創作と鑑賞の談話室

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11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/01 (Sun) 00:00:28

 11月の雑談スレッドです。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/01 (Sun) 11:07:31

 新月、明けましておめでとうございます。
 ハッピーハロウィンが終わって、霜月になって、今年も残り2ヶ月かあ。年々、時間の経つのを早く感じるものです。

 昨夜に書き込み入れて、10月納めにしようかと思ってたけど、見るものが追いつきませんでした。
 とりあえず、昨日はリアルタイムで見た物以外は、クウガとビルドファイターズとスパヒロ大戦のみ消化して、
 ブレイドとウィザードはこれからです。

 よって、感想返信ではないのですけど、一度見た記憶でも話せるので、先にそうしておこうかな、と。


★クウガ

 ゴウラム&ヤドカリ怪人ギャリド回。

 今までは、雄介と悩める人々のドラマが中心でしたが、今回は趣向を変えて、一条刑事と彼を気にかける笹山婦警の関わりがメイン。
 誕生日プレゼントを渡そうとしたら、断られた件で傷つき、科警研の榎田さんから一条さんの背景を聞き、
 その後、一条さんの母親が倒れたとのニュースに心を痛め、一条さんに仕事人間にならずに家族の見舞いに行って欲しいという願いを持つも、そうしない一条さんを冷たい人間と思ったりしつつ、いろいろ悶々としていたら、
 一条さんが「雄介のちょっとした気遣い」で、母の入院した病院に電話をかけて、母子のコミュニケーションをとっていたのを(盗み聞きして)、ああ、自分が誤解したような冷たい人じゃなかったんだ、と納得してニッコリ。

 主に笹山さんの視点を通して、一条刑事というキャラを掘り下げたドラマということですな。
 怪人のギャリドやゴウラムの事件とは全く関係なく。

 ヒーロー作品としては、怪人退治とは関係ない人間ドラマがメインになるのはどうなのか、という意見もありますが、クウガという作品が「戦うだけの戦闘兵器」を否定するテーマがあって、
 いつもは五代のヒーロー活動に対して、心配する人々とかに「五代はそうじゃない」というのを納得させる作風。
 今回は一条さんの仕事に関して、心配する婦警という切り替えで、「一条さんも戦うだけの戦闘機械じゃないけど、それでも自分の仕事に関して覚悟完了しつつ、それでも人間性はきちんと備えています」というドラマ。

 ともすれば、ヒーローが日常生活を犠牲にして戦っている姿を見せがちな番組群に対して、直接戦わない人達が戦っている人をどう心配するかを見せるのが、凝ったアンチテーゼだと思いつつ、
 一条家は、父親も母親も息子も、みんな自分よりも周囲のために無茶して働く傾向があって、それはそれで尊敬しつつ、自分とは住んでいる世界が違うんだな、ということを悟った笹山婦警。これで憧れは抱きつつも、恋心は断念して、適度な距離感で一条さんをサポートする公私を立て分けたキャラに成長。
 以降は、笹山府警は、桜井刑事(杉田さんと一緒にいることの多い若手刑事)と関係を紡ぐことになります。

 一条さんは高嶺の花すぎて、10年経っても独身ということが小説で明かされ、まあ、仕事に徹しすぎると、そうなるのかな、と。

 で、ドラマに注目すると、怪人のことが語れない回だったわけですが、
 それよりも、街中をバイクで走って、それを見て驚く人々という「今の日本では法律的に撮れない映像」をお宝のように感じつつも、
 実は当時も、車がいっぱい走っているところに改造バイクでスーツを着たヒーローが走る絵は、許可されていなかったようで、何だか作品を作るために、無茶を敢行していた時期だったんですね。

 まあ、昔の特撮ヒーロー作品を見ていると、「島一つの形を変えるほどの大爆発」とか「バイクの上で手放し運転」とか「ロープウェイで宙吊り」とか(どれも仮面ライダーV3の伝説)、
 「至近距離の爆発で危うく死にかけた」とか(仮面ライダーBLACK)、いろいろ凄い話を知って、作っている人がヒーロー並みに無茶しやがると思っていたのですが(そういう武勇譚は、今だと賛否両論の意見も散見します)、

 許可をもらっていない公道でゲリラ撮影したというのも、クウガという作品作りの武勇譚の一つ。
 もちろん、放送当時はそんなことは公表せずに、「へえ、リアルな絵作りしてるなあ」ぐらいにしか思っていなかったのが、
 後から撮影裏話とか知って、「まさか、そんな無茶していたのか。チャレンジャーやってんな」と感心しきり、でも、無茶しすぎやろ、と思ったり、そんなことをしているから規制も厳しくなるんちゃう? とか感じたり。

 いや、まあ、規制はそれだけが原因というよりも、リアルでもトラブルがいろいろあったからだろうけど。

 とにかく、古い番組を見ていて楽しいのは、「今では諸事情で撮影できない類の映像」に接したときもあるなあ、と。
 今では作れないものって、いわゆるお宝ですからね。

 次回は、総集編1話を挟んで、キノコ怪人の毒で、五代が倒れてしまう回(前編)です。
 これで前後編のリズムが崩れるかと懸念したら、その次は中編、後編の3話構成になりますので、幸い、後編が気になって一週間モヤモヤという状況にはならない、と。

 五代が意識不明で倒れた状況が続くので、周囲の人が心配して、あれこれそういうドラマを展開しつつ、電気ショックで蘇生。その際、パワーアップ(雷パワーの金の力)になるんですけど、普通は復活直後にパワーアップとなるところを、クウガはその辺を溜めて来ます。
 復活直後は、弱ったまま何とかキノコ怪人を倒して、

 パワーアップが明示されるのは、その後の戦いを通じて。戦っているうちに、何だか電気パワーがビリビリして、「何だ、これは?」と謎を提示して、その後で、「ああ、あの時の電気ショックが原因だったのか」と判明して、碑文にもはっきり書かれていない「ミレニアム特別バージョンの力」とか言い出す流れです。

 って、11月分の先取りネタをあれこれ。
 うん、クウガについて語るとタイプが止まらないのですが(苦笑)、これぐらいで。


★ビルドファイターズ

 チナさんのベアッガイIIIが活躍するヒロイン回。
 そして、次回もアイラさんとレイジの遭遇するヒロイン回です。
 世界大会の開幕で、少年少女のドラマ(趣味を通じた恋愛ものとか)を見せつつ、この作品で男の方からモーションをかけるのは、フェリーニとマオ君だけですね。
 セイもニルスも奥手だし、レイジは色気よりも食い気というか、まあ、アイラさんもその食い気でレイジと張り合う形で出会うという、そこまでのクール描写が一気に崩れて、親近感をもたらす演出。

 ともあれ、男女の恋愛成立が非常に多いのも無印BFの特徴で、戦場の悲恋が多いガンダム作品で、実にほのぼのさせてくれたなあ、と。


★スーパーヒーロー大戦

 ディケイドの夏映画→冬映画をさらに戦隊混ぜて、ブラッシュアップした映画というか、ヒーローVS映画として、量的に最高峰となるかな。
 質的には、いろいろ混ぜ過ぎて、誰が主役か分かりにくい映画となります。

 フォーゼとバスターズは、最初と最後に当時最新ヒーローとして登場して、でも、ドラマの中心となるのは、士とマーベラスの対決劇に翻弄される海東とジョーのサブキャラブルー。

 改めて見ると、このゴーカイブルーのジョー・ギブケンの激情ぶりに引き込まれ、そこに海東の偽悪ツンデレムーブが炸裂して、この2人の関係性に感情移入してしまったら、
 最後に海東のラスボスムーブでハッ? となる展開。

 普通にドラマに感情移入して追っていたら、二転三転するサプライズに頭かき回されて、そんなのありかよ、と翻弄される映画です。
 なまじ、ジョーの演技が上手いから、そこに引き込まれて、それをフォローする海東もいい奴じゃん、と思って応援したら、まあ、あれですからね。

 海東のトラブルメーカーぶりは分かっていたはずなのに、何でラスボスになって、しかも何のドラマの接点も持たないフォーゼとバスターズに倒されてるんだよ、と。

 ドラマとしては、途中でうまく感情移入しても、そこを空中分解させられて、シーンごとの楽しさをツギハギしただけで、一貫性を感じない物語かと。

 じゃあ、何を楽しむか、と言えば、「ヒーロー同士の夢の対決」と「数の凄さへの驚き」そして「ところどころ挿入されるマニアックなお遊び」かな、と。

 夢の対決といえば、序盤、ゴーカイレッドVSフォーゼ。
 デンジマンVSエレキステイツという電気対決。
 マジレッドVSファイヤーステイツという火炎対決。
 この「相手がこう来るなら、こちらはこうだ」と関連属性をぶつける技の応酬が楽しい。

 次にゴーバスターズとディケイドの対決ですが、こちらは番組が始まったばかりで、バスターズの方に技が少ない。
 一応、ブルーの力、イエローのジャンプ力をチラ見せしつつ、メインはレッドの加速能力と、カブトのクロックアップのスピード対決。

 で、そういう対決を見せつつ、次々と顔見せするヒーロー面々にワクワクしつつ、あっさり消されて、目まぐるしく因縁が積み上がっていく。

 フォーゼがピンチのところへ、おお、メテオキター。でも、まだ強化フォームがないので、適当にアチャーと戦っていたら、あっさりマーベラスに消され、そこにゴーカイブルーたちが裏切ったマーベラスの真意を確かめるために登場。
 ここで、ジョーたちがフォーゼの面々を助けて、彼らの交流が描かれるのか、と久々に見て期待したのですが、意外とフォーゼと宇宙海賊はほとんど絡まず、フォーゼの方が一時的にフェードアウト。
 メテオさんだけが消され損。

 一方、バスターズはディケイドに襲われますが、宇宙海賊に助けられるも、代わりにジョーとハカセを除くルカたち3人がディケイドに消されて、ライダーへのヘイトが募る。

 一方(今作はシーンの切り替わりが激しくて、一方という繋ぎ言葉が連発)、次のヒーローは懐かしのライダー前番組オーズ。
 おお、映士だ、ヒナちゃんだ、伊達さんだ、後藤ちゃんだ、と喜んでいたのも束の間、マーベラスに次々と消され、ヒナちゃんが一人になって、それを海東に救われ、役者が揃った形。

 他には、士とマーベラスの対決で、
 ブレイドVSジャッカー・スペードエースのトランプ対決、
 響鬼VSバトルジャパンの和風対決、
 龍騎VSゲキレッドの龍虎召喚獣対決といった形で、

 互いのフォームチェンジを活かした、関連付け組み合わせがヒーローマニアの心をくすぐります。
 劇中で見ながら、この組み合わせはどういう趣向なんだ? と一瞬頭をひねって、ああ、とパズルが解けたようなトリビア感覚というか。

 トリビアと言えば、やはり原典を知っていると、いろいろなネタがありまして、
 ジェネラル・シャドウとシャドウムーンの「我らダブルシャドウの力を見よ」とか、
 バイオマンの敵キャラのバイオハンター・シルバが、今度はライダーハンター・シルバを名乗って、「ライダー粒子反応あり。破壊、破壊」とか言っているのを見て、原作アレンジしているのをニヤリとしたり、

 当時はまあ、シルバというキャラクターが30年近く前の人気キャラクター(モデルは有名なハカイダー)だったけど、マニア以外には忘れられていたのが復活というだけで、盛り上がったりしたものですが、

 敵で何よりも白眉なのは、鳴滝さんが今度はドクトルG(V3の敵幹部だけど、新デザインなので名乗らないと分からない)に扮していて、お前、前はスーパーショッカーのゾル大佐を演っていたんじゃないのか、というツッコミどころだったり、
 「おのれ、ディケイド。お前は一体、何なんだ?」と言いつつ、「鳴滝、お前こそ一体、何なんだ?」とかツッコミどころになるわけで。

 実際、ディケイドで一番謎なのは、鳴滝さんの存在だと思うんですね。いい人なのか、悪い人なのか、という点では、立ち位置がその都度コロコロ変わって、「おのれ、ディケイド」言っているだけの人なんですが、それ以上、深く考えても仕方ないとも思うんですが、
 それでも、インパクトはあるので、ディケイド視聴者がディケイド語りをしていたら、思わず「おのれ、ディケイド」をオチにしたくなるという名言残した人となります。

 ジオウでディケイド出た時も、鳴滝さんがいつ出て来るのか、と密かに期待したのですが、もう出ないのかな。

 他には、マーベラスの手下になっている復活ワルズ・ギルとか、ラスボスだったはずのアクドス・ギルとか、ええと、数ヶ月前には凄い敵だったのに、落ちぶれたなあ、と栄枯盛衰を思わせる描写もあって、

 巨大ワルズ・ギルとか、巨大アクドス・ギルとか、最新ロボのゴーバスターオーと対決か、と思わせたら、あっさり海東さんの復活させたビッグマシンに踏み潰されて、この扱いの悪さよ。

 このスーパーヒーロー大戦は、壮大なお祭り騒ぎのはずなのに、マニアの間で賛否両論な主因は、この自作キャラへのリスペクトのなさもあるのかな、と。
 かつての番組の強力な敵だったのが、十把一絡げのザコ怪人みたいに扱われていく悲しさがあって、愛着を感じるキャラがいるほど、扱いの悪さにシクシクとなるわけで。

 なお、同じヒーロー総登場作品でも、ウルトラはキャラを大事に扱ってくれるわけで、そこは怪獣も主力商品として考えている円谷さんと、怪人も幹部も使い捨ての素材と考える東映さんのスタンスの違いかと。

 まあ、これだけ数が多いと、全てにリスペクトを、というのも難しいんですけどね。

 そこに時々、声優さんが入れ込んで、「BLACKがシャドウムーンに対して、信彦と改造前の名前を呼ぶ」とか、いろいろ小ネタで楽しませてくれるとか。

 とにかく、自分的には、ネタ語りをするだけで楽しい作品ではあると思います。

 後は、そのキャラらしい振る舞いがきちんとできていれば、いいのかな。そこは、士らしいとか、マーベラスらしい「上から目線のふてぶてしさ、偽悪ぶり」がこの作品を成立させた要素だし、
 このキャラのこの言動が、原典を踏まえていないというレベルの批判は、自分の知る限りなかったな、と思います。

 一番の不満材料が、ドラマに感情移入しすぎる人が、あまりの支離滅裂ぶりに「春映画は壮大な子供騙し」という評価を下し、そこはまあ、「枝葉に注目し、切り分けてみた方が楽しく鑑賞できる」と考えますね。
 まあ、それこそ「ヒーローいっぱいキター」でいいのでは、と。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/01 (Sun) 19:05:22

 連続書き込み失礼します。

 ブレイドとウィザード、昔見た記憶で話そうかと思いながら、前の書き込みが長くなったので、時間を置いて、結局、改めて見てから感想書くことに。

 そして、一つ事実誤認も発見しましたので、修正も含めて。

★ブレイド

 ジャックフォーム登場で、前に「烏丸所長からチベットで郵送されて来たのが、今井脚本だった」という話をしていましたが、その話を書いたのは、井上敏樹氏でした。

 ええと、ジャックフォームはブレイドとギャレンの2つがありまして、今回がブレイド版で、今井脚本で、「烏丸所長の使いで来た嶋さんが剣崎の心意気を認めて、アイテムを渡す」という話。

 で、次に橘さんのジャックフォームが登場する際に、井上脚本で、アイテム郵送される話(この回は始と、始に似た男の一人二役回で、完全にコメディです)がありまして、それが混同していたようです。

 つまり、アイテム郵送の件を「今井さんがヒーロードラマを分かっていない」という根拠に使ったのは間違い、勘違いだったということです。
 では、井上敏樹氏が分かっていないという理屈になっちゃうわけですが、この場合は、分かっていないというよりも、「コメディー回ということだし、橘さん主役でない中で、ついでのようなパワーアップ回だし、同じアイテムの使い回しだし、適当でいいか」っていうような発想だったか、と。

 ともあれ、自分の方も混同していた記憶で語ってしまった落ち度があるので、ここで謝罪とともに修正報告しておきます(m0m)。

 さて、改めて、このジャックフォーム登場回の感想。
 ヒーローの心構えがどうこうという感じで、物語が錯綜している割に、剣崎の決意のドラマが上っ面の言葉だけで適当だなあ、と。

 エレファントアンデッドも、これだけ強敵ぶりを示していたのに、ジャックフォームであっさり倒されて、盛り上げ方がどうも急ぎ足というか。

 この時期のブレイドは、上級アンデッドの交代劇が頻繁に行われ、會川さんが面白いキャラとして見せたエレファントの大地を、今井さんがあっさり退場させたり、
 逆に今井さんが登場させたオーキッドを會川さんが膨らませて、暗躍させた挙句、退場させたり、
 連続活劇の敵役を短期間でコロコロ登場させては退場させる目まぐるしい展開が続いています。

 これが前後編の2話完結なら、そのエピソードで倒されるゲスト怪人なんだから、そこまで話を膨らませる必要もないのですが、ブレイドの上級アンデッドの寿命は3話から5、6話というそこそこ長くなることが多く、レギュラーになるのかな、と思ったら、あっさり退場して、いろいろと読めない。
 まあ、これは「仮面ライダー龍騎」以降の平成ライダーに見られる、ライダー含む異形者同士のバトルで、上級アンデッドそれぞれの思惑でドラマを展開し、誰が生き残るか分からない、誰がいつ死ぬか分からないサプライズで話を引っ張ろう、と。

 問題は、それが一人の脚本家で、あるいは一人のシリーズ構成が他の脚本家陣に連絡をとりながら、計画的に話を盛り上げようとする痕跡がなく、現場も結構錯綜していたろうな、と見える、とっ散らかった流れですね。

 シリーズ構成がしっかりしていると、例えば、吉永みゆきが死んだことで、次の回に虎太郎がそれを引きずるセリフを口にしてから、吹っ切ろうとする流れが見えて、ああ、話がつながっているな、と感じるわけですが、
 脚本家が交代して、前の話を理解していないと(連携がうまく取れていないと)そこのところがチグハグで、そういう状況で連続活劇をやってしまうと、それこそ「戦うだけの戦闘機械」でドラマがつながってない、と見える。

 とりあえず、嶋さんというキャラが、烏丸所長の意思を伝える立ち位置として、剣崎に心構えを伝え、次に睦月を鍛えることで成長を促し、橘さんは……少しスルーされているか。
 この睦月も、脚本家交代のあおりを食らって残念なキャラになっているような気がします。

 まず、ある脚本家が睦月を成長させるドラマを描いた→別の脚本家はその話をスルーして、「またダメな睦月」を描いて、もう一度、自分なりに成長させようとする→そして、その成長話を別の脚本家が受け継がずに、また別の成長物語を構築する。
 こういうことを繰り返すうちに、睦月は成長したな、と思ったら、同じことを繰り返す「のび太くんみたいな子」になってしまった。

 だったら、無理に成長話を描く必要はないというコンセンサスが得られたらいいのに、それを主導する人がこの時期はいなかったということかな。

 で、井上敏樹氏が全てを叩き壊しそうなギャグ回を、お盆休みの時期辺りの回で差し込んで、そして、脚本家交代の後半戦で、會川さん、後はお願いしますって感じに切り替えたのかな、と。


★ウィザード

 一方、ウィザードは、脚本家二人体制で、途中で空中分解しての仕切り直しはせずに、最後まで想定どおりの話を組み上げたと考えます。
 代わりばんこで話は作り上げて、しかも、その体制で最後まで漕ぎつけたのは、きださんも、香村さんも、こういう話の経験者で、自分がどういうヒーロー話を描きたいのか、イメージは持っていたからだと思います。

 結果的に、コヨミというキャラに謎を持たせ過ぎたせいで、彼女を動かすことができなかった。
 どのタイミングで謎解きを行わせるかは難しい問題で、ウィザードの場合、終盤まで謎を引っ張り過ぎたために、割をくったキャラがいろいろいたという結果論ですが、
 自分の記憶では、この時期、「毎回のように驚く情報が飛び出して来て、衝撃的なクライマックスだったな」と感じます。

 敵ボスのワイズマンが、ヒロインの父親で、しかも魔法使いの元締めでもあるという、自作自演的な展開は、最初に知った時は「うおー、そうだったのかあ」と思いつつ、終盤の転がり方が怒涛の展開で、次回が楽しみと思えて、これはこれで好きでした。
 ただ、気づけば、「晴人がコヨミを想う余りに、がんじがらめになってヒーロー活動ができなくなり、仁藤に主役交代する物語になってしまった」とか、その後も、傷心の旅に出ざるを得なくなって……とか、ハッピーエンドと言えなくなった回。

 そう言えば、ブレイドもウィザードも、ラストはヒーロー自身に救いがあまりないビターエンドになってしまいましたな。
 まあ、ブレイドの時期は、そういう衝撃的な終わり方が続いていたので、まあ平成ライダーってそういう物だろうで済んでいたのですが、
 ウィザードは陽性エンドのW、オーズ、フォーゼと続いた後の陰鬱エンド(特別編と冬劇場版で何とか陽性にこぎつけた)で、作品の最後の希望(世界を救った立役者)が仁藤で、晴人は個人の運命に決着をつけて後始末するだけに終わった、と。

 あとはコヨミの扱いとか、いろいろゼロワンのイズと比べて書きたい面もありますが、それはまた次週の課題にします。
 簡単に言えば、イズはいつでも或人と一緒だったから非常に感情移入できたけど、
 コヨミは面影堂で晴人を心配するだけの動きしかせずに普段動きがなかったから、いざドラマが動き出しても、惹きつけるものが薄かったのかな、と。

 例えば、コヨミがその「ファントムを察知する能力」をフル活用して、晴人の活動を常々サポートしていれば、もっと面白くなったのでは? と思いつつ。


★平成ライダー論について

 K.Kさんの前回の書き込みで思ったこと。

>謙遜して初心者と言っていることについて

 多分、もはや初心者ではないと思いますよ。こういうことを言ってはなんですが、ドライブ、ゴースト、エグゼイド、ビルド、ジオウ、ゼロワンと6つもリアルタイムで完走されていると思いますし、鎧武以前は再放送とYouTube配信で追っていて、そろそろ10本を越えるんじゃないかなあ、と。

 それだけ、いろいろ作品を追って、感想書いている方が、初心者とは言えないでしょう。

 そこで、自分的な認定基準をおこがましくも設定してみると、

・初心者:作品を1本まるごと見たことがないレベル。個々のライダーの違いがあまり分からないとか、キャラ名を認知していないレベル。ほとんど語ることがない。
 たまに数話見て、何か思ったことを書いても、的外し。そのレベルで批評めいたことを書いても、顰蹙買いまくるレベル。

・初級者:1作品完走した人。その作品については、愛着を持って語れる。ただ、2本めを見て、自分には合わないと切ってしまったり、1作品見たら十分とか、作品ファンではあるけど、シリーズファンにまでは至っていないレベル。

・中級者:1つ見て、気に入ったので、シリーズの他の作品もどんどん見てハマりこんでしまっているレベル。その中で、この作品は当たりとか、この作品は外れとか、自分なりの判断ができるようになっている。
 いわゆる中級者の段階が、多分一番長いと思うし、ここまで行くとシリーズファンと名乗ってもいいし、多分ファンサイトでも楽しく話せるのは、この段階かと。

・上級者:その作品シリーズがないと、人生の大事な物が欠落したような気分に苛まれる(苦笑)。
 熱意を持って追いかけているのが中級者なら、それなしでは生きていけないような気になっているのが上級者。たぶん、この段階がマニアなんだと思う。
 人生の一部(時間にして5%ぐらいかな)を捧げているとか、余暇の娯楽の域を超えているので、もはや飽きるとか、興味がなくなったとかは感じなくなっているんじゃなかろうか。
 もっとも、なくなってしまっても、別にその対象を探し求め、新しい追っかけ対象と昔の愛を捧げた対象の比較とか、懐古とかをあれこれ重ね合わせて、「この放送時期はこんなことがあって」とか、関連知識を自分の人生経験と合わせて、血肉のようになってしまっているとか。

 自分の感覚をそのまま書いたら、とりあえず上級者じゃないか、と認定してみる。
 まあ、プロとして作品を作っている人は間違いなく上級者ですね。それが人生における自分の仕事にも通じますから。

 ということで、K.Kさんの段階だと、NOVA認定では「中級者」ですので、いろいろ批評して許される視聴経験だと考えます。

>キャラへの感情移入

 これで、K.Kさんは「ドライブ」と「ビルド」を好意的に評価され、それに対して「ウィザード」と「ブレイド」を今回は愚痴と称する感想を述べていました。

 ドライブとビルドは、やはり一人の脚本家が一本筋の通った起承転結ある長編を組み上げた話で、自分自身も完成度が非常に高いと考えています。
 まあ、脚本家でなくても、監督やプロデューサーがきちんと手綱をとって、完成度を高めているなど、そういう系の作品ですね。

 あと、リアルタイム視聴だと週1本ですが、YouTube視聴だと週2本で、前者だと一年かけてキャラへの愛着なども熟成されていきますが、後者だと、その辺が駆け足になりがち。
 時間をかけて愛でたものと、それを半分の期間で消化したものとでは、感情移入の仕方も変わってくるのかな、と思いながら、

 それは置くにしても、リアルタイム視聴だと「先がどうなるか読めない」中で、同好の士とあれこれ言い合いながら、現状の感想、先行きの想像、以前の話の記憶確認、自分の愛着などを表明する。

 一方、旧作視聴だと、先行きの想像をする際に、ネタバレ予習など考える材料もあって、こちらも「これは興醒めになるだろうから言わない方がいい」「これは注目すべき伏線だから触れておこう」とか思いながら、
 とりあえず、K.Kさんがネタバレ気にしない宣言はしていただいているので、「次回予告」程度を中心に、後はK.Kさんが予習済みとして表明された箇所にレス付けるなり、いろいろ語りつつ、

 自分の関心は、「昔の記憶の確認」(たまに思い込み誤認があって、修正する)、「今現在の視点だと、旧作がどう見えるか」、そして「同じ作品を、熱意ある弁舌で丁寧に語ってくれる同好の士との交歓」を楽しんでいます。

 ともあれ、作品を比較対照しながら、長所短所を考察するレベルの批評は、愚痴とは考えませんので、そういう作業で自分的に当たりとか、ここはいまいちとか話せ、あるいは読めるのは楽しいと考えます。

 多少とも、生意気な言も申し上げましたが、「初心者」「愚痴」という仰りようについて、自分が感じた部分を意見、述べてみた次第。

 ではまた。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/01 (Sun) 23:57:07

 定期感想その3です。

 書き出しの「新月、明けまして」に思わず、慌ててしまいました。それも二段構えの取り違えです。まず「新年」だと読み間違い、「もう『1』ヶ月経ってた?」と思い、考えてみると、仮に新年だとしても2ヶ月間違えたことになるはずなのでした。

 そこを誤読したままだとしても、ちゃんと読めばすぐに続いて「今年も残り2ヶ月」とあり、勘違いのしようもない。どうも、自分では気が付いてませんでしたが、慌て気味の状態になっているらしいです(^^;。

●仮面ライダークウガ(第15話:装甲、第16話:信条)

 作中の用語で、ちょっと時代を感じたりしました。看護婦、婦長ですね。今は看護師、師長であるわけですが、調べると法改正に伴い、2002年から名前が変わったとのこと。感覚的にはもっと前からのような気がしてましたが、21世紀に入ってからでした。クウガが2000年の作品ですから、劇中で看護婦、婦長なのは当然なわけですね。

 NOVAさんが記された婦警は、一般用語としては使われてまして、自分も世代的に自然と口に出ます(言い換えれば「女性警察官」と書いているときは、おおむね意識的)。これも調べてみると、1999年に警察用語としては切り替わったらしい。

 NOVAさんのご感想にある、当時ならではの撮影(さらに裏話)が観られるというのは、自分も感じるところはあります。ウルトラマンレオでしたか、ジープに追われて走り回る特訓で、ジープのブレーキが甘く、死ぬかと思ったと役者さんが明かしたと漏れ聞きます(こちらで教えてもらった気がするんですが、検索しても見当たらないorz)。

 見せ場のアクションだけでなく細かい演出にも当時風がありまして、今週分のクウガですと、灰皿いっぱいに溜まった吸い殻で長時間を暗示する見せ方がありました。今だと、タバコ演出はいろいろ嫌われやすいところですが、当時はまだOKだったようですね。小道具の携帯電話等はもちろんですね。

 細かい演出ということでは、クウガでは上手にリアリティを出している気もしました。前に科警研の榎田ひかりが娘のことを語るシーンが、榎田ひかりの今の身の上を表しているとこちらで伺い、言われてなるほどと思ったことがあります。

 今話ですと、杉田守道刑事が携帯で家族と話すシーンが何気なく描かれてまして、娘がいることが分かりました。それ自体は何てことはないんですが、なんとなくキャラクターに実在感を与えてくれているようです。

 実は、そのカットはグロンギ語翻訳のコメントに書かれていたので、ようやく意識しました。予習なしの初見では、見れども見えずだったようですが、雰囲気だけは感じ取っていたようです。そういう観ても意識せず、しかしリアリティに寄与する描写が、たぶんあちこちになったんだろうと思います。

 設定的な細かい点も気にしているみたいです。今話ですとバイクですね。トライチェイサー2000にゴウラムが強制装備(?)され、トライゴウラムになるわけですが、ベースになるバイクが変わってます。たぶん、元のオフロードタイプが重装備改造に向かず、オンロードタイプに切り替えたんでしょう。

 そこを黙って流さず、ゴウラムが融合するとバイクも変形するらしいと、さらっと説明を入れてました。昭和の仮面ライダー初作ですと、サイクロン号がオンロードタイプだったり、説明抜きにオフロードタイプに変わったりしたのが、かすかに記憶にあります(もしかすると、設定的にも別のサイクロン号だったのかな?)。気にしなければ分からないですから、それでいいわけですが、クウガだと拘りを見せているなと感じました。

 ともかく本編。ドラマのメインは一条刑事ですね。笹山望見視点を交えながら、仕事一筋の堅物(?)の裏の人情の顔が見え隠れする、面白いドラマです。そこを強調するためか、メイン敵グロンギ:メ・ギャリド・ギの殺害ゲームが恐ろしい。コメント欄の、おそらく幼少時に観て「バックします」音声が怖くなったという経験も、確かにありそうな話だと思えました。

 しかし、とりあえずはゴウラムですね。トラックを破壊して逃走ですから、警視庁ではグロンギの一種の可能性も考慮してますな。トラックを破壊したようでいて、吸収した可能性もありそうです。ゴウラム飛行経路上では点々と被害があり、そのたびにゴウラムが被害物件と同じに変色しているらしい。しかし結局、追跡するまでもなくクウガに合流してくるわけですね。
(ゴウラムの一部の遺物を失い、ジャンが実果に申し訳ないとしょげたり、見つかって喜んだりと、周辺キャラクターを描くのに、登場アイテムを上手く組み込んでるなと感心します。)

 バタバタしている一条に笹山望見が接近してくる。明日が誕生日を知って、プレゼントを渡そうというわけですね。しかし一条は誰かと電話となり、「明日は会えそうにない、ごめん」と謝っている。それでもプレゼントを渡そうとするも、すげなく断られ、バタバタしていることもあって理由説明も聞けない。
(11/3追記:後で忘れそうなのでメモ。このときの一条の電話相手は母親。誕生日には里帰りする習慣だったため。)

 笹山望見としては、(おそらく杉田守道刑事からの情報で)彼女無しと思ってアプローチしたら、彼女がいる、と見たんでしょう。それにしても、プレゼントも受け取らないというのは、かなり強い拒絶と受け取ってしまったはず。ですが、全く違う事情だったと、次第に分かって来るわけですね。

 この後、笹山望見は断られたプレゼントを捨てようとするところを榎田ひかりに止められ、一条の事情(10歳の誕生日に父親が殉職)を聞き、少し理解が進むわけですね。しかし、一条が倒れた母親の見舞いにも行かない点で、また迷いもするわけですが。

 グロンギ側も動き出しまして、今話は未確認生命体第24号/ヤドカリ種怪人/メ・ギャリド・ギですね。ヤドカリだから何かの中に入りたがるのか。それで前話、自動車だったんで使い始めたと。ゴオマがあざけっているようですが、バラのタトゥの女は期待する様子ありかな。もっとも、後でギャリドはいったん姿を消した時点で、見放されたようではあります。

 しかしギャリドの殺害方法が生々しく怖い。例えば、トラックが幅いっぱいの狭い、行き止まりの路地に被害者3人を追い詰め、壁に押し付けておいて圧殺したようです。その様子を、ギャリドは後部カメラの映像で確認もしているわけですね。一条は詳細を知らないでしょうが、視聴者の自分としては一条が現場で頑張り通すことを理解したくなる、怖くて巧みな演出でした。

 第24号/ギャリドの連続殺人は警視庁が察知、雄介はトライチェイサーで現場へ急行するわけですが、ここでいきなりゴウラムがバイクに合体するわけですね。雄介は事前の桜子の古代文字解読情報と直感で味方機と判断した模様(次話冒頭では、ゴウラムにクウガのマークがある、なんてのん気な理由を言ってて、ちょっと笑った)。

 調べると名前が「トライゴウラム」ですか。が、対決早々、トライゴウラムが動作停止。最後まで観ても、このタイミングでの停止理由がよく分かりませんでしたorz。科警研に運び込まれて、雄介が触れると活動レベルが上がったことから、初対決時点ではスタミナ不足で、現場まで行くのが精いっぱいだったのかしらん(その前は飛んでたわけだし)。

 トライチェイサーもろともですから、トラック相手にクウガは青の機動力で対抗、得物もきちんと使い、トラックの爆発も利用しまして、なんとか撃退できた模様。が、ギャリドは逃げ延びてたみたいですね。最後の倒され方からすると、この時点ではギャリドはまだ「人馬一体」ではなかったようです。ギャリドもこのバトルで学ぶものがあったらしい。

 トライゴウラムも爆発に巻き込まれたものの、さすがは「馬の鎧」でして、ダメージなかった模様。しかし依然として動かないので、科警研で調べることに。グロンギ側ではギャリドの行方が掴めず、バラのタトゥの女は次のプレイヤー:メ・ガドラ・ダを呼び出すことにしたらしい。双方、次の手を打つのが速い。

 しかし、一条のプライベートにアクシデント来まして、婦長をしている母親が倒れたと笹山望見から急報が入る。が、一条は榎田ひかりに代われと言い、あくまでもグロンギ対処の任務を続行する意思を見せる。これに笹山望見が失望するわけですね。実は心底、情がない人なんじゃないかと。

 それを見て取った榎田ひかりが一条のために弁護するわけですね。今週分では、榎田ひかりが苦労人の役回りを演じてました。内心の動揺が見え隠れする一条を、ハイテンションに振舞って周囲から誤魔化してやり、雄介にはそれとなく母親が倒れたことを伝えもする。クウガ側が持ちこたえたのは、榎田ひかりによるところが大きかった気がします。

 科警研に持ち込まれたトライゴウラム、雄介が触れたことで活性化したのを見た一条、上司の松倉貞雄本部長に、ゴウラムを一任して欲しいと申し出る。松倉本部長、いったんは渋る様子を見せつつ、内容は快諾に近い許可でしたな。そろそろ第4号=クウガを警視庁も信用し出したらしい。

 雲隠れしていたギャリドがトラックを奪取してゲーム再開しまして(バラのタトゥの女の判断が伝わってない?)、クウガは再起動したトライゴウラムで急行。トラックの横腹に突っ込んで横転させると、トラックに古代文字が浮かんで爆発炎上、ギャリドも消滅してしまう。

 この最期からすると、本体がトラックになっていたように見えます。グロンギ語翻訳によると、ギャリドは攻撃時に「俺の背中」といったことを口走っているようです。ヤドカリが拾い物の貝を我が身と思うとしたら、ギャリドもトラックを我が身と思うんでしょう。前半(第15話)では、それでも「装甲」とか鎧としてトラックを使ってたんじゃなかろうか。

 しかしクウガに敗れたと感じ、トラック自体を核としての人馬一体で戦力強化を図ったのかも。それゆえ、トラックがの核が破壊されると、ギャリドも消滅したとか。トラックに古代文字が浮かび上がるギャリドの最期からは、そんな妄想が膨らみました。

 戦い済んで、日が暮れて。一条は残務整理ですね。しかし雄介が別れ際に「病院は8時まで」と伝えてます。おそらく雄介、一条が母親の病院に連絡していないと察し、病院の門限とか調べておいたんだろう(近親者ではないので、たぶん容態等は聞けてない)。

 それでも頑固な一条、なかなか電話しない。すぐ外では笹山望見がヤキモキしていますな。8時まであと2~3分、というところで、一条は意を決して病院に電話。幸い、母親は回復して、婦長職に戻ってましたな(過労だったのかな)。おそらくは久しぶりの、故郷の言葉も交えつつ、簡単で短い会話を追える。
(予告映像で一条の母親が倒れるシーンを観たときは、てっきりグロンギの襲撃に巻き込まれたと思ったんですが、こういうドラマだったんですね。自分的にはこれも「ライダーもの予告の巧い嘘」に分類しておきたい ^^;。)

 最後のシーンを観て、どうやら一条はずっと限界ぎりぎりだったような気がしました。数分の電話なら、もっと前にできていたはず。ですが、しなかった。もし電話したら、その時点で張り詰めた糸が切れるような気がしたんじゃなかろうか。少なくとも、電話して「危険な容態」とか「お母さんが会いたそうだ」とか言われたら、現場に留まるのが耐えきれなくなると、自分(一条)を分析していたように思えます。

 ですので、事件が完全解決するまで電話できなかったかと。何となれば、グロンギの起こす事件は凶悪化の一途で、クウガの正体も知って行動できるのは一条しかいない。自分(一条)が現場を離れせいで、さらなる被害者が出てしまうことは、一条としては選択できない。そう思って、電話をじっとこらえていたように思えました。

 笹山望見は聡いようで、短い電話を盗み聞き(?)して、そういった全体を察したらしい。人間らしさの欠如どころか、人情はちゃんとある。それが身内だけでなく、全ての人に向けられている。それでも気持ちはちゃんと、常に身内に向いている。といった理解でしょう。惚れ直しそうですが、近寄り難くもなるかな。それで、もっと身近に感じられる相手に接近していくということかも。

 先週まで、バトル上の弱点と克服とか含めて、主にグロンギとの攻防に見入ってたんですが、今週分では別の方向の面白さを見せてもらった気がします。次がここまでの振り返りで、その次が古代にはなかった(らしい)クウガの新たな力を見せてもらえると。展開の速さから考えて、ここまでのまとめ回を入れるのも、分かる気がします。今週分は、まとめができるよう、雄介の相棒(?)たる一条のキャラを仕上げたといえましょうか。

●初心者≒表面だけ見ている者(自分語りorz)

 クウガの感想書きに夢中になっていたら、NOVAさんのご投稿を頂いてました。中でも初心者~上級者のご解説は、なるほどと思うところ多々ありです。

 さらにその中でも、しばしば自分は初心者と愚痴るものですから、お気を遣わせてしまいまして、申し訳ありません。

 この「初心者」なんですが、かなり主観的、自分的な定義で申しています。少し枠を広げれば、力不足ということになるでしょうか。何の力かといえば、すぐれた作品を充分に楽しめる力となります。

 今回のご投稿に即して申せば、まず初心者~上級者の分類が自分にはできません。何をどう楽しめるかについて、まだどんな要因分けをすれば実用的な定義ができるか、分かってないことがあります。

 ライダー物に限定しまして、さらに脚本家で考えてみますと、記憶頼りではご教示頂いたのが鎧武だったかと。第1回に終盤のキャラクター(「始まりの女」となった高司舞)が出てくるところですね。メインライターの虚淵玄さんが一貫してシナリオを仕上げる前提で、ラストまでプロット組めたお陰と。

 そこで一応は脚本家の重要性が分かった気になったんですが、今となってみると分かってなかったというしかありません(無知なほど分かった気になるという、ダニング=クルーガー効果でしょう)。その後も首をひねるたびに、こちらで脚本家絡みの話を聞けて、ようやく飲み込めてきたのがごく最近です。

