創作と鑑賞の談話室

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9月のスレッド(2023) - K.K

2023/09/01 (Fri) 00:01:16

 9月の雑談スレッドです。

Re: 9月のスレッド(2023) - K.K

2023/09/05 (Tue) 16:21:00

 定期感想です。

 東映公式Youtube戦隊ものとしては「超力戦隊オーレンジャー」始まりまして、第1話でちょっとびっくりしました。のっけから航空攻撃機出てきて敵と交戦したりしまして、そこから戦隊もののパターンにどう持っていくんだろうと。第2話で敵が月に撤退したようですから、以降はゲスト敵が派遣されるパターンになるのかしらん。

 シンケンジャーのほうですが、何を先に観たかが影響デカいなと実感しております。「POWER RANGER SAMURAI」ですね。いったん変身しますとシンケンジャーもSAMURAIも同じ姿で、自分はSAMURAIを既に14話も見てます。そのため変身が解けると「あれ? そうか、自分はシンケンジャーを見ているんだ」みたいな感覚が生じがちでして(^^;。まあ、そのうち慣れて常に見分けがちゃんとつくでしょう。

●仮面ライダーガッチャード(第1話:ガッチャ!ホッパー1!)

 いよいよ始まりましたが、やはり第1話ですから世界観や敵味方主要キャラクターの紹介に重きを置いている感じですね。とりあえずこんな感じですというのを、目を引くイベントを立て続けに起こして見せてくれているようです。

 ライダーものとしてのこの世ならざるイベントを引き起こすものが「錬金術」ということのようですね。魔法と比べると地に足の着いたオカルト(?)といえそうで、そのお陰で化学が成立したわけですな。錬金術の失敗が化学の成功の母といったところか。

 しかしガッチャード世界では錬金術が成功した世界のようで、その背後(?)には魔法と見分けのつかない神秘がある、みたいな設定のようです。魔法生物っぽいのがいますし、それが世に解き放たれての騒動になるようですから。

 東映公式Youtubeでは設定が似ているといえるウィザード放映中でして、指輪とかマント/ケープとかガッチャードと似ている点がいくつもありますね。ウィザードでは指輪ごとの効果がありましたが、ガッチャードではどの指にはめるかで何の効果が発動するかが変わるみたい。ケープについてはジオウのツクヨミを思い出すものもあります。ツクヨミは終盤に特殊なポジションだったと明かされまして、「不思議」分類であったとはいえそう。

(ケミーの1つが列車でして、そこは電王類似かもしれないですが、自分は未見ですんで自信なし。戦隊ものだとトッキュウジャーがありますが、ちょっと別物かなという気がします。まあガッチャードでは101あるケミーの1つでしかないですし、類似とか考えるなくていいかも。)

 ガッチャード側は錬金術で中世西洋的でありますが、敵は古代エジプトのようないでたちですね。系統が違う錬金術組織ということかしらん。女性3人組でして、姉妹設定らしい。最も幼く見えるアトロポスが長女ということで不思議さの趣向としては面白い。もっとも役者さんの実年齢を考えると演技的には不安あるかも。

 類例だとアバレンジャーの黎明の使徒リジェを思い出します。リジェの場合ですと周りの大人キャラクターが大きく動き、リジェ自身が動くドラマに差し掛かると大人化してリジュエルになってました。そのため納得して観ていた覚えがあります。

 牙狼初作ですと番犬所の三神官(ケイル・ベル・ローズ)ですね。こちらはブランコに乗る子供の姿時点で声は大人の声優が演じてましたな。不気味さが必要でしたから、子役本人では可愛らしすぎるということなんでしょうか。そしてブランコから降りて動き出すと3人合体で大人キャラクターに。

 ガッチャードでは最も幼い役者さんを敵三姉妹の長女ポジションに置いたのは、司令役だからかな。次女のクロトーは今話で立ち回りがなかなか見事でしたが、調べてみると演じる宮原華音さんは格闘家(空手、柔道)でもあるとのこと。なるほどと思いますし、今後も生身アクションに期待できそうです。

 主人公:一ノ瀬宝太郎は第1話以前は平和に暮らしていた、巻き込まれ型の主人公ライダーということですか。ただし、九堂風雅は「探せ、運命に導かれし者を」で見つけ出した宝太郎にドライバー託してますんで、出自か何かに因縁がある可能性もありそうです。風雅の娘にしてヒロインのクラスメイトりんなや、担任教師のミナトも味方側(?)錬金術組織所属というのも偶然ではないかもしれない。

 どもかくも本編では、正義と思しき側が守る何かが解き放たれてしまい、悪と思しき側が何か狙ってきて、主人公がライダーの力を託され、前哨戦となって一応は撃退、といったところですね。何が起こっているか、何が争奪ポイントで勝利条件は何かといった、具体的なことは次話以降で分かるんでしょう。

 ちょっとだけ気になるのは、ラストでバトルの写真が消去され、撮影した宝太郎のクラスメイト加治木涼の記憶も消されたこと。それで一応は秘密が守れそうではあるんですが、現代では防犯・監視カメラがあちこちあるわけで。犯罪捜査でも容疑者がいつどこを通ったとかで使われてます。ガッチャード世界ではどういう設定なのか、多少気になるところです。

 次回「追跡、錬金、スケボーズ!」では主人公:宝太郎が「錬金アカデミー」の入学試験を受けるらしい。ギルドみたいな徒弟制度じゃなくて学校があるんですか。ガッチャードにおける錬金術がどういうものか、学校であるならかなり明かしてくれそう。

●王様戦隊キングオージャー(第27話:宇蟲王の到来)

 こちらは仕切り直ししての後半突入ですね。冒頭、ギラとジェラミー以外が不在で何だろうと思いました。ギラは「あんなことしたんだから仕方ない」と言う。救世の英雄たちがどんな大ごとを思ったら、ラストで明かされてましたな。ちょっと笑えるが納得できるものでして、メモっておこう(^^;。

・ヤンマ:ウルトラPC「天上天下唯我独尊」開発のため全世界の電力を独占した罪
・ヒメノ:1000メガトン(1ギガトン)級の花火を打ち上げ各国に飛び火
・カグラギ:埋め込み型耕し機「ありぢごく」が対人用とみなされ捕縛
・リタ:強制的な休息のため自ら服役

 いずれも平和到来で暇を持て余したらしでかしそうなことばかりですな(^^;。2年後に2年間服役と言ってましたから、前話の勝利直後にはもう緩んでやらかしたらしい。もっとも、後半で描かれた通り、いつでも出て来る力があるわけで、服役=平和と分かる仕掛けですね。

 何とか2年間の平和を保ち、たぶんジェラミーの努力(バグナラクと人間の相互理解)も少しは実を結んだだろうと思えますが、絶望的なまでに強力な敵の襲来。宇蟲王ダグデド・ドゥジャルダンですね。このダグデドが語る内容で、前半の争いの原因が説明され、黒幕のカメジムはダグデド配下に過ぎなかったと分かる。15年前(もう17年前か)に起こったとされる「神の怒り」類似現象もいともたやすく起こせるらしい。

 なんだかデズナラク8世への感情移入と感動をぶち壊されたような気分がしないでもない。その反面、デズナラクの武人的な正義・善が感じられるようにもなりました。デズナラク8世は少なくとも全身全霊でありました。

 それに引き換え、宇蟲王ダグデドは圧倒的な力を持ちながら、宇宙中の知的生命体を相争わせての滅亡を楽しむという、極めて悪質な愉快犯でありますから。

 今話を観る限り、カメジム含む配下の5人(五道化)とオージャー戦士は渡り合えるようですが、ダグデドに対してはギラ・ジェラミー2人がかりの全力でも傷一つ負わせられない模様。ダグデド、宇宙が狭いと言うだけのことはあるということか。

 最強最悪のラスボスといったところですが、しかし配下のはずのカメジムの動きがまたもやどうも怪しいようですね。カメジムはデズナラク8世の配下としてはちょっと怪しい行動、言動を見せていました。ダグデドに対してもちょっとおかしい行動があり、バグナラクを滅ぼさなかったことですね。

 その点をダグデドが問い詰めようとしていましたが、ギラが来たことでカメジムはダグデドの注意をそちらを逸らす。以前同様、何か手慣れた感じがあります。カメジムはもしかして、ラスボスではないけど真の黒幕だったりするのかな。

 ともかく彼我の力の差は絶望的なようですが、そう感じないのは依然として「邪悪の王」と嘯くギラ、その様子に納得するジェラミーのお蔭かも。いざとなれば駆けつけて結束を示す他の王/オージャー戦士もですね。これだけの力を見せつけられてもなお諦めない。とはいえ、具体的な勝算はまだサッパリではあります。ただ、宇蟲王ダグデドも気がせいてはいないようなのが幸いか。


 次回「シャッフル・キングス!」では、恒例(?)の入れ替わり劇みたいですね。敵幹部(五道化)のうちゴーマがメイン敵となるようで、しばらくは敵紹介を兼ねた1話完結でいくんでしょう。

Re: 9月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/09/07 (Thu) 00:47:29

 心機一転な感じの定例感想です。

★YouTube配信

 カクレンジャーが終わって、オーレンジャーですね。
 ええと、キングオージャーが始まる前に、オーレンジャーが一時期話題に上がっておりました。
 何しろ、オーレンジャーは文字どおり「王連者」と、サッカーの当時の応援ワードのオーレを掛けたネーミングで、さらに6人めの戦士がキングレンジャーという名前。

 作品としては戦隊25周年という節目の年に、恐竜、中国拳法、忍者という(現在は定番の)ファンタジー戦隊が3年続いた後で、王道の軍隊VS宇宙からのロボット侵略者という構図でシリアスに盛り上がろうとした。
 長官役として、戦隊OBの宮内洋を迎え、敵ボスの声優に初期戦隊のナレーションをずっと務めていた大平透氏を投入。さらに、敵のプリンスにして後半に成長してラスボスとなるブルドントに、当時は新進気鋭の(今では大ベテランの)関智一氏も参加して、非常に豪華なキャストだなあ、と思います。

 ただ、シリアスに行こうかと思った時に、1995年という年号ですから分かるように、こっちでは阪神淡路大震災、関東では地下鉄サリン事件で世情が暗くなり、重い雰囲気を払拭するように路線変更して、良く言えば非常にヴァリエーション豊かな内容に展開していった。

 まあ、25周年記念作だから、ハードなSF面と、コミカルさと、ファンタジー要素と、いろいろ混ぜて、さらにロボも盛り沢山で、派手なお祭り作品として結実していった、と。
 もっとも当時はシリアスハードなSFが特撮ファンの間では高評価されている時期だったので、オーレンジャーは初期の期待があっさり覆って、結局、子供騙しかよ、と叩かれる原因にもなったのですが。
 自分的な評価としては、これこそTHE戦隊で大好きでしたが、オーレ好きを表明する人間は身の回りにいなかった感。

 やはり、急な路線変更で脱落した人も多かったのかな。
 でも、1年間ずっとシリアスは見ていてキツいので、中盤で緩むのはありだと思いつつ。

★ガッチャード

 1話としては、可もなく不可もなく、特筆することはなし。
 無難に、サプライズもなく、これまで見てきたライダーのいろいろ要素を混ぜこぜした焼き直し感ですね。安心して見てられるけど、これは凄いとビックリはしない作品。

