創作と鑑賞の談話室

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2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/01 (Thu) 00:00:25

 2月の雑談スレッドです。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/02 (Fri) 12:15:43

 書き込み調整のために、今回は3作品。
 キングオージャー、バスタード、それと昨夜の牙狼の感想です。

 今後は、ガッチャードとキングオージャーのニチアサペアと、バスタード&牙狼の平日ペアで感想を書いて行ければ、と。

★キングオージャー

 グローディを殺せない理由は、「すでに死んでいるのを自分自身の特殊能力=死者を操るで自作自演的に動かしているから」と判明。
 それを倒すためには、一度、生命を与えてから改めて殺す、という作戦で、ジェラミーの永遠の生命を与えたら、何だか敵が強くなって、神の怒り再現……という文章だけで書いたら、オージャー側が間抜けにも思えるストーリーを映像美や終盤の危機描写と役者の演技力(とりわけヒメノの述懐)で、荘厳な話になった感。

 まあ、ヒメノ主役回は、毎回、非常に真面目シリアスに作られていて、ドラマ的に当たり回に思えるのですが、ヒメノとジェラミーのカップリングは初めてで、生死にまつわるエピソードが重苦しい。

 アクション的には、当たりと言えないので、ガッチャードのスパナと同様、次回を盛り上げるための濃い溜めの1話だったと解釈します。

 次の日曜は、ファイズ映画も見に行く予定なので、楽しみが多く。

★バスタード

 これも、ほぼアクションがなく、仕込み回でしたな。

 まあ、ネイさんが出て来たので、よしとしよう。

 次回は、カルの過去編で、ドラマ展開はほぼ敵の魔戦将軍側が担っている感じです。
 味方のサムライ勢がもはや、DSの金魚の糞的なその他大勢になってしまっているので、早くアクション回が来ないかなあ、と思ってる今日この頃。

★牙狼ハガネ

 創磨の赤目は、過去の回想シーンでした。

 今回の創磨は、流牙の一喝もあって、剣をムツギ法師に返却して(謝罪はしない)、自分の心の闇とかトラウマに向き合わない選択をした形。
 ムツギ法師から、創磨の抱えた闇の話を聞いた流牙が、彼の父親的な立ち位置で、魔戒騎士の道を説くのは、かつての符礼法師とか、自分の経験を重ね合わせながら、だと思うと、感慨深いです。
 闇の中から黄金の光を会得したのが、彼の来し方でしたから、これは同じ黄金騎士でも、鋼牙や雷牙にはできないドラマかな、と。

 反抗期の若者が、仲間との絆や母親、そして父親代わりの法師との関わり合いから、光を会得した流牙のドラマの前提があってこそ、
 合わせ鏡的な創磨の成長にも期待がかかるわけだし、

 一方で、脇役と思われた三剣士それぞれのドラマもきちんと見せてくれる。
 オビと兄貴分のロンのやり取りが、少し大人で自分の領分を弁えた良き先輩と、まだ純朴な若者って感じで、今回はロンが好きになりました。
 創磨に嫉妬する役どころかな、と邪推した自分を訂正します。
 今回の話で、一番好きなキャラになりつつありますな、ロン。

「自分はハガネで十分だ。実際に黄金騎士にあって確信した。他の鎧の重さは、自分には背負えない」と。
 スターに憧れる若者と、自分はスターなんて器じゃないが、自分にできる範囲で懸命に使命を頑張る的な諦念混じりの、だけど投げ出すわけでもない己の生きる道を見出した人生の先輩の言葉って感じで、これはこれで凡人ながら格好いいセリフやなあ、と思う。

 こういうことを言えるキャラが、嫉妬とは考えにくいし、今までの牙狼にはいないタイプのキャラかなあ、と。
 花形スターにはなれないけど、脇を固めるバイプレイヤーとして、できることをするぜって、自分の仕事には相応の誇りを持っている職人気質というか。

 ただの創磨の踏み石程度に思っていたけど、まさかロンにここまで感情移入できるとは。
 脇役が光るセリフを放つドラマは、丁寧な話作りができていていいなあ、と。

 一方、ほぼアクションのない回でしたが、終盤で、金金金の欲望をむき出しにした会社で、ホラー大量発生?
 これは、次回、大アクション回の予感で、期待が大きい。

 ところで、エンディングにアギトの賀集利樹の名前が出ていたけど、どのキャラか特定できず。
 もしかして、社員に欲望を煽っていた中心人物? と思ってチェックすると、そうだった。
 そんなわけで、次回も賀集さんがホラーの人間体ボスとして、黄金騎士に斬られるか、それともハガネに斬られるかは分かりませんが、ゴーストVSアギトのライダー役者対決が見られるかもしれないので、ワクワクしてみたり。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/03 (Sat) 13:33:32

 定期感想その1です。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第4話:傷(きず))

 アギトの賀集利樹さんは自分もEDテロップの名前に気が付いたんですが、役名の「風祭」って誰だろうと。劇中でその名前は呼ばれてませんでしたから。こちらで儲け話詐欺っぽい会社社長だと伺い、そうかと。が、観なおしてみてもアギト本編、ジオウへのゲスト出演の賀集さんと同じ人か自信が持てず。思いっきり雰囲気変えてくれてるんでしょうね。

 今話は集結した騎士をいったん散らばらせて、それぞれを描く趣向という感じですね。まずは前話の修行場から。ロンが食事の用意してまして、これが後で「ハガネでいい」という台詞につながるのかな。メインとなって戦うよりもサポートで役立つのに向いているという自覚ですね。

 しかし今話のドラマのメインは創磨でして、ロンに剣を突きつけたのは騎士としてあるまじき行為だったとして、剣をムツギ法師に預ける。こちらのご指摘で気が付きましたが、確かに剣を向けたロンに謝ってはおりませんな(後でコヨリにも指摘されてる)。剣を返したのは、反省ではない何かの理由がある。

 それが父ゴドウに修行つけてもらってたときの失敗に関係があると。前にちょこっと描かれた、腕を怪我したゴドウと己が手を見つめる創磨に何があったかですね。閃光剣舞習得の失敗でしたか。閃光剣舞はいったん闇を剣に集める必要があるゆえ、闇に飲まれるリスクがあるわけでしたか。

 実際、創磨は闇に飲まれ、目を赤く光らせて父ゴドウに襲い掛かってしまう(前の回想で自分の手を見つめる創磨は、これを思い出してのことだったのか)。そのときのゴドウの対応が、前話の創磨と対比になるわけですね。ゴドウは思わず剣を抜こうとするも、すぐ思い直して鞘に納めて「帰って来い」と創磨に呼びかける。これを思い出して、創磨は剣をムツギ法師に預ける気を起こしたんでしょう。

 ただし己が行いが騎士失格とか思ったわけではなく、剣を持つことで暴走する自分を恐れているから。反省ではなく助けを求めるのに近かったのかも。それを意地悪く言い換えれば依存心ですね。暴走しないように止めて欲しい。それができるのは父であり師であるゴドウだった。

 だけど今はいない。それだけに創磨は不安であり、クレアシティを守る父・師ゴドウのイメージに縋りたいんでしょうな。だから、そのイメージを崩すような言説には激高してしまう。ゴドウを畏敬するがゆえではなく、自分(創磨)の不安を掻き立てるから。

 剣も不安を掻き立てる。剣を見るたびに「閃光剣舞を放てるようにならねば」と思うけれど、同時に「今度こそ闇堕ちするかもしれない」とも思うはず。その前兆として仲間(イグス)に剣を向けてしまった。が、それを厳しく咎めたのが流牙であるわけですね。既に閃光剣舞を扱えてもいる。

 そういう流牙は創磨にとって父ゴドウと重なる部分がある。その流牙が(ムツギ法師から創磨がゴドウに斬りかかった件を聞いたうえで)創磨に剣を返し、「つらいか」と尋ねて覚悟を求める。そのときの創磨の表情が隠して来た心境を物語ってますな。小さい迷子が親を見つけるまで泣くまいと歯を食いしばっているような顔でした。

 一方、夜の街をぶらつくロンとオビは様子は呑気ですが、会話は味わい深い。こちらで拝読しましたご感想通りなんですが、自分なりにも申してみます。オビは駆け出しといってもよく、自分の現状と将来はよく見えていない。それだけに夢を見られるようですね。未知数であるからこそ、黄金騎士のような凄い人になりたいと素直に願える。

 一方、ロンはそろそろベテランの域に入りつつある。これまでの自分の成長曲線は分かっており、その延長線上がどの辺りかも見えてきている。一騎当千でなければ務まらない鎧をまとうのは無理と知りつつある。その一方、ここまでハガネでやって来た自負もあるし、ハガネが身になじんでもいる。だから二重の意味で「他の鎧の重さは」なんでしょう。

 ホラーのほうは次話 「悟(さとる)」で大騒動になりそうですな。今話及び予告からしますとゾンビパニックにも似たような感じです。その頭目と思しき社長がホラー化して去るとき、電話が鳴ってましたな。あの電話の主は誰なのか、ちょっと気になります。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/06 (Tue) 00:11:58

 定期感想その2です。

●仮面ライダーガッチャード(第21話:マッドウォリアー!黒炎のヴァルバラド!)

 スパナ覚醒の巻ですが、途中で分からないところとか、勘違いしそうになったところとかありまして、かなり混乱しながら観てました。

 冒頭は前話の戦いの続きでして、エンジェルマルガムのむごさがよく表れてました。スパナの両親を(死者として)何度でも作り出せる点ですね。しかしウィールマルガム/スパナが攻撃を受けて壊れた何かが両親の前に転がり出る。

両親はそれを錬金術で使って自分たちを消滅させてしまう。その後はエンジェルマルガムがスパナの両親を作り出せなくなってしまう。その経緯がよく分かりませんでした。気を付けてみたつもりですが、最後まで何が起こったかは説明されてないような。勝利条件に関わる部分ですんで、よく分からないのはモヤモヤします。

 しかしそこより大事なのは両親が残した指輪ですね。シンデレラのガラスの靴のように、エンジェルマルガムの錬金術/魔法が解けても、指輪だけ残る。もしかして指輪だけは本物なのか。形見と思ったんでしょうか、スパナ/ウィールマルガムは必死に這い寄って拾う。これが後でスパナの覚醒に効いて来るわけですね。

 が、この時点ではスパナは激情で暴走、ガッチャードがかろうじて止め、キッチンいちのせに運び込む。しかしスパナは「俺の戦いだ」とあくまでも一人を貫く。前話でスパナはせっかく助けを求めたんですが、元に戻っちゃったか。もっとも悪夢を見た直後でしたから動揺が残ってたのかな。

 一方、グリオン側では不穏な動き継続。ラケシスですね。スパナがグリオン陣営に加われば、自分たちは用済みになると危惧してます。他の姉妹の説得にかかるも、アトロポスは制裁を加え、クロトーは背けばグリオンに消されると警告する。見放された格好のラケシスですが、その会話をミナトが聞いていたわけですね。

 後半にミナトが何を言ったか明かされまして、スパナが闇に堕ちる=グリオンの番犬になる前にミナトが倒すつもり、というわけですか。しかし、その言すらフェイクでしたな。ミナトの計画は、鏡花のアジトを襲撃するふりをして、鏡花暗殺を偽装し(たぶん狙われないようにするため)、新開発のヴァルバラドライバーをスパナに託すこと。

 しかしスパナはマルガム化してますんで、ミナトはドレッドで戦ってスパナの記憶を戻し、闇から克服させる算段らしい。これは見事にうまく行ったんですが、自分は途中で誤解しました。両親の指輪がスパナの覚醒を促し、マッドウィールがマッハウィールに進化(?)したもんですから、「ヴァルバラドライバーってダミーなんじゃないの?」と。

 前に宝太郎が過去から持ち帰ったゴーグルでガッチャーイグナイターを作り上げましたんで、それと同じような流れなのかなと。本命は両親の指輪から作るドライバーで、鏡花が皆に見せていたドライバーは敵の目をあざむくためのダミーだったんじゃないかと。だから鏡花は易々とドライバーをミナトに渡し、ミナトはそのドライバーを使わなかった。

 とか妄想してたんですが、覚醒したスパナがヴァルバラドライバー使って、現時点で最強と思しき仮面ライダーヴァルバラドに変身しましたんで、上記の妄想は全くの勘違いとすぐ分かってしまった次第orz。エンジェルマルガムを寄せ付けぬ強さで撃破しまして、今度こそ両親の本物の霊が天に召され、記憶も戻ったスパナの問題は全て解決、かな。

 一方、ミナトはスパナに一刀両断されたようでいて、一命はとりとめてました。急所を外してもらったようでして、前にミナトが宝太郎らを裏切る行動に出たときのことを思い出します。あのときミナトはまずスパナに接触し、「話がある」と言ってました。あの時点で何らかの打ち合わせがあったんじゃなかろうかと、未だに勘ぐってます(^^;。

 ラケシスが次にどう出るか、ちょっと興味津々。離反の気持ちが露わですし、今回覚醒したスパナを敵側のライバルと見ている感じもあります。それが一周回ってくれると面白そう。

 次回「愛は刃(サーベル)!ケミー・ストーリーは突然に」はちょっと妙な話の感じですね。イケメンのマルガム(ズキュンパイア)が大勢を魅了して何かするらしい。キングオージャーではセバスチャンがあらゆる女性を惹きつけてしまうゆえに悩み、整形したなんて話がありました。それに類するドラマなんだろうか。

●王様戦隊キングオージャー(第47話:神を黙らせろ )

 今話では5王国全国民避難となり、それに使えるアイテムが次々登場しました。前に剣の力とか王の証の力とか出て来たときは唐突感がないでもなかったんですが、今話ではあまり感じない。よく考えたら、バグナラクとの戦いが終わった後、4人の王が投獄されていた理由が関係あるようです(第27話)。

・ヤンマ:ウルトラPC『天上天下唯我独尊』開発のため全世界の電力を独占した罪
・カグラギ:埋め込み型耕し機『ありぢごく』が対人間用とみなされ捕縛
・ヒメノ:1000メガトン級の花火を打ち上げ各国に飛び火
・リタ:強制的な休息のため自ら服役

 ヤンマとカグラギのは今話で登場してます。ヒメノのは今話での火災炎上の訓練と見做せそう。リタは脱獄の状況の把握でしょうか。これらが伏線だったとしたら、ずいぶんと間が開いて効いて来たことになりますな。

 バグナラクの出自については、自分の記憶とちょっと齟齬があり、悩ましい。前半の終盤でバグナラクの正体がシュゴッドを取り込んだ人間だと、ジェラミーの調べなどで明らかにされていたように思います。が、今話ではダグデドらに滅ぼされた星からの避難民だと。人間が地球から来たとされていることと併せて考えると、どうなっているのかちょっと分からなくなりました。

 それはともかく、今話も自分好みの燃える展開です。生者に戻って力を増したグローディが神の怒りを再来させるわけですが、オージャー戦士は怒りをグッとこらえて全国民避難に注力する。ヒメノは特につらいと思いますが、医療者としての使命感が優ったようですな。ジェラミーも突然に母の祖先の星の滅亡がグローディと聞かされて、よくも耐えたものと思います。

 それにしても、グローディが星を滅ぼし、生き残りの少数が別の星に逃げて、そこの住民を滅ぼさんと戦う。これって前にダグデドに面従腹背のラクレスが提案した内容と酷似してますね。ダグデドはそ知らぬふりで喜んでました。ラクレスはチキューに使われた手を知っていて、同じ内容を言ってみたんだろうか。改めてラクレスが何をどこまで知っているのか、気になりました。

 しかし喫緊は「対『神の怒り』用避難計画」。各国全国民を犠牲者ゼロで救出・避難のミッションですね。上述しましたが、以前から用意されていた作戦らしく、各国連携もスムーズでして、上手くいきすぎるほど。

 しかし、シュゴッダムで逃げ遅れた車椅子の女性が助けに来たラクレスに否を突きつける。このドラマがなかなかのもの。17年前の神の怒り事件を傍観したラクレスは悔いていますが、女性はそれで家族を失い、今も怒っている。この女性にラクレスが許されるかどうか、ですな。

 ラクレスは膝をついて謝罪し、今の王は誰一人見捨てないと言うも、女性の顔は険しさは薄れるも迷いの表情。ギラが口添えし、ラクレスが女性の手を取り「あなたの手は暖かい。どうか生きてください」と言うと、ようやく女性は泣きそうになって「はい」。これはラクレスが女性に許されたということでしょう。

 なぜこのエピソードがあるか考えたんですが、この先のラクレスの命運の暗示なのかも。ラクレスが悔いる通り、傍観により死傷者が出てしまった。直接ではないですが、ラクレスが手を掛けたのに近い。

 フィクションでは、無辜の者を死なせたキャラクターは改心して同情されるドラマ運びとなっても、最後は(誰かを救うなどして)死亡退場となることが多いように思います。ラクレスが17年前の遺族の女性に許されたのは、ラクレスが生き残るという暗示なのじゃないかしらん。

 それは最終回までで描かれると期待しまして、女性も助け出して全国民避難完了。神の怒り再来するも死者ゼロとでき(負傷者は出たみたいですね)、人けがなくなればグローディと思う存分戦えまして、見事に撃破。避難が続いていれば、次のダグデドとの決戦にも有利に働きますな。

 倒されたグローディは「死の国ハーカバーカ」へ。劇場版で出て来たものらしいですね。幻想的で静かな場所かと思ったら、グローディには厳しいところだった模様。なにせグローディが殺害した死者がいるわけで、恨みに報いるべく集まって来る。生前の行いで天国にも地獄にもなる場所でしたか。

 次回「さらば、親愛なる民よ」では、いよいよダグデドとの決戦ですか。まだ新メカ登場があるらしく、「究極のキングオージャー」とのこと。それにしてもカメジムは何してるんだろう。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/07 (Wed) 00:29:33

 日曜日にファイズの映画を見に行きまして、感想を少し述べようと思うのですが、どのタイミングがいいかなあ、と思いつつ。

 リアルタイムのTV放送とは関係ない作品ですので、どこまで踏み込むべきか。

 一応、『TVの直接的続編』を謳っていて、これまで描かれてきたファイズの続編的ストーリー(仮面ライダー4号とか、ジオウでのゲスト出演とか諸々)は全てIFパラレルのストーリーという形になって、
 それでも、今回の映画では、TVで死んだ草加と北崎が普通に健在で、登場しているので、その謎解きもテーマになっている。

 映画の初期段階では、こんな感じ。

●乾巧:オルフェノクとしての寿命が限界に達して、死期を悟ったらしく、真理たちの前から姿を消す。

●園田真理:啓太郎のクリーニング店で仕事を続けながら(美容師の夢は挫折したのか語られない)、巧の帰ってくる場所を守るために、人とオルフェノクの共存のための活動に取り組んでいる。

