創作と鑑賞の談話室
5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/01 (Thu) 00:03:19
5月の雑談スレッドです。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/04 (Sun) 13:26:53
先にガメラ感想だけ挙げておきます。
★ガメラ(5話。ジグラ編前編)
まず、今回の主役はジョーではなく、ジュンイチの掘り下げでした。
ジョーとボコのケンカは、以前にネフリ版のあらすじ紹介を読んだ記憶も混ざってましたが、実は次のギロン編の内容だった。
ということで、今回のジョーは船酔いでアクティブにはなれず、メインキャラはジュンイチ。
オタクキャラの孤立感とその解消がテーマっぽいですね。
あと、大人代表のタザキさんが何だかイラチなダメキャラになってしまって、ヒロイン格のエミコさんが頼り甲斐アップ。
そんな彼女も研究者肌の孤立した学生期を送って来たようで、ジュンイチの友人関係を気にかけるように振る舞う。
ブロディからすれば、ジョーはリーダーシップのライバルみたいな立ち位置ですが、今は弱っているので対立軸にはならない。
アメリカンドラマだと、彼のような体育会系ジョックスは、オタクキャラ(ナードとかギーク)をイジメる天敵になります。
なお、ナードとギークは、どちらもオタク系ですが、前者は文化系で、後者は理系の科学オタク。
例えば、スパイダーマンはギークで、アメコミヒーローではナード系のキャラはしばらくいなかったのですが(ナード=アニメやマンガオタクで、コミックファンには自虐ネタにもなる)、近年は世代交代で、コミック好きかつヒーロー好きのヒーローキッズが定着しております。
日本だと、グリッドマンの内海とかは典型的なナードですな。科学知識を持っているわけではないが、円谷ヒーロー(ウルトラマン関連)にやたらと詳しい。
ジュンイチの場合は、まだ小学生で、科学に詳しいほどの天才少年ではありませんが、ムーを中心とするオカルトマニアにして、ミリタリーオタクでもある。これがメカや古生物学などに進めば、ギークに発展するのでしょうが、今はまだ実用的な知識には至ってない。
ギークとナードの境界線は曖昧ですが、機械いじりや発明オタク、コンピューターのプログラムを組むのがギークで、本好き、空想物語に耽溺するのがナード。
で、ギークがナードをバカにする傾向もあったのですが(理系の実学をかじった人間にとって、フィクションは知的な読み物ではない的な)、現在はネット社会で、理系と文系の違いも昔ほど断絶があるわけでもなく、ネットでの情報収集技術がそれなりにあれば、知識面では対等になり得る。
もちろん、理系的な思考や実験、研究論文のまとめ方は研究経験が物を言いますし、
文系は文系で、分類と体系化、雑多な知識の関連づけが研究において求められます。
精密に、正確に、が理系の方向性で、大雑把に傾向をつかみながら、概要を把握して広く見るのが、(優秀な)文系の資質でしょうか。
いずれにせよ、文系に求められるのは、細部に粗があっても、大筋は間違えていないと言える程度の判断力で、そこがデタラメになってしまうと、ダメなのですが。
と、研究云々の資質はともかく、ジュンイチの問題点は、まだ事実と創作の区別が付いていない点ですが、怪獣災害という常識を覆す事件が起こっている作品世界では、日常生活では眉唾のオカルトやミリタリーの視点が実用的な武器になる。
で、ブロディですが、ミリタリー方面では話ができても、オカルト方面ではドン引きになるんですね。
だから、ジョーやボコに、ジュンイチの変さを指摘して、陰口を叩く。好き嫌いというより、付き合い方が分からない。まあ、アメリカンカーストだと、イジメの対象ですが、今のブロディはチームの不和を煽るつもりはない。
一方、ジュンイチはそのブロディの反応を耳聡く聞きとって、ジョーやボコが自分をどう思っているのか、本当に友人だと思われているのかを急に気にし始める。
思春期の自我と、他人の境界線を初めて意識したことになるのかな。
シンカリオンよりも、リアルに、かつ繊細にドラマ作りしているような感じですな。
でも、ジュンイチの非日常への順応能力は高いので、むしろ、それに対応できないでいるのがジョーとタザキさんという構図になる。
だから、ジグラが襲って来ると、人間関係の悩みの優先順位が下がり、元気になったジュンイチが一皮剥けたような描写。
で、今回は前編でガメラが出現して、ジグラと水中戦を展開して、ドラマとバトルのバランスが良い回。
さらに、メカ好きの自分にとっては、船、そして潜水艇への乗り換えで、ワクワクできる描写も見せてくれた。
ここまでのガメラで、一番好きな回と言えます。
次回はジュンイチの友人関係の結論になって、その次のギロン編でジョーにスポットが当たって、主人公のボコはその後になるのかな。
彼には、ガメラとの交信という役割が与えられているのですが、ここまでの描写では一番、扱いが地味で、主人公としての華がない。
ボコってどんなキャラ? という特徴が明確に見出せない。
ただ、目立った能力はなくても、勇気と決断力は備わっていて、行動力や直観的な資質は描写されている。
この辺は、兄貴分のジョーとの関係性で、ボコの人となりが見えて来ると思いますので、7話待ちになるかな、と。
今回はここまで。
他の3作は、いつものようにK.Kさんの感想を受けてから。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/05 (Mon) 20:31:31
定期感想その1です。
日曜の昼に先に感想投稿頂いて、確認するとガメラでしたんで「やっぱりそうか!」と。第5話(ジグラ前編)は後半で初めて攻防らしい攻防(逃げ切れるか否かで次々と)の気がして、「そうか、こういうのを観たかったんだ」となりました。そこだと思ったら、ジュンイチでしたか。
自分は執拗に追って来るジグラに注意が行っちゃって、ちょっとジュンイチの印象が飛んじゃってたようです。録画再視聴で人物ドラマもきちんと整理しなくては。なんとなくタザキが(仰るように)ダメキャラになりつつ子供たち寄りになり、相対的にエミコが離れたような気がしたんですが、ちょっと勘違いとかしてるかも。
ガメラリバースの後枠に鳥山明さん原作の「SAND LAND:THE SERIES」(劇場版の再編:悪魔の王子編+天使の勇者編)が来るそうです。6月28日の第1話観て、感想書きたくなるようなものだといいなあ。
●仮面ライダーガヴ(第33話:一撃必殺!!オーバーガヴ!)
マーゲン人間態がグラニュート態のときと違和感ないんで、「人間態演じる役者さん(二橋進一さん)は、ガヴ観てマーゲンの特徴覚えたんだろう」と思い込んでしまいました。後で調べるとマーゲンのスーツアクターでした。それなら一貫性あって当然ですね。JAE(旧JAC)所属の方で、アクション出来る人としての配役らしい。確かに生身アクションもきちんとこなしていた印象あります。
敵、というよりストマック家の内紛が急に目立ってきました。ニエルブの事実上の離反はとうとうショウマにも見抜かれてましたな。次回ではグロッタがリゼルと対立するらしい。対して味方側のストマック家のデンテ、どうやら寿命を著しく縮める覚悟でガヴに力を与える。この覚悟も大いに感じ入るものありです。
ゴタゴタして来るのは必至のようでして、自分としては見応えありそうで歓迎。偶然の一致ですが、ネット放映のカブトのほうもゴタゴタが急に激しくなりました。第31話以降が凄いとこちらで伺ってはいたんですが、自分の想像超えてきてワクワクです。
ともかく本編。冒頭はマーゲンの改造手術でして、人間態に化ける能力のみならず、ビターガヴ変身を可能としたようですね。担当したニエルブは、後で疑うランゴに対してヒトプレス集めに役立つとか誤魔化してますが、ショウマには叛意を見抜かれてるわけで。ランゴも気づいてるんじゃないかなあ。
それは後の話でして、その頃デンテは何かの開発に勤しんでいる模様。数本の牙のようなものがあるんで何かと思ったら、後で幸果がデンテの歯だと知ってビックリしてましたな。デンテに弱っている様子があるのはガヴ強化メカ(ゴチポッド)のため、己が歯を抜いて材料にしたせいらしい。
初見ではよく分からず、録画を観なおしてみると腹の口の上下の歯がほとんどなくなってます。そのせいで食べられなくて弱ったのか、それとも歯が生命の源だったりするのか。歯に命が宿ってるとすれば、ゴチポッドの強力さに説得力が出そう。同時にグラニュートの弱点も示唆することになるはず。
無根拠の妄想はさておきまして(^^;、さっそくマーゲンは人間界をうろつき始めまして、絆斗と遭遇。後の展開を見ますと、最初から「グラニュートハンター」の情報を熟知した上で待ち伏せてたんでしょうな。マーゲン、人けのないところに絆斗を誘い出すと、もう正体を隠さない。いきなり襲い掛かり、ビターガヴのベルトを見られても動じない。
が、グラニュート界の豪商マーゲンということは隠し、ビターガヴに変身できることもとりあえず隠す。一応、身元を隠す情報操作はしてくるわけですね。マーゲンは続いてラキアを急襲。今度はビターガヴになれることは明かす。ラキアには自分を改造したニエルブが関与していることは分かるわけですね。ラキアもヴラムとなって迎え撃つも、マーゲンのビターガヴは手強い(どうやら変身者自身が強いかららしい)。
一方、「はぴぱれ」に戻った絆斗の情報からショウマらはラキアと同じ推測(ニエルブが作ったビターガヴ)に至る。絆斗が狙われたなら次はラキアとも予想し、ショウマが駆けつけると既にバトルでして、ヴラム劣勢。そこへニエルブが得意げにやって来る。ビターガヴがマーゲンだと明かし、マーゲンを慌てさせるも「倒しちゃえばいい」と。この情報漏洩も、ニエルブに何か狙いがありそうです。
ニエルブ、酸賀の研究を大統領(ポッカ)のために役立てているとも言い、ショウマに「ランゴ兄さんを裏切ったってこと?」と見抜かれる。これもニエルブとしては予定通りなのかも。しかしニエルブよりマーゲンのビターガヴ対処が先決問題。ショウマはブリザードソルベで加勢に入りますが、もうヴラムは手出しできず、ブリザードソルベでも手を焼き、ついに時間制限で「溶けて」変身解除。
そこへ幸果が新アイテム:ゴチポッドを持って駆けつける。デンテが命を削って完成させたものですな。しかしそこは幸果は口止めされてまして、ショウマに真相が伝わったらどうなるか、かなり不安です。しかも使い方を幸果は教わって来なかった模様(デンテに余裕がなかったか?)。使っても何も起こらないわけですね。やむを得ず、生身で応戦を続けるショウマですが勝ち目はない。
ですが、ビターガヴの止めの剣の一撃をショウマは腹の口(ガヴ)で加えて防ぎきると。やっぱり腹の口の歯ってグラニュートの根性みたいなのが籠ってるんじゃなかろうか。これを見て発奮したらしいショウマのゴチゾウが次々とゴチポッドへ飛び込む。ようやくゴチゾウにはゴチポッドの使い方分かったみたいですね(最初は「?」状態のように見えました)。
それで変身してみると新フォーム:オーバーモードというわけですか。パワーは強力なようで、防御にも長けてるみたい。敵の打撃を迎えにいくように変形して衝撃を吸収しているように見えます。物理攻撃ほぼ無効でして、ガヴは余裕でビターガヴを吹っ飛ばして勝利。マーゲンももう退場かと思ったら、予告を観ると生き残ってるようですな。ビターガヴもこれくらいじゃ倒せないということか。
次回「100匹ゴチゾウ大作戦!」ではゴチポッドのゴチゾウ最大容量の100まで行く話になるらしい。それが幸果の言っていた「100倍」ということなんでしょう。今話のオーバーモードはまだ完全体じゃなかったということか。だからマーゲンのビターガヴに止めを刺せなかったというわけか。
今話でちょっと不気味なのがランゴです。前には社長解任及びヒトプレス集め担当を言い渡したジープにちょっと嫌味言う程度でしたが、さらに静かになった感じ。ニエルブの怪しげな言い訳にも「ふーん、そうか」くらいの感じです。何か算段があるのか、それとも逆転の機会が来るまでひたすら隠忍自重なのか。どちらにせよ、諦めた感じではなさそうです。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第11話:解き放て野生! 野獣遣いが笛を吹く)
前話で快傑ズバットをスマホサービス含むグッズずらずら並べてみせ、今話ではズバットを纏う早川健をイメージした等々力凱亜登場ですね。演じるのが中村優一さんで、こちらで伺っていた「三冠」、東映戦隊サイトでも「三大特撮制覇」と特記されてました。
自分は快傑ズバットをごくごく断片的にしか観ておらず、イメージがあまり固まっておりません(東映公式Youtubeで放映してくれないかなあ)。今話視聴後にネットで少し調べてみますと、等々力凱亜の演技や衣装を非常に早川健に寄せているようですね。ただしアレンジもしてあって、早川健のギターに対して等々力凱亜のオカリナなどですな。
そういうズバットイメージの等々力凱亜/ガオレッド編が坂本浩一監督回で見せてもらえるということになります。冒頭は陸王からですね。歌とダンスの練習に励む陸王のもとに2人組が現れる。「百夜陸王被害者の会」を名乗ってまして、ユニバース戦士(バルイーグル、ジュウオウイーグル)。あながち逆恨みともいえない理由で復讐に来たらしい。
しかしゴジュウレオン/陸王が難なく退ける。陸王の人となりをちょっと物語るものにもなってまして、まず陸王は他人から奪うことも辞さない傾向がある。前にはファンの骨とう品でちょっとあくどいこともやってました(結局は返したわけですが)。しかし人の見てないところで努力してる。
そして去る陸王を追うようにカウボーイ風の男が映りまして、等々力凱亜ですな。この後「テガソードの里」に現れたのは、陸王をつけていったということなんだろう(既にゴジュウジャーを知っていたということでもある)。その「テガソードの里」では往歳巡の置き土産のリングケースで盛り上がってますね。
そこへオカリナ吹きながら凱亜がやって来る。ゴジュウジャーの面々、「濃い奴が来たな」と言いたげなのがちょっと笑う。団栗の背比べですから。もっとも、クオンも突如来訪してすぐ戦闘になっちゃったわけで、警戒してしまうのは仕方ないかも。凱亜は「テガソードの里」が以前は「半世紀」だったことを知っていて、以前にも来ているわけですか。オーナーの飯島佐織と面識あるのかしらん。
凱亜はすぐ名乗りまして、一番大切なものを奪った「一本角の獣」を追っていることまで打ち明ける。大切なものは今話では匂わされる程度ですが、公式サイトの次回予告を見てみますと「瑠菜」という凱亜の婚約者らしい。職業は獣医でゴジュウジャーと関わりを持ちそうな感じです。
それは来週のことでして、今はまず等々力凱亜が何者かのほうが先ですな。が、敵襲でして「鬼ごっこノーワン」ですか。凱亜を演じる中村優一といろいろ関わりある設定のようです。響鬼はライダーは鬼なわけですし、電王だと間接的ながらモモタロス。未見の「ウルトラマントリガー エピソードZ」はちょっと分からないorz(ガイアじゃなくてトリガーだし)。
それがズバットイメージの凱亜に被るわけなんで、ズバットをきちんと観ていない自分でもちょっとこんがらがりそうです(^^;。それはともかくも鬼ごっことなる。まずゴジュウジャーと追っかけっこですが、すぐに凱亜がオカリナ吹きながら割って入り、鬼ごっこノーワンを「ナンバー2さん」呼ばわり(日本限定ではないらしい)。ガオレッドに変身し、特殊能力は獣モチーフの戦士を操る「一獣一奏」ですか。禽次郎が「一汁一菜」と間違えるのは、ほぼお約束でしょうな(^^;。
アクションは狼モチーフのゴジュウウルフに合わせて、低く・素早く・跳ぶのようですね。これに押された鬼ごっこノーワンは飛んで逃げまして、それならと凱亜が操ったのがノーワンが逃げた先にいた角乃/ユニコーン。凱亜は変身したゴジュウジャーを見て「指輪持ちだったとはな」と言ってましたが、角乃を正確に操ったわけですから、やっぱり予め熟知していたとしか思えません。
ユニコーンに蹴っ飛ばされて、鬼ごっこは凱亜の勝ち。ですが、5時になったら終わっちゃうのか。ノーワンが去ると、なぜか凱亜は陸王を野獣使いの素質ありと見込んだりする。ただしライバルと認めたという感じですね。
一方、ノーワンワールドでは鬼ごっこノーワンの暴れっぷりにはしゃぐファイヤキャンドルにブーケが解説。どうやら女王の実験材料らしい。それ以上は明かされませんが、いざとなったらブーケ自身が出向くとのこと。この後の展開からすると、鬼ごっこノーワンそのものではなく、中にいる何者かが重要みたいですね。
翌日、鬼ごっこの仕切り直し。場所は東映特撮恒例、スーツアクションが上手く映える廃倉庫ですね。今回も傾けたカメラを使っての見せ方が巧い。前半でのウルフは低く駆けてましたが、後半のこれはすっくと立っての攻防と対照的。打撃時にスーツにオーラ纏わせる演出とか面白い。
わざと鬼になり、自分ルールで問答無用に攻めるウルフに鬼ごっこノーワンが追いつめられ、焦ったのはブーケですね。ダメージを受けすぎるとマズいらしい。それも敗れるからではなく、別の危機っぽい。ブーケは鬼ごっこノーワンを救うべくカレンデウスで出動ですが、ユニコーン/角乃がテガソードブラックで阻みに行く。
廃倉庫では対ガオレッド/凱亜と対鬼ごっこノーワンの乱戦状態。ガオレッドはイーグルで来るならイーグルを操ろうとするも、ジュウオウジャーはイーグルからゴリラに変われますんで、ついに対応ができなくなる。「一獣一奏」は効果は強力でも発動に手間がかかる難点がありますな。そしてついに陸王に倒されるも、ガオレッド/凱亜は必死に踏ん張る。この2人が次話ではどうやら力を合わせる展開になるらしい。
鬼ごっこノーワンもついに倒されまして、「あれ、ブーケが心配してたのは何?」と思いましたが、中に別のノーワンいたんですか。「一本角の獣」ですね。これを見たガオレッド/凱亜、「ついに見つけたぞ!」と俄然奮起、「俺の瑠菜を返せ!」と叫んで突っ込んで行って続く。
次回「邪鬼、吼える!!」では、凱亜の婚約者:瑠菜の奪還が争点となりそうですが、予告文に「(凱亜の)“真の願い”に陸王(鈴木秀脩)が気づき」とあるのが気になります。今までのノーワンのように、中の人を引きずり出せば救出、とはわけが違うような。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/06 (Tue) 23:20:52
定期感想その2です。
●GAMERA -Rebirth-(第5話:太平洋の嵐)
冒頭からジグラ登場でして、客船を襲ってますね。近くを航海中のおそらくは米艦隊が迎撃を試みてますが、歯が立たない。このシーンの真相は後で明かされまして、怪獣に接触した子供たちを移送中でしたか。怪獣が子供をターゲットにすることは既に劇中で語られてましたが、いったん接触した子供はここまで執拗に追うわけか。
OP後はボコらが乗る財団の船。ドラマのメインはジュンイチですな。船では最もはしゃいでまして、そもそも2週間の旅を積極的に受け入れ、「皆さん(ボコら)も行きますよね!」と引っ張り込もうとしたのはジュンイチ。特に財団の船の先進技術に興味があるらしい。それを受けて、タザキとエミコが保護者を説得したらしい。
前話でも描写されてましたが、ジョーは船が苦手。船酔いするからですね。この後、タザキもある種の船が苦手なことが示される。今話では描かれませんでしたが、ジョーとタザキに共通の苦手から来る親近感が生じたりすると面白そう。
先に親近感が生じたのはジュンイチとエミコですね。次第に体調不良を深めるジョーに気付かず、皆を引っ張って船内を見て回る。自動追尾の銃座(CIWS)やらミサイルランチャー見て大はしゃぎ。民間船にそんな重武装なのは怪獣探査に必要なオリリウムがあるかららしい。
が、ジョーがついに限界。しかしジュンイチとエミコは間近で苦しむジョーに注意すら向けず、次を見に行こうと。ここでブロディがついに制止するわけですね。船酔いがジョー以外なら、ジョーが先に皆を止めたと思うんですが、ジョー自身が動けなくなってしまってる。それならブロディが動くしかない。
ブロディが「ちょっとは空気読めって」と口火を切れば、ボコも「ちょっと疲れたかな」と後に続くことができる。エミコもジュンイチも、そう言われてようやく現状を認識。これはたぶん、2人にとって何度めかのしくじりなんでしょうな。夢中になると周りが見えなくなり、最後に周囲からブチ切れられるという、よくあるやつです。
さらにタザキからエミコに連絡入ったのも水入りには役立ったか。こっちが先に来てたらジョーについては穏便に済んだはずですが、内容は深刻なもの。冒頭のジグラ襲撃の真相ですね。米国本土へ移送中の子供たちをジグラが狙ったものだったと。となると、次にボコらを狙ってジグラがやって来てもおかしくない。
この情報はジュンイチにも伝わり、さっそく解説を始めてしまう。船内見学での反省はもう忘れちゃってる感じですね。まあ、ジョーもかなり回復したようだし、あまり気にしなくてもいいのかもしれませんが。
ジュンイチの語る内容は古代ム―だかアトランティスの文明匂わすもので、結構ぶっ飛んでます。が、こちらでもご指摘あった通り、怪獣が実際に暴れてる世界では必ずしも非常識ではないのかもしれません。それでもブロディからすれば「ふざけてんのかよ」レベルですし、ジョーやボコはジュンイチの性分だと諦めてる感じではありますね。ただ、それを聞えよがしですから、ジュンイチも思うところある様子です。
子供たちの様子を見ていたエミコはジュンイチと自分を重ねるものがあるらしい。エミコの場合は「質問ばかりして、大人を困らせて」ですか。結果、あまり友達ができなかったらしい。ジュンイチには少なくともボコ、ジョーがいるわけですね。しかし、夢中になると周りが見えず、しばしば後悔するという点で同情が生じたんでしょう。
その夜、ボコとエミコは意気投合(?)することになる。一緒に海を見ながら、ボコがジョーとボコとの出会いから語り出しまして、小3のときにUFO話して、皆に呆れられるも、ジョーとボコだけが面白そうと興味を示してくれて友達になったと。
それを聞いてくれたエミコがちょっと寂しそうと思ったらしいジュンイチ、「私が友達になりましょう」と申し出る(夢中になっていなければ、これくらい鋭い観察もできるわけですな、ジュンイチ)。
この会話で始めてジュンイチの一人称が気になりました。現実でも男子がプライベートな会話で「私(わたし)」と言うことはあまりないような。フィクションの脚本ともなれば、性別が見えやすい「僕/俺」でしょう。あれっと思ってWikipedia調べると、ジュンイチは女子となってました。「本作の主人公では唯一の女性」とまで明記してあるのに、全然気づかんかったorz。まあ、まだ劇中で明かされてないからいいか(^^;。
ともかくも、ジュンイチとエミコの会話が「それでどうなる?」と思った途端にジグラ襲来。ジュンイチの予想では「たとえジグラが100ノット出せても追いつけない」でしたが、それを超えてきたようですね。追いつかれたうえに水中の飛び道具までありまして、船は絶体絶命。と思ったら、奥の手あるのか。電磁推進で高速出せると。
そこから、なぜかタザキの醜態始まる。エミコの「移管したほうがいいわね」でタザキ大慌て。この時点では観ていて何のことか分からんかったんですが、船底の潜水艦のことだったらしい。タザキは閉所恐怖症だから潜水艦なんて想像しただけで怖かったわけか。が、この時点はそこは分からなくて、ここからのタザキの暴走に「何やってんすか!」と呆れて観てました(^^;。
タザキはそこから、米軍呼べ、ヘリで脱出だ、と大騒ぎ。しかし船長は冷静にまず迎撃ミサイルで牽制、続いて電磁推進で逃げ切りを試みる。しかしジグラの最高速が船を超えてくる。ならば「移管」となるわけですがジグラは間近、間に合わない。というタイミングでガメラが救援。
ガメラ vs ジグラの水中戦となるわけですが、奇襲をかけたガメラが逆転されてる感じですね。水中での速度・機動性でガメラはジグラに及ばない模様。ガメラがジグラを捉えようとしても、逆に距離を取って追尾され、水中弾(液状弾)を乱射される。回避しきれず、ついにガメラは深く沈んで行ってしまう。ガメラは陸海空の万能タイプですが、それゆえどれかに特化した相手の得意の戦場では後れを取りがちなのかもしれません。
しかし、時間稼ぎはできたようで、ジグラの攻撃を受けた船から全員潜水艦へ移乗、潜行しての逃走にかかることだけはできて続く。距離はある程度、ジグラから離れたようですが、最高速度差はどうなんだろう。ステルス性があるのかもしれませんが、ジグラが何を感知して追って来たか不明だしなあ。
●仮面ライダーカブト(第31話:衝撃の事実、第32話:解ける謎!!)
