創作と鑑賞の談話室

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12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/01 (Thu) 00:00:58

 12月の雑談スレッドです。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/01 (Thu) 21:59:44

 定期感想その2です。

●うる星やつら

 メインゲストはプール妖怪でだったわけですが、サクラの大食いエピソードも混ぜてましたね。大食いのほうは確かオチがコミックと80年代アニメで異なり、原作では大食したサクラがプール用ボートに乗ったら沈んでしまう。80年代アニメ版では、大食い直後に「夕食は焼き肉がいい」とサクラが言い、皆が青ざめて引く。印象がまるで違うものでした。

 原作、80年代アニメどちらも、サクラが「プールに来る前にハイマンナン飲んだ」と発言していたはずです。こんにゃくを乾燥した粉末で、飲むと胃で膨れて食事量が少なくなるというもの。大食い描写に当時の流行ダイエットが取り入れられていたわけですが、現在では意味不明な発言になるでしょうね。

 サクラの婚約者である尾津乃つばめも登場ですが、プール・海辺であるため吸血鬼風コスチュームではなかったですね。公式サイトにはある、その絵柄での再登場はあるのかしらん。

 プール妖怪のほうは、もしかすると原作の高橋留美子さんの恋愛観を反映したキャラクターなのかも。高橋さんによれば、女性は得てして、カッコいいとか優れた能力を持つ男性よりも、そのわきにいる冴えない男性に惹かれがちだとのこと。もしかすると、ラノベなどで一時多かった「冴えない巻き込まれ型主人公」もその狙いなのかと考えられなくもない。

 プール妖怪のほうは恋愛とは関係ないわけですが、ズレているがおとなしいお人好しでして(無邪気な迷惑者?)、「見捨てたいが見捨てられない」というキャラクター性は、やっぱり高橋さんの恋愛観をひねったものなのかなと。プール妖怪は準レギュラーになれませんでしたが、もっと可愛らしくして人気を出せたのが純情狐かもしれません。

●仮面ライダーギーツ(12話:謀略Ⅲ:スロット★フィーバー)

 今までは不服を言いがちだったんですが、今話はすんなり納得できた気がします。ゲームクリアはゲームらしさがあるのは今まで通り、それに加えてキャラクターがしっかり動き始めた感じがあります。

 ゲームのほうは、ジャマト文字の解読ですね。自分は前話時点では、絵画タイトルとジャマト文字の対応さえ調べればいいと思ったんですが、違ってましたorz。発音も必要だったわけですか。そこはジャマトライダーの変身の掛け声にヒントを得て、以前にこのゲームの挑戦した先人が残したノートから解明されると。

 ジャマト文字と日本語文字の対応については、晴家ウィン/パンクジャックが文字板を入れ替える偽装工作を施したわけですが、文字板についた傷の痕跡から、どう入れ替えたかを英寿/ギーツが見破る。これって、ミステリドラマで見たようなトリック暴きの気もします。

 後はジャマト軍団を蹴散らして、ゲートまでたどり着けばいいわけですが、ここでスロットの意味が分かりました。いろんなフォームと装備を一気に見せてくれるサービスでしたか。第12話という1クールめの締めくくりに当たって、バトルについてのミニ総集編といったところですな。

 そういうのも面白かったんですが、自分的にはキャラクターのドラマはそれを上回りました。まず爺ちゃんライダーの丹波一徹/ケイロウですね。前話で自分より若い者を先に逝かせるわけにはいかんとの気概を示して期待アップですが、今話では消耗と負傷で戦闘不能状態。

 一徹/ケイロウはそれで諦めたというより、他人のための戦いで悟りを得たらしく、ライダーの力を譲りたいと申し出るわけですね。これに応えた英寿が景和にIDコアを触れさせて記憶を戻す。揺れていた景和に以前の志が蘇って「退場した全ての人たちが蘇った世界」の願いで、一徹/ケイロウからエントリー権を引き受け参戦となる。

 この一徹/ケイロウの退場ならぬ退役が上手くできてます。一徹は「若返る」の願いを捨てたわけですが、ライダーから降りたことで、願いの元となる気持ちも失われる。ですが、今のままでいいと悟ったわけですから、既に元の気持ちは捨てている。捨てたものが失われても問題ではないわけで、一徹のドラマはハッピーエンドとなります。

 そのお陰で景和は以前の善性を取り戻し、ここから再出発となる。これはハッピーエンドならぬ、良い門出と言えます。邂逅編で景和の人となりが描かれ、好感度上がって、しかし全て忘れて堕落(?)するのを辛抱して見届けたのは無駄でなかったと思えます。

 他人に対して嘘と本当がないまぜで韜晦気味だった主人公:英寿も、今話では気概をみんなの前で「ゲームマスターの駒じゃない」と吐露。ライバル格の道長は、道長なりの信念を見せて、晴家ウィン/パンクジャックの誘惑を拒絶。憎悪からブレない美学に変わったわけで、こういうキャラクターは尻上がりに面白くなるはずです。

 英寿の姉設定されて嫌がっていたツムリも、運営(特にゲームマスター)の思惑よりも、プレイヤーにいったん約束したゲームルールに忠実なナビゲーターの気概を見せてくれました。今回は英寿を利する形ですが、いずれ逆の裁定もあるんでしょう。そのようにブレない態度になってくれたら、ドラマに何を期待していいかも見えて来そうです。

 キャラクターのドラマも期待できるほど固まってきたところで、いい具合に先週のジャマト側の人物も動き出してくれそうです。依然としてジャマト栽培の温室にいるままですが、「デザイアグランプリを破壊」という目論見を呟いてまして、不穏な動きを始めてくれそうです。

 次回「謀略Ⅳ:ドライバーを奪還せよ!」では、椅子取りゲームとなってますね。必ずライダーが1名脱落する段取りみたいですが、現時点では悪役プレイヤーっぽいウィン/パンクジャックが退場なら予定調和かな。しかし、その段取り自体をひっくり返す流れになると面白そうです。

●鎌倉殿の13人(第45話:八幡宮の階段)

 必殺仕事人を連想するシーンが2つありまして、三浦義村とトウを合わせると主水さんになりそうだなと感じました。義村は冷静に仕事をこなす主水さん。逃げ延びて来た公暁を殺すつもりではあるけれど、従前通り恭しく仕えるそぶりを見せて安心させ、背後から音もなく近寄ってグッサリ(義村が最後に一言何か言えば、さらに主水さんっぽいんだけど、まあそこまで望んでも仕方ない ^^;)。

 一方、トウは自害しようとする政子を止め、それなら引導渡してくれと頼まれると、「主の命がなければ、人は殺せない」と建前的な理由で断りつつも、つい本音を出して「自ら死んではならない」。主水さんが建前は仕事料の有無と言い、本音は自分が納得するか否かなのと似てる。思い返すと、トウは「主の命」なしに善児を殺したんでした(正確には死期をわずかに早めた、かもしれませんが)。

 何か矛盾してますが、たぶん仇討ちも自害を止めたのも、情でブレちゃったんでしょう。そこも主水さんが時折見せる顔です。一幡を託される前の、暗殺精密機械の如き善児(渡辺小五郎寄りかも)に、トウがついになれなかったのは、一幡を託された後の情を持った善児のようだからなんでしょうな。

 もしかすると、トウは政子の自害を危惧して、仲章邸から強行脱出してきたのかな。こないだの牙狼映画の猛竜みたいに、トウは簡単に縄抜けしてました。脱出の機会を窺っていたようですが、なぜか見張りの兵がいるタイミングを選んでます。今行かないと間に合わない、と判断したんじゃないかと思います。

 それはともかく本編。今話は出来事は実朝暗殺ですが、義時と三浦義村にスポットが当たっている気がしました。まず義時視点で考えますと、頼朝以上たらんとして障害を取り除いていき、ついに源氏嫡流も滅ぼそうという、孤独な独裁者になりつつある。しかし、義村だけは自分(義時)について来てくれると信じたい。

 一方、義村は心づもりが読みにくい。たぶん、情勢に応じてやるべきことを次々選んでいくのかなと思います。第1プランでは三浦勢が護衛と称して儀式周辺で配置につき、公暁の決起をサポートするつもりだったはず。その場合、状況は義村がコントロールできます。公暁が義時暗殺を狙っていたとしても、そうさせるか否かは義村の判断次第。

 しかしそのプランは泰時に差し止められ、第2プランに。少数の同志とだけで暗殺を狙う公暁の放置ですね。前に義村は公暁に(いったん、義時を裏切れないと言っておいてから)北条の専横を訴えてますんで、義時もターゲットになると踏んでいるはず。ところが、計算が狂うわけですね。太刀持ち役のはずの義時が義村の傍らに現れる。

 源仲章にトウの件で迫られたからですね。この時点で義時のプランも狂いが生じている。公暁に実朝を暗殺させておいて、義時が公暁を斬るはずだった。しかし、実朝の傍らという絶好の位置を外されまして、義時は場の制御ができなくなる。実朝が暗殺されるか、公暁がどうなるかは運次第になってしまった。

 ですが、おそらく義村のほうが焦りがデカい。公暁が暗殺に成功しても、実力ナンバー1の義時が健在では、義村はどうにもできない。公暁を鎌倉殿に据えることは無理でしょうし、逆に公暁もろとも、義村も謀反人扱いで討たれ、三浦一族もおそらくは滅亡する。仮に義時に義村を許すメリットがあっても、今まで謀反人は全て成敗ですから、周囲が納得しないはず。

 公暁が実朝(と仲章)を討ち果たした後、義村は弟;胤義に切羽詰まった様子で、事が露見する前に公暁を始末せねばと言ってますが、儀式場で義時を見た瞬間に、そうするしかないと決断したんじゃないかと思います。義村にとって幸いなことに、実朝暗殺時に公暁は義村の名を出さず、政子に会ってから、三浦を頼って逃げ込んできた。

 これを義村はバッサリやるわけですが、その首をどう使うかは、その直前の義村と義時の会話時点で決まったように見えます。直前の会話では、義村は恭順を装うも義時が信用しない。そこで義村、叛逆の意思を小出しにするわけですね。そうしておいて、やはり義時を裏切る気にならなかったと。

 この辺り、義村は義時に弁明しているのではなく、「どういうストーリーならお前(義時)は受け入れるんだい?」と交渉しているように見えます。義村はどうも過去のいきさつに拘らず、常に「この今の状況がスタート位置だとして、この後どうするか」を考えているような気がします。

 かつ、その考え方を義時にも期待している。それが義村が義時の盟友たり得るゆえんかもしれません。しかし、独裁者たらんとする義時は猜疑心も強くなり、それゆえの疲れもあるようです。もう義村の意図の見えにくい動きを受け入れる余力がない。それが義時が一瞬目を泳がせ、表情を変えての「私に死んでほしかったのではないのか!」の問いかけだった気がします。

 が、おそらくこれで義村はいろいろ諦めたらしい。例えば、頼朝ばりの天運がある義時の盟友としてやっていくことも、北条と互角以上の三浦を作ることも等々ですね。全てが同時に成立することはない望みですが、情勢に応じて自らが最適解を実行することを、義村は諦めた。義時がそうしないからですな。切磋琢磨の臨機応変ではなく、固定的な関係を求めてしまった。

 そこで義村の答は、口では「公暁がお前(義時)を殺そうとしていると知ったら、俺はその場であいつを殺していたよ」と言い、襟を直す仕草をしてみせること。義村はこの仕草が義時に、嘘をついたときの癖として認識されていると知っているんでしょうな。つまり「そうだ、あわよくばお前(義時)の首を取ろうと思ってたよ」と伝えたわけですね。
(となると、前に義村が義時・泰時の目の前で襟を直したときの台詞も、「これは嘘だ」と伝える意図があったのかしらん。誰か「三浦義村が襟を直したときの真意」みたいな検証やってくれないかな(他人頼み ^^;)。)

 そうしておいて、義村は公暁の首を義時に献上する。これは恭順を示す行動です。義時を討つ可能性があったことは、もう言外に伝えた以上、義時の取るべき行動は「義村の成敗」でしょう。しかしできない。北条一族だけでは鎌倉を統治し、都と張り合うための力が不足する。どうしても有力な一族の助けがいり、それは三浦しかない。

 そのように義村は読み切って、「俺は殺せまい。忠実な部下になってやるから、そのように扱え」の意図を言外に示すべく、公暁の首を堂々と献上したんでしょうな。義時も義村の選択を受け入れるしかなく、賛美して義村の面目を保つ。これで「北条配下の三浦」という構図が固定的に出来上がり、第1話からずっと続いて来た義時と義村の盟友関係は終止符。なんだと思います。

 これで義時が完全に孤独になったように見えたんですが、ここでニューヒーロー登場。泰時ですね。「あなたの思い通りにはさせない」と宣言。これは泰時としては、実朝すら計画的に見殺しにする暴君の父に対する怒りでしょうけど、「受けて立とう」という義時は嬉しそう。

 いろんな分野で、老いた大御所がよく「後進に道を譲りたい」と言ったりします。これは自分の知る限りでは怖い言葉でして、決して「欲しい人に差し上げます」なんかじゃありません。逆に「自分がいなくなったら、この分野はどうなるんだ」の不安から来る「自分(大御所)を超える奴はいないのか」の意味です。つまり「後を任せるに足る奴、出て来い」ですね。

 自分(義時)の足りないところを、緊張感漂わせつつも補ってくれていた義村は、命に従う配下となってしまい、鎌倉は義時1人で動かすしかなくなった。自分の後どうするか、と思っていたら、ちょっと頼りなかった泰時が後へ退かぬ覚悟で進み出て来た。これは任せられるかも、と義時は感じて嬉しかったんでしょうね。だから「受けて立とう」は「思い切りやれ」の意でしょう。

 実朝暗殺により、親王を後継に迎える話をどうするかの評定で、義時が泰時に嫌味に声をかけたのも、「これくらいはやれないと無理だぞ」のハッパでしょうし、その後に政子に「姉上(政子)は今まで何をなされた?」と凄んだのも、「次世代の泰時に後を任せる総仕上げを、我々の世代でやるんだぞ」の意図でしょう。

 それが次回「将軍になった女」につながるようですね。政子自身が「尼将軍」と言ってますんで、いよいよ政子が最終形態(^^;)に進化するはず。そうなった万全の状態で、後鳥羽上皇との激突(承久の乱)に至る、でいいのかな。

 しかし、今話で「これって、どっちなんだろう?」と思うものがありました。歩き巫女の「天命に逆らうな」です。儀式場に入り込んで、ずっと言ってまして、実朝に対しては公暁に斬られる覚悟を持たせる力があったようです。

 しかし朝時は歩き巫女がずっと言っている、前は占いがよく当たったのに、と言ってまして、もしかすると無意味な繰り言なのかもしれません。もしそうだとすると、実朝が従容として斬られたのは、全くの勘違いの覚悟だったことに。

 そう思うと、自然と比企尼が思い出されます。今話の暗殺者:公暁が幼い頃、北条への恨みを説いたのが比企尼ですが、もしかすると比企尼ももう自分が何を言っているか分からなくなってたのかも。あれより前、比企尼は頼朝の前で居眠りしていて、頼朝への怒りをすっかり忘れている感じでした。幼い公暁(善哉)の前に現れたときは、さらに老いた感じです。

 もし比企尼も老いて自分が分からなくなっていたとしたら、ちょっと怖い。公暁も実朝も、無意味な言葉に突き動かされて、ついに死んじゃったことになります。その辺りは自分の妄想ですし、比企尼や歩き巫女の真意を描写することもないでしょうけど、妙に気にかかっています

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/03 (Sat) 00:18:33

 定期感想その3です。

●仮面ライダー龍騎(第29話:見合い合戦、第30話:ゾルダの恋人)

 先週分で、作劇・演出意図は了解できるものの、作風的に急変したような作りに多少戸惑うものがあったんですが、「8月の夏休み」のご解説を頂いて納得。もしそこが分からないまま今週分を観ていたら、「テコ入れか何かで脚本から方針まで激変しちゃった?」と思い込んでしまったかもです。ただし、それがもし初回放映リアルタイム視聴だったら、でして、放映済みを追っかけている分にはそんなことがないことは調べることはできます。

「もし初視聴なら」前提の不安感ですが、前半(第29話)冒頭からの雰囲気激変が大きな要因です。桃井令子が士郎の妹と知らずに優衣に会い、士郎が1年前に死んだと漏らしてしまうわけですね。優衣は激高する感じで否定し、気圧された令子はとりあえず間違いだと謝る。

 この優衣の激高は、優衣自身が士郎死亡を一概に否定できない気がしていることを表しているかのようです。生きていると当たり前に思えるなら笑って「この間も会ってますよ」くらいで済ますはず。妹の優衣ですら士郎の足取りを掴めないからこその不安と激高なんだろうという印象です。

 ところがその後に優衣の印象が激変。令子が行方不明になって、見合い相手の蔵井忍が怪しいとなる。そこで見合い相手として優衣が接近するわけですが、何と申しますか、突然にはっちゃけたと言いますか、コミカル全開に。深刻になりそうな予感の直後、あれよあれよと斜め上。

 こんな優衣見たことない。こういう激変は覚えがありまして、「剣/ブレイド」の「たこ焼き回」ですね。あれは意図的に路線変更でメイン脚本家も交代してのことでした。放映時系列的には龍騎が先ですが「もしかしたら龍騎もコミカルでリセットして作風変わる?」と思ってしまいそうです。

 その予感は後半(第30話)でも維持される作りでして、今度は北岡の以前の恋人だか助手だか秘書だかの浅野めぐみのドタバタ。武術の腕は立つが、仕事面はドジっ子で解雇され、今話では平気で見え透いた嘘をつく。もっとも嘘にはめぐみ自身も嘘と思ってないものがありまして、それがオチでしたな。

 これは完全に路線変更だな、と思えるわけですが、夏休み明けになる次回「少女と王蛇」(9月1日放映)では、浅倉の印象が激変するようですね。ただし、今週分みたいなコミカルではなく、凶悪バーサーカー以外の何物でもなかった浅倉にも情があるらしいということらしい。

 ネットでちょっと見た情報では、浅倉があまりに冷酷かつ凶悪なもんで苦情が多かったとのこと。それが「少女と王蛇」以降は収まったとのことで、「蜘蛛の糸」で引っ張り上げたくなるような一面が描かれるんでしょうな。言い換えれば、浅倉のキャラの幅が広がるドラマがあるはずと期待できそう。

 キャラの幅で言えば、違和感すら生じそうだった優衣のコミカル演技も、「普段はこういう明るさ、活発さがある優衣が、士郎についてはあれほどの悩みを見せる」という理解が生じてくれます。本来の幅が見えたことで、今の立ち位置が分かったと申しましょうか。

 前半はそういう思わぬ効果があったように思います。後半ですと、例えば新キャラクターの浅野めぐみがレギュラー参入ですが、今後の行動如何かな。真司のお人好しの底の無さのほうが収穫だったかも。聞いて即、馬鹿げてると分かる嘘でも泣くほど感動してました。

 これなら、まだ先ですが、あの浅倉ですら「真司は馬鹿」に同意するのも分かる気がします(^^;。もっとも、そういう軽口も言える浅倉になれるのは、次の少女とのいきさつを描いくからこそなのかも。

●牙狼-闇照編(第21話:義 Justice)

 第25話(道 Beginning)まであるけど、今の決戦は第24話(照 Future)で決着というわけでしたか。そう言われてみると、最終回の英語サブタイトルが「道 Beginning」で、「この道の始まりはここから」ということかと得心が行きます。

 黒幕がはっきりし、魔導ホラーについてもほぼ分かりまして、何とどう戦うべきかはもうはっきりしてます。そのためか、バトル主体になってまして、アクションが堪能できますな。しかしそれに終始するわけではなく、今話ですとバトル結果を使ってのトリッキーな展開を見せてくれまして、しかもそれが燕邦に対する救いになってますね、

 ともかく本編。冒頭から流牙の独白でして、魔導ホラーが滔星によって作られ、意に反して動かされる罪なき人々と語られる。それを強調するかのようなのが続くシーンでして、捕われた莉杏に対する燕邦とリベラの態度ですな。

 燕邦は冷酷、リベラは傲慢といったところ。これが後の展開との落差になってたりしまして、感銘を受けました。しかし今は滔星側が依然として優勢でして、燕邦とリベラは粛々と莉杏を魔導ホラーの母に仕立てていく。

 赤いドレスを莉杏に着せ、薬を使ってゼドムを活性化する歌を歌わせるわけですが、滔星が大喜びで聴く姿にちょっと注目しました。指揮者を気取る感じの身振り手振りになってるんですが、ジョジョSOでプッチ神父もやってました。どちらもむごさは共通なもんですから、なんだか重なって見えました。

 それはともかく、これを阻止するべく流牙、哀空吏、猛竜らがSG-1を蹴散らしつつ急行中。その前の魔戒チーム拠点の描写では、符礼法師が右手らしきものを細工中でして、これが後で猛竜の義手になるのかな。その前に哀空吏の弓は修理したようで、今話の哀空吏は再び弓を使いこなしてますね。

 万全とはいえない魔戒チームですけど、SG-1隊員では止められない。発砲するSG-1を圧倒する流牙らを見て、牙狼1stで鋼牙が(生身では)銃に苦労していたのを思い出しました。流牙世界ですと、魔戒側装備の近代化(?)があるせいか、銃器とまともにやり合えるみたいですね。魔戒側の莉杏も銃を使いこなしています。鋼牙世界ですと、牙狼MS辺りから機械化(?)が進む印象です。その辺り、流牙編が鋼牙編の未来という印象が生じる理由なのかも。

 それはともかく、魔戒騎士には魔導ホラーということで、リベラが出張ってきますが、さすがに3対1では持て余してるかな。哀空吏がロ^プ付きの矢を放ち、リベラをかいくぐって流牙が莉杏救出に向かう。

 これがギリギリで間に合いまして、種子はゼドムから取り出したものの、莉杏に埋め込まれる前。もし体内に宿してしまったら、若返って記憶も失われるところでした。そこは符礼法師が回復できるとしても、流牙の母;波奏が受けたらしい悪影響を莉杏も受けてしまっていたはず。

 莉杏救出直後に、種の1つがゼドムの首塚に落ちてゼドムが活性化したらしい。この事態が理解できずに慌てる滔星の様子から、滔星が事態を制御していたのではないらしいことが分かりますな。尊士にゼドムだと教えてもらうと、燕邦に莉杏確保を命じて、尊士を連れてさっさと逃げ出してしまう。事態を制御どころか、得体のしれない力を理解もせずに使っていた綱渡りでしたか、滔星は。

 そこからは、流牙&莉杏コンビと燕邦との対決ですが、決着がトリックになっており、前後パートに分かれてますね。まずはホラー態の燕邦を莉杏が抱え込み、流牙が剣で貫くか、というところでカット。続いて街中でのSG-1との戦いのシーンとなり、燕邦が隊長として現れるわけですね。

 単純に考えますと、ホラー態の燕邦が逆転勝ちして戻ってきた、となりそうですが、どうも燕邦の態度がホラーらしくない。今話序盤での冷酷な感じというより冷静という雰囲気で、しかもなんだか熱い。これはもしや、と期待したんですが、頬の傷を見て理解しました。莉杏が化けてるんですか。流牙も離れて見守ってますね。

 莉杏の化けた燕邦は、イメージの莉杏と並ぶ形で銃を連射し、リベラのホラー態をむき出しにしていく。ここ、再放送での仮面ライダーゼロワンの不破と亡のイメージ演出を思い出すこともありまして、なかなかに燃えます。

 これがSG-1隊員には、燕邦隊長が帰ってきて、真の敵がリベラだと示した、と見える仕掛けですね。しかし、いつまでも莉杏が化けているわけには行かないはず。どうするんだろうと思ったら、リベラに攻撃させておいて、爆発を起こして逃げるつもりだったらしい。それで燕邦も跡形もなく、と見せるんだろうと思ったら違ってた。

 爆発が納まると燕邦が横たわってる。これは莉杏ではないらしい。燕邦が遺跡で倒されたとしたら、他のホラー同様、消滅してしまったはず。この遺体誰だ、と思ったら、回想で種明かし。燕邦、消滅しなかったようですね。おそらくは、完全にはホラーになってなかったから。

 人間の心が残っていた、というわけで、まず示されたのがタイトル「義 Justice」でも示される正義への志向。それを燕邦の部下にして恋人にして、ホラー燕邦が食らった吉富が贈ったペンダントから、流牙が聞き取るのが何とも言いようがない悲しい感じがします。今話序盤で莉杏がペンダントを見て、吉富について問うと、ホラー燕邦がこともなげに「食った」とのみ答えたのも、ここへ効いてきます。

 しかし、ラストで救いが示されまして、燕邦の真の願いがイメージで示されるわけですね。燕邦がホラーとして食らった子供を、イメージでは笑って抱き、それを見て嬉しそうな吉富もいる。燕邦の正義が目指す世界がそういうものだったらしい、ということで、燕邦に残っていた人間の心はこれでしたか。

 そこが分かると、莉杏らが燕邦を(SG-1隊員視点では)ホラーと戦って死んだ勇敢な隊長として残した意味も分かります。人間の燕邦隊長として語り継がれるでしょう。これと対極的なのが、今話は生き延びたリベラですね。化けの皮が剝がれまして、もはやいくら訴えかけてもSG-1隊員に耳を貸す者はなく、怒りの形相で喚きながら逃げ出すしかない。こちらはホラーのリベラとして名を遺すことが確定ですね。
(ただし、リベラの人間時が分かりませんので、それでよかったかどうかは不明。冒頭の流牙の独白通り、魔導ホラーはみんな被害者なわけで。)

 勢いは完全に流牙側に傾いた感じですが、次回「礼 Master」予告を見ますと、なにやら符礼法師に不吉な感じがします。最後には流牙らが勝つとしても、大きな犠牲を払っていく過酷なものなんでしょうな。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/03 (Sat) 08:23:27

実写感想です。

★鎌倉殿

 源実朝、公暁、そして源仲章の3人が一度に散った回。

 前回、仲章暗殺に失敗して捕まっていたトウが、何とか脱出して「実朝と公暁の死に悲嘆して自害しようとする政子」を止めようとする場面に感じ入ったり。
 そう、人を殺すことに失敗し続けて来た仕事人が、人を生かす道に目覚めたわけで。
 てっきり、トウも人知れず散る末路かな、と思っていたら、もしかすると生存ルートに入ったのかな、と思わせるシーン。

 人の情を失って孤立する義時から、尼将軍への意を固めた政子の方にトウが付くなら生存ルートありかなと思いつつ。

 あとは、歩き巫女の「天命に逆らうな」の連発が、うる星のチェリーの「さだめじゃ」を連想させて、思わずクスッと笑えたリアルタイム視聴でしたが、その言葉に乗せられて、公暁に斬られることを決断した実朝。
 その前の仲章の「寒いんだよ〜」が、「雪の地面に転がって、想定外の死を迎えることへの錯乱と慄き」を感じさせる名セリフ(リアルの季節感でも寒い時期ですし、伝わって来るものがヒシヒシと)だと思ったし、
 実朝の場合は、「自分の死を覚悟しての決然たる死」というのが、妻に遺した短歌から察することができる。「これが天命か」と公暁の前で感じとったとか。その前に「母・政子」と決別し、「仲章と共に京へ恭順して、鎌倉幕府に事実上の幕を引くこと」を決断し、血と暴力に彩られた坂東武者の政権への距離をとるとか、和田殿との死別とか、造船の夢の失敗とか、いろいろなことが走馬灯のように浮かび上がった末に、「謝罪し、和解を申し入れた公暁が自分を許していなかった」ことを知って、まあ、これ以上は抗えないと腹をくくったんでしょうな。
 潔く死を受け入れる実朝の覚悟を後押しするかのような「これが天命だ」という割り切り。戦って死ぬのも武士なら(頼家の場合)、死を前に泰然自若なのも武士。ドラマ的に綺麗な散り方だと思いました。

 一方で公暁の心中は政子に対して吐露し、それでも最後まで諦めきれずに、三浦を頼ってもがき続けながら、裏切られて殺される姿。
 役者的には、公暁役の寛一郎さんは、上総介の佐藤浩市さんの息子で、「信じていた者に裏切られたと知った時の無念と悲嘆と憤怒の入り混じったような表情」は、見事に似せて来たなあ、と感じました。

