創作と鑑賞の談話室

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5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/01 (Mon) 00:01:01

 5月の雑談スレッドです。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/02 (Tue) 23:47:16

 定期感想書その1です。

●仮面ライダーギーツ(第33話:慕情Ⅰ:バッファ無双!)

 DGPがJDPに取って代わられ、そのJGPも三日天下、次回からデザイアロワイヤルに突入するといったところですね。前回予告を観たときには、今話でデザロワ(英文字略称なんだろう??)が何かの紹介くらいはあると思ったんですが、次回以降になるようです。

 それだけに今話はここまでの流れをまとめて一区切りということで、OP曲もありませんでしたな。話の転換点ではよくあることですが、仮面ライダーWEBによると、盛り込む材料が多くてOP曲の時間が取れなかったらしい。次話からはOPに新映像来るみたいで、どんなものか楽しみ。

 ともかく本編。DGPからJDPに変わり、道長/バッファが覇者となって、望む世界(全てのライダーをぶっ潰す力)を得たわけですが、主催が変わっただけでDGPかJDPかはあまり大事じゃなかったような。もっとも、今話ラストを観てみますと、エグゼクティブプロデューサ/DGP創始者のスエルとしては予定通りくらいの進行らしい。

 みんなスエルの掌の上で踊っていたのかしらん。ただスエルとしても、英寿については先が読み切れないみたいですね。

 そこはラストで明かされたもので、出だしではJDPに乗っ取られた格好のDGP側が奮起。まずはチラミのヴィジョンドライバー奪還が必要ですが、チラミの現代人蔑視(人命<DGP)があからさまでして、ツムリの反感と絶望を買ってしまってます。また、消失したプロデューサ:ニラムの意向に反し、チラミはDGPを続行したいらしい。

 まずチラミ、ツムリに命じてライダーのリクルートですね。祢音のSPのベンとジョンにツムリが接触、それぞれランサー、ガルンに戻す。のですけど、ライダー形態がはっきり映らないままバッファに敗退でして、ちょっと残念(^^;。他のライダーも元デザ神含めてあっさり敗退ですか。
(なお、はっきり出て来た敗退ライダーはファン向けサプライズだったようで、スーツアクター永徳さんですね。前作リバイスでも量産型着用者でご出演でしたな。)

 このとき祢音はライダーだった記憶を持っておらず、ライダーとして知った事実:鞍馬夫妻の実子でなく、創世の女神に創造されたも忘れている模様。そこはDGP通りのようでして、上述しましたがJDPとなっても何か変わったような印象を受けない理由の1つになってます。敗退ライダー(英寿、景和)が世界から消える点もDGP・JDP共通みたい。まあ、創世の女神がやってることですから、グランプリ主催者が変わってもやれることは同じということかな。

 そのせいか、祢音が記憶を取り戻す方法も同じで、ベロバがIDコアに触れさせればいいわけですね。サポーターのキューンは祢音が鞍馬夫妻の実の娘と信じたままのほうがいいか、と迷っていたようですが、祢音の記憶が戻っては選択の余地なし。祢音も自分の正体だけでなく、キューンを知っている自分に納得しているようですからなおさらでしょうか。キューンはそれでも祢音を全てがデザインされた未来に誘いますが、祢音はたぶん応じないんでしょうね。

 一方、道長/バッファは無敵の自信でして、DGP本拠に乗り込んで来る。チラミにヴィジョンドライバーを返しさえする。チラミと共闘を同意したジーンは変身して戦うも、至近距離の最大火力でも歯が立たない。グレア2/チラミも決め技でかすり傷一つつけられない。スポンサー特権や管理者権限のあるドライバーでも、創世の女神に勝利が約束されたバッファ/道長には敵わないわけですか。

 もはや打つ手なしと絶望したツムリが思わず祈るように英寿のIDコアを握ると、なぜかツムリの手からIDコアが消えて英寿/ギース復活。驚くバッファ/道長に英寿は「狐だからな」と嘯いてみせてますが、英寿自身に若干の戸惑いが見られるような。しかし復活すれば何を為すべきかは分かっているらしく、グレア2/チラミに銃を向ける。

 次回「慕情Ⅱ:ギーツの矛先」予告を踏まえますと、英寿DGP運営を敵と認定しているみたいですね。ただ、これらの事態はエグゼクティブプロデューサ:スエルの想定内らしい。奇跡を起こしたらしいツムリの正体も知っている模様。

 古代の創世の女神創造に関与が匂わされていたとはいえ、突然関わってきた感じのスエルがほぼ全てお見通しという感じなのは、自分的にはちょっと残念かもです。例えば龍騎ですと、黒幕の神崎士郎ですら事態が制御不能というのは早くから匂わされてました。劇中の誰も先が分からないからこそ、観ていてもスリリングに感じます。

 DGPは運営の思う通り、JDPはベロパらの思う通り、というのが崩されてきたかな、と思ったら、どうやらスエルの思う通り。観ている自分はこの先の予想はつかないけれど、劇中の黒幕の思う通りになってるらしいと思うと、どうも波乱があるようには感じられなくなります。

 それでもツムリが何者かという点とかは面白くなってきたかな。創世の女神と関わりがあることを(事態をよく知るらしいスエルに)匂わされてみると、「次の創世の女神候補?」「創世の女神像はフェイクで、現在の女神本体はツムリ?」「ミツメが転生したのがツムリ?」とか、いろいろ妄想できます。それで事態がどう動くか予想できません。

 不確定要因は他にもあって、キューンに未来に誘われた祢音ですね。おそらく断ると思いますが、それならキューンがバックアップを続けるはず。父親:光聖の記憶がどうなっているか不明ですが、たぶんスポンサーの自覚を取り戻して祢音をバックアップするかも。そうなると、祢音を核とする一大勢力となり得ます。

 事態の収拾方法で決裂して独自路線に走ったらしいオーディエンス:ケケラの動向も気になるポイントです。英寿復活はケケラが創世の女神にアクセスしたのかと最初は思ったんですが、そのためのドライバーは持ってないんでした。それに「力尽くは嫌い」旨言ってたわけですんで、たとえ創世の女神を動かせてもケケラは今話ラストの運びには持っていきそうもありません。

 景和もそうですね。予告映像では復活してくれてるようですが、英寿が復活後に行動が激変していることから考えると(もっともJDPラストバトル時点でもう決断したかもしれませんが)、景和も変わってもおかしくありません。仮に事態が黒幕らしいスエルの予定通りであっても、いろいろ想定外要因はありそうです。

 もう終盤の話数に来てますんで、次回のデザイアロワイヤル開始からストレートに盛り上げて欲しいところです。

●仮面ライダー555(第19話:純白の正義、第20話:美しき刺客)

 前半(第19話)は脚本「真っ白の波」解決編ですね。前話で「野口恵子」と名乗っていた謎の多い少女の素姓や行動の理由が次々に明らかになっていく。本名はスケッチブックに書かれていた「倉田恵子」で、真理が気が付いて驚愕。美容室で懇意となった同僚ひかるの父がオルフェノクの事件にたびたび関わった添野錠二。その添野が電話で話していた、爆発事故に巻き込まれた親子の子供のほうが「野口恵子」であるわけで。

 こういう、まさかの展開がしかししっくり来るのは、今までもニアミスのドラマが頻繁に起きていたお蔭でしょうな。「互いに正体を知ったらマズい」とハラハラしていたわけですが、裏を返せば「正体を知った場合、どうなるんだろう」という興味でもあります。

 それが倉田恵子で起こったのが先週後半~今週前半というわけですね。(もしかすると意識していなかった)期待があるから、ニアミスが接触になっても納得できる。恵子の本名が分かったことで突如として雲が晴れていくようでして、、まず事故に巻き込まれた母親(幸子)が記憶喪失になってしまったと分かる。

 その母親が恵子を拒絶するような態度があることがポイントですね。おそらく無意識に愛娘(恵子)を意識しているんでしょうけど、思い出せない。それがイライラ、不安となってしまうんで、恵子が訪ねて来ると拒否してしまう。
(母:幸子は素姓が分かっているようですから、普通は娘の恵子についての説明を受けるはずですが、説明しようとすると動揺するとかで、落ち着くまで待っているんじゃないかと思います。)

 恵子としては何としてでも幸子に思い出して欲しい。そこで幸子に褒められたことがある似顔絵で商売始める。恵子の考える勝利条件(母:幸子の記憶回復)は渡すはずだった誕生日プレゼントですか。爆発事故で母:幸子はプレゼントを見ずじまい。その続きを再現できれば、という算段なんでしょう。

 しかし、それが偽の勝利条件だったとは。母:幸子は再度プレゼントされたバッグを見ても、何も思い出さず、またもや拒絶。これでいったん、恵子は絶望してしまう。しかし、前話(第18話)から見せてもらっていた、恵子が憎む「真っ白な洗濯物」(奇しくも啓太郎にも通じるもの)が真の勝利条件だったわけですね。

 結果を見せてもらってから考えると、確かにそうなるべきと思えます。母:幸子と娘:恵子の幸せな思い出は綺麗に洗いあがった洗濯物を干すところにある。だから、恵子が病院で干された洗濯物の傍らにいるのを見た幸子はようやく不安抜きのルートで記憶を辿れたんでしょうな。

 そこまで行くのに手を貸した啓太郎とて、真っ白に洗いあがった洗濯物に拘りがあればこその、前話から今話への動きなんでした。全体としては「そんなまさか」レベルの奇跡ですが、各キャラクターの手近なところでは各自の「当然」がちりばめられていて、こうなるべくしてなったという感じのハッピーエンドでした。

 それにしても、恵子周りのニアミスと接触事故(?)のスリリングなこと。恵子は勇治らとも関われば、ジェイとも関わってました。勇治へのほうは接触事故ですが、そうならなければ恵子は真理に再び見出されず、母:幸子の記憶回復エンドへの道が閉ざされていたはずです。

 そちらは「ニアミスで済まずによかった」わけですが、ジェイとの遭遇はヤバかった。ジェイからはぐれた愛犬を偶然見つけ、ジェイとも会うわけですが、幸いにして犬を返しただけで済みました。もしこれが、恵子と関わった巧や勇治らへジェイがたどり着くような事態になっていたら、どうなっていたことやら。

 そうなれば、ジェイは情報的に優位となり、先手を打つとか奇襲とか可能になってしまいます。そうならなかったからこそ、まずピエロ/トードスツールオルフェノクを迎撃した巧/555はジェイ/クロコダイル(凶暴態)をも、自分(巧)のペースで迎え撃つことができたように見えました。

 さすがにクロコダイル(凶暴態)は一筋縄ではいかなかったようですが、それでも割と危なげなく勝ってます。クロコダイルの最強形態なのになんで、と思いそうですが、なんだか納得する戦いの結果でした。たぶん、冒頭でのホースオルフェノク/勇治との戦いが伏線なんでしょう。巧は「(ホースが)強くなってた」旨呟いてました。そうであれば、555/巧も強くなっていてもおかしくありません(特に巧がオルフェノクという予習があるし)。それならジェイ/クロコダイル(凶暴態)とて、という気がしたようです。

 後半(第20話):脚本「加速する魂」前編では、ジェイ敗退を知ったラッキークローバーに動揺が見えますね。正確には琢磨逸郎/センチピードオルフェノクの焦りと言うべきでしょうか。ジェイ敗退だけでなく、勇治/ホース抹殺失敗もショックなんだろう。村上社長も前話ではジェイ、今話では琢磨逸郎にじわじわプレッシャー強めてる感じです。一方、影山冴子は妙に自信があるようで、むしろ今の事態を楽しんでいそうですらある。

 影山冴子は、琢磨逸郎を脅しつつ宥め、勇治抹殺の任務を自らが引き受ける。代わって琢磨逸郎はジェイの失敗した巧抹殺ですね。影山冴子、割と恐ろしい人物でして、同族ながら(人間を殺害しない)裏切り者の始末に迷いがないどころか、楽しんでさえいますな。ジェイは愛犬絡みで激怒して殺害したことはありますが、性分的には真っ直ぐな感じ。それと対照的と申しますか、影山冴子は猟奇的な匂いすらします。

 それはともかく、巧も勇治も敵の思う壺でのこのこ出かけて見つかるわけですが、そこは怖いような笑えるようなラブコメ修羅場のせい(^^;。そのラブコメドタバタは勇治陣営の海堂が引き越してまして、巧陣営の真理を諦めきれず、再び接触を試みたからですな。そこは真理も偶然絡んでしまってまして、洗濯物を勇治らの拠点マンションに届けに行って、そのまま結花の料理を手伝ったから。

 一方、海堂も偶然、啓太郎と接触。海堂が真理が好きだと喚いたもんですから、啓太郎も「長田さん」が好きだと明かしてしまう。そこで悪だくみ発生なわけですね。各人各様の意図と行動がややこしく、ちょっと自分用メモにまとめてみます。

・海堂:真理に接近するため、「本当のデートをする」と結花を騙してピザ店へ。
・啓太郎:同じく、真理をピザ店へ誘い出す。
・結花:海堂がデートに誘ってくれたと有頂天だったが、ピザ店で海堂の本命が真理と知る。
・巧:啓太郎が「(オルフェノクの)長田さん」から(メル友の結花でなく)真理に乗り換えるつもりと勘違いし、全面支援。
・勇治:我関せずくらいの感じで海堂・結花に「行ってらっしゃい」。

 さらに結花の風邪が事態を混乱させるわけですね。結花は海堂と真理に風邪をうつし、、風邪をもらった真理が啓太郎にうつす。これで海堂&啓太郎がたくらんだ「ピザ店のバイトで仲良くなる作戦(?)」は頓挫、バイトの代打として巧と勇治が駆り出され、ラッキークローバーの襲撃を受けることとなる。

 そして偶然(ではあるけどラッキークローバー側は共同戦線でしょうから半ば必然)、追い込まれた勇治と巧が出くわしまして続く。

 この流れも込み入ったニアミスになってますね。例えば巧は結花がオルフェノクと知っているわけですが、風邪のお蔭(?)で結花と接触せず。もし2人が遭遇すれば、少なくとも結花は激しく動揺するでしょうから、そこから一気にいろいろバレていた可能性があります。海堂と巧が遭遇しても危うかったかも。ハイリスクな遭遇がギリギリで回避されてる感じでして、ハラハラして観てました。

 しかし、一番怖かったのは、またもデートが嘘と分かった結花かなあ(^^;。海堂と真理を睨む目が怖かった。しかし、ほっとする怖さでもあります。金をせびる不良を殺害したときのような、ゾッとする感じはもうないし、たぶんこれからもなさそうと思えます。なにせ、恋する乙女に戻った感じがありありとしましたから。いや、結花は生まれて初めてそうなったのかも。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/03 (Wed) 22:49:27

 定期感想書その2です。

●牙狼:翔編(第18話:闇)

 今話に至るまで、二度目の視聴ながらずっと勘違いしていたことに気が付きまして、超重要アイテム:法剣です。ジンガが第1話からずっと奪還を狙ってたせいか、自分は「ラダン復活には法剣が必要」と思い込んでました。封印する力があるなら解放する力もあるんだろう、みたいな感じで。

 そのため、ジンガが「ラダン復活は近い」旨言うたびに、自分は「法剣奪取のプランが同時進行しているだろうな」と勘違いに固執してしまってました。しかし今話を観ますと、ジンガらが法剣奪還を狙っていたのは、ラダン復活を邪魔されないためであったようだと理解できました。

 その途端、上述の勘違いからくる(ありもしない矛盾とか感じての)モヤモヤしていたのがスッキリしました。それにしても、たとえ初見時は牙狼への理解不足があったにせよ、以降は牙狼シリーズを幾つも観て、この翔編の二度目の視聴で、今の今まで法剣を勘違いしていたのは情けないというしかありませんorz。

 ともかく本編。前半は魔鏡内の流牙らと、ジンガ拠点の莉杏らに分かれての進行ですね。前話で魔鏡内の流牙の前に現れた四足魔獣のシルエットから、「もしかして羅号?」と思ったんですが、別の見覚えのない魔獣でした(ウィキペディアには「闇の魔獣」としか記載がなく、正式名称とか分からない)。

 魔獣の正体は終始不明ですが、流牙に恐怖を与える何かを持っているらしい。流牙の恐怖が具体化していくと無力感に囚われて行ってますな。その途端、なぜか金色の野に流牙が横たわってまして、何もかも放り出したくなってる模様。しかし金色の野には流牙が安心する何かがあるような感じです。

 闇の魔獣に怯え、しかし逃げ込む場所がある。これが魔鏡に封じられるという状況なんでしょうか。そのまま朽ち果てるのか、魔鏡がある限り永遠にそうなのか。と観ていて思いかけたんですが、魔獣はそこにも入り込んで来るんですか。するとまたもや流牙は震え上がって逃げ出す。

 そのシーンを観まして、「闇照編を克服したものの流牙は依然として半人前、その成長物語が続いてるんだな」と感じた次第。鋼牙ですと、騎士の強さと戦う信念は揺らがず、しかし人間味とかの感情面を欠いていて、そこを埋める物語だった気がします(特に牙狼1st)。流牙だと騎士として一人前になっていく途中ともいえ、魔戒烈伝最終回で救いに現れたが流牙でなく鋼牙であった理由が分かったような気がします。

 それはともかく、一方莉杏ら。トップのリュメ様まで出張っての総力戦ですが、いかんせん黄金騎士:流牙を欠いているため、戦いが思うに任せない感じ。ダイゴも奇襲からの奮戦ですが、どうもジンガに及ばない。(総合)戦力が足りない。アミリがリスクを冒して流牙側に捕われ、一芝居打ってまで流牙を魔鏡に封じた意味が分かります。

 しかし、魔鏡内で流牙が絶望から立ち直って恐怖≒闇の魔獣を克服し、魔鏡を砕いて脱出すると、途端に形勢逆転。このときちょっと面白いのが、闇の魔獣と融合した黄金の鎧が、闇照編スタート時みたいに黒ずんでいる点ですね。調べるとこの状態の鎧は「ガロ闇」というものらしい。

 黄金の輝きを失って黒くなった鎧を元に戻し、そこからさらに装着者の流牙の精神的成長でまた黒ずむわけですか。もっとも、一時的なものだったようで、すぐに全身金色の鎧に戻ってますな。

 この事態に、さすがにジンガも意外そうな表情。さらに流牙の剣に貫かれまして、一気に逆転の敗勢へ。と、たぶん初見時は思い込んだような気がしますが、どうやら依然としてジンガの想定内で事態が進んでいるような。

 いったんジンガを瀕死に追い込んで退け、ガルドが法剣でラダン封印を試みるわけですが、タイムアウトで失敗。それを見て取ったジンガ、なぜか自分で自分を貫き(ラダン復活に必要な生贄?)、しかし死ぬ前に莉杏に何か術をかけてます。偶然そうなったとは思いにくく、ジンガの最初からの狙いが今話の流れなのか。

 このジンガの動きの意図はパートナーのアミリにも知らせていなかったらしく、アミリの動揺はどうも演技ではない感じです。この辺りからの初見の記憶は割と残ってまして、莉杏内に逃げ込んだジンガがアミリを依り代として復活して、といったややこしい展開になるはずですね。それも残り5話ですから、かなり目まぐるしくなるはず。

●BASTARD(第17話:指輪)

「エデ・イーのリッチー」登場ですが、エデ・イーが種族名でリッチーが個人名ですか。ビホルダーでのD&D版権抵触から学んでの回避策なのかな。BASTARDはビホルダー問題で権利者に注視されるようになったはずですが、リッチ(ー)についてはその程度の回避で容認されるわけか。ビホルダーについては、よほどにD&Dオリジナルに被っちゃったということなんでしょうな。

 それはともかく、DS vs ネイの対決でネイに納得したせいか、ネイがヒロインポジションにいることを強く感じるようになりました。今話もそうでして、「DSの娘か恋人か」で揺れるところなんか、いい感じです。

 原作追ってるときは気が付かず、気にもしてなかったんですが、今話のネイの独白はよく考えたら衝撃的かも。『(DSの)娘のままでもいい』旨、言ってます。さんざ際どいシーンがあったわけですが、どうやらDSは恋人/愛人/遊び相手としてネイに手出ししていなかったらしい。でないと『娘のままでも』の台詞がネイから出て来るわけがない。

 となると、シーラ姫に向ける感情、ヨーコに向ける複雑な表情も単純な嫉妬とは意味が違ってくることになりそうです(さらにはDSがハーレム作ったことにネイが怒った意味も)。そこは(原作でも)はっきりとは明かされなかったように思いますが、今話のネイの「私を一人にしないで」と泣き喚く様子から察せられるものはありますね。

 どうもネイは「DSの娘」であることを選んだ感じです。選んだというよりは、自分(ネイ)の(過去~現時点での)本質を見つけ出した、といった感じでしょうか。そこがいかにもヒロインしてる感じがします。そこは、ネイを救うためにDSだけが深淵に落ちる覚悟で手を放させた点も、いかにも親らしかったのが大事なきっかけだったかも。

 ともかく本編ですが、エデ・イーのリッチー戦はちょっと無駄が多いかな。リッチーの侵攻意図として、50年前にDSが新魔術実験でリッチーの住処を吹っ飛ばしたことが挙げられているわけですが、リッチーによってあっさり否定されています。偽の理由提示だったわけですが、それ(リッチーの拠点破壊)で駆け引きがあったわけでもなく、何のためのドラマだったかちょっと分からずです。

 が、バトルは派手でいいかな。派手にしておいて次第に描写の迫力を下げ、それは3つ目の魔道具「サタン・リング」によるものとするのもなかなかいい運び。魔術対決のようでいて、それを上回るアイテムに目が行く流れですね(さらに前戦で回収されたデビル・メイスも絡んできて、「3つの魔道具とは何ぞや?」にも興味が湧く仕掛け)。

 こちらで「白魔術の効果が抑え込まれているような演出」と伺ってたわけですが、リッチーが行使した、劇中でも久しぶりの白魔法(神官魔法、神聖魔法?):覇邪霊陣(ストライ=バー)で思うところがありました。

 BASTARDの魔法体系はD&Dに強く影響されており、D&Dが攻撃魔法偏重ということと理解しましたが、BASTARDでは第1話(読み切り)で大神官ジオが覇邪霊陣(ストライ=バー)でDSの魔法を易々と封じてます。効果が個人レベルだとしても、(設定的に)破格の強力さといえそうです。

 そんな魔法、誰も彼もホイホイ使うようになれば、DSも敵も暴れられなくなる恐れが強い。そこが、白魔法全般を抑えめにする作劇にした理由の1つなのかなと思えます。ただし、覇邪霊陣(ストライ=バー)の強力さは敵が強くなればドラマに生かせるようになり、天使登場の際はヨーコがそれでかろうじて天使の攻撃を阻止するシーンがあったりしました。

 しかし今話での覇邪霊陣(ストライ=バー)はリッチーが元神官であることを示すくらいの役割でしょうか。大神官ジオも魔力を吸い取られていると感じてますから、種類関係なく魔法の威力は弱まってます。魔法は攻撃も防御も意味が少なくなっていき、代わりに浮上するのがリッチーが授かったアイテム:サタン・リングというわけですね。

 そう見せておいて、DSとネイのドラマを見せてくれるわけですね。DSはネイを救うべく、あえて深淵に飲み込まれ、いったん助けられたネイは迷わずDSを追って深淵に飛び込む。ガラがネイの剣の刃を握って救おうとするも、剣の束から既にネイの手が離れている描写、なかなかいい味出してます。

 DSとネイが深淵に飲まれ、さあどうなるかですが、次回で雷神剣&炎の剣が駆けつけて来るんでしょうな。3種の魔道具が揃い、アビゲイルも城内に侵入してますから、次のドラマ展開の段取りができている感じです。

Re: 5月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/05/05 (Fri) 10:50:25

 ゴールデンウイークで少しペースが乱れているので、たぶん手短かに。

 今回の話は全てが中途半端に続いたので、結論的なことが書きにくいというのもあります。

★ギーツ

 バッファが暴れて、DGPを壊滅に追い込む流れ。
 それをチラミが助長するかのように、犠牲を広げながら、視聴者のヘイトを集めていますな。

 そしてツムリの祈りに応えるように、復活したギーツですが、その矛先はバッファではなく、やはりDGPの運営に向かうことに。

 果たして今期エピソードの陣営はどういう形になるか。
 デザイアロワイヤルの目標や、敵味方の布陣がどう展開するかがまだ見えていないので、次回の景和復活や祢音の決断で物語の流れが左右されるわけで。

