創作と鑑賞の談話室

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10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/01 (Fri) 00:01:16

 10月の雑談スレッドです。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/04 (Mon) 18:18:24

 定期感想その2です。

 今までは月曜になると「火曜には定期感想の1つめのゲッターがある」と、ちょっと焦るものがありました。ないと思い出すと、ちょっと寂しいかな。

●ダイの大冒険(第51話:アバン流究極奥義)

 魔王軍を離脱した戦士各々の胸中や悔いが聞けて、なかなか印象深い回でした。嘘をつきとおせない奴らですな。最も本心を隠そうとしたのがバランですね。その本心は自分(バラン)以外の犠牲を出したくないというものらしい。殺気を見せたり、クロコダインを殴り倒したりしてみせますが、似た者同士のヒュンケルには見抜かれるわけですな。

 たぶん、バランの目が「ダイを頼む」という感じの父ちゃんのものになってたんじゃないかと思います。この辺りは実写の細かさが出せないアニメでは判断が難しいところです。だからヒュンケルがはっきり察知する内心の台詞とバランへの問いかけでフォローするんでしょうな、

 もっとも舌戦で武人が翻意するわけもなく、最後は戦って決着するしかない。しかしそれでケリがつかないところが歯がゆいようでいて納得度が高い。致命の邪魔が入って、対応したのがヒュンケルで、これがバランに刺さり、続いてクロコダインに刺さって、みんな本音を明かすと。ついでに邪魔した敵にすら別の面ですが感心させもする。

 バランの判断ではヒュンケルは皆を庇って再起不能。それも各々に深く刺さる理由なんでしょうな。ヒュンケルは一身を犠牲にして味方の団結を作ったと言えそうです。そう思っていったん感涙だったんですが、調べてみるとヒュンケルは不屈の復活を果たすらしい。ちょっと拍子抜けしたような、しかし嬉しいような(^^;。そう分かっても、今話のヒュンケルの印象の深さ、強さには何の影響もありません。

 ともかく本編。OP曲と映像が一新しましたね。EDも変わりました。全話で2年予定だとすると、OPは映像を微修正しつつ、最終回までこれで行くのかな。ED曲はあと1回くらいは変えてくれそう。

 前話ラストでビショップのフェンブレンを退けたバランがどう出るか気になりますが、冒頭からはまずはハドラーの動向ですね。超魔生物化はハドラーをむしばんでいるらしく、かなり苦しげ。それでも己の強さの限界を知り、アバンに勝てていない自覚があり、しかし諦めない闘志を見せてますな。さらに理想的な武人に近づきつつあり、それがヒムに強い影響を及ぼしている模様。たぶん涙って、心を示す象徴なんだろう。この後のヒムの動きに期待するものがあります。

 一方、ダイ側の捜索隊は直ちにチウと遊撃隊を発見。重傷ながらルーラで帰れますし、ちょっとホッとするところ。ですが、異様な殺気/闘気をヒュンケルが察知したみたいで、ポップにチウを連れて帰らせ、自らはクロコダインと共にはしんがりとなるつもりらしい。

 観ているこちらには、誰なのかは前話ラストからして明らかで、バランですな。バーンを倒すと言うものの、人間への敵意も示す。クロコダインが必死に仲間にと説得するも、拳で返されてしまい、ついでにヒュンケルも殴り飛ばしまして、話にならない。バーンの配下ごとき、何する者ぞくらいの啖呵も切るし。

 しかし、ヒュンケルには見抜かれるわけですね。敵対する者の目じゃないと。「死にたくなかったら早く帰れ」→「ダイのところへ」という言いぐさも、つい内心が出てるんでしょうな。ある意味、分かりやすい男ではあるようです(^^;。

 しかし、バランの殺気、闘気は異様に高いまま。遠く離れたダイが何らかの異変があると感じ取るほどですから、バランの目の前にいるヒュンケルらには圧倒的なものがありそう。これも『とっとと帰れ』の威圧なんでしょうけど、ヒュンケルがたじろぐわけないか。ラーハルトの今際の言葉で頼まれてもいますしね。ヒュンケルが受け継いだラーハルトの意思/遺志はバランにも伝わるものがあるらしい。バラン、ちょっとぐらついてきたかな?

 が、やっぱり戦わないと納得しない人たちですねえ(^^;。ヒュンケルに勝ち目はないだろうと思ったんですが、秘策「無刀陣」がありましたか。一撃食らってからのカウンターということで、闘気が消え去るほど心を澄まさないとできないものらしい。「北斗の拳」でいえば、ケンシロウなら「無想転生」、南斗水鳥拳のレイなら「断己相殺拳」みたいな感じなのかな。

 バランも同じ構えを取ろうとしたようですが、闘気が消え切らない。どうやら境地的にはヒュンケルが一歩先を行っているらしい。ならば得意の技で行くしかないとバランを闘気を最大に上げて、もう衝突が止められない感じですね。

 が、敵はそんなことに構わない。クイーンのアルビナスですな。ヒムは無粋だと思うものの、アルビナスにはアルビナスなりの信念があり、ヒムもそこは認めざるを得ない感じですね。ヒュンケルとバランが衝突する、回避不能のタイミングを狙ってニードルサウザンド(確かアルビナス最大の奥義だったはず)ですか。

 が、なぜかアルビナスが返り討ち。どうやらヒュンケルがブラッディースクライドで反撃したらしい。バランでさえ対応できないタイミングを、ヒュンケルは瞬時に攻撃対象を切り替えて対応したわけか。

 しかし、結果はバランらを守ってヒュンケルは再起不能の重傷。勝負はつかなかったわけですが、バランは敗れた自覚がはっきりあるようですな。自分にできないことを、格下と思っていた相手がやり遂げたわけで。技も覚悟も自分(バラン)を上回った、と心底思ったんでしょう。

 なんとなれば、バランから信じられない言葉が出ましたからね。クロコダインに「私はどうすればよいと思う?」ですから。こんな弱気というか、本音のバランって、初めてじゃなかろうか。これにクロコダインが応えられればいいんですけど、クロコダインも心底打ちのめされてますな。

 なぜなら「お前(バラン)とバーンを戦わせた方が人間たちには得だと思ってしまっていた」から。利を考えてしまっていたわけで、ヒュンケルの覚悟には遠く及ばない。そこがヒュンケルの無言の行動で分かっちゃったと。そのため、バランの問いかけには「俺に聞かんでくれ」と言うしかないわけですね。

 みんなヘタレてしまい、何も言えないわけですが、かえって最も雄弁に物語ってますな。ラーハルトの意思も汲むヒュンケルの決意に応えたい、と一致団結したことがはっきり示されてます。この後、バランらはダイ側拠点に現れて皆を驚かすわけですが、観ているこちらは心強い感じしかしません。

 次回のサブタイトルが、今話ラストで何が起こっているかを示してまして「父子(おやこ)竜出陣」ですもんね。再起不能の重傷のはずのヒュンケルが立ち上がるカットも入ってまして、これも心強い材料。しかし三賢者の一角にした片思いのエイミとしては気が揉めるだろうなあ(メルルも最近、その方面での動きを見せなくて気になる ^^;)。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/05 (Tue) 20:55:42

 定期感想その3です。

●仮面ライダーリバイス(第5話:世直しライダー!裏切り者は誰だ!?)

 ちょっと先が読みにくい展開になってる感じですね。ライダー的な目玉はラストで登場の「仮面ライダーエビル」ですが、変身者が誰か。フェニックスでのスタンプ盗難はフェニックス制服を着た誰かではあるんですが、顔が写らず、やっぱり誰なんだと。盗み出した人間とエビルの関係も今週分では不明のまま。

 エビルの正体については、デッドマンズ側ではないと考えてよさそうです。スタンプ奪取に出張ってきたオルテガとフリオが正体を推測しようとしてました。これが一輝側に聞こえるように言ったんなら別ですが、どうも内輪の会話っぽい。たぶん、エビルが誰で何をしようとしているか、知らんのでしょうね(現頭目格のアギレラはどうか分かりませんが)。

 スタンプ盗難からエビルについて、とりあえず怪しいのは2名でしょうか。門田ヒロミと大二ですね。門田ヒロミは冒頭から降格に怒る描写があり、直後に制服の誰かのスタンプ盗難シーンとなってます。普通に解するなら「盗んだのは門田ヒロミ」と匂わせる演出のはず。

 ですが、顔が映ってない。フェニックス隊員で様子がおかしいのがもう1人いまして、大二ですね。先週分で一輝と衝突から和解まで行ったにも関わらず、今話での大二はまたもや一輝に突っかかってまして、どうも何かある感じです。メインゲストにしてデッドマンズがあずかり知らぬ悪魔召喚したボンをおとりにする提案をしたのも大二。

 とはいえ、フェニックスが「しあわせ湯」にやって来て打ち合わせというのも、何か変な感じです。門田ヒロミはちらっと一輝のスタンプに目を走らせまして、何か思うところがありそう。ジョージ・狩崎は……置いとこう(^^;。常に怪しいけどトリックスター的で、意図がよう分からんです。

 門田ヒロミが大二と語らって、辺りを想定しておけばいいのかな。それで来週の意外な展開に驚く趣向なんでしょう。誰かな、こいつかな、あいつかな、と思わせておいて、違う人物(例えば今話でちょっと陰りの表情を見せたさくらとか)に焦点を移すみたいな展開かな。

 いったんはダークホースとしてメインゲストのボンが深く関わってる可能性も考えはしました。奇妙な正義感ながら、自分がやらねば誰が、と切羽詰まった感じを見せてまして、普段の面白半分でやってる印象とちょっと違う。ブラック企業的と匂わされた会社への突入は、そこでボンの大事な人が困ってる、とかの可能性を考えました。が、祖父の本田茂夫に対する様子、さらに来週のメインゲスト(弁護士)が別人ということで、ボンで掘り下げる可能性はなさそうです。

 ともかく本編。冒頭からは降格処分の通告書を見て不満げな門田ヒロミですね。まだ克服してなかったのか。続いてスタンプ盗難シーンから、ボンにライオンスタンプを渡す描写へ続く。描写的にはっきりしてるのはボンだけですね。この後、ブラック企業に乗り込んで悪魔召喚しますし、それを察知したデッドマンズの面々は(こんな低レベルは)知らんと言ってるし。

 ただちょっとはっきりしない点もあるかも。描写されたのはライオンスタンプの盗難のみ。同時に盗まれたとされるコングスタンプについては、はっきりしません。もしかすると、門田ヒロミがライオンスタンプを盗み、大二辺りがコングスタンプを持ち出した、といったこともありなくはないのかもしれません。もしそうだとしても、この時点では示し合わせてはなさそう。トイレでの会話は陰謀を共にする同士のものとは思えませんので。

 一方、五十嵐家の「しあわせ湯」は平和空間ですね。今話では父ちゃん(元太)が動画配信始めたらしい。儲け狙いらしいですが、さくらが呆れてますな。それでもとりあえずは動画配信向けの客が押し寄せてまして、まずまずなのかもしれない。「しわあせ湯」は、アギトでの美杉邸みたいに、外が荒れてもここだけはほのぼの、みたいな心の拠り所になって欲しい気がしますが、一輝、大二、さくらの関係性がどうも見えないところで緊張しがちで不安です。要の母ちゃん(幸実)の不在のせいもあるのかもしれませんが。

 ともかくも、動画配信効果で「しあわせ湯」に老人がやってくるわけですな。林家木久扇師匠演じる「本田茂夫」で、過激な動画配信してる孫のボン(名前がマサオと後で判明)を心配して相談に来たらしい。のですが、後のシーンでは「粟饅頭」渡したかっただけだったようで、まあとぼけた爺ちゃんなんでしょうな。そこがむしろボンに刺さっているようでもあります。

 そのボンはブラック企業に突入、世直しと称して動画配信始めるわけですね。当然、警備員に排除されそうになるわけですが、スタンプで悪魔召喚して強行突入と。しかしデッドマンズが関知しない事件らしい。冒頭の盗難者が単独でボンを使嗾したんでしょうな。

 フェニックス基地ではスタンプ盗難の事実が隊員らに明かされる。ここでの門田ヒロミの様子がちょっとおかしく、コングとライオンのスタンプが盗まれたと知って、かなり怪訝そう。犯人だとしたら変でしょうな。門田ヒロミがどっちかを盗み出して、もう1つは別の犯人ということでいいのかなあ。ジョージ・狩崎はある程度目星がついてそうな様子が窺えます(狩崎が嚙んでる可能性もあるけど)。

 が、犯人追及はボンの起こした事件で中止、出動となった模様。同時に一輝にも連絡が行ったらしく、先着して対処開始ですね。ライオンスタンプの悪魔は、召喚者ボンがデッドマンズから侮られるだけあって弱かったみたい。分身とか能力は多彩のようですが、たちまち撃破されまして、門田ヒロミ、大二が駆けつけたときには既に解決。ボンも祖父の本田茂夫を見て反省するところがある模様。実際、この後は対デッドマンズ作戦に協力するわけで。

 一方、デッドマンズは行動開始しまして、五十嵐家のアキレス腱を狙う作戦らしい。描写からすると、またもやさくらが狙われるのかな。そのさくらは、一輝、大二への心配が高じたのか、悪意と正義とか、根っこの問題を考えようとしてますね。母:幸実は深入りを避けさせようとしてますが、果たしてどうなるやら。

 その頃、フェニックスではライオンスタンプ回収するもコングスタンプがまだということで、次の作戦に移るつもりらしい。ここでちょっと「あれ?」となるのが大二でしょうか。なんだか積極的、さらにごり押しくらいの感じがあります。ボン(マサオ)をおとりにしてのおびき出しを提案してます。返り咲きを焦っていた門田ヒロミはむしろ尻込みする感じですね。事態を動かしたがっている人物が入れ替わった、と考えてよさそう。

 打ち合わせの場が「しあわせ湯」に移りまして、ちょっとシュールかな。お茶を前に廊下で正座して、ですから(^^;。しかし内容は深刻。ボンの罪の意識に付け込んでおとりに仕立てる、と考えてもよさそうな作戦ですから。ボンに対する矯正って懲役刑に近いものかもしれず、免除というのは魅力ありそうですね。

 つまり飴と鞭。大二は追い込む気満々で、門田ヒロミも同調している模様。大二は背後に現れたジョージ・狩崎に銃を向けてしまったり、ピリピリもしているらしい。一輝は常識的判断として一般人巻き込んじゃマズいと反対。これかな、大二が直後に一輝に皮肉言って、険悪なムードにしちゃった直接原因は。しかしともかく、ボンも積極的に同意したことでおとり作戦開始と。

 それにしても、このタイミングでなぜジョージ・狩崎は一輝にライオンスタンプ渡したのかな。門田ヒロミは意味ありげなまなざしでスタンプ睨んでまして、狩崎はそういう動揺誘ってるのか。これとは無関係にさくらの表情が陰りがちなのが気になります。母:幸実のアドバイスが届ききってないか。

 ボンの動画配信始まりまして、スタンプを壊すというものですか。後で明かされるのは、このスタンプは偽の模造品ということですね。周囲に隊員も配置されてまして、準備は充分らしい。が、なぜか警備についてる門田ヒロミが振り返って銃を構える。そこでシーンが途切れてるんですが、後のシーンから考えて、このタイミングで仮面ライダーエビルの襲撃があったと考えるべきなんでしょう。

 動画配信の罠はうまく行きまして、デッドマンズのオルテカ、フリオが奪取に現れる。が、スタンプは偽物と明かされ、怒りの変身してのバトルに突入と。一進一退ながらリバイス側優勢か、と思ったら、背後からエビル登場。周囲の隊員は既に倒されている。デッドマンズも想定していない事態でもあるらしい。

 というところで次回「世直しライダー!裏切り者は誰だ!?」へ続く、となるわけですが、悪徳弁護士がメインゲストらしく、話がどうつながるか分からない。タイトルだけは示唆するものがあるかな。ボンがやってた「世直し」に黒幕がいそうで、それが「裏切り者」と深く関係ある、みたいな。ともかく次週の種明かしに期待です。

●桃幻の笛(牙狼)

 主役級騎士が出演していない外伝では仕方ないことだったかもしれませんが、尺が61分であるのがもったいない気がしました。主要キャラクターが敵味方、それぞれ2人ずつで、うまく対比されていて、そこをもう少し掘り下げたら感動が深かったのに、と惜しむ気持ちが起きてしまいます。

 味方側は邪美と烈花でして、この2人の関係性はTVシリーズなどでおおむね分かっているわけですね(たとえ自分の理解が浅いとしても ^^;)。この劇場版で新登場なのが敵方の2人の法師で阿伎(アギ)と麻伎(マギ)。最初は味方のふりして、邪美と烈花に近づいてくるわけですな。

 麻伎は不治の病の末期で、阿伎は是が非でも助けたいと願っている。それだけなら美しい関係のようですが、どうやら大きな力を持ちながらも闇に堕ちて封印されたらしい法師:翡刈(ヒガリ)に頼ってしまったと。

 それでも愛する人のためなら、という美しさは保てそうですが、そうではなかったですね。はっきり描写されたのは命を長らえたい麻伎が、今まで必死に助けようとしてくれていた阿伎を桃幻の笛として殺害して翡刈に捧げてしまうというもの(そして麻伎も翡刈にあっさり殺される)。

 これと好対照なのが邪美と烈花であるわけですね。烈花は術にかかってミイラ化した壮幻の腕が笛に見えている。邪美には腕は腕にしか見えない。阿伎と麻伎は、烈花が腕が笛に見えているが、闇に堕ちた証拠と邪美を騙しにかかる。

 烈花のほうにも敵が詐術を施そうとしまして、笛が腕に見える者は闇に飲まれている、つまり邪美は堕ちたと。念の入ったことに麻伎が殺害されたと偽装工作もしまして、邪美と烈花の疑心暗鬼を強め、魔戒の者の定めにより互いを倒そうとさせるわけですね。

 しかしそうまでしても、邪美と烈花には嘘が届ききらない。邪美と烈花それぞれ、外部との連絡を絶たれている異常などから他の可能性を探り、鈴(リン)の連絡がかろうじて邪美に届いたことで証明となり、状況をひっくり返していくわけですね。そこまで耐えたのは、やはり邪美と烈花の付き合いの長さと信頼の深さ、それに魔戒の心得の強さというべきでしょう。

 一方、深い愛情で結ばれているようである阿伎と麻伎はどうだったのか、が印象に残るものになります。邪美と烈花の信頼を際立たせてもいるし、邪美と烈花によって阿伎と麻伎のキャラクターがくっきり浮かび上がるともいえます。

 阿伎と麻伎は「愛欲」で結ばれていた、と考えるべきなんでしょう。性的な欲望でもあり、欲望への執着でもある「愛欲」です。年長者らしき阿伎は麻伎を救いたいと思うけれども、「麻伎が欲しい、手放したくない」というものであるように思えます。この欲望が大切でありますんで、望んでいる主体の自分自身(阿伎)が失われては元も子もない。

 それがもっと強く出るのが、年少者らしき麻伎ですね。麻伎は救いたい対象すらいない。ただし自分は救いたい。阿伎は欲しいが、自分が失われては意味がない。阿伎が失われるという危機感に突き動かされたことがないので、阿伎の自分にとっての重要性も認識が(阿伎より)浅い。

 まあ、だから「阿伎に自分を救わせるのが、阿伎の望みを叶えること」という屁理屈にたどり着いちゃうんでしょうな。これではラスボス(翡刈)にとって復活に便利ではあっても、そんな自己本位は用が済めばリスク要因にしかならず、あっさり始末されるのも仕方ない。

 そういう愛欲の強さゆえの限界を見せた阿伎と麻伎に対し、邪美と烈花は愛情・信頼、というよりは友情でしょうか。ちらっと匂わされたのが、邪美に対しては鋼牙が、烈花に対しては零が(騎士と法師コンビとしての)相棒であるらしいこと。鋼牙と零の信頼関係の構築から友情は既によく描かれているところです。となると、邪美と烈花の間にあるものも察せられる気がします。

 そういう対比や類似の面白さを感じ取れはしたんですが、いかんせん約1時間。4人もの人間ドラマを描ききるには時間が足りません。あと30分あれば、その辺りを掘り下げられただろうなあ、と思えました。もっとも「欲を言えば、こうして欲しい」みたいなことでして、この作品を観てよかった、面白かったと思う気持ちは間違いありません。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/07 (Thu) 14:54:31

 定期感想その4です。

●青天を衝け(第29話:栄一、改正する)

 家康公解説がちゃんと戻って来まして、やっぱり自分的にはあるとないのとでは大違いです。もちろん、制作としてはあるべきときにはあるように作って入るんでしょうけど。家康公、やっぱり徳川幕府びいきなのかな。(旧)幕臣の活躍を期待するところがあるように見えます。が、今話辺りから栄一自らがそこをひっくり返すような動き(出身にとらわれない人材登用等)を見せてまして、家康公の期待を超えてきたような印象があります。

 その栄一ですが、成功パターン(の1つ)が固まってきたかな。今話では自陣営(改正掛)ながら抵抗勢力の筆頭と思しき玉乃世履が、栄一の仕事ぶりで説得され、同志になる流れがありました。あれが改正掛がまとまったという象徴的な演出なんでしょうな。味方の難敵を取り込んだわけですが、前には駿府/静岡におけるコンパニ―の川村恵十郎でした。

 川村は商人と仕事なんかできるか、と不平をあらわにしていましたが、やがて「何をすればいい」と積極的に取り組む姿勢に変わると。あれは栄一を認めたということに他なりません。難敵を取り込んでみると、全体もうまく行っていることに気が付く仕掛け・演出ですね。今話ですと玉乃が栄一に感服したのが郵便の起業が成功ということで、その郵便は改正掛の仕事がうまく回り始めたと印象付けていたように思います。

 それを邪魔立てする格好だったのが大久保利通でしょうか。改正掛の後ろ盾になっていた大隈重信が放逐同然となったのは、おそらく大久保の差し金。もっとも、後任の井上馨が改正掛に積極的な雰囲気ですんで、改正の流れは止まらないんでしょう。さらに大久保は岩倉具視からも信任を失いつつある感じです。薩長の大立者、例えば西郷吉之助が不満分子として故郷に戻ってしまったままとか、武士の内部不和が解消できない。

 という流れを見てみると、「もしかして、難敵の大久保利通もいずれ、栄一に取り込まれるドラマとかあるのかな」という気がしたりします。ちょっと調べてみると、史実の渋沢栄一の大久保利通観は多少複雑であるみたいですね。人として好かず、実務能力も疑問符をつけていたようですが、才には「器ならず」と底知れなさを感じていたらしい。となると、歴史ドラマとしては栄一が大久保とどうなるか、いかようにも描けそうな気がします。

 しかし端折る傾向も見えてきたかな。こちらで史実での西郷と栄一の衝突の話を伺って期待するものがあったんですが、予告を見ると西郷は東京に戻らずに西南戦争に突入していくような感じです。国営の郵便事業についても、従来の飛脚組合との間で相当に揉めたらしいですが、一切描かれずでした。以前に聞いた話では、抗弁して止まない飛脚側トップに業を煮やした郵便側トップが切手を貼った封筒を突きつけ、「郵便なら全国どこでも同じ切手で届く、北海道でもだ。飛脚はこれができるか!」と迫り、飛脚側トップが口ごもって答えられず、みたいなドラマ向きのこともあったらしいです。そういうエピソードを入れてたら、年内には終わらないということなのかも。

 ともかく本編。まずは改正掛に人を至急集める必要があるとして、旧幕府含めて有為ならどこからでも集めようと。まだ明治2年のこととて、こないだまで切り結んで命のやり取りしていた間柄だったことを考えると、かなり無謀ではありますな。案の定、玉乃などの不満が発生してくる。特に栄一は以前は篤太夫として慶喜(水戸藩→将軍)に仕えていたわけで。

 一応、人を集めたものの出身がバラバラ、それぞれが「こうすべき」と思う有効策はあるものの、勝手に主張してまとまらない。と思ったんですが、栄一がブレーンストーミングの要領を心得ていたのか、それぞれの案を否定せず、白地のふすま(なのかな?)に案を書き出していく。喋ってるだけでは内容が流れがちですが、見える形でリストアップされれば、比較して優先順位考えたくなるんでしょうね。

 それでも玉乃らは不満で大隈にねじ込むも、追うようにやって来た栄一は気にしない様子でサクサク仕事を進めていく。これが玉乃に頑固さに対する第一撃だったみたいです。少し栄一を見直し始めた感じ。

 最優先になったのは郵便事業みたいですね。税にしろ産業振興にしろ、情報通信網が整備されていると効率が段違いだからでしょうか。できれば電信も取り入れたいんでしょうけど(パリにいたころは役立ってたし)、インフラ的にちょっと遠いかな。だからまずは手紙ということなんだろう。

 が、いかんせん素人集団。見様見真似でやってみようとするも、最初は消印すら分かってなかったみたい。栄一も切手の汚れだと勘違いしてますね。その後、急速に調べを進めたんでしょう。ついに郵便事業のスタートとなりまして、試験運用だと思いますが、手紙が届く確認ができて狂喜してますね。よほどに誇らしかったんでしょう、栄一は慶喜にも郵便で手紙を送ってますな。慶喜もなんだか嬉しそうで、栄一への期待も感じられますし、幕府だ諸藩だといったこだわりがもうないこともうかがえます。

 郵便以外に具体的な話が出たのは生糸ですね。大隈邸で改正掛がわいわいやってまして、大隈が生糸で困ったとか言い出す。製糸工場を次々建てねば、くらいな状況だけど、品質問題が発生しているらしい。この時期はもとより、第2次大戦前くらいまで、ナイロン登場以前は軍事にも絹は重要で、日本の主力輸出産業の1つだったと聞いています。

 その戦略物資とも言うべき生糸について、誰も知らないという状況が明るみに出たわけですね。栄一は憤然として蚕から説明を始めまして、やり込められた格好の大隈は拗ねた、と思ったら、「君(栄一)に任す」と。後でこれに呼応するかのように、玉乃が尾高惇忠を養蚕~製糸の助っ人として引っ張ってきたうえで、栄一に謝罪して和解する流れになるわけですね。

 それだけだと順風満帆ですが、もちろんそうなるわけもなく。大久保利通ですな。各種事業がうまく行きだすと、幕臣何するものぞという勢いで乗り込んできて、「余計な真似をするな」と。大隈もさすがに大久保に頭が上がらずですが、将軍に直々仕えた栄一は向こう見ずでして、「金も何もない。このままだと建武の新政の二の舞」旨、ずけずけ申し立てる。さすがに財政悪化を知らないわけではない大久保も有効に反論できず、「余計な真似はするな」と捨て台詞で去ると。