 それまででも、ウルトラシリーズの上原正三さんご逝去で、帰マンで自分的に印象深かった「怪獣使いと少年」が上原さんの脚本と知り、作品を調べると見知った作品がぞろぞろ。それだけでなく、やはり自分が観入った作品多数の金城哲夫さんとのつながり(特に沖縄という点)が分かったりも。

 それでもまだ、脚本家で作品にカラーが出るということが飲み込めてなかったように思います。表現しにくいんですが、制作過程を含む仕組みが見えてないといったらいいんでしょうか。脚本家は作品に直接現れるわけではなく、作品を作る仕組みの一部だろうと思います。そこを見て取ると、分かることがずいぶん増え、見どころもはっきりしてくることが多い(というのが、現時点で自分的に飲み込めて来た)。

 脚本家以外でも、アクション監督が誰かという点が大事ということも教わって、しばらく経って、ようやく分かった次第です。坂本浩一監督ですね。経験豊富で上手いことも大きいですが、カラーも自分の好みに合うことが大きいように思います。スーツアクターも、例えば高岩成二さんが平成ライダーにおいて、いかにデカいかというのもありました。いずれも、その個人がどうかということではなく、どう作品に組み込まれるかが大事なところです。

 人物画/イラストでは、人体の構造を知っておく必要があるんだそうです(見たままを描ける天才は除く)。まず骨格ですね。その上に筋肉があり、脂肪があって、皮膚があって、ようやく衣服に至る。骨格が分からないと、なかなか生きている人間の絵にならないのだそうで。多少練習してみただけですが、何となく分かる気がしました。表面を作っているのは内部である、みたいなことです。

 作品理解についても、以前は表面だけを眺めていた感じです。それで作品が分かったと思ったんですが(感想は「面白い」「つまらない」以上は要らないと思っていた時期)、作品を構成する要素を掘り下げると、もっと面白くなる。すると感想を言ってみるのが面白くもなって来る。

 その多くはこちらで教えて頂いたことです。こっちを掘り下げ、あっちを掘り下げであるわけですが、どこを掘れば面白くなるかを、おおむねこちらで教わってます。ですが、まだ自分では掘る場所が見えて来ません。作品~シリーズ(さらにはジャンル)の骨格が分からないから。

 そのこと、つまり「作品の骨格すら見えない」ことを以て、「初心者」と言っている面が、自分にはあります。こういう「初心者」定義ですから、主観的な自分専用ということになります。1年後には、もうちょっと骨格が見えるようになっていると思いたいところです。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/03 (Tue) 11:11:50

 文化の日、およびゴジラの日、おめでとうございます。

 今回はダイ大と戦隊の定例感想に伺いました。でも、その前に。

>新月(ニュー・マンス)祝い

 元々はハッピーハロウィンって書こうと思ったのですが、夜のうちに書けなかったもので、ハッピーを何かで表明したいと思いました。
 ちょっとしたトリックのつもりでしたが、いつもトリートしていただいているのに、困惑させてしまい、いたずら心が過ぎました。まあ、童心ゆえの遊び心と受け取っていただければ。

>初心

 K.Kさんの初心観を承りました。
 常に初心を忘るるべからず、とか、奥義に到達するための精進への心構えとしての初心発言だと解釈します。
 つまり、前向きな意味での「初心」という意味だと、理解したということで。

 芸事では、「自分がこれで上達した。これ以上、学ぶことは何もない」と驕った時点で、それ以上の追求は止まり、成長が止まるということもあり、慢心を戒めるという意味もあります。
 ただ、社会に生きる立場だと、いつまでも初心だとも言ってられないわけで、自分のスキルや果たせる役割をアピールして立ち位置を明確にする必要もあるわけで。

 自分は教育業を営む立場と、キャラの成長育成を楽しむTRPGを趣味にする者として、「成長段階を定義付け」することも習い性になってまして、今回はそういう癖が出てしまった形ですね。
 あと、今だに「万年初心者」とも言うべき成長しない人物(例の御仁です)の発言コメントを自分のブログで読まされまして(頻度は減ってますが)、「いつまでも初心者感覚が抜けないのではなあ」と思っていたのもあって、

 自分視点では、K.Kさんの特撮鑑賞の習熟段階が、初心者と謙遜なさるには勿体ない遠慮、と考えた次第。

 何にせよ、「作品をろくに追っかけてもいない、特に愛着も抱いてなさそうな初心者レベル」で、批評家ぶったネガティブ発言をするような浅はかな傲慢さには辟易しますので、批評するにしても、それはあくまで「作品の面白さを追求する」姿勢で楽しめれば、と自己スタンスを再確認。

 Enjoy Watching(楽しんで見る)のが趣味観賞で、それができているなら、会話しても楽しいと考える次第。

>上級者

 自分をこの立ち位置に認定するのは、いささか傲慢かと思いましたが、半ば自虐が入っています。
 実のところ、自分は「中庸」を旨とする人間なので、「度を越した過剰な入れ込み様」はバランス感覚を失い、他が目に映らなくなるのを警戒したりします。

 ただ、思い入れ過多になりがちな性格でもありますので(一種の病気かも、と思いつつ)、うまく切り替えないと、と考えたり、でも中途半端は良くないし、とか、いろいろ積み重ねた青年期(何一つ大成せず)と、
 とりあえずの土台はこれだ、と立脚点を、特撮、ロボット、必殺シリーズ、RPGの4つに絞って、サイト構築に勤しんだ30代と(ネットの趣味活動の基盤)、
 そして教育業で独り立ちしてからの(小企業での経営の波風にあくせくしながらですが)自己実現および確立に奔走している40代。
 その後、明年で50歳を迎えるに当たり、どういう成長を目指そうかなあ、と考えている現状でありますね。

 これも他人の受け売りですけど、人生70歳から80歳と言われている現在、40歳からの折り返し地点を過ぎると、人はどんどん人生を巻き戻ししていくらしいです。
 50歳の人間は30歳を振り返ることが多くなり、60歳の人間は20歳を振り返り、70歳では10歳を振り返りがちになるのが今の時代の多くの人に見られる姿とか(介護職の知人の弁)。
 これは、趣味嗜好の面で、その時期の自分を追体験したり、若い時の記憶とか、やりたかったことなどが蘇ってくるそうで、それを年甲斐もなく、と否定してしまうと、老化が進み、逆に若い時の興味にうまく乗ることがアンチエイジングにもつながるとか(科学的根拠のある話かは不明)。

 何にせよ、創作鑑賞というお題で運営されている当掲示板で、頭の活性化を図りつつ、いろいろ楽しく談話を重ねることも、趣味の一環として充実した時間にできればなあ、と。


★ダイ大

 前回は、弟子を守るために勇者アバンが命をかけて自爆。
 それでも倒せなかった魔王を、師の最期を見たダイが、自身に秘められた「ドラゴンの騎士」の力を発動させて、撤退に追い込む熱いドラマでした。

 ドラクエですから、「竜の探求」というテーマと、「世界を闇に包もうとする魔王との戦い」という王道物語が絡みあって、茶化すことなく描かれます。

 真っ直ぐ成長するダイと、兄弟子として頼りない三枚目キャラとしてスタートしたポップ。
 まるで、剣崎と橘さんみたいな立ち位置だな、とも今では思いつつ、このサブ主人公のポップの成長劇もダイ大の魅力です。
 最初は臆病で、どうしようもないと思われていたポップが、真っ直ぐなダイに感化されて、自身の勇気と果たすべき役割を見出し、大魔法使いとして成長する流れは注目に値します。

 そして、次回はヒロインのマァム登場だけでも一つのエピソードになるのですが、
 さらに、クロコダイン登場まで駆け抜けるようで。

 このクロコダイン、魔王軍第一の刺客として、屈指のパワーファイター(セイバーにおけるバスター尾上さん相当)ぶりを発揮して、ダイ一行の前に立ちはだかります。
 そして、少年が奇跡の力で大きな図体の巨敵を撃退するのが、少年マンガの王道なんですが、それ以降は、このクロコダイン、義経を守る弁慶のように、ダイのピンチを体を張って守り抜くガーディアン(楯戦士)の立場を堅持します。

 もう、実に頼れるおじさんキャラとして、敵の攻撃を受け止めて大活躍。
 ダイ大の魅力に、格好いい兄貴分、おじさんキャラがいっぱい出て、少年の成長譚である一方、少年の成長を支援する大人の有り様が描かれて、大人視点で見ても、味わえる物語です。

 作者(三条陸さん)つながりだと、若者である仮面ライダーWに対する師匠、仮面ライダースカル(鳴海壮吉)みたいなハードボイルドキャラがいろいろ登場して、ダンディズムを見せてくれるわけで。
 少年の成長と、それを支える大人(いわゆる武人タイプが多い)のぶつかり合いと、その後を織り成すドラマに注目すると、楽しめると思います。

 とりあえず、アバン先生が格好よく散った(散っていない)ので、次はクロコダインさんがどんな強敵ぶりと武人らしさを見せてくれるかだな。
 この武人らしさを解せず、前座のやられ役、ヤムチャみたいなザコキャラみたいなものと見下す風潮がネットには蔓延していたけど、勝つか負けるかよりも、漢気を見せるか否かで、キャラの魅力を味わえる人が増えて欲しいなあ、と。


★戦隊

 バスターズは、ゴーバスターオー合体に際して、「仲間との絆、信頼関係」を主人公が確認するエピソード。

 アバレンジャーは、アバレブラック・アスカさんが変身能力を取り戻したものの、戦う理由が個人的な復讐心に苛まれたために力を発揮できず、みんなを守るという大義に目覚め直したことで本領を発揮できるようになった話。

 どちらもメンタル面での成長が、力に通じるというドラマですな。

 これに対して、前回のブレイドが似て非なる展開を見せました。
 使命感と愛の違いをK.Kさんは疑問視されていましたが、これはブレイドという作品が「職業ライダー」という名目を持つことに起因します。

 BOARDのライダーって、「そういう仕事だから、アンデッド封印している」というメインライターのスタンスなんですね。
 まあ、その職務先が最初に壊滅してしまったために、生き残った人たちが残務処理をさせられている現状なんですが(苦笑)、
 では、剣崎がただの「仕事だから」ライダーをやっているのか、と言うと、ここまで作品を視聴して思うのは、「仕事よりも、自分のその場の感情を優先して戦う熱血漢」で、その一途な気持ちには、ほとんどブレがない。

 一方、ブレまくりなのが橘さんで、人間の感情を理解しようと揺れる存在がカリスで、強さを追求して貪欲なのが睦月(橘さんに師事したのも橘さんが強いから、であって、負けたと聞くと途端に手のひら返しの言動に走る)。

 で、劇中の剣崎をずっと追っかけて来た視聴者には、彼が「仕事だから、という他律的な義務感、責任感、使命感」で戦っているとは到底、思えないんですが、脚本家の今井さんはあくまで今回、そういうスタンスで剣崎を描いたわけですね。
 つまり、脚本家が描いていると思っているものと、実際に作品で視聴者が感じとれるものがズレている。

 それまで「仕事だから」という意識で戦っていた剣崎が、「自分を突き動かす情動、愛」を自覚して、真の戦う理由に目覚めたなら、今回のドラマは納得できるわけですが、
 今まで剣崎はずっとそうして来たわけで、その剣崎の心情を「嶋さんという新キャラだけが理解していなかった」ということになります。
 ここで改めて、剣崎が戦う理由を、視聴者に再確認して欲しいという狙いがあったのかもしれないけど、そもそも視聴者は「剣崎が仕事だからという理由だけで、ライダーとして戦っている」とは思っていない。

 まあ、脚本家の先生の最後の仕事として、キャラの立ち位置をもう一度、整理した意図かもしれないけど、この嶋さんの役どころが烏丸所長の本来すべきことだったはずなのに、ポッと出の、しかもアンデッドに代行させたために、分かりにくくなってしまった感。

 なお、この後の展開を考えると、アンデッドの力というのは、合理的な理屈で考えるよりも、情動的な闘争本能に身を任せる方が融合係数が高まって強くなれるので、
 ジャックフォームを使うには、「理屈を越えた内から湧き出る想い」を自覚することが必要なのかもしれません。
 しかし、その衝動に身を任せ過ぎると、力が暴走して自我を失ってしまう(睦月がそうなりやすい)ので、今度はそれをどう制御するか、という話になるのですが。

 橘さんは頭で考えすぎるから、ライダーシステムの融合係数が高まりにくいとか、
 カリスは自分の力が暴走しないよう封印しているのが常態だとか、
 睦月はアンデッドに支配されるだけで、自我が確立していないから、融合という域に達しないとか、
 そういう理屈は(ほぼ會川さんが後付け的に)構築したようで、剣崎だけが「人の意思を維持したまま、アンデッドの闘争本能と融合を果たした境地」に至るドラマが、後半戦になるかな、と。

 ということで、仕事だからという人間社会的な理屈では(ブレイド前半が描こうとして失敗したテーマ)、情動とか感性を重視するアンデッドの力は活用できないというのが嶋さんの言いたかったことで、
 だけど、嶋さんもアンデッドだから、そういう説明を理屈で構築できず、禅問答的な言い回しで伝えるしかなかった。そして、剣崎は衝動的な男なので、頭で考えても分からずに、実戦の中で実感するしかなかったのでは?

 ……と分かりにくいドラマを何とか補完した次第。

 やはり、この辺は今井さんの錯綜したセンスが、言葉として伝わりにくい感じがしますな。
 會川さんは、そういう錯綜した状況をきちんと理屈で構築するSFセンスを有している一方、今井さんは理屈よりも情動重視で、「考えるな、感じろ」タイプの脚本家さんになる感じ。

 で、そのタイプの脚本家だと、井上敏樹という平成ライダーの先達がいて、そこはもう突き抜けた疾走感というか、キャラの暴走だけで話を突き動かす人なので、ジェットコースター感覚か、と。

PS.あと、今週はなかったセイバーですが、次は、坂本浩一監督回ということで、新ライダーのスラッシュがどんなアクションを見せてくれるかにも期待しつつ。
 武器が「音銃剣錫音(すずね)」ということで、音波と飛び道具主体の剣を使うみたいで、今までの剣撃とは違ったアクションになりそう。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/04 (Wed) 22:02:50

 非定期感想です。

 NOVAさんから「新月、明けまして」について補足を頂きまして、恐縮です。それで、自分の説明不足があったことに気が付きました。「(人様に迷惑をかけない)自分のドジは笑いのツボ」ということがありまして、新月の誤読の一連は自分で自分を大笑いしておりました。大笑いに至る過程に気を取られ、結末を書くのを忘れてしまった次第です。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第27話:揺れ動く心…、第28話:危険な賭け!?)

 先週後半と合わせ、前半メインライター最後の剣仕事ですね。いろいろ戸惑って来ましたが、NOVAさんのまとめを拝読して、整理できつつあるのはありがたい次第です。そのせいか、今週分を観なおしてみると、前半メインライターの(未完の)構想もあったのかなと思うところも出てきました。

 その前に剣崎一真の印象について。自分もNOVAさんのご解説にある通りで、剣崎一真が個人の情で動いているように見えます。使命ということなら、天から与えられた使命ということになります。そういう印象がどこで生じたか考えると、第1話からそうだったようです。

 まだBOARDが健在の頃、出社しようとする剣崎一真に下宿先の大家さんから小言を言われたりしてました。家賃溜めたりして、相当に貧乏であるようです。でもやってる「仕事」って、命がけのものです。相当の報酬があって然るべきですが、どうもそうでない(剣崎一真に浪費癖とか見えませんし)。

 ではなぜ剣崎一真は割に合わない仕事を続けているかと考えると、自分(剣崎)の情でしょう。やりたいからやっている、助けたいから助けているという感じですね。天という言葉ですら他律的だとしたら、己が己に課した使命となりそうです。

 しかし嶋昇タランチュラは「使命」が邪魔と言う。そこで齟齬を感じたんですが、自分の考える使命の意味と、嶋昇が言いたかった使命の意味が異なっていたようです。嶋昇の言う「使命」を自分なりに言い換えると「ノルマ」でしょうか。

 そうだとすると、前半メインライターが第1話で見せたの貧乏描写は「もっと働かないとまともな暮らしができないと思い込んでいる剣崎一真」という意図があったのかも。他人に向けてはいけない言葉ですが「社畜」でしょうか(ブレイド当時はそんな言い方なかったはずですけど)。

 そこへ自由人(?)の嶋昇がやって来て、組織に従順であるより、自分(剣崎一真自身)に素直になれ、とアドバイスしたら成長した、というのが先週のジャックフォーム会得だったのかもしれません。
(↑ただし、勤め人だった自分の感覚とは大きく乖離してます。嶋昇の言動にも違和感があり、意識高い系とか、下手するとカルト的と思うことすらある。)

 その嶋昇タランチュラも自ら望んで睦月レンゲルに封印され、今週分で一応の退場ですね。これは前半シナリオライターの終盤を見通してのものである感じです。ライターは交代しますが、嶋タランチュラは睦月の内面で行動を続行するようですから、個人の内面を重視したライターらしい運びでありそう。

 今週分で気が付いた、もしかしたらメインライターの狙いはこれか、があります。台詞で言えば「奴」=ジョーカーですね。大地エレファントのあっけない最期は失望したんですが、相川始が「奴」と気付いたら退場となったと考えると、別の見方もできそう。

 前半メインライターはミステリも多く手掛けた方で、こちらでも剣のミステリ指向は話に出てました。作品の狙いが「相川始の正体の謎を暴く」であれば、合点の行きそうなものがいくつか。その1つが大地エレファントですね。ゴルゴ13よろしく、正体に気づいたり、迫ろうとしたものは消される、みたいな。

 今週分で、(睦月が意識出来てない)レンゲルが相川始が「奴」であることに気が付くわけですな。となると、次は睦月レンゲルが危うい。その睦月を、嶋昇が封印されてでも救おうとする(精神の制御だけでなく、ライダーとしての強化にもつながるんだろう)。これは間に合ったのかどうか。

 が、その相川始は変化が見られる。周囲の影響で人間寄りになっていってます(まだ劇中に出てませんが、ヒューマンアンデッドの影響もあるらしい)。大地エレファントは気づいてすぐ撤退しましたが、多少言葉を交わしたレンゲルは当惑している感じでした。

 アンデッドとしても、今の「奴」が昔の「奴」とは違うことを、次第に見出す予定だったんじゃないかしらん。そうして、最終盤に至って相川始の現ジョーカーの立ち位置が明らかになって、クライマックス突入するはずだった。とかだったら、前半の流れも部分的に理解できそうな気がします。

 まあ、こんな妄想はハズレに決まってますし、ライダーでやる必要もなさそう。それでも、やっぱりベテランのプロ脚本家としては、狙いを持っていて、志半ばで降板したんじゃないかという気はします。

 なんてことを考えても、次週分は井上敏樹脚本でいろいろひっくり返る2話らしい。そこから作風がガラッと変わるのかな。噂に聞く、中盤以降の盛り上がりというのを、じっくり見せてもらおうと思います。

 自分的に今時点で、世評(?)と全く違う印象を持っている点を1つだけ。オンドゥル語です。剣崎一真の台詞がどうこうというものですが、自分が聞く限り、聞き取りにくいといったことは、今まで一切ありませんでした。

 ジオウでゲスト出演のときも、聞き取りにくいとは思わなかったんですが(ただし台詞は少なかったような)、剣/ブレイド本編でも確認できたように思います。かつ、不器用さが上手く出てきた感じで、ジオウで見た剣崎一真と一致してきました(ディケイド時はちょっと違う印象)。いろいろ文句を言ってますが、このことは剣/ブレイドに好感を持てる点の1つです。

●守破離(初心者~上級者観)

 続けての初心者~上級者のご解説で「芸事」にハッとするものがありました。最初の初心者~上級者分類についてです。初級者~上級者って守破離に対応してるんじゃないかしらんと思えてきました。守破離の概念自体は知識としてありましたんで、意識はしなかったですが、分類がすんなり自分に入ったように思います。

 ライダー物で考えると、こんな感じかも。

・初心者(守以前)
 ライダー物をちょっと眺めてみたことがあるくらい。しかし「仮面ライダーって要は、バイク乗ったヒーローが、悪の怪人を毎週倒し、パワーアップしてラスボスも倒す話だろ」と十把一絡げにして、全部分かった気になっている。

・初級者(守)
 あるライダー物1本を、第1話から最終話まで、きっちり見届けたレベル。毎週、感想を考えたりもする。最終話後、そのライダー作品についての各話、全体の印象を語ることができるようになっている。
 しかし、主人公ライダーが何者かはまだ語れない。

・中級者(破)
 通しで観たライダー作品の経験をもとに(←重要)、新作、旧作を、ときには並行で観ていく。各ライダー作品の相違点が分かって来て、さらに共通性も見えてくる。もうライダー物全般で一括りにするようなことはない。
 あるライダー作品の主人公が何者なのかを語れるようになる。別の作品の主人公と比べられるから。
(初心者が複数のライダー物を途中まで、あるいは散発的に観た場合、「やっぱり似たようなもの」などの増上慢、魔境に陥りがち。)

・上級者(離)
 ライダー作品多数を観続けて、世界観含めて統一されたライダー像・ライダー観(ライダーのイデア)が浮かび上がって来たレベル。各作品の相対的な差だけでなく、自分の中のライダー像(イデア)を基準に、各ライダーが何者かを語れるようになる。
 このレベルの人が言う「しょせん、バイク乗ったヒーローが、悪の怪人を毎週倒し、パワーアップしてラスボスも倒す話さ」は、字面は似ていても、意味は初心者の言とは全く異なる……らしい。

 うーん、自分では「離」のレベルで何が起こるかは、もしかしたらこうかな、くらいにしか分かりませんorz。

●ダイの大冒険(~第5話:アバンのしるし)

 第5話ともなりますと、自分の興奮にエンジンかかってきたようです。映像的には、絵をよく動かしているという、アニメの基本がきちんとあるのが嬉しい点です。バトルでのアクションはもちろんのことですが、絵的には何てことはない会話シーンなどでも、気が付く点がありました。

 アニメでの会話ですと、喋っているキャラクターの口が動いていれば、一応の機能は果たせているといえます。必要な情報は観ているこちらに伝わります。が、ダイの大冒険ですと、聞いているキャラクター(画面には後頭部が映っている)の頭がちょこっと動いたりしてました(喋っているキャラクターをちらっと見たことが分かる等)。

 そういう細かいところがきちんと動くと、見ている絵の世界に実在感が生まれるようです。絵の世界が本当にあって、そこに生きたキャラクターがいる感じですね。他の作品で感じたことがある例としては、キャラクターの脚の間にわずかに見える小川の水面が、きちんと流れる水の動く波で表現されていたことがあります。注意しないと気が付きませんが、何となく眺めていても臨場感が増すようです。

 ただし、おそらくですが、実写作品と同等に、あっちもこっちも動かすと、騒がしい感じになって逆に不自然ともなりそうです(予算や労力の無駄遣いでもある)。その辺りの案配がアニメ制作の腕の見せ所の1つなんでしょう。

 ストーリー、ドラマについては、原作コミック等の断片的な知識が自分に多少ありはします。第5話でアバンがメガンテ使いましたが、(NOVAさんも言及された通り)生き残っているはず。記憶では、後でアバンらしきキャラクターが登場、しばらく経ってからアバンと確認される、だったかしらん。

 ハドラーはいずれ、敵側ながら魅力あるキャラクターに変わっていくはず(確か、一度落ちるところまで落ちるんだったか)。大魔王バーンは存在自体に秘密があったはず。などなど。

 途中までは「これなら、断片的な知識を確認しつつ観ていけるかな」と思ったんですが、それが慢心だと分かりました。予告編を見て、思わず以下のように呟いてしまったことを挙げれば、理由が充分お分かり頂けるかと。

「あれ、レオナ姫とマァムって別人なのか」

 これではいけませんorz。いったん頭を真っ白にしてから、謙虚に観ていく必要があります。

 今、ウィキペディアの「ダイの大冒険」の項を読み始めたんですが、物語、登場人物等々のパートに分けられるほど、情報が大量です。放映済みで未見だったライダー物と同じく、本編を観ては、分からないところを探して読んでいくことになりそうです。

●戦隊(Youtube分)
・ゴーバスターズ
 バスター戦士には弱点があると、こちらで伺い、既に宇佐見ヨーコ/イエローバスターの「すぐ空腹になり、動けなくなる」は、軽いノリの弱点として既に観ました。他の戦士もそういうもんかなと思ったんですが、第7話の岩崎リュウジ/ブルーバスターの熱暴走は(こちらで聞いていたにも関わらず)映像で観ると、ちょっとびっくりです。

 なにせヨーコ相手に狂暴になってましたから。ヨーコが最初、自分なら大丈夫と近づくので、「ああ、仲間なら認識して落ち着くのか」と思ったら、違ってた点が、まずちょっとした驚き。が、それがドラマに織り込まれる点がなかなかツボで、本当にびっくりしたのはそこです。

 ヨーコがいったんは自分に対しても荒れ狂うことにショックを受けるも、それを以前は見たことがないことを思い出す。となると、リュウジは意識してヨーコの前では熱暴走しないよう、ずっと気を配っていた、とヨーコが気が付いて、信頼を深めるに至る。発想の転換と気持ちの切り替えのスピードが、なかなか爽快でした。

 黒木タケシ司令も、ここに来て注目し始めました。任務のためならバスター戦士にすら冷酷にもなるという点ですね。調べてみると、これはツンデレの面があるらしい。

 特撮テイストの好みで注目したんですが、それ以外にも自分的なツボの見どころがときどきありそうで、観続けてみる価値がありそうです。

・アバレンジャー
 こちらは自分的に(変な敵幹部だなと)注目していた「破壊の使徒ジャンヌ」の正体に早くも迫り始めてますね。アスカは第7話で迷いを克服してアバレブラックに立ち返るも、ジャンヌがマホロの体を乗っ取ったと誤解してしまう。

 これは人間関係をねじって来る感じで、この後のドラマ展開が面白くなる要因となりそうです。ジャンヌのほうも事情があるようですし。

 その次の第8話は、フィクションの巨大ヒーロー「ギャラクシアン・イグレック」が実際に現れて、というものですが、某プロダクションに対しての挑戦かと思いました(^^;。なにせ、実は悪者でした、というオチですから。これが制作の遊び心だとすると、そういうセンスも期待できそうな気がします。

 こちらも当面は観ておく必要がありそう。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/06 (Fri) 16:36:48

 定期感想その1です。

●牙狼MS(第19話:楽園)

 回想を通じて情報整理する回だったんですが、1回目の視聴では大事な点をうっかりしてしまいました。ムラサキ少年ですね。レオとシグマの子ども時代のシーンは、最初「ふーむ、これがシグマの子ども時代か」とだけ思い、レオにやってみせた瞬間移動の紫色のエフェクトを見ても、何も思い出さず。

 終わってから、はたと「ちゃうがな、ムラサキがライゾンに襲われたときのあれやん」と。すぐにもう一度視聴です(^^;。しかし、少しだけ映ったシグマ少年の顔を(一時停止も使って)よく見ても、ムラサキ少年と同一人物かどうか、自信がない。配役を調べると確かに同じ子役が演じてますが、カメラアングルとか、モノクロ調の影響なのか、自分的に判然とせずです。

 第15話(同胞)での、ムラサキ少年瞬間移動のエフェクトは、ライゾンの起こしたものとか、単なる演出とかだと思えそうでした。今話で同じエフェクトをシグマ少年が瞬間移動で起こしたものの、中3話挟んで思い出すのはなかなか難しい。ムラサキ少年とシグマ少年の顔も同様です。しかし映像はきちんと見せ、嘘はない。

 レオとシグマの父:布道ゴウキの言動(騎士として大事なのは強さより心だからシグマは騎士失格)も上手いミスディレクションだなと。なにせ赤仮面=シグマが何をしようとしているか、今話で明かされたわけですから。(出現した)全てのホラーを倒すという点だけ知った零も承認した、シグマ・プロジェクト(仮称)ですが、人の命が代償と明らかになるわけで。

 そこが分かると「ああ、シグマの邪悪な面を見抜いたゴウキが騎士失格としたのか」と思いたくなります。シグマ=ムラサキ少年がホラー:ライゾンから逃走したことを咎めたとは、観ていても思いつきにくい。もっとも、邪悪を見抜いたからと解釈しては、ちょっと齟齬が生じますね。シグマがはっきり歪み始めたのが、おそらくは父ゴウキから騎士失格を申し渡されてかららしいということが上手く説明できない。

 そこが何となくモヤモヤするんですが、鋼牙=シロ少年とムラサキ少年=シグマの因縁、ゴウキがシグマに騎士としての引導渡した理由等が明らかになると、スッキリするという仕組みになるんでしょうな。ただ、あまりにもさりげなく隠してるんで、気が付くのが難しい感じです。上記の通り、教えてもらって観ているのに、うっかりしてしまったわけですんで。

 こういう「どんでん返しするんだけど、きちんと映像で予めタネや仕掛けは見せている」というの、別の作品でもあった気がしました。思い出しまして、ジョジョです。自分的には特に「黄金の風」です(たぶん、観た中では最新ということも大きいかも)。その中でも対ズッケェロ戦かな。ズッケェロがヨットを偽装して襲撃する話です。ヨットの番号違いとか、途切れる血痕とか、堂々と見せてくれてるんだけど、ブチャラティが指摘するまで気が付きませんでした。

 ともかく本編。前話ラストからの続きで、レオ/閃光騎士狼怒 vs 赤仮面ですね。レオは刻印を受けてないだけあって、充分戦える感じです。もっとも赤仮面はバトルを鉄騎2体に任せ、主に舌戦ですな。赤仮面は騎士を滅ぼすと言い、レオ狼怒は赤仮面を「兄さん」と呼びつつも(今話でようやく明かされた)赤仮面の誘いを拒絶する。

 説得が不調と見るや、赤仮面は捨て台詞残し、鉄騎を自爆させて去る。さすがに鋼牙も状況についていけないらしく、赤仮面の正体をレオに問いますと、レオ「あの男はシグマ。双子の兄です」と。続いて冴島邸に戻りまして、回想しつつのレオ解説になる。

 零もやってきてますが、レオに対して疑いを持っている感じですね。そこはとりあえず鋼牙がとりなす。前話で零が持って来たレオの情報って何だったんだろう。零がこのシーンで語り始めたのは、むしろシグマの計画(法師が騎士に取って代わる)についてで、しかも是としているらしい。

 これはいかんと思ったらしいレオ、ついに真相を語り始める。まず魔導輪エルバを指にはめたのは、「ここからは騎士として話します」という意志表示もあるんだろう。まず子供時代からでして、レオは兄シグマの隔絶する能力に畏怖の念を抱いていたわけですね。当然、閃光騎士狼怒を継ぐのは兄シグマと思っていたところ、長じてからシグマは父ゴウキから騎士失格を言い渡されたらしい。相当に不満であったようで、父ゴウキに剣を向けさえする。

 が、レオが駆けつけるとシグマは剣を収め、レオが騎士を継げと言って去り、行方知れずになったらしい。レオは納得できず、稽古中でも問い続けるも、父ゴウキは「一番大切なのは、守りし者としての心だ」としか言わない。騎士ならそれで察しろ、ということかしらん。ゴウキはこの3年後に亡くなったため、事態を収拾できなくなった可能性とかありそうです。
(このゴウキが伴大介さんですか。キカイダーのイメージしかなかったんですが、その後も特撮アクション系出演多数で「東の宮内洋、西の伴大介」と並び称されていたらしい。不覚にも知らなんだですorz。)

 回想はシグマの恋人ミオに移る。以前の散歩回でレオのイメージにチラッと出てきた女性ですね。少し驚いたのが、ミオが一言も台詞を発しない演出です(喋れない、という設定ではなさそう)。全て、表情や行動で意思を示している感じです。

 おそらく、ミオは問題の核心に近いキャラクターなんで、うかつに台詞をつけられなかったということはありそうです。が、自分的にいい効果出してまして、「ミオは何を言いたかったんだろう?」という疑問→興味が起こって来たことです。一言も喋らないために、かえって印象に残るキャラクターになりました。

 ミオは失踪したシグマを追い、なんとか合流できたみたいですね。様子からすると、シグマのほうが呼び寄せた可能性もありそう。その影響なのか、レオのもとにシグマが現れる。号竜を見「やはり双子」と言い、志を同じくする点があると思った感じがあります。ホラー利用の機械化兵団ですね。

 が、その時点で既にシグマは暴走開始していた模様。騎士を排除して法師の時代にする夢を語り始める。全てのホラーを滅ぼせる「究極の魔号竜イデア」ですね。ここまでは乗ってもよさげな話ですが、「守りし者」から見て致命的な欠陥があると。人の命で動くということですね。守る対象を殺害してどうする、というわけですな。が、シグマは守るべき対象を選別するとか、無茶苦茶な考えに陥っているらしい。

 ミオはどこかの時点で、その事実に気が付いたらしく、迷いを見せる。レオのもとに現れるようになったのも、打ち明けようかどうか悩んだためだったんじゃなかろうか。が、レオのシグマに対する信頼は厚い。レオがミオに心ひかれ始めた様子もある。

 これはミオとしては困ったでしょうね。シグマが実際に女性(後のギギらしい)を殺害して捧げたため、ついにミオは単独で行動を起こす。レオには連絡だけ入れ、古の魔獣ギャノンの骸を処分しようとするも、裏切りと怒ったシグマに殺害される。このことはシグマの絶望、人間不信を深めてしまったようです。その点についてだけは、ミオの行動は裏腹に出てしまった感じか。

 ミオを殺害したことは、ギャノンにとって命をささげられたことになるみたいですね。部分的にギャノンは起動し、シグマに赤い仮面とホラー的な右手を授けてます。一方、時すでに遅しですがレオも現場に駆け付け、ミオの魔導筆を形見としてでしょうか、持ち帰る。レオとシグマが対照的な行動が、それぞれの性分・信念の描写になっているようで、興味深い。

 以上の話を聞き、最初はシグマの計画に賛同だった零も意を翻して覚悟を固めた模様。そこへ赤仮面シグマの使い魔が現れ、シグマのメッセージが伝えられる。騎士は降れば命は助ける、が鋼牙だけは許さないと。

 次回「列車」では、予告からするといよいよ動乱勃発の様子ですね。タイトルの「列車」は魔導列車のことらしい。起動させる鍵はシグマが持っているはずですんで、敵の侵攻ということなんだろう。

●ビルドファイターズ(~第10話:開幕!世界大会)

 第10話まで来まして、以前に「ここからドラマ展開か」(温泉宿回)と思ったのが間違ってました。まだまだ人が集まって来る感じです。それでも観ていてもう「これってハッピーエンドになる」という確信的な実感が沸いてきました。

 もちろん、予習によればそうであるし、ぼんやり眺めていたTV再放映のときも、確かそうだったし、スポンサーから求められる作風としてもそうなるはず。ですが、きちんと見入ってみての実感が、そういう情報・記憶と一致します。

 明示的なのは、例えばキララ/ミホシでしょうか。正体を隠して対戦予定相手に近づき、相手のガンプラに細工してでも勝とうとする。その理由はガンプラが好きではなく、単にアイドルとしてのし上がる手段だと公言もする。ガンプラ作りも、少なくともバトル用はファンに任せている。

 そういう嫌なキャラクターのはずですが、今話に至ってもイオリが悪感情を持つ様子はないし、レイジは信頼さえしている模様ですね。そのレイジは、何かワケありらしきアイラ・ユルキアイネン(フィンランド代表、フラナ機関所属)と食い物のことで、仲良く争ってます。

 委員長ことコウサカ・チナは、前話でついにビルダー&ファイターとして初陣を果たしました。イオリに気があることは確かですが、それだけであそこまでやらないんじゃないかと。ガンプラ作り・ファイトに面白さを発見したはずです。

 そういう断片的なもろもろを集めて考えると、「この作品は友達が集まって来る話だ」と思えてきます。なぜそうできるかといえば「競技的には敵味方でも、同じ趣味を持つ者同士が底流で通じ合う何か」でしょうか。もしそうなら、争えば争うほどつながりが強くなりそうです。第8話のタイトル「逢戦士たち」も、その辺りを匂わしてるのかも。

 それが「必ずハッピーエンドになる」という予感になっているようです。ワケありキャラクターも、必ず救われるような気がしてきます。
(↑トライを観たときには、あまり湧かなかった実感です。チーム対抗を強く打ち出してたからかも。無印BDシリーズでも同様で、BDリライズともなると対立と相克ですんで、終わってからでないと「みんな友達」感が出ない。)

 それにしても、やはりシリーズ初作はきっちり押さえておくべきでした。先週はビルドファイターズ→バトローグ(最終回)と続けてみたんですが、バトローグが「イオリ vs メイジン・カワグチ/ユウキ・タツヤ」で、ビルドファイターズの続きを観ていると錯覚してしまいまして。

 それくらいスムーズに世界観やキャラクターがつながってました。以前にバトローグ先行で、レナート3兄弟(マリオ・レナート、フリオ・レナート、バトローグオリジナルのセリオ・レナート)を観て、こちらで伺い、ネット検索しても「ビルドファイターズにそういうキャラクターがいる」くらいしか分かりません。

 本編でレナート兄弟を観て、ようやく「あのときの3兄弟の行動、言動は」と想像を巡らせることが出来始めた次第です。そうなると、思い出しつつ、実感がつかめてくる感じでして、最初からそうだったらリアルタイムでもっと楽しめたんだろうと思えます。

 もしビルドファイターズ初作の後、トライを観たら、違う印象になるかもしれません。ガンチャンYoutube公式でやってくれることを期待。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/07 (Sat) 20:48:38

 定期感想その2です。

●仮面ライダーウィザード(第49話:サバトの幕開け、第50話:大切なものは)

 本編の事実上の最終回が次週前半、そこからエピローグとしての2話で終わるようなんですが、およその印象は今週分でほぼ固まったかなという気がします。笛木奏の死亡はともかく(ソラがラスボスを引き継ぐ模様)、ドラマの軸となるコヨミが消滅、ドラマメーカーの攻介はライダーの力を(納得ずくで)喪失ですから。

 後は晴人が落としどころへ決めに行って締めくくるドラマが残るのみです。予習で概要が分かれば、映像表現がどうかという問題になりそうです。その後はエピローグで晴人への救いの予兆を見せるようで、そこを劇場版で締めくくるみたいですね。

 現時点での印象は「感慨深さでいえばマイベストには入らない」が「試みや仕掛けの工夫は感心できるものがある(多分、後の作品に活かされてる)」ということになりそうです。このことは次週前半、再来週の最終話を観てから振り返りたいと思います。

 現時点で自分的に整理してみたいと思います。

・ラスボスが作った枠組み(これがほぼストーリーを作ったと言えそう)
 ソラに最後の最後と取って代わられたものの、事実上のラスボスはストーリーをずっと動かし続けてきた笛木奏でしょう。敵/味方双方を作り、操って最終目的(コヨミ→暦復活)に至ろうとする。それに対して「異分子」キャラクターとのコンフリクトが起こるわけですね。

 自分的に「異分子」と思えるのは以下の3名です。

 晴人:枠組みを中から壊して、飛び出そうとする(インフィニティ等)
 ソラ:枠組みを腐らせ、別の目的(ソラの人間化)に利用しようとする。
 攻介:枠組み外から叩き壊そうとする(攻介だけは最初から笛木奏の想定外)。

 攻介ビーストだけが最初からラスボス笛木の枠組み外だったため、自在にドラマを発生できていたような気がします。他の2名は最終盤を除き、どう動いても笛木を利す方向に誘導されてのことでしたんで、なかなか意外性を発揮できなかったのかも。

・物語のスパイラル構造(笛木奏と暦→晴人とコヨミ)
 笛木奏と晴人は暦/コヨミに対するスタンスが似ていて(守って救いたい)、物語開始前の笛木の失敗を、晴人が成功させる形になりそうです。ただ、その成功はハッピーエンドではなさそうですが。2人を比べると、以下の感じでしょうか。

