創作と鑑賞の談話室

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12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/01 (Tue) 00:00:33

 12月の雑談スレッドです。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/01 (Tue) 09:30:14

 今年もとうとう残り一月になりました。
 師走なので、先月よりも忙しくなるので、書き込み頻度とか下がるかもしれませんが、鑑賞感想楽しく語り合って、また来年につなげたいと思います。

★セイバー

 長谷川圭一脚本は、当たりが多いなあ、と感じた回。
 この人は、25年前のウルトラマンティガ以来の特撮ベテラン脚本家ですが、近年はアニメのグリッドマンでの全話執筆が印象的です。
 SFマインド豊富で、大人向きヒーロー物の燃えポイントをしっかり分かってらっしゃる方ですので、安心して見てられる感じですね(子ども向きかと言われると、ややハード寄りなんですが)。

 で、賢人の死? で話を締めくくって、次回はメインライターにバトンタッチして、第2世界への門を開く流れかな。
 仮面ライダーゴーストで、眼魔の世界が舞台になる時のワクワク感再びって感じです。

 メインの福田さんは、ゴーストでファンタジー世界をもっと掘り下げたかったんだけど、諸事情でできなかった(別世界を描くのに予算が掛かるなど)のが、今年はコロナ禍という中で、逆に現実世界での撮影が上手くできないので、ピンチはチャンスではないけど、ファンタジー異世界ライダーに需要あり、という状況が成立。
 前作のゼロワンが近未来SFだったので、それと対を為す異世界ファンタジーというのは、自分としてはワクワクしております。

 今回、飛羽真の記憶が戻ったことも、主人公が能動的に動けるようになる契機だといいなあ。これまでは状況のよく分からないまま、巻き込まれて受け身的に戦っている印象が強かったですけどね。
 セリフは威勢がいいけど、やっている行動が追いついて来ていない感が強くて、情念的には他のキャラの方が積極的。

 他の作品と比べるなら、アバレンジャーの異世界ファンタジー感と比べるとか、バスターズの過去回想(子どものときに事件に巻き込まれて戦うことを余儀なくされる宿命の戦士)と比べるとか、ターボレンジャーの妖精ファンタジーと比べるとか、剣の複数ライダー乱立錯綜ぶりと比べるとか、いろいろな視点があるとも思いますね。

 とにかく、賢人の扱いだけは、どうなるのかを気にしつつ、次回の主人公パワーアップや、タッセルさん及び謎の男が物語にどう絡むかもチェックしたい。
 タッセルさんについては、鎧武のDJサガラの方向性かなあ、と思いつつ。

★戦隊の追加メンバーについて

 5人構成の多い(まあ、アバレやバスターズは3人構成ですが)戦隊で、いわゆる6人め、あるいは追加戦士の登場が固定化したのは92年のジュウレンジャーから。
 よって、80年代の戦隊と90年代以降の戦隊を分ける一番のポイントかと思います。

 で、この追加メンバーは、1人で既存のメンバーと渡り合えるほどの個性と戦闘力を持つキャラとして設定されることが多いので、とにかくアクが強い。
 まあ、パターンとしては、

1.新型装備を与えられた大型新人
2.未熟な若者をサポートするベテラン
3.敵だったのが改心して共闘してくれる強豪
4.主人公たちとは違う出自の独立タイプ

 とりあえず、こんなところかな、と。

 新人の場合は、装備と戦闘力はあるけど、精神的に未熟なのが先輩戦士に鍛えられながら、新たな成長を描く流れになりやすいですね。ゴーカイシルバーがこのタイプ。

 ベテランの場合は、既存メンバーが未熟な若者として描かれている作品で、彼らの成長を飛躍的にサポートさせる助けをする大人キャラ。バスターズのビートバスターと、相棒ロボのスタッグバスターがこの方向性かな。このパターンは、役者が特撮ヒーローOBであることも多くて、ビートバスターの陣さんは、魔法戦隊マジレンジャーのマジイエロー(これも雷の戦士)だったという前歴も。

 そして、問題児でドラマをかき乱すのが敵から改心タイプですね。
 最初の6人めであるドラゴンレンジャーからして、主人公レッドの兄だったのが、過去の因縁で王族から養子に出されていた経緯があり、登場直後は弟憎しで立ち回っていたけど、6週ほどかけての兄弟対決を経て、弟に罪はないことや優しさに接して、自分が部族の大義を見失っていたことを悟り、また残された寿命に限りがあることも知って、弟のサポートに回ることを決意。
 弟のピンチに駆けつける助っ人でありつつ、普段は「時間の止まった部屋に待機」という形で、限られた交流のみのキャラでした。

 生き別れの兄弟が敵味方に分かれて対決し、その末に和解するなり、一方の死亡による悲劇演出に至るなり、どちらにせよドラマツルギーのネタになりますな。

 まあ、アバレキラーの場合は、追加メンバーではなく、敵である期間があまりに長く、一時期は敵組織のボスにまで君臨するというアバレっぷり。
 ここでは、ディケイドの立ち位置が一番近いかも。あるいはターボレンジャーのライバルであるヤミマルに相当するキャラか。
 普通は、一月ほど対立した後、洗脳が解けたり、説得されたりで仲間入りするんですけどねえ。放送当時は、アバレキラーって本当に仲間になるのか? 最後まで敵キャラで終わるのではないか、とまで言われていました。
 アバレキラーの番組かき乱しっぷりは、ちょっとした伝説です。

 一方、アバレンジャーの4人めのアバレブラックことアスカさん。彼も独特の個性持ちですね。
 戦隊を結集させた司令官的な役どころなんですが、私生活では異世界人らしい天然系を示し、ジャンヌとの間で独自のドラマを示し、一応は頼れる助っ人なんだけど、その力が安定せずに、記憶を取り戻したジャンヌと交代して、鎧に支配されて敵に回ったりする展開にも。

 つまり、アバレは赤青黄の3人は安定しつつも、時期によって敵味方の入れ替わりが激しい、平成ライダーみたいな作風ということになります。
 これまでの戦隊の王道パターンから外れた展開を示し、豪速球な変化球という稀な作風になった作品。まあ、海賊戦隊もそういう傾向があったのですが、あれは既存戦隊に対するアンチテーゼの趣きが強く、一方のアバレはそういう対立枠でもなくて、とにかく自由に軌道を踏み外して、それでいて上手く収束させるというアクロバティックな展開が特徴。

 で、最後に4番めですが、これは追加戦士でも、ニンジャマンとかシグナルマンみたいな、戦隊スーツとは異なる意匠の仲間ですね。
 バスターズのスタッグバスターもこれに分類されるかもしれない。人間じゃないバディロイドなのに、戦隊スーツを装着して、相棒のビートバスターのサポートをしつつ、ロボットらしい天然ボケっぷりも披露。
 ロボットが戦隊スーツをまとうキャラというのは、今のところ唯一無二だと思います。

 ともあれ、追加メンバーの登場で、ドラマが活性化したり、王道パターンに変化球を交えながら、バラエティー色が高まるのも事実なので、ここからが本番と言ったところでしょうか。
 では、今回はこれにて。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/03 (Thu) 13:29:07

 定期感想その1です。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第35話:危険な変身!?、第36話:最強フォーム)

 確実に自分の好みの方向へ物語がシフトしてきているなあと感じます。かといって、第29~30話のスラップスティック編を機に、序盤からの流れなどを否定しているようではありません(いったんは前半を壊して後半を作るのかと思ったけれど ^^;)。

 前半を棄却して新しい流れを作るとすると、キャラクターの否定は入ってしまうように思います。しかしキャラは壊してない。そうでありながら主要キャラクターの取る行動は激変している感じがします。たぶん、キャラクターの内面ではなく、外をいじったことがあるんじゃないかと。

 転機の第29~30話では、新参にしてゲストのアンデッドがあからさまに相川始をジョーカーとして扱っています。それを機に、相川始がジョーカーであると劇中情報として知れ渡って行ってます。そのジョーカーが何者かは上級アンデッドは知っているわけだし、BOARD上層部も実は知っている。当の本人である相川はもちろんですね。その情報が剣崎や橘に伝われば、バトルファイトの行き着く先を予測して動き出す。

 これは状況が変わってるだけで、主要/レギュラーキャラクターの変化ではなさそうです。例えば橘が序盤の迷走の繰り返しを、後半に入ってからやってます。序盤だと、恐怖のせいで力が振るえず、身体もむしばまれていくと思い込み、伊坂ピーコックにいいように操られたわけですね。一応、最後に深沢小夜子の死亡を契機に目が覚め、一皮むけるわけですが(今、思い出しても、やっぱり取ってつけたような感じがしてしまう)。

 現時点ですと、本当の狙いを伏せた広瀬義人(事実上のラスボスらしい天王路博史につながっているらしい)と協力してます。予習によると、橘は剣崎のジョーカー化を防ぐために尽力しているつもりが、実際は逆の目的に利用されているらしい。やっぱり、いいように操られてます。

 ですが、序盤の目的が自分(橘)のためであったのに対し、現時点の橘は剣崎のために奔走(にして迷走?)してます。そのお陰で橘のドラマが自己完結せずに発展性が感じられます。この先に何かある。かつ、泥臭くヘタレているからこそカッコよくもある。

 今週分では、睦月レンゲルにも注目しました。このキャラクターは当初から力に魅入られてるわけですが、序盤では内面での睦月とレンゲル/スパイダーアンデッドの精神闘争に終始する感じでした。閉所・暗所恐怖も、理屈に留まる感じが否めなかった。まあ、そのお陰で再び迷走しても違和感はなかったわけですが(^^;。

 ところが今週分になりますと、睦月レンゲルを取り巻く状況がくっきりしてきました。まず、城光/タイガーアンデッドが地力の差を見せつける。カード頼りの睦月レンゲルに対するアンチテーゼみたいな感じ。続いて相川が自分を抑えきれずにジョーカー出現で、睦月レンゲルはカードは充分と(キングが保証したからなあ)勇んで対峙するも、召喚したカリスを破られ、力の隔絶した差に恐怖する。

 周囲の動きにより、睦月の求める強さが八方塞がりな感じが浮かび上がってきました。一縷の望みは、先週の相川の言「本当の強さは人の思い」に見いだせるかどうかでしょうか。この後の展開を予習すると、Qの城光/タイガーアンデッドがレンゲルに封印され、既に封印されていたKの嶋昇/タランチュラアンデッドと協力して、Aのスパイダーアンデッドを抑え込むみたいですね(Jは大地エレファントだけど、特に関わらないみたい)。どういう経緯でそうなるか、少なからず期待するものがあります。

 ともかく本編。先週後半の続きで、トライアルD vs ブレイド・キングフォーム。力の差が歴然でブレイドが快勝するも、破壊力が大きすぎて周囲も吹き飛ばしかねない感じですね。さらに変身を解いた剣崎が眠り込んでしまうわけですな。これはどうも不吉な兆候らしい。が、この時点では「消耗の激しいフォームなんだな」くらいの感じか。

 このキングフォームは相川にも影響を与えてまして、離れていてもジョーカーが刺激されるらしい。序盤でもブレイド基本フォームに相川が反応する様子がありましたんで、さらに強い作用ということなんでしょう。それもただならぬものがあるらしく、剣崎に聞こえもしないのに「やめろ、お前(剣崎)はその力を使うな」と必死で叫んでますね。何か心当たりがある様子に見えます。

 そこからどうなったか分かりませんが(たぶん眠り込んだ剣崎視点の描写なんだろう)、剣崎が目を覚ますと知らない少女(生原羽美)がいるわけですな。場所はどこかのビル内の部屋で、そこを「隠れ家」とする羽美が運び込んで保護したらしい(1人でやったようで、なかなか力持ちだ)。が、ちょっと手癖が悪いらしく、Aのカードを変身に必要と知って、抜き取ってしまったらしい。

 羽美は剣崎がブレイドと知って、1日だけでいいので自分(専用)のヒーローになって欲しいとか、不思議なことを言い出す。そうすればAのカードを返す、というわけですね。剣崎は力尽くでカードを取り返す気が起きないらしく(相手は力持ちと思ったのかも ^^;)、言うなりに付き合ってやる。のですが、なかなかに振り回されとりますな。もしかすると羽美は剣崎をからかっているのか、と思うほど。この態度の理由は後半で明かされるわけか。

 一方、広瀬義人と橘。橘がいいように利用されてまして、橘の細胞から作ったクローンのトライアルEというわけですか。橘は不平たらたらながらも、トライアルEの仕上がりをテストしてやったりしてます。が、広瀬義人には狙いがあるようですね。橘の能力を取り込みたいというより、トライアルEの行動を示しつつ、橘の内心奥深くにこういう願望とか不満があると吹き込むわけで。曰く「橘は剣崎に嫉妬/憎悪している」とかとか。

 アンデッド側でも動きがありまして、まずジェリーフィッシュアンデッド(クラブの7)が出現するも、ジェリーフィッシュはジョーカーに気づき、怯えて逃走。ついに相川がジョーカー化しちゃったみたいですね。続いて城光/タイガーアンデッド(クラブのQ)が現れ、やはりジョーカー出現に気が付く。

 栞らがアンデッド出現を察知し、羽美からカードを返してもらった剣崎が駆けつけるも、相川と知らずにジョーカーと遭遇してしまう。が、羽美もついて来てしまうわけですな(すごい脚力があると思われる)。ジョーカーは相川の意識が残っているらしく、「駄目だ、剣崎」と声をかけて去る。しかし剣崎はジョーカーの正体に気が付かずですね。たぶん新たなアンデッドくらいに思ってそう。

 バトル後、廃墟と化した辺りを見回し、羽美は地震で家族を同様の状況で失ったことを明かす。が、まだ剣崎に付きまとう真意は不明ですね。が、確かめる間もなく、剣崎の変身をキャッチした広瀬義人が放ったトライアルEが出現。自分を助けるヒーローなんかいないと言う羽美に対し、剣崎は「必ず守る」と宣言して迎撃態勢に。

 が、ジャックフォームまでしか使わず苦戦。キングフォームは戦闘後の昏睡があるから控えたのかな。しかし橘のクローンでもあるEに押されまして変身解除。これが幸いして、生身の剣崎に反応が遅れるEに対し、剣崎が消火器煙幕張り、羽美を連れてなんとか逃げ切る。と思ったら、羽美が突如の吐血し、ショックを受ける剣崎。重傷か重病を思わせるものですが、仕掛けがあるわけですな(^^;。

 唯我独尊ペースの睦月レンゲルは、己がスペードのスートを揃えるべく、ジェリーフィッシュを楽々と封印するも、城光/タイガーアンデッドには生身で手痛い敗北を喫するわけですな。戦い方を非難もされる。ここから睦月レンゲルの最強の自信が焦りに変わり出したみたいです。が、ジョーカー出現を知り、カリスのカードを頼りに探し出し、カリス(マンティス)を召喚して戦いを挑む。封印すればまた最強の座に戻れると思ってそうですな。

 しかし、あっさり退けられ、レンゲル化してから初めてでしょうか、睦月は恐怖感を覚えた様子。この後、城光/タイガーアンデッドと変身対決するも、またもや敗北。光タイガーは(グロンギみたいに?)戦士のプライドが高いようで、睦月レンゲルが(自分より)弱いからではなく、ライダーシステムとカードに頼り、己が命を張った勝負をしないことが気に入らないらしい(睦月にカツを入れる伏線かな?)。しかし睦月レンゲル、またもカードからアンデッドを放ち、ジョーカーを追わせる。

 その睦月を退けた相川始は栗原親子の喫茶店(ハカランダ)に戻ろうとするも、レンゲルの差し向けた追っ手アンデッドを察知、来た道を引き返す。気付いた虎太郎が止めようとするも、相川は警告めいた台詞を言って、そのまま去る。相川はさらに剣崎とも遭遇するわけですが、「もうすぐ俺はアンデッドを倒すことしか考えられない獣に戻る」と告げ、ジョーカー化してどこかへ消えてしまうわけですね。

 相川が己がジョーカーを制御できなくなってきたということは、もう前半のような内心劇では収拾がつかないということになりそう。しかし周囲の状況(特にアンデッド出現やライダーへの反応)に影響されるという点では、剣崎らの行動いかんにもなってきます。目に見える形での「こうすればこうなる」的な勝利条件の模索と実行になってくるわけで、自分的には歓迎したい流れです。

 それはともかく(^^;、剣崎は海の吐血が嘘と知っても依然として振り回されるも、頑なに羽美を守るといい、またも現れたトライアルEと対峙。Eは剣崎捕獲が任務ですが、負傷させるくらは広瀬義人から許されているらしい。あくまで羽美を保護せんとする剣崎をEは銃撃、それでもくじけず今度はキングフォームで完全撃破。これで羽美は何かを悟ったらしい。

 剣崎はかなりの負傷で病院に搬送されるも例の昏睡状態、見舞いに来た羽美と栞のやり取りは全く知らんでしょうな(ヒーローは誰か云々)。が、(睦月レンゲルの放った)アンデッド出現と聞くと目を覚まし、飛び出していく。途中で相川に遭遇し、ジョーカー化を目撃するわけですね。

 これで前に遭遇したときに声をかけられた意味が分かったでしょうけど、ジョーカーにある相川の意識が前より少なそう。こともあろうに天音に襲い掛かってますから。これに剣崎が割って入り、キングフォーム使用で立ち向かう、というところで次週へ。相川のジョーカー化をどう制御するかが次週以降のポイントになってきそうです。

 今週分は感想をまとめるのがどうにも大変でした。視聴している分には、テンポも流れもよく、分かりやすくもあったんですが、いざストーリーを追って書こうとすると、どうにもまとまらないです。主要キャラクターそれぞれのドラマが並行して進み、ときどき交錯しているからかもしれません。しかし観ていて面白い。

 ただ、今週分で自分的に若干の「?」があるとすれば、ゲストヒロインの生原羽美でしょうか。一応、剣崎一真の今の立ち位置と方向性を明らかにする効果はあったように思います。しかし、剣崎の相川に対する態度で充分な気もします。序盤か中盤なら羽美の起こすドラマも必要だったかもしれませんが、終盤に差し掛かろうとする時期としては、ちょっと違和感がなくもないです。

●12時間睡眠のキャンプ(内輪の話)

 某所で無秩序なコメント書き込みに悩まされるブログ主さんを見かけて、非常に気になりまして。もちろん、当該コメント主(及びメール主)は件の人物であるわけで。

 当該コメント主が冬キャンプについて言っていることが、普段の彼自身に跳ね返ったら非常にマズいこと、気が付いている感じがないですね。

1. 冬キャンプに誘う(冬山を視野に)
2. 準備と訓練すれば大丈夫と主張。
3. 普段は12時間睡眠が必要で、4~5時間の屋内活動で疲れ切る。
4. そのような健康状態なので生活支援を受けている。

 1・2と3・4は矛盾しています。もし1・2が可能なほど元気なら、3・4は嘘であり、それを理由とする支援は(詐病等を理由に)打ち切られる恐れがある。当該コメント主が最も恐れることの1つだったはずです。逆に3・4が本当であれば、1・2は死亡覚悟でしょう。特に1は問題で、巻き添えを出すことが前提の悪意となります。

 1・2が嘘と言い張る場合も問題が生じます。メール発端のようですが、ブログコメントに表れたのが5月。12月に入ってもキャンプ云々と書き込んでます。半年以上、嘘でブログ運営を妨害したことになりかねません。

 当該コメント主が、今さらどう言い訳しても詰む状態になってます。全て独り相撲の結果であるわけですが。

 当該コメント主が貶した星矢劇場版「真紅の少年伝説」(コロナの聖闘士が登場)についても(ちょいと腹に据えかねるものあり)。自分はTVアニメを中途半端に、劇場版をレンタルビデオで少々観た程度ですが、おおむねの物語パターンは次のような感じかなと思います。

A. 世界に危機をもたらす強大なラスボスと、聖闘士を上回るその配下の出現。
B. 敵配下に青銅聖闘士が蹴散らされる。
C. 黄金聖闘士がアテナ側と敵側の2派に別れる。ただし敵側に回ったうちの1人は星矢らの踏み台になる覚悟。
D. 青銅聖闘士逆襲で、強敵を1人1殺で倒し、星矢にラスボス打倒を託す。
E. 星矢、ラスボスに挑み、ラスボスに目を見張らせるも、返り討ちに。
F. フェニックス一輝登場、いい線までラスボスを追い込むも、本気のラスボスに返り討ちに。
D. 一輝含む青銅聖闘士、己がコスモを星矢に託し、星矢が応えてラスボス撃破。

「真紅の少年伝説」ですと、Fが弱い。途中の敵配下との戦いまでになってます。たっぷり時間が取れるTV本編に対し、他の劇場版より長めとはいえ、75分の時間制限のせいでしょうか。知り合いと感想を言い合って、「星矢って、どれ見ても同じパターンだね」と(嬉しそうに ^^;)不満を漏らしつつ、「パターンなぞってないとこは、ちょっと嫌かなあ」と(今度は悲しそうに)矛盾する不平が出たりしてました(^^;。

 黄金聖闘士キャンサーのデスマスクは、きちんと悪役としての仕事してますね。結局は本気の紫龍に歯が立たない情けなさを見せるも、死んだと思ったアテナが黄泉比良坂=あの世に向かう途中で、まだ救出可能という情報をもたらす役割でもありました。かつ、十二宮編で紫龍に敗れたデスマスクのリターンマッチという位置づけもあります。

 十二宮編では、デスマスクは紫龍に対し優勢に戦いを進めながら、キャンサーの黄金聖衣に見放され、それでも紫龍に食い下がるも退けられてます。「じゃあ、聖衣が外れなかったら?」が実現したのが「真紅の少年伝説」での対戦。今度は地力の差を見せつけられての敗北ですね。

 そういう負け方がしっくりくるのも、デスマスクだからでしょう。既に十二宮編で死者の魂をコレクションするとか、己が力に溺れた無軌道ぶりを見せつけてくれてます。当初から、打ってつけの憎まれ役、使える悪役として設定されていたわけですね。しかも黄金聖闘士。フィクションでは、悪なくして正義なし、悪役なくしてヒーローなし、ですから「真紅の少年伝説」でのデスマスクの役割も大事なところです。

 他の聖闘士シリーズにならい(?)、「真紅の少年伝説」でもラスボスの悪党性はちょっと薄めです(もたらす災厄はデカいながらも、憎悪を煽るのは控えめ)。そのため、ラスボスを倒せ、という気持ちが、観ていて今一つ起こりにくい。デスマスクが敵側につくことはドラマ的に大事でした。デスマスクをあれ以上軽く扱ったら、全体的な面白さは下がってしまいます。アテナの危機(タイムリミット付き)も薄い印象になりかねません。

 上記の聖闘士ものの流れで言えば、「真紅の少年伝説」では、デスマスク(とアフロディーテ)がCの敵側に寝返った聖闘士(青銅聖闘士の引き立て役)、サガが敵側でありながら青銅聖闘士(星矢)の踏み台になって、ラスボス対決へ送り出す役割になってました。

 当該コメント主はコロナの聖闘士にも不満があるようで残念です。不意打ちとか、ちょっと違うでしょう。コロナの聖闘士は(アテナを害する目的があると知って反旗を翻した)黄金聖闘士を圧倒する実力があると描写されています。当然、中盤までの青銅聖闘士は眼中にない(冒頭では、向かってくる星矢の手を踏みつけただけで、放免しさえする)。

 コロナの聖闘士がトラップしかけたとか、こっそり背後から忍び寄ったみたいな描写はありません。やられた側があっという間に倒されたほどの上級者であった、という描写に見えます。あるいは、青銅に手こずった黄金聖闘士を侮りつつ、青銅聖闘士に止めを刺したと見える狙い。正面から立ち向かってくる青銅聖闘士に対しては、きちんと1対1の勝負を受けもする。

 彼は確か、聖闘士星矢のファンを自称してたように思います。劇場3Dアニメ版を絶賛もしてたような(自分の見解は違いますが)。それにしちゃ、どこを観てるんだろうな、と思うような「真紅の少年伝説」へのコメントでした。まあ、たいてい的外れなのは、今さら驚きもしませんが。

 彼にとっては、快感に浸る以外は全て「作業」でしかないですからね。何事も修行に通じるとか、為したことは自らの蓄積になるとか、全く理解できない様子です。為すべき作業は少ないほうがいいし、終えたら忘れてしまいたい。それで何十年もやってきたんでしょう。だから、ブログのコメント欄は記事について感想を言うものだ、と言われたら、「はーい、記事のこれはこう思います。これでいい? じゃ自分の話を聞いてくれ」みたいな感じでやらかしてしまう。

 冬キャンプ云々も、どっかでキャンプについての話を聞きこんだんでしょうな。キャンプ行って来たといったら褒めてもらえる。冬場だと凄いと言ってもらえる。そう思って、自分の箔付けにキャンプが使えると思った。だけど1人でやるのはしんどそう。それなら誰かを巻き込んで、そいつに面倒ごとは全部やらせたらいい。それくらいに思ってのことのような気がします。

「作業」を別の視点で言い換えると「記号」です。記号「キャンプ」の論理的な意味だけは、一応分かって言う。しかし、実経験はもちろん、実感もない。記号を機械的になぞったりつなげたりする、つまり記号処理でしか理解できない。だから、現実感のないことをまくし立てても、本人が違和感すら感じることが出来ない。

 彼については、1つとして見どころを見つけることは、自分にはできませんでした。……いや、たった1つだけだけあったかもしれない。マイナスの才能なんて存在しない、に対する反例です。単なる作業なんだから手を抜く。やればやるほど、手の抜き方だけが上手くなっていく。記号処理に慣れるほどに、形式に堕していく。12年前のほうが、まだマシだったんじゃなかろうか、彼は。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/04 (Fri) 13:46:42

 定期感想その2です。

 なぜか今週は木曜のビルドファイターズがYoutubeガンチャン公式に出て来ません。第14話を楽しみにしてたんですが。公式サイトの配信スケジュールを確認しますと、12月は第13話までのようです。たぶん、2クルー目に入る次は1月からということか。

 ちょっと残念ですが、ネットで公式が放映してくれるメリットに比べたら大したことではないですね。ウルトラマン公式のほうでは、ギャラクシーファイトが旧作も見られるのは嬉しいところです。

 それだけなく、実写のグリッドマンも放映中で、「これがアニメ版GRIDMANの原作か」と思って観てます。気になってたんですが、TV再放映があったもののBSで、自分がまだ視聴環境を整えてない頃でした。ネット放映で、ようやくグリッドマンがどういう作品か、確認できてます(アニメ版が実写版への高いリスペクトを持っていたことなどが実感できてきた)。

●ムラサキ少年/シグマの右手にあったもの

 今週の牙狼MSに含めてもいいんですが、自分的にいろいろありまして別項に。鋼牙がシグマの腕が再生したときに、何に、なぜ驚いたかの件です。

 最初、自分は(おそらく制作のミスディレクションの意図通りに)「せっかく斬り落として騎士全滅の惨事を防いだのに、あっさりとホラーの左手が復活」で、鋼牙が目を見張ったんだと思いました。

 しかし、問題はシグマの右手のほうと伺ったわけですね。少年時代の訓練仲間がワタル教官から受け取ったお守りがあったと。それで「なるほど、そういうことか!」としっくりきました。ただ、雨宮監督がツイッターで紹介した映像、TVの録画映像を観なおしても、お守りかどうかははっきりとは視認できませんでした。

 今週分を観終わってからですが、雨宮監督のツイッターで紹介映像を再確認してみると、右上腕に何か傷跡みたいのがあるのに気が付きました。
https://twitter.com/keitakisuke/status/1329441311011844103

 それで、「あれ、これってもしかして?」と思い、第15話「同胞」を観なおしますと、途中CM直後の訓練生仲間の会話シーンで、ムラサキ少年の右上腕に傷跡があるのに気が付きました(さらに仲間同士で、怪我自慢になっていき、シロ=鋼牙は傷跡は見せたがらない)。

 もしかしてそこもヒントかと思って調べると、雨宮監督のツイッターで2019年に(たぶん前の再放映のとき?)で、「むき出しになったシグマの右手にムラサキと同じ傷があったからだ」と種明かし(?)してました。
https://twitter.com/keitakisuke/status/1142435201080971264

 そうと分かってみると、ウィキペディアの牙狼MSの「赤い仮面の男/布道シグマ」の項に、「右腕に傷跡があり、第21話でその傷跡があるのを鋼牙に気付かれ、彼を驚かせた」とあるのに、ようやく気が付きました(またもやですが、見れども見えず)。そうと分かってみて思ったのは、

『そもそも分かりにくいのが、余計に分かりにくいわ!』

です(^^;。分かってみて演出意図に納得はするんですけど、少し残念な気もします。もしシグマも未だお守りを持ってたんだとしたら、一縷の望み(いわゆる蜘蛛の糸?)が感じられます。ずっとお守りを身に着け続けた鋼牙との因縁も強く感じられます。しかし約束(ホラーに堕ちたら斬る)は約束、という非情さがたぶん際立ちそう。

 怪我の跡だと、そういうものがちょっと弱い気がします。腕の傷跡は、ムラサキ少年/シグマがシロ少年/鋼牙と出会う前からあったものですし、訓練生に怪我はよくあるというのが第15話の演出でもありますし。まだ最終回前ですが、もしかすると「あれはお守りだった」と思い続けていたほうがよかったか、と悩ましいところはあります。

●牙狼MS(第23話:金色)

 最終回前の回として、ここまで押しに押されてきた魔戒側が、ようやく押し戻す流れに転じたことがよく描かれてました。反撃の布石は打ってあって、それがようやく功を奏したことが目に見えるようになった感じです。騎士の刻印の解呪、法師と騎士の和解、鋼牙の奪還等々ですね。

 たぶん、最後にして未だ未発動の布石は、ずっと前に散歩回で仕込まれた、カオルの筆かしらん。今話のバトル途中で、騎士と法師の合わせ技(光矢流星)が示唆されてました。順当な線で考えると、鋼牙とレオになりそうですが、より盛り上がるとしたら、鋼牙とカオルが自分好みかなと思います。

 それはともかく本編。OP映像でちょっと驚きました。TVの色調がおかしくなったかと思ったんです。普段、白色になってるところが金色になってます。ようやく「ああ、ラスト近くなんで演出だ」と気が付きまして、雨宮監督のツイッターを確認しますと、タイトル「金色」にかけた遊びらしい。雨宮監督が制作当時、非常に乗っていたことが窺える演出です。

 本編冒頭から、最大の見栄えは前話から引き続いてのバトルですね。そこへ反撃に転じるドラマがタイミングよく挿まれてくる。まず地上の邪美は、真魔界でのギャノン復活を察知してますね。そこまでデカい邪気ということなんだろう。しかし気が付けるからこそ、この後、地上の法師部隊と真魔界の騎士部隊の連携も上手く行くということなんでしょうな。

 真魔界のイデアはギャノン支配下に入りまして、赤黒く変色し、いっそう禍々しい感じです。これを操るギャノンは色鮮やかですね。真魔界のモノトーン色調の背景とよくマッチして映える感じです。牙狼では水墨画風がよく使われてました。そこからもスムーズにつながる感じで、トータルでどうなるかをよく把握した巧みさを感じます。

 ギャノンはさらに素体ホラー大群も召喚、この後、シグマ開発の号竜人、鉄騎、リグルも放ってまして、文字通りの機械化軍団を作り上げちゃっている。さらにイデア本体へのエネルギー供給&浮上システムみたいのも出て来まして、このまま地上に侵攻も可能なようですね。

 しかしまずは、この時点ではギャノン+イデア本体と素体ホラー。イデアが作った結界(ワープホール)で素体ホラーを地上に送り込み始める。出口は紅蓮の森の珀岩の谷で、とりあえず邪美らが応戦するしかない。魔界では零らが阻止を試みるも、素体ホラーが多すぎて、手が付けられない感じですね。

 ここで鋼牙が鎧召喚+魔導馬:轟天で救援に入り、結界を破壊、なんとか地上へのホラー流出は食い止められたか。鋼牙は一気にイデア指令所(?)へ突入、ギャノンと対峙する。全てはギャノンのたくらみかと問う鋼牙に、ギャノンは笑って、シグマの憎悪が蘇らせたに過ぎないと答え、取り込んだシグマを見せてやる。

 まあ、もっともかも。することがないから寝てたのに、勝手に起こされたみたいなもんなんでしょう。ただ、覚醒した以上、本能(?)に従い、ホラーに人間を食らわせたいわけで、戦うしかない相手ですね。取り込まれたシグマはシグマの意識を保っているようですが、、どう思っているかは定かでないですね。ただ、シグマが曲がりなりにも健在である以上、暗黒魔戒騎士のように復活する可能性が明示されたように思います。

 イデアを取り込んだギャノンは強力でして、鋼牙1人くらいは容易く退けられるみたいです。が、鋼牙はレオに法師としての力を求めまして、この辺りから反撃に転ずる印象になってます。鋼牙はまず、イデアの足止め狙いで、4本脚の1本の切断を試み、零らとの協力で何とか成功させる。

 ですが、脚は再生してしまうわけですな。むしろイデアの活動を活発にしてしまった様子もあります。イデアの支援システムも作動し始めた模様。が、鋼牙が決死で急所に一撃を食らわせ、この後に地上からの支援砲撃も来るわけですな。

 地上では邪美と烈花が奮戦するも、素体ホラー多数で苦戦、そこへシグトが救援に入る。しかも法師多数を引き連れて、ですね。法師は一致協力して谷底の真魔界へと筆の砲撃を連撃する。さらに山刀翼/白夜騎士打無が(おそらくまだ負傷も癒えぬ身で)駆けつけ、真魔界へ突入。

 真魔界ではレオがようやくイデアの弱点を察知、鋼牙の攻撃によってむき出しになった核が鍵らしい。そこを突くには「光矢流星」なる騎士と法師が一致協力しての技が必要らしい(シグマの作った、騎士 vs 法師の対立構造へのカウンターになっている気がする)。まず、鋼牙とレオが協力して当たることに。

 しかしワタルは傷つき疲弊し、援護の手が足りない。そこへ翼到着、という実に小気味いい流れですな。ここでOP曲に乗せての3騎士突入ですね。未だ、歌詞付きのBGMは充分には慣れられませんが(マクロスF~デルタでかなり克服したけど)、このシーンだけは例外です。ギャノンはシグマ製(?)の号竜人、鉄騎、リグルも放って阻止を試みますが、勢いは既に鋼牙側にあるようです。

 それでもギャノンの自信は崩れず、地上にまで幻影のような巨体を出現させたりもする。イデア抜きでもそこまでやれるのか、それとも無限のエネルギーを真魔界から得られるらしいイデアのサポートによる強化なのか。

 しかし地上のホラー討伐を完了したらしい騎士軍団が加勢に駆けつけるわけですな。ギャノンが力を誇示するたびに、それを魔戒側が上回って見せる流れでして、勝利が見えてきた印象が生じます。レオはこの機に地上の邪美、烈花に札で連絡を入れまして、おそらく連携作戦を取るためか。

 増援の騎士部隊はイデアへのエネルギー供給塔(?)を次々と破壊、鋼牙は巨大斬馬剣に魔導馬:轟天を乗せ、烈火炎装も加えてイデアの核へ放ち、自らも追って拳の一撃、というところで次回/最終回へ。イデア→ギャノン→シグマと立て続けに決着がついていく激しいものになりそうです。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/05 (Sat) 01:40:46

 牙狼と剣を中心に。

★牙狼

 鋼牙が「ムラサキ=シグマ」と認知したのが、傷跡を見たからということですね。
 ぼくは「お守り」と思っていたのですが、もしかすると、記憶が混じった可能性があります。

 これは来週の放送で明らかになると思いますが、シグマが「シロ=鋼牙」と認知するシーンがあって、その時のきっかけが「お守り」だったかな、と考えています。
 つまり、この二つのつながるシーンの記憶が混ざって、ここでの書き込みに至った可能性を先に提示します。

 この辺は、K.Kさんが丁寧に物証を積み重ねて追っていくスタイルで感想書き込みしていて、ぼくの方が自分の記憶の印象で誤認しているかも、と思いつつ、すり合わせの過程を楽しんでいたりします。
 ただ、まあ、自分のミスと、その理由がはっきりする過程は、orz気分を表明しながらも、謙虚さを思い出させてくれるもの。

 ともあれ、今回の感想ですが、「当時は最新鋭のCG」と受け取っていましたが、さすがに8年も経つと、粗が分かってしまうというか「いかにも無双系ゲーム」を見ているようでありました。
 これは当然、作品の落ち度ではなくて、映像作品におけるCG描写がこの8年で、さらに精密になったとか、技術の発達によるものだということですね。

 ただ、8年経っても古びないものが「演出センスの妙」と申しましょうか。
 例えば、OPが金色交じりに加工されているとか、最後の墨絵の止め画とか、途中のアクション描写の数々とか、それぞれのシーンに掛けるアイデアや作り手の思い入れ、そして、これだけの迫力ある映像をTVのレギュラー放送で見せてもらえたことの喜びと興奮を、改めて感じました。

 ともあれ、今回は当時のCGの凄さと、それをリアルに見せる役者のインサート演出を味わいつつ、
 生身の凄いアクションは、次回のシグマとの決着を楽しもうか、と。

 記憶では、今回でギャノンとの決着がついて、次回にシグマ戦だと思っていたのですが、
 ギャノンとの決着は、次回の頭になるのが正解みたいですね。

 とにかく、この戦いの後、シグマと決着を付けてから、鋼牙は異世界へ旅立つことになります。
 鋼牙メインの作品は、その劇場版が最終章になって、その後、流牙編や雷牙編や、アニメや、サブキャラのスピンオフなど世界観が拡張していくわけですが、

 同じ作品を見て、感動や感想を分かち合えている人と話せる喜びはいいものだ、と実感しつつ。


★グリッドマン

 90年代の夕方に放送しているのを何度か見たときは「チープな特撮」だと思っていたんです。
 コンピューターワールドで怪獣が暴れていたら、それと接続している機械が誤作動を起こすというのも、「怪獣=ウイルスやバグの暗喩」だったし、
 例えば、メガテンのデビルサマナーシリーズとか、当時はゲームの方が近未来SFの最先端映像を見せてくれている、と思っていました。

 で、その後、本家の正統派ウルトラマンティガが始まって、おお、これだよ〜なんて思いながら、でも、グリッドマンは「支援メカとの連携および武装合体が凄かったんだ」と後から知って、21世紀になってから「早すぎた傑作」という評価が定着。
 第一印象のウルトラマンもどきとは違った方向性への進化があったんだなあ、と思いながら、でも今さらなあ、と思っていた頃にアニメ化とか、いろいろと動いてみて、再復習の機会を今、得たところですね。

 何となく、今って平成の頭のやり直しの懐古ブームが来ているように感じます。
 とりあえず、コンピューターワールドで発生している事件が、今の視点で見ると、非常にシリアスに、リアルに感じられるとか、「緑川光さん」の声が、アバレキラーの相棒爆竜のトップゲイラーだなあ、とか、これからのグリッドマンの武装化が楽しみとか、いろいろ感じつつ、
 新アニメのダイナゼノンの動向と合わせて、気にしたいと思います。

★剣

 来週は、広瀬さんの父娘の悲劇の再会劇に感じ入りつつ、ワイルドカリスと、ウルトラセブン=森次晃嗣さんの出演が楽しみです。

 いや、まあ、今いる中ボスの広瀬さんも、ゴーグルブラック=ダイナブラック=マッドギャランという戦隊およびメタルヒーロー(ライバル)のヒーロー役者なんですけどね。
 あからさまに、役者的なテコ入れも重ねて、前半のグダグダ感を払拭しようと努めていますな。

 そして何よりも、最強のキングフォームと、その無敵の活躍ぶりが(リスクもあるけど)今、見ると清々しい。
 だけど、当時はジャックフォームから間を置かずにキングフォームになって、しかもジャックフォームが格好良いと思っていたのに、かませになってしまって、キングフォームが好きになれませんでした。
 とにかく、ゴージャス過ぎて動けなくて、アクションが面白くない。でも、今のタイミングで見ると、これってクウガのタイタンフォームを見る目で見たらいいわけですね。

