創作と鑑賞の談話室

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3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/01 (Fri) 00:04:16

 3月の雑談スレッドです。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/02 (Sat) 22:27:25

 定期感想その1です。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第8話 :閃(ひらめき))

 前話で迷宮の動く壁のトラップにかかった流牙と創磨ですが、そのまま壁が狭まる危機とかではなかったようです。単に閉じ込められただけらしい。とりあえず様子見するつもりなんでしょうか、そのお陰でちょっと余裕ができまして、会話の流れでゴドウの回想に。

 そのきっかけは前話でホラーを斬った流牙の表情にあるらしい。創磨にはホラーを斬ったときの父ゴドウと同じものを見たわけですね。創磨は単純にホラーなら斬るべしくらいにしか思ってないけど、父ゴドウは何か複雑な感情があるようで、流牙もそうらしいと。

 それならと、流牙がゴドウの言葉を伝える気になり、出会いから閃光剣舞習得までを語る。数年前のことらしいですが、流牙一人でゴドウと出会ってまして、莉杏とは既に別行動になっていたようですね(あそこで莉杏登場だとよかったのになあ ^^;)。

 闇を取り込む技だけにゴドウは伝授を渋ったものの、闇を纏った牙狼の鎧を流牙が見せることでOKとなる。見せた鎧は自分には判別できませんで、闇照編で黄金を取り戻す前の鎧だったのか、それとも翔編でのガロ闇だったのか(設定的には「闇の力を得たガロ翔」とされるガロ闇だと考えるとしっくり来る)。

 さすが闇を潜り抜けた流牙だけあって、閃光剣舞は会得。しかし対になる技「閃影剣舞」があるとのこと。たぶん流牙は未習得のままゴドウと別れてるんでしょうな。この先、たぶんその閃影剣舞が鍵となる展開があるんでしょう。閃光剣舞を使えなかった創磨が閃影剣舞なら会得できて、流牙の閃光剣舞との合わせ技で大物撃破とか。

 先の妄想はともかく(^^:、このときにゴドウの息子:創磨の話が出て、別れ際には託されるわけですね。嬉しそうに息子を愚痴るゴドウですが、流牙が水を向けますと、「俺にとって息子(創磨)はガロ(希望)なんだ」と。

 ホラーを斬るときの気持ちから「俺には足りないものがあるんだな」と自覚した創磨に、その言葉で何か伝わるものがあったんだろうか。ゴドウの真意を聞かされても、創磨は未だ閃光剣舞前段の闇に飲まれて父ゴドウに斬りかかったことが重くのしかかったままのようで、すんなり解決しそうにはないですね。

 もっとも自分も分かりかねる点がいろいろでして、ゴドウが「迷ったときには思い出せ」として述べた「全ての事象は始まりにある」はちょっと何のことやら。初心に帰れ、ではないんだろうし。今話では迷宮内から破滅ノ門への扉を開く鍵となってますが、流牙がどう推測して図形を選んで剣を突き立てたのかも分かりかねています。

 2人が話し込んでますとムツギ法師が壁を動かして救出に来る。一緒にいるコヨリの表情がちょっと変ですね。何か困惑するものがあるらしい。しかしともかくも破滅ノ門へ急ぐしかない。碑文やゴドウの言葉から何か分かったらしい流牙が門への通路を開く。

 が、ここでムツギ法師が魔導筆で何か小細工するわけですね。迷宮の突入した最初のときと同じく、転送トラップが発動して流牙とコヨリがどこかへ飛ばされる。最初のときもムツギ法師の術だったんだろうか。

 となるとムツギ法師は迷宮の操作方法を知っていることになり、壁を易々と動かして流牙を救出できたのも自作自演だからかも。どうやらムツギ法師は創磨と2人だけで破滅ノ門に向かいたかったようですね。迷宮を知るムツギ法師、破滅ノ門へ至るルートだけは分からず、そこを流牙に解決して欲しかったらしい。

 2人が進むと破滅ノ門が見えて来るわけですが、何かが取りつくように覆っている。白い虎みたいな感じでして、夜中の初見では何だか分かりませんでした。創磨が「父さん!」とショックを受ける何かでして、翌朝に録画を見直してみますと鎧を装着したゴドウの光斬騎士ザンゴに似ている。

 公式サイトなどで確認しますと、ゴドウが心滅獣身した姿である模様。そこで何があったか、ですな。次回「門(もん)」の予告ではムツギ法師の声で「あなたはホラーのいない世界を想像したことがあって?」と言ってまして、牙狼MSと同じく、ホラーを憎むあまりに闇に堕ちたということなんだろうか。

 ムツギ法師より気になるのがゴドウでして、おそらく破滅ノ門を鎧の時間切れ覚悟で封印しようとしてあの姿になっちゃったんだろうとは思います。が、それはムツギ法師に騙され利用されてなのか、それともゴドウ独自の判断でそのようにしたのか。

 ともかくも急にテンション上がりまして、残り4話が楽しみです。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/02 (Sat) 22:37:30

 3月初感想です。

★バスタード

 アビゲイル登場で、味方でDSをあしらえるキャラが(女性陣以外で)出て来たことを嬉しく思います。

 というか、サムライ連中が、メタ・リカーナの騎士団たち同様にザコモブキャラと化したせいで、OPにあるような集団戦の面白さが堪能できないわけで。

 サムライVS魔戦将軍の集団バトルになるかと思いきや、そういう楽しさを期待するだけ無駄だったな、と。

 アンスラサクスに支配されたカル=スを救うために、サムライと魔戦将軍の共闘劇になる前に、ちょこっと小競り合い程度の戦いがあるようですが、
 この流れだと、感じ入るものがあまりない茶番程度に終わりそうです。

 せめて、サムライの中に、戦力はそれほどでなくても、洞察力に秀でた者とか、何かの一芸を見せて欲しかったんですけどね。

 RPGの魅力に役割分担というのがあるのですが、バスタードの場合は、魔法使いのDSが無双し過ぎて、役割分担のバランスを崩してしまった弊害もあると思います。
 ヨーコさんも僧侶キャラなのに、もはや何の仕事もしていないし、ダイ大やゴブスレみたいなRPG原作アニメと比較すると、バスタードにはファンタジーRPGの要素はあっても、いわゆるゲームバランス的なパーティーの意味とかには重点が置かれておらず、
 定番RPGへのアンチテーゼをも狙っているのかなあ、とか。

 ともあれ、今の2期は、RPG要素からの脱却が見られて、だからと言って、ジョジョ的な能力バトルの頭脳戦が見られるでもなく、ただ勢いだけはあって、整合性……はどうなんだろう?
 例えば、バスタードはダークファンタジーの金字塔とも宣伝されていますが、当時は一世風靡したのも間違いないですが、じゃあ、作品が残して今に受け継がれている要素は何? となった時に、「元祖なろう系のオレサマ無双系主人公にして、優しさは持ってる偽悪風味の自己中悪漢主人公」という以外に、何が残るだろうか、と思ってます。

 DSがあまりに自己完結し過ぎて、それ以上の膨らまし方が難しい作品になったのかな、と思います。

 まあ、演出としては、呪文の名前に「漢字にカタカナルビ」というコミック表現は、後のTRPGにも受け継がれていたりするのですが、今期のアニメではそれを描いていないので、よけいに演出面での影響も伝わりにくい。

 ともあれ、パーティーバトルの魅力は、日本ではドラクエ3やファイナルファンタジー3のジョブチェンジなど、88年から90年代に定着して行った感じがありますので、
 89年スタートだったダイ大は、そういう要素をストーリーに積極的に取り込めたのに対して、1年早いバスタードは職業のモデルがウィザードリィとかの海外RPGが基準で、先見性はあっても、そこから掘り下げるまでには至らずに、途中からメガテンとかの要素を混ぜくり返して、作者の方でも収拾をつける気が喪失したのかな、と。

 何にせよ、自分個人としては、80年代後半から90年代レトロがマイブームの渦中でもあるので、作品を楽しんではいるのですけど、
 今、一般にウケるものとは思えないのは、やはり今の作品の方が、当時よりも日常的な設定が凝っていて、世界観構築が丁寧なので(その一因としては、コンピューターでオンラインゲームの丁寧な絵作り、マイクラなどで架空世界の構築が普通にできちゃう時代なので、勢いだけの嘘っぽい設定には、駄作のレッテルが貼られる)、
 仮に稚拙な世界設定しか作者が構築できないなら、主人公自ら、そこにツッコミを入れて、自己卑下してみせるぐらいの芸にするのが今風に思えますな。

「この世界は、自分がよくプレイしたあのゲームの設定そのものだ。だったら、よく知ってるので、確実に攻略できる」という異世界転移型の世界観熟知主人公を見かけがち。
 でも、まあ、自分がよく知ってるはずの世界なのに、少し違いがあるのを発見して、どうして、こういうことになってるんだ? ってサプライズとかミステリーで、物語の継続性を持たせる手法かな、と。

 最初はよくあるパターンに見せかけて、馴染みを持たせた上で、途中から予測外しを見せ始めると、読者にもサプライズになって、興味が喚起される。
 それを作者が狙って演出しようと思えば、「何が定番で、何が変化球か」というのを分かってないといけないわけで。

 その点、バスタードは定番がまだ固まる前の時期に、ごった煮料理を披露したものの、変化球ばかりで世界を構築しようとして、章が進むたびに、世界観をリセットするような展開になってしまい、世界観を構築しては崩し、構築しては崩し、という流れになったのかな。

★牙狼ハガネ

 世界観については、こちらが「黄金騎士を始めとする魔戒騎士の鎧と、術を使う法師と、倒すべきホラーという怪物」を基軸に、上手く作り上げていますな。

 これはジョジョもそうですけど、主人公の交代によって、世界観だけを継承できているのも大きいです。日本で最初に世界観を主人公交代で成し遂げたのは、ガンダムの宇宙世紀だと思うのですが(80年代から90年代にかけて)、
 ヤマトが古代進の物語から脱却できず、エヴァも碇シンジの物語から脱却できないのに対し、
 ガンダムはアムロとシャア以外の後継者もいっぱいいるし、ジョジョはジョースターの血統を基軸に、時代を越えて、また世界線を越えて物語を紡ぎ、牙狼も同様の発展を続けてきた形ですね。

 で、世界観がしっかり構築されると、キャラクターが変わっても、シリーズ物として認知されるわけですが、
 ハガネは新たな継承の物語として、流牙と創磨の関係性という視点で注目して見たら、今回、ゴドウ→流牙→創磨につながるラインがはっきり描かれて、テーマが見えた、と思ったら、サプライズ。

 え? ムツギ法師、あなたはやはり黒幕だったのですか!?
 先週、もう、その線はないな、と確信していたら、「フフフ。実はあなたの考えた通りだったのですよ。油断したな」と刀でバッサリ斬られたような気分です(苦笑)。

「やはり、お前が裏切り者だったのか。グフッ」と予想が的中していたことで、かえってダメージを負ったという状況。

 もう一週、ムツギ法師を疑い続けていたら、「よし、予想どおりだ」と素直に喜べていたのに。

 そんなわけで、前の回で、イグスさんが倒されたのも、ムツギ法師がホラーに餌を与えて、法師の術能力を敵に意図的に与えたから、という可能性が出て来ましたし、
 こうなると、どうしてムツギ法師が裏切ったのか(創磨を闇に誘うため? ゴドウが行方不明になったのも法師の仕業?)など、いろいろと謎が込み上げて来て、面白い。

 ある程度はストーリーを見切ったかな、と思われるタイミングで、想定しつつも、まさかと思いたくなる真実を明かされると、面白いですね。

 まあ、裏切りの法師は、流牙編では初めてだと思うので、どんなドラマに帰結するのか楽しみです。
 これでコヨリの運命もどうなることやら、と気にしつつ。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/04 (Mon) 21:36:53

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第25話:若きセンセイの過ち)

 OP前に前話ラストのアイアンガッチャードの続きで、敵プテラノドンマルガムを易々と撃破ですね。ただし禁術だけに致命的な欠陥ありまして、前話でも言及されてましたが、変身者への負担が強く、変身を長くは維持できない。

 敵側はまだドレッド/ミナト健在でして危うい状況ですが、前話では顔を映さなかった風雅が現れ、ミナトに対し「未来ある若者の希望を奪うのか?」と牽制しておいて撤退。一方、グリオン側にはケミーカードが揃って来ている模様。宝太郎側は局地的な防衛戦に負けなかっただけであるらしい。ガッチャードの要たるホッパー1も奪われたままですしね。

 が、風雅が現れたこと自体は宝太郎側の大きな進展でありますな。既に裏切者の烙印はグリオンによる記憶操作であることは判明してますが、りんねが会いたがっていた父親ですからね。それだけでなくアイアンガッチャードを短時間にせよ成功に導いた古代の術がありますし(グリオンが持ってない術?)、グリオンについての情報もいろいろ持っているはず。

 今話ではミナトの過去についての情報ですね。ミナトが誰かを殺害したという罪の意識があることは匂わされてましたが、今話でそれが錬金アカデミー後輩の錫屋大輝であることが明かされる。10年前のグリオン造反&記憶操作のときですな。当時、錫屋の指導教官が風雅で、ミナトの指導教官がグリオンであったらしい。なのでグリオン出現のときにスムーズにミナトが従う流れになってたわけですか。

 それはともかく、アカデミーを三姉妹が襲撃し、ミナトはグリオンに急報する。が、風雅からグリオンの企てを聞かされた錫屋がミナトのもとに駆け付ける。グリオンは風雅こそ裏切り者だと言う。が、ミナトは錫屋の言を信用し、グリオンの捕縛を試みる。このミナトの決断でグリオンが正体現すわけですな。

 グリオンはミナトの術を返す形で逆襲し(呪詛返しみたいなもの?)、まず(正体に真っ先に気付いた)錫屋を葬り、続いて一緒に駆け付けた学生を同士討ちさせて殺害。これがミナトがずっと苦しんできた罪の意識ということでしたか。どう見てもやったのはグリオンなんですが、自分(ミナト)の術を「若者の未来を奪う」形で返されたことに責任を感じてるのか。

 一部始終を見届けた鏡花によれば、グリオン出現以降のミナトの行動は、グリオンに宝太郎らが殺害されるのを恐れてのことらしい。そんな気持ちを抱く以上、ミナトはグリオンに太刀打ちできる力がないと分かってもいるんでしょうな。自分はミナトに何か秘策があって機会を待ってるのかと思ってましたが、違ってたようですorz。

 が、りんねらがミナトのように恐れるはずもなく、今は動けない宝太郎も諦める様子はないですね。強力な味方として風雅も加わってますしね。りんねらはミナト救出に向かいますが、そのミナトが迎撃に出張って来る。真意は『この先に行かせるとグリオンに始末されてしまう』でしょうな。

 双方変身してのバトルとなりますが、応援に駆け付けたクロトーをドレッド壱式/ミナトが排除する。クロトーは倒す気でいるからでしょうね、しかしミナトは「無事に」追い返したいわけで。そこへ宝太郎が無理を押して駆けつける。自分(宝太郎)が勝ったら、戻って来てくれ、というわけですね。

 ドレッドの仮面の下のミナトの苦悩、ジレンマが見えるような気がします(一瞬出た素顔は茫然という感じですが)。宝太郎に続き、りんねもスパナも説得にかかる。錆丸も自らの声で必死に呼びかける(最後はタブレットですけど ^^;)。トリは蓮華ですな。しかし最大の説得はアイアンガッチャードの禁術ゆえの欠陥にあったらしい。限界が来てもミナトを救うべく頑張る宝太郎ですね。

 しかしバトルは痛み分けという感じで、ドレッドドライバーを放棄したミナトは去り、クロトーはドライバーを持ち帰る。報告を受けたグリオンは「10年前より凶悪なケミストリーを」と高笑い、ラケシスにミナトの処分を命じる。ミナトはついに糸の切れた凧になってしまいましたな。ラケシスも三姉妹では浮いた存在になりつつあり、2人がどうするか見ものな気がします。

 それにしても盛り上げて来るなあと思ったら、次回「悪意をハバム、漆黒の風」では予告の後のテロップに「グリオンの企みは最終段階へ」と出てました。どうやらグリオンは前半のラスボスということみたいですね。

 だからグリオン絡みのクライマックスがこの中盤で発生するんでしょう。となると、次のラスボスが出て来ることになりそうですな。もう1つ気になるのは風雅でして、公式サイトの予告文章を見る限り、次で危ういこと(大活躍するも退場、とか)になりそう。

 風雅はガッチャードデイブレイク(未来の宝太郎)以上に強力な味方ですから、ドラマ展開的にはレギュラー化するのは時期尚早なのかも。もっともデイブレイク同様、退場するとしても死亡ではないんでしょう。そのうちデイブレイク引き連れてピンチを救いに来るとかあったら面白そうです。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第1話:届け屋のハンドル)

 とりあえず様子見です。まだ第1話ですが作風は前作キングオージャーと打って変わって明るく軽くといったところでしょうか。「届け屋」稼業をしていて敵に遭遇していく、1話完結性の高い物語みたいですね。

 まず「届け屋」の範道大也/ブンレッドと情報屋の鳴田射士郎/ブンブルーがコンビを組んでの仕事で、今話は「結婚を強制されそうな花嫁を奪って空港まで」というもの。そこに敵の大宇宙侵略大走力団ハシリヤン偶然絡んでくる。

 が、バトルに届けるべき花嫁たる志布戸未来が加わり、結局は依頼主を蹴ってブンピンクとして加わることに。これでとりあえず3人の戦隊ですな。残る2人の阿久瀬錠/ブンブラックと振騎玄蕃/ブンオレンジはいつ頃参加となるんだろう。

 ちょっとネガティブな意味で気になったのは巨大戦の決着です。敵をケーキ型の檻に閉じ込めておいての一刀両断でして、自分の考えるヒーロー像とはちょっと乖離があります。が、作風をコミカルに振るなら大丈夫だとも感じます。

 まだ第1話で作風とか掴み切れてませんので、とりあえず次回に期待。第3話くらいになると、たぶんだいたい分かると思います。自分の作風の捉え方が下手なのは、例えばジオウのマンホールヒロインでも痛感してまして、後編でマンホールの蓋引きずって現れるまでは、シリアスかコミカルか判断つきかねてました(^^;。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/05 (Tue) 10:03:43

 ニチアサ感想です。

★ガッチャード

 この番組は最初、1話完結の軽妙なストーリーでした。
 が、1クールめの終わり辺り(11月から年末年始)に入ると、前後編とか連続ストーリーの流れになって来ましたね。
 1話完結と、前後編の違いは、その回で登場する怪人(ゲストマルガム)を撃退できるかどうかが一つの目安になりますが(制作事情的には、脚本家や監督ローテーションで見抜くこともできます)、
 前回と今回は前後編かと思って見たけど、話は解決せずに次につながる連続ストーリーからのクール末連続ストーリーの様相を呈して来たな、と。

 一応、次回が26話ですが、今のエピソードは3月いっぱいで、28話まで続くかな。
 あるいは、27話でグリオン編が完結して(次回で終わるとは思ってない)、春休みはもっと軽い話とか総集編+新年度の展開への仕込みにつながるかもしれない。

 ともあれ、第2クールはグリオン暗躍編とでも名付けましょうか。
 4月以降はどんな展開になるかは現時点で未知数ですが、一つだけ確かなのは、アイアンガッチャードが3月のみの寿命で、4月以降はプラチナガッチャードなるものが用意されているとか。

 こうなると、最終形態は、錬金術らしくゴールデンガッチャードかなあ、と思いますが、それよりもマジェードとか、ヴァルバラドの賞味期限をもっと伸ばしてくれないかな、と考えるミナト先生説得エピソードです。

 次回は、アトロポスが変身で、ドレッドの賞味期限はまだまだ長そうですが、それに対して、九堂風雅が変身? 名称は、仮面ライダーウインド(?)という不確定情報を聞きましたが、
 本作のライダーは末尾がドで終わるという法則がある模様。

 あと、スピンオフで登場した仮面ライダーレジェンド(金色のディケイドっぽいデザイン)が、4月のTVにも登場するという噂がありまして、すると4月以降の展開は別次元に向かう異世界バトルに拡張するのかなあ。

 ケミーを全部集めて、破滅の門を開くとか物騒なことを言ってるグリオンさんですが、その破滅の門から異世界の怪物が招来して、それを迎え討つ話になる?

 すると、ミナト先生の個人的な問題が非常に小さく思えるわけで、次回に解決するのかな。
 というか、グリオンに乗っ取られた錬金連合とかの幹部が登場しませんな。腐敗した組織とか言ってますけど、もう全てはグリオンのせいで片付けられるのか、それともグリオンを陰で操る、さらなる黒幕がいるのか。

 グリオンなぞ、我ら四天王の一番ザコにしか過ぎんとか言われて、あっさり退場。で、グリオンを失った3姉妹が新たな生き方を模索しながら、
 ミナトに従うラケシスと、りんねに懐くアトロポスと……クロトーだけは仲間になる道筋が見えんな。

 ……と、いろいろ噂話から今後のストーリー予想やら妄想やらを書きつづりましたが、
 現状はあれこれ、混迷状態です。

 まあ、3月は例年そうで、そこから一度、整理収束されて、陣営シャッフル(敵キャラが味方になりつつ、時には離脱する味方も出て来たり)が行われる時期かな、と。
 とりあえず、説明おじさんになってくれることを期待する九堂風雅が、事態をすっきりさせてくれたらいいなあ。
 何だか、この人がかえって事態を混迷させる気もして。

★ブンブンジャー

 とりあえず、簡単なキャラ紹介

・赤:金持ちで、届け屋のオーナー経営者にしてリーダー。1話を見た感じでは、ギーツの浮世英寿から嘘つき要素を引いて、ストレートなオレ様自己中街道まっしぐらに見える。
 とりあえず、気に入った人間を、ブンブンジャーにスカウトして、変身アイテムを渡す権限も持っている。

・青:情報屋とかスパイで、1話の前に赤にスカウトされたクールなサポーター。届け屋仕事の後方オペレーションを担当して、道路事情とかをナビしている。
 ノリと勢いで突っ走る赤にスカウトされて惚れ込んだのか、苦労人ポジションをコツコツこなしているように見える。

・桃:ゲストヒロイン……と当初は思われたら、事件に巻き込まれて、いつの間にか自分で神輿をかつぎ始めた? 龍騎の城戸真司みたいなポジションで、お調子者っぽいムードメーカー紅一点。
 自分でハンドルを握れ、と言われて、今後は届け屋のメイン運転手に抜擢される模様。赤はオーナーで指揮する立場なので、自分でも運転するけど、運転テクニックは桃の方が上って設定かな。

 最近はウルトラ防衛チームで、女性が戦闘機やロボのメインパイロットになるケースもしばしば見られ(男性はメカニックとか、戦術および怪獣知識で後方サポートが多くなった)、
 戦隊の方も日常業務のメインドライバーがピンクってのは、今作が初めてになるのかな。
 まあ、赤がリーダーとしてふんぞり返って、ドラマやメンバーの実質主人公はヒロインのオニシスターという作品も2年前にあったし、前作も女性の発言力が大きくて、
 女性のチーム内でのポジションの歴史を語る上で、面白いんですけどね。

 とりあえず、社長が赤で、メイン運転手にして新人の桃が参入が1話で、青は「お前の参加を認めない」とツンな先輩風を吹かしながら、たぶん次回の終わりには、あっさりデレてそう。

・黒:刑事さんで、パワフルなコミカルキャラ。昔のキレンジャータイプと思われ。前作では、カグラギ殿から嘘つき要素を引いた感じかな。
 1話では、ウエディングドレスの被害にあって、いきなりコミカル要素を発動。
 たぶん、届け屋の交通違反を取り締まるか、ハシリヤンを逮捕しようとして、アグレッシブな猪突猛進ぶりを披露すると思われ。
 ブンブンジャーになっても、警官を続けるのか否かが気になる。大抵は、元警官になるんだけど(警察戦隊ではない限り)。

・オレンジ:届け屋のサポートをする裏のアイテム調達係(チンピラヤンキー風味)
 裏稼業の住人というポジションが、青とオレンジだけど、性格は真逆っぽい。真面目な青に対して、チャラいオレンジなので、メンバー加入の際にトラブルが発生しそう。
 その意味で、警官とスパイ、警官とチンピラ、価値観の違いで人間関係のドラマが面白くなりそう。

 1話見た感想としては、軽いノリと勢いで突っ走る疾走感が楽しいんだけど、こういうカーチェイス的な回はどこまで予算が続くかなあ、って気になりますね。
 CGの多用で、通常の道路での撮影が減ってくると、ああ、撮影が難儀になって来たんだなあ、と思ったり。

 敵については、現場監督の3バカが作品の雰囲気を明るくしてくれますな。暴走族かと思われたら、交通ルールはしっかり守ろうとしていたり、性格的に悪い奴ではないんだけど、
 地球には資源回収のためにやって来た、と。その資源が、人々に悲鳴をあげさせて、その精神エネルギーを醸成したギャーソリンという設定で、悲鳴は上げさせるけど、殺すことは目的ではない。
 殺してしまうと、資源にならないので、悲鳴もあげられないくらい弱らせるのも禁物。

