創作と鑑賞の談話室

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1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/01 (Sun) 00:00:29

 あけましておめでとうございます。
 1月の雑談スレッドです。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/01 (Sun) 09:49:27

 新年、明けましておめでとうございます。

 正月回りにうかがいました。
 今年も旧年に変わらぬお付き合いをさせていただければ、と考えます。

 昨年末はいろいろ番組が終了したので、今年の頭の話題を確認するなら、

・火曜夜:牙狼翔
・金曜夜:ジョジョSO
・土曜夜:仮面ライダー龍騎
・日曜朝:仮面ライダーギーツ
・日曜夜:どうする家康

 この5つが昨年からの流れになりますか。
 木曜夜の「うる星」は自分の方が見たり見なかったりになって、まあ1話完結のコメディですし、リメイクだから、見逃しても話に付いていけなくもなく、ネタがあれば不定期感想でもいいかな、と思いつつ。

 牙狼翔は、再視聴ですし、K.Kさんも昔に感想書いているとのことで、自分としても概要と「今の目で見て、気付いた新発見があれば」という形で、略式に追跡したいと思います。

 何はともあれ、K.Kさんの感想書き込みを受けての、自分が追記して、次回予告とか視聴ポイントと思しきこと、先の展開への期待などを書き連ねる形でいいかな、と。

 とりあえず、今年の初感想は「年末ライダー映画」になりそうで、これから平成ジェネレーションズのYou Tube配信を見る予定。

 では、本年もよろしくお願いします(m0m)。
 楽しい1年の門出になるよう願いつつ。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/01 (Sun) 23:31:28

NOVAさん、あけましておめでとうございます。早速のご挨拶を頂き、恐縮です。

 去年、といっても12月30日ですから一昨日ですが、年明け早々の放映情報を頂いたお陰で、「平成ジェネレーションズ Forever」を無事視聴。1/9(月)までありますから、ご教示がなくても、いずれ気が付いたとは思いますが、やはり配信初日に観ておきたいもの(と言いつつ、なぜかバタバタしててプレミア公開では観られずorz)。

 それと11月に教えて頂いた必殺スペシャル2023が録画機でも確認できまして、録画予約しました。これも知ってなかったら「あるはず」と注意してチェックできず、下手すると録画漏れなんてこともあり得たかも。しかし「あるんだ」と思って録画予約してますと、前日に前回放映分の再放送があるのも気がついたりします(この再放映、恒例になってるようですね)。

●やっぱり自分ばかり得をしている気がする(自分語り)

 それにしましても、実は30日に頂いた締めのご挨拶で、ちょっと恐縮したりしています。いや、恐縮というのはおかしいかも。「そうではなくて」という感じでして、「真摯な作品の受け止め方、丁寧な鑑賞感想の文面」とのお褒めの言葉は、実はこちらで鍛えてもらったお陰なのにという実感があるんです。

 確かだいぶ前に「(この掲示板で)自分(K.K)ばかり得をしている」旨、書いた覚えがあります。感想書きしている作品を中心に、作品を楽しめる知識を教わってばかりいて、自分からは何も情報提供できてないという自覚があるせいです。知るほどに楽しめる知識は徐々について来た気がしますが、そうなると次は楽しみ方自体ですね。例えば「こういう視点で見てみると」みたいな。

 その楽しみ方も、いつの間にか前より深まっているようです。傍証がありまして、最近は観ているアニメの週当たりの本数が増えてます。いったんは深夜アニメを中心にほぼ興味を失うなんてことがありました。特撮を中心に、他へ興味が移り、そっちのほうが面白いと感じたからです。そうなると、楽しみの薄いものは切っていくことになり、特に深夜アニメ視聴数が減っちゃった。

 深夜アニメの内容が特に変わったようではないんですが、どうも今までのように「第1話で興味を失う」といったことが減ったみたいです。特撮等に飽きたからアニメに戻った、みたいな感覚はありません。以前に感じていた「(深夜)アニメはこう面白い」という感覚が復活したようでもない。

 なんだか別の楽しみ方をしているようだ、と最近気が付きました。例えば以前にはあまり思わなかった「このキャラクターのこういうところが好き、面白い」といった感じですね。そこからドラマが見えてきたりもします。キャラクターの面白さはドラマ抜きで発生するわけがないから、当然ではあるんですけど、以前はそんなこと考えてなかったような。

 なんでいったんは飽きたと思った(主に深夜)アニメを(再びというよりは)新たに楽しめるようになったのか考えてみると、唐突な言い方になりますが「平成ライダーを観て、感想書いたからだ」と思えます。それも一人で感想書いてたんじゃなくて、こちらで作品知識を教わりつつ、かつ今まで見て来た蓄積のある感想を拝読しつつ、ですね。

 修破離なんて発達段階があるそうで(守破離と言うことが多いらしいですが、自分は最初に知った修破離がどうもしっくり来る)、1つの流儀・1人の師匠に学ぶ修から、他流にも学ぶ破を経て、自分流の離となるんだそうで。最初に聞いたときは「そういう行き方になることもあるのか」くらいに思ってたんですが、どうやらかなり広範に当てはまる、あるいは応用が利くものみたい。

 その修破離が、映像フィクションの楽しみ方で自分にも起こっているようです。まずは平成ライダーで起こりました。ある平成ライダーを第1話から最終話まで(感想書きつつ)観てみると、まずその平成ライダーが分かる(修)。それにより次に観る平成ライダーとの差異が分かり(破)、視聴完走するごとにより面白く観られるようになります。

 で、それ自体がまた「修」になりまして、近い他のシリーズ、例えばスーパー戦隊も面白く観られるようになります(それも、ここでゴーカイジャーを勧めて頂いたお陰だったり)。さらに、例えば米国特撮ドラマのフラッシュも、それ自体楽しめましたし、その視聴経験が平成ライダーの楽しみ方をを深くしたりします。平成ライダーが「修」で、戦隊やフラッシュが「破」なんですけど、それが平成ライダーの「修」をより深くしたりします。言い換えますと、平成ライダーがより分かる、楽しめる。
(そういうの、時折聞く「次へ進んでみてようやく、前にやったことが分かる」という現象なのかも。)

 そうなってみると、その平成ライダーの楽しみ方が、意図、意識せずに他の映像フィクション、例えばいったん飽きたと思った深夜アニメにも活かされてきたようです。以前には気が付きもしなかった面白要素が自然と見えてくるわけです。

 しかし、受動的に観ているだけではそうはならないわけで。ただ眺めているだけなら、今まで長年やって来てます。それが変化したということは、能動的なものが加わったからで、それがここでの感想書きということになります。これがもし、ブログみたいなところで1人で書いていただけなら、ここまで来るのはちょっと難しかったように思います。例えば、教えてもらわないと存在すら気が付かない要素とかありますもんね。あるいは、ある要素について、別の視点から違って見えることもあるとかも。

 そういう実感がありますんで、最初に戻りまして、「真摯な作品の受け止め方、丁寧な鑑賞感想の文面」というのは、「それこそ、自分がこちらで頂いたものですんで」という気が強くしまして、恐縮してしまう次第です。しかしもし、少しでもそういう風に受け取って頂けるような感想を書けているとしたら、「年を追うごとに作品が面白く感じる」という実感と合致していることになります。

 なんだか嬉しいなあという気が強くしますし、そうなれたことに感謝する次第です。なんとなれば、毎日がより面白い、楽しいわけですから。

●仮面ライダーオーズ/OOO(第27・28話)

「平成ジェネレーションズ」や「龍騎」は明日以降に感想書きますが、非定期でこれだけ少し。

 ようやく、以前に自分が中途から観始めた話にたどり着きました。昭和から数えてのライダー1000回記念ですね。ここから観始めたときも確か「これはお祭り回だ」と思った覚えがありますが、第1話から観た今でもやはり「お祭り回」だなと感じます。

 しかし、平成10作目記念のディケイド、20作目記念のジオウ等を観た後の今ですと、お祭りに対する感じ方が違って来るようです。思い入れの深さが違う、といったことが起こってるんだと思います。

 前に観たときですと、例えば後半(第28話)で、歴代戦闘員集合の掛け声に昭和以来の全戦闘員が出現するシーンで、思わず笑って、しかしジーンと熱くなったと感想申した覚えがあります。今回は(知っていたせいもあるんでしょうけど)、笑いませんでした。その代わり、なんだか嬉しかった。その後、胸が熱くなったのは一緒です。

 初見ではこのお祭り回以前を知らずに、オーズがドラマ的に面白いと感じた覚えがあります。特にアンクの変化ですね。そのアンクの今週分までを今は分かってまして、以降のドラマに厚みを感じそうな気がします。映司(及び比奈)とアンクに、前半ではここまで距離があるとは、初見のときは思ってませんでした。

 それが後半で徐々に、次第に急速にバディのヒーローとなっての、あの最終回ラストだったわけでしたか。一応は内容を覚えてはいますが、たぶん新鮮に見えるだろうと思います。

 そこが分かってみると、以前にオーズと並行で、オーズと同様に途中から観た「仮面ライダーキバ」も第1話から観てみたくなります。特に初見でも自分的に印象変化があった、過去編のクイーン/真夜ですね。下調べでは「嫌な感じのキャラクターかな?」と思い、しかし途中からでも観続けてみると、次第に「いや、カッコいい」と思うようになりました。オーズでのアンクの印象が上述の通りなら、真夜ももっと深い印象が生じそうです。いずれネット再放映あるかなあ。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/03 (Tue) 10:12:10

 初感想として、年末から積み残しになっているギーツ&リバイス映画のあらすじ感想を挙げておきます。
 シーン別に分けますと、大きく3部構成ですね。
 「リバイス編」「マラソン編」「バトルロワイヤル編」という流れ。

★リバイス編

 まず、リバイスのTV放送の終了から2年ぐらい経っていると思われます。
 と言うのも、五十嵐一家に4人目の子ども(幸四郎)が生まれているからですね。
 長男が一輝で、次男が大二、3人めの長女がさくらで、4人めの3男が幸四郎という数字つながり。まあ、幸四郎はまだ赤ちゃんなんですけどね。

 で、五十嵐一家は新しく生まれた赤ちゃんを中心に、悪魔のカゲロウやラブコフも交えて、穏やかで幸せな日常を満喫していたって状況からスタートします。
 ただ、一輝だけはバイスを失った後遺症でポッカリ穴が空いた状態というか、周りの弟妹もその点だけを気にかけています。バイスの思い出を話したりしながら、何とか失われた記憶を取り戻せないかと試みたりもするのですが、「そこまで気を遣わなくてもいいよ。俺自身が覚えていないんだし」と微かな壁を作る一輝。

 一方で、狩崎さんとヒロミさん、それと夏木花と玉置豪は新組織ブルーバードで、悪魔関連の研究および後始末活動を続けている状況。
 今回の映画では、牛島光とオルテカは登場しておりません。
 ヒロミさんの肉体年齢は、狩崎さんの研究で老衰が多少緩和された感じですが、まだ変身には耐えられないので、玉置がオーバーデモンズ担当ですね。

 そして、五十嵐一家が久々の家族旅行に向かった先で、事件が発生。
 宇宙から飛来した二人組の怪人が、ギフの遺伝子を求めて、五十嵐兄妹を襲う。
 敵の狙いが一輝だと考えた大二とさくらは、ホーリーライブとジャンヌに変身し、また駆けつけたヒロミさんが一輝にも変身ベルトを託す。狩崎さんの研究で「バイスなしでもリバイに変身できるが、戦闘力は激減している。それでも戦うか?」の問いかけに、「もちろん。家族を守るためなら」と宣言し、リバイも戦闘に入る。

 しかし、敵のターゲットが一輝ではなく、赤ん坊の幸四郎だと判明。
 大二とさくらを寄せ付けない強さの相手に、一輝は幸四郎を守ろうとするも太刀打ちできずに、瀕死の重傷を負って意識不明に追いやられる。
 敵は幸四郎にバイスタンプを押して、赤ん坊の悪魔を誕生させて、拉致して撤退する。悪魔と切り離された幸四郎は、このままだと衰弱死することが予想される。

 一輝の仇と幸四郎の悪魔を取り戻すために、大二とさくらはブルーバードと協力して、狩崎ジュウガ、花アギレラ、玉置オーバーデモンズの総勢5人のライダー戦力で怪人2体に戦いを挑む流れに。

 一方、瀕死の一輝はあの世の境界線をさまよいながら、光と闇の二つの選択肢を示される。
 平和な光か、戦いの闇か。
 一度は光を選びかけた一輝は、しかし家族のピンチを感じとり、改めて闇の道を選びとり、悪魔と再び契約する。

 5人ライダーは奮戦して、相手怪人の1体を撃退する(ここまでのバトルでも結構盛り上がるんですけど)も、もう1体を前にして戦力を使い果たして、変身解除される。
 力尽きた面々。さらに「いつまで寝ているんだ」と、健在の怪人が倒れた方を回復させて、絶対のピンチというタイミングで、駆けつけてくる一輝と、そして満を持して復活したバイス。

 最強コンビの復活に、盛り上がる大二や狩崎たち。
 リバイスコンビの圧倒的な戦力は、強敵怪人2体を完膚なきに叩きのめす。
 そして、リバイス編のバトルは終了しますが、幸四郎の悪魔は、謎のゲームマスターを名乗る男に、運び去られるのでした。
 宇宙から来た怪人2人は、ゲームマスターに雇われていたことが示され、一輝たちは「幸四郎の悪魔」を奪還するために、ギーツの物語に参入することになります。

 ……ということで、ここまでが全体の3分の1ぐらいですね。
 「バイスの復活」と「幸四郎の悪魔奪還のミッション」が描かれて、あとはリバイスのライダー大集合バトルが目玉となりますか。

 この後は、五十嵐3兄弟だけがギーツ編に続投し、花と玉置は出番終了。また、狩崎は敵ゲームマスターに洗脳され、デザイアグランプリならぬデザイアロワイヤルのライダー解説役に抜擢されることに(笑)。
 主に、龍騎のライダーを見て、興奮して語る役どころ。

 書いていて、リバイス編だけでお腹いっぱいになったので、ギーツ編は次の記事に回します(つづく)

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/03 (Tue) 21:21:38

 感想書き初めです。

「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIE バトルロワイヤル」の情報とご感想、ありがとうございます。いつもここでライダーの劇場版についてご教示頂いているお陰で、TV本編のほうの理解が進んだりと助かっております。劇場版でバイス復活という予想をこちらで伺ってましたが、その通りになりましたな。それにしても主人公:一輝が光より闇を選ぶという点、リバイスのテーマを表していそうで興味深い。

 なんて観てもないのに利いた風ですが、東映公式Youtubeで過去の劇場版(やVシネマ等)を観ていくにつれ、やっぱり実際に観ないと「なるほど、分かった」とは言えないことも理解が進んでいます。これは各劇場版個々の観て初めて分かった印象もありますが、次々と観ていくものがだんだん面白さを増すような感覚があることも傍証です。

 観てみたから分かって来て、分かって来たから面白くなってくる、みたいなサイクルですね(TV本編のほうでも生じた現象)。その辺り、「平成ジェネレーションズ」の感想で、できれば少し書いてみたいところです。

●仮面ライダー龍騎(第35話:タイガ登場、第36話:戦いは終わる)

 小川恵里が危篤状態になったことで焦る蓮が描かれたエピソードでした。そこへ浅倉の逮捕から脱走が絡んで来るわけですね。そして浮上してくる香川教授が研究生率いて次からどう出て来るかといったところ。その香川教授の動きが神崎士郎に影響しているようで、そのため蓮が突き動かされる結果になっていたらしいという、因果が巡ってる感じでちょっとややこしい。

 小川恵里の病状については、現時点までの劇中の描写やウィキペディア等の記載もないんですが、どうも神崎士郎がコントロールしているように見えます。今エピソードでは、いったん(13RIDERSでも示された他者を害せない)蓮を是が非でもライダーバトルに突き動かすよう仕向けておいて、しかし香川教授が(おそらくはタイガを率いて)ミラーワールド閉鎖に動き出すと、小川恵里の病状は回復し、蓮が他に向かう余裕ができてます。しかも、倒せば望みが叶うはずのオーディンを撃破しても、何も得られないことを見せつけておいて、ですね。

 前にも小川恵里の容態急変で蓮が動揺して、神崎士郎を利するように動きが変わったことが確かありましたし、ライダーでは北岡の病状も、なんだか神崎士郎に都合よく変わっているような気がします。士郎がもっと大掛かりに状況を変えるときは歴史リセットのタイムベントでしょうけど(しかし動機は優衣の絵)、流れの微修正としては小川恵里、北岡の病状をコントロールしてるんじゃないかと疑いたくなります。

 それはともかく本編なんですけど、おそらくはこのTV本編の前日譚(前の歴史)と思しき13RIDERSで起こったことが、似た流れで再現されているかのような錯覚を覚えそうです。特に浅倉ですね。捕まって(鏡を含む)変身アイテムを取り上げられ、厳重に拘束されるんだけど逃げ出しちゃう。そしてライダーバトルを攪乱しつつ促進するわけですが、今回は香川研究室勢が待ったをかける感じかな。

「13RIDERS」については、自分は劇場版「仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」より前の放映だと勘違いしておりました。劇場版が8月(夏休み)で、13RIDERSが9月でしたか。リュウガやファムは既に登場していたんで、あんなにさらっと登場していたようですね。そして劇場版では、蓮は真司を戦わなければならない相手と覚悟しつつも、仲間であると強く認識するらしい。13RIDERSで蓮が結局は命と引き換えにしてでも真司を守ろうとしたのは、既に起こっていたことであると示されてもいたわけか。時系列の勘違いを正してみますと、より印象深くなります。

 それはさておき、今週分前半(第35話)冒頭は、ちょっと不思議な光景から始まってますな。北岡/ゾルダがバトルを嫌がって浅倉/王蛇から逃げ回り、土下座せんばかりに見逃してくれとか言ってまして、かなりヘタレてます(戦いを放棄する北岡、というのは劇場版で描かれたらしく、それを連想させる演出なのかな?)。

 しかしこれは北岡の策でして、変身できる鏡がないところに浅倉を誘い込んで、待ち伏せの警官隊に逮捕させるためでしたか。さすがに生身の浅倉では武装した警官隊・機動隊に抗すべくもなく、逮捕されてカードデッキも取り上げられると。しかし、後半(第36話)で明かされたのは、このときに浅倉はデッキからカードをこっそり引き抜き、隠しておいたというわけですね。この後も浅倉はいやに自信ありげで、観ていて「?」となったんですが、そういう仕込みだったかと感心しました。

 が、ともかくは浅倉確保・拘束と。しかし蓮はそれどころじゃない。小川恵里が数日の命との主治医の判断で焦ってるわけですね。遮二無二ライダーバトルを進めてしまおうと躍起で、真司/龍騎に挑んでますが、そう簡単に事が進むわけがない。優衣は為せるはずがないことを強行する蓮を心配しますが、蓮と戦った真司は蓮も無理であると分かっていると見抜いてますね。

 口には出しませんが、おそらくは小川恵里救命は無理と見た真司はライダーバトルを止めるために動き出しまして(13RIDERSならコアミラー破壊の決意かな)、運よく香川教授に行き当たる。香川側も真司がライダー(龍騎)だと知ってもしまうわけですね。香川教授はミラーワールドを閉じると真司に告げますが、まだ真司を信用していないとも言う。しかし真司はそれに賭ける気になった模様ですね。真司は察知していませんが、香川教授は神崎士郎ともコンタクトを取れるようで、互いによく知った上で敵対しているみたいですな。

 一方、蓮は地道に他の全ライダーを倒すのは無理と見て、街で見かけた神崎士郎にオーディンとして戦えと迫る。士郎は「急いで戦う必要はなくなった」と言うわけですが、小川恵里の死期に焦る蓮が聞く耳あるわけもなく、無理強いしての対決へ。バトルはオーディンが優勢に進めつつも、最後の最後で隙をついたナイト/蓮が逆転勝利。しかしオーディンを倒しても何も起こらない。

 どうやら、他の全ライダーを倒してから出ないと、オーディンに勝っても無駄らしい。そう悟った蓮は、それならと護送される浅倉に向かうわけですね。浅倉がライダーになれなくなると戦って勝つことができないというわけですか。浅倉は浅倉で、上述のトリック用いまして、ゆうゆうと脱走。

 しかし、蓮が動き回っているうちに事態が急変しまして、小川恵里が奇跡的に持ち直し、意識まで回復。蓮が浅倉に挑もうとするところに、恵里の回復を知った真司と優衣が追い付きまして、なんとかこの場は納める。蓮はオーディンとの戦いで相当にダメージ負ってたようですから、そのままバトルに突入してたら危うかったでしょうな。小川恵里に面会に行った蓮、大写しにされてみますと、傷だらけでした。しかし恵里から「優しい感じなった」旨言われてまして、蓮は恵里の回復にホッとしたこともあるんでしょうけど、真司と出会ってからの変化も物語る台詞でしょうか。

 蓮のほうはとりあえず落ち着いたわけですが、しかし暴走する浅倉/王蛇と、止めにかかる真司/龍騎には異変発生。現時点では謎のライダーであるタイガの介入ですね。浅倉のミラーモンスター3体合体のジェノサイダーを易々とフリーズさせ、王蛇も圧倒。真司/龍騎はこのタイガを香川教授の放ったライダーと(正しく)見抜いて声をかけるも、タイガはそれに応えもせず、王蛇に止めを刺すわけでもなく、黙って立ち去っちゃう。

 それでも浅倉は再度確保されまして、とりあえずはなし崩しの小康状態でしょうか。小川恵里も回復して蓮と話せてますしね。しかしラストで異変発生でして、優衣がミラーワールドに引きずり込まれる。その前にも優衣は車に(おそらく意図的に)ひかれかけてまして、どうやら香川教授の狙いは優衣の抹殺でしょうか。ミラーワールドは優衣にために存在している/作られている、と香川教授は推測し、それなら消えて頂こう、といったところか。

 優衣が鍵であることは、ここまでの士郎などの描写からも明らかでして、香川教授の狙いは正しいとは思います。が、究極のちゃぶ台返しのタイムベントはどうするつもりなんだろう。濡れて破れた絵のときですと、時間を戻してやり直し、絵が濡れない歴史を作ってました。仮に優衣抹殺に成功したとしても、優衣生存の歴史にやり直されちゃうんじゃなかろうか。なんとなくですが、勝てない戦いに挑んでるような気がして仕方ない。

●仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER

 視聴一度目ではかなり混乱してしまいまして、二度目でようやく内容が掴めました。放映期間中にまだ観なおしておきたいと思っています。とにかく、自分にとってはかなり複雑です。それも仕方なくて、

①ビルドが作り直した世界
②ジオウが過去から未来を変えていく世界
③過去改変があり、かつ歴史改変が無効な電王がいる世界

の少なくとも3つを踏まえないといけないわけですんで。ジオウについてだけでも、例えば第何話まで行ったところでの、この映画なのかというのも大事みたい。調べると、この映画は年末のもので、例えば未来ライダーは未登場のタイミングですね。そこも結構大事でして、この映画ではイマジンによる想像の世界とされているわけですが、ジオウ本編ではソウゴが夢に見た仮面ライダーキカイの世界が実在する世界と思しきだったりするわけで。

 イマジン世界から追い出されたソウゴが目を覚ますシーンですと、本編のキカイの世界を観ているこちらが知っているかどうかで、何が起こっているか想像する内容が違ってきます。ジオウのキカイ編以前ということで、「ソウゴが見た夢が現実化」といった解釈は捨ててよさそう。明示的に描写された通り、久永アタルがイマジン(フータロス)に願って作った「リアリティライダーショー」の世界というわけですね。

 初見で混乱した要因は上記の3ライダーにまたがる複雑さ以外にも、いろいろありまして、例えばラスボス:ティードの正体を勘違いしそうになったことです。最初、7歳で行方不明になった久永シンゴ(アタルの兄)がティードなのかと思っちゃったんです。そのため「クウガ放送開始に期待したものの、その後にライダーで嫌な思いをしたシンゴが平成ライダーのいない世界を作ろうと、クウガを知る前の自分(7歳のシンゴ)を誘拐したのか」と。

 そのため、相当にシュールな設定なのかなと思っちゃったんです。しかし、そう解釈するといろいろ辻褄が合ってないような気がする。観なおしてみるとそこまで複雑ではなく、ティードはティード、シンゴはシンゴでした。

 観て調べて、分かってみると初見の印象よりはずっとストレートな物語でして、他のライダー劇場版でも見て印象深いテーマ「人々が覚えている限り、仮面ライダーは存在する」というものですね。敵手ティードがいかに策を施そうと、例えば最終決戦で、いったん避難しようとして、しかしライダーを応援するため再び集まった人々がいる限り、ライダーは不滅で揺るがないと。

 そこが分かって、しかしまたも「ああ、ここが自分に欠けてるから、この映画の本当の面白さを知ったとは言えないなあ」と思いました。改めて調べてみると、(前に調べて忘れてたんですが ^^;)電王では「人々が記憶している限り、世界は再生される」んでしたか。そこを踏まえていたら「覚えていてくれたらライダーはいる」のテーマが感慨深いと思うんですが、いかんせん電王本編を観てない。

 もっと具体的に、電王を観てないために感動し損ねてるシーンがありまして、青年の野上良太郎ですね。ここぞというところでソウゴらを別世界に救い出してくれる。そこで、10年ぶりに佐藤健さん演じる、U良太郎との会話となり、ソウゴらを元の世界(想像世界)に返して、彼らを追って出ていくモモタロスとの会話では、ちょこっとだけ素の良太郎に戻って言葉を交わすと。

