創作と鑑賞の談話室
7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/01 (Sat) 00:00:23
7月の雑談スレッドです。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/03 (Mon) 23:04:37
定期感想その1です。
●仮面ライダーギーツ(第42話:創世Ⅳ:女神完成 闇の刃)
たぶん今話がギーツでの最後の坂本浩一監督回でして、前後編でのアクションの趣向はどうかという面も見入っておりました。前半は前話から引き続いて痛みと凄みを感じる演出、後半に入るとマーレラジャマト/大地の(以前のニンジャタイクーンのお株を奪うような)瞬間移動などはケレン味もありまして、そこを特殊効果入りの円月殺法でタイクーンがぶった斬りに行く。アクション演出の変化もなかなか楽しめました。
ともかく本編ですが、復讐の完遂と世界のリセット「デザイアグランプリの全ての犠牲者が蘇った世界」を狙う景和のドラマが主軸ですね。道長のドラマもあるんですが、隠した願い「(人間は)誰も犠牲にしない」は叶わないことが示される流れ。
ある意味、道長の願いは景和の執念に敗れたといえましょうか。もっともその景和とて、追いつめられた大智の薄っぺらい命乞い「僕(大智)も君(景和)もケケラに乗せられた」というのが真相かもしれません(景和に訴えかけるための技巧的なものですが、ケケラに見放されたことでちょっぴり生じた本心でもあるかも)。英寿が再三、今の景和は景和らしくないと言ってますが、自分も景和の執念に借り物臭さを感じます。
そこはケケラの狙い/望み通りかもしれません。ケケラの考える本物のライダーとは「悲しき顔を仮面で隠す戦士」だそうですので。姉を想う本心(悲しみ)よりも仮面の顔の偽りの気持ち(憎悪)で動いちゃってると申しますか。そこから敷衍して、沙羅の記憶をジャマトの実によって得た大智の今後が気になったりします。
今話の大智は沙羅の記憶を持ったから気持ちが分かると言いつつも、つまらない人生と切って捨てる物言いでした。これは景和を煽ってもてあそぶためだと見えますし、今の大智の本心ではあるんでしょう。沙羅を知ってはいるが共感してない。しかし気持ちが記憶から呼び起こされないとも限らない。大智が沙羅の記憶から沙羅の気持ちに惹かれていったりすると、次第に行動も変わっていくかも、とか妄想ながら、またも九死に一生のしぶとい大智がどうなるかが楽しみになったりしています。
ケケラの言う「悲しき顔を仮面で隠す戦士」は、どうも景和よりも道長のほうに感じたりします。昭和の1号ライダーは(原作コミックでは)改造による傷を隠すためだったはずですが、平成ではクウガが仮面の下では泣いて戦っていたはず。仮面をつけないときは無理に笑って明るく振舞っていたわけですね。
道長ですと、普段の顔は当初、親友をDGPで殺された恨みを見せていました。その後も親友そっくりのジャマトが、次第に親友の行動・言動に近づいていっても、所詮はまがい物と切って捨てる。ミツメの創世の女神を巡る戦いでも、(景和の願い「全て救う」とは齟齬する)犠牲者は諦めろと言い、力尽くでも皆にそうさせる。
しかし道長の本心は景和と同じく「誰も犠牲にしたくない」であり、しかし知らずに景和の姉の沙羅を葬ってしまった。これで決定的に罪の意識すら持ってしまうわけですね。ちょうど555では自分が過去に蛮行を犯したのではないかと思った巧が死に場所を求めるようになってしまった如く、道長もそうなってしまった感があります。
最後に一仕事あるなら、しておこうとする点も似てるかも。その最後の仕事が沙羅と同じように人々を葬ろうとする大智の始末ですな。しかし大智はケケラ&ベロパに支援されているようで、2人のプレミアムな力で道長/バッファは阻止される。この時点では大智がケケラらと共闘関係にあるようでしたが、ケケラとしては別の利用価値があるからでしたか。
それが景和を「悲しき顔を仮面で隠す戦士」にするため、姉の仇である大智を討たせること。おそらく景和初めての殺人です。自分の勝手な見方ですが「無辜の人はもとより、悪党相手でも抵抗できない人間を殺した者は改心しても助からない」という法則があるような気がします。あそこで景和/タイクーンが大智を倒し切ってしまうと、景和はいずれ助からない運命になってたかも(特に大智は記憶だけとはいえ、部分的に沙羅を引き継いだ者でもあるし)。
道長のときとは違い、景和は大智は止めを刺すつもりだったようですが、英寿/ギーツがすんでのところで阻止。ケケラは不満ですが、それ以上介入せずに去る。これでかろうじて景和が救済される道が残されたと思えますが、景和は構わず次へと突き進む。ツムリ~創世の女神に望む世界「デザイアグランプリの全ての犠牲者が蘇った世界」を実現してもらうことですな。
ツムリは女神化に抗しまして、己が意思はほぼ失われつつも、半ばで踏みとどまる。ただし世界を作り替えるくらいの創世の力はあるらしい。ツムリが抵抗できたのは「願いを叶える祈り」があったからみたいですが、ちょっと複雑かも。誰の願いなのか、ですね。単純には「ツムリの英寿と共に」という願いでしょうか。自分(ツムリ)の願いを自分で叶えたことになります。
しかし、ツムリの願いを肯定した英寿に祈りが届いたと考えることもできそうです。つまり「ツムリがやりたいようにやればいい」という英寿の願いが叶った格好。前女神のミツメですと、かろうじて意識は残っていたようですが、自分のために力を使うことはできず、誰かの願いに乗るしかなかったみたい。今話のツムリも同じと考えるべきかもしれません。
次回「創世Ⅴ:その名はギャーゴ!」では、景和の家族含む全ての犠牲者は蘇ったものの「景和が叶えた世界はギャングだらけ」(ED後のキャプション)らしい。ツムリが不完全女神だからなのか、それとも悪魔との取引でよくあるような「願いを叶えるふりで罠にハメる」みたいなものなのか。本編最後に示された、DGPルール「創世の力を持つ者はギーツ一人であるべきである」との関連とか気になります。
新ライダーも登場のようで「金のヤマネコライダーの正体は」(ED後のキャプション)といのがタイトルにある「ギャーゴ」なんでしょう。予告映像/音声からしますと、光聖なのかな。皆が散り散りになる流れが続いてましたから、そろそろ反転してみんなが集まる流れになっていくのかもです。
●王様戦隊キングオージャー(第18話:始まりの王冠 )
ジェラミーがトリックスターあるいは狂言回しとして大いにドラマを動かして来たわけですが、さすがに先週の失態は痛かったようですね。各国回りつつ人間とバグナラクの間を取り持ったつもりが、むしろ力の二極化と対立を招いちゃったわけで。それで今話では凹んでヘタレ込み、「俺がいないほうが平和なのか」とかぶつくさ言うのみ。
力の二極化は先週分では一撃将軍ダイゴーグの復活でしたが、それに手を貸したラクレスの真意が分かりにくかった。敵に強大な戦力を与えてどうするつもりか。と思ったら、その程度なら抑え込めるという自信があってのことでしたか。王冠「オージャクラウン」ですね。
ラクレスが使えば強化形態キングオオクワガタオージャーでして、ダイゴーグを寄せ付けない力があるようです。当然、現状ではダイゴーグに力で劣るクワガタオージャー/ギラではキングオオクワガタ/ラクレスの敵ではない。(おそらくはジェラミーの手助けで)かろうじてイシャバーナへ撤退するのがせいぜい。
イシャバーナにはほとんどのギラ側戦士が揃ってますが、カグラギだけはラクレス側のためいない。オージャー戦士らはカグラギを仮想的扱いですね。しかしギラだけはカグラギにも親和的でして、なぜならその妹スズメの真情を見ちゃったから。せっかく会いに来た兄カグラギそっちのけでラクレスにべたべたするラブコメコントの直後、スズメは兄を想って泣いていたと。
ただしなんで泣いていたのかはギラには分からない。しかし気持ちだけはしっかり伝わった。そこがギラの間抜けな点であり、同時に優れた点なんでしょうな。他人の腹を探ったり、推理するだけの知恵は出ない。が、様子を垣間見ただけで共感する力は凄い。
それがカグラギに対しても発揮されまして、スズメの様子だけ伝えて、見返りは求めない。実際はカグラギ、妹スズメと肝胆相照らして策動している。もしギラが2人の考えを読んで、「こういうことだろう、ならば」とか持ち掛けてきたらカグラギはギラを見限ったかもしれません。伸るか反るかどころか、全てがパアになりかねません。
ところがギラはその核心には触れない。触れるだけの思考がない。代わりに「スズメはこうしてたよ、気持ちはわかったよ」旨のみ伝え、カグラギは少しは安心したかと思って満足する。これはカグラギに刺さるでしょうね。自然に痛いところは外し、しかし大事なところは分かってくれる。そうなればカグラギは「この男(ギラ)の足りないところを自分(カグラギ)が埋めてやろう」という気持ちになっておかしくない。
それも手伝って、シュゴッダム:コーカサスカブト城潜入がバレてからの恥も外聞もない芝居を堂々と打てたんでしょうね。ギラの事前の声かけがなくても、ラブコメコントでもメモを渡す周到ぶりですから(ローテクながらセキュリティ高い)、あの芝居はやっていたとは思います。しかし「奪った秘密を必勝策としてギラに渡す」と明確に決意できてなければ、あそこまで見事に道化を演じることは難しかったんじゃなかろうか。
なにせ巧妙な芝居でしたから。単に潜入がバレたのを誤魔化すためじゃない。むしろバレたのを幸いと、カグラギは大恥かいてもラクレスに逆らえないと示したわけですね。スズメも兄などとうに見捨てて、ラクレス一筋と思わせることができる。なにせスズメが「カブトムシやってみせろ」と言い、カグラギが応じるわけですんで。
しかし、これで廷臣らが最初は笑い、ついには呆れて出て行ってしまうのが狙いでしたか。同時に玉座に隠された槍を出すスイッチの在りかも、スズメは大笑いのふりをしてカグラギに伝えていたと。カグラギは周到なことに、キングオージャーZEROに侵入してみたこともあったわけですな。動かし方を調べようと思ったらしいですが、それが今回は槍とセットになるらしい王冠「オージャクラウン」奪取に役立つこととなる。
これにはラクレスの油断もありまして、まさかキングオージャーZEROに侵入者があるとは思ってなかった。侵入するとすれば臣下ではないのに従ってくるカグラギですが、ラクレスは「あの男(カグラギ)には口が軽くなる」と言っているわけで、そこもラクレスが自分(カグラギ)に対して警戒心を緩めるように振舞ってきた深謀遠慮の結果でしょうか。
カグラギは最早迷うことなく王冠「オージャクラウン」をギラに渡す。ギラは全メカを一人で招集してエクストリームキングオージャーに。それでもラクレス、ZEROで立ち向かいますが、ギラに「小童」とまで罵倒されたうえで撃破される。ただ、ギラの一連の罵倒はなんとなく愛情を感じます。あるいは悲しみでしょうか。ギラの断片的な記憶に現れる兄ラクレスは善き志を持っていました。それを今も敬ってもいれば、それが失われたのかと思うほどのラクレスが悲しくもあるんでしょう。
ZEROを粉砕されたラクレスはそれでも生き延びまして、よろよろとコーカサスカブト城に戻って来る。が、誰もいない。王の帰還だと呼ばわっても廷臣らの反応なし。しかし代わりにバグナラク勢が現れる。どうやらデズナラク8世はラクレスが敗れると予想していたようで、一枚上手でしたか。
次回「王様戦隊キングオージャー」はいわゆるタイトル回収。他の番組ですと「おや、最終回か」となるところですが、戦隊シリーズはそんな伝統(?)ないですね。逆に「ようやく戦隊結成か」といったところ。公式サイト含めた予告を見る限りでは、ジェラミーまで含めた6人で、ラクレスは入ってないみたい。自分としてはバグナラクに囲まれたラクレスをギラが救いに来るかなと思ってるんですが、もしかするとラクレス退場もあり得るかな(そしてYoutubeの「ラクレス王の秘密」で補完されるとか)。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/04 (Tue) 23:08:38
定期感想その2です。
●仮面ライダー555(第37話:カイザの正義、第38話:彷徨える魂)
先週分から引き続き、何をどこまで知っている/分かっているかが各人各様でドラマ進んでまして、大変にややこしい。初見では注意して観てても「えっと、この草加はまだ、いや?」とか混乱してしまいました。が、状況が飲み込めて来ると各キャラクターが綱渡り、それも蜘蛛の巣の綱渡りをしているようで緊張感あります。
とりあえず、今週分の各キャラクターの状況理解がこんな感じというのを、自分用のメモとしても書き残しておこうと思います。まだいろいろ間違ってるかもしれません。
・真理:夢で見た流星塾同窓会惨劇に現れるウルフオルフェノクが巧であると知って恐れるも、偽の記憶と疑うことで巧を信じようとする。夢で見た記憶が偽との根拠足りえるのは「実際には草加が同窓会にいなかった」ことか。
(その後、ドラゴンオルフェノクを目撃して、襲撃犯がそのドラゴン/北崎であり、ウルフ/巧は皆を守ろうとしていたと思い出す。)
(村上社長が入手したビデオは真理が撮影していた。だから真理視点であり、映像に真理がいないのも道理。)
・巧:流星塾同窓会惨劇は記憶から欠けており、真理の言/怯えようから自分(巧)が惨劇の犯人だと思い、誰か(特に勇治)に倒されることで死して責任を取ることを望む。ただしスマートブレイン側に倒されるのは絶対に嫌で、たぶんそれでは責任取ったことにならないと考えているんだろう。
・草加:同窓会に出席したことを隠しているが、何者かが真理を殺害したことは覚えており、真理を抱き起こそうとして手に着いた血がトラウマになっている(モノクロの記憶で血だけは真っ赤。よく手を拭う理由がこれだったか)。今週前半(第37話)で真理の台詞をきっかけに聞きだした話から襲撃犯が巧だと思い込む(巧を信じたい真理には「そんなことあるはずがないじゃないか」と本心を隠す)。
・勇治:流星塾同窓会惨劇はよく知らないものの、今まで培ってきた巧への信頼から、巧が悪事を為したはずがないと思いたがっている。そのため巧の願い(勇治による死)には応えられない。
・澤田(※ ちょっと予習しまして ^^;):流星塾生に既にオルフェノク化した者がおり、そいつが同窓会を襲撃したことを知っている。
・村上社長:巧/ウルフが同窓会を襲撃したと思っているが、同窓会を撮影したビデオだけがその根拠。
だいたいそんな感じだと思ってみますと、ようやく冒頭から分かる気がします。冴子と琢麿に連れられてきた巧はウルフオルフェノクとなって暴れるわけですが、内心は555を託した勇治に倒される気でいる。これは流星塾生(特に真理)への贖罪のつもりでもあるんでしょうし、スマートブレインに殉じて死んだとなれば、以前の琢麿の脅し(真理の命云々)もクリアできる。
しかし(まだ正体がバレてない頃の)巧と命がけの共闘をしたことがあり、巧の疑わしい点は草加の仕業と知った勇治が巧を倒す気を起こすはずがない。一応、巧は「オルフェノクとなった前後の記憶がない」、つまりオルフェノクとなると暴走するかもと前に勇治に伝えてはあるんですが、今の巧/ウルフが暴走してないことを勇治に見抜かれているようです。倒してくれないならと、巧は興奮したふりをしてその場を飛び出して去る。
(しかし今の巧が頼れるのは勇治しかなく、真理からの電話には冷たくあしらっても、勇治へ電話で「どうしたらいい」と助けを求めるわけですな。)
その後、真理らはクリーニング店に撤退して善後策を練るわけですが、この時点で「流星塾襲撃犯は巧かも」を知らない草加は冷静。この状況を利用して巧への信頼を下げ、引き離そうと図ってますね。しかし勇治は草加への不信を深める目つきになり、真理は巧を諦めきれない。草加はこの真理が流星塾襲撃の悪夢にウルフがいてもなお、巧を信じようとしていることを知らないわけですね。
しかし、後で明かされたことも踏まえてみますと、実際には流星塾同窓会に出ていた草加が目の前で真理が殺害され、抱き起こそうとして手が血塗られたショックを克服できていない。真理への異様なまでの執着もそれが一因らしい。ずっと苦痛を感じてるんでしょうね。ついに今話、苦痛に耐えきれない草加の錯乱が見られまして、同窓会の寄せ書きの自分が書いた部分を切り裂く。
さすがに驚いた真理が声をかけるわけですが、これが初めてでしょうか、草加の表情や目つきが非常に弱気です。真理も心配しそうになったようですが、しかし草加の錯乱のほうが伝染しちゃったみたい。悪夢の中核であるウルフオルフェノクを思い出し、「巧が私たちを襲ったなんて」と不安を口走ってしまう。これを草加が聞き逃すはずはなく、瞬時に緊張感取り戻し、最初激しく、しかしすぐに物柔らかな態度で具体的に真理の悪夢の内容を聞き出す。
草加、真理への言葉では「そんなことあるはずない」ですが、内心/独白は『乾巧、お前だったのか!』。怒りの内容は「全てを奪った」ということですが、草加の「全て」は「真理」なんでしょうな。真理は(いったん死亡したものの)生きており、なぜ「奪った」とまで言うかは現時点では不明(真理が巧になびいてるから、くらいの嫉妬では説明できない)。
これで草加の向かう先は巧となったわけですが、別の狙いでスマートブレイン側からもアプローチあるわけですね。冴子が巧に接触してくる。巧は既にラッキークローバーですし、村上社長の意向もありますから当然といえますが、冴子の態度はそれ以上の何かがありますね。
以前ですと、冴子が琢麿を幼子のように甘やかしてました。しかしヘタレすぎて可愛げがなくなってきた(今週分の琢麿に見せない琢麿への目つきが物語る)。北崎も(むごさと表裏の)無邪気さがありますが、唯我独尊で思うようにならない。澤田は頑なに過ぎる。そこへ巧が現れたわけですね。救いを与えて手懐けるに手頃な「迷える子羊」といったところでしょうか。
もっとも冴子のは悪魔の救済でありまして、巧がなびくわけはない。琢麿は逆に裁きに来る。巧は罪の意識にさいなまれていますが、琢麿から罪の定められるつもりは毛頭ない。あくまでも真理に対する罪で己を罰したいらしい。その代理人が(共に戦うに足るし、真理も好意を寄せたことがある)勇治でして、だから真理から託された(生きる道となった)555を勇治に(今度は死するために)託してある。
しかし勇治は555を巧を守るためにしか使えない。代わって、巧を真理の仇と思う草加がカイザで裁きに来ると。巧/ウルフがそれを受けるつもりがあるかどうか、ちょっと分かりませんでした。はっきりする前に勇治/555が草加/カイザを止めてくれましたんで。ただ、カイザに最後の一撃の狙いを定められたウルフの反応からすると、躊躇いが感じられる気がします。変身が解けた巧の様子も同じくですが、すぐ気を失ってしまい、冴子に助け出されると。
巧/ウルフを仕留め損なった草加は諦める様子なし。前にはおそらく嫉妬から巧を遠ざけたがった草加ですが、今は本気で危険と見做している様子があります。真理の巧への信頼についても、おそらくは「巧/ウルフに殺害された記憶が欠落しているから」くらいに思ってるんでしょう(特に死んだ後のことなんか記憶にあるはずないですしね)。
そこで草加、真理の悪夢の記憶の補完を試みる気になった模様。もっとも、たぶんそのせいで真理は自分の悪夢に取り組むことになり、北崎のドラゴンオルフェノクを見て正しい記憶を取り戻すことになったようですね。
それにしても、スマートブレインの村上社長は「オルフェノクの王」なるラスボスめいたものを口にはしますが、今のところ人類の存亡にかかわるとかいった危機は示されていません。オルフェノク自体、スマートブレインが作っているわけではなく、死者からの僅かな自然発生と低確率の同族創造(使徒再生)。巧らは戦わずに逃げる選択肢もありそうです。むしろ、みんなバラバラに逃げ散って隠れたほうがいいかもしれない。
しかしそうさせない何かの力が働いているかの如くでして、例えば警察の動きですね。添野錠二刑事は(真理の同僚の)娘のひかるが転職を考えたことで、スマートブレインの資料を見る。そこに放火に関わったらしい「眼鏡の男」がいる。そこでスマートブレインに聞き込みに行き、関与がバレたと焦った村上社長が「眼鏡の男」/ーナクルオルフェノクの始末を冴子~北崎に指示。
しかし「眼鏡の男」はそれを知らずに任務続行らしく、たった2人になってしまった流星塾陣営を襲撃。戦意が低すぎる三原ではデルタとなっても太刀打ちできず、重傷で彷徨っていた巧が引き寄せられ、デルタを借り受けて撃破し、流星塾陣営に保護される。かろうじて逃げ出した「眼鏡の男」は、勇治が真理を励まそうと誘ったデートに乗じて襲い掛かる。
これは555ギアを肌身離さぬ用心の勇治が撃破するわけですが、「眼鏡の男」暗殺を遂行に現れた北崎との交戦となってしまうわけですな(555のアクセルフォームを上回るスピードの龍人態というのがあるんですか)。それを見た真理は同窓会襲撃犯だと確信し、これは巧に向かう気持ちを起こさせるものですね。
その巧は意識が戻ると、いったんは助けた流星塾生の2人からも離れようとするも、あくまでもラッキークローバーに加えたい村上社長/ローズオルフェノクが追って来る。さらに巧を(人間として)絶望させる策があるかと思ったんですが、あのビデオしかないらしい(だから前に流星塾同窓会の情報を欲しがってたのか)。従わぬなら倒してしまうまで、という村上社長/ローズに巧/ウルフが締め上げられまして、次回へ続く。
なんだか「添野刑事が娘のひかるの転職資料を見た」というだけで、誰も彼もこの状況から逃れられなくなっているように思えてきます。自由に動けるようでいて、しかし蜘蛛の巣に囚われているようと申しますか。普通なら不自然に閉じ込められているように感じると思いますが、どうも偶然から必然が引き出されているように感じます。脚本の妙なんでしょうね。