 大久保利通としては面前で太政官札を栄一にこき下ろされただけに、意地になってる面もあるかもしれません。が、改正掛の業績も認める面はあるんでしょう。クレームつけに来た要点は、どうも旧幕臣が多数混じっており、尊王倒幕による体制が崩れるんじゃないかという心配みたいですから。改正掛の業績自体は認めざるを得ないんでしょうね。

 気になるのは、このときの大久保が栄一にも理ありと認めたのか、それとも言い返せないが怒りを高めたかということです。その後、大隈が左遷(なのかな?)されるわけですんで、間接的につぶしに来たとも取れます。が、後任が改正掛に積極的な雰囲気の井上馨であるわけで。ちょっと優柔不断な感じがある大隈に代える意図なら、むしろ後押しでありそう。次週以降に大久保の真意が明らかになると期待したい。

 が、東京の外が不穏ですね。岩倉具視は薩長の要人間の不和、特に故郷に引きこもってしまった西郷吉之助が気になるらしい。弁明する大久保を抑え、自ら事に当たると宣言してます。どうやら西南戦争が近い感じか。次回「渋沢栄一の父」では、歴史面でのターニングポイントになるのかもしれない。タイトルからすると栄一個人の問題に焦点が当たりそうですが。

(投稿後追記)
 栄一が尾高惇忠を説得しようとして果たせなかったシーンについて、やっぱり感想に追加。
 平九郎のこともあり、新政府を敵視する惇忠に栄一が(わだかまりは捨てようと)自分たちも焼き討ちを図ったじゃないか、と叫んだわけですが、あれって伊藤博文に影響されたのかなという気がしました。

 栄一が初めて出仕したとき、まず伊藤博文に攘夷のため焼き討ちを図ったことがあると、断るために言ったところ、伊藤博文が自分もやったと言い出して、出端をくじかれたわけですね。そして伊藤博文はあっけらかんと親外国派に鞍替えしたとも言う。

 あれがじわーっと栄一に刺さり続けていた、栄一の中で練れてきた、熟成してきたのかなあと思えます。かつ、変節と言われ、自らも恥じたりしたわけですが、それでいいと割り切ることにもつながったのかなと。

 もしそうだとするとですが、伊藤博文も栄一に対する影響力を及ぼす存在になっていくのかなと期待したくもなります(史実に記録がない部分のオリジナルとして、ですが ^^;)。

 

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/08 (Fri) 00:47:56

 10月初感想になります。

 番組改編期だったり、来年以降の諸スケジュールが出始める時期で、少々気忙しくもありますが、定例でできることがあるのは落ち着けるかな、とも。

 予想と違うのは、土曜夜のライダー配信がアギトの後が龍騎にならずに、ディケイドが続いていることですね。
 まあ、ディケイドは放送回数が少ないので、その後に期待してみるわけですが。さすがに最近見たので、繰り返し見たいとは思わないわけで。

 あとは、先日終了したゲッターアークですが、個人的にプレイしているスパロボソシャゲで、今月11日に早速参戦という形になりまして、ゲームの世界では「父親の竜馬と息子の拓馬が再会」という運びになりそうです。
 TVの物語の続きではないでしょうが、時空を越えた拓馬の物語という感じで、面白い内容でしたら、こちらでもあらすじぐらいは紹介したいと思います。

★ダイ大

 主題歌変更で、歌詞よりもOP映像に見入りました。

 バラン、ハドラー、そして大魔王バーンなど、それぞれのアクションとか威厳が描写されていて、冒険要素の強かった1年めよりもバトル要素の高い絵面ですな。

 本編は、バラン参入に至る顛末ですな。
 ヒュンケルの死ぬ死ぬ詐欺が発動してますが、別にヒュンケル個人が死を装っているのではなく、周りが勝手にヒュンケル再起不能だと煽っているのではないか説に、確かにそうだと納得。

 別にヒュンケル自身が「さらば」とか「もう俺はダメだ」と諦めたわけではなく、むしろ、どんなにボロボロでも這い上がって来る。さすがは元不死騎団団長の肩書きは伊達じゃない。

 次回は、ダイとバランの共闘で燃える展開。
 最初はギクシャクする関係なんですが、バランが父親として息子に不器用ながら戦いの中でドラゴンの騎士の生き様を伝授する姿に、感じ入る予定。

 あと、ノヴァとダイの訓練はまた後日のようです。イベントの順序を記憶違いしていました。

★リバイス

 雑誌情報で、プロデューサーと脚本家のインタビューがありまして、
 この脚本家の作風が「腹に一物抱えたヴァイタリティ溢れる男女が、ダーティな裏社会で暴れる様をコミカルに描く明朗ピカレスクロマン」が持ち味との弁あり。

 あとは敵キャラのデザインが、メキシコ風の陽性ラテンな感覚で、「悪魔崇拝者という暗くなりそうなイメージを、ノリの良さで払拭」という方向性。

 重いドラマを陰湿にならずにカラッと描くことを目指しているとか。

 現状、コミカルなのは悪魔のバイスですけど、若い役者の子たちが演技に慣れてきて、余裕が出て来たら、ギャグ要素が活性化するかな、と期待。

 バイス以外の霊体悪魔が出て来て、悪魔同士の会話劇が発生すると面白くなるかなあ、と。

 2号ライダーのイビルがレギュラー化するのか、それとも一時的なゲストで、真の大物は後に控えているのか、とか。
 デザイン的には、玩具商品としてキャッチーじゃなくて凄く地味に見えるんですね。

 まあ、リバイが1号、バイスが2号と考えて、イビルはイレギュラーな存在かもしれませんし、
 とりあえずは、こいつの正体次第ですな。

 あと、「悪魔の目から見て、正義とは何か?」をテーマに掲げて、序盤は進める模様ですね。
 正義という概念の危うさとか、多面性を真面目に描くのが、仮面ライダーらしいとプロデューサー氏は考えているようで。

★青天

 次回は、父親が亡くなる話ですね。

 それと、栄一は井上さんと同時に役所を辞めるそうで、要するに役所の話は今回と次回だけの模様。
 有為転変が目まぐるしいなあ。

 役所では、栄一の敵が大久保利通のように描かれていますが、彼は政治家ではあっても、経済音痴であり、かつ外国のことを知らない守旧派に近い立ち位置。
 一方で、西郷さんも武士であって、つまり軍人だけど、政治は素人。
 どちらも倒幕では活躍したけど、新政府を建設する青写真が見えていなくて、公家と協力して徳川から政権を奪いはしたものの……その先が見えていない、という有り様だったようです。

 それでも、大久保は「上からの漸進的な改革」を目指して、一方の栄一たちは「下からの積み上げ改革」を志したら、新政府の方針に合わなかったとか。
 その中で、中間管理の立ち位置が大隈さんで、岩倉遣欧使節団で大久保利通が外国に行って、随行した大隈とも理解し合う関係になったとか。
 一方、伊藤は栄一が役所を辞めてからも、仲良く付き合い、伊藤、井上の長州組の方が栄一との関係は良好だったようですね。

 この辺の明治政府の人間関係、派閥関係が複雑で、そういうのを嫌った栄一が辞表を叩きつけたとかは、次回もしくは、その次かな。

 他に、栄一が辞めた理由は、明治政府が富国だけでなく、強兵政策に走ったこととか、上が民間を軽視したから自分の居場所じゃないと見限るとか、諸事情あるようで、ドラマではどの辺を重視するか、ですね。

 今の流れだと、反戦平和主義を強調する形かとは思いますが。

 あと、史実ではとにかく栄一のフットワークの軽さ、それと顔の広さに感心させられるのですが、それだけにドラマで一貫性を持った性格として描くのに苦心していますね。
 まあ、今のところ、「足場が定まらないことをブツクサ言ったり、歴史の流れで翻弄されながら、その場その場で一生懸命アクティブに動いて、各所に改革の種を蒔いては、次に向かう」形に見せていますが。

 何だかんだ言って、役所では出る杭になっていたんだなあ、というのが前回の感想。
 正論を言っては煙たがれるタイプというか、やはり、大隈さんのような、のらりくらりタイプの方が生き残るのかな。

 この大隈さんのキャラが面白くて、幼少期から非常に短気で、怒りがすぐに顔に出てケンカっ早いそうで。
 それを親に戒められて、「怒る前に、神仏の名を10回唱えなさい」と教えられて、以降はそれを習慣化した模様。

 だから、今回も栄一の発言に、カッとなって激怒した顔を見せてから、クルッと背を向ける。で、表を向くと、「蚕のことは、君が一番詳しいから君に任せた」と、上手く切り返してみせる。

 一回怒ってから、切り換えの早さが大隈の武器みたいで、それをドラマで上手く演出したなあ、と。
 怒りを呑み込んで、自分の言い分を認めてくれたと思わせるテクニックで、だけど何だかんだ言って、相手に丸投げして、責任まで負わせる。
 上司として良いのか悪いのか、微妙ですが、割と性格的にはストレートなところのある大久保と栄一の間で、立ち回るには有効な手かも。

 今回を見ると、大隈さんが左遷されたように見えるのですけど、それは栄一視点であって、大隈さんが上手く面倒をすり抜けたようにも見えます。
 その場その場を上手く切り抜ける世渡り上手な策士って感覚が抜けないですね。

 ともあれ、ドラマを見てから、明治の偉人の人物像を資料で読み直すのが楽しいな、と。
 西郷も、栄一視点では違うキャラだし。飾らない庶民派として人気はあるんだけど、栄一から見ると戦うことしかできない豪傑で、凄い人なんだけど相容れないってことになる。

 まあ、西郷と栄一のやり取りも、次回であるんじゃないかな、と。

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/08 (Fri) 09:57:41

 青天で一つ訂正。

 岩倉遣欧使節で、大久保らに随行したのは、大隈ではなく伊藤の方でした。混同していたので、陳謝の上、訂正します。大隈は西郷と並び、留守政府を預かる立場ですね。

 ドラマの方では、現在が明治4年。
 その年の11月に、岩倉使節団が出発し、大久保、伊藤が留守になり、留守政府を任されたのが、西郷とか大隈とか。
 そして、強兵策を推進する西郷と、富国策を推進する大隈や井上、栄一らとの政治的対立もあった模様です。

 次の転機が明治6年。遣欧使節が帰国し、大久保が復帰する流れ。
 ここで、栄一が大蔵省を辞めて下野。また、その後、西郷も征韓論絡みで岩倉や大久保と決裂して下野。

 その後、明治10年に西南戦争につながる形です。

 ドラマがどれだけのペースで進むかが読めないですが、次回は大久保がいなくなり、西郷が出て来て、武力と商業の対立になるのかな。
 栄一自身は、西郷を「仁愛が強すぎる人」と評価し、決して人格が嫌いだと言うわけではないものの、仁愛だけで政治はできないし、薩摩の士族の視点しか持っていないという点で、残念なことをした、と後年概観。

 何だか栄一は、いろいろな人間の良いところを褒めながらも、「行き過ぎた長所のせいで身を滅ぼして、残念なことをした」的な書き方が多いなあ、と。
 でも、大久保に対しては、辛辣に書いている。「お互いに忌み嫌い合っている」とか、それでも「見識は優れて、底知れない大物であるにも関わらず、どうして私ごときと争うような度量の狭さを示したのか」とか、「大蔵省のトップの地位なのに、財政のことを全く分かっていない」とか、本当に合わなかったようです。

 あと、大隈さんは「お喋りで、人の話を最後まで聞かずに、途中で遮って、自論をまくし立てる人だけど、それでも、こちらの言ったことをスルーせずに、きちんと覚えている点が尊敬できる」そうで、栄一から見れば、話の面白い弁舌の徒で、あまり自分を飾らない親しみやすさが特徴とか。
 生き字引的な記憶力の高さも、大隈さんの武器みたいですね。

 今まで大隈さんのことは、あまり詳しく調べる機会がなかったのですが、ちょっと興味をそそられております。
 
 

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/11 (Mon) 10:34:44

 遅ればせながら、「桃幻の笛」感想です。

 まず、この作品の時間軸が「蒼哭ノ魔竜」と同じというのが面白いと思いました。

 公開時期については、魔竜の方が2013年2月で、桃幻の方が同年7月。
 およそ半年の差ですが、自分の視聴はもう少し差があって、魔竜は劇場版を見に行って、桃幻の方は後に発売されたDVDで視聴。つまり、それだけ間を置いて視聴したわけです。
 ただ、今回の配信では、両作品を一月足らずの時差で、続けて鑑賞できたことで、ラストのサバックの結果のこととかが上手くつながって来ました。

 魔竜が剣士の物語なら、桃幻は法師の物語。
 魔竜が洋風異世界ファンタジーの冒険なら、桃幻は和風のくノ一物っぽい雰囲気。
 つまり、両作品が対になって、鋼牙だけじゃない牙狼の世界を拡張していた頃となります。
 なお、同年は道外流牙の第一シリーズがTV放送されてもいて、一年で牙狼シリーズの新作が3つも作られていたわけですな。
 いわゆる鋼牙の物語を完結させて、さらに広げようとする発展拡張期だったと。

 で、本作の目的は、邪美と烈花の2人の主人公をどう引き立てようか、と。
 それに対峙させるように、闇堕ちした魔戒法師姉妹を各人に接触させて、姉妹の対決構図を作り出した。

 敵2人の衣装が和風と闇ゴスっぽさを取り混ぜた感じで、最近配信され始めたマジレンジャーのナイ&メアの雰囲気を感じました。まあ、あちらは闇の双子姉妹が合体して吸血鬼のヴァンキュリアになる仕様でしたが、
 可愛い小悪魔系女子が化け物と化すのは、淫靡な敵としてエンタメエログロ方面に訴求する感じですが、やり過ぎると下品になるので、その辺のバランス感覚が作り手のセンスですね。

 本作は、雨宮さんと女性脚本家の2人の共作シナリオで、主役2人の物語が雨宮さん、敵の因縁が女性ならではの物かな、と。
 敵姉妹はどちらも自分本位なのですが、妹の方が自分の命により強く執着していて、姉の方は「妹と一緒に」という行動動機だったのが、妹の方は「姉を犠牲にしてでも自分は生き残る」という選択をして、それまで描かれた「敵だけど同情に値する視聴者の感情」を、「愚かな」と思わせる同情に値しなく見せた。

 これについては、牙狼の世界観で「護りし者の想いは生死を越えて継承され、友としての絆でも結ばれる」というのがあり、
 一方、敵側は他を貪って永遠の命を得ようとする。そこには継承される想いとか、そういう拡張の高さがなく、私利私欲しかない。

 闇堕ち側が私利私欲で、それを戒める側が大義で結ばれた絆というのが定番ですな。

 で、単に愛というキーワードなら、それは闇堕ちの理由にもなって、それが妄執と成り果てると陰我となってホラーに近づくという世界観でもある。
 美しく気高い愛もあれば、醜く歪んだ愛もあるとも思えますし、この辺は「80年代までのフィクションは、愛を美しいものとして描き、そこからラブコメで愛のコミカル面を、トレンディードラマで想いの入り乱れる群像描写を、さらにストーカーとか愛の中にある闇や歪みを描くように発展していったのが90年代以降のフィクションの趨勢かな」とも。

 ともあれ、相手の2刀流を見て零を思い出す烈花と、翼の得意な術を使う邪美とか、登場していないキャラに触れることで世界がつながっているというセリフの妙もありますし、
 レッドレクイエムで初登場した烈花の成長物語にもなっていて、シリーズファンとしては、いいスピンオフだなあ、と感じます。

 あとは翼の妹のリンも、サブキャラとして成長した姿が描かれたのもいいですな。

 さあ、今年も来月が金狼感謝の日なので、そこで次なるシリーズ展望が見えたらいいですな。
 雨宮監督は例の絵本を作り続けている形ですが、シリーズへの興味を配信で維持しながら、新しいファンを生み出したり、やっぱり想いの継承をファンの心にも広げているのが現状かな、と。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/12 (Tue) 16:50:57

 定期感想その1です。

 感想はまだ後になりますが「青天を衝け」の感想・解説を拝読して、己が歴史知識と勘のなさを痛感。西郷が引きこもったと岩倉具視が愚痴ったことで、次はもう西南戦争かとか思ってしまいました。

 しかし最新話時点から、まだ数年先の話でしたか。そこが分かっていれば、西郷がいったん戻って来るとことがすんなり分かったものをorz。史実の把握ができてないから、劇中の現時点がいつかということもあやふやな理解になっているようです。

 牙狼「桃幻の笛」について、ある意味で歴史的な理解の問題かな。牙狼世界では「桃幻の笛」と「蒼哭ノ魔竜」が並行・同時進行というわけでしたか。サバックということで気が付く仕掛けになっており、作品公開の時系列でも関連性が分かる仕掛けだったと。

 そこが分かって思い返すと、鋼牙が「約束の地」に行ってる間に、零は鋼牙が戻ったら父の大河に会わせてやろうとサバック頑張り、邪美と烈花は魔戒内の裏切り者と戦っていた、という全体イメージが見えてきます。ギャノン&シグマとの戦いで結集した仲間がいったん散り散りとなるも、鋼牙の帰還を待っていたかのように再集合する。そう思ってみると、(「桃幻の笛」内での描写含めて)なるほどという気がします。

●ダイの大冒険(第52話:父子(おやこ)竜出陣)

 不器用な男が2人も際立った回だった気がします。地味に印象深いのがバランですね。ダイに求められて母について語るわけですが、ダイに口をきいて欲しいのが見え見えのような(^^;。ディーノと呼んですぐダイと言い直してたりしますし。ダイの母/バランの妻ソアラほど深く人を愛することはない、と口に出し、「例外があるとすれば」と内心なのに前置きしつつ、ダイもソアラと同じく、というわけですな。

 だからダイと話をしたかったようです。竜の戦士として手元に置きたがっていた頃とは違う。が、あくまでも表向きは「呉越同舟するが、不倶戴天の敵なんだぞ」と突っ張るわけですな。少し予習してみると、バランは命に代えてバーンを倒すつもりでいるらしい。ダイに対して(バレるか否かはさておき ^^:)冷たい態度を貫こうとするのは、最後の詰めでダイを巻き込まないための配慮(敵の内紛に見えるようにとか)かもしれません。

 もう1人の不器用さんはヒュンケルですな。エイミの愛情が問題となるわけですが、「桃幻の笛」のご解説を頂いたお陰で、こちらも印象が深くなったかも。エイミはヒュンケルが欲しいので、ヒュンケルが戦える根拠となる魔槍を捨てたとヒュンケルに告げるわけですね。一応は利己的に見えます。

 が、たぶんヒュンケルが万全ならそんなことはしないんだろう。戦えず、しかし動ければ出張らずにはいられず、しかし最前線に立ったら生きては帰れないとエイミならずとも予想できる状況なわけで。ロクに戦えないなら助けよう、と心が動くのは自然な人情でしょうな。特にエイミは強い片思いなわけで。

 もっとも魔槍を捨てたというが嘘なのはバレバレですね。もっともかなり恋愛には朴念仁っぽいヒュンケルが察したかどうか分かりませんが。今時ですと「夫の趣味に無理解な妻が夫のコレクションを捨てた」なんて話がよく出てくるわけですが、それとは全く違う感じです。魔槍がヒュンケルにとって大事なのは、エイミにはよく分かっていた。本当は捨てたほうが安全策なんだけど、捨てるに忍びず隠したわけですな。

 その辺りの機微はさすがにヒュンケルにも伝わった模様。だから今までしたことがないような弱音言ったり、戦う本当の動機語ったりしたんでしょう。ヒュンケルも死を覚悟した出撃でしょうから、エイミを突き放そうとはしてますが、これじゃあね(^^;。普段はやらない自分語りとかしちゃ、引き寄せちゃうじゃないか。この辺り、バランの押し隠しにはまだ追いついてない。やっぱり若いからか?

 などと書いてて、まだ不器用な奴がいたのに気が付きました。敵側のビショップ:フェンブレンですね。バランにやられた借りを返すべく、親衛騎団と離れて迎撃するわけですが、あえて目を治さない。臥薪嘗胆というやつでしょうか。バトルに傾倒するのはヒムで、フェンブレンは(自ら「ワシは冷酷」と語ったように)勝てる相手に勝ちたがるのかと思ってました。

 それがまさか不利な条件(目の負傷)をそのままにして立ち向かってくるとは。勝つこと自体より、意地とか納得を大事にしてそうで、これも不器用の特徴でしょうか。自分的にちょっと見直すものありです(ヘタレの頑張りに燃えたりするのと似た感覚かも)。

 ともかく本編。前話ラストの続きで、連合軍前進拠点にバランが現れてみんな驚くところから。が、すぐに(この戦いでは)仲間・友軍と分かりまして、2方面作戦が立案される。地上部隊はポップらで、親衛騎団を引き付ける陽動。その隙にダイとバランが海中の門を突破して、バーンパレスへの道を開くわけですね。

 翌朝に作戦開始ですが、バランがダイに対して不器用なのは上述の通り。この不器用さがむしろ好感度高いんですから、キャラクターの魅力って不思議です(^^;。陽動の地上部隊も出発ですが、メルルがちょっと不吉なこと言うわけですね。ダイとバランが力を合わせると「逆に強大な力を呼び起こし」となるんじゃないかと。これが占い師としての予言なのか、メルルの不安な気持ちで口をついて出た言葉なのか、ちょっと判断に迷うところです。

 この場はポップがメルルを落ち着かせまして、とりあえずは事なきを得たかな? と思ったんですが、この後のヒュンケルとエイミのシーンを考えると、ちょっと違うかも。ヒュンケルはエイミを突き放そうとするも、意図せず逆効果になった感じ。ポップも意図せずに、メルルの片思い強めちゃったかもです。

 それはともかく(^^;、死の大地に降り立った地上部隊。ですが、まずはコントですね。ゴメちゃん、マァムの衣服に隠れて付いて来てたのか。ポップが見抜きまして、マァムをそれこそ嘗め回すように見るわけですが、さすがにそれだけじゃ張り飛ばされないわけですな。「な、なによ」程度の反応。それだけ信頼が増してるんかしらん(原作ではどういう描写になってたんだろ)。

 格闘家たるマァムが警戒してないから、ポップがお尻(実はゴメちゃん)を指で突っつくことも可能なんだろう。ポップもぶっ飛ばされないと信用しているから、と思いかけたんですが、もしかしてポップ、ゴメちゃんに気を取られすぎて、己が行為が第三者からどう見えるか、意識してないかも。前にマリンの衣に縋り付いて喚いていたときもそうだったしなあ。

 でも結局は張り倒されるわけね。「ケツがデカい」が逆鱗でしたか。珍しくゲーム機描写出まして、HPが30下がったことが示される。さらにクロコダインが「お前たちが夫婦になったら」などと茶々入れ。が、おバカやってテンション緩めといて、いきなり親衛騎団と遭遇。直前のクロコダインの「もしこの戦いで生き残ることができたら」はかなり不安になるフラグ台詞だったかもです。

 前戦のクイーン:アルビナスのダメージは修復されてるし、半身を削られたルーク:ブロックも完全回復しているようですな。が、ビショップ:フェンブレンがいないと。アルビナスらの回復ぶりが、この後のフェンブレンの覚悟を際立たせてる感じです。

 そのフェンブレンはダイらが海中の門に来るのを待ち構えているわけですね。こっそり来るために親衛騎団の仲間に黙っていたのではなく、おそらく止められるのを嫌がって内緒でこっそり抜け駆けに及んだんだろう。なにせ敵(ダイ側)最強の2人を1人で迎え撃つ無茶ですから。これだけでも覚悟のほどがうかがえるというもの。

 さらにフェンブレンは目を修復していないと。恨みを維持するためとはいえ、かなり不利のはず。と思ったんですが、気配で察知できるタイプなのか。よく考えたら、あの海中は実際には視界悪いから目で追うのは限界あったのかも(アニメ描写では視聴者のためにクリアになってますが)。

 さらにバギ系って空気より水のほうが威力があるらしいのもフェンブレンの策の1つらしい(真空系との表記がありますが、流体系という面もあるのかも)。ただし無差別攻撃になるようで、ダイが諸刃の剣だと驚いてましたな。これでバランの真魔剛竜剣を弾き飛ばし、バランが取りに向かったところを先回りして迎え撃つ、というところで続くのか。

 一方、ヒュンケル。重傷で病床にあるわけですが、エイミがしっかり看病。と思ったら、エイミさん、槍を睨んどりますね。ヒュンケルが気が付くと槍がない。それならと、ヒュンケルは仲間を追って出て行ってしまう。エイミの算段はレオナにはお見通しで、しかも逆効果と見抜いてますね。この辺り、レオナが慧眼というより、エイミの恋愛感情が目を曇らせたか。

 エイミが追いまして、浜辺でBGMなしの波音が流れるシーンへ。ヒュンケルとエイミに注目すると上述の通りの感想です。が、もしかすると主役は槍だったかな。ラーハルトから託されたラーハルトの象徴でもあり、ラーハルトの(現時点での ^^;)遺言はバランを頼むということ。そしてバランはダイの父。ということで、槍がヒュンケルを慕ってついてきた時点で、槍を隠したエイミとの差は明らかだったかもしれません。この槍の重みには誰も勝てない、という感じですね(死亡したキャラクターの印象には誰も勝てないことが多いような気がする)。

 次回「ハドラーの挑戦」は、たぶんタイトル通りなんでしょうな。ただし、ハドラーにたどり着くまでの障壁はまだ突破されてませんので、ダイらがハドラーにたどり着くまででしょうか。それでも今話の伏線は回収されそうです。しかしヒュンケルについて言及がないことだけが、ちょっと気になるかな。

●今期(10月~)の作品

 普段より感想書きに着手するのが遅れてまして、原因は10月でいろいろ新番組始まるからですね。どうしてもチェックだけはしておきたくなり、視聴に要する時間が急に増える。落ち着くのは3週間ほどしてから(いわゆる3話ルールをやってるため)。毎年1月、4月、7月、10月は同じこと繰り返してて、分かっちゃいるけどどうしようもない(^^;。

 ちょっと前は「タイムトラベルもの多いな」と思ったんですが、今期は「巨大ロボットもの多いな」(それも仮想戦記風?)という感じかも。「境界戦機」「マブラヴ オルタネイティヴ」「メガトン級ムサシ」「逆転世界ノ電池少女」は気が付いて視聴。たぶん感想は書かないかなと思いました。

「マブラヴ」はなんか古臭いかなと思って調べると、2006年のゲーム原作でした。コアなファンはいるらしい。作風としては残酷シーン、無情展開が多いらしい(アニメ版も抑えめながらそういう感じ)。

