創作と鑑賞の談話室

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4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/01 (Sat) 00:00:26

 4月の雑談スレッドです。

・管理人からのお願い
 4月1日のエイプリルフールネタはご遠慮をお願いいたします(管理人の管理能力を超えるため)。

Re: 4月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/04/01 (Sat) 08:50:55

 新年度初感想です。
 アニメは、木曜深夜のREVENGERとうる星が終わったので、BASTARDとジョジョだけですな。ジョジョもあと1週で終わりますので、その後に見るのは……自分は4月9日から始まるガンダムの『水星の魔女』2期しか予定に入れていませんが、まあ、何かネタがあれば、と思いつつ、バタバタしてチェックできておりません。

 ニチアサ特撮と比べて、ある番組の終わった後に、同種の番組がシリーズとして続くとは限らないのがアニメかな、と。

★ジョジョSO

 アナスイが倒されたと思ったら、承太郎、エルメェス、そして徐倫が一瞬で次々と倒されて、加速する神父や恐るべし、と。

 もう、最後はまともなバトルにすらならなくて、キッスの分裂結合力を、エンポリオの銃弾と組み合わせてのチーム一丸の逃走VS超スピードで追う神父の鬼ごっこみたいな様相に。

 そしてアナスイの捨て身の作戦と、それに対抗して奇襲攻撃をかける神父の策士ぶりが冴えた戦い。
 アナスイを犠牲にして神父が攻撃してきた瞬間を、スタープラチナで時止めして返り討ちにする作戦が、徐倫を利用して承太郎の動きを封じた神父のえげつない二手によって崩されてしまう敗戦ぶりが強烈。

 かろうじて、トドメを刺されていなかった徐倫が己を犠牲にして、エンポリオだけを逃がす展開に。
 全ての希望は小さな勇者エンポリオに託されて、メイド・イン・ヘブンによって新たに構築された新世界(この新世界構築の際の時間加速現象の描写がまた凄い)にて、エンポリオVS神父の最後の戦いが次回。
 舞台が、最初の刑務所、石の海ことグリーンドルフィン刑務所に戻る展開も面白いし、今回の話を見て、エンディングの映像の意味(美しい海の景色で、泳ぐイルカの映像を追いながら、夜明けの海岸につなげる)の意味が腑に落ちたというか、
 もう、イルカと海というイメージが、ああ、と感じ入ったというかいろいろ。

 今まで何気なく流し見してきた映像の意味が、ああ、こういうことだったのか、と深く味わえたと感じる瞬間というのは嬉しいものですな。

★バスタード

 DS対ネイのバトル前半。

 解説役がモブ忍者からガラに切り替わり、少しはマシになったかな、と思いつつ、結局は1人モノローグの域を出ないのが、この作品の癖かな、と。

 自分は、解説シーンに会話が欲しいな、と思っています。
 驚き役と、解説役のギアが噛み合ってこそ、解説場面がドラマとして面白くなる。
 考えてみれば、スポーツ物だと、驚く観客と実況のアナウンサー、そして訳知り顔のライバル競技者(観戦中)の間で、本来、会話しているはずのないキャラ間でセリフのバトンタッチが行われている、と。

観客「一体何が起こったんだ?(ざわつく)」
アナウンサー「おおっと、今まで打たれるだけだった◯◯選手が、突然の逆転劇。しかし、これはどういうことでしょうか?」
ライバル観戦者「フッ、素人の目には見えないだろうが、あの瞬間に◯◯はクロスカウンターを叩き込んだのだ。まさか、最初からこれを狙っていたのだとしたら、恐るべき男よ。いや、敗れる瞬間に防衛本能が目覚めたといったところか」
アナウンサー「今、問題の瞬間をとらえたスロー映像が入って来ました」
解説「なるほど。この瞬間に◯◯選手が体をひねり、相手の攻撃を避けて……ああ、クロスカウンターが決まっている。この瞬時の動きで、逆転が起こったようですね。これは驚きました」

 まあ、一例ですが、会話のバトンタッチが、コミックだと絵とセリフフキダシで、(本来、会話しているはずのないキャラ間でも)見事につながったりしてます。
 この辺のセリフを流すテンポが解説芸を面白くするポイントでしょうが、スポーツ観戦とリアルバトルではまた違う分析もできそう。

 バスタードは、この会話を流すことが、サプライズ中心で、観客は驚きと心配という感情表現だけにとらわれて、達観して事態を観測するキャラがいないというのが現状の問題かな。
 ガラでさえも、DSへの心配が先立ち(こういう人情家っぷりで人気を高めつつ)、そばにクールな相方がいればバランスよくなるのかもしれませんが、まだモノローグ中心というか、バスタードの話芸は会話が上手く成立していないケースが多く(各人が勝手な思い込みの自己主張を繰り返す)、ボケとツッコミの応酬にはなっても、会話劇のテキストにはいささか不向きかな、と思ってます。

 では、この作品の魅力(D&Dネタ以外)はどこにあるか、と現在検証中。
 まあ、自分で自分を超絶美形主人公と言い放つ、メタフィクション乗りの、ギャグとシリアスのアンバランスさが荒削りな新ジャンルの勢いで、多分に斬新なのは間違いありませんが。

 あと、500円にもツッコンでおく。メタリカーナの金銭単位は円なのかいって(苦笑)。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/04 (Tue) 01:23:02

 定期感想書その1です。

 BASTARDで500円借りるシーン、自分も変に思わないでもないです。原作コミックだと確か(いかにも日本の)ラーメンも出てきたりしまして、中世欧風ながら現実世界の未来が舞台で、日本由来のものがあるんだろうなくらいの認識。だから500円硬貨もあり得なくはない。

 しかし指摘されてから考えてみると、違和感のリスク冒してまで500円でなくてもよかったかなあと。特に大事でもない小物のやり取りでもよかったんでしょうな(DSがヨーコに「預かっててくれ」でも可)。

 ちょっと先になりますが、ガンダムビルドシリーズ最新作「ガンダムビルドメタバース」が10月にあるようですね。新シリーズではなく、10周年記念の3部作でネット放映(ガンダムチャンネル)とのこと。それを機に次のTVシリーズ始まってくれないかなあ。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第37話:メイド・イン・ヘブン その②)

 NOVAさんは今話を簡潔にまとめておいでですが、自分は初見では大混乱です(^^;。またぞろですが、ドラマ本筋ではない設定面「プッチ神父のメイド・イン・ヘブンって何してるの?」にばかり気を取られまして。前に「自分に辻褄合わせられるようなもんじゃない」と悟ったはずなのにorz。

 そっちに気を取られたのは、なまじ何が起こっているかを、劇中で専門家風の面々揃えて解説してたりするからですね。今話を観終えてみますと、そういう解説などどうでもよく、人類(含む生物)が(ビッグクランチ→再ビッグバンを経て)次の宇宙に連れてこられた、と理解できればそれでよし。

 いったんそう思ったんですが、観なおしてみると、あの劇中TVでの解説、今話のバトルには大事なものだったと気が付きました。攻防の条件をちゃんと解説してるんですね。まずコップの落下ですが、手を放すと超高速で落下する。これは徐倫に落とされたナイフに対応します。生物だけはいつも通りという点は、イルカを利用して逃げ切ろうとした点に対応です。

 どうやら、全体的には理解できない状況を見せてはいますが、徐倫ら vs プッチ神父の戦いについては、はっきり理解できるように仕掛けてあったようです。以前から自分はこのジョジョSOのバトルが分からないと散々不服を言った覚えがあるんですが、注意していれば勝敗条件については分かるようにしてくれていたのかも。自分の目が泳いで、せっかく作者が出してくれたヒントに気が付かなかったみたいです。

 一応は分かったつもりになってみますと、今話のバトルも手に汗握り、しかもエンポリオ以外全滅という絶望的な惨憺たる状況で終わっても、なお希望が見出せるような気がしてきます。予習するとプッチ神父が最後の最後でエンポリオにしてやられることは分かるんですが、その知識抜きでも「これは何とかなるかも」と思えるドラマになっているようです。

 まずバトルは前話からの続きでヤシの木をバネにしたプッチ神父の奇襲で、承太郎の迎撃が失敗したところから。いったん逃げるしかないわけですが、エンポリオがエルメェスのキッスの能力の助けで打開。前にキッスで2つに分裂した銛での、承太郎を連れての高速移動をエルメェスはやってみせたわけですが、その応用ですね。弾丸を分裂させておいて、一方を遠方に打ち込み、分裂を解くことで高速移動する。

 それでもプッチ神父の神速が優ってしまうわけですが、次に活躍するのがアナスイ。海(オーシャン)に出れば勝ち目があると言う。が、とんでもない作戦でして、肉を切らせて骨を断つもの。アナスイのスタンドを攻撃させておいて、その隙に承太郎のスタープラチナでプッチ神父に致命の一撃を入れるというものですね。

 アナスイは自分はラッキーだからとか言い、終わったらプロポーズ(いや死亡フラグですよね ^^;)とも言うも、どう見ても死ぬ覚悟で臨んでます。が、絶望しているわけでもなく、なぜなら承太郎の反撃が間に合えば、アナスイは生き延びるチャンスはある。その覚悟と希望に打たれたらしい徐倫、静かにプロポーズを受け入れる。承太郎、驚く風はありますが、無言の承認でしょうか。

 しかしアナスイの策はプッチ神父に読まれていたようで(まあプッチ神父視点ではじっくり観察できるんだろうし)、攻撃は徐倫のスタンドの腕を使って行われてしまう。全員戦闘態勢に入ったのが仇となったか。

 それでも5秒時間が止まってる間に反撃可能でしたが、そこも予測されていた模様。徐倫本人へ多数のナイフが落とされていたわけですね。承太郎、これはDio戦法だと思い出す。劇中TV解説通り、時間が動き出せばナイフは物凄い速度で落ち、徐倫を貫くのは間違いない。

 ここで、前に気にしていた承太郎の守るべきものの分裂が問題となるわけですね。まず守るべきは世界か徐倫か。承太郎は徐倫を選び、プッチ神父を仕留める最後のチャンスを逸する。時間が動き出してしまえば、スタープラチナでも追いつけず、エルメェスの加勢も空振り。

 ここでエルメェス、承太郎は敗退。が、徐倫は依然として闘志見せまして、イルカを使ってエンポリオを連れて脱出を試みる。ここで劇中TV解説の「人間のみならず生物全ての時間はいつも通り」というのが効いてくるわけですね。無生物の物は手にしてない限り扱いに困るも、生きているイルカなら使える。

 もっとも速度的にはプッチ神父が上回る。が、水中のこととて息がいつまで続くか、泳げる距離はどうか、という点で一縷の望みありと徐倫は踏んだわけか。しかし、プッチ神父の執念が上回っているようで、そこは「ジョースター!」の叫びに現れてましたな。ジョースターの系譜は次の宇宙には断固阻止する気らしい。

 徐倫もそれならと腹を括り、エンポリオをイルカに任せて自分はしんがりに。しかし、接近戦では立ち向かえるはずもなく、どうやら勝負は一撃で決まってしまった模様。しかし、エンポリオは逃げおおせまして、イルカに次の宇宙へ連れて行ってもらえましたな。

 このシーンが、ずっとED曲映像で暗示されていたのは、ご指摘を受けるまで気が付きませんでした。この3期のEDは確かにイルカが泳ぐ海でしたね。遡って調べ直してみますと、1・2期EDではイルカは出てこないようです。ED曲が同じでも映像が変わった点に注意していれば、今話のリアルタイム視聴で「あ!」と驚ける仕掛けでしたか。

 それはともかく、もはや何が起こったか分かりませんが、最初の舞台「フロリダ州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」に戻って来てますね。看守も囚人も前の宇宙から連れてこられた模様ですが、衣服は風化してしまったらしい。

 しかし、帽子だけは無事だったりしまして、ちょっと変ですが、読者/視聴者向けに看守と囚人の見分けのためでしょうな。ちゃんと服を着た看守は、着替えたんだろう。そこはエンポリオで示されてまして、この宇宙での服が前の宇宙通りに用意されてます。

 エルメェスが徐倫らみんなを逃がし、続いてアナスイが他の皆を逃がし、承太郎が徐倫を逃がし、徐倫がエンポリオを逃がした格好ですね。いや、逃がしたというよりは、エンポリオを先に進めたというべきでしょうか。

 しかし、エンポリオたった一人でプッチ神父に立ち向かわなければならないわけですね。といったん思ったんですが、今話のちょっとした描写からすると、そうではないのかも。時間加速描写の1つに、速筆の漫画家がありました。一晩で1ページしか描けない、インクが乾くと喚いてましたが、電話が入って、岸部露伴は対応できていると言う。

 ということは、岸部露伴は時間加速に気が付きながらも、漫画を描き続けてるわけですな。「時間加速が終わるまで、漫画描いて待つか」くらいの余裕が感じられます。この状況に対応できているスタンド使いがいることになりますね。加えて、岸部露伴がいるなら東方仗助もいるはず。間違いなくジョースターの血統です。プッチ神父はジョースターの系譜を断てておらず、他のスタンド使いも次の宇宙へ連れて行ったことになります。

 ジョースター以外ではDioの系譜もそうですね。今シリーズ登場のDioの3人の息子はリタイアですが、イタリアにはジョルノが健在のはず(ジョジョSO時点で40歳くらい?)。持っているスタンドも(ジョルノは自覚できてないはずですが)破格の力があります。

 どうもプッチ神父のプランはあちこち漏れ、不安点があるようです。予習してみますと、次の最終回でその辺りの影響は描かれないはずですが、しかし裏では影響してたとか妄想する楽しみはありそうです。

●仮面ライダーギーツ(第29話:慟哭Ⅴ:サプライズ!闘牛ゲーム♡)

 道長が自ら考案の「闘牛ゲーム」開催で、道長がドラマのメインになるかと思ったら、祢音が焦点でしたか。家出癖くらいが特徴の序盤はともかく、父の光聖が登場して、娘の祢音についての態度が怪しいことから、なんかありそうという雰囲気がないでもなかった。

 なにせ光聖、娘の祢音を積極的に危険なDGPに参加させることを厭わず、むしろ熱心ですらあったわけで。なぜ愛娘にリスクを、というのは不審ではありましたな。一方、母の伊瑠美は過保護・過干渉ともいえますが、誘拐事件があったということで一応の説明にはなってるし、親らしい態度の範疇でありました。

 その謎の一端が明かされまして、祢音は光聖の実の娘ではなく、DGPスポンサー特典でカードで願いを叶えてもらった結果、出現したわけですか。実の娘「あかり」は誘拐事件で死亡しており、代わりに「私(光聖)が理想とする娘・祢音が生きている世界」が実現され、それが現在のギーツの舞台というわけですね。

 劇中で「あかり」の死亡と祢音の正体が明かされるのは(いったん描写をぼかしておいての)ラストですが、観ているこちらには途中で察せられる仕掛けになってますね。まず、祢音のサポーター:キューンに対する光聖の態度が不審(特に花束)。

 続いて、なぜか光聖は事件現場に花束を置いているわけですね。まるで献花でして、さすがに「ああ、そういうこと」となります。英寿もそれで事実関係に気が付いた様子があります。

 このことはまだ謎として置いておくかと思ったら、今話で明かしてしまうわけか。すり替えられた情報(祢音は誘拐事件で救出)と元の情報(「あかり」は誘拐事件で死亡)の両方を提示するほど詳しくでしたな。

 この情報(祢音は創世の女神による「あかり」の身代わり)を知っていたのは誰かということが大事だったのかな。光聖は願った本人ですから最初から知っている。母の伊瑠美は今話時点では不明ですが、(公式サイトの)次回予告を見ますと知らなかった模様。騒ぎ出したオーディエンスは寝耳に水で、サポーターのキューンすら知らされてなくてショックを受けてますね。祢音本人すら気が付いてもない。

 光聖が願った世界が慎重に隠匿されていたことになりそうですが、隠すこと自体は不思議ではありません。しかし、「あかり」を「あかり」としてではなく、「理想とする娘」の「祢音」として創造(?)させた理由が分かりません。もしかして願いのカードに「あかり」と書けなかったんだろうか。もしそうなら英寿と同じく、本来の願いを叶えるために光聖は画策していると考えることもできそうです。
(もしかして、ニラムに念押しする光聖の表情が険しかったのは、娘「あかり」を失ったショックだけではなく、「あかり」と書けない無念があったとか?)