余談ですが、オルフェノクデザインの特徴:色がどの個体も灰色で、一目では判別しづらいと思ったことがあります。が、真理の記憶(ほぼモノクロ)などでぼんやり現れるオルフェノクは誰かという謎が発生してみると、なるほど納得なデザインだと思えます。この終盤を意識して、色を含めたオルフェノクデザインやってるんだろうか。
さらにどうでもいい余談ですが、北崎の灰化能力はどうにも謎ですね。手にしたものを灰化しますが、今週はテーブルに突っ伏して寝ていてもテーブルは灰化してませんでした(手は確かにテーブルについている)。前には廃車の中で寝ていて大丈夫だったし、睡眠中は能力発動しないのかも。たぶんデルタ装着時も大丈夫でしょう。ダーツはデルタでやればいいのかもです。
投稿後追記:
やっぱり海堂のことも。予習抜きですと、今週の海堂は「助けた子どもに嫌われて、それでも見過ごせずに気持ちを宥めようと悪戦苦闘」という微笑ましいものです。が、予習してみれば助けた子ども(照夫)はラスボスにつながる存在。海堂もまた、この状況にどうしようもなく捕われた一人と思いますと、なんだか救いがないような気がしてしまいます。
●華衛士ジサリス(第9話:きょこうの裏がわ)
今度はドッペルゲンガーみたいのが敵対者として現れる世界ですか。フロイト流に申せば、オリジナルの存在が「エゴ」(自我)、ドッペルゲンガーが「スーパーエゴ」(倫理)か「イド」(欲望)みたいなものらしい。あるいは「過去の記憶」のようでもありまして、Facebookの予告によれば、ヒロイン:アユカは次話で記憶を取り戻す模様。
まあそんなところですけど、ジサリスの回想に「懲戒解雇通知」とか出て来まして、どんな組織やねんとツッコみたくなりました(^^;。裏切り者には死の制裁とかじゃなく、クビなんですか。ラドキーパーは相変わらず見てるだけで、もしかして進行管理のタイムキーパーを意識したネーミングなのか。
残り3話でなるほどと思える落としどころに辿り着きそうもなく、こちらで伺った「クリフハンガー・イベントで第1シーズン完。続きは現在、鋭意製作中」ということになりそうですね。
特撮ファン向けには特撮出演者を揃え、一般向けにはヒロインにはAKB48の田口愛佳さんを招いて話題づくりしてます。ご当地ヒーローと協力し、今話で廃校らしい場所を選んでいるのもご当地の聖地作りの下地かな。その2つは資金面で寄与あるかも。
そういう準備が今シリーズで、制作面で安定したらそれなりの尺のドラマを作っていくということかもしれません。グッズ販売による利益はそれからかなあ。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/07/07 (Fri) 00:37:28
7月に入って、暑さと、しないといけないことが多くなったせいか、したいことをする気力が減退気味な今日この頃です。
一言で言えば、早くも夏バテって感じなんですが、体力的にへバッているわけじゃなくて、通常業務はできるけど、創造力とかそっちが上手く回らない状態。
考えが空回りで惰性的になっている感じですね。
しわ寄せがブログ書きの方に来ているというか、少しずつ状況を立て直していければな、と思ってます。
改めて定例感想をば。
★ギーツ
景和の黒タヌキ暴走が、とうとうツムリに新世界を創らせる方向に走り、いきなりゲームが終了した感じです。
今回は大智を怒りの景和が追いつめる流れでしたが、これでパラサイトイベントは終わったのだろうか。
そして、景和が願った新世界はどんな形になるのか。
ナーゴの復帰を願っていたら、父親がギャーゴというライダーに変身? ここに来て、新たな変身がいろいろ見られて、夏映画に向けて、盛り上がっては来ているのですが、
実のところ、今だに感情移入できるライダーがいないままの視聴になっています。
いや、沙羅さんが1番の推しだったと思うのですが、他にはジーンを楽しみに見ていたりとか、ギロリGMの復帰を願っていたりとか、いろいろだったのですが、いまいち推しが押し足りないというか、そんな気分ですね。
で、新番組ライダーで「ガッチャード」というネーミングを耳にしたり、たぶん、夏映画で登場するんじゃないかとは思うのですが、まあ、情報だけはいろいろ出て来る時期ってことで。
★キングオージャー
今はこっちの方にハマっておりますね。
カグラギさんのおかげでギラがパワーアップして、ラクレスを撃退し、そして次回、ようやく戦隊結成というクライマックスが。
基本的に戦隊のタイトルは、チーム名であり、5人揃って名乗るのが定番だったのですが、去年のドンブラザーズが「チームがいつまでも揃わず、名乗りすらほとんど挙げない」という変化球をかましまして、それでもドンブラザーズというチーム名は普通にあった。
だけど、今年のは「キングオージャーがロボットの名前」であり、戦隊チームとしては名乗らない、という王道なのに変化球という形で、ここまで来た。
10話のレジェンドキングオージャー降臨で、初めて5人が心を合わせて、「王様戦隊というチーム名」を名乗りつつ、「我ら王様戦隊、降臨せよキングオージャー」というセリフで、要するにキングオージャーはまだチーム名ではないという。
で、今回、クワガタオージャーのギラが金色の強化形態キングクワガタオージャーになり、
一方で兄のラクレスはそれ以前からオオクワガタオージャーであり、キングとかオーとかややこしいネーミングが続いていたわけですが、
次回でようやく、ギラが正式に王様になって、チーム名も「王様戦隊キングオージャー」として成立。
まあ、前作でイヌブラザーの正体が仲間に分かるのが年明けだったという集まりの悪さを考えると、夏には6人揃って名乗れるという点で、ようやくという気持ちと、前作よりはまともという気持ちが半々。
うん、夏映画では普通に王様戦隊キングオージャーと名乗れそうですし、名乗るだけでクライマックスという雰囲気が前作と合わせての独特な新鮮さですな。
ともあれ、ラクレスが倒されると、敵がバグナラクということで、戦いの構造が分かりやすくなるとは思うのですが、その次に、どんな仕掛けが用意されているのかは気にしつつ。
★ファイズ
巧の葛藤タイムが終了し、次はブラスターフォームへのパワーアップと、澤田との決着ですね。
その後は、終盤に向けて、長田由佳と啓太郎のドラマが進行しつつ、ゲストオルフェノクとして仮面ライダーナイトの松田悟志さんが登場したり、
これまではずっと人類の脅威になるオルフェノクの描写だったのが、人間の研究機関がオルフェノクの生体実験を行なっていることが判明し、本作が勧善懲悪ではなく、両種族のサバイバルをかけた熾烈な争いだったことが判明。
要するに、人間側が一方的に狩られる犠牲者ではなく、逆に人間側がオルフェノクに対抗する逆転展開になって、その結果、好戦的でないオルフェノクが人間側に虐げられる悲劇を見せられる。
ある意味、アギトが人類の敵として、警察に狩られる終盤の展開を発展させたストーリー展開が見られて、対立種族の共存というテーマは、この後、平成ライダーではカブト、電王、キバに向けて深化する流れになる、と。
ともあれ、怪人化してヒーロー性を喪失した主人公が、もう一度、ヒーローとしてのアイデンティティーを取り戻すのが次回のストーリーで、
その後は、オルフェノクという進化種の限界(能力は強化されているけど、寿命が短い)が判明し、その限界を乗り越えるために、王の力が必要、という流れになっての終盤戦ですな。
流星塾の創始者である花形前社長の目的とか、一気に話が佳境に入って、収束する展開を楽しみにしつつ。
★ジサリス
一人二役による、自分との対決を通じて、ヒーローおよびヒロインの謎が解明される前編ですか。
自分の影、もしくは闇と対峙して、その試練を乗り越えることで、主人公が覚醒したり、自己の本質を理解するのは、ファンタジーの一類型。
物語としても、何が対立軸なのかはっきりさせる効果があります。
ジサリスの場合、何が対立軸なのか、物語の落としどころがどこなのか、はっきり示さないまま、ここまで来ていたので、そこを上手く明示して、まとめるなり、次につなげるなりしてくれれば、追いかけるのにも安心できるなあ、と思います。
今のところ、何と戦うのかすら、よく見えて来ない作品ですから。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/07/09 (Sun) 15:59:39
フラッシュ映画の改めての感想です。
まず、この映画は2013年のスーパーマン映画『マン・オブ・スティール』から連なるDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の続きです。
本編では、スーパーマンの倒したクリプトン人のゾッド将軍がメインヴィランとなって、「もしも、スーパーマンのいない地球にゾッド将軍の部隊が攻め込んで来たら?」というIF世界で未熟なヒーロー、フラッシュが奮闘する物語にもなっています。
次に、スーパーマンは2016年の映画『バットマンVSスーパーマン』で、ベン・アフレックのバットマンと戦いつつ、ワンダーウーマンの取りなしもあって和解するのですが、怪物ドゥームズデイとの戦いでスーパーマンが死亡するという展開になります。
DCEUは続いて、同じ世界観を舞台にした『スーサイド・スクワッド』と、『ワンダーウーマン』の最初の物語(第1次世界大戦期)を公開。
その後、2017年に、ヒーロー集結映画として『ジャスティス・リーグ』が公開されるんですね。スーパーマンを失った世界に、宇宙からの侵略者ステッペンウルフが襲来する。
それに対抗するために、バットマンとワンダーウーマンが新たなヒーロー(フラッシュ、アクアマン、サイボーグ)をスカウトし、さらにスーパーマンの復活につながり、結成されたヒーローチームがステッペンウルフを撃退するという内容。
その後、『アクアマン』『ワンダーウーマン1984』など80年代を舞台とした関連作や、他のヒーロー作品はあるのですが、『ジャスティス・リーグ』の直接の続編だと、今回のフラッシュになります。
ストーリーとしては、大きく5つのパートに分かれます。
1.現代(ジャスティス・リーグ)
リーグの新人ヒーローだったバリーの成長を描くパート。
バットマンからの連絡で、病院を襲撃して殺人ウィルスを強奪した犯罪者の事件を解決するエピソード。
犯人はバットマンが追跡しているので、フラッシュの仕事は倒壊しかけている病院のビルから、逃げ遅れた人々を助けること。「派手な仕事はバットマンが担当し、自分は雑用かよ」と愚痴を言いつつ、倒れたビルから空中に投げ出された複数の赤ちゃんを超スピードで救出するフラッシュですが、スピードの限界点に達したときに、フラッシュポイントを発見し、自分が時空を越えることができるようになったことを知ります。
ウィルス強奪犯罪者は、バットマンだけでは上手く解決できず、ワンダーウーマンが助っ人に駆けつけて、解決。スーパーマンは外国の災害救助に出掛けていて、駆けつけることができず。
ともあれ、序盤30分ほどでジャスティス・リーグの見せ場を描き、いよいよフラッシュ本編へ。
2.フラッシュポイント
過去を操作できて自分たちの不幸な事件をなかったことにできるかもしれない、とバットマンに相談したバリーですが、
バットマンは反対します。
曰く、自分たちの不幸(犯罪者に親が殺された)があるからこそ、自分たちはヒーローになった。その不幸をなかったことにすると、世界がどうなるか知れない。
それでも、バリーは諦められず、「大きく変えるつもりはない。ほんの少し操作するだけだ」と主張し、過去の改変に挑みます。
なお、TVドラマ版では、母親の死にリバース・フラッシュが介入していましたが、映画ではただの強盗犯の仕業で、かつTVでのバリーは父の親友にして、幼馴染のアイリスの父親であるウエスト刑事の世話になっていますが、映画ではウェスト刑事は登場せず、アイリスは高校のクラスメートで、すでに新聞記者になって、バリーとは久々の再会を果たすものの、
「妻殺しの容疑者として収監されている父親の事件」を探りに来た、と見なされて、バリーはアイリスとギクシャク。
父親の容疑を晴らすために、科学捜査官になっているという設定は同じですが、TVではしばらく昏睡状態の後で、メタヒューマンを生み出した研究施設スターラボのハリソン・ウェルズにスカウトされて……という話でした。映画では、警察に協力しているスターラボの研究職員ですが、スターラボの同僚たちはフラッシュの正体を知らず、バリーは一人でヒーロー活動していたところを、バットマンにスカウトされた形。
ざっと、バリーの日常を描いた後で、いよいよ時空改変したところ、謎の黒いフラッシュの襲撃にあって、バリーは自分が18歳だった世界に迷い込みます。
3.ヤング・バリーとの遭遇
最初、自分が別世界に迷い込んだことに気づかず、生きていた母親との再会に喜ぶバリーでしたが、ヤング・バリーとの遭遇で、ここが過去だと知ります。
過去をむやみに変えてはいけないという鉄則を守るために、現バリーはヤング・バリーとギクシャクしたコミュニケーションの末に、「ヤング・バリーがフラッシュの力を獲得しないと、自分が消滅してしまう」と考えて、自分がフラッシュの力を得た時間と場所にヤング・バリーを連れていくことにします。
自分がヒーローの超パワーを得られることで大喜びのヤング・バリー。過去の不幸な事件で鬱屈した人生を歩んだ現バリーにとって、不幸を知らないリア充人生を歩んでいるヤング・バリーは無邪気そのもの。
その上、事故によって、現バリーのフラッシュの能力が、丸ごとヤング・バリーに流れ込んでしまい、現バリーは自分の世界に帰れなくなってしまった。
ヤング・バリーに能力をレクチャーしながら、自分の力を取り戻す方法を考える現バリーでしたが、そこにニュースで「クリプトン人のゾッド将軍襲来」のことを知ることに。
『マン・オブ・スティール』事件はもっと後のはず。
その際、すでにフラッシュの力に目覚めていたバリーは、事件の現場に赴くものの、まだ未熟で子供を一人、救出することしかできなかった。子どもの目の前で、その父親が爆風に飲み込まれるのを助けることができなかったことを悔やみます。
ヒーローと言えども、完璧じゃない。救えない命だってある……ことを経験している現バリーですが、ヤング・バリーは「でも、今だったらやり直せるはず」と、世界を守ることを熱望します。
一人じゃ無理だ、と、現バリーはこの世界のジャスティス・リーグと連携することを主張して、仲間探しを始めます。
4.バットマンとスーパーガール
世界が違っているので、情報を集めても、スーパーマンは存在している形跡がなく、バットマンは引退。ワンダーウーマンの手がかりもなく、アクアマンも存在せず。サイボーグはまだ事故を起こす前で改造されていないという状況で、
何とか、この世界のバットマン(マイケル・キートン)を探り当てることに成功します。
自分の知っているバットマンよりも年寄りのロートルに不安を覚えながらも、他に頼れる者がなく、またクリプトン人の一人がロシアの研究施設に囚われていることを知った現バリー、ヤング・バリー、老バットマンの3人は、スーパーマン救出作戦に出向きますが、発見したのはスーパーマンではなく、スーパーガールでした。
実は、この世界のスーパーマン(カル・エル)は、地球に到達する前にゾッド将軍に殺害されていて、スーパーマンの役割はスーパーガールが果たすことになっていたのですな。
そして、バットマンとスーパーガールの助けで、現バリーもフラッシュの力を取り戻すことに成功して、4人でゾッド将軍の軍勢に挑むのですが……勝てなかった。
5.時空改変の末に
ヤング・バリーは、現バリーからフラッシュのスーツを借りていたのですが、現バリーがフラッシュの力を取り戻したことでスーツを返却し、自分はバットマンのスーツを改造した(色を塗り替えたりした)バットフラッシュスーツを使用します。
そして、ダブルフラッシュの連携で、ゾッド将軍の部隊に善戦するのですが、戦いの最中にバットマンもスーパーガールも戦死し、それをフラッシュポイントで時間を巻き戻し、何度も再戦するんですね。
しかし、何度やっても勝てない。
その果てに、ヤング・バリーのスーツがボロボロになって、元のバットマンの黒いカラーが露出してしまい、それでも「諦めるな。何度もやれば、いつか勝てる」と執念を燃やすヤング・バリー。
だけど、現バリーの目には、「これ以上の時間改変が多元宇宙全ての崩壊を招くこと」が見えていた。
ここで、多元宇宙の映像がいろいろと映し出されるのですが、クリストファー・リーブの70年代〜80年代スーパーマンおよびスーパーガールの世界とか、企画だけされてお蔵入りになったニコラス・ケイジのスーパーマンとか、ファンサービスのカットがいろいろと。
それらの世界が、フラッシュポイントの乱用で崩壊していく危機が描かれて、
現バリーは諦めることを決断します。自分が母親の死を受け入れなかったことで、ヤング・バリーの世界が生み出され、それを守るために多くの世界を犠牲にするというジレンマ。
しかし、ヤング・バリーはそれを受け入れません。
「あんたは勝手だ。突然、ぼくの前に現れて、ヒーローの宿命を押しつけて、世界を守ろうと言いながら、やっぱり守れなかったから諦めろだって? ぼくはまだ戦える。あんたが始めたんだから、あんたにも最後まで付き合ってもらうぞ!」
「無理だ。このままだとマルチバースが崩壊してしまう!」
そこに、バリーをこの世界に引き込んだ黒いフラッシュが出現します。
「諦めることは許さん。この世界を守るために、お前は戦い続ける宿命なのだ」
それは何千回も敗北を繰り返しながらも妄執のように戦い続けるヤング・バリーの成れの果てだった。
亡者のようになっても戦い続ける未来の自分の姿に、ヤング・バリーも動揺する。
そして、黒フラッシュが現フラッシュを「協力せずに邪魔するなら死ぬがいい」と攻撃した際に、現フラッシュを庇って、未来の自分の手で致命傷を受けてしまうんですね。
過去の自分を殺害したことで、ヤング・バリーも黒フラッシュも消滅し、多元宇宙の綻びが解消され、この破滅に瀕した世界もなかったことに。
誤った世界から解放された現バリーは、母親の死を涙ながらに見捨てることで、自分の時間を取り戻すのでした。
しかし、より軽い過去の操作で、父親の無罪を勝ち取るきっかけを作ることには成功。
母の生きてる世界は救えなかったけど、これで何もかも元通り……と思いきや、バットマンがまた自分の知っているのとは別人に……というオチで、『ジャスティス・リーグ』のシリーズが仕切り直しになることに。
まあ、結局、運命は受け入れないといけないし、過去の改変がとんだトラブルに……という映画だったのですが、
同時公開のスパイダーバースが、「それでも運命は変えてみせる」と決断した黒いヤング・スパイダーの物語で、ちょうど対比する作風なんですね。
次は、そちらの紹介をするつもり。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/11 (Tue) 16:20:24
定期感想その1です。
●フラッシュ映画
詳しいご解説、ありがとうございます。整理されていて、映画未見の自分にもようやく概要が飲み込めました。同時にネット検索して読んだネタバレ感想で、どこで自分が勘違いして分からなくなっていたかも(かなり ^^;)分かりました。
勘違いした点ですけど、例えばスーパーマンの扱いですね。制作までこぎつけなかったもの(ニコラス・ケイジ版)含め、歴代のスーパーマンが出演と感想人は興奮気味に語っているんですが、どうも分からない。てっきり、いろんなスーパーマンとフラッシュの共演ドラマがあると思っちゃったんです。
その勘違いは感想サイトだけのせいではなく、むしろ自分の問題が大きそう。例えば、ちょっと前に未見の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」を予習しとこうとネットで調べますと、劇場版過去2シリーズのピーター・パーカー/スパイダーマンと共闘となってます。
それと似たような趣向で、てっきり過去のスーパーマン何人もがフラッシュと共演するのかなと。しかしバットマンについてはかなり以前の過去作から招聘して老バットマンであることを考えると、スーパーマンもそうなりそうですが、感想サイトではそんなことは匂わせてない。しかも、70~80年代劇場版のクリストファー・リーブは故人。「?」状態でした。
そうではなく多元宇宙に存在する各スーパーマンやスーパーガールをフラッシュが見た、ということでしたか。それなら各映画のシーンを見せればよく、ファンサービスを兼ねた数多の世界があることを示すシーンというのが分かります。分かってみますと、ネットの感想人が何をどう興奮していたかも自分に伝わった次第。
その他にもいろいろ勘違い、あるいは理解不足が生じてたんですが、それらもほぼ分かったように思います。こちらで伺って補正できて理解できたのはこれが初めてではなく、いつもお世話になり、ありがとうございます。
一応は飲み込めたつもりになりますと、実際に観てみたら自分的には黒いフラッシュが刺さりそうだなと思えます。現フラッシュが希望を託したいヤング・バリー/フラッシュの未来の姿でしたか。何かを為す執念が執着となり、その執着に突き動かされるように変わってしまう。己が意思の主客転倒とも言えそうで、仏教説話などにありそうな話です。
しかしヤング・バリーとしては、妄執とはいえ必死に戦い続ける未来の自分にも(たとえショックを受け、醜いと思ったとしても)愛着はあるはず。まだ見ぬサンクコストみたいな感じでしょうか。しかしそこを断ち切る悟りを見せ、自分(ヤング・バリー)に力と志を託した現バリーのために身を挺すると。現バリーとて、黒いバリーを拒むことは母を諦めるわけでしょうから、つらい決断ですね。ヤング・バリーはそこも汲み取ったのかしらん。
感動は細かい描写が支えるリアリティーが大事だったりしますので、観てみるまでは分かりませんが、伺った内容からは自分のツボを充分にカバーしていそうに思えます。いずれTVでやってくれるかな。そうでないなら、いずれTV版フラッシュを再び追いかける気を起こしたとき、劇場版も併せて観ることを考えることになりそうです。
●仮面ライダーギーツ(第43話:創世Ⅴ:その名はギャーゴ!)
