす演説会ですな。これを大二がむしろ好機ととらえ、赤石を阻止して御子柴朱美を救出しようとしている。が、赤石はやけにウキウキしてますね。壇上に登る足取りも軽やか。そこからいかにもな猿芝居で大慌てしてみせるんですが、合間に実に嬉しそうな顔してたりする。ネット評ではそういう赤石が「可愛い」とすら言われてたようです。

 今話ラストまで観てみますと、全て赤石の計画通りに進んでいたかららしい。赤石にしてみれば、数千年間の努力が結実するわけですから、飛び上がって喜びたいくらいだったのかもしれません。

 実際、大二が頑張っているようでいて、赤石の筋書き通りでして、演説を阻止に入った大二を利用、御子柴朱美のギフデモスに自らを襲わせる。そうしておいて、こっそり右手の目玉の力を使ってギフへのゲートを開き、事前に(五十嵐家ライダーを殺害するなと)釘を刺しておいたベイルを召喚。駆けつけた一輝らがライダーとして参戦するのも予定通りの模様。

 五十嵐家ライダー総がかりでもギフに全く勝てないと示すためですね。赤石を護衛する隊員は一瞬で消滅させ、ライダーは鎧袖一触、さらにフェニックスの誇るベースや戦闘マシンもギフが一瞬で破壊し、手の打ちようがないと。これが全国ネットで流されたんでしょうね。ただ、フェニックスベースや巨大戦闘機については、赤石が戦闘を禁じておけばいいわけですんで、本当にギフに圧倒されたかどうかはちょっと分からない感じかな。

 もはや大二の策は破れ、リバイスもジャンヌも太刀打ちできませんが、そこに救世主が駆けつけると。大二と同様、一貫して必死に立ち向かおうとする牛島光ですね。狩崎ジュニアからオーバーデモンズ(量産型デモンズ?)を授かり、変身して介入。ただし一輝らを連れて逃げ去るのが精いっぱい。ですが、牛島太助は「よくやった」と。生きて帰れただけでも凄いという状況だったんでしょうな。

 大二だけは現場に残りまして、完敗にも関わらずフェニックスを立て直す意志はくじけない様子ですな。御子柴が自ら赤石に降ってギフデモスになった様子がある点は意図的に無視してる感じもある。以前に狩崎ジュニアからも御子柴朱美からも諫められた、頑なまでに正義一筋なのは不安要素か。狩崎ジュニアは大二からカゲロウが消滅したため、偏りが出ているとみているようですね。

 そこへ、演説会場でギフに止めを刺されたかに見えた赤石が余裕しゃくしゃくで現れまして、「一将功なりて万骨枯る」ようなことはしないとか、またもやちょっと意味不明のことを言い出す。意味は分かりませんが、全て赤石の予定通りで自信があることは分かる。光がデモンズとして現れたことすら、どうやら赤石の想定通りだったようですし、赤石的には全ては自分の手のひらの上という感覚なんだろうなあ。

 この動きに対して、今までは事実上の潜伏状態だったウィークエンドが、狩崎父の決断で表舞台に現れることになるらしい。ただ、狩崎父は「抵抗する」と述べてまして、ギフに勝てるとは思ってない様子。それなら抵抗してどうするのか、という点が気になりますが、次回以降のお楽しみですね。

 次回「岐路に立つ人類、それぞれの決意」では、赤石長官はスタンプによる全国民からの悪魔排除を提唱と事を進めるようですね。今話でどうやらギフトは別路線らしいと分かったベイルは、さくらと夏木花を狙って来るらしく、それで玉置豪が奮起してウィークエンドに加入するようです。

 予告映像では玉置が変身する様子も映ってまして、そこは期待したいかな。しかし門田ヒロミの復帰は全く匂わされもせずで、いつ復活してくれるかなあ。門田ヒロミの戦線復帰が赤石長官には想定外だったりすると嬉しいんだけど。

●鎌倉殿の13人(第19話:果たせぬ凱旋)

 何ともヤキモキする回でした。頼朝を始め、義経のために何とか道を開こうと努力するし、義経も頼朝に従いたいのがよく分かる。しかし、うまく行きそうになると邪魔が入って頓挫し、かえって状況が悪くなる。観ていて、「こんな不運で義経はいずれ死んでしまうのか」といら立つほどです。

 その義経の不運は、坂東や京の武者の思惑などもありますが、目立ったのはまずは源行家ですな。義経(ら)の叔父にして、義経に「挙兵して頼朝を討て」と直接そそのかした張本人。しかし、兵が集まらずに不利となると、「挙兵はならぬと申した」と、いけしゃあしゃあと前言を翻す。ナレーターの「味方につけた者は必ず負ける死神」という評に、思わず吹き出すほど納得しました。

 もう1人はもっと大物でして、後白河上皇ですな。頼朝の対抗馬にと、義経をおだて、なだめすかし、しまいには頼朝追討の院宣すら出す。が、これを聞いた頼朝が万余の軍勢を自ら率いて京へ南下すると、法皇はたちまち豹変。義経が逃亡したのをいいことに、義経追討の院宣を出すと。さすがに法皇臣下もある者は鼻白み、別の者は耳を疑って何度も聞き返すありさま。

 こんな連中が神輿を担いでいたとは、と観ているこちらもあきれ返ります。そう運んでおいて、悲劇を予感しつつも、ほっと安心するものがあったのが、時政です。京に派遣され、義時と話し合っている最中、義経が忍び込んでいたシーンですね。某時代劇を思い出す、「こんなところにおられるはずがない、偽物じゃ」を聞いて、時政の真意が即座に理解できました。

 何とか逃がし、生き延びさせてやりたいわけですか。史実の時政は、実朝暗殺に関わったこともあってか、腹黒策謀家との評も聞きますが、このドラマの時政は純朴で、我が子に留まらず年少者に優しい人物ですな。以前の義経の言「経験がなくて、自信までなくてどうする」をしっかり覚えていて、「経験が自信をくれる」旨、失意の義経を諭して送り出す様子は、ちょっと胸が熱くすらなります。

 ともかく本編。鎌倉では義経を帰還させようと手を打つ。受領すれば自動的に検非違使はお役御免、そうなれば京から戻れるということで、頼朝は後白河法皇に義経の伊予受領を乞う。しかし、番組冒頭の「しかし後白河法皇がそれを許さない」のナレーション通り、「未曽有」の「伊予守と検非違使兼任」で義経を京に留めおく。これを頼朝は義経の意思で鎌倉に戻らないと解釈してしまうわけですな。

 しかし、この時点ではまだ頼朝は迷ってまして、八重に相談するわけですね。八重、なかなかに辛辣ですが、「信じる気持ちが優る」なら解決できると。頼朝、なんか嬉しそうで、無意識に近い願望通りの諫言じゃないかと思います。ほっとした頼朝、つい義高のことを口にしまして、それを大姫に聞かれてしまう。これも頼朝の悔いを思い出させるもので、観ていて「史実と違えて、ドラマでは義経存命にするかも?」と期待するものがありました。

 義高のことを悔いているのは政子も同じで、自分(政子)に膝枕をねだった義経はなんとか助けてやりたい。安倍全成も抱き込みまして、義経を源義朝供養に呼ぼうと算段を練る。父の供養なら、いかに後白河法皇とて止めるに止められぬという読みですね。これを義時が頼朝に言上しますと、京の内情に詳しい三善康信が、法皇が分断によるパワーバランスを取っていると看破し、居合わせた皆も納得。いよいよ義経生存ルートか、と思わせる流れです。

 さらに、そこへ文覚が現れまして、性懲りもなしにまたもや「源義朝のされこうべ」を持参。しかし、今回は本物の証拠はないと言明してますね。真偽はどうでもいい、供養の場にこのされこうべがあるのが大事だと。頼朝も納得しまして、父:義朝に対するような恭しい態度で受ける。これも、この時点では期待できる、いい流れです。前例もありまして、文覚のもたらしたされこうべで、頼朝は挙兵し、ここまで来たんでした。

 しかし、義経のすぐそばにひび割れが生じてまして、里(郷御前)と静(御前)ですね。里は前話でも静に嫉妬する様子があり、今話冒頭でも義経に不平を漏らしてます。しかし静は妊娠までしている模様。これがこの後、反義経派の武者を引き入れて、狂言のつもりの襲撃をさせることになってしまうわけですな。

 その前に死神:行家が絡んで来る。頼朝に恨みを含んでまして、義経に「鎌倉に戻れば殺される、挙兵しろ」とそそのかしに来た。これはさすがに義経は受けないわけですが、里が仕組んだ襲撃を、頼朝の刺客だと義経に吹き込み、ついに決起させてしまう。これには、おそらく示し合わせてはないですが、後白河法皇も協調するように動いたことが大きいですね。

 既に「伊予守と検非違使兼務」という「未曾有」のカードを切った法皇、義経の鎌倉一時帰還の願いを聴許しておいて、死にかけて見せるという離れ業の芝居を打つ。それにしても、わきの下にまりを挟むと脈が止まるって、本当かしらん。法皇が種明かしするまでは、腕を圧迫して血流を滞らせたのかと思いました。そこで寵姫の丹後局が手首で脈をはかり、義経も倣って手首を取って騙されたのかなと。

 それはともかく(^^;、義経は後白河法皇を敬愛しているようで、コロッと騙されて京に留まるしかなくなる。たぶん、奥州の藤原秀衡を思い出すものが、後白河法皇にあるのかもしれない。しかし、里と静が悪い方向へ事態を導いてしまう。静が(当然といえば当然の疑いとはいえ)「義朝の供養に合わせて、されこうべが届くなんて怪しい」旨、何の気なしに口にしますと、義経はハッとする。

 義経も敵を騙して来ましたからね。頼朝が義経を呼び寄せる詐術として、義朝のされこうべを持ち出した可能性に思い至ったか。そうだとして、完全な誤解でまずい方向へ。そこへタイミング悪く、里が引き入れた、反義経派の襲撃者が来てしまうわけですね。これは後で、頼朝の差し金だとして行家が義経をそそのかす材料になってしまう。

 ついに義経は絶望しまして挙兵を決意、後白河法皇はほいほいと頼朝追討の院宣出すと。この報を受けた頼朝も最終の決断、義経を討つ決意を固めてしまう。またも源氏内部の争い、しかも敵は名将義経のこととて、坂東武者はためらうものの、義時の目くばせで三浦義村が名演技で鼓舞、これに畠山重忠が即応しますと、重忠の逆張りをするはずの和田義盛まで乗って来ると。さすがに勇気を問われては引けないんでしょうか。

 その流れでちょっと分からなかったのが梶原景時です。戦では義経に敵わないと心底感心したはずの景時が、必勝を言い立てて総大将を申し出ています。が、謎はすぐ解けまして、三浦義村の解説ですね。戦にならずして義経は敗走すると。

 根拠はありまして、義経サイドにいるのは、ロクに戦った経験もない者ばかりだから、というわけですか。行家は兵が集まらないのは義がないとか曖昧なこと言ってましたが、真相はそれだったようですね。最大の後ろ盾のはずの後白河法皇からして権威だけで、兵力含む実力は持ってない。義経の奇想天外の戦法に付いて行ける武者は揃うはずがない、ということだったのか。

 頼朝は一万と号する軍勢を自ら率いて京に進発。背後の奥州:藤原秀衡は義経早まれりと見抜いて静観の構えとなったのは、頼朝にとって幸いだったか。もし秀衡が軍を動かしたら、どうなってたんでしょうね。秀衡立つとの報が京に届けば、義経につく武者も増えたかもしれない。その後の奥州の運命も変わってたのかも。しかしドラマは(少なくとも表面は)史実通りに動くと。

 京の義経のもとには兵たった5百。これでは頼朝軍の実数が2千だとしても当たりがたい。死神:行家は前言翻して、挙兵はならぬと言ったのに、お前(義経)を信じた自分(行家)が愚かだった、と泣き言で逃亡。

 事ここに至り、義経も覚悟を決める。静を京に残らせ、里を連れて落ち延びる、と言い出すわけですね。静は不満げですが、里が外したすきに真意を告げる。里は比企家から来ているので人質でもあるわけでしたか(だから最後まで連れて逃げることにもなるわけか)。そうでない静には、逃げろ、自分(義経)との関わりは口外するな、と細心の注意を払ってますね。義経の愛情のありかが分かるシーンです。

 それにしても頼朝自らの一万の軍は、義経に逃げられた法皇には相当に恐怖だったらしい。上述しましたが、臣下も呆れる豹変ぶりで、頼朝に義経追討の院宣を出せと喚いてます。が、義経失踪の知らせを受けた頼朝、さっさと軍を返す。法皇が怯えて折れたと見た頼朝、時政に義時をつけて京に向かわせるわけですな。

 時政は自信なさげでしたが、法皇の前に鎧姿で現れると、なかなかに見事なものでした。義時との息も合ってる。応対する法皇がしどろもどろなのは、時政らの武者姿に頼朝の兵力と意思を見たからなのかな。こうなりますと、完全に時政・義時ペース。畿内以西に国地頭を置き、米と兵の権を頂きますよ、と。これが1185年説の鎌倉幕府成立ということですか。

 しかし、今話最大の見せ場はこの直後ですね。威圧交渉成功の酒を酌み交わす時政と義時のものと、義経が突如として現れる。すっかり意気消沈して、捕縛される覚悟があるらしい(おそらく死ぬ覚悟も)。しかし(上述しましたように)時政は「かようなところにおるはずはない、偽者であろう」と厳しく言う。

 が、見間違えるはずもないわけで、ニッコリ笑いまして、落ち延びさせる気満々ですね。自分的には、ここが今話で一番好きな瞬間です。義経も時政の態度に打たれたのか、兄上(頼朝)との間を何とかならないか、と言うだけは言ってみる。が、義経追討の院宣出ちゃってると知ると、さすがに覚悟した模様。

 義経、このドラマだけでなく、おそらくは生まれて初めて反省の弁を述べまして、「私(義経)の何がいけなかった」と。義時の答えは「人をお信じになりすぎる」、時政のは「策に長けた者は騙されやすい」と矛盾するようでいて、どちらも的を射ていますな。味方と思えばお人好しの油断、敵と思えば騙せると侮って油断、くらいの意味でしょうか。

 義時は奥州に帰るという義経に、戦になるからやめるよう説くも、義経は戦以外で身は立てられぬと、前にも言ったことの繰り返しですね。義時の「戦の知恵を他に使え」に義経が、政子の膝枕で返したところは、思うところもあったかな。しかし、時政が直截に「自信を持つには経験」はもっと義経に響いた感じがあります。

 なにせ義経、笑顔になってましたから。が、時政は義経の行く末がどうなるか、分かってたみたい。「まるで平家を滅ぼすため『だけに』生まれてこられたようなお方」ですから。「だけ」があるとないとでは大違いです。

 次回「帰ってきた義経」の「帰ってきた」は奥州藤原氏みたいですね。不吉なことに(^^;)善児が予告映像に一瞬映ってます。またしても、という不吉な予感しかありません(^^;。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/18 (Wed) 16:24:12

 定期感想その3です。

●スーパーマン&ロイス(第7話:鋼鉄の男/Man of Steel)

 ウォースーツの男/ストレンジャーの本名が分かりまして、ジョン・ヘンリー・アイアンズですか。このアースプライムでの故人ですが、ストレンジャーの故郷におけるロイスなどのアースプライムとの同一性を考えると、ストレンジャーの故郷でもストレンジャーはジョン・ヘンリー・アイアンズなんでしょうな。

