創作と鑑賞の談話室

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12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/01 (Fri) 00:01:01

 12月の雑談スレッドです。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/02 (Sat) 11:45:41

 定期的なゴブスレ感想です。

★ゴブスレII(9話)

 原作8巻の1章から3章までを忠実に、だけどダイジェスト的に再現。

 だけど、前話と同様に、アニメ視聴だけで話が分かるのかな、と思うぐらい端折ってますな。
 例によって、状況説明一切なしに、シーンが切り替わるうえに、1期に見られたアニメオリジナルの再構成は一切使わず、いろいろ細部を削って、要所要所を抜き出して、何とかまとめた形。

 とりあえず、原作の章ごとに感想を述べてみます。

●1章「かつてあった青春 今そこにある灰」

 9話のサブタイトルだから、もう少しボリュームがある過去編を見せてくれるかと思えば、OP前のアバンだけであっさり終了。
 映像演出的に古いフィルムのような処理が施され、昔の話だと分かるようにはなってますが、せめてテロップで「11年前、死の迷宮」といった舞台説明程度は、アニメ版のみの視聴者に分かるようにして欲しかった。

 まあ、「死の迷宮」は本作クライマックス(11話から、と予想)で、ゴブスレさんたちが突入する舞台になってますので、今回のアバンはそこに向けての伏線だと思ってくれたらいいのだけど、
 過去編については、もっと外伝要素を混ぜて膨らませてくれることを期待して予想していたら、原作の7ページをほぼ忠実に再現していて、映像としては問題なし。

 ただし、OPカットの6英雄のシーンの期待度に比べて、本編では6英雄がどういう人物なのか紹介すらされずに、原作読んでない人には非常に不親切な作りに思えました。

 一応、参考までに、ダイ・カタナの公式コミックサイトと、分かりやすいpixivの紹介ページ。

https://www.ganganonline.com/title/49
https://dic.pixiv.net/a/鍔鳴の太刀

●2章「かみきり丸、南の海へ」

 ストーリーの重要さ的に削られるなら、この章かなと思っていたら、きちんと描写しておりました。
 ただ、クライマックスの大海蛇との戦闘シーンだけで、半魚人(鰓人ギルマン)とのやり取りはかいつまんで。

 海ゴブリンが漁場を荒らしていると聞いて、ゴブスレさんたちが出向いてみたら、漁民たちから海ゴブリン呼ばわりされていたのは、ギルマンという平和的な別種族で、いっしょにしないで欲しいと抗議される。
 ゴブリンじゃないなら帰ろうとするゴブスレさんを何とか説得して、ギルマンからの情報で本当に漁場を荒らしている元凶の大海蛇を退治したわけですな。
 しかし、事件は解決したにも関わらず、頑なに「ゴブリンじゃなかった」からギルドからの報酬は固辞するゴブスレさん。

 それでも、ギルマンからお礼にもらった海のお宝(サンゴとか真珠とか、キレイな貝殻とか)を分配する一行。

 なお、原作ではこのシーンで、重戦士やら魔女やらが声をかけてきて、別パーティーとの顔見せ的な交流も描かれるのですが、そこは割愛。ストーリーに関係ないので納得ですが。

 そして、綺麗な貝殻を牛飼娘にプレゼントするゴブスレさん。
 町から牧場に帰る際に、牧場主のおじさんとのちょっとした会話もあるのですが、アニメでは割愛。
 ええと、おじさんはそろそろ、年齢的に一人で牧場経営を続けるのが厳しいと感じて、牧童でも雇うかと考えながら、見ず知らずの男を姪っ子に近寄せたくはないし、と考えていたときに、ゴブスレさんが帰ってきて、
 「この男が冒険者なんてやめて、牧場仕事を手伝ってくれたら」と内心、思いつつも、現状は無理ということが分かっているので、ため息をつきながら、当たり障りのないやり取りをかわすシーンです。

 そして、牛飼娘にプレゼントを渡して、「明日は冒険が休みだから、牧場仕事を手伝おう」と約束するゴブスレさんですが、剣の乙女の来訪と都行きの依頼のため、約束がキャンセルになったところが、アニメでは割愛です。

●3章「小鬼殺し、都へ行く」

 今回の大筋はこれなので、サブタイトルもこちらの方が良かったのでは、と思った回でした。

 牛飼娘に約束を守れなかったことを詫びるシーンが削られたことを除けば、ほぼ原作どおりです。

 ただ、アニメの演出として、ゴブスレさんが牛飼娘に急な出立を告げるのを見つめる女神官の表情が曇っている。
 アニメでそのシーンを見ると、「嫉妬してるのかな?」と思われましたが、原作のその部分は「ゴブスレさんの急な出立に、ああやって笑顔で見送ってあげる彼女はすごいな。私だったら心配して、笑顔で送り出すなんてできないだろうに」と、ゴブスレさんを放っておけずに付いて行く自分と比べて、表情を曇らせる内心で、
 女神官さんは牛飼娘に対して、敬意は持っても、悪意は抱いていない。友人ですから。

 一方、剣の乙女は牛飼娘に対して、嫉妬心を垣間見せていますね。
 だから、その夜、ゴブスレさんに言い寄るわけで。

 まあ、いつものゴブスレさんの朴念仁ぶりと、起きて来た女神官さんと、ゴブリンの襲撃で、結局、空回りに終わるわけですが。

 その後、都へ到着して、門前で並ぶ群衆に混じっての待機時間。
 原作では、観光客向きの食べ物屋台なんかが設置されていて、鉱人道士が時間潰しに買い出して来て、この世界の食べ物蘊蓄談義があったりするのですが、そこは割愛。

 「都でチーズがよく売れる」という話を聞いたゴブスレさんが、「ほう、それは良いことを聞いた」と牛飼娘の牧場を慮った発言に、
 またも嫉妬モードの内心の剣の乙女さん。

 その後、税収のために遠出していた国王の馬車の登場。
 ここで、この時期が収穫の秋だと分かります。
 季節的には、6巻が春で、7巻が夏で、8巻の海が残暑の時期になりますか。

 その際、冒険者ギルドの運営も王都からの税で成り立っているなど世界観解説があったり。

 そして、門衛に疑わしそうな目で見られるゴブスレさんと、彼の身元保障する剣の乙女(大司教)の威厳に平伏するシーンは、アニメでも描写。

 そして、ラストに、「姉を都に連れてきたかった」と感慨深げに城門を見るゴブスレさんと、何も知らない女神官さんが「きっと、いつかそういう機会がありますよ」と善意の励ましを述べるわけですが……。

 「あれば良いな」の複雑なゴブスレさんの応答、で今回は続く。

★次回予告のあらすじ紹介

●4章「都邑の冒険」(次回のサブタイトル)

 その前に間章として、王妹殿下がお城を抜け出すことを考えるシーンが5ページほどはさまって、

 次回は都で男性陣と女性陣が別行動です。
 男性陣は剣の乙女を神殿に送ってから、『黄金の騎士亭』という酒場で飲み会ですな。
 そこで、6英雄の昔話などの話題も出たりして、今回のアバンのフォローが為されるかな。

 一方で女神官さんと連れの妖精弓手は、女神官さんの要望で、亡くなった女魔術師さんの墓参り。
 妖精弓手はその魔術師さんのことを知らないけど、弟との関係性を女神官から聞いて、昔のことで落ち込み気味な彼女を励ますために、都の散策の中で『サウナのある浴場』を見つけて、まあ、いわゆるサービスシーンになるのですが、

 そこで重要イベントが発生して、女神官の装備が全て、王妹さんに盗まれてしまうことに。お礼の宝石が残されていたのですが、女神官にとってはゴブスレさんが最初に勧めてくれた思い出の鎖帷子が失われたことで、もの凄くショックを受けることになるわけですな。

 女神官の装備を盗んで冒険者に扮した王妹さんは、気楽に『異変が起こっている北の霊峰の調査』に向かおうとするのですが、その途上でゴブリンの襲撃にあって拉致されてしまいます(魔神王復活のための生贄にしようとする、邪神崇拝者の企み)。

●5章「舞台裏の役者たち」

 北の霊峰で起こった異変について、国としてどう対処しようかという宮廷会議のシーン。

 かつては冒険者だった国王(兄の昔の冒険の話を聞いて、妹もお兄さんにできることなら私も……って気になった経緯もある)と、国の重鎮、そして会議参加者の剣の乙女を交えて、今の世界で何が起こっているのか、話し合いが為されます。
 そこで改めて覚知神の話題が出ることにもなりますな。

 また、貴族の令嬢である令嬢剣士改め女商人も、冒険者の訓練所の責任者として抜擢されて、会議に参加しております。
 自分の立場を踏まえて、冒険者のバックアップを務め、剣の乙女の推薦もあって、ゴブリン対策を推奨する派閥を形成。

 その席上で、王妹殿下が冒険者に扮して、ゴブリンに拉致された報告が為されて、会議が紛糾。
 そして、ゴブリンがかつての魔神が巣食った「死の迷宮」(異変の起こっている霊峰近くにある)を拠点にしているらしいという情報が入って、救出のために「信頼できる冒険者」を派遣しようという流れになり、

 女商人の案内で「ゴブリン退治なら俺が行こう」とゴブスレさんが王侯会議の場に踏み込む、と。
 剣の乙女の代理人として、また一行の仲間の女神官が王妹によって装備を盗まれた縁もあって、今回の事件の当事者であるということから、王妹救出ミッションに突入する予定。

 ともあれ、過去編は予想よりもあっさり風味だったのを、残念に思いつつ、次回がドラマ的には大いに盛り上がる仕込み回だと思いますね。

 国王とか王妹とか、この世界における重要人物の紹介も含めて、かなり密度の濃い展開になりそう。

 その後は2週間かけて、『死の迷宮』の攻略話をやって、今期終了かもしれませんし、1期に準じるなら、10話と11話の間に特別編があるかもしれない。

 とにかく、ストーリー展開のクライマックスは次回で、バトルアクションとしては、最終2話でたっぷり見せてもらえるものと期待しています。
 今回はこれにて。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/04 (Mon) 00:36:48

 定期感想その1です。

●ゴブリンスレイヤーII(第9話:かつてあった青春 今そこにある灰)

 アニメ公式サイトの予告のご紹介、ありがとうございます。全く気が付いてませんでした。ウィキペディアは感想書くときに毎回参照するんですが、アニメ公式サイトは2期開始時にちょっと見たくらい。どのキャラクターにどの声優さんが、くらいしか参考にならないと思って油断してしまいました。残り3話となりましたが、視聴前の予習に役立ちそうです。

 今話はかなり内容を盛り込んでるようでして、もし自分が何も教わらず、調べずで視聴してたら、チンプンカンプンだったかも。いろいろ伺ってましたんで、初見でも何とか分かったつもり程度でついて行けた感じです。そして、こちらですぐに投稿していただいたご感想・解説を踏まえて観なおして、何とか分かりました。いつも助かっております。

 まず冒頭からは画質がおかしいシーンからでして、ちょっと戸惑いました。たぶん回想なんだろうなと思いましたが、神官らしき目に黒い布で「剣の乙女さん?」と思い、まだ少女然としていることから「10年前の魔神王討伐かな?」と。観ていくとダイ・カタナの和風の兜の戦士登場でして、ようやく何を観ているか確信しました。

 とはいえ、確かに10年前のことかどうか、台詞内容からは分かりませんでした。こちらでご指摘の通りですね。映像的には剣の乙女さんの目の帯が手掛かりに。2期だけでも同一人物と認識できますが、1期を知っていればゴブリンに目を焼かれた後だと分かる。この後の都行きで剣の乙女たる者がなぜゴブリンを恐れるかも分かる。

 しかし観ていない人への最低限の配慮として、このシーンでも「ゴブリンでなくて、本当によかった」という台詞がありますね。自分としては、ゴブリンを恐れる剣の乙女さんしか見てこなかったんで、ゴブリン以外ならたとえグレーターデーモンでも一歩も引かない英雄ぶりを確かに見せてもらって納得を深めました。

 それも見た目はちょっと幼い感じで、たぶん今の女神官さんくらいなんだろうなと思えます。その頃からこの戦いぶりであったわけですな。それでも確かに10年前かどうかは見た目では確かな感じとはいえません。なにせ目を隠してますんで。アニメの絵ですと、目は(精神年齢含めて)年頃をよく表せます。

 女神官さんですと、1期序盤では目を表す線(まつ毛があるライン)が丸い感じなんですが、次第に直線的に変わってきているようです(もっとも、1期と2期の作画の違いだけかもしれませんが)。もし剣の乙女さんが目を見せてくれたら、10歳の差を表せるかもしれませんが、いかんせん目を帯で隠してます。

 しかし10年くらい前だろうとはっきり分かるものがありまして、声ですね。回想シーンでは今の剣の乙女さんとは違う、少女らしさがある声になってます(声質も喋り方も)。女性声優さんは子供役もやることがありますんで、そういう技術を持ってるんでしょうね。それを同じキャラクターに使うと、大人にも子供にもなれると。プロって凄いなと改めて思った次第。

 過去シーンが終わりますと、いきなり海での討伐でしてちょっと混乱しました。ゴブスレさんらが(前のいかだとは比較にならないほど大きい船で)デカい海蛇みたいのと戦ってますが、いきさつはまた映像効果入りの回想シーンで。冒頭の10年前と同じにフィルムの傷を思わせるエフェクトでして、女神官さんらがいなければ時代が分からなくなりそうです。

 ともかくも海ゴブリンと聞いて討伐に来たら、鰓人/ギルマン/ホモ・ピスケシアンだったというわけですね。ギルマンって何かと後で調べたら半魚人という意味ですか。こちらでは先月初旬に、人魚が海ゴブリンと間違われて、と伺い、下旬に人魚でなくて頭が魚の「魚人女子」と伺い直したのを覚えています。それがこれでしたか。「星の海より降りきたれり大いなる蛸神様」が祖とのことですが、クトゥルフのことらしいですね。

 ゴブリンじゃないとガッカリのゴブスレさんですが、パーティメンバーに引っ張られて渋々討伐。しかしやると決めたらきちんとやるのがゴブスレさんでして、シーサーペントには妖精弓手さんの矢が通らず、投げ槍も効きが悪いと分かると「あれは魚か、蛇か」と蜥蜴僧侶さんに確認する。

 自分は最初、ちょっと意図が分かりませんでした。どっちでもいいから強い攻撃叩きこむしかないんじゃないかと。そう思い込んでいたため、初見では「ウォーターウォークの術」に注意が行かず、どうやって勝ったのか理解できず(自分が苦手な夜中でしたし)。翌朝、録画を見直してようやく理解しました。

 蜥蜴僧侶さんがシーサーペントを魚だと判断したんで、体が水に沈まない魔法「ウォーターウォーク」をかけたわけでしたか。鰓呼吸だから水(海)から出されたら窒息すると。ゴブスレさんの台詞にもちゃんと入ってたのに、すぐに気づけずでしたorz。

 しかしギルドに帰っての受付嬢さんとのやり取りがコントでして、ここは夜中に吹きました。こちらでは当初依頼のゴブリンではなかったから、たとえシーサーペント討伐があっても、報酬を固辞したと伺ってまして、確かにそうではありますな。しかし、ゴブスレさんがひたすら「ゴブリンではなかった」と繰り返すのが、別の感情がありそうに思えまして。

 なんだか「ゴブリンってゆったから行ったのに、ゴブリンおらんかった!」と駄々こねてるみたいに見えまして(^^;。応対する受付嬢さんが駄々っ子あやす母ちゃんみたいです。しかし、ここもちょっと分かりにくくはありますね。アニメ本編では「依頼はキャンセル」としか分かりません。キャンセルって普通は事前に発生するもの。行ったけどやめた、とは受け取りにくい気がします。

 それに報酬。パーティで宝物を分け取りにしてますな。「ギルマンが気前がいい」の台詞はありますが、さっと「ギルドから報酬を受け取ってないが、シーサーペント討伐のお礼に魚人女子から宝物もらった」とは分からない。

 しかし大事なポイントはよく分かりまして、ゴブスレさんがあえて金銭的には価値が低そうな貝殻を選んだ点ですね。美しいものではあるんでしょうけど、浜辺で拾って来たと言ったら信用されそうな感じ。ゴブスレさんが貝殻をどうするかと思ったら、牛飼娘さんへのお土産にしたかったわけか。

 女神官さんは一目で高価そうと分かる真珠でしたな。地母神に捧げるためで自分(女神官さん)のためでない点はゴブスレさんと同じですが、モノの値打ち基準です。ゴブスレさんの選択基準は「牛飼娘さんが喜びそう」、つまり相手の気持ち基準でしょうな。この2人、会話には表れてないところで気持ちは通じてるのかも。

 そう思ってみますと、なぜかシチューに目が行きました。今まで何度も出て来た料理ですけど、よく考えたらゴブスレさんが「姉」に作ってもらったことを覚えている料理なんでした。しかし味は思い出せないと。もしかして、いつかゴブスレさんは「この(牛飼娘さんの)シチューは姉の作ったのと同じ味」と思い出したりするのかな。

 しかし後半に入りますと、牛飼娘さんの強敵:今の剣の乙女さん登場。都へ行くんだけど、ゴブリンが出るから「殺していただけますか」と頼みに来たわけですね。海にゴブリンがいなくて駄々っ子になったゴブスレさん、たぶん大喜びで引き受ける。なぜか剣の乙女さんも嬉しそう(この後、だいたい顔がちょっと赤らんでる ^^;)。しかしお付きの方はちょっと機嫌悪そうかも(剣の乙女さんのラブレターの相手ですもんねえ)。

 ゴブスレさんはパーティメンバー引き連れて出立ですが、こちらでも伺った牧場での修羅場ですな(^^;。自分は初見では、ゴブスレさんと嬉しそうに話す牛飼娘さんを見る女神官さんが目を見開き、口をぎゅっとしてるので(への字までは行ってない感じ)、やきもちかなと思いました。しかし、あの表情は「死出の旅かもしれないと思いつつ、笑って見送れる牛飼娘さん」への尊敬だったわけですか。

 自分としては命がけで共に行くのも同じく立派と思えますが、やはり自分にできないことをやれる人には尊敬の念が生じるものなんでしょうね。ただ、守られるべき想い人と共に戦うバディの差でもある気がします。そこはゴブスレさんの意思と選択であることになりますね。ゴブスレさんが全力で危険から遠ざけ、守りたいのが牛飼娘さん。そのためにゴブスレさんは女神官さんを必要とする。女神官さんの表情が曇ったのは、そこを何となく感じ取ってる面があるかも。

 しかし剣の乙女さんはストレートな反応で、牛飼娘さんが同居人と知ると、まずため息。夜に入りますと「あたしじゃお嫌?」とばかりにゴブスレさんに寄って来るわけですな。ゴブスレさん相手のときは剣の乙女さんはとても子供っぽい。冒頭の討伐では15歳だったわけですが、それよりも幼くなってる感じです。絵的にはふくれっ面とかですが、やはり声の演技が大きいでしょうか。声質は大人なのに喋る調子は子供みたい。

 恋する乙女でありますが、ゴブリンに襲われたときから、ある面だけは成長/時間が止まっているという感じもあります。ダイ・カタナでは剣の乙女さんは「君」を慕っていたとのことですが、いずれアニメでやってくれるかしらん。その当時の様子が分かれば、今の剣の乙女さんがどういう状況なのか、もうちょっと分かりそうな気がします。1期では手練手管で落とすテクニックは持ってたようですが、本気面では10年前より奥手化してたりすると面白そう(^^;。

 ダイ・カタナ当時は分からずとも、剣の乙女さんがどう出るかとワクワクしてましたら、女神官さんが無粋にも目を覚ましちゃいまして中断。意図せず牛飼娘さんのための援護射撃した格好かも。これどうなるん、と思いましたが、異変発生。ゴブリンですな。事前に話があった通り、ライダー主体らしい。手のような印があるのも聞いてた通り。

 とはいえ、このゴブリンの群れは強敵・難敵ではなかった模様。武装も大したことないし、特殊なスキルとかも持ってない。逃がさないようにするのがちょっと難しいだけですね。ゴブスレさん「金床を作るぞ」と言って、妖精弓手さんを怒らせたりしまして、むしろコミカル&余裕ですな。

 ゴブスレパーティがこのゴブリンの群れをほぼ全滅させられたのは、巣穴を持たない群れだからということもあったかもしれません。巣穴がないから逃げ込む場所がない。襲って奪って逃げるという手は効かない。ゴブリンの思考としては、自分達と同じく、逃がせば仲間を呼んで追って来ると思うでしょう。ゆえに狙った相手は全滅させなければならず、逃げずに戦う傾向が出る。そこをゴブスレさんに突かれ、「金床」作戦で逆にほぼ全滅させられたんじゃなかろうか。

 しかし手の形の印を持っている点は何かあるはず。ということでゴブスレさんはその部分だけはぎ取って都へ持っていくわけですな。その謎はおいおい解けると期待することにします。とりあえずは、さすが都だけあって検問が厳しい点。門番/衛兵も都勤めのプライドなのか責任感なのか、やたら横柄ですな。

 原作ではその前に城壁周辺の賑わいの描写があるわけですか。都の繁栄ぶりとか分かりそうな感じでして、割愛されたのは残念。このアニメでも、もし冒険者ギルドが王都の運営と明かされるとなれば、都の富裕ぶりは説得力になるはずです。この後、王妹の事件が起こるとのことですが、王都が富強であればあるほど、王妹の重みも感じ取れる運びになったかもしれません(いや、まだその事件は先なわけですが ^^;)。

 しかし、ゴブスレさんが漏らした「一度、姉をここに連れて来たかった」に、女神官さんが「いつかそういう機会がありますよ」と返したのが印象が強い。ギクリとするほどです。前話では妖精弓手さんも知らずに「手紙書いてみたら?」と言ったんでした。ゴブスレさんの「姉」についての情報的なニアミスは、どうもドキッとします。

 次回「都邑の冒険(シティ・アドベンチャー)」は飲み会と墓参りに別れての落ち着いた雰囲気の後、王妹の事件発生ということですか。サウナのある浴場でサービスシーン作りつつ、王妹が装備盗み出す段取りにもなってるようですね。

 今話でおそらく初めて、女神官さんが鎖帷子の上に外套を着ずに行動してましたが、光らないいぶし銀になってたようです。反射性が低くて目立ちにくい。買い替えずに修理して使い続けたお陰なんでしょうな。そうしてきたのはゴブスレさんに褒めてもらった鎖帷子だから。それを盗まれるとなると、さて女神官さんの反応はどうかと気になります。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/05 (Tue) 14:20:01

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第13話:とりもどせ!ユージョーXフォーエバー!)

 前話がエクスガッチャリバーのお披露目、今話がそれを使った新フォーム:スーパーガッチャード・クロスUFO-Xのお披露目といったところですね。もう恒例と言っていいんでしょうか、本編登場直前のCMで先に新フォームが出てますな。

 スポンサー(玩具メーカー)的にはそこが大事なんでしょうけど、新アイテム・形態がきちんとドラマに織り込まれてまして、30分のCMとなってないのが観ているこちらには大切な点。

 冒頭、バッドエンドはどういうものかを宝太郎の悪夢で見せてくれてますね。ドレッドが宝太郎ではなく一般人の親友の加治木に襲い掛かる。これを止めようと、宝太郎がガッチャードとなって、新たに得た剣(エクスガッチャリバー)でドレッドを斬れば、強制変身の錆丸が死ぬ。かといって放置すれば加治木が、というジレンマですな。

 とりあえずは「夢で良かった」ですが(授業中の居眠りだけど怒られなかったし)、錆丸がドレッドの実験台として冥黒の三姉妹側に捕われているのは現実。一方、ミナトは錬金連合上層部(のはず)に直訴してスパイを調べる調査官がスパイであり、ドレッドが生み出されたとして対応を求めますが、前話での予想以上に取りつく島なし。

 錬金連合にはミナトが言うような報告は届いていないし、仮に事実であったとしても捕われた生徒を救出するのは不可能、放置せよということですな。それよりもケミーの回収を年内に、というわけか。その台詞がメタ的に「年内にケミー回収完了して、新年からは新たな展開」と示唆しているような気もします。

 この錬金連合ですが、仮面ライダーWEBによれば錬金術と術士を管理する組織でハリーポッターでの魔法省に相当するものとのこと。今話の描写を見る限りでは、硬直化しているか腐敗しているかといった感じですね。下手すると錬金連合そのものが黒幕という可能性すらありそう。

 ミナトと違って錬金連合を信用しないスパナは前話同様の方針で臨むようで、つまりは錆丸救出を前提としないドレッド打倒ですね。ミナトは錆丸救出を諦めてない様子。そのことは後のバトルでもちょっと記号的に暗示されてまして、ミナトが錬金術で速成した武器がさすまた。棒術的に使ってはいましたが、さすまたは本来は取り押さえるための武具。あくまでも不殺の意思ということなんでしょう。

 それはともかく、宝太郎、りんな、蓮華も打つ手なしで迷うばかり。敵の手中にある錆丸はドレッド変身の負担が重かったのか、ロクに動くこともできない感じですね。クロトーはそんな錆丸を見つつ、次の変身で死亡するとか不穏なこと言ってますな。次のバトルでですが、ラケシスはもっと正確に変身したらせいぜい10分しかもたないと。

 アトロポスは全て承知しているようで、もともと錆丸はドレッドドライバーの性能などを探るための実験台のつもりらしい。京都編ではレベル10のUFO-X捕獲を狙ってましたが、今話ではその動きは見せず。ドレッドにレベル10が必要なのかと思ったんですが、単純ではないのかも。もしかするとドレッドドライバー完成後、レベル10を使うと無敵なのかもしれない。

 敵側は悠々と計画を進め、味方側は手詰まり。のようでいて、悩む宝太郎に母:珠美が「悩むより探せ」とアドバイスすると、宝太郎は何かを悟る。悩んでとことん考え続けてると、そういう現象よくありますな。何かのきっかけでパッと明るくなるかの如くに答が見える。きっかけ自体は大した意味はない。
(「悩むより探せ」は不在の父の言葉とのことですが、今話に至るも家族写真の父の顔は隠されたままですな。こうなるともう最後まで父親が出てこないか、それとも重要人物かの二択な気がしてきます。)

 もっともまだ小悟でありまして、宝太郎はとにかく行動する気になっただけ。そこへ第二撃の加治木でして、UFOが出たと。これで宝太郎はハッと気が付きまして、前話のUFO-X呼び出しの成功は、(剣を授けられたにも拘らず)宝太郎に応じたものではなく、ケミー好きな錆丸の気持ちにUFO-Xが応えてくれたものであると。

 宝太郎は明言はしてませんが、おそらく「剣(エクスガッチャリバー)は、これで錆丸を救えとUFO-Xが託した」ということなんでしょうな。つまりUFO-Xは錆丸を助けたくて動いている。ゆえに、その剣でどうやって錆丸を救出するかを、錆丸を助けたいUFO-Xに教わればいいと。

 しかし宝太郎らが動き出す機先を制するかのように冥黒の三姉妹が高校を急襲。錆丸を使役しての、10分がタイムリミットのドレッド実験ですな。うまい演出ありまして、錆丸が強制的に「変身」と言わされるときに涙を流してますね。その直前に「ごめん」と呟いてもいます。自分(錆丸)の命より仲間を襲うのが無念と受け取れまして、観ているこちらもハッキリ「何とか錆丸を救わねば」という気がしてきます。

 そこからは冒頭の悪夢の再現でして、ドレッドは宝太郎らより、横で驚く加治木に銃口を向ける。ここでガッチャードとしてドレッドを直接阻止すれば錆丸の命が尽きる。とりあえずは錆丸度外視のヴァルバラド/スパナがドレッドに一撃入れまして、加治木は何とか助かる。

 ヴァルバラドの一撃も重くはなく、ドレッドもちょっと揺らいだだけ。とりあえず悪夢通りにはならずですか。前話ではドレッドに圧倒されたヴァルバラドですが、今話では何とかやり合えてますね。前話では実はスパナ/ヴァルバラドが必殺の気合ではなかったのか、それとも今話のドレッドは錆丸の抵抗が強いのか、あるいは瀕死だからか。スパナ/ヴァルバラドが「動きが鈍いぞ」と言ってるところからすると、やはり変身者の錆丸のダメージ蓄積が大きいからかな。

 とりあえずは少し余裕ができまして、ミナトは上述のさすまたで加勢しつつヴァルバラドは制止し、宝太郎らは屋上に急行、当初の考え通りにUFO-X呼び出しに取り掛かる。スパナ/ヴァルバラドも宝太郎らに協力する気になったらしい。

 宝太郎らは加治木も加えて呼び出しに必死ですが、UFO-Xは応えず。と思ったら、ドレッドの残る錆丸が「アイザック」を通じて呼びかけるとUFO-Xが現れる。宝太郎の推測は正しかったようですね。UFO-Xは宝太郎のみを「ウロボロス界」へ。第1話で出て来た世界ですな。そこで何かを授けて現実世界に戻って来る。