 しかし何か既視感ありまして、調べたら2012年に関連作品の「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」やってました。たぶん第1話~3話は見たような気がします。が、内容覚えてない。たぶん好みじゃなかったんだろう。たぶん今回のも3話までしか観ないかもしれません(既視感から、そう感じる)。

「境界戦機」は再放送が始まった「コードギアス」と世界設定は似てる感じですね。占領された日本ということで。ですが、ちょっと生々しい通り越して生臭いかも。もし「横暴な外国占領軍に対するヘイト」で主人公サイドを持ち上げるようだと辟易しそうです。

 そこは「コードギアス」にもあるんですが、ちょっと弱めてるんで見続けました。加えて、「目を見て相手を支配する」を使ってのトリッキーな成り上がりと勝利という点もありました。「境界戦機」ではまだ、これといった目を惹くものを感じません。絵面はサンライズだけあって、しっかりしてるんですけど。感想は模様見してて第3話で判断しますが、たぶん書かないかな。

「メガトン級ムサシ」は割と面白いかもという感じが第1話からあります。住んでる世界は実は虚構で、外は侵略されているという設定ですね。割と熱血指向な印象です。その雰囲気を出すためか、メカ描写は割とコミカル寄りな気もします(迫力要素がたぶん、メカよりキャラクター)。これも感想は模様見状態。

「逆転世界ノ電池少女」も巨大ロボがSD寄りで可愛くしているみたいです。最初「電池少女」が、ちっちゃい人形アバターのサポートAIなのかと思いました。ラストで生身の少女と判明。自分的にはがっかりしたかも。歌舞伎町舞台だったりしてなじみにくい要素は多そうです。たぶん感想は(書こうと思っても)書けないと思う。

 巨大ロボ以外で、自分好みになりそうなハードSFっぽいのが「月とライカと吸血鬼」です。が、早くも(少なくとも感想候補からは)脱落しつつあり。リアルの60年代くらいの世界の旧ソ連っぽい国で、有人月飛行を目指す話なんですが、飛行士候補生が吸血鬼の少女。要はオカルト要素入ってるわけですね。

 オカルト要素部分は作者の設定次第になってしまう面が多々あります。実際、視聴済みの第2話までですと「吸血鬼とはこういうもの」の紹介が多い。しかしどれだけ紹介されても、人間ほどに理解が進むわけはありません。勝利条件などは依然として「作者次第」で、ハードSFの面白さ「理解して予測してみる」等ができません。

 ミステリ(風)作品でもオカルト要素入ったアニメをいくつか観たんですが、いずれも「作者の設定次第」の面が強く、少なくともミステリとしては楽しめませんでした。上級者だとミステリとして楽しんでるみたいですが、自分はそこまで追いつけないorz。「月とライカと吸血鬼」もたぶん同様となりそうで、最後まで観るかもしれないけど、感想は書けそうにありません。

 毎週楽しみにして、きゃっきゃら言うほど喜んで観ているアニメはあったりします。例えば「ジャヒー様ははくじけない!」が前期から始まりまして、2クールもので今期も放映中。スラップスティックコメディーで面白いんだけど、感想書いたらギャグの説明しかできなさそう(^^;。

 たぶん感想書きたくなるだろう、と初回を観る前から期待しているのが「ルパン三世 PART6」です。自分が録画、視聴できるのは16日(15日深夜)からの放映分みたいです。ルパンはPART5で「宮崎監督回の作風、絵でないと」という呪縛から逃れたお陰で、PART4の再放送も楽しめました。そこはPART6視聴にも活かしたいところです。

 PART6は小林清志さんが初回だけ次元大介役を務め、ルパン三世アニメ化50年で次元を引退されるとのこと。惜しみつつ、次の次元役:大塚明夫さんがどう演技してくれるかが気になります。50年も同じ声の次元でしたから、大塚明夫さんが完ぺきな演技をしてくれたとしても、自分がどうついていけるか、ちょっと不安だったりもします。

 が、やっぱり最も気になるのは現代に合わせた作風になるかどうかですね。気が付いてみるとPART4からしっかりやってくれていますんで、PART6でもハズレになることはない気がします(もしおかしいと思う点が出たとしたら、たぶん観ている自分の問題)。とりあえずは初回(第0話)を見た感じは、こちらに書こうと思います。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/13 (Wed) 20:25:02

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第6話:エビルの正体!衝撃のショータイム!?)

 自分はこの作品が軽いノリからシビアな展開に変わっていくかと思ったんですが、こちらでのご教示で見方を変えることにしました。脚本家の得意な作風が「明朗ピカレスクロマン」で、「重いドラマを陰湿にならずにカラッと描く」という点ですね。そういうことだったかと思ってみると、自分ではダーク化していく要素、伏線かもと思ったものが、違うように見えてきます。それもまたそれでよし、という感じ。

 例えば大二については、一輝に対する肉親にして最大の敵になっていくように、いったん思いました。そう思ったままですと、ラストで大二が名乗ったカゲロウは大二の心の闇から生まれて、大二を飲み込んでいき、みたいに見えます。

 が、「カラっと描く」はずだと思ってみると、「せっかく仲直りした大二がまた離れていくように見えるのは、大二本人の望むところじゃない」ように見えてきます。言い換えれば、仲直りした大二が本物で、何者かが大二を操っており、カゲロウをなんとかすれば解決、みたいにできるかなと。それはそれで、前の仲直りエピソードが映えることになり、納得できそうです。

 大二の演出では、今話の自宅(しあわせ湯)のカレーシーンはいろいろ要素を自然に詰め込んでいて、面白かった。メインの演出としては、コーヒーも飲めない大二が辛すぎるカレーを平気で平らげる点でしょうね。剣/ブレイドで橘朔也が激マズのスパゲティを平気で食ってみせる(ことでイメチェン強調)のとは違う演出でした。大二のは「別人になってる?」という暗示ですね。

 カレーが激辛になってるのは、よくある「ヒロインの不味い手料理」テンプレートなんでしょうけど(おそらく味見してない点含めて)、レシピにあるスパイス適量が「愛情」となってる点が大切かな。さくらの家族に対する愛情、特に現時点では大二に対する心配を表せている感じ(前話で一瞬見せた暗い顔とかも併せて)。辛いのこらえて食う父:元太と一輝の心情もテンプレートながら察せられるものがありますね。

 さくらが繰り返し、父:元太に「感動のハードル低い」と言う点は、元太のコミカルを強調しつつ、親バカ愛情を物語っていそうです。なんだかんだツッコまれながら慕われていそうなのは、そういう面があるからなのかと腑に落ちる気がします。

 また、さくらの大二に対する態度や呼びかけから、垣間見えるものもあるような。「大ちゃん」と呼びかけてまして、設定上は妹(末っ子)ですが姉的な呼び方ですね(※)。そう呼びかけたせいか、カレーが辛すぎるかと心配する態度も、何やら年長者的に感じます。
(家族内の呼称は最年少者で決まり、さくら基準だと「大二兄ちゃん」等となるのが普通のため。)

 敵味方の争いについては、今話の印象ではジョージ・狩崎が一番面倒くさそうです。なにせスタンプ盗難は見せかけで、狩崎が渡していたわけですんで。敵デッドマンはギフ復活の目的を明示し、ストレートに世を乱しに来てますが、狩崎は現時点では何をしたいか分からない。もっとも作劇的には登場ライダーを増やしてくれてまして歓迎。先週~今週は大二のエビルで、次回は門田ヒロミがライダー化してくれる模様。

 ともかく本編。前話ラストからの続きのバトルですが、エビルは決着つけずに引き上げる。正体が大二であると示され、どうやら狩崎がそそのかしたらしい。狩崎はドライバー渡すとき「悪魔にふさわしい」と言ってまして、その時点では意味不明でしたが、ラストで登場した(おそらく大二の別人格の)カゲロウを指しているんでしょうな。

 前話で門田ヒロミが振り返って銃を向けてから、外の警護全員が倒れていた経緯も明らかにされました。門田が振り返ったのは、隊員が誤って一斗缶倒した音に驚いたからでしたか。しかし直後にエビルが現れて、全員を昏倒させたと。正体が大二と分かってみると、怪我をさせずに気絶させたのも納得。狩崎は紛れ込んで、倒されたふりの狸寝入りだったみたいですね。

 これで前話からの一件はとりあえず一区切りで、弁護士編に突入。ゆかりという女性から弟まさるが交通事故被害者の裁判について相談が持ち込まれるわけですね。加害者:江口が一方的に責任ありのはずが(しかも常習者らしい)、江口の弁護士が工藤に変わると、途端に裁判が不利になったらしい。

 この裁判は結局、工藤がデッドマンを使役して証人を脅して証言させず(あるいは証言を変えさせたこともあったんだろう)、裁判を有利に運んでいたことが明らかになるわけですな。加えて裁判長まで積極的に加担してまして、デッドマンズが裏でじわじわ社会浸透していっているのが窺えます。

 それは後のことで、おかしな裁判の真相を探る調査開始ですね。まずはネット情報調査で、父:元太がてきぱき突き止めた、と思ったら常連客(ぶーさん、伊良部)の仕事でしたか。とりあえず一輝は工藤の弁護士事務所を訪ね、ストレートにデッドマンズとの関わりを訪ねる。バイスが相手に見えず、調べ放題だからなんでしょうけど、法的に認知されてはないんで工藤がだんまり決め込んだらどうしようもない。

 この時点では「工夫のないことしてるんだな」と思ったんですが、一輝がシンプルに工藤を問い詰めたのは陽動でしたか。このときにバイスが工藤の面会予定を盗み見て、後で仕掛けに行ってたというわけですね。証人のスマホにバイスが忍び込んで、こっそり動画撮影すると。これはこれで証拠として法的に問題が生じて採用されないんじゃ、と思ったんですが、バイスは法的に認知されてないんでした。法的にはいないんだから不正と見做されないということなんだろう(専門家はたぶん認めないんでしょうけど ^^;)。

 上述のカレー夕食シーンなどを経まして、裁判の判決日。被害者側証人の証言拒否などから加害者有利の判決が下りそうになったとき、「ちょっと待ったあ」で一輝が駆け込んでくるわけですね。バイスが忍び込んだ証人のスマホで撮影した工藤弁護士の脅迫の様子を証拠として、裁判をひっくり返すと。

 これで追いつめられた工藤弁護士、こっそりスタンプ使ってカンガルー・デッドマンを放つわけですが、このバトル自体は順当にリバイス側の勝利。問題はスタンプの所在ですね。工藤弁護士はスタンプを持ってない。が、ニヤリとした表情でバイスが一輝に似てると言い出す。その意味は観ていてすぐには了解できなかったんですが、一輝がバイスにすり替えの手品成功さたときの笑顔でしたか。

 ということは、工藤弁護士も手品的トリックでスタンプを隠したに違いない。裁判被告だった加害者:江口は持ってなかった。誰だ、ということになるわけですが、裁判長だったわけですね。江口が逃げたと叫んだのは、その場を混乱させるためだった模様。実際には江口は友人と飲んでたりしまして緊張感なく、悪事が露見して逃走した者の振舞ではない。江口確保の時点で気が付くべきだったか。

 裁判長は工藤弁護士の事務所をこっそり訪れてスタンプを返すも、張り込んでいた一輝らに現場を押さえられて完全解決。ですが、スタンプ盗難の概要(意図なども含む)とか、フェニックスなどに裏切り者はいるのか(狩崎は裏切り者?)、などなど、まだ分からない点は積み残してますね。

 その頃、デッドマンズ拠点ではアギレラが「アキレス腱は2つ」とか言い出してまして、1つは前から示されてたさくら、もう1つは大二、というより大二から生まれたカゲロウということですね。さくらのほうは攻略中らしく、フリオが空手道場に練習生として潜入して接近を図ってると。ふーむ、いつも不敵な感じで笑ってましたが、こんなに愛想笑いしてペコペコもできるのか、フリオ。

 次回「窃盗!?スケボー!?俺はカゲロウ!」では、エビルとなった大二が疑われ、門田ヒロミが止めようとするみたいですね。新ライダー登場もあるようですが、予告映像からすると門田ヒロミらしい。第1話で変身失敗してますが、次で名誉回復となるのかな。

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/14 (Thu) 02:13:18

 番組改編期について思うこと。

 今の自分は、特撮メイン、スパロボメインで追っかける作品を決めているので、番組改編期のアニメ新作という情報にやや疎いと考えています。

 実のところ、作品理解に予習ということを必要とするタイプで、先行情報なしにありのままに見たままに判断ということができず、
 玉石混淆の中から玉を探すということが苦手だったりします。

 冒険はしたいけど、外れは引きたくないので、先に情報をチェックして、これはこういう物だと自分なりの目星を付けてから実物に当たるとか、人の歩いた道をしっかり固めながら歩くタイプ。
 いわゆる先駆者的なイノベイターに憧れつつ、一歩か二歩遅れながら、後から掘り下げるのが好きってところかな。

 で、アニメは特撮に比べても、ジャンルが広いですし、作品数も多いですし、的が絞りにくい。
 あと、1年スパンの番組と違って、1クールや2クールで目まぐるしく移り変わる。

 昔は、アニメ雑誌とかも買いながら、しっかり予習してた時期もありましたが、凝り性なので下手にのめり込むと際限なく……と感じているうちに、
 スパロボにハマると、今やってる物よりも昔の物の方が面白いと懐古主義に陥って、今は「スパロボに出る→数年前に話題になった物を後追いで見る」という流れですな。

 スパロボで作品エッセンスを知る→ネットで詳細情報を得る→自分の好みに当てはまると確認→それから安心して視聴って後追いパターン。

 まあ、ガンダムはスパロボ採用率が高いから見てたけど、それも今はあんまりって感じです。

 でも、ネットで自分よりも高いアンテナを張っていて、感性の信頼できる方の情報は、ありがたいですね。
 3話ルールの逆で、誰かが3話まで見て見続けようとなった作品は、「この人がそう言うなら、安心して見よう」と追随することも。

 あと、世の中で流行っているから自分が楽しめるとは限らない、と思ったりしますね。
 流行ってるものはイヤでも情報が入って来ますし、知らなくても、人の話を聞いてるだけで楽しめる。

 まあ、何にせよ、作品との出会いは巡り合わせだと思ってますし、そういう巡り合わせの機会は大事にしたいな、とも思いながら。

>境界戦機

 ギアスっぽいという話を聞いて、スパロボでギアス関連のストーリーを見ながら「自分には合わないな」と思いつつ、YouTube配信で飛び込んで来たので、食わず嫌いは良くないと考えて、公式サイトに行って、設定を予習してから、
 ダメ元で視聴開始。

 背景設定はどうでもよくて、自分でコツコツ組み立てたロボットってところが気に入りました。
 主人公が戦士でなくて、メカニックで、言わばビルダー。
 それをサポートするAIと連れ立って、テロと間違えられての逃避行という展開も面白いかな。
 一気に世界を見せるというよりも、少しずつ世界やキャラが広がっていく感覚なのもOK。

 最初から世界で大きな戦争が、と風呂敷を広げず、分割統治された日本というキャッチーな背景を示しつつ、主人公の見えている世界は狭い。
 やっぱり、狭い視点から、事件に巻き込まれて次第に広がる視点ってのが、物語としては入りやすいですね。
 変に大上段に構えた物語よりも、主人公の目線に合わせて追いかけて行ける作品の方がいいなあ。

 大上段に構える物語は、スパロボでやり慣れているから(笑)。

 実のところ、敵の侵略で地球がピンチって物語よりは、主人公個人がピンチって話の方が感情移入しやすいかも。
 無駄に物語のスケールを広げなくても、とゲッターアークを見た後に言うと、批判のように聞こえるかも(笑)。

 いや、まあ、ゲッターは歴史がある作品だから。

 ともあれ、ロボット物だと、自分が操縦したくなるロボットっていいですね。
 ゲッターは操縦したくならないので、あれは超人的体力の連中のスーパーな時空を超えた豪快話を楽しむもので、
 それを見た後に、地に足ついたメカオタクの奮闘記を見ると、バランスが取れていいかも、と思ったり。

 とりあえず、今月末はまたゲームモードに入る予定なので、あまりたくさんのアニメにハマる余裕はないと思いますから、境界戦機1本に絞ろうか、と考えています。

★ゲッターロボアークのゲーム参戦

 OVA真ゲッターの世界に、拓馬たちのアークが異世界転移してきて、父子対面となるわけですが、

 竜馬は息子と言っても身に覚えがないと言ってますし、ゲーム上の物語では、もう一つゲッターロボノワールという別世界のゲッターが出現していて、リョウとハヤトとムサシの異世界クローンが登場していたので、話がさらにややこしいです。

「この世界には一体、流竜馬が何人いるんだ!?」と驚く拓馬。
 ええと、アニメだけで5人かな?

 他にカムイが「神隼人司令が2人? しかも若い?」って驚いていたり、さらに恐竜帝国とのハーフの自分を見ると驚くだろう、と思っていたら、
 「その顔の鱗はアクセサリーか何かか?」とツッコミを入れられるも、お咎めなし。

 実はOVA真ゲッターの世界には、恐竜帝国が存在してなくて、敵がインベーダーであり、インベーダーに取り憑かれた早乙女博士だったりするので、
 本家の歴史の延長であるアークの面々の方が驚くという。

 で、敵が真ドラゴンということで、暴走したゲッター線の化け物に立ち向かうゲッターチームとか、そういう立ち位置は、アークの最終場面に近いものがあるか、と。

 あ、あの巨大なゲッター1には、「ゲッターロボ天」という公式の呼び名が付いた模様です。天と書いて、ワンと読むとか。

 とりあえず、ゲームのアークの物語は、これで終わらず、続きがあるようです。
 これまでのタイムスケジュールから考えて、年末に2つめ、春に3つめのエピソードが来て、キリクやカーンにもスポットが当たる模様。

 興味があれば、YouTubeで「スパロボDD、アーク」で検索すれば、動画リプレイが見られると思います。

 ではでは、今回はここまで。次回は定例感想の予定。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/14 (Thu) 14:09:08

 定期感想その3です。

 今期スタートのアニメについて先にあれこれ申したんですが、「境界戦機」については見方を変えないといけないと、第2話で認識しました。第1話では先述の通り、安っぽいヘイトでストレスたまらせて、憎々し気な外国占領軍をぶっ叩いて安易なカタルシス、なのかと思ったんです。

 第2話に入りまして、いきなり主人公の逃避行ドラマになりまして、「あれ、勘違いしてた」と。腹減らせて野菜畑で盗みを働くも、農園主が温情見せて許し、逃亡を手助けさえする、というテンプレートながらも好みの展開を観まして、「ああ、横暴な外国占領軍演出って、ここにつながるのか」と認識しました。作劇の狙いからして間違えてたorz。

 そういう話だと思っていたら、ラストではレジスタンスらしき少年の援護射撃となりまして、またくいっと方向変わる感じです。逃避行から仲間探しになるのかな。するとその先もあるはず、という期待ができそうです。そうだとしますと、NOVAさんの仰る「主人公が戦士でなくて、メカニックで、言わばビルダー」という面も活かせそう。

 自分的には当初、「これだけ高度な巨大メカニックでは、メンテナンスすら難しい」と思ったんです。補給とかの演出をご都合主義とするか、そもそも壊れずに無限に撃てるか、みたいな見せ方になるのかなと。が、第2話ラストからなら大丈夫な流れを作れそう(不足しがちだが何とかなる/する、みたいなドラマ作るとかで)。第3話が期待通り/以上なら、定期感想したくなるかもです。

 ゲッターロボアークのその後、つまりゲーム展開については、ご感想を歓迎です。書いてもいいです、みたいな消極的なものではなく、「もしアークアニメの続きがあれば、どうなるんだろう」という興味の延長として聞いてみたいという意欲が湧きます。

 しかし、話をお聞きするにも準備が要りそうで(なにせ、アークアニメから観始めたニワカなわけで)、NOVAさんのブログの関連記事に加え、お示しのキーワード検索でのゲームプレイ動画も見ておいたほうがよさそうですね。もし「この動画は特に」というものがあれば、ご紹介頂けますと幸いです(ブログ記事に出てるものは大丈夫です)。

●青天を衝け(第30話:渋沢栄一の父)

 とっ様大往生でしたな。演出もあるかと思いますが、なんだかんだで一族の大黒柱であり続けたようです。栄一が立身出世するとやたらへりくだったりとぎこちなさを見せたのも、筋を曲げない頑固さゆえか。だからこそ栄一もなんだかんだ言いながら全幅の信頼を寄せていたんでしょう。

 そのとっ様が失われ、来週からは一気に栄一に一族的な難事が降りかかる模様。今話の浮気の件などは栄一がしでかしたことであり、始末つけるのも栄一で当然なんですが、今までだととっ様の存在感ととりなしで事なきを得たはずです。来週以降も、とっ様の存在の大きさを栄一のみならず、観ているこちらも思い起こすことになりそう。

 改正掛では以前の大隈重信、今は井上薫も、意外に見えないところで頑張って、栄一らを支えていたのかなと思われる節を感じました。今話ですと、井上薫が西郷の暴走とも取れる言動を、実は廃藩置県と察してからですね。それを栄一に伝えまして、「後は任す」のは大隈と似てるか。

 が、廃藩置県の実施日を改正掛に告げに来たときの様子からしますと、偉いさん相手に粘ったけど、後4日で押し切られたらしいと感じるものがあります。なんだかテンパってる。西郷が言ったのは廃藩置県だぞと栄一らに告げたときの自信満々とは打って変わってる(そのときも、具体案を栄一に突っ込まれるとタジタジではあったんですが ^^;)。

 後4日というのも、もしかしたらできるだけ先延ばしを井上が主張、説得して、ようやく得た余裕だったかもという気がします。なので、栄一に具体的に無理を説かれますと、井上は机に突っ伏して「あ゛~、やっぱり無理かあ」の反応だったんでしょう。井上とて4日では無理と思ったものの、栄一らに託せばなんとかなるかも、という一縷の望みもダメと分かり、人目をはばからずヘタレちゃったと。

 もっとも、だからこそ「なんとかしてやらんといかん」と栄一らを鼓舞したんでしょうね。栄一としては新政府に恩は感じてない。むしろ恩義ある公儀≒慶喜を倒しちゃった連中であるはずです。新政府に忠義を尽くすモチベーションはないけど、新政府にいる人の中にはやる気を駆り立てる人がいる。大隈もそういう魅力というか、ぜひ助けねばという面を栄一は感じたんでしょうな。

 で、大隈と井上は(ヘタレさ≒栄一にやる気を感じさせる点で)似てますね。大隈は養蚕で栄一にやり込められ、一瞬いじけまして、しかし「君(栄一)に任す」と。思い切りがよい点はしかし、仕事丸投げでもありますな(ただし、おそらくは責任までは丸投げしてなさそう)。井上薫も廃藩置県の実務は、ちょっと話を聞いただけで栄一らに仕事丸投げ(しかし日程調整とか、責任は放り出さず)。

 こちらで大隈が切られた旨言ってみたら、栄一ではない視点だと大隈が逃げたしたとも取れるとご教示を受け、今は納得するものがあります。大久保利通が大隈を警戒する風が今話であった点、さらに訳ありだったと思えたりもします。が、栄一にやる気を出させるという点では、しっかりヘタレ具合が似ている(^^;)井上薫を後任に据えるなど(大隈の差し金と推察)、ポイントは押さえてるなと感心するものがあります。

 案の定、栄一ら改正掛は4日で廃藩置県による混乱を防いで、世界が驚く革命を成し遂げることになったわけですね(今話見るまで、廃藩置県がそれほどのものと認識してませんでしたorz)。しかも藩主≒地方軍閥が一斉に頭を下げて命を拝受するほど平和裏に。

 そのシーン、ちょっとびっくりしました。岩倉具視すらビビった、と思ったら異音がし、まるでネットの会議みたいに続々と藩主が画面分割で現れて平伏と。ここが今週の家康公解説とつながりました。家康公がタブレット見ながら「駄目だ駄目だ」と言う演出は、ここにつながるわけでしたか。

 そう思ってみると、家康公が未だ藩主らが権力を握っていて旨、嘆いたのも今話が廃藩置県断行~成功だからかと腑に落ちます。家康公が「徳川を倒してまで、どうしたい?」と問うたのに対し、栄一らの尽力で「これだ(廃藩置県→中央集権)」と示せた格好ですね。

 しかし、です。以前は革新派、今は守旧派が廃藩置県の成果を横取りするかのように、勢力拡大しちゃうわけですな。その点は大久保利通の態度変化でよく描写されていたように思います。大久保の行為に現れたのは、(合理的・客観的判断するゆえに)自らの意のままにならない改正掛の取り潰し。そうできる自信の源は各藩を無力化したことなんでしょうね。

 それが大久保の岩倉具視に対する態度変化に現れています。九州に引きこもる島津を説得しようという段階では、「お上/天皇」を直接的な背後に持つ岩倉具視に、大久保は一言も言い返せない。しかし廃藩置県で曲りなりにも中央集権が実現すると、今度は大久保が一睨みで岩倉を黙らせる。完全に力関係が逆転してます。
(これが西郷が廃藩置県成功後にちょっとがっかりした様子で言った「終わってしもうた」の意味かな? 不平士族が背後にありそうな西郷としては少しは軍事的紛争を期待したとも取れるんですが。)

 これが栄一らに対する大久保の態度、行動にも表れるわけで。そうなったのも、栄一らが新たな世を作ると意気込んで尽力した結果となれば、何とも憤懣やるかたない感じです。が、これも栄一が新政府を辞して下野、民間経済に活路を見出す伏線となってるのかな。そうだとすると、こちらに憤りすら感じさせるドラマ作りに感心するしかありません。

 下野する方向へにも布石ありまして、まず五代才助/友厚ですね。今話で栄一が志を同じくする点を見出して惹かれる描写がありました。あの場面が引き立つのは、当然、栄一が五代を恨むものが深いから。パリ滞在時の借款妨害ですね。これで公儀が倒れたと栄一は恨んでいる。しかし五代からすると、ようやくその功績を認める人が現れた、となって、栄一が意外に思うと。五代も志だけでなく、才覚を発揮しても評価されない境遇という点で共通点あったわけでしたか。

 さらに、前にいかにも野心的なやり手と見えた三野村利左衛門が、実は(栄一が傾きつつある)五代に言わせれば守旧派の大物というわけか。もっとも三野村利左衛門とすれば、大財閥主義というつもりなんでしょうね。三菱を作る岩崎弥太郎も同様でしょうか。会社(コンパニー、カンパニー)と次々起こして、個々の民の経済発展を考える栄一(や五代)に対して、1つを巨大化する方向性ですね。そこが残り2か月半の争点なのかなと思うと、なかなかにワクワクします(どうせ予想は外れるんでしょうけど ^^;)。