 それとツムリの立ち位置がどう変わるか、ですね。これまではチラミのやり方に不満を示しつつ、いまいち影が薄くなっていましたから、今後は大きく化ける可能性が。
 次期創世の女神ってことで、ツムリ争奪戦が行われる可能性もありますし。

★ファイズ

 ジェイが倒されたことで、新展開に。

 ラッキークローバーの反撃で、巧と木場がそろってピンチに。

 そこに現れる救世主が草加カイザになって、次回は逆転回になりますが、その次(22話)はさらなるピンチで続く予定。

 今は奇数話が解決編で、偶数話が前編に当たるので、毎週がヒーロー側のピンチでスッキリ終わらない展開が続いておりますが、リアルタイム視聴だと、普通にピンチのまま次回に続いて1週間待たされていたわけですから、こんな物かと。

 ただ、解決編で一安心って間がないのが、毎週、気を持たせる形ですね。
 今回はファイズのベルトが奪われて、敵がファイズに変身してピンチになりましたが、カイザの活躍で解決する予定。
 しかし、次はそのカイザのベルトまでもが……という流れで、第3のベルト、デルタの出現エピソードにつながるはずですが、そのデルタのベルトも敵に奪われて、ベルト争奪戦がどんどん広がる、と。

 主役ライダーも含めて、装着者がコロコロ変わって、ライダーバトルが錯綜するのが今作の特徴ですが、その要素の一部が次作の剣のレンゲルかな。

 ブレイド、ギャレン、カリスは変身者が変わることはありませんでしたが、レンゲルは落ち着くまで時間を要しましたね。
 それと同じくらい装着者が変則的だったのが、アギトのG3。基本は氷川さんでしたが、北條さんが装着したり、アギトの翔一が装着したり、G3の装着資格をめぐって氷川さんが苦労してましたから。

 前作龍騎でも、TVスペシャルで城戸真司がナイトに変身したり、いつもと違う人が違うライダーになって、レギュラー固定じゃない作風が井上敏樹の芸の一つかも。
 後のキバでも、イクサの装着者が変わったりしてましたし、
 ドンブラでは、リーダーの座を巡って、ドンモモとソノイとドンドラゴクウが対立する回があって(今やってるVS映画もそういう要素が入ってたり)、キャラの立場が不安定でストーリー展開に応じて、敵味方とかコロコロ変わって、落ち着かない作風、と。

 なお、ドンブラ映画は、TVのラストで記憶を失ったタロウが記憶を取り戻したところから始まる、ドンブラ解散→再編成の話です。
 ジロウのリーダー体制に限界が来て、ソノイの犠牲を経て、タロウのリーダー復帰につながる大筋だと思っていただければ(もちろん、途中で相当に錯綜しますが)。

 TVで生き延びてハッピーで終わったキャラが続編で散ってしまう展開には賛否両論ありますが、まあ、ドンブラの場合は死んだキャラもあっさり生き返る物語なので悲壮感があまりないかな。
 たぶん、来年にはソノイも帰って来ると思う。

 ファイズの1番の悲劇は、木場勇治の役者さんが早逝したことだと思います。
 草加も海堂も後の作品で再び巧と共演したりしましたが、一番のコンビにしてライバルキャラが絡めなくなったのは、本当に惜しいことだなあ、と。

★バスタード

 回を追うごとに、ネイさんが可愛く見えているんですけど。

 原作でもここまでの魅力を感じていなかったので、やはり声優さんの声で魂が入っているのだな、と。
 クールな戦士としての口調と、DSに甘えたり素敵だと絶賛したりする時の口調がギャップ萌えというか、声のトーンの使い分けがツボりました。

 ある意味、裏表のないストレートなヨーコさんにはない部分。
 いや、DS相手にしている時と、心の中でルーシェくん云々呟いているときの声が違うと主張することもできましょうが、自分の耳には入ってません(キッパリ)。

 まあ、ヨーコさんの見せ場は、第2部の成長後にあると思ってましょう。
 うん、DSが行方不明で、主人公の立場に立った時の方が、ヨーコさんは魅力的になるんじゃないかなあ、と公式サイトの絵面を見て想像しつつ。

 それでも現状の見てるだけな状態よりはいい。

 まあ、今回は地下倉庫に降りて行って、アビゲイルと御対面になりましたが、一応、物語の裏を探る的な勘の良さを示してくれたのはいい。
 ただ、ルーシェ以外への戦闘能力がほぼないのが問題ですな。せめて白魔術のバリアを張れたらいいのですが。

 ともあれ、次回はガラの見せ場になるか、と思いきや、まあ、美味しいところはDSが持って行くのでしょうな。

 リッチーは声で威厳を示しつつ、絵面がなあ。もう少し陰のある不気味さを示して欲しいけど、そういうのはアビゲイルとか後のアンスラサクスに持って行かれたんだろうなあ、と感じつつ。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/09 (Tue) 22:35:14

 定期感想書その1です。

●仮面ライダーギーツ(34話:慕情Ⅱ:ギーツの矛先」)

 デザイアロワイヤル(DR)開幕ということで、劇場版「MOVIEバトルロワイヤル」での同名のゲーム(?)との関連が気になるところです。英寿の回想に劇場版の映像出てましたし。こちらで伺ったのは主にゲーム内容と勝敗結果でして、主催者の意図とかは必ずしも明確ではなかったかと。

 劇場版では元ゲームマスター:コラスが無理矢理復権(造反?)してのDRだったとのことですが、TV本編のはDGPを創始したというエグゼクティブプロデューサ:スエルによるもの。ポジション的に運営の中枢が開催ということになりますと、DGPの本来の目的に近いDRということになるのかしらん(劇場版での主催:元GMはDRのフォーマットを借りただけとかか?)。

 DGPについては劇中での情報提示が割と錯そうしていた気がします。改めて思い起こしてみますと、自分的に最も気になるのが、古い時代から現代へと歴史の流れを追うように開催されているらしい点です。英寿の前世の記憶は2千年前の母ミツメから始まり、転生を繰り返してDGPを追いかけて来たことになってます。

 未来人は過去に自由に戻れるようですから、2千年前のDGPの次は現代、それから数百年前に戻って、とかできそうです。しかしそうせず、現実の歴史を追ってDGPを開催してきたらしい。節目は2千年前にあり、ミツメが創世の女神になってから過激化したわけですね。

 いろんな妄想ができそうなんですが、例えば未来人の世界を実現するには、過去のいろんな時点に干渉しないと成立しないため、DGPを開催して歴史を改変しているとか(つまり、本来の自然な歴史にはDGP運営が存在しない)。あるいは、(未来の)今ある世界に嫌気がさして、過去の歴史を歪めて未来世界のありようも変えようとしているとか。

 まあそんなベタなことではないんでしょうけど(^^;、劇場版では前作リバイスのラスボス:ギフに滅ぼされた地球外種族が登場したとのことですし、ギーツTV本編では未来人と現代人の間には子が出来ない(≒遺伝子的に別生物)なんてことをしれっと明かしてたりします。ですんで、ギーツ世界の枠の大きさが定まらず、この先の成り行きも予想しにくいように思えます。

 ともかくもDRの本格化は次回からのようで、今話はその出だしですね。JDPで道長/バッファが覇者となり「全てのライダーをぶっ潰す力」が実現した世界をリセットせずにスタートするもののようです。JDP以前のDGPでの英寿が叶えた願いも、おそらくは有効なんでしょうな。

 今までのDGPルール通り、ライダー脱落者は一般人と同じくDGPに関する記憶を奪われ、敗退者は消滅。JDPで消滅した英寿は本人にも分からない理由で復活し、景和は消滅したまま(おそらくプロデューサー:チラミも同様)。姉の沙羅が今の事態をどう認識しているかはっきりしませんが、悪夢の内容から考えますと、景和行方不明くらいに思ってるのかな。

 そこで腹に一物のケケラが画策を始めると。ベロバと語らったと思ったら、沙羅に接触してIDコアを渡し、景和/タイクーンが敗退消滅した記憶を取り戻させる。景和を無事取り戻したかったらライダーになれ、ということですね。さらに復活した景和には、DGP~DRのことは黙っておけと沙羅に口止め。でないと、景和の性格からしてDRに参戦し、また消滅するかもしれない。

 しかしケケラは景和も参戦させる気なわけですね。ベロバに約束した「とっておきの不幸」という狙いのためらしい。DRが始まり、祢音/ナーゴと沙羅/ハクビが五十鈴 大智/ナッジスパロウに苦戦するのを見せられた景和がタイクーンとして乱入。

 このままでも、最後に勝ち残るのはたった1人というルールからしますと、沙羅と景和は相争わねばならず、沙羅が祢音と戦いたくないと言っていることからすれば、景和と戦うのは不幸と言えそうではあります。

 しかしケケラは、どん底に落ちたら進化するみたいなことを言ってまして、景和を突き落としてみたいらしい。それがベロバも納得する「とっておきの不幸」ということなのかも。ケケラが急にいかにもな悪党の振舞になったわけですが、今までの景和/タイクーンに対するサポーターとしての応援の態度や、ジーンに対する警戒などを考えますと、ちょっと複雑な思惑がありそうな気もします。

 今話で意識したんですが、サポーターのうちジーンとキューンは気持ちを表す言葉ですね。ファンによくある気持ちです。DGP運営は目に関する言葉でした。これは「DGPを監視する者だから」だったのかも。

 ジャマト陣営はちょっと統一性ないみたい。ケケラという名前はどちらかといえば、ジャマト陣営にいてもおかしくないようなネーミングであるような気がします。一応、ベロバは「子供を笑わせるベロベロバ―由来」で、ケケラは「ケラケラ笑う由来」ということで、「笑うことに関する仕草」という共通性はなくもない。アルキメデルはジャマト運営で、ベロパとケケラはオーディエンス/サポーターであることで、分類が違うからネーミングも違うと考えてもいいのかも。

 それはともかく、DRのほうはJDPの結果が引き継がれて、道長/バッファが依然として無敵の強さのようですね。ライダーに戻って排除対象となったタイクーンを救援したギーツ(赤)/英寿の攻撃も一切通用しない。隙を作って景和らを連れて脱出するのが精いっぱいですか。

 それでもとりあえずは一難去ったわけですが、諺通りまた一難でして、DGPを存続させたい景和・祢音と、DGPなき世界を望む英寿の対立が発生。自分が人でないと知って世界から忘れ去られたい祢音はともかく(キューンが踏ん張るべきところでもある)、消滅した人々を取り戻したい景和は創世の女神≒ミツメを許せないゆえらしい。英寿は2千年前の前世の母:ミツメに罪はないと信じているようです。そこを英寿が証明できれば、また景和と共闘できるでしょうな。

 次回「慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い」では、公式サイトの説明では「ジャマトに奪われたIDコアの回収」がゲーム内容らしい。それだけ読むと「また、DGP~JDPの繰り返しか」という気がしてしまうんですが、上述しました通り、DRは劇場版でも出て来たもの。もう終盤突入の頃合いでもあります。今までとは違う流れがあるはず。
(予告で最も気になったのは、アルキメデルの台詞「私にも叶えたい世界があるんでね」だったりするんですが、今さらどう絡んで来る気なのかとも思うし、よく分からんです、orz。)

●仮面ライダー555(第21話:加速する魂、第22話:雅人の告白)

 後半(第22話)は脚本「三角の予感」前編となってますんで、一瞬「デルタってΔだから、もう登場なの?」と思ったんですが、第26話「デルタ登場」(脚本「デルタ出る」)まで待つ必要があるようですね。ただ、帰って来た草加が「流星塾のみんなも戦っている」という台詞がありまして、そこはデルタを意識した台詞だったのかも。

 それはともかく、錯綜のニアミスがいよいよ接近して参りまして、今話では特に巧と勇治ですね。555とホースという裏を知らないまま、生身状態で互いに信頼するほどに関係が密に。巧の正体を知る海堂や、巧に正体を見られた結花らは、偶然にかろうじて回避しつつ周りを飛び交っている印象です。

 ずっと維持されているこの状況はスリリングにしてややこしい。似たような感覚覚えた作品がありまして、アニメ「見える子ちゃん」(コミック原作)です。主要キャラクターは以下のような違いがあります。

 ・主人公:あらゆる物の怪が見えるが、人間のオーラは見えない。
 ・主人公の親友:物の怪もオーラも見えないが、物の怪を引き寄せるオーラを放つ。
 ・新しい友人:小物の物の怪は見えるが大物は見えず、しかしオーラが見える。

 3人の見えているものが違うため、誤解や行き違いとかが生じてハラハラします(例えば、新しい友人が主人公にとって危険な物の怪を知らずに引き寄せたりする)。しかも、それが下位を追うごとに深まる。そこがたぶん、555のニアミスと似ている気がします。かつ、自分がハマるツボであったりもするわけでして。

 555の場合ですと「見えているものが違う」というのが、キャラクターごとのみならず、例えば勇治1人にも生じているのが面白い点ですね。人間としての勇治には、(だれているようでいて誠実な)人間の巧が見え、オルフェノクの勇治としては、(巧の変身とは知らずに)オルフェノクの殺戮者としての555が見えている。「勇治の中で、異なる2つが実は1つと自覚できたとき、何が起きるんだろう?」みたいな期待が生じます。

 その期待が順調(?)に高まったのが前半(第21話)でして、先週後半ラストからの続きで別々に狙われて偶然に合流した勇治と巧からですね。555ギアを奪取して変身した琢磨逸郎から、かろうじて逃れ、2人は互いに「なぜオルフェノクに狙われる?」と尋ねる。

 2人とも正体は隠したいので曖昧な答えしか言えないわけですね。しかし、おそらくは2人とも、自分の事情はよく分かってるんで、相手にも事情があるんじゃないかくらいは思っていそうです。

 この時点で巧が555ギアを奪取されていたことがニアミスの錯綜を招いてまして、勇治としては、琢磨逸郎の変身した555が海堂を襲い、ずっとオルフェノクを殺戮してきたと思ったはずです。すぐそばにいる生身の巧が555の本来の変身者だとは知りようがない。

 巧は555ギアを敵に奪われたことを草加に(留守電で)知らせる。これは対立はしていても、(スマートブレインの)オルフェノクと戦う者同士としての巧の責任感なんでしょうね。しかしそれが後半(第22話)で、おそらく巧の想定を超えた作用をもたらすわけか。

 前半だけでも、カイザギアをも奪取しようとした琢磨逸郎/センチピード/555を草加/カイザが返り討ちにし、555ギアを奪還してますね。それが巧の手に戻り、今話の解決に寄与する。草加/カイザに敗れて555ギアも失った琢磨逸郎、今話では影響がはっきり描かれてませんが、たぶん次週以降に引きずりそう。

 状況は切迫していますが、巧と勇治はピザ店のバイトを続ける。生活費とかもあるんでしょうね。勇治陣営はスマートブレインのサポート受けてないし、巧陣営は啓太郎がクリーニング店を良心的な乱脈経営してるし。それに仲間に代打頼まれたら、嫌とは言えないのが2人の性分でもあるんだろう。

 2人分を1人で務めるわけですが、ピザ店が多忙すぎないせいか、巧が午前、勇治が午後と別々の時間帯勤務ですか。午前の巧のいい加減な働きぶりを、午後に店長が勇治に愚痴る。これは勇治に「妹(真理)に苦労かけていた、いい加減な兄(巧)」(車上荒らし未遂時)を思い起こさせる作用があるでしょうね。

 ところがピザ店にワイン(影山冴子の死の予告)が届く。店長は事情を知りませんが、冴子がスカウトした大野木と一緒に見てますな。大野木は「裏切り者が2人」と言ってまして、この時点では勇治と、おそらくは巧だと思わせる台詞です。

 ところが狙われたのが店長ですか。人を殺めないオルフェノク(ドルフィン)だったわけですな。余談ですが、この店長の名前はウィキペディアでは「野間茂久」となってます。しかし、他のネット情報(仮面ライダーWEBの仮面ライダー図鑑等)では「青木茂久」と記されていたりする。

 あれと思ってもう少し調べますと、放映の後で設定が変わったらしいですね。どうやら「青木」が他のキャラクター(第3話の青木?)と被ったせいらしい。ただ、そこまで配慮するのはあまり意味がなかったとのネット評がちらほらでした。しかし、制作がいろいろ気を使って作ってるんだなということは感じ取れます。

 それはともかく(^^;、冴子がスカウトの大野木/スコーピオンに追われた店長を配達帰りの勇治が発見、直ちに救いに入る。間がいいのか悪いのか、巧も遭遇しまして直ちに加勢。しかし、2人とも正体を知られたくないし、巧は555ギアを奪われ変身できない(が、巧もオルフェノクと分かって観ていると、巧の動きが興味深い)。

 しかし正体を現わせない枷が、かえって2人の距離を詰めることになろうとは。オルフェノクになると生身の人間時でもある程度の力が出るようですが、怪人態のオルフェノクに敵うべくもない。それでもボロボロになっても退かず、2人して店長を救うに必死ですし、互いにかばい合う。

 変身してない生身のときにヒーロー魂を見せ合ってる感じですね。かろうじて店長を逃すことに成功ですが、これがかえってまずかった。冴子が単身追って来てまして、生き残りたければオルフェノクとして人を殺害せよと迫り、店長はついに屈服。ただし、店長の理由がピザ作りである点が実はいわゆる蜘蛛の糸だった模様。

 店長はドルフィンオルフェノクとなって、さっき救ってくれた勇治と巧に襲い掛かる。しかし巧にピザを突きつけられ、店長/ドルフィンは動揺。お客さん(人間)に喜んでほしくてピザを焼きたいのに、その人間を殺害していいのか、といった迷いなんでしょうね。それを突きつけた巧も、直前では午前のふがいなさを償おうと午後出てきて、店長を感心させてるわけですし。

 しかし、大野木/スコーピオンも加わってしまって店長/ドルフィンに選択の余地はなくなり、巧は囮となって勇治を逃がす覚悟を見せる。そうならば、と勇治も腹を括り、自分も囮となり、敵を分断する策に。ここにおいて、生身時の巧と勇治は互いに背中を預けて戦う信頼ができたといえそうです。

 離れ離れになれば勇治はホースに、巧は草加が奪い返してくれた555ギアで変身可能に。巧は草加から新アイテムも授かってまして、これがアクセルフォームですか。ディケイドの「カブトの世界」でのスピード対決に出て来たオリジナルがこれでしたか。

 なるほど速い。さすがにオルフェノク勢は初めてでもあって対処できず、スコーピオン/大野木は撃破され、冴子/ロブスターもダメージ受けて撤退。店長/ドルフィンも生き残りましたが、どうやら555/巧が手加減したらしい。「あんたは人間だ」からですか。いい面を持つなら、それで生きていって欲しい。ちょっとWの翔太郎を思い出すものがあったりします。
(これほどのアイテムを、警戒心が強い草加が巧に与えた理由が気になります。)

 店長についてはなんとかハッピーエンドに辿り着きましたが、それをもたらした巧はその分不運になったか。555の姿をホースとなって逃れてきた勇治が目撃、自分たち(勇治、巧)を襲ったオルフェノクの殺戮者に対して激怒してしまう。

 そこは巧/555が離脱の戦術をとったため、かろうじて回避。ですが、巧はホースに、勇治は555に火に油の怒りようになってしまうと。後半(第22話)冒頭ではしかし、またも生身状態で巧と勇治が仲良く会ってまして、生身時の友好が刎頚の友くらい深まっただけに、さらに一触即発の怖さが増してます。双方、オルフェノクに襲われる理由をさらに知りたくなっているようですしね。

 後半(第22話)タイトルは「雅人の告白」でして、脚本「三角の予感」前編。上述しましたが、デルタのことかと思ったら、ストレートにほぼ三角関係という意味だったようです。結花の愛情がなかなかに健気でして、海堂が好きだからこそ、海堂の望む恋を成就させてやりたいと。それが結花の地なんでしょうな。不良を嗤って殺害したのは、虐待のストレスゆえに歪んだ、一時の感情だったか。しかしメル友の啓太郎はすっかり忘れてる点も気にはしておこう(^^;。

 しかし、海堂に内緒で結花は勇治とともい真理に会って、なんとか海堂に接近させようとするも、真理が海堂を相手にする気なし。海堂を貶す真理に対する結花の目がまたもや怖いんですけど、それでも真理は海堂については譲らない模様。

 やむなく勇治が海堂に真理を諦めるよう説得するのを、結花は見ているだけですね。海堂は「余計なことしやがって」と怒って飛び出してしまう。まあ、海堂の気持ちは分かる(^^;。ただし観ていて「海堂め、なんで結花に感動できんのだ」という気持ちも生じます。

 一方、巧陣営では草加が真理にアプローチ開始ですな。クリーニング配達車で2人きりになると、じわじわ言い寄ってますな。しかし、これも真理はやんわり回避。真理は勇治らに海堂のことを説かれたこともあり、巧に相談すると。そこで真理が海堂や草加を断る理由の1つが示されまして、「木場さんのこと、好きなのかな」と。

 巧は「長田さん」に恋する啓太郎は、(長田)結花がオルフェノクと知っているため止めようとしました。が、勇治もオルフェノクであることは知らない。人間として、身を挺して自分(巧)を守ろうとしたと信じている。だから「あいつ(勇治)なら、いいかな」と賛成。

 もっとも、この状況どうなんでしょうね。真理は普段は馬が合う啓太郎ではなく、突っかかりがちな巧に相談したわけで。まあ、啓太郎は頼りないということはあります。それにしても、第1話からギクシャクしながらも離れ離れにならず/なれず、大事なこととなると巧に相談となりますと、真理の巧に対する気持ちが推し量れる気がします(たぶん、真理は意識できてないんでしょうけど)。

 巧陣営で真理が信頼できそうなのは草加ですが、言い寄って来た相手では相談できない。その草加が真理と巧の会話を聞いていたんで、えらいことになりそうですな。海堂を貶されたときの結花と比較にならないくらい、草加の目は怖く、血相変えてます。ここもギリギリのものがありまして、上述の通り、真理が少なくとも言葉の上では巧に気持ちが向かってはいないため、草加の憎悪が巧には向けられなかった。

 草加がまず追ったのは、真理の本命となりそうな勇治ですね。飛び出した海堂を追った勇治に接触してくる。海堂は真理からは恋愛圏外なのが、海堂には幸いしたかも。草加は怒り狂ってるかと思ったんですが、勇治と人けのない廃倉庫(?)で対面した草加は混乱しているようです。

 それだけでなく、草加は勇治が自分を知っているはず、みたいなこと言ってます。そこは謎なんですが、「君(勇治)を知りたいのか、殴り飛ばしたいのか」とか、普段は他人に対して(表面的かもしれないけど)冷静さを崩さなかった草加が混乱を隠さない。

 どうなるか、と思ったんですが、オルフェノクが急襲して会話中断。オルフェノクはスケボーに乗った青年でして、スマートレディ~冴子がスカウトしたワームオルフェノクですか。これに対処するバトルで、草加/カイザと勇治/ホースは互いの正体を知るも、直ちに共闘関係を結ぶ。敵に対する覚悟が個人の感情を上回ってるようでして、さすがに草加であり勇治であるといったところでしょうか。しかし、このバトルは次週に持ち越し。

(このスケボー青年がラッキークローバーの北崎かと思ったんですが、どうも藤田さんではない。「浩一」という別人物だったようです。藤田さん演じる北崎、第28話登場でまだ先だったんでしたorz。)

 一方、真理は連れ立って歩く巧に、言い寄って来た相手が草加だと告げる。草加の暗い感情面を知る巧は驚くわけですが、こちらもそこでオルフェノク急襲で会話中断。こちらのオルフェノクは「サラリーマン風の男」がワームオルフェノク(スケボー青年:浩一)にオルフェノク化されたシーキュカンバーで、琢磨逸郎がスカウト。

 琢磨逸郎/センチピードが仲間まで連れて巧を襲ったのは、琢磨逸郎の自信のなさゆえなんでしょうね。一度勝っている相手に、助っ人まで連れてくれば勝てると。ジェイ敗退で不安になり、勇治に止め刺しそこなって動揺し、おそらくカイザに敗退して555ギアを奪還された。巧1人のときを狙っての2人がかりの襲撃は、表面的には自信を崩さずとも、琢磨逸郎の内心の恐怖が現れているようです。

 その万全を期したはずの琢磨逸郎の戦術も、巧/555がアクセルフォームを手に入れていることを知らないか計算に入れてない。シーキュカンバー/「サラリーマン風の男」はたちまち撃破され、センチピード/琢磨逸郎も大ダメージ負って撤退。たぶん、琢磨逸郎の恐怖心は高まりそうです。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/11 (Thu) 01:13:17