 笛木奏:本編開始前に暦を失い、コヨミを作って復活させようとする。
 晴人:コヨミを失い、最終回までにどうするか(最後の見どころになりそう)。

 予習ではコヨミの消滅を受け入れ、コヨミの願いは叶える模様ですね。生前の暦が父にかけた言葉「無理しないでね」は、おそらく意図が(暦死去を踏まえて)コヨミに伝わった模様。

 笛木奏の解釈だと「自分(笛木奏)の過労を心配している」でしょう。コヨミの解釈は「死者を生き返らせる無理に固執すべきではない」になりそうです。これを晴人がどう叶えるか、が次週前半になるかと。

・コヨミ(コヨミと暦の二重性)
 これは、たぶん最終回まで描かれないことで、自分的には不満が残るかもしれないことです。後続の、例えばゼロワンなどでは上手く取り入れられていたように思います。

 コヨミが取り得る選択肢は、暦になる(笛木奏の望み)か、別人のコヨミになる(晴人が大事にしたもの)かであったように思えます。もっとも、単なる記憶喪失と思っていた時点では「暦に戻る」だったんでしょう。だけど、暦が死亡していたと知って、コヨミが別の何かと分かると、そうはいかなくなりました。

 似て非なる感じなのが、ゼロワンのイズでしょうか。最終盤でイズが失われ、ラストで新イズとなったケースが似ているかも。或人は、新イズに先代(?)イズの面影を見るも、先代イズたることを求めまいとしていたようでした。ただし、本編終了後の余韻として表現されたわけで、その後が描かれるとしたら劇場版などでしょう。

 重要キャラクターは、消滅(死亡)で奪い去られることによって、どれだけキャラクターの重みがあるか分かる面があるように思います。作中キャラクターにとっても、観ているこちらにとっても、ですね。

 が、前々から愚痴ってますように(^^;、コヨミのドラマ・エピソード不足で消滅時には喪失感が少し足りないような(そこが晴人の動機の重さも分かる点だったはず)。これが、例えば「コヨミは暦でなくコヨミである」(短いながらコヨミ自身の人生があった)と打ち出せていたらと思わなくもありません。

 もしそうなっていれば、「一度死んだ命は取り戻してはいけない」というコヨミの台詞が、「コヨミが暦になってはいけない」とか「暦をコヨミに作りかえても、コヨミを暦に作りかえてもいけない」という印象が生じ、喪失は重かったかもしれません。そうコヨミが判断できれば、観ているこちらは助かって欲しいと思うわけですが、だからこそ観ているこちらから奪う意味が生じる気がします。

 以上のことを含め、最終回まで観て、もう一度考えてみたいところです(そう思うということは、やっぱりハマってるのかなあ)。上記のようなことを列挙して考えるというのは、やはりウィザードが作品としていろいろ試みたことに起因するんじゃないかと思います。そのお蔭で、込み入ったキャラクター関係や背景を作って、丹念にしかし素早く解きほぐす終盤の流れを作れているように思えます。

 ハッキリ「ウィザードのここが、○○のあれにつながる」と言えませんが、ウィザードの試み、実験は後続の作品に取り入れられているような気がしてなりません。ウィザードもフォーゼまでのライダーから取り入れたもの多々なんでしょうけど、ウィザードもおそらく後に影響すること大ではないかと。

 ともかく本編。笛木奏のプラン通りに物事がどんどん進んでますね。ただ、晴人らは全容を知ったつもりでも、それが笛木奏のトラップで、「この程度の犠牲で済むなら」でその気にさせて、実は破局的な結果をもたらす方向に進んでいきます。笛木奏が執り行うサバトが東京の人間全てを、死かファントム化かに追い込むわけですんで。

 前話ラスト~今話冒頭で笛木奏が操る山本メイジに晴人ウィザードは敗れ、コヨミが前にいたと思しき封印空間で気が付く。真由もいて、意識を操られてはいない模様。山本と譲は依然として操られており、真由は強制的に人柱として拘束される。晴人はコヨミを救えるなら、と諦めたらしい。

 この晴人の判断は、晴人がどこまで理解していたかによりますが、ちょっと疑問かも。少なくとも、晴人以外に、真由、譲、山本の3人も人柱になることは分かっているはずです。人柱ということは、儀式で死ぬということも理解できたんじゃなかろうか。

 つまり、自分だけでなく、他の戦友3名も犠牲にしていい、と晴人が思ってしまった可能性があります。もしかすると、魔法使いの部分だけ奪われる、と思ってたのかな。それなら納得できるんですが。ただ晴人は、壮大な出来レースに知らずに加わっていた、ということを知って、ほぼ虚脱状態の思考停止であったのかもしれません。

 この状況はソラを通じて、攻介らに情報がもたらされる。晴人が生き延びたサバトも暦復活のためだったが、魔力不足で失敗。そのサバトで生まれた魔法使い=晴人をヒントに、パワーアップしたサバトを執り行う、ということですね。

 が、ソラは知っていたかどうかですが、笛木奏は人柱を拘束してから、晴人に「魔力は東京全体から集める」と教える(成功を確信したラスボスのお約束か ^^;)。そうと知っていれば、晴人は応じなかったんでしょうけど、身動き取れない今、もはやどうしようもない。サバトは発動、東京中に影響を及ぼし始める。

 そこで敢然と立ったのが攻介であるわけですね。ここからサバト打倒までは、久しぶりにウィザードで燃える展開でした。「やっぱり攻介が主人公ライダーみたいな気がする」とまで思ったんですが、ちょっと考えが浅いかも。この場合の攻介は、ビルドですと龍我の立ち位置に近く、晴人は戦兎同様、主人公にしかできない重い決断を為す立場ということでしょう。これでいいのだ。

 一緒にいた瞬平、凜子はサバトに巻き込まれて苦しむも攻介に、行け、晴人が戦えない今は攻介しかいない、と叱咤激励する。攻介、覚悟を決めて笛木奏の元に向かう。が、ビーストのフルパワーでも笛木奏の白い魔法使いには勝てないのは周知の事実。いったん撃退されるわけですが、攻介らしい秘策を持ってました。

 攻介ビーストは白い魔法使いの剣(ハーメルケイン)を奪うと、己がドライバーに突き立てる(一瞬「切腹?」と思って混乱した ^^;)。腹ペコキマイラを解き放つためですね。そこら中の魔力を食い散らかすはずだから、サバトを壊せるだろうと。狙いは当たりまして、キマイラはパックマンの如く魔力を食いつくし、サバトは崩壊。

 が、攻介はもうビーストではなくなり、妨害に怒った白い魔法使いの剣が迫る。が、攻介は「ピンチはチャンス」の信念通り、余裕が見えます。強がりかと思ったら、そうではなく、儀式から解放された晴人が駆けつけてきたわけですな。決め台詞「俺が最後の希望だ」は、ここで使うためにあったのか(と思うほど、ピッタリな感じ)。

 後半(第50話)に入りまして、ビーストに代わってウィザードが対決を引き継ぎますが、インフィニティを欠いていて白い魔法使いに対抗できない模様。白い魔法使いの台詞から、インフィニティ以外は笛木奏が授けた力ゆえ、負けない計算だったらしい。言い換えれば、インフィニティだけは読み切れないわけで、だから奪っておいたということか。

 白い魔法使いは楽々とウィザードを退け、しかし止めは刺さずに、コヨミを連れて去る。攻介に止めを刺そうとしたのは、仮にビーストに戻れても、アーキタイプではサバトに利用できないから。晴人を生かしておいたのは、サバトをまた行うためですね。

 が、晴人、譲、真由、山本の4名の魔法使いは助かり、東京も無事。コヨミを助けるという願いは晴人にも残っていますが、巻き込まれて散々の山本は怒り狂ってまして(理解できるし、笛木奏の自作自演と分かればなおさら)、関わり合いにならないと去ってしまう。譲は攻介が巻き込ませない意思が固い。真由は既に魔法使いたることをやめると決意している(山本以上の巻き込まれだし、当然だろう)。

 この機を待っていたらしい、ソラ/グレムリンが動きまして、笛木奏の前に姿を現し、コヨミを寄越せと襲い掛かる。敵うわけないのをソラも知っていように、と思ったんですが、狙いがあったらしい。白い魔法使いの剣(ハーメルケイン)で刺させておいて、それを奪うわけですね。

 コヨミが逃れていく、それもインフィニティのリングを持って、というのは、偶然が重なったようにも見えますが、ソラの仕掛けがあるのかもしれない。ともかく、止めを刺したと思って油断した、白い魔法使い/笛木奏はグレムリンを打ち捨てて、コヨミを追う。

 コヨミは例の、ブランコがあるほとりにたどり着きまして、晴人と再会。そこからバトルを挟んで、コヨミの覚悟が晴人に伝えられるわけですね。まずコヨミは魔力供給を断る。これだけでも消滅を覚悟したことが分かります。が、消滅は怖いとも告白する。それでも受け入れるつもりということですね。まず挙げた理由は、他人を犠牲にしかねないから。

 晴人は別の方法があるはずと言うと、コヨミはインフィニティのリングを渡し、コヨミ消滅後に現れる賢者の石を誰にも渡すなと願う。賢者の石が争奪対象となり災いを招く、自分(コヨミ)はもう静かに眠りたいから、というわけですか。しかし、おそらく真の理由は後で明かされる今際の言葉でしょうな。

 そこへ白い魔法使いが無粋にも現れまして、当然、バトルとなる。今度はウィザードにインフィニティがありまして、互角の戦いになっているようです。両者大ダメージの引き分けとなりますが、ソラ/グレムリンが漁夫の利を狙って現れる。策で奪ったハーメルケインを使い、まず笛木奏を殺害。続けて、コヨミの胸も裂いて、体内の賢者の石を奪い、「これで人間になれる!」と狂喜して逃げ去る。

(この時点では、ソラ/グレムリンはむしろヒーロー的でしょうか。東京皆殺し計画を阻止したわけですから。連続殺人者であることは、設定的なものなので、あまり強烈なインパクトがないし。しかし、予習によると笛木奏と大差ない被害をもたらしかけるらしいですね。)

 もはや消滅しかなくなったコヨミ、「一度失った命は取り戻しちゃいけないの」と晴人に告げる。自分的には、これがコヨミの選択の真の動機、理由のように思えます。コヨミ、最期に「晴人が最後の希望」と背中を押し、指輪だけ残して消滅。

 上述しましたが、暦ではなくコヨミとして生き続けるというのも、実現可能性はともかく、願いとしてはあったと思います。が、そこまで望めなかった、見通せる限界が低かった、というのは哀れさ、悲しさを増すようにも思えます。しかし、コヨミのこれが「これが精いっぱい」という感じが強くするわけでもないので、なんとなくどっちつかず、モヤモヤしてしまいます。

 次回が実質的な本編最終回ですね。残る敵はソラ/グレムリンだけですので、何を為すかはもう決まった感じです。その後、晴人に救いを垣間見せるエピローグ2話ですね。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/08 (Sun) 00:10:22

 今週は、火曜日が休みだった分、早く過ぎた感じです。
 そして、明日はニチアサなので、そこも楽しみにしつつ。

★牙狼MS

 レオの昔話回。

 子どもたちの思い出が影絵調に処理されたり、背景が墨絵とか幻想風だったり、リアルから切り取られた昔話(レオの語りによる紙芝居っぽい)って感じだったのが、
 シグマが父親から訣別したことで生々しい描写となるなど、印象的な演出がいろいろ。

 子ども時代のキレイな幻想から、重々しい現実に絵面が変わっていく流れですな。

 K.Kさんも指摘されていた「ミオの無言演技」。顔の表情だけで、彼女の内面を想像させる演技力も素晴らしいですけど、この演出意図は、レオの内面をも推測させる感じ。

 レオにとっては、自分と父、兄の言葉だけはしっかり記憶に残っているけど、
 ミオの言葉は、思い出せないのか、それとも鋼牙たちに語るほど気持ちが整理できていないのか、

 また、ミオがいろいろと語っていたかもしれないけど、号竜の研究に忙しかったり、兄を愚直に信じる気持ちが強かったりして、「ミオの言葉をきちんと受け止めていなかったと実感したレオの後悔」を意味しているのかも、と深読みしてみる。

 ともあれ、言葉で表現できない想いとか、あれこれ見せながら、シグマの悪行や目的を明示した回でした。

 そして、魔戒騎士になれなかったシグマの理由ですが、「大義のために、裏技を使って、身を滅ぼす小賢しさ」が見抜かれていたのかもしれません。
 この大義というのが厄介で、「ホラーを滅ぼす」とか「仲間を守る」とかは正当化される理由なんでしょうけど、そのためにルール違反を犯してしまう。

 自分の独り善がりな大義の結果、他人の制定したルールを見下し、結果を予想できず、自己を省みることができない。優秀な才に溺れて、周囲を巻き込んで身の破滅を招く傲慢さは、「身を犠牲にして人を守る」という騎士の心にはふさわしくない、ということかな。

 幼少期にアカネを守ろうとして、ライゾンに食われた(ように見せかけて術で逃れた)のが過去のムラサキで、ある意味、それがトラウマなのかもしれません。
 ホラーへ復讐したい、そのために騎士になろうと頑張ったら、父親から否定されてしまう。
 つまり、復讐感情だけでは、守りし者にふさわしくないということか。

 そこで、騎士など必要ない。自分は法師の力で、これまで誰もできなかったホラーを滅ぼしてやる。そう、思いつめた。
 でも、イデアという力を先人が用意していたのに、どうしてホラーを滅ぼせていないのか。それは、作ったはいいけれど、イデアが欠陥品であり、制御できなくなるということをシグマは気づいていなかったわけですね。

 レオも号竜を作ったものの、ホラーの血で暴走させてしまい、封印するのに苦労した回があり、
 号竜のアイデア元であるイデアも同様の暴走に至るわけですが、シグマは自分なら制御できると傲慢に信じている。

 愚かと言えば愚かしい結果なんですが、これも自己の才能に溺れたゆえかな。

 先達に対する敬意と鎧の継承が、騎士の特徴であり、
 騎士は法師の命に従い、前線で体を張ってホラー討伐をするのが現状の慣例なんですが、
 騎士が目立って、法師を見下していると思い込んでいるのがラテスやシグマの言い分ですね。
 スポーツで言うなら、選手が目立って、監督やコーチを見下している……と思うのかな。

 まあ、世界観的には、騎士=武士、法師=平安貴族とか陰陽師を象徴したアニメ作品もありましたが、
 一部の差別主義者の法師にとっては、騎士=道具や使い魔みたいな使役対象であるべきなのに、人格をもって主役面して生意気だって感じるものもいるのだろうか。

 単純な役割分担と受け取らずに、騎士だけが華型としてチヤホヤされていると思うというのが、MAKAISENKIの時期の物語テーマだった、と。

 それはそうと、もしもシグマがロードの鎧を受け継いでいたら、キバのような暗黒魔戒騎士に堕していた可能性も考えられます。
 才に溺れて身を滅ぼす危険というのは、やはり先人の教訓がいろいろあるんだろうなあ。

★ビルドファイターズ

 レイジとアイラの食べ物争奪戦。
 それまでのクールキャラが一気に崩壊した回です。

 それだけに、この回でアイラが可愛いとファンが流入したりも。
 ガンダムではお馴染みの薄幸の強化人間の文脈を示しながら、主人公と運命の出会いを示しつつ、後で戦場で会うことになる。
 だけど、それで戦場で散るキャラが普通で、生き延びたのはGガンダムのアレンビーか、OOのルイスぐらいしか思い当たらない中で、
 果たして、どうなるのか、彼女は? と当時はドキドキさせました。

 そして、セイの新型機、スタービルドストライクの初披露。敵のビームを吸収して、自らのエネルギーに変換できる仕様なんですが、
 ここから能力バトル的な対決劇の様相も呈してきます。

 これまでは単純に、機体に仕込まれた物理的なギミック(変形合体など)とパイロットの腕の差ぐらいで競っていたわけですが、
 今後は、プラフスキー粒子の特性を生かした魔法的な仕掛けが多くなり(ジョジョのスタンド使いみたいに)、相手の機体の能力を見抜くとか、それを封じるための対策とか、そんな話になっていく感じ。

 そういうのが面白いと感じていたのに、行き着くところは、相手の能力をかわして気合と拳で粉砕、という流れに単純化されていくのが、本作終盤から次作の流れ。

 その行き着くところの単純化に至る前の、試行錯誤のアイデア展開期が一番、楽しいのかな、と改めて思ったり。
 今度はこう来たか、次はどうなるんだろう、とアイデア披露してくれる作品はハマれます。

★ダイ大

 旧作アニメの2話分を1話でまとめてくれるようなペースで進んでいる感じです。

>アバンらしきキャラクター云々

 おそらく、これは別の何かと混同されていると考えます。

 アバン先生については、本当に再登場までが長く(回想シーンではしょっちゅう出て来ますが)、
 ハドラーとの最終決着時に、奇跡の復活的に登場して、ハドラーの死を看取る劇的な現れ方。

 なお、旧作アニメは一年間放送したけど、アバン復活までは進みませんでした。
 ダイの父親バランがラスボスみたいな扱われ方で、それを退けたところで強引に終わらせました。
 後に続きをOVAか何かで補完してくれないかと期待していた時期もありましたが、実らず。

 満を持して、今のリメイクに至った、と。

 で、旧作の倍のペースで順調に展開するなら、アバン先生の復活はいつになるかなあ。半年後じゃ無理で、早くても来年の今頃かなあ、と思いつつ。

 で、マァムとクロコダインですね。
 マァムで一番気になっていたのは、ポップのセクハラ的行動がどう描写されるかですが……原作および旧アニメの昭和風エッチシーンは、オブラートに包んだソフト路線へ切り替わり(直接のボインタッチ描写が、背中越しに効果音だけで描写されたり、色々と配慮されたものに)。

 自分としては、完全にカットされることも想定していて、「ポップのスケベキャラが消えちゃう可能性」も想像していましたが、まあ、露骨でストレートな表現がなくなっただけで、もっと前の時代のチラリズムに回帰したような感動を覚えております(笑)。

 90年代の作品が、もう少し大人しかった80年代初期ぐらいになったかな。
 これが70年代になると、今度はスカートめくりとか、古すぎるハレンチ感になるので、
 自分的には、ストレートすぎず、だけど全く見せないわけじゃない、ギリギリ想像力を掻き立てる程度のいい塩梅と思っています。

 閑話休題。
 何を語っているんだと自己ツッコミしつつ、バトルですな。
 最後にマァムが銃でダイを撃つ描写でつづく。
 まあ、麻痺消し呪文キアリクなど、回復効果の呪文もあの銃は撃ち出せるんですけどね。

 前衛戦士(勇者の卵)のダイと、魔法使いのポップと、魔銃使いにして僧侶役のマァム。
 まあ、多くのゲームでは、僧侶って前衛接近戦も(魔法使いに比べて)できるわけですが、そしてマァムは戦士の父親と、僧侶の母親の娘という設定なので、力も強いという(モンスターを杖で殴り倒せる)という描写。

 しかし、序盤のマァムが一番拳をぶつけている相手が、スケベなポップという伏線が。
 そう、ポップはこれでもかというぐらいタフであり、マァムは後に武闘家に転職するという展開を知っていると、この辺の演出が原作以上にはっきり強調されているな、と。

 なお、ポップの魔法使いにしては凄すぎる打たれ強さは、マァムに日常的に殴られて鍛えられた(原因はポップの自業自得なんだけど)という説があるけど、
 ダメージをくらって倒れるよりも、ビビッて逃げ出してしまう方が多く、打たれ強さが注目されないわけで。
 そして、ポップの面白さは、「すぐ逃げるザコ扱い」された状態から、何とか勇気を振り絞って、仲間を助けるために戻って来て、本当にダイがピンチの時に、強敵に奇襲攻撃を仕掛け、ダイの逆転の契機につながるという少年マンガのパターン演出ですな。

 それを受け継いでいるようなのが、ドラゴンボールのクリリンだったり(大体、同時期)、ワンピースのウソップだったり、ジョジョ第4部の浩一くんだったりするわけですが、いわゆる弱いザコと思われたキャラが覚醒して、思わぬ伏兵になって株価上昇する流れ。

 まあ、ダイ大は少年マンガのお約束を研究するバイブルにもなりますな。実質、古い酒を新しい器に入れて飲んでいるものなんで。

 そして、注目もクロコのおっさんですが、11月はクロコ月間で、12月は不死騎団のヒュンケル月間で、それぞれの決着が付きそう。
 魔王軍の6大幹部が、それぞれダイへの刺客として、挑み掛かる展開が半年ぐらい続きそうな流れです。
 そして、敵の構成をしっかり説明してくれるクロコさんの親切さに、称賛の流れが。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/09 (Mon) 17:43:35

 定期感想その3です。

 自分の「ダイの大冒険」の断片的記憶は、アバン先生についても間違いでしたかorz。やはり、うろ覚えは全棄却と徹底する必要がありそうです。話数が進むにつれ、興が乗って来て、腰を据えて一から理解したい意欲が出て来てますんで、ガラクタ記憶を放棄するくらい、むしろお釣りがあるくらいな気がしています。

●仮面ライダークウガ(第17話:臨戦、第18話:喪失)

 今週分は前半(第17話)が総集編であるわけですが、一応は未確認生命体第25号/トラ種怪人/メ・ガドラ・ダとの戦いを交えてのまとめになってますね。バラのタトゥの女が出したゲーム条件が前回より殺害人数を少なくする代わりに時間制限を厳しくするものでした。グロンギも「人数が多いと警察とクウガに阻止される」と判断してのことだったのかも。

 それ以外は、ほぼここまでのシーンを交えて、ナレーターの解説になってるわけですが、すぐ思い出せないシーンもいくつかありました。第1回から気合入れて観ていたつもりですが、ときどき注意・集中力落ちてたのかしらん。必ず2回以上観てたのにorz。

 いい復習ができまして、後半(第18話)。雄介クウガが毒を受けて倒れる回ですね。Yotubeのコメント欄には、この回も「トラウマ回」とのコメントがいくつかありました。トラック回も「トラウマ」だった人がいましたが、今回は意味が違って、雄介/クウガが死ぬのかと思ったかららしい。

 ラストが心停止を窺わせる、ピー音と波形平坦化ですから、そういう心配をするのも頷ける話です。もう第18話ですから、そこまで引き込まれ、雄介/クウガに深く感情移入している人が多数だったということですね。自分はこちらやウィキペディア等で予習しつつですんで、かえって「よし、ここからクウガ強化が来るのか」と興奮が高まりますが、初放映リアルタイム視聴だったら、2号ライダー(?)引継ぎの可能性とか考慮して、ヤキモキしたかもです。

 ともかく本編、今週後半分。雄介がガラクタをスティックで叩いてまして、何だろうと思ったら、(1808番目の技)ストンプというリズム音楽ですか。ネット検索すると、足を踏み鳴らす(ストンプ)が基本で、体を叩いたり、道具も使ったりするらしい。雄介のはかなり道具寄りのストンプみたいです。このレベルで2千の技修得ということは、かなり飲み込みが早くて器用なんでしょうな。

 1人で遊んでるのかと思ったら、みのりの保育園のお誕生会で披露するために練習してたわけか。前に園児たちに貰ったお守りも肌身離さず持ってまして、いかに大事に思っているか窺えます(みのり、園児両方ともでしょう)。これが今話終盤で、みのりを勇気づけることにもなるわけですな。

 警視庁も着々と官民でグロンギ対策を進めている模様で、ゴウラムについては今話でようやく名前がゴウラムと桜子が突き止める(もっと前に分かってたと勘違いしてたorz)。榎田ひかりらもゴウラムの正体に四苦八苦しながら迫りつつあるようです。とはいえ、ゴウラムは停止状態でして、次の活躍はいつになるのかしらん。

 グロンギ側も動き出してまして、今エピソードは、未確認生命体第26号/キノコ種怪人/メ・ギノガ・デがゲーム開始してます。この後のバラのタトゥの女との会話などで、ゲーム達成条件の殺害数が恐るべき人数であるようです。前話で人数絞って速戦即決に切り替えたと思ったのは間違いだったか。と思ったら、そうでもないかもしれず、このギノガは毒散布能力もあって、一気に大量殺人することも可能らしい。

 風体は中性的ななりですな。身体特徴は男性的ですが、装いは女性風にしています。まずは1人ずつの連続殺人で進めてますね。そうしているうちについに雄介と遭遇、ギノガ vs クウガ(赤)となるわけですが、ギノガは格闘戦は不得手な模様。ですが、接触しての毒攻撃が強烈らしい。クウガは装甲の上から毒受けて倒れ、戦闘不能に陥る(久しぶりのクウガ白)。

 が、ギノガも大ダメージ負ったようですね。かろうじて逃げ去り、やってきたバラのタトゥの女らグロンギから身体的な弱さをバカにされている模様。調子に乗ったゴオマがからかうと、ギノガはカプリとやりまして、ゴオマたちまち毒に悶え、ギノガはこれでクウガを倒したと誇示する。他のグロンギもさすがに驚く様子ありです。

 変身解除の雄介は駆けつけた一条の手配で救急搬送され、集中治療を受けているようですが危篤状態ですね。雄介が他人に苦し気な顔を見せるのは、おそらくこれが初めてじゃないかしらん。前に1人になってから苦しむ様子があったシーンはありましたが、今回はその余裕すらないということなんでしょうな。

 この事態はまず桜子に知らされ、桜子はすぐにみのりにも連絡。検視医の椿秀一はデート中ですか。椿らしく(?)デート相手の稲森麗子に、いい鎖骨とか脛骨が素晴らしいとか、かなり濃いこと言ってますな(その筋の人から「玄人だな」と評されたり、「いや、肩甲骨が」と反論されたりしそう ^^;)。

 しかしこれって、振られるフラグが立ってる感じか。調べてみますと、いい感じになりそうなところに必ず一条から呼び出しがかかってしまい、疎遠になって振られるらしい。そうでなくてもこれではなあ、という感じであります(^^;。

 が、一条が被害者の遺留品に残された粒子に気が付き、これが後で、科警研の分析で敵が「35度~40度でしか活動できない胞子」との発見につながるわけですね。この情報をリターンされた一条、エアコン室外機に気が付きまして、ギノガの出現ポイントの絞り込みに成功するわけですね。

 その一連を観て、自分の勘違いに気が付きました。ズ集団のときは、グロンギにしか分からない儀式に則っていたため、犯行現場のパターンを読み取っての犯行予測をしてました。メ集団に代わっても同じだと、自分は思い込んでました。もうゲーム達成条件は人数であって、プレイヤー・グロンギは得意の戦場で活動するようなってたわけか。先週分くらいで気が付くべきでした。

 慌ただしくなったはずの警視庁ですが、証拠品を手渡すついでの、ちょこっとした会話でグロンギ出現以降の過酷さを、観ているこちらに伝えたりしますね。杉田守道刑事が榎田ひかりに話しかけまして、「カブラギ」の墓参りに行ってきたと伝える。この日が結婚式だったとのことで、つまり若くして殉職したということらしい。

 ひかりは「第5号にやられた」と言ってまして、第3~4話のヒョウ種怪人/ズ・メビオ・ダですね(警官の銃撃で目をやられ、復讐に走ったグロンギ)。グロンギが警官を殺害するシーンは描かれてましたが、再びじわっと殉職警官個人について伝えてくるのも、物語の奥行や重さ、緊張感を上手く表せているようです。

 一方、雄介の容態は予断を許さない模様。普通の人間なら、下手すると体が溶けるとかのレベルの毒ですが、クウガの核がある雄介はかろうじて毒に耐えているらしい。担当医の椿秀一は、桜子、みのりにありのままを伝え、一条にも電話で知らせる。

 一条は椿に「待っていると伝えてくれ」と言い、親指を立てて電話を切る。このシーンの重さや意味は、母親が倒れても現場で踏ん張る一条が既に描かれているだけに、よく表されている感じです。一条は対グロンギ最前線に留まり、桜子もみのりも己が持ち場で頑張ると言って、病院を去る。
(前に、大量殺人事件発生なのに世間が平和で変、みたいな文句を言ってしまいましたが、今話ではきっちり説明されてました。外出禁止とか、きちんと行われている。それをニュースで知ったみのりが園児を守らねばと思う流れで、無駄に設定説明してない点、好感度高いです。)

 科警研から犯人の遺留品の分析結果を受けた一条、前述の通りの推理で、エアコン室外機が密集するエリアで網を張る。ガス弾銃だけでなく、防毒マスクも着用で、用意に抜かりはなさそう。狙いは当たりまして、ギノガを発見、交戦に入る。ギノガは各個撃破と混戦を狙ったようですが、一条が阻止、ガス弾&防毒マスクは有効みたいです。が、ギノガ、毒霧(?)を煙幕代わりに逃走してしまう。

 一方、危篤状態の雄介は容態が急変、ついに心停止に至ってしまう。というところで続く。予告映像からは、雄介死亡は明言されるものの、桜子の古代文字解析でヒント、一縷の望みが示されている感じです。

●大義

 牙狼MSのシグマについてのNOVAさんの評言、

> 「大義のために、裏技を使って、身を滅ぼす小賢しさ」

を拝読して、ビルド序盤の幻徳を思い出しました。幻徳も大事な場面でときどき「大義」を口にしてましたんで。

 幻徳の場合ですと、序盤はファウストを組織、スタークと組み、裏の顔のナイトローグがあったわけですね。東都を守り、いずれ北都、西都を制圧して日本を再統一したいという大義だったんでしょう。そのためなら内海をローグ影武者に据えて、ファウストを自ら壊滅させることも厭わない。

 しかし、策はことごとく阻止され、スタークに下り、落ちるところまで落ちる。そこから這い上がり、仇敵であるはずの一海とはついに盟友になるに至り、仲間を守っての最後を遂げるまでになる。這い上がってからの幻徳はやはり大義を口にしてたと思いますが、意味はずいぶん違う印象でした。

 最初に「大義」から始めて、「では大義を為すには」と考えると、ブレちゃうんでしょうね。トップダウンがいけないと言わないけど、ボトムアップとすり合わせしないと、マズい方向に走りがちになるみたいな。

 そう考えますと、布道ゴウキがシグマに騎士としての引導を渡したのも、もしかすると「一度、落ちてこい」という意味だったのかも。そこから這い上がってみれば「大義」が分かるよ、ということで。這い上がれなければ、それまで。だったはずが、シグマは別ルートへ這い上がって惨事、悲劇を招くに至ったのかも。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/10 (Tue) 00:12:10

 定期感想その4です。

●仮面ライダーセイバー(第9話:重なり合う、剣士の音色。)

 タッセル、前説で暴言ありか。飛羽真の活躍を評して「小説家にしておくのはもったいない」ですね(しかし本編の飛羽真に行動で否定された気もする)。こういう考え方は、リアルでも目にすることがあります。言っている本人は褒めているつもりなんですが、「違うだろう」とツッコミたくなります。

 飛羽真の前話についてですと、最も際立ったのは戦術家としての腕前になるでしょうか。敵の侵攻は世界の改編と人間の排除を狙っており、現時点では戦うしかないのは事実でしょう。小説を書くからと、戦線離脱するようではまずい。

 ですが、小説を書く=物語を作るという仕事が(世間的なだけでなく、飛羽真個人の資質としても)価値が低いといわんばかりなのは、問題でしょう。そういう物言いが出てくるのは、2つのパターン(あるいは誤謬)があるんじゃないかと思います。

 1つは、ある仕事(戦術家)と別の仕事(小説家)に求められる資質は全くの別物である、という考え方です。戦術家は戦争においてのみ役立ち、小説家は娯楽においてのみ役立つ。戦術家の持つ優れた資質と、小説家の持つ優れた資質は全くの無関係である。みたいな誤解ですね。

 たびたび引き合いに出すんで気が引けますが、適当なものが思いつかないので、またもや小説「孫子」(海音寺潮五郎)から。それも後編の孫ピンの巻から。孫ピンが若い頃に学友・親友だった龐涓に陥れられて足切りの刑に処され、その復讐を果たす物語です。

 龐涓も優れた兵学者なのですが、兵法しか学ばず、文学などは情けない泣き言ばかりと侮り、歴史書は戦争の部分しか読まない。そのため人情の機微に疎くなり、敵の出よう(≒敵手の思考、感情、心理)を読むことが最重要の兵法を使うことができず、ついに敗死したとなっています。

 人を相手にする以上、人間が分からないといけないわけですが、兵法書や戦争記録に現れる事象だけ見ていても、そんなこと分かるわけない。膨大な人間ととことん付き合えば分かるかもしれませんが、それでは寿命がどんなに長くても足りない。そこで文学の価値の一面が出てきます。人が何に対してどうするかの、膨大なシミュレーション結果ですね。

 読者であってもいいんですが、より深く知るなら作る側にもなったほうがいい。こういう状況でこういう性格の人物がどうするか、とか自分で取り組んだら、より深く分かるはずです(誰かに読んでもらえば、無理がある点などを教えてもらえることもある)。敵の出ようを考える戦術家と、キャラクターがどうするかを考える小説家は、決して別物ではない。

 ただ、「じゃあ同じなんだ」と考えても問題が出まして、それがもう1つの間違いパターン。単純化しますと「小説家の中で秀でた者が戦術家になれる」みたいな一直線上にあると思い込んでしまうものです。

 山登りで例えますと、「五合目までが小説家、そこから上が戦術家」みたいな感じ。しかし、実際には「小説家が登る山と、戦術家が登る山は別々」。ただし、「小説家が五合目まで登って戦術家の山を眺めると、あっちの五合目はこうだろうな』と類推はできるようになる」といった感じかと思います。

 たぶんですが、もし小説書きと戦術立案の両方を(フィードバック含めて)繰り返していたら、次第に両者の区別がつかなくなるんじゃないかと思います。どっちも小説(あるは戦術)だ、となるんじゃなくて、物語でも兵法でもない何かに至るんではないかと。自分的にはそういうのが「会得」とか「悟り」ということになりそうです。

 あかん、愚痴垂れだすと長い。タッセルの巻頭言(?)にカチンと来たもんですから。幸い、当の飛羽真が本編で事実上の否定「仲間たちの物語を書く」と宣言してくれました。自分的にはタッセルの暴言に対する、痛烈なカウンターです。

 ともかく本編。今話の目玉は仮面ライダースラッシュ登場でしょうか。大秦寺哲雄が変身するわけですが、「ヘンゼルブレーメン」ブック使用時はテンションがやたら高い。ウィキペディアにはそう記載されてるんですが、ライダーになった途端、キャラ変わってるような気がしなくもないです。手で覆わなくてもヘルメットで顔を隠せてるからだろうか(^^;。

 そして坂本浩一監督回ですんで、アクションは注目したいところ。今話のバトルアクションは、新型コロナ対策の制限(ワイヤーアクションが1人まで等)の影響を、VFXとアクションの連動などでカバーしていたようです。その工夫もありまして、実感できる高低差、直線移動からの交錯や回転など、自分的に見栄えしてツボのアクションは健在だったように思います。

 それはともかく、飛羽真側がアーサーブックを物にして、チームワークが高まったことで、敵側は劣勢になったか。その局面を打開すべく、積極的な動きに出るみたいですね。アルターライドブックとジャアクドラゴンにワンダーライドブックを加えて、アーサーブックを凌駕する目論見らしい。一方、飛羽真は自分が書きたいものが見えずに悩んでいるという平和風景(ですが、ラストで意味を持つ悩みだったわけですな)。

 ロゴス側ベースではカリバーの話をしてますが、この時点では賢人の父:隼人というニュアンスの映像ですが、ソフィアの言葉などからすると、何かしら歯切れが悪い感じですね。もともと疑いを持っていたソフィアがこの後の戦いで疑念を深め、カリバーに接触を試みる気になったんだろう。が、敵の動きを察知。

 今話のメインゲスト敵は「アヒルメギド」で、「見えにくいアヒルの子」ブックがベースらしい。そのため集団を成す敵ですが、「醜いアヒルの子」が元ネタだとすると、その中の1体は別種類ということになるのかしらん(ボスアヒルらしいキャラクターが「見えにくいから邪魔」と邪険に扱った個体かも)。

 迎撃に出たものの、見えないアヒルメギドで苦戦する飛羽真側ライダーですが、カリバーも参戦でより苦境に陥っている模様。飛羽真の「ニードルヘッジホッグ」「天空のペガサス」も奪われてしまう。それをノーザンベースで見た大秦寺、飛羽真から預かっていたアーサーブックを手に出撃する。

 入れ替わりに新レギュラーと思しき女性が入って来まして、名前は神代玲花となっているようですが、正体不明。ソフィアが「あなたは」と誰何したんで、知らないようです。と思ったんですが、剣/ブレイドで吉永オーキッドが新名ウルフに「お前は」と言ったシーンを思い出し、ソフィアが知らないとは限らないと思い直しました。まだ分からない。

 この神代玲花、この時点でセイバーを気にかけているようです。この後、黄色いライドブックを持ってると示されたりしまして、新ライダーか、と期待しました。確か、10人のライダーが出るはずですんで、スラッシュの次の伏線かと。しかし予告映像を観ると、そのブックを手渡す様子がありまして、誰かのメッセンジャーということかな。

 それにしても、飛羽真らの出撃時にアーサーブックを渡していたら、あそこまで苦戦しなかったかも。が、大秦寺は技術者として不完全な状態ではまずいと思ってのことだったのか。

 ともかくも、大秦寺が仮面ライダースラッシュとして参戦。音で敵を察知するため、見えにくいアヒルメギドも難なく倒せるらしい。さらに「ブレーメンのロックバンド」ブック使いまして強化するも、テンションが上がり過ぎるのが難点のようですな。バトルというより、パフォーマンスやってる感じになってます。能力は多彩のようで、セイバーらを拘束したアヒルメギドの技も易々と破ってます。

 これで形勢が変わりまして、飛羽真セイバーはカリバーから奪取した「西遊ジャーニー」と、スラッシュから受領した「アーサー」使った「クリムゾンドラゴン」なる新技でカリバーを押し返し、ブレイズ、エスパーダはアヒルメギドの動揺・混乱を突いて撃破。最後のアヒルメギドはカリバーの盾扱いの最期ですか。

 アヒルメギドの不可視化って、あんまり役に立たなかったような。透明になれるのが1体だけだったからか。でも2回出てくるのが通例だから、まだ分からないか。

 クリムゾンドラゴンの副作用(?)なのか、飛羽真に新たな記憶が蘇ってますね。例の謎の少女以外に、少年がいたと思い出す。顔はまだ分からない。賢人は不安げな様子で、何かマズいことにつながる記憶なのかしらん。が、飛羽真は気にせず「仲間の物語を書きたい」と言い(これでタッセルの評言を否定できたはず)、これに力づけられたのか、ロゴス側剣士は飛羽真とライドブック奪還を誓う。

 ソフィアはセイバーとカリバーが共鳴したことを不審に思ったのか、カリバーに会いに行く(そういう仲だったの?)。しかし台詞がちょっと謎で「あなたは誰ですか?」と。カリバーが賢人の父:隼人と確定なら出てこない問いかけです。このカリバーは敵対的で、ソフィアに斬りかかるも、追ってきたらしい尾上が寸前で防ぐ。

 戦闘中にちらっと入った回想では、前話ラストで写真に写っていた右の男がカリバーの剣を受け止めて戦ってました。ということは、写真の男はカリバーではないのか。ソフィアも隼人以外の誰かだと思っている。メギド側のカリバーの扱いも、ちょっと不可解な感じがあります。カリバーがセイバーに言った「目に見えているものが真実とは限らない」も曖昧ながら意味深な感じだし。次第に「カリバーの正体」に焦点が合わさって来たような気がします。

 次回「交わる剣と、交差する想い。」ではカリバーの正体が明かされるようですね。賢人の台詞からすると、父:隼人ではなさそう。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/10 (Tue) 00:26:32

 今週(いや、先週か)は、ウィザードもクウガも、最後は悲壮感な状態で続いてしまいましたな。

 できれば、ウィザードは、仁藤勝利→晴人登場で一週間空けて、翌週、コヨミ散る→グレムリン殴るまで一気に見たかったけど、まあ、晴人の悲壮感を一週間放置というのが本放送でしたから。