 そこで新フォーム:スーパーガッチャードクロスUFO-X登場となるわけですが、何だろこのデザイン。少なくともアクション向きではないですね。前の「ライトニングジャングル」と同じくらい動きにくそう。いや、フォーゼのマグネットステイツの動きにくさと似ているかも。

 それはともかくとして、機能は攻撃向きではなくて、UFO-Xの力を宿した剣で、ドレッドから錆丸を切り離すことらしい。ケミーに憑依された人を救うのと似ているかも。錆丸から切り離されたドレッドはある程度は動けるようですが、もはや敵ではなく簡単に撃破される。が、アトロポスは動ぜず、どうやら所期の目的(ドレッドドライバーのデータ収集)は果たしたらしく、ドライバー抱えて去ると。

 もっとも、宝太郎らも所期の目的達成ですね。錆丸を救出できたわけですから。いや、UFO-Xを仲間としてカードに封印できたから、それ以上かも。敵味方、どちらも勝つという結果になっちゃったようです。

 次回「パクっとレックス!キケンなエックス」では次のレベル10ケミー:Xレックスですか。人を食うとか言ってまして何やら物騒ですが、たぶん言葉通りの意味ではないんだろう。

●王様戦隊キングオージャー(第39話:ンコソパ頂上決戦)

 今話はンコソパ国奪還作戦ですが、ヤンマらしからぬ(^^;)力押しのようでいて頭脳作戦でした。もっとも力尽くでは負けることは冒頭でヤンマが述べた通りでして、(別格のダグデドは措いとくとして)五道化がふざけているからチキューごと滅びずに済んでいるだけ。

 そこで前話でヒルビルがンコソパを不在にした隙を突いて奪還したウルコン(ウルトラコンピューター)を使って、力で互角以上に持ち込む態勢を作る作戦。各王/オージャー戦士の剣(オージャカリバー)は使えば強敵(五道化)を倒せるが我が身を滅ぼしかねないほどの力が秘められており、その封印を解くには剣に「隠しコマンド」入れる必要がある。

 そのためにはンコソパの本丸(ペタ城)でウルコンを接続する必要がある。が、普通に突入しても上述の通りの力の差でたどり着けないのは明白で、囮を混ぜて撹乱する作戦計画。6戦士に5つのダミーウルコンと本物1つを持たせて突入。敵を欺くには味方から、ということでどれが本物のウルコンかは、配ったヤンマですら分からなくしてある。

 ヤンマによれば、この作戦が敵に漏れたらお終いだからとのことですが、早々にダグデド側に察知されているわけですね。チキューでの「お遊び」が進まないダグデドが業を煮やし、叱咤して送り込んだ五道化がンコソパで既に迎撃の配置についている。オージャー戦士側は各々が本命かもしれない撹乱要員のつもりですから分散して侵入しており、戦力差からむしろ敵の各個撃破の餌食になる格好に。

 これは敵が一枚上手だった、となりそうですが、ヤンマの持つ最後のウルコンもダミーと明らかになる。じゃあどうすんのと思ったら、ウルコンは実はもう「隠しコマンド」を解明しており、その操作にはシオカラが密かに向かっていたわけですね。実は作戦勝ちはヤンマ側だったというわけで、オージャー戦士は新たな力を得て快勝。

 しかし敵側も内部分裂・策動がありまして、追いつめられたヒルビルを見捨てて去ろうとしたゴーマがなぜか入れ替わりの術でヒルビルを助け、自らは代わって倒されてしまう。ゴーマ自身もなぜそうしたか分からなかったらしい。

 が、種明かしはすぐにされてまして、ラクレスが黒幕だったわけですね。五道化の一角となりたいラクレス、ンコソパを実効支配するヒルビルをそそのかし、万が一の場合にゴーマに身代わりとなるよう洗脳の術を掛けさせておいたと。

 ラクレスのその動きは当然、ヤンマ側の突入作戦を前提とするものでして、カグラギの内通で知ったらしい。カグラギ、ゾンビ化した前王イロキとの決着で裏表なくなったかと思ったら、逆に腹の一物がデカくなってたらしい。ラクレスもラクレスでして、ダグデドに取り入りたいだけのなのか。しかこちらで伺った偽物説も自分的に有力になってきてます。

 そこまで分かりますと、冒頭からの流れも再解釈したくなります。カグラギはラクレスにヤンマの作戦を漏らしただけなのか。敵に漏れていることをヤンマにも伝えてあるんじゃなかろうか。もっともキングオージャー側の動きが筒抜けなのは、以前にジェラミーが察し、他の戦士にも伝えてあったりしますんで、カグラギがダブルスパイとまでは断言まではできませんが。

 ともかくも、決行前にヤンマが「敵に漏れたらお終い」と言っていたのは敵を欺く嘘、ミスディレクションだったのかも。だからこそ6つのウルコン全てがダミーであり、しかもウルコンは既に所期の目的を達成済だった。

 作戦の本命はシオカラであったわけですが、それを示唆する伏線描写がちょこっとありましたな。突入直前の戦士集合でシオカラもいました。戦士が左右に分かれて去ると、シオカラは右へ向かった戦士に手を振る。しかし左には振り返らず、別の方向を見据えてました(たぶんシオカラの突入路の方向)。シオカラが別動隊&本命であることを示唆する仕草ですね。

 ヤンマの作戦立案・指導も表向きの作戦が敵に漏れることが、そもそもの前提だったようです。となると、カグラギがラクレスに内通していることを知っているはず。もしかすると、カグラギが「こうなるから、こうすればいい」とヤンマにこっそり伝えてあったのかもしれない。

 これに対し、五道化は錯綜した情報漏れに気付いてなかったみたいですね。ラクレスから一部伝えられた格好のヒルビルですら、例えば6つのウルコン全てがダミーであることは想定外だったようですし。ゴーマに至ってはヒルビルに利用されたことすら分からないままに敗死。

 結果的に申せば、ンコソパ国を取り戻したのみならず、新たな剣の力を解放して五道化と力で並んだキングオージャー側の勝ちでしょうか。しかしラクレスは漁夫の利ということで、やはり勝ったといえそう。五道化の一角に加われそうですし、その後のことも何か狙ってそう。

 ちょっと分からないのが、前話からおかしな動きを見せているミノンガンです。ミノンガンもラクレスと同じく、敵側で不可解な動きを見せてます。今話でも、リタ/パピヨンに「お前は何なんだ!」と前話からの疑問をぶつけられると、「1つだけ教えてやる」と答える。ここは期待したんですが「ミノンガン強い」とだけで、ちょっとガッカリ。

 ただ、そこからリタ/パピヨンが倒される描写は飛ばされ、倒れているパピヨン(変身解除してない)が映されてました。その間、リタはミノンガンから何か聞いたのか気になります。それ次第ではミノンガンとリタは本気で交戦しなかったかもとか、妄想がいろいろ膨らみます。

 次回「我は王で王子なり」ではまたキョウリュウジャーとのコラボのようですね。といっても、明示的に予告されているのはプリンス(桐生ダイゴロウ)。ドラマの本筋は「(邪悪の王)ギラによってチキューは滅びる」なるラクレスの策動らしい。そこをキングオージャー・キョウリュウジャー/チキュー・地球の共闘でひっくり返していくのが終盤の流れになるのかしらん。

●次の戦隊

 こちらで「爆上(ばくあげ)戦隊ブンブンジャー」と伺って、自分でも少しネット検索を試みておりますが、未だはっきりしませんな。12月下旬には正式発表されるらしい。現時点での出典は東映の商標登録みたいですね(9月11日付)。

 それと関連するかもしれないのが、AKBが似た名前の「爆『走』戦隊ブンブンジャー」なる戦隊パロディをやったということらしい。そのうち1人がギター抱えてたんで、「バンド系音楽」という予想が出てるのかもしれませんな。

 暴太郎戦隊→王様戦隊と、以前とは異なる作風が続いてますが、次もさらに捻るのか、それとも王道に帰るのか。どちらでも自分としては歓迎したい。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/08 (Fri) 00:46:37

 12月に入って、いろいろ気忙しくなって来ました。
 番組鑑賞の方も、あれこれクライマックス時期に入って、また来年の準備なんかもいろいろ話題になりそうなタイミング(牙狼新作とか、BASTARD2期とか)。

 個人的には、2024年が『D&D50周年』なのと、辰年なので、ファンタジーRPG業界があれこれ活性化しているので、いろいろ懐かしさで目移りしていたりも。

 そういう状況での特撮定例感想です。

★ガッチャード

 錆丸先輩は無事に救出完了して、鬱展開にはならず。

 で、ドレッドドライバーは敵に回収されたけど、別のキャラがドレッド2号になったりするのかな。
 それとも、ドレッドドライバーが、ボスキャラ復活のキーアイテムその1になる可能性もあるかな。

 一方で、錬金連合という組織が全く当てにできない組織ということが分かって、
 スパナも、上層部には期待していないムーブとか、
 胡散臭いリヒト氏の思惑がまだ読めんとか、
 学生たちのアカデミー以外の組織や各人の立ち位置がはっきりしない状況ですな。

 ケミー回収任務も、上の命じるままに集めた先に、何が起こるのか全く読めない現状で、年明け前後にいろいろどんでん返しが来そうですな。まあ、例年通りといえば、そうですけど。

 今年はギーツとコラボで、彼らがケミー化する?
 果たして、どういう展開を見せるのかを気にしつつ、次回のネタはスーパー恐竜タイムか。

 戦隊とネタ被りしてますな。

★キングオージャー

 CGエフェクトが凄いアクションを見せているんだけど、凄い派手なだけで、感心はしても、感動はしない回。
 というのは、パワーアップもここまでの伏線がなく、唐突に隠しコマンド云々言い出して、サプライズではあっても、溜めがない。

 さらに、スーツアクターさんが凄い動きをしていても、CGエフェクトと混ざって、人間の動きが見えない。
 どこまでが実写で、どこからがCGか混ざり過ぎてしまうと、「人間が生で凄いアクションをしてるから心底感じ入れる派」の自分としては、素直に評価しにくいわけですな。

 ロボ戦とかで、着ぐるみロボが凄い動きを(CGの助けで)見せたり、ミニチュアギミックが仕込まれたりのライブ特撮な工夫が見られると、おおって思えるのだけど、
 全部CGだったり、リアルさを飛び越えすぎると、自分の好みじゃなくなって来る。

 まあ、物語としては、王様たちの逆襲で、ンコソパ取り返して、ついに次回はシュゴッダムに乗り込むのかあ、と思ってたら、
 ギラの邪悪化? プリンスふたたび? 
 またサプライズな次回予告で、楽しみは楽しみなんだけど、素直にクライマックスで盛り上がろうって一直線な勢いを、戸惑わされたというか、サプライズに次ぐサプライズは凄いんだけど、素直に王道な燃え街道をストレートに進みたいのに、ヘアピンカーブだらけのレース場で、事故らないか、と心配だ(苦笑)。

 要するに、自分は技巧に凝った今のストーリーよりも、ここまで来たら、王道で魅せて欲しいわけですな。

 まあ、一つだけ安心できたのは、ガブティラと合体したキングオージャーが一回だけの使い捨てフォームってことはなさそうってこと。
 プリンスが出るってことは、ガブティラも再登場して、できれば今度こそ、父親のダイゴが出て来たりもしないかな、と。
 キングオージャーよりも、キョウリュウジャーコラボで、前にやり残した文字どおりの醍醐味を見せてくれるなら、感じ入る予定。

 サプライズは確実に味わえるけど、サプライズと感動はまた違うわけで、うまく、こちらの気分にフィットした盛り上がりを見たい、と。
 サプライズは、ヘッ? という気持ちになるので、それだけじゃ素直に感動には至らないわけで。

 結構驚いた、意外な展開に凄いと思った、ということは多いけど、感動とは違う感情で、
 今のところ、この作品で感動したのは、「キングオージャーに5人が初めて乗り合わせた回」「レジェンドキングオージャー誕生回」「王様戦隊名乗り回」「コーカサスカブト城との20体合体回」の4回。

 感動ではないけど、戦隊ものとして普通に安心して見られたのは、「キョウリュウジャーコラボ前後編」で、

 後はまあ、次回予告を見て、マジかよ? ってサプライズで、毎回がビックリ箱的な楽しさ。
 うん、毎回、驚かせてくれるエンタメということで、それはそれで凄く面白いんだけど、ビックリ箱で感動はしないだろう、と。

 さあ、果たして、年内で感動のドラマは見られるかどうかを期待しつつ。

PS.なお、ガッチャードは、加治木くんがプチ感動を与えてくれています。一般人で、しばしば記憶を消されてしまう部外者扱いだけど、だんだん事件に絡んできて、そのうち重要な立ち位置に化けることを期待しつつ。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/10 (Sun) 18:12:42

 定例ゴブスレ感想です。

★ゴブスレII(10話)

 前回の感想で、あらすじを書いた通りの内容で、付け加えることはあまりないですね。

 あえて言うなら、ゴブスレさんたちが飲んでいた酒場の店名が『黄金の騎士亭』と言って、元々は「死の迷宮」のあった城砦都市にあった酒場が、そちらの都市が廃墟となったので、王都に店を移したということですか。
 そして、店のオーナーが6英雄の一人のハーフエルフの盗賊で……という裏設定は全く語られず。

 あと、WIZARDRYの酒場の名前が「ギルガメッシュの酒場」で、さらに本邦でギルガメッシュと言えば、「ドルアーガの塔」の主人公の黄金騎士と、「ファイナルファンタジー5」に登場した主人公のライバルキャラというのが有名キャラですが(最近はFateでのキャラがメジャーどころ)、
 とにかく、ギルガメッシュと言えば、黄金鎧というのが80年代と21世紀の定番イメージ。90年代だけはファイナルファンタジーで歌舞伎サムライと武蔵坊弁慶を合わせたようなキャラが盛り上がってましたが。

 FF5のギルガメッシュは弁慶よろしく武器をいっぱい集めるのが好きで、何度も主人公の前に立ちはだかるライバルなんですが、登場するたびに「レア武具を持っているので、主人公たちの盗むアビリティで隠し武具を狙われる人気キャラ」になってました。
 マニアックなアイテムコレクターは、ギルガメッシュと戦う度に、「盗む」に挑戦して、盗みきらずに倒してしまうと、セーブしたところからやり直して、とにかくギルガメッシュさんからレア武具を盗むまで挑戦するというこだわりようが。

 まあ、ウィザードリィもそうですが、ギルガメッシュという名前が登場するゲームは、アイテム集めがポイントになる作品が多い感じです。ドルアーガもそうですが。
 ところで、元はシュメール神話(古代メソポタミア)の半神王なので、西洋騎士のような黄金鎧を身に付けているのは時代考証的におかしいのですが、『ドルアーガの塔』のイメージが完全に根付いてしまった感ですね。

 で、そんな『黄金の騎士亭』で飲んでいたゴブスレさんたちですが、アニメで割愛されたのは「死の迷宮を攻略した6英雄の逸話」ですな。
 剣の乙女が昔、冒険者だったという話題はアニメでも語られていましたが、そのタイミングで、酒場の吟遊詩人が彼らの武勲詩を披露したりする場面が完全にカットされていました。

 いや、今回は話をいろいろ詰め込んだので、カットせざるを得ないのは仕方ないのかもしれませんが、「死の迷宮と、それを攻略した6英雄のエピソード」は次回で、剣の乙女が語るように改変されているのかな。
 そこを語らないと、アニメでは不親切極まりないわけで。

 前回のアバンの過去回想が、これからゴブスレさんたちが乗り込む死の迷宮であることは、アニメでは明言されていないので、原作情報なしにアニメのみだと、話がつながって来ない、とやや不安。

 あとは、都に初めて来た女神官がどうして女魔術師の墓の場所を知っていたのか、というシーンはカットされていましたね。
 剣の乙女を送って、至高神の神殿を赴いた際に、そこの侍祭さんたちと会話を交わして、他の神殿の場所を聞いたり(地母神殿とか挨拶の必要もあり)、墓の管理は知識神殿が務めているという話も聞いたみたいです。
 まあ、その辺の細部はアニメでカットされても構わないのですが、文章だと数行で説明される部分ですね。

 そして、今回の目玉は、王妹と女神官の初対面ですね。
 原作では、非常によく似ている。髪は女神官の方が長く、やや年上のように見えるけど、胸の大きさは王妹さんの方が上という記述があって、
 後で、女神官の衣装を着込んだ王妹さんが、「胸がきつい」のに閉口している場面があったり。
 そして、アニメだと、双子のようにそっくりな彼女たちをどう描いているかが注目でしたが、まあ、それなりに似ていて、それなりに違いも分かると言ったところ。
 声優さんが一人二役の可能性も考えていましたが、そこは似たような声質ながら、違う人ですな(小倉唯さんと日高里菜さん)。
 原作では、王妹さんの方が背が高いと書かれていましたが、後に王妹さんの方が妹キャラのイメージを強調するようになって行ったので、女神官さんの成長に応じて、背の違いは強調されなくなった感。

 アニメでは、活発な王妹さんと、おずおず控えめな女神官さんのキャラ性の違いもありましたが、絵面的には女神官さんの方が年上っぽい描き方かな。

 そして、初登場の国王ですね。
 声優さんは三木眞一郎さん。ええと、ダイ大ではヒムの声でしたが、キングオージャーの五道化カメジムの声もやってます。
 王子時代に、死の迷宮の探索をやってた冒険者ですが、6英雄の先輩にしてライバル・パーティーのリーダーでした。冒険者上がりの放蕩王子が闇堕ちした旧王を討伐して即位したという背景があるので、伝統重視の貴族が彼の足元を掬おうと陰謀を企てていたりします。
 ダイ・カタナにおいては、「世界を救うために死の迷宮の魔神王を倒さないといけない」という使命感で、侍主人公と競い合う騎士でしたが、父親の国王が永遠の命を求めて闇堕ちし、魔神王と手を組んで闇の軍勢で世界征服を目指したりしたので、王子の責任として世界を救うために、自ら軍を率いて討伐戦争を起こし、勝利したという経緯があります。なお、その戦争に蜥蜴僧侶も従軍し、鉱人道士の叔父も参戦したという関連もありますな。

 ともあれ、現国王は地上で軍を率いて闇の勢力と戦い、地下の魔神王征伐は6英雄に託した形。

 あと、ダイ・カタナの記述において、王子には双子の妹がいたのだけど、双子は縁起が悪いということで一方を孤児院に送った父親の所業に心を痛めたという話もあって、それが女神官である可能性が取り沙汰されているわけですが、あくまで外伝のわずかな記載であって、
 本編では、まだ確定情報が出ていない、と。

 ともあれ、現状の最新巻(去年に出た16巻)で、王妹暗殺計画を事前に察知した女神官さんが、王妹の影武者になって、悪徳貴族の陰謀を阻止した話もあって、
 続巻で、女神官の出生の秘密とか語られてもいい流れには来ているのですけど、その辺は、アニメで王妹が登場してから後に改めて、原作小説を進めようかって流れかな、と思っています。

 どうも、作者の作品傾向として、貴種流離譚が好みっぽいので。

 で、王妹と女神官の関わり、剣の乙女と令嬢剣士(女商人)とゴブスレさんの関わりを描いた後に、
「話は聞かせてもらった。ゴブリン退治なら、俺たちが行こう」
 と、王宮会議に颯爽と乗り込むゴブスレさんの格好いい登場で、幕ですな。

★次回予告

●6章「王女の受難」(次回のサブタイトル)

 特別総集編は、今期はなかったようで、普通に11話に流れるようですな。
 このタイトルは、日本オリジナルでゲームボーイで作られたウィザードリィ外伝1『女王の受難』(1991)のオマージュです。

 ここからは小説の各章のタイトルが、ウィザードリィだらけで、作者の新しい仕事の原案になっておりますな。
 このウィザードリィ・シリーズは、本国アメリカでは8作めで終了し、過去の遺物と化しているようですが、日本で独自発展して、たぶんシリーズに一番愛着を持って継続しているのが、日本人ではないか、という状況ですな。

 最初の作品がファミコンに移植される際に、末弥純氏の美麗なグラフィックと羽田健太郎氏の荘厳なBGMを付与して、パソコン版を発展進化させた名作にして、そこから国内のウィザードリィ・ブランドが高まって、さらに「アメリカ本国のウィザードリィが違うゲームに進化して、ブランド価値を消失した後も(原作者ももはや関わっていないし)、日本独自にどんどんウィザードリィの後継作品を作り始めたのが90年代」。

 で、剣の乙女がゴブスレさんに託すブルーリボンとか、地下4階が重要なポイントだとか、昇降機云々で、前巻からさらにウィザードリィ色を高めて、北の「死の迷宮」目指して、ゴブリンたちの追撃を開始する章です。

●7章「胎魔の鼓動」

 ウィザードリィ外伝4『胎魔の鼓動』(1996)そのままです。

 城砦都市跡の廃墟に到着して、そこに巣食うゴブリンを蹴散らしながら、街外れのダンジョンに乗り込む流れ。

●8章「災禍の中心へ(ハート・オブ・メイルシュトローム)」

 本家のウィザードリィ5(1988)のサブタイトル。
 パソコン以外では、スーパーファミコンで初めて登場したウィザードリィ(1992)。

 おそらく、この91年から92年にかけてが、日本で一番ウィザードリィが盛り上がった時期だったようにも思います。
 シリーズ10周年という佳節でもありましたし、87年のファミコン版への移植から、どんどんファンを広げて行って、関連小説やメディアミックス展開で、ウィザードリィの王道を突き詰めて行った時期です。

 ただ、92年の本家7作めから、ダンジョン探索ゲームのウィザードリィが別惑星に飛び立つSF要素を加えて、野外探索要素(というか惑星探索ゲーム)になって、これは違うと本家で客離れを起こし、
 日本では、伝統重視の外伝シリーズで保守的なウィザードリィ・ファンをつなぎ止める一方で、日米のシリーズに対する乖離を招くことになり、
 国内でも、ウィザードリィというタイトルのダンジョン探索ゲームが、各社乱立して、手を変え品を変え、王道の見えない混迷状態を引き起こしていました。

 RPGとしても、決して主流ではないけど、ブランド名だけは確立しているので、オールドファンのノスタルジーで語られることも多いですな。

 まあ、去年からドリコムがウィザードリィの版権を一括取得したとのことで、ゴブスレの作者にもウィザードリィ小説『ブレイド&バスタード』を依頼して、シリーズ展開するなど、
 ウィザードリィを改めて盛り上げようって流れみたいですね。

 90年代のウィザードリィ小説の復刻とか、いろいろとまあ。

 で、話をゴブスレに戻して、この章でダンジョン探索のクライマックスなので、次回は、この章の途中まで進む、と推測します。

 残りの9章で、ボス戦。10章で事件解決後の後日譚。という流れ。

 ですから、アニメの11話と12話は、エルフの森での7話と8話に相当する展開で、きれいに大団円に収まるでしょうね。

 次回で、王妹救出までたどり着くことができるかどうかがポイントかな。

 王妹救出後に、もう一戦、ラスボスとの死闘がありますし、それとは別に勇者ちゃんが北の霊峰に降ってきた混沌の魔物を退治し、国王が陰謀貴族を暴れん坊将軍みたいに成敗する間章も入って来ると思うので、
 ダンジョン探索がどこまで描かれるか、それとも一部削られるかを気にしつつ、
 まあ、このペースだと、うまく収まるかな、と。

 あまり、アニメオリジナル展開を入れる余裕はなさそうですけどね。

 では、今回はこれにて。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/11 (Mon) 00:14:45

 定期感想その1です。

●ゴブリンスレイヤーII(第十話 都邑の冒険/シティ・アドベンチャー)

 先週のご感想での(原作からの)予想のストーリー通りだなと思いながら観てたんですが、今週のご解説を拝読しますと割愛されたものがいろいろあるわけですね。リアルタイム視聴~翌日の録画視聴でだいたい分かった気になってましたが、アニメではここが描かれていないと分かりますと、新たに思う部分が出てきたりします。

 それもまた楽しいわけでして、ご教示に感謝する次第です。関連する情報もいろいろ面白く、助かっております。ギルガメッシュはちょっと言及しておこうと思います。ギルガメッシュという言葉を知ったのは、まず石(ノ)森石太郎さんの漫画からでして(調べてみると1976~77年)。断片的に読みまして、いつか通しで読みたいと思いながら、そのままとなっております。

 それでも当時は興味が出ましたんで、ギルガメッシュって何だと思って調べたら、古代の神様だと。当時、古代ギリシャ神話なら多少は読んでたし、北欧神話もちょっとだけ。その中にないと思ったら、古代メソポタミア・シュメールでした。なんで石森章太郎さんはそんなマイナーな題材を、と思ったら、どうやら古代に核戦争があったとかの与太話があるらしい。その辺りにヒントを得たかインスパイアされて作品を描いたのかなと、当時思いました。

 それっきりほぼ忘れてたんですが、こちらでもご指摘があるFF5ですね。三つ子の魂百まででもないですが、ギルガメッシュという名前を目にするとやっぱり石森章太郎さんのを思い出してしまいます。が、ゲーム進めていくと魅力あるキャラクターであるわけでして(ついには主人公らを助けるし)、こちらも今は印象深いギルガメッシュとなっております。ゲームでの専用BGMも良かったしなあ。

 ドルアーガの塔についても少し。こちらはゲームについては「そういうのがある」程度の認識(やってた人を見てただけなので)。が、アニメ化されたものは観ておりました。2008年に1期、翌09年に2期ですね。印象に残ったは「ヒロインとは何ぞや」というものです。主人公ジルに対するメインヒロインとして設定されいるのはカーヤなる訳ありの女性で主人公とパーティを組む。サブヒロインとしてファティナなる女性も出てきて、ライバルパーティ所属。

 ところがメインヒロインのはずのカーヤが主人公ジルと別行動になっちゃうんですね(カーヤが秘めた目的のためにジルから離れる)。一方、ファティナは別パーティながら主人公ジルを(危なっかしいとかで)気遣う感じになっていく。2期冒頭では失意で引きこもる主人公ジルをファティナが支えるようになってます。そこからファティナの助けでジルはメインヒロインのカーヤに近づいていく。

 というドラマ展開になるため、ファティナとジルが一緒に行動する時間が長い(しかもファティナがジルのために一生懸命)。自然とファティナがメインヒロイン化していくように感じられました。「設定がどうであれ、主人公と一緒にいるとヒロインになるものなのか」と思った覚えがあります。それが別の作品ですが「東京アンダーグラウンド」でも発生してまして、「やっぱり」と思ったり。

 もっとも当時は見方が単純だったかなと思います。なにせ「ヒロイン」という単純な属性しかないと思ってましたんで(というか、それすら意識してない)。こちらで感想書く経験で「ヒロイン」について理解が深まったんですが、しかし「ドルアーガの塔」観てなかったら、ヒロインについて考察することがずっと遅れてたかもです。そういう意味で、ドルアーガの塔アニメは自分には印象深かったりします。

 ともかく本編。平和な感じで進んで、ラストで異変発生する点は1期第10話と似ている気がします。が、1期第10話では大量の足跡で暗示されるだけですが、今話では王妹拉致とはっきり事件発生になってますね。その点は(次話への期待ポイントとか)分かりやすいんですが、この2期全体の傾向としてドラマの進め方が速くて全体は分かりにくい感じかも。

 それはともかく、冒頭からいきなり王妹登場ですか。まだ王の妹とは明かされてませんが、少なくとも身分が上流貴族以上であり、冒険者だった「お兄様」がいることは侍女との会話から分かる。さらに侍女が窓の外を見て「陛下」と言い、王妹がその「陛下」を「お兄様」と呼んでますんで、もう確定です。

 そこからシーン切り替わりまして、無事に剣の乙女さんを都まで送り届けたゴブスレパーティですね。剣の乙女さん、すっかりポンコツモードでして(^^;、神殿に泊まれ、書庫に案内しますとゴブスレさんと一緒にいる機会を作りたがってますな。しかし鉱人道士さんに「先に飯だ」と阻止されますと、あからさまにションボリ。

 子どもっぽくすらありますが、ゴブスレさんがいてくれれば剣の乙女さんは安心できるということであるんでしょうな。これだけ明るくなれるのは立ち直りの証拠でしょうけど、しかしゴブリンに対する恐れはここまで観た通りですし、今話ラストでも示される。未だ道遠しでしょうか。この後、(再)登場する令嬢剣士改め女商人さんは、剣の乙女さんが前に説明した以上に立ち直ってる感じで好対照な印象です。

 しかし今はこちらで伺った通りに2組に別れまして、男組は酒場、女組は風呂。酒場シーンは前にもあったわけですが、あのときは普段は行動を共にしていない槍使いさんに重戦士さん。今回はパーティーメンバーの2人ですから会話内容が違ってますな。いきなり深い急所が出て来る。

