創作と鑑賞の談話室

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6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/01 (Thu) 00:01:31

 6月の雑談スレッドです。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/03 (Sat) 00:30:00

定例感想です。

★ギーツ

 沙羅さんと祢音ちゃんが、バッファの手であっさりゲームから脱落。

 まあ、もはやゲーム内での戦いよりも、ゲーム外の運営とのやり取りの方にスポットが当たって、デザイア・ロワイアルの競技が有名無実的な形に見えます。
 単に、年末映画の映像ソフトの宣伝のために、言葉だけを借りて来たというか。
 ともあれ、前のゲームの終盤で、バッファの妨害で中途半端に終わっていたギーツVSニラムのバトルが展開して、ギーツのパワーアップで形成逆転? という流れ。

 とりあえず、母ミツメの創世パワーが、ギーツに受け継がれていくのか、それとも兼ねてからの予想どおりにツムリの方に受け継がれるのか、創世パワーの後継者を巡る争いになるのかな。

 仮面ライダーBLACKが創世王の後継を巡る戦いなので、そちらへのオマージュとして、ギーツVSツムリになったりすると、OPの映像のイメージが実現するのですが、果たして?

 まあ、何にせよ、今のストーリーエピソードが6月いっぱいで終わって、7月から8月は夏の劇場版も絡めた最終決着エピソードになるのだろうと推測しつつ、果たして、どんなサプライズ展開を楽しめるかな、という頃合い。

★キングオージャー

 関智一さんの幻影使いのゲロウさんが復活して、ジェラミーの側近の立ち位置になるとは。
 まあ、キングオージャーの場合、王様だけでなく、臣下や側近の人たちもキャラ立ちして描かれていますので、ジェラミーにも側近が用意されることで、狭間の王らしいドラマ作りができるのだろうな、と。
 虐げられた者の代弁者みたいな役割がジェラミーですが、ストレートな物言いをしない独り善がりな「口数は多いのにコミュ障」という珍しいキャラ付けだったりしますな。

 まあ、語り部としては、あまりにも伏線を張るのが下手な創作家にも見えますので、逆に言えば、キングオージャーの脚本家の巧妙な伏線には感心させられるというか。
 脚本家氏は分かって、ジェラミーの素人創作家ぶりを描いて、話を混迷させているんだろうなあ、と思います。
 で、ジェラミーの不可解な言動が、後から「実はこういう伏線だったんだよ」と種明かししてくれるのを楽しみにしつつ。

 次回のモッフンネタは、ギャグ回のように見せつつ、ヒメノのリタのダブルヒロイン回になりそうですな。
 そして、その後は、カグラギにスポットが当たりながら、ジェラミー登場エピソードを締めくくる予定かな。

 なお、今はジェラミーに変身アイテムの剣を奪われちゃったので、王様戦隊が変身できないわけですが、どうやって変身アイテムを取り戻すかという展開に、モッフンが関わって来る?
 あの着ぐるみの中にギラが入って、ジェラミーに接触する?
 今回、セバスに変装したように。次はギラがモッフンの中の人になるようなギラコスプレ天丼だったりするのかなあ、とテキトーな予想を立ててみる。

 これが当たれば、少しはキングオージャー脳になって来たかなあ、と自認できそうですが果たして?

★ファイズ

 この時期のリアルタイム放送は、夏の甲子園の影響で、後日にまとめて消化した感じなのと、劇場版のインパクトの大きさで、
 個々の話の記憶が飛んでいる感じですな。

 次の回はジェットスライガーという超バイクを北崎デルタが操縦して、暴れ回る印象とか、
 木村沙耶を殺されたことでオルフェノクを憎む巧ファイズと、木場のホースオルフェノクのバトル。

 木場さんは劇場版で、仮面ライダーオウガというボスキャラになって、
 オルフェノクの巧と、ライダーに変身した木場の立ち位置逆転バトルがクライマックスになったりして、いろいろサプライズでしたが、
 その要素はTVでも、33話から34話で扱われ、話がどんどん錯綜していくことに。

 ともあれ、次回は木村沙耶の死がファイズ側の登場人物全員に重くのし掛かって来て、しかも、その後は、真里の死という最も衝撃的な展開に流れていくわけで。

>真里のその後

 というか、役者の芳賀優里亜さんのその後ですが、ファイズの後、キバのファンガイアクイーンとして、主人公の恋人にして敵という複雑な役どころとして再出演。
 今度は、長田由佳を想起させる内気な娘の役だったのが、ファンガイアとして覚醒することで、保身のために男を騙す魔性の女性を演じた後、ディケイドでも終盤でファンガイアクイーンとして違う役柄を演じる。
 絶狼のドラゴンブラッドでも、薄幸の魔戒法師として前半に登場したものの、呆気なく殺されてしまいましたな。そちらは、ギーツのツムリがヒロインにしてラスボス悪女としてサプライズを見せてくれましたが。

 その後、東映ファンクラブのスピンオフ作品で、スマートブレインの女社長スマートクイーンとしても出演。設定上は、真里のクローンらしいのですが、仮面ライダーデルタに変身して暴れていました。

 そして、来年のファイズ20周年記念復活作でも登場予定ですが、真里のその後なのか、それとも似て非なるキャラなのか、気にしつつ。

★バスタード

 牙狼翔同様、今月で終了するクライマックス期ですな。

 まあ、アビゲイルのリアクションがオーバーかつコミカルで、緊迫感を全く伴わないのですが、
 とりあえず、バトルの緊迫感はDSが勝つか負けるかではなく、封印のシーラ姫を守ることができるかどうかに焦点をズラすことで、ヒロイン好きにとってはドキドキする展開に。

 さて、ヒロインと言えば、そろそろシーン・ハリとカイ・ハーンの再登場になるので、そちらにも期待しつつ、
 アンスラサクスが復活すれば、コミカルじゃ済まない緊迫感が持ち上がるだろうと期待して、次の回をハラハラドキドキしたいと思います。

 ヨーコさんについては、もはやヒロインではなくて、語り部みたいな傍観者として見ているってことで。
 ドラマの中ではなく、外にいて周囲を観測する存在になっているということで。

 今のところ、一番近いのは「北斗の拳の幼少期のリン」とかかな。
 もう少し、知識があれば、「キン肉マンにおけるミート君」みたいな知恵袋にもなれるのに。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/06 (Tue) 00:16:35

 定期感想その1です。

●仮面ライダーギーツ(第38話:慕情F:九尾の白狐!)

 今話は慕情編完結エピソードとなるわけですが、なんだかギーツ最終回を観ているような気分になりました。もちろん今話が最終回であるはずはないのは承知していますが、前話時点でなんとなく思っていた、ギーツ暴走形態と解決から最終回に至るまでの、あり得る流れの1つがこういうのだろうという感覚を覚えたんです。

 ただし、今話そのままのエピソードで最終回と言われたら、ここの感想で延々と愚痴言ってたと思います(^^;。なんとなれば「ドラマで見せて欲しいものが全て会話劇で処理されてる」からでして。

 まず英寿が己が精神の奥底で出会った狐面の男との会話ですね。狐面の男が現れた途端、自分は「これは英寿自身だな」と思い、面を外すと英寿そっくりでした。英寿自身も気づかない英寿の別の面なのか、それとも事の成り行きを既に知っている未来(来世)の英寿なのか、それともどれでもない別の人格なのかはっきりしませんが。

 ともかくも狐面の男は事態の解決に必要なことを遠回しに言いたいようですが、分かりにくい行間を読ませたがるジェラミー・ブラシエリみたいな感じですな(^^;。狐面の男の問いに英寿が「全てを破壊し自分の理想の世界に創り変える」と答え、狐面の男はそれでは創世の女神の過ちと同じだと笑う。

 ここですね、もし最終回だとしたら会話劇で処理しないで欲しい部分の1つめは。破壊と再生で望みを達するというのは、前世・初代英寿から2千年も転生を重ねてひきついできた願いだと思います。現代の英寿に至り、ようやくそれが手に届く可能性を見出すところまで来た。

 それが実現された、というのがたぶん最終回前に現れる偽の解決でしょう。ドラマではよく「理想を叶えていったん喜んでみたけど、なんか違う」みたいな展開が入ります。そこが狐面の男が言った「創世の女神と同じ罪の繰り返し」と判明すると、いよいよクライマックスに入る段取りとなります。

 その段取りが今話の2番目の会話劇でして、英寿とミツメの再会と対話ですね。ミツメは狐面の男の警告(?)を引き継ぐかのように、多数の人々の幸福を奪ったと「罪(の意識)」を告白し悔いる。しかし英寿に対する愛情もまた本物であると言い、英寿を送り出すわけですね。英寿も両親から授かった命と(創世の)力だと自覚する。

 ここも、もし今話が最終回だったら英寿が紆余曲折して自ら辿り着いて欲しい結論と覚悟です。しかし(なにせ今話は途中経過ですから ^^;)諭されて悟る運びになってます。たぶんこれで冒頭の暴走気味の形態で闇雲に創世の力を振るったギーツ(ブーストマークⅢ)は鎮まりまして、ブーストⅨに進化してスエル/ゲイザーとの決戦へ。

 敵側も面白い動きがありまして、しかし今話1話で完結してしまいましたな。ニラムの造反ですね。前はギロリが「DGPとはかくあるべし」に固執し、ニラムが粛清したわけですが、今度はニラムが「DGPとはかくあるべし」に拘って、ラスボス:スエルと対立。

 そこへニラムの部下である/あったサマスがニラムを銃撃、事実上のニラムとの交代となると。しかしニラムは即死はせず、なんとか逃れ出たようですね。そして英寿へ接近してくる。今話ではニラムは決戦に赴く英寿に蔭から健闘を祈るだけでした。が、敵側の内紛から敵幹部の味方側への合流って、燃えるドラマになるはずです。悪役のポリシーが己が悪を上回る瞬間が見られたりしますんで。

(その流れでラストに突入したとすると、ミツメの後継で創世の女神とされそうになるツムリを英寿が救うみたいな展開になってもよさそう。しかしその続きが創世の力の継承込みであるわけですから、仰るような仮面ライダーBLACKオマージュの「英寿/ギーツ vs ツムリ/ラスボスライダーみたいな展開もありそうな気がします。)

 しかし今話は最終章へつなぐ途中経過。ニラムはあっさり退場ですか。グランドエンドは実行され、創世の女神は単に崩れ去り、英寿以外のライダーの記憶は失われ、ジーンやキューンはおとなしく去る。ギーツも割とあっさりスエル/ゲイザーを圧倒し、スエルは倒されこそしないものの、捨て台詞を吐いてヴィジョンドライバーだけ持って去る。

 そこで英寿が理想とする世界を作り、というのは次回に持ち越しですが、やっぱり今話が最終回ではないからこその展開なんでしょうね。もし最終回ならスエルの捨て台詞に対する答えを示すように世界を作り直して見せるところでしょう。たぶんディストピアではないがユートピアでもない世界という感じでしょうか。

 しかし今話は最終章の幕を開けるエピソードらしい。ですんで、いろいろ未解決問題がそのままですね。逃げ去ったスエル~未来人だけではありません。例えば創世の女神の作りものであり、代替の娘と判明した祢音の気持ちと両親の関係。犠牲を受け入れて次へ進めという道長と失われた人々全てを取り戻したい景和の対立構図。未来人サイドについては、ゲームの駒であり最下層の扱いと思えるジャマトですね。アルキメデルが解放を願ってあがいていましたが、これも未解決問題の1つでしょう。

 それが最終章で解決されるのかどうか。次回「創世Ⅰ:俺のデザグラ」では英寿/ギーツが創造した世界でのDGPとなり(なぜ開催するんだろう?)、他のライダーも記憶を取り戻すらしい。

 ジャマトはなぜか残党がおり、取り残されたら消えるはずの未来人のベロバとケケラも出て来る模様。未来からは新たなゲームマスター:ジットが介入してくる模様。ゲームマスター出現ということは、英寿主催のDGPでありながら、その運営は未来人が行うということかしらん。ちょっと構図が測りかねてます(^^;。

●王様戦隊キングオージャー(第14話:もっふんといっしょ )

 東映公式Youtubeでは「ラクレス王の秘密」が第2話まで進んでおりまして、そこまででも示されているのが「ラクレスはわざとシュゴッダム史上、最悪の王の汚名を被ろうとしているのでは?」ということみたいです。もしそうなら、ギラが真意を隠して邪悪の王を名乗ったのと同様かもしれず、ラクレスの真意をよく考えてみる必要がありそうですね。

 しかし、前話に引き続き今話もラクレス/シュゴッダム以外がメインでして、ジェラミーの諸国巡りと王/オージャー戦士との気持ちのつながりを作るドラマですな。今回はヒメノでして、いきなりの疑惑からの憎悪で始ると。ジェラミーがゴッドタランチュラを操り、それにセミのシュゴッドがお供していたのが原因ですね。目撃したヒメノがなぜか激怒。

 そこはすぐ明かされまして、15年前の「神の怒り」は無数のセミのシュゴッドがイナゴの群れのように各地を襲って滅ぼしたからですか。加えてヒメノの両親は毒殺されたとのことで、毒といえばタランチュラ(かサソリ)。ヒメノ的にはドンピシャすぎて、昔の恨みもあって「神の怒り」はジェラミーが引き起こしたと思い込んでしまう。

 気持ちは分からなくもないですが、あまりにも直感レベルでして、当然ながらギラは逸りすぎと危惧して止めにかかる。が、ヒメノが言うことを聞くはずもないし、もっとまずいのがジェラミーですね。ヒメノの過去の忌まわしい記憶に土足で入り込むような言動をしておいての、いつもの「行間を読め」。

 その行間が(相変わらず ^^;)読めるわけないと指摘したのがリタですな。逃げて来て行き倒れたジェラミーについて、過去の記録と照合してみると「神の怒り」発生時には、眠ったまま見世物小屋に「腐らない死体」としていたという、なんとも間抜けな話に。それでジェラミーは「神の怒り」について知らず、したがってヒメノの怒りについても理由に気が付かなかったと。

 ジェラミー、「全てを統べる狭間の王」とか称していても、根が善人であることが分かるシーンでしたな。しょんぼりして「(ヒメノの)行間を読めなかったのは私か」反省しとります。謝罪して和解したいところですが、ヒメノの思い込みが強すぎ、リタですらとりなせないみたいですね。

 しかしそこはさすがにストーリーテラーのジェラミーでして、情報提供すると言い出す。それが「もっふんといっしょ」アニメ秘話というわけでして、まず目の前のリタを引き込むことに容易く成功してますな。なにせリタのツボですもんねえ、もっふん。しかもそれがヒメノの幼少時にも関係しているわけですか。

 15年前の「神の怒り」で各王国ではまだ幼い皇太子が王位継承するしかなく、ヒメノも例外ではない。が、あまりにも荷が重いのは確か。心配したイシャバーナの国民が「もっふんといっしょ」アニメを制作、幼いヒメノを力づけようとしたと。それを知ったヒメノはさすがに落ち着きを取り戻し、「神の怒り」はジェラミーが引き起こしてはいないという事実を受け入れる。

 そこが前話を踏まえてみての今話の面白いところでした。前話ではジェラミーが感動できるンコソパ建国物語でスタートしたヤンマですが、現時点のヤンマをジェラミーが侮る事態となり戦う羽目になったわけですな。そして各王から武器を取り上げてしまう。

 が、ジェラミーはお灸をすえるくらいのつもりであったのか、今話ではあっさりと武器を返す。しかし依然としてリアルのヒメノを侮っている。しかしヒメノが背負っていた建国物語をジェラミーは知り、感動するとともに己(ジェラミー)の至らなさも自覚して和解に至ると。

 物語からリアルに至り、また物語に帰着する流れがなかなか自分的には面白かったです。これでジェラミー、各国の王の今のリアルと背負う過去の物語が不可分であると感じ取ったんでしょうか、ラストのアメンジームとのバトルではオージャー戦士に戦い方を任せつつもチームプレイが成立していたように感じます。

 次回「スズメにお見舞い」はカグラギの妹スズメの登場ですか。ラクレスの元に人質としてとどまっているようですが、カグラギが「会えぬ覚悟」と言ってまして、厳しい何かがありそう。そこへジェラミーが絡んでいくようですが、ここまで行動に謎の多いカグラギの隠された物語、そこから分かる行動原理とかを見せてもらえるのかな。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/07 (Wed) 14:19:47

 定期感想その2です。

●仮面ライダー555(第29話:超絶バイク、第30話:雅人の罠)

 北崎/ドラゴンオルフェノクという、ラッキークローバー/オルフェノクとしても異質なキャラクターが動き出してみますと、他のキャラクターの立ち位置や振舞の意味、抱えている悩みなどが分かりやすくなった気がします。

 北崎は自分が欲しいものだけに興味があり追い求めもするようです。仮に555の人物配置をオルフェノク陣営、(巧が実はオルフェノクということは置いといて)人間陣営に分けてみますと、北崎に対応する人間陣営のキャラクターは草加だと思えます。

 もっとも草加は北崎とちょっと違いますが。北崎は力が抜きんでているがゆえに欲するままに動きますが、草加はそうではないですね。人間陣営内でも草加/カイザは最強ではないし、真理に固執するがゆえに真理の意思/気持ちという制約もあります。

 草加が人間陣営内でも策を弄するのはそのためでしょうか。しかし唯我独尊で自分のしたいことだけしか考えてない点は北崎と同じ。一応、例えば流星塾メンバーに対する仲間意識はある。

 例えば巧は木村沙耶が自分(巧)にデルタギアを託そうとしたと推測しましたが、デルタは流星塾生のものと草加は否定する。部外者の巧なんかに、というわけですね。しかし木村沙耶の気持ちは汲み取れてない。おそらく草加が自分基準でしか他人を考えないせいでしょう。

 草加ほど振り切れてないのが、オルフェノク陣営では澤田亜希/スパイダーオルフェノクであるようです。既に大量殺人を繰り返し、人間を捨て去りたいと思っている。流星塾内としても、何らかの理由で草加を失敗作と切り捨てててもいる。自分(澤田)が最も大事に思っていた真理を殺害すれば、人間を断ち切れると思って、そうしようともしている。

 ですが「真理を殺せば人間を捨てられる」と思っている時点で人間を捨てきれてないのは自明の理なわけで。澤田が繰り返し「真理を殺害」と言ったり思ったりするのは、それが澤田には難しいからに他なりません。臥薪嘗胆みたいなもんでして、常に自分を苦痛を感じるほどに鼓舞していないとくじけてしまうタイプの願いでしょう。

 そういうシビアで暗い方向性のキャラクターばかりではない点が興味深く、対極的なのが海堂と啓太郎ですね。啓太郎は(結花と同じく)海堂がオルフェノクとは知らずに接しているとはいえ、どんどん意気投合していく点が笑えるほど安心感あります。海堂も自分がオルフェノクであることを意識しないほど、啓太郎に安心するものがあるらしい。