 なお、自分のひいきは、ワイルドカリスでしたな。ジョーカーの暴走を封じるために、剣崎が始にアンデッドのカードを渡す友情のフォームになるわけで。

 あと、以前に剣崎が熟睡している始の枕元にカードを残した理由は、
 「その前に始が、橘さんにクイーンのカードを渡して、パワーアップさせたから返礼のつもり」とか、
 「ハートのカードは、カリスの物だから」という感覚かもしれませんね。

 睦月はカード集め=力の獲得と思ってますが、
 剣崎はあくまでアンデッドの封印が目的で、それでも始にはハートのカードが必要と直感的に悟った可能性はあります。
 まあ、剣崎は理屈派キャラでもありませんし、結果的には話の波に乗れたわけだからいいかな、と。

 ともあれ、剣崎の4回に渡る主役エピソードを経て、次は始との交流エピソード。
 橘さんから見たら、「カリスをパワーアップさせて、どうするんや?」という行動で、
 剣崎から見たら、「だけど、これでジョーカーを抑えこむことができるんだから、いいじゃないですか!」となって、
 始から見たら、「剣崎、お前の友情は忘れない!」となって、
 睦月から見たら、「俺が最強のはずなのに、どうしてパワーアップフォームがないんだ!」となって、トラ姉さんに泣きつく。

 次回は、そんなドラマかな、と。

★うちのブログの動向について


 件の人物の言動に整合性を見出そうとしても困難なのは、まあ、分かりきっているのですが、

 良くも悪くも「懲りずに問題ネタを提供してくれる点」で、時間に余裕があれば、相手するのもいいけど、「何で、こんなバカなんだろう」と呆れモードなのも事実ですね。

 キャンプ云々については、それ以前に彼のブログで「秘密基地へのこだわり」「友人と夜を徹して、いろいろ語り合う関係に憧れる」など聞いたことはあって、
 まあ、この点は、自分も学生時代にそういう知人の溜まり場で寝泊まりさせてもらった経験なんかもありましたし、そういうのは良い経験になったな、という話をしたんだけど、

 どうやら、それで「彼は自分の秘密基地への願望を受け入れてもらえた」と誤認したらしい。
 彼にとっての秘密基地とは、「どこかの山奥のキャンプ場でアウトドアっぽいもの」で、
 ぼくにとっての秘密基地とは、「サークルの拠点で、パソコンとか本とかがいっぱいあるインドア派の交流場」で、
 多分、イメージする物が違うんでしょうけど、どうも彼は「他人の話を先入観なしに素直に聞くことができない」ようで、いろいろと都合よく解釈しているみたいですね。

 そして、何よりも、彼は体力がない。
 例えば、アウトドアでのキャンプが夢だから、毎日1時間のジョギングで基礎体力の維持に努めているとか、自分なりにできることをしているって話なら、それなりに頑張っているな、って感じられることもあるんですけど、
 根気強さとか、持久力とか、基礎トレとか、そういう物なしに、思いついた時に思いついたことをやって、それで努力している気になっているようです。

 彼が「努力したと称するもの」というのは、「その道に生きる人間なら日常茶飯事でやっていること」でしかないわけで、
 プロになるとかならないとか以前に、「学習の積み重ねが不足、自己認識の甘さと想像力の欠如」など様々な欠陥を露呈しているなあ、と。

>批評的価値観について

 90年代とゼロ年代、10年代でサブカルチャーに関する価値観が大きく変わっている、と自分は考えます。

・90年代
 インターネットによる情報通信が始まった時期で、パソコンを扱える人間がまだ限られていた時期。
 この時期はレンタルビデオからLDを購入するマニア層が、60年代から70年代、80年代の映像ソフト化された作品をチェックしたり、限られた出版資料から、「懐かしの特撮アニメについての謎本」などを書いたり、
 スーパーロボット大戦シリーズなどで70年代を中心にした懐古ブームがあったり、
 平成という新時代ゆえか、世紀末という世相ゆえか昭和後期を見つめ直す文化が多かったと記憶。

 そして「昭和=古くて幼稚」「平成=サブカルチャーも大人向きで高尚かつシリアスでなければならない」「幼稚なものは笑いのネタにしても構わない」というサブカルチャーの風潮があり、
 宮崎勉事件による「幼稚なオタクバッシング」の影響もあって、批判に負けない「大人らしい特撮」「時代や世相を正面から捉えた大人の鑑賞に耐え得るもの」という命題があって、
 従来の昭和ヒーローと異なる、平成世代のリアル特撮を目指した。
 その結果が平成ガメラや、その延長にあるクウガということになるかな。

 で、90年代の価値観を引きずっている人は、やたらと批評したがる傾向があるな、と自分も含めて、感じます。で、批評するために勉強するのがオタクとかマニアの性なんだけど、
 件の人物は「勉強していないのに、形だけ批評家のマネをして、90年代の価値観から進歩しないまま、今に至っている」と感じられます。

 ただ、「見てもいないものを批評するなかれ」というのは、マニアの鉄則なんだけどなあ。たぶん、そういうパソコン通信から始まる議論の世界には、彼は踏み込んだことがないと思われ。


・ゼロ年代
 インターネットが定着して、またDVDなどの映像ソフトが比較的安価に流通して、知識が一部のマニアの特権とは言えなくなっていく時期。
 マニア層は、積極的にホームページを構築しながら、自分のこだわりを表現するスタイルを模索していく。
 そして、90年代に雨後の筍のように出た謎本なども、批判の対象になり、「実際の作品に接したマニアからは、一部の低劣な謎本の記述などに対する逆批判」などが起こり、偏見のひどい物や間違いの多い批判物に対する作品擁護の意見や、プロアマ問わず「自分の好きなものへのこだわり」を表明する論調がネットを中心に湧き上がることになる。
 プロに対する絶対視が、ネットを通じて低迷化する流れが生じ、表現の相対化、個別化の傾向が加速する。

 また、この時期、ネットを通じたグローバル化の動きが加速し、「日本のサブカルチャーは従来よりも速い動きで、アメリカのセンスを受け入れる一方で、アメリカ側も日本文化のエッセンスを急速に取り込む流れが顕在化」。
 80〜90年代から、先鋭的なオタク層でその動きの萌芽は見られたが、ゼロ年代に入って、一部のマニアだけでなく、一般層まで外国のサブカルチャーに接する機会が増えたり、「古き良きものに対する再評価、リメイク」の流れが加速化する。
 もちろん、新世紀という世相ゆえに「昔の作品を、時代を超えて甦らせる」という風潮が盛んになったのもあるけど、昔の作品が映像ソフトで容易に鑑賞できるようになった、旧作と新作の比較論などがネットでいろいろと見られるようになるなど、リバイバルブームが湧き上がる一方で、CGを使った映像技術の発展および、ゲーム映像が映画に引けを取らないレベルで進化するなど、新たなジャンルの発展が見られる。

・10年代
 この時期の大きな特徴は、「旧作と新作のクロスオーバー」「世界観を越えた作品のクロスオーバー」「多元宇宙化の進行」と考える。
 ゼロ年代にプロアマ問わず、ネット上で発信して交流するという文化から、公式とファンサイドの交流、二次創作の活性化、価値相対化による複数世界観の乱立、またリブートされた新たなヒーロー物語世界の乱立なども発生する一方で、
 マニア層は「多元世界の知識をも従来よりも容易に習得できる」ようになり、「古すぎて誰も知らないから売れない、受け入れられない」という考え方そのものが古びて、「古くてレアな物が復刻して、新しいものと混じり合った際の化学変化」がマニアのツボを突くようになった。
 古い? ネットで検索しろよ。今とは違う熱気を感じられるはずさ。そういう良さが分からないとは、まだまだだな。
 
 新旧入り混じった雑多な世界観も、インターネットで知識を仕入れることで、復習や予習が簡単にできるようになった。だから、クロスオーバーして、ヒーローがたくさん並んでいても、ちっとも分からないという声が少数派となる。
 分からなくても、誰かマニアが研究しているブログがどこかにあるはずさ。

 だから、ゼロ年代の終わりから10年代に掛けては、クロスオーバー祭りで、ヒーローたちが集いに集って、古いものと新しいものがある時は対立し、ある時は手を取り合い、それぞれの世代を代表する価値観をぶつけ合い、つながり合った。
 世界は融合し、価値観が多様化し、そして無数の島宇宙が乱立する中で、独自の光を求めていった。

 ……コロナで分断されるまでは。


 というのが、今の自分に見えている「この30年ほどのサブカルチャー史観」ですな。まあ、ひどく大雑把だけど。
 そして「価値相対化と多様性」の時代に、90年代風の一面的で偏狭な物の見方で批判して作品を傷つける者が毛嫌いされるのが、現在の価値観かなあ、なんて考えています。

 価値相対化は、全ての価値観を受け入れる訳ではなくて、「一面的に悪口を言う浅はかさ」そのものは拒絶する傾向があります。
 あとは、「調べたらすぐに分かること」なのに、口から平気でデマカセをいう人間への風当たりが強くなると思いますが、件の人物をぼくが一番、毛嫌いする理由は、「その言っていることが本当に当てにならない上、間違いを指摘してもスルーされる」ことですね。

 価値相対化とは言え、事実認識としての間違いに対してまで、個人の主張の自由というものではありませんから。

PS.ちょっと本題から外れた私的試論を申し訳ありませんでした。これこそ、自分のブログで整理して語るべき内容だったかな、と。
 まあ、彼の頭の中が90年代的な思考スタイルから成長できていないことが気になったもので、改めて「90年代的な思考スタイルとは何か」って命題を整理したくなった次第。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/05 (Sat) 18:21:28

 非定期投稿になります。

●金城茉奈さんのこと

 騎士竜戦隊リュウソウジャーの龍井ういを演じられた金城茉奈さんがお亡くなりになったとの報道がありました。誤報ではないかと、ネットで調べてみましたが、残念ながら事実だったようです。

 去年から闘病に頑張られたようなんですが、ついに病に打ち勝つことが叶わなかったようです。まだ24歳で、これからの方だったのですが。

 調べてみますと、2017年に病気療養のため入院されていたそうです。その後、復帰されてリュウソウジャーの龍井ういを演じられたわけですが、非常に元気な役柄だった印象があります。ですので、演じた金城茉奈さんも大変に健康な方だろうと、勝手に自分は思い込んでいました。

 しかし、リュウソウジャー途中(第42話)で渡米することになったのは、体調を崩されたからだったのかもしれない、と今になって思います。それでも最終話(第48話)では顔を見せてくれたわけで、復帰まで長いかもしれないと先を見越して撮影しておいたのか、小康状態のときに頑張ってくださったのか。

 ゴーカイジャー視聴感想を機に戦隊ものに対する興味が強くなってきた自分としては、今後の戦隊シリーズで先輩戦隊としてリュウソウジャーが登場しても、場をにぎわせる龍井ういはいないと思うと、寂しいものがあります。

 金城茉奈さんのご冥福をお祈りしたいと思います。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/06 (Sun) 21:37:57

 定期感想その3です。

 1990年代~2020年までのサブカル歴史観、なかなか興味深いものがあり、ありがとうございます。件の要注意人物の話から、話が逸れたと思ったら、深く突っ込んでいく点も面白い(やっぱり、楽しい方向へ話は発展するものだ、とかとか)。

 自分は2000年まではサブカル鑑賞がスッポリ抜けてます。忙しくて、せいぜい週末にレンタルビデオを観るくらい。それもファミコン~スーファミゲームのほうに時間を費やすことが多かったですね。

 自分の知らない間に、自分が本来は好きだった世界で何が起こっていたのか、きちんと理解したとはいえませんが、ちらっと垣間見えた気がします。2000年代に自分が戻ってきたとき、あのようになっていたのは、そのように進んでいたからでしたか。

●仮面ライダークウガ(第25話:彷徨、第26話:自分)

 今週分は、静かなエピソードだったという印象です。もちろん、メイン敵の、未確認生命体第37号/フクロウ種怪人/ゴ・ブウロ・グのもたらす被害は大変なものでした。予定では東京23区で1区9人=207人だったようで、撃退されるまでに半分以上殺害していた模様。

 ですが、ドラマのメインが神崎昭二の今の教え子の霧島拓の家出です。ゴ・ブウロ・グのセイミファイナルゲーム(ゲリザギバスゲゲル)も、警察がゲームルールを分析できないまま、ブウロは撃破されてしまい、追い詰めるドラマは特になし。そのため、霧島拓、神崎昭二、雄介の日常ドラマにうまくスポットが当たり続けた感じがあります。

 霧島拓がどんな感想文を書いたんだろうと、後半に全文が写るシーンなどから採録してみました。カッコ内が消しゴムで消した文章です。

―――――――――――――――――――
未来   霧島拓
 僕はこの間、「医者のいない村」という本を読みました。その村には二百人近い人が暮らしているのに医者が一人もいないのです。だから日本ではすぐに治る病気でも治らず、僕たちと同じくらいの年の子どもたちが、次々と死んでいっているそうです。僕はこの事を知ってとても悲しくなりました。だから僕は将来、医者になりたいと思います。医者になって貧しい国々の人々を助けていきたいです。
 僕はたまたま日本という国に生まれましたが、これがもっと貧しい国であればこの年まで生きているかも分かりません。そう思うと僕に出来る事を一生懸命やろうと思います。未来の世界では、僕はいろいろな人の病気を治し、世界中で必要とされる人間になっていきたいと思います。
(でも、ほんとうは、何も分からない。僕の場所がない。)
―――――――――――――――――――

 なるほど、という感じがしました。何を、どうして悩んでいたかについてですね。最後の消した1行までは、良くも悪くも、いかにも優等生な感じです。社会問題を扱った本を読んで、ショックを受けました、他人事ではありません、と。そして、それを解決する職業に就こうと決意する。最後に、頑張っていきたい、で締めくくる。思わず「偉いぞ、頑張れよ」と言いたくなってしまいます。

 これ、今となっては恥ずかしい話ですが、自分が中学3年のときに、国語のテストの小論文の書き方として「会得」したものです。最初、模試で小論文が低得点で困ってました。どう書いても半分以下の点にしかならない。試行錯誤するうち、「そうか、中学生=子供に求められることを書けばいいのか」と気が付き、まさしく上記のような小論文を「捏造」するようになりました。題材がショボかろうが、文章がマズかろうが、毎回高得点です。

 もっとも、霧島拓は優秀な故にたどり着いた作文能力ですが、自分は愚鈍ゆえです。失敗や間違いを大量製造しておりましたんで(^^;、言い訳、屁理屈、言い逃れの経験値が自然と高くなってしまってましたorz。全く正反対で、現象の見た目が偶然に似ているだけ。

 とはいえ、霧島拓が抱えた問題はぼんやりと分かる気がします。「今のここでないどこかに居心地にいい場所があるはずだ」と思っているようなんですが、要は「欲しいものは、与えられてしかるべきもの」と考えている節があります。与えられるためには「やれと言われたことを、上手にこなすこと」と考えていたんでしょう(高校くらいまでなら、それでいい)。

 だけど、褒められるように書いてみた世界(自分が医者になって貧しい患者を救う未来)は、期待されてはいるけど、自分が欲しいもの、なってみたいものとは思えない。まるでフィクションのように思えるんでしょうね。だからリアルさが感じられない、つまり「居場所がない」。

 そこを雄介が、今いる場所が君(霧島拓)の居場所だ、と当たり前のことを言ったら、はっと悟るものがあったんじゃなかろうか。童話なら「幸せの青い鳥」の結末でしょうし、故事なら「隗より始めよ」でしょうか。ではどうすればいいか、となるわけですが、「自分が本当に好きだと思える自分になればいい」。他人の期待通りではなく、自分の期待通りに、というわけですな。

 ともかく本編。といっても霧島拓を軸とするドラマについては、上記でだいたい感想言っちゃった気がします。対グロンギ戦メインで書いてみます。フクロウの能力を持つゴ・ブウロ・グのゴ集団ゲームですね。グロンギ語翻訳によると、東京23区の各区で9人殺害するというルールまでは分かりますが、規則性等は不明ですな。警察も結局、掴みかねてました。ブウロが人間態のときは読書家のようですんで、本に書いてある何かなのかもしれませんが、しょせんは当て推量。

 ブウロはフクロウ種だけあって飛べるわけですが、既出の飛行可能なグロンギと異なり、特徴的な超音波を出さず、警視庁の装置では検出、追跡ができない。普通に羽音はするようですが、他の音(鳥、ヘリコプター等々)と区別のつけようがないんでしょう。

 このブウロのゲゲル開始まで、前の事件から1ヶ月ほど経っており、世間での危機感が和らいだらしい。霧島拓が担任の神崎昭二にグロンギについて尋ね、上京したのも今なら大丈夫という読みがあったんでしょうな。しかし状況当日に事件が起こってしまう。が、不幸中の幸いで、霧島拓はブウロの狙った範囲を外れていて無事に済んだみたい。

 雄介は恩師の神崎昭二から事情を聞いて、霧島拓を探し始めるも、一条からグロンギ事件発生の報を受け、対応に入るわけですね。ブウロを発見、クウガに変身、青でビル屋上へ跳び、ヘリで追跡していた一条から拳銃を受け取り、緑+金(ライジングペガサス)で武器化して狙いを定める。しかしブウロの吹き矢の反撃を受けて狙いが外れ、1発だけなんとか翼に当てるに留まる。その1発も、ブウロが核に威力が届く前に、片翼ごとむしり取る荒技でかわされると。

 ブウロは墜落、車をぺしゃんこにするほどの衝撃だったようですが、逃走してしまう。グロンギ拠点に戻ったブウロ、人間態で涼しい顔して読書しており、読み終わる頃には復活してゲーム再開、とバラの姐さんに豪語してますな。再生能力もあるというわけか。

 雄介のほうも、ブウロの吹き矢で白に戻ってしまい、復活に2時間はかかる。その時間を利用して、霧島拓探しに戻るわけですね。勘がいいのか、上手く探り当てまして、神社で説得らしからぬ説得しまして、無事に神崎昭二のもとに連れ戻すことに成功。霧島拓は、神崎昭二に教わったサムズアップをする2人目になった、でいいのかな。
(神社での会話シーンでは、画面隅っこをうろついた猫に注意が行ってしまいまして、どうも集中力を欠いてましたorz。)

 そこへブウロのゲーム再開の報が入りまして、今度こそ、緑+金で胴体を射貫き、ブウロを完全打倒。割とあっさりした対決ではありましたが、ブウロのコアの爆発力は半端ないみたいですね。今後、周囲に気を配って仕留めないといけなさそうです。

●ダイの大冒険(第10話:いざパプニカ王国へ)

 クロコダインのロモス侵攻を退けまして、敵味方とも、次に備えての合間といったところですね。しかしラストは次話の激闘を予感させるヒュンケルの登場と、常に敵が立ちはだかる。アニメ前作だと2話かけた流れのようです。それを1話にまとめるので進行が速いのでしょうか、観ていて、ダイたちが休む間もない過酷さを感じます。

 敵側ではハドラーが身体強化を果たしたみたいで、決戦に臨む気構えみたいです。まずは六大軍団長を招集しての作戦会議ですが、ヒュンケルが抜け駆け同様でダイの行く先に向かってしまったわけですか。しかしハドラーは任せつつも、自らも準備は怠らない感じ(ヒュンケルでは勝てないと予想してるんだろうか?)。

 軍団長のうち、ミストバーンが久しぶりに言葉を発したとかで、他の軍団長が驚いてますな。数百年黙ってたらしい。こいつが凄い奴らしいというのは、さすがに自分も知らないわけではないので、ダイらの出現がハドラーの先の大魔王バーンも座視できない出来事らしいと分かります。が、この時点で素直に考えるなら「よく分からないけど、敵が大きく動き出すらしい」でしょうか。

、一方、戦勝のダイらは王様から感謝され、国民から祝されですね。武装なども王様から授与され、本格的なパーティになってきた感じです。しかし王様がダイに勇者の称号を与えようとしても、ダイは固辞。クロコダイン戦でのポップの活躍などを考えてのことなんでしょうな。

 それでも次の地は、レオナ姫のいるパプニカ王国で、敵の攻撃を受けているらしい。既に北のオーザム王国はフレイザード軍団により壊滅したらしい描写もあります(無力化してもなお、住民皆殺しを命令している)。途中までの船旅は割とのん気なものでしたが、到着しているとパプニカも廃墟となっている模様。

 そこにいたのがガイコツ戦士で、襲ったのは不死騎団ということになる。ガイコツ戦士がダイ一行に襲い掛かるも、ヒュンケル登場しまして、あっという間に駆逐。でも、ヒュンケルが親玉なわけで、部下を犠牲にしての出来試合といったところか。

 まだそれを知らないダイ一行、ポップは怪しむも、ダイ、マァムはアバンの弟子と聞いて信用したらしい。ポップはさらに抗弁するも「アバンの印」を見せられては、さすがに黙らざるを得ませんか。しかし、弟子ではあるけど師の教えに従うわけではなく、ダイらに挑んで来る。というところで次回へ、ですか。次では戦いつつ、ヒュンケルの過去が語られるみたいですね。

 ヒュンケルは複雑な過去を持つらしく、ダイの仲間となるまでに紆余曲折があるみたいですね。クロコダインは現時点で重傷で治療中ですが、ヒュンケルがダイ一行に加わるのに大事な役割を果たすらしい。どういうドラマでそうなるのか、ちょっと見ものになりそうです。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/07 (Mon) 10:15:13

 今回は、ライダーよりも先に戦隊中心で。

★ゴーバスターズ

 ビートバスター&スタッグバスター登場回。

 亜空間から帰ってきた戦士、と思いきや、実は「本体は亜空間にいたまま、分身体(アバター)だった」という設定ですね。
 言ってみれば、ゲームのキャラみたいなもの。まあ、陣さんにとってみれば、亜空間が現実で、ヒロムたちのいる現実がゲームみたいなものですが。

 そして、陣さんの目的が「本体が現実世界に帰ってくること」であり、ヒロムたちの目的も「亜空間に飛ばされた家族たちとの再会」。
 だけど、生身の肉体で亜空間→現実世界に安全に行く技術はまだ開発されていない。

 この後は、陣さんたちのロボ、ゴーバスタービート登場と、5体合体グレートゴーバスター完成。そして、エンターの相棒になる女幹部エスケイプさん登場で、話がどんどん加速して、中盤のクライマックス、いよいよ亜空間に突入して……という流れになりますね。

 2クールめのこの勢いが当時は好きでした。

>ロボットが戦隊スーツをまとうキャラ

 スタッグバスターが唯一無二、なんて書いてしまいましたが、キュウレンジャーに2体いたのを失念していました。

 テンビンゴールドと、オウシブラック。

 それにしても、着ぐるみキャラが変身してスーツをまとうというのは、サイズ差ビジュアル的になかなか無理がありますが、いちいちツッコミ入れなくなりました。

 ロボットに限らず、過去の例を挙げると、カーレンジャーの「ダップの父親→VRVマスター」というのが最初になるかな。
 次にデカレンジャーの「ボス→デカマスター」とか、海外版のゲキレンジャーのスピリットレンジャーとか、まあ、いろいろ。

 まあ、パワーレンジャーを見ていると、変身の前後で露骨に体型が変わるというのもありがちで、変身イコール単にスーツの装着だけでなく、スーツに合わせた体型の最適化も含むのかもしれません。
 その辺は、魔法少女みたいに「変身すると、子どもがアダルトタッチになる」ような体型変化の原理が働いている可能性も。

 ともあれ、陣さん役者は、次回、キラメイジャーにも出演するそうで、これもタイムリーだなあ、とか。


★アバレンジャー

 アバレキラー登場編であり、これまでの戦いの映像の陰で、それを見つめる仲代先生の姿を加えて、ちょっとしたストーリーのおさらいにもなっていましたな。

 あの戦いの陰でこういうことが、というシーンを見せられると、話がつながってて物語構成の妙を感じます(たとえ後付けであっても)。
 そして、一つのシーンでも、視点キャラが変わると違う意味が付与されるとか。

 アバレキラーの目的は、退屈な日常を虚しいと感じて、自分がトキめくために凄い力で楽しくゲーム感覚で暴れ回るということで、完全にアンチヒーロー、ゲーム感覚ということはグロンギに通じるものがあるわけですが、
 ゼロ年代の特撮ヒーローは「ゲーム感覚=悪」という認識で物語を作っている傾向があるのかな。割と敵側のセリフなんですよね、「さあ、ゲームの始まりだ」ってのは。

 まあ、97年の戦隊メガレンジャーでは、ゲームを肯定していたわけですが。ゲームの戦士になってしまったけど、現実はそんなに甘いものじゃない。シリアスなバトルだけど、若さで飛び込もうって主題歌2番の歌詞。
 その後、クウガで「現実で生きる人の姿と、ゲームで殺す敵の姿」を対比で描き、
 龍騎で「願いを叶えるためのバトルロワイヤル・ゲームで殺し合うライダーの姿」を描き、
 その翌年、アバレキラーですからね。

 特撮ヒーローにおけるゲーム、というテーマでいろいろ語ることもできるわけですな。
 その現状における一つの到達先が、エグゼイドになるのでしょうが。
 別分野の到達先が、もっとはっきりゲームを肯定した「ビルドファイターズ→ダイバーズ」の方向性。

 海外では「レディープレイヤー1」になるかな。
 ゲームの世界=人工的な異世界だけど、そこには別のリアルがあるという思想で、インターネットのヴァーチャル空間も交えつつ、作り手の肯定・否定の両サイドの価値観がある、と。
 単純に考えれば、ゲーム=悪という思想がゼロ年代の特撮ジャンルには見られたけど、そこからの年を重ねての受容過程を考察するのが面白そう。

 それにしても、本当にアバレキラーの「自分の命も、他人の命も、敵も味方も顧みない傍若無人っぷり」は凄いなあ。
 当時は、それでも追加戦士という目で見ていたから、「こんな奴がどうやって味方になるのか」とドキドキして見ていました。

 さらにクウガとのつながりで見れば、アバレキラーってゼロ号なんですね。つまり、未確認生命体グロンギのボスである0号(ダグバ)と、プロトタイプのゼロ号アバレスーツを掛けてある。
 凌駕がクウガで、仲代先生がダグバというようなセルフパロディーの要素も。

 そして、ネタバレになりますが、仲代先生の中にはラスボス・デズモゾーリャの因子があって、
 デズモゾーリャの因子は、ダイノアースとアナザーアースの二つの世界に分かれ、そのうちの一つがリジェに、もう一つが仲代先生の中に組み込まれたという設定です。

 だから、仲代先生は敵ボスの分身だったりもするのですが、そういう自分の運命にも反発するのが、彼の凄いところ。
 「そうか。俺の運命はデズモゾーリャなんかに操られ、翻弄されていたのか。つまらん。そんな運命に支配されてたまるか。デズモゾーリャはブッ潰す。その方がトキめくからな」という理由で、終盤、ようやくアバレンジャーの味方になって、華々しく散る。

 で、続編映画で「最強キャラ」として蘇ったりする。
 キャラの方向性としては、鎧武のバロン戒斗さんや、Wのエターナルに通じるものがあるんじゃないかなあ、と。
 正統派な主人公じゃないけど、力と自由を求めて運命に抗う姿勢を崩さない覇道を行くライバル格といったところが。ピカレスクな魅力って方向性ですな。

 そして、この後、始まるのが爆竜争奪戦です。
 味方のロボのパワーアップ武装が次々とアバレキラーに奪われて、これまでは「ジャンヌに操られた爆竜を取り戻す」という流れだったのが、「アバレキラーに奪われて敵に回る」という三つ巴状態になり、

 一方で、今回、アバレキラーに消されたトリノイドのヤツデンワニが復活して、コメディーリリーフになって(シュールな浦沢脚本のノリで)、シリアスなメインストーリーの一方で、陽性ムードを維持するために、よけいにカオスになるという。
 まあ、17話のかっぽれ回を見れば、ツッコミどころ満載のストーリーが分かると思いますが。

 ……ということで、これまでが割とポジティブ王道ヒーロー路線だったアバレンジャーが、良くも悪くも振れ幅の大きい作品になるわけで。
 シリアスなアバレキラーと、コミカルなワニに翻弄される敵味方の陣営を楽しむことができれば、と。

PS.最後にリュウソウジャー絡みの訃報について、この場でもお悔やみ申し上げます。
 劇中、元気で明るいキャラを演じていたけど、実は闘病生活の合間を縫っての頑張りようだとは、本放送時に気付かなかったのを、先日知ったことで、作品やキャラの印象が変わったな、と。やはり、そういう頑張って作品作りされた方々の姿勢はリスペクトしたいもの。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/08 (Tue) 15:57:42

 定期感想その4です。

●仮面ライダーセイバー(第13話:俺は、俺の、思いを貫く。)

 賢人を巡る争奪の回だった感じです。前回ラストで賢人死亡も匂わせる描写でしたが、カリバーの放った一撃は闇に堕とす、遅効性のものだったらしい。今話では飛羽真らが反撃に出るも、今一歩、間に合わなかったわけですね。攻防のテンション、勝敗の行方が目まぐるしく変わりまして、なかなかの見応えでした。ラストでは、賢人の身体は消滅ですが、闇黒剣月闇に何かが宿るような描写がありました。その直前、賢人の目が赤く光っていたのも不吉な感じ。

 カリバーという存在は、もしかすると剣に宿る何かではないかという推察をお聞きしたと思います。そのときは「そういうのも面白いかも」という印象くらいでした。しかし、カリバーが代替えの効く依り代で、本体が闇黒剣月闇というのが、今週で匂わされたような気がします。

 類例でまず思い出すのは、「ロードス島戦記」ですね。「灰色の魔女カーラ」の正体が、額のサークレットだったわけで、後にウッド・チャックに憑依(?)することで正体を現してました。

 剣が人を操ったのが牙狼MSのホラー:カゲミツ(第8話:妖刀)ですね。ただし人斬り右京は操れても、次の所有者:猪狩重蔵を従わせることはできず、かえって死を覚悟した重蔵に飲み込まれた感じでした。もしセイバーでも闇黒剣月闇が人を食らう妖刀なのであれば、賢人の魂が跳ね返せるかどうかになるのかな。

 ともかく本編。敵が作ろうとする六角形魔法陣(?)もあと1点で完成、そうなれば中央にワンダーワールドとの扉が開いてしまうわけですな。このことは、記憶が戻った飛羽真が語る15年前の事件からも間違いない。そのことで何が起こるかは未だはっきりしませんが、大いなる力とか真理とか、何かを暗示するような話はありましたな。

 ロゴス北極拠点では、とりあえず賢人は生存はしていますね。行き違いによるわだかまりも解けましたし、飛羽真も記憶が戻ったし、団結は取り戻せた感じです。後は賢人を救えるかどうかが大事になってくるわけですね。そうするためには敵の魔法陣(?)の完成を阻止しなければいけないわけで、争点が1つに絞られてくる感じです。

 ライダー/剣士らが対策を練ろうとするわけですが、闇の一撃を受けた賢人を助けるなら、闇の剣について知らねばならない。尾上の言う通り、カリバーに聞くしかない。敵にも弱みはあり、最後の1つにも聖剣の力が必要な点ですね。大秦寺は雷鳴剣黄雷以外に、闇黒剣月闇の可能性もあると(が、それなら上條カリバー単独でやっちゃってるはず)。

 ともかくも、雷鳴剣黄雷はロゴス側にありますんで、闇黒剣月闇を奪っちゃえばいいという算段ですか。芽依が乗り込もうと言い出すと、尾上が珍しく「そんな簡単なことじゃねえ」と慎重論。ですが、飛羽真も倫太郎も止められないようですね。大秦寺は技術者としてやれること(アヴァロンの男から授かった無地の本の解明)に専念するらしい。

 尾上は先週はあえて敵の罠に嵌って、しかし突っ切って罠を破る方針で臨んだわけで、今週の慎重論は一瞬、奇妙に思えました。が、当然といえば当然の判断でしょうか。力と勢いで押し切れるつもりが、かえって敵の思う壺というのが、ここまでの展開であるわけで。今見えている勝敗の分かれ目も、同様であると判断するのが順当でしょうね。ここで負けると取り返しがつかない。

 尾上はそう思って腰を据え直す気を起こしたかもしれませんが、敵の動きのほうが速かった。上條大地が最後のゴブリンに向かって行くのが、芽依の本レーダー(仮称)にキャッチされる。こうなると、大秦寺の推測通りになりかねないわけで、行動するしかなくなってきます。かくして尾上と蓮も出撃。

 一方、敵メギド側。あと1つで野望達成、みたいな感じでズオス、レジエルははしゃいでますが、ストリウスだけは相変わらず腹に一物ある感じですな。現カリバーの上條大地も何を考えているか、よく分からない。ただ、ストリウスに雷の剣士ついて問われた上條大地、「そこに聖剣さえあれば」と言っており、ラストに結び付く伏線だったか。

 ゴブリンの支配地に現れた上條大地のもとへは飛羽真、倫太郎が先に到着、双方変身しての対決に入る。続いて尾上、蓮もですね。しかし倫太郎がまだ負傷が癒えないせいか、ロゴス側4剣士を以てしても、上條カリバーに対抗できない感じですね。ゴブリンメギドも参戦、倫太郎ブレイズに襲い掛かる。

 しかし、駆けつけた賢人エスパーダがすんでのところでガード。さっき、尾上に頼まれた芽依が賢人の様子を見に行くと、ベッドはもぬけの殻だったのは、やはり後を追って来たということでしたか。飛羽真が枕元に置いた本(タイトル「Wonder Story」)を見て、賢人は意を決したらしい。

 ゴブリンメギドはカリバーとエスパーダ双方から斬撃を受ける形で倒される。ここが鍵というか、メギド側の狙いだった模様。カリバーも加えると7剣士なわけですが、六角形に7本の剣では余る。最後の1点は剣2本の合わせ技が必要だったみたいです。

 が、この一撃で賢人は力を使い果たしたらしく、変身解除して倒れる。やはりダメージが残る倫太郎がまず駆け寄りまして、前の言い合いのお返しに「僕も(組織の構成員である前に)一人のホモサピエンスですから」と。うーむ、カッコいい。会話劇ですが燃える展開でもありまして、戦いの流れがロゴス側に傾く予感が生じます。

 芽依も追って来まして、賢人の傍につき、ロゴス側剣士は再びカリバーに立ち向かう。しかし既に6地点に光の柱が立ち、中央の扉が開くのも時間の問題みたいですね。賢人も仲間について語り出しまして、いわゆる死亡フラグじゃないか。バトルも、扉が開いたのに気を取られたロゴス側剣士、カリバーの痛撃を食らい、変身解除されてしまう。

 しかし、必死で呼びかける芽依の声が、飛羽真の記憶のルナの叫びと重なりまして、飛羽真が奮起、これに大秦寺が取り組んでいた無地の本が呼応、どうやらルナの力/思いが託されていたようですね。無地の本は「ドラゴニックナイト」ブックになりまして、飛羽真セイバーに力を与える。セイバー、新形態を得ただけでなく、支援のドラゴンも召喚できるわけですか。

 仲間も最後の望みを飛羽真に託す。どこからか現れたアヴァロンの男はこれで最後の試練を乗り越えたと判断したらしい。この時点では飛羽真/セイバーの成長のことのように思えたんですが、ラストを踏まえると、ちょっと違う可能性もあるかも。例えば、アヴァロンの男の目論見が闇黒剣月闇の成長だったとか。まだ行動原理が謎めいているんで、妄想が湧いて困ります(^^;。

 それはともかく、このドラゴニックナイト形態は、ついさっきまで最強だったカリバー・ジャオウドラゴンを寄せ付けないほどの力がある模様。今度はカリバーが手も足も出ない、ここまでの流れは自分的に「そう来なくっちゃ!」という燃える逆転劇パターンです。ギリギリまで追い込まれてから押し返すからこそ、カタルシスが生じます。まあ、勝てば、ですが。

 しかしカリバー、全身が光ると浮上し、空中の扉へ向かう。セイバーはドラゴンに騎乗して追う。ついにセイバーはカリバーを倒し、ドラゴンのブレスは扉を撃つ(これで扉は消滅した?)。

 が、肝心の闇黒剣月闇が見つからない。賢人の体から紫の煙が立ち込め始め、飛羽真らと最後の言葉を交わして消滅。が、消滅寸前に賢人の瞳が赤く輝き、どこかの地面に刺さっていた闇黒剣月闇も呼応するように光るわけですな。そこで次週へ続くと。

 今話の流れは、飛羽真らがギリギリまで追い込まれてから、最強フォーム跳ね返す流れを見せておいて、しかし最大の勝利条件:賢人を失うという敗北への流れでして、なかなかにショッキングなラストでした。しかも、賢人が次のラスボス化するかのような不吉な暗示まであったし。

 次回「この思い、剣に宿して。」では、序盤の決着をつけにいく感じですね。キリがいい感じになりそうで、それゆえに中盤から様相を変えてくるような予感もします。要は、この先も期待できそうということです。

●戦隊もの
・キラメイジャー
 今の戦隊は通例、3月開始ですんで、12月からは最終クールになるわけですね。そのせいか、またもや流れを変えに来た感じがします。それもラスボスに向かうものですね。

 今週はヨドンナ陣頭指揮となりまして、かつ、最前線で戦いもし始めた感じです。ここからヨドンナのアクションが見られるかなと期待しました。演じている役者さんが春麗のコスプレを得意としていますんで、アクションの練習もしているだろうから、という期待です。

 が、ヨドンナが出張って来ることで、重大な展開を暗示するためだったみたいです。追い詰められたヨドンナが吠えますと、なぜかヨドン皇帝が、優勢に戦いを進めていたガルザにヨドンナ救出を指示。

 こうなりますと、ヨドンナの中に皇帝が隠れているのかとか、ヨドンナが皇帝の仮の姿なのかとか、ともかくもラスボスがもうそこまで迫ってきている感じがします。キラメイジャーもコロナ禍の影響を多大に受けてしまった作品ですが、ラストの盛り上げは構想通りにできると期待したい。

・ゴーバスターズ
 途中参加の戦士:陣マサト/ビートバスターとバディロイドのビート・J・スタッグが登場、傍若無人な感じですな。それゆえに存在感もあり、現主人公3人を食ってしまいそうな印象すらあります。
(仮面ライダー電王の、桜井 侑斗/仮面ライダーゼロノスと、その契約イマジン:デネブに比べられそうな気もするんですが、本編未視聴なのでよく分からないorz。)

 が、陣マサトとスタッグの登場自体が重要な意味を持つわけですね。なぜなら、亜空間に飛ばされながら、生還したから。もっとも、本当に帰還したのはスタッグで、陣マサトはアバターであるわけですが、亜空間から操作している。陣マサトは亜空間で他の生存者を目撃こそしていないものの、陣マサトの存命が他の生存者の可能性を証明している。

 バスター戦士の悲願がかなう可能性が示唆されたわけですね。ただ、スタッグは送り出したものの、陣マサト本人は未だ亜空間に留まらざるを得なかったわけで、困難も示されているわけですね。争点が目に見えてきた感じで、ここからの攻防は面白そうです。

・アバレンジャー

 こちらも新戦士:仲代壬琴/アバレキラー登場ですが、敵味方度外視の攪乱要因になっているようですね。陣マサト/ビートバスターが曲がりなりにも共通の敵に対抗する姿勢なのに対し、仲代壬琴は第二の新敵といってもよさそうなほど。

 今週前半(第17話:戦場のアバレかっぽれ)は、シリアスがシリアスになりきれない、浦澤義雄脚本のスラップスティックですね。シュールと言ったほうがよさそうなほどで、例えば敵の侵攻が「頭上にアヤメの花が咲く」→「梅雨前線」→「梅雨山脈」→「巨大隕石(?)」なるもの。分からん。これに加え、スケさんのかっぽれで心乱れたアスカが絡んで来るわけで、やっぱり「シュール」と表現したほうがいいのかなあと。

 それはともかく、そっちに目を奪われてたら仲代壬琴/アバレキラーが登場してまして、後半(第18話:誰だ?アバレキラーだ!)で正体を見せる。天才外科医でダイノガッツ/爆竜の力を持てたわけでしたか。

 クール系みたいですし、天才の自負がある外科医ということで、エグゼイドの鏡飛彩を思い出さなくもない。ですが、仲代壬琴は「ときめき」のためなら他のことはどうでもいいという狂気めいたものがあるわけですね。下手すると自らが爆発してしまうこととか、それによる周囲への被害とか、意に介さない。

 それというのも、敵の因子を持つわけだからですか。こちらで予習できていたお陰で、非常に分かりにくい(ドラマになじませるのが難しい)アバレキラーを、多少は理解しつつ観られた気がします。このキャラクターが、ここからさらにかき乱していくらしいことも、期待要因になりそうです。

―――――――――――――――
P.S.