 私生活面では栄一のだらしなさも出てくるようになりましたか。三野村利左衛門がもうけた宴席で出会った仲居のくにですね。くにのほうから接近した格好ですが、最後の一線を越えたのは栄一のほうから。自分は鈍感で気が付かなかったんですが、足袋(靴下)を縫うというのは、相当な親密さを表すものらしい。
(白の靴下を赤い糸で縫うのは、正妻への挑戦状と解する向きもあるようですね。そのくらい、靴下を繕うというのは意味深であるのか。知らんかったorz。)

 靴下を繕ったのは千代がさっそく気づくわけですが、とっ様危篤の報で今話はうやむやに。しかし会えて話もして、とっ様を安心させて送り出すことができたのは、不幸中の幸いでした。この頃の葬儀の衣装が白だったのは、観てようやく思い出しました。黒になるのはだいぶ後なんだそうで、白=染めてない=安物ということで、簡素な衣装は白ということらしい。

 和服の花嫁衣裳の白も、一切を捨てて嫁ぐという意味合いがあるという説もあるんだそうで。ある意味、今話ラストの千代の白の衣装は、葬儀であるけど、最初の婚礼も意識させる演出だったのかな。なにせ来週は浮気相手のくにが再登場するようですんで、観ているこちらの気持ちを(栄一と千代のなれそめ辺りに)リセットさせる狙いがあったのかもしれないという気がします。

 次回「栄一、最後の変身」では、公私にいろいろ問題噴出するみたいですね。予告映像では、やっと帰ってきた喜作にすら、栄一は問い詰められてます。銀行作ろうとして難渋もするみたい。製糸のほうも何かあるかも。タイトルが「最後の変身」(なんかライダーものっぽい題名だ ^^;)ですから、ついに天命を知るのかな。

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/15 (Fri) 09:11:40

 定例感想です。

★青天

 栄一の父さんが出世した栄一を殿と呼び、千代を奥さまと呼んだのも創作ではなく、史実の通りですな。

 そして、ここに来て、父親の逝去とともに、栄一の幼少期とか回想シーンが入って来るのも、この番組がいよいよ最後が近づいて来ている感じで、感慨深し。
 年末まで全41話予定で、残り11話。立ち上がりが2月だったり、オリンピックによる中断を挟んだりで、多少減った感じですが、歴代大河は大体は45話前後なので、5話程度の差みたいですね。

 さて、父さまはこれまで番組のトリを飾るキャスト順だったのですが、今回で退場されたとすると、誰がトリになるかも気にしつつ。

 で、戦バカの西郷というイメージは、ドラマでは新鮮ですね。これまでの西郷さんが割と庶民の味方の豪傑という感じだったのが、庶民ではなくて士族の味方で、とにかく戦いたくて仕方ない。
 井上馨さんが、西郷の言い分を「戦いを覚悟して改革を断行せよ」との決意の表れと無理やりフォローしていましたが、自分の目には「戦いがしたくて仕方ない」ように映ります。

 栄一が反戦平和主義のポジションで描かれているので、まあ、西郷も政敵にはなるのですが、大久保よりは感情面で親和的な感じですね。
 問題の西南戦争ですが、次回が明治6年となると、明治10年はその次か、さらに次かと考えます。西郷の前に、江藤新平の佐賀の乱(明治7年)があって、江頭さんもキャストとして登場するので、多分それが再来週の焦点。で、西郷の西南戦争をそれと続けて描くか、時間差を置くかで話数が変わって来るか、と。

 明治7年以降は板垣退助の自由民権運動元年にも辺り、要は大久保の藩閥政治に対して、議会を開設して選挙で議員を選べって話ですからね。タイムリーに衆議院選挙に流れそうですし。
 栄一視点で、西南戦争や自由民権運動がどう描かれるかですね。

 一方、栄一の浮気の象徴とされる、妾の大内くにさん登場で、家庭に不穏な空気が。
 まあ、現在のドラマとしては浮気を肯定できないのですが、史実だと、くにさんを連れ帰って、千代さんと同居するに至ったわけですから、修羅場→和解に通じる流れかな。

 次回のタイトルが「最後の変身」で、ライダーファンとしては、思いきりツボですな。
 これまでの栄一の来し方もフォームチェンジに例えたくなる。

・幼少期:グローイングフォーム。白クウガみたいなもの。
・攘夷フォーム:対異人特化型。戦闘力は高いが、自制できずに不安定。
・バクシンフォーム:幕臣あるいは爆進。慶喜というパトロンを得て、機動力がアップ。馬を追いかけたり、国内を移動したり、果てには海外に飛び出すなど、精力的に活動。別名、篤太夫フォームとも。
・ヤクニンフォーム:現在。八百万の神の一柱のパワーを受けて、大蔵財政の土台を構築するために戦う。装甲が強化され、重武装スタイルながら機動性が下がり、真の力が封じられた形になる。
・マーチャントフォーム:最終形態。先輩だった五代のアドバイスにより、真の居場所や能力を覚醒させた栄一最強の姿。国よりも民の力を重視し、幾多のカンパニーやファクトリーを築き上げ、日本の資本主義のために戦う。公務に縛られることなきフットワークの軽さが最大の武器。

 うん、まるで平成ライダーの物語を見ているようだ(笑)。
 五代さんのアドバイスで、真の力に覚醒ってのが、いかにもそれらしいですね。

 なお、仮面ライダーウィザードの宝石職人・輪島のおっちゃんが、栄一に協力する商人の頭領・小野として登場するとか、キャスト面も面白い顔がチラホラ。
 他にも声優さんが顔出ししているのもあって、改正掛の玉乃さんが、ジョジョ4部の億泰さんを演じた高木渉さん。この人も、富岡製糸場絡みで重要人物になって行くようですね。栄一が下野してからでも付き合いが続くようで。実はガンダムXの主人公声優でもあり、「ガンダム売るよ」のセリフでも有名。

★リバイス

 仮面ライダーイビルではなくて、エビルだったと訂正。

 正体は、弟・大二の中から生まれた悪魔カゲロウで、兄への複雑な想いが敵対意識となって覚醒した模様。
 役者の人は、いきなり一人二役みたいで、演技力を問われますな。
 二重人格キャラだと、エグゼイドとかビルドを連想しますが、大二とカゲロウの演じ分けを楽しみにしたく。

 そして、妹のさくらをもう一つのアキレス腱として狙い始めたデッドマンズ。
 すると、さくらが闇堕ちして悪魔と契約してしまうのか、それとも持ち前の正義感で留まり、ライダーとして目覚めるのか。どっちに転んでも、自分好みの展開になりそうです。

 ゴーストのカノンスペクターとか、仮面ライダーツクヨミとか、前作のサーベラとか、妹ライダーの流れも確実に来ているので、最終的に仮面ライダー3兄妹になる五十嵐家という可能性もあるな。
 これで父母もライダーになって、仮面ライダー家族ともなると、やりすぎ感もあるでしょうが。

 一方、ライダーになりたくてもなれなかったヒロミさん。
 何だかカブトの加賀美と、矢車さんを足して2で割ったキャラを想定しつつ。

 次回は彼の変身、汚名返上が見られるか。

 とにかく、毎回の事件解決単発ドラマと、レギュラーキャラの関係性を描く連続ドラマの流れが、上手くバランスをとって描かれている感じですね。
 バイスの特性を活かした捜査活動とか、バディ物としての面白さも取り混ぜて、30分で密度の濃い話を展開中。

 特撮界では新人脚本家になるので、その力量やいかに? という目で見ていましたが、現状は好印象です。
 何よりも、セイバーラストのオナラバイスが本編ではないことにされているのが大きい。あれは違う脚本家による変な解釈ということで。
 バイスはどちらかと言えば、クールなツッコミキャラで、お笑いボケ芸人ではない方向で一つ。好奇心と目立ちたいアピールはするけど、お下劣ギャグではないと。

★ダイ大

 父子というものを意識させた週でした。
 自分的には、ダイ&バランと、竜馬&拓馬と、栄一&父さまですね。

 そして、ドラゴンもキーワードかな。
 竜馬はドラゴンですし、栄一の前世のメテオは空手使いのドラゴンモチーフのキャラでした。

 ともあれ、ダイと父バランの関係性が大きな目玉ですな。フェンブレン、そして次回はハドラーが父子竜の前に立ちはだかる。
 超魔ハドラーと、バランの対決はベストバウトの一つとも思えるわけで。

★ロボアニメ

 境界戦機で気に入った描写は、「中華製の武器は規格が違うので、ケンブが使えない」と言うことですね。

 人間だと、トリガーを引けば誰でも銃を撃てますが(安全装置の解除とか、反動への感覚的理解とか、装填方法とか、素人ではつかみ得ないこともあるにせよ)、
 機械の場合は、火器管制システムに所属組織ごとの差異があって、規格外の武器はソフト面での調整が施されないと使用できない。

 この辺の描写がリアルである一方で、だからライフルを棍棒代わりに殴る素人バトルがいい感じですし、
 人間が操作して柔軟な対応がとれるケンブの利点に対して、相手側は陣形を乱さない機械的な包囲戦術と数の優位で追いつめる。

 一連のバトルが、スーパーの機体性能とか感情でのパワーアップと、リアルの戦術を突き詰めた方策のバランスを巧くとって、見応えのある戦闘だったな、と。

 もちろん、その前に田舎の人情ドラマを描いたからこそ、情から理に移るバトルの流れに至り、そこに戦場の理を知り尽くしたと思しき第2の主人公、クールな謎のスナイパーの支援が入る。
 王道にして完璧な構成だ、と感じました。

 こうなると、次回、必然的に2人めのキャラに注目が当たるわけですが、主人公のピンチを救った熟練の戦士。
 果たして、素人の主人公と、クールなナンバー2との関係性はうまく行くのか? と古来、何百回も描かれてきたろう王道作劇パターンをこの作品はどう料理するのか、と見守りたいと思います。

 あと、ゲッターについては、アークがゴーカイジャーみたいな集大成の作品になりましたからねえ。
 平成期にアニメ化された、真ゲッター、ネオゲッター、新ゲッターの全てが石川賢原作を元に、一部要素を膨らませた独自作品なので、一部ネタ的な共通点はあっても、物語的なリンクは皆無に等しい。

 ゲームでも、これだけは見ておけって内容が思いつきにくい。
 マジンガーの方がまだ分かりやすくて、ゲッターは変幻すぎて、謎だらけです。とりわけ90年代以降のゲッター線が意思を持ち始めた頃からは。

 とりあえず、理不尽なこととか凄まじいことがあれば、「これもゲッター線の意思だと言うのか!?」と言っておけば、クスリと笑いがとれます。

 聖闘士星矢の小宇宙(コスモ)と同様、理不尽を説明する便利なキーワードですな、ゲッター線って。

 ともあれ、個人的には、アークによって、ゲッターの物語が仕切り直されて、新たな段階に入ったと考えます。
 むしろ、この後は、原作版の「ゲッターロボ號のアニメ化」に期待するわけですね。

 これだけ見ておけ、となると、現在はアニメよりも石川賢さんの原作マンガの方がバイブルになりますし、
 ゲームだと、毎回、設定が細かく変わっているので、「今回は原作のこの部分を再現して、ここを改変してきたか」って感じながら、どれがベストかってのは決めづらい。

 ブログで紹介しているのは、去年から動き始めた「ゲッターノワールがゲームをプレイしていない人間には分かりにくい新機軸」なので、新鮮。
 そこに、今回、アークが絡んできたので、去年から再起動しているってところでしょうか。

 ただ、来年はマジンガーの方が50周年になるので、主軸がそちらになるんじゃないかなあ、と考えますね。
 ゲッターからマジンガーに流れがバトンタッチして、もう一度、ゲッターに火がつくのは、2024年の50周年じゃないかなあ、とか。
 当面は、アークがゲームの既存のゲッター物語とどうつながるかを見極めたいところ。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/18 (Mon) 20:05:20

 定期感想その1です。

「境界戦機」ご感想からのゲッター解説、ありがとうございます。ブログ、さらにお示しのキーワード検索でスポロボのプレイ動画等を観始めてます。が、素人の悲しさ、目が滑る滑るorz。知らないキャラクターが分からないのは仕方ないとしても、部分的には分かるゲッター、マジンガーのキャラクターが会話してて、突然ブライト艦長出てきたりすると、頭の切り替えが追い付きません(^^;。

 なんと申しますか、「どっから出てきたん?」みたいな混乱です。ブライトさんは自分的におなじみなんですけど、クロスオーバー世界に不慣れで、まだ頭が付いて行けてないんでしょう。とはいえ、違和感とか不自然さは感じないのは、やっぱり制作者の腕前なのか。絵柄とか要因あるんでしょうけど、どうやってまとまり感出してるか、ちょっと想像がつきかねています。そのうち慣れたら、理由とか気にしなくなるのかも。

「境界戦機」のほうは、第3話観てから、第1~2話振り返りつつ感想を書くつもりです。第3話があまりにひどければ別ですが、第2話があれだけの出来栄えなら(第1話の印象すらガラッと変えてくれたし)第3話が期待外れになる可能性は極めて低いはずです。それ以外の今期スタート番組は模様見状態ですね(いつも通り、第3話を待たずに視聴継続するものが激減中)。

●ダイの大冒険(第53話:ハドラーの挑戦)

 今話はハドラー回だった気がします。ポップらの陽動で親衛騎団を引き付け、ダイとバランが(フェンブレンの妨害があるも)バーンパレスに突入するわけですが、全部ハドラーの仕掛け通りに進んでいたわけで。こちらの作戦通りが敵の思惑通りとなると、うまく行っていたように見えた状況が、突如不利に変わった気がします。

 そういう完璧な作戦のハドラーも、己の身に知らぬことが起こっているわけですね。バーンによって復活したときに黒の結晶(コア)を埋め込まれていたわけですか。威力は大陸1つを吹き飛ばす爆発力で、一度試した冥竜王ヴェルザーも二度と使わなかった代物であると。しかも超魔生物化の影響で爆発寸前なのか。

 気になったのは、ハドラーを超魔生物に改造したザボエラですね。知っていたのかどうか。少し調べてみると、黒の結晶(コア)があることに気が付いていたらしい。だとするとザボエラは黒の結晶(コア)をどうするつもりだったんだろう。ハドラーにより牢に放り込まれたわけですが、ハドラーに埋め込まれた黒の結晶(コア)をネタに交渉(ないしは恫喝)するとかの様子はなかったし。威力からして手に余るんで、見てみぬふりを決め込んでたんだろうか。

 その黒の結晶(コア)でも、拠点のバーンパレスを破壊する力はないみたいですね。バーンによるとハドラー vs ダイ&バランの決戦場はパレス外周部とのこと。至近距離であるはずですが、パレス本体の城壁(?)は爆発に充分に耐える強度らしい。ダイとバランでようやく破った海中の扉などは、まだまだ子供だまし程度ということか。もしそうだとすると、鬼岩城がバーンにとってオモチャ程度(確かそう言ってたような)であるというのも分かる気がします。あれもこれも、じわーっとバーンの脅威の底の知れなさをうまく演出しているようですね。

 だけど、バーンはハドラーを惜しむ気持ちがあるらしい。ハドラーを復活させた当初は、もしかしたらそれほど評価せず、万が一の裏切り、あるいは戦略的に利用価値が出たら、というつもりで黒の結晶(コア)を埋め込んだのかもしれません。が、「やればできる子」(^^;)と分かってきて、一人前にしてやる意欲が出たのかな。

 それがバーンの思惑通りではなく、黒の結晶(コア)と相性が悪い超魔生物として成長しちゃったものの、望み通りに戦わせてやるわけで。扱いがひどいようでいて、しかし命に代えてもアバンに勝ちたいハドラーの意を汲んでやっているように見えます。今はアバンがいないので、ハドラーの直接の相手がダイらであるわけですが。

 ハドラーは己が不調、体の痛みは超魔生物化の副作用と思っているけれど、実は黒の結晶(コア)という点も悲劇性があっていいかな。死を覚悟した武人らしい武人になって納得度が高まりましたが、そこへ自分(ハドラー)も知らない死の要因がある。いろんな視点でいろんな感動が生じそうです。

 ともかく本編。まずは前話ラストのフェンブレンの「バラン敗れたり!」の自信の一撃があっけなく返り討ちですな。「ダイの剣」でのアバンストラッシュで真っ二つ。どうやらダイは無心で剣が抜けるようになった模様。今までは剣とダイでしたが、これで人馬一体といった境地なのかな(この感じからすると、以降は剣が抜ける/抜けないの問題はなくなるんだろう)。

 ダイらの扉撃破と突入は、破壊力の大きさゆえの振動で地上のポップらにも伝わるわけか。これなら連絡要員がいないのも頷けます(あるいは、遠隔感知できるメルルを連れて来なかった理由)。バーンパレスへの道が開ければ、足止め・時間稼ぎは不要ということで戦法が変わる。

 ヒュンケルも到着し、意外に元気ですし(無理してるんでしょうけど)。次はバーンパレス攻略でしょうから、防御から攻撃に変わる感じですね。注目したのはクロコダインでして、「いつまで調子に乗っとるかあ!」とルークのブロックを投げ飛ばしてますな。これで今まではブロックに締め上げられてたのは時間稼ぎだと分かりますね。「ぐわー」とか悲鳴あげてたのは演技だったか。

 よく考えたら六大軍団長ではパワー随一のはずのクロコダインがそうそう力負けするはずはなかったのかも。もっともクロコダインは親衛騎団との初戦時、個々の能力は親衛騎団が上と言ってまして、ちょっと分からんところもあります(的を騙すには、まず味方から?)。

 が、敵(親衛騎団)も陽動だったわけで。ハドラーとダイ&バランの対決に誰も水を差さないように、ということですね。ポップらとしては一刻も早く助勢に行きたいところでしょうな。そのことは、ハドラーと対決したダイの台詞からもうかがえる気がします。

 ハドラーは思惑通り、ダイとバランだけを迎えて戦闘態勢ですね。さすがに感慨深いものがあるらしく、今までのことを語ってますな。実は部下となったバランに怯えていたこと、ダイも竜の騎士と知って、さらに恐れたことなど。もっとも、もうさばさばした感じで、フェンブレンに自分(ハドラー)の昔の邪心が現れたことすら、あまり気にする様子がない。

 そのときに言った「子は黙っていても親に似るものよな」は、なかなかにバランに対する皮肉になってるような。バランも怒りで竜の騎士の道から外れちゃったわけで。そういう心の迷いを起こす弱さがダイにもあるぞ、ということなんでしょう。もしかすると、これでバランは意地になっちゃったかもしれない。

 ダイと共同してハドラーに当たらず、一騎打ちでケリをつけたがっているようですから。竜の騎士として卑怯な真似はできないということも大きいんでしょうけど、ソアラと同じくらいに思っているはずのダイの説得に耳を貸さず、むしろ叱責してますからね。冷静だったら、多少でも「どういうことだ?」くらい聞き返してもよさそう。

 ダイのほうは最初から何を為すべきか、一徹ですね。バーンを倒せればいい、手段は問わないと。そのためには2人がかりでハドラーに当たるべき、というわけか。バランよりもハドラーの今の強さを身を以て知っていることも大きいんでしょうね。まずは自分(ダイ)がハドラーに当たり、超魔生物ハドラーの力をバランに見せる作戦に出る。

 が、これがハドラーに埋め込まれた黒の結晶をあらわにしてしまうわけか。今度は事情を教えるのがバランになるわけですね。あれは冥竜王ヴェルザーも二度は使わなかった禁断の兵器だと。最初はバランがハドラーの実力を正しく評価できなかったわけですが、このタイミングでそれがダイに変わってしまった感じですね。(倒し方は分からないが)単純にぶっ叩く以外は駄目だというバランにダイが抗弁してます。

 爆発の威力を見たか否かで危機感が違うみたいですね。そこは超魔生物の強さを経験したダイと、知らなかったバランにも表れていたわけですが。大陸吹っ飛ばす威力が想像できなさそうなダイが危機に陥っても自制できるかどうか。しかし、黒の結晶のことを知らないハドラー、全力モードで襲い掛かりまして続くと。

 そんな事態も大魔王バーンには大した影響はないみたいですね。バーンパレスは黒の結晶の爆発に耐えるみたいだし、いずれ全地表を吹っ飛ばすつもりらしいし。バーンの敵を部下に掃討させ侵略を進めてるのは、黒の結晶を世界各地に仕掛けるのを邪魔されないため、程度のことなのかしらん。

 次回「ハドラー対バラン」では、バーンの思惑を知る由もないハドラーに対し、察してもどうすることもできないバランがハドラーだけでもと仕掛けるみたいですね。今話は、ダイ側がハドラーの手のひらの上で踊らされたと思ったら、実はそれすらバーンの手のひらの上のことだった、みたいな感じ。それがなかったら、もうこれは最終盤、という感じなんですけど、まだ約1年ありそうですから、ラスボスまで手が届きそうになくて当然だったのかもです。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/19 (Tue) 16:59:01

 定期感想その2です。

●仮面ライダーリバイス(第7話:窃盗!?スケボー!?俺はカゲロウ!)

 前話でバイスがスマホで可視化されたわけですが、今話も用いられまして、もう一輝以外とも会話できるキャラクターになりましたな。やはり主人公格で頻繁に登場する以上、一輝以外と関わらないで物語を進めるには無理があるということなんでしょう。効果は出ているようで、陽性のコミカル役として場面の雰囲気とか作れてる感じです。

 大二はカゲロウになったりするわけですが、字幕を出してみると「カゲロウ」「五十嵐大二」と付しての台詞字幕になってることに気が付きました(先週分はどうだったか忘れたorz)。台詞が聞こえない場合、大二の表情だけではどちらなのか読み取りにくいという判断なんでしょうけど、「大二とカゲロウは別人格」という点を制作が強調する演出意図があるとみてよさそう。これは「悪事を働いたとしても、大二じゃないからね」というメッセージでもあるように思います。

 その大二なんですけど、カゲロウを宿していたことは、第1話での演出が伏線だったのかな。狩崎が今話で門田ヒロミが変身しようとして悪魔召喚になっちゃった件を蒸し返し、あれで大二は変身に恐怖を抱いたとフェニックスメンバーに思い起こさせていたようです。だけど、狩崎はおそらく大二の別人格カゲロウを察していそう。ということはミスディレクションか。

 そう思ってみますと、大二が第1話で変身を恐れたのは、自らの中に宿るカゲロウを無意識ながら気にしていて、変身で何か恐ろしいもの(実はカゲロウ)を呼び出してしまうんじゃないか、それで自分(大二本人)が失われるんじゃないかと本能的に察知していたという可能性が考えらえそうです。

 さらに考えると、最初から狩崎はそのことを熟知していた可能性もあり、カゲロウが半ば大二を乗っ取るのを待って、エビルになるツーサイドライバーを渡す算段だったんじゃなかろうか。どうも妄想を進めますと、狩崎が当面の黒幕みたいな感じがしてしまいます。デッドマンズとよく似た狙い:10個のドライバーを集めるという目的持ってますし(かつ、それで何がしたいかは未だ不明)。

 今話初登場の仮面ライダーデモンズはすんなりと門田ヒロミに決まったわけですね。第1回では無理に変身を試みて悪魔を呼び出してしまったわけですから、普通は危険とみて他を当たるかするはず。そうでないのは、門田ヒロミ用に調整したドライバーだからと考えるのが順当でしょうか。しかし自分は狩崎を疑いがちになってまして(^^;、第1回の変身失敗は狩崎がドライバーに門田ヒロミに不向きな要素を組み込んでたんじゃないかとか邪推してしまってます。

 今話では門田ヒロミが大二(実はカゲロウ)を命に代えても止めると宣言し、その通りに実行していたわけですが、初見では意外な感じがしました。その役目は兄の一輝がふさわしいんじゃないかと。しかし思い直しまして、「一輝と大二」「門田ヒロミとカゲロウ」という対比にしたのかなと。

 おそらく門田ヒロミの悩み(変身失敗からの降格への不満)が、カゲロウの発現と通じるものがあるのかという気がします。大二≠カゲロウということの演出の一環にもなってるように思えまして、やっぱりプロはうまいことやるもんだと感心します。

 ちょっと気になる脇役が「しあわせ湯」常連客の伊良部正造/ぶーさんだったりします。前話でも調査・推理を発揮して黒幕弁護士を割り出してました。今話でもその実力を発揮してるわけですね。だけど正体、本職は言いそうで明かさない。単なるコメディリリーフかもしれませんが、意外に大物だったりして。いずれ正体が明かされるのか、ちょっと楽しみになってきてます。

 ともかく本編。デッドマンもいきなりフェーズ2で現れるようになりまして、パルクールよろしく街を飛び回る窃盗団を手助けする悪魔チーター・デッドマンですね(と見えて、実は違ってたわけですが)。俊足のため追いつけず、狩崎はジャッカルスタンプを開発するも、バイスが貶して狩崎は拗ねてしまう。この辺りの気まぐれも、狩崎がどうも自分的に信用ならない点だったりします。組織の要請、正義の観点よりも、自分が面白いと思うことをしたがっているようで。

 事件のほうは「しあわせ湯」で捜査進展しまして、ぶーさんまたもお手柄なわけですな。窃盗団は名門高校の生徒じゃないかというわけですが、さらに調べると目星の一人の父親が海外に行っているというものの、どうやら行方不明であるらしいと分かる。

 結局、その父親がチーター・デッドマンだったわけですが、冒頭シーンの順当な解釈をちゃぶ台返しするような動機だったと。リバイスのドラマでは割と「意外な真相」を多用してくるような気がします(好みなので歓迎)。

 それはラストで明かされるわけですが、展開も真相に合わせて意外な方向へ進みまして、窃盗団が交番に自首してくるわけですね。観念したというよりは、捕まらないのに業を煮やして、早く逮捕しろと文句を言いに来たような雰囲気です。

 観ていて「おかしいな?」と思ったら、交番にチーター・デッドマンが壁をぶち破って乱入。これも驚きましたが、一輝が駆けつけてきまして、チーター・デッドマンを窃盗団の1人前園仁志の父親だろうと問い詰める。その通りで、息子:仁志の逮捕を恐れて、悪魔と化して妨害していたわけですか。てっきり窃盗の手伝いだと思ってた。
(なぜ悪魔の力で窃盗自体を阻止しなかったのか、という気がしないでもない(^^;。)

 変身しての戦いに突入するわけですが、今話の見せ場バトルはスケボーでしたか。変なところに場所を移すなあと思ったんですが、スケボー用の競技場/遊び場だと分かって納得。さらに冒頭で狩崎がスケボーで現れたことが伏線だったかと思い出したりもしました。

 バトルは順当にリバイス側勝利で、父親:孝治は己が間違いを悟って反省、仁志も将来を勝手に決められた苦しみゆえとはいえ、悪いことをした自覚はあったと。
(そこに至るまでの要所で一輝が名文句を言うようになってますね。世界一のお節介とか、レールを敷くから脱線するんだとか。そういう台詞を言えるくらいに、キャラが際立ってきたということかもしれません。)

 一方、大二はカゲロウの浸食が進んでいるようですね。鏡を通してカゲロウが見え、しかも話しかけられるまでになってます。今回は幸い、鏡を割って遠ざけることができましたが、いつまで持つやら。これで思い出したのが、TVの神牙です。悪に堕ちたジンガが騎士:神牙として転生するも、結局はジンガに飲まれてしまうというラストでした。大二はしっかりカゲロウを突き放す(か、大二の光面に取り込む)と思いたい。

 次回「家族の休息、天国と地獄!?」は、母親:幸実の退院祝いをかねて、おそらく久しぶりの温泉旅行みたいですが、カゲロウが本格始動するみたいですね。緩めておいて一気に緊張する展開なのかな。そういうテンション落差のあるのも好みだったりします。

●ルパン三世 PART6(第0話:EPISODE 0 ―時代―)

 よく見たら「EPISODE 0」でして、本編開始前の特別編ということみたいですね。考えれば当然で、50年に渡る小林清志さんの次元大介の見納めですもんね。今話は小林次元の送別会といった感じでした。

 ストーリーとしては、いったん捕まったルパン一味から始まりますが、いつになく次元大介が厭世的。なんもかんも、もう飽きちゃった、みたいな雰囲気漂わせてます。直接的な原因は、現代技術でしょうか。プラスティック製のハイテク銃にAI搭載のドローン、新素材の捕縛用トリモチ等々。S&W M19 コンバット・マグナム1つですべて切り抜けてきた次元としては面白くないんでしょうな。敵が人の能力より機械性能で争ってくるわけですから。

 が、難を逃れて一人で酒を飲む次元に迷いが見られますね。バーの店主が出してくれた最高のウイスキーがどうも味気ないらしい。この辺り、何もかも嫌になっているようでいて、ルパンらと一緒でないと面白くないといった心の機微が窺える気がします。追ってきたらしい、長年の付き合いにして同じくアナログ臭い銭形警部も次元をいい意味で刺激したかな?