 で、本放送だと、大体この辺で新番組告知も行われていて、晴人の悲壮エンド→鎧武のオレンジアーマー装着で、笑いをとっていたんじゃないかなあ。
 まさか、二作続けて、ヒロイン散る→転生エンドとは思わず。

 それはともかく、感想です。


★ビースト

 世界(東京という狭い枠だけど)を救ったヒーロー仁藤に感じ入りました。
 もう、晴人が暗い方向にどんどん突き進んでいく中で、自分が仁藤の明るさに救われた話は、前にもしましたが、ヒーローとしての芯の強さ、ブレなさ、アクティブさにおいて、前作の弦太朗を受け継ぐ陽キャラぶりに改めて拍手です。

 でも、仁藤の周りって、女っ気がないんですね。
 晴人はキザで、ポワトリンと、コヨミと、凛子ちゃんというヒロインにモテモテなんですが、
 仁藤の周りの女性キャラって、お婆ちゃんだけ。

 そして、ビーストに変身できなくなった仁藤ですが、その後、キマイラのベルトが他にないか探す旅に出たりして(アンク復活の方法を探すオーズと同じ)、しかも、その後、きちんと見つけて、また契約(懲りない)。
 で、ファントムいなくなったので、餌が足りなくて困っていたところ、鎧武に登場するヘルヘイムの森の実(人間が食べると怪物化する奴)が魔力たっぷりで、キマイラの餌にちょうどいい、ということを発見し、しばらく鎧武世界に残ろうか、というオチ(劇場版)。

 もう、こいつは「腹減った〜、何か食うものないのかよ〜」と言って登場するだけで、クスリと笑いがとれるコメディアン。しかし、戦闘でも頼りになるわけで。
 一度、如月弦太朗と対面させたかった。

 で、次回はグレムリンとの決戦ですが、こいつのデザイン元は青龍、つまり晴人のドラゴンと対になる東洋の龍モチーフなんですが、
 それが次回の進化体で判明します。
 デザイン的には、晴人のライバルとして意図されていたのに、本編では、それが伝わりにくかったとか。

 なお、フェニックスさんが朱雀で、メデューサが玄武(頭部に亀モチーフの鱗とか)、そしてワイズマンが白虎(色以外よく分からん)、というデザインモチーフが、怪人デザイン画集にて発表されたとか。

 ともあれ、次回は晴人の旅立ちと、その後、「アマダムの世界」でディケイドと遭遇。
 次週はクウガも、霊石(アマダム)というタイトルで、アマダム週となります。

 まあ、ウィザードのアマダムは敵キャラの名前に流用されているんだけど。


★クウガ

 ギノガの毒は、当時、地下鉄サリン事件のオマージュのようにも言われていましたねえ。
 95年のあの事件から、まだ5年めだったので、記憶が生々しい頃合い。

 で、この回で、椿さんの「鎖骨がどうこう」ってのは、書いたのが井上敏樹氏かあ。
 それまで比較的マジメなキャラだったのに、敏樹先生がイジることで、どんどんアクの強いキャラになっていく。

 さわやかに終わる話を書く荒川さんに対し、敏樹氏は陰鬱方面で攻めてくるなあ、と思いつつ、そっちが平成ライダー初期の顔になっていくわけで(アギトからファイズ、そして響鬼後半とキバ)、
 そして、暗い話の人かと思ったら、次はブレイドのギャグ回書いたり、どんどんエキセントリックな爆弾を投げてくる頃合いですな(苦笑)。

 で、インタビューを読んでいると、そういうことを「計算ずく」でやっているのと、俳優さんをあれこれイジるのが好きなのと、とにかく執筆スピードが速くて、最近はマンガのクウガやカイザの原作にも絡んでいるとか、多才だなあ、と。

 なお、敏樹氏は計算ずくでエキセントリックなキャラを作る人ですが、そういう計算抜きの天然で変なキャラをいろいろ作るのが浦沢義雄氏とか(アバレンジャーで暴れてくれる)、
 この辺の脚本家さんの作風評価はほぼ確実に固まっているので、昔の作品の傾向を知るには参考にしやすいです。

 この5年ほどは、特撮界も脚本家の新陳代謝が進んでいて、新しい顔ぶれがいろいろ。
 セイバーは、ゴーストの人の他に、キュウレンジャーの毛利さんが結構、書いていて、複数キャラの設定がゴチャゴチャ入り混じって、いわゆるカオス状態になりつつあります。

★セイバー

 ストーリーはもう、どうでもよくて、坂本監督の凄いアクション描写を見る回でした。

 セイバーのスーツアクターさん(前作バルカンの人)、あの動きにくそうなスーツで、よくあれだけの動きを出来てるなあ、と感心しきり。

 セイバーを演じる際の苦労話で、とにかく肩のドラゴン頭が動きに干渉するそうで、しかも、マスクを外した状態でうっかり腕を動かしたら、竜の角のパーツが顔に当たって、危うく目に突き刺さるところだった、とか、大事に至らなくてホッとしたりも。

 ともあれ、役者さんが生身で剣で戦いながらの変身とか、いろいろとアクションレベルを上げて来ています。

 そんな中で登場したのが、大秦寺さんのスラッシュ。
 まさか、こんなロックなキャラに化けるなんて。

セイバー「どうして裏切ったんだ?」
カリバー「人は裏切るもの』

 このやりとりも妙なインパクトを覚えますね。

 これで、カリバーの正体が人じゃなかったら、もっと笑えるのですが。

 ストーリーが進むのは次回だと思いますので、今回はインパクトだけの回だったという認識。
 怪人の声が、関智一劇場とか。ウルトラ→ダイ大→セイバーとフットワーク軽すぎで、同時多発に見てる先に出現してる感です。

★牙狼レス

 大義→幻徳という連想に、笑わせてもらいました。

 幻徳さんは、初期のナイトローグから、中盤のローグ、そして改心後のTシャツ芸人に至るまで、時期によって、いろいろなキャラに変身してくれましたからね。

 クール→ワイルドなハードボイルド→お笑い→シリアス熱血と、4通りの役柄を演じたような。
 というか、ビルド役者って、改めて思い出しても、みんな芸達者だったなあ、と。

 で、幻徳のこの変わりぶりは、ダイ大の魔王ハドラーにも通じるんじゃないかと思っております。
 ハドラーも時期によって、いろいろ化けるキャラ(お笑い芸人だけはないけど)、初期のクールな魔王→やさぐれてワイルド化→格好いい熱血ライバル化→死ぬ間際にアバンの復活を目撃して感涙を流す、といった流れ。

 で、声がベテランの関さんだから、どんなハドラーでもできるだろう、と。

 ともあれ、同時期に、リアルタイムと旧作を同時並行で見ていると、いろいろなネタが頭の中でシャッフル、クロスオーバーしていく流れを感じて、面白いというか。

 で、大義云々から話が広がりましたが、月並みな言葉で言うなら「目的のためには手段を選ばず」なのがシグマさんですね。

 次回は、列車。この鍵はシグマがラテス法師から奪い取った物ですが、儀式のために真魔界へ向かおうとするのを鋼牙が追いかけて、空飛ぶ列車の中で一騎討ちの激しい攻防アクションが見られる展開。
 背景が列車の上なので、非常にアクロバティックな剣撃になっていたと記憶しますが、今から楽しみにしつつ。

 

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/11 (Wed) 17:23:12

 非定期感想その2です。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第29話:2人のカリス、第30話:失われた記憶)

 今週分は、こちらで伺った通りのスラップスティック・ギャグ回でした。視聴前の予想では、作風を変える意図とかはあるかもしれないけれど、番外編的、寄り道回かなと思ってました。が、蓋を開けてみると、自分的には違ってました。流れを変えるための2話でもあるような印象です。

 例えば、今まで抑え気味にしていた情報とか、積極的に明かしていく方向性が見えた気がします。まずは相川始=ジョーカーですね。今までは、相川始は自らの素性を話したがらないため、ぼんやりと「危険な存在」以上には分からない感じでした。

 しかし、今週分では相川始が記憶喪失に陥るという、上手い手を使って来てます。自分が誰だかわからなくなれば、当然、自分について知ろうとするし、思い出す手掛かりに反応もするようになります(勝ち残る、53番目等)。つまり、自分について隠すという今までと逆の態度になってくる。

 これに相川始を狙う敵の反応も呼応するように明確になって来て、「お前が奴か」ではなく、「奴がジョーカー」と独り言ですが明言するようになってます。対戦時には「アンデッドが勝てば世界が手に入るが、ジョーカーが勝てば世界が終わる」旨も、ちらっと言ったりする。

 ジャック、クイーン、キング等がトランプ用語なのはハッキリしてますから、トランプカードでありながら、異色ということも浮かび上がって来る仕掛けですね。それらにより、相川始が何者かが観ているこちらに伝わってきます。

 烏丸所長が郵便でギャレン強化アイテム(ラウズアブゾーバー)送って来るという迷シーンは、今週後半(第30話)に入ってましたな。観ているこちらとしても、あまりにもあっけないわけですが、作中キャラクターの反応も、驚いている様子がほとんどない。なんと申しますか「お中元来たよ」くらいのノリか。

 ですが、橘ギャレンと相川カリス/ジョーカーらの関係性を暗示するために効果的に使われてます。しかも多少のパズル的要素を経て、です。ギャレンがアイテム使うためには、まだQのカードが足りない。そのため無印ギャレンでトータスアンデッドを迎撃するも苦戦に陥る。

 一方、記憶を取り戻した相川カリスが今エピソードのゲストボス:あずみサーペント(カテゴリーQ)を封印、そのカードを橘ギャレンに渡す。まるで暗黙の了解で共闘しているかのようです。相川始はライバルを育てて自らの肥やしにするみたいな言い方してましたが、橘朔也を通じて剣側と接近していく予兆のように感じられました。

 もちろん、予定調和的で強引とも見えます。が、スラプスティック調であるだけに、強引さが目立たない感じです。例えば、全体の話からして「相川始が、一般人で性格も対照的なそっくりさんと入れ替わる」という無茶なものですから。

 今週ラストの、たこ焼き vs タイ焼き対決にしても然りです。そっくりさんの三上了がタイ焼き用強化スーツ着こんで現れまして、最初はパフォーマンス用コスプレかと思いました。が、高速タイ焼き機能が実装されてまして、「そんなアホな」と。これに(なぜか)相川始も対抗心燃やしまして(まあ、勝ち残る、からだけど)、カリスの力をたこ焼きに使うのも、「そんなアホな」と。

 しかし、専用スーツで強化する三上了と戦う、ということから、相川始がカリス/ジョーカーの記憶を取り戻すという段取りの一部であったわけですね。これに限らず、ギャグと思ったあれこれが、実は伏線であって、きっちり回収されているものがいくつもありました。風呂敷を広げて畳むって、こういうことかという一例を見た思いです。

 さらに人情噺要素もありまして、例えば、三上了の恋人:未知が相川始のたこ焼きを一口食べて、別人と(密かに)見破るシーンです。三上了側の面々でも気が付かないのに。そのシーンだけでも、なかなかのものですが、そこからも見ものでした。

 偽三上了として未知の父:蛸三郎に認められつつある相川始を、偽と知りつつあえて三上了本人だと言い立て、蛸三郎にも認めさせようとする。本物の三上了にカツを入れるためですね。そこから発展してたこ・鯛対決に至り、しかし乱入のアンデッド:あずみサーペントが未知を襲う。

 今までアンデッドを恐れに恐れていた三上了、怒りから根性見せてタイ焼き用鉄板であずみサーペントにクリティカルヒットを入れる(一般人からダメージ受けた、初のアンデッド?)。これを見た、敵対していたはずの鯛次郎も本物の三上了を「息子」と呼ぶに至る(つまり了と未知の結婚を承諾)。

 スラップスティックと並行しつつ、なかなかの運びです。そう思えた、つまり自分的にツボだったのは、どうも自分は「嘘を信用されたり、本当のことを言ったのに勘違いされて、抜き差しならない事態に至る」というのが好みであるからみたいです。偽三上了=相川始が最初にたこ焼きを焼いたときも、周囲の手をはねのけようとして、偶然にたこ焼き焼けた感じでした。

 漏れ聞いた類例で、パッと思い出せる実話としては、例えばある落語家が偽学生やってた話。学生のふりして大学、さらに研究室に入り込んでみたら、大事にされたそうで。卒業時期が近付き、さすがに心苦しくなってきた。指導教授に「ホントは偽学生なんです」と正直に告白したら「バカ言っちゃいかん、はっはっは」と笑い飛ばされ、信用してもらえなかったんだそうです。

 あるいはアメリカを旅行した日本人の話。現地の米国人に銃を見せられ「撃てるかい?」とからかわれた。冗談でコーラ缶を後ろに放り投げ上げて、振り向きざまに撃ったところ、缶底ど真ん中から缶上ど真ん中を偶然撃ち抜いてしまった。からかった人らが「どうやったんだ!?」と驚いたので、正直に「まぐれです」と言ったら、名手なのに謙虚な日本人と感激されてしまったそうです。

 2つとも、話はそこまでしか聞いてませんが、それだけに「そのあと、どうなったんだろ?」と想像を巡らすと、どうにも可笑しくて。

 今週分は話の壊し方からまとめ上げ方がよくできて感心したことだけでなく、自分的なツボもちりばめられてまして、大いに感動した次第です。来週からシリアスに戻ると思いますが、今週分の「破壊と再生」がどう作用してくるか、見ものになりそうです。

●ダイの大冒険(第6話:獣王クロコダイン)

 アニメ版前作より倍くらい、ストーリーの進み方が速いわけですか。前作のタイトルを調べてみると、第6話でようやくハドラー出現みたいですね。リメイクの今話(第6話)登場の獣王クロコダインは前作では第10話で登場してる。確かに速いようです。

 前作は1年放映して、ダイの父親:竜騎士バランまでですか。時期的に原作連載中でラストまで行けないにしても、強引な感じだったとのこと。ウィキペディアで調べると、新番組編成のため、高視聴率なのに終わらされた面もあるようですね。ダイの大冒険以外にも、同じ煽りを食らった人気番組がいくつかあるらしい。

 バラン編(?)が原作の中盤かどうかにもよりますが、リメイク今作も1年(50話前後)予定だとすると、急ぎで進めてるのかなとも思います。今だと、番組再編よりもコロナ禍の成り行きのほうが心配で、クールごとでキリがいいように計算されていそうな気もします。

 それはともかく今話。こちらで伺い、自分も「(90年代)当時はそうだったかも」と思える、ポップ&マァムの絡みは、仰るような現在的演出になってるみたいですね。端折り過ぎて、意味が分からなくなるんじゃないかと心配になるほど。マァムがアバンの印を持っているのを見つけただけで、なんで殴られにゃいかんのかとか。

 そのポップですが、今は口だけ先行のヘタレな感じに描写されてますが、いずれ上がって来るわけですか。ウィキペディアでもわざわざポップについて項を設けて説明があるのに気が付きました。

 ダイのシリアスに対するコメディリリーフ役として登場したようでいて、ずっと後の成長まで計画されていたみたいですね。編集部からヘタレは要らんとポップ退場を促され、三条陸さんが懸命の弁護をしたとか、今になって知りました。

 今話で注目すべき獣王クロコダインも登場早々、なかなか見もののキャラクターでした。自慢話の体裁で設定説明をしてくれたのも、理解が進んでありがたい。魔軍総司令ハドラー配下に6軍団あって、各軍団長は得意とする能力についてはハドラーを上回るものがある等々です。

 その6軍団のうち、百獣軍団の長:クロコダインが直々にアバンの使徒、特にダイを仕留めに来たわけですね。序盤から幹部クラスが出張ってきたわけですが、経緯がなかなか興味深い。ハドラーからの指令を受けた時点では、子ども相手に戦えるかい、みたいな感じですが、ハドラーが負傷して敗走したと知るや、俄然やる気を起こした模様。

 相手が強ければ自ら戦いたいという、武人、バトルマニアの気質ということですね(後に味方になるというのも、ありそうになってくる)。ちょっとした言葉遣いにも注目しまして、ハドラーと話しているときは「ハドラー『殿』」です。対等性を意識した様子や、プライドが見えます。

 ダイらと対峙すると、「ハドラー『様』は」と言う。ハドラーがいないところでは持ち上げて敬しています。忠誠心が本物であることが窺えます(例えば、功利的だと逆の態度になりそう)。そのクロコダインが、この先、ダイ側につくわけですから、どういう成り行きでそうなるか、見どころになりそうです。

 それと同時にハドラーの器もちらっと物語るものであるような。クロコダインはハドラーの武人気質を見て取っている感じです。他の5軍団は癖の強そうなものもありますから、統率には苦労しそう。背後に大魔王バーンがいる、という面はあるにしても、ハドラーが「曲者を飼う」有能さもないと成り立たないような気がします。

 ともかくも勇者 vs 魔王のドラマが起動しまして、ここから本格的になりそう。今話ラストでマァムが倒れたダイを銃撃(?)してましたが、エフェクトの感じで攻撃ではないのが、一目で見て取れるようです。狙いをダイに定めたところで次回へ続く、としてもよかった気がしますが、やっぱり撃っておくほうがキリがいいかも(マァムの態度、動向はポップ絡みで充分示されてる感じだし)。

●仮面ライダーセイバー(勘違い修正メモ ^^;)

 重要キャラクターを取り違えてまして、備忘用に書いとこう。カリバーが見ていた写真の右の男で、今週分では飛羽真の記憶でカリバーと剣を交えていた男です。

 あれは先代の炎の剣士でしたか。たぶん前にも出てて、少なくとも第1話に出てる。そうウィキペディアの配役の記載を見つけ、公式サイトの「前回までのストーリー」第1章を見ると、でかでかと先代炎の剣士の画像が(背後の少年を守る感じで)。

 すっかり忘れてましたorz。師事こそしてませんが、飛羽真からすると師匠筋、少なくとも先輩にあたる剣士ですか。スピンオフドラマの「剣士列伝」(もうそんなの作られてたんだ)では、「カミジョウ」という名前だと明かされているとのこと。

 うーむ、いかん。人の名前を度忘れするって、よくあると思いますが、人の顔を忘れるようではいけません。リアルの人付き合いでも困るし、ドラマ・映画だとストーリーが分からんようになるし。

(実は名前の混乱もあったりする。感想で「晴人」と書いてると、ゼロワンの主人公の名前が思い出せない。「或人」がどうこう言い出すと、ウィザードの主人公の名前が出て来なくなるorz。)

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/12 (Thu) 23:13:58

 今夜は牙狼を楽しみにしつつ、ブレイド書き込みに感化されまして、戦隊感想をば。

★戦隊

 バスターズは、ロボの整備士回と、新ロボの開発の機密漏洩回で、大人の職業にスポットが当たったエピソードが続きました。

 ロボ好きな人たちが自分の希望する職業に就けたけど、ある時は失敗から立ち直り、ある時は夢見た世界じゃなかったと失望して裏切り行為を働くという光と闇の二つの話。
 後者は特に、後味が悪く、その中でチームの絆を確認したバスターズとの対比が余計に引き立つ。

 一方、アバレは主人公レッドのポジティブ思考が爽快な回と、それから浦沢義雄超絶ギャグ回。

 カレーフルーツポンチと、体調不良のアスカさんのトイレギャグと、お金にまつわるコントと、マッシュルームカットの意味不明ギャグの連発。

 しかし、一番笑ったのが、アバレの横田さんが、ブレイドのタコ親父でもギャグネタとして登場し、何だろう、このタイミングのピッタリぶりは。

 カレーフルーツポンチを無理やり渡され、店から追い出され、「またかよ」とボヤく、その直後にタコ焼き回を見て、ダブルパンチで笑わせてもらいました。

 役者の諏訪二郎さんのトボケ演技に拍手です。

★ブレイド

 このタコ焼き回で前半終了で、次回から主題歌も変わって仕切り直しです。

 ブレイド前半の主題歌は、オシャレなノリで、オープニング映像も本編とは関係ないバンドPV風なんですが、
 ブレイド後半は、格好いいヒーローソングで、映像も4人ライダーそれぞれのシーン競演って感じで、もう変化球ではない直球ど真ん中のOP。

 敵も、これまでのアンデッドに加えて、人工アンデッドとも言うべきトライアルシリーズが暗躍し始め、
 前にウルフアンデッドが登場したときに、「人類の側にもアンデッドと戦う、ライダー以外の勢力が」という話がありましたが(その時はウルフのフェイクだったのですが)、

 正式にその設定が採用されます。

 つまり、ライダーVSアンデッドVS謎のトライアルという形に。
 生物モチーフのアンデッドに対し、トライアルはバイオメカ要素があって、新たな強敵出現の三つ巴展開ですな。

 結局のところ、そのトライアルは、壊滅したBOARDの上層部が密かに暗躍して生み出したもので、
 ライダーとアンデッドの戦いを分析して、より強い改造実験体兵器を生み出して、バトルファイトを制覇しようとする動きが出て来て、その頂点がウルトラセブンの森次晃司さんだったり。

 仮面ライダーVS誇り高い野良戦士VS悪の組織の生み出す怪人という構図で、バトルファイトの結果やいかに? と言うのが後半戦です。

 場合によっては、アンデッドと共闘して、トライアルと戦うなど、錯綜した構図なのは間違いないですが、前半に比べても、キャラの人間関係が密接になって、バラバラのドラマがまとまりのある物になるんじゃないかな、と。
(一度見ただけの記憶、印象論で話していますので、違っている可能性もありますが)

 では、今夜はこれにて。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/13 (Fri) 16:53:10

 定期感想その1です。

 今週のビルドファイターズ観ようとガンチャン公式Youtube行ったら、バトローグがありまして。「あれ、前のが最終回のはず」と思ったんですが、アイコン画像にフレディが見える。タイトル見直したら、ビルドダイバーズバトローグでして、バトローグの新作来たんだと嬉しくなりました。

 アバレンジャーは、敵味方に分かれたワケありキャラクターがいると劇中でも明示され、シリアス寄りかなあと思ってたら、マッシュルームカットでおかしくなる話を始める。バトルでも、意味不明な冬眠したり、でも起きろと言われて素直に起きるとか、スラップスティック超えてシュールな感じで「?」になったんですが、浦澤義雄脚本でしたか。

 こちらで伺って初めて意識出来たのが、剣の蛸八郎=アバレの横田で、演じたのが諏訪太朗さんということ。いろんなドラマで観た気がする役者さんですが、今週分のどちらにもハッキリ役割を持ったキャラクターを演じておられたのに気付かずでした。

 ウィザードでも和菓子職人(親方)は、諏訪太朗さんだったんでした。個性的な助演の名手だからなんでしょうか、ウィキペディアの経歴には膨大な出演リストがありますね。

●牙狼MS(第20話:列車)

 第18話(群獣)のときも凄い映像だなと思ったんですが、今週は観ていてさらに気合が入るVFX交えたアクションでした。劇場版でなく、TVドラマ版でここまでしてくれるわけですか。これでまだイデアは起動しておらず、ギャノンの復活もまだですから、この後どうなるんだか。

 キャラクターのドラマとしては、レオの変化に目が行きます。今話でに赤仮面への呼びかけが「兄さん」→「シグマ」に変わっています。もはや討伐以外に打つ手なし、の覚悟だと思えますが、まだ心残りもある様子。レオが兄シグマから習った瞬間移動を駆使する戦術を選択していますので。これはレオのシグマへの敬意であり、最後の呼びかけでもあったような気がします。

 ともかく本編。たぶん見たことない騎士らしき男が妻子に見送られてますが、元老院に向かうみたいですね。既に赤仮面シグマの脅迫と要求は魔戒側に伝えられており、騎士、法師が集まって、善後策を練るみたいです。番犬所の描写などでは上意下達みたいな雰囲気でしたが、元老院って割と民主的なのかしらん。

 その頃、冴島邸では鋼牙、零、レオが打開策を探ってまして、レオが月が鍵だと気が付く。流牙の翔編でも月が敵側最終兵器の重要なパワー源だったと記憶しますが、牙狼MSでも必須の力の源だったらしい。騎士一掃のみならず、イデア完成を狙うシグマが月をどう利用するか。

 そう考えてみると、真魔界に行く必要があるはず→魔導列車→起動鍵はシグマの手中、と推論できるわけですな。ならばシグマが魔界に向かう魔導列車を狙って反撃すればいい。実際にシグマも鋼牙らの推測通りに動く模様で、魔導列車を召喚してます。列車内にはギャノンの骸など、野望に必要な一式が整っている模様。

 元老院に集まった騎士は2派に別れてしまったようで、いったんシグマの要求に応じて捲土重来を期す和平派と、あくまでもシグマを即時打倒しようとする主戦派ですね。この時点で法師の発言力は低いらしく(シグマ側についた多法師多数の件も影響してるかな)、次第にテンションが上がる両者の激突を防げそうにもない。そこへシグマの狙いを突き止めた鋼牙らが介入、かろうじて意思統一に成功した模様。

 このシーンで、鋼牙の剣の紋章で皆が黄金騎士と知って、やや落ち着く風があったの、時代劇を思い出してしまいました。「暴れん坊将軍」です。あれも確か、刀の紋所で悪役が「上様」と気が付くわけで。ただ「余の顔を見忘れたか」が決め台詞、このシーンのシチュエーションとしては、水戸黄門の「この紋所が目に入らぬか」のほうが近いかもしれません。が、たぶんオーズ劇場版で「上様」との共演が印象的だったせいか、「暴れん坊将軍」を真っ先に連想したみたいです。

 それはともかく(^^;、レオを魔導列車に向かわせておいて、元老院に乗り込んだ鋼牙、零がなんとか内部の争いだけは鎮める。この機を待っていたのか、号竜人部隊が襲撃してくるわけですが、何か様子がおかしい。と思ったら、倒させておいて発動するトラップが仕込まれてました。封印で騎士全員を捕縛してしまうわけですな。

(騎士の説得で鋼牙が言った「大事なのは騎士の心だ」は、布道ゴウキがシグマを評して言った言葉と同じですね。ゴウキが渡しきれなかったシグマへの引導を、鋼牙が知らず引き受ける予兆のように思えます。)

 この襲撃時点では、シグマは降る騎士を容認する意思があったように思いました。号竜人が乱入して即、結界発生ではないですから。あくまでも号竜人が攻撃を受けたら結界が作動するように仕掛けられてます。しかも、閉じ込める以上のことはしてない。が、零の判断では、降った騎士の刻印の解除は、最初から嘘っぱちだったみたいです。

 零の判断を裏付けるようにシグマの檄が届き、法師にシグマ側での決起を促すとともに、騎士全員の殺害を宣言する。でも「鎧返還なんて、はなからなしかよ」(零)かどうか、観ていてはっきりしない感じです。騎士の去就を見届けて、シグマが動いたようにも見えます。

 ともかくも、赤仮面シグマは魔導列車を発進させ、おそらくは月の儀式に必要なポイントに向かう。レオは列車を追って飛び乗るものの、鋼牙らは結界に捕らわれたまま。そこで鋼牙がガジャリと契約、魔導列車へ転送してもらう。ザルバの様子からすると、どうやら相当に覚悟がいる契約みたいですね。

 魔導列車では、レオが単身、赤仮面シグマと対峙。シグマは最後の呼びかけ(味方につけ)をすると、レオは狼怒の鎧を返す(から暴挙をやめろ)と申し出る。両者とも応じられるわけがなく、シグマはレオにも破滅の刻印を刻み(だと思う ^^;)、戦いとなるわけですな。

 この時点以降、レオはシグマを「兄さん」と呼ぶのをやめ、シグマと呼ぶようになってますね。もはや兄ではなく討伐すべき敵という意志表示でしょうか。「僕があなたを斬る」と宣言もする。それでもレオはシグマに習った瞬間移動も使って戦ってみせるわけですね。レオはシグマに対し、騎士としても法師としても敬意を見せたと言えましょう。
(一度目の視聴は夢中でバトルに見入ってましたが、二度目は「瞬間移動交えると、ドラゴンボール・アニメのバトルみたいだ」と思ったりしました。)
(投稿直後追記:シグマの闇堕ち暴走のきっかけを考えると、レオの意図とは無関係に、瞬間転移の術はシグマの逆鱗に触れるものであったかもしれない。)

 これに、ガジャリの力で転送された鋼牙が追いついてくる。転移場所はギャノンの骸が置かれた部屋ですが、一瞥しただけでシグマとレオのもとに向かう。号竜人の迎撃も跳ねのけ、シグマがレオに止めを刺す寸前で、なんとか間に合ってますね。背後の気配に気づいたシグマ、レオに止めを刺そうとした手が止まり、おもむろに振り返ると、剣を突き付ける鋼牙がいる。

(後ろを取った鋼牙、いきなりグッサリ行かないのは、やはり騎士たるものは卑怯な振る舞いはできないということか。ムラサキ少年との約束を踏まえるなら、まだ斬れない、ということかも。どっちにせよ、好みの絵面なので自分的には大歓迎です ^^;。)

 初めて刻印を受け、しかもいきなり末期のレオは思うように動けないみたいで、代わって鋼牙がシグマと対戦。そこからは魔導列車のスピードやスケール、高度を活かした、VFXたっぷりのアクションですね。これはもう「観ての通り」という感想しか出て来ません。録画機にスローモーション再生がないのが悔やまれるほど。生身バトルでこれですか。

 勝負は、鋼牙を列車内に叩き落したシグマの辛勝か、と思ったんですが、鋼牙は鎧召喚、魔導馬、烈火炎装も駆使して追いすがる。再びの生身対決は一瞬の交錯でして、鋼牙がシグマのホラーの腕を斬り落とす。これで刻印の効果は消されたらしい。零ら元老院の騎士も無事復活した模様。

 が、腕を切り落とされてもなお、シグマの執念は揺らがないらしく、墜落していく列車内で鋼牙に剣を向け、で次週へ続くのか。ED曲最後の絵本の絵には落ち行く列車の上の黄金騎士が描かれてますな。次回「牙城」は、予告映像からすると反撃開始が描かれる感じですね。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/15 (Sun) 14:37:33

 定期感想その2です。

 東映公式Youtube、ウィザードの後は鎧武が予告されてますね(11/28から)。途中からながら一応は感想書きつつ、通しで観た作品ではあります。が、たぶん今観なおすと、前とは違った印象が生じそうです。たぶん、前よりは深く理解できそうな気もします。

 こちらのローカル局の再放送で、エグゼイド、ビルドを観なおしてみると、初回放映当時とは少し違った印象をよく感じました。週2本ペースということもあるんでしょうけど、通しで観たライダー物の蓄積が影響している気がします。

●仮面ライダーウィザード(第51話:最後の希望、第52話:仮面ライダーの指輪)

 こちらは、もしかすると週2本ペースなので、キャラクターの印象が深まり切れなかったかと思い出しているところです。特にコヨミですね。1話ごと1週間待ち、第1回から約1年の期間を経ての(事実上の)最終回であれば、「観たものを寝かせる、印象が熟成する」効果があるんじゃないかと。まあこちらが選べないですから、考えても仕方ないことではあるんですが。

 今週前半(第51話)は事実上の本編最終回ですね。続く後半(第52話)は、ウィザードというより、ディケイドを観ているような錯覚を起こしかけました(^^;。もっとも、門矢士が登場するのは、次話(最終回)のようですが、なんとなくディケイドの雰囲気を感じてしまいます。脚本の會川昇さんの影響なのかしらん。

 それはともかく、ずっと禁じ手だったパンチをようやく観ました。指輪はめたままの拳をギリギリで回避してたようです。コヨミが魔力供給を受けるためにはめていたプリーズウィザードリングは防御に使われて砕け、かつ、ソラ/グレムリンの体内の賢者の石をつかみ取るために拳を突っ込んだようにも見える演出でした。

 自分的にはちょっと残念かも。例えば、コヨミのプリーズウィザードリングが賢者の石を宿すグレムリンの防御を突き崩して壊れ、賢者の石を奪還→ホープウィザードリング、という流れだったら、どうだったかなとかいろいろ考えてしまいます。制作としては、指輪そのままでパンチはどうしても裂けざるを得なかったのかな。

 ともかく本編。前半は事実上の本編最終回で、ソラ/グレムリンの最後ののあがきといった感じです。賢者の石を体内に収めたグレムリンですが、それだけでは足りないらしい。人間の魔力が大量に必要なようで。笛木奏の大量殺戮儀式と大差ないことを始めてしまう。
(ずっと観ていて、人間になってどうしたいんだろう、なぜ人間に戻りたいんだろう、と疑問に思ってたんですが、このシーンでは分からず、最後まで観てもよく分らなかった。意識は人間時のままだと本人が言うし、単にファントムが嫌いということなんだろうか。)

 前話を観終えた時点では、ソラが笛木の暴挙を阻止したことから、正義の味方的なポジションかと思ったんですが、違ってました。賢者の石を使おうとする限り、犠牲が出てしまうわけですか。暦を依り代(?)として生まれた、賢者の石の化身(?)たるコヨミは、使うのが誰で、何のためかを問わず、犠牲者が出ることを知っていて、賢者の石の始末を願ったんでしょうな。

 一方、拠点の骨とう品店の晴人ら。コヨミを失ったことで、全員、非常に嘆いてます。作中描写だけ考えても、約1年も一緒に暮らしてたからなあ。ソラ/グレムリンについても、攻介はビーストの戦力を失っている。ウィザードである晴人しかいないですが、どうも晴人は気合を高められない感じがあります。

 そんな晴人らの事情にソラが構うわけなく、人間から魔力を奪うべく(人間側としては、ファントムか死か)、まず移動ドーナツ店を襲撃、辺り一帯を襲おうとする。駆けつけた攻介、凜子、瞬平が阻止を試みるも、生身の一般人では敵うべくもない。それでも食らいついて行ってまして、避難の時間稼ぎだけでもということらしい。

 その頃、ようやく晴人が動きを見せまして、「賢者の石を取り返す、コヨミを救う」と骨とう品店主の輪島に告げて、出撃しようとする。当然、輪島は慌てまして「コヨミはもういないんだ」と説くも、晴人は答えず出ていく。このやり取りだと、やはり笛木奏の二の舞を心配してしまいますな。後で攻介らにも同じこと言って心配されるし。

 グレムリンはグールの大群も出現させまして、いよいよ大規模に魔力奪取を進める構えらしい。攻介らは市民の避難は成功させたようですが、自分たちが逃げ延びるのも難しい苦境に陥ってます。しかし、そこへ救いの手が。帰って来た魔法使い、真由、譲、山本ですね。ここも自分的に燃える展開ですが、攻介や真由が起こすドラマになってるなあ(^^;。

 メイジ3人、それぞれに理由はあるようですが、「義を見てせざるは勇無きなり」といったところか。ここへ来てようやく、3人ともにヒーロー魂が目覚めた印象があります。
つまり、仮面ライダーになった。さすがに3人ライダーメイジとなりますと、グール大群も敵ではない。

 サクサク撃退となるわけですが、グレムリン再襲来。賢者の石は現状でも相当に強力なアイテムのようで、メイジらを容易く抑え込んでしまう。攻介は頑張りを見せますが、やはり今は一般人、どうしようもない感じですね。

 そこへようやく晴人登場。またもや「コヨミを取り戻す」と言い、凜子らを不安にさせるわけですが、晴人は続けて「安らかに眠らせるために」と。やはり晴人の考え方としては、コヨミ(の魂)≒賢者の石ということなんだろう。暦の肉体は依り代といったところか。意思は新たに生まれたコヨミのもので、それが賢者の石に還っただけと。

 晴人はインフィニティを使用して最終対決に臨みますが、賢者の石を宿すグレムリンは白い魔法使い以上に強力らしい。たちまちウィザードが追い込まれまして、基本スタイル(フレイム)に戻されてしまう。

 が、グレムリンの最後の一撃を右手のコヨミの指輪(プリーズ)で受けきりまして、しかし指輪は粉々に。そのまま右拳をグレムリンの腹に叩き込みまして、賢者の石を奪還。イメージ世界でですが、コヨミと会えもしたわけですね。

 取り戻した賢者の石は指輪に変わりまして(ホープウィザードリング)、形勢逆転。最後はライダーらしくライダーキックでグレムリンに止めを刺す。ソラの姿に戻ったグレムリン、「人の希望を奪って、君はそれでも魔法使いなのかい?」と皮肉気な最期の言葉を述べる。

 このソラの言葉に晴人は「人の心を失ったお前は人じゃないだろ」と返すわけですが、自分的には疑問です。すぐ消滅する相手に対し、なんだかライダー、ヒーローらしさがない気がします。晴人の心の傷が未だ癒えない、と受け取っておくしかなさそうですが、どうもモヤモヤします。

 たぶん、ここも設定を具現化するドラマを重ねてもらって、時間をかけて受け取るべきキャラクターの印象の深まりが薄いせいかも。ともかくも、ソラは「言ってくれるね」と返して消えたのは、悪役として見事と言うべきでしょう。

 笛木奏が起こした一連の大事件は、これでようやく終息。ファントムは元からいましたんで、凜子は警察官として引き続き対応に当たる。瞬平は輪島に弟子入りする。攻介は(確かこちらで伺った通り)性懲りもなくキマイラを探しに行くわけですな。真由らメイジも普通の生活に戻れているらしい。晴人は何を思ってか、バイクで旅立つ。とりあえず本編は「完」でしょうな。

 本編の印象は、先週の感想でまとめてみたものと大きく変わりませんでした。やはり、感慨深さには不満が残り、しかし工夫にはいろいろ感心するものありです。エピローグと、できれば劇場版で補完したいところ。そのうちYoutubeで劇場版もやってくれると期待したいところです。しかし現時点でも「ジオウに現れた仁藤攻介は、こういう仁藤攻介のその後だったのか」と思えたのは大収穫でした。

 続く後半(第52話)。旅立った晴人のその後というわけですが、早々に魔法石に取り込まれてますね。中は(自分的に ^^;)贅沢な世界でして、ライダーが大勢いる。各ライダー本編に登場した敵もいる。ウィザード登場の人物もいますが、晴人を知らない別人である模様。

 ライダーがなぜ大勢いるかといえば、ゲストメインキャラクターらしき少年&少女が持つカバンにライダーの指輪が多数あり、ライダーを召喚できるらしい(なんだかゴーカイジャーを思い出すような)。ディケイドもいますが、他の召喚ライダーとちょっと違う雰囲気、一癖ありそうな印象を受けます。

 輪島経営の骨とう品店も、この世界に健在でして、この世界では高校生らしき凜子、瞬平もいるわけですね。そこで晴人が聞かされた世界の真相は、ときおりひび割れを見せる少年&少女(後で「コヨミ」と名前判明、本編のコヨミの気配もある)は、この世界の怪人と化す運命にあるらしい。それで、この世界の主アマダムの持つライダーの指輪を盗み出し、別の世界へ脱出すしようとしているわけですか。ただ、脱出が成功すると、魔宝石世界の敵も実世界に逃れ出てしまうらしい。

 この時点では、アマダムは怪人らを封印しているような感じです。そのアマダムが晴人に接触してきまして、晴人と同じく魔法石に取り込まれた攻介と再会。攻介はまだビーストの力を失っていない、過去の攻介らしい。つまり魔法石内と実世界は時間が異なるみたいですね。晴人は攻介と共に、ライダーの指輪の奪還を決意、アマダムには(少年&少女)手荒な真似をしないよう、願い出た上で行動を起こす。

 が、骨とう品店でハプニング起こりまして、龍騎が襲来、ミラーワールドに輪島らを閉じ込めてしまう。晴人らが駆けつけるも、龍騎は去った後。しかしメッセージを残してまして、少年&少女を危機から救って欲しい、というもの。先の約束にも関わらず、怪人らは問答無用に少年&少女に迫る。ちょっと雲行きが怪しくなってきてますね。

 少年らは晴人や攻介も敵とみなし、ライダーを召喚して徹底抗戦の構え。そこへ、次期新ライダー:鎧武のが呼ばれて登場となるわけですか。次週もきちんと鎧武が活躍するみたいで、晴人の結末を描きつつですが、2話かけての新ライダーへの引継ぎでもあるみたいですね。……でもなんだか、ディケイドを観てるような気がしてしまいます(^^;。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/15 (Sun) 16:48:45