 ゴブスレさんの「楽しかった」ですね。「ゴブリン退治に専念できていない」と切り出すもんですから愚痴かと思ったら、どうやら冒険として楽しめていたらしい。しかし、自分(ゴブスレさん)の本分はゴブリン討伐ではないかという迷いも出るらしい。ゴブスレさんの変化が窺えるものでした。
(と言いつつ、近くの席で「助けられなくてごめん」なる会話が聞こえまして気になる。後で何か明かされたり、解決したりするのかしらん。)

 そして女組はまず女神官さんの墓参りですね。初見では「弟の少年魔術師から聞いてたのかな?」くらいに思ってたんですが、原作では墓の場所を探すところから描かれてるわけですか。止絵でもいいから少しは見せて欲しかったかな。そのほうが女神官さんの「是非とも墓参りして報告を」の気持ちが伝わる気がします。酒場で六英雄(オールスターズ)の話が省かれた点と共に惜しい感じ。

 しかし動く絵で見せるアニメとして、情報的な重要シーンの割愛はサービス映像足りえる風呂シーンのほうが大事だからかも(^^;。単なる大浴場ではなく、リアルの現代で申せばスーパー銭湯に相当するものみたいですね。そこでついはしゃぐ女神官さんの「お上りさん」風とか、偶然にして必然の妖精弓手さんが女神官さんから離れるとか、自然な演出ができてますな。

 全年齢向けに納まるよう、ぎりぎりで隠すテクニックも駆使してます。偶然伸ばした腕で隠すとかですね。が、やはりその手法で一番感心したのは「フルメタルパニック・ふもっふ」の温泉回だったかも。露天風呂で女性キャラが歩くと、雑草→そこに止まる虫で葉が動く→虫が飛び去ってまた葉が動く、とかでギリギリ隠す神業でした。原作者も感心したんだとか。かつ、それが後半のための演出にもなってました。

 それはともかく、娯楽・飲食設備も完備の大浴場で2人がはしゃいでる点が大事ですね。そこへ、妖精弓手さんが離れた隙を突くように王妹が女神官さんに接触して来る。冒頭で『今夜、家を出る』と独白してますから、何か狙いがあることだけは分かる仕掛け。

 原作ではよく似ていると描写されているとのことですが、アニメだとそっくりさんなのかどうか分かりにくいですね。アニメのキャラクターは髪や目の色以外はあまり違いが出ないことも多いので。女神官さんも王妹も相手が自分に似ていると意識する様子もない演出なんで、このシーンを観ているだけでは実は似ているとは気が付かない感じです。

 が、ともかくは冒険者に興味津々の風を装う王妹に注意が行きます。連発する質問が好奇心からのようでいて、実は自分(王妹)に適した装備なのか確認している感じですね。例えば「法力が込められてるとか祝福されてたりするの?」と尋ねたのは、たぶん「持ち主以外が装備すると罰があるかも」と気にしてのことと思われます。女神官さんが「ただの錫杖と鎖帷子」と答えたので、王妹は盗み出す気になったはずです。

 ただ、女神官さんが「買い物とかちゃんとしたほうがいいですよ」と心配してくれたのは、王妹に罪の意識を発生させたかも。「コイツから盗むぞ」と思った相手から心配されたわけですんで。

 が、都を抜け出して冒険者になりたい王妹はとりあえず盗みを決行。女神官さんの受けた衝撃はおおむね自分の予想通りでした。やはり鎖帷子ですね。神官として大事な錫杖を忘れるほどの衝撃を受けてますな。堤防要塞で地母神に叱られたときの衝撃と矛盾するようでいて納得します。あのときはゴブスレさんの励まし(よくやった×3)で立ち直ってたんでした。女神官さんの中の地母神、ゴブスレさんそれぞれのデカさが察せられます。

 続くシーンを初見ではちょっと勘違いして混乱しました。似た暖炉が描かれてるもんですから、ゴブスレさんも女神官さんらの部屋にいると思い込んでしまったんです。そこへ剣の乙女さんが入って来て「そばについてあげないのですか?」と尋ねてます。一瞬「いや、そばについてるだろ」と思ってしまいました。しかし別々の部屋でしたか。

 認識を正して観なおしてみますと、まず女神官さんはやむなく王妹が偽装に使った戦士風の装備を身に着けてますな。大浴場では専用の浴衣(?)が用意されてましたが、犯人が置いて行ったものが証拠になると思って身に着けて部屋に戻ったのかな。妖精弓手さんは風呂に誘った自分に責任があると思い、ずっと横で励ましてるようです。

 一方、ゴブスレさんは一人で部屋に籠って武器を作っている模様。そこへ剣の乙女さんが本を届けに来てますな(いちいち顔を赤らめるし、くっつきたがるし、ちょっと笑えるほど ^^;)。会話で気になったのは、ゴブスレさんの台詞「物はなくなるものだ」です。亡き父の形見になるはずだった短剣でも、なければないで良し、という感じですね。

 夜中の初見でしたが、つい「いや、だからあ」と思ってしまいました(^^;。女神官さんにとって、法衣も錫杖も「物はなくなるものだ」分類でしょう。が、いつでも買い替えが効くはずの鎖帷子はそうではないとゴブスレさんは気が付いてない(ように見える)。盗まれたと気づいたときの女神官さんのショックを見てないからかな。

 女神官さんがいかにあの鎖帷子を大事にしているかを、観ているこちらに思い出させる演出がちゃんとありましたな。脱衣場で何気なく妖精弓手さんが「まだそれ(鎖帷子)使ってたの」と言い、女神官さんが手にする鎖帷子を大写し。修理の後がしっかり見えてまして、いかに大事にしてるか分かる。シーン割愛とか、割とずんずん進めてはいますが、ポイントだけは外さない作り・演出ですね。

 それだけ大事にする理由が「ゴブリンスレイヤーさんが褒めてくれた鎖帷子だから」なわけですから、そこを気にしてくれないゴブスレさんは観ていてオロオロしてしまうほどです。もしかしてゴブスレさん、例の花模様の刺繍の財布をなくしたら、女神官さんの今の気持ちが分かったりするんだろうか。

 どうなるんだろ、と思いましたが、シーンは翌日の御前会議に。冒頭でも言っていた「天の火石」(隕石の落下らしい)以降、凶事が起こっているようですね。劇場版で説明されていた覚知神、知識神の話もようやくTV本編で出ました。

 ちょっと分からないというか判断しにくい部分もありまして、剣の乙女さんの「先の戦いで難民、孤児、無宿人は増えましたが「ショク」に困る時世ではありませんし」です。「ショク」は「職」(仕事)と「食」(食糧)の2つがあり得そうで、どちらなのかで世の中の安定具合が異なりそうです。「職」に困らないなら相当に豊か、「食」に困らないなら割とギリギリかも。

 それはともかく、いきなり女神官さんの装備盗難を言い出したんで、少しびっくりしました。何の脈絡もないですから。王もちょっと戸惑ったのかなと思いましたが、剣の乙女さんの第二撃がこれまた文脈ぶった切り。「ともあれゴブリンは滅ぶべきだと考える」ですもんね。どっかで聞いたなあと考えて思い出しました。古代ローマの大カトーの「ともあれカルタゴは滅ばされるべきと考える」ですな。なんでそれをパロディにしたんだ、とメタ的にも脈絡なくてちょっと笑ってしまいました。

 しかしさらに自分的に驚くことが続きまして、令嬢剣士改め女商人さんの登場ですね。会議にビシッとした感じの女性が入って来まして、すぐには誰なのか分からず。が、じわじわ思い出しまして、ABEMA TVで劇場版を再度無料放映してくれたお陰です。前に申しましたが、最初観たときは1期観終えずでよく分からずでして、令嬢剣士を不当に軽く評価してしまいました。改めて見直してみると、令嬢剣士が大成長したと印象付けられました。その印象がなかったら、今話視聴後に調べ直すまで気が付かなかったかもです。

 女商人さんの話は冒険者の訓練所についてでして、今期の少年魔術師のエピソードで描かれたのが王国の計画的なものの一環だったと分かる仕掛けですね。冒険者のリクルートも兼ねているとか、収支を気にしているとか、いろいろ面白い。ただ、会議出席の1人が「ゴブリン退治をやらせては? そうすれば大司教様の懸念も」と言いかけて、剣の乙女さんに睨まれたのはなんでなのか、ちょっと分かりませんでした(剣の乙女さんがゴブリンを恐れていることに勘づいている?)。

 が、異変発生の報が入りまして会議は中断。王妹失踪と申しますか、ゴブリンに拉致されたわけですね。案の定、女神官さんから盗んだ装備一式で化けて、都を出たと。しかしゴブリン集団に襲われ、戦意むなしく一撃で失神して連れ去れらたと。

 法衣のゴブリンが率いてましてシャーマンより上位のプリーストがいるということでしょうか。覚知神の話と合わせて考えますと、相当に組織化されている恐れがありそうです。劇場版では小鬼聖騎士/ゴブリンパラディンの儀式ですらシャーマンで行えたようですんで、プリーストがいるとなると相当に厄介なことを画策してそうですな。

 映像ではそう描かれますが、王妹と知らずに馬車に乗せた商人(侍女の従兄)の報告でそこが伝わったかどうか。しかしこれで王妹が女神官さんから盗みを働いたことだけは判明したわけですね。王たる者として、そんな妹のために国軍は動かせない。そもそもゴブリンに対して軍を出動させてこなかったんですから、盗みの件がなくても兵は動かせないでしょうな。

 敵の所在は以前は魔神王が巣食った難所の「死の迷宮」。ではどうするかとなれば冒険者の出番。王を含む会議出席者にとっては幸いなことに、大物冒険者でもある剣の乙女さんが目の前にいる。が、ゴブリンが怖い剣の乙女さんとしては大ピンチ。しかしさすがは女商人さんでして、流れを先読みしてゴブスレさんらを呼びに行ったようですね。

 で、ゴブスレさん「話は聞かせてもらった!」と入って来る。ここは自分的には「待ってました!」となるはずなんですが、最初ちょっと笑ってしまいました。第1話の女騎士さんの「話は聞かせてもらったぞ!」を思い出しちゃったんです。リーダーを女神官さんにしてのゴブリン討伐を少年魔術師に申し渡すシーンですね。

 あのときの女騎士さんの「何がそんなに嬉しいの」と言いたくなるほどの様子だけでも可笑しかったんですが、その後、女騎士さんをウィキペディア等で調べると、想像以上に変な人だと分かりまして。アニメではまだ描かれてないですが、重戦士さんを魅了しようとビキニアーマーを着用しようと思い付き、ゴブスレさんに制止されるんだそうで。その辺りも、女騎士さんを連想するとつい笑っちゃう一因です。

 ともかくもゴブスレパーティが引きうけて続く。次回「王女の受難」はいざ死の迷宮へとなり、しかし王妹救出までは行くかどうかといったところなわけですか。六英雄の話も本編内でして欲しいですが、今期でどこまで描けるのかな。キリのいいところまでやって欲しいですが、逆にクリフハンガーで「これは絶対に3期ある」ということになっても嬉しいかも。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/12 (Tue) 15:11:29

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第14話:パクっとレックス!キケンなエックス)

 前話ではアカデミーの上位組織:錬金連合がどうにも胡散臭いと描かれたわけですが、今話ではそのことはとりあえず措いておくみたいですね。ただ、今話ではスパナの独自の行動(冥黒の三姉妹アジト急襲)がありまして、誰かに電話で指示を仰いでました(字幕では「女性の声」とのみ)。

 もしかしたら指示した女性は錬金連合非主流派なのかなと思いますが、今まで伏線らしきものもなく、今話でも描かれずでして、次回以降の種明かしに期待です。とりあえずは、女性が「九堂りんねの監視も、引き続きよろしくね」と言っている点が大事かな。今まで、スパナの判断でりんねを保護しているように見えましたが、何者かの指示で監視してたわけか、

 スパナの三姉妹急襲はドレッドの本格運用のお披露目にもなってますね。錆丸を実験台にしたときと同じく、当面はライダードレッドとして使っていくみたい。まずはラケシスが変身しまして、スパナ/ヴァルバラドを簡単に撃退してしまう。後半ではクロトーが変身してまして、装着者を選ばないみたい。クロトーによれば変身者の元の能力が強化して反映されるみたいですね。

 それにしても錆丸は変身のたびに弱っていってましたが、ラケシス、クロトーは平気みたい。三姉妹レベルの錬金術師なら耐えられるのか、それとも錆丸でテストしたデータを元に調整してあるのか。

 その辺りも次回以降に明かされると期待しまして、今話のメインは超常現象を追う間辺親子ですね。父の譲はフリーライターとのことですが、雰囲気からすると在野の研究者という感じ。超常現象研究では飯が食えないので、超常現象をネタとして切り売りのライターをやってるんでしょうな。目下の対象は恐竜らしい。

 娘の爽は中学生くらいでしょうか。父の譲の一途な態度を誇りに思っているらしい。それゆえ、編集者から父:譲が、恐竜について真実よりも面白おかしく書けと強いられたことを悔しく思っている様子。父:譲とて不本意なんでしょうけど、娘:爽に苦労させたくないとかあるんでしょう、収入のためにやむを得ず記事内容を歪めてしまっているらしい。

 たぶんそれが今話のレベル10ケミー:エックスレックスが興味を持った点なんでしょうな。時系列先取りの冒頭で宝太郎/ガッチャードが食われてました。時間巻き戻しの仕切り直しではミナトがエックスレックスが人を食うが、アカデミーでも詳細は把握してないと宝太郎らに伝えてました。

 間辺譲もエックスレックスに食われたと思しき描写がありますな。しかし実は、食う=知る。その場所(湖畔)で、エックスレックスの咆哮を追う宝太郎らが間辺爽と出会って行動を共にすることになると。一緒に追いかけてみると、エックスレックスに遭遇し、冒頭のシーンになるわけですね。つまりガッチャード/宝太郎がエックスレックスに食われる。

 りんねは川辺であることを使い、ディープマリナーで爽を連れて何とか逃れる。湖畔に戻ってみると間辺譲がエックスレックスに襲われたときに落とした写真を見つけるわけですね。

 一方、宝太郎はエックスレックスの体内ですが無事。そこに間辺譲もいる。譲によるとエックスレックスが記憶を覗いて来るらしい。それも譲にとっては嫌な記憶ですね。上述した通りの編集者に強いられての嘘の記事。同時に娘の爽と共に一途に恐竜を追い求める記憶も。親子一緒の写真はそのときのものでしたか。

 エックスレックスはそういう記憶を覗くというより、つついてるみたいですね。いわば、起きていながら悪夢を見せるようなもんでしょうか。譲にとっては良心の呵責に等しいようですが、宝太郎の解釈は違うようですな。なにせ娘の爽が依然として父を信じているのを知ってますから。

 悪夢って一説によれば、嫌な経験を記憶から再現/シミュレートして克服する作用があるそうです。エックスレックスも、もしかしたらそうしたいのかもしれません。気持ちを感じ取って原因を記憶から探ってるとかでしょうか。ともかくも記憶が探れるということで、ケミーと気持ちが通じる宝太郎が己が記憶を探らせる。当然。UFO-Xなどのケミーとの交流の記憶が出てくるわけで、これでエックスレックスは宝太郎を信用したらしい。

 おりしも外では爽を連れたりんねを狙って三姉妹の襲来でして、UFO-Xでエックスレックスから飛び出したガッチャードがタイミングよく迎撃。クロトーがドレッドとなって応戦ですが、エックスレックスがガッチャードに力を貸しまして新フォーム:スーパーガッチャードクロスエックスレックスのお披露目となって続く。今話のフォームはちょっとゴツい感じながらもアクション出来そうな感じですね。

 今話では定食屋「キッチンいちのせ」でちょっと早目のクリスマスをやると準備してましたが、どういう演出効果なのか分かりませんでした。仮面ライダーWEBを見てみると、多少ですが狙いが分かったような。今話と次話は「宝太郎とりんねの関係、そしてりんねの前進」なんだそうです。次回で「キッチンいちのせ」のクリスマスパーティ、その次は12月24日とリアルでクリスマスイブです。りんねと宝太郎を接近させるにはタイミングよさそう。

 仮面ライダーWEBでは宝太郎の失われたかもしれない記憶について言及されてました。自分は気が付かなかったんですが、エックスレックスが宝太郎の記憶を覗くイメージシーンに、宝太郎が忘れてしまった記憶が含まれているらしい。それもケミー絡みのようです。そこも中盤の焦点になりそうですな。

 次回「掴めハッピー!輝けガッチャリバー!」ではガッチャードはドレッドと、りんねはアトロポスと(おそらくは一応の)ケリをつけるみたいですね。そこで今話の「女性の声」本人とか、今まで明かされてなかった敵味方のさらに周囲を見せてくれたりするんだろうか。

●王様戦隊キングオージャー(第40話:我は王で王子なり)

 前話のご感想を拝読して、まずちょっと面食らいつつも納得するものがありました。面食らったのは、いろいろとご不満な点が見えている点ですね。自分としてはずっと面白がりながら観てましたもんで、感覚的にかなり違うものがあるのかなと。

 ただ、例えば「CGエフェクトと混ざって、人間の動きが見えない」という点は、なるほどと思うものありです。自分はアクションについて、CGと生身の差異・特徴から来る、自分的に何が納得できて好感度高いかを、リバイスのときに自覚できた気がします。今考え直してみると、生身の動きの情報量の多さとかあるように思います。CGだと派手でトリッキーでも単調な面があるようです。

 そういったことはあるんですけど、いったんは「人それぞれかなあ」と思いました。が、何かモヤモヤします。こういうときはよく考えておくべきと粘ってみまして、ふと「感心はするが感動しない作品は失敗である」という創作のコツを思い出しました。それを思い出したのも当然でして、ご感想に「感心はしても、感動はしない回」とあります。

 どうも「感動」と「感心」の違いに、自分のモヤモヤがあったようです。NOVAさんがはっきり感動された回は4つあるとのことで、そこは確かこちらでのご感想にも表れていたような。じゃあ自分が「感動した」と言えるのはどの回だろうと考えてみると、ちょっと第何話とは言いにくい感じです。

 感動したキャラクターなら言えまして、デズナラク8世です。ただし、デズナラク8世単独で感動したわけではなく、人間とバグナラク両方の出自を持つジェラミーと絡んでのものも重要な役割があったりします。言い換えればデズナラク8世と他のキャラクターとの間にあるものへの感動ですね。そこからデズナラク8世に帰って来て、彼の無念に共感できたりしました。そして無念を克服しての激しい最期ですな。

 その一連はグッサリ刺さるものがありました。どうやら自分は「刺さる」と感じるようなら「感動」であるようです。一方、「感心」はどうやら刺さらないものであるようです。考えてみますと当然かもしれません。「感心」はキャラクター自身よりも、キャラクターが起こしたこととか、仕掛けとかに発生しますんで。

 自分的に「感動」と「感心」は不可分ではあるんですが、どちらが大きいかは大事なようです。「感心」が大きくても嬉しがります。が、中盤までですね。「このキャラクターはどこから来て、どこに行こうとしているのか」を発生させるのが仕掛けであり、それがもたらすのは「感心」。

 そこから「このキャラクターの辿り着いた結末、そこから見えたキャラクターの本性が見えると「感動」。ラストは「感動」が来ないと納得できないのは言うまでもないかも。言い換えれば「コイツはこういう奴だったか」と納得して共感できてこそ満足ということですね。

 翻ってキングオージャーの後半、つまりダグデド襲来以降ですけど、ずっと感心ばかりしていた気がします。前半でもかなり遅くまでバグナラクの正体とか、ジェラミーが語り部として世界にもたらしたものとか、感心する作りはありました。が、それがデズナラク8世というキャラクターのドラマに収束して感動できたわけです。

 今話が第40話で、最大でも残り10話でしょうか。例えば、謎だったカグラギの出自と真意とか、明かされたりはしました。が、依然として策謀家然としたりして、仕掛け作りの域を出てないかも。その他もいろいろ同様に感じるものありです。

 これでキャラクターに感動する大団円に持っていけるものかどうか、不安に思えてきました。もっとも暴太郎戦隊でもカオスかと思うほどの話運びしておいて、最終盤で一気に各キャラクターのドラマを落としどころに持って行ってくれてましたんで、この王様戦隊でもそうなるかもと期待していいのかもしれません。

 まあ最後まで観てのことですんで、あまり考えずにともかく本編。前話でオージャカリバーの力を最大限引き出したものの、反動でオージャ戦士は寝込む。そこへサナギム侵攻。自分はちょっと勘違いしてまして、このサナギムはグローティがゾンビ化したものと公式サイトに記載が。今まで自分はバグナラクの一部勢力がダグデド傘下となって協力してるんだと思い込んでました。

 それはともかく、ゾンビ・サナギム軍団にゴーディが抗戦するものの多勢に無勢。そこへ獣電竜ガブティラが救援に駆けつけまして、空に向かって咆哮。これってどうやら地球に通信を送ってたみたいですね。ギラも感じ取ったらしく、負傷を押してサナギム迎撃に向かう。そこへおそらくはガブティラの救難信号を受けたプリンスも駆けつけてくると。

 ただ、プリンスがチキューの事情を知って駆けつけたようではなく、こっそりコーカサスカブト宇宙船に潜り込んだため行方不明になったガブティラを探しに来た感じですね。実際、プリンスはまずガブティラを見つけて「良かった」と言い、周りを見まして「これ、ピンチな感じ?」とようやく状況を認識してます。

 しかしここから共闘、プリンス単騎ながらも燃える展開かと思ったんですが、どうも肩透かし。いや確かに共闘はするんですけど、サナギムを一掃したらガブティラ連れて帰っちゃった。と思ったんですが、録画を見直してみますと、ギラに地球の様子を尋ねられたプリンスの表情が曇ってますな。おそらく地球でも何かマズいことになってるんでしょう。

 上述しましたがもう第40話なわけで、地球での異変を暗示する伏線を今さら張られてもという気がします。しかし前のキョウリュウジャー共闘回ではオーソドックスな戦隊寄りの燃えるドラマ展開でして、またも共闘があるとすれば納得できるクライマックスにしてくれそうな気もします。果たしてどちらになるのか、それとも。

 今話で一応の回収がされる伏線もバトル中にありまして、シュゴッドの様子がおかしく、暴走気味な点ですね。とりあえずはプリンスがガブティラに呼びかけさせ、合体することで難をしのぐ。しかしゴローゲらシュゴッダム国民は動揺しまして、他国の侵攻ではないかと疑う。五道化統治下のときはシュゴッダムが他の4国をずいぶん搾取してましたから、仕返しかと思っても仕方ないかもしれません。

 が、その国民の動揺をチャンスと捉えてのラクレスの策謀発動なわけですね。モニター越しですが国民に呼びかける。最初は慕われるシュゴ仮面としてですが、仮面を外すと暴君だと嫌われる、が、ラクレスは衝撃の発言でひっくり返してくる。ギラはダグデドが生み出した生物であり、昆虫生命体を操る宇蟲王の力を受け継ぎ、人類の滅亡を画策しているというわけですね。

 シュゴッドと直に交信できるギラは以前、シュゴッドと機械経由でコンタクトするヤンマと論争になったりしてたんでした。依然としてギラだけがシュゴッドと直接話せて協力を得られるかは分かってなかったはず。ギラ自身、どうしてそんなことができるか分かってないですもんね。そこはシュゴッダム国民のみならず、仲間のオージャー戦士/王も、ギラ自身も疑心暗鬼に陥る要素になりますな。

 しかし部分的に辻褄合うものの、ブーンが「全部嘘だ」と叫んだ通りなんでしょうな。王都を踏みつぶすべくキングオージャーを召喚してますが、ダグデドが何らかの力でギラに強いたものでしたし。が、キングオージャーは突如として停止。

 どうやら前話で力を得たオージャカリバーの力らしい。さらに各王のオージャカリバーも重傷のオージャー戦士を回復させて力を与える。となって、ちょっと「あれれ?」でしょうか。前話では使ったら大ダメージなんでした。それが今話では回復の作用ですから、ちょっと辻褄合わないような。

 こちらで「パワーアップもここまでの伏線がなく、唐突に隠しコマンド云々」との難点のご指摘がありましたが、それのダメ押しをするかのような展開になってしまっているようです。もしかすると、こちらでもときどき伺った玩具を売る要素の欠如にスポンサーがキレて、というよりたぶん制作に泣きついて、玩具要素を無理に入れた結果なのかなと思います。

 玩具たりえるスーパーなオージャカリバーを活躍させよう、ってことで。普通(?)の展開ですと、たぶん(ライダーでもよくある)「強力だが暴走する新アイテム/フォーム」→「その難点を克服するドラマ」→「真の力発揮」という流れだと思うんですが、最終クールでは間に合いそうもない。そこで「その難点を克服するドラマ」を端折っちゃったのかなと。

 キングオージャーは叛逆戦隊になっちゃうし、スピンオフまで作られたラクレスの狙いは読めないし、不気味な割に煮え切らないグローディにモヤモヤだし、ゴーマを事実上暗殺したヒルビルの行く末が気になるし、自分的にはカメジム黒幕説も未だ疑ってたりするし、いろいろ開きっぱなしの気がします。どう風呂敷畳むんだろう。

 次回「宇宙を救う時」では、またもギラ vs ラクレスらしい。公式サイト予告には「滅びのタイムリミット」なる文言も見えまして、また新たに何か出てくるのかしらん。ともかくも最終回まで観終えてから、この作品がどうだったか考えることになりそうと予想します。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/14 (Thu) 03:13:38

 定例感想ですが、定例でないニュースを一つ。

 https://www.asahi.co.jp/hissatsu/

 例のジャニーズ問題で新作放送が危ぶまれていた必殺仕事人ですが、年始ではなく年末(12月29日)に新作を放送するそうです。

 一応、これで東山さんの渡辺小五郎のシリーズが終了する見込みですが、今のチームが解散するのか、それとも小五郎だけが抜けて、残りのメンバーは継続するのか、それとも完全新生のチームとして再スタートするのか、現状では不明ですが。
 新作はすぐにはやらないと思っていたのが、まさかの年内で締めくくるとはね、と。見納めよろしくってことで。

★ガッチャード

 ドレッドライバーは、三姉妹が使い回す形で、強敵ぶりを発揮。

 で、宝太郎が幼少期にホッパー1とあった記憶とか、スパナの背後関係とか、いろいろ謎を提示しつつ、
 本筋としては、父娘ドラマに絡むXレックスの加入で、ガッチャードのさらなる強化エピソード。

 それより、スパナの強化をお願いしたいんだけどな。

 あとは、りんねの覚醒とか、いろいろ期待したく。

★キングオージャー

 感動と感心の話題で、2話前のエピソードをネガティブ評価しているように思わせた嫌いがありますが、
 サプライズとか、CG技術の凄さに感じ入ってはいるんですね。

 普通に面白い、で感想を仕上げてもいいわけですが、ただ、サプライズと感動は異なる感情。

 例えるなら、サプライズネタで、ドラマでよくあるのが「誕生日のサプライズパーティー」。
 誕生日が近づくと、なぜか友だちがよそよそしくなって、嫌われたのかな? と心配になって理由を尋ねても、何か隠し事をしているような態度で、不審に思う。
 でも、当日、思いがけない誕生日パーティーという秘密が明らかになって、友だちが自分を喜ばせるためのイベントを準備してくれたことに感謝する。

 まあ、手垢の付いた話ですが、この場合、大切なのは「誕生日を迎えるキャラのソワソワ感、友達が隠し事をしていることへの不安とか寂しさとか、そういう心情描写で、友達との関係性を再確認する」という溜めがあって、
 それがサプライズパーティーという種明かしで、うまく収まるところに収まったというオチの付け方。
 心情的に大事なのは、やはり友だち同士がお互いに相手のことを考えていたんだ、というハッピーエンドに、視聴者も納得する。

 で、この話にサプライズを感じるかは、視聴者の視聴体験次第と思いますが、キャラが好きで感情移入するタイプの視聴者なら、割と心情に絡めて感動できるものだと思います。

 で、感動に必要なものは、感情移入とか、自分の感動ゾーン(個人差はそれなりにある)に物語がきちんと収まるか、途中やオチに興醒めさせる要素がないか、などがありますな。
 例の誕生パーティー話なら、そもそも自分の誕生日にギリギリまで気づかない主人公の鈍感さにツッコミを入れる読者(視聴者)なら、まずは感動しない。
 もっとも、アニメだと音楽とか、声優さんの演技とか、いろいろと感動させるテクニックはあるけど、やはり感動に必要なのは、溜めとか、感動に向けての気持ちの昂りをどう構築するか、であって、そこをサプライズで覆されるようなドラマ作りをされると、驚きはあっても、感動はない。

 それこそ、誕生日パーティーでプレゼント箱をもらった。箱の中身が、自分の欲しかった物だと、感動したり感謝したりする。
 箱の中身がつまらない物だったら、微妙な気持ちですが、それでも相手の行為に対する感謝ぐらいはできる。
 で、箱が……ビックリ箱だったりすると、え? 何で? と驚きとか??? という腑に落ちなさ、あるいはパターン狂わせのギャグにはなっても、それで感動はしない。