 本当に、どこかで見た的な話で、まあ、令和5作品めだから集大成的な王道で始めたのでしょう、と。

 ただ一つ、おおって感じたのは、第1話がいきなり女性怪人という点。
 過去作で、いきなり女性怪人って、ライダーでも戦隊でもあったかな。牙狼ならあったけど。

 あと、令和で、ライダーが単体で始まったのも、今回が初?
 ゼロワンは最初の時点でバルカンとバルキリーが発表済みだし、
 セイバーも複数ライダーを売りにしていたな。
 リバイスは最初からリバイとバイスのバディ物だし、
 ギーツも最初からいっぱい競い合ってた。

 まあ、101種類のカードを使っていかないといけないから、複数ライダーは大前提でしょうけど(一人じゃ全部使いきれん)。
 当面は主人公が怪人化したケミーを倒しながらカード集めして、徐々に使える能力を増やしていき、そのうち横からカードをかっさらうライバルが出て来て、三つ巴のカード争奪戦が展開し、
 ヒロインの子が行方不明の父親との絡みで、心が曇って、力を欲するようになって迷走したり、それを克服して良きライダー仲間になったり、
 とりあえずはそんな展開なんだろうなあ、と。

 ともあれ、ヒロインは変身しなくても、錬金術でサポート程度ならこなせるわけで、戦闘力という意味ではツクヨミ程度か。
 初期の祢音ちゃんや景和よりは、有能に働けそう。

 あとは、仮面ライダー部みたいに学園メインか、それとも活動範囲はもっと広いのか。
 主人公の家の食堂がみんなの溜まり場になるのか、それとも学園内の秘密の部室の方が溜まり場なのか。
 それと主人公の母親の元学生刑事がどのタイミングで主人公のヒーロー活動を知るのかを気にしつつ。

★キングオージャー

 ギラが国王として立派になったかどうかを気にしながら見てみたら、ギラ以外が国王としてダメさを露呈して笑った。

 何で、一番心配されていた新国王が一番上手くやっていたのか。
 まあ、これでギラが名実共にメンバーの中心、リーダーとしての威厳を勝ち得たと思おう。

 一番ガーンと来たのは、ジェラミーのバグナラク国があっさり滅びたことですね。
 劇中では2年経っていますが、放送ペースだと、前話で新王国誕生、今話で滅びたよトホホ、という流れ。

 で、何だかとんでもないスケールの敵が出て来たって感じですが、これまでの力押しの破壊活動主体の怪人よりも、今後は特殊能力面でヴァリエーション豊かな怪人群が出て来そうで、従来の戦隊っぽくなるのかな、とも。

 種族間戦争ではなく、敵が楽しむための侵略活動で、クリスマス決戦期までは、本気じゃないお遊び的なゲームと称したナメた迷惑行為を展開し、まあ、ギーツが終わったので、ゲームという表現がかぶることもないので、少しの間はゲーム感覚、遊び感覚の敵をどう相手どるか、ですな。

 その後、別世界のキングことキョウリュウレッドがやって来て、バトルのスケールが平行次元にまで広がり、その中で宇蟲王に対抗するための力の争奪戦が始まって……ゴッド以上に進化しようと思えば、キングオージャーにどんな枕言葉が付くのかなあ。
 ギャラクシーキングオージャーとか、インフィニティーキングオージャーとか、ユニバーサルキングオージャーとか、とりあえず3つほど並べてみる。

 でも、たぶん20体合体の数を増やすのではなくて、巨大な宇宙戦艦みたいのと超合身して、相手のサイズに追いつくのかな、とか、超次元合体守護神とか、そんな妄想ワードがたぎる今日この頃です。

 今回の敵のスケールは、カーレンジャーの暴走皇帝エグゾスとか、ギャグレベルのイメージが付きますし、
 実はギラたちのチキューのスケールが、我々の地球よりも小さいようにも見えますし、
 じっさい、ンコソパは埼玉ですから(笑)、チキュー全体で関東地方並みの大きさだったりすると、ただの小惑星規模の話だったのかな、とか、
 とりあえず、作品の雰囲気がどう変わるかを見極めつつ。

 ギャグ時空が2ヶ月ほど続いて、11月半ばから本気出す敵とか、そんな話でもいいかな、と。

Re: 9月のスレッド(2023) - K.K

2023/09/12 (Tue) 21:38:02

 定期感想です。

 オーレンジャーは「王」コンセプトを含んでおり、王→キング→キングレンジャーとつながりを持たせられるわけでしたか。言われてみるとなるほどです。こちらで話題に出た覚えがありまして、次作のカーレンジャーと併せたものでしたな。

 カーレンジャーのメインライターが浦沢義雄さんなこともあり、いわば不条理含んだ特異なコミカルさゆえ、戦士もジタバタしがち。そのため先輩のオーレンジャーから叱られる、といったことになると(後輩戦隊のメガレンジャーからは嘆かれるんでしたか)。

 オーレンジャーは軍組織と描かれているのを実際に観てみると、なんだか納得します。もっともカーレンジャーは断片的にいくつかの話を観ただけですんで、もう一度ネット放映してくれたら作風から戦士の有様などを確認したいところです(TV放映順でネット再放映しているようなんで期待できるはず)。

●仮面ライダーガッチャード(第2話:追跡、錬金、スケボーズ!)

 前話の感想を拝読しまして、「安心して見てられるけど、これは凄いとビックリはしない作品」という点、自分ではまだ飲み込めずにおりました。錬金術とかカードシステムとか、設定要素が盛りだくさんでして、それらをどう組み合わせてドラマを進めるんだろうと思った程度で、その先はよく見えず。

 しかしずっとシリーズを劇場版含めて観て来たゆえに自分には見えないものでも分かるものがあるんだろう、とも思っておりました。そしてこの第2話の感想を書く準備で仮面ライダーWEBを読んでみましてビックリです。

 仮面ライダーとは勝つか負けるか生きるか死ぬかの物語だけど「等身大の高校生を主人公に据えた今作ではあえて逸しています」との記載がありました。前作ギーツは世界を救いながらも、限られた仲間以外の世界から忘れら去られるというラストで、ちょっとビルドに似たものありました。

 ある意味、ヒーローが報われないオチ。ガッチャードはそうではないハッピーエンドを見せてくれるのかなと思います。それはともかく、その辺りを第1話の作りから嗅ぎ取れるというのがうらやましい。作風を言い当てられるということより、描写やドラマの奥まで見えている点ですね。そこまで見えると物語も面白く感じられるんだろうなと。

 それはさておき本編ですが、第1話の目を引く事件がどういうことだったのかを説明するのがメインのようですね。ドラマとしては、宝太郎が錬金アカデミー入試試験に取り組もうとしたら、怪人化した強盗の起こす騒動に巻き込まれ、どちらも無事解決するというもの。

 その過程でいろいろ説明があることで、この物語が何をしようとしているかの一端が分かる仕掛けですね。しかし、宝太郎の実家の定食屋のシーンでちょっとした伏線らしきものもありました。家族写真が飾ってあるわけですが、父親の顔部分だけ偶然隠れるカメラ位置になってますね。

 そういう演出するってことは、宝太郎の父親が物語の大事なポジションにいて、かつ正体は今のところ明かせないということのはず。第1話を観ていなければ、例えば「宝太郎の父親はりんねの父親:九堂風雅と同一人物であり、宝太郎とりんねは実は双子で」とか、スターウォーズっぽい設定を自分は妄想したかもしれません(風雅は娘のりんなからケミーを奪って逃げた裏切者と思われているわけだし)。

 しかし第1話で宝太郎は風雅と遭遇しているわけで(今話でも回想あり)。店の家族写真を毎日見ていて、風雅を見ず知らずと宝太郎が思ったんですから父親のわけがない。誰なんでしょうね、宝太郎の父親。視聴者にわざわざ隠す(と気付く)演出をするからには、宝太郎がまだ会ってなくて、しかしもう登場している人物となりそうなんですが、それらしいのがいない。

 それはともかく、ライダーや敵の力の源となる錬金術についても説明がりんなから為されてますね。魔法ではなく科学寄りということですが、この世界には魔法がないんで比較ができず、魔法と見分けはつかない感じです。とりあえずは「不思議な力だが不安定で効果が長続きせず、しかしときどきケミーを生み出す」くらいに理解しておけばいいか。

 そのケミーは単体では中立的な性格のようですが、人間の悪意に惹かれる性質があり、悪意ある者に取りついて人に仇なす怪人マルガムになると。アマルガムをもじった命名なのかな。もしそうならこの先、ミスリルとかオリハルコンとかからもじった名前の何かが出て来るのかも。

 今話ではスケボーのケミーが金のためなら仲間さえ裏切る強盗に取りついて、どういうものか示してくれるわけですね。このケミーは「スケボー」と喋っているようなんですが、どうも自分には「ケボーン」と聞こえてリュウソウジャーを思い出してしまいます。それにしてもスケボーのケミーということは割と最近生み出されたケミーなんでしょうな。
(スケボーの初出は60年代らしく、バックトゥザフューチャーで描かれた通り、キックスケーターからハンドル外して遊び始めたらしい。)
(余談ですが、りんながマンホールのふたを使う攻撃を見せてまして、自分は思わずジオウの釈由美子さん思い出しまして。どうも途中までシリアスかもと勘違いしていたこともあって、余程に強い印象として残っているみたいです(^^;。)

 このスケボーのケミー怪人:スケボーマルガムが高速で走って追いつけないということで、ライダー専用バイク:ゴルドダッシュが登場する仕掛け。ちゃんとバイクがあって安心しました。追いついて撃破となるわけですが、悪意ある人間からライダーキックで切り離してカードに再封印するわけか。前話同様でして、ケミーも人も倒さないというのが、本作の基本なんでしょうね(この辺りも「安心して見てられる」ポイントの1つだったのかな)。

 錬金アカデミー入試のほうは強盗事件とは関係なく、重いオドリッパは痩せ、軽いカマンティスには太ってもらって天秤を釣り合わせて合格。錬金術の流儀ではないらしいですが、採点基準「釣り合わせろ」はクリアしているからというフェアな裁定ですね。もっとも、質量変化・交換は錬金術師でなければできないとのこと。

 となると、アカデミーで学ばないとできないことが試験問題だったという、出題時点でフェアでなかったことになりそうです。他に解く方法あったのかしらん。(あるいは錬金術以外では不可能と思い知るための出題だったか。

 最後に宝太郎を見て「錬金術もどきが仮面ライダーだと。笑えないジョークだ」と呟く謎の人物登場。この男が次回「ブシドー、見つけたり。」で登場する黒鋼スパナらしい。宝太郎の夢「全てのケミーと仲間になって自由に生きる」と対立する考えの持ち主らしいですが、いずれ2号ライダーになるんでしょうな。

●王様戦隊キングオージャー(第28話:シャッフル・キングス!)

