創作と鑑賞の談話室

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11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/01 (Wed) 00:00:27

 11月の雑談スレッドです。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/03 (Fri) 00:00:34

 特撮定例感想です。
 とは言え、次週が駅伝でお休み回なので、あまり盛り上がり気分じゃないですが。

★ガッチャード

 修学旅行で京都へ行く回前編。

 いつもと背景の絵面が違うし、巨大ロボまで出て来て、何の番組を見ているのかと気になりつつ(苦笑)、まあ、こういうお気楽に見ていられる話はストレスたまらなくていいです。

 次回は、ドラマもさることながら、Xカードを使った強化形態の伏線に期待しつつ、まあ、毎回のように新フォームが出ているから、強化形態の必然性をあまり感じない展開ですな。

★キングオージャー

 とりあえず、シオカラが死ななくて良かった、という感想。

 ンコソパが滅びたようですが、逆に今まで王様の地球出張不在中に滅びていなかったのが不思議なくらい。

 いずれにせよ、今回は負け戦でもあるので、このまま2週放置はイヤですな。
 次のヒメノお見合い回は、お茶らけた話のように見せかけて、意外とシリアスな内容になりそうな予感。
 もっふんといっしょ回とか、意外とヒメノの国って、華やかだけど軽薄ではなさそうなストーリーで、結構、情熱的なエピソードが多かった感じ。

 で、今回、解放された云々言ってましたが、それって何かごまかしのような気がする。
 何かの策謀の予感がしますので、そういう策謀だったらカグラギが探り当てそうな気がします。
 果たして、イシャバーナに何が起こってるのか気にしつつ。

 でも、これでイシャバーナも次の回で滅びました、だったらキツいなあ、と。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/05 (Sun) 02:28:56

 週末ゴブスレ感想です。

★ゴブスレII(5話)

 特に今回はサプライズもなく、原作7巻の幕開けを普通に流しましたな。
 若干、剣の乙女のシーンが短く処理された気もしますが、彼女にスポットが当たるのは8巻なので、今回は伏線的な顔見せ回だった感じで。

 注目は、女神官が授かった新呪文〈浄化〉。不純物の混じった液体を真水に変える呪文で、これをゴブリン殺害に転用してしまった件で、地母神の不興を買ってしまうことに。

 後は川の旅で、崖上から岩が落とされてピンチのまま続きましたが、プロテクションの呪文で防げる程度で、
 次回はゴブリンの奇襲に対して応戦していると、エルフの森林警備隊が駆けつけてくれて、あっさりと戦闘終了になることでしょう。

 ゴブスレさんの風体がパッとしないことに対して、エルフの君が「噂に聞いた小鬼殺しはスゴい英雄かと思っていたが、しょせん人の噂は当てにならないな。我が婚約者の妹がそなたのような者と行動を共にするのはどうかと思うが、以前に一族の者が助けられた恩もある。それに祝宴の客をもてなさぬ非礼なことはしたくない云々」と言いながら、
 森に住むエルフの例に漏れず、上から目線の高慢さを見せつけます。

 で、ゴブリンのことを心配するゴブスレさんに対して、エルフの警備は手抜かりがないことを明言し、今は祝宴の準備で忙しいから、それが済んでからゴブリンは適当に処理すればいい、と楽観的に考えるエルフたちですが、
 今回のゴブリンの計略は、森に住む巨大な獣を怒らせて、エルフの里を襲撃させようというもの。そういう知恵をゴブリンに与えた者がいることが想定外だったのを、例によってゴブスレさんの起死回生の策で逆転し、エルフの信頼と敬意を勝ち得る流れ。

 最初は当たりのキツいエルフの嫌みっぷりに少々、角が立つ流れですが、割と早く関係性が改善されますな。
 少年魔術師みたいに引っ張ることはない。

 それよりも、7巻と8巻は、全体的に「ゴブリン退治を超えた冒険」に主眼が置かれ、冒険者になりたかったというゴブスレさんの夢を(ゴブリン退治を続けながらも)達成するように運命が動いていく様が描かれていきます。
 4話のタイトルが「そして冒険へ」ということですが、それは少年魔術師の旅立ちを表すだけでなく、ゴブスレさん自身がその後、思いがけず冒険者としての王道を歩み行く流れに入って行く過程でもある、と。

 8巻を先取りすれば、「囚われのプリンセス(王の娘ではなく妹ですが)を救出すべく、魔王のダンジョンに突入する勇者の物語」と同様のシチュエーションですからね。
 ただ、ゴブスレさん自身は、それが勇者の物語であると自覚せずに、自分はゴブリンを殺しているだけだ、と主張する自意識の低さを露呈。欲がないというか、野心がないというか。

 3話でゴブスレさんが語った夢というのが、後の話で「ゴブリン退治の延長上に見事に達成できてしまう」という自覚のないサクセスストーリーが面白くもあり、どんなに凄いことをしても、地に足ついた故郷へ帰って素朴な生活を送るのはホビットの物語的でもあり、

 その中で、ゴブスレさん以上に凄い立場になっていくのが女神官じゃないかなあ、と思ったりも。
 彼女の出自が、地母神の神殿に捨てられた孤児なんですが、王妹と双子の姉みたいに似ているという描写があるんですね。もしかすると、キングオージャーのギラみたいに王家に縁ある娘じゃないかなあ、という仮説も考えているんですが、まだ原作でもそこまではっきりした証拠はないので、自分の妄想かもしれません。

 最新刊の16巻では、王宮主催の闘技大会が魔族の襲撃にあって、王妹の命が狙われたりしていたのを、影武者に扮していた女神官が観戦中の冒険者たちに檄を飛ばして、魔族の群れに奮戦指揮するような展開が描かれて、
 その頃、ゴブスレさんたちは地下で、ゴブリンの群れを従える吸血鬼と戦っていたりして、
 結果的に国家レベルの大戦をやっているのが最新刊なわけで。

 もしかすると、今期のアニメが終わった後は、女神官さんの出自の謎が明かされたりして、一気に物語が完結に向かう流れに突入するかもしれません。
 ゴブリンスレイヤーさんの物語としては、ドラゴンも退治したし、冒険者としては一つの頂点に達している気がしなくもないけど、果てしなくゴブリン退治を続けていてもいいかもしれない。正直、終わらせ方が難しい設定ですが、
 女神官さんの成長物語としては、上手く終わらせられるんじゃないかなあ、と。

 何にせよ、アニメの2期の方は、7巻と8巻で終われば、それでキリが良くもある、と認識しています。その意味で、ゴールは見えたと思ってもいるのですが、原作を発展させた演出やサプライズがあるかもしれず、それはまあ、最後まで楽しみを残しつつ。

★余談

 前話で、ゴブリンの襲撃を受けた新人たちを「夜戦訓練」と書かれていましたが、
 彼らは学校で言えば、「夕方で日も暮れたから街に帰ろうとしていた帰宅部」の面々と見なすべきでしょうな。

 一方で、少年魔術師や圃人剣士その他の面々は、夜の授業にも残ってトレーニングをしてから深夜遅くに帰ろうという意欲に溢れた連中。
 時間的には、夜6時になったから早々に帰ろうとしていた面々と(街まで歩いて30分から1時間弱かな)、夜8時まで残って少しでも多くを学ぼうとした面々に分かれた。

 で、6時の早帰り組には、教官のゴブスレさんや他の銀等級は付いて行かず、8時ぐらいまでは授業を続けようとしていたら、ゴブリンの襲撃が始まった。
 早帰り組はまだ日も暮れて間もない頃に帰途に着いているから、安全に帰れるだろう、と誰もが考えていた。ゴブスレさんでさえ、盲点になっていたわけだし。まあ、ゴブスレさんも全ての新人を気にかけていられるわけじゃない。

 で、結局、女神官さんの洞察力が秀でていたおかげで、ゴブリンが広範囲に襲撃する態勢を整えているなら、一番無防備なのは帰宅途上の新人という気づきになった、と。
 私がゴブリンだったら、の思考過程がいいし、それに臆病でズル賢い性質を想像するには、ベテランで戦いに慣れたゴブスレさんでは「臆病な自分」を想定しにくい。やはり、「臆病」を想定できるのは、物理戦闘力がさほどでもない、新人より少し上達した程度の彼女でないと難しくもあったわけで。

 でも、臆病でガタガタ震えていた彼女が、守るべき者のために、そして尊敬する師匠(ゴブスレさん)の期待に応えたいという気持ちのために、勇気を出して新人だけでゴブリン退治に向かう流れがいいですな。

>匂い消しについて

 さて、ゴブリンが女子どもの匂いに敏感ということで、女性陣がゴブリンの血で汚されるというネタですが、

 さすがにゴブスレさんに付き合って、ゴブリン退治に行くたびに服や体を過剰に汚されるのはイヤだ、ということで、
 やがて、彼女たちは「匂い消し用の香袋」を準備するようになります。銀貨15枚で買えるそれは、「香りの強い野草や獣の膠を詰めて周囲の匂いをごまかせる代物」なので、ゴブリンの鼻も誤魔化すことができる。
 で、女の子は匂い消しを用意しているから、もうゴブスレさんに汚されなくても済むというわけですが、それを知らない少年魔術師は最初の冒険で、そういう洗礼を受けるわけですね(笑)。

 一方、割愛されたゴブスレさんと妖精弓手の2人冒険ですが、うかつに所持金を全部使いきって金欠状態に陥った彼女が、この時ばかりは匂い消しを用意できなくなって、久々にゴブスレさんの血の洗礼を受けて、うげえっとうめいていたりします。

 というわけで、時たま、匂い消しのために汚されるネタがあるにせよ、今では基本的に香袋を用意しているから過剰に汚されることはなくなった、と考えてください。

 さすがに、アニメの作画的にも、毎回血で汚されるわけではないわけで、ただアニメで香袋を用意しているってセリフは割愛されていたので、分かりづらいかな、と。

>神とて実体あれば斬れる

 この実体というのは、原作では「データ」というルビが振ってあって、元々はD&Dの格言ですな。
 英語での初期D&Dでは、古今東西の神さまにモンスターと同様の書式で数字データが設定されて、神さまは強いけど、冒険者がレベルアップすれば、いつか倒せる。要はHPをゼロにすればいいんだろう、ということですね。

 で、そのデータ集は、「D&Dが神さまを倒す不謹慎なゲーム」という風評被害にあったせいで、厳しい批判にあって絶版になったわけですが、その後、D&Dでは神さまを倒されないように数値データとしては扱わないお約束が生まれました。

 ただ、その後、D&Dが避けるようになった道を、日本の『女神転生』が神も悪魔も同種の存在という設定で踏みしめたもので、海外ではまた物議を醸したようです。

 ともあれ、重戦士にしても、槍使いにしても、小説7巻や8巻では登場しませんので、4話の活躍が見納めになりますな。
 その点は少し残念に思いつつ、7巻は妖精弓手の主役エピソードみたいなものなので、彼女と姉の残念美人ぶりがコミカルなポイントかも。

 基本的に7巻はコミカルな王道冒険ものと思って楽しむ所存。

★おまけのスパイダーマン

 ヨーロッパへの修学旅行編ということで、折しもガッチャードとタイミングよく被りましたな。

 で、アベンジャーズのエンドゲーム後のアイアンマンの死に絡めた重いドラマを交えつつも、基本的には陽性の物語だったファー・フロム・ホームですが、最後の最後で、スパイダーマンの正体が公開されてしまうというハプニングで次に続く、と。

 そして、2作めでは「マルチバースが、ミステリオが幻覚で作り出した狂言」であったのに対し、3作めではドクター・ストレンジの魔法で、マルチバースが本格的に発動して、別世界のスパイダーマンの敵が次々と来襲して酷いことになる、と。
 基本的に陽性の若者ヒーローだったトムホ・スパイダーマンが、過去一の悲劇に見舞われて、世界を代償に、多くの別れを受け入れて、孤高の成熟ヒーローに至るという、ビターエンド展開に。

 あと、2作めのカットされたシーンは、「アベンジャーズの司令官だったニック・フューリーが実は異星人の化けた偽者でした」というオチが挿入されて(キャプテン・マーベルの世界観につながり、ニック・フューリーはしばらく行方不明という流れ)、
 3作めでピーターはニック・フューリーにも頼れなくなるという展開の伏線に。

 まあ、フューリーが異星人の擬態というオチは、他のMCU(TVドラマなど)にはつながるのですが、要はアベンジャーズという組織が本作を最後に機能しなくなったという現状につながる、と。

 ではでは、今宵はこれにて。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/06 (Mon) 01:41:20

 定期感想その1です。

 ニチアサお休みだと感想がぐっと減るところですが、スパイダーマン映画(2作目)がありましたんでむしろいつもより時間を割くかもです。来週はニチアサもスパイダーマン(3作目)もあります。いろいろ書きたいこと出そうと今から気合が入ります。

●ビルドメタバース/境界戦機(新作ネット放映)

 もう一度通しで観なおしてみたんですが、これらを完結した新作としては自分に書ける感想はなさそうです。ビルドメタバースのほうはMSの知識があれば、ガンダムビルドTVシリーズと同様に「あれは○○で出た機体で、だからこの描写は」とか楽しめるんでしょうが、ガンダムシリーズの視聴量が圧倒的に不足。

 ではドラマは、と思ってみても、いかんせん短い。ビルドメタバースのほうはパーツを巡る双子姉妹の葛藤がありますが、骨格を成すような感じではない。主人公が必死に挑む相手を作るための演出に近かったような。主人公がガンダムビルドシリーズ4作の主要登場人物(特に主人公)に出会いました、というほうが大きかったようです。

 境界戦機(極鋼ノ装鬼)のほうは、劇中時期が2期の後らしいんですが、そことのつながりがあるわけではない。主人公のドラマよりは、主人公を導く隊長と敵指揮官のドラマのほうに重きがあるようです。主人公はといえば、隊長に導かれて成長して、これから戦いに赴くところで終わる(ある種の打ち切りエンドに似ている?)、みたいな感じ。

 いずれも「面白くなるのはここから」というところで終わってるわけで、だから完結した作品としてはどうなんだか分からない。しかし逆に申せば、この後を2クールくらいで描いてもらえばという期待は生じます。

 どちらもTVシリーズ同様に、絵の動き、キャラクターデザイン含む作画などは安定して質がよい。境界戦機のほうは2期では主人公らの戦いが絵より言葉に傾いたきらいがありますが、たぶん大規模化した戦闘全体を描いたから。1期では最初は主人公、続いて小規模なレジスタンス部隊を描いたお陰で、バトルもドラマも見応えがありました。

 境界戦機ネット新作では1期ラストと同様の小さめの島での戦いになっており、1期でうまくいったパターンになってました。ただ、そこから出ていくと2期の世界各勢力の争いの場になってしまうわけで、続きがあるとしても不安がなきにしもあらず。

 思い出してみますと、ガンダム初作がうまく行ったのは「少年少女が偶然乗り合わせたホワイトベース」が事実上の舞台だったからかもしれません。全体状況としては、地球 vs コロニー(ジオン)の宇宙の戦いですけど、そこは「環境」というべきものになってたわけで、ホワイトベースの面々がやってたのはサバイバルに近い。

 境界戦機の次作があるとしたら、同じように事実上の舞台を狭くして、主人公らのドラマとメカ戦をしっかり見せてくれればと思います。

 ビルドメタバースのほうは、第3話で唐突に祖父の剣の道の教えが出てきて「あれれ?」となってしまいましたが、観なおして考えてみると、狙いや意味があったのかも。メタバースはガンダムビルド過去4作を統合する狙いがあると思いますが、今作の主人公リオで進めていきますと、過去作の主人公と関わるドラマやバトルが発生するはず(いや、既に発生してますな)。

 ファンタジーからリアルのガンプラ寄りになったトライの主人公カミキ・セカイは、強さの演出として「次元覇王流拳法」を会得してガンプラバトルに応用しています。そことの接点をメタバース主人公リオに持たせるための剣の道なのかも。ただし主人公本人に技量を持たせるのではなく、師匠筋として祖父がいるというもの。

 同様に考えてみまして、主人公リオが既に「師匠」と呼んでいるのがウルツキ・セリア/マスクレディーで、ウルツキ・セリアがビルダーの師、マスクレディーがファイターの師。もしかするとファイターの師としてはセリアの妹ウルツキ・マリア/マスカリージャが今後は加わるかも(あるいはセリアと交代)。セリアの親戚ジェフさんはガンダムビルドシリーズのラルさんの立ち位置になりそう。

 主人公リオの周囲をこれだけ固めておけば、過去4作の主人公らと関わっていく素地になりそうです。師匠は優れているが、リオが(異様なくらい活躍を見せましたがビギナーズラック扱いするとして ^^;)、未熟である点は大事でしょう。過去4作のキャラクターと関わっての半人前の成長物語が作れそうです。言い換えれば、過去4作をメタバースに統合する中核としてドラマを動かせそうです。

●ゴブリンスレイヤーI~II(「余談」に触発されまして)

 1期視聴の3周目終えまして、まだまだ見落とし、考え落ちがあるのに気が付きます。不注意も多々ありますが、1期観終えて、さらに2期視聴も進めてみて、遡って気が付く点もあります。つまりフィードバックかけないと分からない点もあるわけで、難しいともいえますが、「あっ!」と気が付くのは楽しくもあります。

 例えば今さらながら1期第1話のピンチの女神官さんに救援のゴブスレさん到着のシーン。ゴブスレさんは女神官さんが問われるままに答えるのを見て「喋れるようだな、運がいい」と言っています。何が運がいいのだか、視聴2周目では分かってませんでした。

 が、ゴブスレさんの用心深さが分かってきますと、「毒のことか」と。女神官さんが必死で引っ張って来た女魔法使いは、ゴブスレさんは一瞥して毒が回って手遅れと分かっている。腹部の負傷から毒を塗ったナイフと判断できる。そして女神官さんは矢を肩に受けたまま。ナイフと同じく矢じりに毒が塗られていれば、受け答えなんかできるわけない。でも怯えながらもしっかり喋ってるんで、矢に毒はない→運がいい、ということらしい。

 などと書いていてご投稿を頂きまして。「余談」と仰ってますが、自分には余談どころではなく「あ、そうだったのか」という点が多々です。それを踏まえてみますと、いろんなシーンが味わい深くなります。いつもありがとうございます。

 特に「夜戦訓練」ですね。自分は夜戦訓練帰りの新人が狙われたと思い込んでましたが、夜戦訓練に参加せずに日暮れで切り上げて帰りつつあった新人でしたか。それならベテランが付き添ってないのも自然ですね。夜戦訓練組のほうを指導しているわけですから。

 劇中の台詞にちゃんとそこが表れてたのも、今さらながらですが気が付きます。槍使いさんが「夜戦の練習をしたいヤツら以外は夕方になったら上がっちまったよ」と言ってますね。「上がった」から、女神官さんは「今、どの辺りでしょうか?」と問い返している。

 考えてみれば、夜戦訓練中の新人なら移動はしてないわけで、「『今』どの辺り」と確認する必要はない。さらに女神官さんはハッキリ「帰る途中の新人さん」と言ってます。そこまで描写されてるのに、自分は気が付いてませんでしたorz。

 その「早帰り組」にゴブスレさんが思い至らず、女神官さんが気づいた点も興味深くなります。夜戦訓練に参加しないのは、新人本人の意思・希望もあるでしょうが、昼間より難しい夜間に戦うレベルに至ってない新人が帰された可能性が高そうです。つまり新人冒険者中最弱となりそうです(冒険者ではなく冒険者志望なのかも)。

 ゴブリンなら「帰宅部」こそ最も弱いと見做してターゲットにするはず、と女神官さんだけが気づいたわけですが、なぜゴブスレさんが気づかなかったかですね。1期ラストではロード率いるゴブリン軍の出ようを綺麗に読んでいたゴブスレさんが、なぜあのときは見落としたのか。

 たぶん、女神官さんのような「もし私がゴブリンなら」という発想をゴブスレさんはできないんじゃなかろうか。外からの観察で理解して想定することはできる。だけどゴブリン視点になることはできない。「姉」を苦しめ惨殺したゴブリンですから。

 剣の乙女さんですと、自分の勝手解釈ですが、心の中に巣食って追い出せないゴブリンが問題でした。ゴブスレさんだと必死にゴブリンを気持ちの中に入れまいとしているんじゃないかと思います。それが女神官さんのようにはゴブリン視点になれない理由なんじゃないかと。

 しかし、その辺りもだいぶ変わって来ているかもしれません。1期第3話の野外パーティ飯で冒険者になった理由の話題になったとき、ゴブスレさんだけ「ゴブリンを」と言い、妖精弓手さんから「なんとなく分かるからいいわ」と言われてしまってました。冒険者になった理由に触れられないわけですね(自分が冒険者かどうかすら考えられない)。

 同じく1期第10話では自分(ゴブスレさん)の行く末が分からないことを牛飼娘さんに黙って見抜かれ、第12話でようやく「俺は多分、冒険者になりたいのだと思う」と今の希望は言えるようになりました。今期第3話ではようやく過去の自分を思い出して、「俺は冒険者になりたかった」と言えるようになってます。だんだん自分(ゴブスレさん)の核心に触れることができるようになってきた感じがあります。

 もしかしてゴブスレさんが更生しつつあるのかなと思ったりしますが、こちらで伺う原作の先の話からしますと、まだまだでしょうか。そこはこれからに期待するとしまして、「匂い消し」は今までの視聴内容の解釈を補正するのにずいぶん役立ちまして、これもありがたい次第です。

 何も知らずに観た時点では「経験も能力も最弱の少年魔術師を守るため」に彼だけ血塗れと思ったんですが(女神官さん、妖精弓手さんはいわば囮)、「匂い消し用の香袋」(銀貨15枚はお高いですな ^^;)を知ってみると解釈も印象も一変です。少年魔術師はゴブリンを倒すと連呼しているくせに、目くらましになる香袋を知らなかったことになります。気ばかり逸ってるが未熟という印象を強めるものですね。

 重戦士さんの「実体があるってことは」→「神様だろうがぶっ殺せる」の「実体」の読みが「データ」については、アニメ版の解釈が変わるわけではありませんが(「じったい」と言ってるわけだし)、背景情報としては興味深いものがあります。原作の方向性も示すような気もしますし。

 自分としてはフィクションで(多神教的な)神を殺せて何が問題だろうと思いますが、少なくとも西洋ではショッキングみたいですね。よく知りませんでした。それもデータブックにHP記載があるだけで、「じゃあゼロにできれば死ぬ」と想像して「不謹慎」となっちゃうんですか。

 D&Dがそこを取り下げたものの、「女神転生」シリーズが問題視されてたんですか。神だろうが天使だろうが「アクマ」なのも問題と。19世紀にニーチェがリアルの哲学で「神は死んだ」と言ったくらいですから、フィクションなら問題ないと思ってくれるわけではないのか。

●ゴブリンスレイヤーII(第5話:かみきり丸、南の川へ)

 前話までと打って変わって、ミッション(?)が結婚式への招待ということで、比較的平和な回でした。が、やはりゴブリンの襲撃は半端ない。もっとも1期第1話では「この世界ではよくある話」とされてるんでしたな。しかし今話の受付嬢さんの態度を見ますに、女神官さんと同じく「この世界ではよくある話」とは思ってなさそうな気もします。

 冒頭はにぎわうギルドからでして、妖精弓手さんに手紙が届く。葉っぱに字を書いてありまして、一瞬「この世界には紙は普通にあるのに?」と思いました。が、こちらで矢も植物として生やすと伺ったのを思い出し、エルフ技術ではこれが普通であり高度なものと思い直しました。

 妖精弓手さんもゴブスレさんなみに言葉足らずなとこありまして、手紙を一読すると「結婚することになったみたい」(誰が?)。さらに相手は「いとこ」(ネットで調べると従兄)と。ただ、他人事みたいな言い方から察しても良かったかもしれない。が、最も仲が良い女神官さんが妖精弓手さんが結婚と思い込んで話してるせいか、他の面々も同じく勘違い。

(この後、象を説明するに「群盲象を評す」を1人でやるが如きの説明もやらかしてまして、こんなに口下手だったっけと思うほど。もしかして姉さまの結婚が実は嬉しくてテンション上がりすぎてるのかしらん。)

 しかしさすがはゴブスレさんでして、ズバッと「それで誰が結婚するのだ?」と切り込んでみると、妖精弓手さん一言「姉さま」。自分としてはちょっとギクッとします。少年魔術師に続き、また「姉」ポジション登場ですんで(こちらで予習はしてるんですが、それでも)。が、ゴブスレさんの「姉」のことを知らないパーティの面々は気にも留めずにワイワイガヤガヤ。

 ともかくも結婚は妖精弓手さんの姉さまと従兄殿。パーティメンバー揃って結婚式に招待されたわけですが、ゴブスレさんは辞退しようと「そうか、俺は」と言いかけるも、みなまで言わせずに女神官さん「ダメです」。ゴブスレさんがなおも逡巡しますが、女神官さんはゴブリンは他の人に回してもらうと逃げ道を塞ぐ。

 女神官さん(のみならずパーティの面々)はゴブスレさんがゴブリン以外に興味がないゆえと思っているようですが、観ているこちらは「また『姉』絡みだから尻込みしてる?」と勘繰ってしまいます。もっともギルドに張り出された依頼を熱心に見ているゴブスレさんからすると、やはり主な理由は興味なのかとも思えてはくるんですが。

 そういうゴブスレさんより気になったのは受付嬢さんです。ゴブスレさんへの好意がある、というより日ごろから心配しているせいか、受付嬢さんは不眠不休に近いゴブスレさんを休ませようと、結婚式のための段取り(討伐依頼の配分)するのに積極的。

 が、休まないのは受付嬢さんも同じなわけですね。妖精弓手さんは受付嬢さんも誘いたいらしいですが、受付嬢さんは働くつもりらしい。同僚さんがえらく心配して無理矢理休みを取らせるわけですが、受付嬢さんの態度が気になります。

 休もうとしない直接的な理由はゴブスレさん不在の間のゴブリン討伐の割り振りでしょう。ゴブスレさんがいないなら、引き受け手を探さなければならない。白磁等級なら受けてくれそうですが心許なく、上級者だと報酬の低さで相手にされにくい。ゴブスレさんなら「どうせジャラ銭稼ぎよ」で受けてくれて、しかも対ゴブリンなら最強クラス。一時とはいえ抜けた穴を埋めるのは並大抵ではないはずですね。

 そこは同僚さんも理解はしていて、「2~3件ばかしゴブリンの巣穴潰してくれないかな?」と先回りですな。受付嬢さんをゴブスレさんにくっつけようと面白がっているのが主な理由でしょう。たぶん同僚さんは、ゴブリン被害を「よくあること」と受け止める常識派に属してる。

 しかし受付嬢さんやゴブスレさんがどう思っているかを暗示するのが、続くゴブリン討伐シーン。1期からゴブリンの残忍な蛮行は幾度も描かれているわけですが、今話のは描かれる被害者が多い。襲われたのは教会のようですね。修道女ばかりの僧院らしく、ゴブリンから「弱い」と見做されたんでしょう。

 こういうことをゴブリンがやるから、受付嬢さんもゴブスレさんも休みたくないんでしょうな。ゴブスレさんは理由が既に描かれてますが、受付嬢さんのそれはよく分かりません。ゴブスレさんに惹かれて感化されたのか、それともこのような被害を「よくあること」とは思えないから、ゴブスレさんに惹かれるのか。

 しかし事態はゴブスレさんや受付嬢さんの想定を超えるものであるらしい。ゴブリンは女性であれば巣穴に引き込むのが通例。今回は襲撃した教会に居座り、被害者もそこに捕えてますね。要は、ここを巣穴にするような動きを見せてます。しかも、何か収集する目的もあったらしい。鉱人道士さんが見つけたのは考古学レベルの古文書と思しき粘土板ですね。ゴブリンに読めるわけなさそうですから、何か背後関係ありそう。

 などと考えてますと、女神官さんが新しい奇跡「浄化/ピュアリファイ」を披露。効果は洗濯と風呂を同時かつ一瞬で行う感じですね。被害に遭った修道女にはせめてもの慰めでしょうか。しかしゴブスレさんは何か悪いこと思いついたようで「よい奇跡だ、使い出がある」。女神官さんも何となく察して苦笑いですか。ゴブリン絡みだと結婚式招待の「ダメです(キッパリ)」のようには無理らしい(^^;。でも、これがこちらで伺った大地母神のご不興を買うものになるはずですね。

 この直前、女神官さんはゴブスレさんにもたれかかって寝てまして、1期最終回でもバトル後のギルドで同じように寝てました。2期第1話の(描かれなかった)多数箇所討伐の後も、蜥蜴僧侶さんにおんぶされて寝てました。戦ったらすぐ寝るみたいな感じですが、RPG流では宿屋で寝るとMP回復ですね。ゴブスレ世界でも寝れば魔法回数回復ということで、女神官さんは奇跡行使すると寝る癖があるのかも。

(牧場への帰り道のゴブスレさんと牛飼娘さんの会話は他愛なさそうでいて何か意味がありそうですが、よく分かりません。今までの感じからすると、言葉の裏に意味があるとしても先の展開がないと分からないのかも。この場では「これだけ牛飼娘さんが匂わせてくれてるのに、ゴブスレさんと来たらもう」くらいなところ ^^;。)

 ともかくも「2~3件ばかしゴブリンの巣穴潰し」は何とかなったようですが、粘土板の古文書という問題のほうは(結婚式のあるエルフの里への経路でもあるんで)水の街の大司教:剣の乙女へ託す。刻み付けた文字なんで、視覚がぼやける剣の乙女が触って読める。が、1枚目をざっと読んだだけでは何か分からないらしい。

 そこはおいおい判明するとして、ゴブスレさんと相対した剣の乙女さんの態度が興味深い。直前の女神官さんの台詞「もう1年前になるんですね」から1期の討伐から1年ぶりの再会と分かります。あれ以来、剣の乙女さんは安眠できているらしい。そこは安心できたからなんでしょうけど、予習してみるとゴブリンを見ると未だすくむようですね。

 そういう精神状態のせいか、剣の乙女さんの態度が大人と子供を行き来してまして安定してないですね。「こんなポンコツだっけ?」みたいなネット評もあるようです。が、大人なのは魔神王討伐の英雄にして大司教である部分ですね。自分(剣の乙女)が公には何をどう為すべきはよく心得て揺るがずにやれる(ただしゴブリン以外)。そこは1期のときと同じ。

 子供面が出てきたのは、おそらくはゴブスレさんに救われて「お慕い申しております」となったときに表面化したんでしょう。救われるまでは「ゴブリンに襲われた少女」のまま、月並みな言い方をするなら「時が止まった」。ゴブスレさんが「夢の中」でも来てくれると信じられたことで、時が動き出した。それが1年前ですから、16歳くらいでしかない。

 なので自分(剣の乙女)について(1年前と比べて)どう思うか聞いて、ゴブスレさんがゴブスレさんらしく「道中で聞いている」と素っ気なく返すと、頬っぺた膨らませて「むう」。ここは前話のゴブスレさんの「アハハハ」に匹敵する衝撃を受けました(^^;。

