創作と鑑賞の談話室
2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/01 (Sat) 00:00:24
2月の雑談スレッドです。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/03 (Mon) 15:34:33
定期感想その1です。
●シンカリオン チェンジ ザ ワールド(第39話/最終回:CHANGE THE WORLD)
全編ほぼバトルで描いて、ちょっぴりエピローグといったところでした。そのバトルの最中にドラマっぽいものを含んだあれこれが描かれまして、たった30分にすし詰め状態のようでありました。バトルの絵面は相変わらずいいんですが、ドラマ面を含めると作品名は「カオスシンカリオン」が相応しいような気がしてしまいます(^^;。
そのバトルパートでの詰め込みなんですが、以下のような流れですね。
①ビーナ・アンノウンの修復能力とハッキング能力誇示
→このキャプチャーフィールドでは事実上の無敵
②集結したシンカリオンが分断される
→再生アンノウン(ただし腕などのみ)出現しての各個撃破戦術
③タイセイ分隊のSRGによる反撃
→しかしアンノウンの核のビーナに届かず
④怪我を押してのレイジ/カオスシンカリオンの到着
⑤しかしレイジが廃棄データへの同情を示して裏切りの危機か?
→すぐにビーナ・アンノウンに対決の姿勢へ
⑥イナらがビーナのハッキングを跳ね返して戦場の管理を奪い返す
⑦アンノウン内から黒いE5(ビーナ搭乗)出現
⑧ビーナとタイセイの舌戦(守るべきは廃棄データか見知らぬ人間か)
→決裂して一騎打ちへ
⑨ビーナの元の意識からの「あたしを止めて/あたしを壊して」の呼びかけ
⑩それに応えてタイセイが覚悟のグランクロスで廃棄データごと撃つ
→ビーナは「あたしがいなくても、あんたはちゃんとカッコいい」と言って消滅
これが約17分間に詰め込まれてるわけでして。中盤までの本作の描き方で考えると、①~③だけで2話分は要りそうです。
そこへ以前は廃棄データのために戦っていたレイジがブレるか否かの危機が来る(④)。そこを仕込み含めて描くには1話以上要りそう。
そこからシンカリオン側が戦場のコントロールを奪還しての反撃開始で流れが変わり、しかし敵側から最強形態のシンカリオン(タイセイのE5そっくりで、しかし色は黒)が繰り出される。これも1話分以上の内容。
その最強の敵の運転士はビーナであるわけですね。ビーナ奪還を試みて果たせず、倒すしかないと覚悟するのに2話分でしょうか。
しかも無限再生する黒いE5を倒すにはグランクロスしかない。グランクロスは生身の運転士はシンカリオン外に叩きだすことができるが、データであるビーナは黒いE5と共に消滅するしかない。
逡巡するタイセイをしり目に黒いE5はキャプチャーフィールドを破って外に暴れ出しそうな勢い。
しかしビーナの元の意識からの「あたしを壊して」のメッセージが届いて、腹を括ったタイセイがグランクロスを放って決着(イナが前に言った「壊して作り直す」が回想されるかも)。それらで2~3話分でしょうか。
たぶん、この最終話に入っている内容を納得できる形で描いたら8話分くらいですね。つまり、ERDAセレクション予定の話数となります。それで3月末にシンカリオンCWが放映終了と。
中盤までは調子よく進んでたわけですから、終盤の制作に入る頃に何かトラブルあったんじゃないかと思います。たぶん、特別編「リサーチ ザ ワールド」の頃は上手く行っていたはずです(3話分の見どころとか予告できてたし)。年明けの特別編 「フレセン サ ワールト」は既にいわゆる「万事休す」に陥ってたのかな。手持ちと余力を計算して、絵面を譲らずの落としどころを探った結果が、この最終回だったのかも。
自分個人の考えでは廃棄データが何者かを見せられなかったのは最大の問題点だと思ってます。まあ、そう思うのは仕事でコンピュータソフトやってたということがありますんで、他の方と共有できる見方ではないんですが。
それでも途中まではいろいろ妄想して期待してまして。この廃棄データのモデルになりそうな、現実のコンピュータソフト技術としては例えばオブジェクト指向なんてあります(初出からもう半世紀になる技術)。
例えで説明してみますと「1+2=3」なる計算は、コンピュータでは普通「+という関数に1と2を与えると3が返される」となります(電卓と同じ)。オブジェクト指向だと「1」が単純なデータではない実体(オブジェクト)とします。そして「1(オブジェクト)に「+2」というメッセージを与えると「3」というメッセージが返される」とします。「-2」なら「-1」。「1」は何でも知っていて、話しかければ適切な答を返してくれる。
なんでそんな(ややこしい)ことをするかですが、半世紀前には既にコンピュータソフトウェアの危機が言われてまして。必要とされるソフトウェア量の増大に対し、技術者数が追い付かないというものです。オブジェクト指向の売りは「再利用性」ということでして、以前に作ったものを次の/別のソフトでも使えるというもの。上述の例では「1」はどこに持っていても働いてくれる。半分再利用しての開発なら人手も半分で済む。
シンカリオンCWの廃棄データが「オブジェクト」であれば、あと少しで自ら動き出すのも分かりますし、落としどころとして「再利用」となれば決着もあり得そう。しかし「なんだかよく分からない付喪神」で終わってしまいまして、これでは庇おうとしたビーナも浮かばれまい。
ともかく最終回に戻りまして、ビーナの最期の言葉「あたしがいなくても、あんたはちゃんとカッコいい」もあまり響かず。理由はこちらでNOVAさんが仰ったことで尽くされてるように思います。タイセイとの交流不全ですね。「姉代わりにもなってない」は言い得て妙かなと。
タイセイはグランクロスのダメージが今度こそ来まして、運転士としては再起不能ですか。が、整備士としてやっていく模様。今はメタバースで模擬的に演習中みたいですね。この切り替えも、ビーナとの交流がしっかり描かれていれば感動したかなあという気がします(そして劇場版とかでビーナと共に復活するかとか期待したかも)。
10か月に渡りまして、感想にお付き合いいただき、ありがとうございました。自分は1期は途中から観ただけ、2期(Z)もあまり調べず眺めていたような次第のため、独力ではこの3期(CW)をシリーズとして理解するのは難しいところがありました。
他の作品感想と同じく、こちらでいろいろ教えて頂いたお陰で理解が進んで感想も書きやすくなりました。いつも同じ言い回しで恐縮ですが、いつもありがとうございます。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/04 (Tue) 14:48:22
定期感想その2です。
●仮面ライダーガヴ(第21話:ビターすぎるガヴ)
行き違いに思い違いですれ違いが起こり、それでも解決しようと頑張ろうとすると運の悪い巡り合わせでかえって亀裂が広がり、と観ていてオロオロしてしまう回でした。もっとも、そういうのこそ好きなんですけど(^^;。
しかし、たった1人だけ揺るがないキャラクターがいて安心感もありますな。ラーゲ9改めラキア/ヴラムです。今話で現れた挙動不審のガヴ/ショウマを別人ないしは別人格と見破った様子すらあります。「だるっ」と言いながらも着実にたゆまず真相に迫っていく印象が生じました。
その対極といえるのが絆斗でして「ショウマがグラニュート、いや信じたい、でも」みたいな感じでブレまくってます。ただし、そのブレの根っこには相変わらず「ショウマを信じたい」という気持ちが揺るがないことも見て取れます。そこだけは安心感ありますし、自分が絆斗に期待するポイントでもある。
ともかく本編。冒頭は前話ラストの繰り返しからで、グラニュートと判明したショウマに絆斗が混乱して殴っちゃうところから。そのとき絆斗が怒鳴った「お前もストマックの一族だからか」は文字表示までされまして、ショウマに突き刺さることが深かったようですね。
これにラキアは動揺せず、「今度はお前(ショウマ)の話を聞かせろ」と。前にショウマは母(みちる)が闇菓子の犠牲になったことだけ話してましたが、今回はいきさつを詳しく語ったようですね。ラキアは前は弟のことで激してましたが、今回は冷静な聞き手だったようです。かつ、ショウマの話を素直に信用もする。
もしかしてラキア、人間にも親子の情があると学んで少し変わったのかしらん。が、「人間に特別思い入れがあるわけじゃない」とショウマに釘を刺すことも忘れない。ただし「人間」は種族全体というよりは、ピンポイントに絆斗/ヴァレンを意識して言っているようです。
絆斗と手を組む気はないということですな。「あんな奴、いなくても困らない」と。が、ショウマの答は「困るとか困らないとか、そういうんじゃないんだ」。ラキアは絆斗/ヴァレンを戦力として評価しないから不要という意図でしょう。ショウマの言は『バディとはそういうもんじゃない』という意味に思えます。
仮面ライダーWでも強いか否かではない(むしろ弱いところがいい)とフィリップが翔太郎に対して結論出してましたが、それと似ていそうです。が、独力でやってきたラキアにはまだ理解しがたいようですね。
絆斗はその頃、酸賀邸に押しかけてあれこれ聞いてますな。が、聞きたい情報(要は「ショウマを信じていい」)ははぐらかされてる感じで、むしろ手玉に取られて動揺を拡大してしまってますな。酸賀はグラニュート、ストマック家と絆斗が悩み混乱するポイントを上手く突いてますね。
そして「大量失踪事件の犯人はヴラム(ラーゲ9/ラキア)」~「ショウマも知っていた」ですな。ショウマを疑う方向に傾いた絆斗を見て、酸賀はニヤリ。そこで絆斗に見えないモニターに映し出された細胞らしきもの、ということで、それがこの後の挙動不審のショウマにつながるわけか。
一方、ストマック家/社のほうではラーゲ9の裏切りと正体に、ニエルブもさすがに動揺している模様。グロッタが「昔アルバイトにしたコメル・アマルガの兄」と何の気なしに言っちゃったからですね。グロッタ、あっちでもこっちでも意図せず動揺を作り出してますな。あまり物事の裏を考えない性分なのかも(悪党に向かないかも ^^;)。
が、おそらくニエルブは真相、特にラキアの意図に気が付いたでしょうな。しかし、ニエルブはランゴらに隠してラーゲ9/ラキアを利用していたわけですから、とりあえずは誤魔化しておく。ランゴとグロッタが言い争うのを抑え「過ぎたことを責め合っても」~「建設的な話を」と逸らせ、話をランゴに振っておくと。すると『備えを立てておこう』という無難な話に落ち着くわけですな。
そしてシーンは「はぴぱれ」ですが、ここでの勘違いからの行き違いは感心してしまいました。前話で「タケシ君」を救出したわけですが、幸果はそれを知らない。絆斗にグラニュートと知られたショウマは、じきに幸果も知るはずと思う。ならば自分(ショウマ)から打ち明けよう、と思いはするものの、幸果が恐れて離れていくのが怖い。
逡巡するショウマを「元気がない?」と心配した幸果が励まそうと話しかけるわけですが、真実を話すのが怖いショウマは逃げ出す。これを幸果が勘違いしちゃうわけですね。前に画家(志望)を励まそうとしてペンキぶっかけられた件がここで効いて来ます。
幸果視点では子供の頃からの悩みである「励まそうとしてるんだけどポイント外して、かえって嫌われる」というもの。しかし、ショウマこそ嫌われたくなくての行動であるわけで、観ていて「どっちもあと一歩踏み込めば」とオロオロしてしまいます。
どうなるんだ、と思った途端にショウマに異変発生。倒れて意識不明になっちゃうわけですね。原因は不明。このせいで絆斗とすれ違いが生じるとは、このときは思ってもみませんでした。
絆斗はその頃、悶々としてたわけですね。大量失踪事件犯人のラーゲ9/ラキアとショウマがつながってた。ショウマはグラニュートだ。そこは不信の理由たりえますが、しかし失踪事件被害者が全員無事帰還の報も知る。探してたタケシ君も帰ってきた。じゃあショウマはラーゲ9を説得して味方にしてくれたのでは。そもそもストマック家と戦ってたじゃないか。
ならばショウマに話を聞かないと、といい方向に絆斗が向かった途端、怪しいショウマが現れてしまう。絆斗は追いますが見失い、おでん屋台で暴れたところは見なかった。が、翌朝に行きつけの飲食店で暴れたことを知ってしまう。ネットにあがった画像からもショウマと確認できる。
絆斗はすぐに「はぴぱれ」に駆け付け、暴れ出したショウマがグラニュートであると幸果に告げてしまう。ここも「どうしてそうなる!」とオロオロするポイント。ショウマがあと少しの勇気出して告白していれば起こらなかった誤解ですね。
怪しいショウマ(仮面ライダーWEBによるとダークショウマ、変身するとビターガヴ)は飢えているようですね。最後には駄菓子店に辿り着いて手あたり次第食ってますが、お菓子なら何でもいいわけではないらしい。ラムネ菓子とかでは駄目で、最後に食べたグミが当りだったらしい。これでゴチゾウを生み出して、変身準備できた模様。
そこへ絆斗が駆けつける。その目の前でダークショウマが腹のガヴを見せて変身なんですけど、絆斗は赤いガヴではなく黒いことに気が付いてないようですね。ガヴに変身してもカラーリングが黒ベースであることも絆斗は意識してない。どうも、いつものショウマとガヴだと思っている感じです。
怪しいショウマ/ガヴは好戦的でして、絆斗もやむを得ずヴァレンで迎撃。そこへラキアが通りかかるわけですな。ラキアは今までのことをよく覚えているだけでなく、そこから学ぶことにも長けてますな。ストマック社のスマホが役立たなくなると、ショウマが地道に情報収集していたと気が付き(ゴチゾウ捜査隊はまだ知らないかも)、自分(ラキア)も倣う。
それで怪しいガヴを見つけたわけですが、赤ガヴでなく黒ガヴであることに気が付いたようですね(ラキア視点で大写しになってる)、台詞も「あれはヴァレンと、なるほど」でして、ガヴとは言ってないのがミソかな? ヴラムに変身して迷わず怪しいガヴを撃ってますね。ヴァレンのほうは「眼中になし」くらいの言い方してたのに、一目で判別したようです。
そのまま怪しいガヴ vs ヴラムとなりそうなところで次回「真実は甘く苦い」へ続く。自分は本編ラストの時点で「倒れたショウマに酸賀が何か(ショウマの髪から培養した臓器とか)埋め込んで別人格を発生させたのかな?」と思いました。それでガヴの暴走モードが出てきたのかと。
しかし仮面ライダーWEB等も読んでみますと、今話の怪しいショウマ(ダークショウマ)はショウマ/赤ガヴとは全くの別人らしい(ショウマの目の前にダークショウマが現れてどうこうとか書いてある)。が、自分的には予告映像に現れた絆斗の台詞のほうが大事かな。「ショウマ、お前を信じる」です。それを待ってたんだよ、という気持ちです。
●爆上戦隊ブンブンジャー(第47話:届け屋はひとりじゃない)
こっちはこっちで「それを待ってたんだよ」がありまして、射士郎ですね。もちろん、サンシーターがしれっと無事だったのも嬉しいところ。それらはベタにセオリー通りと言うこともできますが、それこそ自分の好みだったりします。
前半はブンブンジャーが敗れたと見える流れで、しかし逆転劇の伏線になってるところが自分のツボです。今話ラストでいきなり勢いが変わってみると、前半のあの台詞はこういう意味だったとか分かりまして、爆発的にスカッとします。
ともかく本編。まずハシリヤンから申し出てきた「未来とスピンドーの結婚話」ですね。明らかに政略結婚で、要は「ブンブンジャーは降伏の証しに未来を人質として差し出せ」というもの。スピンドーは地球(人類)が欲しいのであって、滅ぼす意図はない。優越的な和平が戦いよりコスパいいわけですね。
未来は最初は激怒の拒絶ですが、断ればブンブンジャーごと潰されると理解し(挑んでも軽く退けられたわけですしね)、応じることにすると。それに対して大也が「分かった」の後に何を言ったかは省かれまして、そこがミソだったわけですな。この時点で想像できる大也の台詞は「やむを得ないな」くらいでしょうか。
OP後のシーンは、ISA側の射士郎に未来がチェンジャー渡してますね。結婚に応じ、ブンブン戦士たることも辞める。他の戦士もバラバラに去っていった(が、実は作戦行動開始だったわけですな)。
錠はフードで頭隠し、玄蕃は地球まで乗ってきた宇宙船の残骸を眺めて「これでお終い、だねえ」と(実は意味深の台詞だったとは)。先斗はキラーロボの群れを眺めてため息交じりに「始末を付けねえとな」(これも意味深)。
ISAの常槍は嬉し気にブンピンクの結婚承諾をスピンドーに告げ、グランツはギャーソリン満載のヤルカー軍団も地球に向かいつつあると報告。もう勝ったも同然という雰囲気ですね。それで気が緩んだんでしょうか、スピンドーとグランツは昔話なんか始めまして、常槍はうんざりという表情ですね。
一方、ハシリヤンから離反したサンシーターはネジレッタ隊の追跡を受けてますな。追いつめられてピンチとなるも、ブンブラック/錠が敵を蹴散らして救う。未だ錠(さらにブンブンジャー)を慕う子供たちが「悲鳴」を教えてくれたということですが、どうもそこに例のミラーボールに示すべき「力」がありそう。
内藤雷汰のほうは、甥っ子の千二が必死の訴え。ブンブンジャーが世界の敵ではないとみんなに言ってほしいと。が、内藤は何とか丸め込もうとする(この辺り、内藤が甥っ子には愛情がある様子が窺える)。が、異変発生。ブンバイオレット/先斗&ビュンディーがキラーロボ群と交戦に入ってる。
が、報告を受けた常槍は慌てない。キラーロボは内藤のライトニング・テックで量産体制整ってるわけですから、たとえ先斗が善戦しても物量で勝てるはず。それに未来がブンブンジャーはバラバラと言ってたわけですから、既に孤立無援のブンブンジャーのさらに孤立無援のブンバイオレットが挑んだに過ぎません。
それより、バラバラとはいえ健在ではあるブンブンジャーを押さえるべく、未来とスピンドーの結婚を進めたほうがいい。が、降伏である結婚に応じたはずの未来が「結婚祝い、ちょうだい」と言い出す。敗者が無礼な、といきり立つグランツですが、スピンドーが押さえる。すぐ後で種明かしありまして、結婚指輪は未来を精神操作できるアイテムであるとのこと。どうせ思うがままになるから、今は鷹揚にしてやっていいということですな。
未来の要求は「ビッグバングランプリ」でして、自分は一瞬「最後の対決はBBGで?」と勘違いしました。が、未来の要求はもっと大きくて、BBGの運営権を寄越せというものでしたか。これにスピンドーは応じてやる。どうせ自分(スピンドー)の思うがままになるということで。
もっとも、スピンドーは未来(ひいてはブンブンジャー)がハシリヤンを乗っ取るつもりだと見抜いているわけですな。未来が結婚に応じた時点ですと、花嫁を装った相討ち覚悟の刺客ということもあり得る。が、BBGを要求した時点でその可能性はなくなり、ならば乗っ取りだという判断なんでしょう。
その頃、錠は助けたサンシーターと意気投合。どちらも組織を捨てても志は捨てない同士、気持ちが分かるんでしょうな。子供たちもすっかりサンシーターに懐いてる感じです。が、またもネジレッタ隊襲来。デコトラーデは子供を銃撃から守って戦い、さらに信頼度上げてそう。「痛くないの?」と心配されて、むしろ嬉しそうでありますね。
一方、内藤はブンバイオレット&ビュンディーを撃退できないことに焦り、ついに全戦力投入。ですが、甥っ子の千二がブンブンジャーを必死で応援する様子にショックを受けたようですね。次回予告映像には千二と一緒にモニターを見入る内藤が映ってまして、どうも内藤の寝返りの暗示っぽい気がします。
ネジレッタ隊と戦うブンブラック&デコトラーデにも子供たちの応援。駆けつけた警官を阻止して「ブンブンジャーは悪者じゃない」と訴える。次第に周囲の大人も雰囲気変わって来る。そこで子供の胸に何か輝くものがありまして、もしかしてこれがミラーボールに示すべき力なのかしらん。が、まだブンブンは目覚めませんな。まだ力が足りないんだろうか。
動かぬブンブンをそのままに、大也は「調さん、後は頼む」と呟いて拠点を出て行く。大也が何を頼んだか、今話ではよく分かりません。ともかくも、行先は結婚式であるようですね。日本中(もしかして世界中?)に式が実況されてるのがポイントであるようです。
そして、式のクライマックスの指輪交換、実は呪いの指輪を大也が阻止。ここから怒涛の反撃ですな。まずスピンドーのマスコット(シャイシャイ・サルカー)を蹴り飛ばす。それがギャーソリン溜めるタンクで、失えばスピンドーは無力になるんですか。知らんかった。しかも、玄蕃がヤルカー軍団を阻止済でして、ギャーソリン補充はもうない。さっきの「お終い」はこれだったのか。乗ってきた宇宙船の最後の使い道だったんですね。
(このスピンドー無力化は唐突な流れにも思えるんですが、2つの理由で納得。1つには「見せてもらうと、そうなって欲しかったと気づいた」から。もう1つは「ラスボスたる者は、そこから本気を見せるもんである」という期待が生じるから。)
それはともかく、間髪入れずに射士郎がチェンジャー受け取ってブンブンジャー側へ再寝返り。いや、これは当初計画通りの期待通りということですね。ブンブンカーの管理権限も取り戻しまして、もしかしてそれが調さんが頼まれたことだったのかな?
