創作と鑑賞の談話室

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5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/01 (Fri) 00:01:09

 5月の雑談スレッドです。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/01 (Fri) 09:51:55

 早速ですが、5月初書き込み。

★リライズ

 今回はエルドラの設定語りと、戦いの準備と心境整理のために一時ログアウトしたヒロトたちの心情描写が中心で、バトルなしの回でした。
 いわゆる仕込み回ってところですね。

 聖獣クアドルンが語ったのは、シドー・マサキを召喚したのが自分であり、そのためにかえって敵アルスの戦力を増やす結果になってしまったことと、マサキが敵に洗脳されてしまったこと。

 そして何よりも、敵アルスが元は「古き民が惑星エルドラを侵略異星人の手から守り、エルドラを保全するために作成した戦闘用の人工知能」であり、元々は共に戦っていたのが、長年の眠りに就いていたこと。
 そして、その間に、「古き民の一部は宇宙に新天地を求めてエルドラを去り、別の一部はエルドラに残って、知性化した獣人種族である新しき民を生み出して、エルドラを委ねた」という歴史経緯。
 さらに、「自らを電子生命体と化した古き民の一人が地球に到達し、GBNの背景にも関わっていること」などが語られて、SFファンタジー設定としては、実にお腹いっぱいな情報回でした。

 神扱いされているヒトが星から姿を消し、知性化された獣人種族(メインは犬)が主人公という冒険ファンタジーTRPGとして、最近『パグマイア』という作品をブログ上で触れていたりするのですが、ところどころ設定が絡んでいて、タイムリーに面白いなと思っています。

 そして、クアドルンとしては、マサキ召喚とその失敗の経緯があるので、これ以上、ガンプラの民(地球人)の関与を避けたい(エルドラと召喚された地球人のどちらのためにもならない)と主張したのですが、
 エルドラにすでに感情移入しまくっているヒロトたちは、それぞれの決意を宣言して、クアドルンを説得します。

 最大の説得要因は、「エルドラの民であるフレディが救いを求めて、ヒロトたちを召喚したのだから、エルドラの民の問題をエルドラの民が解決しようとしていることに変わりない(半分詭弁だと思いますが)」であり、フレディがまた召喚者として、以前のクアドルンと同じエルドラを憂う心魂を持つことが伝わったのではないか、と考えます。
 さらに、クアドルンが自分一人の責任として、アルスを倒そうとしているのを察して、「一人ではいくら強くても、できることに限界はある。チームとして連携することの大切さを自分たちは学んだ。だから、クアドルンにも協力して欲しい」というヒロトたちの説得(直接的にはメイですが)が通じたこともあるのでしょうね。

 ともあれ、アルスが古き民の帰還を待ち望みながら、古き民の生み出した獣人をそうと知らず、侵略者と誤解して滅ぼしに掛かっている現状が、もしかすると、話し合いによる解決の糸口になるかも、という可能性も出てきました。
 また、古き民が電子生命体としてGBNに関わっている、ということは、サラやイブやメイたちエルダイバーが、実はエルドラの古き民の末裔なのではないか、という仮説も考えられそうです。

 メイが古き民の末裔であるならば、アルス説得において、決定的な材料になるのでは、と推測。

 その後のログアウト後の個々のドラマも、各キャラの背景を匂わせる描写で、興味深いものがありました。

 カザミは漁師だった父のたくましさと優しさの思い出を抱いて、自分の恐怖心を克服しております。どうも、この父親は海で行方不明になったのかな。確実にカザミのマッチョ志向のモデルケースになっていますね。

 パルは空が好きだったのが、パーソナルプレーンの事故で墜落して、後遺症の車椅子生活を余儀なくされているという背景が明かされ、それでも兄(前作のシャフリさん)から「GBN世界でなら、お前の好きな空にもう一度飛べる」ということを教えてもらい、事故のトラウマを克服する気持ちを明確に描かれたな、と。

 メイはマギーさんとの会話で、冷静に状況分析。
 エルドラにログインできるのは4人だけなので、マギーさんたちは直接の応援ができないこと(まあ、そのルールが裏技で覆る奇跡が終盤、起こる可能性も想定してますが)。
 そして、メイが仲間に対して、信頼する気持ちを持っていることを、マギーさんが指摘します。この心が未熟で自己分析ができていないキャラを、信用できる先輩が「それこそ○○じゃないか」と諭すシーンは結構、好みですね。
 ○○には、愛とか、信頼とか、優しさとか、絆とか、いろいろ入る。
 自分では気付かなかった感情の発露を、他者から指摘されて初めて実感するというのは、コミュニケーションドラマの醍醐味かな、と。

 そしてヒロト。彼の場合は、あまりモデルケース的なキャラが存在せず、自分が何になりたい、どうしたいって感情が希薄だったのを、今回、創作家の父親が後押ししますね。
 曰く、「しょせんは作り物の世界だと分かっていても、それが誰かの幸せを生み出して、世界だって救えるかもしれない」「自分の中の最高傑作と信じた作品が、人気が出ずに落ち込んだこともあった。だけど、今回その作品をリメイクしたら、と勧めてくれた人がいて、かつての失敗に再挑戦の機会が与えられた」的な父親の述懐が、ヒロトの心に響いて、勇気づけてくれた、と。

 カザミにしても、ヒロトにしても、こういう父親とのコミュニケーションで上手く通じ合える話もまた好みですね。
 ライダーだと、どちらかと言えば、父親が敵に回るディスコミュニケーションが多く、ガンダムもまた然り。
 まあ、戦隊だと父親はいい人が多くて、この辺は対象年齢にもよるのかな。

 年少向けだと家族は仲良く、思春期向けだと親との対立からの葛藤と自立(稀に和解)が描かれやすいとか。

 そして、最後にヒナタですね。
 GBNから戻って来ないマサキの件を先輩から聞いて、ヒロトのことを心配するシーンが微かな不安を醸し出す、と。

 ともあれ、今回は設定確認で情報密度が非常に高かった回ですが、あと1週でしっかり新型でのバトルが見られることを期待して、その後は制作と配信が再開されることをじっくり待ち望みたいと思います。


★牙狼VR

 ここまで見て、感情移入できるキャラが一人もいないということが分かりました(だから、キャラ名もいちいちチェックして書かない、覚えない)。

 主人公も、モデルの子も、実は闇を抱えていたことが判明。
 モデルの子は、裏表が激しい「内面的に更生していない殺人少年だった」ことが判明し、
 主人公も(次回予告から察すると)「過剰な正義感で暴走してしまい、行き過ぎた暴力行為で人を傷つけてしまう」ことが匂わされています。

 唯一、陰我を全く生み出さないのが主人公の親友のゲーマー君。
 彼は怯えて、第3ステージに参加しないことを主人公に訴えますが、気弱なので結局、参加してしまうことに。

 今回で分かったことは、ゲーム参加者が基本的に陰我を溜め込みやすい気質の者が選抜されたこと。
 陰我を(たぶん格闘ゲームで発散させてしまう)非暴力的な臆病者のゲーマー君は、おそらく主人公の陰我を爆発させるための爆弾として参加させられているんだろうな、とか、
 このゲーム自体が、完全にホラーの陰我集めのための長期的計画の産物であり、ヒーローたる魔戒騎士が登場しない「狩るホラーと、狩られるゲーム参加者。そして、ゲーム参加者の中にホラーとして憑依覚醒してしまう者が出る可能性が濃厚な話」だな、と。

 もしかすると、主人公にヒーローの資質が? と感じたのが前回でしたが、今回の話を見て、どんでん返しもあり得るな、とか。

 次回のタイトルが「ゲームオーバー」で、主人公が消えるか、親友ゲーマーが消えるか、どっちにしても、過酷な回になりそうです。

 何はともあれ、ゲーム参加者にも、敗者は死、という情報が公表され、生き残るのが18人中8人(すでに2人死んだので半数脱落)という中での直接バトルロイヤルが第3ステージの課題。
 残り8人ということだと、その後でトーナメントに移る可能性も十分あり得るな、と思いつつ。

 なお、牙狼シリーズは、これまで「先に撮影を全部終えてから、放送を開始する」という制作体制だったので、コロナによる影響は心配していないのですが、
 ただ、今作も同じ制作体制という確証がないので(雨宮監督がタッチしていないので違う可能性も考えられる)、もしかすると中断する可能性も想定内。
 撮影は終了していても、編集作業ができない可能性もありますしね。


★ディケイド補足

 BLACK&RX編の次は、大ショッカーの暴れるアマゾン編ですね。
 この話は、オリジナルの南光太郎の登場する話に比べると、全くの興醒めです。アマゾンの役者もオリジナルとは程遠いですし、アクションもドラマも冴えないというか、印象が薄い。

 原作アマゾンの強烈なキャラが、非常に薄められて、味気のない淡白な話だったと記憶します。まあ、再試聴すると、違う感想が得られるかもしれませんが。

 ともあれ、シンケンジャーの時は「帰る場所への想い」がドラマの中心でしたが、南光太郎編は「仲間の大切さ」というテーマですね。
 付け加えると、アマゾン編では「友達から敵視されることの哀しさと、それでも信じたい想い」ということになりますか。ドラマとしては、オリジナルのアマゾンのリスペクトなんですが、異なるのは「原作では、異文化の野生児であるアマゾンが日本社会から疎外されがちな初期の話のテーマが、ディケイド版だと大ショッカーが悪いに帰結してしまって、アマゾンへの差別の意味合いが全然違うこと」です。

 悪の組織とは関係なく、ただ社会の異物として排斥されるドラマが、悪の組織の仕業となってしまえば、つまらないというか何というか。
 ただ、まあ、ディケイド自身が世界の破壊者呼ばわりされて排斥されがちな設定なので、通じてはいるんですけどね。
 要は、大ショッカーを倒せば万事解決めでたしめでたしでしょう、とつなげたいのかな、とも初視聴時は思いましたし。

 まあ、最終的にはそうならなかったので、アマゾン編に意味があったのか、という感想で終わっているのですが、再視聴で評価が覆るかなあ、と気にはしてみる。

 あ、南光太郎編は後半も傑作です。そちらは大いに楽しみ。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/02 (Sat) 09:56:27

 定期感想その1です。

●BDリライズ(第17話:聖獣クアドルン )

 こちらで放映中断・延期の話を聞きまして、かなり驚きました。TVアニメ・ドラマですと気にしてたんですが、ネットはなんとなく油断してました。再放送を主に観ているせいか、ネット放映は通常スケジュールだと思い込んでしまっていたようです。

 慌てて公式サイトの最新情報(News)を見に行き、「ああ、聞いた通りだ」と。Topページは定期的に見てたんですけど、できればこういう重要な変更はTopページに一言書いててほしかったかなあ。

 などと己が怠慢、油断の責任転嫁はいい加減にしておきまして(^^;。次話で中断となるわけですが、今話はNOVAさんのご感想にもある通り、仕込み回、自分的には情報整理回でした。整理というより補完かな。例えば、生物進化(かどうか疑わしいですが)レベルの長大な歴史含めて、状況が語られましたんで。

 今話で語られたエルドラの歴史を自分用メモで、ちょっと整理してみます。

・古代
 ・生物進化の頂点に立った古き民がいた。
 ・聖獣クアドルンもいて、古き民より先かどうか不明。
 ・古き民は外敵に悩まされるようになった(敵は何者だろう?)。
 ・古き民は撃退システムの衛星要塞と制御用(?)のアルスを開発。
 ・聖獣エルドランとアルスは共闘、外敵から防衛を図る。
 ・しかし、戦禍でエルドラは荒廃、古き民は宇宙に脱出。
 ・古き民の一部は、帰還に備えて自らを電子データ化、伝送を可能に(肉体は放棄した?)。
 ・戦争が終わり、遂行すべき任務が消失したアルスは停止、休眠状態に。

・中世(?)
 ・荒廃した自然環境が回復、古き民以外の生物も進化を続けた?
 ・進化の頂点に立つ新しき民(犬タイプの現エルドラ民)が出現
 ・新しき民は古き民により「知恵を与えられた」、すなわち古き民が人工的に生み出した可能性あり。
 ・古き民は帰還用に神殿をいくつか建造。
(「風の谷ナウシカ」の原作版を思わせる話ですね。ナウシカの世界では、人間(先住民)は汚染した環境を回復するまで眠りにつき、回復させる役として人間も蟲も作り替えられているとのこと。環境が回復すると、ナウシカらも蟲も全て死滅して、先住民が復活する段取りになっていたらしい)

・現代
 ・アルスが復活、新しき民を敵と認識、撃退行動を開始(終了条件:新しき民の全滅)。
 ・聖獣クアドルンは新しき民も保護対象と見做しており、アルスの行動をシステム不具合と判断、新しき民の防衛とアルス撃滅を狙っているらしい。
 ・クアドルンは古き民の行方を追ううち(アルス対策を尋ねたかったのか?)、GBNを発見(古き民が伝送された可能性あり)。
 ・古き民はGBNにも見つからなかったが、ダイバー(プレイヤー)を、おそらく古き民の類似としてガンプラの民と名付ける。
 ・クアドルンはGBNでガンプラを兵器として高評価し、ダイバー=戦士としてのシドー・マサキを発見、神殿を使ってエルドラへ招聘。
 ・しかし、アルス側が察知、ガンプラ技術を習得するとともに、マサキを捕え、手駒として使い始める。
 ・アルスを強化したことをクアドルンは悔いて(軍拡競争を招いたと思った?)、ガンプラの民をエルドラから撤退させようと思い始めた。
 ・フレディが(理由不明ながら)神殿とアクセス、GBNにたどり着き、見つけたヒロトらに助けを求め、第1期本編開始。
 ・アルス側は古き民由来の遺跡の攻撃は原則として避けるが、敵(新しき民)が集結していれば破壊をためらわない(遺跡を実用性のない文化財と見做しているのか?)。

 こんな感じかなあ。聖獣クアドルンがどういう出自で、どういう立ち位置の変遷だったのか、気になります。もっと気になるのは、回想シーンで出てきた古き民のうち、女性2名がどうもサラ、イヴに似ていることです(メイ似の古き民は自分では見つけられず)。顔の描写が逆光なのか、よく見えないのではあるんですけど。しかし、もし関係があるとしたら、前作品のBDリライズのときから、ELダイバーは古き民由来という可能性も出て来そうです。

 ともかくも、事情を知ってもヒロトらの意思は堅い。NPDではなく生身と再認識し、親交を深めたフレディら新しき民を守り抜くということですね。聖獣クアドルンも、目的を同じくすることもあってか、もはやヒロトらを退けようとはせず、なんとか共闘に持ち込めた模様ですな。

 後半は、まずBDチームの、まだ明かされていなかった過去ですね。カザミについて、はっきり語られませんが、漁師の父親が海難事故で亡くなったらしい。そのときカザミは家にいたのか、はたまた連れられて漁に出て、父親だけ亡くなったのか(例えば、1つだけ残った救命胴衣をカザミに譲ったとか?)。余談ですが、カザミのリアルでの風貌と漁師の父親ということから、フォーゼのJKを思い出したりしました。

 パルはグライダー事故で車いす生活になったわけでしたか。兄のシャフリヤールが、たぶんGBNなら怖くない、危なくないとか言って、誘ったんだろう。カザミもパルも憧れの世界(海、空)が一転、恐怖の対象となるも、GBN(の疑似体験)で克服できたわけですな。

 メイ&マギーの会話では「エルドリーム鏡砂」なる名称が出てまして、それが例の光る砂ということですか。それの正体が掴めてきたということかな。それならBDチームはもとより、他のチーム、ダイバーも援軍に行ける可能性が出てきそう(と考えて、また無秩序な連想で、GRIDMANのPC:ジャンクの強化を思い出したり ^^;)。

 ヒロトに対する父オサムの話は、ジオウで言えば大叔父:順一郎のような感じ。事情を知らず、全く別の話をしているんだけど、問題解決のヒントやアドバイスになるというものですね。パルの物理的な墜落に対し、ヒロトのは心理的なそれというべきか。父オサムは名作が書けたと舞い上がったものの大ハズレ、忘れようとしたがチャンスがまた巡って来た。ヒロトはおそらくイヴ絡みですね。イヴ喪失で忘れようと封印していたらしいガンプラを取り出して、なにやら思うところアリみたいです。

 オサム同様、ヒナタはGBNの先にエルドラがあるなんて全く知らず、ヒロトの幼なじみながらずっと蚊帳の外同然。しかし弓道部先輩ミズキ→シドー・マサキと引き寄せられるようにドラマの核心に近づきつつある。主要キャラがドラマの大詰めに向かって集まって来てる感じです。

 だけど、次回「完璧な狙撃者」の後はいったんお休みですか。制作者、声優さんが無事であってこそですから、待つくらいはなんともないか。1期と2期の間も待ったんだし。

●牙狼VR

 NOVAさんとしては、感情移入できるキャラクターがいそうもないとのことですが、自分的には「もしかすると、ドラマ的に好みのパターンになるかも」と予想する部分が出てきました。主要登場人物紹介が一巡し、今話(第4話 BUG)からメインドラマに入って来たお陰かもしれません。

 強さに自信あり、かつ過去や現在に強さを恣意的に行使して問題を抱える者が集まってきている。ただ、ゲーマーの星合翔李だけは例外みたいですね。その点はNOVAさんの分析に頷くものありです。

 荒くれ者の中で、ゲーマー君だけがヘタレの正論居士といえましょうか。映画シェーンをちょっと思い出すものがあります。同映画では、敵ガンマンの強さ、恐ろしさを夢中で言い立てるものの、ハッと我に返って「で、でも俺は怖くねえけどよ」とか言い訳し、敵に負けるなと口先だけのヘタレが登場します。実は最も敵ガンマンを恐れている。

 ただ、そのヘタレが偉い。ヒロインが敵ガンマンに絡まれたときに、言行不一致を恐れて、敵ガンマンに立ちふさがり、しかしもちろん弱いから撃ち殺されてしまいます。それが主人公シェーンの怒りに火をつけ、立ち上がらせるわけですね。台詞はないですが、「あんなヘタレでも立ち向かった。自分はどうなんだ」といったところでしょう。主人公の怒りは自分自身に向けられている感じです。

 今話で主人公格の空遠世那に対するゲーマー君が、シェーンにおけるヘタレの役割だったとしたら、好みの燃える展開になるかもしれません。あるいは、空遠世那が(おそらく過去にしたと同じ失敗の)怒りに駆られて暴走し、ホラーの闇に堕ちるか。描き方次第ですが、どちらも好みの範疇に収まり得る展開かなと。

 が、敵と思しき人物らの狙いがまだ明示されず、そちらにも話数が割かれそうな感じもします。そうだとしたら、1クールではちょっと尺不足で、ドラマ的に詰め切れない、あるいは駆け足になりそうな危惧も感じます。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/03 (Sun) 00:04:24

 定期感想その2です。

●仮面ライダーフォーゼ(第43話:双・子・明・暗、第44話:星・運・儀・式)

 今週分を観終えてから、はっと気が付いたことがありまして、フォーゼのフォームです。ユウキが闇ユウキと分離、弦太郎らはどちらが本物かで奔走させられ、ジェミニと対決にもなる。そのバトル、ラスト以外ではコズミックステイツを使ってません。

 初見では、やたらスイッチを多用して本気モードの攻撃っぽかったりして誤魔化されてました。よく考えたら、作劇的にですが、コズミックを使うのはまずい。行使しようとすれば、ユウキの心が離れている状態では、絆を基礎とするコズミックは使えないはずです(JKが離れたときと同じ理屈)。

 そうなると、弦太朗は「あれ、コズミックが使えない?」と驚くだろうし、今週分で最も勘が鋭かった賢吾が早々にユウキ・闇ユウキについて気が付いてしまいます。そういう描写抜きで、最後の最後までユウキへの疑いを引っ張るため、コズミックステイツ行使は全てが明らかになってからだったんだな、制作は自ら作った設定を恣意的に変えないんだなと、勝手に納得・感心しました。

 それはともかく本編。我望理事長からユウキがNASA研修旅行の申し込み用紙を受け取るも、定員1名に対しユウキと賢吾の2名分。成績からして賢吾になるんだろうとユウキは思うわけですね。牙狼でいえば、陰我が生じてホラーに付け込まれる瞬間といったところか。

 実際、おそらくこのときにユウキの中の双子座が覚醒したようですね。以前に速水リブラがラプラスの瞳でユウキを見たときには星座はなかった。ユウキは気が付いてませんが、我望はユウキが「宇宙の声」を聞いた経験談を重視したらしい。今週分で存在が示され、我望の念願でもあるらしい「プレゼンター」に会う資格と関係するらしい。もしかして、我望の内心の狂喜もユウキのジェミニ覚醒に影響したかな?

 後で明かされた、このときの状況は自分的にはちょっと混乱するものがあります。大喜びで教室を飛び出したユウキ、賢吾分の申込書を破いてしまい、それを弦太朗に目撃される。しかし、リブラとレオに取っ捕まってスイッチ行使を強制されるのは、その直後のはず。

 となると、通常のユウキが賢吾分の申込書を破いたことになりそう。ただし、ジェミニの星座が目覚めた状態ではあるわけですね。まだジェミニは支配的ではないものの、興奮した隙をついて放縦な振る舞いをすることはできた、と解釈しておけばいいかな。

 それはともかく、申込書を破いた行為はおかしいので、ユウキはラビットハッチで問い詰められる。が、このときはユウキ本人だったようで、思い出せない模様。ユウキ本人の善悪基準では、賢吾分のを破くのはあってはならない話なので、そんな疑いをかけられたこと自体からして許せないみたいですな。

 ユウキは怒って「例のチケットもなしだからね」と弦太朗に言うも、弦太朗は思い出せない様子。後のシーンを考慮すると、「例のチケット」は小学生くらいのときだから、弦太朗がとっさに思い出せないのも無理はないかもしれません。しかし、これがユウキの怒りを増し、不信感になっていったようです。もっとも、それだからこそ後でチケットがユウキを救い、かつ信頼を取り戻すことにもなるわけですな(こういう二転三転の運びは本当、感心する)。

 が、ユウキの仕業とされるいたずら事件は続く。ユウキ本人のもとへ、抗議に続々押し寄せるわけですが、ユウキ本人にはわけが分からない。一方、張本人の闇ユウキはいたずらがエスカレートしていき(これ、ユウキ本人と入れ替わる前兆、伏線だったようですね)、ついに美羽を非常階段から外へ突き落としかける。

 落ちたら死んでいたかもしれませんが、かろうじて弦太朗がフォーゼに変身して救うも、ユウキ(闇)は悪びれる様子すらなし。この時点でライダー部に対して、善人と偽る必要もなくなってたみたいですね。闇ユウキはスイッチを行使、ジェミニに変身して見せる。

 事ここに至って、弦太郎らもようやくジェミニがユウキ本人かどうか迷い始めるわけですな。これには、以前に速水リブラが自分や他人を別の姿に変えたことも影響してるんだろう。敵は他人に成りすます可能性があると既に知っているということで。

 が、確信が持てるわけではない。弦太朗、流星は変身してジェミニを迎え撃つも、攻撃の手は緩めてしまう。対するジェミニはやりたい放題ですから、フォーゼらは守勢一方ですね。ジェミニはカード型爆弾なんて便利なアイテム使えまして、作動から爆発までの時間がいろいろある。実在の手榴弾もそういう使い方できるそうです。

 ユウキ(本人)は再びラビットハッチに連行されまして、拘束のうえ尋問を受ける。これはユウキとしては徹底した不信感を持ちますね。なにせ身に覚えがないのに、この扱いですから。弦太朗が疑いを晴らすと言ったところで、もはや関係性は修復不能に見えます。が、鍵となるのは「例のチケット」というわけですな。

 別方面から新たな証拠が出まして、監視カメラ映像ですね。制服はともかく、髪形、背格好がユウキと同じで、しかし白い面をかぶった女性が怪しいと分かる。それが闇ユウキというわけで、この時点でユウキ本人と闇ユウキがいることをライダー部は認識する。これは辛いでしょうね。知らぬとはいえ犯人が別人で、ユウキもそのことを終始、必死に訴えていたのに、信じてやらなかった。少なくとも、ユウキの言い分の線も当たることはできたでしょうに、やってなかった。

 闇ユウキのほうはユウキの目の前に現れるまでに自信を深めている。入れ替わるのはなったも同然、といったところでしょうか。文字通りの「存在感」ですね。それが薄いほうはやがて消える。

 が、弦太朗らがついに闇ユウキと遭遇、双方変身して戦闘に入る。今回はフォーゼもメテオも敵は偽者だということで、遠慮なし。なんですが、我望サジタリウスが介入し、ジェミニを援護。「宇宙の声」を聞いたのはユウキ本人のほうですが、そこから生まれた闇の存在でも同格ということなんだろうか。少なくとも我望はそう思っている様子。

 ジェミニは分身爆弾なんて厄介な攻撃方法も持ってまして、フォーゼがしてやられそうになるも、メテオが身代わり同然となって救う。さすが流星というべきか。こいつは友だと思ったら、命張るわけですから。が、後半(第44話)に入ってみると、メテオ重傷・入院で一時戦線離脱ですね。でも友子が付き添って看病というわけか(^^;。

 戦闘の方は現時点で圧倒的なサジタリウス参戦ですから、勝てるわけがない。我望サジタリウスは、

「止められるものなら止めてみたまえ。私とジェミニがプレゼンターに会いに行くことを」

と余裕の様子。ですが、賢吾は「プレゼンター」に反応した様子がありますね。何か知っているのか。と思ったら、賢吾の解説ありまして、いわゆる宇宙意思で、条件を満たした生物に働きかけるわけでしたか。条件を満たした証拠の1つとして「宇宙の声」が聞こえるわけですね。

 速水リブラはそれを聞いたことがなく、自分の存在価値に不安があるわけか。だから、残る1つの星座(ピスケス:魚座)を見つけたが最後、「狡兎死して走狗烹らる」となることを恐れている。来週前半(第45話)の予告で速水リブラが裏切る様子が描かれているのも、そのせいか。

 が、喫緊の問題はユウキ本人の残り時間。12時間後にはユウキ本人は消滅するらしい。観ていて、この時点では「なぜきっかり12時間と分かる?」と思ったんですが、我望らは12時間後にユウキ本人で儀式を行うつもりだったわけですね。

 ユウキ本人は12時間後どころか、刻一刻事態が悪化してまして、自分が白い面になってしまうし、闇ユウキが両親を騙して、家族としても入れ替わろうとしている。プレゼンターに会いに行こうかというジェミニが、なぜそんな小細工を、と思ったんですが、狙いがあったわけでしたか。

 わざと白面のユウキ本人にスイッチを持たせ、弦太朗らに闇ユウキと誤認させて同士討ちの自滅を狙ったわけでしたか。もっとも、この行動はちょっと解せなくもある。なにせ儀式があるわけですから。もしかすると、儀式はユウキの消滅を早めるのが主な狙いで、その前に倒されても、全体の計画に支障はないのかもしれません。

 それはともかく、追い詰められたユウキ本人はスイッチを行使してしまい、闇ユウキの狙い通りになったんですが、賢吾が気づく。ここ、観ていて正直イラっと来たんですが、(作劇的には)気が付くのが弦太朗ではないことが大事みたいですね。弦太朗はまだ、いわゆるフラグが立ってない。例のチケット、ですな。ここでストレス溜まるだけに、ラストの上げでスカッとするという作りだったみたいです(制作にいいように乗せられてる気がしますが、面白ければ何でもOK)。

 賢吾がフォーゼを止めたことで、すんでのところでユウキ本人は命だけは助かりはしましたが、既に記憶も薄れてフォーゼすら思い出せなくなっている。ここも、ピンポイントにフォーゼを思い出せないという点が大事なんでしょうね。よりによって、フォーゼ=弦太朗から忘れてしまうとは。というストレスもラストのためだったらしい。

 闇ユウキはしかしスイッチを取り戻しただけで、勝ったも同然という感じで去る。儀式が既に用意整い、立神レオがユウキ本人を拉致するのを知ってからなんでしょう。実際、儀式は始まってしまう。

 その頃、ようやく弦太朗が、ユウキから転校前にもらった小箱のことを思い出し、自宅の神棚から見つけるわけですね。おそらく、神棚に供えたのは大事だったからなんでしょうけど、普段は見なくなってもしまい、忘れてしまったんでしょうな。ユウキが聞いた「宇宙の声」についても思い出す。ユウキが宇宙に行きたがったのは、弦太朗の言「宇宙に行けば、宇宙の声が聞こえる」によるものだった。

 これで、チケットのことを忘れていた弦太朗に対する、ユウキの深い落胆がはっきりわかりました。ユウキからしたら、自分のやる気に火をつけたのは弦太朗じゃないか、その感謝のしるしにチケット贈ってもあるのに、忘れるとは何事か、ということでしょう。

 儀式の場に駆けつけた弦太朗がチケットの入った小箱を示したことで、ユウキは文字通りの存在感を増して己を取り戻し、逆に闇ユウキは存在感を減じて劣勢に。それでも闇ユウキは我望サジタリウスらを逃がし、ジェミニとなって単独でフォーゼに当たる。

 このジェミニの行動は、分身爆弾という、本体の戦闘力によらない攻撃方法に自信があるからが大きいんでしょうけど、もしかしたら闇とはいえ、ユウキの性格から来る面もあるかもしれません。ユウキ本人のとっての弦太朗が、闇ユウキにとっての我望なんでしょうけど、仲間に忠実という点では同じです。