 しかし粘土板の古文書を出されると急に大人に戻り、しかしゴブスレさんが背を向けると焦ってちょこちょこと駆け寄り、これもまた子供っぽい。続く台詞「ゴブリンではないようですけれど」はなんだかすねてる感じです。しかもボソッと、しかし聞こえるように「いけず」ですか。

 これだけ迷わずあからさまに甘えられて、たぶんゴブスレさん困ってますね、これは(^^;。『俺(ゴブスレさん)のせいでこうなった?』とか思ってそう。しかし、さすがは剣の乙女さんでして、いざ見送るとなると川には気を付けるよう具体的に注意を促し、「どうかご武運を」と戦いがあるとの覚悟も示す。
(もっとも、「ご武運を」は戦に出る夫を送り出すのは妻の態度のようであり、そういう気持ちがあるから牛飼娘さんに対抗意識持ったりするのかな。)

 剣の乙女のシーンでは劇場版の内容に触れる台詞もありまして、令嬢剣士ですな。観ておいてよかった。でないと、例えば「雪山」でピンと来ず、「あの娘」が誰のことなのか分からない。分からなくてもおそらく2期のストーリー理解に支障はないんでしょうけど、「地下水路討伐からここまでに、令嬢剣士の一件があったのか」~「そうか、立ち直ろうと頑張ってるのか」から来る感慨深さが感じられなかったらもったいない。上述の「むう」は令嬢剣士と対比になってるわけですしね。

 その間、他のパーティの面々と牛飼娘さん、受付嬢さんは「おしゃれ」のショッピング含め準備は済んだようで、いよいよ船(と言っても大きめのいかだ)で出発。川をさかのぼってるようですが、流れが緩やかで苦も無く進めるみたい。途中で水位の高低差を調整する水門がありまして、それで流れを緩やかにしてるんでしょうな。穏やかな流れだからいかだでも問題ないんでしょう。ただし、何かあれば転覆とかしやすいはずで、それが剣の乙女の警告(船が沈んだという知らせがいくつか)につながりそう。

 しかしとりあえずは平和な船旅。女性陣が「おしゃれ」で買い込んだにしては紙袋がえらく小さいと思ったら、どうやら水着みたいですね。そういや、既に結婚式に出られるような衣装でして(特に女神官さんは普段から正装でしたな)、新たに服を買う必要はないんでした。

 が、泳ぐとなれば話は別か。1期ではなかった水着回があるのかしらん。さらに女性陣は会話弾んでまして、妖精弓手さんと女神官さんが「ここがあの堤」と何かあったことを匂わせ、受付嬢さんらが知りたがる。うーん、観ているこちらも聞きたいところですが、妖精弓手さんがゴブスレさんと会う前の話らしいとしか分からない。

 一方、ゴブスレさんは剣の乙女さんの警告もあって水中への備えの木の槍をせっせと作ってる。この用心は半ば当たり(敵襲あり)、半ばハズレ(敵は上から)でしたな。妖精弓手さんが察知した敵襲は上から。落石ですが、数からして自然のものではない。これを見上げる女神官さんが「はっ!」としたところで続く。

 気になってネットで調べてみると、この敵襲はゴブリンライダー隊によるものとの解説がありました。だもんで、落石に紛れてゴブリンライダーが急襲、女神官さんはそれにいち早く気付いたのかと思い込んでしまいました。

 しかし正解はこちらで伺うことができまして、女神官さんは落石に驚いてたわけですか。しかしすぐに対応して聖壁/プロテクションで防御すると。ゴブリンライダーのほうはエルフの森林警備隊で対処して、緒戦は苦も無く勝利するということでしょうか。だからエルフの長がゴブリンを大したことないと確信を強め、その専門のゴブスレさんの理由あっての風体を理解できずに侮ると。聞いてますと、なんだか「たかがゴブリン」と侮って壊滅する初心者パーティのパターンのようで不吉に感じます。

 しかも、人が多数居住する教会/修道院を襲って巣穴化し、古文書を運び出そうとし、蜥蜴僧侶さんが「ちとこざかしい感」と不審に思うゴブリンの動きがあるわけですな。それがエルフの里の巨大獣をけしかける計略とリンクしているわけでしょうか。シャーマンでやれるレベルではなさそうですね。そこから先についても、こちらで7~8巻の内容を伺えたお蔭でいろいろ想像が膨らみます。

 エルフの里の事件を片付けて、そこから「王妹」に酷似の女神官さんの出自に迫るとなると、なかなかのワインディングロード展開という気がします。でも16巻に至るも謎はまだ明かされてないんですか。アニメオリジナルの匂わせとかしてくれたら面白いかも。過去エピソード(ダイ・カタナ~イヤーワン)に連なればさらにですが、さすがにこの2期に納まるかどうか。たぶん(あればですが)3期に譲るところかな。この2期の人気次第では(映像表現が豪華な)劇場版もあり得るかも。

 などと先走って妄想しても仕方ない。次回「エルフ王の森」では、まずはこちらで伺ったエルフの高慢を見せてもらえるはずですね。その鼻っ柱を折るのはその次かな?

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/06 (Mon) 23:28:59

 定期感想その2です。

●スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

 ウィキペディアであらすじを読んでみたのがずいぶん前で、TV放映直前に復習しとかなかったもんですから、知らない映画を観ているようでいて、かなり混乱もしました。次作のノー・ウェイ・ホームと一部混同してしまってまして。

 ただ、こちらでアベンジャーズ/インフィニティ・ウォー~エンドゲームの話題を出して頂いたことがあるお陰で、このファー・フロム・ホームの冒頭の状況はすんなり飲み込めました。サノスにより宇宙の半分の生命がいったん滅んで、しかし蘇った世界ですね。いったん消滅した人間と消滅しなかった人間は時差(?)5年が生じ、兄弟の年齢が逆転したりしている。

 主人公ピーター・パーカー/スパイダーマンは死亡組(?)なので、生還後は高校に戻ったと。これによりピーターとしては前作ホームカミングの続きをやっているようなもの。ただし、ホームカミングで目をかけてくれたトニー・スターク/アイアンマンは命に代えて世界を救い、ピーターも復活させてくれたので、今はもういない。

 などと状況的には分かるけれど、インフィニティ・ウォー~エンドゲームを観ていればピーターの気持ちがもっと伝わって来るんでしょうな。特にトニーの遺品であり、希望を託すものでもあるサングラス型のイーディス(E.D.I.T.H)について、ですね。本作はそれの争奪と悪用が描かれているわけですし。

 高校の旅行でヴェネツィアに行くわけですが、元S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーからの連絡を無視していたため、えらいことになる。水の街ヴェネツィアの水路から巨人が現れて暴れ始めるわけですが、スパイダーマンスーツを置いて来てしまっている。もっともメイおばさんが旅行鞄に入れてくれていたものの、持ち歩いてなくて中途半端な能力しか使えないわけですね。

 しかしタイミングよくヒーロー登場でして、スパイダーマンの援護を受けつつ、水の巨人を倒す。イタリアのニュースで「ミステリオ」(謎)と呼んでいたのがあだ名となりますが、クエンティン・ベックなるアース833から来たと自称し、既にニック・フューリーの信任を得て行動中と。

 ベック/ミステリオによれば故郷(833)はエレメンタルズなる地水火風のモンスターに滅ぼされたとのことで、せめてピーターの地球(616)は救いたいと殊勝なことを言う。もし自分に多少のスパイダーマン知識があれば「クエンティン・ベック/ミステリオ」がスパイダーマンシリーズの有名ヴィランだと分かって「ははーん、さては」となったと思うんですが、視聴時点では全く知らず気づかずです。

 この映画は途中までは「なんか無駄にドタバタしてるな」と感じました。トニー/アイアンマンから、彼のサポートシステム全てを引き継げるイーディスを贈られ、それをヒーローとしてどうするのかと思ったら、誤解を招く写真(美女の前で服を脱ぐ:本当はヒューリーが差し向けた元副長官マリア・ヒルの指示→真相は言えない)を消そうと躍起になったり。

 あまつさえ、そのせいで人工衛星からのドローン襲来でバスを攻撃してしまい、収拾にジタバタ。ピーター周辺でも故トニーがピーターへ差し向けたハロルド・“ハッピー”・ホーガンがメイおばさんに惚れてしまい、ピーターとの連携がギクシャクしたり。

 一応はドラマらしくなってるのは、ベック/ミステリオとの共闘成立までの紆余曲折、2人で最強の火のエレメントと戦うことで信頼関係成立、そしてベックにトニーの面影と気概を見た気がしたピーターがイーディスをベックに託す流れですね


 しかしドラマらしいのはそこだけでして、他はなんともドタバタしてます。観ていて「何のドラマやテーマを見せたいんだろう?」と多少イライラすらしそうになったんです。が、イーディスをピーターから贈られたベック/ミステリオが正体を現わしたことで、「なるほど、そういうことか」となりました。ベックの掌で踊らされていたわけですから、ピーターが無目的にジタバタしていて当たり前。

 そして偶然入手したドローンのホログラム作動でベックの正体に気付いたところからは、ピーター/スパイダーマンが俄然引き締まってきます。まだ10代の半人前ヒーローのこととて(まだ親しい者の死を経ていないし)、頑張りようは相変わらずジタバタですが、方向性は定まってます。

 ベックはトニーから解雇された元社員であり、同じようにトニーに逆恨みする連中を糾合して、事を起こしたわけでしたか。

 そのベック一味はもともと高度なホログラム技術を有する上に、イーディス奪取で無数のドローンまで手に入れてしまった。ピーター/スパイダーマンが立ち向かっても、偽の状況に放り込まれて遅れを取るばかり。まるでドクター・ストレンジに翻弄されているかのよう。しかしベックのはあくまでもまやかしであることが、最後の逆転劇につながるわけですね。

 それは後のことで、緒戦は翻弄されるばかりで、負傷してオランダの留置場に送られるという惨敗。が、ピーターがハッピーに助けを求めますと、それまでメイおばさんの周りでウダウダしていたハッピーが突如として奮起する。やはりトニー/アイアンマンの間近に居続けただけのことはあるようですね。

 ジェットで駆けつけたハッピーにスーツと敵上空までの移動をサポートされたスパイダーマン、フェイクのエレメントを映し出すドローンを妨害し、ラスボス:ベックに迫る。が、ベックは依然としてホログラムを駆使してハメて来る。これを目ではなく気配で察して破り、観念したベックもフェイクと見破って決着。イーディスも取り返してドローンを停止させ、ようやく解決ですか。

 と思ったら甘かった。最終盤途中で何かデーターを抜き取るシーンが描かれてたのは、スパイダーマン vs ベックの戦いの映像記録でしたか。それを編集して、スパイダーマンがエレメンタルズを倒した英雄ベックを殺害し、その正体はピーターであるとニュースで流すため。

 行き場を失ったスパイダーマンがどうなる、で次作につながるわけですね。今作ではピーターをスパイダーマンと承知でミシェル・ジョーンズ(MJ)とカップル成立してまして、一瞬「スパイダーマンが失う最愛の者とはMJ?」と思ってしまったんですが、後で調べると次作でメイおばさん死亡となってまして。そこはすっかり忘れてました。思い出さない方がよかったかも。まあどうせ次の金曜にはノー・ウェイ・ホーム放映で分かっちゃうことではあるんですが。

 こちらでご教示頂いた「マルチバースが、ミステリオが幻覚で作り出した狂言」が本当にマルチバース実在になる点、上述しました映像によるドクター・ストレンジもどきのトリックから本物のストレンジが出る点、対比で面白くなりそうです。

 自分が気にしていたTV放映でカットされるシーン(最後の最後)ですが、ニック・フューリーが偽物で、正体が宇宙人という部分が割愛されたんですか。ノー・ウェイ・ホームで「なぜニックがいないんだろう?」みたいにならないといいんですが。

 今作でハッピーの機転でベックの正体に気付いて難を逃れた、なんてシーンあるわけでして、これで次で出てこないとなると不自然になりそうな気もします。が、観る前にネガティブに考えても有害無益かも。まずは思い込み排して観るのみですね。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/09 (Thu) 11:45:06

 ゴブスレおよびスパイダーマンについて、レスしておきます。

★ゴブスレ

>もし私がゴブリンなら

 この女神官さんのセリフですが、やはり師匠のゴブスレさん譲りのものですね。
 ゴブスレさん自身が、アニメ1期の2話で、「自分がゴブリンだったらと仮定すること」を教えております。

 ただ、今回、女神官さんの方がゴブスレさん以上の洞察力を示した理由について、3点を挙げてみます。

1.単純に能力値の問題

 女神官さんは、プリーストなのでD&D的にはWisdom(知恵、判断力)が高いことが想定されます。
 つまり、筋力、敏捷力、耐久力については戦士兼斥候仕事のできるゴブスレさんが上ですが、頭を使う作業、何かに気づくことに関しては、女神官さんが素の能力において高いと考えられます。
 単純な能力面では、ゴブスレさんは女神官よりもバカだということですな。

 もちろん、ゴブスレさんはゴブリン退治の経験に関して、圧倒的に経験を積んでおり、能力の低さを後付け習得した数々の技能で補っている。
 女神官さんが天才タイプであるのに対し、ゴブスレさんはイヤーワンを読むかぎり、非常に失敗が多くて、それでも肉体面のタフさ、意志の強さ、そして運の強さで窮地を逃れてきた経緯があります。
 今回はこれで失敗したが、運よく生き残った→だったら、次からは同じ失敗をしないように考えよう。俺はバカだから、考えないとゴブリン退治なんてできない。俺よりも頭の良い奴はいっぱいいるからな。

 こうやって、泥臭くコツコツ学んできたのがゴブスレさんで、一方、わずか1年でゴブスレさんのゴブリン退治の知恵や経験を急速に習得しているのが女神官さん。
 さすがに肉体派ではないので、体を使った技や道具作り、罠を仕掛けることなどの実技面ではまだまだ及んでいないですが、知恵を巡らせること、そしてゴブスレさんの持っていない交渉能力(人心の機微や常識を解する力、人当たりの良さ)ではプリーストとして身につけた作法も含めて、すでに超えている面もあるってことで。

 ゲーム的に言うなら、「ゴブリンの行動について気づけたかどうか、知恵+ゴブリン知識で判定してみて」とか言われて、

ゴブスレさん「知恵はボーナスがないが、ゴブリン知識は5レベルあるから成功するぞ。(サイコロを振って)かろうじて成功だ」
女神官さん「知恵ボーナスは+3で、ゴブリン知識は2レベルに育ちましたから足して5ですね。ゴブリンのことなら、ゴブリンスレイヤーさん並みに推察できますよ。(サイコロを振って)ああ、出目も良くて、クリティカルです♪」
GM「おっと、それならゴブスレさんが気づいていなかったことも気づいたことにしよう。ゴブリンは無防備な帰宅組を狙っている。彼らを助けることができれば、ボーナス経験点を与える特別ミッションが開示された」
ゴブスレ「そうか。だったら、ゴブリン退治組と、新人救出組にパーティー分割したいところだな」
女神官「救出任務には、わたしが志願します。守ることと癒すことが得意ですので。新人のお友だちに、戦士2人、神官が1人、魔法使いが1人いるので、ゴブリンだけなら渡り合えると思います」
ゴブスレ「斥候役がいなくて大丈夫か?」
女神官「圃人の娘なら、斥候の真似事もできそうですからね。たぶん行けるはず」
ゴブスレ「では任せた」

 こんな感じのやりとりを想像するTRPG脳です(苦笑)。

2.性格の問題

 ゴブスレさんは基本的に臆病ではありません。少なくとも、ガタガタ震えるようなシーンは、姉がゴブリンに惨殺されるのを見ていた場面だけで、そのショックで恐怖を感じる脳内回路が破損してしまったレベルで、何者に対しても物怖じしないレベルで渡り合える、と。
 まあ、牛飼娘さんなど大切な人を失う恐怖は感じられるんでしょうけど、戦いそのものが怖いと考えることはない。
 そういう性格ですから、「ゴブリンの気持ちになる」という推測想像はできても、「臆病にして狡猾なゴブリン」の臆病の部分を完璧にシミュレートはできなかったのでは、と。

 一方の女神官さんは、物怖じする臆病さも備えていますから、「臆病な自分がゴブリンだったら、弱い者を狙うはず。この場で一番弱い相手は?」というところまで、推察できた。
 これについては、ベテラン冒険者が強者の視点で判断しがちなのに対し、初心者を脱却したばかりの彼女だからこそ、弱者視点での判断ができたとかもありますね。
 ゴブスレさんがゴブリンの思考をトレースできなかったのではなく、女神官さんがより弱者の思考に近いところにいたということでしょうかね。

3.ゴブスレさんの情緒が人間寄りに戻ってきた

 ソロで活動してきた頃は、ゴブリンの思考を完璧にトレースして、「俺は奴らにとってのゴブリンだ」とまで自認していたゴブスレさん。
 しかし、仲間ができたことで、より人間らしい感性や社交作法を取り戻しつつあります。すると、考えることや周囲との調和などに意識がとられ(ゴブリン退治の観点からは雑念と見なすことも可能)、仲間ができたことで得たもの、失ったものがどちらもあるわけですな。総じて、得たものが多い、とゴブスレさんは結論づけていますが。

 で、人間らしい思考に戻る=徹底したゴブリン思考のトレースが減退するということですから、まあ、ゴブスレさんが見落としをやらかすのも無理はない。
 逆に、仲間ができたことで仲間の知恵を借りられる=全部、自分一人でやらなくても良い、ということで、今回はそれが奏した、とも。

 考えてみれば、ゴブスレさんの思考の見落としを、弟子の女神官が気づくことで彼女の成長を描写するというストーリー目的があるわけだし、ゴブスレさん以上に正確にゴブリン思考をトレースできるまでになった弟子って凄いなあ、とも。
 で、これ以降、彼女は「ゴブリンスレイヤーさんなら、こう考えるだろう」という思考スタイルで、冒険中の窮地を乗り越える局面が増えて来るんですね(原作9巻以降は、彼女とゴブスレさんが別行動という局面が結構増えて、ゴブスレさん以上にチートで狡猾で頼りがいのあるリーダーシップをとる姿が何度も描かれる)。

 一方で、ゴブスレさんは人間社会への順応という意味で、ゴブリン退治特化から通常の冒険者としてバランス良い成長を遂げるようにもなって行く。
 その意味で、本作はトラウマからの癒しを描いた物語、という解釈も成り立つ、と。

>修道院の襲撃

 この場所は、知識神の神殿でして、黒幕はもちろんゴブリンではなくて、邪神を崇める邪教団なんですが、魔神王復活の儀式をあれこれ策謀しています。
 そのための儀式のやり方が神殿に書物として保管されていて、それが奪われたわけです。で、連中の目的を推察する手掛かりが例の石板から読み取ることができて、「総じて邪教団と戦うのが、剣の乙女の役割の一つ」という7巻の裏設定が、8巻にもつながって行く、と。

 その意味でも、7巻の後に8巻をやらないと、今期のアニメは収まらないと思えます。

>葉書

 エルフからの郵便は「文字どおりの葉書」という表現が原作にあって、言葉遊びとしても面白いと思いました。
 エルフの森は、ホビットの映画でもその異文化模様が見事に映像化されていましたが、次回でも、それがどうアニメ絵で表現されるかに期待です。

 そしてゴブスレ世界でのエルフは、虫との親和性が高い(タイミング的にキングオージャーだ)。
 ホビットでは、蜘蛛は邪悪な生き物なので(作者のトールキンは蜘蛛嫌い)、エルフは蜘蛛を森から根絶することを目指していますが、
 ゴブスレ世界では、蜘蛛糸の弓弦という描写もあって、とにかく虫好きエルフというイメージで、異国文化っぽさを強調。
 まあ、妖精弓手の戦闘イメージも、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」で虫っぽさを想起させますし。

 エルフの食文化も、野菜がメインで、タンパク成分は虫から得るって形になって、肉は食べないけど、虫食文化という新鮮なエルフ像が面白いなあ、と思いました。

>ここがあの堤

 ええと、「あの」と言うのは、劇場版で妖精弓手と女神官が雪山で温泉入浴女子トークしているシーンがあって、その時に話題が挙がっていました。

 人間文化の不思議さ(エルフの世界に温めた湯に入る習慣はないらしい)を語る妖精弓手さんが、自分が故郷の森を出て、人間世界に冒険に出た経緯を語っています。
 で、川の行手に何があるのか好奇心に駆られて、川沿いに進んでみたら「堤に行き当たって、そこから先に出ることは禁止されていたけど、いつかその先に何があるか見たいと思って冒険者になった」という話でした。

 で、それを受けての、「あの堤」ですね。つまり、堤が人間の世界とエルフの世界の境界線にもなっている、と。
 その堤を越えた先で、ゴブリンに襲撃されたってことは、ゴブリンがエルフの世界に侵入して活動しているということで、大丈夫か? って話ですね。

 このエルフの森エピソードは、とにかくホビット映画を類推できる部分、そして作者がどうオリジナリティを出そうとしているかという部分が味わえたと思うので、それをアニメがどう映像化しているかという点。
 あと、「象」というのも隠しポイント。

 ロード・オブ・ザ・リングでは、東方が暗黒の蛮族という作者観で、魔王サウロンの暗黒の軍勢の中に、東方蛮族が連れてきた「巨大な象ムマキル」が登場して、映画ではエルフのレゴラスがアクロバティック・アクションで、移動要塞みたいに武装した象と騎乗した蛮族を一人で殲滅させたシーンが見どころでもあるのですが、
 この象を、ホビットのサムが「じゅう(獣)」と呼んで、戦争でこういう獣も使役されている様子を嘆いたりもしていたのですが、

 ゴブスレさんが象を知らないので、いろいろボケまくる。

ゴブスレ「なるほど、これが象か」
妖精弓手「違う!」

>海エピソード

 以前に、7巻は海エピソードの後で、エルフの森に行く、と書いてましたが、海エピソードは8巻の序章だったことを今さら確認。

 海にゴブリンが出たと言って、退治に向かったら、漁師が人魚をゴブリンと誤認していただけというオチ。

ゴブスレ「お前たちが噂の海ゴブリンか?」
人魚「違う!」
ゴブスレ「だったら用はない」
妖精弓手「ちょっと、オルクボルグ。それは失礼でしょ」
女神官「そうですよ、ゴブリンスレイヤーさん。もう少し詳しい話を聞きましょうよ」
ゴブスレ「しかし、ゴブリンではないのだろう? だったら俺の出る幕ではない」
人魚「どうして、ゴブリンと勘違いされたのかは分かりませんが、困っていることはあります。冒険者さんだったら、解決してくれませんか。実は……」
妖精弓手「うんうん。これが本当の冒険よね。オルクボルグも、約束どおり冒険に付き合ってもらうからね」
ゴブスレ「むっ。約束だからな。仕方ない……」

 本筋にはあまり関係ない前置き冒険なので、アニメでは割愛されそうですが果たして?

 とりあえず、6話視聴前のレスってことで。

★スパイダーマン

 一応、明日の放送を見た後に、いろいろと疑問点が出てくると思いますね。

 MCUのトムホ・スパイダーマンだけでなく、21世紀のスパイダーマン映画の全てを網羅したマルチバース世界がテーマなので、関連事項を追いかけるのが大変。

 そこで、手前味噌ながら、自分のブログのスパイダーマン記事を紹介しておきます。

https://whitenova.hatenablog.jp/entry/2022/01/26/112213
https://whitenova.hatenablog.jp/entry/2022/01/31/095302
https://whitenova.hatenablog.jp/entry/2022/02/10/080826
https://whitenova.hatenablog.jp/entry/2023/07/11/083225

 一応、去年から今年にかけてのスパイダーマン映画の追っかけ動向を、過去作の歴史概観を含めてまとめた記事で、

 他に、行方不明のニック・フューリーの動向(擬態宇宙人との知られざる攻防なんかを描いたTVドラマ)とかもチラッと紹介していたり。

 まあ、フューリーの最新動向は、明日公開予定のMCU最新作『マーベルズ』でまた語られるでしょうが、
 とりあえず、現在はアベンジャーズ再結成に向けての、長い仕込み期間が2年ほど続いている流れ、ということで。

 まあ、ネタバレを避けるために明日の放送後に記事読みしていただけると嬉しいですが、
 映画を見る前の予習として、または感想記事書きの参考資料としても使えるかも、と思いつつ、

 関係ない話の寄り道雑談は読み飛ばしてもらって構いません。

PS.ところで38年ぶりの阪神のアレをこの場でも祝いつつ。うちのブログの最新記事なので、こちらも興味があれば、どうぞ。
https://whitenova.hatenablog.jp/entry/2023/11/06/230751

 ここぞというところで、自ブログの宣伝をさせてもらったということで。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/10 (Fri) 16:35:25

 非定期感想です。

 ゴブリンスレイヤーIをまたも観なおしつつ(4周目)、いろいろごちゃごちゃ考えておりましたら、非常にタイミングよくご投稿を頂きまして、ありがたき次第です。

 触発されるものが多々あり、迷走しながら途中まで書いていたものを少し整理して投稿してみます。

 スパイダーマンのご教示につきましては、事前に詳しくで助かります。映画視聴後の感想で具体的に申し上げたいと思います。

●ゴブリンスレイヤーIあれこれ

・ゴブリンへの感情移入

 女神官さんが(感情移入して)「もし私がゴブリンなら」と言えた素地はゴブスレさん譲りということでしたか。第2話で自分がゴブリンならと考えるよう、ゴブスレさんが女神官さんに教えるシーンは、観なおしてみましたが気づきませんでした(たぶん台詞に対する自分の解釈がおかしい)。

 しかし第2話ではもっと強烈な台詞がありまして、「つまり、俺(ゴブスレさん)は奴らにとってのゴブリンだ」です。そこまで外からゴブリンを観察しての説明なんですが、突如として「つまり」と要約すると「俺はゴブリンだ」いうことで、ゴブリンを我が身に感じてないとなかなか言えません。この時点で自分はゴブスレさんがゴブリンになり切って感じ、考えることができるのだと思いました。

 第1話に遡って考えてみますと、新人冒険者にありがちな失敗とゴブリンのやり口をセットですらすら説明してます。それ以降も同様です。そういった点からも、ゴブリンになり切らないと分からないはず、としか思えません。

 しかし、地下水路編で剣の乙女さんが出てきて、ゴブスレさんと対比で考えられるようになりますと、ゴブスレさんはゴブリンになり切って考えてはいないんじゃないかと思うようになりました。剣の乙女さんの内心に強烈にゴブリンが食い込んでるから、差が見えるような気がしたんですね。

 水の街では「アイスクリン」の製法をゴブスレさんが詳しく聞き出すシーンがあり、見ていた女神官さんは「どうしていろんなことを知っているか分かった」と言ってます。毒検知にカナリアが有効というのも、炭鉱夫に聞いたものですね。

 その辺りを鑑みてみますと(剣の乙女と相対的に)ゴブスレさんはゴブリンの知識で推測しており、気持ちでは理解してないんじゃないかと思えたんです。

 しかし、3点のご説明を拝読してみますと、即座に上記をひっくり返すとまでは言いませんが、かなり変更を要しそうな気がします。即座ではないのは、3点のご指摘がゴブスレさんと女神官さんについて、即物的・現象論的ではない、どうキャラクターが成り立っているかという基本的な部分だから。それを「もし私がゴブリンなら」に当てはめるには、少し時間を要しそうです。

 能力の問題は得手不得手とも言えそうです。上述の通り、女神官さんが感心したのはゴブスレさんの知識欲なんでした。知能より知識で切り抜けるタイプと言えそうです。しかしゴブスレさんが第2話で「想像力は武器だ」と言ったことは気になります。知識より思考に属するのが想像力だと思いますんで。

 とはいえ想像を広げるにしてもベースになる知識は必要。知識量が多ければ、思考は足らない知識を埋めるよりも「この問題には、あれとこれと」みたいに知識の組み合わせに使われるケースも多くなります(受験とかそうかも)。たぶんゴブスレさんの想像力は「持ってるものをどう組み合わせれば、この状況に」と働かすものなのかなと思います。

 でも、例えば地下水路での水戦のときなどは、上が街なのに天井崩そうとか、氾濫度外視で下水道に穴を穿とうとか、目の前の敵(ゴブリン)以外を考慮しない傾向がありました。今回のご指摘の3つめ「ゴブスレさんの情緒が人間寄りに」でハッとしたのは、そういう無茶を制止されるたびに確かにゴブスレさんは変わってきていることについてです。

 ご指摘前だと自分は単にゴブスレさんが(禁じ手などを)知識として学習したんだと思っていたようです(あまり明確に考えてなかったんで意識できてなかった)。しかし、学習するたびに情緒的にも、他人の苦痛等を感じ取れるようになっていったんだと思うと、興味深いし理解が深まる気がします。

 そこは単独討伐ではなく、パーティの仲間ができたゆえなんでしょうな。一緒に飯を食い、親しく話しかけられたり心配されたり。それも戦いの危機においても同じくですから、影響を受けて当然だったかも。他人ではない仲間の感情が分かるようになり、そこから敷衍して他人の気持ちも分かるようになってきているのか(もっとも、それが普通であるわけですけど)。

 他人の情が分かるには自分に情が必要なわけで、だからゴブスレさんは「人間寄りに戻ってきた」と考えるといろいろ合点がいきます。直近では少年魔術師見送るときの「アハハハ」があり、そういう嬉しい感情では1期最後に「そうだといいな」と言って見せた微笑がありました。笑顔から笑い声へと発達してきているようです。

 そうだと考えますと、1期11話冒頭で牛飼娘さんに「逃げろ」と言ったゴブスレさんがより興味深くなります。もしかするとあの時点で、大事な誰かを失う苦痛が(耐えられないくらい)深まっていたのかもとか。

 さらに考えてみますと、「人間らしい思考に戻る=徹底したゴブリン思考のトレースが減退」というのが頷ける気がします。これは例えば1期第1話で子ゴブリン殺しに戸惑う女神官さんが見せたものが近いかもしれません。しかし女神官さんは経験を積んで、ゴブリンを決して許さないようになって行く。

 女神官さんをそうなるようにした当のゴブスレさんが、逆に非情さを失ってきているとしたらと考えると、いろいろ感慨深そうです。ゴブスレさんにとって、守りたい以外がない牛飼娘さんでは、そうできなかったんでしょうね。共に戦う女神官さんだからこそ、ゴブスレさんに影響を与えられたのかも。「俺は目の前で見ていた」を何度も再現するわけですんで。

 牛飼娘さんは「ひたすら守るヒロイン」で、女神官さんは「共に死線を超えるヒロイン」(バディ)という差があるようですんで、ゴブスレさんの何にどう影響するかが異なって来るんでしょうな。女神官さんだけでは、ゴブスレさんの情緒を(再)発達はさせられなさそう。牛飼娘さんと女神官さんで生死の概念揃っての影響が及ぼせてるんじゃないかと思います。