●草加雅人:何故か生きていて、真理たちのところに帰って来る。真理の巧への想いや、オルフェノク保護活動に協力して、カイザとしてスマートブレインと戦っている。

●菊池啓太郎:役者が芸能界を引退したため、登場せず。世界中の洗濯物を白くするための旅に出た、という設定。代わりに、啓太郎の甥の条太郎が登場し、同じような役回りを果たす。
 条太郎は行方不明の巧を会ったことがないのに、叔父の影響で、英雄と見なしており、また、真理を真理姉と慕いながら、菊池クリーニングの店長代理や、オルフェノク保護活動に取り組んでいる。

●海堂直也:寿命とは関係なく、まだ健在。真理の手伝いをしながら、菊池クリーニングの2号店を営む。意外な商才があったようだ。だけど、気まぐれな性格も健在なのか、クリーニング店を勝手にラーメン屋に改装し、今はラーメン屋の店主。
 そして、人間としての生活を続けたいオルフェノクを保護して、店員として雇っている。真理と海堂、草加が協力して、オルフェノクの保護活動をしているという設定。

●北崎:何故か生きていて、スマートブレインの社長になっている。物語の役どころは、かつての村上社長に似ていて、真理たちの前に立ちはだかる敵ボスの立場。
 そして、これが本作のもう一つの謎だけど、かつてはオルフェノクの保護活動(および人類の抹殺)を考えていたスマートブレイン社が、今作では逆にオルフェノクの殲滅を目指す武装組織になっている。

 その結果、真理たちとスマートブレインの、オルフェノクに対する立ち位置がTVとは真逆に変わっているので、続編? という前提が最初は分からなかった。これも大方、パラレルだろう、と思っていたら、続編として申し分なく種明かしがされて、おおっと感嘆したり。

 真理は巧とか、亡き木場たちの件があるから、「人を襲わないオルフェノクなら保護しないと」って気持ちで、対スマートブレインのレジスタンスみたいな活動を密かに行なっているのも納得。

 草加は、オルフェノクへの敵対意識でTV版では活動していたけど、真理のために方針を改めたと言われたら、まあ、それはそれで草加らしいと言えなくもない。
 元々、真理の前では良い人らしい演技を示していたし、一回死んで、復活してから憑き物が落ちたとも考えられる。まあ、草加と北崎の復活と性格の変化は、本作の謎の一つだけど。

 海堂については、「どんでん返しというか、各キャラの立ち位置の変化がいくつも見られる本作」において、一番、筋を通したブレないキャラとなってます。
 つまり、保護されたオルフェノクたちのリーダーとして、最初から最後まで安定した頼れる兄貴分として振る舞っている。海堂なのに、ずいぶん落ち着きが出ているな、と。TVシリーズでは、割と陣営をコロコロ変えて、人間の味方をしたり、スマートブレインの味方をしたり、気まぐれだったのに。

 ともあれ、巧、真理、草加、それに新ヒロインの仮面ライダーミューズこと胡桃玲菜の立ち位置が、ストーリー展開に合わせて変動するように(TVのファイズも裏切りと情念、人間関係の錯綜がテーマで、主人公すら敵対することもあった)、いろいろとサプライズ展開があったわけですが、
 一番のサプライズは、海堂の立ち位置が一番ブレなかったことかもしれない(笑)。

 で、本作最大のサプライズは、とうとう真理さんがオルフェノクになってしまいました。
 ワイルドキャットオルフェノクに覚醒した真理が、中盤以降は大暴れで、巧(ウルフオルフェノク)とのカップリングで、最後に北崎および草加を倒してしまいます。(途中の過程を省略して、結果だけを明かした形)

 そんなわけで、「ワイルドキャットオルフェノク」で検索すると、いろいろと本作の肝が見つかると思います。

 20年前の映画「パラダイス・ロスト」では、主人公の巧がウルフオルフェノクに変身して、驚かせたのと同様、
 今回は、ヒロインがまさかの変身を遂げた形。
 まあ、役者としては、それまでにキバで怪人に覚醒したり、スピンオフでスマートブレインの手先になって、ライダーのデルタに変身したりしていましたが(真理のクローンって設定)、
 今作でとうとう真理自身がオルフェノクになって、巧の傍らで一緒に戦うパートナーになったかあ、と感慨深し。

 ヒロインの変身としては、少し前にマジェードで驚いたりもしましたが、
 ヒロインの(一時的ながら)闇堕ちとしてはファイズでゾワゾワさせられたな、と。

 オルフェノク化した真理は当初、殺意の衝動を抑えきれず、人を殺害したり(直接の殺害シーンは描かれてないけど、明確な殺害の痕跡が描写)、海堂たちに襲いかかったり、暴走モードに入ってしまったのですが、
 巧の説得により、正気を取り戻す。
 で、その後、オルフェノクになってしまった自分をはかなんで、自害しようとしたのだけど、死にきれず、巧と情愛を結ぶことで(オルフェノク同士の性行為が描かれる。PG12指定)、自分たちが生きるための未来をつかみ取ろうとする流れ。

 なお、性行為と言っても、着ぐるみスーツが抱き合うだけのイメージ映像なので、明確な描写ではないのですが、脚本段階では巧と真理が裸で抱き合う描写もあったのが修正されたらしい。
 まあ、井上敏樹さんの小説版ファイズでは、草加による真理のレイプが描かれていたから、今回も脚本家の筆の勢いが進んだのだろうけど、さすがに映像化に及んで、配慮は為されたという逸話が。

 もし、役者2人の濡れ馬が描かれていたなら、PG12じゃ済まなくて、R18指定になっていたかも。

 そんなわけで、真理と巧が結ばれたことで、草加も本性を現して、真理殺害に及ぼうとする流れにもなるわけですが、こんなドギツい展開をよくも上手くまとめたものだなあ、と感心します。

 以前、オーズの10年後の作品(復活のアンク)が、アンクは復活したけど、代わりに主人公の日野映司を殺してしまって後味の悪い視聴後感になってしまい、賛否両論の大騒ぎになったものですが、
 今回のファイズ続編は、概ね好意的に受け止められているようです。

 自分的にも、ヒロインの怪人化、かつ主人公との共闘、異形の者同士の情愛は好みですので、どちらかが死んじゃう悲劇よりも、愛の帰結としてスッと受け入れられたな、と。

 できれば、ワイルドキャットオルフェノクになった真理が、その後、デルタ辺りのライダーに再変身すると、もっとツボだったのですけどね。

 ともあれ、中盤の展開をすっ飛ばして、一番のサプライズ部分だけの感想でした。

PS.なお、オルフェノク化した真理と巧のラブラブ関係が、TV版のツンモードな真理ばかりを見慣れた目には、微笑ましく見えたりも。何だかんだ言って、芳賀優里亜さんのヒロインって、悲劇に終わるパターンが多くて、主役と結ばれてハッピーに終わる話が描かれたのは、今回が初めてのような気がします。
 途中でいろいろ錯綜した流れもあったけど、後味が悪くなく、適度にまとまった作品だったと思います。

PS2.ガッチャードとキングオージャー感想は次回にて。なお、今回、割愛したファイズ中盤の展開は、後日、追記するかも。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/07 (Wed) 15:02:57

 定期感想その3です。

●仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド

 内容のご解説、ご感想ありがとうございます。中盤の展開を飛ばしてもなお、これだけの情報量があるわけですか。死亡したはずのキャラクターが(おそらく何食わぬ顔で)登場している謎も併せて考えますと、相当に込み入ったものなのかなと思えます。

 込み入っているけれど、555本編以降に他作品で展開された「555のその後」はリセットされているわけですか。例えばジオウでは555本編終盤で死亡した草加が出てきますが、555正史として取り入れるのは無理があるんでしょうな。そう思い切ってでも正統続編を作るという意気込みなんでしょう。

 園田真理のオルフェノク化は、むしろ「ついに来たのか」と感じます。TV本編では澤田だけオルフェノクになったのが謎な気がしないでもなく、オルフェノクの因子を埋め込まれたら遅かれ早かれ、というのは納得しやすい。

 分からないのは、まず乾巧と海堂直也の(オルフェノクとしては)長命な点ですね。TV本編ラストでは「巧は眠ったようでいて、実は死んだ?」くらいに見えました。海堂も飄々としているけれど、いずれ近いうちにという気もしてしまう。オーズは劇場版では主人公:火野映司死亡とのことですが、TV本編ラストでは「実はアンクも存命」という希望を持たせるもの。555はそれとは逆パターンになっているようです。

 それでも20年保ったとはいえ、巧はいよいよ寿命が尽きかけているわけですか。そこは人間に比べるとやはり短命ということになりますな。海堂がどうなるかが気がかりですが、どうやらご紹介内容からしますと死期の暗示はなさそうですね。「どこへ行くか知らない者が最も遠くまで行く」と聞いたことがありますが、海堂はそれなのかも(ゲーテは逆に「行先も知らずに遠くまで行けない」と言ったらしい)。

 さらに謎めいているのが草加と北崎の復活ですね。真理のオルフェノク化から考えますと、草加もオルフェノク化が近いのか。しかしTV本編では灰となってしまったはず。北崎/ドラゴンオルフェノクは灰ではなく石にされてオルフェノクの王に食われたはずですね。

 そういやオルフェノクの王(アークオルフェノク)はオルフェノクに不死身の体を与えることができるんでした。完全復活に失敗した王は最終回で冴子が守ってたはずですから、あの後に何かあって、オルフェノクや因子を持つ者を蘇らせる力でも見つけたんかしらん。いや、まあ自分の妄想なんて大外れなんでしょうな。

 スマートブレイン社も謎ですね。オルフェノクに対する態度が反転とのことですが、TV本編でも表向きはオルフェノクに敵対するようなことを村上社長は言ってたわけで。それで警察との協力体制もできてました。ですんで劇場版でもオルフェノク殲滅に動いていると聞かされても、裏で何かあるかもと想像はできそうです。

 分からないのは「まだスマートブレイン社って存在してたのか」という点です。TV本編ラストでは会社が整理される様子をスマートレディが見守ってました。自分はあれをスマートブレイン社解体(たぶん倒産)だと思いました。が、その後も存在していたとなると、吸収合併されたとかでしょうか。

 その一方、巧と真理が結ばれるという点は納得できそうです。映像化ではオルフェノク同士とされたようですが、脚本家は役者さんの生の演技にしたかったと。そこは分かる気がします。TV本編で結ばれなかったのは「人間とオルフェノク」だからだとすると、真理がオルフェノク化してようやく一線を超えた、垣根が取り払われたと考えることができそうです。

 などと書き散らかしましたが、映像作品ですからやはり観てみないと的外れになるんでしょうな。しかしご紹介頂いた内容からは強い興味が生じます。といっても、いつものことながら(^^;)自分は映画館に行かない人間でして、そのうち東映公式Youtubeでやるだろうと待つことにしている次第。

 その東映公式Youtubeでは仮面ライダー剣が終わり、次は放映順の響鬼が来ますね。TV放映時には序盤早々に視聴を離脱してしまいましたが、ネット放映はしっかり観ていくつもり。感想も最後まで書き切るつもりです。

●BASTARD II(第32話:魔境)

 相変わらずドラマの動きは鈍いですね。しかしカル=スの生い立ちという重要ポイントは示されまして、アンスラサクスに取り込まれた理由に納得性を与え、DSとの対決の準備になっているのは確かでしょう。

 その一方、魔戦将軍一行は今話ラストでようやくキング・クリムゾン・グローリー(KGC)に辿り着く。KGC守護神らしきドラゴンが出現してますが、力の差がありすぎて戦いにならず、魔術の雷雲と同じく天災に等しい。

 それでも僚艦が盾になってくれるとか熱くなる展開もあるんですが、テンションが下がってしまいまして。原因はラピュタネタです。あれって原作でどう描かれたか忘れてるんですが、このアニメでは思い切り台詞に取り入れてます。今となっては「わざわざ言わんでもいいよ」と冷めてしまいます。

 が、連載当時はラピュタはパロディとして似せさえすれば喜ばれていたように思います。ラピュタっぽいものを出すとか、台詞を拝借するとかだけでよかった。R18作品で思いっきりパロディ、というよりパクリレベルのものすらありました。

 レンタルビデオ店が多かった当時、自分がR18コーナーをうろうろしてますと、パッケージ(当時はVHSやベータ)がジブリのラピュタとしか思えないものがありました。アニメコーナーとの置き間違いかとよく見てみたんですが、確かにR18指定。

 借りて観てみますと、ロボット兵含めて「これジブリがラピュタのパロディで作ったの?」と思うほどのもの。当時、週末に一緒にビデオ鑑賞していた友人に見せましたら、ひっくり返って大笑いしてました。

 ずっと後になって調べますと(ネットが普及するまでは自分には調べる手づるなし)、ラピュタ制作に協力した、ジブリ外のスタジオが制作したとのことでした。これに激怒したジブリ上層部(おそらく宮崎監督や鈴木プロデューサー)がそのスタジオを出入り禁止にしたとのうわさも。出演声優も巻き込まれたらしい。

 そのことはジブリのスタンスを窺わせるものがありますが、自分が強く感じたのは「アニメ制作者の薄給」です。宇宙戦艦ヤマトのヒットでアニメーターになりたいという人が増えたんですが、TVで「新人アニメーターの年収は70万円」と紹介されると、熱が一気に冷めてました(既にアニメを学び始めていた人は進路をゲームに変更したり)。
(最近でも「年収100万円」と紹介されてまして、食っていくには足りない状況が続いている模様。)

 ジブリに激怒されるリスクを承知で、ジブリから学んだ技術を使い、ジブリ風のR18作品を作ったのは、やっぱりそうしないと生きていけなかったんだろうなと思います。逆に申せば、ジブリ/ラピュタをネタにさえすれば受けていたということにもなります。BASTARDの今話分の連載当時もそうなんだったんだろうなと思う次第。

 しかしその神通力ももはや失われて久しい。ラピュタネタを出してもらっても気分が冷めてしまいます。そこは制作も承知してるんでしょうけれど、原作重視を貫いたんでしょうな。原作が好きな人なら何をネタにしたかも見たがるはず、ということで。自分もテンションは下がりましたが、ラピュタネタを入れてあることは納得はしてます。

 それはともかく、破壊神復活の最後の鍵のシーラ姫の存命と所在が明示され、カル=スが悲しき過去のゆえに破壊神に取り込まれたことも示され、争点と対決構図がはっきりしました。ここまでくれば、さすがにドラマが動くかな。惜しむらくは、せっかく健在が示されたガラ、ネイのDS側復帰がまだ描かれないことでしょうか。アビゲイルもさっさと正体みせて欲しい。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/09 (Fri) 11:44:00

 ファイズ映画の中盤ネタバレは後日に回して、先にニチアサ2本の感想を。

★ガッチャード

 ヴァルバラド変身。
 ガッチャードも炎の力でパワーアップですが、こちらも炎の力ですか。
 まあ、変身アイテムが玩具では同じ商品を変形させたものですからね。
 一応、鏡花さんが、宝太郎のドライバーおよびイグナイターを参考に作ったという経緯もあって、デザイン的に似ている理由も納得。

 性能面で気になるところは、ファイヤーガッチャードに見られた制限時間の熱暴走が、ヴァルバラドにはあるのか。
 もしも、ヴァルバラドはより安定度が高くて、制限時間がないのであれば、単純に上位互換と言えますな。

 まあ、ガッチャードには、次のフォームである「黒いアイアンガッチャード」なる形態が用意されているという噂だし、
 主人公が優遇されるのは当たり前なので、スパナとしては基本形態とケミーカードによる追加武装の使いこなしで、必要十分な戦闘力を発揮してもらいたいものです。

 3月になったら賞味期限切れになるのは悲しいので。

 途中経過はともあれ、スパナが宝太郎のアシストではなく、先達の両親、親代わりの鏡花さん、そしてミナト先生の隠れたアシストで、自分の力に覚醒したのは、先輩としての威厳を保てた形かな。
 そして、ケミーも宝太郎とは友達関係で、スパナに対してはファンみたいな憧れ感覚で、付いてくるというのが差異があっていいですな。

 3人ライダーの共闘は次回になるとして、今回はスパナの初変身ご祝儀。

 一方で、グリオン様に対するラケシスの裏切りが公然とセリフで描写されました。
 果たして、三姉妹とミナト先生のドラマがどういう方向に流れていくか。
 敵味方の構図が激動すると思われる3月放送に向けて、今は伏線を張っている段階だと思いつつ。

★キングオージャー

 今月で最終回なので、今回が大きな山場だった感。

 次回から最終決戦に突入って感じですね。

 とりあえず、語れる内容はいろいろですが、個人的に一番のポイントは、ラクレスさんが再変身したことですね。

 決戦では、ラクレスさんが作ったキングオージャーゼロが一つの勝利の鍵にもなるようで、大破したはずのロボを誰が修復したかを気にしつつ、
 昨年の夏映画の伏線(グローディが堕ちたハーカバーカとか)が、昔のエピソードがどんどん消化されていくのは、長期の段取りが上手く積み重なっていく感で、脚本の妙を覚えます。

 ここまで来ると、ラクレスさんが最終決戦で生還するかどうかが一番気掛かりだな、と思いつつ。
 ギラが児童層向きの主人公で、ラクレスが大人向きの主人公として構築されているのでしょうし、今はラクレスが良ければ、全てよしってな気分。
 もちろん、物語全体がハッピーエンドになるのは大前提として。

 他には、ラスボスがダグデドなのか、下剋上する陰謀家のカメジムに転がるのかは気にしておく。
 ダグデドを裏切って、そのパワーを吸収したカメジムがラスボス化するけど、ダグデドのような不死身性は備わらなかったので、力と力の激突の末にカメジム撃退(復活はできず)で幕、という可能性も感じながら。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/11 (Sun) 12:40:48

 劇場版ファイズのストーリー概要を改めて。

★仮面ライダーミューズ

 今回、新登場の敵ライダーという立ち位置です。ただ、役割はオルフェノクから人類を守るスマートブレインの最新ライダーなんですね。

 最初の変身者は、映画ヒロインの胡桃玲菜。
 TV本編では、真理を巡る男たちの愛憎関係が一つの大筋になっていましたが、本作では巧を巡る真理と玲菜の鞘当てみたいな話でもあります。

 開幕シーンで、スマートブレインの研究施設で死体が蘇生してオルフェノクとなって、研究員を殺害して逃走。
 北崎社長の命令で、量産型のライオトルーパー部隊が迎撃に出ますが、足止めにしかならず、程なく玲菜のミューズが出撃し、その初変身とバトルシーンのお披露目となります。

 ミューズは、短時間の観察によって相手の動きを事前予測して、先取りする機能が装備されていて、敵の攻撃をいなした後で致命的な一撃必殺技を炸裂させる仕様ですね。
 よって、本作では最強の敵として君臨する形になりますが、立ち位置としては人類の味方ということになります。