 次は、承久の乱の前の、「実衣さんの子の阿能時元の死」が描かれるようですな。姉の政子に対抗意識を持ち続けてきた実衣さんが、これで退場する流れかな(死ぬわけではないにせよ、歴史の表舞台からは消える形)。
 そこからの尼将軍・政子誕生の流れかな、と。

★ギーツ

 お爺ちゃんの無事生還と、満足した上での退場で、デザイアグランプリで初のハッピーエンドを迎えた感。
 そう、感情移入キャラが(退場するにせよ)納得して、綺麗に幕を閉じるビターでなく、ハッピーな結末が見たかった。

 これまでのゲームでは、ビターしかなかったわけで。

 そして、お爺ちゃんへの感情移入が、後を託された景和への感情移入に引き継がれるわけで、これでヘタレなければ、タイクーンが一押しになって行くのだろうな、と。

 年末のパワーアップ形態(コマンドフォーム)も、ギーツとタイクーンに用意されているようだし。
 切り札はとりあえずタイクーンのところに来るというアイテム引き運はまだ健在かな、と気にしつつ。

★龍騎

 仕切り直し期間が終わって、後半戦の流れですな。
 13人ライダーとは別系統の謎ライダー・オルタナティブが出現し、英雄願望の強い仮面ライダータイガと共に、反・神崎士郎の勢力を見せて行く。

 神崎士郎の目的と、優衣の秘密は夏の劇場版で種明かしが行われたので、次はその先を描く形に。
 キーワードは「ミラーワールドを閉じて、ライダー同士の戦いを終結させること」ですが、そのために神崎優衣には犠牲になってもらおう、というのがオルタナティブ一派の目論み。
 ライダーバトルを終わらせるのは賛成だが、優衣を犠牲にするなんて……と迷いながら反発するのが真司。

 当然、ナイト、ゾルダ、そして王蛇はライダーバトルの続行を望んでいるわけで、対立劇の様相も変わって来ることに。

 なお、劇場版を見ると、「優衣の死は、ミラーワールドのモンスターの暴走に通じる」ので、事態の悪化になると分かるわけですが、TVの劇中人物はそれを知らないので、
 良かれと思って行う「ミラーワールドを閉じるための計画」が、最悪の破滅につながる流れを(劇場版を見た者は)ハラハラしながら見ることに。

 おそらく、年末ギーツ映画公開記念に、龍騎の夏映画の配信もあるんじゃないかなあ、と願望予想しておきます。
 あと、TVスペシャルの13ライダーですね。これらを見ないと、TVだけでは13ライダーが揃いませんので。

★牙狼闇照

 燕邦隊長の退場編で、ドラマ的にもバトルアクション的にも感じ入った次は……ゼドム復活を阻止するために、符礼法師が命を賭する話になりますな。

 サブタイトルの「マスター 礼」ということで、符礼さんにスポットが当たって、後を若者たちに託すことは想定内でしたが、まさか最終話が符礼スペシャルだったとは当時、驚いたものです。

 流牙の父親は描かれていませんが、実質的に法師が父親みたいなものとして役割を果たしていますね。
 そして父母との別れを通じて、牙狼の黄金が完全に継承される流れに、当時は感じ入ったもの。

 牙狼の完全復活までのドラマ的な仕込みが見事で、序盤のギスギス闇が完全に浄化された清々しさを覚えた次第。
 その後味の良さが、最近のTVシリーズにはないので、「闇を照らす黄金の光」の新シリーズを期待中なわけですが、目下は迷走中と思われ。
 変化球はいいけど、王道があってこその変化球ってことで。

 流牙編は、最初が変化球だけど、最後に王道に帰結して良かったよって話です。
 

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/04 (Sun) 15:33:35

 定期感想その1です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第21話:AWAKEN -目醒め-)

 前話感想でFFに感情移入したという話をしたんですけど、そしたら今話でFFが。呆然となったんですが、ネットで調べてみると、今話でFFが退場したわけじゃないらしい。徐倫のもとまでたどり着き、ホワイトスネイクの正体がプッチ神父だと伝え、思い出という知性を得たことを感謝して昇天するとのこと。それなら何とか自分もFFの最期に納得できそうです。

 今話のバトルは少なくとも自分には分かりにくい部分多々です。まず、FFのDアンG暗殺ですが、これはトリッキーながら分かりやすいものでした。プッチ神父の言葉に戸惑って、DアンGへのFF弾銃撃は阻止されるものの、FFの本体が群体生物であることを使い、DアンGの体内に飛び込み、内から身体操作しての発砲。観ているこちらには、徐倫らを襲ったスタンド:ヨーヨーマッが消滅したことから、完全決着と分かります。

 分かりにくいのは、この場の勝利条件となるDiscですね。もっとも、描写に問題があるわけではなく、自分が勘違い、記憶違いしていたせいなんですがorz。FFとプッチ神父対決の場にあるのは、FFについてはFFのスタンドDiscのみ。これを取り上げればプッチ神父の勝利となる。そのためにプッチ神父は水を沸騰させてしまうという、新たなスタンドDiscをこの場で使用したと。

 ですが、自分は勘違いしまして、FFは記憶Discも既に埋め込まれていると勘違いしてしまいました。たぶんプッチ神父がFFの見たものを知るため、記憶Discを埋め込むと言ったのを、FFが既に持っている記憶Discだと思い込んでしまったようです。さらに、この第2期の争点&勝利条件の、承太郎の記憶Discもこの場にあると勘違いしてしまいました。

 それで必死で脱出するFFが持ち去ろうとしたDiscが、FFのスタンドか記憶Discか、それとも承太郎の記憶Discかと混乱してしまい、最後にFFが(群体生物としても)消滅するときのDiscが何だったのか分からず、「これが承太郎の記憶Discならミッション失敗なのでは、そうならFFは犬死なのか」「せっかく思い出についての独白あったのに」とか思ってしまいましたorz。

 実際には(DアンG抹殺に成功するも)、スタンドDiscを持つFF本体が、囮に残したFF義体(?)に埋め込まれた沸騰スタンドで消滅してしまい、スタンドDiscだけが残された、というものだったようです。そう理解してもやっぱりFF死んじゃった、となりそうなんですが、よく観てみると、ジョジョで頻出の表現「死亡時に肉体から離れていく煙のような何か」がありません。それが「まだFFは生きている」という暗示なんでしょうね。

 FFの戦いが分かりにくいと思ったのはは自分の勘違いのせいなんですが、徐倫&アナスイの緑の赤ん坊との戦い(?)はきちんと観ても分かりにくい。ネット評の中には「ジョジョSOがそれまでのジョジョより人気が低めなのは、バトルが分かりにくいせい」というのがありまして、人気はともかく、分かりにくさはあるかなあという気がします(^^;。

 緑の赤ん坊というより、赤ん坊が持つ敵スタンド:グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホームに対してみたいですが、基本的には、

(1)敵スタンドに、こちらから近づいていくと距離に比例して、こちらの身体が縮んでしまう。

というものらしい。アナスイが図解(?)で説明していましたが、地面に描かれた点に対し、上記が発生するなら、点を見下ろす角度は変わりません。しかし、赤ん坊は高さがあります。近づくについて赤ん坊は高くなるように見えるはずですが、その辺りの描写がはっきりしない感じ。さらに、

(2)接近していくと距離に比例して、こちらの速度が落ちる。歩行でも落下でも同じ。

という性質があるみたい。そうなら、最初に半分まで近づく時間と、さらに半分まで近づく時間は同じであり、確かに永遠にたどり着けないことになります。落下ですと(空気抵抗による減速がないと単純化すると)サイズが縮まろうと落下速度(及び加速度)は変わらず、有限時間で赤ん坊まで落ちるはず。しかし永遠に落ち続けるということなら、落下でも速度が落ちると考えるしかありません。さらに、

(3)赤ん坊(というより敵スタンド)から近づいて来る場合は、(1)(2)の限りではない。

らしい。さらに、

(4)赤ん坊/敵スタンドが投擲した物体は、赤ん坊/敵スタンドから離れる距離に比例して巨大化する。

ということらしい。しかし同時に、

(5)赤ん坊/敵スタンドが触れた物体は、赤ん坊/敵スタンドがその物体から遠ざかっても、物体の大きさは変わらない。

ということみたい。もう「分かるか、そんなもん!」になりまして、この対緑の赤ん坊戦で何が起こっていて、どういう勝利条件だったのか、理解するのを諦めました。念のため、ネットで検索もしてみたんですが、全部を整合性持たせて解釈しているものは見つけられずでした。


 たぶんずっと分からないままになりそうです。緑の赤ん坊が徐倫らに触れて、敵スタンドの効果がキャンセルされてしまいましたから。

 ともかくも、赤ん坊にも(Dio由来らしい)肩に星型の痣があり、徐倫にもある星形の痣になぜか興味を示し、アナスイは抹殺せねばマズいほどの脅威だと感じた、ということですね。

●風都探偵(第10話:超人r / 裏風都へのパスポート)

 ターゲットの腕/才能を奪うパズル・ドーパントの「pは悪魔だ」編を飛ばして、この「超人r」編に突入というわけですね。それでもおおむねうまくつながっていると仰る通り、不自然な感じはありませんでした。

 これもご指摘の通り、万灯雪侍が「閉ざされたk」ラストでWらと距離を置く旨の言はあった直後の違和感は生じますが、この第10話ではときめが裏風都に行く形であるのがそこを弱めてるかも。さらに呼び込んだのが、すぐには誰かはっきりしない感じもあります(ゲート現場に万灯雪侍がいるものの、メイン敵は二階堂守らしいし、いったん脱出したときめを引き戻したのはブラキオサウルスだし;ただし後で万灯と示唆される)。

「閉ざされたk」から「超人r」とつなげて大丈夫。それでもパズル・ドーパントはネットの字面で見る限りですが、奇妙な敵っぽい感じがしますんで、観てみたかった気はします。しかし、それが1クールの締めとなると、ときめの謎が2クールめまで放りっぱなしになるわけで、それはちょっと嫌かな(^^;。たぶん、この「超人r」をやっておくのがキリがいいんでしょう。

 ともかく本編。のっけから元気な爺ちゃんが必死に駆け回ってまして、どうやらドーパントから逃げているらしい(最後、悲鳴で終わるのが不気味)。場所は十中八九、裏風都ですね。唐突な出だしなもんで、一瞬「あれ、1話見逃した?」と混乱しました(^^;。

 その混乱は次のシーンまで持ち越しまして、ときめが噴水のそばで何かしょげてます。これも「何があった?」と思うわけで、「やっぱり1話見逃した?」と。しかし、録画予約もきちっとチェックしていながらそんなはずはなく、続く翔太郎の台詞で見逃しなんかなかったと確認できまして、ほっとしました。

 ときめがしょげているのは、「やっぱり私ドーパントだったのかな」という最初のエピソードからある疑いであるわけですが、再燃したのはときめが持っていた壊れたメモリの正体が判明したからでしたか。翔太郎のと同じジョーカーということですね。ジョーカーメモリ保持者がジョーカーメモリ使用者に運命があるかの如くの出会いであったわけで、やっぱり何か裏があると思っても仕方ない。
(もっとも自分は「ジョーカーならライダー」みたいな感覚なもんで、「ときめもライダー?」とか思ってました(^^;。実際にはジョーカー・ドーパントだったのかという懸念ですか。)

 しかも、ときめのジョーカーメモリがもし修復できれば、例えば作動させるとときめにスロットが現れるかもしれないとか、真実に近づくけど不安要素でもあるというジレンマが生じてしまいますね。そりゃ悩むだろうなと思えます。が、翔太郎は「そいつを受け止めて次に進むだけさ。みんなでな」といつもの安定感なのは安心するものがあります。

 冒頭の唐突な描写も続くシーンで判明しまして、依頼者の蘭堂りつか(12歳)の祖父:蘭堂廉太郎でしたか。中小企業のいわゆる町工場の創業者で、息子:蘭堂玲一が無理と思う依頼を受け、見事に完成させたものの納品に行ったまま帰らないらしい。依頼を持ち込んだ大男がどうやら二階堂守/リアクターで、裏風都で使う装置を作成させたみたいですね。

 孫の蘭堂りつかは祖父:廉太郎の足取りを途中までは掴んでいて、装置を依頼した大男を追ってみたら、行き止まりの路地で消えてしまったと。これは翔太郎らにしたら「裏風都だな」と思える現象です。これを引き受けなくてどうする、くらいの依頼ですな。もっとも警察でも竜たちですと、ドーパント絡みに詳しい戦友で頼れるわけですが。

(もっとも、亜樹子ノートでは刃野、真倉両刑事は未だにライダーの正体を知らないらしい。イレギュラーズも同様ですね。「ミュージアム」崩壊で平和になった段階で教えてもよかったかもしれませんが、裏風都出現したことを考えると、秘密主義を通したのは賢明だったかも。)

 ともかくも捜査開始ですが、調べていくと、むしろ証拠・足取りが消されているらしいことしか分からないわけですか。ときめのジョーカーメモリ修復しているフィリップも、どうやら検索しても何も出て来てないようで、翔太郎の調査結果を聞いて推測を述べるくらいですね。それにしても亜樹子所長、何やってんですか(^^;。もしユリ・ゲラー気取りなら、ずいぶん古いネタだ。昭和ファンなのかな。

 そのジョーカーメモリの持ち主であるときめは、カードのトラップらしきのに引っかかり、裏風都へ引きずり込まれちゃうわけですね。ときめ、思わず「戻ってきた」と呟き、自分で自分に驚いてますな。やはり何かある、とときめは思ったでしょうし、観ているこちらもそう思う。

 しかもときめ、「こんな恐ろしい場所から離れられないと思っていた」ことを思い出したりしまして、どうなってるのか。確かに「恐ろしい場所」で、ドーパントがうようよしてまして、襲ってくるのもいますね。第1エピソード時にときめは裏風都に割と自由自在に出入りしていた感じですが、その時とちょっと様相が違うように見えます。

 しかし、万灯雪侍が気にかけているだけあって、ときめを襲うドーパントはブラキオサウルス・ドーパントに始末されるなど、危険は排除されるみたいですね。始末されるための誘い込まれたのではない。しかしときめ、さすがは探偵助手になると誓っただけあって、翔太郎に知らせるべく、表の探偵事務所に駆けつけようと脱出路を探す。土地勘あればこその行動でもあるんでしょうね。

 その頃、翔太郎らは少ないながらも集めた情報を整理してまして、大男が持ち込んだ図面は危険な用途の特殊バルブであり、それに気づいた蘭堂廉太郎が大男を問い詰めると、拉致されてしまった、というところまでは判明した模様。

 そうしている翔太郎に突然、ときめの声が聞こえるわけですね。亜樹子ら、他の面々には何も聞こえていない。となると「これって、壊れたとはいえジョーカーメモリを持つ者同士だから?」と思えますね。翔太郎とときめの間には、2人も知らない/覚えていない何かがあるんじゃないかと。

 で、声に続いてゲートが開き、ときめが探偵事務所に飛び込んで来る。何とか、依頼人りつかの祖父:廉太郎が裏風都にいるはずと伝えたものの(ときめ自身について思い出したこともあったようですが、依頼人優先なのがさすが)、そこでブラキオサウルスに引き戻される。ガードだけでなくガイド役でもあったようですな。これを翔太郎らが座視するわけもなく、今話の特典映像(?)W&アクセル同時変身で裏風都に突入と。

 突入ポイントが前に来たときより中心部に近いらしく、裏風都の風都タワーみたいのもありますな。本当に表そっくりに作ってあるみたいですね。そこに装置を発注した大男が現れるわけですが、意外なことに何の隠し立てもする気がないみたいですね。問われるままに事情を語り、二階堂守と名乗り、正体や狙いもいろいろ明かすと。

 蘭堂廉太郎は拉致されたのではなく自ら追ってきた、ときめを裏風都に呼び込んだ(呼び戻した?)のは万灯雪侍(らしい)等々。出現がブラキオサウルスの正体ぽかったですが、二階堂は別のリアクター・ドーパント。ブラキオサウルスは小柄な男が変身者なことが後で分かりまして、ネットで調べると千葉秀夫なる少年らしい(さらに実は50代だそうで、ややこしい人物らしい)。

 どうやら、二階堂も廉太郎を見失って追っているらしいですが、とりあえずはWとアクセルを敵視してバトル突入。二階堂は2人を始末する自信があったから、秘密保持とか気にせず喋ってたのかな。確かに強くて、頑丈でしかも大変な高温を使える模様。アルコール・ドーパントも火を操ってましたが、温度やエネルギーレベルが段違いのようですね。

 ときめ、翔太郎、竜はどうなるか、というところで続く。それにしても、二階堂のサスペンダーをバチンバチンやる癖、見覚えがある気がして考えてみたら、仮面ライダーフォーゼの大杉忠太先生ですな。体格が対照的だから、すぐに思い出せませんでした(^^;。

 ED曲後は、いつものラジオスタジオ風ではなく、敵側のコント。本編の終わり方が「ときめの運命やいかに」みたいな感じですから、ときめがDJのミニコーナーでは雰囲気が齟齬するからかしらん。しかし内容はいつも通りほのぼのバカバカしくて、もしかして「万灯だからバンド」という駄洒落かな。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/05 (Mon) 10:59:21

 アニメ感想。
 今回は2本だけですな。

★ジョジョSO

 12月に入って「最終章」のネフリ一挙配信が為されて、公式サイトでも各話あらすじが載るようになりました。

 おいおいチェック(予習)するようにして、追っかけは来年から、と。

 で、今回から次回にかけて、「さらばFF」という涙目展開が。
 設定だけ見ると、プランクトンの集合体で感情移入が難しいキャラだなあ、と感じていましたが、エートロのボディで擬人的な愛されキャラに育ち、いろいろと良識的かつ献身的な人格も示し、そして「重要情報を徐倫たちに伝えて、惜しまれながら退場する」ってエピソードを知ると、第2クールはFF推しで問題ない、と感じたり。

 そして、FFの役割(主人公への献身的なサポート)がアナスイに受け継がれる、ということで、
 徐倫が完全に守られ系ヒロインになっていて、アナスイの頼り甲斐が強調される流れだな、と。

 さて、分かりにくいバトルについては、もう過程の分析よりも結果だけを見ることにして、緑の赤ちゃんの★マークが徐倫と結びつける展開。

 元々、この★マークのアザはジョースター家の血統に受け継がれるもので、「ジョナサンの体を奪ったDIO」にも継承された形。
 そして、プッチ神父はDIOの弟子みたいな立場だったのが、DIOの骨から生まれた赤ちゃんと融合して、ホワイトスネイクの力を強化するのが次回みたいですね。

 で、次回は死んだと思われたFFが、助けに来たウェザーリポートのスタンド能力による雨で何とか生きながらえ、徐倫たちとの合流を図るみたいですが、それが神父の計略で……という展開らしい。

 結果的に、神父は赤ちゃんを得て目的を達成。一方の徐倫たちは神父の手から、「承太郎の記憶ディスク」を奪い返し、こちらも目的達成、という流れになるようですが、
 その後、「天国への道」を求めて、牢獄を後にするプッチ神父の計画を阻止するため、徐倫たちの「脱獄作戦」が展開されて、第2クール終了。

 その後、牢獄の外の世界を舞台に、プッチ神父との最終決戦、そして主人公たちの死を乗り越えての世界改編(このラストが龍騎とかぶる)に至り、ここまでのジョジョの大河ストーリーが完結。

 以降は、改編後の世界で、パラレルワールドの住人が新たなジョースター家の物語を展開する、と。
 ジョナサンの並行同位体とも言われるジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリのバディ物アメリカ西部劇レース物が第7部。
 そして、その100年後のジョニィの孫、東方定助が杜王町で活躍する第4部のパラレル世界観が第8部のジョジョリオン。

 アニメがそこまで続くかは未定ですが、承太郎とDIO絡みの連作物語の大団円をまずは楽しみたく。

 ともあれ、次回はFFの最期に涙を捧げる予定。

★風都探偵

 ターミネーター風の風貌のグラサンマッチョな強敵との最終エピソードに突入。
 裏風都のエネルギー管理と番人を自称する幹部候補のリアクター。
 一方で、ときめの前に現れたのは裏風都幹部の見た目は少年なブラキオサウルス。

 これでOPの裏風都メンバー4人が出揃った形で、第一次クライマックスの布陣になった、と。
 なお、裏風都はその後も暗躍しつつ、その組織運営も一筋縄では行かない様子が後のエピソードで描かれています。
 要は、「ドーパントが力で支配する理想の楽園を築きたい」ようで、Wとは極力、争いたくないのが万灯さんの意向。共存共栄ができたらいいみたいなのですが、裏風都という不安定な世界を構築・拡大する際に、表の風都にいろいろ怪現象が発生するために放置はできない構図。

 あるエピソードでは、裏風都の裏切り者が表風都で暴れているから、それを処理してくれないか、と万灯さんが翔太郎に依頼する話も。
 一方、万灯さんは「ガイアメモリに魅せられた力の信奉者でもあり、その可能性を追求したい」との動機から(言わば研究者気質)、「風都の平和を望むのは私も同じ」と嘯くわけで、一筋縄では行かないボスキャラですな。

 ともあれ、今回は裏風都に閉じ込められた「ときめと老職人」の救出、そして強敵リアクターをどう倒すか、また裏風都という異世界の実情をチラ見せして、話を膨らませる流れですな。
 タイトルも「風都探偵」ですし、「裏の風都を探る偵察ミッション」が本筋ということにもなる、と。

 なお、いくつかの疑問点について。

>表風都と裏風都の行き来について

 第1エピソードでは、ロード・ドーパントが事件を起こしまくって、通路を開いていたから、それを利用して、ときめが行き来できたみたいですね。
 ただ、ロード・ドーパントを倒したから、裏風都への道が封鎖された、と。

 で、今回、明かされたのは「万灯さんの作った通行パスがあれば、通路が開ける」ことと、次回、明かされるのは「リアクターの人が、量産型ロード・ドーパントの群れを指揮して、裏風都拡張工事を続けている」こと。
 そのための膨大なエネルギーを賄うための増幅装置の部品が、老職人に依頼した品物ということですね。

 つまり、裏風都は未知のガイアメモリ技術による土木作業の産物です。
 で、土木作業の現場監督であるリアクターが倒されることで、裏風都拡張計画に綻びが生じ、万灯さんもしばし大きな動きができずになって……アニメ第2部(あるならば)はWの過去編のおさらいに流れるわけで、ビギンズナイトとか、エターナルとか、翔太郎がときめに語る展開が今後の期待になる、と。

>ユリ・ゲラー

 自分はMr.マリックを連想しました。
 ハンドパワー、来てます。

 おそらく、このネタは飛ばされたパズル・ドーパントのエピソードからの流れから来ていると思いますね。
 翔太郎が未知の力に覚醒する伏線っぽくもありますし。

 物語が長く続くと、ただの凡人だった主人公が特殊能力に目覚めるケースも、バトル物では普通かな、と。
 少なくとも、ときめとの間に遠隔交信能力の気配を示しましたからね、今回。

 まるで、ポップとメルルみたい。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/05 (Mon) 16:57:59

 定期感想その2です。

 風都探偵での亜樹子の唐突な「念力」は、パズル・ドーパント編前提というわけでしたか。うーん、細かいところで影響出てたんですね。それにしても、万灯が裏風都を表と共存共栄させたいというのは興味深い情報で、ありがとうございます。今まで「万灯は今の風都(表)を滅ぼして、裏を唯一の風都にするつもりか」と思ってました。

 万灯はメモリが大好きすぎて、そのメモリが思い切り使える遊び場(裏風都)を作りたい、みたいな感じだとすると、なかなかユニークなラスボスです。

●仮面ライダーギーツ(第13話:謀略Ⅳ:ドライバーを奪還せよ!)

 坂本浩一監督回ですね。仮面ライダーWEBによると次回も坂本監督のようです。となるとアクションが、ワイヤーとか多いかなと期待しました。が、意外なことに、自分的に最も目立ったと思ったのが、ギーツがガンキャノンかよと思う形態で砲撃連射した特撮シーンだったりします。そういや坂本浩一監督は、ウルトラマンシリーズも手掛けたりするのを思い出しました。

 今話のゲームですが、全話予告時に思っていたものとは違ってまして、最初混乱しました。普通の椅子取りゲーム(プレイヤー>椅子の数)とは違うもののようですね。赤い帽子の少女が次々とプレイヤーのドライバーを奪い、それをプレイヤーもジャマトも奪いに来るゲームですか。クリア条件の「かくれんぼジャマト撃破」時にドライバーを持っていなかったら退場と。

 今話のゲームスタート時には、ドライバーが1つだけジャマトの手に渡り、ジャマトライダーに変身したため、「椅子が1つ足りない」という格好にはなってます。が、英寿が言うように取り返せばよく、実際、取り返している(ただしウィンに入れ知恵された道長に横取りされますが)。

 椅子取りゲームと言うよりは、敵味方に分かれてのドライバー争奪戦。最も協調的(?)にクリアするなら、プレイヤー全員のドライバーを取り戻したうえで、かくれんぼジャマトを撃破すれば、退場者無しでのゲームクリアになりそうです。

 しかし、悪意あるプレイヤーが混じってるわけで、運営(ゲームマスター)の差し金のウィン/パンクジャックですね。そのことをウィンは、少なくとも英寿に隠しもせず、むしろ挑発すると。ウィンが椅子を少なくとも1つ減らすミッションを負っているとしたら、椅子取りゲームといえるかもしれません。運営スタッフという身分保障(?)があるウィンは、自分も脱落覚悟の戦術を考えているように見えます。

 景和と祢音は協調的にプレイするつもりのようで、依然として一匹狼的な動きをしようとする道長を説得したりもすると。道長も渋々受け入れているらしいのは、前GDPからすると大きな変化でしょうか。ドラマ的には、そうなった道長が英寿に立ちふさがる度合いが下がる分を、ウィンが引き受けている感じですね。ただ、どうもウィンもいずれ英寿に寄っていくような気がしないでもない。

 そういう点は次回以降に期待ですが、今話で「おや?」と注目したドラマが、最後のバトルでの景和と英寿のドライバーの貸し借りです。以前からずっと、景和は英寿に騙されてアイテムを使われてきたわけで、いちいち怒ってました。しかし騙されてもまた信用する。

 今話でも、どこからとも知れず飛んできたバックルを得た英寿が景和からドライバーを借り受けるわけですね。自分は「また騙されるんじゃなかろうか」と思ったんですが、今話では約束通りにドライバーを返してます。どうやら英寿は自称狐たることを、景和に対してはやめたらしい。その転換点は前ゲームで一般人要員だった景和に、英寿がドライバーを触れさせたときだったようです。あのときは、今話のここまでとは気が付きませんでした。

 そういういい流れはあるんですが、ゲーム的にはうまくいかず、英寿とウィンはドライバーを失ったままで次のチャンスを待つしかないと。

 GDP運営も徐々に登場人物が増えまして、かつ一枚岩ではない複雑な状況であることも徐々に描かれてますな。前話から登場していた、ジャマト栽培者のアルキメデルはGDP外の敵側のようでしたが、どうもGDP運営の敵戦闘員製造部門長みたいな感じになってきました。ただしGDPを壊すと密かに言ってまして、反逆の意思がありそうです。

 英寿に近づいて支援を申し出たサマスと、その上司っぽいニラムは立ち位置不明です。ニラムはどうやらゲームマスター:ギロリに無断で、バックルを英寿に送ったようですね。それをゲームマスター:ギロリが抗議したところを見ると、ニラムとサマスはゲーム進行に直接は関わっていない感じ。しかしプレイヤーでもない。

 どうもニラムとサマスは、ゲーム観戦しているような感じです。つまり観客。GDPがどうして開催されているかは未だ不明ですが、最初はジャマトの侵略を撃退するみたいな感じでした。が、ジャマトの侵攻があまりにもゲーム過ぎてなんかおかしい。もしかすると、GDPって非常に趣味の悪いスポーツ試合で、金出して観たい観客のために開催されてるのかしらん。

