創作と鑑賞の談話室

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2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/01 (Wed) 00:01:27

 2月の雑談スレッドです。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/01 (Wed) 16:35:36

 定期感想書その1です。

「どうする家康」は、ようやく元康が自分の意思を示したような感じはありました。が、依然として瀬名の状況、氏真に書かされた血の手紙等々、選択の余地をなくしてのことに見えます。もっとも「これが必殺シリーズだったら納得するかも。次回は仕事人出陣みたいな」とは思えました。

●うる星やつら

 ED前のA・Bパートはランのイメージを上手く調整するエピソードの並べ方だったかなと思います。ここまでですと、ランは裏表の差が激しく、周囲にはかわい子ぶるも、ラムに対しては陰湿な復讐をたくらみ、実際に試みさえする。コミカル演出ではありますが、悪役ポジションに近いですね。対するラムは対照的に天真爛漫さが強調される傾向があり、ランに対する被害者ポジションに近いようです。

 ランがそうなった原因は主にラムの(元)婚約者レイと匂わされてました。後は過去の友達付き合いで何かあった(特に寝小便)と匂わされるくらい。その2つを今話で少し掘り下げまして、ランのイメージが変化するような感じがあります。原作コミックや80年代アニメでどうだったか忘れたんですが、ともかくもこの22年版はエピソードの並べ方を工夫している感じがします。

 まずランとレイの「デート」エピソードですね。もっとも、レイは食い意地だけで引き寄せられている感じですが、ランは知っていて気にしてない感じ。ラン、たい焼きでレイを釣り出すわけですが、ほっぺに「キス」をされる。この時点では理由は明示されませんが、「ああ、あんこがほっぺについてたんだな」と匂わせてる感じはありますね。

 しかし、今話で3回叫ぶ「ランちゃんしあわせ~!」になるわけで。様子からすると裏表使い分けてる様子はなく、本音のようです。そういう純情なところがあるわけですな。その気持ちが本物であるのは、引き続きコミカル演出ながらも、ラムに祝福されて大喜びのランの様子からも察せられます。幸福の絶頂にいるため、ラムに対する恨みを思い出さず、ラムの真意(ランが怖い、レイがうっとおしい)に気が付きもしない。

 そうしておいて、実は食い意地だけで行動していたレイが依然としてラムを慕うシーンになる。そこへランもやって来まして、やはりコミカルながらも当然のごとくいわゆる修羅場ですね。しかし、またもやですがたい焼きをやけ食いしたランの口にくっついたあんこにレイは引き寄せられて、キス(のようにしてあんこを舐め取る)。で、「ランちゃんしあわせ~!」。直前の怒りも何もかも全部、それで吹っ飛んで幸せの絶頂に本音で戻るんですから、なんとも可愛げがある感じです。

 続いて、ランとラムの幼い頃の回想ですね。今までランがしばしば「寝小便」を持ち出し、ラムが焦ってましたが、その理由が明らかになる。複数回に渡って、ラムが自分の寝小便を誤魔化すべく、ランを身代わりにしていたと。さらにランの母親からの激しい叱責もコミですね。ラムは嘘がバレるのを恐れてさらに嘘を言い、叱られて泣くランを見て見ぬ振り。

 ラムはランを庇ったことがあると主張しますが、身代わりになったことが嘘だとすぐバレるものだったとランは激怒。ただし、それが嘘だとバレて叱られないことを計算してのことだったかは不明な感じです。ラムが天然の迷惑者という可能性もありまして、それはシーンラストで示されてました。反省する気を起こしたラムが喫茶店を出ていくも、奢る約束を忘れて会計しない。結局、ランが支払う羽目に。

 そこからはおねしょ身代わりの件はともかく(実際、後年になっても負い目になっている)、おおむねラムに悪意がないことが窺えます。しかし、ランには伝わってませんから、観ていて「ああ、そういうことが積み重なっての、今のランの振舞なのか」と納得できる気がします。加えて上述しました、根っこは純情、みたいな印象が加わるわけですね。

 確か、ランがラムを見直すエピソードがあった気がします。風邪を引いたランをラムが見舞う話で、調べると「お見舞いパニック!?悪気はないっちゃよ」(コミックの原題は「風邪見舞い」)。宇宙人は地球の風邪ウイルスに免疫はないから危ないと、ラムが懸命に看病するんですが、爆発起こすわ、激辛食わせるわで、ランはひどい目に。しかし、ラストでは目を覚ましたランの傍らでラムが眠ってまして、ずっと看病していたことが分かる。一連の迷惑もランを心配して一生懸命、悪意がなかったとランが悟るわけですな。

 そのエピソードまでやってしまうと、ランのラムに対する復讐の動機が弱くなりますので、当面は今話ラストの延長での(一方的な悪役の印象が薄まった)ランとラムの関係なんでしょうね。それならランがかなりなことをしても嫌な感じが起きにくいはず。そういう印象を作るよう、うまくエピソードを並べたもんだなと感心します。

 さらに、ランの印象が変わることを計算してか、最後は「ほれ薬のつもりがほら薬だった」という単発喜劇をED後のCパートに持ってきてますね。ランとラムの関係を余韻として残さず、キャラクターイメージが固まりすぎないようにしてあるのかなと思います。その辺りもエピソードの並べ方が上手いように思います。

 次は藤波親子登場ですね。自分は80年代アニメでは竜之介の父を面白がってまして、原作コミックでは藤波親子の印象はどうも薄かったです。が、上述しましたエピソードの並べ方のようなことが藤波親子の描写でも起これば、新しい印象が出て来るかもです。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第28話:天国の時 新月まであと3日)

 自分が前話の対決を異色と感じたことについて、「この回がジョジョシリーズの王道」とのご指摘があり、考えてみますと、それもそうだなと。思い起こすと、前シリーズの「黄金の風」だと、熱い敵も多く、特に暗殺チームですね。その前(ダイヤモンドは砕けない)はどうだったかなと考えると、嫌な敵として出て来た者も燃える味方となっていく展開がありました。

 さらにその前の「スターダストクルセイダース」は、と考えて、あっと思うものがありました。敵はDio配下ですが、最初は気取っていたり自信満々だったりしても、戦いが不利になりますと醜態をさらす者が多かった。あるいは、部下として優秀になりそうだった花京院典明は承太郎側に加わってしまう。DioがこのジョジョSOのプッチ神父に後を託したくなる気持ちが分かるような気がします。

 ご指摘を頂いたお陰でプッチ神父に感情移入しやすくなりまして、ともかく本編。いつの間にか「スタンド使い同士は引かれ合う」から進んで、「スタンド使い同士は互いの位置を察知できる」に変わってまして、徐倫らはプッチ神父が潜伏する病院前に。突入前の徐倫の振舞がなかなかカッコいいですね。

 承太郎の記憶Discをスピードワゴン財団に渡す任務をエンポリオに託すわけですが、ラスボスとの対決に巻き込みたくないからでしょうな。脱獄時に既に覚悟ができているエンポリオは一緒に突入すると言い張るわけですが、言って駄目ならと徐倫はぽっぺにチュッとやりまして、なんだからうる星のレイと被るシーンでした(^^;。しかし、エンポリオは聞き分けた風でいて、何か諦めてない感じがありますね。

 一方、病院内のプッチ神父。Dioの3人の息子の最後の1人:ドナテロ・ヴェルサスの病室にいる。強盗未遂で足を負傷したヴェルサスを見舞う名目で入り込んだのかな。それにしては豪勢な食事してまして、しかしアレルギーがあるからとヴェルサスに味見させてますね。ヴェルサスは見事にアレルギー物質が料理に入ってると言い当てるわけですが、このシーンの意味はちょっと分かりかねました。

 もっとも「何やってるんだろう?」と思わせるための前振りだったのかも。ヴェルサスのスタンド能力が突如発現して、料理から人の指、続いて子供の顔が出てきますからね。かなりホラー的なショッキング映像です。どうやらすぐ近くの病室で緊急救命中の子供らしい。

 と思ったら、後の解説と併せてみますと、父親に撃たれた子供を地面が記憶していたものらしい。それがヴェルサスのスタンド:アンダー・ワールドということですね。地面が記憶した出来事を再現できるものらしい。「黄金の風」のアバッキオのムーディー・ブルースですと再現映像的ですが、ヴェルサスのアンダー・ワールドは物理的に再現できるらしく、撃たれた子供を貫通した銃弾が父親に当たってますね。

 アンダー・ワールドの地面の記憶の再現能力は非常に高く、旅客機事故も再現できるわけですか、しかも地下空間で。そこへ徐倫がプッチ神父らを追って入り込んでしまい、外でサポートしていたエルメェスも再現されたスポーツマックスに気を取られて旅客機へ落ち込んでしまう。それにしてもスポーツマックス、恨み言を述べはしても攻撃はしませんでしたな。それどころか敵の能力解説なんぞしまして、むしろ親切かも。それとも、過去の再現だから変えられないよ、と絶望させる目的があるのかな。

 しかし、そんなことせずとも地面の記憶の事故旅客機に入ってしまうと、どうしようもなさが分かる感じです。乗員乗客が墜落することを知っていて、騒ぎもしません。特に客室乗務員は「現地時間2005年7月21日21時33分に地面に墜落いたします」とアナウンスまでしてます。そして事故先取りの現象までありまして、客室乗務員の腹には事故時にめり込んだ乗客の頭部まである。事故後の火災による火傷も自在に見せることもできる。

 それでも客室乗務員は事故時の状況をできるだけ再現すべく、乗客に「電子機器の電源はオフに」と呼びかけたりしまして、その冷静さは不条理なまでに異様です。「世にも奇妙な物語」のホラー系でありそうな状況のような気がします(^^;。残り2分となって、徐倫らがどう脱出するかは次回へ。

 この状況をプッチ神父とスタンド使い手:ヴェルサスが見ているわけですが、地下空間で旅客機は静止してまして、どういう再現になってるか、ちょっと分かりにくい。どこで起きたことでも、どこからでも取り出せ、地中ならどこででも再現できるということなのかしらん。これだけの穴を自在に作れるということは、徐倫らが事前に推測していた、ケープカナベラルまで掘り進むというのも、あながち不可能ではないのかも(プッチ神父は3日間隠れるだけのつもりみたいですが)。

 しかし、敵:プッチ神父側にも隙が生じているようですね。ヴェルサスは最初、ぼんやりとしていてプッチ神父にひたすら従う感じでしたが、スタンドを操るようになって少し態度が変わってきました。いろいろ考えて行い、プッチ神父が掣肘するのをいら立つようになった感じがあります。つい「ごちゃごちゃうるせえんだよ混乱させやがって」と愚痴ってから、一応はですます調に戻ってはいますが、この先ちょっと危うそう。

 今話で観た限りではですが、ヴェルサスのスタンド:アンダー・ワールドはプッチ神父の計画の小さな予行演習みたいな気がしないでもないです。事故直前の状況が再現されている旅客機では、乗員乗客とも、この先に起こる事故を受け入れ、むしろその通りになるように行動しているようです。

 Dioに託されたプッチ神父の計画(天国)では、確定した未来を全ての人が知りつつ生きていくものらしい。どちらも「こうなるのは仕方ない」と覚悟している状況ですね。できることがあるとすれば、そうなるまでにどうするか、ということでしょうか。それに抗っているのが、アンダー・ワールド世界では外来者にして異物の徐倫らであるわけで、そこもこの先の展開を暗示しているような気がします。

●仮面ライダーギーツ(第20話:乖離Ⅳ:ジャマトからの宅配便!)

 プロデューサーのニラムらによってジャマト農園に連れ戻された道長ですが、その後の経緯がはっきりせず、今話では英寿/ギーツにバッファジャマトとして立ち向かうのみ。プロデューサーの希望の道長が死亡してジャマトとしてコピーされること、実は道長は死亡していなかったこと等々がどうなったのか。

 その辺りは新登場のジャマト側スポンサーを名乗るベロバと道長に何があったか次第なんでしょうな。GDP運営から警戒されているようで排斥はされておらず、アルキメデル同様、立ち位置がいまいちはっきりしません。次話以降で明かしてくれるのかなあ。

 ジャマト側の動きが曖昧ですが、GDPゲームのほうはデザスター探しもあって緊迫して来てますね。なにせライダーの家族が時限爆弾の人質ということで、参加ライダーの焦り等を誘う仕掛けです。今回は景和/タイクーンの姉の沙羅ですね。誰が贈ったのか、寒中見舞いのパイナップルが爆弾で、沙羅を拘束して日没に爆発すると。

 爆弾を解除しようにも、時限爆弾のお約束(^^;)の赤と青のリード線どっちなんだ問題が設定されてまして、仕掛けたジャマトに聞くしかない。ということでパイナップル持つジャマト探しとなるわけですが、ジャマト(及びライダー)がいないほうから景和と英寿の足元にリンゴ爆弾が転がされてくる。誰かが妨害しているわけで、そいつがデザスターか、ということで2方面と索敵・交戦という感じですね。

 パイナップルジャマトのほうは道長/バッファジャマトの襲撃を退けつつ探しているうちに見つかりまして、倒すと赤の触手(?)が出て来まして、たぶん赤のリード線を切ればいいんだろうと。これもお約束で、逡巡しつつも景和が赤を切りますと、爆発1秒前にタイマーを止めることに成功と。

 ただ、そのシーンは不自然な点があるように感じました。爆弾に捕らえられた沙羅のもとに景和と祢音が駆けつけるわけですが、爆弾解除は生身で行っています。失敗して爆発するリスクを考えると、ライダーに変身した状態で行うんじゃなかろうか(駆けつけるときから変身していれば正体はバレない)。

 仮に生身で駆けつける必要があったとして、祢音はなぜ危険な現場に留まっているのか。あるいは、景和が危ないからと祢音の退避を促さないのか。景和も祢音も必死だったから思いつかなかったという可能性も考えられますが、どちらかがデザスターであるとか、リード線についてこっそり知らされていたという可能性もありそう。

 ラスト、我那覇冴/ロポが秘密のミッションが書かれたカードを読むシーンで続く。単純に考えますと、冴/ロポがデザスターということになりそうです。そのシーン直後に示されたDGPルールでも、デザスターは秘密のミッションを遂行すると示されたわけですし。

 ただ、次回予告では冴の家族が時限爆弾の人質に取られる描写がありまして、冴をデザスターと決めつけていいかどうかは疑問な面もあります。デザスターが別にいて、冴の家族を人質にして、ミッションを代行させようとしているのかもしれない。上述しましたように、景和や祢音の行動が一部不審でもあります。ともかくも次回「乖離Ⅴ:ゲイザーの鉄槌!」で種明かしがされると期待したい。そこにジャマト側、特に道長が絡んでいるとさらに面白そうです。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/02 (Thu) 08:35:12

 実写感想です。

★ギーツ

 デザスターはナーゴと予想したら、ロポ姉さんがデザスター指令カードを読んでいるシーンを見て、「おや、ストレートに人狼役そのまま来たか。少し深読みし過ぎたかな?」と思いつつも、まだ「いや、もしかするとフェイクかもしれないし」と考えながら、
 次回の放送で種明かしを期待しております。

 デザスター疑惑に、視聴者サイドとしては、推理ドラマやミステリーゲームをプレイしている感覚で、予想するのが楽しい段階。

 あと、サブタイトルに付く「乖離」というワードが、「どう離れていくか」の流れを気にしたり。

 これまでは、

・黎明(1話)
・邂逅(2話〜9話)
・謀略(10話〜16話)
・乖離(17話〜)

 と来て、1話を除けば、2ヶ月で1周期という構成になってます。
 すると、乖離編も1月に始まり、2月で終わって、3月から新章と考えるのが妥当なんでしょうが、

 次回登場のゲイザーは、またGMが介入するキャラなのかな。
 デザスター指令に背く行動を選んだロポ姐さんに、パンクジャックの時みたいな洗脳乗っ取りをして来るなら、イヤな奴なんですけどね。

 一方、ジャマトのスポンサー少女と手を組んで、世界の作り直しを図る道長。キャラクターとしては、鎧武の戒人(バロン)に近づいて来たかな、と思います。
 まあ、違うのは、バロンの初期の立ち位置が上位ダンサーだったのが、転落してからの這い上がりで、
 道長の方は、上位にいたことがない(一応、景和たち初心者に対しては、圧を示していたけど)点。

 景和については、姉持ちという点が鎧武との共通点。
 去年はいろいろとヘタレ属性でしたが、今年に入って、守るものができた(関係者がゲームに巻き込まれがち)ために、ボスジャマトを撃退するほどの成長を見せて、今のところ主役級の活躍を示してますな。

 ナーゴは再び家族(母親)とのドラマが再燃して、どう展開するのか、気になりつつ。

★どうなる元康

 織田と提携して、今川と完全に敵対する流れに。
 元康の元は、今川義元からもらった名前なので、そろそろ家康に改名しそうですね。

 そして次回は、瀬名救出のために忍者の手を借りる?
 前作も、忍び(というか暗殺者)が美味しい役どころだったので、忍者の裏工作が面白く展開されるといいなあ。
 元康のキャラが、未熟でヌルいと感じるので、忍者がハードに描かれるならよし。ここで脱力キャラになると、ダメという試金石に思いつつ。

 一方、今回の主役は、珍しい武闘派設定のお市さま。
 演じる北川景子さんは、実写版セーラームーンのセーラーマーズ役で連続ドラマデビューを果たした、東映特撮出身女優さんです。

 で、3年前の大河ドラマ『麒麟が来る』でも、お市さんは1話だけゲスト出演だったみたいですが、その際に演じたのは井本彩花さん。
 ええと、リバイスの妹ジャンヌ(さくら)で、今の目から見ると、意外なキャスティングに見えたり。

 ともあれ、今回の市さんは、信長周りで準レギュラーになるのかな。
 信長の妻の濃姫がキャスティングされていないので、信長周りの女性キャラは市さんだけ?

 何にせよ、信長周辺の武闘派空気感は面白い演出なので、リアリティーよりもダークな魔王感に満ちて、しばらくヘタレ元康を感化する役どころを果たせばいいかな、と。

 秀吉については、コミカルな中に闇を抱えてそうな演技だな、と。
 いわゆる洋画におけるピエロ的というか。

 とりあえず、序盤は毎回、新キャラが登場しながら、キャラの品定め段階です。

★龍騎

 インペラー退場編と、今週は引き続きタイガの退場編ですな。

 そして、2月の3週めで最終回を迎える、と。

 その後は、ドンブラザーズと入れ替わるようにファイズが始まるのかな(脚本家つながり)。
 ファイズと言えば、人間側と、怪人側のドラマを等価に描く作品で、しかも怪人を倒す主人公も実は怪人だったというどんでん返しが中盤に示され、主人公が仮面ライダーの姿とは別に、怪人態(ウルフオルフェノク)を持つという衝撃が印象的でした。

 人を襲う怪人は倒すけど、人を襲わない怪人は? とか、ライダーと怪人の関係に改めてスポットを当てた作品ですな。

★牙狼翔

 序盤は、仲間になる騎士や法師との邂逅と紹介で、じっくり展開している段階ですな。
 一方で、暗躍するジンガ側の動きもじわじわと。

 本作の特徴といえば、最初からラスボスが劇中で敵対者として描かれていることですね。
 これまでの牙狼シリーズでは、ラスボスが正体を隠していて、中盤過ぎで登場してくるサプライズがあったわけですが、この翔編では、ジンガの存在感が大筋を引っ張っている。
 特撮ファンから見れば、ジンガ=世界の破壊者ディケイドなわけで、牙狼VS仮面ライダーという対決にもつながるわけで、早く激突しないかなあ、という期待が募っていた頃合い、と。

 今回はここまで。
 

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/02 (Thu) 16:22:46

 定期感想書その2です。

●仮面ライダー龍騎(第43話:英雄は戦う、第44話:ガラスの幸福)

 先週分ラストで気になった優衣の激変は何だったかはっきりせずでした。もしかしたら、Wにおけるフィリップを守るファングメモリみたいなもので、神崎士郎が優衣に気付かせずに仕込んだ仕組みかと思ったんですが、どうも違う。神崎士郎にも制御できない何からしく、ミラーワールドで独自の行動を取る優衣を士郎は説得するのみでした。

 予想が外れたのはまだありまして、北岡/ゾルダです。もうライダーバトルから気持ちが離れた(≒自分の疾病の治癒や延命を諦めた)のかと思ったんですが、今週分では意外なくらいアクティブでした。まだ粘りそうですが、ライダーバトルでテッペン取る気概はなさそうかな。もっとも、登場当初から半ばあきらめたような面も見せてた気がしますんで、特に変わってないのかもしれません。

 しかし今週分では優衣や北岡は中心的な人物ではなかったようです。主人公の真司ですらそうですね。もっぱら佐野満/インペラーを軸とするドラマが展開し、そこに東條悟/タイガが歪みを強めながら関わっていく感じです。

 しかし、前半からライダーとして積極的な動きを見せるのは東條/タイガでして、香川/オルタナティブ・ゼロを倒して、強くなり、英雄に近づいたつもりだかららしい。その自信から浅倉/王蛇の挑戦を受けたものの、どうやら真っ向勝負では劣勢、命からがら逃げだすわけですな。

 しかし東條は惨敗が信じられないらしく、調子が悪かったせいと思いたがり、続いて大学を尋ねて来た北岡/ゾルダの挑戦を受ける。バトル前は北岡を英雄じゃないと小馬鹿にしていた東條ですが、どうもゾルダにも苦戦の模様。そこへ王蛇/浅倉まで割り込んできて、もう駄目ですね。結局、王蛇とタイガがもみ合っているところをゾルダの大火力で吹っ飛ばされると。

 しかしゾルダ/北岡の手加減があったようで、東條、浅倉共に負傷しながらもミラーワールドから帰還。東條は相変わらず惨敗を認められずに去り、北岡と浅倉から小物と認識されてしまってますな。東條を屠る意欲が失せた浅倉は北岡に挑もうとするも、深手だったようでダウン。

 一方、逃げ去った東條も途中で気絶ですが、佐野に助けられ、アパートで介抱されることに。佐野としては護衛役にしたいわけですが、思考が単純らしい東條は気づかず、次第に恩義から友情を感じるようになるわけですね。しかし歪んでまして、大事な友達ならば倒せば英雄、ということで龍騎と戦うインペラー/佐野を不意打ち。おそらく東條は佐野に止めを刺したつもりだったみたいですが、倒したのは後で現れた王蛇/浅倉でしたな。予習してみますと、このことが後で東條の命取りになるらしい。

 そういう東條/タイガは注目でしたが、今週の本命はやはり佐野ですね。前半(第43話)では自分の新たな雇い主兼守り手を求めて、あっちへふらふら、こっちへふらふら。優衣を狙っておきながら、真司を頼って花鶏に現れまして、案の定、真司に叩きだされる。北岡に頼ろうとして、浅倉を紹介されるも、紹介状は「まぬけ」と大書されていたため散々な目に。結局、無関心だけに最も拒絶も少なかった東條に寄っていくわけですね。運よく(?)東條は負傷して動けなくなってましたし。

 しかし、前半ラストで父親の死を知らされ、後半早々に社長である父親の後釜として重役から迎えられると、佐野が一変。欲しいものが手に入って、ライダーバトルに勝ち残るメリットが亡くなっちゃったわけですね。どうやら佐野としてはライダーになるのはバイト感覚であったらしい。神崎士郎にバトル続行を催促されると、気楽に辞めますと返す。

 しかし神崎士郎がそんなことを認めるわけはなく、戦わないなら契約モンスターに食われることを思い出さされると。それにしても、インペラーの契約モンスターって多数いるみたいです。ギガゼールだけのはず、と思ってウィキペディアを読み直しますと、「レイヨウ型モンスターは全てインペラーに操られていた」とありまして、1体じゃなく軍団を率いるライダーみたいですね、インペラー。

 そうなりますと、3体のモンスター契約の浅倉の比じゃないほど、契約モンスターに食わせないと自分(佐野)が食われてしまうわけですな。当面生きていくためだけでもライダーを続けねばならない。神崎士郎も辞めたければ勝ち残れ旨言い渡す。

 自分がぼんやりと覚えていた佐野/インペラーのイメージは、そんな感じで渋々、嫌々ライダーを続けていて、しかしミラーワールドから出られなくなって消滅、というものでした。が、きちんと観てみるとそうではなかった。佐野に強いモチベーションが生じるわけですね。周囲の欲得ずくの縁談が持ち上がるわけですが、佐野が相手の百合絵に一目ぼれしたらしい。百合絵も初対面で憎からず思う様子ありです。

 こうなりますと、佐野は裕福で楽な暮らしという元の望みがどこへやらでして、百合絵のためにライダーバトルに勝ち残る決意が生じる。たぶん、生まれて初めて生じた、本物の恋愛感情だったんでしょうな。が、初めて自らの意思で張り切って戦いに臨んだ途端、東條/タイガの裏切りに遭って敗れ、逃げようとしたところを王蛇/浅倉に襲われ、カードデッキを破壊される。

 そして現実世界にいる百合絵に呼びかけながら消滅ですか。佐野は百合絵と出会う前に、「ライダーバトルを制さずに望みが叶っちゃった」旨つぶやいてました。そこはこちらでも予習したところなんですが、「望みが他の方法で叶っちゃったのにライダーの運命から逃げられずに消滅」となると思ってました。が、実際には「本当の願いを見つけたと思ったら消滅」だったようです。

 この佐野のドラマを観ていて、筒井康隆の短編「ヒストレスヴィラからの脱出」(初出1967年)を思い出しました。裏切りや不運続きで絶望し、逃げるように故郷を離れてへき地へ行った男の話です。これで静かに暮らせる、と思ったら、持っていた株が高騰して大富豪になったと分かる。そこからは静かでいいと思ったへき地のあれもこれも嫌になり、帰ろうと苦闘するんですが、不条理なアクシデントばかり起こって帰れない、というもの。

 その短編が印象的だったせいか、自分がよく見る悪夢のパターンの1つになってます(^^;。そのせいで、きちんと観てみた今回は、佐野の迷走からの最期は非常に印象的でした。

 それにしても、その佐野にふと漏らした東條の「英雄」の真意が実にインパクトありました。ネガティブに、ですけど(^^;。英雄なら人気者になれるからですかー。東條は真意不明の不気味な感じがありましたが、その正体は「幼稚」ということだったようです。見た目だけは大人の幼稚園児がリアルライダーごっこやってた、と考えると納得行きそうです。

●牙狼:翔編(第5話:罪)

 前話で助けを求めて来た女性(ユキ)の姉(リサ)を救う話なんですが、いろいろ考えて補完しないとなんだかよく分からない点がちらほらです。

 ユキは学業優秀らしく、留学して学べば将来有望があるらしい。姉のリサはその願いを叶えてやりたいが、留学資金を工面できず、色気で男を惑わしての詐欺(まがい)を繰り返して金を溜め込んでいたらしい。

 そこは分かるんですが、ジンガらに捕らえられたのは高飛びしようとしてトラップに引っかかった模様。それも男(サクマ)と一緒にですね。この2人の関係が不明です。リサが騙そうとした相手のようではないですから、2人で組んで詐欺を働いていたのか。

 しかし、妹(ユキ)の留学資金を工面しようとしているはずなのに、高飛びとはどういうことなんだろう。考えられるのは、2人組で詐欺を繰り返しすぎて恨まれ、復讐を恐れて逃げようとしたとかか。しかし、ラストでは男(サクマ)にも愛する家族がいたらしいと、遺品(?)の写真で示されるわけですが、だとするとリサと一緒だった理由は?