 入れ替わり回はコミカルが恒例でして、今話もまた然りですね。ただ、スラップスティックの末に元通りというわけではなく、各王と国民の関係性をじわっと進めてきている点、ちょっと工夫しているなと感心です。

 どう入れ替わりするかと期待していましたら、割と分かりやすい形にしてますね。1人ずつずらすみたいな感じではなく、ヒメノ⇔カグラギ、リタ⇔ヤンマ、ギラ⇔ジェラミーという2人ずつの入れ替わりが3組ですか。

 リタとヤンマが入れ替わったお陰で「リタ様のご尊顔を拝した」という喜びの声がネットにありまして、自分も全く同感であります(^^;。まあ表情はクールときどきキレるのリタのものではなく、ヤンマらしいものではありますな。が、それもまた一興です。

 ギラとジェラミーの入れ替わりでは声がちょっと「あれ?」という感じがしました。見た目ギラのジェラミーの声はギラ本人が喋っているように聞こえます。見た目ジェラミーのギラもまた同じく。ただ、役者さんが入れ替わり相手の声を意識して喋ったかもしれず、ちょっと自信なし。

 ただそれで思ったんですが、ここまでのジェラミーの描写が全面的なものであったのかと思いました。主人公(ギラ)ですと出ずっぱりでありまして、ちょっと誇張しますと毎日の目覚めから就寝まで、全て描かれます。一方、ギラ以外の王などサブキャラクターですと必要な場面に出てきて必要なことをするため、一面的な描かれ方になりがち。

 そのためサブキャラクターは際立った特徴が出たりします。今話の入れ替わりででも口調や仕草で「これはヤンマ」「あれはヒメノ」とか分かるようになってます。しかしギラとジェラミーは同じようには判別しがたい感じ。これはジェラミーもギラ同様、際立った特徴を持ってないからではないかと。

 それに原因があるとすれば、ジェラミーもギラ同様、全て描かれてきたために一面的で目立つ特徴を持たなくなったように思います。ジェラミーの登場初期ですと、語り部として悠然と語り、仕草は鷹揚みたいな特徴があったように思います。しかしジェラミーがしくじるようになり、さらに深い悩みが描かれたため、主人公に匹敵する感じになったのかもしれません。

 その悩みと悪戦苦闘の結果が今話でちょこっと描かれてましたな。入れ替わりあってこそのシーンでして、見た目ギラのジェラミーをギラと思うシュゴッダム国民が慕うところですね。新たな敵「宇蟲五道化」はバグナラク同様、人間からすると異形の者。その敵をシュゴッダム国民は不安がるわけですが、これがジェラミーにはつらいところ。

 しかし国民は見た目ギラのジェラミーをギラと思っての気さくさを見せつつ、ジェラミーが国王となったバグナラクは大丈夫だと満面の笑みを見せてくれる。もう仇敵みたいな感じは消え失せ、何のわだかまりもない。これはジェラミーが2年前に真剣に願い、しかし永遠の時間がかかると覚悟もしたものですね。

 それが2年で実現しました。ジェラミーが頑張ったんでしょうし、ギラの努力も大きいんでしょうね。シーンの最後、見た目ジェラミーのギラに気遣われる、見た目ギラのジェラミーは背中しか映りませんでしたが、たぶん感涙してたんじゃなかろうか。あそこは前半の紆余曲折がここに結実したかと感動でした。

 そこは今話の敵将ゴーマの入れ替え技がむしろ幸いしたところでして、ジェラミーが「互いを知る良い機会じゃないか」と言った通り。しかし残る4人の王については、ギラが「自分の国のことしか考えていない」と言った通りの展開になるわけですね。さすがはギラ、指名手配されて各国をうろうろ苦労しただけのことはあります。

 自分などは、ゴーマ出現するや否や、それまでガタガタゴタゴタしていた各王が瞬時一斉に剣をゴーマに向けたもんですから、「さすがはオージャー戦士、危機に際しては以心伝心の一致協力」とか思ってました。しかし観なおしてみると、その後のバトルはなんだかバラバラなんでした。

 ともかくも各王は入れ替わりを隠して王の務めを果たすわけですが、いかんせん実際は他国。ヒメノとカグラギは自国の利益を図っちゃうわけですね。見た目カグラギのヒメノはトウフ国からイシャバーナ国へ食料無償援助させる。すかさず見た目ヒメノのカグラギはイシャバーナからトウフへ医療援助。

 しかし両国民にとっては恩恵となりまして、互いに隣国の王に敬意と親愛を感じちゃうという思わぬ結果に。さらにこの後、見た目カグラギのヒメノはトウフ国に薬草が豊富にあると知って薬学を伝授することになり、見た目ヒメノのカグラギは農耕を伝えることでイシャバーナに(薬ばかりに頼らない)生活改善指導に一役買う。

 そっちは結果は万々歳ですが、リタ/ゴッカンとヤンマ/ンコソパは少々ややこしいことになってますな。見た目ヤンマのリタはゴッカン基準の法適用でンコソパ国民を次々とゴッカン監獄送りに。しかし見た目リタのヤンマは次々と釈放。この場合、ンコソパ国民はンコソパ王に恨みを抱くようになり、ゴッカン国王には感謝することになりそう。入れ替わりが解けた後、ヤンマは苦労しそうです(^^;。

 ヤンマとリタも対立を深めてしまいますね。ヤンマとしてはリタが自国民を次々罪人扱いしてゴッカン送りにするし、リタとしては裁きを次々キャンセルされる徒労を味わうわけですから。しかし、今話ラストのバトルでそこが幸いしていたと分かるとは、途中では思いも寄りませんでした。

 敵将ゴーマとの決着をつけるバトルでは、変身しても入れ替わったままなのを勿怪の幸いとして、リタとヤンマは互いに相手(しかし自分の体)に攻撃が当たるのを躊躇しない。しまいにゃ2人声を合わせて「コイツにはムカついてるからなあ!」と叫ぶ始末。

 一見すると決定的な決裂のようですが、しかし仲良しになったもんだなあという気がします。以前にもこの2人の衝突はありまして、例えばラクレス国王(当時)の処遇を巡ってのもの。リタはラクレスを法に基づいて拘束する機会を狙っていたものの、ヤンマがブーブークッションで仕返ししたためにご破算。リタは喚いて去り、ヤンマは単に不貞腐れました。

 双方、相当に不満だったはずですが喧嘩しない。喧嘩しない方が仲が良いわけではなく、今話みたいに腹立てて言いたいこと言える方が仲が良いこともあるわけですね。観ていて、「そうか、リタとヤンマは真っ向からぶつかれるくらい距離が縮まったか」と、なんだか嬉しくなりました。

 そういう感動ポイントあるんですが、バトルはどうも分からないところもありまして。最大の「?」はギラの槍(オージャクラウンランス)が突如として竹輪に変わったところですね。しかもそれでそのままゴーマを殴ったら、倒さないと解けないはずの入れ替わりの術が解けてしまう。あれ、なんだったのかなあ。

 ともかくも決着がつきそうになり、オージャー戦士が止めの一撃を入れようとすると、突如として敵将ゴーマとの間に仲間が出現。これはすんでのところで技の発動を止めましたが、仲間は振り返ってオージャー戦士を攻撃。何が起こったか分からない。これがヤンマに対してだけシオカラらが引っ叩きに行ったんなら、ゴッカン送りのことがありますんで分かるんですが、そうではなく仲間全員。

 その理由は次回「王様失格」の予告で分かりまして、次の敵将ヒルビルの仕業らしい。ヒルビルの能力は洗脳らしいんですが、見た感じは催眠術みたいなものかしらん。ともかくもそれで国民が王から離反するらしい。しばらくはこういう感じの敵将紹介でテンポよく進んでいくみたいですね。

 今話でちょっと気になった点をいくつか。敵総帥の宇蟲王ダグデドですが、自らがターゲットを直接滅ぼさない理由として、攻撃しても「こぼれ落ちる」から「また増えてキリがない」と述べていました。となりますと、前話では圧倒的な力を見せたものの、ピンポイントの攻撃しかできないということかな。線で押していくとか、面で押さえるということができないらしい。もしかすると、そこが弱点になりそうな。

 イシャバーナからトウフに来た一行ですが、字幕を出してみると「使節団」ではなく「指節団」となってますね。公式サイトにも「イシャバーナ指節団」と出てました。前にヒメノがエンジニアに使った、演出まで北斗の拳的な技は1回だけのパロディではなく、どうやらイシャバーナ伝統のものみたいですね。

 竹輪の謎だけは分からずじまい。公式サイトにもオージャランスが竹輪になったとしか書いてないorz。

●必殺仕事人

 ローカル局の再放映のほうはIVまで来ました。どうやら自分が「必殺仕事人」として覚えていたイメージは、おおむねこのIVのものだったようです。

 IVの初回ではいったん散り散りになった仕事人が戻って来るというストーリーであるためか、勇治が三味線の糸を手入れし、ろうそくを的に試し投げするカットがあります。この仕事の準備はIIIの最後でも出てまして、この演出が受けてレギュラー描写になったようです。

 それと順之助について。「順ちゃん!」と絡まれるルーティンギャグが入るようになるわけですが、IIIで演劇の女形に順之助が見初められるエピソードがあってのことというのは、今回の再視聴まで意識できてませんでした。ちゃんと仕込みがあったわけですし、受けた要素を次に取り入れたということでもあったようですね。

 同じく順之助の仕事道具。IIIでエレキテルで止めを刺すところまでやってましたが、IVからは投石器に変わり、支援的な役目に変わりますね。自分は「仕事人出撃」などのBGMを聞いたり思い出したりすると、しばしば「ビューン」という効果音をイメージしてしまうんですが、このIVからだったかと再認識(と申しますか、どこで投石器がどう登場したか忘れてたorz)。

 この時期は、順之助演じるひかる一平さんがまだまだ若く、劇中の設定も受験生ですんで、殺しまでやるのはあまり受けが良くなかったのかなと思います。後にはメインで仕事やるようにもなるはずですが、その頃には大人びてますね(でも相変わらず「順ちゃん」には悩まされると ^^;)。

 再放映はそんな感じですが、これからの新作は難しいことになりそうですね。東山さんです。原因については深刻で複雑なものがあり、この掲示板の趣旨でもありませんので触れることは避けますが、その処理・解決のために東山さんが社長に就任するとのこと。

 最初は「タレント業を辞して」ということだったので、「俳優は続けるのかな?」と思ってましたが、会見では「表現者」を辞して社長業に専念するとのこと。そうなりますと必殺の渡辺小五郎も、となります。自分としては年に1~2回の必殺スペシャルは今後も観てみたいのですが、ベースとなるTVシリーズなしでは難しいかも。どうなるのか、気にしております。

Re: 9月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/09/12 (Tue) 23:33:07

 定例じゃない方の書き込みを3点。

★YouTube配信

 タイムレンジャーが2クール終わって、3クールめに突入。

 28話から、タイムファイヤーに変身する滝沢直人(祢音ちゃんの父親)が登場したり、主人公レッドの浅見竜也と父親との確執ドラマが進展して、話が盛り上がる展開に。

 竜也は財閥の跡取り息子として生まれて、敷かれたレールの運命に反発して、自分の力で自分の道を切り開く(運命を変えてみせる)との思いから、未来人4人のタイムレンジャーに参入。
 そして、彼らの日常のカモフラージュ仕事の場として、便利屋企業のトゥモローリサーチを設立して、ここまで絆を育んで来たわけですが、ここに来て、現代の自分の環境を見つめ直すドラマに突入。

 滝沢直人は、学生時代の空手のライバルですが、財閥の息子の竜也と違って、貧しい家庭環境の生まれで、上昇志向の強い人間。
 金持ちのボンボンなのに、その恵まれた家庭環境の強みを活かさずに自分の境遇から逃げているように見える竜也を「甘やかされたボンボンが愚かな決断をしている」と見下し、自身は浅見会長が設立した対ロンダーズ警護組織シティガーディアンズに所属して、成り上がろうと考えていたときに、タイムファイヤーの力を獲得します。

 タイムファイヤーは6人めの戦士ですが、タイムレンジャーとは馴れ合うことなく、シティガーディアンズに所属のライバル戦士として、対立することもあれば、共闘することもある半分仲間みたいなもの。
 どちらかと言えば、平成ライダーの脇役ライダーの原型に位置付けられるかな、と。