 で、現場監督ってことは、さらなる上司がいて、そいつらが出てくるとシリアスな方向性に化けるのかな。
 まあ、上司がさらに変な奴で……という可能性もあるけど。

 現状の3バカは、人々に悲鳴を上げさせて資源回収が行動目的で、それ以外にはノリと勢いで突っ走るという意味で、ブンブンジャーと同じ方向性の爆上敵キャラですな。

 1話のノリは、往年のチキチキマシン猛レースとか、近年だとマリオカートみたいなゲームノリ?
 とりあえずは、メンバー集結と、キャラの人間関係のドタバタから生じる絆ドラマを楽しめそう。
 それと、カーチェイスがいつまで描写されるかを気にしつつ。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/06 (Wed) 21:57:15

 定期感想その3です。

●BASTARD II(第36話:聖戦Ⅱ)

 DS vs カル=スの一騎打ちに持って行ったと思ったら、ほぼ即座にクライマックスから解決まで行っちゃいましたな。その一連は感動できると評価したいところですが、今までののらりくらりな展開を考えますと、ちょっと複雑な気持ちです。

 こういう面白い展開を見せられるんなら、もうちょっと尺を割いてもよかったんじゃないかと。前話の感想で(このエピソード連載時は隠し)設定だった「カル=スはDSの実子」をちょっと匂わせたりもできそうですし。そうなれば、最後のカル=スの決断もさらに深い意味を感じられそう。

 その一方、一気に持って行ったからこそ感動できたのかもしれないとも思います。どうなるかをあれこれ予想する暇を与えずに見せたからこそ、最後のカル=スの決断にあっと驚くことができ(この展開は原作にあったはずですが、覚えてませんでした ^^;)、それを追いかけるように意味を考えることができます。

 どっちがいいんだろうなあ、と判断がつきかねる次第。ともかくも見せてもらったもので納得するしかありませんな。

 ともかく本編。ようやく待ちに待ったバトルらしいバトルでして、魔戦将軍 vs 侍の集団戦ですね。自分は前話で勘違いしてまして、バ・ソリーから連絡受けたマカパインはKCGに急行して合流したと思ってました。が、実際には2人が向かったのはカル=ス居城でして、そこで冷凍魔法食らったシェラを救出する流れでしたか。

 集団戦のほうの肝は魔戦将軍ジオンと侍シェンの兄弟対決がメインとなりそうな雰囲気ですな。妻を兄ジオンに殺害されたシェンの復讐劇であるわけですが、確か複雑な事情があったような。と思って調べ直すと、シェンの妻はジオンの元カノだったらしい。次話くらいからいきさつを明らかにしていくんだろうか。

 魔戦将軍は侍に任せてDSはカル=スへのリターンマッチに向かうわけですが、アビゲイルにカル=スを元に戻す(アンスラサクスから解放する)方法を尋ねているのがミソですな。アビゲイルは不可能と断言し、DSは「そうか」~「ちょっと行ってくるわ」とのみ。DSにも分からないこと、できないことがあり、カル=スを倒すしかないと覚悟を決めたように感じられます。こういう演出は、普段の度が過ぎるおふざけがあってこそかもしれない。

 DSはカル=スがシーラ姫が持つ封印を解く寸前に駆け付け、ぎりぎりでシーラを救いつつ一騎打ちに入った格好ですな。対決はアビゲイル解説によれば、低温は絶対零度までだが高温は上限がないからDSが勝つはず、という流れですね。

 そこは連載を追って行ったときに印象付けられて記憶に残ってます。が、感心したんじゃなくて「そうなの?」という疑問のせいです(^^;。いろいろ理由はありまして、例えば「絶対零度も一種の無限みたいなもののはずだけど」とかです(詳細は割愛)。あるいは「温度より熱量じゃない?」とか(例えば核融合爆発で数千万度を作っても、海を沸騰させらたりはしない)。

 しかし、分かりやすさ重視なんでしょうな。理屈に拘っても分かりにくかったら面白くなりようがなく、単純化してでも勝利条件をはっきりさせるほうがいいに決まってます。原作者も割り切っての温度指標のみでの運びなんでしょう。

 しかもその勝利条件(温度限界の有無)が肝と見せておいて、魔法で勝てないならとカル=スが氷の魔剣(アイス・ファルシオン)で勝負を決めに行った、と思ったら自決するところが本当の肝でした。

 ここは前期での、DSがネイを呪いから救うべく自らの心臓をえぐり出したところと比肩できるシーンでしょうか。情が呪縛に勝っちゃうという、自分的にはツボの運びです。

 何とか解決、と思ったら特殊ED後のCパートでシーラの封印が解かれて、おそらくアンスラサクス復活。これ、なんでだっけか。忘れてしまいましたが、ガラもネイも近くまで来て魔戦将軍抑えてましたし、カル=スも助かるはず。

 まあ、何とかなるんだろう。でも、その後はアンスラサクスに勝ちながらもDSは八つ裂きとなり、カオスな(^^;)天使編に突入するわけで。この2期はどこまで描くのかな。

●仮面ライダー響鬼(第7話:息吹く鬼、第8話:叫ぶ風)

 メインストーリーとしては、相変わらず何をしたいかよく分からない童子・姫が、やはり目的不明の魔化魍を育てて放とうとし、音劇戦士が阻止していくというもの。今回は「奥久慈のイッタンモメン」とのことですが、どう見ても反物生地ではなく、海にいるエイにしか見えません。

 サブストーリーとしては明日夢の高校入学、それをヒビキに知らせようと出かけたら、イブキの弟子の天美あきらと出会うというものですね。最初は部外者の明日夢をあきらは随行する資格なしと邪険にするも(電車で席を譲らなかったことも影響?)、そう言われても気遣って来る明日夢を認めるというもの。

 何も知らないで関わっている明日夢が徐々に知るという形で、設定が明かされて行ってる感じですね。今回は音劇戦士(鬼)が所属するのが「猛士」なる組織であると説明されてましたな。

 前週のエピソードでは魔化魍に対する鬼の相性がありそうなことを言ってましたが、今週分では実際のバトルで、その一部を見せてくれた感じです。魔化魍イッタンモメンは(成体)では飛行能力があるため、イブキ/威吹鬼が派遣されたわけですか。

 確かに「管」は対空/遠距離攻撃の能力でしたな。ヒビキ/響鬼が前週のバケガニに苦戦したのは、「太鼓」の接近戦タイプであるかららしい(ウィキペディアなどによるとオールラウンドらしいですが)。未登場の轟鬼の「弦」は電撃系みたいですね。だから(電気を通しやすいし、硬さ無効ゆえ)海中の敵に向くのかな。

 敵側については依然として不明。何をしているかすら曖昧でして、例えば「人間の体液を搾り取る」というのが何なのか。血ではないようですし、何を搾ったのか。何となく「魔化魍イッタンモメンを育てる貢物」くらいにしか理解できない。

 そのため「イッタンモメンがいつ高脅威の成体となるのか?」みたいな敵側勝利条件も見えず、何となく現れて、何となく討伐されたような雰囲気になってるようです。もっとも、魔化魍や童子・姫はここまでずっとそんな感じではあるわけですが。

 その一方、サブストーリーの明日夢とあきらの出会いはちょっと面白いかも。既に明日夢に対する潜在的なヒロイン候補としては同級生(同じ高校に受かった模様)のひとみがいますね。ひとみは鬼や魔化魍と無縁な一般人の立ち位置。あきらはイブキの弟子ですから、積極的に敵に関わっていく立ち位置。

 明日夢としては、鬼になる方向にあきら、ならない方向にひとみがいることになりそうです。そういうドラマがあるかどうかも、ちょっと気にしながら観ておこうと思います。

 余談ですが、あきらはディケイドで観たときとずいぶん雰囲気が違うような。と思って、放映年代と役者さんの年齢を確認してみますと、響鬼時に16歳でディケイド時は20歳ですか。4年の差がはっきり見て取れる年齢だったようですね。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/08 (Fri) 11:23:15

★バスタード

 魔戦将軍VSサムライの集団戦に突入……と思ったら、DS対カル=スの決戦に話を持って行かれた形ですね。

 それぞれの因縁だけ触れておきながら、主人の決闘が優先して、一時休戦しての観戦モードに入りました。
 脇キャラの因縁を膨らませて、話を長引かせつつ、物語のヴァリエーションを広げる手法もあるのですが(ジャンプの人気マンガでは、そういうのが多い)、本作ではそういう手法を良しとしないというか、まあ、魔戦将軍についてコツコツ築いてきた伏線や因縁を満足に消化しないままに、思わせぶりなことを散りばめるだけで流してしまう形ですね。

 少なくとも、兄ジオンとシェンの因縁の対決は、今期のエピソードでは解決しない模様。

 とりあえず、DSがいると、他のキャラにスポットを当てることが困難なので、またDSを一時退場させて、DSが復活するまでの時間稼ぎに脇キャラのエピソードを語ったり、まとめて退場させたりする流れのようですが、今期ではそこまで話が進まない模様。

 DSたちがカル=スを救うけど、復活したアンスラサクスがまたカタストロフィを起こして、盤面をまたリセットして、次の部に進む。
 ある意味、アメリカの連続ドラマみたいな作風で、シーズン最後に「衝撃のエンディングで、来シーズンに引っ張る」を繰り返しているようなストーリー構成。
 一つの部をハッピーエンドで締めくくり、そこから一度、日常に回帰してから、改めて次の部を新たに立ち上げる形にはならないのが本作ですね。

 で、今やってる「地獄の鎮魂歌編」は途中で連載中断を挟み、週刊から季刊の増刊号に掲載誌を移しながらも、最後まで漕ぎ着けた。
 問題は、次の「罪と罰編」で、終わらずに中断したまま、次の「背徳の掟編」(今の決戦から4年後の物語)に話を切り替えたのか。

 で、96年に中断された「罪と罰編」が、2009年に「魔力の刻印編」として続きが再開した……と思いきや、翌年でまた中断して、今に至る、と。

 97年から始まった「背徳の掟編」は、2008年まで何度か中断を挟みながらの不定期連載で、一応終わらせたみたいで、その後に「罪と罰編」とのミッシングリンクを埋めようとしたみたいですね。

 で、アニメで、この「罪と罰編」の中途半端な状態をどう埋めるかが、今後の注目点になるのかな。
 未完のままの「罪と罰編」をアニメオリジナルで埋めながら(当然、原作者の許諾を得ながら)、「背徳の掟編」につなげるのか、ファンだったら気になるところかもしれません。
 まあ、自分はこの辺りの原作ファンじゃないですし、Wikipediaであらすじ読んでるだけで、話がぐだぐだになってるな、と感じるので、どちらでもいいと思ってますけど、脚本家の黒田洋介さんの構成力には信頼を寄せていますので、続きがあるなら追っかけるのもいいかな、と。

 どちらかと言えば、DSよりもガラとかネイとかアビゲイルとか、脇を固めるキャラのシーンを楽しんでいますね。
 今はキャラが(ようやく)集結して、最後のクライマックスの盛り上がりをを期待してはいるのですけど、
 原作どおり、アンスラサクスが復活して世界はどうなる? でクリフハンガー的に続くのかな、と。

★牙狼ハガネ

 今回は、ムツギ法師がなぜ闇堕ちしたかの背景が描かれました。

 ホラーから人を守っても、人の中の悪しき陰我は絶えることなく、助けた人が凄惨な殺人を犯す事件に接して、「魔戒騎士や法師は、ホラーから人を守るけれど、悪人を裁くことは禁じられている」ことに不満を持っていた、と。
 以前に、コヨリが懸念していた悩みを、もっと深いレベルでムツギ法師が抱えていたわけですね。

 そして、ホラーの誘惑者が、その悩みに付け込んで、「破滅の門を開くように、ムツギ法師を誘惑した」と。
 法師は「破滅の門を開いて、陰我を抱えた人間をホラーを誘き寄せる餌にして、ホラー化させてまとめて倒す」形なら、この世からホラーがいなくなって、陰我も浄化されて平和な世界になる、という理屈で自分を正当化して、門を開こうとする。

 それを止めようとしたゴドウが、門の邪気を自らの鎧で受け止めて、心滅獣身した姿で門を封じ続けている。
 それを息子の創磨に開放させるのが、今回のムツギ法師の計画みたいですね。

 創磨に、ゴドウの鎧の継承者になるよう唆して、ゴドウのできなかった世界平和の偉業を実現させて、父親に認められる男になれ、と誘惑の言葉を述べながら、闇の気を注ぎ込む。
 で、誘惑者の声も聞きながら、創磨が門を封じる父の鎧を開放しようとするところで、
 流牙とコヨリが駆けつける。

 果たして、創磨は自分を取り戻すことができるか? という次回予告で続いた、と。

 うまく構成された、いい話だと思います。
 ムツギ法師は、自分で良かれと思って行動しているつもりが、ホラーに完全に操られた状態で、すでに憑依されてホラー化しているとまで思われますな。
 すると、ほぼラスボス確定なんでしょうが、もしかすると、彼女を操っている大ボスが最後に控えている可能性もありますな。

 とにかく、次回は闇堕ちしかけている創磨が、覚醒して、父の鎧ではなくハガネを大切にしたら、ハガネがパワーアップして創磨覚醒って形かな。
 そして、残り2話でムツギ法師を倒し(解放し)、その後に控える巨大なラスボスホラーを倒す形で物語がきれいに締めくくられそうですね。

★響鬼

 物語の主人公は、響鬼ではなくて、明日夢の方ですな。
 響鬼は通常業務で魔化魍退治をしているだけで、ドラマになってるのは明日夢の方。
 「ライダーの名前を冠した高校生日記」という感想もあるほど、一般人の明日夢の目から見た日常高校生活と、クラスメートのあきらとの関わりで、鬼の世界のサポート役になって行く、と。

 本来、明日夢は響鬼のサポートをするのが王道だと思うのですが、響鬼は弟子を取りたがらないので、別に威吹鬼とあきらの師弟の姿を描くことで、鬼の世界を明日夢と視聴者に提示する流れですな。

 で、あきらは家族を魔化魍に殺された過去があるので、復讐のために鬼の弟子をしている。
 一方で、若き師匠の威吹鬼は、「復讐に囚われている弟子が心配で、弟子をどう育成するか、人生の先輩の響鬼に相談」して、一方の響鬼には師弟関係のことはよく分からない。
 そして、あきらは目的意識がはっきりしているので、そういう覚悟もなく平和に生きている一般人の明日夢が、それなのに鬼の世界に関わって来ようとしていることに不信感を持ちつつも、自分が切り捨てているつもりの日常生活でサポートしてもらうことに感謝の念も覚えて、復讐と日常生活の狭間で揺れ動くようになって行く。

 ドラマとしては、あきらの方が主人公としてキャラ立ちしていて、明日夢の方は観察者の立ち位置で、視聴者にこの世界の一部を見せてくれる案内人でしかない。
 そこから、どう明日夢が鬼の世界に深入りするかの流れですな。

 一方、鬼の世界に縁のないと思われた持田ひとみですが、轟鬼が彼女の従兄になるわけで、実は明日夢以上に接点はあるわけですな。
 まあ、この世界の鬼あるいは鬼の弟子になるために、名前の法則があって、姓と名の名前の頭文字が同じという条件があったりします(文芸的なお遊び)

 安達明日夢は、どちらもアなのでOK。
 天美あきらもそうですな。
 持田ひとみはダメで、この娘は鬼の世界に関わらないことが当初から示されていました。

 そして、響鬼、威吹鬼、轟鬼、斬鬼は、本名ではなくてコードネーム。それぞれヒ、イ、ト、ザで始まる本名が順次明かされて行くわけですが、
 劇中では、ずっとヒビキさんですから、本名の日高仁志が、ほぼ裏設定に近い。
 これは、仮面ライダーアマゾンを踏襲した設定で、彼も本名は山本大介という設定が1話で語られるのですが、南米のジャングルで育って本名を知る者がいないので、ずっとアマゾン、変身後はアマゾンライダーと呼ばれますが、要するにコードネームで呼ばれている。

 この名前の法則で、例えば、あきらが変身した鬼は、どんな名前になるかな、とあれこれ予想されていたのですが、
 響鬼劇中では示されず、後にディケイドで初めて「天鬼(あまき)」という名が設定されたという経緯があります。

 ともあれ、前半は「響鬼と明日夢」のドラマがなかなかストレートに描かれず、非常に迂遠な道のりを辿りながら、「威吹鬼とあきら」そして「斬鬼と轟鬼」の関係性で師弟のドラマを描き、外堀を埋める形で、明日夢と響鬼の関係性の進展をじっくり期待させる流れですな。

 なお、童子と姫については、描写が謎なだけで、最後まで謎な災厄の導き手以上の描かれ方はされていないので、そこにドラマ性は皆無です。
 敵とのバトルでドラマを描く作風では全くないのも、平成ライダーとしては非常に珍しい作品だったと思います。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/09 (Sat) 21:25:24

 定期感想その1です。

 シンカリオンの最新作(シンカリオン・チェンジ・ザ・ワールド)が、4/7(日)から始まるようですね。しかし8時30分からということで、ニチアサのプリキュアと被りますな。録画で観るか、ネット放映で観るかになりそう。前作は全て視聴しましたんで、だいぶ自分の目も慣れてきているはずです。

●鳥山明さん

 訃報がネットで突然に伝わってまいりまして、大変に驚き、残念に思います。こちらでは鳥山作品/原作の感想はあまりなく、ドラゴンボール改の途中から少し書いたくらいでしょうか。しかし80年代から90年代にかけて、自分が夢中になる作品を描いてくれた方です。自分にフィクションの面白さを教えてくれた方々のお一人と言っても言い過ぎではありません。

 その作品は、こちらでも何度か申した覚えがありますが、Dr.スランプとドラゴンボールですね。Dr.スランプは初期から長らく面白かったものの、終盤はマンネリを感じ、ドラゴンボール序盤はそれを引き継いだような感じがあり、しかしバトル重視となると面白くなった、も申した覚えがあります。

 そのドラゴンボールもフリーザ編まではよかったものの、以降は同じようなパターンとなり、多少興味が下がったりしました。が、これはDr.スランプ終盤に見られたような現象ではなく、おそらくは出版社から無理にでも続けてくれと頼まれたからなんでしょうな。

 有名な話ですが、悟空が宇宙人であると明らかになると、わざわざ亀仙人が「もうちょっとだけ続くんじゃ」と近いうちの終了を予告してました。が、そこからのほうが長かった。鳥山さんは終える構想をお持ちだったんでしょうけど、人気がありすぎて出版社としてはドル箱、終えられると経営的につらいからでしょうな(実際、本当にドラゴンボールが終了すると発行数が下がってたわけで)。

 それでもフリーザ編までは面白く続いたわけですが、そのパターンをどうしても踏襲してしまうように。鳥山さんも続けるなら続けるで工夫されたようで、例えば悟空死亡で悟飯が主人公の時期がありました。自分は「なるほどな」と思いました。次世代出すごとにリセットして趣向を変えて行けます。

 が、どうやら「悟空でないと」という多数派読者の要望が強かったようで悟空が主人公に戻ってしまう。自分は残念に思いましたが、最近でもドラゴンボール新作アニメが作られていることを考えると、路線としては成功したと評価すべきなんでしょう。原作終了してからずいぶん経ってますもんね。

 でも鳥山さんとしては新境地の作品を出したかったのかもしれませんな。それがたぶん例えば「SAND LAND」なんでしょう。自分はドラゴンボール完結後は鳥山作品に関心を持たず、「そういう作品を描いたらしい」くらいの認識しかありませんでした。が、2023年に劇場アニメ化されまして、ある映画批評ユーチューバーによれば凄い作品とのこと。

 ただ絵的には地味で、主要原因は「可愛いヒロインがいないから」らしい。野郎どものむさ苦しく暑苦しい、しかし燃えるドラマということみたいです。たぶんそれが2000年当時から始まって20年代に鳥山さんがやりたい作風なのかなという気がします。

 それならそれで自分的にはツボになりやすいパターンの1つで面白そう、(SAND LANDの後続アニメも発表されて)どうなるんだろうと思っていたら、今回の訃報です。大変に残念です。しかし上述の2作品だけでも自分がフィクションを楽しむ基礎を作ってくれた方です。感謝を捧げ、ご冥福を祈りたいと思います。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第9話 :門(もん))

 前話で何通りか予想して観た範囲に収まりまして、「なるほど、そうだったか」と納得できた回でした。もっとも前話の予告も含めてのことでして、本編だけから予想してたら想定外の展開と感じたかもしれません。

 本編では分からず、予告から読み取れたもので最も重要なのは「ムツギ法師が裏切り者/闇堕ちらしい」ですね。「ホラーのいない世界を想像したことがあって?」の台詞を聞かなければ、ムツギ法師が(犠牲となって門を封印した)ゴドウと協力して事を進めていると思い込んだかもしれません。

 それにしても、ムツギ法師の変心がコヨリが抱いたものと同種の悩みからだったのは意外でした。鋼牙編では(自分に近しい者を危機に陥れない限りは)人の罪は人が裁け、騎士・法師は関わらない、という原則に忠実だった気がします。人を犠牲にすることを厭わなかった布道シグマですら、人の罪ゆえに事を起こしてはなかったはずです。

 しかしムツギ法師は「近いうちに大量殺人版となる人間を救ってしまったゆえに大勢死んだ」ことで罪の意識が発生、それに耐えられなかったわけですな。それでも具体的な方法がなければ辛抱したんでしょうけど、全知全能を得られる「禁断の果実」が「破滅ノ門」の向こうにあると知ってしまった。

 どうやら「禁断の果実」があれば(食うのかな?)、陰我を持つ人間を全て殺戮してしまえるらしい。自分は具体的にはちょっと分からず、「ホラーが出現し放題になっても、陰我を持つ人間がいなければ大丈夫なの?」くらいに思ってしまいました。

 が、こちらで伺った「陰我を抱えた人間を(略)ホラー化させてまとめて倒す」なら納得です。まさにムツギ法師が抱いた罪の意識(後に悪を為す人間を見殺しにしておけば)を解消するものですね(解決はしない)。

 さらにゴドウが破滅ノ門へたどり着く方法を見出したことで、ムツギ法師の機は熟す。ゴドウは漏れ出すホラー(や「闇のパルファム」)をさらに封ずるためですが、ムツギ法師は封印を解いてしまいたい。しかしムツギ法師の乱心(?)を知ったゴドウが心滅獣身覚悟で門に取りつき、阻止したわけですね。前回の描写ではそこまでは分かりませんでした(ゴドウが騙された可能性とかも考えてた)。

 が、ゴドウの鎧(光斬騎士ザンゴ)を門から取り除けば、ということでムツギ法師は創磨だけを門へ連れて行ったわけか。気になるのはムツギ法師が創磨をどう見ているかですね。門をゴドウに再封印されたときから、創磨を利用すべく目を掛けていたのか。それとも、それ以前から将来を期待してたのか。後者ならムツギ法師は正気に返る可能性はありそう。

 しかし、こちらでも指摘されているように「すでに憑依されてホラー化している」なら救いようはなさそうですね。そもそも「未来の殺人者を助けたせいで」なる罪の意識なんて、強い陰我といえそう。

 さらに、ホラー化の可能性は高く、この物語序盤から示されている「誘惑者にそそのかされるとホラー化」という条件を、ムツギ法師は3年前に満たしてますから(一緒にいたゴドウには誘惑者は見えてない感じでしたな)。せいぜい、前のホラー化ダンサーと同じく、斬られてから後悔するくらいでしょうか。

 自分は前話の予告から、ムツギ法師が全ての黒幕である可能性が高いと踏んでました。が、ムツギ法師も誘惑者の誘いに乗った1人となりますと、黒幕は別にいそうですね。既に登場している人物の中にはいなさそうですんで、門から出られないホラーの親玉か何かだろうか。

 一方、創磨のほうは危ういながらも闇堕ちぎりぎりで踏みとどまってるかもしれませんね。父への強すぎる執着をムツギ法師に突かれ、闇を大量に注がれてますが、誘惑者の言に乗せられるところまでは行ってなさそう(その前に流牙が誘惑者を倒した)。

 自分は本編描写からは「創磨が闇に飲まれたと見せかけ、ムツギ法師の誘いに乗ったふりをしているかも」と思ったんです。前の「閃光剣舞」習得失敗時は瞳が赤くなってましたが、今話ではそうではない。が、公式サイトの次回予告からしますと、本当に闇に飲まれているみたいですね。

 次回「惑(まどう)」では、公式サイトの予告などからしますと、創磨を闇から力尽くでも引き戻せるかどうかが鍵になるような感じですね。ロンとオビはどうしてるんだろう。迷宮での戦いが流牙側に「もはやこれまでか」となったタイミングで駆けつけてくれたりするとテンション上がりそうです。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/10 (Sun) 16:50:59

 不定期ですが、鳥山明さんの訃報に関して、自分も思うところを述べたく。

 自分がジャンプを読み始めた時期と、Dr.スランプの連載が始まったのが、大体同じような頃合いだったと思います。
 今、調べると80年頭から連載開始ですね。アニメ放送が81年4月からで、その時点で原作知識はあったので、80年には知っていたのだと思う。