第31話から急展開とこちらで何度か伺い、心して観たんですけど想像以上でした。展開のテンポもさることながら、各キャラクターの事情が込み入ってます。しかも、それが始まったばかりということもあって謎が多い。予習ができない初放映時に自分が1人で観ていたら、たぶんあれこれ勘違いしてます。
こないだからときどき現れる謎のカブトだけ考えても錯綜してまして。自分は浅すぎる予習のせいで「ダークカブト/擬態天道=エリアXの鉄仮面」と思い込んでしまいました。しかしそれでは何かおかしいんで、もうちょっと調べ直して「ハイパーカブト/未来の天道」と思い直しました。初視聴ならそんな前提知識は持ちようがない。
今話では、三島がエリアXの鉄仮面をハイパーゼクターの実験体にしようとし、しかし海岸で倒れてるのを発見されるわけで。それに先んじて、間宮麗奈はハイパーゼクターについて知っており、「ハイパーカブトが現れたのなら、ハイパーゼクターはいずれ天道のものに」旨言ってます。
その「天道」が誰を指すかが後半(第32話)ラストで怪しくなってきます。地下牢で鉄仮面外れて現れた顔は天道なわけで。そこに神代の正体がミスディレクションになってしまいそう。神代は自分がワームとは知らずにサソードになってます。じゃあ天道も、と疑いたくなります。地下牢の鉄仮面がもしかして本物の天道かもとか。
さらに神代は天道とよく似た行動・言動なわけで。○○は言っていたとか頂点とかのみならず、神代は常々全てのワームを倒すと豪語してます。天道も今話で「ひより以外の全てのワームを倒す」と宣言してます。予習抜きで観ていて「今まで観てきた天道がもしワームだったら」と疑心暗鬼になるのは、自分ならあり得そう。
仮にそうなってしまったとすると、この先で真相が明かされても、自分が理解しきるかどうか自信はありません。最終回まで観ても、いくつかの点は誤解したままになったんじゃなかろうか。そして、こういう場所で正しく教わるか、ネットでの解説記事とか読んで勘違いに気付き、再放映でようやく理解することになったかも。たぶん、カブトは自分には(事前知識ありの)再放映から入って正解だったかもしれません。
ともかく本編。前半(第31話)冒頭は前話の続きで、神代と知らずにスコルピオワームに襲い掛かるカブトと、神代を救わんと止めに入るガタック/加賀美ですね。ただし加賀美にはまだ神代の正体を伝える覚悟がまだない。それを近くで眺める謎のカブト(ハイパーカブト)。
結局、この争いは謎のカブトが全員吹っ飛ばして水入り。天道は謎のカブトに心当たりがあるらしい。神代はじいやが救ったようで、追っていた加賀美は茫然。車中の神代はワームから人間態に戻ってますが、じいやが駆けつけたときにはどっちの姿だったのか。
それをじいやに確かめる加賀美ですが、じいやははぐらかす。さらに加賀美が「神代が仇と狙うワームこそ神代自身」と迫ると、じいやは「たとえその正体が何であろうと」と暗に認める。どうやら神代は擬態と気付いても、じいやは尽くしてきたようですな。困った加賀美は神代にアプローチするも、相変わらず天然すぎてどうしようもない(^^;。
その頃、屋外で絵描きに勤しむひよりをじっと見つめる麗奈。ひよりの背中に羽が見えてまして、正体を暗示してますな。ひよりが好んで描く絵は、ひより自身が気づかぬ正体によるものらしい。
一方、ZECTでは内密にハイパーゼクターの手配を進めていた三島、間宮麗奈にすっかりバレてて慌ててますね。上述しましたが、麗奈はさらにそれが天道の手に渡ることになると分かってるらしい。三島はバレたらバレたでハイパーゼクター流出阻止に手を貸せと求めるも、麗奈の今回の狙いはひよりらしい。
そのひよりは両親と映った写真を眺めてますが、天道が眺める写真にも幼い天道とひよりのと同じ両親が映ってる。これが今週分の謎の核心になってくるわけですね。が、まだ平穏でして、天道は「ひよりシェフのデビュー料理」準備にかかったりする。
が、ワーム出現で出動、神代に手を焼いていた加賀美、続いて神代も駆けつけ、とりあえずは撃退。しかし成虫のフォリアタスは取り逃がす。バトル後に神代から「友と呼んでいいか/マイベストフレンド」と言われた加賀美、ますますやりにくくなっただろうなあ。なにせ情に厚いですからね、加賀美。
しかし今話の天道は非情に徹する。擬態ワームの命乞いに全く耳を貸さずに葬り去ってます。それを間近で見た加賀美、それでも「もしも、お前(天道)の知ってる奴がワームだったとして」と婉曲に聞いてみる。天道は「非情に徹する、そして倒す」と。後の展開を見るに嘘混じりであるわけですが、加賀美は神代の正体を伝えることを諦める。
神代を救う一択であるわけですね、加賀美(そう来なくっちゃ、と思えます)。が、神代の正体で悩んでたら、ひよりの正体が明かされるという急展開になるわけで。まず、天道邸で(樹花がうっかり放置した)天道の親子写真をひよりが見てしまうわけですね。自分(ひより)の両親とそっくり。
なぜなのか、と悩むひよりに麗奈が己がワームの正体見せて「お前がワーム」とストレートに迫って来る。危機への反応なのか、ワームはワームに影響されるのか、またもひよりの背中から羽が生える。冒頭とは違い、今度はひよりもはっきり見てしまう。天道がひよりを必死に守って来たのは、ワームに狙われているからだけでなく、ひよりが自分の正体に気付くことを防ぎたかったからなのかも。
なんとか麗奈から逃れたひよりに天道が追い付くも、麗奈がまたも追ってきて「お前(ひより)は私たちの仲間(ワーム)だ」と突きつけてくる。さらにフォリアタスワームの一群を差し向ける。これに天道がカブトで阻止を図り、ガタックも加勢に駆け付けるも、サナギ体に包囲されたひよりはついに完全にワーム(シシーラ)の姿に。
そのまま後半(第32話)に入りまして、天道/カブトはこの事態を阻止できなかったことに衝撃を受け、いきなりひよりの正体を見てしまった加賀美/ガタックは茫然。しかし一番ショックなのはひより本人ですね。
加賀美はひよりを心配して追うも(神代と重ね合わせて見えてるんだろうなあ)、天道はまたも「ワームなら非情に徹する」と。しかしなぜか「KUSAKABE」の墓前に花を供えたりする。こっそり見ていたひよりも混乱しますよね、観ている自分も(予習抜きでは)「???」ですから。
そこへひよりの正体を知った三島が影山/ザビーを捕獲に差し向けてくる。麗奈/ウカもフォリアタス引き連れて参戦。こういうとき頼りのなるのが加賀美/ガタックでありますな。迷わずひよりを庇って戦う。さらに神代/サソードが加賀美に加勢(正体ややこしんだけど、安定した能天気は観ていてホッとするような ^^;)。
しかしカブト/天道も現れ、シシーラ/ひよりに迫り、問答無用でライダーキック。一撃で葬った、と思ったらクロックアップ使ったお芝居でしたか。爆散したのは身代わりのフォリアタス・サナギ体だったわけですね。それでひより/シシーラの死を偽装。
ひよりがワームの自覚あって能力使いこなしてたら、偽風間みたいに死体になってみせたかもしれませんが、今のひよりにはまだまだの感じです。なにせクロックアップすら見えてなかったわけで。ともかくも教会らしき場所で、ひよりは天道から真相を知らされる。
天道は日下部であり、ひよりの両親は天道の両親、つまりひよりは天道の妹であるという事実ですね。ただし、両親はひより妊娠中にワームに襲われて死亡、ワームが両親にすり替わったと。そして、ひよりが生れる。即ち、ひよりは親ワームが(おそらく無自覚に)擬態させたワームであると。ひよりにはそのことは知りようがなかったようです。
天道は両親が殺害されて間もなくカブトのベルトとゼクターを得るも、ひよりに情が移っちゃったようですね。ひよりは仇の分身といえる存在ですが、同時に両親と胎児の形見のような存在でもありますな。なにより、何も知らずに両親を殺さないでと願うひよりが天道の心を打ったんでしょう。その声に応えて「俺がそばにいる」と言った天道に、ひよりも深く感銘を受けたと(しかしショックで半ば忘れてしまって、中盤までの経緯となったわけか)。
そうだと分かってみると、天道もまた加賀美と同じく情の人だと思えてきます。情をストレートに表せる加賀美に対し、天道はひよりのために情を隠さねばならなかったのが、ここまでの行動・言動の違いなんでしょうな。ただし、天道は非情の一面も確かに持ってまして、ひよりのためなら加賀美も倒してしまうことは辞さない。
ただし、加賀美がひよりのためにならないなら、という条件付きでして、真相を知った加賀美がひよりのために一生懸命にならないわけがない。が、そういう話をひよりに聞かせたくなくて場所を移したのは結果的にはまずかった。麗奈に隙を突かれちゃうわけですね。教会に1人残されたひよりに、麗奈は嘘を交えつつ揺さぶる。
それでも踏ん張って逃げ出したひよりですが、天道にも聞こえた唸り声がひよりにも聞こえる。どうやらエリアXに捕らわれた鉄仮面の声らしい。ひよりは場所が分かるらしく、エリアXに向かい、既にワームに目覚めたんでZECT隊員の阻止などモノともせずに突入。
カブト/天道とガタック/加賀美も駆けつけますが、既にひよりは例の鉄の扉の奥へ入っており、待ち構えていたのは麗奈。どうも麗奈としては想定内の進行らしい。天道らが奥へ進むのを妨げもしない。が、既にひよりは鉄仮面と対面、手を差し伸べると仮面が容易く外れる(そうでした、ひよりは機械を不思議に扱えるんでした)。仮面の下から現れた顔は天道、というビックリ展開ですな。
これを追って扉を抜けたはずの天道ら、なぜか海岸に出てしまうし、三島が倒れてるし。三島は仮面の男を嘲笑い、ハイパーゼクターの実験体にしようとしていたはずですが、何があったのか不明。何が起こったか、次話で明かされるんだろうか。でも予告映像には新登場の女性キャラクターでして、高鳥蓮華と名乗ってます。しかも天道の副官とのこと。ちょっとどういう話か分からないorz。
感想を何とか書いてみましたが、今週分は並列同時進行のドラマを短いシーンで分割してまして、流れを追うだけでも大変です。単に観たときと、感想書きつつ観返したときで、勘違いに気付いたりもしました。たぶん、制作は意図的に視聴者を混乱気味にさせる作りにしたのかなと思います。ややしいんだけど面白かった。そうしておいて、絡んだ糸を解きほぐす展開を作っていくのかな。
●理系と文系
ガメラの感想で反応しようと思いましたが、長くなっちゃったんで分けまして。理系と文系のみならず、ナードとギークにも対応してのご解説、ありがとうございます。フラッシュのときなどから、ジョックとナードというアメリカ文化のご教示を頂いてたわけですが、その続きとしてなかなか興味深いですな。
ジョックは体育会系的な力関係でナードを圧迫しがちで、しかしナードは体育会系的物差しでは同族たるギークと反目しがちでもあるわけですか。これはリアルで心当たりがあったりします。例えば災害で、死傷者数を気にするタイプと災害に巻き込まれた実体験を聞いて悲惨さを知るタイプが揉めたりする(死傷者数で語るのは冷酷、一個人の経験で何が分かるもんか、みたいな)。
そこは文系・理系の対立に置き換えられそうなんですが、そもそも文系・理系って何だろうというのがあります。ナードとギークに対応させるのは分かりやすくて、いい分類だと思えます。そうでない、よく言われる分類だと「数学使うのが理系、使わないのが文系」とかありますね。
それだと「経済学はどっち?」となって、「数学使うから理系」とはなかなか納得しにくい。「数学は補助で、メインは言葉で語ってるから文系」と言われると、そっちだという気もします。
自分も色々考えて、当座の案として「ややこしい人間を排除か単純化して考えるのが理系、人間をメインに据えるのが文系」でどうだろうかと思ってます(自分のオリジナルではありませんが、何を参考にしたか忘れたorz)。経済学だと以前のものは「人間は自分の利益を最大化する」というモデルにしてまして、それなら理系。しかし、「人間は必ずしも合理的な行動をしない」として心理学とか取り入れだした最近のは文系。となりそうです。
しかし、それをナードとギークと関連付けようとしても、自分ではまだうまく行きません。せっかくガメラリバース視聴してますんで、ジュンイチをギークと見立てて、何か思いつけばいいなと思ってます。幸い、ジョック指向のブロディもいて、ギークの立ち位置がどうなのか参考になりそう(でも、どうもジュンイチがカースト外、それも女性系の不思議少女に見えてしまいがち。まあジュンイチは女性であるわけですが)。
まだ全然考えがまとまりませんが、面白い視点を頂けてガメラを観ていく楽しみが増えたと感じます。そこから今までに観たものの再発見があったりするといいなあ。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/08 (Thu) 11:57:02
定例感想です。
★ガヴ
前回の続きから、ニエルブがデンテおじさんに刺客を送る展開を危惧していましたが、彼も研究者の矜持があったようで、嫌いにならずに済みました。
いやあ、発明家として、互いの研究成果で競うならともかく、裏でこっそり師匠を暗殺なんて動きに出たら、ガッカリと思ってたわけで、だけど彼の差し向けたマーゲンさんの標的は、絆斗、ラキア、そしてショウマ。
要するに、非戦闘要員には手を出さない、と。
で、デンテおじさんの身を削って発明したゴチポッドを見て、興味深そうにその性能を分析。
人間界の素材では、ゴチゾウのエネルギーを受け止めきれないと語って、ニヤリと笑んでいたのが、ゴチポッドの素材で使われたのがデンテおじさんのガヴ(腹の口の端)ということで、ニエルブの予想以上の性能を示して、それを見て嬉しそうなリアクションになるのも、研究者キャラの鑑だなあ、と。
敵味方の研究者同士の発明品バトルって結構、好きです。
相手に勝てないからと言って、裏から手を回すようなキャラにニエルブが堕さなくて本当に良かった。
研究者キャラって、自分の発明品を嬉々として提示して、相手の発明品の長所短所をしっかり分析して、それに勝つ方策をしっかり検討する姿勢を見せてこそ、話が面白いと思います。
今回は、オーバーガヴの強さもさることながら、そこまで追い込んだマーゲンさんの意外な強さ、と、ニエルブの師匠の発明品に対する驚きと賛嘆の表情に感じ入りました。
酸賀さんとの研究者談義とか、発明品比べに興じる姿勢とか、敵とは言え、非常に魅力的なキャラに思えていますので、それが手段を選ばない下卑た悪党に落ちなくて、本当にドラマとして喜ばしいです。
敵キャラで、誇り高い研究者って珍しいですからね。
どちらかと言えば、敵の科学者幹部って、嫉妬心の塊で、味方すら自分の保身とプライドのために罠にはめて追い落とそうとする嫌な奴が多い印象なので(武闘派とも犬猿の仲になりがち)、
純粋に研究が楽しくて、他人の発明にも興味津々で、嬉々として分析し始めて、その成果を自らも参考にして、改良していく系のキャラは、この作品世界の発明合戦って感じで好みです。
何はともあれ、ニエルブが卑怯なやり方で、師匠を消しに掛からなかったのは、いろいろな意味で本当に良かった、という感想でした。
★ゴジュウジャー
トドロキ・ガイア。
トドロキって、もしかして響鬼さんも絡んでる?
中村優一さんは音撃修行もしていたしな、とか、いろいろ過去作が脳裏に浮かびつつ、今回の脚本家は井上亜樹子さんじゃなくて、風都探偵のストーリー構成から、ブンブンのサブライターとして活躍した樋口達人さん。
で、過去の戦隊やヒーローについても、しっかり研究していて、坂本監督とも相性がいい感じ。
言わば、いつものゴジュウと違って、正統派ヒーロー譚になってます。だから、鬼ごっこバトルでも、応援団はなし。
もっとも、鬼ごっこバトルという時点で、ナンバーワン戦隊の空気はしっかり踏襲してますが。
なお、獣使いの鬼という怪人は、ガオレンジャーにも登場していて(38話の猛獣使いオルグ)、サーカス団長みたいな演出の敵怪人に操られて戦隊メンバーがコミカルな動物芸を披露させられる、ピンチなのに笑える回でした。
これは、脚本家と監督がどっちもガオレンジャーに詳しいから、という打ち合わせで、うまくつながった演出っぽいです。
なお、前回で脚本家が(世代的に)ズバットをあまり知らない、と推測していましたが、事実、脚本には「昭和の特撮ヒーロー番組をテレビで楽しんで見ている怪人」としか書いてなくて、ズバット関連の演出はプロデューサーと現場でアイデアを出したようです。
その意味で、本作のメインライターは過去のヒーローや戦隊についての蘊蓄の引き出しはあまりなくて、その辺は監督さんやプロデューサーさん、それにサブライターさんなどが盛りつける方向かな、と。
逆に言えば、脚本家が戦隊マニアだったりすると、香村さんのゼンカイジャーと同じような話になるので、今回はさらなる変化球や新鮮なセンスを求められた、ということですね。
でも、凄いなと思っているのが、井上亜樹子さん、戦隊のメインライターをやりつつ、同時に今のアイドルプリキュアのサブライター2号を続けている点。1クール13話のうち、3本書いてます。つまり、一月に1本ぐらいのペース。
父親も筆の速さで有名ですが、娘さんも相当なものらしい。
さらに、ニチアサ8時28分からテレビ朝日(関東ローカル)でやってる『コウペンちゃん』(コウテイペンギンの赤ちゃん主人公のほのぼの動物もの)ってショートアニメも、4月から毎週、脚本を書いているそうな(関西の朝日放送では放送されていません)。
1分ほどの短い話だから、作業量は少ないにしても、同時に3作品をレギュラーライターとして書いているのは、凄いなあ。
ともあれ、今回は脚本家違いの話ですが、特に違和感もなく、だけどヒーロー色はいつもより高めな回という印象でした。
鬼ごっこノーワンの中から脱皮するように出てきたのは、鬼ノーワンで、今回はコミカルだったのが、次回はシリアスに締めそうな前編後編つながり、と。
ともあれ、ユニバース戦士のレッドは、本作における6人めの追加戦士的なドラマで描こうとする意図もあるそうで、
今のところ、メインと言えるのは、前作主役が変身したクワガタオージャー、総理大臣(元ウルトラマントレギア)が変身したドンモモタロウ、戦隊考古学教授のティラノレンジャー、そして今回の野獣遣い(元仮面ライダーゼロノス)が変身したガオレッド。
全員、キャラが濃いなあ、と思いますが、敵キャラとの因縁ドラマを紡いだのは今回が初。
ただでさえ、6人め候補でキャラが濃いクオン兄さんとか、正統派ライバルのファイヤキャンドルさん、そしてヒロインの妹疑惑がまだ残っているブーケさんなど、敵キャラも濃厚になって来て、
ある意味、カブトぐらいにキャラが錯綜して来たなあ、と感じています。
いずれにせよ、ユニバースレッドが、ただのゲストではなく、6人め追加戦士と同等の比重でドラマを描こうという意図みたいなので、しかも退場はしても殺さない方向なので、
今回の教授みたいに、登場しないのに話題には上がる(鬼ごっこネタで常夏元総理の名前を出したり)など、いつゲストで再登場してもおかしくはない位置付けのようですね。
★カブト
出生の謎が解けたと思ったら、行方不明になって、日常系メインヒロインの座から脱落した、ひよりさん。
以降のヒロイン争奪戦として、天道妹の樹花さん、岬さん、敵ヒロインの間宮麗奈に加え、新ヒロインの高鳥蓮華が加わります。
蓮華の立ち位置は、ハイパーゼクター入手のためにZECTに一時参入した天道の監視役としての副官なんですが、ドジっ娘の面をさらけ出した挙句、天道に心酔して押しかけ弟子になってしまい、彼女のドジを天道が尻拭いする日常ドタバタキャラにあっという間に転がってしまう、という。
要するに、ひより関連がシリアスになり過ぎたので、華やかさと明るさを加味しようとしたけど、ドラマの大筋には全くといいほど寄与しない、何のために出たのか分からない立ち位置になるわけですな。
しかも、次回から、さらに濃い矢車さんがやさぐれて復帰して、シリアスな展開なのに、キャラが濃すぎて、どんどん転がり落ちる話になっていき、ジェットコースターの下り坂をどんどん加速するような流れですな。
そんな中で、展開されるハイパーゼクターの争奪戦にして、カブトの超進化サプライズ。
どう、サプライズかと言うと、戦いの中でガタック(加賀美)が爆死します。
え? マジ? と思いきや、ハイパーカブトには時間を巻き戻しする能力があって(仮面ライダーオーディンのタイムベントという前例あり)、死んだ時間を巻き戻して救う。
つまり、ハイパーカブトの性能披露のためだけに、雑に殺される加賀美だったりします。加賀美に感情移入すると、衝撃に気持ちを翻弄されます。
この時点で、誰に感情移入したら、この番組を安心して楽しめるのか分からなくなって、自分は作品キャラへの感情移入をやめました。
いや、ひよりに感情移入したかったのですが、なかなか登場してくれないですし、
仕方ないので、カブトゼクターに感情移入するのが無難か、と思った記憶が(爆)。
ともあれ、ここから先は、キャラクターの立ち位置がエピソードごとに二転三転して、誰が誰と戦っているのか、敵味方の関係がよく分からなくなって、
一番強い絆で安定していくのが、地獄兄弟(笑)という形に(兄弟成立は35話)。
後から見て、一番安心して見られるのは、天道樹花だったんですけどね。日常のブレない象徴として、裏切ることもなく、裏切られることもない安定枠なのですが、リアルタイムで見ているときは、いつ、ひよりみたいに急変するか分からない、と不安視してました。
ともあれ、毎エピソードごとに急転直下が味わえる転落ドラマが続くってことで、それなのに空気が読めずにドジっ娘を繰り返すコミカルヒロインの蓮華が萌え要素と言えるのかどうかは、人それぞれ、と。
登場したときは、クールでシリアスな娘と思ったのに、ひよりの代役的な日常ヒロインを狙っていたのだと気付いたのは、番組が終わってからだという。
それだけ、話が迷走していたってことですね。キャラ配置とか役割が見えなくなるぐらい。
★ガメラ
最後に補足。
ジュンイチが、天才少年ではなく、天才少女だったというサプライズが次回、判明するみたいですね。
本名が市原純という、ジュンだったら女の子の名前にもなるのが、苗字のイチとつなげて、ジュンイチというあだ名だったら、誰もヒロインとは気づかないという仕掛け。
しかも、ミリタリー趣味のオタクメガネが、実は友だち関係に悩むメガネ女史(リケジョに成長する才能も示す)とは、作り手の丁寧な隠蔽工作に敬意を示しますよ、全く。
そんなわけで、少年3人のグループだと思ってたら、どんでん返しで覆って、果たして彼女をどういう目で見たらいいのか、と悩むブロディさんにもつながる、と。
今回のエピソードまで、自分はジョーに感情移入していて、ブロディとの関係性をドラマのメインと思っていたから、ジュンイチについてはノーマーク。まあ、サブカル好きのネタ提供役ぐらいに思ってたのが、ジュブナイルドラマの人間関係の印象が変わるぐらいの大仕掛けが仕込まれていたとは。
ともあれ、作り手の巧妙な仕込みに感じ入る予定ってことで、後編が楽しみ。
たぶん、ネタを知らなかったら、リアルタイムで仰天していたと思うので、深夜に感情を振り回されると、なかなか寝つけなくなっていたと思う。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/12 (Mon) 20:49:21
定期感想その1です。
●仮面ライダーガヴ(第34話:100匹ゴチゾウ大作戦!)