 そういう名前か、と思ってネット検索したら、DCヒーローズの一員と分かりまして驚きました。ヒーロー名は「スティール」で、スーパーマンが敵に勝ちつつも(いったん)死んだ後、自作の鋼鉄製のスーツを纏い、スーパーマンの志を継いで戦ったようです。

 その動機は「スーパーマンに救われたことがある」かららしい。だとすると恩義に感じやすく、義理堅い性分なんでしょうな。スーパーマンが復活するまでは、彼の代名詞「鋼鉄の男/Man of Steel」を名乗っていたとのこと。ただしスーパーマンになり替わるつもりはなく、鋼鉄製のスーツだかららしい。しかしスーパーマン復活後はMan ofを外し、スティール/Steelと称したのは、やっぱりスーパーマンを意識したネーミングだったからなんでしょう。

 このドラマでのストレンジャーはルーサー社のエンジニアだったと称していますが、DCアニメ版でのスティールがそうだったことを踏襲した模様。黒人であるのは、どの版のスティールもそうだからみたい。戦闘能力的にはDCヒーロー中でも特筆すべき点はない代わりに、ヒーロー魂は抜群にあるようですね。ともかくも、このドラマにそんな大物を招聘していたわけですか。

 しかしストレンジャーを感想ではどう呼んでおこうかなあと悩みます。キャプテン・ルーサーとて仮の名だったわけで。ジョン・ヘンリー・アイアンズは今話で初出で、まだ自分的にもなじみもない。それに「ジョン」と呼ぶのも、先を調べてみるとマズいみたい。いずれ、ジョン・ディグルが登場するみたいですんで。作中での呼称が確定するまでは、キャプテン・ルーサーかストレンジャーとしておこうと思います。

 ともかく本編。能力が制御できないまま覚醒したジョーダンと、復讐かつ世界を守るためにスーパーマンを倒そうとするキャプテン・ルーサーの2人のドラマが1点で交錯する運びですね。

 まずジョーダンのほうは、ジョナサンが相変わらず気にかけてまして、学校を欠席しているジョーダンを心配するサラに、ジョナサンがなんとか取り繕ってますな。その頃、超聴覚の制御訓練で四苦八苦していたジョーダンが、サラとジョナサンの会話を中途半端に聞き取ってしまう。

 これはジョーダンがクラークから教わった「聞きたいものに注意を向ける」旨の訓練が成果を出しつつある、良い兆候なんですが、しかし嫉妬心に駆られてジョナサンとの間が険悪になるという副作用も。ジョナサンからすれば、ジョーダンと一緒に父クラークの「盗み聞ぎ」に怒ったこともあるのに、そのジョーダンが「盗み聞ぎ」して悪びれもせず、かえって突っかかって来るのでカチンと来てしまったようですね。

 しかし、ジョナサンもやり過ぎなわけで。ジョーダンが聴覚が制御できずに苦しんでいるのを知っていて、音を立てて苦しめてますからね。前に天才犯罪者キルグレイブがスーパーマンに対して行ったことと似ています。あのとき、スーパーマンは怒りで目が赤く光り、力を発揮して逆転勝利したわけですが、今話のジョーダンは壁を殴りつけて穴開けちゃうと。それで自分のパワーを思い出してハッと我に返るものがあったかな。

 ジョナサンもカッとなると酷いこともしますが、やっぱりすぐに反省する模様。ジョーダンがクラーク/スーパーマンの危機的状況を聞き取り、しかし聴覚の制御がうまく行かず苦しんでますと、ジョナサンはすぐに駆け寄る。心配はするんですが、聞き取った内容がクラーク/スーパーマンの危機と分かると、何とかジョーダンを励まし、アドバイスして一緒に駆けつけるわけですね。事態が何とかなると、またも2人で反省会でして、この兄弟の安定感が半端ないのは観ていて安心します。

 一方、本名など、アースプライムのジョン・ヘンリー・アイアンズの別人であるキャプテン・ルーサー。まずロイスに名乗ったのが偽名とバレまして、念入りで大規模なな偽装工作まで突き止められてしまう。あなたは誰、とロイスに詰め寄られますが、一応の話はロイスにしても、核心は隠したまままですね。

 クラークとロイスが鉱山からXクリプトナイトが運び出されると突き止め、輸送トレーラー追跡すると、キャプテン・ルーサーが先んじて追跡している。トレーラーは護衛と思しき武装集団の車が後続してまして、これはクラーク/スーパーマンが排除。キャプテン・ルーサーは無防備になったトレーラーを自動小銃で脅して止め、Xクリプトナイトを奪おうとするわけですが、そこへロイスが追い付き、スーパーマンもクラークとなって戻って来る。

 するとキャプテン・ルーサー、軍でも持ってなさそうなアイテム使ってトレーラーの扉を爆破、Xクリプトナイトを持ち去ると。このシーン、ちょっと誤解しまして、レスリー・ラーがこの襲撃・強奪を察知しているのは、Xクリプトナイトを収めたボックスに盗聴器がついているからだと思い込んでしまいました。つまり強奪を誘い込むトラップみたいな。観なおしてみると、レスリー・ラーも超聴覚を持っていて、単純に聞き耳立てていたみたいです。

 今話ではキャプテン・ルーサーの過去回想があり、人物がハッキリして来ましたな。ロイスが妻だったのは既出ですが、娘(ナタリー)が1人いる幸せな家庭。スーパーマンの暴走が起こり、ロイスはスーパーマンの弱点がグリーンクリプトナイトだとTV中継で世界に知らせるも、スーパーマンにより阻止、殺害された。

 その仇を討つとともに、世界を救うため、エンジニアの腕を活かし、廃品利用でウォースーツを作っていたわけですか。娘も技術の心得があるらしく、手伝うというよりは共同で開発してる感じ。グリーンクリプトナイト以外の弱点も掴んでいて、今話の(おそらくはXクリプトナイト利用の)ライト(放射線?)による攻撃も思いついていたのかなと思います。いろいろスーパーマンの弱点が明らかになりますな。前はキルグレイブに聴覚の鋭さを突かれてピンチになってましたし。

 それが前の世界のことらしいですが、娘がどうなったかは気になります。黒スーツのスーパーマンとどう戦ったのか、どうしてこっちの世界へやって来たのかも不明。いろいろ不明ですが、今話はスーパーマンをカル・エルと断じ、おそらくはクリプトン語で話しかけもして、決戦に持ち込む。ライトで行動不能に追い込んで、ハンマーで止めを刺すつもりですか。

 しかし、キャプテン・ルーサーの想定外要素ありまして、ジョーダンとジョナサンですな。父の危機をジョーダンの聴覚で察知、ジョナサンの運転で駆けつけ、そのままはね飛ばす荒業で何とかスーパーマン=父クラークを救出。しかしスーパーマンの様子がおかしい。またも怒りにより目が真っ赤に光ってます。スーパーマン/クラーク自身では止まれず、ロイスが制止して間一髪でした。キルグレイブに対したときや、タグに発砲した軍に対したときより、怒りの抑制が難しくなってる感じがします。

 キャプテン・ルーサーとスーパーマンの抗争で漁夫の利なのがモーガン・エッジ側でしょうか。先にトレーラー襲撃はトラップと誤解したと申しました。が、Xクリプトナイトが少量であったこと、スーパーマンが戦っている隙に、レスリー・ラーがXクリプトナイト輸送指示を出していることからすると、やっぱりトラップだったのかもしれません。

 さらにモーガン・エッジは雇用したラナをSubjekt候補集めにも利用してまして、就職の世話を頼みに来たエミリーが適合者らしい。2人とも知らない点、非常に不安な要素ですね。前にデレクが自壊同然で死亡してますし、タグも力を扱いかねてました。モーガン・エッジによるとレスリー・ラー以外の成功例はないらしい。そのレスリー・ラーですら、あれだけ忠実に仕えてるのに、モーガン・エッジは軽視している風です。誰も彼も使い捨て、何やら非常にヤバいことやってる感じ。

 目の前のことは綱渡りで何とかしつつも、俯瞰した状況はマズいほうに流れていく感じですね。やっぱり、駄目出しされたジョーダンが一皮むけて状況打破なのかな。こちらで、ジョーダンの能力発揮の鍵はジョナサンなのでは、という推察を伺いまして、自分もようやくその可能性がありそうだと感じるようになりました。

 今話ですと、例えばジョーダンはサラの話に注意を向けて、聴力の制御に初めて成功した感じですが、ミスディレクション演出だったかも。実際にはジョナサンの話に注意を向けたから、聴力制御できたんじゃなかろうか。ジョーダンが父クラーク/スーパーマンの危機を聞きつけたときは、ジョナサンが傍について励まし、アドバイスするとジョーダンが安定してます。

 丸太を殴る訓練でもジョナサンがアドバイスした後、ジョーダンが成功したと考えても無理はなさそう。ジョーダンが前に駄目出しされたのは1人だったからで、ジョナサンと組めば凄い力を発揮できる、となればいい感じになりそう。

●仮面ライダーW(第23話:唇にLを / シンガーソングライダー、第24話:同 / 嘘つきはおまえだ)

 ある意味、スペシャル回とも言えそうな要素がありまして、まずOP曲を歌う上木 彩矢さんとTAKUYAさんが、そのままのお名前で出演。役どころも音楽オーディション番組(フーティックアイドル)の審査員ですな。OP映像も特別バージョンで「このお二人がOP曲の」と感銘を受けたました。

 しかしそれより気になってしまったのが同じく審査員の大貫一郎太で、水木一郎さんじゃないですか。前半(第23話)を観ていて、「後半(第24話)はOP曲を水木一郎さんがカバーしたりするかな?」と勝手に期待してみたんですが、さすがにそこまではやってくれずorz。

 3人の特別ゲストで盛り上げる趣向があるからなのか、ドーパントの起こす事件は直接には人の生き死にに関わらないような、陰惨さを少し下げたものになってますね(魂を殺しに来る、と考えるとそうでもないですが)。翔太郎のジタバタぶりは相変わらずですが、ジミー中田に自分(翔太郎)と同根のものを見たせいか、今エピソードのジタバタはよりスラップスティック気味に。

 白いギターと海鳥演出の海辺で追いかけっことか、翔太郎が独白せずとも、かなりこっぱずかしい(^^;。前半冒頭ではライアー・ドーパントを倒したと思い込んだ照井竜がブレイクしたメモリを証拠品として持ち帰ったものの、酢昆布の箱をつかまされてたという、竜らしからぬコメディもありました。

 ドラマは、才能がないというよりはドラえもんのジャイアンの歌唱力とセンスを持つ、歌手志望者のジミー中田と、そのジミーに入れ込む墨田ゆきほを軸にしてますな。下手な人にありがちな、「自分のは新規性がある」という信念持っちゃってるジミー中田ですが、それでも当初は純粋に歌が好きで頑張ってたと。

 そこへ普段の生活に喜びがない工員の墨田ゆきほが通りがかかり、ジミーが屈託なく笑いかけたことで事態が動き出すと。墨田ゆきほは素直な笑顔を向けられたことが、よほどに嬉しかったらしい。普通なら単に仲良くなって、下手でもいいからと応援して、となるんでしょうけど、間の悪いことに嘘を真に見せかけるライアー・ドーパントが絡んで来る。ジミーの歌が素晴らしい、と思い込ませることができてしまうわけですね。

 最初、墨田ゆきほがライダー・ドーパントでおかしくなさそうなんですが、ちょっと引っかかる点がありますね。体を壊すほど働き、しかも医療費をケチってロクな治療を受けようとしない。墨田ゆきほがライアーなら、どうしてそんなに金が要るのか。しかし、メモリは高価ですから、借金して買い、その借金を返すためと考えることもできます。

 と思ってたら、前半でそこは種明かしされまして、墨田ゆきほがライアーに金で依頼していたわけですか。その現場を押さえた翔太郎に、最初はしてやられた照井竜もライアーのトリックを見破って参戦。言葉の針を刺して、嘘を真実と思い込ませる能力というわけですな。これで「フーティックアイドル」の審査員にジミーを実力以上に思い込ませていたと。

 この時点でライアーの正体にピンと来るものがありますね。言葉で刺す、となると、既に登場した人物の中では、路上詩人(?)の沢田さちおが特性的に近い感じ。ただ、ライアーが名乗ってるのは「電波塔の道化師」で、曲芸的なパファーマーが該当しそうな点はミスディレクション狙いだったのかな。

 ともかくも、後半(24話)で若菜姫のファンであることなどからあっさり見破られる、それも翔太郎側の芝居にしてやられる形で。鎌倉殿の時政が言った「騙す者は騙されやすい」が、Wでも起こったといえましょうか。

 このライアー/沢田さちおも、下手で売れないという点はジミーと共通なのかも。見た目の作風は、リアルでいえば相田みつをさん的でしょうか。ジミーは独自路線を行き、沢田は模倣狙い。そこは逆方向ですが、自分の作品を実は下手だと自覚しつつ、しかし大事にしている点は同じかな。沢田は詩を貶されて怒ってましたからね。それも「あんな本でも」と低評価なのは分かりつつ、です。そこが悔しいからねじ曲がり、他人、特に若者に夢を見させておいてから絶望させて、憂さを晴らしていたわけか。ついでに金儲けもすると。

 一方、ねじ曲がってないのがジミーなわけですね。だから翔太郎も自分と似た者同士と感じたんでしょうな。ジミーは得意満面で突っ張ってますが、「フーティックアイドル」の審査員と墨田ゆきほだけが激賞し、その他の観客は逆にブーイング。墨田ゆきほと出会う前は、1人として褒める人はいなかったはずです。これで何かおかしいと思わないはずがない(し、ジミーはそれほど愚かでもない)。

 ただ、自分の願った通りの夢が叶いそうになってみると、真実から目を逸らしたくなったんでしょうな。しかし目を逸らしても、おかしいという自覚はある。だから、墨田ゆきほが(ジミーに聞かれてないと思って)才能がないと正直に言うと、そうなんだとジミーは素直に受け入れ、挫折してしまう。

 が、ジミーの初志はそうではなかったはずですね。好きだから好きでやっていた。そこも忘れてないので、翔太郎がこっぱずかしい追っかけっこで捕まえ、やり抜けと迫ると、翻然として覚悟し、もうライアーの助けはないと知りつつ、悪評覚悟で「フーティックアイドル」に臨むと。

 当然、審査員は歌については酷評し、失格を言い渡す。それでもジミーの「好き」は伝わりまして、夢を諦めずにまた帰って来いと。このときの観客の納得した感じもいいですな。墨田ゆきほもこの結果に納得するも、ようやくジミーの歌がラブソングと気付くほど、分かってなかったんですか。ともかくも2人は仲良く同じ工場で働くことになる。ドーパントと関わって、かえって良かったと言えるかもしれません。こういうケース、初めてじゃないかしらん。

 ジミーとゆきほは、上述しましたが、最初は間違えてなかったんでしょうね。ゆきほはジミーが笑いかけたことで救われ、その感謝の念をジミーに返すことで、ジミーも(初めてファンを得て)救われる。互いに相手のためという、感謝のいい循環が生まれる可能性は大いにあったはずです。

 が、その行為はゆきほもジミーも自分の心の穴を埋める面があります。相手を自分のために動かす、ということですね。そっちにのめりこんでの、今エピソードの成り行きなわけで、ライアーが介在せずとも、いったんは悪い方向に行ってしまった可能性も高かったんでしょう。