 で、戦隊の場合は、単純に「仲間の力を合わせて巨悪に勝つ」というお約束をしっかり描くと、王道としてスッキリ感動できるんです。
 キングオージャーの場合は、等身大での合体攻撃がなく、みんなの協力は同時変身と名乗り、そして巨大ロボ合体で描写するのみですが、
 ギラ一人でもキングオージャーは操縦可能。そして仲間がロボに乗ってもチームワークが悪ければ、機能は十分発揮できない。
 すると、自分の感動に直結するのは、メンバー全員が力と心を合わせて、戦隊らしく王道のまとまり方をした回ということになります。

 で、ンコソパ奪還回は、感動よりもサプライズで覆してくることが多くて、え? そうなの? と感動に浸らせてくれない回。
 例えば、ヤンマとシオカラの過去が描かれ、ヤンマがンコソパ奪還に失敗したけど、シオカラの命は助けて、もう一度、ゼロから始めればいいと言った前の回は、負け戦で王道狂わせだったけど、感動はしたんですね。
 過去を描くことで、感情移入できたし、なかなかにハードボイルドなツボを突いてもらえた。

 で、ンコソパが廃墟になって……と衝撃映像で感じ入ってみたら、奪還回では、ンコソパの廃墟はなかったことになってる(苦笑)。ゼロからの再建って何だったの?
 あの廃墟は、あくまであの回だけの演出かよ。前に感じ入った気持ちは幻だったのかよ……とツッコミ入れつつ、まあ、いいか、と。

 で、負け戦からのサプライズ勝利というのが、この奪還回のポイントで、次々と目まぐるしく状況が変わって、いわゆるジェットコースター感覚。
 これはこれで、エンタメとしては面白いので、ガッカリはないんです。でも、勢いがあって、その場ではツッコミが追いつかないのですが、冷静に考えると、納得ができない。

 例えば、王様たちが全員囮で、本命がシオカラというのは、ヤンマの作戦勝ちとか、敵味方の化かし合いとか、敵を欺くには味方から、という流れで、納得はできるんですが、
 それでも、ヤンマが仲間全員を騙していて、あとはラクレスとヒルビルがゴウマを陥れて、もう策謀に次ぐ策謀で、いろいろと化かし合いですな。ある意味、仮面ライダーギーツとキングオージャーがどちらも同時期の化かし合いヒーローになっている、と。

 騙し合いだらけのトリッキーな物語に、感心はしても、感動は期待しにくいわけですが、年内に果たして、感動できる回はあるのかな、と。

 で、今回の感想ですが、プリンスの顔見せ出演は、前半のみということで不満ですが、彼がプレズオンに乗っていたという点で、今後の展開の伏線かな、と。
 プレズオンは、前に「ダイゴと空蝉丸が乗って宇宙に飛び立った」と言われていたので、それはつまり、ダイゴと空蝉丸が後日に登場する伏線を張ったということですから、今後への期待ってことですね。

 それよりも後半ですが、ギラの邪悪の王宣言を逆手にとった、ダグデドとラクレスの策謀。
 前回の次回予告で見た際は、ギラが悪堕ち暴走するような感じでしたが、フタを開けると、敵の策謀と、それにあえなく騙されるシュゴッダム国民。
 で、落ち込むギラだけど、シュゴッドたちがダグデドの支配に逆らい、またオージャカリバーが重傷中の王たちを復活させて、チーム再結束。
 まあ、熱く燃えるところです。

 次回に感動する準備をしていいかどうかは……ラクレス次第ですね。

 ここでラクレスがギラとどういう形の決着をつけるのか、そしてダグデドに対しての真意はどうなのか。
 まあ、ダグデドを倒すために、いろいろ大芝居を打っているとは予想しているのですが、コロコロ筋をひっくり返してサプライズばかりを続けているものだから、
 サプライズ疲れをしている感。

 もちろん、次はどんなサプライズを用意しているのかな? という期待はあります。
 単に感動を呼ぶ作風ではなくなっているというだけで。

★ゴブスレ補足

>ドルアーガのアニメ

 2008年のアニメは知らなかったので、いい勉強になった感。

 それにしても、その時期のアニメって1期のラストで、「メインヒロインが主人公を裏切るような衝撃クリフハンガー」を仕掛けて、2期で「ヒロインの真意を探るとか関係修復を目指す展開」というのを、いくつか見かけますね。

 1期で関係性構築して、いいムードになりかけたのを、覆すことによるサプライズ、
 そこから、主人公視点と、ヒロイン視点で複数陣営を並立させて描きながら、もう一度交錯させることで、ドラマ性を高めて、最後に上手くまとめることができるかどうか。

 まあ、でも、1クール終了あたりで、敵味方の立ち位置を再構築する陣営シャッフルは、令和ライダーの特徴にもなりつつあって、
 キャラクターのいろいろな顔を見られることも、肯定すべきか、裏切り裏切られる物語を否定するのか、まあ、感じ方もいろいろ。

 何にせよ、サプライズの多すぎる番組は、感情を移入しすぎると、気持ちがグチャグチャになり過ぎてイヤなので、あえて距離を置いた視聴スタンスになりがちなのが、感動しにくくなっているのかも。

>助けられなくてごめん

 思わせぶりなセリフですな。
 原作では特に何もフォローのない背景モブセリフだと思います。

>ショクに困る時世ではない

 「職」の方ですね。

 あと、アニメでは流暢にセリフを紡いで、溜めがない演出だから、剣の乙女のセリフが一続きの会話としては脈絡なく聞こえる嫌いがあります。

国王「我らの目の届かぬ範囲はどうか?」
剣の乙女「市井では、今のところ秩序が乱れている様子はありませんわ。先の戦いで、難民、孤児、無宿人は増えましたが、職に困る時世ではありませんし、人手はいくらあっても足りませんもの」

 彼女の役職が、人間社会の法と秩序を守る至高神の大司教ですから、人間社会では表面上、治安を乱す犯罪行為は見られないことを示唆しているわけですね。
 もちろん、北の霊峰の異変や覚知神の大きな問題は、すでに話題に挙がっているので、国王がそれ以外の小さな問題点を尋ねてみたわけです。
 で、剣の乙女は、法律違反をするような人間の犯罪組織とか、そういう方面でのトラブルは心配に及ばない、と前置きを述べた上で、「ああ、ただ……」と言い淀むわけです。

国王「何だ、申せ」
剣の乙女「では、畏れながら、わたくしの大切な友人が、浴場で神官服と、大事な鎖帷子を盗まれましたの。つい昨日」

 大きな問題は起こっていないように見えて、小さな問題が起こっていることを指摘。
 そして、事件が「兵士の姿をした盗人が神官服を盗んだ」ことが国の信用問題に関わることを国王は懸念します。

●兵士の姿をした盗人:現代社会で言うなら、警官もしくは自衛隊の服を着た者が盗みを働いたということで、国の治安に関わる問題。見捨ててはおけない。

●被害者が神官:神官の衣装を盗むのは、教会組織を敵に回す愚行。王国兵士が教会にケンカを売ったということであれば、国と教会の良好な関係にヒビを入れようとする策謀の可能性あり。

 さらに、先ほど「覚知神が何やら動いている」という話題も出ていたので、何らかの陰謀の可能性がある……と国王が考えたところで、

剣の乙女「ともあれ、ゴブリンは滅ぶべきと考える次第ですわ」

 まあ、これは大司教の話を締めくくる際の口癖、と会議では認識されているわけですね。
 セリフだけ抜き出すと、脈絡のないのはその通りで、そのセリフの背景の書かれた地の文がフォローされず、また尺の都合で、セリフの間の溜め(相手の反応を確認するための沈黙)をカットして、流れるようにセリフだけをつなげると、一文一文がつながっていないようにも聞こえる。

 会話の間合いの、シンキングタイムを飛ばすと、こんな感じかな、と。

>(冒険初心者に)ゴブリン退治をやらせては?

 この世界のゴブリンの恐ろしさを正しく認識していない相手に対して、ゴブリン被害者の会(剣の乙女と令嬢剣士が代表みたいなもの)が睨みつけたわけですね。

 訓練所で冒険者としての勉強を始めたばかりのヒヨッ子が、ゴブリンをナメて酷い目にあっているから、最初は下水道でネズミや虫退治からって話をしているのに、
 ゴブリンをネズミと同レベルにナメている現場を知らない愚か者への牽制ということです。

 まあ、駆け出しの冒険者の戦士1人いれば、ゴブリン2体は相手できる。3体めはHP総量で押し負けそう。
 1対1では負けないから、ゴブリンは弱いザコだと思っていたら、巣の中にはゴブリンが10体から30体ぐらいいるのが、この世界の相場で、初心者冒険者のチーム(4人ぐらい)なら10体ぐらいの小さな巣穴を攻略可能。
 それでも1度に10体をまとめて相手にはできないので、一部屋に2〜3体で、3部屋か4部屋程度が駆け出し冒険者にとっての推奨ライン。

 そして、ゴブリンの上位種(シャーマンとかロードとかホブゴブリンとか)が巣にいると、駆け出しでは決して勝てない、という戦力バランスになるわけですな。

 ある意味、ヒーロー物におけるザコ戦闘員がゴブリンに相当するわけで、駆け出し冒険者は少年仮面ライダー隊みたいなもの?
 いくら戦闘員が弱くても、さすがに子どもに負けるわけがないし(たまに不意打ちで足を蹴られて痛がっている奴もいますが)、経験のある冒険者はフェンシングとか一応、ちょっとした武芸をかじったライダーガールズレベルで戦闘員は倒せるけど、怪人には勝てない。

 そしてゴブリンの上位種がライダーにおける通常怪人ぐらいになりますかね。

 とにかく、ゴブリンはナメると危険ということを、身をもって体験している乙女たちですから、「駆け出し冒険者に、ネズミ退治と同じくゴブリン退治をさせればいい」と言い放った無責任な輩を睨みつけたシーンです。

 なお、ゴブリンの群れが同時に5体から10体ぐらい出ると、パーティーの戦士(4人中2人とか、6人中3人とか)では物量的に苦戦するので、そういう時に魔法使いの範囲攻撃呪文とか眠りが有効というのがゲームの常識。
 で、魔法使いが範囲攻撃呪文を覚えてなかったり、呪文を切らしてしまうと、ゴブリンの集団には勝てないので、撤退すべし、という定石が。

 もちろん、レベルが上がれば、ゴブリンはザコに成り下がりますが、それでも数の暴力はいつでも恐ろしいわけで。

>女騎士さん

 彼女がゴブスレさんにビキニアーマーの件を相談するエピソードは、今期で当初期待していた原作3巻ですね。

 収穫祭を前に、パーティー仲間の重戦士にアピールしたい女騎士さん。武具屋でビキニアーマー(戦女神の神官が推奨している装備)を見ていて、そばにいたゴブスレさんに尋ねてみます。

女騎士「わたしがこの鎧を着たら似合うと思うか?」
ゴブスレ「……俺にそういう質問をする方がどうかしていると思うが」
女騎士「なっ。たまたま、そこにいた男に聞いてみただけだ。別にお前に見せたいわけじゃない」
ゴブスレ「見せたい相手がいるのか」
女騎士「わたしだって女だし、収穫祭のときぐらい、いつもの冒険とは違ったおしゃれをしたくなったりもする」
ゴブスレ「そうか。俺にはよく分からん。だが、ゴブリン退治の経験からして……」
女騎士「ゴブリン退治といっしょにするな!」
ゴブスレ「(女騎士さんのツッコミをスルーして)いつも同じ手が通用するとは思うな。戦いに勝つには、相手の意表を突いた手が必要だ」
女騎士「……だから、いつもと違う鎧を着てみようと……」
ゴブスレ「まずは鎧という発想から離れるべきだろう。相手の男と戦うわけでもあるまい」
女騎士「! そ、そうか。鎧にこだわる必要はないわけだ」

 と、ゴブスレさんとの会話で、女騎士さんは収穫祭の日に、普段と違うドレスを着込んで、驚きの表情の重戦士さんとのデートを楽しむのでした。

 ……この3巻のエピソードが、映像化されないかなあ、と思いつつ、まあ、8巻まで来たら、続きは9巻以降になるのが無難かな、と。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/16 (Sat) 23:44:09

 もうすぐゴールの定例ゴブスレ感想です。

★ゴブスレII(11話)

 先に次回予告。
 サブタイトルの「祈りよ、天に届いているか」は、8巻の最終章です。
 その前の9章は「小鬼の手は滅びの印」で、つまり次回で8巻のエピソードが予定どおり完結ですな。最終回になるのかな。
 それとも、年内はもう1週あるので、特別総集編的な話を期待していいのかな。

 まあ、無難に12話で終わるとは思っていますが。
 中身のネタバレは控えておきます。
 以下、11話の感想。

●割愛された箇所

 まず、王妹に装備品を盗まれた女神官さんのグチャグチャ感情が、アニメでは綺麗に収まっていますね。

 妖精弓手に気持ちを確認する言葉をかけられる前は、これから向かう「死の迷宮」のことを考えていて、

 昔の迷宮では、他の冒険者を襲って装備を奪う追い剥ぎと化した冒険者崩れがモンスターのような存在として語られ、
 自分から大事な鎖帷子を盗んだ王妹も、その心根においてモンスター、ゴブリンと同じような存在だ……と思ってしまうのは、ゴブスレさんの影響だろうか……と内省したりするわけですね。

 そして、王妹がゴブリンにさらわれ、どういう目にあわされても、それは自業自得、天罰のようなものではないか……というところまで考えたところで、
 地母神さまは、自分のそういう黒い気持ちを是とするであろうか? と考えて、ふと思い直します。

「だからと言って、どんな目にあっても良いなんてことはないですよね」

 誰かが酷い目にあうのを願って、望んで、それを悦んだりしたら、その方がよほどゴブリンじゃないか。
 自分がそうなってはいけない。
 だから助けよう。
 返してもらおう。
 怒って、叱って、反省してもらって。
 それで済めば、どんなに良いことか。

 そう決意して、地母神さまに祈るのが、妖精弓手との短い会話のやりとりで、女神官さんが(小説の地の文で)思った内面ですな。
 こういう内面は、ぜひともモノローグで表現して欲しかったわけですが、尺の都合で、「 」のセリフだけを切り取られてしまいました。
 セリフの部分は本当に原作小説に忠実なのに、地の文に描かれた内面の感情が本当に割愛された形なので、原作読者にとっては本当に表層だけをさらっとなぞられただけ、と考えます。

 それで、女神官さんの心情とかが十分伝わりきれていたらいいのですが。

 次に割愛されたのは、馬に乗ってのゴブリン追跡シーン。
 アニメでは割とあっさり迷宮のある廃都に到着していましたが、原作では追跡途上の地上でゴブリンライダーと一戦交えていました。

 アニメでも迷宮に入ってから、狼に騎乗したゴブリンライダーと戦うシーンを描いていましたが、本当はあれ、野外での戦いなんですな。
 普通、ダンジョンの中では、ゴブリンだって狼に騎乗してはいないはずですし。
 一応、広い迷宮の描写ですが、「ダンジョン内で騎乗はできないだろう」ってのは、割とTRPGゲーマーの常識。
 もちろん、天井の高さが吹き抜けみたいに広がっている塔とかなら、飛行騎獣に乗って上階から飛来するケースもありでしょうけど、ウィザードリィ型迷宮ではそれほど天井が高いイメージがない。

 あと、廃都に到着後、街の中にもゴブリンがうようよいるのを見て、正面突破が無理ということを確認するシーンが割愛。
 城壁を登って、迷宮までこっそり侵入……というのはアニメでも描かれていましたが、原作ではそれでも多少の戦い(音を立てずに暗殺する形)を描いておりました。

 つまり、荒野での追撃戦、都市での隠密潜入戦を割愛して、一気に迷宮の中に突入したわけですな。
 迷宮の通路の描写は、ウィザードリィの3Dワイヤーフレーム風味を今風の背景付きで再現してて、そこは上手いと感じたり。

 あと割愛されたのは、鎖帷子がないことから感じる女神官の不安な心情描写ですな。
 で、いつも身に付けている愛着ある装備がなくて不安でたまらないことから、「ゴブスレさんがいつも兜をかぶっている心情が分かったような気がする」そうで。

●勇者ちゃんの話

 さて、今回の勇者ちゃんの仕事は、隕石に乗ってやって来た宇宙的恐怖(コズミックホラー)な物体X退治です。
 ゴブスレさんたちが地下で戦っている一方、彼女たちは霊峰の上で戦っていたわけですな。ちょうどエルフの森の時とは上下が逆の構図。

 で、この物体Xは周囲の生物の肉体を取り込んで増殖する寄生生命体で、もしも街中に落下していたら世界の危機だったわけですな。
 運よく人が寄りつかない霊峰の高いところに落ちたから、寄生対象がいなかったわけで。
 騎士団が霊峰の上に登れたら、彼らが犠牲になって、騎士の能力を宿した怪物が増殖していたかもしれないし、
 勇者ちゃんたちが怪物の存在に気付かないまま取り込まれていた可能性もあった。

 しかし、彼女たちが怪物に接触する前に、ゴブスレさんが転移の巻き物で地下のゴブリンの群れを吸い込み、上空に転移させていた。
 で、ゴブリンたちが寄生怪物の上から落下したために、怪物が最初に取り込んだのが「弱くて愚かなゴブリンだった」というのが本当にラッキーな状況に。

 ゴブリンと融合して巨大化した怪物だったために、勇者ちゃんたちは不意を打たれることもなく、悠々と怪物退治を果たすことができた。
 もしも成長前の小サイズの物体Xが勇者パーティーの誰かに気付かれることなく、取り込んでいたら、本当に世界の危機だったろうという状態で、
 またも知らないところで、勇者ちゃんたちと世界を救っていたゴブスレさんでした、と。

●ゴブスレさんたちの戦い

 そして死の迷宮の地下4階で儀式の最中のゴブリンプリーストと対峙するゴブスレ一行。

 この儀式は、かつて迷宮深部にいた魔神(グレーターデーモン)を召喚するものであることが、次回に判明するわけですが、
 天空から飛来した物体Xに関係しているかどうかは、原作小説でもはっきりしません。
 国王陛下も勇者たちに依頼する際、「ゴブリンの件と天の火石が関係しているかどうかははっきりしないが」と前置きしつつ。

>金貨50枚と剣一振りなどとは言わんぞ

 これ、ドラクエ2で、ローレシア国王が息子の王子(勇者)に邪神教団を倒して、世界を救って来いと命じる際の支度品ですな。

 まあ、王様が勇者に安い金と装備で依頼することへのツッコミパロディです。
 じっさい、今回の仕事をいくらで発注したかは分かりませんが。

 あと、国王の周囲のキャラは、ジョジョ第3部のパロディみたいです。

・赤毛の枢機卿:花京院
・褐色肌の宮廷魔術師:アブドゥル
・銀甲冑の近衛騎士:ポルナレフ
・犬顔の獣人:イギー
・老いた大臣:ジョセフ・ジョースター

 そして、国王が原案では空条承太郎のイラスト(アスキーアート)が使われていたそうで、こういうメンバー構成だったそうな。

 今回のアニメ化で、そういうネタを初めて聞いて、アニメキャラの絵と比べて、ああ、なるほど、と。
 小説ではイラストになってないキャラたちなので、気付かなかったや、と。

 ……って、ゴブスレさんたちの話に戻します。

 今回、女神官さんが地母神推奨のピュアリファイの使い方をしておりましたが、やはり少し分かりづらい。

 儀式の魔法陣を描くのに、生け贄の血が使われていたのですが(王妹だけでなく、他にも犠牲になった人々多数)、その魔法陣の血を浄化することで、ゴブリンプリーストの儀式と、身を守る防御結界を解除。
 体内の血を浄化して生物を傷つける使い方ではなく、体外に排出された魔神召喚用の血を浄化することで、最悪の事態を未然に防いだ形になって、
 地母神の御心にかなったことを確信する、と。

 まあ、こういう女神官の内心の信仰に関わる部分は、アニメでは割愛されるのでしょうが。

 あとは傷つき弱り泣きじゃくっている王妹殿下を、女神官さんが地母神の使いらしく、どう接するかが次回の大団円につながります。

 一方で、敵のゴブリンプリーストがゴブスレさんにとどめを刺される死の間際に呼び出した化け物との戦い、
 そして迷宮をかろうじて抜け出したものの、廃都に巣食うゴブリンの大群をどう切り抜けて脱出するか、
 次回のクライマックスと後日譚で、きれいに終わることを期待しつつ。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/18 (Mon) 23:39:29

 定期感想その1です。

 必殺スペシャル放映情報、ありがとうございます。全くマークしてなくて、教わらなかったら録画予約してて気づいたかどうかだったかも。東山紀之さんが表現者引退を宣言されてましたんで危ぶむところがあったんですが、最後の主演ということでしたか。撮影がそれ以前に済ませてあったんでしょうな。その次をどうするかは今回のを観れば何か分かるかもという期待もしておこう。

 東映公式Youtubeでは「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」を放映してますね。観てはみたんですが、詩島剛/マッハ死亡となってまして驚きました。TV本編や以降の劇場版などとの整合性どうするんだろうと思ったら、Vシネマ/dビデオでの続編「仮面ライダー4号」で何とかするらしい。それを観ずにうまく感想まとめられるかどうか、ちょっと思案中です。

●ゴブリンスレイヤーII(第11話:王女の受難)

 まず前話についての補足・ご教示、ありがとうございます。酒場で漏れ聞こえた会話(助けられなくて、ごめん)は特に後につながらない、雰囲気作りくらいのものでしたか。このアニメではちょっとしたことが後で「ああ、そう言えば」ということがあるもんで、つい気にしてしまいます。

 困らないのは食か職かは、職(仕事)でしたか。となりますと、好景気と考えてよさそうですね。王国の税収も多いはず。ですが、求人が多い状況では危険な冒険者の成り手は減っていそう。それで冒険者訓練所を作り、人を集める工夫をしてるのかな。しかし単純に報酬をはずむのではなく、(おそらくはOJT兼ねた)ラットやローチ退治などの工夫を加えるのは国王が賢君であるからかも(正しくはその才を持つ女商人を信任できる器量)。

 女神官さんの装備盗難については、こちらでのご解説を拝読するまで、重大性に気が付いてませんでした。そうか、まず治安を守る兵士が盗賊と広く知られては社会不安になりかねないわけですね。しかもターゲットが教会所属の聖職者となると、精神的支柱を揺るがしたことにもなると。

 自分が唐突に感じた会話の流れ(特に剣の乙女さん関係)についてもご解説頂いて助かりました。あれは原作では内心の独白もあるから自然だったわけですか。だから表に現れた会話だけすらすら進めちゃうと、かえってギクシャクしちゃうわけか。

 それと剣の乙女さんが大臣を睨んだ理由ですね。自分はてっきり剣の乙女さんがゴブリンを恐れるという核心をうっかり突いたからと思ったんですが、実際には1期第1話から繰り返し描かれる「ゴブリンを舐めてかかって返り討ちに遭う冒険者」が理由だったわけか。剣の乙女さんは身をもってその恐ろしさを知ってるからこそのものでしたか。分かってから観なおしてみますと、なるほどと納得します。

 しかし内面描写が最も割愛されたのが今話での女神官さんでしたか。ご教示拝読前の初見では、泣いて一晩考えた結論を妖精弓手さんに告げたんだと思いました。印象としては「自分(女神官さん)にとっての宝(ゴブスレさんの誉め言葉)を汚した者とて、地母神の徒としては救わねばならぬ」という決意だと思えました。

 奇跡を殺意に使ってしまって(地母神の警告を受けて)茫然とし、ゴブスレさんが一生懸命励まして半ば立ち直り、再び地母神に声が届いて、という経緯の結果、そういう境地に辿り着いたと思って、それはそれなりに感動するものがありました。

 が、原作ではもっとはっきり揺れてたわけですか。自分の怒りをゴブリンの蛮行で鎮めるなんていけない、相手の反省こそ救いになる、というわけですか。ゴブリンですら(己が力を付与する奇跡では)害さない地母神の心にかないそうな感じですね。この女神官さんの迷いの振りきりは観たかった気がします。

 ともかく本編。冒頭からはまたも御前会議ですが、今回は勇者一行を呼んでのものですね。それにしても国王側がジョジョ第3部を意識したキャラクター構成というのは教えてもらわないと気が付かないです。特にイギーでしょうか。ジョジョではちっちゃいワンコですが、こちらはゴツイ犬型獣人。犬以外の共通点がちょっと思い当たらずです(^^;。まあ掲示板のAAと商業作品ではモチーフへの寄せ具合に差が出るのは当然か。

 国王の勇者への依頼で「金貨50枚と剣ひと振りなどとは言わんぞ」というのも、こちらで教わるまでは演出意図が分からずでした。どうしてそんなこと言い出したのかと。ドラクエがネタ元でしたか。魔王討伐となれば最善の装備を最初から渡すべきなんでしょうけど、ゲームバランスなんでしょうな。「ふっかつのじゅもん」次第では、最初からレベル最大/大金の持ち金/最高装備なんて可能らしいですが、それでクリアしてもつまらんでしょうな。

 ただ、神話・伝承の類としては王が授けるものが奇妙ってよくあるらしい。海音寺潮五郎が小説(孫子)で解説しているものでは、「王が漁師に頼み事するのに、櫂を与えた」というのがあるそう。漁師なら櫂くらい持ってるのにわざわざ授ける。何か象徴的な意味があるのか、それとも伝承者が漁師をよく知らずに作意したのか、よく分からないらしい。

 それはともかく、この国王は物ではなく金なら糸目をつけないという送り出し方なわけですね。何がいいかは勇者に任せる。が、勇者は手持ちで出かけて退治する自信があるらしい。魔神王を討伐した自信ということか。が、おそらくはパーティの会計を預かる賢者はそんな鷹揚ではなく、ありがたく頂いとけってことですな。

 もっとも国王側とて元は冒険者、行ってみたいようですね。ウィキペディアを調べてみますと「金剛石の騎士/ナイト・オブ・ダイヤモンド」というキャラクターがいるようで、貴族なら素顔を見知っているらしい。たぶん正体は国王なんでしょうな。御前会議シーンの最後は窓の外を見上げる国王の独白『妹をどうか頼むぞ』でして、事件の性質上、動かないし動揺も見せてないですが、やっぱり心配で居ても立ってもいられないようですね。ついには、こっそり国王自ら動くことになるらしい。

 一方、ゴブスレさんらはいよいよ討伐&救助に出立。女神官さんの王妹に対する胸中がちょこっと明かされることについては上述の通りです。付け加えますと、アニメ本編での短いやり取りでも、この時点では王妹をまだ完全には許せてない様子がうかがえるのがポイントかな。

「どんな目に遭ってもいい、なんてことはない」と本気で思えるのはやはり迷宮地下で生贄の様子を目の当たりにしたときでしょうか。だから王宮出発の時点では妖精弓手さんに「なんてことはない、ですよね?」と確認し、承認してもらうことで自らの背中を押そうとしているようです。

 いよいよ馬で出発、というタイミングでこのところすっかりポンコツの剣の乙女さんが、息を切らして駆け寄るという恋する乙女の定番的な行動ですね。が、大事なことも告げに来てまして、死の迷宮の解説ですな。4階が難関らしく、「魔力と瘴気渦巻く心臓(部)」だと。さらにはこちらでウィザードリィネタである、エレベーター用のブルーリボン、もとい青いリボン。しかし胸の谷間から出して手渡しますかね(^^;。隙あらば悩殺せんとしているみたい(^^;。まあゴブスレさんがそれくらいで揺らぎはしないわけですが。

(ゴブスレさん一行を見送る剣の乙女さんと女商人さんの会話は、2人の気持ち的な状況、そうなっている経緯を暗示しているような気がするんですが、今のところきちんと解釈することができずです。最終回まで観たら、もう少し分かるようになるかしらん。剣の乙女さんの「恐ろしいものに挑む勇気」の「恐ろしいもの」はもしかしたらゴブリン限定なのかなとか、いろいろ考えてます。)

 ゴブスレさんらは早々に馬車襲撃現場に到着。まだ馬車が横倒しのままでして、あまり時間経過していないということかな。女神官さんはとりあえず錫杖を取り戻しまして、これで一応は奇跡を行使して戦える状態かな。現場は血痕もなく、王妹は傷めつけられずにさらわれたと推測される。となると儀式の生贄か、もしくは身代金か花嫁(上位ゴブリンの箔付け?)というわけですね。

 問題は王の妹だからか(血統)、それとも神官(聖職)だからか。ゴブスレさんの推理では王妹と知っての仕業にしては仕事が粗い。となると神官を生贄にするため、となりそうですね。そうなりますと急がないと王妹の命が危うい。

 このアニメでは即行で敵の根城:死の迷宮に辿り着いてましたが、原作では苦労しながらの到達ということですか。迷宮内で騎兵(ゴブリンライダー)というのは初見ではちょっと変だなと思いました。何とか辻褄合わせの解釈しようと「迷宮が広すぎて騎乗してるのかな」と考えてみたり。が、原作の野外の戦いなど複数を1つにまとめた結果ということでしたか。