 まあそんなはずはないか。次回「謀略Ⅴ:怒りのグレア」の予告映像見ますと、ウィンが英寿に挑発されたのか、不敵な様子を見せています。が、どうもヒーロー魂に火が付いたような印象でなんとも謎。さらに新ライダーのグレア登場らしいんですが、現在までの参加ライダーとは異なるものらしい。参入要員もいそうにないし。なんとも分からない感じですね。

●鎌倉殿の13人(第46話:将軍になった女)

 義時の妻のえについて、前話まででは「北条の輪に入らせてもらえない」と思ったんですが、今話ではそう見える行動の裏に祖父:二階堂行政の指示(圧迫?)があることが示されると、一連が別の意味に思えてきます。自分的にですが、これほど印象がくるくる変わるキャラクターも珍しい。

 思い起こすと、最初は「見た感じは心映えもよい、義時に見合う女性」ですが、すぐに正体バレて「権勢欲が強い、裏表がある化け上手の怖い女」となり、その後「北条の者、かつ義時の妻であろうと一生懸命」の印象になったと思ったら、「実家の権勢を強めるために取り入る」に。ある意味、最後は一周して最初の印象に戻ってきたといえそう。

 現時点での(行政が命じた)のえのミッションは「我が子の政村を義時の嫡男に」ですが、そこに三浦義村が関わって来ると分かったのはびっくりです。自分は前話で義村が完全に義時に屈したと思ってましたが、義村はまだ打ち込むくさびを持っていたわけですか。鎌倉殿候補の公暁の乳母夫として失敗しても、まだ北条殿候補たりえる政村の烏帽子親の立ち位置があると。ちょっと得体が知れないほど怖くて面白いですね、義村。

 しかも義村、捨ててはならない構え駒と、犠牲にするべき捨て駒をはっきり分けてる点もしたたかかも。我が子:阿野時元を次の鎌倉殿と画策する実衣に接近して策を授ける。が、これは義時と計らっての追い落とし。波乱の要因を好餌で誘い出して謀反を露わにし、咎めて仕留めちゃうわけですね。

 これで母の実衣にも嫌疑がかかることになる。実際に策動していて証拠もあり、言い逃れができない。今話はその実衣と姉の政子のドラマがメインだったような気がします。謀反人として時元を討った以上、関係者は処罰せねばならない。実衣はその中でも黒幕に等しい。義時は首を刎ねると言い、女子(おなご)は前例無しと反対されると、(大江広元の献策で)耳と鼻を削いで流罪と。これも反対されると、また首を刎ねろと義時は言うわけですが、重臣の意見が対立してなかなか実衣の処遇が決まらなかったらしい。

 ここで動き出したのが政子ですね。父の時政を誅殺から救ったのも、政子の動き、特に御家人への嘆願が大きかったのでした。この政子の成長は、今話の施餓鬼会のエピソードでも示されてました。施餓鬼会に来た若い女性に政子が声をかけると(「伊豆の小さな豪族の嫁き遅れ」とかましておいてから ^^;)「憧れなんです」と。

 これって、ずっと前に頼朝の愛妾となった亀さんが政子に訓示した通りですね。御台所は鎌倉の全女性の憧れなんだと。だからしっかりしなさい、との叱咤だったわけですが、この最終盤に至って、実際に「憧れなんです」と面と向かって率直に言う女性が現れ、周囲も頷いてます。

 そのように確かに成長した政子が、(義時など眼中に無しの気合と無謀さで)昇りつめようとし過ぎて止められ、下るしかなくなった実衣に、どうするかが見ものです。まず政子が見せたのは情ですね。自暴自棄になってる実衣は、やってきた姉:政子に嗤いに来たかと言い、自分(実衣)も捕らわれのりくを見物したと言い、さっさと処刑しろ旨まで言い出す。

 しかし政子、怒らず言い返さず受け止めまして、ついに実衣も本音が出まして「死にたくない」と政子の背に抱き着く。まず、ここですね。実衣の「生きたい」という意思を引っ張り出さないと、救えるものも救えない。同時に実衣の苦しみを和らげてもいる。

 そうしておいて、政子は次に泰時に向かうわけですね。義時に抗することができる(政子に次ぐ)最有力者です。義時の独裁専制が危険だと思ってもいる。かつ、のえが父:行政に愚痴っていたように、泰時と義時は仲が悪そうでいて認め合ってもいる。ただし、政子はこの段階では何のプランも示しません。つながっておく、というのが大事なんでしょう。たぶん、この後の「尼将軍」就任に、泰時が無言の圧力で支持したんじゃなかろうか。

 ともかくも、実衣の処遇決定が先延ばしになっているうちに、好機が来ますね。実朝の後の鎌倉殿を都に指名させるのも(鎌倉、都双方の駆け引きで)手間取ってたわけですが、どうやら後鳥羽上皇に離反の傾向が出た慈円僧正が動いたらしい。おそらくは、上洛した時房の動きも大いに手助けになったんでしょうな。千の軍勢を見せつつ、(兼子の機転で)蹴鞠で下手に出る。後鳥羽上皇としては、鎌倉の要求に応じるのに抵抗はあるものの、時房が源仲章に代わるエージェントになれば、くらいは思ったかもしれない。

 しかし慈円僧正が持ってきた鎌倉殿後継話というのが、僅か二歳(数えでしょうから満1歳?)の三寅。一応は頼朝の遠縁の源氏の血筋ということですが、あまりにも幼君。元服までも遠い。そういうときこその執権=義時なんでしょうけど、ここで政子が押さえにかかるわけですな。自分(政子)が鎌倉殿代行の尼将軍になると。

 義時は急に前に出て来た政子をいぶかしがるわけですが、施餓鬼会でも見られた政子の人望には抗いがたいものがあるんでしょう。義時も政子の尼御台→尼将軍認めるしかなかったみたい。その尼将軍政子の初仕事が大事でした。自分的には「これをしたくて、無理押ししてでも尼将軍になったのか」と思うものです。実衣の助命ですね。

 実衣は許されるわけですが、政子の言う通り「みんないなくなっちゃった」。家族だけでも、政子は夫の頼朝、息子の頼家、娘の大姫、三幡、孫の公暁を失いました。実衣は乳母としては頼家を失い、夫の全成は刑死し、今話では子の時元ですね。姉妹というだけでなく、いなくなっちゃった同士だから分かるものがあるんでしょうな。

 それにしても実衣、得たものをみんな失わないと、この平穏を得られませんでしたか。何とも無情な気もします。実衣は最初、口さがなくて噂を広めてしまって騒動を起こしたり、姉の政子にはしばしば反発・衝突、あるいは何かと権勢・権力を得るチャンスがあれば画策するという、面倒臭い動きを見せていました。しかし、しばらくすると何となく政子の近くに帰って来てもいます。

 断片的にしか見てませんが、マーベルヒーロー映画のロキが似てるのかもという気がします。ソーに反発するヴィランで、いろいろ悪さをするんだけど、徹しきれずに何となくヒーロー側を利したりする。実衣はロキほど悪辣ではありませんが、徹しきれなくて戻って来る点は似ている気がします。

 それにしても、小さいながら平和な伊豆の豪族の姉妹に始まり、悪戦苦闘に泣き笑いの波乱万丈を経て、またちっちゃく姉妹でまとまりましたか。実衣のドラマ上の役割は、こうして一周して完結なんでしょうね。時政みたいに、平和な後日譚見せてくれるかな。

 逆に火種から火事になりつつあるのが、鎌倉 vs 都ですね。鎌倉殿後継者の件(これは和平交渉でもあるかな)でいったんは折れた形の後鳥羽上皇ですが、プライドがいたく傷ついたらしい。鎌倉を未だ甘く見ているようで、藤原秀康の強弓と「一月で鎌倉を落としてご覧に入れます」の強気に、後鳥羽上皇は「その言や良し」と言わんばかりにニンマリ(これって負けフラグっぽいけど ^^;)。

 油断が過ぎる気がしますが、仕方ないのかもしれません。鎌倉を外から見ている分には、内紛で有力御家人が次々と倒れた、弱体化した地方政権に見えるんでしょう。治天の君である後鳥羽上皇には切り札「院宣」もある。後白河法皇時には、誰を追討する院宣かで、頼朝側はいちいち大騒ぎでした。いざとなれば何とでもなる、と後鳥羽上皇が思ってもやむを得ないのかも。

 その油断がどうやら次回「ある朝敵、ある演説」で承久の乱に発展してしまう模様。「ある演説」とは予告映像にもある、尼将軍政子の演説でしょうね。朝敵扱いされて(今話、時房が兼子に脅されたもの)戦意が低下した坂東武者に、政子が頼朝公以来の恩を説いて奮起させたと聞き及びます。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/07 (Wed) 21:45:34

 定期感想その3です。

 録画予約してましたら。今週は「うる星やつら」が2話分放送なのに気が付きました。どうやら他地域より1話遅れというのが続くわけではなく、ちょっと安心。

●仮面ライダー龍騎(第31話:少女と王蛇、第32話:秘密の取材)

 浅倉の人となりについて進展があるのは予習通りでしたが、その内容は予想外でした。調べた限りでは、例えばウィキペディアの記述「少女を助け、利用しながらも結局殺さずに見逃し」だったりします。てっきり、浅倉が少女に対して意外な表情を見せるとか、行動で示される何かだと思ってたんです。

 しかし、浅倉は一貫して少女(浜崎実加)がミラーモンスターに狙われているという点を利用するだけでした。少女:実加が勝手に「助けてくれる」と思い込んでいるだけ。真司ですと浅倉に少女を助ける意思がないと分かっているものの、信じる少女には浅倉が必要と判断しているわけですね(要は間接的な理由で浅倉と戦うべきでないという理屈)。

 蓮だと以前通りの「浅倉はどうしようもない」というスタンス。その辺り、なんだか芥川龍之介の「藪の中」のような印象があります。自分は自分でまた別の解釈で、浅倉に魅力が生じたと感じました。浅倉に少女のために何かしようという意図はないと理解はしたものの、(今までの描写から推測できる)浅倉ならやりそうと思えることを、浅倉が決してやらないんです。

 前半(第31話)冒頭、浅倉/王蛇の契約モンスター3体が不穏な動きを見せ、浅倉が宥めてるわけですね。浅倉/王蛇がしばらくミラーモンスターを倒してないため、契約モンスターは飢え始めており、下手すると浅倉を食いかねない状況らしい。

 続いて、フェリーの遭難事故を追う真司のシーンとなり、不思議な遭難であることが明らかに。少女:浜崎実加だけを残して、乗客・乗員が消失したというもので、ミラーモンスターが起こしそうなものです。となると、浅倉/王蛇が契約モンスターにやらせたのか、という疑いが生じます。

 自分はしばらく忘れていたんですが、契約モンスターとてミラーモンスター。他のモンスターでないなら契約者を食らう、ということ以外に、そもそも人を食らう存在なんでした。須藤雅史/シザースは邪魔な人間を食わせていたし、浅倉などは弟を襲わせてます。

 浅倉は3体のモンスターと契約ですから、通常の3倍の餌供給が必要。それだけのミラーモンスターを狩れないのでフェリーを襲ったのか、という疑いが生じて当然。そうだとして、実加1人だけ生き残れたのはなぜかという疑問も生じる(この時点では、浅倉と少女の間に何かあったかという感じがある)。

 しかし、真司と蓮が浅倉を追っかけてみると、浅倉/王蛇は3体のミラーモンスターと戦っているわけですね。どうやらフェリーの乗客・乗員はその3体のモンスターに襲われたらしく、実加だけは浅倉がガードして助かったらしい(と実加は思っている)。

 実加はモンスターから逃げ延びた、ということで、蓮の恋人の小川恵里同様、モンスターに付け狙われるわけですね。モンスターを狩りたい浅倉にとっては、確かに都合のいい囮となります。

 しかしそうなりますと、浅倉のポリシーとしては「契約モンスターを維持するために人を襲わせることはしない」となります。3体のモンスターを倒した後、実加に手を出しもしないということは、「無目的に人を殺すことはない」ともなります。

 となると、弟を殺害したのは凶暴ゆえだけではなかったことになりそうです。恨みがあれば襲いもするけど、無関係の人間なら手を出さない(ただし、手塚の友人の斉藤雄一のように、巻き込むことはある)。前に喫茶店で人質取って立てこもったとき、人質に手を出さなかったのは、警察の強行突入を遅らせる意図以外に、浅倉の基本的な性分のせいもあったのかもしれない。

 浅倉が北岡を執拗に狙うのも「無罪にしてくれなかった恨み」があるから。恨みがないゴロちゃんは、だから殺すことがなかった。それどころか、どうも手荒な真似すらしてない。今話に戻りますと、浅倉は自分が契約モンスターに食われそうという状況でも、無関係の人間を犠牲にすることは決してやろうとしないわけですね(考えもしてない様子でした)。

 殴るか殴られるかしてないと七転八倒の苦しみがあるけれど、戦うのは理由がある相手に限り、無関係な人間に手を出さない。なんだか自分好みのカッコいい悪役です。もっとも、自分の妄想に過ぎません。自分が龍騎に魅力を感じる手助けにはしますが、ドラマ理解としては明示的に描かれた通り「実加は浅倉の意図を見抜けずに守護者だと思い、真司は結果論的に実加が救われたことで浅倉の存在意義を認めた」と思っておくべきなんでしょう(でないと、たぶんこの後のドラマ理解に支障が生じるかも)。

 浅倉についてのドラマと並行して、不穏な状況も描かれてますね。先週のコミカル(見合い騒動)突入前に、桃井令子が思わず口にして、優衣を激怒させた、神崎士郎の消息。令子は神崎士郎が死亡したという情報を、いったん優衣に対しては撤回しましたが、引き続き神崎士郎死亡の前提で調査を進めてます。

 令子はアメリカで神崎士郎を教えていたというポトラッツ教授に取材するわけですが、ちょっと目を離したすきにポトラッツ教授は消失。近くの鏡の中にミラーモンスターが見えまして、どうやらコイツに襲われたらしい。見覚えがあるモンスターで、手塚の友人:斉藤雄一を襲ったガルドサンダーですな。

 神崎士郎がポトラッツ教授の口封じに送り込んだに違いなく、斉藤雄一へも神崎士郎が差し向けたと考えるべきなんでしょう。そのガルドサンダーは手塚/ライアが必死で倒したはずですが、神崎士郎なら復活させられるのか、それとも何体もいるのか。仇討ちしたはずの手塚が報われないような気がして、ちょっと後味悪くなりました。

 もう1つの不穏な状況は、もしかするとコミカルな発展をするかも。後半(第32話)ラストで、OREジャーナル新入社員の浅野めぐみが、真司が鏡(のようなガラス)から出て来るところを見た、と真司に告げてました。正体がバレたかも/バレるかもしれない、となりますが、ドジっ子でおっちょこちょいの浅野めぐみですからねえ。深刻な事態に至るというイメージが全然出てきません(^^;。

●牙狼-闇照編(第22話:礼 Master)

 符礼の名前に「礼」があるの、こちらでご指摘頂くまで意識できてませんでした。「礼」が符礼を暗示していて(かつ、流牙の別れの一礼も)、だからMasterということだったわけか。そう知って、今話を観終えてみて納得です。

 符礼法師が命を賭すると聞いてはいましたが、どうやら命と引き換えにゼドムを封印する決意ということだったんですか。若い後進を守って未来を託すべく、命と引き換えの仕事は老いた過去の因縁を持つ者の役目だよ、と符礼法師は背中で語ってますな。実にカッコいい。

 ところでどうでもいいことですが(^^;、ゼドム封印の技名が「まかいはっきょう」と聞こえましたが、どんな漢字なんだか分かりません。ネットで探してみましたが、検索の要領が悪いのか解説がヒットせず。歌がこの作品のキーであるところから想像するに「魔戒八響」かな。

 後半で自分的に最も印象が強かったのが、滔星の転落です。リベラを倒されて怒り、怯えて尊士の言葉も耳に入らないほどと思ったら、符礼法師らがゼドム封印のため出撃したと聞いて狂喜して出かける。で、わざとらしく遭遇してあの体たらくですね。

 リベラを失ったのは、滔星の指揮がなってないからと言えます。(偽)燕邦の滔星に対する裏切りはすぐに察知するはずで、尊士をリベラ救出に向かわせるなりなんなりできたはず。もし尊士の報告で初めてリベラが倒されたと知ったのなら、情報管理すらできてない。武装組織であるSG-1の管理もなってない。

 これは滔星が憲水と金城一族を倒してから、スーツ着こんで金城グループ総裁になったものの、組織を率いることができなかったことを意味するはずです。滔星は魔戒法師の子であり、ホラーやゼドムの種子を利用しながら、魔戒に全く無知でした。人間界と魔界、どちらにもこれほど無能ぶりを露呈するとは。

 もっとも、昇り詰める途中では上手くやれていたわけで、今の滔星はよく聞く「無能レベルに到達」というものかもしれません。課長までは有能ぶりを示していたのに、部長に昇格したら途端にヘマばかりやる、みたいな現象です。滔星、このまま情けなく滅びていくのかな。

 それはともかく本編。前半はいわばリベラの後始末ですね。莉杏が化けた燕邦隊長に状況をひっくり返されて以降、逃げ回っていたらしい。ダメージ受けてボロボロですが、おそらくは最後の「保存食料」を摂取すると復活。以前に奪われた自分の舌(が使われた魔導ホラー探知機)を探り当て、魔戒チーム拠点を急襲するものの、流牙らが駆けつけて討伐される。

 そのバトルで符礼法師が猛竜に渡したのが、前話で作っていた義手ですね。失った手の代わりに留まらず、武具・防具の機能を持たせてあるらしい。これがこないだ観た劇場版の猛竜の右手でしたか。符礼法師の決死の出撃を考えますと、(今話時点では存命ですが ^^;)猛竜が己が義手を見て符礼法師に思いを馳せるのも分かる気がします。

 とりあえず敵戦力を1つ潰しまして、ゼドム再封印の前に状況の整理ですか。久しぶりの洲崎類登場でして、以前同様、類となると初々しくなる猛竜が面白い。しかし、そこからがシビアですね。符礼法師は「まかいはっきょう」の準備に入り、これは死を覚悟した術となるらしい。

 それだけでなく、ホラーの気配がしたと思ったら、流牙の母:波奏がホラー化しつつあるせいと。やはりゼドムのプラントを生み出すのは代償があるわけでしたか(もしかしたら、それで魔導ホラーを作った場合、さらに歌で促進した場合の現象かもしれないけど)。

 今話ではとりあえず波奏に激変は発生しませんでしたが、符礼法師などの様子からすると、ホラー化の回避方法はないみたい。となると、いずれ斬らなければなりませんが、その役目は流牙ということになるんだろうなあ。波奏がホラー化しても守る道がないとはいえませんが、鋼牙編の魚型ホラーで示された結果のようになるのは必定でしょうか。

 もっとも波奏はとうに覚悟できてるわけですね。赤い布のある遺跡の部屋にいれば、ホラー化は抑制できるらしい(儀式の悪影響の安全装置なんだろう)。そこから救出(?)されたときは波奏は記憶を失ってたんでしょうけど、符礼法師が元に戻した。それでも遺跡の部屋に帰ろうとしない以上、ホラー化する前に斬られるつもりであるはず。符礼法師によれば、流牙といる時間を選んだ、という覚悟ですな。

 しかし今は波奏に構っていられないのが厳しいところ。ゼドム復活の被害は甚大なことが予想され、魔戒の者はそれを防ぐために、ここにいる。魔戒チーム総員出撃となるわけですが、符礼法師は「これは若い衆の仕事ではないわい」とばかり、自分以外を強制送還しちゃうわけですね。形としては、敵側最強にして最後の魔導ホラーたる尊士を切り離しての二正面作戦ですけど。

 しかし、さすが流牙は符礼法師の直弟子でして、その意を見抜いて出し抜き返し「俺が今あるのは符礼法師、あんだがいたからだ!」と言って、その場に留まると。しかし符礼法師の覚悟は揺るがず「生きた甲斐があった」と返すと、流牙も翻然として覚悟し「ありがとうございました」と一礼して去る。

 このシーンはもう「カッコイイ」で感想済ますと申し訳ないほどの感動があるわけですが、直前の滔星のヘタレぶりとの対比による落差の効果もあるんでしょうね。滔星は燕邦、続いてリベラを失い、ゼドムの活性化に震え上がり、魔戒チームがゼドム封印に動き出したと知ると狂喜して、わざわざ流牙らに会いに来ました。

 会ってどうするんだろうと思ったら、符礼法師を「死んでくれるのか」と(「まかいはっきょう」の秘密をバラし)褒めちぎって、ゼドム封印の犠牲になってくれ、自分(滔星)を守ってくれ、と言い出すわけですな。そう思っていたとしても、わざわざ言いに来るようなことじゃない。そもそも事態を一切コントロールできてなかったゆえの恐怖と混乱といえましょうか。

 滔星が前に尊士に「お前は死ぬな」と言ってたと記憶しますが、決して尊士を心配して言ったわけじゃない。自分(滔星)の護衛がいなくなると怖いからですな。符礼法師は、ついてくる魔戒戦士を黙って逃がした(莉杏は先に別命与えて)。これだけでもえらい違いですが、その意に逆らって流牙は踏みとどまる。滔星&尊士と符礼&流牙の対比が素晴らしく、既に勝負あったとすら感じます。

 途中まで、母親のこともあり、滔星と流牙は対比できるキャラクター性があった気がします。出発点は似ている、しかし到達地点は全く違う。フィクションの悪役パターンの1つに「もしかしたら主人公がなっていたかもしれないキャラクター」という話を前にした気がするんですが、滔星と流牙ほど似て非なる例は珍しい。

 ゼドムの首塚に突入の符礼法師で続くとなりまして、次回タイトルは「輝 Gold」でして、牙狼の鎧に金色が戻る=鎧完全復活の暗示かしらん。

●仮面ライダーゼロワン

 こちらのローカル局での再放映の最終回を観終えました。滅がイズを誤射(?)したとき、自分もようやくイズロスを感じたと思ったんですが、実は若干自信なしでした(^^;。「この感情、ほんまもんかな」と思わないでもなかったんですが、最終回でイズが以前の記憶なしで戻り、或人が「或人じゃないと」を教えるラストで、すごく嬉しくなりました。これなら、感じたイズロスは本当だったと思ってよさそうです。

 もっとも、イズ退場時点でのイズロスは自分の中では未完成だったようです。イズを誤って撃った滅が、滅の息子たる迅を意図せず倒した或人との対決を経ないと、イズが失われた意味と重さは分からなかった感じです。互いに赦せず、しかし互いに罪の意識もある2人がどう決着するか、ですね。同時に迅が失われたショックもきちんと浮かび上がります。そうして(タイムラグで)イズ&迅の死と復活に感動できると。

 そこに感動できたのは、たまたま「エルフェンリート」という作品を思い出して、調べ直したことが手伝ってたりします。原作コミックとアニメ版があり、自分が観たのはアニメ版のみ。アニメ版では第1話でかなりのスプラッター描写でヒロインに多数が殺害されるシーンが描かれ、ヒロインが野に放たれるとじわじわ人類が滅亡すると語られます。

 しかし記憶を失い(でもときどき戻る)、主人公と平和に暮らすようになる。が、当局はヒロインを追い続けてついに激戦となり、ヒロインは死亡したと思われる状況に。と思ったら、最終話ラストで主人公の元にヒロインが帰還したと匂わすハッピーエンドっぽい描写でお終い。

 あれれと思いました。ヒロインは世界滅ぼすんと違うんかい、放置でええんかいと。その印象のまま放りっぱなしにしてたんですが、なぜか突然気になりまして(ゼロワン終盤の影響かも)、調べ直すと、どうも原作コミックとアニメ版両方知ってると感動できる作りだったようです。

「エルフェンリート」の物語の核を自分は勘違いしてまして、まずヒロインの最重要のポイントは「主人公の家族を皆殺しにした、特に最愛の妹は主人公の目の前で惨殺」でした(アニメ版でも描かれたんだけど、なぜか自分は初見では重要視せず)。そのヒロインを主人公(ひいては感情移入した読者/視聴者)が許せるか、という物語でした。

 未読の原作コミック版では、ヒロインは主人公を庇って死亡。それで許せるか、というエンディングですね(読者に判断をゆだねるべく、曖昧な描写多々らしい)。アニメ版では、死亡したと思われたヒロインらしき人影が主人公宅近くに現れるところで終わり(こちらも曖昧なままのもの多々)。

 よく考えたら、その人影がヒロインかどうか明示されてませんでした。そこを思い出して「あ、そうか」と。その人影がヒロインと思い、さらに(後で疑問を持ったものの)直感では「良かった」とも感じたということは、「ヒロインは赦されるべき」と思ったわけです。

 もしその人影をヒロインと思わなかったら、ヒロインだと思っても嫌悪感が生じたら等々の直感的に生じた感覚で、ヒロインをどう思っているかが判定できる巧い作り。それをヒロインが死亡する原作コミックと、ヒロイン生還示唆のアニメ版で比べられもするというものにもなっているようです。海外からも人気が高いとの評ですが、ようやく理由の一端が分かった気がしました。

 長くなりましたが、翻ってゼロワンのラストバトルでの、滅の最後の態度も「そのときどう感じたか」で、観ているこちらが滅(ひいては或人)をどう判断したかが分かる仕掛けであったようです。死力を尽くした戦いの末、劣勢となった滅がゼロワン/或人の止めの一撃を覚悟して受け、しかしゼロワン/或人は致命の一撃にしなかった、という決着ですね。

 それで自分は(今度こそ)「ああ良かった」と感じ、その瞬間に自分が或人と滅をどう理解していたかが分かった気がしました。ラストバトルのどこかで、或人と滅は「もういい、充分だ」という気持ちになったようですが、どうしても止まれない。まだ力が残ってるからですね。2人とも力を使いつくしてようやく納得に至ったように見え、自分も納得しました。

 もちろん、ドラマの仕立てが「或人と滅が互いに赦す」のが自然であるよう持って行ったことは認めます。その制作の意図通りに自分が感動したとしても、やっぱり自分が何にどう感動したか、実感で理解できたことは大きいです。

 そうして最終回ラストまで観終えて、ゼロワンの第1話からラストまでのドラマに納得できたと思えました。納得してみると、初見での不満の例えば「もし5話分の休止がなければどうなっていたか」がストレスでなくなりました。依然として「元の構想はどうだったか」に興味はあります。が、初見のときのような「あり得たはずの元の構想のゼロワン」に対する飢餓感みたいなものは、もうありません。

 ローカル局のライダー再放映が今の調子で続いてくれれば、1年後にはセイバー、2年後にはリバイスを再び観終えるはず。ゼロワン誤解の呪縛が解けたんで、たぶんその2つも違って見えるだろうと、今から期待しているところです。もちろん、今ニチアサ放映中のギーツもですね。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/08 (Thu) 07:51:57

 実写感想です。

★鎌倉殿

 まさか、オンベレブンビンバ絡みのネタを姉妹愛、家族愛の象徴として持ち出して来るとは思いませんでした。まあ、劇中ではボンタラクソワカでしたが。
 「正しくはオンタラクソワカである」というナレーションツッコミも良くて、ちょっと和んだ。

 今回、トウちゃんは出なかったのが残念ですが、あの娘も政子の下で安らかに暮らせればいいな、と思うし、
 相変わらず、いろいろ暗躍してる義村は最後に弟が上皇側について、兄弟対決劇になる予定だし、
 最後は義時の『オリエント急行殺人事件』並みの死になるのかなあ(複数の殺害者によるもの)と思いつつ、承久の乱がどう描かれるのか、あるいはナレーションと地図の上での軍の動きでさっと流されるのか、ラスト2話を注視したく。

★ギーツ

 最近は、ウルトラと牙狼絡みで坂本浩一祭りになって、アクション好きとしては満足。

 前半の生身バトルと、後半の新フォーム披露で、バトル的に盛り上げて来ましたね。

 そして次回に登場する謎ライダー。
 ゲームマスターのギロリさんが変身者かな? 立ち位置的に、神崎士郎の分身的なオーディンみたいなもの?