 第一印象は、千兵衛博士の発明品(アラレちゃんもその一つ)が巻き起こす騒動がメインで、ドラえもんやキテレツ大百科の亜流という感覚。
 ただ、太陽とか排泄物に顔があったり、人間じゃない動物が擬人化されていたり、ペンギン村が一種のファンタジー世界になってて、独特の鳥山ワールドが形成されていた。
 ペンギン村には、ウルトラマンのお面を被った子供とか、デフォルメされたゴジラやガメラとか、スーパーマンのパロディとか、当時の流行りもの、もしくは鳥山さんの好きなものがいっぱいで、これが少し進化するとSDの二等身キャラという形で定着していくのだろうけど、その先駆者的なセンスもあったな、と。

 アラレちゃんについては、「メガネをかけた美少女ロボット」は前例のないキャラ造形だと思いますし、メガネ少女が可愛いという新たな萌え性癖を構築しただけでも、創作界の大発明かと思いますな。
 カラーだと、紫髪の女の子が実質上の主人公とか、ゴム以外は何でも食べちゃうガッちゃんというキャラの独自性とか、
 西遊記パロディからスタートしたドラゴンボールよりも、Dr.スランプの方が創作の独自性が上だと考えております。

 1話完結のギャグ漫画ですので、毎週、どんな展開になるか予想もつかないヴァラエティ作品ですからね。

 で、Dr.マシリト製作のロボット、キャラメルマンシリーズとのバトル編とか、拳法ブームに触発された中華系一家の摘さん一家の登場を経て、その延長にドラゴンボールのバトル冒険ものにバトンタッチされた。
 ここで、発明家キャラがおじさんから、美少女ヒロインに代わって、当初の妖怪退治の西遊記路線から、亀仙人との修行(和風要素)とか、アメリカインディアンとか、レッドリボン軍みたいな近代ミリタリー要素とか、非常に多彩なごった煮バトルワールドを拡張していく。

 Dr.スランプは、小さな田舎の村が鳥山さんの宝箱みたいな世界観になっていましたが、
 ドラゴンボールになって、世界中の広大なアドベンチャー(筋斗雲に乗って飛び回る悟空のビジュアルイメージと、それを表現した最初のアニメの主題歌が好き)ワールドに舞台が拡張し(ペンギン村もその中に含まれる)、原点の西遊記を換骨奪胎して、古今東西の昔話とSFコミックを取り混ぜたエンタメとして昇華。

 まあ、その後のピッコロ大魔王が出て来た辺りから、バトルとしてのシリアス度が増して、昔話風冒険譚からSFバトルに発展して行くんですけど、サイヤ人とか、フリーザとか、人造人間とか、セルとか、魔人ブウとか、敵のヴァリエーションが盛りだくさんですな。
 アニメだと、特に劇場映画を考えると、日常ギャグよりも、敵とのバトルで盛り上げる活劇展開が歓迎されますし、最初はそれが目的だったお宝のドラゴンボールが、バトルのための道具、便利アイテムでしか無くなって当初の神秘性が失われて行くとか、長期連載化ゆえの世界観の変転を批判する向きもありますが(自分も、Z以降のドラゴンボールからは卒業した部類)、

 かめはめ波、元気玉、スーパーサイヤ人、フュージョンなどの必殺技やバトルギミックは、90年代に流行した対戦格闘ゲームとの相性が良く、メディアミックスの商品素材としても、流行を取り込みながら、新たな発信源になって、非常に幅広い世界観やキャラ要素を描いて来たなあ、と思います。

 そして、鳥山さんの大発明だと、自分は80年代後半以降は、ドラゴンクエストを重視するわけで、
 あのスライムの目や口が付いた可愛いデザイン(ぬいぐるみの素材としても人気)が、RPG界の天才的センスだと考えています。
 ドラゴンクエストは多くのモンスターがいて、メカニックのキラーマシンも鳥山さんらしいキャラだと思いますが、とにかく、あのスライムというキャラの発明がすごい。

 それまでのTRPGでは、D&Dを始め、ウィザードリィやドルアーガなどスライムおよびゼリー系の液状モンスターはいたけど、剣で切れないから燃やすしかないとか、コンピューターゲームだと序盤のザコ扱いされつつ、毒があったりして厄介とか、いろいろと発展史はありつつも「スライム=可愛い」というイメージを構築したのは、ドラクエの鳥山デザインあってのもの。
 本来の液体系の嫌らしいデザインは、バブルスライムの方に移りながら(堀井雄二さんが鳥山さんに発注したスライムのラフも、バブルスライム的なドロドロの液体めいたもの)、あの青いタマネギ(水の滴を表現した)からグミ風味になって、ぷよぷよにアレンジされたり、ドラクエを代表するモンスターに進化して行ったなあ、と。
 そして、ドラクエ4の男主人公が、格好いいイケメンなのに、耳にスライムピアスを付けているセンスも好きですし、
 ダイ大のゴメちゃんといい、恐ろしいモンスターとの和解というストーリーを構築できたきっかけも、魔物使いというゲームシステムだけでなく、鳥山さんの可愛らしいモンスターデザインがあればこそ、と思えます。

 仲間モンスターシステムを初めて採用したドラクエ5(92年)が、ポケモン(96年)に先駆けることを考えると、
 スライムや可愛いモンスターをコレクションしたい→ドラクエ5→ポケモンに進化、という文化発展の経緯を辿れるかも。

 まあ、ウィザードリィ4(87年)や女神転生(87年)、カードゲームの『モンスターメーカー』(88年)など、仲間モンスターのシステムや可愛いモンスターの概念はドラクエ5以前からありましたが、
 それでも、ドラクエほどの影響力は当時なかったので(マニアの蘊蓄ネタから大衆への浸透への導線は大事)、鳥山さんの絵にはそれだけの魅力があったってことでしょうな。

 改めて、惜しい人を亡くしたことに、哀悼の意を捧げるとともに、その功績を称えたいということで。
 
 
 
 

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/11 (Mon) 21:59:33

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第26話:悪意をハバム、漆黒の風)

 敵グリオン側はほぼ真っ直ぐに動いている感じでして、確かに最終段階という感じですね。仮面ライダーWEBなどによると、「暗黒の扉」を開くためのアイテムはもう全てが劇中に登場しているようです。だから奪いに来るだけということになるんでしょうな。

 ドレッドのドライバーが窯で、ガッチャードのドライバーが扉を開ける鍵で、開けるべき扉はケミー(特にレベル10の10体)ということらしい。その中では窯が何の役割か分かりかねてるんですが、まあ錬金術使うには窯がいるんだろうくらいに思っておこう(^^;。

 ドレッドのドライバーは既にグリオン側にあり、レベル10のケミーも今話でグリオンが最終的に2体回収して揃ったことになりますね。となると、次話以降ではガッチャードのドライバーを奪いに来ることになりそうです。グリオンとしてはチェックリストに順にチェックを入れていくような感じになってるんでしょうな。

 ともかく本編ですが、グリオン側にも波乱要素はありまして、まず前話で事実上の離反となったミナトですね。ドレッドライバーはクロトーが回収してますんで、戦力としては錬金術のみ。そこへヒットマンとして送り込まれたラケシスも離反の気持ちを秘めている。のですけど、ミナトに会うや否や責め立てるとは予想してませんでした(^^;。

 しかしラケシスの言い分は自分も思い違いで予想していた内容でして、ミナトにグリオンを倒す策があり、密かに進めていたはずというもの。ラケシスの予想では、宝太郎らアカデミー生を突き放したように見せかけて、実は育成・強化してグリオンを倒させるというもの。

 グリオンを恐れるラケシスはその策に乗るつもりだったようですね。しかしミナトが不甲斐なく撤退して、何ら手を打たないため、ラケシスは我が身危うしと焦っている模様。だから、何とかせよと泣きついてるわけですか。

 ただ、2人の会話の時点では自分は「これはラケシスがアポロトス辺りに抱き込まれて離反を断念、一芝居打ってミナトを葬るつもりなのか」と疑ってました。アポロトスらが現れ、ラケシスの裏切りを詰って始末にかかった時点、さらに何とか逃げおおせた段階でも「いや、まだ罠の可能性あるな」と思ってました。

 が、予想外の方向から真実らしきものが示されまして、スピンオフ「仮面ライダーガッチャード未完計画」第3話の「ラケシス!華の卒業式計画!」の宣伝ですね。スピンオフ卒業するんなら、本編での離反も本物だろうと(^^;。ミナトとラケシスの動向のその後は今話では示されず、次話以降でしょうか。2人とも敵味方の勝利条件からは外れてきてるようですんで、かなり後の再登場でもおかしくない感じです。

 今話の焦点はグリオンがレベル10のケミー10体を揃えられるかどうか。残り2体となっているようですが、既にそのうちのドラゴナロスを捕獲しており、グリオンなら「レベル10を支配してはならない」原則を破って、例の悪意の人形に封じてドラゴンマルガムと成し、力を利用できるらしい。

 残るレベル10のガイアードは野良状態で、居場所は地球環境科学館。その2体はケミーの始祖として別格の力があるらしい。並みのケミー(から作ったマルガム)では歯が立たないから、ガイア―ド捕獲には同格のドラゴナロスというわけですか。もっとも、そのドラゴナロスをいとも容易く使役するグリオンが直接来ればいいんじゃないかと思ったんですが、ラストではそうなってましたな。ドラゴナロスは陽動だったのかも。

 それは後のことでして、まずはドラゴナロスのマルガム:ドラゴンマルガムが格上の力を見せつけますな。黒い炎を克服して己が力としたスパナ/ヴァルバラドですが、全くドラゴンマルガムには叶わない。りんね/マジェードは、無理を押して参戦の宝太郎を「切り札だから」と上手く抑えておいて、助太刀に入りますが、ヴァルバラドと2人がかりでも敵わない。

 やむなく宝太郎がアイアンガッチャードとなって立ち向かうも、歯が立たず。始祖ケミーはここまで格が違うかというピンチですが、意外な助っ人参戦でして風雅ですね。この人もライダーだったんですか。仮面ライダーウインドお目見えとなるわけですが、始祖ケミーどころではない破格の強さですな。

 あれだけ強かったドラゴンマルガムがウインドに一方的に押されてます。それで思ったんですが、やはり風雅は現時点では強すぎる味方のようです(もっとも敵グリオンが風雅に引けを取らないわけですけど)。このままウインドが活躍してしまうと、ガッチャードらの出番がなくなりそう。言い換えれば、グリオンと同格の風雅の対決となる。

 そこは敵グリオンも承知していて、ドラゴンマルガム撃破で変身を解いた風雅の油断を突いて、後ろからグッサリというわけですな。同時に風雅が捕獲したレベル10の残り2体も回収。が、風雅も用心してまして、前話から救援に駆け付けてくれた風雅は錬金術で作った義体でしたか。

 風雅本人はどこかで無事であるはずで、いずれ再参戦の機会がありそう。が、すぐには来られない事情があるらしく、りんねにしばしの別れを告げ、宝太郎らにテンライナーで(グリオンが暗黒の扉を開こうとする)ウロボロス界に向かえと指示する。前話で風雅がアイアンガッチャードへの変身を手伝ったのは、ウロボロス界に行けるテンライナーを授けるのが主目的だったのかも。敵味方、いろいろ騙し合いがありそうです。

 次回「ガッチャ!クロスホッパー!」では、グリオンのもとに宝太郎らがたどり着くも、現時点での頼みの綱のアイアンガッチャード敗北となるらしい。こちらでご教示頂いた次のフォーム(プラチナ)が4月以降とのことですので、少なくとも3話分は現有戦力での戦いとなるはずですね。

 扉が開いて、そこからプラチナで反撃なのか、それともヴァルバラド、マジェードの強化があるのか。あるいはいったんドラマから退いたように見えるミナト、ラケシスが絡んで来るのか。考えてみると、ドラマを回す要素はいろいろありそうです。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第2話:情報屋は認めない )

 先週分(初回)ではゲスト敵の倒し方で不安を覚えた旨申しましたが、どうやら杞憂だったみたいです。敵側に冗談要素が強く、おふざけのような倒し方で問題ないですね。今話ですと、ゲスト敵ソウジキグルマーがゴミ処理場でブンブンジャーそっちのけでゴミ処理初始めて自爆とか、バトル中に堂々のコントでした(^^;。

 話の進め方も分かりやすくしているようですね。機密情報らしい鞄の争奪に一応の解決をしてから、本格バトルに移行してます。前作みたいに「このバトルに勝てばこう、負ければこう」みたいな分岐で複雑化しない。これはこれ、あれはあれ、という感じです。

 その機密情報らしき鞄も中身はアイドルと撮った写真ということで、奪われても大したことないものでした。今ネット放映中のカーレンジャーに準ずるほどのへなへなだったかもです(^^;。もっとも、そうだからこそ、未来/ブンピンクも「届け屋の仕事、好きかも」と言える流れになったわけですが。一国の大統領がアイドルと一緒に移った写真ながら、手にして大喜びされて嬉しかったんでしょうな。

 その未来/ブンピンクが射士郎/ブンブルーに仲間と認められるドラマでもあったわけですね。未来についての大也の台詞「今まで俺がホレ込んだもので、失敗があったか?」の時点では、自分(射士郎)のことと重ねて不承不承という感じでしたが、苦魔獣ソウジキグルマー出現時には信頼するに至っていたらしい(だから未来に任せてブンブンカーの用意に行った)。

 さらに未来はいずれ仲間となるブンブン戦士とも遭遇しているわけですね。そのうちの1人、振騎玄蕃/ブンオレンジは「調達屋」として既に大也/ブンレッドと付き合いがある模様。もう1人、阿久瀬錠/ブンブラックは今のところ、現場に遭遇した不運な警察官くらいでして、阿久瀬錠は未来以上にまだブンブンジャーとは縁遠そう。

 未来が今のところ、何も知らない新参者としてブンブンジャーとなっていくことで、観ているこちらに何がどうなっているか案内してくれてるようですね。その中でもちょっと触れる程度の紹介なのが、大也/ブンレッドがなぜブンブンジャーをしているか、という点ですね。

 話が途中で終わったんですが、敵と戦うためではないらしい。「届け屋」のほうとて、今話ではその仕事のためにゴミ処理場を丸ごと買い取ってまして、富豪というしかありません。金を稼ぐ必要がないのに届け屋やってるようですね。その辺り、理由はおいおい明かしてくれるんでしょう。それより5人揃うほうが先かな。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/12 (Tue) 23:51:19

★ガッチャード

>プラチナガッチャード

 4月に登場かと思ってましたが、次回に登場だったようです。

 テンライナーの力で変身するアイアンガッチャードが、ホッパー1の進化したクロスホッパーと合体する形でプラチナガッチャードに強化されるようで。

 おそらく、次回で最後に顔見せパワーアップして、その次に活躍を描いて、グリオンの野望を粉砕するのではないか、と期待します。

 ともあれ、今は予想よりも急展開で、毎回、目が離せない感じになってますな。

 今回はラケシスとミナト先生が失踪して、三姉妹の関係性が決裂した形だし、
 グリオンと風雅の化かし合いが継続中のようですし、
 登場したと思ったら、あっさり退場した仮面ライダーウインド(風雅)とか、
 ライダーの力関係が、激しいインフレ加速で、1ヶ月どころか、2週程度ですぐに覆ってますし、

 OPみたいな3人ライダーの共闘で盛り上がる展開でもないなあ、と。

 まだ、3人の同時変身も実現してませんしね。

 グリオンについては、退場前に変身ぐらいはすると思いますが、やはりドレッドかな。

★ブンブンジャー

 OPやEDも含めて、戦隊らしい戦隊として懐かしい気分に駆られています。
 カレーネタも含めて。

 2話めが青にスポットが当たって、3話めはピンク。すると、4話めが赤で、その後、黒とオレンジ加入は4月かな。

 黒は加入すると、警察を辞めて元・警官になると思われますので、それまでが制服姿を堪能したく。
 毎回、事件に巻き込まれるおまわりさん、というギャグ描写も、仲間になる前にキャラ立て成功してると思いますし。

 金持ちキャラを描くために、毎回、大きな買い物をしてみせる赤も、定番ギャグだと思ってますし、

 何よりも、毎回、怪人の能力と、それをどう対処するかの戦隊側の作戦にドラマを絡めて、そして巨大戦まできちんと一話完結で収めてくれる戦隊フォーマットに、安心感を。

 ガッチャードがシリアス展開なので、バランスを取るようなコメディ展開も、それほどストレスなく楽しめてます。
 ロボのブンドリオも、赤とノリの良い相棒って感じですし、あと、1話で何回、ブンブンって言ってるのかなあ、とか、ブンブン言い過ぎでしょう、と軽いツッコミを入れたりも。

 ともあれ、キャラと設定の紹介編をしながら、いろいろと作品の世界観をつかんで行ってる最中。
 

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/13 (Wed) 23:58:40

 定期感想その3です。

●BASTARD II(第37話:聖戦Ⅲ)

 DS vs カル=スの戦いは不発に終わり、しかしアンスラサクス復活に利用されて、ということですね。それ自体は悪くありません。が、ここまで観てきて、なぜ自分がBASTARD連載当時に次第に興味を失ったか、分かってきた気がします。そこは出来栄えの良し悪しではなく、個人的な好みの問題が強いですね。

 まず、DS vs カル=スがカル=ス自決(の試み)により終わったこと自体はいいとして、その周囲が問題であるようです。つまり魔戦将軍と侍ですね。特に前者です。魔戦将軍の忠誠は、アンスラサクスに憑りつかれる以前のカル=スの人格への心酔、力を求める気持ち、野心などいろいろでした。

 が、カル=スがアンスラサクスに支配されていたと明らかになった途端、ほぼ一様に落胆して戦意喪失しているようです。これは侍との共同戦線のためには必要な流れですが、そんなにあっさり転向されると、ちょっとモヤモヤです。

 イングヴェイはカル=スの(元々の)人格を崇拝するゆえの忠誠ですが、薄々憑依に気が付いていたが手をこまねいていた旨反省してしょげてますな。考えてみますと、イングヴェイがカル=スのために手を打てない理由は見当たりません。

 それとタイプが異なるなジオンですと、現時点までの描写では力を求めての闇堕ちっぽい(後に真相が明かされるはずですが)。そうであれば、破壊神のカル=スへの関与をそれほど気にしないはず(力もらってるわけですんで)。

 ボル・ギル・ボルがDSに簡単に論破(?)されて心酔したのは正直ガッカリする面もありましたが、今話の他の魔戦将軍も同様です。自分的にはもうちょっと紆余曲折があってくれたほうが納得できます。

 が、すっぱり割り切るのが好みの人も多いんでしょうな。原作者自身がたぶんそうで、だからこういうドラマ運びなんでしょう。そこが露わになり、自分はだんだんこの作品(の原作)から気持ちが遠ざかる理由の1つになったような気がします。
(くどいようですが、最大の原因は長期休載の多発ですけど ^^;。)

 しかし、DS vs アンスラサクス(細胞)とのバトルからの、四天王救援という燃える展開もある。のですけど、ここぞというタイミングでのガラのアンスラの攻撃阻止なんですが、ギャグ扱いされる演出はちょっと困る。

 すぐバレる赤影風の赤いマスクのコントはいいんです。問題は光線白刃取りですね。なぜ技まで冗談なのか。例えば以前、ガラがエデ・イーのリッチーと戦ったとき、限度を超えて使用したムラサメが逆に力を貸してくれたような描写がありました。そこは後への仕込みになり得るはずです。

 続くネイの反撃がそれらしい技名であるため、余計にガラがDSを守った技が「なんだ、それ?」になってしまいまして。しかしこれも人それぞれなんでしょうな。なにせDSが(強大すぎる無敵設定ゆえ)敵との戦いがしばしば冗談っぽく見えますからな。そこが好きな人は今話のガラにも納得できたりするんでしょう。

 しかし、ともかくもDSとカル=スの和解は成り、四天王集結で救援の運びとなり、全体的には好みの流れです。敵アンスラ(細胞)にカル=スが捕らわれているのも、勝利条件として分かりやすいし、DSとの和解により「助けて欲しい」という気持ちも湧きます。

 残り2話でどう締めくくってくれるか次第ですね。公式サイトの予告を最終回(第15話/39話)まで読んでみますと、流れ的には燃える展開である模様。最後が良ければ、遡って最初から好感度上がるって、自分にはよくあります。1期もそういう感じが悪くなかったわけで、この2期もそうなるはずと期待しておこう。

●仮面ライダー響鬼(第9話:蠢く邪心、第10話:並び立つ鬼)

 いつも解説、ありがとうございます。視聴したものの理解にずいぶん助かっております。今回ですと、特に童子と姫ですね。「謎な災厄の導き手」に終始するわけでしたか。そこが分からない/知らないもんで、「倒されては復活する彼らの狙いは?」とか考えてました。そこはスルーしてよいと分かると、ずいぶんと見通しが良くなります。

 小ネタ分類になるかもしれませんが、鬼/ライダーになる(可能性がある)名前の法則も面白いですね。そういう暗示がされてたんですか。初放映時には気が付いた人はニヤリとする遊びだったんでしょうな。特に序盤は「彼ら(登場人物)は何をしているんだろう?」という推測をするのも楽しみ方の1つだったとのことですし。

 しかし今観ている自分としては先の予習とかもできてしまう放映済作品。下手な考え休むに似たりでして、こちらで伺ったり、ネットで調べたほうが早い。何度か申したことですが、自分がネタバレ歓迎なのは分かって観てみるほうが感動が深かったりするから(初放映作品だと繰り返し観ないと分からなかったりするし、最終回まで観てから初回から理解し直したり)。

 ですが、この響鬼は相変わらずよう分からんですorz。なんだか登場人物がとりあえずアッチふらふら、コッチふらふらの感じでして。そういう印象を受けるのは自分にも原因があり、前に申した効果音代わりのBGM(ミッキーマウシング)ですな。

 それでもとりあえず分かったのは、明日夢が本屋の万引きを捕まえる功績があったものの、犯人の片割れからお礼参りされて手も足も出ず、強くなりたいという動機が芽生えたらしいこと。明日夢と一緒に映画を観たかった持田ひとみの好意は本物らしいこと。そこは明日夢を日常へ引っ張る方向を示しそうです。もっとも、こちらでご指摘あったように、ひとみはトドロキの従妹ではあるんですが。

 しかし、バトルのほうは逆にちょっと戸惑ったりしております。第10話のメイン敵:秩父のオトロシです。巨大なワニガメみたいな感じで、硬そうな甲羅があります。これに響鬼が挑むわけですが、前に甲羅が硬い房総のバケガニに苦戦し、柔らかい腹に太鼓打ち込んでの勝利。しかし化け亀(オトロシ)にはカニより硬い甲羅に太鼓打ち込んで勝ってます。

 この差はなんだろう、と分からなくなってしまいました。が、観なおしてみると二段攻撃だったようで。威吹鬼が甲羅にある、柔らかい目(だと思う)を攻撃し、その部分の甲羅が吹っ飛んだんで、響鬼が太鼓を打ち込めてました。解説とかないんで、ちょっと気を抜くとなぜ勝てたか分かりにくい。

 もっとも、解説抜きで理解する作りだからこそ、ずっと見て来た年長ファンに受けてたのかな。自分レベルに必要な解説も、理解が深い人には余計な、うるさいものなのかもしれません。

 ともかくもそこが分かってみますと、第10話のバトルは怪獣映画風にも思えて、なかなかの見応えでした。亀型のオトロシが手足部分からジェット噴射して飛ぶさまなどは、大怪獣ガメラを思い出すものがありますし。そこへ超人ではあるが等身大のヒーローが挑んでいくわけですね。その辺りは巨大ヒーローがまだいないウルトラQを感じたりもします。

 なんだかんだ言いながら、自分にも楽しめる部分があり、この調子で続いていくなら観て感想続けてけそうです。


●勇気爆発バーンブレイバーン

 ちょこっとだけ。第1話観て「あ、巨大ロボットものだ!」と思ったものの、第2話以降がとてもヘンテコな作品という印象でして、こちらへ感想書く気が起きませんでした。それでも気になって観続けてはおりました。面白いからではなく、「何がしたい作品なんだ?」という疑問からです。

 ぱっと見には熱血の燃える風です。が、宇宙から来た敵を追って地球を救いに来たと称する巨大ロボット(ブレイバーン)の言動、行動が奇妙で、ほぼギャグレベル。「これはもしかして、90年代まではあった熱血ロボットもののパロディか?」と思いました。

 が、全12話の第9話まで来て、真相が明かされまして。主人公と衝突し、しかしそのぶつかり合いで意気投合したバディが戦死する。と思ったら、魂が過去にタイムトラベルして巨大ロボットに宿る。それが主人公がずっと搭乗してきた、地球を救いに来たと称するブレイバーンだったという仕掛けです。

 そう分かってみると、第1話からの巨大ロボット:ブレイバーンの奇妙で冗談みたいな言動、行動が全て納得できるものに変わります。確かにこれは燃える熱血ものだ、と突如として感じられまして、一気に感動が爆発する感じですね。

 これは今からでも感想書こうかどうか迷っております。NOVAさんがご覧になっているかどうかも分かりませんし、その手のにはご興味がないかもしれない。でも、自分のメモ的に書いておくか。などなど迷うことしきりです。