 で、次元はいったんルパンのアジトに戻ってくると。しかし、まだ態度が揺らいでまして、既に愚痴を聞かされた石川五ェ門は静かにイライラを募らせている模様ですね。ルパンは次元を信用しているらしく、気にする様子を見せない。この差は好意/信頼の方向性の差なのかしらん。

 アジトでは現金強奪と脱走を祝っての内輪のパーティみたいですが、ルパンが取り出したとっておきのウイスキーに注目しました。ラベルに71年とあり、ルパン三世アニメ50周年を示すものであり、かつ小林清志の次元50周年の意味もある。銭形警部が次元をつけてアジトを急襲するわけですが、この71年のウイスキーだけを大事に持って脱出するところ、ルパンと(小林清志の)次元のつながりの深さを暗示するものであるようです。

 ルパンらの脱出に次元はしんがりとして銭形警部と部下を食い止める。小林次元の最後の見せ場というわけか。警察側の最新鋭技術を次元は全て古臭いアイテムと射撃テクニックで退けまして、きっちり次元に花を持たせてくれる演出でしたな。送別会/回として納得し感動しました。

 最後はルパンの「またうまい酒を飲もうぜ」で締め。直前の次元の「その酒、一人で飲んだら承知しねえぞ」に対応するものですね。さようならとは言いません、というわけか。しかし来週からは大塚明夫さんの次元大介ですな。小林清志さんの次元大介に名残惜しいですが、気持ちを切り替えていこうと思います。

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/20 (Wed) 10:24:22

 定例感想その1です。(表現をマネてみたり)

★ダイ大

 瞬殺フェンブレンに涙しつつも、次回かその次の回には、さらなる涙の準備をしておきたいと思います。

 まあ、青天の最近の顛末がネタバレのヒントになるかと思いますが、「子は親に似る」というハドラーのセリフが、いろいろな形で伏線になっていきますね。

 バランから受け継ぐダイ、そしてハドラーから受け継ぐヒムという形に流れていくわけですが、
 OPを見ても、バランとソアラの両親がダイを見守っているシーンが涙目で、

 さらに後ろ姿ながら、アバン先生とラーハルトがいる。
 ダイ大が、師匠からの継承のドラマであり、今度は親子の継承のドラマにもなっていく。

 この師匠にして、この弟子ありとか、
 この親にして、この子ありとか、牙狼もそうでしたが、こういう継承の人間ドラマは自分的に大いに好みです。

 ダイ大は幾組も継承のドラマがあるので、感じ入ることも大きいですな。
 まずは何よりも、弟子の多いアバン先生ですが、ヒュンケル、ポップ、ダイ、マァム、そして最終的にはレオナ姫がアバンの弟子として五芒星を築くことになります。

 そして、マトリフ師匠とポップ、ブロキーナさんとマァム、チウのそれぞれの師弟関係もある一方で、ミストバーンとヒュンケルの闇の師弟関係も存在。

 あ、ダイからみれば、ブラス老師が最初の師匠になりますか。

 あとはノヴァの師匠がロン・ベルクになる予定で、チウの師匠がクロコダインとか、いろいろな人間関係がお見事ですな。

 それと、前のOPに出ていたキャラで、劇中で未登場なのが、滅亡したカール王国の女王フローラ。
 レオナの憧れの女性だとセリフだけで出ていたのですが、現在は生死不明。だけど、彼女の登場で、レオナの指導者としての肩の荷が下りることになります。

 フローラさんは、アバン先生にとってのヒロインでもあって、ある意味、先代レオナ的な立ち位置になるのかな。

 ともあれ、師弟関係、親子関係で見るダイ大は、作品の魅力の一つと考えます。

★リバイス

 エビルに続いて、デモンズ登場。
 コウモリに対して、クモモチーフなのがライダー的には、グッジョブと言うか。
 1号怪人クモ男、2号怪人コウモリ男というのが一つの伝統でもありますし、その元ネタはアメコミのヒーローでもありますからね。

 エビルは比較的、コウモリ色は薄めなのに対し、デモンズはクモ色が非常に濃いデザインであり、能力ですな。

 ピンクとブルーのリバイ、ピンクと黒のバイス、グリーン系のエビル、そして赤いデモンズ。
 カラーリング的には、デモンズが一番ヒーローっぽい感じかも。

 ドラマ的には、毎回、短い尺で一つの事件を解決しつつ、しっかり縦糸を仕込んで、連続ドラマの様相も呈してきた。
 非常に密度が高い展開でありながら、急ぐことなく、じっくり見せてくれている感じです。

 それと、毎回、キャラの印象が一貫性を持ちながらも変わって来る感じですね。
 ヒロミさんがあんな熱血漢で責任感の強い男だとは、先週の時点では思っていませんでした。単に勢いづいてライダーになれなかっただけのヘタレみたいな印象がありましたし、裏切り者疑惑もあったのに、今回の話で、一気に見る目が変わったというか、事件解決ドラマ上のどんでん返しだけじゃなくて、キャラの印象まで大きく変わっちゃう。しかも、それが不自然じゃないというのは、脚本の冴えでしょうか。

 人間の中に悪魔がいるということで、人の心の二面性がテーマの一つでもあり、その回の展開でキャラの印象が大きく変わるのは、刺激的でもあります。
 下手な描き方だと、キャラがブレると言うのですが、そこに納得できる理由が描かれますと、感情移入が強まることも。

 ともあれ、ただのサブキャラ、モブキャラと思われた男が、一気に花開いた感じなので、また一気に萎むことなく活躍してもらいたいものです。

 いや、まあ、デモンズを使った副作用で、心身の状態が悪化して、悲劇の道を辿る可能性も否めないのですけど、それはそれで注目が当たるわけで。

★スパロボ

 どの作品の動画をご覧になったのかにもよりますが、自分がブログで挙げたものは、ブライトさんが出て来ない(ガンダムに関わりない)ダイナミック系中心の物なので、別の話だと思いますね。

 スパロボ伝統の御三家と言えば、マジンガー、ゲッター、ガンダムで、ブライトさんも自軍の戦艦の艦長で、部隊の指揮官の役どころ。
 ブライトさんを中心に、民間協力者の兜甲児と竜馬たちゲッターチームが助っ人参入して、アムロたちMSパイロットと協力するクロスオーバー祭りが、今年30年のスパロボの基本です。

 その後、シリーズが展開するにつれて、新たな参戦作品も増えてきて、マジンガーやゲッター、それにガンダムも新作や新機体が加入して、話題を振りまくことも。

 スパロボにエヴァ参戦とか、まさかの宇宙戦艦ヤマト? とかで、
 現在の盛り上がりどころは「グリッドマンきたー」ですかね。最新作で、現在体験版が配信中の30の話ですが(正式発売は今月28日)。

 こちらは、クロスオーバー慣れしていますから、ブライトさんと甲児、竜馬が話していても違和感を覚えないのですが、たまに絵柄が違いすぎるキャラの会話は戸惑いますね。
 それと、常連さんの中に、新規メンバーが入る際の戸惑いイベントも楽しい。

 動画も、作品の最初から見ると、甲児たちスーパーロボット組と、ガンダム勢が合流するときの会話が丁寧に描写されているので、いきなり一緒にいるケースは(初期作ならともかく)、近年は少なめですね。

 ブライトさんが「今度の敵は強敵だから(毎回言ってるわけですが)我々も部隊の戦力を強化しないといけない。よし、早乙女研究所に向かうぞ」とか言って、そのマップでゲッターロボと合流するとか、ガンダムの世界観にいろいろ混ざって来る展開が多いですな。

 最近は、異世界転移も当たり前になって、「この世界にもガンダムだと?」とか宇宙世紀以外の舞台に驚いたりすることも多発。

 グリッドマンの登場は、部隊の母艦(今回はブライトさんではなく、オリジナルの母艦が序盤に登場)が太平洋で異常発生という連絡で、現場に駆けつけると、霧にまかれて、グリッドマンの世界にいたという。
 一体、何なんだ、この世界は? 怪獣がいる? 何かの組織のバイオ兵器か? などという話があって、仲間集めの最中(グリッドマンを仲間にしたところで、体験版は終了)。

 序盤は少しずつ仲間が増えて来る過程を経て、常連キャラと新参戦キャラを交えた会話シーンが新鮮ですな。
 最近(ここ5年ばかり)のスパロボは、連作シリーズではなく、毎回、設定がリセットされる単発物が続いていて、キャラの人間関係もメインとなる物語も、改めて紡ぎ直すことになります。

 まあ、アムロと甲児と竜馬は歴戦の英雄ということで、顔馴染みになっているのですが。
 アムロは昔から「逆襲のシャア」の大人バージョンがあったのですが、甲児と竜馬はいつまでも10代の若者という話が多く、2010年代になって、ゲッターチームがOVAの真ゲッターの大人バージョンが定番になって、甲児だけが若者に。
 そして、マジンガーも劇場版INFINITYで、とうとう大人として成長した甲児が描かれるようになり、スパロボでも歴戦の勇者である兜甲児の時代が来ている、と。

 そんなわけで、動画を見る際も、V、X、T、それから30というタイトルで初めから見れば、設定がリセットされて、毎回の出会いから描かれるので、戸惑うことは少ないかもしれませんが、それ以前の作品シリーズの途中から見ると、非常に戸惑うこと多し、と言えます。

 正直、ゲッターロボサーガよりも、スパロボの歴史の方が作品数が圧倒的に多いので、どのスパロボかで、話が噛み合わないこともしばしばですから。
 昔のスパロボの神谷明さんの声が懐かしいとか、ブライトさんの声優の鈴置洋孝さんが亡くなって、ユニコーンガンダムの成田剣さんに変わったなあ、とか声優の変遷話もいろいろ。

 声優といえば、小林清志さんの引退ですか。
 この人は、勇者王ガオガイガーのナレーションも担当していて、「君たちに最新情報を公開しよう」の次回予告とか、「これが勝利の鍵だ」の次回の注目アイテムとか、渋いお声に痺れていたなあ(90年代の話)。

 ともあれ、ゲームを通じて、懐かしロボの知名度が上がったりして、玩具がリメイクされたり、
 スパロボに参戦することで、箔が付いたりして、新作が作られたり、
 ロボアニメを見るたびに、この作品は何と相性がいいかな、とクロスオーバーを夢想したり、数年後に実現して、○○キターと盛り上がったりする流れがありますな。

 コードギアスと境界戦機が共演したら、どうなるかな? とか。

 とりあえず、今回はこんなところで。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/20 (Wed) 16:04:16

 定期感想その3です。

 スパロボの解説、ありがとうございます。ゲーム動画はYoutubeで検索する前にNOVAさんのブログにリンクされた動画を見て、そこから関連動画を手繰ったりしてました。文字通り「たぶん、この動画とシリーズ的な関連あるかも」と期待しまして。

 が、甘かったみたいですね。例えば「V、X、T、それから30というタイトル」ということなど、全くわからずの無手勝流でした。ブライトさんが出てくる時点で、ブログの動画とは別シリーズというわけでしたか。次に動画漁りするときは、ご教示の点を踏まえてみようと思います(が、素人の自分いできるんだかどうだか ^^;)。

●青天を衝け(第31話:栄一、最後の変身)

 富岡製糸場が出てきまして、以前の自分の無知を思い出しました。富岡製糸場が世界遺産指定されるとき、ネットで「女工哀史を生んだブラック企業をなぜ」みたいな論調を見まして。「そういやそうか」と思いかけて、「いや待てよ」と調べてみると違ってました。当時としては(もしかすると今と比べても)労働環境や待遇は悪くなかったようです。官営から民営に変わると、少し悪化はしたらしいですが。

 もし勘違いしたままだったら危なかった。今話中の解説では褒めちぎるに近く、女性の社会進出の先駆けとも言ってました。この感想で「いくらドラマとはいえ、さすがにあんな嘘はいけない」とかブチ切れてたかもしれません(^^;。多少でも調べといてよかった。

 家康公解説はなしで残念だったんですが、もしかしたら前話での家康公の問いかけ「君たちは幕府を倒してまで、どんな世の中を作りたかった?」に今話で一応の答えを出す狙いがあったからかもしれません。一応と断るのは、答えが栄一と西郷の会話にあり、西郷が「有能な慶喜が怖くてしゃにむに潰したが、これで良かったのか。平岡円四郎に叱られそうだし、慶喜に申し訳が立たない」旨の発言が家康公への答えになりそうですから。

 つまり、家康公に「どうしたかったのだ?」と問われた西郷は「面目ない、どうにもできなかった」と謝った、という感じですね。しかし希望はあって、後事は栄一に託したいと。その点は(元)幕臣に引き継いでもらうということで、家康公も「やっぱり幕府に頼ってくれたか」と少しは納得してくれそう。

 その栄一ですけど、今話はえらく紆余曲折でした。栄一の台詞にも出てきた「最後の変身」というタイトルも納得できます。まず成一郎改め喜作との和解。成一郎/喜作は、栄一が攘夷佐幕に走ったままだったら、というモデルですから、喜作との和解はある意味、栄一内の迷いの総決算だったのかもという気がします。

 いや、決算半分くらいかな。三井組三野村利左衛門(や小野組の小野善右衛門)に銀行設立で無理を飲ませ、三野村利左衛門から三井組の両替商新社屋を奪って恨み言を言われ、西郷と腹割って話して、ようやく官を辞する決意に至るわけですんで。これが最終形態への変身だとしますと、いよいよラスボス登場もあるかな(予告映像に見えた岩崎弥太郎とかか)。

 その栄一の変身に至る過程で、自分的に最も印象深かったのが三野村利左衛門でした。最初の登場はギラギラした野心家という感じ。政商として新政府重鎮を取り込もうとするわけですが、五代才助/友厚に徳川幕府体制下と何も変わらぬ守旧派と断じられる。もしかすると、それが栄一に影響したのか、断固たる態度で三野村利左衛門の反対を押さえて押し切っていくわけですね。

 銀行設立はそれでまだよかったかもしれませんが、両替商移転先として普請した三井新社屋を横取り同然で銀行用としたのは、さすがにマズかった。韜晦ぶりがなかなかのものだった利左衛門が、初めて顔色変えて怒り、悔しがりましたからね。しかも、自分(利左衛門)には学がなく文字すら読めないとまで栄一に告白する。

 そのうえで、栄一らこそ「やっていることは徳川のときと、何も変わりありませんな」と、グサッと来る言葉を投げつけるわけで。栄一としたら利左衛門こそ旧態依然の改革を阻む者と思っていたら、利左衛門視点では栄一こそそうだと見えていたわけですな。

 しかも栄一には心当たりがある。ずっと以前、藩の代官から都合も聞かれず大金をむしり取られ、礼の一言もなかった経験などですね。あの代官みたいになっちゃってたか、と栄一は思ったはずで。同時に、もしかしたら代官の立場と行動の理由も分かったかも。

 代官は藩を守るに一途で、そのために他を顧みる余裕がない。おそらく異論は藩を潰しかねない反抗に見えたかもですね。栄一も新しい日の本ということで、かなりなりふり構わずやってたわけで、そのため利左衛門らの陰の努力(あれだけの大金を稼ぐには相当のものがあるはず)が見えてなかった。その辺りに気が付いて愕然としたのかなという気がします。

 これまでは、その場その場で流されてしまうも、かえってそれで良かったという結果になってましたが、ついに流されてきたために痛棒食らうことになったわけですね。それなら腰を据え直して、今度は揺るがない姿勢で事に臨まざるを得ず、だから「最後の変身」ということだったのかも。

 などと本編のドラマ進行にしきりに感心しているわけですが、最も鮮明な印象だったのがOP曲前の冒頭シーンだったりします。大阪の料亭で知り合い、浮気した大内くにですね。あの後も昵懇となって世話になりつつ、妊娠まで行っちゃってましたか。大内くには栄一に迷惑がかからぬよう、シングルマザーとして生きようとするも、身寄りがないのを知る栄一は放っておけない。

 それはいいんんですが(いや、いいのか?)、問題は千代さんですね。既に靴下を繕った赤い糸で察するものがあり、ついに栄一から浮気を告白されるも、もう妊娠してますと。で、呼び寄せて面倒見ると。

 これで千代さんが文句や愚痴、せめて皮肉の一つも言えば、まあまあのドラマ進行なんですが、静かに微笑んでいらっしゃる。これが自分的には恐ろしくて、はっと気が付いたら「怖い怖い怖い怖い」と独り言が出てしまってました(^^;。

 栄一の土下座シーンが終わっても「怖い怖い」は続きまして、まず一人になった千代さんが愚痴を漏らすところ。これが誰も聞いてないから言ってるところが怖い。千代さんが男児出産となりまして、栄一の妹ていが「千代さんが男の子を先に生んでくれてよかった」と言ったときの千代さんの表情も怒ってない風なのになんか怖い。

 なんと申しますか、「なるほど、修羅場って大騒ぎするシーンとは限らないんだ、ほほ笑むほうがより修羅なこともあるんだ」と認識した次第。

 その他で印象に残ったものは、bankを銀行と訳すくだりですね。両替商をもじった名前では新規性がない、じゃあ金舗か、「行」は組合/会社の意味があるから「金行」か、いやいや今の通貨の基本は銀だから、と少数でワイガヤして「じゃあ銀行にしよう」と。そんなんでbankを銀行と訳すことにしたんですか(史実はどうか分かりませんが)。

 もっとも日本にない概念、組織、習慣等々を取り入れるわけで、しかし今みたいにカタカナというのもなじみがない。societyは社会とか、いろいろ新訳語を作っていた時期であると思いますんで、あれくらいパッパと造語していかないといけなかったのかも、などと思ったりもします。

 次回「栄一、銀行を作る」は新政府での栄一の最後の仕事なのかな。と思ったんですが、調べると第一国立銀行を作ったのは官を辞してからのようですね。三井組と小野組の協力もきちんと取り付けてのことらしい。この辺り、いったん栄一が傾きかけた五代友厚と方針がずれてきそう。

 さらにラスボス然とした(^^;)岩崎弥太郎(ある解説番組によると栄一と行き方が違うらしい)も登場ということで、なかなか期待できそうです。残り2か月余り、一気に突っ走って欲しいかな。

●孝徳

 分からない人にはさっぱり分からないけれど、分かる人には痛いほど分かるタイトルですが、ともかくも、

「お疲れさまでした。ここまでよく耐えて力を尽くされたものと思います。もう充分で、ご決断は正しいと思います。これで、いくばくかなりとも心を安んじられるものと存じます。」

と言上いたします。

 ちなみに、件の人物は「功徳」を「こうとく」と読むと思い、かな漢変換したら「孝徳」と出たので、「あ、こっちのほうがカッコいい」と思ったから使った、くらいなんでしょうな。「この言い方で正しく伝わるか?」とか、彼が考える様子は今までもなかったですし。何度指摘されても直さない。

 それについて気にしておりますのは「境界戦機」の感想です。第3話は期待通り面白かったんですが、NOVAさんに置かれましては、件の人物絡みで今はちょっと見たくないようなご様子も感じます。自分もそういう気分がなくもない状態です。

 自分の録画機には「境界戦機」第1話から残してありますんで、感想は後でも書ける状態です。お互いに気持ちよく感想書きを楽しめるまで、ちょっと間を置こうと思います。

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/21 (Thu) 02:08:29

 定例感想その2ですね。

★青天

 「栄一、最後の変身」と言いつつ、変身したところで終わりというか、平成令和ライダーで言えば、「フォームチェンジした姿を見せて、活躍は次回をお楽しみに」という終わり方でした。

 明治6年まで話が進むかと思いきや、今回は明治5年のみ。
 メインは富岡製糸場で、周囲の女性にスポットが当たった形。

 それと西郷さんとのやり取りですな。史実とは違う内容の会話ですが、よりドラマ性を引き立たせる内容になるかな。
 史実での栄一との会話は、「各藩にはこれまで上手く行っていたやり方もあるのだから、画一的な中央集権でまとめるのはどうか? もっと個々の良さを認めてもいいのでは?」と急進的な改革を緩めるように求めてきて(武力で強引に進めようとしたドラマとは異なる話)、
 それに対して、栄一が中央集権のメリットを西郷に納得行くように説明したという流れです。

 つまり、西郷が漸進的で、栄一を中心とする大蔵省が急進的だったのが史実で、ドラマでは西郷が反省してるというか、「倒幕したはいいものの、政府内は派閥闘争の内輪揉めを繰り返し、改革の青写真が見えていない」という不満を露呈してますな。
 大久保利通VS木戸孝允の薩長の対立だったのが、二人が海外に行っている間は、大隈重信&江藤新平の佐賀組VS井上馨の長州(大蔵省)の対立に移って、ややこしい。

 栄一をスカウトした大隈さんは、井上馨の補佐をする栄一の政敵になってしまい、その井上馨は私服を肥やして責められるとか、政府として機能不全を起こしているのが明治5年。

 そして、明治6年に井上馨が失脚し、栄一も役所を辞める流れで、大久保帰還。西郷も下野という流れですな。
 歴史知識では、明治6年こと1873年はいろいろな改革が行われた年。徴兵令、地租改正、太陽暦導入などを記憶していましたが、裏でこういうゴタゴタもあったとは。

 徴兵令は西郷の手柄で、地租改正は栄一たちが残した結果かな。

 ともあれ、大久保復帰は、栄一が役所を辞めた後なので、大久保との対決にはならないですね。
 西郷の西南戦争が明治10年で、翌11年には大久保が暗殺されているので、薩摩の2人が次々と散る時期があって、その間、栄一は東京商法会議所や東京株式取引所を設立。
 次回の第一国立銀行頭取の座を生かして、商人の立場で派手に動いている感じですね。

 明治6年だと、岩崎弥太郎が三菱商会に社名変更し、明治10年以降、渋沢や三井との対立色を強める流れですが、弥太郎も明治18年に亡くなるので、
 昭和6年に亡くなった栄一のラスボスと言うには、早逝かもと思ったり。

 ドラマがどこまで描くかは分かりませんが、栄一から見れば、弥太郎との対立関係は一時的なものに過ぎない感じです。それでも明治15年前後が渋沢&三井連合VS政府の権力を背景にした三菱の対立が激しかった時期のようなので、その辺りがクライマックスになるのかも。
 千代の病死も明治15年になりますので、その辺までを描いて、残りの50年近い人生は駆け足というか。

 というか、現在のドラマの時点で栄一33歳で、91歳まで生きるわけで、本当に長命です。
 5歳年上の岩崎弥太郎が50歳で亡くなるので、寿命的には栄一とは勝負にならないわけで。

 ともあれ、ドラマ上のラスボスは、岩崎弥太郎がふさわしいのかな、とも思いつつ。

★スパロボ

 結局のところ、作品数が多すぎて、あとK.Kさんの好きなロボットアニメが実のところ、よく分かっていないので、どの作品がお勧めなのか判断に困ったりします。

 確か90年代はお仕事が忙しく、あまりフィクションに触れる機会がなくて、いろいろ見逃したという話を聞いたりしましたが、最近は90年代の作品が話題に上ることが多い感じですね。
 90年代だと、勇者シリーズというのが一つのポイントで、勇者シリーズの演出がグリッドマンとかビルドファイターズからオマージュを捧げられたりしています。

 印象的なロボットアニメを挙げていただければ、その作品はこのスパロボに登場している的な検索機能を働かせますが(笑)。

 何にせよ、この10年近くが、ロボットアニメ不作の時代と一部で言われたりしていましたが、今年に入って90年代ブームもあるのか、にわかにロボットアニメが活性化しているなあ、と感じます。

 もしかすると、エヴァ効果とか、SEED見て育った世代が作り手に回っているのかな。

★境界戦機

 3話見ました。
 お気遣い頂きましたが、作品に罪はありませんし、ここで話す分には問題ないと思いますね。

 ただ、自分の掲示板で話すのが、何だかやり難いというか、そういう流れですので。

 3話は、レジスタンス組織ヤタガラスとの交流編ですが、次回、世話になった人たちが悲惨な目にあって、戦場の復讐ドラマに流れるのかな。
 3話よりは、4話が転機みたいですね。今回はそこに向けての仕込み回および機体の強化エピソードと。

 軽い気持ちで乗り込んだロボに重い十字架がのし掛かる回になるのかな。
 陽性のロボアニメから陰鬱な方向に行く可能性が大きいですね。
 ともあれ、4話で作品カラーが決まってくると考えます。