 迷宮内の描写は「ウィザードリィの3Dワイヤーフレーム風味を今風の背景」と感心されたようですが、自分はPC~FC版を少し遊んだだけであまり覚えておらず。改めてネット検索で画像や動画を少し見てみますと、確かにという気がします。初期のワイヤーフレームも仰るような感じですが、その後にグラフィカルになったものは今話で見たような絵になってるようです。やっぱり、こういう感じを想像する人が多かったわけか。

 とりあえず出入り口の衛兵ゴブリンを一掃ですが、転移使ったのが意図せず勇者一行とのリンクになるわけですね。さらに昇降機で4階へ向かうわけですが、剣の乙女さんの警告通り、何か毒性の気配があると妖精弓手さんが察知。ここは女神官さんのピュアリファイの出番になる。

 そこまでの描写で女神官さんがやたら他のパーティメンバーから気遣われているらしいのが、初見では気になりました。夜中でうっかりしてまして、このときの女神官さんは鎖帷子がないわけなんでした。防御力下がってるから、みんなが心配して庇おうとしていたわけか。庇われてばかりではいけないと女神官さんは思ったんでしょうね、だからピュアリファイも自ら発案してます。

 その発案にゴブスレさんが「頼む」と言ったときの女神官さんの様子も面白い。大変に嬉しそうでして、やっぱりゴブスレさんが女神官さんの心の拠り所になっていることが窺えます。地母神とゴブスレさんは女神官さんの気持ちの両輪であるらしい。

 女神官さんはそういえば出入口付近では『どうして私の初めてっていつもこう』と愚痴めいたこと言ってまして、表情はあまり曇らせないながらも不安があったことが窺えます。あれはやはり鎖帷子がないからなんでしょうな。しかし物理的な防御力よりも「ゴブリンスレイヤーさんに褒めてもらった」という自信を失ったということであるのかも。

 しかし迷宮深くでゴブスレさんから「頼む」と頼られたことで自信を回復できたんでしょう。そういうときに気が利くのが蜥蜴僧侶さんでして、「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変にですな」などとそれっぽい戦術のようでいてボケをカマし、女神官さんをして「行き当たりばったりって言いません?」と上手くツッコませる。女神官さん、すっかり笑顔が戻ってますね。前にもこんな感じの、あったような。ゴブスレさんも(おそらく意図せず)乗って来まして「いや、ゴブリンどもにはできんことだ」と。

 いよいよ4階中枢部に突入してみると、中央の台に王妹が寝かされ、周囲にはおそらくはもう死んだと思しき犠牲者が何人も。女神官さん、思わず「ひどい」と漏らす。このときでしょうな、出立前に「どんな目に遭ってもいい、なんてことはない」がしっかり本気となったのは。

 ただし、真剣ゆえにもうそんなことすら意識はしてないんでしょう。気持ちが1つしかなくなれば、「なんてことはない」も意識しなくなります。しかもゴブリンプリーストに引きずり起こされた王妹がうめいている。『生きている!』となれば、助ける以外の意識はなくなる。

 この時点の王妹の状況なんですけど、ウィキペディアによりますと原作では「衣服を剥ぎ取られ」とのこと。アニメ版ではあちこち破けてはいますが神官服着てますね。生贄で思い出すのが劇場版での令嬢剣士(当時)ですが、全裸でした。拉致される前の暴行を受ける描写もありました(叫び声のみですが)。

 この迷宮では床に転がされている遺体も服や鎧ははぎ取られてないようです。描写のポイントを「血を抜くため」に置く狙いがあるのかなと思います。床の遺体はおおむね、赤い溝の上か近くにいまして、この後に血の魔法陣と判明するわけですね。

 ただそうなりますと、台の上に血も流さず横たえられた王妹が怪しいとなりそうです。血以外の狙いがあるのか、ということですが、そこは来週に明かされるんでしょうな。こちらで伺ったことを踏まえますと、魔神/グレーターデーモンの召喚ということでしょうか。

 それはともかく、一気に畳みかけようとするゴブスレパーティをゴブリンプリーストがプロテクションのような技で阻止。王妹のいる台だけを死守する感じですね。魔法防壁だけでは足りないのか、せっかく防壁内に退避したゴブリンもプリーストが『戦え』とばかりに追い出す。

 それにしてもプリーストが術を維持する様子もないのに(王妹を引っ叩いたり、右往左往したり)、なぜか防壁は崩れない。ということで、女神官さんが血の魔法陣に気が付いてピュアリファイで浄化、防壁を崩して一気に殲滅にかかるわけですね。

 よく考えたら血はゴブリンのものではないので、不浄というのはちょっと変な気もします。しかし血を使う目的が不浄なんでしょうな。今話内では「祈らぬ者」≒不浄であるゴブリンを守るために使われてますし、どうやら本来の目的がグレーターデーモン召喚という特大の不浄らしいし。それなら地母神の御心にもかなうんだろう。

 最後のゴブリンプリーストの動きだけは、どうもよく分かりませんでした。王妹の髪を掴んで台から引きずり下ろし、人質に取るような動作なんですけど(喋れれば「近づけばコイツを殺す」と喚きそう)、それ以上は為す術もなくゴブスレさんに叩き潰されてます。

 ゴブリンプリーストが最後に何をしようとしたか(こちらのご解説抜きでは)判然としませんが、多少の納得はできます。なにせ今話ではゴブリンの「間抜けではない」面はあまり描かれず、もっぱら「バカだ」が強調されてますんで。それをよく表すのが勇者一行の討伐ですね。雪山で不定形なモンスターに遭遇、交戦に入ってますが、モンスターがどうにも単調、というよりほぼ無目的に動いている感じ。勇者一行も戸惑うほどですね。

 しかしヒントはありまして、モンスター周囲に散らばるゴブリンの死体。こちらで「物体X」とのご指摘があった通りでして、どうやら外宇宙より飛来して、知的生命体のいる惑星に落下すれば、近くの生物を取り込み、その知恵を吸収して活動するらしい。能力も吸収できるとすると、厄介ですね。現時点でおそらく地上最強の勇者一行を捕食してたらエライことになるところでした。

 が、モンスターが吸収したのはゴブリン。弱くてバカなデカブツにしかならなかった。意図せずそう持って行ったのがゴブスレさんの転移なわけですね。堤防要塞のときもそうでしたし、この2期では1期よりハッキリと勇者とゴブスレさんの意図せぬ協力が描かれてますな。

 次回「祈りよ、天に届いているか」は最終回ですね。録画機で最終回と確認しまして、予想はしてましたが、やっぱりガッカリするものありです。2クールあるとよかったのになあ。ともかくも、こちらでご解説頂いた通り、王妹を救出して魔神復活阻止でスッキリ終わるんでしょうな。

 ただ、せっかく令嬢剣士改め女商人さん登場なのに、仲介役で終わるのは残念かも。調べてみますと、女商人さんが関わるエピソードでは砂漠の国でドラゴンを倒す話があるんだとか。その国ではゴブリンを軍で使役したりしてゴブスレさんを怒らせるとか、いろいろと面白そうな要素があるようです。気が早いですが、3期がもしあれば観てみたい気がします。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/20 (Wed) 12:51:02

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第15話:掴めハッピー!輝けガッチャリバー!)

 OP映像が劇場版対応になってまして、公開日の12/22(金)はもう今週でしたか。仮面ライダーWEBによりますと、劇場版はTV本編と完全連動とのこと。電王でも同じことをやったそうですが(2007年)、電王本編もその劇場版も未視聴のため、完全連動で劇場版観てないとどうなるかがちょっと予測しにくい。

 まあ次回にして今年最後になるはずの12/24の次回を観てみれば、劇場版の影響は少しは感じ取れるかな? 今話では劇場版で登場予定のケミー:エックスウィザードを、TV本編でちょこっと先出ししてましたな。仮面ライダーWEBではレベル10のケミー/カードを劇場版で一挙に出すとなってましたが、それらしいカードを見せてました。

 既にレベル10の残りは事実上、エックスウィザードと関わる錬金連合調査官:釘宮リヒトの手中にあることだけはハッキリしたと。その釘宮リヒトが劇場版では「悪ボス」らしい。その辺りがTV本編と完全連動となりますと、劇場版の知識抜きで話の流れについて行くのがちょっと大変になるかもです。

 ともかく本編。今話はほぼ、前話ラストで始った戦いの決着までがメインですね。冥黒の三姉妹総出撃と考えていいんでしょう。クロトーがドレッドを使ってガッチャードに当たり、アトロポスは(未だ狙い・目的は分かりませんが)りんねに揺さぶりをかけて絶望させる心理攻撃。ラケシスはサポート&ガードの遊撃という感じですね。

 まずクロトー/ドレッド vs ガッチャードですが、緒戦こそクロスエックスレックスでガッチャードが押してますが、ドレッドもレプリケミーカードを使ってすぐ盛り返す。本体性能より武器&パワーアップアイテム(主にエクスガッチャリバー)がモノを言う戦いでして、争奪バトルみたいなもんでしょうか。

 その争奪でドレッド/クロトーを利したのがラケシスでして、まず初めて見せる三重錬成で、りんねと間辺親子をガードするミナトを退ける(錬成後がクローバーマルガム バンブーラフレシアミクスタスだそうで、3つあるとやたら名前が長いですな ^^;)。間辺親子を守りに行ったりんねはアトロポスが抑え、ラケシスは間辺親子に迫る。

 これを見たガッチャードが親子を救おうとホッパー1を放ったため、現最強形態のクロスエックスレックスが解除され、エクスガッチャリバーも弾き飛ばされ、ドレッドが一気に優勢に。

 りんねに迫るアトロポスは相変わらずほとんど舌戦でして、術でりんねが自らの首を絞めるよう強制したりしますが、息の根を止めるつもりはなさそう。りんねの力の無さをあざけったり、父:風雅の裏切りを示唆したりに終始してます。絶望させて自陣営に加える狙いとかだろうか。

 しかし宝太郎や父の思い出で自らを鼓舞したりんねが、やはり舌戦で反撃。家族や友をうらやむからこそ軽視してみせてるのだろうと挑発する。これがどうやら図星だったようで、アトロポスが劇中では初めて動揺を見せてますな。

 その様子でちょっと妄想が湧きまして(^^;。冥黒の三姉妹とされてますが、長姉であるはずのアトロポスが明らかに幼いという変な姉妹です。ガッチャードでは錬金術があるわけで、もしかしたら三姉妹は人間ではなくホムンクルス(人造人間)だったりするのかしらん。

 三姉妹はいきなりあの形で「錬成」されたもんだから、家族というものがない。幼いころから親しい友人もいないとか。映画「ブレードランナー」ではいきなり成人として作り出されたレプリカントが、やたら家族写真を欲しがるという、ちょっと物悲しい設定があったりしたのを思い出します。三姉妹も同じようなもんなのかしらん。

 いかん、妄想はさておき。アトロポスが動揺して術が解け、自由になったりんねがエクスガッチャリバーをガッチャードに渡せたことで、再び勢いはクロスエックスレックスとなったガッチャードに。まずラケシスの三重錬成をあっさり撃破。返す刀でドレッド/クロトーもですが、クロトーがこれでキレてしまう。

 やっぱり武闘派なんでしょうね、命に代えても勝ちにこだわってるみたい。レプリアントルーパーを大量に行使しまして、ラケシスがクロトーが死ぬと危惧するほど。仮面ライダーセイバーではレジエルが似たようなことしてましたな。あれも連敗にキレてのことだったはずです。

 セイバーではレジエルは過大な力で自滅した格好でしたが、ガッチャードは錆丸のときと同じく、ドレッドをクロトーから分離して救うことで決着。今回もドレッドは変身者を失ってもしばらく動いてました。もしかして、ドレッドはいずれ、変身者抜きでも自律で動けるようになったりするんだろうか。類例では、牙狼の暗黒騎士呀は装着者のバラゴがメシアに食われた後も、設定上では鎧単独で暴れたことになってました(本編映像ではバラゴが復活したようにしか思えませんでしたが)。

 それはともかく、抜け殻ドレッドも倒され、冥黒の三姉妹は撤退。間辺親子はバトルの偶然の流れで和解できましたか。爽だけはラケシスから助けようと、譲が土下座したからですね。譲はおそらく知りませんが、喫茶店でテーブルに頭を擦り付けんばかりに編集者に平伏するのを、爽は見てて失望したわけで。

 その情けない姿の真意は爽を守りたかったからと証明されたわけで、ここまで見て来たものの意味が反転したわけですね。さらに前にも出て来た雑誌「超常惑星」に連載枠を貰えることになって、生活も安定しそうです。さらに今回はミナトのはからいなのか、ケミーに関する記憶消去はなし。ブレてはいますがエックスレックスの写真も記憶共々残ることになりましたな。

 完全ハッピーエンドの間辺親子に対し、ちょっといいとこなしなのがスパナでしたな。前話の戦いにかろうじて生き残り、今話の戦いでいったんはラケシスを銃撃で止めたものの、そこで力尽きてしまう。さらにガッチャードの強化形態を目の当たりにして、力の差も実感したらしい。これでスパナが意気をいったんくじかれ、しかし奮起するドラマになったりすると面白そう。

 ちょっと小ネタ的に気になったのがガッチャードの変身時に描写された「風車」です。昭和の1号・2号のベルトを思い出すデザインと音でした。もしかして劇場版で1号・2号が関わるサプライズとかあるのかな。明示的に劇場版とリンクする描写としては、レベル10ケミー:クロスウィザードとレベル10カード複数、それに何か画策しているらしい釘宮リヒト。

 それは次回以降の波乱の暗示としまして、最後は「キッチンいちのせ」での1週間早いクリスマスパーティですな。そのシーンで、こちらでご教示頂いた宝太郎の欠けた記憶「宝太郎は幼少時にホッパー1」と会っている可能性が示唆される。ホッパー1はバッタのケミーですんで、そこが上述の1号・2号の風車とつながるのかしらん。1号・2号はバッタの改造人間のはずですんで。

 次回「クライシスXmas!オロチ事変」では「闇の錬金術師グリオン」登場ということで、新たな敵なのかしらん。もしかすると冥界の三姉妹の背後・上位の敵の影がちらついたりするのかな。

●王様戦隊キングオージャー(第41話:宇宙を救う時 )

 前の感想では「こういう面白がり方でいいのか」旨の部分が、NOVAさんに影響されてとご心配をおかけしましたようで申し訳ありません。いや確かに触発という意味では影響されたんですけど、あくまでもきっかけを貰って自分でよく考えなおしてみてのことでして。

 繰り返しになりますが、この時期(最終盤)にこの趣向(感動より感心優先)ではしゃいでていいのか、という番組本編よりもむしろ自分への疑問ですね。ですが、今話を観てつくづく自分が単純だなあと再確認してしまった次第。ラクレスがダグデドをバッサリ斬ったシーンですね。

 あそこで思わず両の拳握って「おっしゃあっ!」と言ってしまいました(^^;。そういうのが、あと2、3度あったりしますと、たぶん自分は最終回まで観終えて、ストーリーの落としどころとか度外視で「面白かった!」と言うと思います。

 とは申せ、ラクレスが振り返りざまに斬るに至るにはちゃんと段取りがありますな。今話冒頭からでも、「ラクレスの動きはダグデドのためのようではあるけど、もしかしたら?」と疑念と期待を抱かせるものがあります。それが「もし、こっちだったら」→「こうなって欲しい」と期待が高まったところで、あの袈裟懸け斬りに至ってます。さらに今までのラクレスの動きが思い出され、その意味もひっくり返りまして、さらに感動が深まるわけでして。

 そこを本編を追いつつの感想で申し上げてみたいと思います。まず冒頭ではギラの(ダグデドから授かった/受け継いだ)不死身性が語られる。これはなんだか唐突と感じると共に、今までのギラのピンチはピンチじゃなかったのかとちょっとガッカリするようなものもあります。とりあえずは剣の「裏コマンド」にギラだけ耐えられたことと、それを再び行使してダグデドに挑める説明にはなってます。

 が、現時点で最強の剣技もダグデドには不発。配下の五道化とは格が違うってことでしょうね。初見ではこの時点で何も思いませんでしたが、終わってから考えますと、ラクレスがダグデドに「ギラを倒す力」=「不死身を殺す力」を要求する伏線になってますな。

 しかしそれは後のことでして、とりあえずはギラ側に為す術なしとなり、さらに一撃将軍ダイゴーグ復活でさらにピンチに。ここでカグラギの『どちらの味方なのか?』問題が再浮上。既にラクレスと通じていることは観ているこちらには明かされてます。しかしオージャー戦士は知らない。裏切りそうですが、カグラギの「民を裏切ったことだけはございません」は確かにそうではある。結局、お人好しのギラがカグラギに槍を預けて、城を巨大ロボとして起動することを頼むと。

 これは危ないかも(ダイゴーグ&城ロボが敵となる)と思えますが、しかし城ロボは起動するとダイゴーグに一撃を入れ、ギラの召喚でゴッドキングオージャーとなり、前戦同様にダイゴーグを圧倒して倒す。これは一応、カグラギがギラ側のために動いていた可能性を思わせるものではありますが、なにせこのところは感心する仕掛け中心でしたんで、「これもラクレス/ダグデドのための策の一環か?」という疑いも残る。

 一方、ダグデド側。こんなんじゃつまんないと怒るダグデドにラクレスが締め上げられてますな。しかしラクレスがこの後に面白い趣向があるとして宥めると、俄然ダグデドは乗って来る。まず前座として、ギラ以外の王を面白おかしく倒してしまいましょう、とブーブークッションの圧力感知&時限爆弾を仕掛けたと示して見せる。さらに王を失って滅ぶチキューから必要人数を選抜して城宇宙船に乗せて、宇宙中の生命を殺して回りましょうと。

 ラクレスは王暗殺の仕掛けを「とびきり滑稽な罠」と強調してまして、これが後のヒルビルとの動きと連携してますね。ぱっと見には王側近を洗脳して、死へいざなう残酷なコメディを発生させるもの。しかしラクレスがラストで見せた真意を踏まえて観なおしますと、時間稼ぎの策だったと思えます。

 特にヤンマに対するシオカラですね。爆弾解除を試みるヤンマに、ヒルビルからくすぐってと頼まれたらしいシオカラがその通りに邪魔をする。が、ラクレスはその程度の妨害では利かず、ヤンマが爆弾解除して他のオージャー戦士も助けると踏んでたんじゃなかろうか。最後、青のリード線を切ろうとしたヤンマをシオカラが邪魔したため、誤って赤を切りますが、それこそ正解。もしかすると、ラクレスがヒルビルに「もし解除できる青を切りそうになったら、必ず赤を切らせろ」と言い含めてたのかも。

 ヒルビルはシュゴッド国民も洗脳にかかってまして、ラクレスの(表向きの)策通り、大勢を城の宇宙船へ誘導するわけですね。ヘッドフォン着用が多かったンコソパとは違い、全員の洗脳は難しいのでゴローゲなど声がデカくて影響力ある者を選んで事を運んでいる模様。

 この時点で動けるのは、ブーブークッションのトラップに囚われてないギラのみ。単騎で事態打開に走り出すわけですが、それこそラクレスの思うツボ(ギラを一人きりで誘い出して倒す)に見えますな。その策を打ち明けられたダグデドの台詞がちょっと意味深長。「シュゴッダムの王様は2千年、たいてい俺様のツボを心得てる」ですもんね。(カメジムによる)バグナラクの扇動以降、ダグデドがずっとシュゴッダム王家に干渉してきたことが窺えます。その台詞を聞いても動じないラクレスは、全て知っているんだろうか。

 ともかくも、ギラ vs ラクレスの一騎打ちの舞台は出来上がる。阻止するにはヤンマの爆弾解除が必要ですが、それを待たずにカグラギが平然と立ち上がっていずこかへ去る。カグラギのブーブークッションだけ爆発しない偽物で、しかも場所はトウフ城内を偽装したコーカサスカブト城内だったわけですね。まさに周到な準備の上での裏切りにしか見えません。しかも槍は依然としてカグラギの手中にあるわけですな。

 その槍を持って、カグラギはギラとラクレスの一騎打ちの現場に到着。槍をラクレスに投げ渡しまして、これで「やはりラクレスを利した、これでカグラギも完全に裏切者か」と思わせる流れ。その直前のギラとラクレスの舌戦でも、幼い頃を思い起こさせられたラクレスに動揺が見える、と思わせておいて、ラクレスは「やはり甘いな!」と叫んでギラを蹴り倒してます。

 ようやくヤンマが(うっかりミスで ^^;)爆弾解除し、他のオージャー戦士もそれに続くも、急には間に合いそうにない。槍を受け取ったラクレスが最強のキングオオクワガタオージャーとなり、ギラを一撃で吹き飛ばす。が、ギラは不死身だから倒し切れてはないわけですね。そこでダグデド登場、不死身を殺す力をラクレスに授ける。

 その直前、ラクレスとカグラギの会話もあったりするわけですね。その時点で自分は既に「こうなったらいいのに、いやそうなるはず」とワクワクしておりました。が、その会話含む全ての描写がラクレスがダグデドに尽くすか、それとも背くかハッキリしない、どちらにも転ぶと解せるものばかり。現れたダグデドがラクレスに与えた二つ名「暴虐」はネット公開された外伝では後々まで伝わる悪名らしいから、悪(ダグデド)に傾いて終わるのかも。

 みたいに期待しつつ不安にもなってましたら、ラクレス「この時を待っていた!」からの振り返りざまのダグデドへの袈裟懸け斬り。さらに逆袈裟、止めとばかりに再びの袈裟懸け。ここですね、上述しましたが自分が拳握って「おっしゃあ!」と声が出ちゃったのは。そしてラクレス「立てギラ、宇宙を救う時だ!」。カッコいいですねえ、そこで今話タイトルもタイミングよく表示されるし。

 ここでグッとくるのは、この斬った瞬間だけではないからですね。直前のカグラギとの会話の意味が反転して明確となり、ダグデドの言った「シュゴッダムの王様は2千年」云々、さらにその前と遡って、ついにはギラの幼少時の思い出にまで至る。そこから一気にこのシーンまでが走馬灯のように頭の中で思い出されつつ、意味づけは逆となってハッキリ道筋が明るく見える感じです。その情報量が一気に爆発するような感動ですね。

 ただ、ちょっと引っかかるものがないわけでもなくて。例えば、最初の兄弟対決ではラクレスが勝利したわけですが、止めの一撃で急所をわざと外してギラの命だけは助けたように見えました。が、あの時点でギラが不死身であったとすれば(たぶんそのはず)、急所なんか外さんでも良かったんじゃないかとか。しかし今となっては些細なことなわけでして。急所を外さなければ、ギラが不死身と早々に分かっちゃうから、と考えておけば辻褄合わなくもないですし。

 ラクレスはヒルビルについて「使い道がある」と言って、ゴーマを身代わりにすることによって助けたんでした。今話ではブーブークッション爆弾の成功率アップとドタバタ演出の裏で、大勢を宇宙船へ誘導もしてたわけですね。表向きの理由は、ダグデドに対しては宇宙中の生命を滅ぼす兵士にすることであり、ギラに対してはせめてチキューの人々(の一部)を生きながらえさせたいというもの。

 しかしラクレスも「反逆の戦隊」であることが明らかになりますと、宇宙船に乗って目指す「新天地」も意味が変わってきそうです。その辺りも含めて、次回「ラクレス王の秘密」で明かされると期待しておこう。なにせタイトルがネット公開された外伝「ラクレス王の秘密」と同じでして、その続編でもありそうですから。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/21 (Thu) 00:29:07

 特撮定例感想です。

★仮面ライダー3号

 これはドライブの時期の春映画ですな。

 ディケイド以降の平成ライダー2期は、1年に春夏冬の3回の劇場版が公開され、それぞれ以下のような特徴がありました。

・春映画:戦隊とコラボしたり、昭和ライダーとコラボしたり、1年で最もパラレル色の強い映画。
 TVシリーズの物語とはほぼ無関係で、最も荒唐無稽なお祭りネタ映画と考えた方がいいですね。
 ドライブ(仮面ライダー3号)では、ショッカーの歴史改変ビームで本来のライダーの歴史がおかしなことになって、最後にマッハ死亡という大惨事に。

 劇場に見に行くと、入場特典として『仮面ライダー4号の第1話』のDVDがもらえて、そこで同じ時間を繰り返すループが行われて、剛を甦らせようと頑張る進兄さんと、それに協力するゼロノス侑斗と、ファイズ巧の物語が展開します。
 で、この時間のループの原因がショッカーの歴史改変の後遺症に加えて、実はファイズの海堂直也の思惑が混じっていて、ファイズの知られざる後日譚にもなっていて、「仮面ライダー4号の意味がダブルミーニングだった」という種明かしが。

 4号は、劇場版の3号に続くショッカーの歴史改変の賜物で、表の強豪ラスボスだったのですが、
 4号を倒しても時間ループが終わらないのは何故か? という話になって、主役が新兄さんのドライブから、ファイズの巧になる。

 平成ライダー4号であるファイズは、TVの最終回の後、オルフェノクの寿命が尽きて死んでしまっていた。その結果、ただ一人生き残ったオルフェノクである海堂が、寂しさのあまり巧を生き返らせようと思って、ショッカーの歴史改変作用を利用する。
 結果として、巧は復活したものの、時間軸がおかしなことになってしまう。この時間軸を修復するためには、本来の歴史(乾巧の死)を受け入れなければならない。
 最後は、巧の自己犠牲と、海堂の悲嘆で物語が終結というオリジナルDVD作品だった、と。

 すると、どうして、この時期に『3号』を公開したか、という謎が、「来年のファイズ新作の公開」と絡めてのこと、と推測します。
 ならば、ファイズにスポットが当たる『4号』につなげて来るんじゃないかなあ、と予想しつつ。

・夏映画:ディケイド以降は、ライダーの最終回が1月から8月もしくは9月に切り替わったので、夏映画もTVの中盤から終盤時期になります。
 そんなわけで、現行作品の集大成的な映画となっていますね。戦隊とライダーの2本立てというのが基本で、TVの終盤とのリンク色が強い内容。
 そして、新番組ライダーの先行お披露目だったりもしますな。

・冬映画:こちらは、夏に最終回を迎えた前作ライダーと、現在放送中の現役ライダーのコラボ映画。春映画の荒唐無稽さに比べると、しっかりした脚本でTVの展開にもつながることが多い感じ。
 大体、冬映画で明かされた秘密が、番組後半の伏線になっていることが多いと思っています。

 そんなわけで、ライダー3号の筋書きは、TVのキャラクターを使いつつ、TVとは無関係と思っている方がいいですな。
 剛もそうですが、特にチェイスのファンが怒ってましたし(苦笑)。

 冬映画の入場特典DVDでは「プロトドライブとして伏線を残して、格好いい存在感を示していたチェイス」が、春映画の3号では情けない敵役描写と化し、その後のTV放送では味方として活躍するという、立ち位置の乱高下ぶりが、リアルタイムで見ると、酷かったり。
 文字どおり、3号を黒歴史として封印したいドライブファンが結構いたんじゃないかなあ。

 まあ、3号の脚本家の米村さんは、TVのドライブには全く関わってなかった人ですし、キャラへの愛着があまりなかったと思しき面もありましたな。
 TVのドライブは、三条陸さんがメインで、長谷川圭一さんがサブで、完成度の高かったシリーズですが、
 米村さんは物語的な整合性よりも、奇抜でエキセントリックな言動のキャラによるサプライズ展開に定評があるというか、いろいろとアクが強い作風。個人的には、筋の通っていない井上敏樹風味かな。

★ガッチャード

 三姉妹ホムンクルス説は、十分有り得ると思いますね。
 まあ、自分は九堂りんねもホムンクルスではないか、と想像しているのですが。

 つまり、三姉妹は自分たちがホムンクルスであることを自覚していて、りんねは自覚していないホムンクルス(父親に人間の娘として育てられていた)だとするなら、
 年明け、もしくは春ごろに正体バレで、ガーンというドラマに転がりそう、と思ってます。

 それはさておき、リヒト氏が冬の劇場版に絡むキャラだと明かされ、下手すると劇場版で倒されてしまい、年明け以降はTVからフェーズアウトしてしまう可能性が出て来ました。
 TVしか見てない人には、リヒトって何だったんだ、と思わせる展開なら、イヤだな、と。

 そして、劇場版でXナンバーズを消化してしまうなら、年明け後の賞味期限は意外と短そう。
 いや、まあ、年末フォームの寿命はいつも割と短い(クリスマスとお年玉用の商品なので、1月の半ばには販促終了)ので、UFOもXレックスも今が最盛期という目で見ちゃってます。

 ともあれ、今年は冬の劇場版にあまり食指が動いていなかったのですが、リヒト氏が劇場版で退場するキャラなのかどうかが気になるところ。

 あと、TV放送では、スパナの女師匠が登場するようで、彼のキャラクターが掘り下げられるなら、年明けの目玉がヴァルバラドのパワーアップかな、と。
 正直、主人公の強化フォームは多すぎて、いかにも賞味期限が短そうなので、じっくり強化を楽しみたいのはヴァルバラドの方なんですな。

 他には、過去の記憶にまつわるドラマは、長谷川さんも定評があるので、そこは期待したいと思ってます。

★キングオージャー

 ラクレスとギラの共闘という盛り上がりで、続きました。

 でも、次回予告を見ると、ラクレス王が重傷を負って倒れてそう? 果たして、兄王さまは無事に年を越せるのでしょうか?
 それとも、美味しい活躍を示して、華々しく散って、惜しい男を亡くしたという流れになるのか?

