創作と鑑賞の談話室

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11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/01 (Tue) 00:08:28

 11月の雑談スレッドです。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/01 (Tue) 16:56:00

 定期感想その1です。

「うる星やつら」はあたるに対するライバルの面倒終太郎が登場したと思ったら、次はクラマ登場のようで、まずは主要キャラを揃えるつもりのようですな。錯乱坊やサクラはもう出て来まして、ウィキペディアで確認するとラン、弁天、お雪の名前も見えます。

 うる星は原作コミックがラブコメの全パターン網羅という人がいるほど多彩なショートエピソードが連なるため、単発ドラマを起こすゲストキャラクターが多いですね。それで受けたらレギュラー化していく感じ。そのためキャラクター数のインフレみたいになっていってました。

 そういう作品ですから、80年代アニメは長丁場でしたから多数のキャラクターを出せたものの、おそらく1~2クールの2022年版はどうするのかなと思ってました。ウィキペディアの配役を見ますと、あたるとラムと関わるキャラクターに絞ることにしているみたい。

 それも一つの手ですが、例えば原作/80年代版で感動系の人気を得た子狐(通称:純情ギツネ)などは出せない模様。まあ2022年版に人気が出れば、2期、劇場版等があるでしょうから、今シリーズで日の目を見ない人気キャラもいずれは、ということなんだと思います。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第16話:看守ウエストウッドの秘密)

 徐倫がDIOの骨捜索のため、あえて特別房(ウルトラセキュリティユニットハウス)に収容されたことが明らかになりまして、FFがナルシソ・アナスイと組んで加勢に向かってますが、今話では追いつけず。プッチが特別房に派遣したスタンド使い4名を、徐倫は単独で切り抜けないといけないわけですね。

 前話で人間を凶暴化させるスタンド:サバイバーが何者かにより行使されるも、スタンド使いは未だ不明。今話ではサバイバーにかかった看守ヴィヴァーノ・ウエストウッドが、単なる剛力の戦士ではなく、スタンド使い(プラネット・ウェイブス)であることが明らかに。

 しかし緒戦ではまだ徐倫は気づいてない。ちょっと自分は混乱して勘違いしまして、「明らかに看守ウエストウッドは徐倫のスタンドの糸が見えると言ってるのに、徐倫がウエストウッドがスタンド使いと気が付かない?」と思いました。スタンドはスタンド使いにしか見えませんから、ウエストウッドに徐倫のスタンドの糸が見えたなら、スタンド使いと気付かないといけないはず。

 しかしバトルが進んで、ウエストウッドの頭部からスタンドのDISKが飛び出すまで気が付かないわけですね。自分は「サバイバーにかかった徐倫は興奮して思考がうまく働いてない?」と怪しんだんですが、よく考えたら自分が根本的に勘違いです。ウエストウッドが徐倫のスタンドの糸が見えるといったのは独白(内心台詞)であって、観ているこちらには分かるけど、徐倫には聞こえてなかったようです。

 そこは自分の勘違いなんですけど、スタンドも含めた格闘戦において、徐倫はちょっと戦術ミスしたのは確かではないかと思います。対戦相手のウエストウッドは見るからに大怪我してるんですが、全く痛みを感じている様子がない。怒りとか高揚で痛みを感じない現象が起きているみたいです。

 しかし徐倫の戦術は痛みを与えるものを多用してまして、例えば足の爪から剥がしていくという、いかにも痛そうなもの。普通の状態なら痛くて転げまわるところでしょうけど(そこで止め刺せば勝負あり)、興奮・高揚状態のウエストウッドには有効ではない。耳からスタンド糸を刺しに行くのも同様ですね。隙は作れても勝機にはつながらない。

 その一方、ウエストウッドの渾身のパンチを糸で逸らすサバキとか、腕を糸で縛る、さらにその糸を首に回して締めるとかは、なかなかにクレバーな戦いでした。そうやって動きを止めて、頭に上着をかぶせて視界を奪えば、スタンドによる打撃も一方的になって有効。

 ですが、突如として徐倫のスタンドが攻撃されるわけですね。ウエストウッド自身が攻撃した様子はなく、彼のスタンドの仕業らしい。が、そのスタンドが視認できない。ウエストウッドへの攻撃で一瞬スタンドが見えましたが、体からわずかにはみ出す程度で、死角から攻撃できそうにない。どうなってる、と思ったら、宇宙から隕石呼び寄せるスタンドなんでしたか。

 このスタンド:プラネット・ウェイブスは連載時はアース・ウィンド・アンド・ファイヤーと命名されていたそうで、黄金の風の自称宇宙人のスタンドと同一名ですね。作者の荒木飛呂彦さんがうっかりしてたのかしらん。それとも自称宇宙人はスタンド使いなのか、本物の宇宙人の超能力なのか曖昧なんで、名前被ってても問題ないという判断だったのか。ともかくも、ややこしいのは確かなんで改名となったんでしょうな。

 それにしても、黄金の風のスタンド使いも世のため人のためにスタンド使えば人命救助できると思ったんですが、ウエストウッドのも世のため人のためになりそう。隕石はスペースデブリでもいいはずで、それならデブリ除去に大活躍しそう。なにせ、地上から隕石呼び寄せ、自分(ウエストウッド)直前で消失しちゃうんですから。これほど確実で安全なデブリ除去は他にないはずです。

 しかし、ウエストウッドは(サバイバーの影響もあり)敵(徐倫)を倒すことしか考えてないか。看守として習い覚えた固め技で徐倫を固定して狙ったり、徐倫が壁を背後して防御の構えに入ると、壁の向こう側から隕石呼び寄せたり。しかしこの壁越しの攻撃が敗因となったみたい。呼び寄せた隕石はウエストウッド直前で消失するけど、隕石の衝突の破片はどうしようもないわけですね。

 そこで徐倫の戦術は、バトルで砕けたレンガを詰めたウエストウッドの靴を隕石で加速して打撃を与えると言うもの。これで勝負ありですが、止めの頭突きを食らって階下へ落ちるウエストウッドがちょっと笑えまして。今際(?)の言葉が「ひでえことを、この俺に対してなんて狂暴なことを!」ですか。

 うーん、自分(ウエストウッド)が凶暴化したことは自覚できてないのか。まあ怒りって自分が正しいと思え込めちゃう感情ですから仕方ないのか。それとも最後に正気に戻ったのか(サバイバーに影響される前のウエストウッドは同僚に対して気弱な感じがありました)。

 ともあれ、このバトルの最中に徐倫は他の囚人がDIOの骨をもてあそんでるのを目撃しており、追いたいところなんでしょうけど、まだスタンド使い3名が健在なはずで(乱闘で倒れてなければですが)。まだ先は長そうです。

●風都探偵(第5話:最悪のm / 密告者)

 照井竜の声が実写Wより渋いということは、ここで伺ってはいたんですが、実際に視聴すると「確かに」以上の感じですね(^^;。ただし、実写Wの復讐を克服する以前の竜の延長のような凄みではなく、落ち着きといった感じかなと思います。他のキャラクターも合わせて考えますと、翔太郎やフィリップも実写版より落ち着いている感じ。そこからの竜の立ち位置の相対性でいえば、この声質でいいのかなと思ったりもします。

 しかし竜の決め台詞「俺に質問するな!」はED曲後のコーナーで出ていたように、今話では竜は変身しないし、あくまでもサポート役に徹した感じ。バトル含めた本格参戦は次の「閉ざされたk」編まで待たねばなりませんか。

 この「最悪のm」編で最も強い印象なのは、ときめですね。「tに気をつけろ」編で翔太郎らの仲間入りし、この「最悪のm」でヒーローとしてググっと上がってくる感じがあります。はっきりと「ときめがヒーローになった」と感じたのは、森口もな子/風祭メグを拉致したメガネウラを追ってビルから飛び出した瞬間なんですけど、そう感じさせる段取りがちゃんとありますね。

 まず前話で自分が心配になった、翔太郎の負傷にショックを受けるフィリップがときめに感情をぶつけてくるところから。ときめも感情的になって言い返すわけですが、フィリップのいら立ちの核心(自分も翔太郎を守り切れなかった)をほぼ突いているところがミソですな。あと1つ核心があって、そこは亜樹子所長が突きまして、それがときめとフィリップの和解につながるのが面白いところ。

 しかしとりあえずは、ときめはフィリップに言われる通り、何もせずにフィリップらの捜査を傍観する。怒って立ち去るような真似をしないことが、2つの点でポイントですね。1つには、ときめも捜査状況を把握できること。もう1つは、逃げない根性を見せてくれるところですな。そこへいいタイミングで(?)翔太郎登場。依頼人であり保護対象である森口もな子を心配してやって来たわけですが、その様子をときめが間近で見ている点が大事。前にときめが教わった探偵の心得ですね。

 が、負傷を押してやってきた翔太郎、傷が開いて背中から血を吹き出す。ここはコミカル描写ですけど、ときめに語り掛けてから倒れたのを思い出すシーンです。おそらく、前にときめに刺さりかけたのが、さらにグッと深く刺さったはず(少なくとも観ているこちらは刺さり方が深くなった)。

 ときめは翔太郎を事務所に連れ帰り、寝かせておいてから態度が凛と引き締まる感じですね。「翔太郎の代わりに彼女を絶対守る。私はあんたの探偵助手だから」と宣言して、そこからはその言葉通りの活躍です。翔太郎も安心した顔を見せまして、さっきは森口もな子を心配してやって来た風でしたが、実はときめを心配していたらしいことが窺えますな。で、事務所を出ていくときめの態度に感心までするようになると。

 ただし、捜査のポイントなる指示も忘れずに出してまして「周囲にも気を配れ」。メガネウラの正体は外部の人間(メグに負けたゲーマー)であることはときめらにも判明しているわけですが、内通者がいることを翔太郎は察知してたみたいですね。そうはっきり言わずに「周囲に」とアドバイスに留めるところ、翔太郎が本気でときめを探偵助手に育て上げたいと思ってることが窺えます。

 ときめも、以前は神出鬼没で周囲を煙に巻いていただけのことはありまして、観察眼は鋭い模様。何に気を付ければいいかが分かるとさらに鋭くなり、真島伸太郎/マジPの様子がおかしいと気が付く。さっきはもな子/メグの身が危ういのに、異様な迫力で出演を迫り、今度は手から血を流し、目を怒らせて歩いているんですから、まあ気が付くところではあるんでしょうけど(^^;。

 それでときめ、真島に「あんたが密告者?」と迫ろうとすると、むしろ真島が「君も気づいていたのか!」と食いついて来ると。そして一気に本物の内通者:小泉みどり(メグのサポートチームリーダー)にたどり着く。ここはあまりにも即座でして溜めとかありません。普通ですと自分は不満になりそうなんですが、今話ではそう感じず。たぶん、ときめに勢いが出てるからかなと思います。そしてその勢いはこの後も加速していきます。

 小泉みどりからメグの正体を知らされ、万灯雪侍に見込まれてドーピングされた美原睦夫/メガネウラが襲撃して来るも、ときめが決死の救出で奮闘するわけですね。このシーンでまたもやですが、コミック版とアニメ版の印象の違いを実感した気がします。コミック版ですと、ときめに対するテンション最高潮がメガネウラを追ってビルから飛び出す直前でした。アニメ版ではメガネウラにしがみついてからです。やはり動きがあるせいで、高所の不安感がよく感じられるせいかなと思います。

 それはともかく、メガネウラを放さずに「でも今は探偵の助手だ(略)後先考えないで彼女を守る! 探偵が、翔太郎がいつもそうしてるように!」と叫ぶときめは、コミック版でもアニメ版でも、ときめが探偵助手であり、翔太郎のバディになった感じがします。

 メガネウラから2人は落とされるも、幸い川に落ちて無事。ときめの最高潮はここでフィリップにバトンタッチみたいですね。フィリップはフィリップで亜樹子から諭されまして、要はヒロインの立ち位置が被ってるということですな。妙に納得感ありまして、特にときめがバディの立ち位置に振れているタイミングなんで、亜樹子が変に煽っているようでいて不自然さがない。

 しかしヒロインポジションはときめとの和解で強く出るわけでして、Wの半身に立ち返ったフィリップが臆面もなく嫉妬していた、申し訳ないと語ると、ときめも毒気を抜かれた感じですね。ここでときめがW初心者であることを使った解説半ばの変身となる。フィリップが変身できるファングジョーカーですね。こういう演出見てますと、自分が実写Wより先に風都探偵から観始めても、たぶん理解できるだろうなと思えます。

 ともかく、「よっしゃ来た!」と思ったんですが、バトルは次ですか。次話をコミック版の記憶と感想サイトでの予習を合わせてみますと、ときめのキャラや立ち位置は今話でだいたい安定し、次話では今話では挙動不審とも思えた真島伸太郎/マジPの真意などが明かされて、依頼人側のドラマが大団円するみたいですね。そういう結果だと分かってみると、もな子が真島を終始「マジP」と呼んでいた点は伏線だったかなと思えます。そこは来週しっかり確認するつもり。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/01 (Tue) 21:50:19

 定期感想その2です。

●仮面ライダーギーツ(第9話:邂逅F:Wake up!モンスター)

 こちらで龍騎との比較で少し申してみたら(ほとんど不満ですけど ^^;)、ご教示を受けて思い直すものありです。特に「相手の背景が分かった回」で即退場か否かという点ですね。言い換えれば「ドラマ的溜めのあるなし」と。

 それで自分の根本的な思い違いに気が付きまして、ギーツは週1話、並行して観ている龍騎は週2話だということ。週単位での情報量に差があるのは当たり前なんでした。が、つい「今週の展開で2つを考えると」みたいになっちゃってまして(^^;。ちゃんと1話あたりで考えないといけませんな。

 さらにコロナ禍以降のライダーものに対する不満みたいな点について、ちょうどローカル局で再放映中のゼロワンがコロナの影響で中断(編集した特別編)から再開したところまで来ました。リアルタイム視聴では自分は混乱していて見誤った点があったはずで、今度はしっかり観て理解するつもり。それをギーツ視聴に活かせればと考えています(さらにはリバイス、セイバーの再理解へ進みたい)。

 とは言いつつも、ギーツは邂逅編完結の今話を観ても未だ視点定まらないのが正直なところです。メイン敵ジャマト(ナイト)が巨大な点は、前話ではニンジャのトリッキーさで見栄え的に納得しましたが、今話も巨大のままでライダー側が正攻法。ライダーものに等身大バトルを期待する自分としては、飽きないといえば嘘になります。

 今話のラスボス撃退で優勝者:デザ神が英寿に決まり、道長と祢音が消滅したときも、ちょっとガッカリ。「ちょっと」と申すのは、いったんは完全退場と思ったんですが、次話予告を見ると少なくとも道長はいます。祢音もおそらく変身後の姿で映ってるらしい。

 OP映像でも英寿、道長、祢音が並ぶカットがありますんで、たぶんこの3名は脱落しないんだろうとも思い直しました。が、桜井景和/タイクーンは依然としてOP映像に割といるままなものの、ウィキペディアで登場話数を見ると「1-8」となってて前話で完全退場したらしい(姉の沙羅も同様)。

 観ているこちらの感情移入先、視点となるキャラクターが脱落し、新たな代役が不在なのはどうも心許ない。

 加えて、やはりゲーム(バトル)の内容と勝利条件ですね。エリア外への缶けりだったのが、エリア拡大でキャンセルされたうえ、缶をラスボス:ナイトジャマトが飲み込んでしまい、勝利条件変更。一応、体内の缶を撃破ということで、ラスボスとのバトルらしくはなるんですが、対抗するための装備が卵を孵して手に入れる点がどうもバトルっぽくないような。

 なんだか、映画「ピクセル」を思い出すものがあります。あの映画では宇宙人が、地球側の軍事装備がゲーム内のものと勘違いし、それを真似て侵攻してくるわけですが、それなりに振り切れてて面白い。ギーツだとそういう意図はないでしょうけど、中途半端に「ピクセル」に寄っちゃってるような印象があります。もしかすると、ギーツももっとゲーム的に振り切れば面白いのかもしれない。

 とはいえ、今話までが邂逅編で話数1桁。通例だと、まだ「今回のライダーと世界の紹介」の趣が強いわけですね。その意味では、ゲスト、準ゲストのキャラクターをいろいろ出して、ギーツの世界観を見せてくれたと思えば、次からに期待する気になります。

 実際、第1話で前GDP優勝が決まったという唐突な出だしから、曲がりなりにも「そのGDPとは何ぞや」ということは、おおむね分かりました(仮にフェイク情報が混ざっているにせよ)。さらに今話でゲームマスターの正体も明かしてくれまして、常にサロンでライダーの世話をしていたコンシェルジュのギロリということですね。ギロリが何者かは特に説明はないものの、少なくともどこの誰がゲーム動かしているか分からない状況ではなくなりました。

 今までは常に余裕の態度で、どうかするといわゆる神がかりキャラクターかと思えた主人公:英寿も、他のキャラクターが見ていないところでは、違う面を見せてくれたわけですね。強くなる努力を続けていたり、ラスボス倒すキーアイテムの卵についても、割れないことを実は焦っていたりする。ようやく感情移入の可能性が見えてきたかなという感じです。

 GDPスタッフからの数合わせ(?)で参加のパンクジャックも中の人が出てきましたな。自分が期待したのは退場したと思われたライダーだったんですけど、全くの新顔ですか。それはそれで良しとしようと思います。仮面ライダーWEBを見ますと、今後登場予定のライダーが何人か紹介されてまして、高齢キャラクターまでいるようです。いろんな変身者を出す趣向なのであれば、今まで登場のライダーには拘りません。

 それでも桜井景和はできればカムバックして欲しいかな(^^;。なんにせよ次回「謀略Ⅰ:新世界のビート」からですね。英寿、道長、祢音のドラマが始まると期待することにします。

●鎌倉殿の13人(第41話:義盛、お前に罪はない)

「消化試合みたいな感覚」というご感想を拝読して、自分的にはそうでもないかもと思ってたんですが、今話を観てみると、そうかなと思えるようになってしまいました。消化試合的でも「次回の合戦での盛り上がりは期待」とのご感想ですが、しかしその合戦で「いや、消化試合かも」と思ってしまったんです。

 確かに合戦はドラマ的にも華があるはずですし、演出も凝っていた感じがあります。特に泰時による攻防ですね。最初、泰時は戦いに嫌気がさして飲んだくれてまして、盛綱(鶴丸)や朝時が気をもみ、ついに妻の初さんに水ぶっかけられて出陣。

 泰時は発奮して奮戦するわけですが、当たった敵勢の将は最強の和田義盛。矢戦だけで泰時勢は崩壊寸前になりましたが、付近の民家を壊して臨時の盾となし、矢を無力化して反撃。近づく敵兵には盾の間から槍で突く態勢でして隙が無い。これには義盛も打つ手なく、退くしかない。

 その前後もなかなか面白い。まず朝時ですね。戦う前は泰時にハッパかけるような態度がありましたが、いざ義盛勢が押し寄せてくると尻込み、矢が刺さったふりをしていったん逃げる。が、そこからが朝時のヘタレが良いほうに発揮される。逃げようと思うけど罪の意識感じちゃうわけですね。それで壊れた板塀で矢を防ぎつつ戻って来る。

 これがヒントになっての泰時の上述の戦術となる。これを泰時は義時に報告するに、朝時の考えた戦法だと。泰時含め、ヘタレたり踏ん張ったり、庇ったりで面白いドラマであり戦いです。

 そういう面白さはあるんですけど、全体的にはどうも寂しい。最後が義盛の無念の最期だからばかりではありません(目を見開いて死んでいるさまなど、上総介の最期を思い出したりはしますが)。例えば泰時は戦での活躍が(テンションの落差を伴って)描かれましたけど、自分的にはまだ泰時に思い入れが充分にはありません。

 他はというと、やっぱり「この人の戦いが見たい」というほどの武者がいない。義盛が前話で言っていたように、初期から活躍の面子で残っているのは義時、義盛、義村くらい。義村は今回は主に策謀でして、戦で華は見せない役回りらしい。畠山との戦いで壮烈な決闘を見せた義時は黒幕として引っ込んでる。他の感情移入してきた武者はみんな死んじゃった。

 そのため戦は大規模に起こってるんですけど、どこに注目していくかのポイントがありません。ただし、それがゆえに和田義盛が光った点は評価したい。自然と和田義盛に目が行き、引き込まれる感覚がありました。それゆえに、義盛の最期はグッと胸に来ます。甥っ子を助けたくてあがいたら戦になりそうになり、しかし実朝の仲介で矛を収める気になり、しかし一族が義盛のために一戦に及ぼうとすると主将の責で全軍を率いる。

 いかにも義盛らしいですね。劣勢となっても退かず、しかし実朝が再び仲介すると、信じて泣いて従う。ここも義盛らしい。しかし義時が義村に目くばせし、矢を射かける。このときの義盛の無念も、観ているだけで腹にこたえるほごよく分かる。そうしておいて、事前に巴に逃げろと言い含めたことが明かされまして、さらに感動を深めるわけですね。よく泣く義盛に対し、薙刀を振るいつつ涙をこらえて去る巴もいいなあ。

 そう申すと、ひたすら義盛の行き方/生き方に感動したみたいですが、実は同時に義盛が討たれる必然が分かるといいますか、義盛に対するネガティブな感情が湧いてもいました。理由は、私人ではなく鎌倉の統治システムを構築したい、公人・権力としての義時視点です。義時は坂東圏内での勢力争い、さらに都(主に後白河法皇)の使嗾による戦乱を見て来たわけですね。

 それをなくしたいわけですが、それには全体を見る視点がいる。時政にはそれがなく、身近の整合性があれば良しとして、その外側との不和を招いてしまいました。比企能員の横暴のほうがマシだったかもしれないと思うほどです。ようやく取り除いたら、まだ和田義盛が大勢力として同じなようなことを呑気にやっている。その義盛が実朝を取り込んでしまっていたりもする。

 これは危険な状態です。見えている身の回りだけ気にする人が権力になっては危うい。言って直らないなら滅ぼすしかない、ということは強く感じられます。一時、義盛と和しても、以前に義時が泰時に言った通り、10年後、20年後にはより大きな災いとなって多数を苦しめることになりかねません。

 ですので、観ている自分も和田義盛は討たれないとヤバいと不安感があります。しかし同時に、上述しましたように和田義盛に好意も強く持っちゃってるわけですね。泰時が義時に言った通り、義盛を嫌いな人なんていない、は至言でしょうか。当の義時も、義盛を討ち果たしはしましたが、直後に非常に苦い表情になってました。討たねばならないけど討ちたくなかった、というジレンマなんでしょうね。

 そういう二重の感情が自分にも生じたたため、今話では義盛がとびきり際立っている印象が生じました。でも、これでもう和田殿はいない、と思うと、さて次からは誰に感情移入して観ていけばいいのかなと寂しくなります。三浦義村は面白いけど、腹の底が見えない。義時は魔王化していく怖さはあるけど、それだけにむしろ義時の対抗馬は誰かいないかという気になります。後に御成敗式目を制定した名執権の泰時も、このドラマではまだ強い印象が生じてない。

 都のほうですと、後鳥羽上皇は鎌倉を侮っている演出があるせいか余裕を見せてまして、威張りつつも必死にあがいていた後白河法皇ほどの印象がまだ生じてない。たぶん承久の乱が近づくにつれて印象が深まる段取りなのかな。

 脇役的なキャラクターでは、例えばトウさんは頑張ってるけど、善児のような「OPで名前が出るだけで不安と期待が生じる」までは行ってない。

 しかし脚本が三谷幸喜さんで、自分好みなケレン味あるドラマを見せてくれる方です。ずっと以前だと例えば「古畑任三郎」シリーズは大好きで、今でも再放送あると、セリフまで全部覚えているのに、つい見てしまいます。大河だと、終盤から観始めた「真田丸」は最初から観ておけばと後悔するほど面白かった。この「鎌倉殿の13人」でも、最終回観終えたら「最初から通しで観ておいてよかった」と思えるようなドラマにしてくれるんじゃないかと期待しています。

 次回「夢のゆくえ」の予告を見ますと、都の後鳥羽上皇に近づく意思を見せた鎌倉殿:実朝が義時に立ちふさがって来るような感じがします。和田義盛が理想の鎌倉殿と言ったのが、現実となってくるようなら面白いかも。宗時から受け継いだ義時の理想「北条がテッペン」に対する強敵となるはずですんで。

 今話のタイトルは実朝が義盛にかけた言葉だったわけですが、実権がないと実現性がない言葉です。実際、義時によってひっくり返されてしまった。しかし、義盛に罪がないとすると、では戦乱の罪は誰かとなると、実朝が実質的に義時に罪ありと宣言したと取ることもできそうです。それもあって、実朝 vs 義時の構図になるかなと妄想をたくましくしている次第(さらに、そうなったら政子はどうするだろうとか考えたりも)。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/02 (Wed) 11:45:16

 アニメ感想ですが、ダイ大がなくなると、寂しい感ですな。

 物語の何を楽しむかは、いろいろあると思いますが、「キャラの成長と人間関係の変化(深化)」というのが、自分のドラマ鑑賞の中心視点の一つですね。
 で、ダイ大は素直にそれを味わえた。
 さらに、師匠からの技や想いの継承とかがツボとも言えます。

 物語序盤のキャラ紹介(能力とか立場、信念などなど)とか、人間関係の構築、そして未熟なキャラが学習するストーリーは感じ入ることが多い一方で、
 あまりに迷走が多かったり、キャラの目指しているものが見えなかったり、成長に意味を見出せなくなったりすると、見ていて辛い。
 破滅エンドが見えている物語だと、また別の見方が必要なんだけど、その破滅を見届けるにも、誰に感情移入するかが曖昧だと、作品世界に入り込めないし、入れ込んで見る作品と、距離を置いて見るべき作品の差を、いろいろ考えてしまう時期が今なのかな、と。

★風都探偵

 12話まで見た段階で、5話を見ると、やはり本作はときめの成長が縦軸なので、「成長、人間関係の構築、そして師匠からの想いの継承」を強く感じて、いい気分になれます。

 記憶喪失で、自分のアイデンティティーの分からないヒロインが「探偵助手」という役割を受け入れる流れ。
 後に、裏風都絡みの記憶が蘇って来て、「過去の自分(ルーツ)」と「現在の自分」との葛藤からの選択ドラマに展開していく流れですが、アニメではまだそこまで展開されないので、素直にときめの現在の獲得を楽しめばいいわけですし、

 過去と現在というつながりで言うなら、『W本編』と『今の風都探偵』のリンクも面白い。
 翔太郎は今だ発展途上のキャラですが、それでもかつてのおやっさん(鳴海壮吉)の立ち位置にも寄っている。師匠の受け売り要素と、翔太郎本人の人間性が噛み合って、立派な探偵として映るようなドラマ展開だったりも。
 この過去と現在の交錯する物語が、ミステリーの構造とも相まって、面白いですね。

・ミステリーの構造:犯人の過去の犯罪のトリックを暴いたり、現在も続く犯罪を未然に防ごうとしたりして、クライマックスでは「一連の事件の顛末をおさらいしながら、真相を種明かししていく」という、現在視点から過去を振り返る物語性が定番。

 ミステリーで種明かしが分かってから、もう一度、最初から読むと、違う物の見え方ができて、伏線とかを二重に楽しめるなあ、と思ったり。
 まあ、下手なミステリーだと、その伏線の出し方が不自然だったり、ツッコミどころになるのですが、
 その辺は「プロットの巧みさ」とか「書き下ろし作品の場合は、推敲でのブラッシュアップ」とかが露骨に出るので、仕掛けが上手い作品はそれが味わえたりも。

 まあ、ときめの謎は、原作コミックでも明かされていないとは言え、アニメの完結編では、そこに向けての仄めかしから、Wの過去の物語を復習する構図なので、
 上手く作品世界への入り口を構築したなあ、と考えますね。
 風都探偵→原典のWを履修したいファンも確実にいそうな作りですし。

 あとは、ゲストキャラとのドラマを通じて、レギュラーキャラの魅力を描くストーリーも上手いですしね。
 自分のやりたいこと(ゲーム作り)が、実は「みんなを楽しませるためにできることをする」という外への自己開示につながるというゲストヒロインの夢につながるドラマは、ときめ自身が自分の生き方を見出す契機にもなるわけですし、
 いい自己発見の回だったな、とか。

★ジョジョSO

 予想よりもハードなアクションを見せてもらったな、と思います。

 一連のジョジョシリーズでも、SOは主人公側の負傷描写が特に目立つなあ、と改めて感じました。
 承太郎主役の3部だと、「旅を続ける」というストーリーだから(治癒能力のあるキャラもいないので)、レギュラー陣が露骨に傷つく描写は避けてた(途中で一時失明して治療のためにリタイアした花京院や、死んだキャラは除く)。
 仗助主役の4部だと、「日常生活の中の怪事件を解決する」というストーリーだから、日常性を破壊するレベルの負傷描写はなし。まあ、死にさえしなければ仗助の治癒能力で回復もできるのですが。

 ジョルノ主役の5部だと、「ギャングスターのサバイバル抗争劇」とは言え、3部を引き継ぐ旅ものだから、基本的には負傷描写はなし。まあ、中盤以降はメンバーの死や、ホラーチックな肉体変容(負傷というよりはウイルスとか病気的な描写)が頻発して、ドロドロな印象でしたが。

 そして、6部になるSOですが、刑務所という隔離施設の物語だからか、暴力描写が予想よりも凄惨ですな。
 ヒロインの徐倫も、女性キャラだからと言って、甘やかしてはもらえない。
 エルメェスも因縁のスピードマックス戦を終えたら、当面、再起不能の重傷で一時退場したようなもの。自分のキッスの力で、頭部を分裂させていましたし、元に戻ったら頭部が破砕されていても不思議ではない。まあ、FFの治療で命は助かったのだろうけど。

 で、今回は徐倫が看守戦でボロボロになっているわけですな。
 糸による接合で、戦闘中に応急手当てぐらいは施していますが、見ていて、あまりにも痛々しいなあ、と思いながら、手に汗握るバトルを堪能しておりました。