 とりあえずネットの無料視聴がありましたんで、リンクだけ(ABEMA TVです)。

・勇気爆発バーンブレイバーン
https://abema.tv/video/title/512-11

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/14 (Thu) 22:21:06

 不定期ですが、ブレイバーンについて

 うちのロボ系掲示板で追っかけ感想を書いているので、そちらを確認いただければ、と。

 https://www3.rocketbbs.com/731/sironova.html

 ずっと、主人公の日本人イサミ・アオの相棒的なヒーローオタクのアメリカ人、ルイス・スミスの方を注目していたら、先週の放送で凄いことになりましたな。

 なお、木曜の夜は『ダンジョン飯』『ブレイバーン』『牙狼ハガネ』をハシゴしてまして、後は金曜夜に『フリーレン』を追っかけてたのが今期でしたな。
 さすがに全部感想を書くほどではないですが。

 木曜夜の番組は、どれもそろそろクライマックスって感じですが、4月からはシンカリオン以外、何を見るか予定が未定です。

 ニチアサは固定枠なので、あまり悩まなくて済みますが、深夜アニメは追っかけるものがあまり安定しませんな。
 基本、自分の見るのは、スパロボ系か、ファンタジー系かってところ。

 ではでは。今夜の放送を楽しみにしつつ。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/15 (Fri) 20:51:19

 定期感想その1です。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第10話:惑(まどう))

 今話含めて残り3話でして、起承転結の4分割で申せば最後の結。盛り上がって来て当然のタイミングでして、実際に面白かった。とはいえ、ここまで創磨らを描いてくれてこそのものでして、この感動はここまでの仕込みが功を奏したと言えそうです。

 今話はほぼ全編でバトルでして、こういう作りは(一般的には)ドラマの運びが入りにくいように思います。が、創磨の迷いの深まりから、その底がどこか、そこからどう這い上がるかがしっかり描かれていたように感じます。

 と申しましても、そのドラマは(創磨の心の内の)流牙がかける言葉で表されています。それも創磨が現実と心象の境界で戦っている最中ですね。闇に飲まれた創磨は最初、戦っている相手が流牙だと認識しています。

 が、すぐにその姿がロンに変わる。その辺りから創磨の敵手は創磨がイメージしている近しい人になってしまっているようですね。あくまでも創磨が「この人ならこう言うはず」と思うものですから、その人が実際に言いそうもない台詞も出て来る。例えばハガネたるロンがハガネを軽んじるはずはないですが、創磨の心中のロンはハガネをあざける。

 続いて敵手はコヨリに変わりますが、やはりコヨリらしくない。さらに父親ゴドウに変わりまして、最初は実際のゴドウらしさも半ば見せてますな。「感情的になるな」はゴドウがこの場で言いそうで、かつ創磨もそう思っているらしいと窺える感じです。

 たぶん「憧れと尊敬」と「嫉妬と敵愾心」は表裏一体だからなんでしょうね。創磨はその境界で揺れてきたらしい。以前はどちらかと言えば「憧れと尊敬」寄りだったのが、今はムツギ法師が注ぎ込んだ闇で「嫉妬と敵愾心」に傾いたかな。

 その創磨を叱咤激励するのが流牙でして、実際の流牙の言葉は直接は届いてないようですんで、やはり創磨がイメージする「流牙ならこう言う」でしょうか。

 流牙はまず「闇を乗り越えろ」と呼びかけるわけですな。これが創磨のテーマと言えそうです。それを具体化したのが続く「苦しいか、答えはその先にある」でしょう。退くな、進めというわけですね。

 これは第4話(傷)が伏線となってるかも。ロンに剣を向けてしまった創磨は剣を返上し、しかし流牙が突き返して「苦しいか」と言っています。創磨は黙していましたが、表情は『苦しい』と答えてましたな。その答えがこの第10話で出て来るわけですな。

 しかし創磨はすんなりと「その先」に行けない。流牙はさらに「お前の求める答は、その苦しみの中にある」と背中を押す。苦しみをブラックボックス化せず、掘り下げろということでしょう。言い換えれば、苦しいなら苦しさを突き詰めろとなりましょうか。

 それでも答えが出せない、あるいは流牙のイメージを借りて創磨が出した答えは「乗り越えるべきはお前だ、お前自身だ」ですね。父ゴドウが、とかイグスやロンが、とか自分以外に苦しみの原因があるわけじゃない。彼らを自分(創磨)がどう思っているかを自問自答せよ、といったことでしょう。

 そういう方向性が定まりさえすれば、後は進むのみ。ですから、流牙も「心を強く持て、戻って来い創磨」と呼びかけ、最初のテーマ「闇を乗り越えろ」を繰り返す。なぜなら創磨はザンゴの鎧を受け継ぐ者ではなく、「お前はハガネだ」だから。たぶん、ここでタイトル回収したんじゃないかと思います。

 かくして創磨は立ち直る。ザンゴであり創磨の父であり師であるゴドウは、おそらく心滅獣身で失われてますが(でも自分は破滅ノ門内で未だ戦ってるかもと期待してたりする ^^;)、その師範代と言うべき流牙が師弟の道を全うした感じですね。

 それと対照的なのが、ムツギ法師 vs コヨリですな。こちらは未だコヨリに一片の情愛を残しているらしいムツギと、師を正気に返したいコヨリが戦い始めますが、次第に決裂していく。自分の信じる理想を肯定しないムツギが憎悪を高めていってしまったためと思えます。

 コヨリを説き伏せられなかったムツギ法師はついにコヨリの首に手を掛けますが、しかし創磨が待ったをかけ、「闇に打ち勝った」と宣言。しかしザンゴの鎧の心滅獣身は解け、それで封印されていた破滅ノ門が開いてしまい、続く。

 第11話 「誘(いざない)」では、ムツギ法師が「禁断の果実」を得て人外となり、強大なラスボスとなるみたいですね。ムツギの自覚では望みが叶ったんでしょうけど、流牙の判断では間違いを犯したということらしい。

 前話まででの自分の予想は「禁断の果実とされるものは、実は伝説級のホラーなのでは」というものだったんですが、どうやらそうではなかったらしい。禁断の果実が力のみ与える中立的なものか、それとも闇属性なのか、次回の自分的期待ポイントの1つです。

●勇気爆発バーンブレイバーン(第10話:日本ではそれをOMIAIという)

 掲示板のご紹介、ありがとうございます。言われてから「しまった」と思いました。NOVAさんの掲示板はジャンル別なんでした。特撮のほうは毎週チラ見してたんですが、そちらで話題になってなさそうなので勘違いしました。

 NOVAさんのほうでも話題に上っているなら、自分も第10話からでも少し感想書いてみようと思い立ちましたが、たぶん最終回で印象がまたもや変わりそうと予想しています(的中率はおそらく8割)。

 前話(第9話)でブレイバーンの正体がスミスと判明したことで、自分は「だいたい分かった」と思い込んでしまいました。淫蕩のクーヌスに相討ち覚悟で突っ込んだスミスですが、クーヌスも望む心中となってしまい(^^;、比翼の鳥(ブレイバーン)となって過去へ転生したわけですな。メイン人格はスミスのようですが、性格はクーヌスの影響も受けているらしい。

 理解はこの第10話を観ると浅かったと分かっちゃったんですが、しかし大変に感動したことは変わりません。スミスのヒーローぶりですね。第9話でイサミら仲間を救って死んだという歴史は変えない。過去からやり直して自分(スミス)の生存ルートを探すことはしない。

 逆に自分(スミス)が戦死するルートを死守しに行くわけですね。カッコいいじゃないですか。スミスとして経験済みルートでは、少なくともイサミは死なない。それで良しとするのがスミスの心意気。

 ですが、一抹の不安もあったようで、ブレイバーンイサミ抜きで迎撃に出たときの様子がそうですね。イサミが後から来ると信じて(だってスミス/ブレイバーンとしては過去の事実)、しかしなかなか来ないので「え、来るよな?」とか混乱している様子がありました。あれって『もしかして、この先の歴史変わっちゃってる? ドジ踏んで変えちゃった?』という不安だったんじゃないかしらん。

 しかしともかくもブレイバーンはスミスが既に見て来た通りの歴史で進んでいくので、安心して無茶ができる。だってイサミが死なないことを知ってますもんね。しかしスミス死亡(過去でブレイバーンに転生)後は未知の領域。イサミらが無事かどうかは保証できない。

 その未知の歴史を知る者がいた、というのがこの第10話なわけですね。ルルも未来から来たというのは予想できませんでした。が、ネット評などによると暗示はしてきたらしく、例えばルルが以前にブレイバーンを指してスミスと呼んだのは、そうだと知っていたかららしい。

 しかもルルは戦いが終結した未来から来ているゆえ、全て分かっているわけですね。ただし敵を完全撃破するもイサミとブレイバーン/スミスも戦死した歴史から来た。事実上の育ての親であるスミスがブレイバーンになっていたと気づいたのは、ブレイバーンが「ジャパンのカレー、美味かったな」と言ったかららしい。

 イサミはスミス戦死後、育ての親を引き継いでいたようですね。その2人を同時に失ったと知ったルルは、どの辺りからなのか不明ですが、地球側に寝返った(?)スペルビアスのバディ/搭乗者になっていた模様。未来のスペルビアは決断が遅れたことでブレイバーン/イサミを失ったと悔いているらしい。

 そこへブレイバーンから回収された部品で過去へ戻れる装置が完成する。これはルルが行かないわけないですな(と言うより、ルルにとっては既定の事実?)。デスドライヴズに勝つのみならず、イサミとスミス/ブレイバーンを生還させる。そのためにはスペルビアを自分(ルル)が知っている歴史より早く説得し、共同戦線を張っての決戦に持ち込む必要がある。

 そうではあるけど、前話辺りまでは未来のルルの記憶がハッキリしていなかった模様ですね。未来のルルは過去のルルに転移はしたものの、過去のルルの脳のソフトウェアが充分ではなかったようです。今話のルルの台詞によると、それが何とかなったのは「ルル、さっき未来から来た」であるらしい。スミス~イサミの教育の成果がようやく出たというところでしょうか。

 しかし思い出せば一直線、ルルはスペルビアにひたすらぶつかっていくわけですな。同時に「もう誰も死なせない」決意のイサミは死んじゃわないように締め落として拘束しとくと(^^;。その隙にルルはスペルビアに装置としてではなく、相棒として認めさせる。

 これでスペルビアも未来の歴史を知ったはずですね。おそらくはルルの感情を伴って。だから未来での呼ばれ方「おじ様」も許容というより、そう呼べと言いたくなる心境になったんでしょう。そしてルル&スペルビアは失敗した歴史(勝ちながらもイサミとスミス戦死)は伏せたまま、イサミ&ブレイバーン/スミスと最終決戦に出撃。

 よく出来てます。感心し、感動する。気になるのはデスドライヴズをどう撃破するかより、その後ですね。もしかすると次話(第11話)でデスドライヴズとは事実上の決着がつき、続けてスペルビア vs ブレイバーン戦になだれ込んだりするのかしらん。

 自分的な興味で申しますと、スミスにやたら固執した淫蕩のクーヌスが気になっていたりします。どうしてあんなにスミススミス言ってたのか。何か訳ありだったりすると面白そうです。そこもついででいいので描いてくれないかなあ。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/16 (Sat) 09:00:14

★ブレイバーン

 10話感想をこちらでも。

 今回は、スミス→ブレイバーンに続き、ルルちゃんの秘密公開エピソードだったわけですが、

 これまでは、スミスが拾った「スペルビアが最初に撃退された後に出現した謎少女」だったんですな。
 スミスに対して、凶暴性を見せて襲いかかったりもしたのを、何とか力を示して、懐かせるに至る。この凶暴性が、今回のスペルビアに対しても発揮された感。(ついでにイサミにも^^;)

 その後、「ヒーローなどの強い者好き」とか、「普通の人間じゃないから軍の監視付き」(最初のイサミと同様の扱いっぽい)とか、いろいろな経緯を経て、
 再登場したスペルビアに、「力を増幅させるための生体パーツ扱い」されていたことが分かり、一種のバイオクローン(量産可)という出自だったらしい。
 だけど、スミスたちのしつけで、「人間らしい感情や知性(言語)を獲得」したことで、生体パーツには不向きな欠陥品と見なされるようになった。スペルビアは「人間の感情」とのシンクロがより強い力を会得する鍵であることを知らなかったらしい。

 その後、自分に対して強い情念で挑んでくるルル(未来から来た意識が覚醒済み)の想いに触発されて、ついに人間の感情とのシンクロに成功。
 なお、ルルの未来記憶の覚醒については、「スミスの死」が鍵だったみたいですね。それまでは、断片的な記憶と未成熟な知性で本能的な、あるいは情動的な幼児的な行動しかしていなかったのが、今話で急に「しっかりした動機」が示されて、キャラとして完成した感がありましたし。

 自分は創作で考える際に、「動機と行動の筋道が明確なキャラ」に感情移入しやすいというのがあって、そこが不明瞭だったり、動機とやっていることの裏腹がキツ過ぎるキャラ(自覚前のツンデレとか)には、ノレないというか、
 そして、謎キャラの動機が実はこれこれこうだった、と明かされて、解像度が上がると、急に好きになる(のめり込む)というのはありますね。

 前回のスミス→ブレイバーンで、パズルのピースがハマった快感も覚えましたし、今回のルルもそう。
 似たような快だと、キングオージャーのラクレスもそうでした。

 ある意味、サプライズだけど腑に落ちるとか。

 で、本作で未だに腑に落ちないのは、「デスドライブスの誕生の謎とか」その辺の敵サイドの動機ですね。
 K.Kさんは「クーヌスがスミスに固執した理由」を気にしてるようですが、自分はクーヌスも含むデスドライブスという機械生命体の背景が総体として明かされないかなあ、と思ってます。

 例えば、「未来の人類が機械と融合した成れの果てがタイムスリップしてきた」とか、「実はこの世界がゲームとかフィクションの産物」とか(バッドエンドからの巻き戻し要素を見ると、リアルよりもゲーム的に思えますよね)、敵の背景もしくは世界設定に関する最後の種明かしが何かあるかなあ、とサプライズに期待したく。

 そもそも、この物語、第1話からサプライズだったんですな。
 タイトルとか、監督の大張さんなどスタッフを見ると、熱血スーパー系の作品と予想されるのに、放送前の公開ビジュアルが「リアルなミリタリー系の量産機」で、放送を見ても日米の人型軍事兵器が演習して、寡黙な日本男児のエースパイロットと、陽気な米軍パイロットがライバルみたいな関係で……とリアル風味な世界観と思って見ていたら、

 突然、宇宙からの謎侵略ロボットが出現して、日米の精鋭部隊を問答無用に殲滅に掛かって来る。
 そこに出現した謎のスーパーロボットが強引にパイロットを選び、強制的にバディと認定し、イヤがる(怯える)主人公のリアルなツッコミをスルーして、スーパーなノリと勢いで敵を駆逐する。
 リアルな近未来世界が突然、スーパーな敵と主人公機の出現で翻弄され、かき回されて、今に至る、と。

 そこで一応の「本作がリアルじゃなくて、スーパー系の物語」という種明かしが為されるわけですが、以降は「熱血ヒーロー志向のスミスと、俺はヒーローじゃないと抵抗するイサミ」の人間関係の構築とか、ブレイバーンや敵、そして謎少女ルルの秘密解明(エヴァ以降の現代SFだと、この謎の提示と伏線消化が視聴者の興味をつなぐ重要な縦線となってる)で、物語を紡いで来た、と。

 すると、あとは残っている謎は、敵に関するものだと思うんですな。
 まあ、そこをきちんと説明してくれるか、または「敵の設定は、物語を回すための仕掛け以上のものはなくて、宇宙から来た謎の機械生命体で十分」と処理されるかで、本作の解像度がどこまでリアルなのかが決まって来る。

 まあ、こういう作品は、謎解きサプライズの仕込みで引っ張ってくれるので、ここまで来たら、どんなサプライズと納得感を示してくれるかを期待したいと。

★バスタード

 で、話の流れで、こちらになるわけですが、本作も「謎解きと人間関係の構築ドラマ」の要素があります。
 あるのですが、やはりエヴァ以前の話だからか、キャラの解像度がそれほどリアルではなくて、それでいてステロタイプのお決まり描写でもなくて、良く言えば実験作、悪く言えば雑で未加工な粗削りが目立つな、と。

 謎なのは、そもそも主人公のDSの過去がこの段階でも明確ではなくて、「封印された器であるルーシェの影響を受けて善人化した邪悪な大魔術師」という設定で、いろいろと引っ張り回して来た。

 で、目前の脅威は「破壊神アンスラサクスの復活の阻止」→「復活したのを、どう倒すか」ですが、
 かつての部下だった四天王のガラ、ネイ、アビゲイルと順番に対決して、DSの軍門に降らせ、最後のカル=スとの決着の前に、ここまでいろいろ引き伸ばしてきた。

 アニメのストーリーの大筋としては、1期のラストの仕切り直しを、ようやく回収してくれる形ですな。
 シーラ死亡(後で復活するけど)により、邪神の復活という盛り上がりで、DSを中心とする人類側の反抗、という展開。
 物語規模としては、1国のみの防衛戦だった1期に対して、亡国の遺臣戦士であるサムライとか世界観を広げて、メタ=リカーナ1国の話じゃないよ、と示しつつ、
 「乱世なので、日常生活があまり描かれていない」というのが、今風のファンタジー描写とは異なる演出でしょうか。

 21世紀のSFおよびファンタジーは、日常系の作品が増えた影響で、生活感を丁寧に描くというのが、その世界のリアルを感じさせる重要要素となっているわけですが、
 その意味で、洗濯好きのルーシェとかは日常描写の産物ですが、この辺はドラゴンボールが意外と日常描写に力を注いでいたな、と思います(とりわけZ以前の無印とか)。
 バスタードが時代遅れだったのは、80年代の世紀末乱世の雰囲気から日常に回帰する展開がなく、世界が常に危機に瀕していて、安らげるシーンを提示できないままだったからかな。

 で、今の作品だと、「守るべき日常や、帰るべき家とか、そういう土台を構築した上で、それを脅かす敵や事件に対処する」という流れで、
 バスタードは、崩壊前夜と崩壊後の世界しか描かれていないから、話が刹那的になるか、過去にしか秘密がないとか、どうしても物語が後ろ向きになる。

 まあ、今、もし仮にバスタードの新しい物語を描くなら、それこそ名もなき庶民の等身大のストーリーと、世界規模の話をどうつなげるかですが(それができるキャラがヨーコさんだったのかも知れないけど、日常に根ざす彼女の存在感が薄れがちなのが本作の作風なんでしょうな)。

 まあ、90年代ジャンプのバトル漫画のノリを踏襲していて、まだファンタジー世界での日常描写というものが確立されていなかった時期の作品だから仕方ないのですけどね。
 世界規模の高みから見た日常要素の欠如、という意味では、自分の好きな聖闘士星矢だってそうだし、バスタードの欠点というわけではない。
 ただ、今の時代のフィクションとの構造的違いというだけで。

 で、日常描写の解像度という意味で、本アニメの面白いのは、エンディングの絵ですな。
 このエンディングは、完全にバスタードの世界観とは異なる今どきの若者ファッションを本作のキャラに装わせて、平和な日常IFワールドを構築したビジュアルイメージですな。
 ここだけが完全に、今風の要素。なお、ハルヒ以降は、「世界観を無視してキャラだけ切り取ったイラストイメージ」が盛んになった、というラノベ解析文を読んだことがあって、それまでは、キャラと世界観が分かち難く結びついていたのが(ガンダムのキャラが、現代日本の観光地巡りをしているようなノリが21世紀風らしい)、
 何とか、作品の雰囲気を今風に合わせようと、ガワの方を整えているのが、OPやEDの絵面らしい。

 でも、まあ、中身を見ると、やはりOP詐欺っぽいですな。
 サムライや魔戦将軍の集団戦風味なのが、本編を見ると、コミカルザコと成り果てたモブサムライとモブ将軍じゃ、何もできずにいるのが現状。

 一応、コミカル要素を交えながらの(忍者だから、赤影コスプレのガラはパロディとして笑える)四天王推参からの、
 対アンスラサクス同盟的な、サムライおよび魔戦将軍の共闘は、うまくドラマ構築すれば、昨日の敵は今日の友的な盛り上がりどころとも思えるのですが、サプライズ重視でドラマの土台作りを怠りがちな作風というか作者の癖なので(まあ、当時の連載マンガだと、それで十分だったのかも)、
 今の目で見ると、雑な描写に映るわけですな。

 まあ、作者としても、そこは丁寧さよりも、ギャグネタとして深く考えずにノリと勢いでキャラ描写しているだけなので(ギャグやパロディに、真面目にリアル要素とか考察しても無粋なだけ、ということなので、重要シーンをコミカルにして、強引に話を引っ張る手癖が作者にもありますな)、
 シリアスな絵の雰囲気に騙されていた人もいますが、この作品は人間ドラマとかは、ステロタイプとパロディと肩透かしでしか構成されていないので、今、同じことを文章で描こうとしても、雑なキャラにしかならないかな、と。

★牙狼ハガネ

 で、こちらに話をつなげると、キャラの葛藤がしっかり作り込まれていて、バトルを盛り上げてくれました。

 創磨については、K.Kさんが十分解析してくれましたので、こちらはムツギ法師とコヨリについて。

 ムツギ法師が闇堕ちした「悪人を裁けない魔戒関係者の存在意義に関する葛藤」ですが、これは以前に、コヨリが問題提起していたわけですね。
 その辺でコヨリが闇堕ちする危険を覚えていたのですが、実は同じ悩みをムツギ法師がそれ以前から、より強い想いで抱えていたことが判明して、コヨリとの師弟ドラマが発生します。

 ムツギ法師としては、コヨリに対する愛着があるだろうし、コヨリが自分の悩みと同じことを口に出したことを聞いて、「この娘は自分のことが分かってくれる」と期待したのだろうけど、
 コヨリとしては、ムツギ法師も大事だけど、創磨も同じくらい大事。よって、創磨を闇堕ちに追い込んだ法師に対する不信があったのかな、と。
 もし、逆に法師が、コヨリ→創磨という順番で闇に誘惑していたら、コヨリは法師に付いて行ったのかもしれませんが、結果的には、コヨリが法師と決裂する流れになってしまった。

 で、コヨリなりに健闘するのですが、実力の差や如何ともし難く、最後は囚われのヒロインとなってしまったコヨリです。

 創磨は闇を乗り越えましたが、法師は闇に呑まれたまま、次回に続く。
 まあ、一度、斬られた後、最期に正気を取り戻した法師とコヨリの涙の別れと、守りし者としての想いの継承ドラマが描かれることを期待して。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/18 (Mon) 23:32:33

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第27話:ガッチャ!クロスホッパー!)