 しかし、2人とも初志を忘れない性分であったらしく、それにより2人とも救われたと。最後はいい雰囲気になってましたが、「風都探偵」では、この2人は結婚しているそうで。このWでの映像からは、ちょっと想像しませんでした。たぶん演じた役者さんの年齢差のせいでしょう(15歳差)。てっきり、ゆきほが年の離れたお姉さん≒準保護者みたいなポジションになったのかと思ってました。しかし、結婚したということのほうが納得性高いかな。

 そういうメインドラマとは全く別に、園崎家は不穏な方向に流れて行ってますね。おかしな動きになってるのは冴子で、W(ウェザー)のメモリの持ち主の井坂深紅郎に急接近してますな。その井坂はドーパントとしての冴子にしか興味はなく、かつ冴子の野望もお見通しらしい。

 冴子は琉兵衛に成り代わり、園崎家当主にしてミュージアムの長となりたいわけですか。それに井坂は手を貸してやろうとそそのかす。敵側が着々と計画を進めつつも、自壊する要素も育ってくるって、ちょっと面白い感じです。翔太郎側が不器用なくらい真っ直ぐなのと好対照であるのも、敵側の複雑な不穏さが際立つ要因なんでしょうな。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/18 (Wed) 23:42:47

 今年の5月は、話題の映画が多くて、消化が大変だと思っております。
 とりあえず、先週の日曜は『ドクター・ストレンジ』を見て、今度の日曜は『シン・ウルトラ』を見る予定で、TVの感想と混ざり込んだり、整理が困難。
 それと、仕事が中間テストの時期でもあり、まあ、そういうタイミングの感想ってことで。

★ダイ大

 ノヴァとロン・ベルクの大イベント回でした。
 この北の勇者が鍛冶屋に転職するイベント、後にドラクエのゲームで錬金釜というアイテム作り要素が加わったり、ドラクエ11で鍛治で武器を強化するシステムが加わったりで(ストーリー的にも、ロトの剣を自ら鍛えるエピソードがある)、
 ダイ大→本家ドラクエに逆輸入された要素の一つですな。

 一方、敵役のザボエラとロン・ベルクの対比が、「どちらもものづくりが専門の研究者・技術者気質」であるという共通点がある一方で、前者は「他人を捨てゴマにして、自己犠牲から最も遠い人格」である一方、ロンさんの方は「気骨のある相手なら、他人のために夢中になって武器を作ってやる」「命をかける他人に感じ入ることのできる」という一本気が魅力(斜に構えた態度もクールでいい)。

 ともあれ、ロン・ベルクが戦闘不能になって、地上の戦いもほぼ終了。
 あとは、ザボエラとクロコダインの最後の駆け引きですな。
 ザボエラは言葉巧みにクロコダインを騙そうとするのですが、クロコダインはザボエラが思うほどバカではない。
 なお、ザボエラのバカ基準は「他人のために労苦を惜しまず、体を張ること」であり、「他人を利用して得をすることが賢さ」ってことですから、ザボエラに賢いと思われることの方が、人格的に下劣と思われ。

 そして、「一度ダマせた相手は何度でもダマせる」と思っている節がある。すなわち、他人の学習能力を計算に入れられない点が、策士としては一番お粗末で、
 クロコダインさんの凄さは、地味ながらコツコツ周囲を観察し、学び、成長する点。ある意味、人を見る目に関しては、卓越したものがあるわけで。

 うん、次回の注目キャラその1はクロコダインさん。

 そして、ヒュンケルとヒムになりますか。

 ハドラーの魂を宿したように覚醒したヒムとヒュンケルの激突。
 しかし、そこへ漁夫の利を得るかのように襲来するチェス最強のコマ・キングの化身であるマキシマムが割って入り、ポーンのヒムを小バカにしたような態度でヒュンケルを痛ぶり、ヒムの反骨心を逆撫でする。
 将棋で言うところの歩兵VS王将の戦いなどに発展し、瀕死のヒュンケルの命ギリギリの戦いに流れ、そして「地獄からの生還者」は複数の意味を示しているようですね。

 ヒムであり、ヒュンケルであり、そして、もう一人……までは描かれるのかな。
 OPでシルエットになってる、もう一人が登場したら、おそらく映像も新しく切り替わると見ています。

 ハドラー親衛騎団の絵が、髪の生えたヒムに変わるとか、
 ミストバーンのフードを取った姿とか、
 羽根を持ったレオナとか、
 アバンVSキルバーンとか、
 竜魔人に覚醒したダイとか、
 いろいろと映像ネタがあるわけで。

 EDの方が先に切り替わって「ゴメちゃんの思い出」という視点で、ダイたちの物語を振り返る趣向。
 ダイ好きスタッフが、いろいろ泣かせてくる見せ方を心得ているので、素直に毎回の放送で感じ入りたいと思いつつ。

★リバイス

 まずは牛島光が変身→オーバーデモンズ。

 この変身が一時的なものか、それともレギュラーライダーになるかは次回を見守るとして、
 期待どおり、もう一つの変身ベルトが。
 玉置が変身するかのように見せて、実は夏木花が、という予想があります。

 平成ライダーでは、しばしばヒロインが変身しようとして失敗するとか、夢オチとか、変身できない時期が長く続きましたが、令和に入ると、ヒロインの変身率が上がって(セイバーのヒロインは怪人化したけど、ライダーにはなってないけど)、
 青いさくらジャンヌと、赤いアギレライダーが並び立つ絵には期待したく。
 玉置は、変身しようとして空回りする方がキャラが引き立つかな。

 花のピンチを助けようとして、自分が代わりに捕まるヒロイン的な役どころ。
 あと、オーバーデモンズのベルトが、いろいろ使い回される気が。

 そして五十嵐三兄弟ですが、大二が闇堕ち警報が鳴り響いて、それをカゲロウが諌めるようなドラマがあると救いがあるな。

 主役の一輝は、6月になるとTV版最強フォーム(今度は、リバイとバイスの2人分という噂。リバイスは最強じゃない?)が出ると予想するし、
 7月は劇場版で、8月に番組終了のスケジュール。

 あとは父親・元太とベイルの関係と、ヒロミさんの復帰が今後の注目点でしょうか。
 だいぶ、密度の濃い展開になりそうですね。

 6月中には、新ライダーの噂も出るでしょうし、アンテナをしっかり張るつもり。


★鎌倉殿

 三浦義村役の山本耕史さんが、シン・ウルトラマンでメフィラス星人の人間態を演っているそうで、
 うちのタイムラインでは「鎌倉時代にはすでに地球に潜伏していたメフィラス星人」という話題で笑いました。

 三浦義村が周囲を扇動したり、策を練っているシーンがあるたびに、「さすがはメフィラス」的な反応が。

 自分は、ずっとゼロワン或人の父親ヒューマギアという目で見ていましたが、今後はメフィラスという目で見る可能性が大。

 で、シン・ウルトラ脳になりつつあるところに、次回のサブタイトルが「帰ってきた義経」ですからね。
 ウルトラマンファンを狙っているのか、と爆笑しました。

 そして今回は、ナレーション芸が爆笑でしたな。
 「真似をしてはいけない」後白河と、「死に神呼ばわりされた」行家叔父と、ちびまる子ちゃんのようなツッコミナレーションに、ストーリーは重いのブラックコメディー感満載、と。

 義経の不幸な運命の転がり具合が何とも言えない展開を見せましたが、今回は1185年。ここから一気に数年が経過して、1189年になる模様。
 大姫も成長して子役じゃなくなり、泰時(金剛)も赤子から子役に切り替わり、
 後白河さんも1192年に亡くなるわけだから、登場人物の入れ替わりが激しくなりそう。

 義経はともかく、温厚そうな範頼さん(蒲どの)の末路がどう描かれるかとか、
 6月のトピックは、頼朝の退場だな、とか(そこから鎌倉殿の13人というタイトルにつながるわけですし)、
 あとは八重さんの退場がいつになるだろうとか。

 まあ、次回は「善児が何をやらかすか」も気にしつつ。

PS.スーパーマン以降はまた次回。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/21 (Sat) 00:06:56

 感想つづき

★スーパーマン

 全15話の半ばぐらいで、第1シーズン最大の大仕掛けというか、どんでん返しがあった形ですね。

 ジョン・ヘンリー・アイアンズという名前が明かされたことで、それまでのキャラの印象が大きく変わったというか、K.Kさんが調べてくれた「スーパーマンの後継者キャラであるスティール」につながる仕掛け。
 自分も、このキャラのことは知らなかったので、いい勉強になりました(今回の書き込み情報に感謝です)。

 まず、マン・オブ・スティールというサブタイトルからして、フェイクですね。通常は、スーパーマンの異名と考えますし。
 そして、これまでキャプテン・ルーサーとかマーカスとか偽名だらけだし、愛用武器のハンマーも今回が初披露ですし、アメコミ原作やアニメを知っているファンでも、彼がスティールだったというのは、今話が初めてのサプライズ情報だったでしょうね。

 それこそ元ネタを知っているファンが「そう来たか!」と快哉を叫び、元ネタを知らないけど熱心な視聴者はネットで調べて「へえ、原作ありのキャラだったんだ」と感心する流れ。

 すると、本作でスタッフがやりたいことも分かったような気が。
 最初は当然、「スーパーマンの息子たちの成長譚」ぐらいにしか考えていなかったのが、実は「スーパーマンだらけのスーパーマンバースを、アローバースの延長で構築する」ような仕掛け、と。
 あたかも「スパイダーマンだらけのスパイダーバース」のように。

 スーパーマンがドゥームズデイと戦って死んだ原作エピソードを実写映像化したのが、劇場版の『スーパーマンVSバットマン』で、そこからスーパーマン復活の『ジャスティスリーグ』につながるDCEUシリーズですが、
 TVドラマの方では、『スーパーマンの後継者』や『悪のスーパーマン』など、スーパーマンVSスーパーマンに展開していく流れに見えてきた。

 当然、本家のクラークと息子たち(ジョナサンとジョーダン)がメインですが、ジョン・ヘンリーはラスボス候補と思われていたのが、実は2号ライダー的な「最初は敵対もしていたけど、後に共闘に至る正義漢」だったことが判明し(復讐者というポジションでは照井竜にも近いかも)、
 モーガン・エッジはスーパーマン量産計画を企てていますし、
 原作を考えるなら、ラナ・ラングがスーパーウーマンになるスピンオフコミックもありますし、
 ジョン・ヘンリーの世界の黒いスーパーマンがアース・プライムに出現する可能性だって考えられる。

 前に「クラークしかスーパーヒーローのいない世界観から、シリーズを再構築する」という趣旨の話をしましたが、今話で「スーパーマンをいろいろな形で増殖させる意図」がはっきりしたな、と。

 なお、悪堕ちしたスーパーマンですと、別世界にウルトラマンというキャラがいまして、1964年にコミック初登場したヴィランなので、日本のウルトラマンよりも登場は早いという。
 デザインは、スーパーマンの胸のSマークがUになっただけで、「もしもスーパーマンが悪だったら?」というIF物。

 とにかく、スティールを初めて見たときは「ハンマー持ったアイアンマン」に見えましたし、原作コミックでは(娘ではなく)姪っ子のナターシャというキャラも登場して、パワードスーツをまとったスーパーヒロインをやってるみたいだし、
 今話を機に、どんどんスーパー能力を持ったキャラが増えて行きそうな感じ?

 それにしても、最初はキャプテン・ルーサーとAIに言わせて、「いかにも悪者です」と思わせてからの、実は「もう1人のスーパーマン後継者だった」という大仕掛け。それが判明した今回までは、徹底して関連情報を匂わせないように、偽名を使ったり、トレードマークの武器を示さなかったりして、サプライズ要素を高めています。

 それにしても、ジョナサンとかジョーダンとか、ジョン・ヘンリーとか、ジョの付くキャラ名が多すぎます。
 ここでは、ジョナサン兄、ジョーダン弟と自分は書くようにしてますけど、ジョン・ヘンリーはスティールと呼ぶか、ジョン・ヘンリーで行くかを検討中。

 ルーサー名義は、あくまでAIに登録された認識名で、本当はルーサーのために作られたパワードスーツを名義変更する余裕がなかったから、そのまま呼ばせているというのは笑った。

 もう、とにかく今回は、ジョン・ヘンリーの背景説明だけで、お腹いっぱいなので、頑張って2号ライダーみたいに衝突の末に、和解共闘してもらいたいもの。

★W

 Wのいいのは、基本フォーマット(事件解決を依頼された探偵の調査ストーリー)を崩さない範囲で、暗躍する敵を裏で描く形。
 近年のライダーが、中盤ぐらいに、組織内の改変が凄まじく、敵と味方の関係性が極端に変わって、ドラマを盛り上げる反面、前半と後半でフォーマットが全然異なる形。そして、大筋のレギュラー関係者だけで物語が閉じて、一般市民を守るヒーロードラマから逸脱していく流れが定番(さらには世界規模のやたらと風呂敷を広げた物語になりがち)なのに対し、

 Wはどこまでも風都という一都市の事件を解決する基本を貫き通した作風なのが、いいなあなんて思ってます。
 それに近いのが、フォーゼの天高中心のドラマで、
 何というか全世界に宣戦布告するような壮大な悪役が出て来ると、リアリティに欠けて大筋に感情移入しにくくなるなって感じたり。

 Wについては、フィリップの地球の本棚という壮大な設定はあっても、基本はガイアメモリ犯罪を解決する探偵と警察のドラマ、敵は企業(終盤は財団Xという世界規模の巨敵が出現して、以降の劇場版の共通背景になったりもしますが)という形で、フォーマットを大きく崩さないので安定して見ていられる作品だな、と。

 ここまでの作品フォーマットへの感想でした。
 これで警察内部に敵がいてってやっちゃうと、ドライブになるわけで、Wはそういう大筋のどんでん返しはないわけですね。個々のエピソードでのどんでん返しはミステリーの定番で魅せてくれますが。

★境界戦機

 サプライズバースデイなコミカル編。

 個人的には、こういう気の抜けたような日常回の方が安心して見ていられますな。

 ちょっとハードな展開が続いた後の息抜き回ってことで。
 

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/21 (Sat) 22:40:12

 定期感想その1です。

●境界戦機(第19話:記念日)

 NOVAさんのご感想通り、ほのぼのコミカルの中休み回といったところでしょうか。一応、ガイらAIの誕生日祝いサプライズパーティというオチは観ているこちらにも伏せられているんですが、ほぼほぼお察しになる演出ですね。

 なにぜ、前話の保護区で生まれた赤ん坊の写真見ながら、I-LeS誕生・育成のいきさつに触れ、3AIのベースプログラム完成の日が近いと。それでアモウが何か思いつき、八咫烏代表の宇堂キリュウに申し出ると快諾、それもウインクしながらです。

 その動きをガイらは勘違いして、新たなAIと交代になるんじゃないかと疑心暗鬼になるわけですな。それでアモウらの行動を監視したり、アモウら周囲の人間の篭絡試み、それでもうまく行かなくて、ついにアモウらに迫るも、なにせサプライズですから秘密を話してもらえない。

 ついに3I-LeSはMAILeSに立てこもり(?)ますが、結局はパートナーのパイロットに弱く、アモウらが説得に来るとメロメロになって、「今回だけ」ということで出てくる。もちろん、直後に一連が誕生祝いと知って大喜びで完全和解ということですね。