 このシーン、今さらながらにネット評を見てみますと、狂喜しているファンが多数のようです。電王本編終了以降、ゲストで電王は出るけど青年の良太郎は出てこない。出て来るとしたら、11歳時の通称:小太郎。それでも電王が出てくれば嬉しい、と思っていたところ、10年後に突如として良太郎が帰って来た。ということで、ものすごく嬉しかったみたい。そこが追えてない自分は自分の実感としては、良太郎登場の凄さが分かったとは申せません。

 それでもジオウやディケイドでの描写や、その視聴時の下調べ、さらに第1・2話無料視聴のお陰で、人から砂が落ちればイマジンと分かりますし、イマジンが基本的に何ができるか/するか分かりますんで、物語の理解が一応できたのは幸い。ライダー好きの久永アタルに憑依したイマジン:フータロス(設定で命名されてるだけらしい)がなかなかいい奴ですな。アタルの願い「ライダーが実在する(空想)世界」を叶えて、何をしようとしているのかと思ったら、アタルの兄シンゴの7歳時に起こった行方不明事件(実際にはティードの誘拐)の阻止ですか。

 そのアタル&フータロスの動きに、まず世界を作り替えたはずなのに先祖返りしていると察知した戦兎/ビルド&龍我が加わって来て、ドラマ開始。仲間の記憶がすぐ途切れ、自分も想像上の人間かと迷うソウゴ/ジオウを引っ張っていくのも戦兎。しかし、やはりジオウ本編放映時の映画だけあって、ジオウ映画になってますね。ジオウのTV本編で描写されなくて、ちょっと「?」になってたものは、この劇場版に入ってたんですか。

 ジオウでは、Wも気になってはいたんですが、やはりクウガの扱いが不思議でした。平成ライダーの祖なのに、触れてもいない感じ。加古川飛流/アナザージオウ側に巨大なアナザークウガが出てはきたんですが、戦闘参加くらいしか描かれない。クウガ本編を観てみると、次のアギト以降とは作風が違うんで、ジオウでも本編で扱いにくいのかなと思ってました。

 しかし、この劇場版でリスペクト込めて、しっかりクウガ出て来てましたか。五代雄介役のオダギリジョーさんのご出演はかないませんでしたが、クウガ本編開始直前の先代クウガがちゃんと出て来ました。敵手のティードはそれからアナザークウガを作り、ゲイツはクウガウォッチを現代に持ち帰ると。観ていて「そうだったのか、ちゃんとクウガいたんだ!」という感じです。

 ただ、もし不服を言うとしたら、Wの扱いでしょうか。アナザーWが何者かは結局分からず。そこはまだしも(本物じゃないわけだし)、地球の本棚が登場したのは嬉しくはあるんですが、何の脈絡・説明もなしにウォズが使えちゃうのは、ちょっともったいないかなと。もっともこれはたぶん、この劇場版の作りよりも、こないだネット放映でWを完走し、TVで風都探偵も観たという、自分の事情(もっとWが知りたい、観たい)が大きいかなという気がします。

 逆に感心したポイントとしては、例えば「平成のことは平成のレジェンズでカタをつけた」ことがあります。途中までの流れだと「平成ライダーが忘れ去られても、昭和の元勲が駆けつけるのかな」とか思ってました。たぶん、平成と昭和のライダーコラボをいくつも観たせいだと思います。しかし、平成ライダーだけで解決しました。それも、ほとんどの平成レジェンドは戦闘で参加するに留め、ジオウとビルドが電王の助太刀で勝利する格好ですね。観終えてみますと「これがしっくりくる、納得する」と感じました。

 今作の敵:ティードは「平成ライダーを全て消した世界」を作ろうとしたわけえですが、次作「Over Quartzer」では、ラスボスが(平成から令和に変わるにあたり)「お前たちの平成は醜くないか?」と言って、作り替えに来るわけですね。「平成ライダーを忘れるもんか!」の本作を観て感動出来ましたんで、「平成ライダーが塗り替えられてたまるか!」の次作も観てみたくなりました。たぶん、近いうち(23年内)にネット放映があると期待したい。

●牙狼;翔編(第1話:剣)

 TV(再)放送は今夜なんですけど、牙狼公式Youtubeに第1・2話があったのを思い出して視聴しましたんで、先行で感想書いてみます。

 翔編は前に感想書いたから今回は割愛旨申しましたが、どうやら毎話を定期感想したほうがよさそうと感じました。第1話からして新鮮に感じるんです。それも、だいたい覚えているのに初めて観るような感動があります(特に第2話)。

 闇照編だと、よく分からないまま一気に観て、再放送で観なおしたら覚えていないレベルだったわけですが、翔編もそれに近い状況みたい。前に観たときは牙狼自体、まだまだ分かっておらず、面白いポイントとかずいぶん見逃していたようです。

 しかも、公式Youtubeで翔編第1・2話を観るのは、これが2回目。1回目はいつだったかと、公開時期を見てみますと「4か月前」となってます。闇照編TV再放送の前半の時期ですね。今は最終回まで観終えて、闇照編がどういう物語でありドラマであったか把握できてるんで、翔編の見え方が違ってきたようです。

 TVで初視聴したときですと、第1話だと人間態では双子のホラーについて、確か「役者さん調べたら、タンスにゴンのCMに出ている方だ」みたいなことで面白がっていた覚えがあります。牙狼シリーズの理解が浅くて本編内容が入ってこないから、そういうことが気になってたみたい。

 今ですと、そういうことに興味がないわけではないですが、本編視聴中は気にならず。終わってから、仮面ライダーセイバーにもご出演の2人だったなと思い出し、そのときもセイバーでの演技やドラマよりは「翔編でも見た、タンスにゴンCMの双子の方」と思ってしまってたなと反省したりしてます(^^;。

 それはともかく第1話本編ですが、敵のラスボスのジンガ&アミリ、味方側ではD・リンゴ&ユキヒメも出てきて、とりあえずは主要登場人物の顔見世となってますね。ジンガについては、何かを画策しているくらいしか、行動プランは示されず。

 ただし「ラダン」なる太古のホラー復活は匂わされまして、封印の法剣を引き抜くに、娘を人質に法師を脅して行わせ、しかも人質の娘はとっくに殺され、その骨を法師に見せるという、きわめて残忍な面はしっかり描かれてました。第1話からしっかり悪役のキャラが立ってたんですね。初見ではそういう印象を持たなかったような気がします。

 さらに封印の法剣が2つの赤と青の短剣に分かれ、青はジンガの手に渡るも、赤が飛び去って、当面の争奪の対象になるの、観なおして思い出しました。これも、確か初見では敵味方の当面の勝利条件が作られたとは思わなかったようです。

 その辺りに気が付いたのは、たぶん闇照編との対比で、この翔編の作りの特徴が見えるようになったからという気がします。それと、こちらでも伺った、独自性の強い闇照編から、鋼牙編の仕立てに寄って行っている点もですね。翔編の初見のときは闇照編を知らなかったもんで、単に別の街の魔戒騎士くらいにしか思わなかったみたい。闇照の後に翔、と意識してみると、番犬所があることだけでも、なんだか新鮮に思えます。

 牙狼の鎧もそうですね。初見では「黄金に輝くのは当たり前」としか思えませんでしたが(たとえ翔編では最初はほぼ黒かったと聞いても、ですね)、闇照編をしっかり見た今だと、「あ、全身金色だ!」となんだか嬉しくなります。

 ホラーデザインもそうですね。闇照編の生身主体のホラーから、鋼牙編でよく観た、半人外~まるっきり魔物のデザインになったことが新鮮に感じられます。「そうだよ、こういうホラーのデザインが見たかったんだ」と思う一方、思い切り動くアクション面ではやっぱり不利がありそうとも感じます。

 闇照編で特徴的だった、パルクールのようなアクションが控えめなのも、ホラー造形及び鎧装着のアクション重視での見栄えのバランスを取るためなのかなと思えます。生身では高低差含めて飛び回るのに、鎧装着した途端に重厚アクションではアクションの連続性とかに問題あるのかも。
(そう考えてみると、闇照編では着ぐるみの鎧ではなくCG鎧だったのは意味があるのかとか気になりますが、自分の知識ではちょっと見当がつかず ^^;。)

 ともかくも、大きな目的がある敵がいて、ホラーとはこういう魔物で、それを倒す魔戒騎士と法師だということが示された第1話でした。その魔戒騎士と法師は、流牙と莉杏に絞られているわけですね。流牙は闇照編冒頭からとげとげしい態度があったりしましたが、この翔編では丸くなってますな。ラスト近く、流牙が素直に莉杏に礼を言うと莉杏がちょっと動揺してました。

 さすがに自分も闇照編を観たお陰で莉杏の態度が理解できますが、初見では何のことだか分からなかったはずです(はず、というのはもう思い出せないからorz)。

 (ネットでは視聴したものの)第2話以降が楽しみになってきてますが、そうなると劇場版の翔編も観たくなります。ボルシティの任務を終えてから、TV翔編開始前までのエピソードのはずですね。牙狼公式Youtubeで放映してくれるといいんですが。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/04 (Wed) 00:19:37

 正月だからか、Twitterとか見ていると、「年末時点で伏せられた情報」が解禁されて、ここでの話題的に興味深いものが続出した感じがします。

★うる星

 5日の放送でテンちゃんが登場するのはいいとして、その他に「藤波竜之介」の登場がトピックですな。
 竜之介は女だけど、父親に男として育てられたという事情を持つキャラで、後の「らんま」の原型とも言われる性別あいまいキャラ。作者の人にとっても、原作コミックが惰性になって来たな、と思っていた頃に登場して来て、後半の物語の牽引力になってくれた好きなキャラだそうで。

 しかし、自分にとってのさらなるトピックは、竜之介の父親役で千葉繁さんが参加されること。
 メガネの声の人が帰ってきたってことで、あたるの父、ラムの母に次ぐ旧作キャスティングってことで、メガネ→竜ちゃんパパの声で千葉ボイスを楽しめそうだ。

★平ジェネ永遠

 リアルタイムで見たときと違い、「ビルドの状況把握」に多少戸惑いました。
 ビルドは最終回で、戦兎が「ラスボスのエボルトのせいで崩壊に向かう世界を、天才物理学者の頭脳を駆使して再構成した世界」という終わり方で、その新たな世界では「戦兎だけがライダーバトルの記憶を持つ、平和だけど寂しい結末」と思いきや、「エボルトの因子を持つ万丈」だけは戦兎の記憶も持っていて、また相方同士で掛け合い漫才をやる仲として、寂しさが払拭された、と。
 で、最終回に分かるのが、毎回のように流れたOPナレーションが実は「戦兎たちが自分たちのバトルの記憶から再構成した記録を動画配信した際に付与されたもの」ということで、
 回が進むにつれてOPコントと呼ばれるようになったメタ情報丸出しの遊び感覚に満ちたOPナレ(本編はシリアスなのに、OPのボケツッコミは緊迫感のかけらもなく、しかも本編キャラが知るはずのない情報を語っていたり)で、そこにツッコミ入れるリアルタイム視聴者が多かったわけですが、そこにこんな秘密ネタがあったなんて、と感じ入った記憶があります。

 で、ビルドの戦兎万丈コンビが続くジオウの序盤に登場して、アナザービルドの出現でライダーとしての記憶を失ったりして、いろいろややこしい設定ですが、
 ビルドは戦兎自身の記憶をめぐるTV本編でもあり、
 一方のジオウは、「歴代平成ライダーの記憶が封印されることで、アナザーライダーが生まれて歴史が改変される」のを、ジオウや仲間がアナザーライダーを撃退することで歴代ライダーの能力をアーマー化してパワーアップすると共に、ライダーの歴史を修復するのが目的の物語。

 ビルドもジオウも、記憶を通じた世界や歴史の改変、再構築の物語であり、そこに同様のテーマを備えた電王が絡むから、ややこしいですな。

 戦兎は自ら世界改変した経験があり、天才物理学者でもあるから、本作では非常に達観した解説役を担当。
 で、戦兎と万丈の関係性はすぐにつかんだものの、グリス一海とローグ幻徳の記憶がどういう状況か、自分の中の記憶が混ざったりして。
 と言うのも、この二人、ビルドのTV本編の終盤で劇的な討ち死にをした後、戦兎の再構築した世界では記憶を失い、仮面ライダーに変身できなくなっていたはずなのに、「どうやって記憶を取り戻して再び参戦するのか」が当時は話題になってました。

 結局は、「虚構と現実の入り混じった世界」で「人々のライダー復活を願う記憶や想い」が彼らにも影響を与えたという理由づけなんですが、
 それとは別に、この映画の後に発売されたビルドの後日譚DVD(万丈主役のクローズと、一海主役のグリス)で、万丈の中のエボルト因子が活性化し、また一騒動も二騒動も生じる中で、かつてはライダーとして戦った面々の記憶が蘇る公式展開になっていたんですね。

 で、自分の中では「改変された世界でも、グリスやローグは記憶を取り戻した」で収まっていたのですが、この映画はそこに至る前の話なので、グリスとローグの立ち位置が曖昧というか不安定で、自分の中の記憶のどの辺りを呼び起こすかで、若干の認識のズレを正す必要があった、と。

 結論。知ってるメタ情報が多いと、かえって混乱することもある、と(苦笑)。

 なお、この話、電王パートの脚本監修に小林靖子さんが当たっていて、「そりゃあ、こんな複雑な話をまとめるのにはベテランの彼女の助けも必要だわ」と思ったり。
 タイミング的に、龍騎とジョジョSOにも小林靖子さんがつながって来て、当掲示板では非常に話がリンクしていることに。

>アナザーダブルの正体

 これについては、ファンの間でも長らく謎だったのですが、昨日にプロデューサーさんがTwitterで裏情報を発信してくれて、
 企画段階では「平成ライダーのファンだったのが、諸事情でこじらせてアンチ化した人物」という設定があったそうです。

 同時に本作の企画段階で「東日本大震災という現実の惨事に、正義のヒーローは助けてくれなかった……という失望したファンの想いを形にしたら?」という話があったそうで、
 その要素がアタルの「ライダーは兄を助けてくれなかった」というドラマに投影されているみたいですが、

 ネットで噂が誤って伝わり、「アナザーダブルの正体が、東日本大震災の被災者という設定だったけど、話が重くなるのでカットされた」という説が一部で広がっているみたいです。

 だから、アナザーダブルが「さあ、お前の罪を数えろ」というのは、「現実を救えない虚構のヒーローであることの罪」を突きつけているそうで。
 一応、自分がTwitterで昨日から今日にかけて知った話ってことで。

>佐藤健さんについて

 電王は、不運でひ弱な少年(だけど意志は強い)の野上良太郎が、4人のイマジンに憑依される(普通は1人しか憑依されない)ことで、4種類のライダーにフォームチェンジする能力を得た設定ですが(あと、劇場版などのイレギュラーで5体目が憑いてくる)、
 性格の異なる4人の良太郎(元の本人を入れると5人)を演じ分ける佐藤健さん(それとスーツアクターの高岩さん)の演技力に、当時のファンは驚き絶賛し、役者の佐藤健氏の大成を確信したという。

 で、今回の「帰ってきた良太郎」を演じるに当たって、佐藤健さんは「今の成熟した自分が良太郎を演じても、当時の雰囲気は出せないと思うんです。昔の良太郎は軟弱なキャラだったし、その後、成熟したとしても、ファンの人のイメージを崩すと思う。だから、ウラタロスが憑依したクールな良太郎だったら見せられるかな」と提案したそうで、ファンのイメージを崩さないような演技プランを自分から提案する役者のキャラ愛、ファンへの真摯な姿勢が再評価されているみたいですね。

 ともあれ、平成ライダーでは、電王以前と電王以後でシリーズの雰囲気や歴史が大きく変わったと言われるほどで、龍騎以後だと、ファイズ→剣→響鬼→カブト→電王とつながるわけですが、個人的な願望としては「虫モチーフのキングオージャー放送記念で、カブトを配信して、その流れで電王が配信されたらいいなあ」なんて思ったりします。
 そうでなければ、電王まで遠いですからね。

 他の可能性として、龍騎から小林靖子つながりで電王という可能性も考えられますが、自分はそれよりファイズが見たいですし。
 ファイズの場合、当掲示板的には、銀牙騎士ゼロの役者さんのデビュー作というのが大きいか、と。

 ともあれ、平成ジェネレーションの配信を機に、時効ということもあってか、製作側が裏情報を流してくれたのが、自分的には感心しつつ、喜んでいたりします。

 では、長くなったので、年末映画の「ギーツ&龍騎編」は次回に回します。また明日ってことで(5日から仕事初めなので、いっぱい書けるのも今のうち)

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/04 (Wed) 11:31:19

 では、ギーツ映画の感想に移ります。
 連続長文、失礼します。

★悪魔マラソン編

 デザイアグランプリの元ゲームマスターだったコラスが、現在のDGP運営を襲撃し、ギロリを監禁。ツムリを洗脳して、自分の運営するゲームのナビゲーターにする場面からスタートします。
 よって、ツムリはいつもの衣装ではなく、映画専用の赤い派手な衣装でイメチェンしてます。

 そして、ボードゲームカフェで駄弁っている英寿と景和と袮音の3人。クリスマスシーズンだからか、こちらもファンタジー世界っぽいコスプレ姿を披露(店内のイベントサービスらしい)。
 そこに道長登場。

「死んだはずなのでは?」といぶかる景和たちだけど、道長は「俺もどうしてここにいるのかは知らんが、大方、運営の都合か何かだろう。じきにDGPから呼び出しがあるんじゃないか?」と言った矢先に、
 ツムリから新たなゲームの招集が。

 いつもと違う衣装のツムリに疑問を抱きつつ、自分たちもコスプレ姿なので、あっさり納得する袮音。
 そしてゲーム内容を説明するツムリ。
「あなた方は今回、チームとなって動いてもらいます。カプセルに入った『悪魔の子』を指定された目的地まで運んでください。ただし、あなた方を道中、悪魔ライダーが襲撃して来ることが予想されますので、それを撃退しながら、無事に『悪魔の子』を送り届ければゲームに勝利できます。失敗すれば、世界が大変なことになりますので頑張って下さい」

袮音「いつものジャマトとは違うんだね」
景和「悪魔ライダーか。どんな相手なんだろう」
英寿「何だっていい。勝つのは俺だ」
道長「お前とチームなのは気に入らんが、ゲームのルールなら仕方ない。今回だけは味方してやる」
英寿「ああ、よろしくな」

 で、悪魔マラソンと題しつつ、運営から乗り物が用意されているので(自転車とか雑多な乗り物を見繕いつつ)、「物を運ぶには大型トラックだろう」という結論。
 「誰が運転するんだ?」の問いかけに、「現場の仕事で免許は持っている」と道長が運転手に、荷台のコンテナに他の3人が乗ってゲームスタート。

 そこに襲来するのが、リバイスですな。バイスの変形したエアバイクに乗ってリバイが「囚われた幸四郎の悪魔」を奪還するために飛んでくる。
 トラックとエアバイクのチェイスと応戦バトルの末に、トラックは大破。
 ギーツ、タイクーン、ナーゴ、バッファの4人の前に立ちはだかる悪魔ライダーはリバイ、ホーリーライブ、ジャンヌ、バイスの4人。

 4対4のライダーバトルが展開される中で、お人好しのタイクーンはライブが悪魔ではなくて人間であることを戦闘中の会話で察し、話し合いに持ち込もうとしたところで、新たなライダーのリュウガ(黒い龍騎。正体はミラーワールドの城戸真司の分身)が出現。
 リュウガはタイクーンとライブの両方を圧倒し、光の壁の向こうに放逐する。「壁の向こうに送られると、消失してゲームオーバーです」とツムリのナビが響く一方で、運営の場では狩ちゃんが嬉々としてミラーワールドのライダーの解説をしています。

「こいつはリュウガ。全てのライダーを葬るために出現した鏡の世界の悪魔だ」

 リュウガが強敵だと判断した英寿はゲームに勝つための策として、「悪魔の子」のカプセルのダミーを持って、自分たち3人が別々に行動して追っ手の目を誤魔化すことを提案。

 バッファは電車に乗って、それを追うバイス。
 そこに「ここか? 祭りの場所は?」と出現する王蛇。

バッファ「何だ、お前は?」
王蛇「地獄から甦った殺人鬼だ。お前たちもライダーなら、地獄に送ってやる」
バッファ「悪いな。地獄には行って戻って来たところだ。ゾンビなんでな」
バイス「うえぇ、殺人鬼とか、ゾンビとか、いくら俺っちが悪魔でも恐ろしすぎるんですけど〜」

 で、電車の中で3人が戦っている間に、勢い余って、王蛇とバッファが車内から転落。バイスは「助かった」と言いながら、バッファの持っていたカプセルを回収するも、ダミーだと判明。
 バッファは王蛇と駅で戦うも、倒されたように見せかけて奇襲攻撃を仕掛ける王蛇。アドベントでベノスネーカーを召喚し、光の壁に弾き飛ばす。バッファ退場。

王蛇「まだまだ甘いな」


 次にナーゴと、それを追うジャンヌ。舞台は商店街。
 ナーゴは変身を解いて、追跡を逃れようとするも、ジャンヌが袮音に気づいて、「ええ? 袮音ちゃん? ファンなんです」と自分も変身を解く。
 「ええ? 悪魔ライダーって、しあわせ湯の五十嵐さくらちゃんだったの。自分も配信のファンです。いつもお母さんと仲が良さそうで羨ましいと思って見てました」

 何だか突然の女子会に発展し、リバイス側の事情を知る袮音。追っ手は敵じゃない、と英寿に連絡しようとする彼女だが、そこにミラーワールドからナイトが出現。
 悪っぽいコウモリ騎士の出現に、警戒して再変身するジャンヌとナーゴ。

ナイト「悪いことは言わん。俺に手を出すな」
ジャンヌ「それって脅してるつもり? あんたなんかに邪魔はさせないんだから!」

 好戦的に殴りかかるジャンヌだけど、あっさり弾き返されて、ナーゴを巻き込んで光の壁に飛ばされます。
 キャーっと、自業自得の悲鳴を上げたりも。

 そして、残ったギーツとリバイですが、拳を交えた戦闘中の会話と、ナーゴからの連絡によって、ようやく事情を察した英寿は、リバイと駆け引きにより、互いの変身を解いて、顔見知りだったことを確認します(リバイスの最終回で、しあわせ湯の前で2人は会っている。なお、その前にリバイスの夏映画でもギーツは出演していたけど、一輝のいないところで戦闘していたため、対面はしていないし、互いにライダーだと認識するのは今回が初。なお、五十嵐一輝がリバイであることは、劇中で公的に配信されていたはずだが、英寿はそれを知らないので、微妙にTVの描写と矛盾があるような。まあ、ゲームに夢中でリアルのニュースに興味がないのかもしれないけど)。

 「あくまで自分は弟の悪魔を取り返したいだけだ」と訴える一輝に、「お前の目的は理解した。だがゲームの勝ちは諦めない。今のゲームを終わらせた後で、お前の家族は返してやる。それまでは邪魔をするな」と取り引きする英寿。

 それで納得した一輝は、英寿と共に目的地に同行します。
 目的地にいたツムリに「悪魔の子」を渡すと、ツムリは登場したゲームマスターのコラスにそれを引き渡します。
 「幸四郎の悪魔」を連れ去った男の登場に憤る一輝と、「どういうことだ?」と問いかける英寿。

コラス「ハハハ。どうもこうもないよ、浮世英寿くん。君たちがデザイアグランプリと思って戦っていたのは、私が主催するデザイアロワイヤルだったのだ。ライダー同士の戦いは、ギロリの運営するデザイアグランプリよりも刺激的だったろう?
「そして、ギロリの運営では不敗のデザ神と呼ばれているそうだが、私の世界にも、不敗のデザ神と呼ばれる男がいてね。出でよ、仮面ライダーシーカー」

 ここで今回のラスボスの仮面ライダーシーカーが出現します。

一輝「ゲームだか何だか知らないけど、弟の悪魔を返してくれ」
コラス「そうはいかない、五十嵐一輝よ。ギフの遺伝子さえあれば、異世界への門を開いて、多くの戦士たちを集め、デザイアロワイヤルが一層、面白くなるのだ。このミラーワールドの戦士たちのようにね」

 そう言いながら、リュウガ、王蛇、ナイトが出現。

コラス「彼らもまた、自分たちの欲望のために戦う者。望みを叶えたいなら、次のゲーム、『ライダーバトルロワイヤル』で決着をつけようではないか。ハハハハハ」

 こうして、コラスは「幸四郎の悪魔」をシーカーと融合させ、最強の戦士に仕立て上げたりしつつ、一時撤退します。

 物語は「悪魔マラソン編」から「バトルロワイヤル編」に続く、と。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/04 (Wed) 19:27:04

 ギーツ映画の最終感想です。

★バトルロワイヤル編

 バトルに移る前に、敵サイドと味方サイドのドラマが入ります。

 敵については、仮面ライダーシーカーの背景について。シーカーは鹿のライダーで、バトルビルダーフォームという建設重機をモチーフにした装備になっています。
 このバトルビルダーはTVでもギーツの装備として登場予定で、先行紹介の意味も持っていますね。
 で、変身者は大物政治家の息子だけど、優秀な兄たちと比べて頭が悪かったので、政治の道には進めず、格闘競技を頑張っているという立ち位置。しかし、父親は肉体派の息子を認めず、落ちこぼれ扱い。
 よって、シーカーは「父親に認めてもらいたい」というコンプレックスで、今回のゲームに参加したわけですな。

