創作と鑑賞の談話室

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6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/01 (Sat) 00:01:18

 6月の雑談スレッドです。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/04 (Tue) 16:17:09

 定期感想その1です。

●大魔神カノン

 響鬼の参考作品とのことで、ご紹介ありがとうございます。ピクシブ百科のまとめ記事はともかく、NOVAさんのブログの全26話それぞれの感想記事を読破するのは大変かなと最初思いました。

 が、意外なほどすらすら読めまして。理由はハッキリしてまして、まず大魔神カノン本編を字面だけでもいいからできるだけ理解したいとは思わなかったことがあります。これはご紹介のピクシブ百科だけでも「そこそこでいいや」と分かるからでして。

 ではどうしてブログ記事のほうはすらすら読めたかですが、「カノンを見ながら一喜一憂しつつ、何とか面白い面を見つけようとするも、次第にガッカリを深めていく観客」が見えたから。そこは大変に共感するものがあるところです。

 これがもし、自分がよく知らない人の感想だったら「そうは言うけど、もし自分が観たら違うかも」と思ったかもしれません。しかし(時期は以前といえど)こちらで長く感想を言い合って来たNOVAさんのご感想なわけで。「こう面白がろうとして、しかしそうガッカリされたということは、自分なら」の想像が働きます。

 しかし第2話にして既に不安になるほどだったとは。もっともその不安を取り除く流れが第3話からあるのが通例でしょうか。しかし不安が的中するという、予想が当たるのが期待外れで進んじゃってたようですね。その後も「これなら次は」と期待できる要素を見出しつつも、常に裏切られる流れ。

 そのことは第22話がある意味集大成になってる感じです。総集編が本編を上回っちゃいけませんが、第22話があれば、極論すれば第1話~第22話は要らんと。百歩譲って、第22話を最初(第0話扱いとか)に見せてくれれば、以降は何に期待すればいいか分かって、山場までの単調さにも耐えられたのに、でしょうか。

 カノンを自分が観ていたとしても(NOVAさんと細部は違えども)ガッカリしてしまったでしょうな。響鬼が前半路線のままの結末がカノンのようであれば、例えばED歌詞の最後をもじり「これが俺の響鬼~♪」とプロデューサー&脚本家は言うけれど、そんなの観たくなかったとなっていたのかも。

 カノンは特撮という看板を外せば大丈夫というものでもなかったようですね。そこはブログ記事を拝読するまで思い至りませんでした。現在放映中の「戦隊大失格」で申しますと、自分は「戦隊」という看板・フォーマット(これには昭和ライダーも含む)さえなければ面白く観られたと思ってます。

 悔しさ/無念をバネに這い上がる話は基本、好きですんで。しかし「戦隊(とライダー)」を匂わされると、そこで気分が萎えてしまいます。「戦隊大失格」では戦隊がネガティブに扱われてますんで。自分のヒーロー像と齟齬をきたしてしまうんですね(ゆえに作品自体に何か問題があるわけではない)。

 しかしカノンはどうやらそういう感じではないらしい。例えば(字面的にそう感じるだけかもしれませんが)「善人が為したことだから善、悪人が為したことだから悪」という演出を感じます。通例は「こういう善を為したということは、為した人は善かも」でしょうか。こちらの想像に任される余地なく、善設定を押し付けられると、ドラマとしても面白み、リアリティを感じにくそうです。

 そのことは前に自分が響鬼の感想で申した「ヒビキが明日夢に正解を言ってしまう」旨の不満と通じるものがあるかもしれません。響鬼後半では早々に「ヒビキが明日夢にヒントを出す」に変わりまして、自分は納得するようになりました。

 大魔神カノンの全26話のご感想は、自分の響鬼視聴で「前半のままならこうだったかも、しかし現実には後半はこう」みたいな点で大いに参考になりそうです。そういうことがありますんで、改めてお礼申し上げる次第です。

●仮面ライダーガッチャード(第38話:虹の彼方に)

 前話から今話前半にかけてはシビアな流れなんですが、解決の糸口が見えるや否や、テンション上がる方向に急展開。最後は人間なら死亡扱いと思しき白くなったケミーも元に戻る。そこはハッピーエンド狙いとはいえ、少々やりすぎなんじゃないかと思いました。

 が、仮面ライダーWEBによるとケミー復活の真相は次話で明らかになるとのこと。シビアの反動行き過ぎではなく、昭和ライダーなどでよくあった「怪人倒せば、怪人の悪影響もリセット」でもなかったみたい。

 ともかく本編。冒頭はホッパー1を失っただけでなく、ホッパー1が宝太郎を元気づけるべく黄金の花を渡そうとしていたことにも気づいた宝太郎の絶望と悲しみからですね。それがあまりに深く強いため、おそらくはスパナやギギストと同じ黒い炎を宝太郎も発しそうになり、それを留めるように巨大卵が覆い、どこかへと転移する。

 これを見たギギストは「理解する」ができたつもりになっているらしい。巨大卵の転移先も把握しているようで、アポロトスとクロトーを連れてギギストも卵を追って転移。アカデミーで状況を追っていた鏡花も卵の転移先を突き止め、101体めのケミーだと断言する。100体と言われてましたが、101体めもいたことになりますな。となると、例えば劇場版で未知のケミーとか出す可能性出て来たかも。

 それはさておき、101体めは風雅が密かにドライバーに仕込んでおいたものらしい。ギギストは「我が分身」と呼んでましたから、風雅が奪って隠しておいたのか。それだけに最終的な勝敗の鍵を握りそうですね。

 争奪ポイントははっきりしたわけですが、ホッパー1を失ってショックなのは宝太郎だけではない。りんねは絵本のおとぎ話の「黄金の花のめしべ」を紹介したせいでこうなったと強く後悔し、戦意を失ってしまっている。味方側3ライダー中、2人までも失意で戦闘不能というピンチですな。

 しかしまず宝太郎に青い「卵」が接触して来るわけですな。ただし励ましはするんですが、要は「巨大卵の中は安全だし、望むものは何でもあるから、ここで暮らせばいい」という逃避への誘惑で始まる。これは青い卵の不安が反映されているようでして、ドライバーの中から今までをずっと観察してきた結果、外界が怖くなっちゃったらしい。

 その外界ではただ1人動けるスパナが巨大卵を守るべく駆けつけてますな。先んじたギギストが誘惑する。自分(ギギスト)と黒い炎を持っているんだから、こちらに就けと。青い卵もギギストも悪魔の誘惑というわけか。しかしスパナは断固拒否(「笑えないジョークだ」が今までで一番の決め台詞になってますな)、ギギストと交戦に入る。

 が、ギギストは5重錬成でここまでの最強のマルガム:ファンタスティックを作り出し、ヴァルバラド/スパナを一蹴。ただし止めを刺さないのは、まだギギストがスパナを諦めてないからか。スパナが応じないのは「自分の本質と向き合うのが怖い」からと思ってるせいでしょうか。だからファンタスティックマルガムで力尽くの説得と。ミナトと錆丸も追ってはきたものの、これには手の出しようがないらしい。

 ミナトと錆丸は巨大卵も調べて、データをアカデミーの鏡花に送ってますが、巨大卵の結界(?)を破る方法が見いだせないようですね。それを近くで聞いているりんねはさらに「宝太郎は戻ってこない、ホッパー1みたいに」と絶望を深める。

 ここで奮起するのが蓮華ですな。「あんた仮面ライダーやろ!」の活ですな。蓮華がそうしてくれてから、ようやく自分は「そうだ、そう来なくっちゃ」となりました。期待通りより、何を期待していたかに気が付く方がテンションの上がり方は激しいようです。

 これでりんねが奮起、ファンタスティックマルガムに返り討ち寸前のピンチのヴァルバラドにマジェードとして救援に入る。が、結局は敵わないのか。

 その頃、巨大卵の中では「こんなときでも腹は減る」とばかりの宝太郎でして、巨大卵内の「キッチンいちのせ」で、母:珠美のオムライスを食ってますな。それでちょっと宝太郎は落ち着いたのか、青い卵にも料理を振舞う。出てきたのは、序盤でスパナに出したことがある青いオムライスですか。さらに青い卵をタマゴンと命名(この後、すぐに別の名になっちゃいますが ^^;)。

 料理を始めてみて宝太郎はさらに落ち着いたようですね。やはり外に戻りたいと思い、外(でのマルガム化)を恐れるタマゴンの説得にもかかる。タマゴンは逡巡してましたが、自分(卵)と同色の青いオムライスが美味しかったのか、ついに宝太郎との同行に同意。もしかして、青いオムライスって今話のための序盤からの伏線だったのかしらん。

 タマゴンの同意(とケミーカード化)で宝太郎は巨大卵を破って飛び出すわけですが、外から破壊を試み続けていたギギストはついに思う通りになったと勘違いしているようですね。ギギストにも理解できないことがあるわけか。が、卵から飛び出した何かが飛び去り、ギギストは混乱した模様(もしかして生まれて初めて?)。

 飛び出した何かはこちらには宝太郎&タマゴンと分かってますから、ギギストより外で戦うスパナとりんねを優先したのは当然と納得ですね。タイミングもギリギリ間に合いまして、ファンタスティックマルガムが変身解除された2人に止めの一撃を入れる直前で阻止。
(このシーンは定番ともいえる「ヒーローは遅れてやって来る」の燃える展開でして、自分はさらにブレイバーン第1話の「助けに来たぞ」を思い出して、さらに興奮です。)

 2人への攻撃を阻止した宝太郎&タマゴンですが、タマゴンが即座に孵化、小さく青いドラゴンとなりまして「ニジゴン」と名乗る。タマゴンは名前はないと言ってましたが、孵化すると、卵になる以前の何かを思い出したりしたんだろうか。

 ともかくも宝太郎はニジゴンの力を受けてレインボーに変身、空に虹をかける派手な変身ですな。この虹、ただの演出かと思ったんですが、アカデミーまで届きまして、白くなって動かなくなったケミーに何らかの作用をしたらしい。そこは上述しましたが、次話で語られるようですね。今話ではその結果のケミー復活だけ示される。

 レインボー、さすがに最終形態だけあって強力でして、ヴァルバラドとマジェードが苦戦したファンタジーマルガムをあっさり撃破。今までの強力なフォームは過熱したり宝太郎に負担が大きかったり、いろいろ制約がありましたが、レインボーはそうした欠点はなさそうですね。宝太郎は実に嬉し気にレインボーの力を使いこなしているようです。まあ自分としては爆炎を背後に決めポーズしてくれるだけで嬉しかったりしますが(^^;。

 ともかくも勝利でして、さらにそこへホッパー1が頭に黄色い花乗せて戻って来る。スケボーズらも復活ですね。どうしてそうなったかは次回「ガッチャ完了!クライマックス101!」で語られる模様ですが、残り2体のケミー回収もある。グリオン編(?)ではレベル10以外は補助的とされたようですが、やはり全て揃うことに何か意味があるんでしょうな。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第14話:クールとワイルド)

 仲間として認めるとは何か、を多重で描いたと思える回でした。前話のブンブンサファリと玄蕃からの流れとしては、ブンブンマリンと射士郎ですね。前話と今話の間で何があったかは不明ですが、今話冒頭では射士郎はブンブンマリンと上手くいかず(相手にされてない?)行き詰っている模様。

 そこへ未来が関わり、かき乱しているようでいて意図せずブレイクスルーを作る流れになる。未来は前には届け物を任され、それに一心不乱ながらも大也らを利する撹乱を意図せずやってたりしたわけで、「古畑任三郎」の「今泉君」のような役回りあるのかも。

 ともかく本編。水族館に来た射士郎が、そこでバイトしていた未来と出くわす。射士郎らしくないと未来は思うも、射士郎が語るところでは、以前は任務一辺倒で張りつめていた、というよりテンパってたのを水族館が緩め癒してくれて以降、時折行くようになったと。ただし、年パスを持ち、水族館マイスターを自認するほど入れ込んでるわけですな。

 今話で水族館にまた来たのは、ブンブンマリンに認めてもらうどころか、意思疎通されままならない行き詰りを感じたかららしい。その悩みを聞いた未来は手助けしようと張り切るも、射士郎は余計な真似はするなと冷たい。もっとも、第6話(シロとクロ)で本音駄々洩れにされた射士郎の建前と本音を考慮しますと、突き放す言動も鵜呑みにしていいか迷うものがあります。

 もっとも射士郎がテンパってたのは間違いなさそう。水族館で、特にアシカショー見ているときは楽し気であり、ショーが終わるとリラックスの表情でしたから。そのせいか、未来に問われるままに過去の自分(射士郎)について、上述しました水族館との出会いを語ったりしてますね。

 もっとも、そういう自分語りが自然に出てくるところは、この時点でも既に射士郎が未来を信用しているということがありそう。正確に申せば、信用したい、でしょうか。その気持ちがあればこそ、後半での未来の語り掛けに即座に応じることができたように思えます。

 が、それは後のことでして、とりあえずはまたもやハシリヤン襲来。氷結能力を持つ苦魔獣レイゾウコグルマーですね。サンシーターは同行しておらず、改造隊長キャノンボーグが戦闘向けに改修したブンブンキラーロボでの出撃。自分は「これはブンブンキラーロボがレギュラー化するかも」と期待したんですが、次回予告を見る限りでは今話までの感じです。ちょっと残念かも。

 それはともかく(^^;、この襲撃でせっかくリラックスして我に返った感があった射士郎がまたテンパってしまったようですね。「大切な場所(水族館)ぐらい、1人で守れなきゃマリンも俺を認めない」として、キラーロボは他のブンブン戦士に任せ、自ら(射士郎)は単騎でレイゾウコグルマーに立ち向かう。

 が、ブンブルーはレイゾウコグルマーとは相性が悪い模様。氷結の障壁で銃撃弾かれちゃってますね。ついにブンブルー劣勢となり、変身解除となる。一方、ブンブルーを欠くブンブンジャーロボもキラーロボには分が悪そうで、こちらはキャノンボーグの格闘戦仕様の改造が狙い通りだったからかな。

 生身の射士郎、それでも水族館破壊に向かうレイゾウコグルマーに食い下がる。なかなか熱いんですが、この心意気はブンブンマリンが意気に感じるところではないらしい。代わりに救援に入ったのが、先ほど「足手まとい」とまで言われた未来/ブンピンクなわけですな。ブンピンク、ブンオレンジに託されたタイヤチェーンを苦魔獣捕縛ではなく打撃攻撃に使ってしまうメチャクチャさ。

 が、それも通じずブンピンクも変身解除、未来はかろうじて射士郎を助け起こして水族館に逃げ込む。未来、ここまでは射士郎に何言われても割と受け流してましたが、今度は真剣に怒る。理由は「あんた(射士郎)が死んじゃったら何の意味もないんだから」。これが射士郎に刺さったみたいですね。

 射士郎、追って来たレイゾウコグルマーの攻撃を未来を庇いつつ弾き、驚く未来に「まさかお前に気付かされるとはな」と。水族館に救われるまでと同じく、「目の前のこと(ブンブンマリンの信任なのか、ジタバタする未来なのか)に焦って、自分を見失っていた」わけでしたか。

 さらに「お前(未来)を仲間と認める、背中を預ける」と。これは未来には納得できない言い草ですが、射士郎にとって「仲間」が重い意味を持つということなんでしょうね。「背中を預ける」≒「一緒に死地に飛び込む/生死を共にする」でしょうから、「仲間」とは命預けるほどの信用ということなんでしょう。

 これで射士郎/ブンブルーと未来/ブンピンクの連携が成りまして、フィギュアスケート・ペアのような華麗なコンビネーションでレイゾウコグルマー撃破。ちょっと分からないのは射士郎が「魚のヒレさばきを思い出せ」と言ったこと。動きはフィギュアでして、ヒレの動きってあったかしらん。最後に氷上を腹ばいで滑っていったとこかしらん。まあいいか(^^;。

 未来を信じることができた射士郎をブンブンマリンが認め、5人揃ったブンブンジャーロボにも力を貸してブンブンジャーロボモンスターに。これはさすがにブンブンキラーロボ(改)を上回った模様で、難なく撃破。サンシーターの面々は今回も無事に放り出された模様で、まあよしとすべきでしょうな。
(自分はだんだん、この2話分のサンシーターがタイムボカンシリーズの悪玉トリオ(三悪)に見えてきました。メカで出撃して案の定やられるし、自分は出張らないドクロベーみたいな上司いるし。)

 戦い終わり、ブンブンマリンに青いバラの花束を贈る射士郎ですが、ブブーの音で拒否される。これは「それじゃない」なのか、それとも面と向かって好意を示されると照れるからなのか。大也によれば似た者同士(どちらも素直でない)ということらしいですが、どうんでしょうな。ただ射士郎がまたもテンパったのは間違いなさそうですね。普段の彼なら「答えてくれマリン!」と仲間の前で叫んだりしないでしょうから。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/06 (Thu) 00:42:01

 定期感想その2です。

●仮面ライダー響鬼(第33話:装甲(まと)う刃、第34話:恋する鰹)

 今週分前半(第33話)のラストで「自分は前より響鬼にハマってる」と自覚しました。戦い済んでの祝勝会/送別会で、またもカラオケで乗ってる小暮が「次は『少年よ』を歌います」と言ったらED曲に入るところですね。
(そして、今話でED曲が最後となるわけですな。そのための特別演出だったわけか。)

 そのときに、たぶん響鬼視聴開始から初めて「あ、終わりか」と思いました。今までは終盤に入ると「あと5分くらいか」「そろそろ終わるな」と意識できてたんです。しかし第33話ではED曲に入ってから本編が終わったと気づいたわけで、かなり夢中になっていたようです。つまりハマり具合が前より深い。どうやら響鬼の路線変更は自分が意識的に感じているよりずっと、自分のツボに寄っていたらしい。

 ともかく本編。まず前半(第33話)は前話ラストからの続きで、奥多摩のカマイタチとスーパー童子&姫に対し、立ち向かう響鬼&轟鬼ですが、アームドセイバーを持て余して自滅の格好。しかし敵スーパーコンビが極めて子供っぽいため助かると。童子と姫がアームドセイバー手に入れて大喜びし過ぎ、響鬼らを忘れちゃったくらいの感じですな。

 スーパーコンビ、洋館に帰り着いてからもアームドセイバーに興味津々で触りたがり、奪い合ってジャンケンとか、まるでライダーファンの小学生2人がたった1つ買えたライダー玩具ではしゃいでいるかのようです(^^;。

 が、洋館の男女は真面目でして、アームドセイバーを分析すれば敵組織:猛士の持つ技術を解明できるかもしれないと考える。ここまで自分は気がつきませんでしたが、敵側はディスクアニマルや鬼の装備など、急速に進歩した猛士に脅威を感じている面があったようですね。

 小暮開発のアームドセイバーが設計バランスが悪いことも、洋館の男女には「極めて強力な武器」と見えたかもしれません。仕方なく、まずはアームドセイバーの力を抑制してみると。もっとも、響鬼でもまともに握れなかったアームドセイバーを、スーパー童子&姫は平気でもてあそんでましたから、童子らを助手にすればよかったんじゃないかしらん。

 もっとも、この洋館の男女の剣の力の抑制がたぶん後で響鬼らに幸いしてますね。小暮はそこに気付いていたかどうか。たぶん、響鬼らを特訓したおかげで、自分(小暮)の思う通りの性能を発揮できたと思ったんじゃないかしらん。

 ラストのバトルを先取りで感想申しますと、滝澤みどりはアームドセイバーが鬼には扱えないほど設計バランス悪いと判断したようですが、現時点の響鬼(紅含む)らの能力では無理ということみたいですね。

 しかし小暮は剣を握ってアームド響鬼となったのを見て、それがアームドセイバーの本来の力だと言ってました。アームドセイバーは剣として絶大な威力があるだけではなく、その威力を扱えるように使用者も強化する機能があるようです。ただし、アームドセイバーによる身体強化を受け入れられるだけの素地が使用者に必要なようで、だから鍛錬に拘ってたのかも。

 が、小暮は口より先に手が出るし、せっかく口を開いても怒鳴るしで、いろいろ伝わらない。まれに折角みどりの言を受け入れたと思ったら、しょげて黙っちゃうし。さすがにトドロキも(自分が勝手にアームドセイバー持ち出しておきながら)「小暮さんのせいっすよ!」とキレるのも分かる気がします。

 が、先にアームドセイバーの洗礼(?)を受けたダンキらは1か月くらいで回復したと報告される。また鬼に戻れはするが、スーパー童子&姫と魔化魍カマイタチが暴れている現状では悠長なことは言ってられない。実際、魔化魍に襲われる人も出ている。

 そこで小暮の特訓というわけですね。ヒビキとトドロキを鍛え直すというわけですが、なぜか発声練習(「宇宙の波動を取り込み」云々で極めて怪しげ ^^;)。イブキが加わってないのは、小暮が現代っ子のノリが苦手だからでしょうか。