ストマック家がいよいよ分裂してきましたね。中盤までは唯一の敵組織だったわけですが(一般グラニュートは必ずしも敵ではないと描く方向もあり)、新たな敵:グラニュート大統領父子:ジャルダック家台頭でストマック家は急速に地位低下。ニエルブは見切りつける態度露わのようですし、ジープは以前から疎外されて、むしろジャルダック家を招き入れてストマック家に引導渡す格好。
そうも簡単にストマック家がバラバラになっていくのは、もともと結束が弱かったと考えるべきなんでしょう。けれど、少なくともグロッタだけは家族を思う気持ちがあったと窺えるシーンが今話にありました。ブチ切れてリゼルに詰め寄ったときですね。まず、ジープがシータの姿で現れたのを見てショックを受けてます。
すぐに復元したシータのミミックキーと分かるものの、ジープに説かれるとグロッタは言い返せない。普段の傲岸不遜ぶりがどこへやらです。さらにリゼルに煽られても言い返さずに、花瓶に当たるのみ。グロッタに家族への情があればこそに見えます。
ショウマに対しても、前に一戦交えたときはそこそこで手を止めてました(図らずもショウマの正体をバラシてしまいますが ^^;)。ショウマに止めまでは刺す必要はないと思っていたのかも。しかし、ショウマの母みちるは容赦なく闇菓子に。そこは「血縁」ということかもしれない。
仮にグロッタがショウマに対する情があって見逃していたのだとしても、それがシータ死亡の遠因に放ってしまう点がややこしい。もっとも、シータ&ジープがあくまでもショウマ打倒(抹殺)に固執したのが、シータ死亡主因ではある。こちらもグロッタは放置同然でした。もしかすると、その辺りが今話でグロッタが見せたイライラになってるのかもしれません。
一方、ランゴには今話ラストで待ちに待った機会が訪れたのかもしれません。闇菓子一千万という膨大な受注ですね。費用をジャルダック家が出すのがポイント。ニエルブは「やりたいことには金がかかる」と言って寝返っちゃってるわけですが、ニエルブに研究資金出せないランゴとて金には不自由しているはず。
それが闇菓子調達名目で引き出せるわけですから、うまく使えば造反・再下剋上を狙えそうです。グロッタみたいに不満をあらわにせず自重してきたランゴ、このチャンスを待ってたんじゃなかろうか。うまく立ち回ったように見えるニエルブより、一枚上手なのかも。
ともかく本編。冒頭はマーゲンのビターガヴに勝って「はぴぱれ」に帰り着く一行。出迎える大叔父デンテは元気そうでして、自分は「先週の弱った様子は一時的なものだったか?」と思いました。が、最後にやっぱりダメージ深かったことが示されるわけですね。
が、今は歯を抜いた痕も「虫歯で抜けてしもうてな」と元気そうに誤魔化す。幸果もデンテとの約束通り、ゴチポッド凄かったとか調子合せてますね。が、確かにマーゲンを倒した手応えはショウマにはないと。もっとも、ニエルブが発見したマーゲンは大ダメージは受けてはいる。ガヴの攻撃がパワー負けのお大振りで逸れたんで命だけは助かったと。
ニエルブはそれならばと、マーゲンに銃を与える。酸賀のベイクが使ったベイクマグナムを強化したものらしい。一方、ガヴもゴチポッドはフルパワーではなかったわけですな。ゴチゾウ100匹の上限には達してなかった。こちらはショウマがお菓子をバクバク食えばいい。
が、あと3匹というところでゴチゾウが出なくなる。いくらお菓子を食っても出ない。なんでだろうと皆が頭を捻り、幸果が「ウマショーからお菓子の感想聞いてない」と気が付く。義務ではなく嬉しくてつい口に出る感想ですね。それが嵩じて「美味しいものノート」を書くようにもなった。ゴチゾウを生み出す源はお菓子2割、嬉しさ8割といったところだったんでしょう。
これで残り3匹もクリア(しかし97匹ではなぜ駄目なのか? 1匹あたり1%みたいな単純計算ではないのかも)。しかし敵が先行してしまってるわけですね。銃を授かったマーゲンが暴れ出しまして、大勢を人質同然の捕獲までしてしまう。絆斗とラキア既に迎撃に向かうも劣勢、捕らわれの人々を救うすらできない。
そこへようやくゴチゾウ100匹揃えたショウマが到着、久しぶりの「二度と闇菓子に関わらないか」で交戦開始。ガヴ・オーバーモードはパワーは充分ですが、回避に長けるビターガヴにダメージを与えられない。オーバーモードは防御には優れるものの、撃たれ続けると危うそう。それならとラキア発案で、ヴァレン&ヴラムでビターガヴを押さえ込んで、オーバーモードで止め入れる戦術に。
これで決着でして、おそらく今度はマーゲンのビターガヴを倒した手応えがあったんでしょうな。が、デンテがアジトで様子がおかしい。うまくやり切ったような様子があったと思ったら、「もう、ワシがおらんでも大丈夫じゃなあ」と言うと、手にしたクッキーを取り落とす。描写はそこまでですが、デンテの最期の雰囲気あります。もしそうなら、ガヴ側はライダー強化はもうないことになります(酸賀の復帰、ニエルブの再寝返りがない限り)。
えらいことになったなと思ったら、ストマック家/社も最後に大波乱。大統領ボッカから言い渡される形で、まずニエルブが引き抜かれる。続いて、ランゴは闇菓子一千万を求められる。日本の12人に1人(8%)がヒトプレスにされる計算です。もう隠しおおせるレベルではなく、危惧するグロッタですが、ランゴは「予算はもらえるんだろう」と受ける構え。
次回「甘さゼロ!鉄壁のランゴ」では、ランゴが最前線/人間界に出張って、大量失踪事件を起こし始めるようですね。自分の予想としては「ランゴは面従腹背、従うと見せて造反準備」と予想しています(というか、そう希望 ^^;)。が、グロッタがどう出るかは未知数な感じだし、ニエルブもたぶんかき回してくるんだろう。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第12話:邪鬼、吼える!!)
ブーケが角乃の妹:緒乙(おと)という説を伺い、そうなら面白そうだと劇中での暗示とか匂わせを気にして観てるんですが、なかなかそれらしきものに気づけずですorz。何が面白いって、角乃と緒乙(おと)が陸王で(知らずに)つながる構図になる点ですね。
角乃は緒乙誘拐犯が灰色の瞳を持つと言っており、陸王は以前は灰色の瞳。しかし角乃はそこは知らず、陸王とは共闘中。ブーケは陸王を一目見て強烈に惹かれており、しかし陸王ブロマイドを破損したゴジュウレオン=陸王を憎んでいる。角乃とブーケが好意と敵意を向けていたのが同一人物で、しかも自分たちつながりと知ったらどうなるんだろうとワクワクします。
今話は陸王が解決の鍵を握る展開になってるんですが、前話で出張ったブーケは動きがなく、角乃/ユニコーンもバックアップ的な戦いですんで、ブーケの正体(?)に迫る流れは作りようがなかったようです。まあ、凱亜と瑠菜に何があったかから明かして、その解決のドラマですから、他の要素はストーリーに練り込む余裕がないのは仕方ないか。
まずブーケの言う「鬼ノーワンだった者」からですね。人間を取り込まないと実体化が安定しないノーワンが瑠菜を取り込む。が、その直前に瑠菜が死亡していたため、通常のノーワンではないイレギュラーになっちゃった。今話で見ての通り、憎悪の暴走状態ですな。
ブーケはそのイレギュラーの鬼ノーワン(ウニモチーフらしい)を鬼ごっこノーワン(ラッコモチーフらしい)に取り込ませて、一応の安定化に成功。理由は不明ですが、女王テガジューンがそれを気に入ったらしい。しかし鬼ごっこノーワンが倒されて、鬼ノーワン(だった者)が解放されて今に至るわけですね。
凱亜にとって問題なのは、取り込まれた瑠菜が既に死亡しているため、イレギュラー鬼ノーワンを倒しても瑠菜を救えないこと。亡骸しか取り戻せないわけですし、イレギュラーを倒すことは瑠菜の完全な死亡を意味する。
それでも憎悪で苦しみ怨霊の如く暴れる瑠菜を鎮め、成仏させるべきかもしれません。が、陸王がオカリナの調べから見破ったのは、むしろ死を願うのが凱亜のほうだということ。瑠菜死亡の原因が鬼ノーワンではなく凱亜自身だから、ということでしたか。崖から落ちそうになった凱亜を瑠菜が救って、しかし瑠菜が落ちて死んじゃったと。
その罪の意識から、凱亜は瑠菜に殺されるために探し続けていたと。今話前半はそれが明かされていく、なかなか重い流れでした。実際、鬼ノーワンに対峙すると瑠菜は「お前が憎い!」と叫んで凱亜に鬼の眼差し。
しかし、耳が聡い陸王が瑠菜の心情に気が付くわけですね。瑠菜は凱亜の吹くオカリナのメロディーで歌ってると。巨大化した鬼ノーワンに討たれる覚悟の凱亜を陸王は瑠菜の歌で救い、瑠菜は恨んではおらず暴走しているのみと伝える。凱亜も真相を知って腹を括り直してオカリナを吹く。
ベタかもしれませんが納得の運びです。そのせいか、瑠菜「光と未来を奪われて、突き落とされし奈落の闇、あなたが憎い鬼ノーワン」~凱亜「添い遂げたかったお前の恨み、それが犯した罪ならば、愛を歌おうガオレッド」のやり取りがすんなり胸に入っちゃいました。こういうの、普通なら芝居がかってるなあと、半ば笑っちゃったかもしれません。が、今話のはそこまでの段取りがしっかり支えてくれたんでしょう。
さらに、この2人の覚悟に応えて現れるガオキングもです。ベタなのに予定調和とかご都合とかいった感じがしない。むしろ「待ってました!」ですね。が、やはり決めるのは巨大ロボでもガオレッドでもなく、等々力凱亜。ただし、突入時の凱亜は依然として死を以て償う覚悟ですが、瑠菜が突き放してくるのが期待通り。生まれ変わっても巡り合う、という瑠菜の真の願いに凱亜も応える。そして巨大鬼ノーワンを倒しまして、今生では別れと相成る。
瑠菜を奇跡の復活とかにしないのが、いいドラマですな。吹っ切れた凱亜は陸王を野獣使いナンバー1と認め、ガオレッドを託して去る。陸王が相手の頼みを聞くのではなく、願いを察して叶えたとなります。そう分かってみますと、前話冒頭での(逆恨みっぽいとはいえ)他人に襲い掛かられるほどの恨みを買っていたシーンの印象も変わってきます。
こうも隠れた真情を察する陸王ならば、という感じですね。それが芸能界を追われた事情とか、灰色の瞳とかの印象に影響をじわじわ与えてくる気がします。現状、陸王は角乃とブーケ(=妹:緒乙)の間の立ち位置ですんで、疑惑から信頼へ変化するドラマなんかだと自分好みなりそう。
そこが気になるんですが、次回「家政婦激走! 竜儀の流儀」では暴神竜儀についていろいろ明かす趣向のようですね。ユニバース戦士はカーレンジャーのレッドレーサーですか。原典準拠だとコミカルになるはずですが、脚本は別の方でしょうからどうなるんだろう。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/13 (Tue) 14:27:35
今回は、戦隊が長くなりそうなので、先にガヴとゴジュウジャーをば。
★ガヴ
ゴチポッドで変身するオーバーガヴの弱点を描写した回ですね。
圧倒的なパワーで一撃必殺の攻撃力を持っているんだけど、燃費と命中率が悪すぎて、運用に難がある、と。
それをサポートするための仲間の奮闘を描くとともに、ゴチゾウの元となるお菓子は決して戦いの道具ではなく、幸せな想いがなければ生み出せない、と。
その意味では、闇菓子と対になるなあ、と思うわけですが、闇菓子は他人の幸せを味わうのに対して、ゴチゾウは自らの幸せが形になる、と。
人の幸せを奪うか、それとも自分から幸せを生み出すか、の違いがあるわけで、その辺の幸せの解釈が、今後のドラマのキーになるかも。
で、心配されているデンテおじさんですが、もしも今回で退場であれば、公式サイトに役者のクランクアップ報告があるはず……と思いつつ、声優さんの場合はどうだったかな。
酸賀さんの場合とは違うと思いつつ、ゴチポッドは上下を逆さまに使うと、紫のマスターガヴになるので、その辺の仕様の説明をデンテおじさんにしてもらわないと。
それよりも気になるのは、ランゴ兄さんですな。
今の流れだと、次回に大暴れして、翌週にマスターガヴに倒される? ような流れですが、果たしてそこで退場か。あるいは重傷を負いながらも生き延びて、ガヴもしくは大統領への恨みで動く第3勢力になるのか。
現状だと、ショウマ陣営と、大統領陣営(ジープ、ニエルブも参入)と、ストマック本家(ランゴ、グロッタも参入)の三つ巴もありそうです。
まあ、ランゴ兄さんが5月で退場するか否か、そしてグロッタ姉さんが重傷を負ったランゴ兄さんを助けて、どう動くか、ですな。
ますます、グロッタ姉さんの去就が、去年のクロトーにかぶって来た感じです。
そのクロトー役の人(宮原華音さん)は、TTFCのスピンオフ『マジェードwithガールズリミックス』で、前世のアマゾンズの変身しない女戦士・高井望役で出演しているそうですが。
一方で、クロトーとしても、スピンオフの『ラケシス』で出演。
ストマック家の人たちも、来年の今頃はスピンオフにいろいろ出ているのだろうか。
あと、シータ役の人が、ジープの仮装でチラチラ出演してるんですね。一人二役ならぬ、二人一役みたいになってます。
他のネタとしては、次期の仮面ライダーのタイトルが『ZZZ』と書いて、ゼッツと読むらしいと情報チラホラ。
まだ、この段階では、タイトル以外の情報は眉唾ですが。例年だと、6月に玩具情報が出始める頃合いで、7月に公式発表かと。
★ゴジュウジャー
今回は、ゴジュウジャーらしからぬコミカルを排した、マジメ一徹の感動エピソードでした。
そして、ガオレンジャーのオマージュというか、本歌取りとも言える濃い内容でして、さすがは坂本監督というか。
ええと、坂本監督は、ガオレンジャーのスタッフではないのですが、当時はアメリカでパワーレンジャーのアクション監督から、プロデューサー補佐になっていて、パワーレンジャー版のガオである『ワイルドフォース』にがっつりタッチしていたわけですね。
だから、今回の話にも、そういう要望があって、監督主導による提案→脚本打ち合わせなどの流れ。
だから、いつもよりも原典へのこだわりが濃い。
これまでのゴジュウジャーのユニバース戦士は、例えば、ドンモモにしても、ティラノ教授にしても、原典のストーリーとの絡みはほぼ皆無なんです。
ジュウレンジャーは恐竜モチーフというだけで、考古学という要素と絡めていましたが、原作では考古学なんて言葉はほぼ使われていない。原作にこだわっていないメインライターさんが、「恐竜といえば考古学」という素人発想で、強引にアイデアを出して来たに過ぎない。
なお、これがパワーレンジャーを絡めると、アバレンジャーの方に考古学教授が登場して、その教授が元ジュウレンジャーというOB戦士だったりします。
元祖パワーレンジャーのグリーン(ドラゴンレンジャー)が、こちらの宮内洋さん並みに大人気で、ダイレンジャーのキバレンジャーから、オーレンジャーのレッド、カーレンジャーのレッドまで継続出演した後、引退したと思ったら、前述のワイルドフォース(ガオレンジャー)にゲスト出演したあと、アバレンジャーの4人めアバレブラックになって、1人で緑、白、赤、黒の戦隊スーツを装着したという。
そこまでを踏まえて、考古学教授という設定にしたなら、メインライターの戦隊マニアレベルは相当高いと思いますが、たぶん、そうでない。
逆に、そこまでこだわると、来週のレッドレーサーが家政婦という奇抜な発想には至らないと思いますので、メインライターさんはその旧作とは違う新奇性を武器にして欲しい。
で、たまにサブライターの人が、戦隊マニア的に濃い話を今回みたいに描いてくれると、いいバランスかな、と。
とは言え、今回、サブライター回なのに、重要な設定を提示して来ましたね。
・ノーワンは、強い願いの思念だけを持った不完全なエネルギー体なので、同種の願いを持つ人間を取り込むことで完全体となる。
ええと、ドンブラザーズのヒトツ鬼に似ていますが、人が激しい情動や欲望で暴走したのがヒトツ鬼(主体が人間)であるのに対し、ノーワンの場合は、主体がノーワンの不完全エネルギーで、人間を依代として乗っ取る。
つまり、ヒトツ鬼は素体の人が主で、鬼化エネルギーを取り込んで暴走。そして、暴走しやすい体質あるいは気質の人間が多いようで、大野さんや雉野は複数回、怪人化したケースもあった。
一方で、ノーワンの場合は、エネルギー体の方が主で、宿主の人の思念に多少の影響を受けつつも(昭和のズバット好きなどの、地球の文化へのこだわりとか)、ナンバーワンバトルで頂点に立ちたがる思考の方向性は、宿主のものではない。
そして、自然に発生するノーワンもいれば、ファイヤキャンドルやブーケなどのブライダン幹部が、同調しやすい人間を探して意図的にノーワンを作り出す場合もある。
ヒトツ鬼の場合は、自然発生型が大部分でしたからね。
言わば、天災に近いのがヒトツ鬼で、意図的な人災に近いのがノーワン。でも、今回は、憑依先の人間が融合中に絶命したので、コントロール不能になったイレギュラーが鬼ノーワンで、それをコントロールしようと二重憑依にしたのが鬼ごっこノーワン、と。
ともあれ、怪人生成の原理をこれまで説明していなかったのが、イレギュラーを説明するに当たって、初めて説明回が入るという。
これはメインライターの人ではなく、プロデューサーが考えたのか、それともサブライターの人が改めて設定を理論立てたのか、いろいろ背景を知りたいところ。
まあ、いずれにせよ、ここで新たな疑問が。
ノーワンたちは、不完全なエネルギー体ということですが、ブライダンの幹部たちはどうなのか?
ファイヤキャンドルも、ブーケも、元々ノーワンワールドの住人ではなくて、その体は人間で、そこにノーワンワールドのエネルギーが憑依しているのではないか?
それだと、ブーケが角乃の妹説も成立し得ます。
で、人間の思念の強さによって、その姿がノーワン怪人か、より理性的で人に近いブライダン幹部になるのかが決まる?
また、今回の話で、主人公の吠が、ノーワンワールドに引き込まれたときに、助けてくれた女の人が「願いを持つな」と言った理由も判明しました。
願いを持ったら、その願いに引き付けられたノーワンエネルギーに憑依されて、怪人化してしまうからですね。
あるいは、ノーワンワールドで怪人化→その後、時間を経て、ただの怪人から昇格したのが、クオンやファイヤキャンドル、ブーケたちかもしれない。
もう、今回の話で、一気に推測の材料が示された気がします。
さて、今回の鬼ノーワンは、女王テガジューンのお気に入り、という話ですが、女王の望みの一つは「婿探し」と発言していました。
つまり、男女の恋愛感情というものに執着がある?
だったら、鬼ノーワンの素体が、婚約者持ちの悲恋の渦中にある女性ということで、愛着を持っているというか、感情移入しやすいのでは?