 一方、その父親はゲームマスター・コラスのスポンサーになっていて、今回のゲームに息子が優勝することで、日本のトップに君臨することを目論んでいるという欲に満ちた人物。
 息子の願いは「父親が日本を支配した世界」です。自分ではなく、父親の目的を叶えるのが夢という歪んだ家族関係なんですな。

 一方の英寿と一輝、それに合流したバイスですが、バイスは一時復活に過ぎず、再び消失の兆候が見えます。
 バイスが消滅し、その記憶がまた失われることを憂える一輝に、英寿はバイスが「自分のIDコアに触れてゲームに参加する形をとることで、今のゲームが終わるまでは消失しない状況」を構築します。

 さらに、今のままだと勝ち目がないので、ゲームマスターを味方にしようと考えて、捕まっているギロリを救出することにします。

ギロリ「浮世英寿。私を始末しに来たのか?」
英寿「それでゲームに勝てるならば、そうするが、今の状況では無意味だ。ゲームに勝つためにはあんたの力が必要だ。協力を要請する」
ギロリ「他に打つ手はなさそうだ。元はと言えば、運営の不始末。理想のゲームの実現のためには、今だけは味方でいてやろう。だが、いずれ……」
英寿「先のことは先で考えればいい。今のゲームに勝てなければ、先はない」
ギロリ「良かろう。コラスのことは私に任せておけ」

 こうして、お膳立てが整い、いよいよバトルロワイヤルが開始されます。
 参加者は、ギーツとリバイ、バイス、シーカー、リュウガ、王蛇、ナイト。総勢7人のバトルロワイヤルで、唯一生き残った者が勝ちというルールですが、ギーツとリバイ、バイスが対立する理由はなく、一方でミラーワールドのライダーは共闘するわけでもない。

 特に酷いのが王蛇。「俺は戦えれば何でもいい。特に強い相手ならな」と言いながら、手当たり次第に攻撃して来る。

バイス「うわあ。人の皮をかぶった悪魔だねぇ」

 乱戦の最中で、シーカーはその能力を駆使して、何やら建設作業を敢行したり。
 彼の目的は「異世界への門」を築くことで、ギーツたちとミラーワールドのライダーを戦わせる一方で、戦いから距離を置いて、建築作業に邁進する。

 その一方で、ギロリはコラスと対面し、「この世界を強者が支配する弱肉強食の世界にする。その方がゲームは面白くなる」という野心を聞いて、「それは私が望むゲームではない」と断じて、自らの剣でコラスを処断します。
 そして、ゲームマスターの権限を取り戻したギロリは、ツムリと狩崎の洗脳を解き、「ライダーバトルロワイヤル」のルールを改正し、「特別DGPルール:異世界の門が開くのを阻止、もしくは破壊せよ」という新たなミッションを下します。
 また、前のゲームで脱落したライダーたちを復帰させ、タイクーン、ライブ、バッファ、ナーゴ、ジャンヌが乱入。ミラーワールドのライダーを牽制しながら、ギーツとリバイ、バイスがシーカーと戦えるようにします。

 そして、バトルはミラー組とサブライダーのバトルが展開される一方で、巨大建造物を建設中のシーカーを追尾する主役トリオの二つの場面に分かれます。

 そこで、ナイトが本性を見せます。彼が今回の戦いに参加したのは、「ミラーワールドに封じ込められた龍騎、本物の城戸真司を救い出すため」で、コラスのルールが変わったことで異世界の門を破壊できるようになった。
 ミラーワールドのシンジを封印していた門を破壊することで、龍騎がついに復活し、何が起こったか分からないでいるタイクーンたちを放置して、龍騎がリュウガを撃退。

蓮「浅倉。お前はどうするんだ?」
浅倉「はあん? この世界の戦いも、もう飽きたな。別の世界の方が面白そうだ」とか言いながら、消失します。

蓮「相変わらずだな」と苦笑しつつ、蓮も消失。龍騎も後を追うように消え失せます。

タイクーン「あいつらは一体、何だったんだ?」


 そして、後はギーツたちがシーカーを撃退して、バトル終了なんですが、ギーツがシーカーに曰く、「お前は自分の欲望のために戦っていない。自分の叶えたい夢や想いのない奴は、DGPでは勝てない」と、親の栄誉のために戦うシーカーを否定。
 まあ、一輝も家族のために戦っているという意味で、シーカーと対照的なんですが、違うのは「一輝やバイスが家族から愛されているのに対し、シーカーは親から阻害されて、認められたいという動機なので、そこには自分がない」と。

 似たようなケースで「本当の愛が欲しい」というナーゴがいるのですが、「親の欲望を自分のものと同一視する親依存なシーカー」と「親から自立するための縁としての愛を求めるナーゴ」の違いなのかな。
 もしも、シーカーの願いがもっと自分重視で、「父親に自分を認めさせたい」という欲求をストレートに出したら、英寿も理解を深めたのかもしれないけど、この辺は英寿の背景がまだはっきりしないので、安易に結論が出せません。

 ともあれ、シーカーの装備は建設的だけど、彼の願いは親への依存感情だけで「良い子だけど、人の願いの代理人になっている」ため、DGP参加者としては不適格に思えます。

 で、ゲームが終わったので、バイスが消滅し、ついでに死んでいたバッファも消滅してしまいます。完全なハッピーエンドではなかった、と。

 一輝とバイスの再びの別れがしんみりと描かれるのですが、バイスが消滅しても、「一輝はその記憶を失っていない」わけで。

 シーカーを倒してゲームに勝った英寿が、「五十嵐一輝が戦いの記憶を失わない世界」を願っていたのでした。

 また、戦いの必要があれば、一輝がバイスの記憶から再召喚できる可能性を示唆している形ですね。

 それと、シーカーの中に融合されていた「幸四郎の悪魔」も幸四郎の中に戻され、事件は完全解決。

 一方で、日常生活を送っている景和の前に、城戸真司が現れて、「君がライダー同士の戦いを止めて、平和を作り出そうとしているって聞いたから、励まそうと思ってね。頑張れ」と声を掛けて来ます。
 戸惑う景和に、去り行く真司。そこに蓮が現れて、「相変わらず、お人好しな奴だ」

真司「別にいいだろう!」
蓮「悪いとは言ってない。それより俺たちの戦いはいつになったら終わるんだろうな」
真司「そりゃあ……終わらせるまで、でしょう」

 そうして、真司と蓮が別方向へ向けて歩いて、街角に消えて完。

 一方、浅倉の戦いは別作品で新しく始まるそうな。

 で、エンディングテーマが流れた後、最後の場面でギロリが「浮世英寿の強さの秘密が分かりました。奴はこの時代の人間ではない、異物です。私はあの男をデザイアグランプリから必ず排除します」と、スポンサーに報告する場面で終わったのですが、

 よもや、その次のTV放送で、自分が排除されてしまうとは。
 まあ、ギロリの逆襲展開はあるのかないのか。


 ……以上が自分の記憶する年末映画です。
 一部のセリフは辻褄合わせで多少、作っている箇所もあると思いますが、大筋では間違っていないはず。
 解釈違いの可能性、記憶違いも想定しつつ、TV放送を楽しむための情報を汲みとってもらえれば幸いです。

 では、今週はここまで。雑文、失礼しました(達成感だけは味わいながら)

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/10 (Tue) 21:03:28

 定期感想書その1です。

 こちらでは感想書いてなかったんですが、「水星の魔女」第1期最終回はちょっとびっくり。いつもおどおどだったスレッタさん、何があったのか、ガンダム乗って「やめなさい」の一言で人を叩き潰しちゃいましたか。

 母親と話した直後でしょうから、そのときに何か変わったのかな。他に、父親を討ち取ってしまった息子、父親の真意を知らなかった娘と、スレッタと合わせて親がらみの大問題が3つも発生しまして、2期へ続く格好ですね。面白くなってきました。「水星の魔女」2期は、こちらで感想書きたいかも。

●仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル

 内容のご解説、ありがとうございます。詳しくお伺いはしたものの、未見ですんで勘違いしているかもしれませんが、「プレイヤーがゲームマスターに騙されているために起こる争い」という感じがしました。

 例えば、リバイス側からすれば、新たに生まれた三男:幸四郎(の悪魔)を拉致され、奪還すべく奮闘している。が、ギーツ側からすれば、リバイらはジャマトに代わるゲームの敵キャラ:悪魔ライダーだと思って、排除してしまえばいいと思ってる。そのようにゲームマスター:コラスが仕組んでいるようですね。

 しかし、面識がなければうまくいきそうなところ、リバイスTV本編最終話で、英寿と一輝・バイスは出会っていることで、ゲームマスターの算段が崩れてくると。さらに戦いを止めたい景和、さらに劇場版では真面目なギロリらが流れを変えに来て、裏をかいてのゲームのひっくり返しになっていくみたいですね(たぶん、自分が好みそうな燃える展開)。

 龍騎勢がなぜこの劇場版に登場しているのか、お話を聞く前にはよく分からなかったんです(ライダーバトルものとして、ギーツのモチーフだからくらいの理解)。どうやら「ゲーム/状況を支配する者に騙されて戦わされている」点で、この劇場版には龍騎勢がいるべきなのかもと思えてきます。

 もう1つは「本当の願い」でしょうか。敵の最強の駒:仮面ライダーシーカーは自分ではなく父親の願いの実現のために戦ったとのこと。少なくとも、一皮むけるのが2回必要な感じですね。まず「父親に認められたい」という直接の願いに辿り着くこと。それができたら「なぜ父親に認められたいか、認められてどうしたいか」に答えを出すこと、でしょうか。しかし、ゲームマスター:コラスからすれば「異世界の門」建設要員に過ぎないようですね。一番騙されてるのが、シーカーなのかも。

 それにしても、ラストで明かされた「英寿は異物」情報含め、ギーツTV本編にどんな影響、暗示があるかは、自分ではちょっと分かりかねる感じです。龍騎勢参戦についても、上記では分かった風な口を利きましたが、まだ視聴完走してなくてちゃんと理解できている気がしませんorz。

 リバイスTV本編については、大変うれしく、ちょっぴり悲しい補完になってるかな。とりあえずは、英寿の願いにより一輝がリバイとして活躍しても記憶は失われなくなりましたか。今後も劇場版コラボや、後発ライダーTV本編へのゲスト出演で安心できそうです。しかし、バイスは一時的復活でしたか。一輝が覚えている点がせめてもですが、無条件に存在するバディではないままというのは、ちょっと残念かも。

 それはギーツ本編での道長についても言えそうですが、まだまだ物語の先は長いので、何とかなるだろうという気がします。

 龍騎については、何らかの補完とかになってるのかな。そこはネット放映の龍騎最終回まで観てみないと何とも言えなさそう。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第25話:自由人の狂想曲 その①)

 ほぼ毎週で放映が続いていますが、やはり第3期/最終クールだけあって、OP曲/映像が変わりましたね(EDは同じですけど)。観始めて思ったのは「今残っているメンバーのOPか」なんですけど、FF出て来てくれましてちょっと嬉し悲し。気持ちとしてはFFも最後までみんなと一緒、と思っておくことにします。

 それにしても、相変わらず本編の理解に骨が折れます。どうしているかがちょっとだけ描かれた徐倫・エルメェス・エンポリオは、脱獄してプッチ神父を追う、ということで分かりやすい。

 プッチ神父になりますと、やや複雑。体調が悪化しているようですが、それは例の緑の赤ん坊取り込みが進行しているんでしょう。よく分からないのは、やたら「3」が出てき出してから。たぶん、タクシーを降り、病院玄関で出会った3人の不審人物を暗示してるのかな。

 3人は落下事故で重傷の強盗、麻薬常習者、事故起こした暴走族らしい。このうち麻薬常習者がプッチ神父を人質に逃走を図るも、よく分からない異変を起こしてますね。プッチ神父には心当たりがあるらしく、「自分(不審な3人のこと?)の父親が誰なのか知ることになる」とか言ってますね。

 観終わってからウィキペディア調べてみますと、この3人はDioの息子で、プッチ神父に出会ったことでスタンド能力に目覚めたらしい。そのうち、麻薬常習者のスタンドがサブタイトル通りと。そのスタンド能力発動で、徐倫らを追うアナスイとウェザーが危機に陥ったようです。

 そのアナスイとウェザーについては、監獄から話が始まりまして、アナスイがウェザーの肩の星形の痣に気が付くも、アナスイはその意味を知らず、ウェザーも記憶がないから分からないらしい。自分も全く分からず(^^;、ウィキペディアで調べてみますと、Dioの骨から生まれた緑の赤ん坊を取り込んだことで、プッチ神父がDioの身体を受け継ぎ、その双子の弟のウェザーにも影響が及んでのことらしい。

 しかし、それは今話のややこしさには影響ありませんで、今後への伏線でしょうか。アナスイとウェザーは徐倫らを追って易々と脱獄したようですが、公共交通機関では逃亡した囚人は見つかってしまう。しかしうまい具合に足の悪い爺さんと懇意になりまして、トラックの荷台に乗せてもらえるわけですな。爺さんの膝含めた不調は気圧変化によるものらしく、ウェザーが高気圧の晴れ間作ったことで、調子が良くなったらしい。

 しかし、その後がちんぷんかんぷんです(^^;。トラック荷台でアナスイが本を手に取るも、表紙のイラストからキャラクターが消えている。と思ったら、自称ピノキオが出て来る。さらに七人のこびとと白雪姫ですか。とりあえず、この場の重要キャラクターはピノキオらしい。

 観ていて「ああ、たぶん絵本から飛び出たんだろうな」とは思いました。そこは分かりにくくないですが、アナスイに起こった異変が意味不明。後の台詞と併せて考えますと、精神と肉体が分離したらしい。アナスイ(精神)はウェザーには見えないみたいで、いなくなったと思って慌ててますね。

 そのアナスイ(肉体)はなぜかトラックに引きずられてる。肉体のほうは精神の分離に気付かず、普通に行動を続行する模様。しかし、アナスイ(肉体)はいつトラックから落ちて、引きずられてしまったんだろう。大怪我のはずですが、トラックが事故で止まったら平気で行動してる。よう分からんです(^^;。ともかくも、最初は駄目だと言っていたバスで移動ですか。

 しかし、最大の混乱要素はトラックに乗せてくれた爺さん。アナスイのように精神と肉体が分離したらしいことは分かります。が、なぜか「赤ずきん」の話に出て来る狼のような言動、行動を取り出した。そしてアナスイに首チョンパされ、「ストーリー通り」と言い残して消滅。

 そこは直前に同様にアナスイに倒されたピノキオとは行動が違いますね。ピノキオの今際の言葉は「こんなのストーリー通りじゃない」でした。どうやら、元となる物語内容と関係があるようですが、謎解きは次回みたいですな。

●仮面ライダーギーツ(第17話:乖離Ⅰ:ようこそ!新シーズンへ!)

 ゲームマスターのチラミへの交代のみならず、勝敗判定などのゲームシステムも変更され、仕切り直しといった感じですね。やはり観客(オーディエンス)の存在が明らかにされたことが大きいのかも。なにせバトルでの人気投票で決まるわけですんで。さらに、プレイヤーはもとより観客にも誰か分からない「デザスター」ですね。最後まで(生き残っていて)正体がバレてなければ人気不問で優勝(デザ神)。

(考えてみると、デザスターってスパイということで、前DGPでの晴家ウィン/パンクジャックの立ち位置に近い気もします。)

 従来のイベントごとに集合では「デザスターは誰だ?」の探り合いを観客に見せられないんで合宿方式(?)ですか。そうなってようやく、景和が語り部(狂言回しかもしれませんが)としての役割を果たし始めたようです。語り部/狂言回しとして動きやすいように、影が薄い演出が入りましたな。ゲーム開始時にはプレイヤーからも存在を忘れられる始末。特に共闘してきたはずの祢音からしてうっかりしてしまってます。

 さらに景和、察しが悪く、他のキャラクターの動向やらゲームシステムなども、人一倍無知という演出も入ってます。そうなると自動的に、景和が質問し、誰かが答えるという段取りが成立します。

 そこへうまく、今話からは天才肌の五十鈴大智/仮面ライダーナッジスパロウが参戦してくるわけですね。英寿だといろいろ知ってそうですが、いろいろ嘘を混ぜて騙しもする。そこで大智ということらしい。「天才クイズ王」とされているだけあって、自分の知識や推測を披露したがるタイプですね。
(知力の大智に対して、同時参戦の我那覇冴/仮面ライダーロポはアスリート、つまり体力なのがバランス取れてるのかも。)

 駆け引きなどややこしくなりそうですが、景和が適当にボケてくれれば(^^;、観ているこちら向けの説明が入るという感じで、たぶん楽に分かるようにしれくれそうです。しかし、ゲーム以外の状況もややこしくなってます。

 例えば、英寿は以前に独白で母親のミツメを救いたいと言ってたわけですが、ミツメが母親かどうかも怪しくなってきました。なにせプロデューサーのニラムが「あり得ない」と言ってますから。これとは別に、スポンサーであり、英寿のサポーターだと自称するジーンも意味深なこと言ってまして、英寿に対し「君の願いが叶うといいね」と言ってます。英寿の反応からしますと、独白含め、今まで明かされてなかった英寿の意思・意図があるみたいです。

 その辺り、TV本編だけから想像するのと、劇場版を踏まえるのとでは、想像できるものが違ってきそうですね。劇場版前提だと英寿が「異物」であることが言明されてますから、例えば前ナビゲーターのミツメが英寿の母親というのは怪しいとなりそうです。TV本編だけから想像すると、プロデューサー:ニラムの情報不足(ないしは英寿の情報操作)で、ミツメが英寿の母親であることが上手く隠されている、辺りかな?

 今後錯綜しそうですが、とりあえず今話のゲームは割とスッキリ。校長ジャマトを探して撃破ですか。ただし最初は校長が見当たらない。アイテム手に入れて校長室作っておびき出し、ということですいすい進む。もっとも大智/ナッジスパロウの知略あってのことではありまして、大智のキャラを立てる演出でもありますね。

 校長ジャマトを撃破したのはギーツ/英寿ですが、人気投票制によりトップはナッジスパロウ/大智、2位はロポ/冴ですか。影の薄いタイクーン/景和は最下位のみならず、たった1%の得票。まあ、だからこそ語り部/狂言回しになれるんだろう。しかし、今までの踏ん張りがどこ行ったんだという気もしまして、もし景和がデザスターであったりすると面白そう。

 一方、道長はアルキメデルの温室(?)で目を覚ます。この道長の記憶では、前DGPで倒れて目を覚ましたことになってますね。これも劇場版を踏まえると、ちょっと面白そう。劇場版での事件がTV本編でも発生/事実扱いだとしますと、道長の記憶はごっそり抜け落ちていることになりそうです。かつ、劇場版で復活した道長は何者なのか、という疑問も生じます。

 その辺りはどうなるか、今後次第になりそうなので、こちらで伺ったことを意識しながら観ていこうと思います。それはともかく、道長復活以上に驚きなのが、アルキメデルが嬉しそうに育てていたジャマト(ルーク)が、第1話のDGPで敗退・消滅した豪徳寺武(仮面ライダーシローかどうかは不明)であることですね。

 姿かたちは豪徳寺武なんですけど、雰囲気というか様子がちょっと変。前に観たホラー映画「ペット・セメタリー」を思い出しました。人間の死者を、ある動物墓地に葬ると生き返って帰って来るが、どうも人格が変わってて、みたいな話。この豪徳寺武がどうなのかは、次話以降で分かるんだろう。ともかくも、アルキメデルとしてはDGPへの叛意含め「理想の世界」を手に入れる一環らしい。

 次回「乖離Ⅱ:ブラボー!ジャマーボール対決!」は球技ですか。デザスター探しも進むらしい。ですが、そろそろDGPゲーム以外の要素が動き出してる感じで、そちらのほうに自分の興味が向かい出していると感じます。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/11 (Wed) 11:38:40

 今期に入って新作アニメとかも始まった頃合いですが、一つバッティングした作品が。
 火曜の夜1時から「牙狼翔」(BS日テレ)を追いかけようと思ってたら、昨夜から「BASTARD」(BS11)が始まって、昨夜は後者をチェック。

 今後の自分の視聴メインは、初放送の後者を考えておりますので、一応、報告までに。

★ジョジョSO

 OPが変わって、最終章って感じの曲調にいい感じと思ってます。前までのポップでノリのいい曲も好きでしたが、過酷な戦いのノリとは違いましたからね。

 ただ、今回の本編の内容は、ポップというか、何だか物語の世界からいろいろ飛び出して来まして、何これ? って感じでしたな。
 鉄腕アトムと鉄人28号とマジンガーZが空を飛んでいて、笑うと同時に、版権は大丈夫かな? と思ったら、きちんと版元の許可をもらっている(エンディングで表記)という。

 よく分からないスタンド効果ですけど、バトルとは別に、フィクションが現実に飛び出す効果なら夢あふれるなあ、と。
 いや、飛び出すのがヒーローとかならいいですけど、ヴィランなら大変だし、ヒーローが襲いかかるのも恐怖だな。

 今だと、エアリアルが飛び出してきて、「やめなさい」と手で押しつぶされるような絵面は勘弁。
 まあ、血まみれ描写でも、BASTARD1話だともっと酷い暴れ方をダークシュナイダーがやってたりしますが、物語の世界観とかリアル度が違いますからね。
 「水星の魔女」は、グロに耐性のないミオリネさんの怯え方、反応の仕方が怖いという意味で、戦場慣れした兵士だけの世界観ならそれほどでも、と思いつつ。

 で、ジョジョでも凄惨な絵面は多いですが、登場キャラは覚悟完了していますから、見ていて衝撃を味わうことは少なめか。
 ……と話が混線してますが、1月8日は入ってくる情報が多かったので、上手く整理ができていないなあ、と思ってます。

★ギーツ

 で、作品の視聴習慣と書き込み習慣の再構築をしたいタイミングですが、
 先週の劇場版にて追記をば。

>ギロリがスポンサーに報告する場面

 ラストシーンですが、スポンサーではなくてプロデューサーのニラムですね。
 ニラムは、昨年のTVラストで、袮音と景和に告発されて、GMギロリを排除した当人ですが、「ギーツに対して、どういう思惑を持っているか」が今のところ判明しません。

 一応、「コマンドフォーム用のレイズバックル」を送ってサポートしている点で、好意的なのかなあ、と思っていたら、今回それを差し入れしたのは「ギーツ推しのオーディエンスのジーンさん」だと明かされましたし、
 プロデューサーサイドとしては、「ギロリのあからさまなルール違反は処罰の対象」「一方でギーツの動向は様子見しつつ、独り勝ちによるゲームのマンネリさの改善は必要」とかの諸事情で、
 GM交代によるルールの変更で対処する形になったみたいですね。
 デザ神決定が「単にゲームの勝ち負けの結果でなく、視聴者による過程を踏まえた人気投票制」になったことと、
 視聴者にも見えない「デザスターシステム」(裏切り者が誰か、という『人狼システム』の導入)とか、
 DGPのバージョンアップが施された、と。

 あと、これも劇場版の補足ですが、シーカーの父であり、GMコラスのスポンサーでもあった大物政治家は事件後に「脱税の容疑で逮捕されて、彼の目論みであった日本支配の野望は頓挫した」形で終わりました。
 DGP運営の背景がどうなってるのかは未解明の謎も多いですが、現在分かっているのは、「ゲームマスターを中心とするゲームの現場」と「敵キャラ生産工房であるアルキメデル」と「その上に君臨するプロデューサー」と、バックに付くスポンサーおよびオーディエンスが存在する、と。

 スポンサーとオーディエンスは一致するのか、それともスポンサーではない一般オーディエンス(ファンクラブ会員とか、サポーターとか)とに分かれるのか、
 また、DGPの世界改変の範囲がどこまでなのか(一国なのか、世界規模なのか、ある程度の異世界含むのか)、謎はいろいろですな。
 少なくとも、劇場版のGMコラスは、宇宙とかミラーワールドに干渉できるだけの影響力を持っていて、直接戦闘力はギロリほどでなくても、社交力とか洗脳能力とか対人相手の立ち回り方は明らかに上だったりしますし。

>ミラーライダーの思惑

 コラスに騙されて、ということはないですね。
 浅倉は「戦えるなら何でもいい」と嬉々として参戦してましたし。
 蓮の思惑の方がやや複雑。

 コラスがリュウガを召喚した際に、真司がミラーワールドに閉じ込められてしまい、蓮の目的は「真司をミラーワールドから解放すること」だったんですね。
 で、DGPに勝つことで蓮が願ったのは「全てを破壊する力」だったんですが、その力で「真司の封印を破壊する」つもりだったわけです。
 ただ、ストレートに「城戸真司の解放」を願っても、閉じ込めた本人であるコラスは拒否するだろうと考えて、コラスに従ったフリをして彼のゲームに乗った、と。

 つまり、ミラーライダーが騙されたのではなく、ミラーライダーの方がそれぞれの思惑を胸に、コラスの仕掛けを利用したように描かれています。

 なお、「真司がミラーワールドに封印された理由」も、自分はコラスがリュウガを召喚したから、と解釈しましたが、そこは明確ではありません。
 先に真司が他の理由で封印されて、リュウガが出てきたのかもしれないですが、とにかく、蓮はコラスを利用して、真司を何とか助けようとした、と。

 一方、コラスから見れば、ミラーライダーはゲームのコマでしかないですね。本命はシーカーによる異世界の門の建設であり、自分の支配するゲームをバトルロワイヤルとして盛り上げること。
 そして、邪魔するギーツやリバイスを牽制するために、ミラーライダーを差し向けた形。