 ただ、装着者の戦闘経験がまだ成熟していないので、サポート役として、乾巧のネクストファイズが当てがわれています。
 スマートブレインの手先となっているのが、当初の乾巧です。

★真理の周りの事情


 一方、真理と何故か生きていた草加が、啓太郎の残したクリーニング店で働き続け、また海堂が「人を襲わないオルフェノクの若者たち」を保護しているのをサポートしている様子が描写。

 そして、真理と草加の会話から、「寿命を察した巧が失踪して、真理がその帰りを待ち続けている状況」が語られます。
 草加は、真理の気持ちに理解を示しながら、寄り添う形。
 真理がオルフェノクを守る活動に参加しているのに苦言を呈しつつも、「乾くんの目指していた、人とオルフェノクの共存する世界」を実現するために俺も協力させてくれ、と、キレイな草加を演じています。
 TVでは、真理への愛情とオルフェノクへの憎悪で揺れ動いていたのに、あたかもオルフェノクへの憎悪が洗い流されたような言動に、若干の違和感を覚えましたが、元々、草加は真理の前では自分を良く見せようとする演技派なところがあったからなあ(裏表の差が激しい)。

 
★オルフェノクが虐待されている世界観

 最初の映画『パラダイス・ロスト』とは逆転していて、オルフェノクが支配層にならずに、人類が平穏に暮らしている世界です。
 ただ、人類がスマートブレインの管理の元で、少数派のオルフェノク(定期的に発生しているような描写)を徹底的に迫害しているような構図で、全てのオルフェノクが悪であるかのように喧伝されていますな。
 人を助けるために、うっかり自分の力を使ってしまった隠れオルフェノクが通報されて、官憲(ライオトルーパーとか、ミューズとか)に殺害されてしまうような世界観で、真理たちの視点では、やり過ぎに映る。

 そして、オルフェノクを守るために、カイザとデルタ(三原ではない新キャラ)が反権力レジスタンスのように反抗し、それに対して北崎社長が「やはり、彼らを倒すにはミューズを差し向けないと」ということで、激突する流れになります。

★巧との再会

 オルフェノクを守るためにライオトルーパー部隊と戦うカイザとデルタ、そして海堂(スネークオルフェノク)たち。
 そこに現れたミューズという状況で、カイザとデルタたちが苦戦する中で、乾巧が登場します。
 海堂は大喜びで、「乾、やはり生きていたんだな」と駆け寄りますが、巧は新型のネクストファイズに変身し、海堂を弾き飛ばします(お前、相手が違うだろう、とかコミカルにリアクションする海堂)。

 真理たちの見ている前で、巧のネクストファイズはカイザと戦い、その間に、ミューズがデルタを撃退。
 味方がやられたのを見たカイザは、生き残ったメンバーの撤退を決断。かろうじて、逃げるのに成功します。

「乾の奴、どうしてこんなことになったんだよ」と激昂する海堂。「真理ちゃんが乾を体を張って引き留めていれば……」と下ネタめいた発言をして、草加と真理に睨まれたりする顛末も。

「乾くんが何を考えているかは分からない」と草加がリーダーシップを取りつつ、「だけど、真理は乾くんのことを信じているんだろう?」と真理の本心を確かめるために話を振ります。
「巧には巧の事情があるんだよ」と訴える真理に、
「だろうな。だけど、場合によっては、覚悟を決めないといけない。今の乾くんは俺たちの知ってる彼じゃないのかもしれないのだから」と冷静に断じる草加。
「巧は巧だよ」と飛び出す真理と、後を追って抱きしめようとする草加。それを激しく拒絶する真理……と、この辺の恋愛感情のもつれはTVを思い出しますな。

 で、草加を引き離した真理の前に、巧が現れて、別れた後の顛末が語られます。

★巧の想い

 自分の寿命を悟って、真理たちの前から姿を消した巧は、とある河原で肉体が崩壊しかけて、意識を失いました。
 そこをスマートブレインの手の者に回収されて、延命治療が施されることに。
 今の巧は、冷凍睡眠と、制限付きの活動時間で、スマートブレインの飼い犬同然の状態だということを、真理に打ち明けます。

「それでいいの?」と尋ねる真理に、
「やってることは昔と変わらないだろう? ファイズとしてオルフェノクと戦う。それよりも、おかしいのはお前だ。オルフェノクを守るなんて、無駄なことはやめろ。オルフェノクに未来なんてないんだ。俺と同じで、いずれ滅びるだけの儚い命。俺はもう疲れたんだ。だから、ファイズとして戦う。お前はもう関わるな」

 そう告げて、真理の前から去ろうとする巧。
 巧を追おうとする真理の前に、玲菜が現れます。
「あなたがいる限り、乾さんは私のものにならないのよ。だから、あなたは私たちが倒してあげる。オルフェノクとしてね」

★真理のオルフェノク化

 玲菜が真理を拉致して、スマートブレインのオルフェノク研究施設で、「流星塾での実験から真理に植え付けられて、活性化しなかったオルフェノクの記号」を強制的に活性化させるように仕向けます(北崎や巧の知らないところで、玲菜個人の嫉妬による私情で)

 その結果、真理はワイルドキャットオルフェノクとして覚醒。
 研究員を惨殺して逃走するのですが、それを見届けた玲菜は「これで遠慮なく、お邪魔虫を排除できますわ」と笑みを浮かべる流れ。

 自分がオルフェノクになった自覚を持っていない真理は、草加たちのところに帰って来ますが、内部の裏切り者(新キャラの若者オルフェノク)の通報によって、海堂の店がスマートブレインに急襲されて、現場に駆けつけます。
 そこで北崎の手で、裏切り者が処断されたのを見て、怒りが暴発した真理は、オルフェノクに変身して暴走。
 ライオトルーパーたちを圧倒して、スマートブレイン側を撤退に追い込むのですが、闘争心をコントロールできず、なだめようとした海堂たちにも襲いかかる始末。

 駆けつけた巧が、殺される覚悟で立ちはだかったことで、ようやく自分を取り戻した真理ですが、
 オルフェノクの破壊衝動に自分を抑えられる自信がないと絶望して、その場を逃げ出した高層ビルから等身自殺を試みます。

「言っただろう。オルフェノクはそう簡単に死なないって」
 気がつくと、巧と2人で廃屋にいて、人間としての未来を失った自分に半ば絶望した想いで、情熱的な交わりに走ることに。

 事を終えた後の結論として、「俺たちに未来はないのかもしれない。ただ、今は生きている。今を生きていれば、その先に未来は見えるんじゃないか」と刹那的な現状認識に至る形。

★決戦の序曲

 巧と真理のラブシーンが一段落したところで、玲菜とスマートブレインの手先が現れて、「乾さん、残念です。結局、私よりもその女を取るんですね。だったら、2人仲良く消えてもらいます」と宣言して、バトル開始。
 ウルフオルフェノクと、ワイルドキャットオルフェノクに変身して、ライオトルーパー軍団に立ち向かう巧と真理。

 ミューズには勝てないので、撤退を図るのですが、そこに北崎出現。
 生身っぽい北崎なら倒せるか、と踏んだ巧たちですが、傷ついた北崎の体は機械製アンドロイドの物だった。

 ここで玲菜が状況解説してくれます。
「噂に聞いたことがある。今のスマートブレインを影で操っているのは日本政府で、社長たちはオルフェノクを殲滅するために派遣されたクローンのアンドロイドだって」
 玲菜の出自はよく分からないのですが、「政府とアンドロイドによる管理には従えない、巧と真理の愛情を見せられると、そっちの方が管理社会よりも尊いので、2人で逃げて」というようなことを言って、アンドロイド北崎に処刑されます。

 散々、ここまでのお膳立てを整えて、状況を翻弄したヤンデレヒロインの玲菜だったのですが、これでお役目終了。

 巧は彼女にネクストファイズのギアを託されて、玲菜から奪ったミューズに変身した北崎と戦うことに。

 そこに海堂や草加が遅れて参入。

 草加に真理を託して、逃げろ、と言った巧ですが……

★草加の正体

 真理を連れて逃げる草加ですが、その様子がおかしいです。

「とうとう、オルフェノクに覚醒したんだな、真理」
 凶暴そうな顔を剥き出しにして、真理に襲いかかる草加。
「草加くん、痛いよ。離して!」

「真理、君がオルフェノクとして覚醒するのを見張るために、俺は君のそばにずっといたんだ。君がそうなった時には、この手で抹殺するためにね」
 そして、草加自身も北崎と同じ、日本政府製のクローンアンドロイドだったと告白し、強化スーツのネクストカイザに変身して、真理に襲い掛かります。

 こうして、偽草加のネクストカイザVSワイルドキャットオルフェノクの激しいバトルが展開することに。

★ネクストファイズの敗北、そして……

 海堂たちがライオトルーパーと小競り合いしている間に、ネクストファイズVS北崎ミューズの一進一退の攻防が繰り広げられます。

 しかし、奮戦虚しく、性能差が明らかになって、ネクストファイズの方が敗れて、変身解除させられます。

 その時、啓太郎の甥っ子の条太郎が、「タッくん、これを」と懐かしのアタッシュケースを届けに来ます(甥っ子も、おじさん譲りのタッくん呼び)。

「ありがてえ。やっぱり、俺にはこれが似合ってる」と笑顔になって、旧式(TV版)のファイズに変身する巧。
 流れる主題歌。

 そこに真理とネクストカイザの戦いも合流する形。

「巧、あの草加くんも偽者よ」
「だったら、遠慮なく倒していいんだな」
「バカめ。今さら、そんな旧式を引っ張って来て、死ぬつもりか」
「新型とか、旧型とか関係ないんだよ。扱いに慣れてるのが一番だ」

 そして、巧の動きを事前予測して、攻撃を回避しようとするミューズですが、右手のパンチを回避したと思ったら、すかさず左手に殴られたりして、臨機応変の旧ファイズに翻弄されることに。

「バカな。奴の動きが読めん」
「読まれるように動いてないからな。とっさの反射に、応じてくれる最高のファイズだ」

 さらに、オートバジンまで飛んできて、ファイズを支援してくれるし、
 旧ファイズ巧、ワイルドキャット真理、オートバジンのトリオで、偽草加と、偽北崎のアンドロイドクローンを完全撃破。
 これで、燃えるバトルが終了という形。

★後日譚

 オルフェノクとなった真理は、憂いを廃したような素直なラブモードで、菊池クリーニング店で巧と食事風景。
 海堂も、生き残った少女オルフェノクとともに、2人の熱愛ぶりに当てられたり、茶化したり。

「条太郎もオルフェノクになったら? 戦力も増えるし」とあっけらかんと言う真理ですが、わざと明るく振る舞っているみたいですね。
 そして、巧の寿命問題ですが、食事中に自分の手を見つめる巧に、真理がどうしたの? と尋ねる。

 深刻そうな表情を一転、ニッコリ微笑んで「生命線が伸びてる」と手のひらを見せる巧。

「ビックリさせるなよ。生命線だったら、俺だってな」と賑やかす海堂。
 こんな感じの明るい雰囲気で、表面的にはハッピーエンドですな。

 ただ、本当に巧の生命線が伸びて、スマートブレインの延命治療とか、真理との関係で生命力が活性化したとかの事情で、寿命問題が解決したのか、
 それとも、巧が(珍しく)空気を読むようになって、自分の体調悪化を悟られないように演じた(ファンの深読み)のかは、はっきりせず。


 一方、北崎社長の次の社長として、スマートブレインに君臨したのは……さらなるクローンアンドロイドの草加だった(草加クローン、大量に量産されているようで)というシーンで幕。
 このオチにワラタ。


 ということで、TV版ファイズのファンとしては、新型ファイズで勝てなかった強敵を慣れた旧ファイズで倒したという描写に燃えたり、
 至るところに、TV版の懐かしいオマージュとかいろいろで、旧作が大事に扱われていることを喜ばしく思いますね。

 衝撃の真理オルフェノク化にしても、オルフェノクの悲恋を描きがちだった旧作の中で、令和のハッピーラブカップルなライダー像に即した流れですしね。

 20年も経つと、ライダーの中での男女の描かれ方も明るい方に変わって来たわけですし、メモリアル映画でバッドエンドを見せられるとファンの怒りを招くことは、オーズで判明したから、そこは作り手も学習した、と思いつつ。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/11 (Sun) 21:57:18

 定期感想その1です。

「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」のご解説・ご感想の続き、ありがとうございます。「キレイな草加」でちょっと笑っちゃったり、いろいろ思うところが出てきたんですが、すぐには申し上げられることがまとまらず。

 それに先のご解説を拝読しての予想(妄想)がいろいろ外れてもいる点もリセットして考え直しですし(北崎や草加はアンドロイドだったんですか)。定例分の感想を先にして、後でゆっくり考えようと思います。さらに東映公式Youtubeで「劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE」放映してくれまして、そちらも感想書けたら書きたいし。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第5話:「悟(さとる))

 前話でホラー化した会社社長と社員を全て討伐するバトルメインの回ですね。騎士は生身バトル主体で、敵ホラーもゾンビ風で素体ホラーなどと異なりかなり生身的。窓際の廊下を進みつつ敵ホラーを次々なぎ倒す流牙を、ビルの外から撮影しているのは面白いカメラアングルです。CG合成ではなさそうで、カメラ搭載のドローンで撮影したんだろうか。

 それはともかく、そんなアクション主体の流れに創磨の立ち直りのドラマを上手く組み込んでありますね。前話で流牙が創磨に剣を渡して「つらいか」と尋ねた結果が今話に出てきました。創磨はしばし逡巡しており、ビルにホラー大量発生の報が入っても、創磨だけ出遅れる。

 先着した流牙らは対処にかかるも、敵の数が多い。ビルごと封印すべしとなるわけですが、流牙は創磨の到着を待てと留める。来ると信じているわけですね。アゴラの三剣士も反対しない。そこはちょっと変だなと思ったんですが(特に創磨の資質を疑問視するイグス)、創磨がようやく覚悟して表れてからの三剣士の反応を見て納得するものがありました。

 まずロンですね。前もオビに語った心境が味わい深いものがあったんですが、今話でもなかなかのものがあります。「(ホラー大量討伐の)アイデアを出せ。それでチャラにしてやる」ですから。これは悪意で言ってるんなら、内心は『こんな状況どうしようもない。無理難題押し付けて、できない責任を取らせてやる』になるでしょう。

 が、ロンの様子からすると『やりようはある。創磨なら戦術の1つや2つ、出ないわけがない』と思ってる感じです。そもそもビルの封印を遅らせることに反対してませんし、創磨到着でビルには結界が張られてホラーは出られない。この後の描写からしますと、朝日が昇ればホラーは消滅するというタイムリミットまである。
(ホラーって太陽浴びると消滅するものだったか、自分はちょっと覚えてなくて混乱ですorz。)

 となりますと、ロンは既に創磨を許したい、認めたいと思っていた感じです。それがツンデレで「アイデアを出せ」という言い草になっちゃったようですな。これにイグスが異を唱えない点も興味深いものがあります。「チャラにしてやる」の暗黙の是認といったところでしょうか。

 この後、転移の術でホラーを会議室(かな?)に誘い込んで討つ作戦の際、イグスはロンやオビに「創磨に後れを取るぞ」と叱咤してます。前もイグスはムツギ法師に創磨の腕前を高く評価する旨言ってまして、高く期待するものはあるのは間違いなさそうですね。できれば(仲間に剣を向けるような)迷いから立ち直って欲しいし、今話でちょっと遅れながらも覚悟を決めて駆けつけたことで、大きく見直すものがあったのかもしれない。

 オビは特に何も言わず反応もはっきりしませんが、創磨を認めそうですね。なにせ見ただけではしゃぐほど尊敬する黄金騎士/流牙が創磨に素質ありと、はっきり言うようになってますんで。それにオビは今話、ホラーから逃げて隠れていた女性を見た途端、悲鳴あげたりしてまして。気を取り直して「守るから大丈夫」と言いはするものの、かなり情けないという自覚はあるはず。戦術を立てて実行できる創磨をオビが侮るとは思えません。

 大量討伐バトルのほうは、コヨリの転移の術やらムツギ法師の結界術やらで討伐しつつ、夜が明けて日が昇ったことで決着。ムツギ法師の結界術に阻まれる大勢のホラーは、ゾンビパニック映画でギリギリでガラス戸の向こうへ逃げ延びた主人公で出てきそうな絵でした。

 が、自分はどうもゴブスレを思い出してしまいます。1期2話で砦を占拠したゴブリンを誘い出しつつ、プロテクションで出口を封鎖して倒した戦術などですね。牙狼の制作はどっちも意識して作ってたりするのかしらん。

 (元ライダーの^^;)社長ホラー(風祭)も流牙に討伐されますが、その前に電話が鳴る。流牙が出て見ると、うるさいノイズに声が混じっている。これはラストで音声がはっきりしまして、「ようやく分かったぞ。3年に一度の朱月(あかつき)の夜が道を開く一歩めとなる。俺は隻眼の森に向かう」。声の主はゴドウか?