 脚本家的には、龍騎におけるナイトが近い。
 あるいは、未来人の秘密チームであるタイムレンジャーに対して、現代人の警備チームのエース的な存在となったタイムファイヤーを例えるなら、
 アギト(謎のヒーロー)とG3(警察組織)の関係に近いのかな。

 とにかく、タイムファイヤーの存在がドラマをかき回す一方で、息子がタイムレンジャーであることを知った財閥総裁の父親との確執で、主役の抱えた問題提起がいろいろとうねると共に、

 未来人それぞれの抱えたドラマも動いていく流れ。
 ここまでの仕込みが終わって、ドラマが転機を迎えたタイミングですので、見応えがあるこの頃。

 まずは、次回、暴れ回る謎の暴走恐竜ロボ、ブイレックスを巡る三つ巴の争奪戦から、新戦士タイムファイヤー登場の盛り上がりどころが楽しみ。

 なお、シンケンジャーも、脚本家的には小林靖子さんだから、実は小林靖子祭りですね、現在は。

★仕事人とジャニーズ

 東山さんのタレント引退の報で危ぶまれる仕事人ドラマのその後ですが、個人的には、そろそろ仕切り直しでもいいかな、なんて思っています。

 さすがに2007年から16年も基本メンバーの構成が同じで、主題歌も変わらずにマンネリ感も覚えている。
 年に一度の楽しみとか、メインライターの変更とか、若手メンバーの変更とかマイナーチェンジはありますが、渡辺小五郎メインの話もそろそろ交代して、新たな必殺を一から作り直すもありかな、とか思ってます。

 まあ、小五郎の退場劇を経た上で、という気持ちもありますし、松岡昌宏演じる涼次を中心にした新チームであれば、応援したく。
 まあ、涼次すら交代して、全くのゼロから再始動……というのは、どうなるか見えませんが、
 この辺で、三田村邦彦とか村上弘明とか必殺大御所俳優を招聘して、新生必殺に切り替わるとかを期待したいかな。何だかんだ言って、何もかも新しいのは思いつきません。

 それと、求めるのは、奉行所役人が主人公ではなくて、普通に民間の元締めが浪人を雇ったりする仕掛人チーム風味。

 何にせよ、遠藤憲一さんの退場劇を描いた後で、チームは解散。小五郎も長崎奉行所とか、どこかに左遷されて、仕事人チームもどうなるか、という時期に、新キャラ登場とか、江戸の殺し屋組織の抗争がいきなり勃発して……という急展開を妄想してみたり。

 あるいは、オール仕事人大集合的な話になって……今の時代に、誰が参加できるかなあ。役者として健在な方々も、みんな、いい年になりましたし。

 なお、今の元締めも和久井映見さんは、大河ドラマで秀吉の妻の北政所をやってますね。前に出たときは、渋沢栄一の母親役でしたが。

 あと、上総介から真田に転生した御仁も出て来て、一応は細々と見続けております。

★ガッチャード

 感想は、次の機会に書きますが、いくつかレスをば。

>主人公の父親

 たぶんですが、役者がまだ決まっていないんじゃないかなあ、と思いますね。
 一応、南野陽子の旦那さんで、夢を追って行方不明になった人。錬金術師かどうかは不明ですが、何かの秘密は抱えていそうですね。

 これで、例えば、東映特撮OBで、おおって思える人が来て、ついでに変身してくれれば(最近は父親がゲスト的に変身するパターンも多い)拍手ってところ。
 主人公の父親役ができそうってことは、誰がいいかなあ。タイムファイヤーがヒロインの父親をやったわけですから、ゼロ年代初頭に活躍してた人で、夢を追って飛び出してそうな人。

 最近、CMで藤岡弘、さんと共演してるオダギリジョーさんが出てくると、自分は拍手したいです。

>錬金術と魔法の違い

 本当に映像で見ていて、違いが分からないですよね。
 物を作ったり、変化させたり、操作するのが錬金術で、エネルギーそのものを操るのが魔法と暫定的に考えてはいるのですが。

 例えば、風を操る場合、ウィザードだったら直接風を操りますが、ガッチャードの場合は風を操る能力を持ったケミーの力を借りて……とか、そんな違いかも。

 それにしても、101体のケミー、1話で3体ぐらいは集めないと、年間ノルマが達成できないので、毎週どんどん新技が増えていくのかなあ、と思いますが、どんどん扱いが雑になるのか、それとも脚本家がしっかりその辺の設定を拾ってくれるのか、そんなことを気にしながら見ているってことで。

Re: 9月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/09/16 (Sat) 10:26:54

 遅ればせながらの定例感想。

★ガッチャード

 まだ、設定お披露目回って感じで、物語的には普通だけど、映像演出でいろいろ面白いと思ったり。
 カードの絵柄で細かく動きながら自己主張するケミーたちとか、喋るバイクとか(変形したりしそうなアームギミックだけど)、敵の高速移動能力に対抗してバイクでの追跡とか、映像での面白さを示しながら基本に忠実な物語って感じ。

 ドラマの伏線としては、父親との複雑な感情を抱えたヒロインと、それからライバルライダーになりそうなクールキャラの登場。そして、顔見せした錬金術の先輩たち。
 関西弁女子が部長になるのかな。

 あと、気になるのが事件に2回も遭遇したメガネキャラ。ただのコミカルキャラの野次馬なのか、後々ドラマに大きく絡んでくるのか。
 メガネキャラは妙に弾けてバケるという伝統ができているので、果たして五十鈴大智の後継者になり得るのか。

 それと、主人公は通常の錬金術とは違う才能を発揮しているようですが、錬金術というよりもケミーとの交信能力に重点を置いているみたいですね。
 ええと、ロボット物で言うところの「操縦テクニックはまだまだ未熟だけど、サポートAIを備えた機体との相性が抜群で、通常からは考えられないほどのパフォーマンスを発揮する特別な主人公」って感じ。

 ベテランパイロットが「何だ、この機動は? 普通じゃあり得ないだろう? どうすれば、そういう動きができるんだ?」とか言って、
 だけど、主人公は普通のことができなかったりする。

 何にせよ、今のところ、物語的には教科書どおりの安定した進め方で、おおってサプライズがない王道路線。
 まあ、次のキングオージャーが王道を逸脱した奇道になってるので、続けてみるにはバランスとれてる感。

★キングオージャー

 宇宙編に入って、安定した1話完結で進むかな、と思いきや、そんなことはなかったぜ。
 むしろ、序盤を思い出す「1人のキャラを紹介したら、次のキャラが乱入して、トラブルは終わらない連続活劇」の様相。

 ええと、序盤は主人公のギラが、ヤンマのンコソパに拉致されて、次の回でヒメノのイシャバーナに、続いてカグラギのトーフに、さらにリタのゴッカンに1話ごとに順番にキャラ描写しながら、その果てにギラの秘密(国王の弟王子)が判明して、次のエピソードに展開する流れでした。
 今回は、それを繰り返すように敵幹部の紹介エピソードを5話ぐらい続ける流れになりそうですね。

 逆に言えば、毎回が幹部の作戦だから、普通に倒される通常怪人は登場せずに、恒例のロボ戦も安定しない。

 制作事情を紐解くと、CG満載の巨大戦は予算の都合で毎回は無理らしい。しかも、その分の予算は異世界描写の背景CGや衣装代なんかに使っていて、通常の戦隊とは異なるお金の使い方をしているそうな。
 まあ、大いなる実験作と言ったところですな。

 当初は「異世界描写なんて、どうせ金が続かないんだから、そのうち我々の地球にやって来るだろう」程度に思われていたのですが、
 ここまでチキューの物語として、ずっと展開するとは思わなかったし、第2部で宇宙に行くのかな、と思いきや、今はまだチキューの各王国ドラマをさらに掘り下げている最中。

 入れ替わり回を通じて、不仲な5大国の交流につながるのは感心しました。
 医療と食が薬草や食事療法などを絡めることで、文化交流の話になったヒメノとカグラギのドラマは、これいいな、と思いましたし。

 今まで文化交流と言えば、イシャバーナのアニメ芸術の産物であるモッフンが、リタの密かな趣味だというぐらいで、
 ンコソパも、トーフも主にシュゴッダムとの関係性でしか通じていなかったですからね。

 横の交流が進んで、ドラマ的に面白くなったというところですな。
 個性的なキャラが、その個性をうまくつなげることでドタバタコメディにも、感動の絆にも展開していく。

 で、次は、改めて、側近たちの本音というか、王への不満が表面化して、それを解決することで雨降って地固まる展開を期待できましょうか。
 トラブル発生→翻弄される主役たち→しかし、そのトラブルを契機に交流が生まれて、転禍為福に→事件が解決したと思ったら次のトラブル発生して続く。

 フラッシュなんかでも見られた洋ドラ展開を分かりやすく30分の枠内で見せる高度な脚本術だと思ってます。

 しかし、今回一番笑ったのは、ヒメノとカグラギの交流が進み、ギラとジェラミーが種族間の不仲の解消で感じ入ったと見せかけた後の、ヤンマとリタの相性の悪さが露呈して、
 「互いを理解したからと言って、仲良くなれるとは限らない」というシュールな人間関係の真実を見せたってことですな。

 子供番組でありがちな「理解したから仲良くなったという予定調和」で収まらずに、「理解したからこそ、相容れないことが分かった。こいつとは絶対に仲良くできん。まあ、仕事上の関係に留めておこう」ってな相性の悪さを見せつけて、
 そのぶつかり合いに、敵怪人の方が巻き込まれて、結果的にはうまく話が進むという物語展開の妙が素晴らしい。

 ある意味、ルパンと銭形の関係ですね。不倶戴天の敵で、いつもいがみ合っているけど、互いをよく理解はしていて、共通の敵に対しては口論しながら共闘できるというツンな(表面上はデレない)関係性。

 ヤンマ(育ちが悪い)とヒメノ(上品高慢)の仲が悪いというのは、当初からの見せ方でしたが、ヤンマ(反抗者気質)とリタ(法秩序の体制志向)の対立ドラマが表面化して、しかもそれがギャグになっている。

 さあ、次はどんな対立と和解あるいは理解のドラマが展開するのか、その起因となる敵の作戦展開を楽しみにしつつ、明日の放送を満喫したく。
 

Re: 9月のスレッド(2023) - K.K

2023/09/19 (Tue) 11:36:27

 定期感想です。

 東映公式Youtubeのシンケンジャー、今週分の第8話(第八幕 花嫁神隠)が既視感ありまして、初見なのになんでだろうと。敵が結婚式の花嫁を狙う話で、それを逆手に取ってシンケンジャーが潜り込み、というものですね。

 すぐに思い出しまして、POWER RANGER SAMURAIでほぼ同じ仕立ての回があったんでした(調べ直すと第6話「消えた花嫁」)。SAMURAIの他の回はこれほど似ているようではないので、シンケンジャー第8話の頭脳戦は向こうでも余程に感銘深いものだったのかなと。

 ニチアサの最近のプリキュアシリーズはバトルアクション抑えめにしてるような気がしてたんですが、今週分(第33話)でちょっとびっくり。バトル描写にえらく力が入ってました。マジェスティ本格参戦だからかな。

 細かい演出でそれが分かる部分もありまして、巨大ミノトンにマジェスティがパンチを入れるシーンです。左目を歪めるように細めてまして、力の入り具合が感じられます。そういう細かい工夫で迫力出しているということは、バトル描写に長けた制作スタッフがいてくれるということなんでしょう。