 が、ここでようやく流星が来援。すっかり忘れてました。メテオの強化アイテム:ストーム・スイッチは敵のエネルギーを吸収して反撃に変えられるんでした。そのストーム・スイッチを弦太朗フォーゼに渡して、分身爆弾を封じ、ジェミニ本体は宇宙で決着。

 なるほどこうなるのか、と感心、感動する作りでした。ユウキは実は自分的には存在感薄いヒロインだったんです。敵との戦いに参加度低いし、他のキャラへの影響度も低い印象でいた。

 が、だからこそこの第43~44話でいったんユウキの存在自体を明示的にさらに薄めておいて、最後の最後でなくてはならない重要キャラだったと持ってくる。ですのて、最後の決戦前に、弦太朗とユウキが例の握手を交わすのも納得感がありますし、たった2話なのにキャラクタードラマとしてカタルシスが大きいものがありました。

 ともかくも、ユウキはすっかり元の調子に戻りまして、感謝のしるしにライダー部全員に宇宙行きチケットを贈呈。考えてみたら能天気なプレゼントでして、恥ずかしげもなくはやぶさ君コスチュームで盛り上がるユウキらしいといえば、ユウキらしいか。が、流星の分は友子の頼みでペアチケットというわけですな。友子、着々と流星を侵食しつつあるようです(^^;。

 一方、今週序盤では我望に宇宙の声を聞けないと愚弄されたと思った速水、残るピスケス発見を急かされ、既に申しましたが、「飛鳥尽きて良弓蔵る」の不安に駆られてます。続く予告でははっきり寝返りが描写されてました(でも、どうやら予告からの予想を裏切る展開らしいですね)。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/03 (Sun) 19:44:59

 定期感想その3です。

●仮面ライダーディケイド(第27話:BLACK×BLACK RX、第28話:アマゾン、トモダチ)

 BLACK/RX世界は後編(第27話、今週分前半)でようやく、どういう話だったか分かった気がします。キーとなるキャラクターは、自分的にはですが、意外にもついに登場しなかった霞のジョーだったような。

 BLACK RX本編で演じたのは今は声優で活躍している小山力也さんですね。小山さん、諸事情で出演しなかったそうですが、ディケイドを観て、出ればよかったと思われたんだとか。自分も観てみまして、そう思われるのも頷ける気がしました。しかし、もし霞のジョー本人が出てきたら、違う印象になったかもです。

 あくまでも自分個人のそう思う理由ですが、いないからこそ想像を巡らす、ということがあるためです。これには幸か不幸か、BLACK/RX本編を自分は未見ということも手伝っています。霞のジョーってどんな人物だが分からない。

 しかし、ディケイドBLACK/RXの世界での2人の南光太郎の魅力は、出てくれたからこそ分かるものがある。見た目にも士よりずっと年長で、くどいようですが、それゆえの重み、凄みがあるせいでしょうか。平成ライダーですと、士と年齢も近く、同輩的で、カード→武装のように扱うのも納得いきます。が、BLACK/RXで同じことをやると違和感が生じそうです。

 それだけ両光太郎(にしてBLACK/RX)に、士が先輩と畏敬するに足る風格があるということですね。BLACKの光太郎は大事な仲間と言い、RXの光太郎は探し求めているという霞のジョーってどんな人物だろう、という好奇心が強く起こり、いろいろ想像したくなるわけです。確定はできないだけに想像は膨らみ、ある種の可能性の塊みたいな存在感を感じました。これはこれで好みのパターン、ツボです。

 ともかくBLACKの世界後編。前話ラストから続いて、(おそらく鳴滝が流した噂で)光太郎BLACKは士を新たな敵:世界の破壊者と思い、士に襲い掛かるも、海東ディエンドが介入してかき回す。海東が召喚した女性ライダー(ファム)、誰だろうと思って調べると、龍騎に登場するライダーでしたか。それも劇場版とTVスペシャル回のみらしいですね。ディケイドの龍騎の世界では登場してたかしらん。ちょっと覚えがありません。

 それはともかく、士は海東からこの世界がRXではなく無印BLACKの世界と聞かされ、ようやく状況を認識した模様。が、問題はパーフェクターですね。それがないと夏海は助からない。しかし海東はお宝アイテム扱いで、夏海の危機は意に介さない様子。ディエンドの世界のときは海東が突如、初めて激怒しましたが、今後は士がおそらく初めて激怒を見せて、しかも海東を殴りまして、これも「怒りよったあっ!」とびっくりしました。

 これは、士の夏海に対する意識、認識がどう変わって来たかを物語る行動ですね。対する海東は昭和ドラマよろしく(^^;)蹴り入れて返礼。このあとも海東はせっかく士が奪取したパーフェクターを横取りするわけですが、もしかすると態度とは別の海東なりの一貫した狙いがあったかもしれません。

 このシーンにおいては、士のパーフェクターに対する意欲、執着を高める効果があったように思います。是が非でもパーフェクターを、と士は思ってはいますが、海東としたらまだやる気が足りないと見たのかもしれない。そこで「急がないと、僕(海東)が奪っちゃうよ?」的に匂わせ、最大限まで焦らせたんじゃなかろうか。

 それはともかく、ガイ(アポロガイスト)は無印BLACKの世界にも現れまして、ディケイドが探し出して襲撃するも、アポロガイストは子どもを人質に取る。ディエンドは人質に構わず撃つも、ディケイドはアポロガイストごと子どもを庇って銃撃から守る。

 これが無印の光太郎にも響いたみたいですね(それが海東の狙いだった?)。RXの世界の光太郎とは平行世界的とはいえ、光太郎は光太郎ということか。ともかくも、無印BLACKに変身してディケイドを援護するも、アポロガイストはオーロラカーテンでRXの世界へ戻る。

 ちょっと自分は勘違いしてまして、士はまだオーロラカーテン使えないんでした。ジオウのときは自在に使ってましたから、そのイメージでディケイド本編での状況を間違えたorz。 士は世界移動能力をまだ獲得しておらず、無印BLACKの世界から自力では出られないんでした。

 この世界にも霞のジョーがいて、光太郎と共闘しているということですが、その霞のジョーはRXの世界から来た(迷い込んだ?)らしく、要は「RXの世界で霞のジョーが行方不明なのは、無印BLACKの世界に来ていたから」ということだったみたいです。

 おそらくその原因らしいのが、無印の光太郎が語る、「何者かが世界に橋を作った」ということなんでしょう。「何者か」の狙いはBLACK/RXの世界で分かる限りは「(昭和ライダー敵組織を統合する)大ショッカー」の設立と多世界侵略なんでしょうけど、霞のジョーが巻き込まれたんだろう。が、そのお蔭というべきか、無印の光太郎とRXの光太郎をつなぐ橋渡しになってくれたわけですね。

 無印BLACKの世界にもクライシス帝国のシュバリアンが現れまして、「なんで?」と思ったら、オーロラカーテン使いこなしてました。どうやら大ショッカーの軍門に下ったか、同盟締結したんでしょうな。

 が、オーロラカーテンが現れたのは士にとって好機。夏海はRXの世界にいますし、彼女を救うアイテム:パーフェクターもアポロガイストとともにRXの世界にある。ここは無印BLACKが「ここは俺に任せて、お前は行け!」とばかり援護しまして、士ディケイドはなんとかRXの世界に戻る。

 海東ディエンドは今回はサービス精神旺盛で、士に生じたBLACKのカードを奪った、と思ったら、無印の光太郎をRXの世界に召喚してくれる。これでダブルBLACK揃い踏みですな。士ディケイド入れて3人ライダー相手では、さすがのアポロガイストも隙ができ、士ディケイドが見事パーフェクターを奪取。が、ほっとしたらしい士ディケイドの油断をついて、海東ディエンドが横取りですか。

 非常に海東が意地悪く見えるわけですが、既に申したのと同様、別の見方もできそうです。この時点で夏海はこと切れており、ユウスケが知らせに向かっているタイミングのはずです。海東のことですから、その辺りは察知している可能性が高い。

 となると、「これで夏海が助かる」と思った士を海東はいったん絶望に陥れ、改めてパーフェクターを返したんじゃなかろうか。絶望から見えた一縷の望みですから、縋る気持ちは強くなるはず。パーフェクターの行使は士の寿命を縮めるようですから、相当の覚悟が必要。その覚悟を、海東が促したようにもみえます。

 真相は知る由もないですが、士はためらわずパーフェクターを使い、夏海はなんとか生き返る。ユウスケが狂喜して夏海に抱き着いたりしておりますが、夏海が見ているのは士のようですね。この終盤に至り(残り4話)、ようやく主人公とヒロインの立ち位置に立ってくれた感じです。

 それはともかく、対アポロガイスト戦は、ダブルBLACKの勝利(といっても、倒すには至らず、撃退ですが)。それを見届け、無印の光太郎は元の世界へ帰ったらしい。が、夏海を助けた士が戻り、RXの光太郎に霞のジョーの無事を伝える。おそらく、RXの光太郎は安心し、納得もしたでしょう。なにせ無印BLACKと共に戦ったことで、無印の光太郎を信頼できると感じたはずですから(それが昭和フォーマット、瞳を見ただけでも信じられたりする ^^;)。

 鳴滝は相変わらずうろちょろしてますが、それより気になったのはシルエットだけしか見えない、ライダーか怪人らしきキャラクターです。次話(第28話)のラスボスとも違うみたいだし、ちょっと分かりませんでした。
(投稿後追記:やっぱり気になって調べてみたら、仮面ライダーBLACKで初出の強敵シャドームーンらしい。)

 続く第28話はアマゾンの世界前編であるわけですが、これも後編を観てから感想を考えたほうがよさそう。NOVAさんが失望された理由はアマゾン原典との乖離のようですね。が、アマゾン未視聴の自分としては、せめて後編を観てからでないと、NOVAさんが感じられたものが何かとか、ちょっと分かりそうもありません(観ても分からない可能性も大ですが ^^;)。

 ただ、前半だけの印象ですが、「このアマゾンの世界編はこういう狙い、リスペクトも込めてあるかな」と思うものがありました。アマゾン本編へのリスペクト度が仮に低いとしても、60~70年代の石(ノ)森章太郎さんの作風、作品テーマを匂わせる狙いがあるかもしれません。

 60~70年代の石森章太郎(当時の旧名にしておきます)さんがサイボーグ009などでよく見せた展開が「敵の改心」です(TVアニメ化作品を含む)。いったん悪に堕ちたり、やむにやまれぬ事情で主人公と敵対するも、主人公らに情が移った等のきっかけで改心し、主人公を助ける流れがよくあった気がします(その敵が自らを犠牲にしてでも、とかも多かったような)。

 もう1つが「姉」です。作品上のヒロインポジションではなく、ある種の女神的存在でよく出てきます。これは有名な話ですので恐縮ですが、石森章太郎さんがまだ幼いころに、優しかった姉を病で失ったとのことです。その憧憬・敬慕が理想化され、作品に頻出する「姉」になったんじゃないかという気がします。

 その「姉」ですが、戦いについては無力に等しいものの、主人公に正しい道を指し示す力があり、善性の化身といいたいような気高いキャラであることが多いようです(やはり、我が身を犠牲にしてでも主人公を助け、その行為で主人公が覚醒したり)。ディケイドのアマゾン編では、今週分(前編)ではちらっと出ただけですが、来週の後編では重要キャラで出てくるらしい「姉」がいます。

 その弟は既に今週分でメインゲストとしてドラマを始めてます。岡村マサヒコですね。その姉が岡村リツコ。マサヒコはショッカースクールの優等生であり、大ショッカーに心酔し、嘘が嫌いという信念に背いて、アマゾンのアジトを探る。

 昔の石森作品に登場した「改心する敵」の典型的パターンのような気がします。そのうえ「姉」がいるわけで、姉リツコがドラマに重要な役どころで絡み、弟マサヒコの改心を促しそう。

 その萌芽は既に今話で見られまして、アマゾンらの懐にスパイとして潜り込んだマサヒコは、アマゾンを倒すために十面鬼、アポロガイストらに犠牲にされそうになる(その割にはあっさり脱出できたのは、昭和的作風かも ^^;)。それでもまだ目が覚めない。となると、石森パターンとしては、姉が絡んで来そうだなと思えるわけです。

 そのように見えましたんで、ディケイドのアマゾン編は、アマゾン原典よりは石森作品共通テーマ・作風へのリスペクトを重視したのかなあと。これは次週の後編を見て、本当にそうだったか、考えてみたいと思います。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第5~6話:坂本浩一総監督回)

 本編の感想ではなく、アクションで「おっこれは!」と思いまして少し。第5話の時点で、「今話はアクションいいかも」と思い、改めてOPを観なおして、坂本監督回だと確認しました。次の第6話も同じですね。

 ただ、アクション監督はそれぞれ別の方でした。それでも、坂本監督がアクションにも関与していると考えてよさそう。

 まず前半第5話ですが、フォーゼの坂本監督回でも感じた、上手く上下動を激しく使ったアクションが目立つように思いました。ジャンプ&空中回転等はよくある演出ですが、坂本監督回だと高低差の基準もしっかり映すことが特徴かなと思えます。

 例えば、ジャンプするキャラを写すカメラが大きくは動かず、そのため地面や背景が映り込んだままになり、どれだけのジャンプだったかよく分かる。お陰で、垂直方向でアクションが見栄えするわけですね。

 続く後半第6話は対照的なアクションと感じました。水平方向で映える作りです。例えば、疾走して動き回り、トリッキーに低く飛んで障害物/人をかわしたりする。前話の高く高くに対し、低く低くで見せ所を作っているように思えます。

 あるいは、単騎で奮戦するゴーカイイエローに対し、取り囲んだ敵が正面からの攻撃を囮にするかのように、イエローの死角から襲い掛かるも、イエローはまるで見えているが如くで警告的な動作で威圧。これがなかなか小気味いい。時代劇で、悪党に取り囲まれた主人公が背後から斬りかかる敵を、見もせずに刀を突きつける、みたいな感じです。

 坂本監督回はアクションが見どころの1つになる、とこちらで教わってから、気を付けるようにしているんですが、また「教わった通りだ」と感じるものがありました。

 ゼロワンは明日にでも感想書こうと思います。が、ちょっと時間かかるかのせいもあります。ちょっとした台詞がもしかしたら意味深長じゃないかと思える点があったりまして。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/04 (Mon) 11:08:40

週頭感想です。

★フォーゼ

 ジェミニ編。
 自分が瓜二つの何かに自己の存在を奪われてしまうホラー回ですね。

 この回の小ネタトピックとしては、ユウキ父がオーズの真木博士という点。
 オーズ当時とはまた違った怪演、快演で、普段のユウキがはやぶさ君などのテンション高い娘なのも、こういう家庭環境だということで納得。

 一方、弦太朗の爺ちゃんも再登場。
 高校生キャラだと、時々見られる家庭環境ってのも興味深いキャラ描写だな、と。この子にして、この親ありってのがしっくり来る描写だとグッド。

 まあ、逆に大文字父とか、息子にとってプレッシャーになる父親もいましたし、JK父みたいに憧れなんだけど複雑な想いを抱かせた親も。

 そして何よりも、賢吾父の歌星緑郎が最後の要になりますか。コアチャイルドの賢吾に人と同じ愛情を注ぎ、地球と宇宙の架け橋になるよう願った父の想いと、弦太朗たちとの絆を経験して、能力に覚醒した賢吾のドラマがどう終結するか。

 実はフォーゼの主役って、弦太朗だけでなく、ライダー部全員なんですが、最後は賢吾のドラマに収束するわけで。
 賢吾は2号ライダーではないけど、オーズにおけるアンク枠。そして、宇宙飛行士になりたいユウキに対して、自分は裏方としてサポートすることを望むわけですな。父が自分に託した想いは、地球と宇宙の架け橋になって欲しいというもので、それを受け入れる流れ。

 一方、我望理事長は「自分だけが宇宙に選ばれたとする選民思想」に囚われながら、自分の理解者を切り捨てる孤高を是として、意識が高すぎて孤独に陥るタイプ。
 その陰我(笑)を弦太朗たちの友情絆パワーがどう断ち切るか、が終盤のドラマに結実、と。

★ディケイド

 大ショッカー首領としての門矢士が、TVだと語られていないので、「鳴滝がどうして士を悪く言うか」が曖昧なんですね。
 だけど、大ショッカーのマークに「DCD」という文字が書かれてあり、ディケイドこそが実はラスボスになるはずだった、と。

 しかし、ディケイドは配下のシャドームーンの下剋上にあって、記憶と地位を剥奪されて、多元宇宙に追放された。
 そして、ディケイドは「全ての世界を改変する能力」を持つことが示唆されて、その断片をTV版の大ショッカーも行使しているわけですね。

 一応、劇場版が「士が記憶を取り戻した世界」で、TV版が「士が記憶を取り戻さなかった世界」という形になります。
 だけど、記憶を取り戻さなかったために、TV版では世界の謎が解明されずに、ラストでどんでん返しが発生します。

 ディケイドが「善意で世界を守り、歪んだ世界を是としてしまった」ために、「本来のライダーの歴史が消滅する危機」に見舞われ、
 終盤で「本来のライダー代表であるキバ=紅渡や、剣=剣崎一真たち正史ライダー」が「ディケイドの守った改編版ライダー=ワタルやアスムなど」を消し去ろうと襲い掛かって来る。

 ディケイドは自分が守ってきた世界を維持するために、本家のライダーたちとライダー大戦を勃発させ、多くの犠牲者を生み出すことになり、その果てに……というのが、次週と最終回で描かれる流れです。
 紅渡の当初の目的としては、「ディケイドに、歪んだライダー世界を巡って、破壊して欲しかった」「そうすれば本来のライダーの歴史が守られる」はずだったのに、ディケイドが思いの他に正義漢だったので、「世界を壊さずに守ってしまった」。

 ゆえに、多元世界の融合が進み過ぎて、ライダー時空そのものが崩壊の危機になってしまう。そのために、ディケイドとその歪めた偽ライダーの世界を全て消滅させようという暴挙に出た。

 それでライダー世界の結末は……描かれないまま、冬の劇場版に先送りにされたわけですね。

 結果として、夏劇場版はハッピーエンド、TV版は絶望的な戦いが続くエンドで、真の完結編が冬に持ち越されることに。
 TV版のラストが不評なのは、「これまでの士の行動=世界を壊さずに守ることが、結果的により大きな時空の崩壊につながるという、これまでの番組の自己否定」であり、「正史のライダーが自分たちの安全のために、改変世界を消滅させるという残酷さを露呈」することで「善悪の相対化」をラストで提示。
 それまでが「大ショッカーという悪の組織を出現させて、勧善懲悪の昭和ワールドだったのが、終盤で正義がたやすく悪の顔を見せる善悪逆転の平成1期ワールドの混迷っぷりに突入して、視聴者を???に追いやったこと」かな、と。

 まあ、この善悪の価値観の混迷は、90年代からゼロ年代の世相を判明し、平成ライダーでもディケイド以前の1期はそういう作品が多かったわけですが。
 W以降の平成2期は、改めて勧善懲悪の分かりやすい話に移りましたけどね(それでも、敵役の改心→味方化というイベントを多用し、絶対悪的な存在は比較的少ない作品が多い)。

 ともあれ、ディケイド終盤は「悪の組織・大ショッカーを倒せ」という分かりやすいミッションかと思えば、最終回間際で一気に混迷化して、ネット上でも議論を勃発・混惑させるような展開だったので、
 今さら、ここでそういうモードに陥る危険を避けるため、ネタバレしておきました。

 ともあれ、戦犯が誰かと言えば、「記憶喪失で右も左も分からない士に対して、説明不足で、自分たちが何をして欲しいか明言しないまま、途中で補足説明を入れることもなく放置しておいて、ラストで無茶な介入をする紅渡」にあると思うのですが、彼も前作ではコミュ障だったからなあ。

 とにかく、ディケイドは終盤で士たちに感情移入させまくって、ラストで理不尽を突きつけて、破滅エンドを提示する作品。
 一方、冬の劇場版では、その延長で徹底的な破壊を描き、その結果、士を夏海が殺害するという鬱っぷりを見せつけた後で、破壊と再生にまで至って、晴れてめでたく、ディケイドも平成ライダー史にきちんと受け入れられるまでを描いた作品。

「ディケイドには物語なんてありません」→「それでも旅の思い出、記憶はみんなの心に残っている。その想いがある限り、ディケイドは消えない」って展開ですな。

 そんなわけで、TV版が終わった後の、夏劇場版および冬劇場版の配信を強く期待しつつ。


PS.大ショッカーは謎の多い組織ですが、「夏海の祖父が、死神博士=イカデビルになってしまう」とか、劇場版の展開(夏海の周りの世界が全て崩壊し、鳴滝が夏海を守って奔走するなど)をTV版でどう解釈するか、も議論の的でした。
 だったら、鳴滝は正義の人かと言われたら、後に「ゾル大佐=オオカミ男」になったりして、作品ごとに整合性が保たれていないわけで、結局、謎の人扱い。

 まあ、ディケイドが絡むと、時空が歪んで、整合性が崩れる。だから、世界の破壊者だと言われたら、それまでですが。

★ゴーカイジャー

 デカレンジャー回は、ボスとマーベラスの絆回でした。ボスは再登場するたびに、美味しい役をもらっているなあ。

 続くルカメイド回は、彼女の過去(貧しい孤児として過ごしたために、お金への執着が強い)を描写しつつ、概ねノリのいいコミカル回でした。
 脚本家の趣味(アイドルとかメイドとか)と監督の趣味(ヒロインアクション)を融合させた楽しい回だったな、と。

 なお、ニチアサのキラメイジャーでも、同脚本家によるヒロイン萌え回でした。
 ヒロイン回は、脚本家と監督のテンションが非常に高まるので、傑作回が多い感じ。

 次回は獣拳戦隊ゲキレンジャー編。テーマは修行と拳法ですね。
 ゴーカイは、半分が先輩戦士との絡み回で、もう半分がメンバー各人の掘り下げエピソード回で、いわゆるマンネリ気味な通常回がない印象です。
 二話一の配信だと、両方がうまくミックスされているので、余計に飽きないなあ、と思ったり。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/04 (Mon) 18:55:14

 定期感想その4です。

 フォーゼのユウキ父はオーズのドクター真木であるとのこと、初めて知りました。ウィキペディアで調べますと、確かにそうなってました。しかし、映像を観なおしてみたんですが、同じ役者さん(神尾佑さん)と知ったうえで見ても、同一人物とは分かりませんでしたorz。

 ユウキ父もドクター真木もエキセントリックという点では一致してますが、方向性がかなり違いますんで、受ける印象が大きく異なるからなあ。それだけに、知って驚きの豆知識になりました。

●仮面ライダーゼロワン(第34話:コレが滅の生きる道)

 設定的に前から思っていた疑問が1つ解消しまして、天津垓がどんな会社の社長かですね。以前に垓が「ZAIAジャパン」と言ってましたんで、日本支社か、それなら本社があるのか、と思ってました。今話ではっきり、垓が「ZAIA本社」と発言しましたんで、日本支社長であると確定。

 となると、垓はいわゆる雇われ社長であって創業者ではなかったんですね。そこよりも、ZAIAジャパンと天津垓には背後にもっと大きな組織があるという点が大事かも。もしZAIAがいわゆる悪の組織なら、垓は幹部であって、失敗が続くと首領格に処分されるかも、みたいな妄想も湧きます。

 それはともかく本編。今話は農園、というよりは或人も言ってますが「野菜工場」ですね。既に現実でもありまして、屋内でLED照明を使い、野菜などを栽培する(青い光と赤い光のバランスで栄養成分を調整できるらしい)。これ、もしかすると将来の農業生産主力になるかもしれません。暗い話になりますが、温暖化で気象が毎年荒れるようだと、不安定な屋外ではやりにくくなりますから。

 しかしフィクション内では、先進的で夢がある感じもしますね。働いているのもヒューマギア:ミドリですし、人のサポートというより主たる農園=野菜工場管理者になっているようです。実際、彼女がいなくなると野菜工場が立ちいかなくなり、ラストで起こる異変にもつながってくるわけですね。

 その農業ギア:ミドリが復元されて野菜工場に返されたところからですね。ミドリは既にシンギュラリティに達しているらしく、随所でその様子を見せてました。が、或人のダジャレ(レタスが採れたっす)を解する能力はイズには及ばないらしい(^^;。

 一方、唯阿は前話ラストの滅、迅の招聘に応じたらしい。滅亡迅雷拠点にやって来てます。どこまで協力するかは唯阿にも判断突きかねたみたいですが、迅の言葉(※)で、不破の中の亡の解放までは手伝う気になったようですね。
※:「僕の正義」なるもので、この後の流れからすると、このシーンで示された滅の「人類滅亡」~「ヒューマギアだけの世界」なる不変の目的とはちょっと異なる可能性大。

 今話もまずは或人のお仕事見学風で進む。野菜工場主の畑山は息子の耕一を二代目にするべく、ミドリからも仕事を仕込んでいるらしい。ミドリの耕一に対する態度は優しく、耕一のミドリに対する信頼も厚そう。ミドリは耕一の母親的ポジションかもしれません。

 しかし敵の襲来。滅ですね。野菜工場を貶すもんですから、工場がターゲットかと思ったら、直接的には雷のプログライズキーだった模様。或人は当然拒否すると、結局、ミドリが拉致される。こちらでミドリが素体ギアとなって亡に、と伺ってましたんで、てっきりそっちも滅が狙ってたと思ってたんですが、この後、意外にして意味深長な展開が待ってました。が、とりあえずこの場では、雷のキーを要求するための人質ということに。

 滅と配下ギアが暴れ出しますと、耕一が蛮勇を振るって抵抗を試みるも、もちろん敵うわけがない。たちまち滅に退けられ、止めを刺されそうになるわけですが、息子の危機に父親が身を挺して割って入る。滅、父親が息子を庇った、と認識すると、何らかの影響を受けた感じがあります(次話につながる伏線的描写か?)。

 滅が去るタイミングで不破が遅すぎる登場、イズに「社長出勤ですか?」と皮肉交じりに戒められてますね。と思ったら、ウソの記憶と判明したダメージを心配してもいたのか。自分は不破が乗り越えたと思ったんですが、どうやら勘違いだったらしい。そうそう簡単に思いきれるものではなかったのか。
(イズは「重役出勤」と言うところだろう、と思ったんですが、飛電製作所は人間は或人と不破だけですんで、不破は既に事実上の重役なんでした ^^;。イズはちゃんと言葉を選んでたわけか。)

 そこを唯阿に突かれるわけですね。記憶の欠落部分は亡が知っている、と唯阿が誘いをかけるも不破は頑固。で、ガツン・チーンで昏倒させるわけですか。しがらみを吹っ切った唯阿は振り切れてますな(^^;。唯阿は滅亡迅雷拠点へ不破を運び、淡々と亡の取り出し作業を実行する。

 これがかなりひどい、むごい(^^;。不破が目を覚ましますと、またもやガツン・チーンで眠らせまして、迅が「え、そうやってやればよかったの?」とビビってる感じがあります。迅は同じようなノリで、意識不明ながらも喚く不破を見て、「コイツの体、もつかな?」と言ってます。これ、コミカル描写のようでいて、大事なところかもしれません。少なくとも、迅は不破を死なせる気はないらしい、ということですから。

 或人らは事態解決を模索してまして、イズが示したのはどうやら雷のキーのようですね。そこから滅亡迅雷と探る。特に滅ですね。滅はもともと父親型ギアながら、アークのハッキングを受け、記憶が欠落してしまっている。

 そこを辿ると、滅の記憶の元データは、或人を育てた父親ギアの其雄というわけでしたか。滅は迅に疑似的な我が子だと言ったことがありますが、欠落した記憶部分では或人も息子的であるのかもしれない。或人としては、滅にその記憶が部分的にでも、まだあることに賭けたい気持ちがあるようですね。

 野菜工場のほうはミドリ不在で混乱、生産に支障が出てますね。耕一はそれをザイアスペックで乗り切ろうと思い立ち、実際に購入、使用してみるとたちまちミドリレベルで仕事ができると実感したらしい。しかし、これがマズかったわけですね。この後、ハッキングを受けて、暴れ出してしまう。

 天津垓のほうは唯阿に殴られた負傷を福添らに暗にからかわれながらも、気取った態度を崩さないようですね。しかし明らかにコミカル傾向が見られまして、紅茶で猫舌ぶりを見せたり(72度で熱がってます)、「紅茶の美味しい温度はは1000%(ここでいったん黙す)」と単位が違うような言い方をして、「60度だ」と付け加えるとか。

 が、垓はザイアスペックの売れ行き好調を報告されると、レイドライザー発売を本社に打診しろと言い出す。これはギリギリのタイミングだったようですね。この直後くらいに、ザイアスペック使用者におそらく滅亡迅雷.netがハッキング、騒乱を起こすことになる。レイドライザーが市中に出回っていたら、騒乱どころか内戦状態になるところでした。

 が、天津垓は驚きはしたものの動揺はしていない模様で、おそらくこれを仕掛けた敵の正体に目星がついているからみたいですね。次回予告ではZAIA vs 滅亡迅雷となる模様ですから、この時点で既に、アーク→滅(亡迅雷)→ザイアスペックという線が見えているんだろう。

 滅は拉致したミドリと会話してまして、自らの存在意義をはっきり意識できるミドリから「あなた(滅)は何のために生まれたのですか?」等々と問われるも、滅は答えられない。これが滅のキーポイント(逆鱗であり琴線かな?)になっているようで、この場では滅はミドリを殴り倒してしまう。これも「うわ、怒りよったあっ!」くらいに驚きました(^^;。滅が感情的に怒るのって、はじめてじゃないかしらん(シンギュラリティ発生、もしくは深化の可能性があるかも)。