 しかしトドロキは音痴のようで上手くいかないですね。そこは日菜佳が上手にサポートしまして、以前はミュージシャンだというトドロキにカラオケで音痴を自覚させつつも、また頑張るようリードする。さらにザンキでして、小暮が以前は「疾風鋼の鬼」と呼ばれる凄腕で、1日に10体の魔化魍倒したとトドロキに吹聴。

 これでトドロキはしっかり舞い上がったようで、ザンキの言を聞いた小暮が「いや20体だ、30体だ」と吹かしますと、(困惑するヒビキらに気付かず)トドロキは疑いもなく信じ込み、さらにテンション上がってますな。どうもトドロキって単純な性分のようでして、正しい方向に向いてさえいれば、後はおだてておけば大丈夫みたい(そこが上手くいかないのが後半(第34話)だったかも)。

 トドロキは一心不乱に特訓に励むようになりますが、魔化魍出現。先行したイブキ/威吹鬼は敵側にスーパー童子&姫が加勢に入ったこともあり苦戦。そこへ駆けつけるヒビキとトドロキですが、ここでようやく小暮が確かに凄腕だと分かる仕掛けですね。前話から、誰も使えない剣、怪しげな特訓、ほら吹き紛いの自慢等、「実は口先だけなんじゃ?」と疑わしいほどでしたが、ここからは本来の腕前を見せてくれます。

 まずヒビキもトドロキも変身できる。1か月待たなくて大丈夫だったのは特訓が本物だという証拠ですね。続いて、乱戦で敵スーパーコンビが取り落としたアームドセイバーを響鬼が握っても今度は大丈夫。

 それだけでなくアームド響鬼にフォーム強化となり、アームドセイバーの力を使いこなして、苦戦してきた魔化魍カマイタチを瞬殺と。この成果は敵の洋館の男女によるアームドセイバーの力の制御の細工のお蔭もあるんでしょうけど、小暮の基本設計が的を射ており、使用者育成も正しかったことを証明するものと思えます。

 後半(第34話)は小暮が帰ってホッとするヒビキらで自分はちょっと油断しまして、OPが変わることをうっかりしてました。甘味処たちばなの居間のシーンから新OPに入ったところで、「おおっ!」てなりましたよ。曲/歌も映像も雰囲気を全く変えてきてますね。自分の好みとしてはこちらですが、それよりも制作の「作風を変えて行きます」という意思を感じるほうが印象強いかな。

 さあいよいよ敵とのシリアスな戦いか、と思ったら、まずはトドロキと日菜佳のドタバタラブコメですか(^^;。まずは日菜佳の誕生祝でホテルでディナーのデートなわけですが、最初は日菜佳が緊張しててぎこちない。これはヒロインの天然ボケコントかと思ったら、不器用かつテンパったトドロキのジタバタなのか。

 この後の香須実とのシーンも踏まえますと、トドロキが洋食系に慣れてないというのが確かにあるようですが(確か、箸は問題なく使えてた)、テンパってるのも影響してそう。テンパりが度を過ぎて落ち込みに至ってる感じがあります。もっとも、事前に用意していた日菜佳へのプレゼントが鰹、それも生の一尾丸ごとですから常識面で問題はありますな(それとも緊張のあまり変な選択したのか?)。

 が、トドロキの天然ぶりがよく出ていて、それが上手く働くと好感度高い。やはり洋食ですが、食事しつつ香須実に悩みを打ち明けると、これがもう凄いノロケなわけで。よくもまあそんなにすらすらベタ褒めできるもんかと感心。それだけに「それを日菜佳の前で言わんかい!」と観ているこちらが焦れますね。香須実もそう思ったはずですが、頭にハンバーグ飛ばされては日菜佳の気持ちも分かってしまったんだろう。

 ともかくも、無作法、非常識、言葉通りにしか受け取らないトドロキに日菜佳はキレて追い出しまして、トドロキは見放されたと落ち込む。そのせいで、この後はヒビキも首をかしげるほど、トドロキはいろいろしくじることになる。ですが、日菜佳はトドロキを見放した感じではないですね。むしろ、こっちから近づいてうまく行かなかった、ならばどう再接近しようかと日菜佳は悩んでるように見えます(要は「犬も食わない」系のトラブル)。

 この事態を言い換えれば「行き違い」。どうやら同じく行き違いが明日夢と持田ひとみにも発生した模様。ひとみが桐矢京介にラブレターを渡すところを明日夢が見ちゃったわけですね。しかし明日夢はひとみに真相を問えない。学校でひとみから近づいてくれているのに、逃げちゃうと。

 その後、京介とひとみが並んで歩いてるシーンでは、京介がひとみの告白を受け入れるか否か逡巡していると取れたりもするですが、流れから考えるとどうも違う。学校でのシーンでは、ひとみがいつも通りに積極的に明日夢に近づき、いつものように話しかけ、しかし明日夢が逃げるように去るとひとみは混乱してます。明日夢から京介に乗り換えた態度ではないですね。その辺りの真相は今話では明かされず、次回でしょうか(それとも引きずる?)。

 京介とひとみが急接近していないと思える、もう1つの理由は京介の態度、行動ですね。前話(前半)では明日夢と一緒に歩いているときにヒビキに声を掛けられ、京介は「明日夢のどこがいいのか」旨尋ねてます。明日夢に対して極めて無礼な態度ですが、ヒビキは怒りもせず鷹揚に「世の中にはいろいろな人間がいる」から云々と明日夢を庇いつつ諭してます。

 こう言われては、ヒビキを追いたい京介がヒビキが明日夢を傷つける行動を重ねるとは考えにくい。計算高いらしい京介ならヒビキの不興を買うことを避けるはず。さらに京介はヒビキに近い別の人脈を探している感じがありまして、イブキに近いあきらに探り入れてる感じがあります。明日夢の人脈は諦めたかも。仮にそうでないとしても、明日夢から辿ってひとみに近づいても、ヒビキには近づきませんしね(従兄のトドロキには近づけますが、京介は興味示さないでしょう)。

 それにしても、やっぱり作風大きく変えたのかなと思います。剣/ブレイド前半で愚痴を申した覚えがありますが、各キャラクターにスポット当て過ぎ、キャラクター間の関係をあまり描いてくれない。響鬼前半もそういう面があったような気がしてきました。後半に入りまして、明日夢と京介、トドロキと日菜佳など、2人の間にあるものが描かれるようになった気がします。

 そういうのが自分は好みでして、イブキとあきらの間にドラマ発生してくれるかなと期待も生まれました。ネットの下調べで、この後にあきらがどうしていくかのあらましは分かるんですが、前半観ているときは「どうすれば、そうなるんだろう?」と分かりませんでした。

 しかしキャラクター間にあるもの、ドラマが描かれるなら、下調べしたあきらのその後も不思議ではなくなってきます。今話ではあきらは鬼になれないことに焦りを感じ始めているようですが、イブキ、明日夢らと絡めてのドラマが発生する前提なら、あきらのドラマにも発展性ありそうです。

 いかん、先走りで気が早い。あちこちで人間関係の問題が発生して、こういうときこその相談役ヒビキのはずですが、恋愛模様だと鈍いのか(みどり談)。明日夢に作った料理がしょっぱ過ぎたのも、ヒビキは明日夢の食べる表情から読み取れず、自分で食べてようやく気付くと。そこも鈍いのか、ヒビキ。

 しかし、そこは自分的にガッカリポイントにはなりません。前半だとヒビキが正解言っちゃう傾向があり、それで解決していたわけですが、自分の好みの展開ではありません。ヒビキが答を出せないなら、各キャラクターは自ら模索を始めるはずで、そういうのが自分の見たいドラマです。つまり期待度アップなわけですね。

 敵側も何やら激変起こってますね。前話(前半)まではスーパー童子&姫はどちらも子供っぽかったんですが、今話でスーパー姫に著しい精神成長が起こったらしい。口調も大人ですし、凄みが出てます。依然として子供っぽい童子が気圧されてますな。

 魔化魍:港区のウワンも等身大ながら強力な模様。威吹鬼が手こずってますね。しかし最大の問題は悩めるトドロキのようでして、せっかくの止めのチャンスに轟鬼の止めの音撃がギターの弦切れで不発。というところで続く。今話はいろいろ仕込みがあるようですんで、来週前半(今エピソード後半)のドラマが楽しみです。

●シンカリオン チェンジ ザ ワールド(第9話:彼の正体)

 五稜郭シオンの登場回ですが、まずは前話ラストでのタイセイの姉イナの情報整理と発展から。依然として行方不明かつERDAのサーバへのアクセスがある。タイセイが感じた疑惑「イナとの思い出の場所にアンノウンが現れる」は、高輪カドミチが否定。現れるのは鉄道関係の場所であり、鉄道好きのタイセイと姉が言った場所と被っても不思議ではないという見解ですな。

 続いて、イナが行方不明以前はどんな人物だったかの一端がタイセイから語られる。エンジニアの腕を生かしてメタバースの動物園で働いていたわけですか。しかしメタバーズ動物園がリアルの動物園に不利に働いたことでメタバースのほうが閉園に向かうことを怒っていたわけですか。

 ただしメタバースとリアルをきちんと比較検討しての結論ならイナも納得できたかもしれないのに、安易に決まったらしい。イナが言及した「リアルの動物園が閉鎖となれば、飼育していた動物の行先がない」が大きいんでしょうね。データならその問題はない、と軽んじられたのがイナの不満ポイントでしょうか。

 そこでイナが奮起するわけですが、ちょっと方向性がおかしいような。メタバース動物園の動物を喋れるようにしちゃったわけですね。まあアミューズメントとしては面白いかもしれない。でも人間の人格を移植したに等しいわけで。それはそれで動物をないがしろにしている気がします。

 それが理由かどうか不明ですが、メタバース動物園はついに閉園。これにイナがどう思ったか不明ですが、「自分一人でも立ち上がる」との決意があるようですんで、失踪と依然として続くアクセスはメタバース動物園復活のためかもしれませんな。

 もしその手段の1つがアンノウンを使嗾することだったりすると、かなりイナはヤバい奴となりそうです(タイセイに深刻なジレンマも生じそう)。いや、たぶんそんなことはないでしょう。イナは(性格はよく分かりませんが)頭の良い人物のはず。人々を害して守ったメタバース動物園てなことになったら、嫌われて誰も来園しない。それはイナに分かるし、望むことでもないはず。

 依然として前話ラストでのイナらしき人物の不審な状況は分からないままですが、五稜郭シオンへと話は移る。タイセイがメタバースで面会するわけですが、観ていて「いよいよシオンが……誰だよ?」になりました。公式サイトでキャラクターの見た目は知ってたはずなのに、長身の少年が出て来たら面食らいます。

 が、メタバースということを思い出しますと、「ああ、そういうアバター使ってるのか」と納得。いつ正体明かすんだろうとワクワクしましたが、ずっと長身の少年アバターで話は続く。戦闘シミュレーションでは魚虎テンと同じく、天才運転士と呼んで差し支えないほどの技量があるようですな。ただし相手の仕掛けた技を返すカウンタータイプ、あるいは後の先。これが得意だから、会話でも1テンポ遅れる感じになっちゃうのかな。

 これは武道をやっているのかということで、アカネはシミュレーション後、シオンにいったん立ってもらって、その動きから武道家と見破る。リョータは事前に聞いていたとアカネをからかいますが、知ってりゃいいってもんではなさそうな。シンカリオンは運転士の動作に追従するわけではなく、操作された通りに動くわけですよね。例えば、格闘ゲーム上級者でもシンカリオンを武道的に動かせる可能性があります。

 そうではなく、運転士が身に着けた武道を応用しているかどうかは、運転士の動きを見ないと判断できません。格闘ゲーム上級者と武道家の身のこなしは違うはず。そこに目を付けたアカネは侮れないように思えます。

 しかしアカネより先に情報を得てへこませたリョータのテンションが上がりまして、またもや「先輩の自分に頼れ」みたいなことを言いだす。いったん自分は「先週のNOVAさんの予想のうち『メインキャラは鉄道部部長のマイ』は外れたか」と思いました。

 が、リョータは話のとっかかりを作っただけのようですね。悩みはないかと尋ねると、シオンは「メタバースの学校で仲良くなった女子が自分(シオン)に惚れているかどうか」と。これにマイが目をキラキラさせて食いつくわけで。以降、シオンもタイセイらもマイが引っ張っていく展開に。予想は当たってましたね。

 タイセイが手配した場所(メタバースの駅)で、シオンとシオンに好意があるらしいユキを会わせてみることになりまして、メタバースながらユキの様子は恋愛感情ありそうではありますね。で、ハッとしまして「シオンが自分と違うアバター使ってるなら、ユキも?」と勘繰りました。が、次回予告映像ではおそらくはリアルらしい場所でもユキはアバターと同じ姿。シオンだけが特別だったみたいです。

 シオンは途中、自分の正体/リアルをちょっと言いかけて、しかし急な連絡が入って言いそびれたりしまして、これは次話まで引っ張るかなと思いました。が、ラストでメタバースからログアウトするシオンのシーンが出まして、正体確定。

 次回「本当の自分」では、シオンをユキと合わせずに誤魔化そうと、アカネが奔走するみたいですね。予告映像ではアカネがユキと会っているカットがありましたんで、自分はてっきり「ははあ、アカネがシオンのリアルの身代わりになるんだな」と勘違いしましたが、公式サイトの予告文ではシオンの伝言を伝えてるらしい。

 タイトルからしますと、たぶん「友達に自分を偽り続けるのはよくないとシオンが思い切る」みたいな流れでしょうか。タイセイと仲間になる運転士はここまで、悩みを抱え、解決してという流れでしたから、シオンも何かあるんでしょうな。それがアバターに現れてるとかで、そこを吹っ切るみたいな話だろうか(もしそうなら、長身の少年アバターは次で見納めとなりそう)。

Re: 6月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/06/07 (Fri) 07:39:57

 大魔神カノン感想、お読みいただきありがとうございます。
 響鬼の前半終了に際して、途中降板になった高寺プロデューサーの次作がカノンなので当時は高寺ファンの特撮者(クウガや戦隊のカーレンジャー、メガレンジャー、ギンガマンといったジャンルの改革作、傑作を輩出していたので人気があった)の期待を集めていたんですがね。

 ただ、クウガや響鬼の悪い面がこれでもか、と噴出して、この人は上から手綱を引く人がいないと、いろいろこだわり過ぎて暴走しちゃうんだな、と思わせました。
 これまで築いてきた信頼がこの作品一作で失墜し、氏の担当する映像作品最終作になりました。去年、角川大映の映像部門から定年退職されたので、個人として何かをするのでなければ、新作は作れないか、と。

 で、自分はカノンのことを思い出して、もう一度、どんな作品だったかなと振り返りたくて、誰かの感想がないかと検索したら、自分のブログ感想を見つけてビックリ。
 あ、感想残していたんだって。
 自分で書いたことを忘れていたので、新鮮な気分で読み直せて、まあ、いろいろ褒めていない感想なので、良かった探しをしたい自分にしては割と珍しい。

 で、自分で面白いと思ったのは、コメント欄での通りすがり氏とのやりとり。
 何だか双方ギスギスしてる割には、最後まで意見交換し合っていて、番組感想もさることながら、よく続けられたな、と。
 今だと、たぶん、そこまで忍耐が続かないと思いますし、これがラーリオスを続けた原動力だったのかも、と考えたり。

 まあ、カノン感想の感想ですが、年を経ると物の見方が変わるんだな、と改めて思った次第。

★ガッチャード

 レインボーガッチャード登場で、鬱展開が解消されての逆転劇。

 精神世界における引きこもりモードは、カノンに通じるとか、昨年の冬映画の焼き直しみたいなところがあって(クロスウィザードというケミーが構築した脳内理想世界に対して、これじゃない、本当の友だちは外で作らなきゃ、と引き出す宝太郎の話でした)、
 ガッチャードのテーマ性が、自己完結ではなくて、自分の夢を外にアピールして周囲を感化させるヴァイタリティかな、と。

 錬金術の世界が、引きこもりになっていたのを、外に広げる改革者としての宝太郎の姿に、新世代の天才の道を感じたりも。
 レールの上を進むんじゃなくて、自分でレールを築くとか。まあ、料理と錬金の組み合わせは宝太郎らしいですね。

 虹ガッチャードの戦闘描写はCGエフェクト盛り盛りで、たぶん多用はできないと思いますが、去年の夏映画のガッチャード初登場での技(周囲の物体を自在に操って相手を拘束する)を披露して、これまではケミーの能力頼りだったのが、自ら錬金効果を自在に発動できるようになった感じですね。
 これが虹フォームの特殊能力でなく、通常のフォームでも錬金術の才能に覚醒した宝太郎自身の技として使用できることを期待してます。

★ブンブンジャー

 自己完結しがちなキャラである射士郎(コミュニケーション下手なクールキャラにありがち)と、陽性コミュニケーションお化けとも言うべき未来の連携回。

 ガッチャードじゃないけど、ブンブルーが自己の殻を破って仲間との絆に目覚めたからマリンが感じ入って心を開き、
 ラストで、また独り善がりな変なバラに走ったから、これじゃないだろう、お前ってフリ方をしたのかな、と。

 仲間との絆という熱さに惚れたのであって、勘違いしたクールさ、変な美学に惚れたんじゃない、とか。
 まあ、最後のオチがなければ、ブルーが格好いいままで終わってしまうので、キャラの振れ幅を大きくするのが目的だった回ですね。

 笑ったのが、氷の上で滑らないように調達屋さんが未来に渡したタイヤチェーン(本当にどこでも何でも取り出せる人ですな。何でそんなの持ってるんだよ、とツッコミ入れたくなる、用意周到ぶりが楽しい)。
 で、使い方まちがってるとツッコミ入る、未来のチェーン打撃。このヒロインらしからぬ定石外れの暴れっぷりもいいなあ。ある意味、一番ゴーオンジャー魂を体現した、考えずに突っ走るヒロインですからね。

 青が初めて「未来を仲間として認める」発言に、「今まで認めていなかったのかよ」とツッコミ入るような未来の不満を他所に、
 覚醒した青と桃の連携は鮮やか、と。

 このチームのコミュニケーションの要は、大也が引っ張り上げ、未来が押し上げる感じかな、と。

 次回は黒回。

★響鬼

 トドロキのコミカルさを盛り立てる方向で突き進んでおりますな。後期の響鬼は、リアリティよりもキャラのデフォルメ度を高める感じで、マンガ的表現が増えたと思いますが、
 TVドラマとしては、そっちが正解だな、と。

 前半の響鬼は、舞台劇で、お芝居みたいな感じでしたが(初期はミュージカル要素の投入でしたし)、キャラがハネない。
 後期になると、良くも悪くも情念でキャラが暴走して、変な行動に突っ走る。この走り方が、段取りをじっくり積み上げて整えてを重視する高寺イズムに「それじゃ遅いんだ」という例を示した形ですね。

 リアル志向の前期と、ダイナミズム志向の後期と言えばいいのでしょうか。
 まあ、リアル志向が、キャラが絡むまでに時間がかかり過ぎるのだと、ドラマが進まないのも事実なので、とにかく、キャラに変な絡み方をさせて、笑いをとる。
 でも実は……その変な絡み方の背景には、こんな事情があって、と後から深みを掘り下げて、おお、そんな秘密が。でも、やっぱり変だろう、こいつ(笑)と思わせつつ、突然の悲劇に転がり込む。
 まあ、喜怒哀楽のドラマを熟知してますな、井上脚本。

 リアル志向のお芝居だと、そこまで極端な感情の変化には至らず、割と一本調子になりがちですが、毎回、何をしでかすか分からないキャラの暴走がTVには求められている感。

 なお、響鬼さんを暴走キャラにはできないので、話を締める要所に陣取ってもらうとして、大きなドラマが用意されていないトドロキで自由に遊んでいたら、そっちが主役みたいになっていくという流れに。

 直情漢のトドロキは、ブンブラック同様、動かしやすい体育会系後輩キャラですからね。
 今のタイミングだと、トドロキとブンブラックの類似キャラの比較が面白いかな、と。

★シンカリオン

 シオンが男性アバターを使っているとは、予告編では想像してませんでした。

 「彼の正体」というサブタイトルから最初に思ったのは、マイに彼氏ができたように思わせて、実は……という話の中に、シオンを上手く絡める(どう絡めるかまでは考えておらず)という想像でしたが、

 結果的には、マイの恋バナではなく、シオン(男アバター)の恋バナにマイとビーナが目を輝かせて、積極的に絡みに行くというものでした。

 シオンの性格は、アクティブというよりは、のんびり屋って感じなのが正解みたいですね。
 武闘家のイメージだから、マァムみたいなのを想像してましたが、フタを開けると、メルルみたいな感じ? ちょっと不思議ちゃん入ってるのかな?

