創作と鑑賞の談話室

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8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/01 (Sat) 00:33:07

 8月の雑談スレッドです。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/01 (Sat) 21:18:38

 定期感想その1です。

 次期ライダー:セイバーが、特番で紹介されまして、公式HPにも情報が出て来て、いろいろ楽しみになります。ただ、ちょっと情報が整理できてなかったです。こちらでご解説頂いて、かなり飲み込めて来た感じです。いつもありがとうございます。

 時期の点で気になることもありまして、通例通り9月最初からの開始という点ですね。「ゼロワンの本編話数、やっぱりコロナ禍で削られたかもしれない」という点が気になったりもします。しかし、制作も熟練しているはずですから、うまく風呂敷畳んでくれると期待したいところです。

●BDリライズ(第21話:刻限のゼルトザーム)

 今話は、地球リアルでのマサキの生死を決する、エルドラでのマサキを巡る戦いでした。マサキが扇の要ながら、動いたのは聖獣クアドルン、続いてメイでしょうか。過去のヒロトの悔いをなぞるようにドラマ展開し、かつ、どうすればよかったかを暗示するような印象でした。

 ともかく本編。ヒロトらがマサキらを倒しに行くと思って、マサキ機に助けられたエルドラの子どもが心配してますね。しかし、ヒロトは「助けに行くんだ」と言って安心させる。半ば方便でしょうか。たぶん、この時点ではヒロトに「助ける/助けられる」という確信はなかったんじゃないかと思います。後のシーンでいったん迷いが見られた気がしますので。

 一方、地球リアルのマサキ病室では、不安を隠せないマサキの姉ミズキに対し、ヒロトの言葉を思い出しつつのヒナタも「きっと起きます、奇跡」「帰ってきます、必ず!」と励ましてまして、なにやらヒロトとシンクロしているような気もしますな。

 エルドラではヒロト側がヒトツメ部隊をレーダー探知、追って行くわけですね。アルスが重用しているマサキが指示に背く動きをした(エルドラ民の保護)ということは、アルスはマサキを追うだろう、とヒロトが考えたんでしょう。

 ヒトツメ部隊に追いついたら、マサキ機もいるのはいいとして、アルスは既にヒロトらを敵対者と思ってますから、交戦状態になるのは必然。もしかするとアルスはこの事態を予想していたのか、それともマサキ機の強さを考慮してか、ガンダムタイプの強敵3機も派遣していたわけですね。

 しかし、ヒロトらも抜かりはなく、新機体やら武装やら、対抗手段を整えていたと。当然、激戦となる。……わけですが、自分としては「なかなかのバトル」くらいしか分からないorz。こちらでNOVAさんのご感想を拝読して、またもですが「知るほどに楽しめるんだなあ」と。

 その頃、聖獣クアドルンはパルの補修を受けつつ、過去の失敗を悔いてますね。要はアルスに止めを刺すのをためらい、今の事態を招いたと。新しいエルドラ民はアルスの攻撃を受けるし、クアドルンはアルスに受けたダメージで飛べなくなってしまった(この点がパルと引き合うものがあるんだろうか)。

 ちょっと意外だったのが、パルの言でして、人の上に立つことになると。壮健そうな兄がいるんで、家督・家産を継ぐのは兄だと思ったんですが、パルが後継者に選ばれているらしい。それだけの力量ある人物ということだったのか。

 ともかく、翼の補修は成りまして、クアドルンはパルを信頼して、テストもなしに実戦に向かうと。激戦中のヒロトらが、やや押されている感もありますが、マサキ機に迫っているところですね。マサキを救おうとするヒロトに、マサキは自分を殺せと願う。操られていたとはいえ、多数のエルドラ民の死傷者を出した後悔に押しつぶされそうであるらしい。

 この時点で地球リアルではマサキの容態が急変するわけですね。エルドラの義体のマサキが生きる意思を失ったことが影響したらしい。エルドラでは上空から飛び込んできたクアドルンが「マサキは私がやる!」と言い、カザミらはヒトツメ部隊に専念する戦術となる。

 が、この「やる」の意味が問題なわけですな。前にクアドルンはマサキの洗脳を解除する手段(マサキ機の頭部の仮面(?)を破壊)を示唆してましたから、ヒロトらはそれを実行するんだと思ったはず。ですが、クアドルンの本意は引導を渡すということだったわけですね。

 が、敵がトランザム行使するなど、戦闘が激しくてヒロト側はクアドルンの真意まで気が回らない模様。攻撃準備の余裕ができたクアドルンが、全力の一撃をマサキに向けようとしているのを見て、ヒロトらもようやく異常事態に気が付く。

 真っ先にマサキを救いに飛び出したのがメイですね。おそらくシールド全開で、なんとかクアドルンの一撃を弾き、「マサキを殺すつもりか!」と。クアドルンは「邪魔をするな、マサキも望んでいる」と返し、ヒロトらもクアドルンの真意に気が付く。クアドルンとしては、たとえマサキが洗脳が解けても耐えられないと思い、この事態を招いた自分が引導を渡すべきと思ってのことというわけか。

 これにまずパルが怒って反論、抗弁するクアドルンにヒロトも反論。マサキを救う(?)に死を以てすれば、マサキの業も殺害の業もクアドルンが背負ってしまうんじゃないか、というわけですね。こういう言い方をしたのは、ヒロトの実体験と重なるものがあるんだろう。

 クアドルンはそれでも撃ちましたが、狙いが逸れる。と思ったら、敵の強敵3機を狙い撃ちしたわけでしたか。ただ、敵にもシールドがあり、討ち漏らしはしましたが。この流れは、やはりヒロトの後悔と重なるものがあり、かつ、どうすべきを暗示する流れだったような気がします。

・ヒロトがイヴの願いに応えて撃った→(これから)クアドルンがマサキを撃つ。
・第2次有志連合戦でヒロトは撃つも、狙いを外した→クアドルンはマサキではなく、本来の敵を撃った。

みたいな感じでしょうか。ともかくも、これでクアドルンとヒロトらの意思は1つとなったようですね。カザミ機は隠し持っていた最強モードを発動して群がる敵を退け、その隙を突くようにヒロトはマサキ機の頭部を攻撃して洗脳を解除。これにはアルスも撤退を選択し、ヒロトらは目的を達成しての辛勝といったところか。

 マサキはゼルトザームからも解放されるも、身体は消滅する。その頃、地球ではいったん心肺停止にまで陥ったマサキが蘇生し、意識まで回復するわけですね。クアドルンの最初の苦渋の選択(マサキを良心の呵責から救う)を考えると、クアドルンがマサキ機を単純に倒した場合は、地球のマサキも生きてはいなかったんだろう。ただ、マサキの良心の呵責問題は解決はしてないですね。とりあえず命は救った、次は心、となりそう。

 その頃、マサキ回復の連絡を受けたリアルのマギーは、エルドラ問題への参戦を不特定多数に呼びかける。「どえらいことしやがる」と思いました。が、カザミがエルドラでの戦いをネットに流してたのを、おそらくマギーは、あくまでもゲームとして捉えていたんだろう。カザミとて、エルドラの真相を知るまではGBN内の出来事と思ってたわけで、無理もないか。

●牙狼MAKAISENKI(第5話:奈落)

 前話が人間の陰我の醜さを描いたのに対し、今話は人間の業の深さでしょうか。事件の中心となった元芸術家の男は、ホラーに憑依されてもいない。むしろ、ホラーですら扱いかねるほどだったという感じです。元芸術家の男の最期はミステリアスでして、殺害した妻の亡霊にとり殺されたようでもあり、ホラーに襲われたようでもあり、己が良心に引導を渡されたようでもありました。

 ともかく本編。冒頭、桐箱に帛紗でしょうか、丁寧に包まれた丸い板を商談相手らしき2人に見せた男が、目を閉じて撫ぜるよう言い出す。どうもマンホールの蓋ですよね。こちらでもマンホール回と伺ってましたし。この時点では、コミカルな印象でした。たぶん、ジオウのマンホール2話の印象が蘇ったせいもありそうです。

 案の定、マンホールの蓋で、発注枚数(10枚)も満たしておらず、男は買い手2人から厳しく叱責される。すごすごとマンホールを持ち帰る男。この辺りから、「おや、コミカルではなさそう」と思いました。男の雰囲気がかなり怪しげですから。

 この男はウィキペディアで見てみると「黄島宏二」となってます。この黄島、どうやら自分が作るマンホールが芸術品、それも至高のものだと信じているらしい。もしかすると、信じたい、かもしれません。

 それだけなら、志向としては職人の域を超えたと見ることもできそうですが、どうもそうではなさそう。自分の作ったものではマンホールでも、歩行者が踏みつけると、どうも面白くなさそうな感じ。マンホールそのものに、何らかの執着がありそうです。

 黄島は自分の工場に戻ると、マンホール製造にいそしむ。仕事ぶりは真面目そうですね。が、作ったマンホールの蓋に触るとエクスタシーじみた忘我の境地に陥るらしい。とりあえず、10枚揃えて納入だけはした模様。街には黄島のマンホールの蓋があちこちに。

 そのうちの1枚の上を酔った女が歩くと引きずり込まれ、ホラー化するわけですね。これが今回のゲストメインホラー:デスホールらしい。ザルバ解説によれば、魔界へ通じる落とし穴ゲートを作って、ホラーに食わせるという、「面倒見のいいホラー」とのこと。元老院は出現を察知するも、邪気が感じられないので居場所はつかめないらしい。

 一方、カオルは「青木久展」でバイトしていまして、尊敬する画家らしい。そこへ、画廊(かな?)にマンホールの買取りを断られた黄島が通りがかるわけですね。青木久は黄島と旧知のようで、コーヒーでも飲みながら話を、と誘うも、黄島は青木がマンホールの蓋を踏んでいるの見て、機嫌を悪くして去ってしまう。

 黄島が自分の工場に戻り、マンホールを水滴で濡らすという謎の行動を取る。そこへホラー:デスホール(人間態)が声をかけてくるわけですね。デスホールは黄島のマンホールを素晴らしいと褒め、もっと作るよう促す。黄島としては、初めて自分の「芸術」を認めてくれた相手らしく、すぐに話に乗った模様。

 デスホールが黄島の蓋を褒めたのはまんざら嘘ではなく、ゲートになるオブジェだからですね。デスホール自身、黄島の蓋を通して人間に憑依したわけですから、品質・出来栄えは確認済みでもあるんでしょう。

 ここでちょっと鋼牙の刻印問題に触れられてまして、レオが魔導の薬を持って、冴島邸を訪れるわけですね。ザルバは刻印は病気じゃないと言い、レオもそれは分かっていると言う。しかし、そうでもしないとレオは居ても立ってもいられない様子ですな。
(それにしても、薬は「霊獣の肝を黒イチゴで煮込んだ」とか言ってまして、聞いただけでも臭くて不味そうです)^^;。)

 鋼牙は当初からレオのこの心配性を見抜いて、刻印について黙っていたのかもしれません。ザルバがレオをゴンザに紹介するとき、何気なしに「阿門法師の再来」とか言ってまして、将来を嘱望されていることもうかがわせてますね。

 レオは鋼牙は刻印に専念したほうがと言い出すも、鋼牙が抑えて「仕事だ」と言って、レオを連れて出かける。黄島の蓋対策ですな。警備員が背後から襲われそうになるのをこっそり助けておいて、次々とマンホールの蓋を封印していく。しかし、黄島が蓋を製造できる以上、モグラたたきのイタチごっこでしかなさそう。

 ついに青木久も餌食になりそうなところを、かろうじて鋼牙らが間に合う。騒ぎを聞きつけてやって来たカオルは、マンホールの蓋が変わっているのに気が付く。観ているこちらとしては、前のシーンでの演出が「ほら、このマンホールの蓋だよ」みたいな、念押しする見せ方してもらってますんで、「ああ、なるほど」とはなりました。

 しかし、普通は気が付かないでしょうね。少なくとも自分は見過ごすこと間違いなしです(鮮やかなカラー蓋に変わったとかなら別ですが)。カオル、さすがは画家と言うべきでしょうね。視覚的な観察と注意力が優れています。

 一方、黄島の工場。己がマンホール蓋を眺めて恍惚となる黄島ですが、一瞬、水に浮かぶ女が映る。黄島の思考イメージみたいですね。この時点では何のことやら分かりませんでしたが、真相は最後に明らかに。ともかく、またデスホール(人間態)が現れまして、出来上がった蓋を片手で持って帰る。すごい怪力ですが、黄島は不審には思ってない様子ですね。

 デスホールは帰路(?)につくも、鋼牙が立ちふさがるわけですね。バトルとなりますが、マンホールは真っ二つにされて消滅、ホラーの正体を現したデスホールもあっさり一刀両断される。今話はホラーはわき役な感じですな。

 なんとなれば、黄島の異様さはホラーの恐ろしさに優るとも劣らないから。工場でマンホール蓋作りにいそしむ黄島ですが、なぜか工場の床に自分のマンホールの蓋がはまっている。黄島が近づくと、蓋が消えて下へ続く穴になったらしい。中は暗闇ですね。

 黄島が覗き込むと、中から女が現れる。これが実は黄島が殺した妻(真弓)であるわけですな。画家で食って行けず、マンホールの蓋を作るようになった黄島を、妻は軽蔑し罵倒していたらしい。それで、ある雨の夜、黄島が妻をマンホールに落とし、蓋をして閉じ込め、水死(ないしは衰弱死)させてしまった。

 これが黄島がマンホールの蓋を、己が芸術、というより絵画として拘る理由だったわけですね。己(黄島)を画家として認めない者(妻)をねじ伏せたマンホールの蓋だからということで。だから蓋に水滴を振りつけることで完成するものでもあったらしい。もしかするとですが、黄島にとって芸術とは、自分が他人から敬われるための手段だったのかもしれません。

 ただ、ちょっと描写で分からない点も。妻視点で黄島を見上げるカットで、黄島は立ったまま動いていない様子なのに、マンホールの蓋が滑るように動いて、はまっています。単なる演出とも考えられますが、もしかすると妻殺害を決意した時点で、ホラーが手を貸してかも、とか考えてみたくなります。

 最初に申しましたが、黄島に死をもたらした者・原因に、かなりの余韻、解釈のある余地のある最期だったような気がします。ストーリーや演出から考えると「妻の怨霊」、牙狼の世界観からすると「ホラー」、現場に残された痕跡のなさからすると「黄島の良心の呵責→狂気→ショック死」。ちょっと判断つきかねます。

 ともあれ、穴の中の女が黄島を掴んだ、というところでシーンがいったん終わる。ホラーを倒した鋼牙が工場を突き止めてやってくると、既に黄島はマンホールの蓋にすがりつくような格好で、何かに怯える顔のまま死んでいる。

 しかし鋼牙は気にしないわけですね。この人間の男(黄島)が何者でもいい。ホラーは討伐し、問題のマンホールの蓋も、もう作られない。だから気にしない。ということなんでしょうけど、これはこれで思い切りが良すぎて怖いかも(^^;。なんと申しますか、幽霊を事務的に処理した、みたいな感じです。

 ともかくも、あれもこれも最後も怖い話でした(^^;。おそらくは黄島の狂気なんだけど、いかにもな狂気演出ではないだけに、かえって生々しい印象になったんじゃないかと思います。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/02 (Sun) 17:58:35

 定期感想その2です。

●仮面ライダーウィザード(第21話:ドラゴンたちの乱舞、第22話:不死鳥の暴走)

 今週分はユウゴ/フェニックスが大化けしまして、あまりの勢いにラスボス化するか、ラスボスを倒すかみたいな印象でした。初回TV放映で観てたら、「この先、フェニックスがどうなるか」と期待したかもしれません。

 しかし予習効果がありまして、来週の第23話で退場なのは分かって観ているわけで。来週分を視聴しないときちんとは分かりませんが、「豪勢な退場のさせ方だなあ」と感心したくなります。代わって台頭してくるはずのソラ/グレムリンが、フェニックスの抜けた穴を埋めてくれることに期待しようとも思います。

 ともかく本編。前話からの続きで、ベルゼバブとの対戦ですね。攻撃すり抜け能力はやはり手強く、ウィザードは己が攻撃を受けてしまい、強制変身解除に追い込まれる。止めを刺そうとするベルゼバブですが、突如、それを遮る者が。

 白い魔法使いですね。正体を知らずに観ていたら、ワイズマンに敵対する、最高度の能力の魔法使いと思い込んだかもしれません。今までもそうミスリードする演出がありましたし。ともかく、白い魔法使いが参戦すると、ベルゼバブの能力をもってしても、対抗できないようですね。

 白い魔法使い、晴人のピンチを救うべく現れたのかと思ったら、目的は別にあったらしい。晴人を連れてどこかへ消えてしまう。行った先で、晴人は白い魔法使いから、ドラゴンの力を限界まで引き出せるが、耐えられないかもしれない、と告げられるわけですね。しかし晴人は臆せず、儀式に臨む。

 一方、前話でユウゴのアパートを訪ね、ユウゴと遭遇した凜子。なぜ来たかとユウゴに問われ、怯える様子はありましたが「警察官だから」と、毅然と言い放つ。これがなぜかユウゴに響いたらしい。ユウゴはベルゼバブの人操りの能力について凜子に教える。小さな使い魔ファントムみたいのを人に取り付かせ、思うままに操るわけですな。

 そうと分かれば、と凜子は拠点の骨とう品店に急いで戻る。拠点では志保が愚痴って泣くし、瞬平は要らんこと言わないよう、しないよう拘束されてるわけですな。凜子、瞬平の戒めを解き、有無を言わせず服をはぎ取りまして、問題の小使い魔を発見、踏み潰すと瞬平が正気に返る。

 この使い魔、攻介にとっては「食事」にできるらしく、えらく惜しがってます。前エピソードでは「他人の死でファントム食うか、飢えて死ぬか」で迷ってたわけですけど、こういう描写を見ると、人の死によらないファントムでもいいらしい。グールも食ってたわけですから、もしかすると「食事」問題って、あまり絶望的なものではないのかもしれません。

 それはそれとして(^^;、瞬平で確認できましたんで、残る被害者も次々とファントムの呪縛から解放、志保の夫も元通りとなりまして、とりあえずの平和が戻る。が、ベルゼバブが健在な限り、再び術が行使され、元の木阿弥に戻ってしまうわけですね。前回は志保を無視という行動でしたが、今回は襲ってくる。

 晴人がいない今、攻介がビーストとして立ち向かうしかないわけですが、相変わらず攻撃すり抜け能力の前には為す術なしですね。そこへ晴人が帰って来る。無事、試練を乗り越えたらしい。ドラゴンの力を限界まで、というからどんなことができるようになったんだろうと思ったら、要は分身の術でしたか。4つのドラゴンスタイルを4人のウィザードで同時攻撃できるわけですね。

 ベルゼバブの攻撃すり抜け能力も、対処可能な同時攻撃数に上限があったらしい。ウィザード4人の同時攻撃で撃破されてしまいましたな。難敵の割に最期は割とあっけなかったかも。

 一方、凜子はユウゴと再会。ユウゴは味が分からないのに、おそらく凜子が持ってきてくれたという理由で、パクパク食って見せたりする(涙すら流したと思しきカットも)。かなり打ち解けた感じですね。凜子もユウゴを信用する気を起こしたのか、やりたいことをやりたいようにやったら、とアドバイスするわけですが、これがマズかった。

 ユウゴのやりたいことは「ウィザードを倒したい」で、やりたいようには「ワイズマンの命令なんか無視」だったわけですもんね。ユウゴはフェニックスに変身すると、爆発的にエネルギーを発散させ、凜子を吹き飛ばしてしまう。

 後半(第22話)に入りますと、凜子がそのまま連れ去られたことが明らかになる。観ていて、ちょっと混乱しました。前話ラストでは凜子は吹っ飛ばされたものの、重傷の様子(傷とか)はなかったみたいなんですが、後半に入ると傷、あざだらけです。てっきり、「何があった? 誰かにやられたか?」と思ったんですが、どうやらフェニックスに吹っ飛ばされたときの怪我らしい。

 そんなことは知らない晴人と瞬平、食料買い出しの帰りに攻介に呼び止められる。このせいで、電話をかけ損ね、凜子の危機を察知できなかったわけですな。どうも攻介は無自覚に波乱を起こす体質らしい(^^;。これに限らず、攻介登場以降、ドラマのテンションのアップダウンが目に見えて激しくなった気がします。

 攻介は鍋を一緒に食おう、なんて言い出すわけですが、晴人らが買った食材も奪って鍋に放り込む。迷惑な行為ですが、これが意外にも塞翁が馬になるわけですね。瞬平が改めて食料買い出しに戻ると、ソラと遭遇。瞬平はソラに渡された品を見て驚き、慌てて拠点の骨とう品店に戻る。

 慌てたのも無理はなく、渡されたのは凜子の身分証で、しかも血とかで汚れている。これはさすがに晴人も色を成し、瞬平はソラを探しに、晴人は凜子を探しに出る。が、これがソラの、ユウゴも巻き込んだ計略であるわけですね。単純なユウゴは、ソラが自分(ソラ)もワイズマンに不満がある、と漏らすと、易々と計画に乗ったらしい。

 ユウゴが凜子を人質に廃倉庫で待ってますと、ワイズマンの意を受けたミサが止めに来るわけですね。この時点ではミサ/メデューサは、ユウゴ/フェニックスは簡単に抑え込めると思っている様子。実際、ファントム態でのバトルになると、たちまちフェニックスは石化されてしまう。

 が、敗死するたびに強化されてきたフェニックスには、もう効かないわけですな。石化を簡単に解いたユウゴは「ワイズマンに伝えな、俺はやりたいようにやる」と言い放ち、ミサはもう為す術なさそう。

 一方、晴人は国安0課の木崎にも協力を依頼して、凜子を探してますね。が、事態を進展させたのはソラであるわけですね。ソラはユウゴをそそのかしておいて、しかし晴人に凜子の居場所を教える。両者をぶつけるべく、ソラが動いていることだけは確かなようです。もしかすると、ミサ/メデューサがフェニックスに対処できないことも察知していたかも。

 ともかくも、晴人は廃倉庫に駆けつけ、重傷の凜子を見、激怒してフェニックスに立ち向かうわけですね(おそらく、ソラの思惑通りであり、ユウゴの望み通りでもある)。今回もフェニックスとは未対決のドラゴン(ランドでいいのかな?)でいったんはフェニックスを退けるわけですが、やはり復活してしまう。こうなるとウィザードは対処できないわけですね。フェニックスはどのドラゴンにも耐性ができてしまってますから。

 ウィザードは凜子を救出する間もなく、フェニックスの逆襲を受けてしまい、ということろで次回へ、ですか。ユウゴ/フェニックスが面白くなってきたんですが、次回で退場というのは実に惜しい気がします。もっとも、惜しいと思うからこそ、退場に重み、印象深さも出るんだろう。ソラの花道作りでもあるのかな。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第31話:衝撃!!秘密作戦、第32話:力を一つに)

 こちらで、今週の2話がオーレンジャー前後編と伺って、そのつもりで観てみました。が、あくまでも途中までの感じですが、まず前半(第31話)でオーレンジャーからの継承が完了したように見えました。続く後半(第32話)OPでは、レジェンド編OPではなく、対ザンギャック編OPが使用されていて、「やっぱり、オーレンジャー編は第31話だけ?」と思いそうになりました。

 ですが第32話では、星野吾郎/オーレッドのアドバイス「仲間の力を合わせるときに、俺たちの大いなる力を使ってくれ」が肝心な場面で効いて来まして、勝利につながると。そこが分かりますと、前編(第31話)と後編(第32話)のドラマ構成的なつながりも見えた気がしました。

 自分的に気が付いたのは、第31話ではオーレンジャーが陽動の足止め戦術(丸尾桃/オーピンク)を使い、本命の作戦(星野吾郎/オーレッド)を実行するも、敵バスコに見抜かれて惜敗。第32話では、ゴーカイジャー側はハカセの必勝兵器が完成するまで、勝てないのを承知で他のゴーカイ戦士が難敵(シールドン)を足止めし、見事に逆転勝利。1巡目の失敗を2巡目で成功させる、燃える展開でした。

 ともかく本編。まずオーレンジャー前編ですが、例によってナビィの占いから始まる。「うあお~」とかいう、要領を得ないものを探せということですね。これが、オーレンジャーのU.A.O.H.=the United Air force OHrangerというわけですね。

 ゴーカージャーの面々がたどり着くのは割と簡単で、向こうから探してきたも同然だから。それが丸尾桃/オーピンクであり、会うや否や、オーレンジャーの大いなる力を渡すとオファーしてくる。しかし条件があって、丸尾桃に付き合えと。どんな試練かと思ったら、ショッピングやらなにやら、丸尾桃が求める日常的なことに付き合えと。

 ついにマーベラスが怒って、大いなる力を渡せと言い出すわけですが、裏があったわけですね。桃の行動は、星野吾郎/オーレッドがバスコを倒し、バスコが奪った各戦隊の大いなる力を奪還すること。そのため、バスコのターゲットであり、かく乱要素ともなり得るゴーカイジャーを引き離していたわけでしたか。

 星野吾郎/オーレッドは変身能力を失っているだけに、バスコも甘く見るだろう、というのも作戦立案で考慮していたかも。作戦失敗時にはオーレンジャーの大いなる力は丸尾桃からゴーカイジャーに託す。オーレンジャーの戦闘能力がないため、いざという場合は仕掛けた爆弾でバスコと相討ち覚悟までしていた。

 が、バスコのほうが一枚上手で、星野吾郎の作戦を全て封じ、オーレッドに宿るオーレンジャーの大いなる力を奪取しようとする。そこを救ったのが、駆けつけたゴーカイジャーであるわけですね。丸尾桃が渡そうとした大いなる力を拒絶し、欲しいものを自分で奪う、という理由らしい。

 この辺りのゴーカイジャーの動きはなかなか興味深いです。仕方ないからくれる、みたいなことではダメ。託すに足ると認めてから渡せ、という感じですね。レジェンド戦隊から力を継承する際、常に困難を乗り越えて認められてからでした。いわゆる通過儀礼ですね。その通過儀礼を、今回はゴーカイジャー側自ら作ったといえそうです。

 ともかく、ゴーカイ―ジャーはオーレンジャーから認められ、力を託され、ひとまずはバスコ以外は撃破する。しかしバスコが、アカレッドも恐れたと言う真の姿を現すわけですね。調べると「バスコ完全体」というものですか。大気圏外から見ていたらしい参謀長ダマラスですら警戒したらしく、次話の刺客(行動隊長シールドン)派遣につながったみたいです。

 このバスコ完全体にはオーレンジャーを継承したゴーカイジャーも為す術なしで完敗。バスコも奪いたいものは奪ったこととて、止めを刺すことなく去る。星野吾郎/オーレッドらは次話の鍵となる「仲間の力を合わせるときに、俺たちの大いなる力を使ってくれ」とアドバイスして去り、オーレンジャーがゴーカイジャーに直接かかわるのは今話限りということらしい。

 続く後半(第32話)。バスコ完全体の脅威を身をもって経験したゴーカイジャーの面々は思い思いに、個別の特訓や、武装開発にいそしむ。ここが今話前半のキーポイントですね。この時点では、個人の能力開発でチームの戦力強化を図っています。まだ「仲間の力を合わせる」の方向性がない。

 真っ先に落ち込んでしまったのがハカセで、強力な銃を作ろうとしたものの、うまくいかないから。しかし、1人で黙々とサッカー練習する少年(浅利悟志)に出会うわけですね。悟志は実力不足でレギュラー入りできず、週末の試合までになんとか、と特訓に励んでいるらしい。

 ここで偽の成功が発生しまして、頑張る悟志を見たハカセが奮起、ついに思い通りの銃を完成させる。そこへザンギャックの行動隊長にして無敵の防御力を持つシールドンが襲来。ゴーカイジャーは迎え撃つわけですが、シールドに阻まれて攻撃が通用しない。ハカセ自信作の銃も効かず、しかも銃は1回の発砲で壊れてしまう始末。

 これでハカセは前より深い絶望に陥るわけですね。で、悟志に会いに行く気を起こすわけですが、その悟志がハカセ以上に落ち込んどります。やっぱりレギュラーになれなかったわけですな。他人のためには一生懸命になれるハカセのこととて、励まし、練習まで付き合うわけですね。

 結局、悟志はハカセの懸命さに打たれたのか、サッカーをしたいという初志に帰ることができ、立ち直る(しかも、サッカーはチームで勝つという、一段上の悟りも得ている)。が、実はハカセが説得したのは自分自身ということでもあったようですね。なんでも、現実でも「他人を説得するとき、最も説得されるのは自分自身である」のだそうで。それだけに、リアリティある流れでした。

 ハカセは武器開発に戻り、鎧が入れる茶々から、はたと思い出すわけですね。前話で星野吾郎/オーレッドに言われた「仲間の力を合わせるときに、俺たちの大いなる力を使ってくれ」です。仲間の力を合わせなきゃ勝てない、と思ったハカセ、必勝の武器を作るからと言って、他のメンバーから武装を借り受ける。

 武装をハカセに渡せば、ゴーカイ戦士は文字通りの徒手空拳になるわけですが、ハカセを信じて武器を託す。そして、ハカセに武器開発を任せ、他のメンバーはシールドン迎撃に向かう。といっても、足止めで時間稼ぎが精いっぱいなことは承知の上。しかし「仲間の力を合わせる」が成った。

 レジェンドの力を駆使してシールドンに立ち向かっては敗れの繰り返しのゴーカイ戦士ですが、諦めない。ついに武器ゴーカイガレオンバスターが完成しまして、オーレンジャーの力も使い、ついにシールドン撃破。シールドンは巨大化しますが、シールドを失っていては、もはやゴーカイジャーの敵ではありませんでしたな。

 シールドンはザンギャック:ダマラスが、バスコ完全体への備え(裏切りとか)も考慮して放った刺客のようです。ということは、ゴーカイジャーとしても、シールドンに完勝したのは、バスコ撃破への第一歩となったと言えそうな気がします。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/03 (Mon) 13:53:11

 定期感想その3です。

●仮面ライダーゼロワン(第41話:ナンジ、隣人と手をとれ!)