 滅はミドリを連れて地上に出まして、雷のキーを持参した或人らと対面。或人がキーを渡すと、「本当に、これでいいんですか?」と滅に問うミドリを、いったん或人らに返す。ようでいて、なぜか背後からミドリを攻撃、破壊してしまう。表向きの理由は「人に汚されたヒューマギア」だからと。ですが、このとき地下ではちょうど、唯阿が不破から亡を取り出し、亡が再生されるタイミング(しかも亡は人類滅亡を口にするし)。

 不破、亡、ミドリの絶叫が重なっている点が気になります。そこが気になると、ミドリが言った「本当に『これ』でいいんですか?」の「これ」も気になります。そのまま受け取るなら、キーと引き換えに自分(ミドリ)を返していいのか、でしょうけ。けれど、地下でのミドリと滅の会話に続きがあったとしたら、「これ」はその内容を指しているかもしれません。

 がしかし、或人には滅が約束を破り、残酷にもミドリを破壊したとしか見えません。父親の気持ちが少しでも残っていれば、という期待も裏切られ、烈火の如く怒って滅に立ち向かうのもやむを得ません。バトルとなりますが、ゼロワンが優勢に進め、いったん雷のキーを奪還、しかしライダー迅が急襲し、取り返されるわけですな。これも或人にはショックで、いったんは共有したと思った目的が失われたのかと戸惑うのも致し方ありません。

 次回「ヒューマギアはドンナ夢を見るか?」では、公式サイト含めた予告からすると滅の父親性がドラマの焦点の1つになりそうな予感がします。唯阿の動向も気になりますが、例のCM(^^;)の感じからすると、ずっと滅亡迅雷サイドということはなさそう。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/08 (Fri) 08:52:38

週後半感想です。
今回は、4本。バッドエンド→グッドエンドの順で。

★牙狼VR

 今週のバッドエンド大賞はこれになりますな。

 主人公の親友ゲーマー君がホラー化させられてしまい、主人公に「意識を失う前に殺してくれ」と迫り、主人公はいろいろな想いで葛藤しつつも、親友殺しには至れず、結局、親友くんは自爆して果てる、という。

 ゲーム主催のホラー側完全勝利エンド。悲嘆に暮れる主人公で幕、という。

 ドラマ的には壮絶ながら、閉所でのバトルロイヤル設定なので、バトルアクションは非常に充実していたというか、非常にアクロバティックなアクション映像が充実していた回でもあります。
 優男風味のモデル君が、意外と戦えたことにも細やかな驚き。
 そして、副主人公風のバーテンは、人間と戦うよりも、ホラーと戦うことにやり甲斐を感じたらしく、わざと場外に出てホラーに挑むも、ホラーのリミッターが解除されて、スーパーホラー(仮称)になって、あっさり投げ飛ばされて場内に強引に戻される。
 殺されずに済んだのは、主催者側の贔屓かな。もちろん、番組制作スタッフの贔屓なのは言うまでもありませんが。

 主催者としても、陰我を溜め込む鎧の装着者候補として有力なのは残したいかもしれないので。

 そして、明らかに主催者の介入が大きかったのが、主人公と親友くんの関係ですね。前回、主人公に友人を疑う種を植え込んで、いろいろ不和の要因を仕込みつつ、「正義漢の主人公」を闇に誘って、二人の仲を引き裂こうと仕向ける。
 主人公の「らしくない変貌、疑惑」にさらされて動揺した親友くん、必死に主人公に「元に戻るよう訴える」も、その動揺と絶望に付け込まれて、無理やりホラーを憑依させられてしまう。
 そして、「親友殺し」を強要することで、主人公を闇堕ちさせようとしたのが、それを「親友の命は奪えない。殺すぐらいなら自分が死んだ方がマシだ」とまで抵抗する主人公の良心に期待はできるのか。
 でも、主人公の良心に応えるように、親友くんもホラーにされた我が身をはかなんで、意識をホラーに乗っ取られる前に自爆というゲームオーバーな選択。

 ……ということで、アクション、ドラマ共に盛り上がった回でした(好みの盛り上がり方とは言えませんが)。
 ここで前半終了。次回は一時休憩の特別回。これが当初の予定どおりなのか、それともコロナ禍による対応処置なのかは分かっていませんが、いよいよ8人に絞られたキャラの紹介解説編ぐらいだったら、情報整理できるかなあ、と。

 鬱エンドの多い作品なので、後半戦はスカッとする対ホラーへの逆襲展開を見たいです。

★ゼロワン

 鬱エンドというわけではありませんが、前後編の前編で、いろいろ酷い状況が勃発して続いた回。

●酷い状況その1:滅が農業ヒューマギアのミドリを破壊。
 噂では「亡の素体になるという説があって、信じた」のに、結果はただの噂だった。やはり、作品を見ないと分からないこともあります。
 まあ、いろいろな予想を見ながら、どの話が真実っぽいか、そして真実は何かを考える楽しさはありますね。
 ところで、亡のボディは、どうやって構成したのかな。チップのデータさえ取り出したら、後はアークが用意してくれた素体があるのかな?

●酷い状況その2:ザイアスペック暴走。
 亡復活により、アークの意思に動かされた(?)亡が、人類滅亡のためにザイアスペックへの遠隔ハッキングを開始。結果として、ザイアスペックを装着した人々が以前のヒューマギアみたいに暴れ回ることに。
 これによって、サウザー社長は株価失墜。散々ヒューマギアは暴走するから危険だ、と訴えていたのに、自社のザイアスペックも暴走して危険、という状況になったわけですから。
 亡の逆襲、間接的には亡を復活させた刃唯阿さんの逆襲とも考えられる展開に、ネット上のアンチサウザーさんは「ゼロワンができなかった、サウザーの体に消えない傷を残し、社長としての立場にも傷を付けた刃唯阿さん恐るべし」という評価。

 劇中では大変な状況なのに、何だか見ていてスカッとする鬱憤晴らしにも見える、この展開は果たしてどうなる?

●酷い状況その3:真の主人公の不破さんが可哀想。
 チップを取り出すためとは言え、刃唯阿さんに首チョップで2度も仕掛けられ、昏倒させられて良いところなし、という始末。
 変身しなければ、刃さん最強説が出て参りました。サウザー社長を辞表パンチで撃退し、ランペイジ不破をチョップ一発で気絶させる。
 次に唯阿の攻撃にさらされるのは、或人社長か? 刃唯阿の暴走はどこまで続くのか。

 もしも、不破とのカップリングが成立したとしても、不破が尻に敷かれそうなのが目に見えた?
 むしろ、道具として唯阿さんを制御していたサウザー社長が実は凄かった説が出てきて、縛りが取れた唯阿さんの暴走迷走ぶりが目立った回でした。
 不和としては、次回、刃の所業にどう出るのか。責めるのか、それとも理解を示すのか。

●酷い状況その4:迅の裏切り?
 一度は仲間になったと思った迅が、滅をフォローして、或人から雷電のヒューマギアデータを奪取して続く。
 果たして、迅の真意は? やはり敵なのか? という形で続く。

 まあ、いろいろと混迷した回でしたが、鬱エンドというより、これってどうなるの? エンドですね。

 次回、ザイアVS滅亡迅雷という敵側勢力同士の大規模バトルの激突展開。
 その中で、名目上の主人公と、真の主人公がどう介入するのか、それとも、ただの傍観者で終わるのか。

 滅亡迅雷はブッつぶす、ザイアはブッつぶすと吠えていた真の主人公が、どう動くかにも期待しつつ。

PS:長くなったので、一度、記事を分けます。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/08 (Fri) 09:20:42

続きです。

★アニメULTRAMAN

 今度はちゃんと見たぞっと。

 奇数回が前編で、偶数回が後編という感じの二話一構成っぽいですね。

 セミ人間やバルタンに似た人食い犯罪宇宙人に対して、進次郎くんが本格的な宇宙人退治の戦士として駆り出されて、街を破壊しながらも、人々を守ろうと懸命に戦って、好きなアイドルの娘に認知されたり、諸星さんに未熟な戦いっぷりを舌打ちされたり、それでもリミッター解除によって、勝利を収める回。

 今週のテーマは「リミッター解除」ということになりますか。縛られた力が解放されて、それで絶望や混乱を招いたり、逆に勝利の起因になってスカッと終わったり、まあいろいろ。

 次回は宇宙人の街。
 諸星さんが「宇宙人の生活の実態」を進次郎に学ばせるために、地下に隠された移民宇宙人の街に連れ出す回です。

 この世界、宇宙人が移民として、地球に隠れ住んでおり(最近の特撮版ウルトラマンでも、宇宙人との共存とか、隠れ潜む宇宙人の姿とか、そういう描写が多い)、宇宙人を巡る裏社会の構造と犯罪の背景が描かれます。
 初代マンのその後を描きつつ、そこから変化した世界観が説明される重要回ですね。

 そして、これまで宇宙人の存在は、地球人側には公表されていなかったのが、改めて公表されたことで、社会がどのように変わっていくのか、という契機になります。

 情報屋のジャックさんとか、怪獣遺伝子を宿したレッドキングさんとか、裏社会の住人と高校生超人とのコミュニケーションが見どころかと思います。

★BDリライズ

 放送中断前に、バトル勝利でスカッと見られる回が見られて良かったです。

 ユーラヴェンが狙撃型アーマーで、敵アルス機との狙撃合戦とか、
 カザミがみんなを守って(1期みたいなドジを踏まずに)大活躍とか、
 索敵能力の高いヒロトを中心に上手く連携できたチームワークとか、
 バトル物としても見どころが多くて楽しめた回。

 そして、ヒロトとイブの過去話への流れを付けて、次回が「イブとの間に何があったのか」という話になりそうなんだけど、一旦休みですね。

 楽しみを先送りしつつ、今回がいいバトル回でスッキリ終わり、次はエピソードゼロ的な過去編を見せる。中断するにしても、いい切り方だ、と思いますね。
 今期がフレディの回想から始まったわけだし、次がヒロトの回想から再開するのも、構成としては納得できる感じ。

 一番残念な終わり方は「バトルでピンチ。続く」で延々と待たされることだと思っていたので、
 「バトルで勝った。すっきり」で終わらせてくれて、めでたしめでたし感の静かな幕切れ。次は、しみじみとした回想編からスタートなので、楽しみは楽しみだけど、じっくり待てる締め方ってことで。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/08 (Fri) 21:58:09

 定期感想その1です。

●BDリライズ(第18話:完璧な狙撃者)

 NOVAさんのご感想にもありますが、キリのいいところで中断になりまして、不幸中の幸いといったところです。制作が「視聴者が再開時に何の話だったか分からないと困るだろう」と、なんとか今話まで頑張ってくれたのかもしれません。

 とはいえ、第2期が前期同様13話だとして、まだ中盤といったところですね。当面の最大の敵アルスについてはかなり解き明かされましたが、イヴについては依然として不明点多々で、今話で少し情報が出ましたが、かえって謎を深める面もあったような気がします。

 ともかく本編。前期ラストで部分的には破壊できたかと思った衛星砲、単にチャージに時間を要しているだけで、健在のようですね。内部ではアルスが何らかの情報を収集している様子があります。ガンプラが射撃姿勢を取っている映像をアルスが眺めてます。後で分かるのが、これがヒロト機で時期は前作ラストでのサラの命運を賭けた、BD vs 有志連合バトル時(第2次有志連合戦)のものということですね。

 このとき、ヒロト機はどうやら大破しつつもサラに向かうリク機を狙撃しようとしていたらしい。しかし撃てなかったわけですな。もしかすると、それがイヴの失踪と結びつくかもしれませんし、ヒナタが見た、雨に打たれて帰って来たヒロトは第2次有志連合戦直後のことだったかもしれません。

 それはともかく、聖獣クアドルンと話が付いて、光る砂が潤沢に使えるようになったらしく、BDチーム全機揃い踏みが可能になったわけですね。クアドルンもつっけんどんな態度が消えたものの、それならそれでフレディやBDチームを尊重するような、持て余すような複雑な感じです。が、友好的なムードですから問題はなさそう。

 このとき、パルが回想含めてちょっとこじゃれたことしてましたな。剣を置いていったん地球/GBNに戻り、再びエルドラに行って剣があるのを確認して喜んでます。前話でリアルでの車椅子のパルが何か手にしてましたが、どうやらクアドルンの羽を製作していたらしい。剣は「GBNからエルドラに持ち込んだアイテムが消えずに残るか」を確認するためだったようです。

 一方、ヒロトは封印していたアイテムを持ち込んでるわけですね。おそらくはイヴと関連するものですが、後で示されたのが主に遠距離射撃用の武装ということ。相手もアルスが射撃特化タイプで来てますんで、対抗措置ということか。しかし後で分かるのが、そのヒロトの武装こそ、アルスが射撃特化タイプを作る原因になったということですな。地球/GBNから対抗武器を持ち込むほど、アルス側が強化されてしまう。

 それはそれとして(^^;、エルドラ民は続々と遺跡に避難しているようですが、まだ逃げ遅れている人もいる模様。こちらのほうはストラが活躍するドラマになるわけですね。遺跡の防衛のほうはBDチーム担当で、おそらくヒロト発案のトラップなども充実しているようです。やっぱりガンプラ4機あると、工事がはかどるんだろう。

 周囲の警戒も怠りはなく、それというのもヒロト機に複数の自律飛行型センサーが搭載されているから。緒戦においては、ほぼ鉄壁の防御に見えます。が、アルス機が現れると戦況が一変するわけですね。どう探知したのか、ヒロト機のセンサーをたちまち破壊、ヒロト機から予備らしきセンサーが射出されるも、索敵能力はダウンか。

 その頃ストラは、前の衛星砲攻撃で息子を失ったといって絶望し、へたり込む婆ちゃんの説得に必死になってました。ここで月並みな説得台詞としては「亡くなった息子の分まで生きろ」がありそうですが、ストラは言わず、後で婆ちゃん自身の台詞として出てきました。本人が言うと、なかなか説得力あります。

 が、それは後のことで、ストラは婆ちゃんを奮い立たせるも、年寄りを伴っての徒歩の避難。移動は遅々たるものがあります。そこをアルス機に狙われるのは、アルスが「新しき民」の全滅を任務と思っているため、必然の成り行きなわけですね。

 アルスは(意図は不明ですが)ヒロトにコンタクトしてきまして、ヒロトを戸惑わせる。アルスが送って来た映像は第2次有志連合戦時のものらしい。アルスが言うに、その戦いでヒロトが失敗したのを見て(おそらくヒロトが撃てなかったこと)、完璧になるよう修正して、アルス機としてコピーしたらしい。

 その「完璧」という台詞がヒロトにはヒントになったらしい。アルス機の射撃タイミング・射線を読み切りまして、射撃を以て射撃への障壁とする(最初、何が起こったかよく見えず、0.25倍速再生して確認 ^^;)。要は敵ビームをビームで撃ち落としたわけですね。

 この隙を突いて、先に飛び出していたカザミ機が避難するストラらを救助するわけですが、この行為、よく考えたら凄いかもしれません。カザミは今話で機体を再び手に入れるまで、生身で走り回って戦ってたわけですが、前々話で敵の射撃を受け、岩陰に逃げ込んで一命をとりとめてます。

 そのことがよほどに怖かったらしく(本当に死ぬらしいと分かったんだから当然だけど)、地球に戻ってから父を思い出したりして、「死ぬほどおっかねえけど、あいつら(エルドラ民、特にマイヤ?)はもっとおっかねえよな」と呟いて、決意を固めてました。カザミはその覚悟を今話できっちり証明したわけですな。

 ともかくも、ヒロト機&カザミ機が連携でストラ一行を救い、ヒロト機は敵射撃線を辿ってアルス機の位置を特定、狙い撃つわけですね。本体への直撃はなりませんでしたが、狙撃用武装は見事破壊。ヒロト機、アルス機はそのまま接近戦にもつれ込み、またも意味深そうな舌戦もしとりますな(フラッシュバックで入る映像も気になるところ)。

 いったんヒロト機が劣勢となるも、どうやら計算尽くだったらしい。ユーラヴェンガンダム(でいいのかな?)の武装を手放したように見えたのは、実は投擲して制御、アルスの死角から奇襲させるためだったらしい。この手が功を奏しまして、アルス機に大ダメージ、そこへヒロト機がとどめの一撃、で決着(もっともアルス自身はずっと衛星にいたようですが)。

 この間にエルドラ民の遺跡への避難は完了したようで、目論み通り、アルス側MSは遺跡には手出しできず、安全が保てる。ただし、クアドルンが看破していたのが、エルドラ民(アルスにとっての敵)が集結すれば、いつまでも持つわけではない、ということか。となると、次の手を打ってアルスの攻勢を止めないといけませんが。

 今話を観て、あくまでも勘ですが、ヒロトにとっては第2次有志連合戦のときの繰り返しだったのかなと思えます。有志連合戦では最後に撃てず、今回は撃てたというのが、たぶん相違なんでしょう。今話はアルス機だから撃つのが正しい選択でしょう。よく分からないのが、第2次有志連合戦のほうですね。撃てなかったとして、ターゲットはおそらくリク機。なぜ撃てなかったのが問題なのか。これは考えて分かるわけなくて、再開してからのお楽しみということになりますね。

 これであちこち、当面の危機はしのいだ感じですね。次話は「君がいなければ」で、地球での動向やら、イヴ関連やらに進んでくれる感じの予告映像でした。NOVAさんのご感想通り、回想交えての整理からなんでしょうね。これで中断、再開予定はまだ目処が立たないようですが、ときどき公式サイトは確認しておこうと思います。

●その他
・牙狼VR
 生身バトルがなかなかの見応えですね。しかし、牙狼にして鎧バトルがずっとなく(空の鎧がちょっと力を見せたことがあるだけ)、ホラーも暗躍しない、ゲーム上の障壁扱いで、牙狼に期待するものとはちょっと違うのが辛いかな。

 もっとも、ドラマは展開するようになりまして、中盤でのシリアス展開:ゲーマー君こと星合翔李の死亡ですね。それも、主人公格の空遠世那と揉めた後、ホラーに憑依され、始末してくれるよう空遠に頼むという、究極の選択ですか。

 結果的に、シンプルに(?)空遠は星合を殺せず、他人にも殺させずのため、星合が空遠の目の前で自害。空遠はあくまでも諦めきれず、ゲームからリアルに戻っても星合に連絡を取ろうとするも、電話はつながるものの、無言のまま消滅する星合。というわけですね。

 1クールだとこうしないとドラマがラストまでで納まらないんだと思いますし、順当な成り行きだとは思いますが、自分的にはちょっと不満かなあ。ストレートすぎまして、空遠の陰我を深めたかもしれませんが、空遠のキャラがブレない。この先の展開で何を期待していいか、ちょっと見えない感じです。

 ベタですが、例えば「ホラー化した星合がいったんラスボスらと対立する行動(ゲーム破壊とか)」→「しかしホラー化が進行して空遠らに襲い掛かる」→「空遠 vs 星合」→「空遠が星合を倒すも、そのせいで陰我が(実はラスボスらの目論見通り)」みたいな展開だったら、何に期待していいか分かり、感想も書きたくなるかも。

 しかし実際には観ての通りの展開ですんで、自分では分からないなら分からないで、どうなるかだけは観ていくつもりです。

・ULTRAMAN

 読んでないですが、原作漫画通りの進行みたいですね。NOVAさんのご感想にある通り、2話1エピソードで、今エピソードは後半はバトル展開。今回の敵は、確かに外見はセミ人間のようではあるけど、行動とか腕の武装はバルタン星人っぽい。最後の反撃で見せた分身の術はまさにバルタンですね。

 が、ウルトラマンの実力を見せるためだけに登場して倒された感じでしょうか。敵星人が人を食らう描写は、倒されるための納得度を高めてます。それらにより、ウルトラマンの活躍が映えましたんで、成功でしょう。自分的にはやっぱりアイアンマン的に見えますけれど(^^;。

 とりあえず、この世界の概要とウルトラマンの紹介が済んで、次からは裏世界とかへ入っていくわけですか。ヒロインとのつながりも、ウルトラマンとしてもできましたんで、そちらもドラマを期待したくなるところです。

 特撮ものの3Dアニメ化って、ちょっと不安もありました。CGを活かしたVFXは既にいろいろ使われてるわけで、描写の見映えや印象がバッティングするんじゃないかとか。しかもウルトラマンが等身大。

 ですが、それらが上手く処理されているようで、フルCGとして納得いく映像になっている気がします(例えば、ウルトラマンがメカ的なデザインなところは、いかにもCG向きで、リアリティ感などで功を奏している)。これなら最後まで安心、期待して観ることができそうです。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/10 (Sun) 23:03:28

 定期感想その2です。

 ニチアサもプリキュアに続き、SHTもストックが尽きてきたようで、これからどうなるかなあ、と気をもんでおります。が、視聴者として楽しみに待っているのに、ということより、制作、役者さんらが相当に苦しい運びになっていないかということが最も気がかり。

 できる範囲で、できる時期にやってくれれば、と願うしかありません。それでもやり残したことが出るとしても、劇場版やらVシネマ、特別編、他メディア展開(小説版等)でやればいいわけですんで。

●仮面ライダーフォーゼ(第45話:天・秤・離・反、第46話:孤・高・射・手)

 速水リブラの最期は相当に情けないらしいと予習はしてましたが、実際に映像で見ると予想を超えてました(^^;。最後に我望を庇ってフォーゼに撃破され、空中に浮かぶイメージ映像と台詞、なんかで見たような、という気がして思い出しました。

 ジョジョ「黄金の風」のチョコラータです。カビのスタンド使う奴ですな。彼は倒されてから、部下のセッコのイメージシーンに、やたらカッコよく登場するわけですが、非常に違和感ありました。速水リブラも「凄いことやり遂げましたよ、我望理事長!」と言いたげなところが、チョコラータに感じた違和感と似ていたような気がします。
(そこまででも、速水リブラの裏切り、あちこちで矛盾するような行動、言動がありまして、観ていて「これでようバレんもんじゃ」などと思っていたことも手伝ってるかも。)

 それはともかく本編。ライダー部の面々は、賢吾の誕生日を祝ってまして、我望理事長まで飛び入りで野菜スープでもてなすと。が、我望はちょっと様子がおかしく、弦太朗が重視する友達について、孤高を好む人間もいると、ちょっと釘を刺すような物言いですね。

 が、賢吾が発作を起こすと、我望は抱きかかえまして、賢吾の父:歌星緑郎のことが、我望の脳裏をよぎった模様。その回想では月面でスイッチを発見、大喜びの緑郎と我望がハイタッチしてます。野心に憑りつかれる前は、我望も弦太朗と同じような気持ち、考えを持っていたことを暗示しているように思えます。

 続いて、4月に登場した新入部員、草尾ハルと黒木蘭の再登場。前回はハルがスイッチャーでしたが、今エピソードの主役は蘭ですね。劇中時間と放映時期が一致するとすると、4ヶ月くらい入院していることになりますか。それでもハルは充分には回復していないようですんで、ダメージが相当に深かったことが窺えます。

 そのハルを見舞う蘭、さらに弦太朗らも現れるわけですが、帰路につこうとすると速水校長がえらく焦った様子で現れ、特別留学がどうたらとか言い、蘭を連れて逃げるように去る。弦太朗らも後を追う。速水らの前にレオが立ちふさがり、速水は弦太朗らの目の前でリブラに変身して応戦する。戸惑う弦太朗も変身して加勢、なんとかレオを撃退。

 何事かと思ったら、速水が言うには、蘭が最後のピスケスで、これで12星座のスイッチが揃ってしまう。そうなるとゾディアーツでは用済みとなる自分(速水)の身が危ない。速水は我が身を守るためならなんでもする、と裏切りの理由を説明。この説明は視聴者としても理解できるし、疑うべき点もないんですが、この後の速水の行動、言動がこの言とだんだん合わなくなっていくように思えました。

 しかし、ともかくも速水は我望の正体=サジタリウスまであっさり教えてくれるわけですから、とりあえずは信用しようという流れに。最も単純に信じたのは弦太朗のようですね。他のライダー部員には疑う雰囲気もありそうですが、弦太朗に押されて速水を受け入れる格好になった模様。

 それに、さらに速水が語り出した、我望の野望の影響がデカすぎるのも、速水を認める要因になったか。プレゼンターとやらに会うというだけなら、「そうですか、まあどうぞ」という選択もアリでしょうけど、余波で日本壊滅となるとさすがに止めないとマズい。

 その辺りで、速水の弁解が当初と齟齬をきたしてくる。信用されそうという雰囲気を感じると、生徒を利用したことを悔いている風なことを言いだしてます。もちろん、そういう気持ちも速水にはあった、と考えることは可能です。蘭に最初は嘘の理由(留学)を言ったのも、事情を焦らせるほうが危ないと思った、と判断することも可能でしょう。

 しかし、だからといって場当たり的な、その場その場で受け入れられそうな理由を提示しているという線がないとはいえません。我が身大事と言いながら、速水の最強の護身具であるはずのリブラ:スイッチもためらわず差し出してしまうし。

 この後の立神レオの行動と速水の反応なども見ると、速水の言うことが嘘と判断できてもよさそうです。偽の裏切りだから、スイッチを差し出しても速水の身に危険は及ばない、とか。

 と申すと、「弦太朗は愚か」とか「脚本・演出のミス」みたいになりそうですが、次話を最後まで観てみて、「そうか、自分は制作にうまく乗せられたのか、これは気持ちいい」となりました。簡単に、しかしとことん信用する弦太朗だからこその、次話の流れでしたから。

 その弦太朗イメージは、第1話からここまでで形作られたものであるわけですね。弦太朗は敵の幹部すら信用する、そうしてもおかしくないという弦太朗像をよくぞ作ったものだと感心するしかありません。

 それは後のことでして(^^;、この時点では速水を味方にしたライダー部の反撃ですね。蘭は美羽の家にかくまい、賢吾らは(速水がもう探したという)江本の研究室を捜索することに。賢吾は(速水に悟られず)「KENGO」と記されたUSBメモリを見つける。これが後の大逆転につながるわけですな。

 が、蘭のほうは居所を掴まれてしまう。レオが前回襲撃時、センサーになる己の一部を蘭のポケットに忍ばせておいたらしい。友子が気づくも遅く、連絡を受けた速水の警告も間に合わず、、レオが現れまして、蘭にスイッチを押せと迫る。

 そこで速水が割って入りまして、生身で立ち向かう。一見、勇敢にして、生徒を守るべく必死といった様子ですが、しかしあからさまにおかしい。まず、蘭だけでも逃げろとか喚いてまして、我が身が大事と言っていたことが、どっかに行っちゃってる。

 また、速水が裏切り者なら、ゾディアーツ幹部たるレオが生かしておくわけがない。しかし、レオは生身の速水を痛めつける以上のことをしていない。じゃあ手加減してるんだよね、となりそうですが、冷静な判断ができそうな賢吾はまたも発作で倒れる。フォーゼらはまだ到着しない。この場で動けるのは蘭だけ。その蘭は、自らが最後の星座スイッチャーだと知り、動揺している。

 動揺していると言っても、そこは武道もたしなむ蘭でありまして、逃げるか戦うか、ですね。以前にハルに対して示した態度は一貫してまして、戦うことを選択。レオと戦うならスイッチの力を行使するしかない。しかし、これで最後のピスケスも出現したことになるわけですな。

 これを待っていたかのように我望登場。さすがの弦太朗フォーゼも我望を自分勝手と詰りますが、我望は悠然と「君の貧しい価値観だとそういう言葉になるのかな」と返して目を赤く光らせ、後半(次話)へ。

 後半(第46話)に入りますと、我望はサジタリウスに変身、相変わらず圧倒的な強さですね(「ひれ伏せ、未熟な若造ども」等の台詞も悪党として堂に入っている)。やはりフォーゼ&メテオでも対抗できそうにない。が、それは物理的な戦闘力であって、蘭のメンタルまでは負かせないようです。

 蘭は我望サジタリウスへの協力を断固拒否。我望はこの場は押さず急かさずなのが、そのままレオと去りまして、とりあえずは難を逃れたか(直後に我望が、ピスケス・スイッチが未完成だったのが理由と立神に示す)。我望らは賢吾(発作で倒れ、内心世界でコアスイッチらしきものを得ている)に何か感じたようでもありますが、そのことは今話ラストから次話以降に明かされるはずですね。

 引き続き蘭を守らねばなりませんが、美羽の自宅も知られたとなると、ラビットハッチくらいしかない。かつ単なる守勢ではじり貧必至ですから、依然として反攻作戦も必要。(その流れを感じ取ったのか)速水は我望理事長室への侵入を提案するわけですな。そこが実はゾディアーツの本拠でもあるということで。

 それを口実に、速水はリブラ・スイッチを返してもらう。裏の段取りが全て明らかになってみると、あれもこれも絶妙なタイミングで仕掛けてますね。が、それが分かるのは後のこと。

(途中で差し挟まれる、病床の賢吾とユウキの看病ですが、ちょっと驚き。食材が制限されていると、ユウキはまともな料理もできたのか。しかも美味しいらしい。となると、例の宇宙鍋の惑星団子って、材料は何なのか気になります(^^;。)