 定期感想書その2です。

 木場勇治役の泉政行さんのこと、先の555の感想ではどうしても書きそびれてしまいまして。ジオウのフォーゼ&555編のとき、どう思ってたんだか思い出せません。泉政行さんの早すぎる病没のこと、今の今まで意識していなかったのは間違いない。

 ジオウでは555から巧と草加がレジェンドとして出てくれたわけですね。555での2人を予習してみると、草加は勇治により死亡となっています。その後、勇治も死亡している。しかしジオウには草加が出てきた。そこが泉政行さん病没のため、ドラマの組み立てが巧と草加になった理由でしょうか。555編とフォーゼ編が1つにまとめられたのも、そこが理由だったのかも。

 555はまだ視聴中ではありますが、ジオウには勇治も出てきた方が自然な気がしてきました。なにせ巧と勇治がややこしくがっちりつながった印象深いドラマを観たばっかりですんで。555もちゃんと観たファンなら、ジオウで「泉政行さんがお元気でさえいてくれたら、このドラマは」と強く思ったんでしょうね。いずれ東映公式Youtubeでジオウ放映となったら、自分もそう思うに違いありません。

●牙狼:翔編(第19話:心)

 気を取り直しまして、牙狼感想。莉杏の精神世界と外のリアル世界での両面作戦ですね。前は魔鏡に捕われた流牙と外の莉杏との気持ちのつながりが鍵でしたが、今度は外の流牙と心の内に閉じ込められた莉杏。ややこしいのは、外にも莉杏がいて活動してまして、精神がジンガだったり莉杏に戻ったり、莉杏の心中でのせめぎ合いでくるくる入れ替わる。

 その辺り、たぶん自分は初見では混乱していたんじゃないかと思います。内と外で戦っていた、ということは覚えているんですが、誰がどこでどうしてたか、どうも覚えていません(^^;。よく覚えていないときって、たいがいよく理解していないときです。しかし今回はきっちり分かりまして、感想書きつつ再視聴した甲斐があった気がします。

 ともかく本編。前話でジンガが莉杏に何かして消えたのは、自分の精神(魂?)を逃がして生き延びるためだったわけですね。ただ、今話冒頭で明かされたのは、どうやらジンガは流牙を狙ったんだけど、莉杏が流牙を庇って身代わりになったこと。そこはジンガとしても計算違いなんでしょう。

 しかし、ジンガは切り替えが速いようで、莉杏に入ってしまったらしまったで、ともかくも莉杏を乗っ取ろうといろいろしてくる。莉杏の精神世界であってもジンガは極めて優位のようで、たちまち莉杏の心の最後の砦みたいな家まで追い詰め、さらに外壁等を破壊。莉杏はたった1つ残った部屋で抵抗するしかなくなる。

 ただ、その部屋まではジンガも侵入できないらしい。莉杏が諦めない限り、のようです。そこでジンガは莉杏の動揺を誘い、攻略を試みる。その戦い(舌戦・心理戦)のシーソーゲームが外の世界の莉杏の体を、どちら(ジンガ or 莉杏)が支配するかを決めているようです。

 とりあえずは、外の莉杏の体は人事不省状態でして、ダイゴは莉杏ごとジンガを滅ぼすべきと主張するも、流牙は反対。とりあえずリュメ様の番犬所に運ばれることに。ラダンは復活し、ダイゴの一撃を跳ね返して、悠々と飛び去る。こちらはガルドとダイゴが追跡することに。ジンガ復活を目論むアミリもラダンに気が付きますが、接近しても弾き返されてますな。どうやらラダン、人を選ぶらしい。

 ラダンを追ったダイゴとガルドがちょっと面白い。ダイゴが果敢にラダンに撃ちかかったのは、ダイゴの性分ゆえに見えたんですが、どうやら封印に失敗したガルドをフォローしたくてのことらしい。それに気づいたガルドの戸惑いとか、ダイゴの照れ隠しとか、ちょっとホッとするものがあります。ジンガの拠点侵入作戦で少し打ち解ける気配がありましたが、あれよあれよで盟友レベルとなったのか。

 その結束が感じられましたんで、ダイゴがアミリを、ガルドがラダンを追うべく分かれても、なんだか安心できる気がします。ただ、ガルドは封印失敗で自信喪失しており、妹ハルナも不安ゆえの弱気で乱れてますな。もっともハルナが動揺することが、ガルドに活を入れている感じもあります。兄として妹を守りたい気持ちは強さであるようです。「守りし者」が強いのは、そういう面があるんでしょうな。

 一方、番犬所では莉杏の意識が戻ったと思ったら、ジンガであるわけですね。ジンガ(莉杏態)のとりあえずの勝利条件はアミリと合流することにあるらしい。ジンガ(莉杏態)に対しては流牙が阻止に入り、アミリのほうはダイゴが止めんとする。さらに莉杏の体を支配するのはジンガか莉杏か、莉杏内面の戦いも流れを左右すると。

 内では舌戦、外では生身バトルでして割と地味なんですが、勝敗を決める要素が複雑にして激しく動き、ドラマの緊張度は高いですね。しかし、後で思い返してですが、ちょっと笑ってしまったところも。外の高所での、ジンガ(莉杏態)と流牙の対決シーンです。

 ジンガは莉杏の心中を読み取り、流牙に莉杏の本心:流牙と生きたい(=流牙を(男性として)好きである)ことを教える。が、ラブコメによくある鈍感主人公よろしく、流牙は「俺も」みたいなこと言いつつ、恋愛感情であることに気が付かないと。そこでジンガ、「だーかーらぁ」みたいな感じで一生懸命、恋愛感情であると示唆、結婚したがってるぞとまで言うわけですね。

 懸命に流牙と莉杏の仲を取り持つジンガというわけで、しかも姿は莉杏なわけですから、ちょっとシュールですらあって、思い出すとクスクス来るものがあります。しかし、さらに考えてみますと、戦術的にはジンガ流の優れた揺さぶりでしょうな。莉杏を失いたくない流牙の気持ちをさらに刺激し、流牙の剣を鈍らせる狙いがあるはずです。ときどき莉杏の体に莉杏の意識が戻るのも、流牙を揺さぶるべく、ジンガが意図的に行っているのかも。

 しかし、どうやら逆効果だった模様。流牙は今まで莉杏をバディ優位で見ていたようで、逆に莉杏は恋人優位で考えていたらしい。しかしこの危機に至って、バディ意識と恋人意識がバランスして融合した感じがあります。男女として生死を共にするパートナーの道が開けたといえましょうか。

 これで莉杏が精神世界で覚悟を決めまして、しかし「ジンガを受け入れる」と不思議なことを言う。単純に考えると敗北宣言ですが、どうやら「受け入れることによって捕らえる」(肉を切らせて骨を断つみたいな)ということらしい。予告映像では椅子に捕われたジンガの姿が見えます。この後、アミリがジンガを取り返して、ジンガがアミリの体を乗っ取って、のはず。ラダン打倒もせねばならんし、残りたった4話なのに課題山積ですね。

●BASTARD(第18話:秘剣)

 見せ場はリッチー vs ガラの一騎打ちですね。しかし、少なくともガラがどう出るかは下忍解説で事前にしっかり語られてしまい、「その手があるのか」とか「まだ隠し持っていた技が」みたいな、あっと驚くことがない進行になってます。もっとも、バトルの中核はガラの覚悟ともいえまして、「こうするとこうなる」と分かっていてもよい、ということなんでしょうね。

 リッチーが持たされたサタン・リングについても、地下倉庫でヨーコが遭遇したアビゲイルが教えたがりでして、過剰なネタバレをヨーコがかろうじて防いでいる状況です。

 もっとも、あれもこれも分かるようにドラマ作りしているからこそ、主人公DSとヒロイン:ネイの帰還が意外で映える作劇になっているようです。原作知識は一応ありますんで、2人が帰ってくることはもとより、そのタイミングも、どうして帰って来れたかも既に知ってはいます。しかしこのアニメを観ていて、リッチーが不意打ちされる瞬間≒DSとネイの帰還で「よっしゃあ」と思えるのは、そこだけは劇中で「予告」されてないからなんでしょうな。

 帰還の伏線の張り方もなかなかの手際ですね。イフリート/炎の剣、ヌエ/雷神剣が鍵となるわけですが、両剣が異空間に飛ばされてから今話まで、少し間をおいています。かつ、そこは「イフリートが我が身を犠牲にしてDSを守った」と意味づけられ、エピソードとしてオチが付いた格好なんで、観ている/読んでいるこちらはいったん忘れてます。

 しかしDSとネイが帰って来てみると、両剣も異空間に飛ばされたことが思い出され、剣であり魔物ですからリッチーの言った状況(空気すらない)で生存できることが理解でき、DSとネイを守っていたと言われても納得できる。ここは原作がしっかり意外な展開をきちんと準備して作ってあるところですな。

 それはともかく、上述しましたが、ガラの覚悟を見せてもらえる一騎打ちはやはり分かっていても、ベタでも燃えるものありです。原作追っているときは、そうでもなかった気がするんですが、やはりこのアニメの制作が上手いということなのかも。

 原作を連載で読んでいたときは、確か「行き詰ると上位の必殺技が出るのか」みたいな、ちょっとガッカリ気分があったような気がします。奥義の魔人/神剣が破られると、最大奥義の真・魔人/神剣。その真・魔人/神剣が通用しないと、命と引き換えの慶雲鬼忍剣。そして死ぬ死ぬ詐欺(^^;。

 このアニメですと、まだ奥の手があることにガッカリ感がありません。たぶん、観ていて知らず知らず「ここはガラに何とかして欲しい」と感じ、「さらに強力な技出してもOK」と思えるような作りになってるんだろうと思います。死ぬ死ぬ詐欺も同様ですね。死ぬ死ぬ手品であって欲しいと、意識せずに望んでいるようです。

 エデ・イーのリッチーについては、今際の台詞「破壊神なんぞより遥かに高いあの力の謎が」が意味深ですね。原作でのこの先を考えますと、「あの力」の候補は複数考えられそうです。破壊神アンスラサクスを依り代にした、遥かに強力な天使の力かも(対立する悪魔の力も含まれるかな?)。旧世界の魔法(科学)という線であれば、アンスラサクスを封印したとされる竜戦士。もしリッチーの台詞が竜戦士を意図していたのであれば、その乗り手であったDSに倒されたことになり、何とも因果な最期ということになります。

 しかし、最も強く印象に残ったのはリッチーを倒して、ガラも無事復活(?)してからです。ガラとDSが口喧嘩しつつも、手はネイの取り合いするシーンですな。これも原作にあったとは思うんですが、このアニメ版でネイのヒロイン性を初めて感じるようになったせいか、見せられてから「そういうのが見たかったんだよ」という気分になりました。

 こちらで「声優さんの声で魂が入っている」と伺ってみると、絵だけじゃないというのは納得です。が、演じる日笠陽子さんは、自分的に別のイメージもあったりします。声優としてではなく、Eテレ高校講座「書道」のナビゲーター/アシスタントとして、顔出しのご出演の印象が強烈でして。冒頭から「頼もー!」と叫んだりして、ともかく終始元気いっぱいの明るさでした。かつノリが軽い(^^;。

 もちろん台本あって、演出もされての演技ではあるんですが、日笠陽子さんがそういう人みたいなイメージになってしまいます(^^;。加えて、声優として日笠陽子さんが演じた、印象に残るキャラクターが少ないこともあります。「ノブナガ・ザ・フール」のジャンヌとか、「鉄血のオルフェンズ」のラフタくらいでしょうか(かなり以前ですね)。

 しかしその印象の日笠陽子さんが、この冷酷から健気に振り切るネイを演じてくれているわけで。ネイに見入ってますと純粋に感動するんですけど、リアルの日笠さんを思い出すとちょっと混乱したりしています(^^;。

Re: 5月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/05/12 (Fri) 00:59:49

 ゴールデンウィークの間に、「来年、ファイズの続編映画がやる」という情報が出てきて(令和5年5月5日というタイミングを合わせた発表)、一応の話題ってことで。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f6d86970b547ae978951896a1bdfa153f66deda4

★ギーツ

 新展開のデザイアロワイヤルってことで、年末劇場版の物語もパラレルではなく、TV版とつながっているような回想映像が見られました。

 すると、景和の中に秘められた闇(仮面ライダーエビル=カゲロウがそれを感じてビビる)の伏線が発動するのも近いのか。
 ここまで、そういう闇を掘り下げることはなかったのですが、姉の沙羅さんがライダーバトルに参入して、傷つけられたことで、導火線に火がついたようになったのかな。

 一方、ギーツがDGPと対立する動きを示したことで、DGPで願いを叶えることを重要視する景和や祢音と対立関係になる。
 とは言え、バッファと共闘関係になるかは微妙だし、まだ陣営がどうなるかは未確定ですな。

 ジーンやツムリが、英寿に対してどういうスタンスで臨むのかも、まだ明示されていないし、
 一番、大きく変化したのは、景和サポーターのケケラと、JGPの立役者のベロバが手を組んだこと。でも、それぞれの推しの景和と道長は対立関係なので、不安定な関係だと思うけど。

 ともあれ、しばらくバッファの無双状態が続いて、6月頭ぐらいにギーツのTV版最終フォームが出て逆転するんじゃないかなあ、と推測。

 景和の方は、スピンオフで2022ミライダーのシノビと共演する話が発表されましたが、そのシノビフォームはTVに反映されるのか。
 ギーツのパワーアップに伴い、タイクーンもパワーアップがあるかもしれない。

 あとは、ツムリが変身するかどうか。
 そして、意外な伏兵として、祢音のパパが変身する可能性も想定しておきます。

★ファイズ

 流星塾の地下教室にずっと閉じ込められている2人の作業員が、再びスポットが当てられて、長い伏線が張られていたなあ、と。

 地下に閉じ込められているのはゴートオルフェノクの花形さん、つまりスマートブレイン前社長にして、真理や草加らの養父です。
 この地下教室が今後のドラマのポイントになったりしますので、一応の感想伏線ってことで。

 あとは錯綜する巧と木場と草加の関係ですな。
 互いの正体が秘密だったり、明らかになったりで、どう展開するか予想がつかなかったのがリアルタイム視聴時でした。

 海堂や結花は巧がファイズだと知っているのに、木場は知らないということで、情報伝達が上手く行ってないとか、
 逆に巧は海堂と結花がオルフェノクだと知っているのに、木場だけオルフェノクだと知っていない。
 でも、まあ、最大の謎は巧自身がウルフオルフェノクだという一番のサプライズですな。夏の劇場版で初公開されて、その後、少ししてからTVでもその秘密が明かされて、チームファイズの崩壊劇に至ってしまうという。

 とりあえず、ファイズギアが何度か巧以外のオルフェノクの手に渡って、巧以外の人間はファイズに変身できないのに、オルフェノクは普通にファイズになってるし、巧ももしかして? と何となくの予想だけはされていても、いや、まさか……って流れで、オルフェノクが支配する未来が描かれる夏の劇場版がいろいろショッキングな展開だったのも懐かしい。
 劇場版パラダイス・ロストはいつ配信されるかな、と期待しつつ、ファイズのベルトとカイザのベルトが共に奪われて、どないなるねん? と思わせたのが24話。
 変身できない巧と草加が共にピンチで、それを救うのが……は、今週じゃなくて、来週の楽しみですか。その後がデルタ登場ですね。

★バスタード

 思ったよりも、ガラが健闘していたな、と記憶よりも格好良い死闘に感心。

 一方で、語りたがりのアビゲイルが(今は)敵役ながら、お茶目でいい。前回は、大ピンチのヨーコさんでドキドキハラハラだったのに、緊迫感が維持できないのか、杉田智和氏の声ゆえの面白さなのか。

 ともあれ、今回はリッチーとの戦いがメインで、次回はネイがアビゲイルと一戦交える話。
 DSが戦えば圧勝するのは分かっているので、他のキャラの見せ場の方が楽しい作品だと分かってます。
 死闘を繰り広げるサブキャラの魅力が引き立つと、バトル漫画としては、推しキャラを応援する楽しみが出て来ますな。

 ともあれ、今回はガラがリッチーを奥義で追いつめなければ、リッチーがリングの力で異世界のゲートを開けることもなかったので、DSたちが帰って来れない(DSが自力でゲートを開けられない模様)、ガラの奮戦には意味があった、と。
 原作を昔、読んだときは、ガラの奮戦の意味が読み取れていなかったので、少しガラを過小評価していたかな、と思います。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/16 (Tue) 23:07:42

 定期感想書その1です。

●仮面ライダーギーツ(第35話:慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い)

 DGP存続を賭けているはずのDRですが、内容はゲーム「ジャマトに奪われていたIDコアを取り戻せ」ですか。もっとも、IDコア最多奪還した者は脱落者を指名できるルールで、ターゲットは無敵のバッファ/道長となるわけですね。

 今までもGMのチラミ/グレア2、ジーン、ギーツ/英寿を寄せ付けず、今話でもハクビ/沙羅&ナーゴ/祢音を圧倒してます。沙羅とは戦闘エリアでは生身でもタイクーンとしても姿を見せられない景和が、かろうじて脱出のチャンスを作るくらい。

 それでもゲームならばと暗躍したのが策士の五十鈴大智/ナッジスパロウですね。おそらくは誰も彼も騙すつもりで、その下準備として組める相手を探し始める。まず英寿に接触するわけですが、DGP廃絶を考える英寿には取りつく島もなし。

 そこで次に大智が接近したのが、DGP存続派の祢音と沙羅。沙羅にはこっそり景和が付き添っているため、自動的に景和も仲間にできる仕掛けですね。これは大地の思惑通りとなる。後で裏切るつもりですから、ゲーム勝利条件のIDコアを沙羅に渡しもするし、平身低頭も厭わない。

 が、DGP廃絶で一致する英寿と道長には見抜かれているわけですね。大智は沙羅と祢音を誘導しておいて、道長に連絡して襲撃させようとする。大智は「ナーゴとタイクーンの『きょうだい』が」と言ってますんで、沙羅にこっそり付いて来る景和も葬れると踏んでるんでしょうな。

 しかし策士策に溺れまして、道長/バッファは大智/ナッジスパロウを屠りに現れてしまう。英寿のほうは、おそらくは念のため、祢音&沙羅(と景和)のほうに向かってますな。大智の謀は読まれてしまうともろいものでした。立ち向かうことも逃げることもかなわず、ナッジスパロウ/大智は敗退。ただ最後の台詞は負け惜しみなのか、それとも復帰する算段があるのか。今までも大智は(もしかすると英寿以上に)復活して来ましたんで、性懲りもなく(^^;)戻って来てくれても面白いかも。

 それはともかく、アルキメデルが突如乱入。前回の予告で聞いた「私にも叶えたい世界があるんでね」は、このシーンの台詞でしたか。アルキメデルがナッジスパロウのIDコアを「肥料」として奪っていきましたが、大智復帰はその「肥料」から起こるのかも。ケケラがアルキメデルに「こいつは使えそうだ」と反応している点も気になります。

 一方、DGP運営ではエグゼクティブプロデューサー:スエルがナビゲーター:ツムリに「(この現代世界の)賞味期限が過ぎれば(DGPを)打ち切る」と言い、スエル権限で復活したニラムも撤収準備を指示。ただ一緒に復活した晴家ウィンが気になります。運営スタッフではありますが、何のための復活なのか。チラミでもよさそうなところ、わざわざウィン。うーん分からん、という感じです。

 スエルらの動きを見てますと、DRが茶番に思えてきます。そもそも、DGP運営が叶えると約束した望みが「DGPのある世界かない世界か」。自らの存立を賭けるのは、ちょっとあり得ない。実際、DRの結果いかんにかかわらず撤収するようですし。単にショーのフィナーレとして、オーディエンスにライダー同士の戦いを見せたいだけなんじゃないかしらん。

 おそらくそこを分かっているので、英寿と道長は独自路線でDGP壊滅を狙ってる感じです。ただ、今やってる前哨戦は乗り気なのかもしれない。一応、IDコア回収を気にしている様子があります。道長と英寿としては、道長脱落を防ぎたい意図があるかも。英寿か道長がIDコア最多奪取すればいい。

 仮にそれが成功したとしますと、沙羅と景和の問題も解決の糸口ありそうですね。姉弟で戦うことを避けるには沙羅を脱落させればいいわけですんで。

 次回「慕情Ⅳ:かりそめの共闘」では、ウィンが独自の動きを見せるみたいですね。なぜか英寿に協力して、母親(ミツメ)について調べるらしい。パンクジャックについては、21日からスピンオフが放映されるとのことで、もしかするとそれと併せて観ないと分からない部分出たりするのかな。

 道長/バッファのほうは無敵にも弱点があることが示されるみたいですね。仮面ライダーWEBによりますと、バッファはライダーに対しては無敵ながら、ライダー以外、つまりジャマトならば対等に戦えるみたい。なんだかバッファ、アキレス腱だけ不死身にし損ねた英雄アキレスみたいな気がします。

 それにしても英寿側の行き詰まり感はあります。道長とは共闘が成るも、DGPをどうするか、DRでどう戦えるかは運営次第ですし、もう撤収準備すらしている。こうなりますと、こちらで伺っていたギロリ復活というの、自分も期待したくなってきます。

 GMとして暴走して退場したギロリですが、DGPに対する熱意もポリシーもあります(ツムリとちょっと方向性違うみたいだけど ^^;)。DGP側で波乱を起こしてくれるとしたら、ギロリかな。ジャマト側はアルキメデルですね。

●仮面ライダー555(第23話:偽りの友情、第24話:闇への扉)

 放映順序としては前後しますが、自分はドライブを先に視聴しているため、ラッキークローバーの琢磨逸郎を「ブレンみたいだ」と思ってしまいました。前半(第23話)序盤で、またも負けた琢磨逸郎がベソかいているシーンです。キザなメガネキャラクターがどんどんヘタレていき、前話まではかろうじて己を支えようとしてましたが、今話になりますともう落ち込みを隠さない。

 そういう琢磨逸郎を影山冴子があやすように宥めるわけですが、ブレンに対して(ハートへの近さから)優位ぶるメディックを思い出すものがあります。冴子の琢磨に対する態度は、メディックのブレンに対するそれと方向性は違うわけですが、なんとなく似た雰囲気を感じてしまいまして。

 今週分ではまたも地下に沈んだ流星塾のシーンがあったわけですが、そこをうろついている(?)オルフェノクがスマートブレイン前社長の花形と伺ったお陰で意味が見え始めた気がします。ウィキペディアの「花形」の項に書いてあることも、シーンに結び付けて理解できます。

 後半の予告で、流星塾に迷い込んだ作業員が拘束されているカットが見えましたが、花形の「冷酷非情な一面も持ち併せている」(ウィキペディアより)を表すものでしたか。しかしそれも「オルフェノクは滅ぶべき存在である」(同上)という考えからのようで、そこは今週の草加の行動と軌を一にするものがありそうですね。

 その草加が今週のドラマを動かすメインとなってますね。執着を露わにし始めた真理、というよりその周辺に対しても、スマートブレイン社に対しても、積極的に権謀術数。偶然にもギーツで五十鈴大智が策を弄しすぎて自滅してまして、対比が面白い。大智のは事前の準備こそ周到なものの、相手に裏をかかれたりの状況変化への対策がない。当てが外れたら負け確定でした。

 草加のは、往々にして感情などで行き過ぎたりするものの、それに対する相手の反応とか、偶然のアクシデントを利用してのフォローが上手い。例えば、真理が「好きかもしれない」勇治に対して、オルフェノクの「醜い姿」と言って諦めさせようとしてました。これに対して勇治がどうやらカチンとくるものがあった感じです。

 しかしそこへ突然のスケボー青年(浩一)/ワームオルフェノクが乱入したことを利用、直ちにカイザとなって対処して、勇治の信用をつなぎとめてました。直前のシーンでも、草加が巧が煙たくて「あんな奴(555=巧)と一緒にするな」と言ったのを、勇治が「あんな奴=オルフェノク処刑人の555」と勘違いしたことを利用して信用させてるわけですね。

 しかし、草加は感情的になって「あんな奴」と口走ってしまったわけで、裏表使い分けてはいますが、冷静な策士ではなさそう。特にこのところの草加が感情が先走っているような。真理への告白~求愛についても、熱心というよりは切迫しています。真理が恐怖を感じていそうなほどですね。

 さらにそういう草加を止めた巧に殴り掛かろうとしたり、おそらくは本音を怒鳴ったり。しかしフォローしていくわけですな。翌日は何食わぬ顔で皆と一緒に朝食の席に着き、こっそり真理に謝る。真理がそれでも避けると、深追いはしない。硬軟取り混ぜてるわけで、草加の相手をしていると混乱しそうです。混乱すると、拒否すべきか受容すべきか判断がつかなくなり、とりあえずモラトリアム状態になる仕掛け。

