創作と鑑賞の談話室

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5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/01 (Sat) 00:01:11

 5月の雑談スレッドです。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/01 (Sat) 21:38:28

 定期感想その1です。

●ゴジラSP(第5話:はやきことかぜの)

 主人公2人の差異が何なのか、自分なりにつかめてきた感じです。院生の神野銘が理論面から発想して現象にアプローチするのに対し、エンジニアの有川ユンが眼前の現象をどう理解するかで積み上げていく感じ。物理学なら、理論物理の神野銘と、実験物理の有川ユンといったところかも。両者が挟み撃ちにするように真実に迫っていくドラマかなと思います。

 今話では2人のオンライン会話にそういう感じがありまして、神野銘が光の時間遡行の可能性を考えるのに対し、有川ユンは最初、あり得ないという反応でした。因果律を破るから当然ですが、現実主義といえます。神野銘が少し譲って、時間遡行する光が情報を運ばないなら、と考えを巡らせると、有川ユンも譲って、もし未来が見えたら、どう見えるかと。

 神野銘が理論(過去へのタイムトラベル)が現実に起きるとしたらどういう形になるかと考えを進め、有川ユンがどういう現象であれば、その理論を実証できるかを考えてる感じです。そうやって、対照的な立ち位置の主人公2人は接近し、最後に真実にたどり着くのかなと。そう思ってみると、ドラマが分かりやすくなった気がします。

 神野銘が接触する人物は謎が多い感じですね。理論派だし、黒幕的な動きでもあるし、当然と言えば当然かも。一方、怪獣に直接向かていく有川ユンのほうは、周囲の人物は分かりやすい。今話では、爺さん2人がシンプルに熱くて面白かった(^^;。ジェットジャガーを駆る大滝吾郎は以前から果敢ですし、旧知と思しき軽トラ+捕鯨砲の爺さん(源蔵)も巨大化するアンギラスに一歩も引かない。正直、今話ラストは燃える展開で、あそこで「続く」なのがヤキモキしました(^^;。

 ともかく本編。冒頭、真っ赤な海で転覆した漁船の救助で、船底にしがみつく漁船員2名にヘリのレスキューが近づくも、巨大な尻尾が突如として阻む。尻尾の主は海中に複数いて、転覆の原因はこれらしい。前に潜水艦に近づいた怪獣とは形が違うようで、後で「マンダ」と命名されてましたんで、やっぱり別種みたい。漁船員のほうは、後のニュースによると、無事救助された模様(マンダは人間には興味がない?)。

 有川ユンらは、先週のラドン死体置き場からアンギラスを追跡する続きですね。神野銘とのオンライン会話シーンが挿入されまして、続く有川ユンのアンギラスへのアプローチについて参考になります。時間遡行をだんだん真面目に考え始めてる感じ。

 神野銘はアーキタイプの実物を披露した李桂英と接触、己が仮説の検証を始めてますね。光子2個の対消滅は時間反転すると対生成であるとして、それを時間方向の屈折と言っていたようです。要は1つの光子が時間を行ったり来たりすれば、外から見れば光子が無限に増えていくことになる、ということらしい。

 神野銘の仮説を聞いた李桂英の最初の反応は「エネルギー保存の問題があるわね」ですが、たぶんそこは問題にならないことを知って言っているようです(神野銘の理解を試してる?)。別所で以前に聞いた、ある物理学者の解説では、破ってはいけないエネルギー保存則と破ってよい保存則があるんだそうで。

 時間を行ったり来たりする1つの光子については、その光子自身の立場では自分が増えたりはしない。周囲の時間が反転するんで、過去の自分が見えたりはするけど、あくまでも過去の自分。これならエネルギー保存則(ないしは質料保存則)を破ってない。突如として自分の複製が現れたりするのはNGだそうです。

 外から見る分には、1つの光子が突如として複数の光子になり、また1つに戻る。これは一時的にエネルギー保存則が破れているけど、問題ないんだそうです。時間遡行ではないけど、そういう外から見ての一時的な矛盾(?)は量子力学では理論的にOKらしい。NGなのは、上述したような光子自身に矛盾が生じる場合らしい。
(この辺り、いずれ量子力学を勉強したいところですが、道遠し。相対論を適用した量子力学を勉強して、さらに場の量子論へ進まないと分からない話らしい。)

 脱線しましたorz。李桂英は神野銘の理解が本物だと判断したようで、それが葦原カスケードと呼ばれるもので、葦原なる科学者が既に論文を書いていると告げる。ただし非常に難解で、李桂英が理解するにも相当難儀したらしい。この後、葦原は昔(現時点で既に故人らしい)、怪獣に関係してそうな企業の設立もしたとか明かされまして、かなりきな臭い重要人物みたいですね。

 その頃、地下に何かを封印しているらしい施設では、ティルダ・ミラーの管理下で、ベイラ・バーンら調査隊がハッチ下の調査に向かってますね。紅塵が漂ってますが、ベイラ・バーンによるとアーキタイプと深く関わる物質の模様。しかし早々に異変発生し、ティルダ・ミラーは「葦原の予言通りか」と呟いてる。ここも葦原に関わるものがあるらしい。直接的には怪獣出現でしょうか(サルンガなる、自分は知らない怪獣)。

 そんなこんなの「何だろう?」がありましたが、今話の目玉はやはりアンギラス捕獲作戦ですな。猟友会有志が放ったライフル弾を跳ね返したアンギラスを見た有川ユン、次第に時間遡行≒アンギラスは未来を見ている、という仮説に傾いていってるようです。自衛隊員の発砲でライフル銃の脅威を認識したアンギラスが、ライフル銃を見るや、未来を先取りの警戒をしているということみたい。

 猟友会有志の山狩りでアンギラスを開けた場所に追い出し、自衛隊のサポートのもと、檻に追い込んで捕獲という作戦ですね。オオタキファクトリーからはジェットジャガー参戦、有川ユンが地形に即した機動性を考えてか、2足歩行からタイヤ駆動に作り替えてます。捕鯨用の銛を軽トラに乗せた源蔵も臨戦態勢で待機と。
(以前から関係者周辺を取材する海建宏は、相変わらず何がしたいか分からない。この男、何をどこまで掴んでるんだろう。)

 が、アンギラスがデカくなってるわけですね。猟友会のライフルでは歯が立たず、追い込むどこから、追われて避難してきてます。自衛隊の発砲も功を奏していないか。ここで源蔵が奮起しまして、捕鯨砲搭載の軽トラで突っ込む。一撃を食らわせますが、有効打とならず、軽トラは転倒。

 しかし源蔵、迫るアンギラスに一歩も引かず、次弾装填を試みる(この一連、自分的には実にカッコよくて、ツボを突かれました)。が、間に合いそうにない。もはやこれまでか、というところで、さっきまで居眠りしてた大滝吾郎がジェットジャガーで割って入り、「このジェットジャガーが退治てくれるわ!」と啖呵を切る。ここも「おっしゃあ!」となるツボです。が、そこで次回へ続くのか。いいところで切りやがる(^^;。

 少し前から設定的な工夫(怪獣はどういう存在で、どういう仕組みで何ができるか等)に期待するようになったんですが、今話ラストを観終えると、別の期待もしていいいかなと思え始めてます。それはつまり「小難しい理屈の袋小路で行き詰まったけど、ジェットジャガーが力技で全てねじ伏せる」みたいな期待です。

●DYNAZENON(第5話:恋人みたいって、なに?)

 こちらで、街は破壊されたままだけど、逃げ惑う人々が描かれていないというご指摘を拝読し、「あ、ホントだ。そこを見落としてた」と己が観察力の不足を実感。GRIDMANでは、死んだら忘れ去られるという現象が謎の1つでしたが、DYNAZENONでは(少なくとも主人公らに影響するような)死亡自体が描かれないですね。そこが、DYNAZENON世界が、リアルとは違うことを暗示する歪みのようなものなのかも。

 とはいえ、前話はもとより、今話も最後の一瞬までは「このまま1話完結的に行くのかな?」「それはそれで昭和的なフォーマットではあるし」と思ってました。前半は玩具発売も意識して新メカ・変形・合体を見せて、後半で活躍させる。そこは現在でもよくあるパターンかも。たとえドラマがパターン化したと思えても、新メカ・フォームで飽きさせない。

 そして今話は水着回ですね。昼間帯でも取り入れられますが、深夜帯アニメだと1クールものでも、ほぼ恒例といってもいいかも。ただ、作中では6月とされていた点は注目してもよかったかも。作中ですから真夏設定にしてもいいのに、わざわざ少し寒い6月にしたのは何か意図があったかと。

 それに、夢芽のフラッシュバックですね。彼氏がふざけたせいでプールに倒れ落ちた女性を見て、夢芽が何か思い出してる。尋常じゃない感じです。思い出したことの映像は暗くてはっきりしませんが、水路に誰か倒れ込んでるように見えます。観終わってから「もしかしたら夢芽の姉の死亡状況?」と感じました。

 でも、バトルは通常運転で発生しまして、前半で会得した変形合体でガウマ側が勝利、オニジャが戦闘後のハプニングに巻き込まれるのも同じ。ただ、「死ぬかと思ったぜ」がないなあ、とは思ったんですが、時間差できちんと入った。それで「いつも通りだな」と安心(油断?)してしまい、6月のプールという点などを忘れてしまいました。

 そしたら最後の最後で夢芽が姉の死亡状況について、(噂レベルと前置きはあるけど)衝撃的な話を聞くと。事故ではなく自殺、で途切れまして、次週にどういう展開があるのか気になる展開です。「当面、このパターンだな」と思ってたもんで、正直、ギョッとしました。これなら物語が安定することはなさそうです。

 前作GRIDMANが、ある意味、新条アカネを救う話だったように、もしかしたらDYNAZENONは南夢芽を救う話なのかなと。そう考えると、ガウナが探しているという、ダイナゼノンを渡してくれた女性もつながりがあるのか。そうなら夢芽の姉の香乃か。とか妄想が広がりますが、例によって当たった試しのないやつです(^^;。
(ネットでは例えば、南香乃・夢芽は「南柯之夢」(なんかのゆめ)という話から名付けたとか論じていて、なかなか深読み。自分の妄想がレベル的にも低いことを実感します。)

 ともかく本編。冒頭からはまたも訓練で、今話はちせですか。前話で寝込んで動けない蓬に代わってダイナソルジャーのパイロットを務めようとしたものの、上手くいかなかったことがありますんで、なるほどという感じ。だいぶ上手くなってますね。さらに、ちせの発案でソルジャーとストライカーと合体を試したりして、これが後半に活かされるわけですね。

 しかし暦が用事があると帰りたがって散会。ちせが「無職なのに」といぶかしがってますが、稲本と約束があったからなのかも。実際、2人で飲んでますが、たぶん日が暮れてからだろう。訓練はせいぜい日が沈むまでだろうし、ちょっと分からない。稲本と暦は中学時代、双方向の片思い、みたいな感じだったようで関係性が複雑っぽい。稲本も後々、大事なポジションで物語に関わる可能性を感じます。

 一方、夢芽と蓬は死んだ姉の香乃について聞き込みしてますね。今回は映像があって、合唱部の様子ですか。夢芽は「結構笑うんだ」と漏らしてまして、驚いたのかな。夢芽は姉が苦手と言ってましたんで、姉の香乃は夢芽にあまり笑顔を見せない緊張関係だったのかも。

 が、とりあえずプールですな(^^;。ちせがクーポン当てたわけですが、怪獣優生思想のシズムも一緒と。そこからはなかなかコミカル。主にガウナですね。監視員とルーティンギャグみたいなことやってますな。流れるプールで沈みそうになった夢芽に蓬が手を伸ばして助けるカットがちょっと気になりまして、どうも後半の伏線だったかも。それと上述しましたが、プールに倒れ込む女性を見た夢芽の反応。

 今週の怪獣(の元)も出現しまして、あらゆる物体をぐにゃあとできるみたいですね。今回はこれでミサイルが無効化されると。前話はペラペラにされて役に立たずで、もうミサイルって有効な武装ではないのかも。

 それはともかく、怪獣出現に即応するように怪獣優生思想一行が現れまして、一瞬「なんで即座に蓬の前まで来れた?」と思ったんですが、蓬と一緒にいたシズムを連れに来たのか。むしろ、現れるほうが自然だったようです。シズムが怪獣が現れる原因が「(人間の)情動」とか言ってまして、気にはなるんですが掘り下げられず。

 今日の怪獣の使い手はシズムですか。怪獣はデザイン的にはゆるキャラに近い感じですが、ひっくり返ると結構怖い感じにもなりますね。ガウナ側も迎え撃つわけですが、ちせがソルジャーに同乗しまして、夢芽がちょっと複雑な表情を見せてたような。が、シズムが合体を阻むため、狙いを夢芽に絞って来る。

 そこで役立ったのが前半で練習してた形態(ソルジャー+ストライカー)ですな。これで夢芽機への攻撃を阻みまして、合体。これで流れをつかみ、いったん分散もしますが、ほぼ快勝でしょうか。怪獣優生思想側は、例によってオニジャ以外はさっさと解散、残るオニジャは降って来た残骸でひどい目に遭うと。

 一方、ガウナらは川べりに(いつもの訓練場近く?)。夢芽が暦に「さっきはありがと」と言ってまして、直接的には戦闘時のフォローでしょう。が、さらには流れるプールで沈みそうになったときに、蓬が手を差し伸べたことも含まれていそう。おそらく、さらにさかのぼれば、水門近くで水死していた姉:香乃のこともあるんだろう。蓬は知らずに、夢芽の深い部分に届いてる可能性がありそうです。

 が、空気読まないガウナが蓬を川に突き落としたのを皮切りに、メンバーは次々に川へ。最後に残った夢芽も飛び込む気になったか、と思った途端、スマホに電話が入る。前半で夢芽らが話を聞いていた瓜田が合唱部副部長の風馬につないでくれたわけですね。その風馬から衝撃発言ありまして、姉の香乃の死は自殺の可能性があると。

 一方、怪獣優生思想はプール内の温泉に浸かって気持ちよさげ。ムジナがプールに拘ったのは、これらしい。オニジャもほっとして「死ぬかと思ったぜ」がようやく出た(^^;。自分は最初、「年寄り臭くないか」と思ったんですが、浅はかでした。6月でまだプールには早いんでした。温泉に浸かって、くつろぐのも無理はなかった。

 自分、ムジナがキャラクターデザイン的に気に入り始めてるんですが、今話でようやく理由に気が付きました。ポイントは太ももです。怪獣優生思想の他の男性キャラクターに比べても、かなり太い。そこがストリートファイター2の春麗と被るようです。スト2では春麗ばかり使うほど気に入ってってましたんで、連想が働くと魅力的に感じてしまうようです(^^;。ムジナもキック力あるのかしらん。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/01 (Sat) 23:14:47

 ゴジラSPとDYNAZENONの感想が、自分でも予想外に長くなりまして、「ありゃ、こんなにハマってたか」と。ともかく稿を改めて少し。

●実写とアニメの対比の具体例:君の膵臓をたべたい

 NOVAさんのブログの「特撮とアニメの対比概論1・2」で参考になる旨、申し上げました。まだ分かる(~身につく)には時間がかかるとも申し上げたんですが(たぶん3ヶ月程度)、現時点でも「あれはそういうことか」と思う具体的事例もあります。

 それは「君の膵臓をたべたい」という作品で、原作小説は住野よるさん著で、2015年発表(「小説家になろう」サイトから商業出版へ)。ただ、自分は原作小説を読んでおりません。どういう作品かを知ったのは、実写映画化(2017年)のTV放映です。

 ネットで「わんわん泣く」とかの評を事前に見て、たぶん自分の好みのタイプのドラマではないと思いつつ(この予想は当たった)、何にどう感動したんだろうという興味で観てみました。自分には感動できない作品でしたが、感心は大いにしました。

 ご承知かもしれませんが、ストーリーは割と単純かも。不思議系の女子高生ヒロインに男子高校生主人公が興味を持つのが出会い。そこから何となく付き合いが始まってみると、ヒロインが不治の膵臓病にかかっていることが明らかに。が、ヒロインが意外にのらりくらり。

 しかしタイムリミットがあるも同然で、さらに付き合いが深まりますが、ヒロインの病気は進行する。となると、ヒロインの死までに主人公はヒロインを理解し切れるか、幸せはあるか、が焦点になってきます。もしかしたら最後のデートか、というところになって、ヒロインが突如にしてまさかの通り魔殺人に遭って退場。
(その後、ヒロインの遺した日記などから、ヒロインの心情などが明かされる。)

 感心したのは、主人公はもとより、観客としてもヒロインに興味が起こり、好意にまで高めておいて、バッサリと奪い去るという作りですね。普通はそこからヒロインに関するメインのイベントを起こすんでしょうけど、無情にして不条理に退場させる。非常にもったいないわけですが、それだけに喪失感のデカさは半端ない(ようです)。

 なるほどな、と思いました。よく考えたら、古い手でもありそうです。「ロミオとジュリエット」だと、あとちょっとで親も認める恋愛成就、というところで、ロミオの勘違いから2人とも死んでしまう。が、ロミオとジュリエットが死んだからこそ、2人の存在感がはっきり意識できるわけでして。「君の膵臓をたべたい」も、ヒロインが死んだからこそ、存在感の大きさが分かる仕組みになっているようです。

 それが実写映画ではよく伝わるようになってました。劇場版アニメ化もされてまして(2018年)、TV放映されたので観てみました。最初、がっかりしたのを覚えています。ヒロインの通り魔殺人退場の後、イメージシーンがふんだんに挿入されまして、ヒロイン喪失を埋め合わせてしまってる感じだったんです。

 これは下手を打ったな、アニメ制作者がヒロインの喪失に耐えられなかったか、と思いました。が、どうもそう受け取るのは違うような気もしてきまして、しかもその感覚がだんだん強くなる。違和感ですね。これは何かおかしいと思うけど、何がおかしいか分からない。しかし気になって仕方がない。頭の中でアラーム音が鳴り響き、警告灯が強く光ってるような感じです。

 その違和感の正体を説明してくれそうなのが、NOVAさんのブログで拝読した、アニメの特徴の1つ、アニメが最初から「絵空事」であり「夢」であるというもの。実写だと、人間の役者さんですから、最初から人間として実在感があります。死んだら、人が死んだという感覚が自然に、強く生じます。

 翻ってアニメだと絵ですから、例えば絵の人物に実写レベルの生命が吹き込まれない限り、その死が実写同様に重くなることはありません。もしアニメ版が実写版を忠実に再現したとしたら、実写版でのヒロインの死の重み、不条理感に追いつくのは、事実上無理でしょう。

 おそらくそのため、アニメ制作者は実写版とは戦略を変えたんではないかと。死が(実写より)重くできないなら、むしろ軽くしてしまえ、みたいな。言い換えると、「たとえ死んでも、みんなの心に生きている」というのは、実写では空々しくても、アニメでは生々しいという感じかな。

 もしそうだとするとですが、実写版ではヒロインの存在を断絶させることで効果を上げ、アニメ版では逆に存在の連続性を維持させることでヒロインの印象を深める、という差異につながるのかも。この辺り、もう少し時間が経てば、もうちょっと考えが練れてきそうです。

●実写版が想像できない:聲の形

 こちらも少し。「聲の形」は原作がコミックである点が、「君の膵臓をたべたい」と大きく違う点です(後にノベライズはされている)。原作が絵で表現されている。もっとも、これも原作を読んでおらず、劇場版アニメ(2016年)をTVで視聴しました。大いに気に入りましたし、感動もしました。

 原作がコミックだけあって、絵ならではの手法がいろいろ効果的でした。最も目立つのは、主人公が心を閉ざしてしまうと、周囲のキャラクターの顔に大きなバッテンがつく点でしょうか。特定のキャラクターにはバッテンがつかなかったり、一時的にバッテンが剥がれたりもする。ラストで周囲全員の顔のバッテンがはがれまして、主人公が自分の問題を解決したことが一目瞭然で分かる仕掛けでした。

 これは実写ではどう表現できるんだろう、と考えてみたんですけど、少なくとも自分には思いつきません。これもアニメが「絵空事」「夢」というヒントが大事になりそうです。この場合は、絵空事から出発する、となりましょうか。その絵空事が、まるで夢から覚めるように、現実感を持つのがラストの「全員の顔からバッテンが剥がれる」。

 主人公は小学生時に対人関係で大失敗し、ずっと他人や最愛のヒロイン、果ては自分自身までを理解し損ねてた面があります。そのため、周囲と関りを深められず、そのため周囲の人間に実在感を感じてない節があります。さらには主人公自身もでして、小学生時の失敗の埋め合わせのため、死ぬことすら考えてしまう。

 これは主人公にとって、人間が空虚という感じです。他人と関わっても手応えがない。それがラストで解決が示される=人間の実在感が出る、という落差ある作りですんで、アニメで効果が出せるんだろうと思います。何せ、少なくとも最初は絵空事ですから。

 実写だと、本当、この作品をどう表現するんだろう。最初から、バーンというほどの実在感が出てしまうはずですから。空虚から生々しさへの飛躍が描きにくそう。ノベライズ版を原作とすればいいのかな。ともかく見当もつきません。

 こんな感じで、ブログ記事を拝読したことをきっかけに、モヤモヤしていたものがいくつかはっきりしそうです。ということをご報告も兼ねて、書き留めておこうと思った次第。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/02 (Sun) 16:32:26

 先に、今朝のセイバーについて少し。

>飛羽真の目

 前回、デュランダルの時止め能力を解析していたようなので、時間の流れを読める能力かな、と思っていたのですが(ゴジラSPのアンギラスに通じる)、

 今朝の放送を見ると「違う世界に通じる能力」の方が正解かな、と思い、忘れぬうちに考察材料に加えてみようかな、と。

 デュランダルの時止めも「時間の流れの異なる世界」に身を置くことで、相手の認識外で移動したりできる。
 ただ、攻撃するときは別世界から、こちらの物理世界に出現しないといけないので、その瞬間が狙い目となりますね。
 で、この「時間の流れの異なる世界」を飛羽真が見ることができるなら、相手の移動に気づいて、機先を制することも可能です。

 あとはサーベラの煙化能力に対しても、いくつかの攻略法が提示されていました。

 煙になって攻撃が通らなくても、攻撃する瞬間は実体化しないといけないので、デザストは難なくサーベラに対処していました。その理由は、デザストの場合、相手の臭いや殺気のようなものを感じるので、単に目で相手の動きをとらえるよりもダイレクトに反応できるから? と思われ。
 彼のやり方がデュランダルにも通じるかは分かりませんが、相手の攻撃の瞬間に感知できて、機先を制することができるなら十分、勝ち目はあるのでしょう。
 このデザストというキャラは、蓮にちょっかいをかけていますが、彼自身が影に潜んだり、気配を察知したり、忍者みたいなイメージがあって、蓮が剣士ではあるけれども、忍者的な能力を持ってはいない(機敏な動きとか手裏剣とかで忍者イメージはあるのに)と思え、例えば忍者の得意な遁術とか心の修練とかがちっともできていない。
 デザストが、蓮にとっての忍者の師匠的な立場になっていくなら、少し面白いな、と思いました。

 で、サーベラに対して圧倒的なスペックを示した倫太郎。氷の陣を張って、相手が近づいたら凍らせるという形で対処。
 サーベラ自身は奇襲攻撃が真骨頂で、破壊力が大きいわけではないので、氷の壁でガードされたら、それを打ち破るのは難しい。
 防御力の高いキャラといえば、バスターの尾上さんですが、武器が大剣なので隙が大きいんですね(その大剣を片手で振り回して二刀流の一本に使うマスターロゴスの膂力は凄いのですが)。よって、隙を狙えば、もろいところがあるのが尾上さん。
 一方で、倫太郎の氷は隙のない攻防一体のガード特技。煙でも虫でも氷は破れないわけで。

 と、今朝のセイバーは「山田風太郎的な忍者同士の技対決」を想起させる戦闘で、ドラマ以外でもワクワクできたな、と。

 で、次回は噂されていた年末劇場版の敵ファルシオンの登場です。
 ワンダーワールドを滅ぼそうとしていた彼が、監視者のタッセル(ビクトール)不在の状況で登場したことで、どう話が転ぶか。
 マスターロゴスとも、ストリウスとも関係しない、また別の背景を持つ敵なので、敵同士の激突とかも発生しそうでどうなるかな。

★ゴジラSP

 銘のオンライン会話のやりとりが、自分にはさっぱりですので、K.Kさんがここで解析してくれているのを興味深く読ませてもらっています。
 そう、自分には分からないことを、分かるように説明してくれている相手の話は、スルーしてちゃいけないんだ、と感じます。

 テーマが「未来からの情報伝達が物理現象として生じ得るか」ということは分かって、それがあり得ない物質アーキタイプに関わるもので、もしかすると怪獣出現の謎にも関連しているかもって流れですが、
 二人がどのように仮説を組み立て、検証しているかが、ちょっとリアルタイムでは追えない。やりとりの言葉は理解できても、その言葉の意味、本編との関わりがつかみにくい宙に浮いた議論のように思えたのが、
 ここでK.Kさんの解読を拝見すると、腑に落ちたように見える。

 作品にも興味を持っていただいているようで、来週以降もこちらで分からないところを補っていただけるなあ、と安心感を覚えます。

 銘の「未来からの情報、エネルギーの伝達」という直観に対しても、そんなことがどうしてひらめいた? 自分なら「異世界からエネルギーが流れ込んだ」とまず考えるし、あの時点で時間移動を想起させる情報は出ていなかったはず、と思いつつ、
 あ、これ、フィクションだから、主人公側の直観は創り手の物語の誘導手法なので、そこに別の論理的可能性をこっちが勝手に考えても仕方ないわけで。

 考える材料が出揃っていないうちに、仮説ではなく、一足跳びに狭い見識で結論を決めつけても仕方ない。けど、これがいいアイデアだと思ったら、検証抜きにそれが正解だと思い込む思考の落とし穴ですね。
 酷い場合だと、自分の思い込みに縛られて、本編で提示されている他の情報には心理的に盲目状態になってしまう。

 何となく、科学的思考法みたいなものまでイメージできてしまうゴジラSP。ちょっと、ここでの話がワクワクして参りました。

 ちょっとこの作品、自分の知ってるお約束を違うアイデアで再構成している面もあるので、「知っているのにアレンジされて、そこに理屈をきちんと置いている怪獣たち」にワクワクです。
 ジェットジャガーについては、今回はバトルに至らず、次回でVSアンギラス戦の本番ということで、アクションに燃えるのは次回のお楽しみ。

 今回も途中で遠隔誘導に切り替わるのか、それとも大滝のおやっさんが最後まで奮闘するのか。

 そして、マンダVS海のゴジラの海中大決戦の噂にもワクワクしつつ。
 海のゴジラは赤系の色で、「メカゴジラの逆襲」という映画に出てきたチタノザウルスにもオマージュを捧げているそうで。

 あとは、地下の謎施設から出てきた謎怪獣(新顔)がどういう立ち位置になるかも気にしつつ。

★ダイナゼノン

 「怪獣の暴れている場所に人がいない」というのは、あくまで仮説ですので、K.Kさんが節穴と卑下するものでもないと思いますね。
 この点は、ぼくもTwitterで流れてきた意見の受け売りですし。
 誰かが言った意見が、妥当性の高いものは伝播するし、製作者の決めた正解が明示される場合は、デマ情報は回を重ねると消えてしまうので、間違い情報を流すことに無頓着な人は「仮説を検証する」という思考法を持たない人と判断します。

 で、「自分は仮説を検証する癖を持たないという振る舞いをしている人間」が下手な予想をすると、明確に思考の邪魔になるので、少なくとも自分が考察している場に入って来て欲しくない(誰のことを言っているかは、お分かりでしょう)。
 まあ、間違えた予想をして、恥ずかしがる神経を持てる人なら、ドンマイと言えるのですけど、間違えた予想をしたことそのものをしょっちゅうスルーしちゃう人、自分のミスに放っかむりをしちゃう人は、発言内容が信用なりませんね。

 で、ダイナゼノンは、怪獣が自然発生的に湧いて出る世界(あの4人は作っているのではなく、操っているだけ)。
 前作は、明確にアカネちゃんが怪獣を作っていたのですが、いろいろな意味で、前作と今作の対比が見られると思います。
 むしろ、絵柄とか表面的に似てる部分を除けば、対比だらけにも思えてくる。

 前作との共通点を探そうとしているのに、あれ? ここは違う……と気づいて、う〜ん、どうつながるんだろう、と悩むことをワクワクしています。分からないから、どうなるか見たいモードに入ってます。
 人間関係については、主人公と思しき蓬くんに一番感情が入らないですね。どうしても、サブキャラとか敵側に興味の目がいっちゃう。どうにも無個性なウジウジ君に見えて、今どきの無難な若者なのかな。

 そしてオニジャさんの「死ぬかと思ったぜ」がルーティンに使われると、ナレーションの家康さんみたいにホッとします(笑)。
 2回同じパターンが続いたのに気付くと、3回めも来るかなあ、と思って、3度めに少しパターンを微妙にいじって、でもしっかり入れてくる。
 パターン認識ができると、追いかけるのが楽しくなって、そしてパターン予想が当たると安心できるし、パターンが発生しないと物足りなくなって、そこで遅れてパターンを踏襲すると、ホッと一息。
 創り手の巧妙なテクニックにハメられています(苦笑)。こういうのをきちんと投入していると、作り手がベテランだなあ、と安心できるというもの。

 夢芽については、前作の六花みたいな外見と、アカネみたいな内面を持ったヒロインに見えていますが、もしかすると彼女の姉の方がアカネなのかもとか、
 この世界もまた、アカネプロデュースの電脳世界の亜種かも、とか、仮説をいろいろ組み立ててみる。
 まあ、1クールだから、来月の今頃は世界の謎にも答えが出て、あとは感情移入したキャラの運命がどうきれいにまとまるかを期待してみるぐらい。

 で、たまに感情移入しすぎたキャラの過酷な運命にガーンと心を打ちのめされることも……最近は減ったけど、それは心が強くなったのではなくて、あらかじめガードしているからですね。
 ガードさせてくれない予想困難なキャラの死とか悲劇は、あまり触れたくないので、それこそ死んだと思ってたキャラが「フー、死ぬかと思ったぜ」と言ってくれると、あ、こいつは感情移入してもいいな、と安心させてくれたり。

 前作で、主役がアカネちゃんにナイフで腹を刺されて、ウソ? とビックリしたけど、主役に感情移入していなかったから、ショックには至らず。

★アニメと実写

 思った以上に、うちの記事が持ち上げてもらっているので、面映く。
 あれを書いて、アニメ=絵、実写=写真までは普通に考えて、特撮はトリック写真とかの類という話に持って行って、そのトリックの作り方が面白いというようなことを最初は書こうと思っていたんですけど、
 何だか書いているうちに、方向性を見失って、たどり着いた先が「虚構をリアルに近づけようとするのがアニメ」で「リアルを虚構につなげようとするのが実写」という対比論。

 そこから話を膨らませて、K.Kさんに仮説を検証していただいているような気持ちですね。
 ただ、何にせよ、アニメ作品を実写化するというのは、実のところ自分は反対の立場です。アニメでイメージが固まってしまったものを実写化するのは、ハードルが高すぎる。
 逆に実写のアニメ化は、反対ではないけど、重量感とか役者の演技というイメージが固まっている作品は、絵にされると何となくチープ感を覚えますので、どう料理するか次第ですな。

 特撮のグリッドマンがアニメのSSSSになったとき、技術が未発達な時代のチープなコンピューターワールドの描写がどう今風にブラッシュアップされるかな、と思ってみたら、オマージュはいっぱい捧げても、別の世界観、別の物語でした。
 でも、こんなのグリッドマンじゃないという否定意見が出なかったのは、原作がマニアックな人気があったけど、どちらかと言えばマイナーな作品で「知る人ぞ知る」作品で、その幻の続編企画をベースに世界観が構築されていたから、マニアこそが設定にツボを刺激されたからかな。

 マニアって、「自分だけが知っている」というカルト知識に、公式の光が当てられることを喜びがちですしね(笑)。
 「自分だけが知っている」話ってのは、マニアしか興味を持たないわけで、でも、それが新規のファンの興味を惹くようになると、「自分は前から知っていた」とプライドをくすぐられるわけで。

 ともあれ、マンガ→実写は成功例がいろいろありますが、アニメ→実写の成功例は確かに思いつきにくい。
 実写→アニメは当たり外れがどっちもある。

 表現手法を変えることで、元の作品の売り要素を削ってしまったり、リアリティとの距離感がおかしなことになったり、これはこうだから失敗というのはいろいろ語れると思いますが、じゃあ、どうすれば成功するんだろうという方程式が見えたら、すごいなあ、と思います。

 少なくともグリッドマンの場合は、作り手が昔の作品のファン(すなわち特撮マニア)にも目を配ってますよってアピール(アカネちゃんがバルタン星人のマネをしたり、キャラの性格は違っても男2人、女1人というキャラ配置は共通だったり、細部のディティールが細かくて、ネットでここのシーンにこんな物が、と気付かせるネタが濃かったり、作り手が旧作を愛して作っていることが明確)だったかな。
 で、最終的には、作り手の原作リスペクトの姿勢を、作品の内外でうまく示せてるかどうかだと思ったり。


 何だかんだ言って、グリッドマン要素の強い書き込みになりましたな。長文失礼。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/02 (Sun) 23:39:19

 定期感想その2です。

 今週の「青天を衝け」の家康公、後説になったばかりでなく、「こんばんは、徳川家康です」の挨拶も抜きでしたな。幕府がいよいよ倒れるかという時期に来て、あまり気楽に構える余裕がなくなってきたのかしらん。明治維新後もナレーション・解説を続けてくれるか、ちょっと心配になってきました(^^;。

 DYNAZENONについて、己が目が節穴と思うのは、ポジティブに言い換えますと「もっとよく見れば、いろいろ面白い点が見つかる」ということでもあったりします。怪獣の破壊に逃げ惑う人々が描写されない、と気がつけば、「なぜだろう?」と考える楽しみが生まれるわけで。

 その他では、例えば夢芽と姉の名前も、ネット検索して由来の説を見つけたんですが、「みんな、いろんなネタを見つけて楽しんでるなあ」というのが正直な感想。せっかく毎週熱心に観て、感想も書くわけですんで、よく観て、調べて、考察も妄想もして、最大限に楽しみたいところです。

●ダイの大冒険(第30話:ポップの覚悟)

 ポップの奮戦が感涙ものとは聞いていましたし、予習で何が起こるかは字面では知っていたつもりでしたが、観てみるとやはり想像以上でした。直接的には、アバン先生の行った、身を捨ててでも仲間(弟子)を守った行為をポップも行えたことですね。師の気概、信念とシンクロしたといえましょうか。

 が、今までのポップの行為も重なるイメージがあり、感動を高めているように思います。死を覚悟しての行動は、直近では対竜騎衆戦ですね。このときは、逃げると仲間に思わせての帰らぬ覚悟。その戦闘では、まずガルダンディーの乗騎スカイドラゴン:ルード相手に、ゼロ距離のベギラマを放って倒し(知略と勇気の賜物)、続いてガルダンディーにも(ヒュンケルの助力あったとはいえ)ゼロ距離でイオを叩きこんで倒す(技と度胸の賜物)。

 で、今話ではバランの頭部にしがみつき、尽きた魔力の代わりに生命力を手に集中させてのメガンテ。バランの身体強度+ドラゴニックオーラ防御力と自分(ポップ)最大のメガンテ威力を鑑みての作戦でしょうね。たぶん「脳に届けば止めを刺せる」という計算で。錯乱して殴りかかったように見せかけたのも、バランの油断と驕りを誘うためでしょう。死を覚悟してなお冷静な計算というわけで、アバン→マトリフの教えが板についたといっていい感じです。

 一方、当初は圧倒的な力、カリスマ、出自の特異性、さらに悲劇性も加わっての存在感デカかったバランですが、今話で急に株を下げた感じもあります。先週にヒュンケルに、人間の妻を愛しつつ、人間を憎むという矛盾を指摘されてキレたのがケチのつき始めか。今話では、痛いところを突いたお前らが悪いと開き直るのはさすがに醜態に近いような。

 もっとも、おそらくは自分でも制御が効かない面がある竜魔人形態となったせいもあるんでしょうね。しかし憎悪に傾きすぎたことは、竜の紋章を通じてダイに伝わってしまったかも。最初はダイはバランを信用する様子があったんですが、再度の記憶消去の試みで強烈につながっちゃいましたからね。

 前は人間形態だったんで、それほどでなかったんでしょうけど、敵、邪魔者は倒さずにはおかない竜魔人ですから。愛情が隠れて憎悪が前面に出たはず。それがダイに伝わり、父親じゃない、と絶縁されても無理からぬことだったかもしれません。
(そういうバランだからこそ、ポップがさらに光るといえるかもしれない。)

 ともかく本編。先週のバラン竜魔人化からの続きですが、ヒュンケルとクロコダインはポップを逃してダイを脱出させる算段らしい。レオナは回復役として残るつもりですね。が、バランが逃さない。というか、バランも自分を制御できず、眼前の敵を全て掃討するまで止まれないらしい(もしくはバランが大ダメージ受けるか、とウィキペディアにあります ^^;)。

 が、バランがちょっと小物化かもですね。「だが仕方ないだろう。私の心の傷にむやみに触れた貴様らが悪いんだからなあ」ですから。己が内面に相対してこなかったことを物語ってるような気がしますが、最初から強すぎる者の宿命みたいなものかも(外敵に忙しすぎて、内なる敵まで手が回らないとか)。

 それに強い怒りは自分を疑えなくしますし。戦うための感情ですからね。その分、バラン竜魔人は強化されている模様で、ヒュンケルもクロコダインも全く歯が立たず、叩きのめされてしまう。レオナが救援を試みるも、バランは容赦なし。ポップは負傷だし魔力は尽きてるしで、チーム全員戦闘不能ですが、バランが止まらない。最大最強の技らしいドルオーラで止め刺しに来る。

 が、すんでのところで止まる。何だと思ったらダイがいる。檻を力尽くで破った後、どうやらメルルらを気絶させて出てきたらしい(地下ではメルルが悪夢にうなされてる)。バランとしてはさすがに息子を巻き添えにはできないし、本来の目的でもあるんで、竜魔人状態でも止まれるんだろう。

 しかしダイはバランの気配に惹かれて出てきたものの、竜魔人の殺気に不安を感じたらしい。バラン、無理押しせず、竜の紋章を通じて説得にかかり、ダイもいったん信用する気を起こした模様。この時点ではバランの息子への愛情が憎悪に優っているからか。

 しかし見ていたポップは焦るわけですね。ダイをバランに渡しては大魔王バーンに対抗する術がなくなることがありはする。けれど、どうやら友情のほうがはるかに大きい理由みたい。バランの愛情 vs ポップの友情の対決といったところ。

 ポップ、力の差を省みず、「(仲間を救ってきた)俺たちのダイ」を守り切る決意を示す。このポップの気概にバランが竜魔人として反応。たぶん、これがこの後の流れを決める決定打だったか。ポップの焦りは勇気につながりましたが、バランの焦りは怒り、憎悪につながってしまったらしい。これが後でダイの拒絶を招いたんだと思います。

 しかし今はポップがダイを守り切るために知恵を振り絞る。得た結論は、師のアバンがダイらをハドラーから守った、決死の戦術をポップも行使するというわけですね。つまり、命と引き換えのメガンテ。

 ポップ、破れかぶれで殴りかかると見せて、バランの頭部に組み付き、指先に生命力を集中させますと、さすがのバランも振りほどけない。そのままメガンテで全生命力をバランに見舞う(この間の状況は自分の言語力を超えます。見ての通り、としか言えない感じ)。

 勝負あったか、に見えましたが、わずかに届かなかったか。初めてにして、いきなりの究極奥義のこととて、手もとがわずかに狂い、致命の一撃にはならなかった。が、ダイにはしっかり届いたわけですね。ポップの死にざまに記憶が戻ったらしく、「俺の仲間に手を出すな!」と叫び、徹底抗戦の構え。

 算段が狂ったバランは焦ったのか、再び記憶消去の挙に出る。が、怒り狂うバランの気持ちもダイに伝わった感じで、ダイは全力で抵抗、「お前なんか父さんじゃない!」とまで拒絶すると、記憶消去技が効かなくなった模様。

 ダイ、そのまま拳の一撃を入れると、これがなぜか有効打になったらしい。何が起こった、と思ったら、竜の紋章が額から手に移動してましたか。手に思念送っても洗脳はできないでしょうな。かつ、紋章の力が拳に宿ったんで、パンチでもダメージ与えられたわけですか。この現象はバランも見たことも聞いたこともない前代未聞の事態らしい。

 が、1つだけ思いあたることがあるらしく、妻ソアラの想い→人間の心、で奇跡が起きた可能性がありそうなわけですか。竜の騎士は「人の心、竜の力、魔族の魔力」から成ると前に解説ありましたが、自分的には「人の心」がどういう役割か、ちょっと分かりかねてました。竜の力と魔族の魔力は確かに戦闘向きなんですけど、人の心って内面に留まるわけですんで。

 しかし、心なき力は使いこなせない、みたいなことだったのかも。「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」とよく言いますが、「健全なる精神は健全なる肉体に宿れ」が正しいらしい。体ばかり頑健で心が歪んでたらどうしようもない、みたいなことらしい。ダイがまだ幼いながら、人の心で竜・魔の力を使えばどうなるか、というところ続く。

 次回「父と子の戦い」はタイトル通りのガチンコ対決みたいですね。今話のラストからするとダイが勝ちそうではあるんですが、ダイの今までを考えると、敵とはいえ父親を倒しきるとも思えません。クロコダインもヒュンケルも、全力対決するも心酔してくたわけで。少し予習すると、バランも人の心を取り戻すような感じみたい。それには、死せるポップが一役買うという、観てみないとちょっと分からない展開もあるみたいです。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/04 (Tue) 00:12:50

 定期感想その3です。

●仮面ライダーアギト(第15話:罠の始まり、第16話:怪しい女…)

 美杉義彦の動きが不審になり、あかつき号生存者が本格的に絡んで来まして、ドラマが錯綜しつつ核心に迫る感じがあります。そこも面白いんですが、とりあえずきゃっきゃら言う感じで面白がってるのが北條。

 アギト捕獲作戦をG3抜きで上申しているわけですが、氷川に殴られた頬っぺた撫ぜたりしまして、内心の恨みつらみが漏れ出てる(^^;。表面的には平静を保っているようですが、氷川に嫌味な態度は増している感じで、小沢澄子がキレかけてますな。が、やっぱり頬っぺた撫ぜるカットで大笑いしてしまいました。