 どうも牙狼ハガネとの偶然の一致を感じます。破滅ノ門と暗黒の扉の対応性については、「何かのゲートが開く」というのはよくある設定なので、似通っていても問題ない。違いを作るべきなのは、その先に何があるかですが、牙狼ハガネもガッチャードも今のところ明らかにはしてません。

 一致性を強く感じるのはドラマのほうですね。牙狼ハガネでは流牙が創磨に「闇を乗り越えろ」~「戻って来い、創磨」と言い、ガッチャードでは宝太郎がケミー(特にホッパー1)に「(闇の力を)乗り越えろ」~「戻って来い」と叱咤激励。もっとも創磨は内面の要因、ホッパー1は外からの強制という違いはあります。

 ともかく本編ですが、これも牙狼ハガネとの偶然の一致に含めたくなるような、ほぼ全編バトルにしつつ、ドラマもちゃんと描く構成ですね。まず宝太郎らはテンライナーでウロボロス界に駆け付ける。そこではグリオンがドレッドドライバーを窯に、ケミーカード(主にレベル10)を扉にして、ほぼ準備が整えている。

 むしろ待ち構えていたわけですね。残るは扉を開く鍵のガッチャードライバーだけだから。このことは風雅は分かっていて、宝太郎らにウロボロス界へ行くように促したんだろうか。宝太郎が逃げ回ってガッチャ―ドライバーを渡さず死守するという戦術は何か問題があるのかしれない(未完成の扉でも、邪気出して世界がおかしくなるとか)。

 が、緒戦は宝太郎側優位で進む。グリオン/ドレッド弐式はアイアンガッチャード/マジェード/ヴァルバラド連携の前には為す術なさそうだし、先輩ズもズキュンパイアの力を借りてアトロポスの術を跳ねのる。

 これでどうしてグリオンが宝太郎らを招き入れて戦う気になったのかと不思議になりますが、奥の手があったようで。ドレッド参式ですね。宝太郎側3ライダー連携でも歯が立たないほど強い。ドレッド/グリオンが悠々と撃破しまして、宝太郎のガッチャ―ドライバーはグリオンの手に。

 勝利が確実となったグリオンは目的を語りますが、世界を黄金に変えたかったんですか。そこで(自らが認めた者らと)永遠に生きるつもりらしい。一瞬邪道のように感じましたが、よく考えたら錬金術なんですから王道と思うべきなのかも。

 それはともかく、ガッチャ―ドライバーさえ手に入れば宝太郎に用はない。儀式の邪魔とばかりに始末しようとしますが、待ったをかけたのがミナト。自らの術を返されて学友を失ったミナトは不貞腐れて絶望してましたが、鏡花の励ましで立ち直ったわけですね。しかし鏡花の言葉が通じたのは、前話で宝太郎らがミナトに必死に訴えた言葉が響いていたからだったのか。

 遅効性ながら説得に応じてくれたと分かった宝太郎は俄然として奮起、今度はケミー(特にホッパー1)を説得、さらに叱咤激励するわけですね。上述の通り、牙狼ハガネを思い出すような励ましです。これに応じたのはホッパー1だけでなく、レベル10ケミーらも心打たれた模様で、力を貸してくれる。

 かくしてプラチナガッチャード誕生。こちらで4月ではなく今話登場とご教示頂いたお陰で、流れがすっきり理解できました。プラチナは4月と思ってたら、グリオン打倒に至る流れが読めず、強すぎと言ってもいいプラチナ登場で慌てて理解しなそうとして混乱してたと思います。

 それにしても前半で「ドレッド参式って強すぎるな、風雅/ウインドがいてくれてもいいくらい」と思ってたら、後半では「プラチナ出てきた途端、もうドレッド参式ば弱体化なのか」。力のバランスでシーソーゲームになってますね。

 かくしてグリオンは打倒され、開きかけていた暗黒の扉も閉じる。全てのケミーも無事戻って来る。ただ、グリオンが何かを扉に求めようとして(「ヘルドラゴン」と言っているようです)、逆に巨大な手に鷲掴みにされて取り込まれてますね。後には金一色のルービックキューブのみが残り、アトロポスの手に渡る。

 そのキューブは何やら変色しつつうごめいてまして、アトロポスは何が起こっているか分かっている感じです。もしかすると、アトロポスはグリオンに作られ、仕えているようでいて、実は黒幕だったりするのかしらん。あるいはアトロポスには別の親玉の命で動いていたのか。

 次回「ベロベロ怪奇!蓮華の里帰り」は、仮面ライダーWEBによるとコミカルな箸休め回みたいですね。ゲストに懐かしい顔が見えまして、ベビクラショウタことジャグラスジャグラー。監督が田口清隆さんで、土曜のウルトラマンを数多く手がけて来られた方ですね。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第3話:運転屋が止まらない )

 ガッチャードが前半のクライマックスのせいか、こちらは今まで以上にコミカルにまとめて来た感じですね。第2話までですと、演出面のコミカル(極秘と思った荷物がアイドルの写真等)が目立ったと思いますが、今話はドラマパートを面白おかしくしてきました。

 しかしまずは人情を前面に出しまして、未来が取って来た仕事が「ヒビの入った手鏡を届ける」というもの。バイトしているケーキ屋の男の子が祖母にプレゼントしようと手作りしたものですか。しかし割れてしまってしょげている。そこを未来が「きっと喜んでくれる、届けてあげる」と優しいところを見せたわけですな。

 梱包材はケーキ屋にあったらしい段ボール箱(小麦粉の文字が見える)などですから、届け料は無料か、せいぜいジャラ銭でしょうね。射士郎は呆れますが、大也は(調達屋:振騎玄蕃に語ったところによれば)期待の新人へのOJTということらしい。

 が、金払いのいい大也は資金援助はせず、車も貸さずで、未来は自転車で届けるしかない。仕事取って来て、完了するまで自力でやれってことでしょうか。そこへ動くものなら何でも攻撃したくなる苦魔獣トケイグルマーが絡んできて、コントに移るわけですね。

 運転屋として加入したのに方向音痴の傾向があるらしい未来、むやみやたらと走り回る。未来はバトルに気が付きますが、サムズアップして「(届け屋の仕事を)頑張る!」と走り去る。

 それがトケイグルマーへの陽動となって、大也らを利する。大也は「直感で陽動してくれてる」と思うものの、未来を今一つ信用しきれない射士郎は疑問に思う。結局、未来は陽動するつもりなどサラサラなく、単に届け屋頑張ってただけらしい。が、結果的には抜群のチームワークであるわけですな。

 そこを大也は「爆上だ」と評し、射士郎も同意するしかない。第1話からここまで「射士郎が未来に『シャーシロー』と呼ばせることを許すほどになるか」というテーマ/問題があるわけですが、冒頭ではちょこっと(射士郎が間違える形で)そろそろそうなりそうなことが示されてました。

 後半のバトル直前ではどうやら「アイツを信じるオレを信じろ」形式で、射士郎は未来を仲間として受け入れる気になった感じですね。

 警官の阿久瀬錠は依然としてハシリヤンの起こす事件に巻き込まれるのみ。ですが、ラストで動きがありまして、新しい上司らしき細武調登場。演じるハシヤスメ・アツコさんは、例えばウィキペディアに個人での項はないですが、ガールズバンドBiSH(活動2015~2023年)の項にメンバーとして記載があります。

 そこには「コント担当」とあり、「なるほど」と思いました。真面目な素振りながら、どこかコミカルさを感じさせる演技は慣れてるんでしょう。次回から期待してよさそう。眼鏡キャラはBiSHで活躍していたときかららしく、だからブンブンジャーでもさまになってるわけですな。

 しかし次回「ヒーローを呼ぶ声」では、細武調が「ブンブンジャーは解散」と言ってるようでして、波乱を起こしそうです。まあコミカルに収束してくれるんだとは思いますが、予告含めても細武調が何者なのかはサッパリ分からんです。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/20 (Wed) 21:45:02

ニチアサ感想です。

★ガッチャード

 前回の感想で想定していたことよりも、物語が加速して、一気に動いたようです。

>次回で最後に顔見せパワーアップして、その次に活躍を描いて、グリオンの野望を粉砕

 2週ぐらいかかるかと思っていたら、一気に決着をつけましたね。
 ストーリーの流れは想定どおりでしたが、密度が違った。

 しかも、しっかり感情移入を伴って、満足な出来栄えです。
 イベントを形だけ消化したわけでなく、とりわけ、蓮華先輩と錆丸先輩が彼らなりに成長して戦っているシーンが好印象。
 脇キャラを大切にしている作品ということで。

>3人ライダーの同時変身

 前回、まだ実現していないと書いたら、こちらの意を汲んでくれたように、しっかり今話で見せてくれました。

>グリオンの変身

 しっかり、ドレッドの強化態に変身してくれましたね。しかも二段階で強くなって、それでもプラチナのかませ犬状態で、クールボスとしての務めをしっかり果たしてくれました。

 で、彼の遺産をアトロポスが継ぐことになるのか。
 こうなると、幼女形態から、アトロポスの成長態が登場しそうですね。
 戦隊の子供幹部は、番組後半で成長するのが定番ですので(子供にあまり残虐なことをさせられないという制作事情もあって、悪事がエスカレートして倒される頃合いには大人化させる)、
 アバレンジャーのリジェが後半、リジュエルになったり、
 ジェットマンのトランがトランザになったり、戦隊ではいろいろ。

 ライダーでは、子供幹部が珍しいというか、いない? 少なくとも、すぐには思いつきません。
 お姉さんヒロインが幼女化した電王みたいなケースはありましたが。

 アトロポスは演じ手が年少なのに、役割は姉キャラということで、そのうちグリオンの遺した力で、外見も含めて成長するんじゃないか、と思っています。

>ミナト先生

 彼のエピソードの解決は、次のクールに入ってからかな、と思いきや、一気に今話で解決してくれましたね。
 実は、これが一番の想定外でした。

 てっきりラケシスといっしょに、しばらく姿をくらましてから、後で再登場すると思ってましたので、
 ここで鏡花さんに説得されて、帰ってくるとは……ここまでのドラマで一番燃えました。

 で、鏡花さんにミナト先生の居場所を教えると共に、ウロボロス界への通廊を開ける形で、こっそり支援したラケシス。
 次のクールでは、鏡花さんのところの居候になって、イメチェンしつつ、スパナと日常的にイヤミ合戦をしつつも、満更でもない関係になるのでは? と妄想しております。

スパナ「何でお前がここに?」
ラケシス「あなたのことが気に入ったので、手助けしたいと改心しましたの」
スパナ「笑えないジョークだ」
 ……って感じで。


 で、アトロポスが成長すると、何となくラケシスとキャラ被りしそうな感じなので、そのために引き離したのかなあ、とも想像しつつ。

 まあ、次回は箸休めコミカル回ってことで、オカルトネタなら加治木くんですし、ウルトラコラボ(ジャグラス・ジャグラー)も楽しみ。
 まさか、レギュラー化はしないだろうけど。

・仮面ライダーハート→ウルトラマンブレーザーのチーム隊長および変身者
・ジャグラー(ウルトラマンオーブのライバル敵役)→ウルトラマンZのチーム隊長→ライダーのゲスト敵役?

 まあ、ライダーとウルトラの俳優つながりはいろいろありますからね。その辺は、業界の縁が密接って感じで。


★ブンブンジャー

 今年はヒロインが一人で、少し寂しいな→おお、レギュラーになりそうなメガネ女史キターってところです。

 警察関連のクール女史ってところで、ブンブンジャーの協力者になってくれるか、それとも、迷惑かけられ系の可哀想な人になるのか。

 お巡りさんの錠くんが、ブンブンジャーに加入する際に、警官を辞めるのかどうかが気がかりでしたが、ブンブンジャーの活動のお目付け役として、上司に特命を受けて行動しながら、活動報告を命じられる形だと面白いなあ、と思ってます。
 あとは警察の捜査で、大也の出自とかが判明するとか?
 未来が捕まるのは、第1話のヤクザとの結婚破棄とか、そっち系の圧力があるのかもしれないし、そこまで繋げるつもりがあるのかないのか、も次回で分かるか。

 何にせよ、作風は分かったので、あとはキャラの人間関係の広がりがどこまで丁寧に構築されるか、ですね。
 人間関係が固まるまで時間がかかったのが、前作と前々作でしたから、今作はまず土台を早急に固めてくれたらなあ、と思ってます。

 今回の赤は「全てを見透かしたような上から目線の完璧レッド」に見えていたのが、「ピンクの天然マイペースぶりに、読みを外して、それでも爆上と言ってしまう辺り」がいいなあ、と。
 まあ、全てが計算どおりに動くと、つまらないので、想定していたよりも面白く、上手く流れる有能な人間ってのが爆上なのかな。

 ともあれ、物語の実質的主人公は未来だと思ってますので。
 優しく、熱血で、成長株で、人助けに一途なのが主人公属性。
 赤はリーダーだけど、主人公というよりは、隊長とかコーチの立ち位置で、
 青はイヤミな先輩で、
 黒とオレンジは、まだ読めないですな。

 一応、黒はキレンジャー枠の怪力コミカル3枚め風だけど、未来と役割が被りそうなのをどう見るか。
 武装的には射撃キャラっぽいのだけど、意外と戦闘のプロフェッショナル?

 オレンジは、調達屋だけど、武装的には土木系のメカを操るので、ものづくり的な職人キャラなのかな。

 チーム物だと、各キャラの役割配置をあれこれ考えるのが面白いな、と思ってます。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/21 (Thu) 00:11:13

 定期感想その3です。

●BASTARD II(第38話:聖戦Ⅳ)

 ようやく魔戦将軍と侍の共闘成立からの反撃となりました。そう持っていく流れは悪くなく、まず四天王集結から入ってますね。そしてガラらの力量を敵アンスラ(細胞)にぶつける。魔戦将軍や侍から見れば、はるか格上の戦いであるわけですね。

 アンスラ細胞に敵うわけないと絶望していた魔戦将軍は、これを見て一縷の希望を見出した感じ。しかし(ダメージ見え見えなのにバレない)アンスラ細胞の無敵さも見て、まだ力が出ない。

 そこで侍が出張って来るわけですね。以前から武士道に基づく忠義で動き、命を惜しまない様子は描かれてますんで、敵がいかに強かろうと立ち向かっていく点は自然に見えます。かつ、その勇を見せて魔戦将軍を鼓舞するわけですな。

 これで魔戦将軍も怯みが消え、かつ個でなく衆で戦えばさらに強いとも悟る。魔戦将軍は侍と対照的に共通する信念を持たず、個々に戦ってきましたんで、そこは盲点だったのかな。かくして侍&魔戦将軍連合が成り、敵アンスラ細胞に挑んでみると意外なほど通用する。

 その間、DSは前面に出ずにアンスラ細胞内のカル=スの気配を探っているようですね。どうやら取り込まれてはいるが融合はせず、生きているらしい。今話ではそこまでですが、公式サイトの次話予告を見ますと、次で復活してDS&カル=ス共闘となる模様。

 そうできたのは侍&魔戦将軍が共闘で来たお陰といえそう。その功績は四天王もありますが、侍によるところが大きい。なにせ魔戦将軍は、いったんはほぼ侍を皆殺しにしたた憎き敵ですからね。それを責めず、恨まずに起てと励ますわけですから、度量の大きさが感じられ、魔戦将軍が応じて奮起するのも納得できます。

 流れとしては自分的にツボです。が、好みのパターンに入って来ただけあって、かえって不満も生じてしまいます(^^;。もうちょっとじっくり描いてくれたらなあ、と。上述しました魔戦将軍の侍皆殺しは、しかし(DSが強いたとはいえ)魔戦将軍バ・ソリーの再生蟲により、侍全員が五体満足で生き返る結果となっています。

 早々にDSに心酔したボル・ギル・ボルもいますし、ジオンとシェン・カーの兄弟の因縁もあります(こちらは多少描かれはしましたが)。そういうフックがいろいろあり、共闘に至るドラマの作りようがいろいろありそうです。今話ではヨーコが支援魔法で活躍してまして、侍と魔戦将軍にドラマの盛り上がりがあれば、その要にヨーコがいて、みたいなヨーコの存在感をデカくする運びにもできたかも。

 そういう恩讐揺れ動いて、最後に覚悟固まるみたいな流れが観たかったなあ。もっとも原作者の作風とはかけ離れたものかもしれません。それでも「DSが動きを止めると、周囲がよく動くなあ」と感心しました。2期序盤の暗い流れでもそうですし、それがここへようやくつながって来る感じもあります。
(ふと、DSを怠惰にするとワンパンマンのようなドラマになるのかもと思ったりもする ^^;。)

 全員総力戦の態勢となりましたが、敵アンスラ細胞との決着は次話/最終回へ持ち越し。カル=スを救出し、アンスラ細胞を倒して2期は終りでしょうな。アンスラ本体が復活してしまってますが、対決は3期に持ち込むクリフハンガーということなんだろう。

 シーラ姫は最終回で救命が描かれるんだろうか。ED後のCパートで遅まきながらジオらが駆けつけてまして、小竜ラーズ内の王子ラーズも描かれました(さらにバ・ソリー来れば確実なんでしょうけど)。シーラ復活を描いてくれるんなら、アンスラの鍵封印の運命を逃れたという、一応はシーラ個人の部分的なハッピーエンドであるはず。

 余談になりますが、ガラがやけに長い必殺技名を唱えている最中にネイに先を越されたのはちょっと笑いました。それ自体が可笑しいというのもありますが、ドラゴンボールを思い出しまして。

 ギニュー特戦隊のリクームですね。(力量差に気付かず)悟空と戦おうとして攻撃が当たらず、それならと必殺技出そうとしたけれど技名が長すぎて途中で悟空の肘打ち食らって昏倒。技名を調べると「リクームウルトラファイティングミラクルボンバー/ウルトラファイティング・アタック/R・F・B・A」らしい。

 今話のガラの長すぎる技名はそれを意識したものだったのかしらん。作者の意図は不明ですが、自分的には充分に連想が働いてしまうものでした。

●仮面ライダー響鬼(第11話:呑み込む壁、第12話:開く秘密)

 今週分は前半(第11話)でいったん混乱しまして、童子&姫が3人体制になったのかと。しかし観ていくと童子&姫の上位者らしいと分かりました。何かを与えて強化してましたな。姫は従順に受け入れ、しかし童子は少し恐れるような様子がある。

 与えた者を後でウイキペディアで調べると「クグツ」と呼ばれる存在でしたか。今回は男タイプでしたが、女タイプもいるようですね。しかしセットで行動するわけではなさそう。どちらのタイプにせよ、童子&姫を作り出す能力があり、さらに上位に「洋館の男女」がいて、となかなかややこしそうですね。

 それはともかく、今回のクグツは童子&姫の強化を試みたらしい。童子&姫がいつも早々に退治されてしまうんで、魔化魍に支障があるせいかな。しかしクグツは強化童子&姫による鬼の打倒を考えている風もあり、響鬼を倒し切れなかった童子らに怒っている様子もあります。

 クグツの狙いはともかく、いつもなら響鬼が炎を放って退治できてた童子と姫に、攻撃が効かなくなってます。しかし能力強化は時間切れがあるらしいということで、持久戦に持ち込んで決着。地力ではない借り物では無理があるわけか。

 童子&姫討伐には一応の苦心がありましたが、魔化魍:下野のヌリカベはさしたることはなかったようで、いつもの手順で打倒。つまり太鼓打ち込んで鳴らすわけですが、これって相手がデカいからできる芸当だなと改めて感じました。このやり方は等身大の童子&姫には難しい。だから火炎なのか。

 一方、猛士拠点(甘味処たちばな)では、今週分はヒビキらと完全に別行動の明日夢が忍者屋敷のからくりに迷子になってしまう。このからくりの先には、今週分で初登場の滝澤みどりがいまして、近代的な研究所で何かやってるようですね。猛士側の装備が古来風ではないメカが多いのは、ここで作ってるんだろうか。

 しかしそこは肝ではなくて、まだ猛士や鬼などに疎い明日夢に滝澤みどりが説明してあげる形で、観ているこちらに設定を紹介するのが主眼のようです。ちょっと分かりにくいところとか、整理して語ってくれるんで助かります(今なら調べればいいとはいえますが、初放映時だとドラマ内の解説が頼りになるはず)。

 明日夢への解説が済むと、忍者迷路から甘味処店内に返されまして、そこにはひとみとあきらがいる。やはり自分にはこの2人が明日夢の二択の方向を示しているような印象があります。今は次第に鬼/猛士への関わりが深くなっているようですが果たして、という感じですね(調べた範囲では、この時点では作り手もはっきり決めていなかったようで、それなら観ているこちらが「明日夢はどうするんだろう?」と思っても当然なのかも)。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/22 (Fri) 15:57:51

 定期感想その1です。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第11話:誘(いざない))

 最終話に向けて収束していく感じですね。ラスボス交代などがありますが、予想の範囲に何とか留まる程度に思えます。たぶん流牙側の結束が強まり、連携の取れた戦いができるようになっているのが、「そう来なくっちゃ」と安心できる材料になってるからでしょう。

 ともかく本編ですが、まずはムツギ法師の思惑通りに事が運んで行ってますな。自分は「もしかすると門が開いた途端、出て来た真のラスボスにムツギは食われるかも」とも思ってたんですが、無事に(?)禁断の果実を入手し、ムツギ法師は全知全能となる。

 そこからはムツギの圧倒的な攻勢ですね。迷宮での戦いはもとより、クレアシティ全域に力を及ぼしまして、陰我を持つ者を白目をむかせて静止させてしまう。ロンとオビが居合わせてはいますが、手の施しようがない模様。

 迷宮内ではムツギを阻止すべく流牙らが立ち向かうわけですが、全く歯が立たない。ただ、バラバラにムツギにかかっていってる感じですね。それが少し変わり始めるのが、まずコヨリが意を決してムツギの攻撃を術で阻止したとき。続いて、そのコヨリにムツギが襲い掛かろうとして創磨が防いだとき。

 しかしまだまだでして、流牙はムツギの術にかかって切り離されるし、創磨はハガネを召喚し、覚悟を示して立ち向かうも跳ね返される(でもカッコよかったなあ)。幻と現実との境界でムツギに立ち向かう流牙も、舌戦ですらムツギを揺るがすことができない。

 攻守が逆転し始めるのが、ムツギが倒れた流牙と創磨に止めを刺さんとし、コヨリが必死のカバーに入ったところから。それでも押されるコヨリに、助けられた創磨が逆に助けに入ってからですね。ここから連携がよくなる。

 ついに攻撃を跳ね返し、ムツギは喚く。ついに乱れましたな。すぐに高笑いしてみせてますが、全知全能を称しても無敵ではないことが露わとなりました。コヨリはムツギに引導を渡す覚悟を固め、魔導筆に念を込めて流牙に託す。流牙も応えて鎧を召喚し、魔導筆を槍と成してムツギを貫く。

 そしてクレアシティにムツギが施した術も消え、白目剝いていた人々も元に戻る。ムツギは槍が変化した光にいったん包まれまして、もしかするとコヨリが込めた念は浄化を試みるものでもあったのかもしれません。

 しかしムツギの信念は変わらず、自らの行いの正当性を頑なに主張。が、流牙が「俺たちは苦しみの中で戦う覚悟がある」と言い放つと、ムツギに動揺の様子あり。さすがにぐらっと来たんでしょうか。

 が、闇落ちのムツギが元のムツギ法師に戻ってしまっては困るのが「誘惑者」らしい。こいつがラスボスだったようですね。ムツギ法師に「禁断の果実」を教えてそそのかし、門を開かせるだけではなく、禁断の果実で力を得たムツギを依り代として顕現する計画だった模様。

 たぶん、禁断の果実はホラーでは使えないものだったんでしょうな。もし使えるんなら、その力を得て門を開いてしまうとかできたはず。そうではないから、いったん人間に使わせ、その人間を食らうことで力を得る呪われたアイテムだったのかも。

 そしてその計画が成ったわけですね。ムツギはムツギホラー態となり(ムツギの意識はもうないらしい)、禁断ノ門を大きく開く。流牙と創磨は鎧を召喚して迎え撃つ構え、というところで続く。

 ムツギホラー態ですけど、牙狼MSのギャノン(人間態)を思い出すものがありました。偶然の一致なのか、それともドレスが長くて、爪も長いだけなのを自分が似ていると思い込んでしまったのか。

 次回/最終回「継(つなぐ)」予告映像では、流牙が「この金色の光を全て闇の力に変えてみせる」と言ってまして、今まで名前だけだった「閃影剣舞」が放たれるんだろうか。予告文では「乱れ舞う閃影と閃光」とありまして、創磨が閃光剣舞、流牙が閃影剣舞を放って決着といったところでしょうか。

●勇気爆発バーンブレイバーン(第11話:オペレーション・ボーンファイア、開始だ!)