 祢音のドラマ緊迫感には及ばないながらも、ジャマト/JDP側も動きが不審ですな。道長が考案した「闘牛ゲーム」ですが、道長の意に反して伏兵(ダンクルオステウスジャマト)が置かれるなど、ペロパが道長度外視で進めている感じがあります。

 ただ、ペロパが単純に勝ちに行ってるかどうかはよく分からない。お人好しの傾向がある景和をまず巻き込み、1対1と称して実は伏兵を置いている点、まず1勝しておく狙いはあったんでしょう。問題は残る2戦ですね。第2戦はペロパが祢音の正体をばらす策を用意してまして、心理戦では必勝を期してます。

 そのまま祢音/ナーゴが敗れますと、2勝でジャマト側勝利、DGP側の3ライダーは脱落。ですが、戦わなかった英寿/ギーツがどうなるのかが問題でしょうか。ずっとライダーというDGPの願いは未だ有効でしょうし、英寿は記憶を奪われても復帰した実績もあります。確実に英寿を潰しておくとすると、道長/バッファとぶつけ、バトルで倒して消滅→ジャマト化することが有効かも(転生も阻止できるかもしれない)。

 しかし、その辺りを英寿が察したのか、祢音/ナーゴに代わって第2戦に出ると。それでもペロパは祢音の正体をオーディエンス向けに公表してしまうわけですね。その狙いはよく分からないですが、英寿/ギーツがマジギレしたのは間違いない。途中まで、前話でも使われた急速なカメラ移動を交えた華麗なバトルだったのが、ペロパが情報公開した途端、力押しの凄みあるバトルに変わってました。

 そこで次回「慟哭Ⅵ:手紙の中の王子様」に続く、となるわけですが、真相を知った母:伊瑠美すら祢音を拒絶するシビアな展開になるらしい。その代わりなんでしょうか、奥手のためにツンデレになってるキューンが浮上して来そうです。予告で聞こえる「世界を敵に回しても」はキューンの声のようです。我那覇冴/仮面ライダーロポに続いて、今度がキューンにより、祢音が一皮むける成長を見せるんだろうか。

●仮面ライダー555(第11話:謎のベルト、第12話: 流星塾)

 こちらで伺ったお陰で、巧陣営・勇治陣営・スマートブレイン陣営で整理できかけてたんですが、今週は流星塾陣営登場でまたも複雑化です(^^;。しかも、流星塾陣営は登場早々、真理にコンタクト取った塾生や、まとめている教師やらが次々消滅でして、何を手掛かりに整理・理解してよいやら。

 既存陣営(?)のスマートブレイン社もドラマで観てみるとややこしくて、新社長:村上峡児がトップで独裁というわけではないらしい。他の社内派閥の反発はさておき、新たに登場のラッキークローバーについては、村上峡児ですら遠慮するものがあるらしい。

 力関係で動きそうな組織で力関係が曖昧ですから、誰がどういう思惑で動いているかが見通しにくい感じですね。もっとも、敵組織の内紛みたいのは自分の好みになってまして、こういうスマートブレイン社も悪くない感じです。

 一方、分かりやすくハラハラし、時にはクスリと来るのが啓太郎と結花ですね。ニアミス繰り返してますが、啓太郎視点で言えば、上の名前(長田)と下の名前(結花)だけの違いで勘違いし続けてます。これは結花も同じくですな。

 メル友としては「結花」で相手を認識しつつも、リアルではクリーニングに来た結花が申し込みに書いた名前「長田」で認識。そのため同一人物とギリギリで気が付かない。今週分では、啓太郎はリアルで会った「長田」への好意がついに恋心まで発展。

 これは結花が「長田」のときも、見せる顔が同じだからなんでしょうね。平和に暮らしたいと思うときに見せる、半ば本音で残りは技巧的な純情と友好。そこに啓太郎は惹かれるからこそ、メル友の結花にもリアルの長田にも好意を持つようになる。

 が、さすがに直接会った「長田」の印象が優ったようですな。そうなんだけど、それでいいのかとさすがに啓太郎も思いはする。しかし「好き」の感情でテンション上がってしまってて、同一人物への好意と知らずに心変わり~二股の悩みが軽い。そこは真理の一睨みで冷水ぶっかけられまして、来週からどうなるんだろう。

 しかし、浮かれる啓太郎をよそに、事態は深刻化していくわけですね。まずスマートブレインに動きがありまして、村上峡児がラッキー・クローバーに会いに行くと、運転役のスマートレディに告げる。いつもは軽いスマートレディがいつになく怯えた様子を見せることから、相当に面倒な相手であることが窺えます。

 場所はバー(クローバー)で、スマートブレイン社ではなく、そちらがラッキー・クローバー事実上の拠点みたいな感じですね。4人いるはずが1名おらず、気まぐれな「北崎」が不在とのこと。後で調べてみると、北崎を演じるのが藤田玲さんでして、今週は出演しないのを残念に思いました。牙狼で零を演じる2年前に555にご出演でしたか。年齢的に2年でも印象違うかもと、今からワクワクです。

 それはともかく、ラッキー・クローバーはスマートブレイン下にあるといえど、村上社長も礼を失しないよう、慎重に構えるほどの相手というのが伝わってきます。ラッキー・クローバーといえど、村上が重んじる「王」に対しては畏怖の念が強いらしい。その「王」のため、今回は「ジェイ」が出撃ですか。ゴツイ体格でして、どうかすると人間態のときの迫力がオルフェノク時より上回ることがありますね。物静かなようですが、愛犬が逆鱗みたいですね。

 任務はどうやら555や今週登場のカイザのギアらしい。そこが真理、さらに流星塾とつながって来るわけですね。真理は人脈的に意図せずややこしくなってまして、今週では財布を置いて来てしまった勇治らの部屋を訪ね、海堂と遭遇してますね。これで勇治陣営としっかり面通しできたことになります。

 さらに真理には別方面から接触ありまして、カイザギアの写真入りメールが届いて呼び出される。行ってみると、呼び出した流星塾の犬飼彰司はいたものの、真理らの目の前で灰化。もうジェイ/クロコダイルが先回りしてましたか(オルフェノク態で出現しても、青い影が人間態なのは、正体が誰か分かって便利ですな ^^;)。

 このクロコダイル・オルフェノクが強力でして、どうやら素の555では太刀打ちできないようですね。そこへ現れる謎のライダーとなるわけですが、前にも555を見ていたライダーでして、これがカイザですか。カイザだとクロコダイルにパワー負けしないようで、むしろ圧倒する感じで倒し切る。

 と思ったら、クロコダイルは復活するんですか。バーの会話で何が起こったか分かりまして、命が3つあるわけか。ウィキペディアで調べますと、倒されるたびに強化して蘇るみたいですね。ただし3度倒されたらアウトというわけか。

 ジェイ/クロコダイルが撤退(なのかな?)しますと、真理には流星塾が接触してくる。もう1人のライダーがカイザであることも知らされますが、クロコダイルに勝ちながらも崩れ落ちたライダーの謎はいったんお預け。そこは「(増田)先生」から語られまして、こちらで伺った通り、カイザには誰でも変身できるものの、不適合なら灰化してしまうという、怖いギアということですな。

 前に555を見ていたカイザも、既に変身者は灰化してしまったらしい。しかし流星塾の面々は、ライダーとはそういうものと認識し、その覚悟で戦っている模様。むしろ、変身時点で拒絶される555ギアのほうが驚きらしい。

 そこへ復活したジェイ/クロコダイル(剛強態)襲撃でして、流星塾の1人(神道貴久)が意を決してカイザに変身するも、歯が立たない。初見で自分はクロコダイルの特性を把握してなかったため、「カイザは変身者により戦闘力が相当違うのか」と勘違いしました。実際はクロコダイルが強化されていたため、前戦と違ってたようですね。

 そこへ555/巧が介入でして、今度はバイクで突っ込み、そのままオートバジンの助けを借りて戦いまして、なんとかクロコダイルを撃退はできましたか。が、いつの間にか「(増田)先生」はクロコダイルにオルフェノク化の攻撃を受けていた模様。灰化を予想・覚悟した「先生」、塾生に「あの同窓会の日、あの日、君たちは」と、何らかの真相を語ろうとしましたが、そこで灰化して何も聞けず。同窓会に来ていないはずの草加雅人が寄せ書きしている謎と関わりそうですが、解き明かしは次週以降か。

 この流星塾については、途中で真理が過去を回想する形で語られるわけですが、演出がちょっと可笑しくて。クリーニング店で真理が語り出すと、いかにもな感じのスポットライトが当たりまして、大事な話というより、何かコミカルでした。話自体は深刻なものなんですけど、演出で誤魔化されまして。

 その軽い気分が今週後半(第12話)ラストの「先生」の真相を語り損ねるラストでひっくり返されるわけで、その落差でショッキングな印象が強まります。

 余談ですが、今週分は前後編という感じではなく、2話1エピソードの納まりではない感じ。ウィキペディアで調べてみますと、脚本的には前半(第11話)が「上の中の下」編の3話め(最後)、後半(第12話)が「カイザの日」編の1話め(前半)となってました。

 しばらくは先週後半(偶数回)と次週前半(奇数回)で1エピソードが続くみたいですね。それが元通り、1週2話1エピソードに戻るのが、第29話からのようです。もしかすると、先週前半と次週後半のセットで感想書いたほうがいいのかと思いましたが、ネット放映だと先週分は消えちゃうからなあ。そこがネット放映の不便なところです。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/05 (Wed) 14:14:24

 定期感想書その2です。

●牙狼:翔編(第14話:標)

 登場人物の会話と回想という形での振り返りでした。こういう回があることを、すっかり忘れておりました。しかし、ドラマ内容的に忘れていたものは特になく、この回があって助かるというほどでもなし。

 ですが、「そういうことがあって、ここまで来たなあ」という気持ちは喚起されますし、ようやく流牙らに仲間として合流したガルド&ハルナの打ち解けようにはなにやら安心するものがあったりします。

 ちょっと面白いものもありまして、莉杏についてちょっと指摘するガルドと、流牙の反応ですね。ガルドは暗に「莉杏を恋愛相手として幸せにしてやれ」と流牙に言うわけですが、流牙の反応はあさっての方向。流牙は感情豊かな傾向あるゆえに義憤が高じやすく、そこは長所でもあれば弱点であることが描かれ、今話でも莉杏らが言及してました。

 しかし流牙、子供っぽい面もあると指摘された通り、恋愛面は未だ鈍感でしたか。そういえば、闇照編でも莉杏についていけなかったりしてましたな。あの試練、死線を共にかいくぐっても、まだそういう状態なのか、とちょっとクスクス来るものがあります。

 それだけでなく、またも「魔戒烈伝」絡みですが、後半で唐突に登場したギンジも印象に残ってます。前はこの翔編初見からの魔戒烈伝視聴だったんですが、上述の通り、忘れてしまうくらいですから烈伝でD・リンゴは意識できても、ギンジは印象に残らず。

 今回は烈伝のネット再視聴で「若き日のD・リンゴコンビ」が印象に残ったため、今話でのギンジの(自分的には)意外な登場も、「あ、ギンジだ」となった次第。作中時系列では「烈伝:D・リンゴエピソード」→「翔編:今話のギンジ」ですが、放映順は翔編→烈伝。しかし、自分は視聴順序がいろいろ前後しているため、今のところ「烈伝:D・リンゴ」についてのみですが、猛伝→翔編の順で観たような錯覚に陥っています(^^;。

 それにしても全23話で第14話が振り返りという意外な構成だったのか。この後、ラスボスのジンガ消滅から再生とか、紆余曲折まだまだあったはずなのに、ここまでの総集編やる余裕あるとは。たぶん、自分が曖昧に覚えている印象より、実際のドラマテンポ速かったのかも。

●BASTARD(第13話:動揺)

 たぶん1期1クールめの締めくくりで、原作序盤のクライマックス前半(のはずの)DSの死とネイの救済ですね。前に申したんですが、原作を連載で追っているときには、ドラマ進行がテンプレート通りにして一本調子のような気がしていました。ネイやDSの選択肢≒悩みがあるようでいて、実はなさそうな感じがしてしまったということです。

 しかし、このアニメ版で観てみると悪くはなかった印象が残りました。原作の詳細はだいぶ忘れてるんですが、今話でヨーコがネイを「泣いている子供」と評したところで、「ああ、確かこれは原作通りのはずだ」と思えました。あくまでも大筋は、でして、細かい演出はたぶん違うものがあるはず。

 おそらく、その細かい部分で印象が違ったんだと思います。ネイについて申せば、このアニメ版ではDSと対峙してから、殺さずに勝つだけは勝って呪いの発動を抑えようという気持ちになり、それも叶わぬと悟って、カエルに変化する前にDSに倒される覚悟になる。

 たぶん原作でも同じ流れだったと思うんですが、原作では上述した通り、あまり感動せず。しかし、このアニメ版ではネイの気持ちの揺れと変化が、観ていてきちんと入って来る感じがあります。実感はあるんですが、なぜそうなるのかはよく分かりませんorz。

 ただ、声優さんの演技力のお蔭はあるんだろうなと思います。コミックとアニメの違いは、動くこととと声・音があること。どちらもコミックを読んでいるときは、自分が想像するしかないものになります。いわば演出は自分。限界は低くなります。そこをアニメは超えてくれる。

 特にキャラクターに関しては声の演技ですね。アニメでは人間により表現される部分となります。絵については、例えば表情の細かい変化などは実写に及ばず、感情表現は記号的なものを交えつつの、割とはっきりしたものになりがち。しかし声は細かいニュアンスを交えてもらうことが可能。たぶん、それにより自分でもネイの気持ちの変化が感じられたんだろうと思います。

 そのネイの気持ちを描くに、暴走した雷の精霊がヨーコを攻撃してしまうシーンが大事であることが、このアニメ版で分かりました。DSはネイと対峙しており、ネイの爪の呪いは進行していく。そのままだと、DSが実はネイを気遣っているだけに、呪いに気が付いてしまうはずですね。

 そこでネイが意図せず(ここ割と大事)ヨーコを危機に陥れ、かつすんでのところで無事(ここも大事)というハプニング(?)が起こり、DSの注意がそちらに向く。これはネイにとってはDSの大事な人が誰かを思い知るイベントですが、DSに対してはネイの危機(呪い)から注意が逸れる効果があります。

 それがあってのDSの本気発動ですし、そこにネイの覚悟がぴったりはまるわけですね。こうなると観ているこちらに「いや、この事態を何とかして欲しい」という気持ちが生じますんで、唐突なルーシェのシリアス&大物風化も受け入れられる(むしろ歓迎)。

 そこも原作通りだと思うんですが、このアニメ版でようやく感じ入ることができました。自分がなぜアニメ版を毎回観て、感想も書く気になるのか分からなかったんですが、もしかするとアニメ版の作り手が原作を尊重しつつ、いろいろ演出を工夫してくれていることがあるのかもしれません。

 ただ、いろいろうまく調整した副作用でしょうか、オババ様の水晶球占いによるDSの死の予言だけは、かえって余計な感じがしないでもない。原作読んでいたときには気にならなかったんですが。あちらを立てればこちらが立たず、みたいなことが起こってるのかしらん。

 しかし、そこもDS復活となるまではっきりしたことは言えなさそうです。今話をうまくまとめたアニメ制作陣ですから、もしかするとDS復活もテンプレート通りという感じがしない運びにしてくれるんじゃなかろうか。

Re: 4月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/04/07 (Fri) 10:40:52

 春期仕事が終わったので、これで午前中も書き込みができて、余裕が作れる感じですね。

 仕事以外の近況としては、日曜にD&D映画と、グリッドマン・ユニバースを見て参りまして、新年度初映画はどちらも大当たりと言ったところ。
 前者はコメディー色の強い「ロード・オブ・ザ・リング」に匹敵しそうなファンタジー傑作。
 後者はTVのグリッドマンとダイナゼノンの後日譚で、上手くまとめたな、と。まあ、ドラマのメインはグリッドマンの方で、ダイナゼノンは助っ人的来訪者なんですが、感想としては作品ファンの見たいものをいっぱい詰め込んだ、ヒーロー好き、フィクション好きのための青春ラブコメディと言ったところ。

 どちらも配信、あるいはTV放送の機会があれば、楽しめること受け合いかと思います。
 さて、ライダー感想。

★ギーツ

 ナーゴ編前半。

 死んだ娘アカリの代わりに生み出された虚構の存在が、袮音だったということで、何だか『鉄腕アトム』を思い出したりも。
 ただ、本物の娘でないにしても、袮音として生きて来たことは事実なんだから、彼女のネットアイドル活動も別に嘘じゃないんだし、オーディエンス側が今さら叩くようなことか? とは思いますね。

 母親が「実は本当の娘でなかった袮音を受け入れられなくなる」のは分かるとして、
 オーディエンスはアカリではなく、袮音を応援して来たのだろうし、もしかすると、その人たちは「財閥令嬢という地位に価値を感じてネットアイドルを応援して来たの?」と疑いたくなる。

 本人の失言や暴言で叩かれるならまだしも、出生の秘密が暴露されたことでファンが手のひら返しをするような展開には、リアルを感じないな。
 まあ、本物の袮音ちゃんだと思ったら、実は替え玉でしたってのなら、ファンの怒りは分からなくもないけど。

 ともあれ、袮音が周りからの愛を失って落ち込んでいるところで、本当の愛を見出すドラマが想定されるけど、もしも、それが叶えられたなら、これ以上ゲームを続ける動機も薄れるんですね。

 ここで番狂わせが発生するなら、袮音が次回、敗退するか、あるいは敗退しそうになったところを、創世の女神の力が暴走して、いろいろとまずい事態になるとかかな。
 ベロバですら予期しない大混乱状態になって、という可能性を想定してみる。

 単純に袮音の勝ちとか、バッファの勝ちで収まらないまでに加速する展開を期待。

★ファイズ

 ラッキークローバーと流星塾が登場し、次はカイザの適応者である草加雅人の登場回。

 彼の性格は、真里好き、オルフェノク嫌いの潔癖症で、万能超人。そして外面はいいけど、腹黒で、真里の近くにいる乾巧には強烈な嫉妬心を示して、いろいろと陥れようと画策する。

 ただし、オルフェノク相手だと何だかんだ言って、共闘する。

 巧からすれば、草加雅人はいけ好かないキザ男。うる星の面堂終太郎みたいなところがあります。

 この草加の二面性には、真里は気付かないので、いろいろとややこしい人間関係ドラマになるのですが。

 なお、恋愛矢印としては、

 草加→真里→木場、と、啓太郎→長田由佳→海堂→真里、となって、巧と真里の間には、恋心はないけど、信頼関係はある。

 この信頼関係を崩そうと、いろいろとちょっかいを掛けるのが草加ですな。
 で、巧と木場と草加の関係がどう展開するかにも注目だったり。

Re: 4月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/04/08 (Sat) 08:50:46

 アニメ感想です。

★バスタード

 ネイとの決着編。

 OPなし、EDなしで、いつもよりも多くの尺を本編映像に費やしたスペシャル回といった趣でした。

 DSを応援しながら、戦況を比較的冷静に実況するガラと、
 DSを心配しつつ、途中でネイの悲しい覚悟を感じとるヨーコ。

 今回の話は、ヨーコによる「ネイの心境推察」がないと成立しないドラマだったかな、と。

 これはネイが本心を内に秘めたキャラであり、わざわざ自分の感情を吐露しない作劇である点と、
 DSがネイの心情にギリギリまで気づかない点で、
 戦い自体の決着はDSの勝ちであることを示すガチバトルを強調した流れ。