 そこは勇治も混乱させられているところでして、草加の「醜いオルフェノク」の台詞でムカッとさせられたと思ったら、ワームオルフェノクの襲撃からカイザとして守ってくれる。と思ったら、「残念だよ」と言って、草加はスマートブレイン側に寝返って襲って来る。

 そこはさらに草加も予想外のワームオルフェノクのフレンドリーファイアが起こると。これはラッキークローバーの座を巡る争いとも、直前で草加/カイザがスケボー青年(浩一)を締め上げたことへの仕返しとも取れます。しかし琢磨も冴子も「オルフェノクでないのにラッキークローバー加入なんて」と襲って来る。

 これは幸い、村上社長の知るところとなり、すんでのところで止められる。さらに村上社長、草加/カイザに話があると告げる。おそらく、この時点で草加は方針転換して新プラン(ないしはプランB)にさっさと乗り換えたみたいですね。参加を狙っていたラッキークロバーの座を、村上社長の申し出があったのに蹴り、逆にスマートブレイン社を潰すと面と向かって宣言。
(このとき草加は「俺自身の仇を取るために」と言い放ってまして、予習抜きには理解できない台詞ですね。もしかして、村上社長も意味が理解できなかったんだろうか。)

 この直前、吹っ飛ばされたもののかろうじて川から這い上がった勇治が混乱してました。草加/カイザは何がしたいのか、という感じですね。上述の草加の村上社長への宣戦布告(?)を、混乱している勇治が知れば、またも草加を仲間と思う(誤認する?)可能性がありそうです。それもこれも、草加の柔軟な策による効果といえそうです。
(前に重傷の勇治を草加がぞんざいに扱ったことがあるわけですが、今話時点の勇治がどう思っているか、はっきりしない感じです。)

 しかし、ラブコメ面での策士も暗躍しまして結花ですな。勇治側拠点マンションでは、真理に振られて落ち込む海堂を一生懸命励ましているように見えます。海堂のいいところを列挙してベタ褒め、これは海堂の性分からして上手い方法に見えます。

 が、「真理とて実は海堂が好き」旨は言い過ぎですし、まして「結婚したいはず」旨はちょっと無茶苦茶のような。しかし、結花の真意は海堂に見せなかった表情に現れてまして、あそこだけは自分(結花)の気持ちということらしい。しかし、海堂は気づく様子なし(もしかして海堂、『結花は高校生/未成年だし』と思って距離を詰めないようにしてるのかしらん)。

 ところが結花の真意は二重の意味があったようで。「好きな相手なら結婚」は自分(結花)の気持ちではありますが、乗せられやすい海堂を暴走させ、当たって砕けてしまえという意図もあったらしい。婚約指輪に花束持って真理に迫った海堂、案の定に撃退されまして、失意のどん底へ。それをこっそり見ていた結花の口元がニヤリとなるのがちょっと怖い(^^;。

 しかし、その海堂のショックは結花も予想しない方向に作用してしまったようですね。というより、「やっぱりこれが海堂の性分なのか」と言うべきか。橋から身投げする青年を目撃すると、迷わず川に飛び込んで救出。その過程でオルフェノクだったと知りもする。未登場の北崎/ドラゴンオルフェノクによりオルフェノク化されたらしい。

 同じ境遇(オルフェノク)で情を刺激された海堂、海堂なりに懸命に励ますわけですな。すると青年(小林義雄/ラビットオルフェノク)が海堂を「先輩」と呼ぶ。海堂の急所ですね。大学で荒れていた海堂、ギターの先輩として慕われると、途端に立ち直るほど嬉しがってました。海堂は身投げ青年(小林義雄)に対しても張り切りまして、付いて来いと言わんばかり。
(今週分ではこの2人、非常にうまく行くコンビになってますが、予習してみると身投げ青年(小林義雄)は掌返しする鬱展開みたい。ただ、それにより海堂が光る展開にもなるらしい。)

 ですがまずは海堂、小林義雄に頼っちゃうわけですね。なにせスマートレディにラッキークローバー候補としてスカウトされてるわけで、村上社長に面会できる。海堂は前の失敗がありますから顔が出せない。ともかくも小林義雄が「555とカイザのベルトを奪えば」という条件を聞いて帰って来まして、海堂もそのつもりになる。

 が、相手は555とカイザ。戦力的には海堂側圧倒的不利。ですが、そこは村上社長が見込んだ通りに。琢磨と冴子相手に事情聴取/説明する際、村上社長はその2人を「強いだけに力に頼る」と言ってます。皮肉とも注意とも取れる台詞です。「力押しが過ぎる」ということですね。そして前半冒頭では、力負けした琢磨はどうしていいか分からず、泣きだしてしまったんでした。

 しかし力負けすると最初から知っている海堂は搦め手の策を採る。以前に555に変身したこともありますから、その強さも知っているし、ベルト/ギアさえ奪取すればいいとも知っている。ただし考えた策がなんともコミカルと言いますか。策というより、策を当初案通り実行できない点がヘッポコな感じです。

 しかしそこは海堂らしい点でもありまして、人間を殺害できないわけですね。オルフェノク騒ぎを起こして555らをおびき寄せるんだから、脅かしとけばいいだろうと日和る。しかしそのお陰で運が向いたのか、脅かしたのが真理と啓太郎。すぐさま巧らに連絡つきまして、巧/555と草加/カイザが駆けつけて来る。

 バトルとなるわけですが、海堂らの狙いはギア/ベルト。ですが、ベルトに縋りついたりしてまして、「おびき出した後のこと考えてないんかい」とツッコみたくなりました。が、そこは自分が浅はかでした。海堂らは「こりゃいかん」とばかり逃げ出すわけですが、555とカイザが変身を解いて追って来るのが狙いでしたか。

 警官に扮して(村上社長の手配でしょうな)検問を行い、巧と草加からまんまと555とカイザのベルトを奪取する。そのまま村上社長、さらに琢磨と冴子の手に渡りまして、巧側は完全劣勢ですね。どうやら草加は重要情報を知る者として村上社長側に捕われたらしい。

 こうしてみると、最初に草加をギーツの五十鈴大智と比べて褒めましたが、やっぱり策士策に溺れたのかなあ。海堂の読み「ギア/ベルトについて公にできない」があるとはいえ、バトルに勝って逃げる相手を追撃した時点で油断が生じたように思えます。用心していたなら、検問を見た時点で追撃を諦めればよかったわけで。何も失ってないわけですし。

 そこはさらに、真理が襲われたということで、草加の感情も警戒心を下げたのかも。巧もいたわけですが、まああの流れだと巧は草加に判断任せちゃうんでしょうな。ともかくも巧陣営は全戦力喪失でして、ここからどうするかが来週の見どころか。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/17 (Wed) 21:35:01

 定期感想書その2です。

●牙狼:翔編(第20話:泉)

 敵味方それぞれ、仲間を相手に捕われ、その仲間が争奪の対象ですね。普通(?)ですと、例えば「莉杏を救えるか否か(敵視点なら莉杏を葬れるか否か)」でしょうけど、前話で発生したのは莉杏とジンガが相互に捕らえ合っている状況。そのため、流牙側としては、莉杏を救ってジンガを滅するか、莉杏を犠牲にしてでもジンガを滅するかの選択が生じます。

 一方、ジンガが莉杏内にいるため孤軍奮闘の敵アミリとしては、ジンガが莉杏を乗っ取れるか、そうでないならジンガを救出するかになる。もし魔戒側が「閃望の泉」を発動するとなると、ジンガが莉杏を乗っ取って復活するのは難しくなる。アミリとしては「閃望の泉」を阻止できるか、さもなくばといったところですね。

 敵味方の最大の懸案事項はラダンのはずですが、王(候補のジンガ)不在となって飛び去ってしまい。ラダン封印の専門職(?)のガルドでも気配を読めず、足取りがつかめない。それでもガルド、探ろうとしたら莉杏(内のジンガ)の気配を察知し、戻って来る。敵味方とも仲間救出に手一杯で、ラダンはいったん棚上げといったところかな。

 ドラマのメインは流牙側の動きですね。「閃望の泉」で浄化すればジンガを倒せるが、莉杏生還は保証できない。そうなってみて興味深かったのは、莉杏の処遇について、ダイゴと流牙の見方、考え方の相違です。両者とも「閃望の泉」を使うという結論に達するんですが、そうするべきだとする理由が違ってます。

 ダイゴは莉杏とて「守りし者」の覚悟があるんだから、たとえ「閃望の泉」のせいで死亡しても、ジンガを倒せれば納得するだろうと言う。魔戒の職責、本分として行うべきという、筋論ですね。

 一方、流牙はいったん迷う。ダイゴよりずっと莉杏への情が厚い。莉杏態のジンガに恋愛感情があると教えてもらった直後でもありますしね。しかしバディとしての莉杏が決断を促すわけですね。「閃望の泉」を使えと。これはおそらく、立場が入れ替わったとしたら流牙も同じことを言いそうです。

「自分のせいで相棒の為すべきことを妨げてはならない」といったところでしょうか。その望みを受けて、相棒もようやく決断できるわけですね。ですから、流牙の決断理由はダイゴとは異なって来る。莉杏が生きたい世界はジンガ、さらにラダンが暴れる世界じゃない。そうするために莉杏が「閃望の泉」のリスクを取るというなら、自分(流牙)も付き合う、といったところでしょうか。

 そう書いてみて、なんだかダイゴの意見・決断が流牙のそれに劣るような物言いになってしまってる気がします。が、そういうつもりはありません。ダイゴは導師であり、1人で多数を相手にする身。生徒個々人の十人十色の望みに全て即しようとしたら、何もできないわけですね。ですので、ダイゴに教わる者が共通して持つ願い、志を頼りにどうすべきかを考え、決断する。

 それに対して流牙は(闇照編)当初は誰とも和することができないほど孤高(悪く言えば独りよがり)。そこからようやく莉杏や仲間騎士、さらに符礼法師と一人ずつ順々に分かり合えるようになっていったわけで。焦点となっている仲間(今話なら莉杏)ただ一人に即する決断をするのも当たり前なわけですね。

 そういう別々のベースで考えたダイゴと流牙が同じ結論「莉杏を危険にさらしてでも閃望の泉を使う」に辿り着くわけで。そこが自分的には印象深いところです。

 これにリュメ様らも同意しまして、閃望の泉へ。しかし、この動きは青い蝶によりアミリが察知する。おそらく、ジンガが莉杏内で劣勢になっていることもアミリは察しているんでしょうな。そうなるとジンガを救出するしかない。閃望の泉の儀式に乱入し、莉杏(の体)を奪取、そのまま拉致かと思ったら、己(アミリ)が身をジンガに明け渡す。そしてジンガ「帰って来たぞ」で続く、ですか。

 ジンガがアミリを乗っ取って復活というのは覚えてたんですが、それがアミリの意思だったというのはすっかり忘れてました。と申しますか、まず間違いなく初見では理解できてなかった。アミリ、悪役ながら尽くすタイプであること、感じ入るものありです。アミリのポリシーともいえ、それを持つ敵/悪役は自分的にツボだったりします。

 しかし、アミリは復活するはずですね。それをアミリが予想していたかどうかはよく覚えてません。が、最後の最後でジンガはアミリを捨てて莉杏に乗り換えようとしたはず。初見でも「アミリを見放したことがジンガの敗因」と思った覚えがあります。今話のアミリを観なおしてみまして、「ここまでするアミリを裏切るなら負けて当然」という思いが強くなりました。

●BASTARD(第19話:雷帝)

 前は500円硬貨という中世ヨーロッパ風にそぐわないアイテム出て来たわけですが、今話ではラーメンがやたら強調されてましたな。(たぶん後付け設定で)ガラの好物とされているわけですが、連載当時のDSの由来(旧世界)がはっきりするまでは「なんでラーメン?」となるものでした。

 流行りの異世界転移・転生(もしかしてもう廃れつつある?)ですら、ラーメンのない異世界でラーメン作ったりする配慮があるわけですが、BASTARDの場合は伏線のつもりだとしたら、説明抜きというのも分からなくはないか。まあドラマに関係ない小道具ですしね。

 小道具としてきっちり役立っているように思われるのが、シーラ姫の首飾りでしょうか。ネックレスというよりはプレート風でして、アンスラサクスの封印アイテムっぽい。今話でも封印について話そうとするシーラがいじっていたりする。しかし封印は別にあって、DSですら真顔になってシーラを守ると約束するほどの場所であるはずですね。次話くらいで明らかにしてくれるかな?

 いろいろ情報提示とか(ラーメン絡みの)コントとかあるわけですが、今話のメインはアビゲイル vs ネイの一騎打ち。単に強大な力をぶつけるバトルではなく、駆け引きがある点がポイントでしょうか。

 そこはリッチー vs ガラとの対比みたいになってまして、ネイが何をしているかが際立つ仕掛けです。ガラですと大ダメージ食らっても立ち上がって減らず口なわけですが、流血吐血のボロボロになってるため、いかにもやせ我慢と分かります。それでも立ち向かう根性と覚悟がガラの見せ場であるわけですな。

 ネイの場合ですと、ダメージやらなにやら隠しての涼しい顔。己(ネイ)が戦力を相手(アビゲイル)に悟られず、まだまだ手加減しているぞというブラフみたいな感じです。魔法を放ったのはいいが、未完成のため威力が低く、手に過負荷のダメージを受けたりする。が、威力の低さは手加減したように見せ、手の痛みはこらえると。相手(アビゲイル)に「本気ならこんなもんじゃないぞ」と思わせるわけですね。

 一方、アビゲイルもちょっと動揺したりはするものの、ダメージを受けた様子は見せず、直撃に耐えきっているように見えます。が、直前のヨーコとの会話シーンを見る限り、駆け引きでやってそうな雰囲気ではない。3種の魔導器の最後のサタン・リングだけが戻ってきますと、ヨーコにも当てが外れたことを見抜かれてます。

 それがありますんで、アビゲイル vs ネイ戦では少なくとも舌戦については、ネイがリードしている印象です。技の撃ち合いバトルについても、ネイがブラフ交えつつ次第にテンションを上げ、今話最後ではアビゲイルが予想していなかったヌエ/雷神剣を持ち出してまして、アビゲイルが相手の戦力を読み誤った格好。

 ただ、もし難点があるとすれば、観ているこちらにはヌエ/雷神剣の復活は既に見せてもらっているため、バトルに緊迫感が欠けるきらいがあるところかな。ネイに最強の隠し玉があることを知って観ているわけですんで。

 ある意味、アビゲイルが間抜けに見えなくもない。ですが、それはそれで伏線といえるのかもです。今の邪悪なアビゲイルは操られてのことで、その呪縛が解けると結構なギャグキャラに変じるわけですね。もともとはそういうキャラクターである、ということになります。

 それを明かす下準備として、例えばヨーコに自慢話をしたがったり、ややコミカルに動揺したりというのは、伏線演出としてあるのかもしれません。もっとも、ヨーコにネタバレしたがっていた割には、核心を突いていそうなネイの問いは一部はぐらかしている点は「言えない点こそ大事なポイント」という、シリアス寄りの伏線、暗示であるのかも。

 ともかくも、アビゲイル vs ネイ戦は今話ではネイがリードし、さらに雷神剣まで持ち出したことで、ネイ勝利を思わせるものがあります。が、確かアビゲイルには3種の魔導器による最強の隠し玉があり、形勢逆転するはずですね。

Re: 5月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/05/19 (Fri) 10:35:03

 最近、You Tubeで配信が始まったオリジナル特撮が「ジサリス」と言いまして、ディケイドおよびジンガの井上正大氏がプロデュースおよび主演。
 他にも、仮面ライダーナイトの松田悟志、仮面ライダーアギトの賀集利樹、あと牙狼翔の流牙こと栗山航が出演キャストになってます。
 何だか平成ライダーと牙狼のエッセンスを投入したYou Tube配信企画で、少女の不思議な異世界転生物語になってます。
 現在2話まで配信されていて、まだまだ謎だらけのストーリー感覚ですが、一応の紹介。以下が公式サイトです。

https://pink-sfx.com/

★ギーツ

 OPで、ギーツとバッファが同陣営で、タイクーン、ナーゴ、ハクビに加えて、ナッジスパロウも同陣営? と思いきや、スズメガネの大智くんはあっさり裏切って殺される役回りでした。

 一番笑ったのは、姉の沙羅(ハクビ)を影から助けるためにサポーターのポンチッチを装う景和と、それに気付かない天然ボケ姉さん。
 何だかシリアスで重い展開を癒してくれる空気感がいいなあ、と。

 で、ラストでパンクジャック復活とは、果たしてどういう役回りを見せてくれるかな。

★ファイズ

 キザなメガネと言えば、ライダーで時々出ますな。ギーツの大智もそうですが、他にはビルドにもマッドローグがいまして、なかなか物語をかき乱してくれる。

 琢磨くんはアギトの北條さんと同じ役者ってことで注目していたら、どんどん転がり落ちていくハカイダーみたいなキャラ。
 今はまだ強敵としての威厳を保っていますが、北崎さんが出て来ると、どんどん玩具にされて痛ぶられます。ラッキークローバー内のイジメられっ子キャラになって、草加と並ぶ脚本家のお気に入りに。

 今だったら、琢磨くんでスピンオフが作られても不思議ではないかな。

 で、今回は草加暗躍と、海堂の迷走の末に、2本のベルトが共に奪われるという大ピンチに。
 影山冴子の変身した女性カイザに萌えてみたり。

 そして次のデルタも、最初の変身者は女性で、龍騎のファムに続く女性ライダーの先駆者になるかな、と。
 レギュラー化しなかったのは残念でしたが。

 ともあれ、ウサギオルフェノクの小林義雄くん。かつてはウルトラマンネクサスの変身者の1人で、この後はカブトの影山(地獄兄弟の弟パンチホッパー)になる人。
 ウルトラマンとライダーの両方に変身した珍しい役者さんです。これで戦隊に出演していれば、三冠と称えられるのですけど。

 そんな小林君が移り気傾向の強いチャランポラン海堂に翻弄されて、可哀想な末路を迎えるのが次回ですが、リアルタイム視聴時は小林君に同情して、海堂がうわっ、酷い奴と思ってました。

★BASTARD

 ネイさんのファンとしては、このVSアビゲイル回が彼女の一番の花道に見えましたね。

 今回は終始優勢に戦いを進めていて、まあ、さすがにアンスラサクスパワーで強化されるアビゲイルには勝てなくなるのですが、主人公の前座として、十分なお仕事をしてくれたな、と感じます。

 お子さまのヨーコには口に出せない「愛だ」と宣言して、うん、愛のために戦う女戦士っていいよねえ、と感じさせてくれたキャラ。
 素直に愛情を表現できないメインヒロインよりも、愛を自覚しているサブヒロインの方が好みかな、とも。

 で、アビゲイルに反撃されて、ピンチになったところをDSに助けられて、愛情をますます強めるところも含めて、可愛くなる予定。
 強さとしおらしさが同居しているナイスヒロインですな。DSとの立ち位置が、お子さま思考のヨーコさんは姉というかオカン的な関係で、自立した大人風のネイの方は愛情に飢えた娘という倒錯した(ややこしい)関係なのも、ネイの方に強いギャップ萌えを感じたりも。

 やはり、凛々しさと可愛さが絶妙なバランスで同居したネイというキャラがいいなあ、と回を重ねるごとに実感しつつ、

 一方そのころ、DSはシーラ王女と超絶浮気中というシチュエーションが何とも苦笑い。
 まあ、こっちはこっちで、アンスラサクス絡みで重要なシーンなので。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/19 (Fri) 23:11:38

 不定期感想です。

●華衛士F8ABA6ジサリス

 ネット放映のご紹介、ありがとうございます。早速観てみましたが、仰るように「まだまだ謎だらけ」ですね。第2話まであるわけですが、各話15分。30分物1話分相当ですが、OP/EDもありますし、1話ごとで場所(世界?)が変わるので説明も必要でしょう。世界観がだいたい分かるようになると、ストーリー・ドラマも進めやすいでしょうけど、今は何をする話なのかの導入部という感じです。

「ジサリス」というタイトルだと伺って、公式サイトやウィキペディアを見てみますと「F8ABA6」なる、現時点では意味不明の文字列が入っていて、作品タイトルで内容を推し量るのは難しそうです。「華衛士」というのは井上さん演じる変身ヒーローのことと思いますが、読みは「センティカ」らしい。そこは覚えておこうとは思いますが(作中で言うだろうし)、たぶん自分は自分用には「かえいし」と読むことになる気がします(^^;。

 内容は後で公式サイトを確認した通り、ヒロイン(アユカ)が死ぬたびに異なる世界へ転移(転生?)し、主人公ジサリスが追って行くというものですね。そのため、「誰がどこで何をする話なのか」という物語理解のポイントのうち、「どこで」は分かりにくそうです。

 ヒロインは異世界を渡り歩いて「レブシール」なるアイテムを集めていくことになるらしいですが、第2話までではそこまでは描けてはないようですね。第1話で提示されたのは、ヒロイン:アユカが主人公ジサリスを殺害する選択肢もあり、どうやらそうできればヒロインは元の世界に帰れるらしい。が、ヒロインはそんなことはできない性格らしい。

 今のところ何を期待していいか分からない感じですが、それでも次も観てみようと思えるのは、やはり出演者ですね。こちらで教えて頂いた通り、牙狼とライダーシリーズから、自分にもなじみがあり印象深い面々がご出演。井上正大の自主企画からスタートしたとのことで、共演経験のある方々に声をかけて行った結果かしらん。ともかく、自分的にはありがたい話です。

 何の物語が現時点で不明と申しましたが、1話15分で全12話らしい。となりますと、ドラマが大きく転がるような展開は難しいのかも。第2話では「実は捨てられたオモチャの世界でした」というオチになってまして、各話のアイデアで魅せる趣向かもしれません。

 もし全体ストーリーが、例えば夢オチだったとしても驚かないかな。「全てはヒロイン:アユカが危篤状態で見ている夢」で「主人公ジサリスはアユカの救命に必死の主治医」みたいなことでもよさそう。どういうオチになるかより、例えば第2話みたいに見栄えとアイデアを楽しめればいいかなと。

●王様戦隊キングオージャー

 1話完結性を下げて連続ドラマの趣を強くしているような気がしまして、感想書いてもいいかもと申したんですが、実際に書こうとするとなかなか取り付けません。今週分ですとナレーターが蜘蛛仮面となって暗躍したと思ったら、正体現しますとどうも追加戦士っぽい。

 毎週そんな感じで最後に「あれれ?」という出来事が起こります。単に観ているだけのつもりなら、「次回はどうなるんだろう」という引きになってくれます。が、感想書くつもりだと、何と申しますか、足をすくわれるような感覚です。言い換えますと、(理解が)追いついて飛び乗れると思ったら引き離され、「ちょっと待って!」と慌ててダッシュしないといけない感じです。

 主人公が誰/何と戦うべきなのかも見えにくいですね。5王国全体に対する敵勢力としては地帝国バグナラクがあるわけですが、その王であるデズナラク8世の動きが読みにくい。前話では逆転負け食らったようでいて、全て予定通りと高笑い。と思ったら、今話ではバグナラク側のはずの蜘蛛仮面に倒されてしまい、その蜘蛛仮面は正体(ジェラミー・ブラシエリ)を見せ、ラスボスに成り代わった感じ。

 しかしジェラミー・ブラシエリは追加戦士っぽい。となると、デズナラク8世は依然としてラスボスであり、前話で高笑いしていただけあって、復活してくるのかも。ですが、ドラマとしては地帝国バグナラクを倒せば大団円みたいになってない。5王国の対立、特にシュゴッダムの内紛のほうが重大事のような雰囲気もあります。

 主人公ギラに敵対しているシュゴッダム国王ラクレスがギラの兄と判明したりしまして、骨肉相食むのは王家としてはありがちなこと。シュゴッダム以外の4王国もギラを推すメリット出ますしね。しかし内なるラスボス/黒幕にしては、ラクレスのギラに対する詰めが甘い感じがあったりする。

 その辺りで、当初はほぼ1話完結だろうと思っていた自分の当てが外れ、感想を書こうとしても、なかなか手がつけられなかった理由になってるみたいです。次話からぼちぼち感想着手したい気はするんですが、またも「あれれ?」となるようだと、何話かごとにピンポイントで印象深かった点を書くに留まるかもしれません。でもまだ第11話、序盤ですから感想書くレベルでキングオージャーに食らいついてみるのは、今のうちということかもしれません。

