創作と鑑賞の談話室

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8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/01 (Mon) 00:00:51

 8月の雑談スレッドです。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/01 (Mon) 21:57:39

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第46話:向き合う勇気…真に護るべきものは何?)

 今話でギフが打倒されたわけですが、弱点の推察から撃破までを一挙に見せたわけですね。ラストで異変を起こしてますが、どうやら劇場版へのつなぎかな。次話予告を見る限りは、平穏な日常になってるようですんで。仮面ライダーWEBを見ても、劇場版はこの第46話と次の47話の間の出来事らしい。

 劇場版抜きで考えると「こんなに簡単にラスボス敗北退場なわけなく、まだ何かある」と思うところなんでしょうけど、劇場版でギフ打倒が確認されているようですから、ギフについてはもう何もないんでしょう。つまり完全打倒。今話ラストでは狩崎ジュニア内の悪魔が動き出す様子も示されましたが、劇場版のための描写でしょうな。TV本編では狩崎発明の新ドライバーのほうで何か起こるようです。

 ともかく今話はギフ打倒でして、まず異変が起きつつあるラブコフとさくら。さくらがなぜか突如キレて、花もキレてる(唐突感半端ない)。しかし背中の裂け目は成長の兆しということで丸く収まり、ギフ決戦時には脱皮(?)ラブコフでインビンシブルジャンヌ誕生。
(なんだか、サナギマンからイナズマンが出ると思ったら、新サナギマンだったみたいな。)

 ラブコフ異変で荒れるさくらをいったん下がらせた一輝と大二は、ギフ本体が怪人形態のほうでなく、亜空間の繭のほうだと推論し、バイスが突入する策を立てる。ギフは既に五十嵐ライダーズに二択を突きつけており、答えを聞きに現れる。そこで作戦通りに運び、インビンシブルジャンヌの加勢も得たことで撃破。サクサク進んでましたな。

 しかし、空に異変が現れ、狩崎は(序盤で言ってたと同じく)悪魔に頼らない新ドライバー開発してて、その背後に(父が埋め込んだという)悪魔らしき影。まあ、これらは劇場版へつながるものなんでしょう。

 次話(47話)次第ではあるんですが、どうにも「なんだろ、これ」みたいな気がしてしまっています。なんと申しますか、遠足の準備だけさせといて、置いてけぼりでお土産もなさそう、みたいな。
(もっとも、ドンブラザーズの天女のスランプ舞いがツボ過ぎまして、そっちばかり思い浮かぶのも、リバイスのこの感想に影響してるかも ^^;。)

 次回「狩崎の反乱、変身の代償」ではギフ打倒で平和な世界に狩崎が今話開発のドライバーで波乱を起こすらしい。評価はそれ次第かなあ。ともかく今話だけでは何とも言い難い感じです。しかし高校野球による順延で、次話は21日(日)以降ですか。まあ、甲子園開催できたことを喜ばしく祝して、例年の愚痴は封印しよう(^^;。

●鎌倉殿の13人(第29話:ままならぬ玉)

 こちらは面白いんだけど、どうにも陰鬱と申しますか。なにせ「この人物、いいなあ」とか「よし、先行きが開けた」と思える展開が死亡フラグになってますんで。あるいは、人間万事塞翁が馬もジェットコースターに過ぎるような。今話では幸い、退場劇はありませんが、それだけに次回が怖い感じです。

 余談ですが、サブタイトルを誤読しまして「玉」を「王」(おう)と読んでしまい、帝に対する王って誰だろうとか無駄に考えてしまいました。よく見たら「玉」でして、直接的には蹴鞠の鞠でしょうか。それが暗示するのが事の成り行きなんでしょうね。義時の蹴鞠の下手さもありますし、頼家が鞠を平知康に投げて井戸に落ちたのも暗示か。

 ともかく本編。冒頭は梶原景時と一族郎党の弔いですか。やっぱり最期は直接は描かないのか。しかし、謀反した敵扱いでないのが確認できたのがせめてもの救いでしょうか。ともかくも変事は収まった格好でして、上げ調子になりまして時政は従五位及び遠江守に任じられ、頼家には次男の善哉誕生。

 しかし、善哉は後の公暁でして、いずれ実朝(千幡)を殺害するわけですな。めでたいようでいて、将来の凶事の種がまかれる不気味さを感じます。しかし、後のシーンを踏まえますと、今は善哉は必要不可欠な存在。なにせ、周囲の勧めをことごとく退けたがる頼家も、我が子を持ち出されるとグッと詰まるという、いい意味での弱点をさらけ出すわけですんで。

 それはともかく、俺が俺がで突っ張りたがる頼家の強情が、今に伝わる伝承と絡めて描かれるのは面白いところですね。寺社の土地争いを頼家が裁定して、地図にまっすぐ線を引く。これは頼家の暗愚を示すエピソードとして語られているようですが、このドラマの解釈では頼家の反抗のエピソードのようですね。

 景時が退場し、長老格も老いて死んで、相当にタガが緩んだ評定衆に対し、頼家独裁を見せつけるためのハッタリとして、地図に線を引いてます。その他には台風など天候不順による不作に対する頼家の無策。蹴鞠に入れ込んで政務を顧みてないようです。生真面目な頼時が諫言すると、蹴鞠の大事さを力説する始末。

 この生真面目さが頼家には負担なんでしょうね。ただし、生真面目さと押しの強さの見分けがつかず、諫言も甘言も頼家を傀儡として利用したい権力欲ゆえ、みたいに見えているせいらしい。頼時は無策の頼家に代わって出向き、徳政令&食糧援助という思い切った策を断行しますが、これが頼家の不興を買ってしまう。

 不人気の君主はえてして、人望を得た能吏を嫉妬し、危険視しますもんね。下手すると取って代われるという不安でしょう。功を立てた頼時、頼朝の頼の字を取り上げられて泰時と改名、さらに近習解雇で父:義時の元へ帰される。

 この頼時/泰時の生真面目さは、初さんとのエピソードでも垣間見えますな。夫婦になりそうなほど親しく話し、両者の父(三浦義村&義時)も仲を認めるほどだけど、初さんは頼時がつまらないと面と向かって言ってしまう始末。

 その生真面目さって誰譲りなんだろうと思ったら、やっぱり義時か(^^;。しょげる頼時に義時がアドバイスするんですが、既に不成立実証された「女子はキノコが好き」ですもんね。八重さんの反応から学べてない。つまり察しが悪いため、自分の思ったことを修正せずにやらかしてしまう。不器用とも言えますね。

 もっとも、最後はその不器用さが八重さんに評価され、比奈さんを惹き付けもしたんですから、義時の「女子はキノコが好き」論も修正されそうにない。今話では頼時/泰時から「踏んだり蹴ったりです」と言われてますが、義時は信じられない風で驚いてまして、この後もキノコ推しは続くかなあ(^^;。

 一方、ちょっと察しが悪い不器用さは同じく持ちつつも、発揮の仕方が違うのが、義時の弟の北条時連ですね。蹴鞠だけは上手く、頼家から褒められ気に入られ、今はすっかり頼家放縦のお先棒を担ぐ格好でしょうか。しかし、義時に対して頼家の気持ちを汲むべきとの具申はなかなかに至言でした。

 文殊の伝承に近いものがあります。文殊は栄えているが風紀の悪い町で布教するに、まず街並みや住人を褒めるところから入り、皆に気に入られて話を聞いてもらえる雰囲気になったところで布教し成功。時連も逆らわずに気に入られることで、頼家の疑心暗鬼の対象外足りえたみたい。

 その時連の頼家に向けた至言は「お子達」でしたな。念仏布教の僧侶3人を死罪にせよと頼家が命じると、時連は(おそらく初めて)むきつけに諫める。頼家、まずは激怒しまして、ブルータスお前もかになりかけますが、時連が「お子達に何かあってもよろしいのですか」と畳みかけると、頼家グッと詰まる。全方位的に心を閉ざしたかのような頼家の、そこが間隙だったようですね。

 時連は以前、義時に「席を外せ」と言われて自分のことだと思わないなど、ちょっと察しの悪いところがありました。頼家に対しても、時連が一瞥して察したということはないでしょう。おそらくは警戒されてないだけに、頼家に近しくすることができ、じわじわと本心を汲み取ったんだと思います。

 その「お子達」で一点突破したところで、タイミングよく第二撃。今は側室となっている、せつですね。有力者の比企出身なだけに、頼家から疎まれ、政子に相談して直に気持ちを訴えに来た。我が子の一幡が後継ぎでなくてよいから、母子ともどもおそばに置いて欲しい、という健気な訴えですね。

 既にぐらりと来ていた頼家に、これが効かないわけがない。夜に至って義時と会った頼家、一幡を後継ぎにし、せつと共に鎌倉を築くと表明するに至るわけですな。義時も安心した様子があります。こっそりと呪いのアイテム:髪の毛を狙いに来ていた全成にもグッサリ刺さりまして、りくらに迫られて行っていた呪詛を反省した様子(後で完全放棄を実衣に表明)。

 しかし変事起こりまして、頼家の投げた鞠を受け止めそこなった平知康が古井戸に転落、救おうとした頼家も逆に引っ張り込まれて落ちる。全成の呪詛がここで効いちゃったか、と思いましたが、その全成も手伝って無事に2人を助け上げまして、観ているこちらもほっとしました。

 このときの全成、慌てていたとはいえ、まずは真言唱えたりしまして、後で実衣が言う通りの役立たずさをいかんなく発揮してますね。しかし、お人好しということでもある。気が弱くて悪事に巻き込まれやすいけど、根はいい人なんだなあ、となりますが、この物語では死亡フラグと思い出して不安になりますね。

 ともかくも、全成は呪詛を放棄、人形(ひとがた)も回収するんですが、1体だけ拾い忘れてるわけですね。誰かが拾ってますが、善児かそれとも暗殺の後継者のトウか。ともかくも、次回「全成の確率」では、この人形がきっかけで、せっかく畳みかけた風呂敷の中身が飛び散るみたいです。

(頼家は失脚前に病を得るそうですが、もしかして呪詛があったと知ってのストレスが原因かなと思ったり。呪詛、特に全成のは効きませんが(^^;、呪詛を信じている時代であれば相当にストレスだけは来るはずです。そうなると、呪詛の犯人を憎む気持ちも起こる五はず。)

 今話のドラマに直接かかわって来ませんでしたが、冒頭の善児と義時の面会は不安要素です。話運びとしては、老いて来た善児が後継者のトウを紹介するだけです。が、義時は景時から預かった袋を善児に渡してます。中を見た善児、思わず義時に「中を見ました?」と問うてしまう。善児らしからぬ動揺に見えます。

 それもそのはずで、中身は善児が手にかけた宗時の遺品でしたか。景時は善児を単に義時に譲り渡したのではなく、「ただし、お前(義時)の兄(宗時)の仇だぞ」との暗示もセットだったわけですね。

 描写をそのまま受け取るなら、義時は袋の中身を見ていない。即ち、善児が兄の仇と知らずに、養女のトウともども召し抱えて使っていくことになります。いずれ善児が兄(宗盛)の仇と知ったとき、義時がどうするのか。もし義時がトウにも憎悪を向けたら、善児はどうするのか。

 そこは不安ですが、もしかしたら義時は袋の中身を確認済で、しかし知らぬ振りで善児に渡したのかもしれません。その場合は、事情的にもっと複雑でして、義時がどう思っているかも読みにくい展開になりそうです。ともかくも、この時限爆弾(?)が爆発してみないことには、今話で何が起こっていたか分からないような気がします。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/03 (Wed) 09:15:33

 定期感想その3です。

●仮面ライダーW(第45話:Kが求めたもの / 悪魔のしっぽ、第46話:同 / 最後の晩餐)

 序盤から暗躍していた園咲琉兵衛が、こういう形で完全決着ですか。自分の理想を実現したいものの、自分で体現するつもりも、自分の欲得もなかったようで、なんだか深く納得するものがあります。

 琉兵衛さん、冴子を使い捨て幹部としたのはともかく、若菜を「神の巫女」とし、フィリップ/来人はそのための制御プログラムとするのは、ちょっと怖い。我が子を変質させるわけで、いわゆる「健やかな成長」なんてのと対極です。

 もっともずっと匂わされていた「ガイアインパクト」計画の骨子が明らかにされまして、人類が絶滅種にならないよう、全員を地球と一体化させるものでしたか。なんだかエヴァンゲリオンの人類補完計画を思い出すような、ぶっ飛んだものだったんですね。そんな最終目標であれば、自分の家族に対する琉兵衛の見方も(賛成はできませんが)理解はできる気がします。

 が、琉兵衛の覚悟は完全無欠ではなく、ちょっと隙がある。それが今エピソードの争奪対象の「イーヴィルテイル」で示されてましたな。琉兵衛が計画完遂のために拘ってるもんですから、劇場版AtoZのT2メモリみたいに、フィリップを道具として利用するためのアイテムか何かだと勘違いしました。

 最後に種明しかされまして、単なる刷毛でしたか。一応は民芸品か何からしいですが、何ら機能はなく、以前に琉兵衛が家族に渡し、全員で名前を書き入れた思い出の品。孤高でテラーを操る琉兵衛も、そういう心の支えが必要だったわけですね。もっとも、翔太郎の判断では己(琉兵衛)を誤魔化すための面もあったらしい。

 そう翔太郎が琉兵衛に指摘するシーンで、こちらでのご教示「翔太郎には家族がいない/描かれない」を思い出しました。家族の匂いがない翔太郎が、琉兵衛の家族に対する気持ちを看破したわけですか。いわば「そんな位牌みたいなもんで納得してんなよ」「生きてる家族と一緒にいればいいじゃないか」みたいな感じでしょうか。あそこは持たざる者だからこそ分かる、持てる者の無自覚という気がしました。

 琉兵衛は刷毛への固執があり、家族全員で名前を書き入れたときの気持ちも記憶にはあるんで、動揺してましたな。この刷毛はいわゆる蜘蛛の糸でしょうか。しかし、もはや帰る道はないと糸を断ち切りまして、最後は焼け落ちんとする自邸でイマジナリーの妻と踊りながらの最期。

 あの最期も微妙ですね。一応、若菜が巫女となり得たと感じて満足した格好ですが、死ぬときは利用して捨てたはずの妻が一緒にいて欲しかった。死ぬ時までずっと矛盾を抱えたまま生きて来たようですね。

 矛盾と共存するようになったのは、フィリップ/来人が穴に落ちて死んだときからなのかな。そういう琉兵衛と好対照なのが、劇場版のマリアでしょうか。死んだ息子の大道克己にはNEVERとなってでも生きていて欲しいと望む。死亡時の息子を思い出すフィリップが消滅しそうになると、克己に引導渡してでもフィリップを救おうとする。全てを淡々と捨てていく琉兵衛とは真逆な生きざまという気がします。

 そして劇場版でも「Kが求めたもの」編でも渦中かつ鍵となるフィリップが非常に際立ってますね。興味深いのは劇場版前提と、TV本編のみの解釈がどちらもきちんと成り立ち、それぞれでフィリップ(さらに翔太郎)の胸中が違って見えることです。

 劇場版前提ですと、フィリップは大道克己から同類と認定され、化け物、悪魔と断じられてるわけですね。しかしフィリップは迷いを断ち切って、人間でありライダーという自認を確立して危機を乗り切る。が、TV本編で大道克己と同じく、いったん死んで蘇らせられた存在であると知る。

 克服したはずの「悪魔」に再び突き落とされた格好ですが(実際フィリップもショックを受けてるし)、以前は翔太郎と手を切れと迫っていたシュラウドが一転して、フィリップには翔太郎しかいないと諭すわけですな。これは前エピソードでシュラウドの背中を追って果たせなかった再会がようやく成ってのこと。

 しかも、劇場版では母親と思わせぶりに近づいて利用しようとしたマリアに、結局は我が子(克己)以上に選ばれ、救われた後の出来事でもありますね。劇場版での危機はフィリップが制御デバイスにされることであり、このTV本編の危機も制御プログラムにされること。

 事ここに至って、フィリップは最後の電話で翔太郎に「相棒」と呼びかけ、「悪魔と相乗りする勇気がある限り」と述べる。劇場版前提ですと、この「悪魔」とはいったんフィリップが克服して、しかし自分の真実だと覚悟したものになります。大変重い。しかし翔太郎の選択は、人間だの悪魔だのではなく「相棒」。ここが実にカッコいい。

 TV本編のみで解釈すると、ちょっと違ってきますね。フィリップは未だ自分が生きた人間ではなかったことを克服しておらず、悪魔とは人非ざる者にして、翔太郎に破滅をもたらす者。翔太郎への電話は「そんな自分(フィリップ)でいいのかい?」みたいなニュアンスを含んでいそう。そうなっての翔太郎の選択「相棒」はやっぱり劇場版前提と同じくカッコいい。

 思い起こすと、フィリップの「悪魔と相乗りする勇気」は第1話冒頭で出てきた台詞ですね。フィリップを救出するも、壮吉を失って右往左往となった翔太郎に、フィリップがメモリとドライバーを示して言ったもの。

 あのときは相乗りしなきゃ死ぬという否応なしの状況でしたが、今回は翔太郎の意思での選択ですね。この最終盤に至って、ようやく答を出したと言えます。それゆえ「勇気」もつかみ取ったようですね。だから琉兵衛が言うように、序盤から知らずに恐怖に支配されていた翔太郎が、この土壇場でテラーを跳ね返して戦えたことに納得です。

 繰り返しですが、自分的には翔太郎の出した結論「相棒」がどうにもカッコよくて、「第1話からここまで、殴り殴られ、泣き笑いして、ようやくたどり着いたのがそれか」という感動があります。シンプルなんだけど強い。

 同じような感覚あったなと考えて思い出したのがビルドの最終回です。世界を救ってみたら独りぼっちになっちゃった戦兎でしたが、龍我だけは一緒に新世界に来てくれたことが判明。それで納得する戦兎と龍我が実にカッコよかった。

 もっともWでは次エピソードでフィリップに危機が来るみたいですね。しかし最終回/エピローグで解決されるみたいですんで心強いかな。園咲家が抱えていた問題も解決が示されるらしいので、そこも期待しています。

 本編を追っての感想書く余裕なくなっちゃったんですが(^^;、一つだけ。ゲストの轟響子ですが、レイダースのインディ教授を模した風体で、遺跡調査は雰囲気出てますね。しかし、既に内部は琉兵衛が把握し開発済みの状況でして、ちょっと活躍の場がないのが残念な気がしました。

 が、「風都探偵」に登場しているとのこと。やっぱり、このままではもったいないということかな。琉兵衛を継いでミュージアム館長になってるらしい。あそこまでキャラ作りしたら、活躍させてやりたい気がするんでしょうな。なんだか納得です。

●牙狼-闇照編(第4話:夢 Dream)

 タイトルからすると前後編のようですね。今話(Dream)では不気味な前兆があるものの大事件はなし。次のNightmare(悪夢)で今話の仕込みが一気に噴出するのかしらん。記憶にもあるのは、燕邦が変容していくということです。どうも今話で何か仕込まれて魔導ホラーになりつつある模様ですな。

 牙狼シリーズ全般に出る陰我ホラーと、本作初出の魔導ホラーの違いも描かれて分かりやすくなりつつありますね。陰我ホラーはゲートを通じて出現して即座に人を食らって憑依・成り代わりする、今まで同じもの。魔導ホラーは第1話でなった結果だけ描かれましたが、どうやら今話では燕邦隊長が何か仕込まれて、無自覚かつ徐々に浸食されつつあるみたい。

 ただ、素体ホラーはともかく、憑依後の陰我ホラーが魔導ホラーと見分けのつかない変化(顔がぱかーっと開く)なのは、多少不満を覚えないでもありません。人の食らい方も精神を引きずり出して食らうと、身体が砕け散るとか、魔導・陰我で共通。ちょっと面白みに欠けるかも。せっかく、最初にゲートから出てきた素体ホラーは伝統的(?)な食らい方見せてくれたのに。

 しかし、狙ってそうしてあるのかなとも思います。例えば劇中の一般人からしたら、陰我ホラーと魔導ホラーの見分けがつかないということになり、シティを牛耳るらしい魔導ホラーとしては正体の偽装に都合がいいのかも。

 燕邦隊長はおそらく魔導ホラーになりつつあるようですが、人食いについては、今のところはタイトル通りの夢オチに近いもの。ただし、何かした、そそのかす者がいたらしい痕跡は残ってるわけですね。

 しかし、ビンタを食らったことで興味を持った流牙を、結局は信頼して共闘関係に入るなど、燕邦の自我は今のところ保たれている模様。課長のときですと、いざとなると人格変容して取引相手を食らってましたが、今話の燕邦はそうでもない。トレーニングルームで、あるいは屋上で流牙と1対1になっても揺らぐ様子はありません。

 しかし夢では人を食らう。今のところ、夢の中でも抵抗はしてますね。その悪夢から覚めてみると、そそのかす誰かが掴んだ髪の毛が実際に抜けていたり、口元から青い何かが血のように垂れていたり。

 燕邦が魔導ホラー化するきっかけは、映像からすると金城滔星のステーキハウスで飲み物を口にしたときかなと思います。はっきりした演出ではないんですが、どうも不思議な現象を見せてくれてまして。ホラーが暴れた後、滔星が燕邦に飲み物を勧めてます。燕邦が手に取ると、グラスの結露がカウンターに1つ、跡を残してる。燕邦が飲んでカウンターにグラスを戻そうとすると、滔星がグラスを受け取る。そのとき、カウンターにはグラスの結露の跡が2つあります。

 わざわざ見せるんだから意味のある演出だと思うんですが、飲み物に何かあるという解釈は予習(こちらやウィキペディア)と合わないんでちょっと迷ってます。「プラント」なるものを刺して魔導ホラーにされるはずだし、その条件も単純ではないはず。

 その辺りは次回以降のお楽しみとするとしまして、今話の燕邦は魅力を引き立てる演出が多くなされてますね。まず部下の吉富は、燕邦を上司としては尊敬し、異性としては強く惹かれている。燕邦は割とツンデレですが、憎からず思っている様子があります。

 流牙との関係も、助けるためとはいえ流牙が放ったビンタがきっかけとなりまして、敵と戦う盟友になる雰囲気が強まってます。同時にビンタに戸惑う様子もあり、もしかしたら異性として惹かれるとしたら三角関係か、みたいなことも。

 さらに偶然ですが莉杏とも接点ができる。こちらは莉杏が気に入って意気投合なわけですね。表面的には、生真面目な燕邦と、享楽的な莉杏という感じで異質さがあります。が、どうも内面は情あふれてそうな燕邦と、魔戒チームの人間関係にそれとなく気を配ってる莉杏と考えると共通点ありかも。それにどちらも戦う女性でありますな。

 おぼろげな記憶をたどると、次話ではかなりひどいことが起こったはず。少なくとも吉富は燕邦により死亡するはずですが、確か燕邦と吉富双方にとって、救いのない展開だった気がします。そういう運びだからこそ、今話では燕邦に期待させるような演出をしてあるんでしょうな。

 ともかくも、今話がどういうドラマであったか、次回を観てみないことには印象が定まりそうにありません。

 ただ、魔戒チームのギスギス感がちょっと分かってきました。どうも主に楠神哀空吏の今のスタンスによるところが大きいみたい。次いで流牙のゴーイングマイウェイですね。いや、2つでセットの不和の原因と見ないといけないかな。2人の方向性がコンフリクト起こしつつ、すれ違いもしてる感じです。

 一方、蛇崩猛竜は享楽的かつグレていそうで、しかしなかなかにいい奴ですな。今話だとSG1隊員への目くらましとはいえ、流牙により疾走する車の前に突き飛ばされまして、しかし後で一言文句言ってみせるだけで、気にしてなさそう。莉杏もそれとなく気を使ってる感じ。しかし、この2人を以てしても、チームらしくなるのは2クールめまでかかるわけですか。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/04 (Thu) 01:47:46

 8月初書き込みです。

★ジュウレンジャー

 ジュウレンジャーは兄ブライの死後、遺された獣奏剣とドラゴンシーザーを弟のゲキが受け継ぐ次回が感じ入りました。

 最強合体ロボの究極大獣神になる上で、ドラゴンシーザーは欠かせないわけで、後の作品では「メンバーが欠けているから最強合体になれなくて、最終戦でピンチ」とか、いろいろなドラマのネタにもなったのですが、
 ジュウレンジャーの場合、初の追加戦士であり、初の6人め退場劇だから、それをどう描くが注目されました。
 同時に、追加戦士だからこそ描きやすい悲劇のドラマとか、重い設定とか、他の仲間との別行動とか、仲間になるまでの(あるいはなってからの)対立劇とか、後の平成ライダーのライダー対決劇にも受け継がれる作劇上の転機ですな。

 あと、ドラゴンレンジャーのトピックとしては、後のミスター平成ライダーと称される高岩成二さんの初担当キャラという点。
 その後、カクレンジャーのニンジャレッドなどを経て、戦隊レッド→アギト以降の主役ライダー(響鬼除く。その際はマジレッドにシフト)を演じる大御所スーツアクターに。

 ともあれ、獣奏剣をゲキが受け継いだことで、主役のティラノレンジャーが兄の金アーマーを身にまとうアームド・ティラノ形態で、自分の剣と兄の遺品の短剣の二刀流で戦う姿がまた格好良くて。

 なお、パワーレンジャー版では途中参加のドラゴンレンジャー(グリーンレンジャー)が主役を食うほどの人気キャラになって、しかも変身者(トミー・オリバー)が死なずに、ただ変身能力を喪失した後、新たなフォームのホワイトレンジャー(ダイレンジャーの追加戦士のキバレンジャー)になって、主役になり、さらに後の主役レッドにも抜擢され、5年近く、パワーレンジャーの顔として君臨したという。
(さらに、アバレンジャーのブラックとして再登場も)

 ということで、ドラゴンレンジャーは戦隊史上に残る超重要キャラだったという話です。

★ダイ大

 ドラゴンつながりで、しかも継承ドラマとして、こちらも語りたく。

 まず、バランからダイへの紋章の継承。
 ダイがドルオーラを使えるようになったのは、バランの紋章を受け継いだからで、仮にバランが健在であれば、ダイがドルオーラを使えないからダブルドルオーラは実現できないということになります。

 一方、今回のダブルドルオーラは、アバン先生がレオナに託したフェザーのおかげでもあるので、これまたギガストラッシュと同様、「バランとアバンの両方が継承されたから」ということになります。

 この継承ドラマって、自分にとっては相当のツボとなりますね。
 未熟だったキャラが、親や師匠、兄などから想いと力を託されて、歴史を紡いでいく、そこに収束するドラマ作りって見応えがある。
 もちろん、主役以外では対比として、継承できずに歪んでしまったキャラとか(鎌倉殿の頼家とか)、伝えられなかった想いとかもホロリとさせられる。

 ともあれ、次回、「凍れる時間の秘法」ですか。
 これはアバン・ストラッシュの完成に間に合わなかったアバンが時間稼ぎのために、自分をハドラーと共に封印してしまうという自己犠牲魔法です。
 相棒のロカは恋人の僧侶レイラとの間に子ども(マァム)ができたために、未来をつなげるために冒険を離脱させ、マトリフとブロキーナと共に魔王ハドラーに挑む。
 そこでアバンの自己犠牲を見守るしかなかったマトリフが、自分の必殺技メドローアを特訓で編み出す契機となったとか、いろいろと過去のドラマが語られるわけですが(後にアバンとハドラーが時間の封印から解放されて、アバンストラッシュ完成後に再戦して、アバンの勝利で終わる後日譚も)、
 それだけアバンを持ち上げた後で、キルバーンとアバンの決着が語られる流れ。

 死んだと思ってたら生きていたアバンは、さすがにヒュンケルの師匠だけあったりも。
 どちらも自己犠牲の責任感が強く、それでも不死身で、解説好きという師弟の共通項が。

 ともあれ、ニチアサが高校野球で見られない分は、ダイ大を生きる希望にしようかと(大げさ)。

★リバイス

 まさか、ギフがこうもあっさり倒されるとは思いませんでした。

 おかげで、TVの最終決戦は、映画の後日譚になってしまうという。

 それが高校野球で先送りにされると、8月下旬に一気に消化という溜めのないクライマックスで、どうもなあ。

 「続きはどうなるんだろう?」と一週間のワクワクを溜めながら、同好の士とあれこれ感想を語り合うのが、作品ファンを育成するのに必要な間という意見があって、ネットで13話一気に配信とかをされても、一過性の話題ですぐに消化して終わり、後に残らない……的な意見を最近、Twitterで読みました。
 実際、自分の中では、リバイスってもう終わった認識になっていて、次のギーツに気持ちが移っております。

 狩崎がラスボスという意見と同時に、最後は一輝とバイスの激突を描くという雑誌情報もチラッと入って来て、どういう展開なのかは気になりますが、消化試合かな、と。

 ともあれ、狩崎は劇場版で、自分の悪魔の暴走を見届け、その自滅的最期まで目撃しています。
 そして、悪魔との協力を選んだ五十嵐兄妹に対し、悪魔という危険な存在は必要悪でしかなく、人類は悪魔から解放されて自身の力で進化しないといけないという考えに至った狩崎が「悪魔の力に頼らない最強の仮面ライダー」を生み出して、立ちはだかる流れなんでしょうが、

 昨年冬の劇場版では、「50年後の狩崎が、まだライダー研究を続けていて、悪魔を滅ぼすための仮面ライダーセンチュリーを生み出していた」わけだから、その未来が変わっていなければ、狩崎はTVでも死なないだろうし、もしも狩崎が死ぬようなことになれば、去年の年末映画が無効化されて、いろいろと波紋を呼ぶことになるだろうな、と。