 糸を駆使したテクニカルなアクションが今回の魅力でもありますが、一方の相手が典型的なパワーファイターで、そのフィジカルの差を器用に動き回って凌いでいくだけでも、アクション物として面白い。
 だけど、そこに奇襲攻撃的に隕石が降ってくるわけですね。自分も原作未履修組なので、「敵のスタンド能力:宇宙から隕石を召喚して攻撃」ってファンタジーゲームの魔法みたいな能力をどう描写するんだろう(屋根のある刑務所なのに)と思ってみたら、ガラス窓のひび割れで描写かあ。

 この辺のスタンド能力の描写って、場面演出とか、対峙キャラのモノローグでの敵能力分析とかで、ミステリーの謎解き感覚が面白いですね。
 自分の能力を解説してくれる敵キャラと違って、今回の敵は頭に血が昇っているバカキャラなので、あまり解説してくれませんし、徐倫の解説能力が頼り。

 正直言って、自分もサイトやwikiなんかで予習していなければ、今回のストーリーは理解できていないと思う。
 ましてや、怒りの元凶であるサバイバーは、まだ隠れ潜んでいるわけですし。

 次の敵の拳法使いも、肉弾戦が主で、スタンド能力はそれを補うトリッキーな支援型みたいですし、
 重傷の徐倫では戦えないので、駆けつけて来たFFとアナスイが相手をするみたいですね。

 アナスイの能力ダイバー・ダウンが、文章記述だけだとよく分からないので、どんな風に描写されるかに期待しつつ。
 よく分からない=理屈は分かっても、映像描写がどうなるか想像できないの意味。

 やはり、文章と映像の変換作業がSOでは難しいスタンドが多すぎ。

★うる星

 面堂登場で、これぞうる星って感じのドタバタコメディー空間を見た気分。
 やはり、面堂がいないと、ただのよくあるラブコメだけど、面堂とあたるの「仲は悪いけど、本質は似た者同士のボケツッコミ合戦」があってこそ、本作のノリの良さ、スピーディーさが成立と理解。

 ラム→あたる→しのぶだけだと、人間関係が広がらないし、→の伸びる先が多いほど、ギャグキャラアニメとしては生き生きとして来る。
 基本は、あたるが(浮気を除けば)常識人的なツッコミキャラで、ラムの非日常性ボケにツッコミを入れつつ、しのぶの怒りを買うだけの話だったのが、
 面堂の金持ちマイペースキャラ(ラムの非日常性にも動じずにマイペースを崩さない)に対して、あたるがツッコミ能力(お前は変だ)を発揮。しかし、一方の面堂も「貴様に言われたくはない。おかしいのはお前だ、諸星」と張り合って来る。
 この同じレベルで張り合って、どんどん場を盛り上げる子どものケンカ空間が、うる星の面白いところかな、と再認識。

 面堂は上から目線だけど、正論ツッコミキャラ的な常識と、世間知らずなボケ路線と、自在に行き来して、
 変と変を集めて、もっと変にする能力を持ってる。

 一方的ツッコミキャラじゃなくて、ボケとツッコミの自在な変換がスピーディーなギャグ空間を演出しているわけですな。

 なお、この空間に入れないモブキャラ傍観視点もあって、視聴者の感想を誘導してくれたりも。
 この作品は80年以降のギャグコメディのいいテキストになるな、と再認識してます。

 実は、「あたるはずっと浮気者のボケキャラで、ラムが電撃でツッコミを入れる役どころ」と勘違いしていましたが、今回のアニメ化で「あたるが基本はツッコミ担当」でスタートしたことを認識。
 まあ、今後、ゲストヒロインが出るたびに、あたるの性癖が暴走して、誰がツッコミに回るかが目まぐるしく変わるのでしょうが。

 次回は、クラマ姫か。
 キャラの登場順が変わると、物語もそれに応じてアレンジされて、オリジナル要素が増えて来るのかなあ、と思いますが、とりあえず、次はラムとクラマのあたる争奪戦がどう展開されるかを期待。

 やはり、ラブコメの楽しさは男女問わず、「キャラ争奪戦」にあると思ってますし、やはりコメディー要素の分析ができないと、ラブコメは語れないと思うんですね。
 それと、ツッコミ入れられてるキャラのタフさ(懲りなさとか華麗なスルースキルで我が道を行く強烈さとか)がギャグ空間を強化すると思いつつ。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/03 (Thu) 17:16:53

 定期感想その3です。

 ダイの大冒険について触れて頂きますと、自分のダイ大ロスを自覚するものがあります。例えば、録画予約してますと、まだ土曜のダイ大を無意識に探してしまったりしてますんで。

 なにせ2年間ですから録画機に録画を全話を残しておく余裕もなく、最終回近くの何話かがまだあるだけです。全100話では再放送も期待しにくい(セレクションとかはあるかもしれないけど)。しかし幸いにも画像付き感想サイトは長く残るようですんで、いずれ第1話から復習してみてもいいかなと思ったりします。

 再放送といえば、GRIDMANやDYNAZENONがどちらも放送されているのが気になります。次シリーズの情報は自分は目にしてませんが、DYNAZENON最終回で匂わされ、去年の年末くらいに情報が出た劇場版「GRIDMAN×DYNAZENON」(2023年予定)のためだけなのかなあ。TVシリーズ3期の前兆でもあったりすると嬉しいんですが。

●仮面ライダー龍騎(第21話:優衣の過去、第22話:ライアの復讐)

 今週分で(こちらで伺っていた通り)浅倉が契約カード2枚所持していたことが明らかにあり(まだもう1枚あるはずですね)、襲い掛かってきた、元ガイの契約モンスター:メタルゲラスを取り込んで、現時点のおそらくは最強ライダーに。

 それについて少しネット調べしてみて、自分が設定を勘違いしていたことに気が付きました。浅倉がもう1枚カードを出したのを見て、「確か真司は、契約カードを1枚破り捨てたんじゃなかったっけ?」と思ったんです。それなら真司も契約カードを2枚所持し、モンスターもう1体と契約できたはず。

 調べ直してみますと、真司がカードを破り捨てたのは第2話ですね。ただし、契約カードじゃなくて、封印(シール)のカードでしたか。そこをずっと覚え違いしてました。勘違いを正してみると、前に江島教授がカードを川に落としてパニックになっていたのも、明確に理解できました(劇中の描写から何となくしか分かってなかった)。

 シールはモンスターを寄せ付けないカードで、だから優衣も最初は真司を守るためにシールを渡したんでしたか。それを破いたわけですから、ライダーとして参戦するという重大な決意を示したわけで、優衣も覚悟してコントラクトを渡したわけか。遅きに失しましたが、しかし理解を正したおかげで、ここまでのドラマがより印象深くなりました。

 気を取り直して今週分のドラマですが、相変わらず真司は斜め上方向に突っ走り、しかしそのお陰で蓮が迷いを吹っ切るという面白い展開でした。もう1人、伏線的な展開を見せたのが手島ですね。その3人が止まらずに動き続けるのは、暴走バーサーカーの浅倉が突っ張り続けるおかげ。

 まず蓮ですけど、先週分では不戦から和平に傾きかけた自分(蓮)に対する疑問から、浅倉に惹かれるように戦いへ戻ろうとする、それも修羅になろうとしていたわけですね。しかし、戦うロールモデルと思った浅倉と話してみると、彼が戦う理由を持ってないことが分かってしまう。浅倉が戦うのは「イライラするから」だけというわけですね。

 悩んだ末に答を出そうとしてた蓮としては、たぶん「そんな空っぽでいいのか」と思っちゃうんじゃなかろうか。そこへ真司が駆けつけて来るわけですな。戦いを止めたいから蓮と戦うと、なかなかに理解しがたいことを言い出す。が、いかにも真司らしいのも確か。

 たぶん、蓮は真司の言い分を聞いた時点で吹っ切れたんじゃないかと思います。モンスターとは命がけで戦えても、ライダー=人間は倒せないのが自分(蓮)の本性と思い切ったということですね。

 そう思えたのも、やっぱり真司が斜め上へ突っ走るからじゃないかと思います。しかし斜め上ながら妙にツボを突いてもいる。まっとうに(?)戦うなと蓮に言ったら、蓮は悩み続けたはずです。単に「戦ってライダーの死、戦わないで恋人の死」のジレンマの一方を言っただけですから。

 しかし真司は蓮と戦うと言い出した。蓮のジレンマの「戦う」ほうに飛び込んできて、しかし目的は「戦わない」だというわけですな。真司の考えがそのまま蓮の出す答ではないんでしょうけど、ジレンマの両方を突かれたことで、蓮が踏ん切りをつけたのは確かだと思います。

 この後、蓮が吹っ切れたことを手塚が見抜いてますが、浅倉が龍騎と戦いたいと言い出して、あっさりと蓮が譲ったことで、蓮がもう吹っ切れたことが分かります。戦っても倒す気がないんだから、戦わなくても同じ。それなら、その後に必ず発生する浅倉との戦いまで話を進めちゃえばいい。

 ただし、龍騎を浅倉/王蛇に譲った時点では蓮/ガイが不介入の可能性もあったと思うんですが、浅倉がライダーものの禁じ手(^^;)の「変身中に攻撃」をやっちゃったもんで、蓮/ナイトは明確に真司/龍騎との共闘を決めたんじゃないかと思います。

 真司の腕の負傷は一過性だったようで、蓮も決断を促されたとはいえ、後に引くようなものではなかったみたい。しかし予習してみると、手塚にはどうやら重い意味があるみたいですね。手塚も今週分でうっかり手を怪我しまして、マッチ占いをやりにくそうにしてました。

 その手島が浅倉に「斉藤雄一」なる人物に心当たりはないか尋ねてます。その斉藤雄一が、本来はライアになるはずだった、手島の亡くなった友人ということみたいでうsね。斉藤雄一は浅倉の起こした事件のせいで腕を負傷してピアニストの夢を断たれ、神崎士郎の誘いを断ってミラーモンスター:ガルドサンダーに食われたらしい。

 そのガルドサンダーは今週分で手島/ライアが撃破して、直接的な仇討ちはできたことになります。ただし、根本原因の神崎士郎については何も解決していない。手島が真に仇討ちしたいのは、ライダーバトル自体で道半ばにして夕暮れ近し。

 その手島がマッチ占いで「次に死ぬライダーは自分(手島)」と出たと言い出すわけですが、どうも挙動不審でしたな。マッチの火を見つめて占いの結果が出たとき、手塚はショックを隠す様子があり、かつ目が真司を見てました。

 観ていておかしいと思い、予習してみると、このときの占いの本当の答は「次は真司が死ぬ」というものだったらしい。占ってから手塚は優衣の調査(優衣自身の過去)に協力したりと動き出すわけですが、手塚の信念「良くない未来は変えられる」通り、真司の死亡を回避するために動き出したんでしょうな。あえて手塚が「死ぬのは自分(手塚)」と真司に言ったのは、たぶん手塚が己が命に代えても真司(と蓮)を死ぬ運命から救うという決意の表れなんだろう。

 その手塚が優衣の過去調査に積極的に乗り出したのは、やっぱり優衣が神崎士郎の妹であり、かつ占い結果が「ない」という異様なものだからなんでしょう。優衣の叔母の神崎沙奈子も何か知っていて隠している(しかし、たぶん真相までは知ってない感じ)。

 手がかりは優衣の自宅が映っているらしい写真1枚なんですが、窓に映る風景などから場所や撮影時期を手塚が割り出す。そこまで行くと割と簡単に事情が判明しまして、自宅は13年前に爆発事故があり、両親死亡、神崎士郎は重傷、優衣は無傷で生き残ったというわけですな。沙奈子叔母さんはたぶん、優衣が思い出してショックを受けるといけないので事故のことは隠していた。

 しかし、そういう分かりやすい話ですと、絶対当たるはずの手島の占いと齟齬があります。なにせ「ない」んですから。もっと突っ込む必要がありそうですが、手島の登場話数は次週前半(第23話)まで。今週分で友人の仇討ちはできましたが、優衣の真相に届くには尺が足りなさそう。でも、真相に近づくヒントやアドバイス与えるはできるかな?

 一方、浅倉。メタルゲラスを得て強化はしたものの、ナイトの介入で龍騎を取り逃がす。ウロウロしだしたところへ、浅倉を危惧して探していたゴロちゃんと遭遇するわけですね。ゴロちゃん、浅倉がライダーだと知っているはずなのに戦う構えに。しかしコブラ型ミラーモンスター:ベノスネーカーに捕縛され、逆に北岡を呼び出すための人質に。

 これを察知した蓮が北岡に会いに来るわけですが、北岡はゴロちゃんが勝手にやったことなどと言い、蓮を怒らせる。そうしておいて北岡、蓮となら戦うと言い出す。これはこれで真司と似た斜め上の行動かなあ。しかし、ゴロちゃんが浅倉に拉致されたと知った北岡はかなりイライラソワソワする様子が見えました。本当はゴロちゃんを救いに行きたいんだろうか。そうだとして、しかし待たせているうちは浅倉はゴロちゃんを殺すまいという計算なんだろうか。

 いろいろ未解決で次回まで待つのか。モンスター討伐はともかく、ドラマは2話1エピソードで区切ってるわけじゃなさそうですね。その辺りはもしかするとギーツが踏襲しているのかな。

●牙狼-闇照編(第17話:裏 Tousei)

 一応の予習はしてみたんですけど、実際に視聴するとこうも衝撃的なのかと驚きました。憲水ではなく滔星が黒幕というのは既に前話で明かされてまして、ならば魔戒チームは滔星討伐に向かうのみ、幸い流れは流牙側にある、くらいの感覚でいたんですね、自分。

 しかしこの第17話は総集編的、滔星視点だとしても情報整理と多少の補足になるくらいだろうと高を括ってました。実際、冒頭はリベラが喋るところからでして、「ある人物の視点から」とのことで、予想・期待した通りの内容だと思えます。「ある人物」は早々に滔星と分かり、リベラが途中から滔星を「主」と呼んでも、既知の内容です。

 しかし、燕邦が魔導ホラーにされる下りは序盤で自分が「?」になった点が分かりまして、「なるほど」と思いました。燕邦が滔星のステーキハウスで飲み物を飲むシーンです。カウンターに置かれた冷たいグラスを燕邦が取り上げると、カウンターに結露した水が丸くついてました。続いて燕邦が飲んでグラスを置こうとすると、カウンターにはなぜか水の丸が2つありました。

 なんだろうなと自分は思ったんですけど、今話で説明してくれまして、一服盛ったドリンクを一口飲んだ燕邦は意識を失い、そこを滔星がゼドムのプラントを刺して魔導ホラーにしていたんですか。プラントを刺す前、燕邦のグラスを滔星がいったんカウンターに置いたんで、水の丸がもう1つできたと。

 見せてもらえば分かるんですけど、序盤の何も分からない状況ではちょっと想像がつきません。しかし映像的に嘘をつかない、むしろヒントを出してくれた点は評価したいと思います。ジョジョシリーズでもきちんと描写されたことを種明かしに使ってくれますね。それと同じくの誤魔化しのなさは好きです。

 滔星の狙いは強力な魔導ホラーを作って配下にすることにあるようですね。たぶん理由は2つありそう。1つには憲水の私生児である(らしい)滔星は(たぶん母ともども)邪険にされてきたらしく、生き残るために猜疑心が強くなったこと。絶対忠誠の配下でないと安心できないんでしょう。

 もう1つは、やはりのけ者扱いによるもので、のし上がるには金城一族、特に父親:憲水以上の力が必要なこと。絶対服従の魔導ホラーを直接的な配下とし、さらに陰我ホラーを魔導ホラー統制のもとに動かせれば怖いものなしとなる。

 そのために流牙も魔導ホラーにしようと最初から狙っていた、という点が自分には衝撃でした。狙うこと自体はそれほど驚きません。逃げる流牙を滔星が手助けするように見せて、実は魔導ホラー化する襲撃(未遂)だったことはびっくりはしましたが、衝撃的とまでは申せません。

 しかし、滔星の戦略・戦術を見せてもらうと、ここまでのドラマの流れ、特に後半からの流牙側の巻き返しが違ったものに見えてくるんです。滔星としては流牙を魔導ホラーにしたいわけですから、死なれても、逃げられても困るわけですね。しかも黄金騎士として成長途上であることも見抜いている。

 前に3騎士と尊士のモノレールでの対決がありました。あのとき、符礼法師が駆けつけると、そこまで優勢だった尊士は去ったわけですが、自分は符礼法師まで加勢に来ると戦力的に不利と尊士が判断したんだと思いました。しかし、牙狼の鎧が金色に輝くのを遠隔で見た滔星の指示による撤退だったわけで。

 序盤から魔導火で探知できない魔導ホラーを魔戒チームは倒してきたわけですが、流牙らの頑張りによるものに見えました。後半に入ると魔導ホラー探知機が完成し、流牙側が反転攻勢となり、燕邦の今の正体も見破っての戦いになりました。このまま敵を打倒できそう、とか、どう戦えばと思ってしまうような展開であるわけですね。

 前半は暗めの展開でして、どうも勝てそうにない雰囲気すら漂った気がします。滔星からすれば、討伐に来た魔戒チームが一時撤退を選択するかもしれないと危惧するはずです。再度、討伐隊が来るとしても、最強の黄金騎士がもう一度来るかどうかは分からない。それなら、と滔星がわざと魔戒チームに戦況有利と思わせる運びを画策しての今なんじゃなかろうか。

 そうだとすると、憲水を巡って相対した符礼法師と尊士の戦いの流れも理解できます。符礼法師は羅号を放つも、尊士が圧勝したようですが、止めは刺さずに憲水を連れて去ってます。たぶん符礼法師がいなくなると、魔戒チームは立て直しが必要となり、一時撤退してしまうかもしれない。そこで符礼法師に重傷を負わせるに留めたんじゃなかろうか。

 要は、ベールをめくってみると滔星の掌の上で踊らされていただけだった、というやつですな。そう感じたもんですから「衝撃でした」と申してみたわけで。

 そして正体を知られて誤魔化しも逃げ隠れも意味がなくなった滔星の所業が酷烈。金城一族に恨みがあったにせよ、全員を魔導ホラーに食わせちゃうわけですね。子供も例外ではない。滔星の正体と意図を知っていたのは憲水だけらしく、一族がリベラや劉邦を怪しみもせず、易々と餌食にされてしまうのはいろんな意味で怖い。

 金城一族は憲水から警告を受けてない、ある意味、憲水から見放されていたわけで。いかに、魔導ホラーを従える滔星が怖かったとはいえ、家族、親族を逃がす算段をしていないところは、憲水が誰も愛しておらず、自分だけが可愛いことが窺えます。憲水に見放され、滔星に憎まれる一族は哀れです。おそらく憲水以外の金城一族は滔星の出自とは無縁でしょうから(特に子供は)。

 最後に憲水が尊士に食われるわけですが、普通に考えると哀れな最期と思えるところです。種明かしされてみると、憲水はホラーを使っての悪事は為してない。滔星からは憎まれるのは仕方ない(母は「犯されて」滔星を生んだようだし、その後も排除されてきたようだし)。が、滔星こそホラーを使って悪事を為した張本人。

 憲水に同情が少しは生じてもよさそうなんですが、報いを受けた感じしかしません。これはひとえに憲水の一族に対する酷薄さが感じられるからなんでしょう。上述しましたが、我が身可愛さゆえか滔星について一族に警告しない。一族が食われたと滔星から告げられても無表情。しかし自分(憲水)が食われる番になると悲鳴をあげて逃げだす。これでは同情しにくくても仕方ない気がします。

 ともかくも、いったんは流牙側に傾いたと見えた勝勢がうわべだけであり、依然として状況を支配しているのが滔星と明らかになりました。滔星はスーツを着て金城グループトップとして動き出す模様。
(このスーツ姿を見て、どうも龍騎の大久保編集長のイメージが被ります。大久保編集長は割とラフな格好が多いし、態度も違うんだけど、なぜかこの滔星と被る。役者さんが同じ人という理由だけではないように感じますが、どうもはっきりしません ^^;。)

 ともかくもまたも仕切り直しかと思ったんですが、次回「闘 War」では敵味方が総出で戦っているらしい予告映像が出てました。場所は遺跡のような感じですね。その映像からすると、一気に最終対決になだれ込む印象ですが、流牙の母や牙狼の鎧、さらに流牙の記憶など、積み残し事項多し。話数もまだ余裕がありますし、まだまだ二転三転しそうですね。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/04 (Fri) 09:43:25

 実写感想

★鎌倉殿

 和田殿退場編、概ね良かったんだけど、一つだけ不満材料が。

 巴御前とトウの戦いを期待していたんだけど、実現しなかった。大江殿の思いがけないアクションに回す尺があるなら、ヒロインアクションが見たかった。

 トウの見せ場がこれでなくなったというか、善児後継者として、これから何に活用するのか分からなくなりましたな。

 あと、考えられるイベントが「公暁による実朝殺し」と「承久の乱」で、トウのアクションが必要とされる局面が考えにくいですし。

 もう終盤が近づいて来て、ひたすら闇街道を突き進む一方の義時と、少しずつ陽の目が当たることが予想される泰時(今回は泥酔モードからの戦場での活躍というギャップ演出)。
 義時と泰時の父子の対立がドラマの焦点になるのかな。

 ともあれ、散って行く者を格好良く描く、判官贔屓なドラマ演出で、次は実朝が主人公になる感じですな。
 義時は、散って行く者を非情に見送る舞台装置以上の役割はなさそうで。それこそ天に動かされる処刑執行人的な役割で、人間性が失われているような演出が現状かな、と。
 ドラマ的には、散って行く者を引き立たせる役どころですな。

★ギーツ

 結局、ギーツの勝ちで、番狂わせは発生せず。

 で、駅伝休みを挟んで、次から新展開。
 まあ、新キャラでツボにハマりそうなキャラが登場することを願いつつ、とりあえずはデザ神ギーツが望んだ新世界はどんな感じかな、と。

 ツムリがギーツの家族になっている世界とか?
 あと、前回のDGPで死なずに脱落した景和を始めとするキャラの動向がはっきりするのを期待しつつ。

★龍騎

 2話1だと、次は手塚にスポットが当たって、退場するエピソードですな。
 芝浦と違って、ドラマチックに退場し、散るのが惜しまれたキャラ。

 で、時期的には、手塚の死辺りから、夏の劇場版の情報がチラホラ出てくる訳ですが、
 配信で夏映画はやるのか、そしてTVスペシャルの13ライダーはやるのか、と。

 13人ライダーと言いつつ、TV本編だけだと全員出るわけじゃないので。
 劇場版で出演したリュウガ(黒い龍騎)とファム(公式初の名前付き女性ライダー)、そしてスペシャル版のボスキャラ、ベルデがTV本編には出ない。
 この辺のパラレルワールド作品を網羅して、初めて龍騎の世界観(神崎士郎がライダーバトルのリセットを繰り返し、自分の目的達成のための複数世界観を創出している)が見えて来ないので。

 神崎士郎の目的や、ミラーワールド誕生の秘密は、夏の劇場版で初めて明かされ、目下の配信分は劇場版の伏線である「神崎優衣の秘密」に迫る流れですが、
 まあ、ここでのネタバレは控えておきます。

 神崎士郎の分身的な(本人ではない)オーディンが登場する27話辺りから、劇場版の公開時期だったかな。
 ここから「ミラーワールドを閉じる方法」というのがストーリーの前面に浮上して来て、士郎の目的とか、世界崩壊に至る最終決戦への空気感がチラ見せされる。

 まあ、とりあえずは王蛇が台風の目なのは、あと2週ほど続いて、25話の「合体する王蛇」がひとまずのクライマックス時期。
 それから、劇場版を踏まえた新展開ですね。

 とりあえず、夏の劇場版がどのタイミングで配信されるかですが、「勤労感謝の日」辺りだと、放送当時の空気感を追体験できると思います。そう上手く行くかどうか。

★牙狼闇照

 こちらも、今年の勤労(金狼)感謝の日に何かのイベントがあるのかどうかを気にしてみたり。

 ところで、録画視聴だと気付かれていないかもしれませんが、闇照放送の前の時間帯に「牙狼グッズの通信販売を基軸にしたバラエティー風番組」がやっていて、旧作紹介雑談とか、俳優さんをゲストに招いたりとか、雨宮監督のメッセージとか、そういう内容の番組ですね。
 言わば、金狼感謝の豪華スペシャル番組の軽い日常版みたいな感じ。

 これを見てると、今後の牙狼の予定なんかも見えるんじゃないか、と思いつつ、当面はこれと言った新情報もないかな、と。
 まあ、旧作をネタに、グッズ話を見ているだけでも、「へえ。こんなマニアックな商品が出てるんだなあ」とか思います(ザルバモチーフの指輪とか、フィギュアとか諸々)。

 ともあれ、次回、一大決戦回ですな。
 アクションに大期待できるわけですが、放送当時に驚いたのは「凄絶な負け戦」で終わったことですね。
 今回も、情報戦で敗れた形ですが(流牙だけでなく、チーム全員が指名手配されて、社会的に抹殺された形)、起死回生のために乗り込んで決戦という展開になったと思ったら、まさかの敗退という過酷な展開。

 ここまでチームが打ちのめされて、絶望で終わる展開も珍しい。
 まあ、そこからの這い上がりがまた盛り上がるわけですが。

 言わば、最初に大魔王バーンが出現して、カイザーフェニックスやカラミティーウォールで、ダイたちを圧倒した時期に匹敵するほどの絶望感。
(あの時は、ハドラーの登場で、ダイたち一行が撤退できたわけですが、ヒュンケルとクロコダインが敵に捕まり、ダイの剣は折れて、父を失った後のダイが戦意喪失して……とまあ、いろいろピンチでした)

 うん、次回は相当にアップダウンの激しいバトル回で、放送見た後は「うわあ、この後どないなるねん? ここからの逆転が想像できん」的な感想。
 完全に闇に覆われて、お先真っ暗な絶望を感じた回でした(強く感情移入していれば)。

 まあ、これがあるからこそ、「闇を照らす光」に至るんですけどね。
 なお、自分が本作で最も感じ入ったアクションは、次の19話なんですが、よく見ると「19話から22話」は坂本監督がアクション協力してますな。
 メインのアクション監督の横山誠さんは、割とリアルタッチのアクションを見せて、一方の坂本監督はギミックに凝ったヒーローっぽいアクションの人って感じです。
 横山さんが王道で、坂本さんがケレン味ってところかな。

 リアルでハードシリアスなのが横山さんで、派手にヒーローを盛り立ててくれるのが坂本さんという認識。

 いずれにせよ、次回以降はアクションが毎回のように凄いことになっているという点で大いに期待。
 まずは凄絶な負け戦を見定めた上で、照井竜曰く、「絶望がゴールだ」を味わいたく(ゴールじゃないけど)。
 

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/09 (Wed) 00:40:29

 定期感想その1です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第17話:燃えよ龍の夢)

 非常に奇天烈なスタンド使い:ケンゾー(ドラゴンズ・ドリーム)登場ですね。ケンゾー/ドラゴンズ・ドリームは謎が多く、今話のバトルはいろいろ可能性が考えられ過ぎ、何が起こっているか分かりにくい。ただし、その謎の内の「溺死させる能力」のため、他の囚人がほぼ殺戮されてしまい、誰が敵かは絞れてきた感じです。

 前々話(第15話)ラスト時点ですと、看守ウエストウッドが解放した囚人のうち、意味ありげに何人かが大写しにされてました。この中から敵スタンド使いを徐倫が絞り込むのかと思ったんですが、敵のケンゾーが図らずも整理(しまつ ^^;)してくれたことになります。
(ネット評では、超へそ出しルックの女性囚人を惜しむ声あり。徐倫とのバトルはこのキャラクターだと面白そうだったのに、と期待した模様。)

 さらにそのお陰で膨れた死体に隠れて、加勢のFFが不意打ちに出られたわけですが、ケンゾーの風水の先読みのせいなのか不発。それでもギリギリのタイミングだった感じですね。その直前は、徐倫が「世界のフィンガーくたばりやがれ」を披露してまして、これは僅かでも回復を図るための時間稼ぎでしょう。なにせウエストウッド戦で徐倫は大ダメージ受けてるはずなんで。

 もっともケンゾーは勝利を確信したせいか、徐倫抹殺に遣わされたスタンド使いが4人と喋っちゃってまして、ようやく徐倫側に敵の情報が伝わりました。自分語りもするし、徐倫の口上(?)の間は待ってやったりするし、いずれもケンゾーの失態と言えそうです。

 そのケンゾーが囚人を殺害した方法が、見た感じではスタンド能力に思えます。ケンゾーは溺死と言ってますが、身体が膨れ上がるわけですから、普通はあり得ない。しかしケンゾーの解説(?)によると、北斗神拳の秘孔よろしく、頚椎の急所を突いて体内の水分を肺へ送るものらしい。

 そうなると、スタンド使いが持てるスタンド能力は1つの原則により、ケンゾーが使えるのは竜型のスタンド:ドラゴンズ・ドリームとなるはず。ドラゴンズ・ドリームは(アナスイの分析によれば)風水の吉凶を指し示す能力だけらしい(ただし手を触れれば、凶の方角から手が飛び出させることもできる)。

 このドラゴンズ・ドリームは、今話では中立だと盛んに主張してますね。実際、ケンゾーに逆らったり、FFにアドバイスしたりしてる。ですが、その一連はドリームがケンゾーと組んでの詐欺なのかもと思えます。例えばドリームはFFにイエローと金魚の絵が吉と教えてますが、ドリームが言う通り、その場では手に入らないもの。

 そこはドリームがおそらくは嘘をつかずに、しかし明示的にケンゾーに与しているわけですが、残りのアドバイスも信用していいかどうか。今話ラストのケンゾーの攻撃(?)についても、ドリームは「何が起こるのかは俺も知らねえ」と言いつつ、「ダメージは最小になるように努力」と曖昧なことを言う。