●どうする家康(三方ヶ原の戦い前後編)

 キングオージャーは感想書く気になってもなかなか書けないという愚痴でしたが、こちらは「やっぱり感想書けるけど、書くモチベーションが湧かない」という愚痴です(^^;。

 さすがに三方ヶ原の戦いということで期待するものはあったんです。家康初めての大敗・惨敗ですし、そこからの家康の立ち直りは見ものになるはずと期待しました。ここまでどうもだれ気味な気がしてたんですが、家康がガラリと変われば面白くなるかもと。なにせ大河は「戦国時代ものなら当たる」という法則めいたものすらあるようですし。

 確かに家康の惨敗は描かれました。が、あまりに無策での敗北でして、例えば信玄の凄さとか伝わってこない。むしろ「ここまで間が抜けた敵なら、信玄ならすとも勝てるだろう」くらいの印象です。

 戦の経過は信玄が一応は兵法に則ったものになってますね。「城攻めは下策」ですし、必死の敵に当たるのもまずい。そこでいったん家康の籠る城を素通りし、追撃してくる家康軍を「佚を以て労を待つ」で撃破する。

 たぶん、そういう狙いの描き方なんだろうと思います。さすが名将の信玄、というわけですね。しかし信玄が鮮やかに作戦勝ちしたことを描こうとして、家康があまりにも間抜けになってしまっている点が、自分的にはどうにも不満です。

 主君自ら敵を惹きつける餌となる覚悟はいいでしょう。信玄が城攻めした場合の備えの立て方も描かれてまして、やれるだけのことをきちんとやっている感じはあります。が、「攻めて来なかったらどうすんの?」がすっぽり抜けています。

 具合の悪いことに、劇中で信康軍が守る城が手薄になっている旨、家康らが心配しています。実際、信玄が目の前を素通りしたら、家康も家臣もパニックになってる。嫡男の信康が敗死でもすれば、徳川家は動揺します。家康の領国支配が必ずしもうまく行ってないことは劇中でも描かれてました。信玄が手を下さずとも、反家康勢力をつつくだけで事足りるかもしれない。

 つまり、家康が囮になってみせるぞ、と言いつつ、敵(信玄)に「ここを狙ってください」と言わんばかりの弱点を見せつけていたことになります。真君家康公、未だ若いとはいえ、さすがにそんなに情けないとは思えません。家康とて最善を尽くしたが、信玄の深慮が上回ったくらいには描いて欲しかった。

 そこは信長にも言えそうなんですが、ずいぶん前に読んだ歴史解説書(中公新書だったか何だったか思い出せないorz)によると、上洛すべく進軍中の信玄に対して、信長がどうしようとしていたかはっきりしないんだそうで。

 例えば信玄軍に対処するべく、信長が各地に派遣していた軍を呼び戻しそうですが、そうした形跡がないんだそうで。かといって逃げるわけでもなければ、信玄と交渉しようとしたりともしてないらしい。そのことから「信長は信玄の死期が近いと知っていた」可能性なんかも考えてもいいらしい。

 もしその推察が正しければですが、信長が家康に3千の援軍しか送らず、援軍の将ものらりくらりで戦意が低いのも悪くないかもしれません。もっとも、そうだとしたらやっぱり家康の孤軍奮闘をきちんと描いて欲しかったところです。

Re: 5月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/05/22 (Mon) 00:09:56

 不定期感想に応じる形で。

★ジサリス(3話)

 アユカが次に転移した世界は「声を出すことを禁じられた世界」で、人々はテレパシー能力でコミュニケーションできる反面、言葉は真実をねじ曲げるという理由で、声を出すと処罰されるらしい。

 そんな世界で不用意に声を出してしまい、住人から追われるアユカを助けたのが青の戦士フォビア。
 そして、また出現したジサリスとフォビアは、アユカを巡って戦いになるのだった(つづく)


 ええと、このシリーズは、2話で1つのエピソードになるのかな。
 今回は携帯変華のシーンがなしに、怪人も出ないまま終わって、世界のエピソードもまだ途中という段階。

 1話が15分ほどですから、短いですしね。2話1で1人の戦士が登場するとなると、8話でスーツのヒーローが出揃う計算になるか。
 果たして、戦士たちは巨悪に対して共闘する流れになるのか。
 そして、アユカに秘められた謎は?

 とりあえず、彼女が今の不安定な状態で自分の世界に戻れないと、彼女の世界は消滅するということは、フォビアが教えてくれた形。
 世界の謎が少しずつ小出しにされていく模様。

>F8ABA6

 本企画の開始時の呼称「ピンクの特撮」で、ピンクのカラーコードがその数字らしいです。

https://www.color-site.com/codes/F8ABA6

 作品世界内で意味のあるコードなのかは不明ですが。


★キングオージャー

 今のところ、5話で1連のエピソードになるようなストーリー構成みたいですね。

●1〜5話:戦隊各メンバーの出身国巡りをしながら、キャラとその背景の紹介をしつつ、主人公のギラの出自がラクレス王の弟王子であることが判明する。

●6〜10話:ラクレスは弟のギラを歓迎する姿勢を見せつつ、反逆者として裁きにかけるように暗躍。決闘裁判に敗れたギラは表向き死んだように偽装されつつも、他の4王と絆を結んで、正式に戦隊を結成し、レジェンドキングオージャーを起動させる。

●11話〜:ギラの葬式を偽装する中で、物語の語り部ジェラミーが表舞台に登場。ややこしい情勢をさらに掻き回している最中。


 とりあえず、毎回の怪人を戦隊が力を合わせて倒す定番ストーリーではなくて、毎回が次への引きで続く連続もの。
 ただ、現状は5話ごとに1つの盛り上がりで、クライマックスに収束する構成になっています。

 4話1の特撮は過去にあったけど、5話1の作品は初めてですね。

 それにしても、バグナラクの首領のデズナラクさん。11話に続き、12話でもジェラミーに瞬殺されて、可哀想。
 その前の9話では、5人の王それぞれに圧倒的な力を見せつけて、さすが首領と思わせながら、10話で戦隊結成して、ようやく撤退に追い込まれたのに、
 その次の話からは6人めに翻弄されて、いいところなし。

 まあ、当面は6人めのスパイダークモノスが無双のターンになりそうで、15話ぐらいに、5王と正式にチーム結成に流れる感じかな。

★どうする家康

 番組開始前は、家臣の本多忠勝とか、木村昴の渡辺盛綱、それと藤岡さんの織田信秀なんかを注目していましたが、それらの役者さんの出番が少なかったり、ドラマでの役どころがあまり面白くならなかったりで、(視聴は続けているものの)感想書くまでには至らなくなってます。

 主人公の家康のダメ君主ぶり、突発時にあれこれ翻弄されて、苦渋の末に決断するものの、その決断の結果がしばしば裏切られて、かろうじて幸運で命拾いするという、主人公性の欠如ぶり。
 
 タイトルが「どうする?」と決断を重視するのに、その決断の結果がどんでん返しというか、悪い方向に転がる展開が多いのは、見ていてスッキリしない。

 いや、まあ、迷走と言えば、前作の小四郎義時や、前々作の栄一も中盤までは迷走続きでしたが、彼らは主君ではなくて、主君に翻弄される苦労人や、百姓上がりで身分を持たない者の立身出世譚だから、行動方針を自分で決められるようになったのは中盤以降。

 そして、どちらの主人公も序盤から才覚を示していました。
 小四郎は武術よりも土地の作物管理など事務仕事に秀でる一方で、頼朝から権謀術数を学んで行く。
 栄一は商売への才覚と論語などの古典教養ですな。
 個人的には、どちらもインテリ主人公で、一方、武闘派の知人が身近にいたりしながら、周囲の人間の生き様から学び取ろうとする姿勢が濃密に描かれていた。

 で、本作の家康は、そういう才覚とか向上心とかがドラマで描かれていなくて、周囲の大名に翻弄されるだけの情けない小心者の姿が強調されています。
 そんな家康をナレーションは「我らが神君」と持ち上げておりますが、ナレーションの持ち上げぶりに反して、実際のドラマは情けなさを露呈。
 歴史の流れを知る身には、将来は立派に成長するんだろうと思いながら、ナレーションの称えぶりとドラマのギャップにうんざりというか、ナレーションに「どこがやねん。ふざけるな」とツッコミ入れたくて仕方ない。

 ここでコミカルを強調した作品ならば、ナレーションが視聴者と同じ目線で、主人公のダメっぷりにツッコミ入れると、クスッと笑えるんですけど、「ナレーションの主人公持ち上げっぷりと、実際のドラマの家康下げっぷり」のズレがひどいと、ナレーションが信用できないというドラマの破綻が生じるわけで。

 で、今回退場した信玄や、信長は威厳を備えた武将として描かれ、主役だけが全く威厳の欠落した当主として描かれている。
 さらに、家臣も、家康のことを尊敬するかと言えば、割と陰口を叩いて揶揄しまくりで、(それだけアットホームな職場感覚なんだろうけど)普段は忠誠心とかがあるように描かれていないのに、討ち死にする時だけ妙に美化されて、本当はこういう理由で忠義心を持ってたんだよ、と、とってつけたような美談ドラマに仕立て上げられる。

 何というか、キャラの積み上げができていないから、「次回はこのキャラが討ち死にしそう」と言われても、討ち死に直前だけ急ごしらえのドラマにしてしまうのでは、どうもなあ、と。

 あとは序盤の本多忠勝死ぬ死ぬ詐欺とか、三方ヶ原での家康死亡? とか、やたらと無意味に死亡演出をやってますな。これが歴史に基づく大河ドラマでなければ、サプライズと言えるのでしょうが、史実と照らし合わせる熱心な大河ファンには、ちっとも響かない。

 まあ、この後は、ヒロインの瀬名(築山殿)が武田側の奸計によって内通の汚名を着せられて、処断されてしまう流れを見せるのでしょうが、ここも、ただただ翻弄される頼りない家康の悲嘆を強調されて、すっきりしない流れが続きそう。

 愛する者を失うことで、家康が覚醒して強い大名に化ける展開に転がるのだろうか。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/23 (Tue) 17:53:59

 定期感想その1です。

●仮面ライダーギーツ(第36話;慕情Ⅳ:かりそめの共闘)

 タイトルの「かりそめの共闘」って、今話終盤に成立した英寿と道長のことなんでしょうね。バトルを見た感じでは「ついに1号ライダー(英寿)に2号ライダーが合流した」みたいに思えたんですが、「かりそめだよ」とタイトルで釘を刺してるんでしょうか。

 仮面ライダーWEBによりますと、道長/バッファはあくまでも「ライバルライダー」ということらしい。2号は景和/タイクーンと設定されてるみたいです。ウィキペディアでは放映当初から「語り部」とされていて、そこは(序盤では)納得してたんですが、2号ライダーとは思わなかった。

 景和は英寿に食らいついては行っていて、何度騙されてもいったん怒りはするものの、また英寿にぶつかっていく感じでした。そういう点では2号候補という面はあるんですけど、常に英寿を追っていて対等という感じではない。DGPにおいては景和は英寿の「後輩」といった感じでしょうか。

 景和は少なくとも前話~今話では姉の沙羅/ハクビを正体隠して守っていたわけで、そこは「共闘」と言えなくもなさそう。ただし「かりそめの」ではなく「隠された」となりましょうか。しかし今話ラストで景和は沙羅にDR参戦がバレまして、祢音がとりなして共闘成立かも。それ以前のこっそりガードが「かりそめの」だったと解せなくもない気がします。でも、それだと「1号が景和、2号が沙羅」になってしまいそう。

 英寿が1号でなくてはやっぱり変でして、上述しましたが2号は道長という気がしてしまいます。そう感じる理由を考えてみると、今話の描写でいえば2人の接近の様子でしょうか。自分的に特に印象が強いのが、道長がDR参戦の各ライダーの絵を描いて考えているときに、英寿がやって来てパンクジャックの顔を描き足したときです。

 道長は『上手い』と思いつつも黙って見ていたわけですが、英寿は「上手いと思っただろ」と道長の心中を言い当てる。当てずっぽうではないようで、実際、英寿の絵を見た道長、一瞬ですが目を見開いてます。そこを英寿は見逃さなかったようですね。ただし、何に驚いたかまでは目の動きだけでは分からないはず。例えばパンクジャック復活に驚いた可能性もあります。

 そちらではなく、絵の上手さという(今の状況を鑑みるに)他愛もないことで道長が驚いたと英寿が見抜けたということは、両者はもう以心伝心が半ばですがあると考えてよさそう(道長はまだ英寿の考えをトレースできないみたいなんで)。そこが道長が2号ライダーのような気がしてしまう理由です。

(この軽いジャブみたいな見抜きがあるので、DGP/DRにおける道長の真意「DGPから全ライダーを解放したい」という重要ポイントを英寿が看破しても不自然さがなく、道長が英寿に理解してもらえてると感じてバトルでその通りに行動に出るのは、もう期待通りという感じになります。)

 英寿がそんなことができそうな感じがする理由、描写はありまして、やはり今話では「すき焼き」ですね。道長→バッファ→牛だから、という半ば駄洒落的なものではなく、一緒に飯を食うという点です。直近ではコンビニおにぎり、今話ではすき焼きでした。いずれも牛つながりでちょっとジョーク/からかいっぽくはある。

 しかし道長との飯でいえば、ジャマトながら親友の姿の今井透もありました。ジャマトの今井透は自分は食えないので道長に渡しただけになりますが、好物を知っている/覚えているというのがポイントにして、英寿との対比になりますね。しかし道長は(偽)今井透の飯は食わず。気持ちが通じていれば食い、そうでなければ拒否という感じですね。
(そして、道長が孤立しているときは、わざわざ一人で飯食う描写があったはず。)

 こうも英寿が道長に飯を持ってきて、しかも一緒に食うとなりますと「この2人の結びつきは強い」みたいな気がしてきます。それがたぶん、自分が「道長/バッファは2号ライダーなんじゃないか」と感じる理由になっているんだと思います。

 その期待で今話ラストのバトルに見入りますと、(英寿がリードしつつですが)息の合ったものに見えまして堪能できます。アルキメデル(ダンクルオステウスジャマト、字幕では古代魚ジャマト)にいったん敗れ、己が無敵をうっかりしたらしいバッファ/道長に対し、ギーツ/英寿はキックを入れて思い出させる(ご丁寧に撃つまでせんでもよかろうに ^^;)。

 その直後の2人の台詞が会話でもないのにつながるのも面白い。英寿「戦え、己の理想のために」→道長「ただ目の前の敵をぶっ潰すだけだ!」ですね。ここまで息が合ってて、道長が2号ライダーではないと受け取るのは、自分にはちょっと難しいです(^^;。


 DGP粉砕で一致する英寿・道長陣営に対し、DGP存続派(祢音、沙羅、景和)も結束が固まって来てますね。沙羅は景和を心配してDRに参加させまいとし、景和はその意思に反して(沙羅を守るためとはいえ)密かに参戦してしまう行き違いがありました。祢音はこの世界から忘れ去られたくて参戦している。前者はケケラの仕業ですし、後者はベロバですね。ケケラの意図は「沙羅の死で景和をパワーアップ」ですし、ベロバは祢音で飽き足らずに景和のその不幸が見たい。

 その企てが今話でようやく崩れたようです。(いろんな意味で ^^;)お人好しの景和がジタバタあがいたお陰でしょう。沙羅とて守りたい弟が自分(沙羅)を心配して飛び込んできたとあれば、本気で怒るに怒れず、祢音のとりなしは半ば渡りに舟。祢音がそうできたのも景和が「友達」として変わらぬ態度を見せたからでしょう。さらに祢音、沙羅と景和の仲を取り持ったことで、己が存在意義を見出したかもしれない。

 もっとも、そうなってみますとDGP存続派に力がついたことにない、廃絶派の英寿・道長には不利な状況といえそうです。しかし、実はそんなことはどうでもいいと分かるのが、DGP運営の動きですね。スエルの意思・判断でDGP終了とこの時代からの撤退(グランドエンド)は既に決定事項、ニラムは撤収準備に入っている。その一環としてエージェントを放ち、英寿にはウィン、ベロバらにはジーンですね。

 ただウィンもジーンも独自の思惑がありそう。ウィンは英寿に母:ミツメについて調べると言い、ジーンはベロバらにグランドエンドが近いと明かして動揺させ、ヴィジョンドライバーを要求。バラバラの動きのようでいて何やら「創世の女神」という一点に向かう動きに見えます。

 さらにジーンが気になることを言ってまして、ベロバにスエルに逆らうな旨の台詞です。スエルの不興を買ってグランドエンドから(この時代に)取り残されると消滅してしまうと。これは新たな謎でして、スエルなしには未来人が存在できないと取れる情報です。未来人は(古代~)現代人との間に子ができないはずと以前に明かされてまして、どうやら人間とは異なる存在らしいという情報の続きですね。そして祢音は創世の女神により作られた存在であるわけですから、「そもそも未来人って何だ?」という疑問につながってきます。

 DGP廃絶派も存続派も、運営の水面下の動きを考えると、力を合わせて運営にぶつかっていきそうですが、かく乱要因もありますね。今話では祢音の正体をばらされてから眼光が異様になった光聖。ニラムに対して対立姿勢を露わにしてきた感じがあります。しばらく出て来てない妻の伊瑠美も、祢音の正体が分かったとき、一瞬ですが去る祢音を思わず引き留めようとする様子がありました。祢音が忘れ去られたいと願っているとこの2人が知ればどうなるか(さらにキューンはどうするか)。

 ツムリもしばらくおとなしくしていますが、隠された正体がありそうなことはスエルから匂わされてます。願ったら英寿が復活したらしいことも描かれてました。どう化けるか分からない存在です。前GMのギロリの意思に反する行動を見せたこともありますしね。

 波乱を起こしそうで、そうでなくて残念なのがアルキメデルです。ジャマトの世界を作ると張り切り、次第に野心を隠さなくなって、いつか暴走するかとか楽しみだったんですが、今話で退場らしい(仮面ライダーWEBでは花束贈呈されての記念写真ありましたから、間違いなさそう)。もっとかき回してくれそう、もしかして準ラスボスかと思ったんですが。

 でもまあ、最期がシュールだったということで納得しておこう。愛するジャマト≒我が子が泣いて取りすがってくれての成仏ですか。偶然ですが、ネット放映のゴーオンジャーでは害地副大臣ヒラメキメデスの退場回が今週でして、「キメデ」しか合ってませんが、どちらもアルキメデスをもじった名前のはずですね。智謀が自慢のはずが連敗してキレて力に頼ってデタラメデス、それでも敗れて亡霊のウラメシメデスとなるも塩でお清めされて成仏。こちらも最期のシュールさは同じくでした。

 次回「慕情Ⅴ:純白の破壊」では、スエルが表舞台に現れてグランドエンドを進める/決行するようですね。仮面ライダーWEBの記載では、母を救わんと英寿/ギーツがスエルに立ち向かうも返り討ちにされるらしい。そこを打破する鍵なのか、ウィンが前世初代の英寿の時代の歴史に何かあるのを発見するらしい。

●王様戦隊キングオージャー(第12話:6人目の王様 )

 物語構成などのご解説、ありがとうございます。なるほど、5話1エピソードということでしたか。自分は1~5話までは「戦隊は先発5人だから順繰りに紹介エピソードなんだな」と思い、6話以降は1話完結だろうと思って観ようとしてました。しかし、それだとしっくりこない感じがする。

 となると1年通したストーリー展開かと思ったんですが、先に申しましたように感想書こうと思っても、置いてきぼり食らうような感じがする。「5話1エピソードだと教わってみると、整理して理解できそうです。

 本編視聴でもちょうど今話で何か整理がついた感じがします。今話は事実上の「ジェラミー・ブラシエリ」紹介回でして、第1~5話から間を開けて、6人めの王(追加戦士)のエピソードですね。キャラクターが動くドラマで描くのではなく、おおむねがジェラミーの口上とギラらとの会話になってる点、ジェラミーが物語創作者の性質を強く帯びていることを表しているようです。

 ジェラミーは2千年前に争った2つの種族(人間、バグナラク)の間に生まれた子であったわけですか。しかも父親は人間側の英雄/救世主の1人ながら、バグナラクの女性と恋に落ちたため歴史から抹消されたと。

 集団では不倶戴天となっても、個人なら全てを投げ打つほどの恋愛ができる。そういう両親を見て育ったジェラミーはバグナラク的な腕は人間が使う手袋で隠し、人間的な顔はバグナラク的な仮面で隠し、両種族を和合させるべく介入してきたわけですか。そういう計画を実行、というより、物語を描いて来たわけですな。

 物語ゆえにややこしいことになってるわけですが、ジェラミーの説明には腑に落ちるものがあります。しきりに「行間を読め」と言い、(愛しているならば)「愛しているなんて陳腐な台詞は言わない」と言う。これらは物語創作のコツとして聞いたことがあります。

 自分はずっと以前、ハマっていた各種フィクション(ゲームも含む)に急に興味を失い、物理とかの現実を表すジャンル(?)にハマって行った経験があります。フィクションに興ざめする前だと、今話のギラらのような不満(「なぜそれを先に言わない!」等)をしばしば覚えました。

 それがフィクションに(いったん)興味を失う原因になった気がします。が、再びフィクションに興味を持つようになる頃だと違ってきました。何が違うのか、最初ははっきり自覚できなかったんですが、偶然にときどき目にする創作のコツで分かるものがいくつかあります。

 その1つが、今話でジェラミーが言う「行間を読め」や「陳腐な台詞は言わない」だったりします。自分が見聞きしたコツで似たものが、例えば「(作品テーマや伝えたい気持ちなど)大事なことは言うな、書くな」だったり、「発せられる台詞は隠された真実をシルエットで浮かび上がらせるためにある」だったりします。

 簡潔に言い換えますと「大事なことは受け手(読者、視聴者、観客等)が自ら気が付くようにせよ」でしょうか。作り手がはっきり「これはこうだ」と断言しても、受け手のこちらは「そうかなあ」と別の可能性を考えがちです。少なくとも自分はそうです(天邪鬼の傾向あるし ^^;)。

 しかし、劇中で直接的には表現されていないことを「これはこういうことなんだろう」とハッと気が付きますと、それが(物語での)真実だと強く信じることが容易にできます。こういうの、心理学では「イケア効果」と言うんだそうで。イケアの家具はキットでして、購入者が組み立てます。すると完成品を渡されるよりずっと気に入ってもらえるんだそうで。

 要は「自分が為したものは愛おしい」。腕の立つ物語作者もそうしているんでしょうね。「自分(受け手)が自ら考えたものは信じられ、自ら感じたものは感動できる」みたいな。受け手の自分はそう感じてるんでしょうけど、実は作者の掌の上。思う壺にハマってるわけですが、それで良しと思えるようになって今に至ります。

 しかし納得できる創作論を述べたジェラミーが今後、物語作者として実際に優秀かどうか気になるところです。既に「伝わらない」とか言われてるわけで。次回「怒りのスパイダー」予告を見ますと、ジェラミーはかなり強引に事を進める感じです。そもそも強いですから力に頼れもするんでしょう。

 ジェラミーはデズナラク8世を2度も翻弄しています。そしてデズナラク8世は(全員結集ではないとはいえ)王様戦隊を圧倒した実績があります。となると、ギラらでは当たり難いんじゃなかろうか。ジェレミーは「王すら統べる狭間の王」と称しましたが「王の中の王」ですよね。奇をてらい直截ではない物語作者(志望 ^^;)が救世主たらんとするのはややこしくなりそうです。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/24 (Wed) 23:36:46

 定期感想その2です。

●仮面ライダー555(第25話:闇の実験室、第26話:デルタ登場)

「琢磨くんはアギトの北條さんと同じ役者」とのご教示、ありがとうございます。全く気が付いてませんでした。改めてネットでアギトの北条の画像を検索してみましたが、「確かに同じ役者さん」という気がしませんでした。北条も琢麿もキザなまでにプライドが高く、しかしコンプレックス抱いていそうな点が似通っているのに、演じる山崎潤さんが印象が異なるように演技してくれてるんだろうか。

 もっとも555の琢麿の現時点までの印象は、(最後まで観てみた)アギトの北条と異なる点があるのも確かですね。北条ですと野心もあれば嫉妬心もあって、ちょっとどうかと思う行動に出たりはする。が、警察官としての本分がブレるわけではなく、相手の実力に納得すれば潔くもなる。

 一方、555の琢麿ですと現時点では相手の実力が己を上回ったり、任務に失敗すれば凹む。前なんかベソかいて冴子にあやしてもらってたわけで。北条ですと硬い殻を破られたら、その中に熱いハートがあったという感じですが、琢麿ですと殻こそ立派だけど中身ががらんどうという印象です。