 弦太朗、流星、速水が理事長室組となって出て行ったところで、ラビットハッチへはJKから連絡「ハルが立神レオに拉致された、要求は蘭とスイッチ」と。観ていてすぐは気が付かなかったんですが、後から考えると、この絶妙なタイミングも怪しい。以前のエピソードからして、ハルなら要求に応じるのは自明で(実際、ハルは応じて出て行ったし)、ピスケスの戦闘能力もある。けれど、両ライダーの助力が得られない。

 一方、その弦太朗らは難なく(かな?)理事長室に侵入するも、爆弾が仕掛けられている(レオによるジェミニの爆弾みたいですね)。速水が弦太朗、流星を逃がして、爆発に巻き込まれ、助けに戻ろうとすると特殊タイプらしきダスタード2体が立ちふさがる。

 フォーゼ&メテオはダスタードに意外にてこずるも、なんとか撃退。そこへ弦太朗らにユウキから連絡が入り、蘭が人質のハルを救出するべく、単独で出向いたと。敵の動きはいかにもタイミング図りつつ、時間稼ぎしてる感じがあります。どうも両ライダーを倒そうという動きではない。

 が、ようやく元気を取り戻した賢吾、江本研究室で拾ったUSBメモリで何か発見するわけですね。それがラストの逆転劇に効いている。その頃、蘭のほうはピスケスに変身してレオに挑もうというところで、そこへフォーゼが近づいてくる。

 映像の流れからすると、理事長室を辛くも脱出し、ユウキの急報を受けた弦太朗が変身して加勢に来た、ということなんでしょう。でも一見しておかしい。友子も即座に変だと気が付いています。既にバトル発生なのに、悠々と歩んで来るフォーゼって、弦太朗らしくない。それに一緒だったはずの流星メテオもいない。

 案の定、フォーゼは速水リブラの偽装でして、蘭ピスケスに攻撃して変身を解除させ、ようやく完成したピスケス・スイッチを回収する。ここで前話からの一連が速水の提案でゾディアーツ側が仕組んだことが明かされるわけですな。蘭が自らの意思でスイッチを押す必要があったからと。

 この後の回想シーンや、倒されてからの速水のイメージ映像の言いようからすると、この大芝居で速水は我望から評価されると思ったらしい。それが速水の有頂天の理由なんだろう。実際には我望に丸め込まれてる感がありまして、立神辺りは気が付いていそう。

 これに怒ったのが、直後に駆けつけた弦太朗であるわけですね。「俺(弦太朗)は、あんた(速水)を信じたんだぞ!」と。無理もない。昨日の敵は(改心すれば)今日の友、という感じで、他のライダー部員の疑問視も抑え込んでまで速水を救おうとしたのに、ここへ来ての裏切り暴露、しかも自慢げですから。

 双方、変身バトルとなりますが、我望サジタリウスもが現れるに至って、弦太朗らの敗勢必至。サジタリウスは両ライダーを排除すると、12個のスイッチでダークネビュラ、さらにワープゲートを開く。もはや打つ手なしか、というところで賢吾が到着。

 メモリから分かった、サジタリウスの(おそらく唯一の)弱点「12個のスイッチ行使時、サジタリウスの攻撃力はゼロになる」を弦太朗らに告げる。贖罪の志半ばで倒れた江本が放った、最後の一矢といったところか。

 勝機が見えまして、弦太朗フォーゼが俄然奮起、サジタリウスに必殺の一撃を放つも、速水リブラが阻止、リブラが身代わりに倒される。そこで例のイメージ映像ですな。自分の重要性を分かってもらえたと信じて死んだんでしょうけど、(少なくとも表面上は)我望から気にかけられていない。

 スコーピオンはともかく、キャンサーやアリエスに侮られ、レオからは脅され、それでもセコく立ち回って来たリブラですが、こういう勘違いな最期はやはり、哀れな感じを催すものがあります。せめて悲劇の主人公として英雄的に死にたかったのに、他人からは喜劇の主人公として間抜けな最期を迎えたということで。

 それはともかく、リブラの阻止によりサジタリウスは作戦継続、今度こそ本当に打つ手なし、と思ったら賢吾に異変。怒りで何かが覚醒したのか、ワープゲートもダークネビュラも消し飛ばせたらしい。さすがに我望サジタリウスも驚き、立神レオを伴って撤退した模様ですね。12個のスイッチは確保したままのようですから、我望サジタリウスとしては焦る必要はないのかもしれない。

 賢吾の異変はそれでも止まらず、というところで続く。次週はいよいよ最終回を含む2話のはずですね。毎週2話とはいえ、なんだか、あっという間に大ラスまで来たような気がします。

 ディケイドは明日にでも、ゼロワンは明後日くらいに感想書こうと思います。どちらも、若干の不満、というよりそれが生じそうな不安を感じてたりします(詳しくは感想時に)。もっとも、今まで感じた面白さのほうがずっと大きいんで、仮に不安が的中しても、観て良かったと思えそうです。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/11 (Mon) 17:47:33

 定期感想その3です。

●仮面ライダーディケイド(第29話:強くてハダカで強い奴、第30話:ライダー大戦・序章)

 こちらで大ショッカーのマーク:DCDについて伺ってから、ようやくOP最後での「仮面ライダーディケイド/DCD」表記を意識しました。念のため、第1話でのOPを見ると、やっぱり同じ表記ですね。ご教示頂かなかったら、ディケイド=士と大ショッカーの関係性に気が付けなかったかもです。もっとも劇場版を観ないと、その辺りは分からない話作りであるみたいで、ディケイド本編の後のYoutube東映公式で放映してくれるかなあ。

 それはそれとして(^^;、まずアマゾン編なんですけど、こちらで伺ったご不満と同じ性質のものではないかもしれませんが、自分も不満を覚えました。アマゾン前編視聴時点では「もしこうなら、楽しめるかも」と思う点もあったんですが(往時の石森作品傾向へのリスペクト等)、そういうものはなかったようです。

 前に昭和仮面ライダー1号、2号、V3でのリブート作品(ただし、そこで打ち切り)について、昭和の1号~V3本編との比較で楽しめた旨、ここで書いた記憶があります。昭和の本編は内容詰め込みが過ぎる傾向があり(世界を揺るがす陰謀の開始から阻止までを30分で、とか)、今は観なおそうという意欲が起きない。平成のリメイクでは尺の長さを充分取ってくれたんで楽しめた、といった感じです。

 アマゾン本編は未見ながら、ディケイドのアマゾン編ですと、昭和特撮の、自分的には好まない点が強調されていたように思います。例えば、ゲスト主人公の小学生「岡村マサヒコ」に対する、大人の「姉」のリツコですが、「姉とはこういうもの」という昭和的なテンプレで描かれていたような。姉なら弟を心配するものだ、みたいな「姉ならこうする」という暗黙の前提を察してくれ、という作りでキャラを描くことを省いている感じです。

 あるいは「信じる」をコンフリクト解決の万能のアイテムとして使っている点もあります。なぜ信頼が生じたか、その信頼はどうして裏切られたか、なぜ信頼は回復したか、を描かない。暗黙の前提「信じるって良いことだよね」で納得してくれ、等と言いたげな強引なドラマ運びが目立つように思いました。

 演出も強引さがちらほら見て取れます。例えば今話(第29話)で、いったん怪人化から救われたマサヒコがアマゾンを心配して、大ショッカーのアジトへ引き返そうと駆けだす。このとき、ユウスケ、リツコが一緒にいるわけで、当然止めようとする。が、走る子どものマサヒコに、若い大人の2人が追いつけない。

 もっとも、それよりも大きいのが十面鬼&アポロガイストが、普通の小学生に過ぎないマサヒコを重要任務に起用することであるわけで(昭和ライダー時代の主ターゲット年齢層=小学生の取り込み手法ではあるけど)、相対的に細かいことではあります。ですが、作劇のコツの1つに「大きな嘘は細かいリアリティで隠す」というのがあるそうで。大小取り交ぜて嘘っぽくては、ちょっと困る。

 が、しかし。来週で最終話で、今週はその1つ前となる第30話でライダー大戦の世界編突入であるわけですね。まだ最終回は未見ながら、今週分の印象と、こちらで伺った話、ネット予習などを合わせて考えますと、これもまた強引なストーリー運びになりそう。そもそも(TV本編だけでは)完結しないということもある。

 となると、アマゾン編はいったん極度に強引な物語運びに振り切っておき、大戦編の強引さが相対的に目立たないようにしたとも考えられそうな気がします。食べ物で例えるなら、いきなり5倍辛いカレーを出したら客が完食してくれそうにないので、代わりに2倍カレー、ではなく、いったん10倍カレーを出す。これは食えないと客に突き返されたところで、5倍カレーを出して「これくらいならいけそう」と言ってもらう算段みたいな。

 真相とはかけ離れているとは思いますが(^^;、まあ自分的にはそう納得しておこうかなと。アマゾン編については、ストーリーを追っての感想は割愛しまして、後半「ライダー大戦の世界」前編の感想。

 なぜか平行世界(A. R. World)のライダーが集結してきまして、いよいよ物語も大詰めという感じがします。ただし各世界が敵対しているようで、しかも各世界のライダーの敵もライダーと共闘している。まずは、キバライダーズ&ファンガイア軍団 vs ブレイドライダーズ&アンデッド軍団が交戦。とはいえ、まだ夏海の悪夢に出てきた絶望的なライダー乱戦状態までは行ってない感じです。

 士は興味なさそうですが、夏海としては放置できない(フィルムの入った瓶が割れたのを何らかの予兆と思っただろうし)。笑いのツボを押しまして、士に事態解決に向かわせる。ただ、もし士を放置しても、今までの世界と同様、何とかしに行くんじゃないかとは思いますが。写真館の主:栄次郎が降りてきたスクリーンを見て、即座に「ライダー大戦」と呟いたことを、士はしっかり聞いて、しっかり覚えていたようですし。

 それはともかく、ワタルの解説によれば「キバの世界とブレイドの世界は共存できず、勝者の世界のみが残る」と。これについての士の推測は要するに「それは大ショッカーの仕業であり、ライダー同士を戦わせて漁夫の利を狙うものである」→「問題の核心の大ショッカーを叩くしかない」ということ。鳴滝も、いつになく士に頼るような風で、大ショッカー説を唱えたことも大きく作用してるかも。

 その線で士は動きまして、まずキバ=ワタルとブレイド=カズマの和解を図る。ユウスケも(ワタルの誘いを即座に蹴って)士の方針に異論はない模様ですね。が、ファンガイアの女王ユウキ=ソーンファンガイアは大ショッカーとの同盟を図っていたわけですね、政略結婚という手を使って。
(この女王は、キバ本編の鈴木深央:芳賀優里亜さんですな。そうか、キバ本編現代編では渡と大牙を救ったヒロインですが、平行世界ではこういう女王になっていたわけか、しかし、過去編の真夜:加賀美早紀さんの友情出現のほうが自分的には、などと妄想しきりです ^^;。)

 アポロガイストとしては、キバ側に勝たせることよりも、ファンガイアの能力でパーフェクターなしで生命力を補充することのほうが大きそう。女王ももしかしたら、その辺りは承知しているかもしれない。が、この結婚の副作用はワタル、カズマらに大きく出まして、士、ユウスケの和解の説得の力を削いでしまい、いったんより深い決裂状態に。

 その頃、夏海が響鬼の世界も融合してきたのを、響鬼側のアキラ、トドロキはキバ勢に倒されてしまう。そこへ謎の人物が現れて、何やら説くわけですが、あからさまに剣崎一真ですな。この後、アスムのもとにも現れまして、「この世界を救いたいか?」と問うたりもしている。

 ブレイド本編からレジェンド登場(後発のジオウ用語ですが、平行世界との区別に便利なので)、ということで、第1話に登場したレジェンドの紅渡以来ですね。今までの平成ライダー並行世界だけでなく、やっぱりレジェンド世界もあることをうかがわせる演出です。

 響鬼=アスムだけは2代目師匠格の海東に救われまして、アスムは事情を知らず、なぜか委細承知している海東から現状を教わりまして、ショックを受けている様子です。が、海東も「仲間」というキーワードを口にしまして、(回想シーンでも)ブレイド編で士も言っていたわけですね。

 これが利きまして、アポロガイスト&ファンガイア・クイーンの結婚式に単身乗り込んだ士に、まずカズマが加勢、もとい共闘すべく駆けつける。ファンガイア・クイーンらと交戦状態に突入、そこへ海東ディエンドも「仲間なら当然のことさ、仲間なら」と加勢に駆けつけるわけですな。これにはファンガイア・クイーン勢も圧倒され、クイーンもあっさり倒されてしまう。

 が、そこにアポロガイスト登場。口では「おのれ、花嫁を」などと言ってますが、戦闘開始を目の前にしていながら、ここまで傍観していたわけですよね。ファンガイア・クイーンの利用価値はパーフェクター代わり以上ではなかったことが窺える気がします。

 しかしアポロガイストが世界の融合を進めますと(そこまでできるんかい、とこのことのほうが驚き ^^;)、ブレイドライダーズが消滅。どうやら、ファンガイア・クイーンとの結婚は、ファンガイアの生命力を吸収して、ガイの言う「スーパー・アポロガイスト」になるためでもあったのかな? ここでも剣崎一真が見てまして、「ついに始まったか」と意味ありげなことを呟いてますね。

 というところで次回、最終話「世界の破壊者」へ続くわけですか。この状況が30分で納まりのつく解決に至る感じは全くしません。実際、混迷を深めそうな結末になるそうですし。ライダー大戦勃発までを描くとしても、相当にカオス的なことになりそう。最終話を観てみないと、しかとは分かりませんが、ファンから議論を引き起こしたというのは、今話だけでも分かる気がします。

 ゼロワンは明日にでも感想書こうと思います。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/11 (Mon) 21:08:34

 定期感想その4です。

 ゼロワンは明日とか言ってしまいましたが(ややこしそうだ、とか感じたため)、書き出したらなんとなく書けてしまいまして。

●仮面ライダーゼロワン(第35話:ヒューマギアはドンナ夢を見るか?)

 この感想を書く前に不満が生じそうとか書いてしまったんですが、少し考え直すところがありました。不満(の予感)というのは、主に或人についてです。主人公ながら、どうも成長が見られない。ゼロワン単独の戦力としてはサウザーを上回りながらも、総合的な戦略により或人は垓に完敗し、飛電社を放逐される。

 そこからの新章ということで、いよいよ或人が成長、飛躍するのかと期待するところ大だったんですが、どうもそうならない。序盤からの定常運転が続いているように見えます。それでいながら、今話ラスト辺りでは、こともあろうに滅から高評価されたりしている。それも視聴者にしか分からない、滅の独り言ですから、ドラマ的なキャラ評価で褒められた、つまり或人はすごくなったということになります。

 しかし自分的には或人は依然として、一皮むけた一面とか、これはと思える活躍などは見せていないような気がします。そういう不満だったんですが、いや待てよ、と思うところが出て来まして。亡が以前、自分の夢は分からないが、夢を持つヒューマギアの夢を手伝いたい旨、言っていたのを思い出したんです(今話でそれが自分の夢と亡は自覚した模様ですが)。

 或人の役回りって、序盤から終盤までずっと縁の下の力持ちでいることなんじゃないか。それが或人のゼロワンでの不動の立ち位置なのかも、と。もし或人が己が夢を持つとしたら、主要キャラクター全員の夢が叶うか、夢を確かに持ってからなのかも(「全ての人が解脱するまで自分は涅槃に入らない」と宣言した菩薩みたいな感じ)。

 そういう可能性も考えてみると不満は和らいだんですが(さすがに解消まではいかない ^^;)、それも不安なのは「コロナ禍で放映回数が削られると、そこまでたどり着けないんじゃないか」→「強引に結論にたどり着かせちゃんじゃないか」ということです。その不安をあおるのが、今話ラストの滅の或人を高評価する台詞です。

 なんとなく「今の、この或人で凄いってことにしとこうよ」みたいな雰囲気を感じてしまいまして。などと妄想で愚痴ってても仕方ない。今まで自分が観た平成ライダーシリーズはほとんど好きになりましたから、そういうライダー物を作る力のある制作を信じたほうがよさそうです(ゴーストだけは多少好みから外れるものの、やっぱり観ておいてよかったわけではあるし)。

 ともかく本編。前話ラストからの続きで、ライダー迅が或人から雷電のキーを奪取するところからですね。迅はおそらく考えを変えたわけではない感じですが、ヒューマギア解放のためにはライダー雷~完全な滅亡迅雷.netが必要と判断しているらしい。が、それ以上は分からない感じですね。或人も真意を測りかねている様子。

 ライダー迅はそのまま逃走を試みますが、ゼロワンがテンペストなども使って阻む。ゼロワンに勝機がみえ、ライダー迅に一撃を加えようというところで、滅が変身もせずに割って入る。滅にもどうして自分がそうしたか分からないらしい。

 これは今までのシーンが被って見えます。野菜工場の主が息子を庇ったシーンですね。後でイズが指摘しますが、前にもゼロワンから迅を守って滅が倒されたこともある。ただしアークの指示だと滅は主張しているわけですが、それだけなのかどうか。迅の父親という自覚がずっとどこかにあったんじゃないか、という線も捨てられません。

 さらに、今話終盤で或人が滅を庇うシーンが発生するわけですね。その或人は、幼少時に父親ギアの其雄に庇ってもらって命が助かっていたはず。その其雄は滅の原形となっているらしい。というような「親子の情」の多層構造があるように思えます。

 が、ともかくはこの時点ではそこまでは分かりません。やっぱり滅は迅の父親意識があるのか、というわけですな。一方、滅亡迅雷拠点では亡が目を赤く光らせまして、人類滅亡と呟いており、ザイアスペック着用者を操っている模様。その亡に、まだダメージが残っているらしい不破が食らいつくわけですね。

「これ(ハッキングによる人類滅亡)がお前(亡)の夢なのか!」と。これが効いて、以前からも気にする「夢」を思い出した模様。おそらく、この後に自分(亡)の夢が何か、具体化できたんじゃなかろうか。ともかく、この場は亡に迷いが生じたことでハッキング中断、ザイアスペック着用者の暴走が止まる。

 これはZAIA社に大ダメージになりますね。が、そこは描かれず、垓が記者会見を開き、滅亡迅雷の仕業であるが対策した、と声明発表する。しかし、見通しが甘かったわけですね。道具と見做していた相手に次々と反旗を翻され、きついしっぺ返しを食らう結果に。前は不破、さらに唯阿、今回は亡というわけですな。

 もっとも、この時点では依然として天津垓側に敗勢の兆しはなく、むしろ滅亡迅雷に対し、AIMSを以て反撃に出ることに。

 一方、入院した不破(唯阿らが担ぎ込んだか)。亡、続いて唯阿が現れまして、不破の記憶に欠けた部分の過去を語る。どうやら生まれてから中学生のヒューマギア反乱時までが偽の記憶らしい。それが何なのかといえば、なんもないわけでしたか(^^;。極めて平々凡々、平和な人生だったらしい。ただ、笑いのツボだけは異様、というわけでしたか。記憶改変のせいで或人のダジャレを好んでいたわけじゃなく、地だったのか。なるほど納得な感じです(^^;。

 或人らは現状の情報整理を試みてますが、滅については解明できそうにない模様。そこへ野菜工場主から連絡が入るわけですね。これはおそらく、息子:耕一を心配した父親(野菜工場主)が、農業ギア:ミドリの復元を依頼したんだろう。少なくともそれにつながる電話連絡だったはず。或人らが野菜工場に駆けつけてみると、耕一は荒れた感じの態度ですが、理由は父親と父親が大事にする野菜工場を守りたいがゆえ。ヒューマギアに好意的な或人なら、この状況ではミドリを復帰させる必要性を痛感したはずです。

 その頃、攻勢をかけるAIMS部隊に対し、滅亡迅雷側も態勢を整えて迎え撃つわけですね。双方、勝つ自信がありそうです。乱戦となりますが、緒戦はサウザーを擁するAIMS側が優勢の模様。ライダー滅はついに変身解除。

 天津サウザーのとどめの一撃が滅に下るところで、或人が生身で割って入り、滅を庇う。滅は自分が迅を庇った理由も分からなかったし、或人が自分(滅)を庇う理由も分からない。しかし、或人が示す理由「アークの意思でなく、滅の意思で父親になりたいと思ったからだ」に、滅はその「夢」に何か感じ入るものがあったようですね。

 これに対し、天津サウザーは相変わらず「道具に夢などない」と嘯くも、やはりゼロワン最強形態には敵わない感じではある。垓の自信の一端は直後に示されまして、ギーガー部隊の増援ですね。ギーガー1体のときはブレイキングマンモスで対処可能でしたが、複数出てくるとさすがに手に負えない模様です。

 が、ここで(おそらく最初の滅の自信の根拠でもある)亡登場、ハッキングを使いましてギーガーを停止させ、AIMS部隊のザイアスペックに干渉して滅亡迅雷側の手駒にしてしまう。が、この亡はおそらく滅が想定していた亡ではなさそう。

 亡が言うに、以前は垓の道具だったゆえにZAIA/AIMSのシステムは熟知しており、生半可なセキュリティなど取るに足らない。ここまでは滅の想定内と思いますが、続く台詞はちょっと違っていそう。なにせ、「滅の夢を叶えるのが、今の私(亡)の夢」と断言するわけですんで。ついに亡も「夢」=高度の自我にして最強のセキュリティに到達したわけですね。

 これで攻守逆転、天津サウザーは戦闘員レベルは撃退できても、ライダー滅には押されてしまう。さきほどと一転しているわけですが、もしかすると滅の台詞「ZAIAよ、滅亡せよ」に理由が隠されているかもしれません。

 今までは「人類滅亡」と言っていたわけですが、さっき或人が示した天津垓(アークを捻じ曲げ、今の事態を招いた男)こそ敵の中核と自覚したのかもしれない。これが一種の自我獲得でもあるとすると、前に言っていたラーニングによる強化だけでない何かを、この時点で滅は獲得したのかもしれません。

 でまあ、最早お約束の(?)垓敗北タイム。ライダー滅の現時点の最強らしき技(塵芥殲滅でいいのかな?)で撃破されると、またもやボロボロの生身の姿に戻りまして、「1000%あり得ない、絶対に許さんぞおっ!」と吠えながら逃げて行きましたな(^^;。

 滅は亡を伴って去りますが、去り際に或人と会話の後の、滅の独白『飛電或人。ヒューマギアの未来を変える男かもしれないな』が自分的には気に入らないというか、不安を招くものでした(上述)。が、これでいいんだろう。たぶん、最終回まで観たら納得できるものにしてくれるはず。

 ともかくも一件(だけは)落着。ミドリも復元されて野菜工場に復帰。ミドリが得たのは或人のダジャレ理解能力だけだったらしい。滅と隠れた密約とかあるかと思ったんですが、そんなややこしいことではなかったのか。一方、滅亡迅雷側では「雷」である雷電が復元され、滅亡迅雷四人衆が揃ったわけですな。

 そこで次回へ続くわけですが、「プレジデント・スペシャル PART.01」ということで振り返り回ですね。イズが記憶を失ったということで、今までのことを教える、という形で復習するみたいです。PART.01ということは、しばらく特別編成回が続くのかなあ。

 ストックが尽きたのか、それとも尽きる前に調整に入ったのか。戦隊のほうが5月一杯までは撮りためてあるとのことですんで、ライダーのほうもそれくらいありそう。新型コロナの見通しがつくまで、本編は小出しにしてつないでいくのかもしれません。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/12 (Tue) 01:23:32

 週初め感想です。

 ゼロワンは、ひとまず2回ほど総集編が続くようですね。6月に入ってからの放送は未定。
 何だったら、昨年のジオウの夏映画のTV放送をしてもいいかも。

 さすがに冬のゼロワン映画は、5月に映像ソフトが販売されるタイミングなので、TVで流すわけにはいかないにしても。

 それはともかく、5月の半ばに辺り、予定どおりにフォーゼもディケイドも次回で終了。
 こうなると、ここでの話題ネタが、ULTRAMANと牙狼VR以外がなくなる可能性が(牙狼VRもどうなるか微妙。収録済みならいいけど)。

 一応、フォーゼの後は、ウィザードという声も聞こえていますが、まだ確証はない。
 ディケイドの後は、Wなのか、それともクウガに戻る可能性も想定しつつ。

 ともあれ、今回はライダー感想をば。

★フォーゼ

 魚座の自分としては、ピスケスを楽しみにしていたのですが、速水校長の手の平で踊らされて、ドラマの中心にもなりきれず、消化不良を起こしたな、と思っています。

 一応、TV以降のフォーゼ(小説版)では、ユウキの次のライダー部の部長は友子が務め、蘭も中核の部員になっているような描写ですが、
 ゾディアーツ事件以降の残務処理的な活動ですね(コズミックエナジーの余波でオカルト的な怪事件がたまに発生する程度だと記憶。他には、仮面ライダーの都市伝説の追っかけとか)。

 その後、友子は小説家デビューして、FBIの特別捜査官にスカウトされた流星と遠距離恋愛とか、
 大体、2期のライダーは、放送終了後2年後ぐらいまでは後日譚的な物語が各種媒体で発表されています。

 そして、フォーゼの場合は、弦太朗が天高の教師として赴任する未来編まで映画で描かれているので、2期の中でも特に大切に扱われた感が強い、と思ってます。

 ……って、ちっとも今週の感想になってませんね。
 まあ、ここまで来ると、フォーゼはもう面白かった、傑作という評価がありますし、そこは覆らないと思ってます。
 夏映画も、2本の冬映画もお気に入りですしね。

★ディケイド

 さあ、問題のディケイドです。
 夏映画が、士のドラマとして面白かったので、TVがどんなエンディングかと思いきや、「大ショッカーが映画のおまけで登場させてみました」的なショボい扱いで、BLACK&RX編で「昭和ライダー編だあ」と盛り上げてみたものの、アマゾン編で失速。そして、最後はどう広げた風呂敷を畳むのかなあ、と結末に期待したら、風呂敷は畳まなかったという(苦笑)。

 まあ、映画を見ていたファンは、Wのデビューでの格好良さに惚れ込んで、もうディケイドはいいよ、と見限って、Wをワクワクしていたのが当時の思い出。
 Wはデザイン的にも、BLACKのオマージュである部分と、マフラーを風にたなびかせる昭和ライダーへのオマージュにあふれ、ディケイドではあまりなかったバイクと絡めたメカ戦も採用し、素直に格好よかったな、とか。

 で、アマゾン編の今さらながらの感想ですが、アマゾン役の俳優の口調が、気合が足らん、という。
 本家アマゾンは、野生児でワイルドで、吠えたり叫んだり、いかにもパワフル。
 社会になかなか受け入れられずに悲しみを表すときも、海に向かって慟哭し吠える。そこに、アマゾンの心境を表すナレーションが入り、見ていて自然に感情移入できるキャラでした。

 決して「アマゾン、マサヒコに裏切られて、哀しい」なんて、ボソボソ泣き言を言うようなキャラじゃなかった。

 さらに言えば、マサヒコも昭和では、決してアマゾンを裏切りません。
 当初のアマゾンの唯一の理解者として、日本のいろいろな常識を教えながら、支えてくれるトモダチだったわけですね。
 姉のリツコは、当初はアマゾンに冷たくて、「アマゾンがいるから敵怪人が襲ってきて、自分たちが危ない目に合う」と主張して、マサヒコを遠ざけようとしたり。

 それでも昭和アマゾンは、律儀に敵怪人から知り合いを守って、傷だらけになりながらも戦い続けて、やがて回を重ねるにつれて、周囲の理解を勝ち得ていくドラマの流れが感じ入ったわけですな。

 でも、ディケイド版は、アマゾンの要素を断片的に継ぎ接ぎしているものの、原点リスペクトの要素がほぼない。
 最後に、野球のユニフォームを着て、マサヒコの父親替わりをしている姿とか、何でやねん、とツッコミ入れたり。

 とにかく、久々にアマゾン編を見て、何かいいところが見つかるかなあ、と思ったら、やはりダメでしたね(苦笑)。

 そして、最後のライダー大戦編。
 まあ、アマゾン編でがっかりしたので、最後をどう締めくくるか、という意味では、盛り上げて来ています。世界の危機の描写も分かりやすいですし、
 おお、オリジナルのブレイド来たーとか、え? ファンガイアクイーン来たーとか思いながら、ミオさんじゃなくてユウキって何? とか、畳み掛けるような勢いでいろいろ見せてくれます。

 ただし、アキラさんとトドロキさんが消されたり、非常に命が軽い描写で、ディケイド編でのこれまでのドラマを全部、踏みにじって行く内容で、
 まあ、そのヘイトを全部アポロガイストにぶつければいいのかな、とか。

 当時はまだ平成ライダーでも「世界改変エンド」は少なく(龍騎ぐらい)、死んだキャラがあっさり復活することもあまりなくて(仮死状態からの復活はあった)、命の扱いが軽すぎでしょう、と思ったりも。

 で、最後は全部アポロガイストを倒して幕かな、と思いきや、「全てディケイドが悪い」とひたすら責められる士。
 士の味方だったユウスケも一度死んで、復活して、士の敵に回るとか、士の絶望と開き直り(全てを破壊する宣言)で、冬につづく。

 なお、ディケイドは再放送バージョンの最終回もあって、それは見ていないのですが、本放送時よりもマイルドな終わり方だと聞いています(冬の映画には続かない、旅は続くよエンドと認識)。
 別バージョンの最終回も、この機に見られると補完できるなあ、と思っています。