 まあ、北海道新幹線の歴代女性キャラは、初音ミクといい、メーテルといい、元ネタありの不思議ちゃんキャラだったから、その系譜にしてはマジメな方向性だな、と思っていたのですが、
 お爺ちゃん子で、リョータが共感するというのは意外でした。

 リョータのヒロインはマイ一直線だと思っていたら、もしかするとシオンとの間にも何か関係性が紡がれる?

 アカネは相手が女性と知らず、いきなりのスキンシップ。下心はないわけですが、ネット内合コンみたいな構図ですからね、これ。

 タイセイは姉の話で魂持って行かれた感なので、シオンとの関わりはいろいろギクシャク。むしろ、ビーナの出しゃばりぶりが目立ってていて、ツッコミキャラのつもりがボケに走るビーナと、苦笑しながら、やんわりフォローするタイセイの構図になっているな。
 ビーナが実は、姉のイナの性格をある程度、再現しているのかもしれない。タイセイの中では、イナは暴走しがちで生意気な妹分だろうけど(あるいは姉の子の姪キャラ感覚か)、姉がビーナの中に何かのブラックボックスを仕込んで、シンカリオンのパワーアップにつながる可能性も想定しつつ。

 先の可能性妄想はさておき、シオンの正体バレが次回、早速とのことで、そこからどんな人間関係に発展するかですね。

 あと、テンが前回の話の後で、友達との関係性が回復してそうな話題が出て、上手くエピソードのバトンタッチが行われているな、と。
 脚本家は交代制なので、前のエピソードのネタを別の脚本家がしっかり取り込んでいるのを見ると、シリーズ構成の人らしく、きちんと仕事してるな、と思います。今回の話はメインライターさんなので、本作のポイント(仮想空間メタバースならではの物語作り)を取り扱っているみたいですし。

 リアルと仮想のギャップとかリンクとかが、ガンプラのビルドダイバーに通じるものがあって、そういう要素を掘り下げてくれるなら期待したいな、と。
 

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/11 (Tue) 00:18:40

 定期感想その1です。

●仮面ライダーガッチャード(第39話:ガッチャ完了!クライマックス101!)

 前話で(少なくとも自分にとっては)謎だった、白色化して動かなくなったケミーが復活できた理由、今話序盤で一応明かされたんですが、要は「ニジゴンと宝太郎だから」くらいみたいですね。「なーんだ、特に深い意味ないのか」と油断してましたら、後半のための伏線だったかも。

 なにせラスボスと目される冥黒王ギギストが、ガッチャードレインボーには為す術なくやられてしまいましたんで。ニジゴンとて同じくですね。ギギストに捕まりはするんですが、いとも容易く抜け出し、しかもギギストが悪意で染めたケミーを即座に元に戻してしまう(どころか、ニジゴンが虹色に染めたケミーは二度と悪意に染まらないらしい。

 それだけ圧倒的な力を持ってるんだから、ギギストが(倒されたら)再錬成できないようにマルガム化した術も破れる、と思える仕掛けだったような気がします。

 ともかく本編ですが、言い方は悪いですが盛り上がらない最終回みたいな印象です。宝太郎側がピンチになりそうな展開なんだけど、さっさと解決しちゃうわけで。。ただしラスト寸前までですね。最後の最後で真の敵は倒せていないことが示されまして、なるほどいわゆる「偽の勝利」だったかと。

 それは最後で分かることでして、まずは(ギギストに対抗するためにも必要らしい)残るケミー2体ですね。どこにいるか分からないから、おびき寄せようということで、恐竜タイプのパクラプターに狙いを絞る。恐竜だからと、餌や同族恐竜等々をこれ見よがしですが、ホッパー1はパクラプターが何を望んでいるか分かったみたいですね。

 早々にパクラプターが現れまして、一応は宝太郎調理の肉料理を飲み込んで逃げるんですが、どうやら肉ではなく骨が必要だったらしい。パクラプターはオジーラカンスと共に巣を作ってまして、その材料を探してはゲットしてたみたいですね(それが冒頭で加治木が興味を持った目撃事例だったらしい)。

 そこまでは平和にうまく行ってる宝太郎側ですが、冥黒の三姉妹は次第に追いつめられてる感じですな。ラケシスだけは宝太郎側で保護されており、まあまあ大丈夫。しかしクロトーはギギストから貰った力を持て余し始めており、さらにブーストされてまともではなくなっていくようです。

 アトロポスは妹2人をどう思っているか測り難いですが、グリオンを慕う気持ちは変わらずのようで、ギギストにグリオンの必要性を訴えたりする。ただし相手にされてなくて、じわじわ不満を高めているような感じもあります。

 その三姉妹が衝突しちゃうわけですね。思惑は分かりませんが、アトロポスがラケシスに声をかけ、戻って来るなら罰しないと言う。それを聞いたクロトー、アトロポスには「勝手なことをするな」、ラケシスには「お前がたぶらかしたのか」とキレて2人に襲い掛かってしまう。そのくせクロトー、戦闘終了後は「どんな力を使ってもラケシスを取り戻す」と覚悟を決めてたりする。

 それは後のことで、怒れるクロトーはほとんどバーサーカーのようで手がつけられない。駆けつけたりんねがマジェードでラケシスを守って応戦、その隙を利用してラケシスが術で撤退。ラケシスはすました態度を崩しませんが、クロトーの様子が相当に脅威だったらしい。ただしクロトーの強さではなく、常軌を逸していく壊れ方のほうですね。

 ケミー探しがうまく行っていた宝太郎らのほうはギギスト急襲でピンチに。残るケミー2体の発見を待っていたかのようなタイミングで現れまして、ニジゴンを捕獲し、せっかく見つかったケミー2体を悪意のマルガム化。

 しかし上述しましたが、ギギスト万全の攻勢も、ニジゴン&宝太郎にあっさりひっくり返されるわけですな。もはやギギストが何をしてもガッチャードに跳ね返され、混乱したのかギギスト「分かった! 宝太郎は悪意持てるほど賢くないんだ!」旨言い出す始末。そうではなく「大賢は愚なるが如し」と看破すべきでしたな。

 こないだまで「どうやって倒すんや、こんな無敵のラスボス」みたいだったギギスト、ガッチャードレインボー&ケミーのライダー(ガッチャーブラザーズ)にあっさり敗退、爆散してしまう。序盤では「錬金術師が到達できる最上位が仮面ライダー」みたいなこと言ってたはずですが、もう「ケミーでもなれます」になりましたな(^^;。

 残る敵はラケシスを除く冥黒姉妹2人となり、宝太郎らはたこ焼きで祝勝パーティ、ミナトは組織改革を決意。前はラーメンを拒んだラケシス、今回はパクチー乗せのたこ焼きをほおばり、人間になると言う。鏡花の情にほだされたかなと思ったら、そうではなく、上述しましたが「人形のまではいずれ」クロトーのようになるという危機感だったようですね。

 ラストで怪しげな2人が出現しまして、次回「邪悪降臨!三倍偉大な冥黒王」でメインの敵となる新たな冥黒王らしい。ジェルマンとガエリヤだそうですが、ギギストも復活してるみたいですね。宝太郎側には風雅が戻って来るみたい。

 敵味方総力戦へなだれ込みそうですが、グリオンはどうなるのかしらん。ギギストは復活させる気がなさそうですが、他の冥黒王はどうかな。グリオン復活となれば、アトロポスは冥黒王から離反しそうな気もしますし、そうなれば第三勢力となって三つ巴もあり得るかな。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第15話:錠とキー)

 ストーリーはシンプルなんですけど、ドラマがしっかりありました。ここまで、裏表がなく単純と思えた錠が、実は内面では優しさと厳しさで揺れ動くキャラクターだったことを見せてくれました。それも「警察官たる者」というのがキーになってるわけですね。

 そういうのは自分のツボでして、「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」を思い出すものがあります。「怪獣使いと少年」では郷が自分個人の心情(憎い人々を見捨てたい)より、MAT隊員としの責務(全ての人を守る)を取るわけですね。

 今話では錠が警察官の心得が相矛盾するときの決断が描かれました。サンシーターが恐竜シーミアサウルスの化石を苦魔獣:カセキグルマーにして暴されさせようともくろむ。が、カセキグルマーは元の恐竜の性質を強く持っているらしく、とても怖がりで逃げまどってしまう。

 そこに気が付いた錠、警察官たる者「人々を害さない者を倒すことはできない」として、むしろ保護しようとする。ブンブンジャーの使命(苦魔獣討伐と化石の取り戻し)より警察官たることを選んだわけですね。これを玄蕃が手助け。倉庫の鍵を渡し、そこに隠れろと示唆。

 大也らとの折り合いとしては「一晩かけてカセキグルマーが人畜無害なことを、身をもって証明する」と。錠はカセキグルマーと仲良くご飯食べて、仲良くぐっすり。夜が明けると、カセキグルマーはすっかり錠になついている。喜んだ錠、カセキグルマーに「キー太郎」と名付けたりし、カセキグルマーことキー太郎も嬉しそう。

 これなら、と思ったらキャノンボーグが介入。悪意に染めて暴れさせるわけですね。ガッチャードではギギストが失敗してましたが、キャノンボーグの与えた悪意は最後まで跳ね返せませんでしたな。ともかくもバトルが始まるも、カセキグルマーはヤルカー抜きで巨大化までしてしまう(キャノンボーグ的にはギャーソリンの無駄遣いで失敗らしい)。

 等身大なら抑えられたかもしれませんが、巨大化してしまうと街への被害が半端ない。人的被害も当然予想される。事ここに至って錠が腹を括るわけですね。「警察官の使命は人々を守ること!」と思い切り、ブンレッド/大也らに「俺が倒します!」と告げる。

 この辺り、錠が友達「キー太郎」への気持ちとの葛藤が窺えますな。自分(錠)ではつらいからと大也らに頼むことは可能でしょう。が、任せない。キャノンボーグの手出しが原因とはいえ自分(錠)がかくまった結果の責任があり、キー太郎が倒される無念があれば友達かつ警察官として自分が受けるべきだし等々の「害を為すカセキグルマーを自分が倒す理由」をいろいろ考えているからでしょう。

 でも、理由をあれこれ考えるのは、そうしたくないからこそですな。その気持ちを突っ切って責務を果たす(この場合はブンブンジャーの使命も自然に含まれる)。こういうの、自分好みのドラマです。

 カセキグルマーに引導を渡した錠、化石に戻ったキー太郎を警察官として博物館員に返す。大也らも気持ちを察したのか、見守ってる感じですね。もしかすると「錠にはこんな面/本質があったのか」と思ってるのかもしれません。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/12 (Wed) 00:39:16

 定期感想その2です。

●仮面ライダー響鬼(第35話:惑わす天使、第36話:飢える朱鬼)

 前半は前回のドタバタラブコメの続きですね。冒頭は前話ラストのバトルの続きで、ギターで止めの音撃を入れようとした轟鬼ながら、弦が切れて不発。アームド響鬼が代わって倒して、かろうじて難を逃れる。

 弦が切れたのは偶発的な事故ではなく、日菜佳とうまく行かなくて悶々とし、鬼としての仕事を怠った結果らしい。これはトドロキの大失態でありまして、ヒビキはかろうじて怒りをこらえてる感じですが、イブキはあからさまに憤慨する。が、後でイブキも同じようになって同病相憐れむでトドロキと意気投合しちゃうわけですな。

 イブキがトドロキのようになっちゃったのは、香須実が他の男と親し気にしているのを見ちゃったから。後でその男がおやっさんと分かるわけですが、そうと知らない間は悶々とし、戦闘で笛が鳴らせない失態見せちゃうと。しかし上述の通り、かえってトドロキと和解できたりする。

 平和だな~、とは言ってられませんので、ヒビキが何とかしようとはするわけですが、どうやら「男の生きざま」みたいなことは得意でも、恋愛になるとからきし駄目みたいですね。最も問題が大きそうなトドロキは日菜佳に突き放されたのが原因ならばと、ヒビキは日菜佳にトドロキに優しくしてやってくれと頼むも、日菜佳にそんな単純じゃないと突き放される。

 それでもうヒビキは分からなくなっちゃったみたいですね。一応、明日夢に対しては前に失敗したシチューの塩加減を調整してみるくらいはしますが、明日夢の悩み(ひとみが京介にラブレター)にはいい塩梅にできない。クラブ活動や勉強とか言い出して、明日夢には全く届いてない。さすがに、これが日菜佳の言われた「無神経」かと思ったらしく、明日夢に「俺って無神経?」と尋ねてしまうと。

 この流れは今エピソードの男性陣が一様に情けないことに合わせた演出だとは思いますが、ヒビキ(の情けなさ)に関しては自分は好感を持ちました。前に申した覚えがありますが、ヒビキが明日夢にスパっと正解教えるのが自分は少々不満だったわけで。

 それが、前にはヒントを出すに留まり、今話では逆に明日夢に尋ねてみるとまで変わってきました。明日夢とヒビキの関係のフラットな面が見えてきたことでリアリティを感じますし、何より明日夢自らドラマを起こしてくれそうと期待もできます(実際、父の件ではヒビキの知らない間に明日夢なりの答出してくれましたし)。

 ザンキもせっかく出て来たのに情けない始末でしたな。トドロキに日菜佳のことを相談されたザンキ、「数多の女を愛してきた」と豪語して入れ知恵するも、トドロキはかえって日菜佳を怒らせて叩きだされる。それを見たザンキ、そそくさと退散。前エピソードでは小暮耕之助に頭が上がらない様子を見せたのに引き続きですね。

 もっとも、そこは次のエピソードを意識した演出なのかも。ザンキの師匠のシュキ/朱鬼登場ですが、今週分はともかく、来週前半はとてもシビアなドラマとなるらしい。それもザンキの過去が描かれ、それに基づく決断と行動が容赦ないらしい。今週前半はまず気分上げておき、次で叩き落す仕掛けですな。好みの運びでして、次週が待ち遠しい。

 それはともかく、男性陣の勘違いが次々と正されて解決に向かうわけですね。イブキが目撃した、香須実と会っていた男はおやっさん。ひとみのラブレターは友達に京介に渡してと頼まれたもの。これで明日夢もイブキもニコニコで復活。

 しかしトドロキについては勘違いはないわけですね。ただし、日菜佳の台詞「イブキさんと」については、ですな。日菜佳が欲しい「光り物」は二重の勘違いが発生してまして、まずトドロキが「新鮮な鰹」と思い込んだのは、さすがにヒビキでもおかしいと分かる。装飾品の類だ、ということでトドロキは指輪を贈り直す。が、日菜佳が意図していたのは寿司だったと。まあ、その勘違い部分は「それでもとてもうれしそうな日菜佳」ということで、むしろいい感じかな。

 こんなラブコメドタバタがメインですから、魔化魍ウワンは簡単に討伐されてしまってますな(ただし、太鼓音撃の演出の激変には驚きました)。まあ、響鬼最強フォームのみならずイブキもトドロキも復活ですから順当でしょうか。しかし敵側はメンタル急成長のスーパー姫が、未だ幼稚なスーパー童子にイラついたりしまして、不穏な状況ですな。下手すると姫が童子を始末しそうな雰囲気すらありますが、予習してみると童子が姫に追い付く急成長を見せるらしい。

 敵側に不安定感ありとはいえ、味方側のドタバタとハッピーエンドで緩んでましたら、後半は「変身忍者嵐?」とびっくりです。しかし嵐ではなく「鬼の鎧」ですか。生身のままで鬼に準じる力を得られるらしい。それが盗み出されたのが騒動の発端。

 鬼の鎧、まず強敵:長瀞のノツゴに苦戦する裁鬼のもとに現れ、ノツゴではなく裁鬼に攻撃を加えて戦闘不能に追い込んでしまう(またも裁鬼さんが……)。ザンキらが駆けつけたことで鬼の鎧は退散ですが、ザンキには鎧の装着者の見当がついているみたいですね。それも、そうであってほしくないが、ということらしい。

 その鬼の鎧装着者なのかと、観ているこちらが疑う人物登場でして、華道教室の先生ですね。活け花のはずですが、死にゆく花をとかちょっと不穏なこと言ってます。さらに、遠くから聞こえた悲鳴を聞きつけ、ひったくり犯に炎を放ったりしまして、その時点ではて「敵か味方か?」といったところ。

 同じく「敵か味方か?」なのが鬼の鎧でして、ほとんどバーサーカーの如し。さっきは裁鬼を襲ったと思ったら、今度はスーパー童子&姫に苦戦する響鬼を救援してスーパーコンビを撃退。と思ったら、響鬼に襲い掛かる。

 何がしたいんだ、といったところですが、狙いは鬼への変身道具だったらしい。再び現れたノツゴに苦戦する轟鬼が音錠を取り落としてしまうと、鬼の鎧は待ってましたとばかりに奪う。ザンキがとっさにディスクアニマル放ち、鬼の面が割れてみると、あの華道の先生であり、ザンキの師匠シュキであると。

 シュキは奪った音錠で朱鬼に変身、(10年前に倒し損ねた)ノツゴに立ち向かう。このシュキの不穏な行動の理由が次話のポイントとなるようですね。

 シュキの弟子であるザンキにも不吉なドラマの兆候がありますね。猛士お抱えの医師の診察シーンでは、ザンキ引退の原因が(前に入院までした)膝の怪我ではなく、胸の古傷だと明かされてました。また鬼に変身したら相当に危ないらしい。その胸の古傷とは、というのも次話のポイントらしい。

 鬼と距離を置いていた明日夢にも再び鬼へと揺れるドラマ発生してますな。鬼になれないと悩むあきらも巻き込む感じですが、京介が2人に絡んで行った結果ですね。響鬼の力が欲しい京介は、鬼の弟子から手繰ろうとしているらしい。それで前話から今話にかけて、あきらにも近づいているようですね。

 明日夢とあきらの日常生活部分(高校生活)に京介は鬼を持ち込んで来まして、明日夢にノートを見せてもらうあきらに「高校も鬼もなんて」と腐す(ついでに明日夢のノートも貶す)。もっとも、それはイブキがそう導いているわけですが、恨みが鬼への動機らしいあきらは動揺しているようですね。

 あきらには憎しみの力によって鬼になる道がぼんやり見えているらしい。それではいけないかとイブキに問うても、身を滅ぼすと諭される。イブキからあきらを頼まれたザンキはもっと踏み込んで、憎しみがないと鬼になれないなら、鬼になるべきではないとまで言う。が、どうもあきらには響いてないみたいですね。

 少し予習しますと、シュキはイブキらとは反対の見解(憎しみが鬼のパワー)を持っているらしい。暗黒面の力、といったところでしょうか。京介が揺らしたあきらがどうなるか、そのあきらがどう明日夢らに影響するか。そこも楽しみになってきました。

●シンカリオン チェンジ ザ ワールド(第10話:本当の自分)

 長身の少年アバターで偽る五稜郭シオンはどんな秘密や悩みが、と期待したんですが、意外なほど単純な話でしたな。不慣れなアバター作成操作でうっかり他人の画像を呼び出し、そこで母に呼ばれて席を外したら、猫がキーボード踏んでアバター確定しちゃったと。

 アバターの原則は「本人に近い」とのことですから、シオンとて修正はしたかったんでしょうけど、不慣れでいったん確定したアバター取り消しから再設定の手順が分からないか、うまく行かなかったんでしょうね。

 やむを得ず、そのままメタバースで登校したら、初対面のユキが異様なくらいなれなれしく接近してきたと。ユキは同性受けしない性格と言い訳してますが、それにしてもおかしい。後で明らかになった「シオンのアバターは『ケン』というモデル(かな?)の少年で、シオンの推しだった」を踏まえると、ようやく納得です。ユキとしては既に近しい気がしていたための、初対面らしからぬ懐きっぷりだった模様。

 しかし、序盤ではまだそこは明らかではなく、ミスとはいえアバターで偽っていることを気にするシオンはそこまで気が回らない(ないしは、その辺りがにぶい性分)。そのままずるずる親しくなり、友達が出来たという点はシオンも嬉しい。

 しかし、ユキにリアルで会おうと誘われての今話なわけですな。シオンとしては断って気まずくなるのは嫌だが、会って容姿のみならず性別まで違ってるとガッカリされるのも避けたい。そこでアカネに頼んで、リアルよりはメタバースでと伝えてもらう作戦に出たと。

 アカネにそう伝えられたユキの態度も初見ではちょっと不審ではありましたな。相手(アカネ経由のシオン)の言にガッカリするでもなく、怒るでもなく、むしろ「自分(ユキ)相手では仕方ない」という雰囲気です。これも「相手(シオンのアバターのモデル:ケン)が実は推し」が分かってみると、納得の態度です。