 しかし少し予習してみると、琢麿はジタバタあがいた挙句、情けなさの底を突き抜けて真人間になるみたいな。いったん落ちるところまで落ちての落差ですね。そこは字面上の、それも簡単な解説からの想像ではありますが、自分的には燃える展開であり、カッコいいキャラクターになる可能性がありそうで、この先がちょっと楽しみ。

 そういう感じで琢麿に興味が出てきてるんですが、印象が次第に変わってきて興味が高まってるのが草加です。登場当初は非常に嫌な感じのキャラクターでして、それゆえに勇治や巧が光る仕掛け。こういうの、当て馬とか噛ませ犬といったらいいんでしょうか。

 ところが次第にカッコよく感じるようになってきてまして、特に感情を露わに巧に殴り掛かってからですね。草加が真理に強引に迫り、巧が止めたシーンです。ちょうと同時期にネット放映のフォーゼで激高した流星が弦太朗を殴っちゃったところでして、流星&弦太朗が草加&巧に被って見えました。

 フォーゼの場合ですと、殴られた弦太朗が「流星の本音の気持ちを見た」とかえって喜んじゃうわけですが、さすがに555ではそこまでいきません。ですが巧みに見せていた嫌な面を含め、仮面をかぶっていた草加が初めて巧に本音を見せたシーンであります。さらに巧も喜びはしなかったけど(そこまでさんざいいように扱われていたのに)怒りもしませんでした。

 ギーツ感想で2号ライダーが誰かという感想・妄想を申しましたが、555においても「もしかして草加が2号ライダーなんじゃないか」という気がしてきています。もう巧のほうは草加が言わずとも気持ちや思考を察するようになってるみたいです。今週分ではスマートブレイン前社長の花形について、それが表れていました。クリーニング店での朝食シーンですね。

 草加は流星塾塾長であり養父同然の花形について、特にオルフェノクであることを隠す。事情を知らない啓太郎が知らずにいらんことを言いそうになると、巧は突然「梅干を食え」と強引に止める。巧は真理に花形がオルフェノクと知られてはいけないという気持ちはあるんでしょうけど、同じくそこを知られてはいけないと懸命の草加もおもんばかっている風があります。

 一方、草加は未だ巧への理解は足りてない。朝食時に庇ってもらいながら、ですね。クリーニング店で店番する巧の前に現れて、花形について口止めしてました。もし草加がもう巧のバディ同然までなっていれば、朝食時の巧の様子で「コイツ(巧)は分かってくれてるな」と思い、言わずもがなのことは言わないはずです。

 だけど草加は巧を未だ信用できない、というのが店番する巧への草加の警告シーンなんでしょうな。もうちょっとでバディ(1号&2号)成立なんだけどすれ違う。これも555名物のニアミスだったりするのかしらん。

 同じくバディ成立しそうですれ違い、決定的な決裂までに至ったのが今週前半(第25話)の海堂と新参の小林義雄でしょうか。前話で海堂が絶望する義雄を助け、生きる望みを見出した義雄が海堂を「先輩」と仰ぎ(海堂の弱点 ^^;)、「バディになり得るかも」という、いいスタートでした。

 しかしオルフェノク化したせいか、欲に駆られた義雄が逸れて行ってしまうわけですね。ラッキークローバーに採用されて、したい放題の人生を歩みたいと思った義雄ですが、補充人員は1名。海堂が採用されれば義雄は脱落。義雄の気持ちが「海堂は慕うべき先輩」から「蹴落とすべきライバル」に変わっていくのがなかなかの鬱展開。

 これには義雄が得たラビットオルフェノクが戦闘力においては他に劣るということも理由になってそう。弱いのに勝たねばならない。焦りもするでしょうし、劣等感や(不合理ですが)不公平感を持ったりするかもしれない。それでついあくどい手に出ちゃうわけですね。海堂が卑怯なことをするなと言っていたわけですが、義雄はかえって反感持っちゃって逆張りに出たようでもあります。

 勇治殺害がラッキークローバー採用条件とされ、しかし自信がない義雄は勇治の弱点と踏んだ結花を人質にしちゃうわけですね。それもどこに結花がいるか分からないようにしておいて勇治を襲い、抵抗するなら結花の安全は保障しないぞと。義雄の単独犯ですが、共犯がいるように見せかけているわけですね。勇治としては事情が分からない。結花行方不明だし、スマートブレインと戦ってもいる。義雄の言う通りに信じてしまっても仕方ないところ。

 しかし海堂が、いったんは「お前(勇治)を倒す/卒業する」と去っておきながら、帰って来るのが気持ちのいいところ。それも床を助けてお姫様抱っこで連れて来て、ですね。そこも結花・海堂のニアミスと言ってもいいかなあ。後で結花は救ってくれたのが海堂と説明はされるとは思いますが、救出に来た海堂を見ると見ないでは印象、感動に大きな差が出るのは間違いない(もっともそうなれば、メル友:啓太郎との関係に影響が出てしまうけど)。

 それはともかく海堂、結花を人質に取られて一方的にやられる勇治をも救いまして、どうするのかと思ったら、義雄/ラビットオルフェノクに好きなだけ殴らせるんですか。後輩:義雄がこんなことしでかしたのを、先輩:海堂として責任を取ると。バカだなあと思ってしまいますが、同時にカッコよくもある。

 しかし義雄/ラビットが殴り始めると、今度は勇治が(力尽くで)介入してやめさせる。義雄/ラビットに殴られた恨みを晴らすようなことをしなかった点は立派ですが、海堂の覚悟を受け止めきれなかった点は問題かも。なにせ、「人間として生きるのはもうやめだ」と宣言したはずの海堂が「人間を捨てようとしても捨てられないのが俺様のいいとこだ」と自分の本性を見出しての帰還なわけで。

 勇治の器が未だ小さいとも言えそうですが、それより余裕のなさを感じます。たぶん勇治は「皆は自分が守らなきゃ」でいっぱいいっぱいになってそう。その責任感があるから結花を守るべく義雄/ラビットに消極的に無抵抗になれたわけですが、積極的な理由で義雄に殴らせた海堂の覚悟を勇治は受け止めきれてないのは余裕のなさの表れでしょう。

 しかし義雄/ラビットに止めを刺さずに去るままにしたのは、やはりさすが勇治といえましょうか。もっともその厚意も無駄に終わりまして、義雄/ラビットが逃げた先に(流星塾廃墟でカイザポインターまで得て、戦えと告げられた)カイザが現れて止め刺しちゃうわけですね。

 義雄/ラビットは海堂と協力してカイザ(と555)のギアをスマートブレインに献上してますんで、たぶんスマートブレインの差し金と思ったんじゃなかろうか。弱いという自覚はありそうなのに立ち向かったのは、逃げられぬと悟って戦うしかないと思ったからかも。カイザの正体が草加と知ったら、どうしたんだろ。その辺りは何も言わずに義雄/ラビットは葬られましたんで、もう知ることはできませんが。

 この時点で草加がカイザとして現れることができたのは、巧らの草加奪還作戦のお蔭ですね。啓太郎と共に清掃員に扮した巧、スマートブレイン社に侵入。草加を見つけ出したはいいものの、見つかってしまう。しかしエレベータで逃げ込んだ先が廃墟の流星塾でして勿怪の幸いと言うべきか。

 草加が人影を見かけて「父さん!」と叫んだということは花形ということか。例の閉じ込められた作業員は拘束されてベルトを締めており、しかし作業員もベルトも灰となって崩れる。もう1人は何とか情報を残してくれまして「取ってくれ、ベルトを」。

 流星塾には何かの実験システムみたいなものや、液体に浸かったベルト。失敗作らしい。灰化した作業員と併せて、第1話冒頭を思い出せるものになってますな。あれの意味(誰が何のために何をしたか)が分かるのが、もう後半に入ろうかという今話でしたか。長く引っ張った謎でした。

 さらに事態は巧と草加に幸いしまして、琢麿、冴子が追って来るも、ゴートオルフェノク/花形が介入して555とカイザのギアを奪還。こうなれば形勢逆転でして、琢麿、冴子を撃退。花形から「(答えを知りたければ)戦え」カイザ/草加は上述しましたが、追いかけた先で偶然見つけたラビットオルフェノクを新必殺技(ゴルドスマッシュ)撃破するわけですね。

 これで草加はバーサーカーと化すのかと思ったんですが、後半(第26話)ラストで戦いに怯える姿を見せることになろうとは。タイトル通りの「デルタ登場」だからですね。このデルタ、こちらで伺っていました通り「資格のない者は凶暴化」ですな。それを教わった当初は、変身時だけ暴走するのかと思ったんですが、生身に戻ってもそうなるようですね。

 前話で小林義雄が次第に欲に駆られ、海堂と不和になったのはラッキークローバーの座ゆえと感じたんですが、オルフェノク化すると凶暴化する者が多いことを思い出しました。不適合者が灰化するカイザのベルトはオルフェノク化失敗を模し、凶暴化するデルタのベルトは使徒再生を模しているように感じます。555のベルトはオルフェノクとなるも人の心を失わないといったところかも。

 それはともかく、後半(第26話)は重要キャラクターとなりそうなオルフェノク登場でして、一瞬「これが北崎?」と思いました。が、村上社長がラッキークローバー候補と言い出したんで違ってたorz。よく考えたら藤田玲さん演じる北崎の登場は第28話なんでした。

 それはともかく、新登場のスパイダーオルフェノクの犯行は折り鶴を紙マッチで燃やしてからの大量殺人でして、クウガのゲゲルを思い出すものがありました。ちょっと怖い。ただし、ターゲットの中にオルフェノクがいれば見逃すらしい。クラブ襲撃して「クラブの男」がフロッグオルフェノクだと分かると殺害しなかった。後でフロッグ/クラブの男は流星塾の河内を襲ってまして、スパイダーから人を襲えと脅されたのかもしれない。

 スパイダーの正体をウィキペディア等で調べてみますと、流星塾の澤田亜希とのこと。草加とは真逆の方向性で真理に絡んでいくみたいですね。今話で気づかず、ネットで調べて驚いたのが、啓太郎のクリーニング店のバイト募集でやって来た木村沙耶です。クリーニング店の仕事がおろそかになりがちな巧らを強調する演出かと思ったら、澤田亜希と因縁がある重要キャラクターらしい。

 しかし澤田や木村の正体や目的が明らかになるのは、まだ後のようでして、今話はともかくもデルタのギアの壮絶な奪い合いですね。結束が固かったはずの元流星塾生が死者まで出す血みどろの争いになってます。どれもデルタを巡ってのもの。前に草加が「流星塾のみんなも戦っている」と説明した現実がこれでしたか。

 草加らは死傷者を追うようにデルタを探すわけですが、デルタギアを持って逃走したと思われた河内がフロッグに襲われ、草加に助けを求める。河内がデルタを持っていれば自ら戦うはず。それがないから助けを求めたということで、どうなってるのかと急行してみるとフロッグ/クラブの男が襲撃者。

 これはカイザで簡単に撃退できたわけですが、かろうじて逃れたフロッグを追うカイザ/草加の足が止まる。ようやく駆けつけた555/巧は不審がりますが、カイザ/草加はフロッグが逃げた先を凝視するのみ。呼吸音も極度の緊張を感じるものになってますね。手は無意識にブラスターモードへ。

 何かを草加は恐れている、と思ったら、よろよろとフロッグが戻って来る。が、倒れて赤く発火して灰化。この現象を草加は知っているようで、デルタの仕業だと。今まで無敵で、さらに強化アイテムまで得て、花形の「戦え」に応じた草加が気配だけで恐れるデルタは何者か、というところで続く。「オルフェノクの王」のための最後のベルトが出て来まして、次話はデルタを追う話になりそうですね。

●華衛士F8ABA6ジサリス(第3話:せいじゃくの街)

「F8ABA6」のご教示、ありがとうございます。ピンク色のコードでしたか。元々の企画でピンク色を打ち出していたようですから、タイトルに取り入れたということなんでしょうね。

 今話までの内容はNOVAさんのご感想で出し尽くしているように思います。第1話でヒロインにして主人公らしいアユカが死ぬと別世界に転移/転生すると示し、第2話ではアユカが行く世界は普通ではないものだと示し、第3話からアユカに絡むもう1人の華衛士フォビアが登場してジサリスと対立、これからドラマが転がり出しそう。

 今話の世界は声を禁じた世界ですが、以前はそうではなかったとされてますね。そのため、声を禁じる現体制支持派多数ながらも、復古派が密かに活動している。第2話が捨てられたオモチャたちが作ったという、なんともファンタジーな世界でしたから、今話の世界も常識的に考えてはいけないんでしょうな。

 音楽が流れているところから考えると、壊れた伴奏用楽器とかでしょうか(アユカが目を覚ました部屋にフォークギターがちらっと映ってました)。カラオケというのもあり得なくはなさそう。

 それはともかく、この世界の住人リンコにアユカはかくまわれていたわけですが、リンコの最初の台詞はちょっと不審です。「やっぱり(アユカは)ここの人じゃなかったんだね」~「あなた(アユカ)の味方」ですから。リンコは声を出すべきという復古派ですから、歌を歌ったアユカを同志と思う可能性はありますが、しかし「ここの人じゃない」と認識してます。

 そこはさらにリンコが別の世界もあると知っているということにもなります。第2話も実はオモチャの世界の住人がアユカを、オモチャ世界にいるはずがない「生きている人間」と気付いて驚いてました。各世界の住人は別の世界があることを知っているらしい。ジサリスら華衛士もそういう多世界の仕組みを知っているようですし、リンコを何らかの鍵と認識もしている。

 知らぬはリンコばかりなりということになりますが、さらに「アユカが元の世界に帰れないでいると、元の世界が消滅する」とも、フォビアの台詞で示されましたな。ジサリスも知っているようでしたが、アユカには黙ってたみたいですね。おもちゃの世界ではアユカは人間と認識されてましたが、もしかするとアユカもファンタジー世界の住人だったりしてもおかしくなさそう。

 ともかくも、あれこれ起こっており、いろいろ情報も提示されていますが、何がどうなっているかはサッパリです。次話で少しは整理してくれるかなあ。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/25 (Thu) 20:40:19

 定期感想その3です。

●牙狼:翔編(第21話:王)

 一気呵成に事態が進んだ感じです。ほぼジンガ側の思惑通りということではあるんですが、いかにも残るは最終決戦のみと思わせるラストになりました。とはいえ一直線にドラマ展開したわけではなく、ダイゴの意地と執念も描くなどワインディングで進めてくれてまして、そういう揺らしてくるのは好みのパターンの1つです。

 冒頭は前話の「閃望の泉」からでして、ぎりぎりでアミリが莉杏の精神に寄生したジンガを救出するところから。口から吸い出したようでして、一種の百合描写といえなくもないですが、背中に巨大脚のアミリとか周囲及び前後の状況込みですと、ただただ不気味な感じしかしない。

 直ちにジンガはアミリの体を乗っ取って復活。初見ではこの時点でアミリが死亡かと思ってました。が、すぐに復活するわけですね。「閃望の泉」でジンガは余裕を見せつつも逃走し、外で血を吐く。何事かと思ったら、血反吐がみるみるアミリに。

 そのシーンもアミリが最初全裸でして、そこだけ捉えればいわゆるサービスシーンといえそう。ですが、血反吐がみるみる形を変えるさまを見てるわけですから、グロテスクな感じすらしてしまいます。

 それでもこの体当たりの演技をしてくださった松野井雅の名誉のために申し添えるなら、不気味さと美しさが共存していたのは確かです。全身生身でホラー要素はないのに、鋼牙編でよく見た、自分のツボの「半身が生身の女性型ホラー」の印象。ちょっと感動する、萌えるほどです。

 それはともかく(^^;、アミリ復活前にジンガに追いすがり、決戦を挑んだダイゴにも感動するものがありました。こちらは燃えるものあり。最初は生身で挑んであしらわれ、鎧装着しろとジンガにせせら笑われ、獣身騎士ギガとなるも、同じく鎧召喚のジンガに敗退。さらに左胸をグッサリ。流牙が駆けつけるも間に合わずという感じですね。

(実はそのバトルシーンでちょっと混乱しまして。前にアミリの力が途切れると、ジンガの鎧も剥がれる描写があったはず。アミリを欠いて、ジンガはどうやって鎧装着したんだろうと思ったんですが、アミリがジンガの中にいたと分かって納得。しかしアミリあってのジンガの鎧というのは自分の勘違いの気もします ^^;。)

 実力差があるのに遮二無二立ち向かって蹴散らされるのはいかにも不格好。今一歩て加勢が間に合わないのは不運にして無念。ですけど、自分はそういう泥臭く情けない感じにしばしば「カッコイイ」と燃えるものがありまして。

 今話のダイゴのバトルですと、そのシーンだけが泥臭いから好感度高いわけではないようです。序盤の登場時から頑なさが強調されてました。中盤まで、もしかすると今話直前まで、その頑なさは悪い印象をこちらに与えていた気がします。しかしその頑なさだからこそ、力が劣っても、ダメージを受けてもひたすら斬りかかるダイゴに納得できます。嫌な感じと思った部分の裏側は燃えるものだったかと感心しました。

 しかし敗退は敗退。それも重傷ですね。流牙が「治る傷だ!」と励ましたとき、もう助からないからこそ、あえてそう言ったのかと思いました。が、よく思い出してみるとダイゴはラダンとの戦いに参戦していたはず。直後のシーンでは命は助かったことが明かされ、弟子に見守られて養生でした。この後、何かがあってダイゴは急速回復したはずですね。

 莉杏もダメージから回復しきれてませんが、引き続き参戦の決意。流牙、莉杏、ガルド、リュメ様でラダン城へ突入。封印に阻まれますが、法師の助力を得た轟天の烈火炎装(でいいのかな?)で突破。ジンガも止まらなければ、流牙側も止まらない感じですね。しかし一足及ばず、既にジンガらはラダン城への道を開いて入城、で続くのか。

 観終わって確認すると、残り2話ですか。他の牙狼シリーズは2クールだと25話あることが多いんで、この翔編が全23話というのを失念してました。今話の一気呵成も他より2話分少ないということが影響してるのかもですね。

 それで不満はないんですが、もし全25話だったらと妄想したくはなります。観なおしてみると、今話半ばで流牙らが莉杏の同行を受け入れての出撃シーンはラストシーンのようにも見えます(そこで「続く」となる感じ)。もしかすると、もう1話分の枠があれば(全24話)、今話はジンガの逃走で1話を描いたのかもしれません。もしそうなら、ダイゴ vs ジンガ戦もシーソーゲームのハラハラを描けたかも。その次で、ラダン城に辿り着く競争とバトルで1話分ですね。

 さらに1話分多いとどうなのかは、次回以降、もしかすると最終回観終えたら妄想できるかな。アミリを見捨てたジンガが惨敗するのは覚えてるんですが、ラダンをどう倒す(再封印する)かは忘れてしまってまして。調べ直してみますと、巨大黄金騎士で決着らしいんですが、どうにも思い出せませんorz。

●BASTARD(第20話:暴虐)

 原作の連載読んでたときの印象では、アビゲイルが3種の魔導器より成るロボット(?)操る戦いはコミカルとしかいえない印象でした。ヨーコも「どんな恐ろしい台詞を吐いても絶対決まらない状態ね」と言ってまして、作者がそういう意図で描写したことが窺えます。

 魔導ロボットもネーミングが「Ωアビゲイル一世」ですし、アビゲイルの顔が逆さに浮かび上がるし。当初、自分はその顔が作りもののメインカメラみたいなものと思ったんですが、DS操るゴーレムに殴られて鼻血を出しまして、「弱点となる生身を外に出してんの?」と間抜けなコミカルに呆れるほど。

 対比できそうな類例では「コブラ」(寺沢武一)の1シーンを思い出します。サイコガンで破壊できない、パイロット操縦のロボット相手にコブラはそれでもサイコガンを放ち続ける。パイロットは「無駄だ」と嘲笑しますが、やがてロボットは赤熱し、ついに動きを止める。コブラは「ロボットは耐えられても、高温となったコックピットのパイロットは無理だったようだ」と笑う。というもの。

 そうした要素は今話の「Ωアビゲイル一世」にはありません。次話以降のはずですが、DSとネイのダブル最高魔法に対し、アビゲイルは「ずるいぞおっ!」とか情けなく叫び、しかし防ぎきれたと分かると安心して高笑いとかしてたはず。ともかく緊張感欠如の戦いだった印象です。

 しかし、ネイがきちんとヒロインと感じることができて、ネイ視点でも物語を観るようになってみますと、今話分も少し印象が変わりました。

 まず城内でのネイ vs アビゲイルは「Ωアビゲイル一世」出現と見るや、ネイはヨーコのカバーに入り、直ちに脱出する。DS側に寝返った(帰り着いた)ネイとしては、味方だから助けたといえますが、前には複雑な心情を向けていたヨーコを迷わず最優先したのは、DSの愛する者はネイも大事にする、みたいな印象を受けます。

 そうしておいて、自然と屋外のバトルですね。ネイがヨーコを庇って脱出することと、全力で雷神剣を振るえる開けた場所に出ることを同時にやってのける運びで無駄がない。ただし、そこで見せつけるのはコミカルなアビゲイルの無敵性でありますが。そうなりますと観ていてDSの参戦を期待しますし、実際そうなる。そこからがネイ視点で見ものなわけでして。

 まず緒戦は図体的には互角のゴーレム引っ張り出したDSが先制。上述しましたが、弱点のむき出しのアビゲイルの顔に一撃。しかしアビゲイルとDSのやり取り含めて間抜けなのは、ヨーコ含む周囲のキャラクターの反応通り。原作者もアニメ制作者も「ここはコミカル、コント」と意識してやってるはずです。

 しかしアビゲイル、ネイを人質に取る。そこからもコントなんですが、ネイ視点で考えるとコミカルばかりでもありません。突如としてDSがへいこらし、土下座までして服従を近い、ネイの助命を嘆願する。いかにも芝居がかってますし、DSが本気でやるはずもない行為ですね。「それで騙せるわけが」と思うほどあからさまに怪しいのに、アビゲイルは勝ったとばかりに大喜びしてしまう。それも非常に間抜けに見えます。

 これを見ているネイは握りつぶされんばかりの力で締めあげられてるでしょうから(それくらいでないと逃げられるし)、態度に余裕はないですが、たぶんDSが一芝居打っていると分かるはず。DSにはデレまくりですが普通に賢いですからね、ネイ。

 しかし芝居だとしても、極めてプライドが高く不遜なDSなら死んでもやりそうにないいこと。それがネイを助けるためなら迷わずやってしまう。前には自ら心臓をえぐり出す物理的な死をネイのためにためらわず、今度は命より大事そうなプライドを衆人環視の中でかなぐり捨てる。

 ヨーコはその策で救出されたネイを見て、「嬉しいんだろうな、大好きな人が自分のために戦ってくれたんだから」と言ってますね。原作読んだ時点ではその通りという気がしました(たとえバトルがコミカルでも)。が、このアニメで観てみますと、ネイに感情移入が生じたせいか、「自分(ネイ)のために全てかなぐり捨ててくれた」ということのように思えました。

 そう思えてみますと、以前はネイがDSとヨーコの仲を複雑な感情で見ていたのが、今度はヨーコがDSとネイの仲を素直に見られなくなってるような印象となりまして、なかなか面白い。

 さらに、そこへ絡んで来る影がシーラ姫ですね。冒頭でいったん首飾りがアンスラサクスの封印の鍵と思わせていたのをコミカルなオチにしておいて、本当の鍵の在りかをDSらに告げる。どこにあるかは台詞を意図的に省く作劇ですが、大臣らの動揺から察せられるものがありますね。

 そしてDSすらも真顔になって「守ってやる」と神妙に約束する(シーラがヒロイン化したという示唆になってるかも)。そのDSがネイを守ったことになります。ネイはネイでヨーコを守りました。そのヨーコはこっそりDSが心配するシーラを知っているし、ネイの(DSの娘か恋人かなどで揺らぐ)気持ちも察している。

 3ヒロインがヒロインらしく出そろったはいいものの(ヨーコだけちょっと黄塵拝してますが ^^;)、その関係が複雑になってまして面白い。これは原作読んでいるときは感じず、このアニメで初めて感じたものになります。繰り返しで申し訳ないですが、このアニメ版でネイがヒロインと感じることができて、ネイ視点でも観られるようになったお陰かと思います。

 今話では観ているこちらに伏せられましたがシーラに隠された封印は「胎内」にあるはずですね。封印を胎児のように「孕んでいる」わけで、そりゃさすがのDSも神妙になりますわな(^^;。しかし残り4話ですし、2期制作も決定とのことですから、その争奪は2期へお預けでしょうな。公式サイトの(予告的な)あらすじでも今期最終話はアビゲイルとのとりあえずの決着みたいだし。

Re: 5月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/05/26 (Fri) 10:49:20

 定例感想です。

★ギーツ

 2号ライダーが誰か問題ですが、2号ライダーの役割次第ですな。
 主人公と同格のバディってことであれば、タイクーンよりもバッファの方がふさわしいと思いますし。
 これは前作もややこしくて、1号ライダーがリバイで、2号がバイスという意見もあれば、弟の大二を2号と考えることも可能。

 同じように悩んだのは、仮面ライダーカブトのケースで、劇中登場順ですと、蜂ライダーのザビー(矢車さん)が2号になるんですけど、このザビーはややこしくて、装着者がどんどん変わるんですね。
 矢車さんが部下の影山(ラビットオルフェノクの役者です)に下剋上されて、ザビーの座を奪われて、それからさらに副主人公の加賀美がザビーに変身する。

 この加賀美がカブトの物語において、今回の景和と同じ立ち位置に当たります。変身はできない一般人だったのが、やがて成長してライダーになるという展開。
 結局、加賀美は物語中盤で、クワガタ虫ライダーのガタックに変身して、このガタックが公式に2号ライダーとして扱われていますが、登場は遅かった。
 ライダーの登場順ではなく、変身者の登場順という解釈ですな。

 なお、ザビーの座を追われた矢車さんが、後半に再登場して、地獄兄弟の兄キックホッパーになって、物語を混乱させるのですが、これが立ち位置的にバッファに近いかな、とも。

 とりあえず、2号ライダーの役割は、主人公の相棒になるか、あるいは物語の副主人公として、主人公とは違う視点、立場で錯綜した正義を描写する鏡みたいな対抗馬(ライバル)になるか、ですな。
 あとは商品展開の問題があって、2号ライダーは物語終了後のスピンオフで最初にスポットが当たるわけですが。あと、オロナミンCのCMでは、2号と3号の登場が定番ですね。物語内での役割以外に、商品展開の2番手という意味合いもあるのか、と。

 で、今回はアルキメデル退場がストーリーの中心でしたが、ケケラ&ベロバの策謀で狙われる沙羅さんというのもポイントか、と。
 沙羅さんが倒されることで、景和の闇堕ちフラグが発動して、ラスボス景和の「犠牲になった人の復活」という願望をかけた戦いという流れに展開する可能性が。

 ギーツにとってのラスボスは、スエルだと思いつつ、それに立ちはだかる壁として景和が持ち上げられる可能性が大きいかな。

 一方で、祢音ちゃんの願望(真実の愛が欲しい)はキューンの存在によって叶った感じなので、次の願望が「元々、存在しなかった自分のことを忘れられたい」という真逆の願望がどうなるのか、がストーリーの落としどころが難しいですな。
 ナーゴの存在が本当に忘れられると、公式スピンオフが作れないので、商業展開的に実現することが難しいかな、と。

 ともあれ、次回はギーツの最終パワーアップの序章っぽいですね。赤いキツネが再び白いキツネの強化形態に覚醒する?