 そういう人物に囲まれて、あっちかこっちかと揺れ動いているのがオルフェノク陣営では勇治であり、(現時点では仮に)人間陣営の巧であるわけですね。この2人が互いに相手の二面性(人間/オルフェノク/ライダー)を別人と認識しつつ、つながりを深めてきたわけですな。人間の勇治としては人間の巧に好意を強め、オルフェノクの勇治としては555への憎悪を深めて来た。

 巧も同様に見えますが、勇治ほどの思い切りはなさそう。澤田と同じく、巧も今週分では同じことを繰り返し言ってたりします。「オルフェノクを1人残らずぶっ潰す」ですね。最初は真理に、続いて勇治に述べてました。巧がオルフェノクであるという予習を踏まえると、凄い台詞です。それ抜きでも結花に対する巧の態度を考えますと、やはり凄みある台詞。のはず。

 ですが、全然迫力ない。スイカ食いながらの巧・勇治陣営合同会議(?)では、巧は結花に「お前(結花)が人の心を持つオルフェノクはいると思って当然」旨行っちゃうし、(^^;。そうできないからこその「ぶっ潰す」の繰り言なんだろうなという気がします。

 それはともかくも、巧と勇治はピザ店のバイトではヤバいくらいのギリギリのニアミスで好意と憎悪の両方が極大に達した感じすらありました。いつ二面性が同一人物と知れて爆発するかくらいの緊張ですが、ついに今週前半(第29話)で巧と勇治が互いの正体を知ることなりました。

 憎み合うホースオルフェノク vs 555という形で相対したところを北崎/デルタに襲撃され、それぞれ変身が解けまして「君は!」「お前は!」になる。そこからが自分の予想と違う展開になったところ、むしろ面白かった。強大な敵(北崎デルタ)を前にするとかばい合い、支え合って脱出したわけですね。

 憎いホース/555という面より、駐車場以来の知り合いであり、ピザ店では一緒にマスターを守り、相手のために自分が囮となって助けようとした面がとっさに出たといえましょうか。自分はそれで「この2人はここから全面的に協力関係に」と思ったんですが、それも外れてまして。

 いったん逃れて出てとりあえず安全と感じるや、2人とも相手の憎い面のほうが優先して思い出されちゃうわけですか。それで自分は「ああ、せっかく共闘の芽が出たけど、ここで決別か」と思ったんですが、それも違ってまして。こっちと思ったらあっちかという感じでして、面白いドラマ運びですね。

 2人ともいったんは憎悪が出てしまうんですが、思い直せないかと考えるわけか。幸い、真理が勇治陣営と巧陣営を(意図せず)取り持ったお陰で、巧も勇治も相手陣営から話を聞ける。何とか互いに相手のいい面を見られないかという涙ぐましく微笑ましい努力でして、さきほどまで揺らしていただけに、いい気持ちでテンション上がります。

 巧と勇治、なんとかまた顔を突き合わせて話をできるようになり、観ていて「よし、ここからだ」と思えるわけなんですが、自分的に実にいい感じで草加が妨害して来ますか。巧と勇治を引き離そうと小細工する草加はせこくて陰険で、これはヘイトを買いそうと思えるもの。ですが、しかし自分が期待する通りだったりします。なんだか「こういう草加が見たいんだよ♪」みたいになっちゃってるようです(^^;。

 さらに申せば、その小細工が草加が自分自身しか理解できてないゆえに、ほころびがちらほら見える点も自分的にはポイント高い。勇治を言いくるめようとしてますが、草加が語る巧のあくどさは草加自身を語っているかのよう。はっきりミスってるのは例えば「あいつ(巧)は口が上手いんだよ」ですね。

 聞いた勇治は既に動揺していたためか気づけなかったみたいですが、巧が口が上手いわけがない。そこは駐車場の車上狙いもどき以来、勇治もよく知っているはずです。あるいは草加が巧からベルト奪って変身した555では、勇治襲撃時の親指で首を掻き切る仕草。喋るわけにいかないから仕草で示したとはいえ、巧がやらないようなキザさです。いずれ勇治が冷静に考えられるようになれば、おかしいと気づくんじゃはなかろうか。

 そういう抜け目がないようでいて、自分本位で他人を理解できないためにミスが出がちな草加に対し、オルフェノク陣営の北崎は同じ欠点を持ちつつも力押しでなんとかしちゃってますな。ラッキークローバーでも破格の最強なため、どんな無理を言ってもしても、誰も制止すらできない。琢麿が北崎への恐怖から恐慌状態、一時的にせよ幼児退行まで起こすのも無理はないかも。「しっぺ」で腕を失うとか、描写はコミカルでしたが、それだけに恐れる気持ちはよく分かります

 そういう琢麿が何とか策士として踏ん張るわけですが、いかに獅子身中の虫たらんとしても、どうも草加のような憎々しさは出ませんな(^^;。蔭から狙い撃ちしておいて、ノーダメージなのが明らかなのに小躍りしちゃってます。もっとも、そのお陰で巧と勇治は助かったわけですが(琢麿が巧・勇治陣営に寄っていきそうな暗示なのかも)。

 自分はどうも人間関係の動きのドラマに目が行ってますが、それを成り立たせている舞台を動かすドラマも進んでますね。当面は「流星塾同窓会で何があったか?」で、その話題に触れられただけで草加がキレるほどの何か。草加や澤田はその日のことをよく知っているようでいて、互いに探り合いもする不可思議な動き。村上社長も前社長の花形を追い出しておきながら、そこは知らない様子。

 誰が何をどこまで知っているのやら。花形前社長は全て知っている感じでしょうか。少し予習してみると、流星塾の真相が歪めて伝えられて、巧が危機に陥るみたいですね。勇治は結花についての歪んだ情報のせいで闇堕ちらしい。今週分での「もしかしたら巧と勇治は共闘に向かうか」という期待は(いったんは)潰されることになりそうです。

●華衛士ジサリス(第5話:見えないかいじん)

 舞台は怪人の世界ですか。怪人ばかりの世界に人間のアユカが迷い込んで来るも、アユカは目に異常が発生し、ぼんやりとしか見えない。一応、アユカからは「周りにいるのは普通の人間ではないらしい」くらいには見えていて、それ以上は話を聞かされて理解していく状況ですね。

 怪人ばかりいる世界ですから、リアルの世界基準でいえば「怪人」が「人間」に相当し、「人間」が警戒すべき「怪人」に相当しそうですが、この世界の「怪人」は自分たちが悪の手先の異形の者という自覚があるらしい。

 それにしても少なくとも主要ゲストキャラクターについて、スーツ/着ぐるみがきっちり作ってあります。今話と次回しか使わないのに、と思って調べてみると、ヤバイ仮面、魔狼怪人ガリフ・ガリア兄弟など、ご当地ヒーローなどの悪の組織役を招聘しているみたいですね。

 アニメ版「怪人開発部の黒井津さん」では、各地のご当地ヒーローが毎回登場してました。主人公側の悪の組織もそれとバランスが取れるような「悪の組織も内部では平和で呑気」みたいな感じ。ジサリスの今話もそういう雰囲気があります。

 志狼・吼太郎(魔狼怪人ガリフ・ガリア)兄弟は迷い込んできた異分子ともいえるアユカを保護しますし、弟のガリアに至ってはすぐにアユカを慕う様子すらあります。アユカの目を治そうとしてやろうともする。志狼らに敵対的な態度を取っているらしい悪之助(ヤバイ仮面)もそれほど厳しくないし、アユカには紳士的。

 ジサリスとラドキーパーもこの怪人世界に来ていますが、今話では動きはなし。もしかすると、志狼・吼太郎と悪之助の抗争を眺めているだけになる可能性もありそう。ローカルヒーローの悪役を招聘しているわけでもありますから。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/07 (Wed) 22:03:52

 定期感想その3です。

●牙狼:翔編(第23話:嵐)

 前話でラダン城復活&玉座のジンガとなっての前哨戦、今話が侵攻するラダンとの決戦というわけですが、一気呵成に終わった感じです。欲を言えば、この最終回は2話で描いて欲しかった気がします。

 その理由はいろいろですが、1つには観なおしてみるとラダン城の描写がよくできているということがあります。CGで動かす半メカニカルな巨大敵でして、牙狼MSのイデアを思い出すものがあります。

 牙狼MSが2011年で、この翔編が2015年。CG特撮もそれなりに進歩あるはずで、じっくりラダンを描いてもらえればもっと迫力を堪能できたはず。ですが、そう思えるほどだからこそ、ラダンを短時間しか暴れさせられなかったのかもしれません。2015年でこれだけのラダンを描くとなれば、予算も労力も時間もかかるわけで。量より質を選べば、この最終回の作り方になるんでしょうね。

 そこはそう納得してみてですが、(たとえ牙狼MSレベルの尺を割いたとしても)ラダンにイデアのような凄みは感じませんでした。決して出来が悪いわけじゃありません。描写方法としてカメラが急接近したり、間近で速い上下動で追ったりで、ラダンの巨大さを感じられるように工夫してありました。牙狼MSのイデアと同じく、脚を運ぶにジェット/ロケット噴射もあって重厚さもあります。

 それでも迫力で考えるとラダンはイデアに劣ります。しかしそこは不満にはならない。自分がそう感じるのは、ラダンのデザインから「オズの魔法使い」の「ブリキの木こり」を連想することが大きいみたいです。どちらも頭部が三角形に尖っている点が、シルエット的に似ているような気がします。ラダンが最後の一撃として振るった巨大鎌は木こりの斧に見立てられます。

 そう感じるので、ラダンは自分的にファンタジー世界のものという気がするわけです。つまり方向性が「恐ろしいもの」ではなく「不思議なもの」。それはそれで魅力ある造形と感じますので、上述しましたように(例えばイデアと直接的に比較しても)不満とか感じない。

 そのファンタジー的なイメージを、ラダン迎撃するリュメ様らも補強しているような。足止めトラップの円形魔法陣(?)ですね。前にどこにでも呼び出せる「閃望の泉」ってありましたが、それと同様のどこにでも呼び出せる底なし沼みたいなものらしい。そこはいいんですが、術発動の儀式が(^^;。白いちっちゃな人が多数出て来まして、踊るようにコミカルに動くもんですから、緊張する場面なのにクスクス来てしまいました。ちょっと大きめの人もスコップだしなあ。

 もっとも、そうだからこそ復活して駆けつけたダイゴの活躍が対比で光るともいえます。円形の術式が何をするものかは術が発動してから理解しまして、ラダンの足を捕らえるわけですね。ラダンがその円を踏み抜かなければ意味がない。ラダンの進行方向と歩幅からだいたい推測はできても、あのサイズの円では確実性は低い。

 そこでダイゴの決死の突撃となるわけですか。前には無謀にもラダンに突撃して弾き返されたダイゴですが、その経験があるからこそ今回は成功できたんでしょうな。術式の円を外れようとするラダンの左足先に全力の一撃を加えて押しとどめ、ダイゴはまたも弾き飛ばされるも、ラダンの足は術式が捉える。

 一方、上空では月となったアミリを莉杏が空中戦で撃破・撃墜。これでラダンへのエネルギー供給(?)もストップし、勝負あったかに見えます。が、ここでジンガがアミリを裏切る/見放すわけですな。ずっと前の初見ではジンガが浅はかにも敗因を作ったように見えました。が、今回観なおしてみるとちょっと印象が異なります。

 初見ではこのアミリが、ジンガが再生したものというのを忘れて観てたようなんですが、今回はきっちり覚えてます。それで「このアミリって本当に死亡・消滅したの?」というのが疑問点として残ります。あるいは「既にこのアミリは(神ノ牙劇場版で観たような)傀儡同然だったのかな?」と思ったりも。要は「よく分からない部分多々だな」です。

 それにしても、このアミリが何者であろうとも、敵を蔑み人にむごいながら、ジンガにはひたすら尽くしたという強い印象が残ります。そのお陰(?)で、ジンガについては善とか義とかが全く見いだせない、悪一色の敵という印象が浮かび上がる感じです。そう感じてみると、神ノ牙劇場版はもとより、視聴して感想でいろいろ不満を申した神ノ牙TV編の神牙/ジンガに、今さらながらなんだか納得できる気がしてきました。

 それがありますんで、上述しましたが最終回は前後編になってたらもっと満足したかなあと。牙狼のラストの定番として、巨大敵打倒後の等身大ラスボスとの戦いがあったわけですが、エピローグ的な後始末でさっさと片づけられた感じ。せっかくジンガに絶対悪の印象が生じたんですから、牙狼鋼牙編1stのような「等身大の敵こそ真のラスボス」と感じる戦いを見たかった次第。もっとも「それが劇場版 神ノ牙だろう」と言われたら、その通りと申し上げるしかありませんが(^^;。

 この翔編はやはり闇照編の後で観るべきだったと強く思ったシーンがありました。闇照編未視聴の翔編初見では絶対に意味が分からず、それで記憶にも残ってなかったのが、決死の爆発術式を敢行しようとする莉杏が思い出していた3人です。符礼法師、波奏、燕邦を莉杏は思い出し、自らを鼓舞してたんですか。

 闇照編において莉杏と強いつながりがあり、それぞれが敵を打ち破るために大事な働きをした面々ですね。あの一瞬のカットで闇照編の感動が呼び起こされるか否かで、この翔編の印象は大きく違って来る気がします。翔編を一度は感想も書きつつ観たと思いつつ、また感想書きつつ観てみてよかったと思ったのが、あの3人が映った瞬間でした。

 莉杏も無事に生き残りまして大団円。牙狼公式Youtubeのほうは翔編劇場版の配信の気配はなし。TV枠のほうは次週は通販番組になってまして、牙狼のどれかをやってくれるかどうかは7月からかな。ともかくも牙狼枠は続いて欲しいと願う次第です。

●BASTARD(第22話:結章)

 ある意味、定番のバトル展開でアビゲイルの武装Ωアビゲイル一世を撃破、しかしアビゲイルは生き残り反撃してきた、というこれもまた定番のシーソーゲームですね。加えてDSの死ぬ死ぬ詐欺も繰り返されまして、原作連載当時でももはやDSがバラバラ死体風になってもDSが死んだかもと思う読者がいなくなってたような(^^;。

 バトルの流れをおさらいしておきますと、DSの七鍵守護神(ハーロ・イーン)にいったんアビゲイル恐怖するも合体魔道具が跳ね返すと分かると高笑い。しかしそこへネイが七鍵守護神で加勢すると、アビゲイルまたも恐怖し、しかし跳ね返すと分かると高笑い。

 アビゲイルの奇襲反撃でDSズダボロですが、むしろ気合高めて立ち上がりまして、合体魔道具の弱点「攻撃を出す瞬間は無防備」を突いて逆転勝利と。しかし操縦者(?)のアビゲイルは生き残りまして、ヨーコを人質に逆襲を狙って次回へ続く。

 当時の少年ジャンプらしいバトル展開を俺様主人公ゆえにピンチの危機感を控えめにしている感じです。ジョジョですと主人公サイドと敵サイドが「これで勝った」と思える状況をひっくり返すに頭脳戦だったり、聖闘士星矢ですと完敗したと思える状況から仲間の力を受けて立ちあがるとかしていたように記憶しています。

 BASTARDだけは「ピンチの危機感ないなあ」でした(^^;。「なんでやねん」と言いたくなるほどの強引展開でDS復活してきますんで。アンスラサクス復活直前の今話の時期ですと、なんでもかんでも「増大する破壊神の力が闇の者へ」で説明される。それでも絵面がよくて熱心に読んでました。

 しかしネイが今話で見せた七鍵守護神を放つポーズはすっかり忘れてました。左ひざを高く上げて矢を放つような姿勢ですね。BASTARDの合間のCMで出ていたもので、自分は「カッコいいけど、何のシーンだろ?」と思ってました。今話序盤の山場でネイが見せるものでしたか。原作にもあるんでしょうけど思い出せません。連載時はネイにあんまり関心持ってなかったせいでしょう。

 今話で気が付いたのは他にもありまして、ヨーコのヒロイン性を上げにかかってるようですね。DSの敗勢にガラは絶望しかかり、ネイは錯乱して弱気の逃げ腰の心中を見せる中、ヨーコだけがDSの闘志と勝利を信じるという流れ。

 このところネイ、シーラがヨーコを置いてきぼりにする勢いでヒロイン性を見せつけてますんで、ここらでヨーコも追いつこうとしないと、いくらDSが「ヨーコさん!」と連呼しようと、本当に正ヒロインの座から脱落しかねない。

 確か、この戦いの後はヨーコが瀕死のルーシェ抱えて別勢力に助けを乞うて駆け込むはず。その際にヒロインから語り部にクラスチェンジしたヨーコではマズいでしょうから、今のうちにヨーコのポジションを調整する意味があるドラマ運びなんでしょうね。コミカルっぽく処理していますが、DSはヨーコのためなら戦うと言い、ヨーコが処女でも何でもあげると言った途端、DSが爆発的に奮起するわけですし(その後、念押し的なコントによる説明も入れて来るし)。

 そこは分かるんですが、自分的には相変わらず「ネイがヒロインとして凄いな」という気分です。ネイはDSがどうであっても「素敵♪」と言っちゃうのが感染ったような感じかもしれません(^^;。

 今話ではネイはDSのピンチと見るや、勝算も戦術もなしに戦いに割って入ろうとしてガラ、さらにヨーコに制止される。さらにボロボロでも戦い続けるDSを見て、戦いから一緒に逃げたいと願ったりする。

 情けないわけですが、ネイがDSに対しては娘≒子供であることを考えると、なんだかしっくり来てしまいます。無邪気に「父ちゃんのお嫁さんになるの♪」みたいなことを言う子供みたいな感じですね。

 しかしネイは敵に対しては無慈悲な武人としてブレず、四天王としてはどちらサイドにいても戦友として揺るがない。そういうネイがDSに対しては途端に子供っぽくなるわけですな。可愛らしいと言ってもいいほどです。その落差、あるいはミスマッチが自分には刺さるようです。この点は(何度か申しましたが)このアニメを観て発見した魅力ポイントです。

 しかし今話ラストではヨーコがアビゲイルに囚われの身に。前はネイが囚われ、DSがなりふり構わぬ土下座で隙を作って救出しました。ヨーコをDSがどう救うか、ヨーコがそれにどう反応するか次第では、ヨーコが正ヒロインに返り咲く可能性もあるかなと思う次第。原作により大筋は決まってはいますが、受ける印象は細部が大きく影響しますから、このアニメではどうかという点を気にする必要がありそうです。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/09 (Fri) 00:48:50

 牙狼翔感想、完走おめでとうございます。
 次は2週後のバスタード完走が控えてますな。

 今回は、変則的に視聴の逆順に鑑賞感想をば。

★バスタード

 取って付けたかのように、ヨーコさんがヒロインの役割を果たすべく動きましたが、何というか、この娘は「作品世界の中に生きていない、浮いた存在のように見える」わけですね。

 視聴者(読者)の感想を誘導するような「作られたヒロイン」とか「語り部」ポジションで、例えば、周囲がDSの超魔法や敵側の恐るべき秘密を明かしても、あまりリアクションを示さない。
 まあ、王国の臣下がギャーギャー騒いでいたり、モブキャラが口頭で実況しているのに比べても、基本はモノローグで、しかも戦況そのものよりも、ネイの感情とか、目に見えない内面ばかりを気にしていて、どこか浮世離れしちゃってるキャラ。