 何とかつじつま合わせをしてみると、妹の留学資金に悩むリサと、おそらくは何らかの家族の事情のために金が必要だったサクマが結託し、荒稼ぎしていたけれど、正体がバレて高飛びする必要が生じた。溜め込んだ金を持って海外へ逃げ、そこからユキやサクマの家族に送金するつもりだった、くらいでしょうか。そうだとしても、サクマとリサは愛人関係の雰囲気がありまして、どうもしっくり来ないものがあります。

 とはいえ、劇中でも明かされない事情ですから、今話のような事件に発展する何かがあった、くらいに曖昧に捉えておくべきなんでしょうな。そうでないと、ホラーにされた男(サクマ)についても、流牙らが未だたどり着けないラスボス(実はジンガ&アミリ)に対する怒りがみなぎることに感情移入しにくくなります。

 そういった点を納得してしまえば、鋼牙編と雰囲気がよく似た、1話独立性の高い牙狼らしいエピソードでした。アクションも、例えば鎧装着は天井に刺さった剣を揺らして行うとか、脳震盪で黄金騎士が何人もいるように見えてしまっているホラーとか、面白いものがありました。

 ホラー化したサクマが、逃げようとするリサに立ちふさがるところなんかは、ホラー映画風演出でなかなか怖くもある。そうなってしまったのは、無理矢理にホラー化されたから、というところは哀れを感じたりもします。何とかリサは助かり、罪の意識を持ちつつ、妹のユキと再会できたところは救いですね。稼いだ大金は失いましたが、それでいいんだという納得感があります(第3話の絶望エンドと好対照でもある)。

 さらには、1話独立性は高いんだけど、ストーリー的にきちんと進んでるのも感じられます。こちらでご指摘頂いた「最初からラスボスが劇中で敵対者として描かれている」の効用ですね。ラスボスが仕掛けに辿り着き、破壊することでラスボスに少しずつ近づいていくと分かります。前話がホラーの巣窟のビルで、今話がホラーを生み出すオブジェのアジト。次話ではそのオブジェを手配する骨とう品店のはずですね。

●BASTARD(第4話:突入)

 定期感想するつもりは特になかったんですが、何となく毎回何か書いてしまいます。うる星やつらもそうでして、以前に原作とかアニメ化とか観たものはリメイクを観るといろいろ思うところが出て来るものみたいです。

 今週は前に話が出てました版権絡みの「鈴木土下座ェ門」が出ましたな。やっぱり手足の無い「ビホルダー」には、リメイクといえどできませんか。確か、90年代のOVAだと名前こそ「鈴木土下座ェ門」でしたが、手足は付け足されていなかったと記憶しています(たぶん、それ以外のデザイン変更したんだろう)。

 この22年版は単行本化された原作寄りということになりそうです。ストーリー展開も、第1話こそ原作のずっと後で明かされた設定先取りでしたが、今のところは文明崩壊後の世界ということは特に影響せずに、原作通りの雰囲気と進行といった感じです。短い完結エピソードの集まりであるうる星と違い、BASTARDは1つの流れを追うドラマですから、崩しようがないのも当たり前でしょうか。それでも、例えば崩壊した科学技術の名残みたいな描写がちょこっとあったりしてもいいんじゃないかと思ったりはします。

 本編はそれくらいなんですが、もっと興味をひかれたのはNOVAさんが言及されたヒロインについてだったりします(^^;。味方側では最初からヨーコがいて、第2の封印を解く乙女のシーラ姫が出てきて、今話でガラから匂わされた雷帝ネイがいずれ登場しますね。ネイより前にネイの部下(シーン・ハリ、カイ・ハーン)がDSと接触して、DSに惹かれたりもするはず。

 いずれも原作の萩原さんの画力で魅力的に描かれているわけですが、自分がどう見ていたか思い出すと、ヒロインとしての魅力はあまり感じなかったようです。たぶん、自分が惹かれるのは行動面が大きいせいでしょう。

 例えば古くは「未来少年コナン」のラナですね。聞くところによると宮崎駿監督は「観た途端『可愛い!』と思えるキャラクターデザイン」を望んだそうですが、大塚康生さんがデザインしたラナはそうではなく、宮崎さんは不満だったそうで。

 しかし自分は、あのラナでいい、あのラナだからいい、という感想です。最初の登場は遭難して救助されるという受け身的な「不幸な少女」ですが、超人的な(^^;)コナンに必死に並走していきます。その行動に感動するわけですが、なにせ行動面での魅力ですから、回を追うごとにあがっていきます。どこまで好感度上がるんだろう、という感じですね。

 あるいは「フルメタルパニック」シリーズの千鳥かなめもそうです。最初はむしろ嫌な感じすらあるんですが、一般常識のない主人公:相良宗介を放っておけず、面倒見たり巻き込まれたり。相良宗介も彼なりに必死でかなめを守ろうとしまして、どうやら彼の感情が任務(かなめ護衛)から愛情に変わってるんですが、情緒面の発達が遅い(^^;)宗介はうまく自覚できない。しかし、観ているこちらにはかなめを通して伝わって来るわけですね。この場合、かなめ単独の行動というよりは、宗介&かなめの間にあるものが、かなめを通してこちらに伝わり、かなめに魅力が生じた気がします。

 そういう感じのものがBASTARDのヒロイン/サブヒロインにあるかと考えてみますと、どうもなさそうです。おおむね、DSに振り回されつつ受容するといった感じで、DSを表現するための一端となっているような気がします。そのためヒロイン/サブヒロインから伝わるものをあまり感じないみたいです。

 それにしても、あれだけヒロイン/サブヒロインの行動・言動はいろいろあるのに、という気もしまして、さらに考えてみますと、別の要因がありそうです。たぶん、DSとルーシェの二面性があることが大きいみたい。仮面ライダーWのフィリップについて、こちらでいろいろ伺って気が付いたのは「フィリップは(バディ以外に)ヒロインでもある」ということでした。

 BASTARD原作を読んでいた当時は、男性キャラクターにヒロイン性があるなんて、考えもしませんでした。しかし今、リメイクを観なおしてみますと、ルーシェは(自分が魅力を感じ得る)ヒロイン性があるみたいです。ただし、ルーシェのヒロイン性が発揮される方向はヨーコに対してですね。ヨーコがボーイッシュであるのは、ルーシェに対する相性を考えてのことなのかも。

 そうであるとしますと、

  ルーシェ(ヒロイン)→ヨーコ(ボーイ)
  ヨーコ(ガール)→DS(二面性主人公)←シーラ/ネイ

といった、複雑な「ハーレム」となりそうで、その辺りを自分は90年代に理解できず、BASTARDヒロインを何となく眺めていただけだったのかもしれません。しかしせっかく映像的にいい感じで内容も整理されたリメイク観てますんで、意識をリセットして「BASTARDのヒロインどうだろう」も注目してみようかなと思います。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/05 (Sun) 00:45:28

 アニメ感想です。

★うる星

 先週のランちゃんメインの回は、あまり刺さるところがなかったのですが、今週の竜之介登場の回は、思いきりツボにハマりました。

 何よりも、待ってました千葉繁さんのテンション高い演技が凄いなあ、と。
 で、今、気づいたんですが2月4日が誕生日なんですな。1954年生まれなので、69歳になられたばかり。それで、よくもああいう勢いの声で演技できるなあ、と感心しきり。

 ストーリーがどうこうと言うより、もう、この声だけで傑作回と評価します。

 一方、後半は竜之介メインで、セーラー服に憧れる男装の少女という、80年代当時はそれほどでもなかったのですが、今見ると、その倒錯ぶりにドキドキしつつ、ランちゃんとのボケたやり取りが面白い。

ランちゃん「読めたで、ラム」
ラム「ランちゃんは何も読めてないっちゃ」

 ランちゃんとラムのやり取りはこれまでもあまり自分のツボではないのですが、ランちゃんと竜之介の内面の誤解モノローグの連続が爆笑の渦を呼んだ感。

 あと、この時期になると、あたると面堂の気の合いっぷりが凄いなあ、と。
 アニメスタッフもずいぶんと慣れたテンポで勢いよく畳みかけて来るようになったな、とか。

★ジョジョSO

 アンダーワールド2話分まとめて。

 以前に出たボヘミアン・ラプソディが「フィクションのキャラの実体化」であるのに対し、今回は「現実の事件の記憶の実体化」という点で、本作らしい搦め手スタンド使いになりますな。

 第3部のオインゴ・ボインゴ兄弟のスタンドが、「マンガに描かれた出来事が現実になる」という変わり種のスタンド能力でしたが、それの亜種とも思えます。
 定まった事件(ある種の運命)をどう乗り越えるか、という状況で、ギリギリのサスペンスと、どんどん追いつめられて行く主人公たちが一気に逆転する痛快さ、それをひっくり返すように記憶を取り戻されたウェザー・リポートの急変で物語が急展開するまで、これも畳みかける展開だったなあ、と感想。

★REVENGER

 表の顔を失った浪人主人公が、写実的な絵を描く才に気づく流れが面白い。人殺し以外の生き方が見つかるか、というテーマがあるようで、
 一方の鳰は、違う意味で人殺し以外の生き方を知らない無邪気な殺し屋で、毎回が各キャラの掘り下げになっていて、そこからの殺しの場面が淡々と……と思ったら、5話の敵殺し屋チームとのチーム戦が自分的に大当たり。

 そう、かつての必殺スペシャルとか劇場版でよく見られて、今の必殺では見られない「強敵殺し屋チームとの激戦アクション」が来たコレ、と思わせてくれました。
 仕事人だと、4や5の時期に、TV放送でも時々、殺し屋チームの縄張り争いでアクションメインの回が見られて、いつもの暗殺とは異なる派手な激戦が楽しかったな、と。

 2対2のバトルで互いのターゲット相手に苦戦しているのを、互いに上手くサポートしながらターゲットを切り替えることで勝利する、戦いの駆け引き連携とか、本家の2時間ドラマで味わえなくなった要素を堪能できて、満足できました。

★バスタード

 いろいろとエロスと、ダンジョン探索のモンスター戦を堪能できました。
 今週(もう先週か)のアニメは自分的に大当たりで充実した時間だったなあ、と。

 例の鈴木土下座衛門。
 D&Dを知る者には、「魔法使いにとっての天敵」という認識が。と言うのも、巨大な正面の目の視界にはアンチマジック・レイ(魔力消去光線)が放出され、要するに正面からの魔法攻撃は全て無効化されてしまうわけですね。
 で、シーラ様が背後からドツいて、視界を逸らしたからDSが魔法を使って、瞬殺できたというバトル展開。

 そして、あいつを倒す方法の一つとして、マントとか大きな布をかぶせて、目隠しすればいいんじゃないの? と。
 手がないから、自分で目隠しを外せない。まあ、上下逆さまになって振り落とそうとするとか、いろいろ対策を考えたのも遠い昔の話。

 DSが封印されたのは15年前の話とのことですが、こちらがリアルでD&Dを楽しんでいたのはかれこれ30年近く前の話じゃった……とか懐古したくも(苦笑)。
 ある意味、このバスタードから、D&Dブーム再びの流れになるのかも。3月にはD&D映画も公開されるわけで。

 で、その間に、「服だけ溶かすスライム」という画期的な発明で、ガラさんがヨーコさんを凄い目に遭わせる一方で、
 シーラ様とDSの急接近と、そして炎の魔人イフリートというD&Dファン大喜びの展開。
 当時はまだロードス島戦記でも、ファイナルファンタジーの召喚獣でも、イフリートはまだ登場しておらず、メジャー化する前の話だったと記憶。

 考えてみれば、バスタードのおかげで、自分の高校時代のD&D布教がしやすかった面もあったのかも。
 まあ、すぐに高3で受験勉強しないといけない時期だったので、布教活動は自粛しないといけなくなりましたが(苦笑)。

 ともあれ、自分にとってのバスタードは、D&Dの記憶とつながって来るなあ、と。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/06 (Mon) 23:38:35

 定期感想書その1です。

「どうする家康」は癖のありそうな本多正信が、同じく偏屈そうな服部半蔵を説得しての瀬名奪還作戦で期待したんですが、肩透かしの感じ。忍び衆ならどうするんだろうと思っていたら、無策で敵城に突入して半蔵以外が全滅。ちょっと情けない。もっともこれが前半だそうでまだ半ばか。次回の後半で名誉挽回してくれるかもですね。

●REVENGER

 第5話は自分的には鳰が興味深かったかも。曲者揃いの利便事屋でも特異なキャラクターに思えまして、そこは第3話から引き続いての印象です。第3話ではリーダー碓水幽烟と会話していて、鳰は「返事次第じゃ幽烟のこと殺さなきゃいけなかったかも」と独白してます。気に入らなきゃ仲間でも殺害するわけで、それも新入りの繰馬雷蔵ではなく、付き合いが長いはずの幽烟。

 第5話では鳰の過去が描写されまして、曖昧ながら体質ゆえに裏のある見世物小屋(堂庵一座)で育ったらしいと。他の利便事屋メンバーが一応は世間と関わってのいろいろの経験持ってるのに対し、鳰だけは世間と隔離された1つの過去しかない感じですね。いわば利便事屋中の異分子といったところかも。

 同業者同士のバトルはなかなか見応えありますが、鳰が敵ボス(堂庵)を殺害(自分のものにする)するための舞台作りのようにも感じました。特に火ですね。これで鳰が過去とケリをつけたかどうかは今後次第の感じ。第3話で下手すると幽烟を殺しかねなかった問いには「生き方を変えられるもんなの?」がありましたから。

 その問いについては、武士⇔利便事屋⇔絵師と揺らぐ繰馬雷蔵も絡んで来ますんで、異分子:鳰が何かしそうではありますが、何をするのかは先が読めない感じです。

●うる星やつら

 こちらも、ある意味、世間から隔離同然で1種類の経験しかない竜之介登場ですね。当然、竜之介の父とセットでして、こちらでご指摘ありますように声は千葉繁さん。自分は80年代アニメで注目していたメガネの声の方でして、なんかイメージ被る(^^;。

 でもそれでいいんでして、80年代アニメで非常に癖が強く奇妙な理屈振り回すメガネのイメージが、すんなりと竜之介の父と融合しているような印象を受けました。今話では事の次第を語り始めた竜之介の父が「長くなりそうだな」「暑苦しいっちゃ」と評されてますが(そこは原作通りだったかしらん?)、80年代アニメのメガネはまさにそういうキャラクターでした。

 とはいえ、やはりメインとなるのは竜之介のほうですね。後半は竜之介のテーマ「俺は女だ!」を描き始めまして、まずはセーラー服。続いて前話で印象調整されたランと絡んでの「女らしさ」学習。そこへあたると終太郎も絡んでいきまして、うまくコントが回って行ってますね。

 なるほどこれだから竜之介は人気を得てレギュラー入りしたのかと、改めて感心するものがあります。そう感じるとつい思い出すのが、竜之介と対照的に設定されたキャラクターである潮渡渚です。女性の身なりの男性で、幽霊、怪力、(親同士が決めた)竜之介の婚約者等々の特徴てんこ盛りでした。

 しかし、どうも潮渡渚は面白くならなかった印象があります。たぶん、あたると終太郎が動かないせいかなと思います。あたると終太郎は潮渡渚が男性と判明する前から、潮渡渚に対してモーションを起こしません(判明してから、本能的に察知していたとされる)。それがないとどうも、コントやドラマがうまく回らないみたいです。

 その点は残念ではあるんですが、しかし潮渡渚の事例が竜之介のキャラクター作りの、どこがどううまくいっているかの一端を示してくれているわけで。煩悩的なボケ役のあたるらをうまく動かすことが大事みたいです。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第29話:アンダー・ワールド)

 曲がりなりにも自分がリアルタイム視聴でついて行ける、シーソーゲームのジョジョ頭脳戦は久しぶりの感じです。冒頭では前話から引き続き、主導権を握っているのはドナテロ・ヴェルサスですね。ただしプッチ神父はヴェルサスが上手くやれるかどうか疑問視している感じで、そこがヴェルサスをイラつかせている。

 墜落予定(?)の旅客機内の徐倫としては、ともかく機外に脱出するしかなく、手動でドアを開いて飛び出すわけですが、なぜか戦闘機後部座席に入ってしまう。どうやらそれも墜落した機体らしく、ヴェルサスが先を読んで用意していたらしい。

 が、地面の記憶した通りのことしか起こらないことを徐倫が逆手に取りまして、その戦闘機を旅客機に突っ込ませて帰還すると。そこはエンポリオのサポートのお陰でして、しかしそれができたのは機外に飛び出して、穴の外にいた警官の無線機をスタンドの糸で奪取できたから。

 ヴェルサスがリードしていると思ったら、その裏をかいてのことでしたか。さらに徐倫、エンポリオに墜落機の状況を検索してもらい、奇跡的に助かった乗客2名の情報を得る。その乗客の座席だけはダメージを免れたわけで、そこに座れば助かると。しかし、ヴェルサスも無情な二枚腰でして、その座席に地上の病院から入院の子供を突き落とす。それも3人もですね。

 徐倫の性分からして、子供を犠牲にして自分が助かることは選べない。勝ったと思うヴェルサスですが、プッチ神父は相変わらず懐疑的。どうやらプッチ神父が正しく、ヴェルサスの最後のトラップも徐倫らはクリアしてましたか。3名の子供のうち2人は無事が保証された座席に。

 そして無事なものが、もう2つあったわけですね。助かった乗客も安全なわけで、エルメェスのキッスのシールで分離させ、その中に最後の子供とエルメェスが入りまして、難を逃れると。徐倫はどうなった、と思ったら、スタンドの糸化してエルメェスの中に避難していて無事と。

 ここまでのシーンで、前に勘違いしていたことに2つ、気が付きました。いずれも刑務所での最後の敵ミューミュー関連で、1つは徐倫が追っ手の看守から逃れた方法です。ほぼ全身を糸化できるんなら、あの場面でも身を隠すのは可能ですね。

 もう1つはエンポリオのパソコンについて。今話で地上のエンポリオがデスクトップPCでネット検索してましたが、最初自分は「そんなもん担いで来たの?」と混乱しました(^^;。が、エンポリオが「幽霊のパソコン」と言ってくれたお陰で理解できました。そういうスタンド能力なんでした。

 刑務所のミューミューとの戦いでは、PCモニターに弾丸撃ち込まれて万事休すと思ったんですが、幽霊のパソコンなら何とかなりそうですね。現に今話ではどこも壊れてないPC出せてるわけで。そこを刑務所でのバトルの時点できちんと理解できてたら、エンポリオが「プリントアウト」と言っていたのも、「プリンタも出せるんだろう」と思えたはずです。ちゃんと設定から理解してないと、シーンの意味を取り違えて損するなあと何度目だかの反省です(^^;。

 それはともかく、ヴェルサスのスタンド(アンダー・ワールド)は格闘戦では劣るため、これで決着、ヴェルサスはプッチ神父のための運命に選ばれていなかった、と思ったら違ってた。そうでした、ヴェルサスは地面が記憶しているプッチ神父からウェザーの記憶Diskを取り出してたんでした。それを読み込んでウェザーの正体とスタンド能力を知ったヴェルサス、本物のプッチ神父からウェザーの本物のDiskを奪い、ウェザーの記憶を戻す大博打に。

 記憶が戻ったウェザー、ヘビー・ウェザーを発動させて、続く。次からの3話は「ヘビー・ウェザー その①~③」でして、3話かけてウェザーの戦いになるみたいですね。予習すると、ウェザーの過去は相当にややこしい悲劇であるようです。少なくとも、単純にプッチ神父が邪悪とはいえないような感じ。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/08 (Wed) 00:03:50

 定期感想書その2です。

●仮面ライダーギーツ(第21話:乖離Ⅴ:ゲイザーの鉄槌!)

 ドラマの流れが3つあるようで、1つはジャマト側の動きですね。以前からアルキメデルの意図の読みにくい言動があったわけですが、敗れて退場の道長が迷い込み、素志の「全てのライダーをぶっ潰す」のまま動き始めたことで、少し見えやすくなってきてました。

 さらにジャマト側スポンサーのベロバが登場して道長に誘いをかけ、今話では前話で失格の五十鈴大智を引き込み、DGPライダーに対するゲリラ組織云々と言い出す。おそらくアルキメデルが以前から言っていたことの具体化かと思いますが、今話は道長がバッファジャマトの力を引き出すゾンビバックルと我那覇冴/ロポと奪い合うくらいでした。

 ドラマの流れの2つめは英寿ですね。序盤から見せていたDGPそのものに迫る動きが中断していましたが、(劇場版を挟んで)今話から再開した感じ。まずはプロデューサー:ニラムに接触しまして、互いに敵視しつつ、正体もかなり分かっている感じ。

 ニラムは今話で仮面ライダーゲイザーとしてDGPを阻害する要因排除を行っていることが明かされ、まずはバッファジャマト/道長ですね。しかし、倒しても蘇る道長/バッファを見て、泳がせるという方針変更したりする。オーディエンスの人気投票にも道長/バッファ(ジャマト)が上がって来る。

 ニラムとしては曲者でもDGPを盛り上げるならOKということみたいですね。劇場版情報によれば英寿は「異物」であるわけで、それゆえニラムは警戒しているはず。前GM:ギロリ/グレアも問題視していた、英寿の一人勝ち過ぎ問題も依然として残ってますね。今のところはオーディエンス投票が割れているから、道長バッファ同様、英寿ギーツも大目に見ているということかしらん。

 それら2つはどう転ぶか未だ判然としませんが、ドラマの流れの3つめのDGPゲームとデザスター探しははっきりした動きを見せてくれてますな。デザスターのほうの、観ているこちら向けのはっきりした種明かしはラストですが、途中で冴が祢音にデザスターへの指令カードを示した時点でおおよその察しはつきます。

 冴が祢音への指令カードを見つけて真相をほぼ知ったものの、英寿や景和には知らせず、祢音の真意を探っていたみたいですね。結局、祢音の願い「本物の愛」を冴が先に自分について悟りまして、DGPゲームを祢音に譲って、デザスターを自称して退場を選ぶと。

 冴が書いた願い(衰えない身体)ではありませんでしたが、ある意味、冴はDGPの途中で願いが叶ったといえなくもないかも。龍騎の佐野満/インペラーは途中でストレートに願いが叶ってバッドエンドになりましたが、冴の場合は捻って叶えてハッピーエンドといったところでしょうか。

 前話の爆弾解除で(景和と)祢音が怪しい、デザスターとして爆弾についても予め知ってて、みたいな邪推をしてしまったんですが、今話を観ると全く自分が間違ってたみたいorz。今話の祢音は家族を救わんとする冴を助けようと必死でした。チラミからデザスター指名され、指令を受け取りはするものの、それ以上(ゲーム内容をリークされる等)ではなかったようです。

 その祢音は今までどちらかと言えば受動的でして、序盤の家出癖とかは自らの意思のようでいて、母親への反発でした。つまり母親に動かされていたも同然。今話でも冴の苦境で動かされていた感じがあります。最後にやる気を見せますが(「もう遠慮はしない。私がデザ神よ」宣言)、冴に後を託されたからのようにも見えます。

 しかし、どうもそうではなく、次から能動的に動いてドラマの核となりそう。冴から託されたという点、見方を変えてみますと、冴が祢音の願いを具現化する過程と結果を見せてもらい、次はあなた(祢音)と背中を押されたともいえそう。「本物の愛」なる、どう解釈したらいいか、おそらく祢音にも分かっていなかったものを、今話で祢音が悟った感じがあります。目標がはっきりすれば、行動も迷いがなくなるはず。ということで、次回から祢音が面白くなりそう。

 次回「乖離Ⅵ:追跡!チラミ鬼をつかまえろ!」は、ジャマト側の行動が止まり、オーディエンスからの不評に焦ったチラミがテコ入れに参戦するようですね。チラミがどう動くかも気になりますが、ジャマトがなぜ動かないかのほうがもっと気になります。いわゆる嵐の前の静けさなのかも。

●仮面ライダー龍騎(第45話:20歳の誕生日、第46話:タイガは英雄)

 いよいよ大詰めでして、この物語のタイムリミットである優衣の消滅(20歳の誕生日)が迫り、予兆的な異変(体の粒子化?)が頻発してますね。しかし、ジョジョSOのスタンド:アンダー・ワールドではありませんが、20歳の誕生日までは生存が確定でもあるわけで(まだ劇中ではっきりとは明かされてませんが)。

 ミラーワールドにおいては、モンスターは(別人格と思しき)優衣に従うし、現実世界においては危機があればオーディンがどこからともなく現れて救う。神崎士郎も常に優衣を見ているようで、何かあればすぐに介入して来ますな。そのお陰で、20歳の誕生日までに、という時限爆弾に、変な言い方ですが、安心してハラハラできます。

 今さらなんですが、そういう優衣の危機を軸として回るドラマと意識できると、仮面ライダーウィザードを思い出したりします。あちらは、最初からヒロイン:コヨミが己の正体を知っており、主人公:晴人も同じくでした。ラスボス:白い魔法使い=ワイズマン=笛木奏がコヨミ=笛木暦(実の娘)を復活させるために動いている。

 いろいろ龍騎と似ている気がしますが、ヒロイン:コヨミ=暦についての争点が序盤からはっきりしているために、かえって主人公&ヒロインのドラマが動き出せないような印象がありました。龍騎の場合だと、観ているこちらにも、主人公らにも、なにより優衣自身も終盤まで気が付いてない点が、ドラマを動かしやすくしているみたいです。

 しかし、その優衣も今週でついに自分の運命を知るわけですな。最初は体の粒子化が理解できず怯えて混乱していますが、おそらくは過去の自分と思しき子供から「20歳の誕生日に消えちゃうよ」と告げられ、何か思い出して覚悟した様子がありますね。

 神崎士郎の回想とも合わせて、断片的ですが、いろいろと過去の真相も明かされるようになってきました。優衣がはっきりと自分の正体を知ったとき、兄:神崎士郎の救済を受け入れるか、それとも優衣の思う別の道を選ぶかが決まって来る感じがあります。

 今週分を観終えた時点では、優衣よりもむしろ真司や蓮のほうが腹を決めかねているような印象があります。ラストでは、またもや龍騎とナイトが対決してましたが、次回予告では蓮と真司が語り合ってまして、やっぱり決着つけられないみたい。たぶん、優衣の選択がドラマの決定打となりそうな雰囲気です。

 しかし、今週分ではそう匂わされるにとどまり、はっきりしたドラマを見せてくれるのは東條/タイガですね。今週冒頭では、インペラー/佐野を自らの手で葬ったと思い、強くなって英雄に近づいたと根拠のない自信を得ています。それで浅倉/王蛇に挑む気を起こすわけですが、インペラーに実際に止めを刺した浅倉にせせら笑われ、東條は無根拠の自信が崩れて茫然自失で去る。

 情けないことに東條、次に挑んだ北岡/ゾルダに「止め刺さないと倒したことになんないのかな」と尋ねてますな。こういうときに導いてくれていた香川教授を倒してしまって、誰に何を聞けばいいか分からなくなってるようです。何より、自分で考えて結論を出すということを思いつけないのがみじめで哀れです。

 そのため、北岡/ゾルダの「英雄になれない条件とは英雄になろうと思うことである」旨の発言に、東條/タイガは錯乱レベルになってますね。「最初からアウト」ですし、どうやっても矛盾を起こしてしまい、結論(英雄)に辿り着けない。

 それでも英雄を諦められない東條、蓮、北岡、浅倉を呼び出しまして、英雄らしからぬトラップにかけて葬ろうとする。メインターゲットは浅倉/王蛇かな。浅倉は自分(東條)の車を気に入ってましたから。その車に東條はガソリンをかけ(相当臭いはずだけど浅倉は気にしてなかった)、エンジン始動で発火・炎上する細工を施す。

 北岡とゴロちゃんはかろうじて難を逃れましたが、浅倉は燃える車内に取り残され、東條はしてやったりと思ってるみたいですね。しかし、以前に海に飛び込む車から脱出した経験がある浅倉ですから、今回も無事なんだろう。

 自分が倒すはずだった佐野/インペラーに止めを刺した浅倉/王蛇を殺害できたと思ったらしい東條ですが、依然としてどうしていいか分からないらしい。交差点で見かけた親子に、香川教授とその息子が被って見えたのが運の尽きとなる。その親子にトラックが迫り、東條はとっさに救うも、自分がはねられる。絶命したことが、捨てられた新聞記事の見出しに出てまして、これが東條が自分の意図とは無関係に英雄になったという結末ですか。図らずも北岡が言った通りになりましたな。

 それにしても東條、今話では複数回「香川先生がいれば教えてくれたかもしれないけど」と言ってました。東條が浅倉を倒したと思った直後、幻聴でしょうけど生前の香川教授の教えが聞こえてきたりしたわけですね。あれって、香川教授からもう必要なことは教わっていたと気が付き始めてたんじゃなかろうか。

 しかし、教わっていたとはっきり自覚する前に絶命。「さあ、これからだ」というところで退場したんだとしたら、佐野と同じような道を辿ってしまったと言えなくもなさそうです。ただし、これも図らずもですが、真司に香川教授の研究資料(の燃えカス)を見せたことで、真司が優衣を救う手立てを探し始めるという置き土産は残してくれました。

 それにしても、あっちもこっちも陰鬱です。そのせいと言うと変ですが、浅倉がなぜ人気があるか、自分なりに感じるところが具体的に見えてきました。浅倉だけは、全く変わらずに突っ走ってまして、豪気な感じすらして、観ていて安心感すら生じます。異様で極悪なはずなんだけど、痛快ですらある。

 相対的なものだとは思いつつも、実感としては浅倉が暴れると安心してしまいます。でも、予習すると浅倉も壮絶な最期を遂げるはずですね。龍騎で安心できるのは、TV本編最終回にならないと無理なのかも(神崎兄妹はいないが、他のみんなは平和に無事らしいので)。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/09 (Thu) 00:05:44