次が「ガッチャード」らしいという情報を頂き、ネット検索しますと商標登録されているということのようですね。ライダーデザインの画像流出といううわさがあるようですが、果たして信頼性があるかどうか。どうせ8月中にははっきりしますし、ギーツ最終盤に出てくれるかもしれません。
(そう考えて、「今年も関西は最終3話くらいは日時変更で放送かなあ」と思ったりする ^^;。)
ともかく今の興味は最後の山場に差し掛かるギーツですな。しかし「感情移入できるライダーがいないまま」というご指摘を受けてみると、確かにそれはあるかなと思います。仮面ライダーWEBでは終盤は縦軸入れて描く旨の説明があったんですが、今のところは何が縦軸かはっきりしない感じです。
前話だと道長 vs 景和の対立に景和が勝利する形となって新世界を創造。しかし景和の望んだ世界とはならず、未来人側GM:ジットやケケラに乗せられた景和が深みにハマる格好に。まあ、詐欺的な投資商法で「もっとつぎ込めば、きっと儲かりますよ」の口車で延々だまし取れられるような流れですね。
要は勝利者:景和がドラマをけん引しない。しかしジットやケケラらは景和/タイクーンを突っつく程度の動きしか見せず、やっぱりドラマを転がさない。主人公の英寿は手伝うか傍観するか程度。もっとも、景和は闇の底にまだまだ辿り着いてないようですので、ドラマの縦軸が見えて来るとしたら、もうちょっと先で追いつめられて八方ふさがりになったときかな。
それでも自分的にはなかなか満足してまして、自分のツボを突くドラマがあるから。前話ですと「実は人を害せない道長が沙羅を知らずに葬ってしまっての葛藤劇」ですし、今話ですと「祢音に導かれて妄執から這い上がる光聖の燃える展開」。
今話の光聖は景和の作った新世界の欠陥(世を乱す悪人もよみがえらせてしまった)を突いて、脱獄(?)できたわけですが、すぐに悪党(ターボンらギャングライダー)に襲われる。そこを祢音に救われるわけですね。祢音は光聖を助けておいて、ちょっと突き放すような言い草してますな。
まず、自分(祢音)は女神に作られた存在だと言う。光聖、というより鞍馬夫妻に対し、親ではないと告げたも同然でしょうか。しかし祢音、英寿は信じると言い、だから「女神によって生まれた責任を果たすため自分も誰かの幸せを守る」と。変身できない祢音が危険を省みずに光聖を助けたのは、それが理由。言い換えれば親子の情愛だからではない。
そう思ってみますと、前に祢音が母だった伊瑠美に対して見せた態度も分かる気がします。その伊瑠美も、ちょっと突き放されてみて落ち着いて自分の気持ちを考えられるようになったらしい。依然として混乱が見られる光聖にアドバイスするようになってますね。最初の11年間は実の娘あかり、続く11年は我が子と信じた祢音だと。
そこへ「祢音を誘拐した、3億円用意しろ」との脅迫状。あかりを誘拐し殺害した犯人(沼袋一男)からですね。実行犯は沼袋ですが、仕切っているのはベロバ。ベロバが見たい不幸の本命はケケラが操る景和のほうだと思いますんで、祢音~光聖のほうは不幸の余興でしょうか(作劇的にはベロバへのヘイトを高める効果狙いなのかな)。もっとも、以前にベロバが狙ったのは、祢音の正体を暴いて不幸に陥れることでしたから、その完遂ということかもしれません。
しかし脅迫を受けたショックで光聖は自分の自然で本来の気持ちに気が付いた模様。英寿のDGPのほうへライダーとして参戦するべく、土下座までする。このときに光聖が英寿に何か言ってるんですが、ジョット旅客機の騒音で聞こえなくする演出ですね。その隠された台詞に光聖の意思や感情が表現されているはずですが、次回で明かしてくれるんだろう。
そして光聖は前にはあかりが誘拐・殺害され、今は祢音が囚われている廃工場に乗り込む。金ではなく、自らのライダーとしての力で解決するためですな。「祢音は、娘は私が守る!」との台詞からは、光聖にとって祢音が代替であり、鞍馬財閥のための道具でもあるという考えから、我が子であるという気持ちに切り替わったことが窺えます(さらに次回で上述の隠された台詞が効いてくるんだろう)。
これは燃える展開です。もっとも不満点がないわけではありません。まず祢音ですけど、英寿を信じると宣言しましたが、キューンはどうなったんと思います。自分(祢音)も知らなかった正体(女神により鞍馬夫妻の娘として作られた)がばらされて、それでも傍らにいて支えてくれたのはキューン、それで立ち直れたんじゃなかったんかいと。
しかし、そこはキューンとは話もして気持ちも通じてのことだし、まだ先もあるしと思えます。問題は光聖の気持ちの切り替えが型通りと言いますか、葛藤とその解決のポイントがぼんやりしていることです。祢音の行動→妻:伊瑠美の言→(あかりを思い出すような)脅迫状、では自分的にちょっと弱い。
自分は創作者の資質がなくて、どうすれば納得できる展開になるかを具体的には申せませんが、パターンとしては「自分(光聖)が口にし、自分でもそう思っているはずの意思とは裏腹な行動をしてしまい、自分でもハッとする」みたいなものでしょうか。あるいは、誘拐された祢音を諦める理由列挙とか(そこへ犯人からの電話があり、祢音の声が聞こえて、光聖が思わず「祢音!」と叫んで、自分でもハッとする等)。
観ていてそういう不満が生じはしたんですが、それでも実際に観た光聖の一連の行動は充分に盛り上がり、ラストでは燃えるものを感じました。どうも自分は今話のようなパターンにはとても弱いらしく、不服を言おうが何しようが、結局は「おっしゃあ!」と満足してしまいます(^^;。まあ、面白ければそれでいいです。
一方、景和が堕ち行く闇はまだまだ底が見えませんね。冒頭から努力が台無しの悲劇でして、姉の沙羅も両親も蘇らせたと思ったら、ギャングライダーの襲撃・暴動でみんな死んでしまう。ジットらに文句言っても、幸福の総量が足りない、自分(ジット)はバッドエンド請負人、家族だけでも助けたいならギーツを倒して奪え、ですか。
それでも景和、姉の仇のギャングライダーの頭目(ヘッド)浅利切人/仮面ライダーターボンを討ちますが、直後にケケラが介入して浅利切人に代わるギャングライダーの頭目にされてしまう。ギャングライダーを率いる身になって英寿を倒せ、ということみたいですが、もはや景和自身の考えや気持ちはもうどこにあるのやら、手を引かれて地獄まで連れて行かれそうな勢いです。
景和が「これ以上は進めない」と思うポイントはどこにあるんだろう。既に道長/バッファは景和を止められませんでした。となると、景和のターゲットである英寿/ギーツが止める役割を担いそうですが、創世の力を得たはずの英寿の動きが鈍くて。次回で英寿が動いてくれないようだと、この物語の結末に不安が生じそうです。
もっとも、まだ撹乱・波乱要素はありまして、またしてもからくも生き延びた大智ですね。重傷で入院しているうえ、沙羅含む多数の人々をジャマト化して知恵の実に吸収して得た記憶を失ったらしい(犠牲者が蘇ると、彼らから奪った記憶を失うようですね)。
しかし大智、知恵の実は自分のものだと妄執めいたこと言ってまして、道長が呆れるほど。ですが、まだ大智にプランBがあって諦めていないゆえの台詞であれば、もう一波乱起こしてくれそうです。英寿側だとウィンがまだ何かやりそうですが、ちょっとはっきりしない感じ。
次回「創世Ⅵ:ネオン、かがやく」では光聖が仮面ライダーギャーゴを祢音に託すみたいです。光聖のドラマがそれで完結して、オロナミンCのCM通り(^^;)祢音が引き継いでラストまで引っ張るのかな。仮面ライダーWEBの記述で知ったんですが、今話の光聖の変身ポーズは未来戦隊タイムレンジャーの滝沢直人/タイムファイヤーを意識した演出なんだそうで。そう言われて、ようやく自分も役者つながりを意識しました。まだまだタイムレンジャーの視聴が浅いです。
一方、道長はまだまだ景和に食い下がる模様。英寿じゃないのかと思う一方、そう来なくちゃという気持ちも生じまして、どうやら自分は道長への思い入れが深くなってるみたいです。
●王様戦隊キングオージャー(第19話:王様戦隊キングオージャー)
自分はなんとなく「既に王様戦隊キングオージャーが成立している」と思い込んでしまってました。しかし「キングオージャーがロボットの名前」というところまででしたか。こちらで伺うまで気が付いてませんでした。
しかも「王様戦隊」も王様の戦隊ではなく、今話のリタによれば、
五[王]国
異[様]事案
対策用[戦]略
救命部[隊]
という命名の略称にしたとのこと。もしかするとまだ5人の戦隊/チームという意識は、各王/戦士にはないのかも。そのことは例えば後半のバトルでのヤンマとジェラミーの会話に現れてまして、ダイヤモンドダンジームの硬い装甲を打ち抜くには力を合わせてと提案するジェラミーにヤンマは「無理だろ、んな協調性あるか?」とすげなく返してます。
巨大戦でも、今回は5人が搭乗するエクストリームキングオージャーではあるんですが、止めの一撃の名乗りはあるものの「俺様は/俺は/私は王様だ」と各々が王だと言い放つもの。ちょっとガンダムOOの刹那を思い出すものがありまして、彼は最初「俺がガンダム」と言っていたものの、仲間意識が芽生えて「俺たちがガンダム」に変わりました。このキングオージャーでも名乗りが「我々は王様(戦隊)だ」に変わったりするかしらん。
ともかく本編。前半はバグナラクに乗っ取られたシュゴッダムですね。ラクレスは依然として王として国民に放送で呼びかけているものの、実際はバグナラクの言いなりの傀儡。今話のラクレスで自分的にちょっと興味深いのが、後でヤンマらに泣きつくが如きになっているものの、バグナラクのデズナラク8世に対してはギリギリの線で踏ん張ろうと試みている点でしょうか。
ただし、そう匂わせる演出とも取れるという程度のことでして。全体的に平たく受け取るなら、ラクレスは権力欲と虚栄心に突き動かされつつと保身に汲々とし、力あるうちはそれでも誤魔化せるが、無力になると化けの皮が剥がれるといったところ。そう見えたけどまだ裏があるかどうかは、次回の兄弟決闘裁判で明らかになるんでしょうな。
仮にラクレスが根が情けない男だったとしても、眼前のデズナラク8世に対して見栄を張ろうとしたことで、(図らずも?)時間稼ぎには役に立ってますな。そこを兄のカグラギと以心伝心のスズメがサポートしまして、ちょっと勘の鈍い側近ドゥーガを巻き込んでの一芝居。
このときのドゥーガの最初は威勢よく(王に仕えても化け物に仕えない)、しかしラクレスに剣を突きつけられると情けなく悲鳴をあげて逃げ出すところ、この後のラクレスに重なって見えるものがあります。ドゥーガの言葉と態度、どこまでが本音でどこまでは芝居だったのかしらん。
ドゥーガに続いてラクレスも結局は王の間から外へと逃げ出す。そこでヤンマらに遭遇するわけですが、さっきまでデズナラク8世に対して見せていた気張りはどこへやら、媚びるような乞うような態度になってまして、ヤンマに脅されると唯々諾々で応じようとする。
実に情けない態度であるわけですが、ヤンマの脅し(プッチされたからプッチする)はハッタリで、前に失敗した巨大ブーブークッションで仕返しでしたか。前にはこの使い方に怒っていたジェラミーも今回は大喜びみたいですね。ジェラミーもまんまと担がれていたのが相当に頭に来てましたか。毎回「統べる」と「スベる」を行き来させられてましたから、さもありなん。
もっともヤンマのシュゴッダム殴り込みはブーブークッションなどは余興でして、本命はバグナラク排除ですね。ラクレスに注意が向いていたデズナラク8世の隙を突いて、バグナラク兵(サナギムら)を排除し、市民の避難は完了。後半は「王様戦隊キングオージャー」の正式な名乗りからのバトルと勝利ですな。
とりあえずは一段落ですが、ラクレスを裁けないんですか。ヤンマが仕返ししたんで、ゴッカンとしては中立な強制執行ができないと。しかしギラが再びの決闘裁判を申し出て続く。次回「王と王の決闘」でようやくシュゴッダムについては決着つくのかな。そうなったとしても、おそらく15年前の「神の怒り」(の犯人)とかは依然として未解決事項として残されそう。
今話途中でちょっと思ったんですが、もしかするとギラの望みって意外に小さいのかもしれません。シュゴッダム城下からバグナラクを追い出す戦い直前、ギラは自らも育った児童養護園のコガネらを気遣って声をかけてました。
その様子からしますと、ギラは園を守れれば満足なのかもと思えました。前にも園のみんなが人質になるとギラは逆らえないということがありましたし。ギラは園を守れさえすればと思って動いてみたら、シュゴッダムを何とかしないと園を守れないとなり、シュゴッダムを何とかするにはバグナラクを、という感じでどんどん大ごとになっていった、いわば巻き込まれ主人公なのかも。もしそうなら、ギラのドラマがどこに帰着するのか、ちょっと面白そうです。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/12 (Wed) 21:25:35
定期感想その2です。
●仮面ライダー555(第39話:ファイズ2、第40話:人間の証)
序盤からキャラクターの物理的な(?)ニアミスが面白く、中盤からは「誰が何を知っているか」の心理的な(?)ニアミスも加わってハラハラしてきました。もしかするとそれらは、特にこの終盤で目立ってきた錯綜したすれ違いを際立たせつつも、不自然には見えないようにする仕掛けだったのかなと思います。
言い換えますと、今週分では流星塾にまつわる謎が明かされつつあり、特に焦点となるのが「巧が何をしたか」ですね。澤田が迷いつつ、あるときは真理に、次は巧にと小出しに己が知る真実を明かす。状況が明らかになっては来るんですが、真理と巧に告げられた内容がそれぞれ部分的であるため、またもや行き違いが生じているようです。
先週分の感想で各キャラクターが何をどこまで知っているか整理を試みたんですが、まだまだ理解が不足したと今週分で痛感。まず真理なんですけど、流星塾襲撃事件で巧が真理らを守ろうとしたことを思い出し、澤田に裏付けする証言を貰って確信に至ったのはいいんですが、どうやら巧が全て覚えていると思い込んでいたようです。
巧は以前にそれとなく勇治に「オルフェノクになった前後の記憶がはっきりしない」と明かしてましたが、澤田の見た巧/ウルフオルフェノクは自我を失ってなかったようです。しかし襲撃の主犯ドラゴンオルフェノク/北崎に吹っ飛ばされた衝撃で気を失い、そのため記憶があいまいになったらしい。
真理が覚えていたのは、はっきり「やめろ」と叫んで止めにかかり、ドラゴンの手下のスロースオルフェノク(流星塾生の青沼)を一撃で倒したウルフでした。暴走とは程遠く、むしろ身を挺して人を庇う正義のヒーローです。しかし、おそらくは真理がそれを巧が知っていると思い込んでいるため、実は忘れている巧に伝わらず、巧は『自分が真理らを殺害したのでは?』の疑念がぬぐえない。
巧と真理の行き違いは澤田のせいであるんですが、澤田とて誤解させたいわけじゃない。澤田も誰が何を知っているか把握しているわけではなく、特に襲撃事件に突然飛び込んできたウルフ/巧についてはよく知らなかった。その後、拳を通じて理解を深め、ついに今話では流星塾生に何が起こったか、巧には告げるわけですね。
オルフェノクを作る実験台にされたわけでしたか(地下の流星塾廃墟で犠牲にされた作業員はその続きらしい)。オルフェノクの印なるものを死後すぐに埋め込むものらしい。澤田だけが実験によりオルフェノク化に成功、他は蘇生するも人間に留まったわけですな。オルフェノクによる「使徒再生」では失敗すると死んじゃうわけですから、まだマシなのかもしれない。それでもひどく非人道的でして、前社長の花形が「実は最凶最悪のラスボス?」みたいな気がしてきます。
そこは真理や草加には伝わらず、草加に至っては前に花形に「戦え」と言われた続きとして、真理だけでなく自分(草加)を殺害した仇として北崎/ドラゴンに執着してしまう。現時点までの描写を見る限り、北崎/ドラゴンに流星塾襲撃をそそのかしたのは花形が怪しいように思えますが、不完全な情報しか持たない草加には分からず、憎悪が真犯人から逸れてしまっている感じ。
観ていてそういう行き違いに「もう一言で誤解が解けるのに!」とイライラします。逆に申せば「何とか共通の理解に達してくれ」と、観ている自分が欲していることを自覚します。ヒーローは遅れてやって来ると申しますが、ヒロインなどのピンチが一向に解決せず、ヒーローに来て欲しいとはっきり思うからこそのカタルシスとなります。あるいは間に合わずに死んじゃったりすると、その悲劇性が際立つ。
この555の人物・情報錯そうドラマも「分かり合って欲しい」と思えるからこその、この先の展開が待ち遠しくなります。もっとも多少は予習できまして、解決するものもあれば、すれ違ったまま分かり合えずに終わるものもあるようですね。今観ている感触から考えますと、おそらくそれぞれ納得できそうな気がします。
それは先の話でして(どうも気が逸る ^^;)、ともかく今週分でして、ラストは戦いを決意した3ライダー揃い踏みですな。しかし冒頭は前話の続きでして、ドラゴン/北崎にアクセルフォームすら破られた555/勇治のピンチから。しかし拍子抜けでして、オモチャのグライダーが飛んで来たら、ドラゴン/北崎はそっちに興味が移り、追っていって去る。
危機から逃れた勇治は村上社長/ローズに締め上げられる巧のピンチに駆けつけることができ、さらに草加/カイザも加勢。それでもローズのほうが力が上回りそうな雰囲気ありますが、しかし555とカイザの鋭鋒をかわして逃走。意図は不明ですが、過去事例と予習を踏まえてみますと、巧を生かしておけば3つのベルトの回収ができると踏んだのかもしれません。
ともかくも物理的なピンチはいったん脱出ですが、真相を知るための情報的な危機は続き、この時点では、例えばクリーニング店でいくら話しても、真理の記憶が事実を反映しているかどうか確かではなく、しかも草加は猜疑心が強いせいですね。それに巧も自信喪失のまま離脱続けてますし(勇治らのアジトに転がり込んでる)、澤田は寡黙だし。
さらに具合の悪いことに、現時点で最強の敵:北崎/ドラゴンに唯一対抗できる可能性があるデルタの装着者:三原修二が足が動かないと言い出す。後で仮病とバレるわけですが、怯えて戦えないのではどうしようもない。しかし一筋の光みたいな感じで、555の強化アイテムと思しきものがクリーニング店に届く。これでブラスターフォームになれるわけか。届けたのはおそらく花形本人でしょうな。
さらに澤田から情報的な進展が真理と草加にもたらされる。草加が澤田を呼び出し、その時点では澤田は何も話す気がなかったようですが、真理が駆けつけたことで一転して澤田が真相を語り出す。流星塾生にスロースオルフェノクとなっていた者がおり(青沼)、そいつとドラゴンオルフェノクが同窓会を襲撃、塾生を全員殺害したと。通りがかった巧がウルフとなって介入、スロースは一撃で倒すも、逆にドラゴンに一撃で吹っ飛ばされる。
さらに同窓会がスマートブレインに仕組まれたものと澤田が言うも、その後の肝心の事実は真理らには語られないわけですね。その後に起こったこと(塾生へのオルフェノク化実験)は巧にだけ告げられる。しかしこの中途半端な情報で真理は記憶を補完されて巧を信じることができ、草加は北崎への(上述しましたが)ややあさっての方向の復讐に走る。
以前にラッキークローバー潜入を試みた草加、容易く北崎を見つけて呼び止め、決闘を挑む。北崎は最初気乗りしないらしく、代わりに手下らしきオルフェノク(オクラ)を差し向けますが、カイザ/草加が善戦しますと北崎/ドラゴンも戦う。こうなるとカイザでは太刀打ちできず、外に吹っ飛ばされるわけですが、真理と阿部里奈がバイクで急行してくる。
真理は555、里奈はデルタに変身を試みるも、里奈のデルタは戦闘力に欠けて吹っ飛ばされ、真理はやはり555に変身できず吹っ飛ぶ。しかし真理は諦めずにリトライを続ける。これを真理らとは別に現場に駆けつけていた巧が目撃するわけですね。こうなると巧の性分が発揮されるわけで、そう来なくっちゃの555変身。しかも謎の人物からの強化アイテムプレゼントまである。
今週分で初めて意識したんですが、555も「宇宙キター!」(ただし流星のほう)なんですか。あるいはゼロワン。強化アイテム(ファイズブラスター)を使いますと、人工衛星から何か出て来てブラスターフォームが完成。たぶんこの衛星は以前に描写あったと思うんですが、自分は全く意識できておらず、ビックリしました。
ともかくも555ブラスターフォームお披露目となるんですが、パワーバランスを一変させるほど強力なようですね。群を抜いてパワフルだった北崎/ドラゴン魔人態を圧倒して撤退に追い込む。たとえスピード重視の龍人態になってもジェット飛行で3次元の動きを見せる555を捉えることはできなさそう。おそらく初めての敗戦、しかも惨敗の北崎、悔しがるというより混乱しているみたいですね。
さあこれで彼我の形勢逆転、と思ったんですが、巧は555ギアを真理に返して去る。草加に「いずれ完全なオルフェノクになる、澤田みたいにな」と言われるまでもなく、巧が強く自覚するところみたいですね。たとえ自分(巧)が襲撃事件で真理らを殺害していないと証明されても、未来の自分はどうなるか分からない。
やはり自分は消えるしかないと思ったらしい巧、最後の仕事としてラッキークローバーとの決闘を冴子に申し込む。倒し切る自信はないんでしょうけど、戦力を削るくらいはできるという算段でしょう。これを澤田がこっそり聞いており、介入してくるわけですね。
澤田は澤田で、草加/カイザとの戦闘時に手の灰化が起こり、どうやら己が命が尽きかけていると悟っている模様。そこで最後の仕事として、真相を巧に告げて後を託し、自分は巧に代わってラッキークローバーと戦う覚悟を決める。澤田、巧に当て身を入れて気絶させ、決闘の場所へ赴く。