 運営側の裏事情みたいなものも出て来て、物語が錯綜して来たな、と。
 プレイヤー視点の物語もそうですが、龍騎では描かれにくかったゲームマスター視点の物語に興味を抱いたり。

 ところで運営側のキャラクターのネーミングは「目の動き」に関係あることを最近知りました。
 ツムリとギロリもそうだし、新キャラもそう。

 パンクジャックのウィンも、ウインクかな? という考察が。

 ともあれ、コマンドフォームの暴れっぷりは今が旬。
 年が明けると、賞味期限切れになりそうな年末フォームなのですが、当面のジャマトライダーへの切り札には十分かな。

 暗躍するアルキメンデル(アルキメデス+メンデルという、いかにも学者っぽい名前。マッドサイエンティストかな)とか、最近は年末から年明けに組織壊滅が定番なので、ジャマトと戦う物語があっさりクリスマスに終了し、DGP運営の裏の顔が次々に明かされて物語構造が切り替わる可能性も想定しておきます。

 まさかのDGP終了。そして出現する真の敵? という展開になる可能性も想定内。
 DGPは我々が乗っ取った。誰? となる可能性とか。
 まあ、TV本編に神崎士郎が出て来るとビックリですが。
 あるいは、エボルトとか、ゲンムとか、過去のゲームマスターが出てきて、ディケイドが世界を破壊して……って、そういうネタは本編外のネット配信でやっとけ、と。

 いろいろ妄想が湧き出る時期です。

★龍騎

 次は新勢力の香川ゼミと、新ライダーのタイガ登場ですね。
 さらに擬似ライダーのオルタナティブという黒いライダーがサプライズ的に登場して、神崎士郎の計画に待ったをかけるイレギュラー的立ち位置に。

 そして、ナイトに続き龍騎サバイブが格好いいんだ。
 これまで龍騎ではあまり描かれなかったバイクアクションが見せ場となり、改めて仮面ライダーの看板を確認する。

 龍騎の場合、「仮面の騎士であり、モンスター使い」という意味で、バイク乗りとしてのライダーとは異なる定義でしたが、改めてバイクに変形するモンスターという形でバイクとの連動を見せる。

 そして次作のファイズで「バイクが変形するロボット」という形に昇華される、と。

★牙狼闇照

 魔戒ハッキョウはおそらく「魔戒八卦(ハッケ)」のことだと思われます。
 「魔戒八卦を使うんだな」のセリフが「ハッキョを使うんだな」と聞こえたのではないか、と。

 要は、八卦陣みたいなものですね。

 それはともかく、次回が尊士との決着が描かれる、アクションクライマックス回ですね。
 闇照最大の盛り上がりを見せて、黄金復活劇を飾ります。

 ゼドムとの最終決戦は、盛り上がりよりも風呂敷を畳む方向に流れますので、連続ストーリーの持論「最終話の1話前の盛り上がりが一番楽しい」に通じる回。
 で、プレ最終回でワクワクさせて、最終回は上手く決着に漕ぎ着ける。まあ、最終話になると、次回作の新番組に気持ちが移ることも多く、サプライズは起こしにくいかと。

 どうしてもサプライズを起こそうとすると、主人公の負けとか、悪が生き残ったとか、続きは劇場版でとか、おいおいって空気になりますからね。
 闇照はきれいに盛り上げてから、風呂敷を畳んで、そして余韻を残すように物語の第0話みたいな過去編で締めくくる(そこから、もう一度1話を見たくもなる)構成です。

 さて、闇照の後に、続編の翔に続くかどうかを気にしつつ、残り3話を楽しむ所存。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/11 (Sun) 12:50:05

定期感想その1です。

●うる星やつら

 ラン、引き続いてレイと矢継ぎ早の登場、と思ったんですが、今週は2話分あったんでした(^^;。次回はラムの母登場で、声が80年代版ラム役の平野文さんということで、どのような演技か期待。

 もっとも、80年代版のラムの母がどんな声だったか、もう記憶にありません。改めて調べてみると、地球訪問時には日本語を喋ってなかったのか(母星では関西弁で少し喋ってた模様)。設定が「麻雀本を教科書にしたため、地球語が喋れない」とのこと。

 そのためラムの母はコミック版での吹き出しは麻雀牌、80年代アニメ版では録音の逆再生だったとことで、それで記憶にないのかも。この22年版ではどうするんだろう。もし普通に喋ってくれたら、80年代のラムと印象を比べられると思うんですが(いかにもあのラムの20~30年後、という感じだったりすると面白いかも)。

●牙狼-闇照編(補足)

 NOVAさん、ありがとうございます。「牙狼 魔戒八卦」で検索したら、いくつかヒットしました。確かに闇照編で符礼法師が使うのは「魔戒八卦」のようです。言われてみると「まかいはっけを」が「まかいはっきょう」に聞こえてしまったというのは納得。

 ただ、一例だけ「魔戒八卦(まかいはっきょう)」と読みを入れているネット解説がありました。自分と同じように聞き取った人もいるようですが、「八卦」という漢字だと知っていても「はっきょう」と読むと思うのかなあ……いや牙狼って割とトリッキーな読み使うことあるからか(^^;。

 検索で調べていて「魔導八卦」というのもあると分かったのは面白かった。こちらはお札8種のようですが、牙狼の設定で「八卦」が大事らしいことが窺えます。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第22話:天国の時! 新月の時! 新神父! )

 星形の痣について、自分は長らく記憶違いを起こしていたようです。Dioのトレードマークみたいなものだと思い込んでました。ただし、初代ジョジョ(ジョナサン・ジョースター)の体を、首だけになったディオが乗っ取って復活したことは明確に覚えていたんです。ですんで、Dioの子孫はジョナサン・ジョースターの子孫でもある。

 特に星形の痣は首から下にあるわけでして。ジョースター家の系譜と認識すべきなのに、いつからかDioの系譜と思うようになってしまってました。ご教示を受けて作品理解を正せた次第でして、いつもありがとうございます。

 気を取り直して感想なんですが、フーちゃん死んじゃってショボーンです。しかしヒーローとしても立派な最期でしたし、本人も納得して昇天しましたから、観ている自分も納得するしかありません。記憶から知性を得て、自分の人格を認識したことが大事だったわけですか。それを失って生きるくらいなら、持ち続けたまま死を受け入れるほどに。

 どうもFFに感情移入しちゃってますんで、どうやったらFFが生き返るか、つい考えてしまいます。徐倫の提案「神父からスタンドDISKを取り戻して再生」は、FFによれば別のFF(そっくりなだけの別人)が生まれるだけとのこと。本人が言うんだから正しいでしょうな。例えば一卵性双生児のような、あるいはクローンのようなものでしょうか。

 でも、このジョジョSOでは記憶DISKもあるんでした。記憶DISKがまだ戻らない承太郎が抜け殻のようになっていることから、記憶が人格を司っているらしい。もしFFに記憶DISKがセットされ、全記憶がDISKに移れば、スタンドDISKとセットでプランクトンに与えればFFは再生できるかも(記憶DISKがコピー可能なら、量産型FFなんてできてしまうかも ^^;)。

 と思ったんですが、無理なんでしょうね。ジョジョシリーズでは死亡キャラから、よく似た姿の何かが抜けて行く描写があり、短時間ながら会話もします。それがあるから、記憶DISK抜かれた承太郎の腕と徐倫の腕に同じ傷ができたりするんだろう。「魂」のなせるものと考えてよさそうで、それがDISKに納めらるとは思えません。やっぱりFFの言う通りなんでしょうな。

 そんなことを考えてしまうほど、FFの最期に感動してしまったんですが、観なおしてみますと、ドラマ運びにきちんと工夫があるゆえだろうと思えます。好感度大きいと感じさせるため、いったん嫌悪感を生じさせてます。アナスイですね。FFが必死で徐倫のもとにたどり着くも、アナスイは横柄な態度でFFをプランクトンと言い、緑の赤ん坊をどうするかについても、FFを揶揄するような言い草。

 観ているこちらは、ホワイトスネイク/プッチ神父とFFの死闘を観ていますから、アナスイに対して激しい怒りすら湧いてしまう。バトルは先週分では何とか逃げ延びたか、と思ったら、水分が沸騰するDISKを使われてのむごい最期。と思ったら、今週分では何とか生き延びてまして、FFと通信連絡のウェザー・リポートが事態を察知して雨で助けてくれた。

 そう見せておいて、救援のウエザー・リポートに化けたホワイトスネイクがアナスイに致命の一撃を入れる(上げ潮と思ったところで絶望に突き落とされる印象ですね)。するとアナスイの態度が一変。徐倫を救うためではあるんですが、アナスイはFFに自分の体を乗っ取れ旨、願うわけですな。ここでアナスイの印象が嫌悪感からヒーローへと一気に上がる。振れ幅が極大になってます。

 そうなったところで、FFはアナスイの求め(自分の体と記憶を使え)に応じつつも、アナスイを助けて乗っ取らず、自ら(FF)は魂となってアナスイから離れていく。ここが凄いわけですね。アナスイの印象が突如ぐっと上がったところで、そこからFFの株が上がると。いわば二段ロケットでFFの印象を打ち上げた感じです。

 FFがそうした理由も、単に仲間を庇ったといったものではなく、FFのポリシーであり生きる理由に直結しているのがポイント。知性≒記憶≒思い出ですね。これをFFは自分が自分たるゆえん、生きる希望と思っているからこそ、仲間から奪うことはできない。そのように思えましたんで、観ていて具体的な納得が生じました。

 FFの最期を印象深くする演出はまだありまして、徐倫ですね。自分だけの感覚かもしれませんが、プッチ神父と戦う徐倫の額からスタンドDiskが半ば飛び出ている様子はまるで帽子のひさしのように見えます。つまり承太郎のように見えるわけですね。常に冷静沈着な承太郎のイメージが徐倫に重なります。

 実際、ラスボスのプッチ神父/ホワイトスネイクと手錠をかけたままのバトルで一歩も引かず、しかし慌てずの戦いぶり。しかし、アナスイが危ないと見るや、プッチ神父を諦めてアナスイ(と承太郎の記憶Disk)へ向かう。いったん決断すると迷いがありません。

 が、アナスイをストーンフリーの糸で救えないと見るや、すぐそばにプッチ神父にいることを忘れたかのように人を呼び、取り乱す。冷静なキャラクターが混乱すると、大変なことが起こった感じが強くしますんで、観ているこちらも動揺します。その直後、(観ているこちらにだけ分かることですが)FFが助かったと思ったら、助かったのはアナスイのほうだと。さらにこちらの混乱、動揺が強められます。

 そこで徐倫がプッチ神父からDiskを取り戻して、と埒もないことを言い出すわけですね。でもその気持ちはよく分かる。自分もそう思っちゃったのは、上述の通りです。さらに本物のウェザー・リポートの通信のFFに呼びかける声が被さるのもつらさを増す演出ですな。「もしウェザーがプッチ神父に先んじていたら、せめて追いついていたら」と思わずにはいられないので。

 それでもFF、よくやった。そう思えます。が、戦い全体としてはプッチ神父の完勝か。目的を遂げちゃいましたもんね。Dioから授かった骨を緑の赤ん坊として再生し、Dioの計画通りに融合する。

 ただ予習なしに今話のラストシーンを見たら、自分は誤解しそうです。プッチ神父が緑の赤ん坊に吸収されたように見えますから。そのシーンだけから先を想像したとすると、「プッチ神父はDioに利用された。これはDioが万が一(承太郎との決戦等)に備えた復活計画だったんだ」と思い込んだかもしれません。

 しかし原作完結の恩恵で予習できますし、第3期予告でプッチ神父健在の様子も見えますから、そんなことは全くないわけで。あのDioにしては珍しく、万が一の後を託すに足ると思えた人材だったみたいですね、プッチ神父は。

●風都探偵(第11話:超人r / つながりを求めて)

 裏風都にはロード・ドーパントが大量にいるという情報は、こちらで伺ってはいたんですが深く考えずでした。「tに気をつけろ」のロードは次々に人を食らうドーパントですが、裏風都に大量にいるとなると、あまり人を食わないタイプなのかなとか思ってました。「tに気をつけろ」以降、表の風都で行方不明者続出とかは語られてなかったもんで。

 しかし裏風都のロード・ドーパントも土木工事しては人を食らってたんですか。ハイドープになり損ねの裏風都住人も食ってたんで被害が目立たなかった模様ですね。裏風都に紛れ込むとなると、こっそり行方をくらましてのことで、誰も気が付かなかったんだろう。

 それにしても恐るべき「事業」ですな。自分は前話で万灯がメモリマニアで趣味的に裏風都建造してるくらいに思って、さほど危険・邪悪とは思ってませんでした。しかし、二階堂守/リアクター・ドーパントの解説ではっきりしまして、食らっては作りの裏風都。文字通り、血塗られた街です。万灯の評価をマニアから悪魔に改めねばなるまいて。

 そこが分かると、前回のときめの必死さも分かるというものですね。依頼対象の蘭堂廉太郎が食われるかもしれないという時点で既に大ごとですが、それが裏風都建設のためであると思い出せば、大量殺人を止めねばとも思うはず。だからまず翔太郎に知らせねばとなり、ブラキオサウルス・ドーパントに引き戻されたら廉太郎を探し回ると。

 もっとも、蘭堂廉太郎はときめと同じく、裏風都幹部からは保護対象になってるわけですね。それをときめは知らなかったようです。ある意味、取り越し苦労ともいえるわけですが、そのお陰でときめの今のスタンスが浮かび上がるドラマ運びとなってまして、上手い作りだなと思います。

 裏風都に引き戻されたときめ、まずはブラキオサウルスの少年(千葉秀夫)から説明と尋問を受けるわけですね。どうやらブラキオ少年、ときめと面識があるようですが、ときめは忘れている模様。しかし少年はお構いなしに事情説明。裏風都に入れるカードは万灯が渡したと言明し、しかし二階堂/リアクターの秘密保持のため取り上げると言い出す。

 当然、ときめは拒否の構えですが、ブラキオ少年は相手を操る術がある模様。易々とカードを取り上げまして、さらに身体検査(?)を始めてしまう。が、ときめに眼の色が変わるほどの何かが発生しまして、ブラキオ少年を弾き飛ばし、なんとかその場を脱出と。
(ネット評では、この一連のシーンについてあれこれ言っているようで、調べてみると原作コミックの描写はもっと過激で、アニメ放映できるようにシーンの組み立てからして変えてあるらしい。「閉ざされたk」編ではいわゆる「湯気」演出程度ですけど、その比ではない変更のため戸惑う人もいたみたいです。)
(さらに、プラキオ少年:千葉秀夫が実は50代であるという設定を知ったため、なんだか白木みのるさんのイメージが被ってしまいます ^^;。ローカル局の主水の必殺シリーズをずっと観ていて藤田まことさんが意識に上りやすく、藤田まことさん→てなもんや三度笠→白木みのるさんという連想が働いたみたいです。)

 ときめがプラキオ少年を弾き飛ばしたのが、少年の術が破れた副作用を少年が受けたのか、ときめに何らかの力が覚醒したのか、描写からはよく分かりませんでした。直後に少年が「育ちすぎ」と漏らしていることから、ときめに何らかの変化が起きているような気はします。

 一方、リアクター/二階堂に対峙するWとアクセル。リアクターが自身の特性上、頑丈で耐熱性の作りみたいなんで手こずってますが、しかし内部が高熱であれば外からの高熱で挟み撃ちが有効らしい。W+アクセルで最大熱量出しての攻撃は有効だったようで、リアクターはすぐに反撃に転じず、配下のロードを多数呼び寄せてますね。もっとも、上述の通り、それがかえって怖い話だったりするわけですが。

 リアクター/二階堂は意外に慎重でして、配下のロードでガードしつつ、Wらを倒しに行かずに裏風都から追い出しちゃうわけか。それにしても裏風都の狙いとか、あれもこれもペラペラしゃべっちゃってますな。前話では、二階堂は翔太郎らを倒し切るつもりだから口が軽かったと思ったんですが、根っからそういう軽い性分らしい(^^;。

 しかしこれでときめは孤立無援になっちゃった。のですが、そこからときめの踏ん張りが見られるわけですね。ロードに追われる蘭堂廉太郎に間一髪で追いつきまして、ロードに一撃入れる。のですけど最初、ときめがどうやって攻撃に転じたか分かりませんでした。ときめ専用スタッグフォンでしたか。

 蘭堂廉太郎に誰かと問われて名乗るときめが実にカッコいい。スタッグフォンをキャッチし、「探偵(ちょっと間)の、助手だよ」と、ジョジョ立ちで宣言。これがカッコよく感じるのは、このシーンの描き方のせいだけではないようです。前話冒頭から自分(ときめ)はドーパントかと悩み、万灯側の人間であると示唆され、どうもときめがぐらぐらしている感じがあったんですね。それがここでバシッと立ち位置を自分で宣言。そこが自分に刺さったみたいです。

 それにしてもときめの自認は「探偵の助手」ですか。確かにそういうポジションではありますが、翔太郎と一緒にいると強く意識しているということなんでしょうね。そこもグッとくるポイントかも。それにしても、翔太郎はときめを「後輩」と意識しているシーンがありまして(亜樹子もそう認識)、ちょっとズレがあるかも。

 ときめが「後輩」なら翔太郎は「先輩」。もし「ときめは助手」という意識が翔太郎に強くあれば、上司と部下といったところのはず。しかし翔太郎はときめと探偵事務所入所の時間差しか意識していないとすれば、翔太郎が依然として「おやっさんの助手/弟子」という意識があるんでしょうな(おやっさんを意識させる亜樹子もそばにいるし)。

 翔太郎としては「後輩」のときめが依頼対象の蘭堂廉太郎を救うべく、裏風都で奔走しているはずと思うからこそ、探偵としても先輩としても焦りが大きそうです。が、心配が先に立って動けなくなってしまい、亜樹子に活を入れられると。ジタバタ走り回ってこその翔太郎でしょ、というわけですね。

 うん、実写W以来の翔太郎の基本でして、翔太郎が帽子を手に取ったらもうだいたいOKですね。足で稼げば奇跡は起きまして、廉太郎について再び蘭堂玲一に聞き込みに行って、何気なく聞いた蘭堂りつかの神社参りを追っかけてみると、廉太郎が依頼のバルブ完成祈願に奉納した試作品が見つかると。
(機密性の高い依頼品を外に出すなんてセキュリティが、と思いかけましたが、奉納したころは廉太郎もヤバい部品とは気が付いてなかったんでしょう。)

 翔太郎と同じく「ダメ元」で頑張っていたものの手詰まり気味だったらしいフィリップも、バルブ試作品があれば大丈夫らしい。パーツに過ぎないはずのバルブから装置全体が分かったみたい。そんなこと分かるのかと思いかけましたが、現実に恐竜の一部の化石から全身像を推定するみたいなことができてますんで、何とかなるのかも。

 ともかくもフィリップは何か分かったらしいんですが、観ているこちらにはサッパリ分かりませんorz。装置は表の風都で使われることと、二階堂/リアクターが装置を定期的に使うのは確実らしい。その場所もフィリップには分かったようで、そこが表と裏の風都の出入り口ですか。この謎解きシーン、観なおしてもやっぱり分かりません。本当の謎解きは次回かな?

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/14 (Wed) 09:40:10

 ちょっと今週は、仕事(保護者懇談)と、とある大物歌手の逝去の報で気分がノレなくなっているので、定例感想は週末にまとめて書きたいと思います。

 アニメ分だけ手短にまとめると、

★ジョジョSO

 FFの死と、神父の赤ちゃんとの融合強化が描かれた回。
 FFについて来たウェザー・リポートが偽者だったなんて、公式サイトで予習していなければ、サプライズ過ぎて???状態だったろうな。
 次回から、神父の後を追うための牢獄脱出編。

★風都探偵

 ときめの探偵助手覚醒編。
 最終話にて、ときめの孤軍奮闘と、裏風都脱出後の翔太郎たちとの合流(裏風都には侵入できなかったけど、リアクターが表風都で使っているアジトの場所を発見した)からの最終バトル、そして第2シーズンへの引きが流れるように描かれます。

 アニメ第1シーズンは、ビギンズナイトに始まり、ビギンズナイトに終わるという構成の見事さに感心したりも。

★うる星

 疲れて寝ちゃったために、放送見られませんでした。
 ラム母登場回は頑張ってみたいもの。

 ではでは、週末(たぶん日曜)にまた書き込みに伺います。読む時間の確保は普通にできるので。
 まあ、例によって学期末がバタバタするのは想定内ですけど、訃報は気分がロス状態になりますなあ。特撮やスパロボなど、幼少期からファンとしてお世話になって来た歌い手さんだったので、我々の世代では他の歌手にも増して喪失感が大きくて、気分はお通夜状態です。
 でも、そこから元気を出すために、故人の歌を聴き入っていたりするので、ちょっとした中毒状態なのかも。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/14 (Wed) 21:14:08

定期感想その2です。

●水木一郎さん

 NOVAさんがお触れになったことは私も大変ショックです。

 12日(月)に訃報が伝わりまして、亡くなったのは6日(火)とのこと。肺がんとのことですが、21年4月からの闘病ということは全く知りませんでした。お元気だと思い込んでたんです。つい先日でもアニメ番組視聴待機してて、CMで水木一郎さんがインタビューに答えたり、歌ったりするのを見たばかりです。11月には歌謡祭に参加なさったとのこと。

 いつも通りのパワーと感じました。しかし、水木一郎さんが車椅子であった点、留意しておくべきだったのかもしれません。車椅子だなと気が付きはしたんですが、「足を怪我されたんだろうか」くらいに思ってしまってました。闘病生活ゆえの車椅子だったとは。

 自分にとって、子供のころから歌声を聴き続けた方で、全く予期しなかっただけに今の衝撃は大きいです。どうも混乱しておりますが、それでも水木一郎さんの歌曲でどれが自分に最も印象深いか考えてみますと、マジンガーZのオープニング曲かなと思います。初放映時、あのテーマ曲でテンション上げてくれたおかげで、本編がさらに面白く感じたことは間違いありません。

 でも、マジンガーZのテーマ曲だなあ、と思うと、作曲が渡辺宙明さんだということも思い出すわけで。今年6月に亡くなられたのは、Eテレ音楽番組へのご出演で元気な姿を拝見した直後だけに、ショックが深かった。

 みんな、自分を子供のころからずっと楽しませてくれた方々です。大変に寂しい。しかし自分の年齢を考えますと、そうなるべくしてそうなっていく時期になってしまったのか、とも思えます。

 今まで数多の興奮を与えてくれた水木一郎さんに感謝し、静かにお見送り致したいと思います。

●仮面ライダーギーツ(第14話:謀略Ⅴ:怒りのグレア)

 運営の人間の名前が目の動きとのことで、確かにギロリ、ツムリ、ニラムがそうなってますね。しかしサマスで悩んじゃいまして、しばらく考えて「目を覚ます」かと気が付きました。動きに限らず「目」関連と考えていいのかも。そうなら、英寿の母でツムリの前任のミツメも「三つ目」でいいかな、と思いかけて「見つめる」があると気がついたり。

 しかしいよいよドラマの動きが加速しだしたようで、言葉遊びネーミングの面白さを楽しむのがちょっと後回し気味になりそうです。自分が今話でも最も気になったのが、ドラマより設定と言うべきかもしれませんが、「ギーツ世界にも財団Xがある?」ということです。

 その疑問の下地は、DGPにスポンサーがいるという情報が明かされたことにあります。祢音の父:鞍馬光聖が鞍馬財閥トップでDGPのスポンサー。バイト的な運営スタッフの晴家ウィン/パンクジャックの祖父もスポンサー。GDPが商業的な運営がされていることが明かされました。

 そのせいで、英寿とウィンが会話しているシーンが気になります。耐震補強でよくあるXの字型に斜交いが入れてある場所(地下駐車場?)が見えます。これは財団XのXを暗示するものなのかなと気になりまして。巨額を支出する複数のスポンサーがいるとして、ギロリ/ゲームマスターだけで対応できるとは思えません。

 ニラムとサマスは運営とされているようですが、どうも立ち位置が観客っぽく、DGP運営に関与している感じじゃない。となりますと、スポンサーの取りまとめの誰かがいそう、ということで「財団Xがあるのかな」と。

 敵とされるジャマト、なんだかおかしなことになってきているのも気になります。今話では景和/タイクーンがジャマトライダーとの対戦時、以前に脱落・消滅した平孝人/ギンペンの雰囲気を感じ取ってます。ジャマトライダーが無意味とも思える呟きを発したからですね。

 となりますと、消滅したとされるライダーはジャマト側で参戦しているのか、となってきます。失格扱いなら記憶消去、ジャマトに敗れるとジャマトとして再利用(?)。ライダーにしても、広く募っているように見せて、スポンサー関係者に絞っている模様。となると、DGPが非常にクローズドということになりそうです。

 財団Xがスポンサー取りまとめての兵器開発実験がGDPだとすると、なんだか辻褄が合いそうな気もする(バトル観戦だとすると、ちょっと値が張りすぎる)。自分が無駄に気にしすぎているかどうか、この先どうなるか楽しみです。

 ともかく本編。英寿とウィンのドライバーが戻らないまま、かくれんぼジャマトの正体が赤い帽子の少女と判明。ここでゲーム終了となると2名脱落、という流れですね。これは当然、ゲームマスター:ギロリに狙い通り。ですが、ウィンがゲームマスターの正体を英寿に漏らしたということで、ウィンへの当初の約束「敗退でも記憶は奪わない」が反故にされる。なんとなくですが、そもそもギロリは結果に関わらずウィンの記憶は奪うつもりじゃなかったのかという気がします。

 ウィンは反発し、英寿と手を組むことに。もっとも、英寿が意図的にドライバーを奪われたままにしておいて、ウィンからDGP運営に食い込む狙いだったと明かされて、ウィンが感心してしまった面が大きそう。ただし、もしかするとですが偶然にそうなったのを、英寿が必然のように説明しているだけかもという気がしないでもない。

 ウィンがスポンサー企業関係者、同じく関係者の祢音のボディガードすらも元ライダーとか、いろいろ状況が明らかになってきましたが、かくれんぼジャマト襲来。景平/タイクーン、祢音/ナーゴがドライバーを奪ったジャマトライダーを倒し、英寿、ウィンの手に戻る。が、ここでゲームマスター:ギロリが仮面ライダーグレアとして介入。

 引き続きタイクーン/景和らはかくれんぼジャマトに立ち向かってまして、このタイミングをギロリは狙ったのかな。ギロリがグレアに変身した時点では、パンクジャック/ウィン、ギーツ/英寿を葬らんとする感じですが、後で明かされたルールは「ゲームマスターは、ゲームの勝敗を操作してはならない」というもの。

 全体として見れば、ギロリ/グレアの介入で英寿がドライバーを取り戻せずにゲーム終了になったといえますが、直接的にはパンクジャック/ウィンが英寿に襲い掛かったためですね。ただしパンクジャック/ウィンはグレア/ギロリに操作されてのことです。その辺りのゲームルール解釈はどうなるんだろう。特にツムリの判断次第では、この後にナビゲーターとして介入を試みる可能性があるかも。

 もう1つ気になるのは英寿の腹づもりですね。英寿がウィンに語って感心させた策は後付けの理屈かもしれないと申しましたが、全て予定通りだった可能性もあります。そうだとしますと、ギロリの策に敗れて敗退し、記憶を失って一般人に戻るのも想定内だった可能性もありそうです。

 次回「謀略Ⅵ:仮面ライダーの資格」では道長ががれきの下敷きになりつつも英寿に必死で何か言っているようでして、その様子からするとIDコアに触れさせて英寿の記憶を戻すのかもしれません。まあさすがに主人公だけに英寿がギーツとして復帰するのは確実だと思いますが、どんなドラマ運びかは期待です。

●鎌倉殿の13人(第47話:ある朝敵、ある演説)

 こちらで次回(12月18日)が最終回と伺って、ああそうかと。なんとなくですが、今年最後の日曜の12月25日が最終回のような気がしてしまってました。最後の日曜は総集編なんでした。すっかり忘れてましたorz。