 この後の決着としては、狩崎が死なないまでも失踪する流れか、そして一輝の記憶の問題はどう解決するのか、ですね。
 今年の年末のギーツとのカップリング映画を考えると、バイスが完全消失することは考えにくいし、どういう結末に降り立つのかは気になりますが、あまりサプライズにも感動にもなりにくいだろうな、と。

 なるほど、そう来たか、納得……で次に進めたらいいかな、と。

 まあ、Zガンダムの最終回みたいに、一輝の廃人エンドで、年末劇場版で「大二とさくらが主役となって、一輝とバイスを復活させるストーリー」に流れるようだったら、ビックリですけどね。

 なお、五十嵐ママの中の悪魔が暴走して、真のラスボスになったら、それはそれでサプライズだと言っておきます。
 一応、「こうなったらサプライズだろう。イヤなオチだけど」というパターンをいくつか想定して、それを越えるサプライズは多分ない、と考えるに至ってます。

★W

 実際のところ、サプライズよりも予定調和の感動を味わいたいわけですね、自分は。

 中盤ならともかく、終盤でサプライズを見せられても、納得できずに終わると思う。
 サプライズで感動することはなくて、王道で感動して、「そう来なくちゃ」って展開をストレートな演出で魅せてくれたら傑作認定。

 Wの場合、フィリップのドラマの決着で終結し、最後の1話は翔太郎の探偵の日常と、ロストしていた物を取り戻して、新たな物語が続いていく流れ。
 そこから、風都探偵に続くなら、永遠に続く感があっていい(エターナルではありませんが)。

 ともあれ、Wは「事件が起こって、それを解決する探偵と街の日常譚」に帰結するわけで、
 風都探偵は、Wで描かれなかった「翔太郎とヒロインのトキメの師弟かつ不器用な恋愛劇」と、本編の後日譚の趣きと、異世界の「裏風都の秘密」というミステリーの三本柱。

 あと、一番、気にしているのは、どういうペースで話が進むか、ですね。
 本編みたいに、「事件編」と「解決編」の2話1が理想ですが、コミックの単行本だと「1巻で1つの事件で、大体、9話構成」。
 仮に1クールだと、コミックの6巻から7巻でしょうが、とりあえず、事件解決までのペースを気にしながら、どこまで話が進むかな、と。
 なお、現在、単行本は12巻まで出ていて、13巻は9月発売予定。

 連載分は「照井竜、死す!?」が話題となっております。まあ、死なないだろうけど(苦笑)。

★鎌倉殿

 善児がたったの1話で、老けてて笑った。
 まあ、第1話から20年以上の時間が過ぎた設定だから、老けもするだろうけど。

 そして、成長して登場したトウさん。ええと、範頼が殺されたのは、93年だから、あの幼女の8年後ぐらいか。10歳前後の子がハイティーンになる頃合いですな。
 とりあえず、演舞を披露してみせたけど、彼女の身体能力を活かしたアクションシーンを期待してもいいかな。誰と戦うかは謎ですけど、将来、和田合戦で巴VSトウのキャットファイトが見られるといいなあ。

 さて、今回、死ぬかと思った全成さんですが、来週まで生き延びたでござる。
 今回、亡くなったのは三浦の親父殿と、安達さん。

 次回は「もうすぐ死ぬ」と義村にネタにされた千葉の爺さんも亡くなりそうだ。

 さて、感情移入対象は、死なないことが確約されているキャラにしようと、義村と泰時と時連(後に時房と改名)に注目しながら、善児絡みを追っかけてるわけですが、
 比企滅亡後の比奈さんの運命を気にすると、1203年にあっさり義時と離縁して、別の男と再婚。義時は3人めのヒロイン(伊賀の方)を娶るのか。

 一方、全成さんの死後の実衣さんの動向も気になりますが、1227年まで生き延びるみたいですので、ドラマの範囲では退場しないと見られます。

★牙狼闇照

 今回は鎧さえ身に付けることなく、どういうドラマの転がし方をするのか訝しく思ったのが、初見の感想ですね。

 そして、続く回で「和解できるか」と思われた相手が悪堕ちし、ハッピーな気分で終わらないまま引きずるエンディング。

 とりあえず、猛竜が鎧をまとうまでは頑張って見よう、と思いました。
 アクション活劇ではあるけど、自分が見たいヒーロー活劇ではないよね、これって思いながらも、燕邦さんの悪女演技に違う興味を惹きつけられたのも事実です。

 とにかく、ホラーの犠牲になった人物、ホラー化した人物に入れ込みすぎるのが本作の特徴で、この流れが後の絶狼や神牙のドラマに受け継がれるのかな、と。

 ともあれ、不幸体質の猛竜に感情移入すると、悪ぶってる彼がどんどん純情路線になって、守りし者の自覚が芽生えていく流れなので、鋼牙っぽい魔戒騎士は猛竜で、
 流牙は零の方向性だと思うといいかもしれない。
 そして哀空吏は、頭が固い白夜騎士ダンに近いキャラ性かな。

 流牙は莉杏と共に、燕邦に感情移入したことから気持ちが重なったとも言えるかな。
 

 

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/09 (Tue) 00:01:36

 定期感想その1です。

 今日が8日ですから、今晩から先行放映地域で「風都探偵」アニメスタートですね。明日くらいから感想サイトでストーリー紹介・解説とか出て来るかな。当地は10月スタート分から視聴可能ですんで、予習しておきたいところです。

●ダイの大冒険(第89話 凍れる時間の秘法)

 ドルオーラについて、自分の勘違いを正して頂きまして、ありがとうございます。興奮していたとはいえうっかりでして、バランの紋章を継承し、レオナのピンチに発動してようやくダイにも使えるようになったんでした。

 そこが双竜紋(魔力炉での戦い)以前のバーンの余裕でもあったんでしょうな。特にバランも部下に迎えたのは、未知の戦いをするとはいえ、強弱ははっきりしていたから、というのはバーンの台詞からも窺えるところ。ちょっと面白いのは、バーン評では双竜紋は、ダイの力にバランの技(戦闘スキル)が加わった、というもの。技の1号、力の2号で、継承したのはV3みたいな気がします(^^;。

 ともかく本編ですが、先週の予告で気になったアバンとハドラーって、ブロキーナ老師の回想・解説でしたか。17年前の「凍れる時間の秘法」の説明メインですが、マァムにつながるエピソードがあるのが、なかなかにドラマが密なところです。加えて、当時と今のブロキーナ老師の差の演出にもなっているのがニクイですね。

 ともかく、のっけからブロキーナ奮戦でして、ミストにダメージは与えてないんでしょうけど、ミストは対応に手一杯、きちんとかく乱になってるようですね。それで充分でして、なぜならポップがメドローアを撃つ余裕さえ作れればいいから。

 ですが、ポップがテンパっててうまく行かないのか。今までの戦いでは、(単騎で死を覚悟のものを除き)ダイやヒュンケルなどの真打登場までの中継ぎが多かったからですね。いざ自分が決定打を任されるとなると、緊張しすぎるらしい。ブロキーナが自分(ポップ)のために時間稼ぎという、普段との逆転現象もプレッシャーの原因かな。

 両手でヒャド作っちゃったポップをマァムが励ますわけですが、どうも落ち着かせきれない模様。そこを察したのか、ブロキーナ老師はミストの一撃を食らっておいて、しかしダメージがないことを見せつける。いったん驚かせることにより、かえって落ち着かせる手法ですな。お化け屋敷なんかで、うわっとなった後、急に笑い出したりする現象と似たようなものでしょう。

 しかしそれだけじゃなくて、ブロキーナは同じく多少なりとも驚くミストに追加ショックを与える。凍れる時間の秘法の詳細ですね。ここでしたか、先週の予告のアバンらとハドラーは。魔王ハドラーの侵攻に対し、アバンは日食時のみ有効な凍れる時間の秘法を使い、しかし技が未完成だったため、両者とも時間停止の封印状態になったと。

 しかし視聴者的に興味が深かったのはマァムについてかな。なにせ、ブロキーナ老師が(マァムらに対しては)初めて勇者パーティの一員だと明かし、マァムの両親(戦士ロカ、僧侶レイラ)について語ったわけですんで。

 アバン先生がロカらを無理矢理残し、単身でハドラー討伐に向かおうとするも、ブロキーナとマトリフが同行したわけですね。アバンとしてはマァムは親友であり仲間であるロカらの子、ブロキーナ&マトリフとしては孫みたいな感覚かな。しかし、アバンはハドラーを封じつつも、共倒れの格好でいったん離脱(あの後、どうなったかまた語ってくれるのかな?)。

 アバン一人を犠牲にしたマトリフは悔いてメドローアを開発、ポップに継承される。マァムのほうはよく知らずにまずアバンに魔弾銃を授かり、それが機能しなくなると、やはり事情を知らずにブロキーナに師事。ブロキーナはさすがに驚いたんでしょうね。しかしそ知らぬふりで技を伝授してやったと。親代わりに祖父代わりが一生懸命、マァムを守り育ててたわけですな。

 そこが初めてマァムに伝わったわけで。今話ではマァムに強い反応とかは描かれてませんが、これで腹を括るものがあったはず、と感じられます。直近では対アルビナス戦で一皮むけたマァムですが、これでもう一段といった感じ。予習しますと、このあとマァムは(バーンの身体を放棄して)マァムに憑依するらしい。そこを跳ね返していくドラマが描かれるとすると、今話の回想エピソードは説得力を与えてくれそうです。

 地味ですがアバンの心情も趣が深いですね。マトリフからはアバンは他人の色恋沙汰には敏感で実直ながら、自分(アバン)のこととなるとニブイと評されてますな。相手はイメージ映像示されまして、フローラ王女(当時)。しかし、アバンはフローラを想いつつも、あえて知らんぷりだったようですね。

 ハドラーと相討ちになる際、まず脳裏をよぎったのがロカとレイラ。しかし最後はフローラただ1人。アバンの気持ちですから、(見せてもらった視聴者以外では)マトリフもブロキーナも気が付くはずもなし。なかなかにもの悲しくて、しかしカッコいい。ちょっとWを思い出しまして、翔太郎と好対照な「ハーフボイルドを気取ったハードボイルド」といったところでしょうか。

 それはともかく、ポップもマァムもそれぞれの師がどんな気持ちで技と強さを授けてくれたかを知る。ブロキーナは目の前で今、必死に戦ってもいる。こうなるとポップも根性見せまして、ようやくメドローアの構えに入る。呼応してブロキーナも『ほんの一瞬だけでいい、あの日の力よ蘇れっ!』と全力を尽くす。

 ポップのメドローア準備完了を見て、ブロキーナが足止めの技(土竜昇破拳)を放つ。回避不能に追い込んで確実に当てる策ですが、ここに来てまさかの不発。観ていて一瞬、ミストが技を抑え込んだのかと思いましたが、どうやらブロキーナのスタミナ切れ。17年は高齢の体術派には長い。ついに「あの日の力」には及びませんでしたか。

 しかしポップの覚悟は揺るがず、メドローア発射の構え。ブロキーナ老師の言う通り、ミストもろとも撃ち抜くのかと思いましたが、ポップがそんなことするわけないか。メドローア撃っておいて、それよりスピードが優るルーラでブロキーナを助け出す戦術だったのか。

 完全勝利目前ですが、ミストがメドローアを弾きまして、ルーラで去りつつあるポップとブロキーナを直撃。2人は跡形もなく消えたように見えます。この一連の攻防、短時間に逆転が繰り返されまして、非常に緊迫感高かった。観ているこちらが割と久しぶりに、バトルが終わってから、ふーっと息を吐きだしたほどです。

 ただ、マトリフが対「凍れる時間の秘法」への対策として生み出し、ブロキーナも効果を請け負ったメドローアを、なぜミストが易々と弾いたのか、ちょっと分かりませんでした。調べてみますと、ミストが預かったバーンの身体が繰り出せる防御技「カイザーフェニックス」なるものらしいですね。

 そこもバーン&ミストの正体を暗示する伏線でしたか。ブロキーナ老師の「凍れる時間の秘法」解明・解説も実はいいところまで行っていて、しかし核心寸前で止まっている点もなかなかの伏線かも。時間が止まっているのに動ける理由は分からない、という点ですね。動けるアストロンみたいなことも言ってまして、絶妙に真相からずれてる。後で種明かしがあったとき、今話を「あっ!」と思い出す仕掛けですな。

 しかし、今のところはアバンが失われ、どうやらポップとブロキーナも、というダイ側がじり貧状態。次回「影と死神」はミストバーンとキルバーンの回想メインみたいですね。予告ではヒュンケルが何か秘密に気付いたと匂わせてますが、当面は敵側が勝ち誇る流れかな。

●鎌倉殿の13人(第30話:全成の確率)

 どうやってもハッピーエンドにならない、陰陰滅滅な展開なんですが、それでも全成さんの人柄が最後の最後で際立ちまして、わずかな救いになってました。わずかなんだけど、なんだかそれで納得できてしまう不思議な感覚です。

 最期の祈りで青空を呼んで日が射したからかなあ。そういう光の全成さんを際立たせるのが、どうしようもなく闇に堕ちていく比企能員ですな。以前は都合に応じて、あっちについたり、こっちにすり寄ったりと、いかにも小物っぽくあがいていた感じです。

 しかし、次第に力を得てくると欲も深くなり、自信もついてきてだんだんと不敵な感じになってきました。比企能員としては満足な方向のようでいて、実際には得た力に振り回されるようになってしまいましたね。外戚として頼家にも睨みを効かせていたつもりが、嫌われ侮られるようになる。頼家もいったんはいい方向に向かおうとするも、呪詛の形跡と体調悪化のタイミングが合ってしまったことで、再び疑心暗鬼になっている。

 御所で頼家の側近ナンバー1を気取ってるせいで、頼家の放縦、無策等の恨みもどうやら比企能員に向かっている模様。あまり知恵がなさそうな比企能員、そういう状況を打破するには、もっと力が必要と考えた形跡がありますね。

 その一端は、義時が善児も使って有無を言わせず本音を聞きだしたときの、比企能員の異様な物言いからもうかがえる気がします。己が権力基盤たる頼家すら廃して、孫の一幡を傀儡の将軍に据え、比企能員自ら都と渡り合って、とかとか。イザヤ書の「いと高き雲に上りて、至上の者の如くならん」なるルシファーの望みと重なる気すらしました。

 もっとも比企能員はごく狭い範囲の、目先の局所最適解に次々飛びつくだけしか能がない。それでも臆病なら臆病が先に立って慎重になれればよかったんでしょうけど、頼家がつきつけた「所領を貧しい御家人に分け与えろ」旨の命令で、一気に闇へ向かった感じですね。

 あの瞬間から人相が変わってました(演じた佐藤二朗さんの怪演に拍手したい)。見ただけでゾッとする表情なんですけど、態度や言動がどうも軽い。そのミスマッチが比企能員の置かれた(しかし自ら招いた)状況を表しているように感じました。ちょっとずつ当てが外れて、気が付いたら自分が全く望んでない状況になっちゃってる。

 義時の運の無さと似てるような気がしますが、比企能員は挽回しようとつい博打に走ってしまう点が異なりますね。で、その博打に負けて、それを取り戻そうと大博打を考えてしまう。これはおそらく比企能員自身にもどうしようもなくて、こんなはずでは、と常に思っていそう。

 比企能員がもう少し長い目で見た最適解を選べないのは、妻:道の影響もありそう。というより、道も納得する策しか選べない比企能員の気弱さが問題なんでしょう。今話では比奈がそれとなく釘を刺しに来まして、比企能員も政略結婚させようとはしたものの、やはり可愛くはあるらしい。会話の最初では、比企能員の比奈に対する心配、気遣いは割と本音に見えました。

 しかし道が介入してくる、と言いますか、能員が道の意思も汲み取り始めますと、会話が陰惨な感じに傾いてました。その止めは道が言いまして、木の橋なら半分にもできようが、人ではどうか、と。いざとなれば比企に帰順せよとも取れますが、そうでないなら真っ二つに引き裂いてやるぞ、との恫喝とも取れます。能員はそういう妻(道)の意に沿うことしかできない。

 同じように策謀家の妻を持つのが時政ですね。おそらくは都に返り咲きたいりくが、夫に力をつけ、その力を利用してあれこれ画策してます。しかし、時政はどうかすると暴走するほど自分の意思に忠実(前に責任取るつもりで勝手に所領に帰っちゃったし)。その時政の意思の中に「りくの望みも叶えたい」があるから、りくがなんとか時政を制御できてる感じです。

 一方、比企能員は妻の道の意思の中に己の意思「安泰な権勢が欲しい」があるようです。そのため、妻次第な面があり、自分の意思で自分を制御することが叶わない。能員は妻以外にも、かなり周囲に流される面があるように見えます。

 そういう能員が頼家から「所領を他の御家人に分け与えよ」と命じられるわけですな。笑ってごまかそうとしても通じず、睨みを利かせようとしても相手にされず、さりとて真っ向から言い返すこともできない。やむなく、命令拝受の風で退出するも、見苦しい癇癪を起す。

 あれって、八田知家に言われるまでもなく、一所懸命の四字熟語通り、御家人の命は土地であるということではあるんでしょう。しかし能員の事情はもうちょっと複雑でしょうか。たぶん「断れば頼家の支持を失う」「受ければ所領≒武力を失う」というジレンマじゃなかったかと。どちらを失っても比企の権勢は失われます。そうなると今までの自分(能員)の行いのツケが回って来る。

 こうなれば、と能員が考えたのが「頼家は廃する、北条は滅ぼす」というものなんでしょうな。自分(能員)が怖いものが全部なくなればいいはず、と。本当は他にいくらでも選択肢はあるのに、妻や状況の縛りを勝手に作って、その中でしか考えられない能員の正気を失った結論といえましょうか。小心が一周回って大それたことになっちゃった。

 そんな能員の狂気の巻き添えを食ったのが全成さんですね。全成さんも小心で基本的に臆病ですね。しかし、その気質を発揮する方向は能員とは真逆な感じです。例えば、妻の実衣が琵琶の師匠の結城朝光と仲良さげだと嫉妬するも、面と向かって何か言う勇気はなく、じっとこらえて実衣が帰って来るのを待つ。

 もっとも、だからといって言いなりではなく、実衣が頼朝後継者問題で揺らぐと、大それたことを考えるなと戒める。もっとも、大それたことが怖いということがあるんでしょうな。しかし、なんで怖いのかというのが、今話で示された感じですね。効かないとはいえ呪詛はやっちゃったんで、全成に嫌疑はかかる。実衣は政子の庇護でなんとか罪を逃れるも、全成は流罪。

 しかし全成に呪詛させたのは時政とりくなわけで。全成も妻:実衣に楽させてやれる、ちょっと病気にするだけ、ということで受けちゃった。自分が次期将軍とか、我が身の栄達を考えてのことではないわけですね。普通なら自分(全成)だけ流罪となると、「お前らのせいだろ!」とキレていいところですが、全成さんは怒らない。

 むしろ、面会に来た時政がしょげてると気にするなと慰め、実衣が来ると他人を恨んではいけないと諭す。うーん、実にカッコいいですねえ。気弱で小心ゆえに際立つってあるんだ、と発見した気がします。

 しかし怯える能員の暴走が止まらず、実衣が危ないと騙されて、またもや呪詛に手を染めてしまう。これは八田知家の察知するところとなり、そそのかした能員は逃げを打ち、またも全成さん一人に罪が擦り付けられる。八田知家はさすがに裏事情は知らず、全成さんを捕縛し、斬首すべく刑場に引っ立てるわけですね。

 そこからが二分割しての今話最大の迫力シーンでした。流れとしては真言を唱え続ける全成が引き据えられると、一転にわかにかき曇り、雷鳴がとどろき始める。知家の家人が刀を振り下ろそうとすると、雷が木に落ちて倒れ、太刀筋を逸らす。しかし全成さんは深手の模様で、もはやこれまでと覚悟を決めるも、叫んだのは真言ではなく「実衣!」。が、風雨雷鳴はいよいよ強まり、怯える家人に代わり、八田知家自ら全成さんの首筋に刀を当て、ばっさり。そこで突如、空は晴れて、横たわる全成さんが陽光に照らされる。

 この一連、いろいろ解釈があり得そうです。順当に解すると「刑を不服とした全成が法力を以て拒んだものの、ついに引導が渡されると呪いも解けた」とか「本来は徳が高い仏法僧の斬首に天が怒りを示した」とかでしょうか。少なくとも、以前には風を起こすと称して九字を切るも何も起こせなかった全成さん、実は大変な法力を持っていた、ということは確実に言えそう。

 でも、全成さんの登場からここまで観てますと、別の解釈をしたくなります。全成さんがずっと真言唱えてたのは、天の怒りを鎮めようとしてたんじゃないかと。なにせあれだけひどい目に遭っても、実衣に恨むなと素で言える人ですから。八田知家に比企能員がそそのかしたことを告げもしない。これ以上の死人を出さないため、全成さんは一人で背負って死んじゃったんじゃないかと思います。しかし最後の最後で心残りが噴き出たのが「実衣!」の叫びですね。しかし逍遥として命を引き渡す。さすがに天も憐れみ、怒りを解いたんじゃなかろうか。

 が、人の怒りは収まらない。政子はこれ以上の死人を出すなと義時に言うも、政子も義時もそうする方法が分からない。義時は意を決しまして、比企を除くと覚悟する。ただ、この時点では鎌倉から追い出して影響力を削ぐくらいの心づもりのようですね。

 そのため、比企能人の権力基盤である鎌倉殿(頼家)に能員の野望を、能員の口から聞かせる算段をする。しかし義時の運の悪さがまたも発動しまして、肝心の頼家がいない。今度こそ本当に病に倒れたわけですね。いったん喉元に刃つきつけられた能員が黙っているはずもなく、次回「諦めの悪い男」では比企能員の乱勃発の模様。

 能員が時政のだまし討ちに遭うところから、一気に一族滅亡まで行くのかな。史実でもたった1日で乱は終わったようですし。気になるのは能員の死にざまです。小心の悪党らしく死んだら一応の納得はできそうですが、もし「能員とて鎌倉システムの暴走に巻き込まれた傷心の善人」みたいなどんでん返しがあるとつらい。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/09 (Tue) 22:42:26

 定期感想その2です。

「風都探偵」アニメ第1話はプレビューとして、東映公式Youtubeの配信リストに載ったのを確認。8/9(火)8時からですね。TV放映版と同じだといいなあ。ともかくも、これで第1話の感想はこちらに書けそうです。

●仮面ライダーW RETURNS/仮面ライダーエターナル

 これも観なおしになりますが、劇場版AtoZより多少見た記憶がはっきりしてました。それだけに、いかに理解せずに観ていたかもはっきり自覚してしまいます。前回視聴時も、一応は大道克己がいかにして闇に堕ちたかの物語と認識はしていた気がします。が、実感は伴ってなかったみたい。

 今回はW本編の園咲家との決着→AtoZ(大道克己の風都襲撃)→エターナル(AtoZ前日譚)→本編の加頭順との決着、と観ることができまして、きちんと大道克己の立ち位置と変遷に感情移入が生じました。同時に(死んで蘇った同士のフィリップのみならず)翔太郎との対比もあったと感じることもできました。

 NEVER/死者としてよみがえった大道克己が当初は(マリア曰く)死者しか喜ばない、言い換えれば同じ死者は仲間と思えていたわけですね。しかし敵側(クオークス&財団X)のはみ出し者のミーナを救えなかったことで、絶望して死者の仲間すら省みなくなる。それがAtoZの大道克己の行動に現れる。

 一方、翔太郎は第1話でおやっさん(鳴海壮吉)を失うも、フィリップは守り切ってのスタート。犠牲を払いつつも守れた翔太郎は、やがてフィリップと無二の相棒になっていく。死者の仲間にすら絶望した大道克己は、(おそらくミーナが重なって)大道克己と同じく実験兵器的なフィリップを同類と思おうとするも、フィリップは拒絶。

 そういうことだとすると、大道克己が現れないTV本編、AtoZ、エターナルを通して、大道克己の絶望が実感として感じられます。ときどき「ヴィランはヒーローになり損ねた存在」という話を聞くことがあるんですが、大道克己はまさにそういう感じです。

 そのなり損ねた経緯について、エターナルにおけるミーナが実は死んでいなかった、というのが重いですね。「ビレッジ」を脱出したミーナが本当に死んでいれば、大道克己の行いも悪とはいえ、克己本人としては報われるものがあると感じることができます。

 しかしミーナは存命。克己らがもうちょっとあの場に留まっていればこうならなかったのに、とか考えますと、大道克己なりの必死のあがきも壮大な徒労に感じられまして、観ているこちらが絶望しそうになります(だからこそ、いいんですけど ^^;)。これの陽性なのがゼロワンの不破さんかな。己がトラウマでありモチベーションでもあった記憶が偽物と判明するも、気を取り直してそのまま頑張るという燃える展開ですんで。

 大道克己がいかに悲しい存在かが観ていて身に沁みますと、ジオウで召喚されたシーンも深く感じられます。こういう、ヒーローにもダークヒーローにもなれず、ヴィランとしても諸行無常な感じがつきまとう存在って、どう呼べばいいんでしょうね。しかし名前や分類はともかく、大道克己が分かると、連鎖的に他のいろいろも分かり、全体が一段深くなったような気がします。

 その他、情報・設定的にもTV本編の理解に役立ちました。TV本編ですと、攻撃を受けても平気な加頭順がNEVERであると明かすわけですが、結構唐突です。このエターナルを観てからですと、加頭順が投資先の開発物を自らで試すことのみならず、いったん死亡してNEVERの処置をされることが暗示されてました。そこが先に飲み込めてると、TV本編で相手の攻撃を受け付けない加頭順をすんなり納得できます。

 劇場版AtoZにフィードバックして印象を深めた設定知識が、大道克己はエターナルメモリから選ばれたという点ですね。だから劇場版ではのっけからあの行動で、仲間も自分に合うメモリに固執していたわけか、という感じです。

 唯一、ちょっともったいなかったかと思ったのは、視聴タイミングでしょうか。特に現代パート(?)ですね。例えば亜樹子は照井竜と既に結婚したことが匂わされています。となると、TV本編でフィリップ退場となった第48話より後。しかしフィリップは健在です。となると「ああ、やっぱりフィリップは助かったのか」と、最終話先取りになります。

 とはいえ、じゃあTV本編最終回(第49話)の後で観たほうがよかったかといえば、どうもそんな気もしません(現時点で最終回未視聴ですけど ^^;)。大道克己がいかにあがいても望みが叶わない絶望を見て、追撃するようにフィリップが失われる悲劇を見て、観ているこちらが(感動しながらも)ずーんと落ち込んだところで、フィリップ復活の最終回を観るほうが、全体としては感動が大きそうです。
(たぶん、フィリップが帰ってきたら、対比で大道克己の印象も深まるんじゃないかと予想。)

 やっぱり、自分的には東映公式がYoutubeで並べてくれた通りの順で観るのがベストになりそうです。リターンズのもう1つ「仮面ライダーアクセル」はやってくれるかなあ。

●仮面ライダーW(第47話:残されたU / フィリップからの依頼、第48話:同 / 永遠の相棒)

 ついに翔太郎が泣いちゃいました。二度ありまして、最初はフィリップが消え去るときですね。このときは翔太郎も覚悟していただけにこらえるものがありまして、観ているこちらも同じく踏ん張って見届けました。

 しかし二度目はいけません。すぐに開けずにいたフィリップからのプレゼントの中身を確かめたときですね。中身はドライバーと本でして、本はめくってもめくっても白紙。しかし最後のページにメッセージがありまして、翔太郎は思わず本を額に押し当てて泣いちゃう。

 観ていて「ああ、やっぱり翔太郎はハードボイルドじゃないや」という気がしました。あそこであくまでもハードボイルドを気取るなら、例えば「本を戻し、その上に自分(翔太郎)のお気に入りの帽子を置く」みたいなことしたはずです。

 しかし本にすがって泣いちゃった。「そうだよ、そうでなくっちゃ翔太郎じゃないやい」と思いました。なんか目にじわっと来るほど、あそこは納得です。第1話からずっと、困ってる人がいればジタバタして、ジレンマが生じるとオロオロして、泥臭くやってきた翔太郎は不変でした。そこがいい、それが好きでずっと観ていた、という感じですね。

 同じような感覚あったなと思いました。名前も似てますが、弦太朗/フォーゼですね。第1話からの性分と信念をずっと貫いて、最後はラスボスの我望すら納得させてしまう。これが弦太朗で、これでいいという感じですね。こちらで伺うWとフォーゼの話にに感じる熱は、ある種の共通点があるように感じてましたが、その一部はそういう主人公の共通性だったのかなという気がします。

 1つだけ「これはどうなってるんだろう?」と思った点がありまして、翔太郎が最終決戦に赴くにあたって被った帽子です。あの白い帽子はおやっさん(鳴海壮吉)の形見でしょうから、覚悟を決めたことが窺えます。

 加頭ユートピアに対し、翔太郎は生身で挑んで、帽子で攻撃を止める。さらに支援メカが来援、翔太郎は帽子をかぶり直す。しかし若菜姫の拘束を解いて救出するときには帽子を被っていません。その後も翔太郎は白い帽子を被らず、携えてもいない。あの形見の帽子はどうなっちゃったんだろ、と気になってます。

 園咲琉兵衛去って、単独のラスボスとなった加頭順ですが、なかなかの名悪役でした。霧彦、井坂とはきちんと差別化されてますね。とはいえ、みんななぜか冴子に惹かれるという共通点もある。加頭順だと、冴子に(も視聴者にも)分からなかったけれど、本気で一目ぼれして最後までその気持ちを持ち続けてたわけでしたか。最初の一瞥でカバンを落としたの、それほど重かったとは分からんかった。