 だけど、ギロリがコラスを倒したことで、ゲームのルールが書き換わり、「城戸真司の封印も弱まった」と判断した蓮が、ミラーワールドの封印を破壊して、真司を解放した。
 解放された真司はリュウガを撃退して、これで蓮が戦う理由はなくなって、自分の世界に帰る。

 浅倉は「バトル推奨のゲームマスターがいなくなった」ので、別の世界にバトルを求めて旅立った形です。そちらでは、財団Xが何やら暗躍しているみたいですが……。

 総じて、ミラーライダーは、ギーツ組やリバイス組より強力に描かれつつ、その威厳を損なわない扱いだったようですね。
 GMコラスが上だったとかそういうこともなく、それぞれの思惑で自由に振る舞っていた感じ。


 なお、劇場版ギーツの脚本を書いた人は、リバイス編の脚本家とはうまく連携できたので、苦労しなかったのですが、「龍騎の登場は後から決まったことですので、どのようにストーリーに混ぜるかで頭を悩ませました。彼らの積み上げてきた歴史やイメージを貶めるわけにもいきませんし、歴戦の戦士らしい立ち位置で」といった感じのインタビュー内容。
 あと、蓮は自分の思惑を口に出さずに、迷走しているような動きが多いですからね。

 劇場版絡みだと、昨年、いや一昨年の夏に上映された「セイバーとゼンカイジャーの共演映画」で、
 物語作者の石ノ森章太郎さんを演じた鈴木福氏が、今のギーツのジーン役なんですが、彼は子役時代からライダーのファン(マニア)を公言していて、藤岡弘、さんに「仮面ライダーになるにはどうしたらいいですか?」と質問をしてたりしていたわけですが、
 2021年の夏映画に出演して、それから今回のギーツでの「ライダーファンそのままのレギュラー出演」を果たした形。正にオーディエンス代表みたいな役柄。

 で、そのうち変身するんじゃないか、とか期待されてもいたり。一応、ジーンは注目キャラの一人、ということになります。
 立ち位置的には、前作の狩崎さんに相当するんじゃないかなあ、と(役者も役柄もライダーマニア)。

 ともあれ、新展開で結構、ワクワクしつつ。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/11 (Wed) 21:23:14

 定期感想書その2です。

●BASTARD

 Netflixでやったらしいと知り、ウィキペディアでちょっとチェックしてました。どこまでやるかは分かりませんが、現時点で24話やってますね。その話数だとアンスラサクス復活にすら届きそうにない。どこまでやるかによりますが、いかんせん原作が数十年経っても完結しない遅筆ですから、「あの後、どうなったんだろう?」という興味については、もう諦めかな(その興味も失って久しかったりする ^^;)。

 90年代に序盤だけOVA化してたはずで、一部は観た覚えがありますネットで。調べ直してみると全6話ですか。絵柄などの映像麺は、まあ普通、といった感じだったと記憶。原作コミックは(当時としては)緻密な描き込みが売りの1つでしたから、OVA版はちょっと相対的に不満だったかも。Netflix版だと、やはりさすがは現代の技術だなという気がします。ストーリーや設定での補完は期待せず、どう映像化してくれるかを期待してみることにします。

 たぶん定期感想はしないと思いますが、原作コミックは一時期は面白がっていたということはありますんで、「これは!」と思う点があったら、不定期で何か書きたくなるかもです。

●どうする家康(第1話:どうする桶狭間)

 興味が持てるかどうか、この第1話では何とも判断しにくい気がしました。主人公:家康のキャラクターとしては、現時点では「気が弱いが優しく、しかしおだてられると舞い上がるヘタレ」といったところでしょうか。一時期、ライトノベルで流行ったとされる平凡で巻き込まれ型の主人公(しかしなぜかヒロインに好かれる)の類型なのかも。

 第1話での最大の事件は桶狭間の戦いでして、三河を実効支配する今川義元が信長に討ち取られ、さあ「どうする家康」になるわけですな。桶狭間の戦いで義元が討ち取られるまでが描かれないのは、戦国時代ものとしては残念ですが、状況が分からず不安になる家康を描くにはいい演出なんでしょう。

 問題はそこで決断を迫られる家康像ですね。調べてみますと、桶狭間の戦い時では家康19歳とのこと。現代では成人扱いの年齢で、戦国時代ならとっくに元服過ぎた一人前でしょうか。しかし冒頭の先取りシーンで描かれたのは逃げ回る家康でして、なんだろうと思って観ていたら、桶狭間の戦いでまさかの義元討ち死にを知らされ、パニックに陥ってしまったということでした。

 そこまでで描かれた家康は、ウサギの木彫りを作るなど武士らしからぬところがあり、今川家の人質となって義元の嫡男:氏真に遠慮し、試合ではわざと負けたりする。しかし、惚れた瀬名(後の築山殿)を、氏真と取り合いになりますと、一応の実力を発揮して負かすこともある。

 その辺りはベタな展開と言えなくもないですが、義元のスタンスがどうも読み取りにくいため、家康もそれにつられてブレる感じがあります。三河は実効支配者の今川の収奪で貧困にあえいでいる模様。戦でも三河武士は危険な任務を押し付けられる。が、義元じきじきに陣中見舞いに訪れ、金ぴかの鎧を家康に贈ると、途端に家康は舞い上がって義元に心酔してしまう。
(ここで自分は「あ、牙狼の鎧」とか連想してました(^^;。)

 これが瀬名の取り合いの場面ですと、義元は家康が実力を隠していることを見抜いており、氏真を負かすのを予想していた風があります。負けた氏真は父親(義元)の手前、悔しさをこらえる様子があり、おそらく義元は気が付いているけど、家康に瀬名を与え、称揚すると。

 その件からは義元の懐の深さが感じられますが、金ぴか鎧からは姑息さを感じます。義元の人物像や家康への態度の真意とかにブレを感じ、そのため影響を受けている家康のイメージもブレてきます。これがもし、もう少し義元が登場し続けてくれたら、ブレが収束するんでしょうけど、いかんせん史実通りに桶狭間で討ち死に。

 ともかくも、義元死亡を知って、三河の君主でありながら、臣下を放り出して逃げ、本田忠勝に力尽くで連れ戻されて次回へ。

 この第1回では、史実(やら以前の大河)での家康のイメージを壊し、可愛げのある人物という狙いで描いている感じです。もし謎の多いとか、あまり波乱の無い人生だったりしたら、そういう手法もアリなのかもしれません。しかし、いかんせん有名な家康です。人生が厳しかったことはよく知られています。

 今話で家康(元康)正室になった瀬名(築山殿)と生まれた嫡男:信康は、いずれ信長の命で死ぬ運命にあります。その後、豊臣秀頼を追いつめ、ついに大坂城と共に葬り去る冷酷さも見せるはず。第1話の家康(元康)からは、そこまで描くのは難しそう(演じる松本潤さんのイメージの問題も発生しそうだし)。

 それでもし、例えば「半人前の元康が一人前以上の家康になるまでの成長物語」を見せてくれるなら、興味が持続しそうです。逆に、例えば「第1話で見せた優しさを最後まで持ち続けた家康」みたいな流れになるなら(タイトルの軽さから、あり得そうな)、感想書くレベルの興味は持てないかも。どうなるか、とりあえず第2話以降を見てみるしかなさそうです。

●うる星やつら

 前後半使ってのテンちゃん登場でして、今期での主要キャラクターは残すところ僅かまで来た感じですね。テンちゃんは、80年代アニメでも原作通りのキャラクターだった気がします。22年版は原作重視ですんで、一貫したキャラとなりそう。

 テンちゃんの演出で自分がなぜか覚えている特徴は、ショックを受けたときに背景に大きな文字を出すものですね。今話ではサクラの薬指の指輪からの「けっこん」の背景文字演出がありました。

 80年代アニメでは、例えばテンちゃんに付きまとう、テンちゃんと同世代女児のエピソードでの背景文字演出を覚えています。女児がテンちゃんを脅して、「法律なのよ!」と言うと、背景に「法律」大文字と怯えるテンちゃん。さらに「死刑なのよ」と畳み込まれて、同じく「死刑」大文字演出。

 今話でも、テンちゃんの幼児であることを悪用した横暴性がギャグとして描かれていましたが、その無敵性とバランスする弱点がある種のメンタルの弱さですね(それも、幼児ゆえの経験不足、知識不足に基づくもの)。そういうキャラクターとしての独自性はあるものの、すぐに若い(しかし自分よりずっと年上の)女性にすり寄り、惚れやすいというのは、あたる、終太郎と根っこが同じだったりしてまして、男性主要人物に足る資格がありますな(^^;。

 次回にはちょっと期待するものがありまして、前半の「買い食い大戦争」です。80年代アニメでは「買い食いするものよっといで!」です。80年代版はメガネの演説が入るなど、押井色の強いものでした(ので好みでして、だからタイトルも覚えていた)。原作色が強いこの22年版ではどうしてくるかと興味津々です。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/13 (Fri) 01:03:26

 定期感想書その3です。

●必殺仕事人2023

 事前に噂はあったようですが、瓦屋の陣八郎さん、最後の仕事を果たすもお亡くなりですか。2015で登場して、味のある仕事人ぶりを見せてくれましたが、もういなくなるとはちょっと寂しいですね。前作(2022)では経師屋の涼次が正義の暴走で破滅する一味の1人と(表の仕事での共感から)親身になるも仕事を完遂したわけですが、今作では陣八郎が竹馬の友を討って、共にあの世へ行くと。

 前作では渡辺小五郎が経師屋の涼次と共に敵一味に関わるも、涼次と対照的な態度を見せていましたが(ターゲットに関わりを持たず、非情)、今作では仕事対象と深く関わる瓦屋の陣八郎が敵から目立たないよう、目くらましになった格好ですね。

 それも自然の成り行きでして、妻のふくが鬼面風邪退散を願って作ったアマビエの根付(かな?)を殺しの現場で落としてしまったのが発端。これを見つけた敵の首魁:疫病改方の天野景信に小五郎が怪しまれてしまう。屋台の蕎麦屋で一緒になってアマビエを見て、さらに偶然飛んできた駒に難なく対処したからですね。

 手練れであり、殺しの現場に証拠を残している以上、仕事人ではないか、密かに行っている悪事(鬼面風邪の公金横領)がバレて狙われているのではないか。そう思って、試しに刺客を差し向けると、小五郎は怯えて逃げ出し、天野は疑いを解いてしまうわけですな。その隙に、仕事人らの調査、特に陣八郎の動きが敵から隠されると。

 その陣八郎が今作では仕事人側の主役でして、鬼面風邪対策に奔走する酒井東庵(幼名は東吉)に出会うわけですね。幼い頃の友であり、人に後ろ指さされる真似はすまいと誓い合った仲。しかし陣八郎は今は仕事人。命を救う医師の東庵と再会し、迷いが生じるわけですね。前作での涼次の迷いですと見込んだ相手の問題でしたが、今作の陣八郎は己自身についての迷い。これがラストの運命分けちゃったかなあ。

 そこは元締め(でいいのかな?)のお菊を始め、仲間が陣八郎を危惧するわけですが、最初の仕事は上手くこなす。相手が何のかかわりもない、女郎屋の主だからですね。しかし、次の仕事はしくじるわけですな。鬼面風邪対策を装って、偽病人まで作ってぼろもうけする、天野の出先機関:越前屋と医師グループを始末するわけですが、陣八郎は「子供がいるから見逃してくれ」と言われると、躊躇してしまう。

 そこは事前に予想していた小五郎が代わって仕事はこなすわけですが、陣八郎は迷いはないとかえって意地を張ってしまう。この時点では、竹馬の友の東庵は医師倫理通りに行動しており、陣八郎には次第に強いプレッシャーになっているせいであるみたい。さらに、(実は既に堕ちていた)東庵が心配して渡してくれた特効薬:鬼滅丸が、見える形で陣八郎を追い込んでいくわけですね。

 ただし、純然たる善人の東庵のイメージは崩れ始めてしまう。なにせ1粒10両と、庶民には手を出せない高価な薬なわけで。ただし、陣八郎はまだそれが東庵の弟子の文代が父の回復を願って作った安価な薬であること、名誉欲からついに文代を東庵自ら手にかけたことは知らない。

 その2つを知って、ようやく陣八郎はほぼ迷いを吹っ切る。ほぼ、というのは、陣八郎はまだ東庵の友情は信じたいからですね。それも崩れたのが、東庵と仕事人として相対したとき。東庵は己の悪事を棚に上げて、陣八郎を人殺しと罵る。これで腹を括った陣八郎、仕留めはしましたが、しかし己もあの世へ同道する覚悟でしたか。

 そのように陣八郎を揺り動かした、ターゲットの酒井東庵は見事でした。聖から闇へ、綺麗に堕ちてみせてくれてます。演じた橋本じゅんさんは、リバイスでは赤石長官でありまして、「あの赤石が堕ちてしまったのは、もしかしたらこういう経緯か」とか妄想を逞しくしてしまいました(^^;。

 最初は、弟子の文代ともども、医療に邁進する善良な医師なんですよね。鬼面風邪患者を救いたいと思い、特効薬作りにも邁進する。越前屋一味の悪事を知ると、患者の扱いに怒り、看護施設(養生所)を改善する。

 しかし、ちょっと歪を見せもしてましたな。金の工面がつかず、薬の材料が思うように手に入らない。おそらくそのせいで、未完成の薬を闇雲に投与して、患者を死なせてしまうわけですが、患者の死亡よりも薬の不首尾が無念な様子。

 そこへ東庵を闇に落とす決定打が来まして、弟子の文代が特効薬を完成させちゃったことですね。弟子に先んじられて悔しい東庵は研究資料を騙して横取りし、疫病改方の天野に取り入り、自分の手柄として発表すると。

 この東庵の動きですけど、劇中でも再三語られた、歴史に名を遺すということが最も大きかったみたい。東庵は金では折れませんでした。文代に対する態度などから考えると、女色にも溺れない。高潔で付け入る隙が無さそうですが、得てしてそういうタイプは名誉欲、特に後世に対するものが強いことが多いみたいです。

 そこを天野がついて、半ば落としかけていたところ、自分ではなく弟子が代わりに後世に名を遺しそうになり、ついに東庵は堕ちたんでしょうな。幼少時の陣八郎との関係でも、そこは表れていたのかも。東庵はチャンバラごっこで勝つ役ばかりやりたがっていたようですから。自分より前に出る者は許したくない。

 それが名誉欲と重なって、ついに文代を手にかけたんでしょう。もう患者よりも自分、弟子よりも自分、というわけで、そこが陣八郎に八割がたの覚悟を決めさせたように思えます。そして最後の蜘蛛の糸になり得る友情も、己のほうがが優れると思いたい欲が優り、ついに陣八郎にも見放される。

 そこまで堕ちた東庵ですが、それでも陣八郎はあの世までついて行ってやったわけですな。次作ではもう見られないと思うと残念ではありますが、しかし仕事人 陣八郎の見事な最期を見せてもらって、納得するしかなさそうです。

 スペシャルの感想は以上ですけど、今観ている必殺の再放送(仕事人III)との関係で少し思い出すものがありました。なんとなく「ラストの仕事のパートが、まだ自分が覚えている完成形じゃない」という気がしてたんんです。このスペシャルの最後の仕事のパートで思い出しました。

 まず、仕事前の道具の手入れですね。現時点のIII再放送では、ではまだそこがルーティンになってません。そこが自分的には物足りなかったみたい。IIIどころか、ずっと以前からある要素では、頼み人の仕事料以外の金に手を付けない点も思い出しました。これはシリーズ鉄則ですね。ジャラ銭で仕事受けて、しかしターゲットが持ってる大判小判には目もくれない。そこが自分的に大変カッコいいと感じていたことを、改めて思い出した次第。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/13 (Fri) 23:49:58

 定期感想書その4です。

 どうもドタバタしがちで時間が取れず、感想書きがノロノロしてましたら、もう金曜日。今夜はジョジョでして、感想が周回遅れになりそうです(^^;。

●うる星やつら

 そのためこの木曜深夜のも、この感想書きサイクルの2度目となりまして。買い食いエピソードは80年代版で面白かった覚えがあるんで、自分的には普段は無理な時間帯でもリアルタイム視聴した次第。

 80年代版の「買い食いするものよっといで!」は30分枠使ってましたが、この22年版では前半枠で納めてますね。そのためストーリー展開が速く、テンポの良いスラップスティックになってる感じがします。

 80年代版ですと、買い食い生徒側と、取り締まり教師+生徒会勢に分かれた戦略ゲーム的な展開で(確か校長が指揮官)、メガネの演説がしばしば入る展開だったと記憶します。そのため、アクション的な見せ方は細切れになっていたはずです。その代わり、買い食いに対する異様な執念がメインのギャグになってました(特にメガネ)。

 そこはやはり押井守風だなと思います。今作ですと、やはり原作の高橋留美子色通りにしたみたいですね。いい意味で、高橋留美子的なテンプレート通り。15分で収まるのもそのせいでしょう。これはこれでいいなと思います。それだけでなく、おそらくは現代のアニメ技術でキャラクターがよく動かせ、背景などもしっかり描けることがあるのかなと思います。

 ちょっと驚いたのが、ラムの髪の色が変わる演出ですね。おそらくは感情変化に合わせて金色とかにしてあるみたい。今話で気が付きましたが、もしかしたら既にやってた演出かしらん。たぶん原作にはないものだと思いますが(基本的にモノクロですしね)、アニメ制作陣の工夫でしょうか。自分はいい描写だなと感じます。

 後半はちょっと覚えがないエピソードでした。が、しのぶがボールを覗いた反応で、おおよその察しがつくものでしたな。見せる段取りが上手いと思いました。とりあえず、しのぶがボールで見た人物はいったん伏せておく。しかし、ランやラムが見た人物はすぐに出す。

 観ていて「となると、しのぶが見たのは」と気になったところで、尾津乃つばめが登場する。そこでしのぶがボールで見たのはつばめと明かし、ボールの中にあたると終太郎を見て混乱していたサクラがつばめに食って掛かるドタバタが自然な流れとなっています。こういうところも、上述しました「高橋留美子的なテンプレート」でして、やっぱり上手いなと感じます。

 ドタバタを見せておいて、オチはある意味無難な「結婚すると不幸になる相手」だったというもの。その後、騒動の原因となったテンが懲りずに通販で次の変なアイテムに手を出して、次の騒動を予感させると。この部分は原作にあったかどうか、ちょっと分かりません。が、ラストを締めくくらずに開いたままにするタイプの、いい感じのものだと思います。たぶん、この22年版アニメ制作陣が原作を相当に好きなんじゃないかという気がします。

●仮面ライダー龍騎(第37話:眠りが覚めて、第38話:狙われた優衣)

 はっきり3つの流れになってまして、小川恵里を救いたい蓮、香川研究室と関わる真司、北岡に頼んで浅倉に迫る桃井令子ですね。このうち、ライダーバトルを止めたい真司は蓮にも働きかけようと懸命でもあります。

 桃井令子のほうは今週分では出だしの感じで、鏡について気になるものの、依然としてミラーワールドの存在には迫れてない。それならばということで、北岡の口利きで浅倉に面会に行く。それからどうなるかは次回以降ですけど、ちょっと浅倉で気になることが。

 拘束していた手枷(?)の鎖が銀色のメッキです。あれって鏡になり得るのかしらん。面会直前には牢の鉄棒に手錠でつながれていましたが、手錠の鎖は(おそらく艶消しの)黒。拘置所も鏡には気を付けているようですが、浅倉がちょっと目をやった銀色の鎖はもしかしたらマズいんじゃなかろうか。

 蓮のほうは、悲恋物語的な展開ですね。小川恵里が意識回復してほっとしたと思ったら、実は容態は悪いまま。いつ再び意識を失うか分からない状態なわけですね。意識を失っても生きていてさえくれたら、と思う連はひたすらミラーモンスターと戦い続ける。なぜかライダーバトルに向かおうとはしない。

 もしかすると、契約モンスターのダークウィングが依然として小川恵里を狙う素振りがあるからかな。ライダーバトルで相手を倒す=死なせてしまうことに未だ躊躇があるため、とりあえずダークウィングが飢えから小川恵里を襲うことがないようにするのが、今の蓮にできる精いっぱいなのかも。

 小川恵里も自分を救うべく、蓮が無理を重ねていることに気が付いたようです。自分が回復したのではなく、いつ昏睡に陥るか分からないことに気が付いてもいる。しかもナイトに変身してミラーワールドに突入するのを目撃もしてしまう。小川恵里としては、自責の念みたいなものが生じてしまうんでしょうな。

 しかしどうしていいか分からず、容態が再び悪化する中、蓮にされるがままで連れ出され、自分一人ではたどり着けなかった海岸へ蓮と一緒に行く。寄り添ってはいますが、2人ともこれからどうしていいか分からずにいる感じですね。観ているこちらも、どうして欲しいか分からない。なんともつらい展開です。

 真司のほうは、蓮や小川恵里の状況も気にしつつ、ライダーバトルを止めてくれそうな香川研究室に食らいついていくわけですね。しかし、香川教授は互いに信用するに足るまで認めない、と譲らない。真司が仮面ライダー香川教授がタイガだろうと言うと、ニヤリと笑い、仲村創、東條悟と共にカードデッキを示して見せる。真司は何も知らないじゃないか、というわけですか。

 真司も誰がタイガで、優衣を狙った謎のライダー(実はオルタナティブ)が誰か分からなくなる。その迷いを突いたわけじゃないんでしょうけど、東條悟が花鶏のバイト募集に応じて、働き始めるわけですね。不審に思った真司が問いただすと、東條悟は1人を犠牲に多数を救うのが英雄だと言い放つ。

 まるでトロッコ問題ですね。10人働いているY字状線路にトロッコが突っ込んで来る。切り替え機を操作すればその10人は救われるが、別の1人が死ぬ。どうするか、の問いに迷わず「切り替えて10人を救う」と答えるのは功利主義的傾向なんだそうで。

 花鶏で真司に問われた時点の東條悟は、その功利主義的な方法が「英雄」だと思っていた模様。しかし、事態が進んでいくとちょっと変わっていったようですね。トロッコ問題には応用編があり、「10人働いている線路にトロッコが突っ込んで来る」のは同じでも、「トロッコを止めるために、1人を線路に突き落とすか」というものだそうで。功利主義者でも、これは躊躇するらしい。

 東條悟も事態がトロッコ問題応用編のようなのかもと思い始めたようです。しかし、以前は江島研究室に所属し、神崎士郎の実験で仲間を殺害された仲村創は優衣抹殺で揺らがない。真司は知りませんでしたが、優衣を狙ったオルタナティブは仲村創であるわけですね。優衣抹殺を止めようと、オルタナティブ/仲村をタイガ/東條が倒したことで、ようやく真司も彼らの正体を知ると。

 それにしても、消滅寸前の仲村は真司に何を言い残そうとしたんだろう。「お前(真司)は間違って」まで言って消えてしまいました。「大勢も一人も、どちらも救う」と言った真司が「間違っている」のか「間違っていない」のか。

 一方、仲村を葬ってしまった東條の態度は英雄らしからぬものでしたな。「もうやっちゃった」から仕方ないんですか。これは真司ならずとも呆れるところでしょう。今話までの印象ですが、思考が浅くて依存心が強く、無責任な性格のように見えます。おそらく末路は良くないんでしょうな、こういうタイプは。

 それでも仲村の登場話数を確認すると46話まで出て来るみたいですね。次のライダーの佐野満/仮面ライダーインペラーは第41~44話となってまして、それより長生きなのか。ちょこっとだけ見て、何となく覚えている「現世で望みが叶ったのに、ミラーワールドで無念の消滅」がその佐野/インペラーであるみたい。

 いよいよシビアな終盤に入っていく感じですね。今週分ラストシーンでも、またもや優衣から粒子が立ち上って、消滅の危機が迫っているようだし、気合入れて観ていかないと。

●牙狼:翔編(第2話:炎)

 ネット放映を第2話まで観て、第1話の感想では記憶が混乱してしまいました。例えば、D・リンゴ登場は今話なのでした。これからは次の話を観ることはできず、前に視聴した記憶も(牙狼を理解していなかったゆえに)かなり薄れてるので、たぶんひどい混乱はしないはず。

 第1話でジンガとアミリによる大事件勃発を示し、この第2話で具体的に何が起こったか、立ち向かう流牙らの布陣を示してくれてますね。今話より、流牙世界にも番犬所があり、リュメ様が治めていると描かれました。確か初見では自分は浅はかにも、リュメがいずれ裏切るんじゃないかと下種の勘繰りをした覚えがあります(^^;。その後、流牙らを強力に助けて前線で戦うリュメ様に申し訳なく思った次第。

 この2周目でようやく意識したんですが、任務を授けたリュメが流牙に「すまない、いつも危険な任務ばかり」と言ってますな。一瞬、「闇照編のこと?」と思ったんですが、あのときは符礼法師じきじきに流牙らを呼び寄せてたんでした。どうやら、リュメはこのTV編に先立つ劇場版での出来事を言っているようですね。

 D・リンゴの奥さん(内縁かな?)であるユキヒメの喋りが無茶苦茶なのも、今回ようやく意識できた気がします。初見ではユキヒメとD・リンゴの会話を自分はどう理解していたんだか、思い出せません。改めて観てみると、意味が分からなくても通じ合っているらしいのが、とても微笑ましい感じですね。要は仲良しさんということで。