 今話では承久の乱勃発(京都守護襲撃)までで、次の最終回の1時間枠でもどこまで描けるんだろう。今話では複数の登場人物について、禍根を残したような(ドラマが発生するはず)、諦めたような(ドラマが完結)、気になる点がいくつかありました。次で彼らが今話でどう思ったかが分かりそう。

 まず、史実では後で変を起こすと分かっているのえ(伊賀の方)ですね。今話序盤では、兄の伊賀光季が京都守護職となったことで喜んでおり、贈ってきた反物(かな?)を夫:義時に見せたりしてます。これを子の政村売り込みの誇示と見ることもできますが、いつになく屈託なく喜んでる感じでして、都に憬れがあるのえは単純に嬉しかったのかも。

 が、後鳥羽上皇が動いて、承久の乱を引き起こす京都守護襲撃を藤原秀康に命じ、伊賀光季は討たれてしまう。鎌倉は大騒ぎとなりますが、兄を失ったのえは相変わらず蚊帳の外。これを恨むのえの形相は凄まじかったですね。しかし、義時の決断は(明言は避けてますが)「自分(義時)の首を差し出して和議を乞う」というもの。

 それを立ち聞きしていたのえの表情は、怒るような悲しむような、ちょっと自分では心中を図りがたいものでした。兄を失って恨んだものの、夫(義時)も己が死を以て事態を収拾する、となると恨み続けることは難しいかもしれません。

 が、のえが子の政村のことを考えているとすると、義時が決断を告げた泰時と疎外された政村の差は決定的となり、兄の次は我が子のことで怒り倍増という可能性もあります。もし、のえについて次でも描かれるとすると、今話の胸中が分かるのかなと思います。

 感情が顔に出やすいのえと違って、計算高くて本音を見せない三浦義村の動きは、もっと測りがたい。いったんは義時に屈服したのかと思ったんですが、政村という手駒(?)もあり、鎌倉の覇権を全く諦めてなかったようですね。義時の独裁に不満があるらしい長沼宗政と語らってまして、そこへ「押松」なる上皇の密使(?)から義時追討の院宣が届く。

(どうでもいいことですが、このドラマでは「押松」は落ちぶれた平知康ですが、ウィキペディアを見ると、史実では今話で京都守護を襲撃した藤原秀康の従者らしい。しかし、義仲に殴られた鼓判官であり、井戸に落ちた蹴鞠の先生がまたもや、というこのドラマのアレンジのほうが面白そう。ご飯もりもり食べて「鎌倉はいいなあ」と言ってまして、都より鎌倉にいい思い出たくさんらしい。史実では「押松」は義時の返書を持たされて都に戻るみたいですが、このドラマでも生還して欲しいなあ。)

 義村は鎌倉ナンバー2の自負があるでしょうから、当然、自分1人を上皇が名指しで義時追討を命じたと思う。弟の胤義を上皇方に通じさせてもいますしね。しかし、義村より先に長沼宗政にも院宣が来ていた。後で判明するのは、時房らも受け取ってまして、要は手当たり次第の院宣乱発。

 描写からは、三浦義村がプライドを傷つけられて、義時側につくことを決めたように見えます。が、内心はどうだったんだろう。腹が立つから条項を見限るような安い男とは思えません。もし義村1人に院宣が下されたら、(押松=平知康が「戦の旗印」と言ったように)院宣の実行者として義村が反義時の有力御家人をまとめ、指揮官として動かせたでしょう。そうであれば勝ち目がある。

 しかし、院宣は乱発でして、受けた御家人がバラバラの思い思いで動く可能性が大きい。情報も漏れやすくなる。となると、義時側に各個撃破される恐れが強くなります。義村としては「そんな院宣の出し方されちゃ、到底勝てない」と踏んだんじゃなかろうか。それでいったん義時側に留まることにしたんじゃないかと思います。

 が、義村はそれで諦めた風はありません。義時側についたのだって、機を見るに敏だからに過ぎません。工作しつつ、状況を有利に持って行き、勝ちが見えるまで待てる武者、それが義村であるはずです。が、義時と上皇ばかり見ていたのは義村の失策だったようです。突如として尼将軍政子が状況をひっくり返しに来るのを、義村は予期できなかった。

 義時は鎌倉を焦土としかねない大戦を避けるべく、自分の首で事を納めようと決意。さすがにこれを政子と実衣には暗に漏らすわけですね。泰時に後を任せられると思い、肩の荷がおりてみると、家族に意識が行くようになったんでしょうか(相変わらず、のえは思い出さないようですが ^^;)。

 おそらくはその気持ちを受け取った実衣と政子は承服できないわけですね。謀反の疑いを受けて、おそらくは半蟄居の実衣はともかく、政子は尼御台から尼将軍へランクアップしてます。この後のシーンを見てからですが、政子の「かっこいいままでは終わらせません」という台詞は「フ、いいカッコさせたまま終わらせねえ」くらいに感じます(^^;。

 どう終わらせないかといえば、義時が単身上洛=己が死による和平を告げる席に割って入り、大演説打って上皇方との決戦に持ち込む策ですな。大江広元作成の名演説の原稿持って入場する政子がカッコいい。頭巾が紫色だったりして「尼将軍政子最強形態」といったところです。クリスマス~年末に最強の新フォーム出ましたか。

 そこからもカッコいいわけですね。政子を止めようとする義時に「(尼将軍に)口を挟むな!」と一喝して黙らせたと思ったら、原稿を捨てまして、自らの言葉で並みいる坂東武者を激励、奮起させると。しかし、あまりテンション高いと、観ているこちらが緊張感が下がり気味になるわけですが、実衣がちょっと差し出口利くのがいい感じ。

 そこからテンションまた上がる落差がありまして、最後に政子の「上皇様に教えてやりましょう!」に一同の「おー!」と応えるのがバッチリ決まってます。が、そこから政子らしさも出まして、「上皇様につきたいという者があれば止めることはしません」と。しかしすかさず泰時(ここ、泰時であるのが大事)が「そのようなものがここにいるはずがございません!」。

 テンションのジェットコースターでして、観ていて「なるほど、一致団結した」と感じました。なので、義時が泣くのも納得です。自分(義時)のためにしてくれたことより、自分抜きでここまでやれるようになった、という感激なんでしょうね。

 ここまで皆がまとまり、流れが作られると、さすがの三浦義村も手の打ちようがないようですね。長沼宗政とかろうじて目くばせし、「今回は諦めよう」といった感じでしょうか。しかし手駒の政村は健在ですし、史実では後に(伊賀氏の変にも拘らず)執権に就任しているとのこと。義時が義村を牽制する動きもしていたらしい。(史実では義時暗殺疑惑もある)のえもどう出るか分からない。

 いろいろ波乱含みですが、最終回「報いの時」で承久の乱が決着してから、どうなるかを見せてもらえるんでしょうな。前のスペシャルでは、小栗洵さんらが台本読んで驚き、感心したとのことですから、期待してよさそうです。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/16 (Fri) 15:35:01

定期感想その3です。

●うる星やつら

 第10話まで進んだものの、前半の「戦慄の参観日」はともかく、後半の「君去りし後」はドラマとしては時期尚早なエピソードの気はします。なにせ、あたるの気持ちが深いところでは強くラムとつながっていることを描くエピソードです。ラムとあたるのあれこれが描かれた量が必要ですし、もっと必要なのは観ている/読んでいるこちらの印象が熟するだけの時間でしょうか。

 浮気ばかりしていて、しばしばラムを邪険にするような態度のあたるが、ラムが永遠に去ったと思って泣く様子を自然だと受け入れるには、こちらの内面でのあたるとラムの印象が熟する時間が必要です。

 とはいえ、狙いは「80年代版でラムを演じた平野文さんと、22年版でラムを演じる上坂すみれさんの、親子役共演」なんでしょうな。だから、授業参観エピソードと、ラムがいったん母星に戻るエピソードの組み合わせになってると。

 この22年版開始時から気になっていたのは、80年代版の声に寄せて行ってる傾向があるということです。特にラムがそうであると感じます(対照的に「メガネ(サトシ)」は全く別ですが、80年代版は千葉繁さんだからなあ ^^;)。とはいえ、そっくりにする狙いがあるわけではなさそう。

 たぶん、狙いの1つは今話で見せてもらった「親子共演」なのかなと思います。ラム母の平野文さんは80年代版ラムのまま自然に歳を重ねたような、上坂すみれさんは何となく80年代版ラムを思わせるような声と演技でして、見比べられる世代のファンとしては面白かった。

 そう思ってみますと、あたるとあたる父の(声質の)描き方は対照的なのかも。22年版あたる父は80年代版あたるが成長して親世代になったようではなく、80年代版あたる父に寄せている感じ。22年版あたるも、80年代版あたるに寄せていて、80年代版を何となく再現しているようだなと思います。

 それにしても1クールも終わりに近いわけで、このまま終わるのか気になって調べますと、全4クールみたいですね。それを2クールで分割して、1期・2期とするらしい。まあ、トータルで1年分あるんなら、相当に各キャラクターの印象を深められるだろうと思います。

●仮面ライダー龍騎(第33話:鏡のマジック、第34話:友情のバトル)

 初回放映では、今週分2話の間に「仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS}が放映されているようですね。東映公式Youtubeでは17日(土)に放映ありまして、いいタイミングで見せてくれるのはありがたい。翌18日「仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z」も公開とのことですが、こっちはちょっと内容が分からずですが、豪勢なコラボらしいことだけは分かります。

 ともかく本編ですが、前半(第33話)は前話で鏡(ガラス)から出て来た真司が浅野めぐみに目撃され、どうなるかという話ですね。めぐみの追及については、途中までは真司も観ているこちらも「ライダーであることや、ミラーワールドの存在に気付かれたか?」と思う演出ですね。ただ、それにしてはめぐみの態度が異様なくらい軽く、前エピソードで判明しているめぐみの性分を差し引いても、ちょっと変な感じ。

 それもそのはず、という展開になりまして、めぐみが追及していたのは鏡を使ったイリュージョン、つまりマジック/手品というわけでしたか。めぐみが興味津々であったのは、自分もそういうマジックをやってみたかったから。それにしても大掛かりな用意をしての実演でして、劇中でも突っ込まれてますが、どこで手配したのやら。

(真面目に考えますと、そういうマジックで食ってるマジシャンから習って、道具もそのマジシャンに借りたか、業者を紹介してもらって買ったかでしょう。そうなるとマジシャンに有料で教えてもらったはずで、真司に付きまとってタネを見破る必要はありません。その辺りはご愛敬と考えておくべきなんでしょう。)

 しかし、めぐみの追求から「鏡のマジック」にたどり着くのは伏線だったようです(作劇のコツに「伏線を伏線っぽく見せないためには面白くしてしまえ」ってあるそうで)。鏡を使った仕掛けでの消えたり現れたりが、神崎士郎を追う桃井令子には大事なヒントとなるわけですね。

 桃井令子が追ってみた神崎士郎(養子時の姓が高見で追っかけるのややこしいかも)は神出鬼没でして、アメリカの大学で死亡した後、日本の清明院大学に現れて、しかし失踪。と思ったら、浅倉の拘置所の監視ビデオに写っている。しかも鏡に、ですな。普通だと鏡に映る位置に本物がいると考えるわけですが、鏡の中にしかいないかもしれないと、めぐみのマジックから令子は気が付いた模様。前話ラストで発生したピンチの落としどころはそこでしたか。

 コミカルから真相解明の流れが発生する一方、ミラーワールド関係者には異変が発生して極めて不穏な状況に入って行ってますね。まず優衣。突然倒れたと思ったら、ライダーのミラーワールドでの時間切れのような、体から粒子が抜け出ていくような現象が起きてますね。これがライダーのと似ていると自分でも思えたのは予習あればこそで、初放映リアルタイム視聴だったら、「なんだこれ?」になってたのは間違いない(^^;。

 それだけでなく、北岡の体調不良も進んでいるようで、急かしに来た神崎士郎には答えないものの、死期が極めて近いらしい。蓮にも切羽詰まる状況発生で、いったん持ち直したと思った小川恵里、再び悪化しまして、主治医によればあと数日持つかどうか。真司には神崎士郎からサバイブのカードが渡されまして、これはあからさまにライダーバトル促進狙いでしょうな。

 さらに謎の関係者出現でして、神崎士郎が実験事故(?)を起こした清明院大学の401号室に新ライダー出現のようで、これが仮面ライダータイガらしい。変身者の東條悟の登場は第35話からとのことで、来週からか。その東條/タイガのボス(?)は先に今週登場でして、桃井玲子が調査でたどり着いた香川英行教授ですか。神崎士郎の計画を掴んでいるらしく、(予告映像を見ると)ミラーワールドを閉じることを画策しているらしい。

 しかし香川教授らは今週は顔見世程度のようで、とりあえずは切羽詰まったライダーの動きが急となりますね。浅倉は急かされる要因は発生してないですが、常に戦ってないと苦痛であるんで、盛んにバトルを起こしに来る。やっぱり弁護の恨みがある北岡狙いですか。これはゴロちゃんが気づいて必死の回避を試みるも、浅倉の執念には勝てませんか。

 それにしても北岡の事務所を襲撃空振りした浅倉の行動が面白おかしい。生卵飲んでるのは浅倉らしいですが、次に餃子食ってますな。さすがに浅倉が一から作ったはずはなく、ゴロちゃんが真司から習って作ったんでしょう。ただし、状況からすると焼いたのは浅倉としか思えない。料理もするんだと勝手に妄想しましたが(^^;、それにしても美味そうに食ってましたな。真司のレシピと聞いたら、浅倉はどうするんだろう?

 それはともかく、浅倉から逃げきれないと思った北岡、自身の病状悪化もあって、バトルを受ける。一方、小川理恵の死期で切羽詰まる蓮も真司に迫ってバトルに持ち込む。しかし、真司には龍騎を強化するサバイブがあるわけですね。それをどう使うかが真司らしい。自分が倒されたら蓮を追い込むと思い、ガードに徹するために使うようですね。いつも真司は浅倉と対照的な行動を取るように感じます。

 それにしても最終盤みたいな流れです。が、いきなり最重要人物の雰囲気たっぷりの香川教授が登場してますから、まだまだ紆余曲折するはずですね。疑似ライダーとされるオルタナティブも未登場だし。今週分の間に放映されたTVスペシャル観れば、少しは今後が分かるかな?

●牙狼-闇照編(第23話:輝 Gold)

 全25話ですが、最終話(第25話)が符礼法師視点の前日譚と伺い、「次が実質的な最終回」と思いながら観ることができました。今話の終わり方で、後2話分あると思ったら、「黒幕と思った滔星の後に出て来たラスボス然としたゼドムの後に、本物のラスボスがいる?」と首を傾げたかもしれません(^^;。

 ラスト前ということで、ラスボスとの対決前につけるべき決着2つにケリをつけてますね。1つは敵側の最後にして最強の戦士である尊士。かつ牙狼の鎧復活の最後のピースでもある。尊士との戦いは、まずモノレール決戦で魔戒側戦士と互角と思わせ、遺跡決戦で実は流牙らでは歯が立たないと見せつけ、そして今話ですね。

 尊士に対して符礼法師がまず哀空吏、猛竜、莉杏を配する格好にし、そこへ符礼法師に別れを告げた流牙も追いついてくる。が、いったん尊士は主たる滔星のもとに戻ろうとするわけですね。しかし滔星が事態を制御できていたわけではなかったことを再度見せつける事態が発生、復活しつつあるゼドムに命じられると、尊士は直ちに従ってしまう。

 ゼドムの命は魔戒騎士を捧げよ、というものですね。それも黄金騎士。それがゼドムの依り代になるらしい。こうなると、尊士は流牙らを倒さない限り、この場を去れないわけでして、自然とバトルが熱戦となりますな。

 今までの尊士参戦のバトルはいずれも凄かったんですが、今話のも趣向的に被らないアクションでスピード感ありました。中でも感心したのは、鉄パイプの使い方です。鉄パイプの足場に車をぶつけて壊し、車には鉄パイプが刺さる。それだけでもなかなかの見栄えですが、その鉄パイプをアクションに活用してますね。

 疾走する車の上で戦うわけですから不安定になるところ、鉄パイプを手すり代わりに使って思い切り動ける。さらに鉄棒演技的な使い方もできる。初見時は単に夢中に観てましたが、観なおしてみて「なるほど」となった次第。

 同時に、そういうのは生身でないと難しいアクションでしょう。生身バトルが続くのも当然なんですが、アクションの性質上、優勢・劣勢がくるくる入れ替わりもしまして、そこは尊士や流牙らの表情でも表される。生身バトルを上手く使ってる感じですね。

 それでも要所要所で鎧CGバトルも混ぜてくれてます。やっぱり鎧でも戦ってくれないと不満なんですが、CGと生身の印象差が気にならないわけでもない。そこも配慮したバトルでして、特に決着の一撃のところですね。尊士と流牙、互いに剣を捨てての拳の戦いとなり、最後の流牙の突きがパッと鎧での剣の突きに変わる。

 そこから黄金の鎧の復活となる一連はなかなかに見事な描写でした。でも、それが次の決着の始まりであるのが怖くて悲しいところ。ホラー化しつつある波奏ですね。波奏は既にこの場での覚悟がとっくにできていたようで、流牙に話す前に莉杏に流牙のことを頼んでますね。前の流牙と一緒の莉杏の墓参り(?)は、ここへの暗示だったかな。

 かつ、波奏は黄金の鎧(と騎士の剣)を取り戻した流牙が自分(波奏)を斬らねばならないが(誰も代わっては斬れないだろうし)、流牙には斬れないこともよく分かっていたようです。流牙が持つ剣に、波奏が手を添えて力を込め、まるで自刃するかのような最期でした。

 波奏の流牙への最期の言葉は「ゼドムを倒すよりも、生き抜いて欲しい」旨でしたが、やはりゼドムは倒すしかない。それで気になるのが符礼法師です。人間なめるなの覚悟で突入はしたものの、符礼法師自身を献じてゼドムを宥めるためだったらしい。が、ゼドムは拒絶。それから符礼法師がどうなったか分かりません。

 猛竜などはゼドムが復活したということは、符礼法師が敗死したと思ったようですね。ゼドムと対峙した符礼法師の描写からすると、そういうことかもしれませんが、ちょっとあっけなさすぎる。魔戒八卦の周到な準備などから考えても、(命と引き換えの)策を講じてありそうな気がします。

 それと比べて、ずっとジタバタしてますが、観ていてもはやどうでもよくなってきたのが滔星。ボルシティ中心部まで逃げ帰り、ゼドムへ突入する流牙らをこれ幸いと見做し(共倒れを期待?)、SG-1を盾にして巻き返しを図りたい様子が窺えますが、もう無理だろという印象しか生じません。尊士が敗れるより前に、ゼドムに尊士取られた時点で終わってる印象です(^^;。

 その尊士ですけど、結局は騎士代わりにゼドムの依り代ですか。倒されても消滅しなかったことになりますが、尊士にも燕邦のように、わずかなりとも人間の心が残っていたということかな。それを示唆する描写がなかったようなのではっきりしません。もしかすると、ゼドムが欲したために消えなかったのか。

 そうして復活したゼドムですけど、軍服風はいいとして、なぜかメガネ風のアイテムつけてますね。ある印象が生じて、そこから「この役者さんって」と思って調べ直すと、演じているのは大竹まことさんですか。メガネがトレードマークの方ですから、ゼドムもメガネ風アイテムつけたのかしらん。千葉繁さんですと、「うる星やつら」の「メガネ」を考慮して「紅い眼鏡」なんて作品あるわけですけど、この闇照編では演者の大竹さんご本人のイメージからなのかも。

 上記で「ある印象」と申しましたが、今期のアニメ「異世界おじさん」です。30代半ばながら老けた風貌で、痩せて眼鏡の男が主人公。それが自分的には大竹まことさんの風貌を思い出すものがありまして。それで、ゼドム→異世界おじさん→大竹まことさんとつながった次第。

 それはともかく、次が実質的な最終回ですが、その次の前日譚は放映してくれそうです。録画機の予約画面で見る限り、次回には最終回マークがありませんので。牙狼MSのときは、総集編の最終回が放映されませんでした。

 いったんは、総集編ならまあいいか、という気がしたんですが、本編未収録のシーンがあるんだそうで。例えば、イデア・ギャノンを討ち果たし後、冴島邸に帰ろうとする鋼牙らを仲間の騎士、法師が出迎えるシーンは総集編でのみ観られるんだそうで。そう知ってみると、最終回を観られなかったのは残念に思えます。

 闇照編はそうではないようなので一安心です。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/17 (Sat) 11:37:39

 年末で終了する番組の確認。

 風都探偵、鎌倉殿、牙狼闇照の3作ですな。
 ギーツ、龍騎、ジョジョSOは年明け後も続き、鎌倉殿は家康に続く、と。まあ、家康は継続感想続けるかは未定ですが、今のところ「織田信秀役の藤岡弘、氏」を目当てに見る予定。
 その他の注目ポイントがどこかは、鎌倉殿の後から調べる予定。

 それにしても、家康さんだと、青天ナレーションの北大路さんの印象がまだ強い。

★鎌倉殿

 政子の演説が、「我々がよく知る名演説は、大江殿の原稿」だけど、劇中ではそれをポイ捨てして、政子の生の言葉で「義時を殺させない」という内容に変更したのが「作られた歴史と、その裏の事実」という解釈で楽しかったな、と。

 確かに、歴史は文献史料ありきで作られるので、「文章化された原稿があれば、それに基づく研究」が当然だけど、原稿がそのまま読まれたわけではないのが事実。
 映像ドラマであれば、脚本と実際の映像作品が異なることもたまによくあることですし、現場の判断でライブ的に変更されるものも納得。

 かつて九郎義経が言っていたように「歴史はそうして作られる」というドラマ的史観での解釈が、おお、そう来たか、と。

 ともあれ、政子さんは妹の実衣を守るために尼将軍になり、弟の小四郎を守るために歴史的な演説をぶったことになります。
 これについては、その前にトウから「命を投げ捨てるのはいけない」というバトンを託されたから、と解釈することもできますし、これでトウの出番は終わったのか、それとも最終話でもう一仕事、一出番があるのかを気にしつつ。

 また、まだ暗躍中の三浦義村。
 後鳥羽上皇に付けるように、弟を京にやるなど用意周到なんですが、これで承久の乱で鎌倉と京都のどちらが勝っても、三浦は生き残るということを見越していますな。

 ともあれ、最終話の決戦から、どこまでの後日譚が語られるか、そして小四郎の最後がどのように描かれるかを楽しみにしつつ。

★ギーツ

 まさかの主人公のゲーム脱落で、物語が面白くなりました。

 景和の優勝で願いが叶えば、犠牲になったキャラの復活が叶う……ということなら、逆に言えば、景和以外のキャラの死も描けるってことで、次回は凄惨な展開もありかな、とかドキドキですが、
 とりあえず、次回予告ではバッファの退場フラグが立ったような映像が。

 まあ、それよりも気になるのは、洗脳されたパンクジャックの運命ですけどね。
 いい奴になると死ぬフラグという状況で、果たして生き残れるのか。

 ともあれ、ライダーのクリスマスは一大決戦とか、劇的なキャラ退場に流れがち(そして年末に散ったキャラが春ごろに帰って来るパターンも)で、おお、そう来たかという衝撃を期待しつつ。

★龍騎

 13ライダーが来ますか。
 実は、この作品、2つの結末が用意されていて、リアルタイム放送中の視聴者投票で結末が決まるという内容でした(映像ソフトでは両方が収録されている)。
 放送されたのは「真司がミラーワールドを閉じるエンド」で、もう一つは「真司がライダーバトルをなおも続けるエンド」。

 結果的にどっちを選んでも、戦いは終わらずに、「戦わなければ生き残れない」という流れになるのですが(真の決着は、TVを楽しみにと)、
 この作品でしか見られないライダー(メイン悪役のカメレオンライダー・ベルデとか、真司の前の初代龍騎とか)や、
 この作品独自の展開(浅倉の脱獄劇や手塚の死が、TVとは別のパラレルで描かれる)とか、
 龍騎以外に変身する真司とか、
 TVと比べても、サプライズがたくさん。

 あと、劇場で出たリュウガやファム、そしてTVよりも先行登場したタイガやインペラーが顔見せ登場するなど、番外編として語れるネタが多い。

★スーパーヒーロー大戦Z

 主役は2代目ギャバンの撃で、それにゴーカイシルバーの伊狩鎧と、ゴーバスターズのイエローバスターと、仮面ライダーウィザードの晴人と仁藤が中心で絡む映画ですな。

 敵はショッカーが、宇宙犯罪組織マドーの力で復活したスペースショッカーで、
 ディケイド以降のライダー祭り映画に、また新たなショッカーの系譜が。
 大ショッカーとか、スーパーショッカーとか、スペースショッカーとか。

 なお、ディケイド以前だと、ゲルショッカー、ネオショッカー、グランショッカーなど各種媒体でショッカー後継組織が続き、
 一番最近では、ノバショッカーなるものもあったりします(長澤奈央さんが女幹部を務めていたり)。

 まあ、宇宙刑事の復活祭りの一環ということで、特撮ヒーローが盛り上がっていた10年前の映画だったな、と。
 流れとしては、スパヒロZ→牙狼闇照という公開タイミングなので、ある意味、旬なつながりかも。

★牙狼闇照

 アクションおよびドラマの最高潮という回でした。

 後はまあ、符礼法師が遺した勝利の鍵を見出して、ゼドム粉砕の流れですね。

 今回だけだと、符礼法師が犬死にか、と思わせる残念さが残るのですが、いや、そうじゃない、偉大な師匠だったんだよ、と示す後継のドラマ的決着。

 で、法師を持ち上げたと思ったら、最後に法師の過去(人間として、愛する人を守れなくてやさぐれていた経緯が描かれ、それが流牙や莉杏との出会いで救われた話)が描かれて、
 符礼さんのキャラに深みが加わった、と。

 完璧超人的な鋼牙編に加えて、流牙編は欠点も多い未熟な人間が挫折を乗り越えて成長する話を描いた話ということになりますな。

PS.風都探偵の以前の感想で10月分の書き込みを読んでいて気づいたのですが、符礼過去回想で犠牲になったのが、莉杏の母と書いていましたが、父親の方でした。当時は記憶違いの勘違いということで、今さらながらの訂正です。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/19 (Mon) 17:48:53

定期感想その1です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第23話:ジェイル・ハウス・ロック!)