 女神官さんが一人前から銀等級になる頃には、教えていたはずのゴブスレさんが感化されて情緒を取り戻し、そこに牛飼娘さんがいる、みたいになれば調和的かな。いや、こちらで牛飼娘さんは牛飼娘さんで悩みを抱えてると伺ったんでしたっけ。牛飼娘さんも何かに引っ張られて落としどころに辿り着かないといけないか。

 あるいは、牛飼娘さんが第10話で心配した、ゴブスレさんが「ゴブリンを殺せなくなる日が必ず訪れる」ということが、ゴブスレさんが非情/非人間的を保てなくなってそうなったりするのも面白いかもしれない。

・牧場防衛戦(第11~12話)

 音を立てずにゴブリンを殺す8つの方法をせめていくつかは思いつきたい直接的な理由は、1期ラストの大規模戦闘の経緯を想像できるようになりたいからだったりします。そうすれば逃走するロードの「どうしてこうなった?」の混乱が分かり、そこからゴブスレさんのゴブリン対処の一端が分かるんじゃないかと。

 そうなればゴブスレさんの行動ももうちょっと理解できるようになるかもという期待があります。この行動はゴブリンを意識して、しかし言動はゴブリンではない何かのはず、だからゴブスレさんはこのときこう思ってるはずで、みたいな感じです。その程度まで分かるようになれば感動も深まるだろうと。

 とりあえず現時点で1期ラストの牧場防衛戦について、ある程度は想像できるようになりましたんで、自分用のメモとしてもちょっと書いておこうと思います。

・ゴブリン側兵力(総勢100体+α)
総司令:ゴブリンロード(1体)
主力部隊:攻撃力大、機動性小
 指揮官:シャーマン(1体)
 兵員:チャンピオン(2体)、ホブゴブリン(20体)、一般ゴブリン(20体)
機動部隊:攻撃力中、機動性大
 ライダー(30体、うち1体は非シャーマンの知力ややある隊長)
歩兵部隊:攻撃力小、機動性小(盾のため)
 指揮官:シャーマン(1体)
 兵員:一般ゴブリン(30体)+「肉の盾」(6)
 (盾1つ当たり、盾運び2体+護衛3体

ゴブリン側戦術(予定):
・事前準備:多すぎる斥候(10体以上)を前日に出して足跡を残し、牧場を森~不整地から襲撃とギルド側にわざと察知させておびき出す(撃滅して、次に襲う街の守備を無力化する算段)。
①歩兵部隊を森~不整地から「肉の盾」を前面に押し立てて、目立つように牧場小屋に向かわせる
②ギルド側はそちらへ主力を集結するも盾を見て速攻を躊躇い、救出優先で編成替えしてから慎重に前進
③交戦となるがゴブリン側は盾を頼りに守勢に転じて時間を稼ぐ(防御は攻撃より有利な戦術)
④ギルド側主力が盾部隊に引き付けられている隙に、平坦なルートを選んで迂回したライダー隊がギルド主力の背後を突く
⑤ギルド側は慌てて背後へ兵力を割いて防衛(挟撃を恐れるか混乱して壊走がベストだが、そううまく行くとは思ってないはず)
⑥ゴブリンライダー隊は深入りを避け、機動力を生かした一撃離脱を繰り返して、ギルド側防衛支隊を足止め、撹乱する
⑦ギルド側の混乱を確認したら、チャンピオン2体を軸とする主力部隊を押し出し、歩兵部隊は援護に回る
⑧ゴブリン主力はギルド側の二分されて兵数が減った前面部隊を撃破
⑨ゴブリン主力はそのまま前進、ギルド側防衛支隊をライダー隊と挟み撃ちで撃破

 こんな作戦だったんじゃないかと思います。しかしその程度はゴブスレさんは多数のゴブリン斥候を見た時点で理解するはず。ですのでゴブスレ指揮のギルド部隊は第11話の通り、

①「肉の盾」歩兵部隊
 →魔法で眠らせ、盾の人質のみ救出(速戦即決なので雑兵30には構わない)
④ライダー隊
 →ギルド側の背後を突ける平坦なルートは限られているので(たぶん1本しかない)、槍ぶすまを用意できる
⑦チャンピオン2体含む主力部隊
 →ギルド側は戦力分散を免れているので、チャンピオンは最精鋭で阻止、ホブゴブリンも熟練冒険者で対応できる

となったんではないかと思います。ゴブリンロードとて「間抜けじゃないがバカ」でしかなく、一本道の作戦プランしか立てられず、策を読まれて対応されると次の手が続かない。せいぜい思いついたのが、主力を殿軍として自分(ロード)が逃走することくらいだった模様。1年も経てば数は増えるでしょうけど、チャンピオンまで育つ個体が出るかどうか。

 このロードの作戦に対するゴブスレさんの評価は「大群は囮にこそ使うべきだ」というもの。ゴブリン側の囮は①の「肉の盾」歩兵部隊でした。これは少数の雑兵のため、眠りの魔法で盾兵は無力化され、残りも新人クラスでも対処できてしまう。

 ギルド側迎撃戦としては、人質(肉の盾)奪還から雑兵掃討にほぼケリがついて手が空いて来た辺りでライダー来襲(④)となったため、槍ぶすまに人数を割くことができました。もし「肉の盾」部隊(①)でなく、チャンピオン主軸の主力(③)を最初に押し出してきていたら、その余裕はなかったかもしれません。

 不十分な槍ぶすまを突破したライダー隊がギルド隊背後を突き、囮だった主力部隊も前進し、ギルド側精鋭と戦うチャンピオンを雑兵ゴブリンが援護すれば、ゴブリン側に勝ち目はあったのかも。でも弱い兵を使い捨てにし(地下水路のチャンピオンもそうした)、強ければ偉いゴブリンはそうしないと(強兵は出し惜しみ)、ゴブスレさんは踏んでたんでしょうな。

・未だ見落としいろいろありoez

 理解してないと目が滑ったり、気に留めなかったり、果ては記憶が改変されてしまいまして、まだまだ勘違いしている点があります。1期の視聴3~4周目(これはまだ途中)で気が付いた点を、自分用メモとしても残しておこうと思います。

第2話:
 喧嘩原因を伯父さんは「坊主(ゴブスレさん)も一緒に行きたかったんだろうな」と察している(ただし牛飼娘さんの「本当は一緒に行きたかったの」を受けて)。
 牛飼い娘独白『謝りたかった、でもごめんなさいという言葉は』~『今も言えずにいて』が、もしかすると第10話(膝枕シーン)の突如の「ごめんなさい」につながってるのかなと思いました。ゴブスレさんには伝わってないようですが(10年前のことだからなあ)。

第7話:
 女神官のプロテクションの持続(威力)は精神力(特に集中力)に左右される点に、今まで気が付いてませんでした。
 ただ、地下水路戦でプロテクション崩壊後に妖精弓手さんが「集中して」と声掛けしたのは進行ミスかもしれません(今さら集中しても遅い)。
 それで思い出したのは第12話でロードが「ごめんなさい」と言った狙いで、女神官さんに許されずとも動揺させてプロテクションの威力低下からの脱出ができると考えたのかもしれない。

第11話:
 槍使いさんが「依頼/報酬を出せ」に妖精弓手さんが怒った理由がよく分かってませんでした(単に怒りっぽいくらいの印象)。
 しかし、矢の作り方をこちらで伺ってみますと、彼女の里では植物から全てを作る自給自足も要因としてありそう。つまり必要なものは生やせるんで、仕事と報酬という概念が薄いのかもしれない。

第12話:
 対ロード戦後、牧場に帰って来て牛飼い娘さんに「ただいま」と言ったのは、よく考えたら1期始まって以来初めてだったかも。
 いつもは牛飼娘さんが「おかえり」と言っても、「ああ」としか返してなかったはず。あの「ただいま」は異例で、しかも牛飼娘さんより先に言ったわけですね。
 その辺り、ご教示頂き、上述もしました情緒を取り戻しつつある傍証なのかも。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/11 (Sat) 21:19:40

 短期集中で、4周もってのはすごいですな。
 ハマりっぷりに感心しつつ、次の話の感想をば先に。

★ゴブスレⅡ(6話)

 アニメらしく、ヒロインたちの水着シーンを強調して、尺を割く。
 ただ、タイミング悪く、寒い季節に突入したわけで。

 うん、原作は夏の時期なんですな。

 で、エルフ文化についての世界観描写は大きく割愛。
 今回は最初にバトル→そして新キャラとの交流→妖精弓手を故郷に留まるよう、やんわり説得する身内→最後に象(違う)の出現でクリフハンガーエンド。

 うん、アニメの構成では、毎回、うまくクリフハンガーになるように(次回を楽しみにするように)原作を切っているなあ、と思います。
 ともあれ、これまで人型モンスターとしか戦うシーンがなかったゴブスレ一行が(狼と、水の街地下のワニ、そして大目玉を除く)、過去最高サイズの巨獣にどう対処するかが、次回の楽しみに、という流れですな。

 個人的には、ここでネタとして紹介した「あれが象か」「違う!」のボケツッコミで続くとは思ってなくて、思わずプッと吹き出してしまいました。
 巨獣の名前はモケーレ・ムベンベ。オリジナルモンスターかと思っていたら、実はこういうUMAだったとは。

https://ja.wikipedia.org/wiki/モケーレ・ムベンベ

 一応、エルフたちにとっては、手出しできない神獣扱いなので、ゴブリンどもが神獣を怒らせて暴れさせているのに、どう対処していいか分からないという状況で、
 ゴブスレさんたちが上手く場を収める流れになる予定。

 そんなわけで、次回は派手なアクション活劇になり、その後は黒幕のゴブリンを始末する形で、7巻のエピソードは終了。
 続いて、剣の乙女からの接触で、いざ王都へ(8巻)という流れで勢いづきそう、と予測してます。

 まあ、どこかで一呼吸ついて総集編的な話や、番外編に寄り道する可能性も想定しつつ。

 今、気になるのは、国王や王妹の声優は誰が務めるかなあ、と。

★スパイダーマン

 簡単な感想としては、「ノーマン・オズボーン=グリーンゴブリン」がタイムリーだなあ、と。

 ゴブリンスレイヤーのアニメ話をしているのと同時期に、彼がメインヴィランとして出て来ると、思わず「スレイしないと」と思いたくなりますが、
 そういう復讐劇を乗り越えて、全てを捨ててヒーロー活動に励むようになったトムホ・ピーターの涙のエンディングに感慨深し。

 この後のMCUピーターの物語はまだありませんので、いつか復帰しないかなあ、と思うばかりですが、
 それはさておき、今回の割愛されたエンドシーンの話について。

 基本的にMCUは、ドラマ終了→長いエンドクレジット→おまけ的なエンドシーンと次回作への引きというフォーマットですが、
 この長いエンディングから後が、TV放送では削られているんですね。

 ええと、スパイダーマンとは別シリーズになったアンチヒーローのヴェノムが、マルチバースの影響でこの世界に迷い込みまして、スパイダーマンに会いに行って、ちょっかいをかけようとしていると、自分たちの世界に送還された、というオチでした。
 ただ、ヴェノムを構成する粘液の一部が、この世界に残っており、何だか不気味に蠢いている感じで終わってたりするホラー調の幕引き。

 で、次の映画は、ドクター・ストレンジ主役の映画で、そちらでマルチバースがさらに加速。
 スパイダーマンの映画では、マルチバースからの来訪者がテーマでしたが、ストレンジさんはマルチバースを股にかけた冒険で、ますます事態を混迷化させている流れ。

 ピーターが世界を救うために自分を犠牲にしても、MCU世界はますます大変なことになっている最中だったりするわけで。
 ニック・フューリーは、人に擬態する異星人の密かな侵略活動で忙しかったり、
 ソーは、宇宙の神々を滅ぼそうとするヴィランと対峙したり、
 アントマンはマルチバースを股にかける征服者と遭遇したり、
 キャプテン・マーベルは宇宙レベルの戦いで、太陽エネルギーを奪い取ろうとするヴィランと戦ったり(最新映画。未見)、

 そんな中で、アベンジャーズの後を継ぐヤング・アベンジャーズ(2世世代のヒロインたち)が誕生する流れなのが現状みたいです。

 一応、マーベルズは来週には見に行きたいなあ、と思っております。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/12 (Sun) 22:01:49

 定期感想その1です。

●ゴブリンスレイヤーII(第6話:エルフ王の森)

 前話での「あの堤」についてのご教示、改めてお礼申し上げます。劇場版の会話で出ていたものでしたか。一度観たんですが、すっかり忘れてました。温泉も言われて思い出しまして、1期で風呂は苦手と言っていた妖精弓手さんなのに、ともなりますな。

 エルフの里から川沿いに下流へ向かってみたら堤があり、そこが境界線というわけですか。少しネットで調べてみると、川を流れる木の葉を追って行ったとのことで、堤で木の葉は止まり、妖精弓手さんも同じくというものみたいですね。

 しかし好奇心から冒険心が育ち、ついに冒険者となって世界を巡る旅に出たということらしい。堤を超えるのは妖精弓手さんの気持ちの殻を破るみたいな意味もあったのかもしれない。

 こちらでゴブスレさんが象についてボケる会話を示して頂いてたわけですが、今話ラストで出てきました。「あ、これか」と思う前に吹きました。ゴブスレさんがボケる締めって、1期以来初めてじゃなかろうか。

 念のため確認してみますと、前話の妖精弓手さんの象の説明「柱の脚、綱の尾、扇の耳、壁の胴、槍の牙、玉座の背、蔦の鼻を持つ巨獣」のうち、映像で当たってると確認できるのは「柱の脚」と「巨獣」くらい。百歩譲って「壁の胴」も。

 絶対違うのは「蔦の鼻」。「槍の牙」は妖精弓手さんは象牙のつもりだと思いますが、ゴブスレさんは普通の牙(犬歯)を「槍の牙」と思ったかも。なんにしてもかなりいい加減でして、やっぱりゴブリン以外は物覚え悪いかも。

 もっとも観ているこちらをそうやって緩ませておいて、次に厳しい展開出すのがこの作品ですんで次話がなんだか怖い(^^;。

 などと書いておりましたら、次のご投稿を頂きまして、今話では原作のエルフ文化紹介部分は削られているわけですか。そこをやろうとすると、まだ「矢は植物として生えて来る」も説明してないはずなんで、分量が大きくなってしまうからかも。あるいは昆虫食の話が出ると、リアルの一部でちょっと揉めてる事案と衝突起こるという心配もあるのかな。

 自分としては今話を観て「大木が家になってるけど、この形で生えて来るのか、それとも掘りぬいて住んでるのか」とか気になることがいくつもありましたんで、エルフ文化はいつかは作中で解説して欲しいところです。

 ともかく本編。前話からの続きで川沿いの崖からの落石攻撃ですね。続いて矢が降って来る。こちらで伺った通り、まずは女神官さんの聖壁/プロテクションを張るも、敵勢を目視出来ない難しい迎撃。もっともエルフの矢は1期の妖精弓手さんの台詞「目を瞑ってても当たる」通り、敵を追って当たるみたい。

 ゴブスレさんは妖精弓手さんに「矢じりを緩めておけ」と言ってまして、どうしてなのかちょっと分からず。後で調べてみると、刺さった矢を抜いても矢じりが残ればダメージも残る=殺傷力が上がるかららしい。日本では戦国時代に武田家が用い、家康は恨みを買うとしてやらなかったんだとか。

 そうだと分かると、この後で出て来る「兄様」の言い草が理解できるんですが、ともかく今はゴブリン迎撃。いや、蜥蜴僧侶さんによれば脱出ですか。ゴブスレさん手製の槍は槍投げ機で威力上がりますが(速度3割以上増すらしい)、エルフの矢と違って当てずっぽうの域を出ないのでは仕方ない。鉱人道士さんはウンディーネ召喚で舟の後押しですが、相性悪くてパワー不足。

 しかし少し進むとせき止められてまして、沈めた舟の残骸を人骨ごと使ってるみたい。これを見たゴブスレさんが「ロックで学んだか」と言ってるんですが、自分には意味が分からずです(イヤーワンにロックイーターという魔物が出て来るらしい、くらいしか)。これを乗り越えるべく、ウンディーネで舟を持ち上げようとするもパワー不足が祟って思うに任せず。

 停船したままだと落石命中率は上がるし、ゴブリンライダー急降下も来るしでピンチ。女神官さんはせめて聖壁/プロテクション張り直そうとしますが(奇跡3回め?)、はっと教会の戦いを思い出し、浄化/ピュアリファイ。どうしてと一瞬思いましたが、障壁のダムを壊せるんですか。ゴブリンが人を犠牲にして作ったものだから汚れ分類ということなんでしょうな。たぶんゴブスレさん、『そういう使い方もあるのか、なるほど』と思ったはず(^^;。

 さらに蜥蜴僧侶さんのロアーでゴブリンを逃げ散らせ、なんとか脱出。機動力のあるゴブリンライダーが追って来なかったのは、こちらで伺い、この後で「兄様」も語った通り、エルフにより退治されたからなわけですね。

 一行は流れの緩やかな場所を選んで停泊、まだ明るいですが今日は野営するらしい。女神官さんの奇跡回数回復も必要でしょうし、移動はゴブリンの少ない日中と考えての用心でしょうか。が、演出的には水着回のためですね。ゴブリンスレイヤーでもやるんだと驚いたのは前話ですから、もう心の準備はOKです(^^;。

 ちょっとだけエルフ文化の一端も示してまして、エルフは水浴びで他に誰かいても水着の習慣はないらしい。それではたと思い出したのが、1期での地下水路・チャンピオンとの激戦。妖精弓手さんは衣服をほぼはぎ取られてましたが、構わず弓を射るなど奮戦(後で泣くけど ^^;)。

 あのときは「それだけ必死なんだ」と思いましたが、衣服なしに割と抵抗がないということもあったのかもしれない。それと、魚を獲るに釣りや網ではなく矢を射る。エルフは魚も食わないから漁も猟もなく、いずれも戦いなんでしょう。

 それはともかく、水着の女性陣に対するゴブスレさんの反応が微妙で面白い。牛飼娘さんの「どうかな」に対して、「俺にはよく分からん、似合っているようには思うが」と素っ気ないですが、背を向けてちょっと振り返り気味になるだけなんですよね。もしかして、気にはなるけど照れくさいとかなのかな。

 どうやらゴブリンもあれっきりで気配がないようで、焚火囲んで飯食っての楽しい雑談(ただし最後のゴブスレさんの言ったことは不吉)。そのまま女性陣だけテントで野営(ゴブスレさんは例によって座ったまま、片目開けてた?)。翌朝、エルフらしき武装兵がゴブスレさんに剣を突きつけ誰何ですが、これが「兄様」(輝ける兜の森人)であるわけですね。既に妖精弓手さんから、威張っているがポンコツと語られてまして、実際にそうだと証明してしまうことに。

 貴様呼ばわりで人間(ヒューム)含む他種族を見下す態度ですが、矢じりを緩めた矢に怒り、その射手を「あの娘」と言ったために「兄様」だと見抜かれる。「恋文代わりに武勲詩」を「手直しされた」御仁と指摘されると大慌て。つい「お前ら」と口に出て、慌てて「貴様ら」と言い直す動揺ぶりです。

 しかも、「あの娘」=妖精弓手がテントにいると言われると、ずかずか近づいて幕をめくり、下着姿で寝ていた女性陣に悲鳴をあげられてしまう(妖精弓手さんにとってはよくあることらしい)。その後、「兄様」は一行を里へ案内するわけですが、さすがに「顔に赤い手形」のテンプレ演出はありませんでした(^^;。

 ちょっと「あれ?」と思ったのは、妖精弓手さんが語った「兄様」と、受け売りで揶揄した蜥蜴僧侶さんの言い草の相違です。妖精弓手さんは「兄様から武勲詩を取り上げて書き直して「姉様」に渡した」。蜥蜴僧侶さんの揶揄では「(詩を)思い人に手直しされた」。「兄様」の思い人は「姉様」のはずですから、詩の添削をしたとされる人物が異なります。詩を手直ししたのは誰だったんだろう?

 それはともかく、エルフの里では吟遊詩人などが伝えるゴブリンスレイヤーの武勲などから、目の前のゴブリンスレイヤーさんに落胆するものがあるらしい。「兄様」ですと「まさか音に聞こえしオルクボルグが貴様のような人物とは」。「まさか」ですもんね。

 ゴブスレさんは最近のゴブリンの話をしようとしますが、長命のエルフは万年単位の歴史を持ち、伝説級の魔物と戦ってきたため興味を持たないらしい。ただし、森の奥に住む「古きもの」が里近くまで出てきて川をせき止めているらしいのは気になる模様。が、「兄様」は足跡しか見たことがなく、実物を見たのは若い頃の「爺様」だけらしい。

 それがいつ頃か気になりまして、「姉様」が8000歳といったところから推測しますと、3~4万年前でしょうか。2000歳の妖精弓手さんが「いつの頃よ、それ!」とツッコむくらいですから、オーダーが千年ではないのは確かでしょう。

 そういう不安要素のある話はあれど、川での襲撃以降は平穏でして、ワイガヤしながらエルフの里に到着。大木のビル群に高架道が張り巡らされてまして、古風にして先進的といった印象です。居間/客間の椅子にはクッションがあり、人間には珍しいものらしい。快適さの欲求/追求はエルフが上回るからなのかも。

 余談になりますが、女神官さんがゴブスレさんを人差し指でつついて「ちゃんと食べたりお風呂入ったりしてくださいね」と言ったシーンが気になりました。女神官さんが左側から見上げて何か言い、ゴブスレさんが応じる。

 そのパターンを思い出してみますと、1期最終話で兜を脱いでみせてと頼んだとき。前話で妖精弓手さんの「姉様」の結婚式に行くよう促したとき。そして今回。どうもゴブスレさん、女神官さんに左側から見上げられるのが弱点(?)になってるんじゃなかろうか。いや違うかも。観ている自分がこの絵面に弱いのかも(^^;。

 それはさておき、その後のシーンで妖精弓手さんのゴブスレさんに対する立ち位置が少し見えたような気がしました。ゴブスレさんの手製武器(石2個を紐でつなぐ)をアメリカンクラッカーのように遊ぶ妖精弓手さんですね。それが「楽しい」と笑うわけですが、その楽しさはアメリカンクラッカー2にゴブスレさん8でしょう。つまり「ゴブスレさんと遊ぶのが楽しい」でして、それは「友達」じゃないかと思えます。

 とか考えてましたら、「姉様」乱入(?)でして、途端に妖精弓手さんはかしこまってしまう。たぶん怒らせたら怖いという感じなんだろう。この「姉様」もゴブスレさんに対しては相当なもの。にこやかに「お歌で聴くよりも、やはりたたずまいが違う」とキツイ当てこすりです(^^;。

 そのように感じましたんで、妹=妖精弓手さんについて「ご迷惑をおかけしておりませんか?」→「遠慮せずに妹は放り出して」は身内を謙譲したようには聞こえません。『さっさと妹を返せ』が含意されているように思えます。

 この「姉様」と来たらもう、と思いかけたんですが、さらなる乱入(?)。1期を観てないと実感としては分からない女森人/侍女ですね。古代遺跡跡の巣穴から救出したんでした。その際、女森人の「みんな殺してよ」にゴブスレさんは「無論だ」と応じたんでした。そのまま女森人は救出された後、ここで侍女になってたわけですか。

 一度見ただけ、しかも1年経っていてもゴブスレさんは覚えている。遠めの暗がりなのに分かる。つかつか真っ直ぐ近づいて「殺したぞ」と言って肩に手を置き、「奴らは皆殺しにした」。カッコいいですね。1期の出来事ですから、この後に姉様と妖精弓手さんの会話で簡潔に説明されますが、通しで観て、こちらでも経緯の説明を拝読したお陰で非常に感慨深い。

 女森人/侍女を救ったのがゴブスレさん(一行)だと知って、「姉様」も見直すかと思ったんですが、なかなか頑固。「英雄の類と思っていましたが、とてもそうは見えません」と今度ははっきり貶し、「なぜあのような男(ゴブスレさん)と一緒に」と妖精弓手さんに問う。

 しかしそういう「姉様」の態度より、ちょっと返答に困った妖精弓手さんが面白い。姉様の問いにすっと答えられると思って口を開いたようですが言葉が続かない。1期前半くらいですと、(恋愛感情ゆえに)気になると言えたかもしれません。しかし今はそうではない、と初めて気が付いたんじゃないかしらん。

 考え直しての答が「飽きない」。上述の「楽しい」に類似ですが、恋愛感情からは出てきそうもない答です。恋愛感情は鋭く強いですが(ゆえに冷めやすくもある)、友情は長続きでして普段は意識しないほど弱いから。あるいは一緒にいたいのが恋愛で、一緒に何かやりたいのが友情。

 ゴブスレさんは恋愛対象ではなく、冒険を共にする友人と妖精弓手さんは気づき始めたかも。既に何となく意識はしてるんで、前には女神官さんをゴブスレさんに仕向けるような真似をしたのかもしれません(例えばリザレクションの儀式後に現れての振舞)。

 別視点で妖精弓手さんの以前の好奇心で例えるなら、川を流れる木の葉がどこまで行くか見たい、でしょうか。ゴブスレさんでそうしてみたら、流されているはずの木の葉が泳ぎ出したといったところかも。

 しかし「姉様」は結婚式を控えていることもあってか、「あなた(妖精弓手さん)まさか」は(寿命の差を気にせず)添い遂げたいのかと思った模様。しかし異変発生で中断。巨大な魔物の里への侵入ですね。

 それを察知した妖精弓手さんの行動も面白い。とっさに「姉様」を庇いつつ、さっと手が弓矢へ伸びるのは熟練冒険者だからでしょう。しかし弓矢を置いて来たと気が付いてハッとするも、すぐにゴブスレさんの足音を察知。弓矢を持ってきてくれると確信する顔ですね。

 その際「ありがとう」ではなく「人の武器を投げないでよね」の憎まれ口がすぐ出るほどの余裕は、ゴブスレさんへの信頼からでしょう。ただし恋愛感情ではそうならない(守る/守って欲しいになりがち)。ゴブスレさんがバディであり、冒険を共にする友人という意識があるはずです。

 ゴブスレさんが委細構わず、エルフトップクラスの「姉様」の頭を押さえつけ「そのまま部屋を這っていけ」にも、妖精弓手さんは「へへっ」と苦笑するだけ。アメリカンクラッカー(?)のときは「姉様」が来ると慌ててかしこまっていたのが嘘のようでして、妖精弓手さんにとって緊急時の主導権≒信頼がどこにあるかを暗示しています。

 が、頼れるはずのゴブスレさんが、こちらで伺った通りのボケをかますと。上述の象ですな。ここは先に申しました通り、自分もまず吹きました。さらには妖精弓手さんの「違うわよ!」ツッコミで続くとなるのも予想外。

 この巨獣はUMAから名前を取ったモケーレ・ムベンベなるものですか。棲み分けがあればこそ神獣として崇め、大事にできますが、居住圏を踏み荒らすとなると困ったことになりますな。

 それは次話以降でして、今話は笑うラストだったせいか、ようやくED曲映像が明るいことに気が付きました。みんな笑ってますね。OP曲映像は厳しかったはずと観なおしてみますと、確かに流血の惨事等ですけど、和風鎧の戦士がゴブスレさんに変わり、牛飼娘さんに向かうところで雰囲気変わってるかも。剣の乙女さんもOPでは泣き、EDでは誰か(たぶんゴブスレさん)に気が付いて振り向いてますな。この2期の終わり方を暗示してるのかな。

 次回は「ジャングル・クルーズ」ですが、今話の川上りがふさわしそうなタイトル。モケーレ・ムベンベはもともと森の奥地生息らしいので、こちらに出て来た理由を探るべく、さらに上流に向かうということかしらん。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/13 (Mon) 23:06:38

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第10話:炎の京都!〜悲恋・ケミー雷電事件〜」)

 感想順序が前後しますが、金曜のスパイダーマン映画では記憶を失った仲間が思い出してくれることはなく、新たな縁もできない苦い終わり方でした。こちらガッチャードでは、ある意味定番の運びとも言えますが、記憶を失おうとも新たにやり直すハッピーエンドですね。

 2人の場合、一方が忘れているけれど、他方は覚えているというパターンもよくありますな。覚えているほうは覚えてないほうに初めて会ったかのように振舞う。ゼロワンのイズですと、復活時には初登場時より前のことしか分からない初期状態でした。そこから劇場版でイズが自分を取り戻すとのことで、東映公式Youtubeで放映してくれないかなあ。

 ちょっと変わったパターンでは、一方は記憶を失ったことを自覚してるんだけど、他方はそれを知らず、記憶を失ったほうは覚えている振りをするなんてのもあります(「とある魔術の禁書目録」など)。

 今話では2人とも忘れてしまったんだけど、前と同じきっかけて同じように親しくなるというパターンですな。運命を感じさせるには王道パターンでしょうか。自分的には記憶ネタは感動しやすい要素みたいで、たぶん「彼らの中ではこうなっている」と考えてから、気持ちを感じるせいかなと思います。

 ともかく本編。冒頭は前話の矢吹とのバトルの続きで、ケミー:ジャングルジャンのマルガム:ジャングルマルガムとの決着ですね。どう勝つかよりも、ガッチャード重装備のゴルドメカニッカーを見せておく狙いの演出みたい。エグゼイドのマキシマムゲーマー レベル99を上回るガタイでして、スーツアクターさんによる派手なアクションはほぼ不可能でしょうか。

 映える動きのときはCG主体になってますね。しかし動きにくそうというのは、逆に申せば動かなさそうということで、後半の根性バトルでは大いに説得力ありでした。ともかくも今は火力でジャングルマルガムを撃破した感じ。

 矢吹はケリがつきまして、今話のドラマのメインは加治木と聖、それに今話で正体判明の聖の兄:剣。台詞で聞いてると意識しませんでしたが、兄妹の名前を漢字で示されると合わせて聖剣/剣聖ですね。そういうネタもあるのかと思ったんですが、特になし。

 剣のほうは、前話ラストから今話序盤では加治木が聖のボーイフレンドと勘違いするんですが、指名手配犯脱走のニュースであっさり兄と分かる。もっとも今度は聖に凶悪犯が接触ということで加治木は再び慌てて奔走すると。

 一方、兄:剣と会った聖は兄が放火犯というのは濡れ衣だとずっと信じていたらしい。が、こちらもあっさりと兄:剣が真犯人であると明かしまして、原因は亡くなった両親に代わって聖を守り、聖の期待に応えていい兄でいることのストレスだと言う。だから今はもう聖が邪魔とすら言い放つわけですね。

 初見では自分は変に勘繰りまして、この剣の冷たい態度は演技なんじゃないかと。何らかの真相を隠すためですね。例えば火事の原因は聖であるけど、聖はそれに気が付いてないか忘れてるかしている。それを聖本人はもとより、警察からも隠そうと、自分(剣)が真犯人と名乗り出ちゃったのかなとか。