 苦戦しながらもDSの不死身ぶりを強調して、ネイが内心において自分の負けを察したこと、自分にDSを殺せないこと(実力的にも心情的にも)を察して、勝つことよりも、むしろ愛する者の手で美しく散りたいという形に、ネイの過去シーン(幼少期の迫害とDSとの出会いとetc.)を描いて、視聴者がネイに感情移入する土台をしっかり描いた上で、
 DSの自害という形で、ネイの救済に流れる。

 誰かを守るための誇り高い死。
 DSのヒーロー性をも引き立たせるシーンでありつつ、主人公が死んで、今後どうするのか? と。
 まあ、DSだから普通に復活するのだろうけど、と思わせつつ、これでネイ&ガラ対カ=ルス&アビゲイルの四天王二分のバトルか、と期待できる点。

 バトル物において、主人公よりも、その仲間の戦いの方が勝ち負けの行方が見えなくて面白い展開になりがち、という通の見方では、ここからが本番となります。
 主人公不在の状況で、サブキャラに魅力を描けるかが作品全体の面白さにつながる、と。

 解説役としてガラを持ち上げ、DSとの関係性や恩義という形でネイを持ち上げ、ここで役者が揃った、という感じでしょうか。

 2クールめは、味方になったネイ様の活躍に期待したいな、と。

★ジョジョSO

 見事に終わりましたな。

 特殊OPと特殊EDが、歴代ジョジョの歴史を振り返る絵でおおってなりましたし、
 ストーリーは追いつめられたエンポリオが、仲間たちに託された覚悟と、自身の知識と機転、そしてウェザーリポートのスタンド能力で逆転勝利を収める展開。
 そして、神父亡き後、神父の構築した運命の世界(神父の殺害した徐倫たちが転生できない世界)が切り替わり、新たにエンポリオが望んだ世界として再生される流れですね。

 言わば、エンポリオがDGPに勝ったから、彼の望みの世界が実現したと言ったところでしょうか。

 最初に刑務所にいた徐倫似の女と承太郎似の父親は、魂を持たない別人格で、書き割りの背景に過ぎず、過去を繰り返すだけの人形だったのに対し、
 新世界の徐倫改めアイリンたちは、未来に向けて新しい物語を紡ぎ上げるハッピーエンドな生まれ変わり、と。

 で、ジョジョ世界もここから新生し、「過去の物語の時間軸」ではなく、「過去の物語や人物設定をオマージュにした新たな改変世界の物語」。
 パラレルワールドとか、多元宇宙的な要素を背景に、世界観の拡張を図った、と。

 第7部のアニメ化にも期待しつつ、一応、今回の話で一連の物語は大団円を迎えて、めでたしめでたしって心境です。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/08 (Sat) 14:50:55

 定期感想書その1です。

●ご紹介頂いた劇場版

 先月末にはシン・仮面ライダーのご感想・ご解説を頂いてたんですが、ずっと反応できず。ネットであらすじとか検索してみるんですが、どういう作品なのか分からずでした。どうもあらすじで分かる映画ではないらしい、というのは、ウィキペディアに最後まであらすじが記載されていることからも窺えそうです。

 つまり、筋立てを知ったくらいでは魅力が分かるものではないから、公開間もない映画なのに筋立てが載っている。他に個人サイト・ブログの感想・解説も見つけたりはするんですが、興奮気味に込み入った話をしているようで、凄そうだと感じても、理解には近づかずです(^^;。

 いつものように、こちらで伺う解説が最も分かりやすいようです。ラストまでの観終えてみるとビターエンドというのがポイントのようですね。そこは実は(自分は未読の)原作コミックの影響が強いというわけですか(原作通りと言ってもいいのかな)。

 龍騎のコンセプトとのつながりもあるなど、ライダーシリーズいろいろに込められた魅力とのリンクが多そうですね。たぶん、自分が適当にネット情報漁って混乱したのも、そこに気が付いていない/分かっていないのが原因だったかも。

 お話を伺う前は「リブートしようとした昭和ライダー(1号、2号、V3のVシネマ2作)の延長線上にあったりするかなあ」などと適当に妄想しておりましたが、どうやらそんな単純ではなく、しかし原点を意識したものであるようですね。ようやく分かったような気がするのは「少なくとも観るまでは疑問点すら分からないだろうなあ」ということ。何年か先でもいいので、東映公式Youtube辺りで放映してくれないかな。

 D&D映画については、NOVAさんのブログのほうも拝読。「グリッドマン・ユニバース」についても語ろうとされておいでですが、D&Dを語り出すと止まらないようですね。さっきまた覗きに行きましたが、D&Dの話が続いてましたね。それだけ面白かったということですか。

 D&Dには疎いため、劇場版がどれほど凄いかはちょっと想像できてませんが、引き合いに出ていた2000年のD&D劇場版の話がちょっと面白かったりします。こちらでBASTARDがビホルダー問題以降、迷走していくというお話を伺ったわけですが、それだけD&Dの関わりが深い。D&Dの劇場版ですら、版権絡みで禁じ手が生じると同様になってしまうということですか。

 それに加え、もし脚本家など制作のD&D理解が深くないとさらなる問題を生じると。こちらもBASTARDアニメ版の成り行きで気になるところですが(ここまでを観る限りは大丈夫そう)、しかし仮面ライダー剣/ブレイド前半についてはいろいろ伺い、自分も実見して実感したものが多々でした。

 しかし、自分も剣/ブレイドのネット視聴当時は未見のライダーシリーズ多すぎまして、充分に理解できたとは申せません。理解できそうなのは「グリッドマン・ユニバース」のほうですね。アニメ版のGRIDMAN、DYNAZENONは視聴して感想も書き、幸いにして実写・原典のグリッドマンも再放映で最終回まで観ることができました。「グリッドマン・ユニバース」はTVで放映してくれる機会がいずれありそう(新シリーズ開始のときとか)。

●ジョジョ:ストーンオーシャン(第38話/最終回:ホワット・ア・ワンダフル・ワールド)

 放映翌朝にご感想を頂けたお陰で分からなかったところが解釈できました。ラスト、プッチ神父を刑務所で打倒直後に、なぜかエンポリオがバス停近くに立っていたシーンです。なぜ移動したんだか分からなかったんですが、「新たにエンポリオが望んだ世界」と考えればしっくりきますね。

 徐倫らそのものではないけれど、酷似した面々と再会した理由も、それで分かった気がします。たぶん「Dio~プッチ神父の策動がなければ、こうなっている」という世界なんでしょうな。

 最後の大事な解釈含め、ご感想でいろいろご教示を賜りました。おかげさまで視聴はより楽しく、感想も最後まで気乗りがして完走できましたこと、お礼申し上げます。

 ともかく本編。ですが、ED曲から感想開始。Part1の「ファントムブラッド」のED曲が来るとは予想せず、エンポリオが車の外を見るシーンでギターソロから始まっても、しばらくは何の曲だったか意識せず。ようやく気が付いて「あっ!」です。この新宇宙でのジョジョの再開、というより新たな開始という雰囲気を感じました。

 しかし冒頭は絶望的な敗北ENDの予感濃厚な出だしでしたな。少し遠目には「徐倫と承太郎?」と思えますが、アップになると全くの別人。しかし、刑務所に収監された娘に面会に来た父親という点は一致し、アクシデントを渡りに船と一緒に逃げだす点も同じ。

 だいたい合ってるけど、プッチ神父の計画に邪魔な要素(特にジョースター)は排除された世界という感じですね。この後のプッチ神父解説によれば、宇宙のビッグクランチ→再ビッグバンを経て一周することで決定論的な世界になっているとのこと。ただし、その世界の事実上の創造主たるプッチ神父のみは歴史改変ができる。しかし他の人間は何が起こるか分かる/知っているが変えることはできないらしい。

 そしてまだ一周は完成しておらず、なぜならプッチ神父が直前でいったん停止させたから。歴史が確定すると、エンポリオがプッチ神父打倒を狙うことになってしまうとのことで、そのリスク要素すら排除しておきたいらしい。そのプッチ神父解説は、この後の最終決戦でのプッチ神父の訴えが嘘であることを示す伏線にもなってますな。

 しかし今はプッチ神父の絶対的優勢。承太郎や徐倫、弟のウェザーら強敵・難敵は前の宇宙で打倒してしまっており、戦闘に不向きなスタンドしか持たないエンポリオだけになってますもんね。しかも今は子ども。

 そのためプッチ神父は自信満々でして、自分がどういう世界を作ったかを誇らしげに、福音書の山上の訓戒風に述べつつ、エンポリオに迫る。どうせエンポリオが行けるのは、スタンドによる隠し部屋しかない。エンポリオが別方向へ逃走を試みても、なぜかアクシデントが起こって押し戻されてしまう。

 ついにエンポリオ、プッチ神父により隠し部屋に押し込まれるわけですが、それを利用してウェザーのDiskを自らにセットする策に出ましたか。プッチ神父なら歴史を変えられるという、プッチ神父有利な条件を活かしたわけですな。

 そこからエンポリオが根性見せるわけですが、演じるのがダイ大でダイを演じた種崎さん、対するプッチ神父は関さんでして魔王ハドラー。エンポリオがダイと同じくらいの子供ということもあって、どうもダイ大を連想してしまいます(^^;。もっとも、イメージが被るのが邪魔になることはなく、むしろ燃える対決とより強く感じられました。

 それはともかく、エンポリオがウェザーのスタンド能力を得たのではなく、ウェザーの意思が前の宇宙からDiskで持ち込まれたゆえのスタンド発現というわけか。ウェザーがまだ戦い続けているというわけですね。その戦法というのが、室内を純酸素で満たすというもの。

 プッチ神父は必勝を期して時を再加速してしまってますから、純酸素から受けるダメージはエンポリオの何倍にもなっているはずですね。形勢逆転となり、動けなくなり絶体絶命のプッチ神父はエンポリオを説得にかかる。ケープカナベラルで歴史が一周した後なら命を捧げてもいいと。

 これが大嘘なのは明らか。さっきまで歴史一周後の小さなリスク=エンポリオを排除しようと迫って来てたわけですから。プッチ神父、前の宇宙でも例えばウェザーにおためごかしなこと言ってた気がしますが、さすがにもはや通用しない。エンポリオに「運命」と退けられ、プッチ神父もウェザーのスタンドから床にめり込んでしまうほどのパンチ連打を受けて完全決着。

 そのプッチ神父が落下してアリになったような描写がありましたが、それがこちらで伺った「新たにエンポリオが望んだ世界」を暗示してたんでしょうね。あそこで自分も気が付いていたら、後のシーンを初見でもスムーズに観られたんだと思います。ともかくも、プッチ神父と戦った仲間たちが、プッチ神父とは無関係に再開。

 ただ、FFだけはいませんでしたな。プッチ神父に作られた存在だからかしらん。しかし、イメージ映像にはしっかり描かれてますんで、徐倫らが進んだ先にはちゃんといるということなのかも。

 観終えて漠然と思ったんですが、前作「黄金の風」とこの「ストーンオーシャン」を合わせて考えると、Dioと柱の男(特にカーズ)のプランであり遺産のどちらが優るかという争いでもあったような気がします。

 Dioは「人間をやめる」とき、石仮面を使ったわけですが、後にそれが柱の男の不完全な試作品であることが判明。柱の男は復活して完全な生命体になろうとするも阻止されますが、スタンド使いを作る矢じりを残している。Dioは復活し、自らが完全になろうとするも敗退・死亡。柱の男の矢じりはDio直系のジョルノへ、Dioのプラン(天国)はプッチ神父に渡る。

 このジョジョSOではDioのプランが実現しそうになるも失敗。そのときプッチ神父が言うに「私がここまでやってきたことが起こらないということに変わってしまうんだ」。これって、ジョルノが(無自覚に)得た「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」の作用「永遠に真実に到達することはない」であるような気がします。プッチ神父がエンポリオに勝てなかったのは、実はDioが柱の男に勝てなかったということかしらん、という妄想なわけですが(^^;。

 全体的な感想としましては、例えば各バトルがしばしば分かりにくいといったことはありましたが、観終えてみるとやっぱり「面白かった」となりますね。次の「スティール・ボール・ラン」もいずれやってくれるかしらん。このジョジョSOはNetflixで制作されたわけで、TV局以外からも出て来る可能性があるから、観られる確率は今までより高そうです。

●プッチ神父の計画について(投稿直後追記)

 やっぱり、自分用メモとして書いておこうと思うことがありまして。

 プッチ神父の計画「天国」は、誰もがこれから起こることを知っていて、それが不可避であると分かってもいるというものですね。だから覚悟しておくしかない。それをプッチ神父は幸福としているわけですが、当のプッチ神父だけは歴史を変えられる。そのことは、プッチ神父がこの先何が起こるか分からないことをも意味します(エンポリオに執拗に迫ったり、敗れたりした理由でもある)。

 心理学実験や観測から得られた結論によると、人間は「この先のことが分かってしまう/決められてしまうと、建設的なことをしなくなる」のだそうです。言い換えれば、絶望してしまう。もしそうだとしますと、プッチ神父の理想は人々の絶望ということになります。絶望を避けるには、少なくとも「先のことは(確かには)分からない」ことが必要となりそうです。

 自分が多少宗教について知ったことからは、少なくとも多数が「教え」を尊ぶ宗教においては、どうも絶望から救うことを重要視しているようです(おそらく最重要)。プッチ神父は神の導きとかなんとか言いながら、どうやら真逆をやっていた模様。

 おそらくプッチ神父も「この先のことが分かってしまう不幸」は感じていたんじゃなかろうか。自分(プッチ神父)だけは「何が起こるか変えられる」≒「先のことは分からない」という立場に立とうとしていたわけですから。

 そこは矛盾ともいえまして、そんなもの抱えていたことがプッチ神父の(ひいてはDioの)敗因だったのかなと思います。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/10 (Mon) 15:12:53

 定期感想書その2です。

 1期ラストの「やめなさい」(バチン)で印象が強ま.った「水星の魔女」ですが、2期が始まってみると、あの血濡れの手の件は何事もなかったかのようで、ちょっと肩透かし。第2話以降で感想を書いてみるかどうか考えたいと思います。

●仮面ライダーギーツ(第30話:慟哭Ⅵ:手紙の中の王子様)

 今頃になって気が付いたんですが、ベロパのJDP開催(第25話)以降、奇数回のサブタイトル末尾にハートマーク♡が付され、偶数回にはないようですね。おおむね、ベロパ側が事態を動かすときに♡あり、ギーツ側がそれを押し返すときは♡なしになってるみたい。

 今話ですと、「闘牛ゲーム」のベロパの小細工を跳ね返して、かろうじてながら引き分けに持ち込んだということで♡なしということか。しかし前々回ラストで発生した祢音のドラマ(正体について)は今話では解決半ばといったところで、たぶん次回でなんとかするんでしょうな。

 しかし、今話ラストでは英寿の(たぶん2千年前の前世での)母:ミツメの正体が明かされまして、創世の女神になった/されたと明かされてます。当然、(次話予告を見ても)英寿のドラマになっていくはずですね。祢音のドラマに一応の解決を見せつつ、英寿にドラマを引き継ぐのかな。イベントとドラマが少しずれる格好です。

 とかなんとか申しておりますが、今話ラストのアルキメデルが気になって、しばらくはそっちばかり頭に浮かんでしまっておりました。敗退して虫の息らしいジャマト:ダンクルオステウスを蘇らせようと必死のアルキメデル、自分の手を見てニタアッと笑い、「いい肥料」と。あそこがコミカルで怖いという、自分のツボを突くものでありまして非常に印象に残ってしまいました(^^;。来週は大丈夫かな、アルキメデル。

 それはともかく本編。祢音が両親から生まれた子ではなく、創世の女神に創造されたこと、鞍馬夫妻の本来の娘:あかりは誘拐事件で死亡していたことが明かされ、祢音がどうするかからですね。まず祢音、あかりに関する記憶が改変されている母:伊瑠美にIDコアを触れさせ、記憶を戻す。

 途端に伊瑠美は祢音に「あんた誰!」と喚くわけですが、どうやら祢音への愛情が失われたわけではないらしい。家を出ようとする祢音を追っては来てました。しかしやはり混乱しているのでしょうか、強く引き留めることはできず、祢音は出て行ってしまうわけですね(たぶん、ラストの祢音の台詞の伏線かな)。

 父:光聖の意図や動きは謎です。死んだあかりの蘇りではなく、「理想の娘」とする祢音を創造させた理由がよく分かりません。また、あかりの死の記憶を消去・改変することもできたようですが、母:伊瑠美や世間についてはそうしても、光聖自身についてはそうしなかったのも謎です。

 光聖が祢音のサポーター:キューンに見せた態度・言動からしますと、愛娘あかりの死亡で愛する気持ちを失い、鞍馬財閥のために祢音を育てたということになりますか。しかし、それにしちゃ祢音の正体が知られてからの光聖の動揺は異様です。何か別の理由がありそう。

 例えばですが、あかりを蘇らせると、延々とあかりが誘拐事件で死亡したという記憶・感情がリピートされて辛いので、あかりではない祢音を願った。そうしてしまうのは気持ちの歪みといえそうですが、光聖はあかりが祢音に捻じれたまま、祢音にも同じく愛情を持った。しかし、それでは死んだあかりに申し訳ない。そういった隠された真情による混乱があるとしますと、今の光聖の態度が理解できなくもありません。