 そこは「エターナル」を踏まえると、さらに重いわけですね。加頭順はいったん死亡してNEVER化が示唆され、TV本編今週分で確かにNEVERだと明かされました。大道克己は「エターナル」において、感情の希薄化を言動、行動で示してました。ミーナへの愛情は感じられますが明確ではなく、愛用のハーモニカへの感情に至っては忘れてしまっている。

 それがNEVER化後の加頭順にも起こったと考えるのが順当で、しかし冴子への気持ちは死した体と消えゆく心を揺り動かして止まないほどだったんでしょうね。しかし冴子に拒絶されると絶望したのか、執着していた冴子を殺害してしまう。ミーナの死で絶望した大道克己が、仲間を見殺しにしてしまったのと同様の感情の動きでしょうか。

 しかし、冴子を殺害してもなお執着がやまない加頭順、なかなかの凄みです。「罪を数えろ」に対する今際の言葉「愛することが罪だとでも?」は、大道克己の「今さら数えられるか!」に並ぶ、悪役から翔太郎への名回答でしょう。

 そういう加頭順が進めたガイアインパクトは「メモリ適性のある者以外の全人類を消滅」(ウィキペディアより)だそうで、財団Xも巻き込むものですね。劇中の台詞からも、冴子のために用意するユートピアという狙いが窺えます。全てを投げ打って、とでも表現するのがふさわしい覚悟でしょう。

 ともかく本編。出だしから翔太郎の不吉な回想的な独白でして、「ずっと二人で一人だった俺達があんな事になるなんて思いもしなかったよ」で、ほぼ先が読めてしまう。覚悟して観てね、という制作からのメッセージなんでしょうな。

 しかし、リアルタイム進行のドラマの雰囲気は最初は明るい。翔太郎がミックだけは見つけ出してきたわけですね。さらにフィリップから「最初で最後の依頼」となるはずの、若菜姫探しを頼まれる。この時点でフィリップは手が消失しかかるなど、自分の身に何が起こっているか把握している模様ですね。

 しかし、そうとは気づかない翔太郎、フィリップの「どんなに辛いことが待っていたとしても」の意味を理解しきれず、「お前(フィリップ)の為に耐えらんねぇことなんてねぇよ」と請け合う。今週分は、その約束を翔太郎がいかに守れないかのドラマになっていくわけですね。

 しかしまだ翔太郎は快調でして、割とあっさりと冴子の所在を突き止め、「バッドレディ」なんて呼びかけてますな。これはいける、と思えた瞬間、加頭順登場。ユートピアに変身して暴れ出しますと、駆けつけたアクセルでも全く歯が立たない。ならばと翔太郎が変身しようとすると、フィリップが止めまして、変身したら消えてしまうと告白する。

 ここからですね、翔太郎が嘆き悲しんでジタバタするのは。翔太郎より先に亜樹子らが覚悟して、フィリップとのお別れという真の理由を隠してパーティを開いたりする。翔太郎はそれも受け入れられず、非常に不貞腐れてますな。目つきが完全に投げやりです。

 それだけフィリップを絶対に救いたいということなんでしょうけど、困難であると感じてもいて、フィリップからのプレゼントを開けられない。開けるとお別れを受け入れてしまうと思って怖いんでしょうな。

 翔太郎はシュラウドに泣きついてみるわけですが、シュラウドですら腹を括っていて、フィリップをただのデータではない人間味のある存在に戻してくれたことに感謝し、フィリップが安心して旅立てるようにしてくれと、逆に依頼される始末。

 フィリップを救う手段は八方ふさがりですが、フィリップの望みである若菜救出は叶えねばならない。竜/アクセルと共に敵本拠突入ですが、竜が亜樹子に「俺のそばから離れるな」とすらっと言っていることに、「おお!」と思うものがありました。恋愛かつバディの関係確立してますな。

 が、ユートピア強すぎ(^^;。アクセルは火だるまにされて変身解除、竜は全身黒焦げでして救急搬送され、この後は戦闘に参加できずですね。しかし、このシーンで目を見張るものがありまして、翔太郎のピンチを見据える竜の目です。大変な凄みで睨みつけてまして、気持ちがくじけてないことが分かります。

 バトル後のフィリップ解説によると、生きる希望や気力を奪い取るユートピアに対し、抵抗力ある竜だから耐えられた結果らしい。手のつけようがない強さのユートピアとて無敵ではないという示唆になるわけで、次話での別の方法での撃破に説得力が与えられている気がします。

 しかしフィリップの消滅を恐れる翔太郎は変身できず、当面はユートピアの快進撃が続く。まずいことに、若菜をデータとして完全にするには、フィリップの苦悩が効くと判明してしまう。ならばまずは盟友の翔太郎、というわけでユートピアは「ちょっと死んでみてください」などと怖いこと言いまして、じわじわ締め上げる。

 ここでツンデレ寝返りヒーロー登場でして、冴子/タブーですな。ユートピアに連撃して変身解除に追い込み、フィリップらから理由を問われて「こいつ(加頭順)が気に入らなかっただけよ」と見え透いたこと言い、さらに生身の加頭順にとどめの一撃。ですが、秘密裏にNEVER化していた加頭順には無効で、あっさり形勢逆転される。

 若菜と冴子は敵の手に落ちまして、加頭順は翔太郎でなければ他の仲間でも可とばかり、次々に襲ってのっぺらぼうにしちゃう。こうなると動けもしないらしい。希望や気力を奪うとそうなっちゃうのか。フィリップが言ってた「(耐性ある竜でなければ)もっとひどいこと」というのがこれらしいですが、そのイメージ映像を見せられたらしいフィリップの動揺が半端でないですね。フィリップもここまでとは思ってなかったのかしらん。

 しかしフィリップにとっての最大の衝撃は亜樹子もそうされてしまったこと。嘆き苦しむフィリップを見た翔太郎、ようやく覚悟するわけですね。自分(翔太郎)がフィリップを失いたくないとあがいた結果、ここまでフィリップを苦しめてしまったという悔いでしょうか。

 翔太郎、決着をつけるべく、おやっさんの白い帽子被って出ていく。一瞬「フィリップ連れて行かんのかい」と思いましたが、Wは離れていても変身できるのをうっかりしてました(^^;。現場に着いた翔太郎が見たのは、死亡直後の冴子ですね。冴子の最期のつぶやきは聞いてないはずで、若菜を守ったことは後で知っても、その行為が冴子にも意外だったことは分からないでしょうな。

 ともかくも翔太郎、冴子すら倒れて状況の緊迫を理解したはずですが、やっぱりできれば変身したくないらしい。おやっさんの帽子の力とか支援メカ使いまして、生身のままで戦って若菜姫を救出し、敵施設も破壊。

 これで勝ったかに見えましたが、加頭/ユートピアが執念深い(のか、もう死に場所を求めてるのか)。一騎打ちを挑んできまして、これに今こそ最後の変身と思い切ったフィリップが駆けつけ、翔太郎もいよいよ腹を括ってしてWに変身。

 名言「愛することが罪だとでも?」を聞き、戦いはWが勝ちましたが、翔太郎が本当の覚悟を見せたのは変身解除のほうでしたか。フィリップのメモリを翔太郎が抜いてやるわけですか。なんでそんなことするんだろうと思いましたが、翔太郎なりの「ちゃんと見送れるんだぞ」の示し方なんでしょうな。

 見送れたんだからプレゼントも開けられる、というわけですが、やっぱり「ちゃんと」見送れたわけではなかったですか。フィリップのメッセージに思わずガン泣きですもんね。上述しましたが、自分もここで目がじわっと来てしまいました。フィリップがもういないというのが半分、もう半分は「ああ、やっぱりこれが翔太郎だ」という感銘です。

 次話「Eにさよなら」は1年後の1話完結でフィリップが帰って来るはずですね。そこを予習していてもなお、やっぱり今週分は泣けてしまいます。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/10 (Wed) 14:36:03

 定期感想その3です。

●風都探偵(第1話:tに気をつけろ / 魔女に恋した男:プレビュー版)

 出だしがサブタイトル表示からでして、第1話だからOP曲とか無しなのかなと思いました。最後まで見て、残念ながらWは登場せず。ラストでフィリップがピンチの翔太郎の前に現れましたから、第2話で変身するようですね。

 そういう作りかと思って、感想サイト等を調べてみたら、どうやらこのプレビュー版では冒頭がカットされていたようです。本来の冒頭は実写第1話の冒頭(Wの初変身)を短くした回想みたいですね。回想であり、TV本編完結後のアニメ第1話の範囲では関係ないからカットされたのかな。無念であります。

 しかし、左翔太郎は探偵である、ということがきちんと見えるドラマでありました。それもTV本編同様、不可思議な事件を相手にするということもきちんと分かる仕掛けになってます。TV本編知らなくてもだいたい分かりそう(だし面白そう)。自分は前に牙狼にアニメ版から入りましたが、Wも同様にアニメ版風都探偵から入ることもできた気がします。

 実写TV本編(まだ完走してませんが ^^;)での主人公や主要人物と、このアニメ版のキャラクターで齟齬や違和感がないのも嬉しいですね。予告映像では何となく「雰囲気合ってる」と感じましたが、このプレビュー第1話でその通りだったと確認できた気がします。

 ネット放映のメイキングも視聴してみますと、キャラクター以外にも舞台となる風都の雰囲気の継承は特に気を使ってるみたいですね。これはコミックからして気を使った点のようで、さらにアニメ版も引き継いだと。声優さんはWも登場するゲーム「KAMEN RIDER memory of heroez」の配役をそのまま起用とのことで、たぶんそのゲームでも同様にWの雰囲気は大事にしているということなんだろう。

 第1話の事件は不思議な追いはぎですね。坪崎忠太なる、風都の光の面によくいそうな、一生懸命の善人。大事な金の入ったカバンを不可思議な動きをする女性に奪われて、探偵事務所に相談に来る。カバンは離れた場所から引き寄せられるように奪われ、走っても追いつけずに逃げられた。

 その女性は翔太郎も遭遇してまして、翔太郎曰く「どストライク」。スタイルがよくて露出度の高い格好ですが、ジャヒー様ほどではないかも。しかし探偵の勘なのか、ヤバい相手であることも感じ取っているようですね。まあ、翔太郎の前から海方向へ移動して消えてしまうんですから、いかにも怪しいわけですが。

 翔太郎にどストライクの美女は「ときめ」と名乗ってますが、本人も自分についてあやふやな感じで、姓が分からないとか言ってますな。坪崎忠太に対する追いはぎ以外にも、以前から不思議な動きで同様の犯行を繰り返しており、「T字路の魔女」の異名を持つ。さらに、連続バラバラ殺人の犯人と目されているらしい。後でメモリを所持していることも分かる。

 そういうヤバい相手にも拘らず、坪崎忠太が翔太郎に捜索を依頼したのは、翔太郎と同じくどストライクで一目ぼれしたからでしたか。警察に捕まる前に説得したいし、何よりもう一度会いたい、という動機でしたか。

 ですが、翔太郎の尽力で坪崎忠太がときめと再会したときの様子がちょっと不審かな。せっかく会えたときめに話しかける内容が、最大の動機が一目ぼれにしちゃ、ちょっと変。なにせ奪われたカバンに固執してますから。一応、ときめは路上生活者になっており、体洗うのも公園の噴水とかでして、お金はあげるから、と説得するのは分かる。

 さらに一応ですが、バッグは家族が贈ってくれた大事な品、と坪崎忠太が探偵事務所で翔太郎に語っていたこととも一致します。が、事務所での坪崎忠太はお金やカバンについて語るときはかなりもじもじしてまして、いかにも偽の理由という感じでした(そこから翔太郎が、坪崎忠太の目的がときめ自身と気が付くわけだし)。

 何かがちょっとだけ変です。しかし、もっと変なことがあってあまり目立たないかな。風都が変なわけですね。ときめを追っていると、風都に似ているようで見覚えがなく、風の吹かない街に迷い込んでしまう。

 そこで翔太郎はついに襲撃に遭い、しかしフィリップが駆けつけて「二人で一人の探偵だ」と手を差し伸べ、さあここからだ、というところで第2話に続く。もし第2話のプレビューが公開されないとすると、当地では10月からかあ。それまではストーリー紹介をネットで追うしかなさそうですorz。

●牙狼-闇照編(第5話:夢 Nightmare)

 前に通しでざっと観たときは牙狼がよく分かってなかったため、燕邦が吉富を食らってもそれほどショックを受けなかった気がします。が、今観てみると「うわあ」と言ってしまうほど悲惨ですな。こんなに絶望的なシーンだったのか。

 同様に前の初見では、スピーカーの陰我ホラーを追う流牙と、魔導ホラー化が進む燕邦のドラマがそれぞれ独立に同時進行くらいに思ってた気がします。が、「陰我ホラーを追うに必死で、魔導ホラー化する燕邦に気付けない流牙」という、観ていてヤキモキする作りだったようです。

 燕邦と意気投合した莉杏は莉杏で、生真面目な燕邦にもっと享楽的になれ(女(であること)を楽しめ)とアドバイスしたもんだから、魔導ホラー化の進行で変容する燕邦の異常に気が付けないと。こちらも認識のズレにヤキモキします。

 燕邦と最も近くにいる吉富ですら、「調子が悪そう」くらいしか気が付かないわけですな。一応、燕邦の行動には気を配ってまして、飯を食ってないとか気が付いてます。が、その吉富も結構たいがいな奴かもしれません(^^;。深夜に至るも帰ってこない燕邦を探すのはいい。莉杏と深酒しているのを見て、調子が悪いのに酒なんて、と注意して連れ帰るのもいい。

 しかし、その直後にベッドインしますかね。調子悪そうと心配しておいて、寝かせないって、どういうことなのという(^^;。もっとも、そのバチが当たって食われてわけではないんでしょうけど。

 あれこれ気をもんでしまうのは、燕邦の燕邦視点の変化をきっちりこちらに見せてくれてるからですね。夢の中での人食いシミュレーション(?)は順調に進行中で、首をカクっと傾けてから食らうとか、板について来てます。もっとも、夢から覚めるとショックを受けてる雰囲気もある。

 そういうじわじわとした変化がついに一線を超えたようで、流牙とスピーカーの陰我ホラーの戦いに吉富が巻き添え食ったのが決定打だったみたい。具体的にはそのとき流した吉富の血なんでしょうな。一応、燕邦は吉富に肩を貸して連れ帰ろうとはするんですが、例のそそのかす声についに負けてしまったらしい。

 もっともはっきりした自覚は燕邦にはなさそう。意識レベルが下がった感じで、自分(燕邦)の状態がよく分かってない感じですね。あくまでも燕邦の認識としては、吉富を連れ帰ろうとしているはず、と思ってるらしい。

 が、燕邦の姿はホラーに変わってまして、吉富は化け物だと恐れる。しかし燕邦は吉富が何を怖がっているか分からない。自分(燕邦)の影の形が異形に変わっているのは気が付いたようですが、その意味を考えられないほど、意識がもうろうとしている模様。そのまま、おそらくは自分が何をしているかよく分からずに吉富を食らい、美味かったことだけは感じると。

 上司と部下としても、恋人同士としてもぴったり寄り添っていた2人がこれですから、観ていて虚脱感あります。特に吉富視点ですね。意地を張りがちながら、実は気配りしていて、さっきまで重傷の自分(吉富)に肩を貸して助け出そうとしてくれていた燕邦を、ふと振り返ると異形の化け物。そしてわけの分からない方法で食われる。これは観ているだけでキツイです。

 燕邦のほうは我に返ったようですが、その「我」はさっきとは別もののようですね。そそのかす者の指示通りに、前話では信頼してやると断言した流牙を、部下殺しの犯人と断じて敵対。あの時点で、燕邦は自分が吉富を食った自覚はあったのかな。もし食らった記憶がないのだとしたら、一層怖い感じです。

 夜に至り、燕邦はおめかししていつものバーに向かう。イヤリングが生えたり、指が口紅なるとか、これは便利なのか不気味なのか。ともかくも、前話から想像もつかない妖艶さになりまして、バーで出くわした莉杏も感心しきり。おそらくアドバイスが予想以上に効いた、くらいに思ってるんでしょうな。

 そこまで見届けて、自分は燕邦が魅力的だと感じました。妖艶になった燕邦ではなく、前話までの燕邦です。あの燕邦が失われてみてみて初めて「ああ、カッコ良かったんだな」と認識しました。

 そう思えただけに、余計に後味が悪い。せめてもの救いは、カラッとした性分を感じさせる蛇崩猛竜の流牙への仕返しでしょうか。前話でおとりにされるため疾走する車の前に突き飛ばされ、今話では逆に流牙をSG1部隊の前に突き飛ばすわけですね。それで双方、何となくお相子の雰囲気なのが軽くていい感じです。

 しかし、次話以降で燕邦がどうなるかとか考えると、その程度のコメディリリーフでは持ちそうにないかなあ。燃える展開のエピソードでも来るといいんですが。次話「響 Rock」の予告映像では、流牙がギター弾いてるカットがありまして、何のエピソードだったかしらん。

(投稿後追記)
 牙狼公式Youtubeで翔編の第1・2話のネット放映がありますね。3話以降もやってくれるのかしらん。観ておこうと思いますが、闇照編とごっちゃにならないよう気をつけねば。闇照編も第1・2話のネット放映を確認しましたが、こちらは無理してまで観る必要はないかな。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/11 (Thu) 00:36:06

 明日から、お盆休みに突入なので、一週間ほどはのんびりできるかな、と。

 さて、関西の特撮ファン泣かせの「魔の甲子園時空」ですが、一応、目下の延期放送スケジュールは以下の通り。

https://www.asahi.co.jp/koshien/index.html#revice

 とりあえず、雨がなければ、21日からの週で、延期分を消化して、28日のリバイス最終話は同時に見られる模様。
 何にせよ、劇場版終了後の時間軸である「最終章・狩崎暴走編」は、一輝に消化しないといけない感じですな。

★風都探偵

 変則的ながら、当掲示板では今、最もクライマックス旬なネタだと思いますので、こちらから。

 1話を見て思ったのは、Wの1話および最終話を構成的に再現している一面もあるな、と。
 W1話の最初は、ビギンズナイトにおけるおやっさんの死とW初変身のショートイベントからスタートし、翔太郎の受け継いだ探偵事務所にヒロインの鳴海亜樹子が訪れて、何も知らない亜樹子(および視聴者)に舞台となる風都がどういう街か説明しながら、事件に巻き込まれる中で、最後にWに変身して活躍という構成でした。

 風都探偵1話は、ビギンズナイトのアニメでの再現から始まり(K.Kさんの見たプレビュー版では割愛されていたようですが)、今度は翔太郎と亜樹子の会話で舞台と登場人物の位置付けを小気味よく解説。W視聴者は、翔太郎と亜樹子の再現性の高さを評価しつつ、事件に展開ですね。

 W1話は、回ヒロイン(翔太郎の幼馴染)が依頼人で、失踪した恋人を探して欲しいという話だったのが事件解決編の2話で逆転して、恋人以上に回ヒロインの方が黒幕だったという、翔太郎のハーフボイルドぶりを見せつけるようなドラマ展開。
 ここで情の翔太郎と、冷静沈着な頭脳派フィリップのコンビぶりも示す流れでした。

 さて、風都探偵1話は、依頼人の男性・坪崎(田舎から出てきたばかりで、風都のことに詳しくない立ち位置は、前の亜樹子と同じ。詳しくないキャラがいるからこそ、自然に舞台の基本設定を劇中で説明できる)が、想い人の魔女・トキメを捜索して欲しいと言って、男女が逆ながらW1話と対称的な幕開け。
 ただし、トキメに対しては、翔太郎も好ましく思っていて、まあ、記憶喪失の彼女の保護者などなどとして彼女が新ヒロインに収まる流れですが、第1話では「怪事件の容疑者T」でしかない。そして、W1話は、翔太郎とヒロイン(亜樹子)との出会いであり、依頼人が実は……であり、今回の彼も「怪事件の容疑者T」であり……ってミステリー物のネタバレは興醒めなので、これぐらいに留めておきます(K.Kさんも薄々勘付いていたような感想でしたが)。

 一方、W最終話との構成の対比ですが、「翔太郎中心のハードボイルド・ドラマ」として進行していて、彼のピンチに待望のフィリップが助っ人に出現する締めくくり方が見事にマッチしているわけですな。
 これはW最終回を見てもらえば分かるように、「翔太郎はフィリップを失ったことでハードボイルドとして完成した」わけですな。フィリップがいなくても、仮面ライダージョーカーとして探偵仕事を続けて行ける。ただ、それでも、どうしようもなくピンチになってしまった時に、風が吹いて来て(フィリップの象徴はサイクロン)、1人前の探偵である翔太郎が敢えてハーフならぬダブルであることを選択する絆の物語が再スタートする、と。

 つまり、風都探偵1話は、W最終話の「成長した翔太郎と、フィリップの新たなバディ関係」をそのまま受け継いだストーリーなわけですね。
 まあ、成長したと言っても翔太郎は相変わらず翔太郎だなっていう部分と、それでいてトキメというヒロインを受け止める甲斐性を備えるに至っているわけで。

 このトキメは、「記憶喪失」「卓越した身体能力」「謎の裏風都との関わり」「翔太郎の弟子として探偵事務所に居候する」「恋バナ好きの亜樹子が翔太郎にも春が来たとばかりに面倒を見る」「ハードボイルド気取りの翔太郎はトキメを恋愛対象として扱うのに抵抗しつつも、保護者として放置はできない」「そして、翔太郎の相棒としてフィリップはトキメを警戒したりライバル視しつつ、翔太郎の不器用な恋愛感情には興味深いと観察する」などなどの新たな人間関係が楽しめたり。

 この翔太郎とトキメの関係は、実写で描くと生々しくなりますし、トキメの妖艶な大人の女性っぽさと、世間知らずで無垢な少女っぽさの両立はコミックもしくはアニメならではのスタイルかな、と。
 まず、髪の色からしてミステリアスですしね。
 異世界から来た妖艶な謎の美少女キャラという嘘っぽい存在を実写で表そうと思えば、いかにもコスプレっぽくなりますし、風都というリアルな架空都市の背景にそぐわない。

 トキメの背景に裏風都という異世界をイメージすることで成立する設定ですな。
 そして、裏風都をどう表現するか、ですが、コミックだと「風が吹かないという翔太郎のセリフ」と「人がいない」とか、風都にあるはずの日常がないという欠落でしか表現できなかったのが、アニメだと「光の色が幻想的な紫っぽさと、シルエットに彩られた雰囲気」で描写。
 前にキルバーンのファントムレイザーの表現でありましたが、アニメは色と光の明滅で描写できる、コミックとは違った表現スタイルですな。
 ともあれ、リアルに実写を再現した表風都と、いかにも幻想的な異空間の裏風都の対比が1話で印象的でした。

 他には軽やかに走り去るトキメを追うバイクチェイスのシーンは、今の実写では撮影困難ですな。
 仮面ライダーがバイクに乗っているシーンだけで、レアな時代になってしまいましたから。たぶん、仮面ライダーリバイスよりも、ドンモモタロウの方がバイクに乗っている回が多いぞ(神輿ごとですが)。

 後はWのフォームチェンジ描写がアニメでどう演出されるかに次回は注目しつつ、
 今回のビギンズナイトのアクション演出は個人的に好みじゃありませんでした。これは実写の重量感がなく、襲い来るマスカレイド戦闘員を次々となぎ倒すスピーディーで軽快なテンポ良いアクションが、Wの初変身にしては手慣れ過ぎているんですね。

 風都探偵本編だと、Wは歴戦の戦士でもあるわけだから、アニメ特有のスピーディーさでも問題ないんだけど、
 過去のシーンであるビギンズナイトは(アニメではこういうアクションを見せられるぞって最初に見せたい気持ちは分かるにせよ)、初変身で手馴れ過ぎているだろうとか、実写の溜めに溜めた初変身の見栄をスポイルしたかの演出だったので、演出意図とシチュエーションの相性の悪さを覚えたかな、と。

 総じて、実写は重さや質感が長所で、アニメは軽さやスピーディーさが特徴と思いつつ、双方の差をCGなどでどう埋めるかが現在の映像作品を鑑賞する重大な視点の一つと考えるのですが、
 Wの場合、軽やかな体術中心のサイクロンジョーカー、重量感とアグレッシブなヒートメタル、変幻自在さのルナと射撃のトリガー(一番CGを多用)、あとはヒートの火炎エフェクトと、サイクロンの風エフェクトなどで各フォームの特徴を効果的に演出していました。

 アニメだと、これらの演出がどう感じられるか。
 絵だと何でも描ける反面、何を描いても感動には至らないという問題があって、それこそ「現実の爆発」は凄いという反面、アニメで爆発しても、それが普通と思ってしまう。
 で、アニメで凄いなって思えるのは、軽さではなくて重さを表現した演出や、水、自然の木々などの質感ですね。
 ともあれ、バイクの描写にはこだわりが感じられたので、ライダーとしてそこは及第点。

 実写という比較対象がある分、演出を比べる感想批評が細かくありそう。

 それにしても、今回タイムリーにトキメと燕邦の妖艶さを表す演出が「舌で唇を舐める描写」で全く同じなのが笑えました。
 トキメは最初の魔女演出がまず印象的ですが、探偵事務所に馴染んでからは恩人の翔太郎のために一生懸命になる健気さとか、非常に魅力的なキャラになるので、楽しみだったり。妖女だったのが幼女的な演出の切り替わりになるわけで、大人の女性の多い風都で危なっかしい彼女というだけで稀少キャラになっていきます。

 とりあえず、1話を見た感想はこんなところでしょうか。
 ストーリーを語りすぎると、ミステリーでは犯人が誰かなど興醒めになりますので、そこは控えめにしながら、キャラドラマや演出について、W本編との比較を交えて語っていく所存。
 まあ、手慣れたら、ピンポイントに話を絞りたいとも思いますが、今回は最初なのと、お盆休み記念で容量多めの感想でした。

 他の感想は明日以降に。

PS.おまけに、ここでも話題に出たルパン三世の次元大介役、小林清志さんの訃報にお悔やみを。特撮的にも、スパロボ的にも偉大な足跡を残した名優でした。
 

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/12 (Fri) 08:56:18

 夏休みに入ったので、曜日感覚を失わないようにしないとね(何を今さら)。
 明日は土曜日でダイ大の日。

 あと、先日話題になったジュウレンジャーの他に、宇宙刑事ギャバンが42話から最終章に入りました。
 とりわけ、43話の『再会』は千葉真一さん演じる父ボイサーとの涙の再会劇で、千葉さんが故人になった今、見ると、ますます泣けて来ると思いつつ。
 仕事で忙しかったので飛ばし見になってましたが、この話を見ないと、ギャバンを見た甲斐がないとまで思ってますので。

 他にトピックは、42話で登場した伊賀電(次作の主人公)。42話で助けて、44話の最終回で新たな宇宙刑事になって帰って来る。リアルタイムではビックリした展開でした。
 そのまま、マクーを倒して、任務を果たしたギャバンは隊長に出世して、地球防衛の仕事を新人のシャリバンに託して、上手くバトンタッチする、と。
 前作主人公が隊長役として、準レギュラー的に続投というパターンの一つです。ギャバンがいろいろと実験作だったのに対し、シャリバンはギャバンのノウハウをさらに発展させた傑作で、ギャバン→シャリバンという流れが王道。一方、3作めのシャイダーは変化球になって、ここからいろいろと実験作で毎回、路線が変わりバラエティーに富んだメタルヒーローの流れになって、平成、令和のライダーに受け継がれる、と。
 まあ、それはさておき。

★ダイ大

 主題歌絵の変更がいつ来るか、ということを気にして見ているダイ大ですが今さらネタバレをしないよう、真・大魔王バーンの登場まで引っ張るのか、それとも最後まで今のままなのか、毎回最初に焦れている今日この頃。

 原作でストーリーを知っているために、ストーリー自体のサプライズはないのですが、アニメならではの演出に感心したり、話を切るタイミングに「連続ものとして、良いところで切るなあ」と感じ入ったりしています。
 メドローアでやった! と思ったら、フェニックスウイングで弾き返されて、ポップと老師消滅!?で続く、とは。

 明日の放送が楽しみでなりません。
 ポップを失ったことで、マァムが泣き崩れて、他の面々も戦意崩壊。

ミスト「キルの言う通りだった。あの魔法使いこそが勇者たちのチームの要。それを失うことで、こうも脆くも崩れ去るとは」

 ここに来て、ポップの存在の大きさが敵の口から語られることに。
 そして、当のキルが戻って来て、さらなる絶望が……からの逆転展開。
 死んだと思われた大勇者の復活ふたたび、となります。ポップたちもアバン先生が密かに救っていたのですが、それが明かされるのは8月末かな。
 先にミストとの決着がつきます。キーキャラクターは、マァムとヒュンケルってことで。

★鎌倉殿

 涙の全成さんの回でした。

 義時が比企能員相手に覚悟を決めた……と思ったら、詰めが甘いというか、まあ、史実では比企を殺るのは時政のはずなので、ここからは時政パパの暴走、闇堕ちっぽい展開ですな。
 比企滅亡から頼家無惨→実朝擁立の流れで、北条家の台頭につながる流れ。

 まあ、義時が善児を使いこなすというシーンがちょっとした成長というか、清濁併せ持つ凄みを見せたというか、善児が象徴的な舞台装置と化していて笑った。
 もう、この男がスッと短刀を抜くだけで、怪談っぽいドキドキ感ですもんね。今の本家必殺が失った殺し屋の凄みを味わえるとは。