 ラストでえらいことになりまして未だ動揺してるんですが、まずは本編を追ってみます。

 イサミ&ブレイバーンと相棒(ルル↓)&おじ様(スペルビア)の共同出撃でいよいよ決戦、と思ったら、まず砂浜で保養なんですか。ATFの仲間を巻き込まないよう出し抜いたはずなんですが、追いつかれないかなとか心配してしまいます(^^;。

 浜辺での描写は第9話以前なら「何やってんだろうな、これは」と首をかしげるタイプのものですね。ブレイバーンが「大好きだー」と叫んでイサミへ飛び込むシーンは、第5話のボクシングのクリンチ(?)と似ていますが、心情的には対照的ですね。

 ボクシングのときはイサミとスミスの生身同士でして、ミユ・カトウが鼻血出して興奮(この人、オタク系が反応するポイントを示す役割ありそう)。が、今回は異種族になってるわけですね。自分はこちらで伺った555「パラダイス・リゲインド」をちょっと思い出すものがありました。

 555本編ではついに巧と真理の距離は縮まり切らなかったわけですが、真理が巧と同族(オルフェノク)になったリゲインドでは結ばれると。このブレイバーンではいかにBL風に匂わそうとも、第1話からのブレイバーン含むスミス死後は異種族であるわけですね。

 その壁は高く分厚い。また第9話を観終わってからはスミス/ブレイバーンやイサミの行動・言動の意味も違って見えてます。第1話からして、初見ではブレイバーンがいきなり「助けに来たぞ!」と言っても、観ているこちらは「?」ですが、第9話観てから第1話観たら「おっしゃあ!」です。

 もう「こういう演出のお遊び見ても、自分の視点が揺らがなくなったなあ」と感じます。なお、第10話観終えてから第1話からまた観なおしてもいまして、ルルも見え方が一新する感じです。キャラクターが時間遡行するたびに視聴し直して新たな面白さがあるなんて、初めて経験しました、

 それはともかく(^^;、スペルビアが飯を食う点に注目しました。ルル(↑)を格納するハッチが食事用の口のようですな。飯も有機物/生命体だからなんでしょうね。これに対しブレイバーンが「食えない」点も面白い。デスドライヴズのクーヌスと一体化しても、有機生命体を「消費」する機能がそもそもなかったようです。スペルビアがその境地に達するべきなのか、それともブレイバーンが不完全なのか、ちょっと判然としません。

 飯のシーンではちょっと分からないことがいくつか。単語としては「チルの波動」でして、chill(寒気、ぞっとする)だと思うんですが、何を指しているのか。時系列としてはブレイバーンの問い(料理をいつ覚えたか)に対するルルの返答「この後(いっぱい練習した)」です。ブレイバーンは疑いもせず「そうなのか!」と感心。単にブレイバーン/スミスが抜けてるだけなのか、それとも自分より先の未来から来たと勘づいているのか。

 ルルの料理に感激する過剰なまでのイメージ演出は料理系コミック/アニメのパロディがいろいろあるそうですが、自分には分からず。さらにそこへガンダムなどで出て来た構図使ったりもしているらしい。かろうじて自分に分かるのはガンダム1stのアムロとララァの(精神イメージの)邂逅シーンくらい。

 さらに浜辺追っかけっこ等々、「何しにここへ来たん?」くらいに緩み切りますが、翌朝は「オペレーション・フリーダム・ドーン」(自由の夜明け作戦?)。残るデスドライブズ3体の各個撃破を狙うもので、まずは怠惰のセグニティスから。スペルビアも戦いを見たことがないという謎の敵で下手すると最強クラスらしい。

 が、いざ戦闘が始まると、観ているこちらには「あ、コイツ(セグニティス)見掛け倒しのこけおどしタイプだ」と分かる仕掛け。やけに用心するスペルビアとブレイバーンも滑稽に見えてきます。公式サイトによると「何もせずに得られる死」が願いらしいですが、その最期を見るにどうもそんな感じではありません。

 スペルビア含む他のデスドライヴズが対戦者たらんとしているとすると、このセグニティスは観戦者になりたかったんじゃなかろうか。もっと言えば野次馬ですね。セグニティスをブレイバーンを上回る強者と思い、打ち破って自信がついたスペルビアがブレイバーンと戦うのを見て、セグニティスは「生首になった甲斐」~「おおきに」と最期の言葉。自分(セグニティス)がどう死にたかったのか、最後の最後に見出したように見えました。

 セグニティス見ていると緩むんですが、自信を得たスペルビアがブレイバーンに挑む流れは最初唐突に感じ、しかし次第にテンション上がって納得まで行きました。スペルビアとてデスドライヴズ、ルル↓を得ても自らの滅び願望は根っこにあるはずです。が、ブレイバーンが生きる理由を与えるわけですね。

 さらに強くなって戦いたくないかと。これがスペルビアに響いた。戦いがあるときだけ役割がある戦士から、何も起こらずとも高みを目指す武道家へ変わる瞬間ですね。こういうの好きです。例えばドラゴンボールでは、ピッコロやベジータもそんな感じでしょうか。その2人とも強さにワクワクする悟空がそっちへ引っ張っていきました。

 かくしてスペルビアは第二の覚醒となり、残るデスドライブズ2体へ、と思ったら衝撃来まして。憤怒のイーラの奇襲ですね。相当に怒ってのことらしく、スペルビアが卑怯と詰るも全く意に介さない。もっとも公式サイトでは「怒りをたきつけるもの」が好きとなってまして、激怒=大喜びなのかもしれません(^^;。

 しかし、イサミは衝撃で放り出されて助かったものの、ブレイバーンは致命傷。まるで未来のルルの前で死亡/機能停止したブレイバーンのよう。違いは「ジャパンのカレー、美味かったな」ではなく、昨夜の焚火の話だったこと。カレーよりそちらが嬉しかったんでしょうね、たとえルルの手料理が食べられなくても。ですが、そのせいでイサミはブレイバーンがスミスだと知る機会を失ってしまいました。

 それでもブレイバーン/スミスは今際に「ブレイブ、バーンだ」と告げ、瞑目の代わりに顔をシールドで覆って絶命。ブレイバーン/スミスにはイサミを見つめつつ、大勢の仲間の顔も一瞬見えたようですね。

 これはルルが変えようと望んだ結果ではないでしょう。スペルビアは健在でさらに覚醒して強くなってますが、未だ敵2体が残ってます。イサミは存命ですが、デスドライブズを完全撃破しながらもイサミ&スミス/ブレイバーンが失われた歴史より悪化しているといっていい。

 これ、残り1話でどうするんだろう。気になるのはルルです。よく考えてみると、ルルはブレイバーンが撃破されてしまったからこそ、回収されたコアからタイムマシン(ブレイブドライバー)が作られ、過去へ戻れたんでした。その因果関係ゆえ、未来から来たルル(の意識)とブレイバーンの存在が両立しないなんてことだったら、絶望感あります。

 が、ルルが過去に戻る際に「ルルちゃんがこの時間を観測しない限りは(未来のルルの身体は)ないも同然」とミユ・カトウが言ってたんでした。今観ている世界/歴史はルルの知る未来とは無関係、ルルが過去へ戻れることが前提でないと思いたい。それにブレイバーンのドラマの作りから考えて、そんなハードSF寄りにはしないだろうし(^^;。

 でも、もしブレイバーン/スミスを救うとしたら、やはり過去に戻るしかなさそう。その候補としては今度はイサミでしょうか。ルルがタイムマシン(ブレイブドライバー)の設計を知っていれば(思い出せれば)、ミユ・カトウに伝えてタイムマシンの完成時期を早められそうです(敵2体はスペルビアが対処)。

 スミス/ブレイバーン死亡を受け入れるとすると、スペルビアが奮戦となりそう。気になるのはOP映像でルルがスペルビアから貰ったペンダントを手に叫んでいるカットです。スペルビアは地球に惨劇をもたらしたデスドライヴズの一員でしたから、ルルへの気持ちの変化もあり、責任を果たすべく奮戦して勝ちながらも死亡とかあるかも(たぶんルルに変わってイサミが搭乗者/相棒となる)。

 淫蕩のクーヌスも未だ気になります。「時を巻き戻し、何度も何度も、そなた(スミス)との逢瀬を思い描いた」と言ってましたから。その影響が残るブレイバーンが時を巻き戻さないとも限らない。今観ているドラマとて、明示的には2度目の歴史改変のはずです。一度目はスミスがブレイバーンとなり、デスドライヴスと相討ちになった歴史。二度目が今で、それを知るルルがスミスらを救うべく奮戦する歴史。三度目の正直があるかも。

 いやどれもありそうにない。自分如きが考えても、多少でも当たりそうな予想ができそうにありません。どうなるんでしょうね、これ。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/22 (Fri) 23:05:42

 響鬼以外は、次回が最終回のオンパレードですな。

★バスタード

 この回だけ見ると、最終回1話前で非常に盛り上がった回です。
 そう、この回だけ見れば。

 それまで、サムライも魔戦将軍も、いろいろグダグダしていたので、誰一人として感情移入ができない。
 溜めに溜めて、勢いよく噴き出したわけでなく、何だか唐突に、勝手に盛り上がっているだけといった感じで、とりあえず、全員揃って、一人ずつ必殺技祭りを披露していれば、体裁だけは整うって見せ方なんでしょうけど……こういうのってスパロボで見慣れているんですな。

 スパロボの場合は、自分が育てたキャラ(ユニット)なので普通に感情移入できます。もちろん、ゲームとアニメの媒体の違いはあるのでしょうが、
 感情移入しているキャラが多ければ多いほど、それぞれの活躍シーンが盛り上がれる。

 身近な例で言えば、教え子が「受験通りました」って報告して、笑顔になっているのを見ると、自分も「やったあ、良かったな」と自然に笑顔になる。その子が頑張って、勉強しているのを見て来ているから。
 でも、TVのニュースで「受験に通って喜んでいる、知らない学生たち」の姿を見ても、「ああ、良かったね」と他人事の感情しか湧かない。

 要するに、サムライも魔戦将軍も、これまで頑張って来た連中がよくぞここまで……というほどのドラマも見せておらず、段取りがダメって感じなんですな。
 ただ、この連中の扱いは、1期で登場したメタ・リカーナの騎士団長ボン・ジョヴィーナの劣化バージョンまたは焼き直しに思える。彼はDSのことが嫌いで、騎士としての誇りを胸に、短慮で愚直ながら誠実な人間として王国のために、そしてシーラ姫を守るために筋を通してきた(そういう人間をコミカルに描くのが、当作品の作風なんですが、まあ、真面目な騎士をギャグにするのは90年代のRPGでも定番なので、そこは大目に見る)。
 でも、ボン・ジョヴィーナのやっていることは筋が通って、ブレないんですね。DSを過剰に持ち上げることもなく、「貴殿のことは今も嫌いだが、今はそんなことを言ってる場合ではないことも承知している」的に騎士の務めは果たしてくれる。

 しかし、サムライも、魔戦将軍も、その改心劇をギャグ調で描いてしまった。途端に、彼らの芝居が軽くなってしまって、真面目に見ている方がバカバカしくなってしまった。
 重いドラマを背負っているはずの面々も、コロッと転向してしまって、シリアスさが微塵も感じないのに、形式だけの必殺技祭りを見せられてもなあ、と思った回でした。

 とりあえず、キャラが多すぎて、個々への見せ場が激減してしまったのもあります。

 DSの復活を遅らせて、サムライVS魔戦将軍のチーム戦とか因縁ドラマを、もっとじっくり描いて、それなりに犠牲者を出して、生き残った面々の格を上げてから、クライマックスのアンスラサクス戦に持ち込んで、「このままでは世界が滅びる。貴様たちとの決着は一旦預けておく。今は互いに協力するべき時ぞ」と呉越同舟的な話に持ってくれば、まだしも、
 魔戦将軍どうしが仲が悪くて共闘しないとか、そんなことを今さら言っても、「いや、君たち、一緒に仲良く、飛空艇に乗って来ていたし、今までも結構、一緒につるんでいたよね」とか、何だろう、その場の勢いだけのドラマとか、セリフで考えずに話を作ってますって分かるわけで。

 まあ、作画がシリアスっぽくて、ノリと勢いがあれば、マンガもアニメも成立しちゃう時代の物語でした。
 90年でインターネットもなく、議論の場も少ない時代でしたからね。

 魔戦将軍イングヴェイとか、カル=スとの関係が腐女子の好物になりそうだけど、そう言えば、バスタードって女性ファンは割といるのかな? あまり、バスタ好き女史って聞かないけど(DSのセクハラ発言に女性ファンが付くとも思えない)。

 とりあえず、ギャグアニメと思って見てますし、今話みたいな瞬間最大風速の盛り上がりは評価してますけど、
 クライマックスで盛り上げたところで、一気にちゃぶ台返しして、話をまた仕切り直すことが見えているので、最終回が楽しみだって気分にはなりません。

 今期は、ネイさんとか女性キャラの活躍シーンが少なくて、シーラ様もずっと悶えながら横たわっているだけだし、
 2期の1話の成長したヨーコさんとか、侍と共闘しているカイ・ハーンの活躍は期待したんだけどなあ。最初だけでした。

 一番、感情移入しているのは、クールに解説役をしているアビゲイルさんです。
 杉田さんの声も合わせて、いいキャラです(スペルビアおじさまですし)。

★牙狼ハガネ

 ほぼ想定内で、きれいに収まりそうですな。

 アクションも3人のフォローし合う連携が流れるようで、見ていて綺麗ですし、闇堕ちムツギ法師のメイクも、いかにも悪の女幹部って感じで、今どき珍しい隈取り風が昭和っぽい(CGを使ったり、モンスターメイクにせずに、役者に化粧を施しただけってのがいいですな)。
 アクション的には、光学合成と瞬間移動を駆使した変幻自在さが、牙狼的には新鮮に見えました。生身の派手さとはまた違った(ムツギ法師の役者がアクション女優ではないからですが)演出で、一方、コヨリが体を張って、やられて弾き飛ばされる演技とか魅せてくれましたな。

 これまでの魔戒法師は、舞踏的なアクションでしたが、コヨリの場合は、スタイリッシュではなくて、リアルにがむしゃらに法師に食らいつくようなケンカっぽい動きが、創磨との連携で相性がいい。
 創磨も、あまり洗練された動きではなくて、ぶつかって行くようなワイルドさで立ち向かって行くわけですし、
 そこに昔はワイルドだった流牙が、洗練とかスタイリッシュを担当していて、上手い組み合わせだな、と。

 あとは、黄金騎士にせよ、ハガネにせよ、鎧バトルが物足りないので、それは次回の最終回で魅せてくれることを期待します。

★ブレイバーン

 勇者ロボの法則で考えますと、素体ロボ(ブレイバーン)→強化合体(バーンブレイバーン)→2号ロボとの合体による最強グレート合体という段取りがあるんですね。

 素体ロボが強化パーツを召喚するのが、大体2話で、2クールめの終わり頃に、1号ロボが大破し、2号ロボが代わりに戦い、
 そして3クール頭に、復活した1号ロボが2号ロボと最強合体するという定番がありました。

 ジェイデッカーを例に挙げると、パトカーが変形するデッカードがブレイバーンに相当。
 デッカードは大型トレーラーを召喚し、ジェイデッカーに合体します。
 そして、デッカードが大破した(警察ロボなので殉職扱い)後で、デュークファイヤーが登場し(デッカードの後任)、
 その後、復活したジェイデッカーと合体して、ファイヤージェイデッカーになる。

 そんなわけで、勇者ロボの前例に則るなら、ブレイバーンが復活して、スペルビアと合体する最強グレート合体を期待するわけですが、

 だったら、今話の最後に大破したブレイバーンがどうやって復活するかが問題ですな。
 ええと、これ、もう一つの新型ボディをブレイバーンさん、こっそり製作しているんじゃありませんかね?

 バーンドラゴンをこっそり作っていた彼のこと、「ヒーローロボが倒されたことも想定して、こんなこともあろうかと、強化ボディのネオ・ブレイバーンをあらかじめ製作していた」けど、その起動にはイサミの勇気が必要になるとか、いろいろ想像します。

 他には、ブレイバーンは破壊されたけど、スミスのアンドロイドボディだけ切り離して、活動できるようにするとか、
 ロボスミスとイサミが勇気爆発して、今度は2人で友情クロス・ブレイバーンになって、スペルビアとも合体するとか、

 やっぱり最終回は、スミスにも復活してもらいたいなあ。

 とにかく、いろいろなハッピーエンドの可能性を想像しつつ、今回の話を見て、これで友情が芽生えたスペルビアが、ブレイバーンとグレート合体しないはずがないと、確信しております。

 でも、グレート合体の前提儀式として、1号ロボは一度は大破してもらわないとね。

 あくまで本作が勇者ロボの文脈の延長線上にある作品としてのお約束予想ってことで。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/25 (Mon) 23:11:41

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第28話:ベロベロ怪奇!蓮華の里帰り)

 前半の波乱が一応の収束はしまして、今話は確かに箸休め回ではありますね。ただし、作り主にしてボスのグリオンを失ったアトロポスが独自の動きを見せる気配もありまして、後半の仕込みも兼ねてる感じもします。

 ともかく本編。錬金アカデミーのほうは復活のようで、ミナトも躊躇いつつも復帰。上位の錬金連合からは型通りのメッセージが入るのみ。これに依然として不満を抱くミナトは「変わらない」と嘆きつつも「頭がすげ代われば話は別だが」と呟いてスパナを見る。ちょっと怖い台詞ですね。スパナはどう思ったのか、そのまま出ていく。

 そこは気になりますが、メインは帰省した蓮華ですな。祖母の家で妖怪(唐笠お化け、おそらくケミー)に出くわしまして、驚いて飛び出すと加治木とそのオカルト師匠らしきスターシャイン星野と遭遇。星野は修験道らしき修行から落ちこぼれ、しかしケミーを偶然回収して霊能力を得たと思い込んでいるらしい。

 さらに蓮華の急報を受けた宝太郎らが駆けつけて来る。そこへ人魂、さらにさっきの唐笠お化けも出まして、宝太郎はガッチャードで対処。というかドタバタですね。そこへ星野もやって来て霊能力(?)で悪霊退散と。

 しかし宝太郎のケミー:ファイヤマルスが星野の数珠の宝珠(?)に惹かれて取り込まれる。この辺りで「あ、やっぱりケミーか」と気付く仕掛けでしょうか。カード以外にケミーを引き寄せるものがあるようですね。

 同時に(仮面ライダーWEBにも解説ありますが)星野にはケミーをマルガム化するような悪意はないことも分かります。宝珠がいくつか光ってましたから、数体のケミーがいるはずですが、どれも星野をマルガムにしてない。根は善人なんでしょう。

 しかし悪意ある人間登場でして、後で地上げ屋と明かされる2人組ですね。この村を廃棄物処分場にすべく、土地を買い叩きに来ているらしい。その悪意を利用したのが主を失ったはずのアトロポスですね、金色のルービックキューブ使って2人をマルガム化、村を襲わせる。

 ケミーだけのときは星野(のケミー)で対処できましたが、マルガムとなると歯が立たなくなる。しかしガッチャードならばサクサク対処でして、まあ初手から現最強のプラチナだからなあ。マルガムから回収したケミー(人魂、唐笠)は何か言いたいことがあるらしいが今話では明かされず。このバトルを見守っていたアトロポスの意図も謎のままですね。

 一件落着のようですが、廃村か否かの重大問題は残ったまま。そこへ星野が現れて「星への供物が捧げられし時、地獄への扉は開かれ、灼熱のいぶきがこの世に吹きすさぶ」と意味深そうなことを呟く。星野自身もはっきり意識せずに口をついて出たものらしい。星野のケミーの影響と考えるのが妥当でしょうか。そこが次回後編「この村は泣いている」のテーマかな。さらに何かに遭遇した村長の悲鳴、で続く。

 たぶん、ケミーや星野が関わってなかったら、「村を買い叩きに来た地上げ屋を追い出すべく、妖怪話をでっちあげた」というところだったんじゃないかと思います。が、この土地にいたらしいケミーが察知して妖怪に化けたんで話がややこしくなってきた。

 そこへ村のケミーに引き寄せられた星野(のケミー)が絡んできて、今話のカオスになっちゃってるような気がします。次回予告文に「マルガムの行動にある違和感を覚える」とありまして、そのマルガムってもしかすると地上げ屋追い出しに用意していた、人が着る着ぐるみの妖怪コスチュームだったりするのかも。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第4話:ヒーローを呼ぶ声)

 4人めとなる阿久瀬錠/ブンブラック参加のきっかけをようやく作ってくれました。ブンブンジャー参加なら警察は辞めなければならないところ、眼鏡の細武調のISA(国際宇宙対策機構)を仲介する形で警察の任務とブンブンジャーを両立させるわけですか。

 さらにブンブンジャーは世に広く知られるヒーローであることも明示されましたな。街中で暴れまわったんですから知らぬ人はないんでしょうけど、タイヤ人間として認知されていた。それがブンブンジャーなるチームという認識に変わる。正体は世間には明かされませんが、ISAだけは把握している格好ですね

 もっとも、射士郎によると世界の情報機関にはバレてるらしいですが。未来/ブンピンクの口が軽いせいかな。今話でもタイヤ人間と呼ばれたブンピンク、盛んにブンブンジャーだと訴えてましたもんね。それで阿久瀬錠に逮捕されて、細武調のもとへ連れていかれる。

 その連絡を受けた大也は鷹揚にISAの調を拠点に迎え入れますが、警戒する調はあくまでも対立的な姿勢を崩さない模様。その会話で大也が資産家であることなど、ここまでの疑問点をちょこちょこ解説してくれるのはありがたい。

 が、うまく(?)流れをぶった切ってハシリヤン:サウナグルマー出現の報。サウナの苦魔獣ですか。自分は一時期、サウナにハマってたことがあるもんで、ちょっと嬉しかったりします。80度くらいで泣きごと言ってはいけませんな(^^;。

 それはともかく、「悲鳴を聞けば駆けつける」大也の心情に共感する錠のヒーロー魂が示されたのは好感度高い。これに不満らしい調ですが、ブンブン(ブンドリオ・ブンデラス)のカレーで篭絡されそうです。3皿食ってもまだ食えるようですから、相当気に入ってますな。カレーのお蔭で見た目ロボットのブンブンを気にしなくもなってます。

 今回は届け物はありませんが、錠の引き入れというミッションはおおよそ達成した感じですね。残る問題の苦魔獣サウナグルマーはいつもの段取り(といっても、まだ第4話か)で退治。

 錠はISAの要請で警視庁から監視役としてブンブンジャーへ派遣されるという形に落ち着く。調はカレーでぐらっと来ていたところに、ブンブンから「お姉さん」と呼ばれて嬉しくなってしまいまして、これで万事OKなのかな。調さんは普段は真面目におかしく、しかしチョコっと崩れるとか、期待通りのコミカル度合いです。

 次回「警察屋はくじけない」は阿久瀬錠のブンブンジャー正式参入となるようですね。これで4人。その次は振騎玄蕃のはずですが、すぐなのかどうか。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/26 (Tue) 23:45:14

 ニチアサ感想です。

★ガッチャードwithジャグラー

 春休みの時期に入るからか、子供向きの緩い話になってる感じですね。
 とりわけ、ガッチャードは前回がクライマックスの濃い密度の回だったので、この空気の弛緩っぷりが凄い。ここまで緩んだのって、去年の11月の京都編以来じゃないかな。
 冬の劇場版の頃から、ハードシリアスな流れになったと思う。
 まあ、グリオンが諸悪の根源みたいな描かれ方だったろうから、それを倒したからなんでしょうけど。

 で、妖怪ネタって、夏向きだとは思うのですが、今のライダーは夏が終盤なので、こんな緩い話をやってる場合じゃない。すると、年度変わりのこのタイミングで、春らしく浮かれる回ってことですね。

 そして、ジャグラー改めスターシャイン星野。ええと、ハンドルネーム的に、他人のような気がしないんですけど(苦笑)。
 ジャグラーというキャラは、ウルトラマンオーブといっしょに光をつかむべく訓練していたんだけど、光は自分でなく後輩のオーブを選んだりしたので、いろいろ失望したり、光の力への疑念に苛まれたりして捻くれちゃった闇堕ちキャラなんですが、完全な悪に転んだわけでもなくて、偽悪っぽい振る舞いで、最終的にはオーブの味方になってくれたり、後の作品(ジードやゼット)でうさん臭い味方になったり、まさかの防衛チームの隊長しながら暗躍してたり、ウルトラ怪演役者の一人です。

 で、光をつかみ損ねた宇宙人が、今度は星の霊力を操るうさん臭い霊能者キャラってんで、画面に出てるだけで面白い。
 いつ変身するかと思って見てたのだけど、マルガムにはならずに、それでもケミーが力を貸してくれる?
 まあ、ジャグラーだから、完全に悪に染まりきった人ではなくて、うさん臭いけど善人ってキャラが納得できてしまう。

 しかも、今週だけのゲストかと思いきや、来週も出るのか。
 引き続き、カオスっぷりを楽しみたく。

★ブンブンジャー

 大体、想定どおりの展開でした。

 想定以上なのは、調女史が警察上層部ではなく、もっと上の公的機関に所属していたこと。
 おかげで民間の届け屋稼業から、世界観が一気に広がったというか、ブンブンジャーが秘密組織から公認の正義の味方に認知されて行ったこと。

 そして、ヒーローに憧れる警察官……だけど、簡単にヒーローには認められないブラックさんのキャラが、ブレイバーンのスミスさんに通じるものを覚えて、こっちはブンブン、あっちはバンバンと、雰囲気がつながるのを面白く感じております。

 とりあえず、次回はブラックのキャラの本格的な紹介と、それから調女史が引き続き登場し続けるのかを期待したく。
 毎回出るレギュラーなのか、時々出るセミレギュラー(ガッチャードの加治木程度の出番)なのか、どれぐらいの扱いなのかですね。
 
 キャラの方向性としては、前作の裁判長の方向性にも見えたりして(表面的には堅物キャラだけど、崩れることでギャップ萌えなシーンを見せる系)、真面目系ポンコツに転がりそう。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/27 (Wed) 17:08:18

 定期感想その3です。

●BASTARD II(第39話/2期最終回:集結)

 DS側が四天王取戻し、それにより魔戦将軍と侍も完全和解(の可能性)に至ったのがサブタイトルの「集結」でいいのかな。(DSの背後含めて)味方陣営が固まり、しかし現時点の真の敵アンスラサクスも完全復活で対決構図が見えた、というところで終わるクリフハンガーでした。

 ともかく本編ですが、前話で奮起の侍&魔戦将軍は今話ではさしたる出番なく、見せ場は終了しちゃってた模様。バトンタッチでDSとカル=スということらしい。DSが力を出して火の鳥化すると、外殻破って本気出したアンスラ細胞内のカル=スが呼応、氷の竜となって飛び出て来る。

 この2人であっさりアンスラ細胞本体を屠って決着。えーっと、前にDSがカル=ス救出の可能性を尋ね、アビゲイルが不可能と断言してたのはどうなったのかしらん。もっともそのアビゲイル本人からして、瀕死の重傷によりアンスラ憑依から逃れたわけですから、割とどうでもいいのかもしれない。

 あるいは、DSの失われた半身とされるルーシェが例の大物風演出で出現してましたから、ルーシェの助力と考えてもいいのかも。なにせこの先で「ルーシェは神に背いた大天使長ルシフェルである」と明かされるわけで。

 その線で考えますと、DSの人格変化でルーシェ/ルシフェルがDSと「合体」しかけたものの、その影響でアンスラの支配を脱することができた半身代理カル=スが完全復活して、とりあえず半身としてのルーシェはまた必要とされなくなった、とか妄想してもいいのかも(^^;。そこは「DS+ルーシェからの竜戦士復活」を目論む十賢者としては誤算だったか。

 それはともかく、アンスラ細胞に圧勝しても、たかが細胞1つとはアンスラ本体の言。この本体はまだコアのみらしく、世界各地に分散して封じられていたらしい同族の邪神を呼び寄せ始める。これを知ったエウロペアの十賢者は再びDSを竜戦士/機神ルシファーの搭乗者と成して事態の収拾を目論み、で今期は終わると。