 この後、絶望した聖が(ケミー憑依前に)変貌するわけですが、その様子からすると聖はいわゆるジキルとハイドみたいな人格になってるのかなとも思いました。が、いずれも考えすぎでした。ドラマはもっとストレートに進みまして、最後まで観てみますと、ややこしい事情がないからこその感動がありました。やっぱり下手の考え休むに似たりです(^^;。

 真相は単純で、苦労に押しつぶされた剣が快楽放火犯となり、逮捕されるもクロトーが闇に付け入りバッテリーマルガムとした。剣/バッテリーマルガムは暴れ始めるも、ガッチャードが対処。そこまでは今までもよくあった展開ですが、ずっと信じて来た兄に裏切られた妹:聖にケミー(ライデンジ)が乗り移るのがちょっと変化球です。

 ガッチャードが守勢一方、ゴルドメカニッカーで耐える点もちょっと目新しい。相手(聖)に悪意なしと考えたからでしょうね。兄は悪意でケミーを引き寄せたかもしれませんが、妹は悲しみゆえ。ならば鎮まるまで受けよう、といったところか。

 それでも限界ありますんで、切り札は聖と心が通じ合うようになった加治木。面と向かって会ったのは今日ながら、雑誌上では長い付き合い。この場合、加治木が年下というのが幸いしたかもしれません。年長である兄:剣を慕っていた聖が、年長として慕われるという立場の逆転ですね。

 たぶん聖に「自分が信頼していた兄の裏切りに怒って暴れるのは、姉のように慕って来る加治木に兄と同じことをしているんじゃないか」といった気持ちが生じたんじゃないかと思います。そこは不確かですが、ともかくも鎮まりまして、ケミー(ライデンジ)も今度こそ捕獲。

 兄:剣が妹:聖を突き放した理由が「邪魔」というのは、どうやら少なくとも半ばは偽りであったようですね。突き放す際には聖が大事にする経験「火の玉を見た」を自分(剣)の放火だと言い放って絶望させてました。

 しかし再逮捕されるときには自分(剣)も火の玉を見たと打ち明けて、聖を安心させる。どうも脱走中の剣はマルガムになってしまったこともあり、いったん聖と会って突き放すつもりがあったんじゃないかしらん。マルガムとして暴れる、あるいは逃亡するつもりなら、呼び出しといて即座に暴言吐いて突き放す必要なんかないですから。

 そこは剣が多くを語らなかったので不明ですが、聖が加治木に戻る程度に落ち着かせるのには充分。しかし2人は錬金術師の「ケミーを知ったら記憶消去」のルールを知らない。2人が雑誌投稿時代から信じていたUFOを見て大喜びした瞬間、記憶消去が発動し、2人は互いのことを忘れる。

 このシーンでいったん自分は勘違いしまして、クロトーがUFO(実はケミー:ユーフォーエックス、レベル10)を捕獲した副作用だと思ってしまったんです。タイミングがドンピシャだったんで。しかし実際には記憶消去の予定通りの発動で、その間際に2人はUFOを見たが、それがケミーであるところまでは見なかった、というものだったようです。記憶は失ったが、夢は失わなかったといったところでしょう。

 夢は失ってないですから、聖は加治木の持つオカルト雑誌「超常惑星」にまたも反応して再び親しくなっていくと。上述しましたが、もし聖が複雑な過去や背景持ってたら、この気持ちいいハッピーエンドはあり得ないですね。一般人である加治木には背負いきれなくなりますから。しかし聖は一時の気の迷いでケミーを引き寄せただけ。童話の締めくくりの「二人は幸せに暮らしましたとさ」のようなその後を安心して想像できます。

 次回「キャッチ!スパイだ!?ライダー失格!?」では、公式サイトにもウィキペディアにも記載がない「錬金連合」なる、おそらくはアカデミーの上位組織から調査官が来るとのこと。冥黒の三姉妹が放ったスパイが潜り込んだからということみたいですが、よくあるパターンとしては「スパイがいると言い出した者が実はスパイ」でしょうか。

●王様戦隊キングオージャー(第36話:ヒメノのお見合い大作戦 )

 前話がヤンマとシオカラのドラマ、今話がヒメノとセバスチャンのドラマということですね。しかしそうと分かるのは今話終盤で、あっと思いますが、そうだったと納得できるものでした。揺らぎながらもど根性見せるシオカラと、冷静沈着にブレないセバスチャンの対比も面白い。

 前話で自分は勘違いしてまして、ヤンマのンコソパはテッペンコンピューター破壊~国土荒廃により、ヒルビルが目的達成で放棄したと思い込んでました。今話冒頭で、はっきりヒルビルの支配継続と示されてまして、それがあるからこその今話のヒメノ側勝利になったように思います。

 ともかく本編ですが、冒頭は国を奪還したというヒメノが招集したお見合い候補の選出。ヤンマはテンパり、ジェラミーは面白がってからかいで、なかなかにコミカルな展開ですね。この雰囲気でギャグ回=テンション緩めるのかと思ってたら大違いでした。

 すぐに真相が明かされまして、イシャバーナ国はカメジムに乗っ取られていたわけですね。国に戻り、皆が毒で倒れているのに驚くヒメノの前にセバスチャンが現れ、カメジムに占領されたと告げる。が、そのセバスチャンは毒による病人を劣悪環境の地下に押し込めてまして、ヒメノはいきなり斬りかかる。

 セバスチャンは実はカメジムが化けてまして、しかしヒメノは正体を見抜いたわけではなく、病人をこんな扱いする者は許せないと。そうは言っても、少なくともセバスチャンが偽物と気がついてはいるんじゃなかろうか。

 まず本物で正気のセバスチャンなら病人をいたわらないわけがない。もし本物のセバスチャンが病人を地下に押し込めたんなら、ヒルビルの洗脳しか考えられない。が、ヒルビルは依然としてンコソパで支配を続けている。それならばこのセバスチャンは、ということですね。

 が、ヒメノも毒を受けて倒れる。カメジムはこれで勝負ありと見たようですが、確かに勝負ありだけどカメジムの敗北フラグ立ててしまいましたな。ヒメノは自分の体で毒を調べ、解毒薬を自ら試すことができます。ヒメノの性格(他の王もですが)からして、自分以外で人体実験はできないでしょう。

 もしカメジムがヒメノに毒を放たなかったら、今話の快勝はなかったかもしれません。解毒薬は自分(カメジム)しか持ってないという自信が驕りとなって油断したんでしょうな。

 それはともかく、カメジムが化けた偽ヒメノは着々とお見合いを進める。が、狙いは王/オージャー戦士を近づけて殺害すること。が、お見合いに乱入参加の公爵家跡取りと称するロマーネ・ディアーボーンがそれとなく阻止。ロマーネ・ディアーボーンは呪いでもかかっているかの如くでして、(耐性の低い)女性は見ただけで失神する美貌の持ち主。

 ロマーネ・ディアーボーンはヒメノに救われたとか、結婚の約束がどうとか、あることないことデタラメ言ってる感じですが、実は事態に気が付いているような振舞。全ては目の前の(偽)ヒメノを試すためであるようです。同時にそれとなくギラらを庇いつつ、時間稼ぎもしているかも。

 他の王/オージャー戦士はといえば、ヤンマは全く気が付いてない模様(実はヒメノの惹かれているものがあるせい?)。ジェラミーは面白がっててヒメノに注意が行ってない。ギラはそもそも人を疑うのが苦手。カグラギに至っては招待に応じてない。唯一、リタだけはヒメノの様子がおかしいと察してますが、本人が脅されていると思った様子(半ば当たってますが、あと一歩足りてない)。

 そのリタに(おそらくは以前の事件でも用いた)毒の注射針が迫りますと、何者かの一撃で注射器は吹っ飛ばされる。誰かと思ったら本物のヒメノですね。上述しましたが、おそらくはヒメノ自身も毒を受けたため、解毒薬を独自で調合でき、皆も自らも救っての戦線復帰。

 それでもカメジムが化けた偽ヒメノは、薄汚れてしまったヒメノが偽物と主張、王の資格たる剣をかざす。が、ロマーネ・ディアーボーンが奪い返して本物のヒメノに捧げ、執事セバスチャンであるとの正体を明かす。

 ヤンマも思い出してますが、初登場時に実は若いが老人の姿に化けていると言ってましたな。あのときは不思議な設定だなと思ったんですが、この回のためのものでしたか。セバスチャン/ロマーネ・ディアーボーンは見た目の美で女性を失神させることに悩み、死を考えたところをヒメノに救われ、以降は身命を捧げることになったと。

 セバスチャンの心を打った要点は、偽ヒメノ/カメジムに言い放った「美とは見た目ではなく生き様」ということでしょうね。それがヒメノの本気であるんで、ギラらも薄汚れたほうのヒメノこそ本物と確信できたようです。それにしても、演技含め終始揺るがず、誰がヒメノかしっかり見定めていたセバスチャンが光ります。いや、セバスチャンとヒメノの間にある信頼が光ると言うべきですね。

 こうなれば大勢は決し、あとは力での激突。以前に惨敗しているカメジム単独では勝てるはずもなく、今回はかろうじて敗走。5王国のうち、ようやくイシャバーナ国だけは取り戻した格好ですね。これで王者戦隊側拠点ができたことになりますが、雲隠れ(?)していたカグラギが現れてトウフ国奪還を言い出す、で続く。

 次回「イロキの乱」ではトウフ国の前国王/大殿のイロキ登場ですか。劇場版とリンクあったりするのかな。イロキを殺害したグローディも暗躍するようですが、イロキ演じる雛形あきこさんとグローディ演じる天野浩成さんはご夫婦。予告映像ではイロキがグローディに横柄に振舞うカットが見えますが、夫婦だからこその遠慮会釈なしの演技が見られるといいなあ(^^;。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/15 (Wed) 20:13:19

 定期感想その3です。

●スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

 ブログ記事もご紹介頂いたお陰でこの映画を理解でき、と初見では思いかけたんですが、少し時間を置きますと全く分かってなかったことに気が付きました。それを踏まえて、せっかく分量のある記事を見せて頂いたのに申し訳ありませんと言い直さねばなりません。

 初見途中~直後ですと、例えば序盤の橋上のアクションとかが自分的にツボで、たぶん坂本浩一監督と被る部分(例えば基準点を見せて高低差を感じさせる等)があるせいかなと思います。そこは前作ファー・フロム・ホームではあまり感じなかったところです。その差にはたぶんSFX技術の2年の差(19年と21年)もあるんでしょう。

 ドラマ面でもアベンジャーズからはドクター・ストレンジ、さらに2002年のスパイダーマンシリーズ、2012年のアメイジングからスパイダーマンを迎えての共演。それに対応して敵手も有名・大御所が揃う。

 そういったことがありますんで、「今回の3部作ではやっぱりこのノー・ウェイ・ホームがいいなあ」くらいに思いつつ観終えました。が、ふと「いや、ノー・ウェイ・ホームでのスパイダーマンが映えるのは、ホーム・カミングからファー・フロム・ホームでピーター含めてキャラを立ててくれたからだ」と当たり前のことに思い至ります。

 もっとも正確にはホーム・カミングの後のサノスの起こした事件の2部作があるわけなんですが、自分は未見で判断できかねます。しかし宇宙の半分の生命ということは文字面ながら知っておりまして、そこはファー・フロム・ホームにも影響してるわけですね。

 そう考えてみますと、例えば序盤でのピーターとドクター・ストレンジの会話で、2人のスタンスの違いが分かる気がしました。ドクター・ストレンジは直近ではアベンジャーズの一員としてサノスと戦ってるわけですね。サノスが滅ぼした/滅ぼそうとする宇宙の半数の命のために。規模が大きいですから誰とはいえず、数で言うしかない。

 一方、ピーターは時間を巻き戻してくれと世界規模の影響ある頼みをするんですが、理由はスパイダーマンの正体を明かされたうえでミステリオ殺害容疑をかけられてしまったから。そのせいで自分(ピーター)のみならず「ホーム・カミング」以来のMJ/ミシェルとネッドのMIT入学をフイにしてしまう。

 それを何とかしてくれ、というわけですね。そこを先に言わないせいで大事件に発展しちゃうわけですが、そうでなくてもタイム・ストーンがないから無理ではある。しかしピーターはストレンジに食い下がる。「みんなに迷惑かけた」ということですが、そこでピーターの「みんな」のスケールが分かりますね。

 ストレンジにとって「みんな」とはアベンジャーズの面々であり、その面々が守る命であるでしょう。今や宇宙規模ですね。しかしピーターの「みんな」は「メイおばさんやMJやネッドや」と指折り数えて言える近しい人。スパイダーマンが「親愛なる隣人」であることがよく示されていたように感じます。

 ただし、それが良いというわけではなく、個々人それぞれを超えた「数」で考えるストレンジらがいるから、ピーター/スパイダーマンは「隣人」のために必死になれる。最終的なメイン敵手が「グリーン・ゴブリン」ということで、ゴブリンスレイヤーにハマっている今はタイムリーのとご指摘がありましたが、勇者(世界を守る)とゴブスレさん(村を守る)の対比がストレンジとピーター/スパイダーマンに当てはまりそうなのも面白いところです。

 具体的にイメージできる個々人がピーターの「みんな」ですから、ストレンジが時間が駄目でも記憶ならと魔術を開始すると、この人は除外、あの人も除外と次々にピーターは気になってしまう。それで魔術が失敗して、えらいことになるわけですな。ピーターの落ち度といえそうですが、しかし「アイアンマンならうまくやれたかも」という気もします。ピーター/スパイダーマンの導き手が前作では偽物(実は敵手)、今作では対立(世界 vs 身の回り)で、アイアンマンに代わる人物不在なんですが、そこも大事なところ。

 ピーローを助けるのが誰かという点でも他のアベンジャーズヒーローとスパイダーマンは異なってますね。他のアベンジャーズヒーローだと、ヒーローを助けるのはヒーロー(ないしは孤高もいる?)。スパイダーマンを助けるのは(主に一般人の)友人。ネッドがかろうじて空間接続の力(スリング・リング)を得ますが、アベンジャーズヒーローに比肩するべくもなく、敵に対して何かできそうではない。

 しかしそれで呼び寄せることができたのが他世界(マルチバース)のスパイダーマン2人であるのはとても大事なポイントでした。もしアベンジャーズヒーローの助けを借りようとすれば、ストレンジと同じスタンスになるはずです。守るのは世界という規模ですから、ストレンジと同じ結論を出すはずです。他世界から来た者を元に返せば死ぬ運命でも、この世界を守るためならやむなし。元の世界ではヴィランであるわけですしね。

 が、ピーターは異なる。いったん会って親しくなる、なれる可能性があれば見放せない。その辺り、フォーゼの弦太朗を思い出したりします。「ダチになる」以外の選択肢がないのが弦太朗でした。あるいはWの翔太郎。会った人を100%の悪とは思いたくなく、1%でも善がないか、あるなら救えないかと考えるヒーローでした。

 そんなピーターですから、他世界から来たヴィランとて救おうとする。幸い、オットー・オクタビアス/ドクター・オクトパスは成功しました。アームのAIの暴走を止めれば正気に戻ることが分かった。他のヴィランも力に飲まれて暴れているだけ。ならば力の暴走を止めればいい。

 しかし友人の助力をもってしても、スパイダーマンは力不足。ではどうすればいいかとなって、世界ではなく隣人を守るスパイダーマンが助けてくれれば、ということで他世界のスパイダーマン2人が来てくれたわけですな。スパイダーマン映画として豪華共演ということだけでなく、スパイダーマンを助けられるのはスパイダーマンであるという必然性がしっかりあったように思います。

 それも、この世界のピーターがメイおばさんを失ってからなのが大事なポイント。観ていて少し意外でしたが、この世界のピーターは失ってみて初めて、メイおばさんが最愛の人であると自覚したようです(無事だと思ったら致命傷受けてた、という希望から絶望の落差が、そこを際立たせてます)。その辺り、ゴブスレさんに対する「姉」が同じだなと思ったりもします。

 メイおばさんは息を引き取る直前、スパイダーマンには極めて大事な教え「大いなる力には、大いなる責任が伴う」を思い出させるわけですね。ピーターを導ける人間としては、もしかしてアイアンマンかと思えましたが、ピーターが大変に未熟だったうえ、サノスとの戦いでアイアンマンは死亡。その後にピーターがアイアンマンの面影を感じるミステリオが現れましたが、ふたを開ければ詐欺師にして敵手。ストレンジはピーターに力は貸すが望みは叶えない、むしろ対立する。

 どうやらアイアンマンの師匠としての役割は、実はメイおばさんがアイアンマン以前からやってたんじゃないか、という気がします。その辺り「ホーム・カミング」から観なおさないといけないかもしれません。

 が、ピーターをスパイダーマンとして奮い立たせた順で言えば、まずアイアンマン(たぶん、です。サノス戦は観てないので)。そして今作ではメイおばさんですね。いずれも命に代えて教えたと言えそう。メイおばさんのもう1つの大事な教えは「ピーターが正しい」。上述しましたように、世界を憂うストレンジも正しく、友達を心配するピーターも正しい。最もマズいことがあるとすれば、ブレることでしょう。

 大枠の教え「大いなる力には、大いなる責任が伴う」だと具体性に欠けます。ストレンジの選択「ヴィランが死す運命でも元の世界に返す」も大いなる責任を果たすものでしょう。ピーターの具体化はおそらく「いったん友達になったら、たとえヴィランでも見捨てない」というものだったようです。それも大いなる責任。
(そういや、孔子にもそんなエピソードあったような。振舞の悪い人と付き合ってたのを心配した人が「縁を切ったらどうか」と勧めたら、孔子は「あれでも友達だから」と断ったとのこと。)

 それが「親愛なる隣人」というスパイダーマンのテーマに立ち戻ることなんでしょうな。そこはピーターのミステリオ殺害容疑、正体バレ、逮捕となっても、屈せずにピーターを守ろうとしたメイおばさんが重なります(容疑のほうはマット・マードック/デアデビルが何とかしちゃったわけではありますが)。

 失って初めてメイおばさんに導かれていたと分かったピーターが、召喚されたピーター2・3が他世界で同じく最愛の人を失う挫折をしたと知り、気持ちが通じ合って共闘に入るのは熱かったですね。こちらで予め伺ってましたが、気持ちは通じても、最初は連携がギクシャクなのもいいところ。必死にジタバタするって、何度か申した気がしますが、自分のカッコいいと思うパターンの1つです。

 この世界のピーター/スパイダーマンの正しさは戦いにおいてはまずドクター・オクトパスで示される。エレクトロに加勢するふりをして、電気を抜く治療を完成させる。サンドマンもリザードも元の人間に戻す。ただ、この辺りの運びは2002年のスパイダーマンは未見、アメイジングは記憶が薄れていることもあり、元の映画の運びを思い出しての感動には至りませんでした。ただ、アメイジングのスパイダーマン(ピーター3)がこの世界のMJを救って涙するのだけは、「ああ、そうだよな」と深く共感するものがありました。

 そして、この世界のスパイダーマンとグリーン・ゴブリンの対決。初見では、メイおばさんを殺害したグリーン・ゴブリンをこの世界のスパイダーマン/ピーターは許せず、何度も殴りつけてからゴブリンのグライダーで刺し殺そうとする。が、ピーター2のスパイダーマンが止める。さすがに大先輩と思ったんですが、ピーター2が背中を刺されたことがあるから大丈夫と言っているのが気になりまして。

 調べてみますと、この映画での最後の対決は2002年版のスパイダーマンでのグリーンゴブリンの最期を模したものみたいですね。2002年版でもスパイダーマンはMJ(グウェン)とベンおじさんを殺害された恨みでグリーン・ゴブリンを追いつめ激しく殴りつける。しかしゴブリンが正気に返ったふりで油断させ、グライダーを操作してスパイダーマンを刺そうとする。が、スパイダーマンが察知して避け、ゴブリンはグライダーに刺されて自滅。ということらしい。

 知ってみると、なるほどです。ピーター2のスパイダーマンはこの世界のスパイダーマンが自分と同じこと(いや、自ら刺すからそれ以上か)をやろうとしているのを見て、自分がやれなかったこと「グリーン・ゴブリンへの復讐より、本来は善意あるノーマン・オズボーンに戻して許す」をさせたわけでしたか。知っている人は瞬時に感涙なんだろうなあ。

 さすがにこれだけ「大いなる責任」を果たしたピーターに、行き方が違うストレンジも納得するしかない。序盤でもウォンを説得するのに「辛い目に遭って来た子」と理解を示してましたしね。しかも、あらゆる他世界からスパイダーマン/ピーターの敵が押し寄せるのを防ぐため、ピーターが申し出たのがあらゆる人々の記憶から抹消されること。この気概を示されてはストレンジも折れるしかない。

 悲しいことに、当のストレンジもピーターの覚悟を忘れてしまうわけですね(覚えていたら、アイアンマンとメイおばさんの後を継ぐ師匠になれたかも)。そちらはしかしピーターには致命的な問題ではないかもしれません。なにせピーターにとって大事なのは、自分をよく知ってくれている近しい人ですから。

 ガッチャードの感想でも申しましたが、ハッピーエンドの運びなら何となく思い出すとか、親しくなる萌芽を見せてくれるもの。しかし、MJやネッドから完全に忘れられ、ドーナツ店の単なる客と認識されて気にも留められない。しかし、2人の念願であるMIT入学だけは返すことができた。

 それで良しとしたらしいピーター、自分は仮面ライダービルドのラストを思い出すものがあります。ビルドではそれでも龍我だけは戦兎に返されたわけですが、スパイダーマンはそうではない。ただ、スパイダーマンは忘れ去られてはないわけですね。スパイダーマンが為したことも記憶に残されている。

 そこはメイおばさんの墓参りで鉢合わせしたハッピーの様子からも分かります。メイおばさんをどうして知っているかの問いにピーターがスパイダーマン経由と答えると、ハッピーは自分もだといい、それで納得しています。スパイダーマンへの信頼が未だあるわけですな。

 だからなんでしょう、ホーム・カミングでピーターがアイアンマンにスパイダーマンのスーツを没収されてお手製のスーツを作ったのと同じく、またもスパイダーマンのスーツを作って復活する。ミシンも使えるようになって縫製の腕前はだいぶ上がったようですな。ここからスパイダーマンはヒーローとして始まるわけか。

 初見では甘く見て理解できず、二度目で深く感動しましたが、過去作との関連が多いなどでまだまだ整理できておらず、ストーリーやドラマに沿って「ここでこう感じる」みたいな感想には辿り着けておりません。自分がこの「ノー・ウェイ・ホーム」のドラマの感動も申すには、少なくとも「ホーム・カミング」から観なおす必要がありそうです。できれば過去2作シリーズ(特に未見の初作)もですが、録画機にはなく、いつかまた放映があれば、ということになりそうです。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/16 (Thu) 00:05:38

 特撮感想よりも優先しがちな、ゴブスレになってます(苦笑)。

 ええと、自分のアニメ化に際しての原作予習(昔読んだ小説の読み返し)の範囲から、7巻と8巻は外れていまして、11月に入ってから、ようやく7巻を読み終えた段階です。
 で、前回のK.Kさんの感想で提示された疑問点についても、いくつかの回答が見つかりましたので、述べてみます。

>矢じりを緩めておけ

 これは、劇場版で提示していた作戦ですね。
 矢じりが刺さって、すぐに抜ける状態ですと、傷口に矢が刺さったまま化膿して、ゴブリンの不潔な巣穴では病が広がって全滅させられる可能性がある、という作戦です。

 たとえ、ゴブリンをその場で殲滅できずに逃げられたとしても、巣穴を滅ぼせる酷い計略です。

 まあ、結局、今回はエルフの兄さま率いる部隊が、後からゴブリンを殲滅させたので、計略が上手く行かなかったとゴブスレさんが内心、残念がるのですが。

>ロックで学んだか

 これは自分も意味が分からず、というか、アニメでは聞き流していましたが(たぶん「どこかで学んだか」ぐらいに聞いていた)、
 原作では「閘門」という言葉に「ロック」とルビが振られていました。

 要は、「前話で出てきた堤が、門で堰き止められていたこと」を思い返してのことですね。
 ロック=水の堰き止め、というぐらいの意味と。

>浄化の呪文による、堰き止め突破

 これは、ずいぶんと呪文の効果の拡大解釈ですな。

 ええと、この場面の女神官さんは、「自分が防御だけで、仲間のゴブリン退治に貢献できていないのではないか?」と少し気に病んでいるわけですね。
 守られているばかりで、何もできない自分と、鋼鉄等級に昇級したことで、もっとパーティーのために役立てるのではないか、という自負心が目覚めている。

 で、ゴブリンの作った不浄の堰き止めを見て、それが人間の死体とか、女神官さんのトラウマを刺激する材料だったもので、何とか浄めたいという気持ちも伴い、「川の水をきれいにするための堰き止め排除」という呪文効果を発動させた流れ。

 そんな浄化の呪文の拡大解釈が、後々のゴブリンシャーマンへの攻撃転用にエスカレートしてしまい、パーティーのピンチを救うものの地母神さまから怒られるということで、信仰の危機を招くことに。

 浄化の呪文の転用が、いろいろと伏線になっているということで(この話は8巻までつながる)。

>兄さまの武勲詩添削

 ええと、これについては原作によると、妖精弓手が「私が兄さまの女心を解しない様に呆れて、詩を添削し始めたんだけど、途中で面倒になって、姉さまにぶん投げた」という趣旨の言葉を述べてあって、
 要するに、恋に鈍感な兄さまを姉妹そろってからかっていたような話なんですな。

 それを聞いて、鉱人道士と蜥蜴僧侶は、男として、その兄さまとやらに同情していたわけで。

>森人と鉱人と蜥蜴人の男飲み会

 アニメでは割愛されていたのですが、この3人の異種族飲み会が楽しいわけで。

 ええと、ゴブスレさんに対しては不信感を持っている兄さまですが、鉱人道士とは「精霊の話ができる珍しいドワーフ」として、蜥蜴僧侶は「自然を重視する共通文化の同志」として、すぐに敬意を示すようになるわけですね。

 で、まあ、結婚前の男心を、鉱人道士らが聞き役になってあげる、と。
 その中で、それぞれの種族の文化の相違点とか、妖精弓手がもっと年相応に大人しく、慎ましくあってくれたらという愚痴とか、で話が盛り上がったりします。

鉱人「あの跳ねっ返りの耳長娘はホントもうどうにかならんのか」
兄さま「義妹には、ああ見えても娘らしい事も教えたのだ。織物、楽器、歌、他にもいろいろとな」
鉱人「あれでか」
兄さま「……2000年かけたんだがなぁ」

 他には、エルフが植物と昆虫食にこだわる理由として、「動物は育てるのに数年かかるが、植物や虫は1年で毎年、十分な量が成熟して効率がいいから」という話を兄さまが主張していて、
 蜥蜴僧侶は虫でも気にせず食べて、
 鉱人道士は「確かに味は悪くないが、せめて虫をそのまま虫と分かるように出すんじゃなくて、もっと見栄えよく加工すればいいんだが」と愚痴りつつ、
 森人は「天然素材のあるがままが一番ではないか」と主張して、この辺がファンタジー小説としては面白いなあ、と思います。

 そういう会話の中で、ゴブリンスレイヤーがどういう人物なのか、という話題に移って、

兄さま「義妹は、誰に似たのか、いや、私の影響なんだろうな、他人に対して偏屈なところがあって、滅多な相手にそう容易く心を開かないはずなのだが、ずいぶんとオルクボルグ殿には懐いているようではないか。それが不思議でならん」

 そんなところから、兄さまは「ゴブリンスレイヤーが妖精弓手を託すに足る男なのか、値踏みしているような心情」が描かれていくわけで。
 まあ、それは姉さまの方も、妹に対して、オルクボルグをどう思っているのか、気にして聞いてくる流れになります。
 で、妖精弓手も、自分がゴブリンスレイヤーをどう思っているのか、気持ちの整理を考える巻なわけですが、

 アニメでは、その辺の心情描写が不十分かな、と思いつつ。

>エルフの建物と調度品

 まず、エルフの住む木ですが、自然の精霊が建物らしく魔法的な力で加工しているので、いわゆる人工ではないようですね。
 仮に魔法にしても、人間だったら設計図とかを書いて、自然を作り変えるのに対して、エルフの場合は、精霊の方が忖度して、エルフの快適さを追求して合わせてくれる感じ。エルフの立場としては、自然精霊との交信が普通であるため、周辺環境については「無意識に思ったことを精霊が感じとって、ある程度、望みどおりの空間が現出される」ようにも思えます。
 もちろん、それだけ濃密な精霊力を維持するだけの魔力があっての話でしょうが(D&D的には、自然環境に影響を及ぼすエルフ魔法の秘技を「ミサル」と称されたりしていますが、もしもエルフの長の力が暴走すると、森が闇化するとか、とんでもない悪影響をもたらしがち)。

 あと、クッションは「キノコによる天然物」とのこと。
 とにかく、ゴブスレ世界の森人は、手作業による加工技術をあまり持たないようで(調理技術はあるみたいですが)、自然にお願いすると勝手に作ってくれる様子。
 だから、ゴブスレさんがしばしば手作業で何かを作っているのを見ると、非常に珍しいので、妖精弓手が好奇心旺盛にあれこれ質問しては、「ずいぶんと面倒なことをするのね」「ゴブリン退治に必要だからな」「ふ〜ん。オルクボルグらしいこと」というやり取りも多いですね。

 ゴブスレさんは、ゴブリン退治のために、あれこれ工夫して何かを作ることを日常茶飯事としているので(職人気質というか)、妖精弓手としては見ているだけで飽きないらしい。

 あと、妖精弓手が人間社会で「初めて下着という概念を知った」とか、この辺の異種族の目から見た人間文化や社会の姿も、アニメが割愛している部分かな、と。
 その意味では、妖精弓手関連の話が、だいぶ削られていることに、改めて気づきます。

 まあ、仕方ないですか。
 尺的に考えると、1期は「原作1巻と2巻の内容を、あまりカットせずに描いている」ようでしたが、
 2期は「原作6巻、7巻、8巻」の3冊分ということで、単純計算、1.5倍のペースで進めないといけないですし、ここまでの放送でも、小説からカットされた描写(主に脇キャラのシーン)が目立つかな、とも。

 ともあれ、森人の兄さまがゴブスレさんを次第に認める流れが削られていますので、次回の放送で、いきなり友情成立に感じるかもしれません。

 モケーレ・ムベンベに対して、「傷つけてはいけない」というエルフ側の事情を汲んで、ゴブスレさんが実に的確なトラップ(分銅付き革紐=ボーラと、獣用の網の併用)を駆使して、難所を乗り切る姿を見て、
 森人の達人級野伏として、尊敬を示すに至る。

兄さま「ほう。巨獣の動きを封じるのに、すでにあのような準備をしていたとはな。どこで習ったのだ?」
ゴブスレ「象とやらの話は聞いていたからな」
兄さま「……何!?」