外ではブンバイオレットがついにキラーロボ全てを掃討、内ではブンブンジャー再結集の復活でして(ただしブンブンだけはまだ)、いよいよ最終決戦、というところで続く。次は最終回でしたな。
それにしても、あれだけいたキラーロボが全滅とは。そんな弱いわけないと思いかけて、はたと「いや、サンシーターが搭乗してたんだっけ」と。乗り手の根性で戦力アップする機体なんでしょうな。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/04 (Tue) 23:13:58
定期感想その3です。
●仮面ライダーカブト(第5話:捕獲指令!!、第6話:オレ様の花)
今週分で驚いたのは前半(第5話)で登場した加賀美の父親(加賀美陸)です。観察と記憶がいい人なら、ビストロ・サルに現れた時点で誰だか気付くんでしょうけど、自分は「これが加賀美の父か」と思っただけ。しかしラストで部下と語る(顔を映さない)人物の声を聞いて「あ、この黒幕っぽいのが加賀美の父親なのか」と。
それでようやくウィキペディアのカブトの「加賀美陸」の項を読んで、どういう人物かざっと理解しました。「ネイティブ」なる種族かと思ってたんですが、ZECTを創設した人間でしたか。ネイティブに従いつつも、部下(ゴロちゃんの人ですな)と共にネイティブへの備えを立てておこうとしているということで、この先の展開が楽しみ。
が、現時点のドラマは各キャラクターの掘り下げがメインのようですね。今週は先週に加賀美に対して意外に気配りしていた天道の掘り下げのようです。天道の人物像が観ているこちらだけでなく、ZECTの岬にも伝わって転機を作る仕掛けになってますね。
前半(第5話)冒頭からは天道をカブトと疑って追う岬を引き留める男から。いきなり余談になりますが、アギトの沢木を演じた方(小川敦史さん)なんでちょっと混乱しました(^^;。アギトを視聴中はあまり意識してなかったんですが、どうやら沢木哲也は自分には印象深かったらしい。
それはともかく、いきなり出てきた男はZECT本部の東でして、ここから岬は東の指揮に入っちゃうわけですね。それを知った田所は本部の指示ならと受け入れてしまう。しかし東の作戦は非道なもので、カブトをおびき出すためだけに、ワームが次々と人を襲うのを放置するというもの。
そういうシビアな流れと並行して、ひよりのドラマが描かれてますね。ただし互いに独立したドラマではなく、天道が東に狙われたため、ひよりとの約束を果たせないアクシデントが生じる。が、天道は言い訳せず、ひよりは真相を知らされずに天道に不信感を強めたりする面白い展開です。
ひよりがしょげる加賀美を心配し、天道を頼ってきたのが発端ですね。天道はひよりに樹花にポトフを作ってくれと頼む。これでひよりと樹花につながりができる。さらに、加賀美が任務のためにビストロ・サルのオーナーシェフ:竹宮弓子の頼み(世界の花展にひよりを連れて行く)を放り出したため、代わって天道が引き受ける。
が、天道が東に狙われて果たせないわけですな。ひよりは待ち合わせ場所で待ちぼうけ。人が行きかう場所は極端に苦手らしく、ついに倒れてしまう。前にひよりはビストロ・サルで喫煙する客に強い態度に出たことがありましたんで意外でした。7年前の隕石事故のショックのせいで、開けた場所で不特定多数が行きかうのが苦手ということなのかな(屋内なら大丈夫でも)。
これでひよりは天道に不信感を持ってしまうも、電話で樹花にホットケーキ作ってくれと頼まれる。天道はこのとき囚われの身ですが、おくびにも出さないのでひよりは気づかず。いったんは「何を勝手なことを」とばかり怒るも、結局は頼みを聞く。
これは樹花の明るさもあるんでしょうけど、何か天道に魅かれるものを感じていることもあるんでしょうな(初遭遇時から?)。そして樹花は言動・行動パターンに天道と似たところがあったりする。その樹花が「自分の胸にいつも兄(天道)がいる」と、あっけらかんとして言うもんだから、ひよりも影響されてくる。
これは「自分の心の中にヒーロー(ロールモデル)がしっかり存在している」ということなんでしょうな。「ゴブリンスレイヤー」の剣の乙女で言えば「夢の中でも助けに来てくれる」というやつです。それなら勇気が持てるよと。そしてラストでは東京タワーにでかい光の「世界で1つだけチューリップ」(どうやったんだろう?)。天道がそこにいなくても約束は果たされたと、ひよりは納得する。
ひよりの現時点までの描写で考えると「7年前の隕石で不幸に陥った少女を天道が救った」といったところ。ここで完結するドラマですね。ですが、予習してみたひよりの正体を踏まえますと、この件が後々まで影響しそうな気がしまして、今週分のひよりのドラマは覚えておいたほうがよさそうです。
一方、天道と岬のドラマ。岬は東の指揮下に入ったものの、エピラクナワームが人を襲うままにさせることに不信感を募らせていく。一方、田所隊長も本部指示ならと動かない。が、この状況に業を煮やした加賀美が俄然頑張り出すわけですな。新聞で事件発生を知ったときにもうどうするか決めていたらしい。
が、天道が後で指摘したように、隠匿されているワーム事件が新聞で報じられるのを疑うべきであったんでしょうな。偶然ですが、その辺りが仮面ライダーガヴで怪しいショウマを疑えない絆斗と重なるものが感じられてさらに面白かったりします。
エピラクナワームは結局、カブトがさっさと倒すわけですが、ひよりとの待ち合わせ場所に急ぐ天道を東が遮る。間の悪いことに(^^;)加賀美も追い付いちゃいまして、さらに「お前ら(ZECT隊員)の敵う相手じゃない」と叫ぶ。これで天道=カブトと確信した東に人質として利用されてしまう。天道は「(加賀美は)友達じゃない」と言いつつも、東の要求通りにベルトを渡し、そのまま連れ去られる。
これは加賀美にはまたも響いたでしょうけど、後ろで見ていた岬にも強い印象を与えたでしょうな。さらに「これは正義か? 東/ZECT本部の言いなりで正しいのか?」という疑問も深くしたはず。しかしまだ行動には移せず、岬は天道を尋問する。のですけど、やっぱり相手が天道ですからペースにハマっちゃうわけですな。東はついに「痛みを伴う尋問」の決断を下し、岬は御用済み同然に。
このままでは膠着状態から悪化ですが、加賀美が止まらないのがいいところ。「嘘つきになりたくないんです!」(今週分のテーマですね)とまで言って詰め寄るも、田所隊長は動かず。ついに独自行動開始で、天道の囚われの場所にZECT隊員に化けて潜り込む(ただし、場所は田所隊長が教えた模様)。
が、事態を大きく動かすのはやっぱりワームなのか。大挙襲撃してきまして、もうメチャクチャ。東は岬を伴って車で逃げ出しますが、実はワームがすり替わっちゃってる(東、あっけない最期でした。ワームを舐めすぎてましたな)。それに気づいた加賀美が岬に連絡してベルト持って脱出を促すも、ワームには筒抜け。が、天道の射撃で車が揺らぎまして、その隙を突いて岬はベルトを奪って脱出。
ついに岬、「このベルト、あなた(天道)に託すわ」と差し出す。信頼関係成立ですね(一方通行かもしれませんが ^^;)。岬は天道=カブトが東に化けたプレクスワームらを倒すのを見届けるも、カブト資格・装着者は見つけらなかったと報告すると加賀美に告げる。そういう秘密を共有できる信頼関係がここも成立と。田所隊長も情報漏らしたようなんで、田所チームはこれで親カブトで固まったと見ていいのかな。
やれやれ何とかなった、と思ったら、最後に新ライダー登場。これがザビーというわけですか。1人めの資格者は矢車想で、後にキックホッパーとなって地獄兄弟の1人めとなるはずですね。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/05 (Wed) 01:28:02
ガヴとカブトはセットでまとめたいと思うので、今回はシンカリオンとブンブンジャーの感想を。
★シンカリオン
最終回は、煮え切らないビターエンドだな、と感じました。
最終回1話前で、タイセイがビーナを説得するために、自分がメタバース内に駅を構築した理由を、現実の駅が廃棄素材を利用していることに感じ入ったから、という話をしていたので、自分としてはそういう話が伏線として機能していたら……と予想していたわけですが、さにあらず。
結果として、ビーナを破壊して、タイセイは運転士として再起不能。だけど、整備士としてバックアップに回ることを決意して、いなくなったビーナに心で話しかけるという締め方。
最終回1話前の話と、タイセイの内面があまりつながってなくて、最終回になって、ぶっつけ本番でビーナを破壊せざるを得ないという結論に漕ぎつけた。
それを決断させるために、レイジさんが覚悟を見せつけるという流れはありましたが。ええと、あのシーン、「廃棄データの気持ちを誰よりも理解して友達的な親和感を持つレイジが、もう一度敵対するかのように見せかけつつ、人間を守りたいという目的のためなら、友達であろうと破壊するという運転士としての覚悟を示した」ことで、タイセイに甘さを捨てろ、と諭した、と理解。
いや、タイセイが劇中で甘い(優しい)性格で、自分の思いを押しつけるようには振る舞えず、受け身型の(ロボットアニメやヒーローアニメでは珍しい)主人公ということなんですが、「格好いい人とは何か」=「誰かを守る」=「その誰かとは自分にとって大切な人」というところまで来て、そこでビーナの質問が来るわけですね。
「大切なAIデータ」と「見ず知らずの人間」のどっちを守るのか?
ここで、こんな質問を投げかけたビーナに、タイセイがブチ切れる、と。たとえ、見ず知らずだろうと人間を害するようなことをするなら、いくらビーナでも許せない! と。
つまり、AIやメタバース上のデータよりも、人間を守るという決断をしたために、ビーナを破壊するという結末になって、それがタイセイの心も破壊したと受け止められるエンディング。
グランクロスの使いすぎが、タイセイを再起不能にした、という顛末ですが、この再起不能というのがよく分からない。
肉体的に傷ついたわけではなさそうだし、「適性値の消耗が激しくて運転士の条件を満たせない」と考えるべきでしょうけど、この適性値というのが劇中描写で結構、曖昧でしたからね。
前作までは「鉄分に基づく適合率」という言葉を使ってましたが、それについては「鉄道好きほど高い数値が出る」「大人になると減少するので、何かに夢中になれる小学生の方が運転士向き」「大人でも、鉄道好きのマニアックな人間は適合率が高い」「また、適合率が多少低くても、機械制御の大きい武装過多な機体は乗りこなせる」「適合率が低い場合は、機体の運動性能が大きく下がって鈍重になる」などなど、劇中での描写が細かかったな、と記憶。
それに比べると、本作の適性値は、「何か悩みを抱えると下がって、悩みが解消すると上がるメンタル的な要素」と推察できるのですが、シンカリオン好きだから上がるというわけでもない(序盤のリョータのドラマで、前作までとの設定の違いが明確)。
ドラマとしては、中高生の悩みが解決して、戦う覚悟が固まると適性値アップ。後は、仲間との気持ちの一致で、SRG値の条件が満たされる、といったところですね。
今作の適性値は、その回その回のドラマに合わせて、曖昧に処理された設定で、前作ほどの整合性には欠けている、と。
で、最終回のタイセイは、ビーナを自ら破壊するというショッキングな行為によって、運転士を続けるモチベーションそのものが消えたということも考えられます。
鉄道好きだけど、ロボット好きでもなくてシンカリオン自体にこだわりがあるわけでもない。第1話の時点では、たまたま行方不明の姉を探すという動機と、適性値が高いという条件が認められたので、行方不明のレイジ以来の運転士に選ばれたけれど、実のところ、従来のシンカリオン好きなのはリョータの方だったという。
で、タイセイらしさは「優しさ」「包容力」なので、そういう主人公の良さを引き出すためには、最後は「破壊と、AIとの決別」ではなくて、ビーナの突きつけた二者択一の問いかけに対して、
同じブチ切れるにしても、「そんなのどっちかを選べるわけないだろう!? 廃棄データの気持ちも、見ず知らずの人も、みんな守れる格好いい人になりたい。だけど、ビーナがいないと廃棄データの気持ちなんて分からないだろう? 人もAIも一人一人じゃできることなんて限られているんだ。だから、ビーナだって一人で抱え込まずに、ぼくたちのところに帰って来たらいいだろう? ボクだって、姉さんだって、レイジさんだって、みんなビーナを助けてくれる。うじうじするなって、いつも言ってただろう? ビーナがいろいろ教えてくれたから、ぼくは勇気を出して、みんなとここまで来れたんだ。だから、人と廃棄データの架け橋になるためにも、ぼくたちにはビーナが必要なんだ。帰って来い!」
これぐらいの自己主張ができてこそ、自分はタイセイを格好いい主人公と認定できたと思う。
だけど、正気を戻したビーナに「タイセイ、お願いだから私を壊して」と言われたから、それに従って破壊しました、じゃ、最後まで主体性を持たないまま終わったな、と。
自分はビーナというナビAIが好きではなかったし、子守りAIから卒業して新たな未来を考えようというモリトと同じような筋書きがテーマとして、最終回もその路線を狙ったのかもしれないけど、
結局、二番煎じの繰り返しだし、この手のストーリーで結局、人とAIは共存できない存在でした、と決別エンドを描いてちゃ、「未来につながる進化」がキャッチフレーズだったシンカリオンの原点を否定することにもなっている、と。「AIとはつながらずに、断絶して破壊して終わりました」というオチですからね。
で、終盤がどうしてこう、うまくつながらない話になったか理由をあれこれ考えていたら、36話以降、毎回、脚本家が違う人だ。
シリーズ構成を担当した梅原英司さんは、最終回と、それ以前は35話とか、レイジ絡みの過去の背景語りを中心に話を紡いで来たわけですが、38話の窪山阿佐子さんとは作風が違う。
窪山さんは今作だと、キャラの繊細な心情を描写するのが得意な人で、割と絆でつなげる系の人。
一方、メインライターの梅原さんは、ハード系のドラマとシビアな裏設定の種明かし的な回を担当。
で、全体を通して、自分が好きな回は石橋大助脚本で、この人は従来のシンカリオンからの続投で、今作の副シリーズ構成の人でもある。主にリョータとモリトの回を担当していて、ある意味、タイセイよりも、この人の書くキャラの方がヒーロー話してますね。
まあ、石橋さんは特撮戦隊ものでも書いてたから、納得なんですけど。なお、イドを壊して、モリトにショックを与えたのもこの人で、その次の回のモリト復活のアフターケアをしたのが窪山さんです。
窪山さんは壊れた想いや絆の修復担当って感じですな。
ともあれ、メインライターの梅原さんが9話しか書いてなくて、主にタイセイとイナとレイジの担当。それ以外のキャラは他の脚本家に任せがちで、
さらにタイセイとレイジの関係性なんかを書く間がなかったから、最終回に無理やり詰め込んだ形ですね。
ただ、タイセイのキャラ像なんかは、その優しさを窪山さんが表現していて、リョータとの関係性なんかを石橋さんが表現していたので、最終回を書いたメインライターの人があまりにもタイセイを描いていなかったものだから(もっぱらイナの方に視点が集中していた節がある)、最終回がタイセイらしくないブチ切れ方をして、繊細な彼っぽさを熱血ロボパイロットの文脈で描いて、崩してしまう(唐突に覚醒して必殺技を撃ち放つ)ところがある。
ともあれ、タイセイというロボット物主人公としては変化球的な、自己主張力の弱い優柔不断内気キャラの姉探しと、子守りロボからの決別と、再出発を描いた物語のちょっぴり苦い幕引きでした。
なお、ロボット物としては、SRG合体やグランクロスという必殺技の見せ場が少ないことと、玩具で紹介していたガンマ機とツクモおよびヤマちゃんの合体が登場しなくて残念かな。
ツクモとヤマちゃんのロボ戦の見せ場が登場回を除けば、ほぼないし。
・ツクモ機:海上で強いシンカリオン。だけど、海で戦う回は、彼の登場回のみで、せっかくの機体性能を十分に発揮できたとは思えない。
・ヤマちゃん機:得物の大きさでパワフルなバトルと、漢字背景の大技が特徴のシンカリオン。画面上で登場したら非常にインパクトあるんだけど、SRG合体でさらにパワーを発揮する姿が見たかった。
まあ、タイセイが出撃不能だった際に、ガンマ先輩とリョータ、アカネがSRG合体したのが、ロボ物としては当たり回になるのかな。
ともあれ、メインライターが主人公を魅力的に描き損ねたために(ハードシリアスな裏設定の方に重点を置いたせい)、主人公の成長ドラマとして見ると、減点になるけど、
他のライターさんが群像劇としてヴァリエーション豊かに話を盛り上げてくれたので、お気に入りのサブキャラの活躍を楽しめたな、と。
レギュラーとしてはリョータとガンマ先輩が好みで、後はシオンとヤマちゃんが出るたびに楽しめた。
メタバースについては、便利な舞台装置以上の掘り下げがなかったので、「世界を変える」というタイトルから想像するほどのヴァーチャルワールド的な話にならなかったのが残念。
不満のあれこれはあるけど、ここでの話題としては楽しめた点が、作り手および話し相手の人に、いろいろ感謝を表明しつつ。
PS.長くなったので、ブンブンジャーも次回に回します。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/05 (Wed) 08:16:44
ブンブンジャー感想です。
こういう連続ドラマで、最終回の1話前が一番面白く盛り上がるという考えですが、今回はまさにその通りで、終盤の(ブンドリオ死亡回=44話)からの重い雰囲気を一気に覆す爆上っぷりでした。
脚本は43話から一貫してメインライターの冨岡さんで、ストーリーの流れが全くブレずに、計算どおりにつながっている。アニメとの制作体制の違いもあるのでしょうが、シンカリオン1期はメインライターの下山健人さんが全76話中、57話という膨大な数を書いて、首尾一貫性が非常に高い。
下山さんは、同じ2018年に仮面ライダージオウのメインライターも担当していて、49話中28本と、完全にフル稼働ですな。数をこなせばいいってものではないですけど、質と量の両方で周りを圧倒するのは、創作界隈で非常に重要な資質で、後に代表作が語られる要因ともなる。
で、ブンブンの冨岡さんは特撮初担当ってことで、アニメ畑の人がどんな作風で通すかと見ていたら、雑誌インタビューで「ブンブンジャーは必殺シリーズを意識してる」という発言で、自分の心をつかんだり(笑)。
元締め大也がその大物フィクサーぶりで、若手の仕事人をスカウトするところから始まって、メンバーに「◯◯屋」の通称を与えるという形式から始まって、チームはヒーロー活動に際してまとまっているけど、普段はそれぞれの仕事(表稼業)に従事している。
ただし、ヒーロー活動は当初、秘密の裏稼業でしたが、開始4話で社会にも認知されるようになる(序盤はここまで冨岡さん)。
その後は、調達屋加入とマッドレックスとの最初の決戦(8話と9話)、内藤の甥っ子くんを助ける話(11話)、始末屋登場編(16話から18話)、調達屋離脱編(26話から29話)、調達屋帰還からディスレースとの決着編とシャーシロの偽物が出てくる回まで(34話から37話)、スピンドー地球に到着(39話)、そして海賊来訪からここまで(43話以降すべて)で、全48話中25話を担当。あとは夏の劇場版ですね。