 ただし、次話につなぐ線もちょこっと見せてくれまして、八咫烏代表の宇堂キリュウが北米同盟以外の3勢力のキーパーソンとコンタクト取ってますな。

 ラスト以外はこの回だけの単発エピソードのような気がしたんですが、もしかすると今回のネタが伏線かもしれないという気もします。自分は第1期初回を安いテンプレみたいに勘違いしたんですが、第1話がく無駄がない、第2話以降の伏線だらけと気が付いた反省がありまして(^^;。

 もしかするとですが、以下のようなことはポイントだったかもしれません。

・ガイらI-LeSの情報収集・ハッキング能力には限界がある(つまり対処可能)。
・I-LeSを出し抜こうとする側も、旧施設の設備などを見落としてしまいがち。
・I-LeSは意外なくらい、人間との信頼関係を重視して行動している。

 上記のようなことがあるとしても、今話だけですとガイらとアモウらということで、危機感が生じるわけではありません。しかし、ガイらと同根より生じたゴーストAIが、今は北米同盟のブラッド大尉と組んでいるわけで。ガイらに生じた、不信感から来る不規則な行動が、ゴーストAIにも生じるとすると、かなり危ういことになりそう。

 そう考えてみますと、ラストで宇堂キリュウが北米同盟以外の勢力と接触しているのが意味を持ちそうです。北米同盟が自律型AIで先んじたことが、他の3勢力後退の原因になっており、しかもブラッド大尉がそれを上回るゴーストAIを押さえているのが現状。ゴーストAI基本プログラム(Prototype-ZERO)だけでも、前話のザック・テイラーが示した戦力となります。

 しかし八咫烏は「トライヴェクタ」と連携してゴーストAI後継のI-LeS技術があるわけで。これを(ブラッド大尉がゴーストでやったように)基本プログラムだけでも供与したりすると、状況が一変しかねません。さらにI-LeS・AIが多数搭載されるようになるも、パイロットとの信頼関係が構築できないとか、ゴーストAIに影響されたりすると、かなりヤバい状況になりかねません。

 と書いてみると考えすぎのような気がしますが、ともかくも次回以降を注意して観てみようと思います。もう後半ですから、そろそろ争点を浮かび上がらせてくるはず。

●ダイの大冒険(第78話:地獄からの生還者)

 地上戦はザボエラの(自滅に近い)ケリも着いて、バーンパレスでの決戦に焦点が絞られてきた感じですね。地上からパレスへの増援部隊も編成されまして、クロコダインの加勢は心強いところ。ですが、チウが成長株な点、以前のポップと同じく、この先の期待値が高い。

 まず地上戦ですが、先週で超魔ゾンビは倒し切りまして、しかし中のザボエラはとりあえず逃げおおせたわけですね。しかしクロコダインが見つける。やはり魔王時代のハドラーの六大軍団長としての長年の付き合いがあって、クロコダインはザボエラの動きが、心理含めて読めるらしい。

 逆にザボエラはクロコダインに見つかったことを驚いてまして、クロコダインを侮ってよく見て来なかったことが窺えます。クロコダインが最初にダイらに決戦を挑んだ際は、ザボエラはクロコダインを手玉に取っていたことも、バーン側離脱後のクロコダインを見誤る原因にはなってるのかも。

 この見誤りがザボエラの命取りになるわけですな。こちらで伺った通りの成り行きでした。まずザボエラ、虚勢でクロコダインを退けようとする。しかい這って逃げてるくせに、余力があるような言い草でして、すぐに見破られる。

 ならばとザボエラ、殊勝な振りしての泣き落としに出る。自分(ザボエラ)は非力ゆえに策を弄するしかなかった、人にすがるしかなかった、と反省の弁めいた言い訳をする。部分的には後のクロコダイン評と合致する要素もありますな。惜しむらくはザボエラ、本心からそれを言えなかったことでしょうか。

 ザボエラ、人にしかすがれない自分が今すがれるのはクロコダイン、だから見逃してくれ、そうしたらバーンとはもう関わらないと。ここがザボエラの生き残る最後のチャンスだったようですね。クロコダインが「分かった、ザボエラよ」と言った時点で、動かずにいれば許された可能性があったでしょう。

 が、罠にかかったと喜んだザボエラが襲い掛かろうとしたんだから、もう仕方ない。クロコダイン、ザボエラがどう出ても大丈夫なように構えてましたな。右手は優しく差し出し、左手はしっかり戦斧を掴んでいた。ザボエラが毒手を放とうとしたため、左手の戦斧が落とされ、両手が封じられてしまう。

 ザボエラ、言わんでもいい自分への止めの一言を発してしまいまして、「ワシに騙されたふりを!」ですか。言い換えれば、騙そうという気満々だったザボエラ、ということになりますな。「煮ても焼いても食えぬ奴」との最終宣告と共に、クロコダインは光球を至近距離で放って止め。

 この技は何だろうと調べると「闘気弾」だそうですね。あの世へ送るに、強敵として倒すことで礼としたのかも。なにせクロコダインのザボエラ評がなかなかに興味深い。駆けつけたバダックは黒焦げのザボエラを「にっくき妖怪ジジイ」呼ばわりで笑顔ですが、クロコダインの表情は明るくはありません。どうやら、一歩間違えば自分(クロコダイン)もザボエラのようになっていたかもと思うものがある模様。

 ザボエラとて六大軍団長就任当時は強大な魔力を持つ有能な幹部だったとのこと。しかし出世欲にかられてねじ曲がったらしい。クロコダインとて獣王と呼ばれる猛者ですが、ダイを倒そうとザボエラにそそのかされて策を弄した過去があります。あれで負けてなかったら、そのまま道を踏み外していたという率直な反省があるんでしょうな。

 観ていてさすがにそんなこともあるまいと思いますし、バダックも即座に「たとえ敵のままであったとしても己を高めることに命を賭ける尊敬すべき敵」と評価しています。が、自分の闇に油断せず、ザボエラでも他山の石とできるからこそ、今のクロコダインがあるんでしょうな。

 クロコダインを見直すこと、ダイ大始まって何度目かになりましたが、とりあえず一段落でして、次はバーンパレス増援ですね。地上の魔法円守備隊は充分に残しつつ、チウ遊撃隊の飛行型隊員3名が連れていける戦力を選抜する。隊長のチウは行くとして、さらにクロコダインは順当ですな。

 残る1名ですが、エイミさんが突如としてコミカルキャラに(^^;。行きたい気満々で邪気すら放ってる雰囲気かも。が、逆効果でして、チウは怖がってビーストくん、ことブロキーナ老師を任命。これも順当なんでしょうな。守備は持久力要りそうですから、スタミナ切れが心配なら、ここぞの一撃に期待する攻撃部隊参加は納得の選択です。

 チウ、なかなかに先を見通した戦術立てられるようで、回復アイテムもできるだけ持っていくわけか。ただ、それが飛行型隊員には負担となり、バーンパレスにたどり着くだけでばててしまってます。クロコダインの意見を取り入れて、チウは渋る3名を説得して帰らせると。この一連を見たクロコダイン、チウをさらに高く評価するようになりまして、観ている自分も同意見です。

 一方、ヒュンケル。先週から引き続き、魔王側の魔界モンスター多数の追撃隊を寄せ付けない戦いぶりの模様。しかも、息一つ切らせてない。そこへ、ヒュンケルに叩き落されたはずのヒムが現れると。既にハドラーは死んでますんで、なぜだとなりますが、ヒムにも分からないらしい。

 ヒムも仲間もハドラーも倒されたことを感知し、自分も最期と覚悟。が、冥界に落ち行く感覚の中で「一矢でも報いてやらなきゃあ」という強い気持ちが生じたら、復活していたわけですか。このときヒムは泣いてまして、なんだかハドラーを思い出すものがありますな。バランとの戦いで黒の核晶が埋め込まれていたこと知って、悔し泣きしたハドラーです。

 設定上はいろいろあるんでしょうけど、今話を観た限りでは「ヒムに魂が入った」感じです。銀髪も生えまして、ハドラーの風貌ですね。もうバーン配下ではなく、ヒム独自の判断でヒュンケルを倒しに来たわけですな。しかしハドラーへの経緯は変わらず、魔界モンスターが亡きハドラーを愚弄する許さない。強さも段違いらしく、魔界モンスターを寄せ付けませんな。

 もっとも、ヒム自身も自分の強さをよく理解できてない面があるみたいですね。闘気でモンスターを一掃しておいて、「これが闘気ってやつか」と感心してます。初めて行使したらしい。ヒュンケルもいぶかってまして、「生命エネルギーである闘気は、かりそめの命を持った人形などには決して発揮できない」と。

 しかしヒムが何者になったかは次回以降に持ち越しみたいで、ともかくは最初の戦いで自分(ヒム)に傷をつけたヒュンケルとの一騎打ちですな。今話時点ではヒムが圧倒的に優勢で、それにはヒュンケルが涼しい顔していても相当に消耗してしまっていることがあるらしい。魔界モンスターは気づかなくても、ヒムにはお見通しだったわけですか。

 痛恨の一撃を受けたヒュンケルが、ヒムの回想と同じように冥界に落ちていくわけですね。そして仲間やアバンの声を聞き、奮起して復活すると。ヒュンケルとヒムって、どうも似た者同士みたいですね。ヒムがヒュンケルを「永遠のライバル」と認めるのは、初めて傷を負わせたからだけではなさそう。

 次回「銀髪のヒム」はヒム vs ヒュンケル対決回みたいですね。決着つけるところまで行くのかしらん。そうだとして、マキシマムは出てくるのかな。前にバーンの後ろのカーテン越しに声をかけてきたシルエット、字幕では「マキシマム」と名前出てました。あまり隠す気はなさそうなんで、やっぱりそろそろ出てくるかな。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/23 (Mon) 21:21:21

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第36話:岐路に立つ人類、それぞれの決意)

 最終クールに向けての仕込み回といった感じでしょうか。特筆すべきは新ライダーのアギレラですね。それもこちらで伺った通りで、「玉置が変身するかのように見せて、実は夏木花」「玉置は、変身しようとして空回り」等々がドンピシャです。観ていて「その通りになってる」と大変に感心しました。

 前から「もうアギレラではなく、夏木花」と強調されていたんですが、今話では玉置が「アギレラ様」と連呼し、注意されてもやめない。あれって、仮面ライダーアギレラ登場を意識してたからかな。玉置まで「花さん」と呼んだりすると、「アギレラって、えーっと誰だっけ」みたいになりかねないということで。

 それはともかく、それでも自分は玉置が、いずれライダーになると期待したいかな。今話の変身(失敗 ^^;)前の決め台詞「お前を退治して、みんなを笑顔にする!」は、なかなかに自分のツボを突きました。今回は変身失敗を強調するための演出なんでしょうけど、これを踏まえて次は成功してくれると、腹からぐっと燃えるものが上がってきそう。

 前話と今話でライダーは2名増えて充実してきたんですけど、味方側の布陣は仕切り直し中の感じですね。フェニックスのスカイベースが破壊されたため、狩崎ジュニアは研究開発の拠点をしあわせ湯(五十嵐家)に求めてくる。これで一輝らと合流したことになりますが、逆に大二と遠ざかった感じです。

 大二は依然としてフェニックスで活動することに拘り、一輝らと密な行動でなくなってきてる感じです。その影響でしょうか、表舞台に出る決断をしたウィークエンドに赤石長官存命がはっきりとは伝わってない(推測しているのみ)。大二と一輝らを(情報的にも)直接つなげられるのが、狩崎ジュニアだったわけですが、居場所がフェニックスからしあわせ湯に移っちゃった。

 狩崎ジュニアよりも人脈の要になっていたのがさくらだったと思うんですけど、アギレラ/夏木花を救って、2人でウィークエンド合流したため、しあわせ湯から遠ざかっており、やはり大二を連携させる機能が弱くなってます。しあわせ湯に居候だった玉置もアギレラ/夏木花に引き寄せられて、ウィークエンドに行くわけですし。

 どうにも大二が孤立しているようで危うさを感じます。(本物の)若林司令→門田ヒロミの流れのヒーロー魂を受け継いだため、自分(大二)はフェニックス隊員だという自負が強くなりすぎ、一人で全て背負おうとしているのかもしれない。

 これは赤石長官からすれば各個撃破できる状況であるわけですね。現時点での最強の駒らしきヘルギフテリアンをぶつけて、大二/ホーリーライブを打ちのめし、気持ちを折りに来てます。相変わらず止めは刺さない。赤石が発案・実施する、悪魔排除のためのバイスタンプ押印について通行人から問われ、力なく案内する大二の様子からすると、あと一歩で絶望して闇堕ちしそうです。赤石としては、フェニックス最精鋭のライダーが膝を屈することが必要なのかも。

 しかし、大二より先に絶望して赤石に従ったらしい御子柴朱美に希望が見えたような。生身のときですら意思を欠いたような雰囲気になり、さらにギフデモスとなって赤石側で戦ってる朱美ですが、戦ってみた一輝は何か気付いたらしい。何かを訴えようとしているということですね。

 悪魔との分離には成功しませんでしたが、かろうじて朱美と意思疎通には成功。「ギフを倒すにはギフの力が必要」→「私(朱美)を使って」ということですか。どうやら朱美は敵の手に落ちるも、打開策がないか探していたらしい。そういえば朱美は以前、すっかり絶望した風で言ったのは「人類の未来が見えない」で、「もう駄目だ」ではなかったですね。敵に取り込まれたことを逆手に取って、情報を探っていたらしい。

 しかし一輝はバトルでしか朱美/ギフデモスとの接触チャンスはない。そう思ってみますと、今はヘタレてしまった大二に期待したくなります。幸か不幸か、フェニックスに固執しているため、赤石に近い。当然、朱美/ギフデモスにも近い。赤石は大二/ライブを利用したがっている。なんとなく、大二が朱美から起死回生の策を授かる条件が整っているようにみえます。
(さらに申せば、門田ヒロミが復活して大二を助け、奮起させる流れも期待できそう。)

 敵側では立ち位置がちょっと怪しくなってきたのがベイルかな。バトルではずっと優勢に進めてきたわけですが、今話で対戦ライダーのスタンプを予め押印して能力に対応しているからだったと明かされました。そのため、ベイルにとって未知のクイーンビーバイスタンプによる仮面ライダーアギレラには劣勢となってしまう。

 攻略方法が見えてしまった状況です。さらに、おそらくベイルのあずかり知らぬところでヘルギフテリアンが用意されていたわけで。ベイルがバトル前に渡されるスタンプとて、ほとんどは赤石から貰ってます。どうもベイルは赤石から捨て駒の道化扱いなんじゃないかという気がしてきました。もしかすると、赤石から見放されて元太/白波純平がベイルを救って、みたいな流れになるのかな。

 まあ自分の妄想は外れるのが常で、「おお、そう来るか」みたいな展開を見せてもらえると期待。次回「激戦必至!決死の悪魔奪還ミッション!」では、赤石が再び国民の前に姿を現し、ギフにより復活したと言いだすらしい。一輝らは今話の朱美の話を信じて救出に動き、しかし大二は迷走を深める模様。大二で溜めを作って来る感じがします。

●鎌倉殿の13人(第20話:帰ってきた義経)