 祢音自身も真相を知って、両親から生まれてない、(解釈次第ですが)普通の人間ですらないというショックに加え、あかりに成り代わってしまっていた自分に許せないものがあるように見えます。まるで龍騎の優衣のように、ガラス/鏡の中に死んだ本人を見てたりしてますね。

 そんな祢音に戦意があるわけがなく、JDP「闘牛ゲーム」第3戦は一方的な展開。最初は変身せずにダンクルオステウスにボコられ、ようやく変身してもはかばかしい抵抗すらできず。英寿/ギーツはゲームルールにより加勢できない。このまま祢音/ナーゴ敗退ですと、DGP側ライダー3名消失の危機。

 そこへ(ある意味期待通りに)現れた助っ人がキューンであるわけですね。祢音に(正体を知ってもなお)強い好意がありますが、祢音の前に出て来るとバグってしまうため、手紙のみで気持ちを伝えてました。が、英寿に悩みを打ち明けたら、かえって突き放されたことで発奮できたらしい。

 まず、バグって裏腹なことを言わないよう手紙を書き、ゲームに介入して読み上げるわけですな。しかしキューン、自分の書いたものに嘘があると悟る。本当の気持ちは以前に気張らずに書いた「たとえ世界中が敵なろうとも、(私→)俺は君の味方だ」ということですか。テンプレ台詞のようでいて、しかしこの台詞が決まるように事態が動いてきてまして、きちんとクライマックスです。

 もっとも、手紙にも大事で本当のことも多々あるわけですね。キューンとて、デザインされた存在で祢音と同じ。祢音から共感・感情移入を教わった(他人の悲しみ/喜びが自分の悲しみ/喜び)。これらにより、祢音の心中のあかり(の幻影)と今の祢音が和解できた模様。

 気持ちで負けていたのが、気持ちが立ち直れば巻き返しなわけで、キューンがナーゴを強化しておいてからサポートに回り、ダンクルオステウスを撃破。しかしナーゴも倒れたことで引き分け。「闘牛ゲーム」は双方1勝1敗1引き分けで、トータルで引き分けという、ある意味順当な落としどころですね。

 その落としどころに辿り着いた最大の要因はおそらくは道長/バッファの離脱ですね。ルール解釈次第ですが、ベロパ側が負ければ、道長も脱落扱いかもしれないのに、ベロパの小細工を不服として蹴っちゃったわけですな。しかし引き分けということで、こちらもなし崩しにOKと(^^;。

 道長はそれでもベロパ側から離脱したかったようですが、ヴィジョンドライバーに記録された英寿の秘密を条件に留まる。その秘密が上述の、2千年前の(前世)英寿の母ミツメが今の「創世の女神」ということですね。この情報、道長よりは観ているこちらにとって大事となる確定情報のようです。ようやく英寿のドラマに関する勝利条件が見えて来たわけですんで。

 次回「慟哭Ⅶ:天国と地獄ゲーム♡」では、英寿がミツメ=創世の女神という真相を知るみたいですね。そこは気になりますが、現時点では今話ラストで「私には帰れる場所なんてないよ」と、景和すら拒んで去った祢音が最も気になります。この祢音の正体を巡るドラマ、ちゃんと納まるのかな。

●仮面ライダー555(第13話:敵か味方か、第14話:巧の意地)

 草加雅人登場でして、重要人物であることを印象付けるよう「誰が草加雅人なのか?」の演出が、前半(第13話)されてますね。草加雅人がいる大学に巧らが赴き、体育館で啓太郎が「草加さんを探している」旨尋ねると、練習で倒れたフェンシング部員が指さされる。真理が「草加君」と呼びかけて手を差し出すと、「草加君」が素直に応じる。

 そこに真理の回想「教室で倒れた草加雅人に手を差し出す」が被る。これは観ていて「この部員が草加雅人だ」と思っちゃう仕掛けですね。しかし一方、別行動となった巧は、どうにも反りが合わないらしい人物と複数回、偶然に接触してしまう。これはこれで、「あれ、この人物は何者だろう?」と思う仕掛けです。

 ややあって種明かしとなり、真理らがしつこく付きまとうと感じたらしい「草加君」は怒り出し、草加雅人ではなく「草加一郎」と判明するわけですな。巧と反りが合わないほうが草加雅人だったと。

 そういう狙いの人捜しドラマだとは思うんですが、ジオウの予備知識があったもんで、自分は巧と絡んだほうが草加雅人と気が付いてしまいました。一目見て、「これがもっと若い頃の草加雅人(村上幸平さん)かあ」という感じです(^^;。たぶんジオウでは、配役の村上幸平さんが「555での草加雅人はこういうキャラクター」と意識して演じてくれたお陰だろうと思います。

 真理は草加雅人を見間違えて別人を追っちゃったわけですが、そこ以外では人脈的なハブになってる点、なかなか面白い。草加雅人は普段は真面目そうな表情を崩すまいとしているようですが、真理を見るときだけは目が柔らかい。真理を守るとまで言い出してましたな。たぶん、流星塾で真理に庇われたことで特別な感情がある様子。

 そして真理は海堂を再び引き寄せる。海堂のほうから寄っていくわけですが、その発端は勇治の部屋/拠点に財布を探しに行って、不貞腐れた様子の海堂を強引に、なかば乱暴に面倒見たから。迷える海堂の目には、導き手くらいに見えたのかも。それで惹かれてしまったようですね。

 真理はスマートブレイン社に対しては前社長の(義理の)娘、勇治陣営には海堂の想われ人、流星塾/草加雅人には初恋の人ということで、意図せず巧陣営とのパイプ役になってる感じです。海堂が「なんで(真理の)言うこと聞いちゃうんだろう」旨言ってましたが、第1話からここまでの巧もそんな感じだと思えなくもありません。

 その巧ですが、他人に無関心傾向があるようでいて、実はよく見ていることが示されてましたな。今回は草加雅人に対してです。例の寄せ書きを見せられた草加雅人が一瞬の動揺を見せてましたが、巧はしっかり見ていたわけですね。だから巧だけが店番していたクリーニング店に草加雅人が1人で現れると問い詰めた。他人に聞かれたらまずい事情があるはず、ということも察しているわけですね。

 順当に考えますと、寄せ書きの件は草加雅人が「誰かの悪戯」と言う通りに解釈するのが無難で常識的でしょうな。善意で考えると、(もう携帯ある時代ですから)誰かが草加雅人に書きたい内容を聞いて代筆してやった、くらいでいいはず。そうではない可能性を考えざるを得ないのは、1つにはオルフェノクという脅威と対峙していることでしょうか。最悪に備える考え方をしないと生き残れない。

 そこは555でオルフェノクと戦うことに自らの存在意義を見出した(らしい ^^;)巧とて同じですが、それにしては草間雅人への警戒心が異様なくらい高い。初対面から反りが合わないのが明らかです。巧にそこまでさせるほどのことを、少なくとも草加雅人はしていないし、敵対心も見せてはいない。

 巧の直感が鋭い、と考えておくところでしょうか。しかし、今まで巧は外面はいいけど根が邪悪な人物/オルフェノクに出会っていたわけですが、今回の草間雅人に対するような態度ではなかった気がします。違いがあるとすれば、真理でしょうか。草間雅人は真理にある種の感情を向けているようですが、巧がそれがヤバいと感じ取ったのかも。そこももしかすると、真理が人物ネットワークを作るような、引き寄せる力があるせいかもしれません(巧とて、第1話から不思議なくらい真理に引っ張られてるわけだし)。

 一方、勇治陣営。勇治はスマートレディの脅迫めいた求めを拒絶してからは、一応の安定を見せている感じですが、残る2人がどうも。海堂は真理に一目ぼれ(?)してからは舞い上がっている模様。そのため、真摯に気遣ってくれる結花の好意の意味に気が付けずにいますね。

 海堂は結花をデートに誘うようなことを言い、連れまわすわけですが、まるでリハーサルのよう。それもそのはずで、真理をデートに誘うための予行演習ですか。これは結花にとっては、上げてから下げる大ダメージですな。それでも結花は辛抱できたようですが、もしかすると「ストレス解消」やってるからか。

 今週分でも、高校生らしき女性にユスリ・タカリを働く不良を始末してしまってますね。それでいて動揺はなく、直後には海堂に嬉し気な態度を見せさえする。結花の最初の大量殺戮のときのようなショックや迷いはもう見られない感じです。悪、というよりはイジメる者に対してはもう慈悲はない感じ。もっとも、そのせいでオルフェノク始末人(ラッキークローバー)からはお目こぼしもされるわけですが。

 それでも、海堂があっけらかんとデートの予行演習と言ってしまったことは、結花の再びの大暴発を招きそうで不安材料です。状況としては、ずっと海堂から邪険にされているわけで、結花が義理の家族や学校からひどい扱いを受けていた状況が、結花がようやく見つけたはずの居場所で再現され始めた格好です。

 しかも、たびたび不良とはいえ殺戮を繰り返していることは、結花の(人間側の)良心のハードルを下げていそう。それでも危ういながらも希望があるとすれば、依然として海堂への強い好意があることでしょうか。

 今週ラストでも、結花は(自分がブラックリストから外されているのを知らずに)海堂/スネークを逃がそうと、クレインとなって琢磨逸郎/センチピードの阻止を試みてました。戦力差は分かっているでしょうから、命と引き換えの覚悟です。こういう気持ちも持てるのは、結花が啓太郎とメールのやり取りをしていた影響かな。

 しかし、結花を救い出した勇治の影響は、どうも自分にはあまり感じられません。本来なら結花が最も感謝し、感化されそうなはずなんですが。もしかすると、結花は勇治が自分(結花)と同じく、立派な建前は言えても、それが身に着いていない、言い換えれば悩みの根っこの部分を解決できてないと感じ取ってるからかなという気もします。

 そこはどうやら(自分がオルフェノクと知っていて悩む)巧も同様かもしれません。上述しましたが、草加雅人を警戒する直感は鋭いかもしれませんが、明らかに行き過ぎになってしまってます。強敵ジェイ/クロコダイル(凶暴態)に対して、草加/カイザとの共闘を頑なに拒み、ついに返り討ちに遭って川に転落。

 海堂を守らんとした勇治/ホークも琢磨/センチピードに太刀打ちできず、川へ吹っ飛ばされてました。根っこの迷いゆえに無茶したらしい巧と勇治がどうなったかは、次週ですか。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/12 (Wed) 15:02:05

 定期感想書その3です。

●牙狼:翔編(第15話:砦)

 ラスボス(ジンガら)アジトへの突入準備編ですね。ジンガはビルに居を構えてるわけですが、でかい建屋全体を占拠しているわけでなく、一画を借りて潜伏しているといったところでしょうか。

 しかし事前に莉杏らが潜入調査してみると、結界はビル全体に張られており、簡単にはジンガへたどり着けない仕掛けになってる模様。それならと、D・リンゴの力を借りてアイテム揃えて、ということですね。

 一方、リュメ様もちょっと気になる動きあり。近侍が「お時間です」と促すと、「(流牙らの名を言い)無事でな」と呟いて、どこかへ。確か、次くらいにリュメ様参戦だったような。流牙らの予測としても、ジンガの台詞からしてもラダン復活が明日くらいということで、魔戒側総力戦の構えなんでしょうね。

 しかし今話で最も動いたドラマは秋月ダイゴですね。兄弟子であり導師として志を同じくする檜葉セイジをジンガに惨殺されまして、恨みが深い。ジンガ討伐に加わってもらおうと流牙が見に行ったときも、木刀を滅茶苦茶に振り回してまして、修練というより荒れ狂ってます。

 流牙は『これでは危うい』と見たんでしょうね。チームワークが大事なのに、ダイゴが暴走してしまえば、かえって作戦失敗~チーム瓦解・全滅となりかねない。やむを得ず、流牙はダイゴを外そうとするわけですが、流牙側アジトのD・リンゴの店にダイゴが押しかけて来る。

 このダイゴの執念は厄介だな、と思えたんですが、真意を読み損なっていたらしい。セイジのことで恨みはあるが、それを上回るのがセイジとの共通の志「(弟子である)子供たちを守りたい」でしたか。恨みはある、と正直に言うだけに、子供たちを守りたいという告白に嘘はないわけですね。

 そこを流牙より先にガルドが察するのが面白いところ。今話時点では初対面のガルドとダイゴはどうも反りが合わない感じですが、ガルドのほうは大事な点(ダイゴの本質)は外さない。ダイゴのほうは(初対面時の流牙に見せた態度と同じく)ガルドを認めたがらないけれど、ハルナには弱いのも面白い。

 ダイゴが女性に甘いというわけではなさそうです。莉杏に何か言われても簡単に折れないですからね。でもハルナだと態度が一変する。たぶん、年齢でしょうか。前に登場したダイゴの弟子よりハルナは年長でありそうですが、ダイゴには弟子の年齢の範囲に見えるんでしょう。弟子と被って見えれば、態度も柔らかくなろうというもの。

 それにしても、ハルナがアイテム渡すとダイゴは素直に受け、莉杏に渡されると嫌がり、しかしハルナに説かれると謝って受けるとか、なかなかクスクス来ます。

 今話ではダイゴも加えたチーム結成は成りましたが、ダイゴとガルドの間のギクシャクは残したまま。そこは次話くらいでハルナが取り持つ感じで雪融けするのかな。それともいざ戦いとなれば、ダイゴもガルドを信頼するに足ると認めるのか。そこはあえて予習せずに来週分を観てみようと思います。

 ともかくも、夜に入って結界が緩んだビル前に集結した流牙らの前に、素体ホラー軍団が現れたところで続く。その前に描写されたジンガの様子からしますと、断固阻止するべく迎え撃ったのではなく、流牙らの今の実力を測る先遣隊程度のようですね。

●BASTARD(第14話:感泣)

 こちらも次への準備編でしたな。DS死亡と踏んで動き出した闇の軍団(特にアビゲイル)に対し、ラストでDS復活。一応、アンスラサクスの封印が残り1つまで減って、影響力が増大したから、とDSの心臓再生の理屈にはなってますが、死んだ次の回でもう復活とはちょっと駆け足かも。

 なにせ冒頭がDSが己が心臓をえぐり出すシーンの復習からですから。これでネイの呪いはリセット、DS死してネイは泣き崩れ、ヨーコはショックで倒れる。対等の敵がいなくなった闇の軍団はたちまちアンスラサクスの封印を持つ国への攻勢に入り、容易く3つまで奪取。

 その侵攻の様子も原作通りではあるんですが、ちょっと物足りないかも。前に申したように、言葉の説明で済まされる部分が多くて。カル=スのワイトス・ネイキ王国攻略ですと、「百人の魔法使い」という人数だけ。

 まあ、城が魔法一発で吹っ飛ぶ絵は原作もアニメ版もなかなかではあるんですが、僅かなりとも陥落の様子が描写されたア=イアン=メイデ王国のシーンのほうが実感があります。四天王自ら赴いた戦いのほうが描写があっさりって、ちょっともったいないような。

 しかしメインは最後の封印シーラ王女のいるメタ=リカーナ王国だからなのかな。こちらもア=イアン=メイデと同じく、アビゲイルの不死の軍団担当。軍団長リンチが率いている、というのがポイントになってるわけですが、ネイがダイ=アモンと同レベル(だから凄い)と解説するのはどうなのかしらん。

 ダイ=アモンの顛末は既に見せてもらってるわけで、そんな紹介(?)してしまうと、威勢はいいが所詮はザコボスという気がしてしまいます(^^;。今話時点でもガラの剣が入らないとか描写されてるわけで、ダイ=アモン持ち出さなくてもよかったんじゃなかろうか。もっとも、この後に「エデ・イーのリッチー」なる、さらに高脅威の敵が出て来るはずで、軍団長リンチがその前座扱いなら、今話のネイ解説も狙ってやってるのかもしれません。

 原作連載読んでた当時は、「リッチ(ー)」を単なる名前だと思って気にしてなかったんですが、こちらでD&Dとの関連伺ってますんで、もしやと思って調べると関連大ありのようですね。リッチそのものはD&D以前から伝承があるものの、今あるリッチのイメージを作ったのはD&Dらしい。

 少しウィキペディアの「リッチ」を読んでみたんですが、D&Dの版ごとにいろいろあるらしく、どうも一読して頭に入るものではありませんでした。いずれこのBASTARDアニメに登場してから、D&Dと何が同じでどこが違うか、比べてみるのも一興となりそうです。

 それはともかく、DSがルーシェとのつながりを示唆しつつ、ヨーコのビンタで復活して続く。もうちょっと溜めがある復活が好みですが、無敵主人公の描き方としてはこんなもんなのかも。サブタイトルも最後に示され、意味もラストで分かる仕掛けですね。

Re: 4月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/04/14 (Fri) 11:25:45

 アニメがいろいろ終わったので、感想は一つにまとめられそうですね。

★ファイズ

 草加の始動ってことで、次はファイズVSカイザがポイントですね。
 それぞれのバイクもロボモードに変形し、メカ対決も楽しみにしつつ。

 水落ちした巧と木場がそれぞれ相手陣営の人に助けられて、巧と長田由佳が知り合い、巧の中でオルフェノクとの戦いに迷いが生じるとか、代わりにオルフェノク退治に意欲を燃やす草加とか、真理が木場に好意を示して嫉妬する草加とか、人間関係の揺れもドラマの焦点に。

 そして、ラッキークローバーのジェイは次週お休み。次に出る時は、ファイズのパワーアップ(アクセルフォーム)のかませになる予定。

★ギーツ

 居場所をなくした(と思い込んだ)ナーゴですが、キューンの支援で勝利、には至らず、試合は引き分け判定ですか。

 この後の迷走も懸念されますが、それはギーツも同じ。
 道長の知った「創世の女神像が、母ミツメの変異させられたもの」と知って、これまで通り、DGPのゲームを続けられるのか。もしくは、母を取り戻すためにDGPに反旗を翻す可能性すらある。
 まあ、ジャマトの味方になったりはしないだろうけど。

 すると、立ち位置が一番、安定するのは景和ということになりますが、彼のネックは姉もしくは両親でしょうから、その辺に絡めたドラマを期待しつつ。

 そして、そろそろギロリさんの復活があってもいいのかな。代わりのGMチラミさんのダメっぷり(ジャマト側の味方をしているのでは? とさえ疑われるほどの失態の数々)に対して、ギロリ復活すれば株価大上昇になるはず。
 ジャマトグランプリ編が、ゴールデンウィーク頃に激変して、次なるエピソードに切り替わることを今は想定しつつ。

★バスタード

 連載中は、多少とも待たされた感じですが、アニメだと、たった1週で復活したDS。余韻も何もありませんが、先の知れたストーリーですので、演出の妙とかを楽しむことにしましょう。

 で、DSのいない間の活躍を期待していたネイ様ですが、DSが復活したので、活躍シーンは期待できず?