 冒頭はDioの語りで情報整理ですね。緑の赤ん坊に食われるように融合したプッチ神父のその後の説明にもなってます。Dio視点で言えば、Dioのスタンド(ザ・ワールド)の先にあるものに進化したいと思うものの、条件が厳しくて(無欲で神の法に従う等)Dioには決してなれない。そこで選ばれたのがプッチ神父だったわけか。

 プッチ神父としては、緑の赤ん坊に食われても本望という、Dioの望みを叶えるために動いていたとなりましょうか。しかし、プッチ神父は見た目は少々変わりましたが、自我を失わずに次の段階に進んだようで、、Dioのプランを完遂すべく刑務所を出ていく。場所は今話では緯度と経度で示されましたが、予習するとケネディ宇宙センターらしい。

 いよいよプッチ神父の最終計画発動で、承太郎復活だけで事態は解決しなくなるも、徐倫らは監獄に閉じ込められて追えない。どう脱出(脱獄)するかが今話~次話(最終回)のミッションとなるみたいですね。そこに立ちはだかるのが、プッチ神父が監獄に残した最後のスタンド使い:ミューミュー。

 ミューミューのスタンド:ジェイル・ハウス・ロックの能力は早々に明かされまして(徐倫の体のメモ、グェスが語った医師の診察結果)、攻撃を受けた者は新たな記憶は3つまでに制限されるわけですか。4つめを記憶すると、1つめの記憶が欠落するというキュー方式ですね。ただ、その3つの記憶というのがどう解釈すればいいかはっきりしません。

 記憶1つ分ってどんな単位だ、ということがよく分からない。徐倫の体のメモだと、1つの記載が1つ分の記憶らしい。ミューミューとのシーンだと、例えば食事であれば、ミューミューが1. マスタード→2. ケチャップ→3. ドレッシングと声をかけ、動作でも示すと、徐倫は直前の嫌がらせを忘れてしまってますね。

 このことは、同じくミューミュー/ジェイル・ハウス・ロックの攻撃を受けたらしいエンポリオに顕著に現象が現れてますね(いつ攻撃受けたんだろう?)。こちらははっきり解説入りでして、「あの出口からこの部屋を出て徐倫お姉ちゃんに(会いに行く?)」を実行しようと思うたび、水をこぼして漏電の3つの記憶が押し出されて感電を繰り返してしまってるわけですな。

 ただ、ちょっと分からないのが、徐倫がグェスから受け取った、割と長文のメモを正確に理解しているらしい様子があることです。理解しているからには記憶しているはず。しかし、メモの内容には4つ以上の情報が含まれています。それを覚えていられるということは、「1枚のページに理路整然と書かれていれば、1つの記憶」ということなのかしらん。今話では何とも判断できませんが、まあ次回に種明かしがあるんだろう。

 エンポリオがそういう状態で、アナスイ、エルメェスは未だ負傷が癒えず、ウェザー・リポートは(FF救出にあんなに必死だったのに)動かずですか。ただ、エルメェスにエンポリオがFFのことなどを伝えてましたから、プッチ神父のことを含め、情報共有はできてるんでしょうね。

 次回/最終回「脱獄へ・・・」はタイトルからすると刑務所脱出までは行くんでしょうね。1月早々からの第3期は承太郎復活からプッチ神父との対決となりそうですが、Dioの息子とされる敵がまだ何人も立ちはだかるみたいですね。

●風都探偵(第12話/最終回:超人r / 終焉、そして……)

 いったん終わったわけですが、こちらで次期が過去編になると伺ってました。それが原作がそうだからなのか、それとも希望としてはそうなのか等、ちょっと判断つきかねてましたが、今話を観終えて納得。翔太郎がそうする必要があると言うから、そういうことなわけでしたか(なんか意味不明な言い方の気がしますが、そう言うしかないような ^^;)。

 ともかく本編。まずは、ときめと依頼対象の蘭堂廉太郎の裏風都脱出ですが、その前に廉太郎が語ったいきさつで、これまでの描写含むあれこれがはっきりしましたな。廉太郎は過去に騙されて対人地雷の部品を作ったことがあり、その悔いが強いため、今回の二階堂/リアクターの依頼の真相に憤激しての、この事件でしたか。

 が、二階堂が依頼した部品を廉太郎が正確に理解したわけではなく、「おそらく小型原子炉」くらいの推測に留まる。そこは後でフィリップの解明が語られまして、原子炉は二階堂/リアクターのほうであり、廉太郎のバルブは冷却装置の一部だったわけですな。

 その冷却装置は前話のフィリップの推理通り、表の風都にあり、そちらに向かう二階堂の部下(ロード)を利用して、ときめらも表の風都に帰って来る。が、冷却装置から出て来た二階堂にはバレてまして、目からビームの攻撃を食らう。

 リアクター・ドーパント時に高温であるのは前に描写されてましたが、生身でもこういう能力を獲得してるわけですか。あるいは、生身でも放熱が必要なほどに熱がこもってしまうということか。そのことは、今話の二階堂の最期でも発揮(?)されるわけですね。

 それはともかく、二階堂の攻撃は何者かが阻止しまして、自分は「またも、ときめ専用スタッグフォン?」と思いかけましたが、さすがにそんな力はなさそう。なんだろうと思ったら、エクストリームメモリですか。翔太郎&フィリップが駆けつけてきたというわけですが、そこも含めて2人が種明かししてくれる。

 バルブ試作品から、冷却装置の一部であること、冷やすべき対象は二階堂/リアクターであること、装置概要が分かれば高周波ノイズから位置探知できることはまあ納得です。。が、前話でフィリップが言っていた、装置が表の風都にある理由が非常に納得度高い。

 冷却装置を必要とすることは、完璧超人を理想とする二階堂にとっては恥であり、尊敬というより崇拝する万灯のいる裏風都に置いておきたくないということですね。二階堂のプライドの高さゆえだったわけですか。この後、二階堂は万灯に看取られての今際に「あなた(万灯)のような真の超人になりたかった」と述べてますが、放熱の不備で外部装置が必要という点は「真」ではないと二階堂が思う重要な要素の1つなんでしょうな。

 それは後のことでして、ともかくバトルとなる。まず冷却装置は追って加勢に来たアクセル/竜のガンナーAが破壊。冷却できなくなった二階堂はそれでもリアクターに変身して戦うわけですが、Wがリアクターメモリ即ち手の内を読んでいても難敵なようですね。体から噴き出る蒸気を手足のように使える点など、卑怯なほど便利だし。

 どうするんだろうと思ったら、実写Wの最後の敵ユートピア・ドーパント(加頭順)を倒した「ダブルプリズムエクストリーム」ですか。一瞬ですが回想カットありまして、自分は最初、何のドーパントだったか見分けられずorz。観なおして、ネット評探してようやく「ああ、確かにユートピアで、撃破はあの技で」と認識した次第。こういうところ、観てパッと分かるようになりたい。

 ともかくも、リアクターの蒸気ハンド(?)からときめを救出しての、お姫様抱っこしたまま必殺技もなかなか見栄えするもんですね。ミスマッチかもと思ったら、非常にカッコよかった。

 ボスを失って逃げ帰ろうとする配下は翔太郎らにとっても裏風都再突入のチャンスですが、かろうじて生きていた二階堂が阻止。配下を始末し、自らも燃え尽き、裏風都への出入り口も閉じるという、全て隠滅ですか。そういうことができるから、万灯も二階堂に期待していたのかもしれません。

 裏風都はいったん諦めることとはなりますが、蘭堂りつかが依頼した「祖父:廉太郎の捜索・救出」は見事に果たした格好ですね。事件解決でも放送時間だいぶ残ってるなと思ったら、次はときめですか。今エピソードはもちろん、最初のエピソードからの「私(ときめ)、ドーパントなのかな?」の決着ですな。

 フィリップがときめの壊れたジョーカーメモリをかなり修復しまして、起動させてときめにスロットが出れば、ときめがジョーカー・ドーパント(ないしは仮面ライダージョーカー?)と確定。しかしスロットは出現せず、ときめが浸かったことがないと判明。

 これでときめは、1クールかけてようやく1周したといえそうです。最初に持っていた気がかりが消えてくれた。もっとも、記憶が一部なりとも蘇るたびに気がかりは増えてしまってまして、筆頭は万灯ですね。これについてはフィリップの調べが進んでましたか。

 もっとも、分かったのは「万灯については分からない」ということですが。財団Xの一部を成すカイオペレーションズ社のCEOということまでは分かるけど、その先は不明。おそらくは裏風都に入ったからで、フィリップの「地球の本棚」に情報がない。

 となりますと、万灯はフィリップに検索されない世界を欲して裏風都を作ったことになりそう。もちろん、単なる雲隠れではなく、何らかの大ごとを為そうとしてのことですね。そう聞いたときめが頼もしくて、俄然やる気を出してますな。廉太郎が過去と戦ったように、自分(ときめ)もそうしたいと。まず、今まで何があったのか知りたい、とときめは言い出す。

 ということで、翔太郎がビギンズナイトから説き起こす必要が生じるわけですか。これがこちらで伺った、第2期はいったん回想になるということですね(原作でもそうなってる?)。もっとも2期については公式からの発表はなく、未確定ですが、自分はあるはずと思ってます。

 ビギンズナイトについては、「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE」のパート1「仮面ライダースカル メッセージforダブル」で触れられているわけですが、この「風都探偵」アニメではどうしてくるかな。その辺りは原作コミック次第なんでしょうけど、2期開始の時期はまた原作コミック無料サービスとかあるかしらん(と書いてて、自分がいかにけち臭いか自覚しますorz)。

 2期があるとしても、心残りがあったりしまして、EDです。なぜか自分でも分からないんですが、翔太郎、フィリップ、ときめが揃ってコーヒー吹くところがツボでして。このEDを2期で使いまわすのはたぶんないんじゃないかと思えますんで、ちょっと残念だったり。

 それにしても面白かった。これが「風都探偵」でしたか。Wの雰囲気を少しも損なわず(むしろ発展させ)、風都探偵独自の面白さがあることが、よく分かりました。こちらで風都探偵についてときどき伺っていたのは、こういう作品かと分かると、力と熱の入り方も理解できる気がします。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/19 (Mon) 23:27:45

アニメ感想です。

★風都探偵

 ビギンズナイトの物語を匂わせて、幕を閉じた1期でしたが(原作の4巻を飛ばして、5巻まで到達)、次の6巻がビギンズナイトの物語になります。
 Amazonの商品紹介ページなどを参考までに。

https://www.amazon.co.jp/風都探偵-6-ビッグコミックス-石ノ森-章太郎/dp/4098603187/ref=rw_dp_pbnx_fo_thb_6

 あと、エターナルの懐古編につながるのが9巻ですね。
 2期は、翔太郎というキャラの過去の掘り下げと、フィリップの成熟などの「事件以外の日常」が期待できそう。

 まだ原作は完結していないものの、起承転結になぞらえるなら、今(13巻)が転に入っているような感じなので、話をズルズル引き伸ばさなければ、20巻程度で完結するかなあ、と予想しています。

 で、アニメだと4期までで完結すると予想すると、1期が起、次が承という読みですが、とりあえず、つかみはOKで、次も拙速でなければ、面白い展開になる、と期待しますね。
 2期は、春からか、夏からかは知りませんが、半年ぐらいは熱量を維持したまま待てそう。

 ともあれ、自分はコミックからのファンなので、まずはコミックを追っかけながら、アニメの今後の情報を待ちたいと思います。

★ダイ大

 で、同じ原作者のコミックつながりですが、ダイ大のアバン先生の過去編(獄炎の魔王)の6巻が今月発売されて、昨日購入して読了しました。
 アバンVSハドラーの戦い(凍れる時の秘法で両者が封印される)までが描かれ、次巻は「魔王軍によるハドラー復活」と「マトリフたちによるアバン復活」に流れる模様です。

 今巻のラストでは、魔王が封印されたことで、一時的に平和が戻った世界で、「マァム誕生」「若き日のバランが魔王封印を見届け、安心してヴェルザーとの戦いに赴く顔見せ的出演」そして「ザボエラに雇われたクロコダインが封印されたハドラーの体を奪いに出現」までが描かれて、
 ダイ大本編とのリンクが濃厚だったりします。

 これも話がある程度、貯まれば、アニメ化を期待したいので、どこまで続くのかなあ、と動向を気にしつつ。

★ジョジョSO

 記憶の欠如に悩まされる徐倫のメモ書きが、ギーツの浮世英寿とタイミング良く被って、
 さらに最近は、同じライダーの龍騎もオーディンのタイムベント対策のメモ書きとつながって、
 ライダーとジョジョが時空を超えてつながった感ですな。

 まあ、龍騎の放送タイミングとSO原作の連載時期は、結構かぶっているわけだし(2002年前後)、脚本家も今回の「ジェイル・ハウス・ロック」回は小林靖子さんで、龍騎のタイムベント回と同じです。
 まさか20年の時を超えて、龍騎とSOのタイミングがかぶって、しかもそこに現役ライダーのギーツがつながって来るとは、面白い巡り合わせだなあ、と。

 もちろん、それをこのタイミングに観測している人間がいてこその面白さなんですけど。

 なお、FFの死を聞いたエルメェスが「仇を討つ」と呟いたシーンは、原作にはないアニメオリジナル展開だそうで、
 FFが遺した想いが確実に継承されたのを感じると、いいなあと感じ入ったり。

 で、次回が今期の最終回で、年明け2週めからすぐに最終章という流れをワクワクしつつ。

★うる星

 ラムの母親回は見ましたが、期待ほどは感じ入るものがなかったのは、面堂母とかのキャラが強烈だったからですね。

 自分、今期のアニメでは、主人公のあたるやラムよりも、面堂の方を楽しんでいるようです。
 で、次回は面堂の妹の了子ちゃんの登場回で、これはこれで期待ですな。
 腹黒妹の了子ちゃんが面堂終太郎をイジメる展開が、80年代当時は珍しいキャラ造形だったというか。

 日頃は上から目線で、イケ好かないところのある面堂が、妹の前では弱者になるというか、
 お兄さま(ハート)と優しい笑顔で、酷いことをする了子ちゃんのギャップ萌えぶりが、令和の時代にどう受け止められるか。

 なお、ラムは自分が見ていない間に、友引高校の制服を着るようになっていますが、この季節に虎縞ビキニは見ていて寒いと思ったので、制服を着てくれて良かったって思ってます。
 どうも虎縞ビキニが、キャラクターとしてのトレードマークにはなっているのですが、今見ても、あまり萌え要素に思えなくなっているのは、「露出度が高すぎてもダメ」って感覚でしょうな。
 やはり、チラリズムこそが至高とか思ったりもしつつ。

 あと、あたるは浮気性で、女の子にモーションをかけるものの、意外とスケベなアクションはしていないというか、する前に邪魔される感じですな。
 その後のシティーハンター冴羽獠とか、90年代のハーレム物主人公の方がよほどイヤらしく動くので、あたるが口だけで意外と奥手に見えてしまうのは、アニメの演出が控えめに抑えているのかな。

 ダイ大のポップの方が、よほど露骨にエロアクションをしていたなあ、と思いつつ。
 

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/20 (Tue) 14:09:25

定期感想その2です。

 以下をちまちま書いていたら、NOVAさんのご投稿を頂きまして。いろいろ反応できていない点、毎度ながらご容赦頂ければと存じます。しかし、一点だけ反応しますと、ギーツで英寿が記憶取り戻しに仕掛けたトリック(?)、ジョジョSOの徐倫のメモは連想できませんでした。ご指摘を呼んで意識してみると、なるほどな感じがします。

 いや、もう1つだけ反応。エルメェスがエンポリオからFFの死を聞かされて、(コップの水を手向けに)復讐を誓うシーンはアニメオリジナルでしたか。やっぱり制作がFFを描きこむうちに愛着が生じたのかな。エルメェスとしては、姉の仇討ちで全力を尽くし、またも復讐を誓うという厳しい流れではありますが、なんか納得するんですよね。

●仮面ライダーギーツ(15話:謀略Ⅵ:仮面ライダーの資格)

 前話で退場して、ライダーの記憶を失った一般人(ただし超有名人)に戻った英寿ですが、早々に復帰ですね。種明かしは今話中盤で英寿本人から為されまして、敗退に予め備え、記憶を失った自分への指示を自室に仕掛けてあったわけですか。

 指示はポスターの裏に書いてあったわけですが、そこを見るための指示が「ポスター1枚目(鏡を見ろ)→鏡(右を見ろ)→ポスター2枚目(裏を見ろ)→ポスター2枚目の裏(具体的な指示)」と、ちょっとややこしい。2枚目のポスターの裏だけでいいんじゃ、と思いかけたんですが、そうでもなさそうですね。

 ただ、敵(現時点ではギロリ/ゲームマスター)に気付かれて、指示があるポスターを剝がされることへの対策ではなさそう。一応、分かりにくくする効果はあると思いますが、ライダーの自覚なしの英寿が気が付くくらいなら、今は父親として同居しているギロリも気が付いてもおかしくない。

 たぶん、念の入った指示にしてあれば、単なる有名人の自覚しかなくなった英寿に「これは確かに自分自身からの指示なんだろう」と思わせる効果があるということなんでしょう。それも、2枚のポスターの指示は宣伝用のものを流用し、途中の鏡のメモだけが自筆であるわけですね。ちょっと子供っぽいかもしれませんが「何かを隠そうとしている」と感じられます。

 隠されれば知りたくなるし、自分で解いた謎は答に自信が持てます。2枚目のポスターの裏の指示は、DGPやライダーを知らなければ奇妙なものでしょうけど、「自分が自分に出したクイズを解いたぞ」と思えればこそ、指示を実行してみる意欲も湧くはず。

 ともかくも、英寿が自分で自分にかけたトリック(?)に従って、父親/ギムリに悟られず、戦闘中のバッファ/道長にたどり着くと。その過程も、もしかすると英寿が入念に用意した成果かもです。敗退すると記憶だけでなく、願いを書いた気持ちの元まで失うんでした。今回の願いは「DGP運営になること」でした。

 その気持ちを失っても、素の英寿に影響は出そうにありません。そもそもDGP覚えてないし、運営になりたい大元の気持ちは「母を取り戻す」ですが、それも忘れてるわけだし。

 たどり着いたのは道長でしたが、祢音や景和にたどり着いても、おそらくは口癖や素の気持ちから出る発言で、「英寿の記憶を戻したい」と思わせたはず。よく考えたら、祢音や景和にたどり着くほうが成功率高いと踏んでたかも。英寿/ギーツの戦力を頼りにしてますからね。反発心のある道長のほうが難しい相手だったかな。

(道長が最後に英寿に吐きだした言葉は、夜の「鎌倉殿の13人」で毒で死ぬと思い込んだ三浦義村の台詞に重なる気がしまして、偶然ですが、どちらも自分にとって印象深いものとなりました。)

 実際、バッファ/道長は戦えるうちは英寿に取り合おうとしなかったわけで。巨大ラスボス:ラフレシアフォートレスジャマトに返り討ちに遭い、敵わないと悟って、ようやく道長は英寿に後を託す気になったわけですが、偶然の要素強かったかも。もっとも、道長でなければ、祢音や景和に遭遇はできそうで、二重、三重の安全策ではあるんでしょうね。

 もっとも、英寿に記憶が戻ってもゲームマスター:ギロリはギーツ排除の意思が固いですから、復帰は容易ではない。と思ったんですが、英寿は敗者復活を望むわけではないと嘯いてまして、じゃあどうすんだよと思ったら、さらに最後の仕掛けがあるわけか。

 英寿が最初にDGP制覇で叶えた願い「死ぬまでライダー」ですね。これにより、ゲームマスターと対立的になってきたナビゲーターからドライバー一式を返還されまして、ギーツ復活。巨大ラスボスも第1話の要領でサクサクと撃破。

 こうなりますと、DGPはまたも英寿が制覇し、運営になるという願いが叶えられることになります。が、ナビゲーターにルール違反を咎められるも(前話のゲームマスターの行いもナビゲーターからは違反判定でしたな)、「敗者復活戦」ゲームを付け加えて、ギーツの優勝をとりあえず差し止めると。

 その「敗者復活戦」は予告からすると、ギーツ vs タイクーン&ナーゴ戦という、ライダー同士のバトル禁止ルールを破るものになるようですね。ゲームマスター:ギロリ、いよいよなりふり構わなくなってきたようです。つまり「死ぬまでライダーなら死んでくれれば」というもの。

 ジャマト製造のアルキメデルとも、ギムリは電話する仲ながらも対立は深刻なようだし。英寿の母にしてナビゲータ前任のミツメも何かありそうで、もしかするとそこが最も深刻な問題なのかも。それに、スポンサーから突き上げもありそうで、もし財団Xが絡んでいるとしたら、スケジュールの遅れなどで見放される恐れがあるのかも。

 次回「謀略IR:キツネ狩り」では、予告からしますとギムリの目論見通り、ライダー同士のバトルになるみたいですね。景和が勝ちますと、道長は復活するわけで、自分としては道長には帰ってきて欲しいところです。それにしても、謀略VIIではなく謀略IRとなってるの、なんでだろう。邂逅編だと最後は邂逅FでFはFinalでしょうから分かる。IRってなんだろう。

●鎌倉殿の13人(第48話/最終回:報いの時)

 最終回を観終えて、来週は総集編と思ったんですが、録画機の予約画面でチェックすると別の番組。公式サイトで確認しますと、12月29日(木)ですね。それにしても、最終回に次の大河の主役が出てきたのは驚きました。こういうの、ライダーものや戦隊ものだけだと思ってた(^^;。

 ともかく本編ですが、義時の死まで一気に描いて、そこで終えましたか。そこで終われるように、いろんな人を許していく流れであるように感じました。ただし、旧態依然の権力者は厳しく退ける流れですね。

 まず退けられたのは後鳥羽上皇ですね。これは承久の乱の勝敗の必然の結果ではありますな。承久の乱はウィキペディアの記述と比べると、このドラマの独自解釈がいろいろありそうですが、短く一気呵成なんで目立たない。しかし、泰時が最初は18騎で出陣といったところは史実通りみたいです。

 その少数が膨れ上がって公称19万騎となるのも吾妻鏡の記載通りらしい。ただ、後鳥羽上皇に宛てた恫喝書状等は、ウィキペディア等で見ますと義時主導みたいなんですが、このドラマでは泰時の采配と解してる感じです。前に「泰時が義時に代わって主役に」と聞いたものの、どうもそんな感じがせずでしたが、どうやら最終回終了後の世界で泰時が主役になる印象を残すドラマだったらしい。

 それはともかく、このドラマでは後鳥羽上皇にも最後のチャンスが与えられてますな。藤原秀康と三浦胤義が敗勢を伝えて親征を促したところです。確かに上皇方の戦意は著しく向上し、鎌倉方は賊軍意識を持ってしまいそう。さらに、このドラマでは明示されませんでしたが、史実では義時は上皇自ら兵を進めたら降参せよと自軍に命じてあったらしい。

 上皇自ら動けば勝ちですが、、朝廷の伝統と後白河法皇の遺言を思い出して動けず。これが敗北と自滅の決定打だったようです。承久の乱敗北でも、上皇は鎌倉勢を「君側の奸を討つ」と称し、目をかけたと思い込んだ時房に頼るも、既に無駄なあがき。罪人の礼を以て隠岐へ流されるわけですが、まさかの文覚再登場でしたな。まるで過去の亡霊のようですが、本当に亡霊で地獄へ招きに現れたのかもしれない(上皇以外に文覚が見えてなかったりすると面白いんですが、文覚の無礼に周りが騒がない程度しか描かれず)。

 この後鳥羽上皇の事実上の最期が今話ラストの義時の最期に重なって見えました。しかし、この時点で義時は健在。ただし、まるで義時退場を促すような流れになって行きますね。まずは、のえ。薬と称して遅効性の毒を少しずつ義時に飲ませるわけですね。ただし、ゆっくりなだけあって体調異変を義時が自覚し、医師の診察を受けたため毒だと露見し、毒消しの治療も受けることになる。

 毒と分かれば、義時に心当たりはのえしかいない。というわけで、一気にバレる。が、のえが開き直るのは少々怖かった。義時はのえの本性を見抜けなかったと悔いますが、のえ視点ではたぶん「その本性を作ったのは、あなた(義時)だ」と言いたいみたい。どちらが正しいかの判定は難しそうですが、それどころではない爆弾がのえの置き土産。

 毒を手配したのが三浦義村ということですね。実朝暗殺時に、義時が「私(義時)に死んでほしかったのではなかったのか」と怒りを見せ、義村は口では否定するも襟を直す仕草で答えてました。またもやりおったか、というわけですが、今回は義村の反応が異なる。

 義村は長沼宗政と組んでの、承久の乱で寝返りを狙っていたことを看破されると、実際に裏切ってはないと返し、戦勝は自分(義村)のお陰と言う。実朝暗殺時同様、半ば認めて乗り切るつもりらしい。が、毒殺を暗に持ち出されると観念した模様です。詰め寄られて、毒酒を一気に飲み干しましたから。

 これで義村はどうせ死ぬと吹っ切れたんでしょう、おそらくはこの物語開始時点から(遅くとも義時が頼朝に用いられだしてから)の嫉妬を語る。武も知略も自分(義村)が優るのになんでだ、と。ここが午前中に観たギーツの道長の最期と重なったこともあって、特に印象深かった。

 そうしておいての三谷脚本の離れ業でして、実はのえの毒酒じゃないと。義村、プラセボ効果(ノセボ効果?)で舌がしびれたりしていたらしい。観ていて大笑いしました。さらに大笑いの追撃、義時にこじゃれた意趣返しありまして、義村が昔、義時に言った「おなごは茸が好き」は出まかせだったと。呆然と「早く教えて欲しかった~」と言う義時でさらに大笑いです。

 大笑いしてから気が付きましたが、義村が(偽)毒酒を飲む、飲まないにかかわらず、最初から義時の勝ちは決まっていたみたいですね。義村が勧めに応じて毒酒を飲めば、罪を認めて死を選んだ(詫びた)ことになります。でも偽毒酒だから死なず、このドラマで描かれた通りに。義時が毒酒を固辞したら、それはそれで毒殺/暗殺首謀者と認めたことになります。この場合は義村はその場では死なず、しかし観念するしかなく、後はほぼドラマ描写通りの運びとなるはず。

 そこはギーツ/英寿の策略と重なる気がします。それで余計に義村と道長が被る気がしまして、印象が強まったようです。ともかくも、義村は赦されたことになりましょうか。実行犯ののえも遠ざけられただけで、のえ念願の政村の執権就任は後年に実現するはずですね。彼らも赦されたとみてよさそう。

 義村は義時からいったん死んで生まれ変わった旨言われましたが、義時の知らないところで生まれ変わったのがトウですな。暗殺者を辞めて、武芸の先生になってました。ただし、(やはり既に赦された)実衣から「殺気が強すぎる」とたしなめられたりしてますね。これも、トウが赦された暗示なんでしょう(もう殺気は要らない、ということで)。

 義時に自分に似た仏像を依頼された運慶もそうですね。醜悪で小型の仏像を差し出されて激怒したらしい義時ですが、捕縛されて引き据えられた運慶を義時は処罰することができず。仏像のほうも太刀で斬ろうとして発作が起きて果たせず。

 たぶん、頼朝が肌身離さず持ち、その死後は義時の手に渡った小さな仏像との対比があるんでしょうな(もしかすると、宗時が戦の中、頼朝へ持ち帰ろうとして果たせなかった大きなほうの仏像も暗示されてるかも)。頼朝の形見の仏像は、都へ攻め上る泰時を案じる義時がすがろうとしていました。その頼朝の仏像に比べて、義時のは少々デカいが醜いぞ、ということで、今の義時を物語ってる気がします。

 その理由はラストシーンで義時が告白しまして、次代の泰時に渡す世には一点の曇りもないよう、業は全部自分(義時)が引き受けて地獄まで持っていくつもりだったから。それは承久の乱に勝って、後鳥羽上皇を流罪にして完成だったはずですが、上皇の孫を帝に擁立の動きが出て、そこから後鳥羽復活の兆しということで、収まりそうにない。

 このシーンでタイトルの「13人」について義時が語りまして、頼朝が死んでから血を流して死んだ者が頼家含めて13人。頼家の評定衆13人以外にそんな意味があったのかとびっくりです。しかし政子は全て察しつつも、頼家は病死のはず、嘘つき(義時)は嘘を覚えてなさいと(それでも我が子の死の真相をはっきり聞きたいのは哀れで悲しいものですね)。

 そうなると「鎌倉殿の12人」ですが、もし義時が総仕上げ(帝候補の上皇の孫殺害)を行いますと、またもや「鎌倉殿の13人」。それを力尽くで止めたのが政子であるわけですね。義時に致命の発作が起き、救命の頓服薬があるも、床にこぼしてでも渡さない。こぼれた薬に必死に這い寄る義時には鬼気迫るものがあります。が、政子は薬を衣で拭って、一口も舐めさせない。

 もう(法治を目指す)泰時に任せよ、老いた(人治の)我々の仕事は終わった、というわけですね。明王って、聞いた話ですが「この世にいて地獄へ進もうとする者を力尽くでも止める仏の化身」なのだそうで。そのため、怖い顔をして武装までしているとのこと。今の政子がその明王なんでしょうな。

 義時も観念しまして、頼朝の形見の仏像を泰時に、と政子に託して絶命。義時もまた、上皇同様に赦されざる者として退場したことになります。しかし、義時の考える「鎌倉殿の13人」は政子に阻止されて「鎌倉殿の12人」。ここは救いなのかも。それに納得して死んだ義時に、引導を渡した政子がすがってのすすり泣きで「完」でした。

 自分は最後の最後で宗時が(死んだ)義時に「よくやった」と迎えに来るのかと思ってました。が、この世の業を一身に受けた義時を認めた、大悪女の悪名を被る覚悟の政子が送り出す幕引きに納得しました。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/21 (Wed) 22:58:25