 要するに、他の多くのキャラと見ているものが違うのかもしれないけど、こういうキャラは後の時代の「異世界転生キャラ」だとしっくり来る。
 その世界の住人ではなく、我々の現代社会の常識を持った人間として、世界や登場人物にツッコミ入れたり、客観視点で冷静に振る舞っている特別な立ち位置にいる(その割には物語のメインのバトルには大きく絡んで来ない傍観者の立ち位置だから、評価が難しい)。
 これがメインヒロインでなければ、ダイ大のメルルなんかが発展形に思えるのですけどね(他人の内面に敏感で、内気で、戦闘力は持たないけど、事の本質とか嫌な予感を感じとる霊感に秀でている)。

 一方、ネイやガラは、自ら戦闘能力を持っている分、敵味方の凄さをきちんと分析解説してくれたり、驚きのリアクションを示したり、良い意味で戦場での感情表現が豊か。
 そして、バトルマンガである以上、適切な解説をしてくれるキャラや、自分の職業や物語の立ち位置に応じた役割をしっかり弁えているキャラは、普通に世界に生きていると感じるわけですな。

 例えば、ガラが忍者マスターの視点で語るセリフとか(魔法には詳しくないけど、殺気や戦場のビリビリした雰囲気は分かる)、ネイによるDSの魔法解説とか、その辺はプロ視点で、さすが元四天王と感じる。
 でも、ヨーコさんは、戦闘能力を差し引いても、その辺の役割を示していない。単に、DSの封印前のお守り役であり、もう少し神官戦士ならではの視点とかあってもいいのになあ、と感じます。

 仮に、神官なら、破壊神アンスラサクスの脅威とか、もっといろいろと考えることがあるだろうに、今のところはそういう神学知識が全く未熟で、
 その辺をもっと主体性を持ったヒロインとして仕切り直しを図ったのが第2部かなあ、と思いつつ。

 いろいろと、DSに翻弄されて立ち位置を見失ってた少女が、改めて責任ある立場に成長し、メインヒロインに返り咲く過渡期が今かなあ、という感想。

 西遊記における三蔵法師の役割なら、ドラゴンボールのブルマと比較するのもいいかも。

★ジサリス

 前回は緑の戦士の登場回かな、と期待して見たら、ドゲンジャーズからのゲスト出演か。
 本筋ではない番外編かなあ、と思っておりますが、後編を見ないと、感想も書けそうにないですね。

 面白いのは、「人間と怪人の対立か交流か」というテーマで、ファイズとタイムリーに絡められる点。
 何分、尺が短いので、それほど深められるとも思いませんが、テーマ的にかぶるなら比較対照するのが楽しめそう。

★ファイズ

 で、こちらはキャラクターの人間関係や感情情緒が錯綜して、混迷状態の真っ最中ですな。
 敵も味方も一枚岩じゃなくなって、誰が誰と和解したり、対立したり、妨害したりで、糸が絡まりまくっております。

 やってることだけ見ると、北崎デルタの脅威にピンチの主人公を、琢磨くんがサポートして助けてくれていたり、
 折り紙を燃やす澤田スパイダーを見て、ドンブラの獣人を連想したり、同じくタイムリーなクモのジェラミーを連想したり、
 本筋の錯綜具合に、自分の2023年現在の脳内錯綜具合がリンクして、何だか視聴テンションが妙に高まっている現状。

 こういう時は、落ち着いた感想が書けそうにないので、一言、「もう少し、話と頭が整理するのを待とう」ってことですね。

★キングオージャー

 前回、予想したもっふん関係はことごとく外れで、まだまだキングオージャーはサプライズ続きだなあ、と感じつつ。

 まあ、5話1のペースだと考えるなら、次回がクライマックスかなあ、と。

 今回の話で思ったのは、この世界の王さまたちがみんな若いのは、王様戦隊という作品のお約束に留まらず、神の怒りという重大事件の結果として、そこをただの背景でなく、物語の重要な伏線としてしっかり掘り下げてくれるんだなあ、と。

 また、ジェラミーは自分が孤児として苦労して生きてきた。それに対して他の王は……とある意味、長命種ならではの上から目線、他の者を苦労知らずの愚か者と侮る目線だったのが、
 神の怒りという自分の知らない歴史的事件と、そこから生じた各王の家族を失った苦闘と、想いの強さを感じとり、自分の行間の読めなさを反省する契機にしたこと。

 少なくとも、2000年生きている割に、人に交じった生活をしていないが故の独り善がりなコミュニケーション能力の欠如ぶりを自覚したのは大きいと思いますね。

 この場合、人生経験の長さではなくて、密度こそが深みに通じるということもありますし、
 両親への親愛の情、という意味で、ヒメノの想いをジェラミーが共感できたということかもしれない。

 ヤンマの場合は、仲間(ダチ)への親愛はあっても、師匠はいても親はいないという点で、ジェラミーと共通点は薄いかもしれない(発明オタクという接点はあるかも)。
 リタの場合は、裁判記録の解読解釈から、最も冷静に行間を読めるキャラかもしれない。ただし、ジェラミーの行間読めは多分に直観的に見えるのに対し、リタは徹底的に理詰めに証拠を積み重ねる読み解き方ですな。
 さて、カグラギの場合はどうなるか。

 また、主人公のギラについては、まだジェラミーと通じ合ったシーンはないので、5話1ではなく、6話めでギラと分かり合う流れかもしれないと可能性を踏まえつつ、次回のスズメ回を楽しみにしております。

★ギーツ

 今回のタイトル、「F」が付いていたのに、気にかけておらず、前回の感想で、「6月いっぱい」云々と述べてました。
 FがエピソードFINAL回って知ってたはずなのに、失念して、本編を見てから、あっと気付いた次第。

 で、マーク3から完全体のマーク9に覚醒して、一気に状況打開というか、グランドエンド後の世界の造り替えまでやっちゃったギーツさん。
 さすがは2000年も転生を重ねて生きてきたキャラは違うなあ。

 白いクモが8本足なら、白いキツネは9本尻尾ということで、彼の生み出す物語、いやゲーム世界はどのような趣向なのか。
 その顛末は次回にて。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/11 (Sun) 00:14:13

 少々追記。

 You Tubeの金曜特撮で、タイムレンジャーが始まりました。前番組がロボコンの後のロボット100番だったので、まさかの展開です。

 ええと、タイムレンジャーはクウガと同時期の戦隊もので、2000年の作品。
 ポイントは、小林靖子脚本で、大人向けヒーローという作風ですな。

 タイムレンジャーの発展系が、電王とかジオウと見なすこともできますし、
 ギーツつながりだと、6人めのタイムファイヤーが祢音ちゃんの父親。
 また、ファイズつながりだと、ヒロインのタイムピンクが、木場勇治に殺された彼女だったりします。

 ファイズ当時の特撮ファンの感想だと、タイムピンクを殺した馬フェノクとなるわけですし。

 ともかく、30世紀の未来から来た4人の戦士が、2000年の若者(レッド)と共に暮らしつつ、世界を守り、新たな明日を創り出す若者ドラマとなりますか。

 脚本家的にも、物語内容的にも、ジョジョのストーンオーシャンとつながる要素があったりしますので、お勧め。
 まあ、敵が監獄から脱出してきた未来の犯罪者怪人の集団とか、時間を止める技とか、父親に反発する若者ドラマとか、いろいろ。

 何にせよ、素直に格好いいと言えるクールな戦隊ものですし、時間SFという観点でも傑作と考えますので、お試しあれば。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/13 (Tue) 01:05:08

 定期感想その1です。

 牙狼翔編の感想「完走おめでとうございます」との仰せ、ありがとうございます。そう仰っていただいてようやく、「しまった、最終回感想で締めの挨拶言ってない」と気が付きました。あれを書いたとき、翔編の後の展開を考えていて、ドラマが締めくくられてないような感覚があったからかもしれません。

 劇場版「神ノ牙」があり、さらに流牙の時代よりずっと後と思しきTV編「神ノ牙」。ジンガのライバル(?)である流牙なしでどうなるのかなあとか、流牙は流牙で莉杏とどうなるかとか(いずれ流牙と莉杏の子が出てくればいろいろ確定しそう)。

「未来戦隊タイムレンジャー」の情報・ご教示、ありがとうございます。先に東映公式Youtubeで放映開始に気が付き、とりあえず観てみたんですが、未来は変えられないが現在をどう生きるかみたいなテーマ提示があり、対象年齢含む作風がちょっと分からず。

 しかしこちらで「大人向けヒーローという作風」と伺ってみますと、なるほどという気がします。ウィキペディアをちょっと読んでみますと25周年記念の作品でもあるんですか。今時点でちょっと多くなったと感じるネット視聴の作品数、さらに増えることになりますが、第1・2話がなかなかでしたし、お勧めということですから欠かさず観てみようと思います。

●仮面ライダーギーツ(第39話:創世Ⅰ:俺のデザグラ)

 今話は最終章スタートとのことで、まずはグランドエンド後の仕切り直しですね。創世の女神(ミツメ)がいなくなり、創世の力は(転生した)息子の英寿に引き継がれたらしい。運営システムも施設ごと残ってるようで、スエルら運営陣とオーディエンスだけが退去した格好ですか。

 創世の力については設定的な説明もツムリから少しありまして、理想を願う心(ギラギラ)が源ということですか。以前のDGPだとそれを多数から根こそぎ奪っていたわけですが、これから英寿が主宰するDGPではちょっとずつ集めるということで、なんだかドラゴンボールの元気玉みたい(^^;。

 今回のDGP勝利条件はラストで明示された通り「ジャマトが存在してはならない」というもののようで、言い換えると「まだジャマトはいるよ」ということですね。今のジャマトは、アルキメデルが作って/育てていたジャマトとは異なり、非常に小さくて人間に寄生して化けさせるものですか。

 それを育てているのが五十鈴大智でして、しつこく復活して来ますな。しかし確かに五十鈴大智本人なのかどうか。道長が半ジャマト化してたときみたいに顔にジャマト的な特徴が出てたりしますし、態度はなんだかアルキメデルを思わせるものがあるような。そのアルキメデルはジャマトに食われて生まれ変わるみたいなことがありました。この五十鈴大智、もしかして姿は五十鈴大智だけどアルキメデルの生まれ変わりみたいなものだったりするのかしらん。

 未来人の残存勢力はジャマトだけではないですね。冒頭で英寿が(ツムリ以外の)運営とオーディエンスは排除したみたいなこと言ってましたが、撃破されたはずのスエルがしっかり未来から干渉の手を伸ばしてますな。新プロデューサーのサマスが新ゲームマスターのジット(公式サイトとかでは「謎の男」ですが、OPや字幕でしっかり名前出てた)を使って何かするらしい。

 とりあえず今話で明かされたのは、ジットの台詞「創世の力には創世の力で対抗すればいい」→「ツムリを第2の女神に変える」ですね。スエルの女神後継者プランを引き継ぐものと考えてよさそう。創世の正統性を巡る南北朝時代の動乱みたいなことになるんだろうか。

 第三勢力というべきものも現代に残留してまして、旧ジャマト勢力であるベロバとケケラですね。グランドエンド前にジーンにヴィジョンドライバーを引き渡す直前に崩壊前の女神に叶えてもらった願いによって残留してましたか。それぞれ、

・ケケラ「理想の笑いを得るまで、この世界に存在できる権利」
・ベロバ「理想の不幸を見るまで、この世界に存在できる権利」

ということですな。この2人それぞれの勝利条件が満たされるまではい続けることができるわけですが、逆に申せばどんな形でもいいから望みを叶えたことにしてしまえば追い出せるということでもありそう。

 おおむねの駒組(主要各人物の立ち位置と思惑)は見せてもらった感じで、次回「創世Ⅱ:タイクーン覚醒」では各ライダー復帰してのドラマ開始みたいです(英寿が復元諦めた祢音らのIDコアはどうするんだろう?)。

 ただ、動向がよく分からないキャラクターもいまして、例えば光聖。今話になってDGPについて政府とつながってたなんて明かされまして、しかもDGP未来人運営の撤退で手切れとなったらしい。こうなると光聖はあがきそうです。他には、英寿と共闘関係が確立したように見えるウィンですが、そこまでする動機が自分には感じられず、まだ腹が読めない気がします。

 仮面ライダーWEBによりますと、今までは「ゲーム仕立てで単発の見心地」だったものを、最終章では「ライダーならではの、縦軸まっしぐら」にするらしい。自分的には縦軸は既に出ている気がしますが、制作がこれから縦軸見せてくれるというなら期待していいかも。

●王様戦隊キングオージャー(第15話:スズメにお見舞い)

 ジェラミーが各王の物語で感動する騒動の3つめで、今話はカグラギですね。ラストまで観てみると、込み入ってて面白い。カグラギは芝居がかって腹が読めない人物ですが、妹スズメもそうであるようです。

 かつスズメの存在はギラらにも知られていなかったわけですね。存在を知っているのは兄のカグラギと、婚約者候補の名目で人質として幽閉しているラクレスのみ。それだけの秘密であるからこそ、打ち明けられたジェラミーは感動してラクレスとの面会に応じるし、ギラらはスズメを救わなければと思う。

 とはいえ、ギラの潜入作戦がなかなかにヘッポコ(^^;でして、そこで次の展開を予想すべきだったかもしれません。潜入用のスーツというか扮装が黄色でして、タクシーと間違われたりする。

 ちょっと余談ですが、日本で昔は黄色の自家用車があったのを思い出しました。いつの間にかいかにも黄色の普通乗用車はあまり見なくなったんですが、米国人などからタクシーと間違われたのも一因らしい。あるプロレーサーは黄色が好きで黄色の自家用車買ってみたら、やたら外国人に止められて閉口したと言っていました。

 それはともかく(^^;、ジェラミーはラクレスにスズメの解放を求め、ギラは強引に救出しようとする。が、どんでん返し来るわけですね。ラクレスがカグラギとスズメを引き合わせるも、スズメはラクレスに惚れてしまってるからトウフ国に帰らない、以前の病弱もトウフ国の土アレルギーだったしとか言い出す。

 愕然として崩れ落ちるカグラギ、ということでいかにもなラブコメコントでオチ。スズメにまとわりつかれるラクレスがいかにも嫌そうで『できれば帰って欲しいんだけど』と言いたげなのがクスクス来ます。カグラギの苦労人建国物語に感動したジェラミーも『なるほど、そういうことかい』という感じで納得。と思ったら、これがカグラギ兄妹の深謀遠慮、神算鬼謀だった模様。

 スズメは何らかの目的があってシュゴッダムに潜入しているようですね。帰れと言われると困るから、ラクレスに惚れたと偽って留まる作戦らしい。カグラギはシスコンぶってますから、スズメがラクレスを愛するというなら、カグラギもラクレス寄りになってもおかしくない。その一連を誰も疑わないようにインパクトを持たせるため、今の今までカグラギはスズメの存在を秘匿してきたわけですね。

 相当に長期に渡る計画であり、カグラギは遅くとも15年前の王位継承時にはこのプランを発動させ、きちんと維持してきたらしい。これほどのことをするなら、カグラギが腹の読めない人物である点に納得いきます。

 とはいえ、本音がちらほら見えるのも面白いところ。例えば、侵攻してきたバグナラクのバエジームにハチオージャー/カグラギが言い放った「欲しいものがあるならば欺くことを覚えなさい」。カグラギ自身がそうしているからこその台詞と思えます。

 そこをギラが(おそらく何となく)見破るのも興味深いところ。「(笑顔は嘘で)心は泣いてるんじゃないのか?」と問うてますね。言われたカグラギ、ちょっと動揺しつつ無理しているような感じがあります。

 それが何かを暗示するのがスズメの独り言なんでしょうな。「泥にまみれて手を汚し、共にトウフ国を守りましょう、兄様!」と言い、ラクレスに向けたのとは違う、素直な感じの笑顔を見せています。ギラがカグラギに言った「心は泣いている」の答がスズメの笑顔にありそうです。

 次回「10才の裁判長」はリタですか。今話ラストで実現したラクレスとデズナラク8世の和平交渉と絡めつつのドラマ展開になるのかしらん。自分的にはそこよりも、ジェラミーが王の物語にどう感動してどう動くか、今度の趣向は何だろうということが気になります。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/14 (Wed) 21:47:28

 定期感想その2です。

●仮面ライダー555(第31話:折り紙の涙、第32話:絡み合う糸)

 事態がいろいろ深刻化しているようなんですが、相変わらずコメディなのが海堂と啓太郎ですね。この2人、仲良くなるにつれて低年齢化も起こってる気がします。巧と勇治が寺の門前(なのかな?)で並んで座っての会話は表裏となってしまった憎しみと友情をどう解決するか、静かで深いものが感じられました。

 海堂と啓太郎が神社の前に仲良く座り込みますと、能天気というしかない会話になる。2人とも既に「これから変わるんだ」と意気込んで髪を染めたり、ワイルド風な態度をしてみるわけですが、なんだか中学生かというような幼稚さ。しかしさすがに2人とも『なんか違う?』と感じてはいる模様。啓太郎ですと、一生懸命アピールしても気にもされてませんしね。

 そこで神社の前でこれからどうするかと夢を語り合うわけですが、啓太郎より大きな夢があると言う海堂の夢は「ビッグになることだ!」ですもんね。もはや小学生かと言いたくなるほどです。

 しかし啓太郎にせよ海堂にせよ、それが地ということかもしれません。特に海堂ですね。海堂登場時はギタリストの夢を断たれた辛さは大きいとはいえ、むしゃくしゃしてやってることは騒いで学生のギター練習を邪魔することでした。今更ながらですが、「海堂って最初から子供っぽかったんだ。悩み自体は深刻なんで気が付かなかったよ」という気がします。

 ここまで見て来た海堂の印象からしますと、大学でオルフェノクとなって暴れようとしたとき、たとえ尊敬して慕って来る後輩が現れなかったとしても、誰も害せなかったんじゃないかなあという気がします。そこはヘタレともいえますが、ヘタレて善人に傾くなら好感度高い。

 そういう、海堂のふらふらしているけれどブレない善性が今話で発揮されたのが、火事からの少年救出ですね。これからどうすべきか分からなくなって、啓太郎と占い師に見てもらおうと入ったビルが火事。煙を吸ってしまったのか、へたり込んでる男の子を見つけ、啓太郎は助けようとするも海堂はさっさと1人で逃げようとする。

 しかし、やっぱり「人間を捨てようと思っても、捨てられないところが俺様の良いところだ」の海堂でありまして、良心が咎めて逃げられず、戻って子供と啓太郎を助けると。いいですねえ、こういうヘタレてるけど善人から外れられない性分って。
(助けた男の子は、調べてみると終盤の大物に関わる重要人物みたいですね。予習抜きでは、この時点でそんなこと全く予想できません。)

 自分の性分に従ってどうすべきか最初から決められず、やってみては『あれ、ちょっと違う』で修正するの、ある意味、大雑把ともいえます。そこが海堂の取り柄であるようですが、今週分ではそれが綺麗に(?)裏目に出もしましたな。もっともそこは啓太郎と仲良く一緒(^^;。