 ところで、リッチについて調べられた、とのことですが、バスタード連載当時のD&Dだと、「未邦訳のアドバンストD&D1版」か「クラシックD&D4版のマスタールール」の項目が該当します。
 現在のD&Dは第5版ですが、最近のルールだと「様々な種族を、吸血鬼とかリッチとかに転換するようになっていて、独立したモンスター枠ではない」んですね。
 だから、ビホルダーでもアンデッド化させてリッチにできる。

 リッチは高位の魔法使いが不死の法を使って、亡者化して永遠の生命を得た存在なので、ある意味、不死身を名乗っているDSすら「一種のリッチ」と見なせなくもない。まあ、彼はアンデッドではなく、属性は堕天使の方向ですから。

 リッチは究極不死身の大魔法使いなので、闇の魔術師にとっては憧れの存在とも言えるのですが、外見がガイコツお化けなので、超絶美形を自認するDSにとってはザコ扱いになるわけですね。
 結局、この世界も顔が命のイケメン万歳な価値観ですから。

 ともあれ、今、リッチで旬なのは、やはり映画D&Dの敵魔女が仕える邪悪な魔法使い国サーイの首領ザス・タムになりますか。

 映画とゲームのリンクがどれほどかは、こちらのページが詳しいですし、いい勉強になりますね。

https://note.com/mslabo102/n/nec00057f73e4

 あと、リッチだと「ダンジョンマスターズガイド」で画像検索すると、紫調の背景で表紙絵になってます。
 ビホルダーの方は「モンスターマニュアル」の表紙絵にもなっていて、どちらもD&Dを代表する伝統モンスターってことが分かります。

 「スターターセット」なんかは普通にドラゴンですがね。

 いずれにせよ、来年のD&D50周年に向けて、いろいろと業界が活性化している時期なので、ファンタジー界隈がかなり旬になって来ている感じです。
 『ロード・オブ・ザ・リング』も今年はいろいろと動いておりますし。原作者のトールキン逝去50周年でもあるんですね。3部作映画の最終章『王の帰還』の公開20周年でもあって、戦隊がキングオージャーなのも、その関連もあるのではないか、と今にして思ったり。
 

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/18 (Tue) 11:00:26

 定期感想書その1です。

「シン・仮面ライダー」のメイキング特番をNHKでやってまして、興味深く観ました。が、本編映画を想像するには足りず。ただ、庵野監督が俳優やスタッフに求めていたものがどうも泥臭く生々しい仕上がりのようで、こちらで伺った内容とイメージが一致するような印象は受けました。

●石丸博也さん、ご勇退

 ネットで石丸博也さんのお名前が挙がってまして、このところのいろいろあったわけですから、「もしや?」と慌てて調べますと、3月末に声優業を引退なさったとのこと。しかし、声優以外については引き続きご活躍になるみたいです。

 自分が強く印象付けられた石丸博也さんの役どころでは、アニメではマジンガーZの兜甲児、(香港)映画ではジャッキー・チェンでしょうか。兜甲児は他の方に(段階的に?)無事引き継がれたようですね。

 兜甲児はアニメ/ゲームのこととて、歳を取りませんので、石丸さんは声質の変化を気にされ、後進に譲りたくなったようですね。ルパン三世の次元大介ですとキャラクター年齢が高めで、小林清志さんが長らく演じて無理がありませんでした。兜甲児ですと、初出の設定年齢が16歳と若く、さしもの石丸博也さんも後年、悩むところがあったんでしょうな。

 ジャッキー・チェンの吹き替えは、兜甲児とは事情が異なってきますね。ジャッキーはリアルの人ですから加齢があります。石丸さんと一緒に歳を取っていくわけで、いつまで吹き替えても無理が出ません。吹き替え後任がどなたになるか承知してませんが、石丸さんの声でないジャッキー観たら、自分はちょっとびっくりしそうです。

●仮面ライダーギーツ(第31話:慟哭Ⅶ:天国と地獄ゲーム♡)

「創世の女神」について徐々に明らかになってまして、そのベースとなる情報もですね。世界(人類全体?)の幸福の総量は一定で、誰かが幸せになると、別の人は不幸になるというゼロサムゲームになってるらしい。

 それを恣意的に叶えるのが「創世の女神」ということですか。過去のDGPの優勝者に願いを叶えたのも、代わりに誰かが望みを踏みにじられることで成立していたようですね。脱落ライダーが願いについての記憶を失うのは、願いが叶う分の幸福を奪うためで、敗退ライダーが消滅するのは、残り一生分の幸福を奪うため、でいいのかな。

 それで足りない場合に備え、全ライダー敗退でのエリア全滅で、多数の一般人の残り一生分の幸福を奪って貯め込んでると解釈できそうです。景和の両親はそれに巻き込まれたわけですな。

 そういう「幸福の吸収・蓄積と放出」の機能を持つのが「創世の女神」ということらしい。その正体(あるいは素体)が、2千年前の英寿(前世初代)の母ミツメ。ミツメは当時、ナビゲーターだったとのことですから、「創世の女神」以前からDGPはあったことになりますね。そのときから誰かの幸福を奪って、褒賞として別の人間の願いを叶えることが始まったとみていいんだろう。

 そうなりますと、歴代英寿の出自がちょっと謎です。プロデューサー:ニラムらの話からしますと、未来人:ミツメと過去/現代の人間は生物学的な違いがあり、子はできないらしい。しかし創世の女神がいれば可能、祢音のケースとはちょっと違うかもしれませんが、英寿(初代)も生まれたのではなく創造された可能性ありかな。

 しかし、初代英寿はそれでいいとして、転生を繰り返しての2代目以降の英寿はどうなるんだろう。両親のどちらかは未来人だったとすると、転生のたびに創世の女神が介入したことになります。あるいは前に出てきたコインにそういう力が宿っているのか。みんなDGPに参戦していて、書いた願いも同じ(現在の英寿を除く)。

 ベタな妄想を逞しくしてみますと(^^;、ミツメは望まざる創世の女神にされてしまったものの、その力を利用して転生する「英寿」を創造し、自らを滅ぼす任務を与えたとかか。それがミツメの願いだったとして、代償が必要なわけですが、もしかすると転生の女神と化すこと自体が対価だったとか(ミツメのままなら得られたはずの自らの幸福が代償)。

 ともかく本編。英寿/ギーツについての謎の答が提示されつつありますが、キャラクターとしてのドラマのメインは景和だったみたいですね。JDP最後のゲーム「天国と地獄」は高所に街ごと連れ去られた一般人多数が円マークに追い込まれ、地獄と指定された色の円は落とし穴に代わるというもの。ただし墜落死ではなく、ジャマトにされるでもなく、願いを叶える力に変換されてしまうみたいですね。

 そういう状況で景和/タイクーンは誰も犠牲にさせまいと思う。しかし、英寿の母ミツメの真相が明かされまして、それが家族を奪った原因と知った景和はショックを受け、英寿に対する感情が悪化。

 さらに景和、いったんは姉:沙羅と協力して救助した女子高生が、他人を犠牲にして生き残る様子を目の当たりにしてショックを受ける。これは景和の願いと反するばかりでなく、自分(景和)が誰かを助けたために、別の誰かが犠牲になるというジレンマをも突きつけてしまうわけですね。

 それでも折れずに踏ん張ろうとした景和/タイクーンですが、バッファ/道長に敗れ、落とし穴に落ちて消滅。このまま退場とも思えませんが、どう復帰してくるかは見当つきません。

 ともかくもギーツ/英寿とバッファ/道長が残り、最終決戦のはずですが、どうも英寿の戦意が低そう。どうやら2先年前に失踪した(過去の)母ミツメが、人々の幸福/願いをむしり取る創世の女神だったことを、英寿は知らなかったようですね。次回「慟哭F:最後の審判」予告情報を見ますと、道長が挑発しても英寿は変身すらままならないらしい。

 そうなると気になるのが脱落同然となった祢音です。英寿が創世の女神によって作られた存在だとすると、真相判明した祢音と立場が近くなります。次回予告に姿は見えないものの、祢音が英寿を励ます展開とかあるかな。正々堂々の真っ向勝負にこだわる道長も、英寿が戦える状況を作りたがるでしょうし、みんな助けたい景和も戻って来れされすれば、という気がします。

 しかし、なんだか制御不能の不安要素が急に出て来まして、アルキメデルですね。前回ラストの「右手でのこぎり握り、左手を見て『いい肥料』とニタっと笑う」不気味なシーンは、今話冒頭では「ありゃ、血を抜いただけか」と肩透かしでした。が、いったんホッとさせておいてショック与えに来ましたな。

 自らの血で復活させたダンクルオステウスに、アルキメデスはさらに自分自身を食わせてしまうわけですか。これにはいつも冷静な五十鈴大智も腰を抜かす。が、さらに不気味は続きまして、アルキメデルを食ったダンクルオステウスがアルキメデルに変化する。アルキメデル、もしかしてこの方法で転生じみたこと繰り返してるんだろうか。

 事実上の不老不死とも言えまして、「理想の世界を叶えるのは私だ」という願いも現実味を帯びてきますね。気になるのはいったん腰を抜かした五十鈴大智でして、最後に見せた表情がどうも分かりにくい。怖がっているようですが、何か嬉し気でもある。アルキメデルの正体(?)を知って、何か思いついたのかしらん。

●仮面ライダー555(第15話:落ちた偶像?φ's vs χ、第16話:人間の心)

 各人各様にニアミス入り乱れ、それに起因してドラマが発生したりしまして、観ていて何が起こっているかは分かりますが、感想を書こうとすると整理が追い付かず。なんと申しますか、アニメ空中戦「板野サーカス」の実況中継を試みるような気分です(^^;。

 ともかくも、各キャラクター別にまとめてみようと思います。大きく動いた、というよりは本性が見え始めたのが草加雅人ですね。現時点では未だ行動原理に謎が多い感じですが、予習も踏まえますと、真理に愛情があり、オルフェノクを憎み、それらのためなら何でも非情かつ功利的に利用もすると。それが後半の台詞「俺のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ」に象徴されているといったところでしょうか。

 今週分ではその面が巧に向けられていますね。偶然起こったように見えることでも、全て草加雅人の計算尽く。巧が口下手で、そもそも言い訳したがらないところも上手く利用しています(自分的には最も卑怯と思える点)。

 しかし、まずは(ここは本当に)偶然助けた勇治に対し、草加雅人の本音の態度と使い分けが垣間見えるわけですね。勇治を助けたものの、草加雅人だけになるとどさっと放り出す。その物音に真理が驚いて走り寄ると、途端に草加は心配そうな表情をしてみせる。しかし、真理が応急手当てして去ると、草加は水を求めて苦しむ勇治を無視。

 予習すると草加はオルフェノクを憎んでいるようですが、この時点では勇治がオルフェノクだと気が付いてないみたい。ですんで、草加の(赤の)他人に対する基本的な態度がこれなんでしょうな。その後は真理、啓太郎に対し、帰って来た巧の心証を悪くさせるための算段をあれこれと。

 特にライダーとしてですね。草加にとって都合のいいことに、巧が結花に助けられ、かつ結花がオルフェノクの姿を見せ、人間を殺害(オルフェノク化失敗)するところを見てしまい、悩みが発生している。結花/クレインは暴走族(?)を殺害していますが、巧を助けるためであったようで、しかも泣いている。自分(巧)を守るために、やむを得ず人を害し、しかしそれで苦しんでいると思えば、「オルフェノクなら倒すべき」か悩むのも当然でしょう。

 真剣な悩みですが、草加にとっては利用材料でしかない。突如として555/巧がカイザ/草加に襲い掛かったとき、真理らには以前から草加に突っかかりがちだった巧がついに暴走したと見えるでしょう。が、草加はクレインオルフェノク/結花を守るためと見抜いていたわけですね。カイザは555に対して戦闘力優位のようですし、しかも555/巧にはカイザ/草加を倒す意図はない。草加としては格好の材料なわけですな。

 しかし入念な演技は忘れない。555&オートバジンに対し、カイザ&サイドバッシャーは戦力的に圧倒していながらも、真理らの見ているところでは劣勢を装う。しかし、真理らの死角に入ると555をボコり、挑発する。真理らが追いついてくる時間も見計らっているようですね。殴れと挑発された555/巧が殴りますと、カイザ/草加は吹っ飛んで見せ、そこだけを真理らは目撃。カイザは変身を解き、草加は腕を傷めたような仕草。

 後で演技だったと、巧にだけ分かる仕掛けでして、挑発に次ぐ挑発。それで巧は草加に突っかかってしまい、またもそこだけ真理らに見られ、草加は殴られそうになったと嘘。しかし、真理らには終始、巧が草加に襲い掛かってるようにしか見えない。巧もうまく説明、弁明できない(のは草加の思う壺)。

 その一連が草加の台詞「俺のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ」であるわけですが、見せる態度的に正反対ながら、結花と同じ気持ちが底にありそうな気がします。結花が巧に「自分を看病したのに、なぜ暴走族は殺した?」と問われ、「人間が怖い」と答えてました。以前に不良を殺害するときはニヤリとしていた結花と乖離がありそうですが、怖い連中がいなくなると思ったとすれば、辻褄は合いそう。

 草加ももしかすると他人が怖いのかも。それで信頼できる人間≒自分(草加)に従う人間だけが周囲にいる状況を作りたがり、対等に振舞う≒制御不能な巧は怖い存在だから排したい。そんな印象を受けます。ただし、草加/カイザは巧/555を倒し切るチャンスがありながら、そうしませんでした(後半ラストは不穏でしたけど)。草加は敵(オルフェノク)も怖いので、使える戦力は削りたくないという計算も働いていそうです。

 勇治陣営で最も面白いのが、巧と強い接点ができた結花ですね。海堂が見捨てようとした巧を、結花は捨て置けない。それどころか、絡んできた暴走族(?)を殺害してまで、巧を守ろうとしてしまうわけですね。それを巧に目撃され、いったんは絶望し、かろうじて勇治に縋るも、気力が持つとは思えない。しかし、巧が結花を恐れる様子を見せなかったことで何とか立ち直るわけですね。

「人間が怖い」との真情を吐露してしまうほどなので、結花はよほどに巧に共感を覚え、信頼した模様。しかし、(劇中でまだ明かされていない)巧がオルフェノクだという事実を結花は知りませんから、人間として信頼したはずですね(何となくオルフェノクを感じたかもしれませんが)。巧を助け信頼する、そういう結花が巧に迷い(オルフェノク=悪即斬か否か)を起こさせるのは面白い流れです。

 しかし、そういう結花が恋愛感情では「二股」して迷いがないのも面白い点です。リアルで会っている啓太郎はともかく、メル友の啓太郎に送ったメールは真情と演技交えた、強い好意があるものでした。しかし、海堂の面倒を見ているうちに惚れちゃってるわけですね。川で助け上げた巧に対する態度と通底している感じでして、保護対象に感情移入しがちなのかも、結花。

 しかし海堂を追いかける結花は報われない感じですね。なにせ海堂、強引な看病態度だった真理に一目ぼれですから。今週も海堂はクリーニング店に押しかけてるわけですが、真理にすげなくされ、止めに草加と相思相愛との一芝居され、海堂は海堂で報われないというコント的なオチ。

 ですが、この先どうなんだろうなという気はします。ウィキペディアの記載を見る限り、結花の海堂への気持ちは実ることはないらしい。ですが、海堂は慕われると弱そうな感じがあります。大学で荒れていたとき、ギターについてですが、後輩が素直に尊敬の気持ちを見せますと、海堂は大量殺人の決意が吹っ飛んで、いそいそと後輩の指導に当たっていたわけで。

 海堂が勇治陣営に加わってからは、結花がいろいろ世話を焼いてはいますが、しかし年下。世話を焼く面では結花は保護者的≒年長的/姉的かもしれませんが、(作中の)実年齢としては結花が年下/妹的。どちらが海堂に強く響くかで、今後もいろいろありそうな気がします。

 今週分でも、追いかけて来た結花を(真理に会いに行きたい)海堂が突き放す際、なんとなくですが、そーっと扱っているような印象がありました。その直前、結花が海堂に「好きです」とストレートに告白したのを突き放したときと微妙に態度が違う。結花の(海堂に対する相対的な)印象として、後者が姉的、前者が妹的という差異があるのかもしれません。

 後半の終盤で動乱(?)来たのが勇治ですね。オルフェノク化した当初は、元恋人の森下千恵らすら殺害したわけですが、その後は(おそらく力に溺れまいと)善人になろうとしてきました。あまりに頑張るので、観ていてちょっと無理してるかと心配になるほど。