 別行動らしい魔戒法師ガルドも登場してくれましたが、活躍は次回以降ですか。ガルドを見て、ようやく妹ハルナがいることを思い出しました。

 今話の見どころは、法剣が2つに分かれた短剣の行方ですね。青い短剣のほうは既にジンガが押さえている。アミリが青い蝶を飛ばし、冒頭で女性を襲おうとしたホラーに指令を出すわけですね。昼間はかなり知性が低そうですが、夜に入って流牙らと戦うときは、かなりまともに喋ってまして、やはりホラーは夜の生き物だからかしらん。

 それはともかく、バトルでは流牙と莉杏の息の合っている点が注目でした。前の初見では、「騎士と法師のコンビはこういうもんだろう」くらいに思っていた気がします。しかし、今は「これが闇照編で確立した流牙と莉杏なんだな」と思うことができます。しかし残念ながら未見の劇場版については分からずでして、自分が理解し損ねている点はありそうです。

 とはいえ、どうしても鋼牙と比べてしまいますな。鋼牙は牙狼MSに至っても一人で戦う傾向が強かった。最愛のパートナーのカオルが一般人ということもありますが、どうも鋼牙の性分でしょうね。そのため、邪美や烈花がサポートするにも四苦八苦でした。流牙は警戒を解きさえすれば人懐っこい面が感じられますんで、法師である莉杏が最愛の人となれば、バディとして2人一体のようになるのも自然なことかもしれない。

 その息の合い方を、下級ホラー:ビクロとの戦いで見せてくれるわけですね。劣勢となったビクロが莉杏を人質に取るも、流牙は構わず剣を構えて進む。莉杏も涼しい顔で「一緒に死ぬ?」とビクロに言い、自爆と思しき光の球を筆から発する。

 恐れて離れるビクロですが、光球は花びらを散らすフェイントに過ぎない。そうであることは、流牙に言わずとも伝わっているわけですな。もしかすると、莉杏がビクロに易々と人質に取られたこと自体、無言の示し合わせであったのかも。

 ともかくも楽勝という感じで、赤い短剣も手に入りそうなわけですか、流牙が触れてみると何やら異変、というところで続く。次からはドラマに入って行きそうですが、まだ重要キャラクターの秋月ダイゴ/獣身騎士ギガの登場がまだでして、ドラマ的な布陣が固まるのはまだ先ですね。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/14 (Sat) 08:55:59

 学期初めだと、生活のリズムとかあれこれ変わって、自分はローテーションが崩れがちです。
 学生さんが休みの時期は純粋に忙しいから、というのもあるのですが、むしろ休み明けの方が使える時間が多くなって、その分ダラダラしがちで、以前のリズムを取り戻すのに多少の期間を要する。
 それと番組改編期が重なったりすると、情報の整理にも手間取りますな。

 ……ということで、この辺の時期を自分は昔から「リハビリ期間」と呼んでいたりします。
 書き込みペースの再構築が必要なタイミング、と。

★BASTARD

 原作は途中まで読んでいるのですが、抜けている部分がそれなりにありまして、物語冒頭で「へえ、そうだったんだ」って驚きが。
 この世界は純粋に異世界ファンタジーと思っていたのですが、400年前は「我々の住むような科学文明の時代」だったんですな。
 で、「神を模して作った人工知能搭載の生体ロボの破壊神アンスラサクス」が暴走して、文明崩壊の元凶となったわけですが、原作ではそういった背景情報が判明するのが大分あとの方になるので、今回のアニメでは物語開始時に400年前の文明崩壊するシーンから見せて、自分にはサプライズでした。

 まあ、それを言うなら、ロードスみたいなファンタジー作品も、アニメではまず「神々の古の大戦」から始まって、世界がどうして今の状況になったかを壮大に見せていたな、とか
 ロード・オブ・ザ・リングやホビットも、過去の大きな事件から映画は描いていたな、と。

 ともあれ、邪神による文明崩壊から400年で、異形のモンスターと魔法に満ちたファンタジー世界になったという現在の視点では少々、荒唐無稽にも映る世界設定です。
 「さすがに400年でそうはならんだろう」と感じるのですが、旧世紀だと「核戦争による文明崩壊後の未来は、モヒカンがバイクに乗って走り回る異世界」になっていたりが普通でしたからね。

 なお、別の現実改変ファンタジーだと、「我々の住む現代社会は元々、神々や魔法が普通にある世界だったのが、魔力が枯渇したことと、科学という宗教が世界を塗り替えたことで今の姿になった。しかし、近未来に失われた魔力が戻って来て、一部の人間がエルフやオークのような異形になったり、魔法使いが復活したりして、科学文明と魔法の混在する姿になった」とか、
 背景世界の設定を読むだけで面白かったり。

 で、今作ではその大設定の他に、15年前に封印された大魔法使いダークシュナイダーの過去がありまして、物語的には、そのDSの復活劇からスタートですな。
 このDS、「封印された暴れん坊が、聖者の手で解放されて、渋々、悪者退治に励む」ってプロットは、西遊記の孫悟空とか、『うしおととら』とか、『犬夜叉』に通じるものがありますが、似たような設定の比較論は割と好き。

 バスタードの魅力の一つは、DS封印解除の手段が「処女の接吻」というラブコメエロ路線に通じる設定と、DSのエログロ満載な傲慢暴れっぷりにあって、ここまで身勝手な悪党メンタルな主人公は当時なかなかいなかった。
 まあ、これもケンカ上等な不良少年が惚れた女の子のために更生して……って物語の亜流と考えることもできるのですが、
 DSの場合は「女好きで、ハーレム志向」という当時の少年マンガでは禁断とも言える設定で……と、その革新性を語ればキリがないわけですが、

 ファンタジー漫画の歴史では、「爆裂(ダムド)」とか「爆霊地獄(ベノム)」とか、漢字表記にカタカナルビという形式が後のダイ大や多くのラノベ、あるいはTRPGにも影響を与えているのも印象的。
 スレイヤーズの「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」とか、字面が格好良く、定番にもなっていた、と。

 アニメだと、こういう表記法の魅力が分かりづらいですが(いや、DSが呪文を使う際に、画面に呪文名を表記するという演出手法もありそうだけど、本編では採用せず)、
 DSが「ダムド」「ベノム」と叫ぶだけで、敵の群れが北斗の拳のザコ敵のように次々粉砕されるシーンは、昔ならいざ知らず、今だとありふれた表現で、そこは演出としてスピーディーだけど、もっと溜めが欲しかったなあ、というのがアニメ版感想。

 一番印象的だったのは、冒頭の世界観説明と、それからシーラ王女のエロい衣装。あれ? ここまで不埒な服を着ていたっけ? と。
 たぶん、アニメの改変なのではないか、と思いつつ、「王女なんだから、もっと清楚かつ上品な服……が乱れて、というのがいい」と考える向きには、最初からエロコスチュームなのに、幻滅してしまったというか、

 やはり、本命のアーシェス・ネイの登場を期待している、という話です(無理やりオチをつける)。

 まずは、新番組の大まかな感想だったということで。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/15 (Sun) 16:09:28

 周回遅れになりかけているので、各作品感想は手短かに。

★必殺仕事人

 遠藤憲一さんの退場劇と、橋本じゅんさんの「真面目な医者の闇堕ち劇」を楽しんだ回でした。

 鬼面風邪については、雑音(インチキワクチンで金儲けという某氏のしつこい予想)が邪魔して、あまり冷静に分析できなかったと思いますが、「現実風刺」と「物語としての上手い落とし所」の見極めがストーリーテリングのポイントかな、と思っております。

 で、「現実風刺」も、面白いアイデアに練り上げてくれたならいいんだけど、「反ワク思想丸出し」で、物語としての芸の域には達していないから、どうしようもないと否定しておいて、

 必殺らしい面白さは何かを考えるに当たって、やはり「裏と表の二面性をどう見せるか」なんでしょうな。
 言わば、一面的に、短絡的に善悪を決めつけて断罪するのではなくて、「功罪相半ば、陰陽の切り替わりの巧みさ」を味わうものかな、と。

 このキャラは、物語上は悪役だけど、こういう一面に目を向けると、良い面も持っている。でも、この局面でこう動いたのは、悪手だったよね、とか、まあ、でも自分が同じ立場だったら、やはり同じことをしてしまいそうだから、強く批判はできないだろう。だから、作劇として納得できる……といった感じ。

 そして、今の必殺は「2時間ドラマのパターン」に基づいている。
 まずは、開幕早々、殺しのシーン。
 続いて、事件勃発で分かりやすい悪事が描かれ、中盤(1時間ほど)で、最初の殺しのクライマックス。
 そして、ストーリーのポイントは後半で、それまで善人として立ち回っていた人間が、悪の誘惑とか、報われない善行への疑問とか、運命の悪戯で、魔が差したようにズルズル闇堕ちするどんでん返し展開。

 このどんでん返し部分に、役者の演技力とか、物語転換の説得力とかを評価できるか否かで、作り手の力量を測ることもできる。
 で、悪堕ちした善人を、裏の顔を隠していた仕事人が引導を渡すように幕引きを図る流れですが、今回は「陣八郎の退場」というドラマを絡めて、格好いい話になったな、と。

 これまで、あまり過去とかが描かれていなかった、バイプレイヤー的役どころのムードメーカー仕事人だった彼を柱にストーリーが組まれ、
 対峙する幼なじみが、我々に馴染みのある赤石長官(これも善意が暴走した敵役)ということで、二面性をたっぷり見せつけてくれました。
 「人を助けたい」という善意に偽りはなく、悪党の誘惑に乗ったのも、「権力者と手を組んだ方が、特効薬の量産や宣伝も上手く行くだろうし、自分が権力を持ったら、より多くの人を救えるだろう」し、
 ついでに言えば、「高価な特効薬」も、ある程度、出回れば、やがて値段も落ち着いてくるだろう、という目算もあったかもしれない。

 さらに、患者の治療をしつつ、夜中に特効薬を一生懸命作っているシーンが中盤過ぎにインサートされて、真面目に一生懸命頑張っている。
 つまり、疲労がどんどん溜まって、次第にやつれていく流れが描かれていて、その中で自分の努力を踏みにじるようなことを助手の娘が言ったものだから、殺しに手を染めてしまった。
 それ以前に、多くの患者の死を看取ったでしょうから、死というものへの感覚が麻痺してしまったとも考えられる。戦場の兵士みたいなものか。
 ちょうど、この日の夕方に、例のガンダムの最終話があったりして、見ている人間の感覚も麻痺してしまったり(苦笑)。

 で、いろいろと自分の感情を整理している最中(もしかしたら、後から後悔改心して、助手の供養とか、罪滅ぼしの何かをするかもしれない)に、幼なじみの八ちゃんが現れて、「自分は人殺しだ」と告白する。
 こいつは怖いですね。感情を整理する間もなく、気が動転して、「悪いのはお前か!」と責任転嫁したくもなる。
 昨年の話もそうですが、悪堕ちした元善人は、自分の身近な弟とか助手をやむなく殺してしまい、グチャグチャな感情で生き地獄みたいな精神状態になって、仕事人に介錯されるような形で人生の幕を閉じることになる。

 真面目な性格ゆえの悪堕ち転落ぶりが、今の脚本家の筆クセかな、と少しずつ分かってきた感じですな。
 まあ、そこを評して、昨年はギリシャ悲劇っぽい転落ぶりが興趣で、あれこれ考えさせられると評したことを覚えていますが、今回は、そこに陣八郎さんとの仮初の友情劇とも相まって、各キャラの心情を想像する余地があったな、と。

 陣八郎さんの殺し道具を、いろいろ世話になった若手のリュウ君が託されたのも、次作で使ってくれたならいいかなあ、とか。
 レギュラー退場の次は、新キャラ登場という新鮮な楽しみも味わえそうですし。

★どうする家康

 北大路さんの達観した老家康の印象が強すぎて、逃げ癖の付いた白ウサギ家康にまだ馴染めず。

 信長が狼で、家康がウサギで、何だかデザイアロワイヤルみたいな戦国模様。
 で、金鎧の家康を、K.Kさんは牙狼みたいと連想し、こちらは黄金聖闘士を連想するなど、新番組の連想糸を既存の知識に手繰り寄せながら、この番組の楽しみ方を互いに模索中という段階ですな。

 とりあえず、1話見ての推しは、やはりゴーカイブルーな本多平八郎忠勝でしょうか。
 「お前を主君とは認めん」というツンモードな、後の一の家臣になる強者。家康は情けなくても、忠勝の格好いいアクションは期待できる。
 そして、歴代大河忠勝を見ていると、『真田丸』で藤岡弘、さんが演じていて、
 昨年は「藤岡弘、→山本耕史」という目で三浦義村を見ていましたが、今年は本多忠勝を注目すればいいのか、と思いながら、退場するまでは織田信秀の藤岡さんも楽しみに見たいのが現状。

 あとは時代劇スターとして、里見浩太朗さん演じる住職さんとか、そこにいるだけで存在感を発揮しそうな俳優さんを期待しつつ。

 家康の逃げ腰キャラの方向性は、初期のキン肉マンかなあ、と思いながら、それを諌めるミート君みたいな小姓キャラが欲しいかも。

 とりあえず、ここまで。
 龍騎、牙狼感想は、今回は割愛します。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/17 (Tue) 16:34:17

 定期感想書その1です。

「水星の魔女」の後が「閃光のハサウェイ」と思ったんですが、劇場版(第1作)を全4話に編集したものですか。劇場版も全3部作予定で、まだ始まったばかりらしいですね。TVのほうを観終えて面白かったら感想書くかもです。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第26話:自由人の狂想曲 その②)

 竜頭蛇尾って、普通は期待外れなどの良くない場合に言われますが、竜頭蛇尾だから面白いってこともあると、今話で認識しました(^^;。ゲストメイン敵のウンガロと、そのスタンド:ボヘミアン・ラプソディーですね。

 倒せそうな気がしないほどの難敵で、なにせスタンドの能力が桁外れ。有効範囲からして全世界です。前話では近くのフィクションのキャラクターを具現化して襲わせる(副作用はそのキャラクターがフィクションから消失)という感じでしたが、キャラクターの具現化は全世界で起こってまして、逃げ場がない。かつ、フィクションのキャラクターへの攻撃は難しく、たとえ成功して倒せても、別のフィクションのキャラクターが死の運命に巻き込みに来ると。

 さらにフィクションだけかと思っていたら、描かれたものなら何でもいいらしく、ゴッホの自画像まで具現化して襲ってくるわけですね。空想現実問わず「死んだことが判明している、描かれた人物・キャラクター」なら、何でも敵になってしまう。スタンド使いのほうは攻撃を開始したら、地球のどこに逃げたっていいため、捕まえようがない。これまでの「遠隔自律型スタンド」の概念をひっくり返しそうな「そんなんアリなの?」の敵ですね。

 アナスイは前話でピノキオは叩き潰せましたが、狼と七匹の子山羊世界に取り込まれると、ハサミで腹を裂きに来た母山羊には無効。どうやらダイバーダウンで変形しても無意味みたい(元は2次元だから?)。スタンド:ボヘミアン・ラプソディーの唯一とも思える弱点「知らない物語なら取り込まれない」も、名画もスタンド対象となるとウェザーにも有効となってしまう。拳銃自殺したゴッホですね。

 どうしようもない、と思っていたら、突如として謎の逆転劇が始まりまして、最初は何がどうなってるのか分かりませんでした(^^;。どうやら、ウェザーがゴッホ役となったことで絵が描け、しかしウェザーが手にしたものはウェザーの思い通りにならないから(銃と絵筆の入れ替わり等)、ウェザーはゴッホ(自画像)の腕を掴んで、あるコミックヒーローを創造したわけか。

 その即席のヒーロー:プット・バック・マン(Put Back Man)は「全てのファンタジー・ヒーローを元に戻す能力」があるんで、敵スタンドの「絵のキャラクターの具現化」はリセットされると。プット・バック・マンの出現と能力が、敵のスタンド能力ゆえの逆転というところがミソなんでしょうね。

 しかし、何とも間抜けでもありますな。自分(ウンガロ/ボヘミアン・ラプソディー)の能力が無制限であるがゆえに、自分自身を倒す能力も発動してしまうわけですから。似た例を思い出しまして「地獄先生ぬ~べ~」です。あぎょうさんという難敵の妖怪がいまして、相手の言葉を必ず嘘に変えてしまう。そのため「ぬ~べ~が勝つ」と言えば、ぬ~べ~は負けるわけで、ついにぬ~べ~は死んでしまう。

 が、「ぬ~べ~は死んじゃった、もう駄目だ」と言ったら、それも嘘になってしまうわけで、ぬ~べ~が復活して逆転勝利。主人公死亡という切羽詰まる展開見せといて、言ったことが必ず嘘になるなら逆張りすればいいだけ、という呆気ない幕切れでした。ドラえもんでも、いったん未来に帰ったドラえもんが、嘘が本当になるアイテム(USO800)で帰って来るなんてありましたな。

 ともかくも、敵スタンド:ボヘミアン・ラプソディーが前話ではどうしようもないように見えて、今話ではどうとでもなる相手だったという拍子抜けすらしそうな展開。これに合わせて、スタンド使い:ウンガロの最後も情けない。

 世界を大混乱に陥れて有頂天でしたが、確かにフィクションから消えたはずのアラジンやランプの精(飛行機の窓から見えてましたな)が絵本にいる。ラジオのニュースでフィクションキャラクターが元に戻ったと報じている。一時的とはいえ、ウンガロがその世界的大事件を起こしたことを誰も知らない。それでショック受けて再起不能(リタイア)ですか。まあ、罪を問われないから良しとしておけ、くらいでしょうか。

 そういう情けなくて冗談みたいなバトルの幕切れであることは、もしかするとアニメ版オリジナル(コミックでは描写不能)の部分から察することができたのかも。TVニュースが伝えた東京での異変ですね。明らかに「北斗の拳」と分かるものでして、それを伝えたキャスターの声担当が千葉繁さん。北斗の拳の次回予告の名ナレーターですな。そういうお遊び入れる以上、お遊びみたいな結末かもと予想してもよかったのかもです。

 ただ、今回もちょっと分かりにくい点がいくつか。初見で分からず、ちょっと考えて分かったのは、精神体のアナスイが菓子店店主や警官に見えていた点です。ウェザーに気付いてもらえない描写がありましたから、なんで店主や警官に見えてるのか不思議でした。が、彼らもボヘミアン・ラプソディーに取り込まれていたわけですか。

 上述しました、ウェザーが即席でヒーローを描けちゃった点もそうですね。いずれも考えて納得しましたが、観ていて逆転劇にリアルタイムで「なるほど!」と感心することができませんでしたorz。
(しかし、警官がスタンドに取り込まれた精神体だとすると、どうしてパトカーを使っていたのかとか、細かい点で「?」がいくつか残りはする。)

 それはともかく、続いては徐倫らのその後ですね。1期序盤で徐倫に罪を擦り付けたロメオ・ジッソ再登場。徐倫が会いに行きまして、怯えた様子のロメオは言われるままに金を差し出し、車のキーも渡す。それくらいで徐倫が済ますわけない、と思ったんですが、警察に言うなと告げて去る。

 あれれ、と思ったんですが、ロメオの舌にキッスのシール貼り、分裂した舌を持ち去っていたわけか。ロメオがどうするか、盗聴器の代わりですね。案の定、ロメオは警察に電話。と思ったら、偽の情報流して徐倫の逃亡を手伝ったわけか。さっきまでの芝居がかった後悔も、1人になっても続けている模様だし、愛情もあるらしい。

 改心してたのか、となりまして、さらに車だけでなくヘリコプターまで渡してくれていたことが分かる。さすがに徐倫も「ロメオ、あんた見直したわ」と言ったもんで、自分は「さすがにヒーローの自覚ができた徐倫、心広いんだ」と思ったんですが、「やっぱり剥がしておこう」ですか。

 あららひどい、と思いましたし、エルメェスも「あ!」とか言ってましたな。でもまあ、ロメオの裏切りで刑務所で何度も死にかけ、父親の承太郎も未だ危うい状態ですもんね。それくらいは仕方ないか。それにしても今話は徐倫パートもなんだか情けないオチだった感じで、前後半が同じ流れという印象でした(^^;。

 最後の次のスタンド使いらしき男がプッチ神父と一緒に出て来まして、調べると名前はリキエルで、こいつもDioの息子ですか。そのスタンド:スカイ・ハイはウィキペディアで解説はありますが、使い道がどうもイメージできませんorz。もっとも、だからこそ観てみたら面白そうだなと思えます。

●仮面ライダーギーツ(18話「乖離Ⅱ:ブラボー!ジャマーボール対決!」)

 ゲームマスター:ギムリの暴走もあって、DGPとは何かという第1の核心に切り込むドラマ展開になりそうになってたんですが、ゲームマスターがチラミに交代して、またゲームプレイがメインになってる感じです。ただし、ジャマト側のアルキメデルの描写が増えまして、そちらにいる道長が代わって核心に迫りそうになってる点は期待するものがあります。

 表向きのDGP描写としては、オーディエンスの存在が明らかになったことにより、プレイヤーへのインタビューみたいなカットが挿入されてますね。そこでの各キャラクターの語りが何か暗示や伏線になってるのかもしれませんが、今話時点でははっきりしないようです。

 ゲーム描写がメインに戻ったと申しましたが、どうゲームクリアするかよりは、ゲームの撹乱要素であるデザスターに重きが置かれてますね。DGPで優勝しても、デザスターが誰かを明らかにしないと、勝ちをさらわれる。今のところ(プレイヤー内で)疑われているのは景和ですな。それも疑われるような流れを誰かが作ってる。

 ただし、観ているこちらには景和以外のプレイヤーが見ていない場面も描かれまして、例えば子ども食堂ですね。以前から景和はボランティアやってると台詞にはありましたが、具体的な活動が描かれたのは今話が最初だったかしらん。

 子ども食堂で以前から真面目にボランティアやってること、ジャマトから食堂を守ろうとしたことは、観ているこちらだけには分かる仕掛けですんで、「どうやら景和がデザスターである確率は低そう」となります。そこへさらに、景和がデザスターと疑われるような細工もこちらに見せてくれるわけですな。

 それもプレイヤー同士の疑心暗鬼だけでなく、敵ジャマト側も関わる格好でして、ルークジャマトになってる豪徳寺武のような人物ですな。アルキメデルのジャマト農園(?)で生まれたことは、こちらには見せてもらってます。元の豪徳寺武と同じではなく、前に申しましたが「ペット・セメタリー」から蘇ったような感じ。

 道長はこの豪徳寺武もどきがどう生まれたか見ていますが、景和は全く知らない。ルークが変身を解いて姿かたちが豪徳寺武そっくりなら、豪徳寺武と思ってしまうでしょうな。だからルークに対して戦意が著しく低下する。そこをなぜか頭脳派の五十鈴大智/ナッジスパロウが突いてくる。

 例えば、ルークが豪徳寺の姿に戻って景和/タイクーンがたじろぎ、しかしすぐにルークに戻った途端、ナッジスパロウ/五十鈴大智が攻撃してます。まるでルークに戻るのを待ち構えていたみたい。ルークが豪徳寺だと思うタイクーン/景和は当然、制止しようとする。その行動はジャマト側を利する行動と、他のプレイヤーには見えるわけですね。なんだか、五十鈴大智が(下手するとジャマト側のアルキメデルと示し合わせて)仕組んでる感じに見えます。

 しかしもう1人、景和がデザスターと疑わせたがる言動を見せてまして、英寿ですな。推理を披露したがる五十鈴大智ほどではないですが、景和の作った食事にかこつけ、五十鈴大智らの疑いの目に乗るような格好でちょこっと煽ったりしてます。思えば、前DGP~対ギムリ闘争ではピッタリ息が合っていたのに、前話ではなんだか(他のプレイヤー程度に)よそよそしかったのも、皆に景和を疑わせる素地作りだったかな。

 とはいえ、英寿については今までのトリックスター的な動きを見て来たわけで、上述のような疑いを持っても、「もしかしたら、真のデザスターを炙り出すための詐術?」みたいな気はしてきます。

 一方、道長はジャマトの真相に図らずも迫りつつある感じですね。ジャマトの実(?)からの豪徳寺武再生は目の当たりにしてますし、アルキメデルが敗退ライダーのひびが入ったIDコアを持っていることも知った。自分(道長)のもあって、使ってみると動作不良なのか苦痛がある。仕方なく、倒したジャマトライダーのバックルを試すと使えてしまう。なんだかゼロワンでゼツメライズキーも使えた不破/バルカンを思い出します。ともかくも道長は農園(?)の奥へ進み、どうなるかは次回へ。

 オーディエンスのほうも徐々に動き出してる感じで、景和/タイクーンのサポーターがカエルのケケラですか。人間だけじゃないのか。こちらで伺った劇場版の情報「英寿は異物」とつながりそうな気がします。さらにそこを補強するかのような台詞がありまして、ジーンですね。自分(ジーン)のことを「次元を旅する観光客」と称してました。

 そのジーンから英寿の出自を疑う台詞も重要みたいで、母親の名前は美歌(みか)だと。ミツメが母親というのが疑わしくなってくるわけですね。ただし、そう即断できるわけではなく、美歌=ミツメ(どちらかが偽名等)という可能性もありそうです。ただし、ジーンが見せた小学校の入学式らしき写真は本物でしょうから、以前に英寿が言った千年前云々は怪しいということになります(ただし、どのような「異物」なのか次第)。

 次回「乖離Ⅲ:投票!デザスターは誰だ!」ではジャマト側から真相に近づく道長と英寿が再会するみたいですね。これで今観ている世界がどんな舞台なのか明かされていくことに期待しますが、英寿と道長のバディ成立になっていくかどうかも気になってます。

●どうする家康(第2話:兎と狼)