 定期感想書その3です。

●牙狼:翔編(第6話:額)

 闇照編では1クールめは敵中枢になかなか迫れず、それどころか敵に押されて踏みとどまるのが精いっぱいという感じでしたが、この翔編だと流牙らが1話ごとに着実にラスボスに迫って行ってますね。今話で敵がホラーを作っていた拠点を潰しまして、次はラスボス(ジンガ&アミリ)との直接対決になる模様。

 よく分からずに一気見した闇照編はともかく、この翔編は曲がりなりにも毎週観ては感想書いたはず。なのに、こんなに覚えていないとは、ちょっと自分で自分に茫然とするものがあります。よくよく思い出してみると、鋼牙の牙狼1stを観終えるまでは、「牙狼とはこういうドラマ」というのが分かってなかったような。

 分からないから思い出せないんだろうと思いますし、翔編初視聴時の理解もおぼつかないものがあったんだろうなと。

 それはともかく本編に戻りまして、前話がホラーを作り出していた拠点を潰し、今話はホラーを作り出す陰我オブジェを流布する拠点を潰しにかかる。きっかけはD・リンゴの店に持ち込まれた古い鞄でして、莉杏が一目で怪しいと見破る。しかし、持ち込んだ男はホラーではなく、トラックが置いて行ったのを拾ったのだと言う。

 そこから流牙と莉杏が別々に捜査に乗り出し、鞄についていたタグから莉杏が先にアンティークショップに辿り着く。店主はちょっと不気味な雰囲気の男でして、ルー大柴さんが好演してますな。莉杏は客を装いつつも、店主(ダンケ)に探りを入れるような問いを発する。

 どうも顔を合わせた時点で、互いに正体を察していたみたいで店主は莉杏を地下の陰我オブジェの倉庫に誘い、捕らえてホラーに堕とそうと試みる。なにせ人をホラーにできるオブジェが数多と詰みあがってるわけで。が、莉杏には邪心(陰我)がない。しかし、どうやら激怒させれば心の隙に付け入れるようで、店主(ダンケ)は嘘か真か分からない身の上話とかしてみせる。

 一方、流牙はオブジェを運ぶトラックを発見し、運転手からアンティークショップを聞き出し、莉杏に一歩遅れて急行。前話までで既に激しい怒りを見せていた流牙ですが、今話もまだ見ぬラスボスに憎悪レベルまで感情を高ぶらせているようですね。アンティーク店主(ダンケ)の餌食になる恐れ充分ですな。
(最初、流牙が子供っぽいから、という気がしたんですが、よく考えたら、物から接した人の気持ちを感じ取れる流牙ですから、迫って来るものが莉杏よりずっと強いからなんでしょうな。)

 その頃、D・リンゴは赤の短剣から青の短剣を探り出そうと、古文書通りに術を試みるも、ところどころ文字が欠けているせいでうまく行ってない。が、ふらっと訪れて「光を欲するなら灯せ」とガルドがアドバイスしたことを思い出し、ようやく成功。術が上手くいきましたが、むしろジンガらに赤の短剣の手がかりを与える結果になってしまったような感じです。

 初視聴時を思い出してみると、たぶん自分はガルドが魔戒騎士と思ってたような。胸につけた人形型の飾り(?)は、ザルバと同じようなものだと勘違いしていたはずです。妹のハルナと通信していたと明かされたとき、驚いたのだけははっきり覚えてます。

 そのガルドがようやく流牙らと関わり出したのが今話でしたか。しかし、それ以上には発展せず、確かガルドの妹ハルナと流牙らが関わってから、ガルドがようやく流牙らと共闘するはずですね。

 それは先のことで(調べてみると第11話以降)、赤と青の短剣が、莉杏救出に飛び込んだ流牙と店主(ダンケ変じてホラー:ヴェスタージとの戦いに影響してしまうと。そこまではまずは店主(ダンケ)が流牙の怒りに付け込もうとするも、莉杏が流牙を鎮め、鎧 vs ホラー態のバトルに突入すると、流牙優勢の模様。

 しかし、外に逃れ出たホラー:ヴェスタージが別のホラー(ジンガホラー態)にさらわれ、食われてしまうわけですな。流牙らは「ホラー喰いのホラー」と驚いてます。鋼牙編だとバラゴ/暗黒魔戒騎士がホラー喰いの騎士だったわけですが、流牙編だとホラー喰いのホラーで倒すべき敵と迷うことなく認識できますね。

 とはいえ、この時点では「このホラー喰いのホラーは何者?」でして、続いて正体を探っていくのかなと思えますが、予告ではジンガ&アミリとの対決となることを見せてくれまして、展開が早い。もう主人公とラスボスの顔合わせですか。そこもすっかり忘れてましたorz。牙狼1stで終盤まで正体が伏せられていたバラゴ/暗黒魔戒騎士の印象とごっちゃになってしまってたのかも。

●BASTARD

 こちらは記憶通りに話が進んでいます(ただし、冒頭からの世界観説明みたいな、制作側が工夫した点は除く)。こちらで話題とならず、一人で観てましたら、たぶん「まあ、こんなもんか。映像はいいな」くらいの印象だけだったかもしれません。どうせ原作より先の展開は見せてくれないでしょうし。

 しかし、この作品にTRPG(D&D)が深く食い込んでいて、ドラマの流れすら強く影響している、という自分が知らなかった面をご教示頂いたことで、そちらの面からの興味が喚起されています。ビホルダー/鈴木土下座ェ門の版権については、伺ったことから少し感想を申してみました。

 しかし、続いてバトルの流れもD&Dのビホルダーの強みと弱点に沿ったものになっていると伺い、前話を観なおして感心した次第です。伺う前の視聴では、シーラが後ろからどついて隙ができるという、ちょっとコミカルなものと感じました。

 緊張感を削ぐ、という見方もできるんですが、本戦の行く手を阻む前座の敵であるし、その前後もコミカルとシリアスに激しく揺らす運びになってますんで、これはこれでありという感じです。

 が、「目の視界にはアンチマジック・レイ」といった、本家D&Dの設定に則ったバトルであると教わると、印象が違ってきます。コミカルと思えたシーラの一撃が、弱点を突く必死の攻撃とも見えてきます。なにより「よく知っている人はいろいろ想像して楽しめてるんだなあ」といううらやましい気持ちと、それに少しでも預かれたのは幸運という気持ちですね。

 そういう感動で思い出したんですが、曖昧な記憶ながら、原作ではシーラの一撃はなかったような気がします(90年代OVAだとどうだったか、全く思い出せない。たぶん酔っぱらって眺めてただけのせい ^^;)。もしあのバトルの流れ、特にシーラの一撃がアニメ制作者のオリジナル描写だとすると、制作はBASTARD原作のみならず、D&Dも相当に好きでよく知っているとなりそうです。

 制作がBASTARDを好きらしいのは、今話では例えば原作の雰囲気をよく伝えるコミカルとシリアスの行き来でしょうか。D&Dもおそらく好きなのは、上述の通り、シーラの一撃がD&Dに沿っている点ですね。そして、BASTARD原作が同人的なノリでD&Dを取り入れているので、アニメ制作はもうちょっと正面からD&Dを独自に取り入れてみた。みたいな感じなのかも。

 ビホルダー以外にも、BASTARDが取り入れたTRPGネタが分かると面白そうです。とはいえ、D&Dだけでも情報量が膨大でして、今のところどこから手を付けて知識を得たらいいか見当もつかず。2期も制作決定みたいですし、ちまちまちょこちょこ調べて行けば何とかなるかな、録画さえ残しておけば、くらいに考えておこうと思います。

 そういう1点の興味が生じますと、ドラマ面でも前には考えなかったところも気になり出しまして。まずは今話で決着ついたDSとガラです。原作読んでいた頃から、DSとガラが決定的な対立に至らないような予感がしてたんですが、「まあ両者とも愛嬌もあるし、コミカルのノリで押し切ったりするし」くらいに考えていました。

 しかし、このアニメ版を観てもやっぱり、今話の対決前から和解するような雰囲気を感じます(原作でそうなると分かっている、という点を差し引いても)。それが具体的にどこで描かれ、何が伏線なのか、確かめたくなってきました。そこが分かればたぶん、他の四天王とDSの関係の変遷の理由も見えて来そうな気がします。

 今話では原作通り、ガラがヨーコをどうこうしたとDSを煽ってまして、ガラとDSの対立解消がうやむやになった感があります。以前はそこはノリで無理を隠す手法に見えていた気がしますが、どうもそうではないかもしれないという気がします。

 最近、他の作品(「その着せ替え人形は恋をする」等)で気が付いたんですが、上手い作者は意図的に「あそこでこういうことがあったから、ここで主人公にこういう気持ちが生じる」といった理屈意識させない演出をするみたいです。

 理屈で分かる因果関係は描いてるんだけど、ギャグでオチをつけたりして単発のエピソードのように見せかけ、しかしシーンの雰囲気だけは感じさせて、キャラクターの印象を深めておく、みたいな感じです。

 BASTARD原作の萩原一至さんも上手い方ですから、コミカルとシリアスで揺らしつつ、何か仕込んであるんじゃないかという気がします。しかし、まだよく分からず、とりあえずこの1期を観終えたら、再確認してどういう作りなのか探してみようかなと思います。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/10 (Fri) 12:36:19

 実写感想です。
 アニメの方は、来週にもつれ込むことになりそうです。

★ギーツ

 デザスター役が予想どおりナーゴだったと判明して、よし、とうなずいたりします。
 この、よし、は予想的中で嬉しいというより、これで物語が面白くなりそうだ、と感じられたから、よし、なんですね。
 仮に、自分が作り手だったら、と想定して、誰がデザスターだったら、どういう展開になるだろうか、とあれこれイメージを膨らませてみると(選択肢はいくつかある)、ロポじゃ当たり前すぎて、しかもドラマが膨らまない。退場しそうですし。
 ギーツだと、それで勝ったとしても、話が盛り上がらない。普段から人を公然と化かす、と言ってる人間が、今さら化かしても、サプライズがない。
 タイクーンだと、サプライズにはなりますが、最初に疑われて、無実でしたって話をやってるのに、でも実は犯人でしたなんて展開をやったんじゃ、脚本家の話の二転三転ぶりに、腹立たしささえ感じる。そこまで視聴者を翻弄されると、その脚本家の作る話に信用ができなくなる。やはり、サプライズにしても、驚くとともに、それまでの積み重ねからの納得が欲しいもの。

 で、ナーゴの場合ですが、前回のDGPの決戦で、GMのギロリを陥れるためのコネ使用、情報戦での思わぬ強かさが第一の理由。
 タヌキだって化かす、ネコもね、というセリフで、両者とも化かし合いのステージに上がったことが示唆されます。
 そして、父親がスポンサーという強みがありますし、動画配信者ということで企画演出力も高い。直球勝負のアスリートや、素朴さが売りの人情家タヌキよりも、本当の愛のためなら自分の居場所さえ投げ出して危険に身を投じる彼女がネコをかぶってましたって言う方が納得度が高い。

 で、デザスターが彼女でした、とバレた時も、テヘペロ(笑顔)とか、ごめんなさい、こうするしかなかったの(泣き落とし)とか、まあ、視聴者のヘイトを感じさせないような演出がいろいろできそうですし。

 ……と、いろいろ理由を分析してみましたが、これは正解が出たからこそ言えること。
 先週の段階で言って、もしも外した場合、恥ずかしいですからね(苦笑)。

 で、予想外だったのは、ニラムがゲイザーとして動き出したこと。
 これでGMだけでなく、運営側もしくはスポンサーやオーディエンスまで、ライダーに変身する可能さえ広がって来ました。

 そして「創世の女神」という新単語が出て来て、DGPの秘密とか、英寿の母親ミツメにつながるキーワードかな、と。

 一方、ジャマト側も、スポンサーのベロバに続き、退場ゲーマーの大智が参謀役として加わり、敵対組織としての層の厚さが増しました。
 これでDGP、ギーツ、ジャマトの3つの軸が見えて、今期のゲームは乖離の方向性がチラ見になりました。
 運営組織の分裂ですね。あるいはギーツ、タイクーン、ナーゴの人間関係が裏切りによって乖離する可能性もありますが、次はタイクーン脱落によるナーゴ勝利か、ナーゴ脱落により、ギーツとタイクーンの決戦か。
 あるいはジャマトの離反によるDGPそのものの急改変で、またも無効試合か。

 次回、GMのチラミがグレアに変身して、ジャマトの代わりの敵役を演じるそうで、実は彼自身がDGPの裏切り者の可能性すらある?
 ギロリと違って、世界を守ることには興味がないと主張して、ツムリの不信を買ってましたからね。
 そのうち、ツムリがGMになる展開もあるのではないか。

 ともかく、今から3月の新展開が楽しみです。

※追記:チラミがナーゴの荷物に忍ばせたデザスター指令カード。
 あのカードの内容を、袮音がロポに指摘される前に読んでいたかが、今話では気になります。作劇としては、「ロポが指令カードを読むシーン」をフェイク的に映し出すための仕掛けなんでしょうが、
 袮音は指令カードの文面(爆弾を爆発させろ)を知っていた上で、景和の姉救出を妨害しなかったのか、それとも、そもそも指令カードそのものがフェイクで、ナーゴは別に指令の存在を知らずに行動していたのか、
 いずれにせよ、指令の通りに行動しなかったからデザスターもしくはプレイヤー資格を剥奪されるでもなく、または指令の通りに行動したら何らかのボーナスがもらえる仕様なのか、あの指令カードのゲーム的な意義づけがよく分かりません。

 ナーゴは「せっかくデザスターの正体をうまく隠していたのに、GMが余計なことをして、自分に疑惑が向くように細工した」ことを抗議していましたが、まあ、作劇上の都合のために、ルールさえねじ曲げてサプライズを起こすのが、GMよりも脚本家の方針なんでしょうね。
 で、GMへの不信、運営への不信から、そのゲームはクライマックスに突入する流れ。
 個人的には、毎回GMが代わって、今回のゲームの運営方針はどんなのかな、とGMのスタイルの変化が見どころかな、と感じたり。

★どうする半蔵

 忍者ストーリーとなって、策士(詐欺師?)の本多正信との連携で人質救出作戦敢行……と盛り上げておいてから、ミッション失敗どうする? で続いた、と。
 まあ、このミッションが成功したら歴史が変わるので、失敗は確定するのは想定どおりなんですが、

 何だろう、この「ワクワク期待を煽ってから、呆気なく失敗してトホホ感を演出した後で、また次は……とアップダウンの繰り返し作劇」は?
 ええと、90年代のトレンディードラマでよくある、「これで恋愛成就、と思わせたら、何かのトラブルが発生して、いろいろこじれて修羅場が続く」というドタバタコメディー感覚かな。
 いや、ドタバタコメディーはいいのですが、人の生き死にの掛かっている戦国時代の真面目なミッションで、そういうノリを出されても、感情移入が削がれてしまうというか。

 前作もコメディー感覚がありましたが、日常コメディーとハードな戦場あるいは政治の暗躍でバランスを保っていた。
 今作は、ハードな戦場もしくは真面目に盛り上げる場面で(そういう演出をしておいて)、トホホな結末に翻弄される主人公陣営(と、それに感情移入した視聴者)というパターン。

 スポ根で言えば、「強敵に勝つために、散々練習して、これで勝てそうだ、と盛り上げた」後で、「でも、やっぱり勝てなかったよ(無念)」という展開の繰り返し。
 これで感情移入しろ、と言っても、難しい。というか、むしろ感情移入は避けた方が、安心して視聴できる、と。

 で、今回の面白さは、「世間の評判に反して、実は忍者ではなかった服部半蔵の実像」をドラマでは描いていたことですね。
 「俺は忍者じゃなくて、武士だ」と主張し、「手裏剣を投げても当たらない」し、「武士だから、金のためには動かない」と言いながら、正信の強引な話術に乗せられて、「武士として名を挙げるために、子飼いの忍者一党を招集する」という展開。
 だけど、「俺は忍者じゃない」と言ってるのに、コスチュームは「忍者」(影の軍団の千葉真一スタイル)で、その様はまるで「俺は男じゃねえ」と訴える藤波竜之介の如し。

 それで「名もなく、地位なく、姿なし」の影として、実力を発揮してたら格好いいのですが、登場して格好よく乗り込んだら、いきなり全滅の危機。
 悲壮さに悲しんだらいいのか、さんざん盛り上げてこれかよ、とツッコミ苦笑を入れたらいいのか、で感情の持って行き場に苦労します。

 忍者の代表の大ネズミさん、まさか出て来た1話で退場するとは思わなかった。ええと、役者の使い捨てスタイル? もしかして織田信秀の藤岡さんも、寺の住職の里見浩太朗さんも1話だけのゲスト出演で終わりなの? 今作では役者に期待しても、出番はそれほど多くない?
 ということで、大ネズミさんは死んでも、その遺志は娘の女大ネズミに受け継がれ、次回の雪辱戦に続くのでした。

 感覚としては、前作の善児がいきなり死んで、感情移入する前にトウが出て来たようなものか。
 果たして、このダメダメ忍者部隊に陽の光が当たる日は来るのか。

 一方、元康さん、忍者をバカにする部下の陰口に、「わしは忍者に賭けたのじゃ。それを何もせずに、失敗をバカにするだけなんて、わしにケンカを売ってるのか」(意訳)と、主役らしい立派な言葉で部下をいさめる。
 と言うことで、現場で命を張って頑張る人の味方アピールができました。

 後は現場が結果を出してくれることを願いつつ。
 まあ、瀬名の両親は救えないのが史実ですので、両親を救おうとした時点で、失敗は確定する運命だった、と。歴史の想定するシナリオに、現場サイドで抗って、押しつぶされるドラマですかな。
 歴史の裏であれこれストーリー展開を見せつつも、ことごとく上手く行かないという展開じゃ、歴史の意外な解釈で「おお、そう来たか」という感心には及ばない。

★龍騎

 タイガ死亡で、ついに残り6日という「夏の劇場版」と同じ時間設定に突入しましたな。
 このタイミングで、夏の劇場版を配信してくれたら、とも思いますが。

 夏の劇場版は、公式初の女性ライダー・ファムのドラマ(真司との悲恋)と、闇真司ことリュウガの暗躍、そして神崎優衣の秘密の3つがポイントと言えました。
 そのうち、ファムとリュウガはTV本編には出て来ないので、神崎優衣に焦点を絞って比べることになります。

 劇場版では、リュウガに壮絶なバトルの末に倒される浅倉とか、バトルの決着が見どころなんですが、
 TVでは、もうバトルで戦死するライダーがいないという、いろいろと皮肉な展開。

 病気で死ぬ北岡先生と、その遺志を次いでゾルダに変身するゴローちゃん。
 ゾルダをバトルで倒したと思ったら、その正体が別人と知って、自分が北岡を倒したいという願いが絶たれて、自暴自棄になる浅倉。

 そして、最終回を待たずに、少女を助けてモンスターに惨殺される真司、と友の死に慟哭する蓮。

 TVスペシャルとは逆の構図になりながら、最後の決戦でオーディンに挑む主人公ナイト。
 各人の壮絶な最期に、勝ち残った者のつかむ未来は? という展開で、「真司の遺したライダーバトルの真実の物語」をモノローグで語る大久保編集長……ということで、
 神崎士郎の多元宇宙、鏡面世界の物語は幕を閉じる予定。

 まあ、だけど、ディケイド、ジオウ、そしてギーツと絡めて、異なるGMによる合わせ鏡の無限世界は受け継がれるのが、この20年ですね。

 ともあれ、劇場版では、自身がミラーワールドのモンスターを生み出したと知って、戦いを止めるために自殺した優衣(救いのない非常に鬱な映画でした)ですが、実は優衣の存在がミラーワールドのモンスターを封じ込めてもいたので、現実世界にモンスターが大量発生。
 それを制御できる神崎士郎も最愛の妹の死に発狂したので、龍騎とナイトがサバイブの姿に初変身して、大量のモンスターに絶望的な戦いを挑む壮絶バトルが止まらない未完エンドが劇場版です。

 その流れからTVの展開を見てくると、「香川教授の、優衣を殺せばミラーワールドが閉じて、戦いが終わる理論」も間違いとなるんですね。
 むしろ、優衣を殺すと世界が終わるレベルで、非常に危険なところを、タイガが救った形になる。
 タイガは自分が意識していないレベルで、救世主だったわけです。

 で、本当のハッピーエンドは、優衣が士郎を説得する形で(現実逃避ではなく、現実を受け入れるように)、自身と兄が共にミラーワールドの封印を永遠に管理する(死ではなく、異世界の上位的存在として世界の安定を見守る)決意で、戦いの終わった世界を見守ることを決めての世界修復、改変エンド。

 その結末に感じ入った虚淵玄さんが、『まどかマギカ』のラストを同様の流れにし(まどかが優衣の立ち位置で、ほむらが士郎の立ち位置)、
 龍騎好きを表明していた彼を、プロデューサーが鎧武のメインライターに抜擢し、
 一方で、龍騎と同時期にストーンオーシャンが同様の「主人公の死と世界改変エンド」を展開し、
 そして龍騎のメインライターの小林靖子さんが、ストーンオーシャンのアニメ版のストーリー構成(メインライター兼、各ライターにシナリオプロットを配分する役割)を担当しているという。

 龍騎を中心とした合わせ鏡のような創作リンクが観測されるわけですな。
 そんなわけで、後の数々の作品に影響を与えた龍騎の結末を、覚悟を決めて見て行きたい、と。

 個人的には、主人公の真司が最終回の1話前に散るという衝撃展開が当時、非常に驚いた、と。
 いや、最終回で散る主人公はたまにあるけど、最終回の1話前で、こうも無惨に、でも格好よく散るか、と。
 で、真司が救った女の子が将来……と違うトリビアにもつながるわけで。

★牙狼翔

 7話というのが、牙狼のTVシリーズのポイント回と言われていまして、
 主人公とキーキャラクターの因縁がつながり、アクションも凄く力が入る回ですな。

 第1作では、絶狼との対決。
 2作目では、ラスボスのシグマとの対決。
 闇照では、3人めの仲間の猛竜の初装着。

 全26話前後の2クール物を4分割した際に、起承転結の起から承に移る作劇構成の意味合いだからそうですが、
 7話から中盤に入り、そして13〜14話からOPが変更して、いよいよ後半戦に突入という段取り。

 まあ、近年の1クール作品では、また違った構成なんでしょうが、TVの本流では7話というのが、お祭り回で傑作度が高いというのが牙狼の伝統みたいです。
 ということで、次回が期待だとワクワクしてみる。こういうワクワクを裏切らなかったのが良かったんだけどな(神牙やVRは王道外しで、期待が沈んだので、何かの新作でシリーズ復権が行われて、これこそ王道牙狼だって作品を希望するけど、雨宮監督は動く気配なし)。

 ええと、監督の近況は「ハリー・ポッターのホグワーツ学園の入校が決まった」そうです(そういうゲームの話)。
 次回の牙狼は、魔法学園もの?
 いや、魔戒法師のハルナが、魔戒烈伝で学園に巣食うホラー退治をしていた回がありましたが。
 現代風の、魔戒法師養成学園とかやらないかな。アニメでもいいので。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/10 (Fri) 14:14:36

 ピンポイントレスです。

 デザスター指令カードを誰がいつ読んだかというご指摘に触発されまして。

 観なおしてカードを確認しますと、

「デザスターミッション 他のライダーにジャマト爆弾を命中させろ」

という内容ですね。たぶんこれは直接的には、英寿と景和の足元にリンゴ爆弾が転がって来た件(第20話)に対応するものかと思います(ライダーが時限爆弾解除に失敗する場合にも該当と解釈もできる)。

 その指令カードについての描写は、

 1. 第20話:ラストで冴が指令カードを見る(内容もこちらに示される)
 2. 第21話:冴が(デザスターと思った)祢音にカードを示す
 3. 第21話:祢音がGM(チラミ)にカードをこれ見よがしに置いたと抗議

になるかと思います。

 1~2から、冴がカードをそのまま持ち去ったと思われます。
 もし、その前(1以前)に祢音がカードを見たとすると、3が成立しません。祢音が置いたカードを冴が持ち去ったことになり、祢音の不始末となります(たぶん、祢音が先にカードを見たら、カードを隠すか処分するかするはず)。
 したがって、祢音は自室ではカードを見ておらず、冴に示されて初めて指令を知った可能性が高いと思われます。

 そうなりますと、英寿と景和にリンゴ爆弾転がしたのは誰かという問題が生じます。どこかに隠れていたジャマトでないなら、指令を知っている冴の仕業となりますが、そうする理由がはっきりしません。

 もしかすると、冴は指令カードを祢音の部屋で見つけて疑いは持ったものの、誰が置いたか分からず、参加ライダーの誰かが祢音を疑わせるためのフェイクかもしれないと思ったのかも。しかし、もしカードが本物だとすると、祢音が指令を実行しないと、カードを盗んだことがGMにバレる。そこで冴が代わって指令を一度実行しておいたのかもしれません。偽装工作ですね。

 しかし、GM:チラミの真意・狙いのほうが分かりにくいかもです。上述しましたが、指令カードを置いても、それがデザスター本人以外には本物かどうかは分からない(チラミがカードを置くところを目撃されない限り)。わざと見えやすい場所に置いておいたとしても、デザスター以外に発見されるとは限らない。

 GM:チラミとしては、「もしかしたら撹乱できるかも」程度の期待で、カードをこれ見よがしに置きっぱなしにしたのかなと思います。もしかすると、誰も気が付いてないチラミの分かりにくい撹乱行為は他にもあったのかも。意図不明のほうが、チラミの仕業と勘づかれにくいからでしょうか。

 以上は、NOVAさんのご指摘を受けて考え直してみたものになります。整理してみると、ちゃんと辻褄合うよう解釈するのが難しい感じ。視聴時と前の感想時は、「まあ、だいたいそんなもん」くらいの感覚で受け入れてしまってました。改めて考えてみると、いろいろ納得しにくい点があるように感じます。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/13 (Mon) 18:36:54

 定期感想書その1です。

●どうする家康(瀬名奪還作戦:前後編)

 一応は悪くはない感じもありましたんで、少しだけ。ただし、期待を外された点のほうが多かったりしますんで、感想というより愚痴になるかもです(^^;。

 話の流れとしては前話で単純に瀬名救出に直接的に突っ込んで大失敗、そこで間接的な狙いに変えて、今川家重臣の鵜殿親子を拉致し、人質交換を狙うと。ただし鵜殿長照は城に籠っているのでどうするか。

 今回は策を講じてまして、決死隊が敵の城外警備隊を急襲して成り代わり、まず城に潜入。城外に戦死兵に扮して待機していた部隊を招き入れる。さらに前の作戦で数を減らした伊賀衆を補うべく、新たに甲賀衆も加勢しているわけですね。

 城に火の手が上がり、それを合図に外の三河勢主力が攻撃をかけ、鵜殿長照は敗勢と悟る。前話で忍び衆に対する備えが万全だったのに対し、今話では手抜かりとすら感じられる敵方の油断ですが、鵜殿長照が「卑怯」と罵っていることから、正攻法に強くとも策士とは相性が悪かった武将と納得はできます。

 話の流れとしては決して悪くありません。この前後編を面白く感じる人は少なくなさそう(特に役者さんのファンかな?)。が、自分的な好みとか期待とかにはどうも合いません。

 ストーリに沿って愚痴を言い出すと長くなりそうですんで、いくつかピンポイントで。例えば、服部半蔵方の大鼠二代目=女大鼠の登場シーンでは、相変わらず手裏剣投げをしくじる半蔵に手を添えて、見事に的に当てさせてます。

 となると、「これは今話で半蔵がピンチから逆転する暗示か」と期待しました。その期待通り、城に突入した半蔵が鵜殿長照に至近距離で矢で狙われるピンチに。一射めはかろうじてかわし、女大鼠がカバーに入ってくれる。そこで半蔵が逆転の一撃を放てばよかったんですが、床下の甲賀衆が活躍する運びになってしまいました。

 そのことからも感じられるんですが、どうも脚本的に「情けない感じのほうが可愛げ、魅力があるよね」みたいなキャラの立て方の方向性なのかなあと。元康も第1話からそんな感じです。非常に既視感ありまして、いわゆるラノベ系などでそういう主人公が流行った時期がありました。

 流行った実績がある以上、筋が悪いとはいえません。が、自分は飽きてしまってます。それが「どうする家康」にどうもなじめない理由の1つかも、と今話でようやく理解した気がします。ドラマのせいじゃなく、観ているこちらの問題ですね。