 来週~月末の日曜全部放映あるとして、残り5話ですね。それだけに、滅亡迅雷.netのアークから離脱、衛星ゼア/アークの破壊、或人・滅の共闘から、滅の独自の人類絶滅宣言と、極めて急展開でした。

 欲を言えば、コロナ禍で特別編成となった6話分が惜しいわけで。6話分あれば、例えば滅亡迅雷4人衆のうち、既にアーク打倒の覚悟を決めた迅以外がじわじわとアークに追い詰められ、「アークに背くしかない」の決断に至る過程とか描けたんじゃないかと思います(間違いなく燃える展開になるはず)。

 しかし、撮影不可能であることはほぼ天災であって、人為では動かせない。そこで、観た通りの急展開、スピード感、目まぐるしい方向転換で描いてくれたのかなあと思ったりします。上記愚痴も観ている間に思ったわけではなく、観なおして、感想書こうと考え始めて、ふと浮かんだ考えだったりします。

 こうやろうと思ったことが、できないならできないで、できなくなった結果や影響を積極的に使おう、という制作の意図、熟練の技が見えるような気がしました。それでも、TV本編でできなかったことは、劇場版・Vシネマやノベライズで実現してくれたりするんじゃないかなと期待したくなるところです。

 どうでもいいことですが、或人が仮面ライダーゼロツーとなっても、自分は「ゼロワン」と呼んでいることに気が付きました。ゼロワンベースではなくなってますんで、まずいような気もしますが、或人サイドを表すときには「ゼロワン側」のように呼んでおこうかと思います。

 それはともかく本編。仮面ライダーアークゼロを撃破された滅亡迅雷四人衆、いや迅を除く三人衆は拠点に撤退するも、滅は衛星がある限りはよみがえると嘯いてますね。前話でも言ってまして、自分は或人への警告かなと思ったんですが、今話冒頭を見ると間違いでして、自信の表れだったようです。

 或人は破壊された飛電製作所跡でキーを拾い集めてまして、全部無事だったらしい。これさえあればやり直せると言ってまして、こちらも「何度でもよみがえる」であるわけですね。敵味方、どちらもしぶといということでしょうか。

 が、いつもの或人のダジャレに不破が吹くのを契機(?)として、街中で爆発とか起こるわけですね。これは滅でも知らないアークのハッキングによる破壊工作ということらしい。前話で既にイズがシミュレーション済のアークの動きではありますが、分かっていても止める手立てはないということか。

 しかし、何が起こっているかは分かるので、或人が久々のバイクで走り回って避難誘導してますね。唯阿もハッキング径路を察知して、不破とともに頑張っている様子。天津垓もアークの仕業と察知してますが、打つ手なしの様子。ただ、そう思い知ったからこそ、その先のプランを考え始め、この後の急展開につながったようです。

 その垓のもとにイズが現れ、何か提案する。ほぼ同時に(と思われる)、唯阿はアークのハッキング停止を察知する。実際、爆発などもピタリと収まる。が、既に負傷者多数で病院はあふれかえり、多発した火災にも消防の手が回らない。

 イズが垓に提案したのはヒューマギアの復活ですね。しかし、垓はできないと言う。その真意は「或人が飛電インテリジェンス社長として行え」というもの。或人が重役会議に呼び出され、天津垓から請われて社長再就任を受諾する。いったんは自分が指名されたと勘違いした福添副社長も、或人が来たと知ると非常に喜んで、望みを託してます。

 このシーン、第1話での或人の社長就任シーンを思い出しました。あのときは、福添副社長一派が『適任の自分を差し置いて、なんでこんな奴に』という不信感、不満をあらわにしてました。それが苦楽を共にして、今話のような全幅の信頼に変わったわけですね。

 或人も第1話のような「社長って何するの?」みたいな頼りなさはなく、何をすればいいかを理解・意思決定し、実行できる頼もしさに変わってますね。これで、救命・防災・復旧にヒューマギアが多数投入され、事態は急速に改善に向かう。

 一方、滅亡迅雷ではアークと通信途絶しているようで、事情が分からず焦ってますね。特に雷が荒れている。滅はなおもアークを信じようとするも、迅が現れて説得を始める。まずは告白と謝罪で、アークを甘く見て、打倒する段取りが狂い、失敗したことですね。仮に成功していても滅が犠牲になるものだったとも。

 迅としては或人を最後の希望と見ていて、協力を求める。滅は怒り狂う感じですが、迅が傍証とした「或人は雷を助けた」が、滅ではなく雷に響いた様子があります。これがおそらく、この後の昴と協力しての、雷電の仕事につながったみたいですね。

 が、滅は受け入れず、ついに滅 vs 迅の親子(?)対決に。激戦となりますが、ライダー滅の経験値(ラーニング)が上回り、ついに迅は変身解除。しかし滅は(またも)止めが刺せないわけですな。滅は親子の情まではたどり着いてないようですが、少なくとも己の意思は自覚したらしい。

 さらに或人の社長就任演説放送が滅亡迅雷にも届きまして、少なくとも亡、雷に決意を促した感じがあります。亡は旧知(?)の不破に「(何をすればいいか)もう分かっているはずだ」と見抜かれるし、雷に至っては雷電として昴の前に現れてます。

 ただ、滅だけはまだアークに従うか背くか、迷うものがある模様。保育施設に現れまして、おそらくは戯れに弓で狙ってみたりする。そこへまたも迅が現れるわけですね。さすがに滅まで奪われると思ったらしいアーク、滅を強制支配しましてアークゼロに。再びの親子対決ですな。

 が、アークの現決断「ヒューマギアも不要、滅ぼす」は、さすがに滅に離反を決意させるに充分だった模様。滅が信じてきたのは「人類絶滅によるヒューマギアの自由」であるわけですから。滅は刀で迅を貫く寸前で、アークを自分から叩き出す。

 行き場を失ったアークは迅に取り付き、再びアークゼロ化するも、駆けつけた或人と離反の意思を固めた滅で共闘が成立。ゼロツーは既にアークゼロ撃破の実績があり、さらにライダー滅も加わっている。アークゼロは、おそらく完全には意のままにはならない迅ベース。こうなると勝利の帰趨は明らかですね。

 しかし衛星がある限り、アークゼロは復活できるうえ、ヒューマギア初期化も思いのまま。ですが、衛星を熟知する雷電&昴に破壊されてしまうわけですね。これで完全撃破、と思いかけたんですが、もともとの湖底のアークは健在じゃなかったっけ?

 滅もアークゼロを撃破すると、人間がいる限りアークは生まれるとして、「人類はやはり滅ぶべき存在だ」と宣言、迅を連れて去ってしまう。というところで続く、か。流れとしては、当初の敵ボス滅がラスボス化する流れになってる気がします。が、ライダーは捻って来るからなあ。予想がしにくいです(^^;。

 次回「ソコに悪意がある限り」では、アズが現れてアークが健在なことが示され、滅が新たなライダー形態になる、なんて悪夢(予知夢?)をイズが見るらしい。夢を見るということは、先を予想しての悲しみより、さらに深いシンギュラリティ到達なんだろうか。

 それより気になるのがイズの最期が匂わされている予告だという点ですね。アークゼロ似の白いライダー予告映像には出てまして、カラーからするとイズベースでしょうか。うーん、どうにも不吉です。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/05 (Wed) 00:15:28

 8月最初の感想です。
 今回は多少短めになることを前もって。

★ゼロワン

 ゼロツーになっても主題歌は相変わらずゼロワンで。

 クライマックス期なので急展開なのは分かりますが、急展開すぎて見てる方の感情が付いて行かないので、何だかダイジェストを見ているような気分になります。

 撮影事情の件とか、尺の問題もあるのは分かりますが、とりあえず、ドラマでじっくり見せるところをすっ飛ばして、盛り上げるところだけ、つなげた急ぎ足な放送かな、と。
 最初から、こういうクライマックスなら凄い作品だったのですが(初期は一話完結の回も多かったし)、中盤が少しダレてた時期が長かったのと、この期に及んで、「迅を復活させたのが誰か」不明なのと、いつもなら劇場版との同時並行で盛り上げるタイミングで、劇場版の製作が遅れたのと、諸事情で自分の感情が乗っていないと思いつつ。

 それはそうと、滅が迅と激突してもトドメを刺せなかったり、ビルの屋上から地上の人間を狙おうとしていたのに「楽しそうに笑っている家族」の姿を見て、攻撃できずに武器を下ろしたり(その直後に迅が姿を現したので、迅が止めたという意見もありますが、自分は滅が自らの意思で人間の親子を攻撃できないのだと解釈してる)、
 とにかく、今の滅に人類滅亡の意思はないと思われます。それでも、ゼロツー或人と袂を分かつ宣言をして退いたのは、「それまでの自分の生き方を変えることはできないし、或人の手で引導を渡してもらうための偽悪的な態度かな」と思っています。
 次回には、「迅に、人間と共存するヒューマギアの未来を託して、或人との最期の決着をつける覚悟」を見せるのかな、と期待しつつ、

 それはそうと、アークワンの登場と、イズの(もしかすると)散華もあるのか、それとも或人の死同様のフェイクなのか、気にはしつつ。

 まあ、ダイジェストとは言え、サプライズ続きの構成ではあるため、感情は乗らなくても、ストーリーの見せ方、まとめ方を冷静に見届ける知的興味の観点で、最後まで見届けたいとは思います。


★ウィザード

 前半のクライマックスですね。

 倒しても死なないフェニックスさんを封じるため、オールドラゴンの力を結集する、ある意味、ウィザード最大級のバトルの見せ場と言えますので、そこに期待。

 そして、次回の後編は、仁藤の主役編で「魔法少女ビースト」というお笑いネタを期待しつつ。

★ゴーカイジャー

 戦隊恒例の合体攻撃、ゴーカイガレオンバスター登場。

 今回の情報量の多さを整理すると、スーパー戦隊の世界観で当然、人類側もザンギャック戦で地球を守る布陣を固めていたことが分かります。
 変身能力を失っても、軍人としての防衛力はあるわけですが、そこをゲリラ的に襲撃してきたバスコ。

 なお、軍人系戦隊で大規模なのは、チェンジマンとオーレンジャーと思われますが、今回、チェンジマン、フラッシュマン、マスクマンの3つの大いなる力がバスコに奪われたことが判明し、
 他の軍人系組織だと、ゴレンジャー、バトルフィーバー、サンバルカンぐらいかな。ジャッカーは警察系だし、他は民間の研究所か、忍者とか、個人単位のチームですからね。

 ともあれ、海賊戦隊はそもそも地球を守るために戦う戦隊ではなく、宇宙最大のお宝探しが目標。ザンギャックとは因縁があるので戦ってはいるけど、戦う動機は地球のためではなくて、義侠心に基づくもの。
 そこに地球人代表の鎧が加入して、戦隊精神を教え込んでいる最中ですが、メンバー各人も戦隊OBからスーパー戦隊の伝説を教わりながら、だんだん戦隊らしさを吸収している最中なわけですね。

 そして、ここに来て、ようやく「5人が力を合わせての必殺武器」登場と。
 これまでが、単独攻撃ファイナルウェイブの一斉攻撃だけだったのが、ようやく恒例のバズーカ登場で、お馴染みの構図(一つの大型武器をみんなで構えて、ドカーン)を発動。

 まあ、他には、ボール型爆弾とか、メンバー各人の武器を合体させたりとか多彩ですが、バズーカが一番迫力があって、絵になりますな。

 ともあれ、どんどん戦隊らしさを学んでいく海賊戦隊が、地球の守りを軍事組織からも委ねられたのが、今回の目玉になりました。

 次回は、ダイレンジャーのゲスト回で、鎧の主役回。
 彼の役者の一番好きなキャラが、ダイレンジャーの6人めのキバレンジャーです。
 ダイレンジャーは中国拳法と、中華伝説獣の戦隊で、キバレンジャーは白虎の力を備えます。

 一方で、赤のリュウレンジャーは、文字どおり龍の力で戦うラーメン屋で、後に初代仮面ライダー龍騎となったりします(龍騎の主役は、非業の死を遂げた初代から変身能力を継承した2代目設定)。
 リュウレンジャーの操る巨大赤龍の龍星王が、龍騎の操るドラグレッダーにデザインがそっくりで、さらに、そのデザインがセイバーの操るブレイブドラゴンにそっくりで、うわ、懐かしいってなる奴。

 龍星王、ドラグレッダーと画像検索すると納得できるか、と。
 なお、ディケイドが龍騎をドラグレッダーにファイナルフォームライドする「人型が細長い東洋龍に変形するシステム」は、龍星王が人型ロボに変形するシステムを流用していて、玩具ギミックとしても継承されている点が面白かったりも。

 で、話を戻して、鎧が念願のダイレンジャーゲスト回で、キバレンジャーとして活躍したのを、役者さんが大はしゃぎで語っていたのを記憶していたり。
 自分が幼少期に好きだったヒーローに変身できると、そりゃあ嬉しいだろうと微笑ましく。

 では、今回はこれにて。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/07 (Fri) 14:07:40

 定期感想その1です。

●仮面ライダー剣(ブレイド)(第1話:紫紺の戦士、第2話:謎のライダー)

 東映公式Youtubeのライダー20作記念ではなく、改めて第1・2話をやってますね(しかもプレミア公開もした)。ということは、第3話以降もやってくれる、通常ネット放映リストに入ったと考えてよさそう。

 平成ライダー物としては、クウガ→アギト→龍騎→555に続く、第5作目ということですか。ウィキペディアなどによると、この剣(ブレイド)から試行錯誤するようになったとのことで、剣(ブレイド)は当初は低評価する向きがあったものの、中盤以降の盛り上がりで見直されたとかあります(響鬼だと後半から路線変更でしたか)。

 うーん、自分は「平成ライダー物は序盤が慣れるための導入で、話数2桁以降から尻上がりに面白くなる」という印象がありますんで、上記の剣(ブレイド)評価は「それって普通じゃないの?」みたいな気がしなくもありません。TV放映時は、自分は序盤で視聴をやめて後悔しているわけでもありますんで。ともかく「最後まで観たほうがいい」ではあるんでしょう。

 ともかく本編。第1・2話は20作記念(ジオウ)時に観たわけではあります。が、よく知りもせずに多数の平成ライダー1・2話を乱視聴して記憶が混乱してます。今回、改めて観て観て「やっぱり断片的にしか覚えてないなあ」とorz。

 といっても、やはりシリーズの出だしですね。世界観や主な登場人物が誰か、敵は何者か、といった紹介がメインの感じです。人類基盤史研究所(BOARD)の剣崎一真、橘朔也らがアンデッドと呼ばれる怪人と戦っている。

 そこへ、サイエンスライター志望の白井虎太郎が現れ、住む場所に困った剣崎一真に取材を条件に誘いをかけ、住居も提供する。その白井虎太郎は兄嫁が栗原遥香であり、遥香の娘:天音が姪。遥香は夫(白井虎太郎の兄)を亡くしており、喫茶店ハカランダのオーナー店主。

 そのハカランダには出自不明の相川始が最近居候するようになるが、どうも行動、言動に不審な点がある(栗原親子や白井虎太郎には見えていない模様)。予習効果を入れて考えると、当然でして、相川始はジョーカーですもんね。

 白井虎太郎によって、剣崎一真と相川始が引き寄せられていく感じですね。BOARDのほうは、剣崎一真視点では先輩格の橘朔也が裏切り、さらにローカストアンデッドの襲来でBOARDは組織としては壊滅状態に。

 それでもライダー剣として戦う剣崎一真の前に、仮面ライダーカリスが現れる。が、その正体は相川始であるわけですね。この時点では、強さでは圧倒的にカリス≫剣であるらしい。しかし、そんなことに構っている余裕がなくなる。BOARDの烏丸所長が重傷で横たわる映像が送られてきたから、で続く。

 もう少し観続けないと確かなことは言えませんが、改めて観てみた第1・2話の段階では「これでどうして、当時は低評価になったりしたんだろう?」という印象です。この先の展開を知りたくなり、期待もしたくなる要素がちりばめてある。ともかく来週以降、しっかり見届けてみたいと思います。

●BDリライズ(第23話:選択のとき)

 前話の感想時、マギーについて解釈を間違えてましたorz。エルドラの件を、マギーが依然としてGBNゲーム内と捉えていると。今話でハッキリ、マギーがエルドラ・リアルと認識している描写がありましたし、そもそもリアルでメイの保護者(?)なんですから、事情を正しく知っていて当然なのでした。

 ともかく本編。今話はまず地球リアルで態勢を整え、エルドラで用意万端整えた感じですね。まず地球リアルでのマサキ問題からでして、マサキはまだダメージは残るものの、後遺症らしきものもなく、無事に回復に向かっているようですね。

 それでも、ヒロトらのもとへバイクで駆けつけたのはさすがに。バイクから降りた途端、よろめいているようでは、よう事故を起こさなかったもんです。マサキは生真面目な性分らしく、ヒロトらへ礼と謝罪だけはせねばと必死で、無理を押してバイクを駆ってしまったんでしょうな。

 そのマサキがヒロトらと話す様子は、少し可笑しくもありますね。クマに喩えて何か言う癖があるらしい。自分(マサキ)が長期、地球リアルではこん睡状態だったにもかかわらず、回復直後からある程度は動けるのは、クマの冬ごもりのようなものだったかららしい。人間だと、普通はつかまって歩くリハビリを頑張るところからですよね。

 最近聞いた話では、イメージトレーニングをすると、シミュレーションによる技能向上だけでなく、筋力維持なども起こるらしいです。仕組みはまだ未解明の部分が多いようですが(そもそも筋肉自体が未だ謎だらけで、筋肉痛ですら完全解明に至らす)、筋肉を使うつもりになるだけでも、刺激が行くとかあるようです(傍証としては代謝向上とか)。

 それはそれとして(^^;、マサキから朗報もありまして、アルスによる次の砲撃までの時間の情報ですね。ヒロトらの前回戦闘時、やはり砲塔にダメージを与えていて、エネルギー再充填以外に、修復の時間も必要らしい。マサキはアルス支配下にあっただけに、正確な情報と見てよさそう。

 この流れだとマサキも参戦か、と思ったんですが、姉ミズキが追って来まして、かなり興奮している。考えたら道理ですよね、弟がGBNにログインしたまま昏睡状態となり、一時は危篤状態だったんですから。当然、マサキがエルドラに行く(ミズキもエルドラの実在を承知)ことが許せるわけがない。マサキもさすがに従うしかなさそうですし、ヒロトらも強いることはできない(むしろ、ホッとしている?)。

 ヒロトらだけでエルドラに行き、まずはムランらも交えての作戦会議ですね。衛星砲まで上がるのが最初の難関で、クアドルンならガンプラ1機程度なら連れていける。ヒロトは軌道上まで上がれるアーマーを用意しつつあるらしい。カザミも何やら腹案がある模様です。

 が、メイが作戦方針自体に疑義を呈する。攻略でいいのかと。メイとしてはアルスとの和平、和解のほうが妥当な目標と思えるみたいですね。アルスに積年の恨みと復讐の念があるムランは不服の模様ですが、クアドルンはアルスが本来はエルドラの守護者であることを思い出す。作戦方針は「アルスの(守護者としての)再生」で決した模様ですね。

 ということで、エルドラでの作戦物資補給のために地球に戻ると。小さなガンプラがエルドラでは巨大兵器なんですから、ある意味便利で、ある意味怖くもあるところ(マサキ機等が実例)。ともかく、必要な準備を着々と整えている。

 その頃マサキはまだ予後の入院で、病室で悶々としてますね。贖罪を果たしたいけれど、それもできないもどかしさでしょうか。ヒロトを笑顔で送り出したはずのヒナタも内心では動揺しているらしい。それを見抜いたミズキ、アドバイスをしつつも、己が苦悩も打ち明けてみたりする。励ます者は励まされるみたいな感じで、ヒナタも吹っ切れるものがあったみたいですね。

 ヒロトらは物資は調達の見込みが立ったものの、実戦に向けてのテストをどうするかが問題。ということで、メイの仲介で(GBN内の)マギーに頼むと。顔が広いから対戦相手の紹介とか、いろいろやってくれるわけですね。もっとも、それにはカザミの動画が役立ったわけでしたか。視聴者回数が物凄いことになってる。当然、ヒロトらのビルドダイバーズと対戦したい相手もわんさかいるでしょうな。

 で、その中には先代、つまりリクらのビルドダイバーズもいて、サラもいる。これで前作と完全にリンクしましたね。リクらもエルドラ・リアルへ行くかどうか不明ですが(実体化するための例の砂の量の問題もあるし)、少なくともサラは行くんじゃなかろうか。

 前にちらっと映った静止画のコマでは、先代エルドラ民の中に、イヴ似とサラ似の女性がいたような気がします。イヴが復活するかどうかは今作の鍵みたいですし、サラは健在。もしアルスが現状を正しく認識する(現エルドラ民は敵ではなく、守護対象)とすれば、イヴとサラが揃ってアルスに会うのがきっかけになるんじゃないかと思えます。

 それはそれとして(^^;、ヒナタと話して思うところがあったミズキ、病院に戻ってみると、マサキがガンプラを手に物思いにふけっているわけですな。これはマサキ参戦の暗示じゃなかろうか。仮に緒戦から加わらないとしても、(リクらの来援を得ても)劣勢に陥ったヒロトらのピンチに現れるマサキ、みたいな燃える展開を期待したくなるところです。

 今話まで観てみて、「これで風呂敷畳めるか?」という不安はほぼ解消したような気がします。それどころか、定例(?)の「最終回はお祭り」の大団円までやってくれそうな気がします。

●牙狼MAKAISENKI(第6話:手紙)

 今回登場するゲストメイン敵は、正確にはホラーではないみたいですね。ウィキペディアによると「魔戒樹エリンネルグ」で、スペシャルでは別の魔界樹が登場したらしい。スペシャルのは好意的だったらしいですが、今話のはいかにもホラー的ですね。ただし、魅入った人間は人間のまま利用し、毒殺された人間を欲するようですが。

 今話はホラーが登場しないだけでなく、こちらで伺った通り、零が主役という点でも異色回ですな。もし鋼牙が出向いて討伐していたら、どういう結末になったか想像して、実際の零による始末の付け方との比較を考えるのも面白そうです。

 ともかく本編。鋼牙と零が生身の真剣勝負で始まりまして、何かと思ったら訓練だったみたい。カオルも出てくるし(料理は相変わらず全滅状態らしい ^^;)、レオも現れますが、あいさつ程度の登場かな。コルトの情報もちょこっと出まして、東の管轄で活躍しているらしい。

 ほのぼの進行はそこまでで、おそらく指令を受けて零が討伐に向かった先は田舎の一軒家ですな。変わった枝ぶりの木があります。葉がないので枯れ木かと思ったんですが、どうやらそうではないらしい。

 おそらく時間が巻き戻りまして、連続殺人の顛末が語られる。例の木は家の中から見ると、枝が真ん丸になっていて、なかなかの見もののようです(特に月と重なると絶景)。それに、妙に人を引き付けるものがあるらしい。

 まずカメラマンらしき男が撮影していると、家の主夫婦らしき男女が声をかけて招き入れる。で、飯を食わせ、茶も振舞うが、カメラマンの男は苦しみだし、死んでしまう。おそらく毒殺ですね。その死体を木の根元に埋めてしまう。

 夫婦はそうやって、次々と気に興味を持った人間を招き入れては毒殺し、埋めている。この時点では「快楽殺人?」という疑いも持ったんですが、そうではなかった。こうすると息子が帰って来るらしい。

 夫婦には一人息子がいて、海外で報道カメラマンとして活躍しているらしい。その息子が帰ってきます。夫婦は恐るべき連続殺人は露ほども匂わせず、一家だんらんを楽しんでますな。息子は母親にビールを勧め、父親の腰痛を心配し、母親の肉じゃがを食って「不味い不味い」と言うも、皆は嬉しそう。

 冒頭ではそういう流れなんですが、連続殺人の後にもほぼ同じことが「再生」される。ただし、息子はコロッケを食って肉じゃがが不味いと言う。どうやら機械的に動いていて、もしかすると殺して埋めた人数が足りないと、「誤動作」するのかも。だから夫婦は一生懸命(?)人殺しに励んでいたわけか。

 その息子の実際は、既に取材先の戦地で命を落としていたわけですね。死ぬ前に、戦地で拾った種に手紙を添えて親夫婦に送っていた。その種を夫婦が埋めてみると、魔界樹が育ち、死体と引き換えに息子の幻影を見せていたわけか。

 その殺人連鎖を断ち切るため、零が派遣されてきたわけですな。零には毒は効かず、仕事だと言って魔界樹討伐を始める。魔界樹は必死に戦うも、やはり鎧を装着した零の敵ではなかった模様。

 零が苦戦したのは夫婦のほうですね。魔界樹との戦闘中も息子は偽者だと夫婦を説得しようとする。が、夫婦は既に知っていて、こうして来たらしく、受け入れない。やむなく零が魔界樹を一刀両断すると、息子の幻影は徐々に消えていくが、夫婦はひたすら縋り付いて泣くのみ。

 ついに息子の幻影が消滅しますと、夫婦は零に、自分たちも討伐してくるよう頼む。が、魔戒の者が人を斬れるわけもなし。零は「ごめん、俺が斬れるのはホラーだけなんだ」と夫婦に言い、そのまま去ってしまうわけですね。老夫婦はいったん、何事もなかったかのように、戦闘で荒れた家で過ごすも、どうやら毒を仰いで、死んだ模様。息子の手紙を読みつつ、ですね。

 こうなると、零は分かっていた感じがします。夫婦は連続殺人犯ですから、ホラーは討伐、人間は司法の裁き(現行の判例ではおそらく極刑)、となるべきでしょうか。零は一時は鋼牙に対する復讐の念に囚われたこともあるだけに、夫婦の罪は許せずとも、その苦しみには同情するものがあったかもしれません。

 もし鋼牙が討伐していた場合、夫婦の罪のほうに激しい怒りを向けたかも。牙狼1stで似た事例を考えると、第17話「水槽」のホラー:ハルでしょうか。ITエンジニアを魅了して、餌食となる人間を運ばせた奴ですね。鋼牙は怒り狂ってエンジニアも断罪しようとするも、カオルがなんとか押しとどめてました。

 あれで鋼牙も成長しましたが、今話の魔界樹事件ですと、夫婦を警察に引き渡すか、元老院に処置を依頼するかしたかもしれません。もしかすると、元老院としてはそうしたくなくて、零を派遣したのかなと思ったりもします。

 それにしても、今シリーズはホラーよりも人間のほうを掘り下げてくるなあという印象です。陰我の醜さ、妄執、狂気が描かれ、今回のはどう表現したらいいんだろう。「愛も無明であり、苦を招く」みたいな仏教的な感じでしょうか。夫婦は息子を愛するあまり、息子以外には冷酷無情になってしまいましたから。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/08 (Sat) 00:19:27

 週後半感想です。

★リライズ

 日常メイン、バトルなしの仕込み回なんですが、仕込みの内容が凄すぎた。

 物語序盤でよく見られた決戦前の模擬戦への流れですが、マギーさんのコネで、対戦相手が先代ビルドダイバーズとは。

 リクを始めとする前作主人公チームが成長した姿とか、いろいろ見られるお祭り回が次回だと。
 しかも、彼らのフォースレベルが99ですと?(集合写真の右上に表示)
 前作では、まだまだヒヨッ子だった彼らが、正にレジェンドクラスということで、次回はどんなバトルを見せてくれるんだろう? と模擬戦なのにワクワクさせてくれます。

 ある意味、最終決戦よりも盛り上がるのではないか、と思いつつ、いや、最終決戦はもっと凄いバトルを見られるんじゃないか、と、1000%の凄さを期待します。

 ドラマ的には、シドー・マサキの行動が目玉ですな。
 リクたちは、間接的にしかヒロトの助けにはなれなさそうですが、マサキは直接助けてくれそうですし、このまま、GBNに戻って来ないと、彼自身も視聴者視点でも、悔いが残る。

 とにかく、期待をいろいろしていると、その期待に応えながらも超えるレベルで、いい話を見せてもらえているので(期待どおりにならなかったのは、ヒナタがGBNに参戦しなかったことぐらい)、ここまで話を盛り上げてくれるなら、マサキが美味しい場面で登場するんだろうなあ、と期待します。

 そして、アルス改心でエルドラの民を再生復活できるような奇跡を見せてくれるなら、大団円ですな。

 あとは、後日譚的にヒナタが「私もGBNに参加しようかな」と言うシーンとかあれば、言うことないですね。

 ともあれ、次週からラスト3部作に入るのかなあ、と思いつつ、最後まで勢いよく進むことを願います。

★牙狼MS

 雨宮監督は、本作をMSと呼称してるので、それにあやかりつつ。

 この「手紙」回は、自分の初見の印象は、あまりよろしくなかったです。と言うのも、自分が牙狼に求めているものとは違った「スッキリしない回」だったから。
 いや、ドラマ的には感じ入る回なので、例えるなら「ウルトラマンでジャミラの回を見たようなもの哀しさ」あるいは、先日ここで話題にされた「ウー回」ですな。

 うおー、凄いアクション見たー、興奮したー、という気持ちになりたいのに、「あれ? 何だろう、これは?」という、じんわりした心がざわつく作品。
 前回も、ラストがざわつく感じで、さらに今話も続けて、ええと、果たして牙狼はどこに向かってるの? と思って、次回を見ると、やったー、期待どおりのものが見れた、というのが、当時の試聴記憶。

 牙狼MSとしては、次回が文句なしの本筋です。
 王道本筋が盛り上がるからこそ、たまにある異色回が印象的なシリーズ構成だったんだなあ、と。

 さて、今回のゲストキャラ、戦場カメラマンの息子を演じたのは、友情出演の高野八誠さん。
 当時は、ウルトラマンアグルや仮面ライダーライアというサブヒーロー(登場作品は、ガイアと龍騎)を演じたヒーロー俳優です。
 あ、それと仮面ライダーThe First&Nextの2号、一文字隼人でもある。

 とにかく、特撮ファンにとっての大物ゲストだったので、ホラーの人間体として大暴れするのかな、と思って見てたら、ただの幻だったり、それでも「当時はまだ珍しい涼村零の主役エピソード」で、MSが牙狼の世界観を広げようとしているんだなあ、と感じたり、
 とにかく牙狼シリーズは先行き情報の出にくい作品シリーズなので、何が来るか毎回サプライズで見てましたな。

 で、今は……展開は知っているのに、雨宮監督がツイッターで当時のメイキング裏話を公開してくれるので、貴重な視聴体験ができてます。
 コロナで仕事ができない環境だから、時間があるので、ファンサービスとして、いろいろ語ってくれるのが本当に嬉しい。

 実は、この回、最初のシリーズで没脚本になったのをブラッシュアップして、零の主役エピソードとして復活させたものだそうな。
 まあ、この回の没ネタがあったから、そこを踏み台にして生まれた1期の回もあったそうだし、ホラーではない魔界樹という設定も、人の生死を司る存在として、いろいろとイメージの源泉にもなったそうだし、

 でも、お蔵入りにならずに、MSで復刻できたからこそ、「こういうドラマをも許容する牙狼世界の奥深さ」を示し得て、監督的には非常に印象的な回だったそうな。

 MSは2クール目が大河ドラマ的に加速するので、その前に、1期で見せられなかった変化球を前半で取り混ぜたとのことで、まあ、次回は王道中の王道回ですけど、その次が時代劇回とか、自分のツボだった変化球で、とにかく毎回が「何が来るか分からないサプライズ」だったなあ、と懐古してみました。

★仮面ライダー剣

 カーレンジャーの後みたいですね。
 たぶん、次ライダーのセイバーが剣ネタだから、それに合わせる形で出して来たのかなあ。

 剣は、前半と後半でメインライターが変わってますね。その次の響鬼もそうですが、製作体制が「平成ライダーに新しい風を吹かそうとして、空回りしていた時期」だと考えます。

 自分的には、その前作のファイズが大好きでして、剣はまあ、惰性で見ていた感じです。
 まず、カードで戦うのが龍騎の二番煎じですし、当初は「サラリーマンライダー、組織のバックアップで戦う初のライダー」という売りで宣伝していたのに、
 当の組織BOARDがいきなり壊滅して、結局、「主役と、サポート役の頼りない男性と、勝気な女性ヒロイン」の前作と同じ組み合わせ、
 死んだと思われた所長が実は生きていて、謎を語ってくれるのかと思いきや、また姿をくらまし、
 しかも、ヒーロー物のノウハウをあまり知らないミステリー脚本家の変なストーリー展開(謎は散りばめるのに、謎解きが特撮番組にしてはチープというか)、
 ドラマの要素はいろいろ設定しているのに、2時間ドラマの感覚で作っているためか、展開が非常にもたつき、伏線を張るだけで、ちっとも回収しそうにない流れ、
 アンデッドという敵怪人が(デザインはいいのに)序盤は大したドラマもなく、倒されるだけの魅力のない構造だったり、

 ああ、脚本家が慣れていないと、こうなのかあ、と思わせてくれた作品ですね。

 でも、とりあえず、フォーゼを見た後だと、「リブラ校長の前世である橘さん=仮面ライダーギャレン」が楽しいと思います。

 あとは、始を中心としたドラマとして、当時は見ていましたね。剣崎はよくいる未熟な熱血漢主人公で、当時はあまり魅力を感じていませんでしたが(クールな橘さんが先輩として引っ張ってくれるなら、いいキャラ配置だと思ったのに、橘さんがどうしようもなく迷走してましたから)、
 前半は新しい風を吹かそうとして、毎回がどこに流れるか分からない逆風渦巻くドラマで、展開を真面目に読もうとすればするほど、???になっていました。

 他にトピックは、ああ、途中で牙狼のヒロインのカオルが、女アンデッド役で登場したり、
 ウルトラセブンのモロボシ・ダンさんが、BOARDのトップとして登場したりしますな。

 ともあれ「人間に化けたアンデッド」がドラマの中核になる辺りから、話が面白くなったなあ、という記憶です。

PS.何にせよ、誰が敵で、誰が味方か分からなくなる錯綜した物語が、剣の魅力といえば魅力かも。ライダー同士のバトルとか、アンデッドにも話の分かる奴がいて、それでも戦いは避けられなくて、などなど。
 バトル的には、複数カードを使えるようになって、コンボの見せ方が派手になってくると、面白くなりますね。序盤は、技がイマイチ地味。武器の剣が大きすぎて、立ち回りがトロいですし。でも、変身時に出現する巨大カードのエフェクトで、怪人を弾き飛ばすなど、だんだん見せ方がこなれて来るのを楽しむこともできるかな。

 って、語り始めると止まらないですね(苦笑)。二話一だと、当時感じた遅い展開も緩和されるのかも。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/09 (Sun) 15:41:39

 定期感想その2です。

 仮面ライダー剣(ブレイド)の第1・2話を観て、伏線、謎が多そうに見えたんですが、なかなか回収してくれないわけでしたか。あるいは回収の仕方に、ライダー物としては不満の出やすい作りだと。

 その辺りは注意、覚悟(?)して、続きを観て行こうかと思います。中盤から盛り上がる、という評判は、もしかすると脚本家の交代で作風が変わったのかな。まあ、見てのお楽しみと考えておこうと思います。

●仮面ライダーウィザード(第23話:決戦、第24話:魔法使いの祖母)