 電話はゲートだったとのことで、誰かがその時間に電話をかけて来たわけじゃないんでしょうな。声の主が誰で、どんな状況、どんな意図で発した台詞なのかは、「破滅ノ門」と深く関わりそう。その辺り、次回「眼(まなこ)」から明らかにしてくれそうです。

●仮面ライダー響鬼(第1話:響く鬼、第2話:咆える蜘蛛)

 前の投稿では感想書き切るつもりとか張り切ってたんですが、いざ視聴してみると自信がなくなってきました。観終えてからストーリーを思い出そうとしても、時系列順には思い出せないのです。どんなイベントがあったかは覚えています。が、その前後関係が記憶では曖昧になってしまってます。

 原因はおおよそ分かってまして、BGMです。まるで効果音まで兼ねるような音楽が、ほぼずっと鳴っています(ミッキーマウシングと呼ばれる手法らしい)。それで改めて気が付いたんですが、各シーンがどんな状況なのかを、自分は効果音も大事な手がかりにして覚えるみたいです。

 街なら街、森なら森の音があるわけですね。それで各イベントがどんな場所であったのかを思い出せる。が、響鬼ではほぼ音楽が効果音に取って代わってしまっているため、音による場所のイメージが湧かない。どれも同じようなイベントとして記憶してしまい、前後関係すら怪しくなってしまう。

 こうなりますと、感想は本編観ながら「これがあって、それがこうなって」とメモるような書き方をするしかなさそうですが、これはなかなか大変。そのうえ、そうしてもなお、後でストーリーを時系列はっきりさせて思い出せるとは限らない。ある回のイベントが少し後に影響が出ても、気が付けないかもしれない。

 ということで少し不安になっています。前にジオウ放映時の平成ライダー第1・2話特集で響鬼を観たときには、上述のような印象はありませんでした。「第3話以降は観られないんだから、雰囲気だけ分かればいい」と思ったことは影響してそう。

 が、おそらくは当時はまだライダー視聴歴が浅く、各キャラクターの考えや気持ちを汲み取りつつ観てはなかったのが最大の理由のような気がします。とりあえず見えたイベントだけ追って満足してた感じですね。今だとキャラクターの思考や感情も感じ取らないとどうも納得いきません。

 それがこの響鬼の演出で自分にできるようになるかどうか。たぶん慣れれば何とかなると思うんですが、どうしても苦手を克服できないようだと、もしかすると感想を途中で放り出すこともあり得るかもしれません。

 とにかくやれるだけやってみます。が、第1・2話は導入部と申しますか、世界観、特に敵味方の紹介という面が大きそう。明日夢という高校進学を控えた中学生がいて、(実は仮面ライダー響鬼の変身者である)ヒビキと出会い、敵と思しき童子と姫に遭遇し、童子と姫は屋久島のツチグモなる怪人に相当する魔化魍を放ち、ヒビキは響鬼に変身して戦う。

 一連の異変に遭遇しても、なお事態が飲み込めない明日夢がこれからどうなるか、という感じですね。ただ、明日夢は既にヒビキに何か感じ入ることがあるらしく、進路について相談したりしてます。恐るべき事態に関わっている男なのに、惹かれる気持ちのほうが強そう。

 またヒビキには協力者がいることも示されてますな(その一人の立花日菜佳を演じた神戸みゆきさんが24歳で亡くなったのはジオウ放映時に知ったわけで、響鬼本編を視聴していて複雑な気持ちになります)。

 次からがドラマ始動という印象です。演出が苦手と申しましたが、めげすにストーリーもしっかり追ってみるつもり。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/12 (Mon) 19:13:20

 仮面ライダー響鬼ですが、序盤はとにかくストーリーが進まないことを述べておきますね。
 主人公の明日夢くんが、変なおじさんの響鬼さんに関心を持って追っかけようとするのですが、響鬼さんは各地の妖怪退治に忙しい御仁なので、なかなか会えずにいる。
 明日夢少年が、響鬼さんと接触する前に、周辺のサポート組織、猛士の人たちとコミュニケーションを交わしたり、彼の学園生活を描写したり、とにかく日常シーンがダラダラ続くのと、

 響鬼さんの巨大な妖怪退治のシーンを別々に描くことで、少年視点とライダー視点を交わらずに、しばらく退屈な話が続く。
 序盤は、音楽をテーマにしたということで、変なミュージカル風演出があったり、凝ってはいるし新鮮ではあるけど、ヒーロー物としての定番作劇から外れて、いかにもな実験作って感じです。

 ストーリーが進むのに時間がかかるので、あまり細かく感想を書くのも疲れると思います。従来なら、あっさり基本情報として提示される設定が語られるまでに時間がかかりますので(響鬼って何者なのか、戦っている敵の正体は何なのか、という情報すら語られずに、話が進むし)。
 分かるのは、鍛えることで鬼の力を会得して(仮面ライダーという用語は使われない)、浄めの音で魔化魍という妖怪を封じることができるということ。

 これがリアルタイムだと、視聴者がいろいろ意見を披露する謎解きめいた楽しみ方もあったのですが、答えを知ってる自分と、これから追いかけるK.Kさん(Wikipediaなどの足がかりはあるにせよ)で、謎解きの面白さは共有できないとも思いますので、
 ストーリー的に楽しめる回に絞ってのミニ感想ぐらいでいいのではないか、と提案します。

 響鬼って、フォームチェンジも少なく、序盤は本当に太鼓を叩いて決着(演奏に尺を使う)なので、魔化魍の捜索に時間を浪費したり、非常にテンポの遅い(丁寧と言えば丁寧だけど)作風なので、
 例えば、ロケ地の自然が綺麗だなあ、とか、魔化魍のCGに力が入ってるなあ、とか、明日夢はいつ響鬼さんと話ができるんだろう、とか、細川茂樹さんがダンディで、若手役者の多いライダー主役と一線を画した雰囲気だなあ、とか、そんなことを考えていたなあ、と記憶。

★バスタード

 仕込みの回が長かったですな。
 次回でようやくバトル。

 で、ラピュタのギャグは、今だとカットしてもいいと思ったんだけど、その辺は原作に忠実なのか。
 やはり、時事ネタみたいなもので(まあ、有名作品なので時代を越えて元ネタが知られているけど)、分かる人にしか笑えないネタですし、今だと分かっても笑えない寒いギャグ。

 まあ、カル=スの能力やら、放送中の気候には則したネタなのかな。

 で、KCG到着で、雰囲気がここから後半戦に入る模様で、物語のテンポが上がることを期待します。

★牙狼ハガネ

 こちらは、大掛かりなアクション回で、集団戦が非常に面白く描かれていました。
 もしかすると、動員人数が最も多い本作の最大規模のバトルだったのでは?

 後半だと、たぶんCG使用が増えるだろうし、物語の焦点が流牙と創磨に当たるだろうから、
 三剣士の最大の見せ場かもしれません。

 鎧召喚も三剣士のハガネのみで、黄金騎士は鎧なしで敵を倒す。
 創磨も今回は鎧なしで、代わりにコヨリとの初連携を見せて、2人の気の合ったパートナーぶりを示しましたな。

 敵が数多くのザコなので、ほとんど無双モードで、賀集さんも思ったより呆気なく倒されたなあ、という印象。
 強化形態にパワーアップすることもなかったので、ホラーのボスというよりも、最初の保菌者みたいなものか。
 あるいは、戦闘力は高くないけど、集団への感染能力に特化したタイプということかも。

 てっきり、三剣士の誰かが感染して、という展開を危惧しましたが、そんなこともなく。
 ただ、オビが避難者の女性を連れて一人になったタイミングがあったので、そこで密かに感染しているような伏線だったらイヤだなあ。

 ゾンビ映画みたいな演出だったので、味方側に何かの後遺症が発現する可能性だけを気にしつつ。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/12 (Mon) 22:45:49

 定期感想その2です。

 響鬼の視聴についての注意点、ご教示ありがとうございます。序盤は進まないものだったんですか。誰がどこで何をしているかについても情報が少ないと。そこは初放映では推測する楽しみがあったけれど、今は視聴済みと未視聴では情報の非対称性が生じてしまうと。再放映ですから予習が出来てしまう点もネックとなりそうですね。

 自分はだいたいどの連続物でも第3話からドラマが始まると思ってましたが(第1話は目を引く事件、第2話はそれがなぜ起こったかの説明)、響鬼は例外となりそうですね。ご教示の通り、当面はドラマが動き出さないものと思って視聴してみることにします。第1・2話のような話がしばらく続くとなれば、感想も仰る通り、当分は間欠的になりそうです。

●仮面ライダーガッチャード(第22話:愛は刃!ケミー・ストーリーは突然に)

 敵(グリオン)側の動きとしては、自分は前話に引き続きミナトとラケシスに期待したんですが、ミナトが作戦失敗で信用を落として一歩下がってしまいました。ラケシスも連動するようにいったん引っ込む感じですね。代わりに武闘派クロトーが出動。

 味方側も前話で活躍のスパナは鏡花に連れられての両親の墓参りでして、こちらもドラマを動かす立ち位置を譲る格好でしょうか。敵味方とも一仕事終えたキャラクターを下げたわけですが(もっともバトルではスパナ/ヴァルバラドは健在)、味方側でスパナに代わって大きく動くのは誰だろう。

 味方側の誰かではなく、敵も今まで認識してなかった野良ケミー:ズキュンパイアがドラマの転がし役なのかな。かなり癖の強いキャラクターでして、キザなイケメンを戯画化したような感じですね。能力はチャームとエナジードレインでしょうか。吸い取った生命力は使わずに蓄えているらしい。

 ズキュンパイアはケミーとしては例外的に(カードの絵柄も顕現も)人型ですが、本体は王冠らしい。自分は最初、勘違いしまして、最初の人型イケメン態のズギュンパイアも誰かに憑依した姿だと思ってしまいました。それで「灰色の魔女カーラみたいなものか」と思ったんですが、りんねから王冠を外されたズキュンパイアが元に戻ったことで勘違いに気が付きました。もしかすると「灰色の魔女みたいだと面白いかも」と思ったのかもしれません。

 ズギュンパイアのエナジードレインを止めようとする宝太郎らと、泳がせて利用したいらしいクロトーらとの争いになるわけですが、おおむねクロトーらの思惑通りか。いや参謀格のサーベルマルガムの狙い通りと言うべきかも。クロトーはグリオンに力を付与されたこともあり、やたら戦いたがって逸るばかりの感じです。

 サーベルマルガムはガッチャード&ヴァルバラドに倒されますが、一緒にいったん撃破されたクロトー/マンティスマルガムは多重錬成で反撃に転じる、というところで続く。「属性を越えた多重錬成」と台詞解説ありまして、自分は一瞬「生物同士なのに?」と思ってしまいました。ケミー分類ではインセクトとアニマルということで、属性が違ってるわけか。

 その騒動の隙にズギュンパイアは人々から吸い取った生命力で何か始めるつもりらしい。なんだかドラゴンボールの元気玉みたいなものに見えます。「ちょっとだけ分けてくれ」ではなく、対象が倒れるほど吸い取ったものではありますが。

 それが次回「いつも心にズッキュンを」での争点となるみたいですね。公式サイトの予告によれば、ズギュンパイアに悪意はないらしい。が、同時に今話で害を与えていることに気が付いてもなかったらしい。それを悟ったズギュンパイアがどうするか、ということみたいですね。

●王様戦隊キングオージャー(第48話:さらば、親愛なる民よ )

 今話も好みの燃える展開でした。が、冒頭は唖然としてしまいまして、「自分は1話飛ばして観てるのか?」と。なにせ、シュゴッダムと思しき場所が廃墟と化し、オージャー戦士はギラを残して倒れており、ギラも満身創痍。そして勝ち誇るダグデド。

 OP曲に入る頃にようやく「あ、これは今話ラストの先取りか。そうなったのはどうしてかを、これから見せてくれるんだな」と気が付きました。案の定、OP後は王様戦隊が善後策練る会議から。会議の出だしは希望が持てるものでして、切り札となる「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」開発計画があるというもの。

 しかし「王の証」全てを利用する巨大ロボであるため、グローディに「永遠の命」を使ってしまった今、完成させようがない。代用品を作るしかないとヤンマが言うも、後の先を取るかの如くダグデドが現れ、今からチキューを滅ぼしちゃうよと。

 その前(24時間以内)に「永遠の命」の代用品を作るのは、ヤンマ曰く「奇跡が1万回起きないと無理」。事実上の「無理だ」ですね。事ここに至ってリタが決断、「避難計画ゼロ」なるものを発動する。どうやらチキューの全員を他の星に脱出させるものらしい。直ちに避難指示が出て、その現場指揮はラクレスに。

 ラクレスは何か知っているようですが、避難するコガネに問われても曖昧な答しか返さない。しかし「いつか勝つため」との言に、コガネらも覚悟した模様。この避難に敵が妨害に来てますが、その際にゴローゲが悲鳴をあげて画面から消えたところがラストへの伏線ですな。

 ともかくも避難指示に従った人々が集まったのは、以前に避難した地下のジェラミーの国ではない。崖に囲まれた山間ですね(余談ですが、なんだかスターウォーズの雰囲気を感じました)。ダグデドと戦っているはずの王を皆は心配するも、ラクレスはひたすら宇宙船である城に入れ、入りきらなかった人々のためにシュゴッドも来ると。

 が、誰も納得せず、まずドゥーガが「避難が済むまで開けるな」と言われたバッグを開ける。中身はギラの「王の証」の王冠ですね。他のバッグも次々開けられまして、いずれも「王の証」。ジェラミーが託したバッグだけは、永遠の命がないので代わりに愛用のヴェノミックスシューター。

 そのヴェノミックスシューターからホログラム映像が映し出されまして、今後のプラン「別の星に逃げて「永遠の命」の代用品を作り、ダグデドを倒せる兵器(超絶怒涛究極完全体キングオージャー)を完成させてほしい」が示される。そう命じた王様戦隊は、皆が逃げるまでの時間稼ぎに勝てない戦いを挑んでいる。

 そこからが徐々にテンション上がる展開です。ギラの話を聞いても誰も納得する様子がない。ラクレスは必死に叱咤するも、まずシオカラが「やっぱりヤンマ君たちは死ぬ気なんすね」。ドゥーガは「どうして止めなかったんですか」、さらに「それでよいのですか!」と詰め寄る。

 歯を食いしばって聞いていたラクレス、ついに「いいわけないだろう!」と叫ぶ。ダグデドにあと一歩まで迫った王様戦隊は数千年の一度の逸材であり、だからこそ全ての人々を生かすべく、逃がす決断ができたのだと。ラクレスはその決断を背負っていたわけですね。

 しかしイシャバーナのセバスチャンは「奇跡ですね。それが答ではありませんか」と静かに言い、トウフのクロダが続けて「我々にそんな奇跡は起こりません!」。逃げたらもう勝てない、即ち「王たちを見捨てて逃げられるもんか!」の意ですね。皆も次々と同意。全国民もまた、数千年に一度の逸材であったようです。

 ラクレスも「度し難いな」と言いつつ腹を括る、というより素志に立ち戻れたことに意気を感じ、「私も同じだ!」~「道を開けろお!」。ここは涙腺を刺激するほどツボです。が、いい具合にお邪魔虫入りましてゴローゲですね。流れるようにうまく進んでは面白くない。

 ゴローゲは「王の証がなくては生きていけない、奪え!」と叫ぶ。が、もう1人のゴローゲがボロボロの姿で「待てー!」と駆け込んで来る。ここはブーンがすぐに看破しまして、声がでかいからこっち(ボロボロのほう)が本物だと。観ているこちらは「ああ、避難のときに悲鳴をあげたゴローゲはこっちか」となりますな。

 となりますと、偽ゴローゲは案の定のカメジム。ラクレスがいるとはいえやはり形勢は不利か、と思った途端、予想外の燃える展開来まして、デズナラク8世ですな。ダースヴェーダ―ばりの登場で「死の国(ハーカバーカかな?)から迎えに来たぞ」の口上。もしかして、グローディが死の国へ持ち去った形の「永遠の命」を奪って、地上に戻ったのかな?

 一方、ダグデド vs 王様戦隊のほうは冒頭通りになる展開に。しかし冒頭で感じた絶望感ではなく、王の命に背いて救援を決めたラクレスら、さらに増援のデズナラク8世がいると分かりますと、「ここからひっくり返すんだな」と、次回「王はここにいる」に希望が持てます。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/14 (Wed) 12:33:22

 定例ニチアサ感想です。

★ガッチャード

 マジェード初変身の時に初参加した井上亜希子さんの2本めのエピソード。
 つまり、メインライターとは異なる番外編というか、ヒロイン主役編のエピソードになるのかな。

 脚本家が複数体制で行われる場合、いろいろな役割分担が行われるのですが、メインライターが主役を中心に描き、サブライターがサブキャラメインのエピソードを担当する形だと、分かりやすいですね。

 同じ作品でも、脚本家によるキャラ描写の違いを比較するのも通な鑑賞の仕方ですが、当然ながら物語は脚本家だけで作っているものではなく、プロデューサーの要望や、現場の監督や演じる役者の意図も入ってきて、それぞれのキャラやストーリーが完成する流れですが、
 特撮物の場合は、役者が若手中心なので、脚本に現場でダメ出しされるケースは稀で(最近、懐古インタビューを読んだ必殺シリーズなんかでは脚本の現場改訂がしょっちゅうだったとか)、おおむね、脚本家の筋書きどおりに、監督の演出が加わって、そこに役者の意見が重なって物語が膨らむ模様。

 蓮華先輩のかぶり物とか、ギャグ演出は関西人の彼女の提案したギャグ演出に監督が乗っかったみたいだし、今回のズキュンパイアが憑依したキャラ演出は、相当遊びが入ってますな。
 前回のスパナ変身との空気差が大きいですが、ちょうどタイミング的にバレンタインが近いこともあって、コミカルハートな話として受け入れ易かったな、と。

 というか、2月のこの時期のニチアサって、番組改編期と重なって、意外とバレンタイン的なエピソードってないんですね。
 ライダーも2月は、重い話が続く印象があって(3月に話を盛り上げる慣習から)、この時期に、こんなギャグテイストの話が入って来る方が珍しい。

 逆に言えば、ガッチャードが基本は明るいノリの作品なので(時々、ハードな話が混ざるけど)、今回は、違和感なく変なラブコメにあって、ラブコメにあらずな話を満喫できました。
 やはり、次のキングオージャーが話が重いので、こっちは軽いノリでいいかなあ、と思います。

 いや、次のブンブンジャーが始まったら、また、ガッチャードの雰囲気も重い方向にバランスを取る感じで変わって来ると思いますがね。

★キングオージャー

 今回最大のサプライズは、ラストのデズナラクさん登場ですね。

 グローディがハーカバーカに送られる→彼はバグナラクの仇でもある→一番、恨みを持っていそうであるデズナラクが死の世界でグローディから永遠の命を奪う→そして、因縁のカメジムの前に出現

 グローディを墓場送りにして、死者の呪詛の声に怯えるグローディで幕……じゃなくて、それが次への仕込みだったとは想定できず。

 ここに来て、デズナラクかよ〜と感じ入りました。


 王様戦隊に、仇敵だったラクレスだけでなく、ギラと和解できたと思ったら非業の死を遂げさせられた(惜しいキャラを亡くしたっぽい演出の)デズさんをここで引っ張り出して来るとは。
 まあ、かつては倒しても倒しても、復活して来る執念深い敵だと思っておりましたが、今回は執念深い味方として、土壇場で逆転の鍵になるとは。

 カメジムを倒すために、ラクレスとデズナラクの共闘って展開になると、次回の初めは燃えますな。
 味方になった敵キャラが威厳を保ったまま、因縁の敵への雪辱を晴らし、その勢いで、ピンチの主人公たちを救う救世主になるなら、次回の最終回前話の熱さが予想できて、期待が膨らみます。

 そして、最終話は、果たして超絶怒涛究極完全体が奇跡的に爆誕するのか、それとも、もっと凄い意思の力が奇跡を起こすのか、
 ここまで来て、単なる予定調和を越えた仕込みが発動したのを見て、年末のラクレス参入以来の感じ入り方をしています。

 いやあ、デズナラクキターって叫びたい視聴体験でしたしね。

★響鬼追記

 この作品を響鬼と明日夢のドラマという観点で見ると、前半の話の進まなさがモヤモヤするのですが、
 他の鬼(7話登場の威風鬼とか、15話から登場の斬鬼・轟鬼師弟)が参入して、鬼の世界の師弟関係像がいろいろと見えて来ると、話が面白くなって来たなあ、と思います。