 しかし、いよいよ最後の一撃が迫る段になって「ブーメランだ」と言うわけですね。確かにブーメランなんだけど、L字型金具が曲線的に飛んでくるわけで。その前にドリームはFFの「左耳の上」が大凶と言ったりしてる。これは最後の一撃を示唆していたのかどうか。さらにドリームに触れたFFの左腕が、ケンゾーのときのようには作用せず、何か不発っぽい結果だったり。

 自分の力では映像から確かには読み取れないんですが、ケンゾーとドリームが以心伝心の共謀でFFを誘導し、追い込んでいるように感じられます。アドバイスすら罠という感じですね。しかし、ドリームが自称する通りに中立なのかもしれない(その場合、FFにラッキーアイテムがないのは、単に運でしょうか)。

 そこは次回で決着がつけば分かると期待しまして、今話で面白かったのはバトルです。まるでNHKのピタゴラスイッチですね。アクシデントが予想しない形で連綿と連なって、最後に意味のある攻撃という結果に至ってます。最初のだと、(たぶんケンゾーの攻撃に驚いた)ネズミが逃げる→扉の開閉スイッチに触る→閉まる扉が囚人の頭部を圧迫→囚人のメガネが壊れて弾け飛ぶ→メガネがFFに刺さる、です。

 ラストの攻撃ですと、ハエが飛び上がる→(隕石で空いた穴から)鳥が食らおうと襲い掛かる→勢い余った鳥がファンの羽根に飛び込む→既に壊れかけていたファンから部品が落下→その部品のうちのL字型金具があちこち衝突→最後に金具がFFの頭部に、です。ずれもエグいですが、しかしまさに「ピタッゴラッスイッチ♪」な感じ(^^;。

 しかしバトルはぱっと見「これはFF死んじゃった?」で続くとなりましたが、次話タイトルが「燃えよフー・ファイターズ」でして、生存してるはずなのでホッとします。今話の「燃えよ龍の夢(ドラゴンズ・ドリーム)」と対になってまして、次話はFFの反撃~勝利を暗示してるようです。

 それにしても気がかりなのは、敵ではローマ兵風の男と姿を見せないサバイバーの使い手。それより気になるのは、味方のはずのアナスイです。今話では「俺は何を言いたいのか」などと誤魔化しつつ解説役に徹してますが、ちゃんと援護するのかしらん。敵の(はずの)ローマ兵風の男と同じく、スタンド能力もまだ分かりません。

 アナスイはFFの求めに応じて加勢してはくれたんですが、理由が徐倫に一目ぼれだからというもの、何とも素っ頓狂な理由でして、考えようによっては取って付けたような感じもします。特別房に敵が送り込まれていたのと同じく、プッチがエンポリオのもとに派遣していたと考えることもできそう。

 もっとも、予習してみるとアナスイが徐倫に好意を抱くのは間違いないらしい。しかしそうだとして、今ピンチなのはFFなわけでして、FFを援護するかどうかは心許ないところ。ましてや敵と通じていたりするとヤバい。

 それともう1つ、サバイバーの使い手の動向です。今話ではケンゾーがFFの腕を透かし見して、能力を推察してました。これはサバイバーが作用したウエストウッドの筋肉透視と似てますんで、サバイバーが依然作用していることが疑われます。もしそうなら、この場の全員が戦闘意欲に突き動かされる恐れがありそう。次話を観ないと分からないことだらけです。

●風都探偵(第6話:最悪のm / 白い牙)

 今話でようやく「最悪のm」事件解決編でして、ドラマとしては3パートあったように思います。まずメガネウラ・ドーパントとの決着、依頼人の真島伸太郎/マジPと森口もな子/風祭メグの関係性の決着、そして敵の本格始動ですね。

 まずメガネウラとの対決は、翔太郎が動けない状態なんでフィリップ主体のファングジョーカーでして、このフォームの紹介にもなってますね。フィリップ/来人の保護のための半自動であるために凶暴化しやすいが、翔太郎となら制御できる。それでも今回ちょっと荒々しいのは、フィリップのメガネウラ/美原睦夫に対する怒りゆえですか。

 フィリップは既に敵メガネウラの戦力分析は済んでいたようで、ショルダーファング投擲を外したと見せかけて、ブーメランとして戻って来させて、メガネウラの背中を攻撃(ジョジョでもL字型金具のブーメランがあったわけで、こういう偶然似た描写がときどきあるのは面白い)。

 メガネウラの背中には小型の羽根があり、その羽音が周囲にプレッシャー与えて動きを鈍くしていたわけですね。催眠術的な暗示作用はないみたいで、やはり前話でときめがふらふらと万灯雪侍/オーロラ・ドーパントに引き寄せられたのは、メガネウラとは別要因となりそうです。

 このバトルで同じシーンでもコミックとアニメの印象の違いが少しわかった気がします。コミックですと自分のペースで読めますんで、「こうなったからには、こうなるかな?」みたいな感じ。言い換えますと、先を予想しつつ、そうなるかどうか待ち構えるような気分で読んでました。

 アニメになりますと、映像がリアルタイムに進んでいくため、観ているこちらは追いかけるような感じ。「あ、そうなるのか。だからさっきのはああだったか」みたいな気分ですね。さらに動きがあるため、今話であればメガネウラの羽音のプレッシャーというのが生々しく感じられ、種明かしがより納得と言いますか、カタルシスがあります。言い換えると気分的な納得がしやすい。コミック版だと仕組みや理屈的な納得がしやすいですね。

 それはともかく、バトルに入る直前に翔太郎がときめにかけた言葉にじわじわ納得しました。「その格好は目の毒だ。後は俺達に任せて下がれ」です。普通(?)に考えると、「危ないから下がれ」でしょうか。ときめは一般人ですからドーパントとは戦えない。服が破れたことをわざわざ言うのも、なんだかなあと思わなくもない。
(ネット評では「目の毒」はアニメ版オリジナルの台詞らしい。自分はもうコミック版の記憶がかなりあいまいになってまして、どうだったか分からずですorz。)

 しかし敗れた服の件については、考えてみたら問題ない(かも)。なにせ、翔太郎は噴水で体を洗うときめに会っており、ときめも平然としてたわけですから。それでも「目の毒」を理由にしたのは、「危ない」からと言ってしまっては、ときめに対する翔太郎の評価が伝わらないからでしょうね。

 翔太郎は見てないものの、ときめは衣服が破けるのも構わずメガネウラを追い、ビルから飛び出しさえしたわけで。翔太郎が教えた「依頼人を守る」をなりふり構わず、命がけで実行したわけですな。その勇気に対して「危ないから下がれ」では失礼というもの。単純に「下がっててくれ」だけでもいいかもしれませんが、「危ないから」ではない理由があると示す「目の毒(だから)」と言ったのは、とっさの機転としてはなかなかなんじゃなかろうか。

 言い換えれば、翔太郎がときめを立てているわけですが、それだけ謙虚であるとも言えそうです。その一端は探偵事務所での翔太郎の独白からうかがい知れそうなんですが、ともかくは真島伸太郎/マジPと森口もな子/風祭メグ。敵ドーパントに内通していた小泉みどり(チームメグたんリーダー)は観念して護送されまして、それを見送ったもな子は複雑な気持ちらしい。

 全てはアイドル(?)活動を渋った自分(もな子/メグ)のせいでは、というわけですね。美原睦夫/メガネウラは卑怯にして逆恨みとはいえ、メグとしてゲームでボコったことが発端でもあるんで、気持ちは分からなくもない。しかしもな子/メグが被害者であるのは確か。身の危険が迫ってるのに会社からショー出演を強要されたのも理不尽。

 出演強要は直接的には真島/マジPであるわけですけど、事件後の態度が一変してますな。責任があるとすれば自分(真島)だと言い、ゲーム制作のパートナーとしてですが、もな子を大変に大切に思っているとも言う。なんかおかしいな、と思えるわけですが、真島は会社上層部から圧迫を受けていたわけでしたか。しかし、ついにブチ切れて重役のPCモニタをぶん殴り、重役を怒鳴りつけたらしい。ときめが怪しんだ手の傷はそのときのもの、となって、全ては辻褄が合う。

 そうと分かると、もな子は感激するわけで、会社を辞めるしかなくなった真島/マジPについていくと宣言すると。この時点では2人はゲーム制作のバディとして固く結びついているとなりますが、描写からすると男女の愛情も深くありそう。しかし、最も印象深いのは信頼の強さでしょうか。

 おそらく、真島はもな子の全てをしっかり見てきたんでしょうね。例えば、翔太郎が想像できなかった変化に驚いたメグについても、真島は「メグのコスプレがばっちり決まるのは確か」と見抜いてたんでしょう。仕事の頑張りも、アイドル活動との両立の大変さも知ってはいたんでしょう。

 何より、正体不明の脅迫者に対する心配は誰よりも強かったはず(なので退職覚悟で重役に盾突きもした)。これをもな子も感じ取るから、たとえ怖い顔で出演強要を迫られても、「マジP」と終始親しく呼んで変わらなかったんでしょうな。

 ともかくも2人の身の振り方まで決まっての事件解決。探偵事務所に戻った一行、まずはときめの新衣装ですか。シースルーではない、前より丈夫な感じの服ですな。前の服は蠱惑的ではあるけれど、何かに引っかかったら破れる代物でして、ドーパント事件に関わる探偵助手としては不足なんでしょう。うーん、観ているこちらとしては見栄え的には前のほうがと思わなくもないですが、まあ仕方ない(^^;。

 フィリップもずっと作っていたときめ専用スタッグフォンをときめに渡したりして、2人のギクシャクも完全解決した感じ。既にバトル時に気持ちは無言で解決していたようですが、言葉と形で表されるのが大事なのかもしれません。

 で、この2人を見つつ独白する翔太郎が納得度高い。翔太郎がときめを立てていて謙虚と申しましたが、謙虚さをはっきり感じたのは、この探偵事務所での独白からです。観ているこちらの感じ方としては、重傷を負っても踏ん張った翔太郎の功績は大ですが、翔太郎の自己評価は「今回の事件、俺は終始いいところがなかった」です。ときめらのお蔭だと思ってるわけですね。

 実写版では、この探偵事務所における翔太郎の自己評価の低さ≒謙虚さはあまり強く感じたことがありません。たぶん「風都探偵」アニメがコミック原作だから、翔太郎の内面をはっきり表現してくれたんで、感じ取れたんだと思います(コミック原作読んでいたとき、どう思ったかがどうも思い出せないorz)。キャラクターの内面描写は量も質も「文章作品>コミック>アニメ/実写」でしょうか。この風都探偵がアニメオリジナルだったら、このシーンはどうなってたんだろう?

 亜樹子に示唆されて同性愛を調べたフィリップの知識欲興奮で、さらに雰囲気が緩む。この事件はめでたく大団円に見えて、しかし次が不安になる展開になるわけですね。探偵事務所のシーンでホッとしたら、逮捕されて病院に収容された犯人:美原睦夫が白骨化してしまっている。観ているこちらには、万灯雪侍/オーロラ・ドーパントの仕業と分かる。しかし、竜や翔太郎らには分からない。

 雰囲気が緩んだ直後だけに、不安でヤキモキする展開ですね。さらに万灯雪侍/オーロラ・ドーパントは裏風都に戻ったところへ、幹部/仲間らしきドーパント2体が出現。いよいよ敵が動き出すという感じで「閉ざされたk」編へ続く。

 今話では竜のアクセルはバトル後に連絡する姿だけですが、次はいよいよバトルも観られるはずですね。アニメ版ではバトルだけでなくバイク変形なども、動きでどう表現してくれるかなあ。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/09 (Wed) 11:06:57

 定例感想アニメ編

★風都探偵

 万灯雪侍の定番セリフ「そうは言わない」という、やんわり否定の使い勝手を考えてみる。

話し相手「この番組は面白いな」
雪侍「そうは言わない。単に面白いではなく、私なら史上稀に見る興趣と表現するね」

 基本的には、相手の言葉を否定しつつ、その上に凝った表現を被せて来るわけですな。
 そして、言葉の表現は否定しつつも、意味そのものは肯定して、よりエレガントな言い回しに置き換える。

話し相手「このキザ野郎め」
雪侍「そうは言わない。ただ言葉の正確さを追求しているだけさ。物事を真面目に考える性質なものでね。言葉使いが雑なのは、往々にして真実を見逃すことが多い」

 照井竜の「俺に質問するな」とか、定番セリフをキャラ立てに用意するのも、クリエイターのセンスですが、
 意外と、ときめには定番セリフがない感じですね。記憶喪失で、自分が確立されていないからかな。

 ともあれ、今回の話で味方陣営が固まり、次のエピソードで敵陣営を紹介する流れですね。
 そしてアニメの最終エピソードで、最初の本格的な交戦で一度、締めくくる、と。
 各エピソードは序破急で、全体構成は起承転結という物語構成の教科書みたいなドラマですな。

 次回は、閉鎖空間での連続殺人事件というミステリーの定番で、これまた面白い。
 仮面ライダーで仮面劇という洒落っ気の強い雰囲気もあって、怪奇ムードが引き立ちます。

 あとは季節柄、暑い時期よりも冷えてきた今の方が放送タイミングがいいのかも。

★ジョジョSO

 暗殺風水というパワーワードに???となりながら、スタンドバトルよりも、波紋で戦っていたような第1部、第2部のような雰囲気のバトルです。

 敵も奇人めいた超人なら、対峙するFFも人間ではない怪人ですからね。
 スタンド能力以外の特殊な人外能力がぶつかり合う、異色な回という認識。

 そして妙にレア知識に詳しい解説担当のアナスイが面白いキャラ性を発揮。
 「何を話しているのか、俺にもよく分からない」と言いながら、ベラベラ解説をしてくれる。
 こういう面白セリフがあると、自分でも試しに使ってみたくなります。

 まあ、たまに話や書き込みが興に乗ると、「何でこんな話を長々としているんだろう?」と、ハッと我に返って赤面したりもするのですが(実体験は多数あり)、その後も延々と話し続けられるのは、なかなか神経が図太い。

 で、「私にもよく分からないんだけど」と聞きかじったばかりの知識で、FFに警告する徐倫も面白いし、
 そもそも、視聴者も「自分たちもよく分からないんだけど」と徐倫に共感してしまう回。

 分からないことだらけで、ホラーミステリーそのもののバトル編ですが、それでもサブタイトル通り「燃えて視聴できてしまう奇妙な回」ですな。
 「FFの奇妙なバトル」という形で次回につづく。

★うる星

 面堂に続いて、クラマ姫登場。
 原作の登場回ではなく、後の再登場回を中心に大分アレンジした話のようですね。

 だからギャグのテンポが一気に加速している。

>ラムとクラマのあたる争奪戦

 クラマ初登場はこうなるはずだったんだけど、エピソードを前倒しにしたものだから、「あたると面堂のクラマ争奪戦」になって、クラマを紹介しつつ、面堂のキャラを掘り下げにかかっている、と。

 あたると面堂の張り合いが加速すると、コメディとして面白くなるので、ラムとしのぶ、クラマの女性キャラ同士の対決よりも、湿っぽくならず、カラッと笑える印象。

 で、コメディに振り切れた今回の後で、次回はラブ要素を強調するのかな、と思われ。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/09 (Wed) 22:05:15

 定期感想その2です。

 ニチアサがなし。もっとも全国的にないので、夏の高校野球での関西限定のニチアサ休止とは違いますね。夏のだと、仮面ライダー最終話前までを3話一気見して3話分感想という、書くことが増えがちな最終盤では悩ましい現象。

 うる星やつらは仰るように、クラマ登場から「目覚めの口づけ」問題の解消まで一気でしたな。圧縮してアレンジされた2022年度版では、どうもクラマはあたると面倒が見た目は違えど中身は同質・同類と判定する役割だったように思えます。この2人の類似性は自分にとってのポイントですんで、「あ、そこは早々に視聴者に確認させておくわけね」と感心した次第。

 80年代版「うる星」アニメでは、後発の「北斗の拳」アニメとの声優重なりもありました。古川登志夫さんが「あたる/南都聖拳シン」、神谷明さんが「面倒/北斗神拳ケンシロウ」というわけで、2作品で不倶戴天の強敵(とも)同士。「うる星」アニメでは神谷さんが声を演じる「北斗くん」がパロディ出演したりしてました(途中から喋りがキン肉マン風に変わる)。

 北斗くんはともかくとして、あたると面倒の「中身が同じゆえに相争う」点が連想として北斗の拳につながり(ケンもシンも拳で語り、同じ女性を愛する等)、しかも声優さんも同じということで、知り合いとよくネタにしていた覚えがあります。「あの2人は世紀末になっても喧嘩してるんだ」とかですね(^^;。

●鎌倉殿の13人(第42話:夢のゆくえ)

 魔王化する義時に対し、誰が勇者として立ち向かうんだろうと思ってましたら、思わぬ方向から浮上してきたのが政子でした。魔王と戦うパーティもいつの間にか出来上がってまして、鎌倉殿:実朝、泰時、政子が結束してますね。政子は勇者というより、勇者を支える大魔導士といったところか。

 当時の鎌倉での立ち位置を考えますと、権威ナンバー1ながら権限が実質低い実朝が、権限ナンバー1の義時の実力と強引さに押されている状況ですね。そこで権威・権限ともナンバー2の尼御台:政子(後の尼将軍)が浮上してきたと考えてもよさそう。

 しかし、今話半ばまでの政子はヘタレているわけですな。しかし、二度に渡って活を入れられまして腹を括り、義時との対決姿勢に転じると。思い出しますと、政子は何度も叱咤激励されてここまで来たんでした。覚えている最初だと、頼朝の妾だった亀さんですね。ちゃんと教養身に着けておけ、御台所は鎌倉の女性のロールモデルなんだぞ、みたいな感じで諭されて態度を改めてました。

 その後、例えば木曽義仲の子:義高を逃がそうとして果たせず、腹立ちまぎれに義高を斬った藤内光澄を罵ったため、光澄が処刑された事件もありました。あのときは、まだ人間臭かった義時から、政子も綸言汗の如し旨、きつく言われて悟るものがあった感じです。

 今話ですと、まず後白河法皇の寵姫だった丹後局が諭すわけですね。政子が「心の芯が折れそう」と愚痴りますと、丹後局はいったん「でしょうね」と受け止めておいて、頼朝と一緒になって何年かと問う。政子が40年と答えると、丹後局が厳しく「いい加減、覚悟を決めるのです~人並みの人生など望んではなりませぬ!」と叱責し、政子もハッとするものがあった模様。

 ただ、このシーン、最初はちょっと違和感がありました。なにせ丹後局は大姫の死に関わる人物ですんで。気持ちを立て直しかけて入内のために都に来た政子・大姫親子をさんざ愚弄したわけで。大姫は再び心労からおかしくなり、ついに亡くなってしまう。その恨みはあるはずで、なんで政子は丹後局の言うことを素直に聞いてるんだろうと。

 しかし、頼朝と一緒になってから40年ならば、大姫の死からも相当の歳月が経過している。それも丹後局と似通った立ち位置だったわけですな。恨みは薄れて、苦労が分かったことで、今は政子は丹後局を親しく感じることができるようになったのかも。

 しかし、あくまでも最高権力者の妻ということですな。自分が物事を取り仕切るんじゃなくて、政を動かす人の横にいる苦労に共通点がある。そこを受け入れたとしても、まだ政子が義時に対抗して動く決意までは生じにくい。

 そこを動かしたのが大江広元だったようです。広元は最初は頼朝、次は義時に就き、権謀術数も厭わずにやってきた感がありますが、さすがに今の義時は持て余すものがあるみたいです。そこで宋に渡る船の建造の是非について、広元自身の意見は言わずに政子に決断を迫ると。政子はまだ先頭に立って旗振りする覚悟がなく逡巡しますが、広元は、頼朝の妻が逃げてはならないと迫る。

 これでようやく、政子が前面に出る覚悟ができたみたいです。今話だけでも2段構え、さらには亀さん以来の薫陶がようやく結実した感じですね。これなら後の尼将軍というのも納得できる流れになりそう。

 和田義盛の死で覚醒した実朝と腹を括りつつある政子 vs 魔王化する義時の争点は、宋に渡る船の建造。これが裏では策が巡らされたものなわけですな。このドラマでは描かれませんが、陳和卿の属する宋の事情もあったのかな。少し調べますと、この時期は南宋が北方の金をさらに北方の元(モンゴル)と組んで挟撃・撃退しつつあった時期のようです。南宋は遼に続いて金と争っているわけで、後鳥羽上皇支配の日本と友好関係(特に商業利益)が欲しかったのかもしれない。

 それはともかく、実朝について調べ上げてから取り入るわけですね。後で明らかになるのは、首謀者は源仲章ですが、当初は当惑するふりをしたりしまして、さすがは和田一族を弁舌で決起に至らせかけた名役者です。なにせ手法が最初はオカルトですもんね。実朝に会った陳和卿がいきなり泣き出して、前世で縁があったと言い出す。

 普通は(おそらくこの時代でも)荒唐無稽なんでしょうけど、実朝の夢見と一致している。実朝は夢を日記に記していたため内容が証明もされる。そうして皆を信用させておいて、造船の話を持ち出すわけですね。都のエージェント:源仲章の狙いとしては、大船を完成(さらに宋渡航)させることによる、実朝の地位の向上・確立。代わりに叩き落したいのは義時。

 後でこのオカルト話のトリックを見破ったのが泰時でして、実朝の夢日記を盗み見るチャンスがあるのは、源仲章だけというわけですね。源仲章は夢見の話が夢日記で証明されますと、聖徳太子の遣隋使の話を持ち出して、さらに実朝をやる気にさせてました。実朝の部屋には聖徳太子の絵があったわけで、これも源仲章が知っていて話を持ち出したに違いない。観ていて、遣隋使の話が出た時点で源仲章を疑えたのに、泰時の種明かしを聞くまで考えなかった自分がちょっと情けない(^^;。

 トリックが明らかになると、俄然義時が反撃に出ようとするわけですね。しかし泰時が先んじて動きまして、八田知家に「普請と言えば八田殿」と声をかけて造船に加わってもらう。知家は即座に「世話役」と理解して応じてまして、おそらく造船そのものではなく、造船所を作るのが自分(知家)の役割と察したみたいです。

 日宋エンジニアがコンビとなったためか、造船は順調に進んだ模様。これを危惧した義時が手を打ったようで、夜陰に乗じてトウと時房が造船所に忍び込み、設計図面に何やら書き加えると。これは船の重量を過大にする数字・指示だったようですね。そのため、船は完成するものの、砂浜にめり込んで海に出せない。
(それにしても、時房もエンジニアのスキル持ってたんですね。どこをどう書き換えるかなんて、知識と経験なしにはできません。)

 陳和卿はオカルト詐欺に加担したわけですから、あまり同情できません。しかし八田知家は哀れです。実直に応じ、(今話で初めて三好康信と同世代と明かされた)高齢を理由に最後の大仕事と思って取り組んで来たら、これですもんね。

 諦めきれない八田知家、コロの丸太が折れても船を海へ引っ張り続けますが、ついに進水はかなわず。しかし、観ていて最初はちょっと疑問に思いました。船が重すぎてコロで動かなくても、他に方法はあります(砂浜を掘って海水を引く等)。が、それよりも重すぎるなら、たとえ進水できても喫水線が想定より下がり、宋まで航行できる船にはならないはず。

 八田知家も陳和卿もいて、設計より重くなってると分かった時点で、なぜいったん進水中止にしなかったのか(そして軽量化の改修をする)。進水式に鎌倉の偉いさんが多数見に来ているとはいえ、八田知家は直ちに支障を正確に報告しています。中止の進言だったできたはず。と思って、そうできなかったからこそ、このシーンが胸を打つんだと思い直しました。

 初登場時では道の整備で、頼朝危篤時には火葬場の準備とかありまして、戦いより土木、建設に生きて来た感ががある八田知家です。引退前の最後として、宋への遠洋航海船建造の大仕事が舞い込んでくれた。大変な仕事でしょうけど、順調に作業を進めることができた。さあ進水だ、となって突如の重量オーバーアクシデント。八田知家としては「もうちょっと、あそこまで今すぐに」としか考えられなかったんでしょう。

 そう考えると、八田知家の必死と無念がよく分かる気がします。そこを際立たせる演出がありまして、例えば図面を細工した犯人の時房がとぼけて「全く動かないではないですか」と言ったりする。あるいは、進水は到底無理だとなってから、三浦義村が手伝いに行ったりする。いずれも観ていて「馬鹿にしてるのか」というものですけど、それと八田知家が対比されるわけですね。

 しかし知らずに巻き込まれた八田知家の無念を無視して内紛は続く。造船でもいったん実朝は諦めましたが、盛り立てる人がいて立ち直りました。船が失敗に終わったのは実朝にはもっとデカいショックでしょうけど、腹を括った政子が乗り出してくるわけですね。それも励ますだけではなく、策を授けてます。

 どんな策かと思えば、離れ業と言ってもいいもので、実朝は将軍職引退して大御所になると。では誰が次の将軍職かとなると、都の上皇に頼んで貴人を推薦してもらうんだと言う。構築しつつあった世襲制将軍職を廃し、元の治天の君の任命制に戻すことになります。

 これは(宗時から受け継いだ)義時のプランをちゃぶ台返しするものです。義時は拒絶したいところですが、実朝・政子・泰時で結束が出来ちゃってる。この場でひっくり返せないと見たんでしょう、義時は強く諫言する泰時に「黙れ」と怒鳴るくらいで引き下がっちゃったみたいですね。

 この情勢を観察してたんでしょう、源仲章が勝ち誇る感じで義時に声をかけてきまして、然るべき人を見つけると言う。義時に対する突然の逆風を起こした扇の要は仲章かもしれませんな。ともかくも義時としては「このままでは済まさぬ」と挽回を考えるしかないですな。

 その挽回の方法は外からやって来まして、出家した公暁の帰還。実朝は還俗すまいと高を括って無視ですが、公暁は善哉だった頃に比企尼から実朝と北条家に対する恨みを教わっている。もしその恨みが根付いていれば、実朝の読みは甘いことになります。

 今話でも実朝の読みの甘さが出てまして、年貢の減免政策ですね。将軍家領限定で1/3にしたわけですが、運の悪いことに他の領地で不作が起きてしまう。不足したときの不公平に対する怒りは激しくなります。その備えが出来てなかった。発案したらしい泰時が謝ってますが、裁可した実朝の責任が大きい。思い描いている状況しか考えない、将来が現状の延長としか見てない等々、指導者としてはマズいですね。

 それが公暁に対する見方にも表れている恐れは強いでしょう。頼朝→頼家の世襲、及び実朝の就任前に起こった闘争を考えますと、血筋で次期将軍職を考える人は少なくないはず。血筋ならば公暁が次期将軍職に選ばれるのが当然、と思う人は多いでしょうし、当の公暁がそう自認する可能性が高い。

 史実も踏まえて考えると、非常に危うい状況です。そういう緊迫感をちょっと和らげるシーンもありまして、久しぶりの時政父ちゃんですな。時房が見舞いにと進言するも、泰時が行くことになる。行ってみると、ずいぶんと老けて、しかしいかにもな好々爺で、余生を楽しんでる感じです。

 りくは時政を去って都に戻ったとのことですが、しかしサツキなる女性が世話を焼いてますね。時政曰く「昔からおなごには苦労しねえ」と。まあ、なぜか女性に好かれるんでしょうけど、その代わりに一時はりくの野望に振り回されもしたわけで。しかし、「力を持つってのはしんどいなあ」と言える状況になりますと、時政の力を利用しようとする者もいないわけで、だから今は平和なんでしょうな。

 しかし時政は畠山重忠を追い込んで死なせ、その責任を稲毛重成に擦り付けて処刑とか、散々なことをやってきました。こんな悠々自適の余生でいいのかという気もしますが、序盤を思い起こしてみると、殺した敵兵の水筒から美味そうに水を飲むのが坂東なんでした。しかし力を望まなければ安穏に生きることもできる、と、これは実朝に対する暗示のシーンなのかもしれません。

 次回「資格と死角」では、ドラマの流れから案の定で、公暁が次期将軍職を狙って来るみたいですね。本命の対抗馬は後鳥羽上皇の皇子らしい。後鳥羽上皇が鎌倉を取りに来た、くらいの動きでしょうか。ずっと義時に従うも同然だった三浦義村は公暁の乳父母ですから、後見の立場で覇を唱えるには最後のチャンスとなりそう。

 しかし義時は自らが事実上の覇者たらんとするに違いなく、三つ巴の争いとなりそうですな。それが承久の乱へとつながっていくのかな。先週までは思いれのできた人物が次々退場するなど、どの人物の視点でドラマを観ればいいか分からなくなりかけてましたが、こういう状況になると、誰とは言わず、全体を俯瞰して観ればいいのかしれません。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/11 (Fri) 19:30:31

 定期感想その3です。

●うる星奴ら(第5話:愛と闘魂のグローブ/君待てども…)

 前口上程度でちょっと触れるつもりで以下を書き始めたら、少々長くなりまして。80年代版アニメと原作の一部は見てるせいで、2022年版観て思い出すものがあれこれ出ます。昔の記憶のネタが尽きるまでは、感想書くつもりでいいのかもしれない。

「うる星やつら」は今週分では新キャラクターは本格登場しないものの、ラスト(Cパート?)で弁天登場で、次で活躍みたいですね。調べると弁天は80年代アニメでは第29話でようやく登場で、22年版と同じく「せつぶん大戦争」。原作での登場はもっと早いようで(第8話「いい日旅立ち」、あああの歌かと思い出すタイトル ^^;)、やっぱり原作準拠が強いかな。

 今週分の内容は自分的にはちょっと納得いかないものです。前半と後半がバランスしてない印象で、まず前半はボクシンググローブの呪いでひどい目に遭うあたるですね。ラムは終始、自分を庇って自ら殴られるあたるに「ジーン」と感動してます。

 これって「好き」という感情なのか疑問。「欲しい」けど「好きじゃない」みたいな、自分(ラム)のみの欲求で動いている感じです。しかし後半になると、あたるが騙されて恥をかきそうになると、ラムは(偽の)浮気相手に扮して庇うと。こちらは、ラムがあたるの心情で動いた感じ。