 うーん、せっかく盛り上がりかけた侍&魔戦将軍がもう事実上のお役御免なのは、ちと残念。こちらでご指摘がありました通り、ギャグ調に傾けて芝居を軽くしてしまったせいのようですね。そのことは、四天王ではガラやアビゲイルにも言えるのかも。その2人のシーンがふんだんにあるのではありますが、何かとコメディ演出入れて脇へ追いやるような雰囲気を感じます。

 これはたぶん原作者の意図するところなんでしょうな。原作者はDSのカッコよさを描きたい。というより、もしかして既にDSをカッコいいと思い、その延長で本編を描いてるのかも。単発に終わるかもしれなかった第1話では違うんでしょうけどね。大魔法使いながらルーシェに封じられ、そのルーシェを可愛がってくれたヨーコには弱い。

 長所は弱点との対比で映えるってよくあることなわけで、何がカッコいいかは、どこがカッコ悪いかが良く見えてこそ分かる気がします。第1話ではそこがきちんと仕込まれていた。が、DSにカッコ悪い点があってはならないみたいに変わってきて、カッコ悪さは他のキャラクターが表すようになっちゃった。それがガラやアビゲイルでしょうか。
(極論しますと、今のDSはカッコよさを描いているのではなく、原作者のカッコいいでしょという感想。)

 複雑化してきた2期では、汚い手を辞さない魔戦将軍と馬鹿正直なため弱い侍がカッコ悪さを引き受けてしまったように思えます。彼らがカッコよくてはDSがぼやけると原作者は考えたのかもしれない。が、カッコ悪さを示そうと丹念に描くと、人間臭さがよく表されたりしてしまって、DSとは別方向の魅力を出してしまいかねない。だから、活躍減らしてあっさり処理されてたのかなという妄想もしてしまいます(^^;。

 その一方、DSと被らないカル=スは遠慮抜きで描けるみたいですね。陽のDSに対し、陰のカル=スということで特徴を強調してもカッコよさの棲み分けができる。もっとも、カル=スの悩む罪(母親殺し)については軽くしか扱わないみたいですね。

 カッコいいキャラクターはさっさと救ってあげたいのかもしれない。そこは分かる気がします。が、自分の好みとしては自分の底にぶち当たるまで悩んで落ちていくというのはツボの1つですんで、カル=スが今話で事実上(DSに)救われたのは惜しい気がします。

 アニメ3期があるかどうか不明ですが、この後の原作の(自分から見れば)迷走を考えますと、もしあってもここへ感想書かないかもしれないという気がします。1期だと演出・演技で新たな発見がありまして、感想書いててよかったと思いました。特にネイですね。原作を追っていたときはヒロイン不在の作品と思ってましたが、日笠陽子さんの演技が加わるとネイがきっちりヒロインとして成立してました。

 が、2期に入るとそういうものが感じられません。もっとも、今話でちょっと期待が復活す描写があったりはします。アンスラ細胞に勝利後のネイとDSです。ネイが電撃食らわしつつDSに飛びついているシーン、思わず「うる星やつら」を思い出しました。リメイクアニメ放映中のせいもあるんでしょう。ネイがラムに、DSがあたると被りまして、ちょっとクスクス来ました。

 そういうDSの弱点を突くのはヨーコの役割であったわけですが、ネイにもその役割が果たせると演出されるとなれば、もうちょっと先まで観てみたいかもという気もしてきます。ネット評では「おそらく3期はある」説が主流のようでして、とりあえず期待は持ち続けて待ってみようかなと思っています。

●仮面ライダー響鬼(第13話:乱れる運命、第14話:喰らう童子)

 相変わらず内容把握に難をきたしておりまして、初見ではいろいろ勘違いしました。鬼/ライダーでは弾鬼ですね。明日夢ルートのほうでザンキが登場してくれましたんで、山中で出て来た鬼が斬鬼なのかと。

 よく見ると鬼のほうは「弾鬼」と出てまして、別ライダーでした。病院にいたザンキはようやく退院ということで魔化魍退治に行ってたわけがない。前の房総のバケガニ退治で姫を倒しつつも負傷したことで入院していたようですね。

 それ以上に混乱したのが童子と姫です。今週分ではいろいろ出てきまして。劇中でもおやっさん(立花勢地郎)が古文書頼りに解説はしてくれてるんですが、自分は初見ではすぐに整理できず。ウィキペディアなども調べてみますと(スーパー化以前では)、

 童子→怪童子→武者童子→乱れ童子
 姫→妖姫→鎧姫(→乱れ姫は未確認らしい)

ということらしい。このうち「乱れ童子」は共食いする変異種で敵のクグツとしても想定外の存在らしい。今週分では仲間の姫の血を吸い、魔化魍の幼体を食らい、魔化魍(ヤマビコの再出現)を倒し、追っ手の童子&姫と戦う。

 なんだか「いつか、敵から寝返る正義の童子&姫が出現するんじゃないか」と思えるような童子でした。今週分では猛士側では実験体ではないか、いや共食いなんて失敗なんではと混乱し、敵側としては追っ手を差し向けたところから(乱れ童子に失敗と告げている)強化実験の失敗と見てよさそうですね。

 鎌西湖のウブメは早々に乱れ童子に食われるし、再出現の奥多摩のヤマビコも乱れ童子に倒されまして、魔化魍退治はなし。その分、乱れ童子が強敵ということで手こずるわけですね。以前出現の武者童子&鎧姫以上に響鬼の火炎も効かず、しかし前半(第13話)で滝澤みどりが開発成功した新型太鼓が功を奏する。威吹鬼の音撃は返されてしまってましたから、従来装備では対処できなかったかも。

 自分は等身大の敵である童子&姫には音撃は難しそうと思ったんですが、攻撃で弱らせておいてからの、連打を必要としない太鼓なら可能であるようですね。古文書の時代だと、乱れ童子にどう対処してたんだか。敵の内紛ともいえますから、最後は敵側が後始末してたのかな。

 一方、明日夢ルートのドラマは先週分同様、こちらで伺った通りですね。ほとんどヒビキらと関わりがない。唯一、猛士の任務で勉強が滞りがちなあきらのことを頼まれるくらい。が、明日夢は虫垂炎発症で入院となり果たせず。入院ですから明日夢の動きはほとんどないと言ってもいいくらい。もっとも、そのお陰でトドロキと出会い、少し言葉を交わすことができたわけですね。じわじわと人間関係が構築されている点は面白い。

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/30 (Sat) 00:51:11

 定期感想その1です。

●勇気爆発バーンブレイバーン(第12話:勇気爆発の、その先へ!!)

 冷静になって考えてみますと、なかなか無茶苦茶な最終回でしてオチへ持っていく手法がかなり強引。ですが、リアルタイム視聴の初見ではそう考えつつも、そんなことどうでもよくてテンション上がる一方でした。翌日、録画を見直しても同じです。

 そうなった理由はいくつかありまして、まずはこちらで伺った「勇者ロボの法則」が大きいですね。自分は前話(第11話)視聴直後、いろいろ最終回の展開を考えてはみたんですが、どうもおさまりがつきそうにない。しかし法則を伺ってみると「あ、そういう方向があるのか」と納得です。と申しますか、クライマックスに向けて準備万端になってるわけですな。

 法則を知らなかったら、たぶん初見ではドラマについて行けなかったと思います。確実に予想の範囲外だったはずですんで、見直し2度めくらいでようやく筋立てが飲み込めるくらいだったかと。が、勇者ロボの法則の方向も考えてみましたんで、今話はほぼ想定の範囲内でした。おかげでキャラクターの動きとか、きっちりついて行けたようです。

 勇者ロボの法則のご教示に感謝です。その勇者ロボの法則を一読して実感として理解できたのは、偶然ですが勇者ロボ30周年でサンライズ公式Youtubeで各勇者ロボシリーズを第5話まで観られたお蔭かもしれません。ちょっとこちらで話題に出して、ジェイデッカーなどのご教示を賜ったりしました。そこも理解の助けになってます。

 8つある勇者ロボシリーズで自分が「好みになりそうだな」と思ったのは、ジェイデッカーとガオガイガーになります。ガオガイガーはキャラクターが魅力でして、特に長官の大河幸太郎。芝居がかった濃いキャラクターですが、自分はそういうのに乗せられやすいようです。

 一方、ジェイデッカーはドラマの作りが気に入りました。こちらでも「いったん失敗してから反省して立ち直る」旨、伺った覚えがあります。観てみたものはその通りでして、特に第5話がツボでした。指揮官が任務のためなら部下の犠牲を厭わないようでいて、実は姉弟であって内心では救いたいが、という話ですな。

 結局、弟を救う決断をして成功するも、任務には背いたとして処罰を受ける覚悟のところへ、部下全員が「自分達も処罰を受ける」と駆けつけるラストでした(指揮官が弟だけでなく、どの部下にも同じ心情で接してきたと窺える)。自分はこういうのにどうも弱い。30分1話でしたが「この話に限っては、前後編でやったらいいのに」くらいに思います。

 ブレイバーン最終回についてネット評を少し調べてみますと、勇者ロボシリーズがクライマックス盛り上げに使う手法がいくつも使われてたみたいですね。こちらで伺った「最強グレート合体」がまずありました。自分はロボ+ロボだと思ったんですが、スペルビアが剣となって力を貸す展開でした。

 他にも勇者ロボクライマックス演出あったようで、主人公ロボが金色になる、人類抹殺したがるラスボス、マスク割れ、新必殺技等々のようです。そこを知らずの初見で自分は盛り上がったんですから、どうやら作り手の思うつぼの受け手だったのかも(^^;。上述しましたが、第5話まででクライマックス要素は知らないながらも、好きになれそうな勇者ロボが複数あったんですから素地はあるんでしょう。

 ともかく本編。溶岩食ってウッキウキのポーパルチープムをよそに、まずはヘタレていくイサミですな。何度か語られたスミスのヒーロー観と対照的な、イサミのヒーローについての独白から始まる。スミスはブレイバーンを目にする前からヒーロー願望あったわけですが、イサミはそうではなく「それなり」。が、ブレイバーンに搭乗し、特にスミスが死んだと思ったときには「世界救ってねえ!」になってたわけですね。

 ブレイバーンがいればヒーローになれる。が、ブレイバーンは倒れ、さらにスペルビアもスミスとやったのと同じく、ルルを逃がしておいての相討ち狙いで倒れる。しかし今回は歯が立たず、イーラは無傷で健在。そこからもうイサミは壊れたかと思うほど、醜態をさらすわけですね。

 そこはスペルビアの最期がカッコいいだけに目立ってしまいますな。さらにルルが、スペルビアが倒れて絶望しつつも、イサミを助けようと必死になっている様子とも比べてしまいます。イサミは最初笑い出し、続いて怯えて降伏すると言っての命乞い。ただし、まだわずかにヒーロー魂残しているようでして、「降伏する、だからもう誰にも手出すな」と言ってます。「みんなを守りたい」気持ちは残っているらしい(この場においては特にルルでしょうか)。

 まあ仕方ないという面もあります。この場にいるのは生身の人間2人でしかなく、戦闘力は事実上のゼロです。ブレイバーン&スペルビアで倒し切るつもりで味方戦力は置いて来てしまってる(仮に駆けつけてくれてシールド回避戦術で抗しても、第1話の二の舞になる可能性が高い)。

 さらにイサミはくじけまして、イーラが止めを刺そうとすると壊れたブレイバーンに逃げ込む。ルルを置き去りに、「死にたくない」と叫んで、ですね。が、スミス(のイメージ)が励ましに来てくれるわけですね。やっぱり最後まで見捨てないか。途端にイサミ、ある意味元気になりまして、殴り掛かってますな。そしてブレイバーンもいる。

 このスミス&ブレイバーンがイサミの幻覚なのかと思ったんですが、イサミが知らない真実「スミスがブレイバーンである」を(それとなく)明かしたことから、スミス本人であるようですね。いったん気を失ったイサミに働きかけたらしい。イサミはその直前、「ルル、未来変えられなかった」との告白を聞いてますが、スミスだけでなくルルも未来から戻っていると、この時点で気が付いたかどうか。

 ともかくもイサミは立ち直りまして、なぜかブレイバーンも完全復活する。ご都合主義と言われそうな展開ですが、自分は「待ってました!」と全面的に受け入れてしまいました。「こうなって欲しい」という気持ちが通りであることが大きいですが、ヘタレるイサミを前に観ているせいでもあります。

 第1話ですね。冒頭の演習では冷静沈着に無謀と思える戦術を行使し、スミスに対してもどこ吹く風くらいの自信満々でした。が、謎の敵(デスドライブズ)襲来で実戦となると、何か怯えるような緊張を見せたように思えました。TSを破壊されて動けなくなったヒビキ・リオウ3尉を救おうと踏みとどまったのは立派でしたが、敵が迫ると立ち尽くして何もできず。

 そこへブレイバーンが突如降臨して、とりあえず言われるままについて行く。が、尋問を受けると壊れかけまして、スミスに縋ったり、ブレイバーンを怖がったり。そこからやけくそになったり、キレたりでした。しかしスミスが諦めず引っ張っていって、イサミの内にある「みんなを守りたい」をついに表へ引き出す。

 今話の笑いだしてからスミスに励まされて立ち直るイサミは、第1話からのイサミの気持ちの揺れと覚悟に至るまでをギュッと縮めて再現したように思えました。だからヘタレていくのを観ててもガッカリせず、立ち直ると「待ってました!」になれました。

 ですが、ブレイバーンをスミスから引き継いだイサミが「おいおい、どこまで行くねん?」と言いたくなるようなテンションの上がり方でして。一人称も「私」に変わってますな。スミスだと「俺」と言ってから「私」に切り替えてまして、正体を隠す意図がありそうに思えました。が、イサミの場合は素で変わってます。

 それでもイーラ撃破まではスミスへの感謝ゆえにイサミがブレイバーンの口調を踏襲したのかも、くらいに思ってましたが。が、ルルも知らない9体目のデスドライブズ:ヴェルム・ヴィータ襲来辺りからおかしくなる。

 このヴェルム・ヴィータ、8体の先遣隊が満足して死亡すると出現するものみたいですね。ポーパルチープムは食い倒れ、イーラは怒りの絶頂で逝き、スペルビアは武人の先にあるもののため(たぶんブレイバーンと同じ)に死ぬ。ルルの元の歴史ではスペルビア生存、かつ「推して参る」ことが叶わなかったためヴェルム・ヴィータ出現条件が整わなかったらしい。

 ヴェルム・ヴィータ、死を理解したからもっと経験したい、それには90億人の人類で90億通りの死を、と無茶苦茶言い出す。が、イサミのブレイバーンも負けてなくて、ヴェルム・ヴィータの名乗り(自己紹介?)の途中で容赦なく砲撃。で、撃っておいて「まずは話を聞いてみよう」でして、ルルに突っ込まれてますな。が、ブレイバーンは気にもしないと。

(ヴェルム・ヴィータの話で1つだけ気になる点が。ポーパルチープムは「貪食」のはずですが、台詞は「ひんしょく」と聞こえます。自分は耳に自信はないですが、繰り返し聞いても「ひんしょく」としか聞こえない。「貪食」の「貪」は「貧」と字が似てますんで、台本に誤記があったか、読み間違えた可能性はありそう。)

 うーん、どうやらスミスでもイサミでもないブレイバーンの人格がありそうです。元となったもう1人、クーヌスも他人の話を聞かない傾向が無きにしも非ずですが、ここまでではないしなあ。

 それはともかく、一応はヴェルム・ヴィータの話を聞いたブレイバーン、即座に「敵だ!」と交戦状態に入る(戻る?)。その必殺技のオンパレードの傍ら、これも「待ってました」のルルによるスペルビア復活。それに先んじるATF部隊到着&攻撃。それで「おや?」と思ったのが、通常攻撃がきちんと当たってることですね。デスドライブズ特有のシールドがないらしい。ヴェルム・ヴィータがデカすぎて覆えないのかな。それとも攻撃力に自信があるから使わないとか(自分もシールド越しに攻撃できないみたいだし)。

 理由は不明ですが、味方の攻撃が面白いように当たるのはテンション上がるので良しとしたい。これにキレるラスボス(ヴェルム・ヴィータ)ですが、同じく金色となったスペルビアが立ちふさがり、ATFの面々も金色になって気合入る。どうやら金色は勇気の象徴みたいですね。それがブレイバーンに集まっていくと。

 それでなぜか巨大化して、ラスボスの巨大一撃をラスボス諸共葬り去りまして決着と。これはスペルビアが剣となってくれたお陰ですが、そうなるレバーがブレイバーンの合体用レバーと同じ位置、同じ形でしたな。ルル、なぜかボクシンググローブでしたが(前のボクシング対決と関係あり?)、もう全部受け入れます。ルルが未来から来たとハッキリ告げても、イサミは「そうだったのか、ルル!」で即座に納得して「未来戦士ルル」ですし(^^;。

 決め技は「勇気一刀流秘奥義:勇気爆発バーンブレイブビッグバーンアルティメットファイナルゴッドユニバースブレイク」ですか。聞き取ってメモしましたが、もうウィキペディアにちゃんと書いてあるorz。長いよという気がした一方、もっと必殺技名の叫びを聞いていたかったという矛盾した気持ちが生じました。

 でもスミスの独白のほうが印象深い。「正真正銘の勇者、『君』のようになりたかったんだ」ですか。第1話のスミスの独り言「正真正銘の勇者、『彼』のようになりたかったんだ」と対応するものでして、1周回ってつながった感じがします。そしてブレイバーンの顔にひびが。相討ちを暗示するものですね。

 が、帰って来る。「ああ、良かった!」と思ったんですが、しかし着地した姿が何か不吉。今までの2度の最期を彷彿とするものがあります。イサミとルルは外に出してる。イサミはブレイバーン、否、スミスが本当にこれまでと悟ったみたいですね。と思ったら、帰って来るんかい、スミス(でも、目の色少し違う?)。こちらの気持ちをブンブン振り回す流れですが、しかしなぜかそれが期待通りなのが気持ちいいところです。

 そして最後のナレーションはブレイバーンですな。やっぱりスミスでもなくイサミでもなくクーヌスでもないブレイバーンの人格(?)が存在してるんじゃないかしらん。デスドライブズの謎解きは期待してたんですが、謎のまま終わってしまいました。また奴らが来たら、ブレイバーンもまた来る、と期待していいということなんでしょう。

 途中、それも終盤からの急な感想書きではありましたが、お付き合いくださり、いろいろご教示を賜り、ありがとうございました。自分一人で観ているだけでも面白いと分かったんですが、こちらでさらに伺って楽しみが深くなりました。いつもありがとうございます。もう1周くらいは見直したいと思ってまして、その後に何か書きたくなるかもしれません。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第十二話:継(つなぐ))

 終盤どうなるか予想しにくかったブレイバーンと対照的に、終盤は期待通りに収束していったのが牙狼ハガネでした。でも納得、興奮、満足という点は共通です。流れ的に対照的なのがブレイバーンは金色になって行ったのに対し、こちら牙狼では黄金の鎧が闇に染まっていって勝つところでしょうか。

 冒頭から、まずはホラー化したムツギ(ムツギホラー態)との戦い。背後では破滅ノ門がいよいよ開き、クレアシティでは咆哮がとどろき地が揺らぐ。流牙、創磨がそろい踏みの鎧装着でムツギホラー態を迎え撃つも、劣勢か。ムツギホラー態は神出鬼没で捉えどころがない感じです。

 さらにムツギホラー態、異空間らしきところに流牙と創磨を引き込み、2人の鎧を闇に染めていく。特に流牙の鎧ですね。黄金がみるみる黒くなりまして、しかしこれって前にも見た牙狼の鎧の最強形態の1つにも近そう。

 そしてこれこそ未登場の奥義「閃影剣舞」の準備となっているようですね。期待通り、流牙は「牙狼の金色の光を全て闇に変えてみせる!」と宣言しまして、技を放つ。同時に創磨に取りつく闇も払ったらしい。

「閃影剣舞」は「閃光剣舞」と動き自体は同じようですね。技の効果がおそらく違っていて、「閃光剣舞」が浄化とすれば、「閃影剣舞」は闇に返すものでしょうか。ムツギホラー態の中にいたらしい「誘惑者」も斬られ、闇へ戻される。

 しかしこれで解決はしておらず、最大の災厄であり最強の敵である「破滅ノ門」が残っているわけですね。門自体ではなく、門の周囲の巨大な首(ヒュドラのような、八岐大蛇のような、何でしょうな?)が問題らしい。門の封印に使ったホラーながら、解放されると人の魂を食い荒らすとイルヴァが解説。

 ではどうするか、で流牙が言い出したのが「閃光剣舞」。創磨、やってみろというわけですね。もちろん創磨は尻込みしてしまう。前に父のゴドウに斬りかかってしまったショックは抜けてない。が、ゴドウは創磨がやれる、ザンゴも継いでくれると信じていたと知らされ、創磨は腹を括る。おそらく、自分(創磨)が門を開いてしまった責任感もあるんでしょうな。。

 流牙は創磨と組んでのダブル剣舞を考えていたようですが、ここで「閃影剣舞」の副作用が明らかになるわけですか。光を闇と成して纏ったため、剣を浄化しないと鎧が召喚出来ない。が、ここで今は亡きイグスが力を貸してくれるとは。創磨がイグスの剣を持ってきてくれていたわけですな。

 これも偶然にブレイバーンと重なるポイントでして、みんなの力が集まって来る。それにしても、それで召喚した鎧はハガネというのが(イグスのだから当然とはいえ)気持ちいいですな。ハガネを継いだのは流牙もでしたか。鎧に上下はないという流牙自身の言も実行して見せた格好です。

 そして期待通りに創磨は技を放ち、流牙と合わせてダブル閃光剣舞で門のホラーも倒す。この場合、倒すというより鎮めて、門を再封印したということなんでしょうね。クレアシティの異変も収まってますな。

 何とか決着しましたが、ブレイバーンでスミスが帰還したのとは異なり、ゴドウはついに帰らず。その代わり、スターウォーズEP6で見たような、幻影ですが帰って来る3人がいてくれるわけですね。ゴドウとイグスはそのままに、ムツギは人に戻って創磨らを見守る。みんな英霊となった、ということでしょう。ホラーとなると人には戻れませんが、倒されて光の側に帰って来ることはできるわけか。

 流牙らは3人を弔い、締めの言で整理。ホラーのやって来る破滅ノ門は閉じること(封印すること)はできても、破壊する(なくす)のは不可能ということですな。先人が試行錯誤の末、たどり着いた結論がそうで、だから今のように延々と戦い続けることを選んだ。これからもそうであり、ゆえに前に流牙が闇ムツギに言い放った「戦う覚悟がある」は正しかったようですね。

 そして流牙は創磨とグータッチ、彼らにクレアシティを任せて去る。見送った創磨も「俺たちは皆、ハガネを継ぐ者」と覚悟を示す。その様子は晴れやかでして、序盤とはずいぶん顔つきが変わりましたな。

 ED後は一人行く流牙ですが、何か手にしてます。すぐ思い出せなかったんですが、莉杏の耳飾りですね。こういう形でここで登場でしたか、莉杏。この牙狼ハガネが新章スタートということでしたから、いずれ莉杏が登場するということだと解していいんでしょう。

 牙狼ハガネは1クールでしたが、充分に面白かった。感想にお付き合いくださり、いろいろご教示頂いたことに感謝いたします。自分は依然として牙狼の理解が浅く、いろいろ助けられております。次の牙狼でもよろしくお願い申し上げます。

 録画機で次週を確認してみますと「魔戒烈伝」再放映が始まるようです。最近に牙狼公式Youtubeで再視聴しましたが、また観てみてもいいかも。さすがにリアルタイム視聴はしないと思いますが、過去の牙狼を観た経験に比例して面白いのが、過去を踏まえたオムニバスの烈伝だという気がします。今観たら、どう感じるんだろうなという興味はあります。

Re: 3月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/03/30 (Sat) 13:29:40

 年度末ということもあって、いろいろ最終回クライマックスでした。

 その中で、感じ入った順に感想書きたいと思います。

★ブレイバーン

 今期のサプライズ大穴って感じの盛り上がり方でした。

 新型ボディ云々という予想は外してしまいましたが、スミス復活とか、後から支援部隊のみんなが駆けつけて、心一つにして奇跡を起こす。
 そう、この心一つに、という大団円は王道で盛り上がりますな。

 途中で、どれだけ紆余曲折を経ても、最後に心を合わせて、難事を共に成し遂げたり、乗り越えたりしてくれたら、後味よく終わることができます。
 これは、アニメだと声優さんたちが声をハモらせて、『行っけえ!』と叫んだり、必殺技名を共に叫ぶという演出もあったり、特撮の戦隊ものでも合体演出とか応援演出とか、主人公に想いを託すことで盛り上げる。

 あとはまあ、そこに至る過程で、どういうドラマの段取りを構築してくれるか、ですな。
 最初は対立していたり、バラバラだった人間関係が、少しずつ和解や理解、共感を経るうちに強固な絆として固まったり、途中のハプニングで不協和音を奏でながらも、それを乗り越えての完全調和に至るドラマ。
 ここで、お互いの自己主張と理解のしあい、もしくは説得の段取りで共感できれば、最後の爆上も素直に受け入れられる。
 で、ブレイバーンは「勇気」というキーワードで、上手くドラマを紡いだ。

 勇気を描くには、それと対になる弱腰、臆病、逃げ出したくなる絶望、または引きこもりなどを主人公のイサミに味合わせて、それをどのように乗り越えさせるかが話作りのポイントになりますな。
 「ヒーローになりたいけど、ヒーローからは選ばれなかったスミス」と「ヒーローになりたいとは思っていなかったけど、ヒーローロボットに無理やり選ばれて、葛藤するイサミ」。

 最終話のイサミは、キン肉マンをイメージして見ていましたが、強い敵のパフォーマンスを見て、本当にビビって、おわーって叫んで、唐草模様の風呂敷背負って夜逃げしそうになったり、それを幼子キャラのミート君にたしなめられたり、
 それが一度、火がつくと、炎の逆転ファイター、友情パワーと火事場のクソ力で逆転勝利する展開は、キン肉マンだなあ、と。

 で、火がついたら想定外の燃え上がり方を示す爆弾みたいなイサミと、常に燃えてるけど種火みたいな安定火力なスミスの2人の関係が、バディとして成立するまでの過程と、
 ダメなイサミの化けるまでの展開が、燃えました。

 まあ、安定してヒーローしてる苦労人のスミスの方が、見ていて心地良いんですけど、スミスが散って、そこでイサミがまたヘコんでいたら、今度はスミスからバトンを引き継いだようにルルが実質的に主人公みたいに化けるし、
 この勇気のバトンタッチもいいなあ、と。

 一人が完璧なんじゃなくて、それぞれのバトンを引き渡すドラマ。
 そして、それをバックアップする多くの人たちの描き方。

 最終話で、スペルビアがあっさり倒されたところが、リアルで見てて、少し焦りましたな。
 え? 君がブレイバーン復活の鍵として頑張るんじゃないの?