 タイトルは序盤では奥州平泉に帰ってきた義経、ラストでは首級として頼朝のもとに帰ってきた義経だったようですね。頼朝は義経の首桶に「九郎、話してくれ」と平家追討の戦の様子を聞きたがり、とりすがって「すまぬ」と泣いてました。序盤の悪辣さを考えると、情けもあると周囲に見せる芝居と思えますが、周りに人影なし。人払いして本音を出したと見るべきなんでしょうね。それくらい、義経を討つことがつらかったと。

 そう考えてみますと、もう情勢の動きは頼朝の制御すら離れているように思えます。頼朝が作り上げた「恐怖の支配者」像に頼朝も飲み込まれていると申しますか、こういうのが騎虎の勢いなのかなと。鎌倉に対する敵対者をすべて排除するまで止まれない。止まったら、事を始めた頼朝自身も排除されかねない。

 義時はずっと、頼朝を始めとするキーパーソンに「これはやめてくれ」「こうしてくれ」と働きかけ、それで事が思うように進むと思っていたようです。が、上総介が討たれ、さらに義仲、義高と続き、次第に人を動かすやり方に絶望していった感じがします。

 その止めとして、今話では出奔した義経が、こともあろうに義時が念押ししてやめてくれと頼んだ奥州・平泉に舞い戻ってしまいました。頼朝が義時に言った「戦をなくす」の反対方向ですね。これはもう止まらん、人ではなく天が動かしている、くらいの諦めがあったんじゃなかろうか。

 そのためか義時、表情からして変わってしまったような気がします。仏の心で止められないなら、鬼となって行きつくべきところまで推し進めてやるしかない、みたいな覚悟を感じます。その気持ちがあるから、うっかり、あるいは思いやるような雰囲気を漂わせつつ義経を騙し、気の弱さがあると見た藤原泰衡は威圧し、誰も彼も冷静に罠にハメていく。

 しかしそれが義時の本性に反しないわけはないでしょう。頼朝は今話ラストで泣きましたが、義時はいつ泣くんだろう。兄:宗時の願いが叶って、ほっと一息ついたときかしらん。

 ともかく本編。義経を嬉し気に迎え入れた藤原秀衡の死去で一気に事態が動くわけですね。ただし長男の国衡と次男の泰衡は不仲。その下の頼衡(調べると六男)は秀衡の遺命を重んじるも、力はないらしい。秀衡もそこを考えてか、後継者は泰衡とするも、長男国衡には自分の妻(とく)を嫁がせる。何のこっちゃと思ったんですが、国衡に「父」の地位を与えて、バランスを図ったわけでしたか。

 しかしそんなことで不仲は収まらなかったと。そこへ頼朝の「あくどいか、あくどいよのう」の策を授かった義時が、秀衡の弔問を口実の使者として訪れるわけですな。それも善児を伴って。狙いは泰衡を口説いて義経を誅殺させること。義時は一応、義経にも会って真意を確かめてますな。

 多少は迷いがあったのかもしれませんが、義経の返答を聞いて覚悟を決めた模様。なにせ義経、頼朝が平泉に手を出したが最後、鎌倉を滅ぼすと明言ですからね。これが実は具体的な作戦まで煮詰めた恐るべき宣言だったわけですが、この時点の義時はハッタリ半分の敵意と思ったのかも。

 火種があるなら燃え上がらせてしまえ、ということで静御前のいきさつを、うっかりという感じで漏らすわけですな。さすがに義経、驚いて詳細を聞きたがり、義時は仕方なく(という風で)話す。静御前は時政の手勢に捕まり、最初はしらを切るも、侮辱されると態度を一変、静御前と明かし、舞いで証明してみせる。

 義時は何とか救おうと、下手に舞えと勧めも結局は蹴ってしまったわけですね。代償はつらいもので、出産したのが男児であったため、善児により水死させられると。千鶴丸を思い出すむごさです。

 これを聞いた義経は憤激、主戦派の国衡と謀って挙兵へ。しかし泰衡は義時に説かれて渋り、父の遺命を果たそうとする頼衡は善児に討たれる。これを鎌倉の覚悟と見たらしい泰衡、ついに義経へ兵を向けると。

 これは義経が把握するところであったようですね。秀衡の霊が義経の前に現れ、土をすくい、月を指したので気付いたのか(身は土に、魂は天に、みたいな?)。妻の里(郷御前)と子を伴って坊に籠り、義経も里も死を覚悟しています。一時の余裕を得るため、敵兵予想進路にトラップも仕掛け済み。

 が、義経も予想しないことが。里が、京における襲撃事件は自分が首謀者で、狙いは静殺害だと明かしたわけですな。しかし静御前狙いかどうかより、義経には頼朝の差し金でなかったことが重大。頼朝が刺客を送ったと思ったからこそ、弓を引くことになり、今の事態に至ってしまったわけで。

 またも激怒した義経、思わず里を刺殺してしまう。が、ハッと我に返って、すまぬと泣くわけですな。ここ、ラストの頼朝の号泣の伏線でしょうか。結局、兄弟そろって似たような、しかし望まぬ惨劇をやってしまう、ということで。

 義経は弁慶を使いによこして義時を招く。義時が到着すると、里だけでなく子もそのわきに横たえられてまして、どうなったかは一瞥して分かろうというもの。しかし今話で自分が最も驚いたのは、義経の告白です。義時が静御前のいきさつを語り始めた時点で、義経は罠だと分かっていたわけでしたか。

 じゃあ、なんで激怒したのかといえば、兄上(頼朝)から要らないと思われていると分かってしまったから。それが義経のここまでの行動の動機だと分かった瞬間、ここまでの流れの意味が一気に激変しまして、印象、感動が爆発的に生じた気がしました。もしかして、武蔵坊弁慶は全て分かっていたんだろうか。もしそうなら、主従の最後の会話「世話になった」「よしてください」は意味深いものに思えます。

 やはりもしかしてですが、頼朝もそこを分かってたのかなあ。だから義時すら下がらせて一人になり、義経の首桶を前に泣いてしまったのかも。お前(義経)は必要なんだ、と言えればこうはならなかった。しかし、頼朝が作り上げた恐怖の君主像が勝手に走り出し、もう言えなくなっていた。そういう後悔でしょうか。

 次回「仏の眼差し」では、頼朝の勢いがいよいよ都に伸びるようですね。義時のドラマでは八重に焦点が当たるみたい。今話では鬼の顔を見せた義時ですが、予告映像では昔通りに柔らかく笑ってます。が、雰囲気が何か不吉な気もします。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/24 (Tue) 23:32:50

 定期感想その3です。

●スーパーマン&ロイス(第8話:無力な自分/Holding the Wrench)

 前話でヒーロー「スティール」であるジョン・ヘンリー・アイアンズと明かされ、期待してましたら、今話で去っちゃいました。どうにも肩透かしですが、しかしこれってピンチで帰って来るパターンかな。

 キャプテン・ルーサー改めジョン・ヘンリーですが、観ているこちらに既に明かされた情報がロイスらに伝わっただけでなく、ロイスが息子にも黙っていた情報も出てきたわけですね。以前、ジョナサンとジョーダンの誕生後、女の子を身ごもり、ナタリーと名付けるつもりだったが流産してしまったと。そのことはロイスは気持ちの整理をつけ、思い出さなくなってすらいたんだけど、強い影響を残していたわけですか。

 その「ナタリー」はジョン・ヘンリーのアースでは誕生して、健やかに成長していたわけですね(しかしジョナサンとジョーダンに該当する子はいない)。(こちらの)ロイスとしては複雑でしょうな。流産については自分(ロイス)を責める気持ちがあるため、どうしても「もしこうだったら、そうなってない」と想像を巡らせがちのはずです。「もし私(ロイス)がジョン・ヘンリーの世界のロイスだったら」と考えたりするかも。
(それでロイスのクラークに対する愛情が変わるわけではないですが。)

 さらにジョナサンが母ロイスのために善意で行った、ジョン・ヘンリーのバンの調査でジョナサンが危機一髪になったことも、ロイスには強いストレスに。その他の要因がなくても我が子が死にかけたらショックなのは当然ですが、ロイスの場合はそこに生まれて来られなかったナタリーが重なるわけで。

 幸い、良いカウンセラーがいまして、徐々にロイスが良い方向に導かれまして、なんとか気持ちの整理がついたわけですね。そうなってからですが、前にはストレスの原因だったナタリーを失った悲しみが、ジョン・ヘンリーに対する慈悲の心に変わってくれたように見えました。こちらでは死んだナタリーを無事育ててくれていたジョン・ヘンリー、みたいな気持ちでしょうか。

 おそらくはそれがあるから、自分(ロイス)の目の前でスーパーマン/クラークを殺害寸前まで行ったジョン・ヘンリーを、ロイスは許せて、最後は笑って見送れたんじゃないかと思います。クラークもわざわざスーパーマンとして見送りに来て、いつでも帰ってきて欲しい旨、告げるわけですね。

 それもこれも、偶然にですがジョン・ヘンリーの過去が明らかになったからですね。ジョン・ヘンリーのバンにあった記録をロイスらが見ちゃったから。もっとも、ロイスがバンを使うのをAIに許可していたのはジョン・ヘンリーのはずですんで、「自分から言えないけど、見たけりゃ見てくれ」くらいのものはあったかな。ともかく「内緒にしている間は不和を解消できなくて、打ち明ければ道は開ける」がまたも起こったということでしょう(このドラマのテーマの1つ?)。

 ジョン・ヘンリーの変化も興味深いですね。彼の世界のサム将軍と瓜二つの、こちらの世界のサム将軍が説いても、頑なな態度を崩さない。ジョン・ヘンリーが目撃した、「クリプトン人が大挙して押し寄せたら、スーパーマンはそっちについちゃった」→「ロイスもサム将軍も殺され、世界は破滅へ」ということが余程にこたえているらしい。

 ジョン・ヘンリーはロイスがスーパーマンに殺害された後、ウォースーツで戦ったんでしょうけど、今話で描かれたのはちょっと謎な感じです。おそらくこちらの世界に来た宇宙船(?)でスーパーマンとチェイスしてますが、スーパーマンから逃れるためなのか、それとも(道連れ覚悟で)倒すためだったのか。

 娘ナタリーの安否も不明のままですが、ジョン・ヘンリー単身でスーパーマンとやり合い、こちらの世界までやって来たことを考えと、ナタリーの身の上は不安です。もしナタリーに万が一のことがあったとすると、今話ラストでさばさばした感じで去ったジョン・ヘンリーは、まだ問題を抱えていることになるのかもしれない。

 さらにジョン・ヘンリーは自分を捕らえた、サム将軍の直属部隊に敵(Subjekt)がいて、策動していることも知ってしまったわけですね。現時点でジョン・ヘンリーは把握してないはずですが、Subjektはクリプトン人と関わりがあるとロイスらは掴んでるわけですね。モーガン・エッジは、Xクリプトナイトにより、人間に超常能力を与えるだけでなく、クリプトン人の人格をコピーする技術も持っていると。つまり、クリプトンの復活を狙っている、と考えるのが妥当なようです。

 アース・プライム以前ですと、スーパーガールに対してクリプトン人の生き残りが襲来してきたわけですね。スーパーマンは共闘して、その襲来を跳ね返した。ジョン・ヘンリーの経験とは全く別方向のわけですな。そのことをクラーク自身も覚えていないのは痛恨。その実績が明らかになれば、クリプトンの同胞にスーパーマン/クラーク/カル・エルが惑わされることはないと納得できるのに。

 しかし本人すら覚えてないから不可能。代わって、クリプトン人の襲来と似て非なる、人類をクリプトン人化する計画が出てきた。クリプトン人の襲来を撃退したのは、地球人にとっては幸いですが、クリプトン人にとっては行き場をまたも失う辛さがあります。クリプトン人の襲来が成功した(らしい)ジョン・ヘンリーの世界では人類の悲劇。

 その失敗やジレンマを、2周めと言っていい今の世界で解決できるかどうかがドラマの鍵になって来るかなと思います。

 それには、一般人ですけどサラの家庭(クッシング家)の問題も大事になってきそう。理由は分かりませんが、レスリー・ラーが嘘(モーガン・エッジがカイルを登用したがってる)でカイルとラナを不和にする手に出てます。前はラナだけ雇用したわけですね。そのせいで、またもカイルは酒で失敗、サラが歌うのを手伝う約束をすっぽかし、サラはまたも父親不信になってしまう。

 モーガン・エッジがなぜクッシング家を不和にしたいかは不明ですが、こうまで執拗に小細工するということは、何か重大な理由があるはずです。特にサラに何かありそう。ジョーダンと接近してるわけですから。前話までですとジョナサンに期待するものが出てきましたが、サラもダークホースなのかと、ちょっとワクワクです。

●仮面ライダーW(第25話:Pの遊戯 / 人形は手癖が悪い、第26話:同 / 亜樹子オン・ザ・ラン)

 どういオカルトのホラーなのかと思っていたら、ドーパントで全て説明がつきそうになって、しかしファンタジーに変わって締めくくるという、捻りが続く話でした。最後のカットは、カッコよく締めくくるようでいて、事務所の壊れたドアが映るコミカルさという、ハードボイルドになり切れない翔太郎にピッタリの雰囲気でしたな。

 焦点は「人形だったり小さな女の子だったりするリコは何者か」ということですね。人形については2つの顔がありまして、1つは人を襲うホラー調。それがときどき、特に亜樹子に、フランス人形の可愛い顔を見せる。

 当初、リコがドーパントではないかと疑われるわけですね。亜樹子が訪ねた文芸評論家(唐木田有紀)を、凶暴な表情に変わった人形が襲ったわけですから、当然ではありますね。しかし、その一件に留まらず、複数の文芸関係者が襲われており、被害者の共通点は「堀之内慶應の著作:少女と人形の家」を公然と貶したこと。

 著者の堀之内慶應には幼い娘がおり、ドーパントのサイズからして幼い娘に堀之内がメモリを行使したことが疑われる。その疑いを補強するのが、「少女と人形の家」を低評価した評論家らの言ですね。本の内容は娘への愛情があふれているようでいて、しかし著者(堀之内慶應)が実の娘に愛情があるようには思えない、という作品外の酷評ですね。

 そこで照井竜が堀之内慶應を、被害者に共通する言葉を選んで面罵。要は誘いをかけたわけですが、ドーパントが出現しまして成功。ところが撃破してもメモリブレイクしない。ドーパントは別にいて、人形を操っていたわけですか。それが堀之内慶應でして、パペティアー・ドーパントですか。

 このパペティアー・ドーパント、単に人形を操る能力だけでないことを井坂深紅郎が見抜き、ウィザーの力で連れ去るわけですね。狙いは冴子に頼まれた、若菜の再教育みたいなことらしい。が、井坂は堀之内に若菜を代わりの人形として与えてしまう。これを使い、堀之内は娘への愛情を疑った亜樹子を狙うわけですか。
(しかし若菜については、メモリ直刺しによるハイリスクの強化目的だったようで、若菜のこの先の運命を暗示するかのようですね。)

 事務所を襲撃し、フィリップが危機に陥るも、ガンナーAが救援に入りまして撃退。竜がこの事態を予測して配置してたんでしょうか。今エピソードの竜はうまく亜樹子をガードしており、亜樹子が好意を持ち始めてますな。刃野刑事もそこは察してまして、翔太郎が嫉妬したとか、からかってたりする。