 某ブログにまたも性懲りもなく迷惑書き込み人が現れたようで、ブログ主さんに同情するものありです。彼は「できれば来ないでくれ」という相手の意志表示が、仮にいったんは通じたとしても、しばらくすると「自分は待望されているんだ」と思い込む悪癖(?)が治らんようですね。

 本当なら早々に謝罪と説明くらいはすべきところ、「いやあ、私もいろいろ大変でしてね」みたいなことを言い、「それでもわざわざ来てあげたんですよ」みたいに、恩着せがましい。何を考えているのか、薄気味悪くすらあります。もし彼が己が言葉の意味をきちんと理解しているなら、ですが。

 前にも、本来は弁明すべき場面で、3度続けて「今日は○○行って疲れたから、手短に」などと放言したことがあります。一度ならいい。それでも返事をしようとしたと、積極的に受け取れなくもない。

 しかし、それで許されたと思い、同じ手を二度、三度ではね。じゃあ○○がない日に書けよ、と問い詰めようとしたんですが、全く通じた様子無しでした。そういう態度がもう第二の天性になってしまっているんでしょう。

 謝罪以外でも、「目から鱗が百枚ドバっと」もあったなあ。ときにはそういう大袈裟もいい。しかし、何を言われても、常に目から鱗が百枚と返されるようになると、ついにはカチンと来るものがある。何も考えずの機械的な応答ですからね。

 簡潔に言えば「上手く通じた言い訳、褒めてもらった言い方を異様なくらい鮮明に覚えており、しかし文脈が理解できずに、覚えた言い訳、言い方を闇雲に使う」となるでしょうか。それで小説書ける気になっているわけですから、救いがありません。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/09 (Wed) 01:46:39

ライダー感想ですが、その前に自分の失念ネタをまた一つ。

>キュウレンジャー

 アンドロイドとか機械生命体のキャラを、テンビンゴールドとオウシブラックの2人と書きましたが、

 もう一人、女アンドロイドのワシピンクを忘れていました。合計3体ですな。
 で、自分の記憶力テストのために、キュウレンジャーのメンツを全員思い出せるか試してみると、

 レッド=ラッキーという変身者名は簡単に出てくるのに、「ええと、何レッドだっけ?」といきなり詰まる。
 星座名+色ってことは分かっているのに……と思いつつ、しばらく考えて、「ああ、獅子座流星群だからシシレッドだよ。よっしゃあ、思い出せた」とかやってまして、まあ、色々思い出しながら、

 次にイエローで困る。ええと料理人キャラで通称フードマイスターなのは分かっているけど、確か魚だったよな。タイイエロー、ヒラメイエロー、カレイイエロー、サバイエロー……と適当に当てずっぽうでつぶやいてみて、「ネットで調べたら負けだ」みたいに意地になって、ようやく「カジキイエロー」と思いついて、ホッと一息。

 普通は、アバレッドとか、レッドバスターとか、戦隊名+レッドとか、レッド+共通語尾なのに、キュウレンジャーはメンツが多い上、戦士のネーミングがパターン外しなので、難易度が高いなあ、とか。

 他には、怪獣名とか、宇宙人名とか大人になってからはなかなか覚えられなくて、でも、こういう掲示板で話すことで、記憶に残りやすくなるのも、頭の体操になっていいなあ、とか。

>ストリウスとレジエル

 セイバーでは、この2人が覚えられませんね。
 ズオスは倫太郎との絡みでしっかり覚えたし、ストリウスがストーリー、レジエルがレジェンドで伝説獣に由来するのも分かる。
 しかし、画面で見ていて、どっちがどっちというのが、まだ分かってません。

 それと、ストリウスが黒幕みたいに動いていて、レジエルが前に出てくるんですね。今回のK.Kさんの記事を見て、ああ、そうだった、と思い出す。
 自分のブログ記事で、「レジオスが黒幕でゲームマスターみたいな位置付け」と書いてしまって、後から「あ、名前を間違えている」と気づいて「レジエルと直した」ものの、「実はストリウスと混同していた」ことに気づいて、書き直そうか、それともミスを話のネタにしようか、と考え中。

 まあ、先にこちらでネタにしました。
 っていうか、敵の会話で、名前を呼んだりして欲しいですよね。「おい、ストちゃん」とか「レジ公」「誰がレジ公だ、俺はレジエルだ」とか、そういう崩れた会話。

 あれだけ、キャラが多いのに、ギャグ担当が芽依さんと、ロッカー鍛冶屋と、ホモサピエンス倫太郎と、時々、尾上さんぐらいで、基本はみんな真面目だからなあ。
 年が明けると、もう少し軽い作風にならないかなあ、と思う今日この頃。


★セイバー

 改めて感想。

 メインライターが書くと、倫太郎が「ホモ・サピエンス発言」するのかな、と思ったり。何だかシリアスなシーンが台無しなようにも。

 賢人については、先週、死んだと思ったら、実は生きていて、その代わり、何だか闇堕ちっぽい末路で、すると「闇賢人が年明けに出るのかな」とか、「劇場版のエスパーダは誰なんだろう」とか、サウザンベースの女はどこに消えた? とか、いろいろ謎は深まるばかりです。

 ドラゴニックナイトは、普通に格好いいと思うし、だけどパワーアップが立て続け過ぎて、この間、アーサーになって、赤青黄コンボが揃って、強くなったと思いきや、カリバーのジャオウドラゴンに圧倒されて、
 活躍した次の週か、その次にはもう型落ちになってしまうのは、どうなんだろうと思えたり。

 果たして、ドラゴニックナイトは年が明けても、強さを維持できるんだろうか(苦笑)。
 クリスマス商戦フォームの扱いの悪さは、近年のパターンになっていますので、「おお、格好いい。気に入った」と思いにくくなっています。

 とりあえず、今はルナさんが成長した姿が、年明けに出るのを期待しつつ、名前どおり「月の剣士になって欲しい」ところ。
 でも、「闇黒剣月闇」と書いて、くらやみと読むから、月の剣士はないかなあ。

 やはり、一人ぐらい女性ライダー枠がいてもいいと思うんですよ。

 ともあれ、来週の劇場版も楽しみにしつつ、年末のお仕事を乗り越えていきたい今日この頃。


★クウガ

 教育番組でしたな。
 「悩み考えること」を肯定するような番組は、当時も今も、なかなか新鮮でした。

 背景に、オウム真理教事件もあったのかな、とか思いますね。

 自分も教育業ですから、当時も神崎先生とか五代の子供への接し方を見て、相応に思うところもあったと思いますが、そういうことを話し合う場も人も持たない当時だったので、あまり覚えていないなあ。
 今、見ると、「自分の居場所がない」と感じる子どもに感情移入しながら、「自分の居場所を自分で作りたい」って気持ちがサイト作成につながって行ったとも思います。

 次回は、海編ですな。水着回とも言う。
 で、グロンギも海ヘビ女のベミウさんが水着を着て、人を襲うわけで。

 思いきり季節外れに感じつつも、リアルタイムの現役プリキュアまで海の水着回で(おそらくコロナで放送ずれ込んで、放送順番にまで影響した模様)、
 春頃に番組改編期になる感じですね。

★春ごろ

 アニメのグリッドマンの続編ダイナゼノンが、4月スタートという情報が入って、いろいろと来年のスケジュールが見えてきた今日この頃。

 例年だと、クリスマス決戦で盛り上がる時期なんですが、少し季節感覚がおかしい気もしています。
 あれこれ数ヶ月ズレている感が否めないからでもありますし、YouTubeで季節がズレた旧作を見続けているからかもしれない。

 あるいは、この時期、恒例のクリスマスソングが商店街とかで、流れて来ないから、なのか。

 それでも2020年が終わって、来年が今年よりも良い年になることを期待したく。


★ダイ大

 魔王軍の幹部会議が、なかなかいい感じの描写ですな。

 不死騎団を見ながら、「アンデッドだ」と思いつつ、ライダー剣を思い出したり、
 竜の騎士バランを見ながら、ウィザードドラゴンとか、セイバーのドラゴニックナイトにつなげてみたり、
 同時に見ている番組の関連性をあれこれ考えたくなる今日この頃。

 ともあれ、今回は仕込み回になって、次回はまたアバン先生とヒュンケルの回想シーンがメインで、命を落とした扱いになっても、回想シーンが多いので声優さんのお仕事が多いアバン先生に感じ入りつつ。

 セイバーがドラゴニックナイトになったのに次いで、ヒュンケルも鎧の魔剣で重装騎士形態になるのもいいなあ、と次回は思えそう。


長いPS.
ご心配ありがとうございます。
 まあ、彼がやっているのは、どうも「こちらのヘタクソなコピー」な感じがしますね。

 「NOVAが彼の相手をしている時間が惜しい」と言ったら、「自分も時間がない」と言い出すし(だったら、わざわざこちらに書き込まなければいいわけで)、「管理人の立場上、やむなく相手している」のと、「そういう責任のない彼の立場」の差を分かっていないし、
 「NOVAが20周年記念で、バトル創作で忙しかった」と言ったら、「自分も大作書いて忙しい」と言い出すし(だったら、わざわざこちらに付き合う必要がないわけで)、

 要するに、「NOVAと同じようなことをしているつもりをアピールしている」のかな、と。

 まあ、ケンカだったら「売り言葉に買い言葉で、相手がこう言ったから、似たようなことを言って、対等な立場に立っているつもりで、自尊心を満たしている」んでしょうが、
 そもそも対等の立場になっていないので、どうツッコミを入れていいのやら。

 対等の立場なら、せめて「自分の居場所はここだ」という立ち位置を示して、しっかり管理するとか、
 作品をしっかり見て、楽しい話題にするよう努めるとか、
 そういう内面的な部分をマネして欲しいんだけどなあ。

 それと、やはり人付き合いって、「定例的な話題の共有」って大事だと思うんですよね。
 K.Kさんとお付き合いできているのも、ラーリオス企画終了後に、まず牙狼という作品鑑賞があって、そこから平成ライダーに広げたり、たささんの紹介という形でビルドファイターズに踏み込んだりしながら、共有できる基盤を模索していった流れがあります。

 で、やっぱり忙しい中でも、「話題にできる番組はしっかり楽しんで見ている」という共時性(シンクロニシティ)があって、後は何を話題にするか、ネタを振りつつ、共に楽しめるものを主体にしていると思うんですよ。

 この点で、「お互いに楽しめている」「WinWinが成立している」と思う次第ですが、
 彼の場合は、「相手の都合お構いなしで、話題も定例的な物がなく安定しない」「作品感想する場合でも、必ずと言っていいほど何かを貶める=その貶めた物が、判官びいき気味なこちらの好みをグサッと傷つけがち」「何かを話しながら、たびたび自分は他人と同じように楽しめない、楽しむ時間がない、と嘆く」などかな。

 最近だと、キン肉マンで「フェニックスチームは超神チームに大将を除いて全滅するでしょう」と書いて、「いやいや、戦いが始まったばかりで、いきなりそんなことを言われたらシラけるやろう」と、こちらは反論したわけですが、
 結局、負けると思われた初戦のキャラが、まずは一勝してしまった。
 で、その結果を受けて、それでもキン肉マンの話を続けたいなら、「思いがけずフェニックスチームが勝ったので、予想を外したことを反省しています。うかつなネガティブ予想をするものではありませんね」といった感じに、自分の読み違いを修正してくるなら、まだフォローもできるのですが、
 彼は基本的に、自分のミスはスルーしがちですからね。

 まあ、いちいちツッコミ入れるのも大人気ないと思いますし、そこまでして、その話題で会話を続けたいとも思いませんので(彼の次なる思いつき予想を聞いても面白くないと思うので、触れない方が吉)、
 次にキン肉マンの話題を振ってきたときに、「お前の予想はちっとも当てにならんし、外しても反省ポーズすら見せないので、マジメに聞くだけムダ」と応じようかな、と。

 とにかく、ある話題を振って、うまくいかなければ、それを取り下げる……のはいいとして、元々話せるネタのレパートリーが少ないので、ほとぼりが冷めたと思ったら、前の失敗をなかったことにして、また同じことを繰り返すのを何度も見せられると、「本当に反省能力、学習能力がないんだな」と思わせられます。

 まあ、ここで自己批判すると、「そんな学習能力のない相手に、いつまでも対応しているNOVA」こそ、学習能力がないのか、と思わなくもないのですが、
 たまに、ものすごくうんざりするけど、他人に迷惑をかける場所でもないし、実害も少ないし、試し斬りツッコミしても文句を言わないし、こっちも言いたいことを言い返してストレス解消している面もあるし(彼のストレスは知らん)、
 ある程度は行動パターンの読めている(書き込み内容は、しばしば斜め下な自爆発言を連発しているけど)相手なので、いろいろな反面教師役として、話のネタ程度にはなるかな、と思いつつ。

PS2.ただし、彼のこの度の行動で、一番許せないのは、コメント常連客なのに、「20周年祝辞」をこのタイミングで一言も言わないことですね(苦笑)。
 「この度、20周年を迎えました」「おお、おめでとう」的な社交やりとりすらできないとは(NOVAが現在ネットで付き合いのある人にその旨伝えたら、みんな、おめでとう的に返してくれたわけで、彼だけが唯一の例外)、
 本当に、ネット上での社交スキルが欠如しているんだなあ、と改めて思いました。彼を見限る理由がまた増えた、と思っています。まあ、年内いっぱいは祝辞の有効期限のつもりだけど、遅ればせながらでも祝辞があれば少しは見直せるかな。 

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/10 (Thu) 17:12:06

 定期感想その1です。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第37話:新たな運命へ、第38話:運命を掴む者)

 こちらでブレイド・キングフォームが動かしづらい(アクションがやりにくい)という話を伺い、ようやく「言われてみれば、どうもそんな感じだ」と気が付きました。なぜ言われるまで気が付かないか考えると、たぶんもっと動きづらそうなライダーを見てきたからかも。

 初放映順序が前後しますが、自分が最初に動きづらそうと思ったのは、仮面ライダーエグゼイド・マキシマムゲーマー・レベル99です。レベル1の3頭身も動きづらそうでしたが、あれは可愛さを見せるデザインと割り切ることができます。

 マキシマムゲーマーですと、レベル、パワーの匹敵する敵に勝つためのもので、レベル1とは狙いからして違います。しかし、悪気のある言い方をするなら「着ぶくれ」でしょうか。アーマーが大きすぎて人間の動きを邪魔しているように見えました。その後、もっと動きやすそうなムテキゲーマーへ強化されるわけですが、今見直してみると、長い突起が多いですね(^^;。ドレッドヘアも重くて、スーツアクターの高岩さんは苦労されたらしい。

 こちらで事前に伺って、初見で「なるほど、動きにくそう」と思ったのが、仮面ライダーフォーゼ・マグネットステイツです。頭部から肩までを固定しちゃってまして、あれでは思うように動けないのも無理はありません。これも高岩さんが苦労されたと述懐されたフォームですね。

 そういうのを見て来たせいか、ブレイド・キングフォームの動きづらさは自分では気が付けずでした。ノーマル~ジャックフォームではブレイドから敵に挑みかかり、キングフォームでは一撃で相手をふっ飛ばしたり、強弱が逆転した敵が挑みかかるのも、そのためだったか。教えて頂いたお陰で、いろいろ気が付く点ありです。

 ともかく本編。今週分は相川始がワイルドカリス化して危機を脱し、入れ替わるように暴走に陥った剣崎ブレイドを救う側になるという急展開でしたな。そこへ強化の点で出遅れた睦月レンゲルが絡んでいくと。敵の策動もはっきりしてきました。当面の敵ボスだった広瀬義人は天王路博史理事長に操られた偽者:トライアルBであり、気付いた橘ギャレンが離脱する動きにという、こちらも急展開。

 前半(第37話)冒頭は前話からの続きで暴走するジョーカーですね。天音にすら襲い掛かり、見ていた城光が相川の意識を喪失した(本来のジョーカー)と感じた模様。しかし剣崎が割って入りまして、キングフォームで対峙。戦力的にキングフォーム優位のようで、手加減したストレートフラッシュ(2~6の最弱)でも圧倒する。が、ジョーカーが相川の姿に戻ると剣崎ブレイドは封印できない。

 が、ブレイドの接近で相川が再びジョーカー化、暴れ出そうとするも、城光タイガーの介入で、ジョーカーは逃走した模様。その直前、光は剣崎に「アンデッドとの融合を解け」と言ってまして、キングフォームの弊害を見抜いている感じですね。しかし変身を解いた剣崎はまたも眠り込んで、大事なことを聞き洩らした感じです。

 これを見ていた広瀬義人と橘は剣崎のジョーカー化の危機が迫ったと見たわけですな。広瀬義人は次なるトライアルFを放つわけですが、橘は元となる細胞の入手経路を訝しがる。広瀬義人はあっさり明かしまして、封印したままのカードを2枚持っていたわけですか。1枚はハートのKでカリスのスートですな。悩む橘は結局、剣崎案:相川始にジョーカーを封じ込めさせる、に同意して、盗み出したKを渡すことになるわけですね。

 一方、栞らにも前に広瀬義人が言った「ラウズシステムでは本来、Kのカード融合だけで、スート13枚全部はあり得ないはず」が、烏丸所長から伝えられる。剣崎は直感で相川がハートのスート13枚を使えば、ジョーカーを制御できるかもと考えた模様(根拠不明の無謀に思えますが、13枚装着しての実感があるのかも)。

 まず剣崎は睦月に会いまして、ラウズアブソーバーと引き換えに睦月の持つハートのスートを入手。ラウズはキングフォームが相川のジョーカーを刺激する以上、どうせ使えないという判断ですね。続いて剣崎を探していたらしい橘に会い、ハートのKを入手(たぶん、変身用のブレイバックルと引き換え)。

 ようやく剣崎は(相川の持つ2以外の)ハートのスートを揃えまして相川のもとに向かう。その頃、相川はジョーカー化の最終段階にあった模様で、ハートの2(ヒューマン・アンデッド)を使っても、一瞬しか相川の姿に戻れなくなってますね。

 そこへ剣崎が駆けつけるも、トライアルFが狙ってくる。混戦となりますが、なんとか(後半:第38話で)カードが相川に渡りまして、13枚揃った新たなカリスに変身。これがワイルドカリスですか。あっさりとトライアルFを撃破で、13枚揃うと桁違いのパワーになるみたいですね。睦月レンゲルが焦るわけだ、

 が、駆けつけた橘ギャレンは事情がよく飲み込めていないのか、ワイルドカリスを危険視、攻撃しつつ剣崎を保護して脱出する。が、カリスは追わずに相川の姿に戻る。なんか温和な表情の遠い目になってまして、相川始に戻るのを通り越して、別の何か(ヒューマン・アンデッドとか)になっちゃったかと思いました。

 が、杞憂だったようで、この時点でジョーカーを完全に制御下に置けたみたいですね。この後、睦月に拉致された天音を迎えに行き、おんぶしてハカランダまで連れて行ってやってる。

 橘は剣崎を広瀬義人のもとに連れて行きまして、ここからがえらいことになるわけですな。広瀬義人がアンデッドの原因と思う剣崎が食って掛かるも、広瀬義人は死んだ妻のためにやったと告白する。さらに剣崎にジョーカー化の危機が迫っているとも告げる。

 それで剣崎は信用したんでしょうな、眠らされて運ばれてしまう。が、連れて行かれた先では睦月が待ち構えている。広瀬義人の狙いは剣崎のジョーカー化であることが、この後、明示的に示されるわけですが、この時点では睦月に封印を持ち掛ける。そうすればジョーカーの力が手に入る、ということで。

 既にブレイバックルは剣崎に返されていたようで、睦月がラウズアブソーバーを返して戦いを迫り、剣崎はやむなくキングフォームに。全員、広瀬義人の手のひらで踊らされてますが、相川始が剣崎のキングフォーム化を察知して向かい、途中で橘に出会って真相を告げまして、流れが変わってきましたな。

 橘はそれでも広瀬義人に真意を質そうとするも、いったん閉じ込められる。そこでようやく広瀬義人が真相を語り、協力を求めるも、橘は断固拒否、ギャレンに変身して扉をぶち破るも、生身の広瀬義人になぜか吹っ飛ばされる。明らかに広瀬義人は何かおかしいわけですね。広瀬義人自身も呆然とするものがあるらしく、そのまま逃走、車で天王路のもとへ。天王路から、広瀬義人がトライアルBであると知らされるわけですね。本人に自覚はなかったらしい。

 一方、相川が剣崎のもとに駆けつけるも、既に剣崎のブレイド・キングフォームは暴走してまして、剣崎は我を失っている模様。制止を試みる橘ギャレンを相川カリスは抑え、戦わずに説得にかかるわけですな。「どうした剣崎、お前はそんな弱い人間か」と叱咤した相川カリスに、暴走ブレイドが剣を振り下ろすも、寸前で止め、ブレイドは剣崎へと変身解除。

 なんとか暴走は抑えきったようですが、この先どうなるかは不安ですね。こちらで、暴走に次ぐ暴走(暴走のモグラ叩きみたいな?)と伺ってたのは、こういう流れでしたか。最終クールに入っているはずですが、これでまだ暴走しっぱなしの睦月が残ってるわけで、どうラストへ収束していくか、楽しみです。

●ホモサピエンス

 NOVAさんの感想で、倫太郎の「ホモサピエンス」発言部分について「何だかシリアスなシーンが台無しなようにも」とあるのを拝読して、少し考えました。自分は観ていて単純に「カッコいい」気がしたんですが、言われてみると台詞が浮いている感じであるのも確か。

 それで「じゃあ、どうして自分は『カッコいい』と思ったんだろう?」という疑問が意識に上りました。さらに燃える感じもしたのも同様です。観たときの感覚を追ってみると、倫太郎が(前の賢人の言に)心底納得して「一人のホモサピエンス(人間)」と言ったような気がしたようです。つまり気持ちが通じた。

 その感覚を追ってみると、第2話だったと思いますが、倫太郎が登場して間もなく、言葉遣いがちょっと変という特徴があらわになってました。あのときは「現実世界で育ってなくて、いわゆる世間離れしてる?」のかと思いました。が、その後は違和感ある描写はなかったように思います。単に礼儀正しい青年という描写に変わったような感じですね。

 だもんで、倫太郎の言葉遣いについて、かなり忘れてた。ですが、第13話の賢人と倫太郎の最重要のシーンで、また「ホモサピエンス」が飛び出したわけですな。初登場時を明確に思い出したわけではなかったですが、何となく「倫太郎本来の言葉遣いだ」という印象が生じたようです。

 つまり本音が出たということになります。それが賢人の「一人の人間」に対して、倫太郎の素の言葉で「一人のホモサピエンス」ですから、賢人の気持ちが倫太郎の深いところに届いた上で、賢人を肯定したように感じたみたいです。

 ですので、自分のあのシーンで感じた「カッコいい」「燃える」は、倫太郎が賢人をガッチリ受け止めて、本気で応えた、という印象から生じたように思えます。それが序盤からの印象がギュッと詰まって、一瞬で爆発したみたいな感じですね。

 自分はどうも内省が不得手で、曖昧にしか言えないんですけど、たぶん以上のようなことだったのかなと思います。倫太郎初登場時の言葉遣いを(無意識にでも)思い出せるか、連想が働くか等の偶然性がかなり働いたような気もします。

●謎本

 謎本は自分にとって反省材料になるものです。いったんは面白いと思ってしまう。しかし謎本が扱う題材をよく知るようになってくると、粗や無理解に気が付くようになり、逆に不快になってくる。特に面白いと思ってしまった自分自身に怒りの矛先が向きます。

 謎本でかろうじて内容を一部覚えているのは、例えばゴルゴ13の謎本(タイトル忘れてるorz)。あるコマでM16が間違って描かれており、薬きょうが排出できない銃になってるといった間違い探しは、まあいいんです。ファンがご愛嬌でよくやるものであったりしますんで。任務成功率計算も、銃の射程距離考察もファンとしては知りたいし、調べてみたい事柄であろうと思います。。

 ゴルゴ13の年齢考察も、それ自体は構わない。初出での年齢が30代半ばとされている、○○年連載が続いているから還暦を過ぎている、ゴルゴ以外は例えば米国大統領も代替わりしており間違いない、、といったものですね。

 自分が「そんなこと、わざわざ商業出版で自慢げに開陳するか?」と思ったのは、永遠に老けないゴルゴの秘密は、彼が家出した磯野家の長男だから、というもの。大変に安易です。安易に扱えてしまうのは、少なくとも題材(ゴルゴ13)を大事に扱ってはいない。ゴルゴ13ってどんなキャラクターなのか教える風を装って、これかい、という気持ちでした。

 そんな安易が許されるなら、「サスケ」(白土三平著)のアニメ版の設定でもいいじゃないかという気がしました。記憶頼りですが「猿飛佐助」は1人の忍者ではなく、複数の忍者が変装しているというものです。なので「猿飛佐助」が倒されても、また「猿飛佐助」が現れる。何十年経っても、同じ「猿飛佐助」が出現する。ゴルゴだって、同じようなもんでもいいじゃないか、と。もっとも、もし磯野家説が許されるなら、ですが。

 他には「北斗の拳」の謎本ですね(これもタイトル忘れたorz)。中国拳法家であり、試合も主催しているという人が著者でした。これも「北斗の拳」部分がかなりおざなり。ファンがよくやる妄想ネタの異種格闘技戦で、もし悟空/スーパーマン/eicと戦わば、なんてやってましたけど、大雑把すぎて字数稼ぎにしか見えない。

 それ以外の「北斗の拳」と関係しない部分のほうが、むしろ興味深かったです。当時、まだブルース・リーで起こった中国拳法ブームの余韻がありまして、中国拳法をやってみる人も多かった。○○拳の「老師」を名乗る人も多かったそうです。

 そういう人が、著者の主催する大会にエントリーして来る。ずいぶんといかがわしい「老師」が多かったそうです。痩せこけて力もなく、体の動きもぎこちないのに「ヒクソン・グレイシーを叩きのめした」と主張する老師とか、「私は暗器にも長けている。いざとなったら拳銃で撃つ」と真顔でのたまう老師とかいて、苦労が多かったそうです。その他の拳法よもやま話がいろいろ。

 感想は「それなら拳法についてだけ書けよ」です。「北斗の拳」は執筆のために斜め読みして、いい加減にまとめてあるだけにしか見えませんでした。本のタイトルに入れ、テーマであるはずの「北斗の拳」を大事に扱っていない。

 別に褒めることは必要ありません。駄目な部分に駄目出ししてもいい。ただし、真面目に取り組めば、です。安易に観て、いい加減な考察でデタラメ言うのなんか、誰でもできる。わざわざ商業出版することはない。

 上記2つを簡潔に言い換えるなら、「よく知らないこと/もの/人を、適当に決めつけて指さして嗤う」というものですね。自分にない要素を勝手に他人に見出して貶すということでもあります。

 そのことについては、80年代の漫才ブームと似たものがあるかもしれません。漫才師が例えば「駅の自動券売機に並んだおばちゃん、自分の番になってから財布を探し始めるやろ」などと言って、笑いを取ることが多かった。

 最初は自分も笑ったんです。しかし、次第に笑えなくなりました。なぜかはすぐには分かりませんでした。が、あるベテランお笑い芸人が何の気なしにいった笑いの心得「客をいらうな」で、はっと気が付きました。広義には「他人を馬鹿にして笑いのネタとしてはいけない」となるでしょうか。

 他人をネタに笑うと、いずれ自分に跳ね返ってくるんですね。他人から同じように嗤われるとは限りません。例えば、他人が他人を指さして嘲るのを見て、嫌な気持ちなることは誰でもあると思います。その「指さして嗤う他人」が自分に思えることがあるんですね。「あれがもし自分だったら」と想像が働いてしまう。ましてや本当に嗤ってしまったわけで、内心忸怩たるものがある状態に陥ります。

 面白がっているつもりだったけど、実は天に唾しているだけだったみたいな感じです。唾が自分に返って来て、ようやく正気に返るんですが、時すでに遅し。もう記憶に残ってしまってますから。記憶喪失にでもならない限り、思い出しては恥じることになります(たぶん、思い出さないときでも無意識下で悪影響を及ぼしてる)。

 割と最近の自分の事例では、確か仮面ライダービルドが始まる直前の特番です。芸人、タレントが集まって、ライダー話をやってました。その中で仮面ライダードライブのマッハの繰り出す技を取り上げてまして、効果音声が「マガール」のシグナルマガール。スタジオ中が「マガール」の音声で、どっと笑う。

 まだドライブ本編を観てなかった自分も笑ってしまいました。その後、ローカル局再放送でドライブをラストまで観たわけです。当然ですが「マガール」音声を嗤った自分が許せなくなりました。

 ですので、謎本に返りますと、謎本が嫌いで不快なのは、同じことをやらかした自分を思い出すからというわけです。そういう経験を積み重ねつつも、今後もやらかしてしまうんだとは思います。少なくしていくことはできても、無くすことはおそらく自分には不可能でしょう。

 安心して笑えるものがあるとすれば、例えばお笑い芸ですと、自らのアホさをネタにしていて、しかも見ている自分に思い当たる節があるものなどでしょうか。そういう方向で、最も簡単に笑えるのが自分の失敗だったりします(ただし、他人に迷惑がかかってないもの)。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/12 (Sat) 08:09:55

 定期感想その2です。

●牙狼MS(第24話/最終回:時代)

 ついに本編完結ですね。序盤から伏線がちりばめられてましたんで、総集編で復習・確認できるかなと思ったんですが、録画機の番組表を見てみると、どうもないみたいです。やって欲しいんだけどなあ。

 特撮のレベル・質について、やはりCGが9年前のものというご感想がありました。確かにそんな部分がありましたね。例えば、イデア直下に出現した号竜人、鉄騎、リグルなどは、当時の格闘ゲームのレベルかなという気がします。いずれも、最初に出現したときの手のかけようではないように見えることも影響してるかも。

 そうでなくてもムーアの法則(LSIの集積度は1.5年で2倍)によれば、9年で64倍、これにCPU速度の向上も考え合わせると、今のコンピュータは2011年に対して100~1000倍くらいの性能と考えてよさそう。CGの見た目の質・量もそれに比例するはずです。

 しかし、イデアはやっぱり凄かった。あの圧倒感は、たぶん単純な技術的なものではないんでしょうね。等身大の騎士に比して巨大で威圧感あるように見えるためのデザイン、それをどう動かすか、その動きをカメラがどこから写すか等々、映像作家の技量が問われるところだと思います。そこをきちんとやり切ったからこその、イデアの出現から打倒までの迫力だったんでしょう。

 これは自戒、自省でもあるんですが、コンピュータで何かできるようになると、つい思い切り使いまわしたくなります。本当は仕事の成果で考えないといけないんですが、「コンピュータの性能をいかに引き出したか」になってしまいます。CGですと、物理エンジンなども加えますと、落下、衝突、飛行等々がリアルにやれたりします。カメラ視点も自在です。

 ある3D-CGアニメ作品では、多数の戦士の空中戦をやってたんですが、カメラ視点が問題でした。思い切りカメラを動かしてしまってたんです。そのため、飛行する戦士のスピードとか、トリッキーな動きとか、見えなくなってしまってました。

 もうずいぶん以前から、従来の2Dアニメで「板野サーカス」なんかあるわけで、見せ方に拘ったら、ずいぶん迫力が出たはずなのに、ずいぶんと損してるなあと思えました。せっかくの新たな道具を使いこなすのではなく、道具に使われてしまうという、技術にはよくある悪弊です。

 牙狼MSのイデアはその悪弊を免れていたように思います。今となってはチープにも見える、イデア下の出現した鉄騎、リグルなども、あの時点ではチープでもよかったんでしょうね。リグルですと、単体で出現した際には充分に手をかけ、騎士を圧倒しかねない迫力を上手く出せていたように思います。その迫力を再現したら、イデアの存在感を食いかねないんじゃないかという気がします。いろんな面で、仰る「8年経っても古びないものが「演出センスの妙」」に頷くものありです。

 そのイデアが倒され、しかしシグマが復活して鋼牙に迫る、という流れは、牙狼1stラストのメシア→暗黒魔戒騎士を踏襲している感じ。しかし印象は異なります。牙狼1stでは巨大敵のメシアは不気味ではあるけど禍々しさは少し薄めの感じ。調べてみますと、モチーフは菩薩なんだとか。それならデザインからして禍々しさ狙いではなさそう。
(流牙・翔編のラダンはまた別の狙いの巨大敵の感じですが割愛。)

 さらに制作的な事情もあったとのことで、予算が足りなかったと(^^;。それでメシアをボディペイント+αにしたみたいですね。そこで菩薩モチーフということが出たんじゃなかろうか。続いて登場する等身大の真打の禍々しさが引き立ちます。メシアを倒して息つく間もなく暗黒魔戒騎士復活ですから、テンションも上がっていって具合がいい。

 牙狼MSですと、予算がたっぷり使えたみたいで、まずイデアを思う存分描いてくれたわけですね。続いてのシグマ戦も冴島邸を浮遊させて戦場にするとか、これも見栄えのするバトルでした(本当、1つとして同趣向のバトルがなかったのは見事)。かつ、イデア~ギャノンに勝利して、いったんは平和なシーンが挟まれているわけですな。

 この間の置き方が牙狼1stと異なる、牙狼MSに適した上手い見せ方でした。イデアの迫力を思い切り見せつけた後ですから、すぐにシグマが一矢報いようと襲って来ても、トーンダウンしてしまう恐れがあります。鋼牙らが勝ったと思い、一息つけば、観ているこちらも同調して、テンションが緩む。そこへシグマ出現となるわけで、緊張感の落差が充分にできてました。

 さらに冴島邸浮上~崩壊する中のバトルという、これも贅沢なもの。しかし、やはり対イデア戦とのイメージ的な競合を避けて、あえて生身バトルとしています。もちろん、これはコートの飾りになっていたお守りを巡って、きちんとシグマの表情を見せるためではあるんでしょう。しかし、バトルの趣向をきちんと変える、いい演出にもなってます。

 その「お守り」ですが、前話感想で少し申しましたが、シグマもお守りを未だに持っていた、というほうが自分好みかなあと。シグマはお守りはもう手放していた≒少年の時の志を忘れていた、も悪くはないんですが、ちょっと整いすぎているような気がしなくもないです。シグマが後生大事にお守りを持っていたなら、その未練がましさが悪役として不格好でありながら、自分的にはカッコいいような気がします。

 ともかく本編。前話ラストからの、イデア急所への鋼牙の拳の一撃は有効打のようですが、弾き返される。しかし地上に攻撃成功が伝わり、邪美の音頭で法師全員が(念を込めた?)魔導筆を真魔界へ投じる。カオルの筆も先が光りまして、同じく投じる。

 これを機に、レオが「光矢流星」でイデアの急所を射貫く。自分は前話で、騎士と法師の合わせ技ということから、鋼牙+レオで放つかと思ったんですが、よく考えたらレオは騎士であり法師でもあるんでした。1人でできるわけですね。魔導筆を受け取った騎士らも続けて、光矢流星を放ちまして、集中砲火を受けたイデアはついに崩壊。

 内部のギャノンも大ダメージ受けまして、スカート部から腕が飛び出す。まず間違いなくシグマの腕ですね。この直後、ギャノンは頭部だけになって鋼牙に襲い掛かってますが、首から下を葬ったのはシグマだったんじゃないかしらん。それはともかく、頭部だけのギャノンが鋼牙に襲い掛かるも(ジオングみたいだ ^^;)、カオルの筆を受け取った鋼牙が光矢流星で止めを刺す。攻守逆転した前話からの、一気呵成の決着でした。

 しかし鋼牙はガジャリと契約してしまっている。「約束の地」から、ガジャリの体の一部を探して持ち帰らねばならないわけですね。元老院では神官グレスから祝福を受け、おそらくは鋼牙の旅立ちを知るゴンザが宴の用意をして待つ。知らないのはカオルだけですね。。まあ、鋼牙以外が事情を話すわけにいかないでしょうから、仕方ないか。

 しかし復活したシグマが冴島邸を占拠する。カオルを人質に鋼牙に対決を迫るわけですな。人質を盾に己が優位を図らないのは、シグマはきちんと勝って己の正しさを証明したかったのかな。ただし、半ばホラーと化したシグマの体も、ギャノンが倒され、数時間しかもたないらしい。

 後は見ての通りのバトルですね。前に夜景を背景に、牙狼1stラストバトルを思わせる戦いがありましたが、今回は月が印象的です。レオもカオルを救出しつつ参戦ですが、レオがシグマに斬りかかると、鋼牙「斬るな、レオ!」と叫び、右腕で剣を止める。そうしておいて、鋼牙は再びシグマと剣を交えるも、シグマの切っ先が鋼牙のコートのお守りの紐を斬り、お守りがシグマの目の前に飛ぶ。

 これを見て、シグマもおそらく『シロだったのか』と悟った模様。シグマを斬るのは俺の定めと言った、鋼牙の真意も理解したはず。両者は再び切り結びますが、シグマは致命傷を受けて倒れる。もしかすると、最後の最後でシグマは斬られるために力を緩めたのかもしれません。鋼牙もおそらくは、あえて即死の止めは刺さない。

 シグマは最後の力を振り絞って、己が魔導筆をレオに投げ渡して助けて息絶え、鋼牙はカオルを黄金騎士の鎧の中へ保護して救う。そこで鋼牙は旅立たねばならないと、カオルに語るわけですね。前に鋼牙の破滅の刻印を知ったときと同様、カオルは笑顔を作って鋼牙を見送ってやる。

 その後、カオルは絵本を完成させて、世間の評価は高かったらしい。そこはよかったんですが、後ろに控える編集者は忍田を継いだ大村ですね。忍田編集員はセディンベイル(第17話:赤筆)で受けたダメージがまだ癒えないらしい。制作的には忍田役がランクアップして、大村役を最終回で使ったということなんでしょうけど、もしかすると、この後の展開の暗示にもなっているかな。

 ラスト、いつもの公園で物思いにふけるカオルが、鏡に映る鋼牙を見る。しかし振り返るといない。寂しく公園内を歩くカオルですが、突然、泣きそうな笑顔になって(完)。鋼牙の帰還を匂わせる演出です。鋼牙の旅立ちから帰還までは、劇場版「蒼哭ノ魔竜」で語れたみたいですね。

 最後の絵本から公園のシーンは、自分は何ということなしに観てたんですが、雨宮監督のツイッターを見て、大事な意味があったことを知りました。公園の設定としては、魔戒的に特殊な場所と設定されており、だから不思議なことも起こる場所であったらしい。

 前にそこでカオルは自分に片羽が生える幻影を見るわけですが、カオルは絵本に反映させるに、少女の背中の羽で表現する。しかし、再び見た幻影では鋼牙のコートの端が羽に見えていたことが分かった。聞いてなるほどとなる解説でした。鋼牙は必ず帰って来る、カオルに寄り添う、という暗示だったわけでしたか。

 そのまま観ても凄いし、補足情報があるとさらに面白いし、バトルは毎回趣向を変えるし、予算使っただけの映像になってたし等々、全編通して半端ない良さでした。NOVAさんが激賞された理由がよく分かった気がします。自分としては牙狼1stと甲乙つけがたいかなあ。映画の「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと「ホビット」シリーズの違いみたいな感じがします。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/12 (Sat) 13:32:20