 明日夢は鬼の世界のことをよく分かっていない主人公で、響鬼さんも弟子を持ちたくないという背景があって、要するに視聴者は響鬼師匠と弟子として頑張る明日夢のストレートな話を見たいのに、いろいろ紆余曲折してしまう。

 そして、視聴者の見たいものは、威風鬼さんと弟子の少女アキラとか、斬鬼・轟鬼に受け継がれていって、そっちの方が話が面白い。
 たぶん、細川茂樹さんのスケジュール問題で、ドラマの中心に響鬼を置くことができない制作事情もあったのかな、と(当時は、大河ドラマにも出ていたし)。

 前年の剣も、番組途中のメインライター交代劇があって、前半と後半の作風が変わったのに続いて、
 続く響鬼の方も、プロデューサーまで変わったことで、前半と後半で雰囲気がより激しく変わる(OP主題歌が変わるので、一目瞭然)。その中で、明日夢のライバルとなる少年・桐矢が登場して、前半には見られなかった人間関係のギスギス葛藤が見られる(後期ライターの井上敏樹氏の作風)。
 剣では、前半と後半の作風の変化を多くのファンが歓迎したのに対し、響鬼では、前半の穏やかな(スローテンポな)作風が従来の平成ライダーの重いノリに変わったことへの反感が当時は非常に大きくて、井上敏樹氏の作風にそれほど抵抗のない自分としては、アンチ後半響鬼の発言に何だかなあ、と思っていた時期でした。

 脚本家やプロデューサーの流れとしては、響鬼前半がクウガで、後半がアギトということになりますし、
 じっくり構築されたクウガ世界が、アギトに乗っ取られたなら、と思うと、それが響鬼という作品の持ち味かもしれない。

 当時は、響鬼さんを五代雄介の再来と見なす風潮もありましたし、飄々とした演技とか、五代の成長した姿が響鬼さんと受け止めることも可能。
 で、五代といえば、一条刑事とのバディ関係があってこそですけど、一条さんの後継者みたいなキャラが響鬼にはいないんですね。

 結果的に、五代と一条の関係性がメインだったクウガと違って、響鬼と明日夢はそこまでバディ関係にはならず、最終的には、明日夢が鬼の道を選ばず、自分の日常で人を助ける夢を見つけ出す成長を遂げる形で、
 響鬼の弟子としてはライバルの桐矢が選ばれるというサプライズな結末。

 このこともあって、桐矢というキャラもアンチが多く、2年後に役者が電王の2号ライダー・ゼロノスの桜井優斗として人気を獲得するまで、ネットでの悪口も多かったなあ、と記憶。

 とりあえず、響鬼という作品は、スタート時の企画からして、「平成ライダーは剣で終わって、時代劇ヒーローの変身忍者・嵐のリメイクにしよう」という話から始まって、ライダーとは異なる忍者とか陰陽師などの和のテイストを残し、デザインもライダーとは異なる斬新なヒーロー像で展開されて、
 平成ライダー最大の迷走異色作になったわけですな。

 だから、この作品を楽しむには、前半はのんびりペースで、少しずつ解明される鬼の世界の模様を気楽に楽しみ(ドラマの楽しみは、響鬼と明日夢以外の鬼と弟子が出てくるまで動かない)、
 敵サイドのドラマとかも、他の作品と違って描かれてなくて、ただの怪現象のお化け程度に割り切って、
 後半で、急にのんびり気分がなくなって、人間社会の悪意とか主人公の葛藤に巻き込まれるのを覚悟して見ればいいのかな、と。

 剣以上の迷走があることを意識しつつ、実はリメイク原案の変身忍者・嵐も、いろいろ迷走した作品ということなので、その辺は見事に継承したなあ、と。
 嵐は現在、YouTubeの「東映時代劇チャンネル」で放送中なので、「特撮チャンネル」ではなかったことに盲点を突かれながら、最近発見して、いい縁だと見始めた最中。

 とりあえず、作品概要と、制作裏話の抜粋でした。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/14 (Wed) 23:04:57

 定期感想その3です。

 響鬼視聴のさらなるご教示、ありがとうございます。剣/ブレイドを観終えての響鬼なんですが、同じく前後半で作風が変わることをうっかり忘れてました(^^;。響鬼は後半のメイン脚本が井上敏樹さんでしたか(言われて確認してみると、前半は交代が多いが後半はほぼ井上さん)。それなら自分的には大丈夫かなという気がします。剣/ブレイドでは前半の流れを変えるたこ焼き回2話分は井上さんなんでした(そこから會川昇さんへ)。

 伺った中でちょっと意外だったのはクウガとの対比が語られていたという点です。響鬼第2話まででも確かにヒビキは機嫌よい感じを保ってまして、クウガの五代と似ていると言われますと、一応納得できます。

 が、五代は仮面の下で泣いていたわけで。クウガの途中から「五代は笑顔を見せているけど、内心ではどうなのか?」という疑問が生じ、涙は仮面で隠しているとハッキリ知りますと(原作コミックでの昭和の1号が顔の傷を隠したのと対比?)、第1話からの印象がガラッと変わる仕掛けでした。響鬼もどうなのか、ちょっと気にしてみることにします。

●BASTARD II(第33話:伝説)

 まだドラマが動き出しませんか。バトルもお預けのままですな。前半は老人が孫に語る昔話の体裁での設定紹介ですね。400年前の大異変で何があったかで、科学技術文明が自ら作り出した兵器(アンスラサクス)の暴走で壊滅、人類の大半は死亡するも、生き残りにより今の魔法文明が起こることになったと。

 その辺りは第1期の最初から種明かしされてたわけで、この20年代アニメ版では今さらという感じがなくもない。もっとも原作連載時は昔は科学技術があったと断片的に匂わせつつも、はっきりはさせてこなかったような。連載中断もしばしばでしたし、こんな世界になった発端をまとめて紹介しておく必要があったのかも。

 後半はキングクリムゾングローリー(KCG)に舞台が戻りますが、しばらくはコミカルで続く。ヨーコを巡ってのラブコメ喧嘩の後は、魔戦将軍の船団が墜落しても、小さく分裂したDS&ルーシェのコントとなってしまう。

 ようやく魔戦将軍ボル・ギル・ボル登場となり、DSが(おそらく一時的に)目が見えなくなっているとラーズ(と観ているこちら)に明かされて、さあどうなるかというところで続く。バトルもお預けかあ。次回「遠雷」は公式サイトの予告を見ますと、ネイやガラが出て来るようで、ようやくか(もっとも幼少時のネイのカットがあり、回想多めなのかも)。

●仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド

 たくさんの分量を分割し、整理してのご紹介・ご解説、改めてお礼申し上げます。文字面のみではありますが、ようやく飲み込めてきた気がします。理解にちょっと時間がかかったのは、自分に変な思い込みがあったためのようです。

 その思い込みとは「555における諸問題、特に人類 vs オルフェノクという対立構造が解決されるはず」というものです。よく考えたら、そんなわけないんでした。オルフェノクという種族や組織、あるいは思想があるのなら、和解なり対決なりすればいいわけですが、なにせオルフェノクは太古から死んだ人間がときとしてよみがえった存在。

 人類が存続する限り、オルフェノクは新たに生まれて来る。同時にオルフェノクも同族を得るためには自分達より圧倒的多数の人間を必要とする。TV本編のスマートブレインのようなものは例外として、散発的に生まれるオルフェノクはバラバラに生きており、例えば「オルフェノクと交渉する」なんてことは不可能。

 勢い、例えば「とあるオルフェノクはどう生きていくか」みたいなことにしかならないわけですね。よく考えたら、555のTV本編でもそうなんでした。スマートブレイン社とて、一部のオルフェノクを認識しているに過ぎない。

 そう考えて、ようやくご解説が飲み込めた気がします。世界の問題ではなく個人の問題を解決するドラマ、といった感じでしょうか。具体的には巧と真理ですね。TV本編から引き続き登場した草加も北崎もアンドロイドということですから、その2人には解決すべき問題は発生しない(生前の草加の記憶の影響とかはあるかもしれませんが)。

 世界の状況的には「パラダイス・ロスト」の逆でしょうか。「パラダイス・ロスト」ではオルフェノクが圧倒的多数となり、人類は数千人が細々ですね。そういう世界でオルフェノクの巧と人間の真理がどう生きていくか(だけど、「行けるところまで行く」しか示されない)。

 そのロストをリゲインドに置き換えたのが今回の劇場版ですね。楽園を取り戻した、ということになりますが、ロストでは悲観的に見えた巧と真理とのハッピーエンドが示されたようですね。真理が巧の側(オルフェノク)に移り、2人の関係はようやく安定。

 しかしオルフェノクが(国家から)排除される状況は同じなので(アンドロイド北崎の次は草加が社長)、火の粉は降りかかるかもしれない。それでも「行けるところまで行く」んでしょうな。ただし今度は楽観的だからパラダイス、となるでしょうか。そういう締めくくりだと、続編が出そうな感じもしますな。

●仮面ライダー剣/ブレイド MISSING ACE

 公開時期はTV本編の第31話(53番目の存在)の後ですね。流れを変えるたこ焼き回(2人のカリス、失われた記憶)の後、後半のドラマが動き出すのと同時くらいにこの劇場版。脚本は井上敏樹さんでして、ミステリ要素はありますが、TV本編後半の雰囲気のものになっているようです。

 ディケイドで見た巨大邪神・14もようやくオリジナルを拝めましたし、ディケイドでの海東純一とこちらの志村純一(仮面ライダーグレイブ/アルビノジョーカー)を演じるのが同じ黒田勇樹さんというのもようやく実見。こちらを先に観ていれば、ディケイドで一目で「ああ、なるほど」となったんでしょうね。

 新世代ライダーと称される3人のライダーが登場するんですが、2名は中盤で死亡退場してしまい、残る1人はラスボス。終盤で敵を倒す活躍はなく、ブレイドの後継にもならずでした。劇場版お目見えのライダーの活躍ではなく、ライダー変身者という重要なキャラクターの死亡でミステリ要素を盛り込む狙いみたいですね。

 ミステリ要素といえば、TV本編前半での「マグネシウムによるトリックだ」がありましたな。剣/ブレイドの2度目の視聴で、そう来ると分かっていても、あそこは「やっぱり何か違う」と感じてしまいます。

 それに対してこの劇場版のミステリ要素は「変身者を殺害したのは誰か」「それはなぜか」というもの。TV本編後半では、そっくりに化けられるティターンがかき回して不和を図り、剣崎らが逆に罠にはめて撃退する回がありました。この劇場版ではそっちの雰囲気があるようです。

 そして犯人とその狙いを探っていくと、黒幕の志村/アルビノジョーカーに辿り着くと。その過程で橘が天音が「超古代の偉大にして絶対的な最強の力」復活の鍵だと言い出して迫る様子を見せるなど、観ているこちらの推理を撹乱したりする。

 ラスボスの正体と狙いが分かりますと、ヒーロー物らしいバトルを見せてくれますな。邪神復活の鍵である天音を守り切れず、ラスボスは天音を核として邪神と一体化。しかし天音を奪い返せば弱体化する弱点がある。

 ただし天音に代わってそのために犠牲になるのは誰かが必要。相川が剣崎に、天音の代わりに犠牲になれと、らしくないことを言う。が、剣崎が相川の真意に気付かないところが、いかにも剣崎らしい(その場に橘がいたら見抜くんだろうな)。

 案の定、剣崎の隙を突いて相川が天音の身代わりになるわけですな。ただし相川は自らに止めを刺すことができない。剣崎しかやれませんが、やはり逡巡する。そこを相川が叱咤激励して完遂させる。その辺りは自分がもし、TV本編をリアルタイムで追っていて、この劇場版も同時に観たのなら「TV本編後半では剣崎と相川はいいバディになるんだろうな」と予想したと思います。

 そこは案の定というべきTV本編の展開ですが、逆に劇場版で勝手に解釈してガッカリしかねない要素もありました。天音ちゃんです。グレるのは措いといて(^^;、劇場版では邪神復活の鍵になるという重要な役割(ただし争奪の対象として)。自分が劇場版観ていたら、TV本編でも同様になると思い込んだはずです。

 しかしTV本編の天音ちゃんはずっと相川を追うだけで、さしたる役割なし。自分はネット放映を追っているとき、劇場版の内容を知らなかったもんで、前半のメインライターの構想としては「天音が相川を救う鍵」設定だと思いました。しかしその役割は後半で剣崎になったんで、天音ちゃんは浮いた存在になっちゃったと。

 しかし劇場版を参考にするなら、天音ちゃんが浮いた存在になるのは予定通りであり、いずれ敵が目を付けて狙ってくるはず、と思ったはずです。しかしそうならなかったわけで、劇場版観てたらTV本編の結末に憤慨したかもです(^^;。

 まあ、こちらでご教示を受けた通り、「もしこうなってたら(剣崎が相川を封印)、こういう歴史になるかも」というIFの世界を劇場版で描いたと思うべきなんでしょうな。そう割り切れば、楽しめる映画であるように感じます。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/16 (Fri) 09:24:47

 劇場版の剣と、TV版の剣の最終話の解釈違い(パラレル問題)ですが、これは製作時期の違い(劇場版は夏、TV版は冬)によるものの他、それぞれの脚本家の違いにも関係しますね。

 例えば、龍騎の時は、劇場版が井上敏樹脚本で、TV版最終話が小林靖子脚本。
 剣の場合は、やはり劇場版が井上敏樹脚本で、TV最終話が會川昇脚本。
 龍騎は当初から小林井上の2人体制が計算どおりに機能して、パラレル展開が当初からの予定どおりで綺麗に完結した、と(龍騎はそれに加えて、TVスペシャルでもパラレル展開を描いていたわけで、ゲームみたいな複数エンドがあるのは想定内)。

 一方、剣はメインライター交代による中盤の迷走がある中で、当面のゴールとして手慣れた井上敏樹さんに劇場版で「一つのゴール」を示してもらい、
 そして、後半メインライターの會川さんに引き継ぐ形になったわけですね。會川さんは前半に参加していなかったから、脚本家のバトンタッチでは、今井(前半メイン)→井上(全編通してサブ)→會川(後半メイン)という流れで紡がれたのが剣。
 劇場版は井上版最終回後日譚で、それとは別にTVの會川版エンドがある。ただ、TV終盤で、劇場版の敵14(フォーティーン)が出てくる部分は、井上敏樹担当回で、この辺の脚本家分業が製作裏事情が垣間見えて楽しいです。

 あと、剣はもう一人、宮下隼一という脚本家さんもいて、4話分書いていたり、小説版も書いているのですが、メインの人じゃない小説だと、本編とは全然違う未来の話になっていて、これじゃない感はあったな。
 まあ、井上敏樹の小説世界だと、メインの作品であっても、TV放送はできないレベルのドギツいエログロがあったりするので、また別のパラレル展開を示したりするわけですが。

 結論。
 劇場版とTV版の脚本家が違っていると、その内容はパラレルと考えた方が無難。
 まあ、これにディケイド版の別解釈(しばしば本編のボツアイデアを混ぜたりしていたり)も加えると、また話がややこしくなるのですが、その話はまた別の機会に(ディケイド版響鬼が、アスムがヒビキの弟子として鬼を継承した話で、本編が到達しなかったけど、多くのファンが想像した未来の話)。


★バスタード

 とりあえず、ようやくサムライたちと魔戦将軍が邂逅して、別々の物語が合流した形ですね。

 一応、主人公サイドのサムライたちと、敵サイドの魔戦将軍という対立構造になっていますが、
 最終的には、共闘して、アンスラサクスからカル=スを救い出すという話に帰結することが分かっているので、敵サイドの描写もコミカルなものが多く、しばしばシリアスな雰囲気を台無しにしてしまう作風でもあるわけですが、

 その辺は、仲間になったら親しみやすさを付与するためのコミカル化というパターンのある今のライダーシリーズと比べて、バスタードの90年代はシリアスとコミカルのバランスが変というか、
 比較するなら、同時代のファイナルファンタジーなどのゲームと比べるといいのかな、と。

 ともあれ、サムライと魔戦将軍の因縁の対決ドラマを描くために、DSに無闇に介入して欲しくないからこその、盲目化かな。
 DSは放っておくと、他のキャラの見せ場を奪ってしまいますからね。強すぎる主役は、その行動を封じるのが作劇だと。これまでは、ルーシェの中に封印って形でしたけど、違う手を考えた流れですな。

 でも、盲目だと、DSは戦況解説役の任務を発揮できない(元々、他人の戦況をいちいち解説する労をとらないキャラでしたけど)わけで、
 ここからラーズがDSとのやり取りで、戦況解説してくれる流れだったかな。

 まあ、本作では、ガラさんが一番、戦況解説の達人なので、そういうお膳立ても次回で成立か。

★牙狼ハガネ

 創磨が反省して、未熟な自分からの脱却を志す決意表明をして、これまでのギスギスは解消。

 そして、前回、手がかりを残したゴドウの後を追って、精霊の森に踏み込む流牙と創磨。
 流牙師匠が、実践指導で創磨を導く感じのストーリー展開が始まった感じですな。

 一方、ケガで挫折した女ダンサーの抱えたモヤモヤが、陰我となって、新たなホラー発生の仕込みが行われて、続く。

 こちらの事件の解決は、コヨリと三剣士が動く流れかな。流牙と創磨が帰って来てそちらにも介入するのか、完全に別々のエピソードを並行させて描くのかは、次回予告では判断できず。
 まあ、今回は鎧バトルがなかったけど、創磨VS精霊の追いかけっこと小競り合いで、それなりのアクション。
 適度に見応えはあったのだけど、それよりもダンサーの踊り描写の方に目移りしてしまう作風ですね(ダンスだって、バトルじゃないけど、アクションと評価する視点もあるわけで)。

 ともあれ、新展開の仕込み回ということで。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/17 (Sat) 19:58:00

 定期感想その1です。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第6話 :眼(まなこ))

 前半が流牙と立ち直った創磨がゴドウを追う話、後半が街でホラー化する人間の話ですね。前々話もそんな感じの作りでしたな。悪徳会社の社長がホラー化するが、流牙らとはまだ関わらず、次の前話で討伐戦。今回もそんな感じになるとすると、街と(おそらく一般人は認知すらできない)「隻眼の森」でどう接点ができるんだろう。

「ダンサーの踊り描写の方に目移り」は頷けるものがありまして、メインで登場した3人をウィキペディアで調べてみると、元AKBなどプロダンサーの経験ありの方々でした。見た感じ、地味にしかしきちんと鍛えているようです。

 そのダンサー3人のうち、足を怪我して踊れなくなったナオミがメインゲストのようですね(後でホラー化するし)。そのナオミに辛く当たっているのが、マリーとモモコ。モモコはステージに気を取られてぶつかって来たナオミをあからさまに邪険にする。