 前半のフェニックス完結編(?)は、意外にあっさりしてたかもという印象です。ラストバトル自体は、ウィザードのドラゴン4体まとめたオールドラゴン披露もあって、なかなか派手でありました(でも、スーツアクターが入って格闘戦できるデザインではなさそう ^^;)。

 フェニックスへの止めも、因果応報とはいえ、凄惨な結末ですから、詳しく描かないというのも分かります(不死って、途中まではいいようで、やっぱり呪いだなあ)。自分的に不満なのは、攻防の目まぐるしさがあまり感じられなかった点ですね。

 頭脳戦でもなし、ピンチで覚醒するでもなし。まあ、既にウィザードがオールドラゴンを会得しており、フェニックスに完勝する強さという前提からは、今話のような決着になるのが順当なんでしょうけど。

 ともかく本編。前話ラストからの続きで、フェニックス vs ウィザードですが、フェニックス圧倒的優勢。そこに(食欲で ^^;)割り込んだのがビーストで、その隙をついてウィザードは凜子をなんとか救出。ビーストは食うと張り切るわけですが、どうやら魔力不足のようで、使い魔(グリーングリフォン)共々、フェニックスに一蹴された模様。ソラが外で、この様子を窺っていたようですね。

 凜子は入院し、看護師が晴人に曰く「命に別状はない」とのこと。まず命に言及するということは、相当の重傷ということだろう(もっとも、今話ラストでは急速な回復を見せてましたが)。そこへ(連絡を受けたらしい)国安0課の木崎もやって来ますが、凜子の病室には入らず、晴人に「お前が巻き込んだ人間すら守れないとは、聞いて呆れる」と。これは罵倒というよりは、晴人がヘタレていると見て、活を入れる狙いでしょう。

 一方、フェニックスは晴人=ウィザードをおびき出そうと、街を破壊し始める。これを拠点の骨とう品店で察知したコヨミ、晴人に急報しようとしますが、攻介が止めるわけですね。晴人は凜子に付き添うべき、と建前を言うも、本音の食欲も口に出してしまいまして、危機感のなさは相変わらずですな。

 攻介はビーストとなってフェニックスに立ち向かおうとするわけですが、魔力補給してないはずですから、再び惨敗するはず。ですが、フェニックスに戦闘意欲がない。ウィザード以外とは戦う気がないわけですね。ウィザードが来ないんならやめた、とばかりフェニックスは破壊活動をやめてしまい、晴人を呼び出す伝言を残し、グールをけしかけて去る(とりあえず、攻介の用は足りたことになりそう)。

 攻介は依然として食欲で動こうとしてますが、晴人は木崎に活入れられても、凹んだだままですね。晴人を動かすきっかけは、まず凜子。ユウゴ=フェニックスと密かに会っていたと、晴人に告白するわけですな。つまり、凜子の負傷は自ら招いたことであり、さらに街への被害を出した責任もあるとなります。

 自分が凹んでるとなかなか立ち直れないもんですが、他人が凹んでいると、つい励ましたくなるもの。しかも他人を励ますと、自分にも活を入れるというのはよくあることですね。そこへコヨミの追撃が入りまして、こちらは正面切って励ます。

 これでようやく、木崎の活も晴人に遅効性で響いたようですな。攻介のもとに出向きまして、フェニックスは自分(晴人)が倒すと告げる。そろそろ息が合ってきたらしい攻介、見え見えの嘘の理由を挙げて、晴人にフェニックスを譲ると。

 これで、フェニックス vs ウィザードの1対1対決が成りまして、前対戦通り、緒戦はフェニックス優勢。しかしドラゴン4体をまとめたオールドラゴンをウィザードが投入しますと、もはやフェニックスでは敵わない模様。

 抵抗虚しく太陽表面まで吹き飛ばされるわけですね。確かに死んでも復活するが、すぐに燃え尽きて死ぬ。その繰り返しということですか。重力も強いはずですから抜け出すこともできないでしょうな(たとえ太陽が燃え尽きて白色矮星となり、さらに冷え切った後でも)。

 ウィザードが敵幹部を退場させて完勝ですが、白い魔法使いは何やら満足げですな。晴人が魔法使いとして完成したような独り言を漏らしてます。まあ、ドラゴンの試練受けさせたりで育てたわけですから、順当ではありますね。しかし予習で分かる正体を踏まえると、敵味方どちらも利用しているわけで、劇中キャラクターに真相が知られてどうなるか、ちょっとワクワクしてきます。

 ともかく、これでソウゴ=フェニックスは退場。代わってミサと協力を申し出たのが、ソラ=グレムリンというわけですな。ミサ=メデューサはワイズマンからユウゴを止められなかった失態はお目こぼししてもらってますが、汚名返上は考えているはず(失態が続けば、身の安全すら危ういかもしれないし)。それゆえ、ソラの申し出をあっさり受けたのかもしれません。

 続く後半(第24話)はちょっとコミカルで、攻介の祖母登場ですね。このおばあちゃんだけが、一人合点突っ走りの攻介にブレーキ掛けられる存在らしい。次話も見ないと分かりませんが、ドラマテンポを上げる効果のある攻介が、さらに緩急の変化が加われば、さらに面白くなりそうです。

 それはともかく、冒頭は前話からの続きで、ソラ=グレムリンがミサ=メデューサに声をかけたところから。会話の続きを見ますと、前話ラストで自分が想像した「ミサがソラの申し出をあっさり受けた」は間違いだったみたいですorz。ミサは、フェニックス退場の仕掛け人と疑ったり、実績抜きには信用する気はないらしい。

 一方、攻介ら。凜子のデートの誘いだとかで、攻介は移動ドーナツ屋ではしゃいでますな。しかし実際は、攻介の祖母:仁藤敏江が訪ねて来たわけですね。凜子は攻介の所在を尋ねた敏江を連れてきただけ。

 攻介は俊介らに、祖母:敏江には正体(ビースト)を知られないようにしてくれと頼む。観ていて「祖母が苦手らしいが、やはり心配を掛けたくないのか」と感心しそうになったんですが、実は祖母に怒られるのが怖いからでしたか。攻介は小さい頃から、事あるごとに祖母に叱られ、未だ引きずっているらしい。ですが、祖母が叱責した事例を見る限り、知らずに危ないことをする攻介を案じたゆえみたいですね(しかし現在の攻介は未だにそこを学んでないと ^^;)。

 ともかく、そこへ今回のゲストメイン敵:ワータイガー&グールが襲来してくる(これはつまり敏江がゲートということ)。ですが、攻介は正体がバレたくない余り、ビーストに変身後も(裏声で)「魔法少女」と名乗ったりしまして、スラップスティック状態ですね。ただ、攻介がうっかりして祖母:敏江に「フォントムを食わないと死ぬ」とバレてもしまう。このとき婆ちゃん、何やら察するするものがあった模様。

 敏江は晴人らの説明で自分がゲートだと理解する。攻介はそれでも自分の正体を隠そうとし、そのための騒ぎで敏江婆ちゃんと衝突までする。が、敏江は「あの魔法少女が誰か?」を消去法で探りたかったみたい。攻介もまた、祖母:敏江が心配ではあるらしいですね。後で晴人に、実家に帰る敏江を頼む。

 ですが、帰りのバスがまずかった。運転手がワータイガー(人間態)と入れ替わってるわけですな。これにはソラ/グレムリンの入れ知恵(敏江の心の支えは攻介、だろう)があった模様。

 しかし、攻介も晴人らに婆ちゃんを頼んでおいて、しかし心配でこっそり後をつけて来てたたわけですな。晴人は(おそらくワータイガーに警戒されて)バスに乗り損ねるも、変装した攻介はしっかり乗り込んでる(もしかすると、ワータイガーの狙い通り?)。

 この事態に意を決した攻介、婆ちゃんに「説教は後で」と言い、ビーストに変身して対処を開始する(これを見たワータイガーが「またお前か」と怒ってまして、やっぱり攻介は想定外?)。乗り損ねた晴人もウィザードになってバイクで追いついてくる。内外でついにバスを止め、祖母:敏江を逃がしつつ、バトルは外へ。が、この時点で祖母:敏江はついにビーストが攻介であると確信した模様。

 バトルのほうは、「ビーストはウィザードの指輪を使えないが、逆は可能」みたいな設定も示されてまして、「だとすると、今後どうなる?」みたいな興味も湧きました。それはともかく、おそらく「攻介がバトルで負けないとしても、飢えて死ぬ」と思った婆ちゃん、「私を絶望させなさい」とワータイガーに迫る(こんな毅然としてて、どうやって絶望させるのか疑問ですが ^^;)。

 このときのワータイガーの台詞「死への恐怖で絶望しろ」で、鈍い自分にもようやく彼の狙いが分かった気がします。ゲートの孫の死ではなく、ゲート本人の死への恐怖というわけでしたか。しかし、俊介が祖母:敏江を庇って倒れたところに、ソラ=グレムリンが現れて瞬平を捉え、敏江と交換だと言って連れ去る。そこで次回へ、ですか。この流れですと、「攻介と婆ちゃん、この事件を機に積年の誤解を解く」結末を期待したくなります。

●仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010(ネット放映)

 ようやく視聴できまして、これでディケイドが自分の中でも一応の完結となり、納得するものもありました。もしWもきちんと観終えていれば、「これがWの本編前のいきさつ、真の始まりだったか」と思えたんでしょうけど、序盤で視聴をやめたのは痛かったorz。

 納得できた点の1つは、例えばキバの紅渡(ARでないほう)の扱いですね。TV本編だと、紅渡の士や平行世界のライダーに対する扱いが、いかにも悪辣そうでした。が、この劇場版で(こちらで既に伺ったことではありますが)、破壊→創造のセットだったことが明かされ、ようやく(安心に近い)納得がいきました。

 物語構成としては3編になってますね(東映のOPも3回ある)。「仮面ライダーディケイド 完結編」で、士はいったん全てのライダーを滅ぼすも(破壊)、新たなライダー:仮面ライダーキバーラ(夏海)に、わざと倒される。

 しかし、これで各ライダー世界が復活する(創造)。ただ、士には「物語がない」≒「誰も覚えていない」ため復活しない。そこで、夏海らが写真を頼りに物語を創造、士復活となるわけですね。

 岬ユリコ=電波人間タックルがどうして出てきたのか、最初は作劇的な理由が分かりませんでした。しかし、士が消えたままの場合の運命を暗示する役割だったかと、視聴後に思ったりも(世界から消失してもなお居場所はある、みたいな)。

 しかし、大ショッカーを引き継いだスーパーショッカーの負の遺産「ネオ生命体」が残ってしまうわけですね。これが続く「仮面ライダーW ビギンズナイト」で討ち漏らしたデス・ドーパントと偽るダミー・ドーパントと合流してくると。

 自分的にはですが「ビギンズナイト」のほうは、左翔太郎とフィリップとの出会いと絡めつつ、「翔太郎が鳴海荘吉を(いろんな意味で)克服できるか」の物語でした。Wは序盤だけは観てましたんで、一応、すんなり観ることはできました。TV本編前の出来事ですから。

 その「ビギンズナイト」で討ち漏らした敵を追って、Wがディケイドと合流するのが「MOVIE大戦2010」ですね。ディケイドの物語としては、TV本編終盤と同じく、まずARのアスム、ワタルが救援の先陣なのが嬉しいところだったり。これで過去ライダーと真の共闘となりまして、ジオウにあのような形で介入してきたのも得心できた気がします。

 Wの物語としては、左翔太郎が、平行世界の別の鳴海荘吉/仮面ライダースカルにですが、「帽子」を認めてもらったことで、プロローグ完結といった感じ。こういういきさつがあったからこそ、TV本編で翔太郎は最初から、迷うことなく帽子をかぶっているわけでしたか。

 小ネタかもしれませんが、光栄次郎が死神博士になったのも、Wのメモリのせいと暗示されてまして(最後に栄次郎からメモリが飛び出し、栄次郎が正気に戻る)、世界観の統一に一役買っていたような。栄次郎が唐突に大幹部になったことだけでなく、ショッカーを通じて、ディケイド以降のライダー世界もつながっていると暗示された、みたいな感じですね。

 それでもディケイド編については強引なところがないとはいえません。が、いろいろ得るところ、納得するものがありました。ネット放映があるうちに、何度か観なおしておこうと思います。たぶん、近日ネット公開のライダー&戦隊の劇場版とも関わる内容がありそうな気もしますし。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/09 (Sun) 21:44:06

 定期感想その3です。

 TVのCMでも次期:仮面ライダーセイバー(聖刃)が流されるようになり、「来月から新ライダーにバトンタッチか」と。毎年のことですが、ワクワクもするし、寂しくもある微妙な感じですね。

●仮面ライダーゼロワン(第42話:ソコに悪意がある限り)

 前話時点では、まだ自分は「もしかすると制作は、じっくり描けないなら急展開で引っ張ってくれるつもりかも」という期待をしてました。ですが、今話を観終えてみると、NOVAさんが仰る「何だかダイジェストを見ているような気分」が、自分にも生じて来てしまった気がします。

 自分の妄想に過ぎないのですが、尺が足りなくなったのをストーリー・ドラマ組み替えて対処しているわけではなさそう。中断前に予定していた劇中イベントをそのままこなそうとして、各イベントが駆け足になってる感じでしょうか。

 そのため、各キャラクターの急変自体はいいとして、どうしてその急変に至ったかが描き切れず、そのため観ていて感情移入しにくい。例えば、今話で滅の見せた感情や、イズとの関係性ですね。あるいは、主人公:或人の闇堕ちが無理矢理な感じもします(イズ喪失のショックは大きいとはいえ、いきなり逆方向になるのはちょっと)。

 簡潔に言い換えてみると、キャラ変化に至る溜めを作る余裕がない、となるでしょうか。観ているこちらが歯がゆくなり、キャラクターに「こうしてくれ!」と思うほどになった時点で、(さらにちょっと遅らせて)キャラクターが変化すると、納得がいくし、満足もできます。

 キャラ変化した結果だけ与えられても、「ほう、そうなったんですか」くらいの感慨にしかなりそうにない。しかし、まだラストまで観たわけじゃない。最終話を観終えた時点で、観た甲斐のある、納得いく作品と感じられることに、期待をつなぎたいと思います。

 ともかく本編。まずイズの悪夢からですね。滅がアークワンとなり、或人を(たぶん)殺害してしまう。アズも現れ、悪意ある限りアークは生まれると言う。サイボーグ009(初期)のブラックゴーストみたいな話ですね(ライダーも石ノ森原作だし)。これがゼアのシミュレーションではない点も大事だったかも。

 悪夢に呼応するように、滅がヒューマギアに叛乱を呼びかけ、かなりの数を味方につけた模様(セキュリティ強化したはずなのに?)。アークから自立した、滅の人類絶滅計画ですね。しかし、廃倉庫に集結した滅らのもとにイズが現れ、思いとどまるよう説得を試みる。が、止めきれず、ついには滅に撃たれて破壊されてしまうわけですね。
(このイズの動きは、滅に対する強い信頼があるような描写なんですが、おそらく描写が省かれてるんで、観ていて置いてけぼり感が生じてしまう。)

 一方、天津垓。飛電インテリジェンスから退いたものの、依然としてZAIAジャパン支社長ではある。が、本社から派遣されたらしい与多垣ウィリアムソンに社長解任を通告され、サウザー課課長(おそらく部下なしだろう)へと左遷される。

 これもやや唐突ではありますが、垓はザイアスペック暴走を目論んだ件とかもありますんで、納得感はあります。しかも、サウザー課課長となれば、勝手な動きもできそうです。垓の半ば一匹狼化は、観ている自分としては歓迎できるかもしれません。

 問題があるとすれば、この時期に及んで重要キャラクターらしき与多垣が登場したことですね。迅と連絡とってまして、以前から迅と組んでアークゼロ排除を試みた同志であるらしい。つまり、ずっと以前から裏で動いていたはずと分かる人物ですね。

 しかも、今話では滅排除を迅に指示したりしてるし、そこへアズも現れたりしてる。アーク復活が偽装とすら思えるほどのかなりラスボスっぽい動きですが、どんなラスボスかをあと数話で描くのはかなりしんどそうです。

 或人は滅の行動開始、シェスタのアドバイスでようやく事態に気が付き、イズの向かった先に駆けつけるも、一足遅い。既に、不破&唯阿がライダーとして阻止にかかり、時間稼ぎにはなったものの、間に合わなかったわけですな。

 イズが身を挺してまで止めたかったのが、滅のアーク化であることらしい(後で迅も危惧しているし、かなり確実な予測があるんでしょう)。しかし、争いは止まらず、イズは滅に破壊されてしまう。

(イズ破壊のシーンで、一瞬、誤解しそうになりました。滅が撃ってから、しばらくの間、迅が画面に出て来ません。だもんで「もしかして迅が動いた?」と期待しそうになったんですが、その後、呆然とする迅が映りまして、がっかり ^^;。)

 滅は迅が止めるのも効かず、人類絶滅を再開に行ってしまう。この辺りで見せる滅の感情も、いきなり出てきた感じなので、納得や感情移入がしにくい。もともとのシナリオだと、滅とイズの対立から接点発生とか、描く予定だったんじゃなかろうか。

 それはともかく、絶滅計画再開は突如として飛び込んできた「アークワン」に阻止されてしまうわけですね。変身を解いて正体を現したのが或人。アークワンが、以前のゼロワン暴走時と雰囲気(猫背気味とか)が似ているのは、或人だったからでしたか。

 当然「なぜ?」となるわけですが、イズを破壊した滅に対する恨みを、アズに利用される形でアークワン化した模様(滅亡迅雷四人衆のデータも使われたかも)。この辺りの或人の心情の揺れも、かなり唐突な感じです。

 次回「ソレが心」では、或人が滅の復讐に向かうも、ZAIA新社長の与多垣に、唯阿、垓、不破が反旗を翻し、アークからの或人奪還を狙うみたいですね。盛りだくさんそうですが、最大でもあと3話のはず。どうまとめてくるか。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第33話:ヒーローだァァッ!!、第34話:夢を叶えて)

 先週のゴーカイガレオンバスターは、自分は初見では特別なもののように思ったんですが、NOVAさんのご感想の「戦隊恒例の合体攻撃」で、はっとしました。自分は恒例であるのをすっかり失念していました。

 意識して見た戦隊ものですと、かなり以前のだとハリケンジャーですが、基本が3名で、追加戦士は別流派だったり。しかも、よく考えたら最後までは観てない。視聴再開した後ですと、例えばキュウレンジャーで、人数多いせいで分隊で活動してて、全員の合体攻撃はなかったような。その前のジュウオウジャーは……どうだったか覚えてないorz。ルパトレンジャーは3人 vs 3人なので、やはり全員合体はしにくい構成。

 たぶん、そういった視聴経緯で、全員合体攻撃を失念していたかもしれません。が、「恒例の」と言われて、すぐにイメージが湧きました。シリーズを視聴していなくても、いろんなところで紹介されることでありますんで。お陰さまで、ゴーカイジャーについてもイメージ修正できました。いつも助かっておりまして、感謝です。

 ともかく本編。こちらで伺った通り、前半(第33話)が五星戦隊ダイレンジャーからの力継承ですね。鎧が天火星・亮/リュウソウジャーに認められる過程が、鎧のゴーカイジャー入りのときと重なる燃える展開でした。

 まず鎧が、敵の大食いザキュラ(分類は宇宙忍者らしい)にゴーカイセルラーを飲み込まれてしまう。これで鎧は変身できなくなる。が、ダイレンジャーの亮/リュウソウジャーに出会うわけですね。

 亮はリュウソウジャーに変身できなくなっており、今は中華屋をやっていて、商店街のバザーに餃子の屋台を出したりもしている。戦士の面影が見えない感じですが、そこがいいわけですな。

 なぜなら、敵(ザンギャック)が現れれば、拳法(赤龍拳)を駆使し、生身を顧みずに立ち向かっていくから。この落差があるからこそ、感銘も深くなります。変身できない鎧が発奮するのも納得がいきます。

 鎧とて、当初は真似事だったし、力を授かったものの、ゴーカイジャー入りの直前にはマーベラスから変身能力を取り上げられている。それでも、危険を承知で子どもを事故から救い、敵が現れれば立ち向かったわけですね。回想映像が流れてましたが、それがなくても自然と思い出す名シーンです。

 奮起した鎧に、仲間のゴーカイ戦士も参戦、ゴーカイセルラーも取り戻しまして、まずは等身大撃破、続いて巨大化戦も勝利と。シンプルで素直に燃えることができる、小気味いい話でした。

 後半(第34話)は、ルカと、幼なじみ:カインとの話ですね。以前は恋愛関係にあったような、今でも恋心が双方にあるような暗示がありますが、双方が納得して別の道を行く結末。

 その関係性に絡んできたのがザンギャックで、他人に化けられる行動隊長ヴァンナインをカインに化けさせ、一芝居打って来るわけですね。大富豪となったカインが、ザンギャックのスゴーミン襲撃に対し、言い値を支払って退散させる。

 実は本物のカインはザンギャックに捕まっている。偽カインに騙されたルカもつかまり、ゴーカイジャーの母船ゴーカイガレオンには、ヴァンナインが化けた偽ルカが乗り込んでくる。狙いは船の爆破ですね。

 しかし、様子がおかしいと見抜いたゴーカイジャー側が一枚上手でしたか。ルカが食わないブロッコリーを偽ルカに勧め、パクパク食ったことで偽者と確定。爆破もトリックでしのぐ。ヴァンナインは正体を現すも、またもやゴーカイシルバーに化けて、最後のあがきを見せるが、戦隊通でないことから、またもやバレると。

 序盤はルカとカインのいい雰囲気で始まったものの、中盤~終盤は頭脳戦でした。しかし、エピローグ的に、今度こそ本物のルカとカインの別れで締めくくりまして、話の雰囲気の変化がなかなか印象的でした。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/10 (Mon) 12:42:39

お盆休みに突入しました。
 いろいろ見たいものがあるけど、消化不良にならないかと懸念しつつ、まずは定例ものから。

★ゼロワン

 先週は、「強敵アークワンを、ゼロツー中心にみんなでやっつけて、キレイに予定調和で終わる」と思い込んでいました。
 ラスボスは、新たに出てきたザイア社長かな、とか、アークに乗っ取られた滅とか天津とか、アズがアークワンのボディになるとか、そんな想像。

 しかし、或人がイズロスから、一気に悪意に呑まれ、アズに操られてのアークワン化とは、読めなくなったなあ、と。

 アークワンとゼロツーが同一人物だと、正に最強の存在ですね。

 で、こうなると真の主人公がやはり不破さんだった、となるわけですが。
 次回は、みんなで或人をラスボスの呪縛から救え、という展開なんでしょうが、

 或人の心の中で、「善意の象徴イズVS悪意の象徴アズ」が天使と悪魔のように戦う展開はありかなあ。
 イメージ映像として、イズVSアズと被せるように、ゼロツーVSアークワンとか見られるといいけど。

 善意と悪意を内包した人の心の中の戦いで決着をつける展開かな?
 なお、滅がこうなると、救えなくなったような気がしますなあ。イズに致命傷を与えたことで、視聴者のヘイトも相当集めている感じですし。

 ともあれ、ゼロツードライバーの中に、イズのプログラムデータが保存されていて、イズの復活がハッピーエンドの鍵だとは思いつつ。

 ともあれ、サプライズネタとしては十分な展開を見せてもらったなあ、と。

 あと、ザイアの新社長については、もしかして劇場版に関係するキャラなのかな、と思いつつ。
 劇場版への伏線として登場したけど、劇場版が延期されているので、TVでは宙に浮いた決着になるのかな。

 あるいは、TV版のゼロワンはバッドエンドで、真のハッピーエンドな完結編は劇場版にて描かれるという可能性も想定しつつ。
 TV版ではイズが散って、劇場版でイズ復活ということなら、それはそれで一つの可能性か。

 まあ、予定調和じゃなくなったことで、残り3話で、どう風呂敷を畳むのか。
 今後、3話では戦死するキャラも続出して、波乱の展開になることも想定しつつ。

★MOVIE大戦

 通称・冬映画と呼ばれるライダー祭りの元祖ですね。

 ディケイド完結編と、Wの序章的な作品をそれぞれ描いて見せて、最後に両者が合流して巨敵を倒す。
 この前代未聞のクロスオーバーに当時は驚き、おおっと盛り上がった記憶があります。

 以降は、MOVIE大戦で、Wとオーズ共演、オーズとフォーゼ共演、フォーゼとウィザード共演、ウィザードと鎧武共演、鎧武とドライブ共演まで作られ、
 ドライブとゴースト以降は「別々の話が合流する3本立て」スタイルではなく、1本の長編として構成されるスタイルになって今に至るわけですが、「前作ライダーの後日譚と、現役ライダーの新キャラ予告」というのが、例年、大きな目玉となってきました。

 Wについては、TVに先駆けて「風都を守るライダーは一人じゃない」とアクセルの顔見せで締めくくり、年明けの展開をワクワクする流れ。

 ともあれ、ディケイドの時期は、平成ライダー10周年のお祭りムードで、どんどんクロスオーバーを盛り上げていく流れで、その延長でゴーカイジャーも作られ、そして「スーパーヒーロー大戦」に至る、と。

 今回、最後にスーパーヒーロー大戦の予告を示したのも、当時のお祭り感を再現する試みで(ある意味、盛り上がり方では最盛期的な時期かと)、平成終了しての令和の方向性を模索する中での過去振り返りみたいな感覚もあるのかな、と。

 ニチアサの近年の盛り上がりのピークになったのが、ディケイドとゴーカイジャーで(ジオウの歴史的評価はこれからだと思う)、その両者がライダーと戦隊を率いて、ぶつかり合う、日本版シビルウォーかな、と。
 まあ、ストーリーはいろいろツッコミどころが多いのですが、「ライダーVS戦隊」という夢の対決を描いたお祭り映画というだけで、娯楽性はばっちり。

 そして、劇中でヒーローたちが倒されたはずなのに、巨悪が登場して、「ヒーローが同士討ちで愚かにも倒れていった。これからは悪が世界を支配する」みたいなことを言った途端、
 「とうとう出てきたな。俺たちは、暗躍するお前たちを引きずり出すために一芝居打っていたのだ!」とか、そういう理由で、ヒーロー共闘大乱戦につなげるパターン作劇。

 まあ、ストーリーとしては、毎回、「対立していた別チームが巨悪出現で共闘する、いつものパターン」を、手を変え、品を変え(戦う理由とか、復活の理由を毎年よくこじつけるなあ、と感じ入りつつ)、
 自分のお気に入りのヒーローがあっさり負けて悔しがったり、贔屓のヒーローが美味しい役どころをもらったり、いろいろ組み合わせをシャッフルした構造を(時に文句を言いながらも)楽しませてもらったなあ。

 なお、スーパーヒーロー大戦のラスボスは、ディエンド海東です。
 ライダーと戦隊の八百長試合に「お前たちはよくも騙しやがって」と観客の代わりに怒ってくれる(笑)。それだけじゃなくて、「もう君たちには付き合っていられない。ボクは手に入れたお宝で、君たちをみんな倒してやる」的なことを言って、最後に暴れてくれるわけで。

 偽悪ぶった海東が最後に美味しいところを持っていく映画です。まあ、鑑賞当時は、「おいおい、海東がラスボスかよ」と、綺麗に風呂敷を畳まないカオスぶりに呆れていましたが。
 何というか、トリックスターの海東を楽しむ映画かな、と。

 ともあれ、ゴーカイジャーとディケイドのカップリング映画を、次は仕掛けて来るんだなあ、と思いながら、ゴーカイジャーを見るのを楽しもう、と。

PS.ウィザードとゴーカイ感想は、次回に回します。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/10 (Mon) 13:49:48

続きです。

★ウィザード

 ハードシリアスなフェニックス決着編と、コミカルな仁藤のお婆ちゃん編の流れです。

 フェニックス編については、晴人が負けて気落ちして、絶望に陥りかけたのを希望を取り戻すまでのドラマがポイントですかね。
 バトルとしては、派手だけど尺が短くて、あっさり風味というのも分かります。

 しかし、力と力のガチンコ勝負という意味では、ウィザード屈指の好カードなんですね。
 フェニックスの後釜のソラは、トリックスター的なキャラなので、フェニックスみたいな豪快さはない。
 よって、この後の展開は、細やかな心理戦の方向性になって、晴人絡みでは鬱展開が多くなる。
 一方、仁藤にスポットが当たると、途端に場がコミカルになるので、まるで月と太陽の歌詞が、晴人と仁藤の構図に思えて来る、と。

 そして、瞬平も、晴人ではなく仁藤のフォローをするシーンが多くなり(冷静な晴人よりも仁藤の方が危なっかしいので)、晴人中心の人間関係に変容が起こって来る時期。

 一方で、お婆ちゃん回の次は、いよいよメデューサ(ミサ)の妹・真由が登場します。
 このタイミングに真由が出て来ると、一人二役ということで、アズとイズみたいな対比を感じますが、
 ファントム化した悪意のミサ(でもワイズマンに忠実で、その意味でアークに忠実なアズに相当)に対し、姉と誤認したゲート候補の真由を守ろうという話になって、事情を知った真由が「姉の仇を討ちたい」という理由で、自分も魔法使いへの道を志す。

 仁藤の魔法少女ビースト発言は、冬劇場版のポワトリンネタを踏襲しつつ、真由につながる流れかな、と。
 当時は、コヨミが魔法少女に覚醒する流れかな、と思って期待してたら、ミサと双子の妹の真由登場で、連続ドラマの流れが強くなり、「白の魔法使い」が2人めの魔法使い候補として真由を拉致する怪しい行動も取り始め、いろいろと疑惑の種に。

 ミサ:妹の真由を絶望させて、ファントムに転生させようとする。
 白マホ:真由を自分の求める魔法使いに育てようとする。
 晴人:真由に茨の道を歩ませないよう、助けようとする。

 真由:力を求めて、晴人の制止に逆らい、白マホに付いて行く。

 ここで、ドラマの縦糸が、真由になって行くという。
 既存ヒロインの凜子ちゃんや、コヨミを押しやるように、ミサ真由姉妹のドラマが急浮上するわけですな。
 そして、真由の思い出の中の優しい姉のイメージで、ミサのキャラも深化していき、その悲劇に感じ入るようにも。
 やがてミサ真由の姉妹対決のドラマとか、一人二役での撮影の見せ方とか、演じ分け凄えとか、視聴当時は晴人よりも真由の運命の方を気にしていました。

★ゴーカイジャー

 ダイレンジャーの亮は中華料理だけど、ラーメンじゃなくてギョーザがメインでしたね。
 ええと、何だかタンタンメンのイメージが今の時期は強くて(未鑑賞だけど、今の特撮界隈ではロボコン映画のタンタンメンネタが賑わっている)。

 ということで、変身できなくても心はゴーカイジャー(このフレーズもカーレンジャー元ネタで、浦沢脚本つながり)な伊狩鎧くんの話です。

 なお、浦沢さんといえば、ウィザードの冬映画で、ポワトリンの話も書いています。たぶん、近日放送があると思うけど(フォーゼとの絡みで)、その前にフォーゼ映画を先に配信してほしいもの。

 それにしても、和田圭市さんの生身アクション凄いなあ、とか、実はザンギャックに襲われる商店街の人たちが、ただの一般市民ではなく、スーツアクターの人たちで、やられ演技もプロレベルとか、隠しネタがいろいろ話題に上がっていた回。


 一方、ルカの幼なじみのカインが、Wのナスカドーパント(霧彦)の役で、ムービー大戦のW映画でも、園咲姉妹と一緒にWを襲撃してました。
 まあ、ナスカもフェニックスと同様に前半だけで惜しまれながら退場したので、この回で懐かしい顔を見て、おお、霧彦さんや、と感じ入ったり。
 何だか、献身的で良い人なんだけど、アクの強い女性に惚れて、恋愛運が良くないキャラになりがちやなあ、とも。

 何はともあれ、ルカの過去が描かれる回で、少しずつマーベラス、ジョー、ルカと海賊戦隊結成の過去ドラマが明かされて行く流れが、いいなあ、と。

 あとはアイムとハカセが加入した経緯ですね。


 次回は、炎神戦隊ゴーオンジャーの前後編。
 炎神(エンジン)は喋る乗り物で、車戦隊の一つですね。
 ゴーオンレッドの相棒がスピードルで、スピードルの反抗期の息子が家出して、やがて海賊戦隊に仲間入りする流れです。

 ゴーオンジャーという作品は、人間とマシンの相棒感覚が、今のキラメイジャーに受け継がれているところがあって、2000年代は喋る巨大メカが増えて、声優ファンが戦隊に流れ込むという時期でもありました。