 しかし、それがまだ勇治に根付いていたわけではないことが示された感じです。過去の殺戮を悔いて考えて解決したのではなく、解消したのでもなく、封印しただけだったらしい。森下千恵の兄:森下義正が訪ねてきて、妹:千恵の死の真相を知りたいと言って来る。さらに携帯のイニシャル入りのストラップまで勇治に渡す。

 森下千恵は勇治が殺害(オルフェノク化失敗)してしまっているわけですから、復讐心を持つ兄:義正に言うことはできない。言うとしたら、相当の覚悟と準備が必要ですね。かといって、誤魔化し切れるかどうかは疑問。これが草加ならうまく処理したかもしれませんが、勇治だと性分的にも難しそう。

 さらに携帯のストラップが勇治が封印した記憶と罪の意識を突いてくるわけですね。こんなの持っていられるわけがない、と思い直した勇治、森下義正を追うわけですが、オルフェノク:フライングフィッシュに襲われ絶命。不条理な迫害を受けたことと復讐してしまったという過去と、再び対峙し始めた勇治はまたも宙ぶらりんか。

 と思ったんですが、予習してみると義正はオルフェノク化成功例になるみたいですね。しかも、自分本位な性格であったため暴走するらしい。それはそれで勇治を大きく揺さぶりそうでして、この先の展開が楽しみです。

 人間を次々襲ったオルフェノクとすら戦えなくなった巧/555は次回(次週前半)で腹を括るみたいですね。草加/カイザとは戦えるようなので、それで活が入るのかしらん。しかし、啓太郎との関係は難しくなりそうです。巧は結花がオルフェノクと知って、啓太郎に諦めさせたいわけですが、真相をうまく説明できない。

 1つには巧が口下手ということがあります。が、以前に巧が言っていた悩み「他人を裏切る/傷つけるのが怖い」というのが大きそう。一緒にやってきた啓太郎も、自分を助けてくれた結花も、巧は傷つけるのが怖いんでしょう。もしかすると、草加の術策について何も言えないでいるのも、真理を傷つけることを恐れてのことかもしれません。同じようなことが、以前に働いていた喫茶店(の盗難事件)であったのかも。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/19 (Wed) 23:43:47

 定期感想書その2です。

●牙狼:翔編(第16話:戦)

 ジンガのアジトへの突入準備は前話で完了しており、今話はバトルですね。3パートに分かれてまして、まず最初はアジトのビル全体に張られた結界解除。敵勢はほぼ素体ホラーのみでして、1体だけスーツ姿のホラーに憑依されたと思しき敵もいますが、戦闘員クラスの域は出ないようです。

 しかし、流牙側に依然として不安要因がありまして、ダイゴの頑なな態度ですな。未だに導師としてのプライドが高すぎるのか、つい自分に対する敬意を求めてしまう。そこにガルドの、前にはあからさまに、今でもおそらくは内心に抱える騎士への敵意があるもんだからギクシャクしてしまう。

 もっとも、ガルドの態度は序盤とは変わってまして、ちょっと挑発するようなタメ口ながら、近づこう、打ち解けようとする様子が窺えます。しかし、今話序盤では声をかけたガルドに対し、ダイゴは拒絶的な応対をしてしまう。

 そこは莉杏が何となく遮るようにとりなし、流牙がガルドと組んでダイゴと別行動にしまして、なんとかヒートアップは避けた格好。そこから結界突破作戦に入るわけですが、別々に戦っていても、ダイゴはガルドの奮戦を感じ取っていたのかも。かろうじて結界を解除した後、ダイゴのガルドに対する態度がちょっと雰囲気変わってます。

 それが言動に見て取れるのが、ジンガが配置してた巨大ホラー:ゲルダイナとの戦いにおいて。出現直前、ガルドがダイゴに「鼻息が荒い」旨からかいますと、ダイゴは怒ることもなく、自分の鼻息じゃないと真面目に答えるのみ。これは敵接近で揉めている場合じゃないという判断はあるんでしょうけど、ダイゴがガルドの評価を改め、戦友として認め始めたということもあるんでしょう。

 しかしゲルダイナ戦のメインはリュメ様でしたな。流牙らが苦戦しているところに現れ、法術でまさに瞬殺。このリュメ様の法術や、今話冒頭で多数の素体ホラーを結界に閉じ込めて一気に撃破したボール状法具は、烈伝の若き日のD・リンゴ編でリュメが会得しようとしていた法術の延長であるような感じがします。そう感じられるよう、この翔編からドラマ的に逆算して烈伝を作ったということなんでしょうけど。

 それはともかく、ジンガ側の備えは多重でして、巨大ホラーですら前座だったらしい。まあ、ラスボスのジンガが戦闘力でも最強ですから、当然ではありますな。今話の3戦目は、ジンガ&アミリと流牙側総出の対決。

 ジンガがリュメ様を年寄り呼ばわりし、リュメ様がちょっとムカッとしている感じのカットがありましたが、初見ではよく分かってませんでした。字面上の設定的な理解(リュメ様は長命)は調べれば分かるわけですが、実感は伴いません。烈伝で若き日のD・リンゴと並ぶリュメ様、翔編の今のD・リンゴをよく見た後では、ジンガの台詞やリュメ様の反応の意味が分かります。

 そういう(ずっと後で分かる)ちょっとした小ネタがあるかと思えば、アクションにも工夫がありますね。カメラが前に出たり引いたり(カメラのズームだけじゃないような感じ)、回り込んだりと常に動いてまして、キャラクターの実際の動き以上に勢いや不安定感が感じられます(これがさらに発展して、今のギーツで見るようなアクロバット的なカメラワークになってるのかしらん)。

 しかし激しいアクションにもかかわらず、流牙側には結果が出ませんで、そもそもジンガ側は時間稼ぎしたいだけだったかららしい。流牙側が突破してくるのは想定内だったんでしょうな。もしかすると、アミリをしんがりに残しての莉杏の拉致も予定通りなのか。しかし、ビルの一画が脱出艇(?)になってたとは。全く覚えてなくて、ちょっとびっくりしました。

 しかし、ジンガについて少しだけ情報が得られてますね。アミリの持つ鏡がジンガの鎧装着の鍵になっていること、ジンガ自身も最後に見せた顔から考えて、鎧とは別の何かの力がありそうなことなど。後者については、BASTARDのほうが「アンスラサクスの影響で闇の力が増大」云々やってるとこなもんで、ついそういうのが牙狼(のラダン)にもありそうと考えてしまう次第です(^^;。

●BASTARD(第15話:凱旋)

 なんとなく気になってリッチ(-)に触れてみたら、思いもかけず詳しい御説明を頂きまして恐縮です。特に、BASTARD連載時期にはD&Dのどの版かという点は自分には盲点でした。今のアニメ版だと、もしかすると連載時期以降のD&Dリッチも取り込んで来るのかなと思ったり(するものの、自分では見分けつかないだろうとも思ったり ^^;)。

 お示しのD&D映画のネット記事も読んでみましたが、映画の解説なんだかゲームの説明なんだか見分けがつきにくいほどですね。ゲームやりこんでいる人には、映画で描かれていないものまで含めて、あそこまで関連性が見えるものなんですか。情報量が膨大で、映画すら未見の自分は今のところ消化不良です(^^;。

 それでも、ちょっと目を引かれる情報もありまして、例えば「箱などに魂を封じることで不死性を得た存在」ですね。記事ではすぐ続けて「ヴォルデモート卿」に触れてますが、自分も「ああ、あれってそうなのか」と思いました。こちらでBASTARDがD&Dを取り入れること深いと伺って理解した気でいましたが、D&Dの影響はもっと広くて深いものだったようです。

 それほど影響あるものだからこそ、ビホルダーをほぼそのまんま流用したと差し止め食らったんでしょうね。それも「ウチの看板モンスターに何してくれとんねん」くらいの勢いなんでしょう。「土下座」して追認を願っても聞いてくれなかったというエピソード、今になって理解できた気がします。最初は「ちょっとお堅すぎない?」くらいな気がしてしまってました。

 ともかく本編ですが、前話ラストで仰々しく紹介(?)された、敵の尖兵リンチって、こんなに弱かったっけという感じです。復活したDSの一蹴りで吹っ飛び、掃討魔法一発で消滅。しかし、本命はリンチが纏うデモン・メイルのほうらしい。リンチは軽く撃破されても、鎧は傷一つないと。大神官ジオ解説が入りまして、三種の魔道器の1つというわけか。

 後半入りますと、サイクロプスが三種の魔道器の別の1つ:デビル・メイス携えて攻め込んで来るわけですね。原作の記憶が曖昧なんですが、たぶんリンチ同様の撃破となるんだろう。どちらも(ドラマ上の役割が)三種の魔道器の運び役みたいですんで。最後の魔道器はエデ・イーのリッチーが持ってくるんだったかしらん。

 今話のちょっとした会話で、DSがガラらに「四天王が2人もいれば(DSの死を)何とかするだろう」旨言ってました。自分の好みとしては、そっちのドラマが見たかったんだけどなあ、と思ってしまいます(^^;。このアニメの制作陣なら、そういうアニメオリジナル入れる力量はありそうな気がしますが、やっぱり原作重視なのかな。DS復活までの時間稼ぎのために踏ん張る、みたいなドラマすら入りませんでした。まあ、それはそれで1つのやり方ではありますな。

Re: 4月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/04/21 (Fri) 09:34:19

★石丸博也さん

 スパロボプレイヤーにとっては、今でも兜甲児で現役ですね。

 あと、特撮ファンとしては、ウルトラマンタロウの声でお馴染みだったりします。
 タロウは今年50周年ですが、石丸さんが初めてタロウの声を演じたのは、84年の映画『ウルトラマン物語』において。
 その後、2006年の『ウルトラマンメビウス』で主人公の師匠(教官)役としてタロウが抜擢され、以降は特撮畑にタロウを中心に出ることが増えたなあ、と。

 2013年に『ウルトラマンギンガ』のサポーターとしてレギュラー出演し、
 2019年に息子の『ウルトラマンタイガ』が生まれ、定期的にタロウが引っ張り出されて、石丸さんの声でお馴染みとなっておりました。
 
 最近は、マジンガーの兜甲児の声と同様、タロウの声も森久保祥太郎さんに引き継がれておりますが、ジャッキーの声はまだ未確定のようですね。どうなるのかな。

★ギーツ

 前回で祢音が脱落し、今回で景和が脱落。
 そういうことで、JGP最終戦はギーツVSバッファに、アルキメデルのジャマトが関わりつつ、邪神化してる女神像をどう攻略するかですね。

 試合の結果もさることながら、次の世界改変およびゲームの新ステージが気になります。
 JGPが継続するのか、DGPが復活するのか、あるいは、どちらも敵だと見なしたライダーたちが新たなゲーム形式を立ち上げるのか。ライダーグランプリでRGPなんてのも有り得そう。

 まあ、現段階では妄想に過ぎませんが。

★ファイズ

 記憶違いを報告。
 クロコダイルことジェイは、ファイズの強化形態アクセルフォームに倒される的なことを書いてしまいましたが、正確にはジェイが倒された後で、アクセルフォーム登場でした。

 次回は巧と木場が仲良く交流し始める流れで、巧が同族殺しの罪を背負う覚悟をし、その後はクロコダイルとの決戦編(前編)ですね。
 カイザがオルフェノクを倒す役割を引き受けてくれるおかげで、巧がいろいろと迷走できるようになっているドラマ構成ですな。
 本放送中は、単にカイザがイヤな奴だという目で見ていましたが、今の視点で見ると、「オルフェノクの正体をまだ隠している巧のドラマ構築(伏線)のために、草加が絶妙な動きをしているなあ」と感じます。

 オルフェノクという存在を従来の「悪の怪人」と見なすなら、草加はオルフェノク退治においてブレることはない「完全な正統派ヒーロー」という立ち位置になりますし、平成ライダーが「人間、ライダー、怪人の境界線の再構築ドラマ」を描いていることで、従来の勧善懲悪ヒーローへのアンチテーゼを示し続けているため、迷いなく怪人を倒し続ける草加が悪のようにも見えてしまうという展開で、いろいろと面白い。

 なお、ファイズ放送時期の戦隊はアバレンジャーでして、アバレキラーこと仲代美琴が台風の目となっておりました。
 この年のニチアサは、主人公を煽り続ける追加戦士と、敵味方の境界線が非常に曖昧な錯綜ドラマの2本立てだったなあ、と。

 基本的には陽性の戦隊と陰性のライダーという組み合わせなのに、アバレとファイズの組み合わせはどちらも重い方向に暴走していて、大変刺激的だったと記憶します。

★バスタード

 デレまくりのネイさんが可愛くて、このDSに対する甘えぶり、心酔ぶりを堪能できた回。

 一方で、恋のライバル(?)の1人であるシーラ様の、この後の不幸ぶり(アンスラサクスの最後の封印)を想像すると、こちらはお気の毒、としか言いようがない。

 とにかく、ツンモードでもやもや状態の続くヨーコさんに比べて、呪いの解けたネイはストレートすぎるぐらいDSへの好意を表明しまくりですな。
 先週は強敵ぶりを見せびらかしていたリンチが、DSの増大する闇パワーに一蹴されたのを見て、この作品、バトルでドキドキハラハラすることに意味はないな、と感じております。

 じゃあ、何を楽しむか……となれば、DSの暴走ぶりに尽きますか。
 で、それまではDSの暴走に対して、否定的な想いの多かったヒロインのヨーコさんに比べて、暴走するDSの言動を「素敵」と言い放つネイさんの暴走助長キャラぶりが、お気に入りでした。
 面白いものにブレーキをかけるのでなく、賛同してアクセルを踏むようなダークヒロインぶりが新鮮で、連載当時はまだ高校生でネイの何が好きなのか(エロス以外で)言語化できずに悶々としているだけでしたが、今なら分かります。

 「主人公のハチャメチャな性格を否定することなく、肯定して、一緒に暴れて、パーティーを盛り上げることのできるヒロイン」だってことに。
 ヨーコさんが基本、勝ち気なのに、戦闘では見てるだけで、しかも解説役としての知識もなく、情緒面だけで他人の恋心を察するぐらいしか能のない(ラブコメの解説役としては必要キャラかもしれませんが)、古臭いタイプの奥手ヒロインであるのに対して、
 80年代では、主人公と肩を並べて戦えるバトルヒロインが台頭していく時代なので(その後、90年代から21世紀になると、バトル面ではしばしばヒロインの方が逆転するようにもなっていく)、後ろで見てるだけのキャラは魅力的でなくなって行く。

 まあ、ヨーコさんはDS限定で支配力、強制力を発揮する三蔵法師キャラなのですが、敵の攻撃の的はヨーコさんではなくて、封印のシーラ様なので、この時期、ヨーコさんの役割がどんどん周りのヒロインに奪われて行く。
 DSのパートナーとしてはネイさんが、薄幸の守られお姫さまキャラとして儚げなのはシーラ様が担当し、ヨーコさんの役回りは「主人公の幼馴染」的な、恋愛ゲームではメインヒロインなのに第一人気とはならない立場に転がり落ちて行く。

 バスタードを『ときめきメモリアル』以降の美少女恋愛ゲーム的な視点で、分析するのも面白そうですが、一つ言えるのは、恋愛ドラマの最初の盛り上がりが「ボーイ・ミーツ・ガールのインパクト」で、幼馴染ヒロインはその出会いの場面で印象づけられないのでドラマ的には不利とのこと。
 当然、昔から主人公のことを知っているというアドバンテージがあるにせよ、兄妹とか姉弟とか遊び友だち的な気持ちから、どのように男女間の恋愛に発展させるかでドラマ構築が非常に難しいという問題があります。

 で、ヨーコさんの場合は、弟みたいなルーシェに対する感情と、闇の魔術師DSに対するネガティブ寄りな感情の2つが入り混じっていて、これもややこしさに拍車をかけていますな。
 他のヒロインたちは、ルーシェでなく、DSに惹かれているのに対し、ヨーコさんだけはルーシェにこだわりを持っていて、DS自身を素のままに見られずにいる。
 こう言っては何ですが、ルーシェとDSの二股をかけてしまっている形で、少年マンガのヒロインとしては、その時点で減点対象になりがち。

 戦力としての有能さや一途な恋心という面ではネイさんに劣り、戦略目標としてドラマ的重要さにおいてはシーラ様に劣り、他の女性の恋心を観察解説するだけのラブコメ傍観ヒロインに成り果てたヨーコさん(語り部としては優秀に思えて、父親の相談役としての役割はガラに奪われつつある)ですが、
 一応はDSの外付け良心回路としての役割は維持し続けているのかな。

 サイクロプス?
 まあ、次回には倒されるモブモンスター扱いでしょうね。語るべくもなし。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/25 (Tue) 22:58:54

 定期感想書その1です。

 戦隊ものは1話独立性が高いと思ってたんですが、「キングオージャー」は前話までの流れを意識する必要が高いドラマになってる気がします。1つ前の「ドンブラザーズ」ですと、ちょっと前のイベントが忘れた頃に関係してくることがちょくちょくでした。それをさらに進めて、キングオージャーは1年通じてのドラマ展開するのかしらん。

 今週分ですと、主人公ギラの敵役/悪役として固まってきたと思えたラクレスの狙いが読めなくなったり。毒の注射器を(あからさまに分かる)偽物のヤンマに使ったり。その注射器をラクレスに渡したカグラギも、毒薬を麻酔薬にすり替え損ねたようでいて、意図的なものだったようだし(わざわざニヤリと笑うのをズームで見せてた)。

 ラクレスもギラに止めの一撃を入れたようで、急所を外したような。ヒメノの判断では運よくということですが、剣の使い手の狙いすました奥義がそう簡単に外れるはずもなし。ラクレスの決闘に勝った場合の願いもギラの終生の幽閉だった点も謎。