 マリーもわざとリップスティック落として、拾ってくれたナオミに「落ちたものを拾うと落ちぶれる」と言い、なかなかに陰湿。と思ったら、どうやらそうではなく、キッパリ諦めるか、ダンサーに戻るかさせようと(おそらくこちらが真意)、活を入れるべく厳しい態度(悲劇のヒロインを気取るな等)になってるらしい。2人の会話の雰囲気からすると友人なんでしょうな。

 ナオミの足には怪我の跡がありますが、どうも身体的に踊ることができなくなるほどのものではないらしい。実際、1人でいるときはつい踊りたい気持ちを抑えられず、鏡の前でステップ踏んだりしてみる。それをマリーが見かけて、ステージに引っ張っていく。そのとき、モモコのヒールを奪ってナオミに履かせたのが、マリーの真意を物語ってる感じです。ナオミをいじめて面白がっていたモモコを、マリーは内心では許せなかったんでしょうな。

 なんとかナオミはステージに上がるんですが、観客が罵声を浴びせているような幻聴に陥り、すくんでしまう。そのことから、やはりナオミは怪我で足が思うように動かないのではなく、心理的な問題抱であることが窺えます。以前、ダンス中に負傷した際に見せた無様さがトラウマになってるとかでしょうか。

 しかしマリーは再び「悲劇のヒロインを気取るな」とビンタで活を入れますが、これが裏目に出てしまう。ついにマリー、陰我と街の瘴気に囚われてホラー化。ビンタしたマリーを食いたいと叫ぶ。

 一方、創磨は商社ビルでの討伐から戻って、今度こそきちんとイグスに詫び、ムツギに騎士としての自分を見つめ直したいと反省の弁を述べる。自分は冒頭のこのシーンを最初誤解しまして、商社ビル討伐前の出来事だと思ってしまいました。前話で流牙が創磨に剣を返した直後くらいですね。

 それで前話について例えば「イグスが黙って創磨を受け入れたのは、既に了解していたからか」などと勘違いしました。が、翌日になって録画観なおすと己が間違いに気が付きまして。どうも12時回ると頭が働かなくていけませんorz。

 それはともかく、創磨がきちんと謝りますと、イグスも納得した様子ですね。やはり、できれば創磨にクレアシティを任せてやりたい気持ちがあるんでしょうか。しかし、まだ謝罪程度では信用するには足りないでしょう。

 それにゴドウの声の電話(ゲートにゴドウの残留思念が混線したものみたいですね)の内容も急を要する。ゴドウが向かった隻眼の森へ入れるのは、三年に一度の朱月の夜だけらしいので。つまり今晩。

 それで流牙をフォロー役として創磨が派遣されたんでしょうな。創磨がこの任務を果たせるようなら、ということで。隻眼の森に入りますと、精霊ラウルなる森の主らしい者が出てきまして、勝負に勝てば迷宮に入る鍵の「常闇の石」を渡すと申し出る。

 この勝負は創磨が受けますが、ラウルがすばしっこくて捕まえられない。流牙が「心の目で」とアドバイスして、ようやく何とかなる。これって勝負というより授業ですな。まず心眼を開きなさい、ということで。その目的はすぐに明らかになりまして、「常闇の石」は闇を受け入れられる者だけが触れることができるから。

 こうなると閃光剣舞習得のカリキュラムの如きです。残念ながら創磨にはまだ闇は早くて、常闇の石は流牙がフォローしてつかみ取る。前に創磨が閃光剣舞を試して闇に飲まれた原因が分かりますね。まだ闇を受け入れる力はなかったのか。ゴドウが流牙に感心したのは、こちらで伺った通り、闇照編を経たことが大きそうです。

 次回「惨(いたみ)」では、今話でホラー化したナオミが強すぎて、創磨らはゴドウを追えずに街に戻ってバトルみたいです。創磨の閃光剣舞習得はまだ先になりそう(もしかして最終回のクライマックスがそれかな?)。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/20 (Tue) 21:11:52

 定期感想その2です。

 剣/ブレイド劇場版についての、引き続きのご教示、ありがとうございます。自分は(少なくとも初見では)劇場版の劇中時期がTV本編終了の4年後ということで、話のつながりとしてちょっとモヤモヤするものがないとはいえませんでした。

 が、脚本家が違えばパラレルワールドと思えばいいわけでしたか。これは前から窺っていた「IFの世界」とはちょっと違うもののようですね。さらに剣/ブレイドは脚本家ごとに辿る歴史が3つある、といった感じでしょうか。

 まず前半ライターが構想したブレイド史。これは今となってはどういうものかは知る由もない。それがたこ焼き回で時間が分岐して、井上版ブレイド史が発生する。が、その後に會川版ブレイド史にまたも分岐する。劇場版は井上版ブレイド史での(幻の ^^;)最終回の4年後の事件である、みたいに思っておけばよさそうです。

 ちょっとすっきりしました。いつもありがとうございます。

●仮面ライダーガッチャード(第23話:いつも心にズッキュンを)

 魅了して喜びを与える代償に生命エネルギーを吸い取るという、見ようによっては悪魔的なズギュンパイア。そのうえ、その魅了の元気玉(?)を極大で放とうとしていたわけですから、今話(解決編)ではどうなるかと思ったんですが、実はシンプルな分かりやすい話でした。

 ズギュンパイアがなぜ大勢を魅了し始めたのかは、失恋で落ち込むゲストヒロイン山下結逢を元気づけたからでしたか。魅了してみると喜んでくれて元気になったように見えたんで、ズギュンパイアも嬉しかった。それならと、誰彼構わず魅了の力を向けるようになったわけですね。

 しかし魅了の力を行使すると、相手から生命エネルギーを吸い取ってしまう。そのことをズギュンパイアは知らなかった。とはいえ、ときどき適度に魅了する程度なら実害はないんでしょうな。リアルでも楽しいことをすれば嬉しいし、元気にもなりますが、いったんは疲労することは仕方ない。

 例えば好きなスポーツをやれば楽しいが、延々と休みなく続けることはできない。疲労困憊して倒れてしまう。それと同じなんでしょう。しかしズギュンパイアは自らに魅了の力を行使するわけではないから、そこが分からない。力を向けた相手が喜んでくれるんで、無制限に良いことだと思い込んでしまった。

 そうしてしまった最大の原因は山下結逢にある。気持ち的には元気になることはズギュンパイアに伝えても、身体的には疲労~ダメージがあることは隠してた。たぶん、山下結逢もズギュンパイアが喜んでくれるのが嬉しかったんでしょうな。いわば互恵的な関係になってたようですが、方向性はちょっとおかしくなっていった。

 そうとは知らずに、魅了でエネルギー溜め込んだズギュンパイアはハート形の巨大元気玉を放とうとする。これも魅了(ズッキュン)の効果を持つものらしいんですが、ズギュンパイアは単に世界中の人々が喜んでくれて元気になって平和になると思っている。しかし実際には世界中の人々からのエナジードレインでもあり、このハート形のとは比較にならないエネルギーを集めてしまうわけですな。

 敵の狙いはそこにあり、クロトーはズギュンパイアにエネルギーが集まったところで捕獲して利用するつもりでいる。が、ズギュンパイアは己の力に無知ではありましたが、善意のみが行動の理由。巨大ハートを得るために人々を喜ばせつつも害したと知り、さらに巨大ハートが全世界に同じ害を与えると知れば、それ以上やるわけないですな。

 かくしてズギュンパイアは極大ズッギュン計画(?)を中止、宝太郎に力を貸す。こうなれば後は簡単でして、なにせ適度なズッギュンならケミーも喜んで引き寄せられるわけで、敵から簡単にケミーを奪い取り、撃破して決着。

 後日譚として、山下結逢のその後も語られてましたな。ズッギュン抜きでも元気になっており、仕事もバリバリこなしている模様。そこへ結逢を振った元カレ(今回の騒動の最大の原因)がやって来てヨリを戻そうとを持ちかけますが、どうにも軽い、チャラい。ズギュンパイアから感じられた善意は、この元カレにはなさそう。山下結逢もそこに気が付いたのか、やんわりキッパリ断る。

 一方、敵は次の動きを見せてまして、今回敗退したクロトーに代わり、いったんは一歩引いていたミナトがレプリケミーカードを与えられての出撃となる模様。ラケシスはほくそ笑み、ミナトもニヤリとしているのは、何か秘めたる目論見があるからなんだろう。

 次回「急転直下!禁断の鋼鉄ライダー!」では、ミナトが「グリオンを討つ」と宝太郎らに告げるらしい。が、どうやらそれは裏切ると見せかけるトラップらしい。そうして宝太郎をハメておいて、さらにどんでん返しして「やっぱりグリオンを討つ」になるんじゃなかろうか。

●王様戦隊キングオージャー(第49話:王はここにいる)

 今話を観て、前話で自分が思い違いをしていることに気が付きました。前話ラストでデズナラク8世が復活したわけですが、グローディがあの世(ハーカバーカ)に持ち去った「永遠の命」を奪って現世に戻ったと思ったんです。そうなれば「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」も完成のめどがつくわけですし。

 しかし実際はもっと燃える展開でした。と言っても、劇場版についてこちらで伺ったお陰で理解できての感動であるわけですが。カーラスやイロキはTV本編でも登場してますが、ハーカバーカの案内人デボニカは劇場版のみですね。

 しかし事前に伺ったお陰で、デボニカが誰で、何を死に来たか、すぐ分かりました。デズナラク8世のみならず、ダグデドの差し金で死んだ人々を援軍として現世に駆け付けてくれたわけですな。デズナラク8世が「永遠の命」持って戻って来るより、ずっと熱い展開です。いい意味で予想を裏切ってくれました。

 ともかく本編。冒頭は、先取りシーンだった前話冒頭の繰り返しですが、その続きが厳しい。何とか立ち上がって「悲鳴をあげろ」とダグデドに剣を突きつけたギラ、その背後で宇宙船コーカサスカブトが打ち上がる。ギラたちはそのために時間稼ぎしていたわけですから、ようやく事は成った。

 が、すぐにコーカサスカブトは墜落。生き残りがいるとすれば、城に入れずにシュゴッドで脱出予定の人々だけか。ギラは絶望して泣き叫ぶ。のですけど、ラクレスらの動きを知っているこちらとしては、「いや、そんなはずない」となりますな。

 別の星への避難の王命を拒んで、逆襲に転じてたわけですから。カメジムの介入については、デズナラク8世が復活してリベンジしているはず。上述しましたが、この時点では自分は「デズナラク8世が持ち帰った永遠の命で「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」が完成しているはず」と思い、「コーカサスカブト墜落の場所からそれが派手に立ち上がるのか」と思ってました。

 しかし実際はもっと地味でもっと燃える展開。6王国全ての民が駆けつけて来るわけですな。いつもは右顧左眄でヘタレ気味のゴローゲがシュゴッダム勢の先頭に立ってまして、前話で偽物に追い付いて来たとき以上に気分上がるものがあります。さらに6王国民全ての先頭に立つラクレスは「王に背く邪悪なる意志を抱く者は集え! 共に王を救うぞ!」と、言ってることが矛盾していて、しかし物凄くよく分かってカッコいい。

 もちろん、王/オージャー戦士はダグデドの脅威を身をもって知っていますから、押しとどめて逃げろと言いますが、もうみんな勢いは止まらない。チキュー勢とダグデド勢が真っ向勝負でぶつかり、緒戦はチキュー側優位か。

 しかしダグデドは無限に配下を呼び出せるようで、しかも五道化すら再び作り出せる。これで形勢逆転となりますが、そこへハーカバーカからの援兵ですな。ダグデドにやられた人々であるせいか、戦意は高い。ギラに活を入れるデズナラク8世が実にカッコいい。かくして再びチキュー側か押し戻す流れとなり、腹ごしらえの余裕すら出てますね。

 突出して戦闘力が高いダグデドに対しては、始祖の王ライニオール・ハスティーですね。ただし生身(中村獅童さん)ではなく怪人の如きでして、劇場版でオージャカリバーZEROで王『骸』武装した姿らしいですね。前にZEROが鍵になるらしいという話を伺いましたが、もしかして今話のライニオールのことだったのかも。

 それはともかく、いったんはチキュー側が押し戻すも、ハーカバーカの援兵は時間切れであの世に戻らねばならないらしい。せっかく「王の双剣」として戻った正義のボシマールも、ドゥーガに対して名残惜し気に消えていく。ドゥーガは振り返りませんが、気配で感じて歯を食いしばってますね。

 が、簡単に勝てると思っていたダグデドの予想は外れ、焦りが見えますな。これを見て取ったギラ、冒頭の悲壮な「悲鳴をあげろ」の強がりではなく、勇壮な「何度でも思い知らせてやる!」の自信を見せて続く。

 次回/最終話「俺様たちが世界を支配する」では、公式サイトの予告によれば「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」が完成する模様。「永遠の命」代替品が何とかなったんでしょうな。でも、予告で明かしてくれるということは、勝敗の鍵は別のものなのかなと思います。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/21 (Wed) 10:28:13

 定例ニチアサ感想ですが、その前に。

 仮面ライダー剣のTV版終盤に、井上脚本でフォーティーンが出たというのは、こちらの勘違いでした。
 該当の話数が43話と44話なんですが、サブタイトルが「フォーカード」で、登場怪人が「ティターン」だったのを、Wikipediaの放送日程リストで見た際に、
 自分の中でフォーティーンにつながってしまったようです。

 フォーティーンの再登場は、ディケイドの21話と22話で、そちらも井上敏樹脚本なので、そっちの記憶とも混ざっていた形。

 こういう細かいケアレスミス、または思い込みミスはちょくちょくしがちなので、いつも気にしているのですが、習性というのはなかなか治らないものですな。
 ミスが大事に至らないよう、見つけたら、ちょくちょく修正して行くしかないかな、と。まあ、開き直って、ミスを気にしなくなるのも問題ですけど、気にし過ぎて何も行動できなくなるのも問題ですし、その辺の自己コントロールが難しいなあ、と考えがちな時期です。

★ガッチャード

 3人ライダーの活躍を期待していたら、「ズキュンだと? 後のことはお前たちに任せた」とクールに去って行くスパナ先輩。
 その間に、独自に敵の動向とかを捜査活動しているのか、と思いきや、本当にその後、登場しないとは。

 で、ズキュンパイアの「善意による無自覚な悪業(精神的な高揚と引き換えに、肉体・生命をむしばむ)」を本人(本ケミー)に気付かせて、更生させるって話ですな。

 良かれと思って行動したことが他人を傷つけたり、迷惑になる……という事例は、いろいろあって、でも当の本人にとっては受け止めることがなかなか難しい。
 「自分はいいことをしているはずなのに……」という自己認識をまず覆さないといけないし、それって非常に心が痛むわけで、どうしても防衛機制が働いてしまうとか。

 自分の感情(善意)と事実(他人の迷惑)がズレるために、そのギャップを埋めるために善意を全面に押し出して、「私の善意を受け止めない相手が理不尽で悪い。そんなことで迷惑がる方がおかしい」などと自分本位な考え方になったりすることも。

 まあ、人間でもそういう状況があるわけですから、感情が未熟なケミーだとありがちで、未熟な感情のケミーが強大な力を持つがゆえに発生するトラブルを、どう制御するかの物語だった、と理解。

 そして、ケミーの制御は宝太郎に任せて、りんねさんは新フォームでクロトーの方を相手どると。

 なお、最初に自分が想定していたストーリーは、ケミーの魅了効果を、りんねさんがマジェードの浄化能力で中和する話でしたが、そちらには話が転がらなかったので、口に出さなくて良かった、と思ってます。

 で、次回、宝太郎が(また)ケミーの制御ができなくなって(相手に能力を奪われた?)、変身不能になったのが、新たな力、テンライナーによるアイアンガッチャードに変身……という恒例主人公パワーアップ回。
 今度のは、ホッパー抜きで、スチームライナーの強化がポイントみたいですが、この時期だから暴走モードなのでは? という噂も。

 ファイヤーガッチャードが意外と暴走せず(燃費は悪いので、とどめ専用になってるけど)、
 暴走エピソードはスパナが消化したので、今さら暴走が来るかな? って気持ちだけど、そろそろ3月なので、グリオンVSミナト先生と三姉妹のドラマにも大きな転機が来るタイミングかな、と。

★キングオージャー

 永遠の命によるデズナラク復活……という思い込みは、自分も同じことを考えていましたので、前話までのストーリーの流れだと、当然そうつながるだろう、と思います。
 それでも展開的に燃えますしね。

 でも、今回はその予想のさらに上を行って、リアルタイムでの視聴中に、佐倉綾音キターってモードでした。
 劇場版ヒロインがどこかで来る可能性は想定していましたが、もっと早い時期(年明け前)ぐらいに考えていたら、まさかの大詰めで登場し、しかも強力な援軍をいっぱい引き連れ、映像的には『アベンジャーズ:エンドゲーム』の消滅したキャラ大量復活、ヒーロー・ヒロイン総登場のクライマックス大活劇をTVの枠で豪勢にやった、と。

 うん、この快挙を見れば、1年間見てきて良かった、とキングオージャーは大傑作と言えますな。
 全てはこの回のために……という終盤の盛り上がりを感じられる作品は、なかなかない。
 大体、普通は終盤で予算もカツカツで、かろうじて着地させることができた、とか、まあ、無難な終わり方かな、と思う作品が普通なのに、とにかく出演者の豪華さを見ると、すごく計画的にあれこれ練られた作品プロデュースだったな、と感じます。

 うん、これはキングオージャーロスになって、次のブンブンジャーには物足りなさを覚えるかな。
 まあ、1話を見て、新鮮さにハマるか、王道戦隊の定番のノリに安心感を抱くか、のどちらかだと想定していますが。

 とりあえず、あとは最終回(今回以上とは思ってないけど)が上手く着地できたらいいかな、と。
 ここで、今回の勢い以上の最終回を見せられたら、それこそサプライズでしょうけどね。

 宇宙をまたにかけたダグデドと、究極キングオージャーの決戦に、宇宙中の戦隊パワーが集まって、オール戦隊究極キングオージャービームなんて映像で見せられたら、勢いで勝つビジュアルだろうけど、
 ダグデドをどうやって撃退するかに、緻密な理屈とか、そんなオチかよってサプライズが来ても笑える。
 ダグデドのオカンが出てきて、「ダグデド、いつまで遊んでるんだい? 部屋の片付けなんて言いながら、遊んでるんじゃないよ。とっとと風呂入って寝な」とかで、ダグデド退場するとサプライズですが、さすがにそういうのはツッコミの嵐ですな。

 果たして、王道決着を期待していいのかな。

 
 

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/21 (Wed) 23:13:01

 定期感想その3です。

●BASTARD II(第34話:遠雷)

 前話ラストでは、DSらの前に魔戦将軍ボル・ギル・ボルが立ちふさがってどうなるか、だったんですが、原作でもこんなコメディだったけ。緒戦こそ「操影術」を駆使し、剣技の冴えも見せたボル・ギル・ボルですが、いかんせんDSはこれまでさんざ死ぬ死ぬ詐欺使ってたわけで。