 しばらくゴブリン絡みの別の話に流れた後で、

兄さま「それで、先ほどの答えを聞いていないが……」
ゴブスレ「父が村の猟師だった。それだけだ」

 この後、ゴブスレさんが家族や故郷を大事に考える人間であることに、兄さまが共感を抱き、

兄さま「義妹のことは、よろしく頼む」と頭を下げて(鉱人道士に対しても、別シーンで頼んだりする)

 ゴブスレさんも彼に対して、「もしも俺たちがゴブリン退治から帰って来れなかった場合は、2人(牛飼娘と受付嬢)のことをよろしく頼む」と言える程度の信頼関係を確立する流れなんですが……アニメの尺だと、ダイジェスト感覚になりそうですな。

 小説だと、やはりシーンをいくつも重ねて、累積的に心情の変化がつのっていくものですが、アニメだとシーンを削って、心情が一番大きく動く箇所にスポットを当てる構造だから、
 そのスポットに上手く乗れない場合に、唐突感を覚えるものかもしれません。

>そのまま部屋を這っていけ

 これは原作小説では、「ゴブリンが弓矢で狙って来るかもしれないから」とゴブスレさんが説明して、ゴブリンの脅威を知らない一般人である姉さまは「ヒッ」となる。
 この辺で、危機に対する冒険者と一般人の反応の違いが明確な描写ですな。

 もっとも、アニメでは、ゴブリンではなく、巨獣にスポットを当てたいからか、モケーレ・ムベンベの背中に「ゴブリンの騎乗した鞍が設置されていること」は次回に語られることに。


>次回「ジャングル・クルーズ」

 7巻の第5章に当たります。
 その前の第4章「獣との戦い」とのセットになりそうで、

 モケーレ・ムベンベ対処が前半で、上流の小鬼城砦を目指す旅立ちと野外行軍、ダンジョン突入までが後半かな、と。

 その後のサブタイトルは、以下のとおり。

●6章「闇の奥」(ダンジョン探索)
●7章「血を洗え」(ボスとの対決)
●8章「真夏の夜の夢」(ダンジョンからの帰還。結婚式の祝宴)

 あと、間章として、4章と5章の間に「剣の乙女の石板解析」、7章のあとに「勇者の挿話的シーン」が間章として、挟まって来ます。

 ダンジョン探検の部分が原作では結構長いので、これをアニメで描くには、だいぶ削られそうだと思ってます。

 ということで、原作小説を改めて踏まえた上での、前回の感想補足と、次回予告みたいな書き込みでした。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/17 (Fri) 09:19:47

 定例の特撮感想です。

★ガッチャード

 加治木くんと姫野聖さんの「記憶を消去されても、また出会いを紡ぎ直す縁つなぎ」が良かったですな。

 できれば、この先、文通とか、ネットで関係性が継続してる的な話題が出るといいなあ、と。
 そして、遠距離恋愛を続けた先に、「今度、東京でオカルトイベントがあるから遊びに行く」というゲストヒロイン再出演回があったりすると美味しいなあ、と。

 脚本家の長谷川さん曰く、「加治木には、グリッドマンの内海みたいな主人公の親友ポジションを狙って書いている」そうで、だったら、今後の活躍もありかなあ、と。
 まあ、内海がいまいちドラマに絡められなかったので、加治木でリベンジできれば、というような発言も見られたから、もしかすると今後、ますます活躍するキャラに化けるかも。

 そして、UFOケミーという形で登場したXカード。
 先に敵に奪われるという形で、強敵として出現した後で、何とか撃退して、ガッチャードのXマス期のパワーアップにつながる流れっぽいですな。

 この辺から、縦糸のストーリーが盛り上がることを期待しつつ。

 年末までには、冥刻の3姉妹の黒幕ボスが出現して暴れるとも予想しますし(まあ、下手すると、その勢いで倒される可能性もあったりするのが、最近のライダーのクリスマス決戦なんですが)。
 年が明けると、新展開という流れもザラなので、ドラマが一気に加速する覚悟を固めておきます。

★キングオージャー

 こちらは、怪人が倒されることなく(ガッチャードでは、1話で2体の怪人が出現して倒されたというのに)、巨大戦もなく、ドラマだけでストーリーを回している段階。

 ええと、ドラマ面が面白いからいいものの、商品販促にはちっともなっていない作風に、玩具スポンサーはどういう構えなのかなあ、と心配しております。

 せっかく、新商品として出したガブティラも、1回しか使わないし、大丈夫かなあ、これって思いつつ。

 いや、それとドラマを堪能するのは別なんですが、きっと「来年は、もっと玩具=巨大ロボの活躍を増やした作品を」と突き上げが来ていそう。

 なお、来年の戦隊のタイトルとしては「爆上(ばくあげ)戦隊ブンブンジャー」という、また何だかなあ、という奇怪ネーミングが上がって来ていますが、
 モチーフが何かはまだ不明。

 バイク? とか、バンド系音楽? とか、いろいろ予想が出ておりますが、果たして?

 さておき、今回はイシャバーナが壊滅したらどうしようか、と思ったら、きちんと本物ヒメノ様と、実はイケメン執事だったセバスさんの活躍で、国を取り戻して、2話続けての鬱展開にはならずに済みました。

 これで、カメジムはまたダグデドさんにお仕置きを受けるんだろうなあ、と。

 策謀と言えば、カグラギさんが得意、と予想していたら、今回はカグラギさんが自分の国の動向に専念していたようで、あまり動かず。
 まあ、ドラマ作りのためにやむを得ないと納得してます。
 カグラギがいるのに、カメジムの策謀を見抜けないとあっては、彼のキャラ性も損ないますからね。
 有能だからこそ、肝心なときにはそこにいない、と言うのは、作劇手法としてはありです。

 で、カグラギの真価は、次回のトウフ編で提示されればいいわけで。
 うん、こちらを驚かせるほどのサプライズを示せるかどうか、ですな。

 今のところ、ンコソパ崩壊がサプライズで、ヒメノの婚約者にセバスさんが扮していたのが第2サプライズ。
 次なるサプライズは、黒子のクロダさんの活躍と、先代女王イロキがグローディを裏切ってカグラギを支援するところまでを想定の範囲内としておきます。
 よって、それ以上のサプライズが来ないかなあ、と期待してみるわけですが(脚本家へのハードルを内心、上げている^^;)。

 何だか、サプライズがなければ、キングオージャーじゃない的な見方になってますので。
 とりわけ、策謀を旨とするカグラギ編ですからな。

 なお、リタ編に期待するのは「真実の暴露という裁判長のお仕事と、もっふんネタで空気を和らげること」で、その後でエピソード大団円のギラ編にきちんとトスを上げること。
 まあ、いずれにせよ、クリスマス決戦に向けて、打倒ダグデドのテンションを上げてくれることを期待します。

 とりあえず、シュゴッダムを取り返す前に、ンコソパの再奪還を果たしてもらいたいものですが。
 まずは、回復施設用の国を奪還して、次は食料国を奪い返すと戦略的にはOKかな。インフラ整備のテクノロジー国を取り損ねたのが痛手と言えば、痛手ですけど、物語上は挽回可能という前提での負け戦も盛り上がるネタですし。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/18 (Sat) 21:00:30

 定期感想その1です。

●ゴブリンスレイヤー:矢じりやエルフ

 矢じりのご教示で劇場版の大事なポイントを思い出し、そこからさらにいろいろ考えを巡らせることができました。想像が膨らむのは楽しいことでして、ご教示を感謝申し上げる次第です。

 まず矢じりでして、「劇場版で提示していた作戦」を拝読して数秒後、「あっ!」となりました。なんで忘れてたんだと。ゴブスレさんが妖精弓手さんに説明せずに矢を渡してゴブリンを射て、止めを刺さずに巣穴に逃げ帰らせる。狙いはこちらでご教示通りのことを、ゴブスレさんが後で説明するわけですね。

 が、そこからが大変なことになると。ゴブリンがすぐに真似て、今度は妖精弓手さんが射られ、矢じりを抜くのが大ごとに。しかし最も大きな問題はゴブリンの学習能力ということですね。劇場版以前の作中時系列では、ゴブスレさんはゴブリンに知恵を与えないよう留意していたはずですが、緩めた矢じりまで学ぶのは想定外だったらしい。

 そこはゴブリンの学習能力の脅威以外にも、背後に知能の高い黒幕がいそうだということで、劇場版のドラマにも関わって来るわけですね。これは2期の「ロックで学んだか」にも共通しそう。第6話の「ロック」は閘門でしたか。川をせき止められるようになったのが最近ということですから、ゴブリンを使嗾する者がいそうですね。

 それはともかく、矢じりを緩める初出を思い出しましたら、他の部分も記憶がよみがえったものがありまして、例えば蜥蜴僧侶さんと妖精弓手さんの会話。蜥蜴僧侶さんが「位階を高め、ドラゴンに」という望みを持っていることはTV本編(1期)で語られてましたが、そうなるとどうなるかは劇場版で一端が示されてたんでした。

 長命になるということですね。前に1期でエルフとドワーフの寿命の話が出たとき、蜥蜴僧侶さんは「定命の拙僧らには」と言ってたんでした。ドラゴンになるとエルフと比肩できる長命になるらしい。

 それが妖精弓手さんには嬉しいらしい。千年後にも今のパーティの古なじみの友人がいてくれることになるわけで。2期では姉様から他種族の相対的短命で釘を刺されていた妖精弓手さんですが、そうではない可能性もあるわけですな。そこは今のパーティで冒険を続ける理由の1つになり得る。

 そしてこちらで「精霊の話ができる珍しいドワーフ」と伺いまして、そこはもしかすると妖精弓手さんも鉱人道士さんと上手くやれてる理由なのかもと思いました。妖精弓手さんらがゴブスレさんを訪ねて初めてギルドに来たとき、受付嬢さんは「ハイエルフと種族的に仲の悪いドワーフ」と怪訝に思ってました。その時点では観ているこちらにそれ以上は分からず。しかし種族的にNGでも精霊で共通点があると思えば、納得いきます。

 もう1つは「ゴブスレさんがしばしば手作業で何かを作っている」のに「好奇心旺盛」ということで、それなら職人系のドワーフにも「飽きない」のかもということです。もっとも鉱人道士さんはゴブスレさんの装備を見て詳しく説明したりはするものの、自ら細工をするようなシーンはなくて(せいぜい毒噴出孔を塞ぐくらい?)、ちょっとはっきりしません。

 兄様の武勲詩の一件も、下手するととんでもない勘違いをするところでした。妖精弓手さんの台詞「姉様にぶん投げた」についてです。一応、「添削した詩を姉様にぶん投げた」という可能性も考えたんですが、もしかすると別の派手な騒ぎなのかもと思ってしまいました。以下のようなものです。

①兄様、求婚の詩で武勲詩を書こうとする。
②見とがめた妖精弓手さんが奪い取って添削、兄様に押し付けるように返す。
③妖精弓手さん「姉様、これ受け取って!」と叫ぶや、詩を持った兄様を姉様のほうへ背負い投げ。

 真面目に「こうかもしれない」と思ってしまったんです。が、女性陣が寝ていたテントの幕を開けても顔に赤い手形が付かなかったんですから、兄様をぶん投げるようなラブコメ展開があるわけないと思うべきでしたorz。原作を踏まえれば、姉妹揃って兄様をからかっていたということでしたか。

 同じく原作を踏まえると、姉様も兄様も妖精弓手さんを大変に可愛がっているようですね。ゴブスレさんに探りを入れるような物言いはそのせいでしたか。要は妹/従妹(→義妹)が心配。アニメの描写からはエルフの気位の高さゆえみたいに感じましたが、愛情深いせいと分かってみますと、兄様・姉様も可愛いところがあるように見えてきます。

●ゴブリンスレイヤーII(第7話:ジャングル・クルーズ)

 上述しました通り、「ロックで学んだか」が堤を指すと理解しますと、今話後半の危機的状況がより深く飲み込めます。原作小説の該当箇所を調べ直すまでして頂きまして、大変恐縮です。

 自分はこのアニメを勘違いしがちでして、前話で兄様から話が出た「(密林の奥に潜む)古き者」と「川をせき止める者」と「モケーレ・ムベンベ」と「ゴブリン」がごっちゃになって混乱しまして。

 最初、「川をせき止める者」=「ゴブリン」であり、「古き者」=「モケーレ・ムベンベ」だと思ってしまったんです。その後は、「川をせき止める者」=「モケーレ・ムベンベ」と理解したものの、「古き者」は別にいて、ゴブスレさんが討伐に上流へ向かう先にいるのかなとか。

 そういう混乱した大半の原因は自分の観察・記憶・理解力不足なんですけど、部分的には妖精弓手さんの様子も関わってはいます。前話では「古き者」(=「川をせき止める者」)について、妖精弓手さんは実在を疑うほどで(「ホントにいるの?」→「いつの頃よ!」)、当然、見たこともないはずです。

 しかし前話ラスト~今話冒頭では「モケーレ・ムベンベ=川をせき止める者」を一目見て認識しています。となると「古き者」と「モケーレ・ムベンベ」は違うものだろう、と思い込んでしまったわけで。しかし、1期の古代墳墓跡の戦いでは大きな絵画が描かれていたりしたわけで(確か神代レベルの昔のもの)、「モケーレ・ムベンベ」も絵で見たことがあるくらいの想像は働かせるべきでした。

 ともかく本編。モケーレ・ムベンベが出現してエルフの里を踏み荒らしてますが、神獣なので倒すわけにはいかない。そもそも何で住む領域が違っていた神獣が侵入してきたかと思ったら、こちらで伺った通り、背にゴブリンが騎乗しているわけですな。

 たぶんそいつが誘導しているということで、まずゴブリンは討伐。ですが、妖精弓手さんが射たら落っこちて、モケーレ・ムベンベに踏まれてぺちゃんこというあっけなさ。他に歩兵ゴブリン等がいる気配もない。
(踏みつぶされたゴブリンの絵面見ますと、ドラゴンボールのヤムチャ死亡のシーンを思い出してしまう ^^;)

 モケーレ・ムベンベさえ対処すればよく、鉱人道士さんの酩酊/ドランクで朦朧とさせたところをゴブスレさんの足を絡めとる罠で転倒させ、何とかなったらしい。兄様が罠に興味を示して質問というのはこちらで伺ってたんですが、ゴブスレさんのつっけんどんと言いますか、自分の興味だけの応答は想像を上回ってました。

 兄様はモケーレ・ムベンベ侵入時点で出てきて声をかけていますから、一部始終は見ていたはずで、ゴブスレさんらの傷つけない配慮は理解しているようですね。今回の罠の方法を「古い手」と呼んでまして、一応の知識はあるものの、おそらくは弓矢に特化した今は珍しいものになったらしい。

 そういう興味はあるんでしょうけど、ゴブスレさんが(こちらで伺った)「象」の話すら持ち出さないので、話の噛み合わなさが半端ない感じになってます。が、ゴブスレさんの「他の里はあるか?」の質問に兄様が何となく「たまに冒険者が奥へ潜ることはあるが、まず戻らん」は要注意な台詞でした。その冒険者らがどうなったかは、後半で示されてます。

 ゴブスレさん、自分が聞きたいことが尽きるとようやく「父が村の猟師だった」。こちらで伺った感じでは、そこ(ゴブスレさん)が父親に言及したことで、兄様が見直し始めると思えたんですが、アニメ版では逆に話の通じなさが際立ったような。

 そこから場面が移りまして夜となり、姉様と妖精弓手さんの会話。なぜかエルフ語らしき意味不明の会話で字幕が出されてますが、そうする狙いはちょっと分かりかねます。「ヒューム(人間)の命は短いのよ」など、他種族に聞かせたくない言葉があるからなのか。が、大事なのは「友達ってそういうもの」という妖精弓手さんの意思ですね。そこは今話ラストでの行動で一端が描かれてます。

 それはともかく、このエルフ語ってどっかで聞いたような感じがありまして、試しに一部書き起こしてみるとドンピシャ。普通の台詞(字幕通り)をローマ字で書いて、逆に読んだものですね。例えば「イロムツキ」→「iromutuki」→「ikutumori」→「いくつもり」。この部分の音声データがあれば、逆転再生したら普通の台詞が聞こえるはずです。

 そこからまたシーンが変わって「異種族飲み会」。ゴブスレさんも加わってますね。信頼を積み上げる描写を重ねる尺はないせいか、従妹→義妹を実は大事にする兄様が、ゴブスレさんに姉がいることから共感を覚える流れになってますね。特に「俺(ゴブスレさん)は姉には迷惑ばかりかけていた」という点と、それを悔いる点が兄様に刺さったらしい。

 しかし、兄様含めてみんな、ゴブスレさんの姉は存命と思っている模様。観ていて「死亡に気が付いたらどうなるの」とハラハラしますが、仲間や兄様が姉が生きているものとして語ってくれるからこそ、ゴブスレさんに染み入るものがあるのかもしれません。などと思いそうになったら、兄様がひっくりこけてますな。酒に弱かったのか。義妹(妖精弓手さん)はハンデつきとはいえ、鉱人道士さんと飲み比べするほどなのに。

 終わり方はコミカルですが、途中の会話はちょっと不気味。実際、ゴブスレさんの言った通りのことが川をさかのぼると起こっているわけで。(神代の昔の怪物とも戦った)エルフの里近くにゴブリンが巣食うはずがないと言う兄様に、ゴブスレさんも一応は「俺もそう思っていた」と同意。さらに「ブリンがエルフを脅威と考えるほど賢明だと思うか?」と巧い言い方。

 エルフのプライドを傷つけず、ゴブリンの脅威が迫っていることを納得させる話法になってますね。要は「ゴブリンはバカだからエルフ様に遠慮しませんよ」と。そう言っておいて、ゴブリンがどう考えるかという体で警告「まぬけなエルフ共が呑気に暮らしているから、襲って奪い、犯し殺そう」。

 ゴブリンの口を借りてるから文句は言いようがない。兄様をそう戸惑わせておいて、「気付けば里の近くに巣ができ、物が盗まれる。次は人。最後は村だ」と具体的に推移を語る。この段階では「物が盗まれる」くらいは起こってるかもしれません。うまく不安を掻き立ててますな、ゴブスレさん。

 これだけの話法があってどうして1期ラストではギルドの面々を説得する自信がなかったんだろうか。いや、あれが成功体験となって堂々とゴブリンの脅威を語れるようになったのかな。ともかくも兄様をちょっと不安にさせておいて、上述の姉で共感させ、酔った勢いが加わり、これ以降の兄様はゴブスレさんを信用して任せる気になったらしい。モケーレ・ムベンベへの対応も良かったですしね。

 酒でひっくり返った兄様の後は、剣の乙女さんのシーンでして、こちらもどうもコミカル寄り。石板が解読できてうれしそうな剣の乙女さんで既になんだかクスクス来るんですが、お付きの人が「また恋文ではないでしょうね?」。「また」ということから、このところの普段の剣の乙女さんが察せられて、さらに可笑しい。しかし、石板に何が書いてあったか気になります。

 エルフの里ではいよいよゴブスレさんパーティ出立の朝。牛飼い娘さんが下着姿で送り出してますな。さすがに普段の、いわゆる「シャネルの五番」ではないか(^^;。横で隠れてる受付嬢さん含め、前日のテントと同じですね。そこへ兄様が入って行っての悲鳴なんでした。受付嬢さんはゴブスレさんだと「お化粧してない顔見せたくない」のが理由なんですか。真意ははてさて、といったところです(^^;。ただ、このシーンも一瞬不気味でして、牛飼い娘さん『これが最後かもしれないから』ですもんね。

 しかしゴブスレさんは淡々と出発の準備。兄様も妖精弓手さんを託す気になり、頼みも聞く。エリクシル(エリクサー)も贈ってますな。淡々と申しましたが、連れて来た牛飼娘さん、受付嬢さんのことも忘れておらず、こちらで伺った台詞「俺が戻らなかったら2人を頼む」と。牛飼娘さんと同じこと考えてるのか。

 なかなか印象深いですが、こちらで伺った原作内容からすると、確かにダイジェストかもしれません。それでも自分には不自然には感じられないので納得、満足です。「生きて還るとは限らない」覚悟が感じられるせいでしょうか。

 しかしエルフはエルフで不安を感じさせる台詞が兄様から出まして、「古老どもがいかなる手を打っているのかまだ読めん」と。もしエルフ上層部が人間など他種族を軽んじていたりすると、この討伐も上層部は利用する思惑かもとか、ヤバそうな感じがしないでもない。

 しかしゴブリンを討つことに関してだけはゴブスレさんに隙なし。まずは霧を利用して囮の船に竜牙兵を乗せての陽動ですな。囮と知らずに矢を射て大喜びのゴブリンの最後の台詞が「バーカ」に聞こえたのはちょっと笑いました。

 バカはお前だとばかりに返り討ち、斥候も倒して万全の「ジャングル・クルーズ」ですが、そのうち様子がおかしくなる。おそらくは帰ってこなかった冒険者と思われますが、死体をいくつも案山子のように立ててある。巣穴に隠れたいならそんなことしないはずで、むしろ存在を誇示する狙いでしょうね。シャーマンのトーテムどころではない、といったところ。それだけの勢力になっているようで、酒席でのゴブスレさんの話の「次は村」まで来てる。

 その先には廃墟となった古城らしきものがあり、そこがゴブリンの根城らしい。警備兵も持つ武器は上等、扉には施錠とか、並みのゴブリンレベルではなさそうですな。内部に侵入してみますと、そこにも無残な死体。どうも儀式っぽくて、もしかすると川沿いの案山子もどきもその一端だったのかも。これらはゴブリンの蛮行を見ること1年余りの女神官さんでも、ちょっと耐え難い惨状らしい。

 ともかく女神官さんを休ませるわけですが、寝入ったと油断したのかゴブスレさんの言い草がちょっと。さすがに妖精弓手さんが怒るわけですが、ゴブスレさんが珍しく「悪かった」と言ったもんだから毒気抜かれてますな。というより、ゴブスレさんもつらいんだと察したのかな。

 妖精弓手さん、ゴブスレさんにもたれかかるわけですが、甘えているのではなさそう。安心させようという意図みたいですね。見張りは自分(妖精弓手さん)がやるから、ゴブスレさんは両目つぶって寝なさいとも言うし。かつ、生真面目なゴブスレさんが応じやすいよう、しばらくしたら交代とも言っておく。妖精弓手さんもずいぶんとゴブスレさんの扱いに慣れて来たようです。

 かつ、女神官さんも気にかけてるわけですね。うなされているとみると、そっと手を置いて安心させる。妖精弓手さん、パーティ内でも結構やりたい放題な感じがしてましたが、それとなく気遣いしてたのか。観ていて、ちょっとホッとしたところで続く。相変わらず、テンションの上げ下げが上手いと感じます。

 次回のタイトルは「闇の奥(ハートオブダークネス)」で珍しく英語読みのフリガナ付きですか。それがこちらで伺ったダンジョン探索というわけですね。そこは長めということで、削るとしても2~3話取るのかしらん。それなら2期最終話は結婚式の祝宴で終えられそう。「剣の乙女の石板解析」は半ばくらいは今話で消化されたようですが、「勇者の挿話的シーン」はどうなるのかなあ。異世界からの帰還の描写は割愛されているとのことで、勇者関係は2期ではバッサリなのかも。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/19 (Sun) 02:34:59

 ゴブスレIIの7話感想です。

 まず、次回のサブタイトル「闇の奥」ですが、原作では254ページから、296ページまである中で、今話分でダンジョンの半分まで進んだ形です。ダンジョン探索も、思いきりショートカットされているんですね。

 なお、最初の巨獣との戦いは172ページからスタートし、最後は286ページまで進んで続いた。
 そして、7巻の最後は352ページで物語が終わりになりますので、このペースだと、次週で普通に7巻はクリアできると考えています。

 次回の話を想像すると、前半で一気にダンジョンの上層部に突撃し、ボスのゴブリンシャーマンまで肉薄し、少し苦戦しつつも、女神官の暴走も交えながらの逆転勝利。

 そして、後半は宴で基本はハッピーエンドながら、次の都行きエピソードへの不安を感じさせる流れかな、と。
 剣の乙女の察知した世界の危機云々については、原作7巻から8巻への伏線になりますし、具体的には、劇場版の小鬼聖騎士に知恵を与えた「覚知神という邪神の企て」ということになります。

 覚知神は、知識神の邪神バージョンというべき神で、「学問の仕方を教えるのが知識神」であるならば、「カンニングの仕方を教えるというか、本人の努力によらない禁断の知識を与えて世界を破滅にもたらす神」と定義づけられます。

 要するに、小鬼聖騎士も、次回の黒幕のゴブリンシャーマンも、その後、魔神王を復活させようとしているゴブリンプリーストも、全て覚知神からの天啓を受けて、小鬼らしからぬ学習能力を会得しているという流れがありまして、
 剣の乙女も、エルフの古老も、そして今期クライマックスの国王も、邪神教団=覚知神の魔の手を察知して、世界の危機に対処しようという背景になるわけですね。

 で、その覚知神が王都の反乱貴族と手を組んで、いろいろ画策している一方で、絡め手としてゴブリンどもに知恵を付けさせて世界に混乱を引き起こそうとしていたら、何故かゴブリンの行動がゴブスレさんという想定外の人間に察知されて、手遅れになる前に叩き潰されるという展開に。

 もしもゴブスレさんがゴブリン退治に執着していなかったら、ゴブリンの動きは誰にも大事だと見なされなくて、エルフの里も、王都も思いがけない大被害を受けていた可能性がある、と。

 まあ、「ゴブリン退治だけにこだわる変な冒険者が、結果的に世界を救う物語に知らず知らずのうちに巻き込まれて、思いがけない騒動に発展する」という大筋を成立させるために、
 ゴブリンに禁断の知識を与える黒幕神がいるという設定を構築しているわけですが、
 覚知神対策を国の上の方が考えている一方で、ゴブスレさんは覚知神の名前もよく分からないまま、ゴブリン退治を続けているのが現状ですな。

 そもそも、覚知神がゴブリンに知恵を与えていることを、物語内ではたぶん誰も気付いていない。ゴブリンがそういう情報をベラベラ喋らないですし、おそらくは一番その謎に気付きそうなのは、剣の乙女か、女神官だと思いますが、それに気づいた辺りで、物語もクライマックスに入りそう。
 まあ、神さまなんで、実体を持たないうちは倒せないんでしょうけど、覚知神が憑依した神小鬼みたいなラスボスが出て来て、そいつを倒して、しばらく覚知神は封印され、活性化した小鬼の活動も鎮静化して……って終わり方でもいいかな。
 ただの根拠の薄い妄想ですけど。

 ともあれ、次回で7巻が終わり、その後、8巻に進んで、今期は大団円につながると想定していますので、その流れに期待ってことですね。

>ダンジョン探索

 ダンジョン探索シーンが思いきり割愛され、今エピソードの主役とも言うべき、妖精弓手とゴブスレさんの会話シーンにスポットが当たりました。

●削られた内容その1。
 今回は、ゴブリン退治を想定した旅ではないので、女神官も妖精弓手も匂い消し用の香袋を用意していませんでした。よって、ダンジョン突入前に、血染め汚しの儀式でウエーッとなるシーンが割愛。

●削られた内容その2。
 ゴブスレさんの以下のギャグ。

ゴブスレ「俺は音を立てずにゴブリンを殺す方法を8つは知っている」
女神官「本当ですか?」
ゴブスレ「冗談だ」
女神官(目を瞬かせる)
ゴブスレ「もっと多い」

 このネタは好きなんですけど、セリフが削られて残念です。

●削られた内容その3
 城砦突入後は、上と下に階段が分かれていて、どちらを先に攻略しようかとなった時に、下から悲鳴が聞こえてきて、先に下から攻めようという流れになりました。

 で、道中の細かいイベントがアニメでは一枚絵のカット割でパラパラと映し出される程度で処理され(その間に、いろいろと呪文も使っていたのに)、最後に最下階の拷問部屋に降り立つ。
 そこでもゴブリン集団とのバトルがあったのですが、拷問部屋でのバトルは完全にカットされて、血まみれの拷問跡だけが残って会話処理だけで済まされた流れ。

 拷問部屋で寝ることにしたのは、呪文が完全に使い果たしたからなんですが、アニメだけの描写だと、ダンジョンで女神官さんは呪文を使ってませんよね。
 実際は、砦への侵入を気づかれないようにするため、静寂の呪文を使っていますし、寝る前に浄化の呪文も使っていたんじゃないかな、と思います。

 で、ここから今度は寝て起きてから、態勢を整えた上で最上階のボスの居場所を目指すわけですが、その前に「ゴブリンを全滅させるための仕掛け」を構築する流れ(鉱人のトンネルの呪文を使用)。
 階上へ登るための昇降機(エレベーター)を発見しながら、ウィザードリィネタを語りつつ、それからのボス戦。
 ゴブリンの群れを掻き分け、ボスのゴブリンシャーマンを速攻で倒すべく突撃するわけですが、そこに到達する前に、相手の呪文を受けてピンチの状態で……という展開からの逆転まで畳み掛けるように進むと想定。

 まあ、クライマックスらしい密度の濃いバトルで前半を片づけ、残った時間で宴ですな。

>エルフ語の会話

 お気づきの通りのアナグラムですな。
 これはまあ、原作でのセリフに、エルフ語のルビが振られている演出描写のため、ですな。

 ここはまあ、トールキンの映画の場面(ロード・オブ・ザ・リング)を意識した演出と、
 エルフ姉妹の2人だけの会話だから、エルフ語が自然。だけど、最後に妖精弓手が共通語に切り替えたのは、「自分は人間の世界でまだ暮らすことを決めた」という覚悟の現れかな、と。

 あと、姉の方は自分が結婚前なので、男女の恋愛を強く意識して、妹ももしや人間に恋をしていないか、と心配しているわけですが、
 妖精弓手は、ゴブスレさんへの気持ちは恋愛感情ではない、と割り切るに至っている。その辺は、同じハイエルフでも、ロードスのディードリットとの違いがあって、

 妖精弓手にとっては、故郷の森では自分が一番年下で、対等に付き合える友だちがいないという背景があった。
 彼女が2000年を生きているのに、情緒的に幼いように見えるのも、周囲に彼女よりも年下の知り合いがいなくて、大人びる役割ができずにいたから。
 それが人間の世界で、女神官という妹分ができたり、オルクボルグという危なっかしい弟分ができたり(それでも時として頼れるリーダーだったり、総合すると対等なケンカ友達めいた間柄)、やはり森の中とは違った長幼関係が新鮮で、固定されずに変化する人間関係を楽しんでいるとも受けとられます。

 で、エルフは長命のために、人間ほど変化のスピードが速くなく、だからこそ、人間の成長スピードを見ていると飽きなかったり、長命種ならではの視点は想像するのが楽しい。

 元ネタとしてのトールキン作品や、ロードスなどの原典を踏まえつつ、また違ったキャラである妖精弓手のキャラの膨らませ方が、この7巻の醍醐味でもあると思いましたし、アニメもそこはしっかり描いていたかな、と思います。

 そして、次回は女神官の新たな試練に突入、と。
 仲間を助けるために、信仰の危機に直面するという形で、そこからどういう答えを見つけて行くか、ですな。

 一方で、ゴブスレさん自身は、「最近は、これが冒険らしいものかという気になって、それを楽しいと感じ始めている自分に驚いている。しかし、ゴブリン退治以外の仕事を楽しんで本当にいいのか、という不安もあって……」とか8巻で言い出し始めて、そういう葛藤に、酒飲みながら応じる鉱人道士と蜥蜴僧侶のシーンがまたいいな、と。

 というか、改めて男飲み会のシーンごとに感じ入ってる自分がいるわけで(苦笑)。
 前に読んだときは、そこまで味わっていなかったので、アニメとの相乗効果かな、とも。

 何にせよ、また次回の決戦回を楽しみたく。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/21 (Tue) 22:24:43

 定期感想その2です。

 ゴブリンスレイヤーのご解説、いつもありがとうございます。第7話も相当に割愛されていたんですか。観ていて分からず、しかし伺ってみると納得するものがあります。例えば、アニメ版では古城探索はゴブスレさんの一言「降りるぞ」だけでしたが(他の面々は目を丸くしてゴブスレさんを見るのみ)、原作では悲鳴を聞いて向かったと。

 延々と続く螺旋階段はところどころ壊れており、尻込みする女神官さんを蜥蜴僧侶さんが放り投げるところとか、ちょっと笑っちゃいました。が、普通は無理せず行けるルートで攻めるはず。そうしないと、例えば奇襲を受けたとき退路に困るわけで。

 無理にでも降りたのは悲鳴を聞きつけて救出を考えたからでしたか。悲鳴がするからにはゴブリンもいるとなるわけですね。そこを割愛するため、いつものゴブスレさんの「相談だが二択を迫る」を使い、パーティの面々もやむなく受け入れる感じに演出したようですね。

 それ以外の点も興味が出ますが、書き出すとたぶんキリがない(^^;。次のゴブリンスレイヤー感想で何か申せるか考えてみます。

●仮面ライダーガッチャード(第11話:キャッチ!スパイだ!?ライダー失格!?)