 啓太郎は自分に海堂がかけた言葉「そんなんじゃ生きていけないぞ」を勇治から巧への伝言(本当に自分を騙したのか、訳があるなら教えて欲しい)と取り違えてしまう。海堂は海堂で、巧から勇治への伝言(お前を信じた俺がバカだった)の「バカ」しか覚えてない。このせいで深刻な行き違いが生じ、草加の嘘ではないが誤解必至の説明も加わり、決定的な亀裂を生じてしまうわけですね。

 草加は先週分でも巧と勇治を離反させるべく工作をしてましたから、今週分でも継続するのは分かります。が、真理が瀕死の重傷を負ったことすら利用するのは、さすがに意外でした。真理の負傷で巧に食って掛かる錯乱は本物でしょう。が、勇治が現れるとこの状況を利用することをすっと思いついちゃうわけですね。

 恐るべき人物であるわけですが、しかし自分的にはどうにもツボでして、なんだかますます草加が気に入ってしまいました(^^;。これから草加はどう動いてかき乱すんだろう、という高まる期待です。

 スマートブレイン陣営/ラッキークローバーでかき乱しているのが北崎ですね。そのとばっちり受けてるのが琢麿ですな。北崎提唱の勇治殺害競争は勝者がしっぺするというものですが、北崎勝利はほぼ間違いない。北崎のしっぺは手を喪失することを意味する、と琢麿は恐れおののき、しかし変にプライドはあるので協力して倒すべきと言い出す。

 すると北崎、ニッコリして同意して握手を求める。琢麿はいったんはしっぺを逃れたとホッとするわけですが、握手しても手を灰にされてしまうと気が付いてパニック。前には幼児みたいに冴子に甘えたりしまして、こちらも低年齢化がひどい。

 とはいえ、たちまち少し成長したのか、廃車で寝入った北崎からデルタのベルトを奪おうとするわけですな。たぶん3ベルト中、最強のデルタを手に入れれば何とかなると思ったのか。しかしたちまちバレる。北崎に捕まっての言い訳が「だって、ずるいじゃないですか」。小学生レベルと思えますが、幼児からは成長した/戻ったようです(^^;。

 いいですねえ、この琢麿。ドライブのブレンとはヘタレ方がちょっと違いますが、それでもこれほどになると序盤の嫌な印象は消え失せ、「まあ、琢麿は救われてもいいんじゃないか」という気すらしてきます。

 琢麿はどこまでもヘタレつつ、北崎と冴子はそれなりに安定感あります。が、新参の澤田は不安定なようですね。巧と勇治は2人の間に緊張や揺らぎがありますが、澤田の場合は内面に2つの気持ちを抱え、葛藤している感じがあります。真理を殺害して人間を捨てたい気持ちと、そうしたくなくて元の人間に戻りたい気持ちでしょうか。

 それが過去に仲良く並んで歩いた記憶や、真理に送られた折り紙を後生大事に持っていることに現れていそうです。自分的にもっとはっきり見て取れる気がするのが、澤田/スパイダーの戦いぶりですね。スパイダーとして登場時は、555とカイザを同時に敵に回して互角以上の戦いをしていました。

 しかしダムでは(逃げるためでしょうけど)カイザに殴り飛ばされ、今週分でもカイザに押され気味でキック(ゴルドスマッシュ)を避けることもできない。真理が突き飛ばしてくれたんでキックは回避でしたが、しかし変身を解くと澤田はノーダメージみたい。ダムでもカイザの全力攻撃をまともに食らったみたいですがダメージなしだった模様。

 やはりスパイダー/澤田は弱体化しているわけではなく、依然として力の優位はあるようです。それが、例えば冴子に対して突っ張った態度を取れる理由でしょうな(ビンタされてぶっ倒れてましたが、表情は少しも変えてないし、怪我した様子もない)。それでいて戦いに精彩を欠いているのは、澤田に迷いがあるからのような気がします。

 ロブスター/冴子とソードフィッシュに襲われた真理を澤田はいったん連れて逃げるわけですが、どうやら葛藤を振り切るどころか極みに達してしまったような。真理から贈られた折り紙を燃やし、助けるためでなく殺害するためだと言い放つ澤田は思い切ったように見えます。が、スパイダーとなって真理に攻撃を仕掛けるも、即死させることはなく重傷にとどまる。

 その辺りも澤田の迷いのように見えます。が、真理が何とかその場では生き残り、病院に収容されたことで、巧と勇治に決定的な不和が生じるとは。勇治は巧の不器用さを心得て来たようで、海堂からの間違った伝言で誤解しつつも、巧から真意を聞けば分かるんじゃないかと希望をつないでいたようです。やはりピザ店での命がけのかばい合いで受けた印象が大きいんでしょうね。

 しかし、まず草加の意図的なミスリードの説明を受けてしまう。真理の瀕死の重傷は巧のせい、というものですね。巧が澤田を信じて真理を任せたためにこの事態ですから、確かに「巧のせい」ではある。けれど、それだけ聞いたら巧が真理を殴ったと思っちゃいますよね。

 しかしさすがは勇治と言うべきか、紙バッグ持って病室へ向かおうとする巧と会いますと、またも真相を問いかけてみる。まあ、真理に止めを刺しに来る格好じゃないし、逆に見舞うために来たとしか思えない感じ。

 ですが、ここで巧の真っ直ぐながらの不器用さ、口下手が災いすると。勇治が「君のせいで、園田さんが――」と草加に聞いた通りに尋ねてみると、澤田に任せたせいとの罪の意識がある巧は「ああ、それがどうした」としか言わない。これでは草加にミスリードされた通りに誤解してしまいます。さらに巧はイライラからか余計なこと言いまして「オルフェノクである、お前には(関係ないだろ)」と。これは完全に突き放してしまいます、しかも巧の真意を誤解させて、ですね。

 この病院のシーンは観ていて思わず「あー! 違う、そうじゃない!」と独り言してしまいました。それくらいのニアミス・行き違い・勘違いの総合芸術みたいな見事さでして、ヤキモキしながらも大いに感心した次第。ずーっとあれこれのモヤモヤを引っ張って来て、ここでこう引火・爆発させるとは、なかなかに凄い脚本です。これで次週はどうなるんだろう。今から緊張してしまってます。

 この事態を招いた原因の1人がゲスト敵オルフェノク(ソードフィッシュ)ですが、人間態を演じた方に見覚えがある気がしました。調べてみて愕然です。ジェットマンでは裏次元伯爵ラディゲを好演してくれた舘正貴さんですが、2018年に亡くなってたんですか。独特の印象を感じる方で特撮出演もいろいろ。さらにマルチタレントな方だったようで、ゲーム制作や脚本もなさっていたとのこと。55歳没はいかにも残念です。

●華衛士ジサリス(第6話:いけいである誇り)

 怪人の世界後編ですが、やっぱりこの世界がどういうものかは説明されず、アユカの死亡でジサリスらは去るという結末ですか。全体のドラマ進行については、冒頭でジサリスが時間切れが近いことを匂わせたくらいか。この第5~6話は招聘したご当地ヒーローらの見せ場を作る方に重きを置いていたのかもしれません。

 ストーリーは奇をてらわず、悪之助(ヤバイ仮面)が悪の怪人らしく、アユカを捕らえて見世物にしようとし、吼太郎(魔狼怪人ガリア)は騙されてそれに協力してしまう。それでも志狼・吼太郎(魔狼怪人ガリフ・ガリア)兄弟はアユカの目を治す薬の材料を入手すべく、崖から決死のジャンプ。

 悪之助(ヤバイ仮面)は順当にジサリスが倒しまして、悪之助が変身ヒーローに驚きうらやむところは、悪の怪人しかいない世界っぽさはあるかな。救出されたアユカ、気を失っている間に吼太郎(魔狼怪人ガリア)が手当して去る。

 そこからがちょっと分からない点がありまして、吼太郎がアユカの目を治す薬を使っていたかどうか。目を拭く描写がありますんで、そこで目を治す薬を使った可能性があります。実際、目を覚ましたアユカの視界は次第にはっきりし、ジサリスがぼやけずに見えていたみたい。

 しかし目を治すには薬が必要と聞いていたアユカ、ジサリスが手渡した薬を飲む。これが毒薬だったらしく、アユカは死亡してこの世界を去ると。アユカがジサリスの渡した薬で目が治ると思って飲んだのか、それとも既に目は治っているから別の薬と思って飲んだのか。後者ならアユカは「この世界での使命を果たしたら、死んで次の世界に行く」を自ら積極的に受け入れたことになります(今まではジサリス任せだった)。

 公式Facebookの予告によると次回「海にきえたみらい」ではジサリスと同じ紋章を持つ男がアユカに「余計なことはするな。何もせず去れ」と告げるらしい。次から後半ですから、ジサリス側と対立側の抗争という流れで終盤への流れを作るのかもですね。

●BASTARD(第23話:消滅)

 前話でヨーコを正ヒロインとして立てようという流れが発生しまして、実は大変不安になってました。他作品でも、ヒロインかどうかに拘わらず、あるキャラクター(や演じる役者さん)のためだけに無理矢理にでも見栄えさせる、見せ場を作るなんてことがありますと、十中八九つまらなくなります。

 BASTARDですと原作でも強いヒロイン性を感じたことがないヨーコを、演出がいろいろ違うとはいえこのアニメ版で「やっぱりヨーコがヒロイン」なんて見せつけようとしたらマズいんじゃないか。そう思ってました。

 が、今話を実際に観てみますと心配したほどでもない。むしろ「ヨーコもやっぱりヒロインになってるな」くらいに感じます。初見ではどうしてそう感じるか分からず、録画を観なおしてみますと、いくつか理由がありそうです。

 1つは最後の封印の鍵を持つシーラの危機が減じたことでしょうか。戦闘前にはDSが真顔になって「守る」と言うほどの秘密が明かされ(鍵は胎内)、アビゲイルが3魔道具の鎧を使い出すと、今にも封印の鍵が引きずり出されるかというピンチになる。そうなると観ていてシーラに注意が行くわけで。

 しかしアビゲイルの鎧撃破でアンスラサクスも沈静化し、アビゲイルが依然として封印の鍵を諦めてはいないものの、シーラのピンチはいったん遠のいた感じになる。そうなるとシーラに向けていた注意が他にも向くようになる。そこでアビゲイルが復活して、ヨーコを人質に取るわけですね。

 自然と視線をヨーコに誘導された感じです。かつ、アビゲイルが人質を取るのはこれで3度め。1度目はネイでして、DSの反応はすぐに激怒でした。2度めはヨーコでして、ネイのときと打って変わって、いったん地面に這いつくばる無様さを見せての、半ばコミカルな演技からの逆襲。

 3度めが今話の再びのヨーコ人質なわけですが、DSの反応が予想外。ヨーコは自分に構わず撃てと叱咤し、遠くで見守る大神官にして父親のジオは愛娘を犠牲にしてもやむなしという非情の決断を見せる。そこからのアビゲイルの「どうする?」(ニヤリ)に対して、DSは怒らず笑わず「俺はその女(ヨーコ)がいい」と。

 口調はちょっと悲しげなくらいでしょうか。台詞内容よりもそこが大事だったかもしれません。前にネイに強いヒロイン性が生じるのは声の日笠陽子さんの演技力が欠かせないという話が出たわけですけども、今話のヨーコのヒロイン性を引き立てたのはDSを演じる谷山紀章さんあってこそかもしれません。なにせ以前の2度の人質のときとの演じ分けができてたりするわけですんで。

 言い換えますと、ヨーコ自身がヒロインとして動いたりせず、周囲、特にDSが雰囲気作ってるので、無理なく「ヨーコもヒロイン」と思えたような気がします。しかし、それだけですと「いや、やっぱり強引かもなあ」という印象がじわじわ生じたかもしれません。そこは援軍到着からのバトル盛り立ててで注意をヨーコから逸らす工夫じゃないかと思います。

 まず前話でちょこっと出ていたカイ・ハーンとシーン・ハリが来援、ヨーコを救出するわけですね(これでヨーコのピンチが解消、注目度を下げる)。配下が駆けつけたとなればネイも気を張って立ち上がり、釣られるようにガラも再奮起。そこへアビゲイルがアンスラサクスの力により急造アンデッド軍団で反撃。

 DS側が数で押される流れになると、ボン・ジョヴィーナ率いる王国騎士団が加勢・反撃、呼応してニンジャ軍団も奮起。ボン・ジョヴィーナはここまで、弱小ヘタレ気味の扱いだっただけに、今回の活躍は「お!」という感じがあり、なんだか燃える展開になってます。

 敵(アビゲイル)の最強兵器(Ωアビゲイル一世)敗退はバトルのテンションは下げてしまいますが、強さレベル・バランスも変更します。それにより今まで参戦不能だった味方側戦力の加勢を可能にしたわけか、と感心する組み立てです。

 そうしておいてアビゲイルの再びの奥の手(アンデッド合体)ということで、なかなかに丁々発止ですね。DSの死ぬ死ぬ詐欺はもうどうでもいいとしてまして(^^;、しかしDSとルーシェの対話が大事なんでしょうね。ルーシェは「愛する者」「世界」を提示して「守るのだ」と言い、DSは拒んで「アビゲイルの野郎をぶっ殺す」。

 さっきは「(世界より)その女(ヨーコ)がいい」と言い、今度は敵を倒したいと言うわけですね。行き当たりばったりとも、強がり言う普段に戻ったとも取れますが、DSの行動原理がそもそもそういうもの、というようにも思えます。そこは、転生前のDSがそうであったと四天王の台詞などから窺えますし、DSが対アンスラサクス決戦兵器(のパイロット)として創造されたという設定にも合致しそうです。

 対アビゲイル戦は次回(第1期最終回)で決着だと思いますが、どこまで描くんでしょうな。もし1期制作終了時点で2期制作が決定してなかったら、一応の勝利を見せるに留まりそう。もし2期前提で最終回作ったのなら、クリフ・ハンガーでしょうか(勝ったもののDS行方不明とか)。

 そこは来週次第ですが、第2期(地獄の鎮魂歌編)のTV放映は先になりそうですね。Netflixの配信が今年7月末だそうで、TV放映があるとして早くて来年1月かなあ。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/16 (Fri) 10:01:46

定例感想です。

★ジサリス

 アユカは毒殺によって次の世界へ。
 OPにある「車に轢かれる」が登場するのは、いつの日かな。ラノベとかでよくある「トラックに轢かれて異世界に転生」というネタをマジメにやってるんだけど、「チートスキルで俺つええ」にはならない作風ですね。

 で、本人は異世界を渡り歩きながら、現地の親切な人間や怪人に助けられたりして、その世界の歪な世界観や人間模様を観測する作風。ロードムービー的というか、昔の999的というか、まあ、ディケイドもそうなんですけど、結局のところ、主人公が受け身なのと、正体不明でアイデンティティーが女子学生っぽい見た目以外は謎なので、
 物語が半分過ぎても、感情移入対象にならないのが感想を書きにくい作品だなあ、と。

 この怪人編は、まあ、本筋ではなくて特別ゲストキャラのお祭り感だけで構築(まあ、キャラ自体がマイナー寄りなので、分かる人にしか分からない地味な祭りなんだけど)。
 一種の箸休めなんですけど、これでアユカ自体が実は人間ではなく、精霊とか幽霊とか、そんな世界にとっての異物的な出自だったら、重要な意味を帯びる回かな。

 未覚醒な女神の分体とか、想像だけはいろいろと思い浮かぶ。

 一方、ジサリスは死神の鎌を愛用しているから、素直に死神とか悪魔めいたガイド役なんでしょうけど。

★ギーツ

 浮世英寿が主催する世界は、怪人(ジャマト)が人々に取り憑き怪人化させて、それを退治する「仮面ライダー伝統の、人間の自由と平和のために戦うヒーローワールド」でした。
 果たして、報酬のない非ゲームな世界で、英寿以外のライダーは何を望んで戦うのか、という問題提起で仕切り直しのスタートですね。

 一方、創世の女神後継者として、狙われることになるツムリとか、暗躍する連中も多そうで、果たして、どんな展開になるか。
 次回、景和の新フォームは、やはり闇堕ちなのか、それともダークな外見だけで中身は純粋なヒーローなのか。
 また、景和のアキレス腱と見なされる、沙羅さんの運命は?