他には、ゴジュウレオンの陸王の「超聴覚やアイドル設定」が、ドラマに絡めて、非常に計算高く使われていたのがいいですね。
いつもの(奇抜な感性で作られたサプライズ中心の)ゴジュウジャーとは違う、非常に理詰めの脚本だなあ、と。
こういう話だと、設定考察する意味が出て来るというか。
……と、ここまで書いて、時間切れです(仕事に行かなきゃ)。
次はガオレンジャーの本歌に当たる部分を、書き連ねたいと思います(夜に仕事から帰ってからか、明日の午前にでも)。
当記事 未完ってことで、続く。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/13 (Tue) 23:31:08
定期感想その2です。
以下を書いている途中でNOVAさんのご投稿に気が付きまして。「戦隊が長くなりそうなので」に「あ、やっぱりそうなのか」となりました。ガオレッド編は脚本家・監督がガオレンジャーに(とどまらず)詳しいとのことでしたんで、いろいろ面白がれるポイントあったんだろうなと。
自分はガオレンジャーはネット放映で視聴しましたが、ゴジュウジャーのガオレッド編がどれくらい原典ガオレンジャーがリスペクトされてるかとかよく分からず。感想書かずにネットの毎週4話の戦隊(と4話のライダー、さらにローカル局放映2話)見てますと、きちんと整理できず記憶も飛びがちのようです。
前の戦隊考古学について、ジュウレンジャーにはないがパワーレンジャーも含めるとこうなる、ということなどは自分が自力で考察できる範囲を遥かに超えてます。が、伺ってみると「なるほど、そういうものか」と。そのうえで、戦隊考古学は「素人発想で、強引にアイデア」だが「旧作とは違う新奇性を武器」となり得ることに納得。
戦隊考古学はそうだとして、ガオレッド編は「戦隊マニア的に濃い話」とのことで、そこがよく分からなかった自分でも、お話を伺えばいろいろ面白がれる点がありそうです。
●GAMERA -Rebirth-(第6話:深く静かに潜航せよ)
ギャオス編ではガメラが何者か分からず(ボコだけ何か感じたようですが)、ジャイガー編では米軍にガメラへの攻撃からサポートに切り替えるよう進言、このジグラ編では最後にようやくガメラを勝ちに導くするに至りました。じわじわと「ガメラと共に戦う」流れに持って行ってくれてるようです。
そうできるのも、なぜかガメラがボコらの危機を救うべく行動しているようであるからですね。前話では怪獣と接触した子供たちを乗せた船がジグラに襲われたわけですが、ガメラは救いに行ってない。ガメラはボコらを追う傾向がある。その辺りの謎は解かれるのかな。
ともかく本編。前話の続きで財団のハイテク船:セルケト号から発進の潜水艦がジグラから逃げ切れるか、ですな。自分は潜水艦も特殊な推進機関を持つのかと思ってまして、「水中は水上より水・波の抵抗少ないから」とか思ってました。が、どうやら普通のスクリューだけらしい。
そのため追って来るジグラから潜水艦は逃げる術を持たず、スクリュー停止で音を消してやり過ごせないか試してみる。いざという場合の魚雷だけはスタンバイしておく。が、ジグラの動きが雑で、さっきまでの追跡・攻撃の正確性がない。
そうと分かってからはジュンイチがようやく活躍ですな。周囲からすれば平時には単に面倒臭いジュンイチのこだわりが、この緊急時には頼みの綱くらいに役立ってくる。ジュンイチの推測ではガメラが沈められる寸前に放った電波がジグラの方向感覚を狂わせたのではないかと。
ならば、ジグラを惹きつける「怪獣と接触した子供」(=ジュンイチら)を囮として陸へ誘い込み、ガメラに止めを刺してもらおう、というわけですね。水中特化のジグラに対し、陸戦なら万能型のガメラが有利となるはず。しかし、潜水艦では電波の出力が足りない。そこで近場で電波塔があるオメガ島へ。
自分はボコがガメラとついに交信成功して勝ち方を教わる/察するのかなと考えたんですが(怪獣同士は相手の長短を分かってるみたいだし)、そうせずにジュンイチの活躍としてきたようですね。前話のジュンイチとエミコの会話は感慨深くはあるものの、ちょっとめんどくさくもあったんですが、だからこそこの後半の流れに上手く効いてくれてるようです。
しかし、艦長は「子供の妄想」とジュンイチ案をいったん却下。自分は一瞬「頭、固いなあ」と思ったんですが、よく考えるとそうでもない。ジュンイチの推測は根拠は薄弱なのは間違いなく、他の解釈もあり得ます。ジグラを挑発する戦術ですから、当てが外れたら全滅する。
艦長の現状維持案(このままやり過ごす)はジグラがあさっての方向をウロウロしているだけに、うまく行く可能性はある。時間を稼いでいる間に救援・応援が駆けつけてくれる可能性も低くない(例えば対潜の航空部隊なら到着は早い)。とはいえ、ジグラが正確に子供たちの位置を察知するように回復したら万事休すとなる。
どっちがいいとは言えませんが、ジュンイチ案はジグラを倒すという根本解決になってますな。そこを考慮したのかどうか、まずジョーが口を開き、ボコも続き、「あのときのUFOは本物だった」と(だから今度もジュンイチが正しい)。何のことか分かるエミコがジュンイチ案が「ジグラに対抗できる一番可能性の高いプラン」と艦長に進言。
しかし準備が間に合わないと渋る艦長ですが、そこを手配できるタザキがいる。支障はないとなって、ついに艦長も押し切られる。ただ、タザキは何かを警戒して、財団ではなく日本政府に準備を依頼したようですね。どうやら自衛隊が動くらしい。
ついに作戦開始ですが、オメガ島電波塔へガメラの発信パターンを持って行くのは子供たちに託される。乗組員はオリリウムを死守しないといけないらしい。人員不足ということもあるんでしょうけど、それだけオリリウムが財団か何かの死活に関わるほどのものということなんでしょう。子供たちに別行動させれば、潜水艦・オリリウムからジグラを引き離せるという冷酷な計算もあるんだろう。
エミコ、タザキは子供たちと同道。潜水艦は「上陸」したものの、周囲に出迎えとかはなし。それでも避難は完了してるみたいで、怪獣が暴れても人的被害の心配は無用。ただ、車とかないから電波塔まで走っていくしかない。それがジュンイチの正体(?)につながる伏線的な描写になってたようです。
子供たちの中ではジュンイチがまずヘバッてしまう。最も体格が小さいボコはまだまだ頑張れてるが、ジュンイチがもう走れない。ジュンイチがインドア派のオタク系だと考えれば順当な描写ではありますが、加えて女の子であるということがあるわけですね。12歳頃だと既に体力の男女差が現れててもおかしくない。
ジュンイチを運ぶわけですが、ボコも加えて騎馬戦タイプの3人立て。右後方のブロディは腕にジュンイチを座らせる格好になってまして、これが後でブロディが大いに動揺する一因となってるかも。ギャオス編でのブロディの連れとか行動パターンから考えると、女子との身体接触は慣れてなさそうです。
が、ジグラがもうそこまで追って来る。ジュンイチはギリギリで電波パターン接続に成功、すかさずタザキが連絡入れて電源オン。途端にジグラの行動が迷走し始めまして、ジュンイチの推測が正しかったと証明されましたな。が、ボコが何かを感じ取ったと思ったら、ジグラが立ち直って来る。
ガメラの電波パターンにジグラが耐性ついたのか、それとも視覚・聴覚頼りから嗅覚頼りに切り替えてきたのか。ともかくもかえって大ピンチを招いてしまったわけですが、ようやくガメラが追い付いて来た。戦場はガメラ優位の陸戦ではありますが、ジグラも全力の抗戦でして、尻尾をいっぱいに伸ばしての刺突で捉え、大きくジャンプして液状弾の一撃。
しかし陸上では威力が劣るようで、ガメラはものともせずに火焔弾を放ち、一撃でジグラを火だるまにして倒す。あまりにあっけなくて、自分は炎に包まれたジグラが最後にして最大の一撃を放つんじゃないか、あるいは死なば諸共とばかりに組み付いて来るか、とか思ったんですが、そのまま絶命しちゃいましたな。陸ではここまで弱体化するのか、ジグラ。
ラストはブロディですね。ちょっと離れて話すジュンイチとエミコにぶつくさ言うとりましたが、ボコが「女子同士だし」と言うと大慌てで「女? ジュンイチが?」と問い詰める。が、かえってジョーはポカンとし、ボコは「友達だろ」と。ブロディは「そうかもな」と口では言うも、しばらくは混乱しそうですね。
こんな状況(怪獣のほう)でも与那国に向かうらしい。何か重要なものがあるということなのかな。どうやらそこでギロンが襲来するようです。
●仮面ライダーカブト(第33話:萌える副官、第34話:砕け超進化)
まさか天道が泣くとは思いませんでした。先週分で天道もまた情の人であると理解はしましたが、一応は自分を保って己が道を踏み外さない余裕くらいはあるだろうと思ってましたが。が、泣かれてみるとちょっと見方変わります。余裕を見せているようでいて、内心ではずっと必死だったのかもとか。
前に申したと思いますが、古代中国:東晋の宰相:謝安みたいな感じ。落ち着いた風を見せていても、内心では激しい葛藤があった人物です。普通は馬鹿にされてるようですが、自分的には好感度大。
(前に述べたことですが、謝安は北の大国:前秦の苻堅が百万の大軍で攻め寄せて来たとき慌てず騒がず対処、これを見て自信を得た甥の謝玄が前秦軍を撃破するも、知らせを受けた謝安は驚く様子もなかった。が、一人になると狂喜して跳ねまわったという故事があります。)
天道が泣いたのが一時の弱気だとしてもカッコよくありますし、ずっと内心では悩み苦しんでいたとしても、自分的には高評価できますし感動もします。
それにしても天道だけでなく、いろいろ激しく揺れ出したと実感します(そうなると伺ってはいたわけですが)。天道が動揺した原因のひよりの失踪もそうですしね。しかも、天道そっくりの謎の男の関与のようだし、ひよりに対する鍵となるハイパーゼクターを巡ってのことのようだし。帰って来た矢車もひどく変わっちゃってるし。
そんな中で神代だけが不動の安定を見せているように思えて、神代が出てくると安心な気がしてしまいます(^^;。いや、神代が自分の正体(姉と自分を殺害したスコルピオワーム)に気付いてない危うさは分かってるんですけど。そこはよく分かってるんだけど、神代(人間態)のブレなさに感じ入ります。「まあ、神代なら何があってもへこたれんだろ」くらいに思えます。じいやも支えてくれてますし。
(このブレなさ、性格は異なりますが、龍騎の浅倉威の印象と似ています。登場当初は危うい人物に思えたものの、観続けていくうちに登場してくれるとなぜか安心感覚えるという点が類似しているようです。)
その神代の今週分のドラマは「ちょっとした家出」といったものでした。まず、神代家の財政難を救うべく、いともあっさりとサソードゼクター・ヤイバーを天道に売り渡しちゃう。心配するじいやに「俺には名剣ディスカリバーがある」とワーム討伐に自信を見せる。じいやの心配が『自分(神代)がワームと気付いてしまう』なのは知る由もなし。
しかし、いざワームと戦おうと鞘から抜くと刀身がない。じいやが売っちゃってたわけですね(じいやが慌てたのはこれも原因だったか)。じいやが剣を買い戻したものの、ゼクターを売った代金以上の金がかかり、借金が増えることに。
これを反省したらしい神代、旅に出るとじいやに告げて街に。古着屋らしき店でちょっとした勘違いから小学生の格好となり、せんべい屋で万引きと間違われ、しかしたこ焼きの縁で樹花に救われ、夕方には邸に帰って来る。小学生が下校途中で寄り道して、お腹がすいたから家に帰った、くらいの感じですね。
正体の割にはほのぼのの神代ですが、彼以外はいろいろヤバくなってますな。冒頭からひよりが行方不明なことが示され、おそらく何かを知っている三島は詰め寄る天道らに取り合わない。上述しましたが、ひよりを心配する天道は泣き出してしまうほど取り乱す。加賀美も非常に気にしているようです。
が、事情を知らない樹花はあっけらかんでして、なぜか高級車で送り迎えされてる。何があったかと思ったら、天道がZECTの隊長になってるわけですね。唐突のようではありますが、以前もあっさりとZECT隊長として採用されてましたから、出向けば迎えられると思っておかしくはない。
影山はまたも天道の部下ってことですな。ただし天道の課したテストの演習をクリアしたのは加賀美と謎の訓練生。訓練生の正体は新登場の高鳥蓮華で、反抗する影山を易々と押さえ込み、ついに副官に採用される。非常にストイックな人物でして、もう7年間も美味い飯を食ってないらしい。食うのは干し飯などの戦闘時糧食のみ。
そこは高鳥蓮華が実は三島の指示に従っていることが影響しているようです。三島は味覚がないから普通の食事はせず、サプリで済ましている。それを強さの秘密と思ったのか、蓮華も倣っているらしい。が、やはり美味いものは食いたい様子、後で天道の料理を口にして、天道側に転んじゃうわけですね。
樹花はワームのことすら知らず、おそらくは世間は平和と思ってますんで、加賀美に自分(樹花)が天道の実の妹ではないことを気軽に話したりする。しかし加賀美にとっては重要な情報でして、こっそり聞いた天道の「お前(ひより)はたった一人の妹だ」の意味をようやく理解。加賀美もじわじわと真相に近づき、巻き込まれつつあります。
が、加賀美は天道の計画(ZECTに隊長として潜り込み、全てのゼクターを集め、ワームもライダーも消し去る)については対立していく。正体がワームである神代も守りたいわけですね。できれば、神代が自分が人間だと思ったまま天寿を全うして欲しいんでしょう。
そこは、前は天道がひよりに望んだことと同じではある。しかし、ひよりの正体にひよりも周囲も気づいてしまった今となっては、天道の言う「奴ら(ワーム、ZECT)がいては、ひよりはひよりとして生きてはいけない」も加賀美にはよく分かる。いい意味で単純真っ直ぐの加賀美には解決しがたいジレンマですね。
自分(天道)を理解してくれる加賀美は後回しのようで(ガタックが強力なせいもある?)、まずターゲットにされるのが影山/ザビーですか。いや、その前に神代からサソード買い取り。風間に至ってはかわいそうになるほどでして、天道がゴンに頼んだら、あっさりとドレイクグリップ持ってきてくれて、ドレイクゼクターもあっさりついて来る。まあ、ゴンとしては風間が戦いから離脱するのはむしろ歓迎なのかもしれません。
三島にも疎んじられるようになって孤立無援の影山は、カブトにあっさり敗れ、間宮麗奈/ウカの「助けてやってもいいんだぞ」に畏服する。さすがにウカ・ザビー相手ではカブトも苦戦ですが、思わぬ救援登場。というより、バーサーカーに近いかな。
矢車ですな。すっかり人が変わってます。「どうせ俺なんか/誰か俺を笑ったか?/etc」とすっかりひねくれます。ジオウで見てはいるものの、カブト本編で観てみると「こっちに振り切れちゃったのか」と驚くものありです。ザビーにはもう興味はなく、今はキックホッパーなわけか。
登場が後発なだけあって、なかなか強力な模様。少なくともウカ相手に鎧袖一触で退けられたりしない。サナギ体複数を肉弾戦で瞬殺。ザビーも油断していたとはいえ一撃で変身解除させる。さらにキックホッパー、ゼクターを要求するカブトに襲い掛かって後半(第34話)へ。
キックホッパーはカブトとも渡り合えているようですが、ザビーを奪われた影山がカブトに泣きついて水入り。しかしすげなくされて泣く影山ですが、これは観てももう驚きません(^^;。矢車も「俺なんか涙もとっくに」とか言い、さっさと立ち去る。
影山、三島に直訴に及ぶも「ここは末端の一兵士が来ていい場所じゃない」と雑魚扱い。もう高鳥蓮華にポジション奪われちゃってるわけですね。ただ、影山が口にした「新たなライダー」は三島も把握していなかったようで、若干動揺した感じです。調べ直してみると加賀美陸が極秘裏に開発とのことで、三島にすら内緒だったようです。
状況が錯綜してきたわけですが、どうやら争点は「ハイパーゼクター」であるらしい。三島、麗奈、天道の動きがそれに収束していってます。天道の言うZRCTとライダーを消す計画も偽装である可能性ありそう。なにせ、集めたゼクターとハイパーゼクターの交換を持ちかけたりしてますから。断られて、天道が焦りを隠せない様子からは、そっちが本命なのかも。
もっとも、そこは間宮麗奈からの情報(擬態天道とひよりの行方)で方針転換したのかもしれません。時空の彼方に飛ばされたらしいひよりを救出するなら、時空を超えるハイパーゼクター。それがあれば、ひより救出後に全てのゼクターを集め直すのも簡単なはず。
そうなりますと、三島のそばに内通者がいるほうがいい(加賀美含む田所チームは既に警戒・疎外されてる)。それが高鳥蓮華で、押し隠した食欲が弱点。そこを突いて、オムライスで陥落させると。これは計算高いようではありますが、そのほうが高鳥蓮華も幸せということなんでしょうな(小学5年生のときから美味い飯食ってない計算になる)。
ついに蓮華がハイパーゼクターを盗み出し、三島、麗奈/ウカ、天道らの3勢力の争奪となる。いったんは麗奈/ウカが奪取するも、これを良しとしない三島がハイパーをケースごと爆破。が、ハイパーを失っても勝ち誇る(のか負け惜しみなのか)三島が「お前(天道)の未来を壊してやったぞ」と言ったことで、天道は全部理解したみたいですね。
即ち、ハイパーゼクターで変身したカブトは未来から来た自分であり、今の自分にも未来からハイパーは呼べばやって来ると。その通りになりまして、カブトはハイパーフォームへ。ガタックでも苦戦するキャマラスワームを余裕で倒してまして、現最強であるんでしょうな。
それにしても、ややこしいことが説明抜きで起こりましたんで、ラストはビストロ・サルで天道が語ってくれてます。今までちょくちょく現れたカブト似のライダーは未来の天道が2台目のハイパーゼクターを使って変身し、時を遡って現れたということですか。まだ今の天道は戦闘用にしか使いこなせてないが、いずれタイムトラベルもものにしてひよりを救いに行けるはず。
というところで、ハイパーゼクターが何か映し出したと思ったら、ひよりの絵。ひよりはどこにいるか分からないながら、無事(未来で存命)ではあるということですね。次回予告ではそこについては触れてないですが、矢車の「影山、俺と一緒に地獄に」の台詞はしっかりありまして、いよいよ地獄兄弟誕生なのかな。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/14 (Wed) 00:25:49
昼の記事の続きです。
テーマとしては……
★戦隊考古学(ガオレンジャー編)
ということで、毎回はできませんが、スペシャルな話では、関連戦隊の意義について、蘊蓄を語ってみようかと思いました。
で、このガオレンジャーは2001年の作品で、ニチアサ相方は「仮面ライダーアギト」です。
前年の2000年に、クウガとタイムレンジャーで、空っぽの星、時代をゼロから始めて未来へつなげるスーパーヒーロータイムが始まったわけですが、その翌年にして、21世紀初の戦隊となります。
またスーパー戦隊25作品記念で、歴史的にも非常に重要度が高い位置づけになります。
・夏の戦隊&ライダーのカップリング映画が初めて作られて、今なお続いている。
・ビデオ作品の戦隊VSシリーズは、すでに毎年作られていたが、この年は前年のタイムレンジャーとのカップリングではなく、『ガオレンジャーVSスーパー戦隊』というタイトルで、ガオレンジャーを応援するために、ジャッカーのビッグワン(宮内洋)を始め、レッドファルコン、ギンガブルー、ゴーイエロー、メガピンクの混成ドリームチームが駆けつけて来て、過去の戦隊の活躍映像なども流しながら、72分の長尺作品として作られた(戦隊VSシリーズの基本尺は大体40分程度)。
ある意味、後の海賊戦隊ゴーカイジャーは、この作品のさらなる拡張版と言える。
・一方で、アメリカのパワーレンジャーは、ワイルドフォースがシリーズ10周年に当たり、記念作品として歴代レッドの集結する『フォーエバー・レッド』が製作されている。
ということで、タイミング的にも、いろいろメモリアル要素の多い作品なんですが、
内容としては、前年のタイムレンジャーが大人向けSF要素の濃いストーリーで、子どもを置いてきぼりにしたクールな雰囲気だったのが一転、子ども向き動物ファンタジー(おとぎ話)の雰囲気と、単純明快で勢い任せのストーリー(ホットでワイルド)で、低年齢化したと言われつつ、玩具商品が大ヒットした実績もあって、いろいろと革命的な要素も大きい、と。
●従来の戦隊ロボ:大型の1号ロボに、追加の2号ロボが加わって、スーパー何ちゃらロボになる。玩具の高価化と、売れ行きのバランスで四苦八苦。
●ガオレンジャーのパワーアニマル商法:大型の1号ロボ、ガオキングは従来のロボ商品だけど、ガオキングの腕や足のパーツを別売りの小型商品のパワーアニマルが変形した武器に換装して、いろいろと別形態が作られる。毎月、パワーアニマルを低価格商品として発売することで、安定した売れ行きを確保して、以降、武器換装型の戦隊ロボが続出する。
……とまあ、内容は明るく豪快で、関連商品も順調で、イベント作品も多く、21世紀の戦隊の始祖となって大いに盛り上げた作品です。
「人の心と自然の絆が一つになって、ここに大いなる精霊の王が誕生するのです」といった風情のナレーションが定番で、
「◯◯と△△が一つになって奇跡が起こる」的なフレーズが多用されるようになったな、と。
考えてみれば、ゴジュウジャーの昭和回のときの「昭和のバイタリティと、ニンニンジャーの忍タリティが一つになって、テガソードが5体に分身した」のも、元はと言えば、ガオレンジャーの奇跡の定番フレーズになってる。
そんなわけで、ガオレンジャーでは、ピンチも多いけど、奇跡も多い。
考えてみれば、パワーアニマルをいっぱい登場させないといけないから、2週に1回ぐらいのペースでピンチになって、新たなパワーアニマルの登場と、絆を結んでの逆転勝利を繰り返さないといけないんだから、そりゃあ、奇跡も何度も起きますな。
そして、物語半ばで、レッドと追加戦士のシルバーを除いて、他の4人が全員死亡。だけど、その後、神さまの奇跡で全員復活とか、
最終回1話前で、パワーアニマル全滅したけど、最終回で奇跡が起こって、復活したのみならず、しかも各地に眠るパワーアニマル100体が全部集まって、百獣アニマルハートという合体光線でラスボスを撃退するとか、そんな豪快な、奇跡の安売り戦隊でもあります。
ですから、今回ガリュードが「こんな歌で奇跡が起こると思っているのか」と言ったとき、ガオレンジャーを知るファンは、「いや、ガオの世界は奇跡が簡単に起こるし」とツッコミまくり、です。
まあ、ガオキングは大いなる精霊の王で、その後、ガオマッスルとか、ガオイカロスとか、ガオゴッドとか、神さまクラスの精霊の王がいっぱい出現する世界ですからね。
ともあれ、タイトルが百獣戦隊で、まさか本当に百獣は出ないだろう、と思ってたら、最終回でCGで百体のパワーアニマルが登場して、しかも、その百体全て名前がきちんと付けられているということで(さすがに商品化はされていないけど)、百獣のネーミングリストがしっかり公表されたときは、マニアが凄いと喜んだ記憶が(自分もそのマニアの一人だったけど)。
劇中に登場して、商品化されたパワーアニマルは20体強だけど、ロボ関連商品がそれだけあるのも、当時は前代未聞だったわけで。
と、ロボ的にもいろいろ革命というか、大ヒット商品となったわけですが、
本編の内容に移ると、
ガオの巫女テトムが、邪悪な鬼(オルグ)の出現に際して、天空島アニマリウムにいる精霊獣パワーアニマルに選ばれた5人の若者を順に招集します。
イエロー、ブルー、ホワイト、ブラックの順に集められて、4人が活動しているところから第1話が始まって、パワーアニマルのリーダーであるガオライオンに選ばれた獣医の獅子走が、最後に選ばれるところから物語がスタート。
最初に選ばれた元空軍パイロット(ガオイーグルに選ばれた)のイエローは、規律こそがチームに大事と言うものの、新入りのガオレッドはそういう堅苦しい考えじゃ、パワーアニマルの気持ちが分かるかよ、と自分のやり方を曲げない。
序盤はリーダー争いで対立していた2人ですが、イエローの方が責任感のあまり無理をしていたことが判明し、レッドのやり方の方が精霊の力を発揮できると認め、柔軟な姿勢に転じることで和解。
なお、ガオレッドのセリフは「俺は獣医だ」と言って、動物関連のトラブルは全て直観的に解決。「やる気満々だぜ」と気合いを入れたら、それだけで力押しで奇跡も起こる。
ほぼ悩むことのないポジティブ主人公です。ある意味、典型的な戦隊レッドですが、それでいてバカじゃない。獣医だけあって、状況分析もしっかりできる。
イエローに「どうして、そんなことが分かるんだ」と理屈で問われたら、「俺は獣医だ。任せろ」と言って、説明はしないのに、解決はしっかりする。
とにかく、ガオレッドは悩まないので、悩むドラマは他のキャラが担当する、と。
よって、今回のゴジュウジャーの「悩むガオレッド」というのは、ある意味、非常に新鮮。
まあ、さすがに仲間たちが敵ボスに殺されて、自分とシルバーと巫女のテトムだけになったときは、脳天気には振る舞っていないけど、悲しみながらも仇を討つためにできることをするという、悩む前に動くキャラだったと記憶。
で、ゴジュウジャーのトドロキ・ガイアの性格は、ガオレッドではなくて、実は追加戦士のガオシルバーなんですね。