 会話劇でカタがついちゃったわけですが、それでもDS vs ボル・ギル・ボルの論争の出だしは世界を手に入れてどうするかという真面目なもの。アンスラサクスの力による支配で平和をどうこうに対して、そんなもんはないとDS。までは良かったんですが、ではDSはどうするんだとなって、世界の半分(女性)を手に入れ、宇宙がどうこう。

 それでボル・ギル・ボルが感服して負けを認める流れ。まるで冗談ですが、ボル・ギル・ボルも戦闘途中からコミカルに転じてたから仕方ないのか。「影道魔神霊(シャドー・まじんれい)」で呼び出した、アラビア風魔神は「大魔王シャザーン」がモチーフなんでしょうし、撃退されて驚くボル・ギル・ボルの表情はドタバタコメディのもの。

 こちらでご指摘がありましたように、いずれ魔戦将軍も侍もカル=スをアンスラサクスから解放することで一致する流れが来るわけですね。その準備段階としては、バトルをシリアスに傾けない段取りにしてあるんでしょうな。

 それにしても1期では終盤に入るとシリアスさを強めていたのに、2期終盤がこんな風なのはどうなんだろうと。もしかして1期と2期は脚本家が違うのかと調べてみたんですが、2名(黒田洋介さん、倉田英之さん)が交代して担当している点は変わりない。お二方ともアニメ脚本は多数手がけられていて、不慣れということもない。

 前に申しましたが、原作を追っていた頃は急に登場キャラクター数が増えて、自分はちょっと追いつけず、そのため記憶も曖昧になってます。が、たぶんこのアニメ版は原作を忠実に追う傾向が強いんでしょう。1期ですと、世界の成り立ち(科学技術崩壊後など)を最初に示したり、再構成している節があったんですが、原作が迷走(?)してしまうと脚本では補いきれないのかもしれません。

 それはともかく、キングクリムゾングローリー(KCG)でおよそ決着がつきまして、一方、散り散りになった四天王。ネイは前にちょこっと出てきましたが、万が一の場合の集合場所の隠れ家にずっといたことが示され、ネイがいかにしてDSと過ごしたかを回想で見せてくれる。

 が、隠れ家の地下の旧世界の魔法(科学技術)の産物を見つけ、起動させてみるとアンスラサクスとの戦いの記録が映像で出て来る。しかし竜戦士が記録されておらず、たぶん竜戦士が生み出される(開発される)前の記録なんでしょうな。映像記録は敵(アンスラサクス)調査研究のために収集した資料なのかも。さらに地下に潜れば竜戦士製造工場みたいのがあったりするのかな。

 その近くまで来ているのがガラとマカパインですね。ドラゴンゾンビに遭遇しまして、マカパインはダークエルフに引き寄せられているからやり過ごせと言う。が、そうと分かればガラが退くわけがない。そのダークエルフはネイに決まってますもんね。

 このドラゴンゾンビのドラマ上の役割は、ガラにネイの居場所を示すことと、ガラとマカパインの力量差を見せるためなんでしょうな。特に後者は、魔戦将軍との対立を招かないために大事なのかも。
(とはいえ、自分的には深刻な対立が発生してこその、共闘の流れに燃えられると思ってますんで、ちょっと不満ではあります ^^;。)

 ドラゴンゾンビといえどガラの敵ではなかったらしく、ガラとマカパインは隠れ家に到着。その足音がてっきりDSだと思ったネイの子供っぽさがなかなか興味深い。やはりDSはネイに対して父親的であることが窺える気がします。

 最後は空に何か現れまして、驚くマカパイン。たぶんKCGでしょうな。これでDSのところへ全員集合となりそうです。

●仮面ライダー響鬼(第3話:落ちる声、第4話:駆ける勢地郎)

 あまり書くことがないんですが、こちらで伺ったことを踏まえますと、それでいいみたいですね。書くことが思い浮かばないのは、第4話まで進んでもなお「誰がどこで何をする話なのか」が見えてこないせいです。もし自分が初放映をリアルタイム視聴で追っていたら混乱したかも。

 が、「誰がどこで何をする話なのか、当ててごらん」というのが序盤の趣旨だとしますと納得します。童子や姫の動きは謎ですし、魔化魍「奥多摩のヤマビコ」も何の目的で出現したのか分からない。響鬼の太鼓を叩く倒し方も「なんだろう、これ」ですね(もっとも、音撃棒を奪われるとマズいということだけは分かる仕掛け)。

 まさに「さて、何が起こっているんでしょう?」という問いかけ仕立てになってるようですね。それでもキャラクターのドラマはちょっとだけ動いている感じで、ヒビキが明日夢に響鬼の正体を見せたことが香須実にバレる。が、それで良しとなる。これで明日夢がヒビキ側の立ち位置になれる準備はできた、といったところでしょうか。

 しばらくはこういう感じの流れを眺めることになるわけですか。井上敏樹さんが脚本を担当するのは第30話からですから、今の話の流れを掴んでおこうと思います。前後半の違いを考えたりする楽しみがありそうですから。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/25 (Sun) 22:39:02

 定期感想その1です。

●牙狼-ハガネを継ぐ者(第7話 :惨(いたみ))

 前話でちょっと勘違いしまして、精霊が守る隻眼の森でのミッション(常闇の石入手)に続いて、その先にあるはずの破滅ノ門に向かうんだと思ってました。ですんで、今話のゲスト敵ホラー(ガエラ)出現で破滅ノ門攻略ミッションは中断になるのかなと。

 しかし隻眼の森の先に破滅ノ門があるんではなく、前に出て来た(門を封印した)石碑の地下のほうでしたか。隻眼の森については、(門への鍵となる)常闇の石を守っていただけということのようですね。どうも自分は見間違い、勘違いがちでいけません。

 ともかく本編。前半は前話でホラー化したナオミ:ガエラとのバトルですな。ナオミ/ガエラは迷うことなくマリーを食らってしまいまして、恐れた人々が逃げ出して無人になったホールで一人踊ったりする。

 ここは後のバトルについての暗示だったみたいですね。自分は最初、ホラーになったから脚の怪我も治せたと思ったんですが、マリーの健康な脚を使えた、ということらしい。そこが分かってたら、ザルバ解説を待たずとも、ガエラが法師の術、騎士の剣技を使えるようになる理由を察することができたはずです。が、自分はザルバが教えてくれるまで気づかずでしたorz。

 まずガエラ、最初は単純な戦い方でして、これなら普通に討伐できそうでした。が、ムツギ法師が戦闘支援にと、使い魔(?)の法師2人(疾風・烈風)を召喚したのが裏目に出る。この2人がガエラに捕らえられ食われてしまうわけですね。途端にガエラはコヨリの魔導筆を奪い、法術が使えるようになる。

 そのため、駆けつけたアゴラの三剣士も苦戦し、オビが狙われ絶体絶命に。そこで身を挺して庇ったのがイグスですね。そこへ駆けつけた創磨、流牙ですが一瞬遅かった。イグスはガエラの鋼の爪の致命傷を受けてしまう。

 イグスが最期の言葉として創磨に伝えた内容が、ここまでのイグスの真意を物語ってますな。ここまでイグスは創磨の父ゴドウを尊敬する様子がありましたが、親友だったんですか。創磨は行方知れずの親友の子ということで、イグスは厳しく接してきたみたいですね。しかし最早ここまでとなりますと、後を託す。口では未熟と言ってはばからぬものの、内心では期待していたんでしょうな。

 そこは悲しいドラマであるんですが、続くガエラとのバトルがなかなか面白くてテンション上がってしまいました(^^;。ホラーはホラーの戦い方をするのが通例であるわけですが、今回は食らった相手の能力を身に着けるガエラです。まるで法師や騎士のような戦い方ですね。

 流牙シリーズではジンガ&アミリがホラー化した敵でありながら、元の騎士・法師の技を使っていたわけですが、それを今話ではホラー一体で見せてくれました。剣については、戦死したイグスのものだけでなく、オビの剣も奪われ、ガエラは二刀流、対する騎士は剣が1本足りない。そこを補うべく、剣を渡しながら2本の剣を3人で3本のように扱って戦うさまがなかなかトリッキーです。

 ようやくガエラが討伐されますが、元のナオミに戻りましたんで、「あれ、闇のパルファムでホラー化した場合は元の人間に戻れる場合もあるの?」と早とちりしました(^^;。ナオミは足を引きずっており、ホラー時の効果(マリーの脚吸収)を失っているようですし。

 しかし間もなく消滅。自分としてはビンタで活を入れてくれたマリーの真意をナオミに悟って欲しかったんですが、そこまで描いてくれませんでした。が、闇のパルファムに惑い、ホラー化してからの自分が理解できないというのも、それらしい気がします。

 後半は常闇の石を使って石碑の封印を開いての破滅ノ門攻略ですね。ワープさせられるとか、壁が移動する迷路とか、なかなか迷宮らしくて良い。バラバラに飛ばされた創磨を流牙が何とか探し出すも、どうやら動く壁に閉じ込められて、で続く。

 次回「閃(ひらめき)」ではゴドウの過去について明かされるみたいですね。それによって創磨が父の真意を悟るとかあるんでしょう。

●仮面ライダーガッチャード(第24話:急転直下!禁断の鋼鉄ライダー!)

 前半は変則的な振り返り、総集編ですね。消しゴム型ケミー:ケスゾーが錆丸のPCのデータまで消去しちゃったんで、復旧のために今までの出来事を話すという趣向。それにしても突然の総集編だなと奇妙に思いました。

 が、ハタと気が付きまして、キングオージャーが最終回なんでした。華をそっちに譲る意図のようですね。後で仮面ライダーWEBを確認しましたら、まさにその通り。同様の過去事例も記載されていて、確かにそうだったなと。

 ただ総集編を入れる目的が「番組制作のお財布のため」とハッキリ書いちゃうのはどうかなあと、いったん思いました。しかしこちらで戦隊ものが最終回で予算が尽きて苦労することがあると伺ったのを思い出し、切実なんだなと再認識した次第。

 後半はミナトの「グリオンを討つ」との手紙に呼び出されて、実は騙されていたというものですね。宝太郎らはへプテラノドンマルガムに次々とカードを奪われてしまう。前に実は裏切者でスパイだった調査官の針馬汐里が使っていたワームホール(?)のデカいやつでしょうか。

 ドラマ的な動きは次回のようですが、敵味方の新フォームのお披露目という趣向があるのは嬉しい。まず敵(ミナト)側の「ドレッド壱式」ですね。プテラノドンマルガムがカードを奪いつつ撹乱しているとはいえ、マジェード&ヴァルバラドを圧倒する強さがあるように見えます。さすがは新フォームといったところか。

 いったん退避の宝太郎はホッパー1すら失っており、手元に残ったのはスチームライナーのみ。これでは変身もできないわけですが、禁術を使えば何とかなるかもしれないらしい。ただし前半の総集編でも言及されてましたが、体に過度の負担がかかるのが禁術。

 どうするかとなったところへ、足だけ移される人物が現れる。予告を参考にしますと風雅ということみたいですね。禁術のリスクは風雅が何とかしたらしく、宝太郎はスチームライナーをテンライナーに再錬成しての変身で、これが「アイアンガッチャード」ですか。性能のほどは次回ですね。

 次回「若きセンセイの過ち」ではミナトの過去が語られるらしい。今話ではグリオンがミナトの過去についてちょっと述べてまして、ミナトは親しい誰かを殺害したらしい。その辺りが焦点になるんでしょうな。


 キングオージャーは明日以降に感想書こうと思います。満足し納得いく最終回だけあって、第1話からがいろいろ思い出されて、なかなかまとまりそうにありません。しかし前回までの感想は毎週書いているわけで、最終回に絞っての感想にするつもりです。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/26 (Mon) 11:10:21

 バスタードと牙狼感想です。

★バスタード

 この辺のストーリーは、連載時に断片的に読んだ記憶しかないのですが、DSが宇宙中の女性限定で幸せにできるというクズマウントをとったところで、相手がひれ伏する回は読んだ記憶がある。

 この回だったのか、と懐かしがりつつも、敵が魔戦将軍の誰がし、というのは覚えてなかった。

 何というか、シリアスを期待したら、コメディでピンチが解消される展開は、サプライズですけど、マジメに読むのがバカバカしく思えますね。
 このシリアスとコミカルの振れ幅に付いて行けるかが、この作品のファンになるかどうかの境目なのかもしれませんが、自分はモブキャラが頑張って己に課した仕事を果たすことで漢気を見せる話が好きで、
 自称・超絶美形主人公をマンセーするような作風は、深みがないというか、つまらないなあ、と思ったりします。

 DSも、もう少し魔法使いらしく、知恵や工夫を凝らしたバトルを展開すれば楽しめるんだけど、力技のゴリ押しと、後は不死身の再生能力で何とかなるだけだと、子供騙しに思えてしまうなあ。

 今回は、影を操る敵の能力の弱点(強い光を当てればいい)とか、敵が出現した気配を即座に感知してカウンターを当てるとか、DSの凄さを知恵やアイデアの発露とかで描くなら納得ですけど(目が見えないので、他の感覚が研ぎ澄まされてるとか)、
 もはや、D&Dとも関係ない話に展開してますし、DS以外のサムライVS魔戦将軍とか、ガラやネイたちの登場シーンを楽しむしかないかな、と。

 まあ、DS自身は破天荒キャラということで、そこからの発展形の一つがスレイヤーズのリナ・インバースとかにも連なるんだろうけど、
 総じてバブル期のノリなのかな、とも思います。

 そして、RPGの成長してレベルアップって物語要素がコミック化されると、「最初から強いDSみたいなキャラ」は主人公としては古いタイプと見なされ(昔の剣豪小説の系譜には位置付けられるんだろうけど)、
 成長する少年もしくは少女キャラを導く、わがままで傲岸不遜な師匠格(つまり脇役)の位置付けに交代する形。

 たぶん、DSも少年ルーシェの成長物語とか、DSを使役モンスター(もしくは西遊記の孫悟空)として操作するヨーコさん主役の物語として展開していくなら、バブル崩壊後の流行にも乗れたのかもしれないけど、
 DSの個性がそれを良しとしなかった。

 まあ、魔王が主役のピカレスクロマンとか、そっちの路線でも一つの元型にはなったろうし、作品として新境地を築いたのは間違いない。
 アイデアに満ちた未完の原石だけど、今の目から見て、作品完成度は高くない粗削りで破天荒な作品と言わざるを得ないかな。

 少年向きコミックに、他にないアイデアを詰め込んで、上手く時流に乗れた作品だと評価するけど、今見てもノスタルジー以上の感慨は抱かないか、と。

 なお、ネイのシーンでの「アンスラサクスの映像に、竜戦士が映っていない」のは、映像を映しているのが竜戦士(という機体)だったのだと記憶しますが、他の何かと勘違いしている可能性もあります。

 で、ネイの隠れ家に、竜戦士が封印されていて、アンスラサクスとの巨大ロボ戦的な展開に発展すれば……ファンタジー+ロボって路線は当時の流行になりつつあったわけですが、
 そこに至る前に、神と悪魔の神界路線に行って、旧世界の科学文明はどうでもよくなった感がありますな。
 設定をいろいろ詰め込んだはいいけど、作者も描いていて、方向性を見失っちゃったというか、自分で整合性ある設定構築をするのが面倒くさくなった?

 まあ、そういうのはエヴァンゲリオンなんかが消化して、世紀末が終われば陳腐化した大風呂敷というか、21世紀だと、もっと日常に根差した地に足ついた生活感覚が求められる流れになった、と考えます。

 で、無双主人公の系譜だと、近年だとワンパンマンみたいなギャグ方面になりますし、無双主人公を見て憧れる等身大キャラの視点(いわゆるワトソン役)こそが作者、および読者の共感を得るのが21世紀の流れですな。
 とりあえず、バスタードの現在に受け継がれた要素と、今では時代遅れの要素をそれぞれ抽出して、作品分析を試みるのが面白いかな、と思っています。

★牙狼ハガネ

 イグスさんが死んでしまったことで、惜しいキャラを亡くしたな、と思います。

 以前に、ムツギ法師が黒幕だったら? とか、三剣士の中に裏切るキャラが出る? とか可能性を考えていたりもしましたが、ここまで来ると、残り尺的にもそれはないな、と。

 あとは、創磨の父ゴドウが、闇堕ちしているかどうかが物語の本筋に関わってくると思いますね。
 父が闇堕ちしているなら、確実に息子の創磨が動揺しつつも、父親越えのドラマ、闇堕ちする前の父の想いの継承者として成熟するクライマックスの流れになるだろうし、
 闇堕ちはしていないけど、邪悪の封印に力を使い果たしかけているとか、諸事情で失踪していたことが次回、語られて、創磨の継承の契機になる。

 で、その中で、流牙の役割が、創磨のメンター以外で何かあるのかなあ、と。
 流牙自身は、もう騎士として完成しているので、今さら彼の成長ドラマが描かれることはないと思うけど、先達師匠キャラとしての流牙がそれだけで終わってしまうのも、主人公としてはどうなのかって気もする。

 最後に、流牙自身の心の闇を突いてくる仕掛け(父親代わりの法師だったり、仲間だったり、李杏だったり、ジンガだったり)が用意されて、旧作リンクがあると感じ入りますし、
 まあ、すでに完璧師匠として、創磨のハガネとW騎士バトルを見せてくれるだけでも、ビジュアル的には十分かもしれないですし、
 ドラマよりはアクションで魅せる展開でも、いいかな。下手にこじらせて不完全燃焼で終わるよりは、派手なアクションでスカッと終わる方が好みですし。

 あと、今回のダンジョンの仕掛けは、見ていて楽しいですね。RPG的で、牙狼の持つファンタジー要素を感じさせてくれます。
 流牙編って、冴島編に比べて、ファンタジー要素は薄めだと思っていたので、本作は森と、精霊と、迷宮と、で終盤はファンタジー活劇でクライマックスを迎えるのかな、と。
 

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/26 (Mon) 22:01:20

 定期感想その2です。

●王様戦隊キングオージャー(第50話/最終回:俺様たちが世界を支配する)

 サブタイトルが「俺様『たち』が」でして、なんだかガンダムOOの「俺がガンダム」→「俺たちがガンダム」の変化を思い出すものがあります。一人からみんなへと変化するわけですが、このキングオージャーのほうが分かりやすく描いてるかな。なにせ、例えば全ての民が声を合わせて「王様戦隊キングオージャー」と叫んだりしますしね。

 ともかく本編ですが、前話ラストの流れをそのままに気持ちよく突っ走ってくれた感じです。キングオージャーではしばしばトリッキーな展開になったりしまして、後半半ば辺りですと「これってどうなんだろう?」と思えたこともあるほど。