 もちろん、それ単独でも面白くはあるんですが、大笑いするほどではありません。連想が働いてしまったんです。「北斗の拳」の(自分的な)名悪役:アミバですね。トキに成りすまして悪事を働き、正体がバレると動機を告白して、「あいつ(トキ)は俺(アミバ)の顔を叩きやがったんだあっ!」と。

 それが、今週分の北條が頬を撫ぜるシーンでイメージが被りまして、アミバのせこくてみじめな末路の印象が北條に付加されてしまい、大笑いしてしまった次第。もっとも、北條の現上司:河野浩司刑事は、ラーメン食いに行くかと誘ったりして、気にかけている様子。河野刑事視点では北條は見どころもあるらしい。が、当面はヘタレていく北條を見てみたいかなあ(^^;。
(もし北條に見直すものありと感じたら、ガンダム1stでブライトに殴られたアムロも思い出すかもしれない。)

 ともかく本編。知らずに「闇の力」のサポート受けて、アギトがアンノウン:レイウルス・アクティアを倒しますと、翔一の体内の物体も消滅。植え付けたら自動で作動するんではなく、アクティアが作動させる遠隔装置みたいなものだったんでしょうな。

 が、翔一が全快したと思ったら、太一が熱を出して倒れてしまう。その直前、えらく不機嫌でして、お茶や羊羹を不味いと言い、味や香りが分からなくなってたか。今のご時世だと非常に心配な症状ですが、2001~2年のアギト世界に新型コロナはなし。

 真魚は学校の授業で(おそらく本格的なのは初めての)料理作って、持って帰ってますね。翔一に食べてもらいたいらしい。が、太一の急病でうやむやに。さらに、不在にしている美杉義彦が手配したという家政婦:榊亜紀がやって来るわけですね。

 榊亜紀に亡き母の面影を見たらしい太一は上機嫌になりますが、真魚はひどく不機嫌になっていく。なるほどなるほど、という感じです(^^;。真魚、ついにはせっかくの手料理を捨てちゃうしなあ。この真魚の動きも、翔一に疑念を持って離れる→信用し直して再接近→救おうと奔走、の一連の流れを踏まえて、興味が持てる展開に思います。

 ただ、榊亜紀がやって来たことについては、若干の疑問もあるわけですね。美杉義彦が事前に真魚らに知らせてない。よく考えると、家事は翔一がほぼ一手に引き受けていて問題なかったはず。今週分では、そういう小さな疑問がだんだん大きくなっていくわけですね。

 一方、警視庁。北條がアギト捕獲作戦の了解を上層部から取り付けてますが、特殊ガス弾なんて用意してたのか(ここもクウガとのつながりを感じる設定ですね)。上層部は周囲に危険とガス弾使用を却下、北條は了解の振りをして、しかしガス弾の装備を進める。いい具合に北條が暴走してますな。

 小沢澄子ら対策班では、尾室隆弘が例のビデオテープに意味のある痕跡を発見。「こっちに来て」と繰り返す音声ですね(たぶん女性)。ただ、ノイズが大きく、誰の声か判定するのは難しそう。声紋分析で分かるかもしれませんが、声を多数採取しないといけないしなあ。

「こっちに来て」が誰に向かって言ってるのか、「こっち」とはどこか、とか意味的に不明で、手掛かりになりにくそう。この音声は後で真魚も聞くわけですが、声に心当たりはなさそうながら、何か感じ取った様子がありました。

(小沢澄子の時間差コントもちょっと笑う。尾室隆弘がいないと氷川に言われて「影が薄いんで気が付かなかった」とバッサリなこと言っといて、氷川が北條に同じこと言われるとキレてますな。天才だけど性格は子供ということなのかも。)

 アンノウンも活動開始で、今週はジャッカルロード/スケロス・ファルクスですか。高速移動しつつ、真空を作り出す「断罪の大鎌」で惨殺するらしい。この手口のため、警視庁では「かまいたち現象」が連続する事件と認識してるみたい。ファルクスが最初に殺害した3名は兄弟とのことで、またも血筋(遺伝子)か。

 翔一はその頃、榊亜紀と夕食の買い物に出てたわけですが、翔一が記憶喪失の事実を告げると、榊亜紀に微妙な変化があったみたい(少なくとも、詳しく聞きたがる様子あり)。後で、そのことをどこかへ報告してますし、記憶喪失なら大丈夫とばかり、行動が大胆になっていった感じ(ついには翔一の恋人だったとか言い出すし)。この時点でも、翔一がアギトとなってファルクスと対峙すると、つけて来たらしい榊亜紀はこっそり見て、意味ありげに笑っているようでもある。

 しかし、おそらくは榊亜紀にとって意外な人物が接近してきまして、父親のメモを頼りに訪ねて来た涼ですね。あかつき号事件について涼が尋ねても、榊亜紀は知らぬ存ぜぬを通す。が、何か知っているようで、涼の尾行から逃げてみたり、その情報を餌に涼を利用したりもしてますな。

 榊亜紀があかつき号事件関係者と思える行動は他にもあって、翔一と一緒の買い物中、氷川を見かけると狼狽して逃げ出した点ですね。あかつき号を救助したのは氷川ですから、榊亜紀は顔を覚えられている可能性があると思ったんだろう。

 逃げる榊亜紀、追う氷川となりますが、榊亜紀が出くわした涼に変な奴が追ってくると言い、あかつき号事件の情報提示も匂わせると、涼は迷わず氷川を殴り倒す。うーむ、貧乏くじだなあ、氷川は。これ、公務執行妨害で逮捕してもいいんでしょうけど、どうやら氷川は「何をするんですか!」と抗議するにとどめたみたい。お人好しにもほどがありそうです(^^;。小沢澄子の言う「可愛い」の一側面でもあるかも。

 しかし、涼を使って逃げおおせた榊亜紀の次の行動にびっくりで、翔一にひしと抱き着き、「早く思い出して、私のこと!」と口走っとります。美杉邸に連れ帰って話を聞くと、専門学校で翔一と知り合い、恋人関係になったとのこと。が、翔一が突如行方不明に。どう探し当てたのか、美杉邸に居候と知り、翔一にショックを与えないため、家政婦と称して入り込んだと。

 はいダウト、という感じですね。この説明だと、翔一の記憶喪失を把握してから、家政婦と称してやってきたことになります。しかし、翔一が記憶喪失だと告げたとき、榊亜紀は少し探るような反応があった。つまり知らなかった。そこまでは翔一も推測可能ですが(だけど気付かないのが彼の性分か ^^;)、観ているこちらは、記憶喪失の件をどこかへ連絡したこととかも分かってるわけで。

 となると、なんでそんな嘘をついたのか、ということが焦点になって来そうです。と思ったんですが異変発生。車を走らせて帰る榊亜紀をアンノウン:ファルクスが急襲、察知した翔一がアギトで対処するも、逃げた榊亜紀をさらにファルクスが追う。これに涼が間に合いまして、ギルスで対処開始(たぶん涼がギルスというのは榊亜紀の想定外)。というところで次週へ。
(このシーン、真面目に考え直してみると、ちょっと異様な結論が出てしまいそう。ファルクスの襲撃で榊亜紀は車を捨て、徒歩で逃げてます。少し遅れてとはいえ、アギトはバイクで追ってる。なのに追いつけてない。ファルクスの速力も半端ないはず。ということは、榊亜紀は超人的な脚力を持ってるのか、と(^^;。)

 今週の「闇の力」は特に動きなしでしたな。人間を知りたいと言う沢木哲也に、セールスの男の悩む気持ちを送り込んでみたくらい。2人とも、何がしたいのか、ちょっと不明な感じです。

 榊亜紀については、視聴後に「あれ?」と思うものがあり、調べてみました。ソフトボールについてです。真魚が翔一らから部活を進められ、ソフトボール部に誘われていると答えてました。すると榊亜紀が高校時代にソフトボール部だったといい、楽しそうに経験を語る。

 のですが、出塁してリードを取り過ぎてけん制でアウトになることが多かったと言ってます。そこが引っ掛かりまして、ネットで調べてみると、ソフトボールでは投手がボールを持っている間は、ランナーは塁から離れられないルールでした。涼に氷川が変質者まがいと騙したことと言い、翔一の恋人だったと急に言い出したことと言い、高校時の部活の話と言い、榊亜紀はその場しのぎの嘘をつくタイプみたいですね。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/04 (Tue) 09:56:51

 ダイ大と青天の感想です。
 ライダーは、後日まとめて。

★ダイ大

 「ポップの覚悟」回、原作を見て内容を知っていても、感涙でした。

 ダイ大での感涙シーンベスト5に入ると思います。人によっては、これがベスト1と言えるかも。
 こういうお涙ちょうだいシーンって、そこだけ切り取っても不十分で、それまで積み上げてきた話の展開があって、それを踏まえた上で湧き上がるものもあるな、と。

 バラエティーなんかでたまにある「懐かしアニメやドラマの特集」で涙のシーンなんかもありますが、あれは一部シーンを切り取って、そこで解説役の司会や芸能人の感じ入り方、その場のトークで盛り上がりを作るからこそ成立する。
 で、感涙シーンに際して、涙だけで終わらせずに、誰かが余計なツッコミを入れて、最後に笑いに転化して、次のコーナーにつなげるのがバラエティーあるあるなんですが、
 何というか、こういうのは白けますね(苦笑)。

 涙シーンで感じ入ったのを混ぜっ返すのを、トーク番組では陽性に切り替える番組方針なんですが、
 ずっと涙だけじゃ、成立しないのも分かるのですが、
 バラエティーだと「じっくり感じ入る」というのを、スピーディーにさらっと流して、浸らせてくれない。

 で、酷い場合は「ヒーローや刑事の殉職シーン」までツッコミギャグネタにしてしまう風潮もあったりして。
 感動の名シーンとか漢気を見せるシーンまで、ギャグネタにされると、嫌だなあ、と思ったり。

 それはともかく、今回のポップのシーンは、これまで成長してきたダイの仲間たち(マァム除く)の集大成となります。

 ダイの活躍によるレオナ救出(フレイザード戦のこと)、ヒュンケルやクロコダインが仲間になる、そして弱い自分が成長できたところまで、ダイを中心に繋がった絆を逆に辿って振り返った後で、アバン先生につなげる。
 ポップのセリフが、そのままダイの大冒険の巻き戻しになって、そして、師匠の死、兄弟子の死という形のショック療法に至る、と。

 ダイの記憶を呼び戻したのは、レオナの愛情のキスではなく、ポップの友情と師弟の絆というのが、作品テーマだな、と。
 ただのメガンテではなく、これまでの記憶をポップ視点の物語として、訴えてみせたことが感動に通じる、と自分では思います。
 ただの感情の爆発だけじゃなくて、物語の経緯を辿ってみせて、それが作品を通して見てきた視聴者の記憶にもつながって、きちんとした筋道の末に爆発した。

 ストーリーテリングとして、非常に完成度が高いな、と考えます。

 キャラが死ぬ直前の回想シーンとか、走馬灯にも感じられて、例え、また復活すると分かっていても、「ここまでの物語の到着点」として完成度が高いので、感想そのものは変わらない。

 なお、この後のポップは、死んで意識のない身でもなおダイを助けるために動いて、ダイの勝利の起因にもなる。
 さすがのバランもこれに驚き、これまでザコと見くびっていたポップ、ひいては人間の想いの強さに感じ入る。
 つまり、人間の気高さを感じ入り、自分の過ちを悟ることで、ヒュンケルと同じように、孤高の贖罪の道を模索する流れです。
 罪滅ぼしのために、ポップの復活に自らの血を捧げてくれる。そして、父親として自分がダイのためにできることを、不器用に果たそうとする形。

 言わば、ヒュンケルの立ち位置にバランが入るわけですね。一方、ヒュンケルの方は、アバンの弟子の長兄として、死に場所を求めるのをやめて、どうすればダイやポップがもっと強くなれるのか、アバン流の奥義を研鑽する師匠代理の役にポジションが変わる。
 で、死に場所を求めて、単独行動をするバランを止める役どころもヒュンケルが担う、言わば世話焼き兄さんの役割にシフトするわけで。

 さて、涙シーンの5つ分ですが、

●弟子を守るためにアバン先生の自爆。
●ダイのためにポップの自爆。

 残り3つが、

●ダイを守るためにバランが
●ポップを守るためにハドラーが
●ポップを守るためにメルルが

 それぞれのドラマで自己犠牲の決断をし、その結果として守られた本人がパワーアップする起因になる、と。
 いずれも、それぞれのキャラの自己犠牲に至るドラマの結実と、それを受けての守られた側の相互理解につながって、奇跡が起こる。

 全ての自己犠牲に、それまでのドラマの積み重ねがあるのがダイ大のいいところで、安易な「仲間の死で奮起」という使い捨てにはならず、キャラの想いを大事にする形。
 何よりも、敵のハドラーがいかにしてポップを守るに至るのかが白眉です。父が子を守るとか、愛する者のため、とかだと感動的だけどよくある流れ。
 それに対して、ハドラーはハドラーですからね。これは流石にありえないだろう、というキャラの会心と漢気をドラマにして見せる。

 ともあれ、今回、醜態をさらしてヘイトを集めたバランが、倒すべき強大な敵として立ちはだかり、それをダイが奇跡の逆転勝利によって、父親の人間性を取り戻すのが次回。
 次回で、うまくまとまるか、その次まで流れるかを気にしつつ、その後は、武闘家マァムの登場と、新キャラの老師、そしてコミカルキャラの大ネズミ・チウの登場。

 ポップがコミカルキャラでなくなったので、ポップをマァムへの恋仇と対抗意識を燃やすライバルキャラの立ち位置になるチウが、それでも弱いのに漢気を燃やす様をクロコダインに見込まれて……という流れ。
 同じモンスターキャラとして、クロコダインの弟子みたいなキャラのチウに次は個人的スポットを当てたく。

★青天

 次回で第一部完かな、と思っていたら、今回の旅立ち編で、第一部完のようでした。

 次回から京都編ということで、これまでの故郷の人たちの出番が減るのかな、と思います。いずれ再登場するにしても、しばらく栄一が帰らないので、これで出番終了となるキャラもいるのではないか、と思いつつ。

 で、今回、栄一たちの無謀な決起を諌める形になった長七郎。
 自分が一番、尊王攘夷の志にどっぷり浸かっていたのに、その結末、時流の変化を見ることで、自分の愚かさを悟り、生きる意味を見失って荒れ狂う。
 栄一の目を外に開かせるという役割は果たし終えたので、後はどう退場するかがドラマの焦点になるのかな。

 大河ドラマの場合、一年間ずっとレギュラーを張れるキャラの方が珍しいので、栄枯盛衰の流れがあるのですが、
 史実における心変わりを、裏切りではなく、そのキャラの筋の通し方として描くかのドラマ作りが注目ポイントと考えます。

 栄一の場合、自分の心代わりの心情を妻の千代に涙ながらに語って、謝るシーンがあって、「真っ直ぐ突き進んでは、壁にぶつかって、俺が間違えていた、物が正しく見えていなかった、今度からはこっちを目指す」と、行き当たりばったりなのを、描くドラマかな。
 千代の内助の功が素晴らしすぎて、その分、恋愛ものとしては栄一がクズにも見えてしまい、そこにスポットを当てると、どういう印象になるのやら、と。

 脚本家が女性で、女の目から見た栄一のダメンズぶりを強調する作風かもしれません。
 慶喜にしても、後に残される妻の内助シーンがあって、男がみんな女を残して、京へ旅立つ話でした。

 次回から、栄一と慶喜のダブル主人公が合流して、物語の筋が一つになると思われますが、
 その影で、千代は兄の長七郎の抱えた闇に直面することになるのかな。

 そして、今回、なかなか出なくて、最後のまとめ役になった我らが家康さん。
 来週も解説してくれるのか、こちらも去就を気にしつつ。
 劇中のキャラは、史実から退場を予想できるけど、この人だけは史実の外にいるキャラだから、全く先行きが読めません。

 あとは、メテオ、G3、アランの次に、第4の仮面ライダー役者が登場していますな。
 鎧武のロックシードの売人やってた人が、平岡円四郎のお付きの用心棒として登場。平岡さんは、栄一を慶喜に紹介するという役どころを果たした後、非業の死を遂げるみたいですが、その後を継いで、栄一をサポートしてくれるキャラらしいです。

 この後も、新登場のキャラがいろいろいて、その中には元・特撮役者の名前もチラホラと。
 新展開の流れも楽しんでいければいいな、というか、ここからが栄一が世に出る本番ですからね。今までが前置きみたいなものだったと。

 



Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/04 (Tue) 23:24:53

 定期感想その4です。

 ローカル局で再放送中の仮面ライダージオウを観てまして、今週はウィザード編。初見では仁藤攻介を知らず、「そういうレジェンドか」くらいの印象でした。ネットでウィザードを通しで見た後だと、印象は大きく変わるもんですね。二度目なのに「あ、仁藤攻介だ!」と興奮します。

●仮面ライダーセイバー(第33話:それでも、未来は変えられる。)

 神代凌牙/デュランダルについて誤解してました。キレやすいように見えたんで、マスターロゴスは剣士としては重視してなくて、時国剣界時さえあればいい、とか思い込んでしまいまして。調べると、時国剣界時は(設定としては)極めて扱いずらいため、使い手になるのが大変らしい。

 その時国剣界時を振るえる神代凌牙は貴重な人材ということだったようです。今話でも剣を振って凌牙が修行に励む様子が描かれてました。その様子と、名前の「牙」つながりもあって、牙狼の鋼牙を連想するものもあります。そう感じてみると、凌牙がキレやすいという印象が、戦いに拘る頑固にも見えてくる気がしたりします。

 今話で最もショッキングだったのは、マスターロゴスの狙いでしょうか。飛羽真らへの台詞で表現されてまして、「争いの絶えない世界を作る」~「朝の鳥のさえずりが人々の悲鳴に変わる」と。永続する戦争状態ってことかな。神代玲花辺りは、マスターロゴスのそういう真意を知ったら離反するんじゃなかろうか。

 その台詞、最初は聞き間違えまして「争いのない世界を作る」だと思ったんです。へえ、と思って続きを聞いたら「朝の鳥のさえずりが」云々で、一瞬理解できず、しかし「全人類抹殺(メギド側が当初、言っていたものでもある)すれば、争いもなくなる」という意味だと解釈しました。でも変だと思って(字幕も出して)聞き直すと「争いの絶えない」と言ってて納得。ですが、聞き違いのほうが怖い気もします(^^;。

 ともかく本編。冒頭、サウザンベースでマスターロゴスが神代玲花に「風の剣士(=蓮)は用済み」と告げ、粛清しろってことでしょうね。まだ蓮の聖剣は片割れの1本残ってますが、不要なんだろうか。凌牙はおらず、玲花1人でできる任務と判断しているんだろう。

 賢人は依然として単独行動ですが、学習し予測する未来の揺らぎに不安がある感じですね。結局はこうなる、という確信があるみたい。ですが、後で明らかになるのが確信というより、絶対に避けたいことが起こる不安が大きすぎるということみたい。飛羽真の死、ですね。それが起こる不安のある選択はできないらしい。引き換えに自分(賢人)が死んでもいい、という強い決心でもある。

 ノーザンベース側も積極的な動きに出まして、蓮には倫太郎とユーリが向かい、賢人には飛羽真が向かう。戦力の立て直しですね。ただ、蓮はサウザンベース出身らしい(劇中台詞では気付けず、仮面ライダーWEBの記述でようやく認識orz)。ノーザン剣士と付き合いが最も浅いゆえ、離れやすく、なかなか同調しないということなのかも。

 その蓮にはデザストが先に付きまとってまして、盛んに一緒に来いと誘ってるわけですね。力が欲しいんだろ、と。デザストは敵ですし、蓮は独立してやれる自信がまだ崩れてないんでなかなか誘いに乗りませんが、この後、玲花サーベラを退けるデザストを見て、翻心してしまうわけですか。

 賢人には飛羽真が真っ直ぐアプローチ。というか、腹が減ったのに付け込んで(^^;、まず差し入れのサンドイッチで釣るわけですか。もっとも、実は飛羽真のために動いている賢人ですから、飛羽真と話をする気はいつでもあるんだろう。

 その会話で飛羽真の「約束」に対する拘りが明かされまして、ルナとのちょっとした約束を喧嘩で反故にしたため、ルナが連れ去られる結果になり、ずっと心に刺さっていたわけですね。記憶を失っても感情としては残り、約束を破ることへの怒りとか恐れとかが生じてたみたい。

 その告白を聞きつつ、賢人は芽依特製のバッジを見つけ、いったんは持つことにしたみたい(自分の似顔絵と認識したんでしょうな)。芽依が仲間の象徴として作ったわけですから、賢人帰還のフラグが立った感じですね。が、後で賢人は落としてしまい、帰りたくても帰れない賢人の状況、心情が窺える感じです。

 が、バッジを手にした賢人の話がなかなか衝撃的。ソフィアが本で作られたという情報はもう明らかになってますが、マスターロゴスがルナを模倣して作ったわけでしたか。全知全能の書の復活に必要だとかで、つまり本来はルナで書を再現しようとしてたのかな。人工生命体のソフィアで、ということは、メギド側がずっとやってた、アルターブックで、というのに似てる気がします(だからマスターロゴスとストリウスに共通点が生じ、結託に至った?)。

 賢人はそれ以上、飛羽真と付き合う気はないみたいですが、飛羽真が泣いて離さない。賢人がどんな未来を見たか言ってくれ、というわけですね。悪い未来なら一緒に解決しよう、ということなんだろう。が、賢人は決して言えない。どうやら世界再生ルートですら、飛羽真の死は(賢人的には)確定しているらしい。その回避に必死だったわけですか。道理で飛羽真には告げられないわけだ。

 が、マスターロゴス襲来(賢人の想定範囲内だったみたい)。飛羽真には以前に利便を図ってますし、にこやかで親和的な態度を見せつつ、しかし怖いことを語るわけですな。バトルになりますが、マスターロゴスの強さは半端ないらしい。が、バトル以上の異変発生。

 ルナですね。本(Wonder Story)が開いたと思ったら、空間の裂け目らしきものができる。その先に子どものままのルナがいる。マスターロゴスはバトル時に「あの少女(ルナ)が現れたら、また使うまでです」と言ってまして、この事態はむしろ好都合なのかもしれない(かつ、もしかして二度目?)。

 が、飛羽真はシンプルにルナを救いたい。必死にルナに向かいますが、裂け目を通ろうとする瞬間に閉じてしまい、ルナはまた行方不明に。ちょっと気になるのは、賢人にこの状況がどう見えていたかですね。

 こちらで伺った通り、飛羽真は異世界/異次元を見る力が備わったらしい。それでルナがはっきり見えたのかも(飛羽真の目に異様な反応がある)。飛羽真は必死でルナに向かいましたが、飛羽真同様にルナと親しかったはずの賢人は見守るのみでした(むしろ飛羽真を見ていた感じもある)。

 ルナは飛羽真には見えて、賢人にはよく見えてなかったかも。ルナに飛羽真が見えたことは、名前叫んで駆け寄ったことから確実。これも賢人が仲間に戻り切れない暗示なのかもという気がします。マスターロゴスにも多分、ルナがはっきり見えているんでしょうな。ラストでルナについて喜んでたわけですし。ともかくも、ルナ出現でマスターロゴスは去り、戦いはうやむやに。

 マスターロゴスが飛羽真らを襲った頃、蓮に対しては玲花/サーベラ出現。マスターロゴスがロゴス最大の裏切り者と知る蓮は揶揄しますが、兄の凌牙に厳しく釘を刺されている玲花は聞く耳持たない。バトルになりますが、剣を1本欠いていることもあって、蓮・剣斬不利の感じ。煙化の神出鬼没に対処できてないですね。

 しかしデザストは見切っているようで、実体出現ポイントを確実に斬る。さらに倫太郎ブレイズが加勢、ズオスをも退けた強化形態だけあって、圧倒的か。これで玲花は不利と見て撤退し、蓮はデザストと行動を共にすると決断してしまうと。倫太郎じゃなくてデザストを選んでしまうわけですね。やっぱり、不死身だからできたとはいえ、デザストが身を挺して蓮を庇ったことが大きいのかも。

 ラストでは不穏な動きが示されまして、ストリウスはソフィアそっくりの、おそらくはルナの複製の人工生命体を作りつつあり、マスターロゴスは「破滅の書」を使おうとしている。

 次回「目を覚ます、不死の剣士。」では劇場版登場のバハト/仮面ライダーファルシオン登場ですか。バハトは「破滅の書」で召喚される模様。賢人はどうなるかなあ。カリバーからエスパーダに戻る変化があるくらいじゃないと、飛羽真側には戻ってこないのかも。まだまだ先ということか。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/05 (Wed) 18:42:51

 ライダー感想です。

★アギト

 アギト捕獲作戦の実行が、なかなか開始されないので、やや自分の感覚が先取りし過ぎていることに気づく。

 榊亜紀さんについては、リアルタイムで見ていたときに、あまりに周囲を翻弄する悪女っぷりにうんざりしながら見ていましたな。
 彼女と北條さんのせいで、アギトと警察とギルスの関係が混迷状態に突入して、関係性の修復に時間が掛かるようになったり。

 当時は、平成ライダーの作風というのが、「なかなか共闘しないバラバラのライダー同士の対立が長引く」ということが当然ながら分かっていなかったので、
 この辺の混迷したドラマを、何て迷惑な女なんだろう、と思って見てました。

 今、見ると……やはり、混迷状態が長い、と感じますね。

 北条透については、こいつはこういうキャラだと分かっていたし、小沢さんが皮肉返しをしているから、見ていてもストレスはたまらないのですが、
 榊亜紀と、それから美杉太一はかなり苛々して見てた記憶もありますし、今回見ても、分かっていてもやはり苛つく。

 まあ、太一については、今、放送すると、言動がコロナっぽく見えるのが妙に笑えたのも事実。
 味が分からないだの、ただの風邪と言い張るなど、20年前の話なのに、タイムリー過ぎるだろう、と。

 ともあれ、翔一を殴り、氷川を殴り、ギルス涼の対ライダー暴行が続いております。これがエスカレートして、変身しては周囲の全てに襲いかかるギルスという状況に発展。
 アンノウンとの戦いがおまけで、ライダーバトルが中心になっていく展開に。

 まあ、今のセイバーも似たような展開ですか。
 メギドよりも、ライダーバトルに主流が移っている、と。

★セイバー

 マスターロゴスが目的を明かして、ラスボス候補その1になりましたな。
 遠からず変身すると思いますが、変身した名前が「ソロモン」という噂を聞いたり。
 いや、ソロモンという名前を知っただけで、マスターロゴスなのかは未確定ですが。

 そして、賢人が飛羽真に打ち明けない未来(飛羽真の死)が物語の前面に出てきたり、
 ルナとかソフィアの秘密が、さらっと語られたり、非常に情報密度の濃かった回。

 いやあ、新人脚本家に、こんなに重要な回を任せて良かったのかな、と思いつつ、
 この人の特徴は、「熱いバトルセリフ」と「マスターロゴスの厨二病ポエミーな大仰なセリフ」にあると理解。ある意味、勢いのある書き手で、ストレートに押してくる。
 こういう話は嫌いではありません。

 バトルもドラマも、情のこもったアクションや演技で盛り上がったので、細かいストーリーの整合性は他の人が後からフォローしてくれるのでしょう。

 で、次回はベテラン長谷川さんの話なので、分かりやすく整理してくれると思いますが、
 それとは別にファルシオンですね。

 破滅の書に封じられた虚無の破壊剣士がマスターロゴスの手で解放され、大暴れとなりそうですが、
 果たして、制御可能なのかね。

 ファルシオンは、その昔、世紀末に「人の命は地球の未来」とか言ってレスキュー戦隊のブルーを担当していたのに、
 年を経て、芸風が大きく変わって、全てを食い殺すアマゾンアルファとして荒れ狂ったのが近年。
 クールな科学者→狂気の野獣→破滅をもたらす不死鳥の剣士というヒーロー物役者遍歴を辿っております。

 役者の格としては、マスターロゴスよりも、ファルシオンの方が明らかに恐ろしいというか。
 まあ、賢人の父親の隼人が割と近い世代になるのかな。

 このファルシオンがただのゲストキャラなのか、それとも終盤まで暴れる台風の目になるのかもドキドキしつつ。

 何となく、あまりの暴れっぷりに、デュランダルやサーベラ含む全ライダーが力を合わせて、まずはファルシオンを倒さないとどうしようもないという事態になるか、
 それともファルシオンを他のライダーに倒させて、その時に発生する凄いエネルギーをマスターロゴスが吸収して、ラスボス降臨になるか、
 いろいろ予想はできますが、要はそれだけファルシオンは大物キャラだと言いたいわけで、次回に期待。

★青天のライダー

 明治の新キャラとして、仮面ライダービルドの桐生戦兎の人が、新聞記者/翻訳家/小説家の職歴を持つ文人として、栄一の経済活動の協力者になるみたいですね。

 戦兎が小説家? まあ、ビルドのOPコントを書いたのは戦兎って設定だし、天才科学者が文明開化の旗手になっても不思議はないか。
 というか、主役ライダー役者の大河出演ですから、注目度は高いなあ、と思います。

 キャラ名は福地何ちゃらと言うそうですが、自分は明治に詳しくないので、今回初めて知った人。
 福沢諭吉と並んで、双福と称されるほどの著名人らしいですが、改めて日本史の人物事典でもチェックしようかな、と思いつつ。

 今のところ、メテオは、G3とも、アラン(ネクロム)とも対面しておらず、先日、鎧武のシグルドと知己を得た形。
 だけど、ビルドはメテオと懇意になる人物らしいので、時期が来れば、ニヤニヤしながら視聴してそう。

 少なくとも、幕末が終わった後の楽しみができた形です。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/08 (Sat) 07:11:40

 定期感想その1です。

●ゴジラSP(第6話:りろんなきすうじ)

 毎回サブタイトルがひらがな表記でして、どうも読みにくい。今話は完全に読み違いまして「理論的な数字」だと思い込んでました。しかし理論的な数字らしきものが出てこない。6をひっくり返したら9、みたいなものしかありません。

 よく見たら「理論無き数字」でしたorz。もし6=9の謎解きを指しているとすると、なんとなく分かる気もします(が、自信なし)。数字が数じゃなくて字形ということで。そうと分かって葦原博士の論文シーンを観なおしたんですが、多少分かりそうなところが増えたくらいで、やっぱりよう分からんです。

 神野銘が「6=9」という変な等式に気が付いて、テープに6と9を書いて捻ったら6と∂とか考えて詰まる。が、捻って、また捻ったら9→∂(上下反転)→6(左右反転)と気が付いた(テープを単純にU字に曲げてもいいんですが)。それが葦原カスケードのヒントらしいんですけど、どう時間遡行に結び付くか含め、サッパリ分からなかったです。
(結果を正確にいえば、6と9は回転で、2次元内から出ずに重ねられる図形でしかなく、後述する高次元が必要かどうかは疑問もある。)

 それにしても、五線譜がぐにゃっと曲がっているのがヒントだったのかな。6と9を両端に書いたテープを捻るのと似てます。書き込まれていた数式も、6と9を踏まえると、e(自然対数の底と捉えるのが普通)も6や9の反転ということみたい。代数的なことを考えてたんじゃなく、幾何学的なアイデアだったみたいです。
(ゴジラの骨から音楽が流れているということが、葦原論文の五線譜と何か関係ありそう。)

 さらに幾何学らしい要素としてはOrthogonal Diagonalizerでしょうか(直交の対角化)。線形代数の行列の話ですね。行列は回転などの座標変換を表すことができますんで、幾何学だとすれば関係ありそうな話。さらに、例えば相対論って幾何学だったりします。アインシュタインの代数的な特殊相対論を数学の師のミンコフスキーが幾何学に書き換え、今、普通に学んでるのはミンコフスキー改案の特殊相対論(これでアインシュタインが幾何学の重要性に気が付き、一般相対論は最初から幾何学的にアプローチしたらしい)。

 もしそうだとしても、「だから何やねん?」ですorz。高次元の話でもするのかなとは思いますが。理論家だとすぐそうする傾向あったりするみたいです。相対論ではこの世界/宇宙は4次元時空(空間3次元+時間1次元)ですが、ちょっと詰まるとすぐ5次元時空(空間4次元+時間1次元)にしてみたりするようです。

 自分も読むには読んだことがある、一般相対論の最も平易・初等的な数学使う教科書でも、いったん5次元時空で数式変形を進めて、解が出たら4次元に戻すとかやってました。そういうことができるのも、物理学理論は空間が何次元でも成立する数式ばかりだからなんだそうで(ついでに申せば、熱力学以外は時間反転しても問題なし)。

 タイトルのゴジラSPのSP(特異点)については、5次元時空だとブラックホールの特異点が事象の地平面(中から何も出てこられない一方通行)に覆われてないケース(裸の特異点)があり得るんだそうです。特異点は密度無限大で、無限大が出ると物理法則は計算不能。数学がベースの物理理論が通用しなくなります(要は「なんでもあり」)。

 この宇宙でそういうことがあり得るかどうかは大問題みたい。もし裸の特異点があったら、今話でも言ってましたが、宇宙がなかったことになる、となってもおかしくないようです。が、もしゴジラSPで、そんな話をされたとしても、危機感を盛り上げるのは難しそうだなあ。少なくとも自分には分からんはずです。

 ともかく本編。冒頭、寝室から出てくるらしい子どものシーンで始まりまして、「え?」となりました。ジェットジャガーどうなったんだと。続くシーンでラドンの大群でして、確かに絵的に迫力あるし、大騒動であるのも分かります。が、やっぱり「ジェットジャガーは!?」です(^^;。ヤキモキしながら観てましたが、後半でしっかり大暴れでしたんで、焦れた甲斐がありました。

 それはともかく、ラドン大量発生が全世界的事象になってるようですね。もっとも人を積極的には狙っては来ないらしいのは以前と同じ。ニュースのリポーターが外で実況中継してたりする。平成ガメラ初作ではギャオスが人間を捕食するんで脅威でしたが、ラドンはそうではないのか。もしかして草食? ただ、紅塵ばらまくわ、電波障害起こすわで、大迷惑ではありそうですね。

 続いて、旧嗣野地区管理局「ミサキオク」の佐藤隼也(元外務省官僚)と現上司の山本常友局長が話し込んでますね。葦原博士の過去についてで、クラゲの研究が電波絡みでどうこうと。葦原博士の生死は不明らしく、生きていれば100歳超えらしい。

 一方、シヴァ共同事業体ではティルダ・ミラー代表らが話し込んでますね。ハッチで封じた、地下に出現した怪獣シャランガ=サルンガについてみたいですが、葦原博士絡みらしい。怪獣シャランガの狙いは「シヴァ」の可能性ありとのことで、たぶん地下の白骨化したゴジラのこと? 隔壁を1日で破ったとのことで、しかしラドンみたく、すぐに死んじゃったのかな。

 紅塵もフェーズαなる不安定なはずのものが、大量にあったということですか。地上にまき散らされてるものと同じかどうか分かりませんが。不安定な同位体みたいなものかと思いましたが、たぶん、神野銘が解明しつつある葦原カスケードの仕組みによるものなんだろう(空間を捻って止めるとかいう、よう分からんやつ ^^;)。

 その神野銘はこの時点ではまだ迷走中なわけですね。葦原博士の論文を探し当てても、落書きみたいなものしか出て来ず、意味不明らしい。数式があるかと思えば、捻じれた五線譜とか、何かの引用らしき語句とか。佐藤隼也の元上司の鹿子行江は引用元にかなり詳しかったですね。

 その助け舟のお蔭か、6=9についてひらめいた神野銘が、李桂英に葦原カスケードについての仮説を披露。物質ではなく時空を捻じるのがアーキタイプらしい。前の話でアーキタイプが反転している(キューブ内の花)なんて話がありましたが、それが6=9の謎(空間の捻じれ)につながるのかな。どうも、自分にはよう分からん、というのは上述の通りですorz。
(神野銘のアイデアはウパラ研究所のベイラ・バーン/BB部長が預かり、解析を試みているようですが、娘のリーナ・バーンに語ったことが冗談でないなら、1万年要する計算になるらしい。使うコンピュータにもよるんでしょうけど。)

 なんか面倒臭い話になってるなあ、と思ったら、ようやく来ましたジェットジャガー。が、苦戦しているみたいですね。戦力的にはアンギラスが優るみたい。ですが、そのアンギラスは遊んでるんですか。好奇心からとのことで、まだ子どもなのかな。急速成長も幼いゆえに成長期だったからなのかも。

 アンギラス、ジェットジャガーに飽きたようですが、脅威ではあるんで自衛隊がジープから発砲(前話では撃ってなかったみたい、勘違いしてた)。が、弾道を読まれて跳ね返されるわけですね。ここでジェットジャガーの大滝吾郎が奮起、源蔵の軽トラから捕鯨砲を借り受け、一騎打ちに向かう(思わず「おーし!」と言ってしまう燃えポイントでした)。

 先読みできても避けられなければ問題ない、ということで超接近してのゼロ距離射撃というわけですね。狙いは見事に当たりまして、アンギラスを倒す。けど、後で気絶していただけと判明。アンギラス vs ジェットジャガーのリターンマッチでは、まず大滝吾郎が再度挑み、しかし退けられる。

 これを見た有川ユンが破損したジェットジャガーを応急修理(パージと有川ユンの目視補助)、またもゼロ距離射撃で、今度は頭部に叩き込みまして、どうやら止めを刺せたみたい。有川ユン、またも気絶ですが、その際に聞いた(幻聴か通信かよう分からん)内容が意味ありげですね。怪獣はハイブリッドな生物らしい、とか。

 戦闘の見どころはもう1つありましたな。ゴジラ映画の伝統とでもいうべき、自衛隊 vs 怪獣戦。今回は海戦でして、マンダ退治ですね。集団で現れたマンダに自衛艦が挑み、駆逐する作戦らしい。自衛隊側が順調に進めているかに見えましたが、マンダは海棲のゴジラアクアティリスに追われていたらしい。

 ゴジラアクアティリスは大きさ、速力だけから考えても、自衛艦1隻では対処できなさそうな感じです。演出的にはゴジラアクアティリス出現時のBGMが嬉しかったかな。ゴジラ映画でゴジラが登場するときのゴジラ音楽ですから。やっぱり「ゴジラ作品である」ことを大事にしてくれてるみたいで、安心もしました。

 この戦闘結果について、松原美保一佐(ただし陸上自衛隊)と外務省の鹿子行江が会話してますが、鹿子行江の話が謎かけみたいで、何かを深く理解してそう(先の神野銘の話に影響されたというより、鹿子行江がヒントを与えに行った?)。ジャーナリストの海建宏も不思議な動きをしてますし、わけありの人物がいろいろいそうです。

 そういうところも気になりますが、自分的にはやっぱりジェットジャガーの今後が気になるかなあ。今話は捕鯨砲を携行武装にして成果ありでしたから、さらに武装強化とかしてくれそう。自衛隊の対怪獣戦もいいですが、ゴジラSPでのジェットジャガーのほうが自分的には興奮度高いです。
(子供の頃、映画館に観に行った「ゴジラ対メガロ」では、ジェットジャガーにそんなに強い印象はなかったんだけど、ゴジラSPでの「燃え」は充分なものがある。)

●DYNAZENON(第6話:この切なさって、なに?)