ガオシルバーは、1000年前の陰陽師、大神月麿(おおがみ・つくまろ)がシロガネの呼称で、その時代のガオレンジャーをやってました。
そして、1000年前のオルグのボス百鬼丸との決戦で、ガオゴッドが倒され、力を求めて闇の仮面を装着する。その力で百鬼丸を倒すものの、闇に侵されて自らも鬼と化し、当時の巫女ムラサキによって封印される。
その後、現代に狼鬼として復活させられて、ガオハンターを操る敵ライバルとして立ち回っていたのが、ガオレンジャーに邪気を浄化されて、シロガネとしての自分を取り戻して、ガオシルバーになる。
で、現代の巫女テトムは、1000年前の巫女ムラサキの孫娘で、うり二つ(一人二役)。そして、ムラサキが歌い、テトムが継承したのが今回のゴジュウジャーでも使われた「響の調べ」なんですな。
原典では、シロガネが笛を奏で、テトムが歌っていた。
このテトム(あるいはムラサキ)とシロガネの関係が、今回のルナとガイアの関係と相似形になっていて、
ただし原典では、鬼となっていたのがシロガネだったのが、身代わりに巫女の方が鬼になったという入れ替わりが起こっています。ルナの職業が獣医というのも、ガオレッドを踏襲しつつ、この立ち位置の入れ替わりが、ただのコピーではなくて、設定の再構築になっている、と。
現代に蘇ったシロガネが、時代に馴染めず、既に亡きムラサキを偲びながら、孫娘のテトムの歌に合わせて笛を奏でつつ、最後はさすらいの旅に出る姿は、ゴジュウジャーのガイアの姿にもかぶる。
シロガネの象徴も月なので、ルナとつながりつつ、ガイアの名前は大地の獣ガオライオンとのリンクですね。
結果的に、ガイア=ガオレッドとシルバーの要素から構築。ルナ=ガオシルバー(狼鬼)とガオレッド(獣医設定)とテトムの歌という要素から構築されていて、
そこは要素抽出の再構成の仕方が上手いなあ、と(脚本家の功績でしょう)。
あと、これは坂本監督の功績なのが、ガオレッドの武器ガオメインバスターとファルコンサモナーをしっかり活用してくれたり、ガオキングの歌BGMをしっかり流したり、ガオキングのCG雄叫びカットを入れたり、
もうガオレンジャーの要素をしっかり取り込む。演出がこれまでのユニバース戦士と比べても、とことん原典寄りですな。作品が先週はゴジュウジャーだったのが、ガオレンジャー世界に置き換わったとか。
それでいて、陸王が存在感を示していて、彼の今回の立ち位置も、ガオレッド本来のポジティブさと、テトム的な優しさで、ネガティブなシロガネの心を癒した形。
だから、ゴジュウジャーとして、しっかりガオレンジャーのドラマを受け止めて、引き継げた流れなんですね。本当に上手いなあ、と。
他には、坂本監督ならではのアクション演出ですが、生身戦闘をしながらワンカットで変身し、そのまま戦い続けるシーン。
当然、変身前と変身後では切り替わっているはずなのですが、切れ目なく映像表現できているのが、撮影技法と編集技法がどっちも凄すぎる。
普通は変身する際に、アイテムをアップで映したり、光を発したりして、カットを違和感なく分けて、つなげるところを、
今回はもう分けた様子が見られない。まあ、スロー再生とかすると、カットが途切れる瞬間とか分かるのかもしれませんが、一見ノーカット変身に見える映像が感じ入ったり。
生身アクションが多くはなかったのは、今のキャストで今回が坂本監督初登板なので、役者がどこまで動けるか把握する時間もなかったのと、やはりドラマ面での演出に重点を置いたので、アクションは最低限のこだわりだったのかな、と。
ともあれ、ユニバース戦士としては、ここまでで最高回でした。
(当記事 完)
PS.自分がサイトを開設したのは2000年の11月からで、ガオレンジャーはアギトと並んで毎週、特撮感想を書くようになった最初の作品です。だから思い入れも強かった次第。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/14 (Wed) 12:57:38
連続になりますが、ガメラとカブトの感想です。
★ガメラ
ジグラ編後半です。
ここまでの流れで、子どもたちの軍事行動的な重要度がだんだん上がって行くような形ですね。
・ギャオス編:子どもたちはギャオス襲来に対して、何もできない。突然の災害に対して、逃げ出すので手一杯。日常生活が崩壊して、グループ同士の小さな諍い(ケンカ)から、未曾有の災厄に見舞われる中での非日常への幕開け。
・ジャイガー編:大人の秘密組織へのコネができて、事件に関与する特別感を抱く。ブロディを筆頭に、ボコとジュンイチは素早く非日常に順応し、慎重派のジョーだけがボヤくものの、地底探検に乗り出す。当然、相手を小物と見下した故の行動だったけど(ブロディにとっては汚名返上の機会という意識も濃厚)、いざ怪獣に出くわすと何もできずに逃げ出すので精一杯。ただ、米軍のガメラ攻撃に対して、敵はガメラではなくてジャイガーだと、父子のコネを使って提案する程度の功績がドラマの結末。
・ジグラ編:ジュンイチを中心に、作戦立案、実際の作戦決行で、消極的な大人たちに対して、ガメラの戦力も活用した怪獣退治に大きく貢献する。
敵性怪獣が、接触した子どもたちを狙う→それを助けるガメラ、という構図をはっきりさせて、子どもたちを事件の渦中に置くことに成功しながら、「どうして子どもたちが狙われるのか」という謎を解明するために、与那国島の研究施設に向かう展開ですね。
子どもが軍事活動に関係する理由づけをどう示すかが、子ども向きSFのリアリティに必要になる。
昭和時代は、関係者の身内(博士の息子とか、若者主人公やヒロインの弟とか)で何となく、話に登場する。可哀想なのは、怪獣や悪の組織に家族を殺されて、孤児になったのを主人公の関係者に引き取られて、親の仇討ち的な想いで、物語に関与するケースも。
この場合の子ども(基本的に小学生)が怪獣ものの主要人物になっていくのがガメラで、ゴジラもウルトラマンに影響されるように(ガメラの後追いでもある)子どもを絡めていく作品もありましたが(少年の夢の怪獣島を描いた『オール怪獣大進撃』、そして『ゴジラ対ヘドラ』『ゴジラ対メガロ』の3作が子ども出演。で、子ども視点だと、「ゴジラ助けて〜」という話になるんですが、ゴジラはそういうキャラじゃない、と80年代以降は排除された)。
基本的に、怪獣に助けを求めるのは子どもの特権ですな。
ただ、大人は立ち位置的に、もっとリアルに考えることを作劇上、求められる。
大体は、ゴジラよりも敵怪獣の方が人類にとって脅威だから、ゴジラを支援する方が得とか、そういう理屈をこじつけるのですが、怪獣を倒した後のゴジラをどうするかで話がこじれることも(怪獣同士の戦いで、勝った方が人類にとっての脅威となる、というキャッチフレーズもしばしば付けられたのが平成)。
で、ガメラの場合は、子どもを守るという習性がはっきり設定されているから、より分かりやすい正義のヒーロー怪獣として描かれやすい。
その子どもが、巫女的な少女になったのが90年代の平成ガメラ3部作で、敵怪獣のイリスにもガメラを恨む巫女が付いて、ガメラに悪の破壊者的な視点を示したのが3作め(それでも人類を守るガメラのハードボイルドさが格好いいのですが)。
ともあれ、女性科学者(ヒロイン)がガメラを理解して、その勝利に貢献するというドラマも平成3部作の一面ですが、
今回のエピソードは、それを踏襲した要素もありますね。ジュンイチ君がヒロインという秘密がラストで明かされ(元から友だちのボコとジョーには周知の事実で、驚くのがブロディと視聴者という形)、これがもう何年か年上だと、ジュンイチが男勝りの少女主人公になって、あるいはゴジラSPのメインヒロイン、カミノ・メイ(メガネの野暮ったい外見の天才大学院生)みたいなキャラに育っていくのでしょうが、
12才で、オシャレ要素の薄いミリタリーとオカルトマニアで、男友だちとつるむ方が気楽な彼女にとっては、フェミニンな外見を装う方が自分じゃないというジェンダー問題につながりそうなキャラ設定。
ポリコレ的な話に踏み込むなら、ブロディが白人の仕切りたがりなマッチョ男性で、それに対するジョーが(設定は日本人だけど)色黒で苦労人気質の黒人、あるいはヒスパニック的な特徴で描写されている(本作がネフリ配信なので、多人種を表現するような指定がある)。
日本人向きには、ジョーが日本人として描かれ、アメリカ人向きにはジョーを白人と対照的な人種に見えるように表現。まあ、日本人のアニメファンには、ただの色黒や日焼け程度の肌色が、一部のアメリカ人にはみんな黒人に見えてしまうらしい。
で、ジュンイチはメガネの技術者日本人的なステロタイプで、ボコだけが属性不詳のニュートラルで、外見特徴は背の低い子ども。
彼のここまでの特徴は、立ち位置がニュートラルなんだけど、率先して行動を決断して動く。物怖じせずに意見をズバズバ言って、チームの行動の決定権を握るという意味で、主人公してるんだけど、
他のキャラが、(ブロディも含めて)どこか遠慮する一面を示すのに、ボコだけは発言すると曲げないで、果敢に自己主張する。
ブロディは、自分がグループの中で外様なのは理解しているので、ボコを味方に付けると仕切れることを理解している。
ジョーは、次回の主役回で、ボコとの関係性が掘り下げられるみたいですが、基本的にはボコをサポートする兄貴役が居心地よさそう(亡き弟にボコを被せている節あり)。
ジュンイチはゴーイング・マイウェイなオタク気質だけど、他人を動かす外交性は持たない(内輪でのアドバイザー的な立場に身を置きがち)。
なお、以前に「無線免許」の話が出ていましたが、ジュンイチが免許を持っている設定ですね。もしも、彼女が大学生になったら、インターネットも整う世の中になっているから、考察サイトを開設してそう。あるいは、中学になったら、パソコン通信をいち早く始めている可能性も。
ともあれ、このチームで、ボコがこれと言った役割を持たないニュートラルなキャラに見えて、でも、そのボコが欠けると、成立しないというか、非常に不安定になるんだなあ、と分かったり。
何だか知らないけど、人たらし的な才能がある? ジョーとジュンイチの2人だけだと、性別問題はスルーするにしても、ジュンイチのオタク趣味を常識人のジョーは素直に受け止めにくいと思う。でも、ジュンイチの趣味を、ボコが面白いと認めることで、そうかもな、とジョーも受け入れる関係。
今回のジュンイチの作戦提案についても、ボコが最初に乗り気になって、ブロディが少し戸惑いながらも、賛意を示す。そして、ジョーが最後に賛成して、チームの主張が固まる流れだったと思います。
ジョーが一番、決断が遅いのは、熟慮するタイプだからと思いますが(その点で、ブロディがボコの意見を尊重する姿勢を見せているなら、ジョーが無理にリーダーシップをとる必要もない、と判断しているのかも。ブロディは、ジョーにないノリの良さ、悪ノリ的な勢いがあって、それが非常事態にはうまく回る形)。
で、肝心のガメラですが、前編に比べて、後編は出番が少ないと感じました。
ジュンイチの作戦決行がメインで、ガメラ自体の陸戦での活躍は、特筆することが特になし。
ジグラも、陸上では弱く、ギャオスと同様で高機動性を封じられると、肉体的に屈強な怪獣というわけではない、と。
一応、ジャイガーみたいに尻尾による奇襲攻撃を仕掛けていましたが、ネタがバレている攻撃は、作劇的にも通用しないってことでしょう。
次回は、ギロン戦。
ガメラの甲羅に通用しそうな、巨大な刃がメインの怪獣なので、激しいバトル展開が見られるかな。
★カブト
キャラクターの立ち位置が錯綜して、敵味方の関係性が見えにくくなっていますね。
影山が次回、パンチホッパーになるので、これでザビーの出番が終了。
ハイパーカブトの剣を使った必殺技が、カブト、ザビー、ドレイク、サソードのゼクター4種を活用する設定なので、今のゼクター集めもそのためのもの。
そして、ドレイクも出番が少なくなるので、結局、カブト、ガタック、サソード、ホッパー兄弟がレギュラーライダーになりつつ、ホッパー兄弟は気紛れに乱入するだけだし、カブトとガタックが共闘しつつも、ワームに対する姿勢をめぐって、爆弾を抱える関係に。
ガタックの加賀美視点からすると、天道が何を考えているのか分かりにくいので、視聴者もサプライズの連続になるドラマ展開。
なお、ここからの展開だと、ワーム内部でも大きく2つの派閥に分かれて、決して一枚岩でないことが判明していきます。
現在、主な敵として戦っているのが、7年前の渋谷隕石に乗って飛来した好戦的な派閥で、人類に擬態して乗っ取り、種として殲滅を図っています。もちろん、擬態した相手の人格や感情に影響されて、個別の目的なんかを優先するケースもありますが、基本的に敵の殺害を躊躇しない過激な怪人ですな。
そして、ワームのもう一つの暗躍している派閥が、35年前に地球に飛来したネイティブと呼ばれる種。サナギ体の外見が角付きということで、区別されるのですが、夏の劇場版に出たワームがこの角付きの方。
夏の劇場版とTVの世界観は、まったくの別物で、いわゆるパラレルな関係性。リアルタイムでは、「ハイパーカブトが最初に誕生した未来」が劇場版では? という説もありましたが、この「世界を変えると言われるハイパーゼクターを巡る争奪戦」が劇場版のテーマの一つです。
もう一つは、劇場版の荒廃した環境で、衰弱して死期の近いひより(ワームの正体は定かではない)の命を救うために、恋人の加賀美が奔走する話でもある、と。つまり、天道よりも加賀美の視点が中心ですが、これはまあTVもそういう話が多いですからね。
そして、TVで謎解きがどんどん進むにつれて、劇場版の設定と齟齬が出てきて、完全な別物と判明する、と。
まあ、劇場版でハイパーゼクターの力で世界改変した結果が、TV版という意見もありますが、世界改変と言い始めると、何でもありというか、結果的にパラレルワールドと言って問題ない形になる。
単に、パラレルワールドが誕生した理由づけとか、どっちが本流で、どっちが亜流かという差ですからね。
で、TV版では劇場版の角付きワームが、ネイティブという別種族で、一応、人類との共存を旨としている穏健派という設定です。
そして、ネイティブは近い将来、好戦派のワームが自分たちを追って地球に飛来し、種の殲滅を図ろうとしていることを警告し、自分たちと人類を守るためにZECTという秘密組織を設立し、マスクドライダーシステムを共同開発するわけですね(虫型の怪人に対抗するために、虫型の兵器を作るのも、技術提供のネイティブが協力しているから)。
だから、ネイティブは人類の味方で……という設定なんですが、終盤でネイティブが地球人類に牙をむく。
ネイティブが目指していたのは、人類とネイティブの共存する理想郷ですが、種族が異なるゆえの猜疑心を克服しないといけない。
好戦派ワームは、人類を擬態で乗っ取り、全部がワームになって、他を殲滅させればいいという発想ですが、ネイティブは穏健派なので殺戮は望まない。
だから、人類をネイティブに進化させる研究を続けるわけです。そしてマスクドライダーシステムも、好戦派ワームに対抗する防衛装置であるという建前に隠れて、人類をネイティブに進化させる研究への1ステップ、と。
それに気づいた加賀美陸が、ネイティブの密かな裏切りに対抗するための安全装置をシステムに組み込むのですが、この互いの疑心暗鬼が物語をややこしくします。
結果的に、地球人類の総ネイティブ化計画をめぐるネイティブ内の過激派勢力を撃退することで、人類という種は守られて、一部のネイティブ化した人間も、殺害されたり保護されたりの混乱状態が一段落した後で、ようやく共存の未来が見えた形で、物語は終了。
で、終盤になって、ネイティブの裏切りを知った天道と、それを知らない加賀美が最終回直前まで対決しているという、「いや、君たち、もっと情報交換をきちんとしようよ」展開がラストまで続く、と。
もう、ライダー同士を戦わせる二転三転の展開のためだけに、ZECTを秘密主義の構造にしたり、組織の思惑が一枚岩でない設定にしたり、ネイティブの関与しない別種のライダーシステム(ホッパー兄弟)を登場させたり、
ZECT内部で、親ネイティブの人類進化派(三島)と、ネイティブに協力しながらも保険は掛けようとしている人類保守派(加賀美陸)の対立関係が表面化したりなど。
あと、平成ライダーの流れでいうなら、人類の進化(異形化)を肯定するのがアギト、異形化の弊害(短命ゆえの種の限界)を描きつつも共存を目指したのがファイズで、強制進化は悪であると結論を出したのがカブトということになります。
総じて、異形化に対する悲哀を底流に置きながら、明るい異形という流れに路線変更したのが、次の電王になりますね。
人間か、イマジンかってのはどうでもいいんだよ。大事なのは、互いに信じ合えるかってことだという話に帰着するのが翌年で、カブトの方は疑心暗鬼から脱却せずに転がりまくるのが終盤の流れだった、と。
一応、疑心暗鬼と、隠れた本心の披露によるカタルシスドラマが、この後のカブトの物語のメインテーマと言っていいか、と思います。
本心を隠しまくった登場人物による仮面武闘会という混迷劇場を読み解くヒントになれば、と。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/19 (Mon) 21:57:31
定期感想その1です。
●仮面ライダーガヴ(第35話:甘さゼロ!鉄壁のランゴ)
前話では大叔父デンテの死亡をほのめかすような演出ありまして、どうなるんだろうと思っておりました。が、デンテのアジトにラキアが行ってみるとテンプレな鼻ちょうちんで寝ていただけ。プリンも美味そうに食ってました。
仮面ライダーWEBを見てみますと「まだまだ(デンテには)働いてもらいますんで」とありまして、健在をアピールしています。単純に考えると、次への引きとしてちょっとショッキングな描写入れてみた、実はギャグです、みたいなことのように思えます。
が、無意味にあんな描写しないような気もしまして。別の狙いとしてあり得そうなのは、デンテ死亡を匂わせておいて肩透かしで健在を描き、観ているこちらが安心・油断したところで、実際に死亡・退場する運びなのかなと(ショックと感動が倍増する)。
仮にデンテ退場があるとして、タイミングとしては次回が考えられます。予告によると、こちらで既に伺っている「ゴチポッドは上下を逆さまに使うと、紫のマスターガヴになる」が出てくるようです。それを伝えるのがデンテの最後の仕事として、でしょうか。
次話を超えてデンテ健在がしばらく続くとすると、ヴァレンとヴラムをマスターガヴに匹敵する強化を施してからの退場となりましょうか。ただ、それにはグラニュート界の材料が必要、それが入手できないから歯を抜く荒技になったわけで。もうデンテに歯はほとんどありません。
グラニュート界の素材を得ようとするなら、ガヴ側がグラニュート界に攻め込めば可能かもしれません。もし次話でマスターガヴがランゴを撃破できれば可能かもしれません。が、まだグロッタがいるんですよねえ。自分はこちらで伺った「グラニュートって、女性の方が武闘派」説にかなり傾いておりまして。
今話の運びとて、まずランゴが出張って直接戦闘になってます。序盤・中盤で(本気でなくても)ガヴらとの実力差を見せつけたグロッタは戦ってない。だいたい、後で出てくるほど強いのがセオリーのはずです。ランゴがマスターガヴに敗れ、ならばとグロッタが出てくるんじゃないかなあ。グロッタが迎え撃つ場所がグラニュート界なら、ヴァレンとヴラムの強化アイテム用素材を得ることも可能になりそう。
ただ、ランゴの狙いが一筋縄ではなさそうで。裏切ったと言われたニエルブも、何か勘づいてランゴに協力しているような気もします(幸福感を与える毒のアイテム)。ランゴがガヴらを利用してジャルダック家への逆襲を考えているとすれば、ニエルブからヴァレン・ヴラムに強化アイテムが渡ることもあり得そう(ただし、そうなるとグロッタの役割がよく分からなくなる)。
いろいろ展開があり得そうで面白い終盤が期待できそうですが、ともかく今話本編。まずグラニュート界ではランゴがリゼルらに最終確認。計画書と思しきものを手渡しておいて、一千万の闇菓子≒ヒトプレスとなると人間にバレる、その覚悟はあるかと。ジープはちょっと慌てる様子がありますね。そろそろ自分(ジープ)が何をしているか、気づき始めたかも。しかしリゼルは気にせず、ゴーを出す(パパ:ボッカが後始末すると高をくくってる?)。
ランゴ、ニエルブに接触して何かのアイテム(後で幸福感与える毒を出すものと判明)を受け取る。ニエルブは「もう部下じゃない」と表面上は渋る様子を見せ、ランゴは「大統領の依頼のため」と説得する素振り。なんですけど、ニエルブの「それ言われるとね」でニヤリ、ランゴもニヤリでして、何か以心伝心を感じます。
一方、「はぴぱれ」では久しぶりに幸果の親友:佐藤律/りっつん登場。推しのバンドUMAのコンサートに行けることになったが、応援グッズが間に合わないとかで手伝いを求めてきたわけですね。幸果もショウマも乗り気でして、面白がってグッズ作りに励んでますね。この余裕、前話でオバーモード使いこなしてマーゲンを撃破したことで自信がつき、安心感が生じてるのも手伝ってるんでしょう。
その頃、ランゴはニエルブ製のアイテムを使い、旅客機、客船、球場などで大規模なヒトプレス拉致を陣頭指揮で実行。さすがに事件は知れ渡り、警察も捜査を開始しているらしい。これをニュースでまず知ったのが絆斗ですね。(漢字の書き取りとか勉強中の ^^;)ラキアもニュースで気が付く。さらにショウマらも同じくですね。
ショウマらは旧酸賀邸に集まって協議。ラキアはランゴの仕業と見抜いてますな。自分(ラキア)と同じ手口のようだから、それを知っているランゴが怪しいと(同様にニエルブも怪しいとなるはず)。ならばと出動しようとするショウマらですが、ちょっと「おや!」となる展開に。
ヴラム、自分がヒトプレス事件の犯人と幸果が知ってるかを気にする。「親しくなった人間には知られたくないと思い始めてる」ですか。ようやく弟コメルがストマック社を裏切った気持ちを理解し始めたとも言えそうですし、幸果との気持ち的な距離がぐっと縮まっていたとも言えそうです。何にしても喜ばしい変化です(ラキアはつらいわけですけども)。ショウマ、絆斗それぞれの理解の示し方も好感度大。
ともかくもランゴ捜索・対処開始でして、ラキアがデンテのアジトを訪れてみますと、上述の通りの一応の健在ぶりで前話ラストの肩透かし。次話のマスターガヴ以外に、デンテには「幸福感与える毒素」の中和剤作りという使命もあるわけですか。毒素が1種類しかなければ、中和剤はランゴの大規模作戦阻止の決め手となりそう。
ランゴ捜索のほうは案外とあっさり達成ですね。旅客機からのヒトプレス拉致は客室乗務員に化けたグラニュートが行ってまして、ランゴも同行してました。ショウマが拉致現場を押さえれば、そこにランゴもいる。そして直ちに戦闘に移行。
ランゴ、今回は旅客機を爆破までしてまして、そっちに人間の目を引き付けておいてガヴと戦う段取り考えてたようですね。もしかすると、既に拉致実行の船舶や球場でも同じように仕掛けを施してたかもしれない。もしそうなら、ランゴの作戦は「ヒトプレス奪取かつガヴおびき寄せ」となりそうです。
そこからは、3ライダー vs ランゴとなるわけですが、ランゴがどうしようもないくらい強力ですな。人間態のままで、ガヴ・オバーモードの比ではない防御力(バリアー)持ってますし、剣の打撃力も半端ない。が、ちょっと態度が不審。特にショウマに対してですね。圧倒しているのに止めを刺そうとせず、劣等感というより絶望させるように罵るのみ。
そして何か決定的な言葉を口にしたようですが、上空を飛ぶ旅客機の轟音でかき消されて観ているこちらには聞こえない(たぶんショウマには聞こえてる)。それまで耐えていたショウマが「そんなことない!」と叫ぶような何かですね。これで発奮したショウマ、オーバーモードを使って反撃開始。
なんですけど、やっぱり敵いそうもないですね。オーバーモード渾身の一撃もランゴのバリアーに阻まれ、ランゴはグラニュート態に。オーバーモード使い切ったガヴはブリザードソルベで足止めし、仲間を連れて逃げるのが精いっぱい。という惨敗で続く。前話の3ライダーチームワークでの最強も、もう崩れ去っちゃいました。
次回「逆転!覚醒!マスターガヴ」ではタイトル通り、ゴチポッドの使い方を変えた新フォーム登場するようですね。それでランゴ撃退となるんでしょうけど、今話で隠されたランゴの台詞はどう影響するのかしらん。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第13話:家政婦激走! 竜儀の流儀(マナー))
ガオレンジャーについてのさらなるご解説、ありがとうございます。正直申しますと、自分はガオレンジャーの記憶がどうも曖昧と申しますか、イメージがハッキリしておりませんでした。巫女テトムとかだと「祖母ムラサキとそっくり(同じ役者さん)」と言う点は覚えていたりするんですが、戦隊としてどう戦ってたかはうまく思い出せない。
今回のご教示で「神さまクラスの精霊の王がいっぱい出現」辺りが、自分の記憶があやふやの原因の1つかなと思い至りました。並列処理が苦手で数が多いと混乱する傾向があるんです。戦隊が5人なのでなじめなかった、といったことを前に申した覚えが。
数の多さが原因かもと思ってみると、不思議と少しは思い出せるようになりまして、ご指摘の「トドロキ・ガイアの性格は、ガオレッドではなくて、実は追加戦士のガオシルバー」にようやく納得できました。そうと分かってみると、大神月麿が狼鬼として暴れたことは、凱亜よりも瑠菜の設定に盛り込まれたのかもと考えたり。