 個人的な話になりますが、今度の11月16日がうちのサイト「ホビー館」の20周年記念日でして、現在、ブログにてイベント的な創作バトル記事を書いています。

 まあ、まだ書いている途中の未完成エピソードなので、発表が目的ではなくて、こちらでの感想の方が今週は遅れるという連絡です。

 今のところ、見てるのが牙狼とウィザードのソラとの決着編、それとニチアサリアルタイム放送の分だけですね。

 貯まっているのが、ビルドファイターズ&ダイバーズのバトローグ、ウィザードのディケイド編、クウガかな。

 まあ、書けるものだけ、簡単ですが感想書いておきます。

 でもその前に、

>諏訪太朗さん

 自分、勘違いして二郎さんと書いてました。
 K.Kさんの書き込み読んで、間違いに気づき、orz状態ですね。
 人名のミスは失礼に当たるとも考えますので、陳謝を表明しつつ。

★牙狼MS

 鋼牙とシグマの一騎討ち、と思い込んでいましたが、一応、レオも参加してましたね。あまり大きな戦力になってはいませんでしたが、ドラマ的には重要な立ち位置。

 そして、これ、役柄としては1人2役なんですね。まあ、レオと戦っているときは、シグマが仮面をかぶっていて、レオが戦闘から外れて鋼牙メインに代わったときに、シグマの仮面も外れる。

 役者的には、レオとシグマの両方を使い分けてやっているのだから、非常に忙しいだろうなあ、ということを今回の放送で感じました。

 最初に見たときには、アクション凄えと思いながら、ドラマの展開がどうなるか分からないので、ハラハラドキドキしながら見ていました。

 2回めに見たときは、筋は分かっているので、アクションの動きとか役者の表情や仕草などの演技、演出に目が行くようになって、
 最初に見たときの記憶よりも、もっとアクションの凄さを堪能できるようになっている。

 そして、今回の3回めですが、撮影裏事情とか、そういうことを考えるようになっていて、
 さらに、そういう見方を喚起するように、雨宮監督がツイッターで裏話をいろいろ教えてくれる。

 で、今回は魔導列車ですが、本当は「白夜の魔獣」に登場させようと考えていたのが、予算が足りなくてボツアイデアになっていたのを、今作でようやく予算がついて登場させられたという、お気に入り設定だそうです。

 あまりにお気に入りすぎて、冴島三代が揃った最新映画「月虹の旅人」での前半のメイン舞台としても登場させたほど。

 あと、月については、狼男からの連想とか、生と死をイメージしやすいとか、月齢による満ち欠けが魔法の儀式との因果関係に想起しやすいというのもありますね。

 何はともあれ、幻想的な美しい背景の上で、ダイナミックなバトルアクション、しかもドラマ的にも緊張感ある破滅の刻印発動というサスペンスを抱え、非常に盛り上がった回でした。

 そして、鋼牙の活躍は、これで2週ほどお休み。敵に捕まって生贄にされそうに。
 少しズレましたが、ウィザードのサバトを連想したり。

 まあ、それを言うなら、希望の指輪になったコヨミが、会話ができたら、ザルバやシルヴァみたいなものなんでしょうが。
 実際、晴人はコヨミの指輪に話しかけているわけで。

 そして、主役が戦闘不能になったら、他の仲間たちが活躍するわけですが、牙狼の場合は、零やレオ、ワタル、それに烈花や邪美姉さん、そしてカオルとゴンザまでが鋼牙救出に戦場へ、という非常に豪華な展開に。

 ダンこと翼だけは負傷で参戦が遅れますが、もう、この時点における魔戒騎士&法師のオールスター的な盛り上がりを見せます。
 刻印というハンデもなくなったので、邪魔するものなく、バトルが盛り上がる流れで、しかも、盛り上がった次はさらに盛り上がるという右肩上がりな展開が続いたなあ、と。

★ウィザード

 指輪のままの手で殴るのではなく、指輪が砕けた後の無手で殴るが正解だったんですね。
 自分の記憶のイメージでは、指輪で殴ったから砕けたという感じだったのですが、あくまで防御に使った指輪が砕けた、と。

 まあ、以前も書いたかもしれませんが、ウィザードの視聴時期は、ラーリオスが暗い展開に移っていた時期と重なってましたので、晴人に感情移入してしまうと、二重に鬱モードになるような状態でした。
 月と太陽とか、テーマがかぶる面が多く、相乗効果でいい方に盛り上がれたら良かったのですが、ネガティブな気持ちの方が重なってしまうのに閉口していて、
 そこで、仁藤の明るさ、ポジティブさに救われたわけです。

 まあ、そういう思い出も過ぎてしまえば、いい記憶に置換できるのですが、
 今回の配信では、ラーリオスとの関わり抜きに、ウィザードという作品を追えたので多少は色眼鏡なく見ることができたかな、と思います。

 では、次の感想は16日を無事に切り抜けて、明後日以降になるかな、と思います。では。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/16 (Mon) 00:03:12

「White NOVAのホビー館」創立20周年の誕生日、おめでとうございます。

(※ 今のハンドルはShiny NOVAさんですが、現時刻でのサイト表記を尊んで、上記のように書いております。ご了解をお願いできれば幸いです。)

 人間で言えば、成人ですね。18歳で選挙権となってしばらく経ちますが、アルコールなどは20歳ですから、今でも成人は20歳でいいでしょう。この掲示板が干支を1周したと思ったら、NOVAさんの本館が成人ということですか。

 ホビー館で干支が1周したのがいつかと考えると、仮面ライダーウィザードの時のはずですね。第10話:国家安全局0課(11月11日)と第11話:守り抜く約束(11月18日)の間になりますか。フェニックス(ユウゴ)が不死鳥の復活を見せて、敵ながら見事な活躍を見せ始める頃合いです。

 そのウィザードはネット放映では、今まさに華を飾って鎧武へバトンタッチしようとするところ。TV放映のセイバーは敵味方の攻防ドラマがこれから本格化しそうな時期になってるわけですね。誕生の2000年を振り返るなら、クウガがクライマックスへ盛り上がる頃合いでしょうか。

 いろいろ盛り上がったり、新生したりする作品と同期するように、ホビー館が成人を迎えるのは縁起が良さそうと思う次第です。

 それでは、定期感想その3です。

●仮面ライダークウガ(第19話:霊石、第20話:笑顔)

 ウィザードにアマダムが出現して、クウガにもアマダムが出て来まして、こういう偶然、よくあるなあ(^^;。TV放映では全く異なる時期になるわけですが。

 今週前半は、雄介クウガの復活と、打たれるほどに強くなるメ・ギノガ・デとの決着ですね。後半がギノガの分身(?)メ・ギノガ・デ変異体への対処ですが、メインは第18~19話でクウガに何が起こったかだったような印象です。しかし予習によると、まだ何か起こるわけですな。

 雄介/クウガが毒で絶命したように見えたわけですが、クウガの核であるアマダムが、毒を排除して復活させるための段取りだったわけでしたか。免疫系が毒胞子を検知すると、通常パターンに従って免疫を活性化、体温も上がって来る。しかし、毒胞子の活動は35~40度で活発化するため、むしろ逆効果となった。

 そこでアマダムが雄介/クウガの体温を下げるべく、仮死状態に持っていった。体温35度以下になり、毒胞子が弱体化したところで一掃し、仮死状態を解くと。その一連は先代クウガが経験していたようで、古代文字の記録に残されていたということか。要は「死んだように見えても、風邪の類だ。しばらく寝かせておけ」ということですね。お通夜→葬式→火葬とかしてたら、えらいことになるところだった。

 メイン敵グロンギ:メ・ギノガ・デも興味深かったです。打たれるほどに強くなる、とグロンギ側が言っている通りですが、後で出るゲームプレイヤー・グロンギほど、難敵、強敵になっているような。今週前半のギノガが、榎田ひかり開発の2倍威力のガス弾にびくともしない点など、その辺りを匂わせているような気がします。

 そのため警察の戦力強化が追いついていない。クウガですら、依然として後追いですね。どちらも「新たに出現したグロンギに勝てない→強化して対抗」の繰り返しです。そういう作劇的な工夫のお陰で、テンションを保っているんじゃないかと思えます。

 ともかく本編。まず前半(第19話)は、椿秀一の懸命の雄介救命措置ですね。しかし、呼びかけも心臓マッサージも電気ショックも功を奏せず、瞳孔拡大を確認して、さすがに死亡宣告するしかなかったか。

 一方、一条らは依然として殺戮を続けているらしいギノガを捜索。かなりピリピリしてまして、路上生活者をグロンギと誤認しそうになったりしてますな。一条以外は、雄介=クウガと知りませんから、4号(クウガ赤)が現れないことを不審に思っている様子もあります。

 一条としてはギノガだけでなく雄介も気が気ではないですが、そこへ椿から雄介死亡の電話が入る。このシーンでは一条が(周囲の騒音を避けて)車内で電話に応答したもんですから、一条が何を言っているかが聞こえません。椿が何を言っているかは描写されてますんで、そこから一条の応答を推測するしかありません。

 それだけに、一条が何を言ったかが気になりますし、言ったはずの内容が印象深くなります。といっても、椿が雄介の妹みのりへ誰が伝えるかを切り出す→一条が自分が伝えると答えた、ということしかないですが。普通に演出すると「一瞬、間をおいて一条が自分が連絡すると答える」でしょうか。

 それでも充分に重いシーンたり得ますが、聴こえないものをつい聞こうと注意を向けさせられると、より印象が強くなる気がします。大事なことを隠されると、しばしばそういう効果が生まれるようです。

 しかし、女性陣の受け取り方や動きは違ってますね。まず桜子。椿から雄介の死を知らされると、一瞬の動揺を見せますが、すぐに古代文字の「瞼の下に大いなる瞳現れても、汝涙することなかれ」を思い出す。椿は、大いなる瞳=瞳孔拡大(医学用語は瞳孔散大らしいですが、どうも用語に馴染めなくて ^^;)と解釈、希望を見出した模様。

 さらに後で、似たような記述「戦士の瞼の下、大いなる瞳になりし時、何人たりともその眠りを妨げるなかれ」から、椿は若干不安を覚えたようですね。蘇生措置頑張りましたから。しかし「眠り」と明記されている点は心強い。椿は「眠る」雄介に「頑張れよ」と声をかけ「病室」を後にする。この後、入室した看護師が目を丸くするわけですな(たぶん、ベッドがもぬけの殻だったんだろう)。

 今週分では出て来ませんでしたが、このときの電気ショックが古代にはなかった、クウガの力を引き出すわけですか。大昔なら、あのレベルの電気ショックは、雷に打たれでもしないかぎり、あり得なかったでしょう。現代技術で引き出せるクウガの能力はまだまだあると妄想しておくべきなのかも。もっとも、雄介に与える影響も、古代文字情報にはない者がある点は、逆に不安材料であるわけですが。

 それはともかく、一条から雄介死亡を知らされたみのりも、心配そうな様子を一瞬見せるも、希望を捨てる様子はない。クウガである雄介は帰って来ると確信できるものがあるらしい。こちらは一条に奮起を促した感じです。

 しかし、グロンギ:メ・ギノガ・デは、そんなことお構いなしにゲームを続行。グロンギ側が言う通り、確かに強化されているようですね。まず温度を克服したらしい。もはや35~40度の制限なく、殺戮現場を拡大してます。2倍威力のガス弾も通じないし、ガスマスクでの防御も無力化された感じです(マスクをすり抜けるのか、皮膚からも浸透するようになったのか)。

 対処する一条らは絶体絶命になりますが、復活したクウガが救援に駆けつける。しかし完全復活できず、クウガ白ですね。2号、という声に対し、一条は「白い4号だ」と叫びまして、杉田らもいつものクウガと認識したらしい。警官全員に指示を出し、戦闘力低下のクウガを、支援射撃でサポートする。

 何とか1対1の対決に持ち込んだクウガですが、防御力が上がったギノガには、前に会得したキックも致命の一撃にはならない模様。消滅時に現れる紋章が、出かけ消えてます。しかし、ステップバックして助走を伸ばし、もう1回試みる。それも無効と分かると、もう1度。今度はくるぶし辺りのブーツの宝石(?)が光りまして、威力を増したらしく、なんとか撃破に成功。これって、来週以降に出てくる新フォームの伏線かな。

 ともかくも勝って変身を解いた雄介に、一条は「遅いぞ、五代」と怒鳴る。まあ、なんとも嬉しそうですな(^^;。くるりと背中を向けますが、しっかりサムズアップ。先週の電話時といい、一条はサムズアップの使いどころを覚えたみたいです。

 続いて後半(第20話)。まだギノガを完全打倒してなかったことが明らかになる話。前話で吹き飛ばされたギノガの手首から変異体へ成長してしまうわけですね。植物の再生能力も持ってたわけか。ただ、グロンギとしての能力などはないらしい(たぶんゲーム資格もないし、知性も失っている感じ)。

 雄介のほうは、椿の見立てによれば、ほぼ回復したようですね。生身時の雄介にも見られる体内のコア(?)は、桜子の古代文字解析で「アマダム」と呼ばれるものだったらしいと分かる。このアマダムが、白血球増加→仮死状態による体温低下、の一連を行っていたというわけですか。

 しかも、ゴウラムの緑の石などにも同質のものがあると。クウガがグロンギの天敵、ないしは撃退のために生みだされたと考えてよさそうな情報です。古代リントが、グロンギが何かを避ける様子から、アマダムを発見したとかだろうか。

 それはともかく、雄介は一条と共に保育園を訪れ、ようやくストンプを披露、続いて榎田ひかりに呼ばれて、ゴウラム調査に協力すべく科警研に向かう。車内での会話から、雄介の過去が少し分かりましたな。一条は、雄介の明るい外面と重い過去との落差に多少困惑している様子です。たぶん「もし自分(一条)が雄介の境遇だったら、ここまでできるだろうか」ということじゃなかろうか。

 途中でおやっさんの喫茶店に昼食に立ち寄りまして、一条と雄介の周りの状況が少し明らかになって点も面白い。あんなにSP引き連れてたわけですか。まだ雄介=クウガとは警視庁内でも一条しか知らないはずで、一条が何かと別の理由をつけて、護衛を厳重にしてるんだろう。

 が、相変わらずグロンギはそんなことお構いなし。いや、今話は疑似グロンギと言うべきか。グロンギ側もギノガの残滓については把握しているようで、ゲーム(ゲゲル)は中断と判断しているらしい。バラのタトゥの女は、おそらく次の手を打つべく行動開始している感じです(だんだんバラの姐さんのファンになってきた ^^;)。ゴ集団の話なんかも出てまして、そろそろゲームが次のステージに向かうということか。

 まず科警研で異変が起こりまして、培養してたギノガの破片が急成長、ゴウラムに接触して再活性化させていた雄介が駆けつけ、バーナーで対処して事なきを得る。そこへギノガ変異体出現の報が入り、一条、雄介らは現場へ急行する。

 あれだけの再生能力があれば、ギノガが残した細胞から無限に増殖していく恐れもある。が、榎田ひかりが調査を続け、再生は1代限りと判明。ギノガが残した破片は、おそらく変異体のみ。それなら対処にしようがあるわけですね。

 ですが、ギノガ変異体は特殊能力こそなさそうなものの、パワー的にはもしかするとオリジナルを上回っている感じがあります。警官隊の発砲に対し、前以上に平然としてるようです。が、いかんせん毒がない。クウガも、もう白ではない。割と簡単に片付きまして、ギノガ変異体は爆発せずに崩れる。やはりグロンギの核(魔石ゲブロン)は持ってないみたいですね。

 この時点でグロンギの詳細は不明ですから、一条はいぶかしがる。が、雄介は「まっいいんじゃないですか」と気にしせず、一条も何となく流された感じですね。たぶんこの後、榎田ひかりがウキウキと変異体遺骸を回収したりしたんんだろう。

 次週分から、ゲームはまだですが「ゴ」のグロンギが出てくるみたいですね。ゴ集団がゲームプレイヤーとなるのは、第25話(彷徨)かららしい。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/16 (Mon) 17:54:37

 定期感想その4です。

●仮面ライダーセイバー(第10話:交わる剣と、交差する想い。)

 今週も坂本浩一監督回でした。OP曲映像でそう知ると、自然とアクションに最初から注意集中してしまいます。気が付かない場合でも、アクションを観ていて「おや、これは」となるわけですが。

 たぶん以前から坂本浩一アクションではよく使われていた手法だと思うんですが、ようやく自分が気が付いたものがありました。カメラの傾きです。アクションしている舞台は傾きのない平地ですが(今週はライダー名所の廃倉庫らしき場所)、アクションに応じて映像が斜めに傾いています。

 おおむね、優勢な側(主に敵)が画面斜め上に配され、劣勢側(主にセイバー側)が斜め下に配され、位置で強弱を表現している感じです。アクションしているキャラクターが吹っ飛ばされるときは、しばしば吹っ飛ばされる方向が斜め下に見えるカメラ角度になってるみたいです。そのお陰で、半ば落下していくような感覚を覚えます。

 斜めの構図は、アップで映るキャラクターをできるだけ全身的に見えるような配慮でもあるようです。斜め方向が画面では一番長いわけですから。キャラクターがどうアクションするかだけでなく、どう見せるかも含めてのアクションであると、今さらながらに思いました。

 前説・後説のタッセルが、何やら不穏な様子を見せていますが、今のところは単なる演出かもしれず、とりあえず置いとこう。直接的に不審なのは前話で新登場の神代玲花ですね。カリバーの正体も知っていた感じがあり、敵味方双方に干渉しているかと勘繰りたくなります。首筋にバラマークがちらっと見えて「ゴデバリザギベンベ」(お手並み拝見ね)と言ってたら正体確定なんですが(^^;。

 敵味方双方への干渉の疑念から、ウィザードの笛木奏も連想しないではないです。が、ゼロワンの天津垓のほうが先に思い浮かびました。神代玲花の所属が「サウザンベース」ですから。もっとも、南ですからsouthernであり、北斗の拳の聖帝(Souther)のほうが近いか。天津サウザーは千由来でThouserだろう(聖帝とはsとthが逆)。

 不穏どころか、自分的に想定外だったのは、現カリバーの正体が先代の炎の剣士:上條大地であったことです。いったんは「カリバーが眺める写真の右の男」を見て、もしかしたらカリバーかと思ったんですが、先代の炎の剣士だと思い出し、可能性を排除してしまいまいた。

 そうしたら、今週では先代の炎の剣士:上條大地が現カリバーであると。いったん違うと思っただけに、かなりビックリです。ただ、賢人の父:隼人の関りとか、依然として不明点も多く、現カリバーは2代目かとか(先代の炎の剣士が当時のカリバーと剣を交えたのは事実だろうし)、いろいろ可能性は考えられそう。

 ともかく本編。タッセルが前説で怖い雰囲気出してまして、後説では誰かに会いに行くとか言い出してまして、演出なのか、それとも本当は劇中キャラクターの1人だったのか。それは追々分かるんでしょう。

 ノーザンベースではソフィアがカリバーの正体について考えてますが、剣士らのイメージ映像では依然として賢人の父:隼人であるらしい。ソフィアは前話でカリバーと接触はしたものの、未だに確信めいたものはないということらしい。が、今話で正体が分かるわけですな。

 敵拠点ではストリウスが自動書記(?)を見つつ、まだ足りないとかボヤいてます。この後の描写も踏まえると、どうもセイバーが活躍しているようで、実はメギド側の狙い通りに事が進んでいる感じがあります。今話最後に完成するジャオウドラゴンに、バトルによりパワーか何かを供給してるとかで。

 ともかくもカリバーが(不足分を補うべく?)出撃し、アヒルメギドも新ブック貰って出撃の模様。アヒルメギド、ブックを手に「俺は生まれ変わる」とか喜んでまして、やっぱり正体が白鳥ということか(ハクチョウメギド)。さっそく街を1つ、ブック化して占拠したらしい。

 飛羽真の本屋「かみやま」では、攻撃が通じない敵カリバーの能力を考察してまして、飛羽真が無効化ではなく吸収ではないかと思いつく。吸収なら限界容量があるはず→カリバーが戦い半ばに去ったのはそのため、という推理らしい。賢人だけは考察の輪に入らず、父:隼人のことで頭がいっぱいみたいですね。

 これではいかんと、屋上に出た賢人をまず芽依が追い、飛羽真、倫太郎と誓いの儀式みたいなことをしまして、賢人を奮い立たせる。のですけど、後でカリバーの正体が割れると、またもや迷い始めてしまいまして、すぐブレる。剣/ブレイドの睦月みたいになってますな。

 その前に賢人は神代玲花から黄色の「ケルベロスワンダーライドブック」を受け取るわけですが。後のバトルでは確かに強力で、神代玲花はカリバーに対抗を匂わせてますし、役に立ちそうではある。が、どうにも挙動不審だからなあ。戦いの発生は敵側を利している様子もあるし。

 芽依も飛羽真、倫太郎、賢人に続く4人目を自負してまして、先週にソフィアから役割を貰ったからかな。あれって、自分的には「この子ぉはすうぐ危なっかしいことするから、なんか適当なことさせとこ」みたいなことかなあと。しかし逆効果だったようで、芽依の性分は止めるに止められないということみたいです。

 その芽依が敵出現を察知しまして、セイバーらが駆けつけバトルとなる。が、アヒルメギドからハクチョウメギドへ進化して、3人ライダーでも簡単に撃退は出来ない模様。その上、カリバーまで現れる。が、スラッシュも加勢する。そこからのバトルは、なかなかの見ものです。神代玲花が観戦するのも、無理ないかもしれない(^^;。

 緒戦は敵側優勢ですが、賢人エスパーダが「ケルベロス」ブック使ったタイミングで形勢逆転の模様。一気に止めを刺しに入りますが、どうやら敵側の計算通りだったのかも。バトルと同期するように、敵拠点では「ジャオウドラゴン」なる新アイテムが完成してます。カリバーの攻撃吸収能力って、これに使われてたらしい。

 ジャオウドラゴン完成を確認したストリウス、バトル現場に現れ、カリバーごとふっ飛ばして戦いを止めてしまう。同時にカリバーの変身が解除され、先代の炎の剣士:上條大地の正体を現す。これで賢人はまたもや混乱してしまう。ソフィアですら事情が掴めない様子ですから、仕方なくはありますが、さっき立ち直って、もうこれかという気もしないでもない(^^;。

 上條大地の言によれば、賢人の父:隼人がロゴスを裏切ったことは事実らしい。しかしカリバーの剣(闇黒剣暗闇)を入手した経緯などは語らず。隼人を殺害して入手した可能性もあるわけですね。賢人に詰め寄る飛羽真ですが(いや、それは理不尽だろう)、幼少時の記憶で思い出せずにいた少年が賢人だと思い出したわけか。

 敵拠点ではストリウスの一応の警告をするも(形だけっぽいですが)、聞き流す風の上條大地が、ジャオウドラゴンを手にして何か思うところがある様子。次回「乱れる雷、広がる暗雲。」では、用意整った敵が本来の目的で動き出す感じです(今までの一連は想定内で単なる準備だったのかも)。一方、セイバー側は内部分裂しかかるような印象もありますね。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/18 (Wed) 09:58:57

 20周年祝いの言葉、ありがとうございます。

 16日までに、自分のブログの記念記事は完結させようと思ってましたが、結局、完結には至らず(まあ、盛り上がるクライマックス段階ですけど)、一応、記事タイトルだけ挙げて、これからじっくり仕上げる段階ですね。
 一応、うちのブログの会話キャラがほぼ総登場という「スーパーNOVA大戦」的な内容で、現時点の集大成的な作品になっていると自負します。

 でも、まあ、ここでは一休憩ということで、定例感想をば。


★セイバー

 前回に続いて、アクションを楽しむ回でした。

 ドラマ的には、「カリバーの件で悩む賢人」→「心配する飛羽真たちとの間で、かりそめの三剣士の誓いをして見せる」→「敵の出現に共闘する三剣士」→「カリバーの正体が賢人の父ではなく、先代の炎の剣士であったことに困惑する剣士たち」で、続く、と。

 まあ、プロット的には、大きな盛り上がりどころだとは考えます。
 ただ、自分が自分の20周年創作にハマっていたという事情もあってか、感情がちっとも追いつかない回だったと思ってます。

 アクションは凄いので、外れ回だとは思っていないですし、むしろ、これから盛り上がるという期待はあるのですが、何が不満かと言えば、
 主役の飛羽真がおバカというのがありますね。

 飛羽真というキャラは小説家であって、軍師役もできる知的主人公であり、アイデアマンというキャラ付けがありますが、
 セイバーという作品は、メインライターの福田さん以外に、今のところ長谷川圭一さんと毛利さんという複数体制で描かれていて、やはり脚本家によって、飛羽真の知能指数が変わるように見受けられます。

 福田さんの描く飛羽真が基本で、情熱と知性のバランスが良く、見ていて感情移入しやすいですね。
 長谷川さんは、アバロンとアーサーの話ですが、この人は特撮物ライターとしても長く、安定度と満足度の高い人だと考えます。

 問題は、毛利さん。この人は、キュウレンジャーのメインなんですが、いわゆる頭の軽い主人公と一癖も二癖もある多くの仲間たちの群像劇に定評があって、今作のサブライターとしても手腕を発揮できるかとは思うのです。
 そして、勢いで引っ張る作風なので、頭空っぽにして、サプライズを楽しめ、って見方がふさわしい。
 ただ、この人の作風だと、溜めがないので、キャラにじっくり感情移入する隙間がなくて、とにかく言動が軽い。褒め言葉で言うならスピーディーなんですが、セリフ回しがスカスカで、出たとこ勝負。どちらかと言うと、単発コメディーだと光るのですが、主人公の喜怒哀楽のアップダウンが激しく、物事を受け止める重さがない。

 セイバーという作品は、飛羽真という小説家・軍師キャラが状況を受け止めて、解説役にもなれる洞察キャラであって欲しいという自分の願望もあって、メインライターはそういうキャラ付けを見せてくれますし、それを高めてくれたのが長谷川さん。
 だけど、毛利さんが飛羽真を描くと、ただ状況に翻弄されるだけのおバカキャラに堕してしまうのは、たまたま、そういうストーリーの流れなのか、それとも脚本家の資質なのかは結論づけるのは時期尚早ですが、とにかく事件に翻弄される主人公になってますな。

 前回のタッセルの小説家蔑視発言と言い、毛利さんにとっては、飛羽真の小説家キャラという特性を重視はしていないのかな、と穿ったりもしつつ。

 で、毛利さんの好きなキャラは、王道ではなく、アンチテーゼ的な陰のあるサブキャラ(キュウレンジャーでは、サソリオレンジとオウシブラックの因縁)であり、
 キュウレンだと、ブラックの恩人である博士をオレンジが暗殺した疑惑があって、仲間うちでの相互不信感があったのが、暗殺の実行犯はオレンジの兄だったことが判明し、ブラックがオレンジの兄弟相剋という哀しい背景を知って、オレンジを守るという方向に切り替わるのが中盤。
 その後、ブラックの恩人の博士が実は悪役だったという事実も判明し、自分の立ち位置にも悩むブラック……とか二転三転するというサプライズが毛利さんの特徴。

 長編で書くと、とにかくキャラの立ち位置が安定せず、それまで信じていたものが嘘だったという展開が多かったわけですな。
 よって、セイバーでも、カリバー曰く「目の前に見えるものが真実とは限らない」というのが、毛利さんの作風であり、そこを面白いと思うか、それとも、もっと安定度の高いストーリーが好みか、で評価が変わるかな、と。

 個人的には、主人公にどっしり構えて欲しいと思うので(安心して感情移入できる)、毛利さんの描く飛羽真は自分の好みからは外れるかなあ、と。
 キュウレンのアカの「ラッキー」みたいな、突き抜けた陽性おバカキャラなら、翻弄されても、その上を行く翻弄返しで、何でも「よっしゃラッキー」と言って劣勢を跳ね返す勢いで魅せられるのですけど、飛羽真にそういう勢いは役柄上、期待できないだろうし。

 飛羽真が、相手のサプライズに対し、「その展開はすでに読んでいた。策ならすでに考えているよ」という小説家ムーブを見せるならいいですし、メインライターなら、そういう飛羽真を描いてくれそう。

 で、毛利さんだと、サブキャラの情念でかき乱される物語になるかなあ、と。


★クウガ

 ギノガ回は、五代雄介よりも、その周辺人物にスポットが当たった回で、全体としては、仕込み回という位置付けですね。
 この回単独だと、非常に地味なんですが、何しろ主人公が死にかけて、それでも復活を信じて、それぞれの役割を果たしながら日常生活を営む中で、とうとう復活して事件解決、めでたしめでたしという、大変ハートフルなドラマ。

 特撮ヒーローの枠を越えて、怪人を倒す部分をカットしても成立するんじゃないか、と思いつつ、
 雷パワーとか、ゴウラム再生とか、メ→ゴという敵陣営の強化とか、物語が一段ステップアップする序章といったところでしょうか。

 そして、次は保護色透明化能力を持ったカメレオン怪人に対して、切り札は超感覚を持ったペガサスフォームという形ですね。

 相手の跳躍に対抗して青→その後、水辺での戦いにも活用。
 相手の飛び道具に対抗して緑→見えない敵をも察知できる。
 こういう能力の活用がクウガの面白いところ。

 相手の攻撃を受け止める紫→武器を使うゴ集団との応酬、ガード重視の戦いになる一方、
 最終的に破壊力が一番高いのが、金の赤マイティーという流れ。

 赤はバランス型で、ライダーキックという伝統技を持つ基本スタイルだけど、それだけに特徴が薄いのが、今後、ゴウラムとの連携とか、いろいろ見せ場がありますね。
 ただ、あまりに破壊力が高くて、敵を爆発させると周囲の被害がとんでもないことになるので、警察と連携して、安全な場所で爆発させるという段取りを踏まないといけない。

 他のライダーだと、ジャンプしたら戦場が採石場に変わったり、異空間で戦ったり、戦いの被害を気にする必要はあまりないのですが、
 リアル志向のクウガだと、戦場選びまで配慮するヒーローと協力者の連携が、他にない演出だったなあ、と。

 あとは、今回のセリフで、「色を変えるのに、何かこう気合を入れるための掛け声が欲しいですよ。超変身とか?」と一条さんに話し掛ける五代がヒーローの日常だなあ、とか。
 とっさのアドリブでセリフを考えるだけでなく、事前準備もしっかりしているんだなあ、とか。

 では、まあ、こんなところで。

 

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/20 (Fri) 09:53:42

 定期感想その1です。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第31:53番目の存在、第32話:破壊者の秘密)

 こちらで伺った通り、OPの曲と映像が変わりましたね。映像は各キャラクターを見せていくという点では、前のと同じような狙いですが、見せ方が違ってます。前のは「このキャラクターのカッコよさ」を完結させようという演出だと感じました(グラビア写真的と言ったらいいんだろうか)。新しいのは「このカットには前後があるよ」という感じです。その前後が観たいし、想像もしたくなります。

 本編内容的には、たった2話分ですが、これなら定期感想しようと思うほど、急にドラマが回り始めた感じがします。今週時点でこう言うもの気が早すぎる気がしますが「全体ストーリーの初期構想でのラストの落としどころが、物語を始めるものに変わった」みたいな印象を受けました。おそらくジョーカーについて積極的に情報を明かして「相川始は何者か」をドラマで語り始めたことが大きいかと。

 ジョーカーが最終勝利者になると世界が終わるというのは、先週でちらっと示されました。今週分では、相川始はジョーカーに戻りたくなさそうです。相川始が幻視したジョーカー勝利の世界は「栗原遥香・天音親子も死んでしまった廃墟」でした。

 栗原親子の影響は、相川始が目撃した栗原晋の死亡と託された写真で理由が示されてたんですが、今一歩踏み込みが足りず、説得力が薄かった感じです(だからラストまで引っ張りそうな感じでもあった)。ですが、今週で相川始の姿のヒューマンアンデッドが、なぜか抵抗もせずにジョーカーに封印・吸収されたことが明かされる。

 そこは先週のそっくりさんコメディを思い出すものでもあるんですが(^^;、睦月レンゲルに望んで封印された嶋昇/タランチュラアンデッドと同じ狙いがあったとも思えます(もう1体、同じ目的で睦月に封印される重要アンデッドがいるらしい)。既に睦月にはスパイダーアンデッドが封印状態でありながら悪影響を与え、人格を乗っ取りかけてすらいます。いろいろつながりそうにまとまって来た感じです。

 そのお陰だと思いますが、剣崎一真が何をしたいか、為すべきかもはっきりしてきました。相川始の側に立つ、ということですね。今週分では「相川始はジョーカーであっても、世界を滅ぼす存在ではない」と信じるところから。これがいずれ「剣崎一真自身もジョーカーとなって、世界の終わりを延期する」という流れにつながるはず(そしてジオウの剣編で解決される)と思うと、ワクワクしてきます。

 しかし、逆の態度に傾くのが橘でして、そのお陰で問題点がくっきり浮かび上がる感じがします。物思いに終始せず、ようやく行動で示すようになってきた。これで橘ギャレンのドラマも面白くなってきそうです。

 ジョーカーについて剣側が把握した性質も、ドラマ上の大事な意味を持ちそうです。封印したカードを使える点ですね。特異な存在とはいえ、ライダーと同様の性質を持っているということになります(むしろ、ライダーがジョーカーをベースにした)。観ているこちらだけでなく、劇中キャラクターにも、相川始との対立・協調のポイントが見えてくる気がしてきます。

 ともかく本編。まず新登場の男がアンデッドらしき怪人に剣崎の写真を見せ、許されない存在らしい、とか他人事みたいに吹き込んでますね。栞の父:広瀬義人らしい。アンデッドっぽいのは人工であるわけですな。これが剣崎のみをターゲットとして襲ってくるわけか。

 今エピソードのメイン敵となるファントム:コーカサスビートルアンデッドは人間態は少年で、自称キングですか。行動は迷惑なもので、事件性のある写真を自分のサイトにアップロードし、そのためには他人を事故に遭わせることも厭わない(そうなると事故ではなく事件なわけですが)。前に行動がエキセントリックな矢沢カプリコーンがいましたが、彼は単に1人で目立ちたいだけ。キング少年の場合は対照的で、自分は隠れて世間を騒がすのが嬉しいタイプらしい。

 年齢的には睦月が近いかな。その睦月は狂暴化してまして、スパイダーアンデッドに心を乗っ取られるというよりは、睦月のほうから同化しているようでもありますね。いわゆる力に溺れている状況で、警察すら軽んじてねじ伏せてしまう。この後、ヤクザが取り仕切っていると思しき酒場を乗っ取ってアジトにしているという描写もあります。性格的にもキング少年と近い感じになってます。

 キング少年は、対象物/人の時間を止められるみたいですね。ジョジョでいえば、ザ・ワールドを持つDIOの無敵性に近いか。と思ったんですが、支配下に置いたアンデッド:スカラベ(調べると昆虫の「フンコロガシ」らしい)の能力でしたか。キング・コーカサスの能力は念動力みたいなのもありますが、他のアンデッドを支配する能力があるため強敵になり得そうですね。もっとも、時間停止のほうは、割とあっさり回避方法が見つかり、スカラベは簡単に撃破されてましたな(だからキングは簡単に支配下におけたということだったみたい)。

 このキング少年、やはりライダーが疎ましい面はあるようですね。ライダーが社会の敵と見えるような記事を出しているらしい。ここまでの描写を見ると、剣側ライダーの正体は必ずしも秘密ではないみたいですが、キング少年は素性もバラシてます。世間から叩いてもらうのが狙いかと思ったんですが、おびき出しの目的だったみたいです。

 剣崎らはまんまと引っ掛かって、栞と虎太郎がカフェでサイトの記事書きしているキング少年を問い詰めるわけですが、キング少年としたら思う壺なんだろう。栞と虎太郎は時間停止トラップに引っかかり、騒動を起こしたと偽装されて警察へ。

 一方、相川始。睦月に関して、剣崎と橘が相談に訪れるわけですが、相川は倒す対象としか見ていない感じです。が、そのずっと先にあるのはジョーカーの勝利ということで、相川はその未来を幻視してしまう。未だ人間は眼中にない素振りですが、栗原親子だけは気にかかる。その栗原親子はジョーカー勝利の未来では死んでしまうわけですね。

 さすがにショックを受ける相川。なんですが「ようやく気が付いたんかい!」と言いたいところです。うーん、まあ諸般の事情があったんでしょうな(^^;。ともかくも、視聴者的には「相川始=ジョーカーが勝利すると世界は終わる」が相川本人からも明示された感じです。

 相川の態度に対し、橘は不信感をあおられて去り、しかし剣崎は助けなければと思った様子。序盤の橘の動揺した行動で、剣崎との共闘が壊れかけたときと違い、信念のレベルで亀裂が見えた気がします。

 しかしキング少年が悩む余裕を与えてくれませんな。剣崎もキング少年のもとに向かうが、してやられまして変身の隙をスカラベに時間停止され、バックルとカードをいったん奪われる。そこで現れた相川始に対しても、キング少年はジョーカーと認識して捕縛してしまう。キング少年は剣崎ブレイドにさして興味はないらしく、バックルとカードをあっさり返す。ブレイドごときは敵ではない、という自信の表れなんでしょうね。

 橘は相川を敵視するも、スパイダー・アンデッドに憑依(?)された睦月は依然として心配らしい。その睦月は力尽くで酒場を占拠、アジトにしてしまうわけですな。ただ、橘に対しては一応、きちんと話はする。睦月はスパイダーの記憶も共有しているようで、ジョーカーについての詳細を橘に伝えるわけですな(観ているこちらとしては、いい設定説明になってて助かる)。

 剣崎はアンデッドサーチャーに反応せず、倒しても封印できない敵に遭遇して後半(第32話)へ続く。予習によれば、この敵が人工アンデッド:トライアルというわけですか。ただ、この時点では正体不明ですね。橘を見ると、「ギャレン、お前ではない」と言って地中に去るとか、剣崎らからしたら謎の行動でしょう。ただ、橘は謎の敵よりは世界を終わらせかねないジョーカーが気になるらしい。

 そのジョーカーである相川始はキング少年に捕えられたまま、スカラベアンデッドの時間停止能力に対処できず、逃げられないみたいですね。ハートの2(ヒューマンアンデッド)以外のカードも奪われてまして、カリス等になることもできない。キング少年としては、どうしてもジョーカーになってもらいたいらしい。

 キング少年は他のアンデッドを支配できるためピンチに陥ったことがなく、危機感が薄いのかもしれません。「好奇心は猫を殺す」と言いますが、そういう危険性がありそうです。キング少年は相川に対する挑発が昂じて、栗原親子に正体(ただしカリス)をバラすとまでテンション上げまして、さすがに相川がキレたらしい。なんだかすごい爆発みたいなことが起こってます。

 これでなんとか相川は脱出できたようで、しかし次は睦月レンゲルに狙われるわけですな。相川はカリスはなく、ジョーカーにもなりたくないため、まともに戦えない。さっきの爆発で消耗した様子も見えます。しかしあくまでも相川を救いたい剣崎が救出、これが後の相川の告白につながったみたいですね。

 剣崎らも橘が睦月から得た情報により、相川の正体に迫り始めてますね。剣崎はある程度、相川から聞いてもいる。ここでも剣崎と橘の対立は続いてまして、剣崎の相川を救いたい気持ちを見て取った橘は「(捕らわれた相川を)助けに行こうと思うな」と釘を刺す。橘は依然として相川が最終勝者となって世界を滅ぼす目的があると警戒している感じです。剣崎は相川がジョーカーから変わり始めていることを感じ取っている。

 橘と剣崎がさらに得る情報も両者の立場を引き離す感じですね。まず橘は栞の父:広瀬義人に会い、ジョーカーについての追加情報を得てます。ジョーカーが世界を滅ぼすことはもとより、剣崎がジョーカー化する可能性もあるというわけですね。