 一方、全成さんの死に際の演出も、ダイナミックで凄かった。
 また、鞠の丸さを見て坊主頭を思い出し、呪詛をかけられたように体調を崩す頼家さんの演出も短いながら、ドキッとするシーン。

 実衣さんの涙のシーンもあって、全成さんの善い人ぶりがまるで仕事人の、被害者演出みたいにジワジワ泣けて来る回。

 で、比企の最後がカウントダウンですが、比企能員本人よりも、頼家の嫁のせつと子どもまで族滅で殺されるのが哀れなり、と感じます。

 一方、腹黒い本性を示すことで、ますますメフィラスっぽくなって来た三浦義村さん。
 北条と比企の衝突を画策しているようで、「面白くなって来やがった」「お前の味方をしてやる……今のところはな(ニヤリ)」と、胡散臭い演技が板についているなあ。

 さあ、鎌倉サバイバル。君は生き延びることができるか。

★牙狼闇照

 TVの放送もそうですが、何やらYouTubeの方も盛り上がっておりますな。
 牙狼翔の他、魔戒列伝とかも1、2話が出てきて、ちょっとした祭りになってる。

 一方、絶狼のドラゴンブラッドに登場した腹黒棒読みヒロインが、次のライダーに進出してきて、ええとサバイバルゲームの黒幕?
 ギーツの設定で、牙狼のVR感覚を覚えつつ、ライダーと牙狼の役者の行き来が久々に見られたなあ、と。
 果たして、演技が下手だった彼女(でも下手だからこそ、まさか黒幕だったとは思わず、サプライズだった)が今度は普通に演者として成長しているのかを気にしつつ。まあ、胡散臭い怪演女優になっていても、それはそれで一興ですが。

 って、牙狼の話をしたいのか、ギーツの話をしたいのか分からなくなって来ましたが、
 燕邦さんの闇堕ちで、救いたい人間を救えないとか、いつの間にか侵食されているジワジワ感が闇照の特徴というか、
 もう一つのテーマとして、音が特徴とも言えます。謎の少女の歌とか、流牙の特殊能力としての聴覚とか、この時期の牙狼は「レッド・レクイエムの烈花の笛」とか「桃幻の笛」とか音に基づく演出を重視しているな、と。
 で、流牙役の栗山航氏の得意分野ということで、ロック音楽に焦点を当てた響回。まあ、今回のホラーも音に関するものでしたが、冷静沈着な鋼牙に比べて、情念むき出しでシャウトする流牙のキャラ性を強調した回です。

 それにしても、鎧装着の短さが本当に、当時は不満で、生身アクションの凄さが本作の特徴で、見るべきポイントだと悟るのに、ずいぶん時間が掛かったな、と感じました。
 改めて見ると、凄いアクションを流牙も敵ホラー役者(スタントマン?)もしていて、鎧装着はおまけだと割り切れば、見応えある、と。

 当時は、牙狼の予算は、雨宮監督の牙狼外伝映画の方に注がれていて、CG使用は最低限だったとか、それをアクションやら、見せない演出でまかなったという話も後から聞いて、
 流牙編は牙狼の可能性を広げる新たな実験作、そこからアニメ版に展開したり、絶狼のシリーズとかに展開して、
 今はいろいろと充電期間なんだと思いますが、新作がなくても、いろいろ蔵出しをしている時期かな、と。

 で、牙狼で行った実験が、ライダーの方に時間を置いてフィードバックされたり、シリーズを超えたリンクが見えると、面白いな、と。

★風都探偵の追記

 改めてマンガ版をチェックして、アニメ1話はマンガの1話と同じ分量。マンガは8〜9話で単行本1巻分になり、それで1エピソードを構成するのですが、
 アニメがそれをどういうペースで消化するのかが気掛かりでした。

 で、2話が先行配信され、そこで事件は解決せず、3話で決着が付くだろうという予想が。
 とりあえず、2話1の本編に比べてのストーリー展開ペースが、3話1になって、それで定着するのか、それとも最初だけじっくりキャラ紹介して、だんだんペースアップする配分なのかを気にしつつ、

 照井竜の登場にも期待を寄せる。
 と思ったら、アクセルの外伝スピンオフもYouTube配信があるようですね。本当にW祭りだなあ。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/15 (Mon) 18:06:56

 定期感想その1です。

●ダイの大冒険(第90話:影(ミスト)と死神(キル))

 今話は見どころが2つありまして、1つはミストとキルの会話劇の巧妙さですね。勝ち目のない状況でヒュンケルがかろうじてミストバーンの正体に気が付く。が、どうもあと一歩のものらしい。一縷の希望も潰えた感じのところへ、キルバーンが余裕しゃくしゃく現れてアバンを倒したと示し、ポップらの絶望を深める。

 既に勝ったと思う余裕なのか、キルはミストの秘密を知りたがるわけですね。そこでキルとミストの会話となり、数百年前にキルが(ミスト)とバーンの前に現れたところから、今に至るまでの回想になる。

 しかしこの後、このキルが偽物と判明する。正体はアバンでモシャスで化けていたと。モシャスは姿かたちと能力をそっくりにする魔法ですけど、おそらく記憶のコピーまではない。となると「アバン先生、なんでそこまでキルバーン(とキルが知るミスト)に詳しいの?」と不思議になります。

 あれれとなりまして、よくよく観なおしてみると、自分の勘違いに気が付きました。偽キル(アバン)は、直前の本物キルの独り言(バーンに義理はあっても義務はない、ミストとは違う)を元にしたことしか喋ってません。それで誘導して、続きはミストに詳しく話させてますね。

 残りの、例えばミストが以前に数回、今話の姿を使ったこと、鬼岩城撃破で激怒してその姿を使おうとしたミストをキルが止めたこと、「あの方(ヴェルザー)」から遣わされてバーンの前に現れたこと等々は、全てミストバーンが思い出して喋ってます。

 そこいらは回想を映像化してるんで、ミストと偽キルの会話中には気が付きにくい仕掛けですな。だからこそですが、ミストがキルを偽物と気付けず、むしろ友人の帰還が嬉しいのかなくらいの雰囲気で、バーンの真相に迫る情報を明かすのが自然に見えます。

 しかし、最後の最後で偽キル=アバンがしくじりまして、「ミストバーン」と呼びかけたことでバレる。これをアバンは初歩的なミスと言ってますが、考えてみると確かに。本物キルは独り言で「僕はミストとは違う」と「ミスト」と言ってます。その情報をうっかりしたわけですから、確かに(アバン視点では)初歩的なミスでしょうな。そういうところまで辻褄合ってて感心しました。

 ただ、予習したキルバーンの正体を考えますと、自分の正体のことでキルを騙したかどうか気にするミストがちょっと気の毒かも。疑って見せたキルバーンはアバンが化けた偽物ですけど、本物のキルバーンはバーンに遣わされた当初からミストを騙していたことになるはずで。ざっと調べたあらすじから考えますと、ミストはそのことを知らずに退場してしまうようですね。

 ともかくも、偽キルがアバンだったと正体がバレたら、どうやってアバンはキルバーンに勝ち、生き残ったかが知りたくなります。これに応えるかのようにアバンが回想してくれまして、まずジャッジの作る決闘用空間からどうして出てこられたのか。

 新アイテム「魔法の砂」なる追跡用アイテムを隠し持ってて(アバン先生なら用意してそう、と納得)、手袋に詰め、キルバーンと共に異空間から出す戦術でしたか。それを追ってリリルーラで出て来れられる仕掛け。

 ですが、キルバーンが不思議に思うのはそこじゃなく、どうやってメガンテ食らって生きているのかという点。これは(この時点の)アバンにも分からない(伏線その1)。そんなことより、アバンはキルバーンを倒しておきたい。でも剣がないなあ、と思ったんですが、キルの折れた死神の笛でもいいんですか。それで海鳴閃もアバンストラッシュも放てる。弘法筆を選ばず、でしょうか。

 さすがに恐怖を覚えたキルは、腕を切り離し、マグマの血の爆発(バーニングクリメイション)で一気に倒しにかかる(ヤマトの真田技師長みたい、義手・義足が爆弾とか物騒でした ^^;)。アバンは果敢に挑む構えですが、キルの見立てでは突破できないらしい。

 もう駄目か、と思ったら、攻撃の爆発&炎をアバンが突破(第2の伏線)、ストラッシュで斬りかかり決着。直後にアバンの背後にハドラーの姿が現れまして、看取ったときにアバンに付着したハドラーの灰でしたか。しかし、はっきりとハドラーの姿になってますね。ここが2つめの見どころでして、アバンがモシャスを解いて生きていたと分かったときに優るとも劣らない感動です。

 なぜなら、死したハドラーがなお助けてくれたわけですが、手の貸し方が必要最小限なところが実にいい感じですから。キルバーンが剣で迫っても、ファントムレイザーのトラップ使っても助けない。異空間脱出も手を貸さない。しかしメガンテの衝撃は和らげてやる。同様にキルの大技の炎だけ防いでやり、決着はアバンにつけさせる。

 敵として敬愛するアバンに対するハドラーの礼儀を感じます。武人の作法と言ってもいいかも。しかしキルバーンは頑なに認めないわけですね。たとえ最後にハドラーの形を見せようが、所詮は炎に強いだけの超魔生物の灰。断熱効果に優れていただけだ、と。

 それも一理ある点が大事で、この後のキルの最期に一貫性と凄みを与えてくれてます。これが単なる屁理屈だったら、あの悪役として見事な最期にならない気がします。キルはいったんは自分の体内のマグマに引火して絶体絶命になるわけですな。ピロロの冷気系消火も全く役に立たない。

 ピロロは泣いてアバンに助けを乞う(ここはもしかすると本気だったかも)。ハドラーすら心服するアバンが救わないわけはなく、シルバーフェザー(のはず)であっさり消火。そこからがキルの悪役の本領発揮でして、ピロロともども、あっさり掌返し。ファントムレイザーを補充しての再度のトラップ発動ですね。

 しかし、泣いて乞われて助けはしたものの、アバンはもとよりキルを信用はしていない。こちら(アバン)も罠を張ったから動くなと警告するわけですが、トラップが身上のキルは自分がトラップにかかったとは認めない(ハドラーの灰に対する意固地さと共通するかも)。

 そんなはずはないと証明しようと動いたら、いわゆる首ちょんぱ。異空間で使われたレイザーの1つをアバンがこっそり持ち出し、シルバーフェザーを放つときに仕掛けておいたわけか。胴体真っ二つのときは効いた、ピロロの粉も今回は効かない。アバンによると、首を落とされたらさすがにどうしようもないとのこと(でも、いずれ黒の核晶抱えて反撃してくるはずですね)。

 アバンが言った「お前(キル)ほど非道で美点の見つからない敵には出会ったことがない」を死を以て実証するようなキルの最期でした。平押しで勝てるのに策を弄し、勝つより苦しめることを選び、有利なら尊大になり、常に相手を見下し、しかし不利なら卑屈にすらなってみせ(ただしピロロですけど)、恩を喜んで仇で返し、その自業自得で破滅する。うん、自分が好きな悪役です(^^;。

 同様な性格の悪役はザボエラがいますが、個人的な戦闘力が不足なため卑屈に偏りがちで、ちょっと魅力に欠けます(いかにもなやられ役、悪のコメディリリーフと申しましょうか)。キルバーンですと、これだけ強いのに嫌味に徹してる点で吹っ切れてる感じがするのが、自分が魅力を感じる理由なのかなと思います。

 ともかくも、こうして切り抜けたアバンが倒したキルバーンに化けて、ミストバーンからあと一歩まで正体を聞きだすわけですね。それで追いつめられたらしいミストバーン、次回「バーンの真実」では、バーン含めた正体を現すみたいですね。

 その予告映像に見慣れないキャラクターがいまして、今さら新たな敵勢かと思いました。が、よく見てみるとマァムですか。一瞬のカットしか映ってませんが、なんだか異様にカッコいい感じがします。予習によると、これがミストに乗っ取られたマァムということみたいですね。

●鎌倉殿の13人(第31話:諦めの悪い男)

 ダイ大でキルバーンの名悪役ぶりを発揮しての退場を観たと思ったら、翌日のこちらは比企能員が(義時視点の)名悪役ぶりゆえの退場劇を見せてくれました。最初はいかにも小物で周囲の状況に右往左往していた感がある能員ですが、力を得てくると次第にブレなくなり、己の欲望も隠さなくなる。

 それでもちょっと前までは妻の道に操縦されているような気配を感じました。ちょうど対応するのが、時政に対するりくですね。今話でもりくは時政を鎌倉を実質的に納める器量があると断言していますが、その器の半分はりくさんの入れ知恵前提なんでしょうな。

 しかし今話の能員はもう妻:道の影響は感じられません。頼家危篤についても、道は育ての親(乳母)たる自分のせいだと嘆いてます。道とて頼家の後を急ぐ能員と謀を同じくしたはずですが、いざ頼家が死ぬかとなると、そこまでの覚悟がなかったことを自覚したんでしょうか。少なくとも政子は道が本心で嘆いたと見て取った様子があります。それが義時への一幡助命嘆願につながってるんでしょう。

 しかし能員は雰囲気からして違いますね。口では頼家快癒を願うようなことを言っても、全く本心ではなさそう。むしろ『これで暗殺の手間が省けた』くらいに思っていそうです。すぐにでも一幡を後継にし、傀儡として比企の鎌倉支配を確立したい模様。しかし力尽くとなった場合の不安はあるようで、三浦を抱き込む工作もやってたりする。

 比企能員のかたい意思を見て取った義時は、形式的、表面上は依然として和解工作に動いてますね。日の本を半分に割って、東を(比企の)一幡、西を(北条の)千幡にという、東西分裂案まで出してみる。

 が、能員が物凄い形相で一蹴。大江広元が看破した通り、飲める案ではなかったわけですね。なんとなれば、提案者の義時自身が飲めない案だから。形式的には和平交渉、しかし実質は戦へ引きずり込む策ですか。既に横暴の節がある比企と、一応は下手に出る北条ということで、北条方となる武士が増える算段もありそう。

 実際、比企打倒で逸る武者が出て来てるようですね。しかし義時、念には念を入れる。それもまず北条内部から。仮に比企を打倒して千幡を将軍として立てても、いかんせん幼少。政務代行の執権が大事になるわけですが(こういうの、都なら摂政の役割かな?)、頼朝の支配方針、北条と比企の暗闘などで複雑怪奇な状況を時政が治め切れるか。

 しかし(おそらくは支配欲や都帰還の願望が強い)策謀家気質のりくは、夫の時政が北条筆頭だとして推してやまない(この時点でも義時は江間姓を名乗ってる?)。ならばと義時は時政に当たりますが、時政はりくのプッシュで、やれると思い、やる気でいる。時政自身の考えは、と重ねて問うも、要は「覚悟はあるが才がない」ということでしょうか。

 ただし、時政に才がないのは素朴だからで、それゆえに覚悟はシンプルで固い。家族を守るためなら、というわけですね。未だに全成について強く悔いるものがあるほど、信念の強さがある。

 そういう単純な時政ですから、義時に代わって比企能員への最後の説得役を引き受けてもうまく行かない。能員と時政の対話は、どうも能員が完全にリードしていたように感じます。能員は時政が石橋山の戦で頼朝に迷わず加担したことを褒め、しかし比企が加わっていれば頼朝側が勝ったはずと言う。親和的に引き込みつつも、力の誇示もしてみせるわけですね。

 そういや能員、義時に対しても「他の北条の者とは違う」とか言って、抱き込みを図ってたんでしたっけ。三浦義村に対しても、善哉の処遇をちらつかせて抱き込もうとしてますね。長期的視野のない目先の条件ばかりですが、しかしヒット率高そうな手段ではありますな。が、相手が悪い。賢いですからね、その手には乗らないと。

 しかし時政ならぐらつかせることができるかも、と能員は考えたかもしれません。しかし時政は、逆に餌につられるほど賢くない(^^;。北条側の千幡には九州だけ、と言われて立腹、たちまちにして決裂。おそらく義時はこうなることも読んでたんでしょうな。内偵として比奈をたびたび比企に派遣してるし(それで三浦への工作も、善哉の処遇も義村に提示したものと間違いなく違うこともバレてる)。

 ただし義時はどうするかは公言を避け、唯一の腹心と言っていい、息子の泰時にだけどうするかを言い含めてるわけですね。比企サイドの一幡についても、政子には助命して出家させると告げ、泰時には確実に殺せと命じる。これには泰時が耐え兼ねて、比奈の気持ちを考えたことがあるのかと問い、北条のためなら何でもするのかと詰る。が、義時の答えは「当たり前だ」ですか。

 もしかすると、全成の子:頼全の殺害も、義時は比企の企図を察知しつつも、好都合として放置(さらにプッシュまで?)したのかな。実衣の怒りをさらに増幅するなどして、北条内部の結束を固めるために。

 今話時点の義時は、以前に三浦義村がからかって言った「頼朝に似て来てる」がほぼ完成してるんでしょうな。加えて、過去に義時が憎んだ行い、例えば序盤での伊東祐親の強引な手法も身に着け、行使をためらってない感じです。出家させると偽って殺してしまうなんて、祐親がした、千鶴丸と八重への仕打ちを同じです。

 あれこれ、義時が以前は「こうはするまい、ああはなるまい」と思ったことを、今は断じて行うようになってますな。ついに比企と戦端を開く気になっても、まず能員に有利な条件で和睦すると見せかけ、誘い出して暗殺。実行は時政主導の形を取りまして、いつも明るい仁田殿が笑顔でターゲットの能員に接するところ、なかなかに怖いです。引き据えられた能員の首を刎ねるのも仁田忠常ですか。

(大物の余裕かまして平服で出かけ、しかし下にはしっかり鎧着用、暗殺と知っても、頼みの三浦が北条についても最後までジタバタし、いよいよとなっても罵倒するなど見苦しい比企能員はしかし、自分的には悪役としてあっぱれで、好みのツボを突かれます。)

 続いて、残る比企一族を一挙に殲滅。実際には相当の激戦もあった、という説もあるようですが、このドラマでは油断していた比企方がはかばかしい防戦もできずに瞬殺された、という解釈のようですね。頼家がようやく信頼したせつはトウが、比企が望みを託した一幡は(まず間違いなく)善児が引導渡して終結。しかし表向きは「一幡行方不明」ですか。助命嘆願した政子はそれを信じているかどうか、気になります。

 この一連は間違いなく、義時の「よし、予定通り!」なんでしょう。これでは、次第に悪役の凄みを増し、あと一歩でラスボス足りえそうだった能員が義時に憑依したかのよう。ですが、ちょっと違ってますね。義時の中では宗時の大望告白がリフレインしてたんですか。図らずもその志は今話の時政もたどり着いてますね。

 もしかすると義時、「兄:宗時はいずれこうなると予想、いやこうすると計画していたのではないか。それがあの時の告白の覚悟なのでは」くらいに思ってるかもしれません。少なくとも「みんなニコニコで坂東は武者の天下」なんてことはあり得ない、やはり武士は修羅の道しかない、と身に染みていることは間違いありません。

 それが今の義時の考える、当時の宗時が既に固めていた覚悟でしょうか。それが義時を闇に堕ちきるのを防いでいるのかな。しかし、義時含め、誰もが思わなかった想定外発生。頼家の回復ですね。病状や医師の気休めの言まで、頼朝のときとそっくりなんで、誰も頼家が生還すると思ってなく、近々病没前提で事を進めてきました。

 死人に口なし、みたいな感じですね。時政と能員が、頼家看病~見取りのため引き取りたがったのも、おそらくは遺言捏造を考えてのこと。かろうじて義時が大江広元に任せましたが、その義時もほぼ「後は野となれ山となれ」で比企滅亡まで持っていった。頼家が改心して、全幅の信頼を置き直したせつを殺害し、後継に据え直した一幡も同じく。

 頼家がそのまま他界する前提だからこそですが、頼家復活。こうなると義時は抜き差しならず、後戻りもできない。次回「災いの種」は頼家を指しているタイトルかな。義時は「頼家が回復する前に戻す」旨、不穏なこと言ってます。義時も自ら起こした動きに飲まれていくのかな

 ちょっと気になるのは、比奈さんの疲れです。比企に戻すなと義時に確約させ、北条の者の覚悟をいったんはしたはずですが、やはり比企への内偵となり、比企滅亡に際してみると、「これでいいのか」という迷いは生じていそうです。後に比奈は義時と離縁するようですが、今話の比企の乱がきっかけで義時から心が離れていくのか、という気がします。
(三谷幸喜脚本って、しばしば離れ業やりますんで(ただし史実は曲げない)、「比奈が泰時と不倫」なんてあり得なくはないと思ったり。今話でも比奈が泰時に言った「義母(はは)と呼ぶな」が伏線になり得る気がします ^^;。……いや、さすがにないか。ドラマに飲まれて自分が外道と化しているのかもorz。)

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/15 (Mon) 23:53:38

 定期感想その2です。

●仮面ライダーW(第49話:Eにさよなら / この街に正義の花束を)

 W本編感想の前に、「風都探偵」アニメ第1話のご教示に感謝を。特にプレビュー版でカットされた、フィリップ救出からWに変身してのバトル映像についてです。自分は感想サイトで知りましたんで、せいぜいがスクリーンショット画像で「Wのバトルがあった」と知った程度でした。

 しかし動くアニメ表現を観た場合は問題ありだったわけですか。初変身なのにカッコよく手慣れすぎだと。やはり表現自体を見ないと分からないものだなと思うと同時に、自分がそこまで見て取れるかどうか、10月の本放送を観る楽しみが1つ増えました。

 さてW最終回。フィリップが帰還しての大団円なんですが、最初の視聴ですっかり勘違いしまして。この最終回で描かれた内容が全てフィリップ消失から1年後のことだと思い込んでしまったんです。そのため、帰還したフィリップが1年前に既に若菜に救われていた旨の台詞で混乱してしまいました。なにせ、映像つながりではついさっき若菜がフィリップを再生したばかりに見えるからです。

 もう一度観てみて、若菜が祈るような仕草を見せているシーンでようやく気が付きました。風都タワーがまだ再建中だったんですね。今話冒頭では翔太郎が「ようやく風都タワー再建」と言ってますし、フィリップ帰還のシーンでも風都タワーは再建後の姿になってます。

 それでようやく、若菜メインの1年前のシーンと、フィリップ帰還前後の今を交互に、出来事をリンクさせて描いてあると気が付きました。そう飲み込めてみての、3度目の視聴で深く感動です。

 1年前の出来事としては、何とか助かった若菜は未だガイアインパクト計画の遂行を目指しており、少なくとも街の浄化は急務であると信じている。それで警察の監視付きで収容された病院から逃走、暴れ出したわけですね。しかし駆けつけた竜が対処に入ると、翔太郎が止めに入る。そこで翔太郎が言った台詞「何のためにフィリップが」で若菜がフィリップ消失を知る。

 これで若菜はガイアインパクトを独自の計画に変更するべく、シュラウドに接触。シュラウドは若菜の望みに応えるも、かろうじて生きていたのか、そのまま絶命。若菜はしかし独自計画「フィリップ再生」を進め、ついに地球の本棚から方法を割り出し、フィリップを再生し、冴子ら先に行った家族と共に去る。ただし若菜によるフィリップ再生は1年を要するものだったと。

 これがその1年後=今のドラマにつながってくるわけですね。初見では意味が分からなかった「緑がかって周辺が模様ガラスみたいなカメラが映す翔太郎の映像」は、まだ復活が成らないながら、エクストリームメモリまでは現実化したフィリップが翔太郎を追っていたわけでしたか。

 それを感じるから、亜樹子が今話のゲスト:青山晶にフロッグポッドでフィリップの声を聞かせたとき、フィリップの気配も感じた翔太郎がフィリップが帰ってきたと思い込んでしまったと。亜樹子としては翔太郎にぬか喜びさせてしまったと慌てるわけですが、しかし翔太郎の直感のほうが正しかったわけですね。そのシーンでもエクストリーム≒フィリップが翔太郎をこっそり見つめてましたから。

 いったんはしょげる翔太郎ですが、しかし今回の依頼「姉の唯を救ってほしい」を果たすべく、気を取り直すのはさすがであり、期待通りです。依頼者の青山晶が最初はひねたり小馬鹿にした態度、姉の唯がメモリ密売首謀者と知ってからは拗ねた態度だったのが、フィリップを失っても頑張る翔太郎を見て、次第に熱くなっていくのも観ていて気持ちいい。

 しかし唯が自ら作った密売グループに逆に捕らわれたとなると、今の首謀者は誰だということになりますな。密売グループ構成員は、今は活動休止中の偉大なカリスマがいると言う。その再起動のために密売グループは活動しているとも。描写を見てますと、変更した行動目的がまだ明かされていない若菜が該当しそう。

 ですが、ミスディレクションでして、1年前の若菜が行ったのは我が身を引き換えにしてのフィリップの再起動だったわけですな。じゃあ誰だ、となりますが、冒頭でコミカル役っぽかった、サンタちゃんのペットショップの店員でしたか。こいつが密売グループの言うカリスマでありエナジー・ドーパントだったと。たぶん再起動がどうこうとか、口から出まかせなんでしょうな。そういうことする気配が全くありません。

 密売グループを壊滅させ、青山姉弟を救出して帰る途中の翔太郎を、このペットショップ店員が襲撃、レールガンによる狙撃で致命傷を与える。と思ったら、エクストリームメモリが間一髪で弾を止めてまして、ようやくフィリップが帰還。翔太郎をずっと見つめていた映像はこれだった、と分かる仕掛けですな。

 きちんと理解して観ていれば、ここで感動MAXなんですけど、上述の通り、自分は誤解して観てたもんですから、もったいないことしてしまいました。もっとも、今話の見せ方に気が付いた途端、今話全てが一瞬にしてなだれ込んでくるような感激はしましたんで、まあおおむねいいかなと思ってます(^^;。

 それはともかく、フィリップ帰還に最初は驚き、もじもじしたり、しかし突如として感極まった様子でフィリップにすがる翔太郎は、やっぱり翔太郎らしいなと。こうなりますと、敵:エネジー・ドーパントは冒頭の生身の店員時同様、もはや引き立て役の道化ですね。ぜひ最後にもう一度聞きたかった台詞「お前の罪を数えろ」を翔太郎&フィリップで言ってもらったら、後は描かずとも推して知るべしです。

 これが左翔太郎と(来人からフィリップになり、来人に戻って、またなった)フィリップと見届けることが出来て納得、満足です。先週の第48話時点で、この2人がもう分かった気がしてたんですが、不完全でした。この最終回を見届けないと分からなかったものがいくつもあります。

(投稿後追記:なんだか翔太郎を貶すような言い草になっていったん削除したんですが、やっぱり書いておこう。例えば、フィリップがいないとどうもヘタレる翔太郎です。誰かが助けを求めると踏ん張るんだけど、フィリップがいないと根気が続かなくてまたヘタレる。そこが自分的には嬉しいんですけど、やっぱり書いてみると貶しているような気が。この辺り、どう表現したらしっくりくるのか悩みます。)

 照井竜もそうです。1年前には既に「この町は汚れてなどいない!」と迷わず叫べるほどになっていて、今は翔太郎と息がぴったりの行動が出来てます。おそらくこの1年、フィリップを失ってもジョーカーとして踏ん張る翔太郎を(亜樹子と共に)支えてきたんでしょうな。

 これがこちらで以前からお聞きし、その語りにやたら熱気を感じる仮面ライダーWでしたか。ようやくですが「なるほど、よく分かりました」と今なら言えます。この半年、視聴済みにもかかわらず、感想にお付き合いいただき、ご教示を頂いたことに感謝申し上げます。

 しかも嬉しいことに「風都探偵」アニメでその続きが観られる。早く10月にならないかなあ。ともかくもこの感想はアップしておきたく、W本編を補足するVシネマのアクセルは感想を分けまして後日。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/16 (Tue) 22:50:27

 そろそろ、お盆休みも終了の時期です。
 書き込みタイミングが定例とは言い難いですが、試行錯誤しつつ、秋につなげていきたいですな。

★風都探偵(2話)

 まずは、Wの完走おめでとうございます。
 しばらく、バトンを引き継ぐ形で、風都探偵の感想を語ってみたいと思いますが、基本的に推理ミステリーですので、下手なネタバレは興醒めにつながると思います。
 バトルメインとか、人間の感情ドラマなら、ネタバレはそれほど害にはならないと思いますが、推理ドラマで誰が犯人か、というネタは控える所存。

 あと、謎解きだと5W1Hが問われ、警察ものだと、いつとかどこ(殺害日時や現場)も謎に関わって来ますが(アリバイ関係など)、
 Wのこれまでの放送分を踏まえると「誰」「なぜ」「どうやって」が問題になることが定番でしょうね。

 ドーパントが誰か(WHO)は謎解きの定番。
 そして、犯人および関係者の動機(WHY)も人間ドラマのテーマに直結。
 最後に、方法(HOW)はドーパントの使うガイアメモリが何か(WHAT)と関わって、フィリップの検索内容に関わります。

 これらの謎はネタバレしない方向で、感想をつづりたいと思います。

 さて、2話はWの初変身がポイント。
 前回のラストで、翔太郎とフィリップが変身しそうでしたが、すぐに敵ドーパントが姿を消しましたので、冒頭の変身は未遂に終わりました。
 そして、物語の筋書きは、ときめの正体を探ることで、「ときめが人を襲うドーパントであることを信じたくない翔太郎」と「また、自分の感情に目が曇って、危険を省みない相棒を理屈で責めるフィリップ」の口論に展開します(Wの物語の定番ですね)。