 この前後編では、敵味方の親玉は後方に座して、前線の成り行きを見守る格好ですね。物理的にはあまり動かないわけですが、両者の意思決定が話の流れを大きく左右する。ストーリーとしては、部下を大事にうまく使った元康が勝つエピソードが描かれたように思います。

 その意味では光る元康に対し、傲慢の自業自得で沈んでいく氏真が引き立て役となりそう。ですが、自分が感情移入したのは氏真でして(^^;。義元の討ち死にで沈みゆく今川を実感し、なんとか這い上がろうとジタバタする氏真の不格好さが、いかにも人間臭くていい。

 その泥臭い存在感を引き立てているのが、嫌なところ1つないように脚本で守られている元康のように感じます。言い換えれば、元康はまるでお人形さんみたいな。役者さんの人気の理由を考えれば、そういう元康でいいのかもしれません(でないとファンが納得しないかもしれないし)。

 しかし、繰り返しの愚痴になりますが、自分はどうもなじめません。自分が面白がれるようになるのは、もっと後の、家康が古狸呼ばわりされるようになる頃かなあ。次回で元康から家康に改名するみたいなので、そこは意外と早いかも。

●REVENGER(第6話:Adversary Advent)

 もしかすると尻上がりに面白くなってきてるかも。前話で見世物小屋一座の手練れ集団との戦闘がありましたが、今話ではもっと大きな組織と敵対する流れで、この先が期待できそうです。

 それだけでなく、第1話で繰馬雷蔵が誤って許嫁の父を殺害した件が今話のドラマ起動の要因になっている。1話完結性が高いと思っていたら、単発ではなく伏線でもあったわけですね。そうなると、今までのエピソードもこの後の展開に絡むのかなと期待できます。

 既に鳰の経歴の特異性が明かされ、出自的な部分は一応の決着がついてはいますが、鳰自身の性分と生き方については揺るぎがなく、まだ何かありそう。絵の才を見出されて、鳰と対照的になってきた繰馬雷蔵は過去の因縁が未だ断ててなかったことが明らかになってしまった。

 さらに今話では、変わり者の傍観者的な漁澤陣九郎が、遊郭で寝そべっているだけではなさそうなことも示されましたね。例えば繰馬雷蔵に絵の才能があり、そちらに揺れ始めていることも知っていて、碓水幽烟にカマかけるようなことを言ってたりします。

 この作品が1クールものだとしますと、次から後半。1話ごとのみならず、全体のストーリー・ドラマがありそうですんで、ここからは1話ごとに感想書いて追っていこうと思います。今話はたぶん次話とセットでしょうから、次から念入りに書けるかもです。

●うる星やつら

 2エピソードとも、高橋留美子さんの十八番的なドタバタ喜劇ですね。1話めが竜之介のテーマ「俺は女だ」に沿う、ブラジャーをつけたいという、ある意味、些細な願いから始まるものでセーラー服に続く第2段。竜之介の世間/女性知らずゆえのボケにしのぶのツッコミがタイミングよく決まるテンポのよい流れですね。

 高橋留美子さんが上手いのは、そこへほぼ人外ともいえる「総番」を絡ませていくところです。しかしまずは手下が、しのぶのストーカーまがいをするという、あまり常識から外れないところから始め、次第に歪ませていく。

 格好こそ奇妙ですが、総番の手下が最も常識的なキャラクターだったりしまして、総番のしのぶへの片思いが到底成立しないことをよく知っており、(男と誤認した)竜之介としのぶをデートさせ、「しのぶには彼氏がいる」という証拠写真で総番に諦めてもらう算段に出る。竜之介にはブラジャーの値段相当の商品券が報酬。

 そこで3者それぞれの思惑で動くゆえ、及び竜之介が女であるとしのぶが分かっているゆえのドタバタとなりまして、さらにあたる、続いてラムも絡んで来る。そうなると、始末のつけようがない方向にドタバタテンションが上がり、しかし総番が強引に全てぶち壊すオチとなる。

 この場合、総番がデウス・エクス・マキナ的ではあるんですが、観終えるとなんだか期待通りという感じがします。そうしておいて、あたるが用意したブラジャーはあたるの母のものだったという、ぐっとリアルに寄せた小オチで締めくくって、リアリティがあるような印象にしておくと。

 たぶん、上述しましたが高橋留美子さんの十八番だから、となりそうです。たぶん、連載時にはその後も、そういうドタバタのテンションの流れに磨きがかかっていったと記憶します。

 後半は前半のパワーで押し切る流れに対して、欲ゆえのおバカに終始する、これもおそらくは高橋留美子さんのお家芸的な話。3つの願いを叶えるお星さまがなぜかやってきて、バカバカしいことに2つを浪費してしまう。

 しかし、それでお星さまの力が本物と悟った諸星一家のうわべを取り繕いつつの欲望劇となるわけですね。あたるの願い「ハーレム」が「お取り扱いできません」と突っ返されるところ、ちょっとギーツのDGPを思い出したりします。

 ドタバタというよりジタバタした挙句、最後の願いは酔って眠り込んだお星さまを起こすことに費やしてしまい、何の願いも叶わず。ある小話を思い出すラストです。

「2つだけ問いに答えてくれる高名な占い師がいた。ある人が質問の仕方に悩み、「どんなに短くても1問とするの?」と尋ねると、占い師は「そうだ」と言う。続いて「どんなに長くても1問?」と聞くと、「そうだ」と言う。ようやく質問の仕方が分かった人が悩みを打ち明けてアドバイスを乞うたが、占い師は黙して答えない。既に質問2つに答えたから。」

 そういうジョークみたいな話と同じようなオチでした。そんなバカバカしさに振り切るのも、高橋留美子さんは得意でして、十八番、お家芸と申しましたが、それらを数多く持っている点はやはり凄いという感じ。次週前半は「き・え・な・いルージュマジック!!」でして、塗るとキスをしてしまう口紅の話ですね。うる星スラップスティック系の名作だったと記憶しています。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/14 (Tue) 00:50:20

 アニメ感想ですが、その前にミスの訂正をば。

★龍騎

 劇場版の話をしてましたが、2点ほど記憶違いが。

>残り6日という「夏の劇場版」と同じ時間設定に突入

 「残り3日」でした。
 ということで、今のYou Tube配信と時間帯が重なって、優衣の自殺未遂とか、劇場版のストーリーを匂わせるシーンを示しつつ、劇場版との違いの一つは、「仮面ライダーオーディン」の存在です。
 TVの方では、優衣が死のうとして、士郎の召喚したモンスターに阻止された。これは、過去の失敗から士郎が「同じミスをしない」と学習したから、と解釈されています。

 なお、脚本家的には、劇場版とTVスペシャルが井上敏樹氏でバッドエンド的な作風であり、TVの最終話が小林靖子氏で、全てをまとめる大団円に至る形。
 そして、この時期に劇場版の配信を期待していたら、TVスペシャルの未放映分の配信とは、気が利いているのかどうか。
 いずれ、劇場版の配信も期待しつつ。

>リュウガに壮絶なバトルの末に倒される浅倉

 リュウガは浅倉の契約モンスターを倒して弱体化させた後、トドメを刺したのは浅倉を姉の仇と狙うファムでした。

 いずれにせよ、龍騎の物語はゲーム的というか、バッドエンドを繰り返して、真のエンディングを迎えるまでの試行錯誤が狙いだった、と放送後に明かされ、
 最終的に、ナイトこと秋山蓮が勝利者として勝ち残った形になります。

 そして世界改変によって、神崎優衣の意思通りに、皆が生き返って、ライダーとしての記憶を失って平和な生活を営む幸せな日常エンドになるわけですが、
 実は「勝ち残った秋山蓮だけは前世の記憶を残していることが、脚本には書かれていて、自分はそういう風に、最後の真司と再会したシーンは演じた」と、最近、俳優の松田悟志さんがTwitterで語っていて、そうだったのかあ、と自分は感じ入っております。

 これは最終回の世界改変シーンをもう一回、注視しないといけない、なんて思ってます。
 真司は蓮のことを忘れているけど、蓮は真司のことを覚えている。

 そして、20年後のデザイアグランプリでも、蓮は真司をミラーワールドから取り戻すために、ゲームに参加した(冬のギーツ映画)ということで、どれだけ真司のことを気にかけているねん、と。

 そんな蓮の物語として、20年前の最終回を楽しみにしつつ。

★ジョジョSO

 みんなをカタツムリに変えていくヘビーウェザーの能力がグロすぎるなあ。

 そんな大混乱イベントの中で、エンポリオの持つ「承太郎のディスク」を巡って、プッチ神父に反旗を翻したヴェルサスと、それを阻止しようとする徐倫&エルメェスの追跡攻防戦が繰り広げられる一方、

 大惨事の元凶と化したウェザー(記憶回復済み)が、兄のプッチへの憎悪を燃やし、それに翻弄されるアナスィ(と視聴者って気分)。
 まさか、ここまでアナスィに感情移入するとは、登場時点では考えもしなかったです。

 とにかく、何が起こってるんだ? と視聴前の予習で、頭では分かってるんだけど、実際の映像で、感情的に受容不能な局面ですな。

 たぶん、本シーズンで最も状況が錯綜して、早く事態を整理して欲しい、と考えているヘビーウェザー回でした。
 あと2回の混迷状態の後で、少しは状況が落ち着くかな。
 とりあえず、カタツムリ化の呪いは勘弁して欲しいので、プッチ神父に弟の不始末を何とか止めて下さい、とすがってみたく。

★うる星

 プッチ神父の声優=関智一。
 そして、仏滅高校総番の声優=関智一。

 いやあ、この回、本放送でも笑わせてもらいましたが、エンディングで声優を知った時は、一番サプライズで笑劇インパクトでした。
 まあ、土曜朝のウルトラマン番組でも、宇宙人役として関さんが出ていて、もう、ここまで自分の守備範囲に関智一旋風が吹き荒れるとは、まことにビックリです。

 たまたま偶然、自分のブログでも正月から関さんキャラのネタ記事を書きつづっていたので、ここまで縁があるとはって気分。

 ええと、声優ネタなんですが、面堂の声の宮野真守さんがウルトラマンゼロで、あたるの声の神谷浩史さんがゼロの仲間の1人、そして関さんの声のキャラもその仲間なんですが、
 「あいつらはドラゴンボールの映画や、うる星やつらに出てズルい。オレも出させてくれないかな」ってネタをブログで書いたら、ちゃっかり登場して来て、ネタにした本人がビックリ、と。

 なお、どうして関さん? と確認したら、あの総番の声が旧アニメでは肝付兼太さんで、ドラえもんのスネ夫つながりらしい。
 いろいろな縁がつながるもんだ、と感じ入ってる次第。

 劇中のお話よりも、声優ネタの方に楽しさの主流が移った回でした。

★REVENGER

 ライバル組織の唐人グループが出て来て、話がきな臭くなって来ましたな。
 晴らせぬ恨みを……の静かな復讐ドラマから一転、対立組織の暗闘、派手な抗争劇に展開しそうで、
 必殺のTVシリーズの最終エピソードや、劇場版、かつてのTVスペシャルの緊張感がビリビリ感じるようになった回です。

 こうなると、最終回近くでは殉職する殺し屋なんかも出て来そうで(脚本家が脚本家だけに)、どんな激しいアクションドラマと、どんな劇的な散り様(単に哀しいだけでなく、格好よい美しさ、あるいは壮絶な覚悟)の見せ場を味わえることを期待したいところ。

 正月の瓦屋さんを凌駕するような散り方が見られるなら、歓迎したいです。
 と言いつつ、誰も散らないハッピーエンドでもいいですけどね。殺陣が盛り上がりさえすれば。

★BASTARD

 ガラ編終了。

 今、見て気になるのは、DSがイフリートの発する高温を1000度とか2000度とか解説していたところ。
 いや、元が少年マンガだから分かりやすくていいと思うのですが、ファンタジーの世界観を大事に考える向きには、現実の科学知識をそのまま持ち込むと、何だかなあ、と感じるわけですね。

 1000度って説明するからには、この世界には「それだけの高温を測定する器具があるのか?」って話。
 なお、1000度って高温のように聞こえるも、炎の温度としては意外と低い。木炭で赤く燃える程度とか。
 マッチの火を付けた直後で2500度とか、溶接バーナーで3000度とか、現代科学知識を持ち込むなら、かえってイフリートの火炎の威力がしょぼく聞こえるし、

 劇中で描かれる劫火をイメージするなら、ニトログリセリンを爆発させた4000度ぐらいはあるんじゃないだろうか、とか設定温度を感じるわけで。

 なお、地中のマグマが1000度ぐらいなので、イフリートの放つ火は火炎よりも、むしろマグマのような液状化した岩石を主成分としているのかもしれません。

 ともあれ、温度を測定する装置は16世紀以降の発明で、現在の摂氏温度は18世紀に定められたものです。
 バスタードの世界は、近未来の文明が滅びた後、古代文明として残滓が残っているファンタジー世界とのことですが、DSが古の科学知識をどれだけ知っているのか、そして、その説明を聞いたシーラ王女がどれほど理解できたのか、いろいろと疑問が生まれる温度説明だなあ、と。
 もちろん、メタ的には読者(アニメでは視聴者)に分かりやすいように説明しているのですが、やはりファンタジーの世界観描写のノウハウが80年代よりもこなれた現在では、
 劇中人物が現在の科学知識を交えて、世界のルールを解説すると、世界の雰囲気を損なうなあ、なんて考えたりします。

 なお、イフリートの凄さを擁護しますと(苦笑)、可燃物のない空間であれだけの炎を広範囲に渡って継続維持する持続性と広範囲性であって、温度そのものは重要でない、と思われます。
 一方、DSの凄さは、瞬時の爆発力で相手の炎の方位を打ち破る瞬間破壊力の大きさかな、と。

 ゲーム的には、イフリートの炎が6ラウンドの間、じわじわとサイコロ1個分のダメージを継続的に与えるのに対し、DSの方はサイコロ10個分のダメージを一気に与えるようなものか。
 なお、バスタード連載時のクラシックD&D的には、ビホルダーがレベル11モンスターで、イフリートがレベル10のレッサーバージョンと、レベル20のグレーターバージョンがいて、
 DSのレベルは最大の36が、封印されていた影響で弱体化しているのでしょうが、それでも20レベル越えになるのかな。魔法使いが最強呪文を使えるようになるのがレベル21からですので。

 もちろん、今のD&Dとは数値基準のルールが違いますし、そもそもマンガにアレンジする際に、ルールをねじ曲げているのは間違いありませんが、それでも元ネタとして一定の参考資料としているのは間違いないでしょうから。>クラシックD&Dは。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/14 (Tue) 16:39:57

 定期感想書その2です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第30話:ヘビー・ウェザー その①)

 NOVAさんは何が起こっているか分かるが気持ち的にはとのことですが、自分は同じく予習していたのに、何が起こっているか、夜中の初見ではサッパリ分からず。しかし、深夜の自分の理解力のせいではなく、翌日に録画観なおしても分からずorz。

 どうやら予習していたうち、ウェザーのスタンド:ヘビー・ウェザーについて、根本的な勘違いをしていたのが最もマズかったようです。最初の自分のおぼつかない理解では、触れるとカタツムリになる虹(悪魔の虹)がサブリミナルで見えてしまう映像だと思い込んでました。

 意識できないけど感知している情報があって、それにより虹が見え、その虹に触れるとカタツムリになる、という誤解ですね。頭を真っ白にしてウィキペディア等の解説を読み直すと、あの虹がサブリミナルを含んでいて、触れることでカタツムリ化現象が起こる/見えるようになってしまうらしい。

 そこが分かりますと、なぜオゾン層についてヴェルサスが話し、ナレーションでも説明されたか理解できました。オゾン層を通る太陽光を屈折させて虹を出現させるものですか。勘違いしている間は「なんでオゾンの解説、長々やるん?」と不思議に思ってました(^^;。まあ、オゾン層破壊で有害な紫外線が地表に届くようになる、というのはフロン問題で周知されており、ヤバいなあという感覚くらいはありましたけれど。

 それ以外にも混乱要素ありまして。特にはっきりしているのは、ヴェルサスの服の色ですね。白い服を着ているはずなんですが、エンポリオを追跡して捕らえるところから、一時的ですが服の色が紫に変わってます。最初、そのせいで「誰だコイツ?」と混乱してしまいました。

 ようやく「いや、こいつはヴェルサスだ」と気が付きはしたんですが、釈然とせず。もしかして、制作がこのシーンで服の色を間違えたのか、と思ったんですが、どうやらそうでもなさそう。空の色も変わってるんですね。これって、ヘビー・ウェザーがオゾン層をいじったんで、太陽光の届き方も変わってしまっているという演出なのかもです。

 調べて観なおして考えて、何とか理解できますと、なかなかよくできたエピソードだと感心しました。大量のカタツムリが出現する動物パニックであり、それが虹に触れた者がカタツムリに変化するゆえだというホラー、その状況での追跡劇とバトルですね。それだけ盛沢山なんだけど(こちらが理解さえすれば)破綻させずにまとめ上げてある。なかなか見事です。

 追跡劇は2つに分かれまして、1つはヴェルサスが記憶Diskを戻したことによるウェザーの異変ですね。凶暴な性格に一変しまして、(平気で人間を組み替える)アナスイが引くほど。しかし、その凶暴さは憎悪に突き動かされてのものらしく、原因はプッチ神父にあるらしい。記憶が戻ってプッチ神父を感知できるようになったウェザー、プッチ神父の接近をアナスイに告げて、というところで続く。

 もう1つの追跡劇はヴェルサスですね。徐倫らの地面の記憶から承太郎の記憶Diskがエンポリオに渡ったことを知り、「天国」の謎を解くべくエンポリオを狙う。ヴェルサスはエンポリオが徐倫らの救出に向かうと思い、大勢が逃げ出す病院に逆に向かう者を捕まえれば、と考えたらしい。

 この時点ではエンポリオを大人とヴェルサスが思っていたこと、エンポリオが承太郎の記憶Diskをスピードワゴン財団に届けるべく病院から離れて行っていたことが幸いしたようです。ヴェルサスは病院に向かう、それらしい者を発見できず手詰まり。しかし、再び地面の記憶に頼りまして、エンポリオの携帯の番号を探り当て、電話をかけてエンポリオを発見、捕獲。徐倫が警官の無線機を奪取してエンポリオにコンタクト取ったことを利用した、なかなかの策ですな。

 しかしヴェルサス、第2の手詰まりとなりまして、エンポリオが隠し持っているはずの承太郎の記憶Diskが見つけられない。エンポリオのスタンド:バーニング・ダウン・ザ・ハウスの収容能力を知らないゆえで、手間取っているうちに徐倫らが追いついてくる。

 そこからはアメフト選手出現とか、ちょっとシュールですらあるバトルとなりまして、ちょっと笑ってしましました。が、徐倫らがカタツムリ化しつつあることを弱点と捉えての、地面の記憶から取り出した塩攻撃とか、やっぱりヴェルサスはなかなかクレバーですな。もっとも、自分の動きがカタツムリ化で鈍くなったのなら、同時に柔らかくもなったことで鉄パイプに潜り込んで移動速度上げるとか、徐倫もなかなかのもの。

 が、ついにヴェルサスがエンポリオの能力を理解してDiskを奪取、逃げ出したことで万事休す。と思ったんですが、カタツムリ化はカタツムリ直接のみならず、人から人へも感染することを理解していた徐倫が一枚上手でしたか。ヴェルサスの動きも鈍くなり、徐倫に捕まりまして勝負あった。

(などと分かった風なことを申しましたが、徐倫が決め手に使ったキッスのシールがどう作用しての勝利だったか、自分はよく理解できずorz。塩攻撃されたのがコピーされた徐倫だったのか、それともスタンドの糸化してヴェルサスにまとわりついていた徐倫とカタツムリ徐倫が一体化して追いついたのか。)

 ついに承太郎の記憶Diskを取り戻し、放置された車を拝借してプッチ神父追跡、と思ったところでエルメェスが恐るべきことに気がついちゃうわけですな。カタツムリ化はパニックの序章に過ぎず、真の脅威はカタツムリを襲う天敵マイマイカブリにあると。この戦いの決着も次回以降ですか。

 余談ですが、ヴェルサスって考古学者になったら大成したでしょうね。なにせ地面が覚えていれば再現できるんですから。例えばトロイの木馬とか実際に出現させて何が起こったか、実際に見分できます。考古学以外でも、一連のエピソードでヴェルサス行ったことは、犯罪捜査や事故調査に絶大な力を発揮するはず。

 ヴェルサスの望みって意外に慎ましく、「幸せになりたい」ですから、プッチ神父の大博打に賭けず、さっさと逃げて別方面に進めば容易に望みは叶ったはず(だけど、龍騎の佐野満みたいになっちゃうかな?)。

●仮面ライダーギーツ(第22話:乖離Ⅵ:追跡!チラミ鬼をつかまえろ!)

 前話で、観ているこちらにはデザスターの正体=祢音と判明しまして、今話でどうかき乱してくるか分かるようになるはず。と思ったら、祢音にプレッシャーかかりまして(デザスターとバレたら願いが永遠にかなわない)、過度の緊張で早くも失態を見せるとは。

 デザスターが祢音であることは、もしかすると英寿は薄々勘づいていたかもしれませんが、鬼ごっこで不自然な行動(景和/タイクーンを誘導し、自らは追わない等)を祢音/ナーゴが見せたことで確信したのかも。景和含めて3人揃っての昼食休憩時の英寿は、探るターゲットを祢音に絞っていた感じがあります。

 祢音としては景和、英寿どちらにデザスターの疑いをかけるか迷っていたようですが、英寿が祢音に疑いを向ける言動をしたことで、英寿をターゲットにしようと思ったんでしょうね。しかし、たぶんですが、それこそ英寿の狙い通りだったかも。英寿と祢音が疑いを向け合い、圏外となった景和は落ち着きを取り戻し、冷静に観察する余裕ができるわけですから。

 鬼ごっこ後半戦では、焦ったナーゴ/祢音がわざとギーツ/英寿の射撃軸線上に入って撃たれ、それみたことかとばかりに英寿をデザスターと決めつけ、タイクーン/景和に同意を求める。祢音が景和を抱き込み、デザスターは英寿と投票すれば、その時点で祢音の優勝が決まりますもんね。

 しかし、その前に祢音に忠告した謎の男の言う通り(人を呪わば穴二つみたいな)の展開に。あの謎の男の正体は不明ですが、祢音をいたく心配する様子がありまして、スポンサーにして祢音のサポーターでしょうか。その辺りは次回以降に種明かしとなりそう。

 祢音/ナーゴの行動があまりに不自然で、普段を他人を信用しすぎるきらいのある景和/タイクーンもさすがに祢音が怪しいと分かっちゃったわけですな。景和が言う理由がちょっと興味深い。英寿ならうまく騙すはずだから旨ですね。言い換えれば、(相対的に)祢音は嘘が下手。

 そういや、指令カードを見たとはいえ、冴/ロポも祢音を疑ってたんでした。景和は英寿に何度も騙されて、英寿の嘘の巧妙さを実感している。加えて、景和がもしかしたらはっきりは意識していない理由もありそうです。

 昼食時に祢音と景和が揉め、英寿が痴話喧嘩みたいと言ってました。言い換えれば、仲がいいね、ということになります。実際、ここまで景和と祢音は協力的でして、共闘含めて一緒にいる時間も長く、その密度も濃かった。祢音が慣れない嘘をつけば、景和にはバレやすいはずです。で、実際バレちゃったわけで。

 となりますと、祢音がデザスターとバレるのは、指名したGM:チラミの目論見通りなのかなという気がします。嘘が最も下手そうな祢音を指名し、指令カードを他人にバレやすい置き方をしたり、デザスターとバレた場合のきついペナルティを示したりしてプレッシャーを与え、焦ってミスらせるようにしたんじゃなかろうか。

 もしそうならですが、チラミは英寿より一枚上手だったかもしれません。が、そのチラミも焦ると判断を誤ることが示されたのが今話であるわけですね。GMの責任上、DGPゲームを進めなければならない。そこをジャマト側の参謀:五十鈴大智に突かれてしまう。ジャマトを出現させない策ですね。

 そうなるとチラミはジャマト抜きのDGPゲームをやるしかなくなり、五十鈴大智の狙い通り、仮面ライダーグレア2としてゲームを開催すると。どうやらチラミは変身はできてもバトル向きではないらしく、鬼ごっこの鬼役ですな。逃げるだけでいい。

 しかし、それこそ五十鈴大智及びジャマト側スポンサー:ペロパが仕掛けた罠だったわけで。彼らが欲しいのはグレア2/チラミではなく、「創世の女神」へたどり着くためのアイテム:ヴィジョンドライバー。DGPライダーとチラミ支援のGMライダーが争っている間に、逃げようと離れて単独になったチラミ/グレア2を襲い、ヴィジョンドライバーを奪取する。

 DGP参加ライダーを自らの掌の上で踊らせているつもりのチラミは、ジャマト側の大智&ペロパの掌の上で踊らされていた格好ですね。しかし、動向を探っていたらしい、DGPスポンサーにして英寿サポーターのジーンが待ったをかけまして変身。その名の通りの仮面ライダージーンですか。ペロパもドライバーを掲げる描写がありましたから、今話ではお目にかかれませんでしたが、いずれ仮面ライダーペロパとなってくれるのかな。

 次回「乖離T:いざ!推しのためなら」では、ヴィジョンドライバーが奪われてDGP中断となるようですね。これで祢音/ナーゴ失格はお預けとなり、DGPライダー vs ジャマト中枢の対決になるみたい。いかにも中盤っぽくなりそうです。

●仮面ライダー龍騎(第47話:戦いの決断、第48話:最後の3日間)

 劇場版とのリンク等の情報ありがとうございます。13ライダーズは戦いを続ける/止める両方の結末(?)を観ることができましたが、別の選択できちんと最後まで見せる劇場版は未見でして、しかし龍騎の理解には大事。解説を頂けるのは大変ありがたいです。

 ウィキペディア等ではどうしても結末について記述を濁してまして分かりにくい。こちらで伺った内容からすると、優衣が神崎士郎の願いを拒んで自ら死を選んでライダーバトルを終わらせようとしたけれど、というわけですね。今週分の本編では、優衣がそうしかけて、しかし神崎士郎に阻止された歴史になってますな。

 劇場版のラストまで伺ってみると、真司と蓮はやっぱり仲間であり、そうでないといけない感じですね。そこは13RIDERSでは達成できなかった歴史となりましょうか。しかし、それだけではバッドエンドは防げない、と理解しての本編最終回はどうか、というのがポイントとなりそうです。

 そこに加えて、最後のライダーバトル勝者の蓮は、戦いを覚えていたという裏設定があるわけですか。これはどこかで見聞きした気がしますが、こちらでご教示頂くまで、思い出せませんでした。そこを知っているか否かで、最終回の印象が変わるようですね(かつ、知っていた方が趣が深そう)。

 それが来るのがいよいよ来週ですか。今週分はそこに向かって大揺れですな。いや、前半(第47話)では、少なくとも真司は迷走でしょうか。先週ラストから続きの、龍騎/真司 vs ナイト/蓮の、それも最強形態サバイブでの対決で龍騎優勢となるも、やっぱり真司は止めの一撃を放てず。おそらくナイト/蓮優勢となっても、13RIDERSの通り、止めは刺せないんでしょうね。

 ともかくも、そこからは真司が迷走。吹っ切ったような態度を取りますが、周囲には痛々しいとさえ映っているようですね。大久保編集長辺りはそこそこに調子を合わせてやってますが、優衣などは心配して率直にどうしたか尋ねてます。真司は戦うんだと言い、北岡に絡んでいくわけですが、北岡も一目見て駄目だと思った様子。後で蓮に連絡入れたりしてまして、周りに構わない北岡ですら、そこまで心配になるというわけか。

 真司の上辺だけの調子のよさはじきに崩れる。北岡が相手してくれないなら浅倉を、と探しに行って、誰かに絡まれて殴られたらしい(もしかして浅倉かな? 北岡と同じく、様子がおかしいんで戦わずに、殴り倒して去ったとか)。そこでようやく真司は泣き言ですな。戦いを止めようとしても誰も聞かず、しかし戦うと言ったら誰も相手にしてくれないと。

 そこは北岡が東條に言った「英雄になろうと思ったのなら英雄になれない」が刺さりそう。悩みを断ち切った者は「考えない」とか「迷わない」と言わないでしょうから。むしろ、考えずにはいられず、悩みから逃れられないからこその言い草でしょうね。タイガ/東條の置き土産(?)の野良デストワイルダーはようやく今週倒されましたが、東條が解決できなかった問題は依然として真司に残された感じです。