 キーワードは、ツムリも含めて「狙われる姉さん」かもしれませんな。
 ツムリがピンチ。そこに颯爽と現れるギロリ父さん、というシーンを期待したく。

★キングオージャー

 リタ編は、ヒメノ編とセットだと考えていたら、別にあるんですね。
 そのため、5話1では収まらず、ジェラミー編が6話めに突入、と。

 で、カグラギ編は、スズメのキャラが強烈で、「ラクレス様❤️」って言ってるのがマジなのか、演技なのか、今話だけだと、どっちにも受け取られ、しかも、どっちに転んでも物語としては面白く展開しそうと思われる。

 ラクレスさんも、ただのイヤな奴だったのが、一気にコミカル街道を転がりそうで(これまではヤンマたちの妄想でコケにされていたけど、本人は至ってマジメだった)、
 スズメの恋心が演技だとしたら、「泥にまみれて」のセリフの泥がラクレスを指しているというネタが。

★ファイズ

 物語が中盤のクライマックスに入って、次回についに劇場版で先行披露された巧の正体がオルフェノクと判明する回。

 今回は、ワンシーンで「狼の遠吠え」が出て、映画を見たファンには分かりやすい伏線となっておりました。

 台風の目だったデルタのベルトですが、北崎さんが「もう飽きちゃった」という理由で、あっさり澤田くんに譲渡。澤田くんは、真理を傷つけた精神的ショックで、オルフェノクにも徹しきれずに迷走。

 一方、巧が死んだ真理を生き返らせるために、スマートブレインと契約して、澤田の代わりにラッキークローバーのメンバーに? という迷走ストーリーが展開されます。

 ヒーローが不在の物語で、オルフェノク打倒に真っ直ぐ(?)燃える草加と、巧から555のベルトを託された木場勇治が実質的な主人公ライダーとして扱われる、まあ、当時は前代未聞なストーリー展開でしたな。

 この後に続く作品が、剣なんですが、迷走するライダーたちの物語は、ファイズで極めたエッセンスの焼き直しで、形を変えた前例踏襲感を覚えました。
 迷走する橘さんや睦月。人と怪人の狭間で懊悩する始。それに対して、あまりブレない正義漢の剣崎が、安定して成長する主人公として活躍したんだけど、最後の最後で怪人化という結末。

 ただ、当時の視聴感としては、ファイズが頂点を極めて、剣はその流れを多少マイルドに、子どもにも分かりやすい方向に納めた作品という印象。
 まあ、虫ライダーというクウガの要素、最初から複数ライダーというアギトの要素、カードを使ってモンスターの力を発動させる龍騎の要素、そして怪人とライダーの二面性を持つカリスがファイズの要素という形で、平成ライダー5作めの剣はそれまでの集大成ではあったのですが、自分としては、しばらくファイズがサプライズの頂点を極めて、次作はさほど衝撃を受けなかった感。

 今でも、龍騎とファイズの前代未聞な展開は、凄かったなあ、と思いつつ、その衝撃展開が次回ということで。

★バスタード

 純粋に集団活劇王道ファンタジーとして、熱く楽しめた回でしたな。

 やはり、DSが動けない状態の方が、他のキャラが光りますので、作品として楽しい、と感じます。

 DSについては、もうデウス・エクス・マキナみたいなものですから、何をしても死なないし、どんなにピンチを演出しても、それでハラハラとはならない。
 まあ、当時は原作コミック版のデビルマンを読んで衝撃を感じたりもしたので、デビルマンの最後よろしく、下半身を吹っ飛ばされた主人公に、うおっとなったものの、それをギャグ風に処理してしまった本作のオチに、興醒め感を覚えたわけですな。

 悪い意味でインフレしちゃった主人公ですので、仕切り直しのために行方不明にするしかなかったわけで、主人公が不在の方が、このマンガは楽しめる、と感じて、ネイやガラのファンにはなった。

 何にせよ、この辺の話では、作者もデビルマンを意識したんじゃないかなあ、とは、いろいろな演出で思いますし、その方向性が後に天使とか悪魔の話に流れるのかな、とも。

 あと、今回のアビゲイル、アンデッド軍団を合体させる際の「合体承認、プログラムドラーイブ!」は原作にない、アニメオリジナルのパロディですね。
 元ネタは「勇者王ガオガイガー」で、エヴァと同時期のアニメだから、バスタードの当時の連載以降のアニメネタ。明らかに脚本家のお遊びですね。

 何にせよ、次回の今期最終回を楽しみつつ、2期は7月からネフリで先行ですか。
 自分は、同じスタッフのゴブスレ2を期待しているのですが、制作スケジュールはどうなってるのかな。
 一応、ゴブスレ2は今年放送予定なのに、まだいつからか情報が入って来ないわけで、秋アニメなのか、それともギリギリ今年で年末頃なのか。

 秋にゴブスレ2で、年明けにバスタード2の地上波放送につながってくれたらいいな、と。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/20 (Tue) 08:52:07

 定期感想その1です。

●仮面ライダーギーツ(第40話:創世Ⅱ:タイクーン覚醒)

 次回とその次は坂本浩一監督回とのこと(仮面ライダーWEBより)。最終盤(残り話数せいぜい10)ですから、ギーツとしては最後の坂本監督回。今話ラストでタイクーンが暴走形態かという感じで化けましたんで、続く2話分のアクションはタイクーンが見どころになるのかな。

 そこは来週からに期待するとしまして、まずは今話。先週分までで自分はウィンに疑い(実はスエル側では?)を持ってたんですが、今話の描写を見ますとあらぬものだったようです。今話でウィンはジット(とサマス)に突っかかってるわけですが、他の誰も見ていないところでのことでした。

 英寿などが見ているところなら演技でそうしていると勘ぐることもできますが、人目のないところでは。となりますと、ウィンが「ツムちゃん」が創世の女神後継者ではなく「英寿の姉ちゃん」と言ったのも本心ということになります。それにしても「英寿の姉ちゃん」というのは、上手い台詞ですね。その一言でウィンの英寿及びツムリへの気持ちを表し、それを以てウィンのスタンスをも明示しているように感じられます。

 景和の姉:沙羅のサポートで一人暮らしを始めた祢音については、母:伊瑠美がいい味出してます。祢音がおそらくは最後の挨拶くらいのつもりで鞍馬邸を訪れるわけですが、伊瑠美が光聖の逮捕のニュースを見て絶望している。しかし伊瑠美、祢音を見て思わず駆け寄って抱き着く。

 そこまではいいんですが、そこからが闇の匂いがします。まず伊瑠美、光聖が祢音を鞍馬財閥のための道具にしたと謝る。自分(伊瑠美)のせいじゃない、という含意があります。序盤で伊瑠美が見せていた過干渉ぶりとはずいぶん齟齬する言い訳です。さらに伊瑠美、愛情というよりは執着を見せて祢音を引き留めようとする。

 そういう伊瑠美からは「鞍馬について全て失ったという絶望を救うのが祢音」と思い込んでしまったような怖さを感じます。現状ではライダーとしてはドラマから外れた格好の祢音ですが、政府との癒着があったらしい光聖よりも、伊瑠美の執着から波乱が生じそうな気がしてきました。

 しかし今話では最も大きくドラマを動かしたのは景和の姉の沙羅ですね。ショッキングになるよう、何が起こったかを時系列を乱し、説明を分割しての見せ方になってます。まず冒頭は再びライダーとして立ち上がった弟(景和)のために頑張る沙羅ですね。派遣社員として仕事がない間はパートに出て、弟がライダーに専念できるよう生計を支える覚悟を見せる。

 そのときに景和に見せびらかしていた髪飾り/髪留めが描写のキーになるとは予想してませんでした。冒頭では姉に苦労をかけるのではと心配する景和を和ませるため、沙羅が明るく振舞ってみせる描写にしか見えません。

 続いて沙羅はスーパーのパート募集に応じ、店長(かな?)に真面目さを気に入られたのか即決で働き始めると。そこへジャマト襲来するも、沙羅はモップを振るって客や仕事仲間を庇う。自分的にはこういう健気さはツボでして好感度高い(今までの沙羅の描写からして、全く不自然でないし)。

 そこへ五十鈴大智がいかにも善人という感じで現れるわけですね。そこだけ見ると、ジャマトを作り出す五十鈴大智と別人くらいに見えるほど。しかしジャマトが暴れる場所に謎の人物がいることは英寿らも把握しており、沙羅の働くスーパーへのジャマト襲来と大智出現は偶然とは思えません。

 ヤバいなと思えるわけですが、大智のジャマトについての説明だけが中途半端にあって、いったん沙羅のシーンは途切れる。大智の説明からすると、撃破されてジャマトから人間に戻れたのは「ステージ1」ということですか。

 再びこのシーンの続きが語られますと、元に戻れない「ステージ2」があると大智は言い、沙羅はそうされてしまっていたと。道長が駆けつけたときの巨大繭みたいなものは、ステージ2に移行するときの過渡的な形態みたいです。

 道長はその繭が沙羅だなんて知るわけないですし、繭から出て来たジャマトを撃破したら人間に戻るとも思っているはず。さらにベロバが現れて煽りもするんで、バッファ/道長は迷わずジャマトを撃破。しかし現れたのは半ばジャマト化したままの沙羅なわけですな。そこへ折あしく、沙羅を救おうと景和が駆けつけて来る。

 景和の目の前で沙羅は半ジャマトのまま地中に没する。景和は錯乱して道長に詰め寄るわけですが、道長がまたも不器用さを見せてしまいまして。ネット放映中の555の巧とも被るものでして、言い訳どころか何があったかロクに説明できず、「ああ、俺がやった」と正しいけど誤解させる言い方で自分一人で責任被っちゃうわけですね。

 ここは景和についても、道長についてもグッサリ来るものがあります。そこは沙羅がまず刺さるからなんですが、観なおしてみて見せ方が実に上手いと気が付きました。道長がジャマトと戦っているとき、少し前に沙羅に近づく大智の描写がありましたから、観ているこちらに多少の不安があります。

 このジャマトが沙羅でないといいんだけど、という感じですね。しかし撃破されると髪留めが落ちるわけですね。冒頭で見覚えがある、沙羅のものです。「沙羅だったのか」と不安が的中してしまいますが、「元に戻れるのでは」という希望がまだある。

 が、大智の説明がその希望を砕く。沙羅はステージ2に移行しており、もう元に戻れないと景和らも、観ているこちらも確認するわけですな。「もしこうであれば何とかなるのでは」の希望を一つずつ潰して、気持ちをぐらぐら揺らして絶望に導く、実に上手い運びです。それも沙羅に近づく大智と「ステージ1」の説明でいったん終えて、気を持たせることで最大の効果となっているようです。

(ただ、1つだけ分からない点があり、沙羅が送信したメッセージです。最初に大智が沙羅に近づいて途中まで伝えたステージ1の情報までで途切れてます。沙羅は大智に不意打ちで繭化されてますから沙羅が送信してないはず。あのメッセージは景和らを誘い出すのには役立ってますから、小細工したのは大智かベロバかケケラか?)

 そうまでしてあるからこそ、ラストでちらっと見えたタイクーンが次回どうなるか、道長がどうするか期待したくもなります。この事態を招いたらしい、ジットからプレミアムなブラックカードを貰ったベロパとケケラ含めてですね。

 2人にとって、今話の運びこそが前のJDPで見たかったものらしい。ベロバとしては、親友もどきを差し向けてみたが、道長は見殺しにして悔いない。「全てのライダーをぶっ潰す力」を手に入れても、ライダーはぶっ潰しても人は害さない。そこで沙羅、ということだったみたいですね。ケケラのしたいこと(沙羅の死で絶望して堕ちる景和)とも合致する。

 次回「創世Ⅲ:漆黒の将軍」では、絶望した景和がいったん動かなくなるみたいですね。今話ラストで景和の背後に現れたライダー、景和が得た新たなタイクーン(暴走形態)だと思ったんですが、別人らしい。最後に「創世の神が誰かの願いと共鳴した時、その力が発動する」と出てましたから、ツムちゃんの涙が景和の願いを(マズい形で)叶えたと思ったんですが違ってたみたい(^^;。

●王様戦隊キングオージャー(第16話:10才の裁判長 )

 こちらで「リタ編は、ヒメノ編とセット」とのご指摘で、「あ、そうか」と思うものがありました。自分はヒメノ編はヒメノ編としか考えてなかったようです。しかし今話で改めて毒殺という共通点があることを踏まえるとリタとヒメノの(王位継承等含め)セットですね。どうやら「ヒメノ・リタ前後編」ということであったらしい。

 今話の途中まで、自分はゴッカン国王位について勘違いしてました。なんとなく世襲だと思い込んでたんです。それで前王カーラスはリタの母、カーラス殺害犯人とされるシロンは父と勘違い。つまり「母を殺した父を娘のリタが裁いた」みたいな厳しい話だと思って観てました。

 が、どうもシロンの態度とか、父親としてはおかしい。それ以外の描写(モルフォーニャが次の王候補)なども踏まえて、ようやく「リタはカーラスの子ではなく、王に指名された」と理解した次第。それでもカーラスの夫シロンが妻を殺害という厳しいものではあるんですが、ラストで真相が明かされて救いになってましたな。

 ともかく本編ですが、冒頭はコミカルですな。リタは公と私の顔の落差が激しいわけですが、私が公に侵食しそうになってますね。まあ「プレミアム・もっふん」ですから仕方ないとはいえ、転売ヤーから押収した証拠のもっふんを自室で保管したい欲求に負けそうになってるのは、ちょっと笑いつつも半ばハラハラします。

 しかし、そこへモルフォーニャが「リタ初裁判15周年記念日」「プレミアムもっふん(買いにイシャバーナへ)」を告げに来たことで、リタのもっふん危機はいったん回避。ただしリタの態度は元に戻ったというより、普段より厳しくなってますな。なんでだろうと思ったら、リタ10歳の初裁判が「消えた天秤事件」(前王カーラスを夫シロンが殺害)だから。

 ゴッカンの司法は慎重らしく、重罪犯だけかもしれませんが毎年尋問するんですか。シロンは最初の裁判で罪を認め、毎年自分が犯人と繰り返し述べることに飽き飽きすらしている感じ。ですが、何かおかしい。例えば囚人労働として雪かきがあるけれど、城の前だけは謎の「雪かきの妖精」なる者が出没している。後で明らかになったのは、バグナラクのヲゲラジームがシロンへの接近を狙い、雪かきの囚人に紛れて潜入していたということですね。

 そこは後で明らかになることでして、まずはリタが偶然も手伝って次第に真相に近づいていく流れ。リタ、転売ヤーのプレミアムもっふんの誘惑は何とか断ち切ったようで、イシャバーナに赴いてヒメノに返還(するも心残りが露わ ^^;)。そこからリタの「消えた天秤事件」とヒメノが両親を失った「神の怒り」が結びついてくるわけですね。

 ヒメノの両親殺害に用いられた毒はゴッドスコーピオンの毒であり、カーラス殺害に用いたとされる毒と一致する。そこをリタ&ヒメノが突き止めますと、シロンは真相を明かす。「神の怒り」は人が起こした事件であり、犯人を突き止めたものの法で裁けない(理由は明かされませんでしたな)。

 しかし悪は放置できず、カーラスはシロンに殺害されたと偽装し、実際には犯人を封印し続ける道を選んだわけですか。それがバレないよう、シロンは自分が犯人であると言い続けてきたわけですね。しかしその真相に辿り着くまでになったリタなら後を任せてよい、ということらしい。

 しかしカーラスはリタ10歳時点でその才能を見抜いていたらしく、おっかなびっくりだからこそ大事なことは間違えない、と信じての王位継承だったようですね。冒頭で見せたモルフォーニャのおっかなびっくりな態度はリタ10歳時と同じで、だから次期王候補ということなんですか。

「おっかなびっくり」を言い換えてみると自信のなさ。自信がなければ何事にも注意を向け、己の判断をも疑う。裁判官なる者、断じて行えば鬼神もこれを避くではなく、石橋をたたいて渡れということなのかも。リタが自室でデカいもっふんぬいぐるみと話すのも、自問自答といえまして、あれってリタの慎重さの現れだったのか。

 ともかくも15年前の真相が明らかになれば、バグナラクのヲゲラジームも最早潜入の意味はなく、バトルとなり、リタ・ヒメノ・ジェラミーに倒される。そこで見せたリタの右目にちょっとびっくりです。銀色で模様がある瞳ですね。これって前に出て来てたかしらん。ともかく自分は覚えてないです。義眼なのかオッドアイなのか、なぜそうなってるのか。模様からすると何らかの能力を秘めていそうです。

 ともかくもカーラス殺害事件については一件落着ではありまして、シロンはカーラスを探しに旅に出る。いずれ、カーラスが封じている犯人がラスボスか何かで浮上してくるんでしょうな。それでも当面は何とかなった、と思ったらンコソパの異変(バグナラクのサナギム襲来)が意外な方向に。

 サナギムに呼応するかのようにラクレスが登場。今話序盤でラクレスはカグラギに「和平の代償は?」と問われ、「平和に優る代償があるか」ととぼけてましたな。何か真意を隠しているようですが、次回「王は逃げない」でヤンマがそれに迫る展開(たぶん「神の怒り」と無関係ではない)になるようだと急展開がありそうです。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/21 (Wed) 10:09:43

 定期感想その2です。

●仮面ライダー555(第33話:真理、死す、第34話:真実の姿)

 今週分後半(第34話)で、ついに巧がウルフオルフェノクであることが明かされましたな。TV初放映時だと、劇場版が先行していたため知られていた情報ではあったわけですか。もちろんこのネット再放映ですと、その先まで含めて予習できるものではありますね。

 しかし、字面上の知識ではなく実際に映像で見せてもらうとインパクトありです。そのせいでしょうか、第1話からの巧が思い出されまして、そこからここまでの巧を考えてみますと、その人物像が変わって見える気がします。ただし、例えばウィキペディアとかの解説にはないことですんで、自分が勝手に妄想しているだけのものになります。その妄想とは「巧って第1話以前から死に場所を探してたんじゃなかろうか」というものです。

 もっとも、第1話で真理に遭遇した時点の巧は死に場所というより、世捨て人になろうとしていた感じ。既にオルフェノクであったわけですから、人との接点を最小限にして迷惑かけずに生きていようというくらいでしょうか。世を捨てるけれどお人好しですから、他人の罪(喫茶店の窃盗事件等)も抱え込むことで人助けできる。それで誤解されても、いずれ世捨て人だから気にしない。

 しかし真理というフックに引っかかって浮かび上がって来る。自分(巧)がなってしまったオルフェノクが他にもいて、人を害するのを見て、それを阻止する手段として555の力を託される。こうなりますと「世を捨てる前に一仕事するか」となってくる。巧の性分にかなう人助けですしね。

 しかし、今の自分と同族のオルフェノクを殺害してしまっていいのかという迷いが出て来てしまうわけですね。もともとは人間でもある。「本は同根より生ず、相い煎ること何ぞ太だ急なる」といったところでしょうか。またもや、自分(巧)が自らを捨てればいいのか(世捨て~死亡)という悩みが生じる。そこも真理らを想って乗り越えて来たと言っていいかと思います。啓太郎についてですと、おそらく巧からすれば能天気なまでにあっけらかんと人助け~善を選んで行動できることに憬れがあるんでしょうな(一度、巧が啓太郎に言ってたりするし)。

 そんな感じで巧は死に場所を求める気持ちと、死ぬ前の為すべきこと~やりがい/生きがいの境界をふらふらしてきたんじゃないかと思えます。勇治、海堂、結花らとの接触や正体などについてのニアミスとかでも、その点で揺らされていたような気がします。

 そして今週分ですね。真理の重体から死亡に至り、またもや巧は死に場所を欲するようになってしまった模様。555を手放し、「オルフェノクの」勇治を挑発して殴らせる。「巧が死ぬ前にやるべきことがある」と(意図せず)示してくれていた真理を失い、「だったら、もういいや」という死に場所を求める気持ちに大きく傾いちゃったんでしょう。

 しかし巧に絶望を与えた真理の死が奮起にも働くのが面白いところ。それが真理の死で荒れる草加からもたらされるのがさらに興味深い。真理は一度瀕死になり、スマートブレインの医療で救われたことがあるというものですね。絶望していた巧ですが、せめて真理が生き返る可能性があるなら、それを為しておこうという気になる。

 で、スマートブレインに行ったら村上社長がすんなり会ってくれまして、(デルタを流星塾生に渡すという)裏切り者の澤田を始末してくれればラッキークローバーに採用して真理の命も、と提案される。が、すぐに村上社長は冗談と言い、なぜならオルフェノクでないと加入できないから。これが巧にとってドンピシャであったわけですな。

 なぜならずっと周囲に隠していたけれど、ウルフオルフェノクだから。スパイダー/澤田&ロブスター/冴子 vs カイザ&デルタ(三原修二)の戦いに割って入ったとき、啓太郎が投げてよこした555ギアを投げ捨てたのは、前に555を放棄したときとは意味が違う。

 前は戦いをまたも放棄するという気持ちからですが、今度はオルフェノクとして戦う意思を見せるためですね。そこで続くとなりまして、次回が見ものです。巧は、死にたいか生きたいかのブレブレの悩みに決着つけられるのか。もっとも、ウルフであると皆に見せたことで、流星塾生殺害の疑いをかけられるようですんで、当面は巧自身の悩みどころではなくなるかも。

 前に「Re:ゼロから始める異世界生活」(略称リゼロ)の主人公スバルについて申したことがあります。ズレているがゆえに魅力がある、ズレた主人公を周囲が引き戻すところに感情移入、みたいな話です。もしかすると、巧も自分的にそう思えているのかもしれません。リゼロのスバルはサブヒロインにして最高のバディのレムがいます。