★功徳云々

 孝徳とか功徳とか、どっちでもいいのですけど、件の人物で一番おこがましいと思ったのは、「自分のわがままな要求に付き合うことが善行を積むことによってメリットになる」という理屈。

 それを言って許されるのは、仏とか高僧とか、徳を積んだ人間で、その人自身が敬虔な仏教者として、仏道に励んでいる場合です。

 キリスト教で言うなら、イエスの道に身を捧げた人間なら、「こうすれば神の御許へ行けます」と主張すれば、なるほど、これだけ敬虔な人の言うことなら説得力ある、と思えるでしょう。
 大切なのは、それを言っている本人が、その宗教への献身を示している場合に信徒への説得力が生まれるんですね。

 まあ、そもそも仏教について無知な彼が、功徳云々を語って、人を納得させられると思い込んでいること自体が、慢心というか、屁理屈も甚だしいというか、信仰というものを本当に分かっていないんだなあ、と考えます。

 これは多くの宗教で当然の考えと思いますが、「邪智蒙昧な輩に布施をすることは善行に非ず」でしょうし、「法を騙って、自らの欲得を満たそうとする輩は、戒めるべし」ですし、まあ、いろいろ罰当たりな言い草だなあ、と思ってます。

 「あなたの宗教は弱者救済で、苦行を重視しますよね。だったら、自分に付き合って、嫌な思いを我慢してくださいよ。それがあなたのメリットになるでしょう」という理屈が通ると思っている時点で、頭がおかしいですね。
 助けを求める人間の言い分でもないですし。
 ブラック企業でも、それなりの金は払うわけですし。

 功徳は人が提示するメリットではないですし、彼が功徳のことを熟知しているわけでも、実際に功徳を受けて実感しているわけでもないでしょうしね。
 作品鑑賞と同じで、功徳も自分が実感して確信を深めていないと、人に語れるものでもないですよ。

 それに、宗教者がみんなマゾってわけでもないですし、むしろ同志愛、同胞意識があるからこそ、力になりたいと思えるわけで。
 勝手に宗教的道義はこれだ、と部外者がテキトーな思い込みで自分の得になるような屁理屈をこねても、腹立たしいだけだな、と。

 間違えた教えで人を邪道にそそのかすような輩は、俗に言う悪魔みたいなものですし、もう本当に救いようのない話だなあ、と感じました。
 滝行とか、前に語っていた瞑想とか、陳腐なイメージで、ろくすっぽ調べることなく語って、一体、何を考えたと言うんだろう。考えるための土台を仕入れていれば、自分がそれだけの精進を務めていないことは分かるでしょうし、付け焼き刃の知識で教義論争をできるほど、弁が立つわけでも、理路整然と考えられるわけでもないのが彼。

 何にせよ、宗教云々よりも、こちらががっかりしたのは、彼の創作センスのなさですね。
 ファンタジーでも、歴史でも、宗教キャラって教義的理想と、現実の難問の間で、どう折り合いを付けるか悩みに悩み抜いて、自らの生きる道を模索するものです(狂信者、盲信者はそういう悩みを放棄しているので、教義問答ができない)。
 その点では、栄一のドラマも似たようなものかもしれない。攘夷思想→西洋かぶれ→国による経済改革→民間に交じっての経済発展と、思想の展開、人生の転機がある。

 人間として物の悩み方、考え方が未熟なことを露呈していると、あまりに安易な信仰観しか持ち得ないのかなあ、とか。

 いや、これで「あなたの信仰に帰依します。幸せにして下さい」と頭を下げて言ってきたら、う〜んと考えなくもないですが、彼は某マンガ家信仰を公言していますからね。
 何だったら、そのマンガ家に「あなたを尊崇していますから、私と冬場で野宿で何ちゃらを頼んでみる」といいのかもしれない。

 ……と思うところを吐き出してみましたが、結局のところ、「彼自身が自分と付き合うことのメリットを提示できずに、こちらの信仰を持ち出してみたものの、そもそも信仰への理解が足りていないために、呆れられた」って話ですね。
 彼の熟慮というのが、宗教を語るにしても、本当にこの程度か、というレベルで。

 場違いと思いつつ、長文、失礼しました(m0m)。それと、ご心配おかけしました。
 こちらとしては、「彼の反省改善の弁が、何の保証にもならずに、すぐにルール違反を冒すという実情」を誰の目にも明らかであるという実態の証明に時間をかけたと考えています。

 個人的感情だけでなく、約束ごとを守れずに愚劣な要望を繰り返す彼のストーカーぶりと、こちらの悩み、憤り、そして、やむを得ない決断の過程が、あの掲示板のスレッドだけでも示せたはず。
 

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/25 (Mon) 21:03:43

 定期感想その1です。

●境界戦機(第1~3話)

 第1話観て侮り、第2話で反省した旨、一応は書いたわけですが、感想書こうと録画観なおしたら、いい点をまだまだ見落としていた点がありました。原因は(全部とはいいませんが)推測できまして、ここでも書いた3話ルール、それも自分独自解釈によるものです。

 自分的な3話ルールは3話でだいたいのことが分かるというものです。一番大事な「どこで、誰が、何をする話なのか」明らかになるというもの。しかし第1話だけは「よく分からなくても、この物語は面白そう」と思わせてくれるもので、目を引くイベントが盛り込まれるはず、と思い込んでます。実際、第1話(と最終話)は手間も予算もかけて見栄えする回になってることが多いわけで。

 第1回で見た目は面白そうとなって、第2話では第1話のイベントがどうして起こったか説明してくれる。単なる打ち上げ花火じゃなくて、第1話の事件には世界観的な必然性があった、と分かる仕掛けですね。そして第3話で物語のテーマに沿った(と分かる)行動を主人公が取り始めて、ようやく「どこで、誰が、何をする話」なのかほぼ飲み込め、その先に期待できるかどうかわかった気がすると。

 そういう思い込みがあるもんで、境界戦機の第1話は目を引くイベント相当だと思ったんです。外国に事実上支配され、虐げられた日本人が仕返しする、みたいなイベントですね。その割にはメインとなるロボット(アメイン)を組み立てるところから始まったりして、派手な事件を見せるにしてはもたもたしてる。それで時間を取られて、最後のバトル(思い込みでは全話レベルで最大級の見せ場のはず)、もちょっと物足りない(あるいは大味)。

 その辺りで「あれ、これは自分的な3話ルールのパターンを制作が外してきた?」と気付くべきだったんですが、第2話途中まで気づかず、考え直さず。第2話を観終えてから、「ああ、第1話は準備編だったんだ」と気が付いた次第。その辺りも含めて、各話感想を書いてみたいと思います。

・第1話「起動」

 世界設定が語られてますね。冒頭の設定語りって嫌われがちなパターンだそうですが、やっぱり派手さがなく、楽しむ前に勉強してから、みたいな印象になっちゃうからかな。何があったか詳しく分かりませんが日本が急速に没落して、外国援助なしではやっていけないようになり、ついには分割統治同然になっちゃうと。そのため被支配層となった日本人は虐げられている。主人公はそんな状況ですから、将来に希望を持てずにいると。

 というわけですが、なかなか仕込みが巧妙だったように思います。もっとも、以下は公式情報ではない、物語から自分が推測したものに過ぎませんが。ともかく、流されるTV(ネット?)ニュースでも、例えば、

 1. 国会中継で居眠りする国会議員→日本政府があるが傀儡
 2. 「日本人テロリスト20名死亡」→レジスタンス組織の暗示
 3. GDP過去最低→利益は外国へ
   →主人公らの生活等から経済・産業は保たれている(介入で復興?)と思われるが、統計上は経済不振なら、他国の既得権益となったものが大きそう。

みたいな印象です。たぶん教育は必要な実学(特に商工業)は維持されていて、だから主人公らの趣味(メカ系ビルダー、特殊なアメインをジャンクで完成させるほどの技量)も成立しているんでしょう。もしそうならですが、資源や戦略的な位置性が事実上の占領を維持してまで続ける意味も見える気がします。つまり商工業のインフラがあるんで、動かせば利益が出る。

 日本統治・支配は4大経済圏分割で大規模衝突は(利なしとみて)避けているものの、境界上では無人機同士の小競り合いは日常茶飯(おそらく互いの力量を図ってる)。そういうことができるのも、(輸入さえあれば)現地(日本)生産可能で、商取引もできれば運輸網もあるから。主人公のジャンク漁りの源にもなるわけですね。

 そういう分割統治だからこそ、第2話での逃避行も成立するんでしょうな。各勢力の境界線辺りは互いにけん制して警備が手ぬるい。かつ、日本みたいな狭い地域に4勢力ですから、広域で精密な索敵・観測システムは持ちにくい。現実でもミサイル防衛用のレーダー作るといったことで圧力かけることもあるわけで。各地域では戦乱の遺族、被災者の無念はもちろん、支配層の横暴への恨みもあって面従腹背の傾向もあっておかしくない。

 第2話を観て、仕込みが実にうまくできていたと理解しました(少なくとも、自然に上記のように想像できる)。しかしストーリーをざっと見た限りでは、不条理に虐げられた日本という舞台が紹介され、趣味のビルダー/技術者志向の日本の少年が、たまたま未完成の高性能ロボットを見つけ、パーツ足して組み立て、支配勢力の敵機を撃破したとなります。

 燃える展開となりそうななのは、主人公の(趣味)仲間も支配勢力に抗し、主人公とかばい合うシーンですが、いかんせん第1話。まだキャラクター同士のつながりは充分描かれてはいません。が、そこも第2話以降の主人公の一面を物語るものであったようです。人嫌いのようでいて、仲間とのつながりが深くなる性分らしいということですね。そのことは相棒(?)AIガイにも言えそうで、もう肝胆相照らす仲になるのは確実な感じがあります。

・第2話「船出」

 第1話で敵を盛大に撃破、と思ったら、主人公&AIガイは自分がテロリストで、友人らはテロリストじゃない、アメイン:ケンブは1人で組み立てた、そいつら(友人ら)は好きにしろ旨言い放って逃亡と。敵はこれに騙されるも、友人らには主人公の意図は伝わってるわけですね。

 そこから生活臭出てきまして(嫌いじゃない演出)、要は普通に腹が減る。野菜畑見つけてトマト盗もうとするも、農園主に見つかり平謝り。この辺りも主人公の性格描写ですな。後で農園主が言う通り、誤魔化すか悪態つくかが多いでしょう。加えて農園主夫婦には戦乱で死んだ息子がいたわけで。たぶん素直な性格も似てたんだろう。

 そこからは密かに漂う支配層への憎悪、反抗心が描かれまして、主人公がテロリストとして指名手配だと夫婦は知るも、まずかくまい続けようとする。土地の警官も気が付くも、見逃そうとする。ただ官憲に知られた以上、逃げるにしくはない。農園主夫婦は以前は使っていた漁船(それも息子の思い出があるもの)を惜しげなく渡してやり、主人公は再び逃避行。

 しかし次はアジア自由貿易協商の軍に察知されるわけですな。北米同盟のブラッド・ワットが偵察に来てまして、境界線近辺の警備の緩さゆえでしょう。かつ、上述しましたように4大勢力支配地を互いに偵察されたくないため、衛星、航空等の目立つ偵察はやれないんでしょうな。だから人が直接見に来る。

 この辺りがバトルの制限が徐々に示されまして、各勢力アメインは他勢力アメインの武装を使えない模様。また、第1話のオセアニア連合軍は個人の裁量が大きいようですが、アジア自由貿易協商軍は指揮系統を重視した集団戦術らしい。この辺り、設定的には各勢力のアメインの性能の差による影響もあるみたい。

 さすがに(銃を棍棒に使うなど)機転で乗り切れるレベルではなく、主人公はビルダーらしく周辺の施設も利用して戦うも多勢に無勢。取り押さえられて絶体絶命ですが、何者かの狙撃で助かるわけか。これが次の第3話につながるわけですね。テロリストと呼ばれていたのはレジスタンスであるということで。ただ漁船が沈められたのはちょっと悲しかったかな。借りたつもりがもう返せないわけで、主人公はあの恩人夫婦とはもう会えないという暗示に思えます。

・第3話「戦う理由」

 第3話になりますと、ラストで激変こそあるものの、第2話ラストからの形勢逆転~主人公救出がどうして行われ、何の目的かといった情報整理が主になってる感じ。それに加えて、序盤らしく新キャラクターの紹介から主人公との関係性の描写ですね。まだ3話で判断は気が早いですが、準備・整理編と波乱編の繰り返しでやっていくのかしらん。

 第1・2話は主人公アモウの紹介といったところでしたが、この第3話(ともしかすると第4話)は相棒/バディとなりそうなガシンの紹介でしょうか。今のところ、主人公アモウの甘さが気に入らず、とにかく突っかかるというやや険悪な雰囲気ですね。

 そういうテンプレートってあるわけですが(相棒となるための通過儀礼みたいな)、そこを自然に感じさせる演出になってるのが、甲咲リサでしょうか。レジスタンスに加わる動機となる事件を経験してまして、アジア協商軍との交通事故で家族を失い、被害者であるのに加害者とされて多額の賠償まで負わされたと。

 そのことから、レジスタンスに加わっている面々はそれぞれ命を賭ける動機があると察せられます。となると主人公アモウは異分子的ですね。アモウだけ、何となく巻き込まれてここまで来ちゃってる。だから無人機相手に暴れても、人が死ぬとなると腰が引ける。それにいら立つガシンも、わけあってだろうと分かる気がします。

 甲咲リサは年長の世話役だけあって、積極的に戦う動機がないアモウに親和的で理解も示してますね。いきなりの戦闘で、立て続けに充分な戦績を示したアモウに、できれば仲間になって欲しいが、しかし無理はしなくていいと、アモウ本人に判断は委ねる。そこでアモウが加わると決意する点は非常に重要ですね。

 無理強いされるとか、他に選択肢がないといったことですと、しばしば後々まで迷うし、下手すると詰めが甘くなったり。しかしアモウは自分で選んだわけで、最初からモチベーションは高いでしょうし、この後も気持ちが揺らぐことは少なくなりそう。

 ラストの敵機(?)襲撃から予告を見て、ちょっと嫌な予感がします。もしかして、甲咲リサは来週で死亡となるんじゃないかと。それはそれでドラマ上の意味はあります。今話でアモウは自分の意思で戦うことを選びはしましたが、甲咲リサのような動機は持ってない。今話でアモウに優しくし、決意を導いた甲咲リサが(例えばアモウを守って)死亡となると、アモウに強い動機が生まれそうです。
(1stガンダムでいえば、アムロに対するマチルダ中尉かも。戦う動機が希薄なアムロって、慢心はするわ、脱走はするわでかなり後々までふらふらしていた気がします。それはそれでリアリティあるわけですが。)

 それは来週次第としまして(^^;、ガシンはアモウに反発心こそあれど、やり口は姑息ではないかな。レジスタンスとしてやれるのかどうかと、正面から向かってきてます。まずはトレーニングですね。むしろ体力テストかも。そうそう簡単に体力レベルって上がるもんじゃない。
(スマホのトレーニングメニューよく見ましたが、典型的な根性つけるメニューですな。あれでは有効な体力向上はできません。もっとも「もう立てないと思ったところから踏ん張る」ためには有効であるらしい。兵士となるためにはこなさないといけないものなのかも。)

 観ていて「アモウには無理だろう」と思ってしまいました。が、意外にもなんとかついて行ってる。よく考えたら当たり前だったかも。自分の勘違いは「(ガンプラ)ビルダー=インドア=運動不足」というものです。そうではなく実寸大のビルダーなんでした。パーツ探して山中を歩き回り、重量物も頻繁に運んでいるはずです。自然に体力ついててもおかしくなかった。ということで、ここにも第1話の描写が効いてる。よくできた第1話だったと、第3話になってもなお実感です。

 それにしてもデカいレジスタンス・キャンプでして、どうして見つからないのか。自分の第1話を踏まえた予想では、4大勢力が互いにけん制して索敵・探知システムを持たないようにしているというものでした。しかしガシンの説明によれば「度な情報戦で監視衛星もレーダーも無効化」とのこと。要はジャミングしてるわけですか。

 キャンプ地とか主人公の逃避行が可能だったのは、索敵を控えるのもジャミングも似たようなものかもしれませんが、大規模なレジスタンス組織が存在することを説明するには、ジャミングあるというのが説得力ありそうです。そのつもりになれば探知システムを動かせる状況ですと、4大勢力いずれからも邪魔であろうレジスタンスについては共同で探査・捜査はしそう。

 それができない、やらない理由としてはジャミングがあるのが説得力高そうです。レジスタンス側も使えるでしょうし、もしかしたらレジスタンスには支援者がいるかもしれません。なにせ巨大ロボットを核とする武装組織を運用し、やはり巨大ロボット部隊を持つ軍と戦おうというんですから、補給だって半端ないはず。レジスタンスが4大勢力の軍と張り合えるだけの装備&補給があるか、強力な支援ネットワークがあると考えるほうが自然です。それならレジスタンス側もジャミングを有効に使えるはず。
(もっとも4大勢力間の緊張が高すぎて、日本中至る所でジャミングが解除できないだけかもしれませんが。)

 ともかくも容易には察知されないから、ガシンとアモウが機体を交換しての模擬戦もやれたりするわけですな。が、第2話でアジア自由貿易協商軍とアモウがやりあったときに北米同盟から偵察が来ていたのと同様、キャンプ地にも偵察が来ていたようですね。

 それもアメインに搭乗して。たぶん無人機じゃない。そのことも第1話の描写から推測できます。無人機なら近くから操作しているはずだ、ということで潜伏場所を徹底攻撃してました。あの時点では「なぜそんな近くにいると思うのか?」と疑問にならなくもないです。アメインのカメラで状況を見るんなら、近くにいなくていい。

 しかしこの第3話でジャミングということが出てきまして、遠隔操作できそうな距離は長くなさそうと分かる。だから第1話の敵はあういう攻撃をしたわけで、となるとこの第3話で現れた謎のアメインは搭乗しているはずともなります(重装備の中のほうが安全だし、偵察なら移動するだろうし)。ここも第1話に立ち返って、それからこの第3話を解釈できそうなわけで、本当、第1話はよくできてるように思えます。

 それはともかく(^^;、アモウ vs ガシンの模擬戦は引き分けといったところか。これでガシンも少し、アモウを認める気になるかな、と思ったところでさっきの敵機が急襲。というところで続く。次回「別離」はタイトル自体が何となく物語るものがあるうえ、飛び散る血の描写、涙を流すアモウが映りまして、相当にシビアなんでしょうな。だもんで自分は上述の通りの退場劇を予想したりもする次第です(外れて欲しい予想)。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/26 (Tue) 18:05:53

 非定期です。件の人物の件の件、やっぱりちょっと吐き出しとかないと、どうもモヤモヤが取れない気がしまして(^^;。

●滝行、乞食

 滝行を勧めるって、彼の場合はテンプレな修行イメージの1つなんでしょうな。仰るように、寒そうなので以前から粘着している冬山云々に都合いい。それらから見て取れるのは、嫌いあるいは関心のない人/物事はいい加減に見て分かった気になるというものでしょうか。自分もしばしば気が付いては反省する点です。

 彼の場合、他人にああすべき、こうしろ言う前に、本人がやるべきことがあるわけですな。それがNOVAさんの掲示板のほうで仰る乞食(こつじき)となりそうですか。自分は10代半ば頃、乞食(托鉢とも)を単に「修行僧は仏道に一途で働かなないから喜捨で食いつなぐ」くらいに思ってました。かなり軽んじていたといえます。

 大学の頃、講義でたまたま乞食に言及した教授がいまして。単純な「施す、恵まれる」ではないよという話でした。施す側も修行で、相手を生かす徳を積む行為とのこと。従って、「腹減ってんだろ、ほらやるよ」みたいなことではいかんらしい。「この方に喜捨を受けて頂いてよかった」と思えるようでないと、乞食に応じる意味がない。

 それに対応して乞食側も心得があるとのことでした。相手(喜捨側)が「この方に差し出したい→受けてもらった良かった」と思えるように乞わないといけない、少なくともそうできないと修行ではない。乞食・喜捨双方が共同しての修行になってるということですね(正しく理解しているか、今でも自信ないですが ^^;)。

 彼の場合、そういうことが全くできてない、むしろ逆だということですね。そういや前から、例えば自分の作品を見せては、陰に陽に「さあ褒めろ、称えろ」みたいな態度だったっけ。アイデアをくださいと称しておいて、「ほら、使ってやったぞ」くらいな態度だった気もします。そういう欲得の乞食めいたこと(≒ほぼ強奪)しても、知恵の乞食しないということになるかな。それが「見ての通りのありさまだよ」になってるわけで(^^;。

 乞食だけでもそういう気持ち、考えが湧きます。今回のこちらとあちらの総括を拝読して思うことはちょっとまとめきれない、書ききれない感じです。拝読した結果として、少し思ったことだけ書いておこうと思います。

「二本の矢」という教えを思い出しました。仏教の教えとのことです。内容は、

「矢が飛んできて我が身に刺さったら、凡夫も仏弟子も同じように痛い。
 ただ、凡夫は『なぜ自分だけこんな目に』『矢を放った者が憎い』と怒り悲しみ、まるで自らもう一本の矢を我が身に刺すような真似をして苦しみを増す。
 仏弟子はただただ『矢が刺さって痛い』と思い、それ以上に苦しまない。」

というもの。なんとも地味ですが、自分ができるかといえば、未だにできてないですね。今回もやらかしてます(ので、境界戦機の感想になかなか手が付けられなかったり)。

 その教えを思い出して、さらに思い出したのが「女を背負って川を渡る僧」の話です。

「ある僧が弟子を連れて修行の旅に出ていた。川に差し掛かると一人の女が渡れず困っていた。弟子の僧は、
「女性(にょしょう)に触れるは仏道の妨げ」
と言ってさっさと川を渡ろうとする。師の僧は女を背負って川を渡り、向こう岸で女を降ろすと、何事もなかったように先を進む。
 ついて行く弟子の僧は不満やるかたなく、ついに、
「あのような真似は仏弟子としていかがなものか」
と難詰すると、師の僧は呵々と笑って、
「なんだ、お前はまだ女を背負っておるのか」
と言い、またすたすた歩き始めた。」

 そういう話なんですが、自分は弟子の愚行をやらかしちゃってたわけです。そう思ったら、例えば「境界戦機」の感想を気持ちよく書けるようになりました。

 もしかしたら自分一人ではなかなか気持ちを切り替えることができず、まだ悶々とするものがあったかもしれません。しかし、こちらとあちらの掲示板での総括を拝読して得るところがありました。大変に感謝する次第です。

(投稿直後追記)
 やっぱり、これも書いておこうと思ったものが。自分には未解決問題です。やはり仏教の説話らしい。

「あるお婆さんが若い修行僧に小さな堂を与え、食べ物なども喜捨して修行を助けていた。
 あるときお婆さんは若い美女に頼んで、修行僧のもとに行かせ、誘惑させた。しかし修行僧は、
「我が心に色欲の曇りなし」
と言い放ち、若い美女を追い返した。美女から顛末を聞いたお婆さんは、
「やれやれ、とんだ愚物を世話してたわい」
と言って、修行僧を追い出した。」

 そういう話なんですが、分かるようで分かりません。若い美女は「日本の矢」で言う一本目の矢で、「美しい人を美しいと思えない、本能的に湧く性欲まで否定しては本末転倒」みたいなことかなとも思うんですが、どうもしっくりきません。

 というつまらない自分語りなんですが、自分の限界がこれくらい低いということで、書いておいてもいいかなと。お婆さんが得ているであろう悟りが何なのか、未だにときどき考えます(ときどき、なんですよねえorz)。

Re: 10月のスレッド(2021 - Shiny NOVA

2021/10/27 (Wed) 01:27:38

 寄り道話です。

 仏教説話については、いろいろありますが、総じて「未熟な若僧の失敗談」とか「有名な高僧が慢心し過ぎて世間知らずを露呈」とか、日本だと、そういう形にアレンジされたものが多いように思えます。
 釈尊絡みだと、「過去世にどういう修行をして成仏の因を積んだか」とか「慢心の戒め」とか「謙虚に法を求める姿勢」とか、真面目な話になりますが、
 インド→中国→日本に経典が伝達される過程で、伝言ゲームとか翻訳解釈の問題で、微妙なアレンジが施され、各地の土着信仰と混ざり合ったりする流れが異文化交流史・文化伝来史として興味深いと考えました。

 幼少期に読んでいた絵本が、家には日本や世界のおとぎ話に混じって、仏教説話がいろいろあったりする環境だったので、
 アショカ大王が仏に帰依した話とか、カニシカ王がどうとか、釈尊の過去世の雪山童子の話とかが、桃太郎やイソップ童話、グリム童話などと同じように読んでいて、子ども時代は全部、お話(フィクション)だと思っていたのが、
 高校の世界史で、アショカ王もカニシカ王も実在の歴史人物と知って、マジかよと驚いたりしながらも、まあ、何が史実で、何がおとぎ話なのかは、幼少期から割と曖昧でしたねえ。

 historyは、high story(上位の物語)という説も、なるほどと思ったりしながら、実話と架空話の曖昧な境界線の間を今なお興味深く彷徨っているような気がします。

 まあ、おそらく特殊な養育環境だったと思うのですが、それはさておき、未解決問題に興味深く見解を披露したく。

 まず、一般的には「女性というものを意識し過ぎて、拒絶しないと修行できない」という浅はかさかな、と思いますね。
 川を渡る説話もそうですが、「困っている人がいれば助ける」「喜捨に対しては有り難く礼を尽くして受け取る」という態度が理想で、そこに若い女性だから修行の妨げになると拒絶していては、本末転倒というか、女人に溺れるなという教義を履き違えて、女人に関わるな、と極端に受け止めた形。

 日本の仏法は孔子の影響で、中庸を重んじることを良しとする傾向があり、節度とかバランスをとるものなのに、極端に走ってはダメでしょう、ということでしょうかね。

 もう一つの解釈として、美女を追い返すことで、最初のお婆さんに対しても、失礼な話になってしまったと思います。
 同じ女性なのに、美女はダメで、お婆さんの喜捨は受け入れる……ということは結果として、お婆さんを女性として見ていないことになるわけで、人の上面だけを見て、本質を見ないということになりますか。

 ここで仮に何が理想なのかを考えると、お婆さん同様に、美女のときも「喜捨は喜捨として同様に受け入れ、礼をもって感謝する」「その上で、どうしてお婆さんは来れないのか? 体調でも崩されたのか? お婆さんに感謝の言葉を伝えて下さい」とでも気遣いを示して、帰らせるぐらいの対応を取れれば、良かったのかもしれません。