 仮面ライダーWEBによりますと、前話(第10話)までが1クール相当で、今話から2クールめとして展開していくとのこと。自分が平成(以降の)ライダーをきちんと観るようになって「話数が2桁になると面白くなる」と漠然と思っていたのは、制作が狙ってやっていたのかもしれません。

 その点は今話ではキャラクターの関係が一応できて落ち着いて来たことに現れてるかも。例えば非戦闘一般人の加治木については、前話の聖と引き続き超常現象ファンとして交友があることが示されました(聖は出てきませんが)。スパナは冥黒の三姉妹のラケシスとの因縁が出来つつ、りんねの守護者らしいこともはっきりしてきました。そのりんねは冥黒の三姉妹の長姉アトロポスが積極的から狙われていることが明確に。

 アカデミー先輩の錆丸は(宝太郎には聞こえませんでしたが)宝太郎を高く評価している台詞がありました。りんねも宝太郎に対してつっけんどんな態度は弱まり、「やれやれ」という感じながらも理解を深めていることがよく分かります。今話では宝太郎・りんね・蓮華・錆丸で行動することも多く、少なくともその4人は仲間となっていると見てよさそうです。

 そこまで固まったからこその、今話のスパイ探しなんでしょうね。もし各人バラバラだと疑心暗鬼が深まってドラマが複雑になり、下手するとカオスです。が、「このキャラクターとあのキャラクターには信頼関係」といったものが感じられますと、誰が疑わしいかを割とすんなり追って行けます。

 そのスパイなんですけど、冒頭からミスディレクション入れてありますな。アカデミーに錬金連合からスパイを探り出す調査官が来るという話が出る前に2名の調査官の1人、針宮リヒトがガッチャードの戦いぶりを眺めてあれこれ言ってます。アカデミーに乗り込んで来るや、宝太郎にライダーの資質なしと断じてドライバーはく奪と言い出す。

 そこはもう1名の調査官:針馬汐里がとりなしたりする。単純に考えれば、ライダーの力を奪おうとする針宮リヒトが怪しく、それを防いだ針馬汐里は味方っぽい。ですけど、作劇セオリーとしては「最初から怪しい奴は怪しくない」わけでして(^^;。特に有無を言わせぬ強引と横柄があるキャラクターって、「コイツを納得させるのが通過儀礼」みたいなものがあるわけでして。

 演出上も、のっけから顔をはっきり見せて怪しい行動の針宮リヒトに対し、UFO-Xを呼び寄せようとする錆丸らを遠隔で監視しているらしい、後ろ姿がぼんやり映し出されるだけの誰かもいたりするわけですね。この誰かを針宮リヒトと思わせるような運びはミスディレクション/伏線のはずです。よく考えたら、顔出しで不審な針宮リヒトを隠す必要がありませんから。

 しかしスパイの動きとしてはアカデミーからケミー封印用のブランクカードを大量に盗み出している疑惑があります。ですのでアカデミー外部の人間だった針馬汐里は疑いにくい。そう思わせておいての、今話ラストのバトルですな。冒頭でみんなで虫取りよろしく捕まえたはずのキャッチュラのスパイダーマルガムが、なぜか再び敵として出現。

 そのスパイダーマルガムが喋る内容が針宮リヒトのものと似ている。が、いったん撃破してみると、正体は温和そうだった調査官:針馬汐里であるわけですね。キャッチュラのカード(さらには大量のブランクカード)を盗み取った手口も明かしてくれまして、離れた場所に手を伸ばせるようですね。腕に奇妙な痣がありまして、冥黒の三姉妹から賦与された力かも。

 そういう場合、しばしば用が済んだら使い捨ての扱いになったりしますが、針馬汐里はどうなるんだろう。次回「暴走ライナー!暗黒ライダー!」では新ライダー:ドレッドが登場とのこと。今話の流れからしますと、「冥黒の三姉妹がレベル10のUFO-Xの力を使って針馬汐里をドレッドに仕立てるも、針馬汐里がその強大な力に耐えられず」みたいな感じになるんだろうか。

●王様戦隊キングオージャー(第37話:イロキの乱 )

 自分的にツボの熱い燃える展開でした。ここまでのカグラギの韜晦ぶりがくるっと裏返る意味を持つ点は、溜めが一気に爆発するような印象すら生じます。

 今話はトウフ国が17年前、「神の怒り」と同時期に何が起こったかを現時点で掘り起こすのがドラマの軸ですね。その対比としても、今のトウフ国がグローディがゾンビとして蘇らせた先王イロキに支配され、国民が飢えていることが示される。

 トウフ国のみならず、敵を駆逐したイシャバーナ国ですらそうで、国王ヒメノすら腹ペコ。でも、ワサビはあるんですか。前に体が入れ替わったカグラギが伝えた農業は根付いている模様。しかしトウフ国では城が燃え、備蓄の米は焼けてしまったらしい。が、カグラギはなぜか慌てず、むしろ予定通りらしい。

 翻って17年前のイロキ在位時。イロキは農業振興に気を配り、カグラギは裏表ない真っ正直な青年(妹スズメのほうが世知に長け、カグラギのマネージャーみたい)。カグラギは米作技術を買われ、かつ馬鹿正直は裏切らないということで、イロキに次期王候補とされる。

 しかし「神の怒り」事件で事態は一変。と申しますか、ぱっと見にはイロキ王が激変したわけですね。米を独占して民に与えず、それによる飢えは放置。たまりかねたトウフ国民は王城に攻め入ろうとするも、(この時点では真っ正直な)カグラギは皆を抑えて、直談判するべく単独でイロキの元へ。

 しかし城は炎上して備蓄の米は焼け、帰って来たカグラギの手は血まみれで、察したスズメがカグラギがイロキを成敗して新王となったと宣言、この事態は収まったらしい。ただ食糧難は続いたんでしょうね。

 ですが真相は異なり、イロキはカグラギを前にしても悪党風に嘯いてはいますが、食おうとした食事は質素なもの(米飯1膳、豆腐の味噌汁、沢庵3切れ)。それを美味そうに食ったイロキ、血を吐いて倒れ、驚いたカグラギがとっさに支える。カグラギの手の血はこれでしたか。

 飯食って血を吐いたんですから、何が起こったかは明らか。米に毒が入っていた。だからイロキは米を城外に出さず、食料の信用を失わないよう真相を隠し、己(イロキ)の強欲ゆえの所業と偽ったと。イロキのプランはカグラギがイロキを斬ることで成るはずでしたが、真っ正直なカグラギは手を下すことはできず。

 では誰がどのように毒を込めに仕込んだかは、今現在トウフ国を実質支配する(ようでいて尻の下に敷かれる ^^;)グローディの動きで分かる仕掛けですね。戦えないほど腹を減らしたギラらにおにぎりを振舞うも、ヒメノが異臭に気付いて止める。スコーピオンの毒の臭いだ、というわけですな。

 グローディ、バレても悪びれずに毒を仕込んだことを認める。17年前も同じだったわけか。そして今はカグラギがイロキがやったことをなぞるように、毒の米がある王城を焼いて、汚名を被ると。

 このカグラギの覚悟は17年前にイロキを斬れず、「裏切者」と呼ばれたことでできたらしい。それも17年かけて答えを出したと。第二の毒米事件発生で、今度こそゾンビ・イロキを首謀者として斬れば事態を収拾できる。

 が、グローディを撃退した後もイロキは残ってましたな。またもカグラギは斬れなかったらしい。17年前にイロキから覚悟を貰って権謀術数の人間になったはずのカグラギ、どうやら根っこの馬鹿正直と人情は捨てられなかったということですか。イロキはまたも「裏切者め」と言いつつ消滅ですが、笑ってました。『根負けしたよ』くらいの心情なんでしょう。

 実にカッコいい2人でした。自分的にはツボになりやすい「お前(カグラギ)のやったことは間違いだ。しかし気持ちはよく分かる」というパターンです。せっかくイロキがお膳立てしてくれて(それも17年前を踏襲)、その通りにすれば丸く収まったのに、カグラギはそうしなかった。ある意味、無駄に汚名被っちゃった。けれど、だからこそ後味はいいですね。

 次回「不動のアイドルデビュー」は予告映像を見る限り、とんでもなく趣向を変えてきそうです。リタがアイドルデビューですか。もっとも宇蟲王ダグデド主催ということで、予告映像の見た目と裏腹なドラマになりそう。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/23 (Thu) 09:50:53

 金狼感謝の日です。
 今年は牙狼のイベントがあるだろうと期待していましたが、ギリギリまで告知されず、公式サイトにも情報がなく、あれ、今年も何もないのかな? と思いきや、
 昨夜、Xポストで「今日の夕方5時から、Youtubeでイベントの記念配信がある」という情報が入ってきました。

 一応、Xポスト以外のソースが見当たらず、あまり宣伝されていないように見受けますが、一応、来年の新作についての情報とかもあるらしいので、一応のお知らせを。

 では、定例感想を。

★ガッチャード

 序盤は1話完結エピソードが続いていましたが、京都修学旅行編から、いや、その前のサボニードル編から、2話1エピソードに切り替わったようですね。

 だから、今回は前編ですが、次回、いきなり敵役の2人めライダー登場、と。
 ええと、その正体が誰なんだ? とか、いろいろと謎を残したまま続いたので、次回を楽しみに、ってことなんですが、

 基本的に主人公のパワーアップ関連は、玩具情報などでネタバレありなんですけど(Xカードを絡めたクリスマス用強化形態)、敵キャラやサブライダー関連は先に番組でネタバレして、後からプレミアムバンダイで、ネット通販による限定販売する商品展開が現在の流れですな。

 よって、ドレッドの情報は次回予告で初めて出てきて、なかなか衝撃的なんですが、その正体についても、いろいろな可能性が取り沙汰されております。
 で、そのうちの一つが「九堂りんねがアトロポスによって、無理やりベルトを装着されて強制変身させられた」説があって、それだと自分のツボだななんて期待してたりします。

 もちろん、スパナ、蓮華、錆丸、加治木などの可能性もあるわけですが、針宮リヒト=ドレッド説があまりない。胡散臭すぎて、ミスリードなのと、
 次回予告で宝太郎がドレッドに暴走を止めるように懇願するような映像カットがあって、宝太郎と仲の良い誰かの可能性が高い、と。
 今回のドラマからの類推だと、「アトロポスがちょっかいをかけて闇に誘うように動いていたりんね」が本命で、次点が「宝太郎と仲良く動いていた錆丸先輩」ということになりますか。

 どっちにせよ、次回は人間関係が波乱の回になりそうです。
 で、ドレッドが登場回で即退場なのか、それともクリスマス決戦で暴れる用の敵キャラなのか、
 そして、錆丸もしくはりんねがドレッドにされたなら、リヒトさんが強圧的になって、「やはりスパイはそいつだったようだな」なんて言い出して、宝太郎を曇らせる可能性を想定しております。

 リヒトさん辺りが、りんねの父親の風雅との因縁持ちで、いろいろと錬金術協会側の内情に詳しい人物とするなら、年末に向けての情報仕込みもバッチリか、と。
 やはり、冥黒の三姉妹と錬金術協会の関係、敵側の目的や背景を主人公サイドに伝える上位の情報通キャラが必要ですからね。
 ミナト先生やスパナたちが、意外と敵サイドのことを分かっていなさそうなので、それよりももっと立場が上だけど、胡散臭い秘密主義な男で、事態が悪化してから「後出しジャンケンみたいに背景情報を強圧的に打ち明け、だからドライバーを渡せと言ったんだ、とか言い出す」のに一票。
 これで、リヒトさんが、ガッチャードライバーのパワーアップアイテムを、「これを使え。未熟者のお前に使いこなせるならばな」とか言い出すと、笑える。
 胡散臭いけど、実はいい人だったってのは、ツボです。

★キングオージャー

 日頃は胡散臭い言動が目立つカグラギ殿が、昔は純朴で真正直な農家の青年だったとは。

 そして、セーラー服のスズメとか、カグラギ以上に昔から策士だったスズメとか、こういう演出を見せてくれると、今のシュゴッダムでラクレスのお側にいる(裏切ったかのように振る舞う)スズメも、実は裏でいろいろ情報を探っていて、逆転のカギになるんだろうなあ、と思えてくる。
 ともあれ、スズメさんにはくノ一みたいなアクション用コスチュームを身につけて欲しいと思ってみたり。

 で、メインゲストのイロキさんですが、この1話で「カグラギに下剋上された悪女の先代領主」というこれまでの設定がどんでん返しでひっくり返って、
 カグラギのキャラが深まるとともに、ちょっとしたドラマ的快感が得られたな、と。

 ドラマ的快感=えっ、そうだったの? って意外な展開に驚くとともに、これまでの描写のあれこれがスッと線でつながり、なるほど、そうだったのか、と納得できるもの。
 ここで、意外さに驚くものの、線でつながっていなくて納得できない展開だと、ただのメチャクチャで思いつき感の行き当たりばったりに過ぎないので、いかに整合性とか辻褄合わせで、腑に落ちた物語を示せるかが作家の腕の見せどころですな。

 で、ヤンマの国の建国事情と崩壊、ヒメノと執事セバスの関係性、カグラギの下剋上の背景を描いた後のリタは……ア、アイドルですと?

 ええと、次回予告で、カグラギ編で感じた抒情が全部吹っ飛びました(爆)。
 そう来たか、マジで!? という驚きに、どう整合性とか辻褄合わせを先に考えて予想しようかってことですね。

 ゴッカンを支配している五道化は、胡乱のゴーマ(入れ替わり忍術を駆使した忍び)だから、アイドル・リタは誰かの心と入れ替えられた可能性を考えますね。
 中身はモルフォーニャ? それとも、もっふんアニメの関係者とか、ダグデド様秘蔵の仮想アイドルとか?

 これで本物のリタの心が仮想空間に閉じ込められて、ヴァーチャルアニメ空間でなんとか脱出を果たそうと頑張っていると面白いわけですが、とにかくヒメノの時とは違う形で、リタがすり替わっていて、それに翻弄される男性陣ってドラマかな、と。
 何にせよ、そろそろヤンマ株が下がっている(国が滅ぼされた過酷な状況なのに、コミカルな役回りにされて、真面目な若者視聴者の気分を逆撫でしているみたい)ので、仮にヴァーチャル世界に閉じ込められているなら、ヤンマの力で解放されたぐらいして欲しいかな、と。夏の劇場版では、パソコン1台で、あの世とこの世のゲートを開いて見せた御仁ですから。
 ヤンマとリタの関係も、ヤンキーと裁判官で相性最悪なのを、この機に改善するきっかけになればいいし。

 ともあれ、女優さんの演技として、リタ役の平川結月さんのはっちゃけたアイドル演技を楽しめる回になればいいな、と。
 役者本人は普通にアイドルしてるので、そっちの方が素顔と言えなくもないし。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/25 (Sat) 13:37:56

 ゴブスレ感想です。

★ゴブスレ(8話)

 ほぼ原作どおりの展開ですが、原作小説で「地の文で説明された仕掛けや、女神官さんの心情」がセリフと絵だけでは伝わりきらない感じに思えましたので、そこを補足説明的な感想文です。

 割愛されたシーンは、勇者の裏活躍を含めて、あまりなかったと思いますので、一通りの段取りはこなしていますが、やはり絵だけで説明しきれない要素が多かった回かな、と思いました。

>昇降機とウィザードリィネタ

 まず、地下から最上階へ昇る際に、「エレベーターがあればいいのに」ということを原作では妖精弓手が言い出して、
 それに対して、蜥蜴僧侶が「あっても使うには、鍵が必要かもしれませんな。青い飾り紐(ブルーリボン)とか」と応じる。

 エレベーターを使うのに、ブルーリボンというアイテムが必要になる、というのは、思いきりウィザードリィだなあ、とオールドRPGファンがニヤリとできる小ネタだったのですが、

 続く8巻が思いきりウィザードリィ・パロディであり、そこから、さらにウィザードリィへのオマージュ要素を高めたダイカタナ、さらにダイカタナ完結後(小説は去年の春に完結)は、ゴブスレ世界とは違う物語で、また公式にウィザードリィ世界観を舞台にした小説シリーズ『ブレイド&バスタード』が始まり(去年の年末に1巻、今年の年末に3巻の予定)、
 今年の蝸牛くも氏の仕事は、ゴブスレIIのアニメ関連と、新シリーズ2本の始動でバタバタしていて、ゴブスレ小説の新刊が一冊も発売されていないという状況。
 次の17巻の発売日がまだ未定という状況ですが、ともあれ、アニメの次のエピソードから、ウィザードリィのネタが非常に多くなるわけで。次回のサブタイトルの「かつてあった青春 今そこにある灰」(8巻の第1章の章題)の元ネタが、80年代に出版されたウィザードリィ小説『隣り合わせの灰と青春』へのオマージュでもあるし、

 もう次回からのエピソードは、ウィザードリィ祭りになること確定ってことで。
 原作7巻の小ネタがその萌芽になっていたというか、ウィザードリィコラボで外伝シリーズ、さらに新シリーズにつながるわけで。

>女神官の祈り

 エレベーターを見つけるまでの会話は割愛されましたが(ブルーリボン云々は8巻でもっと掘り下げられる予定)、エレベーター内部での妖精弓手の仲間意識をテーマにした会話シーンは良かったですね。

 ここでは、彼女が故郷を守るため、そして彼女を心配する周囲が故郷に留まることを示唆しつつも、自分は大切な仲間たちとまだ冒険を続けるという決意を確認する重要シーンだったりも。

 そして「全滅するな。一人でも無事なら、その一人が立て直せ」とゴブスレさんが女神官さんに言った激励セリフが、直後の展開の伏線になっていたり。

 で、エレベーターで昇った先の屋上で決戦が始まるわけですが、何やら儀式の最中のゴブリンシャーマンと多くのゴブリンの群れたちに飛び込むゴブスレ一党。

 迷宮内の小部屋なら、最初に敵魔法使いを確認次第、飛び道具で瞬殺して、敵に術を使わせる隙を与えないのが、ゴブスレ戦術の一つですが、今回は、シャーマンの「眠雲」の魔法が発動し、女神官を除く面々が昏倒しそうになってピンチという局面に立たされました。

 で、女神官さんが発動させた起死回生呪文が「浄化」で、これをゴブリンシャーマンの血液にかけて、真水に変えることでシャーマンを一気に戦闘不能状態に追い込む。
 それで「眠雲」の効果が消えて、復活したゴブスレさんたちが逆転勝利する流れなんですが、

 その代償に、女神官さんは地母神の警告を受けてしまいます。
 この警告の場面が、小説では地の文で「この呪文は2度と生物を傷つける形で使ってはいけない」という地母神さまの思念が女神官さんに伝わってきて、それまで普通につながってきた地母神への交信が途切れた形。
 ええと、ゲーム的には「警告のために一時的に呪文が使用不能状態になるペナルティ」、リアルだと「調子に乗った暴言で、掲示板の書き込み禁止処分、Twitterだと相手からブロックされたような状態」に陥ったようなもの?
 とにかく、これで地母神の神官としてのアイデンティティ喪失の危機? とまで絶望するほどの衝撃、悲しみ、動揺に至るんですが、アニメだとそれほどの絶望感が表現しきれていたかというと、尺の問題で、溜めが弱かった、と感じます。

 一瞬、ガーンと落ち込んで、杖を取り落としたり、一応、ショックは表現しているんだけど、ゴブリンシャーマンの体液を真水に変える必殺効果の何が問題だったのか、地母神の思念が描写されていなかったので、原作を知らなければ、伝わりきらない演出でした。
 せめて、地母神の意思を、女神官さんがモノローグでセリフを加えるなどして、「浄化の呪文を、たとえゴブリンであっても、生物を傷つけることに使ってしまった。そのことが地母神さまを怒らせてしまった」と説明しないと、アニメのみでは分からないだろう、と思いましたね。

 まあ、アニメだけ見て分からない部分が、ネットでの感想で解説されることで場が盛り上がるコミュニティ文化が活性化される時代だから、多少の演出での説明不足は補えるのでしょうけど。

 ともかく、茫然自失の女神官さんが、直後にゴブスレさんの「よくやった」に激励されます。
 じっさい、ゴブスレさん視点では、「シャーマンの呪文を阻止できずに、あわやパーティー全滅の危機にあったのを、女神官の奇跡で立て直しのチャンスをつかんだ」わけで、戦術的にはよくやった、なんですね。
 地母神の怒りは、あくまで女神官の内面の問題で、そこはゴブスレさんには理解できない部分。

 ただ、地母神に見捨てられた絶望に苛まれていたショックを、ゴブスレさんに救われた感で、彼女の戦意が何とか持ち直す流れ。
 この絶望からの立て直りが、溜めることなく一気に流れるので、視聴しながらの逆転爽快感は高かったのですが、その分、女神官のその後の苦悩が微妙に軽く薄くなったかな、と思ってます。

>夜明けの脱出と虹

 ゴブリンシャーマンを戦闘不能に追い込み(脳内に血液が流れず、一時的に酸素欠乏状態に追いやられた。即死ではない)、なおも残る多数のゴブリンの群れをかき分け、ゴブスレ一党は屋上から空中に飛びます。
 鉱人道士の《降下(フォーリング・コントロール)》の呪文で、落下速度を減衰させて、地上に怪我なく降り立てる作戦ですね。

 ゴブリンどもを全滅させずに脱出した形ですが、その直後に、エレベーターから大量の鉄砲水が流れて、屋上のゴブリンどもを押し流す。
 浄化の効果切れで、真水に変えられた体液が元に戻り、復帰したゴブリンシャーマン(ゲーム的には一時的に麻痺状態だったと裁定されたっぽい)も部下ともども鉄砲水に巻き込まれて、高所からの落下で死亡間違いなし、と言ったところ。

 で、このゴブスレさんたちが仕掛けた鉄砲水ですが、ええと、地下の川から鉱人道士のトンネルの呪文で水を引き込んで、うまく水圧を利用すれば、ゆっくりだけど水が低所から高所に溜まっていく仕組みで逆流させることが可能理論で仕上げたもの。
 それには遺跡の城砦そのものが堅固な作りで防水処理が完璧(途中で壁から水が漏れたり、染み出したりすれば、屋上まで到達できない)とか、7巻では水の流れをコントロールする人工施設の「閘門(ロック)」の説明があって、うまく水を堰き止める仕組みがあれば、水位を上昇させることも可能という伏線になってる。

 要は、川を下流から上流に上がることが可能なら、水を逆流させる仕組みを作ることも可能理論ですね。
 ただ、その仕組みを作るのに、トンネルの呪文をいっぱい使ったから、鉱人道士は戦闘中に術が使えず(今までなら、酒精で眠らせる酩酊呪文を最初に使っていたはず)、降下呪文1つを残すのみだったという状況説明が後から語られます。

 そんなわけで、女神官の信仰の危機とかもありながら、今回の事件は解決した、と。
 ただ、ここのシーンは、アニメが原作の美しい情景を再現しきれていない、と思いました。

 原作では、降下中に夜明けが来て、空中をゆっくり漂いながら、朝の清々しい空気をたっぷり呼吸して、爽快感あふれる降下シーン。
 直後に鉄砲水が溢れて、ゴブリンどもを押し流す。
 そして、朝の光と、溢れる水の相乗効果で、虹が生まれて、女神官さんの傷ついた心魂を癒してくれた場面です。

 イラスト効果もあって、「神さまに見放されたと感じて涙目で泣きじゃくりそうになった女神官」(316ページ)と「虹を見て、鬱々とした思いが癒やされて、涙目ながらも晴れ渡った表情の女神官」(330ページ)が、対照的でいい味出していたのですが、
 アニメでは、そこまで感じ入ることなく……って、もう一度見たら、これはこれで悪くない、と思える可能性もあるかな。もう一度、見ないといけないかも。

 ともあれ、原作では、降下中に夜が明け始め、心情演出と情景演出(闇から光への移り変わり)がうまく噛み合って、段階的に動きがある描写だったのですが、
 アニメだと無事に降下した後で、夜が明け始め、虹がどうやって発生したかも語られないままに、ただきれいな背景描写を心情と関係なく、ただのハッピーエンド感覚だけで描写した感。
 まあ、作画演出の本命は、その後の宴のシーンに力を注いだのだと考えますが、自分的には、女神官さんの苦悩と癒される心情演出がもう少し掘り下げて欲しかったなあ、と思います。

>勇者のエピソード

 割愛されるかなあ、と思いきや、きちんとやってくれました。
 でも、正直、背景が分かりにくいです。

 ええと、彼女たちは、ゴブスレさんが戦っていた砦のさらに地下に封じられた地獄の門に関する場所で戦っています。

 実はゴブリンシャーマンが、その門を開くための儀式を展開していたんですね。
 で、剣の乙女の調べていた石板に、その地獄の門から封じられた魔物が出てくる可能性が示唆されていたから、国王とエルフの古老に連絡して、勇者を派遣する手立てをとって……という背景があったわけですが、
 もちろん、ゴブスレさんたちはそういう背景を知りません。

 ただ、ゴブスレさんたちが、シャーマンの儀式を途中で止めたから、雑魚デーモンと小競り合いをするだけで、本格的な門が開く前に、再封印に成功した、と。

勇者一行の賢者「……上の方で水の流れが変わった。相手の魔法陣が壊れたようだ」
勇者「ふぅん? 他の冒険者でもいたのかな?」
賢者「……森人(エルフ)たちが打った手かも」
剣聖「どうでしょうね。彼らの腰は重たいですから、そう機敏に手を動かしますかね?」
賢者「……森人の指す手は、思いも寄らぬ時と角度から急所を突くものだから」
勇者「ま、なんでも良いや! こいつらをやっつければ、全部解決だ!」

 そんなわけで、エルフの里近くで、地獄の門が開くという危機は、ゴブスレ一党と、勇者パーティーのそれぞれの活躍で、無事に解決したわけですな。
 しかし、世界の危機は、まだ終わらず、次は王都と、古の地下迷宮「死の迷宮(ダンジョン・オブ・ザ・デッド)」を巡る物語に突入、と。

>次回は、剣の乙女などの過去編

 8巻の第1章が、7ページほどかけて、「死の迷宮での、剣の乙女たちの10年前の魔神退治」の話が描かれています。
 地下10階のゴール目前、9階まで降り立った、後に「六英雄」と称される冒険者たちの死闘の記憶。

 アニメ2期のOPで、六英雄たちが描かれていることで、どういう流れで登場するのかな、と思っていたら、いよいよ次回ですか。

 で、小説8巻は、2018年10月刊行で、そこから、さらに膨らませた外伝「ダイカタナ」が翌年夏に3部作の上巻刊行という流れで、
 ゴブスレ世界の過去話がまた一つ、公表された流れになります。

 さすがに、原作小説のわずか7ページ分だけで、アニメの1話を作る分量はないと思いますので、おそらくは「ダイカタナ」からも引用した、剣の乙女の懐古譚的なアニメオリジナル要素の多い回になると思います。

 ダイカタナの時代設定は、ゴブスレ本編が始まる10年前でもあり、それはゴブスレさんの故郷の村がゴブリンに滅ぼされて、姉が殺された時期にもなります。
 すると、剣の乙女の11年前の懐古譚であると共に、イヤーワンで描かれたゴブスレさんの11年前の懐古譚も加えられる可能性が十分にあるかな、と。

 自分が7巻のエピソードが来ると分かる前に、いろいろと予想していた過去編エピソードが、次回に来ると思えば、そこがワクワクものかも、と思ってます。

>地母神さまの祝福

 さて、話を戻して、今話ラストの宴シーン。

 エピソード主役の妖精弓手がゴブスレさんと、故郷とお姉さんの話題を交えた会話をしてから、
 元気のなさそうな女神官さんに声をかけます。

 地母神に声が届かなくなっていて不安モードの女神官さんに、「結婚式の祝福の祈り」をお願いする妖精弓手。
 いろいろ戸惑いながらも、友人の頼みを断る気にもなれずに、大切な友と家族の幸せを祈って、地母神に交信してみたところ、ようやく声が届いて、瞬間だけ地母神さまと魂がつながった感覚を覚えるわけで。

 生物を殺傷する行為ではなく、誰かを守り、慈しみ、幸せを願う気持ちなら、祈りに応えましょう、という感じで、女神官さんも気が晴れる展開ですね。

 ただし、彼女の次の試練は、王都に行ってから、また待ち構えているわけですが。
 次のエピソードは、剣の乙女と女神官がドラマの中心になるわけで、過去と今が交錯するグランドフィナーレかな、と。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/26 (Sun) 21:26:18

 定期感想その1です。

 以下を書いた後にABEMA TVで劇場版「GOBLIN'S CROWN」の無料放映があるのに気が付きました(現時点であと5日)。観てから以下を書いた方がよかったんですが、そのまま投稿します。