 しかしレムがズレていくスバルをいつでも引き戻せる存在となったとき、レムは死亡同然になってしまう。が、それがまた主人公スバルを奮起させています。真理も巧に対して同じような影響を与えているように思えてきます。どうやら巧は、自分が惹かれるキャラクターのタイプの1つになっているようです(勝手な独自解釈の巧ですけど ^^;)。

 自分的に巧が少し分かって来た気がしますと、草加についても理解が少し進んだ気がします。特になぜ自分は草加に魅力を感じるか、ですね。性格的な嫌らしさと、それに基づく小細工で印象が悪くなってはいますが、草加の行動をよく考えてみますとヒーローたるものが為すべきことをしているように思えます。

 あくまでも敵(オルフェノク~スマートブレイン)と戦う姿勢を崩さず、今週分に至っては真理の死に狂乱しつつも、かつ生き返らせるチャンスがあると知りつつも、断腸の叫びで真理への思いを断ち切って戦うことを選んでます。例えばエグゼイドの鏡飛彩/ブレイブは最愛の小姫を諦めて戦いました。草加は同じ決断をしているようにも思えます。それも自分が惹かれるキャラクタータイプの1つであるようです。

 スマートブレイン側では澤田が巧と同じように、生きていいのか、それとも死に場所を求めるべきかで迷っているようです。どうやら今週分の澤田の動きは死に場所を求めるほうに近づいたらしい。その一端が北崎が飽きて渡したデルタのベルトを、惜しげもなく流星塾生に託しちゃうところですね。

 これ(デルタ)で自分(澤田/スパイダー)と戦え(多分、そして倒せ)、というわけですな。もっとも、巧と比べると相手の出方次第の受動的な感じですし、運任せの感じもある。そこは例えば、いったんはデルタを使った草加が、澤田に挑むときの澤田の態度にも表れている感じです。

 草加がデルタを放棄すると澤田がニヤリとしてました。『へえ、そう来るんだ』という印象です。勝てる相手(カイザ)なら負けてやらないよ、ということでしょう。あるいは、三原修二が意を決して変身したデルタを相手にしたときのスパイダー/澤田。ロブスター/冴子が「デルタを取り戻せば、村上とて許す」とそそのかすと、どうやらその気になった感じ。

 どうやら澤田、誰かが生きる道を断ってくれるよう強者を煽りつつも、死ぬまであがこうというややこしい心情がありそうです。自分は澤田は面白いと思いつつも、感情移入が巧らよりは低いのはその辺りに原因がありそう。澤田のドラマが完結して印象が定まるまでは評価が難しそうです。

 今週分で印象が変わったのは勇治もそうです。先週分で「これは勇治、誤解が多分に含まれるとはいえ、巧とは決定的に対立した」と思いました。が、今週分の勇治のなんと善人なことよ(^^;。まだ巧の善性を諦めてない。いったんは巧と変身しての殴り合いになりますが、止めを刺しに行く雰囲気ではありません。巧が555を全力使用してないと、さすがに勇治も感じ取ったんでしょうね(他人の心情に疎い北崎は気が付いてないかも)。

 勇治が拳で感じ取ったものを、さらに啓太郎が裏打ちしてくれる。巧がそんなことするわけがない、という啓太郎の言葉を勇治はすぐ信じる。前には伝言間違えたし、普段から頼りない啓太郎ですから、勇治は疑ってもおかしくはないところ。しかし啓太郎の言が真実だと勇治が受け取ったのは、そう信じたいからなんでしょうな。

 これが第1話からあんなひどい裏切りに遭った勇治なのかと思いました。結果としては良しですが、でも善人にもほどがある。と思ったんですが、よく考えてみますと、勇治が激情にかられて森下千恵らを殺害してしまったことが、それだけ重いということなんでしょうね。

 あるいは千恵の兄:森下義正に対して見せた態度(歪んだ正義で無差別殺戮すると知りつつも戦えない)。それらが未だにグッサリ刺さっていて、不信がいかに大きくても、信じられる一縷の望みがあれば、そちらに賭けてしまう。あるいは仲間たる可能性が少しでもあれば、というのもあるんでしょうね。

 誰も彼も揺らいでまして、安定したと思えた海堂すら今週分では動揺してまして、これからどうなるやら。火事で助けた子(鈴木照夫)ですね。施設に引き取られたその子が会いたいと連絡してくるので、感謝されてるのかと思ったら、両親を助けれくれなかったと恨まれてた。激しくなじられて海堂は逃げ出したわけですが、これは海堂的には動揺するパターンである気がします。

 しかし唯一安定しているのが琢麿ですな。ひたすら情けない方向に落ちて行ってくれてまして、むしろ琢麿が出て来ると観ていて安心するほど(^^;。今週はデルタのベルトを捨てたとの北崎の嘘/冗談を真に受けて、ごみ箱漁りですか。演出もベタでして、通りがかりの親子の「あれは何?」「見ちゃいけません」。それで笑えるんですから、琢麿は大したもんです(^^;。ますます「最後には救われていいかなあ」と思えるようになりました。

●華衛士ジサリス(第7話:海にきえたみらい」 )

 視点主人公(アユカ)について「感情移入対象にならない」という点は頷くものがあります。物語半ばまで来ても未だ言われるままに動いている感じ。第1話あたりだと、それでもわけが分からず必死に逃げるみたいな、パニックもの主人公の特徴が出そうになってたんですけど、自分(アユカ)を最後には殺害するヒーロー(?)に頼るようになってます。こうなりますと、どうなるか眺めているだけになりがち。

 それでも日曜が来るとすぐチェックして視聴するのは、やはりご指摘にある「ディケイド」などを連想することがあるのかも。ディケイドだと以前のライダーを下敷きにして各世界のライダーで遊んで(?)ましたが、ジサリスだとそういう下敷きなしの世界巡りといった感じ。下敷きがない代わりにご当地ヒーローの悪役を招待してみたりもする。

 それでずっと行くのかなとも思ったんですが、後半に入る今話ではもしかするとようやくドラマ的な動きがあったかもです。まず、ジサリスが「先生」と呼ぶ同種の戦士(ヴァニタス)が出て来てますね。今回の世界は王らしき人物(デジール)が統べているようですが(なんとなくキングオージャー思いだす)、その王ですら「本部」と呼ぶ上位組織がある(本部とは、ときどき出て来る暗い会議室っぽいあれでしょうな)。

 そしてジサリスは「本部」に従わないはぐれ者であるらしいと、ジサリス本人の台詞などで匂わされました。30分ものですと、こういうのはだいたい第3話で入りそうな展開であるように思います。そこでようやく「誰がどこで何をする話なのか」が見えてきます。自分にとっては視聴するモチベーションを作り、維持する大事なポイントとなります。

 が、ジサリスの場合はまだ見えませんねえ。もし今話の後編に当たるはずの次回でもそこが見えないとなると、上述のような楽しみ(ディケイドの連想等)があるとはいえ、ちょっと視聴継続がしんどくなってくるかも(それでも15分だから大丈夫ですが)。

 もっとも、それとて最終回まで観てみないと分からないかも。例えば、このジサリスが全12話で完結するよう作っているのか、それともパイロットフィルム的な意味合いがあって、これが成功すれば続編を作っていくつもりなのか。幸い公式Youtubeでは1週間とかで消さずに全話残してくれてますんで、最終回で「あ、これは」と思えば観なおして評価することもできそうです。

●BASTARD(第24話:終焉)

 第1期最終回でして、DS&ヨーコ行方不明かというところで、イメージ的なDSとヨーコの絆を見せつつEDロールとなりました。それで「ああ、キリのいいところで終えたな」と思ったんですが、最後にヨーコがルーシュ抱えて助けを求める短いシーンがありまして、どうやら2期確定で最終回作ってたみたいですね(もし最後のシーンが2期確定してから付け足したのでなければ)。

 ともかく本編ですが、敵味方攻防のクライマックスは前話で描かれており、今話は物語の一応の締めくくり・落としどころを見せるための運びのようです。敵手のアビゲイルは既に最強装備を失っており(だからこそ味方勢の奮起も描けた)、次善の策で踏ん張るものの(繰り返し説明があった)アンスラサクスの力を得て最強復活するDSの敵ではない。配下となったイフリートも加勢しますしね。

 そんな風ですから、DSとアビゲイルの最後の対決も盛り上がりには(前話までと比べて)欠ける。ですが、戦いの流れで面白い点があったりはします。アビゲイルが使役するアンデッド合体の巨大騎士(?)に対し、DSは最強の2大魔法同時行使までするわけですが、アビゲイルに対してはグーパンしかやらない。止めも炎の剣とはいえ、投げて貫くだけですね。

 いや普通は剣で貫かれたら死ぬんですけど、ここまで散々にDSや四天王クラスの頑健ぶりは描かれてきたわけで。例えばガラは腕を失っても(DSのお陰で)再生してますし、リッチーとの対決でもDSに次ぐ死ぬ死ぬ詐欺ぶり(^^;。アビゲイルとて、あんなもん(剣でぐっさり)では死なんだろ、という気しかしません。

 つまり、DSは「殺す」と連呼しつつも、アビゲイルを殺す気がなさそう。そこはアビゲイルがDSを愛を得て変わったと蔑む点ですが、転生した今のDSが仲間に対してどういう気持ちを持つかが現れている描写のように思えます。痛い目に遭わせはするが、命は取らない。たぶん、ガラやネイのように再び仲間となってくれるとDSは考えるからなんでしょう。
(たぶんそこは、いずれアンスラサクスの影響を払しょくして復活後のアビゲイルのコミカル一辺倒で納得する流れを作るんだろうなあ)

 それでもとりあえずバトルは小休止くらいにはなりまして、しかしまたもやのDSの死ぬ死ぬ詐欺。もはやルーティンギャグとしか見えませんが、「DSもルーシェもヨーコを永遠に愛する」の台詞だけは、詐欺に交えたたった1つの真実なんでしょうな。

 その真実を踏まえまして、アビゲイルのDSの予想より早い立ち直りと最後の攻撃になだれ込むと。このときDSが力を失ったままなのは不可解ではありますが、ED曲とともにエピローグ的に語られた、アンスラサクスの鎮静化が既に起こっていたと考えておけばいんでしょう。

 ともかくもDSもガラやネイも戦えず、ヨーコがアビゲイルの足場がもろいのを察して飛び出し、死なばもろともの覚悟で突き落とす。そこからはイメージシーン的にヨーコに追いついたDSが描かれ、ルーシェも納得する風といったことで、「たぶんなんとかなるんだろ」くらいの印象で終える。戦場となったメタ=リカーナも吹っ飛ばす。アンスラサクスの鎮静化も示唆する。

 という感じで「クリフハンガー的でもあるが、ここで終えても可」くらいの締めですね。ですが、2期確定のシーンをED曲後に入れて来まして、重傷のルーシェ抱えたヨーコがア=イアン=メイデに助けを求める、ですか。

 既に2期制作決定はCMで知ってますが、やはりこういう描写で「確実に次がある」と思うと嬉しいものがあります。このアニメ1期は原作を追っていたときに気が付かなかった、あるいはアニメ制作が面白くしてくれた点がいろいろありました。自分的には特にネイのヒロイン性の発見・確認でしょうか。ですんで原作は諦めていた自分ですが、このアニメ版は2期も期待したくなります。

 このアニメ版が面白いと感じられたのは、ここでの感想書きと拝読なしにはあり得なかったと思います。繰り返しですが、特にネイについてですね。興が乗って最後まで視聴と感想の完走ができました。いろいろありがとうございました。願わくは2期も楽しめますように。

●ガオガイガー(投稿後追記)

 やっぱりこれも(^^;。サンライズ公式のネット放映で途中までは観てまして、ファイナルフュージョン承認とかディバイディングドライバー射出とか、司令官ポジションの熱血で濃い(^^;)大河幸太郎は自分のツボです。

 ドラマ的にはいったん間違えてから立ち直るジェイデッカーが面白いと思ったんですが、シーンごとで申せば(大河幸太郎の芝居がかった大袈裟ぶりもあり)ガオガイガーは目を引くことが多かったように思います。

 ですんで、アビゲイルの「超死霊合体承認」の台詞ですぐ「ああ、ガオガイガーか」と思い出すことができました。続く「プログラムドライブ」は「ディバイディングドライバー」を意識しているように思いましたが、ちょっと自信なし。もしジェイデッカーのパロディネタだったら気が付かなかったかもです。

 しかし教えてもらうまで全く気が付かなかったのが時機です。ガオガイガーはBASTARDより後でしたか。そこまで自力で気が付けてれば、即座にアニメオリジナルと分かり、「ははーん、制作に勇者シリーズのファンがいるな」と気が付けたわけでしたか。BASTARD原作がD&Dを深く取り込んでいるとこちらでご教示頂いてますので、「もしかしてアニメ版は勇者シリーズも取り込んで来る?」とか思ってみるのも一興になりそうです。

 NOVAさんはさらにデビルマンの影響もお感じのようですが、自分は70年代アニメ版デビルマンは一応観はしても原作はほぼ知らず。しかしDS2期ではそこも気にしてみるとよさそうですね。それがBASTARD原作で既にあるのか、それともアニメ版で取り込んできたかを含めて、でしょうか。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/23 (Fri) 10:22:34

 定例感想ですが、その前に、

 先日、劇場版の『フラッシュ』を見て参りました。
 TVドラマ版の世界観とは違ったDCEUの世界観(スーパーマン映画の『マン・オブ・スティール』から始まる『ジャスティス・リーグ』物。関連キャラはスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ)の一作なんですが、
 TVドラマやネット配信などと同じ世界観で、どんどん世界を広げているマーベルの『アベンジャーズ』シリーズと違って、作品展開がいろいろと迷走しておりました。

 『フラッシュ』については、コロナ禍以前の2019年春に公開予定だったのが、紆余曲折を経て、ようやく今ごろかって感じです。
 作品そのものは、可もなく不可もなく、普通に面白くて好印象でしたが、それでも盛り上がる時期を外したなあ、と思いますね。TVドラマの『フラッシュ』第3シーズンのメインテーマである「フラッシュポイントで過去の時間軸を変えて、母親が殺されなかった世界を生み出そうとしたら、世界の全てが大混乱状態に陥り、このままだと崩壊してしまうことが分かって、修復するためにバタバタするバリー」の物語です。

 言わば、TVでずいぶん前にやった話を、違ったキャラ配置でやったわけですね。刑務所に無実の罪で投獄された父親の釈放のためとか、恋人の記者アイリスとの関係とか、基本は同じだけど、さらっと流す程度で、メインの物語は「バリーが改変した世界での激闘」。

 バリーが、母親が死なないように過去に介入して出来事を操作して、さあ、元の時代に帰ろうかと思ったら、別の黒いフラッシュらしき影に襲撃されて、違う世界に送られてしまう。
 そこは母親が健在で、明るく無邪気に育った18歳の学生バリー(以下ヤング・バリーと呼称。主演俳優の一人二役)が生活していた。
 大人バリーとヤング・バリーのドタバタコメディーが展開されて、「自分がスーパーヒーローになった未来」を知って興奮するヤング・バリー。大人バリーは「スーパーヒーローの力は母親の死という悲劇を経た末に手に入れたもの」という自覚があるから、そういう暗さを持たないIF世界の若い自分に複雑な想いを抱く。

 その後、思いがけない事故で、大人バリーのスーパーパワーが、ヤング・バリーに移ってしまい、ヤング・バリーは大喜びするものの、力の使い方が分かっておらず、いろいろトラブルに。
 大人バリーは、自分の力を取り戻さないと自分の世界に帰れないうえ、無鉄砲な素人のヤング・バリーの悪意ない暴走を制御するために、指導者役を務めることに。

 その時、TVのニュースで「クリプトン星人のゾッド将軍が地球人に対して挑戦してきた話」が報道される。
 『マン・オブ・スティール』の出来事がこの世界でも勃発するのですが、大人バリーが知っているよりも早く、しかも、この世界にはスーパーマンが出現していない。
 地球のピンチに他の『ジャスティス・リーグ』のメンバーを探そうとする2人のバリー(実際には大人バリーが焦るばかりで、現フラッシュのヤング・バリーは事態をよく飲み込めないまま、付き合わされる形)ですが、かろうじて、年老いて現役を引退したバットマンだけを見つけることができる。

 『ジャスティス・リーグ』での現バットマンと、IF世界の老バットマン(旧世紀のバットマン俳優の再登場で、往年のファンが盛り上がるところ)が本作のポイントの一つですが、両者は対面することなく、バリーが「自分の知ってるバットマンとは違う。だけど、今は彼を頼りにするしかない」と協力を要請する。
 その後、老バットマンの情報収集力で、「スーパーマンと思われるクリプトン人がロシアの軍に囚われていて、幼少期から人体実験にさらされている」ことが分かり、救出作戦を敢行することに。

 しかし、そこで発見したのは、スーパーマンではなく、従姉妹のスーパーガール(カーラ)だった。
 カーラは助けられたことに感謝しつつも、「自分の使命は従兄弟のカル・エルを助けることであり、自分を迫害した地球人を助ける理由はない。むしろ、ゾッド将軍の方が同じクリプトン人として理解しやすい」と主張して、一度、袂を分かつことに。

 しかし、ゾッド将軍が地球人の軍隊を虐殺している姿を目撃して、それは止めないといけないと義憤に感じて、カーラもバリーに協力することになる。
 バットマンとスーパーガールの助力もあって、フラッシュの力を取り戻すことに成功した大人バリーと、ヤング・バリーのWフラッシュを含めた即成ジャスティス・リーグが、ゾッド将軍の軍隊に対して、厳しい戦いを繰り広げる。
 しかし……スーパーガールも、バットマンも討ち死にし、時間を巻き戻せるバリーは世界を守るために重い決断を迫られる。

 崩壊する世界を修復するために、バリーが選んだ答えは?