 そこが自分にはアンバランスというか、つながりを欠いているように思えます。前半ですと、自ら殴られ続けるあたるに(ラム以外の)周囲は次第に青ざめすらするのに、ラムだけは有頂天。ちょっとどうかなと感じるんですが、後半は逆にあたるを見放そうとして見捨てられないラムであるわけですね。

 自分の感覚としてはラムにちぐはぐな印象が生じます。が、これがツボの人もいるだろうなという確信もあります。例えばですけど、前半では我が事ばかりだったラムが、後半ではあたるの心情を憂うるまでに深まったと見ることができます。この後もラムとあたるの関係性が深まる流れを描写してくれると、もしかすると自分にも刺さるようになるかもです。

●仮面ライダー龍騎(第23話:変わる運命、第24話:王蛇の秘密)

 今週分前半(第23話)で手島が死亡しまして、仕切り直しで後半(第24話)かと思ったら、そうではなくきっちり2話1エピソードになってました。ある意味、前半で手島は納得しつつも道半ばで倒れたようでいながら、真司と蓮に託すものがあり、それが後半で現れて来る流れですね。

 ともかく本編。まず前半はガルドサンダーを遮二無二倒した手島の回想がポイント。親友の斉藤雄一の死がライダーとなる動機だったわけですね。ピアニスト志望の斉藤雄一は浅倉の起こした事件に巻き込まれて右手を負傷、以降はピアノを思うように弾けなくなる。手島が右手を怪我したときの表情はこれがあったからなのか。

 しかし斉藤雄一の不幸はそれで終わらず、今度は神崎士郎がライダーバトルの誘いをかけて来るわけですね。勝てばピアニストの手が戻って来るぞ、と。しかし斉藤雄一は他人を犠牲にして自分の夢をかなえることは峻拒し、契約すべきミラーモンスター:ガルドサンダーに食われて消滅。

 ただし、斉藤雄一に迷いがなかったかどうかが手島にも確信はない点が急所でして、ライダーにならなかったことを斉藤雄一は後悔していた、と神崎士郎が手島をけしかける隙になってしまう。これで強化しろ、とサバイブのカードを渡されるわけですが、手島は何とか踏ん張って、カードは蓮に託す。

 そして手島は居つきかけた花鶏を去ると。斉藤雄一の直接の仇のガルドサンダーを倒し、次は原因を作った浅倉か、と思ったら、手島は「挑発に乗るつもりはない」と宣言。ではどうするのかと思ったら、浅倉のさらにその先にいる神崎士郎に向かうつもりらしい。まずは情報が出てきた優衣の記憶にある家ですね。しかしそこに神崎士郎が現れまして、上述の「斉藤雄一は後悔していた」と揺さぶりをかけてくる。

 手島が厳しく言い返しますと、神崎士郎は姿を消し、浅倉に遭遇となるわけですね。これは神崎士郎の、手島をバトルに引き戻すための段取りということでいいのかしらん。そうだとするとちょっと強引な気がしないでもない。神崎士郎がなぜか焦ってる感じですね。

 しかし浅倉は神崎士郎だろうが誰だろうが、他人の思惑などお構いなし。とにかく戦え、さもなくば周囲に人間を手あたり次第、ってことですな。手島はやむなく応じますが、カードを見つめて一瞬の迷いを見せた感じです。なんだろうと思ったんですが、どうやら前のマッチ占いを思い出したみたいです。手島は自分が死ぬと言ったけれど、実は真司が死ぬと出た占いですな(この時点ではまだ明かされてませんが)。

 たぶん、あの占いを具体化すると「手島/ライアが浅倉/王蛇と戦うと、真司/龍騎が止めに来て、怒った王蛇に倒される」というものでしょう。それで迷いがある。この時点で取り得る最良の手段は「龍騎が駆けつける前に王蛇を倒す」なんでしょうけど、サバイブのカードは蓮に渡してしまい、戦力的にはライアは王蛇に対し劣勢。

 しかも、未だ神崎士郎の揺さぶり「斉藤雄一は後悔していた」で手島は依然として動揺している。ライアがさっさと王蛇を倒してしまえるはずもなく、ついに龍騎が救援に駆けつけてしまう。乱戦となりますが、やはり相手(浅倉/王蛇)を倒す気がない龍騎も劣勢で、ついに王蛇のファイナルベントがヒットしそうに。

 しかし、とっさにライア/手島が庇い、代わって攻撃を受けてしまうわけですな。真司/龍騎としては、手島の予言が成就してしまったと映る。そこへ(北岡/ゾルダと痛み分けした)蓮/ナイトが駆けつけましてバトルを交代、真司は手島をミラーの外へ助け出す。そこで手島が占いの真相を明かすわけですね。真司が死ぬ運命は変えた、と。

 そこへ優衣も駆けつけて来るわけですが、手島はずっとガラスに映る優衣を見てますな。優衣について何か分かったことがある感じですが、真司に語ろうとして黙した感じがあります。たぶん、真司と蓮に後は任せられると思ったんでしょうな。力は蓮に託したし、バトルを止めるためのジタバタぶりが本物なのは、親友の斉藤雄一に悔いがなかったことを確信させてくれるほどだから。

 ミラーワールドに残ったナイト/蓮はサバイブのカードを行使しまして、いざ対決というところでバトルは次回へ持ち越し。その後半冒頭で早々にバトルは決着しまして、サバイブ使ったナイト(ナイトサバイブ)に現状の王蛇は手も足も出ない感じ。2モンスター契約の優位性は早くも崩れましたか。手島が蓮に託した力は恐るべきものだったか。

 蓮/ナイトが真司/龍騎と手島/ライア救援に来る前に何してたかと言えば、北岡と揉めてたわけですね。浅倉に拉致されたゴロちゃんを救出に向かわない北岡に蓮は業を煮やし、北岡も煽ってライダー対決になってしまう。が、バテはしても怪我はしない程度の戦いですか。どちらも倒す気がないようですな。

 蓮はそのまま去るわけですが、入れ替わるようにゴロちゃんが帰って来る。ドアのベル音にすっ飛んでいく北岡の様子が、内心の本音を語っておりますな。やっぱり心配でしょうがなかったのか。しかし(手島の判断と同様)挑発に乗っては事態が悪化すると思い、ゴロちゃんの能力を信じて、動かず待ってたようですね。

 実際、ゴロちゃんは大したものでして、浅倉の隙を見て手錠を外し、まんまと逃げだしてる。もしかしてゴロちゃん、浅倉の行動を全てお見通しだったのかしらん。北岡が現れない限り、浅倉は自分(ゴロちゃん)を殺せず、かつ気分に流される浅倉は隙が多いから逃げ出すチャンスはある等々。

 しかも北岡を最も安心させる「夕食の材料を手に帰って来る」演出までやってるのはさすがです(^^;。前には子供の様子がおかしいことを察したりしてましたし、他人に興味なさそうな不愛想のようでしっかり周囲を見ているようですね。

 その辺りまでが手島の遺したものという印象です。そこからは次への仕込み、仕掛けが各人各様に出て来る感じ。

 1人になった浅倉を、OREジャーナルの桃井令子が発見し、接触して来まして後半へ。桃井令子に問われるままに浅倉が過去を語りまして、おおよそのことは分かる感じですね。家族全員を失い、飢えて泥まで食って生き延びてきた境遇ということですか。しかし、後で弟が存命と知らされて、ショックを受けているようですね。情報源は北岡ですが、弁護を担当しながら伝えてないのは浅倉のヤバさゆえかな?

 そこら辺も興味深いんですが、現在の浅倉の異様さのほうに強い印象が残りました。苦し気にのたうち回りつつ、鉄パイプで自分(浅倉)を打てと、とんでもないこと言い出す。言われた桃井令子も黙り込んでしまってます。浅倉が言うに、(ナイトとのバトルのダメージが残っていてすら)打つか打たれるかでないと落ち着かないとのこと。

 異様な言い分のようでいて、しかしリアルでも類似のものがないこともないかも。絶え間なく続く苦痛があると、それより強い一時的な苦痛・刺激があると、多少は紛れるんですね。ある種の麻酔といえましょうか。自分は浅倉が戦いを好む修羅道に堕ちたと見ていましたが、実は無間地獄の苦痛から逃れようと暴れているのかもしれない。

 これで現時点でのバトル上のメイン敵:浅倉が(和平路線については)どうしようもないことがほのめかされまして、それでは真司らはとなりますが、結束してくる感じがありますね。いったん真司は手島の死に(表面的には)冷たい態度の蓮に食って掛かるも、突如現れたミラーモンスター(ネガゼール、オメガゼール)に2人は共闘して対処、バトル後に真司は自分の責も思い出して和解。

 残るはいったん蓮と揉めた北岡/ゾルダですが、これも突如現れたミラーモンスター(ギガゼール)で解決の方向へ。ナイト/蓮と龍騎/真司が再び対処を開始するも苦戦、そこへゾルダ/北岡が救援に入るわけですね。待ってましたのいい流れなんですが、突如として「そうなっちゃうの!?」という予想外の流れに。

 バトル開始早々にライダー3名にタイムアップの兆候が出ちゃうわけですね。おかしいけど、とりあえずミラーワールドから出るしかない。そうすると神崎士郎が鏡内から「ライダーの戦いは中止する」と宣言。観ていて「まさかここで龍騎打ち切りですか?」と言いたいような流れで続く。

 優衣のほうも「これが手掛かり?」と思うような進展ありまして、写真から辿った生家ですね。前に出てきたアパートの一室(ジオウでも出てきましたな)と同じく、鏡やガラスに覆いがしてある。鏡についてはもう分かっているので、観ていて驚くほどの要素ではありませんが、それを逆手に取った演出が面白い。

 窓ガラスを覆う新聞紙で一枚の絵が隠してあるわけですね。子供が描いた水彩画のようで、海に浮かぶ船ですか。この絵に何らかの意味があるのか、あるとしたら「木を隠すなら森」の如く隠した理由は、それとも急いで鏡となるものを覆うために使われただけなのか。その種明かしは次回以降に期待。全50話で次から後半ですから、ここまでで高まった謎が徐々にでも解かれていくことを期待したいところです。

●牙狼-闇照編(第18話:闘 War)

 闇照直前にある牙狼タイアップの通販番組のご紹介、ありがとうございます。あの番組は確か、牙狼タイアップ前はエヴァンゲリオンのタイアップだったかと思います。もっとも、その頃は録画予約画面で気が付くだけで、見てはなかったんですけれども(最初、エヴァンゲリオン特番かと勘違いして録画したことがある)。

 今は起きていられるときは闇照はリアルタイム視聴もしてまして、少し前から待機しますんで、牙狼通販の終わりのほうはながら見することがありました。まあ「ザルバ高いよ」と不服言うくらいの印象だけですけど(^^;。こちらのご紹介で改めて最初から見てみましたが、やはり手作り少量生産ですから高いのは仕方ない。

 しかし知ってないと分からないマニアックでして、もし自分に印象強いエピソードと深く関係するグッズがあったら欲しくなるかも。まあ買わないとは思いますが、「グッズを見せてもらう番組」と思えば、少し長めの闇照待機で観ていてもいいのかも。たぶん闇照が終わったら、次のタイアップになるでしょうから、今のうちでもありますね。

 それはさておき今話の闇照編。「凄絶な負け戦」と伺って、その覚悟で観たんですが、ここまでとは思いませんでした。OPも曲が途中で止まり、映像も乱れまして、非常に不吉な予感がありました(最初、TVかアンテナがが不調なのかと思った)。

 自分的に一番ショックを受けたのが、黒幕の滔星が倒せない理由が明らかにされたこと。これでは手が出せない。勝ち切ることができないことが決定したも同然です。その後も戦いは続くんですけど、攻め込んでいながら防戦一方みたいな印象になってしまいました。

 坂本監督のアクション協力は次の第19話からとのことですが、横山誠監督の今話も凄かった。何が凄いって、もちろん遺跡舞台の魔戒チーム&魔導ホラー揃い踏みの総力戦ということもありますが、特に尊士ですね。前のモノレール決戦からの続きだと感じられる点に感じ入るものありです。

 モノレール決戦については、第17話(裏 Tousei)で滔星は黄金騎士入手狙いであり、そのために撤退指示も出したと明かされたわけですね。つまり、あのバトルの尊士は手加減していたと分かりました。それが相変わらず流牙捕獲狙いながらも、遠慮なしになるとどうなるかが今話で実感できた感じです。

 ともかく本編。冒頭、符礼法師は意識不明で、流牙らは滔星狙いで金城グループ本拠ビルに乗り込む決断をするわけですが、これが歯車の狂い始めだったとは。ザルバは止めたわけですが、まだ信用していないのか流牙は聞く耳なし。流牙らが出撃してから目を覚ました符礼法師、「今戦えば、負ける」と言い、怪我を押して追いかけたみたいですね。

 流牙らがビル前に到着するも、全く警戒されてない。いわゆる空城の計かと思ったんですが、そうでもないらしい。滔星は恐れる様子もなく、一人で待ち構えてまして、やけに芝居がかった態度で煽って来る。それもそのはずで、莉杏が調べても魔導ホラーではない。前に流牙が陰我ホラーではないことは確認済でして、となるといかなるホラーでもない。これでは魔戒の掟により、たとえホラーの黒幕・親玉だからとて、斬ることができないわけですね。

 そして滔星、流牙らを広大な遺跡へ案内する。昔、魔戒法師が暮らしていた場所とのことですが、あのビルの近くにどうしてこんな空間があるのか。と思ったんですが、バトル途中で明らかになりまして、通常空間とつながる異空間みたいなもので、出入り口は偽装されてるみたいですね(流牙が投擲した剣が境界を突き破って、ボルシティに飛び出してました)。

 それはともかく、流牙・猛竜・哀空吏・莉杏 vs 尊士・燕邦・リベラの決戦となる。敵黒幕:滔星の指示により、流牙と莉杏は生かして確保という、敵側にハンデがありますが、尊士が強すぎてハンデになってない感じです。ともかくも、莉杏は奥へ去る滔星を追い、残る3騎士は魔導ホラーとの対決。

 このバトルが生身と鎧・変身を活かした目まぐるしいもので、高低差も活かした見応えのあるものですね。しかし、敵のリベラと燕邦に対しては何とか戦えているものの、尊士は余裕ある戦いぶりでして、モノレール決戦時以上に手のつけようがない感じ。

 それでも魔戒チームは戦い続けるわけですが、どうもその流れが滔星の狙い通りだった感じです。まず滔星を追って遺跡内部に侵入した莉杏が、逆に易々と捕らえられちゃうわけですね。莉杏は女神像の歌の少女の部屋に入り込んだものの、そこがトラップだったらしい。しかも、いったん逃げ出して流牙に助けを求めることはできたものの、それも滔星の狙い通りだったらしい。

 莉杏を助けようと遺跡に近づいた流牙、尊士の放った武具で地面に張り付けられまして、そこを滔星が例のプラントで魔導ホラーにしようとする。これはかろうじて猛竜が阻止しますが、猛竜の腕にプラントが刺さり、やむを得ず切り落として処理するしかない。

 せめて莉杏だけは救おうと突入する流牙ですが、符礼法師も駆けつけてはくれたものの、燕邦とリベラと戦って目を負傷。そこで続くと。

 流牙側が得たのは、符礼法師が見たゼドムと関わる何かの情報のみ。失ったのは、猛竜の右手、流牙の剣と目、たぶん莉杏の身柄、そして黒幕(滔星)を倒す勝機そのもの。確かにこれは「ここからの逆転が想像できん」ですな。

 少し予習しますと、莉杏がいれば滔星はプラントを作り続けられるらしい。今話で最後のプラントを流牙に刺しそこなった滔星は相当に悔しがってましたが、たぶんまだ流牙を魔導ホラーにすることは諦めてはないんでしょうな。燕邦らが流牙に重傷を負わせて、しかし一歩引いて構えていたのは、そのせいなのかなと思います。

 この後、流牙がどうなったか分かりませんが、どう考えても勝ち目なしの感じ。ですが、次話タイトルが希望を感じる「光 Hope」でして、「なぜにそうなる?」みたいな気がします(^^;。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/12 (Sat) 09:01:43

 定例感想実写編。

★鎌倉殿

 トウが出て来たと思ったら、時房といっしょに潜入工作しただけとはもったいない。
 せっかくのアクション女優の使い方が、と不満材料ですな。

 もう、こうなったら、あと1回でもアクションの見せ場があることを願いつつ、彼女を応援したく思います。
 義時を守るために華麗に散るか、いっそのこと闇落ちした義時を裏切って引導を渡す役どころになるか。

 さて、実朝の船建造大作戦ですが、義時の策により、大失敗ですか。
 義時が自分の立場や権力を守るために、鎌倉殿の邪魔をするという、「悪い大臣とか宰相ムーブ」をかましていますな。
 かつては時政が暴走したのを息子の義時が諌める役どころだったのに、今度は義時の暴走を息子の泰時が諌める役になるとは、何たる歴史の因果か。

 ラストの「このままでは許さん」とは、主人公ではなく悪役のセリフだし。

 で、次回は京都で後鳥羽上皇と幕府の重臣が対面する回ですか。
 承久の乱の前振りみたいなものですな。
 今回、実朝の夢枕に立つという、後白河院伝授の技を披露した後鳥羽上皇。丹後局と言い、初期エピソードを懐かしく反芻する効果もありますな。

 初期キャラと言えば、ラストの北条時政パパの総仕上げシーン。
 権力の闇から解放されて、のどかに田舎暮らしで安らかに亡くなる形で、めでたしめでたしかな。

 実朝の死は11月の20日かと思いますが、そこから最終決戦の承久の乱へと加速するクライマックスを楽しみにしつつ。

★龍騎

 サバイブ登場ですな。
 フォームチェンジの少ない本作において、主役の龍騎とナイトのみ与えられたパワーアップ形態です。
 初披露は、夏の劇場版ですな。

 ディケイド以前は、平成ライダーは戦隊同様に冬スタートで、夏が中盤だったのですが、劇場版で主人公たちのパワーアップ形態の初お披露目というのが定番でした。
 アギトのシャイニングフォームとか、エクシードギルスとかが劇場で先に登場し、TVに出るのを期待させ、
 龍騎の場合は、王蛇の合体モンスターと、ライダーバトルの結末(優衣とミラーワールドの関係、神崎士郎の野心の末路)、そして神崎士郎の絶望に呼応するようにライダーバトルの制御ができなくなり、モンスターの大量発生で、それにサバイブ形態で立ち向かう龍騎とナイトの勇姿……で終わるという。

 劇場版では、バトルシーンで終わり、平和な日常への回帰には至らず、劇場とTVの関係はどうなるか、とやきもきさせながら見ていたら、TVの方は劇場以上に衝撃的なラストに至りましたからね。
 劇場版を見ながら、TVの展開と比較するのが面白かったと記憶。

 で、サバイブですが、地味なデザインのナイトが、豪華な金色をあしらった派手な出立ちでパワーアップ。
 最大の魅力は、契約モンスターがバイクに変形して、トドメの技が「バイクに乗って相手に突っ込む」こと。

 龍騎は仮面ライダーというタイトルなのに、バイクの使用がミラーワールドに突入するための道具でしかなく、バイクアクションが皆無だったわけですが、
 モンスターが変形するバイクという形で、アクションシーンを強化します。

★牙狼闇照

 哀空吏の武器が折られ、猛竜が右腕切断、流牙が失明という敗北展開。

 次回は絶望の中からも諦めずにあがき戦い続ける流牙の姿が描かれるわけですが、
 このあがき方が自分を感じ入らせてくれました。

 失明したまま音だけを頼りに、牙狼剣を求めて街中を駆け回る流牙の痛々しい姿が他にない壮絶生身アクション、と。
 バトルではなく、闇から光を求めて駆け回るだけのアクションに感じ入ったわけですな。

 ここから2話を費やす魔戒騎士の復活劇を期待したく。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/14 (Mon) 00:43:38

 定期感想その1です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第18話:燃えよフー・ファイターズ)

 前話ラストでは、FFの頭部がスパっと切り裂かれまして、「これじゃ死んじゃっただろう」と思うものでしたが、今話冒頭ではしれっと生存。よく考えたら、FFの本体は小さいプランクトンの群体で、それが死亡したエートロの体を操ってるんでした。

 しかし体内の水分が枯渇しかかっている今、ヤバいのは切り裂かれた頭部から水が漏れることだったみたいですね。うーん、今回は河童の危機みたいなもんだったのか。FFはこぼれなくてよかったと独白してますが、徐倫はこぼれるだけの水がもうないと危機感を募らせてますね。

 そこからはまたもシーソーゲームの攻防ですが、階下の処刑室に落ちてからの戦いはFFが電気椅子に異様に惹き付けられてまして、もはやピタッゴラスイッチの雰囲気ではないですね。「世にも奇妙な物語」などでよくある不条理系ドラマで、どうあがいても状況が悪くなるバッドエンドの話みたいな感じがします。

 しかしともかくは階上での前話のバトルの続き。冒頭でFFの水の枯渇が示されまして、、ならば水を得られるか否かが争点となる。水を得てどうするかはFFの独白で早々と示されまして、水で鏡を作り、ケンゾーが頼るドラゴンズドリームの方向を錯覚させるわけですか。

 ともかくも、徐倫が看守らから虐待を受けた放水ホースが、今度はFFの起死回生のチャンスとなるわけですね。放水って暴徒鎮圧に使われたりするわけで、徐倫への放水も「凶悪犯収容の特別房だからなあ」と思ったんですが、後のための仕込みの描写でもあったのか。ともかくも、FFはわざとドラゴンズ・ドリームに両腕を奪わせ、ホースに潜り込んで水を狙う。

 単純には「そんな狭いところに入り込めるのか?」と疑問を抱きそうですが、前話でFFが柵の狭い隙を通り抜ける描写があり(ケンゾーが「人間か?」と驚いてた)、そのため今話のホースへの突入も不自然な感じがありません。ホースがあることといい、それに潜り込むことといい、事前に伏線作ってあるのはさすがジョジョシリーズ。

 が、この水争奪は間一髪でケンゾーの勝ちでして、FFが放水ホースを外して水を噴出はさせたものの、ケンゾーが階下に蹴落とし、FFは水を得られず。階下に落ちてもFFは依然として放水栓の水を狙おうとするわけですが、これが観ているこちらへのミスディレクションになってましたな。当のFFが「上の水」に意識が行ってるんだから、観ているこちらもそっちへ注意が行っちゃう。

 しかし上述しましたが、FFが電気椅子が捕われる様子が異様でして、しかもFFが壊したホースの部品が時限スイッチまでオンにするという念の入れよう(^^;。FFがじたばたするほどに状況は悪化するし、ケンゾーも追いついて来るし。ついに完全な形で処刑執行に至り、FFの完敗か。

 と思ったら、逆転の仕込みがもうあったわけですね。FFが根性で通電に耐えてケンゾーを掴み、死なばもろともの相討ち戦術に出る。しかし、なんでそんな凶の位置にケンゾーが入ったかと言えば、鏡に映ったドリームを本物と勘違いして間違えたから。しかし水はどうしたんだと思ったら、走り回ったせいでかいたケンゾーの汗でしたか。

 これも唐突に出てきた逆転策ではないようで、伏線的な描写はありましたね。上の階でケンゾーが勝利を確信して感涙してました。涙も水ですし、汗も水。ケンゾーの感涙の時点で、勝負を決めるのが「ケンゾー由来の水」というヒントは見せてもらっていたようです。

 しかし、まだシーソーゲームが終わってなかったようで、徐倫が焦って階下に落ちるように駆けつける。ドラゴンズ・ドリームが健在でして、ならばケンゾーも健在というわけか。徐倫はストーンフリーの糸で攻撃を仕掛けますが、今度はドリームの鏡像はなく、ケンゾーは絶対安全圏にいる。

 しかし、だからこそその位置にあるさっきの水鏡が落ちた水溜まりも安全圏にあり、その中にいるFF本体も無事というわけですか。これでFF本体を人間ボディに戻し、FFも生還と。しかしFFを救出できただけで、ケンゾーを止める術がなさそう。FF救出に必死の徐倫は無防備でケンゾーの蹴りをモロに受けてしまう。

 ですけど、それが今話最大のトラップだったとは。ようやくアナスイの出番でして、スタンド:ダイバー・ダウンを徐倫に潜ませておいて、ケンゾーの蹴りが届いた瞬間に反撃したわけでしたか。なるほど潜り込めるスタンドだから「ダイバー」なのか。そういや、特別房に向かう時点で壁から突き出た手足みたいのを使ってアナスイがよじ登ってたりしましたが、あれはこのスタンドだったか。

 このスタンド:ダイバー・ダウンの能力は、アナスイが好みそうな分解・組み立てみたいですね。ケンゾーの脚をバネみたいに組み替えまして、ジャンプが止まらなくする。どうやら筋肉の動きも止められないようにしてあるらしく、ケンゾーはどうやってもジャンプが止められないようです。最後はバケツに飛び込んで再起不能リタイアか。

 前話でピタゴラスイッチのようなバトルで始まり、今話はいったん呪いかと思うほどになったと思ったら、最後は全てをきれいにまとめてFFらの勝利。ちゃんとピタゴラスイッチの旗が上がったかのような見事さでした。しかしケンゾーの最後はやっぱりエグイですけど(^^;。

 決着まで見届けてみると、ドラゴンズ・ドリームが自称した「中立」というのは、あながち嘘でもなかったようです。自分はケンゾーとドリームが示し合わせての劇場型詐欺みたいなものかと思ったんですが、ドリームが言う通り、(風水に通じた)ケンゾーが最もうまくドリームのアドバイスを使いこなせるだけで、ドリーム自身は割と公平にどちらにも正しい助言はしていたみたい。

 しかし、まだローマ風ヘルメットの男はいるし、サバイバーの使い手もどこかに潜んでるはず。徐倫がFF救出後に痛みを感じ始めていたところをみると、サバイバーは解除されたかな? となると、直前で骨を持って行った男がサバイバーの使い手だったのかしらん。次回タイトル「「緑色」の誕生」からしますと、いよいよDioの骨から何か生まれそうですが、徐倫らへの追っ手も何か仕掛けてくるはず。承太郎父ちゃんの復活だけでも、まだ遠そう。

●風都探偵(第7話:閉ざされたk / 名コンビ遭難)

 コミック無料公開分で予習できた最後のエピソードまで来ました。こちらで伺った通り、アニメ版では「cは何処に」編は飛ばされてるわけですね。今話序盤の事務所の会話で、竜が美原睦夫/メガネウラの死を亜樹子らに伝えてますから「最悪のm」の直後に、この「閉ざされたk」があるということになりますね。ミックさんの活躍は2期に入れてくれるかなあ。あのエピソードなら前後はあまり気にしなくてよさそう。

 それはともかく、コミックの描写の詳細は忘れつつあるものの、アニメ版で観なおして、いろいろヒント、伏線があるのに気が付きます。事務所での伏線では、亜樹子がときめのために書いてる解説ノートです。後でときめがアクセル/竜がバイクに変形することに驚くわけですが、今話では解説ノートの「※注 ウチの旦那はバイクになります」にときめが内心ツッコミ入れるわけですね。

 そこはコミック版と同じ描写であるはずなんですが、アニメ版だとしっかり読み上げるわけですんで印象に残りそうです。そうなれば、ときめが後でバイク変形に驚いて解説ノートを思い出すシーンもすんなり「なるほど」と思えそう。と思ったんですが、こういう風にアニメ版で気が付く自分が、コミックの読み方を忘れてるんだなと自覚するようになりました。

 動きがなく、たいていはモノクロであるコミックの描写が何を表しているか、意味しているかに鈍感になっちゃってるようです。例えばキノコ狩りで遭難しかけた翔太郎とフィリップが豪邸に案内され、例の仮装お見合い勝負(?)に出くわしたシーン。翔太郎はほぼ正確に状況を見抜き、証拠はパーティなら無関係そうな鏡野キク(実はアルコール・ドーパント)が最も上席にいると指摘する。

 そのシーンではキクにズームインする動きが加えられてまして、翔太郎の指摘以上の何かがあるかも、みたいな雰囲気出してます。が、たぶん原作コミックでもその辺りは匂わせているはずで。キクを描いたコマだけでなく、その前後に何かあったかもしれません。そうでないなら、そのシーンで強調したのがキク以外だったかも。

 アニメ版がカラーであることで、ようやく気が付いたものがあったのが、久保倉環奈が再び仮面を外し、翔太郎に名前まで名乗って、「このままだと、私きっと」と助けを求めるシーンです。コミックのモノクロでは意識できなかったのが、顔の赤みですね。アルコールや何か異変を感じた興奮などが考えられます。

 顔の赤みに加えて、急に泣きついて来たと思ったら、すぐに元の態度に戻ったことを踏まえると、アルコールの影響を考えてもよさそうとなります。ずっと後の謎解きパートで明かされたのが、このときの久保倉環奈はアルコールメモリを使用した直後(で、しかし記憶が飛んでる)ということでした。さらに直後にアルコールドーパントが出現しているわけですね。

 しかしそのシーンの時点では、直前仮面お見合いで皆が飲酒している描写があるんで、仮にアルコールで顔が赤らんでると思っても、ドーパントになったとまでは思いつきにくい。しかし謎解きされると筋が通っている。必要な情報もちゃんと見せてくれている。実に上手いと思います。顔の赤みについては、財前暦の死亡時のアップでもはっきり描写してますね。

 その辺り、原作コミックでも同等の情報提示してないはずがありません。そこを読み取れなかった自分は、やっぱりコミックの読解力下がってるなあと。

 それはともかく本編ですが、翔太郎がフィリップのキノコ狩りにつきあって遭難しかけるドタバタから、ホラー的な雰囲気で豪邸にいざなわれ、不条理かと思う宴になったと思ったら、ドーパントによる殺人事件と盛沢山な導入部。しかし盛沢山だけあって、情報は多いけれど、ドラマとしての動きは次からという感じですね。

 外界から当面は切り離された状況で、1名死亡し、アルコールドーパント1体の存在が確認され、残る面子の紹介がされると。そこに金森大介を名乗る万灯雪侍が紛れ込んでるのが緊張感を高めますね。観ているこちらは知ってるんだけど、翔太郎らはまだ正体を知らないという、観ていてヤキモキする状況です。

 変身バトル的には、今話のWはアルコール・ドーパントの異様さの引き立て役という印象でした。痛みに鈍感なため、攻撃してもひるまないという手のつけようのなさですね。これでアルコールドーパントに脅威性が感じられまして、アクセル/竜が加勢してのバトルに期待が高まりますが、次の次かな?