 前話のプール監視員ですが、実写グリッドマンで翔直人役の(現在の)小尾昌也さんがモデルで、声も小尾昌也さんだったようです。ウィキペディアの小尾昌也さんの項に記載があり、アニメ前作GRIDMANでも「お客様役」で出演だったとのこと。全く気が付きませんでしたし、現在の小尾昌也さん(43歳)の顔すら知らなかった。ネット検索してみると、確かに前話のプール監視員そっくりの写真がありました。

 その点は「ああ、やっぱり原作の実写グリッドマンを大事にしてるんだな」と制作に好感度高いです。が、驚いたのが、番組を観ていて、プール監視員=小尾昌也さんと瞬時に気が付いたファンがいること。視聴しながらのリアルタイム感想を採録した感想サイトで見ましたんで、観てすぐ気がつけないと、そういうリアルタイム感想は出てこないはずです。なんというかもう、凄いとしか言いようがない。

 それはともかく(^^;、今話は前話の続きで夢芽の姉:香乃の死の真実に迫るのかと思ったら、意外に進展せず。夢芽が開きかけた心(特に蓬に対して)がまた閉じかけてる感じです。ダイナゼノンチームは夢芽、暦にも停滞感が見られまして、バトルでも息が合わなくなってましたな。

 しかし、なぜか敵側/怪獣優生思想のはずのシズムが夢芽にいい感じの刺激与えてまして、次話以降の展開につながるかも。。暦に対してはムジナの意図しない接触が役立ちそうな感じでしたが、ムジナの成長にもつながる面が大きかったか。

 シズムは怪獣優生思想内でも意外に結束に役立ってるような感じですね。今週はムジナの成長を促してまして、そこからオニジャとの協力につながってる。シズムが蓬、夢芽の高校に潜り込んで接触しているだけあって、ダイナゼノンチームの動向も踏まえての行動、言動ができるからかも。好奇心の強さから敵味方双方に通じることとなり、他の怪獣優生思想メンバーより、視野(視点の多様さ)、考える枠組みが大きいのかもしれません。

 ムジナについては前話まで誤解していた気がします。クール系だと思ってました。が、何をしていいか、したいのか、自分でも分からず、己が気持ちを持て余してたようです。何かを決定、決断するのも避け、他のメンバーの合意任せ。幼い、ということになりましょうか。大人に混じった子供なんで、自分で決められないし、それゆえ自分のやりたいことも選べない。

 自分で意思決定した「ダイナストライカーを奪う」も、他のメンバーが使い方で揉めるのを見るや、すぐに後悔したりもする。それが暦と接触して似たような者がいると認識(暦君と君付けで呼んだのはそのせいかも)、しかし(実はガウマに叱咤されたからですが)暦が必死に組み付き、奪い返しに来たのを見て、ちょっとイラっと来てました(抱き着かれたんだから当然ですけど、似た者なのに自分にないものを見たせいもありそう)。

 で、シズムの「怪獣に必要とされている」でムジナは発奮、一皮むけたようです。己が役割を見つけたわけですね。勝つ意欲と自信を見せるようになり、オニジャが、キャラ変わったと驚いてましたな(自分も驚いた ^^;)。こうなると、むしろ暦が取り残されてる感じですが、この後、どうなるのかしらん。せっかくムジナと接点ができたわけですが、稲本とややこしい関係でもあるしなあ。

 なんてことを考えながら観てたんですが、ラストで驚愕です。巨大ヒーローの突如の乱入(?)がありまして、あれってグリッドナイトでしょうか。だとすると、アンチ君がダイナゼノン世界にやって来た、つまりグリッドマン世界とつながる世界だったとなるはずです。「夢芽の抱える問題か?」と思い、「いや暦の悩みか?」「ムジナの成長譚?」と目が泳いだところへ、「アンチ君だと!?」になったわけで、展開が読めなくなりました。

 ともかく本編。冒頭は夢芽の香乃についての風馬の話ですね。香乃は女子に人気のあった副部長の千田双葉と接近、どうやら嫉妬された可能性があると。それがいじめにつながったかどうか、ちょっとはっきりしないわけですね。非公開にした動画は、今は夢芽が持っている、おそらくは香乃が大事にしていた知恵の輪を隠すといういたずらのようでもあり、いじめのようでもある、解釈が難しいもの。
(ただ香乃が相手に対して弱気な言葉遣いのようで、相手が先輩でないとすれば、いじめの関係性がありそうな気はする。動画内容もイジリ演出のようだし。)

 それが原因で夢芽と蓬の間に距離ができてしまうわけですね。夢芽は姉との関係について、深く立ち入らせたくないらしい(何か理由がありそうだし、自殺の可能性もあれば仕方ないかも)。しかし蓬としては夢芽のために一緒に一生懸命やって来たわけですから、突如、突き放されたような気分もあるでしょうな。これが後半のバトルに災いしてる感じです。

 一方、怪獣優生思想側はダイナゼノンチームへの対処方針で揉めてますな。オニジャは単純に倒したいが、シズムはダイナゼノンがいるから怪獣が発生すると思っている。好奇心の強いシズムは怪獣がいろいろ出現するほうが好ましいらしい。ジュウガは議長ポジションのまとめ役のつもりゆえに意見を控えてますが、ムジナは要は「みんなの言う通り」という消極的な姿勢(この時点で自分は「あれ、クール系とはちょっと違う?」と思い始めた)。

 しかし、ムジナが偶然(のはず)、暦と接触。他人任せだけに積極的に敵対はせず、暦と酒を飲むと。その暦は結婚を愚痴りたそうな稲本と飲んでたわけですが、夫を紹介されるし、夫と結構仲いいしで、自分がいいようにあしらわれたと意気消沈してるわけですね。敵側ながら拒絶する様子がないムジナと接近するのも分かる気がします。
(暦の中学時代の稲本との回想で、カバンが問題になってたみたいですが、詳細が分からず、気になります。いずれドラマのポイントとなるんだろうか。)

 しかしムジナは他人任せだけに1人では行き当たりばったりで、酔いつぶれた暦からダイナストライカーを奪い、持ち帰ってしまうと。しかし、そのダイナストライカーの使い道で仲間が揉めると、すぐに後悔する。持ち帰ったのはムジナですから、意思決定上は軸になる立ち位置になりそうなのが嫌なんでしょうな。

 が、ムジナが暦からダイナストライカー奪ったせいで、ダイナゼノンチームも動き出してしまう。暦は深酒で記憶がはっきりしないものの、前後の状況からムジナが持ち去った疑いが強いと(そうガウマに告げる暦は「ムジナさん」とさん付け。君、さんの仲になっちゃいましたか ^^;)。ならば、とガウマ、暦、ちせが怪獣優生思想拠点の廃倉庫を急襲。

 ガウナに叱咤された暦、窓を破って乱入、そのままムジナにタックル。一瞬戸惑ったムジナですが、おそらく初めて感情を高ぶらせまして、「放せって!」と叫んで暦を蹴り飛ばす(やっぱりキック力、強いみたい。太ももは伊達じゃなかった ^^;)。これをちせが冷たい目で見るわけですね(暦に対して抱く感情は複雑そう)。

 とりあえずダイナストライカーは奪還するも、おそらくは怪獣の影響(重力を強めて押しつぶす能力みたい)で廃倉庫は崩壊。その隙に怪獣優生思想側は撤退と。本日はこの騒ぎでオニジャの「死ぬかと思ったぜ」が出るわけでしたか(^^;。が、出現した怪獣を使って、怪獣優生思想側が反撃に出る。シズムに諭されたムジナが一気にやる気を出し、オニジャと共同戦線ですね。

 ダイナゼノンチームは迎撃に出ますが、ガウナ以外は声に力がなく、掛け声のタイミングも合わず、気持ちがバラバラなのがあからさまです。蓬は家庭事情で一人悩んでそうだし、夢芽は姉:香乃だけでなく、蓬が他の女子とやけに仲がいいことに複雑そうだし、暦とちせの間はギクシャクし出したし(ちせが部屋で見ていた小物、何だったんだろう? アクセサリー?)。2人がかりであり、ムジナが「必ず潰す!」と発奮している怪獣優生思想側に対抗できそうにない。
(投稿後追記:ちせの小物についてネットを調べると、第2話で拾った小石(?)が変化したものとみる向きがあるようです。この先の重要アイテム?)

 が、そこにグリッドナイト似の巨人出現、というところで次回へ続くのか。アンチ君か、GRIDMAN世界と地続きなのかとか、気になります。実写版グリッドマンではダイナシリーズはグリッドマンの支援・強化メカですし、アニメGRIDMANでは(新世紀中学生が)アシストウェポンだったわけだし。アンチ君のグリッドナイトとダイナゼノンが合体するのか、とか既に妄想が膨らむ展開です。

 が、自分的にはムジナも気になるかな。キャラクターデザインが好きだなあという感想だったんですが、キャラとしてはクール系で完成されてるのかと思ってました。しかし、今話で意外にメンタルが幼いと分かり、成長物語があってもおかしくない感じ。

 設定的に気になるのは、やっぱり人の死でしょうか。こちらで死傷者を気にする様子がないと伺い、確かにと気になったんですが、ネットの評だし仮説だしと伺い、それもそうかと。ですが、今話ではまず誰か乗っているはずの車が次々にぺしゃんこ、バトルではビルが次々崩壊と、大勢死んでてもおかしくない描写でした。

 しかし、少なくともダイナゼノンチームの面々は気にする様子がありません。夢芽の姉:香乃の死の原因はあれほど気にするのに。(死んだはずの)街の人々はおそらく赤の他人とはいえ、ちょっと変です。夢芽は前に、破壊された街は気にする様子があったのに。これがGRIDMANですと、翌日には破壊はリセットされ、死んだ人は忘れ去られるという仕掛けがありましたが、DYNAZENONはそうじゃないはずだし。DYNAZENON世界の住人って、どうなってるのか、また気になりだしました。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/08 (Sat) 23:00:50

 定期感想その2です。

 東映公式Youtubeでは仮面ライダー鎧武完結ですね。以前のローカル局再放送では途中から真面目に観たものの、不慣れで目が泳いでいろいろ見落としてたと痛感です。今回のネット再視聴では、葛葉紘汰(と高司舞)が神となって去るのが意外に早いと感じました。初視聴の印象より、割とあっさりという感じ(ローカル局再放映もネット放映も1週2話構成なので、条件は同じはず)。

 その代り、神となる運命を受け入れるまでの、葛葉紘汰や駆紋戒斗の紆余曲折が多く、深く、長かった感じです。初視聴時は、その辺りをかなり軽く眺めていたようで、見どころを勘違いしてたなあという気がします。

 次は何が来るんだろう。できればドライブをもう一度、平成ライダーをかなり観た今、観なおしてみたい気もします。

●ダイの大冒険(第31話:父と子の戦い)

 仮面ライダーセイバーでは、賢人がカリバーに斬られる、を2度用いてしまい、なんだかくどいという話がありました。自分もそう指摘されると、なるほどと納得となったのは前に申しました。これは同じことを繰り返したという印象が強いせいかと(賢人の迷走を表す意図だったかもしれませんが)。

 ダイ大でも、一見は繰り返しのような表現、演出がよく見られる気がします。このところのポップはそうですね。ダイを庇っての決死の行動が2回ありましたし、敵を倒す方法もゼロ距離攻撃を繰り返し用いてます。

 キャラクターを変えての繰り返しも感じまして、今話のダイはバランに対し、ドルオーラを連発させて魔力の消耗を図る策に出ています。それも自ら受けるわけですな。これはクロコダインがバランに対してギガブレイクを連発させたのと同じ戦術です。

 しかし、ダイ大の繰り返し演出は飽きず、むしろ繰り返されるごとにテンション上がる感じがします。考えられる理由としては、スパイラルに上がっていく印象があるかと。ポップの場合ですと、クロコダイン戦から竜騎衆戦まで、難度が上がりつつもかろうじて生き残ると、前話で覚悟のメガンテをバランに放って尽きるまで止まらないわけで。
(このことから、仲間が決死になると他の仲間が必死で救おうとする理由も分かる気がする。)

 対バランですと、まずクロコダインが勝てないながらもギガブレイクの連発を誘っての魔力切れを狙ったわけですね。今話ではダイが狙いを踏襲して挑発、ドルオーラを連発させてます。この場合は1週目がクロコダイン、敵の脅威度があがった2週目をレベル上がったダイが引き継いで成し遂げた感じです(視聴者視点ですけど。ダイはクロコダインの戦法を見てないはずなので)。

 クロコダインが狙った魔力切れはダイが成功させたようで、バランに執拗にしがみついて止めるクロコダインがもう一度ギガブレイクを撃てと挑発するも、バランはギガデインではなくライデインを使ってます。実の息子であり、ドラゴンの騎士の資質があるディーノ/ダイも滅しようというバランですから、手加減ではなさそう。つまり魔力切れが完遂したことになります。

 どちらもスパイラルでテンション上がっていきますが、ポップの場合は観ているこちらも「もう、よせ」と思い、しかしポップが止まらない熱い展開。クロコダイン→ダイの場合は、「ついにやり遂げた」と感じる燃える展開です。これはたぶん、こちらでご教示頂いたことを踏まえると、1人がシナリオを統一的に書いたことが大きそう。共同執筆だと連携が大事なんだなと感じる次第です。

 ともかく本編。今話は一騎打ちのバトル主体ですね。その合間にダイ、バランの心情が窺える作りになってるようです。前話ラストからの続きでダイがバランに父を思わないと宣言、これにバランが激怒する。当然、竜魔人の性質・本能が強く出てくると。

 緒戦はダイ有利に展開。ダイの手に紋章が移ったお陰で打撃力が増してる。紋章の覚醒度も段違いに進んだらしい。この奇跡をバランは「人間の心、ソアラの思い」と解釈したようで、たぶん当たってるんだろう。後のダイの台詞も考慮しますと、人間の心に制御された、竜、魔の力であってこそ最強になるみたい。

 竜の騎士は人間の心・竜の力・魔族の魔力の3つが一体になった戦士のようですが、ダイはそこに加えて人間の母(ソアラ)から生まれたわけで、人間要素(心)がバランより大きいのかもしれません。この後、バランとダイの様子が違ってくるのも、もしかしたらその差なのかも。

 が、戦い前半は力 vs 力の感じですね。ヒュンケルの見立てでは、総合的にバランの力が優るも、ダイは力を一点集中して対抗できているらしい。確かにバランのドラゴニックオーラをもダイの一撃が突き破ってます。ただ、戦いがダイ有利で進むうちに、ダイに怒り、凶暴さ、憎悪が見られるようになっていくのは不安点かな。バランも呼応するように怒りを増していってます。

 まず第一の分岐点はバランの紋章閃の一撃をダイが片手で弾き、「本気でやれよ」と挑発したときでしょうか。ダイの『圧倒して勝ってやる』という気持ちが見える気がしますし、バランも倒すまでパワーを上げていく気になった様子が窺えます。バランの台詞の変化としては、ディーノと呼んでいたのが、ダイ、小僧、ガキ等に変わっていってますな。

 ダイの挑発をヒュンケルは危険と見て取ってますが、どうやら当たっていた模様。なんとなく、ドラゴンボール(Z)でのフリーザ vs 悟空戦前半を思い出すような流れです。悟空がスーパーサイヤ人に覚醒する前ですね。フリーザ、悟空とも半端ないですが、ピッコロらが見抜いたように、フリーザが隠し持っていた実力のほうが大きかった。

 それと同じように、バラン vs ダイではダイが押しつつも、必ずバランが盛り返す繰り返しになってます。その過程でダイの表情が怒りで歪むようにもなって来てるのが、上述した不安点です。どうも、ダイも竜魔人の性質に飲まれかけてるような感じです。

 しかし、ダイがバランを崖に叩きつけ、止めを刺しに行ったところが第二の分岐点かも。バラン「なめるな!」と叫んでフルパワーで応じる気になったらしい。バランはダイをはねのけ、ドルオーラを撃つ構え。こうなるとダイがトータルのパワーで押される劣勢になっちゃいましたな。

 が、ダイにも変化が見える気がします。表情が変わってます。怒りが何かに変わった感じ。バランがドルオーラを撃つ前に飛翔したのは、地上の仲間の巻き添えを避けるため。つまり、仲間を思いやる気持ちを思い出したか。一発目はとっさのことで、ドルオーラの射線からさらにルーラで回避するのが精いっぱいだったらしい。

 が、ダイは再度飛び上がり、ドルオーラを撃て、受けてやると挑発。クロコダイン戦法ですな(魔力・闘気の枯渇狙い)。かつ、戦術の狙いも正直にバランに告げるところまでクロコダイン流。二発目を受けきればダイが勝つと。さらにバランの本気を確実に引き出すため、無敵のドルオーラもドラゴンの騎士に撃ったことはないだろうと挑発の駄目押しですか。

 このガチンコ勝負はダイがドルオーラを受けきる。勝勢に乗るダイはレオナに授かったパプニカのナイフ(太陽)で全力のアバンストラッシュで倒しきろうとする。が、ナイフが増大したダイの力に耐えられないわけですか。ドラゴンの騎士の力を引き出せるのはバランの持つ真魔剛竜剣だけらしい。
(調べてみると、真魔剛竜剣は神が作ったものらしい。未登場の名匠ロン・ベルクでも作れない業物とのことで、ロン・ベルクが追いつき追い越したいとする剣でもあるらしい。)

 これで形勢逆転してしまいそうですが、ダイが戦う間にわずかに回復したクロコダインが粘る。バランにしがみついて離さず、振り回しさえする。狙いは「ギガブレイクでも使うことだ」だったらしい。あくまでもダイのサポートに徹し、とことんバランの魔力・闘気を搾り取ってやろう、なんでしょう。既にダイ戦で消耗したバラン、ギガデインが撃てずにライデインでしのぐ(上述の通り、クロコダイン・ダイの共同戦術が功を奏していたことになる)。

 それでもバラン優勢が動かないか。ダイも消耗してるということか。しかしヒュンケルに秘策があるようで、クロコダインに声をかけ、というとこで続く。この間、ポップはレオナから蘇生魔法ザオラルを受けましたが、その結果も次回(ザオリクはないみたいですね。設定ではゲームの最上級回復魔法は存在するが、高度過ぎて使い手がいないんだとか)。

 次回「父との決別」では、バランとの戦いの行方はタイトルから察せられます。今回の予告はさすがにポップに言及なし。ということは逆に、凄いことが起こる、と考えていいんだろう。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/09 (Sun) 23:41:18

 今回は、ちょっと変則的な順番ですが、

★青天

 先ほど見たところですが、なかなかの衝撃が「家康さんが消えた」というもの。
 本編見るよりも、OPの新キャラ(新撰組の土方さんとか、薩摩の大久保さんとか、いろいろ)を見ながら、あれ? 北大路欣也さんの家康は? といないのに遅れて気づき、ガーンと。

 で、本編ですが、京都編といっても、まだ攘夷の志を捨てていない栄一・喜作コンビがいかにして一橋家の家臣の道を選択するに至ったか、そして狂乱した長七郎の顛末が描かれた感じですね。
 第2部スタートというよりも、第1部と第2部の橋渡しを描いた回。

 そして、第1話の栄一と慶喜の出会いが、ようやく次回に描かれ、そこからの新スタートという形でしょうか。

 それにしても家康さん(まだ言ってる)。
 来週、またひょっこり復活してくれないかな。

★ダイ大

 こちらは、ダイとバランの父子対決の決着つかず、次週に持ち越しとなりました。

 見たいものも全部、次回に持ち越しということですが、今回の放送を見て、いろいろ忘れていた途中過程を、ああ、そうだったと気づいたりも。

 例えば、メルル。ホイミぐらいは使えるということで、ヒュンケルとクロコダインの僅かながらも回復を手伝う。
 さて、ヒュンケルの秘策ですが、要はダイがアバンストラッシュを撃つための武器がないということで、自分の魔剣を渡すんですね。ただ、空中のダイに投げ飛ばすに際して、クロコダインの膂力が必要、と。

 ここで大事なのは、ダイが独りで戦っているわけではない、という決着の付け方です。
 今回のクロコダインの再起動も、自分は見るまで忘れていた。おお、クロコさん、頑張るやん、と知っているはずなのに、感じ入ったり。

 そして、レオナのザオラルですね。死んだポップに蘇生呪文をかけるシーンを完全に失念していました。
 理由は、効かなかったんですね。
 レオナは、ポップを蘇生しようとして失敗したことを涙で告白するんです。

 だけど、ここぞというところで、ポップが蘇り、バランの動揺を誘う。そこがダイの勝機につながる……という流れになるはず。

 それと、武闘家マァム登場前に、もう一エピソード。
 バランがダイ攻略に失敗したのを見て、ハドラーとザボエラが動き出して、ボロボロのダイ一行がピンチに陥る。
 そこにマトリフ師匠が登場して、ポップを助けて説教する。

 そのエピソードが再来週ぐらいに収まるなら、武闘家マァム登場は6月になるかなあ、と。
 その辺りで、またOPの絵柄が変わればいいなあ。

 ともあれ、今回は物語が大きく動いた印象はありませんが、バトルシーンを凄く丁寧に描いて、ドラゴンの騎士同士の地上最大の激突を派手に豪快に見せてくれました。

 ええ、地上最大の激突です。

 この後は、ラスボス戦が敵の本拠地(空中要塞)だったり、戦場が地上ではなかったりしますので、広い荒野で力をぶつけ合うタイマン戦はこれが最大だな、と。

 バラン、本当に強いです。
 この後の戦いは、敵が力よりも姑息なやり方を多用して、さらに超魔生物とか、鬼岩城とか、巨大なモンスター的な相手が増えるので、
 純粋に強力な等身大的とのタイマンはこれぐらいか。

 とにかく、このバラン編が、ダイ大の数あるバトルでもベストバウトに挙げる人が多いみたいで、30年待ち続けた甲斐があったとか、大袈裟に称えたくなります。

 で、もう最頂点に到達したので、次は仕切り直しの展開ってことで。

 来週で決着がつくのを楽しみにしつつ。

★ゴジラSP

 ジェットジャガーの活躍がお見事ですな。それだけでも当たり回。

 科学考察については、未来からの情報はアンギラスの能力とつながって、おおっとなったのですが、
 その後の謎解きはハマり込めず、唐突に「高次元」という言葉が出てきて、イヤな予感を覚えたり。
 高次元ということは、このゴジラSPの世界が2次元か何かで、もっと上位の世界が存在して、何らかの実験場や観測場にされているというメタ世界の可能性が。

 そういう話って、もう飽きました。
 最初から、ここは異世界です、とか、お話の中の世界です、とか示してくれるといいのですが、最後の最後でそういうオチだと、今さらかよ、と。

 その手の話は90年代の平成初期からやっていて、最近ではドラクエYSで「実はこれはヴァーチャルゲームの世界だった」とかやって、ゲームにハマってるプレイヤーをバカにするバグがラスボスだったりして大顰蹙だったんですが、世界の謎を引っ張るだけ引っ張って、実は架空世界でしたなんてのは、もはや化石みたいなオチなわけで。
 子どもを驚かすぐらいならいい。

 でも、ゴジラを好んで見る層って、ある程度、SF知識が濃いので、高次世界と言われても理解はできる。理解はできるけど、それがもう使い古されたオチだというのも分かっている。
 そこから、もう一捻りしてくるのか、それとも、さんざん焦らした挙句、ありきたりな終わり方でまとめるのか、どうなるのかな。

 個人的には、ありえない力があるんだったら、それを使ってジェットジャガーが一気に進化して、ゴジラサイズに巨大化という芸を見せてくれるなら、それでOK。
 世界の謎自体には、あまり期待しない方がいいのかな、と感じて、自分が満足できる要素だけに注視してようかな、と思ってます。

 次回は、マンダの群れを撃退した海ゴジラが、上陸して両棲類ゴジラに進化するようです。

 後は今、世界を一番脅かしているのが大量発生しているラドンの群れみたいですね。本当、この群れの始末どうするんだろう?


★ダイナゼノン

 グリッドナイト出現により、一気に面白さが膨れ上がりました。

 味方側の士気がボロボロなんですが、前回までは恋人関連で距離感が縮まったのを、一気に突き放す流れ。
 上げてから突き落とす手法ですな。

・夢芽さんは、元々内気なキャラで、闇を抱えている。そういう自分の中も闇を見せたくないんだけど、蓬くんが距離感を弁えず、入ってくる。
 まあ、夢芽さんも少し解放的になってた面があったのだろうけど、姉の自殺という情報で、自分も人を信じられなくなって、元々あった壁がまたもたげて来た感じかな。
 夢芽さんから見た蓬くんは、普通にコミュニケーションできる良いキャラで、元々違う世界の住人だったのに、ダイナゼノンの件で身近な仲間意識を抱いていたけど、ふと彼が眩しすぎる世界に生きていると思って、自分の闇に触れられたくないとか、そんな感じかも。

 で、怪獣の出現理由が、実はダイナゼノンの操縦者の心の闇にあるのでは、という仮説が立って、
 そこにシズム君の「ダイナゼノンが怪獣を生み出している理論」が出てくる。いわゆるマッチポンプ状態ですな。

 さあ、そういう状況に、アンチ君のグリッドナイトがどういう波紋を投げかけるか。

 一方、優生思想のみなさんは、ムジナさんが自分の内面がはっきり見えておらず、刺激に反応するだけの未成熟さが提示されました。
 何がしたいか分からない。でも、怪獣を操って暴れさせたら楽しい。そこだけが充実するってことかな。

 怪獣を覚醒剤みたいなもの、と思えば、薬が切れると無気力で、薬があればハイになるという躁鬱ぶりがまあ、程度の大小はあっても理解できた気がする。
 少なくとも、夢芽さんよりも、ムジナさんの方が変わりっぷりが両極端で分かりやすい。

 あと、夢芽さんが前作の六花さんに見た目が似ているって書きましたが、実際に並べてみると、髪の色も全然違うし、それほど似てはいなかった。どこを見て、似ていると感じたのか、自分でも謎なので、とりあえず髪型と顔、メインヒロインという立ち位置ぐらいかな。
 ところで、グリッドナイトがアンチ君に戻れるなら、この世界のどこに住み着くのか、誰の世話になるのか、気にしつつ。

 何となく、ガウマさんの橋の下に住み着きそうとか思ってみたり。根拠はないイメージだけですけど。
 いずれにせよ、次回を大いに期待しつつ。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/10 (Mon) 15:29:57

 定期感想その3です。

「青天を衝け」で、ついに徳川家康解説がなくなったのは、自分もショックです。北大路欣也さんの「こんばんは、徳川家康です」がないと思ったら、翌週はお姿自体も見せなくなるとは。

 今後、どうなるんでしょうね。ドラマの流れが落ち着いたら(例えば第1話冒頭に現本編が追いついた後とか)、また家康解説復活してくれるのか。あるいは「こんばんは、西郷隆盛です」とか、北大路欣也さんの役柄が交代して続くとか。

●異次元(高次元、低次元)

 NOVAさんのゴジラSPのご感想で、高次元設定だとすると「そういう話って、もう飽きました」と仰るのは、自分にもありますね。少し前のの典型的な作品例だと「正解するカド」(2017年)というアニメがありました。

 序盤、突如として巨大な立方体が出現、異次元とか異世界とか呼ばず「異方」からやって来たという人物も現れる。で、何もないところから球を取り出し、大きくしたと思ったら消し去ったりする。

 これは空間4次元(以上)の説明でよくあるやつでして、3次元で考えると、球が平面を通過するときと同じ。平面内には最初は点、それが円になり、大きくなって、小さくなって消失します。それが4次元球が3次元空間を通過するときは球の大きさの変化に対応すると。

 そういう設定面を見せてくれましたんで、期待しました。例えば、単なるオブジェみたいのから無限に電力が取り出せ、それが普通の紙を形を真似て折ると同じ効果が出る、なんて話が出て来て、自分は「ほう、どういう科学考証~SF考証を見せてくれるんだろう」と。

 そしたら、それだけだったんです。「異方」を魔法と言い換えても成立してしまう。次元のインフレ(?)もありまして、「異方」は10の37乗倍の広がり(次元数だろう、たぶん)とか、人類が特異点とk言い出してカオス化。「数と用語のブラフしてんじゃないぞ、ヤプール人に詫びろ!」と思ったり(^^;。

 ちょっと現実の理論に寄り道。以前に南部洋一郎博士の一般向け素粒子解説書「クォーク(第2版)」(ブルーバックス)を読んだことがあります。その中に「この宇宙が空間3次元なのは奇跡。2次元以下だと遠距離力(重力、電磁気力)が働かず、4次元以上だと強すぎて太陽系などができない」旨の記述がありました。

 自分は最初、なんでなのか分からず。碩学に聞いてみますと、重力や電磁気力の働く強さは空間の次元の数に比例すると教わりまして、ようやく理解。例えば、恒星の周りを惑星が楕円軌道で回る、なんてのは空間3次元だから可能。2次元だと恒星があっても重力が働かない。4次元だと強すぎて厳密な真円軌道以外は不可能。真円軌道になる確率は1/∞で、事実上あり得ないことになります。

 そのため、謎の人物がやって来て「自分は5次元時空(4次元空間)の惑星から来た」なんてのは、科学考証的にあり得ない。そこはSF考証の嘘ということで許容して「正解するカド」を観ててたんですが、高次元を「なんかすごい魔法」以上には扱えてなくて、設定面でひどくがっかりした次第。

 ゴジラSPも下手を打つと「正解するカド」の二の舞な不安があります。が、今のところはまだ期待をつないでもいいかなと。直近の第6話ですと、神野銘が葦原論文に悩んでるシーンで、帯に6と9を書いて半回転のひねりを入れる、なんて落書きがありました。「メビウスの帯」を意識したのかなと思います。

 そこから関連するものとして「クラインの壷」に発展してもおかしくはなさそう。空間が歪んでないなら4次元でないと存在しない曲面なんだそうで(クラインの壷も平坦とするには5次元以上必要らしい)。名前つながりの物理理論としてはカルツァ=クライン理論(5次元時空を使う重力と電磁気力の統一理論候補……だった)があります。この宇宙は空間4次元なんだけど、4次元めはミクロなんで気が付かないというもの。

 その理論は超弦理論に引き継がれまして、11次元時空だけど5次元め以上はミクロということになってるらしい。超弦理論には必ずこの宇宙を説明し切る数式が含まれている、というのが売りなんだそうですが、その数式候補数が膨大過ぎて、一つひとつ計算して確認してたら宇宙の寿命が尽きても終わらないんだそうで。

 計算が終わらない、というのはゴジラSPでも繰り返し台詞に出て来てたわけで。余剰の次元がミクロというのは、アーキタイプが分子レベルで謎という点と関係づけられそう。あるいは、symmetry(対称性)は物理学では大事な概念。その辺り、何となくシナリオ作者(円城塔さん)の科学・SF考証プランが見えそうな部分もあります。

 もっとも、「設定面で、もし期待できる点があるとすれば」レベルでしょうか。それに映像作品ですから、見て納得できる演出である必要もあります。まだ失望しなくてもいいかもしれないけど、大丈夫と思えるには遠いといった感じです。

●仮面ライダーアギト(第17話:捕獲作戦!、第18話:新しいボス)

「悪女の深情け」という表現、自分は長らく誤解してまして、「色香で惑わして男をたぶらかす女が、いったん本気で惚れると過度なくらいの愛情を見せる」だと思ってました。が、辞書を調べたら「悪女」の「悪」は「容姿が醜い」という意味なんだそうで。つまり「タイプでない異性にしつこく言い寄られる」という「ありがた迷惑」。

 しかし、今話の榊亜紀は自分が意味を誤解していたほうの「悪女の深情け」がありそうな雰囲気を感じました。榊亜紀は涼を騙して利用しようとしていたわけですが、バレたんで謝る。が、涼が結局、怒らないし責めないわけですね。そこで榊亜紀に罪の意識が芽生えた感じがあります。榊亜紀は涼と同様、同質の背景を持っていそうでもある。

 特に、涼/ギルスが榊亜紀を二度目にアンノウンから守って以降、榊亜紀は涼に急速に惹かれていく感じがありました。たぶらかそうと思ったら、そうと知ってても尽くされて、惚れちゃった、みたいな感じですんで、自分が勘違いしてた「悪女の深情け」に近いかなあと感じた次第。

 そこは、ある意味、順当な展開といえなくもないですが、真剣に驚いたのが北條関係。というより、今週時点では謎の犯人ですね。北條自身には、元上司の司龍二が来まして、2人の会話から、北條の今の性格、行動には司龍二絡みで納得できそうな原因が明かされました。

 なるほど、と思いかけた途端、アンノウン(ハイドロゾアロード/ヒドロゾア・イグニオ)の殺人に見せかけた、おそらくは普通の人間による殺人が起こってます。見よう、考えようによっては北條が暴走したと受け取れなくもない。なにせ、アギト捕獲作戦が失敗した直後ですから、汚名返上の功を焦ったとかで。

 もっとも、放映済み作品ですから予習は出来まして、北條ではない(真犯人は元上司の司龍二)と分かりはします。が、もし自分が初放映をリアルタイム視聴してたら、「なんてことするんだ、北條!」と盛大に勘違いして悲憤慷慨(^^;)したかもしれません。

 ともかく本編。榊亜紀をアンノウン(ジャッカルロード/スケロス・ファルクス)が襲うも、涼がギルスに変身して撃退。変身する瞬間も目撃した榊亜紀、事情が分かってない涼を利用することを思いついた節があります。もっとも、メインターゲットは翔一のようではありますが。

 あかつき号事件について話すという約束を違え、肝心なことは教えず焦らせ、さらに翔一が現れたのを幸いに、仲を見せつけつつ去る。これを追おうとする涼ですが、またも発作が出てしまうわけですね。この後、手、さらに顔にまで皴が出ますが、今回は治療ができる「闇の力」がいない。

 一方、榊亜紀と翔一は美杉邸に帰るも、真魚が榊亜紀を疑って問い詰める。全部作り話ではないのか、というわけですね。この後、榊亜紀が去り際にソフトボールについて口にしたため、以前の高校時代のソフトボール部についての話に嘘があったこと(ランナーはリードができない)に真魚が気づき、決定打になるわけですね。
(もっとも翔一は気にせず、結局、榊亜紀のもとへ行くと決心してしまう。その間の真魚の様子は心情を窺わせるに充分なものあり。なんとなく、剣/ブレイドの天音ちゃんと比べてみたくなりました。)

 自分的にはちょっと安心しました。前週のソフトボール話の件、先の感想では「榊亜紀の嘘」としましたが、「もしかしたら脚本のうっかりミス?」と疑わないでもなかった。しかし、榊亜紀の作り話を際立たせる伏線だったと分かり、「そうか、計算ずくの台詞だったか」と感心した次第。

 それはともかく(^^;、警視庁では北條主導のアギト捕獲作戦が着々と進んでますね(特殊ガス弾については隠したままですが)。順風満帆で増長した北條はまたも嫌味な態度を隠さなくなり、氷川は「今、初めて思いましたよ。北條さん、嫌な人かもしれない」と小沢澄子に。自分的にはツボの台詞です。「ようやく気が付いたんかい!」と思わず笑ってしまいました。お人好しにもほどがある。

 一方、榊亜紀をアパートまで送った翔一は、部屋に招かれるも、奥手ゆえか決断できずに辞去。代わって、つけて来た涼が招き入れられるわけですね。榊亜紀は親切そうですが、涼はアンノウン襲撃から守ってもらうためと気付く。榊亜紀も応じて、アンノウンについて多少語り始める。が、涼に以前と同様の異変が起こり、苦しみだしたと思うと、手がしわしわに。
(この時点では、榊亜紀が「葦原君」と呼びかけているのは、この後の心境変化を暗示する伏線かも。)

 一応、榊亜紀は涼をベッドに寝かせるなど、介抱はしたようですが、外に出てどこかに電話連絡。涼は余命短そうで利用価値がない、みたいなこと言ってます。が、これを涼が聞いてしまうわけですね。当然ですが、涼は怒った様子で去ってしまう(榊亜紀、罪の意識発生ポイントその1)。

 去った涼を榊亜紀が追いかけまして、第2ラウンド(?)。涼は榊亜紀が利用しようとしていたことを責めず、あかつき号事件や父について知りたいわけではない、自分が何をしていいか分からないと告白。榊亜紀は謝って見せるも、涼は責める素振りすらなく、もういいよという感じで去ろうとする(榊亜紀、罪の意識発生ポイントその2)。

 が、榊亜紀が追いまして、しつこいと言う涼に、涼に言われた「そこがいいところ」で返す。榊亜紀は目つきがちょっと変わりましたし、涼のしわしわの手をそっと握りますし、深いところで心情変化したように見えます。あかつき号生存者グループに引き合わせるとも申し出る。

 要は「お、いい感じ」ということですが、これを北條が見ていたと。アンノウン出現に関わってそうな榊亜紀を監視していたわけですね。さらにアンノウン:ファルクスが襲撃してくる。北條は即座に気づき、小沢澄子らG3班に通報が行き、翔一も察知する。涼は榊亜紀を逃がすべく、ギルスとなって応戦(いったん逃れた榊亜紀が、この様子を陰から見守って「涼」と呟いてますな。もう「葦原君」じゃないんだ ^^;)。

 これを北條が座視するわけがなく、アンノウンは放置でギルスに特殊ガス弾射撃を浴びせる(北條含め、みんなガスマスクするんだ。やっぱりクウガ思い出します)。ダウンするギルスですが、油断して北條が近づくと復活、北條に襲い掛かるも氷川のG3が阻止。嫌味と分かっても、危険なら必死で助けちゃうわけですね、氷川は。

 逃げたファルクスは翔一がアギトで打倒。こちらで伺ってはいましたが、武装はベルト(オルタリング)から取り出せる点、クウガと異なってる点に改めて目が行きました。武装もフォームも敵の特性に対応はしているようですが、敵に合わせて強化していたクウガとは異なる演出だなと(現時点の敵に対しては完成された戦士の感じ)。クウガと同じく敵に追いつこうとしているのがG3、クウガの暴走とは異なるものの、制御できなさが強調されているのがギルスの印象です。

 涼が死んだと思ったらしい榊亜紀は涙しつつ去り、しかし生き残ってG3から逃れた涼は症状が悪化して倒れ込む。どうなるんだ、と思って次話(後半)を観たら、全然別方向から危機が来ちゃってますね(^^;。

 後半では、まず美杉邸から。美杉義彦が帰宅してまして、不在の間の事情を聞いてますね。榊亜紀はやはり、美杉義彦の不在を突いて潜り込んで来たらしい。が、翔一は榊亜紀から郵送で部屋の鍵を貰ったことで、疑う気を持てないらしい。

 少なくとも悪意ではないと思ってる様子。翔一は美杉邸を去る決心であるわけですね。美杉義彦は迷うような様子が見えます。真魚は黙していますが、目が怖いようでもあり、もの悲し気でもある。

 一方、警視庁。驚いたことに北條がまたもブレてない。上層部の意向無視でガス弾まで使った捕獲作戦は失敗なのに、自信ありげです。なんだろうと思ったら、元上司にして北條びいきの司龍二がG3ユニットを再編すべく、来援するからでしたか。たぶん北條が手を回したんだろう。

 嫌な奴が2人目か、と思ったんですが、そうではない面があると見せてくれてますね。北條と司龍二が会食で昔話するわけですが、かなり重い。まだ駆け出しっぽい北條が逮捕に逸って飛び出すも、犯人が銃撃、庇った司龍二が負傷するわけですね(右腕に後遺症が残るものだったらしい)。しかも、司龍二が負傷して入院中、妹(さおり)が殺害されたと。

 こうなると北條は負い目を感じざるを得ないですね。もし司龍二が北條を責めていたら、北條の罪の意識は軽くなったかもしれませんが、司龍二は全く変わらず北條を可愛がり、全幅の信頼を崩さない様子です。北條としては「司龍二の期待に応え、無念も晴らさねば」という思いが強くあるはず。北條が嫌味でスタンドプレーなのは性分もあるんでしょうけど、司龍二への恩返しを焦る気持ちもかなり影響してるんだろう。

 その頃、「闇の力」と沢木哲也は、相変わらず意味の取りにくいことやってますな。「闇の力」が他人の心情を沢木哲也に経験させているらしい。もっとも、後で意味が出る、暗示的なシーンでした。沢木哲也が経験したのは、恨み、殺意を持って誰かを探している誰か、ですから。

 その直後に、小沢澄子らも交えて会食する司龍二の顔がアップになった点は、観ていて留意しておくべきでした。初見ではそこを軽視したため、「まさか北條が!」と疑ってしまいましorz。司龍二が明かるげに話していたのも、自分が油断した理由です。ちゃんと会話を聞いていれば、司龍二がおだてておいて話を聞き出し、駄目出しするという嫌な面もあることに気づけたはず(北條より上手の嫌味さかも ^^;)。

 場面変わると「花村ベーカリー」で、榊亜紀の部屋に引っ越し、自活し始めた翔一がバイトしてるわけですね。ここの「ピクルスサンド(イッチ)」はどうも重要アイテムになるみたい。ですが、平和な雰囲気が一変、アンノウン(ハイドロゾアロード/ヒドロゾア・イグニオ)の殺害が始まる。突如、身体が燃え上がるわけですか。

 司龍二指揮で捜査が始まりますが、被害者はなぜか「花村ベーカリー」の袋を持っている(これも重要アイテムだった)。氷川が北條に見せるも、北條は特に注視しなかったように見えます(自分が誤解する原因となったポイント)。

 しかし氷川はそれを手掛かりに、花村ベーカリーに聞き込みに。追って、司龍二、北條もやってきますが、気付いた店主の花村久志の表情が一変、店の奥に引っ込んでしまう(自分の誤解発生のポイントその2)。その夜、花村久志は「もしものことがあった場合に」と言って、レシピノートを翔一に手渡し、ピクルスサンドは特にと念押し。何かしら、覚悟するものがあったみたい。

 一瞬ですが、車で待機する北條と、「殺してやる」と誰かの意識を代弁する沢木哲也が被るように映りまして、これが自分の誤解のポイントその3にして最大のものだったかも。自転車で店を去る花村久志を追うように北條は車を出る。その直後、花村久志はフードで顔を隠した誰かに殺害され、遺体は焼かれてしまうわけですね。アンノウン/イグニオの犯行に偽装したのは明らか。

 そのシーンの直後、G3指揮車内で小沢澄子らに嫌味言う司龍二のシーンがありまして、いかにも犯行時刻に別の場所にいた感じです。これも自分の誤解ポイントそのいくつかめ。ただ、遺体の発火が遅れていることから、時刻の偽装は疑うべきでした。遺体に腕時計をはめる様子がありましたから、それが時限装置だったのかな? もしくは携帯電話(そういう発火装置、他の推理ドラマでも見た記憶あるし)。

 アンノウン/イグニオはそんなことお構いなしに殺害を続行。港で発火殺人事件を起こし、(おそらく最初の被害者の血縁辿って)監視していた警察が即座に発見。これを翔一も察知して向かう。花村久志殺害で、血縁(遺伝子)絡みを疑う司龍二から嫌味を言われていた氷川も連絡を受けて急行。

 現場到着はまず氷川でG3で応戦開始。続いて翔一も到着、変身して対処開始しようとする。司龍二、北條も到着しますが、病室(?)の「闇の力」が「人が人を殺してはならない」と呟くと、アンノウン/イグニオも同じ台詞を発した模様。花村久志殺害に対する警告を発したように見えます。

 が、そこで続く。3話構成が入ったんで、2話1エピソードで、解決編が週をまたぐようになっちゃいましたな。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/11 (Tue) 17:32:33

 定期感想その4です。

●仮面ライダーセイバー(第34話:目を覚ます、不死の剣士。)

 未来をシミュレートした賢人が、予測が一部覆りつつも、自信(というより絶望?)を崩さない理由の一端が少し分かった気がします。短いカットですが、空に張り付けられたルナに代わってソフィアが張り付いてました(おそらく未来予想)。あれ、たぶん未来予知・予想の修正なんじゃないか。

 前に賢人がソフィアをサウザンベースから救出してましたが、ソフィアが空に張り付けられている未来イメージを覆そうとしたのかも。が、今度はルナに張り付いた。そこをどうしたか分かりませんが、ルナを空から引っぺがしたら、またソフィアが張り付いちゃったとか(もしかするとストリウスが作ろうとしている2番目のソフィアかもしれませんが)。

 で、賢人としては「どうやったって、結果は変わらないじゃないか」と思ってしまったのかも。たぶん、(カリバーの剣で闇に飲まれてから)今までも似たようなことが多々あり、今のような頑なに絶望する賢人になっちゃったんじゃなかろうか。おそらく、その最大の「結果は変わらない」が飛羽真の消滅なのかも。自分の予想、推測はデフォルトが外れですが(^^;、賢人の悩みが飛羽真やユーリが思うより深そうだとは思います。

 そして絶望面での先輩(?)のバハト/ファルシオンが今話で出現したわけですね。バハトが賢人に深く関わるかは未知数ですが、父の隼人/初代カリバーは「あのお方(現マスターロゴス)が世界を救う」と光明を見出しており(騙されてるわけですが)、上條大地/2代目カリバーはせめて真理は知りたいと思い、賢人/3代目カリバーはどうやっても駄目なんじゃないかと思ってるらしい。3代かけて絶望へ傾いていく感じです(その先のバッドエンドが、やけを起こして破滅を望むバハトと考えてもよさそうな気もする)。

 賢人の混迷に加えてバハトが状況を悪化させそうだし、デザストも何をするか分からない等々、状況が錯綜したドラマ展開だと思いますが、ストーリーが当初の構想通りに進められた結果かな。