 ……って感じのストーリーです。


 一応、紆余曲折の『ジャスティス・リーグ』(DCEU)では、バットマンの役者もまた交代し、新シリーズに流れる模様で、いろいろ仕切り直し、あるいは、もうこのシリーズは終了させるべきでは? という意見も出ながら、シリーズ改編の雰囲気も合わせた当作品です。

 TVドラマ版のフラッシュも、この作品の公開に前後して、終了したようで、次の展開がまだ見えていない状況ですが(昨年、ここで感想を書いたスーパーマンの『ロイス&クラーク』はどうなるのか、とか、また調べたく)、

 この映画の後の動きが自分にはまだ見えていないまま、フラッシュポイントみたいな一つの世界改編転換点みたいな作品だったという感想。

 で、同じタイミングでマーベルの『スパイダーバース』のアニメも公開されていて、『フラッシュ』はそちらに負けてしまっているという残念さも。
 『スパイダーバース』も同じマルチバース物で、ただ今作は前編にあたり、続きは来年の春とかで、そっちの方が先がある分、ファンの期待度が大きい印象が。

 蜘蛛の方も、見たら感想報告を入れたいと思います。

PS.フラッシュの映画が面白かったのは事実だけど、やはりTVドラマの方がもっと面白くて、劇場版の方が小ぢんまりな二番煎じとした印象を覚えてしまうのが残念にも。
 作品単体が悪いのではなくて、TV版『フラッシュ』や『スパイダーバース』と比べると、どうしても減点対象になってしまうという厳しさが。
 この作品が3年ぐらい前に公開されていれば、うまくマルチバース展開の波に乗れたのになあ、と。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/23 (Fri) 11:44:15

 改めてレギュラー感想です。

★バスタード

 アビゲイルとの決着ですが、その後のメタ=リカーナ崩壊で、物語が無理やり仕切り直された感ですな。

 感情移入がいきなり断ち切られたわけで、アニメだと第1期完で分かってたからいいけど、原作で初めて接したときはどんな感じだったろう。

 この最後の崩壊の話は読んでいなかったので、「何だか気づけば、アビゲイルが味方になってる」という記憶が。

 良くも悪くも、スッキリしない残尿感のある終わり方(下品な表現ですみません)だったので、まあ、続き次第かな。

 ある意味、アメリカのドラマにありがちな最終回ってことで、ネフリ配信としてはこんな物かも。

 でも、自分としては、スッキリ後味よく終わって欲しい派なもので、一気に熱が冷まされた感じです。

>デビルマン

 神とか天使とか悪魔もそうですが、「気弱な少年が覚醒して凶暴化するけど、ヒロインの勝ち気な少女への愛のために、裏切り者の名を受けて戦う魔人」というストーリー設定だけで、まあ、デビルマンを意識しない方がおかしいかな、とは思います。

 この辺は原作者の発言は追ってないので、状況証拠でしかないですが、今回、速水奨のキャラが出てきて(原作コミックに基づくOVAデビルマンの不動明役)、何だか話がつながった感ですね。

 もちろん、デビルマンは元ネタイメージの一つでしかなく、それよりも柳生忍法帖などの時代小説の影響も大きいというのもあって、西洋ファンタジーから東洋風の話に切り替わるのが今後の展開。

 イフリートは西洋だけど(厳密にはアラブ)、雷獣ヌエは日本だし、忍者マスター・ガラなど、文化のごった煮和製ファンタジーで、それこそ当時はデビルマンも題材にした(悪魔合体)メガテンなんかも作られたわけで、サブカルチャーの要素継承(良い意味でのネタパクリ)の歴史を考えるテキストとしても面白いな、と。

★ジサリス

 ジサリスが負けた。
 トピックとしては、それぐらいと思ってます。

 まあ、散々、好き放題やって来たメインヒーロー(ヴィラン混じり)なので、これぐらいの負け描写がないと、話が盛り上がらないのでしょう、と。

★ファイズ

 巧暴走については、これまでも語って来たし、これからも語っていくと思うので、今回はデルタの装着者として登場した三原について。

 彼は戦隊もののゴーグリーン(ゴーゴーファイブ)の役者でして、言わばすでにヒーロー役者。
 それが、こんな気弱な役で、ヒーローが弱さを演じるという演技としては面白い展開。
 で、デルタは装着者の闘争心を高めて暴走させる副作用があるのですが、元々、闘争心の欠片もない逃げ腰の三原が装着すると、ちょうどいいバランスになるということで、これもある意味、デビルマンに近いのかも。

 ゴーグリーンと言えば、もう一人、グリーンでタイムグリーンの話題をば。
 先週、タイムグリーン・シオンの主役回がありましたが、彼の役者が後に牙狼で、烈花の舎弟風の魔戒法師シグトになったことを後から知って、驚いた記憶があります。
 シオンとシグト、今見ても、同一役者に見えないほど、キャラも違うし、顔つきも違う。自分も長い特撮人生を歩んでいますが、ここまで同一役者でイメージがつながらないキャラも稀だな、と。

 ともあれ、昔の作品を見ると、役者のその後とか、それ以前とかを比べる楽しさがあります。

 ファイズはちょうど大人向き特撮として、平成ライダー→牙狼とキャストがつながるタイミングだったもので、人脈的にも、股にかける役者さんが多い頃合いか、と。
 旧世紀だと、特撮ヒーロー→時代劇という流れが一つの定番でしたが、時代劇の数が激減した21世紀だと、牙狼も大人向けアクションとして、一つの受け皿だった時期があった、と。

 あと、役者話だと、『どうする家康』の後半で登場する真田関連が特撮役者の転職先で多そうで、気になっております(リバイスの弟・大二とか)。
 また、昨年、上総介ロスを起こした御仁が真田に転生して、家康よりも、そっちを応援したくなりそう。

★キングオージャー

 リタ編はクライマックスにあらず、次のヤンマ&ギラ編がクライマックスになるようです。

 5話1かと分析したら、メンバーが増えた結果、7話1という長期エピソードになったジェラミー編。

 で、ジェラミーにスポットを当てた脚本は毎回、変化があって面白いのですが、劇中でいつまでも死んだ扱いにされている主人公レッドのギラがどうも割りを食ってる印象ですな。
 果たして、ギラが次回で主人公として巻き返しなるか、ということに注目したく。

 一方、バグナラクと和平を結んだラクレス。
 ええと、これは人類とバグナラクの種族の和平ではなく、シュゴッダムという一国とバグナラクの和平なので、シュゴッダム以外の国には和平は関係なく、他の4国がどうなろうと、シュゴッダムは黙認する。
 むしろ、ラクレスがバグナラクと手を組んで、他の4国を侵攻破壊するという意思表示みたいですな。

 一応、カグラギの国トーフだけは、シュゴッダムとの同盟を継続中という形ですが、このままラクレスはバグナラクと提携した悪役として君臨し続けるのかが注目点かと。

 そして、そろそろ「ギラは実は生きていた」って公表しないと、2ヶ月以上、死んだままの主人公という汚名を被ることになるので。

★ギーツ

 沙羅さんが死んで、景和が闇堕ちという「予想されたけど、見たくはなかった過酷な展開」になりました。

 これで五十鈴大智がヘイトを集めて、ええと、実にヘイトを集めるのが上手いな、この番組。

 サマスの未来運営と、ベロバ&ケケラのサポーターカップルと、ジャマト支配者の大智が悪役連合を結んで、ギーツたちライダー勢に陰謀を展開する。

 その状況で、景和のヘイトはバッファ道長に。

 景和が木場勇治に、道長が乾巧にも見えてしまう展開で、果たして英寿の立ち位置はどうなるのか?

 ともあれ、沙羅さんはこれで復帰しないのか、それとも……とドキドキしつつ。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/27 (Tue) 00:37:54

 定期感想その1です。

 東映公式Youtubeのほう、パワーレンジャーがありますね。放映30周年記念で各シリーズの第1・2話を放映するみたいです。いわばダイジェストですから、ストーリー的な理解には至りませんが、シリーズ全体の流れの雰囲気を感じることはできるかも。それに坂本浩一アクションについて、ある意味、オリジンみたいなものを見ることができるかも。

●タイムグリーン/シオン=魔戒法師シグト

 タイムグリーン/シオンと魔戒法師シグトが同じ役者(倉貫匡弘)さんと伺ったんですが、最初は「え?」という感じしかしませんで(^^;。もっとも「同一役者に見えないほど」と仰るわけですから、自分が俄かには信じられなくても当然だったかもです。

 タイムレンジャーをシオン=シグトのつもりで観てますと、瞬間的に面影が重なって見えるカットがないでもない。しかし逆に申せば、その程度であれば全くの別人を「同じ人」と言われたら、そう見えることもある程度でしかない気がします。

 ネットで改めてタイムグリーン/シオンと魔戒法師シグトの画像を比べてみても、やっぱり同じ役者さんという気がしません。さらには倉貫匡弘さんご本人のオフィシャルブログに掲載された写真を見てみますと、シグトでもシオンでもないように見えます。

 それだけ差異があるのはメイクの力で変えてる部分もあると思いますが、どうやら役柄に応じていかようにもなってみせるタイプの役者さんであるようです。言い換えれば、出せる雰囲気の幅が広いということで、自分的には好感度高くなるポイントです。

●仮面ライダーギーツ(第41話:創世Ⅲ:漆黒の将軍)

 坂本監督回ということで、今話のアクションはどんなだろうと期待しておりましたら、一言で申せば「生々しい」になりましょうか。生身アクションが多く、華麗さは抑えめで地味にひたすら殴りつける感じです。

 英寿とジットの生身バトルでは特殊警棒が使われてました。ジットはそれでひたすら殴りつけてます。痛そうだな、という印象が強い。道長/バッファと景和/タイクーンの対決も生身バトルから入りまして、ひたすら殴り合う(最初、道長が反撃しないことで痛々しさが強調されてたかも)。

 変身後もチェーンソーの音を強調しつつ地味に刺していったりしてまして、あれも痛そう。その後は円月殺法的な動きとか特殊効果もあるんですが、坂本アクションでよく見られる高低差とかスピードとかは抑えめだった気がします。今話は景和の闇堕ち(?)ということで、アクションもそれを引き立てるような組み立て・演出にしたのかなと思います。

 ドラマ的には、せっかく手を携えたかと思ったら、またもバラバラになったと思える各キャラクターの動きが興味深いものがありました。自分的に特に「おや?」と思ったのは、死亡退場したはずの沙羅ですね。石ノ森作品では「姉」は善とか愛とか象徴することがあり、死亡後も亡霊が如く姿で「弟」を助けたりする(例えば「幻魔大戦」の東ミチ子の残留思念)。

 今話のギーツでも沙羅が亡霊か幻影かという感じで登場ですが、景和ではなく道長の前に現れるのが興味深いところ。メッセージ的には(ステージ2ジャマトとなった人々を犠牲にしてでも戦う)道長に「それでいいの?」と問いかけてますね。ある意味、止めにかかっているとも受け取れます。それが道長を救うためか、あるいは落ち行く景和を止めるためか、とか妄想がいろいろ出てきます(^^;。

 その一方、(英寿に対する姉ポジションの)ツムリから女神の力を引き出して闇化暴走を始めた(らしき)景和に対しては沙羅が現れません。沙羅が引き留めにかかるなら景和だろうと思えるんですが、なぜか道長。

 これは沙羅の幻影にかぶさるように現れるベロバが見せていると考えれば辻褄は合うんですが(二度目は景和がかぶさりますが、ケケラにそそのかされた後)、沙羅本人の幽霊と考える方が自分的には面白く感じます。例えば道長に沙羅に対する(知らずに死なせた罪の意識以外にも)特別な感情がありそう、とかで。

 弟であり姉思いの景和は、沙羅(の幻影)を見ないからこそ思いつめる面がありそうです。今話で急に妙な癖を見せるようになりまして、しばしば親指で他の指を押して鳴らしてますね。これ、どっかで似たようなものを見た覚えがあり、調べてみると「東京喰種トーキョーグール」の主人公:金木研でした。悲惨な経験で残酷な一面を見せるようになってから、親指で他の指を押して鳴らすようになりました。

 指を鳴らすって、もしかすると威圧的な印象があるのかも。北斗の拳ではケンシロウが(特に格下の)敵を前にして、拳を握りつつの指をバキボキって演出多用していたように思います。今話の景和の指鳴らしも、そういう気持ちを表す演出なんでしょうね。

 もっとも景和は今話冒頭では姉の沙羅を失った絶望で動けなくなってました。そこへケケラがそそのかしに来るわけですな。具体的なことは描かれませんでしたが沙羅を救うプランらしく、景和は誘いに乗り、(スエル~ジットらが次期女神候補とする)ツムリを利用する。自分(景和)のために祈れ、というわけですね。

 そこはGM:ジットが英寿らに言った台詞「より強い願いを持つ者がこの世界を支配するのさ」と関わりがある模様。とりあえず叶ったらしいのは、タイクーンの新ファーム&装備(タイクーンブジンソード)であり、それがバッファ/道長の「全てのライダーをぶっ潰す力」を無効化するらしいこと。それにより対決はタイクーンがバッファをグッサリやりまして、続く。

 ライダーになれないため戦いには参加できない祢音は前話では母(だった)伊瑠美と会い、今話では光聖ですね。光聖も自分のために祢音に縋ろうとし、祢音から「可哀そうな人」と絶望される。光聖が祢音を「創造」した理由は未来人のキューンと結婚させ、未来技術等を入手するためだったんですか。祢音はこのまま偽家族に絶望して離れるのか、それとも光聖&伊瑠美の改心ドラマが発生するのか。

 祢音の動向は他にもキューンが関わりそうで不安定な感じです。が、それ以上に不安定なのがアルキメデルに代わってジャマトのトップ(?)となった大智ですね。ジットやベロバらからは便利なかく乱要素として行動を黙認されているらしい。しかし大智の望み「全人類の記憶」を考えますと、放置すれば容易ならざることになりそう。

 なにぜ記憶を得る手段がどうやら「人間をステージ2ジャマトにしてから収穫(?)する」ことらしいので。ステージ2ジャマトは撃破されると大地に沈み、ジャマトの木(?)の実に記憶を宿すみたい。それを大智は摂取して記憶を得るようですね。

 となりますと全人類の記憶を得るには、全人類をジャマト経由で吸収することになり、人類滅亡です。未来人サイドが大智を放置しているのは、そうなっても構わない理由があるからなのかしらん。それとも、どうせできっこないと踏んでいるのか。

 次回「創世Ⅳ:女神の完成 闇の刃」では景和/タイクーンの暴走は続き、しかしターゲットはジャマトを操る大智になるらしい。そこはちゃんと倒すべき敵が見えている感じですが、同時にツムリの女神化も狙っているようでして、ヒーローと悪役の両面を持っちゃってるみたいですね。となると、ドラマを動かすのは景和がどちらに傾くか、になるのかも。もしそうだとしたら、自分的には面白そうです。

●王様戦隊キングオージャー(第17話:王は逃げない )

 こちらで「泥がラクレスを指している」可能性を伺い、なるほどといったん分かった気がしてました。汚い手段を使うラクレスを泥に例えたみたいな感じでしょうか。が、トウフ国が農業国であることを思い出しますと、泥≒土は恵みをもたらす大元でもありますね。次にスズメが出て来るときに「泥」が何を例えたか分かると面白そう。

 それはともかく、ギーツが終盤の展開といってもいいせいか、まだこれから中盤かというキングオージャーも最後の山場に差し掛かったように錯覚します。ネット放映の「ラクレス王の秘密」最終話(第3話)が7月にあることを踏まえますと、序盤は「ラクレス王編」であり、それがクライマックスに差し掛かっているのかもしれません。

 クライマックスかと感じてしまうのは、今話ラストの展開が自分的にはベタに燃えるパターンというツボだったことも影響しているかも。ヤンマがンコソパの皆を逃がすために最強の敵(一撃将軍ダイゴーグ)を前に一歩も引かず、そのピンチにヤンマの真意を汲んだギラが駆けつける。いいですねえ、こういうの。

 とはいえ、そのラストシーンだけで燃える展開になるはずもなく、しっかり準備編があったわけですね。ジェラミーの諸国巡りの最初がンコソパでして、建国物語に感動しジェラミーがヴェノミックスシューターをヤンマに授けるも、ヤンマは巨大ブーブークッションに使ってしまい、しかも失敗して恥をかく。

 その下げがあるからこそ、今話の泥臭い頑張りに落差が出て気分が上がり、燃えるものが出てきます。そのヤンマの上げが、さらにギラを引っ張り上げてのラストの「地獄の底からよみがえったぞ!」の啖呵でして、燃えがマックスとなりました。

 そうなるのもギラはここまでおおむね、ちょっと間抜けなズレ方しては誰かに引っ張ってもらいつつの、ある意味ヘタレた流れだったから。ただし、ときどき他人の気持ちを読むに鋭いところを見せたりする。それが今話でも活かされてました。ヤンマが最強の敵ダイゴーグの足止めをしている間に、ヒメノらの援助でンコソパ国民は退避する。要らんことしないようとっ捕まっていたギラも逃がせば、ヤンマも撤退できる。

 シオカラはそう言ったわけですが、ギラは「ヤンマが逃げるような男か!」と一喝。まさにその通りでして、シオカラも内心では気づいていた様子があります。実際、ヤンマは敵が格上だろうが、情勢(国民の退避など)がどうだろうが、退くくらいなら死ぬ覚悟らしい。たぶん、絶対に屈したくないラクレスが出張って来たからなんでしょうね。

 ラクレスは、ダイゴーグの一撃を食らって変身解除したヤンマに再び「ひざまずけ」と迫る。ヤンマは重傷にめげず、応じない。それでダイゴーグの止めを食らうわけですが、その直後のラクレスの反応がなかなか難解です。すぐには反応せず、表情がひきつったようになり、それからようやく哄笑。

 これは、例えば事があまりにも上手く運びすぎて呆気にとられたときに見せる反応だとすれば、納得できます。ヤンマを従わせるよりは消し去ったほうがずっとうまく行くが、ヤンマとて歴戦の勇士だけに手を出しかねていた。しかし(自らが復活に手を貸した)ダイゴーグがいとも容易くヤンマを始末してくれた。

 そう受け取ることもできますが、逆にラクレスがそうしたくなかったと考えることもできそうです。なぜ(嘘でもいいから)膝を屈してくれなかった、なぜあんな大振りの一撃をよけてくれなかった、といった気持ちが噴出し、苦労してその動揺を抑え、うまく行ったという演技で笑ってみせた、ということだったかもしれません。

 結局、駆けつけたギラがすんでのところでヤンマを救ったわけですが、それを確認したラクレスの表情からは何も読み取れませんでした。ギラの生存に驚いたかどうかも分かりません。次回「始まりの王冠」では、ラクレス vs ギラとなるようですから、ラクレスの真意も明らかになるかな(その後、「ラクレス王の秘密」で補完されるとか)。

 そういう緊迫した燃える展開ですが、緩めるコメディリリーフや、あさっての方向に走り出すキャラクターがいたりしてこその落差であるようです。主としてジェラミーがその役割やってくれてましたな。まずジェラミー、平和を唱えつつも力を欲し、バグナラク側に最強の敵(ダイゴーグ)を蘇らせさえしたラクレスに失望し、意気消沈する。

 ギラ側もジェラミーのスパイダーの力を欲し、口実を設けて捕縛し、リタのもとへ送る。ここまでは割とシリアスな展開なんですが、リタがお説教(?)始めますと、雰囲気がおかしくなってくる。

 お説教は結局、「力を合わせよう」ということなんですが、同時進行している巨大メカバトルと齟齬してまして、だんだん可笑しくなってきます。リタが力を合わせようと言い、力を合わせるべきヒメノやヤンマが我先にと争ってしまってます。ジェラミーはジェラミーで、他人の言うことなんか聞いてたからこの始末だよみたいな悟りを得てしまいまして、リタの話聞いてたんかいというくらいの斜め上。

 ジェラミーは構わず、スパイダーでメカ戦のほうに参戦ですが、前とは真逆なことしてますね。前は仲間のメカを操ろうとした糸を切って自由にし、今回は糸を張って無理矢理に合体しての独断バトル。それでも勝ってしまいましたから、次からはまたも「全てを統べる王」に逆戻りかな。せっかくジェラミー、「統べるどころかスベってる」といったんは後悔してくれたのに、またも同格の仲間としてのオージャー戦士から遠ざかったか。

 それでもまあ、ギラとラクレスに決着つけば、なんとかなりそうです。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/28 (Wed) 08:59:49