ここまでの流れを見ていると、最初の桃赤青のキャラクター3人を紹介して、自分のハンドルを握るというテーマと、人々に公開された陽性ヒーローであることを強調して、反逆者の物語である前作との違いをプッシュ。
これで必殺風味? と思ってたら、調達屋と始末屋という外部のキャラの加入で、おお、必殺っぽさを出して来たかな、と。警察屋の錠については、名前が必殺っぽい(仕置人に棺桶屋の錠というキャラがいる)とか思いながら、彼は子供ウケしそうな分かりやすい熱血コミカルヒーロー枠で、冨岡さん担当じゃない。
錠の担当は主に、山口宏さんで、分かりやすいヒーロー話を書いてくれる。ブンブンジャーの特殊性を強調したのがメインライターの冨岡さんで、普遍的なヒーロー色を示したのが山口さん(6話分)で、どちらもアニメ脚本家としてはベテランの人たち。
まあ、裏と表の両輪があって、そこにサンシタ担当回の多い樋口達人さん(7話分)がコミカル面を強調しつつ、さらに他の方々が本作のバリエーション(爆上陽性ヒーローっぽさ)を高めて行った、と。
で、本作の終盤は、それらの流れを踏まえつつ、いかにも必殺っぽい反逆者の物語にシフトしていく流れ。
必殺シリーズで一番近いのが3作めの助け人だと思っていますが、途中までが表看板の助け人を掲げながら、誰かの泣き声を聞いたときには殺しも行う裏稼業の助け人に転じる。
で、途中(2クールめ終わり頃)で裏稼業の助け人の正体が奉行所にバレて、チーム解散……した後に(普通はこれで最終回だけど)、それでも旅に出た元締めのいなくなった後も、奉行所の目を逃れて裏稼業を続ける面々の残り1クールの話がハードで、この作風の転換がブンブンジャーの年始の展開にかぶっていいなあ、と。
もう、世界公認の陽性爆上ヒーローが、裏切って敵と手を結んだ体制側の情報操作で世界の敵認定され、しかもチームの要となる仲間の殺害も含めてどんどん追いつめられていく流れからの、いかに逆転するかの流れは、実にお見事というか、シリーズ構成がしっかり仕事していて、バラエティに富んだ多くの脚本家(参加人数6人)のまいた伏線めいたものもしっかり回収していて、バラバラだけど1本の筋が通っている本作(これがブンブンジャーだ)を体現していたな、と。
前作が高野水登さんがほぼ一人で書いていた話で、途中でいろいろダレて迷走していたイメージもあって、それでも戦隊に新しい風を吹き込ませた作品。
メインライターの仕事は、自分で起承転結を付けることで、前作は起承転結をの中にいくつもの転々転々を繰り返して、マンネリとは違う話題作りをしながら、王道をいかに外しながら、最後は王道に至る、という変化球ながらも豪速球な作品。
で、ブンブンジャーの場合は、王道的な安心感を維持しつつ(それには未来と錠の功績が大きい)、フィクサー大也と、スパイのシャーシロと、裏稼業的なオレンジおよびバイオレットのそれぞれの過去で、裏ある面々の合流と離脱と再合流などを経ながらの緊迫感が、最後はバラバラでも自分のハンドルを持って自立した戦士の集合体だから、それぞれの役割をしっかり果たして、最後にまとまる爽快さに帰結したな、と。
一方、敵のスピンドーたちはある意味、組織の利害に基づき、裏から他人を操ろうとして、他者の尊厳を踏みにじろうとする連中。
組織のトップとして、体制側が愚民を煽動して、収奪を図るという方向性で悪というものを描いたわけですが(破壊ではなくて支配と収奪が目的という点でリアル)、他人のハンドルを握ろうとして自分のハンドルがおろそかとか、組織の論理では想定できない自立した個人の反抗という局面に対して、想定外の面があったとか、
実に語り甲斐のある逆転劇だなあ、と。
K.Kさんがその辺の詳細を語って下さったので、ここで繰り返したりはしませんが、バラバラのエピソードというものがうまくつながったパズルの完成するような感覚は、非常に快感を覚えますね。
お巡りさんとチンピラ小悪党という相容れない間柄だったのが、誇りをもって組織を離脱した者同士として、共に何かを守るという関係性を紡ぎ上げたのは、おお、そう来たか、と感心しきり。
サンシタを仲間にするのは、玄蕃か先斗だと思ってたら、彼らは種を蒔いただけで、一番接点のない錠だったうえ、それでも互いの心意気で通じ合ったドラマに結実した感。
そして、どちらも子どもたちに人気のコミカル要素や、分かりやすい熱血さを持ち合わせているわけで。
で、ここまで来ると、ブンドリオ復活の溜めというかお膳立てが整った。
やはり、地球人の応援する声というのが、ブンブンを起動するキーだと思うので、はだかの王様の子どもたちの真実が、妙に空気を読んで付和雷同に流されやすい人たちの目を覚まさせてやって欲しいな、と。
後は、未来がビッグバングランプリのオーナーとして、仮にも認められたことで、ラストは彼女が大也に替わるスポンサーとして、ブンブンジャーのリーダー格になる出世物語かな、とも思いますね。
大也の資産はシャーシロが取り戻してくれたとしても、地球単位。しかし、BBGの開催権は宇宙規模の大イベントなので、後のVS物後日譚では、未来オーナーの奮闘記が見られるかな、と期待。
PS.ゴジュウジャー0話については、思ったよりも短い映像だったので、本編とどうつながるかは判断できず。今度のロボのテガソードが、神さまみたいな設定で意志を持ってそうなのは分かったけど、歴代戦隊ロボと共闘して闇と戦う前日譚が、どうTVの流れになるか、TV本編の話とリンクしながら、配信で小出しにされる物語かな、と。
CGで再現された歴代戦隊ロボの共闘は、短い映像でもワクワクできたけど。ドラマ的な感想にはならないな、と。新番組の宣伝には寄与した形。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/06 (Thu) 10:26:01
今回は、手抜きになりますが、自分の特撮掲示板で書いたことの再録で、お茶を濁させてもらいます。あしからず。
★ガヴ
ヴァレンとヴラムの2人と訣別かと思いきや、ヴラムの方が予想よりも話が分かる奴で、きちんと話を聞いてくれた。ヴラムの株価が急上昇ですよ。
しかも、幸果さん曰く、「タケシくんだけじゃなく、大量失踪事件の被害者が全員帰ってきた」とのことで、彼のやらかしが全部リセットされて、罪をきれいにつぐなった形。
こうなると、ラキアの状態が初期のショウマと同じになって……慣れない人間社会で衣食住の確保を考えないとな。特に食。やっぱり幸果さんところに転がり込むのかな。
まあ、OP画面にもしっかり出番が与えられたし、これでオロナミンCの3人め候補として採用可能性が高まった感。
一方、カッと頭に血が上って、ショウマと決別しかけた絆斗が後から冷静さを取り戻して、話を聞こうと反省する様は、話を聞かずに思い込みでこじらせる傾向の大きい2号ライダー界隈にあって、いい奴株が急上昇。
だけど、その前に出現したダークショウマのせいで、事態が混迷。ついにショウマがグラニュートで俺たちを騙していた、と幸果さんに告げ口する。それを聞いた幸果さんの反応は、次回の話に持ち越し。
それ以前に、一度はぴばれに帰って来ていたショウマは、先に幸果さんに事情を説明しようとするも、関係性が壊れることを恐れて、結局、話を持ち出せず、飛び出すことに。
そこで謎の昏睡状態になった原因は、単なる空腹からか。実は前回、ケーキングを使って、エネルギー消耗も激しかったわけだし、幸果さんのところで食べた食事もあまり喉を通らなかったようだし、深い理由はないと思うんだけど、劇中ではダークショウマの行動開始で、ショウマの裏人格か? のミスリーディングにも。
ダークショウマについては、酸賀が採取したショウマの髪の毛から作り出した促成クローン説が妥当だろうけど、そんなに急成長できるものなの? と疑問も残る。
でも、まあ、他に考えられる材料がないからな。
で、ダークショウマを、正体がバレて開き直って凶暴化したショウマの本性と誤認した絆斗が、初変身したビターガヴを見ても「また新しい姿に変わったのか」という反応。まあ、ガヴがいろいろフォームチェンジできるのを知っているゆえの発言。
視聴者視点では偽者と分かる色違い(マフラーやグローブ、ブーツの色が違う)も、本物がフォームチェンジを繰り返していれば、同一人物認定することもあるわな。
まあ、同一人物の色違いを、警察が別個体と認識していたクウガの事例もあったわけで、この本物偽者認定の仕方は、話のネタとしても面白いです。
で、ヴァレンとビターガヴの戦いですが、独特なスタイリッシュ戦法をとる本物ガヴに対して、生まれたばかりのビター君は獣っぽいワイルドな化け物って感じの肉弾戦で、いろいろと猟奇的な動きに見える。
でも、これがヴァレンのケンカ殺法とは釣り合いがとれて、戦う様が実に両者荒々しくて、まるで『サンダ対ガイラ』の悲壮感を思い出した。
そこに介入した通りすがりのヴラム。
面倒なので両方まとめて攻撃するのかな、と思いきや、きちんと偽ガヴだと把握して、ヴァレンを支援する形に、どういうことかと戸惑うヴァレンで続く。
ヴァレンとヴラムの共闘は時間がかかると思いきや、ガヴの偽物を導入することで一気に関係性の修復と改めての構築につながるドラマ運びに感服した次第。
次回、本物ショウマとの共闘で、偽物を共に撃退することで、こじれた関係が修復されて、雨降って地固まる展開?
一方、今回のビターガヴは酸賀の実験に過ぎず、本当の狙いはビターの特質をヴァレンの強化に利用するという噂を耳にしましたが、果たしてどうなることやら。
カブトの方は、新記述ですが手短かに。
★カブト
敵役として登場する沢木さん。
ゲスト出演でも、シリーズの前作品で登場した役者さんが出て来ると、シリーズを追っかけてる視点からの役柄の印象の継続と、相違点がいろいろ気になります。
沢木さんは、神の青年との対話で、人類の可能性を主張する役どころでしたが、
今回の東さんは、思ったよりも小物で、だけどZECTとカブトの対立を描写する重要人物。彼がしっかり印象的に演じたからこそ、次のザビーが敵側2号ライダーのライバルとして、話を盛り立てる流れになるわけですね。
一方で、今作の沢木に相当する役どころとして、いろいろ暗躍しつつ、実は人類のために動いていたことが分かるのが、加賀美陸。
ええと、この役者さんの本田博太郎さんは、必殺シリーズの殺し屋役として印象的だったので、そういう視点で見ていました。
非主水ものの「必殺仕舞人」と続編の「新・必殺仕舞人」で、ヤクザ者の剣士・直次郎の役で、主人公の旅芸人一座の下働き兼用心棒役をやってました。
表ではコミカルな若者だけど、裏ではギロリとした視線が印象的で、キレたら怖いという演出で、居合い抜きで叫びながら相手を仕留める若手熱血漢を怪演してました。
その後も、必殺のスペシャル回で、出演しては殺されるゲスト仕事人とか被害者の役で何度も登場。笑福亭鶴瓶さんらと並ぶ、お馴染みのバイプレイヤーだったりしました。
とにかく、自分にとっては、怪演が目立つ演技派という印象で、それが加賀美陸という役では一転、裏の大物という黒幕演技が印象的……と思いきや、だんだん持ち前の怪演ぶりを発揮して、良い人なのか、悪人なのか、ちっとも分からないけど、何だかセリフ回しも演技も不思議なことばかり言ってて、深みがあるのかないのか全く分からん、という、それでもインパクトだけはものすごくあるという。
息子の加賀美があんなに短絡的ながら真っ直ぐな若者なのに、父親はどうしてこうも胡散臭いんだ、と思いながら、まあ、元々裏稼業の人だから仕方ない、と思ってたのですが(この人も若いときは、加賀美同様のお調子者の熱血漢を演じていて、それがブチ切れて裏の世界に……というキャラだったので)、結果を見てみると、加賀美もだんだん表裏のギャップに苦しみながらもがくキャラになって行く、と。
で、若手の殺し屋が、何だか組織の元締めみたいな地位に登り詰めたのが、加賀美陸なんですが、
この役者さんは、もう一つ90年代に、怪獣もの(平成ガメラ)の斉藤審議官の役で、メガネをかけたエリート官僚の役で出演。イヤミな言動で嫌われ役かな、と思ったら、クールに主人公たちの仕事をバックアップする実直さも持っていて、立場ゆえの冷徹さと、内面の人の良さを上手く演じ分けていたな、と。
主役として目立つ役どころではないけど、役者のタイプとしては、西田敏行さんに匹敵する硬軟取り混ぜた演技のできる人だな、と。
たぶん、Wikipediaで出演作品リストを見ると、その質量に圧倒されるんじゃないでしょうか。
先日の暴れん坊将軍でも、最初に上さまに成敗される悪人役(メイン悪役の父親)として、ふてぶてしい小物っぷり(この矛盾した表現が似合う演技ができる人)を演じてました。
とりあえず、ベテラン俳優の怪演ぶりを見るのも一興かと考えます。
たぶん、今だと、加賀美陸がベルトを身につけて変身しても不思議じゃないと思える存在感なわけで。
作品が違えば、立花のおやっさんに相当する役どころだったんだろうな。でも、本作では死神博士か地獄大使がいい人だったら? という感じの役どころか、と。
PS.今のガヴは、敵サイドの重鎮も若手で、貫禄あるベテラン大物俳優が消えた感。たぶん、予算の問題かな、と思う所存(ゲスト出演、または劇場版なら、たまに出て来るんだけどね)。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/10 (Mon) 23:14:16
定期感想その1です。
●仮面ライダーガヴ(第22話:真実は甘く苦い)
ガヴの配役について「貫禄あるベテラン大物俳優が消えた感」とのご指摘で、自分が序盤で大叔父デンテはいるのに祖父は言及もされないのを気にしていたのを思い出しました。父ブーシュも死んで当主はランゴへ。母子家庭設定で父親不明の絆斗についても、せっかく師匠:塩谷壮士はヒトプレスにされていなくなるし(でも、割れたヒトプレスどうなってるんだろ、下半身はニエルブが持ってたし)。今の流れですっかり忘れてました。
が、再び気になりもすれば、もしやと期待もしたくなったり。キングオージャーでは前半の争乱はチキュー外のダグデドが糸を引いていて、後半ではメインにして真の敵として現れました。ガヴでも死んだと思っていた親~祖父母世代(特にストマック家当主筋)がラスボスとして現れたりしないかなあと。
もっともガッチャードでは家族写真で思わせぶりに顔を隠していた父親は結局は出て来ずでしたんで、そっちのパターン(そもそも配役がいない)というのも充分あり得ます。というか、そっちの可能性が高いんでしょうな。即ち「予算の問題かな」ということで(^^;。
しかし若者だけでジタバタしているガヴのドラマの現状は結構気に入っています。特に今話でようやく大悟した絆斗ですね。もし、例えば師匠格の塩谷壮士が健在だったら、早い段階で適切なアドバイス与えて、ここまでの迷走はなかったかも。しかし自分は迷走があったがゆえに今話の悟りに感動したわけで。
ともかく本編。冒頭は前話のバトルの続きで、ビターガヴ vs ヴラムから。ビターガヴの戦いぶりはどもかく闇雲に襲い掛かる感じ。戦闘に手慣れてるらしいヴラムが透明化も使って(心臓負担のリスクも慣れてきた模様)優勢ですね。そのまま押し切るかの止めの一撃をヴァレンが阻止。
そこは(後で明言されますが)ビターガヴがガヴの偽物と分かってるヴラム/ラキアと見分けがついてないヴァレン/絆斗の差ですな。ビターガヴはこの混乱の隙をついて逃げ出す。それにしても最初の変身では形状すら不安定だったビターガヴを、ダークショウマは急速に使いこなしつつあるような。
絆斗がビターガヴをショウマだと思い込んでると気づいたらしいラキア、「グラニュートだから、あいつ(ラキアが指すのはダークショウマ/偽物だが、絆斗にとってはショウマ本人)を倒そうとしてたんじゃないのか」とぐらつかせる一言を放ってます。戦力外と言ってはいましたが、それでも試してみてるんだろうか。
が、答えを返せない絆斗にラキアは口癖の「だるっ」で去ってしまう。絆斗はようやく「俺にも分かんねえよ」と本音の独り言。前話では幸果にショウマが危険と告げたりしてましたが、ようやく自分の気持ちが分かってないことを自覚してくれましたか。この後の悟りまであと少しです。
ちょっと肩透かしだったのが、前話で倒れたショウマ。原因はお菓子食ってもゴチゾウ吐き出さなかったせいでしたか。何か仕組まれたと思ったんですが、内科的には割と単純な話だったらしい。が、自分の素姓が親しい人に知られていくストレスが原因という点は大事なポイントですね。
しかしそこを掘り下げる間もなく、なんでデンテが倒れたショウマを助け出すことができたかが気になってしまう。案の定、危ない橋でして、ゴチゾウがピンチを知らせてくれたのはいいものの、バレバレの「完璧な変装」でデンテ自ら赴いたと。
これはヤバイってことで、ショウマがスマホでデンテの目撃情報がないか調べると、自分そっくりの奴が暴れているという情報が目に入る。この辺りの運び、上手いですね。1つ1つはよく考えると「アレレ?」になりそうなんですが、それより大ごとを続けて出して、ショウマにも観ているこちらにも気にする暇を与えない。
さらにシーンのつなぎもうまい。ショウマがダークショウマ/ビターガヴの情報を見たスマホから、幸果が見ているスマホへつないでます。これで幸果もショウマの正体(実は観たのは偽物のビターガヴだけど)に気が付いてしまう。変な言い方ですが、流れるように一気に一大事へ発展させてます。そこでOP入って一休み。
OP後、「はぴぱれ」へ飛び込んで来る絆斗ですが、既に結論を出していたらしい幸果が叩きださんばかりに追い出す。ショウマの出自(グラニュート)でショウマの性分(善き隣人)を疑ったのが許せないってことですな。これで絆斗はハタと自分に潜在していた気持ちに気が付くわけですね。
「そうか、俺もあいつ(ショウマ)を信じたいと思ってたんだ」と。その気持ちを持っていながら、意識できなかったんでイラついてしまってたようですね。しかし気付いてしまえば、ここまでのことにすらりと筋が通って分かる。だからショウマは信じていい。
そうと分かった絆斗はショウマを追うわけですが、幸果が先手を取るのがいい感じです。電話でコンタクト取りまして、のっけから「ウマショ―のそっくりさんが」と切り出し、悪さしてるのは偽物と分かってると安心させてくれてます。そして「怖がらないで戻っておいでよ」が幸果のショウマに対する理解の深さを物語ってます。なんでショウマが逃げたか、分かってくれたんですな。
が、ショウマはすぐに戻らず、偽物(ダークショウマ/ビターガヴ)が暴れた現場をたどっていく。やはり、まず偽物を何とかしないと、ということなんでしょうけど、(「はぴぱれ」に戻ってないことから)ショウマがそうすると踏んだ絆斗が追い付いて来ると。前話と全く逆で、気持ちいいくらい歯車が合って行ってます。
そして悪かったと照れくさそうに謝る絆斗に、ショウマは身の上を打ち明ける。おそらくラキアに対して(二度目に)述べたことと同一内容なんでしょうな。ただし、グラニュートの父を持つがゆえの悩み苦しみなどは絆斗に対してだけ語ったんじゃないかと思います。それゆえにショウマは素姓を打ち明けられなかったわけですが、今の絆斗なら理由は分かる。
「俺のせいだよな」ですね。グラニュート即斬と連呼してたんですから、ショウマが打ち明けられるわけがない。それも斬られることが怖いんじゃなく、絆斗から憎まれるのが怖かったからだと。友達(バディ)でいたいと願う人を知らずに拒んでたわけですな、絆斗は。
そこにショウマがラキアに言った「困るとか困らないとか、そういうんじゃないんだ」が効いて来る気がします。冒頭のラキアが台詞「倒そうとしてたんじゃないのか」も、絆斗が意識できない内心の方向とは逆に揺らしたのも、ここへ効いて来てるような(ラキア、そこまで分かってて言ったんだろうか?)。