 師走に入って、何だかいろいろなものが終盤に近づいている感じがします。
 まあ、新しく始まったもの、中盤を過ぎて盛り上がっているものもあるのですが、同時に最終決戦感のインパクトが大きいというか。

★牙狼MS

 そうかあ。最後の総集編(25話)はないのかあ、と残念に感じつつも、最終回(24話)まで共に感想話し合えたことを嬉しく思います。

 この最終話を見て、「崩壊する冴島邸での空中バトル」というのが、どうやって撮影したんだろう? と驚くばかりです。
 CGじゃなくて、ミニチュアでの遠景と、セットを使って、人をワイヤーで持ち上げて、と撮影技法をいろいろ推測はできるのですが、一つ一つのシーンがもの凄く手間が掛かっていることは想像に難くない。

 こればかりは、今見ても、他に類似したシーンが考え難い、自分的には空前絶後なラスボス戦だと考えています。

 いや、CG使えば、もっと凄いビジュアルが描けるのかもしれないけど、「これはCGじゃなくて、セットとミニチュアと合成とカット割を駆使して仕上げた職人芸です」と言われるだけで、伝統芸の極致を見せられた気分。
 で、そういう伝統芸は時間が経つと「瑕疵」に気付いたりもするのですが、少なくとも、自分の目には3回見ても、ツッコミどころが見えない、指摘できない。

 合成の粗も、動きの不自然さも、作り物めいたチャチさも感じられないから完璧なんでしょう、と思える。
 何よりも、宇宙遊泳にも似た浮遊感と、それでいて感じられる重厚感を両立できているのがいい。浮いているのに、落下しそうで危ない、という危機感が伝わってくる(まあ、凄いバトルに巻き込まれている一般人のカオルの切迫した表情ゆえでしょうけど)。

 そう、凄い人たちが凄いバトルを展開している近くで、思いきり空中に投げ出されながら、それでも愛する鋼牙の戦いを見つめているカオルの視点に感情移入もできますし、
 思考の視点を切り替えるとシグマの想いですな。

 どうして、ここまでシグマが執念深いか。
 鋼牙が彼を少年ムラサキだと看破したのと対照的に、シグマの方は少年シロはすでにホラーに喰われたと思い込んでいる。
 彼が少年時代に同胞だと感じていたシロ、アカネ、ヤマブキたちは、みんな死に、自分だけが法師の術でかろうじて逃げ延びた、と信じている。さらに、師匠のワタルは、教え子を救えなかった騎士として、おめおめと生き延びている。
 ムラサキ少年に見えている景色は、「自分だけが生き延びて、ホラーへの復讐を遂げなければいけない。強くならないといけない。そして、騎士の力を得ようと思えば、父親から拒絶され、師匠だった男は負け犬。だったら、騎士なんて力には頼らない。ホラーを倒すには、法師の力があれば……」という想いで、同胞だと信じたミオに裏切られ、弟のレオにも裏切られ、絶望の中でもイデアの力で……という流れ。

 シグマの意識としては、「一人だけ生き延びた悔悟と、歪んだ使命感、力への切望と復讐心」が渦巻いていたのでしょうな。
 そして、彼の目に映る鋼牙は、黄金騎士として光溢れ、強く優しく、しかし覚悟には至らない甘ちゃん。いい奴かもしれないけど、自分とは相容れない恵まれた男。

 だけど、それが死んだと思っていた盟友シロだと分かった瞬間、「この男なら、自分の想いを昇華して託せる」と憑き物が落ちたように切り替わったんだろうな、と思います。
 想いは同じ。ただ手段が違う。闇に堕ちてでも執念を貫くという自分の想いに対して、どこまでも正統に、王道のやり方で抗い、自分を打ち破った。自分を邪魔する奴だと思っていたら、実は成長した友が自分の過ちを止めてくれた。

 最後の瞬間に目が覚めて、自分の想いを尊敬する敵→実は友だった黄金騎士と、弟のレオに託す形で魂が安らげた。

 こういう内面ドラマを想像できるほどの、いい映像作品だったなあ、と思います。

 で、シグマとレオの一人二役演技も凄いんだなあ。
 どこまでも一途で傲岸不遜で荒々しいシグマと、真面目だけど未熟そうな忠犬っぽいレオ。衣装や髪型の違いなどもあるかもしれないけど、同じ役者だと言われないと気付かないぐらいの表情や振る舞いの差だと思います。

 自分にとって、いいドラマってのは、登場人物の想いが伝わってきて、いろいろ想像がたぎる、敵も味方もそれぞれの想いを抱えて、それが上手く絡み合って一つの物語として結実するものと考えます。
 鋼牙にはシグマの想いが伝わり、一方のシグマも最後に鋼牙の真意を理解し得て、「いろいろあったけど、自分の過ちを止めてくれてありがとう、後はお前たちに任せた」と言葉にはしないけど、表情から察することのできる内面の理解と和解に至った。
 安易に許す甘さではなくて、禊として非情に斬ることを選択し、それでも想いは引き継ぐ鋼牙の覚悟。

 雨宮監督によれば、初めてホラーではなく、人を斬るという経験をした鋼牙の想いも伝えたかったそうで、血に汚れてボロボロになった鋼牙の白い衣装が、その象徴だとか。
 まあ、この世で汚れた鋼牙が元の輝きを取り戻すためには、ファンタジー世界の「約束の地」に向かう必要があり、そこでは鎧が召喚できず、生身の人間剣士・鋼牙が苦労して、試練を乗り越え、もう一度、自分の光と黄金鎧を取り戻して、巨悪を討つ王道ファンタジー探索の物語。

 その地で心身共に浄化された鋼牙がカオルのところに帰ってきて、彼の物語が完結って流れです。
 その後は、後継者や別の黄金騎士の話で、やはり自分の光を取り戻すってテーマが多い感じですね。

 まあ、取り戻せなくて闇堕ちエンドになったジンガみたいなキャラもいましたが。

★剣

 で、闇堕ち→光を取り戻すってテーマだと、仮面ライダー剣もそうなりますな。

 ある意味、黄金剣士のキングフォームは、牙狼に通じるものがありますし、二刀流のワイルドカリスも絶狼につながるか。

 あ、それと、トライアルBの正体が判明した広瀬パパと娘の悲劇の再会話は、次週でした。
 ちょっと、早とちりした紹介でしたね。

 次週が広瀬父娘のドラマで、その次が睦月の光還り。
 この段階で、女性キャラの愛情や想いが男の過ちを浄化するドラマが続いていきますか。
 まあ、今週は、「妻への想いで暴走した広瀬パパと、一時的に失明して可哀想な天音ちゃん」という女性受難な流れで、男の友情の方がメインでしたが。

 うん、この天音ちゃんが放送当時は、自分は全く好きになれませんでしたね。始さん相手と、他の男性キャラ相手で、露骨に態度が変わる酷い二面性を見せましたから。
 しかも、劇場版では始ロスで荒れるし、まあ、ジオウで成長しても、結局、始ロスで精神的に不安定で、とうとうアナザーブレイド化して暴れるし、
 まあ、幼少期に父親が死んで不安定なことは分かるにしても、性格が実に歪みすぎで、子どもらしい可愛さを覚えなかったなあ(あくまで役柄の問題で、役者の娘は可愛い顔をしているけれど)。

 で、放送当時、自分は始推しだったけど、彼が天音ちゃんに向ける好意だけは、感情移入できなかったなあ、とか。

 ブレイドのヒロインで、一番好きだったのは、睦月の彼女でしたね。虎姉さんと、彼女のおかげで、結局、睦月は光を取り戻して、リア充になるんですけど。爆発して欲しかった。

 ……と、こんな感じで、本放送中、ブレイドには実に自分の中の闇を刺激された覚えがあります(苦笑)。
 で、そこから後番組の響鬼に移ったり、牙狼に感じ入ったりしたのかなあ。


★ホモサピエンス

 話題に乗っかってみます。

 この言葉は、倫太郎というキャラを象徴する良い言い回しだと思うんですね。実にインパクトある。

 倫太郎の中の世界観では、「使命のために戦うライドブックの剣士」と「一般市民、その辺の人間であるホモサピエンス」とは違った分類で、悪く言えば、自分はただのホモサピエンスじゃない特別な立ち位置だという誇り、選民思想があったと思われます。

 「ただのホモサピエンスには無理です」的な言い回しが倫太郎を象徴して、当初はこいつも上から目線キャラなのかな、と思いきや、案外素直でいい奴と判明。

 剣士の中でしか生きていないので、一般市民の生き方を知らない。普通の人間の感情よりも、使命重視なAIロボットみたいなピュアな奴だったのが、飛羽真、芽依、そして賢人との関わりを通じて、「剣士としての使命よりも、大切な人の感情を理解し得たこと」を称して、

 「ぼくだって、ただのホモサピエンスですから」的なセリフにつながったと解釈することも可能ですね。

 何にせよ、インパクトある言い回しであるため、ついついクスッと笑みを浮かべてしまえるため、
 あのシリアスな「キャラが散る間際の格好いいシーン」で、クスッと笑わせてしまったのは、良いのか悪いのか、意見が分かれそう。

 まあ、自分は「重すぎる空気のバランスをとるために、和らげた程度」に思っていたのですが、
 この辺は脚本家さんの気質で、先週の長谷川さんは、シリアスな場面でシリアスに突き進む傾向があり、メインの福田さんはどこか和らげるのかな、と感じます。

 自分としては、急に感情をパッと切り替えるのが苦手なので、長谷川スタイルの方がいいのだけど、子供番組だと息継ぎも必要なのか、とも思いますし、一概にどちらが正解かは言えないですね。
 でも、これで「ホモサピエンス」が倫太郎というキャラにとって、重要な意味があるという話として、この後も続けば、盛り上がるかも。

 悪堕ちした賢人に対して、倫太郎が説得する際に、「思い出してください。あなたは一人のホモサピエンスなんですよ。そんな剣の操り人形じゃない。ホモサピエンスの誇り、人の知恵で打ち勝ってください!」とか言い出せば、爆笑しつつ、倫太郎の熱い想いには感じ入るかもしれません。
 というか、要所要所でホモサピエンスを言い続けてこそ、倫太郎なんじゃないか、と認識したり。

 がんばれホモサピエンスとか、いろいろ応用できそうですな。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/13 (Sun) 17:38:48

 定期感想その3です。

 牙狼MAKAISENKI、半年に渡る感想交流を感謝申し上げます。感想のみならず、ムラサキ少年がラスボス:シグマと同一人物である点など、視聴上の大事な点のご教示に大変助けられました。

 視聴&感想感想の締めの挨拶、せっかく教わったのに遅れてしまい、すみません。未練たらしく「もう少し後で録画予約画面を確認したら、総集編が出てくるかも」とか、思ってまして(^^;。しかし、やっぱりない。「総集編なしで再放送終了か」と観念した次第です。

●仮面ライダークウガ(第27話:波紋、第28話:解明)

 先週分のグロンギの殺人ゲームは、9人ずつ9回以外のルールが謎だったわけですが、今週分で突き止めてますね。それだけややこしいゲームに突入したのかなと思います。しかしグロンギにとっても、ややこしいんじゃなかろうか。

 先週分ですと、東京の区名を50音順に選んだとなってます。つまり、リントの言葉の法則性を利用したと(そもそも地名からしてリントの命名ですけども ^^;)。今週分ですと、まずリントの記号である音符ですね。それのリント読みでゲームルールを決めてます。

 これも考えようによっては、グロンギ側がリント側に助かるチャンスを与えているとこじつけられなくもなさそう(ヒント出したんだから、逃げたい奴は逃げろ、みたいな)。もっとも、先週の東京の区名だと範囲が広すぎますか。今週はもっとピンポイントなランドマークですんで、狙いを知れば避けるチャンスがあるし、迎撃も有効にできそうです。

 ともかく本編。OP映像が今秋から変わってますね。クウガがここまで得たフォームを活かしたものになってます。イベント的にはいわゆる水着回ですな(^^;。初回放映日を調べると8月6日/13日ですか。12月に観ますと、なんか寒そうな気がします(^^;。

 冒頭、ダンスチームが練習しているところへ、謎の女が邪魔しに来る。こいつが、未確認生命体第38号/ウミヘビ種怪人/ゴ・ベミウ・ギですか。鎧武もネット視聴中ですんで、いい感じにイメージが被ってくれる気がします。この後の殺人ゲームはプールや海で行われるわけで、このシーンは最初、ちょっと分かりにくかった。

 ポイントは音楽だったみたいですね。このシーンで、ベミウがラジオで聞いた曲が大事なヒントだったわけですな。ゲームルールが解明される後半を観てから「ああ、そういうことか」になりました。

 喫茶店ポレポレでは、雄介と桜子が雑談してますが、視聴者的には大事な情報が含まれてますね。例の「ビリビリ」は碑文に記載がないことから、現代で新たに得た能力じゃないかと。雄介曰く「ミレニアム特別バージョン」ということですね。妹のみのりは保育園同僚の元城恵子とプールへ。後でタイミングが悪かったらグロンギの殺害に巻き込まれていたことが分かるわけですね。

 元城恵子は妊娠しており、自分の身にも迫るグロンギの起こす事件を考えると、子どもを産み育てることが子どものためにいいかどうか悩んでしまうことになるわけですな。親という点で先輩(?)の榎田ひかりにもちょっとしたドラマがあり、ジャンがひかりが子どもとの約束を以前に破ってしまったことを心配するもの(ペーパークラフトの本を渡したシーン)。Youtubeコメント欄によると、ジャンがそこまで気に掛ける理由は、後々で明かされるらしい。

 一方、グロンギ側。バラの姐さんがゲーム(ゲゲル)進行状況を気にしているらしい。それはいつもことなんでしょうけど、ゴオマがちょっと気になるしぐさを。何か隠し持ってる感じですね。もしかして、前に儀式めいたことして発掘した遺物みたいなものなんだろうか。いずれ大化けするらしいですから、その準備が進行中ということかしらん。

 グロンギ:ベミウがゲーム開始するわけですが、プールに現れて、なぜか楽譜を眺めてニヤリとするという、奇妙な行動を取ってますね。この意味は後半で明らかに。ともかく、最初のゲームはみのりらが遊んでいたプール。ここで16人が殺害される。無差別大量殺人ではなさそうですが、被害者には「胸にやけどのような跡」以外の共通性はなさそうですね。
(さりげなく「ドルフィンプール」という名前を映像に出してまして、ヒントを隠さないのは自分的にツボです。)

 プールに遊びに来ていたみのり、元城恵子はベミウの襲撃直前に帰り、ぎりぎりで被害を免れた模様ですね。ベミウが次に狙ったのは「レクサス・スイミングスクール」(「レ」ですな)。この時点で警察が「ドルフィンプール」での事件をキャッチ、一条に連絡が行き、雄介が呼び出される。ベミウの行動は迅速で、次は「みずさわウォーターパーク」(「ミ」だ)。ここでも、おやっさんと朝日奈奈々がギリギリで被害を免れたらしい。

 今話でも地味に不運なのが椿秀一でして、桜子にポレポレの手伝いに呼ばれ、せっかく花束まで用意して行ったのに、一条から電話が入って被害者の死因解明に呼び出される。前のいい感じに行きかけた女性だけじゃなかったのか。もしかして、第1話以前からこんな感じだったのか。だとすると、椿秀一の一条に対する愚痴も理解できなくはない(^^;。

 ベミウの次の犯行は「ミラージュホテル」のプール。ドレミと来たけど、またミ。単純な音階順ではないわけですな。最初の犯行前にベミウが見ていた楽譜が伏線になっているというわけですか(と後半で明かされる)。犯行を終えて去ろうとするベミウですが、ピアノを見かけると、持っていた楽譜を演奏し始める。これが後半で尻尾を掴まれる発端となるわけで、ゲームが順調と思うベミウの慢心ゆえのミスだったのかも。
(ただ、後知恵でして、この時点では「バダー vs クウガのバトルに、上手いことBGMつけてるなあ」と感心してました ^^;。伏線、ヒントは面白くして隠すというテクニックらしい。)

 このベミウを、一条から連絡を受けた雄介が追うわけですが、敵側ライダー(?)のゴ・バダー・バが介入。バダーもポーズつけて変身し、バイクも変わるわけですか。バイク対決となりますが、倉庫の燃料に引火して爆発。
(2人ともヘルメットはしてるけど、グローブはない。当時はこれでも良かったようです。今だと「これでは危ないよ」とか言われそう ^^;。)

 そして後半(第28話)。バダーは戦いを途中で放棄、雄介にグロンギ語で声をかけて去る。後のバラ姐さんとの会話からすると、クウガが好敵手足り得るかどうか、見定めてた感じですね。バダーは、ゴオマがクウガに襲い掛かったときも助けるように介入し、今度はゲーム遂行を止めようとする雄介を襲撃してますんで、助っ人的な動きかと思ったんですが、どうやら戦うに足る敵が欲しいらしい。

 それはともかく、一条がミラージュホテルに急行すると、入れ替わるようにベミウは演奏をやめて去る。しかし一条に目撃はされてしまったわけですね。椿秀一による死因解明も進んでまして、ピンポイントの超低温で心停止と判明。敵の能力は冷凍ということになるわけか。

 雄介&一条コンビも謎に迫っていく。それも先週のゴ・ブウロ・グと併せての解明ですね。まず今回の事件現場を順に挙げていって、先週同様、不規則な動線を雄介が怪しむ。一条が何かに気づき、ベミウの演奏していたピアノを調べると、鍵盤に水が残っている。

 事件現場が楽曲の音階を表しており、被害者の大人・子どもが音符を表していると分かったわけですね。曲はショパンの「革命のエチュード」で、一条がさっき聞いたベミウが演奏した曲。先週の事件は東京23区の50音順だったことも分かる。
(勘が良さ過ぎなきもしますが、設定では雄介も一条も音楽の心得があるとなっているらしい。それなら納得です。)

 こうなると「ソ」で始まる泳ぐ場所に先回りすべきですが、プールは全て営業停止になっている(一言で世間がグロンギ事件を認識していると分かる、上手い演出)。それを知らないベミウ、「祖師谷センタープール」に現れるも、人けのなさにイラついた模様。いや、ゲームルールが察知されたと焦っているのか。

 ベミウは一条らが予測した「外浦海岸」に現れる。たぶん遊泳禁止警告とか周知されてたと思うんですけど、気にしない人は気にしないし、長大な海岸線を全て把握することも難しい(音階ルールに気づいたのは、ついさっきだし)。海水浴客がいまして、ベミウが迫り、雄介らがかろうじて追いつくも、既に1名が犠牲に。

 対決となりますが、ベミウの冷凍能力で、クウガ青の武器を防ぎ切る感じです。が、クウガ青もそばに物がある限り武器を作り続ける。ベミウは物がなさそうな波打ち際に戦場を移しますが、流れ着いた流木があるわけですね。

 クウガ青から金を加えまして(ライジングドラゴン)、パワーアップした武器で決着。ベミウは海にふっ飛ばされ、爆発の被害も防がれる。が、グロンギ側と思しき何者かがこの戦いを観ていた、というところで続く。

 自分も危うかったことでショックを受けた元城恵子はみのり、朝日奈奈々は実家の母親が励ましまして、なんとか気を取り直したらしい。この2人のドラマはグロンギとの抗争の周辺のドラマではあるんですが、挿入のされ方がなかなかだった気がします。不安感を高めたり、張り詰めたテンションをいったん緩めたり、本筋の展開に気を持たせたり。クウガ世界のリアリティを高めるだけでなく、ドラマ自体の面白さも引き立てているような気がします。

●ダイの大冒険(第11話:魔剣戦士ヒュンケル)

 ドラマ的な展開は割と少な目で、バトルも前哨戦といった感じの回でした。しかし設定的な情報はなかなかに多く、ここまでとこれからのための、いい整理になっていたように思います。ただし予習してみると、真実ではない情報(誤った思い込みとか)も含まれていたようで、事態の急展開の伏線にもなっているらしい。

 もっとも、クロコダインについては別です。前の対戦で心底負けたと思い、今話ではダイを救いに駆けつけてます。ダイ一行に加わるのは、もっと後らしいですが、スタンスは今話で確立した感じです。たぶん、クロコダインについては偽情報も嘘もなさそう。

 それにしてもストーリー展開が速い。今話は前作の3話分(第21~23話)に相当しているみたいです。それでも総集編的とか、いかにも駆け足とか、そういう感じはしないですね(原作、前アニメを知る人の視点でどうかは分からないですが)。

 ともかく本編。ダイのアバンストラッシュを受けきったヒュンケルは自信ありげで、ダイのは奥義を極めない未熟な技だかららしい。ダイがまだ修得していない空烈斬があるということですか。大地→海→空と修得すべきところ、ハドラー襲来でアバンが倒され、教わることすらできなかったわけですね。

 もっともヒュンケルも空裂斬は修得できていないらしい。この後にヒュンケルは独自の奥義を繰り出してますんで、難しくて習得できなかったわけではなさそう。何か会得が妨げられたわけがある。ちょっと予習すると、空裂斬がアバンストラッシュの完成形ではなく、大地+海+空の3つの合わせ技みたいなものらしい。

 それはともかく、ダイ、あるいはポップとマァムの2人でもヒュンケルに太刀打ちできない模様。ただでさえ強いらしいヒュンケルが、攻防一体の「鎧の魔剣」を与えられてますんで。しかし、ヒュンケルは止めを刺しに行かず、マァムに問われて出自を語り始める。

 魔王軍(ハドラー時代)の侵攻で倒壊した家屋から、魔王軍騎士バルトスが赤ん坊を助けあげ、自分で育てたのがヒュンケルでしたか(バルトスの行為はちょっと矛盾するものを感じないでもないけど、人間も必ずしも合目的で動かないからいいか)。

 バルトスはいい育ての親だったようだし、周囲の魔物もヒュンケルは可愛がった様子がありますね。しかし勇者アバンらの反攻でハドラーは倒され、ハドラーの魔力で形を保って動けていたバルトスは崩れ去ってしまったと。それで恨みを持つようになるも、ヒュンケルの次の保護者がアバンだったわけか。

 それで弟子にもなったけれど、密かに復讐の機会も窺うように。しかしアバンは、その邪気は見抜いていたわけですね。憎悪を知っていて育て、戦闘技術も伝授したと。ヒュンケルは(マズい方向に)観念して、アバンに襲い掛かるも、腕が立ち過ぎてアバンが手加減できず、本気で返されて川に落ちる。そこをミストバーンに拾われ、現魔王軍に参加したわけか。

 こんな出自では、親を失い、魔物に育てられてという共通点を持つダイは、ヒュンケルに対して心底怒ることができないわけですね。マァムが危機に陥っても、ポップが必死に促しても、紋章の力を使うことが出来ない。そんな同情心がないヒュンケルは、ついにダイを捉え、止めを刺さんとする。

 そこを止めたのがクロコダイン。強がってますが、ヒュンケルには未だ重傷なのはお見通し。勝てないと知っていても参戦したわけですね。おそらく、最初からまだヒュンケルに及ばないダイらを逃がして、自らは運が良くても相討ちの覚悟だったんでしょう。

 が、ダイとポップはなんとか逃がしたものの、マァムは捕らわれ、クロコダインは致命の一撃を受けて倒れる。もっとも、クロコダインとしては最悪の展開ではないと思っていた模様。ヒュンケルが女性は殺さないと知っているし、ヒュンケルの気持ちに楔を打ち込むこともできています。クロコダインはついに倒れるも、ヒュンケルは部下に命じて、(助からないとしても)手当を命じ、マァムは人質として連れ去る。

 一方、ダイとポップが逃れた先に誰か現れまして、バダックですか(字幕より ^^;)。確かレオナ姫の関係者ですよね。ということは、と思ったら続く。次回は「ふたりのライデイン」とのことで、勇者呪文じゃないですか。でも2人? まあ、見てのお楽しみということでしょう。

●グリッドマン

 ネット再放映が第7話まで来まして、この時点でも気が付くところ、思うところががいくつかあります。

 TV放映時のNOVAさんの最初の印象の中には「チープな特撮」というものもあったわけでしたか。自分も確かにそういう面を感じます。低予算だったんでしょうね。特撮だけではなく、例えば学校のシーンですと、生徒が少ないなあと思ったりも。子役のエキストラを集める資金的余力がなかったのかも。

 しかし、急速に改善されていくように見えます。スーパーでの買いだめパニックシーンですと、画面内に大人数がいて、大騒ぎしてます。たぶん、大人のエキストラならスタッフとかも手伝えるんじゃないかと思います。場面となるスーパーも実在の店の休みの日か、時間外で借りたのかも。

 急に予算が増えたとも考えにくいですから、使い方が上手くなったんでしょうね。作りながらお金の使いどころを含めた制作技術が向上して行ってる感じです。ぼちぼち出始めた支援メカはこれから増えて来ると思いますが、苦肉の策が功を奏するという事例になっているのかなと思います(まだ自分的には確認中)。

 しかし、しょっぱなからいい意味で驚いたものもあります。これができるようになったのか、という感じなんですが、例えば「パイプの中を進む」映像です。狭いところに入り込んだカメラ視点って、昔はとても難しかった。

 1978年に特撮スぺオペ「スターウルフ」というのがありまして、スターウォーズが見せた米国特撮技術に追いつこうとしていたようです。記憶頼りですが、最終回には鳴り物入りで、敵基地内部(だったと思う)の狭いところを潜り抜ける戦闘機を見せていました。鳴り物入りって文字通りでして、特撮雑誌で事前に持て囃していたんです。

 当時は、ミニチュアの内部視点等の映像は、特殊な小型カメラ(シュノーケルカメラ)が必要で、世界でも数台しかない貴重品だったようです。日本にはなくて、米国から高額でレンタルするしかなかった。それでもスリリング、スピードといった迫力効果抜群なんで、特撮界では引く手あまただった模様です。

 しかしグリッドマンの特撮は(おそらく低予算なのに)実現してます。調べると(いや映像見ても分かりますが)ビデオ撮影だったし、90年代だったから可能だったようです。CCDカメラですね。フィルムじゃ難しかったけど、ビデオならできるようになってた。

 ですんで、グリッドマンのOP映像などで「うおー、これがやれるようになってたのか!」という嬉しい驚きがありました。調べてみると、グリッドマンは特撮でビデオ撮影採用の先駆者の1人らしい。制作スタッフは若手が多かったようです。そのお陰で、グリッドマンでビデオ特撮技術の実際面が進歩し、かつ後続作品に引き継ぐこともできたみたいです。

 観ては調べるほどに、地味に凄い作品なんだなということが分かってきた気がします。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/14 (Mon) 15:43:11

 定期感想その4です。

●仮面ライダーセイバー(第14話:この思い、剣に宿して。)

 ズオスはともかく、レジエルとストリウスの区別がつきづらいというお話を伺うと、ギクッとします(^^;。実は自分もそうでして、まずズオスだけは分かるようになったというのも同じ。それでも、ストリウスを見て、「あ、ストリウスだ」と思えるようにはなってきました。じゃあ残るは1人なんだから、3人の見分けはついたはず、となりそうなんですが、そうなりません。

 問題は単独でレジエルが出てきたときです。自分の識別が「こいつはズオスじゃなさそう。ストリウスでもないな。そうかレジエルか」みたいになります。そうなってしまう原因として、あくまでも自分が見てのことですが、「ズオスとレジエルの区別がつきづらい」というのがあります。

 ズオス単独で出て来てズオスと思えるようになっても、ズオス=[力尽く、強引、乱暴者]という、ズオスを最初に覚えようとしたときの言葉のイメージが未だにあります。で、レジエルの顔も結構、押しの強そうな面構えに感じ、[力尽く、強引、乱暴者]という言葉が被りがち。

 人の顔を覚えられなくなる要因として、言語隠蔽効果というのがあるそうです。顔を見て「髪は七三分け、眉が太く垂れ目、鉤鼻で(略)」みたいに特徴を言語化して覚えると、その言語化したイメージの範囲内の顔の見分けがつかなくなるんだそうで。自分の中ではズオスとレジエルに、言語隠蔽効果が生じてしまったようなんです。字幕出したりして克服を試みてますが、一目でメギド三人衆の区別がつけられるまで、まだしばらくかかりそうです。

 今話の争点は「魔法陣中央の扉」だったようで、光の柱破壊は閉めるための手段。先週のドラゴンのブレスは扉を炎で包んで行き来を阻止する一時的なものだったみたい。扉の向こうはまだ描かれていませんが、ワンダーワールドであり、敵が求める何か(真理、力と称されるもの?)があるようです。

 敵味方とも扉の争奪戦は半ば勝って、半ば負けた感じでしょうか。扉はいったん開くも、光の柱は破壊されて、恒久的なものとはなりませんでした。敵側はカリバーが突入に成功し、しかし飛羽真セイバーも追いかけて突入。ロゴス側視点でいえば、敵の狙い阻止し切れなかったけれど、カタストロフは防げたとったところ。

 制作的には、ゴースト脚本担当としては、眼魔界でやり残したことを、ワンダーワールドでやり切りたいでしょうな。眼魔界はコールドスリープ装置みたいのがずらっと並ぶ異様な世界だったという印象があります。ユートピアかと思ったらディストピアだったのか、みたいな期待が生じるものです。しかし、すぐに舞台は人間界に戻ってしまいました。もしゴーストでやり残したことがセイバーで観られるなら、ゴーストの再評価にもつながりそうです。

 カリバーの謎もちょっと期待とは違いましたが、キャラクターは固まってきたかな。先週のラストからすると、今週のカリバーの正体は賢人に変わるか、と思ってました。しかし、字幕を出して視聴するとOP曲前のカリバーの台詞にはしっかり「上條大地」とありました。OP曲時のテロップも「上條大地/カリバー」となってる。相変わらずカリバーは上條大地であり、真理を追い続けている、賢人は消滅して行方不明、と考えてよさそうです。

 今週は芽依の演出で、ちょっとフォーゼを思い出したりするものがありました。変身時やバトルで芽依の反応が描かれてまして、いわゆるノリノリ状態です。フォーゼでの城島ユウキがよく見せていた態度に似ている気がします。例えば、弦太朗が変身完了しての「宇宙キター」はユウキも一緒にやってました。2人のノリがハモってる感じです。

 倫太郎の(新たなブック/力を得ての)変身時も芽依がはしゃいでます。が、倫太郎が大真面目ですんで、テンションは同じくしても、ノリはハモってはいない。そこがフォーゼと違うとは思ったんですが、どうもフォーゼを連想してしまう。もしかすると、ユウキ→芽依、流星→倫太郎、と考えれば、似ている気がする理由が説明できるかもしれません。

 ともかく本編。今話ではまたも尾上の戦略が一変しまして、当たって砕けろの強硬策ですね。またもや「コロコロ変わるなあ」と感じたんですが、考えてみると、そうでもないかも。この時点で敵主力と思しきカリバーは退場したと思われている。賢人も失われてはいるけど、カリバーを退けたセイバーの新フォームがある。扉の封印も一時のものなので、速戦即決の攻勢に出るのも合理的な選択なんでしょう。

 が、カリバーは復活しているわけですね。今話ではカリバーは変身したままですが、中の人は上條大地で間違いなさそう。デザストがカリバーの剣に触れようとしたら、どこかから戻って来るが如き感じで復活したわけですね。おそらくストリウス辺りは事前に知っていそうで、だから彼は自信ありげなんでしょう。

 一方、ロゴス側剣士/ライダーとしては目算が狂ってしまったわけですが、後がない状態で出撃した以上、戦うしかない。戦力となるブックはいくつか、大秦寺が調整、仕上げ中だし、そのため倫太郎も待機で、あれこれ不利な条件ですが、仕方ない。敵メギド三人衆+カリバーとの激戦となる。

 しかし、ロゴス側不利を見て取った大秦寺スラッシュが加勢に駆けつける。これで互角の勝負に持ち込んだ感じですが、敵メギドが援護してカリバーを扉に向かわせる戦術に切り替えたかな? 最初はレジエルが我こそは適任者みたいな態度でしたが。

 そのせいか、カリバーがロゴス側を振り切って扉に向かう。エスパーダの「ランプドアランジーナ」も使って阻止を試みたセイバーも撃破され、もはや打つ手なしか。というところで、倫太郎登場。今話の大トリは倫太郎ブレイズでしたか。作劇的には、この見せ場を作るため、セイバー最強形態:ドラゴニックナイト行使を控えたのかも。しかしドラマ的には、賢人に代わって一矢報いるため、と思えますので違和感はありません。

 倫太郎は変身し、「キングライオン大戦記」を使用して新形態になり、さらに飛羽真が落とした「ランプドアランジーナ」を強化アイテムとして拾う。これを見た尾上バスターは「ニードルヘッジホッグ」、蓮・剣斬は「トライケルベロス」を渡し、全戦力投入となったようです。

 これで倫太郎ブレイズはメギド三人衆を圧倒、余勢をかって光の柱も破壊する。しかしカリバーは既に扉に突入しており、飛羽真セイバーは閉じかかる扉にかろうじて飛び込んで、次週へ続く。激しい攻防の長丁場でしたんで、なんだかあっという間に終わった気がします。しかし芽依のコミカル演技が随所に挿入されてて、うまくテンションを上げ下げしているんで、緊張し続けるゆえのダレがなかった感じです。

 次回「覚悟を超えた、その先に。」では、公式サイトの予告によると光の柱はまだ残ってたみたいです。今話の描写を勘違いしてましたorz。光の柱を破壊しつくすと、カリバーはともかく、飛羽真の帰還も不可能になるが、しかし放置もできない、みたいなジレンマになるみたい。

 もっとも、自分としては「扉の向こうはどうなってる?」のほうに興味が向いてしまってます。

●戦隊もの

 ゴーバスターズ、アバレンジャーに追加戦士参入で流れが変わって来たと思ったら、ターボレンジャーには流れ暴魔なる敵とも味方ともつかない新戦士登場です。ゴーバスターズの追加戦士(陣マサトとスタッグ)は変わり者ながら一応は味方、アバレンジャーのほう(仲代壬琴/アバレキラー)は敵に準じる存在ですね。

 特に今週分のアバレンジャーでは、仲代壬琴/アバレキラーについて、アバレンジャー側に傾く可能性をいったん見せておいて(伯亜凌駕を手術で救った過去がある)、しかし絶望的に生き方/行き方が違うことを見せつけてました。

 こうなると、またもやゴーカイジャーとキャラ類似性を感じたりします。バスコと仲代/アバレキラーは似ているような気がします。三条幸人/アバレブルーは当初、わがままな印象もありましたが、仲代/アバレブルーの徹底ぶりを見てしまうと、三条がむしろ真面目な善人に見えてくるほどです(^^;。そこもバスコ登場以降のマーベラスの印象の変遷に似ている気がします。樹らんる/アバレイエローと、ルカ・ミルフィ/ゴーカイイエローの類似性も、観続けるほどに強くなるように感じます。

 ターボレンジャーは追加戦士ではなく、敵味方に中立的な感じの流れ暴魔ですね。今週は、ヤミマル/流星光登場ですが、後2名ほど、流れ暴魔が出てくるらしい。その流星光が、学生服で逆立ちしてピアノ演奏するシーンで、もっと古い柔道ドラマを思い出しました。スポ根の流れをくむ「柔道一直線」(1969~71年)です。

 その中で主人公のライバルが素足でピアノに飛び乗り、足の指で演奏するシーンがあるんです。ここまで身体を操れてこその柔道だぞ、みたいに主人公に誇示する。このライバルが気障キャラだったりしてまして、ヤミマル/流星光と被る感じがした次第。気障キャラのアイテムはピアノやチェスになるみたいですね。なぜかウクレレや将棋ではいけないらしい(^^;。

 しかし、そういう点を見どころにターボレンジャーを観続けることは無理そうです。ちょっと面白がれはしますけど、毎週2回分は時間的にも無理です。しかし最後まで観る気が起きてます。

 これは、ターボレンジャーが89年、アバレンジャーが03年、ゴーバスターズが12年の作品であることが影響しているようです(そして2020年のキラメイジャーも観ている)。それぞれ約10年の間隔ですね。10年で変わっている点、不変に受け継がれている点などが、ぼんやり見えてきた気がします。それぞれ最後まで観てみると、戦隊ものの組み立て(1話ごとの作りと年間の編成)が少しは分かる気がするんです。

 もしそれが多少でも分かると、35戦隊を巡ったゴーカイジャーも、もう少し分かる気がします。言い換えますと、応用(ゴーカイジャー)から入ったけれど、基本を少しはわきまえてみたくなった、みたいな感じです。

 もしそうできるようになれば、今は時系列が逆の「アバレンジャーがゴーカイジャーに似ている」から、「ゴーカイジャーは各戦隊のこういうところを取り入れたらしい」と正しく思えるようになるかも。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/14 (Mon) 23:37:53

 牙狼MS最終回祝いの件ですが、こういうのは義務でも当然の作法でもないので、それぞれ気付いたときにあいさつすればいいぐらいのものだと思いますね。

 まあ、自分の方は習い性になっているわけですし、こちらでお世話になっている客人なもので、感謝を込めた次第。
 あと、K.Kさんの方からも常日頃から謝辞をいただいているので、恐縮ということですね。

 さて、本題の前にもう一つ。前に書かれた「謎本の話」ですが、自分もそのテーマで書きたい話がございまして、でも今回は長くなりそうなので割愛。
 いずれまた、と予告だけしておきます。

★クウガ

 本放送中に思ったこと。
 ヒーロー物なのに、戦闘シーンが非常に短い。
 まあ、一戦一戦の密度が濃いので、印象的なのですが、ドラマシーンが濃すぎるんですね、クウガの場合。

 これは後の響鬼にも言えることですが、ヒーローが怪人を倒すシーンがおまけで、その周辺の人間ドラマを描くことに尺が割かれていて、まあ、大人は楽しいんだけど、子ども受けはどうだったのか、と不安だったんですが、YouTubeのコメント欄を見ていると、「幼少時にクウガを見て育った世代」の書き込みが散見されて、一部層には思い出の作品として心に根付いているみたいですね。

 で、ガリマの時の桜子さんピンチの時もそうでしたが、主人公の身内があわや被害者に、という展開を見ると、ドラマ的にドキドキします。

 ゴのゲゲルのルール性については、前回の謎解きも含めて、推理ドラマの楽しさも加わっていますね。

 そして、ゴ怪人は武器を使い、前回のバヂスの針連射に続き、今回は触れると凍るムチで、当たったらヤバい感のバトルで、何とかかわしながら、ロッドの先の槍穂先で貫き、海の向こうに投げ飛ばす。
 ドラゴンは腕力がないはずなのに、ライジングになるとパワーアップするんですね。
 そして、海面上でドカン。

 さあ、これで次のカメ怪人(ガメゴ)に対するライジングマイティーキックが楽しみです。どれだけ爆発するんだよって描写が。

 一方、アナザーライダーとも言うべきバダーが妙に格好いい。赤いマフラーとか変身ポーズとかバイク戦とか。
 そして、今使っているバイク(TRCS=トライチェイサー)が破壊されて、新型バイクのビートチェイサーが近いです(今回、名前だけBTCSと出てきた)。
 TRCSだと、金属疲労を起こしてバイクもダメになり、ゴウラムも合体のたびに石化するのが、BTCSはゴウラムとの合体を前提に開発された新型で、これでゴウラムの運用もしやすくなり、性能もアップでバダー戦において活躍予定。
 この伏線の張り方も、ワクワク感だな、と。

★セイバー

 バトルが凄かった回。

 もう、セイバーはあのスーツで宙返りしているだけで、中の人の身体能力を尊敬します。
 敵4人と味方5人の総勢9人の入り混じったバトルに、一般人の芽依さんまでチアガールになって、このまま君も変身したらどう? と思ったり。

 ええと、エンディングダンスが、飛羽真と倫太郎と芽依さん中心で、ラストがセイバーとブレイズとエスパーダなので、もしかするとエスパーダの後継者が芽依さんだったりはしないか、とか妄想を掻き立てられつつ。

 で、中の人が賢人に代わったのか? と疑われたカリバーですが、まだ上條さんっぽい。
 でも、これで本当は賢人だったとしたら、「みんなが賢人のために」とセリフを言いながら、カリバーに斬り掛かっているので、ものすごく皮肉な構図だな、と思ったり。

 カリバーの声は変わってないですけど、これは剣の声だと解釈することもできそうだし。
 カリバーの変身が解除されると、中から目を赤くした賢人が出てくると、「賢人? 一体、どうなっているんだよう?」と再び詰め寄る飛羽真さんが想像できます。
 で、賢人が「見えているものが真実とは限らない。人は裏切るもの」とか言い出すと、自分としては拍手ですが。

 とにかく、次にカリバーの変身が解除される日を楽しみにしつつ。
 今回のOPテロップの上條大地名義が視聴者向けのフェイクという可能性も想定しておきます。

 しかし、そうなると、カリバーに「上條さんよ」と話しかけている尾上さんと言い、今回の会話シーン全てがツッコミどころになりそうで、脚本家のトリッキー芸に賛否両論の嵐が吹き荒れるかも。

 なお、サブライターじゃなくて、メインライター回なので、そこまで仕掛けるのもありだな、と自分は思います。
 まあ、普通はそこまでしないとも思いますが、果たして?