「GOBLIN'S CROWN」については無料視聴期間中に感想を書いてみたいと思います。

●ゴブリンスレイヤーII(第8話:闇の奥/ハートオブダークネス)

 ゴブリンとの攻防に盛り込まれた要素だけでも多くあり、さらに勇者パーティの活躍とゴブスレパーティとの関わりが示され、そこに剣の乙女の動きも関わるという情報量もてんこ盛りでした。

 それで、ジェットコースターのような展開に感じられ、自分が付いて行けてない部分があるとも感じました。そのせいで「これは原作を端折りながら進めているのでは?」と思ったりもしました。

 が、こちらで伺ってみますと「ほぼ原作どおりの展開」とのことで、ちょっと意外。しかし「絵だけで説明しきれない」ということで、なるほどと納得。文章ですと心情をダイレクトに語ったりできますが、アニメでは内心の台詞(や女神官さんだけに聞こえる声)が多いと進行がガタピシしがち(手に汗握る乱戦中に一人だけのんびりしているような不自然さとか)。

 原作ですと今話分はウィザードリィネタ多めということでしたか。そういうちょっとしたお遊びもテンポに関わって来るんでしょうね。読んでなくて想像だけですが、言葉で遊んでる部分があれば、他の部分でいろいろ語っても急にテンポが緩んだとは感じにくくなる効果があるとか。

 それはともかく、今話は女神官さんの心情の動き・揺れがメインのポイントとなってまして、それのクライマックスが城(堤防要塞)屋上の戦いにおいて。喋る速さを考えますと、地母神と女神官さんのやり取りはやっぱりやりにくそう。もっとも自分は初見では(と申しますか、こちらで伺うまでは)女神官さんの内心の葛藤だけがあると思い込んでました。

 屋上の戦いではパーティの仲間が敵シャーマンの吐く霧(眠雲というものでしたか)に動きを封じられ、今まで何度も見たパーティ全滅パターンに。これを打破しようと必死の女神官さん、慈愛も何も吹っ飛んじゃって敵シャーマンの血液を汚れと見做しての浄化/ピュアリファイ。

 血が水と化してシャーマンが絶命(初見ではそう思い込んだ ^^;)、霧の効果も消えてゴブスレさんらが頭目を失って動きが乱れたゴブリン一気に反撃。これでホッとした女神官さんが、はたと「自分の信仰に自らの意思で背いた!」と悟ってショックを受けた。みたいに見えました。

 以前に聖壁/プロテクションをゴブリンの焼死目的に使ってますが(1期第2話)、あのときはゴブスレさんの指示であり、かつ自分たちの身を守るためにゴブリンを止めたと見做せなくもない。今話では女神官さん自ら発案しての実行で、かつ狙った効果も「1体の即死」です。女神官さんが自分の信仰に背いたと思ってしまったも仕方ない。

 その後、虹を見て何か覚悟するものがあるも(転職考えたとか)、友人(妖精弓手さん)の姉のために祈ってみたら、地母神に通じて何とか許される。この部分も自分は勘違いしまして、原作を端折ったと誤解しました。

 こちらで伺った内容がよく理解できておらず、この堤防要塞の戦い(7巻)で女神官さんは地母神の加護を失い、都へ行ってから(8巻)地母神に許されると思い込んでました。そのため「女神官さんが地母神に再び信用されるためのイベントを割愛するための処理だろう」と。しかし実際は今話の流れが原作通りということでしたか。

 そしてアニメでは明示的ではないけれど、女神官さんは地母神の意思を感知していたと教えてもらってみますと、アニメでもそこを暗示する描写があったことに気が付きます。敵シャーマンをピュアリファイで倒した直後、女神官さんが空を見上げています。その直後、激しい動揺を見せるわけですね。

 自分がそこで気が付かなかったのは、たぶん「地母神」だから。大地を統べる神なんだから上から啓示が来ることはないはずと、なんとなく思い込んでたようです。そのため「いったん何かに気を取られたことで我に返ったのかな?」みたいに誤解しました。あそこで地母神の声が女神官さんだけに聞こえてたわけでしたか。そうと知ってみますと、女神官さんの心情含めた動きがすんなり分かります。

 そうと分かる前ですと、敵シャーマンの血液が水と化され、しかし女神官さんの脱出で元に戻って蘇生するのはアニメオリジナルだと勘違いしてました。今話ラストの宴で女神官さんが地母神から許されるには、敵シャーマンはピュアリファイでは死ななかったことにすればいい。それなら罪が軽い。みたいな勘違いです。

 第5話でのピュアリファイは効果が永続的に見えましたんで、いったん「浄化」して水とした血が元に戻るのは無理があるように思えてしまいました。ですので、今話内で女神官さんが地母神から許されるために、バトルではちょっと展開を強引にしたのかなと。

 そうではなく敵シャーマンの生死も原作通りということでしたか。たぶん、邪悪で害がある「祈らぬ者」とはいえ、直接命を奪うのは奇跡の使用として無理がある。そのため、聖壁/プロテクションと同じように集中している間しか効果が続かなかったと考えればいいのかな。

 ともかく本編、堤防要塞攻略から。前話でいったん下に降りたの、原作では悲鳴を聞きつけたからとのことですが、アニメではそこは悲鳴なしに変更したわけですね。そのフォローが今話にありまして、ゴブスレさん曰く「一番偉い奴は一番下か一番上」だからと。下にいなかったので上に行ってみる、ということで整合性保ってますね。
(かつ、1期で剣の乙女さん問い詰めたときのゴブスレさんの台詞とも合致。知り得る者には総当たりするつもりだった、ですな。しらみつぶしして追いつめる性分と描かれてますんで、前話から今話のこの運びも納得してしまう仕掛けです。)

 しかし堤防要塞はなかなかの高層建築でして、昇降機(エレベータ)がないことを妖精弓手さんは疑問に思う。が、あるわけですな。原作ではウィザードリィネタありとのことですが、このアニメ版ではアドベンチャーゲームっぽい展開に感じます。鍵に暗証番号(?)があるわけですね。ゲームですと、いったん昇降機が開かずに詰まり(階段は途切れて昇れない)、再探索して鍵を見つける流れになるはず。

 それはともかく、昇降機は動きまして、パーティが乗りますと手持ち無沙汰になり自然と雑談に。こちらでご解説の通り、聞いてるこちらが嬉しくなるような内容ですね。姉の結婚式に招いておいて討伐になっちゃったことを謝る妖精弓手さんがなんだか好感度高い。

 と思ったら、鉱人道士さんが若干口ごもりつつ「仲間だろうが」がいい感じです。妖精弓手さんも「あ」と言って、今さらながら何か気が付くものがあった模様。そこからは他の中も、そうだそうだという感じ。ゴブスレさんですら女神官さんに促されてですが、応じてます。

 もっとも屋上での戦いの前の一瞬の平和といったところ。屋上に付くと突入ですが、後で昇降機で上ったのが大事と分かる流れですね。昇降機の通る部分は水が通る筒に使えるというのが勝利ポイントでした。その仕掛けを作る描写は前話にあるべきだったんだけど割愛されたわけですね。

 ともかくも勝つための仕掛けは後で明らかになることでして、こちらでも伺った「全滅しなければ手はある」→「全滅したら?」→「するな」の強引指示からの、普段は後衛の鉱人道士さんも前衛に押し立てての殴り込み。

 ただ、初見ではちょっと分からない部分がありまして、ゴブスレさんの指示「術は使うな、奇跡だけだ」です。最初、女神官さんに向けた指示かと思ったんですが、奇跡と術で何が違うか分からない。蜥蜴僧侶さんが鉱人道士さんを「術師殿」と呼ぶところからすると、鉱人道士さんに術使用を禁じたのか。でもなぜだろう、と。

 しかしこちらで伺って謎は解けました。決め手の大技が降下/フォーリング・コントロールですから、術回数残しておけという意味ですか。1期でも鉱人道士さんの術回数の多さは描かれてましたが(わしゃ残り5、6回かのう、とか)、鉄砲水の仕掛け作るのに使っちゃってたのか。まあ、勝った後にゴブスレさんがちょこっと言及はしてくれてるんですが、解説抜きでは自力では分かりませんでした。

 ともかくも屋上を強攻のゴブスレパーティですが、作戦は「派手に乱入して注意を引き、聖光/ホーリーライトで混乱させて、頭目のシャーマンを弓で射る」というものらしい。いったんはうまく行きまして、ホーリーライトでかなりの数のゴブリンが転落、シャーマンにも矢が当たる。

 が、上位種はしぶといわけでして、敵シャーマンは矢が刺さりつつも「眠雲」で反撃して来る。かなり指向性がある便利な魔法でして、若干の味方(ゴブリン)は巻き込むも、ほぼゴブスレパーティを狙い撃ちできる。効果は気が遠くなる、水の中にいるような感覚ということで、要は動きが鈍る。そこを術の影響を受けなかったゴブリンが襲い掛かるわけですね。

 これで上述の(最初は自分が勘違いした)女神官さんのピュアリファイによる起死回生の反撃と悔恨になると。そこでゴブスレさんがいい味(?)出してまして、女神官さんの動揺を感じ取ったらしく、何度も何度も「よくやった」。女神官さんが立ち直るまで繰り返してましたな。そこは初見でも強く印象付けられましたし、今までを思い返すものがあったりしました。

 まず敵の「眠雲」でパーティが危機に陥ったときですね。女神官さんは1期第1話のパーティ壊滅を思い出してますし、同じような状況は地下水路でチャンピオンと初遭遇のときもありました。いずれも小便漏らしちゃったんでした。が、今回は「違う!」と思い切っての反撃。

 しかしそれが信仰喪失の危機に。こちらで地母神との交信が切れたと伺ってみますと、なおさらに女神官さんのショックが感じられます。そこはゴブスレさんが察せない点も含めてですね。ゴブスレさんに分かるのは「シャーマンを倒してパーティを救った」ということだけですし、女神官さんを無事に脱出もさせたい。

 何とか立ち直る女神官さんも印象深いですが、「よくやった」と繰り返すゴブスレさんにも必死さが感じられます。ショックを受けてへたり込んでる女神官さんを何とかしてやりたいけれども、どうすればいいか分からないゴブスレさん、といった感じですね。

 ともかくもゴブスレパーティの反撃ですが、敵の数がどうにも多い。なんで強攻策だったんだと思いかけましたが、これって陽動・足止め作戦だったわけですか。本命は鉄砲水だったと。なるほど、だから隠密行動&各個撃破せずに、わざわざ敵の集結を狙って襲撃したわけか。

 追いつめられたふりをしておびき寄せて密集させ、ゴブスレさんらはフォーリングコントロールで飛び降りて軟着陸、すかさず鉄砲水でゴブリンを押し流して転落死させると。戦勝後のゴブスレさん解説「トンネルの術であらかじめ堤防要塞に」で何となく経緯を察することはできますが、こちらで伺うまでは見事な作戦勝ちというのは分かりませんでした。

 この城塞からの飛び降りですけど、劇場版を思い出しました。あちらでは確か、ロープ頼りでしたな。それですと、もし敵ゴブリンに多少賢しい奴がいますと、すかさずロープを切りに来る恐れがありそうです。フォーリングコントロールですと、その心配がない。ゴブスレさんの作戦立案も進歩してるみたい。

 それはともかく、勝ってからもゴブスレさんは女神官さんを心配しているらしい。女神官さんは黙ってはいますが、内心では信仰で揺れてます。ゴブスレさんは何が悩みかまでは分からないんでしょうけど、「見ろ、虹だ」と女神官さんに声をかけてみるわけですね。この時点では女神官さんは信仰の危機真っ最中ですが、ゴブスレさんが気にかけていることは救いになるらしい。虹を見る女神官さんにちょっと笑顔が戻ってます。

 一方、蜥蜴僧侶さんもなかなかの気配り。妖精弓手さんに対してですね。一番ズダボロになってますし、昇降機では申し訳なさげにしてました。どんな気配りなのかは、こちらで伺ったことから劇場版を思い出してないと分からないものでして、千年後の話ですな。定命の蜥蜴僧侶さんが長命のドラゴンとなったらプロポーズするかもという軽口。妖精弓手さんの姉の結婚というめでたいことを思い出させるものでもある。

 などと考えてましたら、またもや別アニメなのかと思う場面転換で勇者一行ですな。荒野でモンスター討伐してまして、何かと思ったら剣の乙女さん解説が入りまして事情が分かる。あの粘土板、転移の門がヤバい場所につながり、封印したけど長くはもたないというものでしたか。

 封印が解けそうになって勇者一行が討伐&封印に向かったけど、奇しくも封印を解く儀式がゴブスレさんが討伐に向かった堤防要塞で行われていたと。生贄やら川のせき止めやらは封印解除のための魔法陣だったらしい。しかしゴブスレさんらが討伐&破壊したんで、勇者一行らの討伐もサクサク進んだと。知らず知らずの協力関係がはっきり示されたの、今回が初めてじゃなかろうか。

 ともかくゴブリンが何とかなりまして、姉様・兄様の結婚式の宴。ゴブスレさんは一張羅の鎧のままですが誰も何も言いませんな。「これが英雄の姿」と認識されたからだろうか。盛装の妖精弓手さんがゴブスレさんに話しかけてますが、知らずにちょっときわどい会話になってますね。

 ゴブスレさんに「姉」へ手紙書くことを勧め、ゴブスレさんは「読んでもらえるとも思えん」と。意味が分かるとちょっと怖い。さらに、ゴブスレさんは「お前(妖精弓手さん)の姉が結婚できてよかったと思う」と言う。前にゴブスレさんが言った「姉は結婚できなかった」と対と考えてみると、「生きててよかった」ということにもなりそう。

 が、ゴブスレさんの姉の死を知らない妖精弓手さんは普通に祝されたとしか思わない。まあ、ゴブスレさんも言ってみて気が楽になったかもしれない。堤防要塞攻略では仲間だと再認識したはずですし。

 妖精弓手さんはちょっと凹む様子が残る女神官さんにも声をかけまして、地母神に祈って欲しいと頼む。これはピュアリファイの奇跡をゴブリン攻撃に使ったのを見てますから、ある程度は察しての頼みなのかもしれません。祈りが地母神に通じ、女神官さんはほっとしたようですが、妖精弓手さんも密かにほっとしたかも。このシーンは「女神官さんには地母神の声が聞こえる」と理解して観てみると、女神官さんの心情がよく察せられる気がします。

 最後はブーケトスならぬ花冠トスですか。姉様は「死すべき定めの乙女らに」と言って投げてまして、ちょっと不吉かも。しかし「定命の種族の人」くらいの意味なんでしょうな。花冠が投げられた先は牛飼い娘さん、受付嬢さん、女神官さんらでして、確かに「死すべき定めの乙女ら」。ただし妖精弓手さんも含まれてまして、妹の行く末は気にしているということかも。

 次回「かつてあった青春 今そこにある灰」は過去の回想ということですか。OPの映像を回収するような流れになるのかな。しかし女神官さんの試練は終わってなくて、都でまだあるわけですか。この1年でずいぶん成長した女神官さんですが、等級的に見てもまだまだ半人前。伸びしろあるゆえの試練なのかも。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/27 (Mon) 23:12:17

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第12話:暴走ライナー!暗黒ライダー!)

 仮面ライダーWEBを見てみましたら、宝太郎/ガッチャードをスパイダーマンになぞらえるような記述がありまして、そういう方向性のヒーローなのかとちょっと得心がいったりしました。世界ではなく隣人を守るヒーローということですね。もっとも、ピーターのスパイダーマンの宿命「愛する者を失って覚醒する」まで重なるようだとちょっとつらいかも。

 もう1つ、今話が2つの場所しかシーンに使ってないと説明がありまして、言われて初めて「確かにそうだな」と。ほとんどが屋外の1つの場所のバトルで、最後にアカデミーに戻るだけ。しかし前話でのスパイの正体明かし、10年前にケミーが奪われた事件についての匂わし、さらに新ライダーが敵として出現等と変化が多かったせいで、場面的にはシンプルだったことを意識してませんでした。

 ともかく本編ですが、前話で敵側のスパイと明らかになった針馬汐里が狙いをペラペラ喋る。身体にダメージ受ける禁術でケミーを奪ったのは冥黒の三姉妹の信者だから。ミナトは三姉妹が世界を滅ぼすと警告するも、針馬汐里は変革をもたらすと信じている模様。両者の見解の相違は10年前のケミー強奪の解釈にあるらしい。針馬汐里が思うには、それで錬金術の革命が起こるはずだった(が、りんねの父:風雅が阻止した?)。

 針馬汐里は錬金術の腕前も相当なようで(三姉妹に強化されたか)宝太郎らをあしらうが如きですが、三姉妹登場。狂喜する針馬汐里をアトロポスはあっさり「不要」と言い、文字通り消してしまう。もともと捨て駒だったんでしょうけど、口が軽すぎたのも災いしたか。放っといたら知ってる限りのことを自慢してたかもしれません。

 ここは先週分の感想での予想が外れました。針馬汐里がいったん(敵側で登場する)新ライダーになると思ってたもんで。ライダーの性能テストに使われて捨てられると思ったんですが、新ライダー:ドレッド候補は錆丸でしたか。ドレッドがケミーカードのレプリカ(レプリケミーカード)を駆使するライダーであるため、ケミーに人一倍詳しい錆丸が適任だったらしい。

 そうでなくてもドレッドの基本性能は極めて高く、先週までは(戦闘経験などもあって)最強格だったヴァルバラド/スパナをあっさり退けるほど。が、これまではヴァルバラドに助けられることの多かったガッチャード/宝太郎がドレッドと渡り合ってますな。

 この戦力バランスの変化がちょっと奇妙に思えますが、ケミーに対する態度、扱いにあるのかもしれない。ドレッドのほうはレプリカながらケミーが好きなゆえに熟知する錆丸の知識・ノウハウによるところ大ですね。宝太郎はケミーの気持ちが分かるほどの感情移入と好きという気持ちがある。スパナだけはケミーを道具としか認識してない。

 一言で申せば「ケミーに対する入れ込み方」でしょうか。敗戦後に初めてスパナが感情露わになってますが、己の失敗の原因を感じるものがあったかもしれない。そうだとするとですが、今話は地味にスパナの方向転換の伏線を張ったのかもしれません。

 それはともかく、ドレッドに強制変身させられた錆丸ですね。操られてはいますが、わずかに己を保っているらしい。蓮華の呼びかけや宝太郎の必死の説得にわずかに応じてます。こうなると錆丸を救わないわけにはいかない。しかしアトロポスの呪縛は強力で錆丸は抗してもすぐに飲まれる。

 どうするか、と思ったらUFO-X登場。そうでした、レベル10のUFO-Xは三姉妹でも支配できず、ゆえにドレッドもその力をコピーして使えないんでした。ガッチャードがドレッドに苦戦するのは、ガッチャードが繰り出すケミーの力を、ドレッドがすかさずコピーして同じ技で返されてしまうから。

 そうできないUFO-Xならば、となって期待通りに力を授かる。出現時は真っ白ですが使う段になってカラー化する剣(エクスガッチャリバー、ってちょっとネーミングが ^^;)ですね。これにはそれまで余裕しゃくしゃくだったアトロポスも瞬時に脅威を悟り、ドレッドに「潰せ」と。

 しかしドレッドでも剣を振るうガッチャードは止められず、アトロポスに迫りますが、力尽きて倒れる。これって、ガッチャード/宝太郎にそこまででダメージの蓄積が大きかったからなのか、それともエクスガッチャリバーによる消耗なのか。ともかくも、これ以上戦えないと判断したミナトが術で味方を全員撤退させる。

 たぶん、敵味方双方が危うい状況であったのかも。ただ離れて見守っていた調査官:釘宮リヒトだけは何か納得するものがあるらしく、宝太郎にUFO-Xをぶつけてどうこうと、この先のプランを練っている模様ですね。

 しかし宝太郎らはアカデミーには帰り着いたものの、錆丸を救えなかった惨敗に意気消沈。ミナトも善後策に窮するらしく、上を掛け合うが期待できないみたい。上述しましたが、スパナが感情露わでして、しかしここまでの動きの理由がちょっと分かったかも。

 今話のような生きるか死ぬかレベルの戦いになる、という点ですね。言い換えれば、宝太郎ら(特にりんね?)を死なせないために踏ん張るものがあったらしい。そう思えますと、ちょっとスパナを見直したい気がします。

 次回「とりもどせ!ユージョーXフォーエバー!」では、宝太郎らは錆丸奪還に動くみたいですね。スパナだけは「ドレッドは俺が倒す」の台詞がありまして、今話で人質(錆丸)で動揺しなかった態度が維持されるみたい。自分としてはスパナがどう変わるかをちょっと期待してます(宝太郎はたぶん態度の方向は変わらない、いずれ覚悟は強まるんでしょうけど)。

●王様戦隊キングオージャー(第38話:不動のアイドルデビュー)

 リタのアイドルデビュー物語みたいになってまして、初見では歌と踊りのパフォーマンスとか楽しんでました。が、観終わってから考えてみますと、いろいろ暗示や伏線仕込んできたかなと思えてきます。

 たぶん一番大きいヒントはこちらでご指摘があった、ミノンガンの声はゲロウジームと同じく関智一さんという点ですね。ミノンガンとゲロウジームは関わりがあるんじゃないかというわけですが、今話を観るまでは「そうかもしれないけど、関智一さんの声の多彩さを考えると、うーん」と判断つきかねてました。

 今話でも気を付けてないと、リタの真意を勘違いする他のオージャー戦士の面々にまぎれて、ミノンガンも同じようなものと思ってしまう仕掛けになっているようです。ギラらの勘違いを列挙してみますと、以下の感じ。

・ジェラミー:もっふん人形を親の形見と勘違いし、アイドルデビューは親探しのためと思い込む(実際にはリタの両親は健在)。
・ヒメノ:裁判長の重責がなくなり、子供の頃からの「アイドルになりたい」の夢を叶えようとしたと思い込む(実際にはもうそんな夢は抱いてない)。
・ギラ:司法を無用とされて自暴自棄になったと思い込む。
・モルフォーニャ:リタが「ありのままの自分」などいう甘えを拒否していると思い込む。

 アイドルプロデュースをするミノンガンはリタが己を偽っている、ありのままの自分で良いとリタを諭すわけですが、モルフォーニャ含む仲間の勘違いと軌を一にしています。が、リタはアイドルデビューするという演技からか、強く肯定してますね。

 しかしリタは今話冒頭でハッキリ、五道化を探るとモルフォーニャに宣言してます。ゴッカン国を実効支配するゴーマが悪人の心を善人と入れ替えたのを好機と見て、ですな。さらにヒメノに対しても勘違いを正して捜査さだと伝えてます。

 それでもミノンガンに対しては演技だったと解することは可能ですし、そうかもしれないんですが、ミノンガンの一言が気になる。なぜか自分(ミノンガン)をMNGとローマ字読みでの頭文字で言い、リタが己を偽ることについて「私モ同ジデス」と言うわけですね。

 そこは「偽る」を「潜入捜査」と考えれば、リタと同じくミノンガンも潜入捜査(ないしは五道化の内部撹乱)していると取れそうです。そう思ってみますと、「もっふんもっふんもふもふ~♪」のステージをこなしたリタにヒルビルをぶつけた意味も見えてきそうです。

 ヒルビルは依然としてンコソパ国を実効支配しているわけですね。こちらで伺って初めて知ったんですが、国を盗られたままのヤンマは視聴者からの好感度が下がっていると。確かに国より仲間(シオカラ)を取った感動劇の後はンコソパのことを忘れたかのよう。

 ですが今話でチャンスが生まれる。ヒルビル不在を突いてンコソパに潜入できるわけですね。狙いは今話でいきなりの登場の「ウルトラコンピューター」。作っただけで捕まったというヤバい性能らしい。たぶん「テッペンコンピューター」より上なんでしょうな。

 そこは次回のヤンマの活躍に期待ですが、なぜか大した意味もなくヒルビルを呼び寄せたのはミノンガンなんでした。ミノンガンの正体がゲロウジームで、密かにキングオージャー側の利を図っていると考えると辻褄が合いそうです。

 そこを「私モ同ジデス」の台詞からリタも気づいた感じですね。その台詞以前は、リタはミノンガンも含めての敵情偵察だったと思いますが、その台詞以降は以心伝心の口裏合わせしつつの活動だった可能性がありそうです。ただ、ミノンガンの正体(ないしは中に潜むの)がゲロウジームかどうかまではリタは察してはなさそう。

 正体がゲロウジームだとしますと、ジェラミーとコンタクト取りそうですもんね。しかしジェラミーはちょっと口が軽い面があり(まあ語り部ですからねえ)、現時点では正体や狙いを秘匿したければ、適任はリタということなのかもしれません。そこももしかするとミノンガン/ゲロウジームの深謀遠慮の一貫なのかも。

 ともかく見えているものの裏で何が起こっているか考えだすといろいろ面白い回でした。このまま謎解きを見たいところですが、次回「ンコソパ頂上決戦」では、ウルトラコンピューターを奪還したヤンマが反撃に出るみたいです。それはそれで楽しみですが、今話の伏線がいつ回収されるのかも非常に気になります。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/28 (Tue) 02:54:15

 不定期よもやま話です。

★金狼感謝

 来年頭の新作の予告編を少し紹介していただけでした。

 道外流牙以外の既出キャラは誰も登場予定がなく(莉杏すら出ないのが残念)、ベテラン黄金騎士になった流牙と、ハガネというモブ鎧をまとう若手魔戒騎士のW主人公メインの話ですね。
 魔戒法師も管轄を仕切るベテラン女性と、若手女性の2人ヒロインといった感じで、

 ベテランが若手を導くような話かな、と思った。

 後はアクションの出来や、CG演出がどうなるかを気にしつつ、年明けを楽しみに待つことにします。

★マーベルズ

 MCU最強ヒロインと呼ばれる『キャプテン・マーベル』の2作めに当たり、マーベル縁の3人の女戦士がチームを組んで、ニック・フューリーの指揮の元で、宇宙からの侵略者と戦うようなSF映画です。

 ここでは、アベンジャーズの指揮官のニック・フューリーの現状について、先日のスパイダーマン2以降の動向が分かったので紹介しておきます。

 まず、アベンジャーズのバックアップ組織だったSHIELD長官として活躍していた彼ですが、サノスの指パッチンによって消滅していて、エンド・ゲームで復活後は、アベンジャーズの再建を目指しながら、スパイダーマンのピーター・パーカーをチームの次代の中核として育てようと干渉してきた……と思いきや、その正体は本物ではなく、擬態能力を持った異星人スクラル人がすり替わっていたことが、ファー・フロム・ホームのエンドクレジットで発覚(偽フューリーの名前はスクラルの将軍タロス。フューリーの元上司に擬態していたり、優秀なスパイだったのですが、ピーターに強圧的に振る舞ったり、ミステリオの策謀に気付かなかったり、本物のフューリーほどの抜け目なさは備えていなかったようだ)
 TVではカットされていた部分ですが、ピーターに関わっていたフューリーすら偽者だったというサプライズだったんですな。

 ここで、スクラル人について語ることが、必要になります。
 ええと、『キャプテン・マーベル』の映画は、銀河で帝国を築いていたクリー人と、スクラル人の星間戦争に90年代の地球が巻き込まれていたって内容なんですな。
 フューリーはその時期、SHIELDのエージェントで外敵から地球を守るスパイみたいな活動をしていました。
 一方、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースは、アメリカ空軍のテストパイロットだったのが、クリー帝国に拉致されて、記憶を消されてクリー帝国の戦士として洗脳されていたところから物語がスタート。
 クリー帝国は、超AIのマザー・コンピューターに管理された軍事帝国で、ヴァースという名前で呼ばれていたキャロルは、スクラル人との戦いの最中の負傷をきっかけに、地球人としての記憶を断片的に取り戻すことになります。

 失われた記憶を取り戻すために地球へ向かったヴァースは、地球人に擬態していたスクラル人と敵対しつつ、命令違反を罰しようとするクリーの上司からも逃れながら、時折脳裏によぎるフラッシュバックから自分の過去を探す旅を続ける。
 そこで、彼女の旅に巻き込まれたのがニック・フューリーなんですな。フューリーはSHIELDの情報にアクセスできるので、ヴァースと名乗る女の素性が地球人のキャロル・ダンヴァースであることを知り、またフューリーの上司が異星人スクラルの擬態であることを知ります。

 ここで、フューリーは地球がスクラルの侵略を受けていることを知り、キャロルのクリー人としての情報から、クリーとスクラルの星間戦争の話を聞かされて、地球を守るためには強大な力を秘めたヒーローのチームが必要という確信を強めます。

 一方、物語は途中でどんでん返しを迎え、キャロルの甦った記憶では、クリー人こそが侵略国家で、スクラル人は優れた科学を持ちながらも平和主義者で、故郷の星をクリーに滅ぼされてからは持ち前の擬態能力を活かして、宇宙の各星にこっそり亡命する形で密やかに暮らしていた、と。
 また、キャロルがクリー人に洗脳されていた背景として、インフィニティ・ストーンの1つであるスペース・ストーンから事故によって放出されたエネルギーを身に受けたゆえの超人能力の謎を解き、利用するためということが明かされます。

 そんなわけで、『キャプテン・マーベル』の映画は、前半が擬態する宇宙人の敵意を逃れて、失われた記憶を取り戻すためのSFスパイアクション映画の雰囲気だったんですが、
 キャロルが記憶を取り戻し、自分が獲得した真のパワーに覚醒した後は、価値観の変化が起こり、クリー人から絶滅させられそうなスクラル人を守るため、自分から記憶を奪った好戦的なクリーの宇宙艦隊が地球に迫っているのを迎え撃ち、「スーパーウーマンが単身、強大な宇宙艦隊を単身、次々と撃退していく派手なスーパーヒロイン無双」を堪能するクライマックスに化ける、と。

 まあ、その間、フューリーはネコ型の異星生物グースとのコンビで、宇宙船内で人間的なアクションを頑張っていたわけですが。
 分かりやすさで言うなら、フューリーがウルトラマンの防衛チームの隊員で、キャロルがウルトラマン並みの戦闘力を持った超人ヒロイン。

 で、最終的にスクラル人とは和解し、キャロルはクリー帝国の侵略に立ち向かうために宇宙に旅立ち、フューリーには「もしも地球がピンチになったら、すぐに駆けつけるから」と連絡装置をくれて、
 そしてフューリーは地球を宇宙人の侵略から守るアベンジャーズ計画を意識し始めた……って話。

 で、サノスの侵略に対し、フューリーはキャロルにSOSを発信したのですが、その直後に指パッチンが起こり、キャロルの到着は遅れることになります。
 まあ、彼女が宇宙から帰還する際に、サノスを止めようと宇宙で戦っていたアイアンマンが地球に帰還するのを救助する流れになるのですが、