 クリスマス決戦で、ラクレス散る、で、お涙ちょうだい、となる可能性に7割。
 で、残り3割で、重傷を負って倒れたけど、その後、療養生活に入って、何だかんだ言って生き永らえるパターンかな。

 年明けで見たいサブタイトルは「7人の王様戦隊」ってところだけど、ラクレスが元気だと、ヤンマとの間で揉めそうなので、ギラとの共闘で力を消耗して、寝たきりラクレスになって、スズメの介護で「ラクレス様、あ〜ん」と食事の世話をしてもらってるとか、いろいろなラクレスを想像。

 で、次の放送は兄弟王とその他の戦隊の反撃を応援しつつ、ラクレスの安否を気にかけながら、
 年明けは……最近は次回作のヒーローやロボが先行お披露目する傾向があるので、ブンブンジャーがどこからともなく飛んできて、宇宙中の戦士がダグデドに立ち向かうみたいな流れになって、決戦展開かな。

 あとは、このタイミングで総集編の可能性も想像しつつ。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/21 (Thu) 23:13:27

 非定期感想です。

●スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号

 季節ごとのライダー映画の特徴のご解説、ありがとうございます。春の劇場版はTV本編と関わりの少ない、お祭り要素ありということでしたか。この劇場版の初見では位置づけとかちょっと戸惑ったんですが、お祭り、あるいは(ディケイド本編みたいに)「このライダーでこんなことしてみたい」ような遊びと考えれば納得いきます。

 敵の策謀が一応解決しても詩島剛/マッハが死亡したまま終わるのも、(映画最後で示された通り)続きがあるのが確定だからでしたか。それも劇場で続きの第1話のDVD配っていたとはなかなかに用意周到ですね。そこまでしてくれれば、結末に首をかしげながら映画館を出るということはなさそうです。

 チェイスの扱いにファンが怒っていたとのご教示通り、自分も途中のレースに出て来た魔進チェイサーは不満を覚えました。が、自分はドライブを観終えてのチェイスの印象が既にあってのことです。ドライブ側のライダーとなり、ゴルドドライブを討つマッハを助けるべく、ライダーの力を失ってもなお魔進チェイサーとして戦い抜いて倒れたヒーローということですね。

 しかしこの劇場版公開時(15年3月21日)でどうかと確認してみると、TV本編ではチェイスがメディックに囚われ再改造を受けた魔進チェイサーとして、ドライブ側の敵になっていたときですね。敵たる魔進チェイサーという点では合ってはいるようです。が、その流れは「霧子があれだけ必死になっているチェイスは帰って来てくれるはず」という期待を生むものでありました。自分が劇場版公開時に観たとしたら、やっぱり文句言いそうです(^^;。

 しかしお祭りであり本編にはなるべく触らない趣向だと思えば、まあそういうのもありとしておこう、くらいでしょうか。登場ライダーはまたもや平成と昭和からずらりと揃ってて豪華ですし、歴代ライダーのレースという変わった見せ場まであります。レースは妨害ありでして、どっかで見たようなものがあると思ったら(車輪から槍が出て他者のタイヤを破壊)、古い映画「ベン・ハー」をモチーフにしてましたか。

 全体ストーリーとしては終盤まで、ライダーらがショッカー首領の思惑通りに動かされていたというもので、それを最前線で行っていたのが3号ということですね。一応は石ノ森章太郎さんの作風を尊重してか、3号の改心が事態を解決に導くというものになってますな。

 話の流れとしては70年代にショッカーを壊滅させた1号・2号ライダーを3号が倒してしまったという歴史改変から始まる。これが終盤でショッカーの「歴史改変ビーム」による、ショッカーの望む歴史の創造といったことらしい。その改変歴史では歴代ライダーのほとんどは洗脳を受けてしまっている。

 ただし、昭和と平成にまたがる仮面ライダーBLACK/RX、人間ではなくなったオルフェノクの555、歴史・時間を超越する電王勢などは洗脳を免れているだけでなく、元の歴史と改変された歴史の違いを認識していると。それだけでなく、どうやら「歴史改変ビーム」は不完全なようでして、詩島霧子は2015年の元の歴史しか知らない状態のまま、改変された歴史に放り込まれて戸惑ったりしてるわけですね。

 ともかくも大勢は決した状態でしてショッカーの支配する世界になっている。少数の者が反抗してショッカーに歯向かうライダーこそが救世主と訴えるも、事態をひっくり返すほどの力はないらしい。

 しかしBLACKはその声に応え続けているらしく、ショッカーに抗する人々を救おうと現れる。が、銃口を向けられ、避ければ後ろの子供に当たるという状況で撃たれてしまう。これを見た、この改変歴史しか知らず、ライダー捕縛機関となっている特状課を当たり前に受け入れている進ノ介はようやく何かおかしいと思い始めると。どうやらその辺りも「歴史改変ビーム」が不完全だからなのか、ライダーが持つヒーロー魂のお蔭なのか。

 そこへ3号がショッカーに歯向かう者として現れて、ドライブ/進ノ介と行動を共にすることになるわけですな。電王の桜井侑斗/ゼロノスや555の巧など少数を除き、これ以降にショッカーと戦う姿勢のライダーが出てきても、実は洗脳済みのショッカー側。3号がショッカーライダーを何人か倒してますが、打ち合わせ済みと見ていいんだろう。

 全ては事態に気付き始めた進ノ介らをライダータウンと称する、実はショッカー側の中核エリアにして首領所在のショッカータウンへおびき出すためですね。そこに死んだと思っていた霧子が人質として捕われている。進ノ介がショッカー首領に奇妙な提案しまして、レース(ライダーグランプリ)やろうと。何を言いだしたのかと思ったんですが、意外にも首領はOK出す。

 一応、レースまで捕縛された進ノ介と桜井侑斗の会話でフォローはありまして、ドライブらを倒したいにしては手が込みすぎていると。首領に何か別の狙いがある。この時点ではハッキリしませんが、後で明らかになるのが依り代とでもいったらいいか、電子頭脳内の首領が己が身体とするべく、最優秀のライダーを選ぼうとしていたというわけですね。

 レースになるわけですが、チェイス(魔進チェイサー)の扱いは上述の通りとしてともかく、仮面ライダーWからリボルギャリーが参戦しますと、ちょっと異様な絵になりますな(^^;。こんなにデカかったのか、と改めて思います。妨害ありのレースとなればリボルギャリーが圧勝しそうですが、そうはならないのはご愛敬、お約束でしょうか。

 まあ3号がトライサイクロンで異様なほどの勝ちへの執念でルール無用の妨害に出ますしね。その執念を疑問に思ったのが進ノ介。レース途中の3号との会話で「1号・2号を倒したことを後悔している」から、勝ちにこだわると指摘するわけですね。正確には「後悔していると認めたくない」からでしょうか。そんな悩みが生じるのも、3号/黒井響一郎が脳改造を受けていないから。

 このヒーロー議論はいったん決裂してしまうわけですが、レースはドライブが3号をわずかに押さえて勝ったことで、続きの議論でようやく3号は吹っ切れた様子が見えます。この過程なんですけど、3号/黒井がドライブらを騙すための芝居を続けているうちに、自分(黒井)が自らの演技に取り込まれたのかなと思います。嘘のつもりでやったり言ったりしてみたら、その嘘のほうに納得してしまったみたいな。そうだとすればですが、自分の思う石森正太郎さんの描きそうな改心するヒーローという感じがします。

 その一方、ちょっと納得しにくいのがレース中に3号からドライブの応援に傾く大勢の一般人です。いや、疑いの目で見ていたたくさんの人が正義のヒーローの活躍に感じ入って応援するのは燃える流れなんです。問題なのは、他の劇場版でよく描かれた「ライダーはライダーを愛する人々によって存在し、その期待に応えて現れる」とはなってない点ですね。

 この劇場版では「ヒーローがみんなを正しき方向へ導く」といった感じでしょうか。ライダーは決してファンから力を貰わない。ファンに力を与えるだけ。そこはこちらでご指摘のある脚本家さんの考えということなのかな。調べてみると脚本の米村正二さんはライダーシリーズではカブトこそ「全49話中33本」のメインライターですが、他は2~4話担当が4本といったところですね。

 しかし注目したのは、ディケイドの中盤メインライターであることです(全31話中10話執筆)。ディケイドで登場するのはAR(アナザーライダー)で、対応する本編のレジェンドとは全く違うこともしばしばでした。レジェンドが少し登場しますが(キバなど)、その扱いは元の本編でのヒーローらしからぬ振舞もしばしば。

 春の劇場版は本編と対応しないお祭り的なものということで、もしかすると「ディケイドみたいな感じで作ろう」と脚本家さんは思ったのかも。そうだとすればですが、「ファンの期待に応えるヒーロー」ではなく「ファンを惹きつけるヒーロー」という演出になっているのも理解できる気がします(満足はしませんけど ^^;)。

 それはともかく、3号の改心は首領が取り込んでしまったことで中断。首領は電子頭脳から巨大ライダーロボに変わり、暴れ始める。1号・2号が復活して電子頭脳から飛び出し、レジェンドの洗脳が解け、巨大には巨大でJ(ジャンボフォーメーション)が立ち向かうも、歴史改変ビームでJを始め、レジェンドが次々消失、とシーソーゲームながらもライダー側が敗勢。

 ここで3号が復活して、巨大ライダーロボから飛び出し、歴史改変ビームを使用不能に。1号・2号を倒した歴史をリセットするべくの行動ですが、それはしかし3号自身の消滅も意味する。ここにおいて3号の改心は完成する。

 歴史改変ビームを無効化したとはいえ、巨大であるライダーロボをどうするのか、となりますが、ここで手裏剣戦隊ニンニンジャー登場が意味を持ってくるのか。共闘にしては顔見世程度なのは、巨大戦の後始末だけの役割だからみたいですね。

 かくして巨大ライダーロボ=ショッカー首領は倒され、歴史は元に戻り始める。黒井も消滅しちゃうわけですね。上記で脚本家さんのライダー観にケチつけちゃいましたが、消えゆく3号/黒井に桜井侑斗/ゼロノスがかけた言葉「人の記憶こそが時間なんだ」は納得できるものでした。そういう台詞を言わせられるなら、3号からドライブに傾いた応援でちょっとは奇跡起こして欲しかったかもです。

 それはともかく、詩島剛/マッハだけは蘇らず。これが最後の最後で出て来たライダー=4号の続編で解決されるわけですか。改変された歴史から消えた3号/黒井は元の歴史ではレーサーで、無事活躍しているとスポーツ新聞に。

 ただし70年代に1号・2号を倒した黒井が2015年に現役レーサー(しかも姿かたちそのまま)という矛盾は演出では解消できず、「いったい幾つなんだよ」という進ノ介の台詞で笑ってごまかすしかない。ここは古い新聞のコピーとかにしとけばよかったのかも。

 まああれこれありますが、こちらのご解説も踏まえて観なおしますと、なかなか楽しめました。自力のみで観てたら、今も首をかしげてたかもです。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/23 (Sat) 13:48:16

 ゴブリンスレイヤー最終回感想です。

★女神官の成長譚

 まずは、女神官さんと王妹ちゃんの因縁の解消ですね。
 ゴブリンプリーストを前回のラストでゴブスレさんが倒して(武器も突きつけずに人質を盾にしようとして、相手がためらうかとプリーストは期待したみたいですが、ゴブリン相手に百戦錬磨のゴブスレさんには通用せず、瞬殺)、
 救出された王妹ちゃんを、女神官さんがしっかりと抱きしめる。
 その直前に、自分の大事な鎖帷子を見つけて、どちらも無事なのに安堵するわけですね。

 ここで、鎖帷子と王妹のどちらかが失われていたら、後にしこりが残っていたろうと思いながら、両方ともぎゅっと抱きしめたところまでがOP前のアバン。
 それまでは、王妹ちゃんを助けたら、どんな説教をしてやろうか、と考えていたものの、結局、言葉にはならず、抱きしめて「もう、大丈夫ですよ」と言うのみ。

 その後も、無力にただ震えて、愚かな自分の所業に謝っている王妹ちゃんを見て、1年半前の自分の姿を思い出して、「彼女は私だ」と感じているシーンはしっかりアニメでも描写。
 ここは後々、重要なポイントかと思いますので、割愛されなくて良かったです。
 この後、ラストで「王妹ちゃんが自分の出会った地母神の神官さまに憧れて、地母神に帰依するようになった」という後日譚を聞いて、自分の成果は無駄じゃなかった、と感じ入る女神官さんの実感で、今期の彼女のドラマは完結。

 最初、王妹ちゃんが修道院に……という話を受付嬢から聞いた時に、「世をはかなんで……」と悪い方の連想をしたら、思いの外に自分に憧れて……という話を聞いて、当面のハッピーエンドです。
 その後、王妹ちゃんは、2つの巻でゲスト出演し、女神官さんとの再会で元気そうに友誼を寿ぎます。

 1回は、辺境の町で初心者冒険者の訓練用の「迷宮探検競技」イベントを見学に王妹さんが遊びに来て、
 もう1回は、最新刊で王都開催の競技槍試合を観戦に(ここで少年魔術師や圃人剣士の少女とも再会)、ただ試合の最中に王妹暗殺計画の陰謀を聞きつけたことで、女神官が影武者になって……最後は競技場を襲撃する魔神の軍団に、女神官さんが観客の冒険者に檄を飛ばして(ちょうど今回の剣の乙女みたいな振る舞い)、形としては凛と振る舞う王妹殿下が冒険者を率いるような派手なバトルで、今のところ原作小説は終了した、と。

 その頃、ゴブスレさんたちは、地下で目覚めた先王吸血鬼の成れの果てとバトル。
 ある意味、今期のアニメの集大成的なエピソードが、原作16巻だと(たぶんダイカタナ完結記念の意味合いもある。8巻がダイカタナ開始記念だったりもしますし)。
 ともあれ、9巻以降は、女神官さんの成長が著しくて、ゴブスレさんとも別行動をとる機会が多くなり、まあ、実質的な主役と言っても過言ではないわけで。

★グレーターデーモンの手

 グレーターデーモンは強敵すぎて、ゴブスレさんたちでは勝てないので、プリーストの死に際の中途半端な召喚儀式で、「手」だけ復活して来ましたよ、と。
 生贄には、プリースト自身の体を使って。

 また、この部族が「手の紋様」を使っていたことの伏線回収にもなってます。

 で、この手が吹雪の魔法を放って来ます。
 ウィザードリィのファンだと、グレーターデーモンが得意とするMADALTO(上級氷結呪文)を連想するわけですし、
 9話で、6英雄が戦った敵もグレーターデーモンなので、短時間に連続して見ると、きれいにつながっていることが分かるはず。

 そして、今期のアニメが、春スタートで、夏の川と海回、秋の収穫期に王都へ向かい、最後の迷宮で冬に直面する。
 うまく四季を描写したな、と。

 本当はこの後の9巻が冬そのままのエピソードなのですが、アニメ3期はそこからかな。
 ゴブスレさんと牛飼娘が2人で遭難して、ゴブリンの群れを率いるオーガ(1巻で倒したオーガの弟)の復讐に巻き込まれるという内容。
 一方で、頼りの仲間たちは、別の依頼で女神官をリーダーに「雪の魔女という吸血鬼」と戦うことになるという展開で……
 別行動のゴブスレさんの牛飼娘との関係が進展するピンチ編と、女神官さんのゴブスレ的奇策の成長ぶりが楽しめて、
 最終的に両パーティーの合流に至るまでの波乱万丈展開が楽しめたエピソード。

 2つめの劇場版にしてもいいかもしれない、と思いつつ。

 話を戻して、グレーターデーモンの手のサイズが、原作を読んだときは、せいぜいゴブリンサイズかと思っていたのですが(素早く動くし)、アニメだとラスボスにふさわしい巨大サイズで、そこはヴィジュアル的なインパクトが凄かったな、と。

 最終話にふさわしい巨敵だったわけで、見応えあるバトルでした。

★剣の乙女の覚醒

 ラスボスを倒して、迷宮から脱出したゴブスレ一党。
 しかし、体力も魔力も限界に達して、廃都に群がるゴブリン集団を前に、万全の態勢では戦えない状況。

 いつもなら、ゴブリンの群れの30体ぐらいならあしらえるパーティーが、絶望に苛まれながらも決死の戦いの覚悟を定めた時に、
 ゴブリンの群れをなぎ払う雷撃。

 ここで前回の剣の乙女のセリフ(危険に立ち向かう勇気云々)の結果が出てくるわけですね。
 相手はゴブリンだと思えば怖いけど、魔神を召喚する邪神の輩と思えば、至高神の大司教としては見過ごしにできない。
 それを後押ししたのは、ゴブスレさんがこしらえた資料(手の紋様が、邪神に通じる可能性)と、愛する者を守り助けたいという想いとかですね。

 そして、各神殿の神官戦士を、至高神の名の元に召集し、聖戦という形で事態を収拾する。
 王国は身内の不祥事に軍を出せないけど、神殿は邪神の軍勢を裁くために独自の戦力を出すことが可能、と。
 まあ、結果的に、ゴブスレさんが邪神の暗躍の証拠となる資料を用意していたおかげなんですけど。

 結果的に、ゴブスレさんの人脈を活用する政治力(本人は無自覚だけど)が功を奏した形ですね。

 ともあれ、剣の乙女さんの最大の見せ場だったと思います。
 この後は、原作小説ではあまり出て来なくなったな。まあ、外伝のダイカタナで若き日の活躍が描かれているので、作者的には出番が減ったという意識はないのかもしれないけど。

 剣の乙女さんが今回の覚醒を経て、ゴブスレさんへの想いを昇華できたのかどうかは、まだ分からず。
 ただ、ゴブリン相手に怖気づく弱さは、多少とも克服できた感。

★暴れん坊国王

 今回の事件を裏で策謀していた悪徳貴族と覚知神官。事件の全容をベラベラ喋っています。

 それを成敗する鉄仮面ヒーローが「金剛石の騎士」。なお、その名前の由来も、ウィザードリィ2(ファミコン版では3)ですね。
 ナイト・オブ・ダイヤモンドですが、元ネタは暴れん坊将軍。

 種明かし的な間章なので、割愛されるかも、と思ってたら、まあ、上手く挿入してくれました。
 事件の黒幕を国王が自らの手で成敗してくれたわけですが、ゴブスレさんたちはそういう背景を知らないまま、と。

★大団円

 そして、事件がきれいに解決して、冒険者ギルドでの祝宴……は1期みたいな盛り上がりではなく、
 女神官、妖精弓手、受付嬢の3人の談話のみですな。

 ゴブスレさんはプリンセス救出と、魔神の一部を撃退、さらに剣の乙女の精神的支援、勇者のアシストなど、王国の平和のために多大な活躍をしたのに、「自分はゴブリンを退治しただけだ」と言い張って、報酬もその程度しかもらわなかったという話。

 その気になれば、金等級(王国の重鎮)に士官することも可能なのに、相変わらず辺境でのゴブリン退治以上のことを望まない、ゴブスレさんのストイックさが強調されるエンディングなんですね。

 ゴブスレさんの自己評価の低さに、妖精弓手が愚痴り、同じく女神官も「自分は成長できていない」という認識に対して、受付嬢の王妹に関するセリフから、思いがけない心的報酬を得た形。

 一方、冒険を終えて、牧場に帰還するゴブスレさん。
 今期の回想シーンがいろいろ挟まり、それぞれの知人がそれぞれの道で成長し、物語を紡ぐ中で、自分は相変わらずゴブリン退治を続けるだけ。
 彼らのように夢を求めて、成長することは自分にはできない、ただ自分の仕事をするだけだと思いつめながらも、それを出迎えてくれる幼馴染の娘のところに帰り着く。

 アニメでは、暗いエンディングにも見えましたが、
 原作小説では、これから迎える冬を前に、暖かい家に帰って来た。
 著しい成長はなくとも、日常の仕事をコツコツ続けることの意味を噛みしめる終わり方なんですね。

 すごい仕事を成し遂げても、それで人生、全てが変わるわけではない。ただ、自分の決めた仕事をストイックにこなすゴブスレ流儀を強調して幕、と。

 まあ、次巻は、その日常(牛飼娘)を守るために、必死のゴブスレさんの物語が待っているのですが、
 続編のアニメが制作される情報が、また入って来ましたら、続きを語る機会ができることを楽しみにしたいと思います。

 この度は、大好きな作品談義に、長々とお付き合いいただき感謝申し上げつつ、来年もよい作品に巡り会えて、鑑賞談話できることを願っています。

PS.まあ、今年もあと1、2回ぐらいは書き込むつもりですけど(特撮話とか)。必殺は来年に感想かな。
 アニメだと、次はバスタード2期かな、とも。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/24 (Sun) 19:22:48

 非定期特撮感想です。

 さっき、ギーツ&ガッチャードの劇場版を見て参りましたので、今朝の放送を補完するために、内容をざっと紹介しておきます。

 物語の中心はガッチャードで、そこにギーツの5人(英寿、景和、祢音、道長、ツムリ)がゲスト的に参入する形です。
 1本の長編ストーリーですが、大きく分けると4部構成になりますか。

★1部:2作品ヒーロー合流

 物語冒頭で、飼い犬の死を嘆く少年の過去シーンが入ってから本編。

 錬金アカデミーの面々withスパナは、新たなケミー・ウツボッチャマの捕獲のために、お化け騒ぎの噂が流れる廃墟に忍び込みます。

 ただし、宝太郎だけは寝坊してしまい、母親に文句を言ってると、母親の方も宝太郎が期末テストの結果(9点とか15点とか厳しい点数)を隠していたことを叱りつけ、ケンカになってしまいます。
 こんな家に2度と帰って来るもんか! と家出騒ぎになって、宝太郎は家を飛び出して、仲間に合流。
 この宝太郎の家出から始まる大騒動で、物語の究極の目的が「主人公が母親の元に帰ること」に帰着する流れですな。

 そして、ウツボッチャマは、りんねがあっさり捕まえて、宝太郎は遅れて来て何もできなかったことを悔しがり、スパナに「素人錬金術師の日常って奴だな」と皮肉を言われ、次こそ大物ケミーを捕まえて見せる! と息巻いた直後、
 Xナンバーズのクロスウィザードが召喚した擬似ジャマトが出現。

 勝手の違う相手に戸惑う錬金アカデミーの面々ですが、そこに道長、景和、祢音の3人が現れて、「こいつらはジャマトだ。俺たちに任せておけ」と変身。

 「ジャマトって何?」と質問するも答えは帰って来ず、さらにもう一人、別の男が出現。
 「神さまのお出ましか」とバッファ道長が呟き、英寿もギーツに変身。
 「気をつけて。いつものジャマトと何だか違う」とナーゴ祢音。
 「だけど、普通の人が襲われているのを見過ごせないよ」とタイクーン景和。

「あんたたちも仮面ライダー?」と尋ねる宝太郎に、
「そうだ……と言ったら信じるか?」とうそぶくギーツ英寿。

「だったら、ぼくたちも変身だ」と加勢しようとする宝太郎に、スパナも「他所者だけに任せられないからな」と同時に変身&鉄鋼。

 そして、5人ライダー&ヴァルバラドの6人戦士の集団戦、上手く連携を取れたり、あまり噛み合わなかったりのバトルの末に、ザコジャマト軍団は壊滅。

 しかし、そこに5体のXナンバーズが出現。また、クロスウィザードの放ったビームを浴びたバッファ、タイクーン、ナーゴの3人はケミーにされてしまう。
 ギーツも光線を浴びたはずが、ケミー化は免れる。ただ、そこに白ギツネのケミーが出現。英寿に懐くので、そこに駆けつけたツムリがギーツケミーと名付ける。

英寿「俺はペットを持つつもりはない」と邪険にしますが、りんねが保護することに。

 ともあれ、ケミー化された3人ライダーを元に戻すために、ゲームで遊んで欲しいと要求するクロスウィザード。
 人の言葉を喋るケミーの存在に興奮する宝太郎は興奮しますが、りんねがたしなめ、「仲間を人質にとるとは、悪趣味なゲームだ」と皮肉に返す英寿。
 ゲームということで、ツムリが場を仕切ることになり、5体のXナンバーズケミーを確保することが勝利条件の「最強ケミー捕獲ゲーム」が開催されます。

★2部:Xナンバーズ捕獲ゲーム

 ケミー確保には錬金術師の力が必要なので、チーム構成は以下の通りに。

・蓮華&錆丸withナーゴケミー
・スパナwithバッファケミー
・りんねwithギーツ&ギーツケミー
・宝太郎withタイクーンケミー

 ケミー化したライダーは、カードから力を解放したら一時的にライダーに戻れる仕様なので、それぞれのチームで交流したり連携をとったりしながら、それぞれの難題をクリアしていきます(詳細は割愛)。

 結果的に、5体のXナンバーズを確保することに成功して、宝太郎はクロスウィザードと友だちになって、心を開くことに成功……したかのように見えます。
 ケミー化した3人ライダーも元の姿に戻って、めでたしめでたし……

★3部:夢の世界

 事件から半年が経ちました。
 一流の錬金術師として認められた宝太郎。そこでは、ケミーと人が調和し、ホッパー1が人の言葉を喋り、母親が宝太郎に「店の手伝いも、勉強もしなくていいから、好きなことをしなさい」と言ってくれ、
 やけに陽気なスパナが宝太郎に優しくして、料理を絶賛する世界。
 錆丸先輩が明るく喋り、蓮華先輩がお金持ちになって……普段とは全然違う演技が楽しい世界です(笑)。

 一方で、りんねが家に帰ると、そこには父親が待っていて、りんねの成長を喜んでくれる。

 英寿を除く、ギーツライダーたちもそれぞれの願望が実現したような世界で、まあ、その願望が笑えるのですが。

・道長:上等な牛肉を、現場仕事の仲間に「俺のオゴリだ」と豪勢に振る舞っている。
・祢音:愛しの王子さまを見つけて、追いかけ回している。
・景和:何故か刑事になっていて、容疑者の尋問の際にカツ丼ならぬ「天ぷらそば」を差し入れてやると、相手は涙を流して素直に自白する。

 ええと、ギーツライダーの願望の解釈って、それでいいのか? まあ、脚本がガッチャードのサブライターの内田さんなので、ギーツの方のキャラ解釈にズレがあるのかもしれませんが、一応、ギーツの脚本の高橋さんの監修も入ってるみたいだし、コミカルに寄せている?