 今話でフィリップが興味を示した「カバイロツルタケ」、調べてみると実在するキノコでした。加熱すれば無毒で美味しくなるというのも本当らしい。毒性のある「タマゴテングタケモドキ」と見間違いやすいそうなんですが、「閉ざされたk」編でフィリップ採集のキノコはこの後、どうしたんだったか思い出せません。最近のフィクションは、口にするものの毒性とかにうるさいですから、何か描写入れて来るかな?

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/15 (Tue) 00:18:13

 アニメ感想。

★風都探偵

 3話1エピソードの1話めは舞台設定と登場人物紹介になりますが、今回は翔太郎とフィリップのコンビ以外は、事件に大きく絡まずにドラマが展開しますね。

 ただし、次の回で彼らがリボルギャリーに乗って応援に駆けつけるわけですが、この大型メカ発進シークエンスが非常に格好良くて自分のツボを突いたわけですな。
 その意味でも、次回が楽しみだ。

 そして起承転結の転に当たる回で、万灯雪侍率いるハイドープの勢力がいよいよ翔太郎たちの前に登場し、今期のクライマックスに至るドラマでもありますし、
 雪に閉ざされた洋館で勃発する連続殺人事件という構図が、探偵ミステリーしていて雰囲気が良いわけですな。
 Wの場合は、都会が舞台のハードボイルド探偵なのが基本で、捜査は頭よりも足で稼げのスタイル。つまり、緻密に手掛かりを集めてどうこうよりは、人情劇の方向性。

 だけど、このエピソードは推理が楽しめる、Wの中では異色回でありながら、意外な真相が面白く感じられたわけで。

 Wの舞台劇は、第1エピソードが原作みたいですが(ただし、原作そのものだと照井竜の出番が少ないので、その辺りは改変してそうだけど)、1本の独立した物語で舞台映えしそうなのは、密室劇的なこの話だと思う。

 ともあれ、連続殺人事件にしては、被害者が2人で済む分、凄惨さはないですが、次回はいろいろ盛りだくさんな展開なので、楽しみにしつつ。
 目玉はアクセルのバイク変形かな、と。

★ジョジョSO

 FFメインの戦いと思いきや、切り札だったのはアナスイのダイバー・ダウンですな。

 相手の体内や物体にスタンド自身やそのパワーを潜ませる能力と、相手の肉体を改造する能力で、かなり応用力が高いトリッキーなトラッパーだと。

 というか、FFもそうですが、今作は「体内に潜行する隠れトラップスタンド」が多いですな。
 徐倫の糸もそうですし、エルメェスのキッスもこっそり貼りつける技だし、第3部における花京院のハイエロファント・グリーンみたいな伏兵能力が多いなあ、と。

 逆に、脱出不能の刑務所という舞台だから、壁を砕くようなパワー系がいないというか。
 アナスイの能力は、壁を分解したりはできないのか、とか気にはなりますが(分解と再構築できるのは生物のみ?)、とりあえず、次回は緑色で植物化という驚異の能力を発揮する伏兵スタンド登場で、本作特有の肉体変容グロ描写がますます加速するような感じ。

★うる星

 先週の放送は、新キャラは出ないものの、さくらさんが保健室の担当としてレギュラー入り、と。
 そしてCM前のアイキャッチが、新キャラの登場とともに、にぎやかになっている感じですな。

 大きな流れとしては、「女は殴らないという、あたるの漢気」と、「ラブレターに対する、あたるの意外な純情と一途さ」の表明。
 一方、ラムの方は割と身勝手な宇宙人的アプローチから、地球のカップルのあり方をモデルケースにしながらのドキドキ感とか、ただの押しつけがましいアプローチが一転して、微妙なしおらしさをチラリと見せることで風向きが変わり始めた感。

 でも、次回、ラムの友人の弁天さんや、お雪ちゃんが出て来ることで、キャラヴァリエーションが増えることに。
 80年代ヤンキー娘の弁天と、清楚そうに見えて策士風な雪女とか宇宙人美女のオンパレード回になるか。
 ちなみに自分の一推しは、お雪ちゃんなので、次回は相当期待してます。

 あと、さくらさんは自分がフィクションで知った初めての和風巫女キャラとなりますな。
 後の犬夜叉の桔梗の原典になるのかな。

 そして、昔は僧侶のチェリーと、巫女のさくらの関係を普通に受け入れていましたが、後から冷静に考えると、仏門と神道って違う宗派じゃないか、とか、
 SFと妖怪オカルトのごった煮感覚が、良い意味での節操のなさというか多様性を絵にしたような作品だな、と。

★龍騎とギーツ

 冬の劇場版(リバイス&ギーツのコラボ映画)に、龍騎も参戦することが発表されて、一躍、龍騎がタイムリーな存在に。

 さらに、王蛇が出ることで、リバイの妹のジャンヌとコブラ対決とか、ナイトとライブ(エビル)のコウモリ対決とかあったりするのかな。

 そんなわけで、龍騎が単に過去のライダーから、現役に絡むタイムリーな話題として持ち上げられるって話でした。

 YouTube配信では、ラスボスのオーディンが出て来るタイミングですな。時間を巻き戻すタイムベントが脅威だったり。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/15 (Tue) 00:48:43

 定期感想その2です。

 以下をちまちま書いてましたら、NOVAさんのご投稿に気が付きました。いろいろ反応できてないですが、ご容赦をお願いできれば幸いです。

●仮面ライダーギーツ(第10話:謀略Ⅰ:新世界のビート)

 邂逅編はギーツ世界の紹介だったとして、この「謀略」編は仕切り直しでドラマスタートと期待してますが、今話はその準備といったところでしょうか。

 前編で退場の面子も少し描かれまして、多少気になる点がありました。タイクーンだった桜井景和ですと、性格や好みに変化が見られるようです。景和はボランティアに熱心だったはずが、もう興味を示さなくなってる。宝くじで一山当てることを望んでいて、以前の真面目に頑張る点も消えた感じ。食の好みも庶民的なタヌキ蕎麦から寿司へ。姉の沙羅がいぶかしんでいるところを見ますと、GDP脱落の景和だけが変化したらしい。

 鞍馬祢音も変化が見られまして、前編では母親:伊瑠美の過保護・支配に反発し、ついには精神的に自立した感じがあったんですが、今編では母親に従順になってます。今話になっていきなり登場した父親は、どうやらGDP側の人間のようで、祢音をナーゴとして再スカウトする役割を負っていた感じ。この父親、今までどうしていたか不明でして、もしかして世界リセット時に祢音の家族として、GDP運営により設定されたのかな?

 自分はちょっと設定を勘違いしてまして、GDPごとに優勝者の望みが叶えられ、次のGDPでリセットされるんだと思い込んでました。今話で示された英寿の望みリストを見ますと、一度叶った願いはずっと有効らしい。

 今話で示された英寿の願いは以下の通りですね。

1. 「僕が死ぬまでデザイアグランプリに参加できる世界」
2. 「俺が働かなくても暮らせる世界」
3. 「スターになっている世界」
4. 「デザイアグランプリの運営者と家族になっている世界」

 おそらく1が英寿のGDP初参戦のものでしょうか(となると、前に英寿が言っていた千年前云々は嘘)。2はGDPに専念するためかな。3は人脈作りでしょうか。そういう準備をしておいて、4でGDP運営に接近してきたと見ることができそうです。

 となりますと、英寿は何らかの意図をもってGDPを調べるか、介入するつもりであるようです。以前の英寿の独白から、母親失踪は真実であるようですので、動機はそれでしょうか。

 GDP運営も優勝者の願いは叶えるという約束は反故にできないものの、英寿の狙いを察したのか、排除に動いていたようですね。前編で変則的に参加したパンクジャックは、正体を現して再参戦でして、晴家ウィンと名乗るパンクロッカー。ですが、ギムリ/ゲームマスターから、英寿を脱落させるよう指示を受けているわけですね。

「全てのライダーをぶっ潰す力」が願いの道長を再スカウトしたのも、英寿を「ぶっ潰す」ためなのかも。少なくともライダー経験者ではありますんで、初参加の2名(丹波一徹/ケイロウ、八木沼雪絵/レター)より有望ということではあるんでしょう。

 その点は祢音も同様かな。初参加のうち、「ダイエットして推しと結婚」と願いが小さい八木沼雪絵は早々に腰が引けてジャマトに敗退して消滅しちゃってます(その条件、知らんかったのだろうか。そういや景和も知らんかったんでしたな)。それと対比される祢音の「本当の愛が欲しい」という願いは強いものであるという暗示なのかも。

 ギロリ/ゲームマスターの言動を見てますと、敵集団ジャマトはどうやら制御してないようではありますね。その一方、家族設定(父親)になったとはいえ、排除対象と認定した英寿に対してはゲームマスターであることは隠している。

 仮面ライダーセイバーですと、敵集団メギドに対し、ライダーを統括しているはずのソードオブロゴスの長マスターロゴスのイザクが第2のラスボスでした。このギーツでもGDPってややこしいのかもしれない。

 ともあれ次回「謀略Ⅱ:ジャマトの迷宮」でドラマスタートを期待したいところですが、予告を見る限りは従前通りのゲーム進行みたいですね。

●鎌倉殿の13人(第43話:資格と死角)

 各人物のドラマはあまりなくて、現在の各人の思惑を描いて、次の動乱の下敷きを見せてもらった感じです。思惑の直接的な焦点は「次の鎌倉殿」ですね。それを狙う各人物に算多き者と少なき者が別れていく感じ。算少なき者には2種類あって、力を持つことにって慢心した者と、力を得たい欲で目がくらんでいる者に分かれているようです。

 力を持つことで目がくらんだ筆頭は実朝でしょうか。次期鎌倉殿を欲しておかしくない公暁を目の前にしても、その野心に気付かず、還俗などあり得ないと考えて、「都より次期鎌倉殿を迎える」旨、言い放ってしまう。さらに、公暁は八幡別当として補佐せよ、とも。公暁の目の前で、公暁の最大の望みをいとも簡単に断ち切ってしまいました。それも公暁の気持ちには全く気が付きもせずに。

 実朝に同調する勢力は2派ありまして、1つは「西から来た奴ら」≒後鳥羽上皇方ですね。筆頭は源仲章でして、次期鎌倉殿に親王がなりそうとなるや、もはや勝ったとばかり、義時に対して鎌倉乗っ取りの本心を隠さなくなる。以前なら、例えば毒殺事件では自分(仲章)の関与を隠し、和田一族に乱をそそのかしたときも偽名を使う慎重さがありました。もっとも、それでものえに接近してみるなど、工作に念を入れてはいますね。

 この源仲章の動きは後鳥羽上皇も大要は把握していそうです。上皇自身も鎌倉方取り込みを図ってまして、尼御台:政子が次期鎌倉殿継承者の打診にやって来ると、お供してきた時房に接近を試みてますね。時房が蹴鞠の名手と聞いて、都寄りの人物と思ったんでしょう。時房の目の前で、鎌倉に親王を将軍として下向させると明言しました。交渉に来た尼御台や鎌倉の義時より先に伝えたことになります。「お前(時房)を重んじてやるぞ」の暗示となります。

 その時房は、上皇が最も警戒する義時の弟であるわけですね。後白河法皇路線である「主たる敵の対抗馬を作る」に倣い、時房を強めて義時を制する算段なのかも。しかし後鳥羽上皇は鎌倉方を「東夷」と侮っているせいか、諜報が弱い。調べていれば、時房が寝返りそうにないことが分かったはずです。それを思い知るのは、おそらく承久の乱勃発で、時房が都へ攻め上ってきたときでしょうか。

 実朝路線に乗りつつも、算多いのが尼御台:政子ですね。これには能臣:大江広元の功も多とすべきでしょう。政子は都に赴いて、上皇の乳母:藤原兼子と交渉するわけですが、下調べの多寡で会う前から勝負あった感じ。上皇や兼子の側近:慈円と大江広元の力量差も露わになった気がします。

 政子は兼子らの「まず鼻をへし折る」態度はとっくに分かっていた模様。思い返しますと、大姫の入内で上京して、丹後局に散々な扱いを受けてたんでした。予想して当然だったかも。ですんで、まず献上品として干し蛸を差し出すという意表をつく手に出る。頼朝は以前、後白河法皇に贅沢な献上品で接近を図りましたが、真逆の手法ですね。「貧しい田舎者でございます」とへりくだってみせたんでしょう。

 さらに「地の果ての坂東から」とも政子は言いまして、鼻が低くて折れないことを示す。そうしておいて、兼子の急所を突いてくるわけですな。帝の弟の頼仁親王は、帝の寵姫が解任したことで、もう帝位継承の芽はない。しかし頼仁親王は兼子が「手塩にかけて育てられたお方」、つまり兼子の勢力基盤たりえる人物ということですね。

 しかし帝位はもうない。それなら頼仁親王が鎌倉殿に就任すれば、兼子は坂東の武家を後ろ盾にできますよ、と政子は匂わすわけですね。権力欲で目がくらんだ兼子はどうやら乗ってしまったらしい。情報と判断力において、勝負あったといえそうです。

 実朝路線が主流派にのし上がった感じで優勢ですが、反主流派も諦めない。義時の動きは鈍いですが、今話では三浦義村は大きく動きましたな。最初は公暁が次期鎌倉殿に決まりと思い込んでいたようですが、実朝の意向(都より迎える)を聞いて愕然となる。まさか実現すまいと思って言ってみた「親王なら」も現実のものとなってしまう。

 ついに義村は公暁をそそのかす手に出るわけですね。義村は公暁が父:頼家の死の真相を知らないことは把握していたと思うんですが、ちょっと芝居がかって公暁が頼家暗殺を知らないことに驚いてみせる。そうしておいて簡単に事実を知らせるわけですね。自ら(公暁)はもとより、父:頼家の扱いが軽い(あるいは忌避される)ことを不満に思っていた公暁が爆発しないわけがない、と義村は踏んでるんじゃなかろうか。

 実際、史実では公暁は実朝暗殺の暴走に至るわけで。それは今話ラストで触れられてもいました。前に歩き巫女が実朝に警告した「雪の日」ですね。

 その一方、義村と同じく、実朝路線を阻みたいはずの義時の狙いは測りにくい感じです。義村は公暁を鎌倉殿に据えて、三浦の勢力拡大を図りたいのははっきりしてます。しかし義時が欲しいものが分かりにくい。

 少なくとも、義時にとって公暁が次期鎌倉殿というのもマズい事態なんじゃなかろうか。実朝は当初、気が弱くて決断力に欠けてました。時政の乱でもかろうじて踏みとどまったに過ぎません。宋に渡る船の建造でも、途中でくじけかけるわ、進水に失敗するとたちまち失意に陥るわ。傀儡として操りやすい君主と言えます。

 しかし政子のバックアップで活発に動き出した。が、子がいないし、引退をほのめかしている。いったん鎌倉殿継承を外された公暁ですが、実朝に比べて英傑の風があります(そこがおそらく三浦義村が期待するゆえん)。ようやく坂東武者のテッペンに昇りつめつつある義時としては、次が公暁でもマズいと思ってるじゃなかろうか。実朝以上の独裁君主では北条は押さえつけられますから。

 しかし、じゃあ義時はどうするんだ、というのが見えない。義時が泰時に期待するのは、義時が「なろうとしてなれなかった者」とのことですが、義時は何になろうとしていたのか。もしかしたら、治世の名君なんでしょうかね。しかし義時は乱世の姦雄になってしまい、一時は父:時政に引導まで渡しかけ、名君の人望はもう得難い。それなら、と汚れ仕事は全て引き受けて、いいところは泰時に手渡すつもりなのかも。

 泰時が事実上の鎌倉支配者となるには、鎌倉殿/将軍はお飾りの傀儡でいて欲しい。そういう狙いで、とりあえずは都からの親王下向を受け入れるつもりなんだろうか。しかし、それでは「西から来た奴ら」に鎌倉が乗っ取られますんで、何か手を打つんでしょう。下手すると、実朝を公暁もろとも葬り、それで実朝を通じて鎌倉を支配したい後鳥羽上皇の野望を砕くつもりかしらん。

 次回「審判の日」ではいよいよ公暁による実朝暗殺となるようですね。史実によりますと、それ以降の後鳥羽上皇との折衝(親王を次期鎌倉殿に)が不調になるらしい。それが承久の乱の火種になる、という理解でいいのかな。このドラマでそこをどう解釈してくるか、あと1か月半で決着するはずですね。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/15 (Tue) 09:32:07

業務連絡(管理人K.K)

詳細は省略しますが、あるご投稿に関する投稿者ご本人からのご依頼は、理由等が適切であることを管理人が確認の上、適切に処理いたしました。

本件についての、重ねてのご言及は必要ありません。

なお本連絡は一定の期間経過後、削除いたします。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/16 (Wed) 23:54:31

 定期感想その3です。

●仮面ライダー龍騎(第25話:合体する王蛇、第26話:ゾルダの攻撃)

 今週分は、全体の状況を操る神崎士郎の正体に迫る流れと、ライダーバトルを止められるか否かで真司が浅倉と北岡にぶつかっていく流れの2つが印象的でした。ただし、神崎士郎の行動・言動がどうも分からない方向へ行っているため、全体的には混迷を深める感じかな。

 先週分ラストで神崎士郎はライダーバトルを停止すると言い出しまして、実際、カードが黒くなって使用不能になってしまうわけですな。神崎士郎が再開条件として真司と蓮に言ったのは、優衣を見つけよということ。神崎士郎にも優衣の所在が不明ということかしらん。

 カードを黒くした影響が、ライダーに変身できない以外にあるのかないのかハッキリしない感じです。前半ではいったん北岡が倒れまして、前に神崎士郎が警告した通り(病死まで時間がない)というだけかもしれません。が、もしかしてライダーに変身する能力は病状の悪化を一時的に止めているかもと思ったりします。ライダーが病欠しちゃったら、神崎士郎には都合が悪いでしょうから。

 もっとも、北岡が具合を悪くするシーンは、ゴロちゃんがなぜ北岡に尽くすのかを(視聴者向けに)説明してもらうためでもありますな。事件に巻き込まれたゴロちゃんを弁護士として助けるべく奔走していて病院に行けず、病状が進んで手遅れいなっちゃったわけですか。それなら感謝と申し訳なさが生じて当然ですが、己を虚しくしてまで仕えるが如きであるのは、ゴロちゃんの善き性分を物語っている気がします。

 それはともかく、神崎士郎を追う流れ。最初は真司と蓮ですね。優衣の記憶にある家にたどり着きまして、優衣が気づいた隠された絵を蓮が見つける。裏には「神崎ゆい」と署名ありまして、優衣の子供の頃のもので間違いない。この場所を大洗と踏んだ蓮はご明察でして、行ってみると海岸に優衣がいるわけですね。

 絵を最初に見つけた優衣が海岸で見たのは、神崎士郎と子供の頃の幸せな記憶。最後の家族旅行で一家4人、仲良く遊んでいたこともあると(その後に火事?)。優衣がその記憶を神崎士郎に問うと、士郎も覚えていると肯定する。

 が、どうやらここは優衣が引っ掛け問題出した可能性ありますね。後半で、優衣は蓮にきっぱり「お兄ちゃんは嘘をついている」と断言してます。ただし善意の嘘ではあると。もしかすると、優衣の記憶には捏造があると優衣が勘づいているのかも。

 OREジャーナルの桃井令子も神崎士郎に迫りつつありますね。ただし浅倉を追ううちに偶然たどり着くわけですが。浅倉がどうして脱走できたか、拘置所内の監視カメラを調べていて、鏡に映る不審な人影に気が付くわけですな。桃井令子には見覚えがないですが、観ているこちらには神崎士郎と分かります。桃井令子は今週で浅倉に懲りた風がありますが、次週から神崎士郎に知らずに迫っていくんだろうか。

 ライダーバトルを巡るメタ的な争い(ライダーバトル、是か非か)のほうは、前半は真司が桃井令子に引っ張られる格好で、まず浅倉に向かっていくわけですね。浅倉は弟(浅倉/三原暁)の存命を知ると、火事から弟を助けようとした、自分(浅倉)は変われるかもしれない等々言いまして、桃井令子に面会の段取りをしてもらう。

 これに真司や蓮も同行するわけですが、弟に会った浅倉は憎悪を見せまして、契約モンスター(ベノスネーカー)に食わせてしまう。その時点でも神崎士郎のライダーバトル停止は有効だったと思うんですが、契約モンスターを使役することができるみたいですね。しかし直後に各人に変身能力が戻りましてバトルに突入。

 北岡も参戦ですが、戦闘開始時点では既に蓮のナイトサバイブが浅倉の王蛇を圧倒した実績があり、さらに3対1では勝負は見えている感じ。それでも戦いたがる浅倉は弟殺害もあって、いよいよバーサーカーですな。しかしそこへ浅倉/王蛇を狙ってきたらしい、故手塚/ライアの契約モンスター:エビルダイバーが王蛇/浅倉に取り込まれると。契約カードがまだあったわけで、浅倉が神崎士郎から相当に期待/優遇されていることが分かります。しかも王蛇/浅倉の契約モンスター3体が合体までするわけですか(名前はジェノサイダーとのことで「絶滅させる者」とは物騒な ^^;)。

 バトルは後半(第26話)に渡りますが痛み分けだったみたいですね。北岡の負傷を考えると、浅倉/王蛇優勢勝ちとすべきかも。直情径行のようでいて、弟殺害のためなら知恵が働きもする浅倉を、蓮は「人間じゃない、モンスターだ」と判断したようです。北岡は既に浅倉弁護の経験でどうにもならないと判断している。

 その浅倉が王蛇+契約モンスター3体という規格外の力まで持っちゃったわけですな。蓮や北岡は、浅倉を倒すしかないと思ってるでしょう。しかし、何となくですが真司は諦めてない感じ。行動を起こすわけですが、今度は北岡に向かうらしい。蓮は浅倉以上の難敵と笑ってますが、確かにそうだったかも。真司の北岡に対するアプローチが、以前に浅倉が芝浦淳/ガイを利用し、最後は盾にしちゃったことと対比されてる感じがするんです。

 そして最初は北岡は浅倉より露骨。北岡は真司の話を聞いてやる風を装って、こき使っちゃうわけですね。北岡に裁判相手らしい一団が絡んで来ると、「コイツを殴ってくれ」とばかりに真司を盾にしちゃう。

 北岡に絡んできた一団のリーダーは、ディケイドでの自称:迷惑な奴のアポロガイストの人ですね。龍騎でも迷惑な人だったか(^^;。このリーダーは設定では訴訟相手の弁護士:大滝となってますね。そうと分かると、北岡が相変わらずヤバい裁判に首突っ込んでることが分かります。

 それはともかく、真司は北岡に利用されても怒るでもなく、殴った当の相手の大滝がミラーモンスター(アビスハンマー)から守るべく戦いもする。しかしミラーワールドでの戦闘で、負傷したゾルダ/北岡にまたもや散々に利用されるわけですな。北岡がカード渡してくるもんだから、真司は武器貸してくれたと喜んで使ってみるものの、ゾルダの装備はゾルダしか使えないと。

 しかも攻撃アクション起こした龍騎/真司にアビスハンマーは反撃してきまして、ここでもまたもや盾にされる状況に。しかし最後にちょっと龍騎/真司の機転とがありまして、ゾルダ/北岡が止めにと龍騎に呼び出させたマグナギガを龍騎が盾としまして(そのせいでゾルダ/北岡が初めて流れ弾食らう)、龍騎が撃破すると。

 だけどバトルが終わっても、やっぱり真司は怒ってない。ちょっと北岡がぐらっと来た感じがあります。北岡は既に恩人に忠実たらんとするゴロちゃんを信頼しています。拉致されたゴロちゃんを北岡が(表面上)見捨てても、ゴロちゃんの態度は変わらない。真司の場合は北岡に対して友として忠実たらんとしている感じ。北岡がいくら真司を騙して利用しても、真司も態度が変わらない。たぶん、そういう人物に北岡は弱そうです。

 病が悪化する北岡が真司に引き寄せられそうだなと思ったんですが、別方向から病がゲームを動かしに来ましたな。蓮の恋人とは知らずに小川恵里にたどり着いた優衣が、蓮を伴って病室を訪れますと、小川恵里の容態が急変。蓮も時間がないことを自覚せざるを得ない状況のようです。

 次回「13号ライダー」の予告映像には見慣れないライダーがいまして、これがこちらで伺っていた仮面ライダーオーディンですか。TV本編では時間を巻き戻すというジョジョシリーズの難敵以上の能力があり、登場時期的には別エンドの劇場版があるわけですな。東映公式Youtubeでは劇場版も放映してくれるのかしらん。龍騎世界全体の理解には必須みたいなので、是非放映して欲しいところです。

●牙狼-闇照編(第19話: 光 Hope)

 OP映像に坂本浩一監督がセカンドユニット監督として名前が見えまして、牙狼MSでもバイクアクション回でセカンドユニット監督だったことを思い出しました。あのMSのバイク回ではバイクアクション中心に坂本監督がサポートしたらしいと思ったんですが、この闇照では盲目パルクールアクションをサポートしたのかな?

 パルクール的なアクションは第1話から見せてもらってるんですが、今話のは見えないために危なっかしいことになってます。その辺りの不安感はうまく出ている気がしましたんで、坂本監督なのかなと思います。坂本監督でよくある「よく分かる高低差で緊張感」というのも感じましたし。

 それはともかく、視聴して初めてサブタイトルの「光 Hope」の意味が分かった気がします。同時にメインタイトルの「闇を照らす」もです。目を負傷して見えなくなった流牙が、頑張ろうとして諦めかけ、しかしまた覚悟を決めて踏ん張るところ、サブ/メインタイトル通りかなと思えました。さらに流牙と連絡が取れていない哀空吏、猛竜らも、まるで流牙に呼応するように立ち上がって来る点もポイントです。

 ともかく本編。前話の惨敗バトルの続きが描かれまして、魔戒側拠点に帰り着いたのは符礼法師、哀空吏、猛竜だけですね。かろうじて赤いドレスの少女も救出(?)はしている。莉杏はその少女がいた部屋に捕われ、目を負傷した流牙はSG-1に引き渡されて牢屋に。いつもはムードメーカーの猛竜もさすがに絶望してまして、責務感で踏ん張ろうとする哀空吏も、猛竜が失った右手を見せると、かける言葉がないらしい。

 しかし、捕われた流牙が諦めてないようですね。牢屋の中で防御主体の訓練を繰り返している。視覚は失ってますが、優れた聴覚は健在で、エコーロケーションでかなりやれるらしい。幸い、遺跡脱出時に符礼法師が渡したザルバもいる。ですけど、この時点の流牙は「こうするべき」とか「母との約束」みたいな、半ば借り物の闘志で動いている感じです。

 それでも監視のSG-1隊員は感心するものがあるようですね。直後に隙を見て流牙が脱獄するわけですが、SG-1隊員は取り押さえようとする意志よりも、心配するほうが先に立っている感じです。

 ともかくも脱出はしたものの、すっころんだり、市民を追っ手と間違えて殴り倒したり、思うように動けない流牙は次第に自信を失っていくと。ザルバもこれ以上戦うのは無理と、逃亡を勧めたりするわけですな。このザルバの言動は、半ばカマかけつつも(実際、後で言を翻す)、残りは本心なのかも。「ここで犬死させなくても」という気持ちはあるんだと思います。

 しかし、流牙が諦めてもいいとまで考えると、素志にして初心が蘇ってくるわけですね。小さい頃の自分が幻聴(?)で語り掛けて来る。黄金騎士になりたい、という冒頭の回想でも示された志ですね。これは借り物ではない、流牙本来の闘志だったようで、ここから流牙の気持ちの巻き返しが起こる。

 向かうは牙狼剣のある敵本拠ビル。それでもやっぱりパルクールはジタバタしてますな。ただ、転んでも迷わず立ち上がる様子が感じられますし、突っ走るうちに次第に身のこなしがよくなっていく感じがします。

 一方、流牙が動き出したことを知った哀空吏が奮起、呼応するように猛竜も気力が蘇る。前話で攻め込んだときより、負傷や武器の喪失で戦力は落ちてるんですが、「バカ」の気合は増しているようですね。それに誰の台詞にもありませんが、「流牙が牙狼剣を取り戻す」という一点で、3人の気持ちがピッタリ合ったのは大きそう。

 敵本拠ではガードの陰我ホラーがうろうろし、尊士は牙狼剣を抜こうとして抜けず、ちょっとイライラしているようです。そこへまず哀空吏、猛竜らが流牙を待たずに突入、かき乱したところに流牙が駆けつけるわけですね。

 遺跡戦のときとは違い、ホラー側の主戦力は尊士のみですが、モノレール戦で事実上の圧倒をした実績がある。そのうえ、魔戒側戦力はがた落ち。尊士は負ける要素無しの自信を見せてますが、魔戒チームは勝ちに来てない。流牙が剣を取り戻すことのみが狙いなわけで、哀空吏と猛竜が敵を抑え、その隙に流牙が剣にたどり着く。

 流牙が剣の束を握り「俺を認めてくれるのか、俺は守りし者であるのか?」と問うと、剣が応えるように抜ける。その直後の宣言もカッコいいですねえ。「俺は魔戒騎士 道外流牙、黄金騎士 牙狼の称号を受け継ぐ者!」。そこに幼い流牙のイメージが被されまして、冒頭で修行の完成で剣が抜けたことも思い出させてくれて、ようやく初志貫徹しての再出発であると感じられます。

 その途端、SG-1がビルになだれ込んできまして、これは魔戒チームに幸いした模様。正体がバレてはまずい尊士と配下ホラーが撤退してくれたようですから。流牙らも既に目的を果たしましたんで、さっさと去る。牙狼剣に認められた流牙は、ザルバに契約を求めまして、ザルバも応じる。しかし、そういや代償あるんでした。1か月あたり寿命が1日縮むという、高いか安いか分からないものですね(1年で12日、約30年で1年分、寿命が縮む計算)。

 次回「母 Mother」の予告映像を見ますと、剣を振るう尊士も気になりますが、赤いドレスの少女が符礼法師に術をかけられて身長がみるみる伸びているのが気になります。改めてウィキペディアなどを調べてみますと、この少女が流牙の母親らしい。だからタイトルが「母」(英語部分も同義)なのか。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/18 (Fri) 10:29:24

 二重投稿への対応に謝意を示しつつ、実写感想です。

★牙狼闇照

 この段階で、金狼感謝の情報は特になく、今年はやらないのかな、と。

 さて、坂本監督が2ndユニット監督として参加した19話ですが、おそらくは「少年流牙の訓練シーン」がそうなんだと思ってます。

 あと、哀空吏の弓が折れたのは、18話ではなく、今回の19話でした。

 次の20話は、莉杏救出作戦って感じで、流牙と滔星の母親にまつわるエピソードですな。
 ゼドムや魔導ホラー誕生の秘密がいろいろ開示されたり、元・魔戒騎士だった尊士が滔星の手で魔導ホラーにされる経緯が描かれたりなど、物語の最終戦に向けての布石が確実に打たれる、と。

 ラスボスはゼドムなのですが、アクションのクライマックスは黄金騎士に覚醒した流牙と尊士の決着なので、
 黄金騎士復活に向けた燃えるエピソードが続出する流れ。

★鎌倉殿

 公暁がいかにして実朝殺しを決意するかの仕込みをたっぷり見せた回ですな。

 三浦義村がそそのかしつつ、北条義時が糸を引いてるという説もあって、そういう思惑をドラマに取り込みながら、源仲章が殺されるお膳立てもしっかり整える。
 承久の乱については、やはり実朝だけでなく、仲章の死の影響が大きいのだろうとも。仲章を通じて間接的に朝廷が鎌倉に影響を与える手段が絶たれるわけだから、源氏の嫡流でない北条の専横を上皇が忌み嫌ったという状況描写もばっちり。

 その中で時房との蹴鞠対決からの対面がコミカルに描かれていて、泰時も含めて新世代への継承の流れも描かれる形。

 次回はいよいよ実朝が倒される流れか。

★必殺仕事人

 来年の1月8日に新作放送されるとの発表が。

 コロナ禍がテーマで、仕事人の誰かが病死する? って話題も挙がっていますが、果たして?