 もしコロナ禍で撮影中断なんて(ゼロワンで発生した)状況があった場合、中断期間に応じて、ストーリーはプランB(さらに、C, D, …)の用意があったんじゃないかと思います。劇場版短編でバハト/ファルシオンは出しても本編に関わる要素を控えたそうですが、バハトをどう再登場させるかが幾通りか想定してのことだったのかも。

 ともかく本編。ノーザンベースではソフィアも交えて戦況の整理ですが、飛羽真は賢人が語った「ソフィアは(機能的な)ルナの複製」という件はまだ黙ってるつもりかな。全剣士の雰囲気も暗く緊張気味ですが、退院した尾上がそら連れて威勢よく帰還しましてムードを変えてますな(たぶん、状況から他のメンバーの気持ちを察しての意図的な明るさだろう)。

 一方、賢人は相変わらず単独行動。「未来は少しずつ変わっている」と認めつつも、おそらく上述したような理由で「だがこの先の未来は変わらない」と絶望的な結果予測は変わらないらしい。マスターロゴスは神代玲花にルナ奪取を命じ、猟犬と称してバハトを召喚することを匂わせる。

 凌牙は不服そうですが、マスターは取り合う気はなさそう。バハトもすぐ手懐けた感じですし、マスターロゴスは自分の計画に自信があり、実際、想定の範囲内で事が進んでるということか(未来を知るはずの賢人のブレっぷりと対照的かも)。

 飛羽真は拠点の本屋で悩む様子がありますが、突然思いついてユーリに手合わせを願う。マスターロゴスと剣を交えたらルナが現れたことから、同様なことがユーリでも起きると思ったらしい。他の剣士とも剣を交えてますが、ルナが現れなかったわけで、ちょっと不思議な発想に思えました。が、もしかすると「始まりの人(5人)にして剣士」という条件なのかも。

 ともかくも、飛羽真 vs ユーリの、双方変身してのエキシビションマッチ。が、ルナは現れず、代わりに(?)バハト出現。飛羽真が知っている様子でしたから、劇場版短編はTV本編と直接的に地続きみたいですね。バハトはユーリをよく見知っている感じで、事情は後で明らかに。

 バハトがファルシオンに変身、仕切り直しで本気の実戦となりますが、ファルシオンの無銘剣虚無は敵の剣の能力を無効化するらしく、飛羽真側劣勢みたい。が、異変発生しまして、ルナ出現の予兆ですね。これを見たバハト、変身を解いて「そうか、お前(飛羽真)が選ばれし者だったのか」と何かを納得して去る。直後、ルナが出現するも、またも飛羽真の手が届かない。もっとも、ジョジョ立ちで見守っていた神代玲花もルナを狙ってますんで、ある意味、セーフだったのかもしれない。

 ユーリはバハトの狙いが分かってるみたいで、ノーザンに帰還しての反省会(?)では、バハトは飛羽真が覚醒してから倒したいとの解説ですね。続けて、ユーリとバハトの関係性は千年前の昔話で明かされ、バハトは力に溺れた剣士に家族を殺されて暴走、ユーリに封印されたわけでしたか。3人は仲間だったようで、現代の飛羽真・倫太郎・賢人と同じような間柄の雰囲気ですが、破綻してしまったわけですね。現代でもそれが繰り返されるか否かは、もしかするとドラマ的な焦点になって来るかも(と期待したい ^^;)。

 一方、尾上らは蓮探索を開始したわけですが、早々に倫太郎を神代凌牙が狙ってくる。が、強化したブレイズにファルシオンは歯が立たない感じですね。ファルシオンの動きを正確には見えてないかもしれませんが、ブレイズの氷の防御は広範囲をカバーするんで対処できるみたい。

 が、さらにバハト/ファルシオン出現。マスターロゴス側のはずですが、まず凌牙デュランダルに剣を向ける。剣士なら誰でも敵、ということらしい。デュランダルがかろうじて逃れますと、ファルシオンはブレイズに襲い掛かる。ブレイズがファルシオンを氷結、と思ったら易々と逃れまして、背後から一撃。ユーリ解説通り、剣の能力が効かないようですな。

 変身解除の倫太郎に止めを刺しに行くファルシオンですが、ソフィアが察知して向かわせた飛羽真らが阻止。飛羽真は飛羽真らしく、またも説得から入ろうとする。が、バハトには全く響かない模様。むしろ、飛羽真が大きな力に飲み込まれる、とか不吉な予言で返してますね。

 飛羽真が抗弁しようとすると賢人までやって来て、「お前(飛羽真)に世界は救えない」と言い出す。これにはユーリが反論しまして、「(友である飛羽真を)なぜ信じない」と詰め寄る。が、バハトが再反論。昔、ユーリは友(バハト)を斬ったくせに、というわけですね。人間なんて裏切りがデフォルト、というわけですか。

 ユーリ、痛いところを突かれた格好ですが、素直に認める。が、絶望したが飛羽真を見て、また希望を持てると思ったと。ユーリ、賢人にも話を振りますが、賢人は応じない(が、ちょっと動揺した雰囲気はある)。ついにXソードマン、セイバー、カリバー、ファルシオンの乱戦に。

 カリバー&ファルシオンの挟み撃ちからセイバーを守ったXソードマン、代わって攻撃をまともに食らい、変身解除。いつになく血相変えた感じで、ダメージが相当にデカそうです。「信じられる友がいる。それって最高だぞ」が最期の言葉ですか(タッセルの件から想像すると、復活はありそう)。

 勢いに乗るファルシオンはセイバーに襲い掛かるも、カリバーが阻止。賢人の最大の望みが「飛羽真を救いたい」のようですから、当然の行動なんでしょうね。とりあえずのタッグを組みまして、セイバー&カリバー vs ファルシオンの戦いに。倫太郎は芽依に介助されて追って来ますが、重傷で戦えないみたいです。

 が、またも異変。さっきと同じく、セイバーの火炎剣烈火、ベルト(聖剣ソードライバー)が光り、本(Wonder Story)が呼応するように光る。これを見たバハト/ファルシオンは「ついに現れたようだな」と満足して去る。

 直後、今度は空間の裂け目からとかではなく、河原にモロにルナ出現で、「やっと会えた」とまで言ってますね。賢人も剣を交えたから、完全に出現できたんだろうか。どうも条件がよう分からんですorz。

 神代玲花はちゃっかりとユーリの聖剣とブックを回収、「光の剣を回収した。これでお兄様が褒めてくださる」と嬉し気に去ってますが、かなり危うい感じだなあ。「狡兎死して走狗烹らる」にならなきゃいいんだけど。新たな猟犬としてバハトが召喚されてるし、途中でも用済み扱いされそうな恐れを感じます。。

 次回「そして私は、神になる。」では、聖剣11本が揃い、全知全能の書が復活、マスターロゴスの野望(神になる、らしい)が果たされるみたい。最終抗争の幕開け、となりそうです。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/12 (Wed) 00:02:57

 ライダー感想です。

★鎧武終了を受けて

 次にドライブが来たら、ええと脚本家が「三条陸」「長谷川圭一」「香村純子」と、今年、自分が注目している三人が揃っちゃうんですけど。

 念のため、

・三条陸:ダイ大の原作者、キョウリュウジャーの人、フォーゼのサブライター

・長谷川圭一:ダイナゼノンの人、セイバーのサブライター(実質メインみたいなもの)、平成ウルトラマンの脚本多数

・香村純子:ゼンカイジャーの人、去年のプリキュア担当、戦隊マニアで大御所・荒川さんの妹分みたいな感じ

 考えてみれば、ドライブがいかに凄い面々で書かれていたか納得。
 当時は、香村さんがここまで飛躍するとは思ってませんでした。


 ということで、このタイミングでドライブを見るのは、脚本家のメンツ的に、非常にタイムリーだと思います。
 ダイ大、キョウリュウ、ドライブと続けて見れば、スーパー三条陸タイムになりそう。

★キョウリュウ

 ライダーじゃないけど、話の流れ的に感想。

 10話めにして、6番目の戦士ゴールド登場。戦国時代の侍、空蝉丸が敵幹部に憑依されていたのが復活した形。
 侍なので、口調がござるで、自分のかつての主君がキョウリュウレッドのキングに瓜二つということで、複雑な想いを抱きながらも、キングの器に惚れ込んで仲間になる。

 キョウリュウジャーはメンバーの多い戦隊で、先に7番に相当する幽霊戦士(スピリットレンジャー)のキョウリュウシアンが登場し、今後、グレイ、バイオレット、シルバーが登場。最大メンバーは10人戦士に。
 さらに、準レギュラーが戦隊OBがいろいろで、とにかく豪華な戦隊ですな。

 9、10話の新メンバー加入回は傑作エピソードの一つなので、まだでしたら是非見るべし、と一推ししておきます。

★アギト

 いやあ、北條さんを見てると楽しいですね。

 次回、北條さんの優秀さが炸裂して、本当に優秀な刑事だなあ、と脚本家からの愛されっぷりを実感します。

 良くも悪くも、この人が物語をいろいろ盛り上げるように動いてくれたり、出る杭で打たれまくっているのに、ブレない。
 次のエピソードは、仮面ライダー剣の橘さんと、先輩の桐生さんのエピソードに通じるものがあったりするわけで(そちらも井上脚本)。

 何にせよ、特撮界で嫌味なキャラを描かせたら、井上敏樹氏の右に出る人はいない、と思われ。
 次の龍騎や、その次の555で、まあ頂点に達する感じですな。

 そして、北條さんを襲うギルスに、G3が割って入る。今回はG3の勝ちでしたが、次はギルスの逆襲が始まって、G3が大破に追い込まれる。
 あとは、アギトVSギルスも近いかな。

 ともあれ、北條さんの上司の話が終わった後は、心を通わせた涼を殺されたと誤解した榊亜紀が、北條さんの復讐しようとするエピソードが入って、どんどん物語が泥沼化していく流れ。
 ほとんど、ニチアサで火曜サスペンス劇場みたいなことをやっていた感じですね。ヒーロー物のストーリーじゃない。

 いや、まあ、井上敏樹氏は、その10年前にも戦隊のジェットマンで恋愛感情がもつれた泥沼トレンディードラマをやってたわけですし、納得の御仁なんですが、

 前作のクウガの続編がこれとは、当時はなかなか受け付けるのが難しかったと思ったり。
 楽しみ方が分かったのは、夏の劇場版を見て、主役がG3だと確信したときかな。

★セイバー

 実は、アギトのこの回を見て、セイバーの謎が一つ解けたような気分になってます。

 榊亜紀がギルスが倒れるところを見て、涼が死んだと勘違いしたシーン。

 実は、賢人も未来視で「飛羽真の死」を目撃して、絶望しているわけですが、「実は飛羽真の死亡イベント→その後、奇跡の復活で最終フォームにパワーアップ」という先のシーンまで見ていないのでは? という疑惑。

 飛羽真が死んで、それで絶望して見るのをやめた。そして、何回、未来を見ても、飛羽真の死は覆せない。ただし、その先まで見たら、飛羽真が復活するんだけど、そういう未来を見る前に、賢人が諦めたとしたら?

 例えば、ポップが死んで絶望して、その後は見るのをやめて、彼が復活するのを知らないとか、
 フォーゼで弦太朗が死んで絶望して、その後のコズミックステイツへのパワーアップを見ていないとか、
 ヒーロー物あるあるの「死んでからの復活パワーアップイベント」を賢人は気づかないまま、という可能性を指摘してみます。

 とりあえず、マスターロゴスか、あるいはストリウスがソロモンになって、その強さに飛羽真が、賢人の予知どおりに一度死ぬ。
 そして、賢人がやはり未来は変えられなかったのか、と諦めかけたのを、倫太郎や芽依が飛羽真の分まで頑張るとか、いろいろ言って、
 一方、飛羽真は、ルナとかプリミティブドラゴンの少年に導かれたりして、奇跡の復活を遂げて最強フォームって流れが6月ごろにあるのではないか、と予想してみる次第。

 この予想の是非は一月後に分かると思いますが、まあ、自分の中の正解率は6割から7割だと考えています。

 ともあれ、今週はバハト大暴れでしたね。
 まさか、ユーリが消失するとは思ってませんでしたが、役者がクランクアップしてないので、再登場するのは間違いないでしょう。

 何にせよ、次回がソロモン登場? 
 そして、セイバーの最終フォームの名前は、まだ未確定ですが、6月に出るのは間違いないだろう、と。

 それにしても、脚本家の長谷川さん、Twitterで、セイバーの宣伝したり、ダイナゼノンの宣伝したり、ウルトラマンのクロニクルZの宣伝したり、忙しいですな。
 クロニクルZは、最近作のZと、次回作のトリガーに密接な関係がある平成ウルトラTDG3部作の復習をしている番組なんですが、
 ダイナ映画も、ガイア映画も、その後のティガファイナル映画も脚本家は長谷川さんなので、もう今年の特撮関連で名前を見ることがおびただしいわけで。

 去年は荒川さんに当たる確率がやたらと多かったですが、どういうわけか、同じ脚本家の番組が新旧同時に重なる機会が多し。
 おそらく、半年後には、ファイブマンの次のジェットマンで、井上敏樹率が凄いことになりそうだし、
 アギトの後で龍騎が始まる頃には、ジョジョアニメで小林靖子率が凄く高まりそうな気が。

 とまあ、何だかタイムリーに脚本家が被ってくる状況を楽しんでおります。

 今回はこれにて。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/14 (Fri) 18:27:11

 定期感想その1です。

 ネット含めてですが、木曜以降は視聴したいものが目白押しで嬉しい限り。感想書きたいものも多々あって、生活の時間配分を考えないといけないんですが、そこも実は嬉しかったりします。

 ネットではビルドファイターズ初作の放映が再開となりまして、ようやくだと喜んどります。BSでの放映が始まったのは気が付いたんですが(でも観てない ^^;)、まだ1クール目で「2クール目はまだ先だな」と。そしたらネットのほうで2クール目来てくれました。これは定期感想も再開したいと思ってます。

 ネットの平成ライダーは鎧武の後はドライブが来まして、定期感想は書かないと思いますが、自分的には重要な作品。脚本家について知ったことを踏まえて観なおしてみたいですね。ローカル局の再放映の初視聴ではまだまだ目が泳いでて、面白さの見落としとかあるはず。今回はきっちり見届けたいと思ってます。非定期、スポット的に感想書きたくなりそう。

●ゴジラSP/設定面(第7話:じかんのぎもんふ)

※ 下手の横好きの設定考察を簡単に書こうと思ったら長くなりました。自分用メモの意味合いが強いですし、面白みもありません。読み飛ばして頂いて問題ないです。
 もしご高覧頂いて「これはなんだ?」とお尋ね頂ければ、できるだけの補足説明は致します。

 この作品は設定面とドラマ面の感想を分けて書こうと思います。特に科学考証からハードSFっぽい設定面についてですね(主に神野銘パート)。直近の設定面での感想では、まだ面白さの希望は持てる、みたいなこと言いましたが、その直後の今週分で暗雲来た感じ。

 もっともネットでは物理学者の反応は好意的な感じです。面白がっている雰囲気があります。が、何がどう面白いのか、分かるのかは言おうとしてないようです。たぶん、素人には分からない領域で、うかつに言うと、さっぱり分からんとウザがられるからでしょう。今までの経験だと、そういうケースではたいてい、自分としては雲の上の話です。

 先に言及した「正解するカド」の設定面は素人が専門用語や一般向け解説から妄想しちゃった感じでした。ですので、勝利条件とかがいい加減になって、ドラマ面に悪影響あった感じ。ゴジラSPではおそらく「(物理学専攻レベルで)分かる人にしか分からない」になってそうです。

 既に自分はほぼ脱落状態ですorz。映像作品でそんなことやられてもなあ、というのが正直なところ。それでも、ついて行けるだけついて行って、物語が終結したら、どうだったか考え直してみようと思います。そのためには、やっぱりできるだけ(感想にならなくても)メモを残しておこうと。

・未来が見える=歴史の確定

 冒頭で、有川ユンの同僚にして相棒の加藤侍が「変えることのできない未来を予め知れたからって」と疑念を呈してますね。もし確定した未来が見えるなら「宝くじが外れるって予め分かってるのに買わなきゃいけない」ということになります。19世紀末の物理学での「決定論」的な世界観ですね。宇宙が誕生した時点で、宇宙終焉まで何が起こるか、もう決まっているというもの。

 そこは20世紀早々に量子力学の成立で「この宇宙は決定論じゃなくて確率論」だとしてひっくり返ったわけですが。ただし、(確定した)未来は見えない、というのが前提条件です。全ての現象の根っこが確率である以上、未来も確率的、即ち、起こりえること全部の可能性の塊になってます。

 たった1つの確定した未来が見えたら、確率は消えてしまい、量子力学も成り立たなくなります。例えば、半導体の動作は量子力学で説明できるものなので、量子力学の法則が不成立になると、コンピュータが動かなくなる(逆に言えば、コンピュータが動いているうちは、誰も未来を見てない)。

 これは「シュレディンガーの猫」で考えてみてもいいかも。確率50%で崩壊する素粒子をスイッチにする毒ガスを撒く仕掛けのある箱に、生きた猫を押し込めておく思考実験ですね。箱を開けてみるまでは、猫は生きていている状態50%と死んでいる状態50%の重ね合わせというやつ。

 仮に箱を開けた未来から、箱を開ける前の現在へ結果を通知できるとします(過去への通信=過去へのタイムトラベル)。猫は観測された瞬間に生死が確定するわけで、じゃあ未来からの通信で猫の状態を知った現在は「もう観測した状態」になるのかどうか。

 仮に未来からの通信でも観測したと成立するなら、箱を実際に開けるまでの猫の生死も確定することになります。猫の生死の原因(スイッチ)である素粒子の崩壊についても確定し、確率論でなくなります。つまり、未来からの情報を受け取ったが最後、量子力学が不成立になる。

 量子力学は相対論以上に宇宙の成り立ちに深く関わるものでして、なぜならミクロな素粒子レベルから成立するものだから。それがマクロに直接かかわるのは「シュレディンガーの猫」の通りです。未来からの情報を受け取ると、今の宇宙ではなくなる。作中で、宇宙がなかったことになる、なんて言ってましたが、あながち大袈裟でもなさそうです。

 もっとも、量子力学でも(タイムトラベルSFでは頻出設定の)多世界解釈なんかありまして、必ずしも未来から情報が来ると決定的にマズいわけでもなさそうではあるんですが(それでも物理法則の拡張は必要になりそう)。

・羊羹に刺した串

 神野銘が飛行機内でアーキタイプの時間遡行性について解説してたモデルですね。設定的に不安のある「高次元」の話(^^;。アーキタイプ分子は空間の4次元めの方向にも存在していて、そこから光がこの宇宙外に漏れ、また戻って来るというやつ。

 羊羹(宇宙)と串(光の径路)の例えを単純に受け取ると、どこかから光が消えて、別の場所から戻って来る、みたいな感じでしょうか。しかし、前に神野銘がホワイトボードに長方形を描き、横方向を時間、縦方向を空間として説明してました。

 光が(斜め)右に進むのが普通の光、(斜め)左に反射(屈折)すると時間遡行する光、というものでした。羊羹がその長方形だとすると、羊羹から突き出した串が、もう一度羊羹に刺さるというは、別の時間に光が戻るということでしょう。つまりアーキタイプから宇宙外に出た光は「時間軸方向から飛び出して、過去の時間に再突入する」というアイデアを説明してたんじゃないかと思います。
(重力については、そういう理論アイデアはあって、「重力が電磁気力に比べて、こんなにも弱い力なのは、本来の力が宇宙の外に漏れちゃってるから」なんだそうで。検証のしようもないですが。)
(他に関連しそうなものは、ホーキング博士の複素時間仮説かも。時間は実数と虚数の2次元で、宇宙が出来たビッグバン以降は実数時間優勢、ビッグバン以前は虚数時間優勢、とか考えて、ビッグバン以前の宇宙の仕組みを考えようとしていたみたい。神野銘のアイデアだと、アーキタイプに突入した光は実数時間がいったん消える、みたいな設定は作れそうではある。)

 光は電磁波の一種(波長だけの問題)ですので、無線通信を過去に送ることも可能だし、光ケーブルや有線通信でも過去に情報を送れることになります。電子回路でも同じく、未来先取りの動作が可能になります。

 これ、たぶん膨大な計算量をコンピュータでこなせる設定的アイデアに結び付きそう(前にちょこっと紹介した、未来のメモリを持つコンピュータ)。仮にアーキタイプ半導体があって、それでコンピュータを作るとすると、回路の信号は過去に送れることになります。計算する前に結果を得られることになり、条件次第では「万年単位の時間がかかる計算を一瞬で終える」ことも可能になりそう。

・パンを入れる前に焼き上げるトースター

 そういうコンピュータの説明は有川ユンが神野銘とのチャット(LINE)で説明してまして、焼き上がったパンを過去に送れるトースターの例えですね。生パンを入れる前にトーストが飛び出してくる。ということは、トーストを見たら、必ず生パンを投入しないといけない→冒頭での加藤侍の疑問。

 それに関連しそうな過去へのタイプトラベルの理論的考察は正規の物理学で既に為されています。確かこの掲示板で言及した覚えがあるんで、くどくなりますが繰り返してみます。

 タイムトンネルを考えます。入口より出口が過去になっています。ボールを入り口に放り込むと、出口から出てくるのですが、過去ですから「ボールを放って入り口に入る前に、ボールが飛び出してくる」ことになります。それで大丈夫か、と数学的に解くと、3つのパターンがあるそうで。

1. 出口から飛び出したボールが入り口に入ろうとするボールを邪魔する

 つまりボールは入り口に入れない。これは数学的解なしだそうです(つまり過去に戻れない)。有名な「母親殺しのパラドクス」(自分を生む前の母親を殺害したら自分はどうなる?)と同じ構造なんだそうで。そういう矛盾が起こらないための仕組みや、起こってしまった場合にどうなるかは不明(解なしなので物理学で予測不可になる。特異点に近い感じ)。

2. 出口から飛び出したボールが邪魔しない

 出口から飛び出したボールが入り口に入るボールに触れないか、接触してもボールが何とか入り口に飛び込むケースですね。これは数学解が存在し、可能な過去へのタイムトラベルだとされます(ただしボールが情報を運んだら、上記の量子力学的なことを含め、どうなるかは分からない)。言い換えれば、過去を変えないなら過去へ行っても構わない。

3. 出口から飛び出したボールが入り口に飛び込む

 トリッキーなケースです。ボールを誰も放り入れません。突如、出口からボールが飛び出したと思ったら、入り口に入ってしまったというもの。タイムトンネル外で観測している人にとっては一過性の事象です。0時0分0秒にボールが出口から出て来て、1秒後の0時0分1秒にボールが入り口に消えた。それでお終い。

 ただしボール側からすると大問題となります。ボールはボール自身の時間があります。ある穴から出て、1秒飛んで別の穴に入った、と思ったら、さっきの穴から出て来てしまった。それをずっと繰り返すことになります。

 もしボールが入り口に入らないとなったら、外界は2つの事象が同時に成立してしまいます。「ボールが入口に入らない」「ボールが出口から出て、入り口に入る」という2つ。1つの世界の1つ場所と同時刻で2つの異なる事象が存在することになります(数学的な矛盾でもある)。
(さらに申せば、もしボールが入り口に入らなかったら、そのボールは誰が放り込んだんだ、という解決できない疑問が生じる。)

 ですので、矛盾が起きないためには、ボール自身からすると、延々と出口から出て、入り口から入ることを続けるしかない。そのボールは、いつからあって、どこから来たのか、は不明です(計算できない)。無限の過去からあって、無限の未来に至っても存在して、同じことを繰り返すボール、とでもしておくしかありません。
(この問題は未だに本職の物理学者が考え続け、論争も続いてるみたいです。)

 有川ユンのトースターの例えにも、そういう危うさが含まれていそうです。

(4. ボールでないものが出口から飛び出して、ボールが入り口に入るのを阻止:割愛)

・オーソゴナル・ダイアゴナライザー(OD)

 で、今話で失望しそうになった最大の原因はこれ。上記も「エンタメとしてはいい加減にしておいたらどうか」と思ったんですが、このODほどじゃなかった(^^;。アーキタイプには13のフェーズがあって(余剰次元の数?)、紅塵が1番目で、解明できたのは3番目まで。もし13番目まで解明できたら12番目までを抑制できるとかできないとか(何の便利設定だろう?)。

 その13番目は神野銘のアイデア(たぶん紙テープ捻って6と9を重ね合わせた、あれ?)で解決し、ベイラ・バーンが地下のシャランガ(と紅塵)に用いた。塵が枝状に変化して、ベイラ・バーンは素晴らしいが失敗と呟く。何が起こって、何の話をしてるんだか。
(たぶんフェーズが上がると計算量が増え、手に負えなくなるんだろうけど、上述の時間遡行コンピュータがあれば、何とかなる。)

 たぶん13のフェースとか、オーソゴナル・ダイアゴナライザー(有川ユン曰く「直交正規化」)とか、設定作った円城塔さんは何か考えがあるんでしょう。しかし、納得はおろか、何がどうなっているかということすら分からない。わけのわからない障壁と勝利条件みたいな感じしかしない。

 もちろん、現時点ではそういう狙いの演出で、後々、仕組みはそれらしく説明するのかもしれません。が、ベイラ・バーンの台詞含め、一切の理解を拒絶しているような演出でもあります。全く分からない、手掛かりもヒントもなかったら、覚えておくのも難しい。後で「あれはこういうこと」と説明されても、思い出せず、「そんなことあったかも」くらいの印象しか生じそうにありません。
(それでも後で思い出して納得しようと、こんなことを長々書いてたりはするわけですが ^^;。)

 その一方、怪獣やジェットジャガーは演出含め、なかなか凄い。もう、そっちだけ注目してようか、という気分になりつつあります。なにせ感動してますし、この後はもっと盛り上がりそう。一方、ハードSFっぽい設定とかは、せいぜい感心するくらいでしょうか。おそらく感動しそうにない(という嫌な予想をひっくり返してくれるかなあ)。

●ゴジラSP/ドラマ面(第7話:じかんのぎもんふ)

 よーし、気が滅入りかねない部分は吐き出しちゃったぞ! 冒頭からはマンダの群れを追って河口から侵入したゴジラアクアティリスですね。シン・ゴジラと同様な生物なのか、直ちに足のある陸上形態に変化しまして、ゴジラアンフィビアですか。水を赤く染めてるのは紅塵なんだろう。上陸と共に大気中にもまき散らしてますな。

 このシーン、なかなか迫力あります。アニメの絵ですから、実写に寄せたCG(シン・ゴジラ)に及ばないはずですが、なぜだろうと考えて、「隠すからか」と思いました。紅塵で覆いますからゴジラアンフィビアは部分的にしか見えない(ことが多い)。となると、見えない部分は想像で補いたくなり、絵で見せる以上の効果が出るんでしょう。

 一方、有川ユン。決死の活躍でアンギラス撃退ですが、銃刀法違反の疑いとかで警察に引っ張られたらしい。気の毒だし、まだダメージ残ってるみたいで心配だし。もっとも、取り調べる警察も立件に持っていく気はないらしい。むしろ、お手柄と褒めてますな。

 おそらく取り調べから帰るとき、同僚の加藤侍と、変えられない未来を見る意味について意味深な会話。アンギラスは討たれると分かって出て来たはずで、なんでだろうということですね。有川ユンは(おそらくぼんやりと)何か思うところが出た感じです。

 神野銘と李桂英はロンドンに向かう飛行機で、アーキタイプの時間遡行の会話してますが割愛(上記、設定面での考察通り)。が、おそらくは大量のラドンがまき散らす紅塵のせいで飛行機はミラノへ退避したみたいですね。どうやらラドン、濃い紅塵中では死なないらしい。紅塵は怪獣の生存環境でしたか。

 シヴァ共同事業体では、地下から出現したサルンガ/シャランガ対策の検討してるみたい。この後の展開を考えると、ベイラ・バーンは撃退というよりは、ODの実験したいようですね。サルンガは(他の怪獣同様)紅塵を操り、ODに同様の機能があるかどうか、検証したいらしい(後のシーンを踏まえると、ODは紅塵=アーキタイプ・フェーズ1を封じるフェーズ13らしい)。

 この作戦・実験シーンもなかなかの見もの。対物ライフルの狙撃手複数が壁に張り付いて射撃、ただし撃退を期待してはおらず、誘導・足止め目的らしい。本命はベイラ・バーンのODというわけですね。ODの形状はガラスの筒に球体が入ってまして、ODのネーミングはオキシジェン・デストロイヤーから取ったらしい(となると、オーソゴナル・ダイアゴナライザー=直交正規化はこじつけに近い?)。

 ODの作用とかはよく分からんですね。紅塵が樹状に硬化して、サルンガの足止めしてお終い。ベイラ・バーンは素晴らしいが失敗といってますが、何が失敗なのかはよう分からん。
(有川ユンと神野銘の会話から考えると、時間遡行コンピュータ使って、膨大な計算を要するOD開発をこなしたらしい? 有川ユンはジェットジャガー強化の計算量が膨大と愚痴ってまして、ODよりもジェットジャガーに活かされるかな、時間遡行設定。)

 その頃、東京湾から侵入したゴジラアンフィビアは紅塵を撒き続け、通信等に重大な支障をもたらしているらしい。物資の不足が起こってますね。しかし通勤などに影響はしてないみたい。物流のシステムに障害は起こしたが、ゴジラアンフィビアは大して暴れてはないんだろう。

 自衛隊指揮官によると、既にゴジラアンフィビアは自分の質量以上の紅塵をまき散らしたらしい。この状況は世界各地で起こっているようですね。空ではラドン、海ではマンダが引き起こしてるみたい。自衛隊員や報道の様子(緊迫度)からすると、やっぱり人間は狙ってない感じ。

 これらの状況は古文書の記載とよく似ているようで、と思ったら、神野銘によると古文書じゃなく偽書らしい。誰かが作ったんでしょうけど、葦原博士絡みかしらん。今の事態が起こると予想して、昔に託して警告してくれてるのかな。本当の古文書なら、怪獣撃退の実績があることになるんだけど。

 一方、オオタキファクトリー。大滝吾郎が意気盛んですな。どうやったか、倒したアンギラスのツノを失敬し、ジェットジャガーの武装にするつもりらしい。その一連の会話、動きで、今まで特に気にしてなかった金原さとみに注目するようになりました。設定上は事務員らしいんですが、どうも只者じゃない。

 何見ても驚かないだけでなく、アンギラスのツノの使い道を的確に提案してます。大滝吾郎案の矢じりではなく槍にしろと(出来上がったのは薙刀っぽいですが)。この後、ジェットジャガーにAI(ユング)が搭載されたと知っても驚かない。何が起こっているか把握している感じがあります。

 金原さとみって、どういうキャラクターなんだろうと考えて「工学か理学を修めて、工業デザイナーになった」んじゃないかと思いました。変わったコスチュームするって、デザイン系の人にはよくあることなんで、パンク風もデザイナーとしての表れなのかも。

 それはともかく(^^;、ゴジラの骨についても調べが進んでるようで、例の歌ですね。データが含まれていたようで、「2030年7月6日19時」=「屋敷でこの曲を録音した約37分後」ですか。原曲の録音は60年以上前とのことで、既にそのときにデータが含まれいたら、ある種の予言になりそうですな。

 一方、現ミサキオク主任の佐藤隼也はゴジラの格納庫(?)に侵入、ゴジラが警報器に接続されているのを見て、歌がゴジラから発せられている可能性に気づく。が、自称ジャーナリストの海建宏にスタンガンで一撃されてしまうわけですね。殺害等の意図はなく、この後、ほぼ無事に元上司の鹿子行江に顛末を報告してましたな。

 海建宏の意図、目的等は相変わらず不明です。報道以上の目的があるのは確かでしょうけど。海建宏は計器を手に「80年経ってもこの反応とはね」と言ってまして、60年前の歌曲を流すゴジラは80年前の何かがあるわけですか。

 日本各地では自衛隊車両の一般道通行が見られるほど緊張が高まる中、ジェットジャガーの補修と強化武装が完成。また2足歩行に戻したようですね。戦場の地形が予想できないなら、汎用性の高い脚ということか。かつ、パイロットを廃してAI(ユング)制御で自動化ですか。アンギラスの槍を構えて、いざ出陣。というところで続くのか。ジェットジャガーのパートは「面白くなりそう」と安心して観ていられます。来週のアクションを期待したい。

 設定面の考察(と書いて「ぐち」と読む ^^;)が長くなってしまいましたんで、いったん投稿。反省しまして、設定面については次から短くしようと思います。今晩のDYNAZENONと再開のビルドファイターズは明日くらいに感想書こうと思います。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/15 (Sat) 12:17:21

ゴジラSPとダイナゼノン感想です。

★ゴジラSP

 銘パートは、謎解きの過程とか、ネタ蘊蓄だらけで、かつてのエヴァの死海文書とか、裏設定にまつわる関連などですね。
 もしかすると、小説とか、解説本でより詳しく語られると物理学マニア、SFマニアを喜ばせるネタが豊富かもしれない。
 別に謎が解けなくても、問題提起だけでも、ああでもない、こうでもないとあれこれ推測する喜びが感じられるかな。

 これはインターネットの恩恵でもあるのですが、「自分一人の限られた視野、知識、考察能力」では全てを読み解けない。
 そして、面白い作品というのは「自分が分かる部分」と「分からない部分」が程よく混じっている作品だと考えます。

 分かる部分が一切ないような作品だと、思考の取っ掛かりがないので、理解不能でつまらない。
 逆に、何もかも分かってしまうと、今度は退屈というか、鑑賞する意味を感じない。

 つまり、取っ掛かりというか思考の土台ははっきり見えていて、そこに、どんな新鮮さを見せてくれるかに期待するのですが、
 その新鮮さが感じ取れない場合は、誰か分かる人間の解説を期待して、「おお、こういう世界があるのか」と外部情報から感じ入ることも多数。
 90年代のエヴァの謎解きとか、考察本が流行ったのも、元はそういう知的好奇心からだと思うのですが(知っていると思っていたサザエさんの常識に、実は知られざる設定の秘密が隠されていて、へえ、と感心させられる)、
 設定や描写を紹介して、それをバカにして笑いのネタにする……という芸風が主流になると、ジャンルとしてつまらなくなる。

 ゴジラSPは、この謎考察の部分が、後から裏設定でこうだと説明されるのを面白そうだと感じさせる深みがありそうだし、それが本編のドラマと上手くリンクしていたら、こういうつながりの部分が見えたら、自分は嬉しいです(アンギラスの未来視とか)。

 それと「未来が見えたら」という考察ですが、自分はゲームシナリオとか創作関連であれこれ考える経験持ちなので、
 「物語の作り手」はプロットの形で、ある程度、未来の枠組みを考える。つまり、未来が見えている神の立ち位置という実感もあるのですが(他には、ダイ大など原作マンガを読んでいる作品のアニメ化など)、
 実際に書くという作業をすると、プロットからズレて来たり、最初は想定していた話と違う展開が見えて来たり、最初は見えていた未来が変わることも多数。

 この辺は、書き手の性格にもよるのでしょうが、自分の場合は、創り手の意図が、自分とは違う性格の登場人物の意図に影響されて、細部、時には大筋さえも変わって来るのが当たり前で、しかも、そういう過程が面白くもある。
 そんなわけで、「大筋は見えているけど、実際に書いてみないと分からない」という言い方にもなるし、書きながら発見してしまうことも稀によくある状態です。

 なお、「稀によくある」という用語にツッコミを受けたこともありますが、これは確率と試行回数の問題ですね。
 1%から5%は稀ですけど、試行回数が多ければ、それだけ何度も出てきて、それが珍しい分、印象に残りやすい。そういうことを経験している者同士だと、自分の経験に則して「よく分かる、あるある状態」かな、と。

 ともあれ、創作視点だと、「未来は見えているんだけど、それでも不確定」「無理に見えた未来に合わせようと思えば、神の意思による不自然なねじ曲げ(それを偶然と見なすか、運命の気まぐれと称すか、ご都合主義と批判するかは読み手、受け手の恣意的な判断に委ねる)が発生する。

 まあ、未来が見えても、それが知的生物か、それとも本能で生きる存在かによって変わってくるし、アンギラスの知性がどれだけかも考察材料にしないといけない。

 そして、我々、人間でも「こうなったら失敗する」と分かっても、その失敗に向けて、突き進むしかない場面もありますから、「不幸な未来を必ずしも回避できるとは限らない」。
 下手に回避しようとすると、事態はさらに混迷するので、被害を極力減らすようにするとか、諦めて覚悟を決めるとか、いろいろな心理的葛藤が生じるな、と。

 あと、これもゲーム的ですけど、未来の選択肢は複数あって、フラグを立てたり、サイコロのようなランダム決定要素で、エンディングが分岐する、というシナリオは普通ですね。
 つまり、実際にプレイしないと、途中の展開がどうなるか分からない。その分岐パターンが多いほど、自由度の高いシナリオと評価されます。

 ゲームのシナリオだと、バッドエンド、任務に失敗したときも想定して話を書きますし、バッドエンドの描写の細かい書き手が印象的だったり、バッドエンドなのに味わいたくなったり、その後のストーリーを妄想したくなることも。
 ゲームだったら、試しにわざわざ死んでみたり、直前にセーブして、死亡エンドと生存エンドの両方を見るプレイヤーも普通にいる。

 これが連続シナリオだと、その前の展開が成功か失敗かで、次の物語の始まり方が変わって来たり、分岐パターンがいっそう複雑になる。
 ゲームマスターの思惑と、プレイヤーの思惑がぶつかり合うと結構、面白いことにもなりますな。プレイヤーは事件を解決しようとして、時にGMの想定以上のアイデアを考えついたり、想定外のルートを辿って完全に寄り道に逸れて、シナリオと違う物語に流れたり、一方のGMは何とかシナリオの軌道に戻そうと、いろいろ誘導を試みるも、うまく行かなくてアドリブで何とか、物語を収拾つけようと踏ん張るとか、そういうせめぎ合い。

 「未来が見える」という一点で、いろいろ考えてしまいました。
 で、今回のもう一つのネタは、

 ODことオキシジェンデストロイヤーですね。最初のゴジラを葬った水中酸素破壊剤。
 今回の物語でも、このODが最後の切り札みたいな様相を呈して来ましたが、世界観的には「怪獣を生み出し、その棲息地帯を広げる紅塵(あるいはアーキタイプ)を破壊、あるいは抹消、異次元に送り返す作用」を持っているのかな、と考えてみます。

 言わば、紅塵デストロイヤーですね。
 で、酸素についてwikipediaで調べてみると、「個体酸素のε相に赤色酸素「というのがあって、その模式図が何だか紅塵っぽいなあ、と思ったり。

 今回のサルンガ絡みで、ODを使用して「失敗だ」とか言っていましたが、何が失敗なのか。
 紅塵が個体結晶化して、槍の群れみたいにサルンガを貫いて、動きを封じていたようですが、
 本当は紅塵が消失して、怪獣ごと物理的な肉体が溶解、消滅するはずだったのかな(初代ゴジラが水中で溶けたように)。

 あとは80年前に何が起こったか、という話ですが、本作の舞台設定は2030年代みたいですね。
 で、その80年前だから1954年の初代ゴジラ公開に掛けているのかな、と思います。

 そして、初代ゴジラの骨という設定から思い出すのは、それを利用して、メカゴジラ(機龍)を制作した映画がありまして、骨に残された生体記憶なんかで機龍は生き物のような俊敏な動きを見せたりします。
 ゴジラの骨に生体記憶なるものが残っていて、それが未来視できたり、高次元からのメッセージを受信できたりして、この世界にアーキタイプをもたらして、怪獣の生息地を増やす働きをするのか、
 それとも、人類の手からゴジラの骨を回収しようとする高次元の目論見があるのか。

 行方不明の研究者の名字が「葦原」ということで、アギトのギルスとの関連性を妄想したくもなったり。

 ともあれ、考えるネタはいろいろで、多分、結論よりも妄想の方を刺激しているわけですが、
 一番燃えるのは、やはりジェットジャガーですね。
 「アンギラスの槍」が果たして、ゴジラ退治に役立つのか。
 アンギラスの未来視不思議パワーがジェットジャガーの電子回路にどのような影響を与えるのか。

 そして、今のジェットジャガーは、原典にあった飛行能力をまだ備えていませんね。
 ジェットジャガーにラドンの翼が生えたり、紅塵ジェットジャガーに覚醒したりしないかなあ、とか、
 とにかく、人類の技術がどうありえないパワーを示して、状況解決に役立つのかを期待したく。


★ダイナゼノン

 グリッドナイト、正体はアンチかな、と思いきや、最初は「お前は誰だ?」的な新キャラ・ナイト君と、パートナー少女に???状態。

 だけど、やがて気づく。
 彼らは、アンチ君と怪獣少女の2代目アノシラスの成長した姿だということに。

 そうかあ。
 ダイナゼノンの物語は前作グリッドマンの物語の未来かあ。具体的には、小学生が高校生ぐらいになる頃合い?
 4、5年ぐらいかな。

 そんなわけで、アンチ君はナイト君に成長し、可愛さを増したアノシラスちゃんとグリッドナイト同盟を結成して、異世界を荒らす怪獣と戦う活動を展開しておりました。

 あと、前回でこじれた人間関係のモヤモヤも、今回は何とか解決を見たようで、雨降って地固まる、でいいのかな。

 一方で、ムジナさんもオニジャさんとの関係が強まったようで、オニジャさんも「死ぬかと思ったぜ」が今回はなし。
 そこは家康さんと同じで、少し物足りない。

 まあ、グリッドナイトの活躍や、オニジャさんが来週も死ぬかと思うことを楽しみにしながら、次回のさらなる展開を期待します。

 ところで、2代目の魔法少女はメガネをかけているのか、それとも単に目が大きいだけなのか、今回の放送でははっきりせず。
 メガネの魔法少女(しかも人間じゃない)ならツボなんだけどなあ。
 騎士と魔法使いと、それからドラゴン。これだけでファンタジーの世界に突入した感じだし。

 あとはグリッドナイトがダイナゼノンと合体したりしないか、そちらも期待です。

★ビルドファイターズ

 14話から配信再開ですね。

 ガンプラマフィアという組織の暗躍とか、後の展開をいろいろ臭わせつつ、
 レイジを意識したアイラとの関係性とか、ラルさん強いとか、マシタ会長の暗躍ズルいとか、

 いろいろ思い出しながら、次回のフェリーニ回のバトルを楽しみにしてみます。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/16 (Sun) 21:43:55

 定期感想その2です。

 今週の「青天を衝け」では、「こんばんは、徳川家康です」が復活しまして、安心しました。タイミングも序盤早々に戻ってるし。次に心配になるタイミングあるとしたら、明治維新かな。幕府が倒れるまでは大丈夫な気がします。

●DYNAZENON(第7話:集まった意味って、なに?)