 しかし後半のタイトル「最後の3日間」が示す通り、真司の迷走をよそに状況はどうしようもなく切迫していく。神崎士郎がタイムリミットを宣言、生き残りライダーに招集をかけるわけですね。しかし北岡だけは応じず。直前で事務所の椅子で息絶えたかのような描写がありまして、「北岡は戦わずに死亡」とだけ予習していた自分は、てっきりあそこで退場かと勘違いしてしまいました。

 実際には発作による人事不省だったようで、病院に担ぎ込まれて、一応の回復はしたようですね。ただし、付き添うゴロちゃんの様子や北岡自身の態度からすると、どうも危ない状態は脱してない感じです。そこへ蓮が様子を見に来るわけですが、そこで研究室での「真司はバカ」の全員一致のフォローがあるとは予想してませんでした。

 北岡が再び真司はバカと言い、前後の事情からさすがに蓮が反駁しかけると、北岡もよく分かっていて、「俺やお前よりましな人間」と言う。結論こそはっきりとは言いませんが、北岡の口ぶりからすると、ライダーバトルに真司という乱入者がいてよかったと思ってるみたい。蓮もそう納得してる風に感じられます。

 それにしても北岡の病室は静かで平和な感じ。おそらく、最終バトルの招集をかけた神崎士郎が北岡を「脱落」と判断したせいでしょうか。北岡から降りたわけではなく、神崎士郎が諦めた格好ですね。自分は北岡が無理と思って降りるのかと思ってました。こういう形で北岡離脱だったのか。

 しかし残るライダーはそうはいきませんな。神崎士郎ですら想定していない優衣の乱入で最終バトルすらぶち壊しになるイレギュラーです。その優衣の行動は、前半(第47話)で、神崎邸での自分自身(優衣)に関する疑惑が直接のきっかけのようですね。蓮と連れ立って神崎邸を訪れた優衣ですが、蓮に絵の不自然さを指摘される。

 家族と幸せな生活があったはずなのに、それについての絵をいっぱい描いたはずなのに、兄(士郎)と自分(優衣)以外の家族が絵にいない。旅行の思い出のはずの絵は、絵葉書の写真にそっくり(確か、以前にも疑問視された点)。叔母の神崎沙奈子が重い口を開いて言うには、神崎兄妹は神崎邸に半ば閉じ込められた、不幸な生活を送っていたという。

 そこから優衣の記憶はさらに戻り始め、後半で自殺を士郎に止められて閉じ込められてから、兄(士郎)に「いくな」(行くな? 逝くな?)と呼びかけられる、倒れた幼い自分を幻視したりする。優衣の死亡が匂わされるわけで、士郎が最近死んだはずというショッキングな情報に気を取られていたら、実は優衣が、という劇的な展開ですね。しかも、ミラーモンスターの作り手だったことも理解し始めた模様。

 劇場版では優衣死亡と共にミラーモンスターが溢れだすそうですが、TV本編でも優衣の死が迫ると同様になりそうと示されてますね。ミラーワールドに大量発生していたシアゴーストがいったん一斉に行動停止し、孵化してレイドラグーンとなって暴れ出す。今のところは最終バトルに北岡が来なくて焦れている浅倉/王蛇の遊び相手(?)になってますが、この状況がいつまで持つのやら。

 一方、真司。蓮が北岡に言った通り、いつもの調子が戻ったようで、直往邁進、優衣を救出せんと神崎邸に飛び込んで来る。しかし金色の羽根が飛び交いましてオーディン襲来。迎え撃とうと、いったん外に出て変身する真司ですが、そこを桃井令子に目撃されちゃうわけですね。ついに真司の正体がバレましたか。しかし、そこは次回の展開らしい。

 まずはオーディンとの対決ですが、蓮/ナイトが応援に駆け付けるのが気持ちいい流れです。が、次回で真司が死亡と教わってまして、今週ラストでようやく上がったテンションが叩き落される覚悟、今からしておかないと。それだけでなく、この状況から大団円まで未だ遠そうなのに、残り2話。展開が極めて目まぐるしそうですから、ちゃんと話についていかないとと緊張します。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/16 (Thu) 00:15:17

 定期感想書その3です。

●牙狼:翔編(第7話:術)

 第7話は牙狼シリーズ共通の見どころがある回と伺いまして(ただし2クールもの)、期待しつつも「そうだったけ?」と、よく思い出せずにいました。第1回の双子ホラーなどは記憶にかなりはっきり残っていたわけで、思い出せない回だと自分的にどうなんだろうと。

 観た結果、またしてもですが(^^;)「なぜこれを忘れてたんだ」となりましたorz。これほどであって、しかし忘れてしまった原因があるとすれば、(当時は牙狼が理解できていなかった以外だと)ほぼ全編バトルだからでしょうか。言い換えると、ドラマ展開が激しかったわけではない。

 逆に言うと、それくらいバトルは凄かったわけで。冒頭こそリュメの解説が入りますが、流牙&莉杏が敵アジトに向かってからは、ひたすら戦いですね。流牙らがたどり着くと、探すまでもなくラスボス:ジンガ&アミリから出向いてくれる。もっとも、前哨戦は素体ホラーの群れとの戦いですね。

 素体ホラーですから、各個体はそれほどの脅威ではないですが、最初にわざとやられたホラーがゲートとなりまして、多数を招き寄せますと、さすがに苦戦の模様。ですが、鋼牙編では100以上の群がるホラーを一掃するのが魔戒騎士でして、この戦いでも莉杏の支援で敵の動きを止め、一気に殲滅と。

 そこからが本戦で、ジンガ&アミリ vs 流牙&莉杏ですね。騎士同士、法師同士で戦い始めるわけですが、騎士バトルはジンガがやけに余裕を見せてまして、実際、どうやら現時点ではジンガが騎士として流牙を上回っていそう。とはいえ、シーソーゲーム的に優劣が入れ替わるような感じもありますね。法師バトルのほうは、どうやらほぼ互角に見えます。

 が、この「流牙側が若干不利ながら、もしかしたら勝てるかも」という、観ているこちらにも感じる雰囲気は、もしかしたらジンガ側がそう誘導しているようでもあります。ジンガもアミリもやけに煽ってまして、どうも前話のダンケ(ホラー:ヴェスタージ)と同じ狙いで、しかもうまくやっているような。ジンガが流牙をホラーに誘うのは、半ば本気であるのかもしれない。

 敵が実はわざと本領発揮せず、隠し持った実力があるのではと察したのは莉杏ですね。個人戦ではなく2人共闘しての各個撃破を提案するも、怒りに突き動かされているらしい流牙は冷静に状況を見られず、ひたすら単独でジンガに立ち向かうのみ。これはジンガの思う壺か。

 そういう心理戦はありますが、やっぱりエフェクトまじえたバトルが凄い。そこはもう「観ての通りです」と言うしかなさそう。邪魔の入らない、屋内という領域の限られた場所での戦闘ということで、目が泳がずにじっと見入れます。飽きないように変化も持たせてくれてまして、生身・鎧を行き来しつつ流牙がジンガをいいところまで押すと、ジンガがパワーアップ。うまく流れが変わってくれます。

 それに法剣。赤と青の短剣それぞれ、長剣になるんですか。本来の騎士の剣より威力があるのか、流牙もジンガもそちらで切り結ぶ。しかも、次第に剣が力を示し始めて、振るっているはずの騎士が剣に振り回されるように変わるのが不安感醸し出してます。

 さらに「もうちょっと見たい」というところでのガルド乱入(?)がタイミングいいですね。もうちょっと見たいからこそ、そこで打ち切られると「凄かったんだ」という印象が余韻として残ります。ともかくも、法剣を扱えるらしいガルドが奪い去って、戦いはお開きですな。

 そのガルドは次の「第8話:筆」で流牙らに合流してくるはずですね。その次でダイゴが帰って来るはず。前半の見せ場の後は後半への準備ということになりそう。

●BASTARD

 ガラがDSに合流して、次はネイですね。まずは側近の鬼道三人衆を遣わすわけですが、今回のシーン・ハリ、次のカイ・ハーンは若き美女ということで、一応はDSの心理上の弱点を突く形。ですが、逆にDSこそが天敵でもあるわけで。連載中ですと、予想通りに進んだという印象でした。

 そもそも、ネイからして気持ち的にはDS寄りであるわけで。今話ではDSからの離反の原因が、ハーレムであると示されまして、反発が軽いことが示されてます。そうだからこそ、裏切ったらカエル(だったかな?)になる呪いがかけられ、争点がそこに絞られて集中しやすくなってますね。

 ネイの反発理由が原作でもハーレムだったか、どうも思い出せませんが、ほぼ原作の進み方通り。それだと感想書かなかったかもしれないんですが、前話の「1000度」について言及されていることに、自分も興味を持ちまして。

 このBASTARDのみならず、いわゆる「ヨーロッパ中世風の剣と魔法の異世界」の物語では作者が単位に苦労するみたいですね。現代の単位を使えば読者/視聴者に分かりやすいけど、どこか遠くの別世界の雰囲気が損なわれる。現代の日本人が異世界に召喚されたり転生するとかだと、主人公が現代の単位を知っているので、一人称小説だと便利らしいですね。

 BASTARD原作ですと、この世界が発展して崩壊した遠い未来という設定が明かされるのがだいぶ後で、対イフリート戦の時点では「1000度(たぶん摂氏)」というのはちょっと違和感あったかも。そこは後でつじつま合わせとなるわけですが、このアニメ版だと第1話冒頭でそこを明示してますんで、「今の単位系がそのまま使われてるんだな」と納得することは可能なような気がします。

 それでも、ご指摘のように1000度って、派手で強力な攻撃としては温度が低くないかという問題はどうしようもありませんな。BASTARD原作を思い出しますと、ずっと後で降臨した天使の攻撃が確か12万5千度だったか(それくらいになると摂氏でも絶対温度でもどうでもいい)。

 ともかくも温度で威力を示すことが多く、天使より前のDS vs カル=スでは、氷のカル=スでは炎のDSに勝てないとアビゲイルが言い、理由は「高温には上限がなく、絶対零度が限界の低温では太刀打ちできない」だったかと記憶。

 当時『その理屈おかしいだろ』と内心でツッコんだ覚えがあります。例えば、太陽のプロミネンス(正確にはその周りのガス)は100万度ですけど、持ってる熱量は小さいので大した影響はありません。溶接機の炎は約2万度だそうですが、炎の当たった部分が溶けるだけで、溶鉱炉(2千度くらい)みたいなことにはならない。

 温度だけで優劣決まらないんだけどなあ、と思った覚えがあります。しかし同時に、そんな理屈を説明しだしたら話のテンポが悪くなるのも分かりますんで、まあ妥協しておくところかなと。

 イフリートの1000度は、対生物戦闘ではそれくらいあれば充分なんで、それ以上に能力が進化しなかったと考えることもできるかなと思います。高温が相手のガードを破り、タンパク質を破壊できれば充分なんで、周囲を1000度に保つ温度・熱量を発揮できれば勝てる。それ以上の発火能力持っても勝率はたぶん上がらない。

 などと書いているうちに、なぜか「現在の科学知識を交えて、世界のルールを解説すると、世界の雰囲気を損なう」と仰る点が自分にじわじわ届いて来たような気がします。仰るように中世風なのに現代の知見で解説していいのか、というのもありますが、自分的にたぶん大きいのは、せっかく絵で見せてるのに言葉頼りでいいのか、という点かもしれません。

 前に「設定が絵の描写能力を超え、一撃が核数千発みたいな言葉頼りの説明に頼ってしまう」旨の愚痴を漏らしましたが、イフリートの場合もそうかも。イフリートの場合だと、絵の描写能力超えてないから、もっと深刻かもしれません。言葉で何度と言わず、布が燃え、木が燃え、銅が溶ける、みたいな描写が可能だったかも。

(そうせず言葉の温度描写になったのは、ゲームでは数字で表すことが多いから、とふと思ったんですが、D&Dを知らなくて自信なし。今の異世界転移・転生ものだと、コンピュータゲームの表示をそのまま使ってるわけですが、TRPGから借用だとどうなるかイメージできません。ゴブリンスレイヤーだとどうしてたんだろう。)

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/16 (Thu) 11:20:07

 実写感想ですが、少し変則的に。

 ギーツは次回に。龍騎は先に触れたので、これも今回はパス。となると、家康のみですが、先にご質問のあったような気のするバスタードについて。

★バスタード(とゴブリンスレイヤー)

 まず、今週のストーリーについては、シーン・ハリのエピソードを1話で圧縮。
 で、圧縮されると、シーン・ハリってキャラが何てチョロいんだってなりますな。男に免疫がないのに色仕掛けをするという、ストーリー展開の都合で構築されたような歪んだキャラ造形と行動パターンも、まあDSを引き立たせるための脇役キャラなので大目に見るとして、

 鬼道3人衆という設定は、バトル漫画っぽいベタな物ですな。分かりやすくていい。
 主人公に次々と挑んで来る敵を表現するのに、四天王という敵の大物幹部を用意して、しかも「大柄な脳筋」「色気姉ちゃん」「小ズルい策士」「イケメンライバル」という典型パターン。
 で、色気姉ちゃんの大物っぷりを示すために(本命があっさり籠絡されるとつまらないので)手駒の名あり部下が3人もいて、1人ずつ挑戦してきては、負けてDSの手下と化し、本命の外堀を埋める流れ。
 次々と敵が刺客として襲撃してくる、バトル漫画として典型的なパターンは、いっそ小気味がいいとさえ思えてくる。

 ダイ大で例えるなら、ガラさんがクロコダインで、ネイさんは6大軍団長に女性がいないので、ヒュンケルになるのか。で、部下3人を率いるところはバランに通じるところもあるけど。
 何にせよ、今だと四天王と言われると、「よくあるパターン」と思われますが、80年代だと、そこまで食傷気味ではなかったはず。これもゲームで使い倒された設定だからかもしれません。
 ファンタジーで四天王という設定は地水火風の4大元素設定に対応させやすいから、とか、いろいろありますが、この属性設定も当時はまだ新しかった。

 四天王と、その部下に3人衆を配置して……というのは、山田風太郎の忍法帖などの伝奇小説の流れもあり、そこに異世界ゲームファンタジーのエッセンスと、恋愛アダルトゲームっぽいヒロインを次々と攻略していくハーレム要素を加えた、新ジャンルの開拓作品となりますか。

 で、ちょうどうる星を見ていることもあって、ネイの雷描写が浮気者に手を焼くラムちゃんっぽかったり(ツンデレ気質は違うけど)、
 カイ・ハーンに竜之介を絡めてみたり、
 その後のダイ・アモンが昔の声優(千葉繁)を気にしたり、今作ではDIO様こと子安武人だったり、
 いろいろ比較するのも楽しい素材になって来たかな。同じ80年代作品の令和復刻版という共通点もありますし。

 あと、原作マンガで言っていたメタセリフ(少年誌だから云々)はそのまま再現して、もはや世界観がどうこうマジメにツッコむのがバカバカしいギャグ展開に(良い意味で)転げ落ちた回の気もしますが、
 些細なツッコミを入れては殴り倒されるラーズが、今の目だとマスコットキャラをここまで雑に扱うかってノリですし(前まではDSがヨーコさんに同じ目に合わされていた感も)。


 で、世界観描写の件で、ゴブリンスレイヤーの描写なんですが、主人公のゴブスレさんは「魔法使いではないので、世界の理とか小難しいことは何も知らない」から、世界設定については何も語らないですな。
 彼が詳しいのは「実体験に基づくゴブリンの生態と、それを倒すための戦術、道具の活用法」と、「盗賊の師匠(モデルはホビットのビルボ)から教わった裏社会の処世術」ぐらいです。
 で、ゴブスレさんはどちらかと言えば、頭が悪い愚鈍系キャラなので、一度失敗した経験から学んだ現場の知恵をいっぱい持っている人。彼の知恵は、「昔、師匠に教わったんだが、さっぱり理解できなかった。実はこういうことだったんだな」とか、「師匠からの聞きかじりだが、試してみたら上手く行った」とか、「物は試しに作ってみたんだが、まだまだ改良の余地ありだな」とか、試行錯誤の現場人間で、その経験豊富な積み重ねを、相方ヒロインの女神官さんにポツリポツリ語っている。

 で、本人は世界のことを(ゴブリン絡み以外)何も知らないし、興味を持とうとしなかったので、仲間となった冒険者の様々な視点での多様な見解から、いろいろ学んでいる最中。

 なお、原作小説は「80年代から90年代に流行したゲームブックやTRPGへのオマージュがたっぷり込められたパロディー満載」ですが、アニメだとそういう要素が割と削ぎ落とされ(伝説の自由騎士すら最初のゴブリン退治で命を落としそうになったとか、小説版『ロードス島戦記』にまつわるネタを地の文で語ったりするのが原作)、
 アニメの方はダークな雰囲気濃厚の異世界ファンタジーで、現実の科学的視点の入る余地はなし。
 ただし、メタ的には「この世界は神々がサイコロを振りながら遊ぶ遊戯盤のようなもの」という設定が示され(アニメだと、OPなどで象徴的にサイコロが描写されている程度)、人々の信仰としても「神のサイコロの目が良かった」とか、ゴブスレさんの信念として「神にサイコロなど振らせん(運任せにせずに可能な限りの策を練る)」とか、時々、虚構だなあ、と匂わせる描写が。

 あと、世界設定に噛み合わない科学知識をもたらすのは、覚知神という邪神の仕業で、覚知神の信徒はあり得ない知識でチートなご利益を願い、世界崩壊の起因を作り兼ねないそうで、
 公正で真っ当な知識を守護する知識神と、異なる世界の理を持ち込んで世界の混迷を招く覚知神(邪神)の対決も、背景で設定されています。

 劇場版ゴブスレでは、「ゴブリンの聖騎士だと? あり得ん……こともないか。奴らは弱いが、それでも狡猾で学ぶからな」という流れで、その聖騎士ゴブリンが信仰していたのが覚知神だったという。
 覚知神=チート知識の神、ということで、テーブルトークRPGで世界観を崩しそうなネタをGMが出したければ、便利な設定だったり(原作では一度しか出ていないレアな邪神なんですが)。

 ともあれ、バスタードの制作会社が、アニメのゴブスレ2期を担当するようになって、たぶん、ゴブスレ2期→バスタード2期という制作順番になるかな、と。
 バスタード2期はあくまで制作決定であって、制作開始はまだ。で、ゴブスレ2期は今年放送決定なので、バスタードの穴埋めにはなるかな、と。

★どうする氏真

 今回は忍者がメインでしたが、決断を下したのは、敵役の今川氏真だったと思います。

 父の築いた戦国大名の今川家を滅ぼすに至った暗君として評価されがちですが、
 ゴブリンスレイヤーの作者が、彼を主人公にした時代劇ラノベを書いて(小説家としての処女作らしい)、ゴブスレのヒットのおかげで日の目を見るに至ったという。

 今川氏真は国を滅ぼしたあと、東国の北条家の食客として養われながら、お家再興の願望を掲げるべきか、それとも持ち前の剣術と蹴鞠の腕、文化人としての素養を武器に、傾奇者として世渡りするかを考えている設定。
 そこに京都から蹴鞠のお誘いがあって、西方への旅を始めたら、彼の命を狙う刺客が現れて、その刺客を向けたのが松平なのか、それとも織田か……などと疑念を持ちながらも、旅を続けるバトル時代劇です。

 で、主役の元康の兄貴分だったのに、その座を信長に奪われ、対立することになった敵役の氏真さんですが、
 史実では後に家康と和解、文化人としての今川家の命脈を保つことに成功、つまり武将として表舞台からは消えても、本人の得意分野で密かに重要な影響力を行使するようになった人物です。
 むしろ、国を滅ぼしてからが、氏真という人間の魅力が語られるのではないか、単純に暗君として切り捨てるには惜しい偉人ではないか、というのがゴブスレ作者の主張なんですが、

 そういう目でも、本作を見ている所存。
 うん、負け武将として転落人生を歩むことになる氏真ですが、彼と家康の和解劇まで描いてくれるなら、注目キャラになるのかも知れません。
 何だかんだ言って、家康逝去の前年(1615年)まで生き延びるのですから、信長や秀吉より息が長い。
 下剋上らしく、配下だった元康(家康)を後に主君と仰ぐ形になる逆転劇ですが、そういう心情ドラマをきちんとマジメに描いてくれるなら、それは見てみたいところ。

 逆に、氏真を今後も小物扱いするようなら、がっかりかな。

 で、歴史の影になる人物という意味では、作家が自由に扱えるキャラの動向が面白いかどうかが史実題材ストーリーの巧拙を決めるとまで考えたりもするのですが(もちろん、表看板の重要さは論を待たず、ですが)、
 本作では忍者の扱いが一つのポイント。

 ええと、本作の伊賀忍者はこれでもかってぐらい獣要素が強調されていますな。忍者は人にあらず、犬畜生扱いという方向性で、演技プランが組まれているのか。
 そうなると、新キャラの女大鼠をどう描くかって点ですが、「セリフがほとんどなく、身ぶりアクションだけで演じさせる」という高度な作劇……になるのか? ええと、彼女は元声優だぞ。
 で、忍者嫌いなのに、忍者の頭領として扱われることに不服ながら、獣たちの中にある人間性を見出して歩み寄りを見せかけた半蔵さんですが、
 女大鼠ちゃんは天真爛漫な獣というかネコっぽい気まぐれな振る舞いに見える?

 今後、彼女が人としての成長を遂げるのか、それとも無邪気な天然獣としての振る舞いを続けるのか、半蔵との関わり合いを注目したく。
 最初は垢抜けない田舎娘だったのが、成熟したくノ一に変わっていくのかなあ、と思いながら、親父さんみたいに1話で退場する可能性もあっただけに、死ななくて良かった、と。
 いつまで生き延びるかは全く分かりませんが、野生児の獣娘を実写で見る機会は(特撮の怪人枠を除けば)なかなかないので、レアな演技演出を期待したく。

 それにしても、信長が狼で、元康が白ウサギ(表向きにはトラ、将来はタヌキ)で、忍者は獣扱いで、
 獣たちのバトルロワイヤルという意味では、DGPに通じる要素も?
 あと、サルもいたな。

 他に注目キャラは、榊原さんが本多忠勝とのコンビで引き立ちそうだし、
 バディ関係がいろいろ成立すると、日常会話のやりとりだけでも楽しめるのですが、
 すると、元康と忠勝のバディ関係には発展しないってことかな。

 当面は元康自身よりも、元康の周囲の人間模様が変遷したり、紹介される流れを追いながら、推しキャラを見出す過程なんですが、
 それとは別に、退場するキャラの演技がマジメに描かれているか、見応えがあるかも注目ポイント。
 今回は瀬名の両親の氏真説得演技が迫真で、石川数正も含めたベテラン芸がクライマックスに感じました。
 瀬名ママの巴さんは、前回、救出ミッション失敗の要因を作った残念ママさんだったのですが、今回の「自らを犠牲にしても娘や孫を助けようとする親心」と、それから「自分たちを追い込もうとしている氏真の立場を慮った旨の発言、武家の妻としての覚悟の見せ方」で株を上げたな、と。
 前作のりくさんみたいな転落キャラかと思っていたのですが、失敗から自らの覚悟で責めを負う潔さは心打たれますし、そこから後に託す想いとか、いろいろと。
 まあ、瀬名は史実で不幸な運命に流れていくので、巴さんの想いも霧散しそうなのが今から残念ですが、その想いの一端が氏真にも届いていたなら、そちらに期待できますね。

 氏真が人質交換の際に、背中から瀬名たちを撃とうか悩みかけて、それでも怒りをこらえて、武士としての信義には背かなかったシーンが重要な決断と解しての今話感想でした。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/21 (Tue) 00:51:31

 定期感想書その1です。

●松本零士さん

 亡くなったとの報道があり、非常に突然でした。松本零士作品についての思い出といえば、最初の接点は「宇宙戦艦ヤマト」アニメ(再放送時)になります。しかし、アニメ視聴時は松本さんの絵だとは知らず、艦橋内のメカ描写などをカッコいいとだけ思っておりました。

 が、キャラクターにはなんだか見覚えがある。アニメを観終えてから、書店で松本零士さんの漫画版を見つけましたが、ひおあきらさんのもある。友人に松本零士さんがデザイン担当であり監督でもあると教えてもらい、松本版コミックと見比べて一応は納得した次第。

 しかし、そのコミック版を読む前から、ヤマトのキャラクターに見覚えがある問題は解決しません。ヤマトというより松本零士作品のキャラクターですね。なんでだろうといぶかしみつつも、その後もキャプテン・ハーロックなど読んでました。

 そうやって松本作品と接点を持ち続けたお陰か、ようやく「セクサロイド」を断片的に見た覚えがあったからと判明。青年漫画誌に連載されたものなんで定常的な接点はなく、待合室か何かに置かれていたのを、子供のくせに粋がって読んだか何かの模様(未だに思い出せないorz)。

 それでも自分には松本零士さんの女性キャラクターが印象的だったようで、宇宙戦艦ヤマトを観たときには、森雪やらスターシアらばかり印象に残ってたのはそのせいらしい。もっとも、魅力を感じたのは自分だけではなく、ヤマト再放送後のブーム時には、やたら松本零士調の美女キャラクターを描くアマチュアが多かった印象があります。

 しかし、自分的にはヤマトが(きちんと意識しての)最初の接点ではあるんですが、継続して興味を持つには至りませんでした。面白がったのはヤマト1作目のみです。しかし、松本零士さんの「男おいどん」は大変に好きになりました。連載当時は知らず、後で単行本で知り、全巻揃えました。

 今はもうだいぶ忘れてますが、当時は全てのコマを記憶するほど読み返しました。が、その後「男おいどん」と思しき漫画の断片を見ることがあり、記憶にないエピソードとかありまして混乱。かなりSF的なものもありました。

「男おいどん」は主人公の子孫の未来話がエピローグになってます。未来だけにSF的でした。そのため、「あの続きがあったりしたのかな、それにしても話の内容が食い違い過ぎる」とか思ってました。その後、松本零士さんが四畳半ものを幾つも描いていたと知り、「いろいろ別々の作品だったか」と納得しました。

 結局、ヤマトやハーロック、あるいは銀河鉄道999等については、作品の継続的なファンにはなれなかったんですが、「男おいどん」だけは今思い出しても楽しくなる作品です。たぶん、自分につながる何かがあると思うんですが、よく分かりません。しかし、なぜか分からないけど面白くて好き、であれば充分ですね。

 そういう作品を自分に与えてくれた松本零士さんが亡くなったのは残念です。感謝と哀悼の意を表したいと思います。

●ゴブリンスレイヤー

 BASTARDの感想書いてて「そういやゴブリンスレイヤーってどうだったっけ?」と、半ば自分用メモとして触れてみたら、思いもかけず詳しい御説明を頂きまして恐縮です。いつもありがとうございます。

 前に申した気がしますが、ゴブリンスレイヤー(1期)は当時の自分が視聴できない局(BS)でして、画像付き感想サイトで大まかなストーリーや描写を追っていただけでした。改めてお話を伺ってみますと、勘違いしていた部分がいろいろあるようです。

 最も大きいのは主人公像でしょうか。人付き合いには疎いものの、魔物に関わる部分(さらに、そこから世界の成り立ち等)は詳しく、聡いんだろうと思ってました。しかし、実際は愚鈍系なんですか。しかし地道に学んでいっての、あのゴブリン討伐ということだったのか。

 原作小説とアニメ版の相違も知りませんでした。小説はパロディ等が多いとのことですが、調べてみると「2ちゃんねる」で連載(?)が始まったものみたいですね。それゆえの作風なのかな。しかしアニメ版はそういう遊びを切り離し、あの雰囲気になったという理解でいいんだろうか。

 2期があるという情報は全く知らなくて、助かりました。いずれ、録画機の予約画面に出て来るとは思いますが、「ある」と思っていれば見逃すリスクが下がります。2期があるんなら、その前に1期の再放送やってくれないかな。今の状況だと期待してもいいかもしれません。

 こちらでほとんど話題にしてませんでしたが、「異世界おじさん」アニメは楽しみにして観ています。が、途中から放送延期が出だしたと思ったら、第1話からやり直し放送。ようやく「次は最終回だ!」となった途端、それも延期。こないだようやく3月に放送とアナウンスがありました。

 他にも「艦これ」アニメは全12話予定が8話に短縮され、異世界おじさん同様に途中から第1話から再放送となり、さらに週1だったのが事実上の月1に。いずれも、どうやら中国に制作委託していたら、コロナ再流行で現場が混乱しているのが原因らしい。他にも第1話から再放送の深夜アニメがいくつも出ています(録画予約していてやたら目につく)。