 それより、ソフィアさんとか、サウザンベースの女とかどうなったんでしょうね。
 今年中に、再登場するのかな?

★戦隊

 アバレとバスターズは十分面白く、ターボレンジャーはその2作と比べると、少し格が落ちるかなあ、と思っております。

 理由は、やはり古い作品ですから、ドラマ展開が遅く、マンネリ回が多いのと、キャラの個性が後の作品ほど区別化されていない。レッドとピンクと、その他3人って感じですね。
 おまけに、男4人が全員制服で、他の作品だと、それぞれの色の衣装を着ていたり、髪型なんかで個性が分かりやすいのに。

 で、そんな個性の薄い連中に対して、個性抜群の流星さんが登場。
 柔道一直線を想起させるピアノ芸は、昔から戦隊爆笑ネタでした。
 皆さん、やはり柔道一直線につなげるんですね。それだけ近藤正臣のピアノ芸が懐かし番組紹介で浸透しているということか。

 ともあれ、ターボを全話見るのは、結構飽きるかも、と思いつつ、要所要所を絞って見るなら、
 中盤の2号ロボ、ターボラガー登場時期がいいかな。その時期に、敵の暴魔幹部がどんどん討ち死にして、首領もラゴーンも一時的に倒されます。

 で、メイン敵が流れ暴魔のヤミマルになって、さらに彼のパートナーの流れ暴魔キリカが登場して、新展開。
 その後、終盤に倒した首領のラゴーンが復活して、再び三つ巴の展開に。

 このラゴーンがデズモゾーリャ、ヤミマルを仲代先生、キリカをジャンヌとリジェの要素として見るなら、
 ターボレンジャーの物語は、アバレンジャーの原型と見なすことも可能。もちろん、細部はだいぶ違いますし、アバレンジャーの方が完成度は高いですがね。

 とりあえず、ターボの次回は、新武器Vターボバズーカ登場のイベント回ですが、
 玩具展開の多い21世紀作品のアバレやバスターズに比べると、2号ロボしかいないターボは明らかにマンネリ通常回が多くて、飽きやすいかな。

 おまけに、放送枠が25分しかなくて、尺が5分短いため、ドラマも比較的単調で、ロボ戦も普段は非常に短い。
 合体に1分ほどかけて、戦闘に1分。酷い場合は、合体した途端、いきなりとどめ技のターボクラッシュで瞬殺という形だけロボ戦。

 必要なら、「この回だけ見れば、ターボレンジャーの物語追っかけは十分、という傑作選リスト」を作ってみます。とりあえず、次回はプラズマシュートがヤミマルに破られたので、新武器のバズーカ作りな回で重要エピソードにはなるってことで。

 それにしても、どうして流星=ヤミマルって気付かないんでしょうね、あの人たち。
 昭和の高校生は、今よりも人を疑わないのか?

 

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/16 (Wed) 09:41:47

 前回の補足です。
 グリッドマンとダイ大の感想レスですね。
 ただ、その前に。

★ターボレンジャー

 一応、自分が最低限チェックしようと思ってる回です。

・15〜16話
 ヤミマル登場に際して、新武器Vターボバズーカ開発エピソードです。
 強敵が出現して、今までの必殺技が破られた。だから、特訓したり、新武器を試行錯誤の末に開発する話は、割とツボだし、燃える話が多いですね。
 ターボの場合、まず15話で試作品のZバズーカを作るものの欠陥品でピンチが続き(15話)、ようやく完成するのが16話。これで好敵手とまともに戦えるようになる、と。

・20話
 これは別にストーリーの大筋には関係ないですが、ヒロインが戦闘中に記憶を失って、敵に一時的に寝返る話です。脚本・井上敏樹。
 ターボが30年以上前の作品なので、現在も現役で活動している脚本家はあまりいませんが、その中で今や大ベテランとなった彼が若手だった時の話ですね。彼は面白い話を書く新人として下積みを重ね、この2作後のジェットマンでメインライターに抜擢されます。ジェットマンは、雨宮慶太監督がメインを務める「戦隊に新しい風を吹き込ませた傑作」ということで、非常にお勧めな作品ですが、それはまあ先の話。
 ともあれ、ヒロインが暴走して、普段と違う悪演技をするだけで個人的にツボな回です。入れ替わり回とか、記憶喪失回とか、操られ回とか、役者さんの普段と違う演技が見られる回は昔はどうなるんだろうと単純にドキドキハラハラし、今は役者の演技力を堪能できる個人的に好回と考えます。

・28〜32話
 この中盤クライマックスを見逃すと、話が分からなくなる超重要連続エピソード群。
 敵の幹部が次々と討ち死にし、新基地や新ロボが登場し、流れ暴魔のヤミマルがパートナーのキリカを得て、パワーアップ。後半戦への布陣を整える流れ。

・38〜39話
 38話は、ターボレンジャーの最強兵器スーパーターボビルダーが起動する回。
 そして39話は、幹部を失い、落ち目だった敵首領のラゴーンが倒される回です。ただ、自分の記憶では、スーパーターボビルダーって39話で巨大ラゴーンを倒すために起動したような気がするんだけど、wikipediaには38話となっていて、その辺曖昧なので、配信で確認したいと思います。

・46〜51話
 最終決戦エピソードです。
 ラゴーン復活と、流れ暴魔の2人との和解決着。そして、敵首領のネオラゴーンを撃破して、平和が戻るまでのクライマックス展開ですね。

 とりあえず、個人的推しの20話を除けば、物語の大筋を辿るための重要回を羅列してみました。
 まあ、他には井上敏樹脚本ばかりチェックするとか、当時に一世風靡した渡辺麻実さんの脚本に注目してみるとか(割とドラマ的に傑作エピソード揃いと思う)、ゲスト出演者に注目してみるとか、いろいろな追っかけ方があると思います。

 ともあれ、戦隊の中では、ターボって実験精神は旺盛だし、マニア的には語る点も多いですが、それがターニングポイントで不可欠か、と言えば、違うかな。
 とにかく、歴史的にはジェットマンおよびジュウレンジャーの革命が大きいし、それ以前はマンネリ打ち切りを言われていたぐらい低迷した時期の作品です。
 ジェットマン以降のキャラ立ちした、アクの強いメンバーと比べると、ターボの面々っておとなしく映りますし、学生設定を持て余している感も今だと感じます(5人が別々のクラブに所属していると、設定上は個性化かも知れないけど、教室以外では一緒にいられないので、日常ドラマが展開しにくい。だから、同じ学生戦隊のメガレンジャーや、フォーゼでは仲間の部活をいっしょにして、他の部活と兼任とか、元チアとか元アメフト部という設定に改善した)。

 ターボについては、これ以降、どうするかはお任せします。まあ、K.Kさんの方で、話題があれば、自分も乗っかりたいかな。
 アバレやバスターズは、21世紀戦隊だけあって、イベントもドラマも盛り沢山なので、日常回も飽きないと思います。
 アバレの浦沢脚本は、非常に笑えるという意味でお勧めですし(次回のヤツデンワニとか、ゴーカイのジェラシット以上に大出世しましたからね)、
 バスターズはこれから前半のクライマックスに向けて加速中なので、フォローなくとも普通に楽しめると確信しています。

★ダイ大

 非常にスピーディーで巧みかつ濃密な構成だと感心しています。
 ただ、昔の感覚で比べると、今回は「クロコダインの復活」が予想以上に早いと思いました。

 前回が「治療中の重体」で、もうヒュンケルを止めてダイたちを助けに現れるとは。
 クロコさんが好きな者としては嬉しい反面、もう少し溜めが欲しかったなあ、とは思いますね。
 このペースだと、「満を持して、クロコさん来たー」と思うや否や、ダイを助ける楯となって、あっさり重傷→一時退場→復活を短期間で繰り返すギャグにならないかな、と。

 クロコさんは楯役、壁役なので、ピンチの時には心強いんだけど、自分の撃退数は少なくて、ザコには無双、名あり敵には「ダイ、ここは俺が引き受ける。今は撤退しろ。ギャー」の繰り返しだから、その主人公を立てるポジションの魅力が分からないと、味わえないキャラだと思います。
 ゲームをすると、カザミとか、楯役重戦士の重要性って分かるんだけど、チームの連携って発想を持たない「敵を倒して何ぼ」って思考だと、クロコダインがザコキャラに見えてしまう。
 まあ、今回のダイ大放送で、クロコさんの魅力が誤解なく伝わるといいなあって思ってます。

 何回も楯役を繰り返して、その都度、叫び声を上げて倒れても、また立ち上がる不屈の魂と強靭な生命こそが彼の魅力だし、倒れてもまた立ち上がって、主人公を守るキャラって格好いいと思いますな。

アタッカー:ダイ
サポーター&後衛アタッカー:ポップ
サポーター→前衛アタッカー:マァム
前衛壁役ディフェンダー:クロコダイン

 現段階だと、こんなところですね。
 そして、クロコダインの魅力は、敵の武人キャラはみんなクロコさんのことを高く評価しているわけですね。

「クロコダインほどの男が、こんな子どもの軍門に下るとは、見損ねたぞ」
「いや、俺はダイやポップと戦って、人間の素晴らしさを知ったのだ。お前にも彼らの凄さが分かるはず」
「ええい、黙れ(動揺)」

 結果、ダイやポップの凄さが分かって、クロコダインの株も上がるという流れ。

 で、年内はあと2回でヒュンケルとの決着がついて、年明けフレイザードですね。
 ある意味、フレイザード編が一つの物語のゴールだと考えます。巨悪に対して、姫さまを救出するために、みんなで力を合わせた一大決戦エピソードになるので。

★グリッドマン

 K.Kさんからは、ビデオ撮影という技術の進歩の話を伺いました。
 そういう視点ですと、「サイバーコップ」という作品がありまして、そこで見たシーンは「高層ビルから落下しながら戦う」という映像でした。

 それまでは「ビルの上で戦う」→「ジャンプして地上に降りて戦いを続ける」というように、その間を省いたアクション展開でした。
 アニメだと、当たり前のように見せた空中戦が、実写特撮だとワイヤーで操作したミニチュア人形を使うぐらいで、動きの伴う空中戦というのは撮影困難。せいぜいカット割りで空中戦っぽく見せるぐらい。

 で、ビデオ撮影でそういうシーンを見せてくれたのがサイバーコップなんですが、もう合成丸分かりで、ちっともリアルじゃない。まあ、リアルじゃない合成なんだから当たり前なんですが、その実験的映像の凄さが分かる知識と審美眼を当時は備えていなかった。
 グリッドマンも、当時はその魅力が自分には十分分かっていなくて、後から、書籍資料なんかで、その先鋭性、映像の魅力などを分析する記事を読んで、「ああ、そういう点を理解していなかった自分の物を見る目のなさ」を感じたわけですね。

 こればかりは、映像発展の流れに応じて、後から分かる要素も大きいですし、実験精神でやっているものを単純に「こなれていないから」という理由で否定していては、新しいものは絶対に受け入れられないなあ、と思ってます。

 グリッドマンについては、21世紀に入って、「早すぎた傑作、意欲作」という評価が特撮ファンの間では定着していて、
 だったら「早すぎたのだったら、今、復活させると、どうなるか?」という、これも実験精神だったと思うのですね。それをアニメでやって、結果的に受け入れられた。

 なお、敵側のカーンデジファー様の当時の評価は「悪のドラえもん」。武史くんがのび太くんみたいなキャラで、ちょっとしたイヤなことがあって、魔王さまに泣きつく。
 で、カーンデジファーさんは、武史を適度になだめながら、秘密道具の怪獣(武史のデザインをCG世界で実体化させる)を出して、トラブルを巻き起こす。

 そして、コアな特撮マニア(90年代当時の自分はまだそこまでの域には達してないと自覚)は、「少年の悩みを聞き入れ、解決に尽力してくれる親切なカーンデジファー様」。それに比べて、正義のヒーローのグリッドマンは、主人公たちの正義心に訴えかけて協力を求めるだけで、彼らの役に立つことは何もしてくれない、と逆説的な見方をするのが見識と言えた。
 そう見ると、90年代の批評センスって歪んでいるなあ、と思いますが、ある意味、正義のヒーローへの懐疑、敵側の視点への共感を含めて、両面的に見るのが通の見方と言えたのかもしれません。

 ただ、こういうのはバランスが大事で、通はヒーローの良さを分かった上で、あえて逆説的な見方を提示していたのに対し、逆説的な見方しかできずにヒーローはダメだって方向に走ってしまうと、それはそれで一面的な見方になってしまう。
 通というものは、自分がどのスタンスで見ているか、ある程度、自覚的でなければならないと思ったりします。

 謎本の流行に見られる90年代の価値観(既存の設定に疑問の光を当ててみる。善悪の価値観の逆転視点)などは、やはり、あの世相だから受けたのであって、
 そこから新たな価値観を模索しているのが21世紀なのに、その当時の感覚のままに言葉を発しても、そりゃ今を楽しめないなあ、と感じます。

 これはまた、「謎本の功罪」というテーマで、定例感想の合間に語ってみたいと思いますが、お付き合いいただければなあ、と。
 まあ、頭の中にあるイメージだけなので、先にブログでまとめて整理してから、というのが筋かもしれませんが、たぶん、K.Kさんのご意見を受けながらの方が、深められそうなので。

 何にせよ、今は仕事で忙しくなるので、年末〜正月休みを経ての課題になるかもしれませんので、折りを見て、ということで、話し相手をお願いします。

 では、今回はこれにて。
 
 

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/17 (Thu) 16:11:25

 定期感想その1です。

 今日は牙狼MSがないんだということを、改めて認識しております。牙狼ロスということですね(^^;。録画機にまだ標準画質で残してある、クライマックス数話でも観なおしてみようかと思います(永久保存の低画質は全話あるけど、やっぱり特撮部分がなあ)。

 それというのも、シグマ視点での牙狼MSという、興味深い考察を拝読してみますと、自分も「シグマがどう思って、何をしたか」って、考えてみたくなりましたもんで。こちらに今まで書いた投稿は、ほとんどが鋼牙側視点でしたんで、違う見方というのも一興です。

 ターボレンジャーのお勧め回のご教示、ありがとうございます。一応は全話観てみようと思ってたんですが、その回はしっかり観ようかと。第15・16話はもうすぐですね。

●謎本の類

 謎本については、先にかなり書いちゃったし、多少なりとも内容を覚えている謎本も少ないんで、自分からネタを出すのはちょっと難しいかもです。しかし、NOVAさんかご考察があれば、それに応じる形でいろいろ思いつけるかもしれません。もし幸いに、こちらでお書き頂けるなら、歓迎したいと存じます。

 もし謎本そのものに限定せず、謎本の類ということになると、まだ多少はあります。例えば一時は自分もちょっとハマった「空想科学読本」シリーズ。題材としたフィクションの扱いは、批判する本が出たりもしていました。自分的にはフィクションの扱いよりも、科学考証的な部分で紆余曲折があったりします。

 もっとも書籍での考察はもう覚えてないものも多かったりはします。今でもはっきり覚えているのは、空想科学読本人気からテレビで特番的にラジコンカーをトンネル天井に走らせる実験を2度やったこと。あれで見切りをつける気が起きたのは覚えています。実験が失敗したからじゃありません。失敗の原因を掘り下げてないからでした。

 類似の翻訳本がツイッターで紹介されていたのを見たことがあります。子どもの疑問に真面目に答えるという体裁で、「野球投手が光速の90%で投げたら」とか「スターウォーズのヨーダのパワーはどれくらい」の内容が紹介されていました。それなりに面白くはありますが、どうも突っ込み方が浅い。

 自分で多少考察を深められたりするんです。だから浅いと思ったわけですが、気が付いたもっと大事な点は「自分でやったほうが面白い」です。自分でもやってみた結果を、他人が面白がってくれるかどうかは疑問です。

 しかし、やってみた当の自分は面白がれるんですから、その本の価値は自分にとって「ネタを振ってくれる」程度でしかありません。そのネタも、空想科学読本などが示してくれた通り、自分で探せるものであったりもします。結局、「じゃあ自分としては、その手の本は要らないや」となってしまいそうです。

 そういった点もご投稿への反応に含められるかもしれません。と書いていて思い出したんですが、以前にNOVAさんの別館の掲示板で、空想科学読本派生でガメラの密度がどうこうって、ありましたな。自分はノコノコ出かけて、返信してみました。書いてみた結果は人様からは「ふーん」程度でしょうけど、やってて充分に面白かったわけです。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第39話:再会…父と娘、第40話:過去との訣別)

 ストーリー進行、ドラマ展開が速い速い、という気がしました。毎週2話ということはありますが、それにしても速い。よく考えたら、来週以降の9話で完結ですから大詰め展開、ここから風呂敷畳まないといけないのでした。

 しかし、そう考えてみても大急ぎな気がします。ラスボス然とした天王路博史が急浮上したと思ったら、ここまで黒幕っぽい動きだった広瀬義人が退場。しかも第38話ラストで唐突に正体が暴かれた広瀬義人が、第40話の最期では全ての因縁を解消したかのような演出。なんと申しますか、せっかくの複雑なキャラクター設定を、あっさり使い切っちゃった感じです。

 よく考えたら、展開が異様なくらい速い気がするのも、やっぱり自分が原因だったみたい(本当に「やっぱり、またかよorz」なんです ^^;)。中盤からの盛り上がりに注目ということは、予習でも知ってはいたんですが、具体的には第29・30話(たこ焼き編)で流れをぶった切り、第31話以降でドラマが転がり出したと思えました。

 つまり、ドラマ開始は自分にとって事実上、第31話から。そこから勘定すると、第40話までたった10話です。多少誇張しますと、「剣/ブレイド開始から10話で終盤の対決に突入」という印象になってしまってたようです。さすがにマズい。己が頭をリセットして「40話かけてここまで来たんだぞ」と再認識しないといけません。

 ともかく本編。まず前半(第39話)では、前話ラストの復習で暴走する剣崎ブレイドを相川カリスが説得で抑えきり、一方、広瀬義人がトライアルBであったことが発覚したところから。広瀬義人は元BOARD理事長の天王路博史に詰め寄るも、天王路はあっさりと「君は(広瀬義人の記憶を受け継いだ)トライアルBじゃないか」と認める。その上で、研究続行を指示というか説得するわけですな。広瀬トライアルBもその気になる。

 しかし、後で明らかになるのは広瀬トライアルBがオリジナル広瀬の記憶だと思っているものは、天王路によって一部改ざんがあるということ。もしかすると、研究優先の考えも、そのときに刻み込まれたのかもしれない。この後、広瀬トライアルBが愛娘の栞を利用してでも、研究素材を奪取しようと試みてました。が、最後の最後で本物の記憶が蘇るわけですね。

 それはともかく、この時点では広瀬トライアルBは天王路の目論見通りに再始動する。そこを確認して自分はちょっと余裕ができたようで、この天王路のアジト(?)には妙な物体が飾ってあるのに気が付きました。いや安置というべきなのか、天王路が神とよぶものに関係しているような感じです。もしかして、これがウィキペディア等に見える「(統制者の)モノリス」なのかしらん。予習によると天王路が現代のバトルファイトを仕組んでいるとのことですから、モノリスがあってもおかしくはなさそう。

 今の広瀬義人の正体がトライアルBとは知らない剣崎側は混乱に陥っているようですね。なにせアンデッド解放事件を起こし、死んじゃったと思っていたわけですから(しかし結局、それが真相の半分ではあった)。当面は栞には内密に広瀬義人を探し出すことにした模様ですが、それが仇になっちゃうわけですね。

 なぜなら、強さで出遅れて焦る睦月レンゲルが、強引に栞に会い、広瀬義人の所在を尋ねちゃったから。これは睦月レンゲルが無神経なわけではなく、広瀬義人が死亡しているはずという情報を知らないですから、仕方ない面もある。まさかトライアルBでもあるなんてことは、睦月が知る由もない。

 さらには、広瀬義人捜索に出た剣崎や橘がトライアルBと交戦しながらも、広瀬義人と同一人物とは気が付かないということもある。トライアルFはコピー元の橘ギャレンと動きが似ており、次話(第40話)のトライアルGは同じく睦月ギャレンと癖が似ている。トライアルBもおそらくはオリジナルの広瀬義人の動作をコピーしているはずですが、誰も広瀬義人の動きの特徴なんて知らないわけで、見破りようがありません。

 が、天王路の意向に沿うべく、オリジナルの広瀬義人の意識が薄れているらしいオリジナルBへと、ドラマは不可避的に流れていくわけですな。睦月が広瀬義人を探すべく栞を訪ねたせいで、栞は広瀬のアジトに向かってしまう。これを剣崎と橘も知り、直ちに後を追う。

 先に着いた栞と睦月の前に広瀬義人が現れ、橘相手のときとは違って、今度は己が強さをよく理解した様子で、掴みかかる睦月を軽くあしらう。睦月がレンゲルに変身して挑むも、広瀬義人は人間態のまま攻撃を止め、さらにトライアルBに変身。まず栞が「父ではない」と確認してしまった格好ですね。

 トライアルBは栞に構わず、睦月を連れ去れる。どうやら睦月が目的だったようで、トライアルGの作成のため、天王路が指示したんでしょう。かつ、剣崎と橘を誘い出して捕獲するための餌にも使われる。その2人も天王路からすると有用な実験材料なんでしょうな。橘は既にトライアルFで使われちゃってますけど。

 餌に食いついた格好の剣崎と橘は待ち構えたいたトライアルBと交戦状態になるも、Bが広瀬義人の声で語りかけ、直後に変身を解除、広瀬義人の姿となる。自分も混乱しつつ観てまして、これが剣崎と橘が広瀬義人=トライアルBと確認した最初だったようですね。2人とも変身を解き、相当にショックを受けた模様。

 しかし栞が飛び込んで来まして、広瀬義人は偽者だ、倒せと叫んで後半(第40話)へ。剣崎、橘は再び変身してトライアルBに挑む。が、既にオリジナル広瀬の意識が薄れているトライアルB、こともあろうに栞を人質に有利に戦いを進めようとする。が、拘束されていた睦月がここで怒りの奮起、戒めを解くやしゃにむにトライアルBに突っかかり、結果的に栞を救い出せてますね(この後の城光/タイガーへの気遣いからすると、素知らぬ顔して栞に配慮してたのかも)。

 とりあえずトライアルBは逃走してくれたものの、本物の広瀬義人はどうなってるんだという疑問が生じるわけですな。生きているか死んでいるのか、そっくりさんのトライアルBは誰が、なぜ作ったのかとか。トライアルBが広瀬義人の記憶を(一部にせよ?)持っている理由は、栞が持っていた両親の映像記録を盗んでいたかららしい。怒った栞がデータ消去しようとするも、どうも踏み切れないものがあるらしい。

 天王路のほうは広瀬トライアルBと諮り、トライアルGを完成させるも、潜入していた城光/タイガーを察知。逃げる城光にトライアルGを差し向けるわけですが、動きが睦月レンゲルに似ているというわけですな。つまり睦月拉致はトライアルG開発のためだったと。

 城光/タイガーは辛くも逃げ切ったようですが、重傷を負って、睦月のアジトで倒れる。睦月、無関心そうな表情でしたが、結局、城光を手当てし、ずっと傍についていた模様。これって、最初は睦月レンゲルを蔑視していた城光/タイガーが見直し、最後には封印を受け入れる伏線かな?

 一方、剣崎側拠点に栞宛てのメールが入る。広瀬義人名義で「会いたい」というものですね。栞は止める剣崎らを制止して、応じる旨を返す。父を騙るトライアルBを倒してくれ、というわけですな。しかし、そここそがトライアルBの狙いだったらしい。面会するや否や、トライアルBは「会いたかった」と言い、栞の警戒・制止を無視して接近する。

 広瀬義人はついにトライアルBの姿となり、こうなると隠れて見ていた剣崎らも飛び出さざるを得ない。変身して立ち向かう剣崎ブレイドらですが、この機を待っていたかのようにトライアルGが介入。天王路と広瀬トライアルBの自信作だけあって、ブレイド&ギャレンでも苦戦の模様(キングフォームではないですが ^^;)。

 味方苦戦を見た栞が思わず飛び出すと、トライアルGの(ブレイドらを狙った)一撃が入り、と思ったら、トライアルBが庇って、背中で受ける。おそらく致命の一撃で、トライアルBは倒れ、人間態:広瀬義人に戻る。

 そこに割って入ったのが睦月レンゲルですね。城光/タイガーに連れて来られ、自分そっくりの攻撃動作のトライアルGを見て、全て察したらしい。睦月レンゲル、再びの怒りの奮戦を見せる。さらに剣崎の変身を察知した相川カリスも加わり、4人ライダー揃い踏みですな。ですが、成り行きの一致団結ですんで、燃えとしては少し低め。睦月レンゲルがスパイダーアンデッドを克服し、橘ギャレンがきちんと相川カリスを認めるまで、心底燃えるのはお預けかも(^^;。

 しかし4ライダー集結であり、さすがのトライアルGも敗れる。トライアルBは今際に正しい記憶が蘇り、事情が明らかに。アンデッド解放事件時に己が死を覚悟した本物の広瀬義人が、栞を守るためにトライアルBを作ったわけでしたか。しかし広瀬義人の死亡直後、天王路が踏み込んで来てトライアルBの記憶を一部改ざんしたと(となると、天王路が事件の首謀者か?)。その記憶のまま、トライアルBは動いてきたわけですね。

 しかし栞の危機を見て広瀬義人本来の記憶が蘇り、本来の記憶と意思に従って、身を挺して栞を守ったと。栞もようやく真相を理解し、意を決して両親のデータを消去する。偽の父親を思い出す嫌な気持ちはなくなったんでしょうけど、記憶を歪める材料とされたものだから消しておきたいんでしょうな。

 一方、天王路は計画通りとほくそ笑む感じでカードを眺め、本当の戦いが始まったと嘯いてますね。残り9話、ここからこのバトルファイトの真相が明かされてのクライマックスでしょう。何を楽しみにして観ればいいか分かって来まして、期待するところ大になってます。

・天音ちゃん問題(^^;

 こちらで、相川始に執着し過ぎて魅力を減じているという評価をお聞きしてまして、さすがに自分も理解した上で同調であることを申し上げたいと思います。もちろんですが、子役さん本人に起因するものでない点も同様です。

 この終盤に来ても、天音は相川始一筋で、それ以外がない感じですね。序盤ですと天音は亡父と相川を気にかけており、父親の声を聞きたいと死者の声が聞ける洞窟に行って事件に巻き込まれるなんてのもありました。が、それ以降は父親の影は天音にはなし。そのため、天音の行動は相川始絡みだけになっています。

 他の主要キャラクターですと、たこ焼き編以降、キャラクターを取り巻く状況の変化で、いい具合に行動の変容が起こっています。キャラクター自身の行動原理などのキャラは壊さず、動機となるイベント発生で変わって来たわけですね。

 が、天音だけは取り巻く状況に無関係です。それもそのはずで、相川始しかいないから。その相川始は行動原理として栗原親子を巻き込むまいとし、平穏を保とうとしてきました。ですんで、天音の環境は変わることができない。そのため天音の行動、言動も変わらない。

 たぶん、栗原天音は当初プラン(前半メインライター)では、闇に堕ちかける相川始を土壇場で救うといった役目があったんじゃないかと思います。そのため、相川始に異様なくらい一筋という設定を与えておいて、出番まで放置された。そのせいで、中盤から流れを変えようとしても、周囲のキャラクターとの相互作用がない天音は、行動原理などのキャラを壊さない限り、変えようがなかったんじゃないかと。

 しかし後半のライターとしては、キャラを壊すことまでは踏み込まない。そして相川始は、天音ではなく剣崎らに既に救われた。残された天音は相川一筋のまま、浮いた存在になっちゃったんじゃないかと、現時点まで観終えた印象ではですが、思えます。

 TV本編終了後の数年後を描く劇場版では相川ロスで不良化とか、やっぱり本編で確立したキャラを使うと、そうなっちゃったのかな。ジオウのブレイド編では、剣/ブレイドを知らずに観ましたんで、「そういうキャラクターなのかなあ」という印象でしたが、ああするしかなかったのかもと、今になって思えたりもします。

 栗原天音は、前半ライターが全体プランを完遂できなかった犠牲になった、というのは言い過ぎでしょうけど、作劇的に不幸なキャラクターなのかもしれません。

●サイバーコップ

 グリッドマンと同じくビデオ特撮とのこと興味を持ち、ネット検索してみますと、Youtube公式にありました。ただし「タコラチャンネル」と称していて、メインは70年代の5分番組のものらしい(作りはラフ&レディ、内容は無意味に近いスラップスティックで、割と好みかも)。調べると東宝系だそうで、それで他の東宝系特撮も収録してある模様。

 それはともかくサイバーコップ。第1話からビルから落下するシーンがありまして、確かに合成がいかにも初期の感じですね。手を抜いたわけではなく、これで精一杯だったらしい。しかし、グリッドマンにつながる技法も出てきたみたいで、グリッドマンはこれなしには出てこなかったかもしれないと思うと、積み重ねって大事だなと思えます。

 OP映像では、パイプ状の通路を進む機体がありますが、まだパイプの中を進む映像にはなってないですね。パイプの外のカメラから写しておいて、編集で周囲をカットして、パイプ内から見ているようにしてるみたいです(たぶんフィルム撮影技法を踏襲)。

 第2話ですと、崩壊するビルから落下する瓦礫に飛び移りつつのバトルを見せてまして、やはりこれも合成だとはっきり見える特撮ですな。ミニチュアの廃墟に等身大ヒーローを合成したりもしてて、やはり同様のレベルか。しかし工夫も見られまして、高所から飛び降りての着地で、ちょこっと地面が凹むようなエフェクトかけたりしてます。

 まだ技術が未成熟の時代ですが、そこをフィルム特撮と張り合おうと工夫しているらしいものが随所にあるようです。これがグリッドマンにつながり、さらにビデオ特撮技術が磨かれていったんでしょうな。

 この当時はアナログのはずですが、電気信号ゆえに光学的にはやりにくいテクニックとかもありそう。そこが後にCGなどのデジタル化につながるものもあるはずです。自分がもう少し詳しければ、いろいろ楽しめそうですが、「こうらしい」くらいが今の限界ですorz。それでもネット放映のおかげで、特撮技術の変遷の片りんを楽しめるのはありがたいことです。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/18 (Fri) 00:36:22

 仮面ライダー剣も、残り5週なので、1月いっぱいには終わる形ですね。順当に行けば、次が響鬼ですが、これも前半と後半で大きく作風の違う作品ですな。

 クウガと響鬼の同時並行だと、プロデューサーが同じなので、比較するのが楽しいかも知れません。
 作り手が同じで、放送時期が違う作品を見比べると、共通の特徴が抽出しやすいかな、と。
 まあ、前半の響鬼は、平成ライダーの定石に則らない変な作品なんですけどね。その話題はいずれまた。

★剣

 脚本はハードボイルドな話が似合う宮下隼一さんです。
 剣は全体的に、敵役の入れ替わりが激しい作品で、しかも主人公たちが誰と戦っているか把握しないまま、対症療法的に襲撃してくる敵と戦うだけで、主体性に欠ける受け身的な物語。

 とりあえず、アンデッドが人を襲っているので封印しているけど、敵組織が自分たちの古巣だったBOARDの理事長。そして、自分たちのバトルが全て、理事長の実験データ集めのため、ということに、まだ気づいていないわけで。
 最後まで見て思うのは、「一体、この戦いは何のためだったんだ?」と思いながら、世界と友を救うため自分の日常と幸せを犠牲にしたヒーロー剣崎の物語に結実するのですが、当時は賛否両論。
 まあ、平成ライダー1期は、賛否両論エンドばかりで、すっきりクライマックスで盛り上がったのは、電王が初めてじゃないかな。

 一番盛り上がるのは、クリスマス決戦で、ライダー4人で天王路理事長をやっつけて巨悪を倒したぞって展開(3週後の予定)。
 そして、残りの天王路の遺産であるモノリスによって、世界滅亡の危機という後処理を果たす最終3話は、ほぼ消化試合的な内容、と。

 まあ、次回は、睦月が自分の弱さを(ようやく)克服する熱いエピソードです。
 残り3週は、普通のヒーロー物として王道のクライマックスだということで。

★謎本関連

 どこまで掘り下げるべきかをイメージしながら、自分も記憶に頼るしかない部分が大きいので、概要程度になりますな。

 まず、謎本第一号が何かを考えるに、92年に出版されたサザエさん考察本『磯野家の謎』になるのでしょうけど、その前段階の91年に出た『ウルトラマン研究序説』が、こういう作品設定研究考察本の端緒に当たるという意見も見ます。
 ここで大切なのは、「フィクションの設定を、現実の科学や社会制度、法律などでリアルに考えたら、どうなるか?」という設定遊びがいろいろとブームになったということですね。

 謎本の功罪というテーマだと、まず功の部分ですが、「絵空事に対して、バカにせずに真面目に考えてみる」という楽しさを提示した点。
 そういう話だから、お約束だから、深く考えても意味がない、と思いがちな意見に対して、「いや、実は深く考えるに値する凄い作品なんだよ。バカにせずに、きちんと掘り下げてみなよ」という提示が先にあって、読むと書き手の作品愛が感じられる本は良書。

 だけど、中には「リアルに考えると、よけいに作品の変さが引き立つなあ(笑)」で、まとめる本とか、書き手のスタンスによっては、作品ファンをバカにする物もあって、便乗してバカにする者と、それに反発する者の論争が勃発することに。
 ひどい場合は、作品を実際に鑑賞することなく、謎本で得た知識だけで分かった気になって、ストーリーに接していないのに、非合理なデータだけで子供騙しと決めつける者とか、不毛な議論のネタにもなりました。

 原作を見ずに、謎本の知識だけで議論を持ち込む人間が、相当に毛嫌いされて淘汰されていったのが、インターネットの初期だったと記憶。
 なお、ゼロ年代の初期に、山本弘氏の掲示板を賑わせた「空想科学読本派VSアンチ読本派」論争は、自分も関わった人間として思い返すと、実は『空想科学読本』のスタイルって、山本さんが会長を務めていた「と学会」のスタイルと同じなんですね。
 「本人は真面目に考えているものを、傍目から笑いのネタにして茶化すスタイル」という点で。

 ただ、山本さん自身は、「と学会」会長だったにも関わらず、「と学会の方針には相容れなかったこと」を後年、語られていて、なかなか複雑な背景があったんだなあ、と思いつつ。
 山本さんは、創作動機が「虐げられた者のルサンチマンを晴らす」傾向があって、要するに弱者の立場で、オタクの無念を晴らすとか、フィクションの作品を擁護するスタンスを取りつつ、ただ、自分の立場が上になった時も、弱者のつもりでルサンチマンを晴らそうとする癖が抜けず、会長の立場と作家ポリシーのスタンスの違いで、なかなか折り合いを付けられずに悩んでいた感があります。

 ぼく自身、山本さんに関してはややこしい立ち位置を取ってしまったもので(反省はしてるけど後悔はしてない)、すっとまとめるのは難しいと思いますが、
 謎本の功に話を戻すと、「インターネットの初期からゼロ年代にかけて、ネット議論のネタを提供し続けたこと」「人によっては、謎本をきっかけにして、作品の設定考察の楽しさを知って、サイト運営のコンテンツにしたこと」「昔のフィクション作品の設定資料や、スタッフインタビューなどの懐古本が売れるきっかけにもなったこと」などなど。

 つまり、90年代の謎本ブームによって、インターネットの私的考察コンテンツが増え、設定語りと旧作懐古の熱が高まったと言えるわけですね。
 もちろん、旧作懐古は、謎本だけでなく、レンタルビデオやLD、DVDといった映像ソフトの販売と同時展開し、相互発展していった流れなので、突きつめれば「ニワトリが先か、卵が先か」って話にもなるのですが。

 ともあれ、謎本ブームがインターネットの発展に伴って、いわゆる設定マニアの増加に起因したのは、功である反面、「作品を見ずに設定だけで語る、あるいは設定も公式ではなく、他人の考察を事実と思い込み、偏った知識で議論に臨み、自爆してルサンチマンを募らせる層」の増大を招いたのは、罪になるのかな。

 まあ、これは流行した二次創作物すべてに言えることなんですけどね。

 原作に無知なスパロボファンが、知ったか発言で原作ファンを怒らせるような言動を示して嫌われる話もよく聞きますし、
 自分の知識の土台がどこにあるかを意識せずに、同じ作品テーマだからと不用意な発言をすると、とんだトラブルの起因になるわけで。

 ともあれ、作品をより深く楽しむための副読本としてあるべき謎本が、作品ファン同士の不和、ギャップを招いてしまったのは、罪とも言えますし、
 それでもネット議論を活性化させて、作品そのものが忘れ去られないように火をつけることが功、と考えることもできるって話で、いったんまとめようと思います。

 個人的には、熱い議論を通じて勉強することは肯定の立場ですし、勉強もしないまま不毛に感情をぶつけるだけなのは否定する立場。
 まあ、匿名まとめサイトが大手を振っている状況では、自分の見識を磨くための議論ができる場所も10年以上前に比べて限られているのかな、と思いますね。
 自分自身、あえて議論を吹っかけたいとは思わなくなりましたし。降りかかる火の粉は払いたいですけどね(苦笑)。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/20 (Sun) 22:18:57

 定期感想その2です。

●仮面ライダークウガ(第29話:岐路、第30話:運命)

 今週分は蝶野潤一再登場ですね。前回の初登場では、雄介が蝶野の絶望を救いきれるかどうかのドラマと思ったんですが、どうやら蝶野は担当医の椿秀一と絡んでいき、椿秀一の見る雄介/クウガを、蝶野も同じ視点で見られるかどうかのドラマになっているらしい。しかし、演じた役者さんの都合で、これが最後の出演らしい。

 最終回で蝶野の手紙でその後が知らされるそうですが、ちょっともったいないかな。内面で苦しんでも外面は明るく振舞う雄介に対し、対立的で否定的なキャラクターが蝶野のような気がします。しかし外面を見ての否定で(今週分でもそう描かれた)、そこから蝶野がどう踏み込んで来るかを期待したくなったのですが。

 もっとも、今週後半(第30話)ラストで、敵グロンギ:ゴ・ガメゴ・レが市街地で大爆発起こしてます。おそらく一条の手配で避難は完了していると思いますが、世間は脅威を感じたはずです。雄介/クウガに対しての否定が、蝶野という個人から、世間という社会的なものに代わって来る恐れも感じます。

 警察では今週に入って、既に雄介=クウガと認識している台詞もあります。さらに知れ渡ると雄介本人にまずい事態も発生することもありそう。どこの誰か分からない第4号であれば、素性のしれない怪人同士の争い、で済ますこともできるんでしょうけど、変身者が人間なら責めやすい雰囲気が出てしまいかねません。