 それから時代が経過して、フューリーはSHIELD壊滅後、新たにSABERという宇宙ステーションを拠点にしていた新組織を立ち上げていました。
 ただ、その前に配信ドラマで、スクラルの反逆者(長らく続く難民生活に耐えられなくなってテロ化した若者たち)が地球で擬態能力を駆使して侵略行為に邁進していた事件を描いた『シークレット・インベージョン』という作品があって、
 ニック・フューリーの密かなスパイ活動が描かれていたようですが、自分は未見。

 ともあれ、ニック・フューリーが新たなヒーロー支援組織を宇宙規模で立ち上げて、おおっとなったんですが、映画の中で基地の宇宙ステーションが崩壊。
 何とか職員たちは全員無事に脱出できたんですが、SABERがすぐに再建できるかどうかは、先送りですな。

 まあ、今回の映画で、新生アベンジャーズに向けての組織立ち上げが動き始めていることが分かって、まあ、めでたいです。

 ただし、次にアベンジャーズというタイトルの映画が公開されるのは、2026年予定で、今はまだ、そこに向けての伏線段階ですな。
 先はまだ長い。

★ゴブスレ補足

 前回、9話のサブタイトルは「過去編」と書きましたが、もしかすると、それだけではないかもしれません。

 8巻の序盤の章タイトルを挙げてみますと、

●1章「かつてあった青春 今そこにある灰」(5〜12ページ)
●2章「かみきり丸、南の海へ」(13〜44ページ)
●3章「小鬼殺し、都へ行く」(45〜106ページ)

 全部で347ページなので、残り4話と考えるなら、平均80ページほどは進めていかなければならないのでは? と考えて、過去編だけで終わらせるわけにも行かないかも、と思います。

 10話のサブタイトルが「小鬼殺し、都へ行く」だったら、せめて次回で2章の「海の話」を消化してしまうかも。
 ええと、前に「海ゴブリンと誤解される人魚」って言ってましたが、正確には「海ゴブリンと誤解される魚人女子」でした。頭が魚の半魚人タイプですが、半魚人という言葉は、差別語だと主張してたりします。

 剣の乙女が回想シーンを展開する一方で、ゴブスレ一党が海で大海蛇退治をするエピソードが入って来るなら、原作8巻に忠実。
 そちらを本命としつつ、外伝の話に展開してオリジナル風味を高めるのが願望的な予想。

 ともあれ、剣の乙女がゴブスレさんに「都へ行く用事があるんだけど、道中でゴブリンが出現するという噂を聞いたから、怖いので護衛をお願いします」という依頼をしに来るところで、続くかな、と。

 剣の乙女、魔神が出現しても平気な歴戦の冒険者だったけど、ゴブリンが出ると硬直してしまい無力化するキャラですな。
 一方、パーティー仲間の女戦士は、スライムだけがどうしても苦手とか、モンスターの数字的な強さと関係なく、嫌悪感とか苦手とかトラウマとかが普通にあったり。

>絵だけで説明しきれない

 これについては、前に「原作小説→コミカライズ→アニメ」という流れを申し上げていましたが、7巻の途中で、アニメがコミック化されている範囲を追い越してしまったようですね。
 小説をコミック化する場合、文章をヴィジュアル化するに当たって、削ぎ落とされる内面描写を補うために、セリフを補足するなり、キャラクターのモノローグを付与するなり、いろいろと工夫するわけですが、
 コミカライズされた物をアニメ化するなら、その工夫を参考にすればいいわけですね。

 でも、文章から直接、アニメだと、脚本家と絵コンテを描く人の連携とか、ハードルが相当、高くなる。
 今回、女神官さんが地母神さまに注意を受けて、相当ショックを受けたことは、ドラマ的に非常に大切な部分だと思いますが、アニメだけだと彼女が地母神のお叱りを受けたことが全く伝わって来ない。

 この血の浄化シーンが8巻のクライマックスにおいても重要で、今度は地母神の納得される使い方をしてみせて、ようやく地母神に褒めてもらえる流れになる。
 それまでは相当にヘコむイベントが続いて、地母神との絆、ゴブスレさんとの絆が奪われてしまった感を覚えて、闇落ち警報まで出てしまいそうになるほど。

女神官(わたしにイヤな思いをさせた人はゴブリンみたいなものだから、みんないなくなってしまえばいいのに……って、そんなことを考えたら、わたしがゴブリンみたいなものじゃないですか。今の気持ちはなかったことに……)

 とにかく、この8巻で一番、情緒不安定になるわけですね。
 それに対して、どう言っていいか分からないゴブスレさんに対して、剣の乙女が忠告して、女神官さんのメンタルケアをしっかりするように言うほど。

 なお、剣の乙女にとって女神官は、冒険者時代の自分とかぶって見えるようで。

 ともあれ、原作では7巻で地母神さまに叱られた件は、最後の宴シーンで解決したように見えたんですが、その後、8巻を読んで、まだ引きずっていたんかいってなる。
 6巻から8巻にかけて、毎巻のように女神官さんのメンタルの危機が訪れて、そして9巻になると、女神官さんがリーダーシップをとるまでに覚醒する、と。
 ゴブスレ不在のパーティーで、ゴブスレさんの代わりに、ゴブリンスレイヤー2号みたいな采配をとる彼女の話は、3期を期待したいところ(気が早い)。

>術と奇跡

 術は、いわゆる「魔術師魔法」ですね。ゴブスレ世界では、鉱人道士が使う精霊魔法と、少年魔術師や魔女さんが使う真言魔法に分かれます。
 奇跡は、「神官や僧侶などの「聖職者魔法」になります。ゴブスレ一党では、女神官さんの神聖魔法と、蜥蜴僧侶の蘇竜呪文に分かれます。

 なお、呪文使いが怖いんだったら、一番の定石は、女神官さんが使える沈黙(サイレンス)を敵の術師に使うことだと思うのですが、ゴブスレさんがその戦術をどうして使わなかったかが不思議です。
 もしかすると、沈黙で敵術師の呪文詠唱を封じれることを知らない?
 沈黙は、味方が物音を立てずに行動することにしか使っていないし。
 あるいは未熟な女神官の腕前では、敵の術を封じることは難しい、と踏んでのこと?

>ウィザードリィのエレベーター

 あちらは、エレベーターは2つあるんですね。
 1つは地下1階から4階に下りるもの。
 もう一つは地下4階から9階に下りるもの。

 ブルーリボンが必要なのは、後者の方で、そのためには4階のモンスター管理センターという区画に出現する、手強い固定モンスターの一群を倒さないといけない。

 なお、地下1階のエレベーターはダークゾーンの向こうにありますな。このエレベーターを利用できるようにするために、カギとかカエルの置き物とか、いろいろなアイテムを探し回っていたわけで。

 何にせよ、アニメ2期のクライマックスの舞台「死の迷宮」に、ゴブスレさんたちが挑むのが、8巻の3話め(今期の11話)になりそう。
 剣の乙女曰く、「今のあなたたちが挑めるのは、4階までです。それ以上、降りると帰って来れませんので、ご注意を」と言いつつ、地図とブルーリボンは渡してくれる。
 え、それって4階からのエレベーターを使えってフリじゃないですか? と思って読んでると……おっと、ネタバレ禁止。

 まあ、「死の迷宮」の深部に挑む伝説の六英雄の話は、次回を楽しみにしつつ。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/29 (Wed) 12:13:05

 非定期感想です。

●ゴブリンスレイヤー -GOBLIN'S CROWN-

 この劇場版を前に観たときは、1期もまだでしたもんで理解できてなかったみたいです。1期を通しで観終え、こちらでいろいろ伺い、2期も観進めてみますと、この劇場版が何とか理解できた気がします。

 自分的なポイントは令嬢剣士ですね。初見では「実力不足なのに強情で情けない」印象でした。それが物語ラストでは幾分か成長したかな、くらい。ですが、今観なおしてみたら「令嬢剣士は大したキャラクターだな」と認識を改めました。

 令嬢剣士を自分なりに分類するなら「ゴブリンに襲われた女」でしょうか(男だと必ず殺されて、その後がない)。1期第1話では女武闘家、女魔法使いがいます。女魔法使いは半ば助け出されるも毒が回ってゴブスレさんに頼んで止めを刺してもらう。女武闘家は女神官らを逃がすも、自身は精神的に再起不能となり故郷に引きこもる。2人は「襲われて折れてしまった者」となりましょうか。

 1期第6話~第9話の剣の乙女さんだと、ゴブリンにいったん敗北するも魔神王を倒した英雄ですな。しかしゴブスレさんに気持ちを救われるまではゴブリンの悪夢に悩まされた。ちょっと酷な評価をすれば「襲われて屈した者」といえそう。少なくとも自分では立ち直れてない。

 この劇場版の令嬢剣士はゴブリンにパーティメンバーを奪われ、自らも襲われたわけですが、しかしゴブスレさんに志願して雪辱に臨んでます。途中いろいろありましたが本懐を遂げてますね。「襲われて屈しなかった者」となりそうです。そう分類してみるとですが、最も凄いキャラクターという気がします。

 この劇場版の後の令嬢剣士は2期でちょこっと剣の乙女さんから言及がありましたが、様子はよく分かりません。ネットで調べてみますと、剣士(冒険者)から商人に転身し、大成功を収めているようですね。ゴブスレさんと再会してドラゴンと戦ったりもするらしい。そういう大物に育つきっかけが、この劇場版の事件ということのようです。

 ともかく本編ですが、冒頭は快進撃する令嬢剣士ですね。パーティメンバーは調べてみると半森人剣士、圃人斥候、鉱人僧侶、只人魔術師ということらしい。そこから剣の乙女さんのゴブスレさんへの依頼でいったん時系列が先に進むんですが、まずは令嬢剣士に何が起こったかが大事のようです。

 令嬢剣士の時系列で整理してみますと、雪原での戦いからゴブリンの巣穴へ到達、兵糧攻めするべく出入り口を封鎖。当初は、出ようとするゴブリンを駆逐したりと成功でしたが、ゴブリン側が戦術転換して持久策に出る。この背景には雪の城塞をゴブリンパラディンが占拠しているほどの大勢力だったことがありそうですが、令嬢剣士は下調べ不足なのか把握していない。

 物資不足からパーティメンバーの体力低下が起こるも、小勢のゴブリン如きに撤退などできぬと令嬢剣士は意地を張る。が、パーティメンバーは不満が溜まり、雰囲気も険悪になって来る。やむなく令嬢剣士が(怒るメンバーに半ば強いられて)物資補給に村まで降りるも、

 村も貧しい。それでもいくばくかの物資をそりに乗せてパーティまで戻ろうとするとゴブリンが襲撃してくる。既に仲間は殺され首を落とされている。令嬢剣士はうかつにも剣を雪原に直置きしたため凍って鞘から抜けなくなっている(棍棒として使う機転とかはなかったらしい)。あえなく襲われ囚われ、パラディン戴冠の供物とされたようですね。しかし後でゴブスレパーティに救われる。

 その救出に向かう途上のゴブスレさんらは、まずゴブリンが襲撃途中の村を救う。このときですね、こちらでも感想を述べ、ご教示も受けた矢じりを緩めた矢を使ったのは。ゴブリンを熟知するゴブスレさんも、まさか緩めた矢じりをゴブリンが学習するとは思いも寄らなかったらしい。もっとも、そこまでゴブリンが学んだのは背後に覚知神がいるからと、後で匂わされるわけですな。

 村を救うシーンでちょっと注目したのが女神官さんです。1期第1話では女魔法使いを救おうと闇雲に杖を振り回していましたが、この劇場版ではしっかりゴブリンを見据えて杖を振るってますし、当ててもいます(もっとも攻撃力は低いみたいですが ^^;)。成長してますね、女神官さん。

 救った村、村民に対するゴブスレさんの態度もなかなか。令嬢剣士パーティのそれははっきりとは描かれませんが、村民の話によればずいぶんと横柄だったらしい。ゴブスレさんは村民の手当て等にも(天然で)気を遣うとか、報酬度外視などがあり、村民から感謝されている模様。そのゴブスレさんらをもてなす食事は貧しく、令嬢剣士らから村がかなり搾られたものと感じられます。

 しかしおそらくはゴブスレさんはほぼ無補給でも討伐可能な準備を整えていたらしい。冬季の山岳地帯ということで状況を推測できてたんでしょうな。用意周到なこと恐るべきものがありまして、水中呼吸の指輪まで人数分以上の用意がありました。途中では防寒用として使われましたが、ラストでは雪崩に飲まれることを予想しての準備だったと判明。たぶん、それすらあり得る状況の1つとして想定しただけで、どれだけの範囲を想定したかはちょっと想像できないほどです。

 それだけの準備があっても、巣穴に突入してからは想定外が発生するわけですね。直前で使った「緩めた矢じり」をゴブリン側が使って来る。矢じりが脚に残った妖精弓手さんがひどい目に遭ってました。しかし屈せず、さらに奥深く進んで令嬢剣士を発見。祭壇にささげられているようであり、首の後ろに焼き印がある。ゴブスレさんはパラディン戴冠と見抜き、女神官さんは覚知神の介入を察する。

 矢じりに毒は使ってなかった模様で、鉄が遅効性の毒ということまで学んだ恐れがありますね。この時点では恐るべき学習能力かと思ったんですが、後のシーンでは雑な緩め方しかしておらず、実際には暗記レベルでしかなかった感じです(が、ラストでゴブスレさんが推測するパラディンの狙いがなかなか恐ろしい)。

 救出して村に戻り、観ているこちらには令嬢剣士の悪夢で壊滅の状況が描かれるわけですが、ゴブスレさんへは令嬢剣士の簡単な説明だけ。そこからはゴブスレパーティの会話になるわけですが、覚知神と知識神の解説がここで為されてたわけですか。劇場版も観ないと全体が理解できないようになってますな(^^;。2期のエルフの里編といい、観ているこちらにはかなり不親切ともいえまして、もしかしてゴブスレアニメの制作はゴブスレさんがやってるんじゃないかと思えるほど(ですが、脚本家と絵コンテの連携と言われてみると、なるほどそうかと思える)。

 1期を踏まえますと、ここで令嬢剣士は戦意喪失で離脱するはずですが、しかし奮起して参戦する。長い髪を切って報酬として差し出すわけですが、髪を切るという行為は別の意味もあるんでしょうな(命を差し出すとか、出家=生まれ変わるとかを含意か)。この時点では自分は「令嬢剣士の自暴自棄か?」と思ったんですが、ドラマが展開するにつれて誤解していたと分かりました。

 自暴自棄とは「ゴブリンに一矢報い、仲間を追って死ぬ」くらいの意味ですが、どうやら奪われた剣を取り戻せば、己を取り戻せると令嬢剣士は思っていたらしい。むしろ、復讐に赴く今の自分(令嬢剣士)が死んでいるも同然のようですね。

 敵本拠がパラディン率いるゴブリンの群れが巣食う、というより根城として整備しつつある雪山の城塞。簡単には潜入できないので、女神官さんらを供物として届ける覚知神の使節に扮して入り込む。が、憎悪でたけり狂う令嬢剣士が暴れ出し、シャーマンを殺害したことで当初計画は頓挫。

 ただ、この場面ではシャーマンが女神官さんを手荒く扱ったことが、令嬢剣士暴走のきっかけになったようで、ちょっと令嬢剣士の心境変化が窺える気がします。直前で、いろいろ女神官さんが気を遣ってくれたことが影響してるのかな。女神官さんは令嬢剣士をよく観察もしてまして、松明持つ役を頼んでみたら、ちょっと照れたのも見逃してない。

 そこがゴブスレさんに伝わりまして、ゴブスレさんもちょっと変わって来る点も興味深い。シャーマンを殺害したせいで、パラディンの戴冠式に支障が出る、つまりゴブスレさんらの襲撃計画に狂いが出たと分かると、令嬢剣士は激しく動揺、後悔(さらに首の後ろも痛む)。

 ついに令嬢剣士、「剣を返せ」「帰りたい」と泣き出してしまうわけですが、ゴブスレさんが一生懸命励ます。もっともゴブスレさん流でして、「剣を取り戻す」「ゴブリンは殺す」→「だから泣くな」。ちょっと1期第11話で牛飼娘さんが泣きだしたときのゴブスレさんを思い出すものがありました。あのときは「そんな顔をするな」でしたな。ゴブスレさん、泣かれるとどうしていいか困ってしまうらしい。

 しかしゴブスレさんらに気付いたゴブリン側が攻撃を開始、ゴブスレパーティは逃げつつ追撃するゴブリンを倒すも多勢に無勢。ちょっと途中で分からなかったのが、足場を崩すシーンです。剣で切り込みいれて、ロープで引き倒してましたが、その間のゴブリンの動きが鈍い。もしかすると、ゴブリンの群れって統率が取れているほど、個々のゴブリンは判断・思考停止気味になるんだろうか。

 もっともすぐにゴブリンパラディンが駆けつけてきまして、パワー的にはチャンピオンに遥かに及ばなさそうですが(ホブくらい?)、剣の扱いに長けて、鎧も着こなしてます。難敵であるのは間違いない。ゴブスレさんは折れた剣で迎え撃ってますが分が悪そう。と思ったら、女神官さんが脱出用のロープを垂らしてまして、ゴブスレ側は脱出が予定の戦術だった模様。

 降りるときにちょっと笑いまして、ゴブスレさん曰く「出かけるときには忘れずに、か」。あのCM、この時期にやってたんだっけか? それはともかく、後には鉱人道士さんの術で降りるようになるわけですな。しかし今は鉱人道士さんは捕虜救出の別動隊なんでした。ゴブスレさんは別動隊が脱出して来る頃合いを見計らっていたらし。外ですんなり合流できてました。

 そこからはゴブリン側が城門を開いて追撃して来るのを叩きつつの撤退ですが、これも予定の戦術だったらしい。冬季の積雪を利用しての雪崩作戦ですね。呪文回数はこのときのために予めカウントし、抑えての使用に留めていたと。それも令嬢剣士の雷の術をここぞというときに使わせるのが粋なはからいかも。令嬢剣士の術回数2回を城脱出で1回、鉱人道士さんの術と併せて雪崩でゴブリン軍を壊滅するのに1回。

 さらに女神官さんの今日最後の奇跡で雪崩から身を守る1回。しかしなぜかゴブスレさんはプロテクション外を疾走してまして、そのまま雪崩に飲まれる。が、水中呼吸の指輪で息は確保しつつ雪面へ上がって来る。どうしてそんな、と思ったら令嬢剣士の鞘を拾いに行っていたわけですか。パラディンから盾に剣を刺させて取り戻したものの、鞘が雪崩に流されたんで追いかけてたらしい。

 さすがにそうまでしてもらったとなって、剣を鞘ごと返してもらった令嬢剣士は大泣き。ゴブスレさんが雪から這い出して来る直前、令嬢剣士はゴブスレさんを心配しない風のパーティの面々をいぶかっていました。仲間に対する意識の変化が窺えます。令嬢剣士は同じく、拘っていた剣よりゴブスレさんを心配する点、何か吹っ切れたものと感じられます。さらには自分(令嬢剣士)のやっていたことが「冒険」と自覚もする。

 が、やっぱり剣が戻ってみると嬉しかったんでしょうな。己を取り戻した実感があるんでしょう。が、それにはゴブスレさんへの感謝も大きく含まれているはず。令嬢剣士としては「これでやり遂げた」ではなく「こんな物のために、ここまでしてくれた」という実感じゃなかったかと思います。
(このシーンでのゴブスレさんは「泣くな」とは言わず「よく泣く奴だ」と余裕の反応。『この泣き方は安心したときのもの』と分かっているんでしょうな。)


 令嬢剣士、確実に一皮むけてますね。この劇場版では描かれず、2期でも言及されてませんが、商人に転職したというのも納得できます。文字面の予習では「なんでだろ?」みたいな気がしましたが、この劇場版の描写をつぶさに見て行って得心が行きました。

 それはともかく、令嬢剣士と共にギルドに帰り着いて和気あいあいの面々ですが、ゴブスレさんはいない。どこ行ったんだと思ったら、テント設営してゴブリンへの警戒ですか。女神官さんが(皆の事実上のご指名で ^^;)差し入れに来てますが、会話がちょっと笑う。

 女神官さんが「毎年ですか?」と尋ねると、ゴブスレさんは言下に「馬鹿なこと聞くな」と言うもんで、てっきり『今回はパラディンのこともあったんで特別』なのかと思ったら、「新年は毎年来る」。毎年なのが当たり前ということかと笑いました。

 女神官さんも苦笑ですが、そこからちょっと怖い会話に。ゴブリンパラディンの狙いですね。既に城の武器庫では違和感があるとの会話がありましたが、金属精錬を行おうとした形跡があったわけか。ゴブリンが自前で道具、特に武器を作り出すようになると厄介です。

 と観ていて心配になったんですが、ゴブスレさんの最後の台詞でちょっと笑いまして緩んでしまいました。「言い忘れていた」と切り出すんで何だろうと緊張したら、「今年もどうかよろしく頼む」。ふむ、ちゃんと新年のあいさつするんだ。特に「どうか」と言う点が何とも不愛想なゴブスレさんらしくなく、かついかにも不器用なゴブスレさんらしくて面白い。

 観終えてみますと、単独でも面白くあるんですが、これ抜きにゴブスレアニメを理解するのは難しかったかもと思いました。もっとも自分はこちらでいろいろ伺い、それを元にネット情報を整理したりしてましたんで、この劇場版の情報自体は再確認みたいなところがあります。

 しかしもし誰からも教示を得ず、アニメTV本編だけ観てたら、例えば覚知神と知識神の対立構図が分からなかったはず。そこが分からないと、1期でときどき解説される「サイコロ振る神々」が何なのかが、世界をどうしているかが分からなかったはずです。

 直接的にも、TV本編2期で出て来た緩めた矢じりとかもありますね。人間とエルフの境界となる堤もそうなんでした。温泉に浸かる妖精弓手さんを知っていれば(このとき女神官さんだけバスタオル)、1期で風呂を嫌っていた頃からの変化、2期で水遊びの水着を珍しがる様子とか、より興味深く観られたはずです。

 人によっては描写として不親切と評するかもしれませんが、自分的には適度に難しいジグソーパズルといったところで、こういうのも好みですね。もっと知りたければ原作を、となるところなんでしょうけど、原作は原作でTRPGやウィザードリィなどのネタを読み解く知識がないと充分に理解が難しそうということで、これ以上に理解を深めるにはどうしたものかと思ったりします(^^;。

 しかしこの劇場版観終えてみますと、1期がABEMA TVで無料放映されているうちにもう1周してもいいかなあと思ったりします。

Re: 11月のスレッド(2023) - K.K

2023/11/29 (Wed) 13:07:54

 非定期感想その2です。

 ゴブスレ劇場版感想が長くなりましたんで、項を改めまして。

●金狼感謝の日

 例年に比べてネット放映が短く、仰るようにほぼほぼ新番組「ハガネを継ぐ者」の紹介でしたな。本編内容よりも出演者の意気込みに重点が置かれていた感じです。

 内容一新するようで、そこは新機軸として期待したいと思いますが、道外流牙以外のキャラクターも一新されるのは多少複雑な気持ちです。闇照編については劇場版に登場キャラクターが引き継がれたものの、2名の不祥事があり、出演は難しいかもしれない。

 翔編では特にそういう事情はなく、例えばガルドとハルナのその後に触れて欲しい気がします(法師として成長あるはず)。メイン敵役のうちジンガは転生して別の時代に行っちゃったから諦めるしかないかも。ライバルになると思ったんですが。

 しかし何と言っても惜しいのは莉杏です。闇照編から翔編で流牙と接近していって、さあどうなるかと思ってたんですが、ハガネ編にキャスティングされてない。惜しいと思う理由は主に2つありまして、風格を増した莉杏が見たかったことが1つ。鋼牙編では邪美が後の作品になるほど凄みや信頼感が増してまして。それを追っかけるように烈花も。

 莉杏演じた南里美希さんも今は35歳でして、もし莉杏役でまた出てくれたら実力派法師の迫力あるはず。そういう存在感ある莉杏が出てくれたとして、期待したくなる2つめは、鋼牙編でいえば雷牙ですね。つまり次世代。流牙と莉杏がくっつくのはもう強く暗示されてます。勝手な妄想ですが、仮にハガネ編で鎧を受け継ぐ男子誕生となりますと、その次代黄金騎士がまたもジンガと遭遇とかあり得ないとは言えなくなってきます。

 しかし登場人物完全一新となりますと、その辺りは望むべくもないのかも。願わくは莉杏はサプライズとして隠されている、と思っておきたい(^^;。

●マーベルズ

 スパイダーマンを「ノー・ウェイ・ホーム」まで観終えて興味が高まっているところでしたんで、キャプテン・マーベルシリーズのご解説は大変ありがたく、タイムリーです。もっともサノスの事件の2作すら観ておらず、TV放映を待ちながら、ネット上の文字面の知識だけで何とか理解をしようとしているところです。

 キャプテン・マーベルについてもちょっと調べてみますと、初出は男性キャラクターで途中からミズ・マーベルだった女性ヒーローが引きついたみたいですね。これも米国の「ヒーローの商標等は出版社が保有」ゆえになせるところなのかも。キャプテン・マーベルですから、名前からして会社の看板背負ってる感じがありますな。

 スパイダーマン映画でTVではカットされたシーンをこちらで伺って、そのときは「なんで宇宙人とすり替わった?」と思ったんですが、外宇宙の2種族の対立が背景にあったわけですか。

 最初はスクラル人の侵略と迎え撃つクリー人と思ったら、実はスクラルのほうがクリーに滅ぼされかけてたと。ちょっと昔の「海のトリトン」を思い出すものがあります。トリトンも最初は「トリトン族を滅ぼさんとするポセイドン族」と思ったら、(非常に大雑把に申せば)逆だったというショッキングな結末でした。

 それはともかく、善き隣人として戦うスパイダーマンをもっと面白がるには、その外側で何が起こってるか知ったほういいというわけですね。サノスの事件が何とかなって(いや、本当になってるのか?)、それで平和というわけじゃなかったのか。ニック・ヒューリー(偽物じゃないほう?)にせよ、SHIELD及び後継組織にせよ、各々のアベンジャーズヒーローにせよ、それぞれジグソーパズルのピースみたいな感じがします。

 言い換えますと、アベンジャーズヒーロー世界史みたいなものがあって、その中での個々のヒーロー、個々の事件という感じですね。そういうまとめ上げ方ができたのは、スタン・リーが全体構想をまとめてくれていたお蔭という面があるはずですが、2,018年に亡くなってからは、どうなってるんだろう。

 DCヒーローのほうは「フラッシュ」視聴で興味が高まり、アローバースに範囲広げて追っかけてました(ライダーと戦隊への興味が高まり、時間配分できなくなって今は休止状態)。マーベルヒーローもスパイダーマン面白かったんで、次にTV放映されるものの面白さいかんでは興味高まるかもです(サノスの事件の2編、やってくれないかなあ)。

Re: 11月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/11/30 (Thu) 23:33:50

 今月最後の特撮定例感想です。

★ガッチャード

 ドレッドの正体が、敵に強制的に変身させられた錆丸先輩ってことで、りんねさんではないものの、部分的に的中でした。

 問題は、釘宮リヒトのポジションが、まだ敵か味方かはっきりしないところですね。
 スパナさえ倒される今回の状況で、助っ人に駆けつけると心強いヒーローになれたのでしょうが、相変わらずの様子見でグレーゾーンのままの立ち位置。
 果たして、何を目論んでいるのやらってところですね。

 そして、前後編ではなく、前中後編で展開するのかな。
 今回は、UFOXがくれたX剣が最後の希望ってところでしたが、敗北のまま、かろうじて脱出できたところ。もはや、学生にどうにかできる問題じゃなくなった、とミナト先生が「上に掛け合ってみる。でも期待はできない」とか言ってるし。
 だったら、上層部は何のためにあるのやら、錬金連合は?

 ともあれ、お気楽ケミー集めから、急に生死をかけたハードシリアスなストーリーに展開して、この流れでクリスマス決戦に突入か。
 で、冬の劇場版(12月22日公開)までには、一つの片が付いている形なのかな?

 いろいろ気にしつつ、とりあえず、一つのクライマックスの時期に突入したのを楽しみたいと思います。

★キングオージャー

 アイドル・リタが、ゴウマによるすり替えという予想は外れで、ストレートに本人だった。ただし、潜入工作のため、と最初から言っていたのを、周囲の人物が全て信じずに勝手にリタの内心を推し量って、話を錯綜させていただけの話。

 実は、本人としては非常にストレートな不動の捜査任務だったのを、周りがややこしくして、むしろ頭空っぽにして見ていた方が良かった回だった、と。

 ともあれ、こちらの予想としては、

>ダグデド様秘蔵の仮想アイドルとか?

 という部分だけ、当たらずと言えども、遠からず、と言ったところ。

 生駒里奈演じるイコ・マリナが、ダグデドさん一推しアイドルってことで、突然のゲスト出演。
 ええと、彼女は特撮好きアイドルとして知られていて、『風都探偵』の舞台で鳴海亜樹子役だったり、ジオウとゼロワンの冬映画で敵のタイムジャッカー女の役をやっていたり、とりあえずライダー絡みで名前を売ってたら、
 突然、戦隊にまで顔出しですか。

 まあ、本当に顔見せ程度の役なんですが、もう、今回は本当にただのアイドル祭りですね。
 多分、今期のエピソードで、一番ドラマ的中身の薄いお遊び回なわけですが、そこで思いがけず、スポットが当たったミノンガンに、こちらは少しがっかりしました。

 いや、てっきり彼がシュゴッダムのラクレス様になりすましたりしているのでは? なんて思ってたので、そうでないことが今回分かったので、
 いろいろとまあ、想定していた今後がこんがらがって、ムムム? となっている気分ですね。

 とりあえず、相変わらず一筋縄ではいかない展開で、予想が当たらない作品ですが、次回はヤンマのンコソパの決戦回かな。
 最近はロボ戦が本当にやらなくなって久しいですが、さすがにクリスマス販促ノルマを果たさないといけない時期ですので、次回以降はクライマックスのロボ戦を期待したいと思います。

 本当に、ここまで毎回、怪人を倒して、巨大化した怪人をロボで撃退、というお約束を顧みない戦隊というのも、珍しいというか、その意味で見ていてハラハラしますよ、まったく。
 スポンサーは怒ってないかなあって。

 個人的には、やはり戦隊ロボ好きなので、ロボが活躍しないと不満を覚えている次第。

★ゴブスレ補足

 ええと、次回予告ですが、週半ばごろに公式サイトで、あらすじが挙がってくるんですね。

https://goblinslayer.jp/story/episode9/

 で、これを見て思ったのは、「先に2章の海編と、3章の都行き展開を見せる」ようですね。
 サブタイトルは1章の過去編なのに、予告では過去編ということは一切触れられていない。
 ということは、都へ行く途中に、剣の乙女がゴブスレ一行に、11年前の自分の冒険を語るシーンを展開するのかしらん。

 原作とは異なる、再構成された話の流れなのかなあ、と思いながら、金曜夜の放送がどうなるかを期待しつつ。
 

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