●仮面ライダーガッチャード(第3話:ブシドー、見つけたり。)

 宝太郎の家族写真で父親の顔が隠されていた件、役者さんが未定というのは考えてもみませんでした。言われてみるとありそうな話でして、もしそうなら宝太郎の父親は大事なポジションでない可能性があり、どうかすると登場すらしないかも。当面は宝太郎の父親は気にせず観ていこうと思います。

 さて、本編は楽しくサクサクとキャラクターや世界観の紹介が進んでいきますね。アカデミー生の銀杏蓮華と鶴原錆丸が冒頭で登場しますが今週は特に活躍はせず、新登場メインは先週ラストでチラッと出た黒鋼スパナ/ヴァルバラドですね。

 スパナが変身するヴァルバラドはライダーとは微妙に異なるらしく、ウィキペディアでは「異形の戦士」と記載されてたりしますね。ライダー(ガッチャード)は変身するもので、ヴァルバラドは装着するものらしい。なんだかアギトとG3の違いみたいな気がします。

 スパナの口癖は「笑えないジョークだ」でして、そこを強調するためなのか2体のゲスト敵マルガムのうち1体が笑い茸らしきヴェノムダケ・マルガムのようですね。そこまで演出するとは「笑えないジョーク」は何か因縁ある口癖なのかしらん。ケミーの気持ちを重視する宝太郎に対し、ケミーはモノであるというスパナの信念に何かわけがあったりすると面白そうです。

 こちらでちょっと話題に出た、話数(たぶん50話)に対して多すぎるケミー(101体)ですが、アカデミーの錬金術師も回収に動いていると示されましたな。もしライダーがマルガム倒してケミーをゲットして能力獲得するものなら大変でしたが、必要に応じて宝太郎に与えられるとなれば、能力インフレとか起こさずに済みそうですね。

 今話ではミナトから宝太郎に封印済の「アッパレブシドー」を「使ってみろ」と渡されてますね。ケミーと仲間になるのも一応の通過儀礼があり、単にカードとして使おうとすると拒絶され、しかしケミーは道具と言い放つスパナの攻撃からホッパー1を守ると、ブシドーから「天晴!」と認められる。

 ドラマが「スパナと宝太郎」の2人ですから、ケミーが憑依するマルガムも2体でして、幸福な人間を妬むせいでヴェノムダケを引き寄せた茸本と、ナンパが嵩じてストーカーとなってディープマリナーに憑依された狩谷ですか。

 狩谷のほうは陰湿・粘着な感じで悪役らしさがありますが、茸本のほうはちょっと複雑かな。妬むようになるには原因があるはずで、が、そこが描かれないのでかえって「同情すべき不幸な過去があるのか?」という気がしてしまいます。しかし単純に悪役として最後は捕縛ですんで、ちょっとモヤモヤするものがないでもない。もしかするとガッチャードでは善悪は単純であると解して観ていく必要があるのかも。

 もっとも、茸本/ヴェノムダケ・マルガムは宝太郎に「ケミーの気持ちが分かるなんて思い上がり」「守るべき人々を守れなかった」という反省を促す点では立派にドラマ上の役割は果たしてます。りんねを狙う狩谷/ディープマリナー・マルガムは次回でスパナに何か突きつけてくれるんだろうか。

 そう期待したいところなんですが、ラストのスパナの台詞「美学なき者は、このヴァルバラドが消し去る」からすると、次回「アントルーパー・ラビリンス」で狩谷/ディープマリナー・マルガムはあっさり倒されそう。公式サイトの予告文章では「ヴァルバラドの強力なパワーに」となってますし。

 敵主役は三姉妹になるようで、そろそろ敵の狙いから争点を明かしてくれる流れになるのかしらん。話数1桁ないしは1クールめは世界観紹介が通例だとは思いますが、そろそろ「誰がどこで何をする話か」という視聴モチベーションを維持してくれる要素ははっきりして欲しいところです。

●王様戦隊キングオージャー(第29話:王様失格)

 先週分が前半を締めくくるオージャー側のクライマックスだと思ってました。バグナラクを倒した後、2年経って努力が実った。それも新たな敵が現れてこそ、それが見えるようになったという感じ。

 ですが、それが今話の前振りだったとは。凄いことしますね、ググっと上がった感動を使い、そこから突き落としてこその感動を出すとは。ドラマ展開として突き落とされてはいますが感動は確実に上乗せです。そのメインは前話、さらにその前のバグナラク打倒・和解からのジェラミーのドラマでした。

 その感動に至るには敵の攻撃、というより撹乱が大きく作用してまして、今話の敵手ヒルビルの能力が多少ややこしくて厄介なものとなっているようです。公式サイトでは「洗脳の力」を持つとされていますが、力は2種類あるみたい。

 1つはジェラミーにかけた「自分(ヒルビル)を攻撃するな」でして、ピンポイントに具体的に作用するもの。これは術にかかったものが「こうしようと思っているのにできない」→「操られている」と自覚できるものですね。ジョジョの岸辺露伴(ヘブンズ・ドアー)に近そう。

 もう1つは、じわっと気分に作用するものですね。ヒルビルの言によれば「ヤバイ」「怖い」の感情に付け入るものらしい。こちらは術にかかった者に操られる自覚はなく、意識の断絶もなしに「自分がこうすべきと思うからこうする」という形で効果発動してしまう。ただし術が解けるとその間の記憶も失うらしい(証拠隠滅できるわけですな)。

 本編の描写を見ますと、ゲロウジームは術にかかったことを覚えていましたし、バグナラクの腕で攻撃を防いだジェラミーは術にかかりませんでした。ヒルビルの能力はカメジム以上に不和をもたらす効果が強そうですが、バグナラクに抵抗力があるのなら、いずれ反撃の切り札となるかも。

 そうだとしても先のことでして、ともかく今話のドラマを作ったのは主に後者のじわっと効く術のほうですね。その準備として前話ラストで各王の側近に術を施し、敗退のゴーマを救いつつ、各国の間に不和の種をまく。前話を観ているときは意識しませんでしたが、各王への攻撃は別の国の側近にさせているわけでしたか。

 ただし術がいったん解けたときにはゲロウジームだけは術にかかったことを覚えており、これがジェラミーに伝わり、ならばどうするかとなる。が、それよりも自国の王が他国の側近に襲われたことで各国民・側近が激高するほうが速かった。襲われた各王が意識を取り戻す前に各国が互いに仮想敵国と見做し、国交断絶~冷戦状態に。

 そこは前話の瓢箪から駒的な、各王の意図とは無関係に民間交流が進んだハッピーエンドをひっくり返してしまうわけですね。かつ、いったんは前話で結果的に外れたと見えたギラの推測「こんなとき各王様は自分の国のことしか考えない」が、今話になって実現してしまったともいえそう。

 ただし各王の意図・意思からはずれてまして、それがカグラギの「よもや食料の輸出を制限したとは」や、電力供給を断ったと知ったヤンマの「国際問題って知ってかあ!」に現れてます(ネット見てますと、その台詞で単なるヤンキーじゃなかったとヤンマの株がぐっと上がった模様 ^^;)。

 やはり王たる自覚ありですし、前話で入れ替わってみての互いの立場の理解が深まったこともあるんでしょう、目覚めて事態を知った各王は合議に入る。ただしジェラミーはいない。既にこの事態を納めるにはどうするか、腹を括ってたんでしょうね。

 ジェラミーを除く各王はおそらく合議に入る前に意思決定していたようで、それは「あれはクーデターや下剋上ではない。みんな邪悪の王になっちゃったのに気づいた各国側近たちが力を合わせて成敗してくれた」(大意)という筋書き。そう各国民に信じてもらえれば、側近たちは英雄視されて後を引き継ぐことができると。

 この覚悟と行動は今話の山場と感じられます。そのようにギラが各王を代表して各国に生中継で発表しようとしたそのとき、今話の真のクライマックス発生。ジェラミーがゲロウジーム引き連れて乱入するわけですね。ゲロウジームが側近に化けて各王を討ち、それこそジェラミーの野望であるとカメラ・マイクの前で宣言する。

 このとき、ジェラミーは蜘蛛の糸でギラらの口を塞いでますが、簡単にはがせる程度だったみたいです。ジェラミーが口の前で人差し指立てても同じだったんでしょうけど、世界中が見ているゆえの蜘蛛の糸なんでしょう。たぶん、ギラらは瞬時にジェラミーの意図と覚悟を察し、かつ尊重したものと思えます。

 ジェラミーはギラ以上の邪悪の王演技で策略と野望を語りますと、いったんカメラ・マイクを無効にする。そうしておいて真意を語るわけですね。ジェラミーが罪を一身に背負うから、ギラたちは先に進めと。ここですね、前話でハッピーエンドのクライマックスを作っておいて、一気に突き落とすドラマは。捨てがたいものだからこそ、投げ打つ決断に重みがあります。

 しかし一縷の希望も見せてくれるのがさらにグッとくるところでして、ジェラミーは「乗り越えて、必ず宇蟲王を倒すぞ」と。これがギラらの逡巡を断ち切ったんでしょうな。覚悟はあるが諦めも見える各王が凛と引き締まる雰囲気が生じてました。そして中継再開して、ジェラミー&ゲロウジームは「やられたあっ、覚えてろよ」の悪役演技。

 この一連、中継見ているだけでもおかしいと思う点はあるはずです。例えば各王襲撃は一斉に多数で行われましたが、ゲロウジームはたった1人。化ける能力はあっても同時には襲えないはずです。しかし気分に流されている各国国民はそこまで考えない。ある者は敵はジェラミーと思い、別の者はやはりバグナラクとは和解できないと思う。

 しかしとりあえずはジェラミーの目論見通りではあります。少数ながら、例えばギラもジェラミーもよく知るブーンは絶対にそんなはずはないと言い張り、そこまででないコガネでもおかしいと納得しない。ですが一定数以上の気持ちが一致して動き出すと、もう止められない。

 しかし真実を知る各王は敵が誰か知り、ジェラミーの覚悟を受け取り一致結束する。ここにおいてようやく、前話のギラの意見「各王は自分勝手なことをする」が覆ってくれました。どうやら王様戦隊キングオージャー結成宣言時には未だ戦隊となっておらず、むしろ崩壊に危機に至り、ここでジェラミーが身を捨てて束ねたと言えそうです。

 その結束と以心伝心は前話でオージャー戦士が一斉にゴーマに剣を向けたときの比ではありません。ギラだと目に赤いものが灯る演出までありまして、凄みすらありますな。バトルとなりまして、ギラの真っ直ぐな剣が遠近誇張しつつ、しなるようなデフォルメまで入ってます。

 最初は余裕ぶっていたヒルビルも次第に押され、ついに余裕が怒りに転じて「あんまり調子に乗らないで」と反撃に出ようとするもそのまま敗退、逃走。思えば、ギラらがジェラミーに向けた拍手を自分(ヒルビル)へのものと勘違いした時点で、既に今話の黒幕から道化に転落していたようです。

 しかしさすがにオージャー戦士も側近も疲れ果て、しばしの眠り。それを見届けてジェラミーらは去る。ジェラミーが「二千年待ったんだ、気長にやるさ」と呟くと、ギラは答えるように寝言で「ありがとう」がなかなかじわっと刺さりますな。