 ただ、翔太郎の気持ちはどうかなという気がします。好意はある。けれど恋愛に向かうかどうか、というのは前に書いた気がします。鳴海荘吉の代わりに亜樹子を守りたい気持ちと、亜樹子に鳴海荘吉を見た気持ちで揺れ動いていて、他の気持ちを持つ余裕がなさそう、ということですね。

 今エピソードの翔太郎は、亜樹子に鳴海荘吉を見る気持ちのほうが強いかな(だから竜が亜樹子を保護するポジションなのかも)。亜樹子がいったんイラついて人形を放り出し、しかし追って行ったことについて、「たとえ相手が人形でも泣いていてほしくない」と理解を示してます。

 それに応えるかのように、亜樹子は人形を回収したごみ収集車を止める際、「あたしの依頼人が」と叫んでます。このことは翔太郎は知らないでしょうけど、前に敵に立ちはだかって「あたしの依頼人に手を出すな」と叫び、椅子で殴り掛かったのは知っている。

 自分は亜樹子が人形=リコ≒里香子(堀之内の娘)と認識しているとは思いましたが、依頼人と思っていたとは思わず、ちょっとびっくりし、大いに感動しました。そうか、同情とかだけじゃない、仕事を意識した責任感もしっかり持ってたのかと。改めて、普段は見せない亜樹子の根っこはブレてないと感じ入りました。もし翔太郎がごみ収集車の前に立ちふさがって「あたしの依頼人」と叫ぶ亜樹子を見ていたら、どう感じたのかなと思います。

 この亜樹子のブレなさに対し、堀之内慶應/パペティアー・ドーパントが道を踏み外していく様子が対照的です。それも本編開始以前に起こったと想像できる、堀之内の内面の転落ですね。妻の死の後、幼い愛娘まで失った。だから作家として本で愛娘への気持ちを著した。そこまでは純粋だったんでしょう。

 しかし本を酷評されると怒り狂ってしまうようになる(正確には本から透けて見える著者への酷評ですが)。どこかで娘と自著が入れ替わっちゃったんでしょうね。さらに自著に操られるが如きになり、自著の敵を著者が成敗に赴くようになってしまう。著者自らはパペティアー(人形使い)として人形を操って入るんですが、実際には愛娘を模した本に操られてしまっている。

 それが本編開始時点の堀之内だと思うんですが、亜樹子が奔走しだすと、堀之内に変化が感じられます。なにせ、目の前で直接に愛娘への愛情を亜樹子に疑われたことで激怒して襲ったわけで。堀之内はブレない亜樹子に影響を受け、本から自分の気持ちに戻っていき、最後に愛娘の形見である人形へ帰って来ての、あれはハッピーエンドでいいかなと思えます。

 そこは亜樹子が際立ったと感じますが、竜によろめいているのはちょっと面白い。先日のネット放映の「宇宙刑事ギャバン」ではミミーが親切な男に好意を持つわけですが、ギャバンの気を引くためだと看破されてましたな。亜樹子の場合だとそういう駆け引きはなさそうです。

 なるほど、これがいずれ亜樹子と竜の結婚まで発展するのかと思いました。が、直接的には次のエピソード「Dが見ていた」への伏線なのかも。長澤奈央さん演じるリリィ白銀/白銀理恵が竜に惚れるらしいので。今エピソードで亜樹子の竜への好意の芽生えがありますんで、ドラマを面白く転がせそう。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/24 (Tue) 23:55:10

 今週の感想、前半編です。

★ダイ大

 前半がクロコダインVSザボエラで、後半がヒュンケルVSヒム。
 噂のキング・マキシマムはまだ登場せず。

 すると、次回の前半でヒュンケルVSヒムの続きで、後半にキング乱入といったところかな。
 キングは自分で手を汚さずに、配下のコマ(心を持たないクイーンやナイトやルーク、ビショップ、ポーン)を操作して、自称・天才の頭脳でデータに基づいた完璧な戦術を組み立てるキャラ。
 で、ヒュンケルとヒムの心を愚かと断じて(その辺の相手を見下すところはザボエラに通ず)、ヒュンケルを確実に殺せる攻撃を加えるんだけど……ってな話です。

 感想というよりは、予習ネタですな。

 ともあれ、ハドラーの後継者のヒムと、バランの後継者となるラーハルトの参入までがヒュンケルの見せ場かな。
 しばらく戦闘不能状態で、後事を託しますんで。

 打撃パワーのヒムと、スピード戦法のラーハルト、そして知恵のアバンと、トリッキーな武芸のブロキーナ老師が、強力な助っ人として活躍する流れですな。
 クロコさんとチウは目立つ見せ場はないけど、ヒムの参入をフォローする役回り(人間だろうがモンスターだろうが問題ない。大事なのはハートとか闘志とかって説得する形)。

★リバイス

 アギレラさんが仮面ライダーに。
 ベルトの色が赤かったので、アギレラさんのイメージカラーだったというのが予想的中の根拠1ですが、変身後の白メインのカラーリングは意外でした(赤も使われて、日の丸っぽい印象も)。

 他には、玉置の変身ポーズを次回予告でプッシュしておきながら、変身後の姿も名前も見せないので、フェイクの可能性が濃厚。
 何にせよ、仮面ライダーアギレラも、去年のサーベラ同様、玩具情報が伏せられていたので(玩具は注文販売のみ対応。最近は一般販売をどんどん宣伝する一方で、メインじゃないライダーはネタバレが生じにくくなっている)、
 サブライダーのサプライズ率が高いですな。

 ともあれ、狩崎さんがデモンズ量産化計画を変わらず続けていますし、次は誰が変身するのかな。

 それと赤石長官の怪人態はいつ見られるのだろうとか、毎週、何かのサプライズはあるだろうと思いつつ、どんどん鳴り響いている大二の闇堕ち警報を心配する流れ。
 大二闇堕ち→ギフの力で暴れる→一輝とバイスのパワーアップで浄化→大二の中に残ったギフの力が勝利の鍵に、という展開を想定。

 ベイルはまあ、そろそろ愛の力か何かで浄化されそうな気もしますね。
 ベイルの過去編スピンオフも終わって、次はジャンヌとアギレラメインのスピンオフが始まりそうですし。

★鎌倉殿

 義時の息子、泰時(金剛)を演じている子役が、リバイの五十嵐一輝の幼少期を演じていたので、泰時は仮面ライダーです(成長後は違うけど)。
 一方、次回から登場するらしい義時の母違いの弟・時房(時連とも)が、仮面ライダーキバの瀬戸康史君ですから、フィリップからバトンタッチする流れですね。

 あと、今後の登場人物だと、戦隊ヒロインからリュウソウピンクとモモニンジャーが出演する予定。一人は義時の妹で、もう一人は2代将軍・源頼家の妻とか。

 ともあれ、次回が八重さんの退場編になる模様ですな。
 現状が1189年で、1192〜93年にかけて、義時は比企家の娘を正妻に迎えるとの史実から、その前に八重は退場するだろうと推察されます。
 八重の死が自然死か不審死かは史実がないので未確定ですが、その死が義時闇堕ちの最後の後押しになるんじゃないかと思われ。

 今回、善児とタッグを組んだ義時の「奥州藤原氏の追い落とし計略」を見て、ああ、一線を越えたなあ、と理解。
 視聴者から見れば、善児は「兄や爺様の仇で、汚れ仕事の象徴」なもので、彼と義時が手を組んだ時点で、義時までが裏稼業の住人になったかのようなイメージがこびり付いたわけで。

 でも、善児が八重さんの子どもを殺し、八重さんの命まで狙ったことがあるのを、義時は気付いていないのか?
 まあ、八重さんの命を狙った場面で助けたのは、義時じゃなくて、メフィラス星人こと三浦義村でしたが。

 善児の悪行を義時がどこまで承知しているのかが、気がかりでもあるし、
 これで善児が、八重さんの退場に絡んで来たりする可能性もドキドキしつつ。

 ともあれ、首となって帰ってきた義経でしたが、先週の行き違いを見たり、歴史という運命の歯車に翻弄される葛藤とか複雑な心情解釈に、想像力を掻き立てられますな。

 次に、落ち度の見当たらない範頼さんが、どういう流れで処罰されるのかも気にしつつ。
 まあ、先に頼朝の征夷大将軍任命があるのですが。

 そして、後白河法皇の逝去後、次のラスボスになる後鳥羽天皇の子役から大人への成長。
 頼朝の娘の大姫と後鳥羽天皇の政略結婚が上手くいかない流れもあって、その辺の大姫の悲劇もどう描かれるか気にしつつ。

 何だか悲劇の伏線探しばかりを気にしてる感じが(苦笑)。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/05/26 (Thu) 23:51:59

 スーパーマン感想を中心に。

★スーパーマン

 先週、スティールに関する情報を調べているうちに、先の展開が気になったので、英文サイトの方を覗いて来ました。

 まず、この作品の第1シーズンは去年の放送で、本国の方では現在、第2シーズンを放送中ですね。

 ジョン・ヘンリーの娘ナタリーは健在で、第1シーズンの最後で別アースから、こっちのアースにやって来て、第2シーズンのレギュラーになるようです。
 今回の話で、こっちの世界のナタリーは「ジョナサンとジョーダンの妹になる予定が、流産した」という設定が語られ、すなわち「異世界から来た妹キャラ」なんですね。

 すると、ジョナサンが一輝で、ジョーダンが大二で、ナタリーがさくらに対応する流れかも。

 そして、今回は一時退場したジョン・ヘンリーですが、2話ぐらいのインターバルを挟んで、すぐに帰って来るみたいです。
 まあ、彼がアーマーを修理する時間も必要ですしね。次に帰って来たときには、頼れる仲間として共闘することを期待します。もっとも、共闘の前に、もう一波乱あるみたいですが。

 そして、次回でモーガン・エッジの正体が判明します。
 彼もまたクリプトン人で、カル・エルの父親違いの兄という事実が、次回のラストで打ち明けられ、その地球到達の背景とかが10話で語られる模様。

 彼の計画は、地球人のクリプトン化計画。
 Xクリプトナイトの力で、地球人に超パワーを与える計画なのは既に描かれているのですが、さらにクリプトン人の意識を埋め込んで(いわゆる洗脳)地球を第二のクリプトン星にしようという計画。

 そして、クラークに協力するように呼びかけて、それを拒むクラークですが、家族を人質に取られて、苦渋の決断を? って流れになりそう。
 言わば、家族を守るためにスーパーマンの闇堕ちの可能性が発生するのが、この2話ほどの展開で、
 それを阻止するために、ジョン・ヘンリーが帰って来る展開に。

 とりあえず、次回の9話と、その次の10話の予告的な話でした。

 あと、ラナの夫のカイルが、エッジのリーダー・プロジェクトに密かに誘われていて、洗脳処置を施されていることも、この2話で判明し、ケント家を襲撃に来ます。
 彼が今回、娘の歌の発表会に来れなかったのも、裏で洗脳処置が行われていたから(本人の記憶はない)。

 クラークたちと、ラナたちの家族の破壊がこの2話で展開され、それをどうやって修復するかの話が、終盤に流れ込む形。
 最終的には、スーパーマン一人で事態を解決できずに、ジョン・ヘンリーやジョナサンとジョーダンたちがキーパーソンになっていく模様ですが、

 ジョナサンは残念ながら、第1シーズンでパワーを発動できず、彼のメインイベントは第2シーズンに持ち越しになる模様。
 あと、第2シーズンで、最近放送された回で、ようやく「ラナがクラークの正体を打ち明けられた」模様。
 エッジ関連で、事件の当事者になっていたのに、秘密を打ち明けられるまでに10話近くを費やす形ですね。娘の方が先に事情を知る展開。

 あとは、サラとナタリーが親友になるのが第2シーズンですが、
 とりあえず、7〜8話がジョン・ヘンリーの背景説明回で、9〜10話がモーガン・エッジの背景説明回で、11話以降が波乱のクライマックスに突入する形です。

 なお、Xクリプトナイトで超人化できる人材は稀少なので、エッジも実験を繰り返しているわけで、
 彼に人材を推薦しているラナさんも、いろいろと罪の意識に駆られるドラマが、イヤな感じだな、と(夫も実験台にされるわけだし、ケント家よりもハードで不幸なドラマに思えたり)。

 あとは、義父のサム・レーンが、クラークにとって信用できない軍人というドラマ展開を見せていましたが、結果的にクリプトン人による侵略が水面化で動いていたわけですから、彼の用意していたことは無駄じゃなかったわけですね(今回は、軍の中にエッジの手勢が紛れ込んでいた形ですが、スーパーマンに対して悪意はない。ただ、スーパーマンの方が悪意を感じとって、エッジの勧誘に揺れ動く危機感の演出とか)。
 そうなると、最後はロイスとの愛で踏み留まる展開なんでしょうが、とにかく10話で一通りの謎が明らかになる形。

★W

 亜樹子主役編を経て、インビジブル回を楽しみにしつつ。

★境界戦機

 ロボ戦はなく、政治背景の方で大きな変化が示された回。

 外国の三大勢力が八咫烏と同盟を組んで、北米と対立するという展開で、ロシア貴族のアレクがまさかの味方になるという。
 現実の国際情勢と照らし合わせると、大丈夫なの? と思わなくもない架空世界ですが、まあ、ブラッドさんが闇堕ち注意報を鳴らしているので、最終的には「ゴースト改造機を倒して終了」みたいな落としどころかな、と。

 とりあえず、リアルではロシアが暴走して、アニメではブラッドさんが暴走して、うん、あまりごっちゃにすると楽しめないですから、その辺は割り切ることにして、
 予測できない物語の迷走ぶりを見守りたいと思います。

 アレクさんとガイの会話は面白かった。
 そして、アレクさんが味方になるなら、VSブラッド戦でも心強いですしね。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/29 (Sun) 15:30:37

 定期感想その1です。

●境界戦機(第20話:新日本協力機構)

 最初に愚痴吐きだしとこうと思います(^^;。ロボットバトルがない。18話(保護区)ではあったとは言えますが、ザック・テイラー率いるプロトタイプ・ゴースト部隊ですら、改修されたメイレス3機には力不足。なにせ、例えば1期で対ゴースト戦をいろいろ見てるわけで、どうしてもあのレベルの迫力やピンチを期待してしまいます。まあ、この2期も終盤でそろそろ力の入るメカ戦があるに違いない。

 と不服言ってスッキリしまして(^^;、今話は勢力バランスを巡る大きな動きと、ブラッド大尉の暗躍、ラストに向けてのキーパーソンの暗示など、2期ラストへ向けて最後の仕込みと考えてよさそう。

 大枠情勢の動きは、北米同盟に押される3勢力(ユーラシア連邦、アジア協商、オセアニア連合)が、ついにテロリスト→レジスタンス→正規軍と認定、日本の独立勢力として「日本地区」の地盤を与えようというものですね。アジア協商の飛び地であった北陸を付与するわけですが、将来的に守り切れないことと、費用等は他の2勢力負担ということで帳尻は合ってるらしい。

 小規模ながら先例として末永ユウセイの自治区、キリル・ジルコフの保護区があり、うまく行くと踏んでるようですね。不安なのは3勢力の代表でしょうか。3勢力からはアレクセイ・ゼノレイ少佐、ホウ・グアン(特任)大尉、オリバー・マーティン少佐ですから、将官クラスではなく、決定権は握ってなさそう。突然、ちゃぶ台返しされる恐れも。