定期感想その3です。

 そろそろ次のスーパー戦隊について聞こえてまいりまして、「王様戦隊キングオージャー」ですか。戦士は王様設定の昆虫モチーフらしい。それぞれ治める国があるようでネーミングもそれっぽくなってますが、テクノロジーの国「ンコソパ」だけちょっと、なんだかなあと(^^;。パソコンの逆さ読みですか。

●仮面ライダー龍騎(スペシャル 13RIDERS)

 予め「真の決着は、TVを楽しみにと」なると伺ってまして、前日譚的な物語だろうと思って観てみると、神崎士郎がまさにそうだと言って終わってますね。さすがにモロに言われると、ちょっとびっくりです。

 TV放映時は「真司がミラーワールドを閉じるエンド」だったとのことですが、ネット放映では「真司がライダーバトルをなおも続けるエンド」でした。これが第1話にそのままつながるかどうかはちょっと分かりにくい感じ。もっとも、龍騎を失い、蓮から託されたナイトで挑む真司ですが、多勢に無勢。そのまま敗北して、タイムベントでリセットとなれば、第1話に続けられそう。

 もう1つの「閉じるエンド」を調べてみますと、真司が蓮に済まないと思いつつもコアミラーを破壊、ミラーモンスターはもう出ない、と安心したら、街中でミラーモンスターが鏡の中に見え隠れするというラストみたいですね。つまり「コアミラー壊しても、実は駄目なんだよ」という絶望エンド。それなら「これはやり直さねば」という気がしそうで、たぶん第1話の直前にこの13RIDERSがあったと思いやすそうです。

 ドラマ内容的には、13RIDERS独自の面白さよりも、各キャラクターの今まで描かれなかった部分を見せてくれるなど、TV本編の理解や納得度を深めるものであったようです。例えば手塚ですと、蓮が救おうとしている小川恵里に好意がある(いわゆる元カレ?)ことで、蓮と目的意識を共有しているわけですね。この手塚がTV本編でなぜ蓮と深く関わろうとしたのかが分かる仕組みになってます。

 ライダーバトルの厳しさ(他のライダーは問答無用で敵、敗者は消滅等)を見せてくれるのが、この話オリジナルの高見沢逸郎/仮面ライダーベルデですか。表裏の差が激しい人物でして、普段は大企業CEOとしての礼儀正しさを見せるものの、その地位・権力で飽き足らずライダーとなり、そっちの顔は傲慢で強欲、非情。

 蓮の他人を殺せない情を見ても「弱点」と言い切り、弱いならさっさと倒してしまおうと考えるわけですね。浅倉/王蛇は相変わらず無軌道の凶暴ですが、高見沢と比べるとまだ話が通じそうに思えるほどです。それほどの嫌悪感が高見沢に生じる作りですが、だからこそ蓮が光るような気がします。

 この話での蓮も突っ張っていても、やっぱり他人が殺せない。そこはTV本編でよく見せてもらったわけですが、小川恵里への気持ちを手塚と共有していることで、より際立って感じられます。手塚/ライアは途中で高見沢/ベルデに倒され、蓮が小川恵里を託される格好になるわけですんで。手塚もTV本編では親友を失ったことが語られてましたが、蓮もそうなるわけですね。

 では蓮は小川恵里のために何もかも振り捨てて、とはならないところが、蓮の蓮らしさが浮かび上がるところでしょうか。ベルデ/高見沢に促されても、自分(蓮)を仲間と呼んでくれた龍騎/真司に止めを刺せず、逆にベルデに倒されそうになった真司を庇って、瀕死の重傷を負う。

 そこで見せた蓮の思い切りがなかなかのもの。初めてライダーを倒すことができたわけですね。真司を守るためならそうできた。さらに自分のナイト(サバイブ)を真司に託すと。真司は冒頭で初代龍騎/榊原耕一から、その死の間際に龍騎を託され、榊原耕一の「コアミラー破壊でライダーバトルを終わらせたい」願いを受け継いだわけですね。

 ラストで真司は蓮からナイトを託されるも、それでどうするか自体は真司に任された格好。このネット放映では蓮の願いも引き受けたことになりますね。つまり、蓮(と手塚)に代わって、まず小川恵里を救う。ライダーバトルを終わらせるとしたら、その後。

 もう1つのエンディング「コアミラー破壊でライダーバトルを終わらせる」と真司が選択するなら、蓮の願いは泣く泣く諦めて、真司は初代龍騎/榊原耕一の望みを選ぶことになります。このエンドは想像するしかありませんが、たぶん強烈な違和感を生じそうです。なにせTV本編での真司と蓮のイメージが既にありますし、この13RIDERSでもそういう仲になる素地が強く感じられますので。

 とはいえ、いかんせん前日譚。真司が何を選ぼうが、リセットされての第1話に突入するわけですね。この13RIDERSで、今観ているTV本編(第33・34話)の理解が情報的に深まると期待したんですが、そうはなりませんでした。しかし各キャラクターの印象がぐっと深まりまして、これ以降のTV本編への感情移入が自然に強くなりそうです。

 しかし情報的に面白いものはありまして、特に未登場ライダーですね。例えばディケイドミニコーナーでも言っていた、初の女性ライダー:ファムとか。本格参戦は劇場版「EPISODE FINAL」だそうですが、スーツがこの時期にあるということは、時間巻き戻しのマルチエンディングが既にきっちり構想されていた証しといえそう。

●牙狼-闇照編(第24話:照 Future)

 今話が終わる際の表示が最終回扱いでして「VOLCITY編」の「完」ですか。牙狼(鋼牙)1stも終わるときに「暗黒魔戒騎士編」と出てまして、そういう物語名だったのかと知りました(開始当時には想定されてなかった名前らしいですが)。公式名としてはそうだと知っても、やはり言い慣れた名前のほうがしっくりくる気がしますんで、この闇照編は闇照編と呼んでおくことにします。

 それはともかく、確かにきちんと事件は終わりました。若干、流牙と莉杏については余韻含みでして、それは次の前日譚で見せてもらえそうですね。

 本編事件のほうは、魔戒八卦の入念な準備、突入時の「ゼドム、人間をなめるな!」の宣言等の割には、あっさり退場してしまった感じのある符礼法師が、実は命と引き換えの半端ない策を施していたことが分かるわけですね。

 魔戒八卦はゼドムの弱点を突き、隠れ潜むゼドムを引きずり出すと共に、ゼドムの防御に穴をあけるものだったようです。ゼドムが符礼法師の命で鎮まることに同意するならそれでよし、そうでないなら命を奪えば魔戒八卦が発動される。しかし、それだけではゼドムを倒すことはできない。

 そこで魔戒チームにゼドムを倒せる装備を仕込んでたわけですね。ゼドムには遠距離砲撃があることから、盾があって砲に突入・破壊する必要がある。それができるのが猛竜/炎刃騎士ゼンに授けた義手でしたか。盾の機能があるため、皆を背後に守りつつ、ゼドムの砲に食らいついて破壊できる。

 それでゼドムに取りつくことが可能になりますが、固い防御(結界なのかメカなのか)を破る必要がある。その防御に穴をあけたのが魔戒八卦でして、その最後の発動のために符礼法師は魔導筆を残しており、莉杏に拾われることを期待、想定していたわけですね。

 莉杏が魔戒八卦を発動させると、その隙から血路を開くのが、哀空吏/天弓騎士ガイに符礼法師が授けた矢じりでしたか。連射、あるいは同時発射の能力を持つ哀空吏になんで矢じり1つだけと思ったんですが、ここ一番の一発用と符礼法師には分かっていたから、たった1つだけだったようです。この矢じりは血路を開くと同時に、防御結界内に隠れるゼドムを引きずり出す力もあったみたい。

 符礼法師は、猛竜と哀空吏には最高のアイテムを授け、守り育てた莉杏、自ら鍛えた流牙で難関を突破したことになりますな。それも自分(符礼法師)の命を託す形で。序盤ですと「なんで指揮官の符礼法師は、こんなギクシャクするチームを集めたのか」と思わないでもなかったですが、どうやらこのチームでないといけなかったみたいです。符礼法師が「生きた甲斐があった」と流牙に告げましたが、もしかするとチーム全員に向けた感慨であったのかもしれません。

 しかし、ゼドムはゼドムで狙っているものがありまして、未だ黄金騎士を依り代に完全復活する計画を進めてましたか(やはり魔導ホラーの尊士では器が不足らしい)。流牙を牙狼の鎧から引き離し、鎧はいったん封印する。魔戒チーム一丸で開いた血路から流牙が突入するのはゼドムを倒す好機ではありますが、ゼドムからすれば流牙を取り込めるチャンスでもあるわけですね。

 しかし、牙狼の鎧はもうゼドムが知っている黒ずんだ鎧ではない点がゼドムの失策だったみたいですね。猛竜/ゼンが解放した流牙の鎧の黄金の輝きに「なんだこの光は?」と戸惑ってます(その色の光が弱点なのかな?)。さらに炎刃騎士ゼン、天弓騎士ガイまで黄金の鎧となりまして、もはや勝負あった。

 闇照編の「闇を照らす者」は、このラストバトルでのゼノンの問いに答える流牙の「闇を照らす希望の光」~「この輝きで、未来を照らす」に現れるものだったんですね。単なるこの場の台詞、啖呵ではなく、例えば目の負傷からの母:波奏とのドラマなどで描きこまれたものがありますので、確かに流牙が実感しているものが表現されたと感じます。

 一方、ゼドムとのバトルが凄くて、描写されても影が薄い滔星(^^;。前話ではまだ金城グループ総帥の威厳を示そうとしている感じが無きにしも非ずでしたが、今話に至ってはもうダメダメ。SG-1隊員を撒き餌・目くらましにして逃れようとするも、陰我の匂いが強すぎて無駄。

 ゼドムの影響で膨大に発生した素体ホラーは、SG-1隊員に目もくれずに滔星を追いまして、寄ってたかって食らう。自分はこの時点で、滔星が食われて消えたと思ったんですが、どうやら最初に襲い掛かった素体ホラーが憑依したらしい。

 何食わぬ顔で、以前に隠れ蓑にしていたステーキハウスに戻ってますな。ホラーだとバレなければ、ボルシティ住民は全員、莉杏の術でホラー含む事件の記憶を失ってますんで、滔星も悪事の記憶がないと言い張れば大丈夫と思ったらしい。

 しかしそんな都合のいいことがあり得るはずもなく、魔導火で陰我ホラーであることがバレ、ザルバに「記憶を失ったのは人間だけ」と指摘され、莉杏に撃たれてあっけなく消滅。巨大・強大ホラー撃破の後、等身大のラスボスとの決戦は牙狼のフォーマットだと思うんですが、こんな情けない等身大ラスボスは後にも先にも、この滔星だけかも。

(それだけに、謎、用意周到、邪悪、恐ろしげな印象から、一気に単純なヘタレへ落ちてみせた、津田寛治さんの名演に感服します。これだけの演技力があるから、龍騎でも事件に絡まない割には大久保編集長に見入っちゃうんだろうなあ。)

 しかし、ラストは旅立つ流牙ということで、これは期待通りの牙狼フォーマットかな。鋼牙や零ですと「一人旅立つ」感じですが、流牙の場合は莉杏と共に、か。この時点では、哀空吏が気を利かせてくれたお陰ですけど(2人の雰囲気を察して、役目交代を申し出たに違いない)。おそらく、このラストが必然であるのは、次の「道 Beginning」で分かる仕掛けなんだろう。

●仮面ライダースーパー戦隊宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z

 出演ヒーローが極めて多く、自分が観た中で印象的に比肩できるのは「オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー」かなという気がします。「レッツゴー仮面ライダー」ですと、昭和ライダー1号・2号と平成のオーズらで敵との最終決戦を阻む要因を取り除いた後、V3参戦を皮切りに歴代ヒーローが垣根を超えて集まった感じ。

 この「スーパーヒーロー対戦Z」ですと、最終決戦に至るドラマで既にヒーロー数が多くなってまして、ヒーロー視聴・知識が浅い自分は頭がバグりそうになりました(^^;。そこはヒーロー数だけじゃなく、こちらでご指摘のある牙狼闇照も関連してくるから。鎧であり猛竜でありの、池田純矢さんですね。

 まだ自分的な混乱要素ありまして、正体が(シャリバンのラスボス)魔王サイコの一部であるサイコロンの喋り方でして、小型ロボで語尾に「コロン」と付け足してます。これはタツノコプロからの友情出演のように思えてしまいます。ヤッターマンのサイコロ型ロボット:オモッチャマですね。

 実際、かなり混乱しましたが、それでも曲がりなりにもドラマが追えて、楽しめもしたのは、1つにはここへ感想書きながらの視聴経験が溜まってきていることがあります。観たことがあって、覚えてもいるものが(例えば2年前視聴の「レッツゴー仮面ライダー」時から比べても)相当に増えてます。

 しかし、どうもそれだけじゃない。観客にとって未見のヒーローが多いせいでしょう、制作が各キャラクターをよく分かる工夫がしてあるようです。例えば(二代目)ギャバン/十文字撃ですと、長官(初代ギャバン/一条寺烈)から刑事資格はく奪を言い渡されたとき、陰で見ていたパートナーのシェリーが「『また』クビになってる」と言ってます。

 この「また」の一言があるお陰で、そういうことが繰り返しあったと分かる。すると十文字撃が頑固なまでの正義感を持ち、上と衝突してでも自分の正義を貫いているらしいと伝わってきます。そうなると、晴人/ウィザードに対する行動、言動に納得性が出ます。変身(蒸着)不能になっても、生身で敵に立ち向かうのも自然に見えます。

 闇鍋になりそうなほど多彩な面々を取り揃えながら(例えばファンタジー系のウィザードとメカニック系のゴーバスターとか)、きちんとまとまっているのは、「また」の一言みたいに、気が付きにくいところまで細心の注意を払って作ってあるからなんでしょうね。

 そう感じつつ観てたんですが、尺が90分超なのに1時間を待たずして歴代ヒーロー続々参戦になったのは、少々驚きました。「ここからはひたすらバトルで決着?」と思ったんです。さすがにそんな長時間暴れ続けるのは単調になりやしないかと心配になりました。

 が、やはり細心の注意を払って作ってありました。バトルは止めずに、ドラマも進行させる作りでした。例えば序盤でヨーコが助けたサイコロンが正体を現して魔王サイコ復活となり、しかしヨーコの危機にサイコロンがサイコから飛び出し、身を挺してヨーコを救うというドラマ回収があったりする。

 敵との攻防も複数段の構えになってますね。幻夢城復活を阻止すべく、地球もろともを覚悟の超次元砲のタイムリミットで緊迫感盛り上げ、ついに時間切れで砲撃→しかし3宇宙刑事が阻止→しかしそれこそ敵の狙い、とくるくると勝利条件が変転してます。そこへ、歴代ヒーローに支援され送り出された、本作のメインヒーローがそれぞれの個性を主張しつつ、クロスオーバーの一致協力で撃破と。

 なるほどと思える大団円でした。こういう作りも面白いもんですね。最後の最後に本作に登場しなかったキカイダーがちらっと映ったのは、主演の映画を作る予定なのを考慮したからかな。数多のヒーローの1人として劇中に登場させるより、最後に「次にご期待」という感じで印象付けたかったのかも。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/25 (Sun) 23:37:51

 メリー・クリスマス♪
 ってことで、年末ライダー映画を早速見て参りました。

 感想は年末から年始の休み期間にする予定ですが、TV本編につながりそうな謎ネタバレを一つ。

・TV本編では、ルール無視の強行がたたって、ゲームマスターを失格になったギロリさんですが、劇場版では「道長死亡後から、ギロリさん退場前の話」になっています。
 ギロリさんのDGPが、別のゲームマスター・コラスに乗っ取られて、「悪魔のライダーマラソン」と「ライダーバトルロワイアル」が開催され、ギーツの物語にリバイスと龍騎の面々が巻き込まれるのが大筋ですが、この映画ではギロリがギーツに味方して、「世界の戦乱化を目論むコラス」に、「私のDGPは世界を守るための物だ。それを破壊する者は許さん」と良い人っぷりを披露。

 で、ギーツに対しては、「それだけの才能を持ちながら、志が低いのでデザ神にふさわしくない」と理想主義的な選抜志向なんですな。
 まあ、世界の平和を守りたいという心意気は立派なんですが、TVでは一先ず退場、と。

 劇場版では、DGPを取り戻したものの、最後に「ギーツが強い理由=今とは異なる時代から来た異物だと判明した」と、プロデューサーに報告する場面で幕。

 以前、英寿は、景和に「自分は西暦元年からDGPに参加している」と言っていたけど(本気には受け取られていない)、
 DGPがリアル・ライダーショーという設定から考えて、ネット技術が発達した比較的近年から開催されたものと推測されます。
 英寿自身は、別の時代、もしくは別の時空から母親のミツメと共に(あるいは後を追って)DGPの世界に迷い込んで、それからずっと戦い続けていると考えると、
 ギロリは彼の背景を知らなかった(最近知った)と考えられます。

 また、映画の黒幕のコラスが、ギロリ以前に引退したゲームマスターという設定もあり、ギロリ以外のDGP運営は別の時代や別の世界に通じている可能性も十分考えられますし、
 少なくとも、英寿のバックボーンが今の時代とは別にあることが、人を化かす英寿以外の口から明かされたことが、大きな公開情報になったと思われ。

★ギーツ

 で、TVの方ですが、英寿の敗退→記憶喪失からの復帰→決勝ラスボス撃破→ギロリの裁定でデザ神決定戦という名のギーツ追い落としが敢行って感じが、先週分の放送でした。
 どうも、物語的に劇場版のエピソードを差し挟む余地はなさそうですが。「道長の死と英寿復帰→(劇場版)→キツネ狩り」と隙間にねじ込む流れですが、劇場版では英寿のことを「不敗のデザ神」と称されて、一時退場はなかったことになっているので、矛盾がいろいろ見えつつ。

 まあ、TVの展開では、今朝の放送分で、キツネ狩りに反発したタイクーンとナーゴが、ゲームマスターのギロリのルール違反をプロデューサーのニラムに告発して、
 今回のゲーム展開をノーゲームという形で仕切り直しに至るというオチ。

 ライダー同士の戦いという反則行為を推奨した点で、ギロリは劇場版のコラスと同じルール違反を犯した形ですが、
 また、再登場する可能性は十分にありますな。

 道長の怪物化(劇場版では、死んでいたものの「DGPに別GMのコラスが介入した際に一時復活」した)と、新年からの新展開を予告して、続く、と。

 ともあれ、キツネを化かすタヌキとネコという形で、対等の立ち位置に成長しての対GM共闘という「見たいものを見せてもらった」年内最終放送でした。

★鎌倉殿

 冒頭に、次作の家康への導入が描かれて、笑いました。

 さらに、次作で注目したいのは、以仁王で顔見せ出演したバイスこと木村昴氏が、家康家臣の槍半蔵こと渡辺守綱役でレギュラー的に出演すること。
 家康死後も尾張藩家老として重要な役割を果たし、徳川十六神将に数えられるとか。

 他には、本多忠勝がゴーカイブルーで、井伊直政がジオウのタイムジャッカー少年ウールだったり、特撮役者であれこれ探すのが楽しい時期。
 とりあえず、バイスが今回は喋る役ってことで、声優ならではの持ち味を堪能できるのはいいことだな、と。

 一方、鎌倉殿の最終話は、鶴丸こと平盛綱が泰時の川渡りを支援して、あわや討ち死にというシーンまで見せたものの、「八重さんの加護」がついていたお陰か、無事に生還。
 承久の乱は最初の10分ほどで解決し、その後の義時の死と、泰時への継承に至るエピソードがいろいろと。

 義時の死への流れは、妻のえが盛った毒が直接の原因で、その毒を入手したのが三浦義村。そして毒に対する薬が必要な場面で、姉の政子が義時が薬を飲めないようにしたことで、死を看取るという流れ。

 いろいろと重いラストですが、義時と三浦義村の親友コントが可笑しかったり、いろいろとメリハリがついてネタの多い最終回でした。

★牙狼闇照

 ボルシティ編完結。

 きれいにまとまった終わり方で、非常に後味が良かったな、と。

 前回で復活した牙狼の鎧の黄金を受けて、猛竜と哀空吏の3人の黄金騎士が並び立つ絵が一番好きですね。

 さて、後は符礼法師の過去編を見て、完結、と。

★13ライダー

 「バトルを止める」と「バトルを続ける」ですが、放送分が「バトルを続ける」だったみたいですね。

 自分が最初に見たのは、「止める」方だったのですが、この記憶違いがどうして生じたかを思い返すと、
 この作品、自分はリアルタイムで見損ねていたのでした。ええと、ビデオで録画を失敗していたんですね。

 で、後にDVDを購入して、先に見たのが「未放送の止める方」だった、と(続ける方は、他の人の感想でオチは分かっていたので)。
 そんなわけで、自分は「止める」→「続ける」の順番で見たために、「止める」が本放送で流れたものと勘違いしていた模様です。

 ともあれ、この作品の見どころは、浅倉の牢獄脱出の別バージョンだと思ったりもするのですが、
 ギーツ映画でも浅倉が大活躍で、バッファと対決して撃退しております。「まだまだ甘いな」と。

 浅倉の対戦相手が、死から生還したゾンビのバッファと、こちらも復活したバイスで、殺人鬼VSゾンビVS悪魔というモンスターバトル。
 「人の皮をかぶった悪魔はおっかな過ぎる」とバイスに言われる浅倉が面白い。

 とりあえず、今回はこれにて。

 年内書き込みは、あと1回ぐらい行う予定です。ではでは。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/26 (Mon) 21:29:23

定期感想その1です。

 その1、と書いてから「あれこれ最終回迎えちゃって、今年はこれで感想の書き納めだなあ」と思ったんですが、まあ「その1」にしておきます。TVのほうは録画予約で確認しても、年内は特にこれといったものは見つかりませんが、Youtubeの各公式はまだ何かやってくれるかもしれません。

●うる星やつら

 面堂了子登場ですな。何を考えているか読みにくい、黒幕的なキャラクターですね。登場頻度は時々程度ですが、出てきたら必ず何か起こることが期待できる。対比されるキャラクターがいるとすれば、水乃小路飛鳥でしょうか。極度の男性恐怖症ながら、兄と認識するとなつき、無自覚の剛力で騒動を起こしてくれるキャラクターですね。実の兄の水乃小路飛麿は面倒終太郎の幼いころからのライバルという設定で、あたるを含めての対比構図にもなってました。

 飛鳥は今期は未登場のようですが、了子は前後半使ってしっかり描いてくれた感じです。前半は牛車で5日間かけて弁当を届けるエピソードで、兄をからかっているのか、変人であるのか分かりにくい趣向。ともかくも、終太郎が全く勝てない相手であることだけは分かる。

 後半では、了子が(兄を始めとする)他人をイジリ、かつ変人でもあることが分かる仕掛けですね。ちょっと気が早い正月向けエピソードのリアル人間双六で、面倒家ゆえの了子の人となりということも分かる。あの面倒家にあっては、終太郎が常識人に見えるほどですね(^^;。

 OVAだったと記憶するんですが、了子がクリスマスパーティに皆(レギュラーキャラクター)を招待する話がありました。巨大ツリーによじ登って来いという趣向で、これも了子のわけのわからなさを物語る話。改めて調べると、OVA「了子の9月のお茶会」(85年)でして、しかし総集編+αでした。

 巨大クリスマスツリーの話は80年代版TV本編」第102話「面堂家サマークリスマス」かららしい。たぶん、その頃の自分はTVを見る余裕が充分にはなかったようです(特にゴールデンタイム)。かつ、まだ録画機を持ってない。「観たいんだけどなあ」と残念でした。第102話もたぶん見逃してて、レンタルビデオの総集編OVAで初めて内容を知ったようです。

 80年代うる星アニメは何年か後に再放送もあったんですが、やはり同様に観る余裕がなく(録画機は途中から所有できた)、しかし間欠的には観てました。が、初放映時のようには気分が乗らなかったのを覚えています。「サブカルって旬が短いのかなあ」と思った次第。

 そこが2022年版への不安になっていたんですけど、今のところは大丈夫ですね。原作コミック通りでいて、しかし今観ても面白がれるように作ってあるらしい。

●仮面ライダー龍騎(13RIDERS 未放映バージョン)

 NOVAさん、TV放映されたのが「バトルを続ける」だったとの訂正情報、ありがとうございます。最初「未放映」というのが先週のYotubeで未放映の意味と思ったんですが、コメンタリーではTV未放映と言い出して、自分はちょっと混乱。改めてウィキペディアを見直しても、「続ける/止める」が並列的に書いてあり、TV放映がどちらなのか記載がないことに気が付きました。

 ちょっと面白いのが、漫画版の記述でして、「バトルを続ける」だと絶望的な結果になるみたいですね。世界が荒廃して、自分(真司)が何者なのかも忘れるんだとかで。一方「バトルを止める」だと、真司は龍騎のまま、他のライダーを諭し、コアミラー破壊で完全にライダーバトルに終止符を打つという、希望の持てるラストらしい。

 今週の未放映バージョン本編ですと、「バトルを止める」ほうが続けるよりも陰鬱な展開でした。蓮の望みを断ち切る覚悟までして、コアミラー破壊でライダーバトルを終わらせたと思ったものの、実はそんなことはない。しばらく平和になっただけで、やがて鏡の中にはライダーやモンスターが現れ、真司にはカードデッキが戻って来る。

 コアミラーなど出先機関に過ぎず、戦いを起こす要因・黒幕は別にいて、13RIDERSにおける真司の努力や苦渋の決断など、徒労でしかなかったことが明らかになるわけですね。これは真司ならずとも絶望しかないと分かる仕掛け。そこで神崎士郎の言葉通り、リセットされて、第1話からやり直しとなっている、と考えたら、話の筋が通りそうな気がします。

 それにしても、主要ライダー役の3人のオーディオコメンタリーとは、なかなかに贅沢なことをしてくれまして嬉しい限り。それが実現したのも年末/クリスマス劇場版「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」に龍騎勢参戦ということで、宣伝もするからという、観ているこちらにも好都合な事情があったお陰ですな。
(「MOVIEバトルロワイヤル」とギーツ本編については、ギーツ感想で書いてみることにします。)

 ただ1つだけ、ずっとオーディオコメンタリーであるゆえの残念な点があるとすれば、真司が「バトルを止める」決断以降も、3人が映るコメントが続き、本編映像が上部に小さく出ていることでしょうか。真司がナイトとなってバイクで突っ込んでいくところから、そのままコアミラーを破壊し、最後に絶叫するところまでは、いったんコメントなしの全画面で見せて欲しかったかも。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第24話:脱獄へ・・・)

 第2期最終回ですけど、1月早々に第3期開始ですんで、続いているも同然ですね。いったんは見納め、という気がしないもんで、観ていて緩んでしまいまして、今話のどうでもいいことが、初見では最大の印象になってしまったり。徐倫が図書室で4コマ漫画を読み解けないシーンです。横に座っている囚人の顔が異様にデカく、そっちが気になって徐倫が何を理解できずにいるかとか、頭に入ってこない(^^;。

 もちろん録画を観なおし、ドラマ理解を試みるわけなんですけども、それでもよく分からなかった点もあり。最も分からなかったのが、敵手ミューミューを追うも、3つの記憶の限界で迷子同様となり、警備に追われた徐倫のシーン。スタンドの糸を出して逃れたようなんですが、何をどうやって警備員を目くらまししたのかよく分からず。

 たぶん、体全体をスタンドの糸とした、みたいに見えたんですけど、それだと伸ばせる糸(の長さ)に限界があるという、以前の描写と矛盾するし(徐倫本体を糸とする割合に限界があったはず)。この第6部ストーンオーシャンのバトルが分かりにくいという一部の評は間違いではないのかも。

 ともかく本編。前話でさあこのピンチをどうするか、という状況になった徐倫のはずですが、呑気にビデオ鑑賞してますね。たぶん、何かしなければというのを忘れてしまうんだろう。そのビデオすら理解できず、図書室で4コマ漫画読んでも理解できず。