一方、戦いに尻込みしていた三原修二も、自分が放り捨てたデルタギアを阿部里奈が身を挺して守り、重傷を負ってもくじけないのを見て、翻然として覚悟したらしい。それを知らされた草加も思うところがある様子。
さらに冴子から澤田が決闘に現れたと電話で聞かされた巧も何が起こったか悟り、真理と共に急行するも澤田は既に致命傷を受け、真理に「人間にもオルフェノクにもなれなかった」と言い残して消滅。
これで草加が巧に言い、巧の悩みでもあった「澤田のような完全なオルフェノク」が崩れ、ようやく巧も腹を括ると。かくしてラッキークローバー(ですが3人)の目の前での3ライダー揃い踏みの変身となりまして続く。
その頃、海堂は結花に手伝ってもらって創才児童園を慰問(?)と言いますか、荒れる照夫を慰めるべく奮闘中ですね。照夫以外にはずいぶんと懐かれてまして、海堂も結花もずいぶんと子供に好かれるタイプらしい。が、照夫だけは依然として反抗的でして、結花にスカートめくりですか。今この演出やると怒られるんだろうな。
それにしても、海堂ではなく結花に向かっていくところ、照夫にちょっと心境変化があるのかもしれません。結花は結花で反応が微妙。照夫を叱った様子はなく、しかし海堂には「見たでしょ!」と詰め寄ってます。その辺り、なぜ結花が海堂を手伝って園を訪れたか、察するものがあります。
その点は(照夫の悪戯の悪虐さとの対比もあって)微笑ましい感じすらするんですが、それだけに来週前半(第41話:捕獲開始)の予告映像の不吉さが怖い。予習してみると、この後の結花の運命は過酷なようです。結花の運命を見て勇治が闇堕ちするほどみたいですし。しかも今週までは不幸な子であった照夫がオルフェノクの王と関わりが示され始めもするはず。555のドラマで唯一明るく気楽に見ていたものが、最も過酷なドラマを生むことになるとは(しかし、そういうのが好きだったりします)。
●華衛士ジサリス(第10話:ひとすじの真じつ)
実は誰もいないドッペルゲンガーの世界で、前話でアユカ、今話ではジサリスが己が弱みを突いてくるドッペルゲンガーに勝ちました、くらいでしょうか。特にドラマといったものはないですが、少し状況説明くらいはあったかも。
華衛士それぞれに管理する世界があり、ジサリスはどうやら自分の管理する世界で何か致命的なことをしでかしたらしい。あのジサリスが思い出して泣くほどの何かですね。おそらくアユカを巻き込む何かであり、そのためアユカを連れて各世界を巡り、修復アイテムらしきものを集めている。といったところか。
次回「くぼうの王こく」は前に出て来た王侯風のデジールの世界のようですが、何の話かはFacebookの公式ページを見ても分からず。自分はデジールについて誤解してまして、前の「同じ日を繰り返す世界」に出て来たんで、その管理者だと思ってました。今話で分かった上述の「華衛士ごとの世界」ということと今話ラストシーンから勘違いに気が付きました。
残り2話しかなく、しかもデジールの世界の話をするとなると、どうやら問題を解決して終わることはなさそうですね。まだ問題提示すらされてないですから。アユカが自分が為すべきことを知り、ジサリスと和解して「冒険はこれからだ」エンドになるのかな。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/07/14 (Fri) 08:58:36
定例感想を書こうとしたけれど、違った記事です(苦笑)。
ええと、「スパイダーバース」の話なんですが、考えてみれば、K.Kさんとは、TVドラマ版のフラッシュの感想追跡話をしたことはあっても、スパイダーマンの話はしたことがないことに気づきまして、どこから話したらいいかな、と。
今回、フラッシュ映画と同日公開されたスパイダーバースの2作めは、それぞれDCコミックとマーベルコミックのマルチバース物語が同じタイミングでぶつかったということで、アメコミヒーローファンの注目を集めていたのですが、フタを開けてみれば、スパイダーバースの勝ちというか(作品内容ではなく、観客数的に)、DCEUの迷走に対して、マーベル作品の方がスケジュール安定度が高いな、と(発表済みの予定を割ときちんとこなす)。
アメリカの映画は、企画を立てて発表するものの、諸事情でポシャることが多く、制作途中で監督降板とか脚本の見直しの結果、改めて仕切り直しとか、役者のトラブルで中断とか、日本の映像作品以上に不安定な印象で、逆に言えば、マーベルの制作体制の安定感が凄いなあ、と思うのですが、それはともかく、
スパイダーバースは、原典のピーター・パーカーが主役ではなく、新人スパイダーマンのマイルズ・モラレスが、異世界のスパイダーマンたちと邂逅して、混乱した次元の境界線を安定修復するために戦いながら成長するヒーロー譚です(映画は)。
原作コミックは、スパイダーマンの天敵の虫食い侵略者が次元を越えて襲撃してきて、スパイダーマンたちがサバイバルのために世界の壁を越えて協力奮闘する作品で、ストーリー内容は全く異なるわけですが、共通点は「異世界のスパイダーマンたちが結集」というお祭り要素だけ。
また、アベンジャーズのシリーズ(MCU)とは別のシリーズ(実写ではなくてCGアニメですし)で、スパイダーマンだけで(だらけで)物語は展開します。
原作コミックでは、いくつもの雑誌シリーズを巻き込んだクロスオーバー展開を見せて、カオス極まりない物語だったのですが、注目ポイントの一つは、日本の東映版スパイダーマンと愛機のレオパルドンが登場し、敵を倒す切り札となったこと。
レオパルドンは、戦隊ロボの原点とも言える存在で、変身ヒーローが巨大ロボットを操って巨大化した怪人を倒すというフォーマットを確立。
マーベルと東映の70年代の提携で成し得たコラボが、パワーレンジャーを経て、アメリカでも受容されるに至り、ロボを操るスパイダーマンの魅力が向こうのメジャーブームになって、こちらでも再評価されたのが2010年代、と。
そして、スパイダーバースをきっかけに、新しく誕生したキャラクターが何人もいて、その一人がヒロインのスパイダーグウェン。
原作では悲劇の死を迎えたピーターの彼女の一人(メインヒロインは赤毛のMJですが、金髪のグウェンは映画『アメイジング・スパイダーマン』のメインヒロインに抜擢。だけど映画の2作めで、原作どおりの悲劇を迎えて、スパイダーマンの過酷な運命を印象づけた)。
そんな悲劇のヒロインがもしもスパイダーマンの能力を授かり、死んだのが彼氏のピーターだったら、というIF世界を生み出したのがスパイダーグウェン。
で、原作コミックのスパイダーバースで初登場して、その後、自身の主役コミックを持つようになり、その後、アニメ映画のメインヒロインに抜擢された彼女。
1作めの映画では、主人公マイルズを助けてくれる異世界の来訪者に過ぎなかった彼女が、今回の2作め映画では、自身の背景物語を掘り下げられ、ある意味、マイルズ以上に主役として扱われることになってます。
1作めの映画は、新人マイルズがピーターの後を継ぐスパイダーマンとして、成長確立する物語。
2作めでは、マイルズのヒーローとしての悩み(家族に秘密を抱えた孤独感とか、学生として将来の進路を考える際に親との意見のすれ違いとか)を描きつつ、
それ以上にグウェンの物語(自分の世界では、恋人ピーターの死や、刑事の父親との衝突、自分の居場所を持てずにスパイダー・ソサエティへの家出を経て、ヒーロー活動に邁進する決意を示すまで)が描かれて、家族よりも仕事に励むキャリアウーマンみたいなヒロイン像が描かれたりします(モデルケースになるベテランの先輩スパイダーウーマンも登場してまして)。
まだ、無邪気な少年のマイルズよりも、よほど過酷な悩みに直面して、それを乗り越えようと奮闘するグウェンの方に感情移入できる作品でしたね。2作めは。
で、不安定化したマルチバースの修復が、スパイダー・ソサエティの目的なんですが、そのためにはヴィラン退治の他に、「スパイダーマンの物語を形成する悲劇(愛する者との別れ)」を通過儀礼として乗り越えなければいけない。
その運命に対して、マイルズは否を突きつけるんですね。自分は愛する者も、世界も救ってみせる、と宣言。この辺が、フラッシュ映画におけるヤング・バリーの立場に相当します。
そして、他のスパイダーマンの世界に介入した際に、死ぬはずだった彼の恋人がマイルズの活躍で、救われてしまうんですね。
それは当人たちにとっては幸せだったんですが、そのせいで多元世界の混迷が加速化されてしまい、
ソサエティの長である未来スパイダーマンのミゲル・オハラは、不確定分子であるマイルズの拘束を決断します。
ソサエティの全スパイダーマンがマイルズを捕らえようと追う中で、かろうじて脱出したマイルズですが、自分の世界だと思って行き着いた場所は、似てるけど異なる世界。
自分の父親がすでに死んでいて、自分がスパイダーマンになっておらず、ヴィランのギャングとなっていた世界。
ミゲルの予見した「本来のマイルズ」は、スパイダーマンになるはずがなく、世界を混乱させるヴィランとなる可能性が高いというものだったんですな。
悪党の自分に拘束されて、異世界に囚われたマイルズは、予定された父親の死の運命を覆えすことができるか(続く)……です。
一方のもう一人の主役グウェンですが、マイルズ逃走の際に、ミゲルとマイルズのどちらに着くか立ち位置を悩みながらも、何とかマイルズがソサエティに対立しないよう、説得しようとするんですね。
ここはソサエティに所属する大人ポジション(己の私情よりも世界の安定という大義を重視)と、個人の心情を重視する若者ポジション(管理や運命に抗って、可能性の未来を創り出そうとする理想主義)の対決みたいな構図ですが、
グウェンは、大人と子供の中間ポジション。大義と情の板挟みになるわけです。
しかし、マイルズを庇おうとする彼女に対して、長のミゲルはソサエティからの追放を言い渡します。
自分の世界に帰れ、と。
ソサエティに居場所を求めていたグウェンは、やむなく自分の家に帰り、そこで父親と対峙し、お互いの気持ちをぶつけ合い、和解します。マイルズの物語は解決しない本作ですが、グウェンの物語は上手くハッピーに解決するんですね。
家出少女が、マイルズとの交流から、家族の大切さを確認し、自分を見つめ直す物語として結実。
そして、グウェンは今回のラストで決断します。
ソサエティを敵に回したマイルズを助けるチームの結成を。
1作めでマイルズと共に戦った旧チームを召集し、今回でマイルズに救われて、彼に感謝したり、可能性を見出している面々と協力して、窮地のマイルズを助けに行こう、と。
まあ、そんなわけで、物語は3作めに続く(来年春に公開予定)わけですが、運命を受け入れたフラッシュと、運命に抗い続けている(未完の)マイルズの物語が対照的で、面白いと思いました。
ただ、作品の完成度としては、上手く起承転結をまとめ上げて、きっちり物語の枠に落とし込んだフラッシュに比べて、
スパイダーバースは、未完なのをさて置くにしても、いろいろとカオスのごった煮で錯綜した構図になっていて、マイルズとグウェンの2人の若者スパイダーマンを中心に描きつつ、他にもいろいろと掘り下げられそう。
フラッシュ映画が、ヤング・バリーの第2世界を結局、救えず、滅びるに任せた現バリーの諦めでまとめたのに対し、
スパイダーバースは、まとめることよりも、カオスの許容、大義よりも個人の情を重視し、可能性を諦めない方向に舵を切っているわけで、ヒーロー映画としては諦めずにもがき挑み続ける方が、燃える方向に感情移入しやすいとも思います。
あと、次作で期待したいのは、今回、敵対役になってしまったソサエティの長ミゲルですが(吹替声優は関智一さん。ハドラーとか神父とか、最近、悪役が目立つなあ)、彼も自身の主役作品を持つスパイダーマンなので、次回の映画で彼の背景物語がグウェンみたいに掘り下げられて、マイルズの情と、彼の義の間に上手く落としどころが見出されたらいいのになあ、と。
今回、頭の固いミゲルの押しつけがましさを嫌う感想も散見されたので、ミゲルの背景がきちんと示されることで、味のあるキャラとして再評価されるんじゃないかなあ、と思ったり。
あとは、今回、最後にちらっとしか出なかったペニー・パーカーちゃんの活躍や、東映版のレオパルドンの登場を待ち望みつつ。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/07/14 (Fri) 10:02:57
改めて、定例感想です。
★ギーツ
景和の世界は、しかし、彼の望みどおりにはならず、結局、家族を失う悲劇は繰り返されるのでした。
う〜ん、悪い方向に転がっているなあ。
オロナミンCのさわやか景和が帰って来るのは、いつの日か……と去年の大二みたいな感覚です。
まあ、沙羅さんの記憶を五十鈴大智が宿しているという状況が改善されたのは吉かな。
そして入院中の大智は、立ち位置的にアップダウンが激しいキャラになってますな。パラサイトゲームで散々ヘイトを集めておいて、それなのにボロボロの姿を見せるだけで、ヘイトが解消されるのはズルい、と。
あと、パラサイトゲームは、デザイア・グランプリとは関係ないから沙羅さんの復活はないのでは? と思っていましたが、今回の描写では一応復活できているので、ジャマトやライダーに殺されたのは、DGPの犠牲者扱いってことになるのか、と納得。
で、今回のメインは、祢音パパこと鞍馬光聖が変身するギャーゴですが、娘を助けるために変身する父親ってのは燃えますな。
令和の父親ライダーだと、ゼロワンの或人パパと、セイバーの尾上さんと、リバイスの五十嵐パパさんと、平成に比べて良い人が多いように見えます。
元タイムレンジャーの追加戦士タイムファイヤーですが、タイムレンジャー27話から登場ですので、YouTube配信だと9月になりますね。
タイムファイヤーは、ゴーカイジャーのシルバーこと伊狩鎧に変身能力を授けたのが死んだ3人の追加戦士の1人(他の2人はジュウレンジャーのドラゴンレンジャー、アバレンジャーのアバレキラー)で、散り様が格好いいキャラの一人です。
で、今回も娘を守って散るのかなとドキドキしながら見ていたら、次回予告を見る限り、重傷は負っても散らないと思いますので、祢音ちゃんは景和と違って曇らずに済みそうですね。
次回、祢音のナーゴ復活を喜びつつ、これで月末の劇場版公開には間に合った形です。
★キングオージャー
五王国何ちゃらかんちゃらで略して、王様戦隊ですか。異様と書いて、「ことさま」と読むのがポイントか。
ともあれ、今回も伏線がうまく機能して、まさかのブーブークッションが拾われるとは。
そして、次回、決闘裁判ふたたび、と。
これもギラが王様に就任することで、劇場版に間に合った形。
★555
次回、松田悟志さんがクラブオルフェノクとして、声だけ出演。
ええと、声だけなので、顔は見せてくれないんですね。残念。
顔を見たければ、ジサリスで見ること。そっちは逆に声を出さないので、そろそろセリフを発して欲しい、と思っているのですが。
ともあれ、巧の自分探しはこれで終わって、次回以降は人間とオルフェノクの共存を模索しながら、オルフェノクを排除しようとする人間側の動きがポイントですね。
その主導者は、アギトで神と対峙した沢木哲也の人。
役者つながりで、世界観がつながっているようにも錯覚しつつ、物語の風向きが「オルフェノクが加害者で、人間が被害者」という形から逆転する流れ。
★ジサリス
フォビア君がおしゃべりで、いろいろと状況解説してくれて、ありがたいと思ったり。
ジサリスがアユカに話す内容は皮肉か挑発、上から目線の説教ばかりで、謎を解く手がかりはこれまでほとんど口にしなかったからな。
これ、最終回でアユカが決断して、ジサリスを殺害して完、ってオチにならないかな。ジサリスがアユカに殺されることで、世界が修復されて、物語は次の局面を迎えるとか。
あと、アユカの集めている何かの印ですが、残りの空所は2つ。あと、2回で全部集まるかなあ。
>ジサリス(変身前VS変身後の対決)
アユカが携帯をジサリスに渡そうとして、フォビアが止めた件。
まあ、撮影事情的に、ジサリスのスーツは2つもなさそうだしね。同キャラ対戦は、見た目にもどっちがどっちか分からなくなるだろうし、偽者はグローブとブーツの色が違うとか、判別しやすい特徴がないと。
ともあれ、次回が最終エピソードかあ。いろいろと世界の謎が解明されることを期待しつつ。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/18 (Tue) 14:40:28
定期感想その1です。
●スパイダーマン/スパイダーバース
スパイダーマン全体の背景を踏まえてのCG映画版スパイダーバースのご紹介・ご解説、ありがとうございます。
言われてみますと、スパイダーマンの話はほとんどしてないですね。ずいぶん前、TVで観たアメイジング・スパイダーマン2作については、ここで多少触れた気がしますが、それ以外だと映画のCMで見たスパイダーマンくらいかも。その後、やはりTV放映されたホームカミングも多少感想申したような。
こちらでは東映版についても、特に映画レディプレイヤー1TV放映のときにご解説を頂き、東映版は未見ながらもなかなか興味深いものがありました。ネット情報でさらに少し知識補強もしまして、英会話学校で米国人講師に東映版スパイダーマンの話をしてみたところ、初耳だと面白がってました(さらに東宝版キングコングの話もしたり)。
自分の視聴履歴ですと、2002年からのスパイダーマン映画3部作ですと、TV放映に気が付いたものの視聴しませんでした。正確には視聴し始めたら本編の音量がやたら低く、CMは普通。そのため本編をきちんと聞き取れる音量にするとCMのときに近所迷惑になりそうな音量となり視聴を諦めてしまいました。あのときは録画してCMカットするという考えがなく、もったいないことしました。
それより前にアメイジング2作を観ていたんですが、スパイダーマン全体への興味はそれほど高まっておらず、その後にホームカミング観て、スパイダーマンのヒーロー像に興味が高まるようになりました。
もっとも、それらは全てピーター・パーカーのスパイダーマンですね。マイルズ・モラレスのスパイダーマンは全く未見になります。もっとも、名前と設定については聞いてはいました。ずいぶん前(調べ直すと2011年頃)、TVニュースでスパイダーマン2代目誕生とか報じてまして、「黒人の父親とプエルトリコ系の母親の間に生まれたバイレイシャル」(ウィキペディアより)の少年とのこと。
しかしそれ以上は知らず、その後に調べもしませんでしたので、詳しい話はこの掲示板での今回は初めてになります。スパイダーマン共通(?)の通過儀礼「スパイダーマンの物語を形成する悲劇(愛する者との別れ)」があるというのも、今回はっきり意識しました。ホームカミング以降のスパイダーマンを少しネット検索して、「スパイダーマン足りえるには、愛する者の死を乗り越えて善き隣人を貫く」ということがあるらしいとは思ったんですが、どうもはっきりとは分からず。
しかし、そういう者であるわけでしたか。それがピーター・パーカーのスパイダーマンの宿命/テーゼだと理解すれば、マイルズ・モラレスのスパイダーマンがスパイダーバースでアンチテーゼを突きつけたことになりますね。背景まで踏まえてみると、どういう結末になるか面白そうです(できれば簡単には結論出さないで欲しいところ)。
そういうテーマ面ではガチンコでシリアスなものを感じますが、「ペニー・パーカーちゃん」とか「東映版のレオパルドン」登場するらしいというのは遊び心も感じます。それがエンタメの矜持を示しているということなら、自分的な期待に沿うものになっていそうです。スパイダーバース初作は2018年とのことですので、もしかするとそろそろTV放映あるかな。
●仮面ライダーギーツ(第44話:創世Ⅵ:ネオン、かがやく)
中盤で祢音の正体が明かされてスタートした祢音のドラマが、ようやく完結した感じですね。完結といっても「こうして祢音はヒーローとしての一歩を踏み出した」というものでして、迷いを断ち切るハッピーエンドといったところ。
中盤からと申しましたが、伏線は序盤からあったわけですね。なにせ祢音がDGPに願ったのは「本当の愛が欲しい」でしたから。序盤では祢音がなぜそんなことを(命がけで)願ったか分かりにくい。母の伊瑠美は過干渉であるものの、それで祢音が愛に飢えるとは思いにくい。光聖が登場してからはちょっと怪しさは出たものの、やはり本当の愛を命がけで欲しがる理由ははっきりしない。
それが中盤で祢音の正体(実の娘のあかりに代わり、女神に作られた者)が明らかになって、ようやく「人間として愛されてはいない者」と示される。母:伊瑠美は実の娘との思い込みであり、愛情は錯覚であるといえる。父:光聖に至っては実の娘ではないと最初から知っていたし、あかりに代わる娘とも思ってない。
そこで祢音/ナーゴのサポーターであるキューンが浮上してくるわけですね。祢音の正体が明かされても態度も愛情も変わらず、むしろ当初のぎこちなさを捨てて一心に支えようとする。その後、状況が悪化するとキューンは祢音を未来に誘いさえするわけですね(おそらく終生共に、の含意)。
しかし、どうやらキューンは「本当の愛」の偽の解決を示す者であったらしい。光聖は未来世界との取引のため、キューンと祢音の政略結婚を考えていたようですし。仮にキューンが真剣に祢音を好きだとしても、祢音が「本当の愛」を得られたかどうかは疑問です。
その理由は今話で示されまして、簡潔に申せば「愛は求めると失い、与えると得られる」みたいなものでした。卑近な例で申せば、かく言う自分自身であります。ニチアサも自分の「好き」という気持ちをぶつけるからこそ面白がれます。もし「退屈だから楽しませろ」みたいな気持ちで観たら、ちっとも面白がれないでしょうな。