 もっとも、レジスタンス側もおそらくは最大勢力の八咫烏代表:宇堂キリュウとはいえ、他のレジスタンスに対して指示できるわけではない。レジスタンス側含め、根回ししながらやっていくんでしょうな。それでも今話ラストでは「新日本協力機構」なるものが立ち上がってます。日本政府も迎え入れたいらしい。

 しかし、当面は他のエリアから移住は禁止ですか。主に経済・産業的な理由のようですね。実質的に日本の統治エリアが立ち上がれば、被支配地の日本人は移住したがるだろうけど、現在の北陸にいる人口以上は経済的に支えられない。ユウセイの自治区の弱点と、ジルコフの保護区の成功面に習っての措置ということか。

 3勢力は軍事的には要求控えめでしょうか、ガイらI-LeSやメイレス機の引き渡しや技術供与は求めない方針らしい。八咫烏の戦績から考えて、それさえあれば北米同盟に対抗可能とは思ってるはずですが、急激な変化は好ましくないという判断なのかな。ユーラシアのアレクセイ少佐などは、本音では喉から手が出るほど欲しいんじゃないかしらん。なにせブラッド大尉に惨敗してますからね。

 3勢力の思惑としては、己が実効支配地域を残しつつ、戦闘では日本自治区の八咫烏部隊を前面に立て、3勢力は物資補給など後方支援し、北米同盟を押し返したいのかな。そうしておいて、恩恵を与えた日本自治区とは政治的友好を保って、経済的交流で利を得る。この2期の落としどころとしても問題なさそうで、3期につなけることも可能でしょう。

 しかし北米同盟としては座視するつもりはない。ジョウ・スピアーズ中将はあくまでもレジスタンスが何に昇格しようがテロリスト認定を崩さず、ジェルマン・ゴベールと謀って巻き返すつもりのようですね。

 ブラッド大尉はこれと独自の行動を見せてまして、無為に過ごす有能の人材を駆り集めてる模様。かなりヤバいことらしく、公安にマークされてるのも知ってるらしい。さらに、それを心配する直属部下のソフィア・ルイス少尉に退役を迫ってますね。邪魔になるからと言ってますが、おそらく巻き込みたくないんだろう。

 しかし不思議な運びになってまして、新日本協力機構立ち上げに、北米同盟からブラッド大尉が出席するわけですか。狙いはアメインのパイロットに会うことらしい(もしかしてアモウをピンポイントで狙ってる?)。その意図はともかくとして、公安にマークされていながら、重要な場に北米同盟代表で出て来るって、内部事情はどうなってるのか。

 ちょっと思ったんですが、北陸を日本自治区としてレジスタンスの基盤にするのは、安定する代わりにリスクもありそうですね。レジスタンス時代ですと、各勢力支配地に潜伏している格好なわけで、4勢力としてはレジスタンスへの無暗な攻撃は、自分のテリトリーに打撃を与えてしまう。

 レジスタンスが勢力圏として切り離されますと、(北米同盟としては)敵地となり、攻撃は不安要素はないはずです。もっとも、そうだとしても本格的に交戦可能になったということは、ドラマ的には面白いことになりそう。

●ダイの大冒険(第79話 銀髪のヒム)

 境界戦機ではバトルで不服を申しましたが、ダイ大のヒュンケル vs ヒム戦が補ってくれたような気がします。直近ではダイ vs ハドラーの再来くらいの納得、満足です。今話のバトルでは決着直後にマキシマムの無粋な横槍入りまして、そこもハドラーの「我が全身全霊敗れたり」の後にキルバーンが介入したのと同じ。

 だからこそいい、という感じですね。力を出し尽くして戦った両者との対比になってまして、さっきまで見ていたバトルとその決着がいかに見事だったかが分かる仕掛けです。別の面から言えば、余韻でしょうか。両者がどう決着をつけるはずだったかが、観ているこちらの想像に任されるということで。常にとは申しませんが、「こうなった」よりは「こうなるはず」のほうがワクワクすることがよくあります。

 ヒュンケル vs ヒムは(以前からダイ大の本気バトルでよくあった)、全力で挑んで返され、しかしそこから死力を尽くすという、自分的に燃える展開でした。まず初っ端はヒムが高機動の連撃を活かした戦いで有利に進めてますな。実はこれが勝つために勝つには必勝法だったことが、この後のヒュンケルの台詞(得意の格闘術でじわじわ俺をなぶっているだけで確実に勝てていたはず)から窺えます。

 しかしヒムはそれを潔しとしない、というよりは、真正面から破ってヒュンケルに負けたと言わせたいために全く考えていなさそう。後で「すました顔を恐怖に変えてやることだけが俺の夢」と言い放ってますからね(しかし、あくまでも戦い抜くヒュンケルを見て、考えが変わるのもグッとくるところ)。

 ヒムとしてはヒュンケルに本気の攻撃を出して欲しいわけですな。ヒュンケル最高の技を破ってこその勝利、ということでしょう。しかしヒュンケルは奥義ではもう勝てないと分かったからこその、今の地味(?)な打撃戦に徹しているわけですか。勝てない理由は、もうヒムがただのポーンではないから。ハドラーを思わせる長髪だけ見ても頷けます。仲間の駒、例えばクイーンのアルビナスではなく、指し手のハドラーに昇格したといったところかも。

 しかしヒュンケルはただ単に打撃戦を続けていたのではなく、ヒムの隙を見切るためだったようで、最強の左パンチ直後の硬直があると見抜く。その隙をどうつくのかと思ったら、背後を取って死なばもろとものグランドクルスでしたか。が、これはヒムがすんでのところで肘打ち入れて逃れる。ヒュンケルの闘気が尽きかけていて、技の発動が遅れたのが原因で、気づけなかったヒュンケルも逸りすぎて隙ができていたようです。

 しかしヒュンケルは諦めず。ヒムも全力の相討ちを狙われて覚悟が定まった模様。全てを出し尽くし、その先の戦いに突入するわけですね。ヒムはあくまでも全力のヒュンケルを破るつもりで、槍を返してやる。が、ヒュンケルは槍を投げ捨てる。闘気を拳一点に集中させて撃破するしかない、ということらしい。

 が、ヒュンケルが槍を投げ捨てた理由はもう1つあって、おそらくは「友」と呼んだラーハルトでしょうか。ヒムの背後に刺さるように投げたのは、「そこで見ていてくれ」の意があるんでしょう。

 それでも「綺麗に散ってほしい」旨言うヒムは、まだ自分のために戦う1対1の勝負の付け方に拘ってますな。しかしヒュンケルはダイたちをバーンまで進めてやりたい、そのためならどのようになっても構わない。その覚悟がヒムに伝わりまして、双方、全てをなげうっての勝負に入る。

 ヒム、助走をつけて真っ直ぐ突っ込んでの左拳(オーラナックル)をヒュンケルに決めた、と思ったが、ヒュンケルの右が脇の急所に先に入ってましたか。ヒムが己が拳が相手に届いてないのに気づけなかったのは、ヒュンケルの一撃の衝撃を勘違いしたことがあるでしょうし、鎧を捨てた生身に入れた一撃に手応えがなくても当然だから、だったのかな。

 負けたことは分かっても敗因が分からないヒムにヒュンケル解説(^^;。ヒュンケルの闘気パンチではオリハルコンは砕けない、そこでヒムの突撃速度を利用したカウンターであったわけですね。ヒュンケルの決死のカウンターならば奥義:無刀陣かと問うヒムに、ヒュンケルはそうではないと言う。一撃を受けてから返す無刀陣では、ヒムの打撃が強すぎて使えない。

 単にヒュンケルの拳が先に当たることに賭けていたわけですね。こういうの、後の先と言うんでしょう。闘気が乗ってはいますが、技は単純な殴り合い。それでヒュンケルが優った、ということでヒムもようやく納得。勝っても負けても、そういうやり方で勝負をつけたかったようですね。上述しましたが、倒すだけの戦法はヒムは考えもしなかった模様で、ヒュンケルが指摘するもっと有利な戦法は、言われてからようやく意識したんじゃないかしらん。

 ここからが命が限られたハドラーがダイに敗れてからと違うところで、止めを刺せというヒムに、ヒュンケルは勝者の権利として、死を奪う=生きることを求めるわけですね。要は仲間に加わって、ダイらを助けて欲しいわけでしょう。ハドラーが残り少ない寿命をダイやポップのために使ったことを考えると、その魂を受け継いだヒムも意気に感ずるところはあるはずですね。

 しかし、バーンパレスの掃除役マキシマムの無粋な横槍が入る。バーンがハドラーに与えた残りのチェスの駒も率いているわけですか。全てオリハルコン製で、この軍団がこのタイミングで襲来しては絶体絶命か、と思ったんですが、予告映像ではキングのマキシマム以外は撃破されてるみたい。やっぱりヒム(さらには親衛騎団の全員)みたいに、根性入ってないからかな。しかしマキシマムだけは突出した力があるみたいですね。

 そこで続くわけですが、小休止で鋭気回復のダイらの前にはミストバーンが現れてますな。マキシマムが動き出したのも察知してるみたい。一応の回復はしてるから、いい勝負になるかな。と思ったんですが、アバン先生とレオナはどうしたんだろ。特にアバンが気づかないわけないと思うんですが、ともかく次回「チェックメイト」次第ですね。

 ちょっと思ったんですが、チェックメイトって王(キング)がもう逃れられないってことですから、タイトルでマキシマムの運命を言っちゃったも同然かな。今、ネット放映のジュウレンジャー観てますが、いずれうわさに聞く「ブライ死す」の予告があるはず。ネット感想等では「ブライが生きるか死ぬか、と予告ナレーションでも匂わせておいて、タイトルが『死す』では」と。

 ジュウレンジャー本編未視聴のときは、その評で納得するしかなかったんですが、本編観始めてみると「本当はどうなんだろう?」と思い始めてます。ブライって、最初から寿命が限られてたとか、初めて知りましたし、なかなかに際立ったキャラクターです。もしかしたら「ブライ死す」は納得できるかも、と思うようになりました。

 ダイ大のほうも、チェックメイト=マキシマム敗北という単純なタイトル予告ではないんでしょうな。今までも「このタイトルって、そういう意味か」ということが何度もあったわけですし。

Re: 5月のスレッド(2022) - K.K

2022/05/31 (Tue) 20:43:53

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第37話:激戦必至!決死の悪魔奪還ミッション!)

 いろいろ見どころがありましたが、自分的に最もデカいインパクトは門田ヒロミの復帰ですね。笑顔で「ただいま」ですから、完全復活と分かります。まだかなまだかなと待っていた溜めがこれほど大きいとは、自分でもちょっと意外なほどです(^^;。

 しかし本編のほうはなかなかにシビアですね。こうできさえすれば、あとちょっと、と一縷の希望を見せておいて、ポッキリと折りにかかってます。前話で仕込まれた一筋の光明は御子柴朱美/ギフデモスの「ギフを倒すには(略)私を使って」ですね。朱美が必死に訴えた様子からは、己が死と引き換えに必勝策を渡す覚悟を感じました。

 が、一輝らはギフを倒すアイテムを手に入れ、朱美も救うとベストを目指す。この辺り、大二が一輝に突きつけた「自由か、平和か」の二択に似ているかも。一輝の答えは「自由かつ平和」でして、どっちも欲しいけど両立しない現状と認識する大二からすれば甘い。決裂してしまいまして、またもや大二が一輝と合流することは叶いませんでしたな。

 しかし、そんなことに構ってはいられない。狩崎ジュニアはバリッドレックスの氷結能力を強化しまして、ギフデモス/朱美を凍結させて連れ帰る策を立てる。狩崎ジュニアは狩崎父と深刻な対立があるようで、五十嵐兄弟同様、志を同じくしつつも、うまく行ってない感じですね。

 それにしても狩崎父、仮面の理由は火傷を隠すためでしたか。元太/白波純平とベイルの離反・離脱の際に受けた負傷らしい。そのことで強い悔いがあるため、わざと治療半ばで傷を残しているのかな。おそらくその事件のときに、公式には狩崎父死亡とされ、狩崎ジュニアもついこの間までは父が死んだと思ってたみたいですね。かつ、父が死亡したことを悲しみつつも、安堵するものもあったらしい。狩崎ジュニアをそう思わせるほどの、狩崎父の罪って何だろう。

 それはともかく、悪魔祓いのスタンプ押印が未だ少ないことを理由に、赤石長官が放った大量のギフジュニア掃討にも、全ライダーは追われるわけですね。その状況での、朱美救出作戦となる。ウィークエンドからは花/アギレラと牛島光/オーバーデモンズがギフジュニアを食い止める。一輝とバイス、さくら/ジャンヌが朱美救出担当となる。が、大二/ライブは別行動。ギフジュニア掃討という面では共闘ですが、意思疎通を欠いているため、この後、痛恨の事態になってしまうわけですね。

 しかし、ともかくも一輝側の作戦は順調に進む。敵もヘルギフテリアンとギフデモスを繰り出してくれまして、一輝らの思うつぼと言えましょうか。ヘルギフテリアンをジャンヌが押さえている間に、リバイスがギフデモス/朱美を凍結させて連れ帰ればいい。実際、ギフデモスを凍らせて止めるところまではうまく行った。

 が、全ては赤石長官の予定通りだったわけですか。ヘルギフテリアンに押されるジャンヌに気を取られたリバイスの隙を突いて、ギフデモスの背後に現れた赤石長官はギフデモス/朱美に致命の一撃を入れ、即座に離脱。一輝らは何が起きたか分からない。おそらく、朱美/ギフデモスも、はっきりとは誰の一撃かは分からなかったでしょうな。

 そこへ折あしく、かつ赤石の思う通りに大二が駆けつけるわけですね。大二は赤石から連絡を受けて、朱美/ギフデモスがリバイスらを交戦に入ったことを知らされ、駆けつけてきた。一輝らの狙いも、戦闘経過も知らないため、瀕死の朱美/ギフデモスを見て、一輝らの仕業と思い込んでしまう。

 朱美はそれでも最期の言葉として大二に「正しさのために独りぼっちにならないで」と言い残しますが、一輝らのせいだと怒り狂う大二は真意は伝わらなかった模様。大二、ついに一輝に本気で殴り掛かりますが、ここで待ってましたの門田ヒロミ登場ですね。大二の拳を止めまして、「ただいま」で、続く。

 次回「父と子が紡ぐ!究極のリバイス!」では、せっかく復帰の門田ヒロミでも大二を翻意させることはできないみたいです。しかし失われた朱美に代わって、覚悟を決めた元太も復帰してくるみたい。ギフの力が必要なら、自分(元太)を使え、ということらしい。

 ヒロミ、元太と相次いで復帰となりますと、共通要素のベイルが気になってきます。元太から生まれたベイルを宿したデモンズをヒロミが命を削って行使してきたわけですので。しかも、狩崎父子が力を合わせれば可能になることもあると示されているわけで、次の一手で大きく動き出す駒組はもうできている感じです。

●鎌倉殿の13人(第21話:仏の眼差し)

 八重が近いうちに退場というのは、こちらで伺っておりましたが、まさかこのタイトルの回で、あんな最期になるとは。あまりに不条理、無情なためか、ネット評では陰謀説まであるようです。「善児の仕業」ということですね。しかし、八重を暗殺する理由が見当たりません。