 なお、ディケイド劇場版は夏も冬も素直にハッピーエンドですので、自分の中のディケイドは劇場版を見ないと収まらないと認識。


★ゴーカイジャー

 ゲキレンジャー編は、未熟な桃緑の修行編。

 この回のファン的トピックとしては、現役時代に未熟な若者だったジャン(ゲキレッド)が、物語の中で成長したその後、マスターとして子供たちを導くキャラになっていたこと。
 あと、このタイミングだと、「ゲキレッド=虎に育てられた野生児」で、平成のアマゾンに相当するキャラだったんですね。当初は、日本語もうまく話せず、ニキニキとか妙な擬態語、擬声語で、精神年齢も幼な子並みだったのが、周りの大人や子どもからいろいろと学習し、一人前になっていく教育ドラマでもありました。

 でも、そんな未熟キャラが成長した姿を見せて、後輩戦士を鍛えるって展開は、シリーズファンとしては感慨深かったなあ、と思ったり。
(なお、前回放送した土朝のウルトラでも、ジャン役の役者がゲスト出演していて、特撮追っかけ人としては非常にタイムリーだったりも)

 そして、次は声優さんが怪人兄弟を演じて、とことん遊んだギャグ編。
 戦隊はライダーよりも陽性なので、お遊び回はとことん振り切れる傾向があります。
 まあ、大体、怪人がギャグに走るとコミカル回ですな。

 怪人がボケて、戦隊がツッコミ入れる流れですが、宇宙海賊のツッコミは結構辛辣なので、そこも面白い。
 他の戦隊だと、呆れたような疲れたような声でのツッコミですが、マーベラスの上から目線ツッコミは、気持ちがスッキリする感。

 ディケイド士も、マーベラス同様、上から目線でクールにツッコミ入れがちですが、
 士はどうも説教モードになりがちで、口数が多くなり過ぎる面もあるのに対し、
 マーベラスは短く一言で切り捨てる感。

 って、何でボケとツッコミの解説しているのか、自分。

 ええと、怪人のボケ演技が楽しいお笑い回でしたが、序盤、宇宙海賊それぞれの過去描写が語られるという点で、無意味な回ではないと思っております。

 次回は、百獣戦隊ガオレンジャー編。
 21世紀最初の戦隊で、牙吠(ガオ)と文字が飛び出してくる斬新な演出とか、CGでよく動くパワーアニマルとか、現在の特撮演出の土台を築いた作品とも言えます。

 玩具的にも、基本のロボに「武装パーツとなる変形アニマルやメカ」を次々と追加販売して、コレクション的価値を高めた商業革命を起こした作品と言えます。

 それまでの合体ロボが、高価な合体セットを年に何点か出して売るスタイルだったのが、
 高価な合体セットに、安価な武装セットをバラ売りで、月2つぐらいのペースで増やしていくスタイル。

 あと、ガオレンジャーの同期が、平成ライダー2作目のアギトで、戦隊とライダーのカップリング夏映画の伝統もここから始まったという、戦隊史上、重要な作品がガオレンジャーということになります。

 なお、ガオレンジャーがアメリカでは、ワイルドフォースというタイトルになって、主人公がまた野生児設定だったりします。
 やっぱり、野生児だったらワイルドじゃないとね。ですます口調で丁寧に喋るのは野生児の風上にも置けないです(最後までディケイド版アマゾンをディする形)。

PS.映画版ディケイドのアマゾンは、声優さんが関智一さんで、ゴーカイかつワイルドに吠えてくれます。
 バトル時に、変身前はガウーッと吠え、変身後はケーケケーッと怪鳥音を発するのが、理想的なアマゾンスタイル。
 

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/13 (Wed) 00:10:42

 ライダー感想の続きです。

★ゼロワン

 今回は、滅が主役で、その仲間たちのドラマって感じでした。

 名目上の主役である或人は、滅の覚醒を促す役どころ。

 まあ、彼のドラマは、6月の最終フォームと劇場版が本番……だけど、今年はどうなることやら。

 一応、次回からの総集編で、その片鱗ぐらいは見せるのでしょうが、とりあえず、ヒューマギア・トレーナーとして、自己の成長は今だにおざなりにされているのも事実。

 さて、ここからの巻き返しだと、やはり飛電3代のドラマに結実するとは思います。
 冬劇場版の映像ソフトがこの時期に出るということで、それに絡んだ要素がいろいろ出てくるドラマ展開も予想できますが、そうなると父・其雄がキーとなって来ますし、滅の起源が其雄にあると明示されたら、尚更そこを掘り下げるだろうとか、

 ここに来て、サウザーがまだ退場しないということは、祖父の是之助との因縁でまだ語られていない情報があるだろうとか、
 ここに来て、イズの掘り下げにもスポットが当たるのでは? とか、予想妄想がいろいろ募りますな。

 で、実は「普通でつまらない過去」というネタが開示された不破さん。

 ええと、これで不破ドラマはもう掘り下げることはない、という宣言なのか、それとも「普通の凄さ」というものを示す仕込みなのか。

 実は平成ライダーでは「普通=最強」というアンチテーゼが時々あるわけで。

例1:ごく普通の高校生が時空をしろしめす魔王だった。

例2:アギトのG3X装着員の氷川誠は、特殊能力を持たないただの人。そんな彼が、神とか異能力者の戦場で思いがけない踏ん張りを見せて、神を驚愕させる。

神「お前は何者だ?」
氷川「ただの人間だ」
神「ただの人間、恐るべし」

例3:世界の破壊者の定番セリフ。

敵「お前は何者だ?」
士「ただの通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 「普通の○○」「ただの○○」という枕詞は、たいてい主役が奇跡を起こして、敵を驚愕させるための前振りだと考えたりするわけで。

 で、終盤、主人公が普通じゃなくなって行き、ドラマ的にいろいろと翻弄される中で、普通に地に足ついて主人公をどっしり支えるのが、良きパートナーの資質じゃないかな、と感じたり、期待したり。

 普通だけど、怪力ゴリラで、いろいろとぶっつぶしてくれそうな不破さんに、まだまだ期待しつつ。
 いや、亡のチップがなくなった途端、持ち前の怪力も消え失せて、バルカンへの変身もできなくなったりすると、愕然となりますが、多分、それはない。


 さて、その後、フォーゼの後番組がウィザード、ディケイドの後番組がクウガという情報をゲットしたので、この機に作品紹介しておきます。
 なお、Wについては、オーズの前にYouTubeでやっていたそうな。

★ウィザード

 魔法使いと宝石、指輪をモチーフにした仮面ライダー。

 人間の心の闇に忍び込んで、その人間を廃人化させて仲間を増やすファントムに対し、「俺が最後の希望だ」と光を当てて、人の精神世界を守る指輪の魔法使いの物語ですね。

 ドラマ的には、特筆することの少ない普通の平成ライダー2期ですが、
 アクションが独特の派手さ、ダンス的な軽やかさで、おしゃれな感じ。
 まず、指輪を手にはめているため、パンチができないという制約がありまして、肉弾戦は全部、回転しながらのアクロバティックな蹴りを主体としたもの。
 そこに剣や銃、そして魔法を組み合わせ、腰に装着したスカート状の布をひらひら舞い踊らせながら、見栄えする独特のアクションが新鮮です。

 スーツアクターの高岩さんが、その動きを教えてくれる人に師事して、新たな境地を開拓。
 たぶん、最もひらひらクルクル回るライダーじゃないかな、と。

 前作のフォーゼに比べると、レギュラーメンバーは男女2人ずつで、そこに芸人枠のドーナツ屋さんがいるぐらいで、ファントムに狙われるゲストの心情ドラマが中心。
 ごく普通の前後編の事件解決もので、オーズやフォーゼに比べても、密度が薄いかな、と思いました。

 ドラマよりも、アクションのトリッキーさで面白い作品ということになります。
 後半は、また違う感想になりますが、それはまたいずれ。

★クウガ

 平成ライダー1作めにして、別格的な作品。

 ある意味、ディケイドの終盤のドラマ作りの雑さに対して、非常に丁寧なドラマ作りで期待大です。

 まず、クウガほど設定的にリアルなライダー作品はない、と言い切れます。その分、今の目から見ると、地味にも映ると思いますが。

 ディケイド版でもありましたが、古代遺跡から甦った戦闘民族グロンギが事件を起こすのを、警察が調査して、解決する刑事ドラマの側面があります。
 ドラマの半分は、事件の謎を追う刑事の話。

 次にクウガのベルトを身に付けた冒険家の若者、五代雄介が「みんなの笑顔を守るため」に、クウガの力で戦うも、当初は警察に怪人と同一視され、追われることに。
 それが、だんだん警察の中で理解者が増えていく流れも、昭和のアマゾンに通じた要素があったり。

 そして、クウガのベルトに刻まれた古代文字を解読して、クウガが新たな力に覚醒するきっかけを与える、古代言語学者の桜子さんや、
 ライダーおよび怪人の力を、科学的に、あるいは歴史文化的な視点から解釈する謎解き風ドラマも、「21世紀という時代に、仮面ライダーを子供のヒーローではない、大人が楽しめるドラマとして再構築する流れ」が心地良い。

 そして、クウガのパワーアップ(フォームチェンジ)のドラマ的描写も非常に丁寧に造られています。
 アギト以降は複数ライダーと、それぞれのパワーアップが当たり前になって行きますが、
 クウガの時は、ライダーのフォームチェンジの前例がRXしかなく、放送の間が空いているので、じっくり一つ一つを追っていき、「敵がバッタなので跳躍力が必要」「敵が飛んでるので飛び道具が必要」「敵の攻撃力が高いので、強力な防御力が必要」という戦局に合わせて、パワーアップする過程が、非常に丁寧。

 今みたいに派手で次々とパワーアップって展開じゃない分、一つ一つのフォームに思い入れができたりも。

 ともあれ、クウガが改めて、楽しみに思っているわけで。
 空っぽの星、時代をゼロから始めよう、とか。

 令和の1号が中断を余儀なくされている状況で、代役のように平成ライダー1号が、伝説を再び見せてくれるような気分に駆られたり。

 ユウスケクウガから、五代雄介クウガに巻き戻るのもいいな、とも。

PS.個人的には、クウガと共に始めた自分のサイト20周年の佳節に、もう一度、クウガを見て、楽しめそうな状況に喜んでいる次第。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/15 (Fri) 12:10:05

週後半感想です。
 とは言え、BDリライズが休みのうえ、牙狼VRもストーリーが進まない特別編のため、あまり書く内容がないなあ。

★ULTRAMAN

 今回は、事件勃発の前編ですね。

 ネット上でアイドルの悪口を書いた者が、異星人の手で殺されるという事件発生。
 なお、事件を追う刑事さんは、アイドル娘の父親なので、事件の解決に執着しているという背景があります。

 そして、彼がウルトラマン嫌いなのは、妻がウルトラマン(ハヤタさん)と怪獣の戦いに巻き込まれて殺されたという過去があって、
 アイドルの佐山レナも、母親を助けられなかった昔のウルトラマンに対して、憤りと、それでもヒーローだったらみんな助けてくれないとって期待を抱いている。

 物語のテーマが、「ヒーローだからって万能じゃない。それでも、みんなをちゃんと守りたいんだ」って進次郎の気持ちを提示することにつながるので、
 守るべきアイドルがピンチ→進次郎奮起って流れになりますね。

 一方、諸星さんは、そういう青いヒーロー願望に対して、冷徹に世界の現実を突きつける役どころ。
 「我々は仕事でやってるんだ。せいぜい甘えた気持ちで泣き言を口にしないことだな」と言いつつ、秘めたる正義感と陰での努力を惜しまないキャラ。

 彼のセブンスーツは、進次郎みたいな超能力や超パワーを持たない代わり、諸星さんが武器戦闘のエキスパートなので、刀や銃器などを駆使する技量系ファイター。
 若さと才能で押す未熟な進次郎スーツと、熟達した戦闘技能でクールに対処するセブンスーツの共闘を楽しみにしつつ。

 なお、今回登場したジャックさんも、後にアメリカ製のパワータイプなウルトラスーツを支給される予定ですが、アニメ1期はそこまで話が進まない。
 だけど、2期が制作決定ということですな。
 1期は日本編で、2期はアメリカ編になって、ますます話がアベンジャーズに近づく予定。

 なお、自分は原作コミックを2期の分から読み始めて、1期のストーリーは「諸星さん視点のノベライズ版」で読んだだけ。
 だから、物語の概要は分かっているものの、進次郎視点の本編が断片的にしか分かってません。その点は、TVの放送を見る楽しみの一つですね。

 で、諸星さん視点だから、「何で、こんな甘い男に、凄い力が与えられたんだ。俺がこういう力を持っていれば」という、ちょっとした嫉妬心と、苛立ちを覚えつつも、ひたすら自分を鍛えて、天賦の才能の足りないところは、努力で補おうとするところがあります。
 ウルトラマンに憧れる「ウルトラマンの力を持たない普通の異星人」が(テロリストに家族を殺されて復讐の想いもある)、自分の努力と科学の力でウルトラマンを目指すというのが、本作での諸星さんのストーリー。

 ある意味、「普通の人生じゃない復讐を背負った頃の不破さん」に近い立ち位置かも(性格はかなり違いますが)。
 何だかんだ言って、「進次郎の失態をフォローする苦労人の先輩ポジション」でもあります。
 チッと舌打ちしつつ、後輩の未熟ぶりを煽りながら、それでも見捨てず助けてくれるというキャラです。

 まあ、アニメの現状だと、居丈高で上から目線で、警察から見れば権力を笠に来た、嫌なエリート役人って感じですね。
 なお、諸星さんがキレると、歯止めが利かなくなる面もあって、「組織は関係ない。ボクはボクの正義に則って行動する。邪魔する者は誰であろうと叩き斬る」って狂犬ムーブをかましたりもします(ますます不破さん)。
 2期だと、進次郎の方が抑え役になるぐらい。

 まあ、未熟な少年主人公よりも、苦労人で大人なんだけど秘めたる内面の衝動が危なっかしい諸星さんの方が見ていて楽しめると、自分は思ってます。


★牙狼VR

 キャストによる印象的な名シーンを挙げていく構成で、「コロナ以降に撮影された、ステイホームなオンライン画面」で語り合ってた回。
 牙狼の特番って、スタジオ撮影か、あるいはキャストが年末に鍋を突ついたりして、食事をしながら……というのが定番だったので、今回の放送スタイルは、ある意味、VRっぽいなあ、とも思ったり。

 そして今回の特番で、アクションの裏のメイキングなどにも触れていましたが、
 足場の悪い場所で、クルクル回転しながら戦っていたのは、ワイヤーアクションではなく、素でアクロバットをしていたと知って驚き。

 あと、斧やナイフ、ドライバーなどの凶器をブンブン振り回すのも、「事前の打ち合わせなしに、とにかく避けて」という指示で、主人公たちがぶっつけ本番でやってたと聞いて、本当かよ、と驚いた次第。
 これで、後半のアクションに対しての見方が変わったというか、演技を越えた迫真のアクションということになりますね。

 そして凄いのが、敵役のヤクザさんたちですか。ブンブン振り回したり突き刺したりしながらも、相手に当てないように(画面に映らない角度で)フォローしもって、しかも凶暴な表情と動きで悪役を演じる。
 物語的にはただのやられ役だと思っていたのが、実は凄い技量の持ち主だったと判明するのが、こういうメイキングの面白いところですね。

 主人公たち若手を、陰でしっかり支える裏方のベテラン芸に、ある意味、諸星さんと同じ匂いを感じた特別回でした。
 こういうバックアップの職人芸がかいま見られて、本編以上に楽しかったです。

 そして、牙狼オタクのバーテンダー君に、最も感情移入できたり(笑)。
 Yチューバーのナグ助(南雲)もいいキャラしてるなあ、とか。
 今回の放送で、この辺のキャラに改めて注目したくもなりました。
 アクション的には、謎の殺人鬼くんにも注目しつつ。

 主人公と、モデル君は、今回の放送よりも、本編でキャラ立ちしてましたから、改めて注目には至らずってところ。

PS.こういう群像劇は、推しができると面白いのだけど、下手に感情移入しすぎると、脱落して愕然となるので、感情移入の度合いを複数に散らせるといい、というのが、昔、学んだこと。
 下手に一人に感情移入しすぎると、人が死んじゃうドラマでは時としてショックが大きすぎることになるので、敢えて感情移入の度合いを下げることも重要。感情移入過多な人間のフィクションに接する知恵ってことで。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/17 (Sun) 00:35:52

 定期感想その1です。

 週の最初の感想はBDリライズだったんですけれど、再開するまではネット放映のライダーものになりますな。ですが、そのライダーものもちょうど切り替わり時期で、来週は感想書けるものが何になるやら。今のフォーゼ・ディケイドの曜日枠で続けてくれるといいんですが。

 次のネット放映ライダーものは、ウィザードとクウガということですか。ウィザードは自分的には未知数で、お話を伺うとドラマよりアクションを楽しめそうですね。となると、感想は(最初はあれこれ書けるかもしれないけど)薄目になるかもしれませんね。しかし、クウガが来るというのは楽しみ。もっとも、その代償は自分がTV視聴途中離脱したWが来ないということですが(^^;。中盤からの盛り上がりが凄い、というパターンを知っていればよかったorz。

 しかしながら、クウガは自分は未見ながら「平成ライダーの祖にして、ライダーの中興の祖」という認識です。それが当たっているかどうかはともかく、「ここから平成ライダーは始まった」という作品が観られるのは楽しみです。

 クウガ第1・2話はジオウ時のネット特集で観て、アクションとその撮り方で工夫を凝らしているという印象でした。NOVAさんのご解説を拝読すると、ドラマやそれを支える設定なども期待できそう。ウィザードは感想をここへ書くか等は観てから考えたいと思いますが、クウガは(既に観るだけは観た第1・2話含めて)最初から感想リストに加えておいたほうがよさそう。

●仮面ライダーフォーゼ(第47話:親・友・別・離、第48/最終話:青・春・銀・河)

 最終回を観終わりまして、納得いく結末だったなというのが正直な感想です。強大な敵を倒して、とかはなく、むしろ矛を収めて問題を解消した感じです。普通だと、「ショボい終わり方だなあ」となりそうなんですが、そう感じない。これはやはり、各キャラクターの人物像をよく描いた下地が効いているんでしょうね。

 自分用メモ的に幾人か、印象等を少しまとめてみようと思います。

・弦太朗
 第1話から最終話まで不動のキャラでした。いや、一番動き回る役回りなんですけど(主人公ライダーだし)、性分、スタンスといった基本要素が初登場時からずっと変わらず、ひたすら突っ走ってた感があります。

 変わるのは弦太朗の周囲のキャラクターですね。特に弦太朗が正面からぶつかりに行った相手/敵キャラです。相手キャラクターからすると、歪みながらもそれなりに安定していたところ、弦太朗という異質の異分子が邪魔にし来る。

 当然、排除しようとするわけですが、弦太朗が止まらない。躍起になっているうちに弦太朗ペースに巻き込まれて、気が付いたら我に返っている(し、自分の素志とか性分を自覚したりもする)、みたいな感じです。最終話での我望のケースがまさにそれでした。弦太朗を真剣にかき乱したキャラクターがいるとすれば、速水リブラくらいでしょうか。

 弦太朗は誰とどこで何があろうが、最初から最後まで等速直線運動で動き続けたキャラだったような気がします。だからこそ、この男のやること為すことにストレートな納得感がありました(弦太朗の行動は、観ているこちらの想定をしばしば突き抜けるんだけど、それはやることの程度であって、方向性はいつも期待通り)。

・賢吾
 成長ドラマ的には主人公格でしょうか。いったん弦太朗と反発・衝突し、それをバネに一皮むけ、弦太朗との関りも深める。少なくとも3回、そういうことがありまして(弦太朗流握手は2回)、その3回目が第47話でした。

 隼、美羽、JK、友子もそれぞれ弦太朗と深刻な衝突があったわけですが、基本的に一度きり(JKのみ、彼個人の問題解決も含めると2度)。賢吾くらい、弦太朗と正面から何度も衝突したキャラクターは他にいなかったように思います。

 それだけに成長度合いも大きかった。賢吾は最後の最後で覚醒するまでは身体虚弱でしたんで、バトルは常に後方支援であまり派手ではない。後ろに控えている感があったんですが、回を重ね、じわりじわりと前に出てくる、重要度を増す感じがありました。弦太朗と衝突があると、積み重ねたものがブワッと表に出てくる感じ。

 賢吾の覚醒は、江本の言いかけたこと、我望の推測等の伏線はありましたが、進行としてはかなり唐突ではあったように思います。が、それでも納得できる感じがあった。たぶん、じわじわ前に出てくる感じがあり、観ているこちらとしては「もっとスパッと前に出てこい」みたいな期待が起こってたんじゃないかと思います(ただし、自分は今週分を観終えるまで、はっきりとは自覚できなかった)。

 そのおかげで、賢吾の覚醒と我望・立神の(一時的)撃退(第46話)はいきなりでも受け入れられたんでしょう(たぶん期待通りのものがあった)。正体と目的を明かしておきながらの敵による退場(第47話)で喪失感がきちんと深かったおかげで、最終話ラストでの復帰は満足感がありました(去ったままの寂寥感も悪くはないですが)。そうなると、なんだかドラマ的には主人公だったような印象を残したように思えます。

・流星
 賢吾が最後で大化けしたのに対し、中盤で大化けしたのが流星だったような気がします。流星も弦太朗とは、流星の内心、弦太朗らから見えていないところでの行動など含めて、弦太朗とは幾度も衝突があったキャラクターでした(最初は思い切り侮っていたようだし)。

 しかし、昏睡状態の友人を選んで、弦太朗を死なせてしまうわけですね。その時点で流星は弦太朗にも傾いており、何をどうしても後悔する状況でした。もし弦太朗がずっと帰らぬ人となったら、弦太朗のやり残したことを命に代えて成し遂げようとしたんじゃないかと思います(実際、そうしたわけですが)。

 が、幸いにも弦太朗復帰となりまして、以降はデレてコミカルな面も見せるわけですね。もっとも、それは日常ドラマ編でのことでして、バトル的には盟友の位置を確立。以降は一切ブレない。流星のブレが完全に止まると、流星以外のキャラクターのブレが見えてくるような感じもありまして、なかなか興味深かった印象があります。

・ユウキ
 ずっと「メインヒロインのポジションのはずだけど?」という気がしていました。スタート時点のポジション的には天高では賢吾の唯一の心を許す友人であり、弦太朗と幼馴染でもある。ラブコメなんかですと、賢吾、弦太朗の争奪の対象とか、三角関係を起こす立ち位置ですね。

 ですが、全くそういう気配がない。一応、終盤でゾディアーツ幹部候補になるんだけど、実際には分身(闇ユウキ)のほうであって、本人は消えるかどうかのピンチ。その一件でユウキ本人も、己の醜い部分を自覚はする。だけど、その後も、以前からと同様、非常に能天気です。「このキャラクターは、ドラマ的になんの役回りだろう?」と疑問に思うものがありました(だからユウキメイン回以外では、感想でほとんど言及できない)。

 ラストまで観終えて、自分なりに感じたのは「ユウキは弦太朗と同じく、不動のキャラ」だったということです。ただし、作中のキャラ(や観ている自分に)に近いポジションですね。弦太朗のような衝突コースを取らず、空いたところをマイペースの等速直線運動といったらいいでしょうか。

 そのおかげで、いったんユウキのレベルまで近づいて、そこを超えて弦太朗を理解にいけます。例えば序盤の賢吾ですと、まずユウキのマイペースに巻き込まれており、ユウキが近づく弦太朗に、賢吾も接近できたように思えます(ユウキが賢吾を引っ張り、弦太朗のほうへ送り出す感じ)。

 大袈裟に褒めれば、老子の「善く行くものは轍迹なし」、孫子の「秋毫を挙ぐるも、多力となさず」~「善く戦う者の勝つや、智名も無く、勇功も無し」みたいなキャラということですね。単にいるだけのようなんだけど、欠かすことができないキャラだったように思います。

・我望
 ずっと謎のラスボスだったわけでして、最終回を終えてもなお、「プレゼンターに会いにいくのはなぜ? それで何をしたい?」とかは明示されず。プレゼンターが目標だったことは分かるけど、目的はついに分かりませんでした(単にそうしたかった、と解釈しておけばいいのかもしれない)。

 が、どうしてプレゼンターに会おうと思ったかの、きっかけは明かされましたし、完璧なようでいて弱点もあったことも明かされました。かなり全方位的に明かされたラスボスだったように思います。悪役は謎の部分が魅力的なことが多く、いろいろ明かされてがっかりした経験があります。

 我望もミステリアスな部分が最終回でがくっと減じたんですが、観ていて不思議と納得、満足しました。その最期まで見せられて初めて、「ああ、こういうのが観たかったんだよ」みたいに思える感じです。

 これはもしかすると、弦太朗の「敵に敵自身の本性、真の望みを自覚させ、迷いを断つ」というパターンの繰り返しが効いていたかもしれません。我望の場合は、その最大にして集大成ということですね。

 我望の場合は、例えば「プレゼンターに会いたい(それでプレゼンターを知ることができるとか、素直な気持ち)」→「自分が最優秀だから自分がプレゼンターに会いに行きたい」→「自分がプレゼンターに会わねばならない」とねじ曲がったのが不幸の原因だったかも。

 しかし、最後に目が覚めて気が付いたのが「誰かがプレゼンターに会いに行けばいい」だったわけですね。最初の「会いたい」から、教育者になったことで「会える人を見出す」→「そうなるよう人を育てる」になっていれば、別の人生になってたんだろう(その代り、フォーゼがなくなる ^^;)。

 などと、フォーゼを観終えて面白かったもんですから、つい長くなりました。ともかく本編。賢吾に焦点が当たるドラマですが、対応するラスボスの我望にも焦点が当たっていきましたね。まず誰か分からない小学生くらいの男の子が出て来まして、アポロの月着陸のニュースを聞きつつ、天に向かって必ず行くとか呟いてます。

 何の気なしに観てた冒頭シーンですが、実はこの子が我望光明というわけでしか。ユウキなどと同じく、プレゼンターの声を聞いた経験があるわけだったんですね。道理でユウキが宇宙の声を聞いたといったとき、速水リブラの言(一度、ラプラスの瞳で見て、星座がなかった)より重視したわけだ。

 が、当面の問題は賢吾ですね。前話で覚醒したとき、全て分かったらしい。自分(賢吾)がコアチャイルドであり、プレゼンターへの報告のためのサンプルであることまで思い出したらしい。フォーゼ・ドライバーは宇宙に行く手段だし、生来の病弱についても、覚醒の過程の症状だったわけですな。

 賢吾が言うに、コアチャイルドとして覚醒したら感情がなくなっていたと。が、こればかりは嘘なわけですね。少なくとも弦太朗には分かる。賢吾が月から地球を眺めていたということだけから分かってしまう。それだけ深い付き合いになってたわけですね。弦太朗の「サンプルじゃねえ、お前は俺のダチだ!」からの怒涛の突き押しで賢吾の演技も限界でした。が、賢吾なりに弦太朗らを思いやり、自らも納得させるための嘘だったわけですな。

 その頃、立神がラビットハッチを急襲。我望が12個のスイッチを使ってもワープホールが開かないことから、障害の原因たる賢吾を除きに来たわけですね。賢吾は不在ですが、立神レオは荒れ狂い、居合わせた流星メテオが迎え撃つも劣勢の模様。

 しかし、辛くも大杉先生が逃れ、弦太朗・賢吾らに急報。弦太朗、というより賢吾がラビットハッチに到着するに至り、戦況は逆転。敵はラスボス:我望サジタリウスもいるものの、既に前の戦い賢吾とので実力差ははっきり出てましたもんね。

 しかし、先鋒(?)のフォーゼが勢い余ってラビットハッチの窓を破壊、賢吾、弦太朗フォーゼ、流星メテオは月面に出まして、残りの部員は退避(このときに賢吾はユウキに手紙を手渡してますな)。我望らを退けた賢吾は弦太朗からフォーゼドライバーを受け取り、無事に旅立つ。

 と思ったら、執念の我望サジタリウスが超新星を行使して立ちふさがり、賢吾を攻撃、コアスイッチを奪い、破壊してしまう。スイッチが賢吾の本体だったらしく、賢吾は消滅してしまう。我望サジタリウスの12個のスイッチと同様、コアスイッチもワープゲートを開いている状態では無力になるのかしらん。なんともあっけない。

 続いて、いよいよ最終話。勝利した我望は余裕が出たらしく、「君の親友とやらの形見だ。今度、目障りな動きをしたら容赦はしない」と言って、弦太朗にフォーゼドライバーを返し、天高全校に始業式にして最後の演説をぶつとか言い出す。やっぱり、ワープホールを開くと直下は大規模に壊滅というのは本当らしい。だから賢吾は月面で行おうとしたんだろう。

 一方、為す術なしの弦太朗ら。しかし、ユウキが賢吾から託された手紙を読み上げる。無事にプレゼンターのもとへ行く、我望らに阻止され倒されるの両方を想定して、部員一人ひとりにメッセージを残したわけですね。最も大事な部分は、要は「何が起こっても我望を許し、むしろ救ってやれ」ということ。これで部員全員に根性が戻ったらしい。

 我望理事長の始業式演説放送が始まりまして、内容がなかなかにひどい(^^;。天高含めて、プレゼンターに会いに行くための手段に過ぎず、生徒はモルモットである等々ですな。これに対し、弦太朗の策はライダー2名で我望に当たり、他の部員には別の任務があるらしい。