 そして、さすがは主人公というか、母親とのケンカがシコリになっていた宝太郎が、「こんな世界は本物じゃない。俺は本物の母さんにゴメンって言いたいんだ」と叫んで、クロスウィザードの夢の世界を否定します。
 そこに神さまのギーツが現れて、「お前が本気で願うなら、元の世界に戻ることができる」と言います。まあ、ギーツの神さま設定は、自分の願いを叶えることはできないけど、他の誰かの願いを叶えることができるってことですからね。

 そこで、宝太郎の願いでクロスウィザードの夢の世界は打破されて、現実に帰還することができます。

クロスウィザード「どうして夢の世界にずっといてはいけないのさ? 夢の中だと、何でも好きなことができるし、友だちだって自由に作られる」
 だけど、宝太郎はクロスウィザードの心の中を見ることができて、「夢の世界で人間の友だちと一緒に遊んでいても、それは空虚なもので、幻として消えてしまう寂しさを抱えている」ことを見抜いて、

宝太郎「俺は幻じゃなくて、本物の君と友だちになりたい。それが許される世界を目指したい。だから力ある錬金術師を目指しているんだ。現実の世界を変えたいんだ。だから、君の力を貸して欲しい」

 そうして、宝太郎とクロスウィザードが心を通わせようとしたタイミングで、黒幕の釘宮リヒトが現れるんですね。

★4部:リヒトとの対決

 リヒトは、闇の力でクロスウィザードを吸収して、ウィザードマルガムに変身します。
 彼の正体は、2000年前にジャマトグランプリで、浮世英寿と戦って敗れた古代人。英寿同様に転生したのか、それとも執念で不老の法を見つけ出したのかは不明ですが、2000年の間、英寿に勝つことだけを願い、錬金術という未知のテクノロジーの力と出会って、それを極めて、英寿を誘き寄せるために、クロスウィザードの心と力を悪用したとのこと。

 そして、ウィザードマルガムの力は、好きなものを召喚し、また眠りの世界に誘う広域睡眠能力など。
 ウィザードの魔法は、神さまギーツの動きを封じることができ、また錬金術師として未熟なガッチャードにも対抗できない。
 道長とスパナが連携して斬り込みますが、能力差が大きくて圧倒される。

 ウィザードの魔力を封じる方法を探した錬金アカデミーの面々は、まだ未解明の「幻獣カテゴリーのユニコーン」と「宇宙カテゴリーのザ・サン」の力を合わせれば、その浄化作用で対抗できるという可能性を見出しますが、そのケミーカードを使える者がいない。
 そこで、りんねさんが「ウィザードの見せた夢の中の父親なら、その力の使い方を教えてくれるかも」と考えて、わざとウィザードの睡眠魔法を身に受ける。
 倒れているりんねを守るために戦う景和と祢音の姿を映しつつ、夢の中で父親にユニコーンと太陽の秘密を尋ねたりんね。
「お前に戦う覚悟はあるか?」と尋ねられて、「誰かを私自身の力で守りたい。そのために戦います」と決断し、夢の父親からアルケミストリングに力を授かる。
 そして、新たな指輪の力を起動させると、腰にライダーのドライバーが出現し、りんねは「仮面ライダーマジェード」に変身します。

 その後は、ピンチのギーツとガッチャードのところに、新たなライダー・マジェードが飛来し、ウィザードの魔力を全て中和します。
「あなたの魔法は、私には通用しない」
 そう断言して、マジェードはウィザード・マルガムを単独で撃退するのに成功します。

 しかし、変身が解除されたリヒトはなおも執念を見せて、闇の力をさらに高めると、ヴァルバラドとバッファの力を吸収。さらに、「浮世英寿を倒すためなら、あらゆる力を吸収してやる」と叫んで、景和とか祢音とかミナト先生とか蓮華先輩とか錆丸先輩とか、避難している一般人とかを全てブラックホールみたいな虚空の穴に吸い込んで、力を高めます。
 ええと、画面中で助かったのは、咄嗟に障壁を張ったりんねと、彼女がかばった宝太郎。そして、英寿をかばったギーツケミー。
 ギーツケミーの力もリヒトに吸収され、その姿は歪んだギーツとも言うべきギーツキラーに。

 あまりにも多くを巻き込んで暴走したリヒトのギーツキラーに対して、「釘宮リヒト! お前の妄執のために何の関係もない人やケミーを巻き込んで、俺は絶対に許さない! 必ず倒してやる!」

 その願いを受けて、英寿も神力を発揮します。「ああ、宝太郎。絶対に奴を倒して、世界を元に戻そう」

 さらに宝太郎の想いに感じ入った5体のXナンバーズが、五芒星を形作って、スーパーガッチャードに多重錬成装着されて、現段階の最強フォームになります。
 神パワーのギーツと5重錬成のスーパーガッチャードの合体攻撃で、巨大な化け物と化したギーツキラー・リヒトは打ち破られ、
 崩壊していた世界は(たぶん)神さまパワーで何事もなかったかのように再生。

 無力化されたリヒト氏(生きていたんだ)は、ミナト先生の手で捕縛されて……どう処分されるんだろう?
 錬金連合の上層部って、TVでの描写だといまいち当てにならなそうなんだな。
 ギーツの世界に連れて行ってもらった方が安心じゃないだろうか。

 ともあれ、リヒト氏は冬映画のラスボスとして暴れたから、これで退場してTVではもう出て来ないと思いますが、死んではいないから、ほとぼりが冷めて、今回の映画がDVD販売されるゴールデンウィークごろにまた再登場する可能性もゼロじゃないかな。

 この後、それぞれのドラマで宝太郎は母親のところに無事に帰り(無断外泊を叱られますが、その後、抱きしめられる)、
 英寿は自分を何度か助けてくれたギーツケミー(鳴き声からコンと呼称される)の正体が、この時代の自分が前世の記憶に覚醒する前に飼っていた愛犬コンスタンティンであったことに気づきます(物語冒頭の伏線回収)。
 可愛がっていた愛犬コンの死があまりに悲しかったから、もう2度とペットは飼わないと誓い、
 一方でコンの魂が自分を可愛がってくれた現代の英寿と再び会いたいと願っていた時に、クロスウィザードのケミー化ビームがギーツにも照射される際に、ギーツを庇って愛犬の魂がケミー化したのがギーツケミーだった、と。

「コン、お前だったのか」どこかのキツネ童話と同じようなセリフで、「クリスマスの感動をくれた」わけですね。
 英寿と分かり合ったコンの魂は昇華され、それを涙とともに見届けた英寿も神さまとして消え失せます。
「神の目にも涙か」と道長の呟きが印象的。

 で、今回の物語が上映わずか2日後のTV放送(16話)の前日譚に当たり、その内容がTVに与えた影響は以下の3点ですな。

1:Xナンバーズ5体を新たに確保。ガッチャード新フォーム披露。
2:りんねが味方の2号ライダー・マジェードに変身。
3:釘宮リヒトが敵役として退場。

 で、16話では、劇場版とは無関係に、また新ライダー、オレンジのガッチャード・デイブレイクが登場し、
 劇場版を見た人でさえ、「こんなライダー知らない。正体は誰なんだ一体?」と、ニチアサを騒然とさせたわけで。

 まあ、ガッチャードについてはサプライズ続きの年末でした、と。
 年が明けると、ガッチャード、マジェード、そしてスパナがベルトで変身する仮面ライダー・ヴァルバラドの3人ライダー体制になりそうで、新展開をワクワクしつつ。
 

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/25 (Mon) 00:19:13

 定期感想その1です。

 ギーツ&ガッチャード劇場版のご感想、ご解説ありがとうございます。ガッチャードTV本編との「完全連動」がどういうものか、かなり分かりまして助かります。詳しくはガッチャードの感想(翌日以降の予定)のときに申し上げようかと思います。

 新戦隊の正式発表がネットでありまして、こちらで伺った通り「爆上戦隊ブンブンジャー」ですね。クルマモチーフというところは過去例がありますが、自分で組み上げるというビルド面があるとのこと。

・TV朝日:爆上戦隊ブンブンジャー
https://www.tv-asahi.co.jp/boonboom/

 それ以上は今のところ詳しいところは分からず。年が明ければ東映公式などで新番組発表会があるでしょうから、現時点では情報公開控えめなのかも。

●ゴブリンスレイヤーII(第12話/最終回:祈りよ、天に届いているか)

 まず視聴・感想完走のお礼を申し上げたいと思います。今回はこの2期だけでなく、1期についてもいろいろ詳しいご教示を頂きました。それも自分が暴走しまして(^^;、ABEMAで無料放映してくれた1期の感想も大量投稿したら、それについても訂正や補足を頂けたわけでして。

 それで1期が理解できました気がします。自力の視聴だけでもかなり強い印象を受けましたが、原作のご解説などを踏まえてみますと、ゴブスレさんのみならず主要各キャラクターの行動や言動の意味が分かり、ドラマが味わい深くなります。

 結果、ハマりました。視聴4周めまではこちらで報告しましたが、あの後、さらに1周。録画してれば折に触れて観なおせばいいんですが、1期の無料視聴期間がいつ終わるか不安だったわけでして。5周めともなりますとだいたい頭に入ったようで、観ながらいろいろ考えが浮かぶようになりました。

 それ抜きに2期を観ても楽しめたとは思いますし、(1期の感想サイト情報だけでも興味を持っていただけに)感想を申したとは思いますが「なかなか良かった、結構面白かった」くらいに留まったかも。いろいろ理由はありますが、特に2期ではゴブリンのむごさが1期よりは控えめでしたから。ゴブスレさんのほうも1期第1話のような子ゴブリン殺しなどの厳しさ描写は控えめ。

 となりますと、表面的にはライトな魔物討伐物語に近くなります。が、1期を理解してみると違って見えるわけで。ゴブリンのほうは不変でして、あの1期の残忍な行いを平気でする者が2期でもこうしている、となります。放置すればどうなるか分からない。そこはOP映像で少し描かれてる感じですね。

 しかし描写だけではなくドラマの流れとしても1期のような絶望寄り・ギリギリの生き残りの感じではないのが2期でして。それが単に話が甘くなったわけではないと感じられるのは、こちらでご教示頂いたゴブスレさん(と女神官さん)の変化ですね。ゴブスレさんに次第に人間味が戻りつつあるというもの。1期でも確かにそんな感じがありますが、言われてみるまで気が付きませんでした。

 しかし気が付いてみれば「1期ラストであそこまで変わったゴブスレさんだから、この2期ではこうするようになったか」みたいな感じで納得する点多々です。1期と2期と分けずに、一貫した流れがあると感じられるとさらに面白い。そういう見方ができたのも、こちらで拙い感想にお付き合いいただき、ご教示をいろいろ賜ったお陰です。

 これだけゴブリンスレイヤー(アニメ)シリーズを面白がらせてもらえて、大変に感謝している次第です。

 ともかく本編。原作9巻以降は女神官さんが実質的な主役になることが多いとのことですが、今話でも女神官さんを軸にドラマが動き、かつ女神官さん視点であるような印象ですね。

 冒頭は前話でゴブリンプリーストをゴブスレさんが棍棒で叩き潰した続きから。辺りは静かになり、新たな敵勢はいない模様。一同ホッとしまして、女神官さんは王妹に駆け寄るんですが、行動の順番がちょっと面白い。王妹の存命を確認するんですが、すぐそばの鎖帷子に気が付くとそっちへ。鎖帷子を手にして錫杖を落とし、王妹を抱きしめる。そして「よかった」と。女神官さんの中での大事なものの優先順位がどうなってるか、察せられるものがあります。

 王妹は(こういうところが絵で語る利点でして)虚ろな瞳→涙→光を取り戻した瞳と変化しまして、声を上げて泣く。ようやく我に返って(少し)安心したことが窺えます。ちょっと離れた位置の蜥蜴僧侶さんやゴブスレさんにも王妹の気持ちが伝わってるようですね。

 ただ、ゴブスレさんと蜥蜴僧侶さんの会話で分かりにくい点が少し。蜥蜴僧侶さんの「安堵されたようですな」は、最初は王妹を指しているのかと思いました。が、続けて「いささか不安定でしたからな、彼女も」と言ってます。この場で初めて見た王妹が今まで不安定だと知っているはずはないですから、2人は女神官さんについて話していると考えてよさそう。

 ということは、迷宮への出立時には立ち直って気丈に見えた女神官さんの胸中を蜥蜴僧侶さんは見抜いていたということになりそうです。ゴブスレさんもそうですね。鎖帷子を失って防御力が下がった女神官さんを庇うようにしていた鉱人道士さんも、実際は気持ちの揺れを感じ取ってのことだったのかも。戦えるような精神状態じゃないと。たぶん妖精弓手さんもでしょうな。

 そうだとしますと凄いですな、ゴブスレさんが褒めた鎖帷子。手にするだけで勇気が満ちて来るらしい。

 しかし目下にして喫緊の問題はゴブリンプリーストが王妹を生贄にささげようとしていた祭壇。血の魔法陣に囲まれ、文字か何かを彫り込んである。が、蜥蜴僧侶さんさんが「十中八九は邪神の類いを復活」と言いますと、ゴブスレさんは興味失ったらしい。妖精弓手さんもでして、もう帰るとか言い出してますな。ゴブスレさんはゴブリン皆殺しにしてから、とそれぞれ興味の方向がバラバラ。

 しかし異変発生でして、まだかろうじて息があったゴブリンプリーストが動く。己が血で何かしますとデカい手が出現。自分はてっきり魔神復活かと思ったんですが、グレーター・デーモンズ・ハンド/魔神の手ですか。見た目はドラクエに出て来るマドハンドのデカいのみたいですが、持ってる魔力は桁違いらしい。得意なのは冷気みたいですね。

 こちらでもご指摘ありましたが、ここはさすがに鈍い自分でも「あ、前に出て来た10年前の討伐のアレか」と気が付きました。あのときは剣の乙女さんのデカいプロテクションでも冷気を防ぎきれず、回復も援用しようとしたら、「君」の従姉の女魔術師が「まず相手の術を封じて」と泣きそうになってましたな。

 しかしダイ・カタナの「君」は構わずに突入して、敵の腕を斬り落としてました。もしかして、その腕が「グレーター・デーモンズ・ハンド」として復活したんだろうか。腕だけなのは生贄の儀式を阻止してゴブリンプリーストが依り代になったからなのか、それともこの部族の紋章(?)通りに手だけ復活させようとしていたのか(その場合、頭、足、胴体と別部族が復活に動いてるのかも)。

 何にせよ、ここに六英雄/オールスターズがいたら確実に撃破しちゃうんでしょうけど、相対するのは魔神などは想定していないゴブスレさんらなわけで。奇跡や術も相当に消費しちゃってますな。しかも敵は腕に冷気の魔法の力が宿るらしく、10年前の戦いと同レベルで部屋を凍り付かせんばかりの威力。

 救出した王妹を守りながらのゴブスレパーティは大ピンチなわけですが、ここで蜥蜴僧侶さんがヒーローとして大活躍。王妹を庇う女神官さんの前に飛び出て、襲い来る冷気を身を挺した盾となって防ぐ。やるじゃないかと思ったんですが、これは命がけだったらしい。蜥蜴僧侶さんは大ダメージ受けてまして、一瞬理由が分かりませんでした。

 考えてみると「蜥蜴」ということで変温動物ということみたいですね。冷気に対して体温を保てない。それでも女神官さんらを守るべくまともに冷気を受けたわけでしたか。それだけでも凄いんですが、続く台詞がカッコいい。奇跡で蜥蜴僧侶さんを守ろうとする女神官さんに「なりませぬぞ、拙僧とてももはや術は使えませぬ」ですもんね。戦える者に奇跡を残しとけと。

 これが実にカッコいいのは後で蜥蜴僧侶さんが(おそらく最後の)術を使うからですね。敵ハンドをエレベーター口へ追い込むべく、竜牙刀/シャープクローで刀を錬成して妖精球種さんに弓で撃たせてます。「術は使えませぬ」なんて嘘ついてまで、仲間を守ろうとしたわけですな。蜥蜴僧侶さん、この後の再びのピンチでは「死ぬときは直立してと決めておるのです」と言ってまして、この場面では死を覚悟しての行動だったと思えます。

 それは後のことでして、ともかく今は敵ハンド。蜥蜴僧侶さんにはゴブスレさんが盾となり、さらに鉱人道士さんの術で敵が吹き付けた雪を逆用して盾と成す。幸いにして敵は手でしかなく、歩いて追って来ることはなさそう。ゴブスレさん、ゴブリンじゃないから逃げ帰るかとか考えたようですが、この敵ハンドはひっくり返って指ではい回れるらしい。しかもゴブスレさんらの位置も把握している模様。

 再び万事休すのようですが、ゴブスレさん「手はある、やるぞ」と何か策を思いつき、女神官さんは「はい」と即応。ゴブスレさんへの信頼が凄いように見えますが、この後で女神官さんがなぜそうするか、できるかは理由をはっきり自覚してますな。たぶん1期最後の戦いのときには(意識はせずとも)確立した気持ちなんだろう。

 とりあえず油(たぶん石油)で敵ハンドを転ばせておいて、フック付きロープで引っ張る。このときのゴブスレさんの台詞「冒険のときは忘れずに」は劇場版の似た台詞「出かけるときは忘れずに」を思い出します。使ったのは同じくフック付きロープですね。このロープの宣伝文句の変化かもしれませんが、前は「出かける」、今は「冒険」。ゴブスレさんの心境変化だとすると興味深い。

 引っ張ってどうするかといえば、エレベーターの穴に落とす算段ですね。「青いリボン」が役立ちまして、女神官さんが使うとドアが開く。ゴブスレさん側の戦術変化を感じ取ったのか、敵ハンドはまた掌を上にしまして特大の冷気球を放つ構え。

 ここで女神官さんの試練があったように思います。1期でのオーガとの対決を思い出してますね。特大のファイアボールに苦しめられたんでした。一度目は女神官さんのプロテクションでかろうじて防ぎ、二度目はゴブスレさん秘策の転移の巻物。この敵ハンドの冷気球はどうするか。

 ゴブスレさんに秘策はない(はず、たぶん打ち合わせ済み)。プロテクションでゴブスレさんを守るか。しかし使えば(おそらく)奇跡の残り回数ゼロ。ここで女神官さんはゴブスレさんの「手はある」の言葉、仲間への信頼を取ったわけですね。上述しましたが、蜥蜴僧侶さんの隠していた術回数と妖精弓手さんの弓の合わせ技で敵ハンドを揺るがせ、冷気球の攻撃を阻止。

 ゴブスレさん、(おそらく凍って滑るようになった床を利用し)そのまま敵ハンドを引っ張って、勢いでエレベーター口に放り込む。すかさず女神官さん、エレベータードア前で構え、昇って来る敵ハンドをプロテクションで止める。それを突き破ろうとする敵ハンドと術を保つ女神官さんのせめぎ合いですが、敵ハンドはしぶとく、プロテクションにひびが。

 しかし耐える女神官さんでして、なぜなら勝算あり。青いリボンで呼ばれたエレベーターが昇って来てプロテクションとの挟み撃ちですな。前にゴブリン集団から剣の乙女さんを守り切った「金床」作戦を覚えていての応用。敵ハンドを潰し、ゴブスレさんから「よく覚えていたな」と褒められますと、女神官さん「あなたが教えてくれたことですから」と力強い笑顔。

 このやり取りを見ますに、やはり「ゴブスレさんが褒めてくれた鎖帷子」は「ゴブスレさんが褒めてくれた」が8で、鎖帷子(の防御力)が2くらいなんでしょうな。女神官さんにとって、ゴブスレさんの言葉は宝物らしい。

 それは、鉱人道士さんに背負われる王妹を見る女神官さんの独白に表れている気がします。王妹は「ありがとう、ごめんなさい」と言い、最後に「兄さま」と。そうつぶやく王妹の気持ちは、1期第1話でゴブスレさんに救われた女神官さんに重なるものがあるんでしょう。

 駆け出し冒険者パーティに誘われ、多少は危惧しながらもゴブリンに対する認識が甘く、目の前でパーティ壊滅し、特に女魔法使いを助けられなかったことは今でも悔いが残ってるでしょう(だから弟の少年魔術師と出会って衝撃を受け、今回は墓参りに行った)。助けてくれたゴブスレさんには強い感謝がある。

 ここまで冒険者として育てても貰ってますしね。そこは王妹の「兄さま」に対する気持ちと重なる部分もあるんでしょう。さらには、1年半前の初冒険で矢を受けるにとどまった女神官さんに対し、王妹はゴブリンに何をされたのかはこの時点では不明(原作ではずっと明かされないようですね)。そこはまだ女神官さんに引っかかっていて、後でちょっとした一言にギクッとすることになると。

 しかし迷宮内に残るゴブリン残党をサクサク片づけていくゴブスレさんが「ないものはない」と流れぶった切りまして、ともかくも迷宮出口へ。そこにゴブリンが集結しているわけですが、こちらの原作のご紹介をして頂いたお陰で状況がよく理解できました。

 ご解説抜きの初見ですと、迷宮後略前に蜥蜴僧侶さんが言った「地の奥底より増援が」がこういう形になったのかと思う程度です。しかし迷宮までゴブリンを倒し、あるいは避けてたどり着いたと分かりますと、ここにゴブリンが集結するのも自然だと分かります。鉱人道士さんの「まあこうなるわな」という台詞の意味も実感として分かる。こういう点、ご解説にいつも助けられております。

 既に術も奇跡も尽き、アイテムも使い切り、体力も消耗したゴブスレパーティですから、まともにやり合っては勝ち目がない。それを蜥蜴僧侶さんは「死ぬときは直立してと決めておるのです」と表現したわけですね。この台詞で敵ハンドの冷気に立ちふさがった意味も分かるというもの。

 が、蜥蜴僧侶さんはゴブスレさんの周到さも知っている。ダメ元かもしれませんが、「何か手はありますかな」と尋ねるわけですね。ゴブスレさん、まずは(1期から繰り返し語られた、この世界の常識として)国や軍が動かないと説明。しかも王の身内の、いわば不祥事であるとも(そのことは黒幕が意図していたことでもあると後で分かる)。なんといっても、これは弱い下級魔物とバカにされるゴブリン退治だから。

 その台詞で死を覚悟したらしい女神官さん、ゴブスレさんに震える手を伸ばしてますね。最初は怯える様子があり、しかしゴブリンが迫り始めると表情が凛と引き締まる。蜥蜴僧侶さんの覚悟が「死ぬときは直立(弁慶の立ち往生)」なら、女神官さんの覚悟は「死ぬときはゴブスレさんとつながって」でしょうか。

 しかしゴブスレさん、「だが、そうでなければ」と続けると、それに応えるように剣の乙女さんの聖撃/ホーリースマイトがゴブリンを薙ぎ払う。1期で見習い聖女さんが見せた奇跡と同じですが、威力・効果範囲が桁違いですな。これが金等級にして六英雄の一員の実力ということですか。この剣の乙女さんの救援は偶然ではなく、迷宮出立前にゴブスレさんが下調べした情報を手渡していたかららしい。あのとき、剣の乙女さんが息切らして駆け寄ったのも、意味はあったのか。

 さらに剣の乙女さん、引き連れて来た軍勢を鼓舞しておいて攻撃命令を下す。初見では冒険者を駆り集めたと思ったんですが、神殿の神官戦士だったんですか。そういわれて観なおしてみますと、確かにそういう感じの装備ですね。ただし雪中のビキニアーマーはご愛敬か(^^;。これを女騎士さんは装備してみるつもりだったのか。それはそれで見てみたかった気がします(いや、ドレス姿も興味ありますが)。

 遠目には全くひるむ様子なしの剣の乙女さんですが、実は天秤の杖を持つ手が震えてましたか。敵は邪神の輩と言い放っても、やはりゴブリンですもんね。その手の震えを、同じくさっきまで手が震えていた女神官さんは見逃さなかった模様。自分(女神官さん)もゴブスレさんから手を放し、錫杖を握り直す。ここですね、女神官さんの独白「私は、この人の力になりたいのだ。いつか必ず」が出るのは。

 先ほどは傷つきやつれた王妹を見て、自分(女神官さん)がどこから来たかを思い起こし、今は恐怖に耐えてゴブスレさんを助ける剣の乙女さんに自分の未来イメージを見た、といったところでしょうか。

 女神官さんにそう思われるだけの活躍を剣の乙女さんはしたわけですね。1期の地下水路編での誤魔化した強がりと策謀に始まり、バレて結局ゴブスレさんに惚れてポンコツ化しただけあって、このシーンの凄みの落差が大したもんです。実は怖くて震えているというのが、かえって迫力を際立たせてますな。いや、自分のツボと言うべきか。
(歴史上の類例では古代中国の東晋の宰相:謝安の故事があったりしますが、以前にした話を蒸し返すのはやめておきます ^^;。)

 ともかくもこれでゴブリンの大群も一掃され、シーンは王都へ。今回の事件の黒幕が密談してますな。大臣と思しき男とフードの男。このフードは覚知神の神官で、大臣っぽいのは貴族でしたか。第10話の御前会議で「都の南に覚知神という怪しい宗教」と神官が報告してましたが、貴族は既にその信徒&スポンサーとなってたんでしょうな。

 貴族の野望は膨らみ、ついに王を陥れる策に出たのが今回の事件。なかなかエグイものでして、霊峰に落下した「天の火石」は覚知神教団に回収され、ゴブリンを操って王妹をさらうのに使われたらしい。勇者が倒した「星辰の彼方より来たりし者」は「天の火石」と同時に落ちて来た別物みたいですね。

 覚知神教団はその性質(吸収&擬態)を把握しており、王妹を生贄にして復活させた魔神/グレーターデーモンを、さらに「星辰の彼方より来たりし者」に吸収させる。なんだか、「プレデター vs エイリアン」で出て来たプレデリアン(プレデターに産み付けられたエイリアンの卵が孵ったモンスター)みたいなややこしいの作ろうとしてたみたい(^^;。そのプレデリアンもどきは生贄とされた王妹にも擬態できるはずだったのか。

 そこまでうまく行かずとも、王妹が「汚された」となれば縁談の破談からの王の追い落としくらいは最低でもできて、この貴族が権力握って覚知神教団と結託して国を乗っ取ると。

 が、いずれも上手くいくことなく、小説とは違って声があるため観ているこちらには正体がバレバレの「ナイト・オブ・ダイヤモンド/金剛石の騎士」に「余の顔を見忘れたか」とばかりに成敗される。覚知神官が「あの邪魔者」と呼んでましたから、ここまでもいろいろ介入したんでしょうな、暴れん坊将軍さん。

 ちょっと分からなかったと申しますか、正体の確信が持てないのが一瞬ですが大写しになってため息をつくフードを被った女。大写しのカットでは背景が夜の街になっているようですんで、覚知神官と同じフードということでさらに背後の黒幕かと思いました。が、ナイト・オブ・ダイヤモンド大写しのカットでも、そのフードの女が背後にいます。

 フードの女大写し時の背景がミス(屋内のはずなのに間違えた)だとしますと、王側の人物のようですね。髪の色などから該当しそうな既出キャラクターを探しますと、銀髪の侍女というのが該当しそう。御前会議で王の傍らに立ち(第10話より)、「止めても無駄じゃないかな」と無礼とも思える物言いを平気でしてました(第11話)。ジョジョ第3部のパロディの一環としては誰に相当するんだろうか、ちょっと分かりません(^^;。

 成敗の様子を描くまでもなく、シーンはギルドの酒場へ。こちらでもご指摘ありましたが、1期最終話と違ってこじんまりした祝勝会ですね。海ゴブリンのときと同じく、「ゴブリンではなかった」分の報酬は受け取ってないんですか。上記の成敗の結果はこっちで語られまして、貴族と覚知神官のみならず邪教団拠点壊滅まで徹底してやってたようですな。

 しかしこのシーンの焦点は王妹ですね。受付嬢さんから地母神に帰依したと報告される。受付嬢さんが「いい知らせ」と前置きしたにもかかわらず、女神官さんの顔が曇り、目くばせで意を察した妖精弓手さんも戸惑う。観ていた自分も初見で女神官さんが何を察したかは分かりました。1期第1話のラストの女神官さんのモノローグで語られた内容ですね。

 しかし受付嬢さんも誤解を察し、「修道院に入るとかではなく」→「その人(実は女神官さん)みたいになりたいから」とフォロー。こちらでもご解説頂いた通り、女神官さんが実見した「世をはかなんで」などではなく「思いの外に自分(女神官さん)に憧れて」ということですな。その短い台詞・描写からは、アニメでは(原作でも?)描かれてない部分を想像できそうです。

 女神官さんは迷宮に赴く前、「怒って、叱って、反省してもらって」と考えたとのことですが、憔悴の王妹さんを見たときの態度からしますと、怒りも叱りもしなかったんでしょうな。女神官さんの性分から考えるに、苦しんでいる人を追いつめるようなことはできないはず。

 その態度が王妹に響いたんでしょう。無邪気(にして無知)に冒険者に憬れたのとは違い、ハッキリしたイメージで「私(王妹)もかくありたい」と思えたはずです。そこは女神官さんの意図したところではなく意外であり、それだけに「自分(女神官さん)は間違ってなかった」と確信できたように見えます。それで思わずうれし涙と。

 そして任務を終えて一人で牧場に戻るゴブスレさん。BGMの曲調もあって、確かに雰囲気的には暗く見えますな。ゴブスレさんの独白も前へ進む仲間に対して変わることができない自分を再確認してます。前に牛飼娘さんから変わろうと説かれたけれど、できないと自覚してるわけですね。

 ここは原作では「日常の仕事をコツコツ続けることの意味を噛みしめる」味わいのある描写なわけですか。そちらは読んでなくて想像がしにくいんですが、このアニメ版の描写は2期の締めくくりとして、1期最終話ラストのナレーションをゴブスレさんの独白で再演したように思えました。

 1期最終回ED曲後のナレーションでは「彼が世界を救うことはないでしょう」「彼が何かを変えることはないでしょう」と言ってます。それを引き継ぐように、この2期ラストでのゴブスレさん独白は「何も変わらなかった」「何も変わらない」。あるいは1期ラスト「その冒険者の結末は神々だって分からないのです。彼の戦いは続きます」は、2期ラストの「道の果てはない。終わりなどない」。ピッタリとは重なりませんが、全体としては同じ意味のように思えます。

 ちょっと注目したのが牛飼娘さんが「おかえり」と声をかけ、ゴブスレさんが「ただいま」と応じるところ。1期ではゴブリンロードを倒して牧場小屋に帰り着き、ドアを開けたゴブスレさんが先に「ただいま」と言ったんでした。そこまでは「おかえり」と言われても「ああ」くらいしか反応してなくて、何か成長したなと思えた一瞬です。