 さらなる情報はBOARDのサーバーにあるみたいで、橘はパスワードをもらってアクセスして驚いてますな。この後で明かされますが、どの生物種でもないジョーカーが最終勝者になると、ジョーカー以外は死滅させられるということですから、橘としてはジョーカー打倒・封印を最優先にするのも必然の流れでしょう。
(広瀬義人はアンデッドの不死性を利用したいみたいですが、正体は自分でも気が付いてないとか、かなりややこしいキャラクターらしい。)

 一方、剣崎は、ヒューマンアンデッドを封印したジョーカー等々の自分の正体を語る相川に「俺にとって、お前は相川だ」と言いまして、これが意外に相川に刺さった模様。ということは、相川の悩みは栗原親子らの影響だけでなく、アイデンティティのレベルでも起こっていたと考えるべきなんでしょうね。もしかしたら自分(ジョーカー)は相川始でいいのかもしれない、みたいな。ともかく、ジョーカーに嫌気がさしたという相川の告白に嘘はなさそうで、剣崎は己が信念に自信を深めたんじゃないかと思えます。

 しかしキング少年&スカラベアンデッドが話の腰を折って来まして、バトルとなる。時間停止を何とかしないといけないわけですが、相川がスカラベの包帯が時間停止をキャンセルしていると気が付きまして(キング少年も持ってたわけか)、仕掛けが分かれば勝つのは難しくない。スカラベは封印され、キング少年は一時撤退。

 相川が「俺の実体は」と言いますと、剣崎すかさず再びの「相川始、だろ」。一瞬ですが、相川の顔がほころびまして、たぶん「自分は相川始でいいらしい」と思い始めた感じがします。が、危機は去らずで、今度は橘ギャレン。世界を破滅させるジョーカーがアンデッドを封印するごとに強化される以上、事を急ぎたいんでしょう。しかし剣崎ブレイドが阻止を試み、というところで次週へ。久しぶりなのか初めてなのか忘れましたが、次回が待ち遠しくなりました。
(最後の対峙で橘、剣崎共、いきなり現最強フォームを使用してまして、本気度が感じられます。フォームってバトルそのものだけじゃなく、キャラの心情を表せるのかと感心しました。)

 ジョーカーについての情報が明かされれば明かされるほど、面白くなってくる感じです。1つには物語上の勝利条件が見えてくることがあるんじゃないかと思います。その勝利条件を体現するかのように、剣崎と橘の対立が見えてくるのもいい感じです。誰が何のために争っているかが分かって来ると、観ていて何に期待したいかもいろいろ出てきます。

 今までは、とかく隠し立てが多かったんでしょうね。確かに「どうなっているか知りたい」というのはありましたが、「何に期待していいか」が分からず、続きを早く観たいという気持ちが起こりにくかったんじゃないかと思います。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/21 (Sat) 20:08:50

 定期感想その2です。

●牙狼MS(第21話:牙城)

 1人2役は言われてみると、TV神牙編で撮影の苦労話があったのを思い出しました。確か、まず神牙(光側)を相手なしに演じ、次にジンガ(闇側)も同様に演じ、2つを合成するんだったか。一応、シーンをきっちり決めておくとかするんでしょうけど、少なくとも二度手間ですね(いいアドリブ思いついて入れたりすると、さらに大変そう)。

 そうしてできたシーンに、さらにVFXをかぶせていくわけですな。うまく合わせることができず、演技のリテイク or VFX作り直しとかも起こりそうです。確か、ターミネーター2では双子を起用して、そっくりの偽者(T-1000が化けてる)を演出したと聞いた覚えがあります。双子の役者を探してでも避けたいほど、1人2役って面倒なんでしょうね。

 こちらで鋼牙が敵に捕まって生贄の危機で2週休みとは聞いていたんですが、こういう形とは想像がつきませんでした。特に「生贄」の意味ですね。鋼牙をザルバもろともギャノンの骸に捧げ、イデア起動を図るわけでしたか。

 そうと分かると、前に零がシグマの騎士への謀略について「鎧返還なんて、はなっから無し」と断じた意味も分かりました。シグマの当初プランでは「イデア復活のために全騎士を捧げる」というものであったらしい。もしかすると全鎧強奪でもよかったのかもしれず、勝手妄想すると、

 プランA:全騎士の鎧(魔導輪も?)を供物にイデア起動
 プランB:シグマに背く騎士を(魔導輪ごと?)供物にイデア起動
 プランC:黄金騎士牙狼:鋼牙&魔導輪ザルバを供物にイデア起動

みたいな失敗も想定しての計画だったのかもしれません。シグマは魔導輪に固執する様子も前からありましたんで、大事なアイテムらしく、特にザルバだと魔導的にデカいのかもしれない。

 ギャノンの骸に囚われた鋼牙の、助けに入って来た仲間への反応が異なってまして、興味深いものがあります。まず零が追ってくるわけですが、いつにない鋼牙の安らかな笑顔でして、かえって零がたじろぎ、おそらくシグマによってはじき出されてしまう。零が受けた印象は、心配するな、と言われたような感じかと。

 2度目は(待ってましたと言いたい)烈花ですね。鋼牙は背中を向けて歩いており、烈花は構わず名を呼んで近寄ると、鋼牙は振り向きざまに「来るな!」と叱咤しまして、外へ弾き飛ばしてしまう。鋼牙がイデアを独り占めしたいと思っているとは考えにくい。おそらく、巻き添えになるなという意図でしょう。さらには、あの時点で鋼牙は取り込まれながらも独力で脱出を考えていた可能性もありそう(暗黒魔戒騎士がメシアを食らい返すように復活したことがありますし、不可能じゃないはず)

 この対応の違いのため、零は鋼牙は捕らわれてイデアのコアとなるとしても安らかではないかと思う。烈花は鋼牙がイデアが危険なものと感じているのではないかと思う。といった両者の判断の差異が出たんじゃないかと。零に対して、烈花の受けた印象、さらにカオルの判断が加わりまして、零も偽りの笑顔だと(薄々感じていたことを)認めるに至ったように見えました。

 ともかく本編。魔導列車は墜落しまして大破するも、鋼牙はかろうじて軽傷程度で済んだ模様。この後、バトル途中で振り落とされたレオも、よろめきながらですが、元老院にたどり着いてましたな。騎士、法師ならあの高さでも対応できるということか。もっとも、だからこそシグマも未だ健在になってしまうわけですが。

 ギャノンの骸も健在ですね。シグマが腕を切り落とされて戦力低下と思ったのもつかの間、ギャノンから新たな腕を与えられて、完全復活してしまう。が、なんとなくシグマにとって不吉な感じもします。シグマがギャノンを利用しているつもりが、だんだん取り込まれてしまうんじゃなかろうか。

 それはともかく、イデアを阻止したと思った鋼牙ですが、その鋼牙を利用してイデアを起動できるわけですな。魔導列車の戦いで消耗した鋼牙に対し、ギャノンのサポートがあるシグマが圧倒的有利の模様で、鋼牙は捕らえられ、イデアにささげるため、ギャノンに取り込まれてしまう。シグマは自らも封印(?)して、真魔界に向かう(この辺りもシグマの計画の周到さが窺える気がします)。ただ、直前に鋼牙が「カオル」を放ちまして、これが何らかの鍵になる動きを起こしそうな予感がします。

 一方、元老院では街に大量のホラーが出現したとの報を受け(シグマの陽動だろうか?)、復活した騎士が討伐に向かう。ただし、零とレオは鋼牙救援に向かうわけですね。2人はなんとかシグマが真魔界に向かう直前に間に合うも、シグマの術中にはまってしまう。異空間みたいな戦場ですね。竜と思ったら球形号竜と思しき多数に分裂する難敵ですが、母機を倒してなんとか退ける。

 零がギャノンに駆け寄るも、中の鋼牙は似合わない(^^;)笑顔を見せて背を向けてしまうわけですな。が、シグマの時間稼ぎには充分だったらしい。ギャノンの骸ごと飛び去りまして、拠点(紅蓮の森の珀岩の谷)から真魔界に向かう模様。しかし烈花が現れ、追尾する(ここ、観ていて思わず「待ってました」と独り言しました ^^;)。もっとも、烈花は食い下がるも、鋼牙に追い返されるわけですが。

 カオルのほうも動きを見せてまして、絵筆をバッグに入れ、どこかへ向かう模様。初見では忘れてたんですが、この絵筆って散歩回で霊獣に触れてもらったものですね。今話ではこのシーンだけですが、いずれ何らかの効力を発揮してくれそう(ということを伺ってたなと、さらに思い出したり ^^;)。とはいえ、行先はカオルにも分からない。と思ったら「カオル」が迎えに来るわけですな。「カオル」は続いて烈花に向かってますね。鋼牙が助けを呼んだ相手はカオルと烈花でしたか(続いて烈花も「カオル」を再度カオルに差し向けてて、連携取れてる)。その頃、ゴンザも独自に鋼牙を追っている模様。

 鋼牙は拉致されましたが、鋼牙側主要メンバーがこれでほぼ集結。対策会議となるわけですが、最初は迷いを見せた零も、烈花、さらにカオルの言葉に覚悟を決めた模様(零が思い出した「俺たちは魔戒騎士じゃないのか」は前作だったかしらん。どうもうろ覚えorz)。カオルを心配して珍しく怒りを見せたゴンザも、カオル自身の決意を認めたらしい。

 そこで満を持して邪美姐さん登場ですね。ここも「待ってました!」でした。烈花といい邪美といい、いいタイミングで登場してくれるなあ。もしかして「カオル」は邪美のもとにも向かったのかしらん。今話の「カオル」の動きがいまいち追い切れてません。

 鋼牙が修行時に四十万ワタルから受けた教え「わずかな可能性があれば助ける」が、ここでもレオから語られまして、3度目でしょうか。「守りし者」の心得の具体化の1つかな。そうであればこそ、ホラーに堕ちた者は救えない、という事実が重くなってくる気がします。

 ともかくも、ゴンザを残して一同出撃。次回「盟友」では鋼牙奪還の戦いになるわけですね。何が起こるかは、ED曲最後の絵が象徴している感じです。

●仮面ライダーウィザード(第53話/最終回:終わらない物語)

 最終回なんですけど、感想があまり出てこない。ウィザードの物語としては「、魔宝石の中の世界」に、晴人は最後まで気が付かなかったけれど、ハルト&コヨミがいて、救われたというものですね。ハルトは怪人になる絶望からライダーになれるという希望を見出し、晴人からインフィニティリングを授かると。

 だけど魔法石の中の世界なんですよね。似た世界であって、元の世界での晴人(とコヨミ)の問題が解決できるわけではない。ウィザードというよりは、ディケイドのAR世界という感じがあります。鎧武の紹介と橋渡しの意味合いも強そう。しかし鎧武はこれからということで作風としては抑え目かも。そのせいか、最終話は特にディケイドのウィザード編という印象が強かったです。

 調べてみるとウィザード、というより晴人の物語の完結は劇場版「仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦」で描かれるみたいですね。これは東映公式Youtubeでやって欲しいなあ。

 それにしても、だから「終わらない物語」だったのか、続きは劇場版でということで。おのれディケイド、と言いたくなる気持ちが起こらないでもないです(^^;。ともかくも、劇場版での完結を観てみるまで、ウィザードがどういう作品だったのか、きちんとは語れなさそう。

●ダイの大冒険(第7話:マァムの想い~第8話:百獣総進撃)

 第8話のタイトルは昭和ゴジラ映画のタイトル「怪獣総進撃」を思い出さなくもありません(^^;。制作も意識してるのかしらん。旧作で対応してそうなタイトルを探すと「百獣魔団総進撃!!ロモス王国の危機を救え!」ですか。そこから取ったんなら怪獣映画とは無関係かもです。

 第7話は第6話から続いて、描写の示唆通り、マァムがダイの麻痺を回復させ、クロコダインを撃退するところからですね。クロコダインの左目の傷跡は、このときのものでしたか。自分は浅はかにも、強そうに見せるデザインだと思ってました。その程度の認識でしたんで、登場からここまで、クロコダインの左目に傷がないのに気づきもせずです。

 しかし、こうやってエピソードとともに描写されると、この左目の傷がいろんな意味を持ちそうです。目立つわけですから、観ているこちらにも常に思い出させる効果があります。

 派手なイベントが一段落しますと、視聴者的には情報の整理ですね。魔法が苦手ゆえのマァムの装備品:魔弾銃やら、アバンの弟子やら。マァムのポップに対する態度、扱いも、もう出てますな(薬草を投げつける等)。ダイの得手不得手も修行風景を通じて自然に語られてます。そして、隠していたアバンの死が早くもマァムに知られてしまいもする。これが次話で効いてくるわけですね。

 敵側も妖魔士団長ザボエラが登場、内心ではクロコダインを走狗扱いしつつ、アイテムを渡してけしかける。まだ2人目ですが各軍団・軍団長の立ち位置が見えてくる気がしますし、これが次話(第8話)での大規模侵攻につながるわけか。

 その第8話では、まず目につくのが当然ですが、クロコダイン軍団のロモス襲来、しかし狙いはダイを打倒すること、という奇妙な戦いですね。ザボエラの狙いがロモス占領だとして、クロコダインには「こうすればダイを確実に倒せる」とアイテム渡して吹き込んだんかしらん。

 クロコダインとしては、ダイを倒さねば面目が立たないが、この戦い方(軍団でロモスを攻めてダイをあぶりだし、親同然のブラスを人質に取る)を恥じるところもありそう。おそらく次話での決着(すると思う)へ影響しそうです。

 しかし、自分的にもっと注目したのがポップですね。今まで以上に、真剣(?)にヘタレてます。そこを強調し、かつ自然に見せるため、ニセ勇者一行が2度目の登場もしてますな。このくらいヘタレてます、という感じがよく伝わります。そのため、マァムの怒りも納得できるし、それでも奮起を見せないポップに充分に失望もできる。マァムがアバンの死を知った事実も、そこで重さを感じますね。

(そのシーンで、こちらで伺ったポップの「打たれ強さ」、しかとこの目で見ました(^^;。殴られて壁に激突し、壁が破壊寸前まで凹んでます。普通、死んでしまうだろうに、「痛た」くらいで済んでる。この頑丈さに比べられるとしたら、拳銃で撃たれても「痛たた」で済んだ、幼少時の悟空くらいだろうか。)

 このポップに対する失望は、次話への充分な溜め、いいバネになってるみたいですね。ダイ、マァムは敵の術中にハマって戦闘不能。これに叱咤激励も効かず、怯えて傍観するポップが、どうするか。予告映像では期待通りにしてくれそうです。

 もしそうならですが、自分的なセオリー「真のヘタレは威勢のいいことを言って逃げ出し、偽のヘタレは逃げ出す理屈を並べ立ててから立ち向かう」の一例となるはず。孫子の兵法だと「辞卑くして備えを益す者は進むなり。辞強くして進駆する者は退くなり。」に近いですが、意味はちょっと違うか(^^;。

 仮にポップが大した戦果を挙げないとしても、ヘタレにヘタレてますから、大変な落差が感じられるはずですし、自分が好きな燃える展開パターンの1つでもあります。もし期待通りか、それ以上の展開だったら、定期感想に加え、ストーリーに沿って感想を言いたくなるかもです。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/22 (Sun) 01:19:05

 昨日(20日)、うちのブログの20周年特別企画のバトル創作が完成しまして、一応、この場でも宣伝しておきますね。
 全5話+外伝1話で、字数にして各話1万字ぐらいの会話劇。うん、原稿用紙に換算すると、6万字=240枚ぐらい? 文庫本1冊ぐらいのラノベかな。

 で、さすがに全部読むのは大変なので、お勧めの回だけで貼り付けておきます。
 ここでの話題から考えて、2話めがいいか、と。

https://whitenova.hatenablog.jp/entry/2020/11/15/050402

 特撮マニアで、スパロボマニアだと最終話を試しに読むのがいいんだけど、
 平成ライダーとか、一部戦隊限定だと、2話めが分かりやすい。それで続きが面白そうなら、以下はご自由に、という形ですね。

 逆に2話を読んで、作風に馴染まなかったら、たぶん続きも面白くないだろうと思ったり。

 どちらかと言えば、平成ライダーよりは、ウルトラマン寄りの物語になったもので。
 巨大怪獣VS巨大ヒーロー&ロボ的な展開の、SFファンタジーパロディーです。
 うちの娘キャラの花粉症ガールが仲間たちと留守番する中で、悪霊超獣から塔を守っているうちに、スーパーヒーローの大いなる力を駆使する展開で、最後は20周年記念おめでとう的な流れ。

 なお、バトル後の後日譚はこれから書く予定。

 それはさておき、定例感想です。やっと、いろいろ消化できた感。

★ブレイド

 OP変化と相まって、急に物語が加速した感じですな。

 物語の主題が「ジョーカー」に集約されて、全てがその一点に結実する縦糸が明示された、と。

 なお、リアルタイムだと、この時点で「夏の劇場版」が披露され、その内容が「剣崎が始と戦って、アンデッドとして封印した後」の話で、要するにTVの最終回後を想定した話です。
 そこで、トランプの13の上を行く、さらなる強敵14(フォーティーン)というのが出てきて……封印されたアンデッドを解放して、再び世界がピンチって展開だった(その世界がディエンドの世界としてリメイクされたり)のですが、
 結局、TVの最終回は別の物語になってしまいました。

 まあ、当時の平成ライダーは、物語が半ばまで進んだ夏に「仮の最終回をイメージしたパラレル物語」を示すことも多く、二つの異なる結末があったりしました。
 夏の映画を見ながら、TVの今後を暗示しつつ、だけど結局は映画と違う話にTVが展開するので、映画を見なくても話には付いて行ける。
 ただ、夏映画のDVDが年末頃に発売されて、冬の最終回との違いを楽しむのが通の見方でした。

 ディケイド以降は、夏最終回になって、後日譚的な真の最終回が冬、という流れで、TVの最終回後の展開および次のライダーとの共演が定着していましたが、
 今年はコロナのせいで夏映画がなかったので、夏と冬の要素をまとめて年末に、という流れ。

 ……って、映画の話に寄り道しつつ、話を戻すと、この時点で「剣崎と始の最後の対決」に向けて物語が加速するだろうと当時の視聴者は考えていたわけですな。

 だから、剣崎と始の友情ドラマが涙の対決劇に発展するはず、と思いながら、それでも運命を変えようと抗う剣崎の想いが注目ポイント。

 一方、橘さんは組織の人間に唆されて、剣崎と対決したり、それでも剣崎の想いと組織の策謀に翻弄されたり、
 睦月は睦月で揺れ動きながら、自分自身を取り戻す、人とアンデッドの境界線でもがく物語として、加速していくわけですな。

★ウィザード

 一方、ウィザードの最終2話も會川さん担当で、何だか會川祭りになってますな。

 アマダムとか、クロスofファイヤーとか、マニアックな用語を示しつつ。
 ええと、クロスファイヤーは、スカルマンと並んで、「仮面ライダーの企画案の一つ」です。
 クウガのアマダムと、昭和ライダーの原案クロスファイヤーというネーミングを示すことで、マニアをニヤリとさせたわけですな。

 そして、「仮面ライダーのルーツは悪の怪人と同じ(一部例外はありますが)」とか、「正義ではなく、人類の自由のために戦う」とか、ライダーマニアなら大いに首肯できるテーマを示した、と。

 ともあれ、ディケイド以降の平成2期がW、オーズ、フォーゼ、ウィザードと来て、次の鎧武が平成ライダー15作目という記念で、記念イベントとも言えるわけですな。

 なお、ディケイドの続編が今年の年末に何らかの形で来るとか、仮面ライダーウォズのVシネが来るという来年以降の噂もチラホラと聞こえて参りましたが、まだ正式発表されていないので、あくまで未確定情報ってことで。

★牙狼MS

 金狼感謝は今年はなくて、代わりにYouTubeでリモート対談企画が配信されたそうですが、忙しかったので、自分はまだ未チェックです。

 一応、鋼牙とカオルの役者と、VR組の人たちの対談だったらしく、雨宮監督も「絵本企画が進行中」的なことを言ってましたな。
 文字どおりの絵本なのか、それとも「絵本をテーマにした映像作品」なのかは未確認ですが(アニメの可能性も)、正式タイトルが上がっていないことを見ると、来年頭ということはなさそう。

 さて、感想ですが、今回はまだワタルの登場はなかったですね。次回に合流するのかな。

 隠し注目ポイントは、シグマが腕を再生させたシーンで、鋼牙が驚きの表情を浮かべるのですが、初見だと「腕が再生したから驚いた」と思わせておいて、
 実は「もう片方の腕に、幼少期にワタル教官からもらった友達の証のお守り」が巻き付いているのに気づいたのが真相とのこと。ここで、鋼牙はシグマがムラサキであることに気付いたわけですね。

 で、「お前は俺のザルバだ」というセリフを鋼牙が口にするのですが、それも敵に奪われようとしているザルバを守ろうとしているように見せかけて、実は「お前は俺のザルバ(親友)だ」とシグマ=ムラサキに訴えたそうです。
 このザルバというセリフの真相は、自分も今回、初めて知って、おおって感じ入りました。

 隠し要素多すぎますよ、監督。

 そうなると、次回のタイトル「盟友」にも、表の意味が零たち助っ人メンバーである意味で、裏の意味がシグマに向けられていることはないかなあ、と深読みしたくなります。

 ともあれ、今回はこれにて。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/22 (Sun) 22:41:02

 定期感想その3です。

 ネットの放映も盛んで、観たいものがあり過ぎて困ります(^^;。ウルトラ系ですと、某所で知った「ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀」があります。それだけなら1話は短いんですが、前作「ニュージェネレーションヒーローズ」全話を1本にまとめたものもネット放映されてまして(やっぱりトレギアが黒幕ですか)。

 こちらで金狼感謝祭の代わりにLIVE配信があると伺い、牙狼公式Youtubeで「何の特番だろ?」と見過ごしていたものがそれだと気が付きました。これは観ねばと視聴しましたが、2時間超えてまして(もっとも冒頭からかなりの時間、待機画面が続く)。

 雨宮監督の絵本企画は、文字通りの絵本の完成みたいです。牙狼1stでカオルが完成させた絵本ですね。リアルでの雨宮版(?)は多忙のため、まだ撮影用のページ以外はできておらず、なんとか来年に完成させたいらしい。牙狼の具体的な新作の話は特に出てなかったようです(まだ構想中で内容が流動的なのかも)。

●牙狼MS(第21話感想補足)

 こちらで、鋼牙がレオを見て驚いたのが「もう片方の腕に、幼少期にワタル教官からもらった友達の証のお守り」だと伺い、すぐに録画を観なおしました。が、シグマの右手首に巻かれたのがお守りだと思うんですが、映像を停止させてよく見ても、確かにあのお守りだとは分からず。単なる飾りの腕輪のようにも見えます。

 しかし、これは覚えておくべき情報ですね。鋼牙はこの時点でシグマがかつてのムラサキ少年だと気が付いた。シグマはまだ鋼牙のコートの飾りが、あのお守りだとは気が付いていない。シグマが気が付いたとき、少年時代の約束はどうなるか、注目すべきポイントになりそうです。

 ザルバについても伺ってから思い出しました。旧魔戒語で「ザルバ」は「友」の意味だったんでした。そしてシグマはホラー:セディンベイルの助力で古代魔戒文字を読み解いている。シグマになら分かる言葉で鋼牙が呼びかけるも、歪んだ理想しか見えないシグマには届かなかったと。あの状況にぴったりとハマり、この後を予想させるものがある感じです。

 いつも助かっております。鋼牙の驚きと呼びかけの意味が分かると分からないとでは、この後の大詰めと決着で、たぶん感動し損ねるものが出たと思います。今更ながら、遅まきながら雨宮慶太監督のツイッターを追っかけてみたんですが、ネタバレにならないよう配慮して種明かししているようで、自分の独力では意味が取れたかどうか自信がありません。

●仮面ライダークウガ(第21話:暗躍、第22話:遊戯)

 セイバーの感想で思い違いをしていたことに気が付きました。バラ姐さんのバラマークは首筋ではなく眉間にあるんでした。だんだんファンになってきたと言いながら、なんとも己が観察力、記憶力の不甲斐ないことです。

 雄介が「超変身」を劇中で口にしたことの指摘を拝読して、自分もようやく意識してみたら、OP曲の最後が「超変身、仮面ライダークウガ」だったことを思い出しました。クウガが「超変身」することを制作が最初から意識し、歌詞にまで組み込んでたわけですね。

 それはそれとして(^^;、バラ姐さん、今週から装いを一新した感じです。どうやらゲーム(ゲゲル)がゴ集団のセミファイナルゲーム(ゲリザギバス・ゲゲル)が近いからなのかな。つまり予選終了して、正装で本選に臨むということなんだろう。グロンギの会話で「バルバ」と名前が言及されたり、一条との会話が発生したりしまして、バラ姐さんが次第に表舞台に出てくる感じです。

 ゴ集団も登場しまして、ゴ・バダー・バですね(クウガとの決着は、だいぶ先の第33話らしい)。赤いマフラーしてバイクに乗ってまして、ほとんど仮面ライダーしてる感じです。またがるバイクも「バギブソン」で、リントの言葉で「サイクロン」らしいし、バッタ種怪人だそうだし。

 今週のメインゲスト敵はメ・ガルメ・レで、以前はズ集団のズ・ガルメ・レだったわけですね。ゲームクリアして、第7話の時点でメ集団に昇格していたわけか。今週はさらにゴ集団への昇格を狙ったわけですな。だから犯行予告という不利になるゲーム条件を設定していたらしい。上位集団への移行だけでなく、個体としてのグロンギもクウガ同様、成長・強化していることが分かる演出ですね。

 クウガも追いつかないといけないわけですが、先週に起こったブーツの宝石(?)が光る現象は今週も出たものの、具体的なことはまだ起こらず。代わりにようやくゴウラムが戦線復帰ですな。朽ちかけた遺物風から、稼働可能な感じに戻ってます。雄介が触れて戻ったのかと思いきや、榎田ひかりの不眠不休の努力があった模様(ギノガ変異体に熱中もしてるようですけど ^^;)。

 榎田ひかりの努力は描写されませんが、息子との約束を守れなかったというシーンで暗に示されていますね。前は榎田ひかりのボヤキでしたが、今週は息子の不満と祖母のホームドラマで上手く表現されてます。

 榎田ひかりが子供との約束を守れなかったという点を、ゴウラムに夢中なジャンが疑問視する様子がありますが、美加のときと同様、ちょっと察しが悪いわけですね。この後、またもや反省して、さらに上手く協力できるようになったりするのかしらん。ジャンは桜子と共に正式に科警研と協力するようですんで、見どころになるかもです。

 ともかく本編。前話の事件から1ヶ月ほど経っているらしい。警視庁が察知したのは、未確認生命体第3号こと、ゴオマの動きですね。どうやらゴオマ、東京と長野の間を使い走りさせられてたみたいです。コウモリ種だから飛べるわけか。すっかり忘れてました(^^;。

 が、さすがにきついのか、ゴオマはバラ姐さんに不服言ったようで、またもや怒られてますな(バラ姐さん、叱責時にグロンギ態になったらしい。手しか映らなかったのは残念です)。一条はゴオマの動きから、長野の遺跡にまだ何かあり、バラ姐さんが動いたのではと思った模様。まさにご明察で、この後、対面もしてしまうわけですね。

 科警研ではゴウラムが復元しており、ジャンや桜子が見に来ていますね。順調なようですが、榎田ひかりが裏では息子との約束も守れず、自身も過労に陥るほどの努力を重ねた結果らしい。しかし榎田ひかりは他人には苦労を見せずに気張ってますね。前に母親が倒れたことを隠す一条を庇ったときと同様の、気遣いと気苦労でしょうか。

 グロンギは相変わらずそんなことお構いなし。今週は未確認生命体第31号/カメレオン種怪人/メ・ガルメ・レですね。保護色で隠れ、長い舌でターゲットを瞬時に絞殺しているらしい。誰にも見えない有利があるにも関わらず、犯行直後に次の犯行を予告するという奇妙な行動を見せる。

 これは警察にとっては手掛かりとはいえ謎になるわけですね。日本語を流ちょうに話すということは、把握していないグロンギが潜伏している可能性も高い。殺人の動機も判明してない。が、グロンギとしてはゲームであり、ガルメは勝利条件をわざと難しくして、昇格を早める狙いがあるわけですね。たぶん、ズ集団からの昇格でも同じようにして、味をしめたんだろうか。が、今回は最後の最後で裏目に出るわけですな。

 が、この時点では警察ではほぼ打つ手がない。多少の銃弾では効果が薄く、すぐに姿を消して移動されてしまう。雄介はガルメが前に出現した敵だと直感して追うも、ゴオマがちょっかいかけてくる(クウガを倒して昇格狙いか?)。さらに赤マフラーの謎のバイク乗りが妨害してくる。

 状況が錯綜しつつ後半(第22話)に入りまして、クウガはゴオマに逃げられ、バイク乗り「またな、クウガ」と言って去ってしまう。ですが、構っている暇はない。夜も捜査を続ける一条はバラの花びらからアジトを発見、グロンギが武器を所有し出したことを目撃する(ゴ集団は武器を使うらしい)。しかしバラの姐さんに見つかってしまうわけですな。

 一条はこの時点では知らないでしょうけど、ゲームプレイヤーでないグロンギであり、特にゲームマスターであるバラの姐さんに見つかったのは不幸中の幸いでしたな。プレイヤー以外は殺人を行わないわけですから。バラ姐さんは一条に「リントも変わったな」と言葉をかけて去ろうとするも、なおも食い下がる一条を何かの術で眠らせる。一条は後にバラ姐さんから一目置かれるらしいですが、こういうところが評価されたのかも。

 一条は雄介が保護して、車まで運んだらしい。自分(一条)が無事だったことを気にせず、警戒感を深めてますね。自分の身よりグロンギを気にする一条は、職務に忠実ではありますが、ちょっとテンパってるかな。なぜ自分(一条)を無傷で見逃したのかも、グロンギの狙いを探る大事なポイントだろうに。

 が、ともかくは31号=ガルメ対策ですね。雄介は前の対戦時にはない、超感覚のクウガ緑があることで勝算はあるらしい。ただ、飛び道具は一条から借りるとしても、飛べないことが問題である模様。上空から探さないと逃げられるからでしょうな。

 飛ぶのに近いのは跳べるクウガ青なんでしょうけど、超感覚も飛び道具もない。思うように戦えないというのは、戦略的に工夫が必要な面白さを演出しているように感じます。今回はゴウラムで補うわけですな。ゴウラムの復活はギリギリで間に合ったわけか。

 科警研では独自の対策も練ってまして、榎田ひかりらはガルメの細胞が強い光を受けると一定時間(後に5分程度と判明)、変色能力を失うことを発見、閃光手榴弾(特殊閃光弾スタングレネード)の開発につなげるわけですね。

 ガルメの次の犯行予告現場では、装備を整えた警官隊がガルメと遭遇。犯行理由を問う杉田守道刑事に、ガルメはゲームだと答えまして、杉田らにかなりのショックを与えた模様。人間がスポーツとしての狩りを楽しむような感覚で、逆に狩られるわけですから、無理もない。そういう相容れない敵と思うしかなさそうです。そのためか、直前の朝日奈奈々がダンスの先生をガルメに殺害されたと悲しむシーンも、一層重い感じがします。

 ガルメ vs 警官隊の対決の緒戦は前回までと同様、ガルメが翻弄しますが、閃光手榴弾が威力を発揮、一時的ながら保護色を無効化できた模様。そこへ雄介クウガが駆けつけまして、一時撤退を試みるガルメとの戦闘を継続する。

 多少長引きまして、閃光手榴弾の効力が切れるも、桜子が解読した「戦士としもべ、手と手をつなげ」でゴウラムを使ってクウガが飛翔、上空から超感覚でガルメの位置を特定、遠距離狙撃一発で見事に勝利。が、勝っても不安のほうが大きそうですね。グロンギ個体が次第に強大化するし、日常に潜んでいそうだし。メタ視点となりますが、次週はメ集団筆頭のメ・ガリマ・バで、その次からゴ集団のようですから、安心できないのは確かでしょう。

●ホビー館創設20周年バトル話1~5

 自分には第2話が良かろうとのお勧めを頂戴しましたが、結局、通読しました。読んで分かるかどうかという点では、第2話だけでなく、全体的に8割くらいは分からない感じです。多数の作品の情報洪水は、ジオウやディケイドの比ではありません。ネットで調べても追いつかないもの多々です。オリジナルキャラクターともなりますと、ブログをきちんと読んだ範囲でしか分からない。

 じゃあ、なんで通読したのか、できたのかといえば、8割分からないということは、2割は分かるわけで。ガンプラシリーズ(ビルドF/D)で学んだのは、「分からなくてもいい」ということでした。多少長く申せば「知っている部分は工夫を面白がり、知らない部分は類推して楽しみ、それでも分からない部分は雰囲気に浸ればいい」ということになります。

 それ以上のものも、自分的にはあります。前に多少申した気がしますが、「たとえ自分が面白いと思ってないものでも、それを面白がっている人の話は面白い」というものです。内容が分からないものがいろいろありながらも、読んでいると「ああ、この文章は苦労しながら書いているけど、それゆえに楽しんでそうだ」というのが透けて見えてくる気がします。

 直接的には2009年と交流したりするわけですが、昭和期も言及され、ずっと以前からの蓄積を20周年に注ぎ込んだ感じですね。30年以上に渡って、面白かった経験が一気に爆発しているような印象を受けます。

 一見は、思いつくままたたーッと書いたように感じられるんですが、考えてみると、自分がこれだけの情報を、辻褄が合うように構成できるかと考えると、到底無理そうです。そうではありながら、よくある知識自慢「こういうこと知ってます」みたいな感じが生じない。どう面白かったか、で貫いてくれてますんで、気分いいまま読み進められた感じです。

 もちろん、収穫もありました。例えば1で動画リンクもある「ドゴラ」。東宝初の宇宙怪獣は、このドゴラだったんですか。不覚にも存在自体、知りませんでした。東宝の宇宙怪獣はキングギドラからと思ってました。映像を観てみると、たぶん小学生くらいの自分でも好みそうな、不気味な雰囲気を醸し出してます。雲から足(?)が垂れてくるとか、なかなかいい感じ。これってテレビ放映がなかったか、それとも気が付かなかったのか。

 ウィキペディアなどでさらに調べると、怪獣造形に凝り過ぎて、撮影が困難を極めてしまったとのこと。キングギドラでも操演が大変だったそうですから、水槽に沈めて、水泡に注意しつつ、さらに背景などと合成、となると続けられなかったんでしょうね。今ならCGも併用して充分に可能だったでしょう。ドゴラは生まれる時代を誤った、先進的な怪獣だったと思えます。

 NOVAさんとの(当時の)好みの違いを感じたのは、例えば3のウイングマンかもです。桂正和さんの絵は惹かれました。例えば鳥山明さんの絵も、アラレちゃんで非常に魅力を感じたんですが、程度は同じくらい、性質は異なるものを感じたのを覚えています。コミックで変身ヒーローというのも、自分的には斬新でした。

 期待してコミックを読み始めたんですが、作風が合わなかった覚えがあります。中学生ヒーロー、ファンタジー要素などが自分的には駄目だったのかも。その頃は分析的なことは一切せず、感想は「面白い/つまらない」だけでしたんで、あまり細かい理由は思い出せません。アラレちゃんの後はドラゴンボールでして、バトルに傾くにつれ、変身しないヒーローに夢中になっていった覚えがあります。

 が、3でウイングマンにNOVAさんが簡潔に書かれたことからは、尻上がりにヒーロー化していくタイプだったのかと。ウィキペディアなども読んでみると、今の自分ならハマる、努力でヒーローの力をモノにしていくような解説もあります。そして最後は巨大化もあったんですか。

 そうと分かってみると、長らく平成ライダーで自分がやったミス、「序盤で分かった気になって離脱」をやらかした可能性が高いなあと。アラレちゃんからドラゴンボールの時期はジャンプを毎週買っていたわけで。ウイングマン連載は完全にその時期に収まります。ウイングマンの絵柄自体は好感度高かったんだし、読むだけは読んでおけばよかったかなあと今になっては思いますが、当時の自分が理解できたかどうか。

 そんなこんなで読み進めていって、5のラスト。ウォズ祝辞で即座に「そうか20周年だからか」と思い出した次第。これはツボの締めです。が、締めてあるにも関わらず、もっと続けたそうな雰囲気も感じました。

 自分はおおむね3回読まないと、ちゃんと分からない愚鈍さがありまして、以上は、1回だけ通読した感想になります。また読み返すと思います(ネット検索で調べたいと思った項目も多々あったし、多すぎて追いつかない ^^;)。新たな発見とかあれば、また感想を書くかもしれません。

 改めて、ホビー館20周年、おめでとうございます。気が早いですが、四半世紀のお祝い、さらに30周年を一緒に祝えたらと思います。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/23 (Mon) 16:13:01

 定期感想その4です。

 11月も下旬となりまして、1年が速いんだか遅いんだか分からない気がしています(^^;。ライダー物だけでも、TVではセイバー以外にローカル局の再放送(毎週2話)もあったし、ネット放映も複数あるし。剣/ブレイドはいい具合に面白くなってきてます。

 さらにゴーカイジャー完走しまして、他の戦隊にも興味が出て来て、今ですとネットではゴーバスターズ、アバレンジャー、さらにターボレンジャーも欠かさず観ています。キラメイジャーに対する視聴態度も少し変わりました。

 面白いものがたくさんあると時の流れが速くなるわけですが、思い返してみたときには情報量が多い。今年の正月から考えて、3年くらい過ぎたような感覚も生じて来てます(^^;。

●仮面ライダーセイバー(第11話:乱れる雷、広がる暗雲。)

 別所の感想を拝読して、自分が勘違いしていたことに気が付きました。カリスの正体について、飛羽真には知らされてなかったという点です。そうと分かってみると、前話で飛羽真が賢人にえらい剣幕で詰め寄るのも自然でした。違和感を感じたら自分が勘違いしているというミス、どうも減りませんorz。
(11/25追記:カリスじゃないよ、カリバーだよ!>自分orz どうも週当たり作品情報量が己が処理能力を超えてるみたいです。)

 ともかく本編。タッセル前説では、どこかへ電話してますな。この部屋の外があるわけですか。後説も踏まえると、前に言っていた、会いに行く誰かということか。タッセルがセイバー本編中のキャラクターであるのか、それともミスディレクション演出で、例えば監督とか出て来て話を聞かせてくれる段取りなのか。

 冒頭は、またも屋上で悩む賢人からですね。飛羽真が声をかけ、記憶が取り戻せそうだと(おそらく励ますつもりで)言うも、賢人は「忘れてるなら、それでいいじゃないか」と。冷たく突き放すようではありますが、賢人なりの配慮もあるかも。思い出したら辛いはずだ、ということで。もっとも、飛羽真が「はい、そうですね」と引き下がるなんて、あり得なさそうです。

 敵拠点では、ストリウスが「6人の剣士が揃いました」とほくそ笑み、ズオスが「時が来た」と嬉し気。ジャオウドラゴンの経緯のみならず、大秦寺をスラッシュとして引っ張り出したこと、さらには飛羽真をライダー/剣士として巻き込んだこと自体、予定の行動だったと考えるべきなのかも。その仕上げは、レジエルに任されたみたい。今回はゴブリンメギドで、今回も集団ですな。一気に6つの街を占拠、ブック世界化してしまう。

 敵メギドの順調な様子に対し、ロゴス側はゴタゴタしてまして、賢人と倫太郎が言い争ってますな。カリバーの正体、父親の状況の悩みで賢人が個人プレーに走ると見た倫太郎が、いつになく厳しく諫めてます。私情を控え、使命と役割を果たすべき、と賢人を諭すわけですが、この後、倫太郎の私情性を逆に突きつけられもするわけですな。

 この時点での賢人の言い分も分からないものではなく、組織の構成員も一人の人間であるというわけですね。ここで大秦寺が「いい加減にしろ」と怒りを爆発させた、と思ったんですが、喧嘩は嫌い(たぶん「怖い」の意か?)だというわけですか。テンション高いときと正反対ですな(^^;。