 その雄介/クウガも、序盤から心配されていたことが、じわじわ現実になってきてますね。椿秀一の検査によれば、クウガが強化されるにつれ、核(アマダム)が全身を支配しつつある模様。回復力はあるけど、その分、負担が大きいはずとも。碑文の警告がありましたから、不安要素であるわけですが、雄介は人前では平気そうにはしてますね。

 ただ、1人になったときは、考え込む様子があり、異変は感じ取ってるものの持て余してるんだろうか。後で椿秀一から状況を聞かされた桜子も「みんなで頑張らなきゃってことですね」と、ポジティブながら具体性のない応答しかしない。誰にも先行き不明なので、不安に耐えるしかないということでしょう。

 クウガを取り巻く人物のドラマとしては、ジャンがちょこっと、しかし継続的な動きを見せている点が気になります。榎田ひかりの、おそらくは親子関係について気にしている様子があります。前もペーパークラフト本を贈ったりしてました。榎田ひかりの反応は、当惑しているような感じかな。心配されているのか非難されているのか、ちょっと判断つきかねるんでしょう。いずれジャンの行動の理由が明かされるようですが、今週分でもまだ匂わせもせずで、気になります。

 ともかく本編。警視庁では榎田ひかりらがゴウラム対応の新バイクを開発中らしい。それがたぶんビートチェイサーなんでしょう。今週はまだ使われず、予習によればゴ・バダー・バとの決戦で投入されるはずです。こういう伏線をきちんと張ってくれる点はクウガらしいドラマ展開だなと評価したい(強敵出現してから必死で作り上げるのも悪くないですが)。

 かなりの突貫工事のうえ、上層部から急かされてもいて、榎田ひかりは息子の待つ自宅になかなか帰れないらしい。居室に戻った榎田ひかりをジャンと実加が訪れて、慌てて応対している感じもありますね。実加が事前に聞いていた榎田ひかりのことを話そうとすると、ジャンがそっと制止していたりしまして、ちょっと気になる点もあります。

 その頃、雄介らは椿秀一からクウガの核(アマダム)の変化について意見を聞いてまして、前は冗談だった蘇生のための電気ショックが原因という見方が固まりつつある模様。ですが、雄介はそれだけでなく、強くなりたいと思ったら、アマダムが応えたと感じているらしい。

 理由は何にせよ、状態としてはクウガが雄介を戦うためだけの戦士にしつつあるということですね。異常な回復力も相当の負担があるはずなのに、雄介は平気(全然オッケー)らしい。雄介が黙ってこらえている可能性もありますが、戦闘に特化するために、痛みすら感じないような変質という恐れもありそうです。

 一方、グロンギ側は既にゲーム(ゲゲル)開始していたらしい。バラの姐さんによると、セミファイナル(ゲリザギバス)の次のファイナル(ザギバス)も視野に入って来たようですね(コメント欄のグロンギ語翻訳ボランティアの方には、本当に助けられてます)。そのせいか、殺害人数が半端ない。567人なんだそうで。それを72時間以内で行うとのこと。

 これは今回のメイン敵グロンギ:ゴ・ガメゴ・レだからという点もあるかも。弾丸を投擲しての大量殺人ですから。次話の情報も踏まえますと、1回に54発打ち出し、遠距離らしいのに命中率も相当高い。マシンガンで狙撃しているかのようです。しかも1発ごとの破壊力も高い。

 警視庁がガメゴのゲームルールを割り出そうとしても、なかなかうまくいかない模様。劇中描写では早々にその理由の一端を見せてまして、今回のゲーム(ゲゲル)はカジノっぽい一室がグロンギ側アジトになっている。ルーレットで場所を決めていたわけでしたか。要は乱数使ったわけで、割り出しにくいのも当然か。が、グロンギ側アジトを突き止め、ターゲットのポイントが直線に沿って変わっていく点から、ついに解明して追い詰めるわけですね。

 その事件に蝶野潤一が巻き込まれる。前回登場時は世の中に絶望していたようですが、やはり死ぬのが怖いと悟ったからなのか、イラストレータとして身を立てる決心をしたらしい(もともと美術系の教育を受けてたのかも)。CM用のイラスト公募に応じようと、自信作を完成させたようですが、締め切りギリギリまで仕上げに拘ったのがまずかった。

 蝶野自ら届けようと、公募先の会社まで赴くわけですが、ガメゴの起こす事件/ゲームが勃発してしまい通行止め。進めないバスを降りて徒歩で向かおうとするも警官に制止され、う回路で行こうとしたらガメゴに出くわして昏倒させられる。踏んだり蹴ったりの見本みたいな不運です。

 蝶野は意識不明で病院に搬送され入院となるも、ガメゴとの初対戦で負傷した雄介が入れ替わるように出ていくわけですね。雄介、蝶野のイラストを眺めて「なごむなあ」と感想を述べてまして、蝶野のイラストだけでなく蝶野自身の変化も暗示している感じです。

 目を覚ました蝶野、締め切りを過ぎていることに慌て、公募先へ電話を入れるも、相手にされなかった模様。せっかく絶望から立ち直って取り組んだ仕事ですから、絶望するほどの落胆も仕方ないか。椿秀一にも八つ当たりしてますな。クウガにも、ガメゴ(第39号)をさっさと倒さないせいだとか、恵まれた奴だと言わんばかりの罵倒。

 さすがに椿秀一が叱責すると蝶野が逆ギレして殴ってしまい、途端にハッと我に返った感じですね。そこで前回同様、椿秀一がなかなかのカッコいい対応でした。自分の身も庇わず、殴り返しもせず、怒りすら見せずに「俺を殴ってどんな気がした?」と問いかける。蝶野としては殴って嬉しいわけがなく、しかし雄介はその嫌なことを強いられているわけですね。しかし雄介は周囲に嫌な顔を見せまいとしている。ここから蝶野がどう変わるかが見ものになりそうですが、生身(?)の出演は今週が最後らしい。ちょっと残念な気がします。

 グロンギ:未確認生命体第39号/カメ種怪人/ゴ・ガメゴ・レとの戦いは、ガメゴによる凶行場所が直線状であることから、警視庁が付近を封鎖。ガメゴの投擲場所が監視カメラなどにより特定され、一条と雄介が向かう。まだガメゴがいまして(それともクウガに挑むために戻って来た?)、クウガ vs ガメゴのバトル勃発。

 しかしガメゴは難敵でして、ビルから落ちてもびくともしない。さすがは亀の甲羅の防御力といったところ。防御力には防御力ということなのか、クウガは紫(タイタン)で立ち向かうも、真正面から投擲弾を受けまして、紫の金の剣も届き切らずに敗北、白になってしまう。しかし、ガメゴはグロンギ語で何か言って去ってしまう。
(Youtubeコメント欄解説によれば、もっと力をつけてこいみたいなこと言って去ったらしい。最強のクウガを倒さないと評価されないんでしょうね、たぶん。)

 これで雄介はいったん入院となり、蝶野が運ばれてきたのを目撃したわけですね。雄介は異常なほどの回復力でさっさと退院、リターンマッチに入る。ガメゴのターゲットポイントはルーレットによる乱数での決定ながらも、狙撃ポイントは分かっている。問題は紫の金(ライジングタイタン)でも敵わなかったガメゴにどう対処するか。となると赤の金(ライジングマイティ)しかないが、倒したときの爆発もデカくなる点などが不安材料。

 そこは一条がサポートするということで、決戦に臨む。一条はまず、榎田ひかりが開発した超高圧弾を、まだ専用ライフルがないながらも上手く使いこなし、クウガの戦闘をサポート。ビルから追い落とし、クウガはゴウラムでガメゴを移動させる(コメント欄解説による、このときガメゴは足を骨折していたため、運ばれるがままにするしかなかったらしい。見せてないところまで設定してあるんだと感心しました)。

 工場などが密集する場所での格闘戦となり、クウガが赤の金(ライジングマイティ)で倒しきるも、大爆発が発生。どうやら半径3kmが吹き飛んだ模様。というところで次週へ。上述しましたが、この規模の爆発を市中で起こしたことは市民の不安を高まらせ、禍根を残しそうです。

●ウルトラマンZ

 こちらへ感想を書いてはいなかったんですが、最終回に深い納得を覚えまして。セブンガーです。ウインダム、さらにキングジョー・ストレイジカスタムに性能面で追い越され、改修等で頑張るも途中で退役扱いとなりまして、「まあ、仕方ないか」と納得しようとしてました。

 そうしたら、最終回でまさかの復活で、しかもいかにもヒーローが救援に入って欲しいタイミングでの再登場。言っちゃ悪いですが、目つきは泣き出しそうで、ボディは樽みたい、ちょっと不格好なセブンガーでしたが、そうだからこそ、最終回の出番ではぐっと腹にこたえる感動が来ました。

 しかも、バコさん、ことイナバ・コジローがパイロット。戦闘が本職でない整備班で、設定年齢は59歳だそうで、そろそろ定年退職を考えてそうな年齢(所属組織は潰されちゃってますけど ^^:)。しかし、セブンガーを駆って、戦況逆転の救援に来てくれた。うまく言い表せないんですが、パイロットがバコさんだからこそ感動が一層高まった気がします。

 最終回ではないんですが、ヘビクラ・ショウタ=ジャグラス ジャグラーの動向もなかなか自分好みの展開でした。目的が怪しかったこともあったんですが、上層部の指示に従うふりをしながら、現場の判断でやっていた回で、おおむね何をしたいか、しそうか分かった感じがあります。

 ですので、ハルキかウルトロイドゼロかをセレブロに突きつけられた際、ハルキを守ってセレブロに敗れたのも納得が行きました。好きですねえ、こういう「言ってることと、やってることが、いい意味で食い違う」って。たぶん、後期の中村主水さんに通じるものも、自分は感じ取っているみたいです。

●謎本関連

「ウルトラマン研究序説」は、謎本についてネット検索するまで、全く知りませんでした。空想科学読本シリーズが売れていた頃、法律関係などで同様の読本が発売されてましたが、先駆者がいたわけでしたか。

「磯野家の謎」は書店で見た記憶があるんですけど、「謎」というキーワードに注意が行ったせいかも。確か「サザエさん」ネタで追随する謎本があって、かなり酷評されていたように思います。

 その「サザエさん」について少し。波平が設定年齢54歳で、見た目がえらく老けているという評があります(謎本でも触れてたような)。「サザエさん」は1946年(昭和21年)に連載開始で、当時の男性の平均寿命は50歳。40歳ごろには、今の60歳以上の見た目だったと聞いています。朝日新聞での連載は1951年(昭和26年)で、男性の平均寿命が66歳。50代で老人然としていたと聞いています。

 どうも、90年代にせよ今にせよ、そのときの54歳の見た目が、1940年代、50年代でも同じだと思っている人が多そうです。事実はそんなことない。そのときの平均寿命の8割くらいに達する頃には、おおむね老人の見た目になります。

 ですので、波平があのように描かれたのは、サザエさん連載当時、少なくとも開始時には全く不思議ではなかったわけです。サザエさん謎本に年齢のことをどう扱っていたかはもう覚えてないんですが、サザエさんが古い作品であることを忘れて、今の感覚で批評めいたことを言っているのを見ると、どうも違和感を覚えます。もっとも、アニメが続いているから仕方ないのかなあ。

 山本弘さんについては、どうにも触れにくくなりました。自分としては、ずいぶん前に掲示板をお騒がせしたことについて、実は後悔も反省もありません。しかし、今さら言いたいことがあるわけでもなしです。問題は山本弘さんが病を得て、一応の克服はされたものの、少なくともハードSFは無理になられたと仰っている点です。ご自身の説明によると、2桁の足し算も難しくなられたとか。

 謎本ではないんですが、自分的にはと学会本について言いたいことがないわけでもなしです。が、初代会長であった山本弘さんが、おそらくは分析的なことが無理らしい現状では、批判につながることは書くのがためらわれます。

 山本弘さんがこの掲示板をご覧になるのは、まずないはずではありますが、自分のスタンスとしては「批判する場合、相手が見ても、己に恥じるところがない」のでないと書きにくいものがあります。相手が反論不能の状況らしいとなると、どうもいけません。

 それでも、今でもと学会の「笑ってやろう」という方針は、どうも間違いではなかったかと思います。例えば、内容より語り口を真似て面白がるような風潮を残してしまったように思えます。その辺り、どう書けるか、なかなかまとまりません。

 しかし山本弘さんはと学会の方針に必ずしも賛成ではなかったということでしたか。こちらで伺うまで、全く知りませんでした。と学会は割と大所帯だったようですから、いろいろ譲歩せざるを得ない点があったのかなと思います。

「虐げられた者のルサンチマンを晴らす」という点は、自分は小説「神は沈黙せず」で感じとりました。ネットなどでの議論を小説内で斬りまくっているような気がしたのを覚えています。

 好みの問題ではありますが、その辺りは最低限のリアリティを出したらさっさと切り上げ、サクサクとストーリー進めてドラマを転がせば、自分でも面白く読めたんじゃないかというのが正直な感想です。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/22 (Tue) 12:06:44

 日曜に、劇場版ライダーを見に行きまして、「セイバーの方は、ほぼストーリーのない6人ライダーのアクション・プロモーション的な作品で、TVとのリンクもほぼなさそうな作品」でした。
 一方のゼロワンは、TV最終回で誕生したイズ2号機が、衛星ゼアのフォローでシンギュラリティに達して、イズ1号機のメモリを受け継ぎ、或人を助けてゼロツーとして共闘する「人とAIの絆、愛を描いた作品」でした。

 そして、敵ボスのエデンも「愛ゆえに世界の破滅を願った哀しき男」として描かれ、最終的には或人&イズとの理解と和解エンドに至り、真に倒すべき敵は「愛を知らない自己中な悪意で行動する小物」として或人とイズにフルボッコされる結末ですね。

 とりあえず、ゼロワンのその後という流れでは、イズの完全復帰と、ライダーとして或人と共闘するように成長した点。
 そして、アズが倒されることなく、おそらく次の滅亡迅雷スピンオフ作品の黒幕として、滅と対立する因縁を築いたという点が分かれば十分かな、と。

★クウガ

 ガメゴ戦のマイティーキック大爆発が、等身大ヒーローではあり得なかった規模に描写されて、うわーとなるエンドでしたね。
 何というか怪獣映画並みの規模。

 自分の中では、クウガという作品が、劇場映画の平成ガメラの延長線上にある特撮作品という形でとらえています。
 「もしも現代社会に、怪獣や怪人が出現したら?」という命題を、とことんリアルに描いて、その中で被害を受ける人や、状況打開のために奮闘する人々を絵空事に堕することなく魅せて、
 人類の味方である主役怪獣やヒーローも、人々の目には秩序の破壊者として映りながら、子どもたちは本質を見抜いて応援する一方で、警察や軍隊は当初、同じ怪獣や怪人として危険視する。しかし、周囲の人の働きかけで和解と共闘に至る流れ。

 とりわけ、このガメゴはカメ怪人ですし、ガメラの印象的なシーン(仙台消滅とか渋谷破壊)で、敵との戦いがエスカレートし、街を守れず、壊滅に追いやったヒーローの失点を描いた内容。
 この90年代からゼロ年代初期にかけては、ヒーローの無謬性に疑問を投げかけることがリアルとされ、「ヒーローが戦うから被害が拡大する」という指摘で、マスコミのヒーロー否定論調が描写されて、主人公たちが心を痛める。

 これが間接的に「マスコミの、現場で懸命に働いている人を被害者視点で断罪する無理解さ」を描写していて、考えさせられる内容です。
 70年代は、主人公や身内がマスコミ関係者(事件記者とかカメラマン)というヒーロー作品が多く、「隠蔽された真実をあばく正義」が持て囃されていましたが、
 80年代辺りから、スクープのために人々の心を傷つけるマスコミの姿が映像作品で描かれるようになり、その報道に接して翻弄される人々を示すのがリアル、という点で、社会性を描いた作品が増える感じです。

 蝶野と五代の関係ですが、個人的には、五代じゃ蝶野を改心させられない、と考えます。理由はキャラの相性の問題であって、五代も万能じゃない。
 彼が説得できるのは、「現場で一生懸命に頑張っている純粋な人や、純粋な子どもたち」で、蝶野のようなひねくれたキャラに対しては、五代のようなフワフワした癒し系キャラでは機能しないというか、そこは五代一人で何でもできる、誰でも五代に感化される、という風に見せると、かえってリアリティーがなくなるかな、と感じます。

 そして、蝶野には椿さんみたいな理詰めで包容力ある兄貴タイプがいいのかな、とか。
 椿さんは、五代の一生懸命さが分かるし、蝶野に対しても、「死に直面して自暴自棄になっている患者」の気持ちを受け止める医者としての信念がある。
 この辺の五代一人では全てできるわけじゃないけれど、五代の想いに感化された人たちが、五代の代わりに善意を紡いでいくドラマも、クウガの好きな点ですね。

 なお、この蝶野が力を得ると仲代先生になって、五代がもっと熱血オバカ方面にシフトするとアバレッドになると考えると、クウガで描ききれなかった部分をアバレが補強しているようにも見えます。
 まあ、一つの作品を書きながら、やはり描ききれない要素が出てくるわけで、そういう要素を描くために、キャラ設定を切り替えた別作品のイメージを構築するのが、作家かな。

 そして、作家が描き慣れた要素は自家薬籠中のテーマになったりして、そういうところが作風になる、と。
 図らずして、同時期に同じ作家の別作品を年代別に配信してくれるので、そういうのは良い勉強になるなあ、と感じています。

 次回は、バダーとのバイク戦に流れますが、これは3話で完結する変則回なので、タイミング的に年をまたぐ形になりますな。
 いいところで、来年に続く、となりそう。正月期に配信休みになると、2週間待たされることに。

 まあ、代わりに何か映画作品をやる可能性も想定しつつ。

★ウルトラマンZ

 いい作品でした。
 メインライターさんが放送直前に急逝されて、その人の遺した脚本を、このコロナ禍という大変な時期に、関係スタッフが一生懸命、記憶に残る全力投球な傑作として完成させた魂のこもった作品ということです。

 当初、メインライターさんの話は最初だけかな、と思ってましたが、主人公の成長につながる中盤と、最終決戦まで重要回は書き遺していたわけですね。
 もう、物語の最後まで見て、惜しい人を亡くしたという想いが募ります。そして、スタッフの故人への手向けが、ラストの「吹原幸太さんの記憶のために」というメッセージで示されて、物語内だけでなく、制作背景の想いに感涙するという。

>セブンガー

 元々は、ウルトラマンレオに1話だけ登場した、ゲスト怪獣だったのですが、「セブンに変身できないモロボシ・ダンのために、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)がプレゼントした怪獣ボールから出現する、カプセル怪獣の後継キャラ」だったんですが、
 コミカルな外見に関わらず、実は強い。だけど1分しか戦えないという時間制限のために、敵怪獣アシュランを倒しきれず、最後のとどめは主役のレオに託す。

 たった1話のゲスト助っ人が、46年の時を経て、復活したということで、レア物好きのマニアが大喜び。
 しかも、演出がボスボロット的だったり、マジンガーZオマージュがたっぷりで、70年代作風がてんこ盛り。

 じゃあ、Zが昭和懐古だけな作品かと言えば、中盤に90年代のリアル風作劇を取り入れて、「怪獣を倒すことは正義か? 共存の道は模索できないのか?」という問題提起になって、一作で、これまでのウルトラの各世代を想起させるエピソードを展開。
 これ一作見れば、このウルトラ50年以上の歴史の変遷がざっと網羅できるという傑作に仕上がったわけですな。

 往年のファンはいろいろ懐かしがれるし、新規のファンはコミカルな作風を楽しみながら、ウルトラシリーズのメインストリームのエッセンスを理解できる。
 しかも、この10年のゼロ以降のニュージェネレーションの延長にもあって、要は全世代のウルトラファンが満足できる要素が散りばめられている。

>イナバ・コジロー

 この人、役者さんが1994年のゴジラ映画の主役です。
 その折に、メカゴジラの後継機の合体ロボ怪獣MOGERAのパイロットとして、ゴジラやスペースゴジラと戦った経験を持つという御仁。

 この人の「昔ちょっとな」を聞くたびに、「ゴジラと戦い、そして共闘してスペースゴジラを倒す援護をした」という英雄的エピソードを思い出す人も、平成ゴジラ世代には多数いたかと。

 で、最終回で自らロボに乗り、しかもドリル装備(モゲラはモグラモチーフのドリルロボ)。
 この役者つながりネタで、90年代の特撮ファンが大歓喜したという。

>ジャグラー

 ハルキが明朗快活な陽性主人公なのに対し、物語の暗い裏に視点を当てる複雑な背景を持つクールキャラでした。

 確かに、コミカルと裏の凄みを併せ持つ中村主水風キャラですな。ここで指摘されて、初めて気が付いた。
 元々は、ウルトラマンオーブという作品で、主人公のライバル、事件の元凶でラスボス的な立ち位置だったんですが、最終的に和解。世界を守るために、マッチポンプ的に自分の罪を精算して散る……かに見えて、数ヶ月後の映画であっさり復活。

 以降は、うさん臭い闇キャラだけど、若い子の成長を助けてくれるベジータ風味の動きをしてくれます。
 で、今回は防衛チームの隊長として、まさかの抜擢。
 え、ジャグラーが隊長? 一体、何を目論んでいるんだ? と注目を集めていた、と。

 熱血好きはハルキを応援して、ダークな陰謀キャラ好きは隊長を応援して、
 そして熱血体育会系姉キャラと、研究オタクな妹キャラと、いろいろな需要を満たしてくれる作品だったな、と。

 で、最後は主人公の成長と、ヒロインお姉さんを助けて、いろいろハッピーエンドで旅立つ。まあ、そのうち帰ってくるんでしょうけどね。

 次回の総集編や、年明けの旧作懐古クロニクルも合わせて楽しみです。

★謎本関連

 やはり、ファンによる私的研究本は、それまで同人誌なんかで展開されていたことが、世間の表に出てきた流れもあったのでしょうな。
 80年代までは、ややアングラ的だったオタク活動というものが90年代で社会的に(作られた誤解的な姿も含めて)スポットが当たるようになり、

 最近亡くなった宅八郎氏みたいなネガティブキャライメージを付与されたり、社会で鬱屈して事件を起こしそうな報道が為されたり、その中で自己防衛的な仮面と、思想・信条の自由に基づく反論と、自分たちの主張を擁護してくれるカリスマを求める時期が90年代だった。

 で、日本では黒人差別のような人種差別は表面的になかったけど、子供みたいな趣味に耽溺している「大人になりきれない若者」への無理解、差別は厳然としてあって、そこがカウンターカルチャーになったのかな、と。

 ただ、21世紀になると、インターネットというテクノロジーのおかげで、オタクという言葉のイメージも変わり、マスコミのレッテル貼りとは異なる「好きなものへの情報収集や、機械知識への先進性、そして既存の物品充足から精神充足のためのデータ重視、見た目よりも中身志向」というオタクの自己像が提示されるようになり、
 芸能人やマスコミ、そして政治家にも「サブカルチャーを嗜むこと」をアピールする流れが出ている。

 結果、サブカルチャーが経済をも動かすメインカルチャーになって、オタクという言葉が差別語ではなくなった(昭和生まれの人間にとっては、まだまだ差別語という感覚が根強いですけどね)。

 まあ、これはアニメ、ゲーム、インターネットの発展を経験してきた世代(同時に新たな流行物に対する社会の無理解ゆえに、過剰なハマり込みが差別対象とされた世代)と、物心ついた時から、そういう文化が普通に周りにある平成生まれの世代では、感覚そのものが違うのでしょうな。

 で、サザエさんの謎本じゃないけど、自分の世代の物差しで、当時の時代感覚を想像できないまま、評価する誤認が生じて、それが流行してしまったら、時として事実を書き換えてしまうことにもなりかねない。
 歴史研究者の端くれとしては、非常に残念な事態ですが、何にせよ、今の若い子に見えている世界と、我々昭和生まれ世代の感覚のズレは、個人的には非常に興味深い研究テーマかな、と思ったり。

 「屋根より高い こいのぼり」の歌を知らない(小学校の音楽の授業で、昔の童謡を学ばない)世代も最近あることを知って、驚いていたり。
 国語で「七五調」を説明するときに、事例の一つとして重宝したんだけどなあ。まあ、「海は広いな 大きいな」は通じたので、ホッとしたんだけど。

 そのうち、こいのぼりの風習そのものがなくなるのでは? とか、30年単位で、文化の途絶を感じるようになってます。

 そのうち「90年代のオタクが抱えていたルサンチマン」と言っても、話が全然通じない時代が来るのかなあ、と思いながら。

>山本さん

 まあ、関係者のTwitterなどから、いろいろと情報が回ってきて、非常にデリケートな話題と感じます。
 ぼくは最終的に「作家としての山本弘肯定派」で、「と学会会長としての彼」には、いろいろと複雑なものを感じていたのですが、まあ、「そういう社交が、作家としての資料集めに役立つこともあるだろうし、道楽としてならあり」と思ったりもしつつ、

 後から「会長は好きこのんでやっていたのではなく、神輿として担がれた」的なことを個人の公開手記で書かれていたのを読んで、逆にがっかりしました。
 ちょっと、それは長をやった人間としては無責任ではないの?
 まあ、かなり精神的に病んでいた背景事情も分かりますし、自分の中では「作家としての彼」と「会長としての彼」の間の矛盾が納得できたのもあって、

 きっと、山本さんも自分の中の矛盾を解消したい気持ちもあったんだろうな、と感じています。

 ぼく自身、山本さんから作品内で学んだことも多いと自認してますし(ファンってそういうもの)、90年代当時の社会事情からいろいろ察することのできる面もあって、その中で、どう自己主張を重ねて来たかは賛否両論出るのも当然だけど、
 作品愛を語るオタクの一つのカリスマではあったろうし、そういう功績は語れる人間でありたいと思いますね。

 まあ、当時に不満があったとしたら、ファイズや響鬼後半に対する過剰なバッシングで、それに追随していたら、自分は特撮サイトを続けることができなくなると感じたから、距離を置かざるを得なくなったわけで。
 オタクという弱者の味方だったはずの人が、やはり自分に合わない作品となったら、製作者の方向性を吟味することなく、過剰に叩き出すと、もはやルサンチマンの昇華ではなくて、権力を持った者による迫害にもなるわけで、その辺は難しいんだろうな、とか。

 まあ、これは山本さんに限らず、平成ライダーにおけるプロデューサーさんの作品作りの姿勢にも反映されていて、
 クウガや響鬼の前半を担当されていた高寺さんは「作品作りにこだわる人で、そのためにスケジュールや予算の管理がうまくできず、後に続けられない。法律や慣習を無視して、大胆な指示出しをする」という制作スタイルらしく、まあ、そういうのを武勇譚にする辺りで、最近も賛否両論あったりします。
 一方、アギト以降の平成ライダーを牽引して、現在、東映の社長をしている白倉プロデューサーは前任の高寺さんを批判して、「我々は芸術作品を作っているのではなく、商品として持続性のあるものを作っているのだから」的なことを言って、これもそこだけ切り取られて、商業主義の権化みたいに批判されることもあったけど、

 そことつなげるなら、山本さんがクウガや響鬼前半を評価して、白倉色が強くなった作品や、井上敏樹脚本回を嫌う理由も分かったりしつつ、
 まあ、その辺も後から、いろいろな人の発言をつなげて納得できた話だし、当時は平成ライダー草創期で、まさか20年も続くシリーズになるとも思わず、
 そこを基軸に、うちのサイトも続いた以上は、誰かの感情に振り回されなくて正解だったな、とは思いつつ。

 何にせよ、「掲示板管理で、山本さんの創作が滞っていることをご自分で告白された」わけだから、自分も一ファンとして、何かできないかな、と昔の縁故絡みで、メールを送ってみたら任されて、
 で、自分の立ち位置を考える起因にはなったということで、SF掲示板絡みの話は終わりにしたいと思います。

>神は沈黙せず

 宗教を題材にした作品ということで、作者の宗教観を表明したリアルな作品と思って、読んでみたら、実は「とんでも本研究の集大成だった」ということですね。
 確かに、山本さんらしい作品だとは思ったけど、こちらが真面目に期待していたものとは違っていて、要するにSFオカルト世界観で、リアル宗教を語ったふりをした作品。
 まあ、基本的に山本さんは宗教否定のスタンスだから、宗教文化への掘り下げが甘いな、と感じて、これだと完全に絵空事のファンタジーと思っていた方が良かったんだけど、当時の山本さんはと学会の影響で、社会派方向に迷走していった感じもあったので。

 その後、好きなAI少女とか、怪獣方向の作品を書くようになって、そっちの方がSF作家としては良かったな、と思います。
 まあ、今回は一応、これぐらいで。

PS.今、興味があるのは、ゼロ年代と10年代のサブカル観の変遷ですね。令和の初めなので、世相は平成の初めになる90年代懐古が多くなっている感じですが、来年が東日本大震災10周年で、それ以前とそれ以後とか、創作関連でもいろいろ切り口がありそう。
 なお、あと5年ほどすれば「100年前は昭和時代だった」ということになって、「今から100年前? 明治時代やん」という常識が染み付いている世代にとっては、感慨深くなりそう。
 つい、この間、「第1次世界大戦から100年」って言っていたのになあ。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/22 (Tue) 17:09:50

 定期感想その3です。

 劇場版の情報、ありがとうございます。TV本編との接続などが分かるもので、いつも助かっております。

 セイバー劇場版はアクションを見せるプロモーション的なものでしたか。それなら短編となるのも納得しやすい気がします。かつ、TV本編と関わらないなら賢人が健在でも問題は生じないと。もしかすると、制作の「本来はこれくらいの密度のアクションやりたいんだけどなあ」という気持ちを、劇場版で発揮したのかな。

 ゼロワンのほうは、イズがイズとして目覚めるわけですか。先代の記憶を継ぎつつ、どういうイズに成長したんだろう。ライダー/戦隊劇場版はTV放映がないのが通例でしたが、ネットではやってくれるようになってきました。そのうち観る機会もあるでしょうから、気長に待ってみようと思います。

 アズも健在のようですね。滅亡迅雷視点/主役の新作もあるという情報が流れては来てましたが、内容は今一つ分からずでした。アズがいるのなら、アークを引き継ぐラスボスとして不足はなさそう。

 ゼロワンは終盤の大事な時期にコロナ禍の影響をモロに受けてしまった不運があると思いますんで、TV本編終了後の展開で制作がやりたかったことを実現して欲しいなと思います。しかしアズですと、もしかするとコロナ禍の影響ゆえに生みだされたキャラクターかも。もしそうならですが、悪条件ですら活用したわけで、クリエイターの根性が見えるような気がします。

●仮面ライダーセイバー(第15話:覚悟を超えた、その先に。)

 坂本浩一監督回ですね。OPで名前に気が付いて、アクションに期待して観始めると、アクション主体でドラマを進めてくれた感じです。特に上條大地カリバー vs 飛羽真セイバーのバトルの流れに沿って、上條大地から真実が明かされる流れは、なかなか納得性が高いと感じます。

 その上條大地は真相を語る半ばで、背後からデザストに刺殺されまして、謎も中途半端にしか明かされず(それはそれとして、牙狼1stで、邪美がコダマに殺害されるシーンを連想しました ^^;)。今のところ判明したのは、以下のような内容だったと思います。

・富加宮隼人
 現時点で正体不明の「あのお方」の言(真理とか平和とか)を信じ、ルナを犠牲にしてワンダーワールドと現実世界を融合させようとした。おそらく15年前の襲撃事件の首謀者の1人であり、初代カリバーでもある。

・上條大地
 15年前の事件を起こした(らしい)富加宮隼人を断罪したものの、ロゴスを離脱し、カリバーとして独自行動に入る。目的はロゴスにいる裏切り者の黒幕を突き止めて阻止すること。できればルナ救出も果たしたかった模様。
 同時に「世界の始まりから終わりまで(本で)既に決められている」≒決定論的世界という真実も知り、それをぶち壊したい希望もあった模様。

・隼人の言う「あのお方」
 おそらくロゴス内にいる黒幕。現在の主たる敵のメギドとの関係性などを含め、素性や目的などが一切不明。富加宮隼人は心酔し、上條大地は敵視していたらしい。
(既出のキャラクターで考えると、候補に挙がるのはアヴァロンの男くらいでしょうけど、まああり得なさそう。次回でメインドラマに絡んで来るらしいので、すぐにハッキリしそうです。)

 ともかく本編。前話ラストで、飛羽真セイバーはカリバーを追って扉の向こうの異世界(ワンダーワールド?)へ、地上ではメギド三人衆を引き付けつつ、光の柱に対処するロゴス側剣士という二方面作戦ですね。異世界での攻防が継続することを期待してたんですが、どうやら今回はちょこっと見せてお終いらしい。ちょっと残念。

 異世界のほうは飛羽真セイバーがカリバーを追いつつ、過去に遡っていると感じ取ってますね。観ていて「だとすると、15年前の事件の現場に行く可能性もある?」みたいなことを考えましたが(ジオウの影響かなあ)、どうやら世界の始まりみたいなところへ向かっていたようですね。

 なんとなれば、カリバーが目指すのが、世界の始まりが記される本ということらしいので。ただ、散逸してしまっており、まずは目次録なる目次を探し、それをもとに散逸したページを探すという面倒臭いことらしい(索引録もあるのかなあ)。問題は、世界の終わりも記されているということがあるようですね。北欧神話だと世界の終わりまではっきり物語になっているようですが、それと似たものかしらん。ともかく、上條大地/カリバーとしては極めて不本意なのは確かなようです。

 現実世界でのバトルでは、メギド三人衆が優勢のようで、かつ飛羽真が扉に飛び込んだことで、人質を取ったような状況になってしまったらしい。(真理や大いなる力を掴んで)帰って来られるのは1人、かつ光の柱を破壊し切れば、誰も帰って来られない。もっとも、扉の向こうにあるのは、世界の始まりから終わりまでが記された「全知全能の書」ではなく、その目次だけの「目次録」ということですか。それから散逸した「全知全能の書」を集めてと、まだ先は長そうだなあ。

 メギド側の(ズオスの理解する)目的としては、「全知全能の書」を復活させて「神にも等しい力」を得て、世界を創り変えるということですか。カリバーの言も踏まえると、全ては予め定められた世界なんぞ要らない、壊して作り直す、というわけで、自分的には納得できるものだったりします。

 現実世界では、19世紀末頃の物理学の世界観が「決定論」でして、全ての物理法則にはランダムさがなかったから。これは深い絶望感を生むものだったようです。しかし20世紀初頭に量子力学の基礎が確立されまして、全ては確率的という決定論棄却に至ります。未来は定まっていない。もし予知能力があっても、いろんな可能性の塊しか見えないはず、みたいな感じです。

 それはそれとして(^^;、異世界を進むカリバーに飛羽真セイバーが追いつき、戦闘に入る。場所は秋の林といった感じの場所ですね。基本フォームで戦うセイバーに対してカリバーが優勢で、その余裕で真相を語りながら戦ってますな。世界の始まりから終わりまで本で決められて、それでいいのか、と問うていますね。その問いかけにいったんはくじけかけた飛羽真ですが、この後の最終回答は「物語の結末は俺が決める」というわけですか。終わりがあってもいい、しかし終わり方は自分のものだ、といったところでしょうか。
(飛羽真の言に多少の疑問も残ります。仲間を強調しつつも、「俺『たち』が決める」じゃないのは、あまり納得できない気がする。)

 現実世界のバトルではロゴス側戦士は戦意すら失いかけてますが、ここで奮起したのが芽依ですね。「顔を上げろ!」と叱咤、「飛羽真は必ず帰って来る、約束したでしょ」と激励する。芽依がますます指揮官然としてきました。これでロゴス側戦士は腰を据え直す覚悟が出来た模様。飛羽真のことは飛羽真自身がやり遂げる、という信頼でしょうな。だから眼前のメギドは自分たち(残るロゴス剣士)が倒す、と。

 それと同期するように、異世界の飛羽真の前に賢人の幻影が現れ、「お前にはまだやらなきゃならないことがあるだろう」と力づける。飛羽真が救えなくて悔やむ、当の本人=賢人から励まされては、飛羽真も奮起しないわけにはいかない。

 と感動した風に書いてますし、なかなかに興奮もしたんですが、いまいち違和感があったのも事実です。芽依がカツを入れるのが、ちょっと不自然な気がするんです。考えてみて、どうも「芽依奮起→賢人の激励」だからみたいです。たぶん、賢人が飛羽真を励まし、呼応するように芽依が気力をみなぎらせて奮起を促したら、自分的にはより納得度が高かったかもです。

 それはともかく、異世界/現実世界の2つでロゴス側が逆襲、ついに勝利する。光の柱は全て破壊され、飛羽真は扉が閉じる直前に帰還ですね。ストーリー的なポイントはやはり、異世界での飛羽真 vs 上條大地の舌戦でしょうか。まず上條大地の語る15年前の事件。

 賢人の父:隼人=当時のカリバーがルナを使って2つの世界の融合を図り、真理を手にしようとした事件だったわけですね。やはり隼人の裏切りはあったわけか。ただし「あのお方」にそそのかされた模様。それで(終わりまで決められている)世界が救えると思っていたわけですな。

 それを上條大地=当時の炎の剣士が阻止、隼人を斬るが、カリバーを受け継いだ。目的は事件を起こした首謀者を探し出すことと、世界の終わりまで決められていることへの反抗。ソード・オブ・ロゴス自体がおかしいという疑いもあったようです。かつ、ルナを救出する意思もあった模様で、その点では飛羽真、賢人と同じ気持ちを抱いていたわけか。

 しかし、不信感に囚われた上條大地/新カリバーは独力で事を成そうとし、ついに果たせず。飛羽真の主張する「仲間と共に」に分があることを認める気もなるも、トリックスターデザスト乱入ですな。背後からグッサリやられる。デザストは自分の本を奪取して自由を得たかったようですが、自由を得てから何かしたい可能性もありそうです。ともかくも、上條大地は闇黒剣月闇を飛羽真に託して消滅。まだ語ってないことも何かありそうな気がします。

 次回「世界を救う、一筋の光。」では、仕切り直ししての新展開の感じですね。不審な行動があった神代玲花が再登場するようですんで、サウザンベースが組織的にストーリーに関わって来るかな。アヴァロンの男も、感じからすると新ライダー/剣士として参入の模様。

 それにしてもソフィアはどこ行ったんかしらん。カリバーについてここまで明らかになり、かつ退場までしたのに、カリバーを追っていた感のあるソフィアが予告にも出てこない。もっと大事な何かがあって、来年に明かしてくれるということかな。

●ダイの大冒険(第12話:ふたりのライデイン)

 前話で圧倒的なヒュンケルに対し、ダイ&ポップが努力と工夫で一矢報いるのが気持ちいい回でした。が、倒しきれずに次話で逆に追い詰められるみたいですね。ヒュンケルに挑んだ本来の目的:マァム救出は(ゴメちゃんの助力もあって)マァム自身が脱出しまして、セイバーとの偶然の一致(異世界の飛羽真)を感じたりもしました。

 設定的な工夫で面白いと思ったのは、魔法に仕組みが与えられているということですね。今週はライデインで、ゲームの設定ですと電撃系・敵単独ということくらい。ダイ世界では、まず雷は電気であり、電気はいかなるものかというところから始まってます。

 電気は金属を伝わり、だから金属の鎧も通せるというのがポップの考案したヒュンケル打倒策(ダイ世界では電磁気学の初歩的なところまでは解明されているわけか)。かつ、雷は避雷針に落ちるという点も使ってますね。つまりデイン系は剣を持つ者に有効と。

 そのライデインの発動も、雷雲+雷の径路コントロールの組み合わせだというわけですね。今はダイ1人でライデインは使えないものの、雷雲はポップが起こし、ダイがライデインの後半:誘導ができれば、疑似ライデインになると。しかし雷雲が必要である以上、開けた場所を決戦場に選ばないといけない。