 これでジェラミーはいったん退場ですが、確かに生存している点は希望が持てるところです。傍観しそうにはなく、例えば行方不明ながら生存しているはずのゴッカン前国王とかの未解決事項に取り組んでくれそうな気がします。

「神の怒り」も未解決ですが、次回「凍てつく天秤」では真犯人が判明するらしい。今までのことを覚えてないと、理解できない展開になるのかな。公式サイトのあらすじで復習する必要出るかも。

Re: 9月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/09/20 (Wed) 23:38:54

 ゴブリンスレイヤーの原作小説を読み直しながら、予習をしている最中です。

 TVの第1シーズンは、原作の1巻と2巻、それと4巻の一部を再構成したものでして、1巻と2巻はそれぞれ長編。4巻は外伝的な短編集。
 アニメの構造は、1巻の中盤まで→4巻の1エピソード→2巻→1巻の終盤クライマックスと流れた。

 そして、劇場版は5巻丸ごとで、今度のTVシーズン2は、飛ばされた3巻と6巻が中心になる模様。
 なお、現在は16巻までストックがあるので、ネタには困らないですな。

 一応、3巻と6巻の大筋を示すと、

●3巻:秋の収穫祭がテーマで、拠点の街が祭りの準備で賑わっているわけですが、ゴブスレさんは黙々と自分の仕事(ゴブリンが街の襲撃を企てていないかの見回り警戒)を続けている。
 まあ、第1シーズンのラストが、ゴブリンの大襲撃だったので、おそらく、その辺が回想シーンとして描かれつつ、ゴブスレさんの杞憂が示されて、街の人からは変人扱いされる序盤だと考えます。

 で、その頃、冒険者ギルドに恨みを持つ裏切り者のホビット、訂正、圃人(レーア)の盗賊が闇エルフと提携して、ゴブリンの群れを使って街を襲撃させる計画が動いていて、
 収穫祭の喧騒の中で、ゴブスレ氏のワンマンアーミーによる防衛戦が展開されるはず。

 物語としては、お祭りムードの街の人たちのドラマが中心で、冒険ではなく日常編にかなり近い(だから、冒険物語の5巻が劇場版の素材にされたわけで)。
 冒険でない市井のキャラドラマが展開される中での、密かな陰謀劇をアニメでどう描くかが気になるところです。

●6巻:雪山で展開されるゴブリンの大要塞を攻略した5巻のあと、また日常の都市を中心としたエピソード。
 冒険者ギルドは、かねてから計画していた初心者のための訓練施設を立ち上げます。そこに参加しに来た少年魔術師は、ヒロインの女神官が最初の冒険でパーティーを組んでゴブリンに殺害された女魔法使いの弟だった。
 生意気な少年に対して、寡黙なゴブスレさんがバカにされながらも、自身のゴブリン退治の体験や教訓を伝える教師役を不器用にこなす展開。
 反発する少年は、しかし、いざ自分たちがゴブリンの襲撃にあった際に、先達の教えを土台にサバイバルを頑張る展開。

 ゴブスレ氏のゴブリン退治だけだと、話がマンネリ化するので、この辺から「ゴブスレが女神官を教育するエピソードから発展して、その女神官よりさらに未熟な新人たちが先達に感化されて……という冒険者の拡大再生産的な物語」を描く流れ。
 あとは、7巻以降、エルフの森とか砂漠の国とか、ウィザードリィ風迷宮とか、巻ごとに活動範囲を広げながら続けて、世界観がどんどん広がって行っているわけですが、

 今回のシーズン2は、「冒険そのものが描かれずに、街での生活とか、キャラドラマが重視されるエピソード」が続き、どうにも主人公のゴブスレ氏が物語の中心では必ずしもないのを、どうアニメでアレンジ演出するのかなあ、と。
 ドラマの中心は、やはりヒロインの女神官と、それから少年魔術師の成長譚なので、
 他には、4巻の短編エピソードから、まだ使われていない冒険譚を挿入して、うまく構成するのかなあ、とか、そんなことを考えながらの予習です。

 それと、今回のキングオージャーで、ギラの赤目が光る怒りの演出が、ゴブリンスレイヤー的なもので、自分の中でどうしてもつながってしまった次第。
 放送まで、あと2週なので、ワクワクを覚えつつ。

★キングオージャー

 で、先にこちらの感想をば。

 コミカルに展開するのかと思ったら、非常に真面目で重苦しい、子ども置いてきぼりな話でした。
 笑いながら、人々の心に不信を吹き込み、国家間戦争に向けて煽る敵の策謀を、少数民族の自己犠牲で自らに人々のヘイトを引き付けることで解消するという、もはやヒーロー物ではなくて、政治物と化した話。

 洋ドラ展開で言えば、フラッシュよりも、むしろアローの流れですな。
 当初からギラがアンチヒーローを装っていましたが、その株をジェラミーが奪い、もはや大国シュゴッダムの旗印になったギラが、軽挙を戒められた形。

 「持ち上げて落とすことによるドラマ性の高まり」をK.Kさんはおっしゃられていましたが、正にそうですな。
 国の混乱を狙った敵の策謀に、毎回がピンチのキングオージャー側が、とりあえず、その回ごとの作戦をしのいではいるものの、決定的な勝利は得られずに、傷ついてばかりのストレスフルな展開。
 一話たりとも見逃せない連続エピソードになっていますが、これはどちらかと言えば、戦隊よりもライダーの作風ではないか、と思うばかり。

 ライダーの方が割と1話完結で、確実に怪人を倒す序盤になっているので、話の重さと物語構成という意味で作風が逆転している感。

 ただ、ストレスフルな展開を、早くキョウリュウレッドが来訪して、パワフルに空気を変えてくれないかなあ、とも思ってます。
 ええと、10月かなあ。

★ガッチャード

 レギュラーキャラが増えて、少しずつ物語の土台を構築している段階。

 ケミーを基軸としたドラマ展開で、人間の悪意を特に掘り下げるわけではないドラマ展開ですな。
 ゴブスレ風に言うなら、「俺は世界を救わない。ただケミーと絆を結ぶだけだ」という、ヒーローとしては何だかなあって主人公像ですが、別に最初からそこまでの覚悟を持って、錬金術の世界に飛び込んだわけでもないので、
 むしろ、高校生がそこまでの覚悟を持っている方が、リアルじゃないとも思う。

 要するに、ガッチャードはまだヒーローとしては心構えも未熟で、単にケミーと交流したいだけの主人公。
 ある意味、ポケモンの主人公とさほど変わらないメンタルと思った方がいいのでしょうね。

 一方のスパナの信念の背景にあるものは何なのか。
 あと、ヒロインの「錬金術で世界を守りたい」的な信念も、まだしっかり見せていないので、
 本人は一応、高校生のセンスで真面目なんだけど、ヒーローとしての本気度はまだまだこれからの主人公が、いかに成長していくかのドラマに期待したいな、と。

 映像的には、新フォームと、新戦士の両方の披露で、派手に賑やかで楽しいと思ってます。

 ドラマで重要なのは、キャラの絡みだと思いますので、ようやくお膳立てが整いつつあるのかなあ、と考えつつ。

Re: 9月のスレッド(2023) - K.K

2023/09/26 (Tue) 18:49:54

 定期感想です。

 ゴブリンスレイヤーの情報、ありがとうございます。10月からのアニメ2期の原作内容も興味津々ですが、1期が原作をシャッフルしていたというのが驚きで、そちらの衝撃がどうもデカいです。

 それも巻ごとで入れ替えではなく、1巻半ばまで進めておいて、4巻をちょっとつまみ食い(?)、そこから1巻に戻らず2巻へ立ち寄り、ようやく1巻の残りに戻るわけですか。普通はそんなことするとストーリーが混乱し、キャラクター印象もゴタゴタしそうですが、どうもそうはなってないようです。

 もしかすると、敵がゴブリンだからこそ成り立つシャッフルなのかな。ゴブリンは集団とはなりますが、各集団に横断的で統一的な王とか国は持たず、集団間の交流もない模様。そのせいか、あっちのゴブリンを討伐した影響が、こっちのゴブリンに出たりはしてない感じです。

 さらにはゴブリンの学習能力もありますね。経験には学ぶものの、それを広く共有したりすることがない(簡潔には「教育がない」と申せましょうか)。それで自然と1話独立性が高くなるんで、各ドラマの順を入れ替えても何とかなるのかなと。

 しかし2期の元となる3巻と6巻の内容を伺ってみますと「ヒロインの女神官と、それから少年魔術師の成長譚」とのこと。こちらはエピソードごとの順不同はやりにくいかもですね。なにせ自分の経緯を踏まえ、他人とも関わり、学んで育つ人間キャラクターでありますんで。

●仮面ライダーガッチャード(第4話:アントルーパー・ラビリンス)

 自分はガッチャードの世界観を提示しての勝利条件を示してもらいたかったんですが、どうやら人物紹介が先らしい。今話はりんねを少し掘り下げてきました。味方側からは黒鋼スパナ、敵方からは冥黒の三姉妹の末妹ラケシスを絡めてのドラマですね。

 スパナのほうはまず、りんねを狙って来たディープマリナーのサブマリンマルガム/狩谷をあっさり撃破。そこは先週の予告で察せられる展開ですが、ここからスパナがりんねにご執心(?)らしい展開への導入だったのかも。

 最初はスパナがあっさりライダーになった宝太郎に憤慨していることから、りんねを丁重に扱うことによって、宝太郎を認めない姿勢を見せたのかと思いました。その直後、(普通の高校のほうの)クラスメイト加治木涼が宝太郎をライダーと気付かずに、ライダーを褒めそやすのは対比演出とかかなと(スパナが下げ、加治木が上げとか)。

 アカデミーでは、今度はりんなが宝太郎に何かよそよそしい、ちょっととげがあるような態度で接するわけですね(宝太郎曰く、当たり強い)。そこへアカデミーの同級生:蓮華と錆丸が来まして、カードの交換を申し出て来る。なるほど、その回のゲスト敵と戦うに必要なカード/ケミーはこういう形で入手することもあるわけか。

 仮面ライダーWEBを見てみますと、2枚のカードの数字が合計10だと相性のいい組み合わせらしい。ビルドでいえばベストマッチでしょうか。劇中では10を気にしている様子はなさそうで、足して10は裏設定なのか、今後に種明かしあるのか。

 それはともかく、りんねと宝太郎が連れ立ってアカデミーから帰ろうとしますと、スパナが(営業用っぽい)笑顔で追って来る。またもや、りんねに優しく声をかけるわけですね。この時点では宝太郎の推測(スパナはりんねに気がある)が正しそうですが、直後にそうでないと分かる仕掛け。

 りんねらが背を向け、ケミー出現の報を受けて駆け出すとスパナの表情が一変。「運命の糸車は既に回り出している」との台詞から、スパナはりんねを重要人物として保護するためか何かで、付かず離れずの距離を保っているという感じでしょうか。

 これでもし、スパナとりんねの父:風雅が示し合わせていたりすると面白そうです。例えば、風雅はりんねの高校の同級生:宝太郎をライダーとして、りんねのもう一つの顔(錬金術師/アカデミー生)のガードとして送り込み、アカデミー上部組織からはスパナをりんねへ差し向けた、みたいなこともあり得なくはなさそう。

 そうだとしても先のことでして、ともかくはケミーへの対処。宝太郎らは駆けつけてみますと、アカデミーが察知したケミー(アントルーパー)は既に冥黒の三姉妹の手中に。そこでちょっとだけ敵の目的が明かされまして「ケミーを正しく、いい形で導く」ために一連の動きをしているらしい。「鋼の錬金術師」ではホムンクルスが人間に取って代わるような話があったかと思いますが、ガッチャードでも人間滅ぼしてケミーの世界にしたいのかな。