 とりあえず、今年が必殺シリーズ50周年で、来年が中村主水誕生50周年に当たるため、そういう盛り上がり方も堪能したく。

★仮面ライダー

 ギーツはDGPの新展開で、記憶を失ったバッファ、ナーゴ、タイクーンの姿を描きつつ、「ライダーの記憶を失う=DGPで願った夢や想いまで失い、異なる日常になってしまう」みたいですね。
 執着していたものが洗い流されるのは、平常の幸せにも見えますが、記憶を取り戻して戦うのが幸せなのか、アイデンティティーとか行動動機にまつわる物語テーマがいろいろ想像できて、面白い。

 そして、今回、パンクジャックの立ち位置が、ギーツを陥れる運営サイドの密かな刺客であることが明かされ、
 表向きのライバルがバッファ、裏のライバルがパンクジャックか、と。

 また、新ヒロイン登場? と見せかけて瞬殺されてしまった仮面ライダーレター。やはり、戦わなければ生き残れない世界です。
 そして運営の思惑で途中参戦の助っ人となったナーゴ。途中参戦が許されるなら、タイクーンの動向がどうなるか、そして景和姉がどうなるかなど、今後の流れのサプライズ要素になりそうな仕込みがいろいろと。

 とりあえず、お爺ちゃんライダーがいつまで参加できるかも気になりつつ。

 一方で、ギーツと劇場版共演が決まった龍騎。
 まあ、悪魔と契約した前作リバイスと、願いを叶えるバトルロワイアル・ゲーム設定のギーツと、どちらにも設定が絡められるのが龍騎になるわけですが、
 You Tube配信も非常にタイムリーに思える流れですな。

 アギトの時も、劇場版とTVスペシャルはやっていたので、今回もそのうち配信はあると思いますが、どっちもストーリー的な後味はあまりよろしくなくて、主人公の破滅を匂わせるようなパラレル展開で、かなり重い作風。
 まあ、龍騎は主人公のポジティブで熱血バカな性格で救われている面もあるのですが、TVの方も、この後、「ミラーワールドを閉じる方法」というテーマに話が流れていき、「ミラーワールドのモンスターを生み出した元凶を殺さないといけない」ということで、「世界を守るために一人の人間を犠牲にできるか」という葛藤を城戸真司が突きつけられて、鬱々と悩むことに。

 愛する者を助けるために、多くを犠牲にして戦えるか、という願いの物語でありつつ、
 世界や誰かを救うためなら、自分一人が犠牲になってもいい、という決断も描かれて、
 利己心と利他心、個人的な親情と大義のせめぎ合い、そして英雄とは何か、という問いかけが群像劇で示されていき、様々な回答が提示されていくわけですな。
 そして、パラレルワールドという形で、回答は一つじゃないから放送当時、賛否両論にもなる、と。

 自分自身の感想としては、夏の劇場版の世界崩壊鬱エンドが結構トラウマで、TV版の最終話の1話前もトラウマで、最終回の平和な日常世界が最後に構築されたことでホッとしつつ、
 次のファイズで、またトラウマをいろいろ味わいつつ、この陰鬱なムードが嫌いじゃなかった20年前だったりします。

 まあ、ジョジョのSOも、龍騎と似たような終わり方を辿るわけだし、比較するのが楽しいかも。
 FFが水で鏡を作ろうとしているところが、ミラーワールドかよ、と思ったり、サバイバーの「戦え」能力が神崎士郎かよ、と思ったり、無理やりでもつなげて連想できてしまうのが、今現在のタイムリーかな、と。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/20 (Sun) 22:45:50

 不定期ニュースです。

 金狼感謝ではないのですが、11月22日(火)夜8時から23日まで、YouTubeの牙狼チャンネルで劇場版『神ノ牙』を期間限定配信するそうです。

 内容は、闇照と牙狼翔の内容を踏まえた流牙最終作となります。
 牙狼翔では実現しなかった、流牙と猛竜、哀空吏の3騎士再共演と、牙狼翔の仇敵だった神牙(ジンガ)の復活および再戦が描かれます。

 最後は、流牙にまたも敗れた神牙が魔界に落ちて、そこからの再度の成り上がりを誓うオチなんですが、その後の顛末が舞台版で描かれ、さらにTV版の『神ノ牙』につながるわけですが、TVのオチはダークエンドで好きにはなれない不十分さを感じる一方で、
 流牙主演の劇場版『神ノ牙』は、それ単体だと、アクションもドラマも傑作で、ワクワクしたなあ、と思います。

 配信期間が短いので、今年の金狼感謝は、神牙祭りを楽しみたく急遽、書き込みいたしました。ではまた。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/20 (Sun) 23:11:29

NOVAさん、「神ノ牙」放映情報ありがとうございます。

牙狼公式YoutubeのTOPページ(ホーム)(から動画タグ)はときどきチェックしているんですが、この情報には気づけずでした。探し直すと「コミュニティ」タグに情報があり、牙狼オフィシャルサイトでも告知がありますね。

教えて頂かなかったら気が付かないところでした。これでTV編「神ノ牙-JINGA」と併せての理解ができそうです。前の「月虹ノ旅人」と同じ短期間放映ですんで、他の諸々は後回しにしてでも複数回視聴し、感想書きたいと思います。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/23 (Wed) 15:59:45

 定期感想その1です。

●必殺仕事人(新春スペシャル等)

 劇場版「神ノ牙」とお礼の順序が前後しましたが、年明け8日のスペシャル版の情報、ありがとうございます。公式サイト(ABC内)の情報も見てみましたが、簡単な設定内容(新型コロナモチーフと思しき鬼面風邪等)紹介だけですね。レギュラーメンバーのリストはあるものの、敵キャラクターとかはまだ明かされてない。

 こちらのローカル局の、中村主水主役の必殺仕事人シリーズはずっと観てまして、必殺へのアクティブな興味の維持に役立ってるかも。一巡して初代の「必殺仕事人」から今の「必殺仕事人III」まで観てみまして、こちらで以前に伺ったことが、部分的にですが分かった気がします。

 シビアな作風からコミカルに変わっていき、以前からのファンの中には残念に思う人もいる、というものですね。自分は必殺シリーズはたぶん「新・必殺仕事人」の途中から観始めたはずで、既にコミカルがだいぶ入ってました。なので、そっちの作風に慣れてて、しかも好きになっていきました。だもんで、コミカルに流れて残念というのが今一つ分かりませんでした。

 が、改めて初代「仕事人」から観てみると、感じるものが出てきます。「仕事人III」ですと、ひかる一平さん演じる西順之助(最初は電気使い、後に投石機)が仕事人に参入。まだ若い学生のこととて、仕事人を闇とは見ず、悪を成敗する正義と思っている。主水らからすれば甘いわけですな(しかし仕事を見られて始末できない主水さんも甘いわけですが ^^;)。

 そこは初代「仕事人」の秀と重なるものがあります。秀も金より人情で動きがちで、仕事人となってからも同じ。そこは「III」の順之助と似ていなくもない。しかし、秀はその甘さゆえに主水によく殴られたりもしていました。そこが、「III」での、既存仕事人(特に加代)から甘やかされる感じの順之助とは違うところ。

 仕事人参入についても、秀の場合は重いものがありましたな。順之助だと軽い。初仕事についても、順之助は迷うことなく気軽に行い、仕事を重ねても自らの行いに悩むこともない(ターゲットが知り合いだったときは、さすがにショックを受けてましたが)。

 自分は依然として「III」も好きですが、それ以前の過酷で重い作風を良しとするファンの気持ちも分かるようになってきた気がします。やっぱり、シリーズものって通しで観ていかないと、なかなか分からないもんですね。そこはライダーもので分かった気になってたんですが、仕事人シリーズについては分かってなかったなと思う次第。

●うる星やつら

 今週は3パートで、最後がED曲後の「あたるの引退」。主人公を降りたいというわけですが、このアニメ版だとちょっと時期尚早だったかも。原作でラムに押されてあたるの主人公性が希薄になり、忘れられた頃ならではのネタ的エピソードですから。しかしそれでも制作はこのネタをやっておきたかったのかな。うる星好きの気持ちとしては理解できます。

 メインエピソードの流れとしては、人気キャラクター投入が続いてますね。まず弁天を出し、次におユキ。分かりやすい弁天に対し、おユキは常連の割には謎が多く、他のメインキャラクター(特にラン)から恐れられる存在でもありますが、今話でもミステリアスでした。あたるに対し無防備・積極的な態度が見られるわけですが、意図が読めない。

 しかし最後に匂わされはしまして、面倒の様子を通してですね。面倒は最初から積極的に雪かき(?)に協力的でして、最後もおだてられつつ励む。そうしないあたるをおユキが取り込もうとしてのハニートラップだったらしい。クラマの件では(見た目で)好意を持たれやすいのが面倒、避けられるのがあたると描かれたわけで、おユキの行動は真逆。なぜなんだ、と思ったら、働き手を得るため、となりそうです。

 おユキを非常に嫌なキャラクターと描いたわけですが、呪われたボクシングローブでのラムもそうでした。これはたぶん、作者の高橋留美子さんの好みが影響してるんじゃないかと思います。人間、特に女性のドロドロしたところを掘り下げたいんだそうで。ラムにせよおユキにせよ、あれらの行動が好ましいとしてるんじゃないらしい、ということですね。明るそう、あるいは淑やかそうでいて、こんな闇もありますよ、みたいな。

 そこを際立たせるのが、今話では弁天だったかも。粗暴にして直情径行ですが、言い換えれば竹を割ったような性格でもある。おユキとの対照性はありそうです。いずれ、策士策に溺れるタイプのランも登場するはずですが、こちらはたぶん無邪気に暴力的な面があるラムとの対照性を出すためかなと思います。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第19話:「緑色」の誕生)

 1月から第3期放映と番組CMがありまして、ほっとするものありです。この第2期から続けて最後まで見せてもらえるわけで、焦らされないということもありますし、間が空いたせいでいろいろ忘れてしまうことも少なくなりそう。

 それはともかく本編。冒頭は身体だけ救出された承太郎の現状ですね。スタンドDiscが戻って生命維持はできているものの、記憶がないためほぼ機械的に生存している状況で、接近に対してオートでスタンドが発動するのも本能的なものかな。しかし、承太郎の腕にローマ字表記の徐倫の文字が浮かびまして、これが監獄の徐倫の腕にも表れると(いわゆるシンクロニシティ?)。承太郎は脳の記憶は失ったままでも、徐倫についてはいわゆる「魂に刻まれた」ということなんでしょうな。

 一方、徐倫らはケンゾーまでは倒したところですね。まだ敵スタンド使いが2名残ってる。しかしさすがにちょっと緩んでるようで、アナスイがFFに頼んで、階段を上る徐倫の足をすくわせるわけですな。すっころんだところを抱きとめるという算段。ですが、転ぶ途中で徐倫がDioの骨を持ち歩く小男を発見、直ちに追跡に入る。
(徐倫としては、FFは足を引っ張ろうとしたのではなく、骨を持ち歩く小男を知らせようとした、と解釈したかも。)

 さらにFFも直ちに応じて小男を撃ち、動きを止める。しかし追いついてからがまたもやホラー描写ですな。小男だったはずなのに、やけにデカくなっており、こちらを振り向いた男の顔が植物に変わっていく。見回すと、他の囚人はもっとひどく植物化してまして、ケンゾーの「水やり」があったせいかな。

 どうやら骨に接触すると植物化してしまうらしい。ただし陽光に近づくと促進、離れると逆に枯れていくらしい。アナスイが徐倫の体に潜り込んで調べますが、体内の種が発芽して、みたいなものではなく、人体がそのまま植物に変化していくという不思議にして、対処のしようがないものらしい。

 しかしアナスイは意識してないかもしれませんが、近づいて抱きとめる以上のことをやれてしまってますね。徐倫の頬から生える草を咥えてみたりしてますが、何が起こっているか調べる以上の意図・意識はないみたい。どうやらウェザー・リポート同様、アナスイは危機においては頼れる味方であるようです。

 ともかくも夕刻で陽が西に沈みつつあるので、植物化を促進する陽光を避けるには東に逃げると。この徐倫らと骨を陰から観察しているのが、ローマ風ヘルメットの男(DアンG:D and Gということかな?)でして、徐倫暗殺の命だけを受け、他の情報は知らないらしい。そのため骨を見ても手を出さず、何が起こっているのか当惑する様子もありますね。

 一方、植物化せずに生き残っている囚人がもう1人いまして、ひどく怯えている。アナスイが優しく声をかけてみるわけですが、「人間の肋骨の数は」とか言い出す。このときにアナスイがダイバー・ダウンでトラップ仕掛けたみたいですね。この囚人がサバイバーの使い手グッチョで、ローマ風ヘルメットの男:DアンGは左腕をグッチョに仕掛けられたトラップでずたずたにされてしまう。そこまでの態度から一変して泣きわめく様子がやけに子供ぽっく、使い手自身は見掛け倒しだった模様。

 これで特別房にいた残り2名の敵スタンド使いも再起不能、と思ったんですが、どうやらサバイバーの使い手グッチョだけがスタンド共々リタイアらしい。DアンGもリタイアレベルの重傷ですが、スタンド(ヨーヨーマッ)は遠隔自律型のスタンドのようで、この後も徐倫らを狙って行動継続らしい。

 このスタンド:ヨーヨーマッが個性的な奴でして、FFらの攻撃を受けてもむしろ喜び(たぶんノーダメージ)、アナスイが潜り込んで調べようにも不快すぎて無理らしい。ある種の無敵性があるみたいです。しかし攻撃的ではなく、スタンド使いのDアンGではない、誰の命令でも喜んで従ってますな。しかしそこが罠らしく、FFに遅効性の攻撃を仕掛けたようですが(顎が溶ける不気味なもの)、どんな方法かは不明。FFの独白によれば、常に見張ってないとヤバいらしい。

 そういう薄気味悪いスタンド:ヨーヨーマッであるわけですが、どうも自分は親しみがわいてしまいまして。なんでだろうと考えてみると、声優つながりらしい。声を演じているのが山口勝平さんでして、「Part4 ダイヤモンドは砕けない」では、矢安宮重清/重ちーになります。

 重ちーも見てくれは異様、言動・行動はあるときは子どもっぽく、別のときは陰険にして守銭奴、と思ったら、すぐ真剣に反省して従順、みたいなつかみどころが難しい感じでした。しかし最後は吉良吉影の正体を知り、母親を守ろうと必死に戦うも無念の爆殺。もうちょっとで仗助・億泰に手が届いたのに。非常に胸に刺さる最後でした。

 それが声が同じせいで(かつ、見た目の異様さや見かけの従順さもあり)、敵スタンド:ヨーヨーマッに、重ちーに対するのと同じく同情みたいな感情が湧いてしまったようです。しかし、このヨーヨーマッは予習してみると、同情しにくい敵スタンドみたいですね。

●風都探偵(第8話:閉ざされたk / 連鎖する悪意)

 前話の財前暦の殺人と疑われる変死に続いて、有藤蛍が風呂で変死(さすがに原作コミックより表現抑えめですな ^^;)。しかし今話内で急転直下で謎は解明される。原作コミックを読んだときですが、フィリップによる謎解きがなされるまで、自分は久保倉環奈による犯行なんじゃないかと思ってました。

 特に作中で気が付く証拠とか明らかではないんですが、ミステリで自分がよく感じるパターンは「犯人であってほしくない人物が犯人」であったりします。このドラマもそのパターンなんじゃないかと不安に思ってました。自分が久保倉環奈を犯人と思いたくない理由は、もしかするとほぼ翔太郎が言った通りだったかも。

 特に「助けてください、探偵さん!」と助けを求めてきた点ですね。ただし、その言動は、迷える犯人によくある「自分を止めて欲しい」という願いだったかもしれないし(吹雪で遭難しかけの翔太郎らを救ったのもその理由かも)、主観的なものでもあります。

 しかし、翔太郎の「久保倉環奈は犯人ではない」という願い(?)は、フィリップにとっては論理的、客観的な推理に自信を与える最後のピースだった模様。その推理を実証すべく、久保倉環奈に化けて邸を逃げ出した芝居を打つわけですな。
(この芝居ができるのも仮面あればこそで、この山場も考えての仮面見合いだったんだろうか。)

 フィリップは(実写Wと同じく体格のせいか)女装するのはいつも自分だ、みたいに不服言ってますけど、囮として女性に化けるのは男性のフィリップが適任なんでしょうな。今話ですと、久保倉環奈の(嘘の)置手紙を読む鏡野空也らの部屋に翔太郎単独で入室してます(たぶんフィリップは既に入れ替わりスタンバイ)。もし最後の1人となった難波くるみの勘がよければ、誰か女性がいないと気づけば、逃げる久保倉環奈がその女性と入れ替わってると勘づく可能性があります。

 男性のフィリップならばいなくなっても久保倉環奈の身代わりと怪しまれない。もっとも、今話では久保倉環奈に化け得る翔太郎側の女性(ときめ、亜樹子)は後で到着するわけですんで、邸に姿が見えなくなって怪しまれる女性がいないわけではあるんですが。実写Wのときは男性のフィリップだからこそ、女性に化けて犯人を引っ掛けやすいとかあったかなあ。ちょっと思い出せませんorz。

 それはともかく、アルコールメモリを隠し持っていた難波くるみが久保倉環奈を追って来る。鏡野空也が仮面をしていても分かるほど動揺していたからですね。難波くるみとしては、久保倉環奈が(自ら)脱落した以上、花嫁は自分で決まりと思ったら、鏡野空也の意中の人は久保倉環奈だった。これは決着つけたくなるはずで、もしかしてそこもフィリップの読みに入ってたのかな。いや人情に関わることだから翔太郎か。

 そしてフィリップがアルコールメモリを奪取したうえで謎解き。コミックで予習していたのではあるんですが、ここで久保倉環奈が犯人ではないと明かされまして、ほっとしました。それどころか、殺人犯自体がいないわけですな。全部、アルコールメモリのなせる中毒死だったと。さらには4人の花嫁候補全員、何者かにメモリ用スロットを刻印されていたと。

 余談になりますが、謎解きの中で、死亡した2名が「酔いしれたような恍惚な表情で死んでいた」という点、コミック/アニメならではだなという気がします。実写では、あそこまであからさまに分かる恍惚の表情って作りにくいはずです。誇張が自在な絵だからこその表現ですな。トリック(?)の伏線に使う表現にも、実写と絵で違いがあるんだなと感心しました。

 それはさておき、4人の花嫁候補が自らメモリを選んで使ったわけではないとなると、仕組んだ者がいるはず。今話時点の描写では、怪しいのは万灯雪侍となりましょうか。翔太郎らを監視しており、フィリップの謎解きの後に、仲間や戦闘員を差し向けた様子があります。全体を仕切っていたと考えてもおかしくないところ。

 万灯雪侍の独白に応じるかのように、謎解きの現場を襲撃してきた、吠え声で攻撃するドーパントですが、自分は最初、あれがアルコールドーパントだと思いました。今まで出てきたぶよぶよしたのは、まだメモリを使いこなせてない形態で、赤い細身の一つ目形態が本来のアルコールメモリの持ち主なんじゃないかと(かつハイドープ)。

 しかし、すぐに間違いと気がつく勘違いでして、この時点でアルコールメモリはフィリップの手中にあるんでした。あの一つ目ドーパント、調べてみるとスクリーム・ドーパントなる、敵幹部クラスとのこと。変身者の五条一葉はまだ登場していなかったはず。

 ともかくも、今話はこのスクリーム・ドーパント出現のお陰で、アクセルの本格バトルが見られるわけですね。竜/アクセルは深雪を強行突破するべく、探偵事務所からリボルギャリーで駆けつけて来るわけですね。こちらで伺ってましたが、発進シーケンスはなかなかの見ものでした。

 実写Wでも発進シーンはあるわけですが、当時のCGと生(?)の実写の合成になるわけでして、どうしても若干の違和感が出ないわけではない。しかし、このアニメ版ですと全てが絵ですから、リボルギャリーと周り(風景や人物)と質感が同じになってまして、確かに事務所地下から街へ発進したという感じがします。

 さらにアクセルの変身からバイク化、トライアルまで見せてくれてのバトルですな。竜がアクセルであることは前エピソードで見せてくれましたが、チラッと見せられると、かえって焦れるような(^^;。そしたら今話ではフルセットで見せてもらえまして、欲求不満が一気に解消しました。

 しかしアクセルが戦ったスクリーム・ドーパントはどうも黒幕ではない。アルコールメモリがフィリップの手から逃れ、飛び去った先にいるはずですね。翔太郎らが追うと鏡野空也の邸内でして、明るくて姿が分かりませんが、ひな壇の一番上にいる誰か。このしつらえは見覚えありまして、翔太郎らが最初に招かれた室内ですな。奥の高い位置に祖母の鏡野キクがいたわけで、それと同じ扱いということはこれもキクのはず。

 というところで次回に続く。殺人→死亡事故(?)について決着がつき、次回は今エピソードのボスとの対決と、登場人物の人情面での解決でしょうか。しかし、今話でときめが、現時点では壊滅している実写Wでの敵組織「ミュージアム」に心当たりがある気がするという描写がありまして、不安材料を増やしてます。これについてはまだまだ先(おそらく第2期へ)まで持ち越しなんでしょうな。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/23 (Wed) 23:08:25

 アニメ感想です。

★ジョジョSO

 来年明けで、すぐに続きをやるのはありがたいですね。
 視聴習慣が安定するわけですし。

 今回は緑色の赤ちゃんを登場させつつ、刺客の謎スタンド「ヨーヨーマッ」を登場させる一方で、サバイバーの方は徐倫たちに気付かれることなく退場した形。
 いつの間にか攻撃されていて、当事者たちがよく分からないまま消えているのが、バトル物としてはスッキリしないという意見もありますが、この流れるような急展開がサプライズに通じるのかな。

 ともあれ、地下の懲罰牢編が終わって、ここから神父の陰謀が表面化していく流れですな。
 そのために自らを犠牲にするのがFFということで、彼女の活躍と、負傷した徐倫を守るアナスイの活躍が同時進行的に描かれる、と。

★風都探偵

 ミュージアムおよび財団Xの話題が、次回とその次に語られて、仮面ライダーWの背景物語が掘り下げられていく形ですな。

>酔い痴れた恍惚表情

 仮に役者の顔芸で作れたとしても、実写ではギャグに見えてしまい、ホラー的な緊迫感を醸し出すことは難しそうですな。
 実写だと、傷とか血まみれは表現できても、非現実的な死の表情は難易度が高い。

 ただ、実写は「凝った小道具の魅力」とかがあって、変身道具とか、カードを取り出したり、仕事人のかんざしとか三味線の糸の演出などは、アニメで絵にしても質感が伴わない。
 大きな背景はアニメが得意で、小道具系(亜樹子所長のスリッパとか)での演出は実写が面白いな、と。

 あと、やはり雪の描写は今の時期の放送の方が、見ていてゾクゾクしますね。夏場(9月ごろ)に見ても臨場感が湧かなかったので、季節感ばかりはどのタイミングで見るかで受け止め方が変わるな、と。

★うる星

 お雪ちゃん登場は冬だからいいものの、直後の主役争奪話。
 ええと、いきなり夏休み前ですか?