後でネット評を少し見てみましたら、この和解の流れは急に過ぎるという意見がちらほらありました。それはそれで分かる気もします。ここまでの絆斗&ショウマのドラマのどこに注目していたかで印象が変わるんでしょうな。言い換えれば、もしかすると「刺さる人にだけ刺され」という綱渡りの演出だったのかもしれない。
一方、あくまでも単独行動のラキアは思考で追って行ってますな。前話では言明されなかった点(腹のガヴが黒いからショウマ/ガヴではないと見抜いた等)が今話でははっきり台詞になりまして、さらにニエルブを裏切ったんで、残るつては(酸賀)と現状把握してスムーズに行動していく。
ならばと、ラキアは一度は行ったことがある酸賀邸に赴く。が、どうやら酸賀が一枚上手の感じですね。酸賀は逃げ帰って来たダークショウマ/ビターガヴにたらふく食わせ、その後片づけしてるところにラキア来訪。酸賀は一応はダークショウマを隠すつもりらしく、片付けのゴミ袋をテーブルの下に押し込む。が、ラキアの座っている位置からは丸見え。これは意図してそうしたんでしょう。ラキアに『こいつ(酸賀)、何か隠そうとしているのか?』と思わせるために。
そうしておいて、酸賀はラキアが既にニエルブを裏切っていると言い当てる。当然『どこまで知っている?』と怪しんで問うラキアですが、酸賀はまたものらりくらり。面白いからやってるんだよ、のノリですな。そこはニエルブも似た面があるようですから、ラキアの疑いは何となく流されてしまう感じですね。
その頃、トラックを襲って黒糖かりんとうを食っても満たされなかったらしいダークショウマ/ビターガヴ、次に菓子倉庫を襲いまして黒飴を食ってみるとドンピシャだったらしい。前話では黒くないグミで変身してましたが、ダークショウマと相性がいいお菓子は黒いものの中にあると気が付いたんだろうか。
そこへコンビ復活のショウマ&絆斗が駆けつけましてバトルへ。ダークショウマはようやくビターガヴと名乗りましたな。先にネットに名前が出て、その後で劇中で名乗るのはもう恒例になっちゃったか。それはともかく、ビターガヴの戦闘技術向上が半端ないですな。ガヴのゴチゾウまで使いこなしちゃうし。ガヴ&ヴァレン最強のケーキコンビからの大火力フォームでようやく撃退か。
自分はここで勘違いしまして、「あれ、ビターガヴ倒された?」と思ってしまいました。変身解除したショウマと絆斗を追撃して来ませんでしたので。ガヴ&ヴァレンの決め技でビターガヴ吹き飛ばされたようでもあるし。が、予告映像にビターガヴ出てきますし、冒頭のバトル同様、からくも逃げ出したということでしょうか(次話ではショウマも倒したと勘違いするらしい)。
が、ビターガヴがどうなったかどころでない展開ですね。地下水路に落ちそうになったショウマの手を絆斗が握って助けるわけですが、それでショウマの過去の記憶が一部蘇る。絆斗の母:早恵ですね。ストマック社らしきところで絆斗の母に手を引かれたことは前に思い出してます。その続きですね。おそらく絆斗の母は水に落ちたようです(闇菓子の製造工程のプールか?)。それを幼いショウマは見ていた。
ショウマがそれを絆斗に告げ始めたところで、次回「ブロークンスイーツ」に続く。絆斗の母についてどうなるかは予告映像等からは分からない感じです。ビターガヴが襲来することは映像に出てますが、戦いを面白がってるようですね。変化の流れはちょっと違いますが、ある方向へ発展する感じはゼロワンの暗殺ちゃんを思い出すものがあります。ダークショウマ/ビターガヴも大化けしていくのかなあ。
いつもはブンブンジャーの感想も書いてまとめて投稿してましたが、いったんここでアップします。ブンブンジャーはやはり最終回だけのことはあるし、さらにVシネマへつながる内容もあったりするようで、まだ頭の中でまとまりそうにありません。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/11 (Tue) 22:19:40
定期感想その2です。
●爆上戦隊ブンブンジャー(第48話/最終回:君のハンドル )
こちらで「最終回の1話前が一番面白く盛り上がる」と伺い、自分は「そういう感じ方もあるんだな」と思いました。自分の経験では最終話を観終えて「なるほど、こういうものだったか」と感じ入るもんですから、何となく最終話での盛り上がりが最大と単純に思ってました。
が、「最終回の1話前」を意識して最終回を観ていったら「この流れは前話で期待したことを見せてくれるものになってる」と気付いた次第。期待は既に完了しておりました。ブンブンジャー以外でもおそらくはそうだったんでしょうな。観終えてから湧き上がる気分のみに注意が行ってたんで、今まで気が付けなかったようです。
(「旅行は計画を立てているときが一番楽しい」なんて言われますが、それと似ているのかもしれない。)
前話で期待は完了なんて申しておいてなんですけど、予想してなかった点もいくつかありました。その辺りも(言い訳になりますが ^^;)「期待した通りよりも期待以上を」という期待を裏切らないと言ってもいいのかも。
予想できなかった点、まずはISAの梅栖舞美です。常に常槍本部長に付き従い、調を上手く誤魔化してまして、本心を見せる様子がない。自分は「もしかして梅栖舞美こそが地球側の黒幕?」とすら疑いました。
しかし最後の最後で情報屋:射士郎の依頼/指示で常槍らの策謀を暴くべく活動していたと明かされる。頼んだのは射士郎ですが、引き受けた理由は調のためという点(さらに調には秘すし)、好感度高い。そこが分かった瞬間、今までの梅栖舞美の動きの意味と印象がクルッと気持ちよくひっくり返ってくれます。
その梅栖舞美の活躍により、全て露見して逮捕された常槍の捨て台詞も予想外でした。背後に大きな力が存在しているというものですね。その台詞時点では「そんなこと描いている余裕はないはず」と思いましたが、どうやらVシネマで続編がある模様(まずはキングオージャーとのコラボらしい)。続きがあるなら、どういうものになるか見ものです。
内藤雷汰はいったんはちょっと肩透かしな気がしまして、こちらはちょっとネガティブな予想外になりかけました。予告で甥の千二と共にモニターに見入るカットから「内藤の寝返りか」と期待したんですが、そのシーンは形勢逆転に驚いていただけでした。そこからあっさり逮捕され、最後は留置場の面会室で大也に会っただけ。
ですが、これも続きはVシネマということになりますと、内藤がこの後どうなるか、どうするか分からない。自分としては名前の由来が「ナイトライダー」だと思ってますんで、その名の通りの展開を期待したいところです(とはいえ、悪役ぶりもなかなか良かったなあとも思う)。
ともかく本編。力(ギャーソリン≒悲鳴)を失ったスピンドーを庇ってブンブンジャーの前に立ちはだかるグランツですが、(ブンブンもきっちり出た)OP後はISAの常槍の逮捕から。警察とかまでは抱き込んでなかったわけか。
ハシリヤンと結託の証拠映像があり、しかも既に世界中に流されているとあっては逃げ場はない。このシーンで面白いのは梅栖舞美も逮捕されてる点ですね。観ているこちらへのミスディレクションであり、劇中としては梅栖舞美が徹底的に真の立場(調への協力者)を隠していることになります。
その用心深さはたぶん、常槍が余裕を見せて調に言った「私の後ろにどれだけの力が控えているのか」が理由なのかも。その「力」の持ち主の目につくところでは素姓を明かさないということなんでしょう。
内藤雷汰も逮捕ですが、こちらは表情に余裕なし。おそらく常槍とだけ結託していて、常槍が失脚すれば内藤も観念するしかないということなんでしょうな。ラストで大也と面会のシーンでは、内藤はもうサバサバしているように見えました。
地球側の敵は始末がつきまして、残るはハシリヤンのみ。が、スピンドーに代わって戦う腹心グランツはさすがに強い。そこへサンシーターも駆けつけてきますが、ネットに映像流すためだけなのか。と思ったら、そこが大事だったとは。
決戦の映像に見入る子供たちがブンブンジャーの応援を始め(またも胸が光る)、それが大人たちにも伝わっていくと。それに呼応するかのようにニコーラ姫のペンダントが光り、おそらくはブンブン復活(まだはっきりとは見せない)。
決戦のほうはブンブルーがグランツは自分のハンドル握ってないと言い放つも、それこそがグランツの握りたいハンドルであるらしく、信念がややこしくぶつかってますね。グランツがそこまで忠誠を誓うスピンドーと何があったのか。回想ではいきさつまでは触れられず、スピンオフのVシネマとかで描かれたりするんだろうか(して欲しい)。
信念の勝負はやはり自らハンドル握るブンブンジャーに軍配。ですが、期待通りにラスボス:スピンドー登場。グランツの断末魔が悲鳴を集めるとのことで、ギャーソリン得たスピンドーは力を取り戻すと。ここをどう解釈するかでスピンドーの人物評価が分かれそうな気がします。
スピンドーはグランツを最初から万が一のギャーソリン収集役として拾ったのか否か、グランツは自分の死でスピンドーがギャーソリンを得ることを知っていたのかどうか等々。自分が受けた印象は「腹心グランツすらもスピンドーは利用するつもりで騙していた」といったところ。
完全復活したスピンドーには、やはりブンブンジャーは太刀打ちできない感じですね。まあ、前に惨敗してからパワーアップしたわけでもないし。しかし、今回は信念は曲がらない。スピンドーの求めるものが「悲鳴」ですが、ブンブン戦士に力を与えるのは「歓声」なのかもしれない。まさに、みんなの歓声に応えてブンブンが復活して来るわけなんで。
悲鳴が歓声に変わってはスピンドーも勝つ術なく、一気にブンブンジャー勝利でしたな(さすがに巨大戦はなしか)。が、止めを刺さないのが大也のやり方か。悪行の後始末をし、罪を償ってこい、というわけですね。ブンブンも一緒に証言してやるという(情状酌量を求めてくれるんでしょうな)。
が、さすがはラスボス悪役というべきか、スピンドーは拒絶し、砂と化して消え去る。最後の言葉は「また争いと悲鳴の星(地球)よ」ですか。サイボーグ009の「黒い幽霊(ブラックゴースト」も倒されるとき「人間がいる限り」云々でして、石ノ森作品に共通の悲観論かもしれません。
が、悪人の改心も石ノ森作品に共通でして、こちらはスピンドーは成してくれなかったものの、サンシーターがきっちりやってくれたわけですな。既にハシリヤンとは決別し、決着がつくのを見届けて宇宙へ去る。これからは自分たち(サンシーター)がテッペン取るとの意気込みでして、まあ彼らがテッペンにいる組織・勢力なら平和なもんになるんでしょう。
改心の途上らしいのが内藤雷汰ですね。最初から温和なうわべと冷酷な内面の人間かと思ったら、大也に打ち明けて「ハシリヤンに会って、欲が出たんだよ」と。そして「もう会いに来るな、お互い苦しいだけだ」と結ぶ。自分(内藤)の為したことで苦しむなら、いずれ救いはありそうな感じです。
大也はBBGを目指すわけですか。その下地としてスピンドーからBBGを譲り受けた未来が頑張って改革してくれたようですね。しかし先斗は地球に残ってブンブンジャーを続けるつもりなのか。ハシリヤンも残党はいるでしょうし、地球には常槍の言っていた「背後に大きな力」もある。
それを先斗1人で引き受け、相棒のビュンディーはBBGに行かせるつもり。ビュンディーにブンブンと真っ向勝負させてやりたいんでしょうな。が、ビュンディーは先斗の意に反して地球に残ってくれる。この辺り、期待通りです。念願のBBGを捨てる覚悟を見せてくれるがゆえに感動が生じますな。
上述しましたが、梅栖舞美も最後に種明かし。情報屋/射士郎と組んで、ずっと常槍に腹心の部下のふりをして見張っていたわけですね。ハシリヤンとの取引の証拠映像も梅栖舞美の隠し撮りでしたか。調をもあざむいての危ない橋を渡っての大功績ですが、梅栖舞美のモチベーションは調ということらしい。この辺りも、なかなかに自分のツボです。
そして調はISA本部長就任でしたか。それならブンブン戦士は後を調(組織)と先斗(戦士)に任せ、安心してBBGへ向かうことができますな。が、ニコーラ姫の星の解放や、無実で投獄の玄蕃の父など、宇宙でもやるべきことは残ってると(この数か月で解決してなかったんですか)。
そして大也らがBBG本選に挑戦するところで完。一番最初の願いを叶え、気持ちよく締めくくってくれました。
1年間、感想にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。いつも同じ言いようで恐縮ですが、かなり戦隊シリーズを観てはきたものの未だ知識・理解不足でして、こちらでのご教示が本作視聴にも大変役立ち、より深く面白がることができました。いつも、ありがとうございます。
TVでのリアルタイム初視聴で、ようやく確かに面白いと思えたのがキラメイジャーでした。その頃にようやく目が慣れてきたんだと思います。が、戦隊シリーズとしては異色というか趣向が変わったドンブラザースでまた混乱。
それでもドンブラザースを観続けてみると面白いと思ったんですが、今こちらのローカル局でドンブラ再視聴してみると、初視聴時には目が滑って、いろいろ分かってなかったと実感してます。
自分的にドンブラは「たいそう楽しくて、ちょっぴり物悲しい物語」であるようです。初視聴時にはうっすら感じていたような気がしますが、最後まで一応は分かった今でははっきり感じます。
その辺り、先週は「カブトムシのギィちゃん」を必死に探す桃井タロウ、今週は電話ボックスの幽霊のエピソードがあったことで印象が強まった次第。いずれ桃谷ジロウの故郷の人々の正体の話も出てくると分かってることも大きいかな。
初視聴時にそういうところを浅くしか感じ取れなかったわけで、自分はまだまだだなあと思う次第です。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/12 (Wed) 10:57:01
今回は感想というよりは、K.Kさんへのレスにしぼって。
>「貫禄あるベテラン大物俳優が消えた感」
これについては、単純に見る側の我々が年をとって、大物俳優という感覚も変わって来ている点があるのかもしれませんね。
我々の世代で大物というと、年齢層も50を超えて、60代とか70代とかベテラン俳優となるわけですが、例えば、仮面ライダーWの園咲当主を演じた寺田農さんなんかがいかにも貫禄あるボスキャラを演じてたわけですが、昨年鬼籍に入られましたし、今だと30代や40代の俳優が出て来ても、見ている我々が大物と感じなくなっている可能性がある。
声優面では、特撮でよく声を聞く関智一さんなんか十分大物って感じですし、若い人たちから見たら、我々が立花藤兵衛やムラマツキャップの小林昭二さんを見るようなおやっさん感覚を抱いているのかもしれません。
自分的には90年代のデビュー時から、スパロボを中心に声をよく聞いたジャンル声優(時々役者としても顔見せ)って感じで慣れ親しんでいるのですが、幼少期から接してきた方々ほどの大物感は覚えない。
まあ、個人の世代感覚だけで考えると、大物俳優が次第に減っているのも普通かな。
後は、もちろん番組の司令やおやっさん、あるいは悪の首領なんかに、重鎮が来るのか、それとも若手が来るのか、ですね。
今のライダーだと、おやっさん枠が幸果さんか、デンテおじさんかってところだし。酸賀をおやっさん枠と思っていた時期もありましたが、どうも悪側のマッドサイエンティストで、そのうちボスキャラになる可能性も否めないかも、と思ったり。
戦隊では、ブンドリオと調さんが、いわゆる司令枠でしたね。特に、調さんは最終話でISA本部長に出世して、地球防衛の要にもなるという。
ブンブンの敵キャラは、スピンドーをはじめ、顔出しじゃない着ぐるみ宇宙人が中心で、俳優ではなくて声優の領分ですが、俳優としては常槍本部長や内藤社長が、時代劇における悪代官や悪徳商人みたいな役どころで、それぞれ大物感を示していました。役者の年齢層としては、60年代生まれで60歳前後という十分、大物の域に達していて、芸歴も長いベテラン格。
お二方の経歴で面白いのは、単に役者というだけでなく、かたや放送作家であり、かたや舞台をプロデュースするという多芸な業界人であること。主役という脚光を浴びるポジションではないものの、脇役俳優でありながら自分のハンドルをしっかり握って、ベテランの貫禄を持ち合わせたお二人だった、と。
TVで追いかけていると、それ以外の世界で活躍していても、視野の外になるので、たまに自分が縁して見た作品で印象的な役どころで登場した際に、またどこかで見たときに、おおって感じ入ることもあるのでしょうな。
そういうキャスティングを見出すプロデューサーさんの視点というのも、インタビューなんかで読むのも楽しいですし、内藤さんなんか、中盤までは完全に大也にとってのおやっさん枠で、頼れる大人の後援者を演ってたもんなあ。
大也の若くして富豪というリアリティに欠けた設定も、内藤さんという後援者が指導バックアップした賜物と思えば、説得力を増したし、そこからの裏切り展開で、大也のピンチを盛り上げてくれたし、それでも恩師として刑務所の面会シーンがあったおかげで、大也のドラマも一区切り、と。
自分を育ててくれた恩師が最初から悪人だったのか(だったら大也の人を見る目のなさにもなりますし)、途中で転向したのかは、大也にとって超重要な情報になる。
結果として、ハシリヤンの到来によって野心が芽生えたということで、大也を育てたときは真っ当な人間だったのが道を踏み外してしまったという結論になります。
まあ、道を踏み外しても、それが世を渡る最適解と思い込んで突き進む人間はいるでしょうし、ハシリヤンとの交渉には相応の旨みもあったのも事実。技術提供と、地球の体制には深く関与しないというスピンドーの甘い言葉(破壊や隷従ではなく、現状維持で悲鳴だけ提供すればいいという交渉契約)に乗せられた、と。
地球は悲鳴の星だから、放っておいてもスピンドーは望みの資源を得られるし、その悲鳴を解消する手段さえ講じなければいいという大人の事なかれ主義を貫けば、WinWinというスピンドー戦略は、実に巧妙だな、と。
歴代戦隊のボスキャラでも、非常に合理的な経済戦略が描かれた作品という評価。
で、そういうリアルさを裏支えしたのが、役者以外の道でも経験豊かなベテラン俳優の演技だったという点で、いい作品だったと改めて感じました。
>最終回の1話前が一番面白く盛り上がる
これは、自分の番組視聴体験で、「最終回は当たり外れが大きいので、過剰な期待はしないでおく」という考えに基づきます。
最後のオチがハマれなくて、ガッカリというのが、最近のシンカリオンでもありましたが、その最後にとらわれると、それまでの視聴も損したと感じたり。
こう言っては何ですが、終わり良ければ全て良し……だと、終わりに失敗すれば、自分が作品を楽しんだ過程も全部ダメになるのか、というジレンマもあって、
実際、最後が傑作と言える作品は、良くて4割程度。まあ、半々と考えてもいいかもしれませんが、割合的には以下のとおり。
・最後まで傑作:4割。まあ、最後まで視聴を続けて来れたわけだから、その流れで本当に面白かった、と感じられるものです。
・可もなく不可もなく:3割。これは最後の1話前まででテーマを語り尽くして、最終回は後日端的な後始末とか、何のサプライズもない予定調和で終わって、まあ、普通に満足して終わるもの。
悪く言えば、出涸らしのお茶なんですが、そこまで味わった美味しいお茶なら、出涸らしでも美味しさの余韻で満足できる、と。