ゴジュウジャー:ガオレッド編はガオレンジャーをよく覚えてなくても面白かったんですが、ガオレンジャーを思い出せて理解できるようになると、さらに面白みが増します。いつもご教示ありがとうございます。ガオレッド編の録画はしばらく残しておくことにしました。
そして今週はカーレンジャーのレッドレーサー編ですね。カーレンジャーの作風を尊重してか、ちょっとシュールなコミカルさで始まりましたが、何かシリアスな裏がありそうと匂わしているような(後編で明かしてくるんだろう)。
ゲストの配役がまたも特撮出演者でして、マナーノーワンに取り込まれた老人役は坂本あきらさんで、カクレンジャーの百地三太夫ですね。しかし視聴中は全く気付かず、後でネットで調べて「そうだったのか!」と。まあ30年も経っておりますから、一目で分からなくても仕方ないと言い訳(^^;。
でも、レッドレーサーの家守召子は「この方、どっかで見た!」という確信が一目で生じました。それも、ぱっと見ただけで嬉しくなるような誰か。が、視聴中は思い出せず、後で調べて「ウルトラマンZのナカシマヨウコだ!」となりました。松田リマさんですね。
ウルトラマンZは観ていて次第に興が乗り、最終回では大いに興奮し、感動の少なからぬ部分がナカシマヨウコであるのに、思い出せませんでしたorz。まあ、前も宇宙野郎の雷電アニキ(ゼロワン)とか、オーズのアンクとか、別の特撮に出てくれたのに思い出せなかったこと何度もありまして、どうもいけません。
気を取り直して本編。冒頭から上述の坂本あきらさん演じるマナーにうるさい老人がマナーノーワンに取り込まれ、さっそくマナー勝負に。相手がマナー違反すると水引きついた重い鎖をかける能力ですか。粗野な吠では勝負になりそうもなく、どこか良家の出らしき雰囲気ある暴神竜儀の出番ですな。
と思ったらレッドレーサー乱入。こっちは安全に異様なまでに拘ってます。竜儀には見覚え・聞き覚えがありまして、正体は暴神家のスーパー家政婦:家守召子というわけですか。竜儀が苦手としている人物のようでして、いろいろ安全を厳しく仕込まれたりしたんだろうか。
竜儀は「テガソードの里」に逃げ込むも、家守召子が先回りしてる。指輪の能力は「ストップ」で相手/周囲の動きを停止させるものらしい。家守召子、竜儀を自慢する形で皆にも観ているこちらにも素姓を紹介。天才外科医輩出の家系ですか。しかし、どうやら竜儀はそれが嫌で家を飛び出し、テガソード様を崇拝するようになったらしい。
竜儀は召子の連れ戻しを拒んで飛び出し、マナーノーワンとの対決に。吠も付いて来ますが、マナー勝負に一人負け状態ですね(自分のマナーレベルは吠に近く、親近感持ってしまうなあ)。さらにバトル突入で戦いのマナー、武道の作法へ。そこへ召子/レッドレーサーも介入して来る。
その頃、ノーワン界ブライダン城では、ちょっと面白い動き。今話の巨大戦ゲストの伝説のヘルパー:チョウ・シンセー紹介なんですけど、ブーケの陸王萌えがちょっと。それを見ていたクオンが「ブーケが陸王=ゴジュウレオンと分かってない」と気付いちゃうわけですね。これはもう、クオンがその線で何か仕掛けてきそう。そこからブーケの正体(角乃の妹)につながったりすると面白くなりそうです。
戦いのマナー対決のほうは吠がついにブチ切れまして、敵のつけた水引き鎖の重さを利用して反撃、最近よく聞く「マナー違反を指摘するのがマナー違反」を突きつける。これでマナー勝負はお流れになったみたい。しかしMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークが伝説のヘルパー:チョウ・シンセー連れて増援。ゴジュウジャーの残る3戦士も駆けつける。
巨大戦はチョウ・シンセー操るアイアイザー・レッドフラッシュと禽次郎のテガソードグリーン。こちらは、でちゅねの赤ちゃん言葉にキレた禽次郎が怒涛の攻撃で撃破。チョウ・シンセーの最期の叫び「こっちも気い使ってんだよー!」はちょっと複雑な気持ちになります。好きでそういう口癖になったわけじゃないんでしょうねえ。
等身大戦のほうはMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークに対してはゴジュウユニコーンの読心で指輪奪取、さらにゴジュウレオンが早速のガオレッドで止め、と思ったらガリュードが阻止。どうもこのまま引き分けになったんでしょうな(決着、描かれなかった)。
マナーノーワンは「マナー違反指摘がマナー違反」でジレンマに追い込まれ(違反を指摘すれば自分がペナルティ食らうはず)、ゴジュウティラノ/竜儀にあえなく敗退。取り込まれた老人も救出。
そこへ召子が駆けつけてくるわけですが、あくまでも家に戻らないと言う竜儀に業を煮やした召子、ついにブチ切れて暴走。暴走安全の暴走レッドレーサーということらしい。名刺の角すら気にしていたのはどこへやら、釘バット風武器で竜儀に一撃入れちゃうし、力尽くで竜儀を連れ戻す気らしい。
どうなることやらという感じですが、次回「神聖従者と、テガソード伝説!」の予告映像では竜儀と召子が笑顔で見かわすカットもありますんで、たぶんうまく行くんだろう。そこは安心するとして、竜儀の掘り下げに期待したいところです。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/20 (Tue) 22:15:45
定期感想その2です。
●GAMERA -Rebirth-(第7話:明日も明日もその明日も)
メインの敵怪獣ギロンが早々に登場し、その次のバイラスも存在が劇中キャラクターにもはっきり示されました。ギロンが次話(8話)で倒され、バイラスが9~10話、エスギャオスが11~12話という段取りでいいのかな。
ウィキペディア見てみますと、通常的としてはバイラスが表のラスボス格、エスギャオスが裏のラスボス格といった印象でして、その2つはもっと尺を取って描いたほうがよさそうな感じです。だからもうバイラスは存在だけは示されたのかも。
子供たちのほうも、ちょっと面白い展開。ジョーとボコの喧嘩別れですね。多少意外でしたが、ジョーにジュンイチが、ボコにブロディが付き添う感じになりまして、むしろジュンイチとブロディの立ち位置が示されたような気がしました。
ともかく本編。財団の2隻めメルセゲル号で与那国島へ向かうところからでして、どうやら怪獣襲撃の心配はなさそう。ですが、船内のオリリウムで収集した怪獣の死骸が蘇りつつあるらしい。そこからギロンかと思ったんですが、違ってました。後で停止状態のバイラスが出てきますんで、そっちがオリリウムに影響されるのかも。
そういう怪し気な現象はあるものの、人間関係は良好に戻ってるかな。タザキとエミコの信頼関係は崩れてなさそうだし、ジュンイチが女子と知ったブロディはちょっと赤面しつつも気を遣ってる様子があります。が、またも船酔いのジョーをボコは気遣わない感じ。ただし酔い止めは渡したりしてまして、この時点では「まあ普段からこうなんだろう」と思ってました。
まあまあのどかな航海だと思ったら、前の戦場(対馬)をギロンが襲撃。地中から現れまして、前兆はちょっとした地震くらい。直前ですから対処の暇がありませんな。しかも素早いし、柔軟な体で頭部の巨大刀を自在に振り回すし、かなりの難敵になりそう。
しかしギロン出現は対馬ですから、与那国の子供たちにはすぐには影響なく、エミコは計画通りに進める。ただしスケジュールは遅れてるわけですね。ボコやブロディの親は心配し始めるも、財団が宥めたり押さえたりしている模様。
子供たちの中ではジョーが危機感から荒れ始めてますね。と申しますか、この状況だとジョーの反応が普通のような。何度も怪獣につきまとわれるように襲われてるわけですから、いったん散り散りに避難したほうがよさそう。ただ、ジョーの危機感は弟と母を失った経験に基づくものがあると後で示される。
特に弟を思い出すボコが一緒だから、ジョーは余計に心配になるようです。が、ボコは強気というより、妙に自信ありげ。どうやらガメラが自信の源らしい。怪獣と何か通じあうらしいボコですから、ガメラがボコらに注意を向けてくれていると感じ取れてたりするんでしょうな。
大人ではタザキがエミコにいい顔見せておいて、どうも内緒で別の動き見せてるようで、いかにも怪しげです。財団所属なのに官邸とつながってる様子がありましたし、今度は財団幹部らしき4名とビデオ会談してますが、どうも腹に一物あって何か聞き出そうとしている感じです。
その頃、子供たちの検査が進行中。ロールシャッハテストまであるんですか。ジョーは依然として危機感から騒ぎ立て、ボコはそれにつっけんどんな対応から進んで突っかかるようになっていく。が、何かに夢中になってないジュンイチが気が利く。突如エミコに質問始めまして、一見は空気読めてないようでいて、上手いことジョーとボコの諍いを鎮めてしまう。
しかしジュンイチの質問はエミコにとってポイント突くものだったようで、子供たちは地下のバイラスの死骸(?)まで案内される。唯一発掘された怪獣というわけですか。そこへタザキもやって来て、バイラスの特異性(オリリウムとの関係等)が語られる。タザキはエミコにギロン出現を知らせに来たようですね。
かつ、そのことを秘匿する財団に見切りをつけ、脱出を促しに来たらしい。が、「子供たちはどうする気?」と詰め寄るエミコに対し、見捨てると匂わす発言のタザキ。自分はジグラ戦でタザキが子供たち寄りになった気がしましたが、どうやら内心ではいつでも見放す気だったらしい。ガッカリしました。
エミコとタザキと別れた子供たちは地上の一室に。こちらもジョーは財団に対する不信感を強めてます。まあバイラスを間近で見ちゃってますしねえ。室外で出ようとするジョーですが、ドアがロックされちゃってたわけですね。
これでさらに2人は揉めまして、ボコがおそらくは『それを言ったらお終い』の「俺は弟の代わりかよ!」を言い放ってしまい、決裂。ジョーはドアが駄目なら換気ダクトを伝って外へ出ようし、ジュンイチは「気になることがあります」と称してついて行く。ボコにはブロディが残って付き添うことになる。
ジュンイチがついて行くと申しましたが、排気ダクトからの脱出を提案したのはジュンイチですな。しかも『どうせ脱出は十中八九行き詰る』と予想していたような雰囲気あります。もしかしてジュンイチ「一緒にいるから刺々しさヒートアップするんで、とりあえず引き離そう」と思って、こうしたんじゃないかしらん。
そういう狙いだとしたらドンピシャでして、ジョーを落ち着かせただけでなく、ブロディがボコを気遣う形になっていくのもいいところです。まあブロディ、最初は「男子(ジョー)と女子(ジュンイチ)が狭いダクトで一緒」を気にしてるわけですが、次第にボコの境遇に感じるものが出始める。
ボコも強気な態度のようでいて、不安であるんでしょうな。そわそわ気遣うブロディにいろいろ話し始める。ジョーの家庭についての、こちらへの説明にもなってます。小1のとき弟と母が事故死、父は飲んだくれるようになり、ジョーがバイトなどして支えるようになったと。それが分かると、ここまでのジョーの態度も分かる気がしてきます。
ジョーもジュンイチに語る形でボコとの出会いから。そこはボコがブロディに語るシーンと重ね合わせになってまして、何となく「こうまで揉めても、やっぱりつながり深いなあ」という印象が生じます。まあ、語る内容が「ジョーがイジメられてたボコを助けて小便漏らした」というもので、かつあだ名の由来という半ばコミカルなものであるせいもあるかも。
ジョーとボコが仲直りの兆し見えた途端、小地震発生。ギロンですね。タザキが与那国基地を離れようと呼んだヘリはヘリポートごと破壊され、というところで続く。たぶん、これで与那国基地からは脱出不能になったはず。月へのシャトルはありますが、さすがにこの場を離れるためには使えないでしょう。
●仮面ライダーカブト(第35話:地獄の兄弟、第36話:赤い靴暴走)
今週分は情けない影山と戦闘スキル以外全滅の高鳥蓮華のコントなどから始まるものの、次第にシリアスな展開になっていくのが落差があって気持ちよかった。蓮華はこの後もコメディリリーフやってくれそうですが、影山は人が変わったようになりますな。そして矢車に誘われて地獄兄弟誕生。
これを影山の転落と見ることもできれば、覚醒と見ることもできそうな気がします(ただし矢車頼りな様子があって、半ば覚醒なのかも)。どちらにせよ転機が来たということではあります。それもあれよあれよでありながら、きちんと段取りあるのが自分的に高評価ポイントです。
最初は失ったザビーに固執して前は天道に泣きつき、今週は取り入る。それでもすげなくされると加賀美に泣きつき、しかし突き放される。そこへ麗奈の誘いが入りまして、立川なる人物を殺害すればザビーを、と。それに乗っちゃった影山ですが、前に放逐されたZECT(シャドー?)に阻止される。
それでもザビー欲しさに立川を狙う影山ですが、立川から諭されて激高、「ZECTが何だー!」と喚いてしまう。己が叫びにショックを受けた影山、ようやく自分がZECT隊員であることを思い出す。ここで立ち直るのがセオリーなんでしょうけど、ZECT隊員から銃撃されて倒れるのがいい運びです。さらに誘いをかけてきたはずの麗奈からも始末されそうに。さっき諭してくれたはずの立川も逃げ去る。
実にいい八方ふさがりです。影山が今まで築いてきたことが全否定されてしまう。何もなくなったところで、全て失ったというより何故か放り出した矢車が現れるわけですな。ある意味、影山が引導を渡した相手です。影山にはまだ道がある、と実に上手く示してくれまして、観ていて「こうなったら、もうそうするしかない」と思えます。
かくして地獄兄弟誕生に至るわけですが、キックホッパー&パンチホッパーは無目的に暴れているようでいて、今週で明らかになった「赤い靴」の暴走モードと関係ありそうで面白い。「赤い靴は」加賀美陸は相変わらずとぼけてますが、陸本人(と日下部父)が組み込んだものらしい。キックホッパー&パンチホッパーも陸が密かに開発したものですね。
今週分で「赤い靴」暴走モードが明かされ、すぐ後半でカブト/天道が暴走に陥ってしまう。ガタックでは止められず、しかしふらりと現れた矢車&影山がホッパーで撃破して停止させてました。となると、もしかしてホッパーは陸がカブトやガタックが暴走した場合に備える目的があったのかも。
「赤い靴」に関しては、陸が何かの資料を燃やしつつ、「日下部君」と呟いてまして、おそらくは天道の父:日下部総一でしょう。立川の台詞(光を示す意思、太陽の神カブトに云々)からすると、天道も加賀美もずっと前からライダー(カブト)になることが父親によって決められていたということになりそうです。
そう考えてみますと、例えば加賀美陸が息子/加賀美がガタックになったときに流した涙の意味が分かるような気がします。あのときは、いったんにせよ加賀美が死亡するから泣いたように思えたんですが、その先のことを思ってのことのように思えます。ガタックになった加賀美の行く末が地獄みたいだと陸が言ったこともありました。たぶん、息子の加賀美も、友人の息子の天道も、最後は「赤い靴」で敵を全て倒しながらも自我を失って死亡すると予見してのことだったんじゃなかろうか。
なんだかだいたいの出来事の感想言った気がしますが、ともかく本編。夜の街で天道に「選ばれし人よ」と呼び止める怪しげな人物。今週分のドラマの軸となる立川ですね。ゼクター集めをやめ、ライダーに全てのワームを倒して欲しいらしい。立川は天道のゼクターを横取りしてカブトに変身する能力を持ってる。この後、どんなライダーにもなれることを示したりする。が、最後まで戦闘には消極的でした。
蓮華と影山は天道に弟子入りですね。影山はザビー欲しさでやってまして、天道の料理食ってから崇拝している蓮華とは対立しがち。いろいろあがいた影山、蓮華との料理勝負で名店の料理を取り寄せて出すズルがバレて放逐。影山は加賀美に泣きついて相手にされず、間宮麗奈の誘いに乗り、立川暗殺に走ってしまう。
立川は保育士として働いてまして、どうやら本気で人間の中に溶け込んで平和に生きていきたいらしい。が、麗奈がそんなことを許さず、影山を使嗾するし、ワームをけしかけても来る。が、ZECTはなぜか立川保護に動いてるわけですね。加賀美にもそういう指令が下ってる。これを影山は突破できず、麗奈にも見放されて、上述の通りに矢車の誘いに乗ってパンチホッパーへ。
立川は加賀美に救われ、神代邸に運び込まれる。加賀美の友達なら立川も友達、と神代が握手を求め、応じた立川は神代の正体(ワーム)に気付いて逃げる。神代も気づいたようですが、どうも握手では気づかず、その後の立川の態度で察した感じ。ここでは立川がサソードになってみせますが、クロックアップで逃走するのみ。
加賀美が天道に相談すると、天道に心当たりがある。渋谷隕石より前に出現したワームで、天道の両親を殺害して擬態したワームですね。この後の立川本人の言によると「ネイティブ」なる別種らしい。ワームとの形態的な違いは頭部の角ですが、性格や目的も違うということになりそう。
立川はひよりについて天道に話すことがあるらしい。これはもう天道が焦るわけですね。独自行動を取り出した天道は三島と衝突し、仲裁に入った加賀美陸にも「その気になればZECTを潰すこともできる!」と言い放つ。陸はここで「赤い靴」暴走モードを持ち出すわけですな。変身者の意思に関わらず、ワームと戦い続けるというもの。つまり、ひよりも殺害してしまう機能。
焦る天道ですが、立川の知るひより情報は居場所だと明かされて、さらに焦る。が、襲って来たワームに対処するためカブトに変身すると、途中で暴走に陥ってしまう。直前で立川がガタックとカブトについて「戦いの神ガタックに選ばれし人、加賀美新」「光を示す意思、太陽の神カブトに選ばれし人、日下部総一/総司?」と、エリアXの資料にあったことを言ってますね。
自分はその言葉が暴走スイッチと勘違いしてしまいました。ガタックは暴走してないんだからそんなはずないわけですが、自分も観ていて混乱して焦ってしまってたみたいです(^^;。このところ、「え?」と思わず言ってしまうような突然の展開が多くて面白い。
今回の暴走はキック&パンチホッパーの気まぐれ乱入で何とか納まる。が、立川は追って来た麗奈率いるワームに致命傷を受ける。立川はライダーに変身する能力がありながら戦わなかったわけで、余程に不戦派なんでしょうな。
自分はうっかりしておりまして、今話ではコミカルですが普段は頼りになる武闘派の田所が実はネイティブであること、うっかりしておりました。「立川」をウィキペディアで調べて田所の名前があって思い出しました。田所はZECTに従ってですがワームと戦い続けたわけで、ネイティブもいろいろ思惑が違うということになりそう(個人主義?)。
立川は今際に「皆既日食を」と天道に言い残して死亡。麗奈/ウカらはハイパーで撃退はしたものの、暴走モードは対処法がない。カブト、ガタックどちらかが暴走したら、もう一方が倒すしかない。が、今話では暴走カブトにガタックは歯が立たなかったわけで(戦意のせいかもしれませんが)。皆既日食の先には擬態天道/ダークカブトがいるはず。地獄兄弟は制御不能のバーサーカー。と、さらに錯綜してきそうです。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/22 (Thu) 09:23:48
定期感想です。
★ガヴ
ランゴ兄さん、大暴れの回です。
前回のマーゲンも強敵でしたが、それとは比較にならない圧倒的な戦力で、3人ライダーを追いつめる。
さすがはラスボス候補だった人。次回は、ランゴ兄さんの死に涙する人も出そうだな。OPで煙のように消えるランゴ兄さんのカットになるかな。
さて、次回はマスターガヴがどうランゴ兄さんを攻略するかがポイントですが、
その後は、6月にヴラムがプリンアラモードカスタムに強化されて、「弟の仇のグロッタを撃退する」という噂が聞こえてまいりました。
あっ、グロッタ姉さん、コメルの仇なんだ、と少し驚く。以前に、「弱い者イジメを嬉々としてやるキャラじゃない」と否定していましたが、仕事でやる可能性はあるのか。
もしかすると、コメルが闇菓子製造工場に侵入して、破壊活動をしようとしたから返り討ちにしたってところかな。それなら納得ですけど、ともあれランゴとグロッタがこの時期に次々と倒される、という展開になる以上は、ラスボス誰よ? ってことが気になる。
候補として考えられる筆頭は、酸賀の研究を合わせて最強になったニエルブですね。 まあ、大統領とその娘も候補ですけど、ラスボスとしてはまだキャラとしての魅力が弱いかな、と。
大統領は威厳や風格はそれなりにあるけど、何だかニエルブに追い落とされそうだ。まだ直接の戦闘力も見せていないので、強いのは確実だろうけど、やはりラスボスはショウマと因縁を持つストマック社の者であって欲しい。
ニエルブなら、ショウマ、絆斗、ラキアの3人とも因縁があるわけだし、ラスボスとしてのドラマ性が一番だと思う。
次点は、暴走したジープだけど、こいつがラスボスだと、恐ろしいというよりも可哀想という気持ちが先立つので、
リゼルに壊れたお人形扱いされて、呆気なく散って行くのがせいぜいかな。
リゼルは強いけど、ラスボスに必要な「こいつを倒せば、全てに決着がつくというドラマの達成感」が弱いと思います。闇菓子絡みの事件の元凶でもないし、その意味で、やはりニエルブをラスボス候補筆頭としておきます。
ただし、次回でマスターガヴに撃退された、と思われるランゴ兄さんが実は生きていて、表舞台から一時退場しながらも、大統領との決着がついた後に、
「赤ガヴ、お前は俺から全てを奪った。お前だけは絶対に許しておかん!」と激怒しながら、最強ラスボスフォームとなって、最後の戦いになる展開を希望。
次回であっさり倒されて終わりにするようでは、もったいないキャラだと思うので。
★ゴジュウジャー
マナーバトル。
本作の企画で、メインライターの人が「ナンバーワンバトル」という仕掛けを提案する際に、最初に提案したアイデアがそれらしい。
プロデューサーの人が、その企画プロットを読んで、「話としては面白いけど、戦隊でこんなのが許されるのか」と、かつて敏腕プロデューサーとして鳴らした東映の白倉社長に打診したら、「面白い、もっとやれ」と太鼓判を押されて、本格的にゴジュウジャーの企画が動き出したとか。
もう、このマナー対決が第1話でいいんじゃないか? とまで社長が言って、それはちょっと……とプロデューサーが一旦保留した上で、1クール終了時の今回にようやく、と。
で、ゴジュウジャーの主役はレッドですが、チームリーダーなのはイエローの竜儀になるのかな。
彼がテガソード様と出会うところから、チーム全体の物語が始まる形かも。吠が初変身した後、陸王と竜儀がコンビで登場。陸王が吠を面白い奴と評価したことで、3人が組むことになって、後から禽次郎と角乃が合流して、教授に戦隊の意義を教えられて、5人チームとして本格的に成立という流れですが、
陸王と竜儀のどちらが先に変身したのか、という話で、最初は竜儀からかな、と。まあ、次回でその経緯が判明するのでしょうな。
イエローからスタートするというのは、ガオレンジャーもそうですが、前回書いた参入順番で一つミスがあったので、この機に修正。
ガオでは、黄、白、青、黒、赤の順番でした。青が白より先と記憶違いしてましたが、調べ直すと、白と青はほぼ同時期だけど、微妙に白が先らしい。
一方、ゴジュウジャーは黄、青、赤、緑、黒の順かな。竜儀がテガソード様の声を聞いたところから動き始めたけど、その段階ではまだ変身能力は得たけど、テガソード様を召喚することはできなかった。
テガソード様の初召喚は、第1話で吠が登場して、ファイヤキャンドルの巨大ロボに対峙したときが初になって、竜儀としては、神の声を最初に聞いた自分ではなく、どうしてこいつなんだ? という思いもあって、ちょっとしたライバル意識もある?
でも、吠は何も分かっていない未熟者なので、何だか竜儀が小言を口にする説教キャラになりつつ、吠の監視も含めて、喫茶食堂を開店して拠点にした。
まあ、竜儀にとっての吠は文字どおり番犬みたいな扱いですが、何だか知らないけど、吠はテガソード様に愛されているみたいですね。
竜儀は規律系のキャラで、吠は無軌道でルールを覆すキャラ。しかし、竜儀は規律だらけの家庭から自由(自立)を求めて出奔した過去があるから、自分と異なる無軌道さに苛立ちを感じたりしながらも、どこか憧れる面もあるとか、そんな感じかな。
何だかんだ言って、吠は真っ直ぐだけど、ルールを学ぶ機会が少なかっただけですからね。
で、家政婦のレッドレーサーか。
性格は、レッドレーサーよりも、追加戦士のシグナルマンですね。宇宙から来た警察官で、口癖は「本官の許可なく、何々してはいか〜ん」と無軌道なボーゾックと、しばしば無軌道なカーレンジャーに小言説教するおまわりさん。
ただし、地球のおまわりさんじゃないので、そのルールは少しズレている時もあって、割と独り善がり。
で、一時期、ボーゾックの接待と闇堕ち排気ガスを吸わされて、闇堕ちシグナルマンになって、カーレンジャーと敵対したことも。
よって、ユニバース戦士はレッドであると同様に、6人めの追加戦士の属性を合わせ持っていると、解釈すると整合性がとれるのかな、と。
・ドンモモ総理:桃井タロウの他に、桃谷ジロウの要素もある?