 原作の話の順番をいろいろシャッフルしているのは分かりますが、1回の放送回で、こうも季節感を極端に変えられると、あれ? と思いました。
 とりわけ、すき焼きとか雪の話をやった後で、夏服カッターシャツですからね。

 ともあれ、お雪ちゃんの話、原作では面堂登場前の話なので、面堂絡みの部分がアニメオリジナルなんですけど、
 この時点で完全にキャラクター崩壊してますな。もう少し2枚めクール路線を引っ張るかと思いきや、早くもコメディアン化が一気に進行。

 こうなると、面堂の妹の了子ちゃんの登場が楽しみです。

 そして面堂のイケメン路線があっさり崩壊したので、次のイケメンライバルキャラはラムの婚約者の大喰いレイですか。

 ともあれ、クールキャラが数ヶ月かけてコメディー化するテンポに慣れているので(平成令和ライダーとか)、登場一月で崩れ去ると、余韻を感じることもなく、最初からコメディーキャラとして見るしかないな、と。
 どちらかと言うと、キャラの段階的な変化を味わう見方じゃなくて、今の声優さんの演技バリエーションを堪能するアニメかな、とも。

 あとは、ラムの母親役の平野文(旧ラム)の声と演技が早く聞きたいです。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/25 (Fri) 11:47:29

 定期感想その2です。

 録画予約していて気が付きましたが、当地では今週の「うる星やつら」は休止みたいです。公式ツイッターによると「12/1(木)放送については休止となる放送局があります」とのことですが、放送局サイトに情報は見当たらず。ともかくも、感想を言うとしても、1週間ズレちゃうかもしません。

●牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-

 2018年制作とのことで、翔編(2015年)からは3年後で、今視聴している闇照編(2013年)からは5年後。数年経った役者さんが凄みを増してまして、そこだけでも見応えがありました。

 猛竜や哀空吏は翔編に登場しませんので、5年ぶりということになりますね。哀空吏の迫力はグッと増してまして、闇照編での未熟な堅物という感じが全くしませんでした。そのためか、はっきりとは明かされない蛮美との過去について「そうするだけのことがあったんだろう」と感じられます。

 しかし猛竜。変わらないですねえ、でもそれが期待通りかも(^^;。ただし、右手は謎でした。今視聴中の闇照編では右手を失ってます。この劇場版では、最初、ゴツイ手袋してるのかと思いました。が、どうやら義手らしい。かつ符礼法師を思い起こすものらしい。調べてみると、闇照終盤で符礼法師が猛竜のために作り、かつ形見同然になったということらしい。たぶん闇照編を観終えると、この劇場版の猛竜が分かるようになるのかも。

 リュメ様は翔編から3年ぶりとなりますね。ウィキペディアには、翔編の記述に近い「見た目は少女のよう」とありますが、自分が見た感じではずいぶん大人びたように見えました。翔編では見た感じとミスマッチな強さがある印象でしたが、この劇場版では見た通りに強いという感じ。

 その一方、主人公:流牙とヒロイン:莉杏は割と変わらない感じです。たぶん、内容がバトルアクション中心で、それも闇照編の特徴が強いんで、メイクなどでイメージを闇照に寄せたのかなと思います。闇照編のバトルって、生身アクションが多く、鎧やホラー態はCGになってまして、この映画もおおむねそう。

 闇照流に生身アクションが多いことが納得できるよう、流牙らは序盤で鎧を敵に奪われてしまうわけですね。2クールあるTVシリーズで作ってたら、鎧を取り戻すドラマが入るところなんでしょうけど、この劇場版ではラスボスのジンガがバトルマニアになってまして、あっさり鎧が返される流れ。96分の尺があっても、やはり争点をいくつも作るわけには行かないでしょうな。

 なんとなれば、自分の解釈ですが、本作の見どころはアクションですから(そこが舞台版にもつながるはず)。各バトルの趣向もいろいろ変えてくれて楽しめる作りです。時代劇風に魔戒騎士を取り囲むホラーが次々かかってきては、バッタバッタと切り倒されたり、ゾンビ映画の如くにホラーが押し寄せてきたり。

 それをまずはビルを昇りつつで戦場を変化させ、最上部にたどり着いたら「箱舟」での戦いになると(牙狼MSでの魔導列車を思い出したりしました)。見た目だけでも多彩なバトルというわけですが、各登場人物の思惑が明らかになるごとに、戦う意味が変わりまして、何度も印象がガラッと変わる仕掛け。

 登場人物の思惑は、主に敵側ですが、こんな感じですね。

・蛮美(魔戒法師)
 闇堕ちした魔戒騎士にして恋人のジュドーを1日だけでも蘇らせるべく、哀空吏らから鎧を奪うが、そうそそのかしたホラー:リンザに騙され、ジンガ復活に利用されていた。

・リンザ(ホラー)
 蛮美を騙してジンガを復活させ、月の力で永遠の王と仰ぐと言いつつ、実はホラーの始祖メシア復活が真の狙い。ジンガは流牙とセットで、そのための生贄で2名を箱舟へ誘い込んだ。が、ジンガにはお見通しだった。

・ジンガ
 魔界に落ちて記憶がなくなったと言いつつ、実は記憶を保持していた模様。リンザの真意を察しつつ乗せられてやっており、なぜなら望みは「強い奴(当面は魔戒騎士、特に自分を倒した流牙/黄金騎士)と戦いたい」だけだから。人間もホラーも関係なく、メシアですら戦う相手と見做している。

 こういう状況ですんで、敵味方とも騙し騙されの丁々発止となり、戦う意味や勝利条件がくるくると変わる趣向。

 ドラマ的に考えると、比較的単調でして、各人物の掘り下げもあまりありません。事を起こした蛮美も、恋人との仲や、自らつけた顔の傷や、哀空吏との過去については、ほんの少し匂わされる程度。

 それでも自分は最後まで飽きず退屈せずでして、長丁場のバトルでも上述の通りの趣向が凝らされていたからだと思います。もう1つ理由を挙げるとしたら、コロナ禍以降のアクション作品ではなかなか観られなくなった「大勢が密集して戦う」シーンが多かったからかなと思います。

 それにしても、真の主役はジンガだったのかも。冒頭に流牙のイメトレにジンガが介入してますし、蛮美は早々に姿をアミリに変えられてます。最後もメシアに挑むジンガで幕(流牙がジンガを葬ったことで、生贄が半分成立して、メシアは人間界でなく魔界によみがえったのかな?)。これがTV編「神ノ牙」に連なるわけですね。メシアに挑んで敗れ、転生することになったわけでしたか。

 転生ですからずいぶん後年のはずで、おそらく流牙はもういない。しかしジンガは神牙を通して復活を果たすわけで、劇場版「神ノ牙」でも影の主役はジンガと暗示されていたと考えることも可能かなと思います。

●仮面ライダーギーツ(11話:謀略Ⅱ:ジャマトの迷宮」)

 邂逅編が終わって、この謀略編からドラマスタートかなと思ったんですが、まだ戦端を開くための駒組をしているようです。敵たるジャマト側が少し描写されまして、温室菜園のような場所で初登場の老人(アルキメデルという名前らしい)がジャマトを育ててまして、これが敵ボスなのか、それともマッドサイエンティスト的な立ち位置なのか。はっきりしているのは、DGP運営のゲームマスター(ギロリ)とのホットラインが存在しているということですな。

 主人公:英寿の現DGP優勝時の願いも明らかになりまして、「俺がDGPのスタッフになっている世界」。ギロリは英寿の願いがランダム的ながら、DGP運営に食い込んで来る点を怪しんでまして、英寿に問いただすもののはぐらかされる。しかし英寿が祢音と話すシーンでは「母に会いたい」という願いが、以前に拒絶されたことが示されてまして、一連の願いはそこへたどり着くためらしい。

 この物語の語り部とされながら脱落した景和、とりあえずゲームの人質プレイヤーとして復帰ですが、以前を思い出しかける様子があります。このままでも(常連NPC的な)一般人の語り部となれそうですが、次回予告ではドライバーを手にするカットが見えまして、ライダー復帰が間近いかな。

 景和はすっかり以前のやる気を失った感じなんですが、今話で理由が明かされまして、DGPで(ジャマトによるものでない)脱落すると、優勝で叶えるはずの願いの動機となる気持ちを失うわけでしたか。平和を願う気持ち自体がなくなったんで、ボランティアへの意欲も失ったわけか。

 ただし、微かな記憶は残るらしく、今話で「こんな年より先に若い子を死なすわけにはいかないだろ」という気概を見せた老骨ライダーの丹波一徹/ケイロウに触発されて、素志を半ば思い出す風がありました。さらに英寿のハッパに「前にも同じことあったような」とも。これが次回予告に見えた、ドライバーを手にする景和につながるんでしょう。そうなっての語り部復帰かな。
(丹波一徹/ケイロウは今話でいいところ見せまして、邂逅編のパターンですと退場となりそうですが、今話では生き残りましたな。OP映像に登場してますから、当面は大丈夫なのかしらん。)

 しかしまだキャラクターのドラマは本格起動はせず、見どころはゲーム内容ですね。人質を迷路から助け出すゲームですか。脱出の鍵は謎文字を読み解く必要があるようですが、よくある暗号クイズみたいですね。「ひまわり」の絵に4つの謎文字が対応していれば、その謎文字が「ひ/ま/わ/り」と読むと分かる仕掛け。

 ただ、それをゲームマスター/ギロリに言い含められた、運営側である晴家ウィン/パンクジャックが妨害してくるわけですね。ギムリとしては、運営に食い込んで来る英寿/ギーツを排除したいらしい。人質として同行のツムリは事情を知らないらしく、戸惑ってる模様。どうも運営は一枚岩ではないらしいですが、他のプレイヤーからは運営側コンビと見做されるパンクジャック&ツムリペアは波乱要因となるかも。

 敵ジャマト側も(初登場のアルキメデルの差し金なのか)ジャマトライダーなる、DGP側のライダーと互角に戦えそうな要員を送り出してきまして、これも波乱となりそうですね。DGP側ライダー同士の戦闘は禁止ですんで、そろそろ互角の怪人が欲しかったところです。が、ライダーバトルの龍騎モチーフということで、敵もライダーということなんでしょう。

 次回「謀略Ⅲ:スロット★フィーバー」では、どうやら景和が英寿により前回のDGPの記憶を取り戻す模様。タイトルに「スロット」と入ってますが、これで思い出すのは龍騎ではなくドライブかな。スロットで何が出るかで装備が決まるやつですね。ギーツではスロットを何に使うんだろう。

●鎌倉殿の13人(第44話:審判の日)

 まさかの実朝存命エンド、と言っても公暁による暗殺が来週に延びただけみたいですけど(^^;。ところで、この物語の主人公は義時だと思っていたんですが、ネットで調べると、今の主人公は泰時なんだそうで(実朝が泰時に和歌を贈った辺りで主人公交代したらしい)。

 そう知ってみると、今話冒頭の十二神将の1柱:戌神像ではしゃぐ面々のシーンが少しわかった気がしました。義時の妻ののえだけ、北条の輪の中に入れない。何度も手を挙げて、戌神像の脇に立とうとするんですが無視される。のえの今の立ち位置を暗示しているかのようです。夫の義時も皆の輪の中へは入って行かず、のえと似た立ち位置になってます。2人とも外れつつある。

 その後、源仲章がのえに再接近してくるわけですね。しかし、かろうじてのえは踏みとどまる。のえは権力志向が未だあると思いますが、その基盤は夫の義時にあると思っている。が、源仲章と会ったというだけで義時から問い詰められる。のえは不倫ではない旨、弁明してみるわけですが、義時は「そんなことどうでもよい!」と怒鳴りつける。のえとしては、妻の立場も否定されたような感じですね。

 北条の者でもなく、義時の妻でもないような立ち位置に追いやられた感があるのえ、いったん根無し草となって、どっちへ向かうんだろうという不安感が生じます。史実ではいずれ、義時の急死を機に伊賀氏の変を起こすはず。そこを今話、暗示したのかなという気がします。

 しかし、のえは今のところドラマの中心ではなさそう。自分的には今話は「実朝と公暁」という感じのドラマだったように思えます。依然として心優しくはあるものの、権力が自分にあると思い、人情の機微に疎くなっている文官的な実朝と、頼家の死亡事情ゆえに疎んじられ、周囲をよく見ていないと生きていけない、しかし文武両道の公暁の対比ですね。

 まず実朝ですが、後鳥羽上皇の子を後継者に迎えることに成功し、すっかり都寄りになってますな。事実上の側近になりつつある源仲章は上皇のエージェント。実朝も仲章も、鎌倉が公家流の都システムで動いている、動かせると思っている節があります。地位と権限ある文官が命じる通りに全てが動く、みたいな。その頂点は「治天の君」ですから、鎌倉の権力機構中枢をもっと西へ移動させようという発想も出て来る。

 しかし、そんなことは宗時から義時が託された(と思っている)、坂東に坂東武者の世を作る(そして北条がテッペンに)という構想と根本的なコンフリクト起こすものですな。義時が作り上げつつある鎌倉システムを壊すものとなります。その鎌倉システムは文官よりも武官が動かすもの。なにせ坂東武者による坂東武者のための坂東武者の統治体制ですから。文だけで動かせるわけがない、むしろ武が重い。

 それを頼朝以来の源氏嫡流で担える人材がいるとしたら、自らを悪僧と呼ぶ、文武両道の公暁となりましょうか。父の頼家の隠された死の真相があり、支えるのが北条に次ぐ三浦であるため、どうしても隠忍自重になるものの、実朝に実子がないとなれば次期鎌倉殿になり得る存在。しかし親王を迎えるとなって、その芽は断たれた状況。

 ただし、文官ルールでは、ですね。武士は土地も地位も武で勝ち取る存在ですから、持てる者の首を取って成り代わってしまってもいい。公暁は義村から頼家の死の真相を知らされて動機が発生、武士の習いである「仇討ち」の口実・大義名分を得ている。起つにあたっては、乳父母の三浦義村も乗り気になってます。

 しかし公暁は文の面もある。悪僧と自嘲しても僧です。この時代では希少な、大量の文字が読める存在なわけで、泰時の愛読書の貞観政要、四書五経とか諸子百家の諸々とかの学識がありそうです。なにせ公暁は次期鎌倉殿を考える政治志向があるわけですんで。公暁にそういう学識があれば、平地に乱を起こすべきではないという考えもあるはず。

 しかし頼朝の子にして坂東の生まれであるわけですね。頼家の死の真相も知らされている。武家の習いに坂東流もあって、治世志向の学識とジレンマがあるかも。さらに、亡き父:頼家に向かう気持ちに対して、今話再登場の母:つつじ殿が説得を試みるわけですね。ずいぶん会ってなかったはずですが、つつじは公暁の気持ちがお見通しらしい。

 つつじの願いは、公暁が無事に生きていてくれ、というものですね。これは座学の倫理を具現化したものでして、それが実母だけに公暁に刺さる。それゆえ反駁もするわけですな。なにせ公暁の気持ちの半分は(死の真相が明らかになった)父:頼家ですので。しかし、実母とはいえ謀に加わっていない人に叛逆の意思を明かすのは危うい。それを公暁は承知していて言っているでしょうから、「母上は私(公暁)を止めてくれますか?」の意があるとみていいでしょう。

 おそらく公暁はぐらっと来るものがあったと思います。もう一押しすれば、となりまして、それが実朝。頼家の死の真相を知り、母:政子に決別同然の言葉を投げつけ、公暁に詫びに来る。のですけど、ここでも実朝の人情の機微の疎さが露呈してしまう。詫びもそこそこに、血を流したくないと言ってしまう。公暁の半身である武の否定ですね。それでも公暁、恵まれた兄上(実朝)に何が分かるかと反発して見せ、恨みを語り、憎いのは実朝ではなく北条(義時)だと言ってみる。これも「兄上は私(公暁)を止めてくれますか?」の意ありでしょうか。

 それを受けての実朝の答は「裁きを受けさせる」「義は我らにある」というもの。都流ですね。これも公暁の半身である坂東流(の報復、仇討ち)を踏みにじるものです。つつじ殿が公暁を和に傾けたものの、むしろそちらにいったん気持ちが向きかけただけに、一気に公暁の乱の決意を固めてしまった模様。実朝が自身が気持ちのいいことばかり重視し、公暁を心配するようでいて気持ちの半分を踏みにじって省みないせいですね。この実朝の今の性質は、義時に対しても鎌倉遷都(?)を言い放って気にも留めないことにも表れていました。

 ともかくも公暁は腹を括ってしまった。三浦氏のサポートなしでも決行する構えですね。一方、泰時の配慮と憂慮(三浦への牽制、実朝の護身等)を実朝は気にしない。朝時のうかつで右大臣拝命の儀式の配置が公暁にバレているし、雨具(蓑)を用意しているとの情報もありました。

 既に実朝を見放した義時は、これをむしろ好機と見て、実朝を暗殺させておいて、首謀者・実行犯の公暁も討ち取るつもりでいる。ただし公暁の狙いが義時であることは、直前に泰時が察知してまして、しかし対応は間に合いそうにない。

 しかしどうやら、義時の悪運は尽きていないらしい。実朝暗殺時に源仲章も討ち取られたそうなんですが、一説によると義時と誤認してのことらしい。このドラマでは義時がいったんしくじってまして、トウに仲章暗殺を命じたものの失敗して、逆にトウが捕らわれちゃったわけですね。

(この暗殺失敗は、トウの直接的な暗殺技術が低いということではなく、事前の段取りが上手くないからかなと思います。トウは前にもりく暗殺を失敗してまして、単純に近づいて刺そうとしたから。善児だと、警護が固い頼家に対しては、気の緩む宴に笛吹と入れ替わって潜入する周到さがありました。トウだとまだそこまでの段取りが思い描けないらしい。)

 これで仲章は(実朝の「裁き」の考え方と軌を一にするように)義時に迫るわけですね。おそらく儀式での太刀持ちの役を交代せよ、と要求するんでしょう。武門流ではなく、公家流に「恥をかかせれば人前に出られなくなるはず」というものでしょうか。それが義時に有効かどうか疑問ですが、それよりは仲章が知らずに自分の死亡フラグ立てちゃったらしいことが大事かも。

 次回「八幡宮の階段」ではいよいよ実朝暗殺ですな。そこから義時独裁魔王化完成から、都の後鳥羽上皇とのヒートアップまで行くみたいですね。承久の乱は描いてくれると思いますが、義時の死後はどこまで見せてくれるのかな。公式HPの予告映像では、のえがいよいよ孤立する感じもありますんで、「伊賀氏の変」は見せてくれそう。

(杞憂だとは思いつつ、承久の乱の扱いが、同じく三谷脚本の「真田丸」での「関ヶ原の戦い」のようにならないか心配。あの「関ヶ原の戦い」は、いよいよ戦端が開かれる、というシーンの次が、真田屋敷に西軍の敗報が届くシーンでした。このドラマで宗時役の片岡愛之助さんが「真田丸」では大谷刑部役だったせいか、つい連想してしまいます ^^;、)

 それにしても政子は哀れですな。我が子にして鎌倉殿にまでした頼家、続いて実朝にも突き放されてしまってます。もっとも、それも後に尼将軍と呼ばれるまでに大成する素地の1つなのかも。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/25 (Fri) 21:11:59

 定期感想その3です。

●仮面ライダー龍騎(第27話:13号ライダー、第28話:タイムベント)

 今週分前半(第27話)はライダーに憬れる小学生:原田拓也が蓮の変身を目撃し、しつこく絡んでいくエピソードが盛り込まれますね。前後とつながりのないものみたいですが、いわゆる「危ないから、ライダーの真似をしちゃ駄目だよ」というターゲット視聴層に向けた注意の意図があるんでしょうな。

 そういう意図の部分って、どうも説教臭くて面白くならなくなりがちなんですが、そうならなかったところが制作(特に脚本の小林靖子さん)の上手いところなのかも。いったん拓也に真司のバックルを奪わせるものの、ライダーにはしない。蓮の戦いを見させるわけですね。

 蓮は蓮で、ライダーが強くてカッコいいだけの存在ではないと教えるべく、わざとミラーモンスター(アビスラッシャー)に押される苦戦ぶりを見せる。それだけだと説教臭いし、嘘で丸め込むことになってしまうんですが、ゴロちゃんがこの件に巻き込まれたことが効いてくるわけですね。

 もともとゴロちゃんは子どもを気にかけるタイプであり、このドラマのキーパーソンとして適任。。北岡をひどく心配もしている。その北岡がモンスターとのバトルにゾルダとして割り込んで来る。ゴロちゃんとしては初めてゾルダ/北岡の戦いを見るわけですな。北岡はしかし、直前に病がいよいよ悪化している様子が描かれている。

 それもあるし、全てなぎ倒したい王蛇まで参戦してくるしで、子供に好かれやすいゴロちゃんがゾルダ/北岡の戦いを見て、真剣に心配し苦しんでしまうわけですね。それがライダーに単純に憧れていた拓也に伝わる。「ライダーとして戦ってほしくない」という気持ちですね。そこは真司のずっと持っている願いにもつながって来ると。

 となるとターゲット層視聴者へのメッセージがあるとすれば、「ヒーローたちは、観ているみんなにこんな戦いはして欲しくないと思っている」というものになります。これなら説教臭くなく、「うん、そうだよね」という感じで素直に受け取れます。そう思ってみると、「やはり龍騎のライダーバトルはシビアだなあ」という印象にもなってきます。

 そうしておいて、オーディンの登場となるわけですね。ライダーバトルに勝ち残ったライダーが倒すべき存在のようですが、なぜかトーナメント半ばで介入してきた。瞬時の移動など、段違いの実力を見せつけておいて、その場のライダー(龍騎、ナイト、ゾルダ、王蛇)を過去へ送ったらしい。

 もっとも、未来(?)の記憶をかろうじて維持する真司視点なんで、蓮らが本当に過去を繰り返したか、繰り返しているとしても覚えているのかどうかは不明ではありますね。ただ、蓮が一部なりとも未来の記憶を維持しているとしたら面白いかも。蓮は優衣と共に、意識不明のまま容態が急変した小川恵里が、おそらくは一時的ながら危険な状態を脱したことを見届けてます。

 しかしそれで蓮は一安心したようでいて、一人でベッドに横たわると、涙を流してました。このシーンはラストでオーディンが時間を巻き戻す前ですけど、もし第1話からここまでがオーディンが前に時間を巻き戻した世界だとすると、蓮がこの先を知っていて(小川恵里死亡とか)、泣いてしまったと考えることも可能なように思います。

 さらに、オーディン(や神崎士郎)が真司にやり直しさせた世界では、やはり蓮が当初は真司を追い出したい感じで接してます。これも、もし蓮が記憶を一部保持していて、この先の真司の運命(最終回前に死亡でしたか)を知っていて、遠ざけようとしてたと考えてもよさそう。

 完結作品ですから予習ができまして、上記は間違った妄想だと分かるんですが、もし初放映をリアルタイム視聴していたら、いろいろ妄想を膨らませただろうなと思う次第。それくらい、今週分は龍騎世界で何が起こっているかを分からなくし、不安を煽る作りになっていると感じます。

 それはともかく、真司がときどき未来の記憶を思い出し、ライダーの死亡を回避しようとするも、全て失敗してしまうわけですね。どうやら歴史の大筋は変えられない。あくまでも既に起こったことについてはですが、絶望するしかなさそう。オーディンに何度過去に戻されても、今までの悲劇を眺めているしかない。

 そのようでいて、一縷の希望があるようでもある。少なくとも、龍騎/真司は二度目の同時刻のオーディンの一撃を防いで反撃できた。金色の羽根が見えたら背後から攻撃が来る、と覚えているうちにメモしておいたお陰ですね。それ以外にも、もしかしたら今後に影響するかもという点がありました。

 特に二度目の初接見の北岡に対する影響です。真司は浅倉が脱走して王蛇になることを覚えてて、北岡に警告。ただし、この時点では北岡は新たなライダー参戦を歓迎しており、北岡の脱走を事実上黙認してしまう。が、その後の悲惨な経過はここまで描かれた通りなわけですね。繰り返しの歴史で為された警告を無視したことを、北岡は悔いて、行動が変わるかもしれません。

 この時間の巻き戻しで事態が不透明になってきましたが、オーディンをおそらくは操った神崎士郎の目的は、直接的には単純で他愛もないものだったようですね。神崎邸に再びやってきた優衣と揉めた際、(おそらくは優衣が子供の頃に描いた)絵が1枚床に落ち、そこに花瓶の水がこぼれてしまった。神崎士郎が絵を拾おうとすると破れてしまう。その絵を無事に取り戻すためだけに、この時間巻き戻しを起こしたらしい。

 神崎士郎は優衣に表面的には冷酷な態度を取るも、どうやら非常に気遣っている様子もあります。その優衣の絵の1枚たりとも失うことすら許せないようですね。と予習も踏まえて思うわけですが、予習抜きだと自分はいろいろ妄想しそうです。「絵はこの世界を表していて、破れると現実でも破壊が起こる」とか。しかし実際には神崎士郎の優衣への愛情以外のなにものでもないようです。

 それにしてもエライことになってきたと感じたんですが、次話タイトルが「見合い合戦」となってまして「何のこっちゃ?」みたいな気がしています(^^;。その次が「ゾルダの恋人」ですか。タイトルからすると、少し緊張を緩めるのかなと思えます。その次が「少女と王蛇」でして、これは浅倉が意外な一面を見せたと言われてる回かしらん。

●牙狼-闇照編(第20話: 母 Mother)

 前の「裏 Tousei」ではボルシティでの滔星視点の事件の流れを見せてくれて、今話ではなぜ滔星がそのような人間になったかを見せてくれて、ようやく黒幕像が見えました。滔星は冷酷で強欲な恐るべき人物ですが、もしかすると(おそらくは素質的に凡人の)滔星自身にもどうしようもなかったのかもしれません。周囲の人物等の環境の影響が極めて強いようですから。

 観ていて意外でしたが、滔星も魔戒に関わる者だったわけでしたか。魔戒法師の家系であり、母親は金城憲水に力尽くで奪われて滔星が生まれた。母親は生活は保障されていたようですが、早々に憲水に飽きられたようですね。

 そこは母親も恨みに思うものがあったのか、滔星を虐待しつつも、「強い男になりな」と言ったりもする。そこは符礼法師が流牙に言ったのと同じ台詞ですが、影響の方向性は真逆になったようですね。それにしても、今話タイトルの「母」は滔星に対するものでもあったとは、これも意外でした。

 その後、滔星は家にあった魔戒の文書を読み、ホラーやゼドム等について知り、母親をホラーにする実験を皮切りに、次々と事を起こしていくわけですね。符礼法師と流牙の母:波奏らが、牙狼の鎧を修復するべく、ゼドムの儀式に臨むも、これを滔星は利用。生み出されたプラントを奪取、魔戒騎士だった尊士を魔導ホラー化して手下にし、波奏を拉致して次々とプラントを生み出させ、魔導ホラーの手下を増やしていったと。

 このプラントを生み出す作業は、媒介術者の生きて来た歴史を代償とするもののようですね。よくある「生命力/寿命が代償」ですと老いていくことが多いわけですが、プラントの術については身体は若返り、生きて来た記憶が失われるわけか。だから遺跡の部屋に流牙が入ってきたも、子供に戻った波奏は反応しなかったようですね。

 滔星が「これ以上、プラントが作れない」旨言ってましたが、波奏がこれ以上は昔の心身に戻れないということだったらしい。無理にやろうとしても胎児以前に戻っちゃうんだろう。もしそうだとすると、次のプラント媒介術者の莉杏だと、もっと少ないプラントしか生み出せないんだろうなあ(なぜ滔星は高齢の魔戒法師を狙わないのか、と不謹慎な疑問が湧いてしまう ^^;)。

 魔導ホラーを倒すたびに、黒ずんでしまった牙狼の鎧が金色に輝く理由も明かされまして、魔導ホラーの元となったプラントが牙狼の鎧の修復のためだったからでしたか。ただし、倒しさえすればいいわけではなく、魔導ホラーのプラントに波奏が歌で修復の力を吹き込んでもいたから、ですか。

 ザルバによれば、歌は魔導ホラーの活性化もしてしまうとのことですが、やむを得なかったんでしょうね。波奏は記憶も失っていくわけですから、なぜ歌う必要があるかは覚えていられないはず。魔導ホラーの活性化という、滔星にとって有利な作用があるから、波奏が歌う理由を忘れても、歌うことになるという波奏の戦術だったんでしょう。

 しかし、流牙の眼、猛竜の右手、哀空吏の弓、莉杏の身柄という犠牲を払いつつ、波奏を取り戻した。符礼法師の術で波奏は元の姿に返りましたが、単純に考えると、滔星が同じことを行えば、再びプラントの媒介術者となれるはず。そうできないのは、どうやら波奏がプラントを生み出すことで不可逆の悪影響を受けたからみたいですね。

 しかし、それでも波奏は修復の作業を続けまして、鎧ではなく騎士=流牙の修復、つまり目の治療ですか。これの代償が波奏の視力というのはつらいですな(これも不可逆)。波奏が流牙を見ている間は流牙は波奏が見えず、ようやく流牙が波奏を見たときには、波奏は流牙が見えなくなっている。なんともやりきれない行き違いです。でも気持ちが通じているからいいのか。

 滔星が奇襲をかけたゼドムの儀式での、符礼法師が仲間の法師から受けた今際の言葉も衝撃的ですね。莉杏の父親(莉峽)でしたか。符礼法師は、波奏からは流牙を託され、莉峽からは莉杏を託されていたわけか。ボルシティで流牙と莉杏が会ったのは、符礼法師のはからいでもあり、2人の運命でもあるようですね。
(莉杏の耳飾り(?)は父親の形見でしたか。ウィキペディアでは、髪留めの「バレッタ」とされていますが、デザインや使い方がどうも普通のバレッタっぽくはない感じ。でもそういう設定ならば、今後はバレッタと呼ぶことにします。)

 全部知った流牙は完全に吹っ切れた模様。符礼法師に対する態度も改まり、誤解もわだかまりも解決したことが窺えます。流牙の眼は回復したものの、猛竜の右手は失われたまま、哀空吏も弓がない。ですが、莉杏を救うべく再び出撃した3人は不思議と力強いですね。全員、これ以上は落ちようがないという底にたどり着き、後は上がるだけだからなんでしょう。

 もっとも少し予習してみると、波奏については、この先につらい展開があるみたいですね。敵戦士も健在ですし、厳しさはこの先も変わりそうにない感じ。それでも希望が感じられるのは、やはり流牙、猛竜、哀空吏の表情のせいなんだろうか。

●仮面ライダーゼロワン

 当地のローカル局で再視聴中のゼロワンについても少し。コロナ禍で制作が止まり、スペシャル版が放映され、ようやく通常進行に戻り、イズが滅に倒されたところまで来ました。

 自分は感想書きつつゼロワン観ていたわけで、イズが倒されたことも詳しく覚えています。再視聴で見覚えがないなんて点は皆無でした。が、印象としては、まるで初めて観たような気がします。なぜなら自分にも深刻な「イズロス」が生じたから。

 それだけでなく、例えば仮面ライダーアークワンの正体が或人であることはよく分かっていたのに、アークワンが変身を解いて、或人が姿を現すとショックを受けたりもしました。知っているのに意外な感じがしたんです。

 かつ、そうなった或人の気持ちがなぜかよく分かる。或人のやっていることが間違いだと思うものの、そうしたいという気持ちが痛いほど伝わってきます。間違ってるのに肯定したくなる。こういうの、フィクションにおける描写成功の典型例なんでしょうな。

 全部知ってるはずなのに何でだろうと考え込んでしまいました。記憶をたどってみると、どうやら自分は初視聴時、「もしコロナ禍で変更がなければ」「もともとはどういう構想だったのか」ばかり気にしていたようです。

 言い換えれば、目の前のドラマ展開をそのまま受け取らず、自分が想像する「こうなったはずかも」というイメージと、目の前の映像の差分ばかり考えたいたようです。それでは充分楽しめなかったのも当然で、自業自得ですね。

 たぶん、それがそのまま尾を引いて、セイバーやリバイスの視聴にも悪影響及ぼした可能性大です。その辺りは、ゼロワンの再視聴を完走してから考えようと思います。念のため、コロナ禍でいったん通常放映がストップする前後辺りからの録画は残しており、最終回後に観なおしてみるつもりです。

 その後、もし東映公式Youtubeでもゼロワンの再放映があれば、やはり視聴するつもり。その際は、仕切り直しでこちらに感想を書くかもしれません。そう思うほど、ゼロワン初視聴時の自分の思い違いに愕然としています。なんで目の前のドラマをそのままに観られなかったんだろうorz。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/26 (Sat) 08:48:11

 実写感想です。

★鎌倉殿

 今回の話で意外に思えたのは、実朝が公暁と和解する方向に動いたことですね。
 しかし、「人が良すぎるという欠点」のために、公暁の抱えた闇の大きさを理解しきれず、安易に「お前の気持ちが分かる」というような発言をして、ますます反感を募らせてしまったところ。

 少なくとも、「自尊心の高い、かつ拗らせた人間」は自分の気持ちは自分だけの特別なものだと考えがちで、「お前なんかに俺の気持ちが分かってたまるか」と反発するもの。
 なお、この時、実朝は27歳、公暁は19歳で、今の感覚で言えば「30歳前の社会人(亡き父や兄の後を継いだ3代め若社長)が、ベテラン重役連中の傀儡になってる自分を許せずに、独自に会社運営をしたがっている結果、会社を西の老舗企業に売却しようとしている」ようなもので、創業者の意を裏切るような形。
 一方の公暁は「高校を卒業して、研究者の道を進むかと思われた前社長の子で、父の意を継いで企業経営に舵を切ろうとしたら、現社長の叔父からお前に後は継がさないと言われ、むしゃくしゃして殺意を募らせていたところに、お前の気持ちは分かると安易に言われた」ら、突然ハッ? となる。

 気持ちが分かるためには、同種の苦境を経験した背景なり、それまでの付き合い云々を経ての段取りが必要なのに、公暁の目からは「甘やかされた苦労知らずの順風満帆人生に見える実朝が、いきなり苦労人の自分の気持ちが分かることなんて有り得ない」と思うだろうから、実朝の言葉が非常に軽く浅はかに感じられて、騙されるものか、と感じる。

 この場合、実朝は「自分の気持ちの分かる同志が欲しい」という思いがあって、「自分が喜ぶであろう言葉」を公暁に投げかけたのだと考えます。
 自分を理解して欲しいという人間にとって、「気持ちが分かる」は殺し文句になりますから。
 しかし、「本当に気持ちが分かるか」となった時に、やはりいろいろなハードルがあって、例えば、「同じ番組を楽しんで見て、語り合うことで通じる感情」とか、「同じ部下持ちで、仕事の苦労話を分かち合える」とか、何らかの共通土台があって、その範囲内で気持ちが分かるということなら、共感という意味で話が弾む。

 実朝としては、あそこは謝罪で留めるべきだったのを、憐憫とか嘘っぽい共感を表明しちゃった。
 自意識の高い公暁の気持ちを明確に踏みにじっていることに気づかない。
 その辺のすれ違いというか、性急さを表現したシーンでしたな。

 で、年齢で言うなら、この時期、義時は56歳で、後鳥羽上皇は39歳。泰時は26歳になりますな。
 義時は、初代社長の側近として鎌倉会社を切り回して、社内の権力闘争を勝ち抜いてきた重鎮。それを苦労知らずの3代めが西の老舗ライバル企業に売り払うという振る舞いをされたら、さすがにキレるというもの。
 まあ、義時の「若者の気持ちを無視した強権体質が反発を招いている」というのも確かなんだけど(話はここまで、と若者の意見を断ち切りがちで、独断専行のゴリ押しな面は確かにある)。
 頼朝と比べると、「頼朝は人の話をきちんと聞いた上で、スルーして我が道を進む。時々、人の話に応じる、と飴ムチの使い分けができていた」のに、義時は「人の話を聞かずに、ムチだけで押し進める強硬な理想主義者」の面を会議では見せがち。

 まあ、「人の良い、性格的に皆から慕われる表看板のトップ」と「実務的で、時に非情な判断もできるナンバー2」という体制が、ちょっとした理想組織に見える面もあって、
 義時は明確にナンバー2の役割なんだけど、トップである実朝との意思疎通が完全にこじれたのは、「情治主義を軽視しているため」かな。義時の理想は「武家による法治主義の確立なんだろうけど、明文法を作るという発想に欠けるというか、実務はできるけど教養に欠けるのが北条の欠点」で、その辺を泰時が学んでいる最中なのか。

 まあ、何だかんだ言って、義時の良いところは「若者(実朝)の考えを、一蹴するように見せて、きちんと理解して後世の治世に取り入れようと検討する一面」を示していること。
 実朝のアイデアである親王将軍とか、六波羅に鎌倉幕府(の一部)を移すこととかは、後世の歴史につながって来るような流れで、実朝の考えを部分的に取り入れているのが、義時の政治的柔軟さ(実用主義の現れ)で、
 仮に、義時が「あなたの意見は粗削りな面も目立つが、検討の余地もあるので、一部採用して様子を見たい。続けて、ご意見があれば謹んで耳を傾ける所存」とでも言えば(真っ当な会議)、実朝も気分よく政治参加した気になれるのに、まあ、その辺の人情の機微を察しないのが今の義時として描かれている、と。

 実朝と公暁の関係もそうですが、この通じない想いのすれ違いと、死に際で初めて通じたりもする皮肉なドラマ作りがやきもきさせられる、というのかな。

 それはともかく、善児を殺した後のトウが仕事をしくじってばかりのドジっ娘に成り下がったのが何とも悲しい。
 果たして、トウの運命は?