 大切なのは、相手が若い美女であっても、平常心で人としての礼儀で接するべし、と言うことかな。

 ただ、凡夫の社交としては「怒るべき時には、しっかり怒りや苛立ちを示す」ことも、必要ですね。
 何をされても、言われても平気で寛大な姿しか見せないのでは、図々しい人間を止めることはできない。
 にこやかなだけの教師は、礼儀や躾を教育できないので、相手に応じて戒めるべきは戒めることも重要だとは、大人になってから学んだこと。

>滝行

 実際、これについては「NOVAが将来、滝行をしたいと発言した」のであれば、それを踏まえての発言だと思うのですが、
 自分はそんなことを一度も発言したことはないですし、正直、「何で?」という疑問です。

 彼にとっては、考えに考えたんでしょうけど、考えの土台がただの思い込みでしかないし、話が唐突すぎます。

 ついでに言えば、相手が彼だから断っているのではなく、誰であっても「冬場に野宿に付き合って」なんて誘われたら、断ります。
 アギトの木野さんじゃないけど、「心の中で雪山遭難するような思念が巣食っている」とか、そんなトラウマでも抱えているのかな、とか(阪神淡路の時も冬でしたし)、いろいろ背景を考えたくはなりますが(フィクションのキャラ設定の練習)。

>メリット

 「君と一緒に一晩過ごすメリットがない」という、ぼくの発言に対して、「宗教的な道義心を満たせることがメリット」という理屈が本当に浅はかで、
 信仰って損得勘定でやってるものじゃないんですね、ぼくの場合。幼少期からこびりついた考えの土台なので、それをメリット云々という話に結び付けられたら、それこそ俗世的な信仰観になってしまう。

 例えば、「恵まれない子どものために寄付をしてあげたい真心の人」に対して、「今、寄付すれば、こんなメリットがありますよ」なんて俗世的な募金活動をしていては誰も募金はしないと思います。
 相手の良心に訴える戦術をとるなら、メリットと良心を混ぜちゃいけません。

 メリット云々に対する応じ方で、ぼくを釣る簡単な方法は、「面白いボードゲームを買ったんだけど、プレイする相手を募集しています。NOVAさんだったら、ボードゲームに詳しいと思うので、一緒にどうですか?」と、共通の趣味をアピールすれば、喜んで参加するかもしれない。
 心理的距離なんて、趣味人を自称している相手なら、共通の趣味で話題が弾めば、簡単に埋まるのだけど、どうも彼の場合、こちらの趣味からどんどん距離を離していく流れで、自分の興味しか訴えない。
 で、彼のアピールは下手というか、面白さがちっとも伝わって来ない。趣味人にとってのメリットって、共通の話題で建設的に意気投合することだと思うし(心理的充足感はメリットたり得る)、そういうのを提示しないことには、エンタメも何もないと考えますね。

 比較するのも失礼ですが、ぼくがここで定例感想を書き込み続けているきっかけは、ラーリオス企画のフォローをいただいて、わざわざサイトを構築していただいたサポートの恩返しでしたが、
 その後、牙狼や平成ライダーの追っかけ定例感想などを続けているうちに、お互いに楽しめる話題でやり取りできるのが、こちらとしても自分の掲示板とは違った立ち位置で充足できるというのがあります。

 一つのテーマでコツコツ紡ぎ合いつつ、番組改編期などに注目作品の情報交換したりしながら、適度に話を広げたり、そういう過程で信頼を培ってきたかな、と考えています。

 もちろん、今回の境界戦機の感想など、丁寧に熱意を持って、文章を書いてらっしゃったりして、熱意が上辺だけじゃないとか、そういうマメさも好感を持てています(生意気な言い草に聞こえたらゴメンなさい)。

 彼の場合は、責任感とか、人に迷惑をかけた場合の身の処し方とか、頭の下げ方とか、足場を固めた定例的なコツコツとしたマメさとか、そういうのが一切なく……と延々と悪口めいたことを書き連ねそうなので、以下略とするのが吉ですね。
 
 ともあれ、これまでも、いろいろなアドバイスや、愚痴の聞き役になっていただき、ありがとうございました。

 次回は、ダイ大、リバイス、青天の感想に応じていきたいと思います。

 ではでは。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/27 (Wed) 17:55:06

 定期感想その2です。

 自分には未解決の仏教説話のご解説、ありがとうございます。特に自分の未解決問題の説話(修行僧を追い出したお婆さん)です。各々の解釈例も興味深いんですが、いろいろあり得る点が大事でした。

 自分はたった1つの正しい解釈が何か、考えていたようです。が、そここそが解釈できずにいた原因だったかも。よく思い出してみると、その説話自体は紹介されていたものの、解釈は書かれていませんでした。それぞれがそれぞれに合わせて悟るべし、という意味があったのかもしれません。

●ダイの大冒険(第54話:ハドラー対バラン)

 バトルはあるも、決着は次かなと中途から思える展開ですね。各キャラクターそれぞれの気持ち、思惑が丹念に描きこまれたという印象です。

 中でもストレートに最も強い印象なのが、やはりバラン。不器用な父ちゃんという面がよく出ていました。今までも心情を吐露することはありましたが(ソアラを奪われた恨み悲しみとか)、これだけ素直に地が出たのは初めてじゃないかしらん。

 バランはギガブレイクでハドラーを仕留め、すかさずドラゴニックオーラで黒の核晶爆発を抑え込むつもり。ですが、自らは生き残れないという確信があるんでしょうね。その決死を察しきれないダイを遠ざけようとするバランの言い草は、理詰めのようで嘘っぽいだけに違和感があり、実は遺言なのかしらんと感じるものがあります。

 相討ち覚悟の勝負は、一瞬の後の先という格好でバランが制するも、首が斬れないわけですね。水を差された格好ですが、仕込んだのはキルバーンというわけでしたか。胴斬りにされたときに付着した血が真魔剛竜剣を鈍らにしていたと。これはバランとしては無念でしょうけど、なんか動揺が少ない。

 なんでだろうと思ったら、まだ最後の手があるからでしたか(と後で分かる)。ですが、ダイが突っ込んでくるのは予想できなかったみたいですね。仕留めきれなかったハドラーの反撃をダイが身をもって受け、バランを守っちゃう。これにはバラン、大いに動揺で血相変えて「ディーノ!」と叫んでますな。

 この呼び名の変遷って、一周回って愛情が露わになったように感じます。最初は共に人間を滅ぼす仲間として、自分が名付けたディーノと呼び、他人につけられたダイという名を蔑む。が、立派に立ち向かうダイ、命に代えてダイを守ろうとする仲間(特にポップ)に感ずるものがあって、ダイをダイだと認める。

 そしてダイが死ぬかと本気で心配すると思わずディーノと呼んじゃうわけですね。2話前でバランは、唯一愛情を失ってない人間がソアラ以外にいるとしたら『お前だ、「ダイ」』と仮定で独白していたわけですが、仮定じゃなかったと今話で明らかになった感じです。仮定みたいな誤魔化した言い方取っ払ってみると、思わず「ディーノ」と呼んじゃうわけで、我が子が死ぬかと思ったら、戦いは吹っ飛んじゃうくらいなわけでしょう。

 そうなると、ダイ/ディーノを助けるべく無防備で治癒魔法に専念しちゃうわけで。もっとも、そこはダイが行動で叱咤激励する感じで、またもバランを庇っちゃうわけですが。それで覚悟が決まったバラン、ダイを眠らせて竜魔人で決着つけに行くわけですね。そうできるならなんで最初からしなかった、と思ったら、ダイに竜魔人の姿を見せたくなかったわけか。

 前にダイが死んでも構わない勢いで使っちゃいましたもんね、言われてみると気持ちは分かる。が、自分的な印象では見せても大丈夫じゃなかったかなあという印象もあります。前は禍々しいとすら感じたんですが、今は何とも頼もしい感じですから。味方にであるという立ち位置のせいとは思いますが、暴走しているような印象がないのも大きいかな。

 ハドラーも今週では印象深い。ストレートな印象のバランに対し、ハドラー自身が意図せず屈折しちゃってるイライラ感が強いといったところ。なにせ黒の核晶が埋め込まれているのを知らず、知らされることもできず、バラン&ダイが全力で立ち向かってこないのだけは分かるわけですんで。この戦いが最後と思いきってるハドラーとしては「こんな戦いで死んでたまるか」くらいの無念があるはずです。

 離れた場所で見ているバーンの台詞も、ハドラーの哀れさを強調しているような。ハドラーに思う存分戦わせるようなことを言っておいて、しかし自分(バーン)の目的に沿う範囲に限定している。その意を受けたキルバーンは、ハドラーの首の傷を治すという名目で現れるも、本当の狙いは露出した黒の核晶を隠すことなんでしょうな。

 ハドラー、目を塞がれ、耳を覆われ、しかしそうとは気づけずの状態。観ているこちらはハドラーの知る以上に状況を知らされているわけですんで、ヤキモキなんてもんではなく、ハドラーの無念を察するに余りある、くらいは言いたい気持ちになります。バランが竜魔人の力を行使するつもりなったことが、せめてもの慰めか。

 バランとハドラーの間で必死に動き回るダイは今回は脇役的ポジションながら、最優秀助演賞といったところでしょうか。最初はどんな手を使ってもハドラーを倒し、バーンにたどり着くという意思が固かったわけですよね。が、黒の核晶の存在と脅威を知り、やむを得ず行動を変えていくうちに、なんだかバランとハドラーの戦いを止めるような動きに変わって来てる感じがします。

 もっともダイはそんな意識はないんでしょうけど。しかしハドラーの反撃からバランを庇い、バランが押し隠してきた愛情をあらわにしました。立てるはずのない体なのに、もう一度バランをハドラーの攻撃から庇う。そのときの台詞が「力を合わせれば何か新しい最後の力が生まれるかもしれないじゃないか!」ですな。新たな力を得るんであって、ハドラー、さらにバーンを倒すというところを超えちゃってる。

 これはバランに響いたでしょうし、おそらくハドラーにも。さらに這ってでもハドラーに向かって行きまして、ハドラーの実は未完成だった武人魂を揺さぶるものがあった模様です。ハドラー、直前まではキルバーンの誘惑・脅迫(真魔剛竜剣復活まで命が持たない)に耐え切れず、またもや勝ちに拘ってしまってました(フェンブレンの性格は、ハドラーの過去の名残などではなかったといえるかも)。

 ともかく本編。ですが、さすがにもう書くことがほとんどない(^^;。自分が今話で感じたことは上記で尽くせています。まだ言えることがあるとしたら、ダイをラリホーマで眠らせてからの独白『ああ、そうだよソアラ。相変わらず、寝かしつけるのが下手だな』がずっしり重いということでしょうか。

 次回「黒の核晶(コア)」ではバラン vs ハドラーの全力勝負が観られるみたいですね。しかしバーンが何か細工して邪魔しそうという、またもやのイライラもありそう。この戦いでハドラーがどうするかで、物語のターニングポイントになりそうな気配も感じます。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/28 (Thu) 16:20:15

 定期感想その3です。

●仮面ライダーリバイス(第8話:家族の休息、天国と地獄!?)

 ストーリーはともかく、キャラクターの立ち位置が(見た目には)錯綜してきた感じで、ちょっと混乱しております。敵味方に分かれて争っているのか、それとも三つ巴みたいになってるのか、あるいは三つ巴にさらに誰かがちょっかいかけてるのか。

・カゲロウ:大二を抑え込んで五十嵐家を壊し、リバイス打倒するために動いている。デッドマンズ寄りながら独立独歩傾向強し。
・ジョージ・狩崎:フェニックス所属ながら、カゲロウをエビルにするなど立ち位置不明。
・バイス:狩崎と通じていることが判明(たぶん一輝は預かり知らない)。
・五十嵐元太:動画配信について狩崎に訝しがられてる。職業不詳の捜査名人:伊良部正造と組んで何かしてる?
・牛島一家:しあわせ湯常連だが、デッドマンズ側らしい(が、カゲロウの動向はよく分かってない?)。仕切ってるのは父親:太助らしい。息子の光はさくらと同じ空手道場生。

 以上のような動きが自分でもどうもまとめきれません。まとめるどころか、バラバラに動いているようにしか見えず、何が起ころうとしているかさえ把握できないorz。次回には少しは状況整理してくれるかなあ。

 こういうほぼカオスみたいになってきますと、今まで状況をかき回していたデッドマンズ3名(アギレラ、オルテカ、フリオ)がむしろ分かりやすく、登場してくれるとホッとするほどです(^^;。なんだか親しみすら感じてしまったんですが、どこかで覚えのある感覚です。

 考えたら思い出せまして、タイムボカンシリーズの悪玉トリオでした(調べたら「三悪」と呼ぶほうが正式らしい)。リーダー格が高飛車な女性、部下が対照的な男性2人ということで、イメージ被ったかも。今のところ、デッドマンズ側にいるはずのカゲロウにいいように扱われ、ちょっとコミカルな様子になってるのも連想が働く要因になったようです。

 悪玉トリオって自分的には「タイムボカン(旧)シリーズ通して、この3人を観ていれば大丈夫、楽しめる」みたいな感覚があります。連想がその感覚を呼び起こしたせいで、デッドマンズ見てると安心してしまったのかもです。たぶん、実際のドラマや演出からちょっと離れた印象を持っちゃったかもしれません。

 それはさておき、ドラマとか分からなくなりながらも、ともかく本編。五十嵐の精神的支柱(かな?)の母:幸実の退院祝いで温泉旅行ですね。銭湯経営でも温泉楽しむのかと思ったんですが、普段は風呂を提供する側から、客の立場に変わって、純粋に楽しめるということはあるかもしれない。

 しかし温泉宿(ホテル)についてみると不穏であるわけですね。五十嵐家は気が付きませんが(バイス除く、たぶん狩崎通じて何か知ってる)、デッドマンズ信者が管理職にまでいる、いわば敵の巣窟みたいなホテルらしい。アギレラらは従業員やバイトに化けて紛れ込んでるわけですな。

 さらに不穏な様子の客がやって来まして、牛島家。五十嵐家客室の盗聴器を通じて動静を探ってますな。何か役割があるらしいですが、今話では監視を続ける程度。上述しましたが、カゲロウの動きにはちょっと意外そうな様子を見せてまして、おそらくデッドマンズ側ながら事態の把握は限度があるらしい。

 さらにややこしい面々来まして、フェニックス、特にジョージ・狩崎ですね。狩崎、密かにバイスから報告受けてたりしまして、このホテルで何か起こることは予測しているらしいし、事態もかなり把握しているかも。しかし積極的に介入する様子があるわけではなく、面白がって野次馬しているようにも見えます。だんだん行動原理が謎になっていく気がします、狩崎は。

 目に見えて事態を動かしているのはカゲロウですね。大二は抑え込まれてまして、カゲロウが許せば鏡を通じて会話ができるくらい。おそらく大二はカゲロウの五感は使えて、何が起こっているか分かってるんでしょう(もしかしたらカゲロウの思考も分かる?)。大二自身の心配より、五十嵐家の成り行きに危機感抱いて焦っている感じです(たぶん、そこが溜めで、いずれ逆転するカタルシスにつながりそう)。

 デッドマンズ幹部のアギレラ、オルテカ、フリオはカゲロウから手下扱いですな。アギレラはそれでも不服で、独自行動で一輝に毒を盛りますが、カゲロウに見抜かれて失敗。後でお仕置き食らうわけで(さらに毒の件を知らなかったフリオがとばっちり食らうと ^^;)。

 その辺りはまだ分かりやすいんですが、思惑不明な牛島家や、かき回して遊んでる感じの狩崎がいるせいで、全体としては何が起こってるか分かりにくい。狩崎はバイスと組んで、一輝に内緒で何かやってるようですし。その狩崎も五十嵐家の父:元太の行動(動画配信)は訝しんでたりしまして、分かりにくいキャラクターに分からないことがあるという、観ていてさっぱり分からん状況です(^^;。

 が、見える事態は急転直下な感じで、元太がきちっとスーツで決めて、幸実に花束を渡した途端、カゲロウがエビルとして動き、大二の姿も見せる。従業員のふりをしていたデッドマンズトリオも正体露わすわけですな。フリオの空手道場潜入以降の隠密作戦を、ここで一気に使い切る感じですね。つまり決戦に打って出た。

 が、相手が大二だと思う一輝はなかなか戦えず、バイスに叱咤激励されてようやく変身しての対決に。しかしカゲロウがさらに動揺誘いまして、大二から生まれ、大二を乗っ取った悪魔カゲロウだと明かすと。が、これで一輝は覚悟を固めたようで全力で立ち向かい、一時は優勢になるもカゲロウ/エビルは逃亡、結果は痛み分けくらいか。

 門田ヒロミ/デモンズはエビルとの対決を阻まれた格好で、無念であるでしょうな。カゲロウになってるとは知らず、大二を命に代えても止めるとの決意は揺らいでないでしょうから。どうも門田ヒロミは運が悪いといいますか、うまくいかない。もしかして狩崎が裏でちょっかい出してたりしないか気になります(自分は相当に狩崎疑ってますんで、つい邪推してしまう ^^;)

 このバトル見て思ったんですが、自分もようやく着ぐるみアクションとCGアクションの差異が少しはつかめてきたようです。以前だとCGバトルは単純に派手さで喜んでたりしてました。理屈では生身/着ぐるみアクションとの差異も分かってるつもりだったんですが、CGと比べての良さはなかなか実感できずにいたみたい。

 非常に生意気な言い方になりますが、CGバトルは派手だけど細やかではない。作り物特有の大味な感じがします。一方、生身/着ぐるみアクションは特殊効果添えても地味めですが、いかにもキャラクターが戦ってる感じがあります。たぶん細やかな動きなどのお陰なんでしょうな。

 来週からの2回分は坂本監督回らしい。今話で確認できたつもりの感覚が、多少は本物なのかどうか、坂本アクションで確かめてみたいと思います。

 それはともかく、大二が奪われたことがはっきりした五十嵐家は大ショックなわけですね。カゲロウの狙い通り、嬉しさの絶頂から突き落とされた格好。が、さすがは一家の精神的支柱の幸実、ショックを受けながらも一輝に「大二を助けてあげて」と何が最優先事項か伝えるのを忘れない。さすがと言うべきでしょう。今までの五十嵐兄弟へのアドバイスも本物だったことが窺えます。

 次回「カゲロウ暴走!五十嵐兄弟…崩壊!?」では、大二を犠牲にしてでもエビル/カゲロウを倒そうとするフェニックスと、あくまでも大二を救わんとする五十嵐家が対立する流れみたいですね。大二の復帰はいつになるのかしらん。敵味方含めた勢力図も、仮でいいのでもうちょっと明確にして欲しいところ(状況の混乱が続くと、自分の整理能力を超えそうで ^^;)。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/28 (Thu) 22:27:49

 定期感想その4です。

●青天を衝け(第32話:栄一、銀行を作る)

 家康公、今話も御出座ならず。来週分を録画機の予約画面から出演者を見ても北大路欣也さんのお名前は見えずです。前に、幕府を倒してまでどんな世の中を作ろうとしたのかという問いに答えが出るまで、沈黙されるんだろうか。もしそうだとして、今話では答えが出てないですね。むしろ大混乱の前の静けさくらいに感じます。

 なにせ栄一が新政府を辞してしまいましたから。井上馨も大隈重信に怒鳴り散らしてキレてまして、辞めてやると。もっとも、栄一が止めるだろうと踏んでたみたいですね。栄一が止めてもないのに、「止めるな渋沢」とか言ってからいないのに気づき、愕然とした風で、ちょっと笑った。そこへ栄一が辞表を示して止め刺した感じです(^^;。もしかして、いいコンビになってる?

 それで止まらず、西郷吉之助も江藤新平も新政府飛び出しちゃったらしい(征韓論政変によるもの?)。櫛の歯を挽くように要人が抜けていき、大久保利通と岩倉具視の独裁と化しつつある模様。こないだまで武士が新政府に出仕しないと嘆いていたのは何だったんだろう。以前は改正掛の後ろ盾になっていた大隈重信、急速に大久保に接近しまして、ブレーキ役になりそうもない。それどころか、思いっきり大久保のアクセル踏んじゃうわけですし。

 イタリアから帰国した喜作も栄一を追うように野に降っちゃうわけですね。栄一はそのことは喜んだようですが、喜作には喜作のプランがあるわけですな。横浜で製糸をやるんだと。この後、栄一は母ゑいさんに紙の重要性と国産化について話してまして、実際、製紙工場を作るはずですね(そしてそれも政府と揉めるはず)。喜作が製糸で外貨稼ぎ、栄一が製紙で国内を整備することになりそう。この時点で2人はそんなことを考えもしてないんでしょうけど、いいコンビになってますね。

 先陣を切って栄一が政府を辞するとき、またも演説ぶってますな。玉乃やら三条実美らが引き留め、なんで卑しい商人なんかに、みたいなこと言ったんで、さすがに怒ったみたい。もっとも、官と民どちらが悪いかみたいな話ではなく、官と民の間にあるものが悪い、といった見方をしているみたいですね。官と民が1つのシステムとして動いてないと。

 栄一が作りたいのは官民一体ではないけど、2つで1つの国家を成すような仕組みなんでしょうな。力として弱いのは現時点では民なんで、まず銀行作って世の中に金が回るようにして、産業育成していくみたいなことなんだろう。

 そのために野に下るや、栄一は井上馨と新聞に声明を発表、官をこき下ろしたみたいですが、さすがに秘密漏洩だったらしく、叱責と罰金食らいましたか。が、その程度で済んだのはやはり明治初期の混乱のせいだったのかな。廃藩置県から財政立て直しの功も考慮されたんだろう。
(声明では幕府よりひどいと罵倒したようで、上述の家康公の問いかけに未だ答えが出ていないと暗示するものであるような気がします。)

 ともかくも政府を飛び出して栄一は喜作にまたも変節かと冗談交じりに叱られるわけですが、変節の先輩(?)五代才助/友厚から警告されるわけですな。官より民のほうがカオスであり、官が獣が跋扈なら、民は魑魅魍魎がうようよしていると。

 魑魅魍魎とは、三井組で野心家の三野村利左衛門のことか、後で放漫経営と指摘される小野組の小野善右衛門か、2人は利で争ってるからなあと思いましたが、どうも違うみたい。たぶん、魑魅魍魎筆頭は三菱の岩崎弥太郎になりそう。悪役っぽくモロに政府に食い込んできてまして、政商と呼ぶにふさわしそうです。

 獣を妖怪が誘惑したらロクなことがなさそうですが、大隈が大久保に従順でない商人を傷めつけるようなこと言ってまして、もう止まりそうにない。政府から流出した人材が敵対すると見たのかな(栄一らの声明や不平士族の動向とか、不安要素多いはず)。そこでまず、放漫経営の小野組が狙われるみたいですね(どうも、そのまま倒産してしまうみたい)。それも岩崎弥太郎の入れ知恵で。岩崎弥太郎の狙いとしては、商業でのライバルを蹴落として独占したいんだろうか。だとすると栄一の合本と相いれない、不倶戴天の敵となりそう。

 もし小野組が倒産しますと、栄一が音頭取った第一国立銀行も貸付金が回収できずに破産ですか。あまり小野組の放漫経営を責められないような(^^;。要は潜在的な不良債権をしこたま抱えていたわけですね。バブルの弾けたときのいくつかの銀行に似たような状況が、日本最初の銀行で起こっていたとは。

 しかし今話の最大の印象はやはり、栄一の母ゑいさんかな。少し前にとっ様が逝き、今度はかっ様ですか。2人とも家族に惜しまれ、しかし死期が近づいても家族は覚悟して動揺しない。両親が立派な人物であったことが窺えます。

 ゑいさんは、おくにさんにも慕われていたようですね。おくにさんはやはり妾扱いで、ゑいさんの病床に近づくことは許されてない様子でした。離れた部屋で悶々とする様子がありまして、自分は「やはり自分の境遇に寂しさを感じてるのかな」と思いましたが、間違ってました。心配であり悲しくもあったようです。ゑいさんの死に際して、部屋に入ってはいないものの、廊下に座して涙を流してました。

 ゑいさんが栄一の家に来たとき、おくにさんにも優しい言葉をかけてましたが、あの態度がずっと維持されていたんでしょうね。おくにさんはその時点からしか、ゑいさんを親しくは知らないわけで、しかしゑいさんは病床にあるからそんなに頻繁に、あるいは長時間接したわけではないはず。それでもおくにさんが泣くほど悼むわけですから、ゑいさんの人となりが察しられます。

 栄一の転機にゑいさんの病没(せき込んでたし、結核だったのかな)は残念ではあるんですが、少しだけ救われるものもありました。まず栄一についてですね。身重のおくにさんを自邸に連れてきたとき、お千代さんはぐっとこらえて怒りませんでした。自分は「怖い怖い」と独り言漏れるほどだったんですが、なかなかそのストレスが解消する展開がない。

 ここへきてようやく、姉のなかが栄一を引っ叩きつつ叱責。ゑいさんもお千代さんも、みんな辛いんだよと。栄一もさすがにしょげ返りまして、ようやく痛棒が来た感じです。おくにさんの件は、栄一が引き取るのは適切と思うものの、自分的にずっと引っかかるものがあっただけに、ようやく叱られてほっとした感じ。おそらく栄一も叱られて救われる面があったんじゃなかろうか。

 さらに重みがあったのは、ゑいさんの今際の言葉ですね。最後にお千代さんに「ありがとう」と言い、直後に息を引き取る。もし自分が親しい人の目の前で死ぬとしたら、「ありがとう」と言いたいものだと思うほどでした。もっとも、ゑいさんの生きざまあって成り立つ「ありがとう」ですから、言葉だけ真似てもダメなんでしょうな(^^;。

 次回「論語と算盤」はタイトルに栄一の名前がありませんな。またもドラマのターニングポイントなんだろうか。今話で心配された小野組の倒産が起こり(予告映像の「いやや~」はそれだろう)、栄一の銀行が危機に陥るらしい。しかし、それを好機と見た三野村利左衛門が銀行乗っ取りを図り、と官民交えての争いが観られそうです。もう1人の渋沢=喜作も外国との取引でハメられそうになる模様で、確かに五代の言う通りの魑魅魍魎の世界みたい。予告では岩崎弥太郎の動向が分かりませんが、裏で手を引いているはずで、ドラマのポイントだからこそ予告で触れてないのかも。

●境界戦機感想予告

 なんのこっちゃ、みたいなタイトルですみません。ちょっと感想が遅れそうだということでして。定期感想の残り、境界戦機とルパンです。

 第3話時点の第4話予告映像から、甲咲リサ死亡を予想したんですが、自分の予想が外れるのが普通なんで、そうはなるまいと思っていた面多々でした。

 しかし非常に気にはなってたみたいで(あまり自覚なかった ^^;)、放送当日深夜、録画機が起動する音で目が覚めまして、せっかく起きたんだからとリアルタイム視聴したのがまずかった。