 あと、多元宇宙ものでもあって、キックホッパーこと矢車さんがゴーオンゴールドという追加メンバーになったりなどの話題も多く。

 家出する反抗期の乗り物というネタとか、陽性の戦隊ですな。
 スピードルJrは、後にカンゼンゴーカイオーという最強合体のパーツの一つになる重要キャラでもあります。言わば販促回なんですが、それを経て、次の2話がバカ王子のワルズギルとの決戦回に流れます。

 ワルズギルの戦死辺りから、敵側のコミカル要素がなくなって、ドラマが一気にシリアス化する流れだったな、と記憶。

PS.ウィザードのオールドラゴンですが、羽根と尻尾がCGで、スーツなのは胸から出る頭部と、両手の爪だけ。OPでは毎回出ているにも関わらず、劇中での登場シーンは少なめのレア形態。
 むしろ、劇場版のフォームチェンジ祭の花形的な感じですな。分身はしょっちゅうやるのに、4体合体はそこまでしないと戦えない強敵がフェニックス以降は少なめという事情もあったり。
 まあ、登場させるとCG駆使した派手な戦闘演出を見せないといけなくて、予算が掛かり過ぎるから、という理由もあったらしい。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/15 (Sat) 13:33:47

 定期感想その1です。

 今週の木曜日(13日)は、バトルがふんだんとなりまして、アクション的になかなか満足でした。

●BDリライズ(第24話:ビルドダイバーズ)

 まず、こっちがエルドラ制圧・奪還作戦の予行演習ということで、GBNでのロータスチャレンジですね。無印BDでの主要メンバー多数参加で、初代ビルドダイバーズ(BUILD DIVERS)のみならず、主要フォースメンバーのドラマ、ネタも盛りだくさん。もし最終回がお祭り回になるとすると、今話は前夜祭みたいな感じでもあります。

 2代目ビルドダイバーズ(BUILD DiVERS)は作戦成功のめどが立っただけでなく、ヒロトとリクの和解も自然と成立しまして、物心両面から後顧の憂いがなくなった感じでしょうか(うまく風呂敷畳んできたということでもありそう)。

 ともかく本編。マギーの呼びかけに応じてGBNに集まったフォースは多数に上っているようですね。模擬戦ながら第3次有志連合戦と呼んでもよさそうな豪華さでもあります。マギー曰く「場所(たぶんサーバの意か?)を貸してくれたのが、こちらのロータス卿よ」とのことで、ロータス・チャレンジというわけですな。それにしもロータスのリーダーは「卿」だったのか(自称か、ベースのキャラ設定か、プレイヤー本人が爵位持ちか?)。

 ヒロトと関係が深そうなのがアヴァロンのクジョウ・キョウヤであるわけですね。以前は所属していたわけですから。ヒロトは引け目に感じるものもあったようですが、そこはキョウヤが度量見せまして、以前のいきさつは全て水に流すと暗示してます。

 先代ビルドダイバーズも現れますが、この時点ではリクは過去には触れず、挨拶だけ。先代はサラも含めて2年分、見た目にも成長してます。アバターのはずですから容姿固定でもいいんでしょうけど(特に亜人アバターならそうしたいはず)、リアルの容姿採用だと年齢に応じた姿でゲームしたいということだろう。アヤメだけは、顔を隠した忍者設定なだけに以前と同じ雰囲気を保ってますな(地球リアルでは、もう大学生か社会人になってるかも)。

 一方、地球リアル。ヒナタの神事に向けた弓道練習、相変わらず的を外すこともあるようですが、当たり外れで動揺することもなく、集中力を保てるようになった模様。恐れ、迷いは吹っ切れたという暗示かな。後でヒロトの両親とも会ってまして、父親のオサムの仕事も(ヒロトの行為を肯定するかのように)はかどり出した模様。

 病院ではマサキが子どもにガンプラ作りのコツとか教えてるみたいですね。姉のミズキの願いで大人しく療養しようという気持ちと、やはりガンプラ~エルドラが気になる気持ちで揺れているということでしょうか。これを見た姉ミズキも思うところがあったらしく、後で翻意してマサキのエルドラ行きを認めることになる。着々と主要メンバーの出陣地固めが進んでいるようです。

 いよいよ模擬戦:ロータスチャレンジとなるわけですが、宇宙に上がるまでの部分はカット。まだエルドラでのその部分の作戦立案ができてないからですか。ラビアンクラブ(ロータス要塞)を守る、ヒトツメ軍団に見立てた有志連合(?)を、ヒロトら4機で突破し、(おそらくアルスの居室に見立てた)ラビアンクラブのコアユニットを破壊する。実戦を考慮したのか、制限時間は30分に設定されてますね。

 バトルスタートとなりますと、参加機体数も多く、前作主要メンバーでもあり、なかなかの見応え。乱戦でもあり、戦闘経過を追っての感想は野暮かも。文字通り「見ての通り」でしょうか。

 しかし、肝心のところは描写的に隠されてまして、コアユニットの破壊ですね。ヒロト機が飛び込むも、ほぼ弾薬・エネルギー使い切ったと見たロータス卿が勝利を確信。その後の描写では、コアユニットが撃破されてました(しかも僅か30秒で)。たぶん、エルドラの衛星攻略の肝となる何かがあるんだろう。次回に期待です。

 バトル後、改めてヒロトとリクが対面。いきなり双方が頭を下げて謝るわけですね。どちらにも意外だったらしい。リクは知らなかったとはいえイヴが消えたのは自分たちのせいと思い、ヒロトはもし撃ち損じていなかったらサラを失わせていたはずと思ってるからでしょうな。これでイヴ消失の件は、少なくとも両ビルドダイバーズ間では解決したと見ていいんだろう。

 小ネタでは、キャプテン・ジオンの正体ですね。犬のロンメルさんでしたか。カザミが激賞すると、思わず尻尾とかに喜びが出てしまう(声も同じ速水奨さんですしね)。シャフリヤールがあくまでもGBNでは、パルの兄ではないスタンスなのもポイントだったかも。パルを立て、あくまでも先輩として教え導く態度をシャフリヤールは堅持しているということで。

 かつ、兄弟ながら溝があったが、今話で埋まったらしいことも示唆されたかな。パルがシャフリヤールにアドバイスを乞う様子、シャフリヤールが「じゃ、このあと特訓しようか、パトリック(本名)」と返した時のパルの反応を見ると、そんな気がします。

 ラストは地球リアルでのヒロトとヒナタの会話で締め。ヒナタも覚悟を決めてヒロトを送り出す雰囲気がありました。あれこれ準備万端整って、次話ではエルドラでリターンマッチという感じですね(衛星軌道まで上がる段取りはまだみたいですが ^^;)。

 これでこのままうまく風呂敷畳めそうですが、自分的に少し気になるのが以前にエルドラの異変で地球のネット回線等に大規模障害が起こった件です。これがどうして発生したか明らかになってほしいとは思いますが、残り話数(たぶん2話?)を考えると、ちょっと無理かも。エルドラと地球の深いつながりを示唆する事件だったと思うんですが。

 次話は「僕が描く未来(あした)へ」ですか。これ、1期OP(リライズ by スピラ・スピカ)の歌詞の一節ですね。その後、「一緒に描く未来(あした)を」につながる。歌詞通りのドラマになったりしても面白そうです。

●牙狼MS(第7話:閃光)

 雨宮慶太監督が略称しているとこちらで伺い、それなら自分もそう略称しようかと(^^;。それはともかく、「牙狼MSとしては、次回が文句なしの本筋です」と伺ってワクワクしてましたら、期待以上でした。アクションが凄かった。こういうのがきちんと来るからこそ、じわーっと怖くなる前回みたいな話も楽しめます。自分としては「世にも奇妙な物語」系が好きだったこともあって、前話は作風的には好きですが、牙狼であれをメインにされても困るのは確かです。

 直球ど真ん中あってこその変化球、といったところでしょうか。バイク回ですと、バイクを使うという異色アクションで目を見張ったわけですが、今話は確かに本筋、正統の牙狼アクションでした。牙狼1stでの暗黒魔戒騎士との最終決戦を思わず思い出しました。都市の夜景を背景にした空中アクションもそうですし、仮面の男が黒い騎士となりもするわけですし。生身時のタワー内の落差あるバトルもハラハラします。

 それにしても、前話の幽霊(?)青年(庄内眞人)さんはヒーロー特撮常連の役者さんだったんですか。少なくとも自分は「仮面ライダー THE FIRSTの一文字隼人(仮面ライダー2号)役の方だと気が付けなかったのは無念な次第orz。

 ともかく本編。冒頭、仮面の男が現れまして、奇妙な像(太古の赤き魔獣、メシアの牙ギャノン)の前で何か儀式めいたことをやってますな。調べてみるとギャノン(戯阿音)は「暗黒魔戒騎士伝」で名前だけは出ていたホラーらしい。ともかく、以前と同じく謎めいた、思わせぶりな登場かと思ったんですが、大間違い。後半から大暴れしてくれました。

 仮面の男には目をぎょろつかせる感じの使い魔(?)が付き従ってまして、調べてみると「ギギ」という名前ですね。出自はどうやら不幸でして、仮面の男(布道シグマ)の実験で犠牲になった女性ですか。最期も救われずに哀れなものらしい。

 と、先の話のことを考えても仕方ない(^^;。冴島邸では「カオル」をカオルがデッサンしてまして、次の絵本の妖精のモデルらしい。いかにも平和な感じですね。「破滅の刻印」について、鋼牙はもちろん教えないし、零もさすがにカオルにまでは伝えかねたんだろう。カオルは絵本の仕事に夢中で幸せそうでもある。

 しかし、カオル担当編集者は納得しないわけですね。もっと凄い絵が描けるはず、他の編集者が認めても自分は認めない、頑張れと。厳しいですが尊敬ゆえなことは伝わってきますね。カオルも腰を据え直す気になったらしい。

 そのカオルが打ち合わせの帰り道、レオと出くわすわけですね。鋼牙とレオに元老院から指令が出たようですが、レオが嫌がって逃げ出したらしい。それはともかく、画面中央に高いタワービル、画面両サイドから近づく2人という映像、なかなかカッコいい。このタワービルが後で決戦場となるわけで、なかなかうまい見せ方をしてくれているようです。

 レオが嫌がったのは、霊獣の毛皮を誰かに授けに行く魔戒法師ラテスの護衛ということでしたか。嫌味なだけではなく、やたら魔戒騎士を蔑む様子が気になります。それよりも気になるのが、魔導筆を持ったカオルが振り返った際、レオには誰か別の女性(法師?)が重なって見えたカットですね。たぶん、重要な人物なんでしょうけど、今話では「謎の女性」とでもしておくしかなさそう。

 一方、鋼牙ら。魔戒法師ラテスが魔導列車を呼び出して目的地に着くと、フードの3名が霊獣の毛皮を受け取りに現れる。が、仮面の男と死人だったわけですね。たぶん、正式な受取人を殺害してすり替わったか。

 これを鋼牙は見抜き、ラテスは(高位の法師らしいのに)「霊獣の毛皮を取り戻すのだ」と鋼牙に言い捨てて逃げ去り、1対1のバトルへ。ここからが凄い。まずビルの空調施設棟らしきところで、舌戦→生身バトル。注目したのは仮面の男が剣を扱っている点でしょうか。ザルバも驚く腕前はもちろんですが、魔戒剣は騎士しか扱えないはず(確か、手に術を施す手はあったと思いますが)。となると今後の展開で、正体は魔戒騎士か、となってくるはずです。

 続いて戦場はタワー内の鉄骨骨組み部分へ移る。ここで仮面の男はフードの外套を脱ぎ去り、次第に正体を見せてくるわけですな。しかしそこよりも、高低差あるバトル、毛皮の争奪にハラハラしまして、1回目の視聴ではそっちばかり観てました(^^;。

 さらに、仮面の男が鉄骨をふっ飛ばしつつビル外へ。街の夜景を背景に、鉄骨が舞う中の空中戦やら他のビルへ突入しての乱戦やらですね。ついに両者は鎧を召喚、ここで仮面の男も騎士であったことが明らかに。しかも暗黒魔戒騎士っぽいカラーリングですな(背景に浮かんだ文字は「牙狼」「邪悪」)。

 一進一退ながら仮面の男の黒騎士(仮称 ^^;)が優勢か。しかし鋼牙が黒騎士は黄金騎士・牙狼の影(つまり術による偽装?)と見抜き、自らの鎧を解除して仮面の男の鎧も解除される。両者大ダメージのようですが、鋼牙の辛勝か。一応、仮面の男は逃げ去りましたんで。鋼牙は「カオル」に後を追わせるも、仮面の男に握りつぶされてしまう。

 少なくともこのところの2話が恐怖性重視のアクション薄目でしたんで、余計に今話のアクションは堪能しました(下げておいて上げる落差感、といったらいいのか)。次回「妖刀」は予告映像を見る限りでは、方向性はアクションでの異色回、かつ零主役でしょうか。浪人の感じの侍が零と戦ってたりしますんで。

(投稿後追記:上記、いろいろ書き散らかしたことのかなりの部分、ウィキペディア等を読んでみると間違い、勘違いだったみたいですorz。)

●仮面ライダー剣(ブレイド)

 ちょっと期待と異なる展開なんですが、こちらで伺った通りの感じです。たいてい、第1話で目を引く事件が起こり、第2話で(序盤)主要人物紹介と共に背景が語られ、第3話からドラマが始める、と自分は思っていますし、期待もします。

 が、剣(ブレイド)は第4話に至っても、まだ登場キャラクターと背景を語っている感じです。あるいは「この先、どうなるんでしょう?」という期待を煽る。どうも、「誰が、どういう世界/状況で、何をする」話なのかが見えてこない感じです。

 それでも一応は話は進んでるし、次話を見たくなるラストの作り方もしているようです。それに平成ライダーは話数2桁目から尻上がりに緊張感が出てくるというパターンが、自分の見た限りでは多かった。剣も中盤以降を評価する向きもあるようだし、「どうなるかな?」と思いつつ観続けるのがよさそうです。

 本編では、今のところ、各キャラが迷走してますね。悪い意味ではなく、事態にキャラクターが付いていけてない焦りを表現しているようです。例えば、橘は(烏丸所長らから与えられた)ライダーシステムで体調悪化~いずれ死ぬと思い、第1話からの裏切りとも見える行動だったと明かされました。アンデッドを世に放ったのも烏丸所長。それなら迷いが出るのも道理。

 その橘に翻弄され、さらに事実上のBOARD壊滅も受けて、主人公:剣崎一真は自分のスタンスを持てずにいる。敵が出ても、個別に対処するので精一杯。しかも、そこに追撃で橘視点でのBOARD、ライダー、アンデッドの真相も告げられた。今のところ状況に流されている感じですが、これもそうなるのも無理はない。

 烏丸所長は第4話ラストで燃え出しまして、これが次話を見たくなるポイントですね。情報的にカギを握る人物ですので。一方、相川始のほうは、ハカランダの自室で異変が起こり始めて、次話くらいから人物像や背景が描かれそう。これも「こっち(剣崎、橘ら)がこうで、するとあっち(相川)は?」と、続きを見せる工夫なんでしょう。

 そう思えはするものの、最序盤ということを考慮しても、現時点で剣(ブレイド)を楽しめているか、この先の展開に期待したくなっているかというと、必ずしもそうではないです。

 これはたぶん、人数の多い群像劇で、最初に主要人物を紹介するパターンだからかなと思ったりしています。OPでは劇中で活躍するらしいキャラクターが一堂に会するカットとかあります。あれだけの人物を紹介してからドラマに入るとすると、かなりの話数を食いそうです。

 もしかすると、主要キャラクターが全て登場して、いよいよドラマが回り出してから、感想を書きたくなるかもしれません。今のところ、「ほうほう、そうなっているのか」という、観ている自分の受動的な印象が主ですんで、なかなか感想らしい感想が出て来ません。とりあえず、次週分を観て、判断したいと思います。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/15 (Sat) 17:33:14

 週後半感想です。


★リライズ

 前作のキャラがいろいろ出演したスペシャルお祭り回でした。
 もう、いろいろと懐かしい新旧キャラ交流回で、この回を見ただけでも、シリーズ追っかけて良かったな、と。

 面白かったのは、ロンメル=キャプテン・ジオンだったという声優ネタ。
 速水奨さんと言えば、アークの声でもあったわけですが、アークが飛電或人にバトンタッチしたことで、速水さんがゼロワンの方がクランクアップ。その代わりに、こっちに声の出演するようになったと思えば、ちょっと笑った。

 で、こっちの世界では、アルスが悪堕ちしているわけですが、或人とアルスって、名前似てるなあ、とか。

 すると、イズとイブも名前が似てるし、何だか、このタイミングでリライズとゼロワンがリンクしているように感じたり。

 できれば、ゼロワンの方もリライズしてもらいたいものよ。

 あと残るはアルスとの最終決戦と、その後の後日譚かな、と。

 カザミとオーガが好敵手みたいになったり、
 アヤメとパルがSDつながりで絡んだり、
 人間関係の成立も楽しかった回で、リクとヒロトの交流もうまくつながった感じで言うことなし。

 一方、シドー・マサキの方のドラマもいい感じで、次回、マサキの美味しい活躍を期待したく。


★牙狼MS

 この回のアクションは、やはり第1作の最終話を連想しますなあ。

 これで、魔戒騎士と法師の因縁が、MSの大きなテーマであると分かったり、
 カオルと魔導筆の関わり合いとか、レオの伏線とか、この回は後につながる要素がいっぱいで、いい伏線回でもあります。

 そして、鋼牙VS赤仮面の男(シグマ)のアクションが圧巻で、達人同士のバトルって感じで、さすが牙狼だな、と。

 魔導列車についても、後でまた登場して、大きなバトルの舞台になりますし、映画・月虹の旅人でも使われる、牙狼世界で重要な背景の一つとなったり。

 さて、次回は、また零主役の時代劇風味のエピソード。

 刀に宿った侍の怨念VS魔戒騎士という東西の剣豪バトルが見どころで、異色作ではあるけど、アクション活劇としては王道。

★ライダー剣

 序盤の平成ライダーは大体2話1エピソードで、前編で起こった事件が後編で解決して、その場はすっきりというのがありますね。

 ただ、剣の場合は、そういうすっきりがなく、2時間ドラマ的なセオリーで作られている。つまり、4話から5話で一段落。
 まあ、そういうテンポって、昔のマグマ大使とか、近年ではウルトラマンネクサスがそういう形で1エピソードなんですが、一つの話をだらだら続けると、ドラマ的なカタルシスを感じにくいんですね。

 剣のリアルタイム視聴で序盤、特に印象的だったのは、烏丸所長焼失のトリックです。次回の初め辺りで、「特撮ヒーロー物ではありえない陳腐なトリック」が示されます。
 いや、刑事ドラマのトリックなら、それもありなんでしょうが、「不可解な怪人の特殊能力が普通にある世界観」で、そういうネタを出して来るかなあ、と。

 それはともかく、次回からの登場人物、伊坂(ピーコックアンデッドの策謀)がこの後のドラマの縦筋となります。彼の人間を操る能力と、それに翻弄される橘さんのドラマが第一クールのポイントとなり、一方でカリス始と剣崎の絡みがもう一つのポイント。
 誰に感情移入するかと言えば、守るべき者が明確な始さんかな、と。そこだけデビルマンですな。初めて知った人の愛って感じで。

 剣崎は熱血漢の王道主人公だけど、未熟さと激しやすさばかりが強調されて、ヒーローとしてはまだまだ。
 橘さんについては、頼れる先輩のはずなのに、序盤からどんどん落ちぶれて行く。頼れる先輩である期間が、ここまで短い先輩キャラも珍しいなあ、と。

 劇中では「凄い戦士」と言われているのに、その凄さを視聴者は十分に見せてもらっていないまま、どこに行く、橘さんという流れ。

 まあ、さんざん醜態をさらした後で、「実はこれって敵に操られていたんだ」とか「思い違いをしたまま思いつめていたんだ」とか、後から真相が分かった感で、言い訳してくる。これもサスペンス劇場ならありがちなんだけど、連続ドラマだと後出しジャンケンを何度も見せられている気になったり。

 で、序盤はこのキャラの迷走具合を大らかな気持ちで楽しめるかがポイントですな。
 1クールが過ぎると、今度は第4のライダー・レンゲルが登場して、こいつは橘さんの輪をかけて迷走するキャラで、今度は橘さんが後輩の面倒を見るために苦労するという、まあ自業自得展開に。

 人間が迷走ぶりを見せる中で、人間態を持つ上級アンデッドの方が合理的に行動して、期間限定人気キャラになっていくのが中盤戦。
 その間に、剣崎が経験を積んでヒーローらしく成長して安定していく流れ。

 まあ、剣崎が橘さんに翻弄されたり、始に翻弄されたりするので、剣崎に感情移入して見ると翻弄されまくり作品だったので、自分は早々に、感情移入対象を始さんにしていた記憶が。
 剣は、カリス始が主役の物語として見ると安定して楽しめたかな、と。

 橘さんは、アップダウンの激しすぎるギャグキャラで、
 剣崎は衝動的な行動で突き進んでは壁にぶつかって葛藤する苦労人。まあ、その壁を主人公補正で突き破っていくのですが、がむしゃらに叫ぶキャラに感情移入できるならOKかな、と。

 せめて、劇中で何が起こっているかクールに解説してくれるキャラが一人いれば良かったのですが(2時間ドラマにおける探偵役とか、信念を持った刑事さんとか)、烏丸所長がほとんど何も語ってくれないですからね。

 結局、一番、訳知り顔で状況に詳しいキャラが、敵側のアンデッドで、そちらの動向がドラマの鍵になっていく構造と。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/16 (Sun) 17:10:19

 定期感想その2です。

●仮面ライダーウィザード(第25話:命の選択、第26話:学園潜入)

 前半(第25話)は期待通り、攻介が婆ちゃんへの誤解を解いて、仲直りのストレートな展開でした。見ようによっては、婆ちゃんの一言で翻心した攻介というのは無理があると解することができるかもしれません。

 が、自分が観た印象では自然な流れだったかと。あくまでも描写された攻介の様子から感じ取った、「こういう気がする」レベルですが、既に攻介には「溜め」があったように感じられました。一つには、攻介の子ども時代のリアルタイムでは「口やかましい」と「自分は好かれている」の気持ちで揺れていたように思えます(今話ラストで攻介が子どもの頃に貰った、カブトの折り紙のお守りを持っていたのは、「好かれている」はずと思いたかったことを示唆していそう)。

 さらに、攻介は苦を苦ともしないようではあるんですが、やはり苦労はしてきたはず。その成長分で、視点をいくつか持って人や物事を見ることができるようになったかと(←必ずしも劇中描写ではなく、一般的によくあることとして)。

 そこへ、婆ちゃんが自らの命すら攻介を助ける為には惜しくないという「私を絶望させなさい」(前話)→「だってお前はファントムを食べないと死んでしまうんでしょう?」(今話)のコンボが来た。そこから、やや間はありましたが、攻介は「口やかましい」の解釈を棄却、「自分は好かれている」の見方に統一できたんじゃないかと思います。

 もっとも、これで攻介には絶望してしまう隙も生まれた(あるいは表面化した)といえなくもありません。直接的には敏江婆ちゃんですが、愛情が(変な言い方ですが)負い目になり得るという資質も持つことになりましたから(人間的には成長だけど、ファントム視点では弱点という、評価の難しいポイントかも)。

 ともかく本編。前話で人質となった瞬平をどうするか、拠点の骨とう品店でもめるわけですね。上記しましたが、敏江婆ちゃんは自分を差し出せと言う。ファントムにされたら攻介が食える=生きられるから、というわけですが、当然、誰も認めない。しかし、攻介はその言にハッとするものがあり、敏江婆ちゃんへの見方、感情がガラッと変わるわけですね。

 もっとも、攻介が婆ちゃんが心配で、瞬平のバックパックにグリーングリフォンを忍ばせていたことも思い出す。便利な使い魔でして、位置センサーにもなって場所を特定できるし、カメラ機能もあって状況までわかる。場所は潰れて放棄されたボーリング場。

 そこにはミサ/メドューサもいまして、どうやら気晴らしの場所になっているらしい。晴人らが踏み込むわけですが、ミサ/メドューサに遭遇するのは当然として、グリーングリフォンだけが捕まっている状況。ソラ/グレムリンが、ミサ/メドューサも騙しての策略だったわけですね。

 もっとも、ソラの目論見通りにはならなかった模様。ミサ/メドューサが晴人/ウィザードと交戦状態になるものの、ソラを見咎めると追っかけて行ってしまいましたんで。ソラはミサにとっ捕まりはしますが、巧みに言い逃れて、なあなあで誤魔化す。

 ソラ/グレムリンはそれでも、一応のフォロー(?)はしまして、再度の人質交換を策し、晴人らに場所を指定する。骨とう品店では、敏江婆ちゃんと和解した攻介が、一緒に福井に帰ろうと言うも、婆ちゃんは瞬平を犠牲にするようなら攻介に絶望すると退ける。

 これに窮したらしい攻介ですが、何か思いついたらしい。婆ちゃんを連れて、のこのこと指定の場所に現れ、グレムリンらに求められるまま、まずビーストドライバーを渡してしまう。グレムリンらは人質交換に応じるふりをしますが、当然のように、ライダー/魔法使いの力がない攻介を侮り、裏切る。無力な攻介に攻撃を仕掛けるわけですね。もっとも、グレムリンらの狙いは「敏江の絶望→ファントム化」ですから、予想できる事態ではあったでしょう(し、実際、読み切っての攻介らの行動だった)。

 ワータイガーが攻介に止めを刺した、と思ったら、攻介の体が赤い羽根の塊に変わって舞い散り、止めの一撃は空を切る。すかさず晴人が地中から現れまして反撃開始。前話の伏線がここへ効いてきたわけですか。攻介は晴人の指輪を使えないが、逆は可能。そこで、晴人が事前に攻介の指輪を使って魔法をかけておいたと。

 この奇襲で攻守逆転しまして、敏江、瞬平は奪い返し、ビーストドライバーも取り戻す。これでウィザード&ビーストの2人態勢となり、不利と見たグレムリンは撤退、残るワータイガーも撃破され、ビーストのメインディッシュと相成る。

 それにしても、ソラ/グレムリンの動きがどうにも傍若無人、敵味方関係なしの利己性が見て取れる気がします(攻介は思い込みで突っ走る傍若無人さはありますが、キャラ的に全く別の印象)。気になって調べてみると、ソラは人間時の人格を持ったままファントム化した特異な存在で、終盤ではラスボスに成り代わって暴れるらしい。そういうキャラクターだと思ってみると、今話のようなことをしでかすのも無理はなさそうな気がしました。

 続く後半(第26話)は、ミサ(人間時は稲森美紗)の双子の妹、稲森真由登場ですね。いずれ、仮面ライダーメイジとなるらしい。ミサを未だ「優しい姉」と思い込んでますから、悲劇的な展開が予想されます。しかもまだ高校生です。

 しかし、序盤ではシリアスにならず、まず攻介が人違いでコントを発生させるわけですね。ミサと間違えて真由に迫り、警察にしょっ引かれる。続いて晴人らも真由をミサと間違えて追うも、場所が高校ですから入れない。

 そこで晴人が指輪(ドレスアップ)で化けまして潜入、はいいんですが、瞬平は女子高生に扮して入り込みまして、「お前ら、何やってんだよ」状態。が、じわじわと真相が明らかになってくるわけですね。まず凜子の調べでミサに双子の妹がいると判明。

 さらにミサがその高校に入り込んで来る。狙いはゲートと見定めた、別の高校生の多香子ですね。ミサは晴人らと遭遇し、真由がメデューサの人間態ではないと判明する。そこで続く、となるわけですが、真由が「心の支え」として持っているキーホルダーは、どうも家族モチーフのデザインに見えます。ということは、家族が心の支え。

 しかも、真由(と美紗)の両親は失踪している(既に他界しているじゃなかろうか)。姉の美紗はファントムのミサとなってしまっている(ファントムが人間時の気持ちを取り戻さないことは、今までも複数回、示されている)。となると、ターゲットと明かされた多香子より、絶望の条件が真由を真っ直ぐ指しているような気がします。次話は過酷な展開になるんじゃなかろうか。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第35話:次元ノムコウ、第36話:相棒カイゾク)

 こちらで伺った通りの2話に渡る、ゴーオンジャーの力の継承劇でした(OPは2話とも、レジェンド戦隊用のもの)。それだけでなく、ゴーオンジャーの世界に行って、ゴーオンジャーの敵:ガイアークと戦い、さらにゴーカイジャーの敵:ザンギャックと三つ巴の戦いになるなど、結構目まぐるしい展開も見どころでした。

 ザンギャック地球方面総司令のワルズ・ギルは、見知らぬ敵(しかも勢力は大きい)との遭遇で焦るものがあるようですね。そのためか、来週分では自ら陣頭に立って戦うことになるらしい。どうやら、それが物語終盤に突入する転機になるようですね。

 ともかく本編。冒頭、ゴーオンジャーのボンパー(水先案内ロボ)が海賊船に出現。ゴーオンジャーのガンマンワールドが危機に陥り、江角走輔/(元)ゴーオンレッドに助けを求めに来たらしい。

 ゴーカイジャーの面々がボンパーと共に江角走輔に会いに行くわけですが、アイムの台詞でちょっと混乱しました。アイムが江角走輔に、ゴーオンジャーの力を継承したお礼を言ってます。そんな話しあったっけ、と思って調べると、劇場版「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」でゴーオンジャーの力を貰っていたみたいですね。

 しかし、このTV本編のほうでは、実は完全には継承できてなかったことが、後で明らかも。それはともかく、江角走輔はゴーオンレッドになる能力を失ってはいるものの、ゴーカイジャーと共にガンマンワールドを救いに行こうとする。が、ルカは乗り気でなく、マーベラスが首を縦に振らないわけですね。

 が、変身できない江角走輔が「それなら頼まない」くらいの気概で単身、敵地(ガイアークに支配されたガンマンワールド)に向かったことで、マーベラスに響くものがあった模様。結局、ゴーカイジャーも江角走輔を連れて敵地に乗り込むと。

 観ていて、江角走輔があまり後先考えない突っ走り型にして、コミカルな点が気になったんですが、原典のゴーオンジャーでも終始、そういう性分と行動であったみたいですね。こちらで陽性と伺った一端は、こういうことでしたか。

 それはともかく、一行が敵地に到着するや、まずザコ敵を一掃。敵ローカルボスのチラカシズキーとマーベラスの決闘も、チラカシズキーの撃った銃弾をマーベラスがことごとく撃ち落とすという離れ業を見せまして、もはや勝負あった感じ。チラカシズキーは等身大、さらに巨大化で粘るも撃破される。

 おそらくは守護神であったはずの炎神はといえば、ちっちゃくなってしまってましたか。炎神のうち、スピードルとベアールVは結婚しており、息子のマッハルコンはグレて家出し、マシンワールドで暴走族みたいになってるらしい。が、そのおかげで力を失わずに済む塞翁が馬だったらしい。

 しかし、そこでガイアークの2代目害統領(最初、「大統領」と言ったと思った ^^;)のババッチードが、ゴーカイジャーらが通った次元の亀裂をふさいでしまうわけですね。ゴーカイジャーらを足止めし、各世界間の移動も断って(鎖国バリア、というものらしい)、ヒューマンワールド(これは普通の地球らしい)への侵攻を開始する模様。

 そこからが後半(第36話)で、閉じ込められたゴーカイジャーらがどうするか、なわけですが、意外にあっさりと解決。どうも敵:ガイアークが封鎖したのはヒューマンワールドだけだったらしい。そのため、ガンマンワールドと(マッハルコンのいる)マシンワールドは、炎神さえいれば通行可能。

 それならば、とゴーカイジャーは江角走輔、スピードル・ベアールV夫妻を連れ、マシンワールドに出向いて、マッハルコンに参戦するよう、説得に向かう。江角走輔の説得は真っ直ぐすぎてマッハルコンに通じなかったものの、マーベラスがなんとか説き伏せ、納得させる。

 マッハルコン、実は「真っ直ぐ」にコンプレックスを抱いていたみたいですね。両親のように真っ直ぐ走り続けられない自分にいら立って、今のようになってしまったらしい。が、どうやら立ち直った模様。

 マッハルコンによりバリアを突破、ゴーカイジャーらが地球(ヒューマンワールド)に帰ってみますと、ザンギャック vs ガイアークの戦いが勃発している。どうやら、ガイアークが侵攻に当たり、ザンギャックの存在をうっかりしていたらしい。かなり粗忽ですな。ザンギャックのワルズ・ギルも、組織を整えた敵の攻撃を受け、動揺し、焦るものがあった模様。