・ドンデン返しが合わなかった:3割。これは「可もなく不可もなく」を避けようとして、衝撃的な最終話を描こうとしたり、唐突な打ち切りできれいにまとめられなかったり、不満要素が無視できない大きさを示したときに発生します。
最後の最後で大仕掛けを見せて、しかも前話までの伏線もなく、ちゃぶ台返しで視聴者の悲鳴が響き渡り、スピンドーが喜ぶようなオチ。
まあ、それでも、伝説の最終回として語り伝えられることもあるわけだから(エヴァのTVシリーズとか、ディケイドとか、主人公が死んだり行方不明になる鬱エンドとか)、そこから続編の布石となることもあるし、後から再評価される要因にもなる。
要は最終回は当たり外れが大きいので、そこに至る前の話で、期待は打ち止めにしていようという心構えという奴です。
で、昔の特撮では、最終回の1話前が盛り上がるというのを、仮面ライダーで多く体験しました。
・1号ライダー:最終回1話前で、本郷猛がゲルショッカーの罠で冷凍ガスを受けて変身を途中で止められてピンチのまま続く。
しかし、次の回の冒頭で「ライダー2号を忘れていたな」と唐突に一文字ライダーが乱入。本郷のピンチを救い、ダブルライダーの共闘で敵を撃退し、最後は謎の首領と対面して、唐突にアジトが爆破して、なし崩しにゲルショッカー壊滅。何とか脱出に成功したダブルライダーが、これで世界は平和になった、と宣言。
そして、盟友の滝和也がFBIに帰還するのを見送る幕引き。
なお、仮面ライダーの続編のV3の1話と2話が、通算99話と100話に相当し、新たな敵組織デストロンの襲来で、世界の平和は束の間だったという展開に。
デストロンの新怪人、ハサミジャガーとカメバズーカの2体と戦う流れですが、ダブルライダーのピンチを助けるために家族をデストロンに殺された新主人公の風見史郎が自らの命を張って、死亡。
彼の勇気に報いるために、ダブルライダーが史郎を改造して、仮面ライダーV3が登場しての第1話。
そして、V3という新たな後継者を見届けたダブルライダーが、東京をカメバズーカの体内の原爆から守るために、共に空高くライダージャンプで道連れにし、遠くの海で爆発させたことで、ダブルライダーの話は一旦完結。
・V3:終盤に登場した4号ライダーのライダーマンとのドラマを経て、彼が爆弾ロケットを海上まで操縦して、爆発して散ったのが最終回1話前。ドラマとしては、V3とライダーマンの対立と和解の共闘劇に至る展開が白眉で、最終回は一人残されたV3がデストロンをあっさり壊滅させて、ライダーマンの敵討ちみたいな流れで終了。
まあ、海上に散ったダブルライダーも、劇場版を経て、ライダーマン出現前にTVでもゲスト出演し、中盤過ぎを盛り上げたわけですし、ライダーマンも次の仮面ライダーXの劇場版で復活再登場。
海や空で爆発して行方不明は、後から映画で復活という伝統が始まった、と。
その後も、最終回1話前でドラマが終了。最終回はラスボス倒して、組織を壊滅させて、さよならで終わり。新番組に期待しようって、勢いはあるけど、ドラマ的にはおざなりな予定調和な幕引きが普通でした。
番組の作り手も、頭の中が次の番組の立ち上げでいっぱいで、スタッフの多くも、そっちに取られて、惰性で形式的な最終回を作る、という形が続きましたからね。
それでも、最後を見ないと締めくくらないという儀式的なもので、視聴を続けた作品の4割ほどは大当たりに出会えるという。
まあ、大当たりを狙って、空振り三振という爆下もたまにあるから、普通に予定調和でハッピー気分を味わえるだけでもいいかな、と。
でも、ブンブンジャーは当たりの4割に入ったな、と。
なお、昔の番組は、連続ドラマみたいな最終回にはならず、1話前が日常回で、唐突に非常に密度の濃い最終回で幕引きという作品も多い。
だけど、傑作と称されるのはたいてい、最終回1話前と合わせて、前編後編という形式だったり、終盤が濃密な連続ドラマ風構成になったり、いろいろ。
以上が、自分の最終回論になりますな。
ともあれ、最終回を盛り上げるコツの一つが、第一話と絡めて、テーマ性を再確認しながら、主人公もしくはメインキャラの成長をしっかり描くことになるのでしょうな。
そこの話のつながった感が、最初から追っかけてきたファンの満足感を高める手法の一つと考えます。まあ、他のパターンもあるのですけどね。
主人公とラスボスの人生観の対比とか、ドラマに深みを与える要素もいろいろと感じつつ。
ともあれ、また一つの作品を二人三脚気味に完走できて、達成感や充実感をこちらも覚えています。
昔の見方に浅さを感じるというのは、今を成長できているということでしょうし、一番大事なのは、飽きずに楽しく追いかけられるものがあるってことですから、ここでそういう話ができていることを嬉しく感じています。
その点で、こちらも改めて、感謝表明ということで。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/12 (Wed) 23:20:31
定期感想その3です。
●仮面ライダーカブト(第7話:2号新登場、第8話:怒れる豆腐)
後の地獄兄弟の1人、矢車想登場ですね。もう1人の影山瞬も矢車の部下として登場しますが、今週分では人物像がまだ分からず。矢車のほうは、最初は颯爽と現れるんですが、今週分後半(第8話)では早くも転落の予感が漂っているような。
矢車は「パーフェクトハーモニー」が信条であり口癖でもあるようでして、戦いにおいては集団で規律正しく行動してますな。戦術に沿わない独断を「スタンドプレイ」として嫌い、部下もよく従ってます。矢車が部下を大事にしているため、部下もよく付いて来てくれる。
ですが、「パーフェクトハーモニー」というのがちょっと疑問符つきそうです。誰もスタンドプレイしないということではないような。矢車がチーム(シャドウ)のトップであり最強の戦力(ザビー)として目立つよう、部下を整然と動かしたいように見えます。
AKB48では「センター」と呼ばれるポジションに相当するでしょうか。常にステージの中心にいたいという望みが影山にはありそう。そうなら、独断専行・傍若無人の天道と相性が悪いのは必然ですね。が、今週分の本編の通り、矢車は分が悪く、イライラを募らせていくわけですね。まあ矢車では勝ち目は薄い。なにせ天道は「世界の中心」と嘯いているわけで、ステージの中心とは格が違い過ぎます(^^;。
ともかく本編。前半(第7話)冒頭、田所隊長指揮のゼクトルーパー隊がワームの群れに押されっぱなし(全滅した?)。加賀美が倒れた隊員の武器を拾って立ち向かうも、勝ち目なしのピンチ。そこへ最強精鋭実戦部隊シャドウを率いるザビー/矢車が颯爽と登場、ワームを蹴散らしてくれるわけですね。
変身を解除して姿を現した矢車はいかにも好青年という感じですな。精鋭部隊のリーダーということに驕る様子はなく、田所隊長への態度も礼儀正しい。加賀美へのアドバイスも適度な緊張感を保ってます。態度的に天道と好対照な感じですね。こういうのに加賀美は弱いらしく、一瞬で心酔しちゃったみたいですね(まあ天道に散々振り回されてきたからなあ)。
矢車が別れ際に加賀美に与えたアドバイスは「ワームの行動にも何らかの法則性があるはずだ」で、加賀美はそれを追って行くことになる。矢車も当然、法則性に注意を向けているでしょうな。ちょっと後になりますが、天道もそこを気にしているわけですね。
それを巡って矢車と天道が衝突するのかと思ったら、まずは豆腐の取り合いなんですか。一丁しかない絹ごし豆腐をどちらが買うかで勝負となる。これは後で分かる「法則性=白」をちょっと匂わす演出なんでしょうな。
勝負は豆腐料理対決で判定役はひより。天道の手の込んだ冷奴は矢車のマーボー豆腐に敗れる(もっとも、2人が去ってからひよりが明かすに「あったかいものが好き」だけの理由)。天道は負け惜しみなのか、調和ゆえに際立つものがないと。おそらくこれが矢車が初めて天道にカチンときた瞬間なんでしょうな。
が、この時点ではまだ余裕あり。ワーム(ベルバー)のほうも加賀美が矢車に積極的に協力してますしね。加賀美は矢車に傾倒するにつれ、天道への態度が冷たくなっているようですね。矢車の指示とはいえ、天道に手を引けと面と向かって言う(まあ、心配半ばではあるんですが)。
加賀美はそのままワームの囮となりまして、岬と嘘の結婚式を執り行う。今まで襲われたのが新郎・新婦だからですね。が、天道の読みは違うらしい。「ワームがそんなピンポイント狙うか?」。つまり、そんな賢いわけないと。結局、その通りでありまして、ワームは「白い服」の人間を狙う習性があったわけですね。
この辺り、例えば加賀美の弟:亮に擬態したワーム(ベルクリケタス)は亮の記憶を完全に受け継いで使いこなしてまして、高度の知性を伺わせます。(擬態相手の影響で)結婚式の新郎・新婦を狙ってもおかしくはない。
まあ、そこは天道の観察と直感で「今回のワームはそれほど知能が高くない」と踏んでたんでしょうな。しかし加賀美、さらに矢車の論理的思考では想像が及ばなかったんでしょう。が、これは矢車が劣っているということではないように思います。
論理は面倒で遅いものでありまして、なんとなれば事象を要素ごとに分解し、各要素を分析し、再び統合して全体が何かを理解するから。直感は全体をぱっと見で捉えるものですから速い(ただし、しばしば不正確)。天道の直感が矢車の論理に速度で優ったのは当然であるように思います。
が、矢車はそれが許せない。矢車が真相(ワームの白狙い)に気が付いたのも、天道よりちょっと遅かっただけに、余計に悔しいんでしょうな。それでも先行してバトルに入ったカブトにザビー/矢車は追いつき、カブトに指示を出し、親玉ワームもザビーが倒したことで、矢車としては面目を保ったと思ったんじゃないかな。
その自信でカブトに「行動を共にして欲しい」(≒ZECTに従え)と迫りますが、カブト/天道は「天の道を行く」と素っ気なく拒否。その台詞でカブト=天道と矢車は気が付く。豆腐料理対決でカチンと来た奴だ、というわけですな。
カブト/天道は「1匹取り逃がしたぞ」と警告するも、矢車は誤魔化しだと一蹴。後半(第8話)に入りまして、ZECTに従わないライダーは倒す、とザビーが隊員引き連れて襲い掛かる(これが本来の任務であったらしい)。が、カブトは相手にしない。が、あまりにしつこいと思ったのか、カブトは隊員(影山)に軽く一撃。これは、隊員を大事にする矢車はに対して有効な戦術でして、上手いこと水入りに。
しかし加賀美は怒りおさまらず、天道に食って掛かるも、天道は再びワームが1匹逃げたと警告。しかし加賀美は矢車同様、取り合わない。しかし天道の警告通りであったわけですね。逃げたワームも白狙いだったようで、料理人を襲ったりしてますな。医師も襲われて、こちらは新聞で報じられる(田所隊長は隠匿し損ねと思ったようですが、ZECTの意図的なリークなのかも)。
そんなことが起きているとはまだ知らない加賀美は、ついに矢車指揮下に入りたいと言い出し、田所隊長も認めた模様。矢車について行った加賀美、部下の影山とも会うわけですな。影山は最初は加賀美を疎んじる様子がありましたが(最初の出会いで加賀美が矢車になれなれしかったせい?)、加賀美の矢車への心酔ぶりを見て評価を変えたかな?
が、ワーム生き残りの件が矢車に知らされる。ここから明らかに矢車の様子がおかしくなりますね。加賀美がぱっと見で気が付くほどです。ワームの白狙いに続き、生き残りワームについても天道に出し抜かれた、と矢車は思ったんでしょうな。言い換えれば、自分(矢車)のセンターのポジションを奪う奴が現れた、という不安と焦燥でしょう。
でも、またここで豆腐ネタですか。影山にマーボー豆腐を食わせようと豆腐買いに行ったら売り切れ。天道が樹花のために買い占めちゃってたからですね。悔しかったんでしょうけど、悔しさを表に出せない矢車「こないだ俺に負けた腹いせか」と変な合理化してますな。
しかしまずは逃げたワームですね。また結婚式狙うと見て、矢車のシャドウは配置につく。水も漏らさぬ警備のはずですが、天道が偽神父/牧師(自分には見分け付かないorz)として入り込んじゃってる。さらに天道、入り込んだワームが聖歌隊の1人だと見抜く。矢継ぎ早に矢車が出し抜かれちゃってるわけですね。そのワーム(ベルパー)を倒したのもカブトだし。
これで矢車は完全にブチ切れちゃったみたいですね。「ビストロ・サル」に押しかけ、天道が差し出す豆腐を振り払い、ついにライダー対決へ。今度はカブトも応戦してますね。バトルは一瞬の隙を突いたザビーが止め刺しに行くか、というところで続く。それにしても、クロックアップでの戦いなのに、後で聞いて追った加賀美がよく追いついたもんですね。矢車と天道の舌戦が長かったのかしらん。
それはさておき、矢車が闇堕ちしたかと思うほどの急展開ですが、よく考えるとZECT本部の命令通り(従わないカブトを倒す)ではあることになりましょうか。ですんで、後半ラストの戦いは矢車の落ち度とは受け取られないんでしょな。予習すると、カブトに固執したことで部下を見殺しにしてしまっての失脚になるらしい。今話ラストのようなことが繰り返されるんだろうか。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/14 (Fri) 01:42:31
ブンブンジャーの最終回については、前回の話の中に、感想も交えていたので、今回はガヴとカブトのみ。
★ガヴ
ショウマと絆斗の和解が早すぎると感じた人が多かったのは、それまでの平成・令和のいわゆる2号ライダーが、誤解や思い込みの強さなどで1号ライダーと対立する期間が非常に長かったのと比べてのことじゃないかな、と思います。
前作で言うなら、ガッチャードとヴァルバラドの信念のぶつかり合いとか、終盤までギスギスしてましたし、
その前は、ギーツとタイクーン、バッファの関係がやはりギスギスしていた。あ、カブト(天道)とギーツ、加賀美とタイクーン、矢車とバッファが割とキャラ性が近い感じです。まあ、矢車さんはパーフェクト・ハーモニーと言っていた時期ではなく、後にイメチェンした地獄兄弟の方ですが。
カブトのネタになりますが、矢車さんの転落ぶりが伝説になりますからね。ザビーは2号ライダーのはずなのに、加賀美に立場を奪われますから。
ともあれ、平成・令和を通じて、アギト以降は主役ライダーとサブライダーの対決劇は頻繁で、戦隊と違って、ライダーは複数いても、共闘が基本にはならない。
龍騎はライダー同士の戦いがテーマだったし、それを受け継いだのがギーツになりますか。
響鬼が珍しく、鬼と称されるライダーは一つの組織に所属して、戦わない関係。
カブトは、天道に対する挑戦者が次々と登場してくる流れですな。ザビーに続いて、ドレイク、サソードとライバルライダーが出てきて、天道と競争しながら、それぞれのドラマを見せていく。
続く電王は、モモ・ウラ・キン・リュウの各イマジンが当初、仲が悪く、契約者の良太郎との関係を巡るライバル同士だったところに、2号ライダーのゼロノスが出てきて、この辺から未熟な主人公ライダーを見下す嫌味な2号というのが定番になっていく(元祖は龍騎のナイトだけど)。
そして、キバはイクサこと名護さんが、ファンガイアを仕留めるハンターとして、キバの前に立ちはだかる。独自の立ち位置を持つ主人公に対して、組織に所属して牽制する立場の2号という構図は、アギトとカブトを引き継いだ形ですな。
ディケイドの2号はディエンドで、ダブルの2号はアクセルとか、何らかの形で主人公と対立関係になったり、いけ好かない振る舞いをしつつ、だんだん共闘回数を重ねる流れ。
その中でオーズの伊達さんおよび後藤ちゃんが変身するバースは、珍しく主人公と対立しない2号で、
続くフォーゼのメテオ、ウィザードのビーストも、登場直後は対立することはあっても、それぞれが気の良いキャラで、共闘するのも早かった。ガヴの絆斗も、この辺のキャラを踏襲しているような感じです。
鎧武のバロンは対立期間が長く、ゴーストのスペクター(まこと兄ちゃん)も人の話を聞かないキャラとして語られがち。
一方、ドライブのマッハは、1号のドライブの義弟になるので、割と仲はいいものの、3号になるプロトドライブ改めチェイスや、ロイミュードへの激情でギスギスを生むキャラ。穏和な主人公がクールな3人め(人間ではない)と仲良くなりそうな時に、そいつは信用できないと怒りを向ける2号という構図は今のガヴが踏襲している形。
エグゼイドの2号ブレイブは未熟な主人公を見下すクールタイプ、
ビルドの2号クローズは、逆に天才物理学者の主人公に脳筋バカぶりを揶揄われるも、大事な相棒に昇格するバディヒーロー。
ジオウの2号ゲイツや、ゼロワンの2号バルカンは、主人公と強く対立するタイプ。オウマジオウになる前に奴を倒すとか、ヒューマギアは残らずぶっ潰すとか、この辺の激情っぷりは絆斗にも見られる。
基本的に、2号ライダーに多いのは復讐心が動機になってる系。「あいつ(奴ら)は絶対に許さない」「どうして、そいつの味方をする? そこをどけ。邪魔するなら、お前も敵だ」
他には、組織に忠実な2号が、組織から外れがちな主人公を抑えるために動くとか、先輩戦士の2号が未熟な1号を見下すとかのパターンが見られるか。
前者は生真面目で融通が利かないタイプで、後者はクールなイケメン風だけど破天荒ながら急成長を遂げる主人公に追い抜かれ、そこで悔しさから激情的な面を見せて自分を鍛え直すストイックなタイプ。
って、2号ライダー談義を展開しましたが、キャラクターの関係性がドラマを紡ぐのが面白く、しかもガヴでは面白いぐらいにモノローグで、キャラの本心とか反省が描かれていますね。
人間関係がこじれたり、コミュニケーションが上手く行かないなどのトラブルがあった際に、主人公側は必ずと言っていいほど一人で煩悶するシーンが描かれて、その辺に感情移入させるように見せてくる。
「あちゃあ。正直に打ち明けたら良かったのに、言えなかったよ。どうしよう」と、ショウマは自分のミスを口に出して嘆くし、主人公側はどのキャラも正直に、しかも自分のミスを自覚しながら反省する。そこで、人を責めるようなことを言わない。
一方、敵サイドは、しれっと嘘をついて、しかも相手を責める。ストマック社の兄弟談義のシーンとか、独特のギスギス感があって、それはそれで面白いわけですが、主人公側とのいい対比ですな。
なお、ラキアはラーゲ9時代はいろいろと嘘をつきまくりの敵役モードでしたが、だんだんショウマに感化されたようで、一人になったときのモノローグで正直に思っていることを語りながら、反省するシーンが増えてきて、口癖の「ダルッ」もニュアンスが変わって来た感です。
ラーゲ9時代は、コミュニケーションを拒絶する意味合いが強い感じでしたが、絆斗がショウマの偽者を看破できてないと知ったシーンでの「ダルッ」は、「お前、どうしてこんなのに引っ掛かってんだ。バカかよ」って感じのガッカリ感を漂わせたニュアンス。
ラキアはショウマをやや尊敬し始めて(自分が倒せないグロッタを撤退に追い込むほどの強さを示したし)、一方の絆斗に対してはまだ信頼する材料がない。
でも、ショウマと絆斗の関係が修復されたら、ラキアの心情がどう動くかは面白そうです。
男女の恋愛ドラマではないですが、男同士の信頼のベクトルがどう動くかの展開ですからね。
一方、幸果さんは、迷いつつも、本当にブレずに良い保護者を維持してますな。
次回予告では、ショウマのゴチゾウを可愛いと愛でてるシーンもあって、ようやくライダーとかグラニュートの世界に深く入っていく流れですか。
絆斗がヴァレンであることも知るのかな。
で、仮面ライダーのパトロン枠としての立ち位置になるなら、ラキアとも知り合う日も近い?