 史実では義時は「姫の前」を正室とし、次男:朝時らをもうけていますので、このドラマで描かれてきた八重さんは退場せざるを得ないんでしょうな。誰に恨まれるでもなく、亡き千鶴丸を思い出す鶴丸を助けるために亡くなった、というのはせめてもの演出なんでしょう。おそらくこれで宗時に続き、八重も「誰も超えられないキャラクター」となったはず。

 ともかく本編。冒頭、道の整備についての議論が興味深い。罰当たりか否か、ですね。担当している八田知家は命じた頼朝の問題だと気にしない。その頼朝は後のシーンで何が悪いか分からない天罰など気にしないと言う。これは義時に覚悟させるための言でもあるようです。それはともかく、八重の孤児養育を知る八田知家が義時に預けた鶴丸が、今話の重要ポイントになって来るわけですね。

 さらに義経も義時だけでなく、坂東武者に未だ強い印象を残していることも描かれる。これも頼朝に対する天意について示唆するものがあります。義経が逃げ込んだ奥州藤原氏は、泰衡が義経を見限ったことで命運極まり、頼朝の大軍により壊滅。そこまで追い込む策を立てたのは頼朝であり、実行したのは義時ですな。

 泰衡を討ち取った後の頼朝の行動もなかなかに非情。おそらくは頼朝が「泰衡の首を取った者には褒賞」と敵にも知らせておいて、応じた敵配下(河田次郎なる者らしい)が泰衡を暗殺したと思われます。が、その者が泰衡の首を頼朝に献じると、褒賞ではなく「主を討つとは不忠」と打ち首。口封じの意味もあるのかな。

 これに動揺する様子がある義時に、頼朝は何度目かの活を入れる。上述しましたが、言い換えると天意何するものぞ、といったところ。天に守られていると、以前は周囲も頼朝自身も思っていたはずですが、もう意識は天を超えたらしい。これに義時も覚悟しまして、次は法皇様ですね、と頼朝の意中を察する。

 以前、盟友の三浦義村が義時に「頼朝に似てきた」と言い、義時は困惑していましたが、その通りになってます。今話タイトルに反して、義時は頼朝同様、鬼の顔になってますな。ただし外面はそうだということで、内面が齟齬しているのは義経の一件でも描かれたところです(さらには上総介以来、ずっと繰り返されている)。

 内面と外面の落差に苦しむのは、梶原景時も同じらしい。自分はてっきり、景時は上総介誅殺のときに思い切り、頼朝のライバルたりえる義経については軍事的に利用しておいて、同時に怜悧に罠にハメて滅ぼしたのだと思ってました。が、義時に語る内容からすると、悔いるものがあるらしい。

 自分(景時)の名誉を気にしているようですが、未だ内心では納得できてないということじゃなかろうか。なにせ規律を重んじる景時です。今の横車を押す強行さは、自分(景時)の志に反するのかもしれない。しかし鎌倉による平和(パクス・カマクラーナ?)のためには、我を押さえるしかない、という気持ちなのかな。

 過去の経緯含め、鎌倉は外に対して勢いに乗っているとはいえ、内にはいろいろ軋みがありまして、それを体現していると思えるのが、例えば大姫ですね。義高死去でショックを受けて、どうなったのか。北条邸に招かれるも様子がおかしい。やけに明るくて、しかし奇妙なことに興味を持ちがちらしい。周囲が困るほどですが、内心がちらっと見えたのは八重の変事の報を受けたときでしょうか。全く希望を持とうとしてませんでした。

 それはともかく、奥州の次は都、特に大天狗の後白河法皇対策ですね。これには時政が、その素朴さ、単純さで功を奏している模様。以前に義時と二人で威を示しているのも役立ってるんでしょうな。時政は双六遊びですら、法皇のルール逸脱を許さない。我意を通せぬと見た法皇が、利を示して取り込みにかかるも、時政は笑って断る。

 法皇としては、一強となった頼朝の対抗馬たりえると見込むも、取りつく島がないわけですね。法皇としては、せめて頼朝に恩を着せたいと褒賞をちらつかせるわけですが、頼朝は拒否。戦力もなく、手駒候補も失った自業自得の法皇ができるのは、側近の平知康への八つ当たりくらい。頼朝を悪夢で苦しめていた頃の法皇の面影はもうありません。

 しかし、今話の最大のドラマは八重さんですな。八田知家が連れてきた鶴丸、最初は八重になつかない。が、おそらくは次第に心を開かせたようです。その様子に、実子の金剛が内心複雑であったようですね。15人も引き取って育てる八重はそこに気が付かず、しかし金剛からはっきり問われて、はっとする。八重が金剛を抱きしめて、「一番大事」と言ってくれたときは、なんだかほっとしました。

 八重は義時にも心を砕いてまして、もう頼朝に執着していない旨告げ、義時が鎌倉の立役者だとも言って自信を持たせようとする。義時も頼朝にかなり悪趣味なことを言われ、実務においても卑劣なことをしている自覚がありましたが、八重の信頼と愛情に癒された様子があります。

 八重も頼朝に嫌味なことを言われているわけですね。付き合っている頃のことを持ち出されてました。しかも義時の面前です。義時も頼朝から「金剛は自分(頼朝)に似ている」と言われている。「自分(頼朝)が実父かもしれない」という、悪虐な冗談ですね。おそらくは、義時の最大の愛情が八重と金剛にあると見た頼朝が、試すために言っているんじゃなかろうか。ここまで言っても逆らわないよな、ということで。

 しかし、義時も八重もぐっとこらえて、将来に望みを託す。頼朝の小物的に嫌な態度があるからこそ、義時らが栄える感じです。よし、このまま行ける、という雰囲気になるも、そこで変事が起きてしまうわけですね。川遊びをしていたところ、鶴丸が流されたのか、川の真ん中あたりの岩にしがみついて泣いている。これを見つけた八重さんが、鶴丸をどう思っていたかが明らかになる。

 思わず「千鶴」と漏らす。千鶴丸の面影を見ていたわけですね。その千鶴丸は水死したとされた。八重は思わず助けようと川に飛び込んじゃうわけですな。なんとか助け、三浦義村に鶴丸を託すも、八重さん自身は行方不明に。おそらく流されてしまった。報を受けた頼朝も驚き、嫌味な態度をかなぐり捨てて御家人総動員で探させる。が、仁田忠常が政子に泣いて八重死亡を報告。

 八重さんの悲劇は、回避できたはずのポイントがいくつもありまして、それゆえに悲劇性が高くなってますね。八重さんが奥州攻めの話を三浦義村にしたため、義時の事情を答えたくない義村がいったん外してしまった。戻るまでの間に鶴丸の事故が起こってしまうわけですね。

 それでも八重が鶴丸にたどり着き、岸へ向かうところで義村が気が付き、鶴丸は受け取ってやる。が、義村が八重が力尽きかけていることに気づけない。おそらく八重は、鶴丸を抱えている間は気を張っていたんでしょうけど、義村に渡せたことで、張りつめていたものが緩んでしまったんでしょう。

 もし八重が鶴丸に千鶴丸の面影を見なければ、義村に奥州の話をしなければ、義村が外さなければ、義村が鶴丸だけでなく八重も支えていれば、八重が自分についても助けを求めれば、といくつもの八重さん生存ルートがありました。それらが全部、バッドエンドへの選択となってしまっての、今話の八重さん退場です。観ていて実に悔しい思いをする、憎いドラマ作りですね。

 鶴丸は助かりましたが、今後も継続して出て来るのかな。もしそうなら、金剛(後の泰時)との関係が緊張しそうです。母の八重が助けようとして死んでしまいましたし、「(金剛が)一番大事」と言われて、しかし身を挺して救ったのは鶴丸。その鶴丸に八重は千鶴丸の面影を見たから。

 鶴丸に千鶴丸と複雑ですが、その千鶴丸は八重の実子にして、頼朝の子ゆえに殺害されてます。これを因果と考えるなら、幼い金剛は既に重い因果を背負わされたとなりそう。そして鶴丸の素姓はどうなのか。未だ謎の点もあり、先行きが不安です。

 それはともかく、この一大事を知らない義時は、魂入れる直前の仏像の前で酒宴。酔わない様子の運慶に「お強いですね」と声をかけると、運慶は仏の前だから飲んでないと言う。ここはちょっとドキッとしました。仏前で慎んだ運慶が、大いに飲んだらしい義時と対照的です。そして仏像の顔に最愛の人の面影を見ているのは、義時も運慶も同じ。運慶の母の運命は分かりませんが、八重のことを知った義時は、このときの振舞をどう思うのかな。

 次回「義時の生きる道」では、頼朝の征夷大将軍やら曽我兄弟の仇討ちやら、イベントが多そうです。義時は家庭内では八重の志を継いで、戦災孤児を引き続き養うも、てんやわんやの様子ですね。そこはなんだかほっとしますが、外の状況は義時にとって厳しくなっていきそう。

Re: 5月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/06/01 (Wed) 00:24:02

 5月の最終書き込みです。

★ダイ大

 こちらの予想よりも、じっくり物語を描いてくれている感じです。

 おかげで、キング・マキシマムの登場で続く、という形に。
 なお、この王さま、個人の戦闘力は大したことありません。将棋の王将もそうですが、取られると詰みになるので、普通は後陣に位置して、部下を動かす役割のコマですね。

 コマの性能としては、飛車角の性能を合わせ持つクイーンの方が上。
 あ、クイーンは1つしかないので、マキシマムの部下にはいませんでしたね。前回、うっかりしてました。

 とにかく、キングの強さは、対戦相手のデータをスキャンして、残りHPなどの状態を読み取れること。
 で、ヒュンケルのHPは1と表示されて、あと一撃で倒せると調子づくのですが、ヒュンケルのHPはそれ以上に減らない(ヒュンケルが不死身と言われる所以)。
 どんなにダメージをくらっても、HP1で踏み堪える特殊能力をヒュンケルは持っているようなんですね(アストロンの一種か?)。

 まあ、そんなわけで、死なないヒュンケルが粘っているところに、友が地獄から生還して、助っ人に現れるドラマで、ヒュンケル最後の戦いは終了。力を使い果たしたヒュンケルは後事を託して、安らかな眠りに就く、と(でも、死なない)。

 そして、物語はVSミスト戦に移る流れですが、ここも一波乱ですね。
 ミストバーンのボディも、アストロンみたいな形でダメージを受けませんから……って話は、次回、出るかなあ。

★リバイス

 次回は、アルティメットリバイ&バイスの登場回ですね。
 これがTV版の最終フォームになると思われますが、最近は最終回限定のサプライズ最終フォームもあったりしますからなあ。

 それとは別に、劇場版フォームも6月に入ると、情報解禁されるでしょうし、これから夏に向けて、最後の盛り上がりがある流れですね。

 とりあえず、復帰したヒロミさんの体調がどうなのかを気にしつつ。

 ところで、忘れられているようですが、一輝の記憶喪失リスクがどうなるのか。次回の変身で、そういう話題が出るのか。

 あとはもちろん、バイスタンプを押された人たちの副反応がどういう形で出てくるか、ですね。
 今の流れだと、みんな悪魔化して暴れそうなんですが。

 それと、ザコモンスターが大勢出てきて、世界がピンチって絵面は、例年ですと「残り一月」で発生するようなイメージなんですが、今年は早い感じですね。まあ、エグゼイドも早かったかな。
 ザコが大勢だと、味方も大勢出るための量産型デモンズなんでしょうが、すると、これまでのゲスト出演者がいっぱい出て来ると嬉しいですね。木村昴さんとか、ヒロミさんの昔の友達とか、悪魔事件に関わった人たちがみんな変身して、贖罪の戦いを頑張る終盤戦なら歓迎です。

 スカイベースが大破したときに、そこに監禁されていた人たちがどうなったのかが気掛かりですし(地上の監禁施設に移されていたことを願いたい)

 割とシビアに人が死んだりする脚本ですが、生きている人たちもしっかり描いて欲しいもの。

 大二については、終盤でギフの力で怪人化ってのもありそうだなあ。ギフデモス(大二)とか。
 で、そこから浄化される際に、カゲロウ復活とかだと美味しいな、と。あくまで、予想妄想ですけど、俺の占いは当たる(半分ぐらいは)と思ってます。

★鎌倉殿

 祝・関智一さん、出演決定……ということで、土御門通親って役名だそうです。ええと、ドモン・カッシュっぽい名前だなあ。まさか、ハドラー様がこっちにも出て来るとは。
 後白河法皇亡き後に、朝廷で権勢を振るう貴族の一人で、曹洞宗の開祖・道元の父親とも称される人(諸説あり)。後鳥羽天皇の妃の一人の父親でもあり、土御門天皇の外祖父に当たる。

 ジャイアンの木村昴さんが以仁王役で大河出演して、スネ夫の関さんも遅ればせながら大河出演とは、ちょっと凄いなあ。

 さて、前半と後半の切り替わりのタイミングっぽいですが、前半ヒロインの八重さんが退場する一方で、新キャラがいきなり増えたなあ。
 北条家で、義時の弟と妹2人が増えて、うち2人が特撮関係者という形。

 次回は後白河法皇も退場しますし、時代そのものが変わる。

 笑ったのが、後白河さんの腰巾着と言える鼓判官・平知康を演じる矢柴俊博さん。
 もう、この人がいるだけで朝廷がリバイスのウィークエンドに見えてしまうのですが、「この度、劇団後白河を追放された」と、御自身のツイッターで報告。そうか、あの朝廷は劇団だったのか。
 この人は、これから2代目鎌倉殿の頼家の蹴鞠相手として重宝され、側近になっていくようですが、今度は鎌倉がウィークエンド化するのかなあ。

 こんな感じで、いろいろとキャラの入れ替わりや、立ち位置の変化が起こる時期ですが、去年のこの時期はどうだったかなあ、と過去記事を読むと、ああ、栄一の恩人の平岡さまが斬られて、涙目になっていた時期ですな。

 八重さんの立ち位置については、栄一にとっての千代さんに相当するわけですが、次回から堀田真由さんがヒロインの位置に来るのかな(政子でなければ)。

 他に注目役者は、曽我兄弟・兄の十郎が、リバイスの若林司令官だとか。1回だけのゲストとは思いますが、ヒロミさん復帰とともに、若林司令官も鎌倉時代に登場というネタで。

 他に、今回、八重さんの退場の起因となった鶴丸ですが、子役から大人の役者も予定されているので、きちんと成長するようですね。
 オリジナルキャラとして、泰時とどういう関係を築くのか、注目しつつ、これで同じオリジナルキャラの善児の弟子になったりすると衝撃的だったり。

 何にせよ、今回、一番のショックは、メフィラス星人でも助けることができなかった八重さんの天命ですね。
 さすがに鎌倉時代にシン・ウルトラマンはいないか、とか(シン・ウルトラマンは子どもを助けて命を落とした地球人に感銘して、一体化したけど、
 前は、三浦義村が八重さんの命を、善児から救ったのに。

 なお、八重さんが「千鶴丸の後を追って入水した」という言い伝えも残っていますし、
 頼朝が金剛を可愛がって、烏帽子親となり、元服時に自分の名をとって「頼時」と名付けたとも。その後、頼朝の死後に泰時に改名したそうで。

 ともかく、孤児の面倒を見る優しい母親として、前作ヒロインともつながる「主人公を支えた良妻賢母」として、惜しいキャラを亡くしたなあ、と思います。
 果たして、義時の新たな生きる道はどうなるかなあ。
 

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