 まだ正体が確定していない「グリッドナイト同盟」ですが、GRIDMANにおけるアンチ君と怪獣少女アノシラス(2代目)と強く示唆するものがありますね。本人らの名前がそうですし、演出的には声優さんが同じ人ですな。さらにはグリッドナイトの戦闘スタイル、戦闘時BGMも。

 ただ「ナイト」は左目を髪で隠してまして、GRIDMAN最終話で変わったオッドアイかどうか確認できず。「2代目」の見た目は「怪獣少女」から推測できるものがほとんどないようです。なお、「2代目」は眼鏡着用で間違いないようです。斜めからカットでは、顔の前に眼鏡のフレームが見えます。
(たぶん、レンズをY字型フレームが両脇から支える、ほぼ縁なし眼鏡。)

「2代目」は実写グリッドマンの「コンポイド・ユニゾン」(怪獣アノシラスの友人)を思わせるシーンもありましたな。実写グリッドマンではバトンを振り回してアノシラスを落ち着かせてました。今話では「2代目」が「フィクサービーム」を込めた杖(?)を振り回して使用してました。

 グリッドナイト同盟の2人が今後もレギュラー出演かどうかは不明な気もしますが(オープニングには短時間のカットがあるけど)、大事なポイントでは出てくれると期待しておこう。かつ、自分的には正体は「GRIDMANのアンチ君と怪獣少女」としておこうと思います。

 怪獣優生思想のほうは、ちょっと目的がヤバくなってきたかも。オニジャが「怪獣の力は誰かを殺すためにあるんじゃない」と言ってまして、一瞬、安心しました。が、すぐに続けて「全ての人間を殺すためにある」と。そうなると相容れない絶対的な敵ということになりそう。

 ですが、ちょっと首をかしげる点も。怪獣の力の目的/用途を言っただけで、オニジャらが「人類抹殺したい」とは言ってないわけで。オニジャの言に答えたムジナの言いようも微妙で「個人の感情」では動かないとのこと。人類を憎んでるとかじゃなさそう(だから暦と酒飲んだりもする?)。ガウマは怪獣優生思想を人類の敵と言ってますが、怪獣優生思想の目的はちょっとはっきりしないかも。かつ、怪獣優生思想が独立して意思決定しているかどうかも、はっきりしないような気がします。
(ムジナの瞳の色の変化も気になる。戦闘中に高揚すると赤くなり、終わると青に戻る。GRIDMANでの瞳の色の意味がDYNAZENONでも通用するとすると……なんだろ、あれは?)

 ともかく本編。冒頭は前話ラストの一瞬前くらいからみたいですね。ナイトと2代目が戦闘状況を見て、ナイトが「使命ですから」と出撃。それが先週ラストの巨人(グリッドナイト)出現の経緯だったわけですか。

 グリッドナイトをガウマは初めて見るようですし、怪獣優生思想のジュウガは「掴めない」といぶかしがってますんで、グリッドマン~グリッドナイト世界は、この世界とは別世界・別の歴史ということになりそうです。ただし行き来は出来ると。

 前話ではダイナゼノンチームの結束が乱れてたせいか、苦戦でしたが、さすがにグリッドナイトが加勢しては、怪獣優生思想側の有利は崩れたみたい。が、前話で勢いがついたムジナは「まだやれる!」と止まりそうにないですな。それが元々好戦的なオニジャに気力を与えてるみたい(一気にチームワーク良くなった?)。

 が、参謀格のジュウガは撤退を具申、シズムも「ここで、この怪獣失うのはもったいないよ」と有用性を説く。さすがにムジナ、オニジャも折れますか。撤退となるわけですが、その場から消えられるんですか。もっとも短距離移動らしく、ガウマは捜索して追撃したいみたいです。

 この後の展開を踏まえると、怪獣優生思想側は怪獣を強化して復活させられることを知ってたからかも。しかし、その前にグリッドナイトが返す刀で襲ってくるわけですな。ダイナゼノンがこの世界の脅威(≒怪獣)と認識されてしまっている。ナイト視点では怪獣同士の争いに首を突っ込んだつもりだったらしい。

 もっともダイナゼノンに一撃与えて、しかし時間切れ(タイマー点滅)でグリッドナイトも消える。これでダイナゼノンは損傷してしまい、自動修復とかはないみたい(ダイナゼノンを授けた女性なら直せる?)。

 暦だけは別行動になっちゃうわけですね。瓦礫に潰された車に負傷者がいると気が付いたらしい。暦が行ってみると、稲本(旧姓)の夫(橘あらた)ですね。死んでると思ったのか、暦が去ろうとするとうめき声。生きてたわけですが、暦が逡巡する。前に飲んだときのことが相当にダメージデカかったのか。

 しかし、いろいろとおかしなシーンに見えます。一応、この世界での戦闘による一般人死傷者がいることは分かりましたが、死傷に対する考え方がよく分からない。暦は(いかに前に不快感を持った稲本の夫「あらた」とはいえ)、いったん見捨てて去ろうとしてます(結局、助けますが)。街でも続発する怪獣に備える様子も見えないし。どうも怪獣について軽すぎる態度のような。

 それはともかく(^^;、ガウマらの実機出撃での捜索は難航し、チーム内の雰囲気も前話からダダ下がりですね。特に夢芽と蓬で、捜索任務中でも夢芽は蓬が話しかけてもロクに返事しない。ガウナがラーメンに誘っても、2人は別々にスマホいじってるし。もっとも、この2人の間が好転すると、他のメンバーの間もいい方向に行くわけですね。それが最後の決戦にも効いてくると(ガウマの言「バラバラだからこそ俺達は出会えたんだ」が象徴する、個人とチームの両立への進歩かも)。

 夢芽と蓬は、夢芽のほうからアプローチ(?)ありまして、姉の香乃について語り出す。蓬が気にしていた件を語り出したわけで、夢芽はいったん置いた距離を縮める気になったということだろう。が、蓬の反応が異様かも。香乃は不幸な死に方ですし、生前の様子も深刻な内容ではありますが(再び仲良くなるかと思った途端に死ぬ)、崩れ落ちてベソかくとは。

 蓬は、香乃が夢芽の一部なら他人じゃない、とか言ってて意味深かな。もしかすると、蓬は覚えてない過去があって、それに香乃の件が刺さって無自覚に強い反応になってしまうのかも。前作のGRIDMANでは裕太はあからさまに記憶喪失で、最後に「GRIDMANになっていたから」と明かされたわけで。裕太本人の意識・記憶はグリッドマンが把握してまして、六花に対する好意を明かしてました。蓬もなんかあるのかも。

 一方、怪獣優生思想側はムジナの発奮を機にチームのテンションが上がってる感じですね。オニジャ&ムジナのコンビが特にでしょうか。オニジャが暦の件でムジナをいじると、ムジナが怒って蹴っ飛ばし、自分の責任を取ると言明。ちょっと前には考えられない反応かも。しかし、ちょっと間をおいてオニジャが謝り、おそらくは彼らの大義みたいなもの(怪獣の力は人間全員を云々)を確認すると。ムジナは即座に同意(ただし理解し切れてない面があるらしい)。

 さらに怪獣(ブルバイン)復活でもオニジャ&ムジナの息が合ってまして、ムジナのやる気も満々。仕上がるまで休まないつもりらしい。もっとも、居眠りするジュウガをチラッと見てのシズムの台詞がちょっと怖いかも。「本物の怪獣使いは寝たりしないよ」と言ってます。

 前作GRIDMANでは、ラスボス:アレクシス・ケリヴが「本物の人間は寝ない」と言ってたわけで(で、六花らあの世界の住人はレプリコンポイドだとも)。もっともアレクシスの言はどういう意味だったか、よく分からずじまいでした。しかし、ラスボスならでは台詞だったと考えると、シズムもちょっと不気味になってくる気がします。

 再結束なったダイナゼノンチームは、準備整った怪獣優生思想側と対決。これにグリッドナイト同盟が介入するわけですね。ナイトの判断ではガウナらは是となったらしい。直前にあった時点ではガウナが2代目の言葉を遮って拒絶でしたんで、ちょっと雲行きが怪しかった。が、それ以外含めたトータルで「見極め」がついたらしい。怪獣優生思想の「怪獣の力は人間全員を殺すため」を知ったのかもしれませんし、グリッドナイト同盟が怪獣を世界の不安定要因と見做しているらしいことがあるかもしれない。

 それでも緒戦は怪獣優生思想側(オニジャ&ムジナ→ブルバイン)優勢の模様。加わったグリッドナイトもブルバインの強化にちょっと驚いているようです。怪獣強化は、今後の戦いの不安要素になりそうですね。それに今回はダイナゼノン(ダイナダイバー)の損傷がある(し、夢芽が「なんとかビーム!」と叫ぶとか、熟達してなさもある)。

 そこをひっくり返したのが、2代目の操る「フィクサービーム」というわけですか。やっぱり修復用でしたか。ただ、グリッドマンの力を小分けにしたらしいカプセルですね。しかも1発しか持ってきてないらしい。となると、使いどころは選ぶはずで、ナイトは迷ってる感じがあります。2代目の判断でダイナゼノンに使用したのは、全幅の信頼に近いと見てよさそう。
(細かいことですが、フィクサービームでダイナダイバーが修復されると、ガウナが「治った」と字幕に。「直った」ではなく「治った」が意図的な表記だとすると、ガウナのダイナゼノンへの見方が窺えそう。)

 ともかくも、これで戦況逆転かな。オニジャ&ムジナ側はそれでも「向こうは二体、こっちは二人」とくじけませんが、ダイナゼノンとグリッドナイトの息の合った共闘には敗れ去ると。今回はオニジャの「死ぬかと思ったぜ」はなかったけど、当然か(残念だけど ^^;)。オニジャに応えたムジナの「うん、『私たち』は負けないんだ!」→「次はもっとうまくやれる」の意気は大事にしないといけない。
(うーん、「怪獣の力は人間全員を殺すため」が怪獣優生思想の怖い面と知ってはいても、ついこういう肩入れしたくなるなあ。雰囲気に邪悪さが感じられないせいか?)

 グリッドナイト同盟は、ナイト、2代目と自己紹介しつつも去る。「また会いましょう!」という挨拶、しばらく会わないときに言いそうですから、どうも不安。再登場するとしても最終盤とかだろうか。荷物が多い割にはフィクサービームは1発だけとか、この世界の任務がちょっと見えにくい気がします。

 それはともかく、ナイト君の2代目に対する感情がちらっと見えて面白かったかも。ガウナが2代目の肩に手をかけて話すと、ナイト君、怒ったらしい。初対面時とは打って変わって、ガウナは気圧されたのか、「あ、ごめんなさい」と即座に謝ってますな。それぐらいナイト君が怒ったんでしょうけど、ナイト君=アンチ君だといろいろ妄想が膨らみます(怪獣娘アノシラス2代目も含めて)。

 締めはダイナゼノンチームが再結束した感じを見せてくれてましたな。夢芽は再び蓬と一緒に香乃について調べ始めるし、暦は有本のことが吹っ切れて、ちせと落ち着いた感じに戻ったし、いろいろスッキリした。もっとも、香乃の件とか、怪獣優生思想の目的とか、ガウナにダイナゼノンを授けた女性とか、よく考えたら問題山積のままか。

●ビルドファイターズ(第14話:暗号名C)

 2クール目の最初の回だからなのか、情報整理しつつもターニングポイントを示して、後半がシビアな展開になることを暗示する感じですね。例えば、出場ガンプラファイターの略歴紹介があるだけでも、改めて「みんな、敵ではあるんだよな」という感じがします。

 さらに今話はマシタ会長の妨害が深刻化しまして、Cなるプロを雇って競技に介入させてました。そこはラルさんが踏ん張って阻止してくれたんですが、「そこまでやるか?」という疑問は大いに沸くところ。「ただの遊びじゃなさそう」という感じですね。

 ガンプラファイターたちも、前半の「友達が集まって来る」感じから一変しそう。今話ですと特にアイラ・ユルキアイネンでしょうか。1クール目ですと、過酷な背景がありそうと暗示しつつも、ちょっとコミカル交えてレイジと接近したり。

 しかし、今話では(1人でいるときの)アイラの雰囲気が変わりまして、「ファイトをやらされている」「どうせレイジは負ける」みたいな絶望感を漂わせてました。当然、せっかくできつつあったレイジとの関りにも暗雲垂れこめそうな感じです。

 要は「キャラクターの気持ちが離れ始めた」感じですね。本編より先に観た特別編ですと、主要キャラクターの親密さ、団結が感じられました。要は「みんな友達」という感じですね。本編はそこへつながるラストになるはずですから、集まって、散らばって、また集まる、みたいなドラマを期待したいところです。

 とりあえずは、今話ラストで、ファンプラファイトに介入するマシタ会長に直接対決に行ったレイジの次回の動きで分かることがあるかも。例えば、問題を抱えるアイラを変えていくだけの力量を見定められるか、といった点ですね。

(などと書いてて、自分が初視聴したはずのローカル局再放映を、いかにいい加減に観てたか、強く自覚して後悔してますorz。)

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/17 (Mon) 17:04:06

 定期感想その3です。

●ダイの大冒険(第32話:父との決別)

 こちらで「ダイが独りで戦っているわけではない、という決着の付け方」と伺っていて、その一端は既にクロコダインの頑張りで見せてもらってもいたわけですが、今話分で「そういうことか」と納得できた気がします。

 例えば(ながらその最大)、死せるポップの活躍。作中キャラクターのバトル現場視点ですと、「レオナのザオラルは失敗、しかし死んでいながらもポップが魔力でバランを一撃」になるはずです。

 実際、というか、視聴者視点ではかなりややこしい経緯。レオナがザオラルに全力を込めると、ポップに届き切らぬもゴメちゃんに届く。ゴメちゃんはあの世との境界までポップを追い、なぜか言葉を発する。それも押して駄目なら引いてみる、という必死の弁舌ですな。

 これにポップが「たとえ死んだって俺は……ダイを見捨てたりしねえぞ!」と魂が奮起すると、死せる肉体がバランへ一撃を放つわけですね。この援護を受け、クロコダイン→ヒュンケルのラインから剣を貰っていたダイが逆転の一撃を放つと。

 誰かが頑張ってもなお届かないなら、別の誰かが引き継ぎ、次々とバトンタッチでゴールまで行く(アンカーはダイ)、という感じですね。それが作戦ではなく、その場の個々の局所的な判断で自然に行われたわけで(例えばレオナはポップを救おうとしただけで、ダイ救援まで考えてない)。

 今話の死せるポップまで一丸となるチームワークの勝利は、ダイの人間離れした(竜の騎士の)力への人々の恐れに対する答になってる気がします。テラン王国の人々だと逆に崇拝と服従についてもですね。いずれにも「否」の判断が示された感じ。では何が答なんだ、ということになると、たぶんゴメちゃんの正体辺りが示唆するのかも。

 ともかく本編。ポップの死に奮起したヒュンケル、クロコダインに頼んで放り上げてもらう。丸腰のダイに己が鎧の魔剣を渡そうというわけですね。ただしヒュンケルはバランの迎撃を受けるのは必然で、しかも弱点の電撃系。覚悟しての支援ですか。ヒュンケルは剣を渡すも一撃されて墜落(が、メルルが駆け寄ってますね)。

 ダイは鎧の魔剣を手にするわけですが、武装上は未だ劣勢。バランのは真魔剛竜剣ですもんね。しかしダイには自信があり、根拠はバランの魔力切れ。ヒュンケルを撃ち落としたのがギガデインではなくライデインだった、というわけか。クロコダインが仕掛け、ダイが引き継いだ戦術はここでも功を奏したわけですね。

 バランがライデインまでしか使えないなら真魔剛竜剣とてフルパワーのギガブレイクは出せず、ダイの現時点最大のライデイン+アバンストラッシュ+鎧の魔剣+αで互角に戦える。ダイ流表現では「俺(ダイ)の力+(アバン)先生の技+ヒュンケルの剣+ポップが取り戻してくれた思い出」=「俺たちが勝つ!」ですか。

 が、依然として上級者の互角状態で互いに最大にして最後の一撃を放つ隙を窺い、容易に決しない。そこを破るのがポップですね。ザオラルは結局、しかし表面的に失敗ですが、上述の通りの作用でダイにチャンスをもたらす。
(それにしてもポップ、諦め癖は第2の天性になってるみたいで(^^;、ポジティブな感情では動かない難しい奴ですな。しかし根が単純なのか、怒らせると奮起してくれる。)

 紋章からの遠距離攻撃でダイに隙を作ったバランに対し、ポップの一撃がバランに入るわけですね。さすがのバランも「バカな、死人が呪文を?」と慌てて動きが止まり、そこにダイの反撃のアバンストラッシュが真魔剛竜剣を叩き折って決着。しかし鎧の魔剣も再生不能に崩壊(まあ、ヒュンケルにはまだ鎧の魔槍があるけど)。

 魔力の一撃を放ったポップですから、生き返ったと思われてたが、ザオラル失敗とレオナが打ち明けるわけですね。ゴメちゃんがギリギリでポップを引き留めていることは誰も知らない。が、蘇生までは届いてないのも事実。

 この状況は、さっきまで最強の敵だったバランが打開するわけですね。バランにも状況が理解しきれてないようですが、蘇生法は分かっているらしい(己が血を与える)。これでポップは完全蘇生。そうしつつも、バランは突っ張ったこと言いまして、真魔剛竜剣が復活したら再戦に来るぞと。ダイが勝てば次は大魔王を滅ぼせばいい、しかしバランが勝てばバランが人間を滅ぼす、という過酷な条件ですね。

 聞いた瞬間、自分は「ははーん、嘘だな」と思いましたが(直前のバランの独白もあるし)、ヒュンケルも瞬時にバランの胸中を的確に察した模様。やはり似た者同士だからなんですかね。ヒュンケルも人間を憎悪してまして、しかしダイと戦って人間性を回復。バランにも同じことが怒ったことが感じ取れたんでしょう。実の息子ながら、ダイだけは表面的な字義通りに受け取ったようですが、いずれ再会したらバランのこのときの真意は通じるんだろう。

 バランが去るタイミングでポップは生き返る。目立ちませんが、一番うれしそうなのはメルルの感じです(ポップの心音を聞くレオナが「あ、ポップ君が!」と言っただけで、即座に泣いとるし)。一同がバランの血の意味を悟ったのは、このタイミングらしい。去り際のバラン、ダイを「ディーノ、いやダイよ」と呼びかけたのは、戦闘中に「ダイ」と呼んだのとは意味が違ってそう。「お前は確かに、ポップらが友と思うダイだ」と認めたんでしょうな。

 一方、鬼岩城。ハドラーが大魔王バーンに難詰されてますな。ダイがバランの実子にして竜の騎士であることを隠蔽しただけでなく、もう3回失敗してアウト。だが、功績1回分でかろうじて助命されて最後のチャンス。ダイらを倒して戻ればよし、できなければ、というわけですか。

 ハドラーが退出すると、大魔王バーンのボスとしてのいい面がチラッと見えた気がします。処刑を具申するキルバーンに対し、もう最強の肉体はある、後はメンタルだと。つまり未だ「やればできる子」と見ているわけで、しかもそこはハドラーには告げない。ハドラー自ら一皮むけるお膳立てだけしてる感じです。いい親分だなあ(^^;。

 次回「ザボエラの奇策」では、ハドラーがザボエラの支援で最後の戦いを挑むようですね。またもやポップが踏ん張りそうな感じがあります。予告映像で気になるのはマァム再登場なんですけど、シーンからするとポップの夢か妄想の感じかも(^^;。マァム復帰はいつかなあ。ED曲時の映像ではもう武闘家マァムになってますが、なかなか本編で復帰してこない。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/17 (Mon) 20:57:22

 定期感想その4です。

●仮面ライダーアギト(第19話:解散決定?、第20話:或る目覚め)

 今週前半は花村久志殺害を、司龍二と見破り、事実上の自供に追い詰めた北條が光る回でした。恩義と負い目がある司龍二相手ですから、ウィキペディアに見える「彼(北條)の警察官としての正義感と魂は本物」評は確かだったようです。感動が伴うと意味が実感できました。

 それで自分的に何を北條に期待したくなったかで、情けなくもあり、可笑しくもあり。「よーし、これで北條がいくら嫌味でも、ヘタレても大丈夫だ!」とも思っちゃったんです。自分が何に期待しているかも発見した次第(^^;。

 ともかく本編。まず前半(第19話)はアンノウンとの戦いよりは、花村久志殺害の謎解きに重点が置かれた感じですね。「闇の力」がアンノウン:イグニオを通じて語った「人が人を殺してはならない」は、闇側(アンノウン側)の意思表示として注目すべきものがありますが、今話ではまだ具体化まではされず。司龍二への警告という伏線としては、よく効いてた感じです。

 もっともアンノウンの発した言葉に司龍二も北條も動じる様子は見せませんね。一方は覚悟があり、もう一方は心当たりがなかったからだった模様。しかし、アンノウンは警告(?)を伝えて満足なのか、G3とアギトに威嚇射撃し、戦略的撤退した模様。

 警視庁では善後策が練られるわけですが、花村久志殺害もアンノウンだとする司龍二は、小沢澄子らのアンノウン対策にケチをつけていくわけですね。挙句に上申して、現G3ユニットの解体、再編計画を進めてしまう。

 観終わってから考えますと、花村久志殺害の真犯人たる司龍二が偽装工作のために犯行以外にアンノウン対策まで歪めようとしたように見えます。司龍二は妹さおりの殺害が花村久志と断定する自信はあったんでしょう。しかし立件には追い込めなかった。それならと、自警主義の私刑に走った。

 違法ながら彼なりの正義ではあるんでしょう。しかし、そこから身を隠そう、誤魔化そうとした点は完全に道を踏み外してますね。北條に問い詰められて白状したシーンは、なかなかに美化されてますけど、どうも素直には受け取れませんでした。司龍二は身の回り半径1mの正義は重視するけど、その外を気にしない。大義無き正義、という感じです。

 それはともかく(^^;、この時点では司龍二主導で事が進むわけですね。G3ユニットは再編され、司龍二と北條主体に組み替えられる予定となる。花村久志殺害の謎を解明できない小沢澄子らは抗弁も難しい。しかし、司龍二に無骨と皮肉られた氷川は諦めず、花村ベーカリーで聞き込みを続ける(で、案の定、翔一からも無骨と言われてムキになっとりますな ^^;)。

 超能力っぽい点と言えば、花村久志が己が死を予知したような行動(秘伝のレシピを翔一に託す)ですね。この点は超能力者という、一連のアンノウン事件と合致しそうではある。が、原因は別にあったわけですな。北條も花村ベーカリーを訪れ、ピクルスサンドを見て、はっと気が付くものがあったのが糸口だったみたい。

 以前に司龍二のもとにいたとき、張り込みの差し入れが、さおりの作るピクルスサンドだったわけですね。それと同じものが花村ベーカリーにある。これで花村久志と元婚約者の司さおりの関係に気づいた北條、証拠品を洗い直し、トリックに気が付くと。

 花村久志の焼死は時間差トリックであり、絞殺されてから、時間差で燃やしたと。念のため、腕時計は発火時刻に合わせてあったわけですね。発火方法は携帯電話への着信をスイッチに高輝度LEDを応用したと。発火時刻に司龍二から花村久志へ発信した記録もある。司龍二は発火時刻に合わせて小沢澄子らを問い詰めて、アリバイの偽装工作をしていたわけか。しかし犯行時刻偽装の腕時計は左利きの特徴(右腕にはめる)が出ている。司龍二は左利き。ただし、北條を庇って負傷して以降、というわけですか。

 そう突き止め、司龍二と2人きりになるタイミングで問い詰めて、自白させた北條はさすがと言うべきでしょう(司龍二の受け答えも堂に入っていますが、自分的に低評価なのは上述の通りです)。しかも、現G3ユニット解体が言い渡される会議前に行った点も評価ポイント。チャンスでも唾棄すべき点があれば捨てる。なかなかカッコいいじゃないか、北條。

 アンノウン/イグニオのほうは、アギトが撃退。これで丸く収まったかに見えたんですが、最後に涼が翔一のもと(榊亜紀のアパート)に倒れ込んで来る。ギルスの副作用にずっと苦しんでましたが、いよいよ悪化したらしい。もう次の波乱来まして、次話に続く。

 後半(第20話)、自分は「涼/ギルスの危機か」と思って観始めたんですが、どうやら違ってた。直接的には榊亜紀の能力覚醒と暴走開始ですね(こちらで伺ってのは、これだったか)。そこから、あかつき号事件では「アギト」が絡んでいて、影響を自覚した生存者は結束するようになったらしい。

 これに「闇の力」が絡んでおり、謎のやり取りしてた沢木哲也(本来の津上翔一)は、「最初のアギトを倒した功績」だとかで使徒の力を得て、行動開始。手始めに榊亜紀を操り始めたようです(涼に翔一を襲わせようとしたのも沢木?)。かなり全体の構図と動きがはっきりしてきた感じですね。ただ、そうすると分かっていて、涙しつつも力を与えて自由にさせた「闇の力」の意図は、いよいよ謎めいてはしまうんですが。

 そういう緊張感を高める流れの合間に、相変わらずコメディシーンは健在ですね(^^;。美杉邸は美杉義彦の挙動が不審になったせいか、コメディ舞台は花村ベーカリーに移動したみたい。美杉太一の子供らしからぬセールストークやらなにやら。ただすぐにラーメン店に作り替えるとかで、次のコメディはどこでやるんだろうか気になります。

 それと前話を受けての北條の発現もちょっと注目していいかも。司龍二を「目の上のたんこぶ」呼ばわりしてまして、小沢澄子から呆れられています。が、前話の様子からして、真情がそんなであるはずがない。「他人の情けは受けない」「余計な気を遣わせない」というのがあって、そのためなら悪評に甘んじるらしい。ここも評価ポイントで、以前の北條、および今後について、ちょっと見方を変えないとと思う点です。

 それはともかく(^^;、沢木に強化された榊亜紀がさっそく暴走開始。どうやら、涼/ギルスにガス弾打ち込んだ機動隊員を片っ端から殺害して回るつもりらしい。超能力犯罪であるため、アンノウンの起こす事件と見た目は酷似しそうですね。

 特に錯綜しそうなのは、手口が真魚の父:風谷伸幸殺害と同一な点。自分は体内で金属片を巨大化させるアンノウン(スコーピオンロード:レイウルス・アクティア)かと思ったんですが、どうやら違ってたみたい。能力覚醒した人間の誰かの仕業の可能性が強くなりました。

 機動隊員2名を易々と殺害した榊亜紀の次のターゲットは北條ですね。アギト捕獲作戦の中核人物であることは、警視庁からハッキングしたデータでもう分かっている。おそらく本命のターゲットなんでしょう(先の2名殺害は能力確認も兼ねてたか?)。力の差は隔絶しており、北條絶体絶命ですが、アンノウン(ジャガーロード3名)がこれを見て介入した模様。

 これを察知した翔一は急行しますが、榊亜紀の能力が想像以上に強力。ジャガーロード1体(パンテラス・キュアネウスらしい)を倒せぬまでも退けて逃走。駆けつけた翔一はアギトとなってアンノウンに応戦、見事に仕留める。が、残るアンノウン2体が襲い掛かると、アギト形勢不利に。その頃、アパートで伏せっている涼にまたも声が届き、偶然尋ねた真魚が危機に? というところで続くのか。前後編が週またぎになると辛いなあ(^^;。

 榊亜紀の登場をウィキペディアで調べると、次の第21話、飛んで第42話となってますね。今週の暴走開始からすると、来週前半(第21話)はヤバそうです(^^;。第42話では回想で登場ということなのかも。涼に関わる女性は不幸な死に方するジンクスあるそうだし。

 それにしても、当初は「闇の力」がアギトの力を嫌って滅そうとするというのが、よく飲み込めてませんでした。なぜそんなことがしたいのかと。今週後半で、その理由が具体的につかめてきた気がします。ダイ大流でいえば「人の心を失った竜魔人」みたいだからなのかも。敵を倒し尽くすまでは止まらない。

 下手するとアギトの力に覚醒すると、人類自滅になりかねない感じはありますね。しかし「光の力」は違う考え方らしい。「闇の力」の危惧が見えてくると、対立する考え方も分かりやすくなりそうです。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/18 (Tue) 00:34:11

 ダイ大と青天感想。
 ライダーは次回に回します。

★ダイ大

 バラン編終了。
 いろいろありましたが、いいエピソード群でした。

 ここまで激しいバトルは、しばらくないでしょうな。

 そして、早速、次回のエピソードとして、ハドラーとザボエラが動き出すことに。
 ハドラーが一番下劣に落ち込む流れですな。

 ポップを卑怯なやり方で陥れ(ポップ受難が続く回でもある)、「お前は武人として正面から来る男と見なしていたのに、騙し討ちかよ。見損なったぜ」と叱咤されてしまうハドラーさんが見どころ……と言っていいのかな。
 何だかんだ言って、ポップの発言がクリティカルヒットになって、ハドラーに突き刺さり、後の汚名返上につながっていく流れだと思う。

 そして、バランの再登場を期待しつつ、まずはマトリフ師匠の強さを堪能する予定。

★青天

 ええと、今回も仮面ライダー役者情報です。

 薩摩の島津久光さんって、ウィザードの白い魔法使いこと笛木奏だったんですな。気づいていなかった。
 14代将軍のアラン様が登場していた場面は、ネクロム、G3氷川さん、仮面ライダーワイズマンの3人ライダーが集結していたことに。

 さらに、アラン様に仕えている最後の大老役で小山力也さんが出ていて、この人、オーマジオウの声の人ですよ。俳優から声優に転向していたのですが、まだ俳優業もやっていたのですな。

 そして、第一話のシーンの再現を経て、何とか一橋家の家臣になった栄一ですが、眼高手低というか、目的意識ばかり大きくて、生活力の欠如とか世間知らずが露呈。
 自分で米を炊いたことすらないとか、一気に生活じみた話になったな、と。

 そして、次回、公儀隠密的に薩摩の関係するところで情報収集しながら、西郷さんと知り合いになる話。
 ええと、西郷さんの役者は博多華丸さんで、ライダーではエグゼイドの病院長(ブレイブ飛彩さんの父さん)ですな。

 ともあれ、家康さんの復活を見て、北大路さんキターと盛り上がった一話でした。
 たぶん、タッセルさんが復活しても、これほど盛り上がることはないだろうな。

 セイバーで同じぐらい盛り上がるとしたら、先代カリバーのどちらかが復活したら、おおってなるかもしれない。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/18 (Tue) 15:15:45

 定期感想その5です。

●仮面ライダーセイバー(第35話:そして私は、神になる。)

 仮面ライダーWEBにマスターロゴスの策謀の説明がありまして、今話で「あれ?」と思ったところに納得いきました。ちゃんと観れば分かることなのかもしれませんが、未だポイントを押さえて把握できてないんだなと。

 例えば、マスターロゴスがなぜか飛羽真に「エモーショナルドラゴン」を渡したに等しい行為してますが、自分は「なぜ敵に塩を送った? しかもこのタイミングで」と不思議に思いました。仮面ライダーWEBによると、さしものマスターロゴスも破滅の剣士バハト/ファルシオンの力を恐れるものがあり、飛羽真を強化してバハトを制御した、ということらしい。

 マスターロゴスでもバハトを扱いきれてない面がある、と分かるだけでも相当につじつま合わせになりました(できれば映像で見せて欲しいとは思うけど、マスターが弱み、弱気見せる演出は問題あるかも)。その他、11本の聖剣がどれで、19冊のブックがどれで、あのブックはこういう理由で該当しないとか、いろいろ設定してあったようです(争点の理解に役立ちそう)。

 先代カリバー(上條大地)は不完全な条件でも「真理」=「大いなる力」に到達可能であったとのことで、その場合は先代カリバーが最終勝者になっていたはず、なんだそうで。もっとも、不足を己が力で補う無理が祟ってか失敗。それに学んだのか、マスターロゴスは慎重に事を進めてきた模様。

 などと納得してみると、ゴジラSPを愚痴りたくなったりします(^^;。仕組みの設定面がややこしいし、曖昧にしか示してくれないように思うんですが、知りたい人のために別サイトで仮面ライダーWEBくらいの情報提示、解説やってくれたらなあ(もしかしたら、ネタバレに直結してできないのかもしれないけど)。

 それはともかく本編。前話ラストからの続きで、ルナが完全な姿で現れ、なぜかバハトが満足して去ったところから。それでも賢人は己が道を進むわけですね。飛羽真としては不思議でしょうけど(賢人もルナを救いたかったはずと思ってるはず)、賢人の真の目的は飛羽真死亡の回避。飛羽真とは勝利条件が違うわけですね。

 が、玲花サーベラがルナを拉致してしまう。負傷の倫太郎すら追おうとしますが、賢人だけは手出ししようとしない。もっともサーベラの能力で煙と消えるわけですから、追っても無駄ではあるんですが(追えるとしたらデザストくらい?)。ルナはマスターロゴスの手中に落ち、野望まであと一歩みたい。

 マスターロゴスの自信のほどはノーザン剣士らに、賢人情報通りに姿を現すことでも窺えるかな。ルナを連れ、保有する聖剣もブックも持ってきてますね。奪い返したければどうぞ、みたいにひけらかしてる感じです。撒き餌でもあるんでしょうね。マスターロゴスが欲する聖剣、ブックをノーザン剣士が持ってくるわけですから。

(この状況をストリウスがこっそり見てまして、しかし終始、手を出さずでしたな。まだかく乱要因いろいろあるかも。デザストの動きも相変わらず一定しないし。今話では蓮を戦場に、たぶん意図せず、送り出す役割になってますな。)
(そのデザストは蓮とカップラーメン食ってまして、やっぱり「地獄兄弟」のオマージュ演出? いや、自分は地獄兄弟を本編ではまだ観てないんですが。)

 マスターロゴスに先行して戦場「約束の場所」に駆けつけた倫太郎、尾上、大秦寺は神代兄妹のコンビネーション戦術に敗れ、続いて現れた賢人カリバーにはバハト/ファルシオンが迎撃に現れる。そこへ蓮/剣斬も駆けつけますが、カリバーに襲い掛かり、ファルシオンに隙を突かれ、庇った賢人カリバーが斬られると。またか、という気がしないでもないですが、蓮の転機になり得るかもと思えば、まあ納得。

 そこへ飛羽真が現れ、セイバーで対応開始。ファルシオンと一騎打ちになりますが、なぜかマスターロゴスがセイバーに加勢、エモーショナルドラゴンの力/フォームを与えることになるわけですね。この辺りは、上述の通り、後追い理解しました。

 セイバー・エモーショナルがファルシオンに一撃、変身を解除させたところで、マスターロゴスが「あなたの役割はここまでです」とバハトを再封印する。不死の剣士ですから、また出てくる可能性はあるんでしょうね。これで退場だともったいない(^^;。
(バハト出現を機に神代玲花の様子がちょっと変わった点が気になる。バハトに激高するのは分かるとして、ついにマスターにも怒りの感情をあらわにしてました。離反の前兆か?)

 一進一退の攻防のようですが、マスターロゴス的には「全て予定通り」みたいだったらしい。易々と飛羽真から聖剣とブックを奪いまして、ついに全アイテム揃いまして、ゲートを開くべく、空の魔法陣(?)にルナを張り付ける。駆けつけたソフィアが身代わりとなって阻止しようとしますが、マスターロゴスが即座に排除。
(もしかすると、代替として作られたソフィアの意図はルナを救うだけでなく、マスターロゴスの計画を不完全にする狙いもあったのかもしれない。)

 これで目次録→全知全能の書の復活というわけですか。ルナが空に吸い寄せられるのは、飛羽真が子どもの頃に目撃したものと一致するわけですね。15年前もこれが起きそうになったというのが事件の真相だったか。今回はルナから手を差し伸べまして、金色の道を作ってますな。その道を駆け上がって、飛羽真は何とかルナを救出。約束は一人で果たすものじゃなく、約束した同士が力を合わせて果たすものだったか。

 飛羽真はさらに聖剣、ブックを解放。ユーリも復活するわけですな。これでノーザンベース側は全戦力復帰。ただ、賢人はエスパーダの聖剣:雷鳴剣黄雷を選ばず、再びカリバーの闇黒剣月闇を手にしてしまってますね。「もう元には戻れない」という気持ちなんでしょう。ただ迷いが見られる点は希望が持てるかも。賢人の見た未来イメージも崩れる一方みたいだし。

 ノーザン側が勝利条件達成したように見えましたが、マスターロゴスの手に新たなブックが落ちて来まして、どうも不穏。ユーリによれば不完全ながら全知全能の書に近いものらしい。これが次話の仮面ライダーソロモンにつながるのかな。せっかく救ったルナも消え去ってしまう。こういうとき、真っ先に動くのはやっぱり芽依でしたか。実戦力はなくとも、なんとなく精神支柱してますね(^^;。

 次回「開かれる、全知全能の力。」では、仮面ライダーソロモン登場が気になりますが、神代凌牙の「為すべきことを為す」の台詞も気になります。たぶん妹の玲花に語り掛けたんじゃなかろうか。もしそうなら神代兄妹に離反か何かの劇的な動きが出そう。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/21 (Fri) 08:08:55

 ライダー感想です。

★アギト

 司さん回後編と、榊亜紀暴走編の前編。

 どちらも暴走した人間の闇がテーマと言えますな。
 アンノウンよりも怖いのは、人間の中の悪意だという流れになって、ライダー自身もその悪意に巻き込まれるように、互いに激突していく形にドラマが紛糾します。

 クウガは、暴走しないように五代の強靭な精神力でギリギリまで歯止めをかけたヒーロー譚であったのに対し、
 アギトは、暴走した先をの混迷を描いた、人間の中の光と闇を描いた話で、アンノウンも人間の暴走の可能性を抑制するという原理で行動し(可能性だけで間引くのが理不尽に思われるのですが)、必ずしも勧善懲悪のヒーロー譚ではない、と。

 それでも、暴走の危険に直面し、それを何とか制御し、乗り越えようとする者がヒーローであり、人の心の光と闇を鋭く描いた物語となります。

 ともあれ、ここから先は、ライダーバトルに象徴される暴走エピソードのオンパレードになる流れ。
 ギルスを筆頭に、G3も、アギトも暴走していき、アンノウン退治の方がついでで、ライダーバトルがメインになる。

 そろそろG3の強化版G3Xの話題が出て来て、また平成ライダー初の劇場版「プロジェクトG4」の公開が予定される時期に。
 プロジェクトG4では、TV版に先駆けて、アギトの強化形態シャイニングフォームと、ギルスの強化形態エクシードギルスが登場し、一方、G3の強化形態G4は人間を機械と融合することで効率的な戦闘マシンに変えるというシステムそのものが暴走した禁断の兵器。

 そして、G4は天才・小沢澄子が設計したものの、あまりにも危険だからという理由で(それが彼女の良心)、封印していた物が親友の女自衛官に設計図を盗まれ、アンノウン退治の兵器として完成されたものの、案の定、暴走し、氷川さんが涙ながらに暴走を止めるべく相手にトドメを刺すという決着が印象的。

 で、この暴走兵器のG4の設計を、まだ人間に優しいシステムとして、多少は実用的に運用できるようにしたのがG3Xなんですが、それに対して北條さんが対抗馬として出して来るのがV1システム。
 小沢さんへの当て付けのように、小沢さんの恩師をシステム設計者にしたV1システムは、G3Xとのコンペで対抗試合が行われる、というのが、次回以降の流れになります。

 G3Xについては、じっくりTV内で描かれ、その後はエクシードギルスの誕生もじっくり描かれるのですが、
 シャイニングフォームは……TVスペシャルで描かれたために、本編では割とあっさり風味になるか、と。一応、TVスペシャルはパラレルな話で、本編では別にシャイニングの誕生話があるんだけど、繰り返しになるので、さらっと流した程度。他の2ライダーほどのドラマ性には届かず。

 ということで、中盤に来て、各ライダーのパワーアップへの流れに突入するわけですが、
 ドラマの方では、あかつき号の生存者が前面に出て来て、彼らの暴走と葛藤が描かれて、同じ石ノ森ヒーローのイナズマンを想起する超能力アクションドラマになっていく、と。

 とりあえず、アギトVSギルスの戦いに巻き込まれたG3大破が次回に描かれて、そこからのG3X誕生エピソードが中心になっていきます。
 一方で、ギルスは一度死に、翔一は一時的に記憶を取り戻す(アギトがトリニティフォームを発動)ものの、2話ほどでまた記憶を失い、いろいろ謎が解けると期待した視聴者の心をがっかりさせる、と。

 何にせよ、90年代のトレンディードラマ並みのジェットコースター展開で、毎回どうなるかという連続ミステリーな話ですな、アギトって。
 毎回の引きが劇的で、次が気になるという作りですし、改めて見ても面白いな、と思っております。

★セイバー

 凄い勢いでバトルアクションを繰り広げ、その加速ぶりが快感だった回。

 やっぱり、メインライターが長谷川さんになっています。
 で、次回のソロモン登場は毛利さん。
 あれ、本来のメインの福田さんはどうなるのか、と気にしつつ、毛利さんの作風だとコメディー色が強そうだと思うんですが、次回は諧謔ギャグ回なのか。

 マスターロゴスがソロモンに変身する回なんですが、ええとマスターの暴走演技がオーバーギャグ風味に描かれ、神代兄妹にダメだこりゃ、と見限られる流れ?
 一応、エスパーダとファルシオン以外のライダーが完全に復活した状況で、みんなの力を合わせて(実際には各陣営バラバラの思惑で)暴走したソロモンを止めようと戦いを挑んで、次から次へと返り討ちにあって撤退を繰り返すと思うのですが、5月の残りはソロモン無双で、6月に入ると、飛羽真のTV版最終フォームへのパワーアップにつながると思われますが、

 不確定情報が、全ての本の力を使えるてんこ盛りのライブラリーフォームという噂。
 まあ、最近は月刊児童誌もコロナの影響で、隔月刊になっているみたいで、雑誌情報も遅れがち(次は7月頭なので)ですから、情報の性格度合いも下がっている感じ。
 だから、ネットに流れる情報も、話半分ぐらいと思っておく方がいいかな、と考えています。