 次の回を楽しむには、そういうことを覚えとく必要がありそうです。序盤で主要キャラクター紹介回が続いた後は、ずっとそんな感じですんで、この後もずっとそうなんでしょうね。もしかすると、途中からでも定期感想リストに入れたくなるかもです。

●仮面ライダーギーツ(32話:慟哭F:最後の審判)

 慟哭編最終回でして、DGPはもとよりJDPも終わらせる話だったみたいですね。そのためでしょうか、次からの争点となりそうな前世初代の英寿の母:ミツメについて、DGPの変遷という形で語られました。

 DGPは当初、(古代)オリンピックみたいなものだったようですね。死者も基本出なくて、勝者に与えられるのは名誉のみ。古代の五輪のオリーブの冠や現代五輪の金メダルに相当する金貨1枚が優勝の証しとなる。それが2千年前、ミツメが幸福の授受を司る「創世の女神」とされてからは変わり、賞が非常に射幸心を煽る「何でも願いを1つ叶える」になったと。

 その創世の女神から生まれたということで、前話ラスト~今話前半の英寿は覇気を失ってしまうわけですな。他人の幸福を奪って来た母の子という罪の意識でしょうか。加えて、(祢音と同じく)人の子ではないという意識もあるのかな。

 その英寿が立ち直っていくわけですが、偶然にも今週分の555で迷える巧が覚悟を決めるのとシンクロです。英寿も巧もまだ自分の底(自己を保って落ちられる限界)に行き当たった感じではないものの、沈みつつも根性出して浮かび上がろうとするドラマは好みです。

 英寿の場合は、ライダーファンの化身というべきジーンが立ち直りに大きく関わって来てますね。前週の予告映像にジーンがいましたが、冒頭から全力で援護に来るとは予想できず(^^;。それだけに自分的に燃える展開になりました。

 初見で1か所だけ「えっと?」になったカットがありまして、それはジーンが英寿の懐(?)に手を入れてドライバーを取り出すところ。「なんでジーンは英寿からドライバーもらったの?」と。ややあって思い出しまして、前にジーンは自分のレイズライザーを英寿に託してたんでした。英寿は律義にファンの贈り物を肌身離さず持ってたわけですね(そしてそのお陰でスムーズに助力が得られた)。

 それはともかく(^^;、ジーンがいったん去ったのはDGPについて調べるためで、上述のような情報を得て戻って来てくれたわけか。分かっているところと分からないところがはっきりしまして、英寿も何を為せばいいか分かり、再起できたと。ファンの力は大きい、となりまして、現在は行方が知れない祢音もキューンがいれば何とかなるか、という気がしてきます。

 一方、奮起した英寿に迫られたニラムの対処は冷静ですね。既にこの時代からのDGP撤退を考えており、チラミ(ゲームマスター)のヴィジョンドライバーを奪還次第実行するつもり。鞍馬光聖にもその旨を告げ、光聖が怒り狂っても動じない。英寿に対しても、道長/バッファに奪われたヴィジョンドライバーを取り返すよう要請するのみ。

 この後のバトルから察しますと、戦闘能力はヴィジョンドライバーのゲイザーがギーツを圧倒的に上回る感じです。それならニラム/ゲイザーが奪還に向かえばよさそうですが、ニラムはそうしない。たぶん敵地にヴィジョンドライバーを持ち込むリスクを考慮してるんでしょうね。既に1つ奪われてるわけですし。

 その読みは正しいと思うんですが、敵(ベロバ)が一枚上手だった模様。バッファ/道長が(自分では使いもしない)ヴィジョンドライバー持参でギーツ/英寿に挑んでます。道長が所持していたのは、チラミから奪ったベロバが道長に渡したからですね。大事なものだから、(英寿がジーンのドライバーを持っていたのと同様)道長は肌身離さずだった。

 しかし、ギーツ/英寿の「狐」ぶりは冒頭から描かれている通りでして、たとえバトルでは押されても(あるいは押されたふりして)、相手(道長)の油断をついてヴィジョンドライバーを奪取する。そうなるとニラムも安心(油断)してギーツ/英寿からヴィジョンドライバーを回収にかかる。なにせ戦力的にはゲイザー>ギーツですから(管理者がプレイヤーより強いのは当然かも)。

 しかし、戻って来たジーンがギーツに加勢しまして、そこそこいい勝負になる。そうなるとゲイザーもギーツも目の前の相手のみに集中する。その隙をついて、道長/バッファが漁夫の利でヴィジョンドライバーを奪取、ついでにニラムも英寿も落とし穴から落として消滅させる。

 道長もその段取りを分かってやったようですから(でないと、こうも上手く事が進まない)、ベロバの作戦勝ちといった感じです。しかしベロバは自分で何かを為そうとはせず、道長のDGP時代からの望み「全ての仮面ライダーをぶっ潰す力」を創世の女神に叶えさせてやる。

 最後、フードに仮面の人物出て来まして、「始めよう、世界の運命を賭けたゲームを」とか物騒なこと言ってましたな。公式HPあらすじでは「謎の男」と記載されていますが、TVの字幕出してみますと「スエル」となってます。2千年前にミツメを創世の女神にしたエグゼクティブプロデューサーのようですね(第30話)。

 次回「慕情Ⅰ:バッファ無双!」では、事実上の無敵となった道長/バッファのゲーム(デザイアロワイヤル)が始まり、ライダーを駆逐し始めるようですね。これに対し、今までいいところなしのチラミが奮起するようですが、どうなりますやら。ジーンはギーツ/英寿復活のため奔走するみたい。

 駆け引きとかバトルとかいろいろありましたが、今話の自分的なクライマックスは英寿と創世の女神の対面シーンでしょうか。ヴィジョンドライバーをまだ1つしか持ってない英寿に反応してました(一応、その場にもう1つのヴィジョンドライバーを持つニラムもいましたが)。

 そのシーンがちょっと不吉に思えました。ここでちょっと言及したことがある「Vivy」というアニメを連想したもんで。「Vivy」では、(人間と結婚した世界初の)女性型アンドロイドのAIが工場の制御ユニットにされ、それを救出するミッションのエピソードがあります。工場に辿り着いて調べてみると、女性型AIが以前好んでいた歌声が流れている。

 それなら望みありと救出に奮闘するものの、歌声は過去データの断片でしかなく、女性型AIの意識/自我はとっくに崩壊していた、というもの。ギーツでは、2千年前に創世の女神となったミツメはどうなっていることやら。

 そこは何となく不安ですが、それとは別に不安定要因ありますね。ジャマトに食われたのか融合したのかはっきりしないアルキメデル、独自行動を隠さなくなってきました。ギーツ vs バッファに介入して野望を露わにし、スポンサーのベロバにも反抗的になってます。大化けしてラスボス化するのか、それとも仮面ライダークウガでダグバに挑んだゴオマのようになるのか。どう転がっていくか面白そうです。

●仮面ライダー555(第17話:巧、復活、第18話:九死に一生)

 555の強化形態についての訂正情報、ありがとうございます。アクセルフォームのお披露目はもうちょっと後ということですか。今週前半(第17話)では、もう1つのギアについて軽く触れられてまして、デルタのはずですね。今週では結局未登場でしたが、デルタが先に出てきたりするのかな。

 ドラマ的には前半(第17話)が脚本「手の平の灰」後編、後半(第18話)が脚本「真っ白の波」前編ですか。問題提起されて1週間待って解決という、1週1話ペースと同じようなことになってますが、これはこれで溜めができて感動が深くなりやすい感じです。その一方、ドラマ展開の分かりやすさという点では、前後編をまとめて見せてもらえるほうがありがたかったり。

 ドラマを締めくくるのが1週間待ちなせいかどうか分かりませんが、草加雅人が自分的に好感度が上がり始めていることに気が付き、ちょっと戸惑っております。草加は登場初期は謎の人物然としてましたが、次第に悪辣さが目立つように。例えば、重傷を負った勇治に対する態度ですね。

 巧に対しては追い出しを図ってまして、555陣営中の悪役、いわば獅子身中の虫といった感じすらしてきます。が、カイザとして555を圧倒しつつも止めを刺そうとはしないようで(オルフェノクだとためらわないはず)、巧に対しても一定以上は急かさず迫らずな感じ。

 そういうところからでしょうか、草加には何かしらのポリシー、信念のようなものが感じられます。たぶん、そこが自分が草加に感情移入し始めている理由なのかと思います。

 前にこちらで555(や龍騎)に関し、例えば悪のライダーってどうなのかといった議論があったとお聞きした覚えがあります。ライダーは正義であるべきで、悪っぽいってどうなのよ、らしくないんじゃないか、みたいな感じでしょうか。

 当時の自分ではその辺りについて、ロクに申し上げることもできなかったんですけど、今だと多少は何か言えそうな気がします。結論から申せば、自分的には悪のライダーはあり。そこは気持ち的にはずっと以前からあるんですけど、なぜそうなのかはうまくまとめられませんでした。

 555今週分で草加について「あれ?」と思い、自分の中を手繰ってみますと、答えの可能性らしきものに思い当たりました。ずっと昔から「ポリシー/信念のある悪役」が好きだったようです。例えばキカイダーにおけるハカイダーですね。あるいはスペクトルマンの敵役(宇宙猿人)ゴリ博士。
(その2人は孤高である点も共通でして、たぶん「たった1人で世界を敵に回して挑む」点も自分のツボかもしれない。)

 そういうタイプの悪役/敵役って、正義陣営に正義の矛盾みたいなものを突き付けたり、明るみに出したりします。悪になった動機がそこだったりすることもありますね。子供のころから、スッキリした勧善懲悪も好きですが、悪/敵には悪/敵なりの理由があるのも好きだったりします。
(ちょっと正義/悪から外れますが、自分が泥沼をはいずってあがくが如きキャラクターをしばしばカッコいいと感じるのも、上述のような悪役/敵役の印象が影響しているような気がします。)

 それについて平成ライダーを考えてみますと、まずクウガですね。敵グロンギはむごい方法で大量殺戮するわけですが、怖いけれど嫌悪感が低かった覚えがあります。ゴオマに至っては頑張れと思ったりしまして。たぶん「グロンギはグロンギの生存原理に従っている」という印象を受けたせいかと思います。それもある種のポリシーです。

 アギトでは、例えば555の草加と通じる印象があるのが木野薫/ナザーアギトでしょうか。観ていて「こいつさえいなければ」と思うことがありましたが、そうだからこその魅力ありでした。ドラマ全体では神が「こうするほうがいいと思うけど、違うほうに行きたいならそれでもいいよ」みたいでして、例えば「スクラップド・プリンセス」と通底する面白さがあります。

 そして龍騎。いったん正義とか取っ払っちゃいまして、「生き残れ」が命題となり、善意・悪意入り乱れて戦うことに。その辺り、ちょっと作風的に外れますけど、自分的には「魔法少女まどかマギカ」に通じるものを感じます。誰が勝てばハッピーエンドなのかというのが見えなくなりまして、そこから「では、どうすべきか」が浮き上がって来るのがいい感じです。そのためには悪辣とも思えるキャラクターは必要で、観ている途中は「こいつさえいなければ」と思うものの、その人物のドラマが締めくくらてから魅力を感じたりも。

 そして555も同様の感想が生じそうですが、しかし最終回を観終えるまでは印象が定まらないと用心すべきなんでしょうね。まだ第18話ですし。しかし、今のところはいい感じで自分のツボを突いてくれている感じです。要は「いい悪役がいるなあ」と。

 ともかく本編。前半は巧の立ち直りですね。妹:森下千恵のためにとの善意が暴走して悪意同様になってしまった、兄:義正が意図せず巧に覚悟を促す格好。兄:義正は妹:千恵を自分好みに理想化しており、実際の千恵ではなく、理想化した千恵を否定する言動に激怒してしまう。そのため、オルフェノク(アルマジロ)に飲まれる感じで、まず1人殺害し、そこでタガが外れるわけですな。

 この事態に巧は『自分の迷いで立ち止まっているうちに、人間が次々死んでしまう』と悟り、自分より事態解決と腹を括る。偶然なんですが、TV放映中の「鬼滅の刃」でも、同じようなシーンがありました。最上級戦士(柱)が味方側の子供に辛く当たるも、理由が「戦士たる自分がぐずぐずしていては、人が多数死んで行く」から。ヒーローの辛いところであり、矛盾でもあるんでしょうな。

 それはともかく、兄:義正/アルマジロの暴走が勇治にも強く影響する点も面白い。勇治は義正にかろうじて千恵のペンダントを返すものの、自分(勇治)が千恵を殺害したことは言い出せない。義正/アルマジロが大学で暴走し始め、駆けつけた巧には「あの人はもう人間じゃない、人としての心を失ってる」と言ってしまう。

 その直後、自分(勇治)は義正に手を出せない旨も告げてますが、勇治に刺さって抜けない棘を表していそうです。千恵を殺害したことですね。千恵以降は人を殺害しないばかりか、同族となったオルフェノクも守り、巧らにも優しく接するなど、善行に努めているものの、千恵殺害の記憶が良心をさいなみ続けてるようです。それが勇治がどうしても口に出せない部分でシルエットが形作られている感じ。

 しかし、ともかくも巧は「戦う罪を背負う」と555として立ち直りまして、後半(第18話)へ。たいそう面倒臭そうな子供登場でして、名乗った名前は野口恵子。ちょっと迷うような様子で名乗ったんで、後で調べてみると本名は倉田恵子ですか。第18話で登場以前に何があったかも予習してみますと、今話での恵子の振舞の意味が理解できました。似顔絵を盛んに描くのも理由があるようですね。

 が、そうとは知らない初見では「野口恵子」はおおむね印象悪し(^^;。嘘つきで他人を利用する。ただし、なぜか真っ白に洗濯されたものに憎悪を持っている点や、ときおり見せる複雑な表情からは何らかの事情ありと察することはできますね。しかし「野口恵子」に振り回される啓太郎が情けなく、そっちもイラっと来るもんですから、観ている最中はあまり深く考えませんでした。

 ともかくも、この腹の立つガキ、もとい恵子ですが、人の顔の観察眼は意外に優秀かも。女子高生に(有料で)似顔絵描いてましたが、まるで文字通りの子供のラクガキ。ですが、よくよく見直してみると特徴はきちんととらえているようです。ぱっと見で誰か分かる上手い似顔絵って、たいてい特徴を誇張してまして、描かれた本人は嫌がるほど。

 しかしそれも特徴を捉える観察眼あってこそですね。それが女子高生の似顔絵にも表れてましたし、真理に言い放った(^^;)「『丸顔』のお姉さん」にも表れてます。誇張されると嫌な部分を見切ってる感じです。

 その優れた観察眼のお蔭でしょうか、恵子は一輪車のピエロを見てすぐ逃げ出してますね。ピエロって、あれだけ顔を塗りたくってますから誰か判別つきにくいはずですが、恵子には分かるらしい。ピエロの正体はオルフェノク(トードスツール)でして、スマートブレインの村上社長が「九死に一生を得た子供」の1人として恵子を狙って放った模様。

 村上社長、二度の襲撃に失敗したジェイ/クロコダイルへのプレッシャーも強めてますな。飴と鞭のうち、鞭の割合を増やしてる感じですが、飴も忘れない。今話ではジェイは出撃しなかったようですが、次話ではいよいよなのかな。

 恵子のほうはわがままが過ぎて、ついに啓太郎の逆鱗(真っ白に洗いあがった洗濯物)に触れてしまい、いったん決別。ですがやっぱり啓太郎、恵子を見放せず、追っかけたことで、それこそ恵子の「九死に一生」だったかも。例のピエロ/トードスツールが襲撃してきますが、恵子を追った啓太郎も遭遇し、かろうじて巧に急報。

 巧が駆けつけ、555として迎撃するわけですが、間の悪いことに勇治も遭遇。555の正体を知らない勇治はホースとなり、オルフェノクを殺害する者として555に襲い掛かると。

 その一連がニアミスの連続と絡み合ってまして面白い。前半で巧視点では「なぜそんなに?」と言いたいほど、オルフェノクによる殺害事件に関わった勇治ですが、後半では勇治は巧にオルフェノクに関わるなと忠告に来る。巧も同じことを思っていたわけですね。

「野口恵子」の線では、真理が就職先の美容院で同僚の「ひかる」を先輩と呼んだことで家に招かれてみると、父親が刑オルフェノク事件にしばしば関わった刑事:添野錠二。その添野の電話で出た名前「倉田恵子」が「野口恵子」の本当の名前であるらしい。

 こうまで絡み合ってて、しかし誰も別の誰かの正体を知らない。その正体が誰にとっても最重要なわけでして、一触即発を深めつつ、延々と維持されている感じですね。観ていて、そういう点からもハラハラしますが、予習すると互いに知ることもあれば、すれ違いのまま終わる関係もあるようですね。

Re: 4月のスレッド(2023) - K.K

2023/04/26 (Wed) 22:35:10

 定期感想書その2です。

●牙狼:翔編(第17話:鏡)

 今話はだいぶ覚えている部分がありました。やはり「アミリの一芝居」が(牙狼に疎かった)初見でも印象に残ってたからかもしれません。しかし、覚えていた部分があっただけに、理解が追い付いてなかったことも分かりました。

 そこは流牙編/翔編劇中だけでなく、例えば鋼牙編との比較においてもです。今話では法術で捕われたアミリの様子が一変、ホラーから人間の心に戻ったかのように振舞い、流牙らは信用してしまいます。鋼牙編では一貫して「ホラーになったら人(の心)に戻らない」ですね。流牙世界では、まだホラーになっても絶望ではないと思っているようです。
(それがTV神ノ牙編にも引き継がれてるかも。神牙は斬ったホラーが人間に戻ったと思い込みましたから)。