もっとも、そんなこと申すと例えば聖書の「求めよ、さらば与えられん」と矛盾しそうではあります。が、聖書には「隣人を愛せ」「敵をも愛せ」とあるわけで。まず愛しなさい、それが「求めよ」だよってことになります。
今話の祢音、さらには光聖(や伊瑠美)もそうしたわけですね。そもそも「本当の愛が欲しい」というのは祢音というより光聖であったらしい。あかりを喪失してますからね。それは愛情を注ぐ対象を失ったということなんですけど、序盤の祢音は(たぶんなんとなく)あかりに注がれたような愛情を自分も欲しいと感じたのかもしれない。
しかし光聖は愛情を注がず、祢音は家出を繰り返すなど、求めてさまよったわけですね。その祢音があかり喪失を再現しそうになったとき、光聖は「祢音を愛したい」という己が気持ちを発見。ギャーゴとなって救出に向かい、「祢音、私はお前を愛している」と告げる。祢音と呼びかけている点がポイントで、死んだ実の娘あかりの代わりではないわけですね。
祢音も愛されて満足なわけではなく、父親として光聖を愛したいという気持ちが生じる。ちょっと前までは「可哀そうな人」と言っていたのに、自然と「お父様」と呼んでます。そうなってようやく、光聖も祢音も満たされたようです。光聖が病院に担ぎ込まれると、母:伊瑠美(錯覚とはいえ愛情があったので気持ちの固まり方が光聖より速い)もお互いに満たされるドラマとなる。
これで鞍馬一家は(財閥ではなくなっても)愛する者がいる家族となり、祢音の願いは満たされたようです。少し気になるのは、DGP開催当時は光聖が政府と関わっていた点です。DGPの利がなくなると光聖は政府から縁を切られ、むしろ内実を知る危険人物視されて投獄されたわけですが、もう政府は光聖を追ってこないかどうか。財閥を失うほどの凋落なので、もう政府も力なき光聖に興味を失ってくれていればいいんですが。
序盤からの祢音も思い出すドラマでつい長くなりましたが、さらに余談(^^;。祢音が己が問題(本当の愛)を解決するドラマ、どこかで類似のものを見た気がしました。考えてみると「アナと雪の女王」(第1作)のアナだったようです。アナは最初、ハンス王子に一目ぼれしますが、ハンスはアナを利用しようとする悪役。
ハンスの誘いに乗っていたら大ごとでしたが、アナは(姉エルサの助けもあって偶然)退ける。続いて姉エルサとの間に危機・離別が生じ、それを助ける真の王子的存在がクリストフですね。しかしアナはクリストフのサポートは受けるものの、自身はひたすら真っ直ぐエルサに向かう。この流れは一部から「アナがクリストフに冷たい」と評されたようですが、自分的には納得するドラマでした。
言い換えればクリストフは、アナとエルサのドラマについては偽の解決ということです。アナがクリストフと一緒にエルサを救うドラマも可能ですけど、それではアナとエルサの互いを愛する気持ちがすっきり描けそうにありません。アナの気持ちがクリストフに向かうのは、エルサを救った後。それもいったんはアナがエルサを救わんとして氷結し、嘆き悲しんだエルサの「真実の愛」でアナが救われてからですね。
あくまでアナ雪と対比してのことですけど、祢音の家族に対するドラマが完結してみると、ようやく「じゃあ祢音はキューンに対してどうするか」を考えられるような気がします。光聖ももはやキューンを利用する気はなさそうですから、純粋に祢音とキューンの問題に帰着できる状況になっていそうです。
祢音については(未だ戦いは残っているものの)ハッピーエンドを感じるものがあるわけですが、対照的に闇を深め続けているのが景和のドラマですね。ただし今話では景和が今の方向性に迷いを見せつつあるようでして、もうすぐ景和の闇の底に辿り着きそう。
景和の迷いは、まず道長からもたらされていますね。景和は道長/バッファを姉:沙羅の仇と思ってますが、その道長はむしろ大智の言から沙羅を生き返らせる可能性を見出しています(ただし、知恵の木/実からなので両親は無理)。景和が焦って沙羅を生き返らせようと世界創造したんで、沙羅らは早々に殺害され、道長の見出した方法も困難になっている。
道長が言う「景和が望む世界を創造したゆえに望みが絶たれた」ということになっているわけですね。これも「欲すれば失う」なのかも。しかし、まだ景和は止まれない。ギーツを倒して女神を完全なものにしたときの願いは「家族を蘇らせる」というもの。
しかしまだ自我を残すツムリから「世界平和を望んでいたあなた(景和)はどこに」と言われ、景和はまた迷うわけですね。しかし「俺自身の世界が平和じゃなきゃ意味がないんだよ」と意地になって叫ぶ。あと一押しで景和の今の信念は崩れそうな感じですが、今話では道長/バッファが善戦しつつも敗退。それでも道長「英寿を信じる」と叫んでまして(序盤では強く敵視してたのに、ここまで来ましたか)、たぶん英寿が道長の意志を引き継いでくれるんだろう。
その道長/バッファと景和/タイクーンの一騎打ちですが、前の坂本監督回の生々しい痛みとは趣向が変わり、アクロバティックでトリッキーなのが面白いものになってますね。特に最後の決着がつくところ、まず追いつめられたバッファがカチャカチャ変形して倒立状態となってかわす。思わず背を向けたタイクーンにバッファが襲い掛かるわけですが、タイクーンが刀身に映るバッファを見ての反撃が渋くて凄みありです。
ラストで光聖を狙って来たベロバと祢音の対決もトリッキーさが面白い。瞬間移動を使ったバトルは初めてではないですが、激しいカメラ移動ありますし、ナーゴファンタジーお披露目だし。
(上述しました政府の光聖に対する態度ですけど、ベロバに一任されてたのかもしれません。そうだとすると「どうせ始末されるんだからもういいだろう」が政府の判断だったのかも。)
今話を観終えてからふと思ったんですけど、ジットらがギーツを倒したがっているのは、2つに分裂した創世の力を1つにまとめたいからだけではないのかも。2つを1つに戻すだけなら、ツムリに景和の嫌な面を見せつける必要はないはずです。ツムリは今の景和を悲しんでますから、下手するとジットらに不利な介入を招きかねません。
もしかすると、ジットらが欲しているのはツムリの絶望なのかも。ツムリが希望を持っているから完全な女神化しないのだとすれば、ツムリが希望を託す英寿がいなくなればいいし、英寿と連なる面々もいなくなるか闇化すればいい。それもツムリに見せつけるようにすれば手っ取り早い。ジットらの一連の行動はそういう理由があるかもしれない気がします。
次回「創世Ⅶ:願いのゆくえ」では、序盤で世界の終わりを願いつつも敗退した奏斗/ダパーンが復帰するようですね。今話で道長の言にショックを受けたベロバの反撃らしい。一方、景和に対しては英寿が向かっていく模様。もう景和は序盤のような口車には乗らないと思いますが、英寿はどうするんだろう。
●王様戦隊キングオージャー(第20話:王と王の決闘)
東映公式Youtubeのほうでは「ラクレス王の秘密」全3話が完結。TV本編第2話と第3話の間の出来事でしたか。ラクレスが厳しいながらも信念あるように描かれ、部下も命を捧げてでもラクレスを支える覚悟なのが印象的です。現時点の本編のラクレスとだいぶ印象が違います。
ドラマ内容としては、本編での王冠(オージャクラウン)と槍(オージャクラウンランス)完成秘話といったところですね。完成と同時に死を賜ることを知りつつも、開発者は研究を続ける。その志半ばに死亡し、しかし恐れずに命と引き換えの覚悟で引き継ぐ者が出る。
その様子からしますと、ラクレスの望みを叶えて死する覚悟の者が次々現れるというわけで、ラクレスの人望が高いことが窺えます。いかに序盤とはいえ、TV本編のラクレスからは想像できないほど。TV本編の今話ではラクレスはギラに敗れて行方不明となりましたが、いずれ再登場する頃には「ラクレス王の秘密」との落差の謎を明かしてくれると期待したいところです。
それはともかく本編ですが、シュゴッダム王位編完結といったところでしょうか。法に基づく処断によりラクレス失脚を図っていたのはリタですが、悪ガキ(ヤンマ、ギラ)が意図せず阻んでしまいました。ブーブークッションによる仕返しに、決闘裁判の申し込みですね。最近は真面目ゆえに割を食うリタさんがよくキレてますな(^^;。
特に決闘裁判に持ち込んだ影響は大きく、事実上の執行猶予となったラクレスはスズメとの政略結婚を図り、カグラギ~トウフ国の抱き込もうとする。ただ結婚式におけるスズメの表情は難解。嬉しそうですが腹に一物あっての演技か、それとも実はラクレスに好意があったりするのか。スズメの表情から真意が読み取りにくいため、見守るカグラギの表情からも読み取りにくい。
しかし政略結婚が成ってみると、カグラギはラクレスの義理の兄ですか。どちらが立場が上かのラクレス vs カグラギの小競り合いは面白いですが、その会話でのラクレスが出す情報のほうが興味深いかも。
王冠(オージャクラウン)の次は槍(オージャランス)を返せとラクレスは言い、なぜなら「城の鍵」だからだと。ということは、コーカサスカブト城には地下にあったキングオージャーZERO以外にまだ何かあるのか。城自体が移動要塞だったりすると面白そうですが、今話でラクレス行方不明となりましたから、槍の隠された機能については後日になるんでしょうな。
ともかくも、皮肉たっぷりな言いようながらもカグラギを「義兄上(あにうえ)」と呼んだラクレスに、さすがにカグラギも譲歩せざるを得ない。槍をラクレスに渡したいとジェラミーに相談するわけですが、その真意は後で明らかに。しかも、カグラギの想定以上の事態に至ってしまうわけですね。
しかしそれは後のことでして、まずは決闘裁判。東映オフィシャルサイトを読んでみますと、前回の決闘裁判の段取りや演出を踏襲しているとのこと。自分はそういうところまで覚えてなかったんですが、踏襲していると分かれば思うところが出てきます。
決闘に勝った暁の願いは、ラクレスはギラ幽閉、ギラは玉座ということで不倶戴天なものですね。ただし両者とも命までは奪わないと言外に示しているとも取れます。前の決闘裁判ではラクレスがギラに止めを刺せるのに刺さなかった(急所を外した)可能性がありますが、今回もそのような気配があります。
例えば、ラクレスがギラの剣を空中高く跳ね上げた時です。剣で止めを刺すチャンスですが、なぜかラクレスが放ったのは盾による一撃。好機なのに、と言うより勝機だからこそラクレスが手加減したように見えます。
その時点では、決闘を中継で見守る国民は二分し、ラクレス派のゴローゲとギラ応援の初老の市民が揉めてますね。この中継を後でラクレスが利用することになったらしい。しかも自分(ラクレス)に不利に働くように。
その契機となったのがボシマールの乱入。槍をギラに渡したいヤンマらがカグラギを襲撃すると、実はジェラミーが影武者つとめてて、という騒動の隙をついてボシマールが槍を奪取、決闘場に駆け込んできたわけですね。
しかしジェラミー(とカグラギ)が一枚上手でして、槍は偽物で、実は大きなクラッカーでした。これに驚いたボシマール、ひっくり返ると正体を現わしてしまいまして、カメジムが化けていたと。本物のボシマールはとうに骨になっているらしい(それほど前から化けて潜入していた)。
これも東映オフィシャルサイトの解説によれば、仕草の類似や何がバグナラクへ情報漏洩したかなどで「ボシマールはカメジムが化けたスパイ」を第1話から匂わせていたそうです。自分は不注意で全然気が付いてませんでしたorz。
それはともかく、自分が注目したのはこのときのラクレスの表情です。初めて見せた本気の怒りのようでした。知らないうちに近くにスパイが潜り込んでいたこと、情報が筒抜けだったこととかあるんでしょうけど、ボシマールの安否についてのカメジムの返答を聞いてからのラクレスの表情変化ですんで、もしかすると臣下を殺害したことへの怒りだったのかもしれません。
しかしリタが決闘続行を促しますと、ラクレスは従う。のですけど、そこからのラクレスの態度がどうも変です。ギラがラクレスを許そうとし、昔のラクレスに立ち返るなら降参するとまで申し出ると、その隙をついて「甘い」とあざけって反撃に移る。いかにもな悪役仕草です。
しかも続いてラクレス、国民を道具呼ばわりするなどの暴言を吐く。中継されているのを知っていて、そう言ったわけですね。自ら邪知暴虐の王と宣言したに等しく、少し前まで国民を思う王を演じていたのにどうしたことか。これを見たゴローゲらラクレス派も、ついにラクレスを見限る。
これは演出的にラクレスの悪役ぶりを分かりやすくしたとも考えられますが、それだけではないとするとラクレスに何らかの狙いがありそうです。例えば「国内を安定させてバグナラクへの備えが成ったら、ギラに譲位したい」とラクレスが考えていたとすれば、暴虐の王を自称するギラをうまく王位へ軟着陸させるべく、ラクレスが国内に手を打っておいて、自分(ラクレス)にヘイトが向かうような算段と考えることもできそうです。
しかしラクレスは本物の槍を手にしたギラに吹っ飛ばされて崖下へ。なんだか前の決闘で立場を入れ替えたような決着ですね。崖下転落って「実は生きてました」フラグみたいなもんですから、いずれラクレスが復帰して真意を明かす流れとかあるんでしょう。
ともかくも序盤のドラマは決着でして、次回「突き進め王道を」は東映オフィシャルサイトによれば、緊張を緩める箸休め回らしいです。そう教えてもらわずとも、公式サイトの予告文の「ドゥーガ(森岡豊)の波乱万丈な就職活動が始まっていた」を見れば、だいたい察しはつきます(^^;。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/20 (Thu) 09:21:14
定期感想その2です。
●仮面ライダー555(第41話:捕獲開始、第42話:折れた翼)
今週前半冒頭は前話からの続きで3ライダー揃い踏みの変身でして、普通ならここから力を合わせて敵を打ち破る燃える展開。ですが、やはり555の作風なんでしょうか、まとまったと思ったら引きちぎられる展開になってますね。
厳しいともいえますが、ビルド終盤でも4ライダー揃い踏み変身からが過酷でした。次は3ライダーと1人減り、その次は2ライダー。もっとも「ここは俺に任せて先に行け」の結果ですから、悲壮ではあるけど力はむしろ増して入る燃える展開でした。
555の今週分ですと、そうではない。「どうしてこうなっちゃうんだろう」という感じで、まるで「こうなって欲しくないわけでしょ?」という展開を見せられているような気分です。誰にも悪意はなく、何とも運の悪い、間の悪いことが重なってしまってますな。しかし、そうなっても不自然ではないように見えまして、悔しいのですが納得するしかないように思えます。
悪意はないと申しましたが、依然として草加は意地悪くかき乱そうとしてはいます。が、前には功を奏した草加の術策がもう利かなくなってますね。冒頭の3ライダー揃い踏みからのラッキークローバー(特に北崎/ドラゴン)撃破後、草加は三原は意気地なし、巧はオルフェノクだと不信感を煽ろうとする。が、(草加の最も影響を及ぼしたい)真理は即座に否定してます。
その後も草加は遊園地で「いいなあ、オルフェノク同士で」云々と聞こえるように独り言を言い、特に巧を揺さぶろうとしていますが、以前なら黙って去っていた巧が、苦渋の表情を一瞬見せつつも踏ん張ってます。
そういうシーンを見ていますと、策を弄する草加の信用低下と仲間の結束の強まりが感じられます。そうであるのに、せっかくの結束が崩れるように事態が進んでしまう。
その事態の流れは同時に、主要キャラクターが今のドラマから逃れようとしても逃れられないような何かの力を感じるものになってますね。先にも申しましたが、蜘蛛の巣の外に逃れられないかのようなジタバタを観ているような気がします。
例えば、今週分ではまだ影響が見られませんが、三原修二/デルタと阿部里奈。たった2人になった流星塾生陣営ですが、自立して生きていくべく就職したのはいい。ですが、それが創才児童園フレンズホームであるわけですね。スマートブレイン経営でして、2人はまるで進んで蜘蛛の糸にからめとられに行くように見えました(予習してみると、そこまで心配するようなものではないようですが)。
結束の崩壊の兆候はスマートブレイン側にも見られまして、まず琢麿ですね。北崎/ドラゴンの惨敗を間近で見て、恐怖が薄れたらしい。北崎に肩を貸してのバーへの帰還途中で、わざと北崎を転ばせて含み笑い。怒った北崎に殴られ、部分灰化が起こりますが、もう琢麿に恐れる様子はない。利益と恐怖で束ねられていた者ならば、いかにもありそうな態度変化です。
琢麿は北崎の退け方が分かっちゃった。もっとも村上社長によれば、555・カイザ・デルタが揃ってしまっては、いかに最強の北崎/ドラゴンでも太刀打ちできないものらしい。オルフェノクを退け、オルフェノクの王を守るためにライダーがいる(作られた)ということらしい。
ちょっと分かりにくい台詞・説明です。なぜオルフェノクの王をオルフェノクから守るのか。今の状況を鑑みるに、ライダーの力が誰のために使われるかは(適合さえすれば)変身者の意思次第でして、それがオルフェノクの王に向かっても不思議ではありません。だからなんでしょうかね、ラッキークローバーがいるのは。ライダーの力が王のために使われるよう、ライダーに対する抑え役がラッキークローバーなのかも。
しかし3ライダーに対してラッキークローバー3人では敗退する。だから数で上回るよう4人体制なのかも。それゆえ村上社長も欠員補充したがってるのかもしれません。それで今週分で白羽の矢が立ったのが結花というわけか。その結花が巧陣営と勇治陣営を引き寄せつつ、しかし両陣営をバラバラにするような影響を図らずももたらしてしまうのが、今週分の厳しいドラマですね。
今週分前半(第41話)は先に希望が見えるような展開でして、結花は海堂と創才児童園に慰問に行くためのクッキーづくりに勤しんでます。海堂も明るいですが、せっかくの手作りクッキーに容赦なく文句言うなど、ちょっと眉を顰めたくなる態度を見せたりもしてまして、たぶん今週後半に露わになる海堂の態度変化の伏線だったのかな。
ともかくも2人して園へ行き、相変わらず子供には懐かれてますね。しかし依然として肝心の照夫だけは懐かない。と思ったら、照夫に変化あり。再び八つ当たり的な反抗を見せた照夫に、おそらく初めて結花が「照夫君、やめなさい」と厳しい表情で叱る。同時に結花、少しスカートをたくし上げてみせる。前のスカートめくりですね。これで照夫がひるみまして、おとなしくなる。悪いことをした自覚があったんでしょうし、もう本気で海堂や結花が嫌いなわけじゃないことも暗示するものなんでしょう。
これならうまく行きそうという気がします。巧もクリーニング店に戻ると啓太郎がはしゃぎまして、以前に手漕ぎボート上で震える手で弁当を巧に差し出した啓太郎ではありません。巧も勇治に「何か洗濯物ないか、俺がタダで洗ってやるよ」と電話で伝えまして、気持ち的な完全復活を伺わせますし、勇治にもきっちり伝わってる(立ち直ったと言わずに立ち直りを感じさせる、実に上手い台詞とシーンでして感心しました)。
この巧の立ち直りは、冒頭のラッキークローバー撃破後の真理の言葉も大きく影響してそう。「澤田君のようにならないで」ですね。(その台詞のきっかけになる嫌味を言った)草加も聞いていたわけですが、たぶん海堂には「澤田のような完全なオルフェノクになるな」という意味だと思ったはず。
しかし、真理と一緒に澤田の最期をみとった巧には「澤田のように、オルフェノクでも人間でもない存在として死んではいけない」と聞こえたはず。言い換えれば、人間でもオルフェノクでもいい、とにかく生きて欲しい、ということになりそう。肝心なのは死に方や死に場所ではなく、生き続けていることですね。巧の悩みを解決する方向性を示すもののように思えます。
さらに巧・勇治陣営合同で遊園地に遊びに行く。この辺りになると、観ていてすっかりいい気分です。相変わらず草加は嫌味を言い続けてますが、最早さしたる影響力もない。そんな草加をしり目に、啓太郎の失恋コントがなかなか笑える。ニアミス劇なんですけど、ハラハラしない。啓太郎も結花も目の前の相手がメル友と知らず、噛み合わないやり取りになり、
「長田さんが海堂を好きと言い、聞いた啓太郎が失恋を結花に打ち明け、憤慨した結花から手を握れと励まされた啓太郎、長田さんの手を握り、長田さんが突然の菊池の行為に怒ってビンタ」
ですもんね(^^;。しかしそこから暗転するとは。今週に入って新キャラクター南雅彦が警視庁に登場。位置づけは不明ですが、オルフェノク研究機関のトップでもあるらしい。オルフェノクを化け物と憎しみを隠さない人物ですね。これがアギトでは神と和解しようとしていた沢木と同じ役者さんなのかと戸惑うほど印象が違います。
南は沢村刑事を部下に引き入れ、高校で大量死事件があった中で生き残った結花を発見し、沢村が結花をオルフェノクと確認したため捕獲隊を差し向ける。一方、ラッキークローバー候補と村上社長が見込み、スカウトに派遣されていた冴子も接触してくる。一人になっていた結花は格好の餌食といったところですね。もし啓太郎へのビンタが起こってなかったら、この事態にはならなかったのに。
冴子の追跡は、配下のフリルドリザードオルフェノクを駆けつけた巧/555と草加/カイザが退けるも、さらに結花が逃げた先には捕獲隊が待ち構えていた。無差別発砲の捕獲隊に結花が錯乱、しかしそのお陰でクレインの力を発揮しまして囲みを突破。駆けつけた勇治と共にかろうじてアジトのマンションに逃げ込むことに成功。
しかしそこから海堂のヘイト買うような態度変化が起こるわけですね。我が身が危ういと見たらしい海堂、結花に自首しろと言い、自分は逃走準備を始めてしまう。勇治が「そんな簡単な話じゃない」と止めにかかるも耳を貸さない。観ていて「何やってんだよ海堂」と落胆するものがありますが、どうやら海堂も後ろめたくはあるようです。