 何にせよ、6月に入ると、夏映画がどうなるかとか、7月の半ばには秋からの次回作が発表されるなどで、いろいろ盛り上がると思われ。

 今の最大の盛り上がりは、神代兄妹の聖剣がようやく玩具化発表されたことですかね。
 敵キャラの商品はあまり出ないので、これで彼らの味方化フラグの外堀が埋まったと思われます。

 賢人と蓮と、神代兄妹の誰が最初に合流するかな。
 まあ、倫太郎が凌牙を説得できれば、漏れなく妹も付いて来ると踏んでいますが。
 賢人は飛羽真が説得して、蓮は賢人が説得することで味方になるだろうし、6月はそういうドラマになることを想定。

 ファルシオンは……これで終わりだと勿体ないなあ。飛羽真のパワーアップの際に、もう一度、顔見せぐらいして欲しいですけど。

★おまけの戦隊

 デカレンジャーは、地獄の番犬デカマスターが登場して、盛り上がって来ています。
 次は、基地が変形するデカベースロボ登場のパワーアップ回ですな。

 キョウリュウジャーはゴールドが正式加入し、次はキョウリュウグレイか。
 キョウリュウジャーは、毎月、新キャラが登場する作品だったので、週2話ペースだと、隔週で新キャラ出てくることになりますな。
 新キャラ登場と、そのキャラに関する獣電竜の登場でロボの武装が増えるという流れ。

 でも、一番の注目はキョウリュウバイオレットの登場。ナレーションと変身アイテム音声で大活躍の千葉繁さんが顔見せ登場して、博士兼老戦士として登場。
 でも寄る年並みには勝てないので、すぐに孫娘が後を次ぐ。キョウリュウジャー2人めの女戦士の登場です。

 後は、ファイブマンですが、ドラマ部分はあまり面白さを感じないので(オイ)、後半の戦闘シーンだけ見ています。
 いや、ヒーローが、ゲストキャラの子どもが怪人に襲われているのを助けて、その子個人の悩みにも勇気を出して解決とか励まして、怪人相手に子どもの夢を壊すなんて許せないと説教ついでに倒すパターンなので、掘り下げて堪能する面白さは現状、感じない。

 まあ、新武器登場とか、新ロボ登場のイベント回を中心に、じっくり見るとは思いますが、通常回は割と流し見かなあ、と。

 一方、ゴレンジャーはとどめ技が、敵の弱点に変形する形で、ギャグ方向に振り切れ始めて来たなあ、と楽しんでます。メカ戦の頻度も上がったり、マンネリだけど飽きさせない仕掛けが感じ入る次第。
 70年代の作品は、役者の演技も90年代の若者のそれと違って、大人の貫禄があっていい感じ。

 ファイブマンの問題は、ベテランの大人役者が務める司令とか博士役がレギュラーにいないので、味のある演技というのが期待できない点。
 後は、レギュラーの戦隊メンバーが後にOB役者として再登場する機会もなかったので、あのキャラの若い日とかデビュー作という目で見ることもできないし、前後の継続性という意味でも不遇な戦隊かな、と。
 一応、後でテコ入れ的に登場する新敵幹部が、元グリーンフラッシュということぐらいかな、役者の継続具合は。

 アクションBGMとか、ロボ戦BGMは好きなので、やはり後半を見てればいいかな、と個人的に思うのですが、論評で客観的にここがいい、お勧めというのがまだ見えにくい作品です。
 戦隊は子供向けという視点で見れば、教育ドラマとして悪い作品ではないとも思いますが、ここでは大人が見て楽しめるか、という観点で語っていますからね。
 せめてギャグ方面に振り切れていれば、笑えるんだけど、その点では真面目に作っているからなあ。個性が薄く感じられるという現状評価です。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/23 (Sun) 14:29:11

 定期感想その1です。

●ゴジラSP/設定面(第8話:まぼろしのすがた)

※ 今回も長くなってしまいました。相変わらず、読んでも仕方ないものです。
※ ゴジラSPは怪獣要素だけでなく、ハードSF的な仕掛けも期待してたんですが、このところどうも不満、不安で。つい、愚痴交じりになり、しかも延々と言いたくなってしまってます。

 話数を調べると全13話とのことで、次話から数えて残り5話。時間が、宇宙がどうこうを収めるには、今話ですら大風呂敷を、しかも未だじわじわ広げている感じです。これ、このアニメ版では神野銘ルートは描き切れないんじゃなかろうか。たぶん、文章で説明して面白がれるネタなんじゃないかと思いますんで、構成・脚本の円城塔さんはメディアミックス展開して、小説版で設定面を補完、完結させるといいんじゃないかという気がします。

・ベイラ・バーン/BBのアーキタイプ解説

 立方体(ルービックキューブ)の、壁に映る影でアイデアを説明してたわけですが、3次元物体の2次元平面への投影ですね。同様に4次元(以上)の物体の影が3次元空間に影を落とすことはあり得ます(3次元空間内の人間は影の元となる光がどこから来るかは分からない)。

 ただしアーキタイプは触れる実体ですんで、影というのは説明上の便宜でしょう。4次元(以上)のアーキタイプの一部(3次元分)が、この3次元世界を通過途中ということになってるはずです。アーキタイプがさまざまな形態で観測されるが、実体はたった1種類しかない、ということなんでしょう。


 BBは「高次元で角度を変えることができればアーキタイプを制御」と言ってるわけなんですけど、もしかするとそこは科学考証を超えたSF考証の嘘かも。1次元落としてBBの影の説明を使うと、2次元平面を立方体が通過中ということになります。2次元平面内で立方体に力を加えても、平面方向にしか力は働きません。立方体(の2次元の影)が回るだけになるはずです。

 ただし、立方体の重心まで考慮すると、ある程度は3次元方向に動かせるかも。重心が平面外にあるとすると、平面内の力により立方体は傾く動きになり、平面に交わる角度も変わってくるはずです。さらに平面でなく2次元曲面だと、曲面の曲がり具合を生かせば、もっと動かし方がいろいろできそうではある(それがODなのかもしれない)。
(そのアーキタイプに何かを付着させれば、光や物質が宇宙外に出て戻って来るとかできる、時間も自由で過去へ送るのもOK、みたいな設定なのかなあ。)

・神野銘と李桂英の会話

 李桂英は「宇宙のどこかにある指輪を探すみたいな話」で「計算のリソースが足りない」のだが、時間遡行コンピュータがあると認め、計算できてODが作れたと言っているようです。超ひも理論での「宇宙の法則が理論内にあるのは確かだが、候補が多すぎて探せない」とよく似ているようです(もともと高次元前提の理論だし)。やっぱり超ひもを意識してるのかなあ、アーキタイプ。

 ただ時間遡行コンピュータの(葦原博士の)未来予測は一定以上先の未来を計算しても「破局」する、もしかすると特異点(無限大に発散して計算不能)に行き当たったかも、ということらしい。計算結果は「シミュレーションのたびに異なる解」が出るらしい(葦原破局点)。

 李桂英の言う「その計算機は破局を引き起こすので正しくは動かない」は意味が取りづらいんですが、「破局時点以降の未来が無いので、時間遡行コンピュータも破局点以降の計算結果を正しくは返せない」ということかも(だから、計算するたびに解が違う?)。葦原博士は物理法則自体の変化と予測し、李桂英は数学(及び、たぶん論理学)自体が変わると解釈してるらしい。
(物理学は数学で記述されるので、物理法則が揺らぐのを数学に求めるのはアイデアとしては分かるんだけど、近現代数学は具象を排して作り直されたものなので、ちょっと変な考え方ではある。李桂英の言は「別の数学体系を作る」と翻訳しておくべきかも。)

 こんなことを言うのは不遜ですが、脚本の円城塔さんは物理学博士のはずなのに、劇中の2人の会話はなんだか素人考えに近いような。現代物理は「根本は確率論」「不確定性により完全な厳密さはない」です(量子力学)。未来は可能な全ての重ね合わせです。。もし「確定した、ある未来」を計算しても、もう一度やったら他の可能性に行き当たるに決まってます(原因は乱数が入る、つまり「神がサイコロを振る」ため)。

 ある程度先までなら計算して違う解にならない、ってのは誤差が検出限界以下だからじゃなかろうか。その誤差も「あり得た可能性の1つの、現時点では確定した世界からの未来」についてでしかなさそうです。そもそも、コンピュータが未来から計算結果を取って来る時点で、その未来までを確定させてしまっています。もう(量子力学の)確率的な物理法則は壊しちゃってる。

・葦原博士の研究を調べる神野銘

 時間遡行を利用する超計算機が複数ある、という考え方にたどり着いたみたいですが、それって「多世界解釈」なのかも。サポートAIのペロ2が同型機でも判断が異なる(犬好き、猫好き等々)と言っていて、学習過程が異なるから、みたいな話をしてます。それを量子力学の多世界解釈に適用すると、同じペロ2だけど、平行世界のペロ2も学習過程が異なっているため、犬好きではなく猫好きになっている平行ペロ2がいるはずです。

 紙に複数描かれていた超計算機なるものも、同じものだけど平行世界にあるという感じなんじゃないか。もし平行世界の超計算機が通信できると競合は起きるでしょうね。他世界解釈だとちょっと無理矢理ですが(平行世界の自分は存在確率0%とするので通信しようがない)、多世界解釈の元となるエヴェレット解釈だと特に変ではありません。

 エヴェレット解釈だと、この宇宙全体はたった1つしかないとしています。ただし、あらゆる状態の重ね合わせとして存在する(サイコロなら、どの面も1~6の重ね合わせになってる)。しかし人間=観測者は重ね合わせのうちの、たった1つしか認識できないとします。

 ただ、その人間も重ね合わせであるわけで、平行世界の別の自分は別の「たった1つ」を認識してます(これを観測者基準で言い換えると、他世界解釈になる)。それなら複数の状態を認識できる生物がいれば、他世界解釈の「平行世界の自分と通信できる」存在に相当します。超計算機もそういうものなら別におかしくはないし、計算結果が異なるのは破局ではなく当然(超計算機を止めているのは、超計算機を使う=観測している人間ともなりそう)。

・結論

 以上は、いろいろ科学~SF考証もどきで妄想できるうちの一部です。制作は、たった1つのシナリオを用意してるんでしょうけど、現時点で自分には「こんなん、どうとでもできてしまう」ようにしか思えなくなってきました。結論も、それに至る過程も、それらしいものがいかようにも作れてしまうような気がします。

 全13話で第8話まで来て、未だこれではハードSF的な要素は風味づけに留まりそうで期待しないほうがいいみたい。怪獣、自衛隊、ジェットジャガーを楽しむのが吉となりそう。

●ゴジラSP/ドラマ面(第8話:まぼろしのすがた)

 神野銘パートのハードSF風はどうも迷走気味な気がしますが、有川ユンや自衛隊の対怪獣パートはいい感じで高揚感があります。もしかすると神野銘パートの停滞感は、いい溜めになってるのかもしれません。

 冒頭は自衛隊パート。海のゴジラアクアティリスが上陸して変化した陸のゴジラアンフィビアに、いよいよ自衛隊が対処開始ですね。ニュースで「ゴジラ駆除作戦」と報じており、作戦計画をきちんと立てての戦闘のようですな。濃い紅塵の中、まず戦車砲の攻撃ですが、ゴジラアンフィビアは構わず、マイナス20度のガス状物質を放出。

 そこまでの描写で、(熱力学的な)時間の逆転(エントロピーの減少)が見られたような気がしましたが。もしかしたらゴジラアンフィビア/アクアティリスって時間が逆転した生物なのかと。が、その直後、おそらく高温のブレス吐きまして、おそらく周囲の紅塵を誘爆させて炭化してますんで(エントロピー増大で間違いない)、部分的に時間反転的に見えたのは、設定的な意味はない映像的な演出なんでしょう。

 これを目撃していた現場指揮官は呆然とするものを見たようですね。本部からと思しき無線連絡に返答もできずに突っ立ってたりしてますな。ゴジラアンフィビアの行動の目的は反撃のようでもありますし、この後、表面が炭化し、内部がどろどろと判明しての判断「変態に備えるサナギ」になるためだったのかもしれません。

 いずれにしろ謎だらけ。街灯の支柱が奇妙で、しかし揃った曲がり方するとか、特に原因不明な感じです。それでも、とりあえずゴジラアンフィビアが死亡か、少なくとも行動停止になったのは幸いというべきでしょう。次話くらいで、自衛隊が一気に叩きに行くかな? 世界各地でラドン、マンダが活発化しているようですから、各国の軍が積極的、同時に動かないと対処が難しそうです。日本も自衛隊が動くよう、要請されてもおかしくなさそうです。

 この一連のシーンは「シン・ゴジラ」でゴジラが米軍機の爆撃を受けて、東京を広範囲に焼き尽くしたシーンを思い出すものがあります。冷気を下向きに吐くところもポイントかも。冒頭からこんなシーン入れてくれて、テンション上がりました。

 神野銘パートは、上述の設定感想通りで、相変わらずよく分からない。李桂英から葦原博士の研究の解明を託されて、調査を開始。葦原博士の仮説通り、大規模なカタストロフが起こると判断したみたい。途中結果を、マンダが打ち上げられた浜辺まで行っていた有川ユンにSNSで伝えてますが、リアルタイム視聴は速すぎて読めないorz。

 ネット画像で読んでみますと、「(コンピュータで)ソフトウェアがハードウェアを書き換える」ような奇妙な現象という記述が気になります。物理法則って現象を観測し、数学で記述できる部分を数式化したものですど、法則の数式書き換えて現象を変えに行く、みたいなおかしなことなんでしょう。地図を描き変えたら実際の地形が変わった、みたいな。その結果「宇宙同士の競合が起こって世界が壊れる」らしい。よう分からん話ですが、そのうち謎が解けるんだろう。

 その他の葦原博士関係の動きとしては、ウパラ研究所のベイラ・バーン/BBが拘束されてますね。前話のサルンガへのOD行使は、何らかの約束違反があったらしい。紅塵へのODの作用が、シヴァ共同事業体のティルダ・ミラーにとっては想定外だったか。シヴァ(たぶんゴジラ)に副作用が出る心配したようですが、なんでそこが心配なのかよく分かりません。「葦原実験の再開」と言ってる点も何のことか不明。ミサキオクの佐藤隼也は葦原博士宛郵便から追ってるようですが、住居をたびたびかえての転送サービスも、今は止まってしまって足取りが掴めない模様。

 そんなこんなですが、有川ユンパートは自分的にメインです。いよいよ、アンギラスの槍を持ったジェットジャガーの出動ですから。AIのユングはジェットジャガーの体が馴染んだ(学習した)だけでなく、身体を持つことで何らかの変化があるみたい(人間に近づいた? 制作がゴジラ対メガロのジェットジャガーに寄せつつあるのかも)。雲を愛でたり、子供と遊んだり、遊びの意味を理解したり。

 有川ユンらは浜辺に打ち上げられたマンダを調べると、食い破られた跡があるわけですね。他にも不審な点があり、近くの倉庫(?)は糸のようなものが固まった角だらけになってる。オオタキファクトリー所長の大滝吾郎は、その倉庫会社からの要請もあって、駆けつけたみたいですね。先週の準備は依頼を受けての突貫工事だったのかも。この2つが実は結びついているわけでしたか。蜘蛛型怪獣のクモンガですね。

 クモンガが1体、初めて出現するシーンは自分的に好みです。ジェットジャガーが異変を察知すると、陸に上げて並べられたヨットがガタガタ揺れ出す。船体の陰から出てくるか、と思ったら「上だ!」の声。マストのてっぺんにクモンガ出現と。カメラワークも上手いですが、見ているこちらの目を巧みに誘導してクモンガ出現を劇的にしてる感じがします。

 クモンガはジェットジャガーが槍で一刀両断、しかし真っ二つになった片割れはまだ動く(ここはクモンガの正体についての伏線? はっきりするのは来週か?)。無謀にも大型パイプレンチで止めを刺しに行く大滝吾郎、クモンガに逆襲されるもジェットジャガーが槍を突き立てて、ようやく始末した。かに見えたんですが、終わってなかったわけですね。

 まず、クモンガ1体じゃなかった。さらに6体現れまして(これは倉庫内状況への伏線だったか?)、ジェットジャガーの同時対処能力(4体)を超えている。ジェットジャガーはおそらくまず時間稼ぎに重点を移し、周囲の人間の避難させる。そうしておいて4体倒し、とり逃した2体が人間を追うのを追って、倒しきる。有川ユンが食いつかれるギリギリのタイミングでしたな(と思って、「人間を積極的に襲う怪獣は初めて?」と気が付いた)。

 と思った大間違いで斬っても刺してもクモンガは死なないみたいですね。斬られて体から飛び出た体液のようなものが、実体の可能性がありそうです。なにせヘドラの姿してましたから。蜘蛛の巣に覆われた倉庫に向かう有川ユンらの背後から迫り、倉庫内を調べていたジェットジャガーは20体以上のクモンガを確認する。

 この港での戦いは今話で最も気に入りました。絵的には冒頭の、自衛隊 vs ゴジラアンフィビアが迫力ありましたが、対クモンガ戦はテンションの上げ下げが実にいい。不安をかき立ててクモンガ出現、倒してほっとしたところへ新手でテンションの上下幅大きく、それも対処し切ったと思ったら、倒せてないし、さっきを上回る敵勢出現。

 ジェットコースターのような展開です。でも、ジェットコースターがこれから大下り、というところで「続く」だからなあ。一番続きが見たいポイントで切りやがりまして、どこで週をまたぐかも計算尽くというわけか。怪獣パートは本当に巧いと思います。

●ビルドファイターズ(第15話:戦士(ファイター)のかがやき)

 ラルさんからガンプラマフィアの存在がセイらに告げられたり、マシタ会長がレイジの腕輪を見て「アリアン第1皇子」と気が付いて慌てたりと、物語の背景だった情報が徐々に浮かび上がり始めた感がありますね。前半ではプラフスキー粒子の重要性にちらっと言及があった程度だったのを、掘り下げ始めたように思えます。

 やはり2クール目に入って物語のターニングポイント通過、と思ったんですが、ガンプラファイターの関係についても、いかなるものかも示されてきたように思えます。1クール目だと「趣味が合う者同士は友達」という印象だったんですが、2クール目初話の第14話では「最高峰を争う敵同士」という関係性が再確認され、倒した押される関係が強調された感じです。

 ですが、単に敵ではないと示した感じなのが今話。セイ&レイジの対戦相手はイタリア代表のリカルド・フェリーニ。キララ(ミホシ)と酒飲んだりする大人キャラクターなのもポイントだったかも。

 そのリカルドは全勝で来ているため予選通過はもう確定している。キララの予想ではポイントがギリギリのセイらに勝ちを譲り、本選で本気の決着を望むはず。リカルドも否定しない。が、いざバトルとなるとリカルドは本気で倒しに行くわけですね。

 要は、ファイターとしての矜持を見せることが対戦者に対する礼儀、ということなんでしょう。結果は引き分けですが、それも全力を尽くした結果で、双方の納得が窺える気がしました。もしリカルドが手を抜いたら、おそらくレイジには見抜かれ、たとえ本選に出場できてもモヤモヤした可能性が高そうです。

 それで思い出したのが、茶道と武道の礼儀です。茶道は主人が客が喜ぶようにもてなし、客は主人が喜ぶようにもてなしを受ける。付き合いを深めるには「順」の方向性ですね。 武道だとたとい修練のために安全を期す場合でも、心得としては「死ぬか生きるか」。

 武で相対する以上、自分が生きるなら相手は死ぬ。そこに礼儀なんてなさそうですが、あるとするのが武道なんだそうで。茶道が「順」なら武道は正反対方向の「逆」の作法。己が倒されても、相手が倒されても、双方が納得する戦いをするのが武道の礼儀らしい。簡潔に言えば、「本望だ」と感じて倒されるのが武道の作法。

 ビルドファイターズですと、1クール目が茶道の礼儀で同じ趣味、好みを通じて親しくなり、2クール目からは勝っても負けても納得する武道の礼儀で相手への尊敬を培う感じのように思えました。もしそうならですが、ラストまでに親しみと敬意が両立する関係性が生まれるはずで、本編終了後の特別編でのキャラクターの動きに納得性が出そうです。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/23 (Sun) 23:41:25

★青天

 こんばんは、徳川家康です……が最初に帰って来て、何より。
 栄一は篤太夫にハンドルを変えましたが、ここでの呼び方は栄一のままで続けよう、と。
 篤太夫は、一橋家に仕えている間だけの名前ですからね。

 で、旧名・栄一が家康さんところのファミリー傘下に入って、薩摩砲術研究家のところに隠密活動していたら、西郷さんと出会って気に入られたとか、豚肉を召し上がったとか、割とほのぼのしているけど、裏では暗殺者が動いているという、冷や冷やした回。

 西郷さんは明治時代に入っても、栄一との関わりがありますね。どこかの班改め県の財政制度について、新しく政府で統一したルールで決めようとしたら、西郷さんが乗り込んで来て、
「その藩には昔からのやり方があって、それで上手く行っていたのだから、特別扱いで変えないでやってくれ」と頭を下げられて、
 栄一は「西郷さん、そこの班のやり方についてご存知ですか?」と尋ね返すと、
 西郷曰く、「いや、おいはそこの藩の人に頼まれて来ただけです。金回りの詳しいことまでは知り申さん」と正直に打ち明けたので、
 栄一は西郷に分かるように懇切丁寧に、その藩のやり方と、政府の方針の両方を説明して、西郷さんは「分かり申した。おいは勉強不足なのに、よく分からんまま頼まれて、ここに来たのでごわすが、そのおいに嫌な顔一つせず、事の道理を説明してくれて、いろいろ腑に落ち申した。頼まれごとは断られたけれども、ここに来て良かったと思う」

 こんな感じの西郷とのエピソードが、大蔵省の役人時代の栄一にあって、西郷の正直ぶりを高く評価しているわけですな。
 一方、大久保利通に対しては、敵視している感じで、今回は後々の伏線になる話ですな。

 で、次回、恩人暗殺というタイトルで、平岡さんが殺されてしまうのか。
 しかも、下手人がキョウリュウゴールドのウッチーこと空蝉丸。
 平岡さんを守ろうと仮面ライダーシグルドが応戦し、空蝉丸を倒すものの、これで夏に劇場版公開される「ライダーVS戦隊」の激しいバトルの幕開けになるとは、誰も知らなかった。

 いや、役者ネタでつないでみただけですが、そう言えば、ライダーばかり注目していたけど、戦隊役者は意識していませんでしたな。
 タイミング的に、キョウリュウゴールドが最近仲間になったという話をしていたら、こういう役を与えられるとは。

 暗殺劇がどういうアクションシーンで描かれるかは不明ですが、気分としては戦隊側の刺客と用心棒ライダーの死闘という目で、来週の放送を見たいと思います。

★ゴジラSP

 科学考察は過程をすっ飛ばして、結論を見れば、結局、多元宇宙になるのかな、と思いつつ、
 アーキタイプはいろいろな怪獣の姿に実験的に進化変形する物質で、本作はアーキタイプが別の次元から舞い込んで増殖中で、このままだと、この世界が別の次元の怪獣惑星になってしまう危険が……って感じですかね。

 あと、シヴァはゴジラではなく、地下に封じられているサルンガ(シャランガ)の異名みたいですね。
 まあ、同じアーキタイプ製だから、こいつもゴジラみたいになる可能性はありますが。

 で、東京湾のゴジラと名付けられたバラノポーダ・バラン似の巨大生物は、シンゴジみたいな全周囲レーザー火炎で攻撃してきた自衛官たちを巻き込んで自爆。
 一応、沈黙はしましたが、炭化した体はサナギのようになって、中からまた何かが出てくる可能性を秘めていますね。

 一方の切り札たるジェットジャガーさんは、VSクモンガ集団戦を頑張ってみたものの、増殖しているクモンガの体液が不定形のヘドラみたいな姿になって、続く、と。
 まさに怪獣総進撃な映像で、ワクワクしてきます。いや、もちろんハラハラもしてるんですけど。
 来週は、どんな思いがけない怪獣が出るかなあ、とか、ジェットジャガーがどんな活躍を見せるかなあ、とか、そういうワクワク。

 来週は、どんな科学的理論が出るかなあ、というワクワク感は残念ながらありませんな。
 どうも結論の見えない試行錯誤を楽しめる忍耐は、ぼくにはないようです。


★ビルドファイター

 これから武道の礼という話で、それをストレートに体現したキャラが、ニルス・ニールセンですね。彼との決着も傑作です。というか、全てのライバルとの戦いが傑作なんですな。

 今回のフェリーニ戦は、両者相討ちという決着でしたが、この燃える戦いが「プラモの玩具対決だから、つまり遊びだから本気でぶつかり合えた」というのがあります。

 これがガンダム本編だと、パイロットの命が奪われる激戦で、バトル後にスカッとするドラマにはなかなかならないのですが、
 ゲームだから命の奪い合いにはならない。
 でも、互いのプラモに賭ける情熱は本物で、好敵手との真剣勝負は手を抜かない誇りを賭けたもの。

 遊びだからこそ、本気になれるという本作のテーマを一番熱く訴えた回じゃないかなあ。

 で、最後にモデラー同士、互いの壊れた機体を一緒に修理するのも、戦い終わって仲良くって空気感がいいですし、
 レイジがガンプラバトルだけでなく、ガンプラ作りにも興味を持つ最後もいい。これは次回に続く流れだと思います。レイジのガンプラ作り挑戦回。

 それから、セイの父親がガンプラマフィアと陰で戦っているという、実はこの世界、ガンプラという遊び、趣味こそが世界を陰で動かしていたという虚実の入り混じった描写がホビー物として面白いです。
 異世界アリアンもそうですが、架空世界と現実の境界線が複合的に描かれていて、図にすると、こんな感じ。

 アリアンーセイたちの日常ーバトルフィールド
         l l
      非日常的なガンプラマフィア

 ガンプラバトルフィールドの技術は、アリアンの魔法の石から採取されるプラフスキー粒子に基づくもので、マシタ会長はアリアンのこそ泥が王家の宝を盗んで、そこから超技術を生成して大儲けしたという設定。
 会長は王家に負い目があるので、レイジが自分を追ってきたと誤解したり、直接、顔を合わせて正体バレしないかと心配しているわけですが、レイジはそんな会長の思惑を知らず、ただ燃えるバトルをしたいだけ。

 見方を変えると、マシタ会長って、人類に火を与えた神プロメテウスみたいなもので、ガンプラバトルが誕生したのも、彼のおかげなんですが、技術的・商売的な才覚とは別に、どうにも小物描写がキツい。
 で、この神秘的なプラフスキー粒子について、研究したいのがニルスで、彼にとってはガンプラバトルがただの遊びで、プラフスキー粒子の研究こそが本意。自分の研究が成功するなら、バトルの勝ち負けはどっちでもいい、という考えで、本気で遊んでいないキャラだったのですが、周囲に感化されて、変わるのもドラマですね。

 で、最後、アリアンの魔石が消滅して、二度とガンプラバトルができなくなるのですが、ニルスの研究が実を結んで、プラフスキー粒子の合成が可能になったという結末に通じるドラマが、どんどん加速する流れを改めてワクワクしつつ。

 本気の遊び(ダンスや歌、芸術、闘技など広い意味の遊び)は、神に捧げる原初の儀式であり、それこそが文化の源泉であり、人間らしさの本義……というのが、ゴジラSPでもチラリと用語が出てきた『ホモ・ルーデンス』という研究書の骨子なんですが、
 機械の合理主義では無意味に思えることが、人間性に通じるという含蓄ある言葉です。

 戦争で本気のバトルをすると、失われるものが大きいが、遊びだという言葉では大の大人が本気になれない。
 けれど、そこに「遊びだからこそ本気になれる」というドラマで、ものづくりと破壊、そして再生に通じるドラマを描いたのが本作で、
 ちょっとした精神的革命にもなったわけですな。

 リアルが高尚で、遊びは低俗というガンダムファンのイメージを、遊びだからこそ、リアル以上の世界を描けるという価値観の切り替わり。
 大袈裟に言うと、こんなところかな、と。

 大人でも本気で遊んで、熱くなっていいんだ、とか。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/24 (Mon) 14:36:56

 定期感想その2です。

 青天は家康公解説が定常運転に戻って、自分も安心しました。最初は解説が参考になると思い、次第に「こんばんは、徳川家康です」の気さくさが好きになったんですが、さらに印象が深まってきました。

 北大路欣也さん演じる家康公が、青天世界を見守っている感じがするんです。今週分だと、例えば慶喜を思いやる風が見えた気がしました。「よしよし、みんな頑張ってるな」→「そう思うでしょう、観客の皆さん」と言いたげと申しましょうか。

 幕末の動乱時期ですから、悲惨な運命をたどるキャラクターも出るわけですが、家康公が応援し、認めてもいそうだと思うと、なんだか安心します。自分的には「作品世界の(慈愛の)神」みたいな感じになりつつあります、家康公。

●DYNAZENON(第8話:揺れ動く気持ちって、なに?)

 先週のダイナゼノン側再結束を受けての、夢芽の姉:香乃の死の謎に迫るのかと思いきや、暦と稲本の中学時代の内緒の件を明かしたり(暦が酔って「金はある」と呟いたのはそれだったか)。そこも気になりますが、蓬には何か、蓬自身も知らない、気が付いてない秘密がありそうと示され、なかなか重そう。

 もっとも、1クール物だとすると、残り4話。香乃の死も解明して(たぶん夢芽の心の整理もして)、暦の過去も何とかして、グリッドマン同盟の立ち位置・目的等も明らかにして、さらに蓬の謎から解決まで描くのは尺が足りなさそう。いくつかは単なるキャラクター印象演出としてしまうのかな。もしかすると「全ては1つにつながっていた!」みたいな離れ業が見られるかもしれませんが。

 怪獣優生思想側もシズムの動きはちょっと独自なものを感じます。蓬らの高校に(身分偽装しての)転入は好奇心かと思ったんですが、今話の動きからすると、全てを監視しているように見えます。

 もっとも謎めき出したのはシズムだけでして、特にオニジャとムジナはコミカルコンビになっちゃったかな(^^;。ジュウガに「そんなに仲よかったっけ?」と突っ込まれ、ハモって「違う」と答えるとこ、ラウンドワンもどきのグラウンドワンで一緒に遊ぶ様子、映画への反応等々、オニジャ&ムジナが息が合いすぎるほどになっちゃってますな。もう笑うしかないほどです(^^;。

 しかし(このまますぐ、あるいは順調に)恋愛関係に発展しそうな感じではない。そうではあるけど、全く不自然ではない接近でもある。今話を観ている間は違和感を感じなかったんですが、視聴後、考えてみると違和感が生じてきました。なんで急にこうなって、自然な流れに思えちゃうんだろうと。

 まだ暫定的な考えですが、自分的なポイントはムジナであるようです。怪獣優生思想メンバーは、おおむね高校生くらいに見えました。その中で、クール系に見えたムジナは大学生くらいの印象。高校生グループに、一人混じった大学生のムジナなんで、ちょっと距離感あるんだろうとか思ってました。

 が、ムジナは何していいか、何したいか分からないから、みんなの言う通りにしてたと判明。印象は一気に高校生グループに混じった小学生に。それが暦と絡み、オニジャとぶつかりで発奮。中学生くらいのイメージになりました。ムジナがそう見えてくると、オニジャのイメージもはっきりし始めまして、やはり中学生くらい。思春期前期で現実の自分を超えた自己イメージが膨らみ放題の時期ですね(それが思春期後期:高校時代で自己同一性を獲得する)。

 オニジャはイメージがハッキリし出しただけで揺らいではいませんから、ずっと中学生メンタルということになります。まだ小学生メンタルだったムジナに対して準保護者の兄ちゃん的な存在感、立ち位置でしょう。しかしムジナが急成長して、オニジャと対等になったと。年の離れた兄妹から双子の兄妹になった感じかな。ムジナの成長物語としては納得できるし、兄妹的なので息が合いすぎるほどでも恋愛へ変わるような気もしない。自分的にはそういう感じなのかなと思ってます。

 ともかく本編。といっても、怪獣バトル的には「敵からも相手にされない野良怪獣でも、放置したら結構危険で、ダイナゼノンが倒した」くらいでしょうか。敵味方のストーリー通した攻防があったわけじゃない。しかし、その過程で起こった蓬の異変が自分的には最大の注目ポイントです。その他、怪獣の意味付けについても考えたくなるところが出て来てます。

 冒頭、怪獣(の素)が現れまして、まだちっこい。怪獣優生思想のシズムは「ハズレ」だとして相手にしようとしない。公式サイトでも怪獣のページで紹介されてない、モブ怪獣であるようです。怪獣の能力はやたら色を塗りまくるくらいですね。仮面ライダーゴーストの画材眼魔(キュビちゃん)を思い出さなくもない。

 最初の被害者はガウマでして顔に色を塗られる。汚れたら拭けばいいじゃないか、と思ったんですが、どうやら色は怪獣を倒さないと消えないらしい。ガウマはメンバーに招集をかけ、怪獣を捕まえて倒そうとする。

 招集かかる前、夢芽は蓬と香乃について調べを進めてますが進展なしみたい。何か知ってそうな「双葉先輩」を探そうにも退職してるし、個人情報は教えてもらえないし。暦は中学時代に稲本と大金の入ったカバンを見つけたことを思い出してますね。前の回想ではカバンまででしたが、やっぱりヤバいものだったか(その金をどうしたかは不明)。

 そういう動きからすると、しばらく怪獣出現がなかった感じですね。つまり、ちょっと緩んでる。そういうメンバーが集まったもんですから、怪獣の処遇にも影響する。サイズ小さいですしね(造形的には夢芽曰く「あー、無理だ」だそうですが ^^;)。ガウマが地ならしのトンボ振り上げるも、他のメンバーが反対し、さらに茶化す。といっても、ガウマは怪獣を「掴む」力が衰え、怪獣を制御できない。なんとなく様子見になるわけですね。

 ただ、メンバーが冗談で真似てみた「インスタンスドミネーション!」は不発ながら、蓬のときだけは蓬自身に何か起こったらしい。怪獣の奥に何か見えた感じですね。そのイメージは終盤でももう一度、蓬が見てしまうと。が、この時点では「あれ?」と思う程度だったみたい。

 一方、怪獣優生思想。シズムは「ハズレ」の怪獣をメンバーに報告すらしてないみたい。むしろ、怪獣出現を待つしかないから(暇を持て余すんで)遊びに行こうと言い出してる。この辺りの動きからも、しばらく怪獣出現がないことが窺える気がします。今週はシズム以外は単に遊んでただけですね。シズムはハズレ怪獣に対して、ダイナゼノン側含めて観察はしてたみたいです。

 で、怪獣優生思想メンバーが遊ぶ遊ぶ(^^;。特にオニジャとムジナがはしゃいでますな。それに以心伝心レベルでシンクロしてるし、2人して遊んでる時が最も楽しそうだし。その様子に対する解釈は上述の通りです(中学生メンタルの仲良し兄妹)。

 その頃、ダイナゼノン側では、自分的に安心材料きました。ハズレ怪獣への対処を巡り、グリッドナイト同盟の2人が相談に乗ってくれてる。ナイトと2代目、去ったわけじゃなかったんだ。よかった。2代目は怪獣娘から相当に成長があるようで、怪獣の発生数激増の原因まで推測できるみたい。成長が見えまして、観ていてホッとします。

 ナイトはやっぱりアンチ君の性格が見える感じですな。蓬に一緒に怪獣捜索をするよう求めるも、具体的な方法は「見つかるまで捜す」。これはこれで、自分的にはホッとします。「やっぱりアンチ君だなあ」と思うと、ブレなさに安心するし、可愛げすら感じます。

 ともかく、ハズレ怪獣はガウマが預かる。が、案の定(^^;)逃がすわけですね。怪獣ながら、ちっちゃいと見て管理が甘かった。ダイナゼノンを授けてくれた「姫」が生き物に優しかったのを真似たせいでもありそうですし、「姫」の教え「約束と愛と[不明]」も影響してるのかも。

 ダイナゼノンチーム&グリッドナイト同盟全員での捜索となりますが、怪獣が巨大化しまして、捜すまでもなくなってしまう。むしろ危機発生。怪獣使いが掴まなくても巨大怪獣になっちゃうと分かったのは、自分としては収穫かも。

 怪獣優生思想が怪獣を探し出して「掴む」目的が違って見えてきますから。オニジャが以前、「怪獣の力は人間全員を殺すためにある」と言っていて、人類絶滅を匂わせたように思いました。が、今話ではその人間の施設で思いっきり楽しんでる。怪獣は勝手に巨大化して暴れ出す。となると「なぜ怪獣使いは怪獣を掴むのか?」という疑問になってきます。かつシズムが今回、ハズレとして放置した怪獣はどういうものか、シズムの目的は何か、も気になってきます。

 それはそれとして(^^;、巨大化したハズレ怪獣にガウマと暦が苦戦。駆けつけた蓬とナイトが協力して立ち向かう。蓬のダイナソルジャーはグリッドナイトの武装になることがハッキリ描写されましたな。ダイナゼノン各機もおそらく同様の機能があるんでしょうね。だんだんグリッドマン/GRIDMANと設定がシンクロして来た(し、玩具メーカーも喜ぶはず ^^;)。

 ダイナソルジャーをダイナミックキャノンに変形させ、グリッドナイトが構えるも、蓬が(再び)迷うわけですね。「人間と同じ感情を持った怪獣もいる」んじゃないかと。おそらく無駄とは思いつつも、蓬は再びの「インスタンスドミネーション」を試し、またもや何かを見てショックを受けてしまいもする(怪獣の目が自分を見た、ということらしい)。

 GRIDMANではアンチ君も怪獣娘アノシラス2代目も心を持つ怪獣でしたが、蓬はまだ知らないでしょうな。しかしハズレ怪獣が向かう商業ビルにいる夢芽がいると分かり、蓬は意を決したようですね。夢芽はダイナウイングを落としてしまい、戦闘も離脱も不能な状態にある。蓬が助けるしかない。

 砲撃は正確に決まり、商業ビルは無事で怪獣だけ倒すことに成功。ガウマはナイトにボディブロー1発貰うも、これでチャラということらしい。めでたしめでだしですが、ちせの拾った小石はすくすく(?)と怪獣っぽい骨格に成長しつつあるのは不安点かな。なぜ、ちせはそのことをメンバーに話さないんだろう? が、夢芽がそれとなく蓬を食事に誘ってたもんですから、自分はホッとしてしまいまして(^^;。

 ちょっと前に、NOVAさんが「なぜだか、GRIDMANの六花とDYNAZENONの夢芽が似ている気がした」→「いや、そう考えるのはおかしいか」といったことを仰ってたと思います。拝読した時点では、自分は「どうなんだろう?」と思ったんですが、このところ「いや、イメージ重なる点はあるかも」と思い始めてます。

 例えばですけど、立ち位置。GRIDMANですと、グリッドマン出現&変身者は響裕太と分かった内海将はグリッドマン同盟だ、怪獣退治だと大いに乗り気で興奮気味ですらありました(終盤、悔いるわけですが)。それに対して六花は割と距離を置きがち。記憶を失いながらも、実は六花に好意がある裕太は内海と六花の関係性に対しては消極的。

 夢芽はダイナウイング搭乗者ながら、日常用に移動手段に使うことも多く、対怪獣に積極的とはいえない。怪獣と怪獣優生思想と戦いたがり、テンション高いガウマと距離を置きがちに見えます。蓬は夢芽に好意が芽生えたのは確かながら、ガウマと夢芽の関係性に対しては介入しない。

 どうも、(六花、内海、裕太)と(夢芽、ガウマ、蓬)のそれぞれ3人セットで考えると、夢芽が六花を思わせるものがあるような気がします。その辺り、夢芽の姉:香乃の件の調査が進展したら、夢芽が六花とさらに重なるのか、それとも異なるイメージが強くなるのか、はっきりしそうな気がします。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/24 (Mon) 19:42:39

 定期感想その3です。

●ダイの大冒険(第33話:ザボエラの奇策)

 今週は偽マァムが現れたわけですが、一目見たポップ同様、自分も思わず喜んでしまいました。武闘家マァム、早く復帰しないかなあと毎週思ってたわけですんで。で、マァムを見て疑わず、「やっと復帰だ!」とぬか喜びした次第。

 かつ、いったん感情が鎮まると疑わしい点が見えた気がしてきました。もうポップと同じようになっちゃってました(^^;。冷静になってくると、いろいろおかしい点があると気が付いてきます。

 まず表情。アニメですから作画次第の面があるとはいえ、久しぶりに、しかもばったり出会った割には(ポップは1人で周辺監視に出て来ていた)、マァムは驚かず、嬉しさもそれほど見せない。営業用の笑顔を見せている感じです。

 マァムが武闘家修行を途中で終えたと言ったのは、自分としてはそれほど疑わず。といっても、本当はやり遂げたけど謙遜、ないしは照れ隠しで言ったかもと思ったんです。しかし、ちょっと顔を赤らめてポップに近づいたところで「あれ、偽者?」と疑いました(そこから頭が冷えて、上述の営業用笑顔も気になった)。

 敵味方を等しく愛そうとするマァムですから(だからヒュンケルも打たれた)、大魔王バーンの危機がさらに高まる状況で、個人的な恋愛感情を優先させそうにはない。マァムもヒーローです。恋愛に気持ちが動くとしたら、世界を平和にした後でしょう。仮に恋愛感情が生じても、ぐっとこらえるはず。
(と書いていて、NOVAさんの掲示板を騒がす輩の妄言を思い出しました ^^;。)

 それはともかく、ポップはうっかりマァムの接近を許し、毒を受けるわけですが、自分としては「しまった、敵だ」という緊張より、「ありゃ、マァムじゃないのか」という落胆が大きかったです(^^;。どうやら、相当にマァム復帰に期待するものが自分にある、と発見した次第。

 ともかく本編。冒頭は大魔王バーンに叱責食らったハドラーの退出から。相当に追い込まれてますが、軍団の残存兵力で正面から戦う覚悟が残っているらしい。が、ザボエラがささやくわけですな。謀略を使え、勝てば、もとい生き残れば官軍だと。

 その頃、ダイらはメルル宅でダメージを癒してますね。普通の家で守りは薄い。が、バーン麾下の最大戦力バランを退けた以上、それくらいの余裕はあるという判断なんでしょう。ポップだけは元気そうで、自分は大丈夫だから見張りに出ると言い出す。元気な証拠として、花びらをギラで撃ち抜くという、コントロール的には離れ業を見せたりもする。