★ギーツ

 お爺ちゃんに感情移入したので、死ななかったのが幸いです。
 ギーツのライダーで、「初めて感情移入して、しかも翌週まで生き延びてくれた」感ですな。

 その話で感情移入した途端、退場というパターンが続いて、感情移入先に困るのが目下の感想なので、
 これで仮にお爺ちゃんが次回、亡くなっても、その想いが景和覚醒につながるなら、それはそれで美味しいかも。

 でも、お爺ちゃんは死なずに、ドクターストップで退場という形で留めて欲しいな、と。
 老兵は死なず、ただ消え去るのみ、という言葉の通りに。

★龍騎

 この時期の放送は、リアルタイムだと「8月の夏休み」期間ですな。

 ディケイド以前の平成ライダーですと、8月は番組中盤で「高校野球とか、夏の劇場版とか」との絡みで、物語をあまり進めることができないとか、夏休みの子どもにアピールしたいとか、ここまでのストーリーを整理する総集編みたいな要望といった諸事情で「変則的な番外編」「子ども向きのジュブナイル、あるいはギャグ回」になりがち。

 まあ、今回の龍騎にはそういう事情も背景にあった、と。

 で、9月に入ると、新展開ですな。
 夏の劇場版を受けての物語進展と、TVスペシャルと、それらが全部、タイムベントによる時間巻き戻しで発生したパラレルワールドだという裏設定の伏線ということを小出しにしていて、
 この段階で「ミラーワールドの誕生には、神崎士郎ではなく、優衣が大きく関わっていて(というか原因)、士郎はあくまで優衣の生み出した異世界に他の人間が干渉できるようにしたライダーシステムを開発して、優衣の消失を防ぐために画策した」という設定が劇場版で語られ、
 ここから先は「ミラーワールドを閉じるには、神崎優衣を犠牲にしなければならない」と研究結果を示す香川教授が現れて、真司の葛藤がますます深まることに。

 とりあえず、9月の放送分から、劇場版の設定を踏まえた物語進展が行われて、こちらでは34話過ぎから話が急加速する、と。
 それまでは、各レギュラーキャラに焦点を当てた寄り道エピソードといった感じですな。まあ、ここで北岡さんや浅倉の人気が上がったりもするのですが。

PS.牙狼感想は、次回にまた。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/27 (Sun) 07:58:09

牙狼のダブル感想です。

★闇照

 「強くなれ」
 父・冴島大河が鋼牙に遺したセリフが今回は、母・波奏が流牙に遺したセリフになると共に(流牙の父親は不明)、敵役の滔星もまた対比的に「強くなれ」を受け継いだ形になる。

 ただ強さの質が違って、黄金騎士は「自らの修行と苛酷な戦いで強くなった護りし者」なのに対し、
 滔星は「他人を利用し、その尊厳を踏みにじることで、護られし者」としてボルシティに君臨する。
 本質的に臆病で、自ら戦うことをしない割に、傲慢かつ姑息な無責任男として、歴代の牙狼のボスの中でも、珍しい「バトルマニアではないボス」となります。
 悪役でも、正々堂々と戦うキャラや、正義のヒーローに対して相応の敬意を示すキャラは、美学とか戦士としての生き様とか誇りとか、時に格好良かったり、共感できる部分を感じることもあるのですが、滔星については「本質的に小者なんだけど、大物ぶりがちな調子乗りな面があって、それでも想定外のトラブルに対してはガタガタ震えて、自分では責任をとらずに逃げ出すという、情けなさ」があって、本当に魔戒騎士との対比で作られたキャラだなあ、と。

 まあ、騎士ではなく、法師の系譜なんだろうけど。

 で、過去の経緯を説明しながら、流牙の復活、そして黄金の鎧の復活の段取りまで整えて、次回から決戦編に移る、と。
 まずは燕邦との決着編ですな。

 莉杏の想いが昇華される流れでもある。

★神ノ牙

 クライマックスで登場する、翼の生えた牙狼。
 鋼牙だと「神々しい黄金に満ちた鳥の羽根」なのに対し、流牙だと「闇照の黒牙狼を想起する、コウモリ翼」になって、それはそれで格好いい。

 イメージカラーも、鋼牙は白いコートなのに対し、流牙は黒い衣装で対比的に描かれています。

 で、本作は強豪ライバルの神牙にスポットを当てて、光と闇の対比を描きつつ、魔戒騎士と法師の悲劇的な愛も前提に描いた話。
 敵のホラーが欲望をゲートにして出現するという設定で、暴走した愛もまたホラーの源になる(時には暴走した正義さえも)、この人の感情のドラマもシリーズの魅力で、その上で「魔戒騎士の気高さ」をどう描くか、ですな。

 神牙の場合は、TV版の翔で「愛するアミリを捨てて、莉杏に乗り換えようとした点」で、「お前は愛する者の悲劇でホラーになったんじゃないんかい?」とツッコミ入れられて、株が下がった記憶がありますが、
 その後、この映画で「やはり、神牙はアミリへの愛情を忘れていなかった」と汚名返上し、そしてTV版で「魔戒騎士・御影神牙として光に返り咲いた彼が、闇に翻弄されて結局、闇堕ちする破滅の悲劇をじっくり描く救いのなさ」が印象的。

 TV最近作のVRが「黄金騎士の復活を目指しながら、最終的には黄金騎士になることを否定する一般人のドラマ」という形で、近年はアンチテーゼ方面ばかりに流れていましたが(王道はTVではなく、劇場版での集大作として描く)、コロナ禍以降、新作が作られる環境になく、過去作配信でシリーズ継続を図っている現状、
 改めて自分が期待したいのは、鋼牙編と流牙編の世界観のリンクですな。魔戒烈伝で、烈花と莉杏が異世界で対面したけれど、鋼牙(あるいは雷牙)と流牙の対面は今のところ描かれていない。

 W黄金騎士というのが、一つの見たい物として自分は考えております。
 いや、父子3代で継承した黄金騎士の鎧を融通し合うバトルでは感じ入りましたし、闇照でもこの後、「黄金を取り戻した流牙の鎧の光に照らされて、猛竜や哀空吏の鎧も共に黄金に輝くトリプル黄金騎士のクライマックス」で燃えること受け合いですが(それだけに、劇場版の神牙でもトリプル黄金騎士は期待したんだけど、神牙との決着は流牙に委ねるドラマ的な流れを優先)、
 ともあれ鋼牙のラスボス・メシアが神牙の前に登場したラストは、2つの牙狼世界がつながるの? とワクワクしたものです。

 まあ、その牙狼バースの夢はまだ公式映像では実現しないまま、時折ゲームとのコラボ(ファイナルファンタジーとかスパロボとか)を見せてくれているのが、この5年間ぐらいですが、
 まずは雨宮監督のライフワークになってそうな絵本完成をじっくり待つ、と。何だか、それが完成しないと、次が始まらないような気がしてますし。

 で、その絵本をモチーフにした新・牙狼(どちらかと言うとアニメかな)のアイデアとか企画されていないかな、と思いつつ。

Re: 11月のスレッド(2022) - K.K

2022/11/30 (Wed) 10:42:29

 定期感想その1です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第20話:F・Fー目撃者)

 今話は初見ではジョジョ名物の頭脳戦にちょっと不満を覚えました。敵の遠隔自律スタンド:ヨーヨーマッに事実上の止めを刺したのはアナスイですが、雑に抑え込んだという印象でしたんで。しかし、観なおしてみると、今までのジョジョ頭脳戦とちょっと変わった趣向ながら、やっぱり敵の分析から勝利条件の選定と達成が上手く行われた見事なものだったと思い直しました。

 敵スタンド:ヨーヨーマッは物理攻撃に対し強靭で、どうやらスタンドの使い手を倒すしかない。そこは別動隊としてDアンGを追ったFFに任せるとして、ヨーヨーマッの攻撃は防がねばならない。

 最初に気付いたのは徐倫ですが、既に正体不明の攻撃を受けて、喋れなくなってる(舌に穴が開いてましたが、声帯もやられてる?)。そのせいで発生したアナスイのコントは置いといて(^^;、喋れないならとスタンドの糸で「Be All Eyes」(決して目を離すな)と伝える。

 この時点で徐倫は敵の攻撃手段が掴めてないわけですね。正確には、1つだけ分かっていて「蚊」ですね。ヨーヨーマッの口から出て来た蚊に刺されると攻撃効果が発動する。しかし、蚊を防いでも攻撃を受け続けると。まだ何かある。

 ヨーヨーマッが追っ手から逃れるための迷彩をボートや徐倫らに施したりしたんで、アナスイは信用していたわけですが、さすがに「Be All Eyes」のメッセージを見ますと、ヨーヨーマッが攻撃したと理解。ここからアナスイにバトンタッチで反撃開始なわけですね。

 いきなり「この世に生まれてきたことを後悔」云々と宣言しまして、非常に勇ましいんですが、ヨーヨーマッを移動させたり、踏んづけたり。次に持ち物を全部出せとか言い出す。その間にもアナスイは攻撃を受け続ける。アナスイは構わず「攻撃目標は固定されているというわけか?」と尋ねたりしてまして、ちょっと何考えてるか分からない。

 その間も徐倫は推理を続けてまして、ヨーヨーマッのヨダレが怪しいと気が付きますが、そうだとするとアナスイが船の縁に移動させたのはマズいということになりますな。もしそうなら非常にマズい指示をアナスイは出しまして、ヨーヨーマッに船を加速させろと。徐倫は慌てる。もし川の水がヨーヨーマッのヨダレに汚染されていたら、しぶきが飛んでさらに不利になるはず。

 ですが、逆に正体不明の攻撃が止まった。ただし、ヨーヨーマッの行動が異常になる。船の加速の指示は実行せず、舌を伸ばして虫を食ったり、鳥を見て恐れて隠れたり。なんだろうと思ったら、ヨーヨーマッにカエルの脳を移植してたんですか(そんなことまでできるアナスイって、外科医になってたら多数の人命を救っただろうなあ)。

 ヨーヨーマッの独白によると。次に狙っていた攻撃は船の推進プロペラを帯電させ、ヨダレも帯電させて弾き飛ばすというものだったらしい。次々とヨダレを飛ばす手段をを変えていたみたいですね。

 しかし、おそらくアナスイにも徐倫にも、ヨーヨーマッの攻撃手段は分からずじまい。初見では特にその点が不満だったんですが、この船上での勝利条件は「徐倫を暗殺させないこと」なんでした。アナスイは不完全な情報から、最小限の勝利を達成したわけですね。それも自分(アナスイ)をわざと攻撃対象にさせておいて、いろいろ試して攻撃が止むのを確認したと。身を挺して徐倫を守ったアナスイも、なかなかにヒーローだなあ(まあ本気で惚れてるからでしょうけど ^^;)。

 しかし最初にヨーヨーマッの攻撃の攻撃を受けたFFはヤバいはずですね。アゴというか、顔の下半分が溶けちゃってる。と思ったんですが、頭をスパーンと斬られても平気なFFなんでした。すぐに修復してDアンGを追ってますね。先週心配して損した(^^;。

 FFは情勢有利なことを理解してまして、敵スタンドが遠隔型だからですね。呼び戻さない限り、スタンド攻撃は受けない。そのターゲットの徐倫らが倒されない限り、敵スタンドは帰ってこない。使い手のDアンGは重傷で動けない。それならFF弾を撃ち込めば任務完了の簡単なお仕事。

 のはずが、ラスボス来ちゃうわけですか。特別房の惨状を見たプッチ神父、Dioの骨が動き出したと知り、目撃したはずのDアンGから情報が欲しくて追ってきたわけですね。そこでDアンG暗殺を狙うFFと出くわして続く。

 よく考えたら、元配下のFFも、現配下のDアンGもラスボスとは初対面ですね。いつもスタンドのホワイトスネイクで会ってたはずですから。これでFFにラスボスの正体が判明する大成果となりますが、しかし正体を見せたということはプッチ神父はFF(とDアンG)は始末してしまうつもりでしょうし、その自信もあるんでしょうな。

 このラストで非常にFFが心配になったんですが、たぶん直前が影響してるんだと思います。今話で最も薄気味悪くて怖いものでした。プッチ神父がサバイバーの使い手:グッチョにCD仕込んで「ハレルヤ」を演奏させるシーンです。アナスイにより骨が飛び出すズダボロのグッチョにCDセットして演奏(?)させ、プッチ神父は指揮者ごっこして歓喜に溢れる。

 このむごさは、自分的に凄く怖い。その直後、FFがプッチ神父に遭遇する。まだ恐怖感がさめる間もないわけですんで、「FFがヤバい」と強く感じてしまいました。次回タイトルは「AWAKEN -目醒め-」でして、これはDioの骨(から生まれた何か)を指してるのかな。FFについては暗示されずで、かえって不安になります。

 と思った自分はどうやらFFに感情移入が強くなっているようです。たぶん、徐倫への感情移入を通して、FFにも好感を抱いたようです。FFは最初、おかしな行動をとりがちで、徐倫が一生懸命サポートしてました。幼児にてんてこ舞いする保護者的な感じですな。自分は徐倫に感情移入が生じているので、FFを気にかけるようになったみたいです。それもラストの不安感を強めてしまったんでしょう。

●風都探偵(第9話:閉ざされたk / 究極は二人で一人)

 先に原作コミック無料公開分が読めたお陰で、今話の内容がしっかり把握できた気がします。コミック読んだときよりも、いろいろ分かったり、強く感じた点も多々。例えば、アルコールドーパント(ハイドープ)の正体を現した鏡野キクを、倒すのではなく救おうと翔太郎が決意したのはどの時点か。あるいは、万灯雪侍が話している最中にチラッとときめを見た意味(2人は裏風都/メモリでつながりがあった等)がハッキリ感じられたりとか。

 これはアニメ版だから分かりやすいといったことではなく、前に申しましたが、自分のコミック読解力が低下しているから。コミックから長らく遠ざかっていたせいですが、決してコミックを敬遠したり侮ったりしているというわけではありません。

 ちょっと話の道草になりますが、自分はコミックにはとても感謝しています。読み始めたのは7歳頃です。愚鈍な自分でも、さすがいひらがな・カタカナは読めるようになってました。そして少年向けコミック誌は漢字にはフリガナがあるんで、読める。物語の文脈があり、絵があるんで熟語等の意味も用法も分かる。

(最近、ネットで読んだマジンガーZのパロディコミックで指摘されていたのは、昔のコミックはやたら難しい熟語、慣用句等を使っていたとのことで、コミックで国語知識を得た子はかなりいた模様です。)

 気が付いたら、一般向け文庫本が読めるようになってました。10歳頃でしょうか。ほぼ全教科全滅の癖に「吾輩は猫である」をキャッキャッ笑いながら読んでいるという、歪な状況です(^^;。が、本が読めるというのは、頭の悪い人間にはとても重要でして、地頭悪くても知識で何とかなることが増えます。ちょっと誇張ですが、コミック読んでなかったら、今頃生きてなかったかも。それくらいコミックに感謝してます。

 すみません、道草が長くなりました。ともかく本編。前話でアルコールメモリを追って、翔太郎らが鏡野邸に突入するところからですね。ひな壇にいたのは、やっぱり鏡野キク。キクは問われるままに真相、それも過去からの経緯含めて話してくれまして、全容が明らかに。ただし、素直に明かしてくれたのは、秘密を知った者を生きて帰さないつもりだったからのようですな。

 しかし、キクの告白はこの場の2人にはとても深く刺さったようで、翔太郎と空也ですね。空也は鏡野家の繁栄の理由が「ミュージアム」のメモリにまつわるものと知らなかった。それも、キクが命がけで受け入れ、他人は何人も殺害してきたと。厳しく、罪深いわけですが、その動機が「空也が生涯安楽に暮らせるように」ですから、空也としても我が事となります。

 もう1人は翔太郎でして、キクのような人間こそ、何としてでも助けたい性分です。「罪を憎んで人を憎まず」と表現するのは生温く、「地獄で苦しむカンダタに蜘蛛の糸を垂らすお釈迦様」といったところ。ただし、翔太郎がカンダタでして、この場合の蜘蛛の糸「空也のため」(by キク)に必死ですがる。

 初見ではそういう点がよく飲み込めず、続いて起こった変身バトルで「なんかWの戦い方、詰めが甘いというか……」と思ってしまいました。でもそれこそ翔太郎(と意思を共有したフィリップ)の狙いでして、メモリブレイクはするけど変身者のキクは助けたいという戦術でしたか。今話のW最強のエクストリームのアニメお披露目、それだけでも嬉しいですが、「メモリのみへ一点突破」のためという感動も加わってくれますね。

 メモリブレイク成功し、アルコールドーパント/キクの変身も解けますが、キクはその場合のケリのつけ方も覚悟していたらしい。屋敷に火を放ち、執事の木村正と共に炎の中へ消える。その2人が主犯・共犯でして、空也に裕福を与えられないなら、せめて禍根は残すまい、ということなんでしょうな。

 アルコール・ハイドープとのケリはつきましたが、この場ではゲストとして入り込んだ裏風都が残ってまして、竜/アクセルがスクリーム・ドーパントに対処中。そこへWも加勢。しかし敵はトライアルのスピードに渡り合う難敵ですか。が、リーダー格の万灯雪侍は、キクが敗れた今、これ以上どうこうしようという気はないらしい。

 もしかすると、駆けつけてきたときめを万灯雪侍は気にしたかな。チラッと目が合ったときの2人の表情はちょっと複雑なものがありそう。今話ではときめは「ハイドープ」を知っていることにショックを受けた様子もあり、じわじわと裏風都とのつながりが深いことが匂わされてますね。

 ともかくも全ての敵がいなくなりまして、翔太郎らは探偵事務所に戻る。まずは敵や事の顛末の整理ですね。途中、なぜか回復した通信についても説明されまして、作劇的にですが、なぜ途中で通信について説明しなかったか納得。通信障害自体が謎解明の発端で、そこから鏡野邸で何が起きているか突き止めたと。謎解きに関わるから、説明をラストに持ってきたわけですか。
(このシーンは、コミックのほうが印象が強かった気がします。やはり、仕組みや論理を描くのは、文章>コミック>動画、ということみたい。)

 メモリ被害をかろうじて免れた久保倉環奈と難波くるみもいまして、鏡野邸での様子とは違い、さばさばしてますね。特に難波くるみの印象の変化が大きい。鏡野邸での欲望むき出しかと思う態度はメモリの副作用でしたか。となると、死亡した財前暦、有藤蛍も普段はもっと普通(?)なんだろうと察せられます。

 もっとも久保倉環奈は態度の変化があまりなく、つまりメモリの影響でもブレにくい何かを持ってるようですね。空也はそこに惹かれたのかも。しかし、いったん空也は環奈を諦め、出直して一人前になってから再アプローチですか。そんな気の長いこと言ってると、環奈が別の誰かとくっつきそうな気がしますが、まあいいか。

 このエピソードも大団円だなあと思った途端、コミカル描写にして、かつ今回の翔太郎の最大に失敗が明らかに。空也が下戸ということですね。それが分かっていれば、アルコールドーパント容疑から空也を外せたわけですが、そうとは知らずに翔太郎は悪戦苦闘してしまったらしい。もっとも、早い段階で空也の下戸を知っても、2名の死亡が防げたわけではないんしょうね。

 事件関係者がみんな去って、今度こそ大団円、とはならず、万灯雪侍を気にするときめが描かれ、不吉な予感がするわけですね。次からは「超人r」編で、こちらで伺った内容(ときめが裏風都に再突入)を今話ラストで匂わせたということらしい。それにしても、コミック無料公開で読めたエピソードは今話で終わり、次からは(自分的には)未知のゾーンです。ちゃんと分かるかなあ。

Re: 11月のスレッド(2022) - Shiny NOVA

2022/11/30 (Wed) 23:58:50

 月末ラストのアニメ感想です。
 次から、師走スレッドに書き込むつもり。

★ジョジョSO

 敵スタンドの謎解きを劇中人物がきちんとできないまま、襲撃だけは何とか切り抜ける物語構造ですな。

 TRPGなんかのゲームだと、よくあるパターンです。
 シナリオでは、敵のデータとか行動動機とか書かれてあっても、プレイヤーにそれを伝える前に(時には、敵がいろいろ語ろうとする前に問答無用で)撃退されるゲームマスター泣かせのパターン。

 ゲーム終了後のアフタートークで、「実はこういう背景があって」とか語ったりするとか、他にも「敵のアジトやダンジョンのマップをいっぱい用意しても、プレイヤーが全部の部屋に進んでくれるはずもなく、半分ぐらいは無駄になったり」するパターン。
 昔のゲームだと、ダンジョンの隅々まで回って、お宝集めに励むプレイヤーは普通だし、ダンジョンマップを自分たちで完成させることに情熱を燃やすとか当たり前だったのが、今は「ストーリーを進めるのに最低限の効率良い回り方」を追求するスタイル。

 とにかく、前回のサバイバーにしても、今回のヨーヨーマッにしても、アナスイがよく分からない間に、強引に無力化してしまいました。
 たぶん、謎解き中心の物語だと、消化不良を起こしそうだけど、バトル物だと「とにかく、敵を無力化させたらいいんだろう。敵の目論みや能力など知ったことか」って感じですな。
 ある意味、アナスイはゲームだと面白味のないプレイヤーだ。

 というか、敵も味方も謎だらけのチームですな、このメンバーって。だから、コミュニケーションが上手く成り立っていないというか。

 で、一番、知識欲旺盛そうなFFが別行動ですし、アナスイは分解したがりだけど、知りたがりではない。解説役はしてくれるけど、「どうして、こんな話をしているのか自分でもよく分からない」とか言っちゃう奴ですし。

 まあ、そんなわけで、徐倫とアナスイは何とか窮地を逃れたものの、ラスボスに出会ったFFが大ピンチの状況で、助っ人に駆けつけるのがウェザー・リポート……でいいのかな。
 こいつも謎を抱えたキャラですが、残り4話で第2章完結。

★風都探偵

 アニメの第3エピソード終了。
 敵のハイドープ登場で、今後の伏線を張った回。

 ところで、「長い間、ガイアメモリを使うと超常能力を得る」というキクさんの言葉について、実は「翔太郎がジョーカーメモリの副作用によって、ハイドープ的な能力を覚醒する」という話がありまして、それが原作コミックの第4巻です。
 ジョーカーメモリは、翔太郎の感情の高まりに応じて、異常活性化するゆえに想定外のトリッキーな切り札と化す、という。
 ただし、アニメはこの第4巻を飛ばして、第5巻の裏風都決戦編をクライマックスに持って来たので(起承転結的に違和感なく、つながってますが)、万灯雪侍が割とせっかちというか、今回の顔見せ直後に(Wと関わらないと宣言した直後に)、動き出す、と。

 飛ばされた4巻の内容は、「Wを倒せば、力量を認めてもらって裏風都に迎え入れてくれるんだな」と自己アピールするパズルドーパントの話。
 そこを飛ばしても、話は問題なく続きますが、翔太郎が見せたハイドープ覚醒の兆しがあればこそ、万灯さんがトキメと翔太郎の関わりに改めて興味を抱く、と。

 なお、トキメの持つ壊れたガイアメモリも、実は翔太郎と同じジョーカーのメモリで、翔太郎とトキメの縁がどうなってるのか、も未解決の謎です。

 まあ、翔太郎のハイドープ化も、今後の物語の大きな伏線になりそうですが、今回のアニメ化部分では、トキメの成長に焦点を当てるクライマックスなので、翔太郎の過去が掘り起こされるのは、今後待ちってことですね。
 実写Wでも、翔太郎の過去って、おやっさんとの関わりや、第1話に登場した幼なじみの女性を除けば、ほとんど描かれていないままですから。
 ある意味、一番ミステリアスな登場人物が、翔太郎自身かも知れない、とばかりに、改めて掘り起こされる、と。

 ともあれ、次回のエピソードは、裏風都の再訪問で、第一話のロードドーパント(道作り)が大量出現したりして、いかにもクライマックスの大アクション編になります。
 謎解きメインの話ではなく、チェイス&バトルの緊迫化した展開なので、話が複雑で分からないということはまず、ないと。

 町工場の老職人が裏風都に引き込まれて行方不明になったので、「その孫娘がいなくなったお祖父ちゃんを助けて」と依頼して来る。
 そしてトキメの力で裏風都に侵入したはいいものの、敵の干渉で翔太郎たちがトキメと別行動になってしまう。
 そこで探偵助手の誇りを胸にトキメが大活躍しつつ、トキメたちを救出するための手がかりを求めて翔太郎&フィリップの表風都での調査活動……という流れで、上手く最後はまとまる、と。

 とにかく、クライマックスをどう盛り上げるかに徹したストーリー構成なので、難しいことは考えずに、楽しめる、と。

 そして、自分が一番気にしてた「割愛された4巻」ですが、パズルドーパントの主人は警察病院に収容されているのがチラッと示されたので、「話が飛ばされただけで、削除されたわけじゃない」ことが判明。
 おそらく、2期の過去編のどこかに適切に挿入されるんじゃないかなあ、と推測しています。

 正直、その話がない方が、全体的にスッキリするエピソードなので(文字どおり、トリッキーな怪事件ですので。謎解きミステリーとしては面白いけど)、バトルアクションメインの5巻をクライマックスに持ってきた方が見ていて、爽快だなあ、と。

 ともあれ、残り3話を改めて楽しみたく。

★うる星

 冬なのに、夏のプールの妖怪話でしたな。
 傑作選の割には、あまり面白い話じゃなかったですが、「女性キャラの水着が注目ポイント」になるのかな。
 でも、ラムの普段の虎縞ビキニの方が、ワンピース水着よりも露出度が高いわけで(苦笑)。

 ともあれ、先週は視聴して、今週はお休み、と。

★残り話数の確認

 とりあえず、鎌倉殿が実朝の死の後、残り3話で完結。
 一方、牙狼も、今週の燕邦退場編の後、残り4話で完結(物語は残り3話で、ラスト1話は符礼法師主役の過去編)。

 とにかく、年末が近づいて、いろいろな番組がクライマックスに流れるのを、少し早く寂しいと感じつつ、また来年の楽しみがちらほらと見え始める時期です。

 また、慌ただしい時期になると思いますが、年末年始もまた、よろしく、と。

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