 そこは残念なんですが、逆に申せば、既に制作完了のアニメは放映しやすいはずなわけでして。例えばBASTARD(1期)はNetflixで放映済みですから大丈夫。ゴブリンスレイヤーも1期再放映している間に2期の分の制作を進める算段をしてくれれば、とか勝手な願望を抱いてます(^^;。1期からちゃんと観たほうが、ずっと理解が深まるはず。

●REVENGER(第七話:Rosy Pitfall )

 必殺仕事人のオマージュながら作風は変えてある(30分枠と尺は短い等)と思っていましたが、今話は仕事人の雰囲気を強く感じました。まず利便事される悪役がいかにも仕事人風味です。30分枠で悪役像の描き込みに尺が足りない分は、阿片絡みで第1話から継続していることで補われた感じですね。

 恨噛み小判の頼み人:市之丞もいかにもそれらしい。はっきりとは描かれませんが、武家の出ながら陰間となっている。どうやらゲスト悪役の法円尼が関わってのことらしく、阿片依存にされて、わいろ(?)として有力寺の高僧に差し出されているらしい。

 そこを真面目な善人キャラクターの清空が救おうとするわけですが、法円尼が勘づいて市之丞をさらに強い阿片漬けにし(注射タイプなのでモルヒネかヘロイン?)、おそらくは回復不能に。それでも小判を噛むことだけは覚えていたわけですね。それを清空が利便事屋に渡したらしい。

 そこから利便事となるわけですが、仕事人風と感じた理由は、細かいところですが繰馬雷蔵が利便事前に刀の手入れをするシーンがあること。前の必殺スペシャルで申した覚えがありますが、自分の「仕事」のイメージでは、直前に仕事人が道具の手入れをするものになっています。それと上手く重なったので、今話の利便事が一層、仕事人を思い出すものになったようです。

 利便事の後、せめてもの救いに、清空が阿片患者の手当てを頑張っているシーンが描かれる。頼み人は救えなかったけれど、利便事の甲斐はあった、というのも、自分がイメージする仕事人と重なります。清空は破戒たと言ってますが(おそらく陰間のことではなく、利便事=殺人の依頼を指す)、絶望してはいない点が大事。

 しかし、1話独立性の高い仕事人風ばかりではなく、全体ストーリーも進めてきましたな。まず、利便事のメインターゲットの法円尼ですね。こいつから阿片横流し~密売を繰馬雷蔵が白状させようとするも、唐人街側の劉が立ちふさがる。このおかげで、尼寺ではちょっと食い足りなかったバトルを補ってくれる効用もありました。討ち漏らしたように見えた法円尼を惣二が始末するところも(仕事人スペシャル的で)いい感じです。

 が、やはり繰馬雷蔵が利便事の道に入る原因となった阿片が依然として争点であることが示される点が大事ですね。そこは漁澤陣九郎と宍戸斎門の意味ありげで、しかし曖昧な駆け引き会話に引き継がれ、次話以降に期待と。どうも、このREVEBGERは繰馬雷蔵で始まって、繰馬雷蔵で締めくくられるのかな。1クールだと今話から後半ということで、これからドラマを絞り込んで来るような気がします。

●うる星やつら(第18話:き・え・な・いルージュマジック!! / 必殺!ヤミナベ)

 前半はいきなりのダイジェスト入りまして、ちょっとびっくり。コロナ禍で制作スケジュールが遅れ、総集編的な振り返り回に差し替えかと思いました。が、無事にルージュ編始まりまして、ほっとしました。が、またも驚きまして、BGMが「い・け・な・いルージュマジック」。調べてみると、82年の楽曲でして、80年代版アニメの時期ですね。制作が「このエピソードにこの曲使ってみたい」と思ったんでしょうな。

 そこは制作独自の遊び心だとしまして、しかし内容はいかにも高橋留美子さんらしいドタバタでした。原作通りかどうか記憶がはっきりしないんですが、パターン的に高橋留美子さんが得意とするものと感じます。雪だるま式に混乱が大きくなり、テンポも上がっていくスラップスティックで、先週の竜之介のブラ話もそうでした。

 しかし、先週と異なるのは、可笑しさが主に表面的な口実/建前と内心の目論見/本音の齟齬にある点でしょうか。特に終太郎ですね。建前を崩さずに本音の実現に四苦八苦して、かえって事態を悪化させると。そこへ温泉マークもドラマに投入してかき混ぜ、竜之介の逃走で強引に終える。

 後半の闇鍋はまた別タイプのドタバタでして、ドラえもんでいえば「のび太の悪知恵でのび太自身に天罰覿面」のような感じ。と言っても、ラムの激辛味覚から逃れるためにあたるも必死と考えると、同情の余地はあります。

 そこを上手く隠すのがラーメンのシーンですね。ラムの台詞「味がよく分からないっちゃ」→「ダーリンがおごってくれるんだから」は健気さを感じます。しかし、そこをあたるが「誰がおごってやると言った」とツッコんでコミカルなオチにし、印象をいったん曖昧にするのが上手いところ。

 ともかくも、ラムが苦手とする「モグモグ」はテンに頼んでも10日はかかる。そのため、あたるは「モグモグ」を忘れ、ラムが地球の食い物ではニンニクが苦手と突き止め、策を弄する。が、あたるが忘れていた「モグモグ」が闇鍋に間に合ってしまうオチに。

 その辺りも高橋留美子さん得意の手法だったように思います。そういう手法を洗練させていくのが高橋さんの路線のような気がします。正確には「しました」と過去形かな。「うる星やつら」連載中ですと、終盤くらいになると、自分か感じる面白みはだんだん下がってしまいました。

 どうやら、「いかにもこのクリエイターらしい」と思えるようになると、自分は飽きがちになるようです。「らしさ」を感じるクリエイターは高橋留美子さん以外ですと、スティーブン・スピルバーグとかジョージ・ルーカスもそうです。

 対照的と思えるのは、例えば宮崎駿さんでしょうか。次々と作風を変えますんで、自分的には飽きない。しかし、当然ながらデメリットもあるわけでして、1つのこと極めないから、いつまで経っても粗削り。何かを極めつつ、次々新境地って無理なんでしょうね(百年に一人クラスの天才でない限り)。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/21 (Tue) 11:14:08

 ギーツといくつかアニメ感想。

 でも、その前に。

★松本零士さん

 自分はこの人の原作コミックはあまり読んだことがなくて、もっぱらアニメのみの視聴でした。

 最初のヤマトは再放送組で、松本アニメとの最初のコンタクトは『惑星ロボ ダンガードA』(1977)ということになります。
 で、78年のヤマト2やら、キャプテン・ハーロックやら、スタージンガーやら、銀河鉄道999で松本ブームの洗礼を受け、小学低学年の幼少期なので原作者が同じ人だと気づいておらず、
 劇場版の999(1979)で初めてハーロックが出演して、ああ、物語世界がつながっているんだって感動した記憶があります。

 で、次の1000年女王(1981)の番組開始前特番か何かがあって、999が番組終了して新番組に移ることを告知する内容だったんですが、作者の松本零士さん宅に、アニメキャラのメーテルや、雪野弥生や、あと2人ぐらいの松本美女が訪れて作者と雑談するような実写とアニメを組み合わせた演出があって、「ああ、1人の作者がいろいろなキャラの生みの親で……」というのを実感した記憶もあります。

 自分にとっての作品世界クロスオーバー感覚を初めて実感したのがこの辺ですね(ウルトラマンや仮面ライダーなどのシリーズ内での共演は知ってたけど、違う番組世界内って意味で)。
 その後で、「昔にマジンガーZとか、デビルマンとか、ゲッターロボが共演していたこと」を後から知ったりして、
 東映まんが祭りなどで、「映画ならではのスペシャルで、あれこれ混ぜる」という歴史も後付けで学び、
 でも、それを最初に味わったのが、松本ワールドだったわけで。

 ともあれ、宇宙への憧れとか、金髪長髪お姉さんキャラへの憧れとか、世界観リンクとか、今の自分の嗜好の数々を植えつけた恩人たる偉大な作家の冥福を祈りたいと思います。

 それにしても、21世紀になってから、1000年女王の雪野弥生がメーテルの母親のプロメシュームだって知ったときは驚きましたなあ。
 昔のアニメ放送のときには、弥生はメーテルの後輩の妹分ってイメージが強く焼きついていましたし。
 まあ、時間軸を考えると、999が遠い未来の話で、1000年女王は1999年の世紀末の話だから、一つにつなげるなら999の方が後の時代になるのは納得なんだけど、当時はそういうことを考えていたわけでもなく。

★ギーツ

 で、作品内の世界観でも、「実はこういう秘密があって」と明かされて、そうだったのか〜と驚く瞬間は、印象に残るわけで。

 DGPの運営やオーディエンスが、未来人だって知った今回は、え? そっち? って思いましたな。
 てっきり「過去の滅びた文明か、異星人か、上位次元の住人だろう」としか考えてなかったわけで、未来人の娯楽かあ、というピースをもらって、いろいろパズルの完成イメージを組み換え直している最中です。

 一方、浮世英寿個人の謎はまだ解明されていないのですが(この世界の人間ではないのは示されているものの、運営やオーディエンスとは関係していない。まあ、こっちが古代の超文明の一族なんだと思ってますけど)。
 ともあれ、袮音ちゃんのデザスターバレがどうでも良くなるぐらい、ベロバさんの対DGP作戦で混乱しまくってる現状ですが、最後に巨大化して世界を消滅させた?

 そして一週間の特番みたいな何か? で、DGPの裏側を探る?

 3月からは新しい世界で、新しいゲームが始まる? もしくは、もはやゲームではなくてリアル?
 って急展開に、ワクワクドキドキしてます。

 まあ、それ以上にドンブラザーズの最終回がどうなるかの方を気にしてる次第ですが、ここでは話題違いなので自粛。

★ジョジョSO

 ヘビーウェザー2回めは、ウェザーと神父の過去の因縁話がメインで、言わば、これも謎解き回ってことになりますな。

 DIOと神父の関係性が、声優的に大魔王バーンとハドラーさんの関係に聞こえて仕方ないんですが、
 そういうつながりはさておき、ウェザーの自分でも制御できないと思われるカタツムリ化能力の暴走と、それでもまだ自制していると思しき「神父との決着がついたら、アナスイに自分を殺してもらう」との宣言で、全てを終わらせる覚悟を表明。
 その背景にある過去の皮肉な運命の悲劇に、まあ、圧倒されたと申しましょうか。

 ともあれ、これはこれで、一つの決着が次回、見られるわけですが、今の状況を見ていると、刑務所の中の方がまだ平和で秩序が保たれていたなあ、と思ったりします。
 刑務所から出てもなお、過去の重みという「石の牢獄」に閉じ込められているようで、全てが破滅に転げ落ちていくような緊迫感を覚えつつ、楽しんでいるってことで。

★REVENGER

 利便事の邪魔をする唐人拳士。

 主人公側からは「尼寺の阿片事件を裏から操っていた黒幕」のように見えて、唐人の方からは「自分たちが扱おうとしていた阿片が行方不明で、その隠し場所を探っていたら利便事屋が動いていて、やはりこいつらが隠し持ってる?」という双方の誤解と対立が、作劇的に面白い。

 それにしても、阿片の動きをコントロールしていた悪の侍を斬り倒したら、流通の歯止めが利かなくなって、ますます阿片が世に蔓延るようになったという皮肉。
 今の阿片をばらまいているのは誰なのか? って謎が示されていますね(利便事屋でも、唐人側でもなく、それでもお互いが疑っている状況)。


 これで阿片を隠し持っていたのが、元締め、もしくは牙狼の番犬所みたいな立ち位置の歪んだバテレン教会で、最後は自分ところの上の不始末を(犠牲を払いながらも)殺し屋が自分たちで晴らそうとするストーリーに帰結したら、まあ、意外なサプライズでありつつも、上手い落としどころだろうなあ、と考えてみたりします。

 昼行灯の同心が黒幕という可能性も考えていたのですが、今回のラストのやり取りで「阿片に対しては憎んでいる心境」が語られて、まあ喰えぬ御仁ではありますが、ラスボス格の悪党ではなく、結果的に中村主水の立ち位置であることが確定。
 ただし、仕事人時代の主水ではなく、最初の仕置人時代の主水ですね。基本的には、チームの裏の参謀として奉行所内の情報を流しながら、メンバーの殺しの段取りをフォローする役どころ(奉行所の捜査をかく乱したり、殺しの的の役人や武士を誘い出したり)。
 初期の主水さんは、チーム内のフィクサーとして(たまに自ら殺しもするけど)基本は殺さない人でした。まあ、シリーズが進むと殺しのトリを務めるリーダーになって行くわけですが。

 今作の同心は、利便事屋組織とは距離を置きながら、利用しようという立ち位置で、必殺シリーズ的には「新・仕置人」の雰囲気もあります。
 殺し屋組織・寅の会に最初から所属している「旧友・念仏の鉄」のチームに後から入って、殺し屋組織にも知られていない最後の切り札みたいな役どころ。

 最初は、示現流の若侍が「新・仕置人」の主水みたいな立場(上司に騙されて命を狙われた結果、裏の世界に入る)だと思ってましたが(主水の場合は、入り直すが正解ですが)、上手く旧作要素を解体して、役割を配分しているなあ、と思います。
 そして敵役の唐人ですが、仇敵、ライバル組織として立ち回りつつ、どこかで利害が重なって共闘する可能性も感じております。

★うる星

 ラムの発明品がトラブルを巻き起こす2編と解釈しました。

 どこか、ドラえもん的というのは、口紅と調味料という2大アイテムがトラブルの元に置かれている点ですね。

>いかにもこのクリエイターらしい

 いわゆるマンネリ化ってことですかね?

 自分は少し逆で、「作風が固定して来た時からが勝負」なんて考えてます。
 最初は作家自身が自分の作風を自分で理解しておらず、いろいろと思いついたことをあれこれ試して、とにかく読者の反応や、自分なりの充実感を探ってみる。
 で、その際に、どれだけ試行錯誤して、自分なりの引き出しを広げたかが作家の可能性に通じますね。

 たまたま時代にマッチして、一発屋で終わる作家も多い中で、その道で続けて行くからには、ネタ元を幅広く貪欲に吸収する素質とか、時代の流れに敏感でフットワークが軽いとか、様々な才能が必要になるわけですが、
 広くはないけど深く、マニア心をも驚愕させるレベルを示すとか、その逆にマニアックな素材を初心者にも分かりやすく提示するプレゼン的な才能とか、まあ、いろいろあって、それらが華開いたときからが、また最初のブームが去った後からの方が、受け手としては面白いと思ってます。

 一躍ヒットしますと、インタビューなどによって、クリエイターの思惑なども露出の機会が増える。
 すると、「自分はこうやったら上手く行って、こうやったら失敗したなと思ったんだけど、その分をこうしてみたら……って試行錯誤の過程を経る姿を表明する」のが楽しくて、
 作品の背景事情って奴ですね。

 作家の考え方の土台とか、流行のつかみ方とか、目指してる方向とか、面白さの基準とかが分かってくると、一連の作品シリーズのつながり方が見えてきて、
 そこが見えないうちは、何だか消化不良というか、咀嚼できていない気分になる。

 伝統の味に舌鼓を打ちつつ、おお、そういう風に変えて来たかあ、とか、さすがにそれは変えすぎでしょ(笑)とか、まあ、いろいろ感想を思いながら、
 作家ごとの冒険や挑戦を味わえたらいいなあ、なんて思ったり。

 ともあれ、宮崎駿さんについては、冒険アクション物が好きで、応援していた人が、方向性違いの作品を連発すると、自分の視野からは外れてしまった感があります。
 割とジャンルを固定して見てきたので、「マンネリ化してきた中での飽きさせない工夫」ってものに、心惹かれる次第。

 もちろん、飽きてしまうこともあって、それは作家が勉強してないなって感じるとき。
 その作家の作る物語を鑑賞して、いい勉強になるなあって感じられる作品は良い作品だし、まあ、勉強しないで感性だけで突き進むクリエイターもいるんだけど、その感性が自分に合わないと、中身がないと思うわけで。

 まあ、稀に感性の相違など、勢いでねじ伏せてしまい、自分の感性の許容量を広げてしまうタイプの作家もいて、こっちの目が醒まされてしまう作り手もいるわけで、好きとか嫌いとは関係なく理解不能だけど面白いって人がいると……天才奇才鬼才って思えますね。
 そういう人物は、自分では分析できないので、誰かの分析を参考に、どう許容するかを模索するのも一興。

 では、今回はこれぐらいで。

PS.とりあえず、K.Kさんの龍騎最終話感想を楽しみにしつつ。自分はラストの展開に衝撃を受けた作品なので、初見の人がどう受け止めたかってのは改めて気になったり。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/21 (Tue) 23:33:09

 定期感想書その2です。

●いくつかピンポイントレス

 ピンポイントでいくつかっておかしい気もしますが、部分的に「しまった、そう伝わってしまったか」とか「なるほど、そうだったのか」等と思う点がいくつかあるもので(^^;。

・マンネリ化

「いわゆるマンネリ化ってことですかね?」と伝わってしまったのは、やはり書きようがまずかったと反省です。原因を自分なりに考えてみると、自分が飽きにくい「次々に作風を変える」ことについて、欠点として「いつまで経っても粗削り」としたものの、「いかにもこのクリエイターらしい」ほうは長所を挙げなかった点かなと。

 先に「マンネリ」について申しておきますと、自分も感じることはあって「作家が勉強してないなって感じるとき」ですね。別の言い方をしてみますと、表現が洗練されて行かない。あるいは、ネタ切れのまま繰り返しているように感じてしまう。

 高橋留美子さんの場合ですと、複数のエピソードが同じような展開になっていても、進化があります。最初はちょっとギクシャク、ガタピシしていたのが、月日を追うごとに次第に狙い通りに一発でバシッと決まるようになっていく感じ。

 それはそれで感心します。しかし、感動のほうは大きくなっていかず、たぶん自分の好みの方向性ではなさそう、ということですね。今のところ、22年版「うる星」アニメは感心する部分が大きい次第。

 では、より感動する作品のほうへ(感想などを)移せばいいかというと、そうでもなくて。感動がちょっと低めで、しかし大いに感心する作品も自分には大事な意味がありまして。例えば(こちらで何度か少し言及した)「その着せ替え人形は恋をする」(略称:着せ恋)アニメがあります(原作はコミックで未読)。

 観ていて、大事なシーンで大変に納得感が生じるんです。もし着せ恋に感動してましたら、なぜ納得するか、自分は考えないでしょう。あるいはシーンを思い出すだけでも感動で興奮してしまって、考えても分からない。しかし、好きな作風と外れているため、冷静になって考えることができます。で、伏線と思わせない工夫がある伏線、段取りがいろいろあったと気が付きます。

 それで着せ恋の作者(アニメ制作含む)は上手いと大いに感心した次第。今のうる星アニメの場合ですと、80年代アニメの押井守色がなく、原作をできるだけ現代感覚でアニメ化しているようです。そこに高橋留美子さんの上手さが感じられまして、感想にもそのことを書いている途中です。

 少なくとも、話作りの上手さへの感心は高まって来てます。そこは原作コミック連載時には気が付かなかった点多々です(80年代アニメは押井色があって比較しにくい)。各話に感心しているうち、以前にコミック読んでいて見落としていた面白さを発見でキルかなあ、と思ったりもします。

 そうなると、今のうる星アニメも、1期を観終える頃には「面白かった」と掛け値なしで言えるようになればいいかなと。面白いと思える作品はいくら増えても得するばかりで、損はないですから。

・龍騎(最終回)感想

 初見の自分がどう感じたかを期待されて、焦っております(^^;。先週末に観て、もう月曜なわけですが、まだ感想を書き始められそうになくて。この龍騎の物語がどう締めくくられるかは、こちらで教わり、さらにネット検索などもしまして補完し、一応は分かったつもりでいました。「後は映像がどうなのか、確かめてみよう」と思うくらいに。

 しかし甘かったようです。例えば、最終回前に主人公が死ぬって、こういうことだったんですか(すみません、気持ちを表す表現が思いつかない)。蓮はよろよろと階段を昇るイメージは漠然と覚えていたんですが、病室であのようになるんですか。

 そして神崎兄妹の決断で、再び(優衣以外の)みんなが揃うと、あんな風になって、それを観ているとこういう気分になるものなのかと。

 その辺りを、なんとか言語化せねばと思うのですが、感動を通り越して動揺してしまっている状況でして。しかし、たぶん東映公式Youtubeには1週間しか動画を置いてくれないはず。あまりオロオロしている時間もないぞと焦りもしまして、どうしようかと思っています。たぶん、明日には何とかするつもりです。

・REVENGERのモチーフとしての仕事人/仕置人

 自分の先の感想時には、例えば漁澤陣九郎が主水さんのようで、そうではないような気がして、何も書けずにいたんですが、こちらで教わって納得しました。自分が未見の「最初の仕置人時代の主水」さんでしたか。それがいくばくかは後の「仕事人」に引き継がれたので、自分が何となく漁澤陣九郎から主水さんを連想しつつも、重ならなかったようです。

 一言に必殺シリーズといっても、言われてみると歴史が長いし、作風も変遷してたんだと思い出しました。自分が熱心に観たのは、そのうちのごく一部に過ぎません。アニメ制作はどうやら初期からの作風をちゃんと調べていて(あるいは実際に観ていて)、いろいろ取捨選択とアレンジしてのオマージュがありそうです。

 その辺り、こちらで伺うまでは考えが及びませんでした。必殺のオマージュといっても、自分が思っていたより広範ということを念頭に置いて、残りを楽しもうと思います。もしかすると、今までに「必殺オマージュ」と言われていた作品群で、自分が「そうかなあ?」と首を傾げたものも、実は自分が未見の必殺を題材にしてたのかな、と少し不安になったりもしています(^^;。

 しかし、知らないままにいるよりずっといい。いつもタイミングよく、大事なポイントのご教示頂いていることに感謝の次第です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第31話:ヘビー・ウェザー その②)

 今話ラストがほぼ前話ラストのタイミングでして、残りはほぼ過去編ですね。ウェザーがどうして今の状態・状況になったか、これで分かりました。とはいうものの、字面上ですがウィキペディア等で予習はしたはずなんです。ところが、今週の龍騎で動揺したのと同じく、観てみると分かっていたつもりなのに衝撃を受けてしまいました。

 やはり、設定を読んで知るのと、それをドラマとして見るのは大違いのようです。物語は気持ち、気分を伝えるものだからでしょうか。特に動く絵である点は大きいかも。文章だと読んで状況を考えて理解してから気持ちが生じますが、絵だと状況そのものを見せて来ます。だからダイレクトに気分が生じるんでしょう。気持ちの準備をする余裕がありません。

 ともかくも、過去に何があったか、自分用メモとしても書いておこうと思います。事が起こった時系列では、

1. プッチ兄弟が二卵性双生児として誕生。
2. 弟(ウェザー=ドメニコ)が死んだ赤ん坊と取り替えられ(さらわれ)、育てられる。その時点では誰も知らない。
3. プッチ神父(エンリコ)の妹(ペルラ)が誕生する。
4. ペルラがウェザーと恋に落ちる。2人は兄妹だと知らない。
5. ウェザーの育ての母親(誘拐犯)から懺悔を受けたことで、プッチ神父はウェザーが弟と知る。
6. プッチ神父は実は兄妹であるペルラとウェザーを別れさせようと、何でも屋/私立探偵に依頼する。
7. プッチ神父は知らなかったが、何でも屋は過激な黒人差別主義者だった。
8. 何でも屋はウェザーの育ての母親/誘拐犯が実の母親と思い、夫が黒人と知り、ウェザーを黒人と判定する。
9. 何でも屋は過激な黒人差別主義の信念通り、ウェザーを吊るし首にする。
10. ウェザーが死んだと思ったペルラは自殺。
11. ペルラの死を悲しんだプッチ神父にDioの授けた矢が刺さり、スタンド覚醒。
12. それがウェザーにも作用してスタンド覚醒。しかしウェザーには理解できず、制御もできずに能力発動(ヘビー・ウェザー)。
13. プッチ神父は闇化し、ウェザーの記憶をDisk化して奪い、記憶喪失のウェザーを刑務所に放り込んでカタをつけたつもりになる。

 以上がプッチ神父とウェザーの物語前史といったところでしょうか。途中でナレーションが「あなたに判断して頂きたい」と言ってますが、おそらく誰も判断できないところでしょうか。

 1つだけ自分が分かった/感じたのは、この物語が一気に陰鬱になったことくらいです。しかしそれも、とりあえずプッチ神父とウェザーについてだけにしても次の決着編を観ないことに何とも言いようがない気がします。

 たぶんですけど、プッチ神父とウェザーの決着を見届けても、やっぱり何かが分かることはなさそう気がします。おそらく、最終回を観終えて、それから考えて、でしょうか。ともかくも次を観ないことには、どう思えるかの感想は書けそうにありません。

 それにしても、黒人差別はややこしいようです。前に知ったんですが、血の白人:黒人比率に詳しい規定があるそうで。今話では黒人-白人カップルの子は黒人比率1/2で黒人判定。その子が白人と結婚してできた子は黒人比率1/4で黒人判定。さらにその子が白人と結婚してできたこは黒人比率1/8で白人判定。ということらしい。

 なんと申しますか、無根拠・不合理なものほど定義や規則が細分化するのかなと思います。フィクションならいざ知らず、リアル(での嘘)についてリアリティを持たせようと細部に拘るって、どうにもグダグダな気がします。

 ギーツ感想も書くつもりでしたが、最初に書いた言い訳が長くなってしまいました。ギーツ、龍騎、牙狼、BASTARDは明日、書こうと思います。「どうする」は、もしかしたら次が動きがありそうですが、今週分はその準備編みたいに思えますので言及せず、次回と併せて判断したいと思います。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/22 (Wed) 23:59:04

 定期感想書その3です。

●仮面ライダーギーツ(23話「乖離T:いざ!推しのためなら」)

 ドラマ的な動きは少なく、後半の展開のための情報開示と整理といったところでしょうか。前半の奇妙とも思える展開はどうしてそうだったのか、ということを劇中人物に対してはもちろん、観ているこちらにも飲み込んでもらうということですね。

 最も核心となるのは、DGP運営及びオーディエンス/スポンサー/サポーターの正体ですね。何かこの世ならざるものという雰囲気が以前からありまして、宇宙とか異世界とか、いろいろ可能性が考えられる。が、未来人ということでしたか。過去の歴史をショービジネス加えて楽しむエンターテインメント:リアリティライダーショーやってたと。

 そうなりますと、DGP運営とオーディエンスらは世界を滅ぼすことはもとより、征服といったこともできないとなりそうですね。過去を大幅に変えてしまうと、未来も変わるわけですから、今いるDGP運営/オーディエンスが存在しない歴史になりかねません。

 もっとも「創世の女神」の能力・機能いかんということではありそう。今までも、DGPゲームでライダーがジャマトに勝ちさえすれば、戦闘によるダメージは死傷者含めて回復されていました(敗退ライダー以外は、ですが)。それが「創世の女神」の機能の一部だとすると、もっと大きくぶっ壊しても何とかなりそう。

 劇中の台詞を参考にしますと、例えばペロパが自分たちの正体を明かしてしまった「既に終わってる大昔の世界」が気になります。過去ですから「既に終わってる」のは当然ですが、何か自分(ペロパ)らと無関係な世界というニュアンスも感じます。もしかすると、今のギーツ世界は未来人の未来世界とは既に別世界/異世界同様になってるのかも。

 それを窺わせるのが英寿のサポーター:ジーンの台詞「この素晴らしき3.5次元の世界」です。アニメ(2次元)を舞台化(3次元)したのを2.5次元と呼んでいるようで、それを模した台詞なんでしょうな。でも、現実の3次元をエンタメ化しても3次元であって、3.5次元ではない。

 もし、未来人が異次元~高次元(4次元)の存在だとすると、我々3次元が2次元(アニメ)の舞台ショー化を2.5次元と呼ぶのと同じく、3次元のショー化を3.5次元と呼んでもいいのかもしれません。そうなりますと、未来人の未来世界はこのギーツ世界の単純な延長線上にはないことになります(未来世界から見た過去のごく一部、みたいな感じ)。

 ともかくも現GM:チラミが派手なエンタメ路線に走りがちだったのも、後は野となれ山となれ、どうせ(自分たち未来人だけは)元に戻る、と思ってるからできていたことだったのかも。