 ヒュンケルの判断では、竜騎士の血がポップを強化したかもしれないとのこと。それならとダイが自分の血でみんなを強くできないかと言い出すと、クロコダインはバランの言を引いて、人間の血のほうが濃いから無理だろうと笑う。ヒュンケルは自分たちはポップ含め、簡単に死にはしないと言う。

 たぶん、ダイ以外の言は全て嘘でしょうな。まずポップからして嘘で、これはすぐ後に明らかになりますね。家の外に出て1人になると、非常に苦しそう。もっとも、ポップの演技は下手でして、あまりにも元気そうにしすぎでした。屋内での会話時に既に「こりゃ嘘、ハッタリだな」と感じました。

 そこはヒュンケルやクロコダインも気が付くと思うんです。しかし、今はダイを休ませ、回復を急がないといけない。それでポップの演技に乗って、一芝居打ったんじゃないかと。大ダメージ残るポップが見張りに行くなんて言い出したら、ダイがじっと休んでいられるわけなさそうですから(そして今話終盤で証明された)。

 竜の血が力を与える話は、もしかするとダイ世界では本当かもしれませんが、たぶん竜騎士では起こらないことを、ヒュンケルもクロコダインも知っている。傍証は確かにあって、竜騎士の血で力を得られるなら、バランは竜騎衆を強化したでしょうし、魔軍司令ハドラー、さらには大魔王バーンが血を配下に与えろと言い出すはずです。

 無論、ヒュンケルもクロコダインも竜騎士の血で強化されるはず。しかし、そんなことはなかった。それなら竜騎士の血で強化されというドーピングはないはず。そうと分かっていても、嘘も方便、最重要のダイの回復のためならそれくらいのことは言う、ということなんでしょう。
(竜/ドラゴンも軍団にいるので同じことが言えるかもしれませんが、伝説になるくらいだから知性ある伝説の竜族である必要がありそう。)

 それはともかく、見張りに出たポップがダメージを隠さなくなると、実はメルルがつけて来て、「やっぱり」になるわけですね。強い好意ゆえに、よく見てたんだろう。が、止めはしないわけですね。止めても止まらないことも、今までのポップの行動から、、よく分かっている。

 そこへマァムが突然現れまして、いわゆる修羅場ですな。ただしメルル1人が悶々とするわけですが(^^;。マァムに対する疑義は上述しましたが、メルルはすぐに「おかしい」と気が付いた模様。しかし、ポップに対する好意が仇となったか。メルルは嫉妬のせいだと思い込み、その場を去ってしまう。自分(メルル)の憎悪ではなく、マァム禍々しさを感じたら、嫉妬ではないと気がつけそうなもんですが、自分(メルル)への厳しさが災いしたか。

 もうちょっとその場で見ていれば、ポップがマァムに毒でやられるところを目撃できたはずです。そこも惜しい。が、既に偽マァム=ザボエラが眠りの霧(魔香気)を放ってますから、家へ駆け戻って知らせることはできなかったかもしれません。早めに去っても、倒れてしまってるわけだし、その先のメルル宅ではヒュンケル、クロコダインですら眠りに落ちてるし。

 しかしポップはかなり毒や眠りの霧に耐性があるらしい。竜騎士の血は実はそこには効果があるのか、それとも修行と実戦で魔力が上がったお陰なのか。しかし、さすがに体が動かず、ピンチですね。が、動けないピンチだからこそチャンスでもあったわけで。まず、動けないから口で言い返すしかない。

 以前なら残虐でも魔王たる威厳があったが、姑息な手段で勝ちに行くとは堕ちたものだ、という非難ですね。これが楔として、ハドラーによく効いたようですね。不当な侮辱に対する怒りではなく、痛いところを正論で突かれて必死になった感じですから。黙れと喚くハドラーにポップ追撃で、「男の戦いには勝ち負けより大事なものがある」と。これが楔をさらに深く打ち込んだ模様。

 現代では、こういう台詞は使わないんでしょうね。しかし主に90年代の連載作品ですから、当時はそういう言い方は普通だったはずです。さらに遡れば、宇宙戦艦ヤマト主題歌は「戦う男、燃えるロマン」と歌い(男のロマン)、ルパン三世(2期)主題歌は「男には自分の世界がある」と。男女それぞれに特有のものがあると思う時代だったわけですな。

 今のダイ大は2020年代のリメイクになるわけですが、ネットの評を見ていると、原作の台詞を今風に書き直すことなく尊重してくれている、と感謝の声が見られます。しかし本物のマァムが武闘家として復帰した後はどうなるのかなあ。最前列で、剣より近い間合いで戦うはずですから、男女がどうこう言ってられないはず(と書いて、「いや、女は度胸、なんて言ってたなあ」と思い出したりします ^^;)。

 それはともかく、言い返しても反撃にはならない。ハドラーを怒らせる以上、死ぬ覚悟しかないことはポップには分かっていたでしょう。が、思いがけない援軍到着。大魔導士マトリフですね。ハドラーをいったんは倒して前勇者パーティの一員であり、ハドラーとの因縁は深い。マトリフも、赴けば自分に最優先で矛先が向くと承知はしてたんでしょう。むしろそのほうが好都合らしく、さんざハドラーを煽って怒らせてますな。

 マトリフはポップに、魔法使いはパーティ内では常に冷徹であれ、と説きますが、どうもマトリフ自身が実行できてないんじゃなかろうか。アバンだけでなく、マァムの父ロカの仇でもある。その悔いがあるからか、ポップまでも死ぬのは防ぎたい。これはダイのためでもあるわけですね。マトリフが友を失って悲しいから。

 マトリフが無茶してハドラーの前に立ちふさがったのは、この後のバトルで立証されている気がします。魔力においてはハドラーに優り、2つの魔法同時行使するなと、緒戦は優勢に進めるも、魔力を支える体力がもうない。こちらで伺っていたマトリフの弱点を確かに目撃したように思います。

 ハドラーのベギラゴンに、マトリフが同じベギラゴンで返し、魔力差で押し込みにかかるも、ザボエラがベギラマでハドラーに加勢、ついに趨勢が逆転し始める。マトリフは魔法に全力を込めるも、体がついて来ず、吐血し、指先から燃え始めさえする。この危機に、未だポップは動けない。

 再びの絶体絶命ですが、今度はダイが駆けつけて介入。ポップの声が聞こえて駆けつけたと。「もう絶対に仲間を殺させない、二度と死なせるもんか」と叫び、おそらくはザボエラのベギラマを遥かに上回るベギラマを放つ。マトリフのベギラゴンと合わせて、ハドラー&ザボエラを吹き飛ばす。その威力は、後で上空視点で戦場の様子が示され、広範囲に大地を穿ち、溶岩化するというものでしたな。

 ダイのこのベギラマの異様な威力は、マトリフによれば単なるベギラマではなかったらしい。手の紋章の力でザボエラのベギラマを跳ね返しつつ(マホカンタ的な作用?)、自分(ダイ)もベギラマを放ったからとのこと。ということは、ダイ側がベギラゴン+ベギラマ×2で、ハドラー側がベギラゴンだけになってたのか(そこへ、さらに魔法力差も効いたはず)。

 それだけの威力を食らったハドラー側であるわけですが、ザボエラは間一髪、ルーラで逃れたわけですか。しかしハドラーは死亡と思い、次に誰につくか悩み始める。いかにもザボエラらしい(^^;。が、ダイの推測通り(「あいつ(ハドラー)、しぶといからなあ」)、ハドラーは耐えきっており、ザボエラをひっ捕まえて、裏切りは許さん、超魔生物の研究成果を自分(ハドラー)に使えと迫る。

 もしかして、タイトル中の「奇策」って、ザボエラ開発の超魔生物のことだったのかしらん。途中までは奇策は、マァム偽装で騙し、魔香気で眠らせて易々と殺害、のことだと思ってました。大魔王バーンは既に最強の体をハドラーに与えたと明言してましたが、それでもダイらの成長に追いつかなかったわけですね。

 つまり、大魔王バーンの予測をダイは超えたことになります。ハドラーが破れかぶれになるのもやむを得ない。しかし、それがハドラーが真に一皮むけるための過程でもありそう。いずれ、武人に立ち返り、さらに本物となってアバンとの決着に臨むはずですから。自分的にはハドラーが堕ちれば堕ちるほど、先が楽しみになります(^^;。

 次回「ロモス武術大会」では、シルエットで描かれた女性格闘家らしいキャラクターが予告映像に見えますが、いよいよマァム復帰かな? さらに、ネズミの格闘家もいまして、重要キャラクターのチウだろうか。武術大会賞品の伝説の武具については、あれこれあるらしい。ダイの次の剣が手に入るといいんですけど。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/25 (Tue) 17:23:01

 定期感想その4です。

●仮面ライダーアギト(第21話:暴走する力、第22話:運命の対決)

 前半(第21話)は、力を得た榊亜紀についての解釈は紛れがありそうです。好意的に受け取るなら、涼死亡と思い込んでいる間は弔い合戦、涼生存を知って喜ぶも、罪の意識に苛まれて後戻りできず、せめて涼のために後顧の憂いを断っておこうとした。他人を利用して平気な性分が、涼に惹かれて善性に目覚めた、という感じ。

 悪意的に解釈すると、涼に惹かれたこと自体、他人を利用する裏返しの依存。それを奪われたことで憎悪が生じるが、力を行使する快感に溺れ、力に依存。復讐はもう方便でしかない。涼生存を知って口実が失われそうになると、涼のためにリスク排除という理屈に乗り換え、力の行使を続けたがった。

 どっちとも取れる気がします。前に美杉太一が(母親の面影を見たとはいえ)榊亜紀になついて揺るがなかったのは、子どもの目に見えた榊亜紀の隠された善性のような気もするし、それが涼に発揮されたかも。が、力を得てあかつき号生存者と話すときの榊亜紀は、涼が死に、殺人を犯していながら、嬉しそうでした。力を行使することに耽溺し、目的化したように見えます。

 その辺りの解釈のしづらさは、氷川と北條の会話でも示されていたのかも。氷川が人間が力を得る是非について疑問を持つと、北條が人間の性悪説 vs 性善説に帰着させようとする。答えが出ないものであるはずですが、北條は性善説を取る。理由を聞いてさすがに吹いた(^^;。北條が善人だから人間は性善説で間違いないと自信満々でしから。

 ともかく本編。あかつき号生存者グループ拠点(?)で、さすがに揉めてますね。力が覚醒し、沢木哲也に強化された榊亜紀が、涼を撃った機動隊員2名を殺害してしまったわけですから当然でしょう。が、事の善悪よりは力の行使の危険性が問題みたい。しかし榊亜紀は己が力に自信過剰のようで、大切な人の仇討するんだと聞く耳持たない。

 このシーンで榊亜紀を非難、制止しようとした男があかつき号グループのリーダー格:木野薫かと期待したんですが、相良克彦なる元カメラマンですか。もう1人は関谷真澄らしい。後にアナザーアギトとなる木野薫は第35話で登場みたいですね。

 一方、警視庁。小沢澄子が氷川に北條が襲撃された件を問いただしてるんですが、笑った(^^;。小沢澄子が北條が襲われたと知って嬉しそう、無事だと知るとムッとしまして、氷川が北條の護衛につくと分かると、なんとなくしょんぼり。表情がコロコロ変わって、なかなかにコミカルでした。

 それはともかく、氷川は北條を護衛しつつ、襲われた現場を再調査しているらしい。このときの問答については上述の通りの感想です。事実関係的には、人間の中に異様な力を持つ者がいることが確認されたのが大事なポイントですね。が、榊亜紀が再び北條を、こっそり狙ってくる。

 しかしアンノウン(パンテラス・ルベオー)が出現、北條らの様子を窺う榊亜紀に襲い掛かる。これで、相良克彦の危惧の意味が分かった気がします。能力発現の度合いに応じて、アンノウンに狙われるリスクが高まるらしい。しかし榊亜紀は攻撃をはねのけ、ルベオーの剣で逆襲。ただし倒せはせず、榊亜紀が逃げる隙を作れた程度らしい。

 ともかくも逃げ切った榊亜紀は翔一に出くわす。力を得て、アギトに守ってもらう必要がなくなった榊亜紀、事の次第を正直に話す。要は「全て嘘」ということですね。しかしお人好しの翔一は怒らず、涼がアパートにいると告げようとする。

 が、名前を思い出せず、榊亜紀としては「ともかく、誰か自室で待ってるらしい」と翔一とアパートに帰る。そこでバッタリ、涼と出くわすわけですね。これはさすがに驚いてまして、死んだと思ってたんだから当然ですが、さらに復讐劇が無駄だったショックも大きそう。榊亜紀は、もう涼とはいられないが、リスクを排除してあげると言って去る(ここの解釈は上述の通りです)。
(涼の手が元通りの元気になってるようですが、何があったんだろう?)

 榊亜紀は三度、北條を狙いまして、阻止しようとした氷川をふっ飛ばし、北條に迫りますが、またもやアンノウン(パンテラス・ルベオー)出現。翔一がアンノウン出現を察知できるように、アンノウンも人間の異能行使を察知できるんだろうか。

 これを察知した翔一が向かうわけですが、かえってややこしいことになってしまうわけですね。しかし先に駆けつけたのは涼で、榊亜紀を逃がし、ギルスで迎え撃つ。この戦いはギルスが危なげなく勝ち、涼は榊亜紀を追う。もしかすると、クイーンのパンテラス・マギストラを察知しているのかも。

 しかし、榊亜紀はマギストラに襲われ、首を掴まれ、為す術なく殺害される(絞殺かと思ったんですが、音からすると首の骨を折った模様。必殺仕事人か ^^;)。これに一瞬遅く翔一が駆けつけ、アギトで交戦。これもアギトが難なく勝つ。

 が、アギトの姿のまま榊亜紀に駆け寄り、抱き起したのがマズかったですね。そこへ涼が追いついてきまして、どうやら「アギトが榊亜紀を殺した!?」と勘違いしたらしい。これで涼/ギルスの暴走が始まっちゃうわけですね。ギルスはアギトに襲い掛かり、異変を察知した警視庁は氷川/G3を出動させる。

 後半(第22話)、3ライダーの乱戦から始まりまして、ギルスを止めにかかったらしいG3は損傷を受け、メット割れも起こす。小沢澄子は氷川に撤退を指示するも、相変わらず氷川が退かない(そこがいいところでもあるんだけど)。ギルスの狂乱が止められないと判断したらしい翔一/アギトはフェイントかまして脱出。1人残された涼/ギルスは無念の絶叫で床を殴りつけてますな。これはまだまだ止まりそうにない。

 このG3敗北は小沢澄子には相当堪えたようで、もうG3では対処できないと言う尾室隆弘に言い返せないらしい。が、既に次の手の腹案があったわけですね。G3の後継G3-Xが設計完了間近。しかし上層部に具申してみると、北條も別プランのV1を進めていたわけでしたか。小沢澄子の元指導教授:高村光介らに依頼していたらしい。

 上層部は、G3-X vs V1のプロトタイプ対決の勝者を正式採用するつもりらしい。自分的にはよう分からん決定です。機体の性質は異なるでしょうから、それぞれの特質を生かした運用すればいいのに。あわよくば両方のいいとこどりの設計に進める、あるいは特徴の差を際立てての性能向上を図るとか。予算が足らんのかしらん。

 V1計画を知った小沢澄子の動きも、自分的にはちょっと不可解。高村教授に面会し、G3-Xを説明して、V1を諦めさせたいらしい。協力すれば、トータルでの成果が大きくなりそうなのになあ。高村、小沢双方の積年の恨みつらみが災いしてるのかしらん。

 高村教授に会って、かえってストレス溜まったらしい小沢澄子、出くわした翔一と焼き肉店に入る。2人の飲み食いの対照性が面白いですね。翔一はひたすら肉をバクバク食う。小沢澄子はひらすらビールを飲む。それもハイペースで相当の量ですな。が、あまり酔っぱらわないらしい。酒に強い体質のうえ、怒りのテンションが高いんだろう。

 翔一も榊亜紀喪失、つまり死亡だけでなく恋人でもなかったことを引きずってたみたいですね。自分が誰かを思い出す手掛かりでもなかったわけですし(榊亜紀からは思い出すなと警告されてましたが)、どうも惹かれていたと改めて気付いた感じもある(翔一の表現では「(空いた)椅子」)。しかし、小沢澄子と話したら、ある程度は吹っ切れたみたい(それで腹が減ってたのに気付いたのかも)。

 驚いたのが、いくら酒に強いとしても、あれだけ飲んだ直後の小沢澄子が、警視庁に戻るや、サクサクとG3-Xを仕上げてしまったことです。自分の経験だと、理系分野の仕事は酒飲んだら、進まないかミスするものなんですが。まあ天才だからなあ、小沢澄子は。

 アンノウン側は着々と事を進めてまして、ビーロードアピス・ウェスパ/:アピス・メリトゥスですか。コンクリートに殺害した人間の体の一部を埋め込むという、木に埋め込んだ第1~2話に似た不可能殺人ですな。榊亜紀殺害が普通(?)に首を折ってたりして、不可能殺人のこと、忘れてましたorz。

 G3-Xの開発が急がれるわけですが、実機と同じ負荷のシミュレーションに、G3慣れした氷川ですら耐えられなかった模様。これって、小沢澄子の天才性にもエンジニアとしては穴があったということかな。エンジニアは気を付けてないと、マシンの性能追及に溺れ、人間要素を軽視するミスをやらかしがちです。

 その他、今話で「お!」と思ったのは、翔一の美杉邸帰還ですね。これでまた、コミカルなホームドラマ部分は元の舞台になったか。真魚も小沢澄子同様、感情がモロに表情、態度に現れてまして、クスクス来ます。ムスーっとしてたのが、榊亜紀が翔一の恋人ではなかったと知った途端、態度一変ではしゃぎだしましたから。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/26 (Wed) 07:22:44

 ダイ大とダイナゼノンのWダイ感想。

★ダイ大

 バラン戦後の後日譚的な回でした。
 あれだけ死闘を繰り広げたバラン戦に対し、ハドラー&ザボエラはわずか1週で撃退されました。

 で、ポップラブのメルルはテラン編が終わっても付いて来て、次こそマァムに出会って、「良かった。本物のマァムさんは感じの良い人で」と安心したり。でも、マァムのはきはきとした明るさに、自分と比べて劣等感を覚えつつも、見習わないとって気になったり、
 後々、「マァムさんのそういう明けすけで隠さないところが、ポップさんが嫌らしくなる原因です! もっと慎みを持って下さい!」と抗議するシーンがあったり、
 メルルも強気に言うようになったなあ、と笑ったり。

 ええと、この辺の女性キャラのドラマは、ライダー部にも通じるのかな。
 レオナの性格は、風城美羽先輩に受け継がれて、
 メルルの性格は、ゴスロリ知子に受け継がれて、
 マァムは……ユウキじゃないなあ。むしろ後輩のピスケス蘭が近いかな。

 他には、レオナとマァムの世話焼き姉御キャラがキョウリュウピンクのアミィで、メルルの後方分析キャラがキョウリュウバイオレットの弥生ちゃんか。
 同じ作家による、キャラの系譜がつながってくると、いい感じです。

 特に三条さんは、陰キャの霊感女の子の繊細な恋心の描写が上手いなあ、と思います。
 陽性なキャラは動かしやすいですけど、陰性だけど良い娘を可愛く描くのってなかなかテクニックがいる。
 メルルって鋭く物を見ているんだけど、内気でそれを表に出して言えないという気質。でも、作者が物語の伏線を張るには便利なキャラ。劇中の登場人物がはっきり気付いていないけど、読者には示しておきたい重要情報は、メルルの視点で描写できる。

 メルルを通じた物語の伏線……という観点で、ようやく彼女の存在意義の一つが見えたような気がします。

 で、今回、ザボエラの口から「超魔生物」というキーワードが出てきて、次回から超魔生物編というべきエピソードが始まります。
 ザボエラの息子のザムザというキャラが暗躍して、超魔生物研究のための実験材料になる屈強な人間を集めようと武闘大会を開催するという話で、
 それをダイたち一行と、合流したマァムが妨害しようとする展開になります。

 マァムの新技として、閃華烈光拳という技があるのですが、回復呪文のホイミを応用したマホイミ(生命エネルギーを異常活性させて相手の体内に送り込み、内部から破壊する気功法的な説明)の力を拳に宿して、あらゆる生体を破裂させるというもの。
 相手が生物なら、一撃必殺になるというチート技で、超魔生物に対しても有効になるはずですが、逆に言えば、その後の敵は普通の生物でなくなることが多いので、切り札にはならない、と。

 必然的に、マァムのお仕事は、前衛切り込み隊長(これまでダイが担ってきた)になって、役割分担が変わってきます。
 ダイは、戦闘力が高くなりすぎて、軽々しく本気を出せないというハンデが付いて、大物相手の切り札という形になります。
 マァムがまずは突撃して、ポップが多数のザコを始末。ダイは様子見待機……というシフトになりますね。

 で、超魔生物編は実質、マァム復帰の主役編という形を取るのですが、敵もさるもの、彼女の切り札の拳を封じる策に出て……と、割と知謀の能力バトル的な様相を呈する流れになります。
 力と力の激突は、バラン編で見せたので、今度は頭を使ったバトルエピソードで、そうなるとダイよりもポップの策が冴え渡る流れにもなります。

 ダイの活躍は、剣を入手するまではお預けって感じです。
 また、クロコさんとヒュンケルはしばらく別行動で、レオナも自分にできる役割(王族として、各地の反魔王軍を結集させる政治工作に力を注ぐ)に専念します。
 とりあえず、回復魔法の担い手はメルルに委ねられるってことですね。すぐにマァムも合流しますし。

 あと、次回の楽しみは、マトリフ師匠のポップへの説教タイム。前半はキャラの関わり合いと今後の行動指針を描写して、武闘大会の会場でマァムとの再会までが後半。
 そして、マァムの顔見せを果たして続く、で、本格的なバトルはその次と予想。
 とにかく、新展開への橋渡しが今回と、次回の前半部でしょう。

 ハドラーの物語は、超魔生物編が終わってから、動き始める、と。


★ダイナゼノン

 これまで、周囲に翻弄されるだけで、あまり主体性を持って行動していなかった主人公の蓬君に、いきなり怪獣使いの才能あり? って判明する回。

 単にダイナソルジャーのパイロットで、日常では夢芽さんに付き合うだけの仕事しかして来なかった蓬くんが、終盤で重要な役割を与えられて、いろいろと悩み葛藤することになるのか。
 これまでは何となく、ガウマさんに強引に引きずり込まれて、怪獣退治に巻き込まれたけど、今後は「怪獣出現の意味」とか「怪獣と人間の理想的な関わり合い」とか「怪獣優生思想に対する主義主張」とか、いろいろまとめる役どころになるのかも。

 とにかく、ドラマとしては、怪獣優生思想の4人とどういう風に決着をつけるかが主題で、
 怪獣出現の理由が判明して、この世界に怪獣が出現しなくなれば(あるいは暴れなくなれば)一応の解決を見る。
 謎は多いけど、全てがそこに集約すれば、まとまるな、と。

 夢芽の姉については、そこが怪獣出現の秘密に絡んでいるのかどうか。
 ちせについては、蓬くん同様に、怪獣の謎に絡んできそう。

 問題は、暦先輩。彼と稲本さんの過去エピとか、もやもやした恋心(?)は怪獣とは関係なさそうに見えるけど、そのもやもやもまた怪獣出現のエネルギー源になるなら、無関係とも言えないし。
 暦先輩がダイナゼノンに関わったことで、ヤル気パワー全開で、しっかり自分のしたいことを見据えて、蓬くんの紹介で、バイト生活から社会復帰を始めて、当面の希望を見出してハッピーエンド……って話になるのか。

 実は、無職生活でも何とかなってるのは、学生の時に手に入れた大金を自分もしっかり着服していて、その後ろめたさがあったりする可能性もありますね。
 あのお金は何なのかとか、金さえあれば何となくだらだら生活できるけど、そのだらだらだと人間関係も維持できずに(社会的なアイデンティティーを持たないので)、いろいろ無気力になるとか、
 実のところ、一番問題解決が難しいのは、暦先輩に見えます。

 他は何となく、勢いがつけば解決しそうですし、
 怪獣優生思想のみなさんは、この世界に怪獣が出なくなれば、さっさと他の世界に行ってしまいそう。
 そうすれば、ナイト君と2代目ちゃんは後を追うだろうし、場合によるとガウマさんもダイナゼノンを持って、追いかけるだろうし。
 他のパイロットは、どうするのか不明ですが、この世界との関わりの強さに応じて、世界に残って自分の居場所を構築するか、それとも自分の居場所を捨てて、異世界へ旅立つのか。

 まあ、それぞれのキャラの個々のドラマの終結点がいろいろ予想できますが、前作と違って、悪の親玉みたいなキャラが見えていないので、誰をラスボスとして倒せばスッキリ終われるのかが分からないですね。

 下手すると、ちせラスボスとか、夢芽の姉の残留思念ラスボスとか、ダイナゼノン自体がラスボスとか、善悪の立ち位置逆転さえあり得るし。

 ともあれ、怪獣優生思想が全滅するのは、ハッピーエンドじゃないってことで、彼らとの共闘みたいな形で盛り上がるクライマックスを期待。

ガウマ「どうして、お前たちと手を組まないといけないんだ!」
オニジャ「それはこっちのセリフだ。だが、世界の滅亡まではこっちも望んじゃいないからな」
ジュウガ「いやあ、ガウマさんとまた共に戦えるなんて、光栄です」

 こんな感じのケンカしていた連中が、一時的にでも、大ボス倒すために協力して、そして別れる形の大団円を期待します。
 でも、誰と、あるいは何と戦えばいいんだろう?

 そんな謎が解明されるのを期待しつつ。




Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/26 (Wed) 13:15:29

 定期感想その5です。

●仮面ライダーセイバー(第36話:開かれる、全知全能の力。)

 今週は現マスターロゴス=イザクの野望が本格的に動き出す、終盤の波乱の幕開けなんですが、自分的には神代兄妹が気になったりしてます。先週の予告でちょっと期待したんですが、今話でマスターに反旗を翻してくれました。それも凌牙の信念通りで、恨みつらみとかじゃない。不意打ちもせず、むしろ「あなたはマスターロゴスか?」と真正面から問いかけ、否と聞いてから対決に入る。

 またもやですが、頑ななまでに任務最重視の鋼牙を思い出しました。もっとも牙狼1stの序盤の鋼牙ですね(カオルと仲が深まると、人情に目覚めだすわけで)。鋼牙は魔戒の冴島家、凌牙はロゴスの神代家ですね。それぞれ大事な役割を託された家系になります。

 そうなると「神代家って何だろう?」と思いますし、「即座にマスター断罪を決意するからには、長い歴史で同様のことが何度もあった?」と妄想が広がり出したりもします。もしマスター自らの造反(?)が前代未聞なら、迷うものがあるはずです。が、凌牙は「こうなってれば、こうする」と、考えるまでもないという雰囲気でした(ある意味「マニュアル通り」)。

 そう考えてみると「そもそも粛清専門の神代家があるってことは、マスターのみならず、謀反、謀略、内通等々、秩序が乱れることは日常茶飯なのか?」とも思えてきます。人並外れた力を得たら、闇に堕ちる者を皆無にはできないということなんでしょう。ロゴスは人数も多いし、マスターも代替わりする。たぶん法治じゃなくて人治の組織でもある。ある程度の独立性を保つ治安機関=神代家が必要ということなんだろう(その神代家を監視する機関もありるかも。三すくみくらいになれば安定しそう)。

 しかし、神代玲花がなあ。凌牙がマスターが裏切り者なら討つと宣言すると、即座に「お兄様」と応じたときは、自分は「お、玲花も腹くくったか。さすがは番人の家の者だ」と思いました。が、続けて「凛々しい」と言ってうっとりだったんで、吹き出しましたよ(^^;。「こりゃあかん、重度のブラコンだ」と。それでも、戦闘は一歩も引かずに奮戦してくれてましたが。

 ともかく本編。冒頭はノーザンベースで、まず前話の復習&整理しておいて、ユーリのルナ解説ですね。ルナは現実世界とワンダーワールドを結びつける存在で、ルナに選ばれるとワンダーワールドの力を手にすると。それが現状、飛羽真であるらしい。

 ワンダーワールドの力というのが、上條大地の言った真理、あるいはマスターロゴスが狙う力と同じか異なるか、ちょっと気になります。が、ユーリが言わなかった続きが大事なポイントであるわけですね。この後、ユーリと賢人との会話で明らかになりまして、ワンダーワールドの力を手に入れた者は世界から消滅すると(ルナは消滅の件をことを知ってるんだろうか?)。

 賢人が見た未来はそういうものだったらしい。ただ、その未来予知は部分的に崩れ出してはいるわけですね。賢人が見たことがない、想定外の現象が起こり出している。が、飛羽真消滅の部分は不変らしく、それが賢人を独自路線(飛羽真の身代わりになる)に留めていると。

 一方、サウザンベース。相変わらず、ストリウスがマスターロゴスに腰巾着的に付きまとってますね。全知全能の書が気になるらしい(奪うつもりかな?)。が、マスターによると飛羽真の妨害で取りこぼした本があり、不完全なものに留まったらしい。前話の活躍は無駄ではなかったか。

 この後、シーンがノーザンに戻り、ソフィアが語ったところによると、ソフィアがルナの身代わりになれていれば、もっと不完全な全知全能の書にできたようですね(目次録の完成阻止らしい)。ルナやソフィアが通常の人間ではなかったこと、初めて公にされてもいますね。一同、ショックではあるようですが、結束が揺らぐ様子が見えないのはホッとします(その口火を切った倫太郎はさすが)。

 ちょっとしたカットですが、芽依がめくる「Wonder Story」が途中から白紙なのは気になりますね。まるで牙狼1期の絵本みたいに、キャラクターが成長していって、ようやく描きこまれるページなんだろうか。

 一方、神代兄妹はマスターを試し、マスターの資格なしとなれば断罪する覚悟を固めてますね(が、玲花が、というのは上述の通り ^^;)。まるでそれに応えるかのように、マスターロゴスが行動開始。ブックを使って世界を闇にしてますね。この異変はノーザンも即座に察知、というよりマスターが全世界への通告を始めたわけですけども。

 すぐにノーザン剣士(ただし蓮、賢人は離脱中)がマスターのもとに急行、変身してのバトルになるも、マスターの仮面ライダーソロモンが隔絶した力を見せつける。ブックが不完全でもここまで行くのか。この力を得たからこそ、マスターは野望を包み隠さず話しても平気なわけですな。

 マスターのソロモン、「これが私の力です」と言って止めを刺しに来た、と思ったら、攻撃らしき光は空へ。何するのかと思ったら、世界各地の上空に巨大な本を出現させるんですか。何だろうと思ったんですが、後で判明するのが、本が開いたら世界が終わる、ということ。が、とりあえずはマスターの広報システムですな。全世界に向けて「生き残りたければ殺し合え」と不条理な通告。勝ち残り組だけ生かす、ということらしいですが、勝利判定の条件は不明ですね。

 これを受けて神代兄妹がついに最終行動開始。ノーザン側では火炎剣烈火が対抗する鍵になると大秦寺が告げるも、急にはどうしようもない模様。ソフィアの判断では全剣士結集が必要、ですが蓮、賢人は離脱中、神代兄妹は未だ敵側であるわけですね。ただし、神代兄妹は、任務固守の凌牙の判断で合流となるわけですね。敵のほうが先に合流して来たか。

 しかし、まずはマスターロゴス。神代兄妹は正々堂々、マスターロゴスと相対し、凌牙は「あなたはまだ、マスターロゴスですか?」と問う(最終通告の形式だと思う)。マスターは笑止と言わんばかりに否定。これで即座に決裂、バトル突入ですな。このバトル勃発を飛羽真が剣を通して察知、ノーザン剣士が加勢に向かう。

 一方、離脱中の蓮は逃げ、賢人はユーリが説得して心が動く様子はあるも、まだ行動に移せず。ここで初めて、ルナに選ばれる→守り人(救世主)となる→(おそらく使命を果たすと)消失する、と運命が判明するわけですが、ユーリは最初から知っていたわけですね。当初は飛羽真消失をユーリは受け入れていた。

 が、飛羽真が運命をひっくり返せると信じられるようになったらしい。賢人もそこを受け入れられるか否かが焦点となりそう。受け入れないなら、賢人は闇黒剣月闇で全てを救って自らは滅ぶ既定方針しかない。ラストでユーリに代わるようにソフィアが現れてましたが、最後の一押しとなるかどうか、観ていて期待するものがあります。

 対マスター/ソロモン戦は、苦戦する神代兄妹/デュランダル&サーベラに飛羽真らが救援に駆けつける。ちょっと揉めますが、大同団結が成るわけですな。が、それでも圧倒的不利ですか。賢人に言うべきを言ったユーリがXソードマンになって介入、皆を連れて撤退が精いっぱい。こちらは不安が募る展開です。

 次回「未来を変えるのは、誰だ。」では、蓮が飛羽真に剣の勝負を挑むらしい。今までの事例通りになるなら、蓮も真に仲間として飛羽真側参入になるか。

 今話ではちょこっとだけですが、バハトが復活していると描かれまして、ちょっとびっくり。封印から逃れる力を得たのかと思いましたが、前話で飛羽真が聖剣を全て再解放したんで、無銘剣虚無も復活してバハトもよみがえったらしい。前話でマスターがバハトを封印したように見えたのは、無銘剣虚無を奪われると消滅するのがバハトだかららしい。設定的にややこしい剣士ですな。剣化していたユーリと同じではないようだし。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/05/27 (Thu) 00:31:51

 ライダー感想です。

★アギト

 自分の書き込みは、感想よりは予告編になり気味ですな。

 ええと、今回はまず、榊亜紀の死から始まるライダーバトルで、一気に話が盛り上がりました。
 話数としては、2クール目がそろそろ終わって、中盤の山場に差し掛かった辺り。

 そして、G3の装着員が氷川さんであることをアギト(翔一)が初めて認識したことも大きい。
 変身前は翔一と氷川は知り合いで、今回、翔一と涼も互いに自己紹介した。氷川は涼に一度殴られているけど、変身後は銃弾を浴びせられ、今回は雪辱を晴らした、と。
 アギトとG3は協力関係で、ギルスは敵対関係の謎生物扱い。

 そして、G3-Xへのパワーアップエピソードに突入ですね。ドラマ面での主役は小沢さんです。自分の恩師との対決になるわけですが、この師弟対決の決着が大人ドラマとしてはいいんですね。
 天才の傲慢に対して、その鼻っ柱を叩き折るために挑んできた恩師という構図ですが、暴走して暴れるG3-Xは小沢の慢心の象徴。そして、その行き過ぎた性能を周囲の人間に合わせてセーブすることを諭して、人間社会で折り合いをつけて生きることを学ばせるのが、恩師の本意という流れです。

 前に北條さんと尊敬する先輩との関係を描き、今回はその北條さんを交えながら、結末の異なる師弟の関係のハッピーエンドになる予定。
 司さんは、北條さんに対して「君のような優秀な刑事の命を救ったことを後悔していない」と相手を認めて退場。
 一方、高村教授は、「私は君のことが嫌いなんだ」と教え子に2回言うのですけど、1回目の今回は小沢さんとの決別のセリフであり、2回めは……どういう心境かは次回を楽しみに。

 同じセリフでも、シチュエーションが変われば、受け止め方が変わる好例だと思っています。

 あと、次週の注目は、G3-Xの装着員にはどういう資質が必要か。氷川さんじゃ使いこなせないということで、小沢さんが試しに今回知り合った翔一に装着させるんですね。
 で、翔一は氷川以上に使いこなすわけで、氷川がショックを受ける。北條さんならともかく、津上さんなんかに……とプライドを傷つけられる。
 つまり、氷川さんの中ではアギトを尊敬。北條さんはライバルだけど尊敬。翔一は悪い人じゃないけど変な奴という目線で、尊敬はしてない。
 で、翔一がG3-Xの装着員向きだと小沢さんに言われて、奮起するんですね。

 ただ、翔一が向いているのは、アギトだからではなく、程よく力が抜けていて、G3-XのAIの誘導に体を合わせる自然体だから、と小沢さんは判断。
 氷川さんは無駄に力が入り過ぎだから、体力の消耗が激しいので、翔一から力を緩めるコツを学ぶように、と指示出しします。そして、始まるコント。
 不器用な氷川さんは、豆腐をうまくつかめない。
 この氷川の、いかに力を入れ過ぎないようにするかという特訓が、爆笑ものになるので、要注目。

 一方、善人の北條さんはV1システムで頑張るわけですが、また痛い目に合いますね。
 今回は、榊亜紀に襲われ、次回は暴走G3-Xに襲われ(AIが敵意に過敏に反応するため)、因果応報というか、イヤミを言った分、命の危機という形で激しく返ってくる。それでもブレないのが北條さんの良いところ。さすがは善人。
 何だかんだ言って、暴力に対しても、言葉の暴力でしか返さないし、物理的に殴り返すのを良しとしないのが彼の流儀。言葉と組織を動かす社交技術を武器にするのが北條さんで、その後継者が次作の天才弁護士になる、と。

★セイバー

 前回の自分の書き込みは、今回の放送でいろいろ修正しないといけないです。

 まず、メインライターの福田さんが何をしているか、と言えば、ゴーストとの共演話を書いていたみたいですね。
 福田さんはゴーストのメインライターでもあったから、そりゃ大事な仕事ですわ。

 でも、やはり長谷川さんの方が忙しいように見えますな。ダイナゼノンの脚本を書いて、ウルトラマンの模型誌連載小説書いて、旧作ですが、ウルトラマンティガの劇場版がもうすぐTVで放送されますし。

 で、今回の脚本家、毛利さんのせいで、玲花の崩れっぷりがエスカレートして、まあ、おかげで「味方化ライダーは親しみやすさを演出するため、ポンコツキャラに化ける」というジンクスが今回も果たされました。
 もしかすると、次回、凌牙もポンコツ化したりしないだろうなあ。

 なお、マスターロゴスは戦闘力はともかく、顔芸とか動機とかどんどん小物化進行中ですな。
 こりゃ、ラスボスはストリウスの方かな、と思いつつあります。

 一方で、賢人の目的。
 前回は、飛羽真の死を阻止するのが目的、と誤認していましたが(断片的な映像もそれを示唆していたけど、フェイクだった)、実は世界を救った後の、飛羽真の消失を懸念していた、と。
 つまり、前回、自分の見たと思った未来が、今回で変わったわけで、何だか賢人にシンクロしている気分です(笑)。

 ああ、この話の流れだと、こうなるだろうなあ、と未来が見えた気になっていたら、
 あれ? 予測していた未来が違う方向に進んでいるだと? と戸惑いつつ。

 まあ、自分は賢人ほど頑固じゃないので、それなら……と別の未来を予測するんですが。

 ところで、飛羽真の消失って、あくまでこの世界から別の世界の神とか守護者になるのであって、例えば、タッセルさんの後継者になるとか、そっちかなあ、と思ったりします。
 例えば、仮面ライダー剣の剣崎みたいに、ジョーカーになって人間社会から消えるとか、鎧武みたいに異星の神様になって地球を去るとか、そんなエンディングを示唆しているのかな、と思っております。

 戦いが終わって、日常に戻るのがハッピーエンドとするなら、ライダーの場合は旅立ちエンドが昭和は多く、平成もクウガやカブト、オーズ、ウィザードなんかがそうで、他に龍騎、ビルド、ジオウなどの世界改変エンドなんかが変わり種。
 探偵とか刑事とか医者とか、職業持ちは自分の居場所で相変わらず頑張るエンド。アギトの場合は、三人三様の未来があって、氷川さんは相変わらず刑事だし、涼は孤独に旅立ちエンド(昭和ライダー風味)、翔一はレストラン経営の夢をかなえるハッピーエンド(食へのこだわりを追求してる伏線もあるわけで)。

 さあ、本作の終わり方は、どんなエンドがふさわしいかな。
 まあ、それぞれのキャラのエンドは読めませんが、おそらく『仮面ライダーセイバー』と書かれた物語の表紙が閉じて、全てが一冊の本に記された内容だった的な演出で締めくくるんじゃないかなあ、と予想。
 そして、世界の外にいる作者、神山飛羽真が記した絵本的な挿絵で、メタフィクションっぽい終わり方がそれらしいかな。

 ……って、もはや感想じゃないですね。まあ、現状のセイバーで感じていることを書き連ねただけということで。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/29 (Sat) 14:57:37

 定期感想その1です。

 ゴジラSPでの「シヴァ」はサルンガ(シャランガ)とのご教示、大変に理解の助けになりました。「助け」では生ぬるいかも。ベイラ・バーンが拘束までされる理由、全然思いつかず、そのため話がうまくつながらない点までありました。

 シヴァがサルンガであり、シヴァ共同事業体の貴重な、おそらく唯一の生きたサンプルだと分かってみると、一連がすらりとつながります。すっきりしました。いつもありがとうございます。

●ゴジラSP/設定(第9話:たおれゆくひとの)

 だんだんハードSF的設定が迷走を深めてるような気がします。たぶん脚本・考証の円城塔さんにはきちんとプランがあるんでしょう。けど、自分レベルの視聴者だと、あれこれ振った話から適当に結論を選んだようにしか見えない、という結末になるんじゃないかと不安です。

 イソップ寓話だと、こんな話があります。

「ある占い師を引っ掛けようとした男は、生きた小鳥を両手で包み持って占い師に、
「この手の中の小鳥は生きてますか? それとも死んでますか?」
と尋ねた。
 男はもし占い師が小鳥は生きていると言えば絞め殺してから見せ、死んでいると言えばそのまま見せるつもりだった。
 占い師は怒りをあらわにして叫んだ。
「そんなことは、お前次第ではないか!」」

 ラストまで観て、たぶん設定の間違いとかは(少なくとも自分には)見つからないでしょう。しかし、いったん膨らんだ謎を解きほぐし、正解候補が絞り込まれていくような醍醐味は、今のところありません。なんかいろいろ並べ立ててるな、という感じでワクワクできません。

・超計算機を使って超計算機を作る(鶏が先か、卵が先か)

 あらすじだけ聞いた作品なんですけど、「主人公の女性が妊娠し、過去にタイムトラベルして女の子を出産した。主人公は我が子を育てていくうち、その子が自分自身であると気が付いた」というのがあります。自分の母親が自分自身というわけですけど、その「自分」はどこで「発生」したかは全く分かりません(定義できない)。

 前に書いた「出口が過去のタイムトンネル」で、出口から出たボールが入り口に飛び込むケースと似ています(ボール自身の視点では出口から出て、入り口に飛び込むことを延々と繰り返し、開始も終了もない)。

「鶏が先か、卵が先か」でいえば、その卵からかえった鶏がその卵を産んだ、みたいな話ですね。ゴジラSPの「超計算機を使って超計算機を作った」というのは、超計算機は未来からもらい、アーキタイプを解析して、それで超計算機を作って過去に送る、みたいなことなんだろう。

・計算(シミュレーション)ではなく現実(未来)が破綻

 で、その超計算機はアーキタイプ半導体みたいな素子を使ってるんではなく、「特異点」で作られてると。そうなると、たぶん超計算機自体も特異点扱いでしょう。しかし「葦原破局点」でバグって使えないと(たぶん、アーキタイプ解析はできたけど、未来シミュレーションは失敗という話かと)。

 どうも上記のタイムトンネルを延々ループする話なのかなと思います。超計算機は実際に未来に行っており(もしかしたらメモリ部分だけ)、その予測≒超計算機の存在するする未来を先へ先へ伸ばすのが葦原博士~ベイラ・バーンがやってること。

 すると未来の破局する時点に行き当たり超計算機(のメモリ内容)が壊れる。タイムトンネルの入り口を未来へ、さらに先の未来へ持っていったら、宇宙が無い時間まで行っちゃって、入り口から何も入れなくなる、すると過去の出口から何も出てこない、みたいなことです。

 別のケースも考えられまして、例えば「未来から答えを持ってくる≒未来の観測」となり得ますから、未来を1つ、確定しちゃう。葦原博士がやっていたのが「破局に至るまで計算」ですから、葦原博士は毎回、必ず破局の未来を確定させちゃっていたとか。それなら以前に神野銘が言っていた「ソフトウェアがハードウェアを書き換える」という話になってきそうです。

 しかし設定候補が絞り込まれる情報が今話になっても出てこない。何が本編ラストで示されても、「ふーん、制作者はそういう設定を選んだのか」くらいしにか思えなさそう。もうアニメ本編では、ハードSF設定は怪獣との戦いの雰囲気づくりと割り切ったほうがいいのかも。破滅までのカウントダウンみたいなものも出てきましたし。ハードSF部分はもしかするとミックスメディア展開の小説で披露されたりするのかもしれない。

●ゴジラSP/ドラマ(第9話:たおれゆくひとの)

 ハードSF設定部分が滞りがちなのに比べ、ドラマ、バトルは相変わらずいいですね。冒頭、外側が硬化したゴジラアンフィビアに対し、自衛隊が攻撃を試みる。その結果として現れた、積乱雲様の紅塵から考えると、時系列先取りシーンみたいですね。赤い積乱雲をラストで有川ユンらが目撃してましたから。
(前話でジェットジャガーが積乱雲見て、高度に言及しつつ人間っぽい感想言ってたのは、これの伏線だったか?)