なぜか海堂、自分の耳かきが見つからないとぼやいて探し回ってますから。耳かきなんぞ、どこでも買えるものですし、そもそも身をもって逃れようとする人間に必要なものでもない。なのに結花の前でも、勇治らが声をかけても、結花の置手紙(自首する)が見つかっても、見れども見えず、聞けども聞こえずの風で耳かきばかり気にする。
海堂はどうしていいか分からないんでしょうね。状況に怯えているとは思いますが、おそらく逃げ出してはいけないとも感じていそう。逃げたいのと留まるべきとのジレンマで、ちょっとだけ留まるべきが勝っている状態でしょうか。だから「(おそらく見つかるはずがない)耳かきが見つかるまで、ここにいる」の選択(?)をしてるんじゃなかろうか。
しかしそんな海堂の逡巡をよそに、結花は早まった覚悟をしてしまう。自首ですね。自首する覚悟はできてたみたいですが、その前に「一生の一度のお願い」として海堂に申し込んだデートをすげなく断られてしまう。それも「デートより耳かきが大事」というわけですから、結花が絶望して早まったことをしてしまうのも無理はない。
自首といっても直前には捕獲隊が包囲・発砲したほどですから、ひどい迎え方をされるかと思いきや、南自ら出てきて「人間に戻してあげる」旨、丁重に言い出す。ただし、結花が応じると扱いはひどいもんでして、拘束して相当に苦痛ある、下手すると死にかねない施術になるわけですね。結花が聞こえてないと思ってか、南は「どうせゴミのような命」と吐き捨ててますな。
南が結花に行ったのは本当に人間に戻す施術なのかどうか疑問でして、なんとなれば南が研究しているのが「オルフェノクを人間態に戻さない技術」ですから。純然たる「化け物」であれば始末してしまえるという考えゆえですね。人間に戻す可能性も見出しているなら、そちらでよいはず。結花に施しているのは、説明とは逆のオルフェノクに固定するほうじゃないのかしらん。
一方、勇治は結花の身代わりになる決心をし、巧には伝えておく。聞いた巧も捨て置ける性分ではなく、勇治と同行と腹を括る。このシーン、互いに「止めても聞かない」と笑ってる辺り、静かですが熱いものがありますな。しかし時すでに遅く、結花は警視庁に出向いちゃってるわけですね。結花にも告げるべく、勇治らはアジトのマンションに戻ってきますが、見たのは結花の置手紙(自首します)と耳かき探す海堂だけ。
それでも勇治は諦めない。巧と共に沢村刑事に接触し、身代わりになるから結花を解放して欲しいと頼む。困惑する沢村ですが、異変が起こりまして、結花脱走の報が入る。南が実験中だったオルフェノク(クラブ)が結花の悲鳴に気付いたのか、救出したわけですね。クラブオルフェノクは相当に弱っているようですが、奮起して最後の力を振り絞ったらしい。もし中盤くらいで勇治か巧に出会っていたら、ヒーローとして参戦していたんじゃなかろうか。今話の海堂との対比にもなってます。
南の配下となって動いている沢村刑事も迷いがあるみたいですね。オルフェノクとはいえ、もともとは人間。化け物とかゴミとか、そんな見方や扱いでいいのか、といったところでしょうか。(元?)直属上司の添野錠二刑事に話しかけ、気遣い、さらに物語始まって以来、初めて仁丹を貰ってますね。南について話すわけにはいかないんでしょうけど、迷える沢村としては信頼する添野錠二刑事にアドバイス聞きたかったんじゃなかろうか。
それくらいの迷いがあるから、沢村は本来は極秘のはずの結花について、それもオルフェノクの助けで脱走という情報を勇治らに伝えてしまったんでしょうな。この沢村の行動とクラブオルフェノクの奮起が、いろいろ手遅れで悲劇化していく後半(第42話)では救いになっている気がします。しかし、その救いも結局は事態を好転させず。
結花抱えて逃げたクラブオルフェノクのもとへ勇治と巧が急行、クラブオルフェノクは「彼女を頼む。これ以上、苦しませないで」とのみ告げ(声は龍騎で蓮役の松田悟志さんですか)、よろよろと去る。これで事態は巧と勇治には伝わる。巧はクラブオルフェノクを気遣って追い、勇治は結花を保護すべく残る。が、そこへ南配下の追っ手が。
瀕死の結花を抱えた勇治、ついに「長田さんに何をした!」とキレてしまうわけですね。ついに人前でホースオルフェノクへの変身を見せ、追っ手に襲い掛かりまして続く。
一方、クラブオルフェノクのほうも事情を知る・知らぬの差で行き違いを発生させてしまう。啓太郎がクラブに気付いて急報、駆けつけた草加/カイザと三原/デルタが単なる野良オルフェノク(?)と思って対処にかかる。そこへクラブが恩人と知る巧が追い付き、555となって止めにかかる。が、事情を知らない草加/カイザは激怒、事態を証言できるクラブは命尽きて灰化、でこれも続く。
次回予告を見ますと、結花は一応無事で、ついに啓太郎との(二重?)ニアミスが解消されるみたいですね、しかも平和的に。しかしそれは悲劇の前振りらしく、気分を上げておいて落とすドラマはいつまで続くんだろう(しかし、そういうのも好きな運び)。
●華衛士ジサリス(第11話:よくぼうの王こく)
今話後半ではバトルをちょっと凝ってるかなと思ったら、ジサリスの強化フォームお披露目でしたか。唐突ではありましたが、アユカが願うとそうなるということで、2人の関係に何かあると暗示しているようです(しかし、ここまでもずっと匂わすだけなんだよなあ)。
前半は今回の世界の紹介(管理者デジールのみに欲望があり、住人は欲望がない)から、他の世界との関わりを匂わす。各世界は独立しているようでいて関連性があり、ある世界の異変は下手するとドミノ倒しみたいなことになりかねないらしい。
アユカは自分の世界の崩壊の原因となり、それを食い止めるか、あるいは受け入れるかで異世界をジサリスと放浪中と。回想からしますと、自分の世界で持っていたアイテムからシール(?)が失われて他の世界に散らばり、それを集め直すと自分の世界の崩壊が止まるみたいですね。
しかしその行為は他の世界を変えてしまうなどの影響があり、今回の世界の管理者デジールは「各世界の不始末はその世界でやるべし」と考え、既に自分の世界を変えられたフォビアはアユカの世界を守るためには各世界が譲歩していいと考えている模様。
ジサリスはデジールとフォビアの論争(?)に逡巡しているようで、未だ明かされない自分(ジサリス)の行いに負い目を感じているらしい。しかしデジールの部下は命に代えてアユカを守り、デジールに「間違っている」と諫言してまして、どうやらフォビアの指摘(デジールの欲望)と併せて考えると、デジールの分が悪そう。
ともかくも次の最終回「かなしき勇き」で世界全体についてなど、ここまでの謎を明かすみたいですね。ライダーシリーズなどから何人も出演してくれてますが、ほとんど動きがない人が多かったなあ。次の15分で全員活躍とも思えず、2期に乞うご期待となるのかしらん。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/07/21 (Fri) 23:55:06
仕事の忙しい時期に突入しているので、番組感想は短めに。
ただし、新情報の多い時期でもありますので、目についたネタをメインに話したいと思います。
★新仮面ライダー
公式サイトが立ち上がりました。
予想どおり、ガッチャードが月末のライダー映画にも登場するそうで、その後、9月からTVで放送開始というスケジュールですな。
https://www.tv-asahi.co.jp/gotchard/
今度のライダーは「カードを使う錬金術師」で、主人公は高校生。
2つのカードの組み合わせで能力を使い分けるのは、Wやビルドみたいな要素があり、高校生という点でジオウの要素があり、
そして、実はカード使いという点では、龍騎、剣、そしてディケイド以降はなかったので、実に久しぶり、というか。
その点、スポンサーのバンダイさんの商品展開の都合がありますので、戦隊とライダーとウルトラマンで、同じ年のネタかぶりは極力しないように配慮しながら、設定を考えている面もありまして、
ここ数年は「カード使い」はウルトラマンが多かったわけですな。
ウルトラマンが歴代ウルトラや怪獣のデザインされたカードを読み込んで、フォームチェンジとかをするのが定番だから、ライダーはカード以外のコレクションアイテム(メダルとかスイッチとか指輪とか鍵とかミニカーとかボトルとか時計とか、いろいろありましたな)を開拓して、そのうち売れたものは後からウルトラでも採用したりする流れ。
で、カードは安定して売れるので、ここに来て、ライダーの方に一巡して戻って来た感。
一方、ウルトラの新番組では、定番の要素を刷新して、「メダルっぽい謎の石」で変身。
メダルだと文明的なので、今度のウルトラマンは異文化の野生児っぽさを全面に出すので、メダルではなく、ストーンと呼称します。とか、最近のよく喋るウルトラマン像を廃して、よく吼えて荒ぶるウルトラマンにします、とスーツアクターさんのアイデアで、スーツアクターさんの声で吠えます。
スーツアクターさん曰く、「最近のウルトラマンは、吹き替え声優さんが声を入れてくれるのですが、自分でもウルトラマンの声を出したかったので、吠えるウルトラマンというアイデアで、ようやく自分の声で演じられる」とか言って、笑いました。
この作品はこういう趣旨で……という番組開始前の方針を示して、ライダーや戦隊は1年間の長丁場だから、途中で細部がいろいろとマイナーチェンジしていく過程が面白く、
逆にウルトラは、半年だけなので、番組開始時にはもう特撮パートの撮影が終了していて、あとは本編ドラマの撮影と編集作業だけ、という状態なので、開始に前後して「特撮の見どころ」は公開している。
って、ライダー話のはずが、現在開始したばかりのウルトラ話に寄り道してしまいました(苦笑)。
疲れているときには、話がまとまらず、何が飛び出すか分からないモードってことで。
★ダイの大冒険
ええと、新番組ではなくて、制作サイドの裏話ってことで。
先日、こんな原作者の三条陸さんのお話が公開されていまして、原作執筆中とか、アニメに関する裏事情とか、いろいろ興味深いなあ、と思って読んでました。
https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/230704b
80年代から90年代のマンガ事情とか(当時はRPGみたいなストーリーゲームの勃興期で、それをどうクロスオーバーさせるかなど試行錯誤の模索があったり)、
そして、その時に蒔いた種が、30年近くを経た後で、当時マンガを楽しんだ子どもたちが大人になって、熱意をもって新たなアニメ作品などを制作してくれている、作者としての感慨とか、
いろいろ読み手としても感じ入った次第。
作者はもちろん、風都探偵の原作者でもありますので、特撮とダイとの親和性とか、ある意味、メディアミックスの先駆者にもなっていたわけですな。
なお、自分はこういう制作裏話が大好物ですので、過剰に持ち上げているかもしれませんが、よければどうぞ、と。
★ギーツ
ギャーゴからナーゴに、という形で、祢音がハッピーかつ華麗に復帰して、女の対決を制した形。
で、復讐を誓うベロバが、今さらダーパンを呼んで来て、祢音にぶつけようとする?
一方で、マフィアのボスになった景和は、バッファを下して、ギーツに挑む?
う〜ん、もうここまで来ると、期待していたギロリGMの復活はなさそうですな。
いや、待て。ダーパンの復活すら予想していなかったんだから、サプライズでギロリ復活の可能性も、まだ捨て難い。
ツムリは英寿の姉設定で、ギロリは英寿の父親設定なんだから、光聖が祢音の父親として戦ったように、ギロリパパも娘(設定)のツムリを助けるために、悪いGMを助ける活躍があっても、自分は許します。
ただ、その話が、高校野球ですぐに見られないと悲しいので、期待し過ぎない方が心穏やかに生きていけるというジレンマが(苦笑)。
とりあえず、この時期は仕事疲れと情報過多で、脳内興奮指数が上昇しがちなので、あまりカッカし過ぎないように、クールを意識しないとなあ、と思いつつ。
★キングオージャー
ギラ王子から、ギラ国王になって、めでたしめでたし。
ええと、三国志演義的には、劉備がとうとう蜀を建国した頃合いでしょうか。
ここから、孔明みたいな軍師が得られるか、とか、いろいろと国家経営のバタバタする話が期待できそう。
王子を王となるよう擁立していた他の国王たちが、今後はギラに協力するのか、それとも結局は、ライバル国として、いろいろ利害調整に面倒臭くなる流れなのか、
まあ、夏は映画を背景に、肩の荷の降りたギャグ回を連発して、再び物語が大きく動くのは9月以降という可能性すらあります。
ともあれ、次回の空気が弛緩して、頭を空っぽにして見れたらなあ、と思います。情報処理が追いついて来なさそうな時期なので。
★555
終盤に向けて、盛り上がる話じゃなくて、ドンヨリする話ですね。まあ、平成ライダー1期は電王以外がこんな感じですが(主に井上敏樹のせい)、要は既存のヒーローに対するアンチテーゼで書いていた人ですから。
善悪の相対化とか、散り行く戦士の美学とか、上げて落とす(でも、微かな救いは残す)手法とか、勧善懲悪は重視しないのに因果応報は重視するという信念で、人を殺せば穴二つには帰結するという。
次回は、悲劇の少女、長田由佳の最期のドラマで、啓太郎との関係の顛末が美しく描かれます。
何だかんだ言って、散り行く少女のしみじみとしたドラマを描くのは上手い人ですし、と思いながら。
★ジサリス
一方、こちらは散り行く少女を見飽きるぐらい、毎エピソードごとに殺されて、次の世界に転生して、とうとうここまで来たかと思いながら、どこにも来ていない物語の進展のなさ。
繰り返される旅路の行き着く先はどこなのか。
まあ、ジサリスが死ぬことで、世界が救われる……ということなら、ディケイドの焼き直しっぽくも思えるのですが、
そこで少女のジサリスへの想いで、ジサリスが贖罪を終えて復活して、新たな旅が始まるだったら、やはりディケイドの焼き直しですし、
続きは年末の劇場版で……となっても、ディケイドの焼き直し。
うん、どこまでもディケイド臭が抜けない物語の最後がどうなるか、たぶん見て感動することはないと思うので、楽しくツッコミ入れるネタが得られることだけを期待しておこうと思います。
最初は、牙狼みたいに、その世界に巣食うホラーみたいな魔物を狩って行く話だと思ったんだけどなあ。
どんどん、クリーチャーが作れない低予算ぶりが露骨になって来て、グッズが売れたら、もっと見たい物が見れるかなあ、と思いながら、アユカがもっとアクティブなヒロインに覚醒することを願ってます。
センティカ覚醒したアユカ……で続く、だったら、続編を待ち望む気になりますね。
これが雨宮さんだったら、格好いいヒロインを見せてくれたろうに、そこが牙狼とは違う。
今宵はこんなところで。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/25 (Tue) 11:27:04
定期感想その1です。
●ガッチャード/ダイ
9月からの新ライダー、TV朝日の公式サイトがもうできてたんですか。早速読んでまいりまして、こちらで伺った以外で自分が気になったのは例えば脚本。長谷川圭一さんですね。ライダーものではいくつもライター務められているとは覚えていたんですが、メインライターとしてはガッチャードが初でしたか。
そういえば、アニメ版のGRIDMANやDYNAZENONも長谷川さんでしたな。これは実写ウルトラマンシリーズでの脚本実績によるものだったのかしらん。自分は未見ですがダイナ(97年)ではメインライターですね。
そのウルトラマンシリーズと仮面ライダーシリーズがアイテム的なコンセプトで被らないようにしているというのは、ご教示を受けて初めて意識しました。制作の都合/工夫というよりは、スポンサーのおもちゃ展開への便宜ということですか。どういうヒーロー特徴になるかはスポンサーがどこかということも意識すると予測~納得しやすそうですな。
新ライダー:ガッチャードのデザインは黒スーツに青とオレンジのパーツをあしらってますね。頭部は目が矢印のようですが、どういう意図が込められてるんだろう。目の上にゴーグルらしきものがありますが、見ようによってはそちらも目だと思えなくもない(むしろライダーの目っぽさあるかも)。
ガッチャードについては予習情報ですが、ダイの大冒険の三条陸さんインタビュー記事は復習・補完としていいですね。どうしてダイ大があのような作風・設定であったのか、例えば六大軍団が(当時のジャンプ作風から外れた)特撮ものの敵組織がモデルとか、いろいろ興味深い点がありました。
キャラクターについても、実在のそういうモデルがいたのかとか、初めて知った気がします。それも、TVでよく見る人とかじゃなくて、身近な人なんですかという。たぶん「この人なら、こういうときにこうしそう」とか想像しやすいんでしょうな。マトリフ-マシリト-鳥嶋さんというのはなるほどな感じですが、アバン先生-フリーザ様-近藤裕さんというのはちょっと意外かも。
連載期間の話ではダイ大もまたドラクエゲーム販促のためもあって始まったというのは、初めて意識しました。てっきり、ドラクエゲームにインスパイアされた二次創作的な独自作品だと思ってたんです。もっとも、アニメ版も作ることになって原作も延長したことで、独自作品のポジションにもなったようですね。
ガッチャードも三条陸さんインタビューもご紹介頂かなかったら気が付かないところでした。興味深い情報のご紹介、いつもありがとうございます。
●仮面ライダーギーツ(第45話:創世Ⅶ:願いのゆくえ)
OPに劇場版のカットが入るようになりまして、本編にもゲストとして黒いXギーツとその相棒らしきメロが出てますね。ただし様子を見に来た程度みたいで、特に状況やキャラクターの動きに関わっていく気はないみたい。劇場版公開が7月28日だそうなので、まだ種明かしにつながるようなことは不可なんでしょうね。
一方、序盤で敗退した墨田奏斗/ダパーンが再登場。「人類が滅亡した世界」が望みでしたな(英寿が世界を作り直したことで奏斗は願いを思い出したらしい)。他人の不幸好みのベロバにとっては好都合な人材ゆえ、スカウトしてダパーンとして復活させたわけか。第3話~4話では奏斗/ダパーンは祢音を嫌って罠に嵌めようとしてましたから、その点でもベロバと共通するものがあるんでしょうな。今話序盤ではそう思って期待したんですが、その後がどうも続かない感じもしてしまいます。
一応、復帰したダパーンは祢音を襲い、強化されたナーゴに対する相対的な性能の低さは、新たに招かれたオーディエンスの助力で埋める狙いらしい。それでも戦力差はあるようで、どうもダパーンは劣勢。しかし手段を選ばぬ狡猾さが奏斗/ダパーンにはありまして、祢音の母:伊瑠美を狙撃してナーゴ/祢音を動揺させて隙を作り、いったん逃走。
ここまでの運びはいい感じです。憎むべき敵という演出が上手く働いている。そこから奏斗/ダパーンはどうするんだ、と期待したんですが、今話では鳴かず飛ばずみたいな。そのままラストでは英寿の世界再構築に巻き込まれてますね。もし奏斗/ダパーンの役割がここまでなら、肩透かしです。次話以降もしぶとく残ってくれるだろうか。
大智のほうはしぶとくドラマに関わって来てくれてますね。役割的にはフェードアウトしつつありますが、景和の動向を握る「沙羅の命運」を未だ握っている点がポイントでしょうか。沙羅を知らずに倒してしまった道長は、元の世界(たぶん沙羅の知恵の実がある世界)に戻せば沙羅を助けるチャンスありと、大智の言葉から推測して動こうとしてますね。
その場合、沙羅を元に戻せる可能性があるのは大智ということになりそうです。言い換えれば、あり得る未来の1つにおいて大智は(沙羅を通じて)景和のキーパーソンになっていると申せましょうか。道長はその未来へ導こうとしていると思われますが、今話ではまだ届かず、次話で奮闘しそう(ですが、不吉なサブタイトルだなあ)。
今話のメインドラマは英寿 vs 景和ですね。前話で道長が必死に食い下がりながらも、今一歩届かず、道長から望みを託された格好の英寿がどうするか、どうできるか。道長/バッファと同じく、英寿の景和に対するアプローチも一騎打ちから入る。
そのバトル開始でようやく意識したんですが、景和の新しい癖「親指で人差し指を押して鳴らす」は、序盤からの英寿の癖「指をパチンと鳴らす」に対応するものみたいですね。景和は英寿と互角になった、と印象付ける演出だったみたい。そこに気が付いてなかったんで、自分は別のアニメ作品(東京喰種トーキョーグール)を連想してしまってたりしました。連想すべきはすぐ近くにありましたか。
それはともかく(^^;、道長/バッファを二度に渡り退けたほどのタイクーン/景和は新オーディエンスの助力まで得られまして、ギーツに対して優位に戦いを進める。もっともギーツ/英寿の戦意は、もともと低かったのかもしれません。英寿はむしろ、景和の心中、奥底を試すために戦っていたのかも。
途中からギーツ/英寿は戦うことすら放棄して攻撃受けてましたから。それが分からないケケラやベロバはタイクーン勝利と思ってはしゃいでますが、さすがに当のタイクーン/景和にはギーツが手を抜いたことが分かる。分かるから止めを刺せず、おそらく変身解除に追い込んだ一撃も急所を外すとか、手を抜いたんじゃなかろうか。
たぶん、それが英寿が確かめたかったことなんでしょう。景和はやっぱり(道長と同じく)誰も葬りたくはない。しかしギーツを倒さないと沙羅が戻らないとも思う。そこで、双方必死の戦いで手を抜けず、思わず出した一撃が相手の命を奪ってしまった、ということなら景和もなんとか自分を許せる。