 ケミー関係で今話でようやく気が付いたんですが。冥黒の三姉妹はケミーを自在に憑依させられるようですね。しかもケミーが拒否しようとしても強制できるし、能力も自在に引き出せる。今話の敵手はラケシスで、アントルーパー→アンツマルガムとなり、巨大アリの巣を瞬時に出現させ、配下のアリを発生・使役できるみたいです。

 アリの巣でバトルとなりますが、フィジカルの武闘派のクロトー(次姉)に対し、ラケシス(末妹)は精神攻撃を得意とするらしい。父がずっと気がかりのりんねに対し、風雅はいない、三姉妹が殺害したと突如言い放ち、おおいに動揺させてます。宝太郎の語る風雅もラケシスの言を裏打ちしてしまう。

 が、そこから宝太郎が自分の父、さらに母について語りまして、類似点から希望を見出したりんねが立ち直る。風雅が生きていると思うようにもなる(たぶんその直感は正しいんでしょうな)。この辺り、宝太郎はスパナとは異なるタイプのりんなの守護者であると暗示しているような気がします。

 こうなると流れは変わりまして、宝太郎/ガッチャードはまず配下アリを撃破、アンツマルガム/ラケシスにりんねを人質に取られ、いったんドライバーを奪われるも、それも策の内。冒頭のカード交換で得ていたエナジールを予めドライバーに宿らせておき、勝ったと油断したラケシスに一撃、ドライバーを取り返す。

 その勢いを駆って撃破ですが、アリの巣が現実に戻ると建物が倒壊。しかしスパナが「こんなこともあろうかと」と予想していたのかと思うくらいピッタリのカードをりんなに投げ渡して救援。無事脱出して礼を言う宝太郎をスパナはまたも無視、りんねに近づきますが「無事でよかった」と言うや、さっさと去る。この辺りの描写で上述しました「スパナとりんねの父:風雅が示し合わせて」を妄想した次第です。

 ともかくも解決でして、りんねは宝太郎の自宅/定食屋にやってくる。そういえば序盤で宝太郎が誘ってたんでした。そのときは「自宅に誘うとは積極的だな」と思ったんですが、宝太郎はそういうつもりではないようですな。定食屋に来て欲しかっただけらしい。しかし、りんね視点では「自宅で家族と引き合わせる」とも聞こえていそう。

 りんねの真意は不明ですが、父親のことでテンパっていたのが少しは緩んだかな。初めて笑ってますな。宝太郎の「創作料理」を口にしたりんね、ちょっと驚く様子がありますが、たちまちポーカーフェイスになりまして「微妙」と。そこも、りんねが本当はどう感じたかはあいまいな感じです。

 次回「燃えよ!斗え!レスラーG!」はプロレス道場が舞台みたいですね。本職のプロレスラーの出演あるのかしらん。プロレスラーが出て来ると、生身バトルに迫力あるのは過去のライダーシリーズで証明されていますんで期待しておこう。

●王様戦隊キングオージャー(第30話:凍てつく天秤 )

 今話もシビアな展開でして、「いいんか、これ?」とすら思ってしまうものありです。「ジャッカー電撃隊」でそう思った感覚と似てるかも。姉の目の前で弟が殺されるシーンとかありまして、「ゴレンジャーに引き続いてジャッカー観たら、目が点になるんじゃないか」と。

 それはともかく「神の怒り」の真相判明ですね。真犯人はまだ幼かったヒメノが五道化と知らずに目撃した、静謐のグローディ/グローディ・ロイコディウム。これも宇蟲王ダグデドの差し金ということでしたか。しかしゴッカン国王(当時)カーラスが自ら諸共封印して防ぎきってもいたわけですね。

 しかしカメジムが封印場所を探り当ててグローディを解放(案内させられたのは、もしかしてカーラスの夫シロン?)。カーラスは再封印を試みるも、おそらくは封印で力の大半を使っていたためか、返り討ちに。しかしグローディ復活の腕試しでアンデッドにされる。どうやら元の人間のフルパワーでアンデッドになるみたいですね。

 アンデッドとはなりましたが、カーラスを見てますといろいろ連想するものがあります。作品は古いけどアニメ放映は直近のBASTARDのカル=ス。街まるごと凍り付かせる強大さ辺りですね。名前の字もちょっと被る。

 さらに、自分はTRPG未経験ですが、そのリプレイの「ロードス島戦記」アニメのカーラ。こちらは名前の「ス」の有無だけの違い。カーラは灰色と称するも色はそうではないですが、カーラスは白よりの灰色。色を除く造形・雰囲気も似ています。

 いろいろ思い出して印象が強まるわけですが、本作のドラマ的にも今まで、回想での登場のみながら大事な役割を果たしたキャラクターですね。夫シロンも真実は隠したほどの何かを行い、神の怒り事件にまつわる誰かを法で裁けずに封じ込めた。そこは国王/司法官を継いだリタに深く影響を及ぼしてます。

 今話で神の怒り事件真犯人のグローディをカーラスはその身もろとも封印したと明かされるわけですが、右の瞳にその封印の力「氷の封印」を託されたリタはカーラス襲来時点ではまだ知らない。カーラスは強大な力を振るいつつも、心ここに在らずに見えます。しかも、何とか止めてみるとカーラスは我に返ったような雰囲気で「すまない」と。

 そのまま倒れたものの、期待しちゃうわけですね。なにせ前話ではヒルビルが洗脳の術を使ってたわけで。呪縛が解けたら街への襲来のみならず、神の事件での別離以来の積もる話も聞けるはず。しかし洗脳じゃなく死亡してたわけですね、それも数日前に。

 今話でも上げておいて一気に突き落とす展開来るとは思いも寄りませんでした。しかも、帰って来てくれて重みを実感したカーラスで。しかし前話同様、存在に重みがあるからこそ喪失の衝撃は大きくなり、リタの決断と行動に納得し、感動できますね。

 今話で上手いと思うのは、カーラスが与えた衝撃で凄みを出したリタのドラマへ、さらにヒメノのドラマを上乗せして感動を作り出している点ですね。ヒメノのほうはカーラスと直接のかかわりは薄いですが、グローディは神の怒り真犯人として目撃し、両親の仇であることも知っている。ヒメノが無念を晴らすには、リタが自分を犠牲にしてグローディをせめて封印してくれればいい。

 しかしヒメノは己が恨みを踏み越えて、リタを引き戻すわけですね。仇討ちより友達の命。リタ視点では最初、秘術「氷の封印」から引き戻しに来るのがもっふんであるのが、なかなか泣けるところです。そういえば、もっふんはイシャバーナ国制作でありましたな。そのもっふんをリタがよくみるとヒメノであるわけで。

 今話冒頭ではヒメノがリタを(親しい友人を含意する)お茶に誘ったものの、リタは右目を見せず、もっふんの転売ヤーがどうこう言い出す始末。しかしカーラス襲来に責任を感じたのか、ヒメノに右目を見せて由来と能力を語るわけですね。ただしこの時点ではリタは責任感から告白している感じ。一方、ヒメノはその苦労に感じ入るものがあったのか、リタへ気持ちが近づいたように思えます。さらにカーラスの死亡が知らされて、そこが深まったか。

 しかし続いてヒメノが動揺するわけですね。ギラとジェラミーが遭難者と思って連れて来たのがグローディで、ヒメノは幼いとき(17年前)、神の怒り事件を起こし、両親を殺害した者としてはっきり覚えている。それでもヒメノ、何とか踏みとどまって避難を指示し、直ちに戦闘態勢に。しかし感情は抑えきれない感じですね。これをリタはじっと見ている。

 そこからはグローディの名乗りと自己紹介。演じるのが天野浩成さんなのが自分的には興味深いです。自分の視聴歴ではまず仮面ライダー剣の橘朔也/ギャレンですね。辛いスパゲティを平気で食う演出とかありましたが、基本的にヒーロー。そこから7年経って、フォーゼの速水公平校長/リブラ。こちらは最初は余裕を見せつつのキザぶりが、だんだん追いつめられて焦り、最後は我望に認められれば死んでもいいと本当かつ本望で死んでしまう。しかし実は我望から気にも留められてなかったという道化の最期。

 ずいぶん癖の強い役柄でした。そこから12年経ちまして(干支一周ですね)、静謐のグローディ。ドラマはこれからですが、初登場時点で既に強い印象が生じてますね。他の五道化は顔も隠すスーツですが、グローディだけは役者さんの顔を見せるコスチュームでして、内面の異様さを見せつける意図がありそう。かつ、天野浩成さんならそこを表現できるという人選なんでしょう。
(グローディ見てると、どうも昭和ライダーの死神博士を思い出します。違うタイプのキャラクターのような気がしますが、怖そうなマントの男というざっくりした連想なのか。死神博士も大鎌を使うことがある点も連想する理由かもしれません。)

 それはともかく(^^;、カーラスの死の真相が語られまして、おそらくリタはさらなる精神的ダメージを受けてるでしょう。しかし自分(リタ)に気持ちが近づいたヒメノの動揺する様子も同時に気にしているはず。これは冒頭からリタを気にかけてる感じのヒメノも同様でしょう。おそらくそれで2人の気持ちがぴったり噛み合ったんじゃなかろうか。支え合うかのように立ち直り、グローディへの敵意で一致した感じです。

 そこへ残るオージャー戦士(カグラギ、ヤンマ)も駆けつけて来まして、倒しても死なないフローディとのバトルへ。しかし死なない難敵なうえにセミシュゴッドを呼び寄せての神の怒り事件の再来まで起こせるため、リタがついに右目の「氷の封印」行使を決意。まずセミシュゴッドの群れを叩き落し、さらにグローディを氷結せんと迫る。

 このとき、まずリタがカーラスの言葉を思い出して決断し、続いてヒメノに教わった言葉をグローディに言い放つのが面白いところです。「ターセルス・ミルーリア・ダ・パーゴ(私が地獄に落ちても、こいつだけは地獄に落とす)」というヒメノらしからぬ言葉ですが、それだけにいったん口にすれば凄みがあります。その言葉通り、カーラスが実績を示した通り、我が身を犠牲にするだけあって、さしものグローディも抗し得ない様子。

 この一連のリタの気持ちの動きが「カーラスからヒメノへ」となってますね。が、そこはヒメノの本意ではないところがさらに面白い。おそらくは術に集中して意識がぼんやりしつつあるリタにヒメノは抱き着いて必死で止める。これはリタ視点では最初、もっふんになってるわけですね。もっふん相手なんで、リタも正直に「寒いよ、でもちょっとだけあったかい」と言える。

 おそらくそれはリタの内心で言葉は発してないんでしょうけど、たぶんヒメノに伝わってる気がします。同時にリタも「ちょっとだけあったかい」ほうへ行きたい気がしたんじゃなかろうか。そのせいかヒメノはようやくリタをグローディから引き離し、「氷の封印」の発動も止める。

 ヒメノは泣いて「友達まで奪わせたりなんかしない」と言い、続いて引き締まり「必ず倒すの、私たちで一緒に」。ここは前話のジェラミーの「宇蟲王を倒すぞ」を思い出すものがあり、だからこそ感動も上乗せ効果あるみたいです。ヒメノが言葉をかけている間のリタの様子も面白いですね。ぼんやりしているせいか、なんだか子供のようです。そのため映像の流れと同じく、今までのリタの心の支えのもっふんがヒメノに変わったような印象を受けました。

 おおーと感じ入ってたんですが、突如として変事発生。一瞬何が起こったか分からなかったんですが、死んだと思われていたジェラミーの母ネフィラの乱入ですか。行動・言動が謎でして、ジェラミー以外を問答無用で叩き伏せ、ジェラミーに抱き着いて「母様を助けて」と。

 次回「二千年の愛」がどんな話になるか予想しにくいですが、予告映像で宇蟲王ダグデドの台詞が聞こえますんで、ネフィラの乱入はダグデドの仕業なのかも。狙いは意外に手こずる王者戦隊を内部分裂させることかな?