 ともかくも、ザンギャック側はゴーカイジャーの参戦を見て、いったん撤退。ゴーカイジャー側としてはラッキーですね。2正面作戦ではなくなるし、地球(ヒューマンワールド)にはまだ根拠地を持たない外敵:ガイアークへの対処だけになりますんで。

 さらにゴーカイジャーはマッハルコンも仲間として受け入れて戦力強化、割とあっさりとガイアークを撃破。ガイアークの指揮官は、おそらくガイアークの総帥と思しきキャラクターのようでした(2代目害統領:ババッチード)。これを完全撃破したということは、ガイアークの侵攻も止まったと見ていいんでしょう。

 江角走輔の陽気な突っ走りとガイアークの肝心なところでのポカなどが、うまい相乗効果を生んでいたようで、結構楽しめました。こういうのは、ちょっと外すと粗に見えてしまうわけですから、パッと見には大雑把なようでいて、実は慎重に計算してドラマ作りしたんじゃなかろうか。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/16 (Sun) 23:11:59

 定期感想その3です。

●仮面ライダーゼロワン(第43話:ソレが心)

 自分はついTV本編のみで考えてしまうんですが、こちらで劇場版との絡みについてのご指摘で、ハッとするものがあったり。そこへさらにゴーカイジャーでの、劇場版を知らないと分かりにくい台詞があったりしまして(ゴーオンジャーの力の継承について)。

 今話を観て、改めて考えると「ここはもしかして劇場版での補完や差異を考えると、本当は面白いものだったのかな」と思う点がちらほら見えるような気がしました。例えば、ここへ来ての重要っぽい新キャラ:与多垣ウィリアムソン新社長。ラスボスかな、と思ったら、今話時点ではカタストロフを防ぐために動いているような描写でした。

 後2話のはずですから、キャラクターの意図とか位置づけが大きく動くことは考えにくそうです。もし与多垣社長がもっと前に登場し、劇場版でも大事な動きを見せるようでしたら、TV本編でもキーパーソンとしてドラマ解決に自然と関わったかもしれません。

 が、現状では、与多垣社長に隠された真実があって、なんて今さら持ち出したりしたら、風呂敷が畳めそうにありません。不吉な予想をするならば(^^;、ディケイドのTV本編最終話みたいな終わり方覚悟でやるくらいでしょうか(その場合は、自分はまたもや「こ、こんなんで誤魔化されないぞ!」と愚痴るはず ^^;)。

 まあ、今のイベント詰め込みペースで淡々と進んで、オチだけはしっかり落としどころに持っていくんでしょう。やはり終盤6話分を取り返すのは無理でしょうから。自分だとしばらくは愚痴を言いそうですが、半年とか1年くらい経ったら、記憶の美化効果が発動して、いい作品だったと思っていそう。

 最終回を迎えずしての気の早い愚痴はさておき、ともかく本編。まず或人とアズですね。或人は以前に暴走させられたときと同じような空間に、アズにより誘われまして、悪意があればアークはよみがえると告げられる。これがラストで滅も聞かされるわけですな。

 アズは或人に対しては滅に対する復讐心を煽っているようですが、アークによる人間とヒューマギア双方の滅亡計画も隠す気はなさそう。或人が憎悪、復讐心の強さのあまり、知っていても突き進むと判断しているんだろうか。ないしは、以前の暴走時と同じく、いざとなれば行動を強制できる算段があるのか。

 一方、滅と迅。迅がイズを破壊した件で、悪意ゆえかと詰め寄るわけですね。滅は正義だと返すものの、動揺したのか手が震えたりしてまして、どうも本心ではない。それどころか、手の震えは深いシンギュラリティである可能性もありそう。後で迅も手が震えており、もしかするとそれが後で迅が滅を身を挺して庇ったことにつながったのかも。


 その頃、ZAIAジャパンでは与多垣社長に報告する形で、不破、唯阿、垓が現状分析と対策を練っているわけですね。不破の見解では(以前のゼロワン暴走時と同じく)、アークが或人を操っていると。しかし垓が1%の不審な点があり(普通に言う0.1%かな?)、確かめたいと言い出す。

 何をするのかと思ったら、滅亡迅雷拠点に単身で向かうアークワン=或人を、天津サウザー、不破バルカン、唯阿バルキリーで迎撃するわけですか。が、或人アークワンに触れることも敵わない。敗れただけでなく、垓はドライバーを破壊され(これでサウザー課長も解任かな?)、不破と唯阿は変身に必要な脳内チップを無効化された模様。これで人間側の対抗戦力は壊滅ですね。

 が、垓の狙いは阻止 or 撃破ではなかったわけか。アークワンの動作をビデオに収め、アークの動きか、或人の動きか確かめる目的だったと。結果は「ゼロワン~ゼロツー時の或人の動きであり、アークの強制とは考えられない」という、最もシビアなものでしたな。ただ、或人アークワンは不破らの武装解除はしたものの、それ以上は手を出したくなかった点、かすかな希望はありそうではある。

 ただ、垓の不安は「悪意は伝染する」ということであり、或人 vs 滅の対決でそれが一気に起きそうということらしい。後のシーンも考慮すると、或人が人間のヒューマギアへの憎悪の代表、滅がその逆というものでしょうか。おそらく、結果は双方の滅亡、あるいはアークによる洗脳支配、となるのかな。

 与多垣社長は迅に指令を出しまして、要は滅を(或人と対決する前に)破壊せよと。戦術的にはカタストロフ回避のためには順当でしょうか。与多垣社長の読みでは、アークは全ての人間、ヒューマギアに憎悪として宿り、操ることを狙っている。

 滅はヒューマギア側の憎悪代表であるし、アークの力を今は持ってないので、迅でも対処は可能でしょうから。が、迅に芽生えた自我により、思惑は外れてくるわけすな。
(与多垣社長の台詞のみですが、迅を復活させたのが与多垣であることも明かされましたな。が、それに関するドラマを見せるには残りの尺では無理そう。いろいろ思惑の絡んだものだったんでしょうけど。)

 その滅は再び全ヒューマギアに決起を呼びかけてまして、かなりのヒューマギアが応じた模様。この事態を飛電インテリジェンスでは福添副社長らも察知したものの、イズはゼロワン計画のヒューマギアであるために復元は不可。人間側ライダーも全滅状態ですし、打つ手なしの模様。
(時間軸のずれた劇場版では、福添らは危機におけるヒーローだったわけで、できればTV本編でもその面を発揮してほしかったんですが、やはり尺的に無理か。TV本編内でも福添らのヒーロー的な一面の暗示はあっただけに、惜しい感じです。)

 滅が着々とマギア化した同志を集めているところへ、アズに誘われるままに或人が急襲。ライダー滅 vs 或人アークワンの対決となってしまうわけですね。戦力的には或人アークワンが明らかに格上のはずで、実際、バトルもついに或人アークワンがライダー滅を追い詰める。

 が、止めの一撃をライダー迅が身代わりで受けて滅を守るわけですな。直前の滅との会話後、迅の手も震えたのは、おそらく自分(迅)が滅を父親と思えたかららしい。要は親を思って、指令に背いて、命がけで助けたわけですね。どうやら、これで滅が何らかの重大な影響を受けた模様(たぶん、父親としての自覚と愛情?)。アズは憎悪発生≒アークワン候補と見て、滅にもちょっかい掛けに来る。

 一方、或人も衝撃を受けてますね。もちろん「こんなつもりではなかった」というのはあるでしょう。或人の復讐心は滅だけに向けていたはずですし、序盤では泣いて馬謖を斬る形で迅を失い、中盤の迅復活後は戦友、盟友でもある。イズと同じく、大事に思っていたはずです。

 この語の展開としては、アズの言う「悪意の連鎖はもう止まらない」か否かでしょうか。或人が憎悪を持ち続けるか、間違いと気が付いて改めるか。これは滅も同様で、単純計算で4パターンの展開が考えられます。

 次回「オマエを止められるのはただひとり」では、或人がそのまま決め台詞で言っているみたいですんで、迅を失った憎悪で暴走した滅を、ショックで目が覚めた或人が止めようとする、みたいな展開かなと思います。ただ、いつも予告はミスリードしかけてくるから、どうなるやら。ちらっと不破バルカンが映った点は、「お、この後もバルカン活躍しそう」と嬉しく思ったりはします。

 感想書いてから、改めてウィキペディアをチェックしますと、コロナ禍でアクションシーンもかなり制約を受けているみたいですね。大人数集結のシーンは撮れないみたいですし、ワイヤーアクションも補助が2名制限となり、1人しか吊れないらしい。

 いろいろ不自由そうですが、今のところはバトルアクションとかで、自分は不満には思ってません。やはり制作が上手いということになるように思います。制約下での頑張りに、ファンとしては感謝したいと思います。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/18 (Tue) 01:28:46

週前半感想です。

★ウィザード

 真由さん登場で本作も後半戦に入る感じです。
 ただ、この真由さん、次の回で重要な決断をした後、40話まで出て来ない。まあ、そこから先は、姉との対決で重要キャラになって行くのですが。

 すると、その間はどうなるか。
 まず、ビーストのパワーアップ回で2話(次週がその前半)。
 次にウィザードのパワーアップ回で2話。

 その後は、白マホさんの計画がいろいろ進展しつつの、基本は通常回と言ったところででしょうか(やや、中だるみの時期ですが、ところどころが仕込み回)。
 大きくドラマが動くのは、10月といったところですね。

 まあ、8月の残りは、非常に盛り上がる回が続くので、そこは楽しみにしつつ。


★ゴーカイジャー

 ゴーオンジャーゲスト回でした。

 ゴーカイジャーの1つ前がゴセイジャー、その前がシンケンジャーで、ゴーオンジャーはその前だから3年先輩になりますか。
 レジェンドの中では若い方になりますね。他の先輩に比べて、あまり貫禄がないのも、それが一因かも。

 で、今回は、マッハルコンという新たな炎神が加入するというイベント回で、その後、ゴーカイオーと豪獣神とマッハルコンの3つが合体して、最強のカンゼンゴーカイオーになるという。まあ、味方の武装的なパワーアップはこれで終了という流れです。

 次週は、ワルズギルと、それからジョーの因縁の相手であるバリゾーグの2人と決着をつける「最終回に匹敵するクライマックス回」になりますな。これで3クールが終結する形。

 そして、その後の強敵は、バスコと、ダマラスに加え、バカ王子の父親のザンギャック皇帝アクドス・ギル直属の親衛隊が出てきて、クライマックス展開に入ります。
 主役がパワーアップしたら、敵ももっとパワーアップして、過酷な戦いの中で、「もう、これ以上、地球を守るのは難しい。どうするの? 奇跡は起こせるのか?」ってくらい、力対力の派手な激突に流れていく形。

 まあ、戦隊の4クール目は、クリスマス決戦から年始で総集編的なお祭り回を経て、結構ハードな最終決戦になりがちですが、ゴーカイジャーが派手に終了するタイミングで、ウィザードがクライマックスに突入する頃合いかな。
 その辺りで、フォーゼの劇場版とか、スーパーヒーロー大戦とかを期待したく。

★ゼロワン

 次回サブタイトル「お前を止められるのはただ一人」ってセリフ。
 これを言うのが、もしも或人ではなく、「不破さんが或人に向けて言うものだったら?」と仮定してみます。

 つまり、ここに来て、本当に不破さんが主人公で、或人がラスボスという展開が想定されることに。

 不破さんは今回、脳内チップが破損して、バルカンに変身できなくなりましたが、次回は、新フォームのバルカンに変身している姿が予告で出ている。
 このフォームが「ニホンオオカミのプログライズキー」で変身しているらしい。
 ニホンオオカミというのは、ライダー亡の使用するプログライズキーですな。

 つまり、今の状況で変身できるライダーは、亡と雷が残っている。そして、或人と滅の破滅的な対決を止めるために、亡が自分の身を犠牲にして、不破さんの脳内チップにもう一度、移植したら? (当然、その手術は刃唯阿さんが関与する可能性が)

 ということで、次回は、不破VS或人の最終決戦にもつれ込む可能性を想定してみたり。

 そうなると、雷の役割が何だろうと考えると、彼の持つ戦力として、衛星ゼアから分離したブレイキング・マンモスがあって、それを操作して、アーク支配下の巨大メカ軍団と戦う派手な乱戦を期待します。
 人を使ったアクションは撮影困難でも、CGによる巨大ロボ戦なら行えるとか?

 滅はどうなるだろうなあ? 
 迅の仇として、或人を倒そうとするのか、それとも迅を復活させるために、自分のチップを迅に移植したりするんじゃないだろうか、とか、破壊よりも再生に鞍替えする方を期待します。

 まあ、ここまで来ると、ラストへの展開をいろいろ予想して、当たったり外したりしながら、自分が納得できる一年間の総決算を期待したくもなるわけですが、
 とりあえず、或人がハッピーになるためには、イズの復活と、自分が手に掛けた迅の再生は欠かせないと思うので、そこに収束する流れを願望交じりも予測とします。

 いや、まあ、人類滅亡エンドはないにしても、或人がラスボスとして倒されて終わるか、不破さんが死んじゃうエンドの2つが、自分にとってのバッドエンド。
 それ以外は、まあ許容するつもりで。

 あとは、与多垣さんは普通に司令として、可もなく不可もなく立ち回ってますな。
 打つ手打つ手がみんな、現場の部下(人間もヒューマギアも)が勝手な思惑で行動して、人心掌握ができていないという弊害はありますが、対アークとして賢明かつ懸命な指示はしている。現場の状況把握ができていないというのは批判すべき点ですが、それができていれば、天津の暴走をもっと前から抑えていただろうし。

 今のところは、現場の状況が見えずに振り回されているエリート上司にしか見えませんな。

 そして、飛電是之介前社長に因縁を表明していたサウザー課長ですが、その思惑は完全にうやむやになってますな。
 その部分が描かれるのが、劇場版だと推測するのですが、TVとは異なるアナザーエンドになるのかな。

 案外、劇場版の脚本のネタをTVの終盤に持ってきて、TVでやる予定だった話を、劇場版と入れ替えた可能性も想定しつつ。
 まあ、この辺の制作裏話は、番組終了後や劇場版上映後のインタビュー記事などで秋に明かされると思うので、今はそれも楽しみにしています。

 あと2週は、どのキャラが散ったとしても、納得できるように構えつつ。

PS.何だかんだ言って、ゼロツーをもう一度は見たいな、とも思いつつ。これで再登場しなければ、あまりにも不遇なので。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/19 (Wed) 21:39:46

 定期ではないんですが、どうしても愚痴を言いたくなりまして。不平、不満ですから、あまり気持ちのいいものではなく、ご不快になられると思います。

 予め深くお詫びしまして、ご了解をお願いする次第です。一度は控えようと思ったものの、どうしてもぶちまけておきたくなったもので。どうもガキっぽさが抜けなくていけませんorz。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第5話:過去への挑戦、第6話:カリスの正体)

 せっかく感想を書くなら、何がどう面白いかを書かないと、感想を書く甲斐がありません。あまり不満をぶちまけても仕方ないんですが、剣(ブレイド)の今週分までについては、一度吐き出しておかないと、後々祟りそうで(^^;。

 やはり、メインライターとライダーの相性なんでしょうか、違和感があります。話の進め方が(ライダー、さらに特撮ものとしては)無理矢理な感じもしばしばします。各主要キャラクターを理解させるためだと思いますが、説明的になって、いわゆる「操り人形」のようになってしまっているようにも感じられます。

 具体的にいくつか挙げてみようと思います。まず、こちらで伺っていた烏丸所長の焼失~消失について。まさに「特撮ヒーロー物ではありえない陳腐なトリック」でした。寝台に横たわる烏丸所長は立体映像(栞らに見せた映像が伏線、と好意的に取っておこう)、燃焼はマグネシウムによるもの。

 マグネシウムの燃焼温度は高いですから、確かにそばにいれば高温と感じるでしょうし、体が燃え尽きたと誤認するかもしれません。が、「不可解な怪人の特殊能力が普通にある世界観」であるわけで。橘朔也が駆けつけ、マグネシウムのトリックだと即座に見破った途端、自分は「ええと、これってライダー物だよね?」と、現実に引き戻される感覚がありました。つまり没入感が妨げられる。

 自分的には、マグネシウムのトリックであることがマズいのみならず、「なぜ烏丸所長焼失なんてシーンを入れたのか?」も首を傾げました。目の前で見た広瀬栞の証言から、しばらくは燃え尽きたと味方側が誤認するなら、「敵を欺くには味方から」という策略として感心できたかもしれません。

 しかし、すぐに橘朔也に、一目で見破られるわけですから。あのシーンが意味があるとすれば、ショックを受けたことによる広瀬栞の回想でしょうか。でも、そうだとすると、烏丸所長が燃え尽きたのを見て、父親と不治の病の母親を思い出すのか。非常にちぐはぐです。これらは脚本で指定されたはずですから、脚本上の問題でしょう。

 あらすじ的に書き出してみると、「烏丸所長が突如燃え出し、ショックを受けた広瀬栞は、以前に強いショックを受けた両親のことを思い出していた」→「しかし、駆けつけた橘朔也がトリックを見抜き、広瀬栞は混乱しつつも気を取り直す」となるでしょうか。そう書くと、あまりおかしいとは思わないかも。ですが、実際の映像は極端に変です。「広瀬栞の過去を紹介したい」という都合のみで、無理な進行にしたように見えます。

 無理な進行は、その後の栗原天音の行動と災難にも見受けられる気がします。「呼子の洞窟」なる、死者の声が聞こえるという場所が突然(ホントに突然 ^^;)話題になり、しかも天音が絶対に行くと言い張る。確かに、亡き父親の声を聞けるなら、と思えば興味を示すかもしれません。

 ですが序盤のことゆえ、天音の心情はまだ観ているこちらにはきちんとは入ってきていません。つまり感情移入が浅い。それゆえ、天音が突如、強固な意志を示すのは不自然に感じます。

 これは難しい問題をはらんでまして、この後の展開が、天音及び相川始のキャラ紹介(2人の関係性を含む)に寄与するものになっています。ですので、「キャラへの理解を深めるために、事前にキャラの理解を必要とする」という、矛盾、あるいは堂々巡りみたいなことになってしまっているようです。

 相川始が剣崎一真らに短くアンデッドの抗体のことを告げ、抗体奪取に向かうが、アンデッドのどこに抗体があるかなかなか見定められない。そこへ、橘朔也/ギャレンはアンデッド封印が己の治癒になると思って倒しに来る。そうあらすじ的に書き出してみると、勝利条件が明示され、かつ障害も設定された、上手い組み立てになっているように思えます。

 ですが、実際の映像では「こう話を運びたいから、キャラクターはこう動かしておこう」という「操り人形」を見ているようでした。剣崎一真はまだ付き合いも浅い相川始の言(抗体)を即座に信用し、迷わず(付き合いが長いはずの)ギャレンの阻止に動く。観ていて「なぜ剣崎一真は迷わないのか」と不審に思ってしまい、ドラマに集中することが難しかったです。

 ともかくも、アンデッドから抗体は入手し天音は助かる。のですが、ここも「ええ?」と思ってしまったポイントになります。相川始が病院に届け、医局で抗体として製剤し、天音に投与した、と描写されてました。

 フィクションのことゆえ、現実の医療と異なる描写があるのはやむを得ないでしょう。特に「不可解な怪人の特殊能力が普通にある世界観」であるわけですから。しかし、患者の家族らしき人物が「これが抗体です、投与してください」と持ってきた、病院からすれば正体不明の物を、言われるままに投与って、さすがに「あり得ない感」が強くしてしまいました。

 昭和の特撮ものですと、怪人が倒された途端、怪人がばら撒いたものの悪影響もなくなる、という(ちょっと強引ではあるものの)フォーマットがありました。もしかしたら、脚本的には「そういう安易な解決はよそう」という意図があったのかもしれません。しかし、安易を避けて無理を作り出したような印象があります(次善を嫌って最悪を掴む、とまでは言いませんが ^^;)。

 なんで話の運びがこうなってるんだろう、と思ったんですが、第6話後半を観て、少し分かったような気がします。ようやく大物と思しき敵が動き出してます(伊坂/ピーコックアンデッド)。少なくとも、今まで敵の動きが見えなかったことが、キャラクターの動きの無理さの原因の1つだったようです。今までもアンデッドは出ては来てたんですが、災害に近いような、無秩序さがありました。ようやく合目的に動く敵が出現し、敵味方の動きが分かりやすくなりそうです。

 さらに、例えば第17話から脚本担当に井上敏樹さんのお名前が見えます。中盤からの盛り上がりがある、というのはそういう要因もあるのかなと思えます。剣の感想を検索でランダムに読んでみると、中盤以降に序盤の(放りっぱなしとすら思えた)伏線回収があるようです。

 後を継いだライターの巧く序盤の展開を取り入れたということはあるんでしょうけど、もしかすると序盤のメインライターも終盤までのプランがあったということかもしれません(おそらく交代は無念であったんでしょう)。ともかくも、序盤のあれこれもいずれ活かされるということなら、観続けるモチベーションになります。

 よし、愚痴は吐き出したぞ(^^;。これで気分を切り替えて観続けられると思いますが、たぶん「なるほど、確かに面白くなってきた」と思えるまでは、感想は原則中断しようと思います。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/21 (Fri) 09:20:11

週後半感想です。


★BDリライズ

 エルドラにおける対アルス決戦回でした。

 感じ入った点はいろいろありますが、サプライズは3点。

 あえて逆から振り返ってみますと、

1.ヒロトたちに敗北したアルスが、それでも自己の妄執となった使命に固執して、自分の邪魔をするガンプラの民を滅ぼすべく、世界を越えてゲートで地球のGBN世界に強行。
 しかし、GBN世界で待ち構えていた無数のプレイヤーたちと対決することに。


 まさか、最終決戦がエルドラではなく、本来のゲームフィールドで行われるとは。
 これまでは、アルスの生み出す数の脅威に、ヒロトたち4人が少数で抗う厳しい戦いでしたが、逆にアルスが井の中の蛙に見えてしまう逆転展開が面白い。

 普通は「ラスボスが無数の軍勢を率いて地球に襲来」というと、うわあ、大変だ〜と危機感を覚えるものですが(今回もそう感じかけた)、「ようこそGBNへ〜」というセリフで、危機感が吹っ飛びました。
 後に待っているのは、前回の熱気を想起させるほどのラスボスフルボッコタイムで、最終回も最大の祭りが展開されること確定で、ワクワクものだと。

 もう、「その手があったか」というサプライズと「そう来なくっちゃ」という喜び、期待で、来週が楽しみだ、と言わざるを得ない。
 そう、最後はどうなるんだろうというドキドキ不安じゃなくて、最後までお祭りだ、のワクワク希望ですね。

 で、GBNだと、創造主似のサラもいますし、もしかしたら世界に溶け込んだイブもいるかもしれない。
 散々、GBNの無数のプレイヤーにフルボッコされた後で、「これがガンプラの民、勝てぬ」と心折られたアルスを、最後に癒してくれる女神に浄化され、満足して果てる展開が予想できます。

 そして、視聴者としては、お祭り的な熱狂と、カタルシスの後の静かな満足感に浸ることが約束されている。完璧な最終回だ、と未来が見えた瞬間である。

2.4機合体リライジングガンダム

 ガンプラは自由だ。

 うん、ZZ改造機のトライオン3を見たとき以上の燃えを感じたッス。
 前シリーズのBDでも、SDガンダムが合体する機体は見たけど、今度のはリアル体型だからね(SDも混ざっているけど)。

 合体システムは勇者ロボを想起しつつ、スーパー戦隊のそれにもなっていて、しかも、プラモで再現可能という。

 こりゃ、プラモ買う人は、4機とも揃えたくなること間違いなし。
 自分としては、「これ、スパロボでも登場しないかなあ」というもの。

 で、これが許されるのは、「ヒロトのコアガンダムに支援メカのアーマー換装されるシステム」をずっと見ているわけで、今度の合体もその延長にある点ですな。
 コアガンダムに装着されるアーマーを、他の3機の部品が提供している形(よって、完全な4体合体ではない)。「俺たちの武装をお前に託した」という意味の換装合体なわけです。
 でも、まあ、これで全員が生き残って、敵陣突破という前回のミッションの条件も納得できたし、ガンダムには機動力も必要で、合体して巨大化してしまうと、状況的に不利な戦局もある(特に今回のような突撃アサルトミッションの場合)。

 しかし、敵の中枢を破壊するには、一撃必殺のパワーが必要。
 つまり、敵陣突破という機動性を要する場面で、4機の分離形態がそれぞれ進軍し、そして傷つきボロボロになりながらも、合体に必要なパーツは維持したまま、ラスボスの前に到着する。

 そして、「ガンプラ世界をそれなりに研究してきたアルス」の想定しない「ガンダムとは異なるスーパーロボット、勇者ロボット、戦隊ロボット」の方法論で組み上げた合体美で、そんなのありか〜というパワーを示す。

 なお、作画監督の大張さんが得意なシステムでもあるので、目の肥えたマニアほど、これを否定できない。
 ガンダム原理主義者(リアルなガンダム世界にスーパーロボットの方法論を持ち込むな、と主張しがち)でも、大張さんなら仕方ないな、と思わざるを得ない。
 しかも、ヒロトではなく、派手好みのカザミの「バカげたアイデア」と言われたら、劇中での説得力も抜群である。

 うん、これぞサプライズだけど、しっかり伏線積み上げてるし、作品の作り手の資質的にも、マニアほど納得するわけである。
 プラモでも再現可能と言われれば、ガンダム原理主義者の主張こそが無知の証となってしまうわけで、批判の余地はない。
 しかも、プラモ4つ買え、というスポンサー販促的にも美味しいわけで。

 とにかく、スーパーロボット好きの自分が絶賛するリライジングガンダムでした。名前も納得。


3.ヴォワチュール・リュミエールによる大気圏脱出。

 元ネタはガンダムSEED外伝のスターゲイザーという作品です。
 スターゲイザーは、戦闘用の機体ではなくて、深宇宙探索用の超加速推進器を備えた機体。武装は最低限だけど、その推進機能だけで、相手を抱えて超加速移動に巻き込んで、相手を失神させる攻撃(?)を持ちます。
 いや、本来は攻撃手段じゃないんだけど、スパロボでも体当たり的な最強技として演出されていたし。

 まあ、深宇宙に飛び出せるほどの推進力で引きずられちゃ、それ用の対策を立てていない機体じゃ耐えられないよなあ。それに耐えているスターゲイザーの耐久性自体が凄いんだけど。

 ということで、今回はそのシステムを大気圏脱出に使用するわけで、まあ、確かに深宇宙に飛び出せるほどのシステムだったら、大気圏ぐらい脱出できるわ、と。
 問題は、システム維持のためのエネルギー消耗が激しい点。
 スターゲイザーの場合は、確か太陽光を受信して、半永久的に充電できるシステムだったんじゃないかなあ。

 でも、今回は1機だけじゃなくて、リライズチーム4機まとめて打ち上げることもあって、計算以上にエネルギー消耗が激しかったみたい。
 それをパルのガンドランザムで加速を助け、しかもイブの差し伸べた手という超常現象にも支えられて、辛うじて宇宙へ上がれた、と。

 なお、これらの要素も、アルスには想定外。
 ガンダム劇中では描かれていない応用手法だし、そもそもアルスは軌道エレベーター付近の囮部隊に監視の目が引き付けられていたし、
 戦力的には無数でも、扱う人工知能のアルスが新規性を受け入れない頑迷な、前例にない行動を予想できない、受容できない性質だし。

 そう、リライジングガンダムにしても、ヴォワチュール何ちゃらにしても、「既存の設定を活用した、延長線上にあるアイデア」なんだけど、ガンダムの物語の前例にはない描写なわけで、そういうのにはアルスは対応できないわけですな。
 一方、作り手の人間、制作スタッフは、「ガンダムマニアであると共に、何か新しいサプライズは? と考えるアイデアマンのチーム」だということも分かって、しかもそれを作劇的に伏線を張って、丁寧に構築するテクニックの持ち主たちということもあって、
 作中のビルダーだけじゃなくて、作品そのものの制作者のビルダーっぷりに感じ入ったり。

 アイデアの膨らませ方と、それを丁寧に構築して魅せてくれる作劇テクニックやら、エンタメ精神やら、褒めるところに事欠きません。

 さらに作り手が意図してるかどうかは分かりませんが、スターゲイザーのヴォワチュール何ちゃらの超加速に耐えられる機体の頑強さ(4機全てがそう)を描写されている。
 こりゃ、よほど丁寧なプラモの組み上げ方をされているんだろうなあ、とか(造りが雑だと、水圧に耐えられなかったり、パーツがポロポロ落ちたり、カザミの昔の失敗で描写済み)、リライズチームの特徴って「強防御力、変幻自在のギミック、そして機動性重視の敵陣突破力」にあるのかな、と。
 その分、弱点は「攻撃力、破壊力を重視していない」んだけど(ヒロトのアーマー武装頼り)、そこを今回、補ったのがシドー・マサキの助っ人ですね。

 マサキの機体は、高攻撃力と防御力でボスクラスの戦闘力を持っているのですが、機動力はさほどでもない。
 しかし、その弱点はクワドルンさんが乗騎として補うことで、今回も活躍。

 機体特性とかあれこれを分析し甲斐のある戦闘描写を見せてもらえると、いろいろ考察していて楽しいですな。

 ともあれ、攻撃力、防御力、機動力の3つとも優れているということは考えにくいので(バランス型で、突出はしていない、というのはあり)、
 前作ビルドダイバーズの機体は、「防御力よりも、攻撃力と機動性を重視したチーム傾向」があったのに対し、今作では防戦ミッションが多かったせいか「防御力と機動性重視のチーム傾向」ですね。
 まあ、ヒロト機はアーマー換装システムなので、攻撃重視とか(その分、打たれ弱いというかパーツ破壊されても交換できる仕様)、カザミ機は序盤、攻撃力偏重過ぎたとか(だけど機動力とパイロットの技量が追いついて来ないので当たらない)、そういう個々の特性や欠点を、今回のミッションに向けて、最適化調整したような成長具合も見られますな。


 とまあ、いろいろ分析し甲斐のある回だったので、満足しつつ、最後は、もう新旧オールスタッフ的なラスボスフルボッコ、ガンプラ凄えタイムになって、バトルよし、ドラマよし、後味よし、で平和な後日譚まで見られたらいいなあ。
 いや、尺の都合で、後日譚は割愛されるかもしれないけど。

 理想的には、「アルスの開いたゲートが閉じないまま」で、エルドラ世界とGBN世界が自由に行き来できるようになりました、ということなら、別れを描かなくて、むしろ交流が深まる未来というのもありかな、と。
 まあ、二つの世界がつながったままなのか、それとも最後はやはり別れてしまうのか、がどっちも有り得るので気になるところです。

(他の記事は、つづく)

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/21 (Fri) 11:57:24

 定期感想その1です。

●BDリライズ(第25話:僕が描く未来へ)
(以下、ぼちぼちと書き連ねていて、NOVAさんのご投稿に気が付きました。いろいろ被ったり、反応できてなかったりすると思いますが、ご容赦をお願いします。)

 次の最終回で大団円後のお祭りあるのかな思って観てまして、今話でアルスの事実上の撃破で、「やっぱりそう来るか」と思ったら、まさかのアルスのGBNへの反転侵攻。しかし、これはこれで「なるほど、そう来たか」とワクワクする展開です。

 まず、集団的な問題であるエルドラの危機は収束させておく。残るはアルス、それとイヴという個人の問題ですね。イヴについてはまだ決着が分かりませんが、アルスのほうは見えてきた感じです。

 アルスに最後の指令(?)を与えたのが、前にも顔をぼかしてちらっと出てきたサラ似と、もう1人先住エルドラ人(もう1人は前はイヴ似かと思ったんですが、はっきり顔が出ると印象違う感じ)。

 となると、アルスがGBNに来てくれればサラと遭遇するチャンスがあるわけで、アルスに強い影響を与えそう(もしイヴが、もう1人の先住エルドラ人に似た姿で復活すれば、なおさらかも)。しかも、GBNは既にELダイバーを受け入れる素地がある。となると、対アルス決戦が最後の山場(撃破&アルス救済)でもあれば、お祭りでもあるようにできそうです。

 ともかく本編。エルドラでの最終決戦に赴いたヒロトら、まず村人やレジスタンスと腹蔵なき会話で、わだかまりない一致団結を確認してますね。そこへ、期待通りにマサキと彼の乗機が到着。これでエルドラに遠征(?)可能な全戦力が揃いましたな。

 一方、地球リアルではヒナタの神事での弓射が執り行われつつある。一見はエルドラの出来事と無関係そうですが、例えばヒナタとヒロトの心情のリアルタイムのシンクロが見て取れるようでした。観ていて「こっちがうまく行くなら、あっちもうまく行く」みたいな印象でした。