 謎の敵機ゴーストが襲い掛かったのが、槙ミスズらだったんで、「あ、死ぬのはこの人だったのか」と思ったんですが、なんとか助かる。その直後、ゴーストの注意を引こうと発砲した甲咲リサが攻撃を受け、血の描写が出て来てしまう。アモウが呆然としまして、しかし確認できる映像はなし。

 ヤキモキしながら観てたんですが、戦闘後にアモウがペンダント拾って号泣。自分もようやく甲咲リサが死んだと確信しました。予想外の開始早々の死亡示唆で驚いてしまい、さらに確認まで間が長かったわけで、それがよりショックを増してしまったらしい。自分が苦手な夜中だったのもマズかった。

 かなりうろたえてしまったようで、BSのほうで7時からある第4話を録画予約してしまいました。なんとなく「もしかしたら甲咲リサが死なないかもしれない」と思っていたような気がします(夜中で寝ぼけているし、動転しているしで正常な判断できてないorz)。それにしても甲咲リサにかなり強い感情移入が起こっていたようで、なぜなのかはよく観なおしてみないと分かりそうにありません。

 というような次第でして、なんとか明日くらいに感想が書けると思います。ルパン三世の感想は予定では今日中には書けてたはずなんですが、混乱してなかなか手が回らず。境界戦機の感想をきっちり書いたら、たぶん通常運転に戻れると思います。

 ここまで気が動転した理由、よく考えたら火曜のTVの影響もありそうです。リュウソウジャー始まってまして、当然、第1話から元気いっぱいに走り回ってる龍井ういがいる。

 でも演じた金城茉奈さんは番組終了間もなく、若くして死去されてしまったわけで。「もう、ういさんはいない」と、まだちょっと辛いものがあります。その後、新・必殺仕事人を観るわけで。改めて「主水さんももういない、せんさんもいない」と、しんみりしてしまいます。その気分も夜中の境界戦機視聴の気分に影響したかもしれません。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/29 (Fri) 14:25:14

 定期感想その5です。

●境界戦機(第4話:別離)

 先に動揺して感想着手がなかなかと申しておいて、翌日には書いてるわけですが(^^;、第3話から観なおして、整理がついてきました。

 やはり最大の印象はレジスタンス甲咲リサの死ですね。これにはリサの立ち位置・来歴と演出の2つの面があって、自分に刺さったようです。演出面から申しますと、直接的な描写を徹底して避けたことが1つ。ただちょっとその狙いを勘違いしてたかもです。

 地上波の放映は(少なくとも当地では)深夜であるわけで、ターゲット年齢は高め(中高生以上)と思い込んでました。が、BSのほうの放映は午後7時なわけで、例えばガンダムビルドシリーズの視聴者層を意識している可能性は高そうです。それなら死亡状況とか遺体とか、直接描写を避ける傾向が出てもおかしくない。

 そこは理解したつもりですが、やっぱり隠すことによる強調みたいな効果は自分には強く出たようです。まず甲咲リサがアモウとガシンの援護に出ようとして、直後にゴーストに瞬殺されるシーンですが、踏まれる瞬間は砂煙で隠してますね。その直後に飛び散る血とペンダントが描かれる。

 これは死亡を強く示唆する描写ではあるんですが、確認はできない。一応、呆然とするアモウの描写からは「やっぱりリサ死亡か」と思えるんですが、アモウが叱咤されて戦線復帰するわけで。「やっぱり死んだと確認できたわけじゃない?」とも思えるわけで、観ているこちらは判断保留になります。つまりヤキモキする。

 戦闘終了でゴーストが撤退しますと、辺り一面はキャンプの残骸だらけ。しかし倒れている人はいないわけですね。これも死体の直接描写を避ける狙いがあるんでしょうけど、「がれきは放置して、死傷者を最優先で搬出した」と受け取れますんで、不自然ではない。アモウが甲咲リサの生死を確認することもできないわけですが、そもそも確認(誰かに聞くとか)すること自体、忘れてたみたいですね。それだけショックが大きく、かつ緊張が持続していたように感じられます。

 しかしペンダントに気が付くと。リサの亡骸は仲間が運び出したと思いますが、持ち物はそのままにしたんでしょうな(あるいは小さいから気が付かなかった)。しかしアモウはすぐ気が付き、リサの死亡を思い出すと。このペンダントですが、第3話では下着になっての水浴び時もリサが付けたままでした。水浴び直後、アモウがレジスタンス参加を決意してリサに告げるわけでして、アモウとしてはペンダントは強く印象に残るものだったんでしょう。

 第3話から準備したリサの象徴:ペンダントで死を示すわけですから、感銘するものになっておかしくなかったようです。そこへ加えてタイミングですね。上述しましたが、死の暗示から確認までの間が長い。その間は、観ていてあらゆる可能性を想像してしまいます。願望としては奇跡的な生存ですから、主に「あれで助かるとしたら」というものになります(もしかするとアモウも無意識にそうしてるかも)。そうしておいてリサの死を突きつけると。

 これが死亡まで一気に、はっきり見せつける演出だと想像している間がなく、別のインパクトになったんじゃないかと思います。たぶん今話の描写よりは、強いが浅い、みたいな感じになりそう。今話のはじわじわ刺さって、最後は一気に心臓に押し込まれる感じです。

 甲咲リサの立ち位置としては、アモウを優しく導くようでいて、未だに欠けたものがある点が大事だったかな。アジア協商軍車両との事故で家族を失ってます。おそらく弟も死んだのが大きいんでしょうね。リサからすると保護すべき対象ですから。しかしレジスタンスに参加して気持ちの穴が埋まったようでいて、しかしアモウを見ると思い出しちゃうんでしょう。実際、その旨の台詞もありましたし。

 そういうわけでアモウがやって来て、もう一度、心の穴を埋められるような気がしたのかも。アモウは両親は病死とのことで、他に家族はいないみたい。が、親しく接近し、アモウの望むように決断を促すリサは、再び保護者が現れたような気がしたんだろうか。リサがアモウに親しみを覚える理由は察せられる気がしますが、アモウが慕った理由は今一つはっきりしない気もします(が、次回はリサの故郷に行くらしく、何か明かされると期待したい)。

 不明な点を踏まえてもなお、自分的には効果絶大だったんですが、さらに効果を高める演出がありまして、槙ミスズですね。ゴーストを目前にしても退かずに指示を出してるんですが、当然、ゴーストに狙われる。予告で見た流血はミスズか、と一瞬思いました。が、すんでのところでアモウのケンブが救う。ちょっとホッとするわけですね。

 しかしほとんど直後にリサが襲われ、予告通りの飛び散る血が描かれると。いったん緊張させることで緩む度合いを大きくし、最大の緊張を入れてくるわけですから落差がデカい。そういう演出のセオリーなんでしょうけど、自分的にはツボを突かれやすい描写です。

 もちろん今話は甲咲リサだけではなく、ひょっとするとラスボス化するかもと思えるゴーストもインパクトありました。自分は前話で有人機の強攻偵察みたいに勘違いしました。もしかして搭乗者は未登場のメインキャラクター:紫々部シオンかな、とか。しかし作中キャラクターには既によく知られた無人機でしたか。

 それもAIによる完全自律型アメインということらしい。アモウのケンプはAIガイによる半自律で、ガシンのケイも同じ。4大勢力の主力アメインは無人型の遠隔操作ですが、AIは組み込まれているはずです。完全自動化はまだ未完成(でたぶん危険)な技術ということなんでしょけど、あえてゴーストを野に放った勢力がいるわけか。
(もっとも、ビルドダイバーズ、特にリライズを連想しまして、人間取り込んだ機体という可能性も感じたりはします。)

 それだけでなく撃破した敵のパーツを装着できるという反則レベルの便利な機体というわけですな。これって補給の問題を解決するだけでなく(それでも基地はあるようですが)、自らを作るビルダーということでもありますね。主人公アモウと通じる部分を持ち合わせているわけで、対決すべき敵としてはなかなか興味深い。

 ゴーストは戦闘経験を学習するでしょうし、機体はパーツを強いものに自ら代えていくでしょうし、この先どれほどになるか分からないモンスターとなりそう。生身の人間にも化け物じみたキャラクターがいまして、北米同盟のブラッド・ワットですね。前に偵察には来ていましたが、今話では彼に何が見えているかが明らかになりました。

 戦闘終了後にやってきても、辺りの痕跡から何が起こったか、子細に分かるわけでしたか。それも脳内で映像再現できるレベルで、まるで牙狼の一部の騎士みたいですな。それくらいの能力があるゆえ、情報重視の戦術立案が得意でもあるらしい。特にどんなアメイン組むかに長けているようで、ブラッド・ワットもビルダータイプということみたい。

 ともかく本編。ですが、だいたい書いちゃったかも。見れば分かるのバトルが長くもあるし。ゴーストがレジスタンスキャンプを襲撃、迎え撃てるのはアモウのケンプとガシンのジョウガンというわけですね。前話で機体を交換しての模擬戦やっといたお陰で、両機のAI:ガイとケイが2人を理解できたことも大きい。さらにレジスタンス側は虎の子の兵器も投入して全力を尽くす。

 が、ゴーストが強すぎるわけですな。ケンプとジョウガン2機+全兵装+支援射撃でようやく抑え込むも、ゴーストは自爆を偽装して逃げ去る。しかし甲咲リサは失われ、レジスタンスに心の拠り所を失った気がしたアモウは去る決意をすると。ただしガイは連れていけても、せっかくくみ上げたケンプは措いて行かざるを得ないわけですね。ガシンは前話の反発する態度はどこへやら、アモウの気持ちを深く察するものがあるようで、黙って行かせた感じですね。心が通じたら別れとなったわけで、ちょっと寂しい展開。

 ケンプを放棄するシーンは滝がバックでしたな。ちょっと嫌な連想≒滝行が働かないでもないですが(^^;、しかしあのシーンはいいかも。あくまでも自分の想像ですが、滝行って禊の面があり、身だけでなく心からも何かを洗い流すイメージがあります。

 アモウとしてはいろいろやる気をもらったケンプではあるけれど、辛い思い出もつきまとってしまった。ということで、いったん離れる。そういう雰囲気がうまく出せる滝のシーンだったと感じました。しかし精神的なつながりが強くあるガイは連れて行くという点はポイントかなという気がします。

 ともかくも、戦闘の様子を事後に見に来たのが北米同盟のブラッド・ワットでゴースト含めて対応を思いついたらしい。本部に何か要求するようですが、次回に見られるのかな。静と動の2話パターンだとすると次の次でしょうか。

 一応の感想を書き終えてみたら長くなってしまいました。変にこだわってしまったせいです。その原因が夜中に観たとか、他の番組観ての気分とかが多く、自分にしか分からないものてすみません。お目汚しをお詫びする次第です。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/29 (Fri) 16:09:21

 定期感想その6です。

●ルパン三世 PART6(第1話:シャーロック・ホームズ登場)

 大塚英志さんの次元大介、今週はあまり口数が多くないですね。それでも多少の台詞からはキャラクターと声のマッチングはよさそう。これなら安心して観られる気がします(が、やっぱり台詞が増えてくると、こちらも慣れが必要なんだろうなあ)。

 ドラマは序盤からややこしい動きと暗示が多くて、何が起こりそうなのか掴めない感じです。いやドラマ以前のキャラクターで、誰がどの立ち位置かというところからでしょうか。登場人物については、タイトルにシャーロック・ホームズと銘打つだけあって、ホームズものの常連キャラクターが出てますね。ハドソン(夫人)、レストレード警部がいるのに、ホームズシリーズの語り部にしてホームズの親友ワトスン君がいません。

 が、ホームズが事実上の保護者となっているリリー・ワトソンがいまして、どうやらワトスン君、もといワトソンの忘れ形見ということで、もう故人ですか。10年前にルパンが絡んだ事件でワトソンは死亡したらしく、当時4歳だったリリーはルパンに強烈な印象の記憶があるらしい。

 どうもそのせいでホームズは凶悪事件などからは手を引き、確実に小銭が稼げる事件・調査を扱って、リリーを養っている模様。ただリリーにとってホームズはヒーローらしく、そのことに不満もあるようですね。リリー自身も積極的に事件に関わって、ホームズを助けたい意思があるらしい。

 そういう感じだと思いますんで、このPART6は「10年前の事件の真相を解いて、リリーを救う」話なのかなと思います。PART5ではルパンらと敵対するIT企業のエンゾと、その娘アミを巡るドラマでしたが、趣向が似るのか、それともキャラクター配置を似せておいてドラマ進行は別路線か。まあこれからのお楽しみです。

 ともかく本編。のっけからホームズ登場でして、偽のフォークナー卿を問い詰めて、正体を暴く流れ。フォークナー邸前に不自然に本屋が出来たことから推理を進めるのは、古典的なホームズの作風に則る感じがあります。第0話でハイテク機器出したのと比べると好対照な感じもします。

 このホームズの仕事はスコットランドヤードのレストレード警部からの依頼だったようで、いかにもホームズらしいですが、どうやら今のホームズとしては例外的に請け負ったものらしい。なにせどうもきな臭いですから。実際、MI-6が乗り出してきまして、国家の保安に関わる案件らしい。

 カギとなるのは偽フォークナー=アルベール・ダンドレジー(PART5より出演?)が盗み出した、フォークナー所有の映画ポスターのようですね。えらく大事にしまわれてまして、アルベールが手間かけて盗み出してます。ポスター抱えての逃亡に失敗し、負傷したアルベールが拳銃自殺を試みるほど、大事な任務であるらしい。

 が、ルパンが乗り出して助けましてバトンタッチかな。アルベールによれなばポスターは「レイブン」なる女王もしのぐ組織の宝物に関わるものらしい。情報提供者がいたものの、慎重に形跡を隠したらしく、アルベールもつかめてないと。

 一方、ホームズはリリーと返り、元の地味な生活に戻ろうとしているようですが、どうやら情勢がそれを許さない感じですね。本物のフォークナー卿が何者かに暗殺されまして、警察もMI-6も大きく動き出す。峰不二子も(たぶんルパンとは別に)潜り込んでおり、銭形警部が嗅ぎつけてきまして、役者は揃ったかな。

 ルパンらと警察&MI-6の追跡劇となりますが、レストレードを心配するホームズ、リリーも巻き込まれていくわけですな(まだ第1話では語られてませんが、ワトソンを失った経験が重くのしかかったのかも)。しかしホームズはリリーを遠ざける。

 危険を察知したホームズの配慮ですが、リリーは納得せず、かえって猛然と関わって来るわけか。が、ルパンと出くわしたリリーは大きくショック受けてまして、過去に何かあったことを暗示してますね。ルパンもリリーに見覚えがあるようで、名前呼びかけてますな。

 何が起こっているのか、過去に何があったのか、今のところさっぱりですが、次回からだんだん分かる段取りなんだろう。ネット検索もするんですが、当地は放映が遅いほうになってるのはちょっと残念、下手すると先行放映分と情報がごっちゃになりがちで、下調べは慎重になってます(^^;。

Re: 10月のスレッド(2021) - Shiny NOVA

2021/10/30 (Sat) 00:08:13

 定例感想にして、たぶん10月最終感想かな。

★ダイ大

 明日の放送はハンカチの準備を忘れずに、と思いながら、バランVSハドラーの戦いが終わった後は、いよいよラスボスのバーン様出陣です。

 名セリフ「大魔王からは逃げられない」とか、各種の猛威を示す御方ですな。
 物語の中盤にラスボスが出てきて、散々暴れてくれる姿は11月か。

 その前に(ネタバレ自粛)。明日の放送を刮目すべし。

★リバイス

 この回で、一番ビックリしたのは、牛島さんちの怪しい行動。
 ただのモブ一般人かと思いきや、実はデッドマンズ? それとも別の忍びか何か? 忍びの理由は、牛島パパがその昔、忍者もの戦隊の主人公の父親をやってて、終盤、自分もアカニンジャーに変身したからですな。

 そんなわけで、先日の裁判長もデッドマンズという話があって、この物語は誰もが裏表のあるキャラだと考えたらいいのでしょうかね。
 まあ、デモンズことヒロミさんみたいに、裏がありそうと思わせて、実は真っ直ぐで熱いヒーロー志向なキャラもいて、たった1話でキャラの印象を大きく変えてみせるのは、なかなかの演出。

 こういう作品に接するコツは、まだ情報が十分に出ていないと判断して、「希望は語りつつも、予想はしない」ってことですかね。
 とりあえずの希望として、妹ちゃんの変身があって、今回、アギレラさんと戦って負けて、ますます力を求める流れになりそうですが、先にカゲロウの事件が解決してからか、それともカゲロウと同時に進行して、ますます家族関係がこじれていくのか。

 まあ、今のところはデモンズが一推しになっているので、彼が活躍してくれればいいのかな、と。

★青天

 妾問題が一山過ぎたら、母さまが亡くなりました。
 最近、亡くなる話が多く感じますな。

 で、父さまのOPポジションに入ってきたのは岩崎弥太郎で、政府と手を組んで、栄一の活動を邪魔する流れ。
 というか、栄一の政府批判の告発文書がなかなかひどい。弥太郎曰く、「立つ鳥跡を濁しまくりじゃき」ということで、そりゃあ、大隈さんも激怒します。

 辞めるなら、古巣に傷をつけないやり方もあるだろうに、ちょっとドラマの都合で段取りを飛ばして、一気に政府との険悪関係を構築したように見えます。
 杉浦とか玉乃さんとか、まだ政府で働いている職員がいるというのに。

 ところで、この政府批判の文章って、福地さん(配役はビルドの犬飼さん)絡みだと思うんだけど、最近、登場しなくなったというか、ちらっと出ただけで、フェードアウトした? それとも、栄一が野に下ったことで、これから見せ場がある?

 とりあえず、明治6年で栄一が辞めたと思ったら、明治7年であっという間に佐賀の乱も過ぎて、江藤新平があっさり退場。これ、本当はもう少し出番があったのに、削られたのかなあ、と思うぐらい、呆気ない。

 そろそろ終盤が近いので、急ぎ足になると思いますが、西郷さんもあっさり消えるんじゃないかな。
 次回か、次の回には西郷と大久保があっさり散る可能性も想定しつつ。

★ロボットの話

 境界戦機4話は鬱回ですな。
 まあ、自分は「レジスタンス壊滅」までを想定していたので、被害は少なかった方と思った次第ですが、アモウにとってはショックだったわけで、レジスタンスとは一緒に行動できない、と「別離」を選ぶことに。

 サブタイトルの意味は、死んだ人との別離ではなくて、ガシンたち知り合ったレジスタンスとの別行動を意味した、と。

 で、今回の目玉は謎の無人機体ゴーストとのバトル。
 ガシンにとっては父親の仇であり、アモウにとっても姉貴分として関わりを持った彼女の仇になってしまったわけで、因縁ができたのですな。

 スパロボ脳の自分としては、アモウのケンブと、ガシンのジョーガンの2機でゴーストと戦うシナリオかあ。難易度高そうだなあ、とか、マジンガーとかゲッターとか応援に来てくれないかなあ、と考えたりします(苦笑)。
 狂ったAIで襲いかかってくるロボ。まあ、たまによくあるシナリオです。3ターン以内に倒すと、強化パーツをくれるとか、隠しキャラとして自軍で扱うことができるとか、そんなケースもあったりして。

 ともあれ、アモウはこの後、陶工の娘と出会わないといけないので、レジスタンスと一緒に行動してると、接点がないから、次回、故人の遺品を家族のところに持って帰って、そこで禊を済ませて、新たに決意を固める流れかな。

 笑ったのは、ケンブの隠し場所として、滝の裏を選んだところ。うん、自分の代わりにアニメのメカが滝行をやってくれているわけですね(笑)。
 こうなると、次回、意を決してケンブのところに帰ってきたアモウが、滝の中からロボ発進というシチュエーションを見せてくれると期待。
 死者への想いとか、鬱屈した穢れを洗い流す意味合いか、それとも滝から出てくるロボの目から水が流れる涙のメタファーの意味合いか、ケンブ再びの場面に注目したいです。

 何はともあれ、リアルロボットアニメだと陰鬱展開になりやすいので、気分転換を望むなら、お勧めがこれ。

http://www.yusha.net/

 90年代に一世風靡したサンライズの勇者ロボシリーズが30周年ということで、まあ、紹介をば。

 中でも「勇者警察ジェイデッカー」が今のスパロボにも登場して、旬だったりします。
 デカレンジャー→ドライブに続く刑事フィクションとして、YouTubeでも配信中だし、結構、好きな作品。

 勇者シリーズの特徴は「少年と人格を持ったロボの交流話」で、ジェイデッカーは超AIを持った刑事ロボのデッカードと、少年刑事の勇太を中心にしたブレイブポリスの話。
 もう、最初の1話だけでも感動ものです。

 AIの持つ心の可能性を描いたハートフルなドラマですね。
 戦争とか悲惨なドラマで落ち込みがちな気分を癒やしてくれるロボ作品ってことで。
 だけど、テーマは人工知能に興味のある大人向きの真面目なものだったり。

 まあ、スパロボ脳で、そのままジェイデッカーをプッシュするわけですけどね。
 あと、忍者刑事シャドウ丸って仲間のロボがいるわけですが、そいつのプロトタイプ同型機がカゲロウって言う。最近、その回の配信があって、リバイスつながりで感じ入りました。

 で、スパロボでもカゲロウのエピソードがあって、劇中では泣く泣く破壊しないといけなかったのですが、ゲームではフラグを立てれば助けられたかも。
 フラグが立ったかは現状不明。

 何にせよ、ジェイデッカーは傑作ロボアニメってことで。あと、ガオガイガーもいいです、とかスパロボに影響されまくりの現状だったり。

Re: 10月のスレッド(2021) - K.K

2021/10/31 (Sun) 02:04:08

 非定期です。

●勇者シリーズ

 勇者シリーズサイトのご紹介、ありがとうございます。30周年だったんですか。自分は視聴経験がないんですが、Twitterで勇者シリーズであれこれ言う人を見かけ、印象に残ってます。どうも勇者シリーズになるとスイッチが入る模様で、プラモデルの画像とか引用しながら熱く好きを語ってました。

 30周年だと教えてもらってみると、、あれはファンが放送当時を思い起こして興奮が蘇ってたのかと理解できて納得だし、気持ちも分かる気がします。

 お勧めは「勇者警察ジェイデッカー」とのことで、まずご紹介のサイトで第1話を観てみました。それからエクスカイザー、ファイバード第1話も観てみまして、特にお勧めのわけが分かりました。確かサンライズ公式Youtubeがあったっけと思い、行ってみると勇者シリーズコーナーがありました。こちらは5話まで観られますね。

・勇者シリーズ【公式】
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyaLhmdrcH34SAG6V0fMIBJF4-kjTsC_h

 ジェイデッカー1~5話を観た限りではですが、シリアスとコミカルが交互に出てくるようですね。自分はシリアスのほうが好みになるようで、まず第1話。これだけでも感動ものと仰る理由が分かりました。少年とロボットが親しくなるも、正式ロールアウト時には再インストールで記憶が消える運命。そこを「心」でひっくり返してバディになるという燃える展開ですな。

 第5話もそれに匹敵する、なかなかのものでした。怪獣に飲み込まれた部下を救うより、怪獣制圧を優先する上官。しかし上官は飲み込まれた部下の姉であることを隠してると。そこを主人公らが任務より情だとひっくり返す流れですね。

 それだけでも自分好みの燃える展開ですが、ラストのサプライズはしてやられました。上官の部下多数が整列・敬礼で、上官が情を優先させた責任を一緒に取る意思を示すと。これは完全にツボです。

 第1話もそうですが、この第5話ももっと尺を取って、より深く描いたらと思うほど、よくできてる。前に申した気がしますが、子供向けでも子供だましじゃない、いいドラマです。今でも熱く語る人がいるのが理解できた気がしました。

 放映時期特有のことでちょっと面白いと思ったのがED曲です。歌詞に「水金地火木土天冥海」と入ってまして、そういや冥王星が海王星より内側の軌道に来た時期があったなと。第2話の「帝都大戦」パロディもそうですが、観ていて「その頃にやってたのか」と分かるのは、リバイバルの面白さの1つです。

 まだ観てないもの多数ですが、どうしようか迷ってます。NOVAさんのブログのほうのスパロボ大戦記事の動画もちょっと長めのものが多く、東映公式Yotubeもあり、視聴時間の割り振りとか考えないといけないもので。

●スーパーロボッコ大戦

 ずっと前にスパロボ大戦のパロディらしいと面白がり、しかしBGMのほうが気に入っていたと気が付いた旨、こちらに書いた覚えがあります。NOVAさんのスパロボ大戦記事の動画を観ていて、もうちょっと理解が進んだ気がしまして、少し書いておこうと思います。

 スーパーロボッコ大戦の映像については、アマチュア作品としてよく出来ていると、今でも思います。が、スパロボ大戦動画をいくつも観てみると、やはり技術的には及んでないかなと分かってきました。未経験者が生意気ですが(^^;、これではスパロボ大戦ファンに感心されるべくもない、という感じですね。

 さらにスパロボ大戦動画で「イクサー1」部分が収録されてまして、さらに思うところが出てきました。「イクサー1」は昔、OVAってどうなんだろうとよく知らずにレンタルしまして、観てみると出来がよく面白いので驚いた覚えがあります。さらに同時に「バンパイアハンターD」も借りてまして、これも驚くほど良かった。以降、OVAにハマりました。

「イクサー1」については、3部作を新作が出るたびにレンタルし、最後まで楽しみにして追っかけたほど気に入りました。メイキングが出たら、それも観るし、その後も3部作を借り直したりも。

 それくらい気に入ったわけですが、スパロボ大戦のイクサー1部分を観ると、当時の興奮が蘇るのが分かりました。ゲームでの演出等がOVAの雰囲気の再現度が高いせいでしょう。ということは、スパロボ大戦をプレイするファンは、好きな収録作の部分のプレイでは、原作を観たときの興奮も加わっているはず。

 そう実感しますと、ますますスーパーロボッコ大戦を高くは評価できなさそうというのが分かった気がします。もしあれを面白がるとしたら、「スパロボ大戦が好きだけど、好きな作品が収録されていないのを悲しみ、もし収録されたらこうなるかな」とファンアートを作ってみた、といった場合でしょうか。

 スーパーロボッコ大戦動画自体は、自分的に評価が下がっては行くんですが、それを観たお陰で、いろいろ理解が進んでいくのは面白く、嬉しい気がします。無駄にはならないものだなあと、何度目かですが、思う次第です。

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