 今週分はなかなか厳しい展開だったと思うんですが、厳しいながらも安心できるものもありまして、ギラとジェラミーの関係性です。ギラが地下に隠れたジェラミーに会いに行って、交わす言葉は以前通りの信頼に満ちたもので、将来の希望も持っています。その「将来」に対する時間間隔が違いこそすれ、この2人ならうまくやっていけるだろうと思えるのは、ほっとするものがあります。

Re: 9月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/09/27 (Wed) 11:00:27

 定例感想です。

 ゴブスレ原作3巻を読み直して、記憶違いを訂正します。

>ワンマンアーミー

 一人ではなく、少人数ながら仲間との連携でした。
 1巻の最後が、ゴブリンの大軍に対して、冒険者の知り合いをかき集めて、派手な展開の野戦だったけど、
 2巻は、ダンジョン(街の地下)に終始して、絵的には地味な話。まあ、ホームタウンである辺境の開拓町から、水の都という大都市に舞台が移って(出張仕事)、世界観は広がったんだけど、クライマックスの派手さでは「冒険者の大集団VSゴブリンの大群」という大規模戦で締めくくられる1巻の方がいいってことで、アニメ映えするように再構成されたのだと思います。

 この辺は、制作スタッフも機械的に順番どおり話を進めるのでなく、うまくストーリー構成を盛り上げるように編集しているんだなあ、と感じました。

 で、3巻のクライマックスは、1巻と同じくゴブリンの大群による開拓町の襲撃を、ゴブスレ一党がいかに防ぐかの話に流れるのですが(クライマックス以外は秋祭りの日常編がひたすら続き、ストイックなゴブスレさんをデートに誘うヒロインたちとの交流エピソードでもあるのですが)、その中でゴブリン対策のトラップを準備する彼の忙しさがこっそり描かれる伏線仕込みがあったり。

 そして、町の襲撃の陰謀が判明したときに、「遊びの時間は終了だ。これからいつものゴブリン退治が始まる。一人でも町を守らなければ」というタイミングで、
 仲間のパーティーが「お前さんが何やらこそこそ準備していたのは分かっていた。わしらにも声をかけろや。水臭いのう」とドワーフらが加わる、と。

 ゴブスレさん曰く、「みんなは祭りで楽しんでいるからな。その雰囲気を乱したくはなかった」とのことで、
 しかし、仲間たちは「一人で何もかもできるとは思うなよ。他の冒険者にも声掛けするか?」と応じますが、
 ゴブスレさんは「いや、時間がない。一人でも準備は整えた。だが、不慮の事態に備えて、手は多い方がいい。お前たちが来てくれたことはありがたく思う」という流れで、少人数パーティーでゴブリンの大群をいかに食い止めるか、のクライマックスに移ります。

 それで、町の周りに張り巡らされたトラップがいろいろって話になるわけですな。
 ここまでの話で、ゴブスレさんは戦士風キャラとして描かれていたのですが、2巻では「ホビット老人が師匠で、盗賊風の奇襲攻撃を学んだ」とか追加設定ができて、3巻では父親が狩人で、その獣捕獲の罠の仕掛け方を学んだとか、どんどんできることが広がっていく、と。
 さすがに魔法は使えないので、その辺は仲間頼りになるのですが、回復用のポーションとか、マジックアイテムはいろいろと切り札として隠し持っているので、逆転の鍵になっている、と。

 で、そういうマジックアイテムや戦術はどこで学んだんだ、という話については、外伝小説のイヤーワンで5年前の冒険開始時期の前日譚(過去編)でフォローされて、本編以外でも世界観を広げている最中。

 ともあれ、3巻の第一章は「冒険と日常」というタイトルで、最初にちょっとした冒険シーンが描かれて、それから収穫祭の準備で賑わう町の日常と、収穫祭当日の朝、昼のイベントがあって、夜にクライマックスのゴブリン戦となるわけですが、
 アニメで構成するなら、1話で冒険を少し描いて、2話と3話で日常仕込み回になって、ラブコメ風展開になり、4話と5話で前半のクライマックスになるのかなあ、と予想してみます。

 冒険目当てで見るなら、2、3話が退屈かもしれないなあ、と思いつつ、シリーズ物としては周辺キャラの掘り下げになって、そこから4巻の短編集(脇キャラメインの日常群像劇)仕立てになって、世界観が広がる、と。
 初期のゴブスレ小説は、季節ごとに1巻ずつ出て、話の内容もタイムリーに季節を反映していました。
 春に1巻、夏に2巻(だからキャラが氷菓子を食べたり)、秋に3巻、そして5巻が雪山の話。

 で、その後、2年ぐらいは季節ネタが続いていた(作品の時間感覚と、リアルの季節がリンクしていた)のですが、
 アニメ化とか、外伝スピンオフとか、コロナ禍とかで、今は刊行スケジュールがズレて来て(年に1巻ぐらいのペース)、初期の季節感がなくなって来たかな、と。

 ともあれ、3巻は秋祭りで、6巻が「新入生入学の春」に相当しますので(その巻限定で、熟練冒険者が教師をやるような学園ものの要素もありますので)、
 そういう季節感がアニメではどう表現されるかも気にしつつ。

 秋はタイムリーだと思うけど、春の話を年末にやるのはどんな感じだろう、と。まあ、再放送などでは、そういう季節感って意味はないんですけどね。
(うる星リメイクで、傑作選形式なので、季節感がバラバラなのは戸惑ったりも。特に、学園ものだと、制服が夏服だったり、冬服だったり、露骨に差異が出ますからな)

 再放送とかDVD視聴なら気にしませんが、リアルタイム放送で、夏の時期に雪山回をやったり、冬の時期に海水浴回をやったりすると、視聴中の感情移入が追いつかないこともある、と。

★ガッチャード

 りんねさん主役回。

 OP映像で、彼女が南野さんと仲良くやっているようなシーンがあって、ほっこりしていたので、いつになったらそういうシーンが来るのかなあ、と期待していたら、
 今週でりんねさんが食堂に来るようになって、主人公自宅での日常シーンが増えることも期待ですな。

 錬金アカデミーのシーンは、何だかライダー部みたいな部活動ではなく、司令官が仕切る基地みたいな描かれ方なので、
 食堂でのほっこりシーンと、基地での引き締めシーンがそれぞれあると、ドラマもバランスよくなるかな、と。

 ヒーロー物の一つの定番では、食堂の奥に秘密基地があったりして、スナックのマスターが司令役になったりするパターンも多かったですが、
 今作は、さすがに南野さんが裏で錬金アカデミーの重役をやってるとか、そういう話になったりはしないかな、と(絶対ないとは言いきれない)。

 あと、今回の主人公は「料理男子」なんですな。ええと、令和初になるのかな。或人も、斗羽真も、一輝も、英寿も料理キャラではないし。
 平成では、五代さんとか、翔一とか、天堂とか、初期には料理キャラがそれなりにいて、あとはドーナツ好きのウィザードとか、マヨラー仁藤が食べ物ネタが多かったかな。

 食べ物ネタと言えば、カゲロウのカレーとか、景和のたぬきそばとか、キャラ付けにもなるので、今後も期待したく。

 物語的には、敵女幹部が怪人に変身すると、引き締まりますな。
 一般人が変身する野良マルガムだと、犯罪者の多い街の治安の悪さが目立つ感じで、かえって被害が広がる感じ。

 三姉妹が怪人化した場合は、ターゲットが主人公たちに絞られる分、話がストレートでいいとか、
 一般人が怪人化して暴れる話は、ドンブラのようにコミカルな味付けがないと、生々しくてスッキリしないと今は思ってます。

 まあ、プリキュアみたいに悪意が浄化されて、ハッピーに落とし込めるならいいんですけど、
 ケミーは悪くない、悪いのは人の悪意だ、と連発されると、でも毎週のように野良怪人が発生する世界じゃ、その要因となるケミーを封じる方が正論となる、と。

 逆に、人の悪意を増殖させる存在が影で動いているなら、黒幕のそいつを倒せばいいって感じで話をまとめやすくなるので、その方がもやもやしなくていいというか。

 あとは順調にフォームが増えて来ている感じですが、足して10だと4種類。
 これが強化されると、足して20とか、そういう組み合わせも出て来るのかな。

 あと、仮面ライダーは2つのケミーの力を融合させることができて、マルガムはケミー1体分の力しか使えなくて、ヴァルバラドは機械系のケミーを道具(武装パーツ)として組み合わせることができるけど、融合ではない、とか。
 それぞれのカードの使い方が描かれていますな。
 そのうち、3つのケミーの力を融合させる強化アイテムとか期待したくもなりますし、

 これがポケモンだと、宝太郎はホッパーと仲が良いけど、りんねのパートナーになるケミーとか、キャラごとの専用ケミーとか描かれると、世界観が膨らみますな。
 今のところは、主人公しかケミーとコミュニケーションできなくて、主人公の特別性を描写していますが、他のキャラがケミーと交流する話に展開しないと、ヴァルバラドの主張が是になってしまいますので。

 ケミーが人の善意に触れることで、どういう可能性をもたらすのか、特別な主人公以外の一般論として例示されないと、やはりケミーは道具としてしっかり管理しないと、一般人もしくは一般の錬金術師にも扱えない危険な存在でしかない、という話になる、と。

★キングオージャー

 前の事件が解決しないうちに、次の事件が勃発するという、スッキリしない展開が続いていますな。9月に入って、ちっとも怪人にトドメを刺せないという展開で、
 ええと、こういう場合、怪人のスーツを作る予算がないので使い回すしかないという制作事情を疑ってみるわけですが、

 とにかく、放送中には気づかなかった橘さんが登場とか。
 え、主人公が赤いクワガタ虫なら、敵も元・赤いクワガタ虫とかで、死神メガネになった橘さんが凄いな、とキャスティングの妙に楽しんでおります。

 これで「死者を復活させる」と言って、トーフの先代女王(演・雛形あきこ)なんてやってくれると、拍手ですよ(役者同士が実の夫婦)。

 ともあれ、ギラとジェラミー、ヒメノとリタの関係性もエモいと言われた回ですが、すると、この後はヤンマとカグラギの関係性も描かれるのかな。この2人の関係って、まだはっきりしないですね。

 ラストに出て来て、またもやサプライズを仕掛けたジェラミーの母ですが、これはジェラミーが神さまになるためのフラグか何か?(2000年前の母ってシチュエーションがギーツと同じ)
 まあ、グローディが復活させたのか、カメジムの陰謀なのか、いろいろ想定しつつ。

 それにしても、死者が次々と蘇る世界だと、夏の劇場版からつながる要素もあるんだな。
 そっちへのリンクはもう少し後かもしれないと思っていたけど、別の宇宙があるなら、死後の世界の話が普通に出て来てもありだし、話がどう展開するのかドキドキワクワクしようっと。

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