 後でいろいろジグソーのピースがピッタリはまっていったと分かる仕掛けですが、その前にトラブル発生。男子高校生と思しき2人がユキにナンパ仕掛けてくるわけですね。あまり性格はよさそうではない。

 少なくとも、メタバースで尻餅ついたユキに思わず手を差し伸べたシオンとは大違い。あの時点でユキは「推し」としてではなく、シオンに好意を抱いたような感じがありました。それのみの演出かと思っていたら、リアルでのシオンがこの人と見破る伏線だったとは。

 男子高校生2人はまずアカネがあしらいますが、それでもしつこくユキに絡もうとしたため、ついにシオンが飛び出して来る。これもメタバースで思わず手を差し伸べたシオンと重なるものがありそうですが、まだユキは気づかない。シオンが手を差し伸べた姿がメタバースの長身の少年と重なって、ようやくユキが気が付くわけですね。
(前話でアカネがシオンの単に立ち上がる動作だけから武道家と気付いたのは、今話のここの伏線だったかも。)

 シオンに「中学生にナンパ」と言われた男子高校生2人は驚いて去る。ここは前半でのユキの「同性受けしない」発言が伏線だったのかな。アニメですから分かりにくいですが、ユキがいわゆる男受けする化粧とかしていたとしたら、中学生と思わずに声をかけてきてもおかしくありません。

 何とかトラブル解決かと思ったんですが、手を差し伸べたシオンが長身の少年アバターの本人と気が付いたユキがショックを受けて走り去る。が、追う間もなくアンノウン出現。ユキを気にするシオンは1秒でも早く倒したくて戦意高く、アカネの制止も無視して遮二無二かかっていく。これはマズいと思ったんですが、どうやらそれで勝てる自信と古武道の実力があった模様。ただし最後は確かにプロレス技でしたな。

 アカネがユキのリアルの自宅を尋ねますと、すんなりと自室に通される。しかし、ユキはユキで覚悟してのことだったんでしょうな。あのアバターの少年の写真やポスターが部屋中でしたから。その一部には「ケン」という名前もプリントされてましたが、芸名なんでしょうね。シオンが名乗ったのが本名と思ったんでしょう(性別が分かりにくい名前なのも幸いしたのか災いしたのか)。

 ユキは自分の性格に難があるみたいなこと言ってましたが、どうやらサッパリした性分らしい。ファンだったモデルがメタバースの学校に来たと思い、近づいたと正直に打ち明ける。友達とは言ってましたが、推しということを隠していた点でユキも気まずくはあったんでしょうな。

 しかしシオン、ユキ双方が真実を打ち明けて問題はほぼ解決。たった1つ、「まだ友達でいていいのか?」が残りますが、そこはユキが突破。「うちら、ずっと友達じゃん」ですな。

 が、新たな問題発生なんですか。以降、ユキはシオンと引き続き親しくはあるものの、シオンが閉口するほどアカネの話ばかりするらしい。うーん、冒頭のユキのネガティブな自己評価は正しい面もあったのか(^^:。相当に惚れっぽいようです。

Re: 6月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/06/14 (Fri) 09:08:53

 定例感想です。

★ガッチャード

 ラスボスかと思われたら、冥黒王というものが冥黒戦隊キングオージャー的な複数制とは予想できませんでした。
 すると、3人倒したら、次は冥黒皇帝とか、冥黒神とか出て来るのか。
 ギギストさんは、ケミーの生みの親とか言ってますが、他の2人は別世界の錬金術始祖か何かかな。
 すると、例えば、レジェンドの世界にも、別の錬金術の流派があって、ジオウ世界の錬金術とか、ゼロワン世界の錬金術とか、いろいろあったりして、それぞれの世界にライダーがいるように、それぞれの世界に冥黒王がいると、壮大な世界観ができそう(笑)。

 まあ、確実に言えるのは、オーズ世界のメダルを作ったのは錬金術師の初代オーズなので、初代オーズは冥黒王を名乗ってもいいな、と。

 ともあれ、四天王の中の一番の小物みたいな立ち位置に成り下がったギギストさんですが、
 壊れたコンピューターみたいに「リカイフノウ」を連発したと思ったら、「私に理解できないのは、お前が悪意を持てないほど愚かだからだ」と結論して、ダメだコリャと思ったら、本当に倒されて笑えました。前話までの威厳、格上感が一気に崩壊しましたな。
 自分に理解できないものをバカにする(軽視する)ことで精神安定を図るのって、傍目には最もバカに見えるネット作法だと考えるのですが(心理的防衛規制とか、正常性バイアスといった言葉で説明できる)、それまでは達観した神のように振る舞っていたのが、何だか急に幼児性剥き出しになったのは、そういう心理的状況に立たされたことがないからのようですね。

 それだけ宝太郎の覚醒が、理解不能の革新性に満ちたドラマ展開ってことですが、ここに来て、ケミーの創造主を気取るギギストさんに一つツッコミを入れておきますと、
 最初の発明をしたら、果たして、それで全てを支配できるのか、という問題。

 例えば、飛行機を発明したのがライト兄弟として、彼らはその後の進化発展した航空機の全てを熟知できるのか、というと、科学技術はもちろん後世の方が進んで行くわけですね。
 まあ、西洋ですと、長らくアリストテレスの体系化した世界観が中世の科学を支配し、そこから脱却して近代科学に至るまでに苦労したということですが、錬金術の世界にも長い停滞の時があったのかな、と。

 気になるのは、錬金術の結果としてケミーが生まれたという設定なのに、いつの間にかケミーの創造と模倣が錬金術というケミー起源論に置き換わっていることですね。
 これはギギストだけの主張なのか、それとも作品世界の設定がそのように置き換わったのか(後付けの真相提示で、初期設定が変更された)は見極めたいところです。

 まあ、結局、ギギストが自己の絶対性を主張したいがための、ケミー起源論だと考えているのですが、作品世界ではケミーが最初にありき、そこからケミーの力を再現し、再創造するのがガッチャード世界の錬金術の定義と歴史に帰結したとも考えられます。

 あとは今回、ラケシスさんが人間になりたいという決意を表明しましたが、これは西洋ルネサンス的な「神の束縛から自由な人間性を解放」という意味合いにも受け取れて、支配からの解放と自由がライダーの原点テーマでもありますので、ゴールが見えた感。

 クロトーが力を得た代償としての操り人形化と、人間性を喪失した妄執の暴走に至っていますので、そこに対峙する覚悟なのか、それとも単なる怯えからの逃避願望なのかは気になるところ。
 スパナの黒い炎と、ラケシスさんの人間性追求のドラマが重なると、終盤のサブライダードラマとして面白くなりそう。

 後はりんねさんと父・風雅のドラマは、次回から保留されていた要素のまとめに入りそうですね。
 風雅黒幕説は、もう棄却していいのかどうかを、りんねホムンクルス説とともに気にしつつ。

※りんねホムンクルス説:ラケシスが人間になりたい宣言をしたことで、ホムンクルス→人間への進化の可能性は物語として考えられる。
 そして、実はりんねこそが、九堂風雅が成功させた「ホムンクルスの人間化」の成功例なのではないか、と考えられるわけですね。
 グリオンが冥黒の三姉妹を生み出し、風雅がりんねを生み出し、りんねの方が「ホムンクルスの人間化」に成功した個体。
 ホムンクルスと人間の違いは、自由で成長するのが人間で、創造主に束縛されて成長できないのがホムンクルス。そこには子の自主性を育む親の意思が影響するのか。
 ケミーやホムンクルスは道具であり、そこに人間性は認められないとするのが敵サイドの主張であり、古い錬金術の常識である一方、風雅や宝太郎は造られた存在にも人間性を見出す新時代の錬金術の改革者になって行く。
 最終的なテーマは、造物主のエゴからの解放ということなら、きれいにまとまるかな、と。

 あと、最近のTV放送後のVシネ展開が、「TVでキレイにまとまった話」を、よりダークで負の側面で描く傾向があって、せっかくハッピーエンドで満足していたのに、後日譚の話でキャラを殺したり、主人公の理想的な解決を示した裏で、サブキャラの問題が解決していなくて、そこから崩れる物語の裏面と衝撃的なビターエンドで、マニアックな賛否両論展開を示しがちですが、
 キレイな理想で終わるTVシリーズと本編と同時期に展開するお祭り映画、そして苦い現実(大人向きのハード展開)を掘り下げたVシネ後日譚。現在のライダー展開は、こんな感じですね。

 TVはケミーやホムンクルスの束縛からの解放で帰結しそうですが、Vシネ版をやるなら、自由になったケミーが巻き起こすトラブルで、こんなはずじゃなかったと宝太郎が愕然としながら、ケミーがもたらす破滅の可能性を描く鬱展開になりそう……と今から予想してみる。
 でも、TV版ではそこまでは描かず、きれいに終わる。あとは夏の劇場版において、かいま見られるデイブレイクの破滅した未来観がどうつながって来るか、ですね。そこは来月を期待したく。

★ブンブンジャー

 ヒーローと心を通わせた敵怪人の悲劇、という異色ながら心を打つ定番ストーリー。

 物語としては、もう筋書きどおりのフォーマットが定着してるので、意外性も何もないのですが、注目は役者さんの演技力ですね。
 喜怒哀楽の全てを表現しないといけない筋書きなので、演技が素人だと、視聴者が情感に入り込めない。

 そして戦隊の場合、主要人物が全員、TV俳優としては新人で、演技については経験値不足。そうなると、役者の若者の天性の資質がストレートに飾り気でごまかすことなく見えたりもするわけですが、
 ブンブラックの役者さん、すごく上手いですね。役者の体当たりの演技が、コミカルな部分と、悲劇的な部分がどちらも違和感なく熱演してて、感じ入ることができました。

 基本はコミカルなのがブンブンですが、珍しく爆上にはならなかった鬱エンド回。だけど、ブラックの役者の評価が爆上がった回という認識です。

 そして、次回は6人めの始末屋登場回。新キャラがどんな嵐を見せるか。
 とりあえず、最初は「敵か味方か、謎の新ヒーロー登場」なノリですね。で、既存の5人よりも強い戦闘力とキャラ性をアピールする、と。

★響鬼

 一応、響鬼の初期企画は、「平成ライダーを剣で終わらせて、今度は時代劇ヒーローで、変身忍者嵐をリメイクしよう」って意見があったんですね。
 でも、仮面ライダーブランドを捨てるのは許さないという上からの意見で、ボツ案になったのですが、時代劇ヒーローは夏の劇場版で、変身忍者嵐のデザインは朱鬼に反映させる形で、名残りが見られることに。

 朱鬼がまたデザイン性もさることながら、当時はまだ珍しい女性ライダーということで(劇場版ではなく、TVで女性が明確に変身するライダーとしては初。まあ、555では影山さんがカイザに変身してましたが、彼女専用ではなかったですし)、注目されていました。
 女性の鬼ということで、あきらのモデルケースにもつながりますし、斬鬼さんとの絡みもあって、非常にドラマチックな設定なんですが、そこに主役の響鬼さんが絡まない辺り、話として自由に動かしやすいのが、響鬼ー明日夢ラインと離れた方って感じですね。

 まあ、書き手としては、威風鬼、轟鬼のドラマをローテーションで描いているつもりでしょうが、そちらが予想困難なサプライズで魅せてくれる(ドラマ作りに熱が入っている)せいで、響鬼ー明日夢ラインが箸休めの定番コメディみたいな扱いになった。
 響鬼自体が崩せない完璧なヒーローおじさん像があったので、多少、崩すにしても、キャラ崩壊まではさせられない。上下の振れ幅を模索段階なのに対し、
 斬鬼さんが熱さとクールさとコミカルさをいずれも熱演していたのと、あきらが鬼の弟子として悩む姿を、明日夢で描けないドラマとして見せたことで、後期響鬼の路線を決定づけた回だったと思います。

 そして、響鬼では禁じ手だった「ライダー同士のバトル」を、組織から離反した、かつての師匠という形で示し、鬼の世界の抱える闇を示した回。
 前期響鬼では、鬼という単語を使いながら、その情念とは無縁で、闇のない鬼太郎みたいなものでしたから、人の心の善悪二面性はやはり井上敏樹が上手いなあ、と。

 で、響鬼や明日夢には、極力、闇に踏み込ませないような配慮もしていて、こういう事情が見えていないリアルタイムでは、形式的な主人公の響鬼と、真の主役の斬鬼って評価につながった、と。

★シンカリオン

 シオンは、アカネにとってのヒロインになりそうなオチでした。何だか後輩女子にとっての頼れる先輩ポジションを、アカネが確立。

 これがラブコメ展開だと、アカネ推しのユキと、ユキに感化されてアカネを意識するシオンの三角関係が勃発する予感があるのですが、自分はラブコメがよく分からない人間だからなあ(苦笑)。

 で、件の人物が当時、何かとラブコメとうるさく主張するものだから、いい勉強になるかと思ったら、彼はそもそも人間関係とか作劇パターンを分析すらできないで、高橋留美子と菊池秀行と萩原一至のそれぞれの世界観を脳内でごちゃ混ぜにして、違いを整理したり、要素抽出という段階を意識せずにつぎはぎしてしまってたから、彼からラブコメを学ぶところが何もないという結論に。

 まあ、理屈抜きに感性で、立派なラブコメを紡げる創作家もいるとは思うけど、彼は眼高手低で、ただ眼高の部分が好きな作品タイトルを挙げるだけで、踏み込んだ中身の話ができない、オタクにしても珍しいタイプ。
 普通は好きな作品の魅力をあれこれ分析して語るのが、創作家希望のオタクだと認識していたのだけど、
 とにかく、ラブコメの基本は三角関係、と安易に考えるNOVAです。

 先週の段階では、マイーリョーターシオンにつながるかと思いましたが、アカネーシオン、リョーターマイ、タイセイー姉のイナというラインで、ヒロインの立ち位置がほぼ確定かな。

 ラブコメ劇に展開するなら、惚れっぽくアクティブなキャラが必須なので、ユキちゃんがシオン回でレギュラー化すれば、そういう楽しみ方もできるかもしれませんが、現段階では何とも言えず。
 今期のシンカリオンが内輪のチームで固まる話になるのか、それとも外に人間関係の輪を広げる話になるのか、まだ見えていませんしね。

 歴代では、最初のシンカリオンが鉄道を通じて、どんどん人間関係が広がりつながる話なので、自分的に評価が高い。
 2作めのZは、オカルト好きの主人公と、宇宙人のハーフの親友の関係性で、世界観は宇宙に広がった反面、主人公たちの視野がリアルの人間関係から荒唐無稽な宇宙人との交流に移ったため、そもそも鉄道は関係なくなった(象徴的に銀河鉄道999を絡めたりもしたけど)、宇宙人との交流に話が閉じてしまったので、ドラマとしては人間関係が広がらずに(深まりはしたけど)、評価はふつう。
 で、本作は、鉄道よりもバーチャル世界を交えての人間関係の構築が、初期テーマと見えて、思春期ならではの悩みを解決しての仲間入りで、チーム5人のそれぞれのキャラ紹介と関連づけが一段落。

 次は、ブラックシンカリオン登場に、主人公の姉イナがどう絡むかですね。ブラックの運転士がイナなら、姉弟の対立劇に流れるのですが、それは同時に師弟対決の要素も帯びる。

 まあ、過去2作では、ブラックシンカリオンとは対決の末に和解して共闘に落ち着くので、悲劇展開にはならないと心配してはいないのですが、和解する前の葛藤がドラマのポイントですね。

 でも、現段階ではブラックの運転士が新キャラで、イナに惚れて追っかけてるストーカーな可能性もあるからなあ。
 ともあれ、次回の放送で敵の目的が見えて来るのだとは思います。

 それで5人の運転士が強敵ブラック相手に集結して、1回めのクライマックス対決で、第一クール終了って流れかな。
 そして、2クールめの開始で、OPの絵柄が変わって、追加情報が出て来るのが、近年の4クールロボアニメの定番と思ってますが、今作ではどうなるかな。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/17 (Mon) 23:30:57

 定期感想その1です。

●仮面ライダーガッチャード(第40話:邪悪降臨!三倍偉大な冥黒王)

 オーズも錬金術を巡る闘争であったこと、こちらで拝読してようやく思い出しました。それを「冥黒」の系列に分類すれば、初代オーズも冥黒王の1人というのは、今話で冥黒王複数が描写されたことで納得感ありますね。

 今話では「賢者の石」が言及されまして、こちらはウィザードを思い出すものありです。もっとも、こちらでオーズの錬金術のご指摘がなかったら、関連性を考えなかったかもしれません。ウィザードでは賢者の石はコヨミの中にありましたが、ガッチャードのニジゴンの中にあるのは欠片1つのようですね(残りは冥黒王ズが持ってるらしい)。

 錬金術の扱いについてのご指摘も、言われてみると気になりますね。序盤ではシンプルな「錬金術でケミーを創造」だったはずが、確かにケミーを核とするのが錬金術みたいな扱いになってるような。

 その辺りは「ギギストだけの主張なのか」ということかもしれません。今話ではっきり登場の残り2人の冥黒王加えての「三位一体」だそうで、今話で行動起こしたジェルマンは「錬金術師の始祖ともいえる存在」(公式サイト等)らしい。例えば「ジェルマンが錬金術を作り、それをギギストがケミーとして整理・発展させた」とかつじつま合わせできるかも。

 などと申しておりますが、現状の自分ではそれ以上はサッパリです(^^;。ギギストが「神働術」の使い手らしいんで、それを手掛かりにしようとネット解説読んでもにわかには分からず(「存在の諸階層において神的「しるし」を辿っていくことによって超越的本質を回復することを目的とする一連の儀式と作業」って何だろう?)。

 ガエリヤは「錬金と占星を用いた独自の術式」なんだそうで、占星術も加わって来るのか。3人の冥黒王がそれぞれ「錬金術、神働術、占星術」で役割分担していれば、後追いで調べて整理・理解できたかもしれません。が、それぞれが領域またがる力を持つとなれば、自分如きでは事前に理解しておくのは無理そう。描かれた範囲を後追いで最低限の理解をしようと思います。

 3人の冥黒王は同格かと思ったら、そうでもないようですね。「玉座」を巡って争いがあるようで、現在の玉座保持者はギギストであるらしい。玉座にあるとどんなメリットがあるのか不明ですが、ジェルマンはギギストに譲位させたいみたいですね。ガエリヤは現時点では玉座への野心は露わではない。

 三位一体を称しながら何かギクシャクの冥黒王ズですが、グリオンの扱いに関しても対立あるのかも。今までは冥黒王はギギスト1人と思ってましたんで、敗北したグリオンを異界へさらったのはギギストだと思ってました。が、あれはジェルマンの仕業だったのか。

 そのグリオンは作られた者=ホムンクルスだと今話で明かされましたな。となると、もしかして「ギギストが作って育てたグリオンをジェルマンが食らった」のか。そこをアポロトスは察して、ギギストは仇でないと(グリオン復活を狙って)従っていたのかな。しかしジェルマンに対しては復讐の行動に出ると。

 グリオン消滅の件をギギストも面白く思ってないとすると、ジェルマンの末路がもう見えてきた気もします。今はダメージが癒えないギギストですが、いずれ完全復帰すればアポロトスに手を貸す形でジェルマンを始末に来そう。

 そこで鍵となりそうなのが、ギギストでも無理と思った再錬成を為したレインボーガッチャード/ニジゴンでしょうか。復讐を阻止しておいての、ジェルマンからのグリオン分離と再生となれば、旧来の敵味方ラインがかなり動きそうです。

 いかん、妄想が先走る(^^;。ともかく本編ですが坂本浩一監督回ですね。今までの坂本浩一回で観たのとは違うアクションの印象でして、しかしやはり見入ります。まだまだ自分が知らない坂本浩一流アクションがあるようです。それとも坂本浩一監督の進歩があるからなのか。

 冒頭は残る2人の冥黒王登場。言い争いのようでいて、ギギストが抜け駆けしたとか三位一体とかグリオンが人形(ホムンクルス)とかの設定を語ってくれてます。そしてグリオンはジェルマンに食われた/取り込まれたと。ここでアポロトスの決意(復讐のターゲット)が発生したはずですね。クロトーもジェルマンに憎悪を向けるも、逆に力を注ぎこまれてさらなる暴走状態か。

 そのジェルマンは人間を愛しているから(後でマルガム化想定と判明)、その邪魔をするハエを退治すると言い出す。ハエとは誰かと思ったら、九堂風雅でしたか。そんなことを知る由もない錬金連合側はケミー返還をアカデミーに命じ、アカデミー側とて残る敵は冥黒の三姉妹くらいに思ってる。