 その結果、犯人が意外な人物と分かり、ときめ自身の秘密はまた別物(実は原作コミックでもまだ判明していない)だと分かり、記憶喪失の彼女が生きる手段を求めて、ドーパントの犠牲者から服や持ち物を奪ったり、ドーパントの気配が察知できるので殺されそうな人間に警告したり、悪意は持っていないことが判明。

 そして、真犯人が翔太郎とときめを抹殺しようと出現したところで、フィリップが翔太郎を救出に駆けつけ、状況証拠だけでときめを犯人と決めつけたことを謝罪。改めて、Wに変身したところで、次回に続く、と。

 ときめも謎をいっぱい抱えたヒロインで、あからさまに怪しいのですが、彼女の謎と、今回の人を襲うドーパントは別物ということで、前述のネタバレは避けてみました。
 まあ、ときめの動機は語りましたし、彼女の謎(一応、ガイアメモリ持ちだけど、それは壊れている。また、彼女の人外の能力についても、彼女自身、どうしてなのか分かっていない)を提示するのが、2話の目的。
 そして、結局、彼女を放置しておくと、生活のための軽犯罪を繰り返しそうなので、照井竜の処置で「鳴海探偵事務所預かり」になるのが3話以降の流れ。本人も知らない(知りたがっている)ときめの謎を調べるのは、ガイアメモリ犯罪の専門家である翔太郎とフィリップが一番の適役だろうという判断ですね。

 一応、物語の構造としては「何も知らないときめ」に対して、翔太郎や亜樹子がWの能力や風都、ガイアメモリの設定を教示することで、コミックから初めてWの世界に触れる読者に設定語りをする形ですね。
 よって、アニメも初見の人向きに作られている部分もあって、一方でW本編の履修者は、「そうそう、そんな設定だった、そんな話もあった」と頷けるような展開だと。

 何よりも、サイクロン・ジョーカーのメモリ音声や、変身時のベルトサウンドが全くそのままで違和感なく、実写版の翔太郎やフィリップのポーズの癖まで比較対照して、見事に再現していることを指摘したファンとか、アニメーターが実に良い仕事をしているらしい(さすがに、そこまで細かい見方は自分にはできない。ただ、違和感なく変身シーンを再現してるな、と)。
 ライダーのアクションは次回ですが、ドーパントとのタイマンだったら、それほど問題ないんじゃないか、と。

 前回の違和感は、大勢のマスカレイド(戦闘員)をなぎ払うのに、動きが軽快すぎたことなので。
 これは、実写では「重量のある物を軽く動かして見せる」のに対し、アニメでは「重量のない物をどう質感を壊さないで動かすか」という手法の違いなので。

 例えば、実写にいないときめの軽やかな動きは、非常に力が入っていて、これはアニメらしいアクションだな、とか。
 逆に、当たり前ですけど、ライダーのスーツをまとったアクションは、生身の人間よりも制約があって重量感があるのが普通なんですね。それを軽快に動いているように見せるために、スーツアクターの身体能力とか、撮影技法とか、CGを挿入したりとかの工夫でヒーローらしい見栄えで作っているのに、アニメで何でも描けるからと単に軽々しく動かすだけだと、原作映像がある場合、常に違和感を伴います。
 よって、実写に寄せた演出にするのか、アニメならではの独自描写で新たなWのアクションを描くかですな。

 以前、人造人間キカイダーのアニメ版があって、原作は石ノ森さんのコミックの方ですが、実写とは異なる機械の重さを伴わない動きでした。どちらかと言えば、サイボーグ009的というか、これはこれで元の特撮版が古い映像なのでブラッシュアップ版と思えば納得。

 さて、Wの方ですが、まあサイクロンジョーカーの動きが軽快なのは納得するとして、ヒートメタルとか、アクセルのエンジンブレードの重量感をアニメでどう見せるかが課題だろうと個人的に思いつつ。

 アニメの重量感演出は、わざと動きを遅くするとか、止め絵でインパクトを作るとか、下から煽り視点を多用するとか、いろいろ手法はあると思いますが、この機にまたいろいろ考えてみたく。
 実写とアニメを同じ作品で比較できる機会は貴重ですからね。

★W最終話

 青山晶くん、風都探偵では中学生に成長して登場しました。
 「ぼく、一人では何もできませんので」と言いつつ、女の子にモテるので、周りの女の子に情報を集めてもらい、翔太郎の探偵稼業のお手伝いをしたり。
 翔太郎曰く、「俺にも彼女がいないのに、中坊が彼女持ちなんて生意気だ。……でも、この情報は役に立つ」と、ときめ(将来の彼女?)を追いかける流れ。

 あと、翔太郎のハードボイルドって、「孤独を一人で噛み締めながら、痩せ我慢で意地を張り通す」ことですね。
 たぶん、ハードボイルドの定義だと、「独りで耐えている姿を示しつつ、寂しさとか痛みは周りに見せない」ことなんだろうけど、翔太郎の場合は、「周りにバレバレ」というのが未熟な点で、でも完全にハードボイルドが完成すると、お節介な協力者が減って行くので良し悪し、と。

 中坊の晶くん曰く、「上手く行ってないときでも、口だけは格好つけたことを言ってるのが翔太郎さんらしくていい」そうで、
 周りが心配になって助けてくれるのが、翔太郎の人徳ですな。何だかんだ言って、調査は足で稼げって古風な探偵や刑事のスタイルを忠実に守っていますし、ハードボイルドっぽいがむしゃらさ、無骨で地道で粘り強い頑固さも備えていますし。

★ダイ大

 キルバーンの昔話と、アバンとの最終決着まで描かれて、ミストバーンとの戦いもそろそろ大詰め。

 ミスト+バーンの肉体だから、ミストバーン。
 そして肉体はずっと目を閉じていますが(仮死状態だから)黒い額飾りに見えているミスト本体はずっと目を開けているという納得のデザイン。

 そのバーンの肉体は、次回、老人の肉体ではダイに勝てないことを悟った大魔王から返却命令が来て、ミストはお返しします。
 これで真の大魔王バーン(通称・若バーン)が誕生し、ダイを圧倒する流れ。

 一方、自分の体を失ったガス生命体(暗黒闘気の塊)ミストは、迂闊に飛び込んできたマァムを捕らえ、その肉体に憑依します。
 しかし、原作だと褐色肌で、装備までは変色しないのに、アニメの次回予告だと思ったよりも真っ黒ですね。
 マァムの潜在能力をフルに発揮し、自身の肉体破損さえ厭わない苛烈な戦法に、ヒムとラーハルトも圧倒され、頼みの綱はアバンの空烈斬……に見せかけて、ヒュンケルの肉体にミストを憑依させること。
 最後の決着は、ミストVSヒュンケルの闇の師弟対決で、そこまで描かれるのは次々回かな。

 ミスト戦の決着後は、ピンチのダイを助けるために、仲間たちが真バーン戦に加勢に行く流れ。

 最終的には、仲間が次々と脱落するものの、生きていたポップとダイのタッグで、大魔王の鼻を明かす展開に。
 それで9月いっぱいが終わって、最終決着は人の姿を捨てたバーンと竜魔人ダイの壮絶な一騎討ち展開。

 とりあえず、今回はここまで。
 

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/17 (Wed) 08:17:38

 定期感想その3です。

 風都探偵第2話のご解説、ありがとうございます。画像付き感想サイトなども併用して、なんとかストーリーを追ってみてます。感想サイトでは要点が掴みにくく、こちらのご教示で大いに助かります。

 字面上の印象ですが、連続殺人のドーパントの正体はちょっと伏兵過ぎるかも(^^;。公式のメイキングビデオによると3話1エピソードなんだそうで、まだ残り1話で明かす謎があるようですね。ときめの正体が原作でも未だはっきりしないとなると、第1話からの伏線っぽいものでは依頼者のカバンが残ってるかな。

●仮面ライダーアクセル/RETURNS

 これも「エターナル」同様、2019年に観てるはずなんですけど、やっぱり当時はW本編を分かってなかったので、深く楽しめてなかったと感じました。今回観なおしてみて大変ん面白く、いろいろ発見もありました。

 翔太郎との関係では、竜はハードボイルド主人公然としている点が興味深い。パッと目につく行動面では、スリの兄貴分に親分の居場所を聞き出すときの強引さ。有無を言わさず、いきなり締め上げてますね。さらに親分がいる(ヤクザ経営っぽい)キャバレー(?)でも、迷わず銃を突き付けて問答無用の暴れっぷり。さらに一応警察手帳を示してバスを借りようとして、慌てて止めようとする運転手をいきなり殴り倒す。

 それらをマズいとか強引とか意識せず、自然にやっちゃってまして、周囲を気にせず、目的と結果のみ重視な感じがよく出てます。これなら、いかにもなハードボイルド主人公風です。しかし、こういうのは翔太郎にはできそうもないですね。TV本編でも竜は翔太郎と対照的な行動だったかもしれませんが、ちょっとはっきりとは思い出せない(途中からギャグキャラも演じてたし ^^;)。

 この「アクセル」で、1号(W、ただし片割れ/翔太郎)と2号(アクセル/竜)が対照的なキャラクターだったのが浮き彫りにされた気がします。TV本編では竜が翔太郎の影響を受けて変わっていったと感じられますが、翔太郎のほうも己に欠ける(かつ欲しい)面を竜に見出していたということなんでしょう。

 しかしこの「アクセル」では翔太郎&フィリップはサポート役で、あくまでも主人公は竜であり、竜のドラマが描かれる。その竜はしかし、上述のハードボイルド性は亜樹子には全く示さない感じですね。のっけから、いそいそと朝食づくりに励み、亜樹子が喜ぶと竜も嬉しそう。いかにもな仲良し新婚さんといったところ。

 しかし、竜は亜樹子と出会った当初から一貫して「所長」と呼ぶわけですね。そこだけは亜樹子は不満。ですが、その1点の不満がじわじわ広がり深まりで波乱を起こしていくのが、面白くもあり怖くもあります。

「所長」呼びのアリの一穴から全体が崩れ始めるきっかけが、竜がリリィ白銀を下の名前で呼ぶという話から。立場で呼びかけるのと、下の名前で呼ぶのでは親密さが違うと感じて当然ですわな。この辺りだと非常に分かりやすい、亜樹子の不満の拡大です。

 しかし、竜がスリで捕らえ、しかし敵の罠にハマって追われる立場になったことが、竜の殺人容疑として報道されると、亜樹子視点でマズい事態に発展する。ゲストヒロインの葵と手錠でつながったまま逃走するのを報道のカメラが捉えてましたから。手錠が映れば何とか理解しようもありますが(竜は警察官だし)、どう見ても手に手を取って一緒に逃げてるようにしか見えない。

 まあ、簡潔にいえば「駆け落ち」みたいな。それでも亜樹子は必死に食らいついていくわけですが、竜はゲストヒロインを「葵」と下の名前で呼んでる。さらに竜、葵を敵から守ろうと必死に戦ってる(アクセルメモリを葵にすり取られたままなんで変身できず、余計に必死さが丸見えになってしまう)。

 これで亜樹子は絶望に至りまして、敵の人質になり、助けに来た竜を罵倒する始末。

 この一連は、ゲストヒロインの葵からするとちょっと違う。何とか逃れたい葵が竜に誘いをかけても、竜が微動だにしないわけですな。しかし、時限爆弾が葵に装着されると、解除条件を満たすために問答無用で突っ走る。必死に守ってはくれるけど、竜の態度は異性への愛情とは違う何か、と感じるはずです。

 さらに亜樹子から竜が夫であると言われたことで、葵は察する何かがあったはず。それをおそらくははっきりさせたのが、拉致された亜樹子を救いに赴く竜が葵に言った「葵、ここからは俺(竜)の戦いだ」でしょう。言い換えれば、そこまでは竜の戦いじゃなかった。つまり、葵だから必死だったわけじゃないよ、となります。じゃあ誰のためなら必死になるんだと問われるなら、答えは「所長」のためなら、となりましょうか。

 となると、冒頭の疑問「何で所長と呼び続けるの?」再びになるわけですが、捕らわれの亜樹子を救出に来て、亜樹子から詰られてようやく一応の説明をしてくれてますね。「君と出会えたお陰だ。君が思い出させてくれた、人を愛する心を」ということですが、直接的には理由としてはっきりしないかな。

 しかし、TV本編完走してみて考えますと、中盤で竜が登場して亜樹子と出会って以降、ずっと「所長」だったわけで、竜に取って亜樹子の存在そのものが「所長」で表されるようになっちゃってるんでしょうな。これって決め台詞(「お前の罪を数えろ」等)と同質なのかも。最初は単なる台詞ですが、次第にその決め台詞言うだけで、今までの盛り上がるシーン全部の興奮が蘇るようになります。竜としちゃ「所長」と言うだけで愛情を感じちゃうんでしょうな。

(それと対照的で、やはりW本編で竜独特なのが翔太郎への呼びかけで、上の名前「左」と呼んでますね。犯人なども姓ないしはフルネームで呼ぶはずで、竜にとっては任務・使命を強く意識する呼び方なのかもしれません。)

 中盤まではミスディレクション要素を持つ大野刑事も面白いですな。意図せず、真犯人の相模班長の正体を隠す目くらましをやっちゃってます。が、わざとではないんで真犯人が要求した「ガイアメモリ強化アダプター」に興味を示さないことで、ようやく無関係と判明。

 そこだけでも敵との戦いのドラマとして面白いんですが、もう1つの面白要素が葵に対する態度。スリをも社会のゴミと呼んで憚らない。これは葵の父親を殺害した犯人も言ったもので、葵らから最初は疑惑を持たれてしまう。が、真犯人ではなく大野刑事の頑なな正義感だったらしい。

 真相が明らかになると反省して、葵が逮捕時に言った「誰か、しっかり支えてくれる、独身のイケメン探して」の通りの存在に変わる。というのが観たとおりであり、ウィキペディア等の解説にもあります。

 が、ちょっと違う解釈もしてみたいかなと思います。もしかして大野刑事、一貫して葵に惹かれてるんじゃないかしらん。犯罪者はゴミ、と過激なことをしばしば言ってしまうのは、犯罪が葵との間を埋める障害となってんで、それにいら立ってのことかも。

 実は、タイトル(やストーリー)忘れましたが、刑事と娼婦でそういうシーン観たことがありまして。刑事はある娼婦だけをやたら厳しく取り締まり、しばしば逮捕する。娼婦はついに怒りだし「なんであたしだけ!」と食って掛かると、刑事はぐっと答えに詰まる。刑事はしばらく迷ってからおずおずと打ち明けるに「足を洗わせてからプロポーズしようと思ったんだ」と(後は推して知るべしの展開)。

 葵と大野刑事も、そういうことだったら面白いなと思いますんで、そういうことだったと解釈しておくことにします(^^;。

 さらに真の黒幕にしてコマンダー・ドーパントである相模広志班長も興味深い存在でした。重かろうが軽かろうが罪があると思ったら殺害してしまう処刑人に堕ちちゃったわけですが、理由は以前に逮捕した犯罪者が復讐して、愛する妻を殺したからというもの。

 これは何度目になるでしょうか、最初は家族の復讐に逸っていた竜にはグッサリ刺さるものであるわけですな。まかり間違えば(というか翔太郎がいなければ)、竜とて相模班長のようになっていたかもしれません。実際、相模班長が己が過去を語って処刑人に誘うと、竜は動揺する様子がありましたし。

 しかし、最後に駆けつけた場に救うべき亜樹子=所長がいたことで、またも迷いを脱することができたようです。今まで、竜がいったん復讐で迷って、しかし断ち切ったとき、「もうこれで大丈夫なんだろう」と何度も思いました。しかしこうも繰り返されると、復讐≒憎悪への迷いを断つ、というのは竜の永遠のテーマのような気もしてきます。

 ただ、この「アクセル」以降なら、「所長がいれば大丈夫かな」となりそう。そこは「風都探偵」で描かれるかどうか、10月からの楽しみとしてみます。それにはこの「アクセル」の前日譚とされる「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE」も観ておきたいところですが、東映公式でやってくれるかしらん。

●牙狼-闇照編(第6話:響 Rock)

 前話が(好みの作風ながら)気が滅入るほど暗くシビアな話で、元気出る話来ないかなと思ったら、ドンピシャで来てくれました。メインゲストはプロデビュー志望のミュージシャン:シンで、偶然にホラーのうろこを手に入れる。ギターのピックに使ってみたら、聴衆に受けるようになって、プロデューサも本人も大喜び状態。

 ですが、うろこの作用は主にホラーに力を与えるもののようで、その余波として人間の聴衆を興奮させるものみたいですね。うろこピックのホラーに対する効果はすさまじく、猛竜が軽くあしらえそうだったメインゲストホラー:ユーヤが、音を聞くや否や、手が付けられないほど強くなってしまう。

 ミュージシャン:シンの音楽のほうは、TV局のリベラが目をつけるほどみたいですが、流牙の耳は騙せない。ホラーを興奮・励起させることもあって、シンのライブに流牙が割って入り、ギターを奪って代わりに演奏・熱唱。ホラーを遠ざける目的もあったなんて知らないミュージシャン:シンは怒り狂う。が、自分(シン)の音楽がピック任せになってる自覚はあるらしい。

 流牙が「心に響かなかった、なぜかはお前が一番よく分かっているはずだ」と指摘すると、シンはぐっと詰まる。しかしシンが亡き母を想ってミュージシャンを志していると分かると、同じく母を想う流牙に迷いが生じるわけですね。単純にピックを奪ってもいいのか、と。

 しかしホラーを引き寄せる問題は看過できない。ジレンマを察知したらしい符礼法師、うろこのピックをシンに返して演奏させ、引き寄せられたホラーを一挙に殲滅する策を提示。その通りになるんですが、冒頭でシンの曲で力を得るホラー:ユーヤはやはり強すぎる。適切な対処はシンの演奏を止めて弱体化させることですが、流牙の決断はシンに最後まで歌わせてやること。

(録画観なおして気が付いたんですが、スピーカを切らないことに蛇崩猛竜は不利と反対し、常に冷笑的な印象だった楠神哀空吏は逆に受け入れてるんですか。しかも哀空吏、流牙が言ったことはやり通すと信頼している様子を垣間見せてます。これって後半でのチーム結束の伏線的描写なのかな。)

 危険な賭けですが、亡き母に音楽で報いたいシンが納得するまでやらせてやりたいんでしょうね。その思いれが流牙の力となりまして、重傷を負うもホラー:ユーヤも撃破。そのままシンに会いに行くわけですが、シンはうろこのピックを使っている限り、「心に響かない」ことを心底悟ったらしい。

 シンは従容としてうろこピックを流牙に渡し、録音の破棄も受け入れる。流牙としてはホラーを引き寄せる音楽として処理したんでしょうけど、シンとしては迷いを断ち切ってもらったという認識でしょうな。万年筆時代の作家が、せっかく書いた原稿用紙を破り捨てることで、新たに書き直す覚悟をするみたいなものかも。

 かくしてシンは出直す決意を固め、流牙らはホラーの問題にカタをつけることに成功。流牙とシン、2人とも亡き母を想う共通点を持つことで、行動の理由の認識が少しずれながらも、気持ちがぴったり合う、燃える展開とスッキリした結末でした。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/20 (Sat) 00:34:06

 仮面ライダーWの次のYouTube配信作が、仮面ライダー龍騎になりました。この時間帯、前にクウガ→アギトと来て、その次に龍騎を期待したら、ディケイド→Wとなったので、遠回りした感じですが、ようやく本筋に戻って来た感じです。

 ライダー初のバトルロワイアル物、またカードバトルとか、召喚モンスターとか、13人ライダーなど、斬新な要素を組み込んで、ミラーワールドという異世界で戦うということで、
 新ライダーのギーツとも関連づけできる内容。

 平成の龍騎と、令和のギーツを比較しながら見るのも一興かも。

★鎌倉殿の13人

 って、こっちも13人だ。
 戦わなければ生き残れない(龍騎のキャッチフレーズ)は、こっちにも通用する。

 とりあえず、13人中の大きな勢力である比企家が滅びたので、あと残っているのは何人だろう。
 義時、時政、和田さん、足立遠元、八田さん、三善康信、大江広元、中原親能、二階堂行政。
 9人ですか。文官が多いですが、次は鎌倉殿の頼家が消えますので、13人体制も終了。

 いや、千幡こと実朝の時代に時政中心の政治体制になるかどうかですが。

 ともあれ、善児の養い娘トウの最初の仕事は、せつ(ニンニンジャーのモモ)を始末することですか。
 短刀を抜いたせつを見て、ウルトラと戦隊の2大特撮ヒロイン同士の対決に期待したのですが、せつさんがあっさり倒されたことで、やや期待に沿わず。
 やはり、ヒロインバトルは巴御前に期待すべきか。

 次のターゲットは、伊豆修禅寺に幽閉された頼家を善児が消すのかな。

 それと行方不明とされる頼家の子の一幡。ええと、屋敷が攻め滅ぼされた際に殺された説と、母と共に逃げ延びたけれど11月に発見されて殺された説があって、どっちになるのか。
 母のせつは前述のとおり殺されたけど、比企尼が善児の手を逃れて、一幡を連れて逃げた可能性を指摘してみます。比企尼の役者は、必殺シリーズの女元締めの役で有名な草笛光子さんなので、善児の手を逃れても不思議じゃない(笑)。

 とまあ、頭の中が必殺脳ですが、義時の次の奥さん、のえ(伊賀の方)を演じるのが菊地凛子、ええと『パシフィックリム』のヒロインで一応、特撮つながりでアクション女優ですね。
 そんなわけで、比奈さんの退場劇も気にしつつ。

★牙狼闇照

 相変わらず、生身アクションばかりの作品ですが、3人の騎士の共闘シーンもあって、バトル的には充実した回。
 そして、流牙の特徴とも言うべき「魔戒関係者以外の一般人との密な交流」が描かれていました。基本的にカヲル以外の一般人には深入りしない鋼牙と違い、流牙は感情移入しすぎるキャラですな。

 また、今回出てきたボルシティのマスコミ関連の大物であるリベラさんが、敵の一味であり、ここから流牙を犯罪者としてTV報道で陥れる展開になります。
 シティの上層部は治安部隊も、芸能関連も魔導ホラーが牛耳っている状況で、敵側も魔戒騎士に対して暗躍から本格的な対決に向けて動き始める流れです。

 次回は猛竜が初の鎧装着回にして、彼が感情移入した少女の家族が、ホラーの犠牲になるのを助けようとして、まあ、敵の組織の思わぬ強大さに陥れられて……という。
 え、こんなのあり? という鬱エンド。
 敵を倒して助けた、と思ったら、魔戒騎士の知らないところで、結局、犠牲者を助けられず仕舞いだったという。バトルには勝っても、被害を止めることはできないという。これもまあ、敵が野良ホラーじゃなくて、規模の大きい組織ゆえですが。

 シティ全体が、ホラーの人間食肉牧場として、人を惹き込む活動をしていたわけで、その実態に魔戒関係者が気付かずに後手に回る展開が前半なんですね。
 それで敵の社会的規模があまりにも大きかったことに気づいて、決死の戦いに展開するのが後半戦。

 おそらく、敵側の社会的影響力が最も大きい実写版牙狼だと思います。アニメだと、国の中枢を乗っ取ったホラーとか、ホラーに支配された街とかありましたが、闇照が切り開いたストーリーパターンですね。

 そういう面が次回から見えてきて、リアルタイムで見ていたときは、今作は「組織VS組織の大規模な社会戦かあ」と感心したり、「敵の勢力規模がこんなにデカいのに、味方同士でギスギスしている場合じゃないだろう」と思っていたら、ドラマ的にも、強大な敵に対して、まとまりがよくなっていく流れなので、
 起承転結的には、次回までが起。そして承になって、物語の雰囲気が面白い方向に変わって行ったな、と記憶します。

 1クールの終わりが、前半のクライマックスで、そこに至る流れが最初の山場かと。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/20 (Sat) 20:07:13

 仮面ライダーに関して、2点ばかり追記します。

★リバイス放送について

 明日21日は、通常どおりの時間帯(午前9時)で7日の放送分があるのに加え、ドンブラザーズ放送後の10時台に14日の放送延期分が加わりますので、ニチアサヒーロータイムが「9時〜11時」に2時間分になります。
 そして21日の放送延期分は、23日(火)朝の10時25分からになりますので、放送時間の確認を注意されたし、と。

 自分の場合は、日曜はリアルタイムで見れるけど、火曜朝がなあ。まあ、平日に放送時間が分散されなかったのは幸いだと思いつつ。
 日曜午前で、ダブルヘッダー的に消化できるのはありがたいと思いつつ。

★風都探偵のコミック

 もしも、物語の予習に興味があるようでしたら、こちらのサイトで、コミックの無料試し読みができますので、紹介しておきます。

 https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784091898494

 コミックとアニメの表現の違いを確認することもできそうですね。

 まあ、ストーリーの予習はできても、アニメでのアクション演出など動きを伴う部分や、音声要素はまた別物でしょうし。

 そして、今のタイミングだと、ダイ大のマァムと、風都探偵での亜樹子所長は同じ声の人だったりして。

 とりあえず、カバンの謎解きなどは、コミックで先に確認してみるといいのでは、と示唆しつつ。

 ではでは。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/22 (Mon) 22:00:48

 定期感想その1です。

 龍騎、始まりましたな。自分はTV放映時は非常に断片的に観ただけで、ほとんど理解できてないのは間違いありません。それでもシビアだなと思ったりしまして、現世で恵まれたことでライダーバトルから抜けようと思ったら、ミラーワールドに閉じ込められたとかですね。

 しかしどう締めくくったかはよく分からん状態でして、せっかくのネット放映ですんでしっかり観て感想書いてみようと思います。気が早いですが、龍騎の後が555になれば、剣/ブレイドまでがつながるなあと期待しています。その後、響鬼、カブト、電王が続けば、一応は平成ライダーシリーズを観たことになります(キバ、オーズは途中からですけど ^^;)

●風都探偵(コミック)

 無料公開をお知らせくださいまして、ありがとうございます。試し読みだから分量は少しだけだろうと思ったら、相当なボリュームで驚きました。アニメ版第1話のエピソードが最後まで読めたらいいやと思ったら、その先がいくつもありまして、おおむねの雰囲気は掴めました。

 といっても、TV本編通りの感じですね。もっとも、だからこそ好感が持てます。「Wをこうしてみたい」みたいな我を張らない、作者の「Wの続きはこうなるはず」みたいな原典が大好きな気持ちを感じます。それでもWを知らずに「風都探偵」から入るファンへの考慮もきちんとあって、原典からのつながりも紹介してますね。しかし説明臭くないんで読みやすい。

 結構な分量読めたお陰で、フィリップは翔太郎のバディですがヒロイン的な立ち位置もあるように感じられるようになりました(これはもしかするとこちらで伺ったことがあるような?)。TV本編では分からなかったんですが、翔太郎に対するおそらくは直接的なヒロインのときめが登場してくれたんで、対比でフィリップの立ち位置が掴めた気がします。その辺りはアニメ版が始まったら、実写本編で亜樹子がついに翔太郎に対するヒロインにならなかったことも含めて、もうちょっと具体的に実感してみたいところです。

 それはともかく、アニメ版と原作コミックを比べますと、細かいところで表現技法が違うんだなと思える点も興味深い。例えば、坪崎忠太が探偵事務所でいきさつを語る回想シーンでは、ときめとの遭遇で強調されるものが違ってる感じです。アニメ版では軽やかで不思議な動きをするときめに目が行きますが、原作コミックでは街の様子のおかしさにドキッとします。

 特に坪崎忠太がときめを追うのを諦めて、振り返ったら来たはずの道がなくなっているところです。アニメ版ではさらっと流されてますが(一瞬しか見せず、すぐに亜樹子が話を継ぐ)、原作コミックでは振り返ったら壁になってるコマが割と大きめで、読んでいて目が留まります。コミックのアニメ化って、コミックのコマとコマの間を単純につなぐんではなく、動く絵と止まった絵では目のひきつけ方が違うんだなあと思った次第。

 そういう印象の違いはあれど、ミステリ面での仕掛けは論理的な理解主体ですから、アニメ版第1話(プレビュー版)からの展開と結末がよく分かりました。自分は坪崎忠太のカバンへのこだわりが何か変だなと思ったんですけど、メモリ絡みでしたか。

 メモリによる事件が二重、三重の構造なところも面白かった。人食いドーパント(ロード)のほうは半ばヤクザのビルオーナーの部下でしたか。自分の身を削るメモリだから、手っ取り早く補給するため人食いに走り、そこをなぜかドーパントを察知できるときめが追いはぎに利用していたと。強盗殺人事件だと思ったら、殺人事件と強盗事件の主犯が別々だったわけでしたか。

 そのときめが、アニメ第1話から想像できないほど、なかなかに健気。死体から略奪とかはたとえもう救えないとしてもどうかと思いますが、ロード襲来を事前に察知した場合は警告して逃がしてたわけですか。しかし不器用なもんで、脅して追い払うもんだから、魔女とのうわさに拍車がかかってしまうというのは、不器用な不思議系といったところでしょうか。

 上述しましたが、このときめがWについて知らないために、自然とW関係の説明が入れられるわけですね。なにせ助手として探偵事務所に入って来るわけですから、翔太郎・フィリップだけでなくWについても教えていいし、知っておいてもらわないと仕事に差し支える。