 エルドラのほうは、まずレジスタンスの陽動作戦(ガンプラに見せかけた木像)でアルスの部隊を引き付ける。その隙に、既にヒロトらは衛星に迫りつつあるわけですな。どうやって上がった、と思ったら、レーザー推進ですか(科学&SF考証的には、とか野暮はやめておこう ^^:)。ヒロトはおそらく衛星撃破を考慮して、モビルアーマーも用意してきてますね。マサキ機だけは、聖獣クアドルンが運ぶ。別動隊になるわけかな。

 ヒロトらの発進直前、カザミが中継動画を流し始める。今までもやって来たから、であるし、最後の決戦と思えばそうするのは自然でしょうな。しかし、これが今話ラスト~次話に効いてくるとは、自分はこの時点では予想してませんでした。ここ、大事なポイントだったんだ。

 ヒロトらは衛星軌道に上がっていくものの、途中で地上のレーザーのエネルギーが尽きかける。そこはパル機が予備として作動してさらに上がるも、今一歩届かない。と思ったら、生身のヒロトへ何者かの手が差し伸べられまして、不思議な引っ張り上げ方をしてもらった模様。ヒロトはイヴの手だと確信するものあるようですね。

 それをGBNから見ていたマギー、「こっちも準備するわよ」と言って仲間と行動開始した模様。この時点では、通信による戦術分析&支援かなと思ったんですが、ラストのシーンからすると、アルスのGBN侵攻に備えるものでもあったかも。そうだとすると、ラストでアルスがGBNへ押し寄せたのは、最初からヒロトらの作戦計画に組み込まれていた、となりそうです。

 ヒロトらの衛星軌道到達をアルスは予測していなかったようですから、緒戦は奇襲成功でしょうか。しかし、アルスにも備えはありまして、最強のガンプラを守備につかせていますな。自分はよく分からないんですが、メイが「ターンX!」(ターンAのラスボス機?)と警戒する様子がありまして、たぶんアルス側の要でしょうか。

 メイ機がおとりとなってヒロト機を行かせようとするも、敵も必死ですから、なかなかうまく行きそうにない。そこへようやく別動隊到着しまして、聖獣クアドルン&マサキ機ですね。

 マサキ機だけでも中盤までは無敵に近い強さでしたから、クアドルンと組んだらこれほど頼もしい味方はないですね。サクサクとザコ敵、中ボスを撃破しまして、ようやくヒロト機は発射準備を整えた衛星砲へ直往邁進。

 そこで地球GBNのシーンが挿入されまして、いったん自分は混乱しました。「あれ、パルがいる? パルはエルドラで戦闘中じゃ?」と。目をこすって観なおしたら、回想シーンでしたかorz。敵のトランザム対策について、パルはオーガらからアドバイスを受けていたわけですね。それをパルは実際に戦闘で活かしてみせたと。

 カザミの活躍は……うん、カザミらしい(^^;。敵のファンネルに苦戦してどう打開するのかと思ったら、「俺がファンネルになるしかねえ!」ですか。実際、宣言通りにやっちゃうんだから、観戦している自分が文句を言える筋合いではないですね。実際、なんだか納得してしまいましたし。

 ターンXのほうは、パワーで劣るがスピードで優るメイ機がかく乱戦法で撃破するも、衛星砲発射は目前に。このとき、地球リアルではヒナタが弓を構えているところでして、「ヒナタがアルスに模されている?」と思ったんですが、どうやら前話で描写が割愛されたヒロトらの隠し玉を意識した演出だったようです。

 敵防御部隊を突破したヒロトらが再集結、衛星に迫る。どうするのか、と思ったら、まず意外な展開が。フレディのアルスへの呼びかけですね。それも、アルスが本来はエルドラ守護であることを念頭に置いた、ねぎらいとお礼でした(フォーゼの最終決戦での、我望光明へのライダー部員の行動、言動を思い出しました)。

 このときアルスが思い出した映像、以前にもちらっとイメージシーンで出てきた2人ですね。一方がサラ似であることも気になりますが、2人の間にいるマフラーをした子犬も気になります。なんだかフレディみたいですから。

 アルスが思い出したのは、アルスがエルドラを守り切れなかった悔いに対し、2人が「エルドラの大地は残った」「きっとやり直せる」「今はゆっくりとお休みなさい」と言っていたわけでしたか。最後に「ありがとう、また会える日まで」と言われたことで、アルスは2人を探していたわけですな(ここがヒロトと直接重なるかも)。

 アルスが動揺している隙に、ヒロトらは前話で隠された最終兵器を行使。スパロボ的な(?)全員合体のRE:RISING GUNDAMですか。タイトル、ここに効いて来たか。地球リアルでヒナタが矢を放つタイミングで、RE:RISING GUNDAMも砲撃、衛星砲砲撃とガチンコ勝負となるも、押し返して撃破。ヒナタも真ん中に的中させる。

 衛星と共にアルスも撃破かと思ったんですが、しぶとく生き残ってますね。クアドルン(眠りにつけ)、続いてマサキ(ガンプラの民が(アルスを)何度でも止める)も説得に努めるも、アルスは拒絶。ガンプラの民が立ちはだかるなら、まずガンプラの民を一掃する、ということでGBNに侵攻するわけですな。

 GBNではアルス配下の戦闘艦(モビルアーマー?)とヒトツメ部隊がワープアウトという感じで出現するも、既に有志連合のガンプラ多数が満を持して待ち構えていましたな(逸を以て労を待つ?)。

 ネットで偶然見つけた感想に、この第25話ラスト(エルドラで敗れたアルスのGBN侵攻)が、第13話ラストでのヒロトらのエルドラへの再出撃の反転だというものを見ました。第13話を観なおしてみたんですが、そうであるようなないような、ちょっと自分では判断つきかねます。しかし、もしそういう意図があるとすると、面白い構成になっているように思えます。

 次は最終回「Re:RISE」ですか。最終回にタイトルが来る、つまりタイトルがテーマだったという暗示でしょうか。考えてみると、第24話が「ビルドダイバーズ」で前作のタイトル。ということは、第24話で前作が完結したと考えることもできそう。その後を追って、今作も完結するということかな。

 予告映像で気になったのは、前作のリクの傍らにサラがいるカットの直後、ヒロトの傍らにメイがいるカットです。これって「イヴは復活しない」~「イヴはメイに引き継がれている」ということなんだろうか。ナレーションでも「帰らぬ誰かのために」~「きっと生まれ『変われる』」となってましたし。どう解決して締めくくって来るか、来週が楽しみです。

●牙狼MS(第8話:妖刀)

 こちらで「異色作ではあるけど、アクション活劇としては王道」と伺って、期待しておりましたら、前話同様、想像以上でした。ストーリーとしては、「戦いを求めて妖刀ホラー(カゲミツ)に魅入られそうになった武士(猪狩重蔵)が現代に復活、ホラーを魅入り返して、零と納得いく戦いの末に成仏」でしょうか。大変にシンプルといえるかも。主要登場人物も、事実上、2人しかいない。

 ですが、アクションで埋め尽くされてまして、しかも飽きない。零の戦闘スタイルが忍者的といいますか、一撃必殺よりは、かく乱しつつの丁々発止。そこをホラー武士が一刀で断ち切ろうとする。かつ、武士は零の太刀筋が不十分だとアドバイスまで与えまして、全力を引き出した上で勝とうとする。そのため、どんどんとテンションが上がって行ってくれまして、全然ダレません。

 さらにキャラが光ってます。特に武士の執念ですね。勝ちたいというよりは、強い相手と全力で勝負したい、というバトルマニアでしょうか。そのため、油断させるとか、隙を突くとかを嫌い、相手がへまをしたと見たら、いったん退いてでもやり直させる。勝利ではなく戦いへの執念、矜持ですね。

 これが、ラストでは零にも伝染した模様。その零も、ちらっと小粋な本音見せてまして、武士に最強かと問われると、最強は別にいると漏らす。鋼牙を意識しているのは明らかでしょう。そこに武士の執念が乗り移って来る様子がある。かなり以前ですが某格ゲーCMで「俺より強い奴に会いに行く」という名セリフがありましたが、まさにそんな感じ。

 ともかく本編。冒頭、「あれ、なんだこれ?」となりました。時代劇が始まってしまいましたから。登場人物の中には、カオルやらゴンザやらいますが、別人の模様。劇中劇かなと思ったら、昔々の(劇中)実話だったわけか。

 武士:猪狩重蔵は強い相手との戦いを求めるも、(おそらく結核で)余命いくばくもない。しかし、まだ心底「コイツは強い」と思える相手とは戦えてない模様。なんでそんなことに拘るのかと思ったんですが、後で明かされてましたな。子どもの頃、黄金騎士がホラーを討伐するのを目撃していたわけか。その強さに憧れて、猪狩重蔵は今のようになったと。

 猪狩重蔵は「人斬り右京」と呼ばれる強者がいると聞き、決闘に押し掛ける。人斬り右京も否やはなく、斬り合いとなるも、かろうじて猪狩重蔵が戦いを制する。そこを人斬り右京の刀:カゲミツが付け入る。血を吸わせてくれれば寿命と健康を与えてやろう、というわけですな。

 猪狩重蔵が応じ、いったん眠りについて目が覚めると現代。身体の修復に多大の時間を要したらしい。妖刀ホラー:カゲミツは血を欲して、斬れ斬れと煽るわけですが、重蔵は戦わない者なんか斬れるかと一蹴する。ヤクザらしき連中でも、一睨みで怯えたと見て取ると、相手にしない。

 そうこうするうち、ホラーと戦う零と遭遇するわけですな。ただ、この時点では重蔵はまだホラーではない。あくまでも、ホラーの助けを借りた人間でしかない。当然、零は戦わないわけですが、重蔵は承知しない。
(重蔵がホラーや、鎧を召喚した零を見ても動じる風がなかったのは、彼の過去や執念に関する伏線だったのかも。一瞬、子ども時代と思しき重蔵が映ってますし。)

 しかし妖刀が抜けない。まず生き血を与えろ、というわけですな(これが後で恐るべき展開を生むとは)。そこで即席の木刀を持ち出しまして、戦いを強いる。甲冑(鎧)も求める。つまり最強形態で闘えというわけですね。

 木刀では斬れはしないわけですが、強さを見せれば戦いに応じると思っているみたいですね。自分が欲しいものは他人も欲しいはず、という誤解と思ったんですが、どうやらそうでもなかったみたい。だんだんと零は乗せられまして、戦いに応じる気になっていく。ある意味、今話で最も魅入られたのは零かもしれません。

 しかし、重蔵に限界が来るわけですね。おそらく妖刀カゲミツに生き血を与えていないため、加護が切れてきたんだろう。あるいは、重蔵を焦らせて、手あたり次第に人を斬らせるためか。が、重蔵はそれならと、自らを貫いて、己が血を与えるわけですね。これでどうやら妖刀が重蔵に魅入られたんでしょう。この後、ホラーとして零と対戦になるわけですが、重蔵としての自我、魂を保っていたと分析されてますから。

 ともかく最後の決戦となりまして、重蔵は騎士を見た過去を明かす。そこからは、双方が今までの戦いで得た経験をフルに使った真剣アクションですね。さらに重蔵、零が取り落とした剣を使っての二刀流を見せまして、魔戒関係者に見いだされていたら一流の騎士と見込まれ、スカウトされたんでしょうな(ただし、重蔵は応じないと思う)。

 追い込まれた零がついに鎧を召喚すると、この時を待っていたとばかり、重蔵もホラー態に。そこからはまず一合しての振り返りざまの一瞬で勝負が決まりましたな。重蔵は最強の男と戦ったと満足しようとするも、零は「金の甲冑を着た男」のほうが強いと告げる。なかなかに重蔵にも、自分(零)にも正直であり、誠実な態度ですね。誤魔化しての満足なんか退けてるわけで。

 重蔵は、それなら『お前(零)がそいつ(金の甲冑を来た男)に勝ってくれ』と言いたげに、脇差を零に預け、消滅する。零も興味が湧いてしまったようですが、刻印の痛みで先決問題を思い出すわけですな。

 それにしても剣戟バトルは断続的ながら長々続いても、見応えありました。いろいろ要因はありそうですが、自分的には零と重蔵の戦闘スタイルの違いが面白く思えたからかもしれません。

 零は二刀流というそもそもトリッキーな動きの上、剣を逆手に持つことが多い。短剣のリーチがさらに短くなりますので、飛び込んで回って斬る動きになります。重蔵の順手の両手で構えた長剣で、一気に踏み込んで斬る動きが多い。対称的ですし、間合いが遠い、近いで有利不利がくるくる入れ替わる感じもしました。

 次回「化粧」では鋼牙主役に戻り、敵はどうやら舞台劇の役者みたいですね。前話、今話とは作風の違う、別の見どころがありそうです。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/21 (Fri) 12:18:46

続きです。

★牙狼MS

 妖刀回。

 前回、自分は「刀に宿った侍の怨念」と書いたのですが、少し記憶違いでした。

 正確には「刀に宿ったホラーの怨念を凌駕する侍の強固な意志、情念」と言うべきところでしょうか。

 とにかく、時代を越えて、強者と戦いたい、しかし血を求めるだけの人斬りには堕したくないので、それを勧めるホラーの邪念には抗ってみせる侍魂がドラマの根幹。
 しかし、一番の見どころはアクションですね。

 OPなしの、前時代的な演出で古典的な時代劇(TV以前の昭和30年代的な映画時代劇)風味の始まり方。
 そこからホラー憑依した右京と、人の身でありながら渡り合う侍の強さを経て、しかし病で死にかけたのをホラーと契約して、現代へ。

 現代で、強者を探してさまよっていたところを、涼邑零に遭遇して、勝負を挑むことに。
 右京戦も、零との戦いも凄いレベルの剣劇アクションで見応えたっぷり。

 なお、特撮マニア的には、前哨戦の右京役が、80年代の戦隊で、しばしばレッドとライバル関係になる敵レギュラー幹部として、名勝負を演じてきた常連悪役の人ということで喜ぶわけですな。

 そして、次回。
 時代劇アクションから、次回はお芝居の舞台という演出で、ホラー退治を行います。

 ホラー役は川上麻世さんという大物スターになりますが、ここでは、その彼に殺され、主役の座を奪われる犠牲者に注目したいところ。
 後に仮面ライダー鎧武の貴虎兄さん(斬月)として登場する久保田悠来さんの若い頃が見られます。

 ここで登場して、その後、牙狼劇場版で、「異世界の旅を続ける鋼牙の相棒カカシ」としてメインキャラに抜擢され、その後、鎧武に出演となるわけで、
 しかも、その後、舞台版の斬月に至る流れのルーツが見られるなあ、と思っています。

 まあ、次回では、ただの被害者役なので、言われないと貴虎兄さんだと気付かないと思うけど。

 ともあれ、老いることへの恐怖に苛まれ、若い日の栄光を取り戻すべくホラーとなった老俳優が野心を満たしたものの、魔戒騎士に倒されるという「よくある牙狼のエピソード」なんだけど(ホラーと契約したら、若返ったり、美人になったり、才能を発揮したり、という話は数多いですから)、
 演劇舞台という見せ方の面で、日常とは異なる演出を施した回ですね。

 人知れぬ暗闘の多い魔戒騎士が、舞台上でスポットを浴びるというだけで、面白い演出が見られたな、と記憶。


★剣

 マグネシウムリボンによる発火演出。
 何その茶番、というのが当時の強く覚えている感想でした。

 いや、キャラクター描写がどうこうとか、ストーリー展開がどうこうとか、そういう批判じゃなくて、この話を作った人は「特撮ファンが何を喜ぶか」という仕掛け作りが分かっていない、と実感した回です。

 「マグネシウムリボンによるトリックです。驚いたでしょ?」とドヤ顔で種明かしされたのに対して、
 「何それ、呆れた」と感じるわけですね。

 前回の引きだと、「何かそういう能力を使う怪人」とか、「烏丸所長が殺されるなんて、相当ヤバい秘密が隠されているんだろうな」とか、そういうのを考えたら、陳腐な展開で肩透かしを喰らったわけで。
 マグネシウムリボンって聞いて、「なるほど、そういうことだったのか。リアルっぽくていいじゃん」って感じた視聴者はいたのだろうか。

 いやね、科学調査班が活躍する話ならいいんですよ。
 同じ特撮でも『怪奇大作戦』ならあり。
 でも、「怪人による不可能犯罪がすでにシリーズでいっぱい描かれている平成ライダーの世界観」において、脚本家がシリーズの常識に無知であることが分かってしまうと、真面目に見ている者としてはがっかりなんですよ。

 なお、ここで注目された烏丸所長ですが、散々思わせぶりなセリフを口にして、「剣世界の秘密をいろいろ知っている重要キャラ」だと見なされていたわけですが、
 実は「ほとんど何も知らない、教えてくれないまま、物語を翻弄しまくって、フェードアウト」します。
 ここまで「重要なことを何も知らないのに、物語を迷走させるだけ」の博士キャラはなかなかいないなあ、と。

 なお、後にこの人はブレイドの強化アイテムを作ったりするのですが、その入手方法が「チベットの烏丸所長から、郵送小包でアイテムが送られてきたよ」という盛り上がりも何もない展開。
 ヒーローのパワーアップアイテムが、郵送小包で玩具のように送られてくる世界観が、前期のブレイドなんですね。普通は、そこでアイテムを巡るドラマが展開されるものを、そういうシリーズのお約束を知らない脚本家にとっては、子供に贈る玩具程度の認識らしい、

 せめて、所長から送られてきた手紙に、「このアイテムを直接渡したいが、敵に察知されたので身動きが取れない。信頼できる男に託したので、彼と合流してくれ」と新キャラ登場と組み合わせるとか、「ネットで設計図を送ったので、広瀬くんなら製作できるはずだ。任せたよ」とか、ドラマの材料にする方法はいくらでもあると思うんだけど、
 郵便配達されるパワーアップアイテムというネタを提供してくれて、笑うしかなかったな、と。

 まあ、それは先の話なんですけど、とにかくブレイドって、何か新しいことをしようとして(平成ライダーも5作めですし)、大人向きの物語を大人ドラマの脚本家に依頼したら、何だか変なものができちゃったという前半部分と、その負の遺産を立て直そうと頑張った後半部分で、大きく評価が変わります。
 そのイメチェンぶりは、主題歌の変化とかではっきりするわけですが(平成ライダーで主題歌が変わったのは、メインライターが前半と後半で変わった剣と次の響鬼だけ。まあ、主題歌が劇場版を機にバージョンアップしたアギトもあるけど、そちらは事情が異なる)。

 で、ブレイドの前半の失敗の原因を脚本家のせいにするなら、脚本家の違う回(最初は11話と12話)が面白いかどうかを基準にすればいいかな、と。
 こちらは、当時の大人向き特撮ヒーローの旗手と言われた宮下隼一さんの作品で、当時、ブレイドと比較されることの多かったブルースワットという作品のメインライターさん。

 ブルースワットは、地球人に乗り移って侵略活動をする異星人に立ち向かうために創設された部隊なんですが、第一話で組織が壊滅。
 生き残った3人の男女が、民間人の協力を借りながら、残された装備品を駆使して、暗躍する異星人と死闘を繰り広げる「強化スーツヒーロー」なんですが、第一話で組織壊滅して云々とか、主人公が激しやすい未熟な若者とか、ヒロインが姉御肌とか、3人めが正義の異星人で頼れるベテラン戦士とか(カリスに相当?)、放送当時のブレイドといろいろ対比されていました。

 そのブルースワットを担当した宮下さんが助っ人に来た、とのことで盛り上がったりも。
 とにかく、宮下さんは当時の「大人向き特撮ヒーロー」の大御所みたいな立ち位置で(だけどハリケンジャーみたいなコミカル路線も書ける)、苛酷な状況のヒーローの情念と逆転劇で定評があるとか、小林靖子を見出した立役者だとか、この人なら大丈夫という信頼感があった御仁です。

 さて、ここで「大人向き特撮ヒーロー」と書きましたが、その定義を書くと、「ヒーローや敵組織と社会の関係性が明白」というのが一つ挙げられると考えます。

 昭和ライダーの敵は、「悪の秘密結社」で人類の多くはその存在を知りません。マスコミも「またもショッカー怪人が暴れる」とは報じませんし、怪人も自分から正体をさらしておきながら「俺の正体を知った者は生かしてはおけん」と理不尽なセリフと共に、目撃者を殺害します。そして、たまたま、その現場を目撃した女子供が怪人に追われて逃げているところを「通りすがりの仮面ライダー」に助けられることもしばしば。
 そして、「通りすがりの仮面ライダー」は元大学生とか、フリーのカメラマンとかで、暇してます。まあ、怪人と戦うために、日常生活の多くを投げ打ってますから、普段はバイクで走りながら、ショッカーの動きがないかパトロールしているわけですな。

 つまり、ライダーも敵組織も、社会的なポジションをあまり持っていないのが昭和ライダーのお約束。だから、警察も怪人に関与できないし、したら証拠隠滅のために殺される。
 正義も悪も、人知れず暗闘しているわけですな。事件に巻き込まれる少数の人たちを除いて。


 で、平成ライダー1号のクウガは、そういう暗闘をやめました。
 遺跡から復活したグロンギは、自分たちのルールで殺人ゲームを始め、その事件は謎の連続殺人事件としてニュースに公開され、警察が事件の謎を追います。
 主人公の五代(クウガ)も、最初は不審人物と見なされたり、事件に関わる未確認生命体と誤解されますが、物語が進むにつれて、警察がクウガに協力するようになったり、五代の体調管理をしてくれたり、「ヒーローと敵怪人の戦いに、社会が影響したりされたりする流れ」ができるわけですね。

 続くアギトで、「警察製の強化スーツライダーG3」と、「連続殺人事件を起こすアンノウン」との戦いの現場に、突如出現した「謎のヒーロー・アギト」と、さらに出現する「怪生物ギルス」という展開で、警察視点で事件を追うのがメインのドラマ。

 一方、龍騎で、今度は昭和の暗闘路線が復活。
 ただ、暗闘の理由が、「ライダー以外に侵入できない異世界ミラーワールドが舞台だから」というもの。
 怪物が暴れているのに、ニュースにならないのではなく、「怪物は異世界に人を引きずり込んだりするので、ライダー以外に認知できる者が少ない」わけですな。
 で、主人公は、「ネットニュース制作会社の駆け出し記者」だから、事件の謎を追っているうちに、自らもライダーとして戦いに参加する、と。
 ここで、警察に代わる舞台装置として、ジャーナリストが出てくるわけですが、物語の中心は、多数の職業持ちライダーが異世界バトルロイヤルによって、怪物退治と願いを叶えるためのサバイバル対決を広げる話。

 そして、第4のファイズも、基本は暗闘に終始するわけですが、その理由は「悪の組織スマートブレインが大企業で、情報を握り潰すことができる」ことと、「人から転生した怪人オルフェノクに、企業としてバックアップしている」ことなどで、要するに怪人というものが正体を隠しながら暗躍して、仲間を密かに増やしているという背景。
 暗闘には変わりないにしても、「悪の組織が表向きは大企業である」という社会的な背景が描かれているのが、昭和ライダーとの違い。
 まあ、こういう要素は、80年代のメタルヒーローで先に描かれ、その延長線上に平成ライダーもあるわけですが。


 で、この企業設定を発展させたのかな、と思わせたのが、剣当初の「サラリーマンライダー」という売り文句なんですね。
 BOARDという研究企業があって、研究対象である古代の怪人カードの力を活用したり、再封印するための戦闘システムが、仮面ライダー。主人公たちはBOARDの職員として、研究と戦闘に従事する。

 つまり、BOARDという公組織があって、それを中心に社会に接するドラマという形なら非常に分かりやすかったのですが、
 その組織が十分に描かれないまま、いきなり壊滅させてしまった。
 この時点で、ライダーと社会の接点が絶たれた形になります。一応、虎太郎をジャーナリスト設定にして、彼の経営する牧場を主人公の拠点にしたり、舞台装置は用意しているのですが、「牧場にしても、ジャーナリストにしても、あまりストーリーには大きく関わって来ない」設定ですね。

 虎太郎のジャーナリスト仲間とか、牧場関係のドラマとかがもっと描かれるなら、そこから社会が見えてくることもありなのですが、
 「ジャーナリストだから、事件に積極的に関わる動機がある」「牧場設定は、主人公たちを都市から遠ざけて、社会との接点を希薄にするため」ぐらいにしか使われていない。

 この虎太郎の背景設定は、非常に便利に設定されているのですが、そこからドラマが広がらずに、この物語における社会が見えて来ない。あくまで、個人の人間関係だけで話が作られているために、「大人向き社会ドラマの要素をもった平成ライダー」としては退化しているようにも思えます。

 平成ライダーの魅力に、警察の日常、ジャーナリストの日常、企業人の日常、以降も、高校生の日常、芸術家の日常、私立探偵の日常、医者の日常などなど、職業人的な社会派ドラマが描かれて、そこそこリアルに物語を見せている面があって、
 そして、「暴れる怪人が、その世界でどう見なされているか」なども類推できるようになっています。

 でも、ブレイドの世界では、世間一般でアンデッドがどう見なされているかは描かれていない。つまり、「事件として報道されて知られているのか」「大きな権力の手で情報が隠蔽されているのか」「特殊な世界観や怪人能力で存在が認知されていないのか」。

 平成ライダーがそれまで4作にかけて丁寧に構築してきた「社会とライダー、怪人の位置づけ、世界観」を、ブレイドは何も知らない脚本家が昭和の曖昧な描写でスルーしたまま、社会から遊離した個人の動機だけのドラマで展開しているような形ですな。

 これも脚本家が「怪人という超常的存在のいない現代社会ミステリー」の感覚でしか書けなくて、「現代社会とは異なる怪生物の存在に対して、社会がどう対応するか」をリアルに描くようになった90年代以降のヒーロードラマ観が欠如しているからかもしれません。

 まあ、現代を描くのに、世界観なんてあまり気にしなくてもいい、と考えがちな作家は多いのですが、
 そこに「怪人」「魔法」「超能力」などといった超常現象を持ち込むと、それが一般人に認知されているかいないか、認知されているなら社会がどう対応しているか、認知されていないなら何故なのか、など考えないとリアルな世界は描けない、と。

 まあ、脚本家次第では、コメディなので怪人が街中を歩いて、通行人に道を尋ねても気にしない浦沢世界観などもありでしょうが、
 ブレイドはそういう方針も曖昧なまま、平成の時代に、昭和のお約束に戻りながら、なおかつ人間関係だけは錯綜したライダー対決路線で迷走したなあ、と。

 で、その進化形がディケイドに結実したとも思えます。

 ブレイドの後期脚本家がディケイドのメインライターでもあるので。


 最後に、剣の最大の秘密「BOARDとはどういう組織か」「アンデッドを解放させたのは結局、誰の仕業か」という序盤から気になる情報が、判明するのが終盤にウルトラセブンのモロボシ・ダンが登場するようになってから、ですからね。
 あんたが黒幕かよ。それまで伏線もほとんどなかったのに、とか、役者の存在感だけでブレイドの序盤の謎の解答を押しつけられたという。

 逆に言えば、それまで真剣に番組見て、考察をしていたファンが、散々迷走させられて、烏丸所長に注目していたのが空回りしてしまうような結論。

PS.まあ、ブレイドの迷走があったからこそ、その反省材料が後年いろいろ生きて、与えた影響もいろいろあるというのは間違いないなあ、と思います。
 前半のグダグダをどう収束させることができたか、という良いモデルケースにもなったし、脚本家の質がいかに作品世界に大きな影響をもたらすか、という研究材料も含めてね。
 ネタとして、ツッコミ入れるのが楽しむコツと申し上げつつ。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/23 (Sun) 14:11:19

 定期感想その2です。

 グッズの発売記念イベントらしいんですが、フォーゼ最終話がネット放映されてますね。やはり通しで観てみたし、感銘を受けもした作品だけあって、最終話だけ観なおしても、初視聴時の全編通しての感動が蘇ります。

 剣(ブレイド)については、自分はまだ表面的にしか受け取れていないのは承知した上での不満があるわけですが、NOVAさんの再度のご感想を拝読しますと、どうも問題が根深そうな気がしてきました。ご感想からは、表現は抑え目のようでいて、いつにないお怒りが伝わってくるような気がするもんですから(^^;。それを自分はこれから確認するわけだなあ、と思った次第です。

●仮面ライダーウィザード(第27話:姉と妹、第28話:盗まれたベルト)

 今週前半はミサ/メデューサ/美紗の双子の妹:真由がライダーメイジに覚醒する伏線といったところでしょうか。しかし(再)登場は12話先の第40話というわけですか。それは先に期待するとして、双子姉妹編(?)で感心したのは、ミサ/美紗/真由の同じ役者さんの演じ分けです。

 確かに全員が別人の感じがしっかりします(回想シーンでの美紗の登場は少ないですが)。ミサは確かに冷静、酷薄に徹する感じですし、真由は感情の動きがしっかり感じられる。何が違うんだろうと思って、気が付いたのは目(瞳、黒目)です。身体の動きも真由はそわそわしている感じなんですが、やはり「目は口ほどに物を言い」でしょうか。

 ファントムのミサですと、黒目が見たいもののほうにだけ向けられ、注視対象から動かない。目線を外すときは、興味を失ったり、「勝った」とばかりに「眼中にない」様子を表しているようです。

 一方、真由ですと、黒目がきょろきょろ動いています。誰でも動揺したり、考え事したり、何か思い出そうとするときに、つい黒目が動くわけですが、そこが演技にきちんと取り入れられているようです。

 真由、ミサ、美紗を演じるときは、少なくとも衣装替えがあるはずですから、間はあるんでしょう。それでも、3人のキャラをしっかり頭に入れて、今演じているキャラクターがこの状況でどうするかを、きっちり理解してないと、あの演技はできなさそうです。要は、演じる中山絵梨奈さんって、地味に凄いんじゃないかと思った次第です。調べてみると、昨年に引退されたとのことで、なんとも惜しい、もったいない。

 ともかく本編。高校でミサと遭遇した真由、思わぬ再会に感動するわけですが、ファントムの正体を知る凜子が必死に止めるわけですね。もうあれは姉の美紗ではない、人間ですらない、ということですな。この時点では真由はゲートと(晴人側には)見做されていないわけですが、ミサの人間時の双子の妹とあっては、保護が必要。拠点の骨とう品店に連れ帰るわけですね。

 これは観ているこちらとしては、繰り返し見せつけられたことではあるんですが、真由としては、事態を理解してもなお、一縷の望みがあると思いたい。実は観ているこちらも、そういう気分になります。なにせ双子の姉妹ですから、例外的にごく僅かでも情が残ってるんじゃないかと。しかし、話の流れとしてはそこを断ち切っていくわけですね(ある意味、劇中のキャラクターだけでなく、視聴者も絶望へ追いやる作劇であるかもしれません)。

 一方、前話でターゲットのゲートとされた多香子のほうは、だんだんフェードアウトしていく感じです。攻介と瞬平が自宅まで護衛しつつ送っていくわけですが、骨とう品店に連れて行かないわけか。今までのゲートとちょっと扱いが違うような。ファントム側も、(真由もゲートと見抜いた)ミサが多香子をソラに任せてしまうし。そのソラも、深く関わらずに周りでちょとちょろ動く感じがありまして、何をしようとしているか不明な感じであり、不気味ですね。

 多香子に戻りまして、彼女は未成年ですし、保護するにも家族の了解を取るのは分かる(真由の場合は了解を求めるべき家族がいない)。が、なんかドタバタするわけですな(やっぱり、攻介と瞬平だし ^^;)。まず家族に誤解されて追い出され、凜子がとりなしてなんとかなる。と思ったら、骨とう品店まで送る途中でグールの襲撃(下っ端だけ?)。ソラ/グレムリンもやっては来ますが、ゲートを絶望させようという意志が感じられない。むしろミサの狙い(真由のファントム化)を晴人らに知らしめるために行動しているようでもある。

 その頃、晴人らは真由と飯食ったりしてますが、真由にメールが入り、急にそわそわした真由は帰宅すると言って出て行ってしまう。この時点でも真由は未だゲートではないとコヨミも判断しているし、晴人はグール急襲の連絡を受け、多香子のほうに向かってしまう。

 実はメールはミサの誘い出しであったわけですね。文面は「私を助けられるのは真由だけ。一人で家まで来て。 美紗」ですか。美紗はファントム:ミサと真由は納得はしているはずですが、まだ「美紗」の部分が残っていて、人間側に引き戻せるかも、と期待はしてしまうでしょうね(視聴者としても、もしそうなったら嬉しい、という気持ちが生じるし)。