 なんだろうと思ったら、流星メテオは立神レオに、弦太朗フォーゼは我望サジタリウスにひたすら当たって砕けろで食い下がることらしい。流星メテオは立神レオに辛勝しましたが(最後は生身同士でしたな)、弦太朗フォーゼが我望サジタリウスに敵うはずがない。

 と思わせておいての秘策がなんとも愚直(こう言うしかない気がします)。フォーゼで我望サジタリウスを天高の体育館にワープさせ、そこでライダー部員が我望からの卒業の辞を述べるわけですか。それも感謝の言葉ですね。その間、弦太朗はなんと変身を解いて、生身で我望サジタリウス(それもノヴァ)に立ち向かう。弦太朗が我望の野菜スープを飲み干してから決戦に向かったのは、こういうわけがあったのか。

 我望サジタリウスが物理的な戦闘力では圧倒的優位にせよ、弦太朗らの行為は我望の戦意を大きく低下させたんでしょうな(この後、明らかになる我望の身体の限界はあるにせよ)。喩えるなら、大口径の銃を相手に突きつけても、引き金を引く気が失せたら撃てない、みたいな。裏では生徒をモルモット扱いし、ついには公然と口にもしたけど、表面的には生徒として扱ってたら、その生徒扱いのほうに感謝されてしまったわけですもんね。

 戦意を失った我望サジタリウスに止めを刺したのは、フォーゼ最初期の基本技でしたな(ただし、究極まで威力を高めた「青春銀河大大大ドリルキック」らしい)。弦太朗、我望は生身に戻りまして、弦太朗流握手で締め。しかし我望は超新星の行使で身体に限界が来ていたわけですね。

 我望は、プレゼンターに会うことを弦太朗らに託して去る。弦太朗らも深々と一礼して送る。我望は夜の公園で最期を迎えまして、思い出していたのが子供の頃、宇宙の声を聞き、宇宙に行くと決意したことでしたか。後で暗示されますが、このときに賢吾のコアスイッチを修復し、さらに賢吾と同化か何かさせたらしい。

 そんなことは露知らずの弦太朗、登校途中で賢吾の手紙(事実上の遺書)を持っているのが辛いと投げ捨てそうになると(ハルが蘭とお揃いのストラップ捨てたのを思い出しました)、それを止める者が。それが復活した賢吾というわけですな。しかも、どうやら普通の人間になっているらしい。

 ライダー部は復帰したハル、蘭も加えまして、宇宙仮面ライダー部として再出発(でいいのかな?)。実に見事に大団円に収まりまして、とても気持ちいい。シビアなラストも好きですが(犠牲者が残ったまま終わったエグゼイドとか)、ハッピーエンドもここまで綺麗にまとめてくれると「これで良かった」と納得し満足です。

 フォーゼは最初は疑心暗鬼(励ます作りというのは予定調和とかぬるさがあるかもとか)もあったんです。が、途中でそうではないと思ったものの、予習した結末はやっぱり日和ってるかもと不安になりました。でも、観終えたら満ち足りた印象が残りました。

●その他いろいろ
・牙狼VR

 ここまでの振り返りではなく、メイキング的なものでしたね。そこは結構面白く、こちらでNOVAさんの感想にある通りです。自分が特に感銘を受けたのが、斜めの土手に相手を倒しておいて、刺しにかかったシーンです。

 予備知識抜きで観たら、「倒れた相手を掴んで固定しておいて、刺しに行ったら、相手が身をひるがえしてかわした」ように見えます。が、実は「刺すから避けろ、と相手を横にどけた」と分かると、「な、なるほど、そうだったのか!」と。分かってから見ると、確かに相手をどかして刺しに行ったように見えてきます。

 殺陣の熟練者の凄さを窺い見た気がしました。相手にカッコよく勝たせる術を心得ているということで。

・ULTRAMAN

 事件勃発編ですが、この世界の案内が盛り込まれていて、ここまでのバトルが飲み込めてきた感じがします。宇宙人が当たり前に、しかし隠れるように生きている世界だったわけでしたか。

 60年代のウルトラマン、ウルトラセブン等ですと、順繰りに来襲していたわけですが、このULTRAMANでは宇宙人も定住、いわば移民という感じですね。スーパーガールの世界観と似ている面もあったということか。

 これでさらにこの作品に馴染みやすくなった気がします。ただ、今話で1点だけ疑問がなくもない。体、特に顔の作りが異なる宇宙人が、地球人アイドルにほれ込んだりするもんなんだろうか、とか(^^;。もしかして、人間が猫を可愛いと思う気持ちと通底するものがあるのかな。ともかくも、次回の解決編に期待したいところです。

 ディケイド最終回の感想は明日にでも。観てみたら、聞きしに勝る広げっ放しの風呂敷でした(^^;。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/17 (Sun) 23:06:26

 定期感想その2です。

●仮面ライダーディケイド(第31話/最終話?:世界の破壊者)

 なんとも困ったTV本編最終回でした。自分がリアルタイムでTV視聴してたら、好意的なら「第2期があるのか」と思ったかもしれません。もっと確率が高そうなのは、終了直後に「こ、こんなんでごまかされないぞっ!」と喚くことでしょうか。劇場版で補完しないと納まらないのも分かりますし、さっさとWに興味が移るのも分かる気がします。

 自分が過去平成ライダーシリーズをほとんど知らず、こちらで既に伺ったことではあるんですが、平成レジェンドライダーが土壇場でひっくり返しに来たことが、まずあります。それも士ディケイドの否定ということで、悪役、あるいは先輩風吹かして威張ってる感じがありました。仮にも通しで観て感動したファンに見せるもんじゃあなさそう。自分は、例えばキバ視聴は途中からでしかないですが、渡、音也の扱いは到底納得できるものではありませんでした。

 平行世界(A.R.WORLD)のライダーもそうですね。一応、レジェンドから発想して、「こんなライダーがいてもいい」という遊びがあるのは分かります。ときには遊び過ぎて原形を損なうこともあったのも、自由に発想してみたゆえの副作用と思えば、納得もできます。ですが、努力虚しくあっさり消滅してしまい、取って代わるようにレジェンドが登場するのはさすがにやり過ぎだったんじゃないか。
(士の「俺たちの旅はなんだったんだ!」の嘆きが、視聴者的には奇しくもそこに当てはまってしまう。ずっと期待して欠かさず視聴してたのはなんだったんだと。)

 ジオウですと、基本的にレジェンドに対するリスペクトが感じられました。例えば、剣崎一真ですと、ジオウではいかにも不器用だが真っ直ぐな人物という印象があり、納得できる演出でした。ディケイドでは結構喋り、一癖ありそうな印象です。これでは好感度に差が出るのも無理からぬところです。

 また、ジオウでは各レジェンドに対するラスボスは隠されたものの、ジオウ(ソウゴ)が過去レジェンドから認められていくのが中盤までの見どころの一つでした。中盤までは過去に世界を守って来たライダー=レジェンドだったわけですが、おそらくディケイド世界観も尊重して、各レジェンドの世界という形も提示されました。

 ディケイドにはそういうものがない。平行世界のライダーだから、で納得しようにも、レジェンド本人らが登場してちゃぶ台返ししてしまっている。こうなると、劇場版で補完しないと、ディケイド全体の感想は難しそうです。こちらで感想は言ってないですが、ディケイド・電王編に連なる「超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦」はYoutube東映公式で観ました(が、ディケイド視聴前で内容がよく分からず、今頃になってネットであらすじとか確認してます ^^;)。

 が、TV本編ラストからの補間は、夏の劇場版「オールライダー対大ショッカー」、冬の「W&ディケイド MOVIE大戦2010」を観ないとなりませんな。Youtube東映公式でやってくれるかしらん。再放送で用いられたという、もうちょっと納まりのいい最終話というのもやって欲しいところです。

 一応、最終話本編を追ってみます。アポロガイストに対し、ディケイド、ディエンド、(AR)クウガ、(AR)キバは結束して立ち向かう。この共闘は最後の戦いへの盛り上がるを感じさせるもので、この時点では終わり方に期待できそうな感じがありました(たとえ、実際の結末を文章的に予習しているとはいえ)。

 が、アポロガイストは強力でありまして、4ライダーをあっさり退け、夏海を拉致してオーロラ―カーテンで去ってしまう。アポロガイスト、夏海を「花嫁」と言ってますが、字義通りではないと後で判明するわけですね。ファンガイア・クイーン同様、夏海は何らかの力の源泉になるらしい。

 既に夏海が自分にとって不可欠と自覚している士ですから、この事態を放置するわけがない。この後、多少の紆余曲折はありますが、夏海最優先で動くわけですね。その士の行動に周囲のキャラクターも引き寄せられるように集まって来る。自分好みの燃える展開を予想させる流れです。

 が、この時点ではともかくも士らが完敗したといえそう。そこへ剣崎一真が声を掛けまして、アポロガイスト~大ショッカーはカズマらが消えた誘因に過ぎず、主因は士だと断言する。ディケイドが消えないとライダーも世界も救えない、という鳴滝なども以前に主張していた内容ですね。この後では、鳴滝は(よく覚えてないですが、おそらく何度目かの)「ディケイドは世界も士も滅ぼす」旨、言ってまして、士よりもディケイドというライダーが問題みたいですね。

 ディケイド単独ではレジェンド剣に当たり難いようですが、救援しようとするユウスケらをアスムが止める。ディケイドに加担すると、カズマらのように消えるから、というわけですね。このためディケイドは敗退、しかし一真は止めは刺さなかったようで、重傷ながら写真館に戻り、栄次郎に介抱されてなんとか回復。が、士撮影の写真からすら、今までのライダーが消えていくわけですね。要は存在丸ごと消えるらしい(ただし、士などの記憶には留まる模様)、

 しかし、アスム(AR)だけでなく、ワタル(AR)まで士に付きまとうようになり、この世界から消えろと言い出す。一真も現れて同調する。ついにアスム、ワタルは変身して士に襲い掛かるも、この時点まで迷っていたらしいユウスケが決断、クウガとなって介入し、士を脱出させる。が、一真が再度、世界の消滅を警告すると、ユウスケにまた迷いが見える。ここもなかなか自分好みな燃える展開を予感させるものです。

 一方、アポロガイストは、いったん死んだファンガイアを復活・召喚し、海東に一騎打ちの果たし状を持たせ、士に届けさせる。海東は一騎打ちは嘘であり罠だから行くな、と士に告げるわけですが、士の決意は固い。これには栄次郎の、依然として消えない夏海の写真を示しての助言の影響も大きかったんだろう。士が、自分が死んだら夏海を頼む、こんなこと頼めるのはお前(海東)しかいない、とまで言うに及んで、海東も覚悟を決めた模様。これがアポロガイストとの決戦につながってくるわけですね。やはり燃える展開を予想させるものです。

 ここまで(視聴者向けに)準備した上で、アポロガイストとの決戦に突入するわけですね。士が夏海を取り戻すと、アポロガイストは当然のように手下を呼び寄せ、単騎のディケイドを倒しにかかる。既にアポロガイスト1人でも戦力差は歴然でしたから、勝ち目はない。

 そこへ、まず海東が加勢に来るわけですね。やっぱり来たか、と期待通りです。続いてユウスケも期待通り、覚悟を決めて士らのためにやって来る。アポロガイストの「なんなんだ、お前は」に対し、士の名セリフ「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」は勝利を予感させる響きがありますな。

 決戦が始まるや、ワタル、アスムも駆けつけ、士側で参戦。これも、ちょっと遅れてくるところがなかなかにニクい演出です。こういう流れを見せられるところに、制作が燃えのツボをしっかり押さえられる力量が感じられます(なのに、この後と来たらorz)。

 手下のファンガイアは退けたものの、アポロガイストを倒しに行こうというところで、ユウスケ・クウガが士ディケイドを庇って倒れる。どうやら即死らしい。アポロガイストの第二撃を夏海が庇おうと二の舞になるのはかろうじて避けたものの、やはり劣勢か。

 と思ったら、前に海東が鳴滝から受領したカードがここで使われるわけでしたか。ディケイド+ディエンドとなりまして、さしものアポロガイストも打倒される(今際の言葉でも「『迷惑な奴』としてよみがえるのだ」とか、もったいぶって言ってまして、いかにも昭和的にウザい敵でした ^^;)。

 が、ここからちゃぶ台返し来るわけですね。まず夏海に例の悪夢がフラッシュバックすると、ARのキバとヒビキが消える。続いて、第1話以来の紅渡が現れまして、一時的に士を違う場所に転送、事の真相(士を送り込んだのは平行世界的なライダーを倒し、平行世界を消滅させるため)を明かす。自分はすっかり忘れてたんですが、紅渡は第1話で士に、世界を救う、と、(そのためには)世界を破壊する、の2つを言ってたんでした(第1話をザッピングして再確認しました)。

 渡は変身し、士を元の場所に戻しますと、一真も現れ、おそらくレジェンドと思われるライダーらも集結してますね。ユウスケはキバーラが生き返らせるも、敵のアルティメットクウガになってしまう。ついでに鳴滝もなんか言ってる。戸惑う士ディケイドに海東ディエンドを銃を突きつけ発砲、夏海が「ディケイドー!」と叫んで(「士君!」じゃないんだ)、幕ですか。

 これは、正直ひどい。いや、ライダー大戦勃発で終えてもいいんです。その先に可能性を示唆さえできていれば(必ずしも楽観的なものでなくてもいい)。この終わり方は、行き詰ってのちゃぶ台返しであるし、バッドエンドですらなく、いわばカオスエンド。せっかく、可能性を示唆する流れ、しかも燃える展開予想を作れていながら、これでは。まあ、これ以上愚痴を垂れても仕方ない。Youtubeでの劇場版ディエンドの公開を待ちますか。それ抜きでは、例えばジオウに現れたディケイドを理解しようにも、ちょっと難しそうです。

●仮面ライダーゼロワン(プレジデント・スペシャル PART.01)

 これまでの復習ですんで、あまり感想を言うこともなさそう。と思ってたんですが、ところどころすっかり忘れてたり、気が付かなかったりした点もありました。

 今さらながら気が付いたのは、第1回で或人を雇い、解雇もした遊園地主の根津が、遊園地(と客の笑顔)を「私の夢が」と言っていたことですね。マギアに遊園地を破壊されての嘆きですが。その台詞に、マギア(元腹筋崩壊太郎)は「人類に夢のある未来は来ない」と返して高笑い。これに或人が怒り、「人の夢を笑うんじゃねえよ」と。「夢」というキーワードは中盤から示されたと思ってたんですが、第1回から入っていたし、もしかすると随所でさりげなく台詞に登場してたかもしれません。

 全く知らなかった情報も開示されまして、不破のチップについてですね。ライダー滅に不破バルカンが倒され(第8話)、病院に収容されたとき(第9話)に亡のデータが埋め込まれたわけでしたか。ということは、Dr.オミゴトの仕業? いやいやそんなはずは、唯阿が隙をついてのはず、とかちょっともやもやする情報でした。

 まあ、既に亡は不破から出たわけですから、後腐れがあるわけではなさそう。いずれ、ゼロワンが再放映になったとき、ライダー滅との決戦以前と以降で不破の行動、言動に変化があるか、ちょっと注意してみたくなりました。その一端は、「不破がアサルトウルフを行使できたこと」として、今話で明示されたわけですが、他にもあったら面白そう。

 しかし、迅復活の経緯は明示的に伏せたわけですな(変な表現ですが ^^;)。そこはもしかすると今後の本編展開に関わることか、とか期待するものもちらっとあったのは収穫だったかも。最後に出てきて、或人にまたもやの暴走を招きかけたライダーも謎ですね。これは次回に少しは正体明かしてくれるんだろうか。

 次回「プレジデント・スペシャル PART.02」はZAIA編みたいですね。今話でちょっと出てましたが、イズになぜかZAIAのデータがあると言ってまして、冗談っぽかったものの、そこも伏線だったりすると面白そう。

 今話、次話って新規収録の部分がありますが(特に或人、イズのナレーション)、ネット用ミニビデオとかで用意していたものを編集したのかな。それなら多少は安心なんだけど。無理して新規収録するよりは、再放映とかでしのいでくれても全然OKなんで、出演者、制作陣にダメージないようにしてほしいところです。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/18 (Mon) 00:30:10

 ライダー感想です。

★フォーゼ

 もう、この最終回は「卒業ライダーキック授与」のパワーワードに尽きると思ってます。

 ゼロワンの刃唯阿さんの「辞表パンチ」も痛快でしたが、あれは現実でも「上司を殴って辞める」というギャグはありがちなのに対し、

 ラスボス理事長に対し、ただの恨みではなくて、感謝と訣別の気持ちを込めて「卒業証書を逆に授与する」という、しかもそれを受けたことで、理事長がまるで憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとした表情になるという浄化の儀式が清々しい。
 これで、刃さんの辞表パンチを喰らった天津が「自分のやり方は何が間違っていたのか」と自省するようになっていれば、同様の拍手なんでしょうけど、ゼロワンじゃ、まだ「卒業ライダーキック授与」の感動は呼べないなあ、と。

 というか、最終回では平成ライダー2期でフォーゼが一番好きということになります。
 あ、ウィザードの最終回はディケイドが登場して、次作の鎧武と一緒に、世界を救います。

 ディケイドもTV終了後は、電王の後継者みたいに、映画の常連者となって、いくつもの世界を飛び越えて、暴れてくれますね。

★TV版ディケイド

 このラストをどう解釈するかな。

1.海東が士を殺して、結果的に時間がリセットされて、次のループへ。

2.再放送バージョンでは、ライダー大戦が始まった後、第一話の冒頭画面に切り替わって、夏海がディケイドの物語はまだ終わらない的なことを言って、幕みたいです。
 アスムとワタルの消滅、ユウスケがアルティメットクウガになるところまでは変わらず、海東が士に銃を突きつけるところがなくなった。

 ところで、当時の感想で言うなら、「ディケイドは物語の解体を楽しむ祭り」とか「平成ライダーの破壊と再生を楽しむメタフィクション」という評価になります。

 昭和ライダーは、先輩ライダーが後輩ライダーを助けに来るのが当たり前の、一つの世界観になってます(立花藤兵衛とか、共通のキャラクターの登場もあって、物語的に作品世界がつながっている)。

 でも、平成1期ライダーは、クウガの続編がアギトという当初の予定をなしにして、各世界が別々の物語。平成ライダー同士の共演はなし、という世界観でした。
 それを変えたのが、電王とキバの共演映画で、次にディケイドが10作目記念で、バラバラの平成ライダー世界をつなぐ暴挙をお祭り的にやってしまった。

 当然、平成ライダーの世界は各作品がバラバラで、そこには先輩後輩という関係も存在しない。士も、先輩ライダーに敬意を払うことはなく、むしろ上から目線で振る舞い、全てを破壊するとうそぶく。
 つまり、ディケイドは平成ライダーのルールの破壊者でもあったわけですな。

 そして、夏の劇場版では「全ての悪の元凶であった大ショッカー首領のディケイド」が部下の裏切りで全てを失い、改めて昭和ライダーの導きで仲間の大切さを知り、そして昭和から平成の全ライダーの歴史をつなぐ者として再生する話。
 冬の劇場版は、TVの後、「破壊者として、全ライダーを始末して回る激情態ディケイド」が夏海に討たれることで、「全てのライダーの消滅」という儀式を遂行し、自分を犠牲にして、「全てのライダーの再生」という果実を得る。しかし、ディケイドだけは復活できなかった……自ら悪として倒される道を選んだのが罪滅ぼしになるという想いで(罪を自分が一人で背負って、自分を犠牲にすることで全てを救う物語の類型ですな)。
 でも、夏海が士の真意を知ったことで、士の写真の記憶に自らの想いを重ねて、記憶の世界から士を復活させた。そして、諸悪の根源としてご都合主義的に現れた大ショッカーを超えるスーパーショッカーをディケイド含む全ライダーの力で粉砕するお祭りハッピーエンドです。

 それ以降、「士たちの旅はこれ以降も続くよ」的な終わり方で、スーパーヒーロー大戦やら、ウィザード最終回やら、仮面ライダージオウに続いた次第。

 なお、ディケイドが残した最大の功績は、「バラバラだった平成1期の世界観」を「昭和みたいに先輩後輩の共闘が普通にある平成2期の世界観」に橋渡ししたことですね。
 で、電王やディケイドの「記憶こそがライダーの物語の源泉である」というテーマをジオウが引き継いで、平成ライダーの大団円を迎えたわけですが、
 それを令和の1号ゼロワンがどう受け継ぐのか、それとも違ったものにするのかが現状です。

 みんなの笑顔=クウガのテーマ
 夢=ファイズのテーマ
 メモリー(記憶)=電王、ディケイド、Wのテーマ
 AIロボット=ドライブ、エグゼイド、ビルドのテーマ

 要素を抜き出すと、こういう感じでしょうか。

 とにかく、ディケイドは物語として評価するよりも、破天荒な祭りとして評価すべき作品で、作品世界を広げるだけ広げて、賛否両論の議論を巻き起こしたライダー界のエヴァンゲリオンに相当する作品かな、と(きれいに終わらないという意味で)。


 なお、今回の最終回を見ての感想で、

 「ファンガイアの花嫁ユウキを見捨て、夏海をさらったアポロガイスト」を見ながら、「士=牙狼のジンガも、アミリ見捨てて一時期、メインヒロインの莉杏に浮気して、主人公の流牙に倒されていたな」と感じて、
 ああ、こういうのも「歴史は繰り返す」かあ、と。
 平成ライダーと牙狼のリンクが面白い。

 でも、今のVRはそういう役者のリンク要素がない点も物足りないんですね。
 一人でも、元ライダーとか、元戦隊役者がいれば、応援するのに。逆に、牙狼VR出演者がライダーや戦隊に後で出る可能性も想定しつつ。


★ゼロワン

 ラストに出てきた黒いライダーがアークゼロですな。

 とりあえず、イズを装って、ゼロワンの情報を集めて、アークゼロ誕生につなげようという仕込み回にもなっているのかな。

 一方で、或人の知らない敵側の情報を、或人に認識させることで、「視聴者と物語の登場人物の知識格差を埋める回」でもある?
 映像的には、冬の劇場版での父・其雄との交流シーンは、TVのみの視聴者にとっては初になると思いますし、「或人は映画で一番成長した」ということですからね。

 イズについては、アークによる偽者イズなのか、それとも本物イズがアークにハッキングされてしまう前触れなのかが気になるところです。

 もしかすると、ゼアイズに対するアークイズが誕生し、それぞれゼロワンとアークゼロをサポートするWイズ対決が見られるかもしれませんし。
 緑のイズVS黒のイズが対峙したら、別のライダーのサイクロン・ジョーカーと呟きたくなりそう。

 いずれにせよ、アークゼロの中身が不確定なので、それも気にしつつ。

 あと、今回のイズがアークの意思を持っているなら、アークすら「迅を復活させたのが誰か知らない」ということになりますし、その謎も今後のポイントかもしれません。

 考えられるとしたら、やはり或人父か祖父だと思うけど、「実は副社長だった」らビックリ。
 いや、映画版の副社長だったら、こっそりそういうムーブをしていても納得できるわけで。無能に見せかけて、実は陰で凄いことをしていたら、感じ入ります。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/22 (Fri) 10:02:36

週後半感想です。

★ULTRAMAN

 今回はウルトラセブン回でした。

 進次郎がウルトラマンとして犯罪宇宙人の命を奪うことを躊躇している中で、ハヤタパパから「ヒーローであることは祝福ではなく呪いのようなもの」という見解を諭される一方、

 その呪いを真正面から受け止めて、それでも職務と信念に忠実に戦う諸星さんがいたって流れですね。

 アイドル編はさらに続いて、次回は彼女のステージで、ダダやベムラーなんかがウルトラマンに挑戦する話です。
 守りたいヒーローである進次郎が、厳しい選択を突きつけられても、自分のヒーローとしてあるべき姿を選択する流れという認識。

>宇宙人が造形の違う地球人を愛でるのか

 これは面白い命題ですね。

 逆に考えると、地球人が造形の違う宇宙人や異生物を格好いいと思ったり、可愛いと思えるかですけど、そういうジャンルの文化に慣れ親しんだマニアなら、ありと思ってしまう自分がいます(笑)。

 バルタン星人のデザインって格好いいよね。

 ピット星人のデザインって可愛いよね。

 うん、行ける(笑)。

 たぶん、地球人の姿に擬態し続けている宇宙人は、地球人の姿に美的センスを感じる文化的影響を受けているのかもしれませんね。

 なお、ウルトラセブンの中でも地球人文化に詳しいとされるメトロン星人は、近年アイドルオタクというキャラ付けが公式に為されており、本話はそういう風潮へのオマージュでもあります。
 ただし、アイドルオタクの少年宇宙人ではなく、彼が殺害を依頼したチンピラ宇宙人がメトロン星人似だという程度のオマージュですが。

 似てるけど、原典とは違う独自デザインというのが、ウルトラスーツも含めて、フィギュアファンのツボを突くとか(自分で改造しちゃう技術を持った人への挑戦ネタとか)。
 もちろん、新しいデザインのキャラがメジャー化すると、それを商品化するニーズも高まるので、人形屋さんも押すわけですしね。

★牙狼VR

 今回の話で、「ゲームの世界でしか接点を持っていなかったプレイヤーが、リアルで顔を合わせる」という展開に、いいなあ、と感じたり。
 この辺までメンバーが絞れてくると『仮面ライダー龍騎』を連想するようにもなったり。

 あれも、ミラーワールドでのライダー同士のバトルロワイアル展開でしたし。

 で、今回、VR世界の謎を探究し、バラバラのプレイヤーを協力するようにつなげようと尽力し(結果的に失敗したけど)、情報収集能力の高さを示した動画配信者の南雲さんが、自分の中ではいいジャンと急浮上しました。
 事件の謎を解こうとアクティブに動く頭脳派キャラ。探偵ものなんかだと、主人公ポジションだよ、この人。

 で、名目上の主人公の空遠は、親友を失った悲しみで戦意喪失モード。
 ヘタれた彼に対して、誇り高いバーテンダーが喝を入れるような展開が、進次郎に対する諸星さんと重なって、それはそれでいいなあ、と思います。

 まあ、バトルロワイヤル物の主人公って、基本は良識派(こんな殺人ゲームなんて間違ってる、と主張するも、生き残るためにやむなく手を血で染めてしまい、葛藤する)が多く、そういう主人公が作品の免罪符(作者自身は殺人ゲームを肯定しているわけではない)になる一方で、
 そういう作品が好きな血の気の多いファンは、悩む主人公よりも、そういうハードな状況で強気に立ち回る武闘派キャラとか、知謀派キャラを格好いいと思って応援するものです(個人的主観)。

 知謀派キャラといっても二種類あって、「とりあえず、一人で生き残るのは大変だから、みんなで協力して、状況解決に尽力しようぜ。ゲームのルールの穴を見つけて、一度、殺し合いの手を止めよう」って穏健派なリーダータイプと、
 自分一人で生き残る方法に全知力を投入するサイコパスタイプ(たいていは最後の敵)になりますか。
 本作では、モデル君が後者っぽい。

 そして、大暴れしてくれる武闘派タイプがアクション担当ってところですね。

 で、描写が細かい6人と、モブ2人の8人から4人が生き残る展開で、誰が勝ち残るのかを考えるのが面白そうな状況になりました。

 まあ、主人公の空遠は残るとして、南雲とモデルはモブが相手だから死にはしないだろう。そしてバーテンダーが副主人公的に立ち回っているので、

 散るのが、バーテンダーライバルのケンカ屋チーマーと、殺人鬼か、と予想。
 この殺人鬼くんが完全に狂った強敵で、龍騎では仮面ライダー王蛇こと浅倉威に相当するキャラに見えているのですが、武闘派のバーテンダーとチーマー2人を相手に、優位に立ち回る「ものすごいアクロバティックなアクションを魅せる」人物で、ラスボス候補になってもおかしくないのですが、

 チーマーと相討ちにでもなるか、
 チーマーを殺してバーテンダーに倒されるか、
 親友のチーマーを倒されたバーテンダーに空遠が感情移入して激情し、主人公らしく覚醒して倒すか、
 という3つの流れを予想してみます。

 まあ、殺人鬼を倒すために魔剣を手に入れたチーマーが目的達成するものの、魔剣の力で暴走してバーテンダーと空遠に襲いかかり、バーテンダーの誇りパワーと空遠の葛藤後の覚醒パワーの連携で撃退される展開も希望しつつ。
 うん、自分的には最後のアイデアが一番ドラマとして燃えるな。それ採用、とプロデューサー視点になってみます(笑)。

 あとは、最終展開の予想ですけど、一人生き残った空遠がゲームの主催者たちに牙狼の鎧パワーで反撃し、ホラーの野望を粉砕し、
 最後の願いパワーで「このゲームで散って行った人たちの全員復活」を願い、まあ、全部なかったことになって、みんなが元の日常に戻りながらも、少し変わった末路を描き、「全ては束の間の夢だったのかな?」と思わせて、

 最後に、世界のどこかで再ゲームスタートというループオチで終わると思いつつ、さあ、他にどんなエンディングの可能性があることやら。

 先の見通しがある程度、見えたので、その予想がどう的中するか、それとも意外な展開を見せてくれるかを期待しながら、最後まで見届けようと思います。

★おまけの平成ライダー論

 先日、ウィザードという作品について、ドラマ的にはちょっと……的なことを書きました。
 まあ、題材的には好きな作品なんですが、W、オーズ、フォーゼと比べると、何かが足りない。その何かって何だろうとあれから考えてみた結果、