 困った事態ですが、さらに芽依が敵の策動をキャッチ、レジエルが放ったゴブリンですね。この時点の描写では、適当に場所を選んだように見えますが、どうやら正六角形の頂点になるようにしたらしい(魔法陣か何かなんだろう)。ソフィアもやって来まして、芽依に鍵を預ける(探知の本持たせてもまだ動き回るので、新しい猫じゃらし与えたようにも見える ^^;)。

 この鍵は今話時点では、探知本以上の敵探索システムの起動用らしい。だんだん司令官に近づいてないだろうか、芽依は。鍵を預けたソフィアは「留守を頼みます」と言って、出て行ってしまう。この後、カリバーに会い、行方知れずの感じで消えてしまうわけですな。ソフィアはそれを見越して、情報系のシステムを芽依に任せたんだろうか。芽依の理解では「お留守番」のようですが(^^;。

 その間も敵は作戦続行で、ブック化した街の住人を次々と赤い影のようなものに作り替えてますね。迎撃一番乗りは緋道蓮で、さっそく剣斬でゴブリン退治開始。尾上も(おそらく別の街で)ゴブリン討伐しようとするも、デザストが介入(作戦外の行動の雰囲気がある)。どうやらこの2人は以前からの因縁があるみたいですね。

 飛羽真も(やはり、おそらく別の街)で迎撃開始ですね。ゴブリンは街の住人を赤い影にすることより、ライダー/剣士がターゲットのような行動を見せてますな。大秦寺スラッシュも行動を開始する。敵が言うロゴス側の6人の剣士って、こういうことか。ただし、スラッシュはセイバーと共闘すべく駆けつけたわけで、もしかすると敵の誤算だったかもしれません。そのせいか、レジエルがメギド態で加勢に来てますね。

 しかし、賢人と倫太郎はまだ揉めてますな。多少のコミカル描写を交えつつ、言い争いを続けてます。裏切り者の父という負い目を感じる賢人を、倫太郎はまたもや冷たく突き放す。が、倫太郎は(おそらく物心つかないうちに生き別れか死に別れして)家族の記憶がないわけですね。だから、ロゴスが家であり、仲間が家族だと言う。しかし、賢人はそれも私情だろうと。この言い争いは今話ラストで倫太郎が行動で是非を証明した感じです。

 倫太郎から去る賢人に、神代玲花から連絡が入る(敵側の誤算修正か?)。カリバーの居場所を教える、というわけですね。神代玲花のすぐ近くにカリバーが立ってますな(どうやらソフィアを待っていたらしい)。一応、神代玲花はカリバーから隠れるような位置から連絡してますが、落ち着きようからするとカリバーと結託しての行動のようにも見えます。未だ不審人物かなあ、神代玲花は。

 すぐにソフィアが現れまして、カリバーに「お久しぶりですね、上條大地」と声をかける。先代炎の剣士:上條大地がカリバー=闇の剣士になった経緯を問いただしたいらしい。理由が分かれば、ロゴス側へ引き戻せると考えてるのかもしれない。が、上條大地の答は、真理を知るために悪魔に魂を売った、というもの。

 そこへ神代玲花の連絡(なのか手引きなのか)で賢人と倫太郎もやって来てしまう。疑心暗鬼の賢人はソフィアも結託しているのかと疑ってしまうわけですね。ロゴスが何かマズいことをやらかしてしまい、賢人の父:隼人に濡れ衣着せて詰め腹切らせたんじゃないかと。

 もしそうだとすると、上條大地がなぜ現カリバーとなっているかが疑問点となります。隠蔽工作なら例えば、カリバーは死んだ、でいいわけですから。賢人エスパーダは真実を聞き出そうと、上條大地カリバーに襲い掛かる。が、カリバーの答は「お前(賢人)の父(隼人)に聞け」→「(裏切り者だから)私(上條大地)が斬った」というもの。

 さすがに賢人エスパーダは激高する。父:賢人の死が確認されたし、やったのが上條大地と分かったわけだし。それ以外に、もしかするとですが、隼人の次は賢人に罪を着せて葬り去ろうとしている、と思ったこともあるかもしれません。

 ともかく賢人エスパーダは全戦力投入態勢に入る。これに対し、上條大地カリバーは完成したばかりのジャオウドラゴン実戦投入で応える。ネガティブな状況ではありますが、本気には本気と、剣の道に則るものではあるでしょうな。しかし異常事態発生しまして、戦いを見守るソフィアの背後で煙があがり、ソフィアは振り返りざまに消えてしまう。

 一方、ゴブリンメギドと交戦中の3ライダー/剣士は撃破に成功、と思ったら、トラップだったらしい。撃破成功の2か所で何かが起動した模様。尾上バスターと交戦中だったデザスト、戦いの手を止めて「始まった」と呟き、尾上との対決もこれが最後かもと意味深なことを言って去る。

 その頃、エスパーダ vs カリバーの戦いは地力の差でカリバー圧勝ですな。カリバー、気迫はあるが剣は未熟と言い、止めを刺そうとする。しかしその剣は、とっさに割って入った倫太郎ブレイズが代わって受ける。背中ではなく真正面で受け、剣を一振りしてカリバーを下がらせもしたところ、なかなかの迫力です。

 しかし即死ではなかったようですが、変身を解除の倫太郎、吐血して倒れる。賢人が戦いも忘れて駆け寄り、抱き起すと、倫太郎「剣士失格ですね、私情で動いてしまいました」と。うーむ、カッコいいじゃないか。前半の言い争いに対する、倫太郎の行動での最終回答と言えましょう。これを芽依も遠隔で見てましたな(剣士の一角の自負・覚悟は揺らぐかどうか、倫太郎に対する見方がどうなるか、ちょっと気になる)。

 カリバー、勝負はついたと見たのか、「もうすぐ世界が終わる。そして私は真理を手にする」と言い捨てて去る。これをタッセルが後説で整理しますが、「彼」なる人物が来たみたいですね。来週の前説で、誰だか分かるのかしらん。

 次回「約束の、あの場所で。」では、賢人が執念でカリバーに食い下がるみたいです。今話での倫太郎の影響がどう出るか、期待したくなります。そろそろ序盤の締めで、中盤へのターニングポイントになってくるのかなという雰囲気も感じます。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/24 (Tue) 09:35:34

 まずは、自分ところの創作話を読了いただき、ありがとうございます(m0m)。
 話のネタ的に、読む人を選ぶパロディー作品ですし、自分が書きながら感じている楽しさがどれだけ伝わるか、こればかりは読む人次第だと思いましたが、ここでは何よりも「ラーリオス」の延長に当たる要素もあるので、当時からお付き合いいただいているK.Kさんにも読んでいただきたかった、という思いもあります。

 ラーリオスのスタートは2007年でしたが、当時の自分は足の骨折で動けなくて、悶々としていた中で時間だけはあった。
 そこに、思いがけず飛び込んできた「共同創作の誘い」を渡りに船みたいな感じで、興に乗っていろいろ動いたと思います。その後、足の怪我がある程度、治って、仕事の立ち上げに動くときの精神的原動力にもなったと思いますが(立ち上げたばかりでも客が来るまでは時間があったわけで)、

 それで2009時点では、ディケイド見ながら、「士が大ショッカーの首領」という設定が出て、それって「うちの小説の主役カートが、ゾディアックの星輝王に選ばれて持ち上げられる」という設定と被るなあ、と思いながら、何となく自分の書いている作品と、公式の流れがつながっていることに楽しさを覚えたりしていました。
 元々は、原案者が「BLACK+星矢」というイメージで企画を立てて、設定当時はBLACK(80年代後半)なぞ旧世紀の遺物と思われたのが、ディケイドで昭和ライダー復活の機運が盛り上がって、急にタイムリーになった。
 当時は、原案者に「ちょっとした先見の明がある」ようにも感じられたわけですが、彼の場合、「根気とか継続力に欠ける」点で、「時たま当たる発想力は稀に光る」ものを感じても、整合性とか世界観の狭さとか、断片的なアイデアの良し悪しを自分で判断できない点とか、長所を活かしきれないように思えます。

 それと、特撮ファンとしては、「BLACK好きなのに、続編のRXの話には関心を示さない」とか、知識が凄く断片的で、自分が見ていないものをバカにしがちという点で、話が噛み合わない点が多々。
 知っているものはリスペクト、知らないものは知らないのに噂だけでディスって、しかも知らないことにコンプレックスを覚えるのか、頑固に自分のマイナス評価を改めないので、物の見方に柔軟性が欠けるなど、
 ある程度、長く付き合うと、「ファンとして付き合うのもキツい」点が多々あります。

 ……とまあ、今さら他人の批評をしても仕方ないのですが、当時を思い出すと、どうしてもね(苦笑)。

 ともあれ、彼との創作付き合いは、良くも悪くも自分に影響を与えていますし、そのことを自分史として削除するつもりもありませんが、あくまで過ぎたことですね。
 やはり、共同創作の必要上、彼の書きたいものとかリサーチする必要を感じて、それなりに調べたのですが、そのことで彼はぼくを「自分のことを分かってくれる理解者」と誤解したようで、今もコメント欄で「自分のことをアピールして、ぼくにルパンの五右衛門のように斬られる」腐れ縁となっています。

 彼自身から直接、学べることはないのですが、彼の振る舞い方から感じられる幼児性と、それに対するこちらの対応なんかは、うちの空想娘その他の登場人物との関わり方にフィードバックされている面もなきにしもあらずかな、と。
 もちろん、彼のみならず、ここでのK.Kさんとの濃密なやり取りや、たさ氏とのツイッター付き合いとか、自分ところの掲示板での感想話も含めて、直接間接問わず、自分の経験として、今回の20周年創作には気持ちを込めたわけですね。

 今回、K.Kさんには「8割は分からなかったけど、2割分は楽しめた」という評価をいただき、まあ、それはNOVAという人間の2割は伝わったのかな、と感じております。
 2割という数字を少なく解釈することもできますが、自分としては「2割も分かっていただけた」って感覚ですね。その点、ありがたいと思っています。

 世の中、さっと流し読みして分かったような顔をする者、あるいは読まずにしったかの批判をする失礼な輩が多い中で、K.Kさんは日頃の特撮感想から拝する限り、丁寧に作品に接してもらえたと思いますし、
 元々、5話分のうち1話、読んでいただければ充分かな(それで2割ぐらい)と思っていたところ、全話読んでいただけたことでも満足した次第。

>ドゴラ

 分かる人にだけしか分からない、非常にマイナーな怪獣ですね。
 それでいて、東宝初の宇宙怪獣というトリビア知識にも使えて、いろいろ奥が深い存在です。

 この怪獣は、単細胞で分裂するアメーバクラゲで、キャラクターとしては固定されたものがない、だから創作で自由に料理できる便利な素材だと考えました。
 それと「ドラゴン」に名前が似てる、というのも言葉遊びがしやすいなあ、と。

 世の中のドラゴンと言葉が付くものを全部、「ドゴラン(ドゴラの)」と置き換えてしまえば、アイデアが結構広がる。

 自由に使えて、しかも、おかしなキャラ付けをしても誰も文句は言わないであろう便利な創作素材だと考えています。

>ウイングマン

 作者の桂正和さんが一般的にメジャーになったのは、OVAにもなった『電影少女』からだと考えます。
 ここでは『牙狼 紅蓮の月』のキャラデザインが話題に挙がりましたね。

 ウイングマンは当初、「ヒーロー好きの少年が、異次元から来た美女に夢をかなえるノートを与えられて、日常ドタバタコメディーのようにも展開できる作品」として、スタートしました。
 「異次元から来た美少女が願望を叶えてくれる」というテーマだと、電影少女にも通じて、昨今の萌えキャラハーレムにもつながる先見の明ある作品だと考えますが、一番秀逸なのは、「描いた空想が実現するドリムノート」の存在だと考えます。

 創作家にとっての夢のアイテムだと思いますが、それをヒーロー好きの正義感あふれる少年が入手したことで、悪用されずにヒーロー物として成立。
 そして、少年の妄想アイデアで多彩な武器が描かれるんだけど、それを使いこなすには、本人も特訓して体を鍛えないといけない。
 夢のヒーローになるための過酷な現実が、時にコミカルに、時にシリアスに描かれ、その戦いの最中で、彼のヒーロー好きに感化される美少女キャラとか、彼を尊敬する隠れヒーローオタクのイケメンとか(後にコスプレヒーロー、セイギマンを結成)、基本はヒーロー愛溢れるパロディーでありながら、

 敵サイドの根幹設定がシリアスなので、バトル回になると、非常にハードかつ、ピンチをアイデアで切り抜ける燃えるエピソードが続出。
 桂さんは後に、ヒーロー路線も追求し、ヴァンダーとかゼットマンとか、シリアス風味を高めた作品もあるのですが、そちらは重くなり過ぎて、ヒーローの活躍よりもドラマ重視な作品になりすぎて、リアルだけどパッと分かる熱さや勢いが削がれたかな、と。

 自分はドラゴンボールでも、初期の冒険ストーリーの方が好きで、スーパーサイヤ人なんかが出てきて、世界観や戦闘力がインフレし過ぎると、もはや違うマンガだなあ、と思っています。
 シリアス一辺倒は、嫌いじゃないけど、日常コミカルとのバランスが見事な作品の方が好きですね。

 まあ、牙狼はほとんどコミカルがないけど、強いて言えば、ザルバの皮肉な軽口がコミカルかな。
 ザルバがいなければ、鋼牙の寡黙な主人公像が成立しなかったとか。

>もっと続けたそう

 小説のように地の文のある描写スタイルではなく、会話だけでバトルをどう成立させるかが問題ですね。

 これは特撮ヒーロー物でも、脚本を書く際に、会話とかキャラのちょっとした動きなどは書きますが、アクションそのものは現場の監督や、アクション監督にお任せして、細かくは描かない点です。
 映像作品は複数人の役割分担が肝で、奇抜な脚本家だと「これをどう映像化するのか?」という描写が多くて、それが現場監督のアイデアを刺激したり、映像化困難なシーンは一部の脚本をカットするせめぎ合いが面白いとか。

 で、自分一人で仕上げる小説や、うちの会話劇なんかでは、表現しにくい描写も当然あって、
 バトルもキャラのセリフで「状況説明」とか、「敵の攻撃への対処」とかを描かないといけない。

 動きで見せれない分、その辺は断片的なヒントに留めて、細かいところは読み手の想像にお任せする形になりますね。
 最終決着については、もうひたすら味方が必殺攻撃を連発して、敵がいろいろ吠えて、最後にとどめを刺す燃えるバトルになるのですが、
 会話のやり取りだけで、それを書いても、「くらえ、技名」の連発になるしかない。

 映像込みだと燃えるシーンが、会話だけだと勢いの割にマンネリで味気ないなあ、と感じたりも。

 で、まあ、その後どうなったか、という後日譚の方にエネルギーを注いだので、興味があれば、と。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/24 (Tue) 10:25:14

 で、自作絡みのレスを長々とした後で、定例感想に移ります。

★クウガ

 バイクに乗った赤マフラーの謎の男。
 これが後の作品だと、「また新しい仮面ライダーか?」となるわけですが、クウガは単独ライダーの物語なので、あくまでライダー似の敵怪人ですね。

 もしも、クウガに2号ライダーがいたとしたら、一条さんが五代のピンチに変身したりするのかな、とか、いろいろ妄想も湧くのですが、
 当時は、ゴオマ、ガルメ、バダーと複数怪人がクウガの前に現れる錯綜展開に、話の盛り上がりを感じました。

 ここまでが、クウガはリアルだけど、ハートフルだけど、燃えるアクションが少ないという不満も多少覚えていましたが、
 複数キャラが合い乱れる平成ライダーシリーズの萌芽は、この辺から本格的にスタートかな、と今の視点では思いますし、当時もワクワクするようになった頃合い。

 本格的にフォームチェンジを使いこなす、警察やゴウラムとの連携が多くなる、未確認も日本語を話すようになってドラマ的コミュニケーションが濃くなるなど、序盤の助走から急加速する段階ですね。

 あ、それとバラ姐さんは、怪人体が結局、描写されません。見たかったんですけどね。
 人間体のまま一条さんに強化弾丸であっさり射殺されます。あまりに呆気ないので、続編で「実は生きていた」とか描かれるのかな、とも思ったのですが、結局、次回作のアギトがクウガのその後、という風にはならなかったので、バラ姐さんはもったいないことをした、と思います。

 小説版では、出てきたのかな? この機にもう一度読み直すのも一興かも。

>リントも変わったな

 リントって、平和主義の民族で、グロンギに一方的に狩られるだけだったんですね。
 それが武器を持って抵抗してくる。
 クウガが立ち向かってくるのは古代と同じなので、グロンギも理解しているけど、変身できない「リントの戦士」が自分たちに牙を剥くのは、想定外。

 そして、グロンギは戦士に敬意を向ける文化があるので、バラ姐さんも一条さんに関心を抱くわけですが、一条さんの方は、自分に向けられた関心に気づかず、ひたすら仕事に徹して、グロンギに敵意を向ける。
 このストイックな一条さんと、妖艶なバラ姐さんの関係に一部のファンが付いたとか。

 で、次回は女カマキリ怪人のガリマですな。
 背後から忍び寄って「振り向くな」と囁いて、振り向いたらカマで切り裂かれた首が落ちるというホラー描写。
 そんな相手の斬撃に対抗すべくタイタンアーマーを装着したら、思いがけず電気ビリビリでライジングタイタンに初変身してクウガパワーアップ。

 ここから先は、タイタン、ペガサス、ドラゴン、そしてマイティーと来た道を逆に辿るかのように、それぞれライジング仕様にパワーアップ。
 この電気ビリビリでライジング、というのは単に英語の「向上する」の意味だけでなく、「雷神具」という日本語にも掛けてあって、ネーミングセンスだけで痺れました。

 しかも、雷パワーって、昭和ライダーのカブト虫モチーフ、ストロンガーを思い起こさせ、
 クウガがクワガタ虫なので、強く類似性を覚えました。

 まあ、後に同じカブト虫モチーフのブレイドが、やはり雷パワーで戦ったり、
 また別のカブト虫モチーフのカブトが出てきたり、
 クワガタだと、オーズのガタキリバ(クワガタ、カマキリ、バッタ)が頭部から電撃を放ったり、
 甲虫の系譜、電撃の系譜をたどるだけでも、楽しめそう。

★セイバー

 で、こちらは雷の剣士暴走で、いろいろとピンチに。

 脚本家は、長谷川圭一さんか。結構、感情移入しやすく、キャラの因縁をつなげてきますね。
 倫太郎のキャラも、脚本家によって安定しない気がしますが、長谷川さんは他の人よりも倫太郎を熱く描いてくれていますね。もしかすると、倫太郎係に指定されているのかな?

 賢人の動向も気がかりですが(今の流れだと離反が心配される)、少なくとも12月18日上映の劇場版では、6人の剣士が健在であることが確認されていますので、それまでは大丈夫と思う。

 まあ、18日の次の週は知らないけど。
 過去に、エグゼイドで、冬に上映の映画でそれなりに活躍していた仮面ライダーレーザーこと霧矢さんが、クリスマスに死んじゃったことがあったので、映画公開までは大丈夫でも、その後は保証できません。

 そんなわけで、倫太郎も命に別状はないはずだけど、ここで賢人を庇って見せたことで、賢人の離反を防いだと考えていいのかな。

 あと、ゴブリンメギドが何だか魔法陣みたいなものを作って、そこにライダーが炎と音の力で倒したら、それぞれ何かのエネルギーが解放されるような描写。
 残り4つを各ライダーの剣で倒させることが敵の目的だとするなら、今回、水の剣士の倫太郎を戦闘不能にしたことは、カリバーの勇み足になったりはしないか。

 それと、尾上さんも今回、デザストに妨害されていましたね。
 6体いるゴブリンメギドを各属性のライダーに倒させて、何かの封印を解くことが敵の目的だとするならば、カリバーとデザストが結局、それを邪魔しています。

 その辺、敵の作戦内容がいまいち読めないのですが、長谷川さんのことだから面白い答えを示してくれるだろう、と期待します。
 毛利さんほど、納得できないサプライズで???気分になることはないだろう、と信じて。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/25 (Wed) 10:23:32

 連続書き込みになりますが、今回は主に戦隊、それと書き残したものをいくつか。

★セイバー補足

 前回、「炎と音の力で倒したら」と書きましたが、「炎と風」のミスでした。音は炎を助けに来ただけ、と。

 あと仮面ライダーレーザーは、九条貴利矢さんでした。好きなキャラなのに、漢字表記をミスるなんて不覚。

★牙狼絵本

 YouTube放送、長かったですね。

 無印組は、鋼牙、カオル、零の3人で、そこに雨宮監督も途中参加(リモートで)。
 VR組は共演ではなくて、第2部って感じで、別々の内容。まあ、VRの方には雨宮さん、直接タッチしていないからなあ、と思いつつ(原作のみの名義貸し)。

 で、絵本企画は映像とは関係ない、雨宮さん個人の「出版企画」なんですね。第一作でカオル父が描いて、最終シーンが白紙で、続きを娘に委ねられた本。

 改めて、この流れを知ったときに、最近読んでるスティーブン・キングの長編小説『ダークタワー』絡みのエピソードを思い出しました。
 『ダークタワー』はキングのライフワーク的な、異世界ファンタジーに他の著作の話が関わるクロスオーバー物でもあるのですが、
 同じ世界観の過去を舞台に、幼い娘あてに作った児童向き童話とか、『ダークタワー』本編に登場した絵本を実際に刊行したりとか、本編外の関連ストーリーもいろいろあるそうで。

 雨宮さんの絵本企画についても、「コロナ禍で映像撮影はなかなか難しい」→「だけど、監督一人でできることはないか?」→「そう言えば、昔やりたくて時間不足でできなかった牙狼の世界観を補強する絵本があったな。この機会に完成させてみるか」ってな流れかな、と推測します。

 いやあ、監督のマルチクリエイターぶりに惚れ惚れします。
 絵が描けて、物語が作れて、映像的にも実験精神が豊富で、筆一本でサササっと年賀状用の牙狼イラストを描き上げる芸まで持っている。監督手描きのイラストってだけで、お宝ですな。

 映像が撮れなくても、一人でできる企画を進めて、しかもクラウドファウンディングという手法で、資金集めという発想力が若いというか、
 まあ、ツイッターではコロナ禍の中で、ゲームばかりしている姿を披露してましたが(でも、ゲームの中でも牙狼のことをネタにしていたり、ゴースト・オブ・ツシマの剣撃アクションが牙狼のアクション描写に役立ちそうとかつぶやいてみたり、趣味と仕事がつながってる)、

 もう牙狼への愛情が枯渇してなくて、まだまだ新しいことをしたいという情熱が溢れてらっしゃる。

 牙狼というブランドが、監督の手を離れて独り歩きしていく流れもVRで生まれましたが、スターウォーズのルーカスと違って、自分もなおタッチしていく意向を表明された、と受け止めています。
 とりあえず、あと5年して20周年になる前に、監督自身の新たな牙狼映像作品を期待したい、と思ったライブ放送でした。

 他に、関係者による応援メッセージ、烈花とか、雷牙とか、それにディケイド、いや神牙とかの顔が見れて、シリーズの世界観が広がっている現状にも、期待しつつ。

★戦隊

 アバレンジャーの京都編が2週に渡って、とりわけ楽しませてもらいました。
 そして、その後の恐竜発掘おじさんの脚本が會川さんで、會川祭がここでも続いていたか、と。

 さあ、アバレキラー登場まで、あと2週と楽しみを控えながら、
 アスカとジャンヌの関係とか、リジェ似の謎少女の登場とか、いろいろ縦糸がつながっていく流れが、心地よい。


 一方、バスターズは、アバレほどはハマっていないのですが、もう少しすれば、追加メンバーのビートバスターとスタッグバスターが登場して、話が加速していくので(ただし中盤のシリアス悲劇方向に、なんですけど)、
 それを乗り越えると、また後半の派手に行く展開に入るので、ブレイドとは違う「計算された路線変更」にも感じ入れそう。

 簡単に言えば、前半は過去の宿命に縛られた重い展開で、後半はそこを吹っ切った未来志向の話になっていく感じですね。


 そして、ターボレンジャーもご視聴ですか。
 21世紀の作品に比べると、80年代の戦隊はペースもゆっくり目で、イベント回よりは通常回が多いと思いますが、この時期はCGを使わない生アクション、生爆発なんかが魅力かと。

 大きなイベントは、流れ暴魔のヤミマルというライバル格が出てくると面白くなって、学園ものでありがちな転校生が話を掻き回す、と。
 で、ターボレンジャーと、敵の暴魔一族と、第3勢力の流れ暴魔カップルの三つ巴ドラマになっていくわけですが、流れ暴魔は「人間と暴魔の両方の血を引く」というのがポイント。つまり、善側と悪側の間で揺れ動く立ち位置なんですね。

 前作ライブマンが、悪堕ちした同級生との対立が大きなテーマだったのですが(友よ、君たちはどうして裏切ったのか)、そこに救いはほぼなく、裏切りの友の悲劇的な死で終わったのですが、
 ターボレンジャーは妖精、いや陽性の作風なので、ラストはハッピーエンド。同じ学校の生徒じゃないか、一緒に卒業しようって呼び掛けで、悪堕ちしたライバルに救いの手を伸ばす流れ。やはり、学園ものだと、最終回で卒業式というセオリーが、ここから生まれるわけですな(フォーゼに受け継がれる)。

 ドラマ的には、流れ転校生(例の御仁のハンドルネームに通じますが、本人はターボレンジャーを意識してはいなかったみたい)の登場からが本番。2クール目からですな。
 そして、強敵ヤミマルに必殺技が破られて、新技のVターボバズーカが登場するエピソードを経て、
 中盤で、2号ロボのターボラガー、そして基地ロボのターボビルダーが登場するところがパワーアップのクライマックス(80年代は、ロボのパワーアップがまだ少ない)


 21世紀の作品に比べると、ドラマ的にゆったりモードだと思いますし、戦隊個々のメンバーの個性化もあまり為されていない感じですが(それぞれの主役回を除けば、普段は空気みたいになっていてアクが弱い)、
 当時は、シーロン可愛いだけで充分だったなあ。
 後半になると、流れ暴魔のキリカさん(人間名 月影小夜子)に惹かれたりもするんだけど。

 流れ暴魔のキャラ名は、ラーリオス本編に通じるものがあって、原案者はターボレンジャーのファンなのかな、と思ったこともありましたが、どうも偶然だったっぽい。

 あと、ヤミマルの人間名は「流星光」で、メテオに通じるものがありますが、本人の風貌は昔風の番長キャラ(80年代から見た昔風という意味)。元ネタは柔道一直線だったりして、当時で20年遡った時代錯誤なギャグキャラ風味で登場。
 まあ、東方仗助とか、如月弦太朗も、それぞれ80年代ファッションで、時代錯誤な風貌がトレードマークだったりするのですが。

 この辺の学園ものの時代による変遷を考える上での資料にもなるかな、ターボレンジャー。

★ダイ大

 ポップの勇気が、ダイのピンチを救う。
 そういうエピソードへの仕込みですね。

 もう、ダイはストレートな王道熱血少年なので、ほぼブレがない。話に緩急を付ける「弱いキャラが勇気を出して活路を開くドラマ」はポップに委ねられていく構造です。

 そんなポップが、いかに勇気を出すことになるのかが次回の注目ポイント。

 そして、弱いキャラが勇気を奮い起こして、自分に立ち向かってくる姿に、武人クロコダインが保身のためにザボエラにそそのかされて誇りを捨てたことに恥じ入るまでが、次回かな。

>百獣総進撃

 「怪獣総進撃」が元ネタでしょうね。
 そして、このタイトル、ゴジラ映画だけでなく、「帰ってきたウルトラマン」第一話にも使われていて、
 旧アニメの主題歌歌っていたのが、その人だったので、意識はしているんだろうなあ、と思います。

 さらに、その30分前のウルトラマンZが、増殖する怪獣相手にピンチのキングジョーという展開で、ここから5話に当たる最終決戦の章に入ったので、つなげて見るとワクワク感も急上昇な土曜朝でした。
 敵黒幕が防衛チームの司令官(ウィザードの輪島のおっちゃん)を操って、命令に逆らった防衛チームの解散を申し渡して、続くという流れ。

★ギャラクシーファイト

 で、どさくさ紛れにウルトラワールドに突入したわけですが(苦笑)、
 坂本監督がワールドワイドに頑張っていますな。もう、戦隊撮ったり、ライダー撮ったり、ウルトラ撮ったりで、精力的もいいところです、この人。

 一人でいろいろつなげ過ぎでしょ、ってな感じです。この人、見てると、自分もあれこれつなげたくなるってもので(笑)。

 この人はやはり90年代にパワーレンジャーで、日本の戦隊の魅力や撮影技法をアメリカにもたらした、というのが功績の最たるところだと考えます。
 おかげで、ヒーローの撮影の仕方にアメリカでも革命が起こって、それが向こうのアイアンマンやDCドラマ(フラッシュとか)にも影響を与えたという見方もできます。
 もちろん、個人だけの業績ではないのですけど、「日本風のケレン味描写」=「集団ヒーロー個人個人が決めポーズをとって、自己アピールするとか」が格好いいのだ、と強く主張したというエピソードがあります。

 それまでのアメリカ人のヒーロー観だと、「そんな風に止まっていると、敵に攻撃されるじゃないか。リアルじゃない。もっと機敏に動きながらアクションする方がいいだろう」と言っていると、
 「緩急自在とか、溜めることも大事だ」的な東洋の精神みたいな話で、「格好良いとはこういうことだ」と演出して見せたとか。

 逆にゴーバスターズは、アメリカナイズされた「止まらずに自己アピールする非戦隊的手法」を取り込んで、それは日本の戦隊演出の革命にもなったのですけどね(生身アクションの中で、動きながら変身してみせるとか)、
 とにかく映像演出文化の日米相互交流に、坂本監督も一役買ったという話です。

 で、ギャラクシーファイトは、YouTubeを使った全世界配信をやっていますので、日本以外の国にもウルトラマンを大々的にアピールしている作品。
 コミックの世界でも、ウルトラマンがマーベルに進出という流れがあって、世界のウルトラマンという潮流が再度、加速している時期になります。

 再度というのは、80年代にアニメの「ウルトラマンUSA」、それから実写でオーストラリアの「ウルトラマングレート」、アメリカの「ウルトラマンパワード」と展開していたのですが、当時は肝心の日本でウルトラ新作が作られていない時代でしたからね。
 日本でウルトラマンを作っても売れないから、海外でお金稼ぎしようって企画で、いくつか作ってみて、少しずつ稼いで、そこから何とか90年代にイデミツとの協賛でセルフパロディー的な「ウルトラマンゼアス」を作って、もっと本格的に平成ウルトラと言える「ウルトラマンティガ」に至る流れ。

 以降は、日本国内でもウルトラの光が再発光して、90年代から今までメジャーコンテンツとして、つながっている、と。

 で、今回のウルトラは、そのワールドワイドに一時期広がりながらも、あまり省みられることのなかった海外ウルトラ勢とか(グレートやパワード)を同じ海外出身のリブットの先輩として持ち上げつつ、
 最後のTV版昭和ウルトラである80先生も含めて、これまでスポットの当たりにくかったキャラに、復刻と見せ場を与えようとするマニア喜ばせの企画なんですな。

 これをオールスターと言うなら、少し違うぞ、と。
 オールスターは「現在活躍しているメジャーどころをいっぱい集めるイベント」なのに対し、
 今回の企画は、往年のスターに光を当てる「あの人は今?」的な要素が濃い。
 だから、去年出た、いわゆる「ニュージェネレーション」は大分割愛されていますし(トレギアと関わったルーブやタイガ、それにベリアルとの縁が強いゼロさんぐらい)、ティガ以降の平成ウルトラも出てないキャラが多い。

 まあ、コスモスの映画に一度だけ登場したウルトラマンジャスティスとか、とにかくレアキャラをいっぱい集めた「知られざるウルトラマンの外伝物語」という趣が強い作品ですね。
 そういうところにスポットを当てる、坂本監督のウルトラ愛が非常に濃いなあ、と思いながら、楽しもうと思ってます。

 で、テーマは3部作で、
 日本では、ほぼ新人扱いのリブット君の成長物語が第一部。
 そして、ベリアルやトレギアの悪堕ちエピソードの第二部。
 それから、事件の黒幕である悪の時空神(タルタロスってそういう神)の名を持つ敵との総力挙げた最終戦の第三部。

 来年1月までは、毎週10分ずつ楽しめそうです。
 アクション中心のウルトラファイト的な帯ストーリーで、シリーズの魅力を世界に伝えようとする流れに、おらワクワクしているぞ、と。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/28 (Sat) 22:56:51

 定期感想その1です。

 東映公式Youtubeで鎧武が始まりまして、今週は第1~2話。ローカル局のの再放映では何となく観て(途中から真面目に)、ジオウ開始時のネット放映で観たわけですんで、さすがにもう観たから再確認だけ、と思ってました。

 ですが、違ってました。前よりよく分かる感じがします。言い換えれば、前は分かってなかった。受ける印象も強くて深い感じです。感想は書かないとは思いますが、観るのは楽しみになってきてます。

●牙狼MS(第22話:盟友)

 今話はVFXもバトルも凄かった。魔導列車の回で「このレベルで最終回まで見せてくれるのか」と興奮したんですが、その予想を上回ってます。嬉しい想定外です。それにストーリーのスピード感もなかなか。もう(一時的でしょうけど)シグマが退場。イデアに代わってギャノンの登場ですね。

 ただ、予告映像を見るまで「あれれ、これで大怪獣レベルのイデアの映像はお終いか」と不安になりました。なにせ現れたギャノンが、骸に似ても似つかない、優雅な女性形でしたんで(ウィザードのアマダムを連想したことも不安を煽った ^^;)。しかし、イデアの巨体はギャノンが引き継いて、次回も暴れてくれるようですんで、一安心です。

 ともかく本編。ですが、為すべきことがほぼ固まってまして、できるか否か、それに必然的に伴うバトル主体ですね。冒頭、敵の地上拠点に鋼牙側主要キャラクターが集結、なんとかシグマが真魔界へ出発する前に間に合った模様。しかし号竜人が襲撃してくる。これに反撃する零らですが、ワタルも加勢に駆けつけてますね。鋼牙側が盛り返す予感がします。零らは号竜人をなんとか蹴散らし、シグマの母船(?)に飛び乗りまして、真魔界まで追跡する。

 このバトルで思ったんですが、号竜人本体があらわになると、まるでターミネーターですな。前に、未来舞台のSF牙狼を観てみたいと妄言した覚えがあるんですが、映像的には既にやってくれてたのか(^^;。自分が想像することくらい、雨宮監督含む牙狼クリエイターが試さないわけはなかったようです。

 それはともかく、邪美、烈花、カオルの鋼牙救出隊はギャノンの骸に侵入に成功、ただし術の保護が切れるまでの時間制限付きですか。時間切れになるとギャノンに囚われる(たぶん今の鋼牙と同じ?)。しかし、こちらにはギギが行く手を阻む。カオルを守りつつの激しい戦闘となりますが、なんとか撃退に成功。

 ギギって、生前から本当に救われないキャラクターで、ちょっぴり悲しいかも。しかし、演じた江口ヒロミさんは、確実にご本人と思われるアクション部分でよく動けてる感じです。調べてみると、牙狼シリーズは魔戒ノ花、魔戒烈伝にも出演され、他の特撮アクションでは「幻星神ジャスティライザー」(未見ですが)でレギュラーを務められた方ですか。道理でアクションいいわけだ。

 カオルは捕らわれた鋼牙の内面に突入しまして、1stのときに完成した絵本を見せて、鋼牙を正気に戻し、邪美&烈花の援護で救出に成功。やっぱり、あの絵本が鋼牙に対しては最強のようですね(^^;。復活した鋼牙もシグマ&イデアを追って真魔界へ飛び込む。鋼牙はいったん岩壁(?)に阻止されるも、難なくクリア。シグマは鋼牙の生身の強さを見誤っていたかも。

 真魔界ではシグマがついにイデアを起動、零ら先遣隊(?)は今一歩間に合わなかったか。イデアの威力はすさまじいものでして、一撃で無数のホラーを薙ぎ払ってますな(ナウシカの巨神兵が王蟲の大群に攻撃したシーンを思い出しました)。それにして、イデア起動からの一連の映像が凄いのなんの。巨大さ、重量感が見事に出ていました。単にCGに長けているだけじゃ、こうはできないでしょう(←ごく最近に放映された、ある3D-CGアニメを意識して言っている面があります ^^;)。

 が、零らは諦めたわけではない。首魁にしてイデアを指揮するシグマに狙いを定めて襲撃、シグマも応戦して激戦となる。しかし意外な方向で決着しまして、ホラー化した左手の力を補充しようとしたシグマがギャノンの骸に取り込まれてしまう。鋼牙の代わりにシグマを得たせいか、ギャノンが復活してしまうわけですな。OP映像に登場してたのは、このギャノンだったわけですか。

 こちらで、なぜ魔戒関係者がイデアの強力さを知りながら封印したままにしたのか、ご解説を頂いてました。人間に扱えるものではないということでしたが、今話までは「人の命を原動力とする」のが倫理的な面もあってのことかと思ってました。しかし、たとえ心を鬼にしても使えないというのが、実感として分かりました。

 なにせ、あそこまで堕ちた、かつ強力なシグマがいとも容易く食われたわけですから。イデア/ギャノンからしたら、人命でありさえすれば何でもいいわけですね。そして力は今話で見ての通り。そりゃ当然に勝手に食い放題始めるわけで、制御ができるわけない。

 次回「金色」では、シグマ開発の機械兵団をギャノンが受け継いでの総力戦となるみたいですね。VFX映像的にも、バトル的にも今話を上回りそうでワクワクします。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第33話:狙われた剣崎、第34話:カテゴリーK)

 キングって、登場時は圧倒的な強さの印象だったんですけど、退場は割とあっさりでした。周囲のキャラクター(特にアンデッド)の反応で圧倒感あったのは、大地エレファントでしたが、退場には失望したりしました。キングだと、そうでもないですね。たぶん、退場したことで起動する展開が速いということがありそうです。

 大地エレファントですと、ブレイドのジャックフォームでの強化を見せるためだけに強さ設定された感じですが、キングはスペードのKを剣崎に渡して、キングフォームに至る流れを作ってます。それだけでも大地エレファントと逆ですが、キングフォームがすぐにトライアルDとの決戦に使われてまして、次々と新しい展開を生み出してます。

 おそらくですが、自分的には大地エレファントの退場から特に何も起こらないため、がっかりする時間・余裕(?)が生まれちゃったんじゃないかと。エレファントの存在だけで、他のファントム:オーキッドやウルフが行動制限されてました。もしエレファント退場で、すぐにその穴を埋めるように他のアンデッドが台頭してくれてたら、いい展開と思えたかもしれません。

 キングが果たしたドラマ的な役割は、ジョーカーとしての相川始に対してもよく効いてました。記憶喪失コメディ編(?)では、相川始本人が自分の正体を探したものの、思い出したらジョーカーは否定したい模様。そこでキングが引きずり出そうとしてくれる。そうすると相川はあからさまにジョーカーを封じ込めようと必死になれる。争点がハッキリしてきます。

 キングはキングフォームをブレイドに与えるだけでなく、主要キャラクターが自ら動く動機も与えてくれた感じです。

 それはともかく本編。先週ラストからの続きで、相川始の処遇を巡って、ブレイド vs ギャレンの現最強フォーム(ジャック)対決ですね。どうやら剣崎ブレイドが力で上回る模様(広瀬義人によると潜在能力の差らしい)。ですが、橘はあくまでもジョーカー排除の姿勢を崩さない。見守る相川はジョーカーが発現しそうになってますな。それで何となく散会。

 剣崎は拠点に戻りまして、栞、虎太郎らと協議するも、相川が人間を封印した疑惑があるわけですか。が、剣崎が1万年前から存在するヒューマンアンデッドを封印したと説明したことで、2人は納得した模様。元はと言えば、剣崎が相川に親和的な態度を取ったことで教えてもらった情報であるわけで、剣崎が相川との相互信用の輪を広げていってる格好ですね。