 なるほどな感じです。魔法に仕組みがあるということは、発動に制限がかかるといことでもあり、バトルのドラマに緊迫感と説得力を与えてくれます。

 ともかく本編。ヒュンケル側近のモルグ(やっと名前覚えた)が、ミイラ男にマァムを担がせ、牢屋に監禁するところから。このモルグ、腐った死体モチーフで気味悪い系モンスターですが、調べると意外に筋を通す性分だし、忠誠心も高いらしい。ヒュンケルのいい面に感化されているということなんでしょうか。

 それはともかく、後で明らかになりますが、監禁の仕方が雑(^^;。確かに牢獄に閉じ込めてはいます。ゴメちゃんの侵入は想定外かもしれない。ですが、マァムの装備品も一緒では「隙あらば逃げろ」くらいなところがあります(もしかすると、そういう意図なのかもしれませんが)。

 一方、ダイらはレオナ姫の部下のバダックに救われたものの、レオナ姫は行方知れずのようですね。しかしまずは敗戦の反省会で、ポップは当然の疑問「なぜ紋章の力を使わなかったか?」を問う。ダイの答は、ヒュンケルの出自に、つい共感するものがあって、力を出し切れなかったというわけですね。

 しかし、マァムが捕らわれていて、そんなことは言ってられない。ポップが率先しまして、雷雲呪文ラナリオンを無理を承知で修得、雷のコントロールはダイがやれ、というわけですね。そこまでされてはダイも踏ん張らざるを得ない。2人はおそらく徹夜で(疑似)ライデインを修得する。

 一方、ヒュンケルの地底城。ハドラーが督戦にやって来たようですが、ヒュンケルは慇懃無礼ですな。単なる対抗心ではなく、育ての父親:バルトスの死の責任ありとして恨んでいるわけか。ほぼ全方位に憎悪があるようなんですが、大魔王バーンとしてはそれこそが望むものらしい。憎しみを煽って焚きつければ、誰とでも戦いそうですから、力で支配する者としては、便利なのかもしれません。

 ヒュンケルはマァムの牢獄を訪れまして、一応は殺さずに逃がすと約束して安心させに来たらしい。が、つい憎悪の愚痴をこぼしまして、マァムに「お父さんを失った悲しみが大きすぎて、人のせいにせずにいられない」と指摘されて逆ギレ、手を上げてしまった模様。

 これって、やっぱり改心フラグかなあと思います。感情に任せてポリシーに反することやっちゃって、後悔の念にさいなまれ、のパターンということで(直後ですら、ザボエラに八つ当たりしている感じがあるし)。もっとも、予習してみると、この後で脱出したマァムが見つけた情報で、父の死の真相を知ったヒュンケルが、となるらしい。

 ともかくもヒュンケルが去るとゴメちゃんが現れて、すぐそばに放置してあったマァムの杖を渡し、牢獄を破壊して脱出してしまうわけですな。マァムは通気口つたいに逃げる途中、宝箱を発見。中身は来週明らかになるはずですが、ヒュンケルにとって大事な情報であるはずです。

 そんなことを知らないダイ&ポップ、地底城に潜入しますが、空が開けた場所にヒュンケルを誘い出さねばならない。観ていてこれは大変と思ったんですが、ヒュンケルのほうから狙い通りに動いてくれたわけですね。ダイとポップを闘技場に誘い出して決着をつけようとする。

 ポップの狙い通り、剣を構えたヒュンケルに(疑似)ライデインが命中。がっくりと膝を落としたヒュンケルにポップは「やった」の連呼ですが、予告を見ると、ぬか喜びだったようで。次回「決着の瞬間」では激戦となるも、マァムが情報を持って駆けつけ、となるみたいですね。

●鯉のぼりと謎本関連

 謎本関連で軽く触れてお出での、鯉のぼりの歌で思い出すものがありまして余談的に。「甍の波と雲の波♪」の「甍の波」についてです。あの歌はなんとなくのイメージしかなかったんですが、予備校の講師から聞いた話で印象が深くなりました。

 その講師によると、京都の民家等が並ぶ街で、少し高いところから鯉のぼりを見たことがあったそうです。鯉のぼりが多数あったけれど、まず目についたのが一面の瓦屋根。ちょっと大げさですが、地の果てまで続いている感じだったとのこと。

 それがまさに広大な水面の波に見えたそうです。甍は瓦を指すこともありますが、この場合は瓦屋根ですね。ほぼ同じ形の瓦屋根が延々と続いているのが、確かに波に見立てられる。その上に鯉のぼりが泳いでいる。水面から躍り出た鯉に見えて、「甍の波」の意味が実感できたそうです。

 自分は「甍の波」を実見したことは(未だに ^^;)ないんですが、脳内イメージで思い浮かべて見まして、納得した覚えがあります。自分は子どもの頃から鯉のぼりを見たクチですが、それでも教わらないと分からないことがあるもんですね。これも「分かった気になっている恥」経験の1つです。知らなかったら、今でも「甍の波」はかなり誇張した表現と思い込んでいたかもしれません(そして嘲笑する愚を犯す)。

 山本弘さんについての、さらなるご教示、ありがとうございます。好き嫌いがはっきりした方だとは思いますが、好みの違う人が巻き込まれるといろいろと問題が生じそうではありますね。

 山本弘さんの、自分が気になる主張としては、記憶頼りですが「フィクションの正義が現実で行われないことを恥じるべき」というものがありました。かなり前ですが、ずっと気にかかった一言です。

 当時、フィクションの正義が現実で行われるのは危険じゃないかという印象でした。悪は悪、善/正義は善/正義というのがフィクションですから。そのフィクションでも視点を変えると様相が変わったりしますし、ましてや現実では。

 みたいなことを考えつつも、なかなかまとまらないんです。が、こちらで「ルサンチマン」と伺ってみると、「あ、もしかして引っ掛かってるのはそこかも」と。これは山本弘さんの要素を抜きにしても、成り立ちそうです。つまり自分の問題ということで。

 といっても、「掘るのはここみたいだな」と思えたにすぎず、まだまとまりません。それでも、大事なヒントを得たのは確かな気がします。やっぱり、誰かと話してみると、教わることがいろいろ出るもんですね。定型句で恐縮ですが、いつも助かります。

P.S. 100年話(^^;)

 自分的には「2005年は特殊相対論が出てから100年、2015年は一般相対論から100年」だったりします。サブカル的には100年の半分ですが、韓国とのアニメ協業の初めの一歩「黄金バット」が1967年で、2017年が協業50周年と個人認定してました(^^;。80年代の手描きかつ低予算時代にアニメがたくさん見られたのも、協業あってのことだと思っています。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/23 (Wed) 22:23:00

 定期感想その1です。

●吹原幸太さん

 先の感想を書いたときは、ウルトラマンZのメインライター:吹原幸太さんのことが、まだ自分に入って来てませんでした。せっかくウルトラマンZという、自分にも大いに楽しめる作品の脚本を書かれたのに惜しい方を、くらいの通り一遍の気持ちだったかもしれません。

 しかし気になり、改めてウィキペディアで調べてみて、次第に実感が生じてきました。まだ37歳でいらっしゃったとのこと。ずいぶん昔のことにはなりますが、金城哲夫さんと同じ年齢でお亡くなりでしたか。お二方とも天寿を全うされたら、いい仕事をもっと残されたはず。

 吹原幸太さんの作品リストを見てみますと、自分が観た作品では、実写ではウルトラマンZくらいしかないようです。自分は未見ですが、特撮ファンを題材にした「怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜」という作品も脚本を担当されたようで、もしかするとそこが特撮ものシナリオへつながったんでしょうか。

 アニメ作品はドラマに比べてずっと数が少ないようですが、「英国一家、日本を食べる」は自分も観まして、1話15分の短編ながら、印象深かった作品です。原作はノンフィクションの随筆とのことですが読んでおらず。ということは、ドラマで語るアニメ版はオリジナルに近いということになりそうです。原作を知る人からは、アニメ版は原作への高いリスペクトがあるとのこと。

 それが吹原幸太さんの持ち味といいますか、美点で、作品を大事にする方なのでしょう。こちらで伺ったそこがウルトラマンZの過去作への敬意も、納得できる気がします。ウルトラマンZを無事に終えられたら、次の特撮ものに期待できたんでしょうね。しかし、もう叶わないわけですか。せっかく、お名前とお仕事を知ったときには、もういらっしゃらない。

 吹原幸太さんのご冥福をお祈りしたいと思います。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第41話:強くなりたい、第42話:レンゲル復活)

 今週分は、睦月が嶋昇タランチュラに加え、城光タイガーの一身を犠牲して助けて、スパイダーアンデッドを克服し、真のレンゲル継承者になるドラマがメインでした。しかし、序盤からスパイダーの影響で迷走していた睦月が落ち着いたと思ったら、天王路の謀略が浮上してくると。かつ、だからこそ城光タイガーが封印されてでも睦月を助ける流れにもなったわけですね。睦月のガールフレンド:山中望美も覚悟を決め、睦月を睦月につなぎとめるのに大事な役割を果たす。

 こう書くと、ドラマが上手く転がって、きちんとまとまった感じなんですが、映像作品として観た、自分的な感覚でいうと、今一つ食い足りない気がします。まとまり過ぎているような気がするんです。そう感じたのがなぜか、自分なりに掘り下げると、急いでまとめちゃったからかなと。

 なぜそんなに急いだんだろうと考えると、残り話数でしょうか。本作の最大の危機である、ジョーカー勝利による世界の破滅は、きちんと描かないといけない。それが3話分ということですね。そこに至ってしまった原因が事実上のラスボス:天王路の野心による策謀であって、打倒劇もきちんと描く必要がある。それがたぶん次週からの4話分でしょうか。

 そうなると今週の2話分でどうしても睦月の問題は決着をつける必要があったんでしょう。もしかすると、ラスボス打倒と睦月のスパイダー克服を並走するドラマ展開も考えたかもしれませんが、たぶんテーマがブレてしまいそうだとかで控えたのかな。

 そのせいで、城光タイガーの絶望を描くに、溜めといいますか、いったん気分の上がる展開が入れられなかったのかと(あくまでも自分の好みに即せば、ですが)。睦月レンゲルに城光タイガーが絡んでいくのは、いい伏線だと思うんです。今週分で金居/ギラファアンデッドが「現代に復活したアンデッドは、倒したアンデッドを封印できない」という事実を明かすわけですが、城光タイガーが今の今までそこに気が付かなかった理由として「レンゲルが封印していたから」がちゃんと成立してます。

 いよいよ城光タイガーが己が種族の覇権をかけて戦おうと思ったら、モノリスが現れず、封印できないことが分かる。つまり勝利できない。こうなると突如として、深い絶望に陥るのも納得できる。この無念を誰に託せばよいか、となると、封印の力を持つライダーの睦月レンゲルに白羽の矢が立つ。

 そのように、字面としては完璧な運びのような気がするんですが、自分的に期待したいのは「城光タイガーの栄光と挫折」みたいな部分です。せっかく睦月レンゲルの戦いを嘲ったりしたんですから、自信満々で上級アンデッド(今の面子では金居ギラファが適任か)と戦い、ギリギリながら勝利して「どうだ!」みたいな喜びを見せてほしかった。

 そこで空を眺めてモノリスが飛来しないことに気が付き、愕然とする。いったんは倒された上級アンデッドが立ち上がり、封印ができないと真相を告げる。しかし城光タイガーは信じられず、天王路に会うも、現代のバトルファイトの真実を見せつけられる。

 みたいな流れだと、天国から地獄に突き落とされるような絶望が、観ている自分も実感できそうで、それなら城光タイガーが睦月レンゲルに封印されることを望むのも納得いきそうです。まあ、素人の考えるベタな展開ですから、プロがもっといい手を考えられるんでしょう。だけど尺が足りなかったんでしょう。前半を壊さずに、第31話から変更された落としどころに持っていくには、おそらく睦月のドラマを描き切る話数が足りなかったんじゃないかと思います。

 と長々と愚痴をすみません。ともかく本編。前半(第41話)冒頭でちょっと驚きました。多数の怪人が戦ってるもんですから、「あれ、もうジョーカーが勝ち残った後の異変が起こってる?」と勘違いしましたorz。1万年前のバトルファイトを、城光が夢で見ていたわけでしたか。モノリスの紹介などの設定説明を兼ねたシーンみたいですね。

 目覚めた城光の食事が自分的にはちょっと目を見張りまして、これっていわゆる「漫画のお肉」じゃないですか。骨の周りに丸く肉がついてて、骨を持ってかぶりつくやつ。この後、城光は(ネコ科のくせに ^^;)おにぎりを美味しいと思い、人類に同情的になるようですから、この冒頭では肉食性をしっかり見せる意図があるのかなと思います。

 一方、天王路はアジトで、2枚のカードで何かやらせてる。この後に出てくる「ティターン」みたいです。ネットで調べると、設定がなかなかややこしい。今まで出てきたトライアルシリーズが人間の細胞とアンデッド(カード)を合わせた封印不能の改造実験体。複数のアンデッドを組み合わせたのがティターンなどの合成アンデッド(たぶん封印可能?)。

 さらにこの後、合成アンデッドを人工的に作り出す感じの人造アンデッドが出てくるらしい。そういう設定がきちんと作り込まれてるようですね。ライダーとアンデッドの基礎となるトランプに模した設定もなかなか複雑でパズル的要素もあるんでした。しかし、今からだと設定を使い切るように活かすには、話数が足りなさそうです。

 それはともかく(^^;、剣崎らも状況を整理してまして、スートを揃えたのが剣崎(加えて大地エレファントも封印)。ジョーカーでありカリスでもある相川もスートを揃え切った(最重要は2のヒューマンアンデッドかな?)。橘が11枚、睦月も11枚らしい。残るは4枚、つまり残るアンデッド4体。

 加えてジョーカーはスート外要素であるわけですね。勝利すると最悪の事態になる。それを防ぐには相川を封印するしかない。不安定要素はもう1つあって、睦月のA(スパイダー)ですか。封印されているのか、それともスパイダーが睦月を取り込んでいるのか。まずは睦月の問題を解決するのが、今週のメインドラマになりそうなわけですな。

 その睦月は、城光と揉めたと思ったら、望美に止められ、弁当まで差し出されて当惑の模様。睦月は前は平気で望美を殴ろうとしたわけですが、今はちょっと様子が違う感じ。そのわけは後で明かされまして、「望美のおにぎり」が人間時のいい記憶として、睦月が闇に堕ちきるのをかろうじて阻止していたらしい。

 気を利かせて、ではないんでしょうけど城光はそのまま外に出まして、睦月のもとにやってきた剣崎&橘と遭遇、バトルとなってしまう。2人のジャックフォームまでなら、城光タイガーが優勢なようですね。止めを刺さずに去る城光タイガー(たぶんアンデッドではないから?)ですが、強さを求めて封印を狙う睦月が変身して追う。ただ望美に見られていると気が付いて、ためらいが見られますね。おにぎり効果なんだろう(^^;。この後、しっかり弁当も持っていってるわけだし。

 城光は睦月に追いつかれる前に、新たなアンデッド:金居/ギラファに遭遇、バトルとなるもあっさり退けられる。が、封印に必要なモノリスが飛来しないわけですな。金居ギラファが語るに、今のバトルファイトは人間の仕組んだ偽物で、ジョーカーとライダーしか封印の能力がないと。つまり、アンデッドは戦っても何も得られない。

 しかし睦月が割って入りまして、(睦月のつもりでは)城光タイガーを助け、連れ出す。睦月は望美のおにぎりにかぶりつき、美味しいと言い、城光にも勧める。食ってみた城光も美味しいと思う(ネコ科なのになあ)。が、城光はいきなり睦月を殴って、去ってしまう(猫は気まぐれだからなあ)。

 城光が向かった先は、偽のバトルファイトの首謀者と思しき天王路ですね。天王路は広瀬義人=トライアルBのときと同様、悪びれもせずに真相を明かす。モノリス=マスター=統制者=神を手中にしており、ライダーにアンデッドを封印させ、そのライダーも新開発のティターンを使い、同士討ちで自滅させ、事故で始まった(たぶん、ここは嘘)バトルファイトを集結させると。

 一方、虎太郎はライダーとアンデッドの記事を雑誌社に売り込みに行くわけですが、天王路の名前を出した途端、編集長(だと思う)が驚き慌てまして、聞けば、天王路を追った者はことごとく失踪しているらしい(ゴルゴ13みたいだ ^^;)。ただ、この件は今週はここまで。「天王路はヤバい」という演出なんでしょう。

 そして後半(第42話)。城光タイガーは怒って天王路に掴みかかるも、突然何かに恐れる。どうやら天王路の持つカードが原因らしいですが、今週分では何のカードが不明。そのまま逃げ去る城光に、天王路は余裕を見せ、追わない。天王路としては、残る4体のアンデッド程度は、もはやさざ波程度で、計画の障害にならないということなんだろう。

 天王路の自信はカード以外にティターンにもあるようで、睦月が襲われ、アンデッドポイズンを受け、スパイダーアンデッドの影響力が強まっていき、暴走に至るわけですね。
(透明化するティターンに苦戦するレンゲルを観ていて、つい「緑を使えよ」と思ってしまいました(^^;。これはブレイド/剣であって、クウガではないんでしたorz。)

 城光はすっかり望みを失ったらしく、睦月のアジトで呆然としとりますね。そこへ睦月の状況を知らない望美が、弁当を手にやって来る。城光、いったんは八つ当たりでキレますが、おにぎりを見て、何か決意するものがあった模様。そこは後で明かされまして、橘と協力し、ラウズアブゾーバーを借り受け、封印される覚悟で睦月ギャレンとの決戦に臨むわけですな。睦月にスパイダーを完全封印させ、後を託すために。

 一方、睦月は意識を取り戻すも、アンデッドポイズンの影響で暴走、アンデッド態で飛び出してしまう。途中、出くわした望美に抱き着かれ、一瞬は人間に戻るも、突き飛ばして去ってしまう。たぶん城光タイガーはこれを見て「こいつはスパイダーを克服できるかもしれない」と確信したんじゃなかろうか。前から、睦月に光が残っていることは気が付いていたようですし。

 睦月を追った城光タイガーは、レンゲルとの決戦を望み、睦月も応じる。激戦となりますが、レンゲルが隙を突いて勝利。ですが、城光は「よくやった」と言い、自ら封印されてやる。これでQを入手したわけですが、Q、Kを使用してもキングフォームにはならず、スパイダーアンデッドが分離する。つまりAは封印されてなかったということか。これは睦月の独力ではなく、封印された嶋昇タランチュラと城光タイガーが睦月内で力を貸した影響でもあるらしい。

 睦月はタランチュラアンデッドの姿となり(自分的にはタイガーになって欲しかったかなあ ^^;)、さらに人間の姿にも戻りつつスパイダーと戦い、剣崎から剣を受け取って、なんとか倒し、今度こそ完全に封印する。勝ってから、城光が封印された真相を橘から聞かされ、睦月はさすがに涙するわけですな。これで睦月も完全復活し、剣崎側に復帰。次回からは天王路との全面対決に入れる態勢ができたようです。

 などと書いてますけど、上述しましたように急ぎ過ぎで溜めが足りない不満はありました。ですが、このシーンだけはなぜか納得して感動しました。なんでだろうと、己が感覚を省みますと、どうやら牙狼MSの鋼牙と重ね合わせて観ていたようです。牙狼MSの鋼牙について、自分は「意外なくらい女性陣に支えられている」と感じました。睦月も望美、城光に支えられて、このラストに至ってます(嶋昇はちょっと置いておこう ^^;)。

 たった1つでも、どんな理由でも、「あ、いいな」と思える点があったら、なんだか他の不満は「まあ、そこはいいや」みたいな気がしてしまいます(^^;。牙狼MSという別作品の影響だとしても、ブレイド/剣が楽しめたら、全然オッケーです。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/26 (Sat) 00:36:21

 メリー・クリスマス! と言うには、少し遅かった気もしますが、
 来週には、明けまして……と挨拶する流れです。

 まあ、今年はあと2回ぐらいは書き込むことになりそう。

 今回は、ライダー感想メインということで。
 でも、その前に、

★吹原さん

 この人の脚本は、自分もウルトラマンZが初めてでして、作風とかはよく分かっていません。

 どちらかと言えば、舞台関係のお仕事が多くて、特撮関連はイベントなんかでのステージ劇がメインだった模様。だから、子どもたち向けの明るく賑やかな話を作る人だったのかな、と思います。

 そして、ウルトラマンZも基本はコミカルなノリで、このコロナ禍の暗い世相で、明るい元気な作品を見せてくれました。
 ただ、番組が開始した時に「メインライターの人が亡くなられた」という情報が入ってきて、しかも、それを隠すことなく公式サイトで、公開しているという。

 明るい作品に影を落とす、そういう情報は普通、隠しておいて、番組終了後に公表するのが筋だと思っていたので、この番組は大丈夫なんだろうか、と心配しましたが、
 関係スタッフがその不安を払拭するかのような勢いで、番組を盛り上げてくれ、楽しい作品の勢いを削ぐことなく、つないでくれた。

 そして吹原さんの脚本は序盤だけかな? と思っていたら、中盤の転機に「主人公が怪獣退治の仕事を悩む」というシリアスさを吹原さんが示す。
 ええと、ただ明るいだけの子供向き作品から脱皮しつつある?
 そう感じながら、作品がどういう方向に向かうのか、と気にしてみたら、最終決戦も吹原さんだ。つまり、メインのエピソードは、きちんと本人が仕上げてくれて、しかも面白い。

 もう、この作品は、吹原さんのメインストーリーを盛り上げるよう、他の脚本家も故人に敬意を表して、完成度の高い話を明るく楽しい方向で書いてくれ、さらに周りのスタッフも、完成度の高い絵作りをしてくれた。
 凄いお話を遺してくれた故人の才能や想いに関係者が応えて、全力投球で良い作品に仕上げてくれたなあ、とメイキングそのものがドラマだったと感じます。

 もちろん、吹原さんも凄い人だったのですが、その故人への手向けを、下手に隠すことなく、視聴するファンにきちんと公開して、みんなの覚悟や想いをコロナ禍という厳しい状況下で示し得た。そういう意気込みを味わって、感動できた、と考えます。
 いろいろな悪い状況を乗り越えて、ウルトラの光に昇華できたと感じ入りながら、明日の最終総集編も見届けたく。

 牙狼で、最終総集編がなかったので、こちらで堪能しようと。

★セイバー

 情報量が多いけど、結局、「ソード・オブ・ロゴス」に真の裏切り者がいる、と裏切り者が語った話ですね。
 普通に考えるなら、「どこまで信じられるか?」って流れです。

 情報源が上條大地しかいない以上、飛羽真がそれに基づいて、どんな行動に出るか。
 それに対して、倫太郎たち仲間が、飛羽真がおかしくなったと思ったりしないか。
 年末最後の話が、内部分裂というか、主役の孤立で終わるのか。

 どうも不穏な幕引きで、第2部への橋渡しになるのかな。

 例年だと、ここで劇場版が先の展開へのヒントになるのですが、今年はそれもなく、自分的にはもやもやしていますね。
 とりあえず、次回、「光剛剣最光の化身である仮面ライダー最光」が登場し、飛羽真を助けてくれるみたいですが、
 メギドと、ロゴスのライダーと、迷走する飛羽真の3陣営の戦いに流れるようです。

 さあ、これで芽依さんが、倫太郎と飛羽真のどちらに付くか、という注目ポイントもできましたが、

 仲間の絆がどうこうと盛り上げたところで、いきなりどんでん返しをするようなストーリー展開を、どう受け止めたらいいのやら、感情移入が難しそう。

★剣

 一方で、こっちの剣士ライダーも、バックアップ組織が実は悪の元凶だったという。
 戦隊では、自分の陣営が裏切ることはまずありませんが、ライダーだと、たまにそういうことがありますからね。

 ライダーに力を与えるのが、元々は悪の組織ショッカーだったという伝統ゆえ、組織の裏切り者が正義を為すという流れが割と頻繁。
 何が正義で、何が悪か分からず、主人公さえも暴走の危機を経て、ようやく倒すべき黒幕が見えて来る。

 そんな光と影、光と闇の果てしないバトルが、まあ、セイバーと次回のブレイドも見られて、
 単純な勧善懲悪とは違う迷走の流れ。

 何にせよ、ブレイドはアンデッドなのに、光という名を持つ姉さんキャラのおかげで、上条さんが光還りして、だけど天王路さんの策略で、ライダー暴走の危機に陥るのが次回。
 そこで、真の敵が分かって、一大決戦ですな。

★ダイ大

 こちらは、ヒュンケル編が次回で、すっきり終わる流れですな。

 やっぱり、年末はキリよく物語が終わって欲しいものです。
 どうも、ライダー勢は、どれも「次回への引きを残したところ」で、やきもきした状態で、来年に続く、となりそうで、ちょっとイヤかも。

 前後編ですっきり終わってきたはずのクウガさえ、次のバダー編は3話完結になるわけで。

>フィクションの正義

 これについては、山本さんがウルトラや戦隊は好きだけど、平成ライダーはあまり好みじゃない、という発言をしていたとも記憶して、基本的には勧善懲悪論者だったようですね。
 だから、善悪の境界が曖昧なヒーロー作品は好みでないのか、と思いきや、自分の書く作品は、「世間でダークサイドと見なされている存在の良心」「体制側がアウトサイダーを排除することへの反発」を提示していて、いろいろと矛盾を抱えていたのかな、と感じます。

 まあ、こういう矛盾はしばしば感情的なもので、必ずしも合理的に割りきれるものではないのですが、そこに無理やり筋道を通そうとすると、かえって偏狭な考え方になるのかな、と。
 作家として、複数キャラの感情を扱う必要上から、自分の中に多面的な要素を想像構築しないといけないのと、突き詰めすぎると、精神分裂の危険性があるので、執筆モードと、人との交流モードをうまく切り替えないといけないのと、なかなか難しいのだとは思います。

 自分の中では一本筋を通しているつもりが、他人から見たら、言っていることがコロコロ変わるとか、ありそうで。

 そういう悩みとか葛藤とかが、うまく創作のキャラに反映できたらいいんですけどね。

 ダイ大のヒュンケルみたいに……って、無理やり話をつなげてみました。

 明日の放送を楽しみにしつつ。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/27 (Sun) 20:28:04

 定期感想その2です。

 自分はライダーものなどでクリスマス回は意識するものの、現実でのクリスマスはどうも考えない習慣になっているようです。たいてい働いてたし、むしろ忙しい時期だったからかな。

 などと言い訳しつつ、「メリークリスマス!」です(欧米では宗教観に配慮して「ハッピーホリデイ」と言ったりするみたいですが、日本で見習う必要まではなさそう)。

●ヨドンナとドッピオ(黄金の風)

 キラメイジャーでヨドンナにヨドン皇帝が潜んでいる疑惑(?)があったんですが(第34話:青と黄の熱情)、今週(第37:せな 1/5)で確定しましたな。ただ、ヨドンナがヨドン皇帝の仮の姿なのか、ヨドンナを依り代としているのかははっきりしない感じ。ヨドンナ自体はそのことを知らず、通信装置で話をしていると思っているし、ヨドン皇帝に謁見したことがない。

 自分的にはジョジョ「黄金の風」のラスボスをどうしても思い出してしまいます。ドッピオとディアボロですね。ドッピオは常に電話でボスから指令を受けていると思ってまして、ブチャラティとギリギリの駆け引きをしている最中にボスから電話が入ってピンチに。

 というのがドッピオ視点ですが、視聴者視点ではドッピオが突如「とぅるるるる」と言い出したわけで。あまりに可笑しかったもんで、「黄金の風」というタイトルを考えたときに、真っ先に思い出すシーンになってしまいました(^^;。

 だもんで、ヨドンナが皇帝にはあったことがなく通信だけと言って、クランチュラに焼きもち焼いたとき、どうもドッピオのイメージや上記シーンが被りまして(^^;。どうもヨドンナを見ると笑ってしまいそうになりました。

 が、ラストのヨドン皇帝出現シーン(ヨドンナ→皇帝への変化)でそういう印象も吹っ飛んだかな。特にビルの間にヨドン皇帝の巨大尻尾(?)がドーンと振り下ろされるシーンは、巨大さが上手く表現されていて、迫力を感じました。ついこないだ牙狼MSのイデア出現シーンを観たわけで、そのときの興奮もよみがえったかもしれません。

 こうなると印象も変わります。今週は「よどみが足りない」とかで顔見世程度でしたが、ヨドンナがいつ臨界に達して本格的にヨドン皇帝と化すか、凄みを期待したくなります。

 今週分の演出で面白かったのは、せなを性格要素ごとに5分割した点かな。ドラマ的には「性格要素自体にはいいも悪いもなく中立的で、性格の活かし方次第」でしょうか。そこは納得ですが、キャラクター設定のやり方、人物の作り方を見るようでもありました。ほんの少しだけですが、作り手の手際を垣間見たような気がして、面白かった。

 先週はちょっとした名言「リスペクトあってのdisだぜ」(それが愛でもある)がありました。あれはタイミングよかった。こちらで謎本の批評、批判を少しずつやり始めたところでしたから。いい感じに釘を刺された感じで、思わず「そうか、そういうことだよね」と。

 子ども向けであっても子供騙しではない作品は、いろいろ楽しめるもんだなあと再確認できた気がします。

●仮面ライダークウガ(第31話:応戦、第32話:障害)

 グロンギ側ライダー(?):ゴ・バダー・バが3話分かと思ったんですが、第31話は第17話同様、ここまでのまとめ、振り返り回でしたか。単に総集編とせず、ゴ・バダー・バのゲーム(ゲゲル)開始を伝えるものになってまして、グロンギ:メ・ガドラ・ダを倒すドラマを背景にした第17回と同様の趣向だったようです。

 バダーのゲームクリア条件は7時間で99人殺害みたいですね。それもターゲットはバイク乗り限定(鋼の馬から引きずりおろし、轢き殺す)。大量殺人はできず、平均4.2分ごとにバイク乗り1人を殺害するペースであるわけで、クウガと警察は必死で追うしかない状況になるはずです。実際、既に後半(第32話)での追跡劇の緊迫感がなかなかのもの。

 それだけでなく、前半(第31話)で、前話の未確認生命体第39号/カメ種怪人/ゴ・ガメゴ・レの大爆発の被害をマスコミが否定的に伝え始めてますね。ブウロの都市上空の大爆発で、世間も既に脅威は感じてたんでしょう。今度は(おそらく人的被害をギリギリ避けたとはいえ)地上での爆発ですから、次はどうなるのかという不安が高まるのは仕方ないかも。

 もっとも、それと対照的に警察内部、特に現場レベルでの第4号/クウガに対する信頼が厚くなっている点は(ただ、正体がグロンギの4号で、雄介に化けてると思っている節あり ^^;)、観ていて安心できる感じです。ただ上層部は市民からの信頼も重視しなくてはならず、煮え切らない感じ。これも単純に「偉いさんは駄目だ」みたいな描き方ではなく、「うーん、仕方ない」と感じられまして、つまりリアリティあるなあと。

 ともかく本編。前半(第41話)は総集編主体でもあり、だいたい上記で感想言っちゃった感じです。前半で開始した未確認生命体第41号/バッタ種怪人/ゴ・バダー・バのバイク乗り狙いが、後半(第42話)で本格化していくわけですね。またもや番号が飛んでまして、先週分と今週分の間に、未確認生命体第40号/イノシシ種怪人/ゴ・ジイノ・ダの事件もあった模様。

 それはともかく、バダーの行動は目撃者証言などから警視庁が把握しており、笹山望見が一条らにテキパキと指示を出してますね。一条はこれを元に雄介と協力して追いかける。ちょっと気になるのは雄介がクウガに変身して追っている点でしょうか。前話でマスメディアの論調はクウガを危険視する風がありましたんで、街中を奔走するクウガを市民がどう思っているか。

 クウガがビル上のバダーを発見するも、既にバイク乗りが殺害されます。バダーは去り際にサムズアップやってまして、前に変身ポーズも模倣してたし、「お前がやれることくらい、簡単にできるぞ」という自信を見せてるのかな。バダー、一条には目もくれずに逃走しまして、やっぱりゲーム条件「バイク乗りを轢き殺す」だからか。この後、量産型トライチェイサー(TRCS2000A)の白バイ隊員は殺害してますな。

 暴走族よろしく逃げる人間態バダーを追うクウガですが、バダーの戦術らしい。決闘に適した場所に誘い込み、グロンギ態で決闘しようというわけですか。バイク対決となりますが、一条が駆けつけて援護射撃。バダーでなくバイク(バギブソン)に当たりましたが、バイクが傷ついたことを嫌がったのか、それとも発した煙のせいか、バダーは逃走。

 対決自体はクウガ、というよりTRCS2000不利だったようですし、ダメージも受けてしまった模様。一条も雄介も次世代機ビートチェイサー2000(BTCS2000)使用を考える。が、榎田ひかりの返事ははかばかしくない。上層部からクウガに渡すなと指示されていたわけでしたか。せいぜいできるのが、ガス弾の強化型を配備するくらいらしい。

 しかしバダーはそんなことに構うわけもなく、次々と犯行を重ねる。雄介はやむを得ず、現状の装備で追い続ける。一条は松倉貞雄本部長に掛け合うも、やはり返事ははかばかしくない。ただ建前の面があるようで、一条が松倉本人の意思を問うと、松倉は「もっと他にやらなければならないことがあるんじゃないのか」と、ちょっと意味深なこと言ってますな。

 捜査本部現場の面々はやはり憤ってますね。それだけ第4号/クウガに対する信頼が厚くなっているんでしょう。クウガ抜きでは、たとえグロンギ怪人を倒せたとしても、市民の被害者、殉職者数は比べ物にならないのは自明でしょうから、当然か。つまり「上層部は市民や俺たちの命を軽く扱ってやがる」という不満なんでしょう。

 しかし一条には(松倉に促されての?)腹案がある模様。何か作戦開始するような雰囲気です。今話で分かるのは、神奈川県警部隊と協力、ガス弾も用いて人けのない場所にバダーを誘い込むというものですね。しかし倒すための有効な手段がないわけで、どうするつもりなのか。この後、BTCS2000を受領に来る関東管区警察官に対し、榎田ひかりが何か意を決して応対しようとしてます。これも一条のプランと連動しているかもしれない。

 一条のプランにはまだ何かあるようで、雄介/クウガの現場サポートは杉田刑事がつく。雄介は杉谷「ピアノやってる葉月ちゃんのパパですよね」と声を掛けまして、杉田がちょっと驚いている感じ。杉田としては『俺たちのことをそんなにしっかり知っていてくれるのか』という気持ちでしょう。これを聞いていたのか、笹山望見も通信ながら最大限のサポートを雄介に約束する。現場はいい流れになってる感じです。

 一方、バダーは着々とゲームを遂行しつつありますな。見守るバラの姐さんはバダーがファイナル(ザギバス)に進めるんじゃないかと期待してます。が、他のゴ集団は疑問視したり、無関心だったり。気になるのがゴオマで、何やら自信ありげ。彼の計画も着々と進行しつつあるらしい。

 バダーは警視庁が追いつつあり、笹山望見は三浦海岸への誘導を指示する(単なる連絡役ではなく、参謀の役割を担ってるわけですね)。が、バダー人間態を発見したTRCS2000Aを駆る白バイ隊員が、仲間が止めるのも聞かずに必死に追いすがりまして、返り討ちに遭ってしまう。

 これはグロンギ語翻訳抜きで見ると、独断専行にも思えますが、既に47人の被害者が出ていることを踏まえると、決死で踏ん張ったことが分かります。杉田ら仲間が倒れた隊員に駆け寄る気持ちも伝わってきます。

 ようやくクウガがバダーに追いつきまして、バイク対決第2ラウンド。岩場もある海岸での決闘ですね。前に屋内でバイクを駆る名シーンがありました。今回もなかなかの見応えです。互角の戦いになりますが、バダーが隙を突いてTRCS2000を奪取、クウガに迫る。そうか、雄介も「鋼の馬」に乗ってるわけで、しかもクウガですから、バダーとしては最上のターゲットということになるわけか。

 次回「連携」の予告映像では、BTCSと思しきバイクにスーツにネクタイのライダーが乗ってまして、もしかして一条かな。そうだとしても、ちょっとどういう展開なのか分からない感じです。

●ダイの大冒険(第13話:決着の瞬間)

 ダイ&ポップ vs ヒュンケルの闘技場対決が、カメラ視点を移動させつつのダイナミックな動きでした。これはやはりコンピュータゲーム技術の利用なんでしょうね。絵が2Dキャラクターの3D格闘ゲームの感じがしました。

 さらには、平面でデザインされたアニメキャラクターが3次元に動けるって、可動型フィギュア造形師の技術が一役買ってるかなあと思ったりもします。前に観たTV特集で、可動型ルパン三世フィギュアデザインがありまして、関節位置の工夫とか、なかなかに超絶技巧でした。2Dキャラクターを3次元で動かすって、おいそれとできるものではなさそうです。

 それはともかく本編。先週ラストで、ポップが「やった!」と連呼して喜んだライデイン直撃ですが、確かに鎧を通してダメージを与えたはずなのに、中のヒュンケルに耐えきられてしまったわけですね。勝ったと油断したポップが近づいて、いきなり殴られてます。鎧の隙間から見えるヒュンケルの顔には傷一つない。

 ヒュンケル反撃のターンとなりまして、得意の術でダイを捕縛して金縛りに取り、いきなり戦況逆転、必殺のブラッディ―ストライクを放つ。手も足も出ないと思ったダイは、反撃する気力自体を失ったか。こういうところは、現時点のダイの弱いところかもしれない。

 しかしマァムが駆けつけまして、「魂の貝殻」で亡き育ての親:バルトスの遺言を聞かせるわけですな。真相はヒュンケルが思っていたものと違ってまして、バルトスには家族がいると察したアバンは討伐せず、むしろヒュンケルを託されている。それでもハドラーをアバンが倒せば、バルトスも消滅する。

 はずだったけど、バーンがハドラーを蘇生させたんで、バルトスは生き残った。が、怒ったハドラーにバルトスは処刑されてしまったわけですね。このことを予期したバルトスは「魂の貝殻」に真相を記憶させ、いつかヒュンケルに届くことを願って死んだと。そして今、マァムが「魂の貝殻」をヒュンケルに返したわけですな。

 戸惑うヒュンケルですが、間の悪いことにダイが立ち上がってしまう。目つきが変わってまして、ポップの推測によれば、意識をほぼ失ったまま、闘争本能で動いている状態らしい。これを見たヒュンケルは、破れかぶれという感じで思いきってしまい、マァムを振り切って止めを刺しに行く。

 再度の対決では、紋章によらないダイの隠れた実力が発揮されまして、剣にメラの魔法をまとわせるわけですか。剣だけ、(電撃系以外の)魔法だけの攻撃には耐えるヒュンケルの鎧も、魔法+剣=魔法剣までは防ぎ切れないらしい。ヒュンケルの驚きようからすると、魔法剣は人間では使いこなせない技であるらしい。

 こうなると、弱点の電撃系ならさらに大ダメージになるはずで、ポップの助言でダイはライデインのアバンストラッシュ:ライデインストラッシュを放って決着。ダイは止めを刺そうとするも、ヒュンケルに駆け寄ったマァムを見て、正気に返ったようです。ヒュンケルもマァムに心身とも癒されつつある感じですね(で、ポップが雑な扱い受けてると ^^;)。

 めでたしめでたし、にならないのがダイ大ドラマの厳しいところでして、氷炎魔団長フレイザード登場。死火山を活性化させ(死火山って原作連載当時はまだ言われていたんだろうか、ともかく久しぶりに効いた)、マグマでヒュンケル共々ダイらを皆殺しにしようとする。ハドラー指揮下の六大軍団の互いの関係性が窺える描写です。特にヒュンケルは人間ながら魔族に参加ということで、軽んじられていますから、なおさらなんでしょうな。