 作劇的に巧妙なことに、亜樹子が事前に渡しておいたW関連のメモが、実際と微妙に異なってるわけですね。たいていはポイントとなる点をちょっと外してありまして、ときめが驚くために、読んでいるこちらも自然とそっちに注意が向く仕掛け。あるいは、ときめが混乱してくれるんで、読んでいるこちらも奇異に感じても、そういうもんだと思える仕掛け。

 例えば、竜/アクセルがバイクになる点については、亜樹子は正しく「バイクになる」と書いてますが、ときめは「バイクに乗る」の書き間違いと思い込んでました。ときめの読み方がむしろ常識的ですが、しかし竜/アクセルはときめの目の前でバイクに変身する。

 これはTV本編視聴済みだとアクセルがバイクになれるのは既知ですが、もし「風都探偵」から入ったとしたら、違和感が生じるかもしれません。しかし違和感を消す工夫ではなく、違和感が生じても安心できる仕掛けが「ときめが驚く、混乱する」演出になってますね。「唐突だけど、作中の人物がびっくりしてるんだから、これでいいんだろう」みたいな気がして読み進められます。

 そういう工夫がいろいろ盛り込まれているのも、やはり「風都探偵」がTV本編最終話から続く話であるからなんでしょうね。既に主要登場人物はもちろん、Wやアクセルについても段階的な強化は済んでます。それだけに情報量が膨大ですね。

 ウィキペディアのライダーものの項目に似ている点があるかも。ライダーものの解説は、番組スタート当初は記事量がごく少ない。回を追うごとに説明が増え、最終話終了時点では膨大になってます。自分などは過去作のネット放映が初視聴の場合、ウィキペディアで調べようとすると、しばしば目が滑って混乱してしまってました。

「風都探偵」でも、もしTV本編視聴を前提に組み立てちゃうと、「風都探偵」から入る人には同じようなことが起きてしまうんでしょうね。そこが分かるからこその、ときめ=ライダーW初心者をレギュラーに加えてるんだと思います。しかし謎を持つキャラクターとしてドラマを動かす要素にもなってまして、無駄がない。

 そういう説明の必要性などをきちんと押さえつつ、ドラマもミステリもきっちり打ち出してますね。上述のコミックとアニメの技法違いゆえの描写の差はありますが、アニメ版が面白くなりそうなのは、この原作コミックで保証された感じがします。ともかく自分が視聴できるのは10月からかあ。

 3話1エピソードだとして、先行地域とは3エピソード差で追っかけることになりそうですが、原作コミックの無料公開でカバーしてもらえましたんで、ストーリー的な予習はばっちりできたはずです。第1話冒頭の、手慣れ過ぎたWの動きも含め、どう絵が動くかを最初からきっちり観て行けそう。

●宇宙刑事ギャバン

 東映公式Yotubeでいろいろ最終回。ギャバンは「TV放映時は途中離脱したけど、最後まで観なおしてみようかな」くらいの気持ちで観始めました。こちらでちょっと触れたら、NOVAさんが4周目だと仰るんで、ちょっとびっくりでした。同時に「それなら気合入れて観てもよさそう」という気もしました。

 映像的には当時の水準としては凄かったな、というのを再確認です。実写グリッドマンでも似たような印象を覚えたことがありまして、前に申しましたが狭いところに潜れるカメラですね。しかしグリッドマンは低予算を跳ねのける工夫、ギャバンは資金を投じてどこまでできるかという挑戦。対照的なんですけど、何と申しますか、感じる心意気に近いものを感じるのは、やはりクリエイターの魂ということかしらん。

 それはともかく、ギャバンはこちらでお伺いした通り、1話完結性が高いものでした。それも各話の独自性に拘るようでもなく、昭和のライダー(知ってるのはV3まで)と同様の作風ですね。魅力はシーンに重きがあり、特にバトルの見栄え。そのバトルも組み立ては各話で基本、共通でして、戦隊ものに近いかな。

 もっとも、だからこそいい、となります。昭和ライダーものでも「ライダーキックが見たい」なんて感じでして、それゆえ「どのあたりでライダーキックが出るか」が分かるような作りが好ましい。ギャバンでも「こうなると、あのメカが来て」とだいたいの段取りが見えて、レーザー・ブレードからのギャバン・ダイナミックを観て満足、となります。当時の自分は剣が光るだけでも喜んでた覚えがあります。

 しかし、最終盤で際立った印象なのは、こちらで事前に教えて頂いたボイサーですね。演じてくれたのが故千葉真一御大であるでも印象的ですが、実際にギャバン/一条寺烈と同じ画面に映りますと、「似てる、本当に親子みたい!」と思いました。ギャバン役を大葉健二さんとした時点で、父親役なら千葉真一さんと制作者が判断したのかな。

 本当に親子みたいと思ったのは、リバイスでもありまして、五十嵐幸実とさくらです。こちらは序盤から同じ画面に並ぶことしばしばで、もし自分がリバイスを知らずに、誰かに「この2人は親子」と教えられたら、「道理で似ている」と言ったんじゃないかと思います。

 ギャバンのほうは、千葉真一さんのボイサーが登場してくれたと思ったら、その話のうちに死去という悲しい結末。ですが、本当の親子と言われても信用したくなるほど似てるもんで、「確かにギャバン/一条寺烈の父ボイサーが死んでしまった」という衝撃がありました。

 そのボイサーが守り通した秘密もなかなかのものでして、死体の温度になったら文字が浮き上がるんですか。ボイサーの「頭の中にはないから秘密を明かそうにも明かせない」の意味はそれかと感心すると同時に、死なないと教えられないというのもなかなかの凄み(もちろん、設定的な粗をつつこうと思えばできるんでしょうけど、その粗が粗でないと説明を考えたくなるような魅力を感じます)。

 古い作品ですが、なかなか面白かった。これなら、もしシャリバンをやってくれたら、観ても損はなさそうという気がしてきてます。

 余談ですが、途中からミミーが一時離脱、マリーンにバトンタッチ同然だったのは、個人的には歓迎だったりします。序盤ではマリーンはコム長官付きでして、たまにしか登場しません。が、たぶんなかなかお目にかかれないせいもあってか、TV放映視聴時はマリーンさんのファンでして(^^;。マリーンさんは充分にしっかり登場してくれたのは、自分的には嬉しかったですね(同時にミミーさんファンはちょっと寂しかったんだろうなとも思ったりする)。

●ダイの大冒険(第91話:バーンの真実)

 最終決戦に向け、いよいよラスボスが集約されましたな。と言っても(予習抜きなら)敵側の仕組みが明かされて、あっと驚くほうが大きいかも。ダイらは今まで何と戦ってきたんだ、みたいな感じです。

 しかしバーンの正体(分離していた)が分かってみると、こちらでご教示頂いた通り、今のような並行しての各個撃破で正しかった、もし「まず幹部クラス撃破し、続いて孤立したラスボス(老バーン)」と狙うと負けてたと分かり、なるほどとも思う仕掛け。

 まず明かされたのが、ミストバーンが文字通り、ミスト+バーンであるということですね。ミストは不定形の(暗黒闘気の塊の)魔物であり、アストロンに似た封印「凍れる時間の秘法」がかけられたバーンの(若年時の)肉体を操る役目を仰せつかっていたと。

 ミストバーンが衣を脱ぎ捨ててみるとあらわになる、額に位置する魔物がミストであるわけですな。これを隠すための全身の衣であったようです。ミスト本体が見えてみますと、やはり「ロードス島戦記」の灰色の魔女カーラを思い出しますね。本体は実はサークレットで、身体は借り物。

 もう1つ連想したのは「マジンガーZ」だったりします。時間停止の無敵の体の頭部に宿って操るって、鉄(くろがね)の巨体にパイルダーオンして操縦する、みたいな感じなので(^^;。

 それはともかく、ミストの声は憑依した体の声になるようですね。後でバーンが本来の体になると、ミストバーン時の声(子安武人さん)でしたし、マァムに憑依するとマァム(小松未可子さん)の声。以前から、ミストバーンはほとんど喋らない→正体を隠すためでは、なんて話があったわけですが、まさにその通りの真相と演出でして、整合性をきっちりとってあるのに感心です。

 もっとも、老バーンの声(土師孝也さん)が今話で聞き納めと思うと、ちょっと寂しくもあります。2年近く、あの渋い、ラスボスらしい声に凄みを感じてきたわけで、次からはミストバーンの声の大魔王と言われても、慣れるのにちょっと手間取りそう(^^;。

 バーンの身体と分離したミストも興味深いですね。ミスト固有の声(古川登志夫さん)に変わり、性格的な変化も感じられます。今までは敵ながら筋を通す立派な態度と感じられましたが、ミスト単体となりますと、勝つためには手段を選ばず、むごさも出てきた感じ。

 たぶん、ミストバーン時は「大魔王バーンの身体をお預かりしている」という意識がミストにあったんでしょうな。それゆえ、バーンの身体という正体を隠していても、バーンの名を汚すような振舞はできぬ、みたいな気持ちがあったんでしょう。しかし身体をバーンに返却してしまえば、ミストの地が出て来る。

 しかし強者に対する尊敬は本物であって、ミストが身体を欠くがゆえのコンプレックスでしたか。自分(ミスト)には鍛えて強くすべき身体がないため、刻苦して強くなっていく者がうらやましかったと。その嫉妬が憎悪に向かわず、敬意になっていった点は、ミストの美点でありますな。

 その一方、他人が苦労して得た強さを横取りする面も付随する。憑依した体の痛みは感じないので、より強さを引き出せる反面、せっかく得た体を壊してしまうかもしれないわけですね。マァムに憑依したときですと、殴った拳から流血してまして、使い捨てる気なのが窺えます。

 自分(ミスト)が苦労して得た強さじゃないから、惜しいと思えないんでしょう。マァムは本来のターゲット:ヒュンケルの体を奪取するまでの借り物であったようですが、そのヒュンケルとて人間。ミストと比べて寿命が桁違いに短いはずです。憬れた対象を次々使い捨てていくのが、ミストの矛盾を抱えた人生と言えそう。唯一、凍れる時間の秘法ゆえに不老不死のバーンの身体を預かっている間が、ミストとしては至福の時間だったかな?

 ミストの語りにいろいろ感慨が起きるですが、実は先週の予告で観た黒いマァムのバトルを早く観たくてうずうずしてました(^^;。マァムがミストに捉えられ、憑依されていくシーンなどは、「魔力炉に捉えられたレオナやこれ、90年代だともっと露骨にやるんだろうなあ(^^;」とか思いつつも、「はよ次行け」とイライラしたり。

 で、いよいよ真っ黒のマァムが出現しまして、バトルが期待通り。声も表情も自信に満ちて不敵、動き始めたと思ったら、次々と瞬殺。このマァムさん、黒マァムとか呼ぶ向きもあるようですが、闇マァムでもいいかな。ミストの命名規則(?)通りだと、ミストマァムか。

 とか思ってたんですが、ヒュンケルが対策があると言い、アバンを鼓舞する。自分はすっかり設定忘れてましたが、アバン流「空の技」は光闘気系で「実体のない魔物に効果大」(ウィキペディアより)なんでした。さすがはヒュンケル、「アバンの書」を暗記するほど読み返しただけのことはある。

 問題は間違えばマァムを巻き添えにするリスクですが、体が動けば自分がやるというヒュンケルに、アバンも負うた子に教えられで覚悟を決める。ヒュンケルは以前にマァムに気持ちを救われ、聖女のようと言い、マァムの未発達ながらも芽生えた恋愛感情も理解しているはずです(エイミに対するあしらいで、ヒュンケルが恋愛を理解しているのは間違いない)。

 ヒュンケルもつらいんでしょうけど、手をこまねいていればマァムが死にかねない(ミストが身体負荷無視で酷使してますし)。ちょっと思い出したんですが、コミック「コブラ」で似たようなシーンあったなと。それにも憑依生物出て来まして、コブラと関わった女性の体を乗っ取る。

 憑依生物としてはコブラに対する人質の意味もあったんですが、コブラは迷わず銃を向け、「その女も老いさらばえるまでまで乗っ取られるなら、今すぐ死ぬほうを選ぶだろう」と言い放つ。これには憑依生物も恐れおののいて憑依を解く。という流れ。

 今話のダイ大でも、ヒュンケル&アバンの覚悟の虚空閃に、さすがにミストもヒット寸前で逃れてましたな。マァムに対しては急所を避けたようで、何とか無事らしい。でも、黒マァムさんの縦横無尽のカッコいい暴れっぷり、もうちょっと見たかったかもです(^^;。

 もっともミストの本来のターゲット=憑依先はヒュンケルですか。そのために暗黒闘気を増大させて育てたわけか。ミストとしては黒マァムでヒュンケル以外を掃討しておけば楽に乗っ取れるんでしょうけど、そうできなくても多少の手順の前後くらいの影響しかなかったようですね。隙をついてヒュンケルに憑依したところで続くと。次回はヒュンケルの内面での闘争になるみたい。

 一方、ダイとレオナ。バーンを完全打倒したと思ったら、またも光魔の杖で防がれてましたか。もっとも杖が砕けてしまい、下手するとバーンも死ぬところだったらしい。が、依然としてバーンに余裕が感じられる。それもそのはずで、アバンが見抜いた通りのバーンとミストバーンの正体だからですな。

 魔力と知恵の老バーンだけでは勝てないと悟り、ミストに預けた肉体を召喚、ついに真・大魔王バーン降臨(と画面にも出てるし ^^;)。このバーンが使える奥義が次回タイトル「天地魔闘の構え」ということですか。卑怯レベルのコンボ技らしく、それで形勢逆転となるようですね。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/23 (Tue) 17:32:39

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第47話:狩崎の反乱、変身の代償、第48話:覚悟の証明! これが…日本一のお節介)

 これを書いている本日(8/23 火曜)、第49話が関西で放映されていますが、一輝の記憶とバイスの、最終話にもかかるエピソードのようですんで、感想は次に回して2話1セットとしたいと思います。

 この日曜の2話放送分は、狩崎のドラマの解決編でした。もっとも、よく分からない点がありまして、劇場版での出来事が前提となっているせいのようです。こちらで簡潔に伺ったお陰で、第47話冒頭の狩崎がどういう状況か、ざっくりと掴めるのは助かりました。

 狩崎父が狩崎ジュニアに埋め込んだ(?)悪魔は除去され、狩崎(ジュニア)は迷うことなく悪魔を排除したスタンプ&ドライバーを作り上げられるということみたいですね。序盤の狩崎が意図したものですが、意味はちょっと違って来るかな。今は狩崎父を否定し、超えるために悪魔否定のライダーシステムで、リバイスを打倒したいらしい。ただし名目は危険な悪魔は地上から排除するとしてまして、狩崎父に対して屈折した気持ちがありそう。

 ともかくも狩崎は動き出しまして、まず悪魔事件の発端とも言うべきデッドマンズの花/アギレラらを襲撃。対する五十嵐家ライダーズは、戦いで一輝の記憶が失われるリスクを踏まえ、一輝をリバイに変身させず、バイスのみで立ち向かう。対する狩崎のフォームは10種の生物ベースという「ジュウガ」ですか。ネット評では、クウガのアルティメットへのオマージュという意見がありまして、確かにそんな感じかもです。

 それはともかく、ジュウガはまだ不完全で痛み分けに終わるも、一輝が両親(元太、幸実)を忘れてしまうわけですな。残るライダーは大二/ライブ&カゲロウ、さくら/ジャンヌ。その戦力差もあり、狩崎の表向きの狙いに沿って、ドライバー&スタンプを狩崎に引き渡すことにする。が、なぜか狩崎が激怒して拒否、バトルになってしまう。

 これに一輝が変身して加勢しようとするもバイスが阻止、大二に代わったカゲロウとさくらの根性の再変身で何とか逃げ切る。そこへ門田ヒロミが狩崎の盟友の面目躍如でして、狩崎の真意は悪魔駆逐ではなく、狩崎父への復讐だと教える。一輝らは狩崎の真の望みからずれた行動をしていたため、うまく行かなかったわけですな。

 そこからは門田ヒロミと一輝がそれぞれの方法で狩崎の「説得」にかかると。一輝は狩崎の、父を超えるための「ジュウガ」と全力で戦ってやる。門田ヒロミは狩崎父の遺品から、狩崎が幼い頃に描いた絵を見つける。狩崎父が後生大事にとってあり、絵柄はその後のライダーの原型を示すもの。狩崎父のライダーシステムは、幼い狩崎ジュニアの夢を実現するため、という証明ですね。

 この2正面作戦を受けて、狩崎も屈折した気持ちから解放される。という、書いてみるとよくできたいい話ではあります。シーンもよくできていまして、例えば狩崎の絵の発見経緯。まず掃除で床のシミの話を振っておいて、狩崎父の遺した写真に写る部屋の床のシミとの一致を見せる。しかし写真に写るドアは実際の部屋では鏡。そこが怪しい、となって隠し部屋発見、遺品から絵が見つかるわけですね。

 なかなかトリッキーで、しかし無理はない。よく工夫されていたと思います。しかもよく考えると、そこは以前は偽家族である牛島家の住居に偽装された家でして、地下のウィークエンド本拠を隠していたわけですね。序~中盤でさくらが地下への階段を発見するも、降りるのをためらったりしまして、かなり注意がそっちに行きました。そのため、他に隠し部屋があるとは、劇中の人物も、観ているこちらも想像しにくい。上手いことやったもんだと思います。

 そう感心はするんですけれども、やっぱりこの2話分は自分的にはガッカリのほうが大きいかなあ。一輝の記憶問題は悪化の一途なわけでして、狩崎の悪魔を駆逐する名目の叛乱(?)は、それに関わるんだろうと期待したんです。例えば、狩崎は独自研究で悪魔を全て駆逐すれば、一輝の記憶を戻せる可能性を見出した、とか。

 しかし第48話に入りますと、はっきりと門田ヒロミから狩崎の真の望みが語られ、解決すべき問題が狩崎父子の関係と明示され、勝利条件が設定されて達成される。一輝が両親に続いて、大二やさくらも忘れてしまうのは、狩崎の乱が原因だけど別問題という格好で、解決は第49話~最終話に残される。なんと申しますか、個別にバラバラに解決していく感じです。

 リバイスのドラマは最初は「しあわせ湯の家族」から始まり、その平和を守ろうとして、中盤くらいまではだんだんと枠が大きくなっていきました(そしてついに世界全体の命運という枠に達する)。そこまでは、「何が望みを阻むのか」を見出すために枠が広がっていった感じですね。それが自分が興味を持ってリバイスに見入ってた時期です。具体的には、実体化できないバイスが泣いて一輝のために(無駄に)戦い、ついに一輝の記憶と引き換えにする守護の悪魔と明かされる頃までかな。

 しかし枠が広がり切り、問題が確実のその枠内にあると分かり、解決のために枠を絞っていく流れに変わりました。たぶん、その辺りから自分はモヤモヤし始めたように思います。枠を狭めて勝利条件をはっきりさせていくんだけど、枠を広げて見出した問題解決の要素を次々と枠の外に放り出していく感じなんですね。

 一応、各要素が持っていた矛盾とか問題は解消してやって用済みとしていってるんですが、自分的にはそれではあまり面白くない。せっかく鍵となる要素がいくつも出てきたんですから、その要素が狭まる枠についていき、問題を解決する動きを見せてくれないと興が乗りにくい。しかし第48話で、狩崎は一輝と門田ヒロミに背中を押されて、枠の外に出てしまいました。

 次話(第49話)以降では、こちらでも確か予想があった、最後にバイスが自分の存在と引き換えに一輝の記憶問題を解決にかかる動きになるようです。自分的には、バイスが狩崎からバトンを渡される格好で最後の活躍を始めて欲しかったんですが、実際には狩崎は狩崎、バイスはバイスという動き。その辺りがちょっと残念です。

 とは思うんですが、いかんせん劇場版を観ていない。現状の自分の理解ですと「消化試合っぽいけど、何を消化しているのかもよく分からない」始末。劇場版込みだと、どういう風にTV本編が見えるのか、気になっています。「バトルファミリア」を東映公式Youtubeでやってくれるとして、数年は先かなあ。まあ、「そこまで気にするなら観に行けよ」ってことではあるんですが(^^;。

●鎌倉殿の13人(第32話:災いの種)

 こちらも枠を狭めて問題の解決(鎌倉の安定)を図ろうとしてるんですが、枠が狭まらんですね。平家打倒までは枠を広げていき、打倒後は頼朝存命時はうまく狭まっていった感じ。枠を広げる時期でも、上総介誅殺など、鍵となる要素を枠の外に非情に放り出してましたが、大敵(平家)を滅してからはより厳しい。

 ネットでは放映あるたびに「頼朝/大泉洋が悪い」なんて評が出てまして、頼朝の憎まれようときたら(^^;。しかし今となってみると、頼朝はよくやっていたようですね。義時は反発していたわけですが、頼朝がやってくれないとなると、義時が頼朝のようにやるしかないと覚悟するしかないのがよく分かります。

 義時も以前は喜怒哀楽や驚愕、動揺をはっきり見せてましたが、この頃になると表情をほとんど変えない。まるで善児が乗り移ったかのようです。が、その善児が情を見せるようになったのが興味深いところ。義時の命(一幡抹殺)に泰時が背き、善児に討たせるどころか、かくまって養育させていたわけですか。

 善児は範頼殺害時に巻き添えで殺害した者の子を、何を思ったか育て、トウと呼んで弟子にしたようですね。トウは親の仇が善児だと知ってるんでしょうけど、恨む様子を見せずに従ってますな。たぶん、善児はトウを育てるうちに情が移り、そこをトウも感じ取ったからか。

 そのトウに一幡はよく懐いているようです。母のせつを殺害したがトウだとは知らないのかな。トウを指図したであろう善児も一幡は慕っている様子。まあ、ブランコまで作ってやってますからねえ。その善児も老いまして、孫世代の一幡に好かれたことで、ついにむごさのストックが尽きたらしい。

 しかし義時はむごさを蓄えつつあるわけですね。一幡存命を知ると、善児の小屋へ自ら出向き、「あれは生きていてはいけない命」と無表情に言う。これにドラマ始まって以来初めて、善児がつらい表情になったもんで観ていて驚きました。義時が「千鶴丸と何が違う」と問うと、善児は「わしを好いてくれる」と。

 はっきりと、義時と善児のポジションが入れ替わったなと思った瞬間です。義時、ひるむ善児を捨ておき、太刀に手をかけて一幡に向かうと、さすがにトウがそれとなく制する。一幡を助けるためではないでしょう。おそらく、主にこれをさせてはいけない、と感じたんでしょうな。師匠(善児)の決意を促した、ということになりそう。

 善児も泣く泣く応え、ブランコの綱を切って後を追う。これはさすがにこの後どうなるかは明白でしょうな。泰時も後で怒りを見せてましたし。しかし義時は動じる様子はない感じです。邪魔者は粛々と消す。それが次話で頼家に対しても、ついに発揮されそう。予告では、どうやら修善寺に追放された頼家があがき、義時が引導を渡す気配です。

 一幡の場合は最初から殺害するつもり、頼家については結果的に殺害で、いずれも政子との約束を破る形ですね。政子はいちいち激怒してまして、もう義時の闇に付いて行けない感じ。政子は義時に代わって、頼家に比企滅亡とせつ、一幡死亡を説明しようとするも、動揺してぼかしすぎ、頼家に嘘を見破られる始末。義時なら威圧を交えつつ丸め込んだんでしょうな(もしくは暴発するよう煽るか?)。

 そういう闇の義時も、まだ見せる情は残ってるようですね。まず離縁を申し出る比奈に見せた態度。義時は(比奈を守るためにも)遠ざける必要性を感じていたようですが言い出せず、そこを察したらしい比奈に先手を取られる。これはさすがに義時つらそう。比奈はいつの間にか失いたくない人になっていたようですね。

 さらに仁田殿の件。義時のいつものことですが、仁田忠常が頼家と北条の板挟みとなり、悩んで義時に相談しようとしたわけですが、義時は忙しいからと後回し。しかし仁田忠常はいずれへも刃を向けられず、自らの死でジレンマを解決してしまう。忠実で真面目な仁田殿を死なせてしまったという悔いが強く生じたようで、義時は思わず口を押えてました。

 しかし、その後が今の義時の怖いところでして、仏の顔は一瞬だけ。仁田忠常の死の責任を頼家に問うわけですな。もちろん、時政討伐を命じたのは頼家ですから、半ばは頼家への怒りでしょう。しかしもう半分は、この機に乗じて頼家を追いつめる算段なんじゃないかしらん。なにせ、頼家様が息を吹き返す前に戻す、というのが義時の既定路線みたいですから。

 これで頼家は鎌倉殿/将軍の座を追われ、修善寺へ追放。今話の頼家は哀れでしたな。危篤状態から奇跡の回復をしたものの、鎌倉殿の権威は保っても、比企の後ろ盾を失うなどして権力は失ってしまった。しかし、最初はそれを知らず、後では分かっていても力がないことを自覚できず、独裁者として振舞おうとしてしまった。

 それで政子すら遠ざけて、孤立無援の四面楚歌。最初は怒鳴り、最後は子供みたいに泣き叫んでも、誰も従わず付いて来ず。以前に読んだ歴史の本の、古代中国のある皇帝の最期を思い出しました。その皇帝は玉座の間に誰もいないことを不審に思って人を呼ぶも、誰も来ず。ついに銅鑼のバチを手に、自ら打ち鳴らすと兵士の一団が来た。隊長らしき者が「足下は」と呼びかけて剣を抜き、皇帝は既に陛下でないことを知った。というもの。

 本を読んだとき、そこまで人が離れるまで気が付かないのかと思いましたが、今話の頼家(と義時)を見てますと、そういうこともありそうに思い直した次第です。

 今度こそ問題の枠を絞れるかな、と思ったら、枠を狭めようとしてもできない理由が示されました。比企の乱を逃げ延びた比企尼が善哉(後の公暁)に怨念と欲望の種を植え付けるわけですね。父(頼家)を殺したのは北条だぞ、鎌倉殿は本来はあなた(善哉)だぞ、と。人が退場しても問題が絞られない原因はこれでしたか。人が去っても恨みは残り、人に憑りつき、伝染し、受け継がれてしまう。こういう実体のないものと、どう戦えばいいのかしらん(とダイ大のミストを思いだしたり)。

 次回「修善寺」では、頼家 vs 義時の最終章となりそうですが、善児のドラマもあるみたい。例の梶原景時が義時に預け、善児の手に渡った袋の中身がバレる模様。宗時の遺品ですね。これを義時が知るとしたら、善児をどうするんだろう。

 情が表に出てきた善児を用済みとするのか、それともその件は暗殺者の仕事として許すのか。トウはどう動くのか、もしかして善児の真の後継者は義時か。頼家の運命は史実通りとしても、史実外のドラマオリジナルの人物の扱いがむしろ気になります。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/24 (Wed) 00:18:23

 ギャバンの後番組はシャリバンだと思い込んでいたら、突然、10年さかのぼってキカイダーになりましたね。
 まあ、確かに今年はキカイダー50周年ですが、前に仮面ライダーゼロワン記念でキカイダー01が配信されたことがあり、「どうして前番組のキカイダーからやらないんだ?」って不満があったのですが、遅ればせながら来た感じです。

 アクション的には、宇宙刑事ほど見せ場はなく、ドラマ的には……ハカイダーの登場する37話辺りから終盤にかけてが見どころって感じですかね。
 前半と後半でメイン脚本家が代わりまして、前半25話までが仮面ライダーなどの伊上勝さんが基本フォーマットを組み、後半は後にアクマイザー3や快傑ズバットなどでユニークなヒーロー活劇を描いた長坂秀佳さんが担当。

 長坂さんの作風は「ヒーローが苛酷な目に遭う連続活劇」で、刑事ドラマ『特捜最前線』のメインライターとしても有名。
 要するに、伊上勝さんが比較的、子供向きの明朗活劇を得意とする傾向があるのに対し、長坂さんの方は子供番組の枠を越えがちなハードドラマを描く傾向が。
 具体的には、「人間じゃないから」という理由で子どもたちや人間社会から不信感を持たれてしまうヒーローとか、それでも健気に戦い続けるヒーローとか。

 もしも、ドラマ部分に注目したいなら、27話以降がお勧めです。
 それまでは、比較的マンネリ的な作風で、アクション的にも特筆すべきことはそれほどないか。

 いや、訂正。
 ジローのスタントアクターはギャバンの大葉健二さんだ(ジャンプとか宙返りとか、顔の見えない部分)。要するに、ギャバンの初仕事になるのか。
 あと、音楽が故・渡辺宙明先生で、これも初の変身ヒーロー作曲ということになりますね。
 そう書くと、自分でも改めて見たくなったり(苦笑)。

 当初は、何でシャリバンじゃなくてキカイダーなんだ? と思ったけど、スタントアクションと音楽がギャバンの原点か、というつながり方で納得。

 なお、ドラマ性を無視して、マンネリ的に面白いのは、「ギターを奏でながら、高いところから現れるヒーロー」というイメージを定着させて、もう古典的な演出として伝統芸能になってますね。

 それとネタとして面白いのは、キカイダーを作った光明寺博士が、記憶喪失になって各地を彷徨いながら敵組織に追われているのですが、もう、この博士がいつも(記憶喪失なのに)いろいろなバイトしながら旅を続けているバイタリティーありまくりな御仁。
 それを追いかける娘とその弟。彼らが事件に巻き込まれるのを助けるジロー。そして不完全な良心回路を苦しめるべく鳴り響くギルの笛。だけど、偶然、妨害する音が響いて変身のチャンスが生まれ、チェンジ・スイッチオン、ワン、ツー、スリー……という、ほぼマンネリ作劇ですね、前半は。