しかし、自分(景和)の力が相手を上回ってしまうとそうできない。あるいは、敵に必殺の気配がないとか、ましてや無抵抗になってしまうと、景和は戦えない。バッファ/道長に対しても、たぶん景和はそうだったんでしょうね。それが英寿に対しても同じくでありますと、それが景和の「これ以上は堕ちられない、自分(景和)の闇の底」ということになりそうです。
実際、自分の底に到達したらしい景和、それでもまだ英寿の志には同調しきれないものの、「信じさせてくれよ」と背中を押しれくれることを求める。これに英寿が応え、ツムリから創世の力を託され、また世界を作り直して、というところで続く。
えーっと、また世界変わるんですか。ドラマ的には仕切り直しともいえまして、仮面ライダーWEBの記載にあった「終盤はドラマの縦軸見せる」はどこに行っちゃったんだろう。もしかすると、最終回まで観てみると「あれが縦軸だったのか」と分かる仕掛けなのかな。自分としては「観ていて、この先に何を期待していいかが分かる縦軸」を期待していたんですが。
それでも前に申しましたように、各話ごとにぐっと燃えるご褒美ありまして、今話だと上述しました景和の闇の底です。英寿が今話で言っていましたが、言葉ではもはや通じず、しかし行動してみると限界が現れる。しかも、景和自身が突き進もうとして自ら見出した限界ですね。そこは自分が観たかったドラマであり、景和の結末はまだ次話以降ながら、今話で納得するものがあり満足です。
次回「創世Ⅷ:さよなら、ミッチー」では「第2のツムリ」(仮面ライダーWEBより)をジットが作り出すみたいですね。英寿が囚われて創世の神とされるようなカットも予告映像に見えます。が、ダパーンいないなあ。今話限りの再登場だったのかしらん。
●王様戦隊キングオージャー(第21話:突き進め王道を )
前話で一段落しまして、整理回ですね。ここまでを振り返りつつですが、過去の歴史をさらに加えてみたりもする。そういうもんだと思って観ていると、4人の王との勝負でギラの立ち位置を確定させつつ、ラクレスから逃げ出したドゥーガが「幸せの鳥」物語やるわけですね。ドゥーガ、敷居が高くなったシュゴッダムこそ骨を埋める地だと見出し、ギラは初めての忠臣を得ると。
ギラは王位に就いたものの、それがどういうものかはギラも分からず、王として何を為すべきかも分からない。そこで過去の歴史を知るジェラミーが2千年前の「始祖の王」と同じことをすればいいと提案。オージャクラウン行使の台詞「王鎧武装 始祖光来」って、たぶんその「始祖の王」由来なんでしょうな。
2千年前にも5王国並立して、誰がトップか揉めたわけでしたか。そこでシュゴッダムのライニオール・ハスティーが「負けたら何でも言うことを聞く」条件で他の王に勝負を挑み、全勝してチキューの王と認められたと。
それと同じようにしてみたら、というわけですが、ギラは全敗。しかし視聴者的には各王がどういう人物・由来・役割なのか復習できる仕掛けですね。ゴッカンのリタとはにらめっこでして、素顔を見せるとギラでも吹き出してしまうような顔なのか。しかし観ているこちらには顔を見せず、ギラ以外の王もご尊顔を拝すること叶わず。ちょっと残念です(^^;。それにしてもリタが勝って求める条件は「もっふんといっしょの先行放映権」ですか。それ、ヒメノに頼むべき案件じゃなかろうか。
これと並行して、ラクレスに剣を突きつけられて逃げ出したドゥーガの就職活動で、やはり各王国の復習ができる趣向ですね。ドゥーガ、なりふり構わぬ媚ぶりですが、しかし不器用な武辺者。どこでもうまく行かずに結局、シュゴッダムに帰って来る。そこにはようやく王位が安定したものの、勝負に負け続けていろいろ失ったギラがいる。
しかしだからこそのギラの器量、包容力が見られるわけでして、ギラも逃亡者だったからドゥーガだって大丈夫、ということで、逃げたことに罪の意識があったドゥーガは感激。ここにいい主従関係成り立つ。
そこへ一撃将軍ダイゴーグ襲来となりますが、何度か王として何を為すか問われて答えられなかったギラの素志が行動で表現されてますね。ダイゴーグの一撃に背を向けてしまい、臆したかと思ったら、背後の子供(ブーン)を身を挺して庇いに行ったわけか。そうしておいて、またも「俺様は邪悪の王」と宣言するわけですが、要は「悪に対しては邪悪、善に対しては善良」ということらしい。
そういうギラに2千年前と今で1勝1敗のタイとなった4人とジェラミーが対等な仲間として駆けつける。ここは燃えますし、前に戦隊として名乗りをあげてから、ここでようやく実体ある戦隊が成立した感じです。
そこで続くとなりまして、次回「シュゴッド大集合」では、コーカサスカブト城が巨大ロボであることが明かされるようですね。例の槍(オージャランス)をラクレスは鍵と言ってましたが、城の起動用ということでよさそう。それがあるから窮地に陥ってもラクレスは自信を失わず、逆転のチャンスを狙っていたということなんでしょう。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/26 (Wed) 18:06:28
定期感想その2です。
●仮面ライダー555(第43話:赤い風船、第44話:最後のメール)
今週分の前半早々、結花に対する施術が人間に戻して固定するものだと明言されまして、先週の自分の勘繰り(結花に対してもオルフェノクに固定)が間違いだと分かりました。そこが分かりますと、結花の最期についても何が起こったか理解できます。
今週分は各キャラクターにいろいろあれど、「結花の最期」の印象が大きくて、それ以外が記憶から飛びそうです(^^;。なにせ今週分は前半(第43話)も後半(第44話)もドラマ運びが真剣に憎たらしい。まさに(仰る通りの)「上げて落とす(でも、微かな救いは残す)」ですから。
まず前半は前話ラストの大下げ「もしかして結花死んじゃった?」からでして、しかしとりあえず結花存命でわずかに望みをつなぐ流れ。そこから爆発的なくらいの上げでして、勇治が結花のクリーニング店での保護を願い出ると、即座の承諾&大歓迎。そこで草加の嫌味な反対が無視同然なところが、またいいですな。
さらに真理が結花を一緒にお風呂と誘い、キャッキャウフフ。結花が一気に明るくなるのが落差ある救いになってます。調子に乗った啓太郎が自分もと言い出して鉄拳食らうのも定番的ながら、いいコントで雰囲気盛り上げてます。さらに真理が結花の髪の手入れしてやりまして、もはや結花がこの状況になじんでる感じすらあります。
そうなってからの結花の台詞「羨ましい。私も夢が欲しい。小さくてもいいから」ですね。叶いそうな雰囲気ですし、この後は叶う方向に進みもする。ただし、そうなるべく二択の選択肢から選んでいくと、不幸の結果に導かれてしまうわけですね。
それは後のことでして、とりあえずはこじんまりながら、もうハッピーエンド間近かと感じる流れ。そう思えるのが、序盤から延々繰り返してきた「菊池/啓太郎と長田/結花」のニアミスですね。啓太郎が結花に好意があった(が諦めた)と告げたため、結花がそれをメールで啓太郎に報告。既にテンション上がってる啓太郎、ついメールを読み上げてしまう。
そりゃもう、自分(結花)がたった今送ったメールを目の前で読み上げられたら、メル友の啓太郎さんが、さっき好意を告白した菊池さんだと気が付いちゃいますわな。小説ならば叙述トリックに気が付いたといったところでして、結花にとって目の前の啓太郎のイメージが爆発的に変化したはず。
直近なら「手を握って来たんでビンタ食らわせた啓太郎」ですし、そこから延々遡ると落とした携帯を届けてくれた、そのときはまだ名前も知らなかった啓太郎。そこに加えて、強い好意があったけれど、終始冷たい態度で、直近では危機に際して結花を見放そうとする海堂の存在がある。
結花の気持ちが海堂に惹き付けられていただけに、それが縮んだバネのように作用して、一気に啓太郎に向かうのは自然なことでしょう。が、結花には不安があるわけですね。中盤では巧が気が付いて、結花を啓太郎から遠ざけようとした理由「結花はオルフェノク」という点。これは当然、結花の心配するところでもある。
好意が生じれば、傷つけたくない、危険にさらしたくないのは人情でして、結花はいったん去る決意をしてしまうわけですね。メールでは饒舌でしたが、書置きではどう告げていいのか分からなくなったらしく、「お世話になりました」とだけ。が、既に巧がオルフェノクと知っても前に増して受け入れた啓太郎が諦めるわけがない。
必死で探し回り、追いかけるわけですね。結花はクリーニング店を離れて、多少は落ち着いたのか、携帯メールできちんと気持ちを伝える。ただしメル友の結花として、ですね。メールでもやっぱりオルフェノクであることは告白できず、ふと目についた「木の枝に引っ掛かって飛べない赤い風船」に我が身をなぞらえてみる。
が、555始まって以来かと思うほどのタイミングの良さでして、そこへ啓太郎が追い付いて来るわけですね。結花がぼんやり見ている先には「木の枝に引っ掛かって飛べない赤い風船」がある。ようやく啓太郎も「長田さん=結花さん」と気が付く。
今度はタイミング悪そうで実は良い、冴子/ロブスターの襲来。ラッキークロバーへと誘いに来たわけですが、目撃した啓太郎が危うい。結花、全てを失っても啓太郎だけは救う覚悟でクレインに変身、キレたときのパワーでもって冴子/ロブスターを撃退する。啓太郎は「結花さん=長田さん」に続いて、クレインオルフェノクとも知ってしまうわけですね。
冴子/ロブスターの襲来が実はドンピシャのいいタイミングだったことが分かりまして、啓太郎はそうだと知っても、というよりは、そうだと知ったからこそ、去ろうとする結花を後ろから抱きしめる。『大丈夫、全部受け入れられる。だって既に好きなんだから』といった感じなんでしょうな。
(例えてみますと、顔が可愛いから好きになったとします。その顔を大怪我して、可愛さが失われるほどの跡が残ったとします。その場合、既に本当に好きになっていたら、生じる気持ちは心配であって、好きという気持ちは失われない。といったところでしょうか、結花を抱きしめた啓太郎の気持ちは。)
試練あるからこそ証明される愛情というわけですね。前半(第43話)で上がってから崩壊寸前まで下げておいて、ここから上がると予感させておいて、後半(第44話)へ突入。クリーニング店では案の定、真理が嬉しそうに辟易するほど、結花と啓太郎は分かちがたく結びついている感じですね。巧もやりようは乱暴ですが、狂喜といっていいほど嬉しがってます。
巧が特に喜んだのは、啓太郎が「結花さんの心の傷がなんとなくだけど分かるんだ」という点でしょうね。結花がオルフェノクであるというのはもう知っているわけですから、オルフェノクであるゆえに悩むものがあると気が付いているわけですね。しかし「なんとなく」であるのが致命的になろうとは。
啓太郎が感じ取ったのはおそらく部分的にせよ、結花が啓太郎に受け入れられたゆえに生じた悩みだったようですね。オルフェノクになってすぐ保護してくれた勇治が(最近になって)心配する「オルフェノクと人間は仲良くやっていけるのか」という点。マズいことに結花は南から「オルフェノクを人間に戻す」施術を途中まで受けてます。
非常に苦しく、半ばでクラブオルフェノクに救出されたわけですが、結花に「もしあれを完遂して人間に戻れたら」という気持ちが生じるのは当然の流れでしょう。人間に戻れれば、何の憂うるところもなく啓太郎の愛情に応えることができる(ただし人を殺害した記憶には、いずれ悩まされるかもしれませんが)。
そのため、結果的に最悪の選択である「警視庁の南のもとに戻る」覚悟をしてしまうわけですね。当然、(人間を信じていいか疑うべきか迷い出した)勇治は反対、なお、海堂は傍観でして、きちんと結花に対して斥力発揮してますな(^^;。その後、スーツ姿のチンピラに殴られ、陶器の狸に語り掛けとか、ヘタレ海堂の演出フォローもなかなか良い。もっとも海堂とて勇治の変わりように面食らってしまってるんでしょうね。巧ですら勇治から「人間を助ける為に戦うのが嫌になった」と言われて動揺してますんで。
この勇治の迷いが結花に悲劇をもたらすきっかけになっちゃうわけですね。しかもその迷い自体は結花を心配するゆえと言えまして、好意・善意から発しているのに悪意のごとく作用してしまうという、なんともつらいものです。裏の事情をよく知らない啓太郎はあっけらかんと、しかし目の前に結花がいるのにメールでデートに誘う。
もしこのとき直接言っていれば、啓太郎は結花の表情や仕草で動揺に気が付けたと思うんですが、メールだから見えていない。結花としてはメールを受けてから考える余裕が生じ、勇治の迷いを思い出してもしまう。が、いったんは真理がナイスフォローしまして、結花の携帯を取り上げてOKの返信。
しかし、別方向から善意で行ったのに悪意的な結果をもたらす不運が来まして、巧の動きですね。南と会いまして、コロリと騙される。南に善意ありと思い込んだ巧は勇治と結花を呼び出し、もう一度話し合ってはと提案。巧が南を信用してしまったのは、巧が間抜けだからというわけではなく、変わりゆく勇治を止めたかったからなんでしょうな。
何かが欲しければ、手に入れるためにはつい都合のいい解釈をしてしまいがちです(そしてそこが詐欺師が付け込んで来るポイントの1つだったり)。巧とて(過去の実績から言っても)自分の苦痛だと、じーっと辛抱してたでしょうけど、目の前の勇治が悩み苦しんでいると焦ってしまう。それで南の口車に乗っちゃったんじゃないかな。
理由はともかく、結花はデートより巧の話を聞きに行くことを優先してしまう。しかし南の罠でして、巧が結花と勇治を呼び出すことを期待して、一挙に捕縛することが狙いだったわけですね。追跡隊が現れて催涙弾を発射し、さらにバットオルフェノクが追跡隊を乱射するという、敵味方不明な混乱状態となりまして、勇治/ホースと巧/555が何とか結花/クレインを逃がす。
が、冴子が追って来ていたわけですね。結花は南の施術が遅効的に効いて来たのかクレインになれず、どうやら易々と致命傷受けたらしい。メールで啓太郎にデートに行けなかったこと謝り、おそらく絶命(シーンとしてはオルフェノクの死で起こる灰化ではなく、羽毛が舞う異例なもの)。このメールを受けた啓太郎の反応は次回らしい。
もし巧の話を聞きに行くより啓太郎とのデートを結花が優先していたら、巧が南の話を聞きに行かなければ、さらに遡って行って、結花が出頭して南の施術を受けていなかったら、と多数の選択肢で「良かれ」と思って選んだものが最悪の結果を招いた格好ですね。
局所的には常に最適解を選んで、しかも破綻しそうになった場合は解決しての、この結末です。落ち着いてから考えても、納得できないけど納得するしかない、これが運命なのかと思える、上手いドラマ運びだと感心するしかありません。
結花の件はまだまだ後を引きずりそうですが(勇治がついに堕ちるらしいし)、不安な兆しは他にも発生してますね。1つには嫌味を言っても相手にされなくなったと思えた草加ですが、創才児童園で働く三原に声をかけ、共に北崎/ドラゴンに挑む。結果はどうやら3ライダーなら戦えたのに、2ライダーでは太刀打ちできないということに。これはライダー勢の分裂でありまして、勝てない流れになっちゃった感じです。
しかしもっと不吉なのは海堂が創才児童園から照夫を連れ出した件ですね。それ自体は海堂の善意であり、園でいじめられる照夫を救ってはいる。けれど(OPの役名「照夫の影 ?」で示された通り)、照夫の影からオルフェノク特有の人物の姿が一瞬現れる。予習によれば、これがオルフェノク側ラスボスのオルフェノクの王ということらしい。
なんだか、みんな良かれと思ってやっているのに、ドンピシャでカタストロフ目指しているような感じと申しますか、次週分はいっそう怖そうですな。
●華衛士ジサリス(第12話/最終回:かなしき勇き)
最終回まで観てみたわけですが、提示されたいろいろがほとんど閉じずでした。どうやら序章というよりは、世界観紹介(それも導入まで)と主要キャラクター顔見世といったものだったらしい。
一応、全体の筋立ては最終回で明らかにはされまして、ヒロイン:アユカが親友を失った悔いで、アユカの世界を構成する感情(レブシール)が他の世界に飛び去り、回収しないとアユカの世界が崩壊するということだったらしい。
最後の感情が「悲しみ」でして、それがアユカが(何度も殺されたのに)持つようになったジサリスへの好意を失う、即ちアユカの手でジサリスを殺害することでしたか。
一応、そう解釈してみたんですが釈然としませんな。なんでそうなってるのとか、全く分かりません。もっとも、そういう狙いで作ってるんでしょう。最後の最後で謎のヒーロー(なのか悪役なのか)が登場して、これで終わりじゃないと宣言してますしね。
外伝的な小説も制作しているようですんで、この映像作品で描けてない部分をいろいろ補完しておいて、続編を作るということかな。この最終回の終わり方に呆れたとかは全くなくて、むしろ「きちんと話を進める作品を見せて欲しい」という気がしてますんで、次があれば視聴しようと思っています。そうなったら、この序章的な12話も再評価できるかも。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/07/28 (Fri) 00:40:37
今週末から戦隊&ライダー映画が公開されますので、来週にはこちらでも感想を書こうか、と思ってます。
まあ、その後は、例によって高校野球ゆえの変則スケジュールに関西人は見舞われますので、不定期感想になる可能性もありますが、とりあえず、TVの展開と劇場版がどうリンクしているかの話題中心になると思います。
★ギーツ
劇場とのリンクで気になるのは、景和の立ち位置ですね。
劇場版では、おそらく景和が味方として描かれると思いますので、劇場までに景和とギーツの不和を解消する必要がある。
と言うことで、前回の放送で、一応、景和の迷走は(やや、呆気なくも見えつつも)解消かな、と見受けられます。
英寿がツムリの力を譲り受けての神様化を果たしたので、劇場版はその力が制御できずに暴走して(英寿が複数に分裂するそうですし)、神の分体がいろいろ好き勝手しているところに、未来から来た黒ギーツが干渉するので、そいつをみんなで協力して倒す話と思いますね。
で、そいつを倒した後は、TVで出現した黒いツムリが……って話になって、ラスボスかなあ?
それと、「次回の不穏なサブタイトル」ですが、退場するのは、「そのセリフを言われた方(ミッチー)ではなくて、言った方」だと判断しています。
そろそろ、敵キャラの在庫一掃退場セールを始めないと収拾が付かないだろうし、
ミッチと彼女の物語の決着、また景和とカエルの決着など、順次、解決する終盤戦を期待しますね。
祢音については、もうドラマ的に解決していると思いますが、あと、彼女と因縁のある敵は……ダパーン?
何しに出て来たか、よく分からない彼ですけど、英寿の神パワーで浄化されちゃうのか、それとも大智が意外と彼を舎弟にしてしまうとか、意外な見せ場を妄想したり。
でも、本当にギロリさん、出ないなあ。
★キングオージャー
劇場版は、初代シュゴッダムの王にまつわる、ご先祖さまとの因縁の話なので、まあ、TVでもそういう伏線をチラッと張ってましたね。
何となく、お盆絡みで、先祖の魂が帰って来て、どうこうになぞらえて、ギラたちの天国巡りの話になりそうですが、
映画でちょっとした伏線を示しつつ、改めてTV放送で掘り下げそう。尺的にも、戦隊映画はライダーほどありませんし、映画で深めるよりも、夏はお祭りでしょうね。
ただ、年末ごろに夏映画のDVD販促がありますので、TVのその時期の話に絡む内容……というか、TVの方が夏映画のネタを引っ張って来るのかな、と。
ともあれ、キングオージャーは、ギラ国王による新展開で、秋以降の後半戦への切り替わりですので、
今回は総集編。
次回以降は、ギラを中心にまとまりの良くなったチームで、従来どおり悪組織と戦う勧善懲悪的な展開を見せつつ(夏は子ども向き販促期間でもありますし)、
ラクレス復帰による重そうな話は、秋からかなあ、と想像しています。
とりあえず、お城ロボットの秘密を解明するのが8月の話題ですな。
★ファイズ
結花退場から、終盤の怒涛の退場劇がスタートします。
前作(龍騎)の終わり方がありますので、本作も終盤で誰が生き延びるか、の不安が最終回まで重くのし掛かりました。
劇場版を参考にするなら、木場さん、海堂、結花が全滅し、草加も死んで、啓太郎もカイザに変身して死にかける。
ラストは、オルフェノクの正体を表した巧が、王を倒して、新たな王として宣揚されそうになるも、「そういうことには興味ない。どけ、俺の通る道だ」と大勢のオルフェノク群衆を威圧して、処刑されそうになった真理を連れて、人とオルフェノクの区別のない新天地に向かって旅立つ、というエンド。
劇場版は、オルフェノクが人類の数を凌駕し、まるで原作デビルマンのように、人類滅亡必至な中での残された人類のレジスタンスという背景設定です。
もっとも、TV版ではそういう未来には至らずに、人類側がオルフェノクの研究を進めて、対抗手段を練っている中での、オルフェノクの生き残りをかけた最後の足掻きに移っていきますからね。
アギトで見られた「人の力を超えた超人が、化け物として狩られる可能性」の焼き直しでもあるわけですが、
アギトとの違いは、「超人側が先に人を襲う加害者として振る舞っている」「劇場版で、人が淘汰されて滅亡しかけた未来を見せている」という点で、日常回帰と人の可能性に対する楽観視で締めくくったアギトに対して、最後まで重く、主人公すら生死不明のまま、夢に想いを馳せて眠る(視聴者に、その後を想像させる)終わり方なんですね。
みんなが次々と死んでいき、生き残った者は人に隠れるように、それぞれの生活に戻り、主人公は……どうなったのか?