 正直なところを申しますと、期待感がちょっと失速しつつあります。なんだか、古臭くてくどいのがまずあります。特にタイトル「どうする」の類語含めた繰り返しですね。冒頭ですと、前話から引き続きで押し寄せる信長軍に対して「どうする」≒「殿!」の連呼。

 タイトルって、例えば最終回に回収するなどのセオリーがありまして、「テーマは言わずに察してもらえ」という作劇のコツの一種らしい。あからさまに作り手から「こうなんだ」と言われても、受け手の「そうなの?」という気がしてしまうんですが、受け手自ら「こういうことに違いない」と思えば、素直に受け入れられます。

 信長の描写も前話から引き続き、なんだかなあという気がします。最初から「第六天魔王」みたいな感じ。CG的な画質と相まって、ゲームでの信長登場シーンのアニメみたいな気すらしてしまいます。

 今話での悪役っぽい松平昌久もひどくテンプレート。信長が(たぶん勘違いで)見逃してくれたおかげで命からがら逃げて来た元康(家康)を迎えるふりをして騙し討ちしようとする。その際の、例えばニヤリと笑う様子がいかにもな安っぽい悪役です。歴史ドラマに期待するようなものではありません。

 そして、寺に逃げ込むも昌久勢が取り囲み、しかし元康が腹を括って出て来ると、その威厳に腰を抜かして降参してしまう。これが戦国期の武将なのか、という気がしてしまいます。しかし、歴史ドラマだと思うから失望するのかもしれません。これがもし(江戸時代じゃないけど ^^;)時代劇なら、これでいいわけです。その辺り、次からちょっと視点を変えて観てみようかという気がしています。

 失望しつつありながらも、そんな感じで気を取り直してみようと思ってるのは、今話で1つだけ、きちんと感動できるシーンがあったからでして。昌久勢に囲まれて、切腹して事を納めようとした元康のシーンです。あそこは元康よりも、追ってきた本多忠勝に注目しました(ゴーカイブルーだからってこともありますが ^^;)。

 その2人のやり取りを観ていて、「もしかしてバディ成立?」という気がしたんです。ライダーを観ていてバディ物が好きになってまして、このドラマでもヘタレ主君と反抗心の家臣がバディになったら面白そう。

 もっとも、直後に不安は生じました。腹を括った元康をカッコよく描きすぎ、反抗的なところが面白そうだった忠勝が心服しそうな様子があったからです。しかし、ラストで1人になった元康がへたり込んでまして、昌久勢を威圧した態度が虚勢であったことが示されまして、元康と忠勝のバディの可能性が破綻したわけでもなさそう。

 1つでも見どころがあれば観る価値はあります。期待できるポイントが見出せそうなうちは視聴継続し、感想も一応は書いて行こうと思います。とりあえずは「時代劇のバディ物かも」と期待しておこうかな。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/18 (Wed) 16:10:48

 定期感想書その2です。

●仮面ライダー龍騎(第39話:危険のサイン、第40話:兄と妹の記憶)

 香川研究室勢が介入したものの、早くも瓦解しつつある感じです。既に仲村創/オルタナティブは東條悟/タイガにより死亡。これを諫める香川教授ですが、東條は素直に聞く様子ではなく、何やら現実の香川教授ではない英雄:香川を崇拝してしまっている感じです。

 ただし、現実の香川は東條の空想の香川と内面のズレはあれども、行動は結局、東條の期待通りではありますね。後半(第40話)では、神崎士郎が香川本人に言っても止められないと見て、香川の家族にミラーモンスターを差し向ける。ミラーワールドを閉じる計画を放棄しないなら、という脅しですね。しかし、香川教授は神崎士郎の脅しが本気と受け取るも、戦いを続ける。

 しかし、迷う様子がありますな。幸いにも事態を察知した真司/龍騎が家族を救い、それをオルタナティブ/香川に報告したとき、ヘルメットに隠れて表情は分かりませんが、無言で戸惑う感じがありました。動揺と迷いが感じられます。予習すると、香川教授は東條/タイガに倒されてしまうようですが、現実の香川教授の迷いに、空想・理想の香川との齟齬に耐えられない東條が暴走するんだろうかという気がします。

 ともかく本編。終盤だけあって、各キャラクターの動きが激しいですね。まず浅倉ですけど、厳重に収監されてますな。北岡の指示らしいですが、ライダーバトルについて知らない別の弁護士:森本が割り込んで来る。当然、浅倉の扱いに憤慨し、それを浅倉が利用して変身道具一式を持ち込ませようとする。

 これはいったん、事態を察知した北岡が森本弁護士の動きを阻止したものの(ゴロちゃんの料理に何か仕込んだらしい ^^;)、いわゆる「無能な働き者」の森本弁護士がかいくぐってしまう。結果、森本弁護士を身代わりに利用した浅倉が脱走。これを待っていた神崎士郎が王蛇のデッキを渡しまして、浅倉/王蛇が戦線復帰と。

 こうまでしても浅倉を止められないのか、と感動すら覚えますが、しかし今週の主役は自分的には香川教授かな。まず蓮が「戦え」と接触するわけですね。香川教授は応じようとするも、子供が研究室に走りこんで来る。香川の子供ですか。妻もいますね。仲がよさそうです。そういう家族がいながら、戦いを優先する香川を蓮は理解しきれず戸惑っているようです。自分的には蓮の気持ちは分かりますが、香川の胸中は測り難い気がします。

 しかし上述しましたが、この後に神崎士郎が家族を人質にしての恫喝しても香川は譲らず、戦いを続行はするものの、迷いが見られるわけですね。考えてみれば、香川教授は優れた記憶力ゆえに神崎士郎の計画を知り、解明してしまったに過ぎません。いわば通りがかっただけの人物。正義を為すに、家族を犠牲にするのは正義なのか、みたいな悩みが発生していそうです。

 それがないのが東條/タイガですね。他人への感情移入や理解が欠けていて、かつ欠けている自覚がないらしい。「1人を捨ててでも多数を救う」みたいなジレンマだらけの考え方も「1人くらい殺害していい(、何度でも)」くらいに誤った単純化をし、考察することなく「香川先生がそう言ったから」と(責任転嫁して)実行に移してしまう。暴走に陥りやすいタイプですな。

 しかし香川教授も非情ではありまして、自分のミラーモンスター:サイコローグを優衣への刺客として放つ。これはすんでのところで神崎士郎が阻止するも、相変わらず事の真相は優衣に臥せるわけですね。ただし、サイコローグによる襲撃で、神崎士郎が香川の家族にミラーモンスターを差し向ける覚悟をした可能性が高そうです。「もし家族が狙われたら」を自分に置き換えて考えることができなかったらしい香川教授もまた、東條/タイガと同じく欠けたところがあるのかもしれません。

 一方、OREジャーナル勢も動きが急になってきましたな。直接の戦いではなく、ミラーワールドの存在を暴きつつあります。前から桃井令子が鏡になにかあると疑ってはいましたが、証拠がなくて進展せず。しかし、島田奈々子がペットのイグアナ(マリリン)を撮影していて、背後のガラスにいたミラーモンスターを撮影。この写真が専門家の解析で「ガラスに何か映っているのではなく、ガラスの中に何かいる」と判定される。

(この撮影シーンは前半:39話にあるんですが、ガラスからミラーモンスターが飛び出したところで40話に続く。てっきり島田奈々子が襲われたと思ったんですが、どうやらガラス/鏡の中のミラーモンスターの動きだったらしい。39・40話と続けて観たんで理解できましたが、1週間空いていたら混乱したかもです ^^;。)

 最後の最後で謎の新ライダー登場でして、後で調べると仮面ライダーインペラーらしい。周囲にミラーモンスターらしき怪人が多数います。島田奈々子が偶然にミラーモンスターの写真を撮れたのは、香川教授ら、神崎士郎の動きが活発になってミラーモンスター多数出現となったこともありますが、このインペラーが接近していたのも一因かもしれませんな。

 変身者は佐野満でして、初放映時に自分が何となく覚えがある「戦う必要がなくなったのにミラーワールドから戻れなくなって死亡(消滅)」した人物のはずです。何となく、断片的に観ていても記憶に残る印象があったわけですから、今回はしっかり観て確認してみようと思います。

●牙狼:翔編(第3話:蝶)

 第2話まではジンガらの冷酷さが強調されていたように感じますが(使役されるホラーが間抜けな感じだったりするためもある)、今話はホラーはこのように怖いという描き方をしてますね。鋼牙編1stでも、最初の再放送を観たときには飛ばされた第4話「晩餐」でホラーの恐ろしさを描いてくれてましたが、流牙編も2つめの第3話で同様の趣向があることが感慨深い。どちらもホラーの美食という一致もありますね。

 そのためジンガ&アミリの動きはあまりなくて、流牙らや下級ホラーの動きを監視しつつ、待ちの姿勢を取り、少し下級ホラーを遠隔で手助けして(ただし、それがむごい結果を招く)、最後に何らかのゲートらしきものを開いただけですね。

 ともかく本編ですが、自分は冒頭を完全に勘違いしましたorz。小型オート三輪の荷台から落ちた箱を強盗らしき2人組の1人が開けると短剣がある。これに一方が触るとホラー化したらしく、もう一方を食らってしまう。その短剣が赤っぽかったもんですから、「あれ、例の赤い短剣?」と思っちゃったんです。

 この勘違いは、前話ラストからの続きの、流牙が赤い短剣を触って衝撃を受けるシーンになっても続いてしまいました。流牙が触れて、短剣に関する過去を見たんだと思ったんです。流牙はサイコメトリー能力がありますし、ザルバは邪気が多いと言ってますんで、てっきり「法剣は過去にも赤と青の短剣に分離し、誰かをホラーにする事件起こしたのか」と思い込んでしまいました。

 もっとも、話が少し進むと勘違いに気が付いたんですが、やはり自分は夜中は理解力が落ちましていけませんorz。録画を翌朝に観ればいいんですが、どうしてもこの翔編は2度目なのに一刻も早く観たくなってしまいます(^^;。

 それはともかく、今話のメインゲストホラー:ブケリはなかなかにホラーらしいホラーでして、そこは舞台の仕立てで上手く表現されているようです。襲われる女性(ミナ)は養護施設で育ち、結婚間近であるわけですね。親代わりの施設園長はとても優しい人物らしく、女性は父親のように感じているし、園長も父親のような愛情を女性に注いでいる感じ。

 そこを莉杏が通りがかって気が付き、少し話もするわけですね。流牙に対する愛情が深まっている莉杏はミナが他人のように思えず、お祝いとしては奇妙ですが、施設に結界を張ってやる。これが後でいったんは上手く働くわけですな。莉杏は余程に嬉しかったらしく、流牙に気付かれてますな。

 しかし、短剣をゲートに出現・憑依したホラー:ビクロが人の気配を辿って施設を襲いに来る。莉杏の結界で最初は弾かれるわけですが、それに気が付いたアミリが蝶を飛ばして結界を破ってしまう。

 以前の初見ではそこを何とも思わなかったみたいなんですが、「アミリは堕ちた魔戒法師か?」と気が付くべきシーンですね。そう気が付けば「それならジンガも元は魔戒騎士」と思えたはず。そういう理解があれば、この後のドラマ理解に寄与したはずなんですが、当時の自分は牙狼視聴経験が足りず、何とも思わずに眺めていたようです。ずいぶん損したかなあ。

 それはともかく、ホラー:ビクロは易々と施設に侵入、まず園長と遭遇しますが、不味そうと言って気絶させるに留める。狙いは最初に「美味そうな匂い」とした、結婚間近の女性:ミナ。襲い掛かったところで、事態に気が付いた流牙・莉杏が捕食だけは阻止しますが、ミナは重傷の模様。

 流牙はホラー:ビクロを外に誘い出すも、ビクロの言いようがむごい。「もう死んでるかもな、死体は(食わなくても)いいや」。その頃、施設内では虫の息のミナに莉杏が必死に呼びかけているわけですね。しかしミナは婚約指輪をはめた左手をウェディングドレスに伸ばし、しかし届かずに息絶える。流牙はそのことをまだ知りませんが、激怒して鎧をまとい、ビクロを撃破。

 これだけでも充分以上にむごい鬱展開ですが、息を吹き返した園長が室内に駆け込んできて、観ているこちらは止めを刺された気持ちです。園長は何が起こったかは分からず、しかしミナが事切れている。ミナの無念を残された園長が負い、それがこちらに表現されてます。生き残ったからかえってつらい、みたいな矛盾は非常にこたえます。

 ともかくも流牙らは番犬所に戻って、リュメに報告。サイコメトリーで青い短剣を見たこともあって、赤い短剣は流牙が保管ですか。なんだかジンガの思惑通りになっちゃってるかな。それにしても、自分のアジトにゲートらしきものを開いたジンガ、この後どうしたんだっけ。どうも思い出せません。やはり初見では理解できておらず、そのため記憶もできてないみたいです。

●BASTARD

 NOVAさんのご感想を拝読し、特に「今回のアニメでは物語開始時に400年前の文明崩壊するシーンから見せて」に、「あ、確かに」と思うものがありました。設定小出しだった原作が整理されてますね。すぐに反応しようかと思ったんですが、とりあえず第2話まで確認してからと思い直しまして。

 もうずいぶん前で記憶があやふやになってますが、原作だと第1話(相当)は、完結可能な独立した短編でしたな。国王と国軍の不在を突いた叛乱が起き、ルーシェに封印されていた大魔法使いDSを乙女(ヨーコ)の口づけで召喚する。(なぜかヨーコには逆らえない)DSで撃退には成功したものの、DSが野望を抱いている。しかし、もう一度口づけするとDSはルーシェに戻り、めでたしめでたし。

 これが人気となって、第2話からは敵として闇の叛逆軍団が設定され、その幹部が元DSの同志(DS的には配下)4人が設定され、封印された破壊神アンスラサクスが設定される。その辺りから「旧世界の魔法」=科学技術の設定が入り、原子力を超える霊子力の乱用で世界が崩壊して、中世くらいの文明レベルになったとされたわけですな。

 亜人や魔獣も確か、兵器として遺伝子改変を受けた生物のなれの果て、みたいなことだったと記憶します。アンスラサクスを封印したとされる竜戦士も旧世代の兵器で、DSがパイロットだったと後で示唆されていたはず。こういう設定のお約束でしょうか、密かに科学技術は温存されていたことにもなってました。

 作者(萩原一至さん)がどういうプランで書き進めていたかは知らないんですが、連載中に読んでいた印象では、上述の要素が継ぎ足し継ぎ足しというイメージがありました。第1話から2話で設定を膨らますのはよくあることです。もし惜しい点があるとしたら、第1話を描き直さなかったことくらいでしょうか。しかし第1話が極めて短い短編で、情報量が盛り込めなくて当然なこともあって、不自然ではありません。

 問題は第2話以降ですね。人気低下で打ち切りになるリスクを抱える連載ですから、終えられるポイントを設定し、そこに近づいても人気が高いなら続行する流れに変えていったんだと思います。結果、長期連載になっていくわけですが、続けるための要素・設定を逐次投入する感じに。

 そのせいか、1つのドラマとしては未整理な感じがありました。物語完結可能性が高かったのは、破壊神アンスラサクス打倒ドラマの完遂なんでしょうけど、依然として人気が高い。そのため「アンスラサクスは天使顕現の依り代」として物語は続行される。ただ、その後の物語プランがしっかりできていたかどうか、ちょっと疑問に思います。

 例えば、そこまでで相当に強さ表現を追求し、ちょっと強さのインフレの悪弊すら起こりつつありました。そこへ天使という格段に強いキャラクターを投入したため、どう描けばいいか迷走した感があります。BASTARDの売りの1つは緻密な絵なんですけど、その絵が強さ表現に追い付かない。結果、例えば「一撃が核兵器数千発の威力」とか、言葉の解説に頼るようになっちゃった。

 なんと申しますか、描きたい内容が描写力を超えちゃって行き詰ってるな、というのが当時の感想。しばしばの長期休載から、個人的には事実上の断筆と思う今の状況に至ったのも、そこが大きいような気がします。絵がドラマに追いつかないから、ドラマもガタピシになって行ってしまう(例えば天使登場以降は、誰がどこで何をする話なのかすら読み取れない感じだった)。

 そうなった根っこの1つは、やっぱり継ぎ足し継ぎ足しかなと思います。それがアニメ版への不安点でもあったんですが、仰るように第1話冒頭から、スタート時点の物語世界がどうしてこうなっているかを示してくれました。言い換えれば、原作を整理して1本のストーリーとしてまとまるように作り直そうとしている感じがあります。

 それなら期待できるかなという気が第1話でしました。第2話もうまく引き継いで、しかし原作を壊さないように話を進めてくれてますね。絵的にも当たり前ですが、90年代のOVAよりも、現在の技術によって原作からイメージされる通りのアニメである感じです。

 こうなりますと、原作のアニメ化というよりは、原作をリスペクトしてのリメイクと言ったほうがいいのかもしれません(この先次第ではありますが ^^;)。これなら(未完の原作以上に話が進まないとしても)観る価値はあるかなと。もう少し観てみて、ストーリーなどが確かにスッキリ整理されて流れがいい感じなら、途中からでも感想書くかもしれません。

 もうちょっと余談。BASTARDが他作品に与えた影響はいろいろありそうです。例えば、中世風のファンタジー世界と思ったら、以前は進んだ科学技術文明の世界だったという設定。BASTARDが初出ではないはずですが、90年代以降、「いったん世界が滅ぶ」というのが増えた(らしい)のは、BASTARDの影響がありそう(間接的にはノストラダムスもあるんでしょう)。

 例えば「トリニティ・ブラッド」(原作小説2001~2004年、アニメ版2005年)では世界大戦で文明が滅んで中世レベルに戻り、隠れていた吸血鬼などが跋扈するようになったという設定。しかし一部で科学技術が温存されている、というのはBASTARDと類似性があります。

 あるいは「スクラップド・プリンセス」(原作小説1999~2005年、アニメ版2003年)も、中世欧風のファンタジー世界でスタートして、実は異星文明と戦争した地球の成れの果てだったと明かされてました。こちらも地球側の一部及び異星側で科学技術は温存されてます。

 その「スクラップド・プリンセス」では、BASTARDで流行り出した(らしい)「魔法は呪文を詠唱しないほうが強い、高度」という設定も入ってました。聞くところによると、現在でも一部のラノベなどが好んで用いる設定らしい。

 そうしたことを考えますと、やっぱりBASTARDってでっかい作品なんだなという気がします。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/19 (Thu) 11:11:54

 書き込みローテーションがつかめない変則気味ですが、各話感想よりも、各番組の現状の方向性について雑感を書きつづりたく。

★龍騎

 タイガ編と、その後のインペラー編について。

 どちらも、非常に皮肉な結末というか、ヒーロー物語としては実験的な要素が大きいですな。

●タイガ:英雄(ヒーロー)に憧れる無垢な若者、と言いましょうか。とにかく、良くも悪くも周囲の人間の言葉(英雄とはこういう人間だ)に影響されて、結果として転がり落ちてしまう。

 真司に「神崎優衣を守らないと」と言われたら、仲間だったはずの仲村創を殺してしまうし、
 香川教授が「英雄とは、愛する人間を犠牲にしても、大義に殉じる者です」と教えてもらったら、「その教えに感動して、自分が最も愛し、尊敬する人物」を犠牲にして、「これが本当の英雄ですね、先生」と涙を流しつつも笑顔を見せるし、
 最後まで理想の英雄像にこだわって迷走した挙句、北岡センセや浅倉との戦いで心身ともに追い詰められながら、錯乱状態に陥った中で、最期に果たした善行のために、新聞で「自らの命を犠牲にして子どもを交通事故から救った本当の英雄」と記事に載せられ、

 英雄になれて良かったねって顛末。

 視聴当時は、このキャラの意義づけが見えていませんでしたが、結局のところ、「何かを犠牲にして、別の何かを守る」というヒーロー性の是非について問題提起した、ということですな。
 龍騎という作品は、「仮面ライダーというヒーロー」のアンチテーゼ(それこそ対照的な鏡写しのように)をいろいろと描いてくれて、野心的な実験作だったわけですが、
 英雄願望の強い人間がいかに周囲を巻き込んで、崩壊に至るかのドラマは、最初から殺人鬼の浅倉とは違う形で、龍騎後半の台風の目になったなあ、と。

●インペラー:K.Kさんの印象に強いキャラとのことですが、彼の場合は「龍騎の物語=欲望のために戦うライダー」へのアンチテーゼなんですね。
 陰湿なキャラとなっていたタイガに対して、インペラーはすごく陽性で、明るいキャラとして描かれている。まあ、軽い気持ちでライダーバトルの世界に飛び込んで、いろいろ思い悩む真司から「お前なあ」と苦言を呈される。
 ええと、序盤の真司も、そういうキャラなんですけどね。

 タイガも、インペラーも、実は序盤の真司の方向性をカリカチュアライズしたキャラ造形かもしれない。まあ、決定的な違いは「誰かを守りたい」って真司の人間性を、両者が持っていない(ゆえにヒーローたり得ない)ってところですが。

 で、インペラーに突きつけられたドラマは「ライダーバトルで願った願望が、ライダーバトル以外の結果として叶ったら?」という問題提起。
 願いが叶ったんだから、もう戦う必然性がないんだけど、一度踏み込んだ戦いの世界からは降りられないという。
 幸せになったのに、その幸せを自分が願ったバトルのために享受できないと絶望する皮肉なドラマで、

 この辺は「世にも奇妙な物語」でありそうな展開に、じわじわと来るものがあります。
 龍騎という作品が、ドラえもんの「もしもボックス」的な「願いをかなえるIF世界の構築」を真面目なテーマにしている面もあるのですが、「もしもボックスだと、願いが叶ったと思ったら、想定外のトラブルに陥って、こんなはずじゃなかったのに。トホホ」って後悔オチを、コミカルに描いているのに対し、
 代償が自分の命という極限状況なのが龍騎で、非常に考えさせられるなあ、と。

 で、願望実現IF世界の構築というテーマは、電王に引き継がれるわけですが、そちらの考察は、いずれ電王放送の折りにでも。

★牙狼翔

 2話までは配信分を視聴。
 3話以降は、昔見た記憶とK.Kさんの感想を受けての話として、雑感のみに留めます。

 変化球だった闇照に対して、この牙狼翔はシリーズ王道の物語と言えますね。
 「人を襲う魔獣ホラーに対して戦う、鍛えられた黄金騎士の物語」。
 鋼牙編との違いは、パートナーヒロインの莉杏の存在で、一方の敵の黒幕も男女カップルになって、対立軸が最初から明快だ、と。

 で、翔編の流牙は、前作に比べて、ほぼ完成されたヒーローになっているので、葛藤ドラマのメインは、新キャラのガルドや妹のハルナ、そしてダイゴといかに仲間となっていくか。
 前作は、最初からチームだったけど、ギクシャクした関係から絆を勝ち得るかの主人公側ドラマでしたが、今回は流牙と莉杏のチームにどう仲間が加わって行くか、が前半の骨子。

 あと、リュメさんですが、牙狼は第1作からして「番犬所の裏切り」が描かれていましたし、平成ライダーシリーズでも「序盤のサポート組織が裏でいろいろ暗躍していて、やがて敵対する」というパターンが多くて、
 これも怪しいなって感じる気持ちはよく分かります。

 まあ、流牙世界では、鋼牙世界よりも勧善懲悪の秩序が保たれているというか。
 リュメ様は、他の番犬所にしばしば見られる「大の虫を生かすために小の虫を見捨てる選択」をしなかったのがいいですね。
 いざとなれば自分でも現場に赴いてサポートしてくれるし、必要な情報もしっかり開示してくれる。
 歴代牙狼の中でも、最も上司にしたいキャラだと思います。

 裏切りの多い牙狼物語の中でも、最も安心して見てられる作品だと思いますね、牙狼翔は。

★ジョジョSO

 ボヘミアン・ラプソディの後半。

 絵のキャラが実体化するスタンド能力。
 ええと、これは「実写作品は大丈夫なのかな?」って気になりますな。実体化したら、元の創作はキャラが消えるということなら、創作ファンとしては絶望です。

 あくまで消えるのは絵だけで、実写には影響しませんってことなら、「風都探偵は消えても、仮面ライダーWは消えない」とか、そういう救いはあるのですが、ジョジョが元々コミックなので、その世界観では実写とコミック(絵、アニメ)の区別はないってことですね。

 まあ、何にせよ、この世界はまもなく、崩壊する予定ですが。
 その意味では、龍騎の世界みたいなものか。世界の崩壊間際には、ミラーワールドからモンスターが大量発生して、世界中が大混乱な物語なんだし、
 今回のフィクションキャラが現実化するってのは、創作と現実の壁が崩壊して、世界が改変される予兆みたいなものと受け止めることも可能。

 で、ウェザーの機転で、実体化したフィクションキャラを元に戻す「世界修復能力を持ったコミックヒーローの創造」で、あっさり事件解決。被害者はピノキオのみ?
 まあ、劇中で描かれていないだけで、フィクション世界で死ぬキャラを当てがわれて、物語の筋書き通りに殺された一般人も多数いたのかもしれませんが。

 スタンド使いも、別にアナスイとウェザーだけをピンポイントで襲撃したわけではないと思いますし。

 で、絵が実体化する能力だと、自分の部屋には特撮ヒーロー雑誌とか、RPG関連書籍がいろいろあるので、ヒーローとモンスターが大量出現して、バトルに巻き込まれて、すぐに死にそうだなあ、とか、
 そこで自分がどういう役柄を割り当てられるか、ですね。