 が、ともかくは、自衛隊 vs ゴジラアンフィビア。見かけは化石化したみたいなゴジラアンフィビアに対し、空から誘導弾らしい爆撃が命中。現場へは指揮所から「BDA確認」と無線入ってまして、調べてみると「爆撃効果判定(Bomb Damage Assessment)」のことらしい。

 目標(ゴジラアンフィビア)に爆撃効果ありと思いそうになった途端、ゴジラアンフィビアが化石のような外側を破って、ゴジラテレストリスとして再出現。前話でサナギみたいと言っていたのは、どうやら確かにそうだったみたいですね。この辺り、シン・ゴジラへのオマージュもあるかな。本作でも次々と変化。進化するゴジラに、自衛隊が追いつけない感じで描写されてますんで。

 ゴジラテレストリスは紅塵を撒き散らしつつ街を徘徊、そこへ爆撃第2波。紅塵による視界不良でレーザーからGPS誘導に変わるも、1発めは見事に命中、刺さってから爆発の有効打。が、これでゴジラテレストリスは(アンギラスのような未来予測?)攻撃を覚えたらしい。2発目は体内から伸びた何かにからめとられ(クモンガからのヘドラと同じ?)、爆発はしたもののゴジラテレストリスにダメージ与えた感じではないですね。
(ゴジラテレストリス、紅塵以外に液体も吐しゃしてましたが、あれは何だろう?)

 爆撃をはねのけたらしいゴジラテレストリス、背びれが光ると口を開き、前面に光る輪っかを出す。背びれが光るのはブレスの兆候かな。でも輪っかだったのは、よう分からんですorz。ゴジラテレストリスが喫煙者の遊び(煙の輪っか)をやっているわけではないだろうし。ともかく、現場指揮官は指揮所から報告を求められるも、何が起こっているか理解できない模様ですね。

 陸自本部(だと思う)では、この状況を松原美保一佐が報告受けてまして、ゴジラテレストリスの防御をリアクティブアーマーと解釈しているようですね。着弾前から表皮が変化していたとも言ってますが、アンギラスの事例からすると未来予測か。しかし、着弾までの時間も距離も長いですから、普通に検知して対応した可能性も考えるべきなんだろう。

 そしてお待ちかねの対クモンガ戦。前話ラストで、さあ対決、と見せといて、またもや冒頭から長々待たせやがりまして、今回も焦れました(^^;。ネットで調べてようやく気が付いたんですが、先週から出てるタイプがクモンガ、鎌を持つタイプがカマンガ、この後出てくる飛行タイプがハネンガと3タイプいたみたいですね。クモよりもアリに近いのかしらん(働きアリ、兵隊アリ、羽アリ)。

 ともかく戦況は、ジェットジャガー+アンギラスの槍は強力ながらも、多勢に無勢、加えてジェットジャガーのバッテリ残量もあと数分。応援到着まで間に合いそうにない、というピンチですな。ちょっと注目したのがジェットジャガーの掛け声で、「やっ」「せいっ」「えっほ、えっほ」とか言ってます。演出と言われればそれまでですが、身体感覚の発達があるのかも(AIのユングが身体を持つ感覚について、前に感想言ってたはず)。
(それと、加藤侍が生身の素手でクモンガと対等にやり合ってのは地味に凄いかも ^^;。)

 時間稼ぎが必要なわけですが、クモンガが総力あげて出て来たんで、倉庫への退路が開き、有川ユンの判断でジェットジャガー以外、いったん退避。事務室に立てこもると、有川ユンは神野銘からのSNS読んでまして、退避はこの余裕を作るためでもあったのかな。SNSのやり取りへの感想は上述の通りですが、有川ユンは重大事(世界の命運)と理解したらしい。

 それより倉庫内がえらいことになってるわけですね。クモの糸に絡み取られた人がミイラ化してる。おそらくついさっき行方不明になった「神田」だけは、まだ生き残ってる。彼が脱出のための船の鍵を持ってるわけですね。さあどうするか、であるわけですが、不測の事態発生。応援の警官隊がクモンガの亜種らしいハネンガに襲われるわけですな。ハネンガは後で描写されますが、この時点で自分は「ラドンまで来た?」と勘違いしました(羽音に注意してれば分かったのに)。

 断末魔(?)の通信が有川ユンらに届きまして、孤立が決定的に。ここで大滝吾郎が奮起、神田を救出して船で脱出を決断する。それも陣頭指揮ですね。付き従うのは加藤侍で、クモンガと渡り合う膂力をいかんなく発揮、神田を繭(?)ごとむしり取って脱出を試みる。

 この時点で敵勢にはカマンガが見えまして戦力強化された模様。この直後、さらにハネンガが上空から襲ってくるわけですね。が、戦闘で破損の船から燃料が漏れ、引火して倉庫が炎上したのが幸いした。巣を守ろうとクモンガ一族(?)が倉庫に撤収していくわけですね。全員が脱出船に乗り、しんがりのジェットジャガーもなんとか飛び乗る(小型船なのに沈まないところを見ると、ジェットジャガーはかなり軽量化が図られてるみたい)。

 ようやく一息付けそうですが、有川ユンが振り返ると、ゴジラテレストリスが作った紅塵の積乱雲がでかでかと空を覆わんばかりなわけですか。この時点が冒頭の自衛隊とゴジラテレストリスの戦闘時刻なんだろう。

 神野銘パートでは、特異点~破局の時間の判明見込み、世界の破局についての解釈、破局対策かODによる紅塵対策か等々が描かれてますが、どうなるかはまだ先ですね(後、3~4回のはずだけど)。超計算機についてすらちゃんと示してくれないし。サルンガも行方不明だし。怪獣が特異点とかも、特異点の何が特異かはっきりしないし。はっきりしているのは「猫を助けに行ってラドンに襲われた李桂英の運命やいかに?」くらいかしらん(^^;。

 まあ、自衛隊パート、有川ユンパートで「カタストロフが近い」と充分感じられるんで、未だ停滞気味の神野銘パートは「まあいいか」という感じです。

●ビルドファイターズ(第16話:再会、父よ?)

 基本はコミカルでいったん緊張をほぐす回のようですが、セイの父:タケシ登場ですね(意外な正体だし、後で大事なサポート役にもなるはず)。さらに、レイジとアイラ・ユルキアイネンの再接近も大事なポイントだし、ガンプラファイトについて、2人に何が欠けてるかも示された感じです。

 レイジはガンプラ作り(ビルダー)に興味を示しつつも、セイから無理矢理奪おうとして壊しちゃうわけですね。それがビルダーにとってどれだけ重いかは実感してない感じ。一方、アイラはガンプラファイトをやらされているキャラクターで、ガンプラ自体に興味が薄い。

 その両者が、セイの父:タケシと知らずに遭遇、ガンプラ作りを経験するわけですな。完成しての試験運用で、ガンプラマフィアのCが個人的な復讐心から介入してきたりもする。ガンプラテロですから、やり口が容赦ない。レイジもアイラも苦労してガンプラを作り、手を入れた以上、愛着心が生じたところへ、奪われる(壊される)不安を味わったわけですね。

 レイジはセイの苦労と気持ちがようやく実感できて、自作ガンプラの宝物性を知る。アイラは面白がってやる気持ちだと、苦労すらも愛おしいと理解する。趣味にハマっていく過程として、なかなかに説得力ありますな。それも、興味の有無が好対照な2人が揃って同じような気持ちを抱く結末な点が印象深い(要は「どこから入ってもハマるときはハマる」という真理(?))。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/31 (Mon) 00:38:53

 定期感想その2です。

 今週の「青天を衝け」は家康公の解説なしでした(OPにお名前が見えなかったような)。あれれ、と思ったんですが、平岡円四郎襲撃・死亡の回だからだったのかも。西郷隆盛の警告通りでしたか。今際の言葉では、まだ死にたくないと執念を見せるも、いよいよ覚悟すると慶喜を気遣い、しかし最後は妻の名前「やす」でした。この「志→忠→情」の流れがカッコよかったなあ。

●DYNAZENON(第9話:重なる気持ちって、なに?)
(投稿後追記:「ガウマ」をことごとく「ガウナ」と間違えたので修正しました。「ガウナ」って「シドニアの騎士」の敵キャラじゃないか、さすがに失礼過ぎるぞ!>自分orz。)

 1クールだとすると次週から数えて残り3話。もし系統だったラスボスの策謀が裏にあるとすると、ちょっと描き切れないか。そのうえ、ガウマチーム側だけでも、過去にいろいろ抱えてて、伏線だとすると回収し切れるとは思えません。

 ですが、怪獣優生思想以上のラスボスがいなくて、1話完結的な作りだとしたら、このまますっと風呂敷畳めるかも。キャラクターの過去も雰囲気づくりのためで、掘り下げないかもしれません。

 夢芽は姉:香乃の死の謎を追って来て、今話中盤では「いじめによる自殺が隠蔽された」ような雰囲気にいったん振っておいて、「いや、もしかしたらこれが真相?」みたいな経験を夢芽自身がしてます(知恵の輪を取り落とし、掴もうとして落ちた)。香乃の死も事故かもしれない、で終わらせる可能性も出て来た感じです。

 事故死の伏線は、今になって思えば、例えばいったん気持ちが離れたような関係になって、しかし香乃が夢芽を演奏会に呼ぼうとしたことがあるかも。つまり、香乃が「なんかギクシャクしてる。きっかけ作って仲良しに戻ろう」としていたとか。そこは夢芽と蓬の離れて近づいてで模されてる気もします。

 暦と稲本だと、夫を暦が助けて完結してたのかもしれません。中学のとき、学校の窓を割ったとか、大金の入ったカバンを入手したとかは、ちょっと重い過去があって、今(物語スタート時点)はしんどい、みたいな暗示だけだった可能性も考える必要がありそう。

 ちせの不登校も、もしかすると今話で「これで、ちせの気持ちも吹っ切れた」ということかもしれません。小石(?)が成長するのは不気味でしたが、育ってみると友達みたいな怪獣ゴルドバーンで、前のハズレ怪獣とは違い、心が通じる仲。これで、ちせは友達ができたことになります。だから中学校をゴルドバーンが勘違いで襲いそうになったのを、ちせは必死で止めたと。

 ただ、ガウマにダイナゼノンを託した「姫」、蓬が怪獣使いではないかという出自含む疑問とかは残ってますね。もしかすると、ガウマチームは全員、怪獣使いかもしれない。前にちせが乗れたとき、ガウマが「誰でも乗れるのかよ」と言っていたのはミスディレクションで、実際には偶然ではなく必然でチームができたとか、あり得なくはない気がします。それくらいなら、残り3話できちんと締められそう。

 ともかく本編。冒頭、変なシーンが始まったと思ったら、ちせの悪夢(?)でしたか。孤立を暗示しているような夢ですね。学校でも、ガウマチームでも孤立している感じ。ですが、例の小石から育った怪獣に起こされた感じで目が覚める。

 目が覚めたはずですが部屋の様子が変で、小石(? 卵だった?)から育った怪獣の仕業でしたか。もっとも悪意はないらしい。ちせが目覚めず暇を持て余し、小さくしたり大きくしたりできる能力で遊んでいた、といったところだろう。大事なのは、聞きわけがいい点ですね。つまり言葉を解し(もしかすると意思を読み取ってる?)、友好的であると。

 ちせはポスターのGOLD BURNからそのままゴルドバーンと命名。もしかすると、怪獣はこれが嬉しかったかも。そうでなくても、たぶん刷り込みくらいは起こしてるんでしょうね。小石(やっぱり卵?)のときから、ちせに保護されていたようなもんですから。ちせも、何となく生命とか感じ、捨てがたくて持ってたんだろう。つまり、双方が慕ってる感じですね。

 場面が学校に移りまして、定番の「ヒロインの気持ちに鈍い主人公」でいいのかな。クラスメイトが花火大会の話題を出しておいて、それぞれが行けない理由を言い出し、蓬と夢芽で行って来たら、とプッシュする。が、蓬は男子の淡木と顔を見合わせ、「ないね」と。

 もしかすると、クラスメイトは蓬と淡木の2人を想定した可能性はありそうです。が、自分的には、少なくとも女子2名(金石、らんか)は夢芽と蓬を想定したと思いたい(^^;。それでも仮にそうではないとしても、結局、夢芽が行動を起こしてくれてますね。2人きりになると花火大会へ蓬を誘ってます。が、蓬がどうにもいかん。ガウマチーム全員で行くつもりになってる。夢芽の意図はラストで明らかになった感じですね。
(前作GRIDMANでは裕太が六花を2人きりを意識して食事に誘うも、六花がみんなで行ける店探すなんてあったような。DYNAZENONだと既に夢芽が蓬を2人きりの食事に誘ってましたな。)

 ガウマチームで夏祭りの花火大会に行こう、とはなったんですが、内緒で怪獣(ゴルドバーン)抱えちゃったちせだけは困ってますね。前例からすると、問答無用で処分されてしまいそう。キャリーバッグに入れて運んでますが、ゴルドバーンとしては散歩に連れてってもらって嬉しいらしい。

 それならと、空の散歩になるわけですな。が、ちせの愚痴を真に受けたゴルドバーン、ちせの中学校を襲おうとしてしまう。が、気付いたちせが止めると素直に従いまして、なんとか無事。言うこと聞きすぎるくらいですね、ゴルドバーン。こうなると、ちせもますます情が移っちゃうだろう。

 一方、夢芽。もしかするとこれが最後の、香乃の死の謎の追求に入ってますね。香乃の合唱部仲間の千田双葉に事情を聞いてみる。いったん手掛かりが切れたけれど、双葉のほうが気づいて出向いてくれたらしい。既に結婚してまして、時の流れを感じます。同時に香乃の彼氏でもあったはずで、香乃が死んだらさっさと乗り換えた、みたいな嫌な気持ちが夢芽に起こったでしょうな。

 双葉は香乃にいじめがあったかどうかは、やんわり否定するような、のらりくらりかわすような微妙な受け答えですね。自殺を否定するときに目が泳ぐような感じもあり、怪しいと思えば怪しい。

 夢芽がついに単刀直入に「香乃と付き合ってたんならどうして助けてあげなかったんですか!?」と問い詰めようとすると、双葉は「まあ、普通そう思うよね」と返す。解釈が難しい言い草ですね。

 一貫して逃げを打ったと思えば、そう取れる。ですが、もし双葉が『この子(夢芽)は元彼女で、死んでしまった香乃の妹だ」といたわる気持ちがあれば、できるだけ触れずにやんわりとショックを和らげようとした、とも取れます。第三者的な蓬がいることも、言い方に影響したかもしれない。

 ともかく香乃の死解明は進展せずで、かえってややこしくなりましたが、間の悪いことに怪獣出現。蓬は落ち込む夢芽を連れていくことをためらい、1人で駆けつける。まあ、夢芽に「ごめん、先に行って。すぐ行くから」と言われちゃ、しょうがない。が、これがガウマ的には判断ミスであるわけですな。

 怪獣優生思想側は、今回はジュウガが担当。ガウマを超える、と気合入っているらしい(前回までの敗戦を意識したのか、それとも5千年前の実力差か)。操る怪獣はギブゾーグで、地面を柔らかにし、地中に敵を埋没することもできるようで、先行したガウマ・暦が苦戦してますね。
(先週/第8回の怪獣、ウィキペディアや公式サイトで「ザイオーン」って名前付いてた。ハズレだから名無しかと思ってた。)

 グリッドナイトも駆けつけますが、形勢逆転に至らず。蓬がダイナソルジャーで現れると、かえってガウマに叱られる。夢芽はどうしたんだ、様子がおかしかったら置いてくるんじゃねえ、と。これでハッとするものがあった蓬、取って返す。
(ネットの感想を見てみると、このとき蓬が言った「俺にしかできないことは、俺がやらなきゃいけないんだ」は、前作GRIDMANで裕太も発した台詞らしい。制作はいろいろ前作を意識した演出してくれてるみたいですね。)

 しかし夢芽の元には、先にちせが来てましたか。この時点で専用の搭乗機はないから行く必要はなく、、ゴルドバーンは内緒だから行けなくもあるわけですな。そういう立ち位置が、冒頭の悪夢の仲間外れ的ポジションだったわけか。それゆえ、ちせは夢芽がうらやましくもありそうですね。仲間として認められ、明示的に必要とされてるから。

 ついにちせがキレまして、しかしそれに反応してゴルドバーンが現れる。バレちゃいましたな。が、蓬がダイナソルジャーで駆けてきたのはいいタイミング。夢芽の目の前にダイナソルジャーの顔が寄りまして、蓬は「迎えに来たんだ」と。ここはさすがに自分も前作GRIDMANのOP曲の「救いに来たんだ」を思い出すものがありました。

 さらにちせが追撃、「まっすぐに突っ込んで来ましたよ」~「あんた、贅沢なんだよ」と言い放つ。迷って動揺したらしい夢芽、つい知恵の輪を取り落としてしまい、掴もうとして落ちる。もしかしたら香乃の死もこうだったか、と思えるシチュエーションですね。

 救おうとした蓬のダイナソルジャーはわずかに夢芽に届かず、しかしゴルドバーンがキャッチしたのはいい流れ。蓬の意思は既にはっきり示されてたし、ゴルドバーンがちせを巻き込んで仲間と証明したことになるし。蓬、夢芽はこの時点でゴルドバーンが味方であり、操縦者/怪獣使いがちせと認めたはずです。これを暦、ガウマも文句なく承認する。

 で、一気に全機合体ですな。ゴルドバーンまでスムーズに参加しまして、「超合体竜王カイゼルグリッドナイト」ですか。実写~アニメのグリッドマンと似ていて、グリッドナイトが中核となる形態ということでいいのかな。主武装は蓬のダイナミックキャノンなのは、前回の共闘を継承らしい。ともかく派手。玄人ファン的にはいろんな要素が見えるみたいですが、自分には分からずですorz。
(見守る「二代目」の笑い方、GRIDMANの怪獣娘と同じですな。嬉しいと、つい素の癖が出るんだろう。)

 これには怪獣優生思想ジュウガ操るギブゾーグも、さすがに太刀打ちできず。ガウマ側は新メカだし、総員結集だし、全員合体ならば全員の心が一つになった証だし、ジュウガが勝てる要素なしでしょう。せめて怪獣優生思想側も、全員で操る怪獣見つけ出して、総力を挙げないといけないのかもです。が、シズムによれば怪獣の数も限りがあるらしい。怪獣(の素)が尽きると、自動的に戦いも収束になるのかな。

 ともかく今回の戦いは終わりまして、例の夏祭り・花火大会に行こう、という流れになる。が、急いで行ったけど終わっちゃってるわけですね。それならチームでやりましょう、ということになる。が、夢芽がいったん帰ると行って去ってしまう。

 なんだろな、と思ったんですが、浴衣に着替え、それに合わせて髪も整えて来たわけでしたか。いわば夏祭りの正装ですね。前半で夢芽が蓬を誘ったのは、これを見せたかったからか、なるほどという感じです。「ごめん、遅くなった」もいろんな意味を含んでそう。蓬もハッとして見惚れるものがある様子ですね。ナイトと二代目の雰囲気も悪くない。

 グリッドマン同盟含めて、チームの結束が成った感じかな。しかし、後3話あるわけですね。いったん成った結束にもう一波乱あるのか、それとも怪獣優生思想側に波乱が起きるのか。どう締めくくるのか、ちょっと予想できない感じです。

●ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

 ようやくTV放映してくれまして、本編ノーカットとのことですんで、ストーリー的には全部観られたはず。これの後、ゴジラとキングコングの激突となるはずですね(メカゴジラが、2大怪獣の共通の敵になるらしいですけど)。

 モンスターバースシリーズ3作目で、前2作の下地あって盛り上げてくれたせいか、面白いと感じました。怪獣数もかなり多いですし。録画分のCMカットして観なおしたら、さらに面白いはずとも感じます。前2作はCMカットして確認しておこうという感覚でしたが、今作はきちんと楽しむため、CMカット編集せねばという気がしています。

 きちんと感想書くとしたら、CMカットして観なおしてからになると思います。が、CMありのリアルタイム視聴でも、かなりいろいろ感じるところ、思うところがありました。テーマであるはずの怪獣についてが、まず面白い。

 環境原理主義テロリストやモナーク、政治家、軍などが、怪獣についていろいろ言うわけですね。テロリストは地球を神になぞらえているようで、怪獣は地球のバランスを保つ使徒だと思っているらしい。モナークは見方が多様で、洋の東西の特徴を表しているような気がします。軍は脅威、さらに敵対者と見る傾向が強そう。それぞれ、自分のスタンスに従って解釈してるわけですね。

 が、ストーリーが進んでいくと、怪獣、特にゴジラ及びキングギドラがそういう見方を蹴散らしていくような気がしました。「人間の勝手な解釈なんぞ知らん、自分は本能に従って生きとるんじゃ」と言いたげな感じと言ったらいいか。人間が敵意を見せれば容赦ないし、大人しくしていれば気にしない。それでも、わずかに人間が関わる部分もあると。

 1つには「オルカ」ですね。怪獣を操ろうなんて不心得な使い方すると痛い目に遭う。が、外来種たるキングギドラに対抗するゴジラを手助けするためなら役に立つ。

 しかし、自分的に感動したのは、やはり芹沢博士です。今作の芹沢博士は芹沢猪四郎博士(本多猪四郎監督へのリスペクトか)、初作は芹沢大助博士ですね。芹沢大助博士は軍の核兵器実験でよみがえったゴジラをオキシジェンデストロイヤーで自らの命と引き換えに倒し、芹沢猪四郎博士は軍のオキシジェンデストロイヤーで瀕死のゴジラを、自分の命と引き換えに核兵器でよみがえらせる。

 この好対照が、自分的に実にいい。科学者の責務を命に代えても果たす芹沢博士の行動だけでなく、例えばゴジラ初作に対するリスペクトが感じられます。初代をトレースし、意味付けを綺麗に裏返してますね。大事にしてくれてるなあと思えます。

 それだけでなく、モンスターバース初作への批判にも回答を出しているように思います。批判は「ゴジラは水爆実験で生まれた、核兵器へのアンチテーゼなのに核兵器を否定するような設定、描写でなくて」云々というもの。ゴジラは核兵器反対のスローガンでないといけない、というものですね。

 自分的には「いや、そんなことはない」としか思えません。ゴジラ初作とて、核兵器がどうこうなんて評判じゃなかった。都市を破壊しても、観客は大喜びで、例えば「うちの会社をゴジラが踏み潰してくれた!」とか、大喜びで語る社長さんとかいたんだそうで。エンターテインメントなんですよね。平和あるいは環境主義者のプロパガンダのためにゴジラはいるんじゃない。

 今作の芹沢博士はそこを体現してくれた気がします。平気で「人類は怪獣のペット」と言ったり(力関係を意識しただけでなく、怪獣に悪意がないと表現したか?)、それでも殺すなと言ったり、最期はゴジラを「友」と呼んだり。初作の若いゆえに悩み多き芹沢博士が、ずっとゴジラを追って老境に至り、ついに悟りを得た芹沢博士になれたような気がしました。

 ともかく、ゴジラもキングギドラも総進撃的な多数の怪獣共演も楽しかったですが、自分的には「芹沢博士の物語」的な側面が一番強かったかもしれません。CMカットして観なおしたら、印象がどう変わるか楽しみになってきました。

Re: 5月のスレッド(2021) - K.K

2021/05/31 (Mon) 20:25:32

 定期感想その3です。

●ダイの大冒険(第34話:ロモス武術大会)

 録画を観なおして、ちょっと笑った。字幕出して台詞確認したんですが、序盤でシルエット(と目)だけ描かれた女性格闘家、字幕の台詞に「マァム」って出てる。のっけから正体割れちゃってるわけですね。師のブロキーナも字幕で名前出てましたが、それの影響は比較的軽いかも。

 もっとも後半できっちりマァムの再登場が描かれはするんで、秘密厳守までは必要ないかもしれません。声優だって同じで、冒頭から声は聞こえてるんで「あ!」と思いはする(映像作品だからで、コミックでは事情違うと思うけど)。しかし、せっかくシルエット演出してるんだから、せめて字幕には「マァム」ではなく「武闘家」とかにしてもよかったんじゃないかなあ。気を持たせるなら「???」とかでもいいかも。

 それでも、やっぱり字幕作った人も嬉しくて、つい名前書いちゃったのかなあ。自分もマァム帰還がはっきりしたとき、興奮しましたし。日本語放送の日本語字幕は本来、聞こえない人のためにあることも影響したかな。声で「あ、マァム」と喜べる人がいるんだから、名前出してもいいだろうと思ったとか。

 ともかく本編。まずは気球でパプニカに帰還するダイらですね。城では大騒ぎレベルで出迎えてまして、最初、「何をそんなに興奮してるんだ?」と思いました。が、すぐに「そうだった、買い物に出て、そのままバラン戦まで発展しちゃったんだ」と思い出し、納得。

 城の一同はそんなこと知る由もないでしょうな。が、レオナはそんなことに構わず、バーン対策を進めるつもりらしい。三賢者の一人、エイミがロモス王国へ遣わされた模様。各国の協力体制を作るということかな。一致して当たる必要があるほど、敵の脅威は高いのは確かでしょうね。

 しかし、ダイらのパーティはマトリフが強くアドバイスして、まずは休養と。で、ポップのうかつさが発揮されるわけですな(^^;。ポップがマトリフに語るに、メルルがいろいろ世話を焼いてくれたと。ポップ、「俺に惚れてたりなんかして」と言いまして、よっしゃあ、と言いたいところですが(マトリフもそんな気配がある)、「なーんてね、ナハハハ」と続けやがりました(^^;。

 マトリフならずとも、「このアホが」と言いたくなるところですが、天罰(?)降りまして、ライデインの余波がポップに当たる。ダイが修行してたわけですね(休まない連中だなあ)。ライデインならもう使えてるのに、と思ったんですが、ダイは紋章抜きで使えるよう、修練してたわけか。基礎体力上げる、みたいな狙いだろうか。できればギガデインまで会得したいところでしょうし。

 ともかく、では紋章使えばどれくらい、と試すと、これが凄い。ダイの成長は急速に続いているようですね。レオナから下賜された装備の助けもあるかもしれない(3本のパプニカのナイフの話は、ここで出るのか)。勇者らしいコスチュームになりまして、紋章使ってみると、もう獣王会心撃も効かないのか。放ったクロコダイン、ショックを受けつつも、嬉しくもありそう。

 が、意外な弱点ありましたか。ダイは急に力が抜けて、砂浜で犬神家状態に。最大出力は上がったけど、スタミナはまだまだみたいですね。ヒュンケルによると、竜戦士状態でフルに使える剣がないことも問題。その指摘が、ロモス武術大会の「覇者の剣」に結び付くわけすな。エイミ、もうロモスから帰って来てたのか。

 言い出したヒュンケルは、アバンの書をダイに託して、槍の修行に出てしまう。憎悪の連鎖を止めるべく、武を止める武を身に着けたいらしい。アバンの書は少々重過ぎる、というのは意味深長でありそう。クロコダインの見立てでは、アバンの使徒長兄の自覚、ということらしいですが。

(DQ3プレイヤーとしては「剣がないなら、徒手空拳が身上の武闘家はどうなんだ」と、マァム再登場回であることもあって、思いました。が、能力がレンジャータイプの勇者だと、やっぱり剣が要るんだろう。)

 おそらくその頃、どこかの山中で修行する女性武闘家が、師らしき人物からロモスの武術大会に行くよう言われてますね。教えられることはもうない、後は自分で修行せよ、みたいなことなんだろう。

 ともかくもロモス武術大会。覇者の剣があるなら、参加しない手はない、ということで、ポップのルーラでダイを連れて急行。ですが、大会申し込み締め切り時間は過ぎてましたか。しかしマァムが出場しているわけですね。相当に強く、上手く行けば覇者の剣が手に入る。

 メルルの気持ちに疎いポップが、マァムがもし本物だったらどう思うか、ということにも疎いコントとか入り、後の重要キャラクターと思しきチウも登場。だんだん楽しい展開になってくる。が、バランの一件を聞いたマァムの様子が厳しくなり、覇者の剣奪取を断固拒否。瀕死の重傷続出だし、ポップに至ってはいったん死んだし、何より親子の殺し合いなのがマァムとしては許せないらしい。

 そういうところが、マァムのブレなさを表しているような気がします。かつ、ヒュンケルが以前にマァムに聖母性を見たのも、ようやく実感できる気もします。ヒュンケルは今話で争いを止める武が必要と分かったと言うわけですが、マァムはもっと前からそう決意していたことになります。

 魔弾銃もそういう使い方だったし、武闘家になろうとしたのもそのためだったと考えるべきでしょう。自分の目指す方向を先取りし、実際に先を言っているゆえ、ヒュンケルはマァムに絶大なものがあると感じ取ったんでしょう。たとえ、何が自分(ヒュンケル)より凄いか、まだ具体的には分からなくても。

 武術大会のほうは普通に試合が続いているようですが、天覧するロモス国王の脇に不審な人物が現れまして、不穏な気配ですな。ネットで調べると、正体はザボエラの息子のザムザなる妖魔騎士団幹部らしい。これは波乱が起きないわけがない感じです。

 次回「決勝戦の異変」では、裏で糸を引くキャラクター(ザムザ)が、早々に正体を現すみたいですね。いったん緩んですぐに引き締めてて展開が速い。自分的に好感度高いです。マァムが武闘家として再登場しましたから、OP映像は変わるかな? そういうところも期待したくなります。

Re: 5月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/06/01 (Tue) 00:38:27

 5月最終書き込みになりそうなタイミング。

★ダイ大

 メルルがテランから付いてくるのは、記憶違いでした。

 ザムザ関連のエピソードが終わった後に、ポップを追いかけて来て、再合流になりそうですね。
 本物マァムへの印象も、その際の記憶ですので、後のシーンのフライング情報でした。

 今回のエピソードについては、序盤のマァムのシルエット部分は、原作にはないアニメでのサービス描写ですな。
 BGMの中国拳法風味が良くて、しかも老師の声優が水島裕ですと? サモ・ハン・キンポーとか、ゴッドマーズの明神タケルとか、アニメ版レインボーマンではないですか。
 そりゃ、武術の神ですわ。

 ブロキーナ老師は、マトリフ師匠同様、アバン先生の冒険パーティーの一員で、体力はないけど、技術だけだと最強クラスの御仁。とにかく、俊敏な動きで相手を翻弄し、攻撃が当たらない。
 後に、ラーハルトさえ舌をまくほどの拳聖ですな。

 とりあえず、ドラゴンボールの亀仙人に近い立ち位置。
 マトリフ師匠のスケベさと、ブロキーナ老師を足して2で割ったら、亀仙人になるかな。

 ともあれ、このエピソードは武闘家マァムのお披露目戦なので、それほど長くはならないと思います。
 来週にザムザが悪事をバラして、その後、超魔生物の脅威とか、マァムの必殺拳とかを順次見せて行って、6月いっぱいには決着がつくかな。4週ぐらいのエピソードだと想定。

 そして、ダイの剣がなしだと、どうなるか?
 アバンストラッシュが使えないのが、大きな問題になりますね。
 また、これは次回のチウの戦いで問題になるのですが、手足が短いと、大きな敵に対して拳が届かず、不利になる。ダイもチウほどでなくても小兵ですので、拳よりは剣じゃないと、ダメなんだろう。

 なお、この覇者の剣は結局、敵に奪われ、ハドラーの腕に埋め込まれます。この一連のエピソードは、最終的にハドラーの強化手術につながって来て、ザムザは捨て石扱いにされるという父子エピソードの一環になる、と。
 師弟の物語と、父子の物語、そして強さをテーマにした問題提起が骨太のストーリーになってるな、と。

★青天

 まだ攘夷と言っている栄一たちの未練が、恩人・平岡の死その他の要因で、吹っ切れる流れかな。

 家康さんはお休みでしたが、慶喜が自分の家康さんへの想いを語る回で、家康が出ていたら興醒めなのかも。
 慶喜が家康とは「夢でも会ったことがないが尊敬している」と語り、視聴者も「家康出なくて寂しいぞ」って気持ちにシンクロすれば、初めて慶喜のポーカーフェイスな心情にも感情移入できて、その後、慶喜が感情を露にして、平岡の死に号泣するところも上手い話の持って行き方。

 一方、水戸の内乱に間接的に巻き込まれる形になった栄一たちや、故郷の村の面々。
 攘夷という思想の悲劇と終焉。そこから開国へ向かう機運と、倒幕に向かう時代のダイナミズムに、栄一がどのように平岡の志を受け継ぐかが次回の話みたいです。

 また、慶喜が平岡の死を受けて、最後の将軍の重荷を受け継ぐ覚悟を決めるってドラマ演出だろうなあ、と思ったり。
 慶喜視点では、渋沢たちが平岡の遺産・遺児みたいに感情移入できるとすれば、うまく関係性が紡げるだろうし。

 その後、栄一が慶喜の命で洋行している間、国内に残って慶喜のために尽くすのが喜作(誠一郎)の役割になるだろうし。

 もしも、オリンピックが開催されるなら、オリンピック前が幕末編で、その後、オリンピックが終わってから明治編になるのかなあ、と勝手に前倒しの予想を考えてみたり。
 明治に突入するのは、7月から8月かな、と。

★ゴジラSP

 ジェットジャガーの蟲退治編終了。

 3話で1エピソードという仮説は正解っぽくて、ラドン編で3話、アンギラス編で3話、クモンガ編で3話の、ここまで9話ですね。
 残り4話は、このジェットジャガーがどんな強化バージョンに進化して、進化成長したゴジラと対戦するか、に注目です。

 あと、今回の緑肌ゴジラは、リトルゴジラのオマージュで、タバコの煙みたいな演出はミニラの吐く炎へのオマージュという説が。

 ともあれ、残り4話で、別行動の主人公とヒロインがそろそろ合流しろよ、と思わなくもない。
 このまま合流せずに、ずっとリモートで議論しているだけだと、何だかモヤモヤしますので。

 いや、ペロ2がデータを入手したOD理論が、ジェットジャガーのAIを急速進化させて、紅塵消滅ビーム搭載型になるとか、ゴジラを相手するには、それぐらいの超兵器が必要かな、とか。
 とにかく、最後に何らかの形で協力して欲しいもの。

★ダイナゼノン

 最強合体キター、と盛り上がりましたね。

 その前の孤立した心が、ゴルドバーンの仲介で、つながるドラマも、上手く話をまとめたなあ、と感心しきり。
 バラバラの話が、ようやく絡み合った形で、そこに最強合体を被せて来ると、溜めに溜めて一気に放出して、カタルシスってなものです。

 ここまではドラマ部分とバトル部分がつながってなかった感じだったのが、一気に結びついて、いいクライマックスだったなあ、と。

 そして、次回は終盤になって、ガウマさんと怪獣優生思想の決着に至る展開になりそう。

 夢芽さんのドラマは、孤立してもやもやな心境をどう整理したらいいか、な話で、
 蓬については、良い人なんだけど、そこから頼れる人、信頼できる人になるかは、あと一歩押しが足りず、それに蓬は夢芽がいなくても、普通に仲間がいるようで、一方、夢芽は……彼女のもやもやが言葉で説明できないなあ。

 とにかく、ダイナゼノン組の心のモヤモヤが、怪獣出現の根本的原因ではないか、と自分は考えましたので、
 ちせの件はゴルドバーンで解決。
 蓬と夢芽は、今回で丸く収まったのか、もう一波乱あるのか、どっちにも思える。
 暦先輩は、どうなるんだろう? 稲本さん絡みのドラマは勝手な思い込みで解消したとして、彼の無職問題は解消されないわけで、たぶん、一番、どういうドラマの落としどころがいいのか見えにくい。

 そして、怪獣優生思想は、これから1人1話ずつ倒されてしまうと、話が重くなりそうですが、オニジャ辺りが散って、ムジナ暴走するも、最終回間際でオニジャがひょっこり「ふう、死ぬかと思ったぜ」の一言で復活するとか、結局、みんな無事かよエンドが理想ですね。

 まあ、いきなり巨悪出現して、世界の危機に怪獣優生思想がダイナゼノン組と共闘するとか、
 グリッドナイトのみならず、グリッドマンも助っ人に駆けつけてくるとか、とにかく長谷川さんらしい夢と希望あふれるベストエンディングを期待します。

 この人の作風は、闇を突き抜け、光となるハッピーエンディングが定着してますので(途中の闇の濃度が作品によって、まちまちだけど、最後はみんなで団結して、もやもやを払うのが定番)、次辺りに重い一石が飛んできても、ドキドキしながら見守ろう、と。
 ガウマとオニジャが相討ち死亡? ぐらいはやり兼ねないと思いつつ。

★ゴジラKOM

 TV放送したんですね。
 自分は映画を見て、映像ソフトも持っているので、今回は見なかったのですが、ツイッターで話題が盛り上がっているのを見て、懐かしい気分に駆られたり。

 本当は、ゴジラVSコングで盛り上がっているはずの時期なんですけどね。
 ともあれ、KOMは、ゴジラがラドンやモスラと手を組んでキングギドラを撃退する東宝の旧作をモチーフに、独自のストーリーを構築。
 上映時に一番驚いたのは、ラドンがギドラの手下になって、モスラと空中戦を行ったこと。ラドンVSモスラという戦いは、見たことがなかったので、珍しいものを見たな、と。

 まあ、ラドンファンとしては、ギドラに負けて寝返ったり、ゴジラの勝利を見て平伏したり、おいおい、とツッコミ入れまくりだったのですが、
 ゴジラの一の子分として、名誉挽回して欲しいな、と思ってたり。

 ラドンで一番好きなのは、怪獣大戦争でゴジラの相棒として、モスラ抜きでギドラと戦い、ゴジラの背びれをつかんで飛行翼となってギドラに体当たりして、水中に落下して相討ち的に撃破するシーン。
 ゴジラの翼となって、ウィングゴジラフォームみたいなものですよ。地上用のロボットが翼を装着合体して空中戦を行うのはお馴染みの燃えシチュエーションですが、
 とにかくゴジラの翼役として、ラドンが頑張るというのは、着ぐるみで撮影するのも非常に大変だったろうな、と思いつつ、怪獣同士の合体連携攻撃として、自分の中では高く評価しています。

 その後、ゴジラが単独で空を飛んだり、ラドンがファイヤーラドンとなってゴジラを復活させてメカゴジラ撃退のキーモンスターになったり、いろいろな歴史を踏まえる一方、モスラは……KOMでラドンの代わりに女王属性を与えられ、ゴジラに火炎の精霊のような力を与え、モスラの羽をまとったゴジラみたいな幻想映像を見せてくれました。

 ゴジラがキングだったら、モスラはクイーン。すると、ラドンは?
 空の騎士ぐらいの立ち位置と見なしたいけど、FF4の竜騎士カイン(すぐに敵に洗脳されて敵に回る仲間)のイメージかな。

 とにかく、お祭り怪獣映画として、マニアックなゴジラ愛を感じさせてくれた一作でした。
 何だかんだ言って、人類の味方として悪の怪獣と戦うゴジラって久々でしたからね。

 ゴジラSPのゴジラが、急に味方になって、さらなる凶悪モンスターと戦ってくれることはないだろうなあ。
 実は怪獣が次々と現れるのは、別の地球の危機を察して、それと戦うために力を蓄えるため、という事情があって、宇宙から飛来した悪魔のような敵に対して、ゴジラがジェットジャガーと力を合わせて立ち向かい、地球を守った後、地上の全ての紅塵と共に元の次元に戻っていく、とか、そんなことはないと思いつつ。(でも、そんな展開が好みだったりして)

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