 しかし、ジャマト側の目論見はちょっと違うみたい。単純に考えると、ショーとしてのDGPの範囲内で、アルキメデルはジャマト主導の世界を実現したい感じ。今話の新情報としては、DGPゲームでライダー敗退で滅んだエリアがジャマーの世界(ジャマーガーデン)になるとのこと。そのジャマーガーデン中心のDGPにしたい、といったところでしょうか。

 しかしもしかすると、アルキメデルはジャマーガーデンが栄える未来に歴史を作り替えたいのかも。ジャマー側のスポンサー:ペロパがヴィジョンドライバーを奪取して、「創世の女神」で願いを叶えようとしてましたが、アルキメデルの期待ではジャマーの歴史に切り替えてもらう事だった可能性ありの気がします。

 しかし、ペロパは巨大な仮面ライダーペロパとなって、ジャマーガーデンを焼き払ってしまう。これはもしかすると、プロデューサーのニラムが冒頭で言っていた、「DGP運営/オーディエンスの正体が知られれば、DGP終了して引き上げる。人々はDGPについて全て忘れる」が発動しそうだからかな。

 なにせペロパが口を滑らせて、英寿がDGPの正体=未来人に気がついちゃいましたからね。しかし、次回は「乖離SP:緊急特番!デザグラのすべて!」ということで、劇中の人物にいろいろ明かされるらしい。次回タイトルを最初見たとき、自分は観ているこちら向けの種明かし回かと勘違いしました(^^;。しかし、実際は劇中での種明かしということみたいですね。

●仮面ライダー龍騎(第49話:叶えたい願い、第50話:新しい命)

 最終の2話は3つのドラマがありまして、真司と蓮、北岡(&ゴロちゃん)と浅倉、優衣と士郎ですね。みんな精いっぱいあがくんですが、ライダーは次々死んでしまいまして、既に死亡していた優衣と士郎が最後に為すべきことを悟って、幸せな大団円に導かれてました。

 まず北岡と浅倉。この2人はどうやらバディだったようです。それも、真司と蓮が盟友という順のバディだとすれば、北岡と浅倉は宿敵という逆のバディでしょうか。浅倉は本能的、望み通りに北岡と戦いたがってますが、北岡は自分の願い(健康と延命)を放棄してみて、ようやく理知的に自分が浅倉に対する何者なのか悟ったようです。

 浅倉が納得するように戦ってやる、それが北岡の宿命であり、望みでもあるわけですね。それを北岡はようやく、最終2話に至って気が付いたらしい。もっとも、観ている自分は北岡より気が付くのが遅く、2周目でようやく「もしかして」と思い始めました。

 しかし北岡の時間は限られている。人生最後のイベントを桃井令子との食事にしようと思い、北岡の病状を知る島田奈々子と浅野めぐみの支援を受け、令子にOKを貰ったものの、北岡が選んだのは浅倉との決着であるわけですね。

 しかし、その決断も間に合いませんでしたか。浅倉のもとにゾルダが現れ、バトルとなって浅倉/王蛇の勝利となるも、ゾルダの変身が解けると、正体はゴロちゃん。北岡を幻視したのか、美味しいもん買って帰りますとつぶやいて絶命ですね。その頃、北岡はソファに横たわっており、胸の前で組んだ手には白薔薇が。奇しくも、誘いを受けてレストランで待つ令子がテーブルに飾られた白薔薇を眺めてましたな。

 さすがに浅倉も北岡が死んだと理解し、絶望したようですね。たぶん、それで浅倉も悟ったんだと思います。自分(浅倉)は北岡と戦っていたかったんだと。それがもう望めないとなって、戦いの無い苦痛から逃れる術をなくし、変身もせずにライフル構える警官隊に突っ込んで行っての死亡。

 それにしても、北岡がゴロちゃんに最後に呟いた台詞「今日は天気が悪いねえ、(暗くて)吾郎ちゃんの顔が見えないよ」はちょっと謎です。病状が悪化して、目が見えにくくなっているのか、それとも北岡が間もなく死亡すると気が付いているゴロちゃんと目を合わせられなくて言い訳したのか。何となく後者の気がしますが、自信なし。

 一方、真司と蓮。優衣というミラーワールドの抑えを失い、街にミラーモンスター(全てレイドラグーンみたいですね)があふれ、蓮/ナイトが先行して迎撃。前話で龍騎の正体がバレた真司は大久保編集長と話してますね。とぼけているようで鋭い大久保編集長はさすがでして、真司に対して核心を突く忠告「信じるもの」を与える。

 自分も大久保編集長の台詞を聞いて、「ああ、そうか」と思いました。13RIDERSでも示された、真司の2つの願いはずっとありました。「戦いを止める/続ける」ですね。おおむね、真司の願いは「戦いを止める」に傾く。しかし、蓮に託されたもの次第では戦いに傾きもする。

 真司はそんな風に揺らぐわけですが、「信じるもの」がないためだったようです。正確に申せば、あるんだけど意識してなかった。「信じるもの」が実はあって、それが蓮だと真司が気が付いたらしいのは、ミラーワールドに溢れかえるミラーモンスターを見る真司の表情から窺えます。信じるものは共に戦うバディであり、もちろんそれは蓮であると。

 その直前、真司は島田奈々子から北岡の病状を知らされ、北岡が何のために戦っているか察するわけですね。序盤で北岡と出会い、いったん突き放された真司ですが、この土壇場で北岡に気持ちがぐっと近づいた。北岡も正しかったんじゃないか、と。そのとき、真司の脳裏に蓮の台詞が蘇るわけですな。「お前(真司)はそうやって、何でも飲み込もうとするから迷うんだ」。

 前に期待とズレた方向に行くからこそ惹かれる主人公として、「Re:ゼロから始める異世界生活」のスバルを挙げた記憶があります。主人公のチグハグを観ていて「そうじゃない、こっちだ」と(劇中の人物も自分も)イライラするからこそ好きになる感じ。真司もそうだと申した覚えがあります。

 龍騎のドラマにおいては、蓮がズレていく真司を「こっちだ」と引っ張ってたんでした(しばしば、真司は強引なくらいに逸れ続けますが ^^;)。この土壇場でも、蓮/ナイトは、遅れて馳せ参じた真司/龍騎を叱咤し、ミラーモンスターとの戦いに集中させる。が、今回の真司/龍騎がいつものように態度がふらついているのは、実は既に致命傷を受けていたから。生身時に少女をミラーモンスターから庇い、少女は救えたけれど、真司は背後からグッサリ刺されてしまっていたわけですね。

 しかし、真司は龍騎に変身しており、蓮/ナイトは気が付けない。ようやくモンスターをとりあえず掃討し、変身が解けてみると、真司は車に寄りかかり、その車には血が。既に蓮をバディと悟った真司に対し、蓮はこの時点で真司を運命を共にするバディだと気が付いた感じです。

 真司は蓮を見つつ「やっと、ちょっとは答らしいもんが見つかったかもしんない」と言うも、「でも、なんか俺、駄目かもしんない」と死期を悟ってますね。それでも「ミラーワールドを閉じたい、戦いを止めたい」と言ったのは、蓮になら託せると思ったからでしょう。13RIDERSとは逆になりましたな。

 そこまで観て、この真司に納得できると思ったんです。しかし、先に申しましたが動揺してしまい、しかもそれが治まりません。なんでだろうと、今週分を最初から(複数回 ^^;)観なおしてみて、ようやく原因が分かりました。

 真司の最期に感動しておいて変な言い方ですが、真司に共感しつつも、感情移入してなかったんです。正確に申せば、真司視点で真司の気持ちになっての感情移入をしてない。なぜかはすぐ理解しまして、上述しましたが、ズレていく真司を「そうじゃない」と思いつつ観ていたから。龍騎が始まって、ずっとそうだったようです。「Re:ゼロから始める異世界生活」のスバルを真司の類例に挙げてみたときに気が付くべきでした。

 真司の最期のシーンでは、蓮視点で観ていました。だから泣いて「生きて願いを叶えろ」という蓮が自分にグッサリ刺さります。動揺が治まらないのも道理でして、蓮が真司の死に納得してないから。真司はどでかい「そうじゃない!」を残して去ってしまいました。

 ともかくも、蓮がどうするかになるんですが、3つ目の優衣と士郎のドラマが救いを与えてくれました。優衣が(真司の願いに知らずに沿って)安全にミラーワールドを閉じ、自分の新しい命は放棄したからですね。士郎もついに折れる。士郎が諦めれば、オーディンも諦める。蓮は幸いにも、もともとの「小川恵里を救う」願いを迷わず叶えられる。

 しかし、蓮もオーディンに(結果的に)勝ちながらも、致命傷を受けてましたか。真司のミラーワールドを閉じる願いは優衣によって果たされたので、蓮は新し命を小川恵里に授け、傍らで眠るように。明示はされてませんが、死亡しているようですね。しかし、ペンダントにしていた指輪は恵里に返し、蓮は微笑むような表情でして、いつも無茶する蓮を心配していた恵里が安心するほど。蓮の死にも気が付かないほどですね。

 大久保編集長もこの結末を理解したようで、ライダーバトルについての記事をまとめていますが、その少し後にリセットが起こったようですね。真司はバカ新人(そういや真司に「ん」を足すと「しんじん」なのか)としてOREジャーナルに出勤してきて、ライダーなぞ全く覚えていないらしい。

 外に出た真司は、以前に戦い、死んで行ったライダーの変身者と次々再会(?)。もちろん、互いに見覚えはなし。印象的なのは、誰も彼も以前より穏やかなことでしょうか。浅倉は真司のバイクを蹴り倒すなど、粗暴の傾向が相変わらずですが、「イライラさせるな」と言いつつも、機嫌はそんなに悪くない。

 そして真司は最後に蓮と出会うわけですね。正直申しますと、1回目では「蓮が実は真司を覚えている」裏設定を忘れていました。どうも真司の死で動揺して、予習が吹っ飛んでしまったらしい。出会って離れ、蓮が真司を見る目を見て、ようやく思い出した次第。

 そこで「蓮と真司の初対面は相変わらずだな」という印象から、「知らないふりをしていても、蓮は真司と再会して嬉しいんだ」と思い、爆発的な感動が生じました。それから気が付いたんですが、蓮だけは真司と出会い直しても、穏やかでなく、前のままなんですね。蓮だけ変わってない。しかし、真司が見ていないところでは、蓮の目が優しい。そこが「蓮は戦いを覚えている」裏設定を表しているような気がしました。

 最後は優衣と士郎の、このやり直された世界でどうなのかを写真で示して、龍騎の物語は終わるのか。子供の頃の写真ということは、それ以降は生きてはいないということでしょうね。それがリセット前の優衣と士郎の選択なんだし。この世界と切り離されたミラーワールドの部屋で、子供と大人の2つの時間の4人で今も生きていると思えば、それはそれで救いになります。

 こうやって、全ての登場人物にそれなりの救いをもたらして終わるのが、この龍騎の物語でしたか。これ以降の平成ライダーシリーズに多大な影響を及ぼしたとは聞いていて、ライダー同士の戦いやカードシステム等々の設定面だと思ってましたが、ドラマに裏打ちされてこそなんでしょうね。ドラマが面白かったから、設定にも魅力が出た、ということで。

 観終えて納得しました。既にご覧になっているNOVAさんには退屈な点もあったかと存じますが、いろいろ丁寧にご教示を賜り、おかげさまで自分なりに龍騎を理解して感動できたのは大きく、感謝いたします。半年間、拙い感想にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/24 (Fri) 00:13:21

 定期感想書その4です。

 東映公式Youtubeに「仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」が放映予定となってまして、嬉しい限り。これで龍騎TV放映当時の最後のピースがハマりまして、繰り返す歴史の全体像が見えてくるはず。

 それに加えて「RIDER TIME 仮面ライダー龍騎」が3話分ありまして、調べてみると仮面ライダージオウのスピンオフにして、龍騎のその後ということらしい。こちらはどういうものかよく分からず、観てのお楽しみです。

●牙狼:翔編(第8話:筆)

 ラスボスとの前哨戦の次はドラマ展開の準備で、序盤から曖昧な動きを見せていたガルドとの接点ができるわけですな。ただし、今話のガルドの態度や魔道具の会話には謎がありまして、それが明かされるのはまだ先ですね。とりあえず今話時点で確定なのは、ガルドがラダン封印の使命を帯びていること。

 しかしガルドについて未だ不審な点が多々で、まず出身地の「火群(ほむら)の里」ですね。流牙らはガルドに接触しようと思い、莉杏が火群の里のアイテムを使ってみる。それを察知したガルドは火群の里のアイテムと認識はするんですが、魔道具と「あり得ない」と話してます。

 そして「どちらか」(流牙らかジンガらか)と断定するんですが、初放映リアルタイム視聴だと意味が分からないわけですね。今なら、火群の里がジンガに滅ぼされてしまって、里からの連絡があるはずがないと分かります。そのことから、現時点のガルドの魔戒騎士に対する頑なな態度のわけも分かるわけで。滅ぼしたジンガが騎士なんで恨んでるわけですな(法師のアミリも一緒だったはずですが、主犯のジンガへの恨みが大きいんだろう)。

 ただし、ガルドがどうも子供っぽい。恨む態度というより、自分のほうが凄いと見せたがっての反抗心のように見えます(おそらく、制作が意図的に入れたミスディレクション演出)。ガルドは流牙に騎士の証拠の鎧を見せろと言い、流牙が応じると、ガルドは隙を突いて鎧装着を邪魔し、得意がるわけですね。

 さすがに流牙が怒りをにじませますと、莉杏が押さえて同じ法師の自分が話すと言う。そこは大人の態度なんですが、そこからが莉杏まで子供っぽくなりまして(^^;。説得にかかるのかと思ったら、「本気を出したら、あんた(ガルド)死んでたわよ」=『流牙のほうが強いもん!』旨、言い出すわけですね。

 その後、法術比べになりまして、何と申しますか「2人とも、何やってんの」と言いたくなる展開。もっとも、ガルドが身に着けたお守りを莉杏が「魔戒法師が魔戒法師に贈るもの」と見抜き、誰かに愛されているとして見直した点は、やはり大人の面もちゃんとありました。

 ガルドもホラーが飛び込んで来たら、個人的な感情より魔戒法師の務めに忠実で、余裕があるときだけ子供っぽいようです。しかし、そのことに素直に礼を言った流牙が、今話では一番大人だったかな。

 ホラー(レッサード)は序盤から中盤にかけては秀逸だと思いました。設定上は「グルメ家気取りの青年・スミダ」がホラーに憑依されたとのことで、人間時は美味い食べ物を、ホラーとなってからは食べ物に関わる人間を好むというのは、なかなか面白い変化です(そこを描いてくれたら、さらによかったんだけどなあ)。

 流牙との戦いも、生身バトル時にはなかなかのもの。身のこなしもいいですが、剣を振るう流牙に対し、柱が乱立する場所に誘い込むとはなかなかクレバーな戦術です。流牙は長剣が思うように振り抜けず、拳の戦いが得意らしいホラーは余裕すら見せてます。

 しかし、莉杏とガルドが法術比べをしている倉庫に落ちて来てからは、いいところなし。もっとも、剣有利の開けた場所ですから仕方ないかも。それでもホラーの造形は、ちょっとシュールな感じがあり、好みですね。

 ともかくもガルドがドラマに入って来て、次回はダイゴ復帰のはずですね。じわじわとドラマを動かす駒組が出来て来る感じで、第1クールの終わりにガルドの妹ハルナ参入で後半のドラマが動き出すはず。

●BASTARD(第7話:魔獣)

 鬼道三人衆の二番手カイ・ハーン登場にして、またもたった1話でDSに陥落なわけですが、実を申しますと自分はこのエピソードは原作連載当時から苦手です。ただし、作品外の理由からでして、作品に責任も落ち度もありません。

 前に申しましたが、好みではないのは自分にとって必ずしもマズいわけではなく、例えばどういう作りかよく分かるということがあります。今話についても、よく出来ていると評価しています。

 カイ・ハーンの得意とするのは正統剣術(破裏拳流剣法)と軍神ング=ウェイと契約しての石化魔法、奥の手として魔獣コカトリスを操るアイテム。性格は武人志向。心酔する雷帝アーシェス・ネイにかなり近いキャラクターで、前話のシーン・ハリと対照的でしょうか。

 DSとの関わりもシーン・ハリと対比的でして、DSの弱点を突くべく接近するも、普段は鎧を着ていることがバレて正体を悟られたシーン・ハリに対し、DSに男性と誤認されて/させて正面から挑んだカイ・ハーンは鎧が砕けて正体(女性)が分かる。

 シーン・ハリはバトルに入ると最初からDSに翻弄される流れだったのに対し、カイ・ハーンは鎧、剣、魔術を破られるたびに巻き返す粘りを見せた点は対照的。しかし、自ら呼び出した魔物で危機に陥る点は同じ。

 そしてシーン・ハリと同じく、カイ・ハーンもDSの魅力に陥落と。ただし、カイ・ハーンは「貴様を倒すのは俺だ」的なフラグ台詞で親愛への変化を表してますな。対照と類似の使い分けが面白い。

 しかし、カイ・ハーン単独で考えるとDSに気持ちが傾く流れがご都合主義的といえなくもない。ですが、心酔するネイからして、子供のころからDSに育てられ、未だに愛情があることが既に示されています。親分がそうなんだから、子分がそうなってもおかしな感じはしないわけですね。

 よく出来ているエピソードだと思います。が、上述しましたように作品外の理由で苦手なんです。その理由とは、日本では197年に起動した「ウーマン・リブ」運動です。それよりずっと以前からある女性解放運動の、米国発のムーブが日本に入って来たものです。もっとも、ちゃんと理解したのはずっと後ですけど。

 理念としては賛成です。が、ブームになると発生する、一部の活動家もどきが問題でして。女性解放が男性攻撃にすり替わるんですね(その後も、何度も繰り返される現象)。特に協力的な男性を飛んで火にいる夏の虫としてしまう。

 そうなると、そういう一部の活動家に感情的に反発する、反対派もどきも発生してしまう。そのため、結局は人が離れていき、運動が瓦解していきます。

 当時の様子は、元左派/学生運動の人から聞きました。もう活動から離れていたみたいですが、ウーマン・リブに便乗した活動家もどきには激しい怒りを見せていました。その当時でも、雲隠れしてしまった首謀者については左派から指名手配状態で、必ず見つけ出してウーマン・リブを瓦解させた責任を取らせる、でないと女性解放は進まなくなると嘆いていたのは、はっきり覚えています。

 自分も非常に残念です。で、そのウーマン・リブ活動家もどきが、今話序盤でのカイ・ハーンの突っ張った言動と似ており、DSの返しがその活動家もどきを揶揄する反対派もどきに似ているのです。まるで70年代当時の醜い言い争いのパロディ。

 もしかすると原作者は(シャザーンとか持ち出したりするように)作品当時から見た昔のことをパロディで出したのかもしれません。そんなこともあったかな、くらいですと笑えるかもしれません。が、生々しい経験が伴いますと、どうもなじめなくなります。

 それが「作品外の原因」ということです。上述しましたように、ドラマとしてよくできていると思います。それが純粋にフィクションとして楽しめないのは残念です。しかし、次のダイ=アモン編(?)はそんなハードルはないはずですんで、そこで気持ちを切り替えられるはず。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/24 (Fri) 12:49:21

 今回は見たものの記憶を遡る形で。

★REVENGER

 前回、唐人拳士の劉さんがライバル格になって、いずれ共闘展開もあり? なんて書いていたら、今回の利便事の的になって、しかも別組織にも依頼が行ってて、
 主人公チームがあれこれ探りを入れていると、突然に別組織の介入で劉さん死亡? ってラストにびっくり。

 ええと、これ、死んだように見えて、「今のは幻像だ」とか言って、実は生きているパターンですかね。
 林則徐なんて史実絡みの名前が出てきて、要は中国で「阿片の取り締まりをやってた役人」なんですが、劉さんが林則徐の司令で動いていたとするなら、「阿片の横流しではなくて、取り締まりのために動いていた」ということになります。
 言わば、雷蔵さんが1話で殺してしまった義父さんと同じような立場。

 すると、事のからくりも変わって来ますな。
 黒幕は劉と結託しているように見えた宍戸さんで、劉は宍戸さんの阿片絡みの闇商売を探っていたというケースも考えられる。今回、宍戸さんが別組織の利便事屋チームの破戒僧・貞にも劉殺しを依頼したことで、物語のどんでん返しが発生した形。

 ええと、利便事屋組織の元締めの礼拝堂が、主人公チーム以外の別組織をも動かしていることが今回、判明して、しかも宍戸と結託している(尼僧が連絡役)と示され、
 つまり、それまで裏仕事の元締めと一応の信頼をしていた礼拝堂の裏切りが(視聴者目線では)明かされた形です。

 殺しの元締めが敵対する側になる……って展開は、池波正太郎原作の「仕掛人・梅安シリーズ」であったエピソードで、
 TVの必殺シリーズでは、レギュラーの元締めが主人公に敵対する展開は視聴者を混乱させるので使わなかったですが(殺し屋ドラマをお茶の間に提供するために、組織の長は世のため人のためを是として、悪人ではないことを強調)、
 原作の仕掛人では、仕掛人チームが複数あって、主人公の梅安が所属していたチームの元締めと梅安の信念がぶつかり、抗争劇に発展という話もあった、と。

 そんなわけで、自分が予想していたよりも早く、どんでん返しが発生した感じです(もう1話2話先を想定していた)。
 何にせよ、敵対する利便事屋チーム(金のためなら、どんな殺しも引き受ける外道な仕事人と言えばいいか)が登場して、礼拝堂への信頼関係が崩れて抗争劇に発展するクライマックスが、はっきり見えて参りました。

 ライダーバトルならぬ、リベンジャーバトルの開始です。
 果たしてサバイバルに勝ち残るのは誰か。戦わなければ生き残れない。

★BASTARD

 シーン・ハリ戦に続いて、カイ・ハーン戦も1話で終了。
 原作どおりで、お互いに話を知っている同士だと、ストーリーについては特筆することはないですね。

 以前、BASTARDとゴブリンスレイヤーの関係性を話していましたが、この両作品、発表の時代背景も違いますが(BASTARDはD&Dの日本紹介の数年後のファンタジーRPG草創期=昭和末期から平成初期。ゴブスレはD&Dが1世代を経て懐古ネタとしても扱われる平成末期から令和の作品)、
 原作発表形態も、コミックと活字小説という違いがあって、

 ファンタジー世界観の描写が、時代的にこなれているかどうか以外に、表現媒体の違いも大きいな、と(アニメになると違いが見えにくくなりますが)。
 コミックだと、一部ナレーター的な説明は少なく、キャラクターのセリフで世界を表現しないといけません。
 一方、ラノベで軽くはあろうと、小説形態ならセリフじゃなくて、地の文で世界の説明ができる。
 すると、どうしてもコミックでは、解説役のキャラが出しゃばって、絵で分かる以上の情報を読者に提供しなければなりません。

 この辺で、最近ではジョジョのアナスイが面白くて、「どうしてこんなことを話しているのか自分でもよく分からないんだが」と言いながら、敵の能力の蘊蓄をベラベラ語り出す。
 コミックでは、主人公が読者視点で無知なことが多く、お供に解説役が付いて来るケースが多いのですが、たまにベテラン主人公が無知な一般人や弟子役に語るケースもあって、解説役として誰を配置するかで物語構造が変わって来ます。
 でも、コミックでセリフ描写できる文字数には活字媒体よりも制限がありますし、どうしても説明が端折られますね。

 同時期のコミックに聖闘士星矢がありまして、聖闘士の闘法を説明するのに、「世界の全ての物質は原子でできていて、小宇宙を燃やせば、その原子を破壊できる。原子を破壊できれば、砕けないものはない」という説明を師匠のお姉さんが初期にしていましたが、学のない星矢には伝わらない。
 まあ、読者に伝えるのが目的の説明だから、中学生以上の読者には普通に分かります。高校生になると、科学的にここがおかしいのでは? とツッコミ入れる人が出て来る一方で、小学生だとそもそも原子が何か習っていないので、何だか高尚な理論を聞いた気になって感心する。で、後から学校で原子論を習って、星矢の奥深さに感心したりもする、と。

 コミックの読み手は何才を想定するかって話で、80年代当時だと、やはり小学校高学年から中学生かな。摂氏1000度のイフリートって話を聞いても、原子を砕く小宇宙の原理を聞いても、凄いって受けとる世代。
 もちろん、我々は大人ですから、「科学っぽい装いのウソ」を読みとって、ネタにしてツッコミ入れたり、作品のウソを構築する技術をどうこう論じる余芸が楽しめるのですが。

 ともあれ、リベンジャーに突然出て来た林則徐という名前からリアルとの接点を推測できるように、リアルの素材をどうフィクションに落とし込むかの話が、対象年齢や媒体によって、いろいろなやり方があるって話ですね。

 自分を「超絶美形主人公」と主張して、相方のラーズにバカとツッコミ入れられるギャグを、ギャグと理解できるか、本当に超絶美形と思い込んでしまって主張するかの受け手の資質もいろいろですが、
 ある媒体で許される表現や設定が、別の媒体だと陳腐に見えることも多々あって、メディアミックスでどこを作品世界の肝だと強調し、どこを割愛するかなども今回のアニメ化鑑賞で考えたくなった次第。

 まあ、BASTARDは古い作品だけあって、原作に結構忠実ですね。DSの裸体描写や、セクハラ表現も含めて。
 マニアックな人には、原作のこの部分が割愛されたとか、ソフトになったって話も聞きますが、自分の視点ではほぼ忠実でテンポもいいな、と。

 ちょっとラーズのツッコミ芸に対するDSの反撃が、テンポが早すぎて頻発されるので、ボケがあまり機能してないような気もしますが、その辺は感覚的なものですし、シリアスにストーリー展開を追う向きには枝葉に過ぎないので、欠点と言い張るには弱いでしょうし。
 原作の粗やネタとされる要素まで、忠実に再現している良アニメだと考えています。

 とりあえず、時間の都合でここまで。龍騎への返信他はまた後日。

Re: 2月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/02/25 (Sat) 00:08:32

 龍騎総括感想ですが、その前に。

★どうなる家康

 三河一向一揆につながる話ですが、注目は木村バイス昴の初登場回ってこと。
 ジャイアンとかバイスみたいに、家康(潜入捜査中のために家太郎と名乗る)に馴れ馴れしく、豪快に振る舞う。今回は以仁王みたいにセリフもなく討ち死にするキャラではありませんよ。
 この陽キャラがどう松平の家臣になるかを気にしたく。

 次に注目だったのは、藤岡弘、氏の娘姉妹が踊り巫女の役で舞い踊っていました。
 関連記事はこちら

https://www.sanspo.com/article/20221221-2W6X35OY6BMIPIAFAEIFUECKF4/

 ストーリーとしては、家康と改名したことを巡って、信長に領地の平定を手抜かりなくやれと激励(脅迫)され、税を払わない一向宗の寺に様子を探りに行ったものの、いろいろあって一向宗との関係決裂。
 強引に税を徴収したら一揆に発展した、と。

 何というか家康のバカさ加減が目立った回。
 どうする? で、ろくな決断をしなかった回ですが、果たしてどうなる?