 子どもの時にいっぱいマネして遊んだ記憶が(再放送でも人気だったので)。

 ギャバンと違って通しでは見ていないのですが(飛ばし飛ばしで見つつ、後半だけガッツリと)、あとは総集編的なビデオと関連書籍を持ってるぐらい。

 ともあれ、大葉さんと渡辺ヒーロー音楽の原点ということで、自分的に見る価値はできたかな、と。

★風都探偵(3話)

 そう言えば、Wの半分こデザインの元ネタでもありましたね、キカイダー。
 とりわけ、赤と青のヒートトリガーに、キカイダー的な連想が。

 さて、3話については、コミックをご覧になられたので、ストーリーを語るまでもないでしょう。
 ほぼ全く同じでした。違いは、コミックで出てきた照井竜が、アニメではまだ出てないこと。
 おそらく、4話で出ると思われます。

 照井竜の登場シーンカット以外は、前半がロードドーパントとのアクションで、後半が坪崎忠太に対する「事件の種明かしと、お前もガイアメモリ犯罪者だという罪の指摘」。
 そして、ときめが鳴海探偵事務所預かりになって、翔太郎にキスしたり、寝泊まりするようになる経緯も段取りよく描かれ、ほぼ過不足なく原作が再現されました(照井竜のみ尺の都合でカットされたのだと思う)。

 自分が気にしてたアクションですが、大当たりと言えました。
 Wの動きは、ドーパントに対して適度な重さ(主に効果音の印象ですが)で衝撃が伝わり、それでいてルナジョーカーのトリッキーさや、裏風都でのスピーディーなバイクチェイスシーンは原作コミックからの想像以上に、そして実写では難しいアクロバティックなアクションとカメラワークで盛り上げてくれました。

 派手なアクションは3話に1回となりそうですが、3話1エピソードで序破急的な構成ですね。

・序:型通りの始まり方。エピソードゲストの紹介。
・破:序から展開した意外な流れ。起承転結の転が見える。
・急:クライマックスのアクションと、事件解決の結末。

 3話1エピソードだと、こういう流れになると思われます。
 ともあれ、アクションに力が入っているのが分かったのと、それからWの実写版主題歌のアレンジが、戦闘シーンの挿入歌として使われていたので、音楽演出もああ、Wそのままだな、と納得。
 Wの続編として、納得できる仕上がりだったと報告です。

★ダイ大

 そして、風都探偵と同じタイミングで、こちらを見る流れですね。

 K.Kさんの場合ですと、「ダイ大終了」→「代わって風都探偵」になって、それはそれで監修者的にダイ大ロスを解消できるのかも。

 ともあれ、今回から次回にかけてが、ミストの退場回につながりますな。ミストの声がベテラン古川登志夫さんで、わずか2話とは言え、いい声を聞かせてもらったな、と。
 古川さんと言えば、代表作はガンダムのカイさん、うる星やつらの諸星あたる、ドラゴンボールのピッコロさんなど、他にもいろいろですが、仮面ライダーウィザードのワイズマン辺りがミストに近いキャラかな、と(ラスボスの分身的な人造ファントム)。

 そしてミストマァムですね。彼女が「黒いマァム」呼ばわりされているのは、コミックでの登場回のタイトルがそうだったから。
 これは、カラーヴァリエーションのイラストとフィギュアが作られそうですな。原作バージョンと、アニメバージョン。
 うちのTwitterで、早速、イラスト描いて下さったマンガ家さんがいて、いい仕事してるなあ、と。

 で、アニメだと、虚空閃を撃たれて、ミストが抜けたマァムへの変化が非常に分かりやすい。

 あと、やはり老バーンと、ミストが抜けたバーン肉体の融合合体シーン。思わず、「ぼくたちは2人で1人の真・大魔王バーンさ」と思ったり。
 また、人によっては「ピッコロ大魔王と神さまの融合」を連想したりも。

 次回は真バーンの強さに対して、また勝てなくなったダイが戦意喪失しかけたのを(時々メンタルが弱くなる)レオナが叱咤激励するのと、ヒュンケルVSミストの最終決着が描かれるかな。

 天地魔闘については、天が「たたかう」、地が「ぼうぎょ」、魔が「まほう」というドラクエ伝統の戦闘コマンドを反映したゲーム由来の技。
 要するに、1ターンで選択できるコマンドは裏技でもない限り1つで、一部のボスキャラとかで2回行動してくる時代に、「ゲームでもあり得ない3回行動をして見せる」という衝撃。
 例えば、ぼうぎょは前回で示したフェニックスウィングで、あらゆる魔法を弾き返す。これでドルオーラも通用しない。

 1人では天地魔闘の攻略は原理的に不可能なのに対し、仲間たちが応援に駆けつけるのが次々回かな、と。
 次回はミストが倒されるのが前半で、ダイが絶望に駆られるのが後半でつづく、と予想しました。

 なお、最終的に天地魔闘の攻略は(生きていた)ポップの手で為されます。このポップの凄さが、自分的には最後の盛り上がりどころだな、と思いつつ。

 それとは別に、次回はヒュンケル最後の見せ場ですね。ミスト撃退後のアバン先生との会話がすばらしい、と予告。
 ヒュンケルとポップ、2人の弟子の成長を実感するアバン先生の言葉に感じ入る、と。

PS.師弟関係という意味で、善児とトウの関係も語りたいですが、また次回。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/24 (Wed) 15:42:25

 定期感想その3です。

●人造人間キカイダー

 キカイダーが東映公式でネット放映開始は気が付いたんですが、ギャバンの後枠なのはうっかりしてました。そうか、シャリバンはすぐには来ないのか。まあ、そのうちやってくれるだろうと期待し、気長に待つことにします。

 キカイダーですけど、初放映当時は自分にも友人らにも始まる前から話題作でした。まず驚いたのが放映時間ですね。地域によりますが、基本は午後8時から(さらに続いて8時半からデビルマン)。そんな時間に特撮やアニメやるのか、もしかして自分ら向けじゃないんだろうかと話し合ってました。

 ふたを開けてみると特に大人向けでもない。それで最後まで視聴した覚えがあります。仰るように中盤までは「比較的マンネリ的な作風」なんですけど、当時はそういうのが普通だったんで、特に不満だったわけではないですね。

 ヒーローであるキカイダーのデザインは斬新でしたし、変身後にはサイドカー(サイドマシーン)も専用のものに変わりまして、これがカッコよく感じました。とはいえ、他の特撮ヒーロー物と比べて見入ったとは言えず、少なくとも自分の周囲では、特に人気ではなかったようです。

 注目しだしたのはハカイダー登場からです。調べてみると第37話で、NOVAさんが注目されたより10話後になります。自分はヒーロー:キカイダーとライバル:ハカイダーの2人セットで注目してましたが、ハカイダー一辺倒の友人が多かった。

 ハカイダーのカッコよさって、まず登場時のハカイダーのテーマ曲はカッコよさがありますね。キカイダーは自らギター独奏で現れ、ハカイダー/サブローはフルのBGMバックに登場。なんとなくハカイダーのほうが強そうです。

 使っている銃の演出も良かったのかも。膝より下にホルダーがありまして、銃を抜くアクションが大きく、ハッキリしてまして、ケレン味があるといったらいいんでしょうか。カラーリングはほぼ黒一色という感じで渋く、頭部の透明カバーから見える人間の脳がちょっと怖い。

 たぶん、そういう悪のヒーローっぽさが良かったんだと思います。ハカイダーは(脳を光明寺博士からプロフェッサー・ギルに代えて)キカイダー01にも登場してくれるんですが、自分は不満で友人らにも不評。あのハカイダーがこんなに情けなくなったのか、という失望です。

 キカイダー01が前作キカイダーより魅力を減じた要素は他にもあり、例えばサイドカー(ダブルマシーン)ですね。変身前のままで、いろいろ装飾はあるものの、普通のサイドカーに近い。変身後のバトルへの期待度が(キカイダーと比べて)ちょっとだけ下がってしまいます。

 もっと地味なところでは、愛用楽器の違いですね。ジロー/キカイダーはギターで、イチロー/01はトランペット。ギターがある家庭は割と多くて、ギター抱えてジロー/キカイダーになったつもりの遊びができます(弾ける人はさらに)。しかしトランペットはなかなかない。しょうもないようですが、感情移入に割と影響ある要素です。

 しかし、続編だけあって開始当初から作風・演出等が安定していた01に比べ、シリーズ初作のキカイダーは試行錯誤が多い感じですね。ネット情報にもありますが、まず必殺技名。デンジ・エンドなんですけど、第1話ではジ・エンドと叫んでます。敵戦闘員の掛け声も序盤は「ダーク」で、後で「ギル」に変わる。
(自分のおぼろげな記憶では、「ギル」→「ダーク」→「ギル」と2度変わった気がしたんですが、今回観なおしてみると、第1話では「ダーク」でも「ギル」でもない、曖昧な掛け声になってたようです。第2話から「ダーク」でしたか。)

 キカイダーで「?」となった点は他にもありまして、仰る通り「(記憶喪失なのに)いろいろなバイトしながら旅を続けている」があります。普通は保護されるはずですね。キカイダーがときどき敗れて破壊される点もそうです。光明寺ミツコに修理されるんですが、電気のコネクタをつなぎ直すだけ。なんでそれでボディまで元通りなのか、と不思議に思ってました(^^;。

 しかし、いかんせんいずれも昔の、小さいときの曖昧な記憶です。本当はどういう作品だったかと気になると言えばなる。が、何となく好きな気分はあっても、もう強い興味は薄れているのも正直なところ。とりあえず次週分を観て、どうするか決めたいと思います。

●仮面ライダー龍騎(第1話:誕生秘話、第2話:巨大クモ逆襲)

 ジオウ放映開始記念で、この第1・2話は観ているわけですが、観なおしてみるとだいぶ忘れてるなあ(^^;。しかし、この始まり方で、後に多数のライダー同士の生き残りをかけたバトルになっていくとは、ちょっと想像できないという印象はずっとあります。

 この第1・2話ですと、主人公:城戸真司が仮面ライダー龍騎になり、先行してライダーになっていた秋山蓮/仮面ライダーナイトとバディになっていく、みたいな雰囲気しか感じません。秋山蓮と行動を共にする神崎優衣は事情をよく知る、ライダーもののヒロインといった感じ。

 第1話の出だしから鏡の中に引きずり込まれる被害者が描写されまして、第2話では試着室に入った女性が子どもを残して引きずり込まれる。いずれも神崎優衣の説明からは、食われてしまったことが分かる。ホラーの雰囲気でして、クウガ、アギトと同じく「不気味な謎の敵」という印象が生じますね。

 しかし第2話後半で急に状況をかなり明かして来まして、鏡の中のメカニカルな(?)化け物(ミラーモンスター)はライダーの狩りの対象であり、城戸真司の周りに出没していた赤い竜(ドラグレッダー)は契約して使役できるモンスターとなってくる。モンスターは自分の契約するモンスターに食わせて強化できるアイテムでもあり、だから秋山蓮/ナイトが狙っていた。

 そう分かるのはいいんですが、逆に分からなくなるのが「じゃあ敵ってどいつ?」ということです。優衣が真司に言った「神崎士郎」をとりあえず黒幕認定しておくとして、何がしたいかは分からないですね。それにしては、真司が神崎邸を見つけたり、事件資料から神崎士郎の別の姓が高見と分かったり、「何かあるよ」的な演出が引っかかります。

 その辺りは、この龍騎のドラマで「ライダーが何と、どうして戦うか」が明かされる過程で一緒に浮上してくるんでしょうな。それが13人ライダーの生き残りバトルであり、黒幕が勝利条件を満たすまでタイムループでありと、斬新な作品だと分かる仕掛けなわけですか。

 さらにカードシステム採用も功を奏するものだったようですね。ウィキペディアによると白倉プロデューサーは後年、「特撮番組自体が龍騎以前・以後に区分」されるほどの画期的な作品だと語ったとのこと。第3話以降、どうしてそこまで凄いのか、期待して観ていこうと思います。

 でも今のところはやっぱり、OP映像の雰囲気もあり、1号ライダー:龍騎、2号ライダー:ナイト、一般人ヒロイン:優衣が敵と戦っていく、みたいな印象でしょうか。優衣は真司に「モンスターと契約したら引き返せない」旨、警告してますけど、すぐに契約を促したりしまして、予習で知る、あそこまで破滅的なものとは想像しにくい。

 もっとも、真司がモンスターと契約する意思決定に至る理由が、OREジャーナルの叱責で補強されている点は、観終わってからですが、上手いと思いました。OREジャーナルの先輩記者:桃井令子から、リスクを恐れて尻込みするなと叱責されたことが、真司が契約する後押しをした感じです。ある意味、偶然であり、そんなつもりではなかったともいえ、この先の展開を暗示しているのかもという気がします。

●牙狼-闇照編(第7話:住 Dining)

 前話でせっかくの明るい終わり方だったんですが、それで気分を上げておいての今話の崖から突き落とすような絶望を見せて来るわけですか。こちらで予め「え、こんなのあり? という鬱エンド」と伺ってましたが、まさにその通り。いいですねえ、こうまで気分を揺らしてくれるって、まさに自分が観たいものの1つです。

 今話のメインは猛竜ですね。またも女性を自室に招いてのお楽しみですが、前とは違う女性のようですな(配役調べると、確かに違う役者さん)。そういう享楽的な猛竜ですが、今話のゲストヒロイン(女子高生?)は、どストライクだったらしい。猛竜と対照的な、真面目、健気、一途といった感じが、猛竜にとっては免疫がなかったらしい(闇時代のヒュンケルがマァムに崇拝の念を抱いたのと似ているのかも)。

 その少女:洲崎類は母親らと一緒にボルシティに移住目的でやって来る。父親の死亡で経済的に困窮したんでしょうか、無料で住居提供される点が大きいらしい。その住居は実は惨劇の舞台でして、別の夫婦が招かれてホラーの食料(カード)にされることで、観ているこちらは事前に分かっている。

 劇的アイロニーというやつで、何も知らない洲崎一家が同じ家に招かれて浮かれるのにヤキモキするし、猛竜の焦りようも理解できる仕掛けですね。なにせ地下室に降りると、ホラーが食らおうと待ち構えているわけで。

 しかし、冒頭の新婚夫婦のケースとは異なり、既に怪しいと察知した猛竜らによって洲崎家の惨劇は阻止され、猛竜が一目ぼれ(してるよね?)の洲崎類もようやく猛竜を慕う素振りになり、偶然外れた猛竜の耳飾りを持って逃げる。お守りになると思ったか、猛竜のものだからなのか。それはともく、猛竜の鎧装着(炎刃騎士ゼン)が拝めて、ホラーも討伐され、ガロの鎧もまたも黄金に輝いて何かを得た模様。

 そして洲崎一家の記憶は消し、移住申請書には不許可と偽造して送り返すと。これで万事解決のようですが、記憶を消したことが災いするとは。洲崎一家がボルシティから去ろうとする車の前に、怪しげな男が立ちふさがり、移住を許可と訂正してボルシティに戻す。この男は「尊士」なる敵側の重要人物のようですね。

 しかし、ボルシティへ抜けるトンネル内で一家の車は襲われた模様で、地下室にあったカード=犠牲者の姿にされてしまうと。それを発見して狂乱レベルで嘆き悲しむ猛竜ですが、猛竜が一目ぼれの類だけは助かってましたか。類だけは猛竜の耳飾りで記憶が一部戻り、ボルシティが危険と思い出して、車から脱出したようですね。

 しかし、またも記憶を消され、おそらくは住み込みの仕事を斡旋されて、と相成る。類からは忘れられてますが、猛竜としてはそれでも良しという感じみたいですね。ホラーと戦う魔戒騎士としては、何も知らない一般人を伴侶に選ぶことができない、と覚悟ができてるせいもあるのかな。

 崖から突き落とすような、と申しましたが、かろうじて蜘蛛の糸もある終わり方ですね。もっとも、この類がこの先も無事かどうかによりますが。ネットで調べてみると、類はこの後も間欠的に最終話まで登場するようで、どういう運命だったかしらん。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/26 (Fri) 23:47:55

 実写感想の3本です。

★鎌倉殿

 まさかの「善児の目にも涙」的な描写。
 非情な仕事人が人情を見せたとき、死亡フラグが立つ? 果たして善児の運命は? と、主役以上に気になってます。

 それと善児のことを「お師匠」と呼ぶトウ。
 一部の考察によれば、一幡を「水遊びに誘ったトウ」が一幡殺しの実行者との説がありまして、善児が自分を慕う子どもを殺せなくなったので、代わりにトウが手を汚したようです。
 善児は、自分が殺し屋として鈍ったことも口惜しくて(もちろん一幡殺しを止めることができない哀しさもあり)、二度と使わないブランコの紐を断ち切ったとか。

 一方、公暁に実朝殺しを吹き込んだのが比企尼ということで、いろいろと腑に落ちたり、晴らせぬ恨みの連鎖でドキドキハラハラ面白くなって来たな、と。
 もちろん笑える面白さではなくて、じんわりどんより系ホラーを見るような面白さですね。まさに、こう来たか、うわ〜(どよめき)系の面白さ。

 公暁については、三浦義村もまた実朝殺しを画策しているような説もありますし、この爆弾が破裂するのは10月かな。

 次回、頼家が修禅寺で暗殺され(実行犯は善児かトウかどっちだろう?)、その次は畠山さんが時政の陰謀で殺されるという話を聞いています。
 この畠山さんの死を受けて、義時が時政を見限る流れになるのですが、好青年の畠山さんを時政が邪魔者と見なす過程が気になる(まあ、十中八九、妻のりくの策謀でしょうが)。

 あと、義時3人めの嫁とのドラマがどうなるか、ですね。年号的には

1204:頼家殺害
1205:義時と新妻・伊賀の方の間に息子・政村生まれる。
1205:畠山重忠の乱

 なので、次回か次々回では再婚してるでしょうし、もう、こうなると恋愛結婚のドラマを描くことはなく、形式だけの娶りかな、と思うのですが果たして?

★リバイス

 ジョージ狩崎と悪魔シックの関係ですが、劇場版でもあまり深く掘り下げられたわけではありませんね。
 事件の黒幕的な「愉快犯マッドサイエンティスト的悪魔」で、自分の研究のためなら人が不幸になっても平気というか、同情の余地の全くない悪魔でした。
 最終的には、一輝&バイスを除く五十嵐家族(元太、大二、さくら)の連携攻撃で戦闘力を失い、逃げ出そうとしたところをジョージに追いつめられ、自爆して果てる、と。

 まあ、自爆したように見せかけて、実は生きていた……という可能性も疑ってみましたが、TVでは今のところ、その後を臭わせる描写はありませんね。

 少なくとも、TVのジョージの心情とつなげるなら、「父の遺した悪魔はろくな奴じゃなかった」ってことですかね。

 そして、ジュウガについては、劇場版のライダーベルトの総決算であり、ウィークエンドの総決算でもあり、まあ、ジョージの演技の総決算でもあるか。
 あと、罪を償うと言ってたアギレラさんたちですが、ジュウガにボコられて入院した=贖罪になった? って感じです。

 最終回は、一輝とバイスの関係決着と、銭湯という日常回帰は確定として、バイスは消えるのかどうかですね。
 まあ、消えても年末に帰ってくるのは確定でしょうが、他にもカゲロウやラブコフなどもそのまま残存するのかどうか。

 きれいに終われるのか、それとも冬のライダー映画の伏線を見せて、終わりなのか。

 それよりも気になるのは、ドンブラザーズの最終回騒動ですが、まあ、やっとニチアサ平常運転を楽しみたく思います。

★牙狼闇照

 助けたと思った一家が結局、不幸な目にあったというだけで、いろいろとショッキングな回でしたな。

 そして、これまで女を抱きつつも、虚しさを感じていたような描写の猛竜が、この回を最後にベッドシーンから足を洗い、記憶を失った類への保護者的な、不器用なアプローチを続けて、純情路線に方向転換することに。

 そして、次回、マスコミ回。
 ボルシティの闇を探る事件記者が流牙に取材を申し込み、危険だからと拒もうとする流牙ですが、相手の情熱に無下にもできず、街の闇を暴く協力者になってもらってもいいかな、と考え始めたところで、裏切りが勃発して、
 流牙が殺人者としてマスコミの的にさらされる展開に。

 ホラーの方が、魔戒騎士狩りに動き始めることになるわけで、1話完結の雑魚ホラー退治から、連続ドラマとしての流れに入る、と。

>尊士

 元・魔戒騎士で、本作最強の敵。
 一人で、3人の魔戒騎士を圧倒するほどの戦闘力を持っていて、それもそのはず、演者が和製ドラゴンの呼び声も高い倉田保昭氏。
 ボウケンレッドの父親として、映画に出たこともあり、この人が敵として前面に出て来ると、アクションが物凄いことになります。

 一応、次の8話と9話も前後編だったりも。話が急展開して、面白くなったな、と記憶。スッキリする話ではないのですが(苦笑)。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/30 (Tue) 06:37:28

 定期感想その1です。

●ダイの大冒険(第92話:天地魔闘の構え)

 先週分のミストに憑依されたマァムの名前についてのご教示、ありがとうございます。そのエピソードのタイトルが「黒いマァム」だからでしたか。それなら第1候補が黒マァムとなるのも当然でしたか。同時に原作をしっかり読んだうえで、このアニメ版を観ているコアなファンが多いということにもなりそうです。

 OP曲はそのままですが、OP映像が少し変化しているようですね。先週までは老バーンがダイらと戦っているカットでしたが、今週は真・大魔王バーンがダイらを圧倒するカットに差し替えられてますな。今話入れて残り9話だとしますと、曲は変えずにストーリー進行に従った映像に変えていくのかな。

 ともかく本編ですが、2正面作戦のうち、ミストの最期は割とあっけなかったかな。闇系で育て上げたヒュンケルに憑依し、魂も消して乗っ取るはずが、その魂にありったけの光の闘気が満ちていたと。光系はミストの弱点ですから、これであっさり勝負が決まる。

 ヒュンケルによれば、必ず自分(ヒュンケル)を狙ってくると読んでの作戦でしたか。物理的戦闘はもう無理な体なんで、光を魂に集中させておき、ミストに触れさせてのカウンター。勝ち誇って油断するミストの思考をきれいに読んでの作戦勝ちですね。

 そこからやや間があって、マァムが目を覚ますわけですが、ミストを倒した経緯は知らない。もっともそれより、ポップもブロキーナ老師も死んだことがずっしり重い。が、生きてるわけですね。メドローアの跳弾に2人が飲まれる寸前、アバンが救い出してましたか。しかし、キルバーンに化けてたんで種明かしはできなかったと。

 振り返って、ポップとビーストくん/ブロキーナ老師を見つけたマァム、コミカルシーン特有の目を丸くする描写で驚きを表してますが、鼻水はたらさないのか(^^;。で、いつもより激しくポップを張り倒してますが、クロコダインによると照れ隠しなのか。

 そのシーンでちょっと感心したんですけど、マァムの声です。さすがに怒ってるからちょっと凄みがあるんですが、10代らしさを保ってる感じです。先週の黒マァムも凄みを出してましたが、10年後のマァムならこうなるかもという感じ。キャラクターの状態変化に応じて、ちゃんと演じ分けてるようです。ヒュンケルがいったんミストに乗っ取られたときの声も聞いてみたかったな。

 素直にボコられておいてホイミを頼むポップですが、マァムは自分でやれと言う。が、直後のシーンではしっかりホイミかけとりますな。これもツンデレの1形態なのかな。「異世界おじさん」アニメの解説によりますと、ツンデレ概念の一般化は2004年頃とのこと。しかしエヴァンゲリオンのアスカはツンデレの萌芽があるとのことで、90年代にもあったことになります。このシーンのマァムもそういう初期型ツンデレ(?)なのかも。

 それはともかく(^^;、バーンの身体と分離したミストはこれで完全に退けまして、バーンと対峙するダイらのもとへ向かうことに。結集は次回になりそうですね。今話では依然としてダイ&レオナが真・大魔王化したバーンに挑むも大苦戦。

 なんとなればタイトル通りの「天地魔闘の構え」をバーンが使うからですね。これがあるから、バーンはダイの回復を待つ余裕を見せたらしい。対するダイは現時点での最強技である、剣の鞘でライデインの魔法力を増してのギガストラッシュを放ってみる。が、あっさり返されるわけですか。

 (ミストが使っても)メドローアを簡単に弾くフェニックスウィングで受け、最強の剣に優るとも劣らないカラミティエンドの斬撃を叩きこみ、ダイが吹っ飛んだところをカイザーフェニックスで追撃。なるほど、卑怯レベルの強さですな。

 と思ったんですが、ダイはバーンにうまく誘われたような気もします。問題は手刀のカラミティエンドでして、超接近技であるのは間違いない。少なくとも今話の天地魔闘コンボですと、相手(ダイ)が接近してこないと3連続コンボは成立しなさそうです。それではさすがにマズいでしょうから、中間~遠距離用のパターンもあるのかな。

 それはともかく、ダイとて今さら遠距離攻撃のアバンストラッシュAでは力不足でしょうから、バーンが誘わずとも超接近技しかなさそうではありますね。それゆえ、もう打つ手なしの感じ。そう絶望させるためにバーンは威力や攻撃位置を調整したらしい。いったんは立ち上がるダイですが、方から血を吹き出して、また倒れる。うーん、老バーンの肩をダイが攻撃したことへの仕返しですか。

 おそらくダイはもう一度立ち上がると思いますが、それを見越してか、バーンはレオナに迫るわけですね。自分に仕えさせるつもりらしい。今話ではすくんだ感じのレオナですが、どうやら次回では根性見せるみたいですね。仲間も駆けつけてきますし。

 しかし予習によると、次回「瞳の宝玉」がまたも絶望を招くものらしい。今話のレオナの台詞「あの瞳に睨まれただけでまるで体が凍りそう」はその伏線、暗示なのかも。しばらくは真・大魔王バーンのターンということなんでしょうな。

●仮面ライダーリバイス(第49話:戦いの果て…残ったのは悪魔だけ、第50話/最終話:あくまで家族、いつかまた会う日まで)

 狩崎についての劇場版のご教示、ありがとうございます。狩崎が父により埋め込まれた悪魔、深く掘り下げてはないんですか。となると、第47話での狩崎の豹変といってもいい暴走、ちょっと解せないかなあ。しかし悪魔抜きのライダーシステムは狩崎の初志ではあるし、まあいいか(^^;。

 さて最終エピソードですけど、つつがなく物語を終えました、という感じかな。自分は終盤頃になるといろいろ不平や愚痴を申したわけなんですが、仮面ライダーWEBを読んだ感じでは、コロナ禍で制作体制が崩壊しないか、相当にプレッシャーがかかってたみたいです。この最終回とて、幾通りも想定した結末のうちの1つなんでしょうな。

 それはともかく、最終エピソードは一輝の記憶をどうするかの物語ですね。一輝の現状は、家族の記憶は全て喪失していて、家族同然のバイスだけ覚えている状況。家族と言われても覚えてない一輝はバイスと家を出まして、自立を試みる。まあ気持ちは分かる、という感じ。

 いったん家を出る時点でのバイスの考えははっきりしませんが、狩崎から「一輝が家族について全て忘れたら悪魔(バイス)との契約は終了のはず」と聞かされて、バイスは決断した模様。五十嵐家の面々や玉置らに根回ししまして一芝居打つわけですね。狙いは一輝に変身させて戦い、記憶を使い切ってしまうこと。

 最初はバイスが突如、悪魔の本性を露わにして暴れ出した、という芝居で一輝を騙すわけですが、嘘つきバイスって何度も繰り返してきましたわけで。序盤で幸実を食うぞと脅かしたのも後で嘘だとバレたし、悪魔らしく自由にやると言って、実は一輝をかくまうためであったり。

 今回もじきにバレましたな。第49話ではまだバイスが裏切ったと一輝は思ったようですが、最終話になりますとバイス自身が嘘を維持できずにバレちゃった感じ。それからは、いわばバイスとのお別れパーティみたいな感じで、視聴者サービスも含めまして、今までのフォームをいろいろ見せてのエキシビション。しかし、セイバー最終回の引き継ぎに出てきたおならギャグまで使ってきたのはちょっと意外。

 しかしバトルではありまして、順調(?)に一輝の記憶は失われ、バイスはついに消滅。それを見届けてから、一輝のバイスに関する記憶は失われ、五十嵐家の面々の記憶を取り戻すと。その後は、各キャラクターの後日譚やら、プロサッカーの三浦知良さんの特別出演やら。

 しかし最後の最後で一輝にバイスの口癖が出まして、バイスが完全に消滅したわけではなさそうと匂わす。おそらく、こちらで伺った予想(冬映画でバイス帰還)の伏線でしょうね。それから次のライダー:ギーツがちょこっと登場。ネット放映の龍騎との比較が楽しみな作品ですね。

 記憶が失われるという設定では、まず牙狼1stを思い出します。ザルバが鋼牙を守って壊れ、修復はされたものの記憶を失っている。鋼牙はぐっと気持ちを抑え、初対面のふりをして一からやり直す。あれはなかなかカッコよかった。バイスが戻ってきたとき、覚えていない一輝にバイスが鋼牙と同じようにすると、なかなか渋いかも。

 もう1つ思い出すドラマがありまして「とある魔術の禁書目録」アニメです(原作小説は未読)。主人公はヒロインを守り切るんですが、頭部負傷でヒロインに関する記憶を失ってしまう。が、ヒロインに心配かけまいと、覚えているふりをする。これもなかなかカッコいい。守るべきヒロインの危機が「定期的に記憶を失う」というものである点も、主人公の結末を際立たせていたかもしれません。バイスが帰還したとき、一輝が覚えているふりをするとしたら、面白いかもしれない。

