創作と鑑賞の談話室
5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/01 (Thu) 00:03:19
5月の雑談スレッドです。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/04 (Sun) 13:26:53
先にガメラ感想だけ挙げておきます。
★ガメラ(5話。ジグラ編前編)
まず、今回の主役はジョーではなく、ジュンイチの掘り下げでした。
ジョーとボコのケンカは、以前にネフリ版のあらすじ紹介を読んだ記憶も混ざってましたが、実は次のギロン編の内容だった。
ということで、今回のジョーは船酔いでアクティブにはなれず、メインキャラはジュンイチ。
オタクキャラの孤立感とその解消がテーマっぽいですね。
あと、大人代表のタザキさんが何だかイラチなダメキャラになってしまって、ヒロイン格のエミコさんが頼り甲斐アップ。
そんな彼女も研究者肌の孤立した学生期を送って来たようで、ジュンイチの友人関係を気にかけるように振る舞う。
ブロディからすれば、ジョーはリーダーシップのライバルみたいな立ち位置ですが、今は弱っているので対立軸にはならない。
アメリカンドラマだと、彼のような体育会系ジョックスは、オタクキャラ(ナードとかギーク)をイジメる天敵になります。
なお、ナードとギークは、どちらもオタク系ですが、前者は文化系で、後者は理系の科学オタク。
例えば、スパイダーマンはギークで、アメコミヒーローではナード系のキャラはしばらくいなかったのですが(ナード=アニメやマンガオタクで、コミックファンには自虐ネタにもなる)、近年は世代交代で、コミック好きかつヒーロー好きのヒーローキッズが定着しております。
日本だと、グリッドマンの内海とかは典型的なナードですな。科学知識を持っているわけではないが、円谷ヒーロー(ウルトラマン関連)にやたらと詳しい。
ジュンイチの場合は、まだ小学生で、科学に詳しいほどの天才少年ではありませんが、ムーを中心とするオカルトマニアにして、ミリタリーオタクでもある。これがメカや古生物学などに進めば、ギークに発展するのでしょうが、今はまだ実用的な知識には至ってない。
ギークとナードの境界線は曖昧ですが、機械いじりや発明オタク、コンピューターのプログラムを組むのがギークで、本好き、空想物語に耽溺するのがナード。
で、ギークがナードをバカにする傾向もあったのですが(理系の実学をかじった人間にとって、フィクションは知的な読み物ではない的な)、現在はネット社会で、理系と文系の違いも昔ほど断絶があるわけでもなく、ネットでの情報収集技術がそれなりにあれば、知識面では対等になり得る。
もちろん、理系的な思考や実験、研究論文のまとめ方は研究経験が物を言いますし、
文系は文系で、分類と体系化、雑多な知識の関連づけが研究において求められます。
精密に、正確に、が理系の方向性で、大雑把に傾向をつかみながら、概要を把握して広く見るのが、(優秀な)文系の資質でしょうか。
いずれにせよ、文系に求められるのは、細部に粗があっても、大筋は間違えていないと言える程度の判断力で、そこがデタラメになってしまうと、ダメなのですが。
と、研究云々の資質はともかく、ジュンイチの問題点は、まだ事実と創作の区別が付いていない点ですが、怪獣災害という常識を覆す事件が起こっている作品世界では、日常生活では眉唾のオカルトやミリタリーの視点が実用的な武器になる。
で、ブロディですが、ミリタリー方面では話ができても、オカルト方面ではドン引きになるんですね。
だから、ジョーやボコに、ジュンイチの変さを指摘して、陰口を叩く。好き嫌いというより、付き合い方が分からない。まあ、アメリカンカーストだと、イジメの対象ですが、今のブロディはチームの不和を煽るつもりはない。
一方、ジュンイチはそのブロディの反応を耳聡く聞きとって、ジョーやボコが自分をどう思っているのか、本当に友人だと思われているのかを急に気にし始める。
思春期の自我と、他人の境界線を初めて意識したことになるのかな。
シンカリオンよりも、リアルに、かつ繊細にドラマ作りしているような感じですな。
でも、ジュンイチの非日常への順応能力は高いので、むしろ、それに対応できないでいるのがジョーとタザキさんという構図になる。
だから、ジグラが襲って来ると、人間関係の悩みの優先順位が下がり、元気になったジュンイチが一皮剥けたような描写。
で、今回は前編でガメラが出現して、ジグラと水中戦を展開して、ドラマとバトルのバランスが良い回。
さらに、メカ好きの自分にとっては、船、そして潜水艇への乗り換えで、ワクワクできる描写も見せてくれた。
ここまでのガメラで、一番好きな回と言えます。
次回はジュンイチの友人関係の結論になって、その次のギロン編でジョーにスポットが当たって、主人公のボコはその後になるのかな。
彼には、ガメラとの交信という役割が与えられているのですが、ここまでの描写では一番、扱いが地味で、主人公としての華がない。
ボコってどんなキャラ? という特徴が明確に見出せない。
ただ、目立った能力はなくても、勇気と決断力は備わっていて、行動力や直観的な資質は描写されている。
この辺は、兄貴分のジョーとの関係性で、ボコの人となりが見えて来ると思いますので、7話待ちになるかな、と。
今回はここまで。
他の3作は、いつものようにK.Kさんの感想を受けてから。