 で、自分は倒れても、ルルを逃がすスペルビアはなかなかの武人ですが、その未来ではなかったスペルビアの死がラスボス覚醒の鍵になるとは。
 そして、ブレイバーンがイサミとスミスの勇気で、バーンブレイブ・ビッグバーンとして黄金に輝く。
 モチーフはスーパーサイヤ人と、勇者エクスカイザーのどっちが先かなあ。90年代初頭ですな。まあ、その前に聖闘士星矢が黄金に輝く鎧を示したりしていましたが。

 で、グレート合体はありませんでしたが、ルルの勇気で復活したスペルビアがブレイバーンの剣になるのは、これはこれで勇者の文脈に沿ってます。
 勇者で最初に登場したのは、マイトガイン。マイトガインがマイトカイザーと合体して、グレートマイトガインとなって、さらに大型キャノン砲に変形するマイトガンナーと合体するグレートマイトガイン パーフェクトモードになる。
 武器になる仲間との合体で、最強必殺技が放てるようになるわけですな。

 ジェイデッカーも、ファイヤージェイデッカーがガンマックスの変形したマックスキャノンを装備しますし、
 ダグオンでは、剣に変形する仲間と、大型キャノンに変形する仲間が登場して、その回によって必殺技を使い分けたりもしていました。

 そしてガオガイガーでは、巨大なハンマーに変形してゴルディーマーグと合体して、金色の破壊神の異名を持つゴルディオンハンマーが最強武装という形になりますな。

 あと、戦隊のボウケンジャーでは、大剣人ズバーンという、文字どおりの黄金剣キャラが登場して、本作とのリンクを感じておりました。

 グレート合体ではないけど、剣に変形する仲間というのは、グリッドマンのキャリバーさんと言い、本作の監督の大張さんの好きな作画構図でもありますしね。
 長大な剣を構えるロボの大張カットというメカロボ用語があって、歌舞伎の見え切りと同じくらいの伝統芸です。

 ともあれ、吹っ切れたイサミのノリに乗ったヒーロープレイが、強引さも含めて、スーパーな燃えを感じさせたり。
 ツッコミ役のルルも笑えましたし。

「話を聞こう」
「先に攻撃してるし」

 未来戦士ルルもいいよなあ。そのままスピンオフにできそうなパワーワードです。短編アニメにならないかなあ。
 等身大に縮んだスペルビアおじさまを武装装着するルルとか。

 とにかく、今後の展開が期待な爆発ロボアニメでした。

 次は、ソシャゲ版のスパロボにも出るそうで(4月中旬)、まあ、面白いネタがあれば、話題にするかも。

★牙狼ハガネ

 こちらは、想定どおりの展開で、ただサプライズは「流牙の黄金鎧が使用不能になったために、彼もハガネの鎧を装着する」というシーンでしたな。

 それで、イグスの剣を流牙が使う。
 一方、創磨はゴドウの後継者として覚醒してますし、最後の門を封印する場面で、二つのハガネとともに、黄金騎士とゴドウの鎧のイメージ画像の4つの姿が映ったのも、英霊とともに戦う魔戒騎士の姿だったのですな。
 2人ではなく、創磨の体を通じてゴドウが、流牙の体を通じてイグスが力を貸してくれたビジュアルという。

 ゴドウとイグスが親友で、ゴドウの兄弟子に当たる流牙が、創磨にとっては親友に近い先輩、兄貴分になるのかな。

 で、流牙が創磨とコヨリの成長を見届けて、去り行くラスト。
 そこで、梨杏の持ち物を映すことで、シリーズ物としてのつながりも示す。
 きれいに終われたな、と。

 あと、原作の雨宮さんが番組終了後に「破滅の門のデザインラフ」を披露してくれて、ああ、今回は裏方に回っていたけど、デザイン画をいろいろと提供していたんだなあ、と判明。
 ノータッチだと思っていたのですけど、キャラの衣装とか、ホラーのデザインとか、背景画とか、そういう部分で、世界観の土台を組んでいたのかな、と感じたり。

★バスタード

 まあ、きちんと終わっていないクリフハンガーですが、一応、カル=スとの因縁はこれで完結。

 元々、話が中途半端で終わるのは想定できていましたが、最終話でいきなり新しい仕込みをいろいろと出して来て、きちんと風呂敷を畳まないまま、投げ出した感が強いなあ、と。

 というか、この原作者は風呂敷を畳むのが苦手?
 話をかき回したり、広げたりするのは得意でも、きれいにまとめて、次の話につなげるのが苦手なタイプの作家なのかな、と改めて思いました。

 巨悪を倒して、スッキリした! という締め方にはならずに、巨悪だと思っていた敵が実はザコでしたって感じに、どんどんインフレを積み上げて行く。
 現代作家に期待される構成力という面で、?が灯る人ですが、90年代だと、それで通用したんだな、と思ったり。

 構成力云々は、やはりインターネットで作品批評が為される中で、リアルタイムの盛り上がりだけでなく、作品を過去に遡って、粗探しも当たり前になる謎本ブーム以降、要求されるようになりましたからな。

 そして、これはダークシュナイダーというキャラの特性ですが、とにかく仲間からの協力を拒んで、自分一人で解決しようとする。
 だから、仲間との絡みがドラマとして盛り上がる方向に走らずに、空回り気味になる。
 盛り上がるドラマの流れを、自ら否定して、王道をつぶす反逆者主人公なんですな。

 ある意味、パーティーを組む前のゴブスレさん状態で、このアナーキズム状態がロックであり、80年代では格好いい。でも、90年代からゼロ年代だと、弱みを見せる主人公像が主流になって、それがまあ、カル=スとか、ネイとかの方向性。

 彼らが主人公としてスピンオフ展開すれば、バスタードの世界観は続いたのかもしれないけど、
 DSが主人公で、ヨーコさんとの関係性だけで話を引っ張るのは、この段階ではキツいのかな、と。

 これで、傷ついたDSの体をヨーコさんの癒しの力で修復する展開があれば、彼女がヒロインとして復帰できるのかもしれないけど、
 ヨーコさんのお仕事が、癒しではなく、ザコ悪魔を聖なる力で祓い、防御魔法で守るだけだと、モブ化したサムライや魔戦将軍らの支援ぐらいしかできない。

 そうなると、DSの戦場に付いて行けるヒロインではなくなり、DSの戦場とヨーコさんの居場所は分かれ分かれになる。もはや、違う世界の住人として、関係性が維持できなくなるわけですな。

 おまけに、ヨーコさんはネイみたいにDSに甘えたりはできない。
 ルーシェの保護者ではあっても、DSがルーシェとの融合を拒んでしまうと、必然的にヨーコさんとDSの接点も切れてしまう。

 そうなると、作者はDSとヨーコさんの関係をどうしたかったんだろう? って気になりますね。
 まあ、リアルタイムの連載時に、そこまで考えて話を構築できなかったのかもしれませんが。

 ヨーコさんの気持ちの持って行きようが作者の中でも見えていなくて、「成長したヨーコさん」という期待を示しながらも、より疎外感を感じるだけになってしまった結末。

 で、収拾の付かなくなった人間関係を投げ出して、仕切り直しになったり、広げるだけ広げたサムライや魔戦将軍のドラマも、投げっぱなしで世界の危機だけがエスカレートする。
 派手な物語展開を示す反面、繊細な人間ドラマがどんどんおざなりになって、現代の人間関係ではなく、過去編だけでドラマを構築して、過去の人間関係や事件の修復がメインになって、現代のキャラの成長とか心情は大筋からはスポイルしていく。

 ああ、これは90年代のエヴァの方向性ですな。
 ただ、ゼロ年代前後に流行したセカイ系の話に持って行くには、「世界の危機と、キャラの心情がリンクしていない」のがバスタードの欠点というか、時代を乗り越えられなかった壁だと思います。

 キャラの心情や葛藤、悩みの解決が、世界の危機を突破するエネルギーに変わるというのが、セカイ系の王道ストーリーですが、
 セカイと、キャラ個人の心情の間に、媒介となる社会が描かれていないのが、セカイ系の欠点とも言われていました。
 で、21世紀に入ると、崩壊する世界なんて重いストーリーよりも、不安定な世界かもしれないけど、今いる日常を楽しく生きる日常の中での人間関係を魅せる日常系が主流になって……という時代の流れがあるわけですが、

 バスタードの世界に、日常系要素は薄いですね。元々、ファンタジー世界の日常を描くストックが、作者の中になかったのかもしれませんし、日常の崩壊こそがDSの目指す方向性だったので、守るべき日常云々というドラマにもならない。
 一方で、セカイ系かと言われると、メインキャラの心情とは関わらないところで、アンスラサクスがいる。
 例えば、アンスラサクスの封印であるシーラ姫の心情がもっと描かれて、彼女の心が曇るとアンスラサクスが復活するとか、キャラの心情とセカイの危機がもっと密接につながると、セカイ系として話を構築できたのかもしれません。

 それに近かったのが、カル=スの過去のトラウマを利用したアンスラサクスの憑依劇でしょうが、そもそもアンスラサクスが人の繊細な心情にうまく付け込んで巧妙に洗脳し、誘惑する神でもなかったので、そういうドラマにもならなかった。

 結果として、セカイ系に必要な、「キャラの心情と世界の崩壊のリンク」がバスタードでは描かれず、キャラクタードラマが世界の危機とは物語的に関係ないまま、事件がDSの魔力と勢いだけで解決してしまい、モブキャラは「何て凄い魔力だ」とおざなりなセリフを言うだけ。
 個々のキャラの心情が、事件の解決には貢献しないという、ドラマに意味がない作風になってしまっている、と。

 日常社会も描かず、キャラドラマが事件解決にも直結しないとなると、バスタードの魅力はどう解釈すればいいのか、というのが今の時点で振り返っての批評です。

 まあ、連載時の画力とか、勢い、サプライズの要素はあったので、時代には乗れたのでしょうけど、うまく風呂敷を畳んで、下手に話を引っ張らなけば良かったのかも。

 何にせよ、アニメは続きをいつ発表するか、ですね。
 ただ、迷走するのが見えているからなあ。

 個人的には、同じスタッフなら、ゴブスレ3期を作って欲しいなあ、と思ってます(苦笑)。

★響鬼

 で、日常系ライダーです。

 響鬼の人たちは、妖怪駆除業者みたいなもので、シフト制のお仕事になってますな。
 関東では11人の鬼がいて、響鬼、威風鬼、斬鬼と轟鬼師弟が番組のメインドラマに関わっていますが、他に7人の鬼がいて、時々話題に出たり、モブライダーとして顔見せしたりします。

 で、弾鬼さんがその第1号ですが、ここで注目すべきは「裁鬼」さん。
 斬鬼さんが負傷したので、代わりに裁鬼さんがシフトを引き継いで、休みなく影で戦い続けています。
 そして、「裁鬼さんが負けちゃったので、響鬼さん、後を頼みます」的にストーリー展開するパターンがあって、
 「また負けたのか、裁鬼さん」とネットで評判になって、本編で登場していないのに「裁鬼さんを心配するスレッド」みたいなものが2chのスレッドに立つほどでした。

 負けても負けても、それでもめげずに戦い続けて、その戦いで得た情報が、響鬼さんの魔化魍攻略の役に立ったりする局面も。
 そんな裁鬼さんの凄いのは、負けても長期間の療養を必要とする重傷は負っていないので、ダメージコントロールと敵の能力分析には非常に長けていて、軍隊で言えば、戦闘機ではなくて偵察機みたいな諜報活動に長けた人材ではないか、と妄想しています。

 裁鬼さんも鬼として訓練は積んでいるので、普通ならそれなりに戦果を挙げられる人のはずなのに、それがこうも負けが続くというのは、「今年の魔化魍は例年よりも強くなっているのでは?」という危機感が込み上げてくるわけですが、

 ドラマには登場しないのに、背景要素がしっかり設定されていて(各ライダーのシフト表とか)、そういう細かい要素がリアルな世界観を想像させて、ドラマと関係なく、いろいろと深読みができてしまうのが、響鬼前半の特徴かな、とも。
 考察素材として、いろいろ要素をばら撒くんだけど、ドラマとはあまり関係ない。でも、エヴァ以来の考察癖が付いている客層がいろいろハマっていたんじゃないかなあ、と。

 日常系であり、世界の崩壊はじわじわ来るかもしれないけど、それよりも明日夢の抱える青春の小さな悩みの方がドラマでは大事で、
 響鬼さんのお仕事の背景の方は、あくまでフレーバーという形。

 で、そのうち明日夢と響鬼の関係よりも、斬鬼と轟鬼の関係の方が濃密に描かれて、主役はそっちだろう、という流れにシフトしていく。
 斬鬼さんのキャラ立てもどんどん濃くなるしね。後に、キバの次狼さんや、牙狼の魔戒騎士にも役者が続投して、ゼロ年代の名特撮バイプレイヤーに育って行ったなあ。
 

Re: 3月のスレッド(2024) - K.K

2024/03/31 (Sun) 17:26:46

 不定期感想です。

●仮面ライダー555 パラダイス・ロスト

 東映公式Youtubeにアップされていたのに全く気が付いておりませんでした。鎧武再視聴の後の動画リストにこれが出てまして、公開が9日前との表示。1週間限定公開だったら見逃しすら気が付いてなかったはずです。

 慌てて観てみましたら、なんか物凄い。公開時期が8月16日で、TV本編ではデルタ登場で流星塾がゴタゴタした頃ですな。おおむね主要人物ようやく出揃ってる。が、劇場版メインゲストのみならず、TV本編主要キャラクターもバタバタ死んで行く。(なぜか首だけの)村上社長すら、上からの失敗時の指示で、と言うスマートレディーにあっさり(文字通り)潰される。

 いや、前にウィキペディア等であらすじ読んだり、各キャラクターのTV本編と劇場版での違いとか調べたりして、知ったつもりにはなってたんです。でも映像観てみると、やっぱり自分が字面で知ったものとは印象が全然違うなと。

 視聴直後の印象としては絶望感が大きかったですね。ただし、なぜか一縷の希望を感じてもいます。たぶん気持ちが揺れた後に覚悟を決めた木場勇治に巧が後を託されたことがあるんでしょう。TV本編ではオルフェノク側として安心感があった海堂は無惨な最期でしたが、人間側の啓太郎が好意と運に恵まれて生き残ったこともある気がします。命張る覚悟のドーピングで変身したら灰化したのはカイザのベルトのほうだったし、巧が死地から遠ざけてくれたし。

 本編を追って行くと、冒頭から絶望感大きいですね。オルフェノクの世界となり、人類が3千人足らずまで減ったことは事前知識としてありましたが、街を襲撃するレジスタンス(人間解放軍)がこれほど無力とは。その無力の描き方が、戦いに惨敗することよりも、周囲の(オルフェノク)市民の無関心で描かれる。丸腰の市民ですらどうでもいい程度、というのが観ているこちらに強く突き刺さります。

 このときの武装は対オルフェノク用に開発した銃弾だったようですが、効いてない感じですね。戦闘リーダーらしき水原が、ほうほうの体で拠点に逃げ帰った後、武器開発担当の科学者:野村を詰ってます。もっとも野村は見るからにかなり軽めな性分のようですな。しかしそこが啓太郎と馬が合う要因なのかも(^^;。

 拠点でようやく状況が明かされまして、人類は残り3千人足らず、食料も不足し、このままでは滅亡を待つだけらしい。そうなったのも巧/555がオルフェノクのライオトルーパー部隊と交戦し、真理は逃がしたものの巧が倒されたせいらしい。雅人/カイザは健在なものの、戦力不足を補えず、しかもTV本編以上の性分で嫌われてもいると。

 オルフェノクも完全に一枚岩ではなく、TV本編同様、木場勇治ら3人は人類側に同情的であるわけですね。ただしオルフェノクと決定的に対立するわけでもなく、勇治の望みは両者の融和にあるらしい。しかし状況悪化による不安やストレスで、ほとんどの人間からは嫌われている模様。

 そして救世主伝説が人類の間でささやかれているわけですな。メイン候補は555/巧でして、いなくなった人が祭り上げられるというパターンなのかも。しかし現実寄りの草加は自分こそという気持ちを隠さず、戦闘リーダーの清水も帝王のベルトを敵から奪えば、あるいは555ギアを回収すれば自分も、と思っているらしい。

 そして救世主候補筆頭の巧はといえば、戦闘を生き延びたものの、ダメージを受けて記憶を失い、ミナという女性と暮らしていると。自分を「ミナと幼馴染のタカシ」と思っている。ミナはオルフェノクにも親和的で、それゆえに村八分まがいの扱いをされているようですな。

 後に明らかになるのが、孤独がちのミナを心配した父親が、記憶喪失の巧に偽の記憶を植え付けてミナの友達とした、というものですね。劇中で語られたのはそれだけですが、もしかすると記憶は失っても性格はそのままの巧を上手く保護するためであったのかもしれません。

 人間解放軍は一致団結と程遠いギクシャクだし、食糧不足だし、そもそも3千人だしで、放置しても滅亡してしまいそう。が、敵(スマートブレイン)は手を緩めないのか。交渉にやって来た勇治らの跡を付けさせたのか、戦闘力が格上のライダー:サイガ率いるライオトルーパー部隊を人類側拠点に差し向けて来る。カイザはサイガにあっさり撃破され、草加は灰化。開始からまだ1/3です。

 続いて真理主催の仮面舞踏会パートへ。大打撃受けた人類を励ます意図、仮面ということで種族を超える意図があるような気もしますが、どうも誰も乗ってこない感じですね。しかしオルフェノクと親和的なミナは乗り気で、巧も引っ張られる感じ。

 が、先に舞踏会に行った巧が主催の真理と接触、巧の記憶が戻り始める。遅れて来たミナは真理と話す巧を見て、(記憶書き換えの罪の意識もあってなのか)帰ってしまう。せっかくのお手製のドレスも燃やしちゃうわけですね。でも、巧から贈られた靴は捨てられないところが心情を窺わせます。

 記憶が戻った巧は人類側で参戦ですが、解放軍の水原は救世主意識も手伝ってなのか、巧と反りが合わない様子。水原としては救世主候補ライバルの草加退場で「我こそは」の自負が強まっていたのかもしれません。しかし、大勢が期待する巧が現れちゃった。

 その巧は「なぜタカシとしての記憶があるのか」を悩み、ミナの告白で真相を知ると。そこはやっぱり巧でして、許しちゃうわけですね。しかし555ギアを狙う水原の襲撃で、ミナは巧を庇って死亡。が、TV本編でも実証された通り、水原が555ギアを試しても無駄。

 そのように勇治が忠告しに来たわけですが、逆ギレの水原、手りゅう弾を投げつける。それくらいはホースオルフェノクの勇治には効かないわけですが、持っていた剣を弾き飛ばされ、それが水原に刺さり死亡と。あらら、劇場用メインの2人も中盤で退場しちゃった。

 しかし、人間解放軍の面々には「勇治が水原を殺害」で伝わっちゃうわけですね。真理は「人間もオルフェノクも関係ない」と勇治を庇いますが、勇治が感謝して去ると「もしかしたらあたし、嘘つきかもしれない」と巧に告げる。が、聴覚優れる勇治には聞こえてしまう(たぶん結花も)。

 その場は何も起こらず、解放軍の出した要求「帝王のベルト」を奪うべく、勇治らはスマートブレインに向かう。が、敵の罠により勇治が絶望、怒りのあまり人間を敵対視してしまうわけですね。スマートブレインに侵入したものの、待ち伏せしていた敵の巨大オルフェノク(エラスモテリウムオルフェノク)に結花、続いて海堂を殺害される(劇場版設定では告白できずの両想いだったんですか、この2人)。

 そこへ真理が現れ、この待ち伏せは自分の密告によるものと勇治に告げたため、勇治は人類を見限ってオルフェノクについてしまうわけですね。しかし、この真理はスマートレディが化けたもの。勇治は最後までそれを知ることはなかったようですが、最後にまた初志(人とオルフェノクの融和)に立ち返る(その仕掛けが面白いし、感動もする)。

 それは後のことでして、そこから終盤なんですが、ちょこっと啓太郎パートがありますね。人類の次の拠点にオルフェノク襲来。これに啓太郎、科学者:野村特製のドーピング薬を死を覚悟して使い、デルタに変身して敵を撃退する。ですが、灰となって崩れたのはデルタでして啓太郎は無事。欠陥すら味方する運の良さですな。

 そこへ敵最強ライダー:サイガ襲来ですが、何とか巧/555が間に合う。解放軍から疎まれつつも、巧はスマートブレインに捕らわれた真理の救出に向かい、啓太郎も意を決して同行。ですが、巧は荷物を落としたふりをして啓太郎をまいてしまう。ライダーでない者(さっきデルタ消失)が行けば死ぬと判断してのはからいでしょうな。運に続いて人情に助けられた格好の啓太郎ですが、決死の覚悟は巧に伝わっているはずです。

 そしてスマートブレイン突入の巧/555は巨大オルフェノク、サイガ、さらに人間に絶望した勇治/ホース/オーガと決戦へ。対サイガはアクセルフォームなら対処できるんですか。カイザが歯が立たないサイガなんで、もっと手こずるかと思ってました。が、勇治が変身したオーガが本命みたいですね。こちらはむしろ555劣勢か。

 ついに555、変身解除に追い込まれますが、巧がウルフオルフェノクの正体を現わす。初放映当時は、これが衝撃の事実だったわけですな。止めを刺しに行った勇治/オーガも真理もショックで混乱してます。それまで歓声あげてた観衆も啞然(1万人エキストラ、凄いですね)。が、勇治は気を取り直し、巧/ウルフにホースとなって襲い掛かり、さらにライダーに戻って戦い続けると。

 またもオーガ優勢ですが、ブラスターフォームお目見えとなると形勢逆転、撃破されるのか。しかしそこはさすが巧でして、サイガのときと違い勇治のオーガは倒し切らない。この手加減(?)の思いやりと、直前に真理が巧を励ました「巧は巧だから」が勇治に届いたんでしょうな。

 特に後者は「嘘つきかもしれない」に対するカウンターになってますね。土壇場で見せた真情となれば、迷うことはあってもたどり着く気持ちのはずです。勇治も迷って揺れちゃったわけですが、「巧は巧」ならば「勇治は勇治」となり、素志へ立ち返る背中を強く押してくれたはずです。

 が、勇治/オーガは巨大オルフェノクから真理を庇って倒れる。巨大オルフェノクは555が倒しますが、勇治は灰となって消滅。あらら、勇治もかと思ったんですが、最期に巧に人類とオルフェノクの融和の希望を託してましたな。これは巧の性分としては断れないところでしょうな。それを知っている勇治も安心して旅立つ様子があります。

 首だけ村上社長は帝王のベルトを失った責により、スマートレディの手でぺっしゃんこ。この人も退場なんですか。

 残ったのは巧と真理だけという感じですね。スタジアムのオルフェノク群衆は期待を裏切られて怒る者がある様子ですが、同時に恐れてもいるらしい。巧が「どけ、俺が歩く道だ」と言い放つと、道を開けて通す。真理に問われての巧の答は「行けるところまで行くさ」ですか。投げやりなようにも聞こえますが、強い決意のようでもある。

 555のTV本編にハマっただけあって、この劇場版も面白かった。悲観的にも感じますが、それでも何とかなると信じたくもなります。それがまずはTV本編の結末なんでしょうし、さらには自分は未見のパラダイス・リゲインドなのかなという気がします。人類とオルフェノクの対立構図は(オルフェノクが人の死から生まれるだけあって)解決不能であっても「行けるところまで行く」でいいのかもしれない。

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