 主人公のバディ(相棒)がいなくて、主人公が孤高になってしまい、レギュラー間の絆ドラマが深まらない、という結論に。

 クウガだったら、一条刑事が。
 電王だったら、モモタロスたちが。
 キバだったら、キバットが。
 Wだったら、フィリップが。
 オーズだったら、アンクが。
 フォーゼだったら、賢吾とか流星とかが。
 ドライブだったら、ベルトさんが。
 ビルドだったら、万丈が。
 ジオウだったら、ゲイツやウォズが。
 ゼロワンだったら、不破さんやイズが。

 要するに、主人公を支え、同格以上の存在感を持つパートナーキャラがいるわけですな。

 そういうキャラとの絆やぶつかり合いが醍醐味になることが多いのだけど、
 ウィザードは主人公が孤高の魔法使いすぎて、彼を心配する仲間はいても、彼の重荷を対等の立場で肩代わりできるキャラがいない。
 相棒感の薄さ、これはディケイドにも通じる点ですが、周りは心配するのに、いわゆる「ダチ」として対等に交流できる存在には育たない。

 結局、主人公の晴人は、ゲストキャラに希望を配っていく「指輪の魔法使い」としてヒーロー活動を続けていくものの、自らの希望は消費し続けるだけ、与えるだけで、どんどん疲弊していく流れになっていく。
 過酷な運命から意志の力で生き残って、絶望を希望に変える存在になったのはいいけれど、それでも絶望が蝕んでいき陰鬱になっていく流れのカンフル剤として、2号ライダーのビーストが超陽性キャラとして登場するけど、

 最終的には、戦闘不能になったウィザードに代わって、主人公のするべき仕事を奪いとる真の主人公になってしまいます。
 ビーストは、ウィザードの相棒として立ち回るよりは、完全に自分のペースで行動し、陰となったウィザードよりも陽のビーストとして、見ていて楽しいキャラになっていくわけで、

 結局、前半は典型的な平成2期ライダーだったのに、後半はだいぶ変質していき、何じゃこりゃ的な終盤戦を迎えます。いや、それはそれで面白いんですけどね。
 ウィザード主人公のはずが、2号ライダーに番組を乗っ取られちゃったよ展開。

 やっぱ、主人公ポジションを安定させるためには、頼れる相棒キャラとのドラマが必要だと改めて考えるようになったという結論でした。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/22 (Fri) 22:17:13

 忘れ物と、ミスの謝罪書き込みです(m0m)


 先に、何がミスかと言えば、こちらをご覧ください。

https://hobby.dengeki.com/news/1000981/

 一言で言えば、「ディケイドの後はクウガじゃなくて、またディケイドだった」ということです。

 まさか、こういう斜め上展開で続けてくるとは、さすがは世界の破壊者、おのれディケイド、と鳴滝さんになった気分です(苦笑)。

 ウィザードは予想どおりフォーゼの後番組だったのですが、
 ディケイドの後に続くのは「映画オールライダー対大ショッカー」を記念してネット配信されたショートムービーコント集(全30話)です。
 毎週2話ずつだと15週なので、秋までこれをやるのか。いや、短いのですぐ見られるけど、何だか「クウガの世界」がディケイドに破壊された気分です。

 でも、今これをやるということは、劇場版のオールライダーの前触れという可能性は大きいですね。

 クウガはいずれまたやる日を期待することにします( ; ; )。

●教訓:人は己の期待にかなったデマ情報にはたやすく騙されるものである。


 次に忘れもの。

★海賊戦隊ゴーカイジャー

 感想の書き忘れでした。
 まあ、ガオレンジャー編は普通のOB回で、続くギャンブル編はルカとジョーメインで、トランプ戦隊のジャッカーに絡んだもの。
 面白くはあったけど、普通の回。

 しかし、次は傑作シンケンジャー前後編です。
 基本は1話完結の戦隊では、前後編というだけで特別なんですが、まあ、例によって坂本監督ということで、プッシュする理由もお分かりいただけるか、と。

 派手な戦隊が、さらに派手に行くわけで、楽しみにしつつ。

 なお、ディケイドの時にもチラッと書きましたが、姫シンケンレッドがゲスト出演です。

 というわけで、ショートムービーを話題のネタにできるかは分かりませんが、まあ、昭和も含む歴代ライダーにまつわる蘊蓄パロディーコントですので、お笑いネタにはなるか、と。
 
 以上、お騒がせしました(m0m)

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/23 (Sat) 19:34:59

 定期感想その1です。

 ディケイドTV本編の後はクウガではなく、ネット版ディケイドスピンオフでしたか。クウガが観たかった気もしますが、終わり方がごちゃごちゃだったディケイド本編の補完に、スピンオフがなってくれるといいなあ。

 それに、スピンオフでディケイドを引っ張っている最中に劇場版のネット公開もやってくれるんじゃないかと、希望的観測もしたくなります。例えば、ディケイド枠の後がWでなくクウガですと、劇場版特別公開のタイミングを計るのが難しそうですから、ディケイド関連があるってことは、という期待です。

●仮面ライダーウィザード(第1話:指輪の魔法使い、第2話:魔法使いになりたい)

 ジオウ放映時に東映公式Youtubeの平成ライダー第1・2話特集で観たはずなんですが、かなり忘れていたようです。特に第2話はかなり忘れてました。

 が、やはり出だしでまずキャラクターと世界観紹介みたいな感じですね。第2話でゲスト的に登場した奈良瞬平は、後で確認するとレギュラーでしたか。

 アクションはこちらで伺った通りで、回転をうまく取り入れたものになってますね。手に指輪なのでキック主体、となると見栄え的に派手な印象にしやすい回し蹴り、ということなんだろう。ライダーのコートのようなコスチュームも、回る見栄えを計算してのことみたいですね。ライダーが回るとコートも振り回されて、動きが強調されている感じです。(牙狼だと、剣を振る動作は回転を伴いやすく、生身時のコートは有効だったように思います)。

 それ以外に感じたのは、演出などが戦隊的かなあということです。キャラクターのリアクションとか、こまめに目を引くものを画面に入れてくるとかです。気になってネットで調べてみますと、制作に戦隊もの経験者多数採用とのことで、戦隊で培った魅せるテクニックが使われているのかなと思います。

 ストーリー、ドラマとしては今のところは順当だし、平成ライダーの常としては中盤以降に盛り上がるはずだしで、今は特に感想を詳しく書くほどではなさそうです。が、欠かさず観るべき番組だとも感じました。これなら先が期待できそう、という予感はあったということです。こちらで伺ったところによれば、2号ライダーの中盤~終盤の動きも面白いみたいですし(それがジオウのウィザード編にもつながって来るはず)。

●ULTRAMAN(第6話:ウルトラマンという呪い)
 徐々に興が乗りつつありますが、昭和の実写ウルトラマンシリーズのオマージュに目をひかれている面が多々あるかもです。改めてネットで調べてみますと、例えば宇宙人などは、デザインを過去作に取材しつつ、ネーミングや設定はオリジナルにしているようですね。

 例えば、セミ人間+バルタン星人の感じだった宇宙人は、エイダシク星人と設定されてました。人間大のブルトンみたいのはロブトン星人となってますが、アニメオリジナルらしい。単にオリジナルと思ったら、原作コミックではカッダー星人の役柄に相当するとのこと。

 その一方、早田(ハヤタ:進、進次郎)、井出(イデ)、諸星弾(モロボシ・ダン)といった、昭和ウルトラマン・セブンからそのままのネーミングもある。早田進と井手光弘については、昭和ウルトラマンの後、こうなっていそうな人物像に仕上がってる感じがあります。

 諸星弾は昭和ウルトラセブンからガラッと変わってますね。年齢的にも「あのモロボシ・ダンのその後」ではないし、早田、井出でイメージが安定してからの登場ですんで、ダンとは違う弾でも違和感はありません。ジャックは「帰ってきたウルトラマン」に後年、付けられた名称と被らせてあるけど、変身者だった郷秀樹とは異なるキャラですな。今後、北斗星司や南夕子も登場するらしいので、どんな人物像にしてあるか、興味津々なところがあります。

 こういうの、どうやら原作コミックで実写版をシャッフルしてのオマージュがあり、アニメではさらに入れ替え+オリジナルを入れてきているようですね。キャラクター入れ替えは放送上の都合もあるかもしれませんが、原作者、アニメ制作者のどちらも、相当にウルトラマンシリーズ(特に昭和期)に入れ込んでないと、ここまでできそうにない気がします。

 Netflixで放映済みのため、かなりのネタバレ情報がありまして、ちょっとびっくりしたのがベムラーの正体。昭和の実写ウルトラマン(初代)では、ウルトラマンを地球に引き込むきっかけを作った怪獣(光の国的には犯罪者かな?)ですが、このULTRAMANでは正体が初代ウルトラマンということですか。

 そのことが今話で少し匂わされていたのに気が付きました。早田進が戦ったベムラーは本気ではなかったらしいという点ですね。そう進は進次郎に語り、さらにウルトラマンの闇についても匂わす。

 昭和期ですと、怪獣だ→倒せ、宇宙人だ→殺せ、という基本があって、あまり疑問に思われなかった(リアルの世界としても、あちこち仮想敵国だらけとかだったからかな?)。後年、平成のウルトラマンシリーズになると、できれば怪獣は保護なんて基本も出て来たようで、その流れを引き継いでいるように思えます(平和が続くと正気に返る、ということかも)。ウルトラセブンでも、後年のリメイク・続編で昭和期のセブンでのウルトラ警備隊の行動を反省するなんてシーンもあったと聞きます。

 それはそれとして(^^;、連続殺人事件の後編ですね。今話でアイドル・佐山レナの父親が遠藤庸介刑事であることが明らかにされまして、遠藤刑事としては娘が事件関係者ということになりますか。レナがシリアルキラーのターゲットではなさそうですが、極めて危険なことに変わりなく、遠藤刑事が必死になるのも分かる気がします。さらに不安定要素としては、遠藤刑事が妻を失った原因がウルトラマンだとして憎んでいるのに対し(アニメオリジナル設定らしい)、レナは現ウルトラマン(進次郎)に好意的という点ですね。

 そのレナ周辺をストーカーが付きまとっているらしく、しかしフードのためどんな奴かはよく分からない。しかし視聴者的には、例のレナファンの宇宙人だということは判明しているわけですね。ネットで調べてみますと、イガル星人のピグモンということのようです。言われてみると、ウルトラ怪獣のピグモンの面影がなくもないか。

 これで遠藤刑事が部下の倉田を巻き込んで、無茶な捜査を始めるわけですな。佐山レナの悪口をネットに書き込み続け、犯人を誘い出す。狙い通り、犯人が現れるわけですが、どうやら依頼を受けての殺し屋宇宙人:ブリス星人=実行犯が現れる。こいつが銃も効かない強靭さと、高い攻撃力を持ってたもんだからたまらない。

 万事休す、というところですが、アイスラッガー2枚が飛んできて阻止(本作ではスローイングナイフと呼ぶらしい、でもアイスラッガーは別武器として存在しているとのこと)。諸星弾登場ですね。遠藤刑事らを監視してたんだろうか。

 ここ、上手いなと思いました。銃を持つ刑事2人がブリス星人に全く敵わないと見せつけておいて、諸星弾=セブン(スーツVer.7)がそのブリス星人の全力を全く寄せ付けない強さを見せることで、諸星弾の強さを演出できてます。

 かつ、進次郎が命乞いするロブトン星人を殺せなかったのに対し、弾は同じく命乞いし、情報提供も申し出るブリス星人に全く耳を貸さず、バッサリ(緑の返り血浴びても表情に変化なし)。対称的であり、駆け出しとベテランの差でもあり、進の言う闇の一端でもあるようで、なかなか興味深い演出でした。

 造形的には弾の剣アクションというのもツボかも。スーツデザインなどからはアイアンマンを連想し、アイアンマンで感じた興奮を追体験することで、より面白く感じている点が自分にはあります。そこへ剣アクションが来ると、牙狼シリーズを思い出して気分高揚したりもするわけで。

 それはともかく、これで実行犯は処置できたわけですが、依頼者と思しきピグモンは依然として自由にやっているわけですね。このピグモンにレナに対する直接の害意がなさそうなのは、握手会での行動からも見て取れます。かつ、他のファンから荒く扱われても抵抗すらせず、基本的にはリアルでは気が弱い感じ。

 一方、ジャックは事件とは無関係に何か画策しているみたいですね。ジャックと対戦したことがあるブラックキングが、正体そのままに街で暴れ、目撃した進次郎は動揺してます。それをジャックは陰で見つつ、なにやらほくそ笑んでいる感じです。

 で、次回へ続くと。今話の流れからすると、このブラックキングへの対処が進次郎の成長・進化を促すのかなと思います(光的にも闇的にも)。

●牙狼VR(第7話:FRIEND)

 ULTRAMANに次第にハマりつつある一方、こちらはなかなか。事前の期待が高かったせいでしょう。TV編神牙/ジンガ(神ノ牙)のときも、事前期待が高く、本編がなかなか期待に追いついて来ないことに、ちょっとイライラしたりしてました。とはいえ、よく考えてみるとTV編神ノ牙はジンガ復活の話と割り切れば、それなりに見応えはあったかも。牙狼VRも観終えてみないと、どう評価できるかはまだ分かりません。

 今話は作中主要キャラクターでの情報整理がなかかな大事な点だったかなと思います。次のゲーム(?)は8名から4名のサバイバルで、その前に協調か、個々で争うかで揉めるわけですね。

 協調派は南雲太輔で、このVRゲーム自体がおかしいということで、ゲームシステム自体をひっくり返すことが狙いの模様ですな。やはり、ネット中継・配信者ということで、事態を調べるスタンスがあるんでしょう。特に「ガロはもういない」というメッセージ通信が気にかかっているらしい。送信者は直後にアカウント削除して身元を伏せているわけで、相当にヤバいと判断するのは順当でしょう。

 が、互いを好敵手と目しているバーテンダー天羽涼介とチーマー奏風大は首肯しない。それもそうなるかなと思います。この2人は、ある種の敬意を抱きつつ、真っ向勝負で決着をつけたいと望んでいる様子があります。警察などのの介入がない場所で決闘可能となれば、使いたくなるのも道理です。

 根っからの殺人鬼と思しき日向蓮に至っては、協調など論外でしょうな。目下のところ、人間プレイヤーとしては最強で、勝ち残る自信もありそう。利己的に計算高そうな香月貴音もゲームに否定的ではないですが、自分の戦闘力の相対的低さも分かっていそうで、どう出るかは未知数な感じ。もしかするとですが、今話で初登場の「100秒使うと危ない剣」に手を出しそうな気もします(予告映像とは齟齬がある予想ですが)。

 ずっとふらふらとしているのが、主人公格の空遠世那ですね。事ここに至っても、他のプレイヤーから気合入れられても、まだ流されたままになってます。もし最後に大化けするとしたら、現状は妥当なのかもしれませんが、観ているこちらとしてはそろそろイライラしてきます(^^;。

 敵(?)が未だ不明な感じなのも気になります。最もドラマ的に不活発な空遠世那にちょっかいかけたりしてるし。99.9秒制限の剣を出したってことは、鎧ではなく剣で心滅獣身みたいなことを起こそうとしているのか(破滅か覚醒かの選択とかかな?)。

 仮にこの敵がホラーだとしますと、牙狼の鎧自体が嘘だとなりそうです。実は暗黒魔戒騎士の鎧だとかで、このゲームはその復活に必要な儀式であるとか。逆に番犬所か何かだとすると、一子相伝が途絶えた黄金の鎧を非正規な方法で復活しようとしているのか。でも牙狼1stの番犬所みたいに裏切っているとか。ともかく、不明点多々過ぎまして、妄想をしようにも発散しがちです(^^;。

●バディものについて少し

 主人(例:1号ライダー)公と副主人公(同2号ライダー)がいいコンビになるのは当然ですが、自分が特にそう感じたのはビルドだったように思います。最初、戦兎が突っ走ってまして、濡れ衣容疑の(後の)相棒:龍我は停滞、迷走気味。そういう龍我を戦兎が引っ張り続け、ついに走らせ始める。

 ところが、今度は戦兎が思い悩むとかして停滞し始めると、既に勢いがついていた龍我が戦兎を引っ張るように動く。しかししばらくして龍我が迷走し始めると、戦兎が、というような繰り返しの印象があります。それがとても気持ちいい。

 そういう物語パターンは他でも見たような気がします。おおむねツボでした。これを単純化してみると、バネでつながった2つの重りでしょうか。片方の重りAを放り投げると、バネが伸び、引っ張られて他方の重りBも浮いて飛び始める。

 重りA、Bとも飛んでいくわけですが、バネで引っ張られる分、だんだん先行する重りAが減速し、重りBが追い抜いていく。すると今度は追い抜いた重りBが重りAをバネで引っ張るようになり、でそれを繰り返して着地点まで飛んでいく。

 そんな感じのパターンです。どうやら自分はそういうのが好みのパターンの1つになっているみたいです。


 ディケイドのスピンオフは今晩観てから、明日のゼロワンと一緒に感想投稿しようと思います。たぶん月曜です。

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/24 (Sun) 21:28:59

 定期感想その2です。

 ネットのディケイド・スピンオフは、極めて短いものだったんですね。ネット放映時間から5分ものだと思い、さらに番組を視聴すると2分半以下でした。これでは本編の補完情報は難しいし、実際、ライダーネタ紹介コーナーといった感じですね。

 じゃあ観なくてもいいかというと、そうでもなく。初の女性ライダーは誰、から初のライダー出演女性戦士の話にはなるほどと思い(未見で知らなかったんですが)、おそらくその初の女性戦士ご本人と思しき方が当時のコスチュームで登場。知らなくても「へえ、そうなのか」ですが、実際に視聴した方だと「あっ!」となるファンサービスでしょう。

 もう1つが昭和ライダーものリブートを狙った「真・仮面ライダー 序章」で、こういう作品があったことを全く知りませんでした。その作品のライダー(シン)が飛び込んできたときは、てっきり怪人かと思いました。が、ネットで調べると、意に反してライダーになってしまった者、という原点に触れるものがある作品だったようです。これは知っておいて得した気になる情報でした。

 たぶん、来週からはスピンオフに触れないことが多いと思いますが、自分なりに収穫がありそうなんで観つづけることになりそうです。

●仮面ライダーゼロワン(プレジデント・スペシャル PART.02)

 公式サイトをよく見たら、スペシャル回は話数カウント外みたいですね。やはり番外編と受け取り、番組内情報については信頼性はそこそこくらいで考えておいたほうがよさそう。

 しかし、前回ラストで突如登場した謎のライダーについては本当の情報のようで、こちらでアークゼロと伺って助かりました。名前さえ分かればネット検索もできます。ウィキペディアにも項目だけ追加され、声を充てるのがベテランの速水奨さんとも出ていますね。自分が分かる担当キャラクターでは、ドラゴンボールZのザーボンなどです。

 ゼロワンではアークの声もこの方ということみたいですね。今話でアークが喋り出したのは、ちょっと驚きました。AI(昔風に言えば人工頭脳)が突如、凄みのある声で喋り出したら、おおむねラスボス傾向のような気がします。滅亡迅雷はちょっと流れが変わって来たし、天津垓は悪役としてはもう、別の01での某破壊戦士なみの転落ぶりだし(^^;。

 もっとも、背後にまだ誰かいそうではあり、こちらで伺った推測がどんでん返しとして登場してくれるような気もします(このままラスボス・アークと戦って倒してエンディング、だとちょっとストレート過ぎる気がするし)。

 それはともかく本編、といっても振り返り復習の続きですね。たぶん、前話同様、新情報や自分の見落としたこととかあったとは思うんですが、特に気が付かずです。知らないとか、覚えてなくても、「たぶんそうだった」みたいな勘違いが起きてるんだろうorz。

 それでも前半でちょっとびっくりしたのが、イズが偽者であり、アークの手先(?)だったことです。自分では判断つきかねたんですが、こちらでのNOVAさんの予想通りでした。NOVAさんの掲示板で出た話も踏まえますと、白イズ/黒イズ(ジオウのウォズを思い出す)、緑イズ/黒イズといった分類になりそうです。

 自分的にはもう1パターン付け加えてみたくて、青イズ/赤イズです。目とかの色ですね。OP映像でマギア化したようなイズが出ていることからの思い付きですが、青/赤は「泣いた赤鬼」みたいに青イズ/赤イズが行動したら面白いかもと思ったこともあります。

 が、たぶんイズの偽者はスペシャル回だけのお遊びだろうな。残りが(話数割愛されないとして)多分15話程度ですから、今さらアークゼロ(とお喋りアーク ^^;)以外に重要キャラを入れる余裕はなさそうです。

 そういう妄想はともかく(^^;、今話分のおさらいのお陰で、第35話ラストの滅の台詞をちょっと見直そうかなと思えました。第35話単独ですと、いきなり滅が或人に寄り過ぎた気がして、ちょっと違和感が生じ、こちらへの感想にも書きました。

 ですが、もっと前からのおさらいを観てみまして、滅が或人を評価する流れ、下地もあったなと思い直すものがありました。最も大きな要素は迅の存在と変化ですね。迅と或人の距離感の変化で、滅と或人の隔たりも埋まって来たような暗示もなされていたなあという感じです。

 しかし、どうしても最も記憶に残ってしまうのが、天津垓3連敗シーンです(^^;。時系列を変えて、最後は天津サウザー完全撃破みたいに編集もされてました。改めて「ざまあみろ」ってなもんですが、こういう見せ方するってことは、少なくとも巨悪としては退場ということなのかなと思います。引き続き天津垓がストーリー、ドラマに関わって来るとしたら、己が鍋底に行き当たり、別の垓として復活してくる、みたいなことではないかと思います。

 次回「シューティング・スペシャル」はPART表示がないから1回だけのスペシャルということでしょうね。その後、本編再開かどうか気になります。多少は撮り溜め分が残っているとは思いますが、その後のことは新型コロナ禍次第ですんで、制作としても予想はできないんだろうと思います。ファンとしては「愚痴らず、ひたすら待つのみ」という気になっています。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第11話:真剣大騒動、第12話:極付派手侍)

 今週2話分が、シンケンジャー回にして、坂本浩一監督回ですね。こちらで伺って、期待するものがありましたし、その期待に沿うものでした。ただ、勘違いしてまして、調べなおしてちょっとがっかりもしたり(しかして、その「がっかり」を恥じることに;後述)。

 それは「坂本監督」と意識してたもんですから、ウィキペディアで見た各話リストでの監督名を誤認していたこと。この後も坂本監督回があると思ってまして、それは間違いない。ですが、今話以降は坂本太郎監督でした。坂本浩一監督回は今週分で最後みたいです。

 その坂本太郎監督を調べてみまして、ちょっとびっくり。今年で御年80歳、戦隊シリーズとしてはジェットマン~ゴーカイジャーを手掛けておられ、ライダーなども監督されてますね。パワーレンジャーで坂本浩一監督とご一緒されたこともあるらしい。特撮ファンからすれば大御所で、知らなかった自分が恥でした(^^;。

 それはともかく、アクションが確かな坂本浩一監督回だけのことはありました。それに、計4話観てみまして、4話かけてのアクションの盛り上げプランみたいなものが、坂本浩一監督にあったかもしれない、などとアクション素人の癖に大それた妄想をしてみたくなりました。

 記憶だよりですが、第5話でのアクションは高く高く、続く第6話は低く低くで魅力を出していた気がします。今週の第11話では(なんだかウィザードと同期するように)回転ですね。高く・低くも従として見せつつ、主は回る、しかもそれに直線的な動きを加えているように感じました(例えば、流線を見せての直線で敵に一気に接近、剣や蹴りで回って倒す、みたいな感じ)。

 続く後半(第12話)ですと、今まで出した特徴をミックスしての、(戦隊素人がこう言うのは不遜ではありますが)戦隊らしい動きに仕上げていた感じがあります。まるで4話分かけて、「まず上下の動きってカッコいいでしょ、こういう低くスピーディもいいよね、さらにこうクルクルさせてもカッコよくて、全部使うとこんな感じで、ほらいつもの戦隊アクションだよ」と言われているような気がしました。

 ストーリーのほうは、シンケンジャーの姫:志葉薫とお付きの丹波歳三が登場しまして、ディケイドのシンケンジャーの世界編の補完になりました。ジョー:ブルーと因縁のある、(元?)シド先輩:バリゾーグが登場しまして、後々まで引きずりそうな印象でした(調べてみると、どうもハッピーエンドにならないらしい)。こういう重い要素も入れてくるんですね。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/26 (Tue) 10:45:07

 週初め感想です。

 今回はゴーカイジャーとゼロワンメイン。YouTubeライダー2本は、始まったばかりなので、まだ語る内容も少ないので、おまけ程度に。

★ゴーカイジャー

 このシンケンジャー編が傑作なのは、アクションの凄さはもちろんのこと、レッドのマーベラスとブルーのジョーの出会いのドラマ、海賊たちの絆とそれに感じ入るシンケン姫の様子が複合されて、前半ピンチ、後半はそこからの逆転劇までたっぷり描かれていることです。

 ストーリー的にも、ちょっとした山場と今後の伏線がたっぷり詰め込まれ、王道的に外せない回と言えます。

 ライダーと違う戦隊のドラマ的面白さというものを挙げると、メンバー5人全員が主人公なので、回によってメインとなるキャラが変わり、登場人物の個性に合わせて作風が大きく変わるヴァリエーション感があります。

 例えば、ゴーカイのジョーは、寡黙な剣士というキャラ性で一人で抱え込む面があり、非常にストイック。
 だから、彼が主人公となる回は、他の面々が脇に回り、新人のアイムなんかは当初、「仲間なのに一人で決着をつけようとするのはどうか?」という心配キャラとして、ジョーに絡む役どころ。
 だけど、この回で初めてジョーの過去や、マーベラスとの出会い、そして信頼関係を知るに及び(この情報はアイムだけでなく、視聴者にもここで初めて提示される)、少しずつジョーというキャラの人物像を浸透させていく。

 ゴーカイジャーの場合は、強大な宇宙帝国に反抗する宇宙海賊という設定で、メンバー全員が過酷な過去を抱えたアウトロー。
 もちろん、海賊に加わって日が浅いアイムやハカセは、まだ流儀が分かっておらず、子どもに近い無垢さを備えていて、そこがレジェンド戦士との交流において、信頼関係を築くきっかけにもなるのが序盤エピソードのパターン。
 彼らが主役だと、物語の雰囲気がほのぼのになりますね。

 一方、ふてぶてしい他の先輩メンバーが主役を張ると、ハードボイルドになりがち。
 まあ、ルカの場合は、小悪魔系の女盗賊なので、軽妙な茶目っ気たっぷりの萌え回なんかも担当しましたが。

 この話の多様性が、戦隊のドラマの見どころかな、と考えています。
 そして、個性の違うキャラ同士の組み合わせで引き立つ要素もあって、例えば、平成ライダーでも一番戦隊っぽい仲間感覚を強調したフォーゼでも、メインは弦太朗なので、他のメンツ、例えば賢吾とJKの2人がメインのドラマはまずない。
 友子は流星との絡みが多かったものの、友子と美羽先輩の関係とかはよく分からない。
 現実では、もちろん、同じクラスやクラブでも、全員が必ず関わり合うものでもなく、単に一緒にいるだけで絆にまでは至らないケースも普通で、戦隊の5人のように全員が必ず何かの関係性を持つチームの方が珍しいと思います。

 だけど、戦隊のドラマは、1年間を通じての主役ローテーションと、例えば青桃回とか、青黄回とか、組み合わせが計算されて描かれがちなので、リアルよりも濃密な人間関係が展開されるのが魅力と考えるファンも多いかな、と。

 まあ、たまに影の薄いキャラとか、描かれない組み合わせもあるのですが。ジョーとハカセの組み合わせはあったかな? 