★ファイズ

 流星塾の花形さんが登場して、神崎士郎みたいに「戦え」と言って、バトルを煽る立ち位置に。

 そして、ラビットオルフェノクですが、今回の放送を見て、「自業自得じゃん」と思ったり。
 リアルタイム放送時は、ウルトラマンネクサスの役者だったから色眼鏡的に美化して見ていて、彼が腰の定まらない海堂に裏切られて悲劇を迎えたような記憶になってましたが、先輩と先に対立を宣言したのは彼だった。
 何にせよ、小物だったので、ラッキークローバーに入る実力など皆無だったのですけどね。

 なお、ネクサスは風変わりなウルトラマンで、変身者が交代するんですね。そして、劇中の主人公である防衛チームの隊員がネクサスに変身するのは最終回という。
 そのチームの副隊長が、後に魔戒法師の邪美になったり、役者的にもいろいろとトピックがあるわけですが、これが4話1の特撮作品の1つです。それ以前は、マグマ大使がそうでした。
 4話1というのは、「登場した怪獣を倒すのに4話かかってしまう」ということで、怪獣の着ぐるみを毎週作る予算がないので、物語を引っ張ることでドラマ性を強調する作劇手法の一つ。
 で、ネクサスは、「主人公がウルトラマンではない」「ウルトラマンの変身者の謎を、主人公が追いかける」というドラマ作りで異色作なんですが、「主人公の恋人が闇の手で怪獣化させられて、主人公が精神崩壊しそうになる」とか、いろいろとえげつない展開を見せたりもして、その脚本家が後に仮面ライダーセイバーやSSSSグリッドマンを書いている長谷川さんという。
 21世紀初頭は、特撮作品がいろいろと先鋭化していた時期でもありますね。

 で、そのネクサスに2番めに変身した薄幸の少年(ネクサスへの変身は寿命を削る副作用があり)が、ラビットオルフェノクになり、そして地獄兄弟の弟になって、最期は怪人化して兄貴に引導を渡されるという、どこまで行っても不幸街道を突き進む役者なんですな。
 ええと、後輩らしい人懐っこい笑顔と、陰のある不幸そうな表情と、調子に乗ったときのいけ好かない演技のどれもがハマるゆえの抜擢なのかもしれませんが、ジオウで影山役として再登場した際は、太って柔和な顔つきになっていたなあ、と。

 で、ウルトラ側からのスピンオフ役者としては、今回登場した木村沙耶さんが、ガイア映画のヒロインとして可愛い子役だったのが、数年を経て成長して、可愛いヒロイン候補として登場。
 実は、仮面ライダーデルタに変身したりもして、化けるんですが、北崎さんに……という悲劇に。

 ただ、小説版ファイズでは、この木村沙耶の役回りが全然違って、北崎の変身するドラゴンオルフェノクの正体が彼女という形に。
 つまり、北崎と木村沙耶の設定が融合しているんですね。しかも、彼女は草加雅人にヤンデレ的な恋愛感情を抱いていて、真理にも敵対意識を持ってるし、最終的には影山冴子の要素まで備え持った最恐ヒロインと化しています。
 本来、井上敏樹さんが描きたかった木村沙耶のイメージがそうだったのかは知りませんが、TV放送の枠を越えたグロ描写が目立つので、TV版の沙耶さんは健気で可憐で薄幸のヒロインとして、巧ともいい関係に。
 たぶん、流星塾のメンバーで、(真理を除いて)巧と一番、仲良くなったキャラではないかな。ネコ舌同士で。

 TV版の木村沙耶が天使で、小説版の木村沙耶が悪魔で、そのギャップが余計に萌え要素と感じています。

 で、ウルトラマンガイアの映画(そちらは長谷川脚本)でも、彼女は天使と悪魔の両面を持ったキャラとして描写されていて(正体は願望を叶える魔法の石なんだけど、その願望が世界の破滅にも救済にもつながる)、実にいい女優さんだったな、と。

 そんなわけで、今回は木村沙耶をプッシュする感想でした。
 デルタの悪魔的な佇まいとのギャップ萌えが、次回の注目ポイントでもありますし。

★バスタード

 物語的にはシリアスなんだけど、演出がコミカルで、緊迫感があるのかないのか分からない回でした。
 原作では。

 声とアクションが入ると、シリアス要素が加味されていて、コミカルなのが一部セリフと、DSの土下座タイムぐらいですが、
 それよりも、ネイの強さと弱さの同居した描写ですね。

 ギャップ萌えという意味では、凛々しさと甘えを兼ね備えたネイさんの二面性が堪能できた回と申しましょうか。
 強い女性が強敵に立ち向かう格好いい描写と、強敵に抗えずに拘束されて、ピンチに陥る展開と、それを助けに颯爽と現れる主人公……という定番の流れなんだけど(実に王道展開)、

 変化球なのが、DSのアップダウンの激しさ。
 ネイを人質にとられたことで、演技とは言え、土下座までするか、という、こっちはこっちでギャップ描写(萌えないけど)。
 DSの魅力の一つは、そして、この作品の面白さは、シリアスなストーリーなのにメタ描写がやたらと多くて(自分を超絶美形主人公と主張するDSのセリフからして)、しかもシリアス顔とギャグ顔への切り替わりが頻繁で、これは絵柄のあるコミックならではの表現(このノリを文章で表現するのは、非常に難易度が高い)。

 で、DSがアップダウンの激しい振り切れたキャラなのに対して、それにツッコミを入れる常識人がヨーコさんという立ち位置なんですが、ツッコミ役としてはガラの方が優秀なんですな。
 DSとガラだと、ボケとツッコミが口論できて、セリフのやり取りで盛り上がれるんだけど、
 DSとヨーコさんだと、関係性が対等ではないので(ヨーコさんの方が上)、DSがそれ以上、ボケられなくなる。ヨーコさんはDSのキャラとしての面白さ(暴走ともいう)を封じてしまうヒロインなので、
 作品の勢いを強めようと思えば、ヨーコさんはあくまで当事者ではなく、外野のナレーション的な立ち位置で、出しゃばらない動きに制約される。

 で、やはりDSの行動を持ち上げ、ストーリーの牽引力になり、しかも戦いも、ピンチ演出も、主役を心配する愛情も(自分がピンチなのに、男を案じれる優しさは本物でしょう)、そして次回につながるサポート役としての支援もこなせるアーシェス・ネイの八面六臂的な活躍が惚れ惚れしますな、ホント。

 しかも、絶対無敵のDSのアキレス腱にもなるわけですが、ただの足手まといにはならないだけの戦闘力で、「弱いのに出しゃばる残念ヒロイン」の悪口も当たらない。

 そんなわけで、アーシェス・ネイをやたらとヨイショする感想が続いておりますが、ヨーコさんの魅力の再構成は2部からだと思います。
 彼女の魅力は、常識人語り部としての観察力にあるので、1人称小説の主人公(ハルヒにおけるキョンの立場)だと機能すると思えるんですね。今はまだ経験不足、知識不足で、状況把握が十分でない(もっと父親のジオから話を聞くべき)ので、そこをもっと多角的な視点を意識して、主体的に考えられるようになればいいのだけど。

 あと、DSとアビゲイルの掛け合いは非常に面白いですね。どっちもボケとツッコミの両方を備えていて、口論が非常に冴えてます。何だか仲良くケンカしてるな、と。
 これがアンスラサクスになると、ディスコミュニケーションな敵役なので、シリアス度が一気に高まるわけで、それはまあ次回から、と。

Re: 5月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/05/28 (Sun) 22:53:53

 ジサリス感想と、前回の補足です。
 2点ほど記憶違いがありましたので、その修正をば。

★ジサリス4話

 声の禁じられた世界を、アユカの勇気を出した歌の力で歪みを晴らすような内容。

 一応、携帯変華したジサリスとフォビアのバトルアクションもポイントですが、彼らのバトルそのものは事件の収拾には何の意味もない背景ってことで。

 ともあれ、フォビアはアユカの力で世界の歪みを修復したがっていたようですが、アユカに強要しようとしていたので、ジサリスに止められた。
 一方、アユカは自分の意志で助けてくれた恩人を助ける目的で、できること(歌うこと)を成し遂げたために、ようやくミッションクリアみたいですね。

 今回、分かったこと。
 フォビアは自前の変身アイテムを持っていて、自由に変身できるけど、ジサリスは変身アイテムをなくしたので、アユカからスマホを借りないと変身できない。
 ジサリスが各世界に滞在できる時間は限られている。フォビアは現地の住人で、アユカとジサリスが異邦人だった。
 松田悟志氏の演じるラドキーパーは、時間制限とか、世界の理の監視役かな? いわゆるゲームマスターとか、ゲートキーパーの役割に思える。
 ミッションクリアしても、次の世界に行くには、ジサリスがアユカを殺さなければいけない。

 これまで、崖から落とされたり、銃弾を額に受けたり、ナイフで刺されたりしたアユカ。次はどんな方法で殺されるのかをドキドキしつつ。


★ネクサスの放送年

 2005年でした。
 つまり、2003年のファイズよりも後ですね。

 よって、ラビットオルフェノク→ネクサス出演→カブトの影山という順番だったのを、前回はネクサスの後でラビットオルフェノクと記憶違いが生じておりました。

 すると、ラビットオルフェノクを可哀想なキャラと思い込んだのは、ネクサスの役者だからという理由が記憶の捏造だったということになります。

 なお、ネクサスつながりだと、ギーツのケケラの声、および人間態の役者が、ネクサスのダークメフィストという敵役だったりして、そちらもウルトラ役者だったわけですな。

★木村沙耶を殺した人物

 てっきり、デルタギアを奪った北崎と思い込んでいましたが、正しくは澤田スパイダーオルフェノクでした。

 あれから、木村沙耶の背景事情を調べてみますと、当初は小説版のような「ドラゴンオルフェノクの正体」「北崎が木村沙耶に殺される云々」というボツ案もあったみたいですが、
 演じる女優さんのスケジュールの都合やら、デルタの変身者が女性だと関連商品が売れないだろうというスポンサーの意見などもあって、呆気なく退場というTV版の流れになった模様です。

 北崎さん自身は、「無邪気な子ども人格」と「冷酷な大人人格」の二重人格設定があったみたいですが、その辺の設定が劇中では曖昧になりつつも、役者の演技には色濃く反映されたみたいです。
 ともあれ、デルタにトラウマになるぐらいビビり、北崎さんには弄られる玩具にされた琢磨さんの転落ぶりが、ドライブのブレンを彷彿とさせるわけで。

 なお、リアルタイムでは、この辺りで劇場版が公開されて、巧の正体が明かされてサプライズって時期でした。

 TVでは、しばらく北崎と澤田が大暴れで、デルタの脅威にいろいろ翻弄される流れ。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/30 (Tue) 00:06:59

 定期感想その1です。

 2号ライダーについてのご教示ありがとうございます。拝読してみて、自分が曖昧に2号を考えていると自覚しました。たぶん、2号と(主人公の)バディを混同していたようです。昭和を振り返ってみますと、1号・2号に対して滝というバディが存在していたのでした。加えて、秘密裏に戦うライダーを世話し、サポートする「おやっさん」もいるわけで、そのポジションも何となく「(平成以降の)2号」と被らせていたみたいです。

 仮に「自分にとっての2号ライダーとは、主人公(1号ライダー)に対するバディである」と考えるにせよ、そのポジションが相棒/ライバル/敵/etcでどうなのか、さらに2号候補が途中でポジション変えて来た場合は、とかいろいろ考えることがありそうです。

(自分がよく考えてなかったと自覚してみますと、例えばドライブやビルドでは「もしかして1号ポジションですらときどき変わってたんじゃないか?」とか迷い始めてまして、自分なりに「自分にとっての2号ライダーはこうだ」と言えるようになるのは、なかなか遠そうです ^^;。)

●仮面ライダーギーツ(第37話:慕情Ⅴ:純白の破壊)

 自分が「道長/バッファが2号ライダーか」と先週分で思い始めたものの、彼のプランをよく分かっていなかったと、今話でようやく気が付きましてorz。道長が得た「全てのライダーをぶっ潰す力」でライダーをどんどん排除していたわけですが、排除されたライダーがどうなるか、よく考えてなかったんです。

 DGPの時期ですと、ジャマトの倒されたライダーは元の世界に戻ることすらできず消滅(してジャマト、あるいはジャマトの肥料)でした。バッファが以前は半ばジャマト化していたこともあり、DRにおいてバッファに倒されたライダーは無事では済まないんじゃないかと何となく思ってました。

 が、今話の道長/バッファは明確に元の世界に、全て忘れて戻れ旨言ってます。それでようやく、バッファ/道長は相手ライダーを戦闘不能に追い込んでおいて、IDコアだけを奪って破壊していたことを認識できました。この方法ならDGPでの脱落ライダーと同様になると、道長は知っていたみたいですね。

 そう理解できてみると、長らくいろいろ画策しつつ敵味方を渡り歩いた五十鈴大智/ナッジスパロウですら無事に元の世界に戻してやったことが分かりますし、ライダーを倒そうとするジャマト(特にアルキメデル)を座視できずに介入した意味も分かります。遡りますと、死んだ親友の姿をしたジャマト(しかも親友の記憶をどんどん得てゆく)に対する道長の態度も、改めていろいろ感じるところが出てきます。

 理解不足のため、そういう道長の魅力を感じ損ねていた部分が多々だったわけで、もったいないことしました(^^;。しかしまあ、放映中に最低限の理解には追い付いたようなので、良しとすることにします。

 道長への好感度が急上昇する一方、ちょっと株を下げて来た感があるのが景和/タイクーンです。ただし、そう感じるようにドラマ運びしているようではあります。DR参戦時の景和ですと、姉の沙羅が心配で飛び込んで来るという「そう来なくっちゃ」というもの。そこは好感度高い。

 しかし「創世の女神」を巡っては、英寿にすら憎悪を向けてしまうほど怒りに囚われてもいますね。姉:沙羅に対する態度・行動で株を上げつつも、憎悪を次第に募らせて嫌な感じを露わにし、ついに今話では不快に感じるほどの妄執を見た気がします。

 景和の願いが叶う可能性があればまだいいんです。が、DR最後のバトル開始前にキューンから祢音に運営撤収&願い無効の報がもたらされ、それが景和らへも伝えられています。しかし3人とも、特に景和のDR優勝報酬への執着が強い。さらに考えますと、景和は女神が願いを叶える原動力が失われた人々が得るはずだった幸福だということを知っています。

 オレオレ詐欺に引っかかり、銀行で大金を振り込もうとした人の話を聞いたことがあります。行員が状況から詐欺だ、嘘の話だと宥めると、その人は「嘘でもいいから金を振り込め」と叫んだそうです。ともかくも「今の状況(大金を振り込まねばならない)から逃れさえすればいい」という心理状況に陥っており、緊急避難の心理と言うそうで。

 そういう行動を起こす脳部位:前頭極があることも判明しているとのことで、本来は何かが飛んできたときにとっさに避けるとか、緊急時対処のためには必要なものなんだそうで。しかし、それが考えて行動すべきときに働いちゃうと、本人も後で悔いるような非常識なことをしでかしてしまう(そして詐欺師は相手をそういう緊急避難の心理に追い込むのが上手い)。

 叶わない願いに固執する矛盾を抱える今話の景和がそんな感じがします。そのタイクーン/景和に引導を渡そうとしているのがバッファ/道長でして、過ぎたこと、失ったものは諦めるというサンクコスト切り捨ての思い切りゆえに現実的でブレないですね。しかし、それはそれでテンパってる面がないわけではない。力尽くの無理矢理なわけですから。

 ジーンと図らってヴィジョンドライバーを入手し、スエルと対面した英寿も余裕がなくなってるようです。前話で道長に見せていた余裕がもうなく、女神の前に出ると感情が先走ってる様子があります。

 なんか八方ふさがりだなと思ったら、ウィンが打開の鍵になりそうですね。ニラムと共にスエルに復活してもらったため、英寿らに協力する素振りをしても運営のために働くのかと思ったら、どうも腹に一物あるらしい。しかし状況はベロバらですらスエルの意思に逆らわないほどですから、表立ってかき乱すのもリスクが高そう。

 そこでウィンが選んだ方法が過去調査ですか。Wの「地球の本棚」やセイバーの北極基地を思い出すような、でかい図書館風の場所ですが、データはデジタル保存らしい。そこに2千年前の(前世・初代)英寿生誕の記録がある。ミツメがまたも言ってましたが、未来人は生殖器官そのものがないみたいですね。しかし英寿は自然出産。

 生殖はできなくても恋愛感情は生じ、先代ナビゲーター:ミツメと旧DGP優勝者が恋に落ちちゃったわけか。2人は子が欲しいと願った結果、ミツメが創造の女神となり、初代英寿誕生と。それをDGP運営が力を横取りして女神の意思を奪い、力だけ利用して現DGPを始めて今に至ると。ウィンのもたらした情報&推測を英寿、景和、道長が即座に受け入れたわけではないようですが、相当に頭を冷やす効果はあったみたい。

 この世界からのDGP撤収でもあるグランドエンドを発動するスエルのもとに英寿が現れまして、「母さんを救う」と再宣言、スエルに排除を命じられたニラム/ゲイザーとの対決となりますが、緒戦はギーツ/英寿不利。やはり運営は管理者だけに、参加者を制圧する力を持っているんでしょう。言い換えると、自分たち運営に反抗する力をプレイヤーに渡しているわけがない。

 そこはラストで提示された「仮面ライダーのテクノロジーは運営によって創造・管理されている 『例外は存在しない』」通りですね。しかし『例外は存在しない』が消される演出でして、それが崩壊する女神の(まるで落涙のような)欠片を握ったギーツが見せた新形態(ブーストフォームマークⅢ)ということらしい。スエルですら「ほう?」と興味を示すような、戸惑ってるような反応です。ギーツ新フォームはまだ詳しく描写されてませんが、何となく暴走形態のような印象も受けまして、少し不安な気もします。

 新フォームの波乱はありそうですが、今話を表面的に観る限りではほぼスエルの思う通りに事態が進められているように見えます。スエルは創造の女神の力を思うままに扱い、女神の力が衰えて来たと見て取っている。その証拠が「英寿のいない世界」を女神が実現できないこと。だから後継者(おそらくツムリ)も用意している。現女神を放棄して、DGPの形跡を消して別の時代に飛べば何の問題もない。

 ということなんでしょうけど、スエルの読みが間違っている可能性もありますね。特に創造の女神に関して。英寿の拒絶された最初の願いは母ミツメに関することでした。DGP運営の妨害とも取れますが、ミツメが(初代・実子)英寿に言ったのは「私のことは忘れて、それが幸せよ」に即した結果だったのかもしれない。

 今度は実子(の転生)の消去の願いが叶えられなかった。スエルは女神の力の衰えと解釈してますが、女神の拒絶の可能性もありますね。スエルは創造の女神の意思を奪って道具化できたと思っているようですが、女神はミツメの意識を残している可能性がありそうです。そうであればですが、女神は女神でずっと「DGP破壊計画」みたいのを密かに進めていたのかも。

 あるいは女神を救うべく活動している組織ないしは個人が英寿以外にいるのか。次回「慕情F:九尾の白狐!」では謎の狐面の男が現れて、英寿に何かするらしい。仮面ライダーWEBによると「純白の戦士」(たぶん今話登場のブーストフォームマークⅢ)は破戒の限りを尽くすようで、そこへ狐面の男が絡んでいくみたいです。そこから一点突破して反転攻勢みたいな感じでドラマが進むのかな。

●王様戦隊キングオージャー(第13話:怒りのスパイダー)

 次回「もっふんといっしょ」はタイトルが「なんだそれは」みたいな感じですが、それはさておきジェラミーとヒメノの対決みたいですね。今話がジェラミーとヤンマでしたから、順々にオージャー戦士をジェラミー巡っていくんだろうか。ジェラミーが追加戦士だとは思えますんで、いずれギラ側へ参加するにせよ、かなり癖があるというか奇矯ですんで、皆となじむにも相当の段取りが必要な感じです。

 それにしてもジェラミー、自分は前話で受け手に告げずに悟らせる創作者らしさに感心したんですが、今話ではそうしたいあまりに言葉足らずになる独りよがりな面を見せたような印象です。多少極論しますと、「こう言ったら、こう受け取るもんだ」的な思い込みが強い、自分自身しか読者たりえない創作者と申しますか。

 それが表れているのが、「大事なもの」とヤンマに告げただけで、ヴェノミックスシューターが母の形見であると分かってもらえるはずという思い込みと、それが裏切られたときの怒りですね。

 ヤンマに会ったジェラミーは当初はいい関係を作れそうでした。ヤンマの成り上がりの建国物語をジェラミーがいたく気に入ったためですね。そこで大事なもの(ヴェノミックスシューター)を預けるわけですが、受け手(ヤンマ)の性分、思考パターンを読み切れてなかった模様。もうちょっとエンタメ作者寄りの思考があれば、続く事態は避けられたかも。

 もっとも、巨大ハイテク・ブーブークッションなんて、シオカラですら危惧するわけですが。ただし、ヴェノミックスシューターで作ったからではなく、贈呈先のラクレスには通用しないか、仮にヤンマの思惑通りになれば恨みを買って国同士の関係悪化になりかねないという理由ですが。

 ややこしいことに、そこへバグナラクのゲロウジーム(この声、関智一さんなんですか!)が絡んで来る。シオカラと入れ替わりまして巨大ブーブークッションをラクレスの前へ運び入れるも、躓いてクッションに倒れ込みそうになる。バレると焦ったヤンマが飛び蹴りで偽シオカラを吹っ飛ばすも、自分がクッションへ落下。