 しかし、フレイザードが早々に去ったのを機に、ヒュンケルが決死の活躍となるわけですな。ダイらを大岩に乗せ、クロコダインの剛腕をイメージして、闘技場外へ放り出して助ける。ヒュンケル自身は逃げられず、別れを右手を挙げて示しつつ、そのままマグマに飲まれる。

 高々と上げた右手が最後に飲まれるのって、どうもターミネーター2のラストを思い出します。ただでさえ感動するドラマですのに、、さらにT2のカッコよさ、悲壮感がこのシーンの感動をより大きくしてくれました。たぶん制作も意識したんじゃないかと思いますが、決してサムズアップさせないのが粋なところです。もしサムズアップしてたら、かえって冷めてしまったんじゃないかと思います。

 ヒュンケルはやはり良き団長だったようで、側近らしいモルグが覚悟の殉死ですね。それとは対照的に、残る軍団長とハドラーらは、ヒュンケルの死亡がフレイザードの仕業と勘づきつつも、フレイザードの報告通りとし、ダイと相討ちの名誉の戦士扱い。ただ、超竜軍団長/竜騎将バランだけは、内心で毒づいているようではあります。調べるとバランはダイの父親だそうですが、この時点では、ダイが息子とは気が付いてないのかな。

 次回「氷炎将軍フレイザード」では、今回のリターンマッチに入るということでいいんだろう。

●グリッドマン

 本編感想ではないんですが、とんでもない勘違いをしてたもんで、ちょっとメモ的に残しておこうと思います。

 グリッドマンでは、ジャンクなどのパソコンを通して、他のパソコンやマイコン内蔵機器に干渉したりしてます。自分はこれを「インターネットはもちろん、IoT(モノのインターネット)まで予測した設定だ」みたいな気がしてました。

 93~94年の作品ですから、インターネットは既にあり、一般向けにはパソコン通信が普及していましたから、そういったものを制作は設定に取り入れたかもしれません。しかし自分は「IoTが既に実用化されている世界」だと思い込んで、今まで観てました(^^;。

 はたと気が付いてよく描写を見てみると、PC→家庭用コンセント→電力用電線と伝って、グリッドマンやカーンデジファーらはコンピュータ世界を移動しているんでしたか。

 そこを自分は、2020年現在にあるものが、そのまま設定に取り入れられていると勘違いしてましたorz。が、フィクションの未来描写が偶然にも現実と一致するのは稀なことです。制作が予期せずに的中させた、技術的な予言と考えれば、なかなか凄いことなんじゃないかと思います。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/29 (Tue) 13:56:11

 定期感想その3です。

 Yotubeは東映公式が年始から期待できる状況ですね。1/30に「鎧武/ガイム外伝 仮面ライダー斬月/仮面ライダーバロン」で、最初に公式覗いたときは、12/30かと思いました。まだ1ヶ月以上待たねば。

 クウガのほうは3話構成で、これからは1エピソードが週をまたぐなあと思っていたら、1/2の第33話と新春スペシャルをやってくれるようです。これで1エピソードが1週に収まるようになりそう(終盤、またパターンが崩れるみたいですが)。

 投稿直後追記:TVでは劇場版ガンダムNTの放映も見つけまして、これも録画予約しました。ずいぶん前の作品のような気がしたんですが、調べなおすと約2年前ですか。

●仮面ライダーセイバー(第16話:世界を救う、一筋の光。)

 今話は坂本浩一監督回以外にも好みのポイントがある一方、ドラマ演出が奇妙に思える点もあって(下手するとリアリティを損なう)、感想が悩ましいところです。まず奇妙に思える点から少し。

 先週で一応はメギド側の作戦(扉を開いて真理や大いなる力奪取)は阻止したものの、賢人を失い、司令塔のソフィアは行方不明となってます。しかし冒頭、厄払いと称して年末年始の日本の行事をやろうと、ロゴス側剣士がはしゃいでいる様子があります。

 いやあ、賢人を失って喪中でしょうに。喪中という概念が(倫太郎とかに ^^;)ないとしても、ショックを隠せないでしょうし、祝い事やる気分ではないはず。その上、ソフィアが行方不明で、今後の作戦立案に不安が生じているはず。この状況だと「戦力低下の上、指揮系統が乱れている。もしメギド側が再度の侵攻を試みたら」と考えて、まずが立て直しなどの対策に奔走するはず。

 やっぱり、年末でドラマを締めて、新展開も見せるという制作的な都合なのかなと思えてしまいます。冒頭の雰囲気を解釈するとしたら、「賢人を失ってからかなりの期間がある」「ソフィアは以前から、ときどき現れるだけなので、しばらくいなくても違和感がない→むしろ、ソフィアが出てこないということは敵も動いてない」みたいなことかなあと。そう考えようとしても、なかなか納得いかないところではありますが。

 まだありまして、サウザンベースの神代玲花が簡単に尾上らを説得して、(誘いに乗らなかった)飛羽真を裏切り者として深刻な対立を作ってしまったこと。尾上らは最初こそ(型通りの感じで)神代玲花の語る飛羽真の疑惑を一蹴するものの、上條大地、富加宮隼人の例を出されると、簡単に翻心したように見えます。

 これを解釈するとしたら、神代玲花がまだ何か証拠めいたものを提示したと考えるくらいでしょうか。その上で「もし剣とブックを預けることを拒絶したら怪しい」「上條大地に同情的なら決定的」みたいなことをほのめかしたとか。仮にそうだとしても、例えば尾上が飛羽真を信用するに至ったエピソードなどを考えると、なんとも納得できなさそうではあります。

 制作としては(スポンサーの意向などもあって)年明けからの新展開を見せたいので、ロゴス側の内部対立を作るのに焦っちゃったのかなあ。その一方、自分好みの展開という面も強くあります。作り方に文句言ったロゴス側内部対立(とサウザン疑惑)ですが、そうなること自体は「よっしゃ、そう来たか!」と興奮する展開です。

 尾上が当初、飛羽真を信用できなかったとか、倫太郎の怨恨による個人プレーとか、隼人やカリバー絡みの賢人の見かけ上の迷走とか、ロゴス側(ノーザン)はゴタゴタして、なかなか結束できませんでした。それがようやく、まとまった。賢人を失うという大きな犠牲まで払って作った団結ですね。

 さあ、ここからだ、という印象が出ますんで、とても貴重なつながりに思えます。だからこそ、結束が壊れる展開がインパクトあります。失って分かる大事さ、といったところでしょうか。好きなんですよ、いい感じにしておいて奪いに来るって。ただし中盤までですけど。ラストでやられると、よほどに巧くやってくれない限り、げんなりしがちですから。

 中盤での喪失なら、終盤までに挽回するドラマとなり、カタルシスが大きくなることが多い。もっとも、そのためには気分を下げる喪失に納得できたほうがいい。今話だと、神代玲花の動静にまだ裏があったりしてくれるといいんですが。ソフィアが捕らわれている様子で、神代玲花が絡んでそうだし、さらにはメギド側とつながる様子もありましたんで、年明けからに期待することにします。

 ともかく本編。まず敵拠点のシーンからで、レジエルが荒れ、ズオスと揉めそうになるも、ストリウスだけは涼しい顔ですな。どうもこの先の腹案があるらしい。続けて神代玲花が通信(電話?)してまして、まるでストリウスの言いたいことを代弁しているかのよう。神山飛羽真が(カリバーを継ぐ)鍵というのは今までの流れから分かるんですが、「千年前に失われた剣」というのはたぶん初めて聞いた。おそらく、この後に顕現するアヴァロンの男、ことユーリ=仮面ライダー最光が光の剣なんだろう。

 飛羽真側の拠点(かみやま)では、さすがに沈んだ雰囲気ですが、倫太郎が「すす払い」と言い出したのをきっかけに、年末年始の行事をやろうとはしゃぎだす。上述しましたが、どう解釈しても違和感あります。ただ、尾上の息子そらが一緒にいますんで、大人が配慮した面はあるんでしょう。飛羽真だけ内心が語られまして、上條大地/カリバーの今際の言葉に不安を感じつつも隠している模様。

 先程のストリウスの自信ありげな様子は、現実世界の変化を利用した新たな本とからしい。実際、異世界(ワンダーワールド)が見える人が増えているみたいです。芽依の上司/編集長の白井ゆきにも見えてるみたいですが、疲れて幻視していると思っているらしい(いや、そんなはっきりした幻視あったらマズイって)。人によってはとても魅力的に映ったりもするらしい。少なくとも、描写があった範囲では嫌悪する人はいなさそう。

 一方、敵の一時撤退で執筆時間が確保できたらしい飛羽真ですが、上條大地/カリバーの言葉が気になっている模様。それを見透かすように神代玲花がサウザンベースへリクルートに来る。が、飛羽真は言下に拒否。しかし、神代玲花は「そう」と受け流し、「だと、いいけど」と不気味に自信ありげに去る。この後の策動も想定内だったんでしょう。

 入れ替わるように芽依が来まして会話になるわけですが、飛羽真の上條大地/カリバーに対する見方は率直なものなんでしょうな。剣を交えて、戦った結果、後を託される格好になったわけで、上條大地の言葉を飛羽真は信用しているらしい。しかし他のロゴス剣士からすると、裏切り者であり、賢人の仇でありますんで、埋めがたい溝になってしまう感じです。

 絵本「Wonder Story」の由来もようやく明らかになりまして、ルナのものだったわけですか。だから、前に重傷でベッドで眠る賢人の枕元に置かれ、それを見た賢人も決死の決意をして戦いに赴いたわけなんでしょうな。

 一方、神代玲花は早速動きを見せてまして、まず倫太郎に接触、ソフィアが拉致されたと称して、招集命令が出たと言う。このシーンに挿入されたカットからするとソフィアがどこかに幽閉されている感じなのは確からしい。問題は誰がやったのか、でしょうか。今話の流れからすると、ノーザンと何らかの理由で対立するサウザンベース、もしくは当面のラスボスとしての神代玲花の暗躍のような感じです。

 神代玲花は続いて、尾上らにも接触、飛羽真の裏切りを示唆する。尾上らも富加宮隼人や上條大地を事例とされると、動揺してしまっているらしい。扉をくぐって大いなる力に触れると、魅入られてしまう、というのが神代玲花の説明。ただし扉の向こうで上條大地が語った内容とは齟齬があるような。しかし飛羽真以外は聞いてないわけですね。

 これでノーザン・ロゴス剣士は説得されてしまったらしく、飛羽真の前に立ちふさがり、剣とブックを返還せよと求める。隠れて窺う神代玲花は、バックアップについているのか、それともどこか(もしかするとメギド側)へ状況を知らせる為か。カットのつながりからすると、ストリウスに連絡入れてるっぽい。ソフィアが消えたときも、こんな感じだったような。

 それにしても、飛羽真以外のロゴス剣士の突然の態度変化は、やっぱり不可解かなあ。何か、止めとなる決定的な証拠を見せられた、というシーンが隠されてるとかじゃないと、かなり無理矢理な展開(ひいてはロゴス側戦士が愚かに見えかねない)。ただ、倫太郎に関してだけは「ロゴスは家族も同然」が悪い方向にも作用したように見え、一応の説得力はあるかな。

 飛羽真はロゴスに黒幕がいるかもと主張するも、全く聞かれず力尽くに。セイバーにドラゴニックナイトがあるとはいえ、飛羽真はやはり仲間相手に行使はためらわれる模様。もっとも、倫太郎も「キングライオン大戦記」まで会得してますから、どう戦っても飛羽真不利かも。ともかくも、この流れで飛羽真はサウザンベースがおかしいと確信したらしい。

 とっさに飛羽真を庇おうとした芽依を守るように、アヴァロンの男:ユーリ登場で流れが変わるわけですな。ただし、見守る神代玲花としては想定内らしい。ユーリ=仮面ライダー最光は剣ですか。前にセイバーが剣化してましたが、あれよりベリアロクっぽいような。己の斬りたいものを斬っているわけですんで。しかも剣使いがいなくても、一人で斬りに行く。

 考えようによっては最強の剣士/ライダーかも。何せ本体がいませんので、ヒュンケルの鎧の魔剣以上といいますか、剣を叩き折るとかしない限り、倒しようがありません。不利と見たロゴス剣士は撤退。ユーリはこんな状況でも「最高の日だ」とか言ってまして、ユーリとしても事態は好ましくはないながらも想定内なのかも。

 ロゴス内紛を知ったストリウスがレジエルをどこかへ差し向けた、と思ったら、ソロキャンプに向かう編集長:白井ゆき狙いでしたか(あんな軽装で冬キャンプってヤバくないかな)。白紙のブックを埋め込むと怪人化してまして、確かに今までと違いますね(ゼロワンを思い出さなくもない ^^;)。序盤は人間を排除しようとしていたわけですが、中盤からは人間をメギドに取り込む戦略に変わったのかも。

 正月で1週休んでの次回「古の使者は、光か影か。」では、イエティメギドにされた白井ゆきを救えるかどうかが争点の1つになるようですね。神代玲花は策動を推し進めるらしいですが、公式サイトの予告文章では、ロゴス側剣士から疑問視され始めるようなニュアンスもあります。

●ボロット

「花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記」のほうで、こちらで伺ったサブカル史がもう少し詳細になってまして、さらに参考になりました。自分は80年代後半~90年代前半は仕事・プライベートともに忙しすぎになりまして、継続的なサブカル鑑賞の途切れた時期です。だもんで、再度「あの時期はこうなってたか」と思うものがあります。

 記事中のボスボロットですが、もちろん自分もマジンガーZリアルタイム視聴でよく知る、なじみ深いものだったりします。コミカル役ながら、要所要所できちんと活躍もしていた印象です。セブンガーになぞらえられるのも分かる気がします(そういえばZつながりでもあるのか)。

 正式名称がボスロボットながら、愛称がボスボロットになって、しかし最初から自分にしっくり来たのは、自分的に「ボロット」が既にあったからでした。ダジャレとして面白いから受け入れたわけではありません。自分的な「ボロット」の初出は、マジンガーZより前の実写ドラマ「丸出だめ夫」です。

「丸出だめ夫」の「ボロット」も「ボロで作ったロボット」だからというもの。しかし、このボロットがコミカルながら、なかなかに健気でもある奴でして(もうエピソードとかは思い出せませんが、印象だけ記憶に残ってる)。そこがボスボロットに重なるものを感じた記憶があります。

 そのせいで、ボスボロットにすんなり馴染めたんですが、コミカルに加えてシリアスも加わったお陰で、スパロボなどでも充分な戦力扱いになっているわけでしたか。なんと申しますか、「子猫を拾って『チビ』と名付けたら、でっかい猫に育ちやがった」と似ているような気がしないでもないです(^^;。

Re: 12月のスレッド(2020) - Shiny NOVA

2020/12/30 (Wed) 12:24:36

年末書き納めです。
今年一年お世話になりました。また来年も、創作鑑賞談話を楽しみたいと思いつつ。

★クウガ

 バダー編は、バイクアクションが凄いですな。月並み感想ですが、今は見られない類のアクション映像ですので、古い作品なのに、かえって新鮮に感じます。

 アクション部分は、ストーリーが分かっていても楽しめる。そして、CGをほとんど使わない生のアクションなので、スタントの人の技量の凄さが分かって、オリンピックの体操競技を見ているような感動がある。
 その凄さを撮影し、編集するカメラマンや監督の腕も感じ入る要素ですが。

 物語としては、前回の大爆発でマスコミがクウガを酷評し、その影響で警察上層部も、クウガのフォローに二の足を踏む状況を提示し、そういう中で頑張る現場の連携に『踊る大捜査線』みたいなドラマを見ているような感覚。
 そう、現場で戦うヒーローと、それをバックアップする警察の方々という、それまでのライダーではなかなか見られなかった物語ですな。

 警察とヒーローだと、クウガ以前だと「レスキューポリス」シリーズという作品があって、メタルスーツを身にまとった特殊警察チームが凶悪犯人や彼らのもたらすトラブル災害を阻止する作品があったのですが、怪人を倒すのではなく、車で逃げる暴走犯人を追うカーアクションとか、爆発しそうな工場跡地に捕まった人質を救出する話とか、時々、世界中から来たアクションテロリストとか改造人間とのバトルアクション回とか、警察の人情ドラマとか、平成ライダーのちょっとしたルーツになっています。

 で、その延長が次作の警察官ライダー・G3になるわけですが、「ライダーと警察」というテーマで社会派ドラマ+アクション劇を語れるのが平成ライダーの特徴の一つですね。
 昭和ライダーだと、FBI捜査官の瀧和也というキャラがいましたが、一条さんも平成の滝和也と言われておりました。

 で、決着編を気にしていたら、もうすぐ1月3日に配信してくれるようで、2週間待たされずに済みますな。
 BTCS回を楽しみにしつつ。

★セイバー

 この作品。
 自分はドラマ面で感じ入ることを半ば放棄しています。
 その代わり、アクションとサプライズ展開を期待して、見ています。

 登場人物がおバカに見えて、強引な展開、ちっとも登場人物に感情移入できず、おいおいとツッコミ入れたくなるキャラ描写。
 まあ、ゴーストの時に経験していたことですな。時々、無理やり「感動しろ」というドラマを見せつつも、溜めがないので、こっちは感情が乗らない。

 ゴーストで一番感動したのが、「アランとお婆ちゃんのドラマ」なんだけど、直後に「たこ焼き食べながら戦場に現れるアラン」というギャグ風描写でオチをつける。
 感動を感動のままにせずに、そこから面白ネタにしてしまう点で、狙いは大人じゃなくて子供なんだな、と思わせてくれる。
 子供は感情が長続きせず、涙をすぐに笑いに転化したがるので、子供番組としては悲劇を引き伸ばしにせずに、すぐに切り替える方向で正解。

 で、今回のドラマも、賢人の死やソフィア失踪という不安要素を前面に出さず、駆け足のように、次の話に移り、急展開を見せてくる。
 このテンポは、大人向きドラマではなくて、子供番組のそれですな。

 ただ、今回の話で、自分が感心した要素は、ようやく「編集部が描写されたこと」。
 そう、ここまでの話で、セイバーは飛羽真の背景にある作家要素よりも、剣士としての姿をメインに示していて、彼の持つ社会人としての立ち位置は背景でしかなかった。
 何よりも、ソード・オブ・ロゴスの剣士たちとの人間関係やバトルの構築に追われて、小説家としての飛羽真が十分、描写できていなかった。

 戦いの描写についても、巻き込まれる一般人の姿が希薄で(コロナ禍という撮影事情もある)、ライダーの戦いが人々を救うため、という見せ方があまりできていない。
 まあ、これはメギドが世界を改変するというマクロな目的を掲げて、直接人を襲う場面が少なめで、ドラマ展開も剣士個人の思惑と、チームの絆に重点が当たって、「世界が大変だから人々もピンチ」という話は最初の数話で見せた程度。

 時々、ブラーボ&グリドンとか、今回のウルトラマンジードからのゲスト出演役者みたいな一般人描写がありますが、彼らを一般人と見なしていいのかどうか。
 要するに、怪人に襲われる人々とか、そういうヒーローが戦うミクロな理由が薄くて、「いきなり世界が危ない」というマクロな理由を突きつけて来たのがセイバーのドラマ。

 それを、もう一度、足元を固めようか、と飛羽真や芽依の知人が怪人化されるという、ある意味、日常が敵に襲撃されるという「フォーゼ的な展開」になりますよ、と提示してきた。
 普通は、「日常がピンチ→世界全体が危機」と話を広げるのに対し、今作は「世界がピンチ→日常が危機」という逆パターンを見せてきた。

 そして、感情移入という面では、日常の危機というドラマの方が入り込みやすいわけで。
 じゃあ、どうしてセイバーは逆パターンなのか。まあ、コロナ禍で「世界がピンチ」という世相のためとか、人と密に関わるドラマが撮影困難だとか、背景もいろいろあるのでしょうけど、それとは別に「戦隊の作風を取り入れた」というのもあるのかな、と。

 戦隊は第一話とか序盤が、「敵組織が地球に派手に宣戦布告」というスペクタクル映像を提示して、まずは派手に大規模に盛り上げる。
 その中で、チームが結成し、敵味方の人間関係を提示した後で、いわゆる通常回に入って、各キャラの日常生活を描写する緩い展開に入り、怪人もギャグ的な言動を示すようになる。

 セイバーも最初に大きな話を提示して、それからミクロな日常エピソードに移る頃合いかな。まあ、戦隊に比べて、二話一のエピソードなので、日常回に入るまでに時間が掛かったけど。
 これから飛羽真が、「俺は組織のために戦っているんじゃない。人間を守るために戦っているんだ」と言えば、ヒーローらしいし、
 それに対して、組織のライダーが個人主義を認めるか、あくまで組織を信じるか、個々の内面描写まで深まるなら、今回はあくまで問題提起の一話ということになりますね。

 組織を信じる倫太郎と、組織に疑惑を持つ飛羽真の対比にもなりますし、それを仲裁しようとするのが芽依さんの役どころにもなるだろうし。
 蓮は最初から好戦的だったし、尾上さんと大秦寺さんはカリバーの裏切りという傷を抱えているし。
 まあ、神代さんに乗せられたロゴスの剣士がバカというよりも、神代さんがそれぞれの剣士のツボを承知して、言葉巧みに誘導した手腕を褒めるところかな。

 そして、飛羽真の振る舞い方も、わざわざ対立を煽るような主張をしているのが、傍目には「策士、軍師にはなれない、状況把握のできないキャラ」に見えますが、
 気質的にはまっすぐなキャラなんですな。小説家として、複数キャラの心理を考えるほど達観してはいない。どちらかと言えば、子供向けの絵本作家の方向性なのではないか。宮沢賢治の童話的な作風とか。

 ちょっと、自分の考える小説家像と、飛羽真の作風の違い、ギャップみたいなものが見えて来たな、と思いますね。
 戦記ものの司令官、世界を俯瞰してみる魔法使い視点と、前線の兵士、若き新米剣士の視点の違いというか、まだまだ物事の背景とかがよく見えていない20代の作家を想定して、飛羽真の真っ直ぐさを見つめ直してみようかな、と。
 どうしても、今までの自分は「作家だったら、これぐらいの判断はできるようになれよ」と飛羽真の至らないところにツッコミを入れる視点でしたが、だったら20代の自分にそういう判断ができたか、と言えば、まあ、無理だろう、と。

 うん、20代だと、何も見えていなかったというか、見えていないのに見えている範囲だけで、愚直に、間違った方向に突き進んだり、そこから反省して何かを学んだり、語るネタを培ったりしてきたな、と思い出しつつ。

 まあ、セイバーも剣士としての飛羽真だけでなく、若手小説家としての飛羽真の日常姿が描かれる方向にシフトするなら、それはそれで楽しみになるわけですな。

 あとは、光と影の両面を持つユーリさんのキャラ描写に期待しつつ。ちょっと彼にウォズさんみたいな、世界を俯瞰して見ることのできるキャラ性を感じているので。

★ダイ大

 さよならヒュンケル。
 でも、1月中には、クロコさん共々、復活した姿が見られそうで、展開の速さゆえのギャグ描写になって行きそう。

 死んだと思ったら、3週後にはすぐ復活とか、そんなペースで。
 原作とか元アニメだと、復活するまで2、3ヶ月は掛かってそうなところを、次の月には復活なんて展開を見せられると、まあ、死ぬ死ぬ詐欺になるんですな。

・クロコダイン:強靭な肉体ゆえに死なない。

・ヒュンケル:不死騎団長だから死なない。まあ、暗黒闘気と光の加護の両方に守られているから、とか、いろいろ理由はこじ付けられるんだけど、とにかくHP1になっても、それ以上にHPが減らないという不屈さがポイント。

 ゲーム的に考えるなら、とにかく防御力とHPがバカ高くて、死なないクロコダインと、
 HPがゼロにならない特殊能力持ちのヒュンケルと言ったところか。

 一方のダイは、新技の魔法剣とライデイン・ストラッシュを会得。
 これらは、ドラクエ本編にはなかった技ですが(ファイナルファンタジーの5が先に実装し、その後、ドラクエも取り入れた)、属性持ちの剣技というのは現在の定番にいろいろなっておりますな。

 なお、剣を天にかざして雷を呼ぶというのは、古くはグレートマジンガー辺りもやっていて、格好いい演出の一つ。そこからボルテスVとかに移って、戦隊ロボに受け継がれる。
 天空剣とか、電光剣とか、電磁剣とか、いずれも稲妻バリバリなエフェクトが必殺技って感じでいいなあ、と。光学合成と相まって、雷で光り輝く剣というのは伝統的。

 逆に、炎の剣となると撮影が大変で、本当に燃やして、ウルトラマンAを突き刺したり、敵が使う技のイメージで、特撮で再現すると、それだけで凄かったんだけど、最近はCGで当たり前の演出になったなあ。

 ともあれ、ダイは強敵と戦うたびに、一度は敗れて、仲間が時間稼ぎをしてくれて、新技を生み出しての逆転勝利という展開の繰り返し作品なので、
 そのペースを一月に一エピソードという形で見せるのが、今のアニメかな、と。

・1週め:敵の強さをたっぷり描写。ピンチ
・2週め:かなわず撤退。勝ち誇る敵。
・3週め:敵の技や弱点の研究、特訓を経ての再挑戦。
・4週め:特訓した成果だけでは勝てずに、さらにピンチになるも、特訓の上を行く実戦の新技で逆転勝利。

 多少はズレるかもしれませんが、フォーマットはこんな感じでしょうか。
 まあ、クロコダインの時は、所詮でダイを見くびっていた彼の方から先に撤退するとか、マァムの加入とかでフォーマットと多少ズレている感ですが、
 それでも、初戦で強さを見せつけ、2戦めで決着という流れは変わらず。

 そして、敵の能力を分析する軍師としてのポップが、「こんな強敵をどうやって倒すんだよ。勝てっこねえよ」と弱気になっていたところを、ダイがそれでも愚直に修行する姿を見て、自分も考えないと、と奮起して、策を講じるとか、その策が通じたように見えて、それでも敵の強さが上回って、もう、ダメだ、となった時に、
 ダイが奇跡を起こす流れ。

 週刊連載マンガ特有の「逆転に次ぐ逆転と、その場その場の状況打開のアイデアの連鎖」が、間延びせずにまとめて見せてくれるのが今のアニメかな、と。

 もちろん、一つの敵を倒してたら、次はさらなる敵が出てきて、連続バトルを盛り上げる流れも、いいなあ。
 流れとしては、クロコ→ヒュンケル→フレイザードと来て、1セット。

 次は、バランの前にザボエラ&ハドラーとの小競り合いがあって、そこから旧作アニメでは中途半端に終わったバラン戦が、今作の最初の注目ポイントかな、と。
 バランは、ダイの父親というドラマ面もさることながら、自分自身が強敵の部下3騎衆を持つ大物幹部で、ハドラーよりも格上。
 まあ、それを言うなら、ミストバーンもハドラーよりも格上で、ハドラーがどんどん小物化する中で、ハドラー自身も強さを求めて、自分を鍛えようとする敵味方の特訓合戦になっていくのが来年の春ぐらいかなあ、と(そこからがさらに面白い)。

 ともあれ、単純な勧善懲悪ドラマだと、次のフレイザード編が序盤の一つの白眉だとも思うので、まずはそれを楽しむのが来年頭かな、と。

★その他

>戦隊

 キラメイは、いよいよラスボス出現で、年明けクライマックスの雰囲気に。
 ヨドンナ=ドッピオ説に、なるほどな、と思いつつ、果たして一身同体の別人格なのか、それともヨドンナは憑依されているだけで別人なのかが気になるところ。

 前者なら、完全に倒してしまうしかないのでしょうが、後者だとヨドンナを皇帝から解放して助けるという選択もあって(アバレのジャンヌみたいなものですな)、終盤の展開を楽しみにしつつ。

 そして、アバレは敵幹部のミケラとヴォッファが地上に出てきて、新展開とか、だんだん定石を覆すカオス展開に入って来たなあ、と思ったり。

 バスターズは、グレートゴーバスターから、女幹部のエスケイプさんが登場して、盛り上がっているところ。

 ターボは、次回が20話かな。正月の楽しみは結構多そうですね。

★グリッドマン

 技術の進化と作品の先見性に、感じ入るとのこと。

 自分としては当時、小説とかTRPG関連で、近未来のサイバーパンクという題材に触れていたので、グリッドマンのアイデアに斬新性は感じなかったのですが(ああ、サイバーパンクネタを取り込んでいるなあ、とか)、
 ネット世界の何かを弄ったら、現実世界にも影響を与えるという設定そのものは、既出なんだけど、「それを分かりやすく映像化した」ということにグリッドマンの先見性があった、と今では理解しています。

 そう、小説などで文章化されているアイデアを、どう映像表現するか、という技術面を当時(20代)はよく分かっていなくて、グリッドマンの試行錯誤を「既出のアイデア」と見下していた気がします。
 アイデアをどう形にするか、という手法にまで、考えが至っていなかったんですね。

 しかし、グリッドマンの凄さは、「ネットダイビング」「日常につながるネット世界」「少年のアイデア、プログラムデータが実現する架空世界」という諸要素を、子どもにも分かりやすい形で提示したところ。
 斬新なアイデアを、マニアックな知識を持つ年長層ではなくて、子どもに分かりやすく見せる、というのが、どれだけ難しいか、そこを当時は理解していなくて、小難しいことにしか価値を見ていなかったわけですな。

 子供に未来の夢やテクノロジーの種を蒔いた作品が、グリッドマンという評価になっていて、
 それが20年以上を経て結実したのが今、と考えると、「子ども番組に未来の夢がある」と考えてみたり。

 もちろん、その夢は断片的な可能性でしかないけど、後から振り返ると、当時の世相の勉強になるし、この時代の夢が今にどうつながっているか感じ入ることも可能。

 まあ、作劇的には、ワンパターンなんですがね。
 強大な力を持った天才ハッカー少年が、子供じみた悪事を繰り返し、人々の日常が翻弄され、それを正義感の強い少年少女のチームが超人の力で解決する物語。
 だけど、まあ、前者は現在のネット犯罪に通じるものがありますし、日常の憂さをネット世界で晴らすという行動に感情移入できる人も多そう。

 コンピューター世界が、夢の世界であると共に、悪意の世界にも通じるという21世紀、そして令和の時代観を先取りした寓話と捉えることも可能かな、と。

★ボロット

 まあ、いわゆるユルキャラ系ですな。

 ボスボロットについては、スパロボで活躍するようになったのは、旧マジンガーではなくて、21世紀にリメイクされたマジンカイザーや、真マジンガー登場バージョンです。
 昔のボロットは、「役に立たないけど、演出で笑わせる芸を多数持っている」というところでしょうか。決して強くはないけど、いろいろ弄ると楽しくてネタになる。

 自爆させたり、脱力で相手の気力を下げたり、敵の攻撃を引きつける囮に使ったり、ボロット活用法が攻略サイトのネタになったりしたなあ。

 一見、役に立たなそうなものに、どう価値を見出すかというのが、アイデアだったり、マニアックな愛だったり、酔狂だったり、まあ、いろいろ。

 ともあれ、こういう「日常的なガラクタ、スクラップでも作れちゃうロボ」ってのは、子供心の夢の一つかもしれないなあ、なんて思ったり。
 スーパーロボットには手が届かなくても、ボロットぐらいなら作れそうってのは、「金閣をマネするのは無理でも、銀閣なら自分でも作れそう」と思わせて、そういう庶民感情にフィットしたものが後に大衆文化を下支えするという話を、歴史で語ったりもしつつ。

 つまり、ボロットには、侘び寂び文化の心意気があるとか(笑)。
 で、近年(と言っても、この20年ばかり)は、普段はSDのゆるキャラ体型で、戦う時だけリアル等身に変形するロボやヒーローがあったりして、
 90年代末のカブタックから、仮面ライダーエグゼイド、そしてビルドダイバーのSD推しも含めて、「コミカル可愛い愛されロボットと、バトルの系譜」みたいな話もできそう。

 少し方向を変えれば、ビルドダイバーのベアッガイシリーズとか、ファンシー系にもつながりそうですし、現実のロボは兵器だけじゃなく、日常生活に馴染むという意味では、それこそ丸いハロとかドラえもん、そしてAIBOとかの方向性になっていきそう。


 ではでは、来年もよいお年を。

Re: 12月のスレッド(2020) - K.K

2020/12/30 (Wed) 23:18:38

 今年最後の定期感想です。

 今年もいろいろお世話になりました。作品情報をたくさんうかがえたお陰で、平成ライダーを始め、いろんな作品を観る楽しみが深くなりました。来年はもっと面白く観られるはずです。今年は世相的にもいろいろあったわけですが、少なくとも作品鑑賞だけは、尻上がりに先が明るいと信じられるのは幸いです。

●仮面ライダー剣/ブレイド(第43話:敵か味方か?、第44話:フォーカード)

 セイバーにちょっと寄り道ですが、NOVAさんのご感想で「ドラマ面で感じ入ることを半ば放棄」に、やっぱりそういうことなのかと。ただ、自分では先の感想程度が精いっぱいで、そこまで言い切るほどの実感、自信はありません。

 たぶん、自分はライダーシリーズの視聴者/ファンとして発展半ばなことがあると思います。今までのところ、ライダー新作はもとより、未見のライダー旧作も含めて、1作品観終えるごとに、次の1作品がより面白く感じます。おそらく、見どころを見どころとしてきちんと観ることができるようになっていく過程なんじゃないかと思います。言い換えますと、目が泳ぐのが少しずつ収まってきていると申しますか。

 そのことは、ライダー作品を期間を置いて再視聴してみて、気が付いてきた次第。こちらのローカル局放映分ですとエグゼイドとジオウ、東映公式Youtubeですと、今やってる鎧武ですね。鎧武の初視聴(再放送でしたけど ^^;)で、どれくらい目が泳いでいたかと申しますと「もしかすると自分はときどき、駆紋戒斗と呉島貴虎を混同していたかもしれない」という不安があったりしますorz。Youtubeでの再視聴できちんと確かめたいと思っている次第です。
(ローカル局での鎧武初視聴時ですと、今でも苦手な「多人数ヒーローの同時認識」が、当時はもっと極端に下手くそだったことも大きいかも。戦隊ものになかなかなじめなかった理由の1つだったりもします。)

 ウィザードですと、いろいろ不満も言いましたが、結局、最後までしっかり感想書いたわけで。たぶん終盤は感想が長くなったような自覚があります。あまり印象が深くない、とのNOVAさんご感想はお聞きしたわけですが、自分はそこまでは見届けきれなかった感じです(劇場版での締めくくりもあるとのことですし)。

 ゴーストだと「自分の好みとちょっと外れるけど、こんなのもアリかなあ」と思ってました。が、こちらでお話を伺ってみると、もっと深いところでいろいろあったようですね。たぶん、いずれネット放映があるんじゃないかと思いますんで、自分ももう少し掘り下げて観ることができそうです。

 おおむね、こちらで伺った作品の感想、印象は後々で納得することが多いんで、セイバーもドラマ的にはそうなるかなあという気がします。たぶん最終回後に分かるんでしょうけど。

 そして本題の剣/ブレイド。こちらで天王路打倒後の世界の危機発生から解決までの3話分が消化試合のようであるとのこと。そこは見届けてみての確認になりますが、今週分で既に消化試合を感じなくもなかったりします。言い換えると、字面上のイベントクリアをやり始めてないかという不安、不満です。

 今週分ですと、天王路が予言し、おそらく計画でもある、ライダー同士の内紛による自滅ですね。一応、裏をかく形に持ち込んでの逆転勝利にはなってます。ですが、ちょっと言い方は悪いですが、「チャチ」なんじゃないかと。4ライダーが対立するしかないように追い込まれた形跡がありません。コンフリクトを形式的に発生させて、パズル的に解いたような印象です。

 たぶん、それも尺がないからでしょうか。天王路打倒にしても、予習してみると最終兵器的なケルベロス登場と打倒→天王路のケルベロス化と打倒、と2つの大きなイベントがあります。さらにジョーカー勝利によりダークローチ発生のイベントもある。全話数から逆算すると、今週の2話でライダー内紛と解決を描く必要があったんでしょう。しかし、いかんせん2話なので解決を描けず、解消で済ませた感じです。

 もっと以前に剣/ブレイドを観たら、「おお、すごい仕掛けだ」と感心して(しかし感動に至らず)、凄い凄いと感想言ったかもしれません。しかし、ライダー物のシビアな最終盤をいくつか観終えた今ですと、剣/ブレイドの今の最終盤はちょっと不満が出ます。第29~30話(たこ焼き編)辺りでは、「よし、ここからか!」と思え、しばらくは納得できたんですが、どうやら締め切りの近さに対して、描くべきドラマ量が多すぎたのかなと思います。

 ともかく本編。ですが、既に長々書いた愚痴で感想をかなり言ってしまい、あまり書くことが残ってないかも。まずティターンとギラファアンデッド/金居の戦いを察知し、剣崎らが向かうわけですが、ギラファはさっさと撤退。ティターンとブレイドらのバトルに移行するわけですが、剣崎ブレイドと橘ギャレンが毒を受けた疑惑が生じてしまう。

 そこから、様子のおかしい剣崎、橘が攻撃的な行動を取るようになる。が、普段通りの2人に戻ったりもするわけですな。さらに相川や睦月も同様の状況に陥る。疑心暗鬼が生じ、4ライダーが争う羽目になってしまう。

 この疑いはゆえないことではなく、剣崎と橘はアンデッド狂暴化の毒を受けた可能性があるし、ライダーシステム(特にキングフォーム)はアンデッドの影響を受けるものであると。睦月はスパイダーの未だ影響下にないとは言い切れないし、相川は抑え込んだはずのジョーカーの暴走の可能性も皆無ではない。

 が、剣崎にあるはずの腕の怪我がないことから、相川が偽者の存在に気が付くわけですな。仲間に襲い掛かったのは4ライダー以外の敵(おそらくティターン)。一芝居打って、真犯人をおびき出すことになる。まず相川がジョーカーとして暴走を始め、残る3ライダーが戦い、剣崎ブレイドが封印しようとするも踏み切れない。

 これを好機と見たらしいティターンが襲撃をかけると、待ってましたとばかりに捕獲して、種明かし。逃げるティターンは天音に化けて誤魔化そうとするも、相川カリスに見破られ、3ライダーのカードを託された剣崎ブレイドがキングフォーム&4カードで撃破と相成る。

 うまくパズルと解いた感じはあるんですが、ドラマ的にはちょっと納得いかない。次のような疑問点があります。

・剣崎や橘が平常に見えているとき、なぜ相川らは「襲い掛かったのはなぜだ?」などと問わないのか?
 →そう尋ねるのが普通であって、暴走と決めつけて疑わないのは奇妙。
  →もし問えば、本物の剣崎らなら「何の話だ?」と問い返すはず。
   →問答して襲撃時刻に本物の剣崎や橘のアリバイが出てくる可能性が高い。

 そうなってはマズいから、本編の運びにしたんじゃないかと思います。しかし、本物の剣崎らならこうするはず、ということを無視し、ストーリーを進めさせた印象が発生してしまったように思います。つまりキャラクターの意思ではなく、制作上の都合で進められたドラマになっちゃったと。

 そういう無理矢理に動かされたキャラクターを「(作者の)操り人形」と呼ぶんだそうで。特徴は「生きて実在しているキャラクターの感じがしない」というもので、自分的には今週分の剣/ブレイドの主要キャラクターに「操り人形」が感じられました。それが上記で申した、字面上のイベントクリアです。

 そこはもう仕方ないとして、本編に戻りますと、天王路が進める計画には支障がない模様ですね。4ライダーを除ければ好都合だったんでしょうけど、失敗しても致命的ではないらしい。おそらくスート不明のA:ケルベロスのカードがあるかららしい。金居ギラファ辺りは、天王路のプランをかなり察しているようですね。金居ギラファが充分に状況を攪乱してくれれば、クライマックスの盛り上げはできそうな気がします。

 以上で今年の感想は締め。愚痴が多いんで、今年中に投稿しておかねばと、少し焦りつつ書いた次第です。邪気は来年に持ち越してはなりますまい(^^;。

 それでは、よいお年を。

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