人間関係がどこまで成立して、絡みが楽しくなるかを期待したく。
★カブト
そして、加賀美視点で、天道と矢車の対立劇を見ながら、話がどう転がるか、ですな。
次回は、加賀美にとっても大きな転機です。加賀美がとうとう2号ライダーに変身して、準主人公としての面目躍如の回ですから。
自身のエゴに負けて、組織の調和を見失った矢車が転落して、組織の理念を示した加賀美がようやくつかんだ仮面ライダーの道。
さらにウルトラマン(ネクサス)に変身した経験もある影山が、今度は仮面ライダーに、という快挙。
これで戦隊ヒーローに変身したら三冠達成なんですが。
なお、矢車さんは後に戦隊のゴーオンジャーの追加戦士ゴーオンゴールドになったりして、後はウルトラマンに変身すればいいわけですが。
今のところ、戦隊、ライダー、ウルトラに全部変身した人は、ケイン・コスギ、谷口賢志の2人だけ。どれか2つなら結構いるのに。
参考までにXポスト。
https://x.com/rikunaki1218/status/1596487016631267328
ともあれ、カブトに登場するライダーの中で一番変身者の多いのがザビーで、4人の変身者がいることになる。
以前、アギトの翔一くんがG3Xを装着したり、龍騎の真司がTVスペシャルでナイトになったり、ファイズではいろいろなキャラがファイズやカイザ、デルタになって、本来の装着者じゃないキャラが変身するレアライダーがいたわけですが(後に、キバのイクサも装着者が多いライダー。最近はドレッドが使い回し率の高いライダーでした)、
ザビー→キックホッパーと1番組で、違うライダーに転向するキャラも珍しいです。
ザビー伝説と、矢車伝説の盛り上がりが次回のトピックかな。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/17 (Mon) 15:30:28
定期感想その1です。
●仮面ライダーガヴ(第23話:ブロークンスイーツ)
今話はいろいろ問題発生を含めて、仕込み回という感じかなと。その中でも、せっかく「お前(ショウマ)を信じる」と言った絆斗が、蘇ったショウマの記憶を聞き、理屈では分かっていても気持ちがついて行かないドラマに感じ入りました。上手く行ったと思った途端に壊してくる脚本と申しますか、テンションの落差が大きくて好きです。
そうやってショウマと絆斗に距離を置かせておいて、ガヴ/ショウマとヴラム/ラキアが共闘するとどうなるかを見せてくれるのが上手いところです。息が合わないわけですね。そうなると、そこにいないはずの絆斗/ヴァレンが「やはり相棒は」という感じで際立ってきます。
ダークショウマ/ビターガヴについても素姓がかなり明かされましたな。ショウマのクローンと考えて間違いなさそうで、それゆえいくらでも作り出せるようですね。作った人物は明かされてませんが(ショウマらが追う謎)、髪の毛採取や前話でダークショウマを匿う様子、今話でのとぼけぶりから酸賀で間違いなさそう。
仕込みかどうかは分かりませんが、ようやくショウマの祖父(デンテの兄)ゾンブが回想で語られまして、ストマック家の輪郭くらいは見えだした感じです。自分は先代当主ブーシュ(父)が先々代当主(祖父)に何かして地位を奪ったんじゃないかと勘繰ってたんですが、そこは明かされず。というか、大叔父デンテって商売に興味なくて家出しちゃったから経緯知らないのか。知ってて何か隠してるのかと邪推してました。
ともかく本編。冒頭は何とかビターガヴ(1体め)を倒した続きから。地下水路に落ちかけたショウマの記憶が一部回復したものの、それが問題の種に。なにせ絆斗の母(早恵)のことを思い出しちゃったわけで。ストマック社内で迷子になった幼いショウマ、さらわれたものの脱出を試みていた絆斗の母と遭遇していたわけですね。
絆斗の母はショウマもさらわれたと思い、ショウマの母を救おうと危険を顧みず一緒に探そうとする。闇菓子のことを知らないショウマ、ちょっと混乱してしまってうまく説明できなかったのが運が悪かった。絆斗の母は捕まっていた場所に戻り、ショウマの母を探そうとするも、もちろんそこにいるわけがない。
そこへランゴがやって来てしまうわけですね。ショウマの母はショウマの正体(ストマック家の者)に驚いて動きが止まり、易々ととらえられて闇菓子の材料に。「スパイス」は人間を何かの液体に溶かす加工のようです。それで水に落ちかけたときに思い出したわけか。
(この時点で既にグラニュートが人間に化ける技術があり、しかしヒトプレスは未開発ということは明示されたわけですね。大叔父デンテはヒトプレスには関わってなさそう。)
聞いた絆斗はショウマに責がないことは理解する。幼く無力なときだし、闇菓子について知らなかったし。しかし、絆斗の気持ちはついて行かないわけですね。「母(早恵)がショウマに出会ってなければ」と思ってしまう。分かっちゃいるけど「(ショウマとは)無理」という、つらい心境ですな。かくして絆斗はショウマと離れる。
しかし絆斗は母の死を確認しても、戦い続けるつもりらしい。今頼れるのは酸賀だけ、ということで酸賀邸を訪れ、ビターガヴを倒したことを告げる。おそらくはビターガヴを作った酸賀、「ああそうか、もう倒しちゃったか」と。何となく「予定より早かったな」と思ったような印象を受けます。
たぶん酸賀は、絆斗がビターガヴに手こずって助けを求めに来ると思ってたんじゃなかろうか。そのために「新しい変身アイテム」を用意してたんでしょう。このアイテムは今話では使われず、次話でヴァレン強化のお披露目となるようですね。
一方、ショウマは「はぴぱれ」に戻る。もう幸果に隠し立てはしないわけですね。ただし上述の絆斗との間に起こったことはどこまで話したかは分からない。しかし自分(ショウマ)の素姓を説明した。聞いた幸果はショウマの身の上に同情し、ランゲらストマック家の者とは全く別と分かってくれた模様。
こちらで年配役者さんの話で「おやっさん」について少し伺ったわけですが、幸果の立ち位置がちょっと「おやっさん」に近づいた気がします。幸果はショウマに「うちにどうして欲しい?」と尋ね、ショウマがずっとここ(はぴぱれ)にいたいと答えると喜んでくれる。そして、ストマック社/家との戦いを一般人としてサポートすると。一緒に危地に飛び込んでくれるわけですな。
かくしてショウマの風向きが良くなり始めた頃、絆斗は危うい方向に知らず知らず向かっちゃったみたいですね。旧友の拳谷加太郎と会い、焼き肉店で語り合うも、どうやら店の主人がグラニュートらしい。拳谷の「モンスターってまだ探してんの」に反応、絆斗が帰ると拳谷に接触、金をちらつかせて情報を求める。これに拳谷がどう反応したかが、次話の流れを決めるポイントになりそうです。
ショウマのほうも絆斗がいないなら、頼れるのはまずはラキアですね。しかしラキアはもうストマック社にアクセスできませんので、いろいろ知ってるはずのデンテのところへ連れて行くと。が、闇菓子作った張本人ですからラキアとは相性悪い。今回はショウマの体調不良によるアクシデントで水入りとなりましたが、この先は危うそうですな。
そこからデンテが闇菓子の経緯を語るわけですが、あまりにも悪びれないのが観ていて気になります。まあ、だからこそ何でも隠さず語ってくれるわけですが。もっとも、デンテも「スパイス」の正体については知らされずに闇菓子を開発したみたいですね。
後で中毒性・依存性に気が付いたようですが、人間から作ってることはいつ知ったんだろう(もしかして、今もよく分かってない?)。ともかくもデンテは闇菓子商売にのめり込む兄ゾンブに嫌気がさし、逃げ出してしまったと。
ただし、後のことはニエルブに任せたと言ってますんで、ニエルブの成人後までストマック家/社に残ってたはずですね。となると、ニエルブはラキアにヴラムを与えたわけですが、弟コメルの死に関わった可能性が出てきますな。この辺り、ラキアはポーカーフェイスでして、どう考えたかは今話時点ではよく分かりません。ショウマのほうは自分の双子とかいないことは聞けたらしい(後のシーンより)。
そして今話終盤で問題が同時多発ですね。絆斗には拳谷から「モンスター見つけたかも」と連絡が入り、向かおうとする絆斗の目の前にダークショウマ出現。拳谷が危ういと見た絆斗はどこかへ連絡を入れてから拳谷のもとへ向かう。
絆斗が連絡した先は幸果だったようですね。ショウマに直接言わないところが今の亀裂を物語ってます。そこは幸果も把握しているようで(ショウマが語ったのか、絆斗が言ったのか、幸果が察したのか、よく分からない)、SNSで見たとか誤魔化してますな。
ともかくもショウマ&ラキアが現場に駆け付け、変身して対処開始。しかし、今回のダークショウマ/ビターガヴは前回とは別人で、厄介なことに強くなっているらしい。ただし口が軽いようで「何人もいるの」とネタバレしてますな。ただしダークショウマを作った「ご主人様」については明かさない。そこも次話のポイントになるんでしょうな。
バトルとなりますが、ここでガヴ/ショウマとヴラム/ラキアの息の合わなさが露呈。もともと戦術が異なるうえ、戦略として守るか(ガヴ)勝つか(ヴラム)が違ってる。このため、戦いがギクシャクしてしまってますな。特にガヴ/ショウマが迷走してる感じです。守ると言いながら、その場の人間をヴラムに任せ、自分(ガヴ)はビターガヴを追って行ってしまう。
次回「復活のアイスひとさじ」 では、絆斗が捕まるも(拳谷の裏切り確定?)今話の酸賀の新アイテムで何か起こるらしい(新フォーム?)。ガヴのほうも幸果に貰ったアイスで新フォームらしい。前にグロッタに鎧袖一触でしたから、ガヴ側が強化する頃合いなんでしょうな。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第1話:救世主ナンバーワン!)
ブンブンジャーロスが治まらないまま観始めまして、しかしOP後のCMはまだブンブンジャーでちょっと嬉しかったり。ですが、まさかCM中の先斗の台詞「カオスだなあ!」がゴジュウジャーの内容を言い当てているとは(^^;。
第1話ですから目を引き付ける趣向メインなのかもしれません。本編中の堤なつめ(主人公のバイト仲間)が「ブンブンジャーの大也に似てる?」と思ったら、まさかのご本人(井内悠陽さん)だったとは。ブンレッドなのにクワガタオージャーに変身してまして、これは混乱してしまいます(ネット評でも、そう言われてた)。
(主人公の下宿の主が必殺の渡辺さんちのふくさん(中越典子さん)ですが、さすがにこちらは混乱のもととはならず。)
バトルの舞台もリングの演出が出てきたと思ったら、学生服の応援団が現れてとか、なんだか支離滅裂に近い。今のところは「なんだこれ?」で目が釘付けですが、観なおしてみるとバトルとしてきちんと成立しているように思えます。たぶんギリギリのバランス計算で作ってあるんじゃなかろうか。
そういう作風のようですんで、いつものようにあらすじに沿って感想言えるかどうか自信がなくなってきますが、ともかく本編。冒頭はネットでも見た前史とでもいうべきもので、巨大ロボットが失われたいきさつですね。闇を打ち払いはしたものの、「ロボの墓場」で眠りについたと。その眠りを覚ますのが本作のミッションなんでしょうな。35周年のゴーカイジャーの「敵を破って失われた、スーパー戦隊全ての力」と同じようなものなんでしょう。つまり歴代戦隊へのリスペクト。
そこまでは王道な感じなんですが、主人公がコンビニバイトで登場してからがカオス。強盗をジャンボフランクで撃退してクビになり、と説明しても意味不明になりそう。前作の主人公と全く逆で、仕事が続かず常に金に困ってる主人公:遠野吠みたいですね。1階が西部劇の酒場風の下宿館の住人で、家賃の支払いは滞ってるらしい。
が、管理人の家族とは仲がよさそうで簡単に追い出されたりしそうにない点はちょっと安心。どうして仲がいいかを示唆するシーンがありまして、前に揉めたらしいチンピラが徒党を組んで仕返しに来る。遠野吠は最初は相手にしないものの、チンピラが管理人と息子に危害を加えると言うと、黙って殴られてやったりする。この辺りはドンブラザーズの桃井タロウを思い出すものがあります。
さらにバイト仲間の堤なつめが心配しておごってくれたハンバーガー代250円は返すつもりでいるらしい。外見は目つき悪く無頼風でありながら、人情熱く義理堅いらしい。この250円は結局工面することができず、陶器のぶたの貯金箱(コツコツ貯める理由があると示唆?)を割って返すことになるわけですな。
敵は説明抜きに出てきまして、「慈愛のブーケ」が管理するバトルに出場者「ブライダン 特攻隊長ファイヤキャンドル」が巨大ロボで地上に侵攻して来ると。バトルの目的はタイトル通りに「救世主ナンバーワン」になることらしいんですが、そのための争点「破滅の指輪」がある、くらいしか分からんかったorz。指輪は並みの者(敵戦闘隊長程度)では使うことができないみたいですね。
が、どうやら主人公:遠野吠には扱えるらしい。いったん死んだ/死にかけたお蔭なのか、それとも生来の資質なのか(冒頭の巨大ロボ/テガソードに選ばれてた感じだし)。その「破滅の指輪」は「センタイリング」なる戦隊戦士になれるアイテムシリーズの1つみたいですね。バイト仲間の堤なつめがクワガタオージャーになれるリングを持っており、それでファイヤキャンドル部隊迎撃を試みてました。
ただし、指輪を持つ資格は「願い」であるらしい。主人公:遠野吠は幼少時に絶望することがあった模様で、そのせいで願いを持たなくなったようですね。しかし、願いを探すことでも認められるらしく、遠野吠はゴジュウウルフとなり、巨大ロボ(テガソードレッド)も得る。
これで遠野吠は(カオスな経緯のバトルで ^^;)ファイヤキャンドルの巨大ロボをを撃破。ファイヤキャンドルはどこかへ吸い込まれまして、1話限りのゲスト敵かと思いました。が、ウィキペディアで調べるとレギュラー・準レギュラー枠になってまして、また出てくるんでしょうな。余勢を駆って地上侵攻部隊も掃討と。
その間、遠野吠に反応したらしい指輪を持つ者のカットがありまして、ゴジュウジャーの戦士ということみたいですね。今話ではまだ変身とかはしないのか。
最後、堤なつめ/クワガタオージャーはハンバーガー代を返した遠野吠に「願いもないくせに!」と激怒して襲い掛かる。どうやら「願い」は指輪を持つ者にとって大事なものらしい。というところで次回「ブン捕れお宝! 俺の獲物だ」へ続く。この第1話の内容が、指輪を持つ者同士の争いであることを次で説明してくれるみたいですね。ブンレッドがクワガタオージャーに、みたいな趣向は続けてやってくれるのかしらん。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/17 (Mon) 23:44:51
定期感想その2です。
●仮面ライダーカブト(第9話:蜂の乱心!!、第10話:友じゃねぇ)
ザビーについての流れが速いこと速いこと。ちょっとだけ予習して、矢車がザビー(ゼクター)に見放されるとは知ってましたが、まさか今週でそうなっちゃうとは思ってませんでした。さらにそこから加賀美がザビーに選ばれたと思ったら、加賀美がザビーを捨てるところまで行っちゃうわけで。
矢車については、いずれ「地獄兄弟」になるということから、ザビーを失った途端に自暴自棄になると思ったらそうでもなくて。悔しさをにじませてはいますが、その分反省もしてますね。そこは自分が予習で勘違いしてまして、矢車が実際に闇へ向かうのは影山の裏切り(矢車の復帰阻止)があったためみたいですね。
さらに、矢車の台詞をたった1文字聞き間違えたため、最初の視聴ではちょっと分からなくなってしまいました。前半(第9話)冒頭でザビーがカブトを倒してからの止めの台詞が「ベルト『も』命も貰う」だと思ったんです。ベルトはともかく、天道まで殺害していいのかと(前に一般人への被害を放置する作戦に岬が強い抵抗感示してたし)。
それに、どうも後の流れとつながらない。矢車は天道が病院にいても驚かず(怒りはするけど)、しかしカブトに変身しようとすると動揺してます。さすがにおかしいと観なおしまして、上述の矢車の台詞が「ベルト『の』命も貰う」だと気が付きまして、全体の流れにようやく納得できた次第。病院のシーンで聞き間違いに気づけなかったのは不覚です。
ともかく(正しく聞き直した)本編。前話から続きでカブト vs ザビーですが、止めようとした加賀美に道路崩落の瓦礫が降りかかる。そのときに何か起こって、カブト敗北ですね。この崩落は何者かが意図的に起こしたと思ったんですが、今週分最後まで観てみると単なる事故と解釈したほうがよさそう。
後で加賀美が気づいたのは、崩落からカブトが加賀美を庇い、その隙を突かれてザビーの攻撃をモロに食らっちゃったということですな。加賀美は既にシャドウに属してますから、矢車は気づかずに部下を見捨てて「パーフェクトハーモニー」を崩しちゃったことになります。しかしまだザビーゼクターは矢車を見限らない。
天道は攻撃のダメージがあるのかないのかよく分からない。ベルトは破壊され(ただし外見はヒビ程度)、変身解除しても倒れたまま。と思ったら、平気な様子で起き上がって来る。しかし、また倒れる。病院に担ぎ込まれるわけですが、ようやく知らせを受けて駆けつけた樹花とひよりが駆けつけると、天道が医者を診察してると。
同じ病院に影山も入院してたわけで、カブトを倒して唯一のヒーローになったと思い込んだままの矢車がまた見舞いに来る。このニアミスに同行した加賀美は気が気でないわけですな。が、衝突しちゃうと。なにせ天道が入院患者らに食事振舞う騒ぎ起こしてますんで。あっけらかんに元気な天道を見た矢車、面白くなさそうですが、どうせカブトになれないことから何とかこらえて去る。
が、矢車が気づいてないカブト敗北の真相(加賀美を助けた隙を突かれた)を加賀美が岬に話したもんだから、尾行して聞き耳立ててた影山が納まらない。しかし、加賀美につかみかかる影山を、なぜか現れた矢車がクールに止める。これって矢車も気にして尾行してたんじゃないかという気がします。それはともかく、矢車はワーム出現の連絡を受けて迎撃に向かう。
破壊されたベルトは加賀美が持ってたわけですが、ひよりが見つけて手に取ってみると2つの異変が起こるわけですな。1つはひよりにイメージが生じる(記憶が戻った?)。7年前に瓦礫に閉じ込められたとき、腰にベルトを巻いた少年に向かって「殺さないで」と必死に叫んでいた記憶ですね。
少年はひよりのほうを見てないようですんで、「殺さないで」の対象はひより自身ではない誰かのようですね。ウィキペディアを読み直すと、どうやらひよりの両親らしい。その願い虚しく殺害されたとひよりは思ってるんで、ベルトの持ち主を仇と恨んでいるということか。
もう1つの異変はベルトの修復ですね。こちらは機械と話せるひよりの特殊能力ということでいいのかな。まだ壊れてると思ってる加賀美から天道がベルトを受け取ると、元通りになってるわけですな。ただ、自分はちょっと「?」と思いました。第1・2話では加賀美はベルトを別に持ってましたんで、代替品として渡せたんじゃないかと。が、ZECTに返納しちゃったんでしょうな。変身できないのにいつまでもベルト持たせてるわけないか。
ベルトを受け取った天道は、ザビー/矢車率いるシャドウがワーム迎撃の現場に現れる。そして天道がカブトに変身したことで動揺、目的を見失っちゃうわけですね。倒したと豪語したカブトが健在では面目丸つぶれと思うでしょうし、自分のポジションも危うくなりかねない。何よりプライドが許さない。
かくしてザビー/矢車はワームを放置してカブトに襲い掛かると。このためシャドウの足並みが乱れてワームに押され、負傷者が出始める(死者も?)。影山もワームに追い込まれていくわけですな。ここで踏ん張るのが加賀美でして、天道を追って急行して、いったんは影山のピンチを救う。けれど、前にもあった弾切れですぐピンチに。
(影山に矢車への最初の反感が生じたとすれば、このタイミングかな?)