 なんとも安定・定番のコメディでして、そこですかさず「お後が宜しいようで!」とでも叫べば、サプライズのコントと受け取ってもらえたかもしれませんな(実際、ラクレス側近まで笑いをこらえるのに必死なわけだし)。

 しかし総長のプライドなのか、それができなくて万事休す。と思ったら、偽シオカラの扮装(?)が解けまして、ゲロウジームが姿を現したことで、ヤンマは責任擦り付けて体面をかろうじて保つと。

 コントなのか茶番なのか、どっちでもいいとラクレスは思ったようですが、ジェラミーはカチンとくるものがあった模様。ゲロウジームを追うヤンマに追い付いて詰るわけですが、ヤンマには理由が分からない。観ている自分にも分からない(^^;。ヤンマが問いただしてみますと、「ヴェノミックスシューターは母の形見なんだから、そんなつまらないことに使うな」旨の怒りでしたか。

 しかしそこへバグナラク勢急襲で混戦状態に。しかしジェラミーは焦らず悠々対処なのか。さらに絶望を募らせているようで、戦うなと言っても聞かないと怒ってますな。しかし観ていて、「もしかして2千年間、今話みたいな相手に通じない話して混乱させ、騒動起こしてきたのって、ジェラミーなんじゃないの?」という気がします(^^;。「ソウルが仲直りのしるし」って誰も気づいてないし、守護神分け取りだってたぶん同じ。

 しかし通じない話をする癖があっても、ジェラミーの強さは本物。2千年間、この強さがありながら力尽くを避けて来たらしい点は特筆に値するかも。しかしキレちゃいまして、今回は強引ですな。でもバトル描写は見応えありましたんで、それも良し(^^;。

 スパイダーらしく糸で飛び回るさまは、やはりスパイダーマンを連想すべきなんでしょうね。しかし自分的には観た量が多い「進撃の巨人」の立体機動をまず思い出しました。「進撃の巨人」は2Dアニメの制限がありますが、キングオージャーはCGベース。奥行き方向もふんだんに使ってくれまして見応えあります。

 ジェラミーが全て叩き伏せるか、という感じでしたが、やはり力尽くは性に合わないのか、創作者のプライドが許さないのか、それとも平和志向のポリシーに反するのか。適当なところで切り上げとなりまして、倒したと見えたゲロウジームもこっそり救出してたのか。バグナラクで粗略な扱いのゲロウジーム、これに感動したらしい。

 次回はジェラミー vs ヒメノですね。しかし、リタお気に入りの「もっふん」のアニメはヒメノのイシャバーナで制作されてたんですか。しかも何やらドラマ展開に重要らしい。うーん、もっふんでシリアスドラマの解決と言われても、なんだかシュールな感じしかしないんですが(^^;。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/31 (Wed) 10:35:44

 定期感想その2です。

●仮面ライダー555(第27話:流星塾分裂、第28話:暗黒の四葉)

 脚本的には3話構成の「デルタ出る」の中・後編でして、一応はキリのいいところで今週分が終わってくれまして、次からはまた前後編を一気に観られるようです。それにしても「デルタ出る」編、駄洒落のようなタイトルなのにドラマはなかなかに陰鬱ですね。

 前半(第27話)冒頭は前話からの続きで、草加が「流星塾のみんなも戦っている」と信頼を寄せていたのが裏切られ、むしろデルタを巡る内紛でどんどん崩壊していってますね。デルタのベルトを持っていたらしい河内は何者か(たぶん澤田→沙耶)にベルトを奪われ、フロッグの襲撃で死亡。

 その仲間の死を悼む様子を見せず、デルタ変身経験者の徳本恭輔と新井賢はデルタのベルトの行方しか気にしない。さらに相争いまして、他の流星塾メンバーの制止も無視。巧も草加もさすがに呆れてますが、その気持ちは分かる。目的と手段が入れ替わっちゃってまして、ただただデルタが欲しい、デルタになりたいという気持ちしか残ってない模様。

 今週分ではスパイダーとなっていた澤田亜希が人間を捨ててオルフェノクになるべく、愛する真理を殺害しようとしているわけですが、オルフェノク化するとオルフェノクに飲まれるのはこれまでも描写された通り。デルタは誰も拒まず、灰にもしませんが、オルフェノクになる以上に心を歪めてしまうようですな。

 そのデルタのベルトを誰が持っているかがドラマの焦点でしたが、後半(第28話)にかけて割とあっさり明かされまして木村沙耶でしたか。スパイダー/澤田に襲われたときの動き(ベルトを腰へ)からしますと、前話ラストから出没していたデルタは木村沙耶であったようですね。

 その木村沙耶なんですけど、巧に対しては、啓太郎に対する長田・結花と同じようなことになってるんですね。デルタのベルトを追う過程で「沙耶」という名前が出たとき、巧は「どんな奴だ」と怪訝そうでした。それでようやく意識したんですが、クリーニング店では啓太郎が「木村さん」と呼び、真理ら流星塾メンバーは「沙耶」と呼んでます。

 そのため巧は「木村」と「沙耶」が同一人物と認識できてなかった模様。後半の最後の最後で、木村沙耶がスパイダー/澤田に致命傷を受けたとき、カイザ/草加が「沙耶!」と叫び、555/巧はそれが見覚えのある「木村さん」と気付いたと思いますが、分かったときはもう時既に遅しでした。

 長田と結花が同一人物と気が付かないゆえの啓太郎のコミカル迷走が、木村・沙耶については悲劇となってしまった格好でしょうか。巧が木村=流星塾の沙耶と早くに気付ければこの結末には至らなかったはずです。木村沙耶としてはどうやら「もし巧が555の力に溺れず、心優しい人物ならデルタを託したい」と思っていた模様。

 しかし巧はその条件を満たしているも、表面的にはぶっきらぼうですから沙耶も探りを入れるしかない。沙耶もそれで焦っていたのか、言うことがちょっとぶしつけになっていたりしてました。「(555の力を持つのは)気持ちいいんですか?」と尋ねるのは、それが沙耶の知りたいことに直結するとはいえ、さすがにひどいかと。

 ちょっと誇張しますと「555の力でオルフェノクぶっ殺して食う飯は美味いかい?」と揶揄しているように聞こえかねません。さらに序盤で示されたように、巧は555を自分の存在意義と覚悟することはできてはいますが、同時に苦しみの原因でもあることは間違いない。戦いから逃れられないですし、現時点で明かされていない情報「巧はオルフェノク」を考慮しますと、同族殺しという深刻な苦痛があるはず(そこは勇治が仲間のオルフェノクを守るためには必死になることなどから推測できる)。

 そういうことが、ちょっと極論ですが「木村=沙耶と分からなかったため」だけで起こってしまったわけで。木村沙耶はあえなくスパイダー/澤田に殺害されてしまい、デルタのベルトも琢麿、さらに今週ようやく登場の北崎の手に渡ってしまう。その功で澤田/スパイダーはラッキークローバー入り。

 その澤田、おそらくデルタを巡る争奪で木村沙耶と通じてたんじゃないかと思いますが、迷わず殺害してますね。同じく流星塾メンバーで(デルタ争奪に躍起だった)徳本も新井もためらいもなく首をへし折ってます。そこまでの折り鶴を燃やす儀式(?)後の大量殺人と変わるところがない態度です。

 しかし澤田、人間を捨てるためにと必死だった真理殺害はためらってしまってますね。既に大勢を殺害してしまったといえ、ちょっと海堂の「人間を捨てようと思っても捨てられないのが俺様のいいところだ」を思い出すものありです。真理を殺害できるか、それとも無理と観念するかで澤田の行く末が決まってきそう。

 澤田/スパイダーは555とカイザを同時に相手にしても優勢に戦えるほどの実力者のようですが、次元が違うレベルの敵/オルフェノクも登場しまして、藤田玲さん演じる北崎ですね。スパイダーとなって立ち向かってきても、北崎は生身のままで軽くひとひねり。これでは555とカイザが協力しても太刀打ちできそうにない。

 加えて触っただけで灰化ですし、オルフェノクでも多少抵抗性があるに過ぎない。北崎が頬に拳を当てるとじわじわ灰化し始める琢麿が恐れるのも無理はない。おそらく実力もメンタルもラッキークローバー最弱という感じがありますから、琢麿は。

 その琢麿は以前から北崎の名前が出るだけで反応してましたが、デルタと遭遇してそれも恐れるようになってますね。デルタが接近しただけで気配を察し、恐怖で緊張してます。が、そこは琢麿のメンタルが弱いだけではないのかも。

 カイザ/草加もデルタが接近しただけで極度の緊張を見せてました。相手の実力を気配で感じ取ってるんでしょう。琢麿ももしかすると同じ能力があり、しかも察した通りに鎧袖一触だったんでデルタを(思い出すだけでも)恐れるようになっちゃったのかなと思います。

 もっとも、琢麿が北崎もデルタも同じように恐れてくれるお陰で、観ているこちらとしては「となると、誰にもどうしようもなさそうな北崎もデルタなら対抗できる?」と思えたりします。が、後半ラストではデルタは北崎に手に渡ってしまいまして、もはや誰も北崎に対抗する術を持たない感じです。

 その北崎ですが、こういう感じの性格に難ありでしたか。琢麿が北崎に虐待されるみたいなネット情報がありましたんで、北崎はもっと荒っぽいとか横柄な感じなのかと思ってました。実際に観てみた北崎は無邪気、ときどき怒りという感じですね。何かが欠けているらしく、「楽しい/面白い」といった感覚を持てないみたい。しかし好奇心はある。

 それでは苦しいでしょうな。しかし楽しいとかが分からないから、おそらく苦しさも分からない。自分のつらさが分からなければ、他人のつらさも分からないでしょうな。小さな子供が「生きている」が分からず、面白半分でアリを踏みつぶしたりしますが、北崎の行動もそんな感じなのかも。

 澤田も北崎も不気味で恐ろしい雰囲気ですから、ドラマもどうしても暗くなりがちですが、ちゃんとコメディリリーフがいまして気が滅入りすぎるのを防いでくれてますね。まずは啓太郎でして、こないだまで「長田さん長田さん」とメル友「結花」から乗り換えて執着してたのに「木村さん」がバイトで入って来ると、そっちに夢中。

 巧の猫舌には構わなかったのに「木村さん」が猫舌と分かると、昼食を流しそうめんにしたりする。さらに啓太郎、「木村さん」助手席に座らせて、ルンルンで配達。これだけでも「あのなあ、お前なあ」と笑ってしまいますが、さらに天罰覿面来てくれまして、結花ですな。

 運転席から結花を見かけた啓太郎、身を低くして隠れてやり過ごそうとするも、しっかり結花がのぞき込んで来る。そうでした、結花は遠く離れた義理の妹の声も聞きつけてたんでした。啓太郎と「木村さん」の会話も聞こえてたんでしょうね。覗き込んでニコリ、去ろうとして振り返ってニコリが無言なだけに怖い(^^;。

 一方、海堂は勇治側拠点のマンションで腑抜けてますね。呆然自失の理由は、勇治に何か欲しいもの聞かれて「酢昆布」と答えたことで明らか。真理との最初の出会いで貰ったものですね。

 そこ単独でも可笑しかったんですが、次週前半の予告に映った琢麿がちょっと被って見えて、さらに面白かった。こっちは幼児退行でも起こしたのかと思える無様さでして、あやされつつ親指加えてますね。キザなメガネキャラとして、ドライブのブレン以上の転落になっていきそうで楽しみかも(^^;。

●華衛士ジサリス(第4話:よろこびの歌)

 NOVAさんのご感想で言い尽くされているように思えまして、被らない内容で言えることはあまりなさそうです。

 倒すか倒されるかのバトルではなく、時間制限ありのミッションクリアが勝利条件という点は、戦いがゲームシステムであるエグゼイドと似ている点、それも華衛士のデザインがエグゼイドを連想するものがあるだけに、ちょっと面白いかも。

 自分的にちょっと今話で残念だったのは、この言葉を奪われた世界が何であるかが明らかにはならなかった点です。前は捨てられたオモチャの世界ということが明かされ、住人の行動が納得できるものがありました。

 今回の世界ではなぜ言葉が封じられたのかが分からずじまい。各世界が何であるかを示してもらえれば、アユカとジサリスの異世界(?)巡りが何を辿っているかとか分かるかと思ってたんですが。どうやら、そういう伏線を追う楽しみを狙いとはしてないんでしょうね。

 逆に面白いなと思えたのは、言葉を取り戻すのが会話ではなく歌だった点ですね。会話は既にテレパシー(?)でできてます。心を偽る必要といった難点は言葉の復活派から指摘されているものの、声に出しての会話でも生じるものであって、決定的な問題点という感じがしにくい。

 しかし歌となってみると納得。歌はやっぱり歌ってなんぼです。声に出してこその喜びが歌にはある、と実感として納得いきます。ジサリスは「歌なら続けられる」と皆を説得していましたが、それとは違う理由で自分は感心した次第。

 それにしても意味ありげに出て来るものの、何をしようとしているか分からない面々は気になります。15分の全12話にしては人数多い気もします。4話かけて3人分を描けた量・質を鑑みますと、残る面々を描き切るのは難しそう。このドラマに対して単一の機能を持つだけのキャラクターもいたりするのかもしれません。

Re: 5月のスレッド(2023) - K.K

2023/05/31 (Wed) 23:15:22

 定期感想その2です。

●牙狼:翔編(第22話:城)

 次が最終回ということで最終決戦前半といったところですね。ラダンは王たるジンガを得て復活してしまい、こうなればいかにしてラダンを倒せるかに勝利条件が絞られました。敵が最大戦力を得ていますが、流牙側はダイゴを負傷で欠いた形ですね。

 そこは流牙側の弱点に見えますが、そうだからこそ映えるシーンありまして、まずラダン城の王の部屋でのジンガ vs 流牙の対決。数多の騎士の無駄死にをせせら笑うジンガに対し、流牙は「魔戒騎士は死んでも、その思いは受け継がれるんだ!」と。

 その台詞だけでも鋼牙編で描かれた過去の騎士が「英霊」として現役騎士に助力していたことが思い出されますが、直接的な描写では続くシーンのダイゴですね。未だ病床で人事不省のダイゴのもとに亡きセイジが現れまして、『目覚めよ』といわんばかりに剣を鳴らす。その途端、ダイゴの意識が戻りまして、目も力強い。今話のダイゴの描写はここまでですが、次回で復帰してくること間違いないと予感させるものがあります。

 元騎士であるジンガが騎士を侮り罵る台詞は印象的ですが、別の台詞が下支えしている感じです。流牙が「お前(ジンガ)がホラーで良かったよ」とまで言わせた、ジンガの現在の心境の吐露ですね。未だ我が子を殺されたことへの怒りがジンガを突き動かしているのかと思ったら、そうじゃないと。

 ホラー化に至る過程は(おそらく感情含めて)はっきり覚えているけど、そんなときの気持ちなどどうでもいい。今は人間の命の消える音が快い、というわけですか。ホラー化した者は人間に戻らないというのは鋼牙シリーズでも再三はっきり描かれてますが、大なり小なり人間時の気持ちを残しているところがありました。むしろ、そこがホラーの行動の特徴となっていたような。

 ジンガだとそんなものは捨てて、振り切っちゃったわけでしたか。前に初めて翔編を観たときには、そういうジンガの特異性は意識できてなかったようです。そこを踏まえてみますと、例えばいろいろ不満を申したTV編「神ノ牙」も印象が変わってくる気がします。「もしかすると、あのジンガ/神牙でよかったんじゃなかろうか」みたいな。

 この翔編でいえばジンガのアミリに対する態度、扱いですね。次回(最終回)では莉杏に敗れたアミリをジンガはあっさり見捨てるはずで、初見では自分はさすがにジンガが情けないと思った覚えがあります。しかし現在のジンガの人間に対する態度及びホラー喰いであることを思い出しますと、現在の同族のホラーに対しても極めて冷酷なのかもと思えます。

 そこはたぶんアミリに対しても同じなんでしょうね。人間のときのアミリに対する気持ちは、ジンガの我が子に対する気持ちの変化でうかがい知れますし、それがホラーに対しても共通の心境変化だとすると、今のアミリに対してのジンガの真意も分かる気がします。

 アミリは我が身を依り代に差し出してジンガを救い、今話ではジンガのためにラダンに我が身を捧げたわけですが、ジンガに感謝はなさそうですね。ジンガは今までアミリにさんざ甘い言葉をかけてましたが、いいように操るためだけだったと考えてもよさそうですね。次回のアミリをあっさり見捨てるジンガの印象変わるかもしれません。

 そういうものが詰まった王の部屋の戦いはジンガ、流牙とも鎧装着で次回へ持ち越し。城外のアミリ vs 莉杏も同じく。今話にメインで描かれたバトルはラダンへの対処の戦いですね。ラダンが街へ向かったことから、ラダン攻略組と街防衛組の2方面作戦。

 街へはラダンからミサイル的な遠距離攻撃で先攻してくる。これをリュメ様、莉杏が途中で迎撃するも撃ち漏らしあり。リュメ様は莉杏をラダンに向かわせ、自らは街まで退いて防御を試みるも、いささか間に合わず。そこで踏ん張ったのがD・リンゴ。

 ギターみたいな魔道具取り出して戦い、一歩も引かない。自分は初見ではこのシーンをいろいろ誤解してまして、まず一般人が加勢した点。ホラーに対して人間が無力なことは、流牙シリーズの闇照編ですら描かれたわけで、鋼牙編でも常識といっていいかと。

 しかしこの翔編では奮戦するD・リンゴを手助けという形にせよ、一般人(流牙に救われた面々ですね)が加わって巨大ホラーミサイル(?)を撃墜する流れです。ちょっと誇張しますと、魔戒に無縁な一般人がホラーを倒したともいえまして、どうも極めて異例のことが起こったように思えます。もっとも、この二度目の視聴でも最後のユキヒメの一撃が物凄いものになってまして、どうもそっちに目が行っちゃいますけど(^^;。

 まだありまして「阿号」です。この翔編では第2話にちらっとメダルみたいなものを流牙がD・リンゴに手渡し、過去に何かあったと匂わせる演出がありました。劇場版を知っていれば、それに出て来た阿号と気付けるんでしょうけど、未見の自分には分かりません(後でネット情報などで字面上の知識は得るにせよ)。

 D・リンゴが今話でギター魔道具に阿号メダルをセットしても、何をしているかよく分からず、最後に飛び出してきた騎士みたいなキャラクターもなんだか分からず。後でウィキペディア等で調べて、何が起こっていたか理解した次第。そうと分かってみますと、劇場版が見たくなります。牙狼公式Youtubeでやってくれないかなあ。

 それはともかく、対ラダンが今話のメインバトルと申しましたが、飛び道具の前哨戦。確かラダン本体に対してはリュメ様が踏ん張るはず。ネットで予習/復習しますと、それでも阻止できず、最後は巨大牙狼が対処するようなんですが、全く思い出せませんorz。


 たぶん当時の自分がよく牙狼が分からないがゆえに「そんなもんなんだろう」と軽く受け止めてしまったのかなと思います。巨大牙狼なんてのも異例中の異例のはずで、次はしっかり見届けようと思います。巨大ラスボスであるラダン(城)自体についても、鋼牙編1stのメシアや2ndのイデアと比べて、デザインなどで思うところがありますが、最終回まで観て印象が定まったら感想で何か言えるかもしれません。

●BASTARD(第21話:激闘)

 タイトルの「激闘」通りの、アビゲイル/Ωアビゲイル一世 vs DSなんですけれど、ギャグ要素がちりばめられているせいでハラハラするとかはないですね。DSの攻撃にいちいち驚くアビゲイルは、もしかして自分が復活を目論むアンスラサクスの能力を把握してないのかという疑問すら生じます。

 DSのほうも禁呪(暴凶餓飢地獄/エッド・ツェペリオン)を防ぎきられての反撃を受け、大臣らが「死んだ」と大騒ぎですが、ついこないだ心臓抉り出してもしれっと復活してたわけで。

 そういう感じで攻防がゲーム的といいますか、威力の割には生きるか死ぬかの極限状況という雰囲気が出てこない。もっともそうであるだけに絵や動き、特にCGで描かれていると思しきΩアビゲイル一世などはなかなかにリアルでして、眺めて楽しめる部分は多々あります。

 さらに申せば、安心して(?)DSとアビゲイルの攻防を楽しんでいる間に全体状況が悪化していくのがいい対比になっているといえそうな気がします。まずシーラの封印が解かれ始めまして、さらに胎内にあると明かされる。

 同時にアンスラサクスの活性化も描かれているわけですね。普段は解説が余計になりがちなBASTARDですけれど、今話のラーズ解説は伏線として大事かも。アビゲイルにもDSにもアンスラサクスの力が流入・増大しており、この2人は何者なんだとラーズが疑念を抱く。「闇の者」に力が流れるのはもう知られている前提で、さらにラーズが怪しむわけですから、何かありそう。

 その謎は段階的に明かされていたはずで、まずはこの戦いの直後にアビゲイルへのアンスラサクスによる呪縛・支配が解かれる。アンスラサクスで何かをしようとしていたはずのアビゲイルは、実際には逆に支配され、駒として動かされていた。となると、アビゲイルにアンスラサクスの力が流れ込むのは自然な話。

 その後、DSが旧世界の最終戦争では対アンスラサクス兵器の竜戦士のパイロットであったと明かされるはず。その辺りはDSがアンスラサクスの力の恩恵(?)を受けている点と矛盾する気もします。なにせアンスラサクス視点ではDSは敵、しかも止めを刺した奴なわけですから、力を貸す理由がよく分からない。アビゲイルみたいな手駒にもしてませんしね。

 矛盾でいえば、アビゲイルが十賢者(旧世界の科学者)の1人だったと明かされた後では、Ωアビゲイル一世についてのアビゲイルの理解もおかしく感じます。アビゲイルは単にアンスラサクスを利用しようとしたんじゃなくて、作った側のはず。今話みたいに、こうも使ってる魔道器の性能を把握してないのかと笑うほどの無知はどうも説明がつかない。

 その点はアンスラサクス由来の魔道具と戦っているDSにも言えそうです。対アンスラサクスの竜戦士のパイロットとして作られ、実際に戦って経験(の記憶)があるDSがΩアビゲイル一世の力をこうも把握してないのかよく分かりません。

 もしかすると、この話の連載時期に原作者は先まではっきり構想してなかったのかな。もしそうだとしても、このアニメ制作はネイの描写なんかでもうまくやってくれて、原作読んでいたときには分からなかったネイの魅力をきっちり出してくれてたりしますんで、アンスラサクスについても「なるほど」と思えるような展開を見せてくれるかもです。

 原作読んでいたときに気が付かなかった点と申せば、今話のシーラ姫もそうです。原作通りの進行だとは思うんですが、胎内の封印が解けかかったときの台詞(DSに世界を守ってと願う)を聞いた瞬間、「あ、ヒロインとして急浮上した」と思いました。

 もちろん、その台詞一発でヒロイン足りえるはずはなく、今までの仕込みが効いて来た感じですね。前話では(シーラの台詞をわざと割愛して)封印の秘密を知ったDSが真顔でシーラを守ると約束したシーンが思い出されます。さらに遡るとDSの寝所にまでやってきて、DSを心配して戦いから遠ざけようとしたシーラなどなど。

 それらが今話の「自分(シーラ)の命の危険を知りながら、DSに世界を救うことを願う」シーンに積み重なって印象を爆発的に増し、シーラがヒロインであると突然に認識できた次第です。ヨーコさんはヒロインとして、まずネイに追い越され、続いてシーラにも追い抜かれてしまいましたな。

 しかもシーラは複雑な立ち位置のネイと違い、ひたすらDSを想ってもよいポジションにいます。DSに守られる理由もしっかり持ってますしね。つまり正統派ヒロインの立ち位置。原作とは違った印象をいろいろ与えてくれるこのアニメ版では、シーラをどう描写していくのか興味が出てきました。

 しかしともかくはラストでDS最大奥義のハーロ・イーン/七鍵守護神で続く。これも防ぎきられるはずですね。ネイも追いかけて同魔法を放ち、アビゲイルが今話同様にいったん焦って(「ずるいぞおっ!」だっけ?)、しかし防げたと分かった途端に高笑いとか、いつまで繰り返すんだ的な展開のはず。まあ、本来のアビゲイルはギャグキャラということで仕方ないかな。2期制作も決定ということで、それで良しとしておこう(^^;。

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