 しかし、シンプルに「バイスが復活したら、一輝にも記憶が戻った」とするのが無理がないかなあ。それならTV本編の内容を思う存分使えるわけですし。まあ冬にどうなるかのお楽しみですね。

 これでリバイス感想の完走ですね。1年間、感想にお付き合いいただき、いろいろご教示を賜りまして、ありがとうございました。次のギーツでも楽しく感想を交わせましたら幸いです。

●恐竜戦隊ジュウレンジャー

 ブライ、特に「ブライ死す…」のサブタイトルの評判が気になっていたんですが、そのタイトルに納得し、最終回まで観終えて、また納得しました。妙な言い方になりますが、オーソドックスにヒーローらしい点が際立っている感じかなと。スーパー戦隊はそれぞれがかなり独自性打ち出しているようで、ある意味、それぞれトリッキーさが目だつ気がします。

 しかしジュウレンジャーだと、その辺りが抑えめ、控えめ。強い独自性を打ち出さないのが強い独自性という、なんだか面白い特徴になってる気がします。そういうオーソドックスさがあるお蔭か、最後に消滅したはずのブライが現れて手助けしても、なんだか納得。こうなって欲しい、と思った点は叶えてくれそうな雰囲気がありましたから。

 しかしそこは戦隊側の特徴でして、ヒーローと対比されるヴィランはかなり独自でした。魔女バンドーラですね。自分的には曽我町子さんが演じてくれたことは相当に大きかったです。曽我町子さんは自分にとって、オバケのQ太郎などでの声優としてなじみがありました。そういう場合、ご本人の演技を観ると、自分はしばしば脳がバグるんですが(アニメのキャラクターが実写で声を当ててるような錯覚)、ジュウレンジャーのバンドーラはすっとなじめました。

 なんと申しますか、聞きなじんだ声のイメージ通りでして。さらに悪役で、相当にひどいことをしてるんだけど、なんだか憎めない。たぶんそういう狙いで演出され、そのイメージ通りに視聴者に受け取ってもらえたせいでしょうか、最後は生存してそれなりに楽しくやっていると描かれてました。それがどうにも、こちらの期待通り。バンドーラは子煩悩キャラクターですし、やっぱり悪のイメージに徹しきれないのかなと思います。

 曽我町子さんのパンドーラって、自分だけに印象深いわけではないようですね。調べてみると、ジュウレンジャーをベースにした「マイティ・モーフィン・パワーレンジャー」の敵役:魔女リタ・レパルサも曽我町子さんが演じられたとのこと(ジュウレンジャーからの映像流用が多いらしいですが)。リタ・レパルサは後にカーラ・ペレスさんが引き継いだとのことですが、ネットで画像見てみると笑った。「アハハ」と笑う姿かたちが、曽我町子さんそっくりじゃないですか。あのイメージ、米国でも相当に受けたんだなあ。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/30 (Tue) 13:32:05

 定期感想その2です。

●鎌倉殿の13人(第33話:修善寺)

 ついに頼家が討たれましたが、自分的には善児の最期がよりインパクト大きいかな。そのことと関わりますが、一幡を殺害したのはトウという説をご紹介頂いたことで、今週分がより印象深くなりました。いつもありがとうございます。

 善児がついに一幡を殺せなかった、と思うと、今話の善児の迷いや諦めた感じがよく分かる気がします。自分でもネット評を少し調べてみますと、第1話で善児が千鶴丸を「川遊びをいたしましょう」と誘って殺害したことと対比させる感想がありました。前話では義時が「千鶴丸と何が違う?」と善児に迫るも果たせず、トウが一幡を水遊びに誘うわけですね。そして一幡をトウが殺害する。そうだと考えると、ぴったりと全てのピースがハマる気がします。

 善児が前話で何かを諦めたのは、宗時の遺品をこれ見よがしに置きっぱなしにしていることで窺えます。案の定、善児の小屋を訪れた義時が見つけるわけですね。前に義時から袋ごと渡されたときは、善児は中身を見られたかと警戒する様子があったのに、なんだか「もういいや、殺りたきゃ殺ってくだせえ」と言っているような気がしました。
(義時が景時から渡された袋の中身を見たかどうか気になってましたが、今話の描写で解決。今の今まで善児が手を下したのは知らなかったわけでしたか。)

 もっとも、宗時の遺品を見てショックを受ける義時の様子を見に来るようなタイミングでトウが現れたのはちょっと気になるかも。もしかすると、トウが袋の中身を宗時の遺品と知り、義時を動かすために放置したのか。その場合でも狭い小屋ですから、善児が知らないということはないはず。

 しかし義時は己の行いを思い出し、「善児を責められようか」と許す。そして従前通り、暗殺司令を出すわけですな。善児も義時の「仕事だ」に「へえ」と無表情で受ける。これで善児が仕事人として復活したと思ったんですが、どうやらそうではなかったみたい。猿楽の笛吹きを殺して成り代わるのは、暗殺者らしい仕業です。

 笛吹き殺害を知った泰時が正面から迫るも、善児は落ち着いて対処し、「あんたは殺すなと言われてる」と。主の嫡男に対して「あんた」ですから、なかなか凄い。善児には主、ターゲット、その他くらいの分類しかない。暗殺以外に何もない感じですね。

 これは善児完全復活だなと思いかけたんですが、そこからが何かおかしい。奥へ退く頼家を追う善児の顔がやけに険しい。以前、例えば八重さんに迫り、江間次郎を刺したときに見せていた無表情ではありません。暗殺者としては壊れたかな、と思いました(言い換えると、人間に戻った)。

 それでも、頼家の一太刀を受けますと、善児は「いて」と漏らすのみで動ぜず、いったんは暗殺者の顔に戻った感じ。ですが直後に、頼家が弔いのために紙に記した「一幡」を見て、一瞬の隙を見せてしまうわけですな。そこを頼家にグッサリ刺され、止めは代わってトウが果たす。

 善児が「一幡」の文字で見せた動揺は、善児が一幡を殺害したか否かで少し印象が変わるように思います。自分的には、こちらで教えて頂いた「善児は一幡を殺せなかった」説に則るほうが印象深い。善児は頼家に、自分と同じく一幡を想う気持ちを見てしまった、という感じでしょうか。善児が一幡を手にかけたのだとすると、あの動揺は善児のみの悔恨という感じになりそうです。

 ともかくも、頼家の逆襲の一刺しは善児への致命傷になったようですね。わざわざ一幡を葬った土の塚の前に戻りまして、「しくじった」と呟いてます。死に場所を選んだということでしょう。そこをトウが後ろから刺すわけですが、善児は覚悟していた模様。刺されても振り返りませんでしたから。さらに正面に回ったトウに、かすかに頷いて見せてます。

 トウもなかなかの執念だったわけですね。修善寺で(範頼暗殺の巻き添えで)親を善児に殺されてから10年以上、師匠と呼んで従いつつ、復讐を狙ってたわけでしたか。腕が上回ったら殺そうと思っていたのか、隙を見せれば討つつもりだったのか、あるいは善児が致命傷を受けたから止めを刺したのか。

 ちょっと、やなせたかしさんの「チリンの鈴」を思い出しました。たぶんご存じかとは思いますが少々。母羊を狼に食い殺された子羊が、その狼に弟子入りし、充分に強くなったところで狼を討つ。狼はなぜか満足して討たれ、子羊は戸惑い、以降は行方知れずとなる。という話ですね。鎌倉殿ではトウはこの後、どうするんだろう。できれば、フェードアウトせずに、その後を見せてもらいたい気がします。

 善児の最期はなかなかに凄惨でしたが、登場人物みんなしていろいろ無惨になってますな。どうやら、鎌倉の権力は「ロード・オブ・ザ・リング」の指輪のような作用があるらしい。今話では時政が(りくにそそのかされていることもあって)闇の力に傾いていく様子が気になります。比企勢力下だった武蔵を、畠山重忠らがいるにもかかわらず、欲しがってますね。猜疑心も出てきて、全御家人に起請文を書かせるとも言い出す。一応、西国は目が届かないからという言い訳はあるんですが。

 義時とずっと共にやってきたとはいえ、権力中枢から少し距離を置く三浦義村だと、直に諫言してくれてますね。時政の動きの策源地はりくだと見抜いているし、危険を説くに客観情報「誰ともすれ違わない≒避けられている」を示しもする。もっとも、この忠告が外に漏れても、他の御家人から嫌われない内容ですね。ちゃんと言葉を選んでる。義村はどうも謎めいた野心があるようですから、今は義時側で動いていても、この先どうなるか分からない緊張感がありますな。

 それにしても時政の闇化はちょっとひどいかも。頼家を討つか否かで、「わしの孫だぞ」と言いはするものの、自分の権勢維持のためとなると、頼家殺害を迷わない。これって、序盤で義時が憤慨していた、伊東祐親のやり口です。もっとも、義時も是非も言わず応じて、善児・トウ師弟を遣わしてるわけですね。時政は自覚なく祐親に寄り、義時は祐親流の必要性を認めて踏襲した、といったところでしょうか。

 そういうところを運慶が見抜いて「悪い顔だがいい顔」と言ったのかなと思います。非道を非道と承知し、悩んで行うなら救いがありますし、暴走も起きにくいはず。そうでなさそうのが、今の生き残りメンバーでは時政&りくコンビでしょうか。史実では、義時は畠山重忠を討ったことを悔い、返す刀で時政を追放したらしいですね(諸説ある模様)。このドラマではその辺りがどう描かれるか楽しみです(暗いドラマなんだけど ^^;)。

 そして頼家ですね。最後の最後まであがきまして、見苦しいほどでした。だからこそですが、自分的にはツボ。三浦義村に泣き言めいたことを言ったり、誘いをかけてみるも相手にされず。そりゃそうでしょうな、鎌倉を火の海にすると叫んでも、義経ならやれましょうが(梶原景時の保証付きだし)、力も軍略もない頼家では。

 それでもジタバタあがいて、都と通じ、得た情報で畠山重忠らを揺さぶる。これは今話では不発に終わりましたが、重忠と時政の間にひびを入れてはいるようで、いずれ対立に発展するはず。気にかけている善哉はいずれ実朝を殺害する。あれこれ呪いをかけて退場した感じです。

 しかし最後の退場では見せ場がありまして、迫る善児からいったん逃れ、しかし太刀を携えて屏風を倒して反撃にかかるところは、なかなかの迫力でした。トウに背後から刺されて討たれはしましたが、その直前に見せた執念もなかなかのもの。もっとも、この執念が後に祟りをなしそうではあるんですが。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/08/30 (Tue) 23:37:24

 アニメ中心の感想です。

★風都探偵(4話)

 新エピソードの開始編。

 今回の事件は、ゲームキャラのヒロインコスプレ宣伝ガールがドーパントに脅迫状を出されたので、翔太郎たちに彼女の護衛を依頼されます。

 一方、その頃、フィリップとときめは似た者同士の性格が災いして険悪な仲に。
 似た者同士=「上から目線の口調で、身勝手、空気が読めずにズバズバ言いたいことを言う」。

 どちらも、翔太郎に相手の悪口を愚痴るのですが、その悪口の内容が全く同じで、翔太郎の内心の呟き(お前ら、似過ぎ)。
 フィリップは、記憶喪失のときめに自分の昔をかぶせて、保護者ぶるのですが、ときめはフィリップの忠告を鬱陶しがるわけで。

 ということで、今回のエピソードは、フィリップとときめの関係性の構築ですな。

 さて、仕事の方は、コスプレヒロインの護衛なんですが、これはさすがにアニメならではのキャラですな。実写で、ゲームキャラのコスプレはかなりイタい。
 いわゆる電子の世界の魔法少女、実写でやると、あ、エグゼイドのポッピーが該当するかも。

 そして、ときめを狙う黒幕が動き始めたり、ストーカー・ドーパント(メガネウラ)がこれまでのドーパントにない強さを発揮したり(ハイドープと呼称)、
 黒幕の動きに、ときめがトランス状態に陥って、護衛が手薄になったり、
 戦闘中のWが、ドーパントに狙われたコスプレヒロインを庇った結果、翔太郎が重傷を負って続く。

 翔太郎が護衛任務をできないために、フィリップとときめが協力せざるを得ないとか、ファングジョーカーの出番になりそうとか、次回はそういう展開っぽいですね。

 照井竜はまだ登場せず。

 あ、それとWの戦闘シーンは今回、充実してました。サイクロントリガーとか、サイクロンメタルとかを駆使して、実写では見せなかった亜種形態による必殺技(マキシマムブレイク)も披露。
 ただし、普通ならそれで撃退できるはずのドーパントが、まだ健在という点で強化されているという流れですね。

★ダイ大

 OPアニメ、変更していたのか。
 最初が特に変わっていなかったので、真バーンの戦闘に切り替わっていたことを見逃していたようです。次の回で集中してみよっと。

 さて、天地魔闘ですね。
 これをポップが破って、大魔王を愕然とさせるシーンが楽しみだ。「バカな。たかが人間ごときに……」という。

 アバンが「私以上の知恵者に育った」と称するポップとか、ここからポップの集大成につながるわけですな。

 ダイは、今のバーンを倒すには、竜魔人の力を解放するしかないと分かっているけど、それで元に戻れないかもしれないことを恐れるわけで。
 でも、ポップの友情の絆を受け取って、ポップやレオナたちを守るために云々の流れ。

 それこそ、翔太郎とフィリップの関係のように、ダイとポップの関係が重なるのかな、と。

 相棒の関係と、師弟の関係を描くのは上手だからなあ、三条さん。

★ダイレンジャー

 ダイ大から、作品タイトルがつながった。

 ええと、ジュウレンジャーが終わったので、次の戦隊の紹介もしておきます。
 今度のは、中国拳法がテーマで、非常に気合が入った熱血戦隊になります。途中で、作風がコミカルに転げまくりますが。

 あと、時代が格闘ゲーム全盛期に近いですので(ストリートファイター2とか)、そういう演出も時おり。
 そして、このタイミングでダイレンジャーというのは、仮面ライダー龍騎と噛み合い過ぎ。

 龍騎のドラグレッダーのモデルが、ダイレンジャーの巨大竜型メカ……じゃない気伝獣の龍星王。
 実際の映像で見ると、どこからどう見ても、そっくりさんですな。
 ドラグレッダーはCGで描かれますが、龍星王はミニチュア操演で、凄く動く。ギャバンの電子星獣ドルと比べても、技術の凄さがはっきり分かるというか、龍星王とドラグレッダーを同じタイミングで見れるなんて、東映さん、狙っていたのか。

 で、その龍星王を操るリュウレンジャーの役者が、後に城戸真司の前に変身した初代龍騎・榊原さんとして出演するなど、当時も狙っていたわけで。

 とりあえず、拳法アクション戦隊として、楽しめるのが五星戦隊ダイレンジャーとプッシュしつつ。

 まあ、怪人はいろいろとコミカルなノリですが、次々と出てくる人間の敵幹部とか、準レギュラーのライバル拳士とかがシリアスだったり。
 他には、音楽がライダーBLACKの川村栄二さんで、アクション曲のテンポの良い格好良さが好みです。

 それにしても、この時期、作品の切り替わりが非常に多いですな。毎週、何かが最終回になっているような東映特撮配信だったり。

 ボウケンジャーの次も、拳法もののゲキレンジャーですし(こちらはコミカル要素がより濃厚)。

 自分の好み的には、CGを使わない時期の90年代戦隊の方が推しですが。

PS.次は鎌倉とリバイス感想の予定。あと、今夜の牙狼も。

Re: 8月のスレッド(2022) - K.K

2022/08/31 (Wed) 08:41:44

 定期感想その3です。

●仮面ライダー龍騎(第3話:学校の怪談、第4話:学校の怪談2)

 第4話の予告映像に新ライダーらしきキャラクターが見えるんですが、主要人物の登場話数を調べてみると、本格的に登場してくるのは第7話からみたいですね。もうしばらくは、真司と蓮の2ライダーだけらしく、この世界でライダーバトルが行われているという真相を明かすのはもう少し先か。神崎士郎は鏡の中に現れましたが、正体にたどり着くにはまだまだ遠そう。

 今週分はとりあえず、真司と蓮がバディになるとっかかりができるところまでですね。その過程において、真司の金欠とおっちょこちょい(?)が上手く使われました。まず金欠ですが、蓮/ナイトの暴走(?)で真司/龍騎がピンチに陥り、神崎優衣が現実世界との境界のガラスを叩き破って止める。

 そこで真司の金欠が効いてきまして、ガラス代3万円の支払いに窮し、蓮が立て替える。そこでついでに蓮のケチっぷりが効きまして、3万円は貸しということに。これで真司と蓮が以降も接触する理由、口実が作れてます。これはさらに、真司を蓮が認めるきっかけまで作ってあるわけですね。

 真司の金欠はアパートの家賃滞納も引き起こし、追い出されて、当面の住居は会社(OREジャーナル)ということに。これで真司の日常拠点は1つに絞られたことになります。しかし、さすがに非常識な振舞でして、先輩の桃井令子に叱られるのも当然。そうしておいて、大久保大介編集長やら島田奈々子やらが、会社を半ば生活拠点としている様子が描かれまして、何となく納得できる仕掛けにしてますね。観ていて「なるほどな」という気がしました。

 真司のおっちょこちょいは、蓮を疑うという方向で発揮されまして、ミラーモンスターに襲われた会社員らしき男や、同じく小学校で襲われた女子生徒について、蓮の仕業と思い込んじゃうわけですね。女子生徒については一応は疑う理由がありまして、蓮のダークウイングがいて、他のミラーモンスターの気配がしなかったから。そう疑ったせいで、会社員襲撃についても蓮を疑うと。

 真司がそう思ってもおかしくはない、という流れがきちんとできていますね。だから真司が優衣に蓮への疑いを告げるのも自然に思えるわけですが、そこで不自然なまでに激しい優衣の否定・拒絶に遭う。蓮は何かのために必死、一生懸命である、という真司の知らない面が明かされる。こうなると、「あれ?」という、何かが根本的に違うという感じになってきます。

 さらに真司は蓮から激しく殴られるわけですね。粗暴ということかもしれませんが、蓮が何かに必死であるとこちらも知らされてますから、もしかするとこれも理由があるのかという気がしてきます。そこで、真司が思わず蓮から引きちぎっちゃった、女性用らしきペンダント。何となくですが、どうもここまでで描写された蓮らしからぬ持ち物。しかも、蓮はハッとして真司からペンダントを取り返す。これは何かあるな、という感じです。

 さらにライダーとなる覚悟を問う蓮は、真司の「3万円を返すため」に思わず緩んでしまう。そうしておいて、小学校でのミラーモンスターとの再決戦ですね。そこで蓮から今回のミラーモンスター(メガ/ギガゼール)の特徴が明かされ、高速一撃離脱型でしたか。そうなら、襲撃のほぼ直後に駆けつけても、ミラーモンスターは既に遠くに去っており、気配がしなくても不思議ではない。これで真司も蓮への疑いをすっかり緩めると。

 これで共闘が成立してミラーモンスターを倒し、バトル後は仲良く2人で優衣のいる喫茶店(花鶏)に帰り着くと。自分はちょっと誤解してまして、調べてみると、あの喫茶店は優衣のものではなく、優衣が働いている店でしたか。いや、オーナーが優衣の叔母さんとのことで、自宅同然なのかな。ともかくこの後、真司は住み込みで蓮と一緒に働くようになるみたいですね。その頃には真司と蓮がバディになっているかとか、いろいろ気になります。

●牙狼-闇照編(第8話:乱 Scoop)

 こちらで尊士役が倉田保昭さんと伺い、改めて意識しました。さらに本作の最強の敵と教えてもらうと、なるほどそういうことかという気がします。計算しますと、闇照ご出演時点で倉田さんは67歳。若い頃にようには動けないと思いますが、魔戒側精鋭を圧倒する敵となると、時代劇の主人公のように、相手(流牙ら)がかかって来るのを返り討ちにするようなアクションになるはず。そうなれば、長年のアクションの実地経験が物を言いそうです。尊士のアクションシーンが楽しみになってきました。

 今さらながら気が付いたんですが、各回の大事な意味は英単語のほうで表されてるみたいですね。前回が「住」で「Dining」でして、英語の「食事すること」のほうが怖い真相。今話ですと「乱」で「Scoop」でしてスクープ、特ダネという意味がドラマのポイントでした。次からはタイトルの英単語の意味に気を付けて観ていこうと思います。

 今話はちょっと込み入った感じのするドラマでして、(予習抜きですと)「こいつは敵か味方か」と思うこと多々です。まず今話初登場の風見泰人。いきなり流牙に「味方だ」と声をかけ、ホラーとのバトルを撮影した写真を見せる。話を聞くと、どうやら恋人がホラーに食われ、執念で真相を追っているらしい。

 その話通りなのか、敵の罠なのか判然としません。仮に風見の話を信用するとしても、風見が敵の罠にハメられているとすると、さらに危ない。この後、博物館で他の人物と一緒に話を聞くわけですが、地下駐車場で風見の恋人を襲ったホラーは、なぜか目撃者の風見は見逃した感じがあります(あの状況で、車が通ったくらいのことでホラーが逃げ去るとも思えない)。

 さらに博物館で風見と会う流牙を追いかけて来た人物がおかしい。金城滔星は現時点で疑う点がないとしても、魔導ホラー化した燕邦が来てます。滔星が黒幕が父親の憲水だと明かすと、燕邦も驚いてまして、ますます怪しい。滔星の情報通りだとしますと、憲水は燕邦のボスでもあるわけで、マズい情報を流す滔星を始末にかかるはず。しかし、博物館を出た燕邦は尊士と会い、戦う相手が流牙かと確かめたのみです。

 粗い予習内容を踏まえますと、もうちょっとスッキリしますな。尊士は敵側最強、燕邦も魔導ホラーとして敵に取り込まれている。その敵の本当のボスは滔星らしいので、博物館での出会いと話を、ああいう風に仕切ったのは滔星だとすれば、辻褄が合ってきそうです。

 ですが、前に一度ざっと見せてもらった、おぼろげな記憶では、滔星が真のラスボスだったという印象があまりありません。実は悪党だったとしても、ずいぶんと小物だったような。まあ、分からずにとりあえず流し見して、よく覚えてもない内容ですんで、これから当時に何を見て、どう勘違いしていたのか、これからしっかり観なおしていくつもりです。

 それはともかく、流牙が上手く風見の追及を逃れる点がなかなか面白い。陰我ホラーとのバトルになるわけですが、尊士の情報を得て追ってきた風見が盛んに撮影している。これで鎧装着すると、博物館でなんとか正体を誤魔化したのが無駄になります。そこで風見からホラーで死角になる位置に入っておいて、鎧装着し直ちに斬り、すぐに元に戻る。

 鎧装着時の発光で目がくらんだ風見が立ち直った頃には、もう元の流牙の姿になっているわけですね。そうでなくとも、強い発光があればカメラの露光調整とか間に合わないでしょうから、たとえ鎧を目撃されても写真には撮れないはずです。せいぜい撮れるのが、ホラーを切り終えた直後の、流牙の姿で剣を振るう姿くらい。なるほど納得な誤魔化し方でした。

 しかしホラーを斬るところは撮影できているわけで、ホラーの存在と、ホラーを狩る者がいる証拠にはなる。是非とも人食いホラーの存在を訴えたい風見には充分なわけで、旧知らしいリベラのところに持ち込むわけですな。予習によれば、これがマズかったようですね。リベラは敵側の人物であり、写真は流牙を殺人犯に仕立て上げるために利用され、真相を見た風見は始末されるらしい。

 予習できない、初放映のリアルタイムで観ていたら、自分だとすっかり混乱しそうなほど、状況がややこしそうですね。たぶん前に見せてもらったときは、状況がややこしいことも、よく覚えてない原因なんだろうと思います。理解できてないことは覚えられないですから。

 今回は一応の下調べし、こちらでもご教示を頂きながら観ていますが、「あ、そういうことか」というのがたくさん出て来そうです。最初は魔戒側の噛み合わなさとか、戸惑いもするし盛り上がりも感じにくかったわけですが、意外な真相が明らかになっていくというのは、もう今話時点で楽しみになってきました。

 そしてキャラクター的には猛竜ですな。前にかろうじて助かり、ボルシティの花屋で働き始めた洲崎類を遠目に見に行った猛竜がなかなかに初々しい。これが女性をとっかえひっかえしていた、あの享楽的な猛竜かと思うほどです。類が耳飾りに反応するだけで、猛竜は一喜一憂するし。

 つい類の手助けをした猛竜に、哀空吏が深入りするな旨、注意してますが、どうも猛竜は止まるに止まれない感じですね。そこが猛竜の魅力ではあるんですが、いかんせん相手は一般人。この恋がうまく成就する見込みは低そうで、哀空吏が危惧する通り、辛いことになるのかも。

 後半の次回「乱 Sonshi」は英語部分は「尊士」の意味なんでしょうね。いよいよ敵として出張って来てバトルになるかな。予告では尊士が騎士3人と渡り合うカットがありますが、どれくらいバトルシーンを入れてくれるかですな。

●風都探偵

 ストーリーは無料公開コミックで把握していることもあり、ちょこっとコスプレ部分についてだけ。

 ゲストヒロインがコスプレイヤー(にしてゲーマー)というのは、原作コミックで自分も感心した部分です。コミックならではというところまでは同じなんですけど、理由は「作中ゲーム/アニメ内のキャラクターと、作中コスプレイヤーをシームレスにできる」点でした。

 これは他のフィクションですと、例えば「その着せ替え人形は恋をする」アニメを思い出します(原作コミックは未読)。ヒロインがゲームやアニメのキャラクターに憬れてコスプレするわけですが、アニメで表現するのでコスプレがほぼ完全に元キャラクターを再現できたりする(で、作中で「すごい、そっくり」と感心したりする)。絵だからできるんだなと感心した覚えがあります。

 現実のコスプレイヤーについては、ネットの画像、動画で見てみるだけなんですけど、確かにイタイということはありますね。ただし、あまりにも似ている、再現度が高いからです。似ているものがあるとすれば、アイドルでしょうか。ステージ衣装でそこいらを歩き回ったら、かなりイタイはず。

 そういうキャラクターが風都探偵のゲストヒロインだとしますと、ステージでのパフォーマンスなので、まあ大丈夫かなという気がしました。かつ、コスプレに興味がある人にとっての夢(?)である、「ゲーム/アニメのキャラクターを完全に再現する」が表現できてまして、コミックならではかなと。

 そこがアニメだとどうかは、画像付き感想サイトではやはりよく分からずでした。「これが動くと、どうなる?」が想像しにくい。10月以降に視聴して確認したくなっています。

Re: 8月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/09/01 (Thu) 00:22:47

 8月最終感想です。

★鎌倉殿

 善児、フラグ回収早いです。
 これで、しばらく善児ロスですな。仕事人の最期をしっかり描いてくれましたな。
 まさに、サブタイトル「終善児」だ。

 あとはトウさんのその後を気にかけつつ、次回は義時の3度めの結婚ですか。
 畠山さんについてもフラグが立ったので、回収は次回か次々回か。

★リバイス

 最後は、シリアス性を排して、仲良くケンカするようなお祭りムードで、日常回帰した終幕、と。

 ええと、ヒーロー物というよりは、「病気で余命がない親友と、最後に本気でゲーム対決することで別離の儀式に代えるような印象」かな。

 自分の中では、ドラマに感じ入ることよりも、とっ散らかったドラマや設定に、一先ずの綺麗な仕舞い方をできて、おつかれさま、と。

 やっぱり、ラストは巨悪を倒して締める方がしっくり来るけど、たまには変化球があった方がいい、という気持ちも分かるし。

 何にせよ、次のギーツを期待したく。

★牙狼闇照

 ええと、金城滔星が、龍騎の大久保編集長というタイムリーネタがあって、比較対照するネタが。

 そしてホラー側の魔戒騎士討滅作戦が動き出す回で、次回の尊士バトルが最初のクライマックスかな、と。

 魔導火で正体が判別できない魔導ホラーも相当に厄介で、完全に後手に回る魔戒騎士という危機感が、次回はたっぷり見られる流れ。

 ここから未熟な魔戒騎士の成長と連携のドラマが構築されて、反撃に移るのが1クールの盛り上がりどころだな、と。

★龍騎

 この作品のメインライターの一人、小林靖子さんは、ここでは「ジョジョのストーリー構成の人」という目で見ると、タイムリーじゃないかと思います。

 本作の仮面ライダーも、スタンド使いみたいなものですし。

 そして、次回に登場するのは3人めのカニライダー、シザース。
 仮面ライダー=怪人である、という構図で、ゲスト出演的に登場して、悪事を働いて倒される同情の余地のない悪役。

 前作までのクウガやアギトが警察=頼れる味方という作風だったのに対し、龍騎では警察が悪という逆転構図を見せて、価値観の反転を描いてみせた、と。
 さらに、ライダーバトルの行き着く先は死であるという見せ方を通じ、「ライダー=格好いい正義のヒーロー」という城戸真司(および当時の視聴者)の思い込みを鏡のように打ち砕く回。

 ただ、真司自体に人は殺させないという作劇上の縛りを設けて、汚れ役としてのナイト蓮、そして後に悪役ライダーとして名高い王蛇に始末をつけさせるという展開。
 人を口八丁で騙す弁護士ゾルダと、人殺しを楽しむ犯罪者の王蛇の登場で、物語がどう転ぶか分からないピカレスク作劇を見せるわけで。

 とりあえず、次回はカニライダーの悪辣ぶりと、哀れな末路がポイントかな。

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