決着がついたのか、ついていないのか、宿題を残したまま終わった形。
電王以降ですと、番組終了後の続編とかで、主人公が死ぬはずがないとか、死んでも復活するとか、後輩ライダーとの共演劇が描かれるのが定番ですが、
それ以前は、番組が終われば、続編には続かない。クウガも、アギトも、龍騎も、ファイズも、番組の最終回以降は引きずらない時代でした。
ディケイドで初めて、平成1期のライダーそれぞれが再登場して、以降は昭和の先輩たちみたいに「帰って来るのが当たり前」に変わって行ったわけですね。
で、ファイズ(乾巧)のその後は、鎧武放送中の映画『昭和ライダーVS平成ライダー』で再登場して健在ぶりを示すものの、翌年ドライブ放送中の映画『仮面ライダー3号』のスピンオフ『仮面ライダー4号』で、今度は「すでに死んでいたんだけど、ショッカーの歴史改変マシンの作用で復活して、でも……」というパラレル展開になり、
とりあえず、生きているのか死んでいるのか、作品ごとにまちまちな状態で、ジオウで「TVで乾巧が草加雅人とともに登場」という盛り上がりを見せて(ジオウも歴史改変テーマですが)、
で、来年の新作ファイズ映画でどうなってるのやら、ですね。
そして、ファンの間の不安材料としては、オーズ10周年で作られた映画が、「主人公・火野映司のアンク復活のための旅」の最後を描いた作品という触れ込みだったのですが。
アンクは復活したのはいいけど、肝心の映司が死んで幕、という希望が踏みにじられた号泣映画で、
10周年祭りで、主人公の死を突きつけられるサプライズ映画でした。
こんなサプライズは見たくないので、早く何らかの形でオーズの復活健在に上書きされないかなあ、と思っているのですが、
そんな状況で発表されたファイズ20周年記念映画。果たして、どんな形に転がるのやらって不安と期待がドキドキですね。
最近、乾巧の役者が「この脚本じゃファイズを愛するファンの人が悲しむから、真理の人と抗議して、ストーリーのその部分を納得できるように改変してもらった」という趣旨のことを、インタビューで発表して、サプライズのためならファンの想いを踏みにじる制作体制に一石投じた的な噂(自分はツイッターで知った)が持ち上がったりして、
炎上による宣伝活動なのかな?とか思ったりしながら、ファイズという作品の重さを味わっている最中。
ともあれ、ファイズという作品の終盤は、どんどん重い方向に転がり、最後は海堂が(劇場版と違って)明るく話を盛り上げようと奮闘し、最後の希望となったような感じ。
そのキャラの分かりやすい発展形が、ウィザードのビースト仁藤かな、と。レギュラー陣が暗い方向に進みがちなところに、そのキャラの決断が光をもたらすというか。
劇場版では悲劇的な愛ゆえの死を迎えた彼が、TVでは生き残ってキーマンになるのも当時は???なサプライズで、すぐには咀嚼できなかったり。
まあ、出るたび、何をしでかすか分からない役柄なのが、海堂に限らず、役者の唐橋さんのエキセントリックさと言えますね。
ということで、TVファイズの最終盤を迎えるに当たっての、現在までの経緯と周辺状況と思しきものを総ざらいしてみました。
過去と現在のつながりを楽しんでいただければ、と。
★ジサリス
最終回、まだ見てないです。
バタバタして見るの忘れてたので、次の休みに落ち着いて見るつもり。
まあ、とりあえず、フォビアが明るく良心的に立ち回ってくれているのが、終盤で救いのように感じていますね。
ジサリスも、アユカも、悲劇性を帯びて、話が暗くなってましたから、バランスをとる陽性キャラの存在は、気持ちが暗い方に引っ張られずに済みます。
ではでは、今宵はこれにて。
Re: 7月のスレッド(2023) - K.K
2023/07/31 (Mon) 17:20:32
定期感想その1です。
関西では恒例のニチアサの高校野球による延期ですね。自分は以前は不服言うとりましたが、コロナ禍以降は無事開催ならば良かったと思うようになりました。それでも他地域では通常放映でうらやましいと思うのは変わらずです(^^;。
どう延期するかは朝日放送テレビHPに出てまして、
https://www.asahi.co.jp/koshien/index.html#program
8/6(日)~8/20(日)の3話分はギーツ、キングオージャーとも休止で、23日(水曜)以降に(毎日)放映となりそうです(が、ギーツの最後に出ていた、次回は8/13というのと齟齬するのは気になる)。
まとめて3~4話観て感想かあ。日曜日だけ、朝から雨降らないかなあ(^^;。
●仮面ライダーギーツ(第46話:創世Ⅷ:さよなら、ミッチー)
OPに劇場版のカットを観ていると、それがが何話と何話の間の出来事で、今話にどう影響するか(内容を知っているか否かでのTV本編の見え方、解釈の違いなど)が気になるところです。通例ですと、知らなくてもTV本編を楽しめるが、知っているとより納得が深いものとなるはず。
前話の予告を見て「道長退場か!」と心配したんですが、こちらで「そのセリフを言われた方(ミッチー)ではなくて、言った方」と伺い、それはありそうだなと。今話を観てみますと、まさにその通りでした。ホッとしたらDr.スランプで同趣向のことがあったの思い出しまして、「さようならガッちゃん」の巻ってありました。ガッちゃんが去るのかと思ったら、ガッちゃんと仲良くなったゲストキャラクターがガッちゃんに別れを告げて去るラストでした。
そういう類例のみならず、ライダーシリーズの予告はしばしばミスディレクション使うというのを思い出すべきでしたな。加えて、道長を「ミッチー」と呼ぶのは誰かという点ですね。ベロバだと思い出していれば、切羽詰まっているベロバならと想像もできたはず。もうちょっと思考を働かせる癖をつけねば。
それはさておき今話なんですけども、まさか主人公:英寿が動けなくなるとは。今話を入れても残り4~5話でしょう。ここから主人公がどうするかという期待が盛り上がるタイミングで、ドラマに関われなくなる展開にするとは予想してませんでした。OP映像にちょこっと囚われの英寿の描写がありましたが、この最終盤を暗示していたのかな。
しかし英寿が動けなくなると、他のキャラクターが俄然動き出しまして、それはそれで面白い。よく考えてみますと、分割されていた創世の力を統合したわけですから、英寿が思うままに動けますと、力尽くでも状況を動かせてしまっておかしくない。そうなると、沙羅の件とか(英寿の力と相対的に細々した)他のキャラクターの悩みが、下手すると雑に解決してしまいかねない。
それではせっかく描いて来た葛藤など諸々がもったいないし、観ているこちらのカタルシスや納得が台無しになりかねませんから、英寿の動きをドラマ的に止めるのは大事なんでしょうね。
ともかく本編。ツムリの力を受け取った英寿が世界を作り替え、景和が改変する前に戻したわけですが、英寿の創世の神化が進行し、囚われの状態になってしまうわけですね。今話最後の解説で「創世の力を宿したものはいずれ意思が消滅する」と出て来る現象の初期症状でしょうか。意思の消失の前に行動不能になるらしい。半女神化したツムリですとジットが拘束していたようですが(だから解放もできる)、女神化が進めばいずれ自動的に動けなくなったんでしょうな。
それでも沙羅の蘇生の望みが出て来まして、前話ラストで己が闇の底に辿り着いて英寿に助けを求めた景和は迷いを脱し、沙羅(と景和)に罪の意識がある道長は俄然やる気を出すと。が、ジットも手をこまねいてはおらず、前に半女神のツムリが流した涙を使い、新ナビゲーターにして破壊の女神のツムリを創造するわけか。便宜上、黒ツムリと呼んでおくことにします。
新たに未来から招かれたオーディエンスはもとより、プレミアムのベロバ&ケケラも自分たちが見たいものを諦めるわけがない。沙羅(含む多数の犠牲者)復活の肝である「知恵の樹」を先手を打って大智から強奪、「バッドエンドゲーム」の要となるジャマトの誕生を狙うわけですね。
そのためには「知恵の樹」を扱える大智は邪魔者ということで消されそうになりますが、沙羅を救いたい道長/バッファ&祢音/ナーゴが介入、大智だけはかろうじて救う。このバトルシーンでナーゴをすり抜けるようにしてバッファの一撃がヒットするわけですが、これを自然に見せるために前話でナーゴが壁をすり抜けるカットを見せてくれたようですね(ダパーンとのバトル)。
いったん撤退した道長らですが、知恵の樹を奪還しないことにはどうしようもない。再びの出撃となりますが、道長は一人でベロバに挑む覚悟。ベロバらもこれに応じまして、ケケラは決闘を見守りはしても手を出さないつもりらしい。もっとも、ベロバが必勝を期す戦術が巨大ライダーベロバですんで(序盤で見たのにすっかり忘れてました ^^;)、等身大のケケラは手を出しにくいのかもしれない。
ともかくもデカいだけあってライダーベロバが優勢に戦いを進めるわけですが、バッファ/道長が起死回生の一手があったみたいですね。「全てのライダーをぶっ潰す」力は健在だったんですか。ただし(景和が世界を作り替える前でも)強化されたタイクーンに敗れるなどしまして、完全なものではないらしい。だからキックの撃ち合いという、確実に必殺の一撃を叩きこめるチャンスをバッファ/道長は狙ってたんでしょうな。
奥の手を出した道長、勝ちはしましたがダメージはデカかったらしい。その場で崩れ落ちまして、ケケラが暗黙の紳士協定(?)破って襲い掛かろうとする。そこへ待ってましたの景和ですね。割って入ってケケラを止め、まだ沙羅救出できてませんが、道長と和解。ちょっとサクサク行き過ぎのような気もしますが、英寿が動けないことで2人が腹括ってるということが作用してるんでしょう。
さらに景和、ケケラに振り返っての啖呵ですね。景和/タイクーンをここまで育てたのにと、飼い犬に手を噛まれた気分らしいケケラは捨て台詞で去る。ケケラがその場で始末に動かなかったのは、納得いく葬り方をしたいからなのか、タイクーンを強化しすぎてうかつに手を出せなくなっているからなのか。
(ケケラが景和を「悲しき涙を仮面で隠す戦士」と規定しようとしたことを、景和がきっぱり「妄想」と否定しまして、どうやら景和/タイクーンはクウガ的なライダーではないらしい。それにしてもあの断言っぷりからしますと、景和は善悪どちらにもブレて一周して、己が本性を悟ったのかしらん。)
ともかくも知恵の樹を奪還、大智も仕方ないという風でジャマトから人間を取り戻す薬を差し出しまして、沙羅生還。そんな薬を用意していたということは、もしかすると大智は全人類の記憶に納得したら、みんな元に戻すつもりだったのかしらん。
(妄想を逞しくしてみると、全人類を知恵の樹に宿してしまうと世界を維持することができませんから、大智とて飢えて死ぬかもしれない。なので気長に、知恵の樹に少しずつ人間を宿しては元に戻すのを繰り返すつもりだったのかもしれない。)
英寿を欠いた仲間が奮戦してここまでこぎつけた格好ですが、もしかすると英寿が願うことでサポートしていたかもしれないですね。ラストでは英寿の拘束が強まり、創世の神化が進行した模様。「創世の力を宿したものはいずれ意思が消滅する」とのことですんで、そこに近づいていることは間違いなさそう。
次回「創世Ⅸ:ホンモノの仮面ライダー」では英寿あ神化が進行して動けず、今話で恨みを抱いたケケラが黒ツムリを利用して景和に迫る展開になるみたいですね。タイトルからしますと、景和がどんなライダーであるかが大事になって来るように思えます。
●王様戦隊キングオージャー(第22話:シュゴッド大集合)
一撃将軍ダイゴーグ巨大化&強化のためシュゴッドがソウルを奪われ、絶体絶命のピンチ。ギラがクワゴンに語り掛けて『大丈夫』と返されるのはいいんですが、「クワゴン、ソウルないの? なんで?」は、観ていて「え?」となりました。
ウィキペディアを読み直してみると、クワゴンにソウルが無い旨の記述がありました。さらに「他のシュゴッドと異なり、2,000年の間、シュゴッダムの広場に安置」となっており、覚醒も他のシュゴッドとは違う経緯だと第1話で描かれたとのこと。すっかり忘れておりましたorz。まだなんか秘密があるみたいですね、クワゴン。
それにしても、5王国対立の主要原因であったラクレスが退場してみると、敵味方の対立構図が分かりやすくなり、ある意味、王道のような展開なってきた気がします。とはいえ、今度は敵側が何やら不穏。宰相カメジムですね。ボシマールを殺害して化けていたのはデズナラク8世にも内緒であったらしい。デズナラク8世が疑うと、カメジムは「敵を欺くには味方から」と言ってますが、どうも黒幕っぽい雰囲気が。
そうなのかどうかは今話でははっきりせず、ともかくも巨大ダイゴーグが目前の危機ですね。キングオージャーで迎え撃たんとするも、ダイゴーグがデカすぎる感じ。ヤンマはデカいだけに隙だらけだとして強攻を主張するも、ギラはシュゴッドたちの怯えを感じ取り、いったん退こうとする。結局、ダイゴーグの一撃で吹っ飛ばされる。
これでは敵わずと城に撤退ですが、カグラギは以前からスズメと図らって内偵を進めていたわけですね。コーカサスカブト城が巨大ロボットであり、王家の者が槍(オージャランス)を使えば起動することまでは把握していたらしい。それをみんなの前で情報開示するに、またスズメとカグラギが一芝居なわけですが、もはや何か隠そうという気がないほど見え見えですな(^^;。しかし言う通りやってみるんですが、城は起動せず。
一方、バグナラク側は巨大ダイゴーグ完成のため、ソウルを奪うべくシュゴッドハンター:イラガジームを派遣。城の守備についていた残存シュゴッドのソウルはまだ奪えてないようですが、沈黙&無力化には成功したらしい。これでオージャー戦士の変身も解けてしまう。ヤンマのシュゴッド機械論に疑義が生じてしまうわけですね。
それでなのか、ギラとヤンマが揉めちゃう。ヤンマはシュゴッドは機械だと言い、ソウル奪われても代用品作れると言う。ギラは各シュゴッドが唯一無二だと言い、ソウルを奪われるのは死ぬことだと言う。
それを聞いたヤンマが、それなら人間の命はどうすると迫り、さすがにギラもグッと詰まると。不幸中の幸いと申しますか、事態を先読みしたジェラミーが既に市民は撤退させておりまして、とりあえずヤンマの危惧はいったん回避。
どうやらギラとヤンマの論争は双方が半ば正しい、あるいはコインの裏表のようなものみたいですね。視点の違いとも言えましょうか。ギラはシュゴッドたちの反応を感じ取れるだけに、生きているもののように感じる。シュゴッドを起動させた経験があり、仕組みから考えるヤンマはAIの反応(哲学的ゾンビが近いかも)だと理解している。
ここは仮面ライダーゼロワンのシンギュラリティ(特異点)、つまりAIの自我獲得を思い出すものがありまして、その自我ってどう解釈するのということですね。ギラは人間のようだからもともと人間であると解釈し、ヤンマは自我があるような反応をするなら、自我があると考えてよいと思ったらしい。
そこでヤンマはヤンマの視点で各シュゴッドに「自分で考えて動け」と命じる。どう動けばいいかは、(自我を与えるきっかけとなった)ギラと一緒に戦ったデータで判断しろと。ここはヤンマが己を曲げずに、しかしギラとぴったり息があった瞬間でして、自分的には燃えるポイントです。
ともかくも反撃に移る上げ潮展開でして、動き出した各シュゴッドが伝説の配置に。これを見たギラが槍を使って城を巨大ロボットとして起動、と思ったらまた途中で動かない。まだ何か足りないんですか。次回「シュゴッダムの動く城」は城を動かすエピソードになるみたいですね。予告に聞こえる台詞「修復は不可能だ」からすると、まだまだ相当に苦労しそう。
Re: 7月のスレッド(2023) - Shiny NOVA
2023/08/01 (Tue) 00:32:53
7月最後の書き込みです。
お題は、ジサリス最終話感想と、戦隊&ライダーの夏映画観想。
★ジサリス
ジサリスを殺すことで、彼への縁と想いを断ち切り、アユカの物語(散らばった感情の修復)が終了した形ですね。
ジサリスは、アユカの記憶から消えて、アユカは失った親友を取り戻して日常に帰っていく。
アユカ視点だと、ハッピーエンドです。後の作品では、アユカがいなくても、と言うか、いない方が話が膨らみそうですね。
ジサリスは再生して、アユカの日常に姿をチラ見せしますが、アユカはそれが誰か分からない。
そして、ジサリスはまた自分の罪(それが何かはまだ匂わすだけ)を償うための旅を続けることになる。
一応、ジサリスの罪は「世界の破壊」に関するもののようですが、アユカの世界がジサリスの本来の世界でもなかったようですし。
もしかすると、アユカの世界にジサリスが最初、立ち寄った際に、アユカの親友の自殺につながるような失態をしでかしたことも罪の一つなのかな。
アユカの感情の飛散が、彼女の世界の崩壊につながるってことは、いわゆるセカイ系の話ですが、彼女自身がそういう特殊な立ち位置(特異点、あるいは無意識の女神)に相当して、
ジサリスという「世界の破壊者(元凶)」を破壊することで、世界が再生するという仕組みになっているのは、理屈では分かるのですが、最終回でいきなり語られても、2人の関係性にこれまでの積み重ねがない分、唐突感が否めません。
アユカとジサリスの関係性を以降も掘り下げるのか、あるいはジサリスの贖罪の旅(?)は、また別のキャラを巻き込んで、掘り下げて行くのか。
ジサリスの物語にとって、アユカが必要不可欠なピースなのか、それとも代用可能なのか、で物語世界の広がりが決まって来るか、と思います。
アユカ=特異点、ジサリスもまた別の特異点で、両方が近づくと、世界が崩壊するのかも知れませんし。
何にせよ、アユカの物語が終了(元どおりに修復)したことで、今回のお話は終わり。
で、次はアユカとは違う別のキャラ(例えば最後に出て来た女戦士)との因縁を基軸に、別の物語が紡がれるのかもしれません。
自分自身は、アユカというキャラに、物語を動かす魅力を感じなかったので(ひたすら受け身のまま、流されるだけだったので)、記憶を取り戻すことで何らかの覚醒進化を遂げることもなく、日常回帰がゴールで、これでお役目終了でもいいか、と思ってます。
まあ、女戦士がまた、記憶を取り戻したアユカから分裂した暗黒面でした、という話に展開しても、それはそれで面白く感じるのでしょうけどね。
とりあえず、最終話感想としては、こんなところ。
★キングオージャー
鑑賞前は、しょせんライダーの前座ですし、お祭り騒ぎな映画だと思ってました。
でも、甘かった。
非常に濃密でシリアスなお話で、ギーツの方がお祭り騒ぎの陽性映画だったという。
まず、今回の映画で明かされた真実で、ラクレスの行動の背景も説明できそうですし、ギラの邪悪の王宣言にも新たな箔がついて、さらに今後のTVの大筋にも思いきり影響しそうな内容でした。
その重要な秘密は一つ、「この世界は破滅が予定されている。だから、シュゴッダム国王は力を備えて、弱者を切り捨ててでも、世界の存続のために強者でなければならない」と初代国王がギラに語ったことです。
まあ、初代国王にそんなことを言われたら、ラクレスが覇権主義に走っても納得だわな。
で、今回、ギラがラクレスを倒して、新たなシュゴッダム国王の戴冠式が行われる流れですが(ちょうどTVの放送とリンクしている)、
その際に、冥界ハーカバーカの門が開かれ、ギラおよび他の4王が死の世界に引きずり込まれる(引きずり込まれなかったジェラミーはこっそりヤンマの服に蜘蛛の糸を結んで、脱出の契機になる)。
そして、ギラが初代国王ライニオールと対面している間に、他の面々はそれぞれ死と向かい合うことに。
ヒメノは亡くなった両親と再会し、両親はヒメノに「ここで一緒に暮らそう」と優しい声をかけるのですが、ヒメノも情に絆されたかに見せて、シーンが切り替わった後は一転、「わたくしのお父さまとお母さまがわたくしに死ぬようにおっしゃるはずがありませんわ。地上にはまだ見ていない美しいものがいっぱいあるので、それを見届けるまではお別れです。でも、またいずれ、この地でお会いしましょう」と優雅に辞去するわけで、両親の幻か、本当の魂かはヒメノを見送るように消失。
リタは、意外な一面(死者の霊が怖い)を見せて、TVでは見せない顔を披露(可愛い)。
曰く、「私が有罪にした死者は全員、私を恨んでいるはずだ」と言いながら、ガタガタ震え、「そうだ。この霊がみんな、もっふんだと思えば、怖くないはず」と呟きながらも、「やっぱり無理〜」と。
でも、モルフォーニャの幻(ジェラミーに連れられた本体かも)に「目を背けないで、死者の声を聞いて」と説得されて、勇気を出して向き合えば、「リタに感謝する声」が。モルフォーニャ曰く、「どうやら、あなたの公正な裁きに感謝している霊もいっぱいいるみたいですね」と言うことで、リタも自分に自信を取り戻す。
カグラギは、自分が下剋上で殺害した前王の霊とやり合うことに。「お前も黒くなったな。私を殺して得た力は美味いか?」と問われて、「全ては民のため。民の食料を奪った先代さまの自業自得でありましょう」と応じる。
「民はいずれそなたを裏切り、そなたも私と同じ道を歩むであろう」と言われて、「さあ、どうでしょうかな。その時は、私もまたあなたと同じく、民に追われるかもしれませぬが、国は民が作るもの。民に裏切られるなら、私に徳がなかったのでありましょう。疑心暗鬼に駆られ、私自ら民を裏切ることだけは、避けたいと思うものです」という感じでやり合って、彼なりの国家観(ある意味、ギラにも通ず)を披露します。
ヤンマだけは、そういうドラマがなくて、ただハーカバーカから地上に脱出するためのシステム構築に頑張ってました。どんな場所でも、テクノロジーの力で解決できないことはない、という信念で、冥府の門をノートパソコンで解析して開こうとする総長、凄いなあ。
で、それを支援するのが、ジェラミーの蜘蛛の糸。曰く、「古来より、蜘蛛の糸はこの世とあの世をつなぐもの」ということで、ヤンマとジェラミーの協力で冥府の幻術や転移システムを解析成功。
おかげで、後でチーム合流が可能になった、と。
そしてメインイベントのギラ。
彼と、ゲストヒロインの、声優・佐倉綾音演じるデボニカとの交流も大きい。
デボニカはギラの養護園時代の昔馴染みのお姉さんでしたが、その家系は初代国王の代から仕える巫女の一族。そして、当代の巫女が自らの魂を犠牲にすることで、初代国王の魂が地上に復活して、破滅に瀕した世界を救うことができるらしい。
巫女の使命を果たすために、自らを犠牲にしようとするデボニカと、それを止めようとするギラ。
初代国王ライニオールは、自分が地上に降臨することが世界を破滅から救う手段。優しすぎるギラでは、世界を救うことはできない、と諭します。
だけど、ギラは「絶対にデボニカを犠牲にはさせない」と言い張り、初代国王は「そんな甘い覚悟で世界の危機は救えない。お前にシュゴッダムの王の役目を果たすことはできない。やはり、私の力が必要なのだ。全戦無敗の我が力を見よ」と対決する流れに。
ここでギラのセリフが聴きどころで、「古の英雄だか何だか知らんが、昔はさぞかし楽な時代だったんだろうな。弱い者を切り捨て、強い者だけが暴れているだけで世界を救えたんだから。今の時代をあんたは甘いと言うが、この戦乱の時代はあんたが思う以上に地獄そのものよ。地獄だからこそ、強者も弱者もない。全ての力を結集させなければ世界を救えない。それを、弱者を切り捨てることを是とし、己が力だけで救えると驕り高ぶっているあんたに世界は守れない。弱き者こそ何としても守り、世界の全てを支配する王に我はなりたい。英雄をひねり潰し、世界に破滅をもたらし、そして、それすら乗り越える邪悪の王ギラ・ハスティー、それが我が名だ」
「小賢しいことを言う。だが、しょせんはガキの戯言よ。デボニカ、我に冠を」とライニオールは、自分に忠誠を誓っていた巫女に強化アイテムを求めますが、彼女はギラの「犠牲を誰も出したくない」という想いに諭され、ギラにオージャクラウンを投げ渡します。
キングクワガタオージャーに王鎧武装し、初代のクワガタオージャー(亡者バージョン)に武装したライニオールと死闘を繰り広げるギラですが、やはり実力では勝ち目がありません。
「どんなに綺麗事をほざこうが、やはり力が伴わないようでは口だけの小童よ。貴様に王の資格はない」
「そうかな?」ギラのピンチに悠々と歩んでくるヤンマたち。「冥府の仕掛け、しっかり解析させてもらったぜ。手の込んだまやかしだったがな」
「死んだ者の幻を利用して、罠にハメるなんて、初代シュゴッダム国王はずいぶんセコい真似をしますのね。美しくありませんわ」byヒメノ。
「しかし、この私を謀るには、やり方がいささか時代遅れでしたな」byカグラギ。
「国王を騙した罪で死刑。……いや、すでに死んでいるか」byリタ。
「物語は死者ではなく、生者が紡ぐもの。王の資格は、当代を生きる者が決めるもの。ここにいる者は、ギラを国王に認めるものばかり」byジェラミー。
「よう、スカポンタヌキ。まだ戦えるよな」byヤンマ。
「もちろんだ。ここに集いし我らこそは、王様戦隊キングオージャー!」byギラ。
「ほう、6人揃ったか。懐かしいな。その力、確かめてやる!」
こうして、初代国王が6人の戦士と戦い(ここで主題歌が流れるクライマックス)、そして彼らの力を見極めて満足するかのように敗れます。
ギラの覚悟を見定めるかのように挑発し、そして「世界の運命は頼んだぞ」と言うかのように消失する古の英雄。
こうして、ギラの国王就任の試練は果たされ、生還した一行および巫女の使命から解放されたデボニカの平和な一幕で劇場版は終了。
でも、帰ってきたTVでは、シュゴッダムがピンチのまま、王様および国民全員の力を結集させたコーカサスカブト城の起動による奇跡が待ち望まれているようですな。
世界の破滅は果たして、どのような形で展開されるのか。
秋以降の過酷な戦いを予感しつつ、非常に重厚な内容の映画だった、とさ。
PS.思ったよりも長くなったので、ギーツ映画はまた次回の書き込みにて。