 上手く物語で死なないキャラを当てがわれるといいのですが。

 ところで、徐倫たちは、運良くフィクションキャラ実体化騒動に巻き込まれていませんね。
 原作コミックだと、ボヘミアンラプソディ回と、徐倫とロメロの再会話は別の回だと思いますが、アニメで1話にまとめられると、「世界中が大変なことになっていたのに、徐倫の方は異変がなかったのの?」って気になりますが、たまたま彼女たちの周りには、そういう絵のある雑誌やコミックがなかったって解釈するといいのかな。

 ともあれ、創作フィクションネタとしては、非常に妄想力を掻き立てられる面白い回でした。
 2次元の実体化は夢あふれるけど、それで「死んじゃうキャラを当てがわれること」だけは勘弁して欲しいかな。

 まあ、「物語の世界で、不幸な死に方をする悪役に転生してしまい、そこからの人生改変を目指すラノベ」ってのは昨今の流行だったりするけど。

(つづく)

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/19 (Thu) 13:11:24

 続きです。
 ギーツは、前後編の前編に当たる回を割愛して、次回を見た後で感想書きます。

★家康

 まあ、作品としては粗の多い話ですな。

 主人公の元康のキャラのアップダウンの激しさ、二転三転ぶりがドラマよりも、コントを見ているようで、感情移入対象としては乗れません。
 光と闇とが切り替わる演技力や、演出によるフォローがあればまだしも、「すぐに調子に乗る面と、もうダメだ〜の動転モード」が完全にドタバタギャグコメディとなっていて、しかも実写でそれをやられても、リアリティーがついて来ない。

 これが前作だと、相方のツッコミが入って、ボケとツッコミの芸風で楽しめるんだけど、今のところは一人でアップダウンして騒いでいるだけにしか見えないので、会話のキャッチボールが欲しいかな。

 劇中、桶狭間後の「現在の元康」と、幼少期(12年前)の「竹千代のシーン」を交互に描くのはいいかな。
 考えてみれば、桶狭間の時は、もう信長の父、信秀は亡くなった後なので、藤岡さんの登場は回想シーンでしかないわけで、その中で何回登場できるかなあ。

 今回の岡田准一さん演じる信長との父子対峙は、一つの見せ場。
 岡田准一氏は特撮俳優ではないけど(V6のメンバーとして、ウルトラマンティガの主題歌を歌ってたぐらい)、武術で体を鍛えたアクション俳優でもあるし、
 藤岡さんとの「武道家同士の威嚇の目切り」は迫力あって良し。

 もう、この信長のケレン味溢れる佇まいは、リアリティを考えずに、イメージ重視の見栄えだけなら、舞台芸術的な見どころがあると思ったり。
 そう、ドラマではなくて、歌舞伎的な舞台芸術として見るといいかな、と。

 その意味で、本多忠勝も、舞台芸術のキャラとしてのセリフ回しは好み。
 で、元康くんよりも先に、信長と忠勝という脇役がキャラ立ちして、肝心の主役は簡単に乗せられたり、すぐに落ち込んで、どうしようってなったり、「ドラえもんののび太(TV版)」か「キン肉マン」か、よく言えば「ダイ大のポップ」かの方向性。
 つまり、コミックのテンポなんですな。

 まあ、コミックならコミックで、笑えるポイントがどこかを探せばいいのかな、と思いつつ、今回は「散々トラだと持ち上げられていたら、実はウサギでした」というオチが、今年の干支と相まってタイムリーに面白い。
 このタイミングじゃないと笑えない時流ネタですけど、後にタヌキ親父と呼ばれる家康の動物ネタは、ギーツのDGPと相まって、話がつながれば楽しいかも。

 元康も、タヌキらしく上手く化けてくれるといいのですが。

★REVENGER

 ええと、アニメ版の必殺仕事人風時代劇ってことで、自分ところの掲示板で紹介されて、今期に見始めた作品でして。

https://anime.shochiku.co.jp/revenger/

 2話までで、主人公の侍が、裏稼業のチームに参入する過程を描き、
 30分の1話完結の裏稼業ドラマとして雰囲気良くて楽しめるかな、と。

 アクション主体の必殺仕事人好きなら、楽しめる内容だと思いながら、木曜夜のうる星の前に楽しむ形で、追いかけようと考えています。
 一応、この場でも紹介までに。

★バスタード

 2話め視聴。
 何というか、作劇は昭和ですな。懐かしくも、古いというか、それでもテンポよく進む。

 改めて、物語の骨子を考えると、DSは「封印された魔神」とか「西遊記の孫悟空」みたいな暴れん坊ですな。
 ヨーコさんが三蔵法師で、暴れるDSを制御する外付け良心回路と思えば、定番の物語なんですが、
 この話のオリジナリティは、ヒロインがヨーコさんだけでなく、DSの封印を解く役割を、中盤、シーラ王女が担ったりして、DSが「ハーレム主人公であることを公言した」部分。

 ある意味、うる星のあたるや、シティハンターの冴羽獠の進化系に位置付けられるのですが、アダルトゲームにありがちな肉食系ガツガツ主人公を少年誌でやった形。
 これが、完全に平成になると、草食系男子とか、ストイック硬派な剣客とか、女よりも夢とか趣味を重視する求道型主人公が中心になっていくわけですが、昭和ノリだとまだスケベ主人公も王道を張れた、と。

 で、バスタードのノリは、今ではコミケとかの二次創作パロディ作品に受け継がれたというか、そういう方向性の先駆者だったりもしますね。
 つまり、バスタードの意義づけは、「本来は二次創作パロディの詰め合わせとして、王道メインとは外れた作風を、黄金期辺りのジャンプで堂々と見せつけ、そして、いろいろと物議を醸して、版権問題に突き当たって、真っ直ぐ展開できないまま、ズルズル迷走しまくった地雷踏み作品の先駆者」ということになります。

 バスタードの誕生は87年から88年ですが、当時は「ドラゴンクエスト」のブームで、ファンタジーRPGがマニアックなジャンルから一気にメジャー化していく状況でした。
 日本では、84年に元祖RPGの『D&D』が上陸し、また、そのD&Dシステムを元に作られた元祖コンピュータRPGの一つである『ウィザードリィ』が日本でもパソコンゲーマーの間で隠れたブームになり(85年に日本語版が出て、87年にはファミコンソフトにもなる)、
 世間ではドラクエブームが時流となる中で、本家の洋風ゲームを愛するマニア層は『D&D』『ウィザードリィ』をバイブルとする時期に、

 バスタードは、その『D&D』『ウィザードリィ』を元ネタとする、二次創作パロディをドーンと打ち上げたわけですな。
 後のダイ大が『ドラゴンクエスト』を原作にしたのと同じ感覚で、バスタードは『D&D』『ウィザードリィ』を土台に物語を紡ぎ上げていったわけです。
 ただし、ダイ大と違って、原典には無許可で。本当に同人ノリです。

 まあ、当時はファンタジーRPGのブームの真っ只中で、次々と海外RPGの諸要素が紹介されて、入門書籍もいっぱい発売されて、何がジャンルの常識で、何に版権がどう絡んでいて、何をネタにするとどこから怒られて……というのが、はっきりしてなくて、バスタードは先駆者だけあって、思いきり地雷を踏み抜いてしまった、と。

 最初は無邪気に、マニアックなネタを勢いのままに投入して、暴走していたら、『D&D』の会社から怒られて、路線変更せざるを得なくなった。
 まあ、D&Dに詳しい人間には、ツッコミどころも多いんですがね。
 2話だけでも、「ヒドラは火を吐かないだろう」とか、「アンチマジックシェルは僧侶呪文ではなくて、魔術師呪文だ」とか、明らかに元ネタとしてD&D用語をいっぱい使っているのに、おかしな風に改変している面もあって、本当に使えそうなネタを好き放題に使った結果、

 版権問題で使えなくなりました。
 週刊マンガだから、継ぎ接ぎが多いというのは、K.Kさんのおっしゃる通りですが、元々、二次創作パロディ作品だったのが、他にそこまでごった煮にした作品(月刊雑誌OUTとかファンロード風とも言う)が当時は珍しかったので、どこまでやっていいのか分からずに歯止めが効かなくなって、元ネタ使用禁止を言い渡されたわけですな。

 それで、『D&D』ネタが使えなくなって、だったらD&Dがタッチしない方向にストーリー展開しようとなって、天使とか悪魔とかが出てくるようにもなった。

 その辺は、もちろん『女神転生』などの影響もあるのですが、D&Dも昔(70年代)に様々な世界観を模索する中で、『世界の神々をモンスターデータで表記する本』を出して、キリスト教の教会から「悪魔のゲーム」とバッシングされた結果、「現実の神話・宗教は扱わないようにする」ことで、難を逃れた経緯があります。
 つまり、神話関連を背景に持って来たら、D&Dの出版元からは怒られないという戦略で、話を続けようとした流れがあります。

 バスタードの迷走の一つの理由ですな。

 その後、D&Dの出版元のTSR社が倒産して、それを引き継いだWotC社が版権絡みで、いろいろとややこしいことになっているのが、昨年末からの界隈事情ですが(せっかく日本語版が再始動したのに、本国のゲーム業界の版権トラブルでファンとクリエイター、メーカーの間で迷走している現状)、
 それはまた別の話ですな。

 ともあれ、バスタードの迷走と未完結の起因の一つが、2次創作パロディーという作風ゆえの版権問題にあったということで、
 先駆者がそういう失敗を見せたおかげで、だったら「自社が版権を持っていたり、人脈的に影響力を行使できるドラクエだったら問題ないだろう」って理由で、後の『ダイ大』につながったとか。

 ともあれ、当時からのTRPGファンの一人としては、「バスタードの中のD&D要素が、どう残ったり、改変されていくか」を気にしたいと思いますね。
 まあ、ヒドラはD&DオリジナルじゃないからOK。アンチマジックシェルは、D&Dの呪文だけど、既存単語の組み合わせだから、版権には引っ掛からず……などなど。

 ストーリーとしては、今のところ、懐かしさを感じるぐらいで、ここにハマったということはないですな。
 とりあえず、忍者マスター・ガラの話に期待しつつ。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/22 (Sun) 23:47:13

 定期感想書その1です。

●REVENGER

 ご紹介、ありがとうございます。どういう話か知らずに録画だけはしていて、観てみたら「必殺仕事人風?」と。しかし何やら仕事道具などがハイテクだったりしまして、ウィキペディアで調べてみると「架空の歴史をたどった長崎が舞台」とのことで納得。

 まだ序盤でドラマ的なことはこれからですが、不安点があるとすれば、脚本は虚淵玄さんが主に手掛ける点ですね。セオリーを裏切る、逆手に取ることが多い方のように思います。必殺シリーズのように見えて、いずれひっくり返すとなると今の期待は空振りになるかも、という不安があります。

 不満点があるとすれば、30分1話完結性が高い点でしょうか。昔々、水戸黄門モチーフの「最強ロボ ダイオージャ」ってありましたが、王家の紋章出して「その目でしかと見よ!」のところで、カタルシスが今一つ。悪役のあくどさが30分枠では際立たなかったからかなと思います。

 それが「REVENGER」にも当てはまる可能性があるかもと心配なんですが、今のところは新たな利便事屋(仕事人)参入のドラマと、それに伴っての舞台・世界観の紹介でしてまだ分からない。希望を言うとすれば「恨噛み小判」の利便事(仕事)でキャラクターのドラマを描くのは2話分の前後編だったらいいなという気がします。

●うる星やつら

 前後編使ってトンちゃんこと水乃小路飛麿登場ですね。飛麿単独でも、終太郎とのへっぽこな(^^;)ライバル関係などの見どころはありますな。それが自然に受け入れられるのは、やっぱり終太郎登場時のあたるとの対決(頭に乗せたリンゴを大砲で撃つ)があるからかも。

 しかし、やっぱり飛麿のキャラが際立つのは、妹の飛鳥が登場してからでしょうか。箱入り娘で世間知らず過ぎ、人間には女性/男性/お兄様の3種類あると思い込んでいる、飛麿以上の変人キャラクターですな。

 ウィキペディアを見てみますと、飛鳥は今期は登場しないみたいです。ちょっと惜しいかもですが、2期で満を持して登場するんでしょう。今期での残るキャラは藤波親子ですね。この親子は自分的には原作コミックと80年代アニメで印象が違いまして、コミックで面白かったのは竜之介。

 しかし80年代アニメだと父のほうです。これはたぶん押井脚色があるからでしょう。もしかすると、自分が気に入っているのは、竜之介の父というよりは、父が語るデタラメ話だったかもしれません(たいてい途中で錯乱坊のナレーションに変わる)。

 この22年版アニメだと原作重視ですので、たぶん竜之介に注目しそうかなあ。ともかくも、原作の人気キャラクターが急速に集合しつつありますね。原作の入れ代わり立ち代わりのワイワイガヤガヤは2期から本格化するのかな。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第27話:スカイ・ハイ)

 なんだか異色回だったかなという気がします。プッチ神父が差し向けた敵手がまたもDioの息子という肩書があるにも関わらず、1話でケリがついた点が1つ。しかし、そこはあまり異色性が出る要因としては大きくはありません。

 もう少し大きいのがリキエルのスタンド:スカイ・ハイが、ロッズ(スカイフィッシュ)を操るややこしそうなものであるのに、あまり頭脳戦やってないことでしょうか。ロッズ/スカイフィッシュは現実には、高速で飛ぶハエがカメラに写った残像だそうですが、このジョジョSO世界では実在する生物らしい。

 非常に高速で飛行するため肉眼では捉えられないわけですね。そのロッズの攻撃は体温を奪うという、とても使いにくそうなものです。もっとも、リキエルが語る通り、脳幹にヒットできれば即死するといったことはあります。が、他の箇所だと体調不良程度だったりして、どうにも不便な必殺技(?)です(ただし、プッチ神父が持てあますほどのものでもありますが)。

 となると込み入った頭脳戦を期待したくなるんですが、決着は根性比べみたいになってました。低温攻撃なら火だるまになってやる、と徐倫が決死の覚悟で迫りますと、リキエルも腹くくって自らに火を放つ。その状態でどちらが先に倒れるかのスタンド殴り合いですね。

 もっとも、そこは最も異色な点を際立たせるための演出だったみたいです。敗北を悟ったリキエルが語り出しのが運命ですから。今話のバトルでは決め手となった「リキエルが徐倫の首に置いた手」ですね。徐倫の火を消してロッズに狙わせるためですが、リキエルが殴打に耐えるためにマヒさせた感覚神経のため、ロッズ攻撃時に手をどかすことができず、ロッズが体温を奪えなくなってしまった。

 これが徐倫の策か偶然かとリキエルが問うわけですが、徐倫は偶然だと答える。その偶然はリキエルからすると運命らしい。どちらが勝つか自体も偶然であり、運命らしい。プッチ神父に辿り着くのは、強い運命を持つ者であるべきだから、らしい。

 運命ということで思い出すのは、前作「黄金の風」の最終話/エピローグにして前日譚の「眠れる奴隷」です。「このように死ぬという運命は変えられない」が「そこに至るまでに何を為し得て、どのように成長するか」が大事、みたいな感じでしょうか。

 そこを今話のリキエルはアポロ11号に例えたような気がしますし、リキエルも事前には知らずとも結果が出れば運命ということで敗北すら納得してしまう。さらにリキエルはプッチ神父の結末も(何かは知らずに)信じており、プッチ神父を倒そうとする徐倫らもプッチ神父には必須だと思っている様子。

 原作設定を予習しますと、そのプッチ神父の計画は運命の固定みたいなもののようです。しかも、運命(将来~結果)を自覚もするらしい。そのうえでどう生きていくか、でしょうか。「黄金の風」の「眠れる奴隷」(ブチャラティらが知らずに目指したもの)の世界をプッチ神父は作ろうとしている感じで、視点次第ではプッチ神父が主人公という感じすらします。

 しかし最後にフロリダ州のバイクでのヘルメット選択の自由を紹介し、生きるか死ぬかすら選ぶ自由があると締めくくってますね。こちらが徐倫らの立場なのかしらん。その対比で思い出すのは、ガンダムSEED DESTINYでして、デュランダル議長の「遺伝子を知って最適化する世界」とキラらの「遺伝子を知らずに自由意志で生きる世界」の対立とか思い出したりもします。

 ともかく最終回まで、今話を思い出すタイミングがありそうです。直近的なものとしては、リキエルからウェザー・リポートの正体が明かされたことは大きいでしょうか。徐倫らと合流してからどうなるか、ちょっと見ものです。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/23 (Mon) 23:57:07

 定期感想書その2です。

●仮面ライダーギーツ(第19話:乖離Ⅲ:投票!デザスターは誰だ!)

 バトルで倒されて退場したライダーがどうなるか気にしておりましたが、今話で明かされた内容が真相と考えてよさそう。生存しているわけでもなく、ジャマトとして再生しているわけでもなく、死亡してたんですか。豪徳寺武が現れたようでいて、コピーされたそっくりさんだったと。

 復活や再生でなくコピーとなりますと、ドンブラザーズの獣人を思い出してしまいます(^^;。もっともドンブラではコピー元の人間が生きていてこその獣人コピーですね。ギーツ世界では、ライダーが死んだら姿かたちだけ利用され、しかもコピーは何体でも作れる模様。

 その真相を道長が目撃してしまうわけですね。後のアルキメデル独白と合わせますと、死亡退場ライダーのひび割れたIDコアから、ジャマトの大木(?)に実がなり、ジャマトが収穫されると。変異種なるものがときどき実り、それは元となったライダーとそっくりになれる、でいいのかな。

 その情報はジャマトいったん農園(?)から逃れた道長から英寿に伝わり、英寿からDGP参戦者にも伝わる。ただ、道長から死亡ライダーとジャマトの真相を聞いた英寿があまり驚いてないのはちょっと気になります。薄々は知ってたんだろうか。

 ともかくも、 アルキメデルはDGPをひっくり返してジャマトの世界を作る野望を抱いているようですが、(おそらくそれを知らない)DGP運営からすると死亡退場ライダーはゲームを続けるためのジャマトの種子。ということで、道長が生き延びていてはマズいと、プロデューサ:ニラムが農園に戻す。ニラムはもう道長が死んだと思っているようですが、死んだふりだったようで、ニラムが去るのを道長はしっかり見てますな。まだあきらめた様子ではない。

 道長がジャマト側から事態を動かしそうですが、今話ではここまで。DGPのゲームのほうは、負ければエリア消滅の危機ですが、デザスターが誰かでギクシャクするライダー側が劣勢ですね。疑心暗鬼を積極的に煽っているように見えるのは五十鈴大智/ナッジスパロウですね。ただし、頭がいいだけあって疑心暗鬼を景和に向けて混乱を最小限に抑える狙いがあるみたい。

 しかし大智の策は2方面から崩れて来まして、まず女性陣の景和への信頼が回復していく。景和の人となりに接して長い祢音は景和を信じたい気持ちがあり、それが我那覇冴/ロポに伝染していってますな。

 英寿は韜晦しつつも、景和だけを夜食に誘って道長情報を流し、さらにDGPゲーム(ジャマーボール)の最中に大智の策を暴きつつ、タイクーン/景和を激励。これが子ども食堂を守る気力にプラスし、ナーゴ/祢音の支援を受けた景和が決勝ゴールを決めて勝利と。

 デザスター投票も逆転しまして、大智/ナッジスパロウが最多となって脱落。大智は今回は自分以外の脱落者を出したかっただけのようですが、いずれデザスターが誰かを特定する自信があったみたいですね(既に策もあった?)。最後に「僕を落として後悔しても知らないよ」と捨て台詞にしては自信ありげでした。

 大智/ナッジスパロウこそがデザスターかもしれなかったわけですが、オーディエンスにして景和のサポーターのカエルのケケラはそうではないと知っていた感じ。さらにケララ、景和を焚き付けて曰く「お人好しの自分とオサラバするんだ」。これを聞いた景和の表情が引き締まってますね。

 たぶん「勝たなければ」と思ったんでしょう。その景和の願いは「退場したすべての人が蘇った世界」なんでした。となりますと、道長が知った「退場ライダーは本当に死亡している」という真相と齟齬が生じそうです。単純に考えると、死者が復活するわけはないので、景和の願いは書きこんでも拒絶されるはず。書き込めたということは、死者が復活するほどの力がDGPにあるか、それとも退場ライダーはやっぱり死んではいないのか。

 次回「乖離Ⅳ:ジャマトからの宅配便!」の予告映像で、道長への支援者らしき人物が出てますね。DGPのほうはデザスター含め、どうゲームクリアするかに戻ってる感じですんで、ドラマは道長から発生しそうかな。

●どうする家康(第3話:三河平定戦)

 前話の感想では1つでも面白いところがあれば、みたいなことを申しました舌の根も乾きませんが、次回でドラマが面白くならなければ、感想は中断しようと思います。

 今話も戦国期だけあって、ドラマの種は豊富にあった感じ。元康は氏真から単独での三河平定をと言われる。これは欲しかった許可でもあれば、半ば見放され、利用されるものでもあります。そこへ織田信長の手も再び伸びて来る。

 本多忠勝の奮戦で織田方の水野信元をいったん退けるも、織田の援兵でたちまち劣勢に。頼りの今川から音沙汰なく不安なところへ、ちょっと傍若無人な吉良義昭が援軍に来る。しかし依然として負け戦続き。今川が駄目なら武田信玄に縋ろうとするも取りつく島なし。そこへ水野信元が元康の実母:於大の方を連れて取り込みに来る。

 ついに譜代の家臣までが己の首と引き換えに織田に臣従を願い、元康もついに折れるも、それは駿府に人質として残した己と家臣の妻子の死を意味する(もっとも、瀬名は今川譜代の娘ゆえ助命されそうですが)。

 ストーリーとしてはなかなかに激動のはず。ですが、ドラマを感じませんでした。なんだか出来事の羅列を見ている感じです。なんでこうも平板なのか。いろんな要因があるんでしょうけど、3つほど挙げてみます。

1. 本多忠勝が不活発
 自分的には前話で忠勝が元康のバディとなれば、と思ってました。今話では元康の伯父である水野信元を討ってよいかと言い放つまでは良かったんですが、どうもその後が情けなく、動きが止まってしまってます。
 負け戦でいったん討ち死にとカウントされ、しかし戦場で息を吹き返すとか、どういう印象を作りたいのか分からない。その後は鳴かず飛ばずで反抗、反骨等々で元康に当たっていく魅力が忘れ去られたかのよう。

2. 元康が決断しない
 ストーリー上は元康が選択していく格好なんですけど、事前の段取りで他の選択肢を周囲の人物が取り除いている感じです。織田への臣従も最後は最側近にして譜代の臣が首を差し出すと言ってしまえば、元康は仕方なく受け入れるしかない、つまり悩まない。
 そこに至るまでの過程も、連戦連敗、本多忠勝の沈黙、実母:於大の方等々と、元康に悩む間を与えません。言い換えれば、元康が作者から過保護にされてる感じ。

3. 今話の感動は今話だけで用意する
 あるシーンで感動するって、必ず段取りがあってのことだと思います。自分が感動する場合だと、遅くとも前話には仕込みがあったと、後で思い出すことしばしばです。この「どうする家康」今話ですと、例えば元康が苦渋風で人質の妻子を見捨て、妻:瀬名もまた元康家臣の妻らの処刑を目の当たりにするところは厳しい盛り上がりになるはずです。
 が、むごいことは充分に分かるのに感動できません。まず瀬名なんですけど、今話でこれ見よがしに元康の夢に出て来るわけですね。まず死んだはずの義元が元気に出てきて(ここで夢と暗示される)、続いて幼子を抱く瀬名がいて、と幸せな家庭を認識させる段取りです。
 ちょっと強引。何の必然性も感じられませんから(ある種の予知夢と思うくらい?)。元康は瀬名を想ってますからね、思い出してね、くらいの強引な演出と感じます。第1話からそこを描いておけば、そんな演出は要らなかったはずですし、効果も高かったはず。
 同様のことは、織田臣従を命と引き換えで願い出た酒井忠次と石川数正(及び続いてひっそりと平伏した鳥居忠吉)にも言えそうな気がします。

 主人公:元康始めとする主要人物に感動出来なかったのがそういう要因である傍証といったら変ですが、逆に今話限りの吉良義昭がやけに人間臭く見えて感動してしまいまして。援軍に来たものの元康の話を聞かずに一人ではしゃぎ、最初は不快感すらありました。次に出てきたときは、元康の裏切りで炎上する城で嘆く吉良義昭ですね。

 それが(最初の印象ゆえに)自業自得とか、戦国の世の習いとか、愚かさゆえみたいに感じず、逆に「最初の態度からして、こういう仲間を信じる気性のせいだったか」という気がして、哀れを催してしまったんです。

 観終えてよく考えたら、そんなはずはない。前話の松平昌久以上にぞんざいで出番の少ないやられ役の扱いで、普通は感動しないはず。それが見ている途中ではつい感情移入してしまったのは、他の主要人物に感情移入できなかったからのように思えます。

 これでは感想を維持できそうにありません。それでもまだ観ていくつもりではありまして、運よく「いや、こういう面白いところがある」と感じたら、感想再開したいと思います。

 もっとも、これは自分は感想を書けないという言い訳に過ぎません。この「どうする家康」に面白いところがあると思われれば、感想のご投稿は歓迎する次第です。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/24 (Tue) 23:58:40

 前回、先延ばしにしていたギーツから。

★ギーツ

 景和の逆転勝利と、スズメ大智の退場に漕ぎつけた形。

 デザスターが誰か? というのが今期の重要なポイントですが、元ネタの人狼ゲームですと、「出る杭は打たれる」というか「自己主張の強すぎるプレイヤーはウザがられて、最初に切り捨てられる」というセオリーがありますな。
 人狼プレイヤーにとって、賢ぶって場を取り仕切ろうとするプレイヤーは邪魔なので、当然の結末に見えました。