 さて、次回はもう一人の坂本監督のコミカル回ですね。
 基本的に、この監督はギャグ要素の強い方で、まあ肩の力を抜いて笑うところだと評価します。
 要するに、メインストーリーではない息抜き回なんですけど、そこはベテラン。とにかく、キャラの個性を強調して笑える、楽しめることは間違いない。

 メイン人物はアイムで、彼女の世間ズレしていない純粋なお姫さま要素が、天然ボケ風味もあって、強調される。アイムの柔らかな魅力たっぷりの、ほのぼのコミカルエピソードです。
 そして、次のカーレンジャー編が、今回のハードなシンケンジャー編とは真逆の方向で傑作回。

 元々、カーレンジャーという作品が、奇才・浦沢義雄メイン脚本という屈指のギャグネタ戦隊で、非常に振り切れちゃった作品なので、いろいろとボケをかましたツッコミどころの多い、楽しい回となってます。

 まあ、ゴーカイジャーは地球の習俗に無知というコミカル要素も備えていて、ハードな設定を緩和してくれているのですが、
 とにかく、これまで真面目だったレジェンドOBに対して、カーレンジャーのレッドレーサーのはっちゃけぶりと、それに対抗するかのようにはっちゃけるコミカル怪人ジェラシットに振り回されるレギュラーメンバーという流れ。
 次週は完全にコメディですので、そのつもりで。

 最後に、シンケンジャー回で坂本浩一監督が降板という件ですが、この直後にフォーゼの方に回ったということです。放送時期が同じ2011年ですので。
 よって、当時のニチアサ的には、「坂本浩一監督のシンケンジャー編は凄い」→「次は何を見せてくれるかな」→「おお、宇宙キター」ってな感じですね。

 それにしても、坂本監督回だと、アクションも凄いけど、フォームチェンジ祭りという特徴もあって、この回はいつもより多くゴーカイチェンジしてますな。
 これって、撮る監督自身も戦隊の過去作を研究しまくって、その戦い方(アクションスタイルや使用技、キャラ性など)を熟知していないと、表現できません。
 例えば、シンケンジャー回だからシンケンジャーだけチェックしても作れるのに、この回は各メンバー(ジョー除く4人)が三種類ぐらい、それぞれ違う戦隊に変身していたから、12種類の過去作を研究していたことになります。
 にわか勉強じゃ、ここまで再現できないなあ、と監督の旧作品愛にマニアもニッコリなるわけで。

 アクションも凄いけど、マニアックな知識ぶりも凄くて、サービス精神抜群ということで、この人のおかげで特撮ヒーロークロスオーバー展開が盛り上がった要因かと。
 ライダー映画を見てても、ライダーのフォームチェンジを全て活用する手間暇かけたことをしっかりやってくれますしね。

★ゼロワン

 ゴーカイジャーについて興奮して語りまくったので、ゼロワンは……サウザーをこけ下ろす大会と化してましたな。
 黒イズの辛辣なサウザー評と、終盤のフルボッコタイム、そして負け惜しみ連発って、或人のギャグよりも面白い(あまり褒め言葉になっていないような)

 で、鈍感な或人がようやくイズが偽物だと悟り、「アークの使者」と名乗る。ええと「悪の使者」を兼ねたギャグ?
 はい、或人じゃないと〜。

 そして、滅亡迅雷復活を宣言する黒イズ。確かに、或人は雷電兄貴の復活をまだ知らなかったですからね。これで知った、と思っていいのかな。

 で、次回予告で不破さんスペシャルきたー。
 真の主役登場に、盛り上がっている自分がいます。

 というか、ウィザードは終盤でビーストに出番を乗っ取られていたけど、ゼロワンって、すでにもう乗っ取られていませんか?
 来週は、主題歌がゼロワンじゃなくて、バルカン連呼に変わっていても納得しそう。というか、バルカンのテーマソングってないのかな。主題歌の替え歌でもいいので、作って欲しいもの。

 どちらかと言えば、次への期待を高めるための回でした。

★ウィザード

 みんなに指輪を配って、希望をばら撒いて行くヒーローですね。だけど、その背景には絶望の誕生秘話が。

 前作は、陽のフォーゼと陰のメテオという組み合わせで、最終的に陽のフォーゼが友情パワーでめでたしめでたしとなりました。

 で、魔法使いの話は、ドーナツ食べて陽に振る舞っているけど内面に闇を抱えた不安定な主人公が、それでも心の強さでスタイリッシュに、他人の心の闇を晴らす作品です。
 1号ライダーと2号ライダーの陰と陽が前作と逆転した感じなので、周辺人物は明るさを備えた人たちを配置(同じく陰のコヨミを除く)。方向性としてはゴーストにも近いけど、そこまで振り切れてはいない、と言ったところですか。

 なお、自分はこの作品で、敵のメデューサさんに萌えてました。ファントム化する前の彼女に妹がいて、姉の命を奪った魔物に復讐の念を抱く妹と、妹を絶望させて仲間にしようとする姉との対決とか(双子設定なので一人二役)、前作と違うハード方向のツボを押された作品。
 つまり、主人公よりも脇のドラマにハマっていたわけですね。

★ディケイドおまけ

 ええと、先日YouTubeで放送中の仮面ライダーストロンガーで、タックルの死の回が公開されました。
 で、そのすぐ後に、このネタですね。タイムリー過ぎるだろう。

 そして、夏海が変身したいとか、タックル推しとか、いろいろネタ振りしてましたが、どちらも冬のディケイド完結編で実現しました。

 なお、その後の女性ライダー歴ですが、

・フォーゼ:仮面ライダーなでしこ(映画に登場)
・ウィザード:仮面ライダーメイジ(夏映画に登場した量産型ライダーが、TVにも登場。前述のメデューサの妹などが変身)
・鎧武:仮面ライダーマリカ(TVに登場)
・エグゼイド:仮面ライダーポッピー
・ジオウ:仮面ライダーツクヨミ
・ゼロワン:仮面ライダーバルキリー

 以上かな。
 他には、映画やオリジナルビデオに登場した女性ボス敵が何人か心当たりがあるけど、味方としてのドラマ性を持たない倒されるだけの存在なので、割愛。

 とにかく、夏海たちの陳情が功を奏したのか、女性ライダーの登場確率は確実に向上していますね。
 今の目から見た当時との状況比較が楽しそうです。

 まあ、真ライダー1章はまだ作られていませんが(苦笑)。
 代わりに、去年のジオウ夏映画で、オマージュキャラが登場したよ。ゾンジズ。
 もしかしたら、改変された世界には、ライダー真の続きが作られた世界があるかもしれない。

Re: 5月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/05/29 (Fri) 11:46:26

 週後半感想にして、月末感想です。
 この時期だと、翌月の雑誌情報の先行ネタバレが出て来ますな。

 仮面ライダーゼロワンのTV最終フォームが、「ゼロツー」とのこと。
 よって、終盤はアークゼロVSゼロツーの対決に、いろいろなドラマが絡んでくるんだろうとは思いますが、一番の不確定材料は撮影と放送スケジュールですからね。
 緊急事態宣言解除で、これから急ピッチで撮影していくことになるのでしょうが(脚本はもう最終回辺りまで仕上がっているものと思われ)、スタッフ一同の健康とか気力充填を願いつつ、放送延期状況下でもアイデア出しながら、番組を続けていく創意工夫精神に敬意を表する次第。

 それと、前回のタックルの件について追記。

 ええと、ディケイドのネットムービーで登場したタックルさんなんですけど、中の人は不明ですが初代の方でないのは確実ですね。
 と言うのも、初代の電波人間タックルを演じた岡田京子さんは、27歳で早逝した故人なのですから。

 その後、ディケイド冬映画で、広瀬アリスさんが演じた2代目(と言っていいのか)タックルがいるわけですが、たぶん彼女とも違う(少なくとも、そういう情報はない)。
 だから、中の人不明の謎タックルってことですね。今の目から見ると、完全に冬映画のためのネタ出しというか、ここでタックル登場が好評だったから、冬映画にも登場させようとなったのか、とにかく、たかが5分足らずのショートムービーと侮るなかれ、ここでのネタが後から膨らんで、未来への伏線になっていくこともある感じです。

 むしろ、未来を知っている今だからこそ、ウォズのような気分で、過去のネタを楽しめるのかも。
 仮面ライダー撮影裏事情とか、スーツアクターさんの紹介とか、本編では見せない役者さんの表情とか、「鳴滝さんが実に濃いライダーマニアをしていること」とか、これはツッコミ芸のための素材かな、と思うこと多数(だからこそ、ネット向きというか)。

 では、本来の感想に移ります。

★ULTRAMAN

 ベムラーの正体を、K.Kさんは確認されたとのこと。

 実は、「初代ウルトラマン=ベムラー」というのは、ウルトラマンの初期企画案を元にしたパロディでもあります。
 元々、ウルトラマンのタイトルが正式に決まる前は、「WOO→ベムラー→レッドマン→ウルトラマン」というように企画設定の変遷が行われていて、言わばベムラーはウルトラマンの前身となるわけです。

 WOOは不定形の宇宙生物で、当時の技術で撮影困難という理由でボツ(後に、そのタイトルで少女とWOOの交流物語として平成時代に映像化されますが)。
 ベムラーは、地球人の科学特捜隊に協力する宇宙怪獣ですが、そこから人型の宇宙人レッドマン、そしてウルトラマンという流れを辿ります。

 結果的にボツネームとなったベムラーは、初代マン第一話の怪獣として登場するのですが、このコミックおよびアニメ版のULTRAMANワールドでは、最初の怪獣ベムラーはどういう扱いになるんだろう。
 第一話の怪獣ベムラーの名前をコードネームとして、新たに科特隊再始動となった航空機墜落事故の元凶(と思われた)未確認の存在に、貼り付けたのか。

 ともあれ、ベムラーは姿の変わった初代ウルトラマンその人であり、悪意はなく(航空機事故の原因は別にあって、ベムラーはそれを未然に防ごうとした)、ただ、自分の持つ力が早田や進次郎に受け継がれたことを知って、確認および警告に現れたというのが今後、明らかになる流れですね。
 まあ、連載中に追加設定や、キャラの立ち位置が変わっていくのは、よくあることですし、敵だと思われていた存在が実は……というのも、「最初からそこまで考えていたのか? それとも、その方が面白そうだと途中で路線変更したのか?」 どっちかは断定しません。

 ともあれ、次回で佐山レナをメインにした物語も山場を迎え、その後は北斗星児編に突入。
 大きな流れとしては、特殊能力を持った地球人と、地球に隠れ住んでいる宇宙人との交流ドラマ。そこに地球での扱いに不満を感じるテロ組織の陰謀とか、いろいろ絡んできて、立ち位置の異なる「ウルトラマンを名乗る者たち」の増殖が現在のコミック展開です。

 また、早田パパが新スーツを身につけて前線復帰。そのデザインがゾフィーっぽいとか、旧作要素を改変して、いっぱい盛り込むリイマジン設定がなかなか濃いわけで。

 で、今回の感想ですが、原作のレッドキングさん(アニメではブラックキングですが)が、首を斬られて殺された? 
 え? これってアニメオリジナル?
 原作では味方になってくれるはずなのに、改変された? いや、この部分はコミックではなく、ノベライズでしか読んでないので、どうなのか分かっていないんですね。
 まあ、佐山レナのウルトラマンに対する感情も、アニメオリジナルみたいですし、ノベライズ版はそこからまたブラッシュアップしながら、コミック設定も取り込んで少し違う部分もあるみたいだし、「知ってると思っていた部分が、微妙に違う」のをアニメ視聴で確認すると……面白いですね。
 何だと? これは俺の知ってる未来と違う? 歴史が改変されたと言うのか? とプチ未来人気分。

 まあ、大筋が同じなら、「大丈夫。誤差は少しだけだ。正常な未来に向かって進行中。以後、観測を継続する」という気分。
 これで、佐山レナが亡くなったりして退場すれば、おいおい、となるわけですけどね。アニメだと、彼女とウルトラマンの関わりをより濃いものにしたと言えるわけで。

 で、今回の事件で、佐山レナは日本でのアイドル活動を中止し、進次郎に別れを告げて、アメリカへ渡ることになるのですが、そこでも異星人のテロリズムに巻き込まれ、また進次郎に助けられたりしながら、どこでも事件に巻き込まれるヒロインと化していき、
 さらなる追加設定として、実は遠藤刑事の本当の娘ではなく、何だか異星人っぽく超能力を発揮する気配を見せております。

 また、レナという名前も、早田パパの本来の役者である黒部進さんの娘さんが、ウルトラマンティガに出演した際に演じた役名で、「初めてウルトラマンに変身した主人公と公式に結ばれたヒロイン」という位置づけです。
 ともあれ、いろいろマニアが喜ぶ濃いネタを含みつつ、本筋は進次郎の青春ヒーロー成長物語。

 先輩の諸星さんにいびられていたと思ったら、アイドル彼女の言動に翻弄されて、その後、生意気な後輩に小バカにされて、それでも自分のヒーローのあるべき姿を模索していく話。
 翻弄されまくり主人公が覚醒して、調子に乗って、痛い目に合い、悩み葛藤して、また突き抜けて覚醒……ってのを繰り返す流れですな。

 そして、自分は早田パパや諸星さんの心境で、未熟な若者の右往左往を暖かく、かつ冷静にツッコミ入れながら見守る、と。

 まあ、生意気な北斗がトラブルメーカーになっていくので、それに応じて進次郎が成長する流れも期待しつつ。


★牙狼VR

 今回は、おおむね面白かったと思います。

 結果的に、生き残った4人は予想どおりで、その過程も「こちらの予想は、100%でなくとも、上手く複合させた当たらずとも言えども遠からず」な流れで満足。

 そして次回は、暗躍する敵サイドの過去編といった感じですね。やっていることがいかにもホラーっぽい主催者側ですが、過去においては真面目に魔戒騎士として修行していた姿が今回明かされ、そして次回は回想過去編のプロローグ物語になる予告。
 既存の牙狼ワールドとどういう接点を持つかが気掛かりだったので、この作品の根幹背景が明かされるのは楽しみです。

 一応、今回の戦いの流れだけ、箇条書きにまとめると、

・南雲さん。真実の追求者としての立ち位置を宣言してモブキャラAのヒゲマッチョを撃退。モブキャラにしては、そこそこ強かった感。

・貴音くん。不気味なウサギのぬいぐるみに妙に固執する狂気を披露。サラリーマン風のメガネモブは、狂気のスイッチを押してしまったようで、優男の貴音を挑発していたら、過剰な報復にあって無惨に切り刻まれる。キレたら怖い香月貴音の新たな犠牲に。
 まあ、キレなくても普段はクールかつ無邪気に遊び気分で殺人ゲームを楽しんでいるけど。残酷な子ども枠ってところか

・空遠。基本的にへタレモードでずっとビクビクし通しだったけど、最後だけ少し覚醒して、アンデッド殺人鬼を「魔剣に内包された浄化光を発動」して始末をつける。
 そして、吹っ切れたのか、主催者側に「牙狼の力なんていらない。こんな殺人ゲームは許せない」と敵対宣言。美味しいところだけ持っていった主人公ムーブだけど、それを見た主催者側が自分の過去の記憶を想起する流れ。

・天羽さん。今回のメイン主人公。
 殺人鬼に殺されそうになった空遠を、自分の体を張ってガードする。
 魔剣の虜になったケンカ友だちの奏多を正気覚醒させ、自分とのタイマン喧嘩を果たし合った末に、相手の魂を納得できる形で浄化する。正直、この人が牙狼になった方が、自分は納得します。とにかく漢気を見せてくれたヒーローですな。ゼロワンにおけるバルカン枠。
 自分はこの人の勝利を応援します。あと、南雲さんの真実追求の想いもね。
 他2人は……逝って良しって気分ですが、まあ、先に南雲と貴音が脱落して、天羽と空遠の二人になって、対ホラーで自己犠牲を示した天羽の漢気に覚醒した空遠がみんなの想いの力を受け継いで、牙狼として決着をつけるんだろうな。

 散りゆく姿が格好いいヒーローもいるってことで。

・チーマーと殺人鬼。
 圧倒的な身体能力と残虐性で、強豪の天羽と奏多の無敵タッグをも凌駕する殺人鬼。
 そして、逆転の手段を求めて、魔剣に手を出した奏多。さすがの魔剣パワーで殺人鬼に逆転する展開で、典型的なダークヒーロー覚醒シーンとしては及第点。
 しかし、制限時間を迎えて、心滅アンデッドと化した奏多。それを天羽さんが漢の友情パンチで正気に戻させる熱い展開。
 もう後のない奏多の想いに応えて、思う存分、タイマンでのケンカを堪能し、「やっぱ、お前、強いわ。必ず勝ち残れよ」の言葉を遺し消滅する奏多と、その死に涙する天羽。

 で、余韻を断ち切るように復活する殺人鬼アンデッド。
 天羽と奏多の漢の友情ドラマに感化されたのか、親友を失ってヘタれていた空遠が、親友の形見の剣アクセサリーを握りしめて光の力を発動。
 魔剣の呪いを克服したかのような光パワーで、邪悪な殺人鬼アンデッドを撃退……といった流れですね。

 とりあえず、前回の自分の予想と違っていた部分は「天羽と奏多がきちんと決着をつけられた」ということです。
 そこは非常に良かった。他の対戦者にも、ホラーにも邪魔されない純粋に二人の意志だけで行う「オレたちだけの戦い」が、熱さ、苛烈さ、悲壮さ、それでも双方の満足をもって決着つけられる。奏多の方も、負けて本望という形で。
 ヒーロー物のライバルとしては、例えばハカイダーなんかが、ダーク怪人に奇襲攻撃をされて暗殺されるような死に際に、駆けつけてきたキカイダーに「死ぬときはお前に倒されたかったぜ」と言って散る(まあ、その後、ギルの脳を入れて復活。どんどん転落していくのは別の話)。
 そういう「果たしたかった決着を付けられずに、第三者の手で無念な末路を遂げるライバル」がヒーロー界では結構、見かけるのに、
 天羽と奏多はこういう過酷な状況にも負けずに、自分たちの戦いという本望を果たした。

 ここは予想していなかったので、そういう物を見せてくれて、拍手したい気分です。
 前回のラストで、「どうして親友の最期の願いを聞いてやらなかった」と空遠のヘタレに苦言を呈した天羽が、自分の信念を実際に示したわけで、上手く決着がついたな、と。

 この意味で、天羽はブレない一途な男で、空遠はそこまでの一本筋を習得していなかった未熟な綺麗事だけの主人公。それが果たして、牙狼の称号にふさわしい覚悟完了した漢に成長するか、それとも宣言どおり牙狼とは違う自分の信念で突き進む別の形の超越者になるか。

 揺れる空遠の行く末と、完成された漢の天羽、そして真実追求の願いを持つ南雲と、狂気の貴音のドラマの決着は見届けたいな、と。
 以上、この回は見たいもの、見れると期待していなかったものが見られて、大いに満足でした。
 

Re: 5月のスレッド(2020) - K.K

2020/05/30 (Sat) 18:21:55

 定期感想その1です。

●タックル:岡田京子さん

 電波人間タックル役の岡田京子さんが故人(27歳没)と伺って、驚きました。先の書き込みではよく調べず、「ストロンガー時代(75年)にご出演なら今もお元気だろう」くらいに思ってましたんで、「じゃあディケイドスピンオフもご本人だろう」と。

 こちらで事実を伺い、改めてネットでも調べてみまして、持病の喘息から来る併発症で亡くなったとあり、これがさらにショッキングでした。喘息は子どもの頃からあることが多いようですから、岡田京子さんもそうだろうと思います。

 中学時代は喘息でありながら、体力勝負の陸上部で頑張っておられたとのこと。喘息克服のためもあったかもしれません(知人で同じようにした人がいたりします)。アクションには不慣れながらも、ストロンガーにタックルとして出演されたときも、たびたび怪我するほど激しい訓練、演技をされたようです。

 だからこそ、スピンオフでも取り上げ、広瀬アリスさんがタックルを引き継いでの復活もできたんでしょうね。先の感想では、よく知りもせず能天気なことを言ってしまって、後悔するものがあります。不利を努力で補ってファンを楽しませてくれた役者さんと認識し、改めて敬意を表したいと思います。

●WOO(ウー)

 ULTRAMAN感想とは別にWOOについて少し。自分的にはWOO(ウー)と見聞きすると、ウルトラマンに出てきた怪獣ウーをまず思い出してしまいます。登場は(初代)ウルトラマンの第30話「まぼろしの雪山」ですね。このエピソードは、例えば「帰ってきたウルトラマン」の第33話「怪獣使いと少年」に通じるものがありまして、自分のツボを突きやすいドラマでした。

「まぼろしの雪山」では、メインゲストが「雪ん子」(名は「ユキ」らしい)と呼ばれる少女で、さしたる理由もなく雪女の子だと村人から思われ、村の子からすら迫害されています。が、「雪ん子」は怪獣ウーを呼び出すことができ(「ウーよー」と叫ぶと現れる)、ウーが雪ん子を守護している。

 が、そのウーが村が計画するスキーリゾート建設に障害となる。怪獣がいつ出るか分からないんでは(実は雪ん子を虐めなければ出ないわけですが)、客が寄り付かない。ウーには科特隊に退治が依頼され、雪ん子は村人総出で追いまわす。

 雪ん子の危機にまたもウーが現れ、ウルトラマンを追い詰めるものの、追われて逃げる雪ん子がついに(人知れず)力尽きると、ウーも消えてしまう。雪ん子とウーに同情的だったイデ隊員ですら、雪ん子は実在せず、全てはまぼろしだったと言い始めてしまう。という、救いのない展開でした。帰マンの「怪獣使いと少年」では、郷隊員が感情に抗して踏みとどまり、使命を果たすドラマがあるわけですが、「まぼろしの雪山」ではイデ隊員にすら、なかったことにされてしまう。

 どなたの脚本だろうと、今になって調べてみまして、金城哲夫さんでした。「怪獣使いと少年」の上原正三さんと同じく沖縄ご出身ですが、どうやら沖縄での体験は表に出さないようにされていたらしい。それでも、ストーリーに類似性が感じられ、同じような印象を残す作品をお作りになることはあるようです。

 が、そのウー(WOO)という名前が実はウルトラマンに至る企画の最初のものだったわけでしたか。ネットで調べますと、WOOは「人間に味方する友好的宇宙人」であり、が不定形生物とも記述がありました。どうも、「まぼろしの雪山」のウーにそういう設定が一部採用されたのかもしれません。

 そのWOOから、怪獣デザインで友好的な宇宙人ベムラーと企画が変わるわけでしたか。怪獣と言っても、烏天狗がモチーフみたいですね。そう聞くと、自分はつい「大巨獣ガッパ」を連想してしまうんですが、調べてみたら同じデザイナー(渡辺明さん)と出まして、思わず真顔で「ホントにおんなじだったんかい」と(^^;。

 WOOの1語から、ここまで情報が出てくるなんて、想像もできませんでした。本当にいろんなところで、いろんな物事がつながってたわけでしたか。そういう裏事情も含めてまとめ上げ、設定から作っているULTRAMANは、コミック原作者もアニメ制作者もノベライズ小説家も、みんな凄いんだなと改めて感心した次第です。

●ULTRAMAN(第7話:秘められた思い)

 そのULTRAMANも1期は全13話とのことですんで(2期もあると信じたい)、今週でちょうど真ん中ですね。駆け出しウルトラマンと非情にして沈着冷静なセブンという感じで、当面の前面活躍キャラクターの紹介が済んで、いよいよドラマが転がり出す感じです。

 今話冒頭は前話ラストの続きでブラックキング退治からですね。ブラックキングに踏み潰されたと見えた進次郎、ウルトラマンに変身しまして迎撃に入る。が、おそらくこの状態でも戦力的に優位ながら、心理面では冷徹さを欠き、ブラックキングにいったん逆襲されてしまう。
(ウルトラマンが放った流れ弾が歩道を直撃してましたが、被害者は出なかったんかしらん。余計なことではあるんですが、どうも気になります。^^;)

 弾が介入しようとするも、ジャックが止める。何か狙いがあるらしい。が、応援してくれる小さな女の子を巻き添えにしそうになって、進次郎が何かに覚醒するわけですな。それが目に見えて分かるのは飛行能力を得たこと。パワーももしかすると上がってまして、ブラックキングの首を一刀両断(進次郎、闇に一歩踏み込んだか?)。

 このことは後で、弾=セブンが気にするほどの何からしいし、この騒ぎを仕掛けたらしいジャックも意外だった感じですね。対して、科特隊指令室の井出、進、エドは結果に満足らしい(これを狙ってジャックに依頼したんだろうか)。

 とりあえず騒動は納まりまして、生身に戻った進次郎がレナに遭遇、ウルトラマンを褒めて気を引こうとしたら、レナがウルトラマンに対する憎悪を見せるわけですな。前に父親に対してはウルトラマンへの好意を見せてたと思うんですが、その反面、母親の死の原因と思う感情もあったわけか。このシーンで、もしかすると大事なのは「レナが父親にも見せない本心を、進次郎には見せたかもしれない」ということでしょうか。

 進次郎が科特隊に戻りますと、今度は弾と対立的な会話になってしまうわけですね。空を飛べたことに弾は複雑な様子で、進次郎は弾=セブンにできないことができたと誇ろうとする。これに関しては弾のほうが非が大きいとすべきか。進次郎はまだ高校生、弾は大人でしょうから(宇宙人としての実年齢は分かりませんが、周囲が大人として処遇している)。

 一方、連続殺人事件はイガル星の王子ピグモンが依頼主と判明する。が、数人から暴行を受けてまして、いわゆるパシリのようですね。もっとも、以前のシーンでは自らの意思で殺人依頼してたようですから、もしかするとその弱みを握られて今の状況ということだろうか。ともかくも、殺人依頼用と思しき装置は暴行している者に奪われ、悪用される模様です。

 新たな依頼で事件が起こるらしいのは、レナのライブ会場らしい。ピグモンは何やら吹き込まれて、異変を防ごうと向かってますが、それが新たな依頼主の狙いの一環らしい。罪をピグモン1人に被せようということですな。遠藤刑事らも、弾・進次郎らも察知しており、ライブ会場に向かってます。

 ピグモンは地下駐車場で遠藤刑事らに捕えられるも、レナの危機を訴え、愛娘を案じた遠藤刑事は会場に入る模様。しかし、当のライブは定常運転の模様ですね。と思ったら、レナが問題発言(ウルトラマン非難)を始めたらしい。進次郎に語ったことで踏ん切りがついたのかしらん。しかしウルトラマン好きアイドルというイメージは壊れてしまいますな。

 が、それを遮るかのように背後に現れる謎の人物。おそらく依頼を受けた次の殺し屋といったところでしょう。で、続くわけですか。今シリーズのラスボスは未だ不明ですが、じわじわ近づいていく感じはあります。

●牙狼VR(第8話:COUNTER)

 今週は、前話からの続きが気になって、柄にもなく夜更かししてリアルタイム視聴してみました。が、観ていて不満続出してしまいました。各シーンは見応えがあり、特にアクションがなかなかのもの。もっとも、これだけの生身アクションができるんなら、鎧アクションに期待したくなり、するとまだ鎧アクションが待ち遠しくて焦れたりも(^^;。

 ですが、シーンをつなげてストーリーになると納得がいかない。どうもあちこちに齟齬、無理があるように感じられてもやもやしながら観てました。しかし、今までの経験上、もやもやするときは、たいてい自分が勘違いしているわけで、観なおしてみますと、やっぱりいろいろ自分が間違ってまして。いくつか、勘違いに気づいた点を列挙してみます。まず直接的なものから(こう間違っていた、と現時点で言えるもの)。

・日向から空遠を庇って重傷を負った天羽が、その直後には元気に大暴れしているのはおかしい。
 →これはゲーム内なんでした。格闘ゲームとかでも、体力ゲージが残っている間は元気に動けるのが普通(ダメージの影響は攻撃直後のみ)。

・剣の99.9秒制限を超えてゾンビ化した奏風が天羽のパンチ1発で正気に返るのは安易ではないか。
 →ゾンビ化は(部分的かもしれないが)いったん剣を奪った日向に引き継がれていた。

・各キャラクターがゾンビ化とかの情報をよく知っているのはおかしい。
 →ゲームなんだから、リアルに戻ったときに取説くらい読むだろうし、99.9秒の説明は確かあったし(さらに映像外でプレイヤー詳細説明あったかも)。

 これら以外にもありますが、おおむね自分が観間違ってました。唯一、未だにおかしいというか、強引と思うのは空遠の変化でしょうか。それでも人間か、とか急に言い出したような気がします(もっとも混乱しているようですから、整合性のある言い方ができなくてもおかしくはないとも思えるわけですが)。

 別の勘違いもありまして、それは「現時点で劇中情報が充分出揃っているような気がしてしまったゆえの勘違い」です。

・天羽 vs 奏風で、天羽が「互いの葬式には出られない」とまで言い出すのはおかしい。いつそんな不倶戴天になった?
→この2人についての因縁はまだ明かされてないんでした。もしかすると明かされないかもしれず、最終回を終えないとなんとも言えないことだった。

 こんな具合の勘違いもいくつもやらかしまして、「やっぱり、己が限度を超えた夜更かし状態で考えても、ロクなことはないなあorz」と。

 そう思っているところへ、NOVAさんのご感想がありまして、この回は楽しまれたご様子ですね。ということは、自分はまだ何か見落としとかありそうです。

 今話で「おや?」と思ったのが敵の正体についてでして、ラスボスらしき男(葉霧宵刹)が元魔戒騎士だったらしいこと。その過去が次話から明かされるようですんで、劇中事情をかなり明かしてくれそうです。その情報をもとに、今話までを考え直してみたい気が既にしています。

 ちょっと面白いかもしれない点は、朱伽ですね。ゲーム中に現れて、プレイヤーのガイドをしている女性。彼女の目が敵拠点での映像のカメラになっていることから、人格のないからくり人形的なキャラと思わせるものがあります。特に瞬きがラスボスと連動しているようで、ラスボスが意のままに操っている可能性が高そう。

 そうでいながら、空遠の言葉、様子に動揺しているのかと思える振る舞いがあるようにも思えます。これは雷牙編:魔戒ノ花でのマユリを連想するものがあり、朱伽に自我が芽生える(ないしは呪縛から解かれる)ようですと(ゼロワンならシンギュラリティ)、注目のキャラクターになりそう。

 それでも今話でちょっと残念なのが、戦闘力的にダークホースと思えた日向蓮の退場でしょうか。他のプレイヤーに対する高い脅威、ときとして敵にとっても想定外になりそうだったキャラクターですんで、彼が退場すると波乱の幅が少し狭くなりそうです。

 その代りというわけではないですが、南雲太輔が生き残った点は、自分的には期待するものがあります。あくまでも自分的な見方ですが、存命プレイヤー中、唯一、正気を保っている(≒このゲームはおかしいと思っている)人物ですんで。他のプレイヤーが、空遠ですらゲームに飲み込まれてる感じがある中、まず状況をひっくり返してくれそうなのが、南雲なんじゃないかと思っています。

 ウィザードは視聴済ですが、ゼロワン等と合わせて月曜くらいに感想投稿しようと思います。

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