しかし加賀美は諦めないわけですね。弾がなくなれば剣で立ち向かう。一方、ザビー/矢車は苦戦の隊員を無視してひたすらカブトに。この差でついにザビーゼクターは矢車を見放し、新たな資格者に加賀美を選ぶ。矢車が落としたライダーブレスを拾った加賀美は変身。とても嬉しそうですな。
そこで後半(第10話)へ続きまして、カブトと加賀美のザビーによりワーム撃退となる。そこからの矢車と加賀美の態度変化がちょっと面白い。まず矢車ですが、上述した通り、悔しげではありますが反省を見せてますね。ザビーゼクターに見限られた理由も分かってる。先週は天道の差し出す豆腐を跳ねのけましたが、今週は素直に受け取って去る。この時点の雰囲気ですと、いずれ矢車は立ち直って一皮むけそうですらありますな。
一方、加賀美のほうはシャドウ隊長に任じられて有頂天に。影山に「加賀美隊長」と呼ばれて舞い上がってますな。ちょっと前はひたすら矢車だった影山の急変を怪しまないほどです(そこは影山の性格描写でもあるんだろうな)。
胸にザビーの紋章が痛みと共に現れて驚いてますが、すぐ気にしなくなるのもなんだかおかしい。さらにカブト/天道と一緒に戦えばワームもサクサク倒せると楽観的になっちゃってる感じ(それでも、天道と一緒に、という気持ちがあるのは評価できるところです)。
ザビーゼクターは高潔な人物を選びはするようですが、しかし選んだ人間を慢心させる作用があるかのようです(ザビーを失うと元に戻る)。そこははっきりしませんが、ザビーの任務は明らかに危険なものですね。またもビストロ・サルに様子を見に来たらしい加賀美陸、去ってから「刺さない蜂に用はない」と。ザビーはカブトを倒す者であるらしい。そういう点で矢車はZECTの思惑通りに動いたと言えそうです。
が、加賀美はその任務には迷いが出る。田所隊長や岬に厳しく言われても悩むわけですな。それを察したらしい天道(どこで知ったんだろう?)、加賀美に面と向かって「カブトを倒せ」と。加賀美は「友達」は倒せないと言って去り、天道は「友達」という言葉は嫌いと呟く。天道の呟きは二面性ありそうですね。性に合わない言葉だけど、言われると弱いという感じです。
そしてまたもワーム出現でして、カブトを倒す任務に悩む加賀美としてはありがたいかも。ワーム討伐はせねばならないわけで、それやってる間はカブトについて考えなくて済みますから。が、今回のワームは前より強敵らしく、ザビーとシャドウ隊員はピンチに。
そこを救ったのがカブトなわけですな。ザビーの任務を知る影山はカブトを倒せと急かせるし、カブト/天道も戦えと迫る。それでも逡巡するザビー/加賀美にカブトは容赦なく襲い掛かる。が、上述の「友達」に対する二面性があるらしい。今度は「友情」ですね。「心が青臭い」んだけど、「それを本気でぶつけねば意味はない」と。
これで吹っ切れたのか、ザビーは最大の一撃(ライダースティング)を叩きこむも、カブトは片手で止め、変身解除までしてみせる余裕ぶり。一度見た技は通用しないということなのか、それとも加賀美が自分でも気づかずに本気の一撃を放てなかったのか。どちらなのか分かりませんが、天道は「面白い奴だ」と。天道としては最大級の誉め言葉なんだろうな。
加賀美としては『本気』を受け止めてもらったと思ったようですね。それで腹を括るものがあった模様。シャドウ隊員の射撃から天道を守り、「もっと大事なものを掴んだ」とザビーもシャドウ隊長の座も捨ててしまう。
ラストは演出的に正体を隠さなくなった加賀美陸と(なぜか本名で呼ばれることを嫌う)三島の会話でして、加賀美にはザビーを捨てても次があるみたいなこと言ってますね。ガタックのことだと思うんですが、いつ出てくるかな。先週~今週の展開の速さだと、すぐにでも出てくれそうな気がしたんですが、調べてみると第21話からですか。だいぶ先だなあ。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/21 (Fri) 23:20:48
今回は忙しい週だったので、今ごろ感想。
★カブト
ザビーに続いて、次は3人めのドレイクが登場する流れですな。
カリスマ・メーキャップ職人ということで、矢車さんとは違った意味で、気取ったキャラです。また、次に登場する4人めのサソードも気取った坊ちゃんキャラで、天道のライバルキャラって、それぞれのスタイルで気取ったキャラだらけというか、熱血キャラは加賀美に背負わせて、加賀美視点で各ライダーのナルシスト風変態要素を強調した作風になっていく、と。
で、ライバルが出て来ては、結局、天道に敗れてを繰り返す中で、それぞれの生き方を考え直す流れになるパターンが。
日常での天道と他のライバルの対決劇を、加賀美が見ながら、一般人視点でコメントを入れたり、関わったりする中で、ワームが出現して……という作劇パターンですな。
逆に言えば、ワーム自体は前半であまりドラマに関わって来ないので、ライダーシステムの装着者同士の意地の張り合いとか、ZECTの方針とかで敵味方の関係性が流動する中で、時に対立し、時に共闘するライダーたちの物語が展開される、と。
こういう群像劇は、絡むキャラが増えるほど楽しくなるので、ドレイクに変身する風間と、お付きの子役少女のゴンとの凸凹コンビの動向を次は楽しんで行ければ、と。
★ガヴ
で、こちらは、先週、関係性が修復されたと思ったら、また絆斗とショウマの間柄がゴチャゴチャして、スムーズには行かないな、と。
一方、ラキアは人を守るという意識が弱いというか、ダークショウマが暴れているのに、人を守ることにこだわっていたら、ますます被害が広がるという合理性を重視しているようですね。
対するショウマは情緒主義というか、衝動と直感で動く傾向が強い。まあ、要するに子ども思考だ、と。
結果的に、ラキアから見たら、ショウマは手の掛かる弟みたいな立ち位置になっているようにも見えて、だったら、弟みたいなキャラを見捨てる性格でもないわけで、なかなか面白いキャラ設定と描写ですな。
ただ、デンテ叔父さんとの関係性が不穏にも思えるし、まだまだ爆弾を抱えていそう。
そして、一番のブレない保護者が幸果さん。
もう、歴代ライダーヒロインの中でも群を抜いて、聖人ぶりが著しいというか、外見からはもっと自己中で周りを振り回すギャルかと思ってたら、もう母性愛が服着て歩いているような人格者ぶりに泣けて来ます。
今回からはショウマのライダー活動のサポーターとして、次回のパワーアップ(アイス)にも貢献する、と。
クリスマスのケーキに続き、今回は冬なのに、いや冬だからアイスなのか。
一方、ヴァレンは酸賀さんからチョコをもらいましたが、何だか毒入りの気がしてならない。
ビターガヴのエッセンスが混じってそうで、大丈夫なのか、それ、と絆斗の身を案じます。絶対に暴走しそうで。
ラキアは、酸賀がニエルブとつるんでいることを知っている。
絆斗は、そもそもニエルブの存在を認知していない。
この「誰がどの情報を知っていて、何を知らないか」を話数ごとに確認するのが、謎解き推理劇場みたいで楽しくなってますな。
最近、いろいろと情報共有が進みましたが、それでも新たな問題が発覚したりで、どうなるのか、と。
現在、最大の謎は、ダークショウマが一人じゃなくていっぱいいたことと、彼のご主人さまが誰なのか。
視聴者は、酸賀だろう、と予想していますが、まだ明言されているわけじゃないですし、でも、主人公役者の一人二役演技がずっと続くのも大変だろうから、2月いっぱいで解決するのかな。
3月には、4号ライダーの噂も流れて来ていますし、急展開はまだまだ続きそう。
とりあえず、次回は、ラキア、はぴばれに行く。絆斗、暴走する。ショウマ、アイスに感動するの3本かな、と。
★ゴジュウジャー
「お前は俺の獲物だ」「しょせん、俺は一匹狼」「俺には願いはない」と、名ゼリフがいろいろ出て来た主人公。
だけど、一番のサプライズは、前番組の主人公(役者)が、その前の主人公(スーツ)に変身して、新たな主人公に襲いかかって続く、という衝撃展開。
戦隊というよりは、平成ライダー初期のライダーバトル(具体的には龍騎)を彷彿とさせるバトルロワイヤル展開に、果たして、どうなるか、というドキドキワクワク気分を味わった次第。
とりあえず、次回、大也に似た彼が(おそらく)ゴジュウウルフに敗れるのですが、敗れた後にどうなるのかを気にしつつ。
まさか死んでしまうということはないと思いますが、戦隊リングが奪われて、戦いの記憶を失うのか、ギーツみたいな形なのか、次回の展開で、この作品がシリアスなのか、それともコミカルなノリでバトルを楽しめばいいのかが決まって来るか、と。
ともあれ、1話は派手で、豪快で、スピーディーに進んだし、ロボ戦も新鮮な絵面で、いろいろと斬新に思えた作品。
で、この作品でドンモモタロウが出てくると、どんな感じなのかを想像しつつ、
主人公は、ファイズの乾巧の狼要素があったり、旧作オマージュ(どちらかというと戦隊よりもライダー)の要素がいろいろ。
メインライターが井上敏樹さんの娘さんということで(ガッチャードのマジェード編が特撮デビュー)、これでプリキュア、ライダー、戦隊の3作をクリアしたニチアサ女王の後継者になるのかな、って人。
ガヴも、ゴジュウジャーも女性脚本家がメインってことで、なかなか面白い状態だな、と。
だから、人によって、龍騎要素とか、ファイズ要素とか、ドンブラザーズ要素とか、井上敏樹っぽいオマージュを見重ねる感じ。書き手が意識しているかどうかは分かりませんが。
で、本人は、ホッパー1をマルガムにして殺したり、アトロポスを殺したり、結構、過激な話を書いてきた前科持ちなので、子ども番組だから、とナメていてはいけない脚本家だと思ってます。
さすがに、先週復活したばかりのブンドリオを、アバンタイトルでいきなり大破させたのは、脚本家のせいではないでしょうが。
ちょっと、従来の戦隊とは違う作品として見よう、と思っております。何せ、戦隊経験が全くない人が書いてるんだし、定石崩しのストーリーになって行きそうです。
なお、別名義で、プリキュア小説書いたり、ディケイド小説書いたりもしているわけで、脚本家デビューも2016年からだから、今年で10年めですな。
だから、そこそこ年季はあるってことで(アニメメインだけど)、後は一人で50話ほどを担当するのは大変なので、誰がサブライターに就くかを気にしつつ。
何はともあれ、堤なつめの運命がどうなるか、が、2話の見どころだと思ってます。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/25 (Tue) 17:18:42
定期感想その1です。
●仮面ライダーガヴ(第24話:復活のアイスひとさじ)
こちらでの幸果評「ブレない保護者」「聖人」「母性愛」を伺った時点では、自分はまだそこまで激賞できるかどうか迷いがありました。が、今週分を観てみるとドンピシャでしたな。ショウマに対してはもちろんなんですが、絆斗からの信頼もあるし、ラキアまで引き寄せられてますね(グイグイ来られると弱いのかしらん?)。
ガヴ側のライダー3人をまとめる核になった感じがあります。先週~今週分では絆斗とショウマの仲が直接はギクシャクなんですが、幸果を介した間接ではつながりが切れない。こういう関係性ができていると確認しまして、各ライダー同士で対立が生じても大丈夫そうだと安心感出ます。
とはいえ、現時点で幸果が最も理解し、大事にしているのがショウマであるようですね(母性愛)。今話ではお菓子が食えなくて力がでないショウマ/ガヴにどんぴしゃのアイスを与えたわけで。それが奇しくも、ショウマの母みちるが幼いショウマに対してしようとしたことと一致する。なんだか、みちるを幸果が引き継いでいるような気すらしてきます。
ショウマの体調不良を治したアイスなんですけど、自分はそのシーンまでちょっと勘違いしてまして。大叔父デンテの見立て・治療は「詰まっていたゴチゾウを出してやる」ことでした。それでかなり回復していたはずです。が、またも寝込む。「原因/病因は絆斗との間がうまくいかないストレスか」と思ったんです。
が、お菓子不足による体調不良でした。アイスを食べて復活するシーンを見てから、ようやく「そういえば、先週はお菓子を食べない様子があったんだっけ」と思い出した次第。どうも流れを掴むのが下手で、初見では勘違いして解釈がギクシャクしてしまいがちですorz。
ともかく本編ですが、今話は2つも新フォーム登場のバトル主体ですね。前話ラストからの続きで、ビターガヴを追って戦うガヴですが敗れる。先週はガヴが元気に追って行ったように見えたんですが、今週は「まずい、体力が」と言ってまして、体調不良が続いてたようですね。一方、ビターガヴは勝つことに興味がないらしい。ショウマが変身解除で倒れ込んでも、「じゃあね」で去ってくれたのは幸いでした。
そこへ運よく通りかかったのが幸果でして(ショウマの体調不良に気づいてたらしい)、ショウマに気が付くと自転車放り出して駆け寄ると。そのまま(どうやって運んだのか)「はぴぱれ」に連れ戻して看病。ここで幸果の回想に入り、前回での絆斗とのやり取りですね。
ビターガヴをショウマに任せるための連絡ですが、もっと重要なやり取りがあったのか。絆斗がヴァレンであることを幸果は気が付いていたと告げてますな。絆斗は驚いたようですが、この後に動揺を引きずる様子はなし。やはり信頼が厚いんでしょう。これが幸果の人徳ということか。絆斗がショウマに自分が電話したとは告げるなと言ったことから、2人の関係がショウマの不調の根本原因と気が付いてもいるようです。
絆斗がビターガヴをショウマに任せたのは、友人(のはずの)拳谷加太郎のモンスター通報ですが。罠でしたか(そうではないと期待したんですが)。ただし拳谷加太郎は真相(焼肉屋大将がグラニュート:スミール)は知らず、店の悪評を書いた絆斗にちょっと仕返しする手伝いをしただけのつもりだったようですな。
絆斗が後で加太郎を恨む様子が薄いのは、そこに気が付いてるからなんでしょうな。しかし加太郎が単なる墨と思ったのはトラップでして、かけた相手の動きを止める力がある。ペンキぶっかけるいたずらくらいに思った加太郎が去ろうとするも、天罰覿面でヒトプレスにされてしまうと。敵スミールは友人のグラニュート:オタケを初変身のヴァレンに倒されたため、回りくどい方法で恨みを晴らしたいらしい。
墨は動きを止めるだけでなく、絆斗のゴチゾウ飲み込む力があるようですな。これでは絶体絶命、なんですが酸賀が渡したプレゼント:チョコルドゴチゾウは耐性あるらしい。絆斗のヴァレンバスターに納まりまして、ヴァレン・チョコルドフォームに。他のゴチゾウが為す術なかった墨を一掃してしまう(吸い込んだ?)。そのまま優勢を保って倒す。これで自信持っちゃったみたいですな。
一方、ラキアは前話ではショウマの手前、デンテに対しておとなしくなりましたが、やはり恨みは忘れてなかった。デンテが1人でいるところへ押しかけまして「お前を倒し忘れた」と。が、今まで闇菓子について割とあっけらかんだったデンテが真意を明かしてくれる。まず「そうか。そんじゃ一思いにやれ」と覚悟を示すわけですね。これはさすがにラキア/ヴラムも驚いたでしょうな。
デンテもお菓子で人(グラニュート)を幸せにしたかったのか。ニエルブと同じく、己の技術を使うことに興味があったんだと勘違いしてました。ただし、デンテが反省する気になったのはショウマと再会してからということですね。ショウマはランゴらからは疎まれてますが、デンテとしては単純に可愛かったということなんでしょうね。この辺りは距離感の違いゆえかな。
デンテが(自分が死しても)「ショウマを頼む」と言ったことで、何か感じ取ったんでしょうか、ヴラム/ラキアの殺意が消えた模様。変身解いて「いつか罪滅ぼしはしてもらう」と言い捨てて去ろうとするも、デンテがいったん引き留めお菓子と通信デバイスを渡す。これでラキアにもいつでも連絡取れるようになったわけですね。
その頃、ダークショウマは人間がいる遊び場所を探していたようで、しかし誰も見つけられないんで騒ぎを起こす。これをショウマのゴチゾウが察知(後でラキアにも知らせに行ってますな)、知らせを受けたショウマは不調を押して駆けつける。その必死の様子に幸果も止めきれない。
が。ビターガヴに挑むガヴはよろけて戦うどころではなさそう。追いかけてきた幸果がのこぎりで加勢しようとしますが、当然無理。それでも果敢でありまして、こちらで伺った幸果変身の可能性もありそうな気がしてきます。ショウマを救いたいという気持ちがここまであるわけですんで。
が、今回はアイスで救援となるわけか。アイスから生まれたゴチゾウ:ソルベエによる、ガヴの新フォーム:ブリザードソルベフォーム(アイス屋の店名そのままですね)。ソルベエのデザインがケーキのときと同じく特殊ですんで、相当な強化フォームと期待した通りの強さになってますね。
ゴチゾウの連絡で駆けつけたラキアも手を焼くビターガヴに対し(この時点ではヴラムは最強のはず)、ブリザードソルベは圧倒的優勢に見えます。せいぜい、技の行使でアイスが溶けちゃうくらいが弱点か。でも「当り」が出ればデカそうだし、やはり最強の座入れ替えといったところか。ヴラム/ラキアも『これなら任せとけばいい』くらいの判断なんでしょう。でも自分的にはヴァレン・チョコルドとの力の差はどうか、気になる。
ちょっと面白いのは幸果ですね。ラキア/ヴラムと初遭遇のはずですが、「あんな仮面ライダー、いた?」くらいの反応で、すっかりライダーになじんじゃってますな。ヴラムがグラニュートと戦ってることもあるんでしょうけど、「ライダー=味方≒ショウマの友達」くらいに思ってるんじゃないかな(ただし偽物は除く ^^;)。
バトルはガヴが勝ちましたが、ゴチゾウ:ソルベエが溶けて消えた点は「?」な感じ。継続して必要なフォームだと思うんですが、どうするんだろ。ダークショウマ/ビターガヴは次がまた出てくるんでしょうし、ケーキングでは勝てないのはもう明らか。バトルのたびにアイス食うんだろうか。
それは次回以降のこととしてまして、ラキアも連れて「はぴぱれ」に戻る。幸果によるラキアの愛称はラキアンですか。いきなり親しくなりましたな。絆斗からも戦勝報告、ただし通信で。そこを気にしたのか、幸果はショウマに絆斗との関係も良くなると励ます。が、絆斗がちょっと怪しい方向に向かい始めちゃってるわけですね。
チョコルドの強さに自信を得た絆斗、1人で戦うつもりになってますね。しかし、明らかに怪しげな顔がイメージで映りまして(酸賀に似てる気が)、観ているこちらに「これはヤバイ」と教えてくれる演出です。
次回「虚像の幸せ 蜜の味」では、絆斗が体調不良を起こすらしい。チョコルドのせいなんでしょうけど、そこは酸賀の思惑なのか、それとも想定外なのか。自分の期待としては「酸賀の遠大な計画が進行中」というストーリーを期待したいところです。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第2話:ブン捕れお宝! 俺の獲物だ)
今話も観ても自分では「誰が、どこで、何をする話」なのかが整理できず、公式サイトやウィキペディアを参考にしつつ理解を試みています。まず気になっていたのが前話登場して今話にはもう去った「ブンブンジャーの大也の人がクワガタオージャーに変身する堤なつめ」です。
このゴジュウジャーでは歴代レッドをゲストとして迎える趣向であるようです。ただしレジェンドの先輩ではなく「ライバルとしてのユニバース戦士」とのこと。だから大也の人はブンレッドではなく(それではレジェンド枠)、クワガタオージャーになってもらったと。次話ゲストのドンモモタロウも別の役者さんですな。
そこは飲み込めたつもりですが、レギュラーの敵味方がややこしい。なにせゴジュウジャーの戦士同士の争いもありますから。しかし「厄災」の闇を打ち払った「テガソード」に「指輪(センタイリング)」を託されたという点で共通性があるわけでしたか。1つの目的を巡って競うライバルということでいいのかな。
前話で大暴れした「ファイヤキャンドル」が属するのが、ゴジュウジャーやテガソードと本当に対立する敵のようですね。こちらは(巨大な顔だけ見えてる)「女王」に選ばれるべく行動している模様(選ばれてどうなるかは現時点では不明)。そのために「指輪」が要るんで、ゴジュウジャーとは対立になるらしい。