★龍騎

 ええと城戸真司が命をかけて助けた女の子が、子役時代の志田未来さんなんですが、家康にも登場します。
 今川氏真の妻で、北条氏康の娘ですが、まあ、このタイミングならではの小ネタってことで。

 ともあれ、龍騎感想の完走おめでとうございます。
 退屈という言葉に反応すると、「K.Kさんの感想がなくて、自分一人で配信見ているだけなら退屈だった」と思います。
 この場で鑑賞感想のやり取りができたからこそ、20周年の祭りを楽しく過ごせたと思いますね。

 実のところ、龍騎って作品はこれまで振り返る機会が多くて、

1.本放送時
2.アメリカ版のDragon Knight関連
3.ディケイド放送時
4.ジオウ放送時
5.今回

 それぞれのタイミングで、作品を考察する機会がありました。
 他の平成ライダーと違って、龍騎だけがパワーレンジャーみたいなアメリカ版があるんですね。ただ残念ながら、ライダーは戦隊と違ってウケなかったらしく、それ一作で続かなかったのですが。

 ともあれアメリカのDragon Knightは龍騎を原作にしつつも、また別の異世界ファンタジー。ベンタラという異世界からの侵略者と戦う正統派ヒーロー物です。
 その世界のカメンライダーは正義の味方なんですが、異世界の独裁者に洗脳されたりして、敵に回ったりします。ベテラン戦士のウィングナイト(レン)と新人のドラゴンナイトが協力しながら、悪に堕ちたライダーを撃退し(殺すのではなくて、異世界に封印する=ベントする)、やがて正気を取り戻したライダーたちと協力して、ラスボスの独裁者と決着をつける内容。
 ドラゴンナイトの日本語吹き替えバージョンもあるので、そのうち東映が配信してくれないかなあ。

 原作龍騎との共通点と相違点をチェックするだけでも楽しかったです。
 で、この作品の影響で、異世界に相手を放逐することを「ベントする」という特撮マニア用語が時折り聞かれることに。

 ともあれ、クウガで復活し、アギトで土台を作り、龍騎で平成ライダーの可能性を一気に広げたという歴史評価が為されていて、
 「カードで変身」「小道具が喋る(ファイナルベント)」「主人公が最終回を前に死ぬ」「殺人鬼ライダー」「公式初の女性ライダー」「ライダー同士の戦いの連続」などなど新機軸がいっぱい。
 多人数ライダーのデザインも、前作はアギト、G3、ギルス、アナザーアギトのどれを取っても、仮面ライダーっぽい意匠ですが、龍騎ライダーは鉄仮面という共通点に、「コウモリ男」「コブラ男」など昔のライダーの怪人モチーフをかぶせながら、ライダーデザインの多様性を一気に広げたな、と。

 現在のライダーデザインは、主人公だけは複眼と触角の伝統的ライダーパーツを意識しつつ(響鬼のような例外あり)、他のライダーは主人公ライダーのデザインをアレンジする方向で(あるいは対抗させるように)別のモチーフをかぶせたり、ライダーデザインの発展進化の話もまあいろいろ。
 とにかく、龍騎が平成ライダーの許容枠を一気に広げて、マンネリ化を避けて毎回、新しく変えていくという方針を強く打ち出していく流れに。
 だから、シリーズといっても、ここまで作品カラーが違うのは稀なヒーロー群になる、と。

 ともあれ、この場で龍騎の話をできたのは実に幸せな経験でして、単純に「熱心に応じてくれる聞き手にあれこれ蘊蓄語りをできるのは楽しい」(感謝表明)のと、
 龍騎という素材は、年季の入った特撮ファンでは十分に語り尽くした作品なので、マニア同士なら今さら新しい視点は出て来ないんですよ。
 だけど、K.Kさんは初心者の視点と、それでも熱心に作品分析を試みる丁寧な観察能力をお持ちの方ですから(謙遜されるにせよ)、別ジャンルの経験値とも相まって、面白い読み解きをされて来る。

 完全にベテランだと、龍騎という素材が語り尽くされているせいで、どこかで聞いた話にしかならない。
 だからと言って、完全に年若い素人ですと、古い作品なので興味を示さなかったり、評論能力そのものが見劣りがする。
 ぼくはK.Kさんの分析や論述能力を、特撮番組知識とは関係なく、尊敬しておりますし、そういう人物が初体験した20年前の作品をどのように受け止めるかは興味深く読ませていただきました。

 正直、一番心配していたのは、放送当時に物議を醸した浅倉威のキャラクター性を、どう評価するか、人によっては拒絶反応を起こすのではないかって点でした。

 例に出すと何ですが、特撮ヒーローに一家言あった作家の山本弘氏も、放送当時に悪役ライダーや次作の555を受け付けられず、暴言吐いて猛否定されておりましたから(あの時期にこちらが袂を分かつことになった原因の一つです)、
 人によっては拒否反応を示し得るキャラ像だったのだろう、と。

 クウガやアギトはまだ正義のヒーローとして成立する番組でしたが、龍騎、そして次の555はその辺が尖っているというか、井上敏樹氏の「正義への問題提起、ヒーローの定石破壊ぶり」が吹き荒れた作品でしたから、その面白さを味わうには相応の柔軟さが必要かな、とか、まあ、いろいろと人を選ぶ作品だったと考えます。

 放送当時は、この時期の平成ライダーは自分も強い衝撃を受けて、特撮サイトの管理人としては、非常に刺激的で面白いと感じた。
 幸い、K.Kさんには作品を快く受け入れていただけたようであり、我がことのように嬉しく思います。

 では、また劇場版の感想の折にでも。

PS.これからJOJOを見る所存。こちらも今夜は衝撃回になりそう。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/27 (Mon) 17:20:01

 定期感想書その1です。

●龍騎から555(ファイズ)へ

 ここでの龍騎感想についての詳しいお話・まとめを頂きまして、恐縮です。自分の龍騎理解と感想が拙いという気持ちは変わりませんが(理由あり、後述)、多少なりともベテランファンへの刺激があったようで、ほっとするものがあります。

 TV本編(及びスペシャル:13RIDERS)の理解がまだ浅かったと思ったのは、劇場版「仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」を観てのことです。観る前は「これで龍騎理解の最後のピースがハマる」と単純に考えていました。

 が、観てみたらびっくり。特に優衣幼少時の死亡の経緯ですね。まるでミラーワールドの優衣が現実世界の優衣を、幽閉するために誘い込んだかのよう。外に出るんなら20歳までの命だよ、という怖い条件を出したりする。

 ミラーモンスターは優衣のデザインだと思いますが(たぶんシアゴースト/レイドラグーン以外)、ミラーワールドの住人(現実世界の人間を反映して発生?)は邪悪なのかなと思えます。ミラーの優衣以外ですと、リュウガ/鏡の真司は現実世界の真司を騙そうとするわけですし。

 なんだか、ミラーワールドの(人間型)住人は、現実世界の人間を乗っ取ろうとする妖怪みたいに思えまして。もしそうであれば、この劇場版を龍騎理解の最後のピースとしてハメるには、既に組み上げたと思った、TV本編/スペシャルの解釈を変えないといけないのかなと。

 もっとも、まだ1回しか通しで観てません。もう2回ぐらいは観ないと分からない感じですが、結構長い(78分)ので、なかなか時間が取れず。これのディレクターズカット版もあるそうで、97分と19分も追加シーンがあるわけですか。しかし、ともかくは公式Youtubeの劇場版ですね。公開が8月17日とTV本編中盤の時期であることに注意して、よく考えてみようと思います。ちょっと手間取りそうで、もしかすると今週分の感想の最後になっちゃうかもです。

 そして東映公式では龍騎に続いて555が来まして、TV放映時系列通りで大変ラッキーです。1つには、クウガから放映順通りに追って行けば理解が深まるという期待があります。しかし、自分視聴時系列では先に観た剣/ブレイドの再理解もできそうという期待もあるんです。

 自分は龍騎、555を全く知らずに剣/ブレイドを観まして、前半に対する不満がありました。具体的には、例えばこちらで伺ったマグネシウムのトリックがありましたな。自分も確かに、なんだかなあという感じです。

 が、龍騎から555を観て、次はどんなライダーだと期待して、剣/ブレイドを観たとしたら、そういう不満がどうなるのかを経験したいんです。順序は前後しましたが、555を観終えたら、そこがよりはっきり分かるんじゃないかと。555第1話・2話は一応は視聴済みですが、第3話以降もちゃんとあると思うと、視聴も力が入ってます。

 それはともかく、山本弘さんは龍騎、555はお嫌いなわけですか。あの方との付き合いが難しそうな点は、例えばご自分の見方が誰でも当てはまるはずと断定しがちな点にあるかもしれません。思い出してみますと、見方一つとっても「これを楽しんでもいいが、バカな作品だと理解した上でないといけない」とか。あるいは「〇〇でないなら、ファン/マニアではない」とか「〇〇を理解してないなら好きだと言うな」とか。

 同様の言説は他所でもあったような。以前ですと自分は反発して、時にはそうではないと論証めいたことを試みていたんですが、今はちょっと考えが変わりました。参考にしてもいいけど、自分の正しさを証明しなくてもいいや、誰が何を言っていても、自分が観て面白かったということには関係ないし、みたいな感じ。

 こちらの感想を否定するような言説があるとして、それはたぶんこちらを否定するものではないんだろうと思います。その人の感想が、こちらの感想や楽しみ方を否定するような表現を借りているだけ、といったところなんだと思うようになりました。

 類例では、作品感想で読者/視聴者/観客が「あそこをこうしたら、もっといいのに」みたいに言うのがあります。たぶん、言う通りにしても面白くはなりません。しかし、その「あそこ」で何らかの不満を感じたのは事実なんでしょう。それが改善提案みたいな表現で出て来ただけ。

 もっとも、そんなことを言っていられるのは、かく言う自分にクリエイターの資質がないからかもしれません。自分で面白いフィクションを作れる可能性はゼロです。自ら作れる人は、自分とは別の感覚持ってるんでしょうね。

●REVENGER(第八話:Two of a Trade Never Agree)

 こちらでご指摘頂いている「林則徐」は視聴時には歴史知識不足で知らず、「リンソクジョって誰?」くらいに思ってました。たぶんこの物語オリジナルの架空の人物かなと。しかし、劇中に劉の書状が出てきまして、よく見てみると「欽差大臣林則徐」とあり、調べると林則徐は清朝の実在の人物。「欽差」は臨時の任務に当たることで、特命大臣といったところみたい。

 こちらでご指摘がある通り、林則徐は阿片対策に奔走した官吏で、清廉でもあったようです。そこから本編の劉大人が何者なのかが推察できまして、繰馬雷蔵が阿片の件で詰ったときの劉の反応の意味が理解できた気がしました。繰馬雷蔵も書状のことは知らないながら、優れた洞察力で察したようですね。

 つまらない余談ですが、繰馬雷蔵が絵師の名前とした「碓心(たいしん)」を、自分は最初「唯心(ゆいしん)」だと勘違いしました。劇中で「たいしん」と言っているので、よくよく見ると口へんの唯ではなく、石ヘンの碓。臼(ウス)という意味みたいですね。

 それはともかく(^^;、本編冒頭は絵師の繰馬雷蔵から。自害した許嫁ゆいの絵を描いていますが、ここまで描けるまでに相当の苦悩があった様子。おそらくまだ絵筆に迷いがあり、「これはゆいの絵姿だ」と納得できる出来ではなさそう。ゆいを明確に思い浮かべ、描けるようになったとき、雷蔵に転機があるのかも。武士か、利便事屋か、絵師か、それとも、といった感じですね。

 その雷蔵の選択肢のうち、利便事屋について土台ごと揺らぎだすのが今話ですな。こちらで必殺シリーズのうち梅安に元締めとの対立エピソードがあると伺って、なんだか納得です。自分はそこを知らずに視聴していて、「礼拝堂の裏切りって牙狼1stの番犬所みたい」とか思ってました。劇中で「犬」が台詞や描写で出てましたんで、余計にそう思えたのかも。

 今話の迷える雷蔵は不思議な巡り合わせがありまして、遍路の貞ですね。前話の清空は心ならずも破戒となりましたが、遍路の貞は覚悟あっての破戒僧らしい。居酒屋で述べる命論議の怖いこと。それもそのはずで、別の利便事屋を率いているわけですね。「どうする家康」では件の住職は「自分は救う側、殺す側の武士と世界が違う」と誇らしげですが(その割に反家康派武将を引き込んでたり ^^;)、遍路の貞は殺す側ですか。

 遍路の貞は意図的に接触したかもしれませんが、狙いは分からない。さらに雷蔵、礼拝堂からの大判での指令で劉大人に会いに行く。阿片の因縁もあり、始末するつもりだったわけですが、上述の通り、劉の反応で思っていた事情と異なると悟る。が、その直後に遍路の貞グループの狙撃を受けて劉大人は倒れてしまう。

 狙撃の直接の差し金/恨噛み小判は、前話で漁澤陣九郎と意味深で対立的な会話をしていた宍戸斎門ですね。碓水幽烟に暗殺司令を出した礼拝堂のジェラルド嘉納とは別に、遍路の貞グループに劉暗殺の依頼が出ていたことになります。

 しかし、2つの劉暗殺指令の場に共通の人物がいまして、無表情で無口なシスターですね。となると、礼拝堂のジェラルド嘉納が宍戸斎門を使って、別口の暗殺指令を出したのか。しかし、もしあのシスターこそが黒幕だったりすると面白いかも(ジェラルド嘉納も知らずに操られてるとかで)。

 それにしても、ここまで宍戸斎門が露骨に動いたというのに、前話で対立を暗示していた漁澤陣九郎は今話は出て来ず。何か手配・工作した形跡も感じられません。前話であそこまで宍戸斎門に釘を刺しておいて、何してるんだろう。無為無策に甘んじそうにはないんですが。

 劉大人狙撃については、こちらで死亡したかどうか怪しい旨のご指摘があり、自分もあっさりすぎる撃たれ方のように感じました(叢上徹破の弓は知っていそうで、劉ほどの手練れなら警戒するはずだし)。が、刺客と思しき雷蔵に気を取られていて油断した可能性もなくはない。無い知恵絞ってみますと劉大人は、

 1. 撃たれて死亡→単純に本編描写通り(礼拝堂含めた乱戦勃発)
 2. 防弾チョッキ等で死亡を偽装→劉大人が幽烟グループと連携して反撃に移る
 3. 狙撃が偽装(ペイント弾等)→遍路の貞~宍戸斎門が劉大人側(礼拝堂ラスボス確定)

という可能性がありそうで、次回以降の種明かしに期待です。

●うる星やつら(第19話:魔境!戦慄の密林 / 酔っぱらいブギ)

 前後半で対照的なスラップスティックでした。まず前半はタコを追っかけて行く話ですね。のっけから終太郎、というより面倒家の非常識が臆面もなく示される。面倒家家紋とタコが似ているんで、大量に飼育し、しかも自慢であると。

 その中でも特に珍しい「南極ダコ」の松千代の自慢となるわけですが、低温環境下では青い以外は普通のタコ、しかし高温環境では巨大化する。逃げ出した南極ダコ:松千代を終太郎らが追って行って、しかし巨大化した松千代が手に負えない。

 今となっては、最早ありきたりで穏当とも言えるお約束のサービスシーンなんかありまして、しかし連載当時としては思い切った描写ということになりましょうか。でも、原作や80年代版アニメではどうだったか、サッパリ覚えておりません(^^;。

 あたるらはいったん松千代から離れる方向に動くわけですが、結局は巻き込まれ、どうしようもなくなったところでキレたラムの電撃で一件落着。しかし、終太郎は巨大化松千代に慕われ過ぎて締められる、期待通りのキレイなオチですね。

 ずっと南極ダコ:松千代を追って行く見事なドタバタですが、後半は趣向が違うも、やはり見事なドタバタ。ラムと同族は梅干しで酔っぱらうというネタでスタート。最初は普通に(?)酔っ払いがやりそうなことで、すったもんだするわけですね。

 前半はタコ、即ち触手系のサービスシーンでしたが、後半はラム自ら脱ぐ。もっとも、しのぶらから「いつものスタイル」とツッコミ入ってますな(まあ、ラムの虎縞ビキニは当初はクレームもあったからなあ)。

 そこへ、撹乱の伏線となる温泉マーク介入でして、誰かが酒を持ち込んだと勘違いし、真相(梅干し)を知る終太郎が突っぱねまして、酒があったら裸踊りしてやると言い放つ。一方、ラム、テンは酔っぱらって暴れ続け、けが人続出。

 そこへ、保健の先生ですから駆けつけておかしくないさくら登場ですが、怪我の消毒にチェリーの焼酎を使う。これが酔っぱらったラムの手に渡り、温泉マークと終太郎が作った伏線回収と。

 一点からいったん散らばり、さらに周囲を巻き込んで、また一点に集まる流れですね。前半のずっと追って行く展開と好対照です。どちらも「なんでこうなった?」と感じるドタバタですけど、当然、計算しての作りのはずですね。なんと申しますか、見事なドミノ倒しを鑑賞しているような気分です。

 ED曲後に来週に出番らしき3人登場しまして、確か「スケ番3人組」のはず。ラム、おユキ、弁天を3人組のスケ番と思い、勝手にライバル視している後輩ですね。ちょっと気になるのは、「スケ番」って、ほぼ死語になってるみたいな点です。何か言い換えするのかな。それとも本作の時代設定は連載当時であることを尊重し、そのまま「スケ番」でいくのか。

Re: 2月のスレッド(2023) - K.K

2023/02/28 (Tue) 23:42:13

 定期感想書その2です。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第32話:ヘビー・ウェザー その③)

 以前にアナスイが解説台詞を独り言しながら、「俺は何を言っているのか、俺にも分からない」みたいなメタ的なツッコミしてましたが、もしかするとあれは今話の演出上の伏線だったかも。そう思えるほど、今話のアナスイ解説は説明台詞的な不自然さを避ける演出がされていたように思います。

 いや、実況のアナスイさんと解説のプッチさんかな? 2人が状況を話さざるを得ないのは、1つには何が起こっているか分かりにくい戦闘であることがあります。加えて、狙った攻撃が不発だったりして、黙ってると誰が何をしようとしたかすら分からない。

 さらにウェザーが戦闘中は口数が少ない、ほぼ無口なのも、アナスイが実況しないといけない原因。ウェザーはもともと無口で、よく喋ったのは記憶が戻って(怒りゆえの)凶暴性を見せたときと、前話ラスト~今話冒頭でアナスイに最後に自分(ウェザー)を始末してもらうため、状況を説明して納得してもらわねばならないときくらいでした。

 そうなりますと、アナスイは状況を視聴者に向けて喋らざるを得なくなる。そうすることもあるキャラクターだよ、というのは、以前の「俺は何を言っているのか」で冗談っぽく印象付けてあるわけですね。しかし、バトルであることを利用した演出も加えてあるので、もう「説明台詞っぽい」という気がしてきません。

 バトルでは動揺したほうが不利になります。客観的には優勢であっても、「これは負けた」と思うと勝てなくなります。あるいは、焦って判断を誤ったり、勝ったと思って油断しても敗北につながる。そこは過去のジョジョの数多のバトルが示してきた通り。

 今話のバトルでも、ウェザーに代わってのアナスイ vs プッチ神父の舌戦は、自分が勝っていると相手に思わせる台詞になっています。そうしておいて、心の中の独白では不利、不安な点を挙げたりする。戦っている本人たちにはいかにもありそうで、しかも観ているこちらによく分かる。

 バトル中の舌戦ではまずプッチ神父が先手で、カタツムリに隠れての奇襲でウェザーの足を切断しておいて、スタンド能力は既に見切ったと宣言。だからウェザーは勝てないぞ、と思わせる。少なくとも疑心暗鬼を誘える。が、アナスイがスタンド:ダイバー・ダウンでサポートして脚を補い、「そのまま神父をつかめ」からのアドバイスを叫ぶ。これは応援する気持ちから自然に起こりやすいことなんで、むしろそう言ってほしいくらい。

 しかし、プッチ神父がおそらく鏡を使ってアナスイのカタツムリ化を促進、ダイバーダウンのサポートを解いて形勢逆転。当然、アナスイは「なぜだ!」と思い、プッチ神父に「何をした!」と毒づく。これらも自然に口をついて出そうな台詞です。

 そこからは勝ち誇る感じでプッチ神父がウェザー&アナスイに何が起こったか説明するわけですね。これはプッチ神父が完全にヘビー・ウェザーを理解していることを示し、ウェザー側に勝てないと思わせることを狙った舌戦に見えます。そうする効果があるから、ペラペラ説明しても不自然ではなく、しかも観ているこちらに状況が分かる。

 もっとも、プッチ神父のヘビー・ウェザー解説が突拍子もないものでして、サブリミナルで思い込めば、人の体もカタツムリに変わるというもの。そんなアホな、と思ってしまうところですが、アナスイ(を操る作者)が上手い。こちらが変に思う前に「何だ、今、何を説明した?」ですから。

 なんだか観ているこちらの気持ちを見透かされたようで毒気を抜かれてしまい、とりあえず納得しとこうという気になります(^^;。加えて、ジョジョ立ちの効果もあったみたい。今回はプッチ神父ですね。上半身だけですが、かなり体を右(向かって左)に傾け、右手はたぶん腰に当ててる(その後、全身が映るときにはほぼ直立に戻ってる)。

 この奇妙だがカッコいいポーズに気を取られ、とんでもないこと言ってても気にならなくなります。以前から、ここぞというタイミングで主要キャラクターがジョジョ立ちしてたわけですが、絵的なカッコよさだけでなく、台詞や状況に納得させやすくする効果もあったみたい。今回、初めてそこを意識しました。

 そこからも、不自然さを抑えてのアナスイ実況とプッチ解説で進むわけですが、説明があるお陰で分かりにくそうなバトルもなんとか飲み込めまして、ジョジョ名物の頭脳戦シーソーゲームが楽しめます。サブリミナルの虹が見えてこそのヘビー・ウェザーなら視覚を捨てれば、しかし見えないなら血の撒菱(まきびし)で、それならアナスイの目を借りて、だが地面に気を取られているなら上から、とくるくる優劣が変わる。

 しかし、ついにウェザーが必勝の態勢となったところで、追ってきた徐倫らの車が突っ込んでしまい、全てが台無しに。ここ、普通なら自分は「そんなアホな」と思い、敵を利したとはいえ、ご都合主義に感じたかもしれません。しかし、そこも納得させる段取りがありましたな。

 リキエル戦では、最後にリキエルが運命を強調してたんでした。どんなに知恵を絞り、力を出し尽くしたところで運命には逆らえない、その運命の力の強いほうがプッチ神父を天国に送り届ける、それもまた運命、みたいな感じですね。それがこちらにも印象付けられているんで、徐倫らの車が突っ込んでも「ああ、プッチ神父が天国に至る定めには逆らえないのか」という気がしてしまいます。

 などと利いた風なことを言っておりますが、初見では(一応、字面上の予習はしてあったのに)ウェザーの死に動揺してしまい、さらにスタンドDiskのみならず、アナスイに覚悟という置き土産までしてくれたことに感激してしまって、何がどうだったか分からずでした。

 普通ならジョジョの名物バトルぶち壊しの車に怒ったはずなのに、なぜか納得して感動してます。どうにも不思議でした。どうしてここまで感銘深いか、落ち着いて多少なりとも理解するのに3回観なおす必要がありました(^^;。

 もっとも、観ている自分は「運命」で納得はしましたが、ウェザーの死の真相を徐倫がハッキリ知ったら、気持ちに暗い影を落としそうで気がかりです。アナスイが覚悟を示しつつの慰めと励ましをしてくれてますが、次回で徐倫はちゃんと立ち直ってくれるかな。

●仮面ライダーギーツ(第24話:乖離SP:緊急特番!デザグラのすべて!)

 チラミがヴィジョンドライバーを奪われたための、劇中のオーディエンス向けの特番という趣向ですね。観ているこちら向けには、ここまでのまとめと、これからの展開の予告といった格好。以前にリバイス最終回のときは、ドンブラが応援するような趣向の1話で対応してましたんで、ドンブラ最終回の今週はギーツが暗に引き立て役に、という意味もあるのかも。

 それはともかく、まとめ回的ながらも、確認できた情報がちらほらあったのは収穫です。特に自分に大事なのは、英寿ですね。サポーターのジーンが述べている範囲は事実なんでしょう。高校生時にジャマトを蹴散らしたことで、DGPに招かれた。失踪した母親を探すため、というのも本当なんでしょう。

 その母親が前ゲームナビゲーターのミツメかどうかは、今回も英寿から語られているため、真偽は依然として不明。気になるのは、この世界で高校生であった英寿が、(劇場版情報によれば)どうしてDGPでは「異物」なのかですね。ライダーになる前の生身でジャマトを退けたらしいのは、ちょっと強すぎかもしれず、そこが「異物」の片りんだったりするのかな。

 今話後半はこれからの「ジャマトグランプリ」(略称はJGP?)でして、ギーツ後半はそこからドラマが動くわけですか。スポンサー/サポーターの対立という側面があるようで、既にライダーでもあると判明のジャマト側のペロパに対し、DGPオーディエンス側からは、ジーン、ケケラ(人間態)、キューンがライダーとして参戦ですね。サポーター対応で考えるとライダーの対立としては、道長 vs 英寿/景和/祢音となりますか。

 次回「慟哭Ⅰ:ジャマトグランプリ♡」(タイトルに絵文字入るようになったのか)では、道長の友人で死んだと思われた透が復活するらしい。ジャマト側が道長メインのドラマとなるのかな。ジャマトって死亡退場のライダーなど、いわば死者の世界ですね。DGPライダーはもちろん生者。道長はその境界線上にいるキャラクターのような感じですんで、「どちらに行くのか」みたいな期待があります。

●暴太郎戦隊ドンブラザーズ

 こんなカオス展開連ねて、どう風呂敷畳むんだろうと思っていたら、見事な大団円でした。そう思って、よくよく考えてみると、いつもシュールなくらい混乱させておいて、1~2話で落としどころに持って行っていたり、一応のオチと思っていたら、後で伏線だったと分かったりしてました。

 不安定な桃谷ジロウ/危ないジロウ(ドンドラゴクウ/ドントラボルト)ですと、幼馴染のルミが「もしかして、いわゆる脳内友達?」となり、故郷の華果村まるごと妄想かも、となって、どうなることやらと思いました。

 が、そこは「危ないジロウ」を「桃谷ジロウ」が克服し、2人を1人に調和させる最後の試練ということで、なるほどなと。それも、ジロウにだけ見えていた村のみんなに支えられて、という雰囲気がとてもいい感じ。何も捨てず、断ち切らない悟りってあるもんなんですね。

 最終回はソノシ/ソノゴ/ソノロクに代わって、突如の処刑人ソノナ/ソノヤ登場でして、最終回に新キャラクター投入してどうするのかと思いました。もっとも、なんか見覚えある方々でして、ソノナ(本橋由香さん)はカーレンジャーの志乃原菜摘/イエローレーサー、ソノヤ(村上幸平さん)はこれからちゃんと観たい仮面ライダー555の草加雅人ですか。

 カーレンジャーはいくつか観た覚えはあるものの、555はこれからです。しかし、ソノヤのほうが、はっきり見覚えがある気がしました。考えてみたら当たり前でして、仮面ライダージオウですね。数年前なわけですから、観てぱっと思い出せたようです。

 それはともかく(^^;、ドラマとしては、やはり桃井タロウの結末がポイントでした。記憶が失われて行って、どうするか。仲間は見送る覚悟を固め、最後はおでん屋で。しかし、最後まで記憶を支えていたソノイまでタロウは忘れてしまう。そこで意を決した皆は黙って見送るわけですが、はるかの漫画が起死回生の働きをすると。

 その漫画こそ(劇中の)実録コミック化でして、読んだタロウは自分が何者だったか思い出した模様。これにより、タロウの新たな人生を守るべく、処刑人ソノナ/ソノヤと戦う仲間たちのピンチに、タロウ/ドンモモタロウが駆けつけることになると。漫画の最後のコマの空白の吹き出しをタロウが自ら埋める形がなかなかのものです。

 が、ソノナ/ソノヤ撃破するも、タロウはその場から消える。その後のことは駆け足で描かれまして、仲間の抱えていた問題の解決が示されましたな。獣人まじえた三角関係の、いわゆる「なつみほ問題」は、本体(?)の倉持夏美が犬塚翼と決別し、雉野つよしの元へ。これに納得できたのは、夏美が語る理由もありますが、中盤からのソノニの変化が大きいかな。いつの間にか「そうなって欲しい」と思い、最終回でその通りになった感じです。

 第1話からの鬼頭はるかの盗作疑惑による漫画家挫折も、ソノザのまさかの編集長化からの、盗作者が(おそらく別の時間軸の)未来のはるかと判明したりと揺れに揺れて、最後は自身の体験を元にしたドンブラコミック化で受賞してのハッピーエンド。最後の勝利の決め手でもありますな。しかも数ヶ月後とされる授賞式には、タロウ以外の仲間が列席してまして、どうやら指名手配等の問題も解決したと示される。

 最後はタロウがはるかに宅配便届けに来て、「縁ができたな」で幕。このタロウがはるからを覚えているかどうか、曖昧ですが、「覚えていて欲しい」と思えば「覚えている」と解していいんでしょう。逆に「ここから再び」と感じたら、「忘れていても、またつながる運命」と思っていいんでしょうね。

 解決した事項もあれば、曖昧に残されたものも多々ですね。例えば、自分はずっとドンブラ世界での五色田介人の正体を知りたいと思っていました。が、色違いのゼンカイザーにまでなってみせておいて、結局は正体は明かされず。

 ちょっとがっかりしたんですが、なぜか納得もしてしまいました。考えてみると、どうやら自分は「この好奇心を満たさないでほしい」という、変な願望を持ってたみたいです(^^;。答えそのものよりも、答えに近づく過程が楽しいという気持ちです。そのことは、ドンムラサメ、特にそのマスターと思しきマザーについても言えそうです。

 毎週の感想には加えませんでしたが、実は楽しんでましたということで、まとめの感想をしてみました。次のキングオージャーはどういう作風になるのかなあ。

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