 しかしスタンド糸のメモ「エンポリオに会え」は左手にあるだけに否が応でも見るわけで、ミューミューが絶望させるためにわざと残したメモ「新しく覚えられる物事は3つまでだと思え」がかえって徐倫を有効に動かす事態になってますな。
(左手のメモの漢字にフリガナがあるのは、やっぱり少年誌連載だったんだなと思えます。アニメでそこも再現するのは、原作へのリスペクトゆえかな。)

 前話では記憶3つ分に対し、1つ空きを作ると徐倫は言ってましたが、左手の平に「この左手をちらちら見る奴はぶん殴れ」旨書いてありますね。たぶん、「3つまで」と「エンポリオに会え」は頻繁に見る位置に書いてあるんで、その2つをいったん忘れても大丈夫という読みがあるんでしょう。

 ともかくも徐倫を警戒する敵手ミューミューは「左手をちらちら見る」わけで、自分のメモを信頼する徐倫は迷わずミューミューを攻撃、しかしミューミューはスタンド使いとバレても応戦せずに逃げる。1つにはミューミューのスタンドが格闘戦には弱いことがあるようですね。もう1つはもっと大きくて、徐倫が新たに3つ、何か見ればミューミューを忘れてしまうから。

 案の定、徐倫は追跡途中で区画番号「D-12」を見て、自分が誰を追っていたか忘れる。そこへ看守長でもあるミューミューが呼んだ警備員が到着、1人ごとに記憶上書きになるだけでなく、4人目からは見えもしないわけですか。このジョジョSOでの視覚の解釈は、目→一時記憶(海馬?)→脳での認識となっているようで、ミューミューは4人目からは目に入っても認識不能と勝ち誇ってますね。

 ともかくも、上述しましたが、自分にはちょっと理解できなかった方法で徐倫は脱出、なんとかエンポリオの隠し部屋へたどり着くと。直前まで緊張感高かっただけに、このシーンの最初はちょっと可笑しくて。徐倫、エンポリオの行動ループ原因となった感電をかろうじてかわしたはいいものの、エンポリオの顔を見ると何しに来たか失念。腕組みでぽかんとして天井見上げる徐倫の絵はかなり間抜けに見えてしまい、しばらく笑ってしまいました。

 しかし、そこへミューミューが追い付いて来まして、一気に緊迫。エンポリオが撃たれ、プリントアウトしなきゃと言っていた、看守長ミューミューの画像を映していたPCも流れ弾でで破壊される。これでエンポリオは敵が誰か思い出す術を失った、と自分は思ったんですが、どうやらまんまと作者の仕掛けたトリックに引っかかったようです。

 そこは後で種明かしされますが、ともかく今はミューミューの攻撃ですね。明らかに徐倫を仕留めに来てまして、銃を4発以上連射、3発しか視認できない徐倫は万事休す。と思ったんですが、感電の原因となったこぼれた水を鏡として使い、「鏡に映った像」を1つの記憶として、そこに映る多数の弾丸を認識し、なんとか徐倫は防ぎきる。
(偶然ですが、龍騎13RIDERSで浅倉がこぼした水を鏡代わりに変身するシーンと被りまして、より面白く感じます。)

 この反撃に驚いたミューミューはいったん逃走を図るも、徐倫はスタンドの糸で捕らえて追跡。しかし、いくらでも警備員を招集できる看守長ミューミューが依然として優位ですね。そこへエンポリオが起死回生の策を持って駆けつける。さっき徐倫に鼓舞されたことで、逃げ腰ばかりではいけないと覚悟しましたか。

 燃える展開、なんですけど、初見では何がどうなってるか理解しがたかった。観なおして整理してみますと、PCに映ったミューミューの画像は既に不要になっていたらしい。その画像を01の2進数で表した表を作る、さらにその表を作るための数式を、エンポリオは考案し、部屋にメモとして貼っておいたわけでしたか。これなら数式1つ分の記憶と、行動のための2つの記憶で敵に対処できるわけですね。
(それにしても、エンポリオは数学能力が極めて高いことになりまして、うらやましい限り。なんとしてでも大学の数学科に進学させたいものです ^^;。)

 さらにエンポリオの策は用意周到でして、01の並びを線で表す、つまり徐倫のスタンドの糸で「縫えば」ミューミューの顔画像となるよう細工してあったわけですね。これで警備員に紛れ込んで、3つの記憶制限によりいったん逃れたミューミューは徐倫に「誰かよく分からないが敵」と再認識され、スタンドでボコられて勝負あった。

 後は降参したミューミューにスタンド(ジェイル・ハウス・ロック)を警備員に使わせ、事実上の不可視となってゆうゆう離脱。それにしても顔をボコボコに腫らしたミューミュー、もしこれ以降に登場機会があったとしても、ギャグキャラ扱いでしょうか(^^;。

 それはともかく、徐倫とエンポリオはFFの仇討ちを誓ったエルメェスと合流、自分たちを不可視にできる看守長が言いなりですから、この後はウェザー・リポートにも声をかけ、皆で容易に脱獄したと考えてよさそう。ジェイル・ハウス・ロックはプッチ神父が用意した、最強の防壁だったようですが、要が突破されたらもう後がないという見本みたいな感じですね。

 一方、そのプッチ神父はもう監獄のことなど気にしていられない変化が表れている模様ですね。触れた人間の爪が急に伸びたり、パックの卵がヒナとして孵化したり(有精卵だった?)。どうやら生物の成長速度というより、時間を進める能力が、プッチ神父の意思とは無関係に発動してるみたい。

 似たような現象・能力は前作「黄金の風」の主人公ジョルノも持ってましたな。植物を一気に成長させたりしてました。が、ジョルノが生物に作用するのに対し、プッチ神父のは時間に作用するものらしい。

 そういう現象を引き起こしたのも、前作「黄金の風」では矢の作り手の「柱の男」(第2部)の遺産(特にスタンドに対して刺した矢)であるのに対し、このジョジョSOではDio(第1・3部)の遺産(知識と骨)であるわけですね。

 過去シリーズが因縁となって次へ影響するのが面白くなってきた気がしますが、この第6部で宇宙の歴史が一周してリセットされちゃうのかあ。ちょっともったいない気がしますが、波紋がスタンドに進化し、そのスタンドも「黄金の風」で再進化と、果てしなく強化されてきたんで、リセットは不可避だったかも。

 例えばジョジョSOの現状でも、もしジョルノの知るところとなれば、「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」の「全てなかったことになる」「永遠に真実に辿り着かない」が発動してしまうかもしれないわけで。無敵の矛と無敵の盾が出て来てしまった宇宙は破棄するしかないのかもしれません(^^;。

 感想は今回、いずれも短く書けると思って、最初に「書き納め」と言っちゃったんですが、どうも年末で各作品に力が入っているようです。つい長くなってしまいましたんで、ここで投稿します。ギーツと闇照編は水曜以降に感想書きます。

Re: 12月のスレッド(2022) - K.K

2022/12/28 (Wed) 14:45:41

定期感想その2です。

●仮面ライダーギーツ(第16話:謀略IR:キツネ狩り)

 劇場版の(特にTV本編に関わりそうな)情報、ありがとうございます。主人公:浮世英寿が「今とは異なる時代から来た異物」という点は、いずれTV本編で重要なポイントとしてドラマを動かしそうですね。

 一方、劇場版のギムリはTV本編の暴走ぶりを考えると、何とも奇妙な感じです。DGPを不正から守る意思が固かったのなら、前話~今話のギロリの無軌道ぶりはなんでだろうと。ギーツが「異物」であるとギロリにとって非常にマズいんかしらん。今話でギロリ退場ですが、戻って来るか、ツムリなどの回想で何か語られないと分からなさそうです。

 ともかく本編。今話は中盤の種明かしで序盤の意味が変わる、面白い作りですね。まず冒頭から表面的に見て理解できる筋立ては、ゲームマスター:ギロリの、何としてでも英寿の優勝阻止のごり押しで、ギーツ狙い撃ちの「キツネ狩り」ゲーム追加。

 これには景和や祢音が積極的になれないわけですね。特に景和は、英寿の願い「DGPスタッフになる」をギムリから示され、景和の願い「敗退ライダーを取り戻す」に比べ、くだらないと説得されても、納得しがたい模様。

 が、洗脳支配されたパンクジャック/ウィンをギーツ/英寿が撃破してしまったことで、流れが変わる。ライダーを救いたい(真司の立ち位置に近づきましたな)タイクーン/景和が態度一変、ギーツ/英寿に真っ向から突っ込んで行き、その隙をついてグレア/ギロリがギーツを葬らんとする。偶然(パンクジャック敗退等)をも利用したギロリの思惑通り。

 というところで、突如としてプロデューサのニラムが登場しまして、待ったをかける。そこから種明かしですね。プロデューサ:ニラムを動かしたのは、祢音でしたか。DGPスポンサーの1人である父:光聖を説き、ゲームマスター:ギロリの不正介入を訴えて、事態を動かしたわけですね。

 さらに不正が暴かれまして、ギーツが倒したように見えたパンクジャック/ウィンは、実際にはギムリが仕掛けた自爆装置によるものだったと。これを祢音が目撃したことで、光聖に働きかけたわけでしたか。そうなれば、タイクーン/景和もギムリに敵対することになりますね。つまり、ギロリが詐術まで用いてうまく事を運んでいるつもりが、実は英寿らが仕掛けたトラップのど真ん中に突っ込んでいたというわけでしたか。

 しかしゲームマスター:ギロリ/グレアは諦めず、なおも力尽くで横車押そうとするも、プロデューサー:ニラムが「君(ギロリ)の代わりはいくらでもいる」と突き放す。さらに指パッチンで変身解除&消滅。ニラムは「己のコントロールが効かなくなるとは。彼らとの接触が原因か」と呟いてまして、TV本編しか知らない自分ですと、「彼ら」は英寿らと思えます。が、教えて頂いた内容を考慮しますと、劇場版での登場人物が「彼ら」なのかなという気がします。

 仮面ライダーWEBを見てみますと、ニラムの言った通り、次話では新ゲームマスター:チラミが登場するみたいですね。名前からすると、ギロリほどにはゲームに介入しなさそうですが(^^;、「ギロリとは全く違うゲーム運営」との記載があり、少なくとも雰囲気は変わりそうな感じです。

 それはともかく、ギロリが英寿を敵視したり、最後に暴走までした理由は明かされず、ギロリの消滅と共にいろいろ隠されちゃった感じですね。しかし何だったんだろうと思う間もなく、次のDGPに英寿ら3名が優先招待され、そこでDGPが何かが明かされるわけですな。

 ジャマトの侵略にしちゃ、やり方が少々おかしいと思っていたら、オーディエンスに見せるためのゲーム:リアリティライダーショーでしたか。かなり多数の観客がいるみたいですね。その中でも重要人物らしいジーンなる観客が「見逃さないよ。君たちの生き様も。死に様も」と独り言してまして、今後のキーパーソンであるようです。

 しかし、まだ第16話ですし、今話で明かされた内容がDGPの全容ではないんでしょうね。金持ちの道楽にしちゃ、手がかかり過ぎてます。

 一方、ジャマト側のアルキメデル。なぜか前話で敗退した道長が遺体扱いで届けられてまして、手をなめてみて「貴重なサンプル」とか物騒なこと言ってますな。「ゾンビバックルを使い過ぎた効果か」とも言ってまして、バックルが使用者に慢性的な副作用(もしかすると主作用)があることが窺えます。ライダーはいずれジャマトになる、ということなのかも。もしそうなら怖いゲームですな、DGP。

 次回「乖離Ⅰ:ようこそ!新シーズンへ!」は、ゲームマスターも交代しての仕切り直しでしょうか。公式HPの予告文章には「ギーツの不敗神話も崩壊しかねない驚愕の新ルール」とあり、依然として英寿排除の方針は維持なのかも。

●牙狼-闇照編(第25話/最終回:道 Beginning)

 前話でラスボス含め、敵は全て掃討しちゃいましたし、前日譚ながらエピローグ的に余韻を楽しむ話だろうと思って観始めたんです。が、そんな生易しいもんじゃなくて、下手すると第1話から前話(24話)までの印象が、いい意味でひっくり返りかねないほどの傑作回でした。

 まず、流牙と莉杏の出会いが幼い頃にあったというのが、第1話以降の序盤の印象を変えてきますね。出会いと言っても、無人島で羅号のみ相手に修行中の流牙を符礼法師が見守るための水鏡(?)を通し、莉杏が一方的に見ただけですけども。それでも一目で親しみを覚えてまして、第1話からなんだかなれなれしいほどに流牙との距離を詰める莉杏に納得。

 さらに莉杏については、父親の形見となった髪飾りが信頼や自立を表しているらしいのが興味深い。そこが描けるベースとしては、符礼法師から突然に父の死を知らされても、少し泣いて立ち直る莉杏の描写がありますね。やはり魔戒の者として近親者が死ぬことは、知識や覚悟として幼少時からあったと。

 幼くても相当に精神が強いわけですが、家族への情も深いものがあり、それが形見の髪飾りの授受で表されているようです。まず符礼法師が莉杏に父の死を告げて、形見となった髪飾りを渡す。ところが、符礼法師が(悩み深いゆえ)年来の親友らしいオウマ法師と激しく揉めますと、莉杏は髪飾りを投げ捨てて逃げ去る。

 このシーンを最初、自分は「莉杏に不信が生じ、符礼法師から渡された髪飾りを「こんなもの要らない」と投げ捨てた」のかと思いました。おそらく符礼法師もそう思ったんじゃないかと思います。が、どうも「これ(髪飾り)を渡して「守る」と言った約束を思い出して」の意図があったんじゃなかろうかという気がします。

 符礼法師は抱える悩みの内容と強さゆえ、いったんは莉杏を閑岱(かんたい)に送り出そうとするわけですが、莉杏の様子を見て呼び戻すわけですね。そのとき、莉杏が髪飾りを符礼法師に手渡してます。たぶん、符礼法師を父親同然と認めて、髪飾りを「返した」のではないかと。そう見えたもんですから、上述の騒動時でも、捨てたんじゃなくて渡す気持ちがあったんじゃないかと感じた次第。

 しかし、符礼法師~閑岱の修行の後は、莉杏は髪飾りを離さないようになる。父親譲りの腕を持つ一人前の法師という自信なんでしょうな。翔編と比べて、この闇照編では少なくとも前半では莉杏は流牙に対し、ちょっとお姉さんっぽい態度があるような気がするんですが、一人前であるという自負があったからなのかも。しかしボルシティでは強敵相手に思うに任せず、流牙とは頼り頼られになっていくというわけでしょう。

 そういう主人公とヒロインだという納得性が、この最終回を観てみると、第1話からのドラマにより深く納得しました。でも、その印象変化よりデカいのが符礼法師でした。どうかすると「この闇照編の真の主人公って、符礼法師だったの?」と思い直しそうなほどです。

 それも最終盤の符礼法師の台詞「生きた甲斐があった」の一点での印象激変で、そう思いそうになります。符礼法師は万全でゼドムの儀式に臨んだにもかかわらず、莉杏の父の莉峽を目の前で殺され、流牙の母の波奏は拉致されてしまったわけですね。非常に強い、罪の意識とすらいえる自責の念にかられ、修行中の流牙には合わせる顔すらないと思い、符礼法師は自決を決意してしまう。そのため、莉杏もオウマ法師に頼んで閑岱へ送り出そうとしたわけですな。

 しかし、幼いころからの付き合いであるオウマ法師は黙って察するものがあったようで、なんとか符礼法師の自決を食い止める。が、符礼法師を本当に思いとどまらせたのは、波奏の歌を莉杏が自然に歌ったからのようですね。波奏の願い「人々を守るために輝きを失った牙狼の鎧を復活させたい」→「それを流牙に」を、符礼法師が引き継いだ瞬間と言えましょうか。

 それまでは生きていよう、という決意ですね。そこで、流牙の修行のうち「牙狼の剣を引き抜いて、我が物にする」が成るまでは、母:波奏の死を隠していた。話せば流牙が出て行ってしまうのが分かっていたから。しかし、牙狼の剣を振るう騎士となった流牙は、魔戒の指令には従う。そこで、牙狼の鎧を黄金に復活させられる魔導ホラーの集うボルシティに、符礼法師は流牙を呼び寄せた。

 ボルシティでの符礼法師の最初の態度は威圧とでもいうべきものでして、おそらく「憎まれ続けてもいい、波奏の願い『流牙に黄金の牙狼の鎧を』を為せさえすれば」という気持ちなんでしょう。魔導ホラーを倒すのは流牙には苦痛ですから、有無を言わせず従わせることが必要だったんでしょうね。

 しかし流牙は符礼法師が思っていたより聡く、真っ直ぐでもありまして、最終決戦のあの流牙の言葉に結実するわけですな。それに対する符礼法師の「生きた甲斐があった」。これが流牙の幼い頃に自決しかけて、しかし思い直して先延ばしにしたときからのものだったとは、第24話までは思いも寄らない話です。

 第24話時点でも強く感動するものがあったんですが、第25話を観終えてみると、その感動が深くなりました。このボルシティの最後の戦いに至るまでの符礼法師は凄いものを抱え続け、ついに望み以上に解決したんだなと。そのせいで、上述しましたが、もしかすると符礼法師が真の主人公なのかもという気がしたわけで。

 なんだか、こちらで予め教わった通りですね。1クールめはどうにも焦れたり、イライラしたりし、2クールめになると1クールめが溜めとなって惹きこまれるようになり、最後の最後で新たな感動がありました。

 ドラマは高く評価したいと思います。ただ1つ不服を申すとすれば、ホラーのデザインでしょうか。陰我・魔導ホラーとも、口がぱかっと開く以外はほぼ生身の人間のデザインでした。素体ホラーはともかく、独自デザインのホラーが少ない。牙狼シリーズで自分が好きなポイントはホラーのデザインでして、特に女性形ホラーの半生身状態のもの(メカニカル系も悪くないですが)。

 そういうホラーが少なかった点は、自分的に残念とは言えますが、しかし生身アクションを堪能させてもらうには、やはり本編登場のホラーのデザインが必要なのも分かる。ドラマ的には陰我・魔導ホラーの見分けがつきにくいことも必要だったんでしょうし。作品の狙いだと考えると、ホラーデザインにあまり文句を言ってはいけないんでしょうな。

 次からは流牙:翔編が引き続いて放映ですね。これは牙狼シリーズをあまり知らないうちに観て、感想も書いたんですが、今観なおしてみるといろいろ面白いかも。おそらく定期感想はしないと思いますが、「あ、これは」みたいなものが生じたら何か書くかもしれません。

Re: 12月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/12/30 (Fri) 11:03:51

 本年、最終書き込みです。
 今年も、多くの作品を鑑賞し、感想やら述懐やら雑文を適度に受け止めていただき、ありがとうございました。
 作品鑑賞を楽しめる助けになれていたら幸いです。

 こちらとしては、K.Kさんの真摯な作品の受け止め方、丁寧な鑑賞感想の文面に感じ入りながら、1年間の定例書き込みを楽しませていただきました。
 また、来年もお付き合いよろしくお願いします。

 年明け早々としましては、

★1月1日:You Tubeで、平成最後の年末ライダー映画『平成ジェネレーションズ Forever』が配信予定です。
 主役ライダーはビルドとジオウ。TVには登場しなかったアナザーライダー(電王、W、クウガ)が登場し、フィクションと現実の記憶の混濁を描きながら、仮面ライダーと平成時代の連環を思い起こさせる作品。
 一番のサプライズは、電王を演じた佐藤健氏が野上良太郎役として出演したこと。俳優として大ブレイクした氏が、古巣のライダー作品に帰って来た、ということで盛り上がったなあ、と。

★1月2日:闇照の後で、間を挟まずに続編の牙狼翔を見せてくれるなんて。成長した流牙と莉杏が、新たな敵ジンガと戦うストーリーですが、こちらは雨宮監督が直々に参加して(闇照は原案のみで、監督はアクション畑の横山誠さんによるもの)、元来の牙狼らしい王道回帰な作品。
 闇照が「牙狼の新たな可能性を開拓した新基軸、シリーズの革命児」とするなら、牙狼翔は「流牙編を鋼牙編と並び立つ二本柱として、雨宮監督自らお墨付きを与えた作品」。
 牙狼翔がなければ、闇照はただの異色作、実験作で浮いた存在になっていたでしょうが、「闇照→劇場版翔→TV版翔→魔戒烈伝→劇場版神ノ牙→TV版神ノ牙」と物語やキャラがつながって行く、と。

 一応、TV版翔の前日譚である劇場版との絡みで言うなら、「流牙と莉杏が新たな物語の舞台であるラインシティに到着し、そこを守護する少女姿の魔戒法師リュメ様の指揮下に入り、またケバブ屋の主人D・リンゴ(魔導具の知識が豊富なモグリの魔戒法師くずれ)の協力で、事件を解決して、流牙の鎧が輝きを増した新たな翔形態に進化した」までを理解していれば、OKですね。
 闇照の符礼法師の立ち位置が、リュメ様(上司)とD・リンゴ(日常の拠点主)に分割された形で、また治安維持部隊がいるサイバー風の近未来的なボルシティに比べて、ラインシティはより田舎風というかアジア的エスニックな猥雑な感じ。

 鋼牙編の背景世界観が和風なら、ボルシティが洋風で、ラインシティが中華あるいは中東オリエンタル風なイメージになりますか。
 リュメ様が中華で、D・リンゴが中東。
 で、闇照の登場人物が漢字表記なのに、翔の人物はカタカナ表記なのも、世界観の違いかな、と。

★闇照

 で、最終話感想ですが、符礼法師の人間性に深みが伴った回ですな。
 若者視点では、上から目線だけど頼れる指揮官って感じだったのが、実は「挫折して、自暴自棄になっていたのが、若者の純粋な輝きと強さに未来の希望を感じ、その成長とサポートに人生を捧げて礎になる道を選んだ一人の人間」としての側面が浮き彫りにされて、実に格好いいとなります。

 挫折から這い上がって、自分の使命はこれだと殉じる覚悟を決めた人間を格好良いと考えていますが、
 師匠キャラの主役エピソードは、若者の成長に託すまでの自身の苦闘や苦悩が描かれてこそ、説得力があるというか、こういう背景が感じられてこそ、「師匠から託された想いが弟子を強くする」って複層的なドラマが味わえるな、と。

★闇照のホラー

 このヴァリエーションの少なさは、理由が3つ考えられますね。

 1つ。雨宮監督が直接タッチしていないから。
 監督は絵描きで、デザイン担当で、ホラーの数々のデザインも描いています。
 その雨宮氏が深く関わっていない以上、毎回のホラーまで手が入れられないということになります。
 あと、雨宮監督以外で、ホラーのデザインに関わったイラストレイターとして、韮澤靖さんという方がいたのですが(剣、カブト、電王などのライダー怪人デザインも担当)、闇照には関わっていませんね。

 2つ。CG予算の都合。
 これは鎧戦の極端な少なさでもあるのですが、基本的に牙狼の戦闘って「ホラーが人間態からクリーチャーに変身した際に、魔戒騎士も対抗するために鎧装着」というフォーマットがあって(人間態ホラーに対して、先に鎧装着する演出は少ない)、
 本作では「騎士が未熟なために鎧の装着時間が短い」という理由づけもあり、生身アクションがメインの描写になりがち。で、鎧装着は基本、トドメの一撃に限られる必殺技扱いなために、それと対峙するホラーの変身態も「一瞬で倒される敵に手間をかけられない」という事情もあったのかな、と。

 3つ。生身アクションに重点を置いた。
 闇照最大の特徴は、デザイン畑の監督主体ではなくて、アクション畑の監督主体で物語が構築された、というのがあります。
 だから、「変身ヒーローVS怪物」という絵面に期待すると、これは違うとなるわけですが(特に前半)、逆に生身で非常に泥臭いアクションを見せていて、このCGに頼らない生身アクションの凄さが際立った作品ということになります(牙狼の生身アクションのレベルの高さは元々凄かったのですが、そこに派手な鎧のビジュアルや豪華な映像美があった。本作はビジュアル造形の美しさよりも、激しいアクション描写に特化している)。
 で、激しい人間アクションを描くのに、非人間なクリーチャースタイルって不向きなんですね。派手にCGを使うなら別ですが、どうも当時の横山監督のCG活用センスって、あまり高くはなさそう。

 最後のゼドムとの戦いにしても、キューブが飛んできて、武器に変化して、流牙たちは敵に近づくのもままならない描写って、横山さんの得意分野ではないですよ。
 その前の尊士との対決の方が明らかに見応えがありましたし。

 まあ、ゼドム戦は「近づくこともままならない敵の遠隔攻撃の雨を、仲間が協力して、流牙を先に進ませるか」というドラマ的見せ場が見どころなので、アクションの凄さはポイントじゃない。
 で、ラスボスのゼドムも、歴代ボスキャラに比べてビジュアル的な見どころが少ないし、CGもクリーチャーを魅せるのではなくて、クリーチャーの放つ変形する武器のギミック的面白さの方に集中している。

 CGとアクションの連携というのが、闇照ではまだ過渡期、実験期だったとも思います。
 それが牙狼翔になって、どう進化したか、改めて雨宮監督がビジュアル面での新生牙狼を魅せてくれたわけで。
 たぶん、闇照での不満は、牙狼翔で解消されるんじゃないかなあ、と思いつつ、久々に見た闇照の尖った演出や、人間ドラマの深みをじっくり味わえた気分です。

★うる星

 了子さんの登場編では、ハチャメチャドタバタコメディー要素が強くて、楽しめたな、と月並みな感想。

 コメディーの感想って難しいですね(苦笑)。
 或人でないとの社長が「ギャグを解説しないで〜」と訴えていましたが、ギャグの何が面白いかを伝えるのは難しいかな、と。

 ラブコメのフォーマットは、想いがうまく伝わらないで誤解したまま転がりまくるズレが楽しいと思っていますが、
 了子ちゃんの場合は、そういうフォーマットとも違いますし、ある意味、「ワガママな女王様気質の妹キャラ(姉ではなくて妹というのがポイント)が、周囲を振り回してイタズラ的に楽しむ」中で、振り回される側のそれぞれのリアクションも含めて、アトラクション的な見せ物と化している、と。

 ゲーム的に語るなら、「ゲームマスター了子が仕掛けたトラップダンジョンを、プレイヤーたちがキャーキャーギャーギャー言いながら、イベント解決する様」を、我々視聴者がリアリティショーとして楽しむ形式になりますか。

 ともあれ、正月イベントとして、弁天さまやおユキちゃんがゲスト出演して、にぎやかなだけで楽しめました。
 まあ、クリスマス期に正月話をやる若干のズレも、ネタ的に楽しめましたしね(冬場にプールとか海水浴回を見せられるより、感情移入しやすい)。

★ジョジョSO

 3つしか覚えてられないので、4コママンガが理解不能というネタが笑えました。
 まあ、真面目に考えるなら、4コマ目のオチを読むと、1コマ目を忘れるということなら、「承転結」だけでも、笑えると思うのですが。

 序盤を見逃して、途中からでもストーリーに入り込めるように。

 何にせよ、「記憶が抜けて、思い出せないからピンチ」というシチュエーションは、ホラーコメディー的に面白いですな。
 でも、現実では「あれ? 俺、何しようとしてたんだっけ?」が重なると、ストレスが溜まるし、周りで接する方も、イライラする。

 だから、大事なことはメモ書きするんだけど、「敵が3体より多いと認識できない」とか、3つ縛りで、いろいろとピンチな状況を演出して畳みかける物語演出。

 でも、まあ、3つしか覚えられないと、日常生活が大変だなあ、と。

 最近のヒーローはフォームチェンジも多いので、自分のフォームが3つしか覚えられずに、「あれ? この武器はどうやって使うんだっけ?」とか、
 そもそも、5人戦隊だと、仲間が認識できないとか。

ドンモモ「お供は……オニ、サル、キジ。あと誰だっけ?」
イヌ「俺を忘れるな」
ジロウ「ぼくのことも忘れないで下さいよ〜」
ソノイ「ドンモモタロウ。私のことを忘れるとは……」

 まあ、バトル抜きでも、いろいろとシチュエーションコメディーネタが思いつきますな。記憶の3つ縛りって。

 とりあえず、今年はこれぐらいで。

 ギーツ映画の感想は、年明けに回します。では、よいお年を♪

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