・ティラノ教授:6人めのブライは、教授じゃないから、いきなり仮説が崩れた。いや、パワレンの追加戦士トミーを含めると、つなげられなくもないけど。
で、今回のレッドレーサーは、ウルトラマンZのヨウコ先輩で、またも闇堕ちしましたな。むしろ、闇堕ち後が本性かもしれない。
そして、仮面ライダーでは、リバイスのスピンオフ作品『仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』で敵のミュータント怪人を演っていたので、これで三冠か。
さすがにヒーローに変身したのは、今回が初だったけど、それでも闇堕ちしたので笑った。
なお、カーレンジャーテイストは、善意と規範意識、思い込みの強さでヒーローの活動を妨害する追加戦士ってところですね。
だからレッドレーサーではなくて、シグナルマンだと思えば、全ての行動に納得できる。
まあ、レッドレーサーがヒーローの自覚と責任感を持って暴れたら、普段のお茶らけたコミカルヒーローぶりが嘘みたいに強くなって、一人で敵をバッタバッタと切り倒す潜在力を持っているので、そのギャップも含めて、時々、すごい格好いいんですけど。
今回のレッドレーサーは、ストップの特殊能力だけが強くて、戦闘技術はそれほどでもって感じでしたが、暴走すると、どれだけ強くなるのか楽しみです。
まあ、竜儀も暴走すると、持ち前の怪力で暴れん坊っちゃまになるので、次回は暴走ナンバーワンを決める対決かも。
そして、晴れてテガソード様を共同操縦する愛のラブラブモードが発動して、それに刺激されたテガジューン様がついに動き出す(玩具の発売タイミングなので)と予想。
6月はテガソードVSテガジューンの二神巨大戦対決が目玉っぽい。
今回はここまで。
カブトとガメラは次回にて。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/23 (Fri) 00:58:44
続きです。
★カブト
ネイティブが登場してきて、カブトの暴走スイッチというネタも出てきて、敵味方の立ち位置が不鮮明になって来ました。
次は、この流れの中では割と息継ぎができる2話で、天道樹花が中心となる回。
以前も話したように、彼女がこの作品の中で最も立ち位置がブレずに、割と天真爛漫であっけらかんとしているキャラ。
天道さえ、ひよりの件で落ち着きを失っている状況で、結果的に最も明るさを失わないキャラでした。
まあ、リアルタイムでの視聴時は、ひよりの異変もあって、次は樹花にスポットが当たって大変なことになるのでは? と思わせたドキドキ回だったのですが、結果的には彼女も天道の妹らしく、おばあちゃんの格言をしっかり身につけて、ライダーに変身しないのに、正義感はあって、うまく状況を乗り越えていく才覚は持っていたんだなあ、と安心できるキャラです。
この時点までの平成ライダーヒロインで、最も陽性で、清涼剤と言えるキャラだったと思います。正しく、日常の象徴として機能したというか。
そんな彼女に最もスポットが当たる回で、後味も悪くない。
この後のカブトは、ウカワームの退場と、好戦派の最強ワームが登場する一方で、ダークカブトの登場で、アクション的な盛り上がりが加速する年末決戦に突入するので、39話から先は息つく間もない連続活劇展開に。
さて、ここでひよりの役割なんですが、本来ならワームの女王的な立ち位置として、ウカワームの後継者的な存在として天道に対峙する案があったのが、それが重すぎるということでボツになって、
代わりに、神代剣がそういう役割を担ったと考えられます。
一方、ヒロインを敵の女王にするアイデアは、2年後のキバで実現して、なかなかハードな顛末に。
そして、この時期に必要以上に話を重くしない方法論として、主人公の周りに、幼女を置いて世話を焼かせるという方法論が提示されて、カブトのゴン、電王のコハナ、キバの静香という子役ヒロイン枠が3年続く形に。
まあ、コハナについては、メインヒロインのハナが役者の都合で続けられなくなって、突然、子どもになって天気…と半ばアクシデントみたいなものでしたが、それを上手くストーリーの中心に組み込んで謎解きを盛り上げた感もあるのですが、
ともあれ、ハードな話を展開するには、それでもブレない陽性キャラとか、過酷な状況でも戦意を失わないバトルヒロインとか、いろいろなキャラ配置を模索していた時期だな、と。
カブトは、ヒロインに関しては、立ち位置がいろいろと試行錯誤を重ねて、怪人化という刺激的なアイデアを上手く活かすことができず、かえってヒロインを動かしにくくなった弊害がありましたが、その辺の顛末も39話以降で。
★ガメラ
で、こちらはギロン編。
バイラス編の仕込みでもありつつ、そこでは舞台が宇宙に飛び出す前の伏線らしく、月ロケットが示された、と。
ギロンは、俊敏な動きと刃による殺傷能力で、次回の怪獣バトルが面白くなりそうな存在感を示していました。
この後はバイラスやエスギャオスなど、空中戦になって行きそうなので、地上戦での怪獣対決は次回が最大の見せ場かと。
そして、ボコとジョーのケンカから始まる友情ドラマの確認ですが、話の聞き役としてのブロディがいい役割を果たしていますな。
外様の立ち位置だからこそ、視聴者と同じ目線で、ボコたちの過去話を聞くことができる。
まあ、ジュンイチに対する視線が、異性を意識しすぎて、顔を赤らめたり、ジュンイチの周りにキラキラが見えたり、ここまでブロディを視聴者の視点に近づけるつもりなら、どうして1話で過剰にヘイトを集める描き方をしたのか。
本来、主人公のボコを視点キャラとして描くべきところを、早々に成長エピソードをクリアしたブロディがリーダーであり、視点キャラになってしまっている。
ジュンイチについては、孤立したジョーの感情に寄り添う形で、上手く気持ちを落ち着けさせることに成功。
今回は、仕込み回であり、会話劇中心ですが、ブロディとジュンイチという葛藤編をクリアして一応成長を描いたキャラたちの安定度を確認する回でした。
それにしても、タザキさんがどんどんダメな部分を示して、格好いいエージェントでなくなって行くのは、どうもなあ、と。
まあ、タザキさんが、この乗り物で逃げようと言い出すと、怪獣に壊されて、結局、逃げられずに、どんどん追い詰められていく有り様は、ルーティンギャグのような物と割り切れたら、楽しめるのかも。
結果的に、タザキさんの言動が、どんどん裏目に出ることで、頼れる格好いい大人でなくなって行く姿は、後から挽回できるのだろうか。
バイラス編で、いろいろとどんでん返しが起こるみたいなので、次回は予定調和的に安心して見て、その後の急展開をドキドキハラハラしながら見るつもり。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/26 (Mon) 22:32:34
定期感想その1です。
●仮面ライダーガヴ(第36話:逆転!覚醒!マスターガヴ)
前話の飛行機音で隠されたランゴの台詞は「お前(ショウマ)は生まれてきたことが間違いだった」でしたか。急転をもたらすような秘密かもしれないと予想したんですがハズレでしたorz。その台詞の決着つけるのに1週間待たせるのは良くないというのが、台詞を隠した制作の判断なんでしょうな。
もしあの台詞がドラマ的な急変をもたらすものだったとしたら、ランゴはしばらく存命にしておかないとマズいということもあるんでしょう。今話で(確認まではできてないけど)ランゴが倒すのに、観ていて納得する理由付けは必要だったかもしれません(ランゴはショウマの母みちるの死の原因ではありますが、他のきょうだいも関与してるわけで)。
今話途中でいったん勘違いしたのがジープの行動と理由です。ショウマにランゴの次の狩り場を教えたことですね。ジープ、今話冒頭ではヒトプレス捕獲の功をランゴに帰する大統領ポッカにいら立つ様子を見せ、前話ではランゴがヒトプレス大量捕獲に乗り出すことに動揺してました。
自分はジープが自分の行動に迷いが出てきたのかなと思い、今話でのショウマへの情報提供は少なくともランゴを止めるためかと思ってました。ランゴへの反感は依然としてあるでしょうから、ランゴが倒されても仕方ないと考えてるのかなと。ところがランゴがガヴ倒されるとジープは大いに動揺してまして、どうやら自分の予想は間違いと分かりました。
ジープはランゴの指示通りか、独自判断でランゴのためにショウマに狩り場を教えたみたいですね。ジープとしては依然としてショウマが(シータの)復讐対象であり、ランゴならショウマを倒してくれると思ってたということでしょう。しかし当てが外れて、うろたえたということか。
ジープの復讐の行方が気になるところですが、逆にストマック家側で仇討ちされるのがグロッタということですか。そのご教示を頂いて、自分も正直意外でした。でも仰るように仕事(ヒトプレス→闇菓子)絡みなら、というのはありますね。ストマック家で残るはジープとニエルブ。
ニエルブがラスボスとの予想を拝読して、なんだかホッとするものがあります。と申しますのも、自分は別の嫌な想像を巡らせてしまったもんで。それは「ニエルブが作った怪物がラスボス」というものでして、たぶん酸賀の研究(最強の死なない生物)をニエルブが引き継いで生み出す。ニエルブの怪物は創造主のニエルブ、大統領親子も殺害し(終盤の人員整理 ^^;)、ラスボスと化す。
しかし、それじゃ面白みに欠けます。ニエルブですら仰るように「ラスボスとしてはまだキャラとしての魅力が弱い」のに、さらにショウマらとの因縁が間接的になってしまいます。ただ、それだけなら面白くないだけで嫌だという感じはしません。嫌な感じは「そのニエルブの怪物の依り代(または変身者)は誰か?」にあります。
依り代となりそうなのは、たぶん「ここまでのドラマで重要だけど宙に浮いているキャラクター」でしょう。酸賀の研究を引き継ぐと考えてみると、酸賀の動機となった酸賀の子がいます。登場は酸賀の台詞と写真だけなんですが、酸賀の変質と暴走のドラマを引き起こしたと匂わせ、しかし生死含めてどうなってるか明示されていません。
酸賀はショウマの髪の毛1本からダークショウマを作り出してますんで、ニエルブも同様のことができてもおかしくない。酸賀の子を異形で復活できるかもしれない。しかし、そんなストーリーだと極めて陰鬱です。酸賀が敗れて諦めたのはビターエンドですが一抹の救いがないでもない。それを蒸し返すとしたら、観ていてしんどくなりそう。
他にも役割的に浮いているキャラクターはいまして、絆斗の師匠:塩谷壮士ですね。ヒトプレスが割れて死亡ということになってますが、割れた半身はニエルブが持ってる。もう1つは絆斗が持ってる。こちらも酸賀の技術応用で復活はできるかもしれません。しかし、こちらも陰鬱で観ていてしんどいドラマになりそう。
もっとも、酸賀の子にせよ塩谷壮士にせよ、ラスボス化してから倒したら完全復活というルートもあり得なくはないかも。ただ、どうもハッピーエンドありきお予定調和、ご都合主義に陥りそうな気がします。が、ラスボス考察として「ランゴ兄さんが実は生きていて」を拝読してみると、そのルートなら面白いかもと思えます。
仮にニエルブの怪物が最強だとして、例えば依り代がランゴだと牙狼初作の暗黒騎士の前例が思い出されます。ラスボスと思われた最強のホラー:メシアに食らわれるも、食らい返すように復活し、真のラスボスとして黄金騎士の前に立ちはだかってくれました。ガヴらが全ての敵を倒したと思った途端、ランゴが蘇ってきたら燃える展開になりそうです。
ニエルブかランゴがラスボスだといいなと思いつつ、ともかく今話本編。冒頭は闇菓子大量製造の成果を大統領ポッカ報告するジープですが、ポッカはランゴの功績と言いまして、どうもジープの地位低下が感じられます。ジープはリゼルの計画書を見せてくれと言い、それがこの後の行動につながっていくようですね。
一方、ショウマらは前話でランゴに圧倒されたせいか暗い雰囲気ですね。それでも絆斗はランゴがショウマに言い放った暴言(生まれてきたことが間違い)を気にしてショウマをいたわってまして、結束はゆるぎないのが救い。
さらに絆斗、知恵を出しまして、ランゴの計画を世間に知らせようと発案。根気よくやって、仮面ライダーへの理解を広げていく。ショウマもゴチゾウ100体作り始め、ラキアはデンテに頼んでいた毒の中和剤は間に合わなかったものの、防毒マスクを入手。できる限りの反撃の準備はできてますな。
そしてジープがランゴの次の狩り場情報を伝えてくる。ランゴの計画はガヴらの介入も織り込み済みだったと思うんですが、ガヴをシータの仇と憎むジープは、それを確実に起こるようにしたかったんでしょうな。しかし、逆にランゴに引導を渡す結果になるとは、ジープは予想できなかったらしい。
ランゴの襲撃予定は幸果の友人りっちゃんが行くUMAコンサート会場。りっちゃんのコンサートを止めることはできませんでしたが、ライダーへの信頼を示してくれたのは大きい。さらにネットでもライダーの評が化け物から正義の味方に変わりつつあり、ショウマらの士気を大いに挙げてますな。
絆斗がグラニュート情報流した副作用でキャンセル空きもでき、ショウマらは会場に潜り込むことに成功。会場にはランゴの手の者が既にスタッフとして入り込んでおり、幸福感を生じる毒をガスとして散布し始める。ここでデンテ製の防毒マスクが役立り、ショウマらは影響を免れる。被害者が大勢ということから、方法はガス散布と見抜いたデンテの作戦勝ちですね。
とはいえ、グラニュート1体の仕業ではなく、ランゴの部隊が相手なわけで混戦、激戦となりますな。陣頭指揮のランゴに対してはショウマが対処。ランゴは前戦でガヴ最強のオバーモードに勝った自信を見せるも、ショウマは「生まれてきたことが間違い」に言い返して覚悟を見せる。確かにショウマは家族には恵まれませんでしたが、仲間には恵まれてますね。そして人間界で強くなった。
このショウマの覚悟に応えたのか、腹のガヴにセットしたゴチポッドが反転、マスターモードのお目見えとなる。自分は単純に「オーバーよりマスターのほうが強力」と思ったんですが、「力のオーバー、速さのマスター」というわけでしたか。マスターでランゴを捉え、オーバーで打撃を叩きこむ戦闘スタイル完成ですな。
これで勝つんですけど、前話で見せてくれたチームワークによる勝利が不要になったのはちょっと残念かも。もっとも、最終決戦に向けてヴァレンもヴラムも強化する必要がありそうですから、これでいいのかも。ブラムだと、勝ちつつも変身ベルト(ヴラスタムギア)が壊れちゃいました。単に修理するのではなく、強化フォーム引っ提げて復活するということなんだろう。
ランゴが倒されて、ショックを受けたのがジープですね。ガヴを倒してもらうつもりが返り討ちにされたのが想定外だったのか、それともガヴを倒してもらった後にやって欲しいことがあったのか。あるいは低下していく自分(ジープ)の地位をランゴが支えてくれると思っていたのか。
その辺りが気になるんですが、次回「忘れたことはない」では絆斗のもう1つの仇討ち、即ち母:早恵をさらったグラニュートへの復讐劇が始まるようですね。ジープもシータの亡霊にまで詰め寄られるようで、こちらも命運極まってきたかな?
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第14話:神聖従者と、テガソード伝説!)
家守召子/レッドレーサーが原典カーレンジャーでの誰に相当する立ち位置かのご解説、興味深く拝読しました。自分は単に陣内恭介と家守召子は違うとだけ思ってました。ここまでのユニバース戦士も原点と重ならないですし。が、シグナルマンと言われてみると「確かに」と思えます。その辺りは脚本家の知識量と裁量次第なんでしょうな。
さて、暴神竜儀の詳しい素姓とか、家を飛び出してテガソードに心酔した理由とか、もしかすると深刻な事情があるのかと、前話では心配しました。その鍵を家守召子が握ってるのかもとも思いました。
が、意外なくらいシンプルに率直なものでして、気持ちよく解決もしてくれました。ブライダン側もクオンですらちょっとコミカルでして、竜儀と召子のドラマを邪魔しないようにしてくれてます。
もっとも、クオンが味方たるブライダン側に対しても嫌な奴ということは描いてまして、Mrs.スイートケークを手玉に取って悪質なからかいをするし、手駒ではあるけど味方(部下相当?)に対して冷酷なところも味方に見せつけてますね。それを見たナイフ&ケーク夫妻はクオンに見切りつけた感じ。これはクオンがブライダンからも浮いて行くという流れを作るってことでしょうか。
レッドレーサーとなり暴走までしてしまう召子は幼い頃から暴神家の家政婦(見習い?)だったわけでしたか。失敗が多く、主人(竜儀の父)に叱られて泣いてしまった。そこを竜儀が慰め、励ましたことを召子は恩義に感じ、竜儀を守る≒安全を信条にするようになったと。ただ、召子のその感情が忠義・忠誠なのか愛情なのかは最後まで分かりませんでした。そこは竜儀も同じですが、どうやら召子と同じ感情ではあるような。
ともかく本編。冒頭から暴走レッドレーサー/召子の暴れっぷりが報道され、竜儀らが心配してますな。レッドレーサーの暴れ方からしますと、危ないものは破壊するということらしい。この後も、危ないと見るとぶっ壊しにかかってます。
突如、店の手伝いに久しぶりに登場の佐織にテガソードが憑依し、召子はカーレンジャーリングの暴走に引きずられていると告げる。自分は召子が竜儀を心配するあまりの暴走だと思ったんですが、逆でしたか。もっとも、テガソードの説明通りのほうが竜儀のモチベーション・使命感を上げそうですね。なんとしてでも召子を救わねばならない。
そこから竜儀が自分について皆に説明。竜儀は暴神家跡取りの役割しか認められず悶々としていたところ、テガソードの教え/伝説「テガソードが降臨すると、世界は悲しみのない楽園となる」に触れて心酔したということですか。そこまで話したところでレッドレーサー襲来で話は中断。
竜儀は一人で対処する気だったようですが、残るゴジュウ戦士がそんなことさせるわけもなく、全員でかかる。が、まずは周囲の被害を避けるため逃げる。レッドレーサーはゴジュウジャーを追いつつ、危険と見たものを破壊していく。まあ、最も危険なのはレッドレーサー自身でありそうですが、そうではないことは後で示されますな。
ゴジュウジャーは採石場らしき場所までたどり着いて、ようやく応戦。ですが、まず竜儀ですね。召子への心配もあるんでしょうけど、仲間に迷惑かけてる自覚も大きそう。荒れ狂うレッドレーサー/召子に「いい加減、怒るぞ」と一喝すると、途端に召子/レッドレーサーは「だ、だって坊ちゃまは」と口ごもり、しゅーんとなる。
そこからは前半で竜儀が語り損ねた、召子とのいきさつを召子が語る。上述しました通り、家政婦としての仕事をミスった召子が泣いていると、竜儀が慰めたわけですね。花の冠を作って被せてあげ、「泣くな」と。これに召子、心底ほっとするものがあったようですね。「私(召子)の世界を安全にしてくれた」と思い、貰った花を押し花にしてずっと持ってたわけか。
そして今度は自分(召子)が坊ちゃま(竜儀)を安全にすると誓ったということらしい。その気持ち・信念は暴走状態でも揺るがないようですね。だから釘バットを地面に叩きつけても、竜儀へ攻撃は届かない。ここまでの追跡劇の破壊も同様だったんでしょう(ただし、竜儀以外については保証の限りではなさそう)。
そこは竜儀も同じなんでしょうけど、召子に守られる必要がないと示さなければならない。即ち、全力の1対1勝負で力を示さねばならない。召子も竜儀を守る力ありと示さねばならない。ガチンコ勝負となるわけですが、やはり致命の一撃は避けつつ戦ってる感じではありますな。
しかし追い込まれたレッドレーサー/召子がティラノ/竜儀に巨大釘バットの一撃を潰れよとばかりに入れに行ってしまう。ここは本当に暴走なんでしょうな。が、ティラノ/竜儀は逃げずにまともに受け切っておいて、当身でレッドレーサー/召子を止めて勝負あり。
ほぼほぼ解決したところで、ブライダンが介入。まあ、ここまでクオンがMrs.スイートケークを誘惑し、Mr.シャイニングナイフが嫉妬する三角関係となり、ファイヤキャンドルが呆れるとかコントやってたわけで。その原因となった指輪を奪い返しに来た格好ではありますが、ドラマの流れは三角関係の解消になるわけですね(ブライダン側の自己完結)。
上述の通り、味方も平気で利用するクオン/ガリュードにMrs.スイートケークは目が覚め、Mr.シャイニングナイフと元の鞘に収まる。仲直りの勢い(?)に乗ったナイフ&ケーク夫妻は超巨大化するも、テガソードイエローに搭乗する竜儀&召子が撃退。
勝利はテガソードの加護がありまして、召子もおそらく『竜儀を守る者がいるとすれば、テガソードだ』と分かったんではないかと思います。そして召子は指輪を竜儀に託し、2人は互いに背を向けて歩き出す。いいですねえ。
自分はゴジュウジャーはゴジュウジャーとして観ようとしたんですが、どうしてもウルトラマンZを思い出してしまいました。ナカシマヨウコとナツカワハルキ/ゼットですね。ヨウコはゼット様を慕いつつ、1歳下のハルキを鍛え、守ってました。しかし、ヨウコは寄生されて暴走、それをハルキ/ゼットが救い出す。ほぼゴジュウジャー:レッドレーサー編に重なる気がします。
それはともかく、これでゴジュウジャーになった経緯がすっきりしているのが猛原禽次郎と暴神竜儀、複雑な経緯で今も問題抱えてるのが一河角乃と百夜陸王と分かれましたな。遠野吠は物語の根幹に関わる難事を抱えているっぽい。
東映公式サイトによりますと、次回「ストップ・ザ・ジューンブライド」からは怒涛の設定開示となるらしい。テガジューンの婿とか世界の終わりとか、ここまで曖昧だったポイントが、どういう勝利条件を示しているか分かることを期待したいと思います。
Re: 5月のスレッド(2025) - K.K
2025/05/28 (Wed) 00:34:51
定期感想その2です。
●GAMERA -Rebirth-(第8話:斬る)
ギロンがガメラに対し、あまりに強くて驚きました。視聴後にウィキペディアを確認すると、ガメラと同系統の怪獣ということらしい。だからガメラ並みの鱗装甲持ってるわけか。その防御力だけでもガメラと対等と言えそうですが、ガメラのような一体型(甲羅)ではなく、多数の鱗が張り付いた感じなんで全身の柔軟性がある。それで動きが柔軟、俊敏になってる。
巨体にそぐわぬ素早く変則的に動け、頭部の巨大刀を振り回してくる。さらに鱗を飛び道具(手裏剣?)として使える。ギロンは近づいても離れても戦えるわけですな。ガメラのほうはギロンを補足するのは、(海中での)ジグラ以上に難しい。と思ったんですけど、ギロンの強みは陸戦にありまして、空中へは跳躍のみ。飛行できるガメラはそこに勝機があったわけですね。
ギロン戦後、財団のきな臭い面が露わになってきましたな。オリリウムがボコに見せた過去の記録映像では怪獣に子供が食われてました。怪獣を作り出すための生贄なんでしょうな。となると、ボコらを与那国基地まで連れてきたのは同じ目的なんだろうか。ボコはガメラの巫女であることが今話でより明確になってきてますんで、そっちの線もあり、よく分かりません。
仮にボコらも生贄だとすると、エミコがどうしようとしているかが気になります。生贄のことを知らないとすると(ガメラの巫女だと思ってるとして)、今話で見せたボコら子供たちへの心配は本物。何も知っていそうにないタザキと同じような立ち位置となりそうです。
逆にボコらが生贄だと知っているとすると、ボコらを必死でギロンなどから守るのはバイラスに与えるためとなりそうです(かなり怖い想像 ^^;)。オリリウムがボコに見せた映像ではバイラスと思しき怪獣が子供を閉じ込めた檻に迫ってました。たぶん、バイラスは特別な怪獣なんでしょうな。そして今は基地の地下にいる。
エミコがどこまで知っているかはさておくとして(次話ではっきりするかな?)、財団幹部の4名はかなり狂信的にして邪悪。怪獣による人間の「間引き」を図っているわけですが、古代財団幹部は地上に留まって行ったらしい。現代においては月まで逃げておいて、地球に怪獣を放つわけですな。ここまで救いようのない敵役/悪役はちょっと類例が思い出せません。
ともかく本編。ギロンが与那国基地に襲来ですが、ボコらとしては喧嘩で二手に分かれたのは幸いだったかもしれない。子供たちを閉じ込めた部屋は外からロックされてますし、コミュニケーターは動作停止させられてる。しかしジョーとジュンイチは排気ダクトにいますから、ボコらの部屋に外からアクセスできる態勢です。
自分はジョーらが外から部屋の扉を開けるのかと思ったんですが、ボコの行動力が自分の想像超えてました(ブロディを引っ張る形になってるし)。ギロンが建屋を破壊したのがかえって幸いとなり、ジョーらとボコらは合流。その際、落ちかけたボコをジョーが率先して助けたことで、さっきの喧嘩の仲直りも即座に成る。
一方、大人チーム(?)も手をこまねいてはいない。ただし、ブロディの父レイモンド司令は国連の要請で頭を押さえられてる格好となり、今回は手出しできず。頑張ったのはエミコとタザキですな。主導はエミコと見ていいでしょうか。離脱を決めたタザキを引き戻し(といってもヘリも落とされ逃げようがなかったわけですが)、基地の全員の退避を図る。
しかしボコら子供たちのことはうっかりしていたわけですね(たぶん、緊急時だから誰か対比させたと思い込んでた?)。逃げ遅れてると知ると単身で駆けつけようとする。が、建屋の崩落に巻き込まれ、しかし翻意して突入してきたタザキが救う。
そのタザキは基地の人員の退避だけでなく、ギロンに対して5インチ砲での攻撃を試みたりもしてますな。倒せるとは思っておらず(他の怪獣で米軍部隊でも苦戦してるわけだし)、あくまで時間稼ぎの足止めということらしい。が、ギロンに簡単に弾かれて全く役に立ってない。それでもタザキは逃げずに、エミコの危急に駆けつけたわけですから、やはりその勇を褒めておくべところきなんでしょう。
大人チームも頑張ってはいるんですが、ギロンも怪獣に接触した子供を嗅ぎつける能力があるらしく、ボコらに迫って来る。が、そのピンチを察知して現れるのがガメラですな。もう今話ともなりますと、観ていて「ここはガメラが駆けつけてくるはず」と確信が生じます。たぶんガメラの巫女たるボコも同じでしょう。
が、上述しましたがガメラの攻撃がギロンに有効打とならず苦戦。かえって左目と右手をやられてしまう。が、ボコは「ガメラは負けない」と断言。この後の対ギロン必殺技が分かったんだろうか。しかし、この時点では観ているこちらは分からず、ギロンの巨大刀がガメラを刺し貫き、ガメラが倒れて「これはもう駄目かも」と。