 相川は居候している喫茶店(ハカランダ)に戻ったようですが、重体の様子。天音が看病するも、意識が遠のいたらしい相川が「触るな」と怒鳴ったりしてます。訪れた剣崎にも言い放ちまして、ジョーカーを刺激されるのを警戒していたのかも。剣崎はアンデッドを封印したカードを置いて帰る(相川の苦痛の原因はこの後知るんで、なぜこの時点でこの行動を取ったか、よう分からんかったorz)。

 一方、橘は広瀬義人の拠点に行き、相川より剣崎が危ないと聞かされるわけですね。トライアルD(今話でようやく名前が出た)が剣崎を狙うのも、倒すんではなく保護のためだとも。まだ劇中では伏せられてますが、要は剣崎が変身や強化を重ねるとジョーカー化するということですね。

 キングは相変わらずランダムな動きを見せてまして、今話では不良に絡まれた山中望美を救ったりしてる。もっとも、これはレンゲルと渡りをつける目的があったらしい。が、駆けつけたのは望美が頼った剣崎であるわけですね。それならと、キングは相川がカードを失ってジョーカーに戻ろうとしていると告げる。

 そうと分かれば剣崎が黙ってるわけない。変身してキングに立ち向かうわけですが、ジャックフォームですら全く歯が立たない感じですね。ふっ飛ばされまして、今度はトライアルDに狙われる。これも全く勝てない。

 その頃、剣崎側拠点でも、そのバトルを探知して剣崎ブレイドの敗北をキャッチしますが、栞が爆弾発言。「橘さんは頼りにならないし」ですか(^^;。一応、対立しているから頼れないということではあると思うんですが、何となく今の橘のヒーロー立ち位置を表しているような気もしまして。

 と申すとネガティブに聞こえそうですが、そうではないです。橘ギャレンが剣/ブレイド世界に深く馴染んだなあ、と感じ取った次第です。物語から切り離せない存在になったからこそ、否定的なことも言えるわけで。

 それはそれとして(^^;、栞らはトライアルDに追われる剣崎のもとに駆けつけ、車でなんとか逃走を図るも、追いつかれる。車を捨てて逃げる剣崎は橘に遭遇し、で続く。

 後半(第34話)に入りますと、橘がトライアルDに「俺が話しする」と告げると、Dはさっさと溶けて地中に戻ってしまう。どうやらDは橘を味方と認識しているらしい。橘は剣崎に変身しないように説得するも、ジョーカー化のことを伏せて話しているせいか、通じてない感じですな。

 もどかしそうな橘が剣崎の腕を掴もうとすると、剣崎がいとも容易くねじ伏せてしまう。前話の変身対決はライダーの力の差の可能性もありますが、今度は生身。序盤で橘が、ありもしない変身の悪影響があると思い込んでたわけですが、剣崎本人には実際に影響が出ているようですね。ただ、剣崎に自覚はなさそう。この後、拠点に帰るも、栞らにつっけんどんな態度を取り、アンデッドサーチャーを持ち出して、また出かけてしまう。

 その頃、喫茶店(ハカランダ)では山中望美が呼び出したのか、睦月が現れる。が、望美に抱き着かれ、栗原遥香が「(望美は)ずっと君(睦月)を待っていたのよ」と声をかけても、睦月は一言「なんで?」と。これはもうビンタ食らっても仕方ないですな。が、睦月の反応が異様。グーで殴り返そうとしてます。

 すんでのところで相川が止めまして、自分に用があるんだろうと連れ出す。睦月レンゲルの狙いも相川がジョーカーに戻ることみたいですね。こういうところが、後でキングに利用されるんだろう。睦月レンゲルは相川をボコボコにしまして、ジョーカーになれと迫る。

 相川はさっき剣崎が残したカードを使いまして、アンデットになってみせ、これには睦月レンゲルも驚いた模様。相川には一時的にジョーカーに戻ることを抑える効果はあるみたいですが、長続きするものでもなさそう。しかし、相川アンデッド「本当に強いのは人の思いだ」と、強さに拘る睦月レンゲルに言い放つ。テンプレートな台詞ですが、ジョーカーを巡る情報開示がここまで進んでると、それなりに重みがあります。

 一方、睦月の激変にショックを受けて喫茶店を飛び出した望美、またもキングに遭遇ですか。が、前には助けられましたが、今度は人質になった模様。助けを求める望美の声が睦月に届き、睦月はバトルを中止して急行。この睦月の不安定な動きは、まだ睦月本人の意識が残ってる感じです。

 しかし、キングが欲するのはスパイダーに支配された睦月らしく、上手く誘導してジョーカーの持っていたカードを睦月に渡してしまう。ジョーカーを倒せるとか言いくるめてますが、相川をジョーカーに戻すための捨て駒に使うつもりなんじゃなかろうか。

 その頃、剣崎は街をうろついてまして、どうやら自分が周囲を危険に巻き込むと思っているらしい。だから栞や虎太郎にすげなくしてたわけか。相川を巡って対立はしているものの、未だ橘を深く信用するものがあるらしい。

 しかし栞らも剣崎を信頼すること深く、剣崎を探しつつ、独自にキングを追い詰める算段に取り掛かってますね。剣崎と関わらないよう、(広瀬義人と協力する)橘が警告に来るも、栞は耳を貸さない(まあ「橘さんは頼りにならないし」ではあるけれど ^^;)。どうやったのか、栞は翌朝には剣崎を見つけてますね。

 立ち回り先の見当がつくくらい、付き合いは長く深いんでしょうね。栞はうじうじ言う剣崎にビンタ食らわせまして(今話2回目だ)、職業ライダー人としての心得と覚悟を思い出させる。このシーンは、前に嶋昇が剣崎を諭した(使命感否定など)のに対する、いいカウンターになってる感じですね。

 栞&虎太郎がどんな手を使うんだろうと思ったら、似顔絵をネットに流し、恩人だから居場所を知らせて欲しいと呼びかけるわけでしたか。これが功を奏しまして(なんだかツイッター以降のネットのようだ ^^;)、キングの居場所が特定される(これ、今のライダーとかでやったら、怖がられるかも ^^;)。

 これで剣崎とキングの再戦に持ち込むわけですね。しかし、前の戦いで強弱ははっきりしているうえ、ブレイドはキングにカードまで奪われる。ここで効いてくるのが、さっきの相川の宣言「本当に強いのは人の思いだ」ですね。栞にカツを入れられ、自分にはライダーの資格があると信じる剣崎ブレイドが俄然反撃、ついにキングを封印、Kのカードを入手(これでコンプリートした)。

 この機を待っていたのか、広瀬義人がトライアルDを放ち、ブレイドを襲撃させる。ブレイドはKのカードでキングフォームを発動、パンチ一撃でDを吹っ飛ばす強さを見せる。これが広瀬義人の予想を超えていたらしく、13枚のカードと融合しているわけですか。というところで次週へ。

 全体の前半(初期メインライター担当時)は、各キャラクターがバラバラの動きを見せている(というか、あまり動いてもない)感じでしたが、たこ焼き回(^^;)以降は、別々に動いていてもまとまっている感じがします。例えば相川始のレンゲルに対する言を、今週ラストの剣崎が具現化するところなどですね。自分的には、やはり今の流れのほうが気持ちいい感じです。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/29 (Sun) 22:41:45

 定期感想その2です。

●仮面ライダークウガ(第23話:不安、第24話:強化)

 今週分は、おそらく前半から後半への転換点みたいな感じがあります。最後のメ集団グロンギ:メ・ガリマ・バのゴ集団昇格狙いのゲーム(ゲゲル)だったわけですが、先週のメ・ガルメ・レ戦とも併せて、ようやく飲み込めてきたことがいろいろ。

 メ・ガリマ・バは既にゴを名乗っていたようで、ゴ集団のゲームルールに則っていたようですね。ルール違反がないかどうかのお目付け役(ラ・ドルド・グなど)が監視していたようです。先週のガルメですと、ゲーム難度は上げつつも、たぶんそこまで行ってない。ガリマですと、ゴ集団ルールに則り、

・武器(鋭利な2本一体型刀?)を使用
・制限時間(18時間)+人数(288人)+儀式性(ターゲット指定)

があった模様。ズ集団は儀式性が際立ってまして、そこを察知した警察が次の犯行を予測して手を打つ展開がありました。メ集団ですと時間と人数ですね。ゴ集団はズとメのルールを合わせたものになってるみたい。

 ということは、ズ集団は「まずはグロンギ流のゲーム要領を覚えろ」の初級者段階だったのかなと思います。メ集団ですと「リントごときに手こずるようではグロンギとはいえない」→「とりあえず戦闘力を見せてみろ」の中級者段階か。その2つをクリアして、ようやく一人前のグロンギの戦士と認められるんじゃなかろうか。

 クウガに初戦で事実上の敗退したガリマに対し、バラの姐さんが「やはりメではクウガは倒せないか」と言い放ったのは、「メはまだ半人前」という意味だったのかも。クウガとの比較ですと、武器、特殊能力、敵に合わせた強化の3点を兼ね備えていないと、クウガと同等以上にはなれない半端者、みたいな感じか。

 ゴ集団のゲームルールですと、次々に発生する被害での切迫感と、儀式的な規則性によるルールを把握して敵を追い詰める展開の2つが楽しめますね。先週のガルメですと、次の犯行場所を直接教えてくれる分かりやすさ(?)でしたが、今週のガリマはグロンギ内だけで分かっているルールになってます。

 そこを、見た目の規則性、共通性から警察が割り出していくわけですな。続々と被害者が出る切迫した状況での推理劇にもなるわけで、なかなかに見ものです。今週だと、2000年頃らしく、宣伝用の使い捨てライターでした(もう少し前なら紙マッチだったかも)。これもタバコ演出ですね。だからこそ、タバコを吸わない人が持っているライターがヒントにもなるわけで(喫煙者減少を踏まえた演出でしょう)。

 クウガについても不安要素がじわじわ出て来てますね。桜子の解読した「聖なる泉、涸れ果てし時、凄まじき戦士、雷のごとく出で、太陽は闇に葬られん」は、今までと異なり、かなり不吉な感じです。聖なる泉って「目から出る涙」のことで、涸れ果てるって「もう涙も出ない」のかと思いました(つまり人間性の喪失)。が、後半の雄介の特訓ではぐしょ濡れになってまして、それと関係あるかもしれない。何のことかは次週以降に明かされそうです。

(細かいところでは、不在の桜子のPCの前に置かれたカード「らんち・たいむ」にも少し言いたいことがあるけど割愛。いったん空目してビックリしました(^^;。)

 後半からはそういう多面性のある戦い・ドラマを観られるのかと期待するものがあります。ともかく本編。冒頭、桜子が古代文字解読に熱中しているわけですが、どうも穏やかならぬ様子で、ジャンが話しかけても気が付かない。この時点ではまだ翻訳が確定していないようですが、後で「聖なる泉~闇に葬られん」だと突き止めるわけですね。

 おやっさんの喫茶店(ポレポレ)では、ダンスの先生を失ったショックから朝日奈奈々がようやく立ち直った模様で、前話からの時間経過が分かりますな。メ・ガリバ・バについて、後で出てくる「第36号」から、前話が31号ですから、4体のグロンギが出現したことも分かり、やはり結構日にちが過ぎているはず。

 雄介は自分の身に起こった「ビリビリ」について知りたい様子で、桜子を訪ねてみたり、椿に話を聞いたりしてますな。しかし、誰もそんな現象が分かるわけはなく、収穫はなし。ただ、桜子の解読した古代文字に「雷」が含まれることは気になるポイントです。雄介は一条とも会いまして会話、犠牲者の数が1389人とか凄いことになっていることが窺えます。第0号がラスボスと警視庁が見做し始めている様子もうかがえますが、バラの姐さんかとか、まだ正体に迫れてない感じですな。

 桜子と椿のほうは、雄介には知らせずに調査を進めている部分があり、相談もしているわけですね。桜子の不安はクウガの進化によって雄介が変質してしまうのではないかという、最序盤で椿が不安視したものと同じ。が、現時点で椿が見る限り、コアのアマダムに特に変化はないらしい。

 が、桜子の心配はコアそのものではなくて、コアが雄介に与える影響のようですんで、不安を鎮める材料になってなさそう。この後、一条に懸念と不安を訴えもしてました。ともかくも椿のもとを去る桜子ですが(椿の誘いは上の空らしい ^^;)、(2度目の視聴で気づいた点ですが)街頭で配る宣伝用使い捨てライターを何気なく受け取る。これが後半に効いてくるわけですな。

 そのまま電車に乗るわけですが、ガリマも乗車してくる。ここも、後の展開で分かることですが、ポイントだったわけか。最初、列車内で無差別殺人とかするのかと思いました。そうではなく、メとしてのゲーム条件:18時間以内に288人に加え、いったん匂いのマーキング(香を焚いている)してから追うという段取りのためだったか。だから車内を移動もしたわけですね。後で被害者となる人物も、ちらっと映ったりする。

 警視庁は着々と情報収集を進めてますが、いかんせん謎が多い模様ですね。要は手を焼いている。グロンギ側ではゴオマが妙なことしてまして、儀式めいたことをして遺物を回収しているらしい。何に使うのかはちょっと分からないですが、この後のグロンギ語翻訳によると、ゲームの次の段階(セミファイナル/ゲリザギバス)に必要なものらしい。

 準備が済んだガリマのゲームスタートとなりまして、これがこちらで伺っていたものですか。すれ違いざまに刀を振るい、「振り向くな」と声をかける。被害者が気づいて振り返ると首が落ちるわけですな。後で椿が検死して、首切断時には被害者は気が付いてない可能性があるほど、素早く滑らかに斬っているらしい。
(劇中で凶器を「大きな鎌のようなもの」と言っているんですが、自分的には刀に見えてしまいます。鎌って柄のところから折れ曲がっているもの、という先入観のせいかもしれません。)

 このことからすると、都市伝説かもしれませんが「あまりにも滑らかに切断すると、放置さえすればそのまま跡もなく、元通りくっつく」という現象かもしれません。「振り向くな」に従えば、もしかすると助かる可能性もある、みたいな。そうだとすると、ガリマは助かるためのラストチャンスを、一応は与えているかもしれません。

 それはそれとして(^^;、ガリマのゲームを警視庁が察知、対応に入るわけですね。一条から雄介にも知らされる。が、緒戦はガリマの動きのほうが速いですな。監視役も引き連れる感じで、次々と殺害していく。ガリマがちょっと何かを匂うしぐさを見せて、「次はこっちか」と呟いているの、2度目の視聴でようやく気が付き、意味も理解しました。マーキングした匂いを追っているわけですな(凄い嗅覚だ、カマキリなのに ^^;)。

 しかし、ようやく雄介が追いつき、ガリマ vs クウガのバトルに持ち込む。クウガへの変身時に、何かが呼応するような反応を見せてますね。これがライジングフォームの暗示かしらん。ガリマも相手にとって不足なしの感じで受けて立つ。クウガは赤でガリマの刀を真ん中から叩き折り、それをクウガ紫で武器化して応戦してまして、有利に進めてる感じです。が、雄介言う「ビリビリ」の兆候がクウガに。

 その頃、桜子は問題の古代文字が「聖なる泉、涸れ果てし時、凄まじき戦士、雷のごとく出で、太陽は闇に葬られん」だと気づいて目を不安げに見張る、というところで続く。

 後半(第24話)に入りまして、勢いを盛り返したガリマに対し、ゴウラムが救援に駆けつけバイク化、クウガ搭乗して体当たり攻撃を食らわせる。これが効いたかに見えましたが、ガリマはコアの爆発を抑えきって逃走。ゴウラムは力を使い果たしたのか、それともバイクで轢くことへの抗議か、またもや古びた遺物に戻って崩れてしまう。

 追って来た一条が後を引き受けまして、続いてやってきた杉田刑事に状況を説明。無差別殺戮ではなく、ガリマに何か狙い、殺害条件があるはずというわけですね。これで被害者の再調査となり、共通点「宣伝用の使い捨てライター」→「または総武線の定期」→「特定の電車車両」にたどり着くわけですな。
(なお、4号車まで特定できた理由はよう分からんかったです。4号車の乗客はガリマに遭遇するなり殺害されて、証言できないはずですんで。ガリマの乗車が目撃されたとかだろうか。)

 ただ、その過程のシーンがちょっとショッキング。証拠の遺品にランドセルがありまして、小学生も殺害されたことを示してます。この後、運悪く、たまたま乗り合わせた被害者の遺族(兄)への聞き込みもありまして、生々しさが半端ないです。椿から一条に、敵の得物が異様に鋭利らしいことも知らされる。生身の人間に特化したため、クウガにはダメージを与えにくかったんだろうか。

 一条と別れた雄介はようやく桜子に会えまして、古代文字の解読結果を知らされる。ビリビリと雷が共通していること、太陽が闇に葬られんという不吉さを心配する桜子に対し、雄介は「戦士が雷の如く出るんじゃなく、戦士から雷が出てるんだ」と言って宥める。屁理屈っぽいですが、とりあえずは桜子の不安は減じたらしい。

 ガリマのほうは、クウガの与えたダメージが意外に大きいらしく、ゲーム遂行を一時停止し、潜伏しているようですね。そこへバラの姐さんらがやって来まして、大いに嘲っている感じです。ガリマは前から大口叩いてましたから、仕方ないかも。が、これでガリマは奮起しまして、ゲームに戻ったらしい。

 警視庁の捜査で把握された情報と呼応するように、刀を構えたガリマは親子連れに目もくれず通り過ぎ、会社の同僚らしき男女2人連れのうち女性だけを殺害する。確か、ガリマと一緒に乗り合わせていた女性です(無念の死ですが、直前に呟いた台詞がガリマを追い詰めるわけですね)。こうなると、見ている自分的にはやはり乗り合わせていた桜子もターゲットと分かりまして、危機感、緊張感を感じます。

 この間、雄介は榎田ひかりの協力を得て「特訓」を行い、何か会得したらしい。警察は着々とガリマを追い詰める。マスメディアにも情報がもたらされ、詳細が報道され始めもする。こうなると、大刀も持つガリマはの目撃者証言がさらに集まるわけで、ついに足取りが掴まれるようになる。

 そのお陰で、ガリマはターゲットの桜子にも向かうも、ギリギリで雄介が間に合い、クウガ紫からライジングにより、ついにガリマを完全撃破。ですが、桜子は助かりはしたものの、ライジングを目撃して不安を覚えたような様子もあります。少し予習してみると、桜子が解読した碑文(聖なる泉~太陽は闇に葬られん)と不安は半ば的中するらしい。来週から後半に突入で、その点が期待できるポイントの1つになりそうです。

●ダイの大冒険(第9話:ひとかけらの勇気)

 期待通りのポップの活躍も見ものでしたが(大いに納得し、満足した)、ニセ勇者一行も意外に見どころがあった点も大変興味深い回でした。偽者一行のうち、まぞっほですね(平仮名の名前って、調べて分かって意外でした。ヘタレ感出すためだろうか ^^;)。

 ストーリーとしては、意を翻して覚悟を固めたポップが、戦いに赴くも、後をダイに託すことに徹した作戦で、味方を勝利に導くというものですね。それも、アバンから授かった魔法の杖(マジカルブースター)を砕いて魔法陣を作り、まずブラスを救う。この点だけ見ても、己が全てを使い切る覚悟が見て取れます。

 これは知力も尽くしての作戦だったわけですね。ダメージが与えられるはずもないのに全力で杖で殴りかかったのは、杖頭部の魔法の宝石を砕くためで、破片が六角形の魔法陣を成すよう、計算ずくだったと。その魔法陣でマホカトールを発動、アバンよりミニサイズながらブラス1人を呪いから解放し、かつ他の魔物から守りもすると。

 メラゾーマも使えはするわけですが、クロコダインに防ぎ切られるのも承知の上。最強の呪文を破られ、魔力も底をつき、やけくそになって殴りかかったと思わせるためでした。しかし、実際に魔力も使い果たし、大ダメージで体力も残っていない。どうするのかと思ったら、後はダイに任せると信じてのことだったというのが、最大の(燃える)ポイントでしょうか。

 これほどの覚悟と全力、そして信頼ですんで、クロコダインが自らを恥じるのも納得いきます。いずれクロコダインがダイ一行に合流してくるはずですが、この戦いがターニングポイントだったんでしょうね。クロコダインが最終的にダイを見込んで仲間となるにしても、最初はヘタレと侮ったポップがまず方向付けをしたわけか。むしろ、侮っていたからこそかもしれません。

 そのポップの覚悟を引き出したのが、意外なことにニセ勇者一行の一角、まぞっほであったのは、自分的にかなり意外でした。てっきり、ニセ勇者一行は作劇上、ダイらに対する反面教師みたいな役割だと思ってましたんで(調べると、まぞっほ以外も、後で意外な活躍をするらしい)。

 マァムの説得は(拳を交えつつの ^^;)真っ直ぐ、正面からのものでしたが、要はヘタレぶりを非難するものであったわけですね。これは8割くらい刺さった感じでしたが、今一歩届かなかった。

 まぞっほですと、むしろ己がヘタレぶりを語り、直接的にポップがどうこうとは言わないわけですね。まぞっほが語るに、先代勇者一行の魔法使いマトリフと同じ師に学ぶも、魔物が怖くて逃げ、堕落してニセ勇者一行に加わるに至ったと。これが8割がたは悔いているポップ(だから逃げていい理由を並べ立てる)の、残り2割に刺さり始めた様子があります。

 正論を言わずに過ちを素直に告白する。これがポップ自身に、自分の未来を暗示し、考えてもらう効果を生じたわけですね。正論は他人に言われると反発したりもしますが、自分が導いた結論だと受け入れやすい。

 ではどうすればいいか、と考え始めたらしいポップに、まぞっほは城での戦いの様子を見せる。ダイもマァムも絶体絶命であることはポップに奮起を促し、ブラスが人質同然という状況から打開の手を探れもする、大事な情報でした。

 このポップが見せた知略と覚悟がピンチを救い、ダイを再び立たせて反撃から快勝に導いたわけですな。単に「頑張りました!」ではないところが、自分的にドンピシャのツボです。

 それにしてもストーリー進行が速いみたいですね。今話は、旧作の第16~18話の3話分に当たるみたいです。この速さがどう影響しているか、原作、アニメ旧作が未見の自分では、ちょっと判断できない感じです。

Re: 11月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/11/30 (Mon) 07:52:47

11月最終書き込みです。

★牙狼MS

 ワタルの今話参戦で、少し安心しました。
 自分の昔のブログ感想で、前話参戦みたいなことを書いていましたので、そうだと思い込んでいましたが、実際には後から合流だった、と。
 当時は、記憶と雑誌記事に基づいて、放送後少し経ってから書いたブログ感想でしたので、少しズレたようですね。

 とにかく盟友たちの活躍と、カオルの絵本効果による鋼牙復活、そしてシグマがギャノンに取り込まれ、起動したイデアがホラーを倒すのではなく、ホラーを率いる殲滅兵器と化す悪夢で続く、と。

 雨宮監督的には、何よりもイデア起動の詳細CGが注目ポイントのようです。イデアの没デザインなんかも発表しつつ、自分のイメージをCGにしてもらうための緻密な絵コンテの一部をアップロードしてくれ、あの変形起動シークエンスのメイキング背景を語ってくれました。

 初めてイデア起動シーンを見たときは、うわあ、イデアって巨大メカだったのか、すげえ、こんなのどうやって倒すんだよ〜と衝撃と驚きを禁じ得なかったり。

 まあ、第1作でメシアも巨大だったわけですが。巨大な悪の女神然とした姿で、それに対して、翼人牙狼という奇跡の形態で倒していたな、と。
 そして、今回も女性形態の大型ボスということで、コアに当たるギャノンと、ボディに当たるイデア、さらに、その周囲に群がるホラー大軍団。
 次回、対峙するのは、黄金騎士を中心とする魔戒騎士大軍団と、それを支援する魔戒法師砲撃部隊(カオルも邪美や烈花のサポートを受けて、自分の想いを筆に乗せて鋼牙を支援)するという総力戦ですな。

 第一作は、メシア撃退と、その後のキバ戦を1話で濃密に描いたわけですが、今回は巨大戦と、ラスボス・シグマとの因縁対決を2話に分けて、時間をかけて描き、2度美味しい形の決着。
 まずは、真魔界を舞台にした牙狼史上、最多人数による一大決戦を楽しみにしつつ。

 そして、今回の感想で一番感じ入ったのは、カオルの絵本ですね。先日、監督が絵本作りがどうこう言っていたのは、この回の感動ポイントのアピールでもあったのか、と思ったり。
 カオルのセリフよりも、絵で鋼牙に想いを伝えるというシーンに、見てるこちらも第一作より続く二人の関係を思い出すことになり、ジワッと涙が。
 そして、この後に二人が結ばれることを夢見ていたら、最終回で鋼牙が異世界に旅立つ「魔戒騎士に安息はない」エンドで、やや哀しくなったりも。

 まあ、今では鋼牙とカオルがまた再会し、息子の雷牙が生まれ、その後、また二人が行方不明になり、永遠の旅人みたいになっちゃってるけど、要所要所で戻ってくる二人の姿(役者および劇中両方)に嬉しくなる自分がいます。

 ともあれ、鋼牙とカオルの絆の物語は、次回の共闘が白眉かな、と。
 何もかも楽しみ。

★ライダー感想

 まとめます。

 剣は、會川脚本になって、ジョーカーにスポットが当たりつつ、キングフォーム登場で話が盛り上がります。
 その後は、暴走するジョーカーの力を抑え込むために、剣崎が始のアンデッドカードを睦月から取り戻し、カリス強化形態のワイルドカリスになるところまでかな。
 ジョーカーは緑カラーで、ワイルドカリスは補色の赤い形態。これまで黒い敵風なカラーリングだったカリスが、いかにもヒーローカラーっぽい雰囲気になって、友情で結ばれた心強い盟友になる一方、トライアル・シリーズとの対立が激化する流れですね。

 クウガはクウガで、中盤のパワーアップに入りました。
 まずはライジングタイタン。銀地に紫のラインのアーマーが、紫地に金のラインで、明らかに違うイメージ。
 これまでのライダーの強化は銀が加わる感じでしたが、平成ライダーは金色が加わるというカラーリングで、ゴージャスさをアピール。

 ちょうど剣のキングフォームと、カリバーのジャオウドラゴンの金色とかぶって、黄金祭りな感じがします(牙狼も含む)。

 ドラマとしては、ライジングフォームへの覚醒への流れと、桜子さんの不安と危機という緊迫感。

 桜子さんの碑文の不安は、五代クウガの最終形態である黒のクウガ(アルティメットフォーム)を指すわけですが、まさか、この時点でアルティメットのお披露目が最終決戦まで待たされるとは思いませんでした。
 アルティメットになっちゃったら、五代の心が闇に飲まれて、戦うだけの生体兵器になる懸念、しかしグロンギとの戦いは熾烈さを増し、という緊迫感が物語を包み、それでも視聴者は五代の笑顔とサムズアップを信じて、闇に飲まれないよう応援する空気を作る。

 ヒーロー物としては、格好よく新フォームにパワーアップする姿を見たいわけですが、クウガではパワーアップの功罪を描いて、その後の平成ライダーにしばしば見られる「力の誘惑と暴走への懸念、そして心の戦いと、それを支える仲間との絆」なんかがメインテーマと言えますね。
 ライダーが怪人と違うのは、人間らしい心の有無というウィザード最終話にもあった問題提起で、ヒーローも心の葛藤を抱えているのが新世紀ヒーローの描かれ方かな、と(それ以前は、弱い心を乗り越えて強さを手に入れるだったのが、強さへの疑問、愛や優しさという抽象的な概念よりも人間同士の日常交流を大切にするドラマ性の進化、夢とか守るべきものを具体的に示すなど)。

 そしてライダーの数が増えると、それぞれのドラマや、譲れない想いや使命ゆえの対決と葛藤に、ドラマが錯綜する方向性で、今に至る、と。

 クウガは勧善懲悪と、まだ分かりやすい対立軸でしたが、五代の悪堕ちの可能性が提示されたことで、後のライダーの「力を制御できない主人公、それをフォローする周りのキャラとの人間関係」の土台が描かれるようになったかな、と。


★ダイ大

 ポップの奮闘編。

 JOJOを思わせる頭脳派戦術が冴え渡るポップの知恵と工夫が、より濃密に強調される回でした。

 普段の逃げ腰の印象で、「こいつは大したことない雑魚だ」と思わせるドラマ展開で、しかし実は「能ある鷹は爪を隠す」的な(自分でも自覚のない)才能の持ち主だったポップ。
 直情的なダイだけだと単調になりがちなドラマに、変化球的な楽しさを加えてくれます。能力バトルにおける知略的な楽しさはポップに集約されるというか、「弱いと思われている臆病者が勇気を振り絞って、持てる限りの力と工夫を見せてくれるから楽しい」というツボを突いてくれます。

 で、強さの信奉者だったクロコダインが、「弱い者の持つ誇り、心の強さ」というものを知るに及ぶエピソードでもある、と。

 そして、ダイの復活の原動力になった奇跡のゴメちゃんの涙パワー。まあ、不思議パワーを持ったマスコットキャラなんですが、ダイ大の物語では意外と注目されないまま、話が終盤まで続いたなあ、と。
 もちろん、ダイの額の紋章の方に注目が集まる作劇手法ゆえなんですけどね。より派手な謎があると、小さな謎は見過ごされると言ったところかな。

 で、次回は次の強敵(にして後の頼れる仲間)ヒュンケルの登場編ですな。
 不死騎士団というアンデッド使いなんですが、「モンスターに育てられて、その後、アバンの弟子になった」という過去を持つダイのアンチテーゼ的な美形ライバル的なポジション。また、マァムに惚れられ、ポップの恋仇にもなるという、なかなか美味しいキャラですな。
 いわゆる影の主人公とも言うべき立ち位置で、非常に美味しいポジション。

 まあ、大抵はアンデッド使いと言えば、邪悪な魔法使いで不気味系キャラなんですが、そういう役どころは魔王軍幹部のミストバーンが担い、ヒュンケルはミストバーンの弟子にも当たるという敵味方双方に因縁を持つわけで、光と闇の葛藤を経る平成ライダーのライバルキャラにも通じる魅力があるのかな、と(フォーゼにおけるメテオが近いかな。あるいはドライブにおけるチェイスとか)。

 今年の放送は、ヒュンケル編で終わるだろうと予想しつつ。

Re: 11月のスレッド(2020) - K.K

2020/11/30 (Mon) 22:18:34

 定期感想その3です。

●仮面ライダーセイバー(第12章:約束の、あの場所で。)

 印象や立ち位置が、ガラッと変わったキャラクターが出てきました。1人はもちろん賢人ですな。賢人の抱える問題が当初「ロゴスを裏切った父親」で、それに「上條大地が父親を殺害した疑惑」が加わり、ロゴスへの不信へ発展したのかと思える運びでした。

 が、15年前の襲撃事件で飛羽真と一緒にいたのが賢人だと確定。飛羽真の記憶によればですが、異界(?)へ吸い込まれた少女(ルナ)を救えなかった後悔と、救出の決意を、賢人は保っていたわけですね。つまり賢人が異様にカリバーに拘ったのは、ルナと飛羽真に対する気持ちからだったと。

 そうと分かると、ここまでの賢人の行動、言動の意味が変わり、印象も一気に覆る感じで変わります。今までは賢人の迷走に見えたんですが、実は真っ直ぐ突っ切ろうとしていたみたい。迷走していたのは、こちらの見方だったということになりそうです。

 もう1人、自分的に印象の変わったのが緋道蓮ですね。他人の心情を慮ることなく、周囲に合わせることもなく、勝手気ままなマイペースというのが、前話までの印象です。が、今話でほんのちょこっとした会話と行動で、印象が全く変わりました。

 尾上が暴走しがちな賢人を心配して、緋道蓮に耳打ちしたシーンです。直前まで緊張感なく嬉しそうにしていたのが、尾上の耳打ちで一瞬、真顔に戻り、振り返ったらもう態度が元通り。ですが、直前までと打って変わり、賢人と喜んで一緒に行きたい様子を見せてました。

 このシーンで「緋道蓮は苦労人だが、そう見せないようにしてたんだな」と感じました。そう思ってみますと、今までの行動、言動も気ままのマイペースのようでいて、周囲の動きなどを観察、効果を計算してのことだったのかもと。

 さらに1人付け加えるとしたら、芽依でしょうか。かなり仕切るような言動がありました。倫太郎の負傷で賢人を責めた場面ですね。もっとも、前話辺りから司令官ポジションに近づきつつあるんじゃないかと感じはしてたんですが。

 今話の芽依の叱責(?)は、尾上が宥めて引き取ってまして、芽依司令官に対して、現場指揮の尾上軍曹みたいな関係になっているようにも思えました。この流れが進むかどうかは、ソフィアの復帰がいつになるかが影響しそうです。と妄想してみると、「いや、やっぱりこれはないな」としか思えなくなったorz。

 印象というより、はっきり立ち位置が変わったのがタッセルですね。第1話から物語外から解説しているようでいて、物語内のキャラクターだとハッキリ演出されました。普段、住んでいる世界は飛羽真らとは異なるかもしれません。アヴァロンの男と同道してましたんで。

 彼らは飛羽真らの地上界でも、本のワンダーワールドでもない、天界みたいなところにいる感じのキャラクターなのかも。ただ、自分的にはそのことに何を期待していいのか、ちょっと戸惑っています(^^;。

 ともかく本編。冒頭は、前話ラストで負傷して心配された倫太郎のシーンから。重傷ながら命に別状はないみたいですね。この後、無理してですが参戦できるくらいのダメージであったらしい。看病してたのは芽依らしい。目が覚めた倫太郎が芽依に聞いたのは「賢人は無事ですか」。芽依として、嬉しくもあり、残念でもあるような(^^;。

 そのストレスが賢人に向かったのかしらん。ロゴス:ノーザンベース本部室(?)に戻った芽依、賢人を思いっきり詰ってますな。が、このシーンがあるからこそ、ここまでの賢人の行動・言動が思い返せて、その真実が明らかになるのが衝撃であり、ラストの賢人の行動に納得もできるわけですね(ショッキングですけど)。

 一方、敵拠点では計画の進行が予定通りらしく、あと4つで2つの世界(現実世界とワンダーワールド、でいいのかな)が融合するとか言ってますね。そのことはロゴス側も薄々は察知しているものの、尾上の意見「罠ごとぶち壊す」で強硬策に決定。ただ、尾上は蓮を賢人に付ける(ここですね、自分が蓮の印象変わったのは)。

 もっとも賢人は蓮と共に出ていくふりをして、倫太郎の病室に行くわけですね。賢人が来ていないのに気が付かなかった蓮はちょっとうかつかも。賢人はまた眠ったらしい倫太郎に詫びつつ、飛羽真の15年前の記憶にある少年が自分だと明かし、始末をつけると宣言する。

 これを倫太郎はしっかり聞いていたわけですね。そんなこと言い出した賢人がカリバーとの対決に向かうことも、倫太郎は理解したんだろう。だから無理を押して飛羽真のもとへ向かったわけか。

 ゴブリンメギドが占拠する4つの街に向かった剣士は、続々とゴブリンを打倒するも、前話と同じく剣が光ったと思うと、街からも光が放たれる。敵の思惑通りに進んでしまっているらしい。もっともロゴス側も承知のうえなんでしょうけど。賢人エスパーダ以外の剣士・ライダーの剣が光の柱作っちゃったし。残り1つ。

 飛羽真に対してだけは、メギド側が特別な対応に入っているようで、ズオス、ストリウスが迎撃に出張って来る。そこへ倫太郎が救援に駆けつけ、飛羽真を賢人のもとに向かわせる。倫太郎の「約束したんですよね、賢人と、ルナさんと」で飛羽真は全て思い出したらしい。ですが、それすら敵としては予定通りの模様。飛羽真が去ったと見ると、さっさと引き上げますな。
(ちょっと気になるのが、倫太郎が最初にどこまで知っていたかということです。これだけ簡潔に核心を突く台詞が言えたということは、もともと知ってはいたんだろうか。)

 賢人は現カリバーである上條大地がどこにいるか、察しがついていたらしい。どうやら15年前の決戦場に対応する場所みたいですね。つまり、メギド側の策動は15年前の事件のリトライということか。賢人の狙いはカリバーを倒し、事件の再現を阻止することらしい。賢人が単独で来たのは、仲間を巻き込まず、差し違えてでも、という覚悟なんでしょうな。

 しかし、ジャオウドラゴンを有するカリバーとの力の差は歴然か。しかし賢人エスパーダは退かず、最大の一撃を以て挑み、カリバーも応える。その頃、飛羽真は未だ必死に探し続けていた模様。倫太郎もさすがにどこで戦うかまでは察しかねたらしいし、飛羽真も「約束の場所」がどこに対応するかまでは分からなかったんだろう。

 飛羽真の決戦場到着は夜に入りまして、既にカリバーは去り、賢人が倒れてます。既にボロボロになってまして、話す内容も今生の別れを覚悟した様子があります。それでも指切りはしようとするも、果たせず賢人は力尽きる。賢人は死んだ、以外の解釈を許さないような描写です。

 これを見守っていたのがアヴァロンの男とタッセルであるわけですな。アヴァロンの男は無表情に見つめており、タッセルはその意を窺うように顔を覗き込んでますね。ということは、事態を動かすとしたらアヴァロンの男なんだろう。前に飛羽真に渡して、未だ使用されない白紙のブックもありますし、これで終わるということはなさそう。

 その傍証としては劇場版(ただしセイバーは短編らしい)のCMがあります。賢人も映ってまして、もし劇場版が今話の事件以前でなければ、賢人の存命は確実かと。

 賢人の運命も気になりますが、敵の策動もまだ種明かしがないですね。15年前の事件からして狙いがハッキリしない。2つの世界の融合とか、人類抜きとかはもう出てますけど、上條大地/現カリバーの言う真理探究と齟齬する感じです。後者は個人的なものでしょうから。

 次回「俺は、俺の、思いを貫く。」では、飛羽真&倫太郎 vs カリバーの対決となるらしい。新フォームなのか、新剣士なのか分かりませんが、銀と赤のカラーリングのライダーが登場するようですね。ドラマとしては、芽依が珍しく叫んでまして、かなり緊迫したものになる感じです。

●戦隊もの

 ちょこっとだけ。アバレンジャーとゴーバスターズはTV放映年度は離れてますが、ネット放映はだいたい同じタイミングでスタート(2話ずれてるだけ)。どちらも次回に新戦士登場みたいです。もっとも、ゴーバスターズのほうは今週後半(第14話)で顔見世はしてますけど。

 自分は今まで、単に途中参加の(その時点での)スーパー戦士というフォーマットくらいにしか考えてませんでした(玩具販売の都合とかもあるだろうし)。が、どうも目が節穴だったようです。ゴーカイジャーを観る以前ですと、どうも眺める程度だったのがマズかったか。

 戦隊ものは(観た限りの平成ライダーに比べてですが)1話完結性が高い傾向ですんで、登場人物のキャラ固めが一応済むと、敵の今週の作戦→撃退、というルーティンに入りやすくなるみたいです(昭和の特撮ものフォーマットが、そういう傾向かと)。

 それでもいいんでしょうけど、1年全体の流れの抑揚や変化をつけるため、新戦士が登場する面があるように、今週分のアバレンジャー/ゴーバスターズを観て、思いました。もしかすると、途中参加の新戦士以外にも工夫があるのかもしれない。

 その辺りに気を付けて、視聴してみたくなりました。キラメイジャーでは、既にクリスタリア宝路/キラメイシルバーが途中参戦ですが、全体の流れの変化は意識して観ておらずです(もしかすると新規参戦時以外に、昭和生まれ発覚でもなんかあったのかも ^^;)。それ以降で変化をつけたキャラクターは、ヨドンナでしょうか。彼女の登場以降、敵の作戦が一貫して来た感じはあります。

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