 が、その三姉妹の長姉アポロトスがりんねを呼び出し、冥黒王健在を知らせるわけですね。さらにジェルマン打倒に手を貸せと。その頃、さらにバーサーカー化が進んだクロトーが風雅の隠れ家を急襲。風雅はいったんは義体で誤魔化すも、すぐ奥にいてちゃ簡単にバレますわな(^^;。

 そのシーンでちょっと懐かしい(?)もの見ました。3本のパイプ(かな?)で作った三角錐テントの骨組みみたいな下で瞑想中でした。あれが4本だと、ずっと以前に流行った「ピラミッドパワー」でよく使われてた瞑想グッズです。それを参考にしてのシーンだと思いますが、さすがにそのものズバリの4本は避けたか。ピラミッドパワー瞑想は「ナポレオンも啓示を得た」とか喧伝してましたが、現代では誰も何も感知できず、早々に飽きられてたと記憶しております。が、フィクションでは未だ有効なのかも。

 それはさておき(^^;、迎え撃つ風雅も万全ではないようですね。「まだ早いが仕方ない」と言ってウインドに変身するも、以前のような力は発揮できずクロトーに押される。さらに冥黒王ズ登場、これにようやく宝太郎らが駆けつける。交戦となりますが、錬金術からしてレベルが違い、風雅が主導しての撤退が精いっぱい。

 が、敵側も内部不和ですな。ジェルマンはギギストの玉座を狙う意思を隠さず、クロトーはジェルマンに襲い掛かる。しかしクロトーは依然としてラケシス奪還の意思は強く持っているらしい。かろうじて暴走を抑えられているのはそれゆえなんでしょうね。ジェルマン打倒を胸に秘めるアポロトスはとりあえず静観らしい。

 一方、アカデミーに撤退した宝太郎らは風雅からニジゴンが持つ賢者の石の欠片などの情報を得る。ニジゴンが生まれる前の卵は欠片から賢者の石を再構築するためのものでしたか。が、卵は(前に描写されたように)孵化することを恐れ、手詰まりの風雅は宝太郎にドライバーを託した。それが第1話の真相ということみたいですね。

 が、そこまで分かった上でスパナと宝太郎の見解の相違が再発。宝太郎は(風雅が託した通りに)ケミーと人との和を作ろうと志すも、スパナはケミーのいない世界であるべきと言う。宝太郎にとってケミーは友達、スパナにとってケミーは兵器。当面の目標「冥黒王打倒」では一致するも、その先は危うくなりそうですね。風雅が上手く導ければいいですが、傷が癒えるのは時間かかりそう。

 このアカデミーのシーンで細かい点ですが気になるところがありまして、風雅がりんねに「愛する娘よ」と呼びかけた点です。「りんね」って呼ばなかったんですね。風雅の口癖とも受け取れますが、良き父親たらんと意識し過ぎのようにも見えます。もし、りんねがやはりホムンクルスであり、風雅が作り手であれば整合性のある不自然さのような気もします。

 一方、ホムンクルスであることが確定しており、その自覚もあるアポロトスにとっては、風雅救出はどうでもよくて、ジェルマン討伐失敗でしかないわけですね。それで再び会ったりんねを責めはするものの、ジェルマンを狙う理由を問われると素直に真相(父と慕うグリオンを食らったのはジェルマン)を明かす。

 これにりんねはそれに応えて、ジェルマン打倒すれば誰も傷つけないとアポロトスに約束させると。アポロトス、無表情で「いいよ」と言い、指切りげんまんに応じてますが、真意はどうなんでしょうね。
(この先、アポロトスの闇が深くなると、子役(沖田絃乃さん)の演技が心配。できる・できないもありますが、9歳の子に負担大きいかも。やはりアポロトスが大人化したほうがいいのかな。あるいはアポロトスが救われて、子供らしい笑顔を見せるとか。)

 それでも希望が見えたかなと思った途端、状況が混乱してしまいますね。まずニジゴンが失踪(目的あって行動開始したらしい)。探しに行った宝太郎とりんねですが、ジェルマンに遭遇して戦闘となり、またも圧倒される。ラケシスにはクロトーが現れ、取り戻し方が力尽く過ぎまして、ラケシスから「魂を失った獣」と絶望される。でもまあ、スパナがラケシスに対する騎士(ナイト)フラグは立てたからいいか(^^;。

 次回「神の模造品(トレース)、虹の祝福(グレイス)!」では、ニジゴン失踪の理由が明かされるようですが、その内容は見当がつきません(ホッパー1のときみたいなヒントがない)。とりあえずはっきりしているのは、当面はジェルマンがメインの敵ということくらいでしょうか。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第16話:ムラサキの始末屋 )

 ブンバイオレット/焔先斗登場ですが、ガッチャードでハンドレッド大隊長アルファを演じた方だと、後で調べて知りました。同一人物とは初見では分からずですが、そこはバトラーと加治木でも同じだったりしますorz。

 焔先斗ですけど、別の連想が働いたせいでアルファを思い出さなかった面もあると言い訳しておきます。メイクのせいもあるんでしょうけど、演技含めた雰囲気が時代劇風だなと思ったんです。もっとピンポイントに申せば「必殺シリーズの仕事人」です。もっとも、なぜ自分がそう思ったのか、まだ分析できずにいます。

 ともかく本編ですが、ブンバイオレット/焔先斗お目見えがメインと言ってもよさそう。久しぶりにブンブンと大也の夢であるビッグバン・グランプリ(BBG)に向けての練習風景が出たと思ったら、謎の車乱入。しかし発していた信号はブンブン開発のもの(ブンブン・シグナル)と酷似しているということで、何者なんだという話になって来るわけですな。前に地球に突入した何者か(実はキャノンボーグ)の信号とは明らかに異なってるとのことで、識別信号ということでいいのかな。

 そのキャノンボーグがハシリヤン本部に届け物を依頼していたとのことで、それを運んできたのがブンバイオレットであると。相棒はビュン・ディーゼル(ビュンディー)とのことで、メカ/宇宙人にはブン系列とビュン系列があるようですね。

 この時点ではブンバイオレット/らは「届け屋」の感じですが、ブンブンジャー固有のシグナルを検知すると、届け物後回しで絡みに行く。ブンブン戦士に対して力を誇示するようでいて、しかし敵対的でもない。敵か味方か分からん感じですね。ただし大也はちょっと別でして、大也は焔先斗に先を越させず、焔先斗も武器を向ける。ただし前哨戦、腕試しという感じで、「焔先斗」と名乗るのが目的だったみたい。

 これをモニター見ていたブンブンが、焔先斗の持つアイテムがブンブンコントローラーと気付くわけですね。後で告白したところによれば、途中まで作ったけどうまく行かなくて放り出しちゃったらしい。それを回収して完成させたのが焔先斗ということでしょうな。

 焔先斗、ブンブンジャーに絡み終わると届け物に戻りまして、中身は伝説の剣でしたか。こちらではブンバイオレット姿で「始末屋」を名乗るわけですね。キャノンボーグはさっそく、イターシャに命じて剣を苦魔獣ソードグルマーとする。この剣が伝説たるゆえんはダメージを吸収して強化される点にあるようで、その特徴は苦魔獣ソードグルマーにも引き継がれる。

 ブンブンジャー側は調も加わって事態調査ですが、焔先斗なる人物は10歳のときに行方不明になった子かもと突き止めたところで、苦魔獣ソードグルマーの騒動が発生、出動で調査はとりあえずうやむやに。

 駆けつけたブンブンジャーは市民を逃がしつつ交戦に入るわけですが、攻撃を吸収して強化されるソードグルマーは難敵で手こずる。そこを打開するのが、ようやく旗色を鮮明にした焔先斗/ブンバイオレットなわけですな。

 伝説の剣も無敵ではなく、攻撃の吸収速度を超えて1点に集中連撃すれば剣を折ることができる、ということらしい。ブンバイオレットはソードグルマーの剣を折り、さらに本体も倒しまして、「さあ巨大戦」と思ったら、今回はなし。

 キャノンボーグは伝説の剣を回収して満足そうでして、どうやら今回のバトルは勝ちに行くためではなく、伝説の剣をさらに鍛えるためのものだったらしい。そこがブンブンジャーに伝わったかどうかは不明ですが、とりあえずブンバイオレット/焔先斗に報酬を支払う気になるくらいには信用したらしい。

 しかし要求はブンブンコントローラーの作り手、つまりブンブンに会わせろというもの。ブンブンも焔先斗の相棒ビュンディーには見覚えがあり、BBGで後れを取った相手ということらしい。ライバルというわけですが、しかし、いったんはブンブンジャー側について戦った焔先斗の狙いが見えなくなってきますね。

 ソードグルマーは倒される前提で送り出され、それを倒したのが焔先斗。その焔先斗の要求がブンブンに会わせろ=ブンブンジャー本拠に連れて行け。ハシリヤンのために伝説の剣を鍛え、さらにブンブンジャー拠点に潜入する作戦と考えても矛盾はありません。

 いや、考えすぎかな。次回「ブンとビュン」ではブンブンとブンディーの過去について語られるようで、問題はブンブンのブンディーに対する苦手意識らしい。まあ、それでも仲良しなんだろうなと予想してみます。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/19 (Wed) 00:57:34

 定期感想その2です。

●仮面ライダー響鬼(第37話:甦る雷、第38話:敗れる音撃)

 初期構想での「変身忍者嵐」から朱鬼/シュキに至る流れを軸としたご解説ありがとうございます。嵐のリメイクから変遷する構想というのはウィキペディアにも説明があるんですが、前に読んでも「紆余曲折したんだな」くらいの印象でした。

 が、朱鬼/シュキ編(?)を観終えてからですが、後半が前半を大きく変えつつも、尊重しているらしいと飲み込めた気がします。そこはウィキペディアの解説を熟読すれば分かったかもしれませんが、自分には情報過多でなかなか整理できません。こちらでのご教示をポイントと意識して、何とか理解につながりました。

 そこからまた朱鬼/シュキ編を考え直してみて、感銘が深まった次第です。公開期間1週間ですから前半はもう観られないわけですが、幸いなことに導入部的な造りで人物紹介が主。その仕込みを踏まえたドラマは後半で展開ですんで、観なおしは後半だけで八割がたOKなのが助かりました。

 さらに申せば、第37話で死亡退場のシュキの影響は第38話で露わでして、特にザンキを揺さぶり続けてますね。そこが見えるとまた朱鬼/シュキ編で何が起こっていたか、考え直して味わい深くなりまして、今まで観た響鬼では現時点で最も印象深くなりました。その核となるのが「人の心の善悪二面性」です。

 それも「光なら光、闇なら闇」みたいな単純に別物、あるいは表裏ではないところがミソですね。しかもそこが観ているこちらの想像に任されてまして、「お前の価値観ではどう見る?」と問われてる感じすらします。特にシュキとザンキの最後の会話ですね。真相と両者の真意が分かったとして、どちらが真実と言えるか、みたいな。

 そこを考えるには、シュキ登場より以前の彼女の経歴から考える必要がありそうです。本編で簡潔ながら必要なことは語ってくれているように思います。シュキは若く見えますが(ヒビキと同世代くらい)、トドロキの祖母より年長らしい。戦前~戦後くらいから鬼として活躍していたと考えてよさそう。その時期ですからハイテクのディスクアニマルなどはなく、花などに術を施して使い魔的に使う技術を持ってるわけですね(そのため組織に頼らない行動が可能)。

 しかし両親を魔化魍ノツゴに殺害され、強い復讐心が生まれた。そうなって、おそらくですがシュキは己に強さを見出したんでしょうな。あきらも両親を魔化魍に殺されているため、シュキに親和性を感じて傾くことになる。ただ、まだ鬼に慣れないあきらは迷っている段階。憎しみの力は実感できておらず、シュキを見て「憎めばこんなに強い鬼になれるのか」くらいの感覚でしょうか。

 あきらのドラマは次話以降としまして、ともかくシュキですが、ザンキ引退の原因となった負傷が問題ですね。魔化魍ノツゴの唯一の弱点は口にあり、ザンキを捉えたノツゴが口を開いた瞬間をシュキは狙い、ザンキもろともノツゴを葬る一撃を放ったと。

 しかし僅かに狙いが逸れて、ノツゴに致命傷を与えることが出来ず、しかしザンキの急所も逸れてくれて命だけは助かった。ここまでのザンキの態度からしますとシュキの行いを許容はしているようですね。ただしシュキの真意を測りかねており、それが心残りであり迷いの原因にもなっている。

 ここからは完全に自分の独自解釈ですが(たぶん制作の意図にも反してる)、シュキは最期の言葉通り、憎しみゆえに手元が狂ったんじゃないかと思います。憎しみが引き出す直接的な感情は怒りです。怒りますと自らを疑わない状態になります。力は出せますが、制御が効いていない。雑になる。ですんで、フィクションでもよく描かれる達人同士の戦いでは怒ったほうが負けたりする。

 自らを疑わない怒りに対して、よく理想とされるのが「己を信じる」でありますな。似て非なると言えましょうか。己を信じると言っても「何でもできる」と思い込むのではなく、できるできないをよく理解し、できないなら避け、できると思えば恐れないみたいな感じ。

 シュキは怒りゆえに「ノツゴが誰かを食おうとすれば、自分なら倒せる」と思い込んだんでしょうね。それはそれで正解なんですけど、己を疑わないから別解を探すことをしなくなっちゃった。弟子になりたいと慕って来たあきらがノツゴに捕らわれたのをチャンスと見てしまう。

 それをザンキに阻まれ、ノツゴに自分(シュキ)が捕らわれてようやく、最初の別解「自分を囮にして、ノツゴ諸共倒される」に辿り着けた。もしザンキが変身できない体で斬鬼となったのをシュキが知っていたら、命を賭して止めてくれたことに感じるものがあったはず。

 でも、まだシュキは怒りに囚われて他が見えなくなってましたな。怒りを持たないザンキに師を巻き込む必殺の一撃が撃てるわけなかった。それを目の当たりにしたシュキはようやく「己を囮に己で必殺の一撃を繰り出す」を思いつけた。

 たぶん、撃てないザンキを見た瞬間、怒り/憎しみが鎮まったんでしょうな。シュキがノツゴに捕らわれたザンキを撃ったときから今までが走馬灯で見えて、その意味(特にザンキの気持ち)がようやく分かったせいではないかと思います。言い換えますと、シュキがもしノツゴに捕らわれたザンキを救出したら、その後がどうなったか分かった(たぶん、その結末もこのラスト通り「シュキが自ら囮となって」かな)。

 シュキは即死は免れまして、何とかザンキと最期の会話。ザンキは長年の疑問であり迷い「わざと狙いを外したのでは」旨問うも、シュキは「手元が狂っただけ」と。そして「死に顔を誰にも見られたくない」が最後の願い。

 その願いの理由、はっきりしませんな。術で若さを保っていたから死ぬと年相応。それを見られたくなかったのか。それとも伍子胥を誅殺して自滅した呉の夫差王よろしく「あわせる顔がない」と恥じてのことか。そこの解釈も含め、シュキをどう思うかは観ているこちらの価値観も問われるようで興味深いものでした(でも、まだシュキの影響は続いて完結していない)。

 後半は、敵味方にいろいろ変化ありですね。敵側は前話でスーパー童子も覚醒(精神の大人化)したせいか、作り出した魔化魍:東筑波のヨブコに3人がかりでも音撃が効かず、手に負えない強さ。もっともそこに技術的な秘密がありそうで、みどりが一端を解明してはいましたな。それが鍵だとするとスーパー童子覚醒より洋館の男女が進歩したのか。その辺りは次話へ持ち越しらしい。

 味方側は師弟関係でギクシャクしだしてますね。イブキはあきらの師足りえないと悩み、トドロキは再び(前話で斬鬼となった)ザンキに頼る気持ちが起きてしまう。が、そういった問題の核はザンキにありそうです。前話でザンキは牙狼で言えば「守りし者」の覚悟を見せたわけですが、師シュキを失って動揺があるらしい。

 それを隠そうとはしているようですが、あきらの師足りえないと打ち明けたイブキを殴り、復帰して欲しいと頼って来たトドロキには「殴る価値もない」と言い放ったところに迷いが見えるような。

 ザンキは迷えるイブキに対しては「お前はもう師匠だろうが!」と怒鳴ったわけですが、ザンキ自身が師たる心得が分からなくなっているように見えます。前話でシュキに言って欲しかったこと「ノツゴに捕らわれたザンキの急所は撃てなかった」を聞けなかったからでしょう。その直前だと、ザンキはシュキについて行ったあきらを見守る覚悟はありました。一時的な弟子とはいえ、信じてやる気持ちを持てたわけですね。

 しかしシュキに「手元が狂ったんだ」と突き放されると、ザンキは分からなくなり余裕がなくなって来る。そのため、イブキにかけてやる言葉が見つからず、拳で突き放しちゃったようです。が、内心「しまった」~「何やってんだ、俺(ザンキ)は」と思ったんでしょう。せっかく身に着けた根性かなぐり捨てたかの如くの、イブキよりヘタレたトドロキなのに殴れない。

 しかしザンキが殴らない/殴れないがゆえにトドロキの絶望は深くなってしまうという、やることなすこと裏目に出てしまってますな。ザンキはいずれ死してなお戦うことになるようですが、今話で見せた迷いが嵩じての戦死か、それとも吹っ切った覚悟の結果なのか。シュキの死で一応は落ち着くと思ったザンキが、ドラマとキャラクターを動かしだしたのはなかなかに興味深い。

 日常パートは明日夢の吹奏楽部ですね。合宿に行くと張り切っていたら、部長から不要扱いされてしまう。しかし明日夢はやせ我慢の笑顔で応じてしまうと。やれやれ進歩ないなあと思ったんですが、そこでみどりが発奮するのは予想外でした。が、「ここは私(みどり)が一肌脱ぐか!」はちょっと笑った。ゴブスレの女騎士さんを思い出したんです。2期で昇級が滞る女神官に「話は聞かせてもらった!」と言うシーンですね。

 女騎士さんはセッティングだけして、後は女神官さんらに任せる格好でしたが、みどりは「補欠集めて自主合宿、自分(みどり)が教えてやる」というもの。もっとも、参加者は明日夢と部員でないひとみ、それと猛士狙いの京介というイレギュラーなもの。まあ、みどりは元ブラバン部員とはいえ、現役部員は知らない人でしょうし、いきなり自主合宿と言われてもついて行きにくいでしょうな。

 しかし、ともかくも名誉挽回を図るべき明日夢が参加するんですから、八割がた問題なしでしょうか。が、その明日夢の態度が疑問。ホイッスルのリズム練習はともかく、京介がヒビキの弟子となる意思を隠さず公言すると、明日夢に動揺が見えるような。

 前に京介は(ブラフでしょうけど)あきらに鬼も学校もなんて保険かけてると非難したことがあります。いわゆる「二兎を追う者は一兎をも得ず」ですね。その非難はむしろ明日夢について正鵠だった模様。学校、というより「吹奏楽部で上手くやれればと思いつつも、駄目ならヒビキさんのもとで鬼に」とあるときは思い、別のときは「鬼の道が厳しすぎても、ブラバンで上手くやれればいいし」と思ってしまう。

 最後は中途半端で終わる滅びの道ですが、途中は「2つのうち、どっちかはうまく行くだろう」とたかを括って安心していられます。が、ブラバンがうまく行かず、ヒビキの弟子ポジションも取られるかもしれないと思うと、急に不安が顕在化するはず。

 ブラバン合宿を外されてもヘラヘラしていた明日夢をみどりは一喝しましたが、どっちつかずに安住しているのを嗅ぎ取ったということがあるのかも。確かにせめて後でもいいから悔しがって欲しいところでしたな。

 打開の鍵があるとすれば、明日夢がヒビキに自分がどうしたらいいかは尋ねず、ヒビキが太鼓で行き詰ったらどうするか聞いた点でしょうか。答は自分で探す能動性が感じられますし、守破離の守を実践しているように思えます。

 明日夢がうまく思い切れればいいが、と思っていたら異変発生。スーパー童子&姫が魔化魍ヨブコを連れて自主合宿を急襲。ヒビキが魔化魍対策の相談でみどりを訪ねてきてはいたんですが、未だ有効打を入れられない状況のままでして歯が立たない。みどりが果敢に立ち向かうんで「もしかして隠れた実力者?」と思ったんですが、あっさりやられてたらしい(^^;。明日夢もみどりも捕われまして続く。

 これでもかというくらい問題山積でして、次話で決着つくのか心配なくらいです。これがきれいに納まったら凄そう。

●シンカリオン チェンジ ザ ワールド(第11話:姉の幻影)

 レギュラー3人とサブキャラクター2人の運転士が揃い、さあこれで話が進むと思ったら、早くも流れは停滞でレギュラー3人チーム崩壊の危機ですね。「ストーリーは進むもの、それを停滞させるのがドラマ」という定義を聞いたことがあるんですが、その通りを見た気がします。停滞するんだけど先が期待できて面白い。