どうやら怪獣を普通の生物と考えてはいけなさそうです。オリリウムとやらで動く生物ですから、生死を分ける条件が全く違うんでしょうな。ガメラは倒れ伏したと思ったら、頭部と手足引っ込めた飛行形態となり、周囲から鱗突き出して回転飛行という円盤ノコギリに(火焔旋撃)。
ギロンは鱗手裏剣が効かず、やむを得ず跳躍で交わすも、かえってガメラに捉えられて真っ二つ。飛ぶのではなく跳ぶだけなんで、軌道を読まれちゃうんでしょうな。ガメラも態勢を整えられず、甲羅から海へ落ちまして、やっぱりダメージ大きかったんでしょう。
ラストは地下に降りたボコらがオリリウムに触れて古代の真実を知る。上述の通りの恐るべき「浄化」ですね。それが現代で再現されようとしており、首魁は月へ退避済。仮に浄化を阻止できたとして、月の黒幕はどうするんだろうか。
●仮面ライダーカブト(第37話:学校の怪談、第38話:あぶない妹)
こちらで「割と息継ぎができる2話」と伺い、観てみますと確かにその通りでした。懸案となっているあれこれはとりあえず保留で、なんだか中盤に戻ったような気すらしました。ホラー風味で始まりまして、夏の話かとウィキペディア確かめると10月放映でした。
まあ、ホラー風の肝となる部分はカブトではワームの擬態で説明できちゃうわけですから、制作としてはホラーのつもりはなかったのかもしれません。もっとも、学校の理事長が評判を維持するためワームと手を結ぶとか、好成績を維持したい生徒が身の危険を顧みないとかは素直に怖かったりはします。
それでも「この前後編2話で完結しそう」という余裕を持って観ていられますんで、ーフェクトゼクターにサソード・ザビー・ドレイクゼクターをセットする新装備も「これがNOVAさんから聞いてたものか」としっかり観察できました。近くで戦ってたライダーが変身解除の割を食うの、今回は神代だったせいか、ちょっと笑っちゃった(^^;。
ともかく本編。冒頭はランニングする野球部員で、急に発生した霧の中、そっくりの集団とすれ違う。BGMが「通りゃんせ」アレンジだったりしまして、ちょっと怖くはある。が、上述の通り、これはカブトでありますんで「ワームだ!」となりますね。しかし劇中では「呪いの鏡」だと思い込まれてる。
そっくりの集団とすれ違った野球部員、いったん捜索願が出されたらしい。やはり行方不明になったようですね。しかし捜索願は取り下げられたと。天道が焼きそばパンが売りのパン屋として学校に潜入、学年トップの成績を狙う女子生徒(小林恵子)に話を聞く。その野球部は成績不振で「呪いの鏡」に勝てるよう願った後、上述の経緯となったと。
それが樹花の通う中学であるわけですね。緊迫して来る感じですが、ちゃんとコメディリリーフ役やって来まして、神代ですな。付き添って来たじいやもコントに徹する(大袈裟に世話を焼いては追い出されるルーティン)。
ちょっと影山の近況紹介シーンもありまして、好成績狙う女子生徒(小林恵子)がトップを取れなかった悔しさから「頭の良くなるお守り」を投げ捨てると、「それは俺だ」と影山登場。絶望ぶりがだいぶ板についてきたかな? しかし恵子がワーム(レプトーフィス)に襲われますと、影山は直ちに変身、恵子を逃がして応戦に入る。ヒーロー魂も持ってるのかな(矢車は影山が未だ光を求めてると思ったらしい)。
カブトとガタックも駆けつけますが、ワームは逃走。恵子が狙われたことから、天道はやはり樹花の中学に何かあると睨み、加賀美と岬に潜入捜査への協力を依頼。蓮華も付いて来る。やはりZECTの力なんでしょうか、易々と入り込めたようですね。
異変の鍵は最初の行方不明事件の合唱部にあるらしい。加賀美はそう踏んでますね。まあ、未だに7年前の合唱が聞こえてくるとあっては、そう思うのも自然な流れです。そして捜索願が取り消された野球部員が、ずっとランニングしてましたという風に戻って来る。練習を再開すると超人的な力を見せたりもする。この後、なぜか理事長はそこを怪しまず、嬉しげなのがいかにも不審ですな。
しかしワームの仕業らしいというのは、割とすぐ明かされる。野球部員がいったん消えた森からベールの女(麗奈の部下で間違いない)とワームが襲って来るとなれば、もう確定ですね。最後まで見届けてから考えますと、理事長がワームと交渉して使役したとは考えにくく、麗奈が仕切ってたということなんでしょう。
それはともかく、ベールの女はハイパークロックアップを警戒したようですが、カブトは新装備パーフェクトゼクターを使う。まずは他のライダーのゼクターなしですが、それでもサナギ体ワームの群れを一掃、レプトーフィスを撤退に追い込む。
ワームの関与は明らかなんですが、一連の失踪事件のほうは岬らの調査によれば全て合理的な説明がついてしまう。「呪いの鏡」も単に歪んで変に映るだけと。これは巧妙に偽装されたと考えるべきなんでしょうな。しかし説明が付いてしまえば油断もするというもの。好成績狙いの女子生徒:恵子が「呪いの鏡」に願い、おそらくは本人は行方不明となり、擬態の恵子が学年トップとなるも、誰も変事に気付かない。
が、天道だけは気が付くわけですね。本物の恵子が前に「美味しい」と言ってくれた焼きそばパンに今の恵子は興味を示さない(擬態時の記憶取り込みが不完全?)。そして不思議な帰還をした野球部員と同じく、理事長は恵子にも嬉し気に接する。
さらに、確かにあったはずの合唱部の部室がどこにもない。が、「呪いの鏡」が砕かれると、その先が部室だったわけですか。今でも7年前の擬態の部員が歌ってまして、これが聞こえてきての「呪いの鏡」の噂だったか。仕組んだのは理事長で、いったんは恐れて部室を封印するも、擬態生徒の能力の高さから利用するようになっちゃったらしい。業が深いですねえ。「ゴブリンスレイヤー」ではゴブリンを使役する人間がいるようですが、こんな感じなのかしらん。
が、天道にとって喫緊の問題は樹花となる。ワームが擬態しちゃってることを理事長が明かしちゃいましたからね(相当に口が軽い悪役だなあ ^^;)。が、樹花らがバドミントン部の合宿へ向かうバスには加賀美が同乗してくれてます。そして加賀美らしい活躍ですね。「合唱部ワーム出現に怯えるバドミントン部員を「歌おう」で励ます」という、なんかズレてるようでいて一生懸命が伝わるというものですな。
冒頭で「通りゃんせ」が聞こえてたの、BGMではなく擬態合唱部員の歌だったようですね(つまり劇中の人物に「通りゃんせ」が聞こえてる)。そして擬態とはいえ合唱部員だからでしょうか、樹花らの斉唱でたじろいでいたらしい。加賀美が迎撃に出るまで、手出しして来ませんでした。さらにレプトーフィスは加賀美が変身すると逃げたらしい。
しかし天道がカブトで迎え撃ち、今度はサソード・ザビー・ドレイクゼクターを使うパーフェクトゼクターで瞬殺。せっかく加勢に来たのに変身解除となった神代は不服言いますが、加賀美が抑えると。
もっとも、天道はそれどころじゃない。ハイパーゼクターに何か異変が起こって、月食の先に飛ばされ、ひよりを見ちゃったからですね。天道は追おうとするも、すぐに元の場所に帰されてしまう。しかし、ひよりの存命だけは確かに見たことになり、前の未来の比よりの絵より確実です。
矢車&影山:地獄兄弟は、好成績狙い女子生徒:恵子と野球部員(部長?)が仕掛けてきて交戦となるも撃退。前は「赤い靴」暴走のカブトを止めてくれましたし、気ままに暴れているようでいて、いいサポートしてくれてますね。
次回からは天道がひよりを追うのかなと思ったんですが、予告からするとワームの記憶を失った麗奈に風間が惹かれていく話になるようですね。こっちと思ったら、あっちの展開でして目まぐるしい。神代の正体の問題もありますし。
しかし、今週分では樹花がワームのことすら知らされないように守られました。自分が予習抜きで観てたら、神代も自分の正体を知らずにハッピーエンドになると思い込んだんじゃないかと思います。しかし、こちらで伺った展開になるわけですよねえ。
作劇のコツとして「予想を裏切れ、期待は裏切るな」というのがあるそうですが、どうやらカブトのドラマはそれができてるような気がします。最後まで観終えてみて、確かにそうなっていたと言えたらいいなあ。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/29 (Thu) 09:40:51
5月最後の定例感想です。
★ガヴ
ランゴ兄さんがマスターガヴに倒される回でしたが、戦闘シーンの迫力が凄くて、見応えがありました。
マスターガヴとオーバーガヴの切り替えが目まぐるしくて、この撮影に非常に手間取ったろうな、と感じさせるシーンばかり。
エフェクトやCGを挟んで、上手くカットをつないでいるのだけど、マスターのカットと、オーバーのカットをそれぞれ撮影して、巧みに編集してるのはまさに職人芸と言っても良く、何度も見たくなる戦闘、と。
倒されたとは言え、変幻自在のマスターとオーバーに割と対応して、例えば初変身のマスターのパワーが劣ることを即座に看破したランゴ兄さんの戦闘センスも凄い。
これがマーゲンだと、自分ではオーバーガヴの弱点に気付かず、「パワーは圧倒的だけど、動きが鈍くて、パワーに翻弄される分、命中精度に欠ける」ことを見抜いたのはニエルブであって、さすがに戦っている当人がとっさに相手の弱点を見抜くのは困難か、と。
それをランゴ兄さんはあっさり看破したわけですが、ショウマはその上を行き、マスターとオーバーの即座切り替えで、両方のメリットを最大限に発揮する。
この兄弟の丁々発止のやり取り、戦闘での駆け引きアクションが堪能できたバトルでした。
一方、ヴラムはベルトの破損ですか。
次のパワーアップの布石でしょうが、デンテおじさんが健在で良かった。今回の防毒マスクもそうですが、ニエルブとの科学者同士の水面下の対決もいいですね。
ラキアの毒をガス状にして散布する装置を作ったニエルブと、それを読んだうえで対抗策を用意したデンテおじさん。相手がこうすれば、自分はこう返すって対応が劇中でしっかり描かれていて、互いの技や能力がしっかり競い合ってる展開は非常に好みです。
片方がパワーアップした際に、相手側が一方的にやられるだけの展開だと、薄っぺらいですけど、今回はもうドラマとバトル、勝負の対立軸が複層的でガヴ(ショウマ)のベストエピソードと言える。
マスターへのパワーアップの起因となった、街の人々がショウマのこれまでの頑張りに対して、受け入れて応援してくれるというネットでの声が、第一話から見て来たファンの満足感にも通じる。
マーゲン戦におけるチーム共闘も良かったですが(互いのピンチを仲間が補い合って、勝機を見出す)、今回は一般市民の応援という広がりも示して、人間VSグラニュートの種族対決という形にドラマが進化していく。
すると、終盤に向けて、グラニュート界がどう激動するかが気になる。ストマック家だけが悪い構図から、春になって大統領のジャルダック家が参入して来て、少なくともグラニュートの上層部は人間に対して敵対的だという流れになった。
しかし、ラキアを代表とするグラニュートの庶民階級はどうなのか。弱肉強食社会とは言っていたので、力の論理がまかり通る社会なのは明確ですが、虐げられたグラニュート庶民による革命展開になるのかどうか。
それとも、仮面ライダーとの戦いだけで全ての決着がつく形なのか。
異世界がテーマになると、その異世界の社会構造とかを気にするわけですが、以前にゴーストがそういう展開になるかと期待したのが、結局、アランを中心とした家族、王族単位でしか話が広がらず、
王族と庶民の両面を描くキングオージャーみたいな複層展開を描くのは、なかなか困難だと感じています。
今回はどこまで踏み込むのかな、と思いながらも、最後は手堅く、家族の愛情(純粋だったり、歪んでいたり)を描いて、まとめるのかな、と。
次回は、ラキア回の前に、絆斗回。脚本は、前にラキア主役回(カブト男子のエピソード)を描いた毛利さんなので、あれ? ラキアじゃなくて絆斗? って思いですが、
その辺は器用に話をつなげられる人だと思いますし、絆斗の母親絡みのエピソードに上手く決着をつけてくれるものと期待します。
6月はサブライダーのそれぞれの家族ドラマに決着をつける話でまとめて、7月からの最終決戦の流れにつなげるようですね。後は夏の劇場版とリンクするかどうかですが、現在の情報だと、劇場版はパラレルな異世界に迷い込んだ番外編っぽい。まあ、無難か。
気になるのは、劇場版の時間設定が、TVの時間と同時期なのか、それともTVの話が終了後なのか。前に、リバイスの夏映画が、テレビで敵対組織を撃退後の平和になった時期を描いて、テレビの方はその後に、主人公のリバイの記憶や、味方だった狩崎の野心の暴走という個人単位の後日譚エピソードで幕引きを図るという変則展開でしたから、
夏の劇場版の趣向と、テレビの最終決戦がどうリンクするかが毎年気になり始める時期です。
★ゴジュウジャー
身分違いの坊っちゃまへの恋心を内に秘めながら、自分の世界に坊っちゃまを踏みとどまらせようとした家政婦さんが、坊っちゃまの想いに正面から向き合わせられると、坊っちゃまは変な宗教への狂信街道をひたすら突き進み、ああ、坊っちゃまはもう帰って来ないんだなあ、と理解を深めて、失恋したような哀しみを覚えて、寂しく去っていく。
召子さん視点だと、そういう話っぽいですね。
個人的な愛と、大義的な神への愛(信仰)をぶつけたら、珍しく信仰が人の愛を打ち破ったというか、竜儀の異質性が浮き彫りにされた回だったと言う。
まあ、これが信仰という形でなく、悪に立ち向かう正義という形だと、よくあるヒーロー物の構図ですけどね。
正義に邁進するヒーローのところに、田舎から恋心を抱いた幼馴染みがやって来て、危ないことはやめて私と故郷に帰って来て、と訴えるのだけど、ヒーローはほのかな恋心を振り捨てても、今は正義のため、と戦いの道を選ぶ。
ヒーローの覚悟を知った幼馴染みは、「じゃあ、あなたの戦いが終わるまで待っているから」と伝え残して、田舎に帰る定番ゲスト回。
まあ、たまに、その幼馴染みがヒーローのサポート役を志願して、レギュラー化するケースもありますが、さておき。
今作の異質性は、ヒーロー役の竜儀が、ラノベ主人公的な朴念仁ぶりを見事に発揮して、召子さんの秘めたる恋心に全く気づいていない点で、単に心配性だから云々で話を片付けて、「オレはテガソード様への信仰でこんなに強くなったから、安心して欲しい」と思いきりズレた対応をしている点。
ゴジュウジャーの仲間たちの方が、むしろ召子さんの気持ちを感じとって、最後に竜儀が召子さんへの想いを示すかと気遣ってみたら、竜儀の頭はテガソード様一色で、「ダメだこりゃ」というオチ。
気持ちが全く通じてねえってギャグオチですな(ラノベでよくある)。
で、この召子さんも、竜儀が家出した理由(テガソード様への信仰活動に専念するための出家みたいなもの)に全く気づいておらず、単に良家のお坊っちゃまが悪い仲間にそそのかされて不良になった程度に考えている節がある。
不良から引き離して連れ戻す、それが叶わないなら、自らも不良化して(そのための暴走)強引に坊っちゃまを自らの手元に引き留めようとした(ヤンデレ)節が見られます。
朴念仁主人公にベタ惚れしたヤンデレメイドのサブヒロイン。これもラノベでよくあると言えなくないキャラ属性ですが、その病みっぷりが暴走族スタイルになるのが、カーレンジャーネタからの発想で、本作ならではの過激スタイル。
まるでノーワンだ、と言わしめた暴走っぷりで、テガソード様さえ、この暴走の理由が不明だとのたまう始末。
ええと、戦隊リングは個人の願いを叶えるために力をくれるんですよね。召子さんの願いは、「安心を得るために、それを与えてくれた竜儀坊っちゃまの周りの危険を自ら排除すること(そのうえで、自らが竜儀坊っちゃまのお側に)」というもので、見事に願い通りの行動をしているわけですが、テガソード様にはその一途な想いが何故か分からない。
神さまが意外な人間性を示した瞬間です(全知全能ではない)。
これは次回への伏線だろうとは思いますが、テガソード様自身も、ヤンデレなテガジューンに(何故かは知らないけど)追いかけ回されている朴念仁の神さまではないでしょうかね。
他者の願いは分かるけど、男女の恋愛とか、ひたむきなヤンデレ感情だけは分からないとか。
ええと、第一話でテガソード様は、ブライダンのアジトに拘束されていて、それが吠を召喚することで力を得て、覚醒ロボになります。
じゃあ、どうしてテガソード様がブライダンに拘束されていたのか。それが明かされるのが次回だと思いますが、一説によると、「ユニバース大戦で勝ったものの、闇を封印するのに力を使い果たして、眠りについていた」とか。
もう一説は、闇がもう一柱の女神であるテガジューン(テガソードのことが好きだけど、テガソードはその気持ちに気づいていない)の願いに呼応して乗っ取り、テガジューンがテガソードを打ち負かして、アジトに拉致監禁したというもの(苦笑)。
そして、どうもテガジューンはテガソードよりも強いみたいです。
・テガソード:開いた手のひらでジャンケンのパーを象徴。
・テガジューン:X字型でジャンケンのチョキを象徴。
ジャンケンの法則で、テガソードはテガジューンに勝てずに、負けて拘束、拉致監禁された(字面にするとひどい話だ^^;)。
で、テガジューンも疲れたので、しばらく眠っていました。起きたら闇の結婚式を挙げるつもりだったのでしょう。テガソードもテガジューンも神さまなので、人間の時間単位には縛られないでしょうから、相当、長い間、眠っていたのでしょうな。眠れる神の話が伝説になって、考古学まで生まれる程度には。
で、テガジューンが目覚めると、愛するテガソードは逃げていた。
テガソードは従者のゴジュウジャーという連中を使って、抵抗する素振りを示しているから、従者を狩るためにガリュードを覚醒させて、自分はエネルギーを蓄えている最中とか。
それが次回、動き出す模様ですな。
ともあれ、テガソードの背景、神さまを巡る壮大な恋愛劇、そしてヤンデレ活劇への序奏、助走激走暴走として、今回のエピソードは設定されたと推測します。
従者が朴念仁なら、神さまも朴念仁だったという伏線っぽいわけで。
ともあれ、竜儀は強固な信仰を示して、召子さんに自分の想い(安心して欲しい)を伝えた。召子さんは欲しいもの(愛)を受け取ったのではないけど、竜儀の真っ直ぐな想い(不良化したのでも、実家からの逃避でもない、純粋な生きる道)を理解して、その道は今の自分には付いて行けない、と願いを振り捨てて(あるいは改めて)身を引いた形。
この話の秀逸なのは、召子さん自身は一言も「愛」という気持ちを語らせず、「心配だから安全を求めた」とボカした処理を行いながら、」ナイフ&ケイク夫妻の夫婦コントで、愛が背景にあるよ」としっかり匂わせたことですね。
また、ストーリー構成では、前のエピソードが思いきりストレートな愛情物語(故人への尽きせぬ想い)を描いて、作品全体のテーマが様々な愛を描くという流れを作っている。
その流れの途上にあるわけで、召子さんの気持ちも、秘めたる愛の発露にあることは、行間を読んだらそうなることは明白だろう、と。
で、6月はついにテガソードとテガジューンの対決につながりそうなのですが、
ここで6人めの追加戦士と、新たな神さまの登場が告知されました。
新戦士は、白クマの戦士ゴジュウポーラー。白クマは、クマ界最大の大物で、現存する陸の獣の世界でも最大級の猛獣とまで言われています。
単に大きさだけなら、アフリカの象やキリンが挙げられますが、彼らは草食動物なので、猛獣の域には達しません。
クマは雑食なので、草も肉も食べる。人さえ食うことがある。人食い象はいないけど、人食いグマはいるわけで、クマは恐ろしい猛獣なんですな。可愛い印象を抱く人も多いですけど。
・ツキノワグマ:黒い毛で、大型犬サイズ。日本で一番よく見られる種類。
・ヒグマ:茶色い毛で、体長は2メートルほど。立ち上がると、マッチョな人間サイズで、相撲取りやレスラーを想像するといいかも。日本では北海道を中心に生息して、鮭を捕食する木彫りの像が印象的。アメリカ北部のグリズリーもこの近似種。
・シロクマ(ホッキョクグマ):寒冷地の生き物は大型化する傾向があり、体長3メートルに達するものもいる。セイウチやアザラシを襲って捕食するなど、肉食傾向が強い。生息地の影響で泳ぎも達者。まあ、空は飛べないけど(当たり前。怪獣といっしょにするな)。
こんな感じでクマ界はランク付けされるようですが(最近、自ブログのD&D記事で調べる機会があったのでタイムリーだったり)。
ともあれ、6人めはガリュードかな、と思いきや、別の神さまを引き連れてくる白クマ戦士だったという。
で、変身アイテムおよび巨神に変形する6月末の新商品は「グーデバーン」。文字どおり、グーを象徴する拳型アイテムがロボに変形。いわゆるパワフル武闘家タイプのキャラですな。パワーファイターの竜儀とキャラかぶりしそうですが果たして?
で、グーキャラの神さまが発表されたことで、三柱の神さまのデザインモチーフにジャンケンの意味が込められていたことが明かされた、と。
ジャンケンだから、ナンバーワンがはっきりしない。テガジューンがテガソードよりも強いので、主人公側がピンチのところを、助っ人のグーデバーンが覚醒して、ピンチを救うのが6月からの大筋みたいです。
まあ、ゴジュウポーラーやグーデバーンがどういう性格のキャラなのかはまだ不明なのですが、もしも神さまラブコメに走るなら、グーデバーンはテガジューンに恋愛感情を抱いて、三角関係を構築するとかじゃないですかね。
とにかく、擬人化した神ロボによるラブコメドタバタ喜劇(ギリシャ神話風味?)に展開していく予感を覚えながら、次回からのテガジューン様の大暴れをまずは期待するかな。
長くなったので、ひとまず、ここで切り分け。
ガメラとカブトはまた夜にでも。
Re: 5月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/05/29 (Thu) 23:45:48
続きの2作です。
★カブト
学校編のゲストヒロインの小林恵子を演じた娘が、その3年前にアバレンジャーで敵の少女リジェを演じた鈴木かすみさんだったので、リアルタイム当時は、13歳でまだ小学生みたいだった娘が女子高生役なんて、大きくなったなあ、と感慨深く思ってました。
子役だった人がまた大きくなって違う作品で再会すると、親戚のおじさんみたいな感覚で、嬉しくなるものです。
比較的最近では、ウルトラマンジードの濱田龍臣くんとか、仮面ライダーギーツに出演していた鈴木福くんが、子役からの出世頭として印象的。
特に濱田くんは、2010年の大河ドラマ『龍馬伝』で主人公・坂本龍馬の子供時代を演ったあと、ウルトラマンゼロの映画にも少年ナオ役で出演。兄のランがゼロの人間態だったので、ゼロの弟分として自身もロボのジャンボットを操縦する主人公の一人だったり。
その2年後に、ゴーカイジャーの映画でキャプテン・マーベラスの子供時代の役で、宇宙刑事ギャバンに助けてもらう役どころとか、
翌年、実写映画のガッチャマンで、つばくろの甚平役とか、少年ヒーローをあれこれ演じた後、17歳になった2017年にウルトラマンジードとして主演。
子役からヒーローに昇格した出世頭と思われています。これでライダーに出演していれば3冠だ、と思っていたら、今年の春にTTFCで公開されたガッチャードのスピンオフ作品『冥黒の黙示録 ラケシス』に敵役の錬金術師として出演していたことを今知った。
知らないうちに三冠の役者が増えているなあ。
って、濵田くんの話をしたいわけじゃなくて、子役が成長して別のヒーロー作品に帰って来るのに接すると、嬉しいという話でした。たとえ、それが怪人役だったとしても。
で、次回からは毎エピソードがクライマックスみたいな佳境に入って来ますね。
次回は、とりあえず、ひよりの再登場と彼女を守るダークカブトがいよいよ登場して、天道がますます動揺を深める流れと同時に、ドレイク風間とウカワームの退場ドラマになる。
風間は、一応、最終回に顔見せ登場しますが、ウカワームを倒したことで戦意喪失、実質的にドラマの表舞台からは退場となります。当時はまだ番組終了後のスピンオフ作品もなかったから、ドレイクのその後、というのは描かれていませんね。
ウカワームについては、クウガのバラのタトゥーの女の再来みたいなイメージで見ていましたが、記憶錯乱の末に自分を見失った末の退場劇とは、なかなか驚いた展開。
後を受け継ぐように出て来たのがカッシスワーム。これが武闘派ワーム最強と言われ、演じる坂口拓さんが凄いアクションを見せる人。
ドラマ重視で妖艶な演技でジワジワ怖さを見せた三輪さんから一転、アクション活劇的な見せ場が増えるのが41話以降。武闘派ワーム勢とZECTの組織抗争が勃発する中で、ひよりを追う天道と、ワーム殲滅を目指す神代剣、彼を心配する加賀美の思惑が入り混じって、ドラマが錯綜するなか、マイペースな矢車兄貴と、微妙に揺れ動く弟・影山がふらりと乱入して好きに暴れる。
クライマックスのクリスマス決戦に向けて、加速するアクション活劇ドラマになる予定。
★ガメラ
ガメラVSギロンのダイナミックな戦いは、本作のここまでの怪獣バトルで、一番楽しめた感。
人間ドラマとしては、逃げ腰だったタザキさんと、ジョーがどちらも腹をくくって、ピンチの連れを助けるために、力を尽くす方に切り替わったのが見ていて心地いいですね。
常識的には、怪獣が襲って来ると分かっている状況で、逃げたくなるのが一般的な感覚ですね。
軍人の父親を持つブロディや、興味の対象を見ると無我夢中になる研究者気質のジュンイチ、そしてガメラを信頼しきっているボコの方が特殊で、ジョーやタザキさんの方が一般的な反応なのかもしれません。
まあ、タザキさんは財団のエージェントながら、財団が信頼できない、何か企んでいると察したから、これ以上は関われない、と見切りを付けようとしている背景があって、でもエミコさんを見捨てることはできない。
そんなエミコさんですが、財団の計画に対して、それを知らずにいるのか、それとも知ったうえで子どもたちを生贄に捧げようと目論んでいるのか、いろいろ怪しい動きを示すのが次回っぽい。
財団幹部は月にいて、その月を目指してロケットを打ち上げる流れですが、復活したバイラスがそのロケットを破壊しようとする?
子どもたちはどういう経緯でロケットに乗ることになるのか?
怪獣から逃げるため?
それとも、財団の計画のため?
ともあれ、財団の裏の顔、壮大ながら下劣な陰謀劇に直面する子どもたちは、人類絶滅の危機に対して、どう動くか? って話っぽいですが、いろいろドラマ的な転機と大仕掛けが炸裂しそうなバイラス編とのこと。
その中で、ボコの主人公としての運命と覚悟が試されるようですが、果たして?