 しかし最終盤に入ってからは王道の燃える展開を崩さずにいてくれまして、自分としては大変ありがたい。これももしかするとキョウリュウジャー共演の効果だったりするのかな。キョウリュウジャーは終始王道展開だった気がしますんで、そっちに雰囲気を引っ張ってもらった格好だったのかも。

 それはともかく(^^;、「オツブたち」を易々ともてあそんで滅ぼすつもりがうまく行かず、「お前たちは何なんだ!」イラつくダグデドに対して、オージャー戦士が改めて名乗り上げて啖呵切るわけですな。ヤンマ、ヒメノ、カグラギ、ジェラミー、リタ、最後にギラ。

 戦隊の名乗りは歌舞伎の白波五人衆がモチーフと聞いたことがありますが、カグラギなどはまさに歌舞伎風でしたな。しかし最終回の今話の名乗りの主役は全ての民の「王様戦隊キングオージャー!」となりましょうか。ここがサブタイトルの「俺様たち」なんでしょうな。ギラがその通りに名乗り・啖呵を締めくくってくれてます。

 そして戦端が開かれますが、ギラ側には「不死身を斬る剣」が依然としてある。これが決定打になり得ないことは、以前のダグデド復活で証明されてはいますが、一時撤退させるくらいはできそう。その余裕が作れれば、失われた王の証「永遠の命」が作れるでしょうね。

 対するダグデドの戦術は、いったん首をかしげました。単にまともに突っ込んできてるだけです。例えば、既に大威力が証明された隕石落としを何故使わないのか。と思ったんですが、無駄だからやらないんでしょうな。使っても滅ぼせなかったわけで。

 チキュー側は地下へ退避する準備があることは既に描かれてます。隕石が破壊できるのは地表のみであり、地表は既に破壊しつくされたも同然。しかし戦士・民は健在で立ち向かって来る。隕石の絨毯爆撃では勝てないんでしょう。それにこの後の超巨大ダグデドという隠し玉に比べれば、ダグデドとしては隕石など大した技ではないんでしょう。

 一方、ンコソパ&シュゴッダム技術陣は「永遠の命」代替品開発を急ピッチで進める。外伝的な「ラクレス王の秘密」にも出て来たコフキが舐めていた棒付き飴玉を見てなにか気づく。確か外伝では飴玉に秘密が隠されてましたな。内容は「目覚めし剣が城を真の姿にする」でしたか。

 それとの関連性は自分ではちょっと分かりませんが、得たアイデアは「シュゴッドソウルで器を作る」というもの。それで器はできる。が、器を満たすものまでは作れなかった。しかしギラはもう分かっていて、限りある命ながら次々と生まれて続いて行く命こそが「永遠の命」たりえると。

 この間にいったん撤退してから再襲来のカメジムの妨害があるも、因縁が深いジェラミーが阻止し、ラクレスが叩きのめし、続いてまだ消えずに地上に残っていたデズナラク8世がカメジムをハーカバーカへ連れ去る。先に来ていたグローディはもうすっかり諦めた風ですが、カメジムは同じ恐怖(己が殺害した者に苦しめられる)を経験しそうですね。

 一方、オージャー戦士に押され気味のダグデドはキレまして、巨大化。映像でははっきり分からなかったんですが、公式サイトなどを見ますと、チキューよりでかくなったらしい。これに対抗するには「超絶怒涛究極完全体キングオージャー」で、技術陣が「永遠の命」の器までは作り、民が王への信頼で応えて命を預けて中を満たす。

 巨大決戦はダグデドの部屋/居城で行われまして、さすがはダグデドと言うべきなんでしょうか、超巨大キングオージャーでもなかなか押し切れず。しかしそこでクワゴン始め、シュゴッドが最期の力を貸してくれると。自らを文字通り燃やし尽くしての力ですね。

 これにはさしもの超巨大ダグデドも撃破され、等身大に戻って地表に墜落。このダグデドはもはや不死身ではないんでしょうな。6戦士の6本の剣で倒され、消滅してしまいました。6戦士も振り返りもせず去る。ギラとジェラミーが拳を打ち合わせるのは、なんだか納得してしまいました。でも、ラクレスは加わらない決着だったのはちょっと残念かも。

 地表は廃墟と化すも、戦士も民は残っての勝利。巨大ダグデドと相討ちの格好となったシュゴッドたちもソウルが残ってくれてまして、ヤンマは復活させると請け合う。前半でのヤンマの主張「シュゴッドはただの機械」がここへ効いて来るとは。最初からヤンマは機体部分について言っていたのか、それともヤンマのシュゴッド理解の深まりなのか。

 ともかくも全ての国、人々が一つとなった、はずなんですが、後日談が迷走してますな(^^;。6王国を国境なき連合にまとめ上げようとしたものの、以前にギラが嘆いていた「こういうとき、王様たちは勝手なことをする」が発動。連合結成は命名問題1つだけで、もろくも崩れ去る。

 それでも以前に王様たちの体が入れ替わった事件のいい副作用の各国民の交流の影響は続いてくれてまして、「うむ、これでいいのだ」(バカボンパパ)という状況のようですね。そしてダグデドが倒れて恒久の平和が訪れたわけではなく、新たな敵が迫ることもある。が、そうなればまた戦士は1つにまとまる。この世界は安心してよさそう、という締めくくりでした。

 1年間、拙い感想にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。戦隊ものは東映公式Youtubeで観て行っておりますが、未だコンプリートには遠いありさま。感想も放映済みのゴーカイジャーを完走したのみ。まだまだ戦隊が分からない点多々でして、こちらでいろいろご教示頂いて、面白いポイントに気付くことしばしばです。

 もっとも、そういう不慣れだからこそ、ドンブラザーズに続いて変化球だと感じたキングオージャーに興味を持ったのは確かです。演出が舞台劇みたいだなと感じたことも大きかったかな。が、捻りに捻るよりは戦隊らしい王道の燃える展開に戻ってくれて、最終盤は観ていて嬉しかったのは自分でも意外でした。

 第1話から思い起こしますと、まさかこの最終回に着地するとは思いも寄りませんでした。最終回の感動の余韻が冷めてきたら、もしかすると考察とかできるかもしれません。書いてみるに値するようなものを思いつけたら、ここに書くこともあるかもしれません。

 次の「爆上戦隊ブンブンジャー」はどんな作風なんでしょうか。タイトル名からするとテンション上げていくような印象です。第1話観て、感想書けそうか、書きたくなりそうか確かめてみることにします。

Re: 2月のスレッド(2024) - Shiny NOVA

2024/02/28 (Wed) 10:43:06

 2月最後のニチアサ特撮感想です。

★ガッチャード

 新フォームのアイアンガッチャード誕生に至る仕込み回ですね。

 次のキングオージャー最終回のインパクトが強くて、特にこれといった感想が持てずにいますので、次回のミナト先生の過去話と合わせて、感想を書くようにします。

★キングオージャー最終回

 敵を「おつぶ」と軽んじていたダグデドの本体(頭部のカプセルに引きこもっていた寄生虫みたいな物体)こそが「おつぶ」というビジュアルを見せて、とどめを刺された形。

 その前に、「ダグデドの部屋」(チキューよりも大きな仮想空間的なイメージ)で、巨大ダグデドと巨大化した究極キングオージャーの対決が描かれて、まあ、これはダグデドを無敵空間から現実に引き戻した概念時空のビジュアル描写だと思っているのですが、そこでシュゴッドたちが我が身を犠牲にして、ダグデド放逐に至る。
 そして、無敵モードを取っ払った(引きこもり部屋を破壊された)ダグデドが本体ごと等身大の王様戦隊に、ザコらしく悲鳴を上げて粉砕される。

 背景の理屈は、裏設定とか今後の公式解説待ちなんですけど、ビジュアルで見せるドラマとしては、完璧できれいに終わった……と思う。

 ただ、ゴールデンウィーク前のVシネ情報で、「ギラが新たな宇蟲王に?」という予告映像を見せられると、ダグデドの遺産的な世界の脅威は去っていないのか、と思ったり。

 ギラが文字どおりの邪悪の王として覚醒するのか、それとも他の戦隊(ドンブラとかキョウリュウジャー)の力で、ダグデドの呪いから解放されて正気に戻るのか、
 一応、VSと銘打たれているので、何らかの形で戦隊同士のバトルが行われるのだろうけど、作品終了後の戦隊VSシリーズの歴史ももうすぐ30周年になりますからね。
 最初は96年春の『オーレVSカクレンジャー』。最終回を迎えた戦隊が、その前年の先輩戦隊と邂逅→衝突→共闘という展開で、公式最後のお祭り映画(もしくはビデオ作品)という位置づけで続けて来ました(そこに平成ライダーを混ぜたりして、スーパーヒーロー大戦に発展したり、その年ごとに祭りの形態は変われども)。

 で、最終回後も、半年近くは、舞台でのライブアクションとかで役者さんたちも忙しい日を過ごして、ようやく作品から完全卒業という例年の流れですが(さよならツアー的な感じ)、
 その後は、10イヤーズアフターという10周年作品が作られたり(最初は2013年のハリケンジャーから)、今は20周年作品が作られるようになったり、番組終了後のお祭り映像作品も定着していますな。

 さすがに全部追っかけるのは大変ですし、自分もチェック漏れがチラホラ、と。
 それだけ歴史を重ねたシリーズですし、ストーリーや設定の使い回しもいろいろで、その中で新しいアイデアを出すのは大変。

 で、ダグデドの設定は、最終的に「概念存在としての巨悪」という意味で、グレンラガンとか、もっと前のマイトガインを連想させるラスボスだったな、と。
 それらの作品は、アニメロボットなんだけど、ラスボスが「この次元とは異なる高位次元の神」みたいな存在で、全ての事象を影で支配してきた黒幕ということが最終決戦辺りで語られるわけですが(それを作画の勢いで、神を凌駕するほどの奇跡で粉砕して、世界の平和を取り戻す主人公ってエンディング。まあ、メタバース的なオチに分類される話)、
 ダグデドの場合は、物語中盤に出現した時点から、その黒幕設定を公開して、ただの強敵じゃない「世界の、または宇宙の創造主的な存在が、この世界はもう用済みなので、後片付け的なお遊び気分で掃除する」と明かして、こんなのをどうやって倒したらいいのか? って流れになる。

 で、自称・神が、他の戦隊時空(キョウリュウジャー編)をも破壊しようというスケールの大きさ、世界観の広がりを見せた後は、
 もう一度、キングオージャーのチキュウの六王国の王と側近、王と民のドラマを紆余曲折を経て再構築させてからの、地に足ついた展開というか、広大な天にそびえる敵に対して、地に根差した者たちがそれぞれの過去の葛藤を乗り越えて、手を取り合い、絆の力を見せつけて、孤高の巨悪に反旗を翻し、返り討ちにする。

 この規模の壮大なドラマは、戦隊シリーズだと、85年のチェンジマン(宇宙帝国的な巨悪に、地球の戦隊と各星のレジスタンスが立ち向かうドラマに帰結)以来、ゴーカイジャー(2011)やキュウレンジャー(2017)など時折見られ、
 海外のパワーレンジャーでも、独自に宇宙規模の壮大な話を展開したりもするのですが、

 ゴーカイ→キュウレン→キングオージャーだと、6年に1度の宇宙規模な超スケールの話が出てくるローテーションかな、と。
 まあ、最初から派手だった前2作に比べると、キングオージャーで宇宙の話が出て来るのは中盤からで、最初は異世界ファンタジーからスタートした。
 前半の異世界王国同士の陰謀劇が新鮮で、なかなか共闘してくれない王様たちにやきもきしつつ、次から次へと明かされる謎で縦糸を紡ぎ、世界の歴史の中に隠された真実とか、六王国同盟と王様戦隊結成に至る丁寧なドラマで夏に至った後は、
 2年後、急にスケールアップして、強大な敵が出現して、何だか勝てなくなったよ? とストレスフルな展開に。秋がいろいろ賛否両論な迷走展開に入りますが、そのストレスは、新番組のガッチャードが緩和してくれた感じ。

 で、年末からのラクレスとの決着と加入で、夏映画の伏線も回収し始めて、年明け後の最終決戦に至る流れですか。
 もう、最後は積み上げた伏線やキャラクターが一気に溢れかえって、それぞれの結実を見て、1年間見て来て良かったなあ、という感動に至る。

 まあ、秋頃は「サプライズはあるけど、感動が少ない」と評価しましたが、仕込みや溜めが多くて、それが一気に爆発する要所要所の瞬間最大風速の凄い作品で、
 少ない感動を目一杯盛り上げる形で、冬は盛り上げて大団円を迎えたなあ、と。

 最後に気になるのは、「ダグデドは結局、この世界の生物なのか。生物だったら、ハーカバーカに行ったのか」ってことですね。
 カメジムはデズナラクに引きずられて、ハーカバーカ送りになりましたが(ここは好き)、
 とりあえず、初代シュゴッダムの王が、ハーカバーカの閻魔大王みたいな立ち位置で、デズナラクは獄卒というか牢名主みたいなもの? 

 死後の世界を具現化したハーカバーカの設定が、異世界ファンタジーって感じで面白いけど、ここにドンブラザーズも絡んでくるみたいで、どういう世界観かが気になる。

 一応、ダグデドの力の根源であるみたいな「世界の外の小部屋」が究極キングオージャーの力で破壊されたようなので、もはや強大な力は残していないと思われますが、
 怨念めいたしぶとさは持ってそうなので、最終的にはドンモモタロウとか、キョウリュウレッドのダイゴの力を借りたギラの力で、倒されるのではないか、と予想しつつ、
 TV版の物語として、六王国のチキュウの話はこれでハッピーエンドかな、と。

 一応、うまくまとまらない、とっ散らかった形ですが、1年間の総括感想をまとめた所存。

★ブンブンジャー

 作風としては、壮大なファンタジーから、地に足ついた等身大のコミカル日常青春ドラマって感じに見えますね。

 主人公は車で荷物を届ける配達業? 
 歴代の車戦隊はいろいろありますが、主なのを羅列すると……と書きかけて、長文化しそうなので自粛。

 まあ、第1話を見てから、折を見て、過去作との比較などを試みつつ、新作の可能性、新しい注目ポイントなどを探って行きたいと思います。

Re: 2月のスレッド(2024) - K.K

2024/02/28 (Wed) 22:53:28

 定期感想その3です。

●BASTARD II(第35話:聖戦Ⅰ)

 DSの隠れ家から見えた浮遊物体はやっぱりKCGで、バ・ソリーから連絡が入ったマカパインはそちらに向かう。釣られるようにネイとガラも向かう。KCGではアンガスがシュワちゃんの某映画で出て来たような変装の解き方でアビゲイルの正体を現わす。これでDS側の四天王が揃い、そこへカル=スが敵としてやって来る。

 勢い、カル=スとDSの対決となりますが、カル=スは配下であり心酔してくれている魔戦将軍もろともDSらを消し去ろうとする。そこはDSが阻止しまして、いったんはカル=スを焼き払うほどの反撃に出るも、再生したカル=ス隙を突かれて真っ二つに。

 しかしDSの分身がヨーコの尻に隠れて難を逃れてまして、アビゲイルによりDS再生。しかし封印の鍵であるシーラにカル=スが迫っている。

 と、まとめてみるとまともな話のようですが、グダグダしてますな。カル=スの攻撃から敵味方問わず救って、侍から見直されるだけでなく、魔戦将軍らの信頼を得始める。特に既にDSにも心酔しているボル・ギル・ボルですな。しかしDSの真意はどうも彼らが思うようなものではないらしい。

 なんと申しますか、王道の燃える展開のフラグを全て折りに来る感じです。少年ジャンプでは「友情・努力・勝利」の3原則があったと言われてましたが(その是非とか含めて諸説あるらしい)、それに対するアンチテーゼでも提示したがっているかのよう。

 90年代だと自分には新鮮に見えたかもしれませんが、今となってはむしろ「友情・努力・勝利を下手に崩してくれるな」といったところでしょうか。サブカルの旬は短いなあと思えます。

 DSが真っ二つにされても、おそらく連載を追っていた当時でも「また死ぬ死ぬ詐欺か、どうせ復活する」くらいに思ったはずです。それでも以前は「アンスラサクスにより増大する闇の」とか理屈は言ってくれてたんですが、もはや劇中でもルーティンギャグ扱いですな。この辺りは作者も自覚あったのかもしれません。

 もっともだからこそ「DS vs カル=スのまだ前哨戦なのに、互いに焼き払うは、真っ二つにするわでシビア」と言えるかもしれません。まさに殺し合いですから。

 後になって明かされた(外付け)設定では、カル=スはDSの実子であるらしい(原作では劇中で明かされずじまいのはず)。そこをこの20年代版アニメに盛り込んだら、シビアさが増すのかも。親子であると知っているのが、DS/ルーシェ/カル=スのどれであるかとか、けっこう複雑にできるはずです。

 しかしそんなことやると原作からは外れていきそうでして、やっぱり無理かなあ。このアニメ版はネタが古くても、たとえダレてでも一応は原作を再現する趣向のようですから。まあ、次回以降はバトル多くなるでしょうから、終盤はそれを観て楽しむということになりそう。

●仮面ライダー響鬼(第5話:熔ける海、第6話:叩く魂)

 相変わらず、ひっきりなしに鳴るBDM兼効果音(ミッキーマウシング)に悩まされて、なかなかストーリーが追えません。とはいえ、こちらで伺った通り「誰がどこで何をしているか、当ててごらん」という序盤の作風のようですから、それでいいのかも。

 もっとも、各キャラクターがどう思って何をしようとしているかが見えにくいのは困りものではあります。自分の視聴モチベーションの大事な部分ですので。しかしそれも、今週分では、例えばイブキ登場なわけでして、まだ主要キャラクター集結途上のようようです。ですんで、これもこれでいいのかも。

 ザンキも言及だけはされまして、残るは(ジオウにも出てきてくれた)トドロキですね。どちらも姿を見せるのは第13話からのようで、まだちょっと先ですか。

 本編のほうはザンキが仕留め損ねたバケガニ(と姫)を追うヒビキと、高校入試で悩む明日夢の話。姫のほうは何とか倒すも、バケガニは甲羅が硬く、かつ溶解液を放つので苦戦。しかしその2つがない、死角ともいえるバケガニの腹に潜り込んで、太鼓を仕込んで音撃で決着。それを見届けた明日夢も迷いを断つと。

 それにしても、自分が独りでTV初放映時にリアルタイム視聴していたら、そろそろ離脱したんだろうなと思えます。あまりにも分からないので。しかし、もし(エグゼイドで初めて実感した)話数2桁くらいから面白くなると知っていれば、「もう少し」と思って観続けたと思います。が、後期(第30話以降)に入るまで辛抱したかどうかは自信なしです。

 やはり、放映済みで情報があり、こちらでいろいろ伺えるのはデカいですね。何がどうであろうが、最後まで観る気は満々になってますんで。

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