 ともかく本編。タイセイに断片的に聞こえた声は姉のイナのようだったわけですね。しかしタイセイは姉かどうか自信はなく、誰にも相談できずにいた。しかしタイセイが運転士になって以来、アンノウンが狙って来るのはタイセイと姉イナの思い出の場所ばかり。それもタイセイが訪れたタイミングで襲撃がある。

 いくらアンノウンの狙う場所が鉄道関係といっても、偶然で片づけるわけにはいかなさそうです。タイセイが聞いた声も記録にはなく、しかし改ざんで消された形跡がある。そしてイナはサーバーにときどきアクセスしている。次第にタイセイの疑念は確信に変わりつつあるわけですが、姉イナが関わっているかもしれないと思い始めると、相談するのが怖くなってもいる模様。

 そこが日常パートの三人四脚の練習で出てしまうわけですね。練習以前でリョータがゴタゴタさせるのをマイが仕切ってグイグイ進める。やってみるとうまく行きそうなんですが、ついタイセイが姉イナのことを考え出すと集中力切れて失敗。

 メタバースでテンやシオンも来てくれて、「歌でテンポを」の助言も受けますが、やはりタイセイが姉を気にして失敗。ですが、慣れない三人四脚ということでタイセイ以外は何となく納得してしまう。この辺り、密かにじわじわ破綻が近づいて来るようでして、日常パートなのに緊張感あります。

(前にテンが来られなかった理由「友達と出かけていて」はうっかりしてました。こちらでご指摘があってようやく、電話シーンで示唆された和解が本当に成ったというものだったわけでしたか。今話でその結果の先がさらに分かるかと思ったんですが、特になし。むしろ、そうだからこそ「テンはもう大丈夫」ということなんでしょうな。)

 しかし、タイセイがそこまで気にするんなら再びカドミチに相談するなりして進展が、思っていたら容赦なく黒い新幹線襲来。これもシンカリオンでファントムということですか。運転士は観ているこちらだけにチラッと見せてくれまして、顔は下半分だけしか見えませんが女性。ということはタイセイの姉イナだろうと分かる仕掛けですね。

 しかしタイセイらはまだ知らず、リョータ、アカネと共に迎撃出動。が、「邪魔しないで」という声が今度はハッキリ聞こえる。イナを知らないリョータ、アカネは「運転士がいる」くらいしか分かりませんが、タイセイとカドミチには声の主がイナだと分かる。特にタイセイはショックで戦意喪失、適性値も下がって戦闘不能になり惨敗と。

 カドミチは緊急撤退させますが、そのせいかキャプチャーウォールが崩壊(それともファントムシンカリオンが隙を狙って攻撃?)、マイが巻き込まれる。緊急搬送された事だけは判明していますが、容体は不明。

 これでまずリョータの堪忍袋の緒が切れるわけですね。以前に姉の声を認識していながらタイセイが黙っていたことを責める。アカネも友達を信頼みたいなこと言いながら、姉のことばかり気にかけるとタイセイを非難。

 2人ともいつになく厳しいのは、やはりマイの負傷のせいか。特に容体が分からない点が不安なんでしょうね。軽傷であればいいが、いや助からなかったかも、みたいに心配になると余裕がなくなります。

 が、姉がアンノウン側かもしれないという、これもはっきりしない不安を抱えるタイセイはさらに余裕がなさそう。否定したいが単に信じたくないという理由しかありません。ついにナビゲートAIのビーナとも決裂。それでもみんな学校へは来ますが、むしろ険悪さを際立たせていますな。

 大ごとになってしまってますが、たぶん「雨降って地固まる」だろうと思えます。次回「再会」では予告映像のイナが今話と違って柔らかい笑顔ですから(場所はメタバースらしい)、まずタイセイに真意を伝えて、そこから何とかなりそうな気がします。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/20 (Thu) 23:06:49

 不定期感想です。

●ラブコメ

 シンカリオンのご感想で言及があり、自分も先の感想でちょこっと反応しようとしました。が、すぐにそう簡単に書けるものではないと気が付きまして。

 件の人物についてなら簡単です。ラブコメに限らないですからね。見たものの整理も分類もできてない、考察すらしていない、そもそも知識が絶対的に不足。彼が言い散らかすのは直感めいたものなんでしょうけど、直感は直感で経験の積み重ねで得るところが大きいもの。仮にこちらと同じものを見て来たとしても、見れども見えず(あるいは見たそばからポイ捨て)では経験にはならない。

 そういう話をし出すと延々とできてしまうので割愛(^^;。さらに申せば、少なくとも「ラブコメ」については、上述が自分にも返って来るものだったりもします。自分もラブコメが分かってないんですね。そこに気が付いて、先は筆が止まってしまいました。

 自分がラブコメ分かってない証拠があると気が付いたんです。ラブコメで感動したことがない。一度も感動できてないものが、一部なりとも分かっているはずがない。

 ラブコメ作品で感動したことはあります。例えば、こちらで本編感想言ったことがありませんが「まぶらほ」(原作ラノベ(2000~2011年)は読んだことがなく、アニメ版(2003年)のみ)とか。ウィキペディアなどでは「学園ラブコメ」とされています。魔法があるんでファンタジー要素もあるといっていいかも。

 やきもち、壊滅料理、ツンデレ等々、ラブコメによくある要素がふんだんに入ってます。それらを使ったコミカル展開も多い。文句なしにラブコメだと思いますが、自分が感動した部分はどう考えてもコメディからは離れた部分でして。

 前半では主人公が死ぬ運命のヒロインを己が命と引き換えに救います。特に主人公の決断が感動ポイントとなります。そこにコメディは皆無と言っていいほど。後半ではかろうじて幽霊として現世に留まった主人公をヒロインが救うんですが、主人公を奪わんとした恋敵と協力。その和解と共闘が感動ポイントになります。そこもコメディ一切関係なし。

 コメディ要素がどこにあったかと申せば、まず各キャラクターの人となりを描く部分ですね。その描写に終始しても飽きないようにコメディ仕立てにしてある。もう1つは厳しい展開の後のフォロー。コメディでないドラマでもよく使われるコメディリリーフですね。サブキャラクターでも感動ポイントは重く厳しい部分だったりする。ですんで「まぶらほ」アニメをラブコメとして感動はしていない。

 人によっては「ラブコメのパターン全て入ってる」と言う「うる星やつら」もそうです。自分が80年代に感動したのは、ラブコメから離れた部分の押井監督によるシュールですらあるようなエピソードです。原作重視の20年代リメイクはそろそろ最終回ですが、80年代版との比較は面白くても、物語自体に感動はしてない(そもそも原作で感動してないと言うべきか)。

 もちろん、感動した部分は前後あってのことですんで、それがラブコメで支えられているならばラブコメを楽しんだと言うことはできます。でも、山場の段取りとフォローはラブコメでなくても成り立つわけで。「主人公が己が命と引き換えにヒロインを救う」は置き換えが効きませんが(置き換えたら別の物語)、主人公にそこまでする動機を与える運びはいろいろあり得ます。

 置き換えの効かない感動がラブコメで発生した覚えがない以上、自分はラブコメを理解しているとは言えないようです。そこは何となくは感じていた気もしますが、はっきり意識したのはこちらで「ラブコメがよく分からない」と伺って、考え始めたお陰です。

 それとは別に「ラブコメの基本は三角関係」との仰せでちょっと思い出したことがあります。創作のコツで見かけた話なんですが、キャラクター数を2人から3人に増やすと、複雑さが格段に上がるんだそうで。2人だと人間関係は1つしかありません。3人だと、図形的に申せば三角形(頂点が各キャラクター、辺がキャラクターの関係)。基本的な関係は辺の数の3つですが、3つの辺の選び方(1辺~3辺)も含めると7通り。

 キャラクターをもう1人増やすと、ちょっと数えるのが嫌になるくらい増えますね。辺と対角線の数(キャラクター間の基本的な関係の数)はn角形ではn(n-1)/2ですから2乗で増えてしまいます。さらにそこから辺の選び方まで考慮すると、すぐに手に負えないものになります。

 たぶん3人(関係7種)がエピソード作りにはやりやすいんでしょうな。単調にならず、複雑すぎもしない。ラブコメで3人寄るエピソードとしては、やはり三角関係と。しばしばもう1人絡みますが、よくあるのが三角関係劣勢の1人の助太刀に入るキャラクター。その場合は単純に4人(四角形)にならず、2人+2人の組み分けとなって単純化される(H字型みたいな感じか)。

 別の面で申せば、人間が間違いなく一瞬で把握できるのが3までなんだそうで(個数、あるいは数字としても)。場面にいるのが3人とか、アイテム3個とかだと一目で分かるわけですね。厚切りジェイソンさんの初期のネタでは漢数字で「一二三ときてパターン分かったと思ったら、次が四」なんてありましたな。考えてみるとローマ数字とて「ⅠⅡⅢⅣ」なんでした。

 ラブコメの三角関係って、経験的に読者によく分かるものとして得られた深い知なのかもです。

●仮面ライダー響鬼補足

 先の感想からしばらくして気が付いたんですが、シュキって小暮耕之助と対比となるキャラクターだったのかも。

 以前は優れた鬼だった小暮は現開発局長であり、現代的な技術を駆使したアームドセイバーを作ったりしたわけですね。かといって、己が経歴を誇って他人の意見を聞かないわけではなく、後進のみどりに一目置いていて、素直に意見を聞いたりする。

 シュキは鬼資格をはく奪されて猛士の援助を得られないとはいえ、古来の術・技に信を置き、現代技術に頼る気がない感じです。言い換えれば、従来技術に習熟した精鋭。しかし、慣れ親しんだものを捨てられないという面も生じてしまう。

 海音寺潮五郎の小説「孫子」では、戦争史的な変遷として「新兵器を持ち有利に戦えるようになると、さらに習熟して無敵の精鋭となるが、さらなる新兵器を持つ素人集団の敵に滅ぼされる。精鋭は新兵器に乗り換えるのを良しとしないから。その繰り返し」旨の記述があります。
(近世ヨーロッパだとイギリスの長弓とフランスの大砲が典型的な例かも。)

 シュキの滅び方もそういうものだったんじゃないかと思えてきました。先のエピソードはシュキの決断通りでないと魔化魍を倒せなかったように思いましたが、考えてみるとそうではなかったかも。シュキの技では倒せないだけと考えるべきかもしれません。

 猛士では敵に対応するためいろいろ開発してきたわけで、以前は倒せなかったノツゴとて、既に判明している弱点を中心に調査して対応する兵器は開発できたはずです(時間はかかりそうで、倒せるのは10年後の次の出現時かもしれませんが)その辺りは(リアルと同じく)変化が緩やかな昔々と、技術進歩の速い現代では事情が違うということでしょう。

 古流に拘り後進(あきら)にただ自分に付いて来いと言うシュキと、新技術では後進(みどり)に耳を傾ける小暮を比べて考えてみると、いずれ前者は「老兵は去り行くのみ」になるしかなかったのかもしれません。それでも小暮があの場にいたら、シュキを説得して止めてくれたのかなあ(でもシュキからすれば小暮とて小僧でしかないかも)。

 そういうことを考えてますと、響鬼のこの後の師弟ドラマが「付いて来いなのか、後を託すのか」という点も見どころなのかなと期待したくなります。

Re: 6月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/06/21 (Fri) 01:48:18

 定例感想です。
 今回は、どの作品も次回が気になる終わり方でしたね(響鬼は毎度のことになっていますが)。

★ガッチャード

 TVよりも、夏の劇場版で「レジェンドのカグヤさまも出演確定」との情報を気にしてみたり。
 ガッチャードの次の新作も、登録商標で「GAVV(ガヴ)」というタイトルが噂として挙がっているようですが、確定情報ではないので、正式発表は7月に入ってからみたいですね。

 で、ギギストの他に、冥黒王は2人いて、ジェルマンとガエリヤですか。

 グリオン様も人形だったというオチが、ヘッ? となりましたが、それでも様付けで呼びたくなるのは、アトロポスの影響ですね。劇中人物の呼び方につられるのは、よくあること。
 ギギスト様とか、ジェルマン様なんて呼ぶ気にはなれないですしね。

 で、何だかんだ言って、グリオン様は去年の年末から、今年の3月まで3ヶ月は威厳を保ち続けたわけですよ。
 ギギストさんは、カグヤ様のゲスト出演に押されて、強敵のイメージが付いたのはゴールデンウィーク明けだから、賞味期限は1ヶ月強。
 ジェルマンさんも、来月の今頃にはあっさり弱体化してると思うと、ラスボスの器には足りないのでは、と思います。

 さすがに来週に即消えることはないにせよ、「人間を愛しているから、ケミーと融合させてマルガムにして支配してやるからね」と頭の悪い子どもみたいなことを言うのがラスボスとは思いたくありませんな。

 そもそも、ケミーは現状で101体しかいないのだから、ジェルマンの野望が実現しても、犠牲になる人間は101人しかいないということになります。
 まあ、ヒーロー作品としては、101体のマルガムは脅威ですが、リアルに考えると、80億と言われている現代の地球でどうこう言うには、何だかなあ、と思ったりします。

 まあ、これで101体のケミーをもっと増やして、1000万体のケミーに増やして、東京都民をみんなマルガムに……とか言い出すと、おお、リアルな敵かも、と思えて来ますし、
 学園ものなんだから、「まずは、この学校の人間を100体ほどマルガムにして、それから増やして行こうと思う」とか、
 「賢者の石の力を使えば、1体のケミーをどんどん分裂させたりもできるんだ」とか言い出すと、脅威度レベルが上がりますな。

 その意味で、実はグリオン様の作ったレプリケミーカードなんかを大量に複製されるとヤバいと思いますが、現段階のジェルマンは大きなことを言ってる割には、具体性に欠けるので、ポッと出の怪人と大差ない印象。
 彼の作ったゴーレムが硬くてダメージが通らない程度の脅威ですな。
 一応、ニジゴンのレインボー以外では、プラチナガッチャードで倒せないことが分かったことぐらい。

 しかも、ピンチ演出のために、刃の通らない相手に斬撃系の技しか仕掛けていないようで、そこはせめて「ドッキリマジーン+ガッツショベル」とか、コンクリートを崩せそうなパワー系の組み合わせを使いましょうよ、と。
 たぶん、宝太郎は錆丸先輩に比べて、ケミーの能力を今だに十分熟知していないというか、カードゲームで敵との相性を考えて自分のデッキを構築するような戦術眼を持ち合わせていなくて、勢いと強引さでバトルを進めて来たのだと思う。

 これがWだと、フィリップが「翔太郎、この敵にはヒートメタルが相性がいいはずだ」とアドバイスしたりするのだろうけど。
 宝太郎はケミー好きだけど、ケミーの能力をきちんと把握して活用はたぶんしていないんだろうな。理屈抜きの直感だけで、いろいろ試す行き当たりばったりのケミー使用、と。

 その意味で、変身できない蓮華先輩と錆丸先輩の方が、きちんとケミーの能力を把握して、適切に支援しているように見えますね。
 誰かいないのかな。宝太郎、お前はもっとケミーのことを勉強して、能力を引き出してやらないとダメだ、と言えるキャラが。

 あと、スパナもケミーは道具だ、と言いながら、最近は全く道具を使いこなせていませんな。仮面ライダーに変身できるようになってから、脳筋になったというか、それまでのクールなベテランらしい戦術がとれなくなったような。
 要は、最近の戦闘が全くの大味になっているというツッコミです。

 ともあれ、コンクリート素材からゴーレムを作り出すジェルマンの技を見て、驚くミナト先生。
 ええと、あなた達の錬金術はそういうことができなかったわけ? 実はケミー頼りじゃないと何もできなかった?
 いや、今回の脚本家の井上亜希子さんが、錬金術の一般的なイメージを把握できていない可能性も考えるわけですが。

 ゴーレムを作るのが凄いのか、それとも何の準備も手間暇もかけず、瞬時にゴーレムを作り出せるのが凄いのか(普通は2時間ぐらいは軽くかかるとか)。
 まだ敵の能力がどれだけ凄いのか分かっておりません。

 一方で、今回の坂本アクションで何よりも力入っていたのは、クロトーでした。もう、クロトーに暴れさせることが坂本監督の本作でのこだわりかな、と。

 ガッチャードとマジェードは今回、負け戦なので、坂本監督もそこには力をあまり注がなかったのではないか、と思っています。
 ゴーレムもアクションで魅せるタイプの動きやすいスーツでなく、頑丈なボディで攻撃が通じない的な怪物なので、坂本監督の本領を発揮できるシチュエーションではなかった、と思います。

 あと、坂本監督はラケシスに変身、というか鉄鋼させたい模様ですね。スパナがクロトーにあっさり負けたのは、次回、ラケシスVSクロトーを魅せたいがため、と期待しておきます。
 ラケシスとスパナの2人がかりなら、何とか今のクロトーに太刀打ちできる。Wヴァルバラドの真価が次に発揮できるなら、1人1人だと小さな火だけど、2人だと炎になる的なエピソードだといいですな。
 ともあれ、今回、一番忙しく動いたのはクロトーさんだったということで。九堂風雅を追いつめたり、ラケシスに迫ったり、スパナを弾き飛ばしたり、珍しく女性アクターにパワフルアクションをさせているな、と。

★ブンブンジャー

 いつもの胡散臭い6人めって感じで、初顔見せ回としては可もなく不可もなく、真価は次回の楽しみにしておきます。

 正直、ブンブンジャーにしては、あまり爆上がらなかった普通の回という印象で、溜めの1話って感じでした。
 一応、敵に付いているようにも見える謎の6人めですが、近年の変な奴の連発に比べると(語り部だったり、ヒーロー志望の危ない2重人格だったり、ワンダーと叫んだり)、始末屋という名前だけが先走って、大人しめな登場回かな、と。

 ブラックやオレンジの加入回に比べると、1話で強烈にキャラが立ったというところまで至らず、次回でいろいろと爆上がるキャラだと分かればいいな、と。

★響鬼

 38話は脚本が井上敏樹さんではなくて、平成ライダー初登板の米村正二さん。次のカブトのメインライターになる人の、お試し使用って感じです。

 テーマとしては「悩める師匠と弟子の関係」ってことで、割と直球ストーリーですね。
 で、次回が明日夢の奮闘につながりますので、響鬼にしては、一番ストレートじゃないかな、と思います。
 というか、前半でやれよ的な話。いや、展開が遅かったために、ようやく師弟関係について掘り下げようって動きになったわけですが。

 なお、リアルタイムだと、ここで駅伝が入って、続きは2週間後でやきもきさせました。
 そして、この後が最終クールで怒涛の盛り上がりを見せてくれます。響鬼の最終クールは毎回がサプライズで、ええっ? と凄かった記憶があります。

★シンカリオン

 ブラック改めファントムシンカリオン登場で、姉のイナが敵の運転士だと分かって動揺しまくりのタイセイ、と。

 運転士5人が顔合わせしたものの、序盤のドラマが一巡して、もう一度、主人公のメンタルを掘り下げての、第一クール・クライマックスにつながりますな。

 これまでの流れだと、メンタル回復後に新必殺技(胸からビームのグランクロス)と来るんじゃないかと期待しておりますが、
 その前に、主人公に大きな試練、と。

 意外だったのは、マイの負傷。
 彼女は鉄道部部長で、ある意味、チームの人間関係の大黒柱だったもので、そこが倒れると、リョータがマジに怒って、そこにアカネも乗っかるというか、タイセイの綺麗事が上辺だけのものかとキレた。

 まあ、アカネにしてみれば、リョータは意見が合わなくても、本気でぶつかって来る相手として、裏表なく信頼できる。
 自分がタイセイに感化されて、何とか裏返っていたモードから、自分をさらけ出して見ようかと素の自分を示してみたら、実はタイセイが一番、中身のない空虚さだったと知って幻滅したというか、悩みもないお子様かよ、という腹立たしさを覚えた感じですね。

 アカネの言い過ぎに、先生も止めに入りますが、アカネは元々辛辣なキャラだし、「兄との距離感に悩んで、そこから自立を目指していた自分」に対して、タイセイはそういう葛藤を乗り越えて、ここまで来たと思いきや、葛藤も知らないお子さまだったとか、そんな脳天気な子どもが偉そうに言って、とか、いろいろと苛立ちを吐き出したな、と。

 作劇的には、アカネのズバズバ言う言葉が、タイセイの弱点を露骨にさらけ出すところがあって、タイセイの課題を視聴者に分かりやすく指摘するものだと思いますが、
 マイの怪我がなければ、リョータがタイセイを庇う構図になっていたろうから、マイの怪我にも意味が出てくる。