 が、現実は厳しいわけですな。ミサは真由をゲートと見抜いており、絶望させる手段が知りたかっただけ。ミサの算段としては、自分(ミサ)には美紗など微塵も残ってない、美紗は完全に死んだ、両親は失踪ではなく死亡、しかも殺害したのはミサ、辺りの情報で絶望に誘い込めそうと踏んでたのかな。

 しかしミサは、真由が(形のある)心の支えとしていたのが、美紗に貰った、家族4人をモチーフとするキーホルダーであると知り、それなら好都合とキーホルダーを破壊。駄目押しに両親殺害の件も教えるわけですな。

 今までのゲート候補と同じく、真由にはひびが入りまして絶望→ファントム化の兆候が表れる。が、真由のアンダーワールドでは美紗は健在で、ひびは美紗に届かず、逆に修復されてしまうわけですか。これにより真由は復活と。これは真由の持つ美紗の(理想化された?)イメージが極めて強固だった、ということなんだろう。

 ここで、プラモンスター:ブラックケルベロスで監視していたらしい白い魔法使いが登場、あっさりミサ/メデューサを退け、真由を連れて消え去る。晴人は心配ではあるようですが、自分も白い魔法使いには何度も助けられたと思ってますから、任せることにしたらしい(白い魔法使いの正体が分かったときに生じるはずの落差がだんだん深くなってるかな)。

 続いて後半(第28話)。ミサがワイズマンに白い魔法使いの横槍を報告し、正体が分からないと報告してますね。つまりこの時点では全く正体に気が付いてないわけか。ワイズマンも放置してファントムを増やせと指示してます。予習してなかったら、自分は「いよいよ敵味方陣営の両ボスが衝突し始めるか?」と期待してたかも。

 が、今話の流れはそっちではなく、攻介/ビーストに焦点が当たっていきますね。考古学者の中本治が発見したというリングが、どう見ても攻介のビーストドライバーのキマイラとそっくり。ということで、攻介は中本と接触を図るわけですが、中本がかなり猜疑心が強い様子。

 発見・研究を横取りされるのでは、と疑心暗鬼なわけですな。が、中本が実はゲートであるわけで、ファントム側のスプリガンの襲撃を受ける。居合わせた攻介が、変身ついでにドライバーのキマイラを中本に見せるわけですね。これで両者は意気投合したらしい。が、既に中本は攻介のキマイラを奪う算段であったわけか(凜子の調べでは、中本は研究者として成果を出せてないらしい)。道理で、駆けつけてスプリガン撃退の功のある晴人らを中本は邪険に扱ったわけだ。

 そこから中本の狂言が始まりまして、攻介に薬を盛って眠らせてビーストドライバーをくすね、目覚める頃合いで、「ファントムだ!」と叫んで、ファントムに強奪されたことにするわけですな。
(以上は今話では必ずしも明示的ではないけど、前後関係から明らかと思える。)

 根が単純なところがある攻介、すっかり信用しまして、いもしないファントムを探しに出る。が、ソラ/グレムリンと偶然鉢合わせするわけか。これでは攻介が「犯人はソラ」と思い込むのも無理はない。ソラ/グレムリンとしても好都合で、変身できない攻介を倒すチャンスであるわけですね(なんだけど、ソラ/グレムリンは本気で倒す気がなさそうに見える)。

 中本としては「しめしめ」というところなんでしょうけど、コイツは自分がファントムに襲われたことをうっかりしている。案の定、スプリガンが再び襲来しまして、中本大慌て。ソラ/グレムリンもちょっかい掛けに来る。なんかドタバタしてきました。

 ともかくも、研究室に立ち寄った晴人が変身、迎え撃つわけですが、攻介が変身できないため、実質、2対1の不利な展開に。それでも中本を逃がそうとはするんですが、ファントム側は配下の戦闘員グールがいますからねえ。ウィザード側はとても手が回らず、というところで次回へ続く。

 これがビースト強化につながるということは、中本が発見したアイテムが攻介の手に渡る、となりそうですが、このラストからだと、ちょっとどういう流れになるかが自分には読めない感じです。が、それだけに面白くなりそうでもある。次週に期待することにします。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第37話:最強の決戦機、第38話:夢を掴む力)

 こちらで「最終回に匹敵するクライマックス回」と伺った通りでした。戦力的にも敵が(この時点での)最終兵器グレートワルズを投入、ザンギャック第2次遠征隊の総司令にして皇太子たるワルズ・ギル自ら搭乗ですね。これに対して、ゴーカイジャー側も自らの戦隊としての力「夢を掴む力」が覚醒し、これまでに結集して来た力を統合しての新形態で撃破すると。

 この流れは最終回的なんですけれども、人間関係的にはクライマックスへの突入を思わせるものもありました。ジョー/ブルーについては、懸案であったバリゾーグ=シド・バミックとの最終決着ですね。以前に判明した通り、倒してしまうしかないわけですが、そう思い切り、やり遂げたことでジョー/ブルーはシドに認められ、次へ進める雰囲気が出た感じです。

 キャプテン・マーベラスも、敬愛するアカレッドを見習い、チームが危機に陥ったと見ると、自分が決死のしんがりとして仲間を逃がす。が、九死に一生の意識不明で助かり、夢の中で間違いに気が付くわけですな。大事なのは仲間ではなく、仲間の絆ということで。

 しかも、その点は第37話序盤で鎧がマーベラスに問い、マーベラス失踪中に鎧が漏らした不満でもある。思い起こしてみますと、鎧以外のゴーカイ戦士は異星人なのでした。今週分の話は、ゴーカイジャーの最終的な結束固めであるだけでなく、鎧≒地球とマーベラス≒異星の結束も暗示するものであったような気がします。

 敵ザンギャック側も興味深い動きが見られまして、まずワルズ・ギルですね。皇帝アクドス・ギルが(おそらく皇太子に実績あげさせようと)第2次遠征隊総司令に任命しようとするも、参謀長ダマラスが危惧して反対する(おそらく実力不足でワルズ・ギル自身に危険が及ぶと見たか)。

 これをワルズ・ギルは盗み聞きしてしまい、侮られたと怒り、コンプレックスにもなっていたわけですね。そこで能力の高いシドを捕えて、記憶を消し、人格を作り変えての忠臣バリゾーグを作った。

 バリゾーグは忠臣ではあるものの、唯々諾々と従うのみで諫言ができない。言われるままにワルズ・ギルと運命を共にしての最期となるわけですな。一方、ダマラスは表面的にはワルズ・ギルを侮る様子はあったものの、実は能力を客観的に判断してのことだった模様。心の底には忠義があったわけですね。今週分のラストでは復讐戦を誓う様子がありました。

 なぜワルズ・ギルがダマラスの忠義を得ることができたかかも垣間見ることができた気がします。バリゾーグを失っての嘆きと、怒りのあまりの再出撃ですね。感情的なえこひいきがあるとはいえ、臣下を失うと自ら仇討に行くという部下思い。その辺りが、以前からじわじわダマラスらに影響を与えていたように思えました。

 そういった人間関係的なあれこれがありましたんで、「敵味方がくっきりした、ここから最終決戦になだれ込みそうだ」と期待したくなります。

 ともかく本編。ですが、だいたい書いちゃったような(^^;。前半(第37話)は皇帝からの決戦兵器グレートワルズを得たワルズ・ギル、前話までの焦りもあって、親征に及ぶわけですな。対するゴーカイジャー側は、迷いが出てまして、チームの結束もちょっとがたついている。彼我の戦力差に加え、結束でも問題ありまして、ワルズ・ギルの圧勝といったところ。

 後半(第36話)になりますと、敗戦を機にゴーカイジャーが立ち直って来るわけですね。いったんバラバラに散ったことで、結束、チーム力の大事さを再確認し、再結集したといえましょうか。

 特に、ジョー/ブルーはバリゾーグに勝ってシドに背中を押され、マーベラスは夢枕(?)に立ったアカレッドによって方向性のブレを正される。バリゾーグの復讐戦に戻ったワルズ・ギル/グレートワルズは依然として強力であるものの、再結束成ったゴーカイジャーにも戦隊レジェンドとしての「夢を掴む力」が覚醒、最高度の戦力に達しまして、返り討ちで撃破と。

 しかし、これに対してダマラスが真に怒りを見せまして、続く。この後の1クール分はハードな展開になりそうで、ワクワクします。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/23 (Sun) 22:24:00

 定期感想その3です。

●仮面ライダーゼロワン(第44話:オマエを止められるのはただひとり)

 正直なところ、感想を書くのに少し戸惑いといいますか、迷いがあります。今話の各シーンは、自分的にはそのまま観るなら、キャラクターに溜めがない感じがあります。言い換えると、充分な動機(を発生させるドラマ)がないため、リアリティ不足に感じてしまいます。

 その一方、各シーンはなかなか見栄えがある(←ちょっと気分を適切に言語化できてませんorz)。例えば福添副社長が自らを「世界一のナンバー2」と言い切り、デモで暴発寸前のヒューマギアに土下座し、シェスタもはっと感じるものがあって、倣って土下座するシーン。

 観ていて「もし中断寸前の流れから、ここまでの間にに、例えばこういうドラマ展開があったとしたら、ぐぐっと燃えるものがあったはず」と思い、いろいろ妄想を巡らしたりしてます(制作の力量に、自分が遠く及ばないのは承知の上で)。つまり、補完して考え、感じるようにすると、なかなか感動的足り得そう。

 せっかくのゼロワン最終盤ですから、楽しめるように観て、感想書こうかなと思わないではありません。が、感想は視聴記録でもある。観たままを感じたままで書くことにしました。後で読み返して、自分の書いたことを自分で勘違いしてもいけませんから。後日、制作や役者陣から裏話も出てくるでしょうし、そのとき改めて補完して考えてみたいと思います。

 それはそれとして(^^;、ヒューマギアのお仕事で、今話で気が付いたものが。もしかすると、前々から出ていたのかもしれませんが、ケモノ耳のメイド型ヒューマギアがデモ隊の中にいました。最初、ケモノ耳アクセサリーに気づかず(メイド帽だと思った)、「メイドのヒューマギアもいるんだ」と思ってました。

 しかし、観なおしてみるとケモノ耳。そういうアクセサリーするとなると、メイドカフェなんだろうなと。ヒューマギアって、そういう「萌え」分野にも進出してたのか、もうあらゆる職業に進出してるんだな、とちょっと感心するものがありました。これは制作側が意図して演出しているはずですから、ヒューマギアの世間への進出ぶりをさりげなく示す、リアリティの作り方に感動したわけでもあります。

 ともかく本編。冒頭は滅のヒューマギアへの大々的な呼びかけからですね。飛電或人を打倒せよ、と。飛電インテリジェンスの飛行船(?)型情宣機を使って呼びかけてまして、滅亡迅雷がかなり飛電に食い込んでるのかという不安が生じます(が、この後、そういう気配はない)。

 飛電インテリジェンスの現社長たる或人が(人間・ヒューマギア双方の悪意を学んだ)アークに乗っ取られたも同然ですから、滅の言説にも一理ありそうに聞こえます。が、或人はここまで、ヒューマギアのために奔走して来た実績もありますんで、どちらに就くべきか迷うヒューマギアも多そうですね(たぶん、人間も同様か)。

 が、或人はイズを破壊した滅への憎悪に囚われて、迅を破壊してしまった悔悟があるため迷いが生じてますね。アークの使者(?)たるアズは滅への憎悪を煽る象徴になってますな。迷うからには、その反対側へ導く者もいるはずですが、この時点では或人にもはっきりしないみたい。で、後で姿を現したのは自分的に意外なキャラクターでした。

 街では滅のアジテーションに乗ってしまったヒューマギアがデモを開始してますな。まだ暴動に至らないところをみると、滅に乗ったヒューマギアとて、半ばくらいは「話せば分かるかも」と思っていそう。
(それにしても、デモの人数が少ないですねえ。やはり密集を避けたということだろうし、CGで補おうにもCG制作も長時間の密集になってしまうわけで、やむを得ないんだろう。)

 デモ隊は飛電インテリジェンスにも押し掛けてまして、マモル君ら警備員が必死で止めている。やはりヒューマギアでも、職務によりいろいろ個性があって、職務優先のヒューマギアだと簡単に滅に乗せられないということかしらん。

 或人不在ですんで、副社長に代行権・責任があるわけですね。最初はしり込みする福添ですが、自らを「世界一のナンバー2」と思い切り、デモ隊の面前に赴く。何をするかと思ったら、或人を信じてくれ、と言っての土下座ですか。さすがにこれにはデモ隊も毒気を抜かれた感じですね。この福添の決断と動きをサポートしたのは、ちょっと久しぶりの登場の「アイちゃん」でしたか。

 さらに、シェスタの細かい動きも注目ポイントでした。「世界一のナンバー2」と言った福添に目を見張る様子があり、続いて福添の土下座にハッとした感じがある。それで、福添に倣って土下座もするわけですね。これ、きちんと描いたら「シェスタのシンギュラリティ」として納得し、燃える展開にもなったんだろうな。
(もちろん、それには福添の決心に至るドラマも発生するはず。第1話で社長の座を狙い、或人に横取りされたことを恨んだ男が、いかにしてここへ至ったか、ですね。これもきちんと見せてくれたら、自分好みの燃える展開であったはず。)

 一方、ZAIA。与多垣社長はAIMS出動・デモ隊ヒューマギア排除を決断する。傍らに垓がいまして違憲したりしてまして、立ち位置がちょっと分からない。この状況だと垓は腹心、それも懐刀の参謀といった感じです。が、後のシーンではサウザー課の自席にいまして、課長1人であるだけでなく、いかにも間に合わせの殺風景な居室になってます。

 垓が左遷されたのか、それとも実質的には重用されているのか、分かりにくい感じです。この状況をなんとかつじつま合わせするなら、「敵の目を誤魔化すためとかで、表面上は左遷したように見えるが、実際はZAIAジャパンの最重要重役として意思決定に関わっている」といったところか。
(でも、無くなった6話分のつじつま合わせでツギハギしたため、という可能性が低くなさそう。)

 ともかくも、AIMSがヒューマギア・デモ隊を武力で鎮圧すれば、ヒューマギアが人類を圧制者・敵対者と見做す恐れが多分にある。この状況を招いたのが或人である。ということで、不破は或人を止めに、唯阿はAIMSを止めに向かうわけですな。
(これも、なんでここまで抜き差しならない状況になったかの必然性を充分には見せてもらってなくて、強引に感じる流れの1つではあります。それでも勝利条件だけは、なんとか明示できているのが救いかも。)

 AIMSは与多垣自らが率いてデモ鎮圧に向かったわけですが、唯阿が割って入るわけですね。止める権限も持ってまして、垓が手回ししてAIMSを政府直轄に移し、トップに唯阿を据えたから。直前のシーンで「サウザー」から着信があったのはこれだったか。与多垣社長、止めてもらってホッとしたような雰囲気もありますな。

 一方、或人。相変わらずアズに魅入られている感じですが、不破が必死の阻止に入る。チップの件がありますから、変身は上手く行かないわけですが、亡が手を貸す。といっても、尺を削られたせいか、キーを渡すにとどまってますね。きちんと話数があったら、以前の不破&亡のバルカン変身みたいな燃える流れを用意できてたんだろうなあ。

 それはともかく、或人はゼロツーに変身ですか。なぜ最強形態たるアークワンを使わないのか。このゼロツー変身に意味を持たせるのは、次話が最終回であることを考慮すると、ちょっと無理そう。ゼロツーの出番が少なかったから制作が使ってみたのかな。一応、「ゼロツーでも充分という或人の自信」と取ることはできますんで。

 で、案の定、不破バルカンは必死に食い下がるも、力の差は歴然みたいですね。それでも、オルトロスバルカンの初お目見えは素直に嬉しかった。また、雷電が滅を説得しつつ拳で胸を突き「気が付いてんだろ、人間の心がここにあるって」で、直後にバルカンのパンチがゼロツーの胸に入りかけるも、ゼロツーが止める演出も、ぐっと来ました。

 不破の努力も、雷電の説得も、或人・滅両者には結局届かなかった、という暗示のようで。また、或人が怒りにかられると、おそらくイメージシーンですが、バルカンに攻撃を加えるのがアークワンになるのも興味深かったり。ゼロツー登場はいったんは「もったいないから使った」と思ったんですが、もしかすると意味はあるのかもしれない(と視聴者的な一縷の望みを託したくなる ^^;)。

 その頃、滅は雷電が説得に努めてますね。雷電は人間から心を教わった事実を示し、迅を思い起こさせて情に訴え、説き伏せようとしますが、滅が一枚上手か。雷電に「もし弟(昴)を人間に奪われたら」と、シンギュラリティに関わる重要なポイントを突いて返してくる。雷電、さすがに返す言葉がなかった模様。

 ここまでの流れを自分なりに整理してみますと、街のヒューマギア・デモ隊とAIMSには唯阿の気持ちが通じた、飛電へ押し掛けたデモ隊には福添らの気持ちが通じた、しかし或人と滅には誰の気持ちも届かなかった、となるでしょうか。状況がヒューマギア・人間の多数から、或人・滅という個人へと絞られてきた感じです。ただ、依然としてヒューマギアの暴発寸前の状況ではあるらしい。

 その或人がゼアに呼びかけると、以前にも見たゼア特有の白背景の空間になりまして、現れたのはヒューマギアの父親:其雄(ここが意外だった、イズなら「なるほど」ですし、是之助なら「ここで来たか」なんですが)。其雄が手にしているのは初期のゼロワンドライバーかな? なぜそんなものを持って来たのか、と考えると、ちょっと期待したくなることがいろいろあります(^^;。

 一方、ZAIAのサイザー課では、迅の残した部品(イアモジュールというらしい、耳部分のメモリかな?)を元に、迅復元を試みる模様。滅・或人抗争の動機はイズ、迅であるわけで、イズは復元が無理でも、せめて迅が戻って来れば、ということか。

 しかし、事態の動きのほうが早く、滅 vs 或人の対決が始まってしまうわけですな。或人はアークワン、滅は初お目見えのアークスコーピオンですか。前回の予告で聞こえた、「お前を止められるのはただ一人、俺だ!」の決め台詞はここでしたか。止める、に期待したいところですが、第1話でも「止める」と言って、腹筋崩壊太郎を完全破壊しちゃってるから不安だなあ(^^;。

 今話の各シーンは「ここを落としどころにして欲しい」と感じるものが多かったです。が、くどいようですが、落としどころに至る過程が省かれたような、隠されたような感じです。そのため、キャラクターのドラマに下げ、溜めが不足してバネがなく、せっかくの上げに勢いが感じられません。終盤で6話分縮めるとは、こんなにも影響あるものか、と改めて思います。

 中盤までの展開で、あれだけ興奮するものが多々あったんですから、制作は終盤にはもっと盛り上がるように展開、ドラマを考えていたはず。観ているこちらとしては、運が悪かったと思って、諦めるよりほか、なさそうです。制作も出演者も、もっと悔しいでしょうから。

 次は最終話「ソレゾレの未来図」は、気になるのはボロボロになった或人の「俺たちは仮面ライダーだろ」でしょうか。今話ラストから考えると滅に語り掛けてそうで、そうだとすると結末もおぼろげに見えてくる気がします。まあ、なんにしても来週で全て決着、観てから考えよう(^^;。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/24 (Mon) 08:18:20

週初め感想です。

★ゼロワン

 とりあえず、亡が自己犠牲にならず、不破さんにキーを渡すだけでよかった。
 何だかんだ言って、この回は犠牲になる者が出なかったので、最終回に希望が持てるかな。

 前2話が「イズ爆発、或人のアーク化」「滅を庇って迅破壊」と続いたので、今回も下手すると、不破さんがーーッという可能性まで想定していましたが、そこはセーフ。

 或人が不破さん相手に、アークワンではなく、ゼロツーで応戦したのは、「アークワンだと破壊の衝動を抑えられない」「ゼロツーだと相手の攻撃を受け流すだけで対処できる」ということで、不破さん相手に殺意をぶつけずに済む、ということかな。

 その意味で、或人はまだ理性的な判断ができる、ということですね。

 そして今回は、或人以外の面々が、それぞれの善意で「或人の主張」を継承して、事態の収拾に動いた形です。
 「ヒューマギアはただの道具なんかじゃない」と訴える唯阿さんとか、
 ナンバー2として、トップを信じるようにと土下座までする副社長とか、
 復讐鬼となっている或人に昔の自分を重ね、「今の社長の夢は何だ?」と問い返す不破さんとか、

 それぞれが或人の想いや言葉、行動を体現する形で動いている話。

 まあ、サウザー課長だけは、或人と関係ない形で、「これまで縛りつけてきた刃唯阿に権限を返す」形での罪滅ぼしをしているわけですが。

 与多垣さんについては、TVで描かれていない要素が、ブルーレイのおまけの「プロジェクトサウザー後編」で描かれる予定みたいですが、もう、どうでもいいかな。
 迅を復活させた背景とか、サウザーの行動に対する考えとかを提示されるかもしれませんが、
 まあ、TVでは「ただの舞台装置、歯車」以上の役目はなさそう。悪意はないけど、職務を果たそうとしながら、破滅に向かおうとする状況を提示しつつ、「部下の行動に柔軟に対処する度量」は見せたかな、と。
 ヒステリックに切れて事態を悪化させるダメ上司ではなくて、ウィザードにおける木崎さんに相当する立ち位置と理解。

 状況解決において決定力は持ってないけど、職務を遂行しつつ、主人公その他の行動を柔軟に受け止める才覚は持つ御仁だな、と。

 で、或人を諫める最後の希望が、其雄父さんですか。
 夏の劇場版ではなく、昨年冬の劇場版からネタを持ってきたようですね。

 其雄父さんは、息子の或人を庇って散った善意のヒューマギアであり、滅の同型機。
 つまり、滅と或人の対決は、父子対決の側面でもある、と。まあ、スーツアクター的には、Mr平成ライダーの高岩さんと、令和1号の縄田さんの最終激突にもなるわけですが。
 一方、滅の立場としては、息子の迅が自分を庇って散ったことで、或人と対を為すわけですな。

 或人はイズの仇という感情だけでなく、「ヒューマギアの感情を真正面から受け止める」覚悟で、この戦いに臨んでいる可能性があります。

 或人に大切なものを教えた父・其雄と、もしかすると(今話では描かれなかったけど)イズの記憶も、父と同時に或人に訴えかけていたのかもしれません。
 其雄が父で、イズが母だと考えるなら、人とヒューマギアが互いに善意も悪意もぶつけ合って、心を育てるコミュニケーションこそが、関係性を続ける上でのキーかもしれないなあ、と或人の主人公的立ち位置を想像。

 さすがに、最後の最後まで、或人は暴走したままでは終わらないけど、滅との決着をつけるには、滅と同じ土俵に立つ必要はあった。
 人間をただ否定する滅に対して、或人は人とヒューマギアの善意も悪意も両方受け止める度量を示すことで、「確かに人には悪意もあるけど、善意もあって、そのどちらも未来への可能性を紡ぐのに大切な想いだ、と善悪相対化と止揚の哲学」を提示して、滅の閉ざされた心を昇華させるようなドラマを想像。

 そこに人の手で復活した迅が、出て来れば丸く収まるかな、と。

 イズについては、悪意しか知らないアズを、電脳世界でイズが包み込むか、それともTVではアズが一時退場して、秋か冬の劇場版で暗躍して、真の解決編に至るか、ですね。

 とりあえず、TVでは滅との決着で幕。アークとの真の決着は劇場版に託すのかな、とか。

 まあ、ひとまず納得のいく最終話を期待しつつ、最終回後に「劇場版が鋭意制作中とか、公開日が確定したとか」情報が解禁される流れだろうと予測(願望)してみる。

★ウィザード

 白の魔法使いのメイジ量産計画が発動して、終盤に向けての仕込みですな。

 そして、次回はビーストパワーアップ。その次はウィザードの過酷な試練を経ての、最終フォーム(ダイヤモチーフのインフィニティー)覚醒に続く、と。

 やはり、前編と後編はセットにして欲しいな、と思いつつ。

 今回の仁藤もピンチですが、次回の晴人も本当に厳しい状態で続く、なので、早く続きが見たい話なのは間違いないか、と。


★ゴーカイジャー

 ワルズギルとの決戦大一番で、怒涛の終盤戦に突入した、と。

 次回はどちらもレジェンド編で、ゲストは「電磁戦隊目がレンジャーのメガレッド」と「未来戦隊タイムレンジャーのタイムイエロー」。

 メガレンジャーのテーマは「学園青春」の歌詞から、高校生戦隊です。そして、さらに宇宙とデジタルゲームがモチーフ。
 つまり、「仮面ライダーフォーゼ」と「エグゼイド」の先輩格になるヒーローですね。
 1998年に放送で、実はニチアサ戦隊第1号でもある。それまでは、戦隊の放送時間が週末夕方(局によって金曜だったり土曜だったり)だったのが、メガレンジャーからニチアサに移行して、メタルヒーロー系譜(平成ライダーに至る直前枠)のカブタックとのカップリングになった、と。

 そして、当然、いつまでも高校生ではいられないので、ゴーカイジャー出演時は、母校の教師をやるようになってます(それもフォーゼと同じ)。
 ええと、メガレッドはゲーム好きの劣等生設定で、しかも後日譚では大学受験に失敗して浪人生をやっていたのですが、それでも頑張って教師になったんだ〜ということで、ゴーカイ放送中は妙な感慨を覚えました。

 とにかく、メガレンジャーは「戦隊版フォーゼ」と考えてもらっていいでしょう。
 なお、パワーレンジャーになると「パワーレンジャーinスペース」というタイトルで、学園ものではなく宇宙ものに改変。これがまた「パワレン版スターウォーズ」であると共に、最終決戦は「ゴーカイジャーに受け継がれている大巨編」だったりもします。

 一方、タイムレンジャーは、平成ライダー1号のクウガと同時期の戦隊で、これも重要作品。
 しかし、この回はタイムレンジャー編なのに、敵はシンケンジャーとゴセイジャーから復活した面々。つまり、時間移動による改変で、倒されたはずの敵が復活して、互いに勢力争いをしたりしている、お祭り回でもある、と。

 メガレンジャー編の敵はバスコで、タイムレンジャー編の敵は旧作の面々。
 よって、ワルズギルを失った後のザンギャック編になるのは、その次になるわけですが、王子の仇討ちに燃えるダマラス大暴れの回につながる予定ですね。

 基本的にレジェンド編が陽性コミカルなお祭り回で、ザンギャック編がハードシリアスなクライマックス回で、どちらも派手に行く展開が続くわけで。

 もう、来週の放送および配信分分は全てが楽しみだな、と思っている次第。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/29 (Sat) 17:35:31

 定期感想その1です。

●BDリライズ(最終話・第26話:Re:RISE)

 とうとう完結しまして、最終話のみならず、全編通して満足し、納得もしました。伏線や謎も適度に回収されていたように思います。「適度」というのが自分的に大事なポイントでして、完全に、解釈の余地なく説明されると、むしろつまらないこともしばしば。だいたい分かったけど、妄想を巡らせる余地もある、くらいの余韻を残してくれるのが好みです。

 自分的に最も大きいのがイヴの扱いでしょうか。結局、イヴ本人は帰って来なかったわけですが、メイに転生(?)したことを暗示する描写がありました(イヴの耳飾り(とそっくりなもの)をメイが持っていた)。ヒロトはおそらく確信するものがあったようですが、口には出さなかった。そこが分かってみると、最初は回想シーン、続いてアルスが見た古代エルドラ人のサラ似でないほうは、メイに近いように思えたりもします(さらに、OPでイヴの両手の間にいるサラ、メイのカットも思い出す)。

 地球リアルで、ミス・トーリら開発者が語っていたGBN開発時の話でも同様にはっきりとは示さない。設定好きの制作者ですと、もしかすると「いったん電子生命体となった古代エルドラ人は(中略)GBNにこういう形で転生、顕現していて(後略)」みたいに説明し切ったかもしれません。が、今作ではぼんやり示して、後は想像に任せてくれました。

 それとは別の面白要素も、自分的には感じられました。ビルダーズシリーズは、当然の必須要素として「(現在ではゲームを含む)おもちゃの販促」があります。ガンダム1stなどですと、「おもちゃ、プラモ展開として変形合体を入れざるを得なかった」みたいなクリエータの嘆きを漏れ聞いたことがあります。スポンサーの都合が、クリエータには作りたい話、映像の枷になりかねないわけですね。

 そういうもんかと思ってたんですが、BDリライズを観終えてみると、一概にそういうものではないかもしれないと思えました。制限があるから面白くしやすいこともあるんじゃないかと。俳句ですと、五七五以外に季語を入れるのが必須だったりします。学校で習ったときには、最初「季語を入れなければならないなんて面倒」と思ったり。

 が、やってみると季語を選んでみると、発想がしやすいことに気が付きました。一語決めたら、その前後を発想しやすい、みたいな感じです。BDリライズでも、カード要素も入れなければ→カードで盛り上げるには、みたいな感じで上手くやれてるように感じた部分があります。たぶん、以前からビルダーズ系作品はそうだったんでしょうけど、今回、初めて意識しました。

 ともかく本編。アルスのGBN侵攻に対し、待ち構えていた有志連合からですね。自分はカザミの中継動画によって有志連合集結となったと思ったんですが、勘違いでした。この後の、プレイヤー大集結(ある意味、それこそが有志)へつながったわけでしたか。ともかく、待ち構えていた以上、有志連合側の圧勝と思ったんですが、アルスは強力な部隊を用意してまして、意外に手強いですね。

 その頃、エルドラでは聖獣クアドルンが、アルスのエルドラにおける根拠地を破壊しようとする。マサキがクアドルンの心情に配慮して自分(マサキ)がやろうと申し出るも、クアドルンは自らカタを付けるのが筋と言い、結局、マサキと共にアルスの居場所を破壊する。これで、GBNのアルスは撤退という選択肢が断たれたわけですな。

 GBNのほうでは、アルスを追って2代目ビルドダイバーズ(BUiLD DIVERS)も到着、これを見た犬のロンメルさん、ニヤリと笑っていったん退場する。代わってキャプテン・ジオンの登場となりまして、カザミと共に戦い始めるわけですな。カザミの動画を見たプレーヤ(ダイバー)も「大イベントだ」とばかり、続々参戦してくる。

 パルもシャフリヤールと組んだ息の合った戦いを見せてまして、個々の戦闘はいい感じで進んでますが、全体の状況はむしろアルス側に押され気味か。衛星砲ほどではないようですが、艦砲射撃の威力が半端ない。アルス側ガンプラ(MS)も自分は機体名とか分からないんですが、どうやら規格外に強力らしい。

 その流れを変えたのは心理戦といったらいいんでしょうか、アルスの記憶を刺激する呼びかけなどですね。特に前シリーズでもサラが見せた光の翼は、アルスに深く刺さるものがあった模様。おそらくそれで一瞬、アルス部隊の動きが鈍くなったようで、その隙を突いて、キョウヤのカードバトル的な一撃が入る。アルスはようやく撤退を考えるも、既に退路は断たれている。

 これでかえって覚悟を決めたらしいアルス、異様なガンプラと化して反撃に出る。最初の一撃をサラ機、メイ機が防御するも、機体は破壊されて、サラはリク機に、メイはヒロト機に救出・収容されると。これが先週の予告映像で見たシーンですか。この辺りになると自分は「イヴ復活はなさそうかな」と思い始めました。

 実際、アルスに呼びかけたのはサラ、メイで、イヴはヒロトに重なるイメージ映像でしか出てこない。これがアルスに通じまして、記憶内なのか、GBNに残るデータ由来なのか、例の2名の古代エルドラ人がアルスには見える。ようやく、GBNが「約束の地」と知り、そのまま撃破されて昇天。これをエルドラで見ていたフレディには「宇宙(そら)渡し」に見えたわけですね。

 2名の古代エルドラ人ですが、ウィキペディアを見直すと、「イルハーヴ(イヴに対応?)、シャングラ(サラに対応?)」という名で、アルスの創造主と明記されてました。いつ追記されたのか、全く気が付いてませんでしたorz。

 それはともかく、アルスは赤ん坊に生まれ変わったようですね(たぶん記憶などはほとんど引き継がれない)。アルスが消えた跡に現れましたし、メイには確信があるらしい。ここでメイの秘密も明かされまして、イヴが消滅するときに最後に消えた耳飾りを腕に隠してつけていたわけですね。地球リアルにも同じものが顕現したらしい。

 その辺り、メイがどこまで把握していたかははっきりしない感じです。前にヒロトがエルドラで、イヴの幻影を追って行ったらメイがいたときでも、メイは自分がイヴ、あるいはイヴの転生と匂わす感じはなかった(シーン、状況的には匂わせてるわけですが)。しかし、メイは自分がイヴそのものではないが何らかのつながりはある、程度には認識しており、そこからアルスの転生した赤ん坊も同じだと推測できたんでしょうな。