 すると、誰が本当の人狼か、と予想するに、次のゲームでロポが退場すると考えるなら、ナーゴかな、と。
 ロポは当然、ギーツを疑うでしょうし、人狼役は自分が疑われないよう、孤立せずに人間関係を紡ごうとする。
 意外としたたかな袮音ちゃんという展開だと、自分的にも面白そうと感じる上での予想ですが、そこで正体バレで袮音が退場するかな、と思ったタイミングで、DGPに異変が生じて、ゲームの続行が不可能になって新展開の3月かな、と推測しておきます。

 まあ、このデザスター予想、たぶん、オーディエンスも楽しんでいると思いますし。

 でも、これで景和が本当のデザスターだったらサプライズだなあ。

 あと、道長については、ギロリと手を組んで、「ギーツやっつけよう同盟」を結ぶと面白いかも、と思ったり。
 あくまで、願望交じりの予想ですけどね。

★どうなる家康

 「どうする」よりも、こっちのタイトルがふさわしいかと思う現状。

 運命に翻弄されて可哀想な元康くんを、みんな応援してね、という女性ファンをターゲットにした作風かな。
 2話のラストで覚悟完了したかな、と思わせて、「どうすればいいんじゃあ?」とオチを見せて、どうも上げて即座に落とす「2コマオチ」劇場って展開が続いていますな。

「ようし、信長軍を迎え討つぞ!」
「やっぱり勝てなかったよ」

「本多忠勝、討ち死に!」
「やっぱり生きてたよ」

 何というか、ドラマとしては、もう少し溜めてくれても……と思う。
 全ての決断やイベントが軽くて、ただ流されているだけと言うか。

 まあ、今回の自分的当たりは、寺島進さんの水野信元ですな。前作での上総介に相当するアクの強さを感じます。
 こういう肝っ玉の座ったような策士ギャンブラーが、信長には気圧されるという演技も上手いですし、
 今後、しばらくは甥っ子の元康の面倒を見る(でも甥っ子とは反りが合わなくて、嫌われる)伯父上。

 まあ、見ていると元康が世間知らずのお坊ちゃんみたいな描かれ方で、非常に視野が狭い苦労知らずな印象で(自分の家康像は、幼少期から人質にされて苦労したから、非常に忍耐強く育った)、こんな「もうダメじゃあ。どうすればいいんじゃあ?」と喚き立てる主人公像は、見ていて苛立ちます。
 で、白ウサギを厳しく鍛え上げる師匠キャラ(マトリフさんみたいな)を期待するのですが、
 信長との清州同盟で、マインドセッティングが変わるのかな。

 今のところ、家臣の気持ちもよく分からず、武将としての腹も定まっていないようですし。

 あと、これはOPですが、前作は「格好いい曲だなあ。音楽を聞くだけで、勢いよくワクワクするなあ」
 青天の場合は、「海のように雄大に広がる感じ。映像も時代の映り変わりを表現していて、面白い」という感じ方ですが、
 今作は、何だか心に響くものがない。
 OPに浮かび上がるイメージイラストが、毎回、その回の話に合わせた象徴画とのことで、凝ってはいるのですが、曲も映像もいまいちに思えます。

 まあ、役者的に、木村昴氏もまだ出てないし、服部半蔵にも期待しているし、とりあえず「上げて即、落とす」という白ける作劇さえ改善されたらいいのになあ、と思っております。
 つまらないコントを見ているようで、笑えないですし。

 アニメ感想はまた後日。

Re: 1月のスレッド(2023) - K.K

2023/01/25 (Wed) 16:35:13

 定期感想書その3です。

●仮面ライダー龍騎(第41話:インペラー、第42話:401号室)

 今週分入れて残り10話となりまして、各キャラクターの動きが急でして、しかも佐野満/インペラー登場。もっとも入れ替わるように香川教授/オルタナティブ・ゼロ退場ですが、それはそれで(予習してても)「いいのか、それで?」と、ある意味、ゾッとするようなドラマであり禍根を残しそう。

 ではあるんですが、今週後半(第42話)に、こちらで伺っていた「蓮、北岡はもとより、浅倉までが『真司は馬鹿』に同意する」というシーンがありまして、大きな収穫でした(^^;。4人が偶然に出くわすのは分かるんですが、そこからコミカルな流れになってましたな。

 いきなり「真司は馬鹿」と3人が言うのではなく、「真司がひどい奴と思う人は挙手」から入るわけですか。その時点では浅倉が挙手せず、しかし興味ないと言ってまして、真司はぬか喜びに終わる。続いて「真司は馬鹿」で挙手ですが、浅倉が真司に向き直る。手を下げたままなんで、今度こそと真司は嬉しくなるも、結局挙手(ランプ点灯演出まである ^^;)。

 なるほど、そういう意見の一致の仕方だったわけですか。神崎士郎に示唆されて香川研究室を襲った浅倉、もぬけの殻と知って荒れ狂うところから、そんなコミカルシーンにつながりまして、よく考えるとかなり強引な流れになってるんですが、なんだか不自然さを感じません。

 たぶん、北岡に変化が見られるからかなと思います。直前に、デストワイルダー&タイガから北岡/ゾルダは桃井令子だけは守るも、「フリーズベント」なる技でマグナギガの大火力を封じられて敗退。追い討ちをかけるように、またも病の発作に見舞われたわけですね。これでどうも北岡は「ライダーバトルに勝ち残るのは無理」という、弱気というよりは諦めが芽生えた感じがします。

 それでも、おそらくは桃井令子だけは守り切りたいと、タイガを倒すべく香川研究室に向かったわけですが、香川らはおらず、浅岡が荒れ狂ってたと。これで北岡は気が抜けた感じ。もう浅倉を警察に引き渡そうという意欲も失せており、むしろ(戦いへの意欲の塊の)浅倉がうらやましいと愚痴りさえする。

 そういう北岡を見せておいての、上述の真司に関する挙手コントであるわけですね。北岡、蓮に加えて浅倉までもが真司を馬鹿と評するシーンのように見えて、実は北岡がこの時点で諦めている≒事実上のリタイアを暗示しているのかなと思いました。

 一方、行動が過激化して破局的になって行くのが東條悟/タイガですね。この東條を自分は勘違いしてまして、当初から「少数を犠牲にしてでも多数を救う英雄」に凝り固まっているんだと思ってました。しかしそれでは腑に落ちない点がある。こちらでのご教示「周囲の人間の言葉(英雄とはこういう人間だ)に影響されて」で、そういうことかと納得。

 東條にとって「英雄」とは「何か凄い人」くらいの認識しかできておらず、聞きかじりの受け売り的に試行錯誤していたようですね。それも、自分(東條)が何となく気分のいいものを選択していたらしい。しかしいかんせん気分ベースで思考・考察が足りない。

 そのあやふやさで出した結論が、今週分ラストでの突然の香川教授殺害であり、英雄指南の指導者:香川を失った後はライダーバトルに勝ち残ることに鞍替えしたようですね。勝てないオルタナティブ・ゼロの香川教授のプランよりも神崎士郎のライダーバトルのほうが偉大と思っちゃったのかしらん。

 仲村創を殺害して感極まるなど、異様な行動が見られた東條が本格的かつ急速に壊れ始めた(?)のは、香川教授の家族に対する態度を見てからのようです。前話でミラーモンスターに狙われた家族に構わず、戦いに突入した香川/オルタナティブ・ゼロの時点だと、まだ東條は香川に心酔していた模様。

 しかし真司/龍騎が香川の家族を救い、家族に電話する香川を見て、東條の失望は始まったらしい。東條の思考は浅く、目的と手段が入れ替わってしまうようです。「大義のためなら家族を見捨ててもやむなし」であるのに、「家族を見殺しにしないなら大義に殉じない」と思ってしまっている模様です。

 そのため、香川教授の常識的な判断が理解できないらしい。香川は単に、大義(ミラーワールド破壊)は最優先であっても、それに邪魔にならない行動は問題ないとしただけ。家族を守ろうとすれば神崎士郎に敗れるのなら家族は諦める。しかし家族を守りつつ神崎士郎と戦えるなら家族は守る。無駄に犠牲を出す必要はない。

 しかし3手先も読めないらしい東條にはそこが分からない。「大事な家族を死なせないと英雄じゃない」みたいな。香川教授が見かねて、家族との食事に東條を誘うわけですが、どうも逆効果になったみたいですね。自分は最初、東條/タイガが香川教授に英雄としての腹を括らせるため、その家族を襲うんじゃないかと思いました。

 しかし、東條は自分が香川に代わって英雄になることを選択したらしい。現時点の東條は香川に少し失望しつつあるも、依然として尊敬はある。香川が大事な家族を死なせられないなら、代わって自分(東條)が大事な香川を殺害してやろうと。そうすれば英雄であるはず。くらいな気分で、香川を背後から襲ったんでしょうな。英雄が相手の信頼を逆手に取って不意打ちするのか、みたいなことは考えられないらしい。香川殺害後の東條は自分に酔って感極まってましたもんね。

 そういう東條がいる香川研究室と花鶏の真司の間をふらふらと立ち回っているのが、新参の佐野満/インペラーですね。警備員として生計立てていますが、自分を不遇・不幸と思っているらしく、それを打破するべく、どこで知り合ったのか神崎士郎にライダーにしてもらったらしい。それからは自分の売り込みなんですが、なんだか数撃ちゃ当たる的な就職面接みたいなノリでしょうか。

 しかし世渡り上手風なことをしていても、いかにも軽薄でして、まず蓮には初対面で見放されてますな。おだてに弱い真司には取り入れそうですが、真司の提示条件「花鶏で飲食自由」では佐野の希望には届かない(しかし、保険として残しておくべく、笑顔で喜んで見せる)。

 結局、佐野の浅さを理解しつつも利用する気になった香川教授が仲間に引き入れたわけですね。仲村死亡の穴を埋めるには仕方ないといったところらしい。今週はそうやってかろうじて立ち回れている佐野ですが、登場話数を調べると来週分で退場ですか。まあ、今週分の様子を自分が見ても「持ちそうにないな」という気が既にします(^^;。それでも佐野を救えるとしたら真司くらいでしょうか。でも佐野のほうから見限っちゃったからなあ。

 いろいろあった今週分ですが、最大の異変は優衣に起こりましたな。ミラーモンスターに狙われて必死に逃げていたわけですが、突如として目が座りまして、指差しだけでミラーモンスターを操り、逆襲に転じてました。香川/オルタナティブ・ゼロの契約モンスター:サイコローグすら香川に襲い掛かってますんで、優衣の指示は契約に優先するとなりそうです。

 そうできる優衣は何者なのか、ということなんでしょうな。既にミラーモンスターの絵を描いた回想シーンがありましたんで、今のところは「デザイナー」ということになりましょうか。この優衣の異変が次回以降でどういうものと示されるか、気になります。

●牙狼:翔編(第4話:斧)

 古いほうの録画機にこの翔編の録画がまだ残ってたのに気が付きました。となると無理して深夜に観なくていい、とはなりませんで(^^;。古い録画機はハードディスク容量の少なさから、残すものは低画質にしとかざるを得ません。今観なおすと、いかにも画質が粗い。以前はブラウン管TVの画面の小ささ・暗さと低精細もあって何とか観られたんですが、今のTVだとストーリー復習くらいかなあと。

 そうなりますと、裏番組が問題になりまして、リアルタイム視聴するならBASTARDにして、既に観ていて一応は録画もある翔編を高画質録画で後で観るか。と考えたんですが、とりあえずは翔編をリアルタイム視聴しようと。この第4話を観てみますと、やっぱりこちら優先でいいみたい。録画を観なおしてみて「ダメだ、覚えてないorz」というのは再認識したんですが、きちんとした画質で見直すと、さらに別の印象が生じまして。やっぱり一刻も早く観たいのは翔編という感じです。

 ともかく本編ですが、ジンガら敵がじわじわ動きはしますが、1話完結性が高いものになってますね。しばらくこんな感じだったかも(録画でちょっと先まで再予習してみようかな)。

 とはいえ、ちらちら出ていた魔戒法師ガルドより先に魔戒騎士秋月ダイゴ/獣身騎士戯牙(ギガ)本格登場ですか。弟子を育てる導師であることまで一気に明かされまして、基本的な性分まで見せてくれてますね。頑固で生真面目そうなところは、鋼牙世界の山刀翼/白夜騎士打無を思い出しますが、魔戒の者といえど命を大事に、というところは決定的に違いますね。自分(ダイゴ)への敬意をしばしば求めるなど、高圧的なほどに見えますが、すぐ命がけになりがちな流牙らを心配するゆえなのかも。

 戦いのほうは、前話でジンガが開いたゲートの先らしいビルですね。素体ホラーの巣窟になってまして、なぜか人間と思しき男が何かを大事に抱えて隠れてる。それに気づかいないまま、莉杏の大技(ビル内に呪符貼って、外からの術でビルごと魔界に落とす)が発動。しかしビル内に取り残された人間がいるらしい、と流牙が気づいて救出に向かおうとする。

 そこで上述のダイゴの性分「命を大事に」を巡って争いとなりまして、いったん決裂、流牙が単身、ビル内へ再突入。男を何とか見つけ出すも、多数の素体ホラーとの戦いで剣をビル外に放擲してしまいピンチに。そこでダイゴが救援に駆けつけるわけですな。前の初見では何ということなく「ヒーローは遅れてやって来る」くらいで観ていた気がしますが、ここはポイントだったようです。流牙とダイゴが共通の志を見出したような感じですから。

 ビルは魔界に沈み、ジンガはちょっと意外そうですが、大して動揺はしてないみたいですね。アミリはちょっと悔しそうかも。男も無事助け出され、帰った先は料亭ですか。大事そうに抱え、命がけで守っていた荷物はサラシに巻いた包丁でしたか。何かしくじって飛び出したようですが、料理人の心は失ってない、ということで親方に許されたみたい。

 何とかいろいろ無事に収まったようですが、突如として流牙に助けを求める女性が現れまして続く。

 実はこの再視聴で女性を別の人に見間違えまして。今話のゲストの料理人は料理人としてあるCMシリーズに出てるわけですが、一緒に必ず出て来る「女将さん」がいます。その「女将さん」と見間違えました。それも見間違いに気が付いてから、どうして見間違えたかに気付いた次第でして、相当にあのCMシリーズが自分の脳内に刷り込まれてるみたいです(^^;。

 それはともかく、流牙に突然声をかけた女性は見覚えありまして、第1話でホラーから流牙&莉杏に救われた女性ですな。それで、またも見かけた流牙に救いを求めたらしい。どうやら姉がホラーに襲われたんでしょうな。たぶん、その女性自身もホラーに襲われたからでしょうけど、そうなると莉杏はその女性の記憶は消してなかったのか。

●BASTARD

 ニンジャマスター・ガラ登場で、DSもある程度はルーシェへの封印に抗することができるようになり、さらに第二の乙女のシーラ姫もDSの封印を解くようになる。記憶にある原作と特に差異はなく、DS vs ガラ対決の山場は次回かな。そこからガラの裏切り~DSへ合流となるはずですね。

 初回のいきなりの設定明かしはちょっと驚いたものの、その後は順当(?)に進み、映像的には相変わらず満足してまして、回が進んでも大丈夫みたい(第1回と最終回だけ凄いって、ときどきあるから油断できません ^^;)。

 しかし今回感想を書いておきたかったのは、ゲームの影響がこの作品にそこまであったのかということを知らなかったからでして。連載では「ビホルダー」なる目玉のモンスターが出まして、単行本ではなぜか目玉に手足が描き足され、名前も「鈴木土下座ェ門」に変わってました。

 単行本には確か「大人の事情」くらいの説明しかなかった。「なんで?」と思い、少し調べてみましたが、ネットがない当時としては「著作権絡み」くらいしか分からず。その後、ある程度は知ったんですが、興味を失いつつあったこともあって、突っ込んでは調べませんでした。

 というとカッコつけすぎですね。分かった気になってたんです。当時の自分は「BASTARDは元ネタとしてヘヴィメタルからいろいろ取り込んでる」と思ってました(一面の事実ではある)。しかしゲーム(特にD&Dですか)からそこまで取り込み、それゆえに版権問題から使用禁止になると、ストーリーすら迷走するほどというのは、教わってようやく知った次第。

 あの迷走はそれも主要原因だったかと驚きですが、そのように無秩序ともいえる取り込みがあったのは、BASTARDが元々は同人活動的な作品であるから、というのはさらにびっくりしました。しかし、思い返すと納得します。BASTARDが長期休載になり出してから、作者さんがなぜか同人誌活動でBASTARDを使いまわしているのが疑問だったんです。なぜ商業作品を同人誌で切り売りするのかと。

 その謎が解けた気がします。BASTARDが(作者の気分的にかもしれませんが)同人誌のほうが先だったわけですか。少なくとも同人的。それが商業誌に持ち込まれたと考えると、作者さんの一連の動きが理解できる気がします。

 それにしても版権は難しいですね。フィクションについては、米国の人などから時々尋ねられます。「どうして鉄腕アトムの新作コミックが出ないの?」とかですね。自分はこちらでご教示頂いて知ったわけですが、DCやマーベルがキャラクターの版権を持っているからこその疑問ですね。「日本では出版社でなく、著者が権利持ってるから」と答えますと、結構驚かれます。

 著作権については、フィクション以外ですが、エンジニアだった頃、「そこまで厳しいのか」と思ったことがあります。自社製品の周辺ソフトを作り、商品名にその自社製品の名前を入れたら、知的財産権部門からストップかかりまして。「自社製品なのになぜ?」といったんは憤慨しました。

 が、そう簡単ではなかったようです。法は自社にも他社にも平等。自社保有のものでも、使った事例は他社への許諾等の基準となってしまう。そこまで考えてネーミングしろ、というわけですね。

 ダイ大は仰るように自社の版権使用であるわけですが、おそらくはいろいろ気を使っていたんじゃないかと思います。

Re: 1月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/01/26 (Thu) 11:47:27

 アニメ感想です。

★うる星

 面堂の幼なじみにしてライバル、水乃小路飛麿の登場回です。

 自分、このエピソードは今回が初見でして、大いに笑わせてもらいました。
 妹の飛鳥の回は見ていたのですが、トンちゃんの方は印象が薄かったわけでして……でも、今期のうる星で一番笑わせてもらったエピソードです。

 初見ということもあるのですが、「格好いいライバル……のように思わせつつも、非常に不運で、了子ちゃんにイジられ放題で、それでもタフで打たれ強く、でもドジ」
 ギャグ漫画の主人公としても、脇役としても、非常に完成度が高いですな。
 熱血キャラだし、ライバルとして格好つけクールでもあるし、でも、いろいろ残念なコミカルぶり。

 本来の主人公のあたるじゃなくて、面堂のライバルってのがいいですな。
 面堂、東麿、了子の関係で人間関係が完結できるところを、「了子ちゃ〜ん」とあたるが絡んで行って、「ダーリンは関係ないっちゃ」と定番の電撃ツッコミが入り、その一方で、もっと酷い目にあっているトンちゃんという構図が、スラップスティックしていていい。

 当初は「ラムとあたるとしのぶ」の周辺ドラマだったのが、キャラが増えてくると、「面堂を基軸とした人間関係」や「ラムの幼なじみ」やらが出て来て、そのうち、サブキャラだけでも物語が成立する。
 一方で、そこに可愛い女の子がいるだけで、あたるはルーティン的に無理やり、話に入ることができる。

「諸星、貴様には関係ない話だ」って、面堂のセリフすら面白い。

 で、たぶん、80年代にトンちゃんを見ていたら、あまりハマれなかったと思うんですな。
 熱血キャラを茶化す風潮に、まだ馴染んでいなくて、当時の自分だったら「トンちゃん、イジメられて可哀想」って思ってた、と。
 浮気が原因で電撃くらってるあたるは自業自得で納得できるのですが、トンちゃんは劇中で何も悪いことをしていないのに、ひたすら痛いめにあっている。

 それでも不屈の闘志で、ライバルの面堂に挑むバイタリティは、男としての理想像じゃないですか(そこまで言うか)。
 挑戦、挫折、でも卑屈にならずに、誰も恨まずに、ただひたすらライバルの面堂との戦いだけを目指す、一本筋の通った真っ直ぐな、愚直なまでの清々しさよ。
 今期のうる星で、一推し男性キャラに昇格しましたな。

 こうなると、妹の飛鳥も登場して、面堂兄妹と、水乃小路兄妹の混戦模様がますます加速する日を期待したいと思います。

★ジョジョSO

 スカイ・ハイ回。
 K.Kさんは異色回と評しましたが、自分は逆で、この回がジョジョシリーズの王道だと受け止めました。

 徐倫とリキエルの覚悟のぶつかり合い、小細工抜きに正面から挑む堂々ぶりが久々に見られて、文字どおり熱く燃えたバトル回。

 最初は「眠らせるスタンド? また小細工か……」と思っていたら、相手スタンドの謎解き(エンポリオの蘊蓄知識キャラの側面がいい)を経てからの、ガチな一騎討ち。

 おそらく、K.Kさんが異色回だと感じられたのは、ストーンオーシャン劇中の範囲内で、と考えます。
 と言うのも、ストーンオーシャンという作品の方がジョジョシリーズの中の異色編。主人公が女性ということもありますが、これまでが正々堂々のぶつかり合いではなく、敵スタンドもからめ手ばかりの変化球の繰り返し、トリッキーな連中ばかりで、覚悟とは無縁の連中ばかりだった。

 その中で、久々に登場した、真面目に信念かけて挑んでくる敵。
 スタンド能力は特異でしたが、誇りをもって主人公に対峙する相手が出て来たことで、主人公のキャラ性も引き立つ。
 決戦前に、これまでの変化球構成から一転、シリーズ本来の王道バトルを見たような感じで、わずか1話でしたが、空気の切り替わりを感じた話。

 で、次はまたウェザーにスポットが当たる流れかな。「記憶を操作するスタンド」っぽいので。

★REVENGER

 虚淵さんの場合、「期待を裏切る」と言っても、それは「陽性の作品に見せて、実は……とドロドロな陰湿、過酷な鬱ドラマに展開する」って方向性ですね。
 ただ、今回は最初から陽性な部分を切り捨てて、陰鬱なスタートから入っている。

 80年代の陽性に転化した必殺(主に、何でも屋の加代と順之助のコンビによる部分が多そうですが)よりは、70年代の前期必殺の臭いが濃厚で、最初からハードな作風がどう転がるのか。
 よりハードな方向になるのか(メンバーの死にも突入していく)、それとも陽性な光を見せてくれるのか。

 虚淵脚本だと、ハードなのは覚悟できるので、必殺という題材で、どう光と闇の転換劇を見せてくれるかに、自分は期待しております。

 まあ、それと同時に、80年代必殺らしい華麗な殺し劇、派手なアクションをアニメでどう魅せるかにも期待してるんですがね。
 その辺は、風都探偵を見るような感覚。実写の味をどうアニメ表現するか。

 今のところ、鳰のタコ糸殺しが1話だけなのが残念なところですが、殺しのメンバーが5人いて、技がバラエティに富んでいるので、本家の必殺よりも面白いと思ってます。
 と言うか、本家の技がマンネリ化しているので、殺しのシーンが見ていて、飽きてるというか。やはり、定期的にメンバーの交代とか、さもなければ技や道具の演出変化とかがあって欲しいか、と。

 で、さすがに30分だと、5人の殺しのオンパレードは期待できず、1話が4人、2話が3人、3話が2人と、だんだんクライマックスの参加メンバーが減ってるのが気になりますな。
 5人そろっての決戦はクライマックスまでお預けかな。

 好きな技は、やはり鳰の糸と、先生の大弓ですね。
 意外と、針で首を突く技がなくて、刀と、花札手裏剣と、金紙による窒息死という実写にはないタイプの技。
 まあ、殺しの場面が良ければ、ドラマに割く時間は少なくてもいいかな、なんて思ってますが、どうなることやら。

 一番、鬱になるだろうな、と思うのは、殺し屋チームの内部分裂ですな。同じ死ぬにしても、仲間をかばって死ぬとか、チームとしての危機の最中であって欲しい。
 メンバー内部で、信念のぶつかり合いの末の内紛チーム崩壊劇は、やめて欲しいと言ったところ。

★バスタード

 ヨーコがガラにさらわれて、シーラ様によるDS復活で続いた、と。

 こう言っては何ですが、自分はヨーコというヒロインが性に合わなかったので、シーラ姫に同行ヒロインが切り替わったのを連載当時は好意的に受け止めていました。

 まあ、ヨーコさんは常識人として、暴走DSの手綱を引き締める役割があったのですが、DSは暴走しているのが楽しい稀代のヒーローだったので、ヨーコというブレーキがない方が、作品は面白くなると感じていたら、劇中でもそうなってくれたので、よっしゃあ、とシーラ姫に転び、
 それから後は雷帝ネイ様に転んだというのが、昔の感想ですな。

 そんなわけで、現在はまだシーラ派の当時の気分を思い出しながら、アニメを観賞。
 ノスタルジー以外の何者でもない段階で、アニメならではの魅力はまだつかんでいない頃合いですが、
 アビゲイルの杉田さんの声がいいなあ、とか、シーラ姫は東山奈央さん(ゴブリンスレイヤーの妖精弓手)かあ、とか、自分なりのツボを拾い集めながら、じっくり見守る段階。

 脚本の人も自分好みなので(これもゴブリンスレイヤーとリンク)、ここから上手くゴブリンスレイヤーIIにつながってくれたらいいなあ、と思っております。

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