 そして、イナさんが敵だと、メンタルが傷つきそうなのは、タイセイだけでなく、マイもガーンとなりそう。何せ、彼女はイナさんを尊敬していましたから。
 孤立化したタイセイの気持ちを察することができるのはマイだけになりそうで、だから今回は意図的にマイを脱落させて、タイセイが一人で悩んで姉との関係を見つめ直すシチュエーションを作った。

 パズルのピースが適切にハマっていくシチュエーション作りだな、と。

 あとは、マイさんが回復すると、リョータも落ち着きを取り戻すだろうし、
 アカネに対しては、先生がいろいろとタイセイが友だちに相談しなかった理由を説明すると思う。タイセイも姉の関与の可能性は、先生に相談していたわけだし(アカネは知らないけど、視聴者は知っている)、先生の方が「タイセイの気のせいだろう」と本気で取り合わなかった事情があって、それが結果的に裏目に出た形ですから。
 事実かどうか曖昧な予感に過ぎないものを、どうして友だち相手でも相談に持って行けるか、と問われたら、アカネも自分がタイセイの気持ちを汲んでいなかったことに思い当たるか、と。
 割とアカネも思い込みの激しい奴ですからね。

 で、タイセイが一番、信頼を回復しないといけない相手がビーナだと思うんですけど、ここが一番のキーだと思います。
 これまでのシンカリオンシリーズでは、AIナビが機体の制御を助ける役割も果たして来ましたが、今作のビーナには前例に反して、戦闘サポート機能が付いていない、ただの賑やかしキャラにしかなってない。
 しかし、イナが仕込んだブラックボックスが開けば、ビーナが覚醒して、タイセイをサポートする戦闘AIにもなるんじゃないか、と予想しています。
 つまり、ただのナビから、真のバディへの成長ですね。

 あとは姉のイナの真意がどこにあるか、ですが、とりあえずは謎の敵に洗脳されている説が無難か、と。
 時々、正気を取り戻して、SOS的なメッセージを伝えようとコンピューター回線で接触しようとしているけど、正気の時間が短くて、SOSもままならない。
 ビーナの中に姉の真意があれば、それがタイセイの希望になって、洗脳された姉を救出しようとする動機になる。
 ついでに、第2クールで、姉を洗脳したと思しき、他のアンノウンの幹部キャラが複数登場すれば、話が次のステージに上がると考えます。

 以上は、旧作のストーリーの流れも踏まえた、今作の予想ですね。
 まあ、答え合わせは次週にでも。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/24 (Mon) 23:19:56

 定期感想その1です。

 東映公式Youtubeに仮面ライダー電王があるのに気が付きまして、改めて検索で調べると第1~第12話まで1クール分。5年前にアップロードされたものでしたが、ジオウのときだと第1・第2話だけのはず。

 なぜ12話分もあるんだろうと怪訝な気もしましたが、そんなことは大したことではありません。大事なのは「電王を第12話まで観られるぞ!」ということでありまして、さっき観終えたところです。

 ジオウのときに観た第2話ではイマジンが一般人を襲い、空中高くから放り落とすというむごい殺害をしてましたんで、厳しい面もある作風かと思ってました。が、コミカル要素多いみたい。割と人情にも踏み込んでますね。

 なにより、こちらで伺っていた良太郎が憑依されて変化する演技は確かになかなかのものでした。ちょっと意外だったのは、テンション的には良太郎と親和性高そうなウラタロスより、ハイテンション傍若無人のモモタロスのほうがなぜか自然に見えて納得性高いこと。

 東映公式Youtubeでは、響鬼の次はカブトのはずで、電王はその次。またちょっと遠いですが、予習できて楽しみになってきました。カブトも1クール分あるかなと思ったんですが、どうやらないみたい。そちらも予習しておきたかったなあ。まあ響鬼は終盤突入ですから、カブトはもうすぐではあります。

●仮面ライダーガッチャード(第41話「神の模造品(トレース)、虹の祝福(グレイス)!)

 今話ではいろいろサプライズが盛り込まれてたようで、その1つが2名の運送業者さんですか。ウインスペクターの香川竜馬役の山下優さん、ソルブレインの西尾大樹役の中山幸一さん。両番組を観ていた人には2人の仕草の意味が分かるらしいんですが、自分は未見で分からずですorz。

 もう1つは仮面ライダーGIRLS。ダンスユニット:イリゼットガールズのメンバー役ですね。自分が仮面ライダーGIRLSの存在を意識したのがフォーゼだったと記憶しています。が、ライダーシリーズ本編への出演があまりなくて、今話のご出演も後で調べるまで気づかず。しかし、今話でのパフォーマンスを見て「プロの方なんだろう」とは思いました。

 サプライズではなく自分的にはちょっとショックといえるのが、ジェルマン退場です。目だって横柄であり、グリオン復活があるとすれば、いずれジェルマンは最初に倒される冥黒王かもとは思いました。が、「賢者の石でケミー量産して人類総マルガム化」という構想を示した回で倒されてしまうとは。ちょっとあっけない。

 ともかく本編。冒頭の「世界の命運をかけた迷子探しが始まる」は「なんのセカイ系なんだよ」と、ちょっと笑った。が、その迷子はニジゴンでありまして、ジェルマンが取り込めばケミーを自由に作り出す能力が得られ、人類皆マルガムにできる模様。確かに命運はかかってますな。

 ジェルマンが前話で無機物から作ったゴーレムも依然として強敵ですが、マジェードとガッチャ―ドの連携で何とか倒す。が、ジェルマンにはちょっと届かず。スパナのほうもクロトーに苦戦ですが、無意識に出た黒い炎でたじろがせ、そこへギギストのサポートで戦闘中止。

 ギギストはスパナが誘いに乗らないのを見て、ジェルマンを倒せとそそのかす。冥黒王って三位一体と言いながら不和のようですな。ギギストとしてはジェルマンの力を取り込みたい模様。元は1人の冥黒王だったのが、何らかの原因で3人に分裂したのかしらん。まあ、そんなことよりスパナの袖を指で掴むラケシスのほうが気になりますな、ツンデレさんどもめ(^^;。

 宝太郎らは手分けして行方不明のニジゴン探し。ホッパー1に続いて、宝太郎の傍にいるケミーは家出しやすいんかしらん。バラバラになった隙をついたのか、アトロポスがりんねに接触しまして、ジェルマンを倒す約束の催促。このときは「ジェルマンを倒せばアトロポスは悪さしない」約束がまだ有効のはずでしたが、ラストでは裏切られたっぽい雰囲気でしたな。

 それは後のことでして、まずは迷子のニジゴン。当人は迷子の自覚はなく、前話で「ケミーにできることは戦うことだけ」と言ったスパナを見返すべく、戦闘以外でもできることがあると証明するための家出だったらしい。そしてダンスユニット:イリゼットガールズのマイに遭遇するわけですね。マイは行き詰って脱退を考えており、ダンスフェスを無断欠席しようとしている。それでも1人で踊ってたのは、依然としてダンスが好きではあるんでしょうな。

 そんな風に白昼堂々とうろうろするニジゴンですから、目撃者も出る。というか、積極的に人助けしてまして、上述の運送屋2名から手がかりの証言を得る。同時にスパナの見方に反発してのことらしいと、まずりんねが気が付く。さらに錆丸の探知でダンスフェス会場へニジゴンが向かったらしいと分かる。
(ミナトが運送屋さんの記憶消してましたが、他にもニジゴンと接触した人いそう。)

 そのニジゴンはマイの不在でパフォーマンス中止を告げるイリゼットガールズを押しとどめ、飛び入りで参加すると言い出してますね。突然のことに混乱しつつも受け入れるイリゼットガールズも、ニジゴン見ても騒がない観客もなかなか大したもんです(^^;。これもニジゴンが持つ術・効果と考えておけばいいんだろうか。

 ともかくも、これでニジゴン発見。同時にマイも感激してイリゼットガールズに戻って来ると。ニジゴンに人助けできることの証明と迷子探しの両方が一挙に解決する。さらに3人で復活のイリゼットガールズのパフォーマンスは続き、それを宝太郎らが守る形で、ニジゴンを追って来たジェルマンを迎え撃つ。このシチュエーション、フォーゼで天高のプロム守って戦ったシーンを思い出すものがあります。仮面ライダーGIRLSという共通点もありますしね。

 ジェルマンが追ってきたのは、ガエリヤに「賢者の石の欠片が戻る」と予言されたせいですが、どうやら嘘、少なくともミスリードな予言であったようですね。そのような物言いをガエリヤがするのは、やはりジェルマンが冥黒王ズからは浮いた存在だったからなのか。ジェルマン、アトロポスの忠誠を信用しない程度の用心はしているようですが、やはり自信過剰ゆえの慢心は致命的だったか。

 ジェルマン、余裕を見せて3ライダーに襲い掛かるも、次第に劣勢に。だんだん焦りを見せる様子がいかにもな感じですね。それにしても、肉弾戦攻防の動き、カメラ移動、爆発・爆炎の使い方などなど、やっぱり坂本浩一監督の作るアクションは好みだなあと思う次第。前話よりも坂本浩一監督的な色が強いような印象です。

 ニジゴン、バトルを見て自分にできることを明確に自覚しまして「応援」ですか。ただし、それで放ったのがガッチャーブラザーズの参戦ですから「サポート」ということになるかな。止めは3ライダーキックで好みの爆炎を背にしての決めはやっぱり好きだなあ。この絵がありさえすれば満足しちゃうんですから、自分もたいがい単純です(^^;。

 しかしジェルマンは大ダメージながらも健在でして、近づいたアトロポスを取り込んでの復活を図る。が、アトロポスは秘めた策があり、黄金のルービックキューブですね。ときどき脈動していたのはグリオンゆえだった模様。つまりジェルマンに食われても存在はしていたと。そのキューブをジェルマンに押し込めば、グリオンがジェルマンを食らい返して復活する仕掛け。アトロポスはこの機会を狙っていたわけか。

 復活したグリオンは去り、アトロポスはいったんちらっとりんねを振り返り、グリオンに付き従う。りんねとの約束は反故にしそうですが、どうなりますやら。ジェルマンの持つ賢者の石(約1/3分?)をグリオンが奪ったことになり、ギギストの目論見が水泡に帰しただけでなく、敵側のパワーバランスが崩れそうですね。

 次回「レッツ捜索!102体目と兄の想い」では、タイトル通りに102体めのケミーが問題になるらしい。もっとも、「まだケミーはいるのか否か」ということのようです。この終盤でケミー数の上限があやふやになると、風呂敷畳むのが難しくなりそうですが、果たして。

●爆上戦隊ブンブンジャー(第17話:ブンとビュン)

 冒頭、真面目な態度でブンブンに「ビュンディーと会わないのか」と問う調さんですが、すぐにデレて「可愛い」と。そういう態度激変は前からですが、もうブンブンに聞こえるように言ってますな。聞こえても反応らしい反応しないブンブンは慣れちゃったのか、それともビュンディーで悩むこと深いからなのか。まあ、2人が親密になってることは間違いなさそう。

 そこからのドラマ展開ですから、核となるのはタイトル通りにブンブンとビュンディーの関係性ですね。2人はBBGのライバルではあるが、同じチームだったわけか。戦績は圧倒的にビュンディー優位ながら、たった一度だけブンブンが勝ち、チーム名が「ブンブンジャー」になったと。

 しかしブンブンはその勝利に驕らず(単なる偶然と思っている模様)、負け続けたまま行方不明になったことを恥じ、ビュンディーと再会するのを躊躇っていると。一方、ビュンディーは純粋に心配してブンブンを捜しに来たらしい。自分を倒すポテンシャルを持つブンブンへの尊敬もあるんでしょうな。

 一方、ハシリヤン側では内部不和は顕在化しつつありますね。改造隊長キャノンボーグがヤルカーを勝手に改造、知らされていなかったデコトラーデらは不満らしい。イターシャはジムのトレーニング機器を苦魔獣ジムグルマーにするも、どうもモチベーション低下が露わです。

 それにしても何の改造だろうと思ったら、ハイウェイ空間のカーチェイスなしで苦魔獣を巨大化させられるわけでしたか。ただしヤルカーへの負担は大きいらしい。これもデコトラーデらの不満を高めそう。

 この改造、制作の都合もありそうですね。焔先斗/ブンバイオレットとブンディー参戦ですから、ドラマパートの尺がいる。そこでもうパターン化しつつあるハイウェイ空間でのカーチェイスからの巨大化シーンを削って、ドラマパートに充てる。そういう狙いもあるんじゃないかと思います。

 それはともかく、巨大バトルまで発展してもまだ出張るのを渋っていたブンブンですが、敵の奥の手でブンディーらがピンチに陥るのを見て、ついに立ち上がる。と言っても、タイヤ交換でしたか。そういや、序盤でブンブンから大也から貰った役割がメカニックなんでした。こうなりますと、勝ち負けを競い合うライバルから力を合わせる関係に変わりますな。

 事実上、ブンブンとブンディーの間の溝が埋まったと見てよさそう。ブンブンが抱えていた問題は「走れなくなった自分(ブンブン)でブンディーを失望させたくない」だったんでしょう。しかし、失望されてもいいから友を助けたいと飛び出したことで、ブンディーがそんなことで失望しないと分かったのは幸いでした。

 しかし、ブンディーの相棒たる焔先斗の抱える問題は闇が深そう。今話では大也に「こんな星(地球)なんかハシリヤンにくれてやれ」と言い放ってますな。「俺(焔先斗)はこの星を捨てたんだ」とも。冗談では言ってなさそうです。「何の得がある?」と問われた大也の「やりたいからやっている」に、「そういうの大っ嫌いだ」と返す先斗の表情はいつになく真面目です。

 それでも先斗、苦魔獣ジムグルマーに苦戦するブンブンジャーを救う形で参戦はしてくれる。戦い終わると、地球を去ろうとする。少なくともブンブンジャーの邪魔はしないってことですな。が、キャノンボーグが引き留める。一方、射士郎が先斗の行方不明だった10年間の情報を掴んだらしい。そこが次話「始末屋は気に食わない」のポイントとなるようですね。

Re: 6月のスレッド(2024) - K.K

2024/06/25 (Tue) 23:50:42

 定期感想その2です。

●仮面ライダー響鬼(第39話:始まる君、第40話:迫るオロチ)

 何か加速度的にキャラクターの動きとドラマが激しくなっている感じがします。以前ですと(第29話まで)、何かのきっかけで誰かが動き出し、一周して元に戻って止まるような運びだったと思います(それが基本的に2話1エピソード内に納まる)。

 いわば遊園地のジェットコースターでしょうか。途中では激しく揺さぶるほどながらも、必ず元の場所に戻って止まる。それが第30話以降、特に今週分辺りから「この人、どこまで行くつもりなのか?」と思うことがしばしばです。

 それが前半では、まずトドロキですね。行動・言動がコミカル傾向なだけに最も目立ってます。まず、お汁粉やけ食いですな。それで酔っぱらってしまう。
(演出としては酒のように酔ってますが、リアルでも類似のことが起きるそうで。団子食い放題パーティした人の証言では、頭がぼーっとしたり興奮したりしたとのこと。急激かつ極度の高血糖の危険な症状らしい。)

 その酔いがさめまして、心配したおやっさんが「獅子は我が子を千尋の谷に」のことわざで諭すと、もう案の定と言っていいトドロキの勘違いが起こりまして、「自分(トドロキ)が獅子!」と勇みたち、ヨブコとのリターンマッチに飛び出してしまう。

 しかし無策ですから音撃が通用せずに再びの惨敗。あ~あ言わんこっちゃないと思ったんですが、そこからが意外な展開。「殴る価値もない」と言ってしまったザンキが心配して追って来たのを見たトドロキ、「来ないでください!」と叫び、さらに「そんなに柔じゃないっす」と。

 そして「ザンキさん、これまで本当にありがとうございました」と感謝と決別の辞。この覚悟はどのタイミングでトドロキに発生したんだろう。無謀の惨敗ですからまだまだヘタレな感じはありますが、しかし泥臭くカッコいい。こんなに際立つキャラクターだったっけと、我が目をこすりたくなるほどでした。

 イブキも今話ではずいぶんと渋みが出てなかなかのものですな。ついこないだ、小暮耕之助の前でヘラヘラ笑って困惑させたのが噓みたい。ヨブコに苦戦する轟鬼に加勢しようと、威吹鬼に変身して立ち向かうも、やはり策は無くて惨敗。そこへ(実はずっとイブキを気にしていたらしい)あきらが現れる。

 イブキはあきらの師たりえるのか悩んでいたわけですが、今回はその器ではなかったとはっきりとあきらに認めてしまう。だから、あきらは鬼になるか否か、自分で決めろと。イブキはイブキで師たりえるか結論を出すとも伝える。両者とも吹っ切れた感じですね。もっとも次話のあきらは何やら迷走状態に陥った感じがありまして、今週分ではあきらが何を悟ったか謎が残る感じです。

 そして明日夢ですな。みどりと共にヨブコに捕らわれてしまったわけですが、意外に簡単に打開。繊維状のものでぐるぐる巻きにして吊るすという脱出が難しそうなものですが、繊維一本一本は頑丈ではなかったらしい。それでも自分を覆う糸から単独で逃れるのは無理そう。

 しかし外からなら人の力でちぎれる。明日夢とみどりが隣り合わせで捕らえられたため、明日夢がみどりの捕縛糸を食いちぎり、抜け出たみどりが明日夢の糸を引きちぎる。なんだか「どうぞ脱出してください」と言わんばかりで、ヨブコがいかにも間抜けな感じがします。が、爬虫類ベースらしいヨブコには「助け合う」という概念がないんでしょうな。もしそうなら明日夢らの脱出方法は、ヨブコには想像もつかないでしょう。

 ともかくもヨブコの巣/洞窟から明日夢らは逃れ出まして、しかし安全圏はまだまだ遠い。急ぐ逃避行でも途中休憩ありでして、会話もしたりする。それで自主合宿について来た京介の「ヒビキさんの弟子になる」の話から、ヒビキの回想へ。

 みどりが絡まれてるときにヒビキが助けに入ったわけですな。前にザンキがやったような凄みで追い払うのではなく、好きなだけ殴らせたわけですか。どんなに殴っても殴り返さず、突っ立ってるんで相手も不気味になって逃げだしたと。それより前にはいじめを見ても手を出しかねていたヒビキから激変なわけですな。いわゆる「三日会わざれば刮目」ってやつでしょうか。その大成長も最初の一歩は「少しの勇気」であると。

 これが明日夢に響いたようではありますが、今話で直接的に表れたのは前話でのヒビキのアドバイス「自然の響き」のほうですね。追って来たスーパー童子&姫でピンチになるも、ようやくヒビキ登場。しかし、童子らは音撃戦士の天敵となっているヨブコを呼び寄せる。

 威吹鬼や轟鬼は音に頼らない格闘戦ではあっさり破れましたが、響鬼は炎も太鼓のばちもあるだけに、ある程度は戦えるみたいですね。しかし依然として劣勢であり、勝機もない。ここで明日夢が瞑目、耳を澄ませてみるわけですね。音の変化に気が付いて目を開くとヨブコの足元の水面に波紋が出たり消えたり。

 それがヨブコが音撃を打ち消す波動だったらしい。その波動が消える瞬間を見切った明日夢が響鬼に合図を出し、今度こそ会心の一撃。それが運よく、ヨブコに施された「隔壁音波発生装置」を破壊しまして、無敵を誇ったヨブコも普通の魔化魍に戻り、アームド響鬼に倒されると。

 先の追加感想で、シュキが時代遅れみたいなこと申してしまいましたが、間違いでした。もちろん、ある程度までヨブコの無敵を解明したのはハイテクのみどりではあるんですが、その結果を使って勝機を見出したのは明日夢の経験と聴覚。まだ鬼ではありませんが、術と申してよいかと。響鬼世界でも科学技術を導入して底上げはできるが、それを活かして勝ちを掴むのは人の力であるようです。

 勝ちはしましたがヒビキはダメージが癒え切らずに戦い、さすがにつらい様子がありますね。それだけに明日夢のサポートに感じるものがあったんでしょう。別れ際に「ありがとな、明日夢」と初めて名前で呼びかけてました。明日夢もはっとして、すぐに嬉しさがこみ上げたらしい。

 自分は前に「目の前の人に『少年』と呼びかけるのはなじめない」旨申したことがありますが、こういう演出の伏線だとすると納得。もっとも、「少年」が「明日夢」に変わった理由はまだ明確ではありません。地力としての実力を認めたのか、それとも功績をたたえる意味なのか。後半(第40話)では、また「少年」に戻ったりしまして、ヒビキが明日夢をどう呼ぶかは、ちょっとしたポイントになりそうです。