 が、2期ラストでも「おかえり」「ただいま」。ゴブスレさんと一緒に「冒険」した人は、もしかすると世界を救うかもしれない成長を見せているけれど、彼らを(無自覚に)育てたゴブスレさんは変わらない。ゴブリンは世の中から尽きるようではないし、これでいいとゴブスレさんはそろそろ納得し始めてるのかも。「牛飼娘さんの周りからゴブリンを払い続けられれば、(牛飼娘さんが泣かないから)それでいい」といったところでしょうか。

 そこから湧いて来る自分の妄想ですけど、「どうしていいかはわからない」というゴブスレさんの迷いが吹っ切れるのは、ゴブスレさんが牛飼娘さんに「ごめんなさい」と謝れたときかなと思います。子供の頃に街へ行く牛飼娘さんにつらく当たっちゃった件ですね。既に牛飼娘さんはゴブスレさんに意図は通じてないながら、「ごめんね」と謝ってます(1期第10話)。姉に「後でちゃんとあの子(牛飼娘さん)に謝ろ」と言われたきりになってるゴブスレさんが、いつか謝ったときにゴブスレさんのドラマは完結しそうな気がします(その前段として牛飼娘さんのシチューが姉のシチューと同じ味と気が付くんじゃないかとも思ってます)。

 まだこの2期もいろいろ理解できてない気がします。最終回観終えてみて分かる部分も多々あるはず。幸い録画は残してありますんで、第1話から何周かするつもりです。何か発見があったら、不定期に蒸し返して感想書くかもしれません。NOVAさんにおかれましても、ゴブスレ関係で思うところが出てきた折には、ご教示頂けますと幸いです。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/26 (Tue) 12:51:10

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第16話:クライシスXmas!オロチ事変)

 冥黒の三姉妹のホムンクルス説、もとい妄想を「まあ、そんなわけないんだけど」くらいのつもりで書いてみましたら、意外にも「十分有り得る」と言われ、驚きました。が、続けて「九堂りんねもホムンクルスではないか」とあるのに気が付きますと、「あ、そこか!」と。りんねが三姉妹の同族ないしは末の妹だったりすると、いろいろ辻褄が合いますね。

 それと絡む点もありまして、TV本編と完全連動とされる劇場版のご紹介は大変にありがたいです。今話は直接的な描写だけでも分からない点があり、例えばりんねが「この間の変身で力を使い過ぎて」と宝太郎に告げるシーン。劇場版でりんねが仮面ライダーマジェードとなって激闘したと知ってみると「なるほど」です。

 りんねが劇場版でマジェードになったことは仮面ライダーWEBでも紹介されたんですが、活躍含めた経緯は分からずで上記の台詞とすっとつながるわけではない。父の風雅と(夢の世界で)会ってることもそうですね。

 ただ、仮面ライダーWEBでは錬金術師の指輪の色の解説がありまして、それはちょっと役立ったかも。今話では宝太郎の母の珠美がりんねの指輪に興味を示し、りんねは父に貰ったと答える。そこはこちらでの劇場版のご解説が大いに理解に役立ったんですが、色がオレンジというのは特別だと仮面ライダーWEBに。

 指輪の色は錬金術師としての序列を表していて、下位から「青→緑→赤→金赤」とのこと。今話のりんねの指輪はオレンジでして、序列外の特別なものであるらしい。それが劇場版でマジェードに変身した証しということみたいです。

 ともかくも、りんねがホムンクルスかもしれず、かつ劇場版でライダーに変身したと知ってみますと、変な妄想がまたもや湧きます(^^;。555ではライダーに変身できるのはオルフェノク(ないしはその因子を持つ者)だけでした。このガッチャードでも「変身できるのはホムンクルスだけ」となってるとしたら、ちょっと怖いかも。

 りんねのみならず、宝太郎もホムンクルスなのか。そういや、宝太郎の家族写真はあるものの、いつも父親の顔は隠されてるし。番組スタート当初は、配役未定だからかもしれないとのご指摘で納得したんですが、もしかしたら劇中でもそもそも父親が存在してないのかも。

 と思ったんですが、どうも仮面ライダーWEBに真っ向から否定された感じです。一応、ガッチャードの変身がケミーと混然一体の融合なのに対し、ヴァルバラドのはケミーを装甲として体表面に纏うと解説はあります。それなら、と思ったんですが、仮面ライダーになれるか否かは魂の問題と続けてるんです。

 ヒーロー魂ということなんでしょうね。さらに止めを刺すようにスパナが仮面ライダーヴァルバラドになるという記述が続いてまして。スパナもライダーになるんなら、ホムンクルスが変身条件のわけないですな。よく考えたら、宝太郎の埋もれた記憶には幼い頃にホッパー1と出会ったというのがあるんでした。子供から成長したことが確実ですから、今の形で宝太郎が作り出されたわけがない。

 ともかく本編。冒頭の前説は前話の1週間早いクリスマスパーティですが、そこから場面が錬金アカデミーに。この間に劇場版の事件があったわけですね。しかしそんな大活躍があったと匂わせるでもなく、りんねが「キッチンいちのせ」で手伝いをする流れに。そこで上述の劇場版での影響がちょこっと描写されたりすると。そこで劇場版対応のOPとなりますが、その映像だけではこちらでご解説頂いた内容はちょっと想像が及びません。

 OP後は冥黒の三姉妹の拠点でして、まだクロトーに前戦のダメージ残ってる模様。ラケシスが治癒しようとしてますが、台詞はちょっと気になるかも。「修復には時間がかかる」と言ってますね。普通は回復と言うはずですが、モノを直すみたいに修復。やっぱり三姉妹はホムンクルスなのかと疑いを強めたくなります。

 が、すぐにそれどころではなくなりまして、アトロポスが「グリオン様からのプレゼント」と言うと、陰にいた人物(グリオン)がラケシスに何か埋め込む。これはどうやらケミー:ジャマタノオロチだったらしい(ギーツのジャマトと関連あり?)。ラケシスは苦しみ初めまして、クロトーは恐れつつ心配する。が、アトロポスは「プレゼントは喜ぶもの」と平然。そろそろ三姉妹が内部分裂始めるかも、と思えるシーンでした。

 スパナのほうも動きがありまして、師匠格らしき枝見鏡花登場ですね。この前、スパナに指示出していたのは、この鏡花でしたか。エンジニアらしく、スパナは鏡花から技術を学んでヴァルバラドを作り上げたんでしょうな。しかし鏡花の技術力は上のようで、ガッチャードを上回る、おそらくはスパナ用のドライバーを完成させようとしてますな。ただ、このシーンで後のバトルシーンをちょっと勘違いしそうになりました(^^;。

 一方、街ではラケシスがジャマタノオロチを埋め込まれたオロチマルガム出現ですが、最初は1匹のデカいヘビにしか見えない。いったんはガッチャードを見て、「お前が仮面ライダーか」と呟いて去ってくれる(ラケシスをグリオンが乗っ取ったから?)。が、街のあちこちで人々が石化されてるわけですな。

 そして困惑する宝太郎らへ再び巨大ヘビ襲来。倒しても封印できず、別の頭が出現することから、ジャマタノオロチのマルガムらしいとなる。そう分かっても難敵でして、劇場版を知らないと唐突に思えるりんねの強力な攻撃などで戦うも、次々に石化されてしまう。宝太郎に「(オロチが狙ってる)仮面ライダーは俺だ」と言われてムッとしたスパナも、りんねを守ろうとして石化。

 宝太郎も変身解除され絶体絶命、となって新ライダー:オレンジのガッチャード登場ですね。初見のぱっと見では、スパナ用の新ドライバーを鏡花が見せていたため、スパナが変身したものだと思いました。が、スパナは石化されたまま。もしかして劇場版で出て来た新ライダーかなと思ったんですが、後でこちらで伺ったのは劇場版でも出てこない新ライダーだと。

 誰でしょうね、オレンジのガッチャード:ファイヤーガッチャードデイブレイク
スチームホッパー(名前長いなあ ^^;)の変身者。色つながりからしますとオレンジの指輪が連想されまして、りんねの父:風雅でしょうか(りんねは石化中だし、声質は男性のようだし)。仮面ライダーWEBによりますと、新年からはライダーはガッチャード/マジェード/(新)ヴァルバラドの3人体制らしい。オレンジのデイブレイクは別格の位置づけなんでしょうな(強さも飛びぬけてるし)。新敵:グリオンは何か知っているようですが、年明けにお預けらしい(^^;。ミナトも心当たりありそう。

 ともかくもデイブレイクが巨大オロチマルガムを撃破、中から本体のオロチマルガムが出て来る。デイブレイクは宝太郎に「俺(デイブレイク)に全てを任せるか、お前が未来を掴むか決断しろ!」と二択を迫り、宝太郎は自ら掴むと即答。再びガッチャードに変身してオロチマルガムを撃破、街の人々の石化は解ける。依り代にされたラケシスも元に戻ってクロトーが連れ帰り、結果的にガッチャードに救われた格好ですね。

 年末(31日)はニチアサお休みで、次回「ムーンブレイク・メッセンジャー」は1月7日ですか。予告ではグリオンが以前、アカデミーにいたらしいことが匂わされてますね。さらに今のガッチャードでは勝てないマルガムも出現するらしい(今話の巨大ヘビにも勝てませんでしたが ^^;)。今話でヴァルバラド/スパナは打ちのめされる風がありましたし、みんな年明けには大成長となるのかな。

●王様戦隊キングオージャー(第42話:ラクレス王の秘密)

 外伝「ラクレス王の秘密」を含め、ある種の総集編といったところでしょうか。ただし、表面的には悪党に見えたラクレスの(何となく「こうだといいなあ」と思った)真意を明かして、ここまでの意味をひっくり返す種明かしである点が大事なわけですな。そうしておいて、宇蟲王ダグデドとの決着をつける。

 自分用メモも兼ねて、ラクレスの語る内容から自分なりに時系列で整理したいと思います。

・「神の怒り事件」発生でシュゴッダム先王コーサス・ハスティー死亡(?)、ラクレス・ハスティーが王位に(17年前)。
 →ラクレスは2千年に渡るダグデドの介入、歴代シュゴッダム王の傀儡化を知り、外面は恭順を示しつつ、宇蟲王・五道化掃討を決意。
・同時に弟ギラに王たる者の理想を語り、ダグデドについては秘す(闘争の圏外に置きたいためか、将来の譲位を考慮したか)。
・ラクレスはキングオージャーZEROなど、ダグデドの影響を受けない人工シュゴッダムによる兵器開発を進める(外伝など)。
・同時に城が巨大ロボット&宇宙船であることも知り(地球から来たことまで知ったかどうかは不明)、ダグデド打倒計画の一環に加える。
・バグナラク復活して侵攻(第1話、実はダグデド&五道化の差し金)
・同時にラクレスはギラと遭遇、宇蟲王の力を受け継いだ弟と確信。
 →しかし隠匿。ギラを守るためか?
・真相を知らないギラ、ラクレスが打倒ダグデドのために準備した武力に次々と勝利していく。
 →ラクレスは次第にギラの力、器を認めるようになり自分(ラクレス)は中継ぎとして汚名を着たまま没する覚悟を決める。
・ラクレス、決闘裁判でギラ排除を偽装して逃がす(まあギラは不死身ですし)。
 →この時点でおそらくまだカグラギ兄妹との密約はない。ギラの保護は各国王の自発的なものと思われる。
・しかしラクレス、シュゴッド国政府内のスパイを察知、ギラを呼び戻す前にスパイ排除が必要と考え、醜態をさらしてでも王位に固執。
・前後して、ラクレスはスズメと正式結婚(してたんかい!)。
 →スズメはトウフ国&兄のために婚約偽装したスパイのつもりだったはずですが、そこをラクレスに認められ、次第に信任されたんでしょうな。
・スズメ、ラクレスの真意を曖昧にカグラギに伝え、以降はカグラギはラクレスに加担。
・2度目の決闘裁判でラクレスはギラに敗北、崖から転落で行方不明(第20話)。
 →運よくジェラミーの策で重臣ボシマールがカメジムに成り代わられていたスパイと判明。
 →スパイ排除で後顧の憂いがなくなったラクレス、中継放送を意識して独裁暴君ぶりをアピールし、ギラに後を託す形を作る。
(ここは第20話を観ていて、そこまでは国民懐柔に心を砕いていたラクレスの態度激変を不審に思いましたが、種明かしされて納得です)
・デズナラク8世死亡で人類勝利するも、宇蟲王ダグデド襲来。
・ラクレス、ダグデドの傀儡としてシュゴッド国王に復帰。
・ラクレス、五道化の内部崩壊を図りつつ、ダグデドのお楽しみに協力して信任を深める。
・ついにラクレス、ダグデドから不死身を殺す力を授かり、前話の造反に至る。

 こんな感じでしょうか。ラクレスの動きの意味については第1話からパタンとひっくり返す感じなんで、どうも自分では簡潔にまとめられませんorz。しかし、それだけの情報量が振り返りざまの斬撃で一気に意味を変えるわけですから、自分好みな爆発的な印象が生じてくれました。

 ただし、種明かしの手法はちょっと迷うものがあります。自分の好みから申せば、匂わす程度に見せてもらって、残りはこちらで「こういうことだったはずだ」と思える演出が好きです。前に申した気がしますが、自分で「こういうことだ」と分かった気がするほうが納得しやすく、感動も大きくなることが多い。

 しかし(この番組の対象年齢はさておき ^^;)、序盤などはもういろいろ忘れかけてたりしますし、長丁場のややこしい裏切り(?)ですんで、匂わし程度では理解できなかったかもしれません。分からなかったら、あるいは多少でも首をかしげる部分があっても感動できません。

 いろいろ考えて、自分には今話の作りのほうが良かったと結論できそうです。長い回想ですが、ダグデドとの決戦バトルと回想シーンを上手く切り替えながら、ところどころリンクまでさせる演出で全く退屈しませんでしたし。

 そしてギラに後を託すラクレスの決心が「私は弱い。己で戦う覚悟もない。ただの卑怯者だ」という台詞で表されてるわけですな。変身も解除され「全てをギラに託した」と、最後ながら弱弱しい力で剣をダグデドに投げつけるも、易々と弾かれる。が、これが「ギラに託した」なわけですね。

 弾かれた剣を飛び込んできたギラが受け取り、ダグデドに斬りかかる。これもいったん押し返されますが、その隙を突いてラクレスが背後から槍で貫いて捉える。これに応えるギラ「俺様の名はギラ。汚名を被り血に塗れ、邪知暴虐と成り下がろうと、ただ民を救わんとした王、ラクレス・ハスティーの弟、ギラ・ハスティー!」と名乗り、おなじみ「俺様が世界を支配する!」の宣言で止めの一撃。

 前段の名乗りからはギラがラクレスの今までを一瞬で理解したことが窺えますね。幼いときに尊敬した兄はそのまま変わってなかったと。後段は今までは演技、強がりだったようですけど、今回のは「俺様が世界を支配」≒「ダグデド、お前なんかに支配させてたまるものか」の意味合いがありそうです。

 ダグデドの死の爆発からギラがラクレスを庇うも、ラクレスは己が死が間近と悟り、「必ず民を救う」と誓えとギラに迫り、「できぬと言うなら、玉座は私(ラクレス)のものだ」と言い放つ。ギラも察して(おそらく兄ラクレスの復位を望みつつも)「僕はシュゴッダムの王として、あなたの意思/遺志を受け継ぐことを誓う」と応える。

 これを聞いたラクレス、態度が昔の兄に戻り「頑張れよ」と笑って倒れる。これをギラが抱きとめるわけですが、(ギラの回想で示された)幼少時と立場が入れ替わっての再現ですね。あの時から始まって、ここに至る、ということがよく表されてます。

 先週の予告映像について、こちらでもご指摘があった「ラクレス散る、で、お涙ちょうだい」になったと思いました。駆けつけたヒメノが「絶望的ね」と言いましたし。が、続けて「私以外処置できない」。ここからテキパキと協力しての救命処置でして、ンコソパには開発中の人工臓器まであるんですか。復活したらサイボーグとなりますね(^^;。決め台詞はリタでして「救える命は等しく救う」。

 前話に続いて今話も回想メインながら燃える展開でして、自分的には満足です。次回「覇王の大罪」では裁判となり、ラクレスからまだ情報が引き出されるみたいですね。判決は死罪のようですが、今話最後のリタの台詞と反するのが気になります。

 それ以外でちょっと気がかりなのは予告映像にボシマールの姿が見えることでしょうか。カメジムも別に映ってましたな。ボシマールは既に暗殺されて、本編ではカメジムが化けていたことは明らかになってますから、この時期になぜボシマールが出て来るのか。どこにでもいてどこにもいないゲロウジームも姿を消したままですし、ダグデドもあんなあっさり退場するものなのか。いろいろ気になります。

Re: 12月のスレッド(2023) - Shiny NOVA

2023/12/28 (Thu) 23:34:15

 本日が仕事納めになって、ここでの書き込みも本年最後になります。

 また、来年もよろしく、と先に伝えつつ、来年のこの場での書き込みに使えそうな鑑賞予定を挙げてみます。

●12月29日:明日の「必殺仕事人」は、年明け早々に感想予定。

●1月2日(火):「バスタード」2期が毎週火曜深夜の定例感想アニメになりそう。初回が3話分を一挙放送で、後は1クール分になるみたいですね。

https://bastard-anime.com/

●1月7日(日):ニチアサ定例は、この日から年始スタート。

●1月11日(木):「牙狼」新作は、毎週木曜深夜と確定。前と違って、バスタードと曜日が被らなくて良かったです。リアルタイム視聴の妨げにならなくて。

https://garo-project.jp/garo_hagane/

 とりあえず、年明けは、これらを追跡感想挙げていくつもりでおります。

 以下は、レスおよび書き残し特撮感想。

★ガッチャード

 まあ、前回の劇場版に付与する形で、大まかには書いているのですが、追記として。

・劇場版のパワーアップ形態:「スターガッチャード」という名称が付いていることを後日確認。劇場版限定フォームで、Xナンバーズ5体のアーマーパーツが、胴体と手足に装着された「戦隊ロボみたいなイメージ」の装着合体フォームです。
 たぶん、TVでは出ないと思いますが、デザインはネットで画像検索すれば挙がっています。

・TV版のパワーアップ:デイブレイクの持ってる炎の力を会得して、宝太郎自身が「ファイヤーガッチャード」にパワーアップするようです。
 Xナンバーズの力を使った「スーパーガッチャード」は、やはり年末だけの最強形態で、年明け早々に賞味期限切れになる模様。

 ただ、例年、1月〜2月の強化形態って、力を制御できずに暴走する可能性が高いですね。
 よって、ファイヤーガッチャードも強いけど、使い勝手が悪いので、スーパーガッチャードもまだ使える局面があるかもしれません。

 とにかく、現状はファイヤーガッチャードの存在そのものが謎情報なので、詳細が分かるのが1月半ば以降でしょうな。

 そんなわけで、新年早々、新ライダーと新たな敵で、物語が急展開になることが確定、と。

★キングオージャー

 ラクレス視点での年末総集編と、彼の真意と、ギラとの兄弟共闘バトルでダグデド撃破(完全に倒せたとは思っていない)。

 で、無事に年を越せるようになったラクレスの物語は、年明けに続いた、と。
 なお、放送は2月いっぱいなので、8話近くはあるだろうから、仲間になったと思ったら、番組終了ってことはなく、7人の王様戦隊は十分に堪能できそうですな。
 次回に、リタの裁判で処刑が決行されなければ(苦笑)。

 あとは、ブンブンジャーの先行お披露目回がいつになるか。
 ゼンカイでドンモモタロウが登場し、ドンブラでキングオージャー(ロボ)が登場したので、今度もそういう回が用意されていると思いますが、年始2回めの放送かな。

★ゴブスレ補足

 国王側近の銀髪侍女は、いわゆる御庭番のくノ一キャラですね。
 元ネタは、ジョジョの登場人物ではありません。

 ゴブスレ外伝2のダイカタナの登場人物でもあるので、参考までに。
https://dic.pixiv.net/a/鍔鳴の太刀

 あとは、こちらでもまたゴブスレの書き込みがあれば、反応したくなると思いますので、アニメの続編も期待しながら、話に乗っていく所存です。

 で、自分のブログの宣伝もしておくと、

https://whitenova.hateblo.jp/archive/category/ゴブリンスレイヤー

 主に、ゲーム話の前置き余談的な記事ですが、2023年以降の記事だと、アニメ成分が多いと思います。
 それ以前は、外伝含む原作小説と、TRPG絡みの記事になるので、マニア指数が挙がるので、ハードルが高くなるかな、と思いつつ。

 では、本年も良き鑑賞談話が楽しめたと思いますので、来年もまた良いお年を、と申し上げつつ。

Re: 12月のスレッド(2023) - K.K

2023/12/31 (Sun) 20:26:28

 非定期感想です。

 年末駆け込みになりますが、年を越すような話でもないので。

 スパイダーマン映画の初作(3部)とアメイジング(2部)が今夜から5夜連続で放映になってますね。慌てて録画予約しました(自分にはリアルタイム視聴はちょっと難しい時刻)。特に初作ですね。ノー・ウェイ・ホームで出て来たグリーンゴブリンがどういう敵役でどういう最期だったかが分かるはず。


●必殺仕事人スペシャル:2023年冬(感想思案中)

 観る前は「この後は暇になるはずだし、年内に感想書けそう」と思ってました。が、どうもうまくいきませんorz。飽きずに最後まで観られたんですが、なんだか感想が書きにくく、来年になりそうです。自分が困ってる点を簡潔に申せば「ストーリーはあるんだが、ドラマが発生してないように見える」となります。

 前作で陣八郎が仕事を果たしつつも死亡し、その連れ的なポジションだったリュウが立ち直れてない。そこへ元締め的なお菊が陣八郎の後釜として流しの仕事人の雪丸を引き入れる。この雪丸が癖のある奴でして自分の腕を見せつけたいがために、仕事ではターゲットの喉を掻き切って声を封じてからメッタ斬りのメッタ刺しにする。

 さらに雪丸、リュウを弱いとして蔑んで排除しようとし、腕の立つ小五郎には憧れがあってやたら絡む。しかし市中では雪丸の仕事と酷似した連続殺害犯の通称:牛鬼が現れるわけですな。途中で雪丸が小五郎に「牛鬼、捕まりました?」みたいなこと言ってる時点では、「こいつ(雪丸)、何をとぼけてんだろ」くらいの印象があります。

 そこへ髪結いの棗という人物がさらに絡んで来るわけですね。牛鬼の正体は棗でして、夫の仇を討つべく、夫の形見の刀で次々と殺害していたと。さらに棗、実は悪党である小間物問屋の山崎屋の女将:山崎ツネには以前に世話になっており、大変な恩義を感じていると。

 これでドラマが発生しないほうがおかしいはずなんですが、二度観ても各人物に、例えば動機みたいなものが感じられません。演出的にも面白い趣向が取り入れられてまして、前作では人だかりができる演出だけに使われた、アイドルユニットをストーリーに組み込んでますな。前作で見栄え的に評判良かったんでしょう。自分も「なんだこれ?」と思いつつ、面白がってた覚えがあります。

 そのアイドルユニットの1人、きよ花が枕営業(?)を強制され、泣き寝入りせずに瓦版屋に訴えて事を明らかにする。が、相手側の妨害工作でかえって世間の指弾を浴びることになり自殺。これの恨みを晴らすのが中盤の仕事ですね。

 ですが、ターゲットが誰であるかとかの理屈は分かるんですが、討つべしという気持ちが盛り上がってこないんです。考えてみまして、直接的にはきよ花の死因が自害であることでしょうか。自分が現在、ローカル局で再視聴中の仕事人3などの通例で考えてみますと、もしきよ花が相手に再反撃しようとして、それを知った相手が口封じに自殺に見せかけて殺害した、とかなら納得したかもしれません。

 次の終盤のターゲットの1人、山崎ツネですと、リュウと親しくなった六助を直接手にかけており、さらに橋の手抜き工事で多数の死者を出し、その中に六助の母親が含まれてます。こちらは仕事が発生する動機としては充分な気がします。

 が、問題は新入の棗ですね。今までは刀で仇を殺害していたわけですが、髪結いに使う糸を仕事道具にする。仕事人として特殊な道具を使うというのは通例ではあるんですが、今までは刀使用でしたから、何か変な感じです。昨日今日仕事人になった者が、そんな特殊技術を手慣れた感じで扱えるものなのかなと。

 もっとも棗は今回で新規加入ですから、次できちんと描かれるのかもしれません。奇矯な印象がある雪丸は結局、何がしたかったのかよく分かりません。が、ストーリ上は棗に対するミスディレクション、リュウに対しては当て馬的なポジションかもしれません。たぶん次のスペシャルで補完されるのかなとか思ってます。

 が、次があれば分かるかもということは今回のでは分からないということでして。たぶんそんなはずはない。話の作りも飽きずに最後まで観られたんだから悪くないはず。しかしドラマを感じないというのは、自分が何か見落としてるんだろうと過去の経験から思います。ですんで、ちょっと時間置いて観なおして考えようと思います。

(東山さん引退で気になっていた小五郎は無事でして、次はいきなり死亡したことにされたりするのかな?)

●ゴブリンスレイヤーII

 補足情報、ありがとうございます。あのメイドさん&フードさんが「銀髪侍女」と確定しますと、一連のシーンが理解できて助かります。正体が分かってないとそっちに注意が行き、ナイト・オブ・ダイヤモンド/金剛石の騎士突入がよく見えてませんでした。改めてそちらに注意してみますと、賊臣邸へは船で突入していると気が付きました。道理で背景が街並みだったわけで納得できました。

 ゴブスレ2期を通しで再視聴しておりまして、ブログ記事のほうも助かります。が、関連情報とか気になったりもします。ブレイド&バスタードですね。もしかして作者さんはゴブスレからそちらに軸足移すのかなとか。ゴブスレは某巨大掲示板での遊び(TRPG)由来の作品だそうで、もしかしたら作者さんの描きたいストーリー通りではないのかもとか、勝手に想像して気になったり(^^;。

 ゴブスレ2期の感想書いていた時点では最新話を繰り返し見て内容把握に努めてたんですが、最終話までを知ってから改めて第1話から次々観ていくと、印象が変わりまして驚いてます。

 さっき通し見の1周めが済んだところなんですが、ラストのゴブスレさんのモノローグからの牛飼娘さんの出迎えのところ、印象が全く変わりました。既に申しましたが、リアルタイム視聴では自分は1期ラストのナレーションの繰り返しという印象でした。こちらでは「アニメでは、暗いエンディングにも」と伺い、それもよく分かる気がしました。

 が、通し見の今回ではあのラストでホッとする感じがしました。こちらで「冬を前に、暖かい家に帰って来た」等々と伺ったものに近いかもしれません。ただ、自分の「ホッ」はもしかすると牛飼娘さん視点かもしれません。エルフの里編では堤防要塞へ出撃するゴブスレさんを見送ってから「これが最後かもしれない」と言ってました。しかしゴブスレさんは今回も帰って来た、という「ホッ」ですね。

 印象以外にも、最後まで知ったお陰で細かいところに気が付いたり。例えば令嬢剣士改め女商人さんですが、今頃になって第1話で近況を知らせる手紙が来ていたことに気が付きました。終盤に登場することが第1話で匂わされていたようです。続いてエルフの里編で剣の乙女さんからも女商人さんの近況が語られるわけですね。

 第1話では蜥蜴僧侶さんが寒さに弱いことがギルドでの会話に出ていたことにも気が付きました。冬はつらい、みたいな他愛ない会話でしたんで注意してなかったようです。最終話で蜥蜴僧侶さんが飛び出して吹雪の盾になったの、自分は変温動物だから決死の行動と思ったんですが、ちゃんと伏線で明示されてたことになりますね。

 再び印象の変化ですが、同じく最終話で剣の乙女さん(と軍団)が駆けつけたのは、通し見でようやくカッコいいと思い、ゾクッと来る燃える展開に感じました。これも流れを把握できたからですが、細かい演出に気が付いたせいでもあるようです。

 剣の乙女さんの手などの震えがハッキリ描写されるまで、なぜかカメラが揺れる描写になってますね。よく見ると震えはないんですが、カメラが揺れているせいで震えていてもおかしくないように感じます。

 さらにこの揺れるカメラは女神官さんの視点ではないかとも思えてきます。女神官さんが「この人(ゴブスレさん)の力になりたいのだ」と自覚するとカメラの揺れも止まります。揺れるカメラは女神官さんの動揺だと感じると、一連の描写に腑に落ちるものがあります。そう感じてみての、上述のゾクッと来る燃える展開という次第です。

 いろいろ新たに面白かったもんで、たぶん最低でももう1周すると思います。こちらでご教示頂いたことが大きく作用しておりますし、上述の「ホッ」のように観なおしてみて納得が深まるものもあったり。

 1期をネットで通し見して感想を暴走しましたが、たぶん2期は全話感想書いてるんで同じような暴走はしないと思います。が、何か強く感じることがあれば不定期で書き込むかもしれません。


 では、本年はいろいろありがとうございました。来年もよろしくお付き合いいただければ幸いです。

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