というくらいの浅い理解まで進んだんですが、今のところは本編映像だけで充分かも。まだまだ派手なカオスが続きそうですから。今話ではゴジュウジャー2名が加わってきましたが(前話ではちょっと距離置いてた2人)、なかなかに奇天烈ですな。しかしカブト観て耐性ついたようで、一応はついて行けます。
1人は暴神竜儀/ゴジュウティラノ(黄)でして、戦場にピアノ担いできての弾き語り。テガソードに心酔していること尋常ではありませんな。もう1人はアイドル歌手風に現れた百夜陸王で、実際にスーパーアイドルだったらしい(過去形)。今話ではファンである老夫婦騙して資金源にしてまして、なぜアイドルの座を追われたかが察せられるような気がします。
その2人の掘り下げは次話以降のようですね。今話では「喫茶:半世紀」兼アパートへ合流してきたところまで。前話に続いて掘り下げが進んだのは、主人公:遠野吠ですな。家賃滞納気味で追い出しを管理人からしばしば示唆されるも、どうも追い出されそうにない理由の一端が示されたように見えます。
遠野吠は前話から引き続き、喫茶店オーナー店長かつ管理人:飯島佐織の一人息子:碧への面倒見がよい。碧が悪童の中学生にいじめられていると助けてますが、人相の悪さで圧を加えるのみで割と平和的。しかし、管理人:飯島佐織が敵トレジャーハントノーワンに捕らわれる(取り込まれる)と、助け出そうと一生懸命になる。
ラストでは何とか助け出してますが、ゴジュウウルフとしてですね。飯島佐織は遠野吠が変身解除する前に気絶してましたから、助けたのが遠野吠とは気づいてないんだろうな。しかし、そういうことする印象は前からあるんだろう。だから本気で追い出したりはしないんでしょうな。
飯島佐織家賃支払いを迫るとき、同時に仕事探しも言ってますから、もしかすると「何とか遠野吠を定職に就かせたい」という気持ちなのかもしれない。そして、遠野吠の仲間だと認識したらしい2人(百夜陸王、暴神竜儀)は快く迎え入れる。ガヴの幸果に重なるものを何となく感じます。
(2人を向か入れたことで「半世紀」≒50周年の看板降ろしちゃいましたな。でも、ここから本作のキーワード「テガソード(の里)」だという示唆なんでしょう。)
敵のほうは、少なくとも幹部「ファイヤキャンドル」はどうにも憎めない感じですね。直情径行型で思慮は浅そうですが、情に厚い感じ。そこが部下に慕われる理由なんでしょう。今話では部下の「カシオス・ベアー」が出撃ですが、ファイヤキャンドルのためなら死して本望という感じですね。そしてファイヤキャンドルはカシオスのために男泣きすると。しかし、他の幹部は一癖ありそうですな(ファイヤキャンドルは敵側で立場が危うい人物かもしれない)。
コンビニバイトに身をやつしていたクワガタオージャー/堤なつめは冒頭での遠野吠/ゴジュウウルフとの対決を狙撃で邪魔されていったん去り、そのまま戻らずに街を離れたようですね。「いずれまた、時が来れば戦おう」と呟いてまして、たぶんその通りに再登場があるんだろう(と期待したい)。
次回「日本のドン! 私が総理!」はゲストのユニバース戦士がドンモモタロウとのことで、こちらのローカル局で再視聴中のドンブラとどう重なるかとか楽しみです。
Re: 2月のスレッド(2025) - K.K
2025/02/26 (Wed) 16:14:24
定期感想その2です。
●仮面ライダーカブト(第11話:合コン燃ゆ、第12話:化粧千人斬)
今週から風間大介/仮面ライダードレイク登場・参戦ですね。風間大介の変身アイテムは手で握るタイプのドレイクグリップですか。ザビーはライダーブレスで手首のブレスレット。ベルト以外にも種々のタイプがある。
そこはいいんですが、誰が与えているんだろうというのを気にしてました。カブトのベルトについても、ZECT所属の加賀美はいいとして、天道は誰から手に入れたのか。調べてみると、変身アイテムもゼクターと同じく、ZECT(とその前身組織)開発らしい。
ゼクターのほうは(たぶん変身アイテムを持つ)有資格者のもとへ自己判断で飛んでくるからいいとして、変身アイテムは自らやって来そうではありません。その辺りに謎を仕掛けてあるのかと思いましたが、どうも「そこは気にしなくていい」と考えたほうがいいみたいですね。「ベルトなどの変身アイテムは広範囲に流出した」と思っておくことにします。
それよりやっぱり風間大介ですな。カブトのネット再放映が土曜ですんで、日曜のゴジュウジャーの奇天烈キャラクター新登場の心の準備になりました。風間大介も負けず劣らずの奇矯ですんで。しかし奇矯なためつかみどころがないようでいて、根っこには揺るがない何かがありそうというのが今週後半(第12話)ラスト。
(ゴジュウジャーのほうも、そうなるといいなあ。)
その根っこを示唆する人物が「由香里」ですね。早々にワームの餌食となる今エピソード限りの人物ですが、擬態の由香里と知ってもなお、風間大介には強い情が湧く。風間大介のメイクを相手を美しく飾るだけでなく、精神的な癒しも与えるようですね(身体的なヒール効果はない)。
それが施術を受ける側のメリットでしょうけど、「女は花」と語る風間大介からすれば、女性は画家に対するキャンバスみたいなもんかも。己の技を発揮する場所であり、埋め尽くせばお終い(だから感想の言葉も出て来ないのかも)。しかし「由香里」だけは違うのかもしれない。何が違うかは少なくとも今週分では分かりませんが、たぶん少女ゴンとの関係性で示されていくような気もします。
ともかく本編。風間大介が少女ゴンを連れての登場シーンは、隕石(ワーム)に破壊された渋谷の現状を見せるものにもなってますね。行き倒れた女性がいますが、放置されている。他人と関わってはいけないらしい(ワームの擬態のせい?)。そんな渋谷に今もいる人々は深い事情を抱えていそう。
風間大介がゴンを連れて渋谷に来た理由はよく分かりません。後でライダー・ドレイクと明かされますから、瓦礫だらけでワームがいる程度は気にしないのかもしれない。ゴンが行き倒れ女性を見つけ、風間が化粧をしてやる。命は救えませんでしたが、女性の気持ちは安らいだ感じでした。
OP後、天道家の朝ご飯は措いといて、ビストロ・サルで舞い上がってる加賀美が問題ですね。天道が前から苦手とする「友達」ですな。それを巡っての加賀美が腰を据え直すのが今週分の風間/ドレイク登場と並ぶ、もう1つのテーマのようです。前半冒頭での加賀美は「友情のため、ZECTを捨てて天道と共に戦う」つもりといったところ。
が、天道からすれば「その暑い眼差しはなんだ」くらいのことらしい。「下等超人ごときが完璧超人と並び立てると思うな」くらいでしょうか(キン肉マンアニメ、2期目に入って熱くなってきた)。ただし天道「お前(加賀美)は大事なことを忘れている」とアドバイスはしてくれる(これが後半で活きてくるわけですね)。
一方、天道は渋谷を抜けてきたのか、街中にいる。そこで強盗事件ですが、人質が男なら興味なし、女なら俄然助けに行くと。強盗は化粧筆でサクッと倒しておいて、人質だった女性には化粧ですか(まあ、ショックを和らげたんだからOKか)。強盗が女性だったら、そっちも化粧したんでしょうな。
ビストロ・サル(の加賀美)を後にした天道は岬が待ち構えてましたな。岬が座っていた遊具にちょっと笑っちゃった。岬が立つと効果音入りで揺れる様子が岬の緊張とシュールに対比していて可笑しい。これもコメディリリーフなのかな。そういうのが今週分では多めのように感じます。コミカルの出し方(タイミング、程度)がビルドのそれと似ている気がします(ちょうどビルドも東映公式Youtubeで再放映中ですね)。
今週分の脚本を調べると、先週までの米村正二さんに代わって井上敏樹さんでした。しかし井上敏樹さんはビルドには参加しておられないはず。どうしてビルドのコメディリリーフと共通性を感じたのか、ちょっと突き詰められないでいます。が、ともかくもこういうのが好みなので歓迎です。
それはともかく、岬が天道を待ち伏せしていたのはZECTへの勧誘でしたか。天道に一蹴されて怒る岬に風間が声をかけてくる。かくして奇天烈同士の遭遇が成立、この後の勝負につながっていくわけですね。しかしこの場はゴンを通じて風間に仕事が入るという水入り。
そこからシーンの入れ替わり激しく、風間と天道の「日常」が描かれる。天道はワーム退治ですね。風間はメイク施術ですが、金持ち相手。それで収入得てるから、無償の仕事(ボランティア)もこなせるようですな。いわゆる金持ちマダムに対する化粧シーン見て気づくのは「わざとシミとか作ってある顔に風間が化粧」です。冒頭の行き倒れの女性も、この後の大学での化粧もそういう演出を使ってるみたい。
そこから屋形船の合コンへ。ビストロ・サルで揉めたのを反省した加賀美が天道邸に押しかけ、あれやこれやで天道も同行することに。なぜか風間も乱入(?)してくる。しかし、その合コンが結構なカオスで怖いような笑えるような。ゴンの目撃から合コン相手の一人がワームの擬態と分かり、それが誰かを特定はできたんですが、結局は合コン相手4人ともワームでしたからねえ。
前半ラストはそのワーム出現を機に風間へゼクターが飛来してのドレイク変身で後半へ。図らずもカブトとの共闘となり、ワーム3体をサクッと倒しちゃう。逃げた成虫ワーム(ミュスカ)は気にしない。が、これが風間が大事にする客:由香里がワームに襲われる遠因になるとは。
これが後半ラストで由香里に対する態度との対比になってるような。もし風間が「己が施した化粧に拘る」なら、逃げたワームを気にするはず。しかしそういう様子はありませんでした。ワーム擬態の由香里をカブトに倒されて、初めて激高するわけですね。
それは後のことでして、天道は逃げたワーム(ミュスカ)を追い、早々に出くわしたわけですが、すぐには擬態を見破れずに取り逃がす(これも由香里の死の遠因)。風間のほうは仕事と、加賀美陸が報告を読むシーンと併せての紹介ですね。風間の来歴はおおむねウィキペディア通り。仕事のほうは風間が何かに拘る「由香里」へのメイクですな。
岬とは異なる立場・思惑から風間をZECTに誘って、メイクの幻惑受ける加賀美コントを差し挟みまして、ZECTの三島の不気味さを小出しに描いてますね。今話では味覚がないから食事はサプリ程度ですが、前の名前で呼ばれるのを嫌うシーンなどと併せて考えると「三島は何者?」という気がしてきます。
それはともかく、風間が追わず、天道が取り逃がしたワーム(ミュスカ)が風間のメイクを受けて出かけた由香里を襲い、擬態しちゃうわけですね。が、風間はそんなことは知る由もなく、ビストロ・サルに飯食いに来て天道との一連の勝負の始まり。まずは100円引きクーポンのスクラッチですか。天道だけなかなか当りが出ず、しかし天道は当たるまで粘ると。
続いては女子大で。女性をどれだけ惹きつけるかですな。緒戦は風間優位に進む。メイクで本人が納得する美人顔にしてくれるわけだから喜ばれる。そこへ、実はワーム擬態の由香里も来る。みんな風間に付いて来てくれての、天道との対峙となりますが、女子大生は単身で乗り込んできた天道に全員駆け寄ってしまう。
由香里だけは風間の傍らに留まっていますが、天道がワームだと看破。それも風間のメイクでの香水から見破ったわけですから、いろいろと風間の完敗ですね。ただ、風間が由香里を疑えなかったのは、やっぱり何らかの特別な感情があるからかなという気はします。
が、サナギ体多数も来襲で変身してのバトルへ。一連を見ていた加賀美は、先刻は天道指摘の「忘れているもの」について岬から示唆を受け、今は天道からまた問い直され、「ワームを倒す」願いを再び自覚。それが「(天道の)友達ではない」に直結した模様。その解釈はちょっと難しそうですが、「姿を見かけて正面から駆け寄るのではなく、戦いにおいて背中を預けられる相手であれ」といったところでしょうか。
腹を括った加賀美の支援とカブト&ドレイクでサナギ体は撃滅ですが、問題は成虫体のミュスカですな。加賀美の弟:亮のときと同じく、由香里の幻影がドレイク/風間に語り掛ける。風間は亮が加賀美に言った内容を既に知ってるのかな。擬態により記憶を受け継ぎ、ワームの自覚としては擬態した本人そのものってやつですね。
そこはハッキリしませんが、ミュスカと由香里が重なって見えるドレイク/風間は撃てない。代わってカブト/天道が倒す。ドレイク/風間はそうするしかないと頭では分かりつつも、気持ちはついて来ず、ついに怒りが勝ってカブトに襲い掛かって続く。
新ライダー:ドレイクとカブトとの対立がどうなるか気になりましたが、次回予告には矢車の姿がちらっと見えました。これはもう、あちこちでもめ事やらトラブルが起きそうで、今からハラハラしてしまいます。
Re: 2月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/02/27 (Thu) 23:40:06
2月最後の定例感想です。
★カブト
ドレイク編に入って、井上敏樹脚本ですな。
次回は、矢車編の一次総括で、問題はその後。井上敏樹脚本が連続6話分。
本作は、メインライターが米村正二さんで、サブライターが井上敏樹さんの2人体制。
米村さんは、主に加賀美と矢車さんの話を担当し、
井上脚本はドレイクとサソードに力を入れる形で、役割分担。
もちろん、どちらも天道を描くのは変わらず。
米村さんのストーリー傾向は、派手なお祭り好きというか、セリフ回しはスタイリッシュなのに、暴走しがち。
一方の敏樹さんは、お祭り好きというわけではないけど、どこか斜に構えたキャラが好きで、豪快に暴走しがち。
つまり、この2人の競演だと、ブレーキ役がいない、ということになる。
まあ、カブトの主題歌の通りですな。
なお、米村さんの代表作は、カブトと、ディケイドの中盤(ディエンドや大ショッカーが絡んでくる辺り)です。
それと、春映画のスーパーヒーロー大戦の常連脚本家になって、戦隊とライダーを戦わせるお祭り映画の人だ、と。
ストーリーの整合性よりは、勢い任せを重視するスタイルで、辻褄合わせを考える視聴者にはウケが悪いですな。
まだ、敏樹さんの方が、アクが強いけど、辻褄合わせは(自分がメインの時は)しっかり考えて来る。サブに回った時は、しばしばキャラ崩壊させがちだけど、米村さんも(メインなのに)キャラ崩壊させる気があるので、その犠牲者が矢車さんだったり、影山だったりします。
で、天道だけはキャラ崩壊がほぼないので(モデルが井上敏樹さんだと、米村さんが言ってますが、当の敏樹さんは「俺はあんなにお人好しじゃない」という名言を残している、と)。
ともあれ、ここから脚本家2人が競い合いながら、暴走合戦になっていくので、クロックアップだと思っていただければ(いや、それにしても2話1だから、余計に展開が速く思えるかも)。
★ガヴ
3月に登場する4号ライダーが、仮面ライダーベイクと発表されました。お菓子ネタはクッキーですね。
一方、ヴァレンはフラッペカスタムという新フォームが用意されているようで、黒いチョコルドは一月ほどの寿命っぽい。まあ、暴走期間が短いのは安心材料です。
ガヴの次のパワーアップは発表されていないので、4月からゴールデンウィーク頃になるのかな。しばらくは、アイスで戦って、ドラマはヴァレンの方が主体になりそうです。
ベイクの変身者はまだ不明ですが、銃を使うという玩具情報があるので、もしかすると酸賀さんかな、と予想してみます。
物語的には、ラキアがどんどん尖っている部分が削がれていく感じですな。
ショウマ自身の孤立化も避けられたようで、後はダークショウマの登場がいつまで続くのか、と(主人公役者の一人二役演技が大変そうだし)。
個人的には、ラキアのモノローグ(ショウマは先々のことを考えて、デンテ叔父を始末しない道を選んだのか)が、面白いな、と。
たぶん、ショウマはそこまで理屈で考えていないはずなんだけど、ラキアが割と合理的に考えがちなキャラなので、ショウマの行動理由を合理で(持ち上げて)解釈しがち。
ラキアがショウマを弟分を見るかのような感情と同時に、「合理的に周囲を味方に付けて、手際よく振る舞う凄い奴」みたいに受け止めているのが分かって、
でも、視聴者の目から見ると、ショウマは天然で無邪気なお子さまなので、合理よりも直感と情念で動きがちなのは分かっている。
だけど、ラキアにとっては「敵だった自分をスカウトした、できる奴」「自分の目的達成のための頼れる助っ人」という合理思考も持っているので、この辺の受け止め方のズレが、脚本家の計算が働いて、深読みするのが面白いな、と。
視聴者にとってのショウマ像と、ラキアにとってのショウマ像が食い違っているんだけど、ラキアが人間社会の感情が分かっていないのも事実なので、ショウマ先輩と、幸果姐さんにバイト付き合いをされて、「ダルッ」と言いながらも、まんざらではないような日常ドラマに期待。
後は、ラキアが何を好物として、美味しく召し上がるか、ですね。
一方、シリアスでハードなドラマは、しばらく絆斗が担当しながら、雪解けがどのタイミングで来るのかを見守りつつ。
★ゴジュウジャー
脚本家・井上亜樹子ってことで、父親に負けず劣らず、スタイリッシュで変なキャラを出して来ました。
この朝のニチアサでは、プリキュアもイケメンアイドル回でして、エンディングで脚本を見ると、そちらも井上亜樹子と出てきて、笑った。
ガヴの第1話のすぐ前のプリキュアも、脚本家・香村純子と出てきて、ニチアサ連続かよ、と驚きました。
さすがに、プリキュアとライダーの両方掛け持ちは続かないので、香村さんのプリキュア前作は前半のみで、9月1日のガヴスタートと共に、プリキュアの方は降板した形ですが、それまで5回ほど参加、と。
井上亜樹子さんは、今後、プリキュアとの掛け持ちを続けるのか、それとゴジュウジャーはどういうペースで書くのかは分かりませんが、どちらも番組が始まって一月ほどなので、何でこういう参加をしたのか、少し不思議。
ただ、父親譲りの執筆スピードを持ち合わせているなら、ゴジュウジャーのメインをしながら、時々プリキュアも書けるような気がする。それには、ゴジュウジャーのサブライターを誰が務めるのか、次第ですね。
まあ、これで井上敏樹パパがサブライターに入ったりすると、凄いと思えるわけですが(ジェットマン回とか)。
ともあれ、次回、父親のドンブラを、娘がどうイジくるかを楽しみにするとして。
前回、注目していた堤なつめについては、決着をつけないまま、勝負が水入りで一次退場。次に出るのは、夏の劇場版ではないか、と根拠なく思ったりしているわけですが、ハードシリアスに相手を倒していく話でないことは分かりました。
明るくコミカルな作風で、青も黄も、主人公の赤に負けず劣らず、いや、それ以上にぶっ飛んだキャラということは分かりました。
プリキュアのサポートイケメンとキャラかぶりしてる青はともかく、怪力狂信者の黄が笑えましたね。いきなり、ピアノ弾いて讃美歌を口ずさみながら登場って、それもプリキュア(プリキュア青がピアニスト設定)。
ゴジュウジャーの設定が、プリキュアとかぶり過ぎで、これは確信犯なのか。
なお、今作のプリキュアは変身能力を与えてくれる妖精が、桃に乗ってドンブラコと流れてくる第一話から始まって、「今回のプリキュアはドンブラザーズか?」とトレンドに上がったりもして。
ニチアサリンクが凄すぎて、いつもはここでプリキュアの話題は場違いと自粛するわけですが、今回は話がつながり過ぎて、いろいろネタが膨らむ次第。
まあ、井上亜樹子さん絡みで、今後もネタになりそうならってことで。
そして、主人公の日常暮らしのアパート(教会を改装したという設定)に、青と黄色が転がり込んで来て、これは戦隊メンバー全員が共同生活を送るという展開か? と。
というか、青と黄は自分の家を持たない風来坊設定だったのか?
これで、緑の高校生と、黒の名探偵お嬢さまはどうなるのか、ということも気にしつつ。
なお、ドンモモタロウに変身するのは、熱海常夏というキャラで、役者はかつて悪役ウルトラマンのトレギアってキャラに変身経験あり。これで、敵役ながらウルトラと戦隊の二冠を達成して、あとはライダーになれば三冠達成だな、七瀬公さん。
というか、今回のユニバース戦士で、いろいろな役者が戦隊レッドを経験しそうです。戦隊に限らず、元ウルトラや元ライダーの出演者がどんどん参入すると面白いな、と。
すでに二冠に達していて、後は戦隊のみ、という役者さんもチャンスかも。
と、本編感想よりは、脚本家とか役者の話がメインになりました。
まあ、始まったばかりで、一話一話がもうサプライズで、最初から暴走キャラを楽しんでいる流れです。
この暴走はどこまで続くのやら。