 そしてその後半(第40話)。今話入れて残り話数1桁となりました。OP映像でちょっと驚きまして、あきらが変身道具らしきものをかざして走るカットが入ってます。期待通り、今話ラストであきらが変身を決意。これは来週分ではあきら変身体が見られると思ったんですが、予習してみるとはっきりは映らず、しばらくはどんなライダーか謎になってたみたいですね(その後、公式から弾鬼に似た姿が公開されたとの由)。

 そんなカットがOPに入るくらいですから、ドラマの核となるのはあきらだったようです。ただし、受動的な面が大きい。が、受動的ながら予想外の行動に出る。その行動の原因を作るのが、明日夢ですね。京介は一貫してヒビキへの弟子入り狙い。それがだんだん激しくなってくる。

 明日夢は前話でヒビキから「明日夢」と呼んでもらえたことで自信がついてますが、京介が土下座までして弟子入り志願するのを見ると心穏やかではない。京介をまいたヒビキを追い、「もし僕(明日夢)が弟子入りしたいと言ったら」と問い、不安を払拭しようとする。が、ヒビキは「どうしたんだ、少年まで」と。また呼び方が「少年」に戻っちゃったわけですな。

 明日夢は動揺しますが、どうやらヒビキ自身に問題あっての呼称の揺らぎらしい。甘味処たちばなでイブキらと弟子の話をするヒビキですが、どうして弟子を取らないかと尋ねられるとたじろぐ様子あり。イブキはさすが宗家と言うべきか、ズバッと「どこかで逃げてるんじゃないですか?」~「怖いんじゃないですか?」と詰めてくる。なんだかヒビキ、たじたじですな。

 そこを明日夢が知れば少しは状況が落ち着いたはずですが、しかし京介が動き回りまして。まるで数撃ちゃ当たるとばかり、ヒビキの次はイブキに弟子入り志願。これをすげなく断られると、直ちにトドロキに願い出ると。京介、前話で甘味処たちばなの隠し通路に入り込んで「暗いよ怖いよ」、さらに音叉勝手に使って変身失敗でひっくり返ったのに懲りてませんな。いや、それほどヘタレなのに鬼を諦めない執念を褒めるべきか。余程に父親を乗り越えたいということでしょうか。ただしインスタントに、ですけど(^^;。

 弟子入り志願にいったんは舞い上がったトドロキですが、ザンキに睨まれて我に返り、またも京介は断られる。それでも諦めず、こともあろうにあきらに弟子入り志願するわけですね。一応、弟子として教わったことを教えて欲しいという、学校であれば生徒同士で勉強教え合うみたいな申し出ではありますな。

 これはさすがに無理が、と思ったんですが、あきらが受けたのには驚きました。さらに、横で聞いていて焦ったらしい明日夢も願い出て、あきらは認めてしまう。何のカオスだよと思いましたが、敵出現であきらはそちらへ。

 今回の敵は神出鬼没の森(コダマの森)に巣食う森のコダマ。森の中では極めて強力らしく、またも無敵レベルの敵出現ですな。スーパー童子&姫の仕業かと思ったら、洋館の男女がむしろ危惧。敵にも制御不能のものらしく、しかも森は前兆でその先に「オロチ」があるらしい。猛士側でも伝承で知ってはいる模様。予習してみると、そのオロチが終盤最大の災厄となるようですね。

 それほどですから、おやっさんは森に入ることすら危険と警告しようとしますが、それより先にヒビキらが森に突入。しかし森のコダマに追い込まれ、威吹鬼のピンチを見たあきらが音笛をかざして突っ込んで続く。この時点では、あきらは自らの意思で鬼を選んだようですが、果たしてどうなのか(予習では鬼を諦めるはずだし)。

●シンカリオン チェンジ ザ ワールド(第12話:再会)

 今話はあちこちで「あとちょっとで届かない」感じですね。これはもう伏線と考えるしかないですし、今話後半では既に打開の糸口が見え始めているようです。が、最大の問題である「2年前に行方不明となったイナ」だけは先が見えず。

 本編はまずシンカリオンチームの不和から。タイセイの適性値が下がって運転不能のためか、テンとシオンが助っ人として来てくれてますね。戦闘能力でいえば、タイセイを欠いてもこの2人により強化されたといってよいでしょう。

 実際、冒頭から現れた敵アンノウンは、止めはシオンの合気技からのプロレス技で順当に倒される。問題はタイセイとの関係ですな。テンやシオンにわだかまりはありませんが、依然としてマイの容態が伝わらない状況にリョータもアカネもカリカリしている感じ。

 2人ともタイセイに辛辣な態度でして、アカネなどは出撃前に「適性値は充分」みたいな皮肉まで言う始末。ですが、この後を観てみますと、アカネもリョータもタイセイが何か言い返してくれれば、そこを突破口に突っ込んで話がしたかったようです。しかし、タイセイが言い返さず、逆に「僕なんていないほうが」と言い捨てて逃げちゃったんで、事態は膠着状態に。

 それにしても今話ではアンノウン4体が出現でして、だんだん厄介なことになってますな。しかし出現場所が「タイセイとイナの思い出の場所」という「鉄道関係の場所」より絞り込める条件を前提とすれば、ある程度の予測はできそうなもの。

 もしタイセイが逃げ出さなければ、イナとのどういう思いでの場所にどういうアンノウンが、それも以前からの出現順序とイナとの思い出の時系列とか比べて検討みたいなことができたかもしれません。仲間との和解も早まったはず。

 そこはもったいなかったと思うんですが、逃げ出したからこそイナと会うことができたのも事実です。結果的にはイナと会えたことがより重要だったかも。惑うタイセイが腹を括る下地になったわけですんで。

 リョータらのほうも自然と転機が来まして、マイの退院ですね。腕を骨折したようですが、元気であるらしい。早々にリョータのもとに駆け付けまして、まずはお説教と。ギプスによるラリアットまでかましてますから、腕もまあまあ大丈夫なんだろう。自分(リョータ)が救ってもらったように、リョータも救ってやれと言われては、さすがに悟るものがあるんだろう。

(偽装護身具としてギプスに見える棍棒(?)があるらしい。確かターミネーター2でも使われてましたが、マイのはさすがにそれではないでしょうな。)

 アカネのほうも兄アサヒが諭しまして、アカネは以前に自分が兄のことで悩んでいたことを、姉のことで悩むタイセイと重ねて共感した気持ちなどを思い出したようですね。酷いこと言っちゃった、とようやくこのとき言えまして、冒頭で突っかかる態度に隠された内心が見て取れるよう。それで兄アサヒの「隣で一緒に走ってやれ」が刺さる。

 味方陣営は着々と修復されつつありますが、逃げてしまったタイセイにはまだ伝わらない。タイセイが逃げたのは正解だと上述しましたが、「あとちょっとで伝わらない」以外にERDA上層部の不信を招いたのも危険ですな。秘密を漏らすようなら処分すると匂わせ、カドミチらを困惑させる。
(それにしても、中学の部活を窓口にしておいて、秘密保持にはそんなに厳しいとかなんだかなあ。既にアンノウンは街に出現して目撃者多数のはずなのに。)

 この上層部の物言いがイナの言を補強してしまう格好ですね(観ているこちらにしか分からないことですが)。タイセイは前にも出て来たメタバースの駅に逃避、そこの列車の食堂車でイナと遭遇(ハッキングされた?)。イナの言い分は、ERDAこそ悪の組織であり、運転士をメタバース動物園の動物同様、使い捨てるんだと言い、タイセイに離反を促すわけですな。

 しかしイナの態度は不審な点がいろいろ。再会した最初の時点で既におかしい。タイセイが「2年間も」と詰め寄るのは自然です。イナのほうはそうではない。2年間などあって無きが如しで、まるで夕べは一緒に夕食食べて、朝に「おはよう」と言うみたいな感じ。

 あるいは仕事で会ってるような態度ですね。実際、タイセイが問い詰めようとすると、「じゃあ見せてあげる」とメタバース動物園に案内する。自分(イナ)のやりたいことしか考えてない態度、行動です。そこで言い出したのが「ERDAにいては平和は、未来は護れない」という、具体性を欠いた、なんだかふわっとしたもの。

 もっとも「運転士を消耗品としてしか見ていない」云々は、上述の通り、タイセイの知らない所で上層部が匂わせた態度と通じるものがありまして、まるっきり事実無根ではないんでしょう。

 タイセイが迷ってぐらつきますと、イナの表情がはっきり変わりましたな。典型的な「悪役が『しめしめ、うまく行った』と思ったときの顔つき」です。これをタイセイは見ていませんが、観ているこちらにははっきり見せてくれてるのは「このイナはおかしいよ」と伝える演出なんでしょう。

 そしてタイセイにもはっきり分かるおかしな点はイナの言い草「ERDAをぶっ壊そう」であるわけですね。「カッコいい人になれ、カッコいいとは守ることだ」と言っていたイナが言うはずのない台詞というわけですね。これでタイセイははっきり「ERDAをぶっ壊そうとするイナ」とは対立することを決意。そんなの姉のイナではないというわけですな。

 イナはさらなる説得はせず、「残念ねぇ、アンタなら解ってくれると思ったのに」とあっさり。ここで自分はイナが「フフフ、君のような勘のいいガキは嫌いだよ」みたいなこと言って正体現すかと思ったんですが、そこまではなし。

 このイナの正体はいろいろ考えられそうですね。

 ①偽物が化けてる(なにせアバターだし、シオンの前例あるし)
 ②敵の支配・洗脳を受けている
 ③正気のイナだがタイセイに話したのは偽装で、真の狙いは別

 ともかくもタイセイを諦めたイナはERDAに宣戦布告。2クールめ突入となる次回「カッコイイ人」では早くも全面決戦状態になるのかな。

Re: 6月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/06/27 (Thu) 12:01:36

 今回は長くなりそうなので、2つに分けます。

 電王については、12話だと、モモ、ウラ、キンまで出てきて、次は4体めの仲間イマジンのリュウタロスが出てくるところですな。
 リュウタはダンサー設定でもあり、役者の佐藤健の抜群の身体能力を見せつけられた回。モモ憑依のヤンキー暴れっぷりと、ウラ憑依のクールなホスト風味、キン憑依の和風武人の佇まいなど、(声優さんのセリフや、衣装演出に助けられている面があるにせよ)表情とか体の動きはごまかせないので、新人俳優にして実に演技達者。
 しかし、素の良太郎がヘッピリ腰で、アクティブじゃないキャラだったため、あまり動ける俳優には思われていなかったのが、実はアクション俳優としても稀に見る逸材だったことを示した、と。

 で、電王の功績の一つは、役者・佐藤健を世に示したことですが、もう一つは響鬼の桐矢こと中村優一の株をグッと高めたことですな。
 2号ライダー・ゼロノスとして、主人公の良太郎を上から目線で木バカにする桐矢2世的な面を持つ桜井侑斗が2クール18話から登場し、最初は桐矢またかよ、と思っていた視聴者も、彼のお付きのイマジン・デネブとのコンビっぷりと、侑斗自身の持つ悲劇的な運命ドラマに「きれいになった桐矢」という評価を勝ち得て、逆に桐矢が「プロトタイプ侑斗」という逆評価で後から持ち上げられるに至った。

 この響鬼と電王の接点を、このタイミングで語れるとは思いませんでした(笑)。
 あとは、響鬼って、和の雰囲気だから、牙狼との接点で語られる機会もあって、斬鬼さんとか、平成ライダー→牙狼という流れがあったり、業界の人の流れというものを感じたなあ、と。
 それまでは、特撮→時代劇という流れがあったのが、21世紀に入って時代劇が下火になったために、その穴を埋めるべく、大人向き特撮への模索が行われたり、いろいろな歴史を感じてました。
 あと、特撮は変身後のアフレコがあるので、そこからコネができたりして、特撮俳優→声優とか、逆に声優さんが特撮ファンであることをアピールして、役者としてもゲスト出演させてもらうと双方の話題になるから、交流が広がるのが面白い時期でした。

 もちろん、俳優知識とか声優知識とか、インターネットがなければ、そこまで情報が広く浸透しなかったと思うので、情報社会ならではの発信と受信のあり方が背景にあればこそでしたな。

 さておき。

★ガッチャード

 賞味期限が短いだろうなあ、と思っていたら、まさか登場2話めでゲスト怪人みたいにあっさり退場するとは思わなかったジェルマンさん。

 で、代わりに復活したグリオン様がラスボス候補に急浮上。

 前回、グリオン様を持ち上げた甲斐があったというか、てっきりアトロポスがグリオンの力を吸収してパワーアップと考えていたわけですが、本人が復活するとは思いがけず。

 これでグリオンとアトロポスの父娘関係が、風雅とりんねの関係に対比で描かれる終盤のドラマの土台ができた……かな。

 一方で、明確に予想を外したのは、スパナとラケシスのタッグでクロトーを撃退するNOVA願望ですが、さにあらず。
 まさか、ギギストさんが干渉してくるとは思わなかった。で、クロトーはギギストさんが連れていく形に。

 ええと、これで三姉妹の属する陣営がバラバラになったってことでいいのかな。

 グリオンは、冥黒王とは対立陣営になると思うので、三姉妹を基軸に三つ巴になったと見なすことも可能か、と。

 で、スパナは変身が解除された後の方が、生身で奮闘していましたな。坂本監督は生身スパナのアグレッシブさを見せたかったのか。
 Wヴァルバラドのタッグは、後の楽しみにとっておくとして、何よりも今回は、スパナの闇堕ちへの誘惑を心配そうに袖をつかむラケシスさんの演技ですな。
 闇堕ちした姉に怯え、そんな姉から体を張って自分を守ってくれたスパナ(人形じゃなければ惚れていても不思議じゃないシチュエーション)で、だけどスパナも闇堕ちの誘惑にさらされているとなれば、ラケシスさんの人間じみたイジらしさが芽生え始めて、そう、人でない者が見せる人間性というか、人間以上のハートというか、そういうのは自分のツボです。

 機械とか人形とか、人でないのに人に接して、情を知るとか、そういう姿を演じることで、人の本質について問題提起してくれるドラマとか、本作がそういう段階に達したことに感じ入ったりも。

 主人公は能天気なケミーは友だち理論で、深く考えずに楽観的に振る舞っていますが(年少の視聴者やファミリー層にアピールするには陽性要素も必要)、一方でドラマの本質はサブライダーの方にある、と。
 だから、TV放送終了後のVシネは、サブライダー主役の作品が多い。

 これは、番組終了後に、「仮面ライダーヴァルバラド」が作られて、スパナとラケシスの関係性が深堀りされる可能性もあるかな。
 まあ、TVでラケシスが退場しなければですけど。

 ともあれ、最終クールに突入して、毎回がサプライズを見せてくれる時期ですが、相変わらずの日常コメディの象徴の加治木を見て、クスッと思えたりもする今日この頃。

 何だかんだ言って、彼の人生が本作で一番、悩みもなく、趣味に励んで、充実してそうに思えます。
 これで実は物凄く意外な秘密を抱えているってことはないでしょうね。

 実は加治木こそが錬金術界最大の特異点だったとか、そんな秘密がラスト3話ぐらいに明かされて、「加治木を守らないと世界が崩壊する」とか超展開を見せると、爆笑します。
 逆に、加治木こそが最終決戦の勝利のカギだ、とか、次回作にも加治木が続投するとか、ネタ映像として「仮面ライダーカジキ」が作られて夢オチとか、もう加治木だったら何をしても面白いってレベルに達していると思います。

★ブンブンジャー

 紫盛り上げタイムは、2週で終わらず。
 今回は、相方のビュンディーにスポットを当てて、ブンドリオとの関係性がドラマの格ですな。

 いろいろと盛り上がるタネを仕込みつつ、個人ではなく、キャラ同士の関係性こそがドラマを回すという基本に忠実なエピソード。
 ビュンディー自身は暗くもならず、すっきり後味よくまとめた感じで、先斗の方に上手くトスを上げた流れで、次回、サブタイトルからバイオレットの正式加入回に思えますな。

 先斗の戦う動機が、大也の動機と上手く絡むことで、ブンブンジャーの一員に正式認定され、その後は、ソリの合わない他のメンバー(とりわけ青、黒、オレンジの男性陣)との交流回で、7月いっぱいは話が回せそう。
 その間に劇場版が公開されて、8月には改造博士との決戦に至るかな。

 序盤のスピーディーな展開から、一人一人のキャラをじっくり掘り下げる展開になって来たな、と。

 あと、小道具の見せ方として、既存メンバーはハンドルとか装備がアナログ風なのに対し、バイオレットはゲームのコントローラーで戦うなど、デジタル志向なんですね。

 それと、ロボとしては、ビュンディーはブンドリオの巨大な武装パーツになるらしくて、まあ彼らの友情と、大也と先斗の絆でロボ合体って流れになり、
 対比と結合の象徴として、いい演出になりそう。

 合体ロボの原則として、気持ちがバラバラだと上手く合体できず、気持ちが一致すると合体に成功して活躍できるのは、お約束なので、それはまあ、次のシンカリオンにも言えることですが、今回はこれにて。
 



Re: 6月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/06/28 (Fri) 00:21:15

 続きです。
 たぶん、6月の最終書き込みになるか、と。

★響鬼

 あきらの変身で、次回に続く。
 これが本放送時は、非常に盛り上がって、次回を楽しみにする者が多かったと記憶します。

 まあ、変身はあっさり解除されて、しかも、当時は鬼としての正式名称も付けられずに、「あきら変身態」と呼ばれるのみ。
 後から正式に「天鬼(アマキ)」と命名されて、ディケイドに登場、と。

 ともあれ、平成1期は女性ライダーが非常に珍しく、TVで自分の意思で初変身したのが天鬼ですね。
 女怪人はいても、女ライダーとして安定して変身するのは、ウィザードのメイジ(真由ちゃん)まで遠い道。
 令和になると、ゼロワンのバルキリー以降、女ライダーが安定して、毎年出るようになり、オロナミンCのCMにも3人中1人が女性という風に定着しましたが。

 朱鬼から天鬼というのが、女性ライダーの革命劇になった、と。

★シンカリオン

 マイがリョータを諌めるのは予想どおりでしたが、アカネの反省の契機は、先生ではなくて兄さんの方だったとは、想定外でした。まあ、答えを知ると、意外な人選でもなくて納得と。

 リョータに対しては、「運転士の資格は誰かを守ること。それを果たせないタイセイは……」と言ったところで、マイが「だったら、あんたがタイセイ君を守ってやりなさいよ。タイセイ君に守ってもらったこともあるんでしょ? 困っている友だちをを守れないあんたが運転士だって威張れるわけ?」
 ということで、リョータのキーワードは、「守ること」ですな。

 一方で、アカネはタイセイに辛辣に言い過ぎたことを後から反省。友だちに酷いことを言ったと、兄に電話で相談。
 アカネにとっては、タイセイから「信頼されていなかった」ことを意外と気にしていたことが分かります。「信頼」がキーワードだとは思わなかった。
 「期待されること」は望んでいなかったのに、「信頼されること」は望んでいたんですな。
 そして、兄と話しながら、兄と腹を割って本音を打ち明けられるようになったのが、タイセイのおかげだと思い出します。いや、そんな大事なことを忘れるなよ、と言いたくなりますが、きっかけがないと思いつかないこともあって、しかも、「タイセイの姉が行方不明で、腹を割って話すこともできなかった」ことも今さら思い出します。

 そこで、「タイセイのおかげで、自分が兄と心から話せるようになったのと同じように、タイセイが姉と話せるようにサポートする」のが自分の仕事だと気付きます。
 そして、兄さんからのアドバイスは、「隣でいっしょに走るだけでいい」と。
 まあ、アカネの場合、普段は寡黙で距離を置くのに、一度、こうだと思い込むと、遠慮なくズバズバ言って、辛辣に言い過ぎるところがあるから、「お前は黙って寄り添うだけでいい」と言う意味かもしれないな。口は達者だけど、ブレーキが掛けられず、言わずもがなのところまで正論で言い過ぎてしまうのがアカネの悪い癖だと、見抜いているお兄さんというのは自分の考え過ぎかな。

 で、リョータとアカネがそれぞれの立場で、タイセイのことを反省するのに対し、
 タイセイは姉との再会を喜びつつ、その言動に違和感を覚えて、姉の誘いを拒みます。イナの怪しい気配にビーナも怯えを見せ始め、タイセイとビーナの心理的距離、不和な気持ちも、イナの異変という状況でドサクサ紛れに解消。

 姉の操るファントムシンカリオンと対決することを決意するタイセイで続く。

 次回が1クールのラストになると思いますので、2クール開始は14話からだと思います。
 ここまでは2話1エピソードで来ましたが、現エピソードは3話かけての、タイセイのお悩み解消クライマックスだと考えますね。
 果たして、姉のファントムとの最初の決着は、どういう流れで収まるのかに期待。

 そして、14話から仕切り直しの新展開を予想します。

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