 初見ではしおらしくなったアミリの語る回想も、疑うことなく事実だと思ったように記憶しています。が、観なおしてみると「アミリの口から出まかせの可能性もあるのでは?」と思えました。1つには、アミリの話を聞いていたガルドの反応があります。自分の村でそんなことがあったと知らされたらショックを受けるはずですが、そういう様子がありません。

 法師モユルがジンガらの虐殺を阻止しようとしたのは事実なんでしょう。なにせ、ガルドとハルナが逃がしてくれた恩人を目撃し、覚えているわけですんで。となると、もし村人がジンガらの息子ユウトをホラーを鎮める生贄にささげたのなら、それもガルドは目撃しているはず。しかし、そこもガルドは知っている様子が以前からない。

 アミリの過去回想話はどうもおかしいな、と自分的には感じます。村を襲うホラーとか全て嘘で、既にホラー化していたジンガ&アミリが村を襲ったとシンプルに考えたほうが辻褄が合いそうな気がします。

 それはともかく本編ですが、上述の不審な点があるアミリに乗せられてしまい、ジンガ側の作戦勝ちという印象が強いですね。どうも、流牙側は結界とかパワー的なものを破るに専心で、敵の出方とか考えずに突っ込んでしまったからかなと思えます。

 前話ラストで、ジンガが脱出してアミリがしんがりに残った格好ですが、ジンガは莉杏を拉致しています。ジンガが莉杏を押さえたタイミングで、示し合わせたようにアミリが流牙らを押さえにかかったと考えるべきなんでしょう。

 後に莉杏はジンガからアミリに代わる月と評価されますが、この時点ではリュメ様に及ばない法師くらいにしか思ってないはず。ですんで、アミリに手出しされ泣いための保険としての人質のはず。莉杏はアミリに対してはいい勝負してたわけですが、さすがにジンガには単独では当たり難い。それもジンガが連れ去って、アミリが残る理由の1つなんでしょうな。

 アミリは上述の通り、急にしおらしくなって過去を悔い、流牙らを信用させる。ジンガのウィークポイント:魔鏡について素直に語る。この鏡は前話戦闘時にアミリが取り落とすとジンガの鎧が外れましたんで、流牙らも確かにジンガの弱点だと思うでしょうな。

 確かに魔鏡はジンガの力の源かもしれませんが、吸い込まれたら出られないものらしい。アミリはアクシデントを装って流牙を魔鏡に落とすも、さらに芝居を続けまして、魔導筆返してくれれば、流牙を戻せるよ、と。流牙を失った一同は、完全にアミリのペースですな。アミリは易々と魔導筆を奪還し、芝居をやめて法術のいましめを破って逃走。

 しかし流牙側も賢者がいましてリュメ様ですな。流牙らがしてやられる可能性を考慮してたんでしょう、ハルナと協力しての独自行動を開始、莉杏が拉致されたことを逆手に取って、ジンガの所在を把握し急行すると。どうやら長命は伊達ではないようです。描かれてませんが、たくさん修羅場くぐってきたんでしょう。

 リュメ様、ジンガに対しても互角に戦える模様。しかし魔鏡に落ちた流牙はどうなるかですね。魔鏡内では絶望させようとしてくるらしく、過去の記憶を蒸し返され、一部は実体化するみたいですね。ラストで出て来そうになったモンスターは四本足で、もし流牙のつらい記憶に相当するものだとしたら、羅号か。そこはちょっと覚えてなくて、予習せず次回を楽しみに待つことにします。

●BASTARD(第16話:禁呪)

 ネイのヒロイン性については、前に申しましたが、連載追っかけているときはあまり感じずでしたが、このアニメ版でちょっと変わってきました。これも前に感想として申しましたが、ネイがDSにより呪いを解かれる過程に納得できたからですね。そこを受け入れてみますと、その後のネイの印象も変わってきます。

 シーラ姫にモヤモヤするネイにクスクス来ますし、ヨーコに対してはどうやら自分(ネイ)のDSに対する立場(養女的)と、ヨーコのそれ(母親的/彼女的)の差異に複雑そうであったりするのがジワリと刺さったり。

 しかしともかくも、昔と違って優しくなったDSにも、昔通りにむごいDSであっても、ぽっと顔を赤らめて「素敵♪」となるネイは面白い。アバタもエクボってやつですね(^^;。もっともネイとて戦いとなれば、というよりはDS以外については今まで通りでありまして、そこはDSのヨーコに対する態度とそれ以外での態度の差とシンクロするものがあるかもしれません。

 原作でのうろ覚えですが、印象としてネイとガラが接近するような雰囲気があったような気がします。確かOVA版では、そこを原作より多少強く匂わしていたような。ヨーコが(DSが恐れるも慕う)正ヒロインである限り、ネイのポジションの落としどころとしては順当かもしれません。

 が、ヨーコがルーシェ/DSに対して二重の立ち位置を持つこともあって、こちらでご指摘ある通り、ヒロインとしてのポジションが定まらない感じですね。そのせいだったのかな、天使降臨後は、ヨーコはなぜか記憶を失って悪魔サイドの傍観者となってしまいました。

 一応、DSが追い求める「深窓の姫君」みたいではあるんですが、長く続けるとドラマ的には危険かもしれません。別作者の別作品ですが「東京アンダーグラウンド」では、正ヒロインが敵に拉致されっぱなしのため、作者が慎重に主人公と恋愛関係不成立の設定がなされたサブヒロインと主人公が接近してしまう事態がありました。まあBASTARD原作は続編絶えて久しいので、そういう心配はいらないのかもしれませんが。

 ともかく本編ですが、前回に鳴り物入りで登場のサイクロプス(ビビアン)、半ば自滅する格好で倒されまして、やっぱりアイテム(デビル・メイス)の運び役に過ぎませんか。まあ、リンチよりは頑張ったかな。

 しかし、戦いの経過はDSに注目してみると、ちょっと興味深かったりします。サイクロプスの再生能力が有効なうちは『ネイもガラも足手まとい』とばかりにDS単独で当たってました。が、サイクロプスに移植されたアンスラサクス細胞が暴走し始めると、DSはネイとガラを呼ぶ。

 配下/仲間は勝機が見えてから参戦させたわけですね。最強のリーダーとしての責任を果たしているといえます。最強としては勝てる条件を作り、リーダーとしては仲間の役割を大事にする。転生前からそうだったのか、それとも転生後のヨーコの影響なのかは分かりませんが。ガラの言では「昔のコンビネーション」とのことですが、DSの力が増大していることを考慮すると、どうなんだろうと思えます。

 決着ついてからも、ちょっと面白い点がありまして、DSの魔法(死黒核爆烈地獄/ブラゴザハース)解説ですね。ちょっと科学技術っぽい用語を立て板に水と並べ立ててました。DSが元は旧世界の魔法(科学技術)の産物という暗示・伏線のように思えました。

 一段落しての後半は、まず敵味方双方の視点での整理ですね。敵側では「エデ・イ―のリッチー」投入が語られ、リンチ/デモン・メイル、サイクロプス/デビル・メイスの敗退はさしたる問題ではない様子。

 そこに対応するように、DS側では鹵獲したデビル・メイスに怪しげな動きがあることが示される。雷神剣が失われたことをネイとガラの会話で思い出させてまして、これは「雷神剣と炎の剣、覚えててね」という作劇技術でしょうか。リッチー戦ではその2振りが大事な役割で復活するはずですんで、視聴者/読者に覚えておいてもらう計算があるんでしょう。

 そしてエデ・イーのリッチー侵攻となりまして続く。こちらはビホルダーほどにはD&Dに被ってはいないようですね。D&D以前から伝承があるモンスターだからなのかな。しかしD&Dの看板的な魔物と伺ってますんで、次回でどういう暴れ方をするか、きちんと復習してみようと思います。

Re: 4月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/04/28 (Fri) 02:25:39

 キングオージャーについては、脚本家もこの道の新人さんで手癖がよく分からないですし、戦隊初の「本格的異世界ファンタジー」で、我々の住む地球が舞台にならないという、それだけでも異色作ですな。

 宇宙とか異世界から来た戦士やお姫さまが、第2の故郷と見なした地球の協力者と侵略者を迎え討つ作品は、しばしばありましたが、ここまで異世界だけで話が続くとは(もしかすると最後まで突き進む?)、日本の連続特撮ヒーロー物では珍しい。
 当然、セットとか異世界を描写するための舞台装置が、アニメ作品と違って維持できないからですが、それを新型のCG合成装置でクリアし(セイバーの時期に試験的に導入したものを、もっと大掛かりにしたらしい)、海外の異世界ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(原作小説の邦題は『七王国の玉座』)をモチーフにしたとかで、果たして、どこまで新しいことに挑戦するのやら、と展開を驚きつつ、見守っています。

 ドンブラとは違う意味で、斬新というか、展開が読めないというか、想定以上に大掛かりな映像ドラマを見せてくれるな、と。
 さすがに役者の演技とか、セリフ回しとかは軽くて、荘厳とは言い難いですが、そういう戦隊ならではの軽妙さとは別に、お約束やマンネリを拝した物語にインパクトを覚えています。

 例えば、戦隊のお約束である「等身大怪人を必殺技で撃退→巨大化した敵を再度、ロボで撃退」という段取りさえ壊していて、等身大でザコ退治しながら、ロボのキングオージャーで巨大怪人を倒す展開。
 しかも、キングオージャーの所有権を巡っての各王国の思惑の衝突が描かれそうで、戦隊がチームではなく、そのためにキングオージャーはロボの名であり、チーム名としては今のところ扱われていないという。
 よって、「5人そろって、王様戦隊キングオージャー」なんて名乗りも挙げていない。

 まあ、これで追加メンバーとして、我々の住む地球から異世界転生した日本の若者が登場すると、笑うんですがね。
 ゴーカイジャーの伊狩鎧みたいなのが、「え? あなたたち、戦隊でしょ? 何で協力して技を出さないの?」とか、戦隊のお約束を解さないメンバーにダメ出しするとか、改めて本作の斬新性を指摘すると面白いと思うのはマニアの性か。

 ともあれ、ラクレスのオオクワガタオージャーが6人めの追加メンバーなのか、ずっと敵で、6人めは別にいるのか。

 まあ、当面の注目はバッタの登場で、伝説合体するメインロボの活躍かな。

★ギーツ

 まさかのギーツ敗退。
 いや、その後のギラ敗退もあって、ニチアサ特撮ヒーロー2本がいずれも、主人公が決闘で負けて終わる、という展開に。

 ゴールデンウィーク前にサプライズだったな、と思いながら、次回からデザイアロワイヤルですか。
 昨年末の映画で使われた単語ですな。

 昨年末もデザイアグランプリが過去のGMに乗っ取られたのを、ギロリの活躍もあって取り戻したわけですが、今回はプロデューサーも消されまして、より厳しい状況?
 いや、ギロリさん復活の可能性が上がったのかも。何せ、ギロリさんを追放したニラムさんがいなくなったわけで。

 で、この時期、昨年末の映画が映像ソフトとして発売されるので、宣伝のためにTVの展開を年末映画のそれに寄せて来るケースが多いのですが、案の定、と思ってます。

 まあ、バッファが「全てのライダーをぶっ潰す力」を手に入れたので、仮面ライダーと呼称される存在はバッファに勝てないという理屈になるのですがね。
 ネタとして、デザイアロワイヤルに乱入してきたリバイス、セイバー、ゼロワンなど令和ライダーが次々とぶっ潰されていったものの、平成勢でオーマジオウとか、ディケイドとか、エグゼイドのハイパームテキとか平成ライダーの層の厚さにはやはり勝てなかったとか、まあ、バッファの無双にも限度があるだろう、と。

 とりあえず、ライダー相手なら無双できる相手に対し、どうトンチを効かせて勝つのか、とか、期待してます。
 「俺はTV本編でライダーと名乗ってないから」と言い張るクウガ、アギト、ファイズとか。

 ライダーで勝てないなら、ライダーを超越したライザーなら勝てると言い張って、「仮面ライザーギーツ ライジングフォーム」とか言い張って勝つとか、
 いろいろ妄想予測だけがよぎるタイミングです。

 なお、バッファには不吉ですが、このタイミングで、連載中のキン肉マンで同じモチーフのバッファローマンが負けてしまいまして、まあ、次回、バッファが無双するも、復活したギーツのチート技であっさり負けそうなカマせのような気がします。
 景和や祢音ちゃんはイジメられそうですが、とりあえず、新しい世界がどう変わって、何が元に戻ったのかを気にしつつ。

 世界が元に戻って、ちゃっかり祢音ちゃんが帰宅してると笑いますし、キューンと2人で暮らしていても笑える。

★ファイズ

 巧復活で、草加は一時退場。
 まあ、2話1ならすぐに戻って来ますな。

 アクセルフォーム登場は21話の「加速する魂」回で、何故か草加が強化アイテムを巧にプレゼントしてくれます。
 リアルタイム視聴中は何だか不思議でした。敵に塩を送ってくれるような印象で。

 ともあれ、デルタのベルトは、ファイズの強化後ですが、デルタのベルトはカイザ以上に変身者が定まりませんね。
 このベルトは誰でも装着できるのですが、装着すると資格のない者は凶暴化してしまうという副作用付き。
 まあ、それでデルタのベルト争奪戦が流星塾の生き残りの中で勃発したり、それをラッキークローバー最強の北崎さんが手に入れて、デルタ無双になったり、いろいろと台風の目になっていきます。

 個人的には、デルタのベルトにまつわるエピソードは、予定調和を逸脱して迷走していたなあ、と感じましたが、
 同時に、変身者がいろいろ入れ替わる本作ならではの面白さが爆発していた時期で、
 また、敵味方の立ち位置も次々と入れ替わり、ジェイの次回での死後、ラッキークローバーの補充要員をどうするかで、いろいろとドラマが勃発する流れにも。

 補充要員に誘われる結花とか、あろうことかオルフェノクの正体をさらした後の巧まで誘われて、
 代わりに木場勇治がファイズのベルトを託される展開とか、本当にリアルタイム視聴時はサプライズだらけの作品だったな、と。

★バスタード

 サイクロプスはザコ同然でしたが、リッチーは2週間以上生き残る強敵ですな。

 ヨーコについては、ヒロインというよりも語り部的な立ち位置になりますか。その意味で、読者目線、視聴者目線に一番近い常識人にして、傍若無人なDSへのツッコミ役、抑え役であり、少年マンガにおけるブレーキ役。
 だから、連載誌が少年マンガじゃなくなって、縛りが必要なくなると、存在意義がなくなったのかもしれません。

 ネイについては、今の時代の方がよくあるラノベヒロイン像かも。
 相応の戦闘能力を持ち、クールな戦士でありながら、暴走主人公にデレた後は、全肯定する甘えっぷりが80年代ではまだ新しいものの、うる星のラムの系譜を受け継ぐ電撃ヒロインとか、
 破天荒なこの作品ならではの新奇な属性てんこ盛りな、現代に通じるヒロイン像。

 一方、ヨーコさんは戦闘力で付いていけないのみならず、この世界の白魔術が扱いが甚だ悪い。
 例えば、アンデッド退治なんてものは本来、プリーストなどの聖職者が専門家のはずなんですが、バスタードの世界ではアンスラサクスのせいか、白魔術の効果が抑え込まれているような演出ですな。

 攻撃呪文偏重で、癒しとか神の名の元に解呪するとか、そういう類の呪文が活躍しないのは、D&D原作でもバランスが悪いというか、作者がプリースト系の宗教観を描くのを忌避したからか。
 D&Dの版権以上に、宗教問題を生半可な知識で扱うのは危険だという意識があったのかもしれませんね。

 でも、ルーシェ=ルシファーというネタを仕込んだりもしていて、キリスト教の聖書ネタを見せたりしつつ、逆に安全な多神教の物語神話(ギリシャや北欧系)を使わないのは、やはり世紀末云々を意識していたからなのか。

 まあ、ギリシャは当時、聖闘士星矢が連載中なのでかぶるのを避けたのだろうし、ファンタジー世界の神については作者の見識が浅く、後からキリスト教のみを付け焼き刃で勉強したから、よく分からない世界観になって行ったのかな、と考えます。
 むしろ女神イーノマータとか、初期のパロディー感、お遊び感ある多神教観で、自由にやって行った方が良かったのだと思いますが、変に高尚な聖書感で奥深い背景世界を構築しようとしたために、物語が空中分解したような感じです。

 あと、王国の存亡とか、世界の危機とか、派手なバトル展開に走りすぎて、土台となる世界の生活観とか、ファンタジー世界におけるリアリティーを示すことができなかったのが、バスタードという物語の弱点かな、と今の視点では考えますね。

 バトルとエログロしかないのが、連載マンガでは刺激的で話題性を呼んだのは間違いないのですが、地に足ついてない世界観ですので、文字にすると深さがないというか、その深さを元ネタのD&Dやキリスト教から咀嚼せずに借りて来た。
 まあ、ネットのない時代だから、少年読者の知識も限られていたわけで、高尚に見えた面もあったのでしょうし、勢いで引っ張る作風とメタフィクション的な面白さが当時は新鮮だったな、と。

 やはり、作中人物が「少年マンガらしいお約束」と口にして許されるのは、リアリティーの欠如した派手さと豪快さが売りだったわけで、
 令和の今の時代では、このレトロ感が懐かしいと言えるのかな。

 何にせよ、山田風太郎的な面白さを作品が備えているのは間違いないので、変に高尚な宗教観を持ち出さず、勢いだけで話を引っ張って、どんどん強敵が出て来て、無双主人公が倒すだけで楽しませられるなら、それでいいかな、と。

 で、主人公の無双だけでつまらなく感じ始めたら、サブキャラのドラマでヴァリエーションを広げていくと長期連載にできますし、そこに突入したのが第2部なんだと思います。

 

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