 定期感想その2です。

 録画機予約してますと、牙狼:翔編の後番組が「魔戒ノ花」でした。雷牙ですね。ネット放映含めてもう複数回視聴してますんで感想は書かないと思いますが、(リアルタイム視聴せず)録画して観るつもり。鋼牙世界の黄金騎士三世代共演の劇場版観た後ですから、印象が違って来るかもしれません。

●仮面ライダー555(第35話:復活の謎、第36話:甦える記憶)

 序盤からハラハラする要素のニアミスが序盤とは形を変えて繰り返されてまして、観ていてハラハラもすればジリジリ焦りもする。ストレス溜まりますが自分的にツボの展開です。

 ドラマの軸は「巧の正体(ウルフオルフェノク)」と「巧が何をしたか」ということになると思うんですが、そのたった1つの事実が各人各様に解釈されてのすれ違いが多発するのが面白い点です。なにせ巧ですら自分自身をきちんとは把握できてなかったりするわけで。

 巧が何者かというドラマを発生させ、引っ張っていくのは主に真理ですね。澤田/スパイダーにより死亡するも、巧が村上社長と交渉、澤田の始末と引き換えにラッキークローバー加入で、蘇生手術を受けて復活。

 その経緯を真理は知らず、しかし蘇生の過程で見た悪夢は過去の記憶に基づいており、流星塾同窓会をウルフオルフェノクが襲ったというもの。その襲撃で真理も死亡しており、はっきり覚えていなくても恐怖の感情だけはありありと蘇るようになってしまうわけですな。

 そこからがシビアの度合いを深める面白い展開でして、当初は皆が知った「巧はウルフオルフェノク」ということを、真理だけが知らない。相変わらず「555になれる、頼れる人」として巧を信頼している。もしかすると、この状況で縋れるのは巧だけ、くらいに思ってるかもしれません。

 なにせ(もし悪夢が事実だとして)「助かったのは巧のお蔭、なんとなく分かる」と真理は言っているわけで。ただし、その台詞が真理の今回の死亡からの蘇生が巧のお蔭とも受け取れまして、ちょっと曖昧かもしれません。

 が、冴子/ロブスターと琢磨/センチピードが「ラッキークローバーに戻れ」と襲って来る。巧がスマートブレインと取引したらしいと知った真理は当然混乱するわけですね。それでも最初は真理の期待通り、巧は迷いつつも555で戦う。しかし琢磨/センチピードが真理を再び殺害すると脅すと巧は戦意喪失して変身解除。

 しかし真理の危機が発生しまして、巧は意を決してウルフオルフェノクに。ここで三者三様の決定的な理解の差が生じてしまうわけですね。しかも互いに誰が何をどう理解しているか知らず、おそらくは自分と大差ない理解だと思っていそう。

 真理は巧がオルフェノクだったことに驚いてはいるでしょうが、思わず悲鳴をあげて逃げ去るほど怯えたのは、自分(真理)たちが襲われる悪夢に出て来たウルフだから。啓太郎はおそらく、単純に真理がオルフェノクが怖いゆえに巧もオルフェノクと知ってショックを受けたと思ってる。

 草加ははっきりしません。襲撃された流星塾同窓会に草加がいたかどうかはっきりしない。真理は悪夢/同窓会には草加もいたと言っており、もしそれが事実なら草加もウルフを見たはずです。が、ここまでとここからの草加の態度を考えますと、同窓会を襲ったのがウルフだとは知らないように見えます。

 真理は真理で、確かに悪夢に出て来たオルフェノクが、巧が変身したウルフと認識はしたものの、悪夢が事実かどうかは確信がない。ここまでの巧を考えますと、自分(真理)たちを襲ったとは考えにくい。しかし、生々しい恐怖があるのも事実。

 真理は迷った末、巧を呼び戻そうと決意し、しかし自分では巧に会いに行く勇気が出ないのか、啓太郎に頼んで引き戻そうとする。啓太郎も巧に弁当を差し出す手が震えるほどですが、それだけに帰ってきて欲しいという言葉は真実味がありますね。

 これで巧が引き離される流れを押し戻せるかと思ったんですが、巧が勇治に話した内容が観ているこちらにはショッキングでして。巧は自分の意思でオルフェノクになったことが以前あるが、その「前後の記憶」がハッキリしないというわけですね。ただし、力に飲み込まれるような感覚だけは覚えている。
(先週ラストから今週分にかけての巧のオルフェノク変身については、澤田を倒した記憶などがハッキリしてますんで、今はオルフェノクの力をかなり制御できてるんでしょうね。)

 となりますと、巧自身も流星塾同窓会で何をしたか覚えてないことになります。ただし、この時点では「前後」という表現があいまいでして、どうやって変身したかは覚えてないが、変身後に何をしたかは把握している可能性があります(上述の澤田を倒した記憶などから、そうとも解釈できる)。

 もし巧が流星塾同窓会のことを覚えているなら、真理に正体を見せてもなお、近づいていく理由が分かります。真理の悪夢/記憶とは違い、実際にはやましいところがないからオルフェノクと知られても近づいて行ける。真理が怯えても、それはオルフェノクだからで、人間を害しないオルフェノクもいることは真理も分かってますから、自分(巧)も理解してもらえると信じることができる。

 観ていてそう希望してしまいます。草加も戻れと言いに来るし、何より真理自身が意を決して巧を追って来て、帰って来てと告げてます。希望が持てる、いい流れです。いったん帰って来た巧を、それでも真理がどうしようもなく怯えて泣いても(信じきれなくて苦しいんでしょうね)、そのせいで再び巧がクリーニング店を去っても、自分は「何とかなるんじゃないか」と思ってしまいました。

 しかし、直後にその希望が打ち砕かれるとは。まず、巧のラッキークローバー参加にやけに自信を見せていた村上社長ですね。なぜ取り込める自信があったのかと思ったら、流星塾同窓会襲撃のビデオを持ってたんですか。巧に見せたビデオには流星塾生を襲うウルフオルフェノクが映ってます。

 これに巧は驚愕してまして、上述の「前後の記憶がない」はウルフオルフェノクとして何をしたかのか覚えていなかったと確定。ここでようやく、一連の巧の行動、特に真理に対してのものがどういうことだったか分かる演出です。つまり、今まで観て来たドラマの意味が、ずっと前から意味が違っていたと、観ているこちらに分かってしまう仕掛け。

 続いて観ているこちらを絶望させる止めの第二撃が来るんですが、その前にちょっと希望を持たせるのがニクイ演出ですね。巧が去って意気消沈の真理と啓太郎ですが、それでも仕事は続けまして、配達に出る。そこへオルフェノク(オクトパス)が襲って来る。幸い、555ギアは勇治の手に渡っており、勇治が駆けつけるのは真理らにとって問題ない。

 2人は勇治がオルフェノクとは知りませんしね。勇治とて555ギアを巧に言われた通り(いざとなったら巧を倒す)に使うのはためらうでしょうけど、真理らを救うにはやぶさかでない。555で戦うならば、正体を知られることもない。駆けつけて555に変身するわけですが、真理の目には巧の555が戦っているかのように映るわけですね。

 真理もやっぱり巧みに帰ってきて欲しい気持ちがある、と思えた途端、巧が登場。冴子らにラッキークローバーの一員として、勇治を倒して555のベルトを取り戻せと指示される。真理としては巧に帰ってきて欲しいという自分の本心を悟った直後に打ちのめされ、勇治としてはせっかく信じることが出来たのに、巧が託した通り「いざとなったら555の力で巧を倒す」をするしかない流れになってしまってます。

 一縷の望みが出ては断ち切られるドラマが立て続けに起こってまして、観ていて実に揺さぶられました。それに夢中になっていて初見では気づかなかったんですが、強引ながら効果的な演出があったりするようですね。はっきり気が付いたのは、河原のバーベキューからの冴子&琢麿襲来のシーンです。

 襲ってきたのはまだ明るいうち(たぶん昼)なのに、短い戦闘の後に森に駆け込むときにはすっかり暗くなってます。しかも月にしてはやけに明るい光が後ろから射している。そこは真理の悪夢の記憶とうまく被ってますね。悪夢の映像が効果的に挟まれてますんで、それと似た不自然な暗さと光の演出も不自然に見えず、むしろ雰囲気を盛り上げてくれてます。

 ともかくもひたすら絶望に流れていくドラマなんですが、いい方向へ向かう雰囲気も残してくれているのがいい感じ。勇治が草加に不自然な策動ありと気が付いた点ですね。巧に対する不信感を煽る草加が信用できないとなれば、勇治は巧を信じる方向に行ってくれるはず。そこは次回への希望が持てる点の1つになります。

 そしてコメディリリーフの海堂ですな。火事で助けた子どもに罵られたのがやっぱりショックで、やたら気にして施設へ電話を入れてます。巧陣営のお人好し:啓太郎が重くなっちゃっている今、この善人:海堂は唯一といっていいくらい、雰囲気を明るくしてくれてますね。これがないと観続けるのがしんどかったかもと思えるほどです。

 次回予告を見ますと、今週後半ラストの危機はなんとか回避したようですが、巧は己を滅する覚悟をしたようであり、なんとも不安です。

●華衛士ジサリス(第8話:むじゅんした心 )

 前話ではジサリスが負けた。今話ではジサリスが勝った。それくらいでしょうか、全体のドラマとしては。この世界の主であるヴァニタスが、自分の娘の死を受け入れられず、その前日をひたすら繰り返しているというアイデアは嫌いじゃないんですけどね。

 しかし、その繰り返しになんらドラマが発生せず、前話で一応は「どうなるの?」と思ったジサリスの敗北・消滅も特に仕掛けはなく復活。アユカやジサリスについての謎めいた点も、何かを匂わしはするが話を進めない点では同じ(ある意味、この第7~8話と同じかも)。

 全12話ですから次から終盤となりますが、いろいろ匂わしておいてこうまで進展がないと、アクションシーンだけ毎回楽しんで、きちんとした感想は最終回を観終えてからしか書けないかもです。まあ、後4話ですから感想書きは続けようと思います。

●フラッシュ

 お礼を申し上げるのが遅くなってしまいましたが、劇場版フラッシュのご感想・ご解説ありがとうございます。ストーリー内容を伺ってみますと、仰るようにTVシリーズと同時期、できれば先に劇場版が公開されて、TV版が後になれば、フラッシュポイントにまつわるドラマ比較とか面白かったかもしれませんね。

 TVシリーズのほうはフラッシュ前作の主人公との共演がなかなかのファンサービスであったりしましたが、劇場版では大人フラッシュとヤング・フラッシュなのか。旧作バットマン主人公は、対比するとしたらTVの旧作フラッシュ主人公かな。さらにスーパーマンを追っていたらスーパーガール発見・仲間化とか盛りだくさんのようですね。

 そこまでは(ご感想・ご解説を拝読するだけでも)お祭り感すら感じますが、バットマンもスーパーガールも討ち死にするとは、急にシビアな展開になってしまうのか。もっとも、時間を行き来できる≒過去改変で未来を変えられるフラッシュですから、そこで決断が発生すると。TVシリーズでもそうでしたな。何ものにも代えがたい何かがいくつかあって、どれか1つしか得られない。

 そこを予算的にシーンの見栄えを出せる劇場版と、相対的に地味ながらドラマを長い尺で見せられるTV編を比べてみたら面白いかったかも。もっとも、自分だと長尺のTV編が先になりますと、劇場版は(似て非なるものとはいえ)ダイジェストのように感じてしまうかもしれません。まあ、いずれ劇場版もTV放映するでしょうから、そのときに感想言ってみたいと思います(相変わらず映画館行かないケチ ^^;)。

 フラッシュはシーズン9を今年に放映開始して、それが完結編になるみたいですね。自分はDVD購入はシーズン5まで、視聴はシーズン4で止まっています。フラッシュ以外のアローバースにも興味が出て、手を伸ばしていたんですが、最近はどれもほとんど観てない。

 どうにも観る時間が取れませんで。戦隊ものに視聴時間を割くようになったからですね。戦隊ものを一気に理解しようと、こちらでもお勧めがあった「海賊戦隊ゴーカイジャー」を観始めたら、尻上がりに興味も面白さも強くなりました。ゴーカイジャー観終えたら、それも止まる(プラトーになる)と思ってたんですが、最終回以降も興味が尻上がりのまま。

 ゴーカイジャー視聴以前ですと、気になる戦隊シリーズでも数話観て雰囲気分かればいいという感じだったんですが、それが「第1話から最終回まで観ておきたい」に変わりまして。そして東映公式Youtubeでは戦隊ものを次々と大量に放映してくれる。

 そうなりますと、フラッシュを始めとするアローバースのほうは、時間的リソースのせいで煽り食らって次第に観なくなってしまいました。しかし「どうなるんだろう?」という興味は持続してますし、観れば面白いことも分かっている。どうしようかな、DVDも廉価版が正規販売しているうちに買うだけ買っておこうかな、いや結局観ないかも、TVでやるかも、などと迷ってます。

Re: 6月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/06/30 (Fri) 11:45:31

 今月ラストの定例感想です。

★ギーツ

 そろそろ夏映画の情報がいろいろ解禁になって、テレビが黒タヌキになったと思ったら、映画は黒キツネをプッシュ。

 クロスギーツなる劇場オリジナルライダーが先に発表されて、英寿も闇堕ち? という可能性もありましたが、昨日の公開情報だと、クロスギーツは別の未来人キャラとのこと。
 TV展開とのリンク情報を気にしつつ、TVは景和の闇化(昨年の冬映画でリバイスのカゲロウが景和の中の闇を認めて動揺していた伏線をようやく回収)。
 立ち位置的には、景和と道長のポジションが入れ替わったようにも見受けられます。

 景和姉の沙羅さんについては、舞台の仕事があったので当初の予定どおりの退場スケジュールみたいですね。だから復活は期待できないわけですが、
 ともあれ親友を失った復讐者というキャラ立てだった道長が、自分が加害者になってしまった皮肉とか、
 この局面の闇堕ちで、どう収拾を付けるのかな、と気にしつつ、

 今は祢音ちゃんのライダー復帰はいつかなあ、と。

★キングオージャー

 7話1エピソードかと思いきや、真のクライマックスは次回か。
 長かったなあ。

 ジェラミーにギラが主役のポジションを奪われて、5人集結展開もしばらくなく、ようやく次回がギラを中心に全員が共闘、というお祭り回ですな。

 とことん、集まりが悪い戦隊だなあ、と思いつつ、ラクレスとの因縁も次回で解決?
 劇場版に向けて、ギラが正式に国王として認められる展開?

 劇場版は、初代シュゴッダム王とか、カグラギの先代女王役として雛形あき子さん登場とか、いろいろ情報が出て来て、「死者の国」という異世界に向かう冒険譚みたいですが(過去の因縁を掘り下げつつ、TVの現代の展開には干渉しない内容っぽい)、

 とりあえず、次回でキャラの周辺環境が激変しそうなのを、まず楽しみたく。

★ジサリス

 緑の戦士のドラマは閉じたままで、主人公のアユカやジサリスが干渉して変化するのを拒んだ形。

 ジサリスが負けたという前回の衝撃も、あっさり復活して、そこに盛り上がりも何もなく。

 他の回にあった「事件が一応解決した、単独エピソードとしてのスッキリ感」が何もなく、
 これが連続ものだと、頑なだったベテラン戦士の心をどう解きほぐして、共闘できる仲間にできるかが今後のストーリーラインの一つと言えるのでしょうが、
 状況だけ提示して、次の世界へって流れですな。

 これは、あと4話で完結せずに、一通りのセンティカの顔見せ紹介と、世界崩壊の謎が垣間見えるクリフハンガー・イベントで第1シーズン完。続きは現在、鋭意製作中って流れかな、と。

 とりあえず、12話かけての紹介編、お試し編って方向性で、それまでに感情移入できるキャラが見つかるかどうかですな。

★ファイズ

 巧の迷走暴走を続けつつ、巧が自分の居場所を求めるドラマは今週も続く。

 ファイズであることを放棄し、死に場所を求めつつも、次はデルタに一時変身したり、自分のアイデンティティーの再構成を目指す展開。

 で、この迷走編が一段落するのは、来週の放送になります。
 これも劇場版で先行披露したファイズ最強形態のブラスターフォームのTVでの登場に至る展開。

 散々、迷走した末の満を辞した最強フォームだから、格好いい、と。

 ブラスターフォーム登場で3クール終了だから、後はクライマックス展開で各人のドラマのゴールに向かう流れだと。

★フラッシュとかスパイダーバースとか

 これに、現在、小説を読んでる「グリッドマン・ユニバース」も合わせて、今年のマルチバース3作といったところでしょうか。

 同じようなテーマで、いろいろクロスオーバー展開で盛り上げつつ、各作品の趣向とか方向性を脳内で比較している最中です。
 とりあえず、来週にフラッシュ映画の結末ネタバレと、スパイダーバースの紹介をしたいと考えますが、一応の許可確認の程を。

 それと、TVドラマのフラッシュですが、自分も第5シーズンのDVD購入で止まってますね。
 どうも、アロー終了後のシリーズ迷走(コロナ禍の影響も大きい)で、旬が過ぎたかな、とも。

 アロー、フラッシュ、スーパーガール、レジェンド・オブ・トゥモローの4部クロスオーバーがピークで、その後、バットウーマンの主人公役者交代のトラブルや、アローの続編企画の中止などバタバタして、
 「スーパーマン:ロイス&クラーク」が世界観も含めた仕切り直しみたいでしたが、そっちはどうなるのかなあ。

 まあ、またTV放送があれば、ここでの話題にすればいいと思いつつ。

Re: 6月のスレッド(2023) - K.K

2023/06/30 (Fri) 13:20:23

 ピンポイントのみですが、少し応答。

> 来週にフラッシュ映画の結末ネタバレと(略)一応の許可確認の程を。

 許可というより、是非ともお願い申し上げたい次第です。ネットを探してみますと、ネタバレ含むあらすじ解説とかあるにはあるんですが、(毎度のことながら ^^;)どうも分かりにくい。

 今回のフラッシュ映画のネット解説の分かりにくさは、おそらくは解説する人がみんなアローバース含むDCが好きすぎることにあるようです。ネタバレと銘打っておいて、中身は過去のDC映画からのカメオ出演の話に終始しているものすらありました(たぶん、ネタバレしようと書き始めたものの、過去作出演者が懐かしすぎて忘れてる)。

 さらには、TVシリーズでも「フラッシュポイント」の歴史改変は「あり得たいろいろな過去とそこから続く数々のの未来」でありました。劇場版のネット解説では自分はよく理解できてませんが、どうやら何をどうすればどうなるか、とっかえひっかえ試行錯誤の歴史改変が含まれるらしい。

 まずいことにネット解説では解説者/ファンの願望も取り混ぜた部分もあるようで(以前、自分がゲッターロボで混乱したやつ ^^;)、その辺りの区別が未見の自分にはできかねています。

 こちらで伺ってみると、あちこちのネット解説がすんなり理解できるという経験が何度もありますんで、もしフラッシュ映画についてもネタバレOKでご解説、ご感想を伺うことができれば幸いです。

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