 これがヒロトに対しての最終的な救いになったようですね。探していたイヴはとっくにそばにいたわけでもあるし、GBNに遍在していたわけでもある、みたいなところでしょうか。

 ともかくも、事件的にはこれで終結。後はエピローグ的な整理ですね。ミス・トーリら開発者はエルドラとは知らなかったが、GBN開発当時から外部の影響を察知していた(古代エルドラの電子生命体→ELダイバーを示唆)。ヒロトの父オサムの得た情報によれば、前のネットワーク障害はエルドラの影響等々。

 エルドラとは、これっきりにはならず、むしろ自由な通交(ただしエルドラでは砂の義体だし、エルドラから来るとしたらGBNまでかな?)が続く模様ですね。エルドラではヒトツメの生き残りがいるも、もはや平和を乱すことはなさそう。最後に衛星軌道上にカプセルみたいのが映りましたが、アルスが眠っていたものかな。

 途中、ガンダム1stのオマージュと思しき、輸送機でガンプラを庇って砲撃受けるシーンなんてありまして、一瞬不吉に思ったんですが、やはり明るい作風なのか、パイロットは健在(もっとも撃墜されてもログアウトだけなんでしょうけど)。

 自分は自力では気が付かなかったんですが、感想をネットで検索すると、ビームで「達者でな」と描くカットが挿入されているようで。ヒロトらがエルドラからGBNに戻ってきたときです。そういう遊びもいろいろあったらしい(そういや、ガンダム1stでも鉄人28号が飛んでたりしてたと思い出したり)。

 そういうお楽しみ要素も多々あり、ストーリー・ドラマは緩めたかと思えばハラハラさせ、最後は意外ながら納得できる着地点でしたし、いろいろ満足できる作品でした。後味もいい。11月くらいまではYoutube公式に残してくれるみたいですんで、気が向いたらですが、通しで観なおしてもいいかなと思えます。

 もし「惜しむらくは」とこじつけるなら、やはりガンプラ~プラモが次第に主役・テーマでの重要性を下げてきた点でしょうか(前作から引き続き、ですね)。前に申しましたが、自分の快感・興奮のツボの1つがプラモだったりしますんで、プラモで魅せる場面がもうちょっと欲しかったような。

 しかし、今は(そもそも自分も好み、志向した)CGによるゲーム・映画・VR等々の娯楽が大いに盛り上がっています。プラモ単独ではなく、ミックス展開となるのも当然かもしれません。

 うーん、なんだか感想がまとまりません。まだ興奮しているのかもです。頭が冷えて落ち着いたら、また何か感想言うかもしれません。

●牙狼MS(第9話話:化粧)

 こちらで、序盤早々に退場するのが鎧武の呉島貴虎役:久保田悠来さんと聞き、そのつもりで観てみました。が、「どこかで見た役者さん」くらいな理解にしかなりませんでしたorz。改めて確認すると、鎧武の(たった)2年前にこの牙狼の話に出演ですか。ともかく牙狼MS当時、30歳くらいですね。

 一方、ゲストメインホラーの人間態:高峯龍之介が川崎麻世さんで、当時、48歳くらいのはず。老いと若きの両方を演じるには適した年齢だったようです。老いて引退した役者と、その全盛期をきっちり対照的に感じ取れました。同じことを第2話のゲストメインホラー役の広田レオナさんで感じたのを思い出したりも。

 通しのストーリー的には鋼牙側のカオルに真相を隠す鋼牙という見どころの一点だけかも。刻印のタイムリミットが迫り、焦る気持ちとカオルに心配させたくない気持ちが入り混じる鋼牙という見どころですね。

 ホラーとの戦いについては、舞台劇なのか、リアルのバトルなのか判然としにくい雰囲気がまず興味深い点でした。途中、舞台とよく似たお城風の場所に移動してましたが、あれってジオウでアナザージオウ2との決戦でも使われた場所じゃないかしらん。

 さらに、川崎麻世さんが次々衣装替え・役柄替えで鋼牙を翻弄する面白さですね。女形までありまして、「これは今までホラーが食ってきた数々の役者由来か、それとも高峯龍之介が演じてきた役柄か」とか想像できまして、なかなか楽しめる。アクションよりも雰囲気をトリッキーにした異色アクションだった感じです。

 ともかく本編。といっても、だいたい書いちゃったか。冒頭、演技が下手な役者が主役らしい舞台劇がありまして、カオルは見入っているものの、鋼牙は退屈な様子。若い女性が大半の観客は主役に夢中で声援を送るも、劇そのものに興味があるようではない。

 それもそのはずで、人気ミュージシャンJURANを起用した演劇でしたか。たぶん、劇団、劇場の経営のため、客の入り重視の演劇を組んだんだろう。が、鋼牙はあまりにも不出来な主役に嫌気がさしたのか、途中退席。カオルが追いますが、鋼牙は理由を時間がない旨、カオルに告げる。

 これが行き違いになるわけですね。鋼牙の言う「時間がない」は刻印のタイムリミットの話(だけど、カオルに真相は告げたくない)。カオルは「自分(カオル)に付き合うためとはいえ、興味が持てない観劇する時間がもったいない」と受け取る。つまり、カオルといるという理由だけでは鋼牙にとって不足、という誤解を招くわけですな。

 一方、劇場ではJURANが己が実力を過大評価している模様ですし、そのせいか言動、行動もわがままですね。演劇のスケジュールが進行中なのに、韓国まで焼き肉食いに行く相談までしてたりする。

 これをずっと見ていた往年の大物役者の高峯龍之介は、密かに憤激しているわけですな。しかし、劇関係者ですら、高峯を見ても気づかず、すっかり忘れられた存在らしく、耳を傾ける者はいない。

 改めて老いを自覚した高峯にホラーが憑依するわけですな。全盛時に戻してやろう、と。望み通りとなりまして、高峯はまずJURANを襲って食らう。いったん演劇世界に引き込むところが、このホラーの拘りなのかもしれません。

 そして代役として劇の主人公を演じ、演劇及び役者として高い評価を得る。劇を見て感激した役者志望の女性が控室にやって来て弟子入りを乞うわけですが、これも(無理矢理)恐怖の表情を作らせておいてから食らう。

 その頃、冴島邸ではゴンザが浮かれてまして、高峯龍之介の再来と呼ばれる役者の劇のチケットが手に入ったかららしい。ゴンザは若い頃、高峯龍之介のファンだったわけか。しかし観劇に行ったのは、高峯のホラー化を察知した鋼牙であるわけですね。

 しかも、ゴンザの分だけでなく、全席のチケットを買い占め、1対1の対決に持ち込む。ここからが、演劇とリアルを行きかい、役柄もくるくる変わるバトルとなるわけですな。高峯:アグトゥルスは、最初は余裕で、まるで遊ぶかのようにバトルを楽しんでいるらしい。

 が、所詮は鋼牙・黄金騎士の敵ではなかったらしい。追い詰められまして自分の役の台詞も奪われ、怒って変身し、鎧を召喚した鋼牙に挑むも、一刀のもとにあえなく敗退。姿を現したのは、老いた高峯龍之介ですが、それも消え去る。

 もしかすると、これはこれで高峯龍之介の望む最期だったかもしれません。ホラーの顛末は世間は知らず、名役者として再び知られ、人気絶頂のまま消息不明。伝説として残るタイプの話になるはずです。

 それはともかく、鋼牙が邸に戻るとカオルがしょげ返っている。鋼牙が言ったことを誤解されたせいですね。と思ったら、カオルの演技でしたか。こういうほのぼのがカオル側にあり、鋼牙側には刻印の期限と敵の存在がある。両面を垣間見るようなラストで、ここから問題の核心に向かって欲しいところです。

Re: 8月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/08/29 (Sat) 23:28:44

週後半感想です。

★BDリライズ

 リライズ=再生ということで、イヴはメイの中で再生、そしてアルスもGBN世界で倒された後に再生という形で、問題なく終了。

 そして、11月には、外伝的続編となる「ビルドダイバーズ バトローグ」が予定とのこと。
 前に「ビルドファイターズ」でもバトローグがあって、同じような作品だとするなら、まだ、もう少しだけ、このGBN世界で楽しいショートドラマが見られそうです。

 個人的には、モビルドールのサラとメイの共闘話が見たかったり、
 アヤメとパルのSDカップリングとか、
 ヒナタのGBNデビュー話とか、
 本編では見られないエピソードのあれこれを妄想します。

 本編としては、エルドラとの別離で終わりではなく、今後の交流も続きそうなので、この世界の広がりを想像できる楽しみがあります。
 楽しいものが終わった寂しさよりも、楽しかった世界がまだまだ続くよって締め方の方が、後味いいですし、公式の物語が終わっても、何かのきっかけがあれば、続編や外伝が期待できそうな余地がある。

 そして、今回のネタとして笑ったのが、

アルス「ガンプラの民の戦力は見切った」
チャンピオン「フッ、甘いな。所詮、貴様はガンダムの全てを見切っていない井の中の蛙だ」
 といった感じで、別のガンダムゲーム(カードゲームのトライエイジ)で迎え撃つ。

 そう、アルスは、「GBNの向こうに、さらに広がる豊潤なガンダム世界」を知らなかったわけですな。

 ええと、これは昨年夏のジオウ映画で、「全ての平成ライダーの力は私には通用せん」と勝ち誇っていたボスに対して、
 「平成ライダーは、お前の知っているTVや映像作品だけじゃない。コミックの世界にも、演劇舞台の世界にも、まだまだ広がっているんだ。この豊潤な広がりは、所詮、一冊の本で語り尽くせるものではない」とウォズが言いつつ、自分の予言書を破り捨てる。

 アルスは、自分の見知ることのできる範囲で、きちんと対策をとって、それに負けない戦力を用意して来るんだけど、
 自分の知らないガンダム世界のゲームを出して来られると、即座に対処できないという機転の効かなさが弱点。

 前回は、未知の合体システムであるリライジングガンダムを出されて敗退し、
 今回は、「ヒロトの全アーマーの寄せ集めてんこ盛りフォーム」に対処できなかったりするばかりか、
 違うゲームの技まで見せつけられて、(GBNの中に、どうやってトライエイジという別ゲームを持ち込んだのかは知らないけど)

 ええと、例えるなら、ボクシングのルールで戦っていたら、いきなり一本背負いで投げられたようなものですからね。
 アルスはGBNしか知らずに、その外側に別の世界が広がっていることも知らなかった。
 おそらく、GBNの世界で戦ってばかりいる映像を見て、「ガンプラの民は戦争ばかりしている戦闘民族」であり、それがゲームという娯楽であることすら理解していなかったのだな、とか、
 多元宇宙的にもいろいろ面白い考察ができてしまう演出でした。

 アルスは、エルドラという世界においては、神みたいな上から目線で振る舞っていたけれど、GBNの中では、所詮は「面倒なバグプログラム」でしかなかったとか、
 それでも電子生命体として、暴走したら、いろいろ通信障害とかの原因になって、大変だとか、
 少なくとも、「みんなが楽しんでいるGBN世界にとっては、脅威ではある」とか、
 たとえ、それがゲームの中だろうと、異世界だろうと、そこで生きている(遊んでいる)人々にとっては、かけがえのない(リアルと違いのない)大切な世界だから守らないといけないとか、

 そして、遊びの中で感じたことや、培った絆なんかが、ただの絵空事ではなく、リアルの夢につながる想いの結晶だとか、
 いろいろ味わいながら、全ての想いを否定せずに再生させる物語として、うまく結実して、良かったな、という感想です。

★牙狼MS

 こちらはこちらで、リアル世界と演劇舞台という二つの世界の交錯を描いた回ということになりますな。

 舞台の演出は、普段のCGや映像とはまた違った仕掛けが施されていたり、
 異なる演出を混ぜ合わせることで、変幻自在のバトルが堪能できたなあ、とか、視覚的に楽しめたと思います。

 そして次回は、「カオルとレオの関係性にスポット」が当たります。
 カオルは鋼牙が何かを隠していることに気付きつつ、鋼牙の口からはそれを聞き出せそうにないことも理解している。
 よって、レオからあれこれ聞き出そうとするとか、
 レオもカオルに対して、かつて好きだった女性の面影を見て、好意を抱きつつ、鋼牙を心配する彼女に破滅の刻印のことを打ち明けるべきか悩んだりするとか、

 その中で、魔戒法師と絵師という「共に筆を扱う者としての共感」を語りながら、それが後の展開への伏線になっているというか(カオルの鋼牙に対する想いを筆に託して、魔界法師の術を導く契機になるとか)、

 一応は番外編的なエピソードの一つでありながら、しっかり意味のある伏線を構築している回ということですね。

 とにかく、第一期は、鋼牙がカオルの呪いを解呪するという縦糸があったのに対し、
 MSは、鋼牙や魔戒騎士をバックアップする魔戒法師にスポットが当たると共に、カオルも魔戒法師の修行はしていないけど、同等の想いを筆に乗せて、鋼牙の呪いを解呪する助けにもなるという
 とにかく物語構成上の対比と発展継承が見られて、いろいろと感心させられるわけですな。

 で、雨宮監督の懐古裏話ツイッターを見ていると、「元のアイデアは第一期の時に考えていたけど、その時には上手く構築できずボツネタにしたのを、焼き直した」的な話がいろいろあって、
 いろいろとアイデアをたっぷり考えていたのが、実際の作品では、その一部しか見せていないということで、監督の豊潤なイメージが、また発展進化した形で見られることを期待できるなあ、とも。

 今は、コロナで撮影ができないために充電期間に使い、『ゴーストofツシマ』というゲームを堪能し、このシーンが牙狼っぽくてイメージが膨らむなあ、とか、そんな話をあれこれ語っていたり。
 クリエイターが最近ハマっているものを紹介しながら、それをどう新たな作品につなげるかを試行錯誤的に模索しているつぶやきが楽しめるのは、いい時代だな、と思いつつ。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/30 (Sun) 18:23:04

 定期感想その2です。

●仮面ライダーウィザード(第29話:進化する野獣、第30話:魔法の消える日)

 先週ラストでは、ウィザード側の手が足りないと思ったんですが、今週前半(第29話)冒頭で勘違いに気が付きました。ウィザードは4体同時出現ができるようになってたんでした(ドラゴタイマー、でしたか)。

 要はピンチではなく、結構あっさりと敵襲を撃退、ターゲットの中本は守れたわけですね。もっとも、ソラ=グレムリンとしては、ゲートを狙っている雰囲気ではなさそうですが。

 しかし、ビーストドライバーは戻らない。ファントムを食えない攻介(正確にはキマイラ?)は飢えてくる。まずいことに、晴人がコヨミに行っているような魔力供給も失敗、どうやら「古の魔法使い」には無理なわけですね。

 では、ビーストの力を失う覚悟で攻介のアンダーワールドで晴人がキマイラを倒し、攻介を解放するか。これは以前に攻介が「男に指輪はめられる趣味は」で却下したわけですが、今話で真意が語られる。

 攻介としては、不安はあるものの、キマイラと同居(?)することに、好奇心がそそられるわけでしたか。死のリスクを承知で、古代の遺産たるキマイラを究めたい。そういう研究者気質があるんで、中本とウマが合うわけでもあるらしい。

 その中本は、この時点では研究者気質は失っているわけですね。名声欲に囚われてしまい、研究は目的から手段にすり替わってしまっている。その辺りを見抜いたのかどうか、晴人らは中本の言動の不審さから、ビーストドライバーを奪ったのは中本の狂言ではないかと思い始める。

 実際、模造品のビーストドライバー(バイオレットゴーレム作で、こういう特技があったのか)を中本に見せると、慌てて隠し場所を確認に走り、あっさりとバレてしまう。これさえあれば、と思っていた中本、その希望がついえたことで正気に戻ったようです。
(もっとも、現実では純粋に研究したいと思う研究者でも、研究予算を得るためには世間的な名声も必要だったりはして、なかなかフィクションのようにはいかないらしいですが。)

 過去のいきさつが語られまして、研究所所長(富岡正というらしい)に発見を報告した中本は、騙されて成果を横取りされてしまったわけですね。おそらく、告発しても信用されなかったか、飼い殺しを条件に黙らされたかだったんだろう。

 それでも、攻介はドライバーを奪われ、騙されていたわけではある。そのため、死にかけもしている。が、怒らないわけですな。中本が犯人と目星がついた時点から、既に赦している感じでした。ポジティブなお人好しだからだけでなく、たぶん「研究者なら好奇心に勝てまい」と身をもって知っているからなんでしょう。

 ともかく、中本は態度を一転、自分が発見したキマイラ発掘品も攻介に譲る。使ってくれ、解明してくれ、というわけですね。謎を解き明かすのが自分(中本)でなくてもいい、という研究対象中心の好奇心を取り戻したらしい。特に、名声欲に囚われた自分(中本)に対し、死のリスクを受け入れても知りたいという攻介に対して尊敬の念が芽生えたということがあるんでしょう。

 これで晴人側は結束できまして、いよいよ敵と対決。ですが、攻介はビーストになれはするものの、ファントム食ってない影響で力が出ない。そこで中本から託された発掘品を行使するわけですが、キマイラに試されることになるわけですね。

 しかし、晴人のドラゴンの試練のときと同様、キマイラ「耐えられないかもしれないぞ」→攻介「いいよ!」のノリでクリア。ただ、ちょっとキマイラがまだ試している。自分(キマイラ)の話をちゃんと聞いているか、ということですね。なにせ、いっつも「みなまで言うな」ですもんね。引っ掛け問題的でもあるかな。

 ビーストがキマイラの力を行使しようとするも、なぜか不発に終わる。なんでだ、と思った攻介、キマイラが最後に「口を開けて待っているぞ」と言ったことを思い出す。指輪のキマイラの口を開けてから使うと、今度はちゃんと作動する。

 これでキマイラの力を解放、ビーストは強化される。グールはもとより、メインゲスト敵のスプリガンもあっさり撃破して食らいまして、当面の「飢餓」もクリアと。

 中本は研究者としてやり直す気持ちになり、海外へ。中本と攻介を見比べた瞬平、晴人に「夢は何ですか?」と何気なく聞くわけですが、晴人がなんとなくそわそわする感じ。一応「今はファントムを倒すことかな」と答えるわけですが、「今は」と限定しているし、そもそも嘘っぽくもある。

 その辺り(夢云々)、もしかすると晴人のドラマ発生要因になるような気がしました。次話ラストで、ライダーとしてのピンチに陥ったようですし。今話ラストではそこに関わる「内藤さん」も、ソラ絡みで出現してる。

 ともかく後半(第30話)。ソラが鎖でつながれた人物の前に現れまして、「内藤さん」と声をかける。さらに鎖を断ち切って解放する。これがファントム:レギオンで、ゲート候補だろうが何だろうが、無差別殺戮を行うファントムらしい。どうもワイズマンも持て余し気味で、やむなく幽閉していたらしい。

 しかし、解放された内藤:レギオンは確かに次々と人を襲うものの、殺してしまうわけではなく、被害者は意識不明に陥る模様。コイツに攻介が出くわす。が、攻介の「みなまで言うな」が災いして、真相の「美しい心を襲うのがレギオンの快楽」を、「美しい者を襲う」と勘違いするわけですな。

 レギオンのターゲットになりそうな兄妹(健太、詩織)が現れまして、兄が妹思いらしい。手品を見せて喜ばせようとしてますが、まだ練習不足なのか、失敗したりする。それを偶然見かけた晴人、本物の魔法で妹を喜ばせてやるわけですね。

 が、レギオンが健太に美しい心があると思い、襲ってくる。晴人はウィザードとなって迎え撃ち、ビーストも加勢に駆けつけるわけですが、どうやらレギオンは手強い模様。しかも、兄妹を守ろうとした晴人に美しい心があると思ったレギオン、ターゲットを晴人に変更したらしい。

 ウィザードは倒されまして、レギオンは晴人のアンダーワールドに侵入。これが、今までの被害者に起こったことらしい。ビーストもアンダーワールドへ入り、キマイラと共にレギオンと対決、晴人のドラゴンも参戦するわけですが、それでも優勢に持ち込めない。

 ついに、隙を突かれたビーストをドラゴンが庇い、レギオンの攻撃をまともに食らって爆散してしまう。リアル世界では晴人のドライバーが消滅しまして、ライダーの力を失ったか、というところで続く。

 なるほど、これがこちらで伺った「次回の晴人も本当に厳しい状態で続く」でしたか。確かに「早く続きが見たい話」ですね。今週分の2話のラストを考えても、「晴人の夢とは何か?」→「夢の実現にはおそらく不可欠なライダーの力を喪失?」ですから。単純なライダーとしてのピンチという感じじゃなく、晴人の存在意義そのものが問われている感じです。

●海賊戦隊ゴーカイジャー(第39話:どうして? 俺たち高校生、第40話:未来は過去に)

 こちらで伺った通り、今週は2話ともレジェンド編で、バスコも絡んで来る進行ですね。で来週がザンギャックの復讐戦と。今週分でちょっと興味深かったのが、ワルズ・ギルの死亡を知ったバスコがイラっと来てた点ですね。思惑の一端が窺い知れた気がします。

 ザンギャック帝国が主力部隊を向けてくるようだと戦闘激化で面倒、あるいは地球を従えてしまう(か滅ぼすか)。そうではなく、適度に無能(?)なワルズ・ギルと中途半端な軍事力で、一進一退してもらうほうが、お宝の奪取には好都合だったみたいですね。

 ともかく本編。まず前半(第39話)は、ナビィのお告げが「諸星学園高校」で、調べるとモロに電磁戦隊メガレンジャーの舞台ですね。ゴーカイ戦士の面々が高校生に変装して潜入するわけですが、マーベラスにちょっと注目しました。

 上が短めの学ランで、その下が赤いシャツ。これはもう如月弦太朗を思い出します。放映日を再確認すると、フォーゼ序盤の時期でしょうか。舞台はメガレンジャーとしつつ、放映中のフォーゼからも雰囲気借りて来たみたいですね。

 それはともかく、登場レジェンドは伊達健太/メガレッドですか。レッドだからリーダーかと思ったんですが、調べると遠藤耕一郎/メガブラックがリーダーみたいですね。伊達健太/メガレッドは切り込み隊長的であったとのことで(ウィキペディアより)、今話の伊達健太の雰囲気からは、なるほどと思うものがありました。

 それはともかく、ゴーカイ戦士は校内をうろつく、もとい探索するわけですが、やはり年長者なんでしょうか、つい在校生にアドバイスしたり、お手本見せたりしてますな。意外に面倒見がいいというか。

 が、バスコも目を付けていたわけですね。校内各所に時限爆弾を隠したと脅迫、メガレンジャーの大いなる力を渡せと迫る。が、既に諸星学園高校を気に入っていたゴーカイジャーの面々が受け入れるはずもなく、爆弾の回収を図る。

 しかし、どこにあるか分からない。というところで、伊達健太/メガレッドの教え子であり、後輩でもある在校生が実力を発揮するわけですね。デジタル研究会の面々が爆弾の位置を特定、ゴーカイ戦士・在校生らが次々と回収していく。

 が、爆発の刻限が迫る。バスコは勝利を確信したようですが、爆発が起こらない。なんでだろう、と思ったら、ちっちゃくして時間を止めたわけでしたか。

 それならばとバスコ(とサリー)は正攻法で来るわけですが、前の対決と異なり、バスコ完全体に対しても意外に戦えてますな。バスコに是が非でもという気持ちがなさそうなこともありますが、ゴーカイジャー側の戦力&結束強化の成果もあるのかもしれません。バスコが残した巨大敵も撃退し、伊達健太からメガレンジャーも継承する。

 続く後半(第40話)もレジェンド編で、タイムレンジャーですね。登場してくれたのは、ドモン/タイムイエロー。といっても、冒頭ではゴーカイジャーにビデオメッセージで「過去の寝隠神社を守れ」と告げるのみ。過去に行けるタイムマシンの母船(?)も置いて行く。

 それでタイムレンジャーの力を継承できるなら、とマーベラスら過去へ飛ぶわけですな。寝隠神社に行ってみると、襲われているのは「未来」という少年で、敵はシンケンジャーの外道衆らしい。後で明らかになるのが、この少年が実は、というわけですね。

 未来を助け、退く外道衆を追って行くと、シンケンジャーとゴセイジャーが外道衆と戦っている。観ていて一瞬混乱しましたが、過去だからまだ力を失ってないわけか。ということは今話は3戦隊連合の戦いか、と期待したんですが、シンケンジャーとゴセイジャーはこのシーンだけのゲストだったらしいorz。

 未来が家出した事情、悩みを聞いて諭してやったりしていると、今度はゴセイジャーの敵:マトリンティスが襲来。これも巨大化敵含めて撃退しまして、どうやら寝隠神社を守り切れた模様。その証拠として、未来とその母親のホナミとともに神社で記念写真を撮る。

 この写真がドモン/タイムイエローに刺さるわけですね。ゴーカイジャーのほうは、ちょっとお間抜けなことに力の継承をうっかりしてまして、記念写真を添えた鎧の手紙がドモンに届くのみ。

 最初、本編を観ただけではドモンの感激がよく分かりませんでした、調べてみますと、その写真に写ったホナミ=森山ホナミは、ドモンが過去世界で恋仲になった女性。ホナミは妊娠したんだけど、ドモンは出産を見届けることなく、未来に帰らねばならなかったらしい。

 しかし、写真に写ったのはそのホナミであり、その息子の未来はドモンの息子で間違いない。そう分かってみると、「なるほど、そういう事情だったか」と、ようやく自分にもドモンの気持ちが入ってきました。タイムレンジャーを観ていたファンですと、一瞬にして「ああ、あのエピソードの結末はこうだったのか」と感動するところなんでしょうね。

 来週はザンギャック本隊の襲来のはずですね。文字通りの「帝国の逆襲」となりそうですし、終盤へ突入する時期でもあるはず。ラストに向けての盛り上がりに期待したいところです。

Re: 8月のスレッド(2020) - K.K

2020/08/30 (Sun) 23:06:50

 定期感想その3です。

●仮面ライダーゼロワン(第45話・最終話:ソレゾレの未来図)

 とうとう終わっちゃいましたね。もっとも、冬に劇場版やるわけですな。ラストに至るまでの失われた6話分を埋めるのではなく(実は期待したりしてました ^^;)、後日譚というわけか。最初は構成変更の都合で出てきたっぽいアズが、いつの間にかトリックスター的でラスボスを動かすラスボスになっちゃった感じがありますんで、その決着をつけるんだろうか。

 劇場版の敵としては、人間時がエスで、変身すると仮面ライダーエデンとのことで、名前からはちょっと想像しにくい。エスはSと考えると、Superなキャラクターかと思えますが、フロイト心理学のエスだと、別名イドで無意識とか欲望とかか。どちらにしても、創世記の楽園エデン~アダム。イヴとどう関わるか想像できないです。あまり妄想を巡らさず、続報を待ったほうがよさそう。

 ともかく本編。前話で、例えば福添副社長らの説得により、鎮静しかかったヒューマギアの抗議デモですが、或人アークワン vs 滅アークスコーピオンの対決に至って、再燃している感じですね。しかし、それだけに事態の行方も或人と滅次第という感じでもありますな。アズだけは高みの見物で面白がってるようです(人間だろうがヒューマギアだろうが、悪意さえ増えればいいらしい)。

 ビル屋上の対決になってますが、決闘に備えて双方が使用できる剣がたくさん用意されてまして、アズの手配なんだろうか。ともかく、剣が壊れては持ち替えで、デスマッチの様相ですね。

 サウザー課では、この対決を注視しつつ、不破、唯阿、垓が懸命に対策を取ろうとしてますね。或人アークワンを止める鍵のイズは再生できない、となると、滅アークスコーピオンの怒りの原因:迅を復活させるしかない。幸い、迅のメモリ(の破片)は残っている。のですけど、或人と滅の舌戦から自分に感じられるのは「既に或人は憎悪に囚われていないのでは?」ということです。

 或人 vs 滅の戦いは、天井を突き破って階下へ。或人の心情イメージなのか、或人に後ろから抱き着くアズ(イズではなさそう)、つぶっていた目を開く或人の映像が流れる。これで或人は決心した、ということらしい。或人アークワンは剣を投げ捨てる。滅の剣をまともに受けつつ、拳で殴り返す。

 ここでアズの思考イメージに、知能だけは復元された迅が侵入。アズを経由して滅に行くか、と思ったんですけど、どうやら或人 vs 滅の戦いを見守るつもりらしい。或人の思考イメージからは、アズが払しょくされまして、目を見開いた或人がすっくと立ちあがる。

 見えてない事態が、こうなっていることを迅は感じ取っているようです。或人は変身を解いて滅に語り掛け、滅も怒りながらも変身を解く。或人が思い出しているのは、ゼアイメージでヒューマギアの父・其雄と会って、ゼロワンドライバーを託されたこと。それがアークのドライバーを通して、実体化されてたわけでしたか。

 となると、アークワンの変身を解いたのは、単なる戦闘放棄ではなく、アークの影響下から脱し、初心に帰って滅に相対する、ということでありそう。が、舌戦でほぼ決着ついちゃったかな。直接的には「家族を奪われた」ことについてですね。

 滅は或人に迅を奪われた、しかし或人も滅に父を奪われた、しかも迅は滅を庇って倒された。お互いさまが重なり合ってますし、憎悪の対象の誤魔化しもある、というわけですね。しかし滅として最も大きかったのは、迅を失って感じた怒りなどの、気持ち~心というわけですか。

 つまり、最も深いシンギュラリティに達したと。それ以前からだんだん深まってはいたんでしょう。しかし、滅は気持ちの動きなんて経験したことがなく、持て余し、恐れる気持ちが生じて、気持ちとは裏腹に動いていたということであるらしい。

 しかし、その心をしっかり、強く持つことが仮面ライダーである、というのが或人の結論ということですね。滅も語りはしないものの、深く同意するものがあるらしい。バトルは続きますが、滅は既に倒されるために或人を誘導している感じです。

 迅は成り行きを安心して見守ってましたが、決着を見ずにアズの前から去ってしまう。入れ替わるように或人の思考イメージにはイズが現れる(って、なんか暗示的ですが、特につながりはなかったみたい)。

 ともかく、或人ゼロワンの最後の一撃を滅はあえてまともに受けまして、破壊される。けれど、完全破壊されたのはアークのドライバーでしたか。滅は見た目はボロボロではありますが、機能的には問題なく生き残ったようです。

 これで、ヒューマギアの暴発寸前のデモなども収まったらしい。幾日か経ったのか、平和に戻った日常になってますね。迅は完全に復元がなったようで、アークの再来を阻止する目的に変わった滅亡迅雷の滅と共に(親子として)行動していますな。垓はサウザー課の業務を拡大し、雷電は宇宙飛行士に戻り、亡はAIMSに入隊。不破は仮面ライダーバルカンとして、おそらく一匹狼的に平和を守っているらしい。

 ただイズだけは復元できない。或人は仕方なく、以前の記憶を持たない、リセットされた新品状態のイズが復元する。まずイズと名前をつけ、最初に教え込むのはダジャレですか。息の合った「或人じゃないと」で完結と。

 しかし、或人の締めの前に不穏なエピローグ来まして、劇場版のプロローグですね。

 と、感想書いて見ると、自分的に充分満足な最終回だったように思えます。が、映像で観ていて、決して充分に満足したとは言えません。前にも何度も書いたことですが、やはり6話分の欠落は痛く、各キャラクターの行動、言動の必然性や期待の高まりが今一つな感じです。途中の盛り上がりで感じた興奮から予想できる、本来のクライマックスの興奮には、ついに至れなかった気がします。

 それにしても、もう一度考えてみると、くどくど繰り言の愚痴言うほど悪くはないはず。なんで自分はこうも愚痴ってるのかと考えて、はたと思い当たるものがありました。こちらのローカル局で再放送中の仮面ライダービルドです。次の火曜で最終回になります。

 先週で、一海グリスが倒れ、エボルトへ偽りの寝返りしていた内海が死を覚悟の反撃で倒れ(しかし幻徳を守る)、さらに幻徳ローグも(エボルトに楔を打ち込みつつも)倒れる。もう歯噛みして憤る展開の真っ最中です。一度観たとはいえ、やはり自分的には盛り上がります。ビルド初見時から、他の平成ライダー視聴経験も増えたせいか、前よりよく分かる気がする部分もあるようです。

 どうしても、このビルド最終盤と比べてしまい、ゼロワンについて愚痴を言いたくなっているようです。ゼロワンのラスト3回分はまだ録画を残してありますんで、ゼロワンをゼロワンとして評価できるよう、、落ち着いたらもう一度観なおしてみようと思います。

(剣/ブレイドは……不満はどうも別問題かなと思います。とりあえず第11~12話、その後の第17話以降次第ですね。)

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